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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part158

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:24:46 ID:rY0sawFu
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part157
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1217045052/
まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

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    __             ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .    ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.    ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
              ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!


--------------------------------------------------------------------------------


     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ       本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |     ・クロス元がTYPE-MOON作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
               ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。


--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’      ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
                姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
               SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
               レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。


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2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:31:37 ID:yuQ3/L5W
ここまでがテンプレ
>>1


3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:31:51 ID:03pLEwvW
>>1乙 2ゲト?

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:32:30 ID:vJiw5ReX
おつ
事はエレガントに運びたまえ

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:32:43 ID:D24cFy8C
>>1

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:34:04 ID:Bf5dmki0
よろしい、>>1 乙だ!

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:36:30 ID:sYkoI45E
>>1

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:42:30 ID:codw+a54
>>1
ブリリアント!

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:47:50 ID:CI3io324
>>1
ポニーテール

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:50:50 ID:jXSYbQPs
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。






夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部

http://rein4t.blog123.fc2.com/

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:52:18 ID:jXSYbQPs
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:52:56 ID:jXSYbQPs
やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-244.html

完結:やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-245.html

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-284.html

やる夫が同人小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-371.html

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:54:24 ID:jXSYbQPs
サイト…戦車(力・勇気・寛大・名誉)

ルイズ…愚者(夢想・愚行・極端熱狂)

キュルケ…恋愛(魅力・愛美)

タバサ…女教皇(秘密・神秘・英知)

ギーシュ…星(希望と明るい見通し・瞑想・霊感・放棄)

モンモン…太陽(物質的な幸福・幸運な結婚・満足)

アンリエッタ…正義(平等・正しさ・行政・正当な判決)

シェスタ…運命(幸運・転機・向上)

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:55:14 ID:jXSYbQPs
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)


15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:55:55 ID:jXSYbQPs
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ



このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:58:11 ID:ZemH8I/O
テンプレまがいも飽きてきたなぁ…

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 00:59:14 ID:QKz9ipfo
誰か聖剣3のブラックラビを召喚した話を書いてくれんかね


召喚のショックで普通のラビの姿になってしまうブラックラビ。
初めの頃は最強のザコキャラのプライドもあって、ルイズの言う事を聞かなかったり歯向かったりするけど、
精神は肉体の奴隷とか何とかで、思考が段々普通のラビのようになっていく。
ブラックラビは、「これはマズイ」と思いながらもだらだらと日が過ぎてゆく。

ガンダールヴのルーンは左耳に印される。
耳を手のように使うから(俺設定)、というのは無理があるかな。

ギーシュとの決闘はルイズに巻き込まれる形で。
ルイズは失敗爆発、ブラックラビは投石(ルーン効果で威力増)で辛くも勝利もしくは引き分け。

フーケに盗まれたのは破壊の杖ではなく「何かの欠片」
実はコレ、砕け散ったマナストーンで、これに触れたブラックラビは普通のラビから「ラビリオン」もしくは「キングラビ」にクラスチェンジ。
キングラビの方が良いかな。「ラビラビ雨あられ」が使えるし。そんなこんなでゴーレムを何とか撃破。できるかね?
ブラックラビがクラスチェンジをするとマナストーンの欠片は力を失う。

ブラックラビはマナストーンの欠片を見つけ出して用いれば、そのうち元の姿に戻れるのでは、と希望を抱き、ルイズもとりあえず満足。めでたしめでたし。


というのはダメかい?

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 01:01:18 ID:b8ttGvtB
>>17
ダメだ

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 01:03:46 ID:QKz9ipfo
あの過去話でブリミルの言い遺した「異教徒」がエルフじゃない可能性が高まった

伝説は捻じ曲げられるもの――では、ブリミルの行った様々なものを捻じ曲げたのは一体?
ありそうなのが、ブリミルを神格化して権力を握りたがった神職者とか、事実が知られると拙いと考えた賢者達。

ありそうなのは伝言ゲームの結果かな。
人から人へ、または親から子へ話が伝わっていく間に、
話の一部が抜けたり、ほかの話と混じったり、語り手が想像したことが入ったり、
そんなことを繰り返した結果、今の話になったとか。

「異教徒から聖地を取り戻せ」

偉大なる始祖が苦戦するくらいだから敵は化け物に違いない

そういやエルフって化け物のように強いよね

どうやらエルフが必死に守ってる場所があるっぽい、あれが聖地に違いない!

エルフから聖地を取り戻せ!

つか伝承歪めたのデルフが言ってたロマリアの祖であるブリミルの弟子だろうな
デルフ曰くいけすかねー野郎だったって話だし
唯一ブリミルの子供じゃないってのも気になる
(もしかしたら各王家の祖たちであるブリミルの子達はハーフエルフの可能性があるし)

考えてみたら、弟子に力を与えられるってのも不思議だよなあ。
あとは血縁なのに。

そこら辺考えると、本当に平民は魔法使えないのかって話になるよなあ

20 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:11:39 ID:SDiK70DO
15分より投下開始します

21 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:15:45 ID:SDiK70DO
  デブリーフィング
― 帰 還 報 告 ―

凱旋帰還中に敵に襲われる、ということも無く、無事に全員王都に帰還した。
シルフィードの背中は思ったより心地よく、スネークはルイズに起こされるまで目を覚まさなかった。
そのルイズの顔が赤かったのは少々気になったが、誰も何も答えてはくれなかった。。
王都に入ってまず出迎えてくれたのは緊張に顔をこわばらせた門番の兵士。
どうやらアルビオンがトリステインに攻め込んでくるという噂が立っているためらしい。
城壁をシルフィードで越えようものならマンティコア隊が取り囲むのも仕方が無いことだ。

「杖を捨てろ!」

地面に降りて開口一番。
どこの兵士も同じことを言うようだ。
黙ってそれに従う。
スネークもデルフリンガーを投げ捨てた。
デルフがぞんざいな扱いに抗議するのを無視する。
もちろん、それ以外の武器は持ったままだが。

「今王宮の上空は飛行禁止だぞ。触れを知らんのか?」
「私はラ・ヴァリエール公爵が三女、ルイズ・フランソワーズです。
 姫殿下にお取次ぎ願いたいわ。」

ラ・ヴァリエール家と聞いて少し狼狽し、杖をおろす兵士。

「ご用件は?」
「いえません。密命なのです。」
「それでは取り次ぐわけにはいきません。私の首が飛んでしまいます。」

密命だからいえないのだが。
だが、この状況では仕方が無い。
国交が悪化してぴりぴりした状態というのは、多少のことでも過剰反応してしまうものだ。
ましてや戦争が絡むとなったらなおさらだ。

「ルイズ!」

不意に宮殿の入り口から声がした。
声のほうからアンリエッタが駆け寄ってくる。
ルイズの表情が仏頂面から煌く笑顔に変化する。
一度スーパースローカメラで見てみたいほどの変わり身の速さだ。

「姫様!」

兵士が見守る中、二人はひっしと抱き合った。
端から見ればほほえましい再会だが、押し付けられた任務のことを思い出すと
そう簡単にほほえましいとは思えなかった。

まあ、美少女の百合百合しい姿に見とれていたのは否定しないが。

22 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:17:48 ID:SDiK70DO
ルイズはアンリエッタ王女の居室にて、帰還報告を行った。
最初はいなかったキュルケとタバサとの合流
空賊に変装していたウェールズ
最後の晩餐
そして、ワルドの裏切りと、ウェールズの死。そして遺品の風のルビー。

脱出手段を話し終えるまでアンリエッタは無言で聞いた。
ルイズが話しを終えると、アンリエッタは深くため息をつく。
その目には大きな愁い。手には翠に輝くルビー。

「わかりました。任務遂行、ご苦労様です。」

アンリエッタが感謝の詞を述べる。
ルイズはそれだけで誇らしげだが、スネークの表情は暗い。
それどころか、スネークはこの部屋に入ってから一言もしゃべっていないのだ。

「どうかしましたか?」
「…アンリエッタ―姫。聞きたい事があります。」

珍しく丁寧なスネーク。
それを気味悪く思うルイズであった。

「言葉遣いなど気にせず申してください。」
「すまない。…今回の任務、なぜルイズに?」

アンリエッタの眉がピクリと動いた。
扉を開け、人を確認し、窓の外を確認。そしてディテクトマジックをかける。
人に聞かれるのを警戒しているようだ。

「…人はいないようですね。
 わかりました。お話します。」

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 01:18:08 ID:ECgApeAy
支援

24 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:18:49 ID:SDiK70DO
「今回の任務の本来の目的はあの手紙をウェールズ様に届けてもらう事でした。
 回収のほうはどちらかといえばついで、でした。」
「そんなことは分かっている。なぜ―」
「ルイズに頼んだか。
 それはルイズ、あなたが軍属ではないからです。」

ルイズが首をかしげる。

「手紙だけならゲルマニアは手紙を信じないでしょう。
 ですが、それを回収しようと国軍が動いた、と分かってしまえば話が別です。
 少なくともゲルマニアは不信感を抱きます。
 同盟が無事結ばれたとしても、ゲルマニアと対等な関係を築き上げるのは難しくなるかもしれません。
 そのため軍の人間を動かすことが出来ない。そこで浮上したのがルイズです。
 あなたなら大使として派遣するに値する血筋、さらに婚約者が強力なメイジだったのも重要な点でした。
 あなた自身もあのフーケを捕まえたメイジの一人、任務を任せるに値する実力を持った人物です。
 …まさか、ワルド子爵が裏切るとは思いませんでしたが。」

まだ怪訝な面持ちでアンリエッタを見つめるスネーク。

「まだ、何か?」
「…その作戦、あんた一人で考えたのか?」

とても信じられない、といった声だ。
わからなくもない。齢17の少女一人の判断だけでこの国が動いているわけがあるはずないのだから。

「勿論、私ではありません。」
「じゃあ誰が?」
「マザリーニ枢機卿です。」

スネークは顎に手をやる。ぶつぶつと独り言をつぶやいている。
何かを考え込んでいるようだが、イマイチまとまらないようだ。

「あんた、さっきから何なのよ?」

スネークの脇でルイズがたずねる。

「…いや、何か引っかかってな。」

この国の政治の実権を握っているような人間が、とてもこんなくだらないことに手を貸すとも思えない。
だが事実、手を貸している。何か理由があるのか?

「ただの老いぼれの妄想でしょ?」

ルイズにこの一言で切り捨てられ、スネークの気力ゲージが低下したのは言うまでもない。

25 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:20:02 ID:SDiK70DO
「色々引っかきまわして、すまなかった。」

アンリエッタに頭を下げて謝るスネーク。

「お気になさらず。ルイズ、水のルビーは差し上げます。今回の報酬と思ってください。」

ルイズが口を開いた。
だが、その口から抗議の言葉が出る事はなかった。
うつむいたアンリエッタの顔を見たためだ。

「二人とも、ご苦労様でした。」

肩が震えている。
顔を見られないように窓の外を見るアンリエッタ。
少しばつの悪そうな顔をするスネーク。
二人とも何も言わずに部屋を後にした。


「…あなたは、やっぱり逝ってしまったのですね。」

独りになった部屋で呟く。
返ってくる言葉はない。

「…仕方ありませんね。
 あなたは、い、つも…私ではない、なに、かを見てました…。
 あなたは、王族である前に、戦士でしたもの…。
 最期も戦士でいられたのでしょう…?」

戦士の魂は戦場でしか存在できない。
そしてその魂は戦場で消え去る。
それを覚悟して彼を愛した。

いつまでも泣いてばかりはいられない。
彼の生き様を心に刻み付ける。

「…死に名誉あれ。」

彼に届くことを祈って、手向けの言葉を指輪に囁いた。

26 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:22:00 ID:SDiK70DO
「スネーク、姫は…大丈夫かな?」

学院への帰り道、シルフィードの上でルイズが聞いてきた。
その表情は親友を心配しているものそのものだ。
今回の任務で酷い目に合わされたことなどまったく気にしていない。やはりやさしい子だ。
だが、その純粋さがスネークに恐怖を与える。
何に、かはわからない。だが、何か底知れぬ恐怖を感じた。

「大丈夫だろう。」
「どうして?」

すぐに聞き返してくる。それほど心配なのだろう。

「彼女は愛されるだけじゃない。ただ愛され続けていたわけじゃない。
 彼女は自分から愛することができるということも知っている。
 人は人を愛することができるということを知っている。
 そんな彼女だ、支えてくれる人間はたくさんいるさ。
 お前みたいに心配してくれる人間は一人じゃない。」

そういってやるとルイズの表情が少し表情が緩んだ。
元気を取り戻したようだ。

「あんたが愛だ何だっていってるのは少し気持ち悪いわね。」

元気になると減らず口が増えるのはいただけないがな。

27 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:23:35 ID:SDiK70DO
かつては名城と謳われたニューカッスル。
現在は戦争の傷跡がいたるところに見受けられた。
それを何人もの兵士が修復している。
どうやら貴族派はこれを再利用するつもりらしい。

ひどい戦争だった。
王党派も貴族派も一歩も引かない死闘。
一方向からしか攻められないという地形を利用して王党派は貴族派に二千という大損害を与えた。
その代償は自軍の全滅。
流れた血はおそらくアルビオン中のワインの総量と匹敵するほどであっただろう。
地面は血で少し赤黒くなっていた。

そんな中、アルビオンには珍しいトリステインの魔法衛士隊の制服を来た青年がいた。ワルドだ。
その隣にはフードを目深にかぶった女、『土くれ』のフーケだ。
二人は城の修復を見守っている。
フーケはただ見ていることに飽きたのか、黙り込んでいるワルドをからかう。

「あの『閃光』のワルド子爵ともあろうものが獲物を取り逃がすなんてねぇ?」
「…言い訳はしない。」

反応するワルド。それだけでからかい甲斐があるというものだ。

「あの小娘と男、生きてるのかしら?」
「使い魔はアルビオンの大陸から身投げしたと報告が来ている。…ルイズのほうは知らんな。」

口ではそういっているが、ワルドはあの二人が簡単に死んだとは思っていない。
死体は上がっていないし、そもそもアルビオンの周囲は雲で覆われている。
雲の中に仲間がいなかったとは考えがたい。
報告を信用しているふりはしているが、本心は別だった。

「あんた、信じてないわね。」
「当然だ。この私を出し抜いた男に、そう簡単に死なれては困る。」

左手で杖を撫でる。
次にあの皮肉屋に出会ったときも自分が生きているという確信は無い。
だが、もう一度戦いたいのも事実だった。

ワルドは既に、あの戦いの、あの不思議な緊張感に魅了されていた。
あの目は間違いなく歴戦の勇士―思い出すだけで鳥肌が立ってくる。
自然と笑みがこぼれた。

28 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:25:31 ID:SDiK70DO
「子爵、このようなところで何をしておるのかね?」

重厚な凄みのある男の声が背後から投げかけられた。
声の主はこの『レコン・キスタ』の総司令官、
そしてアルビオンの新たなる皇帝―オリヴァー・クロムウェル。
年の程は三十台半ば、丸い球帽をかぶり、緑色の身に着けた聖職者の姿をしていた。
だが、その眼光は鋭く、威圧するような碧眼。そしてその鉤鼻から獰猛な猛禽類のような印象を受ける。
それに付き従うは彼の秘書―シェフィールドだ。
冷たい妙な雰囲気のする二十代半ばの女性で、漆黒のコートを身にまとっている。

「ただの愚痴です、閣下。」
「ふむ、君は今回の戦いでは目覚しい活躍をした。気にすることなど無いはずだが?」
「己の未熟さに愚痴っていたのです。」

こういったただの世間話なのだが、ワルドは緊張を覚える。
話しているだけで心を射抜かれる、そういう感覚を初めて体験した。
話しながら城内へ入る三人。
だいぶ修復が進んでいる。だが、まだ壁や天井にはひびが入っていた。

「ふむ、真面目だな。期待しておるよ。」
「ありがとうございます。」

ウェールズの亡骸の眠る部屋の前に到着する。
そこでクロムウェルとシェフィールドがぴたと足を止めた。

「閣下…。」

シェフィールドがクロムウェルに小さくつぶやいた。

「わかっている。子爵…動くな。」
「…?」

何のことかと疑問に思ったその直後、すぐ脇に天井の一部が落下してきたのだ!
あのまま歩いていたのなら、確実にワルドに当たっていたことだろう。

「か、閣下!」「子爵!」

天井の修復に当たっていた兵士が駆け寄ってくる。

「ご無事で!?」
「問題ない。」
「申し訳ありません閣下。お怪我は?」
「心配は要らない。余を傷つけることなど、運命が許さない。
 それより、君は動かないほうがいい。負傷者の手当てを頼む。」

兵士をそうなだめた後、壁の大穴から外に顔を出し、声を張り上げた。

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 01:26:05 ID:9AWR1+j1
支援

30 :蛇の使い魔:2008/07/31(木) 01:27:23 ID:SDiK70DO
「作業を急がせてすまない。
 だがこのクロムウェル、諸君らの働きに対する敬意を一時たりとも忘れたことは無い。
 諸君らが手がけているこの城は、われわれの新たな国家建設には絶対に必要なものだ。
 だが、諸君ら自身も、われわれの国家にとって同じく貴重な資源であることを忘れてはならない。
 われわれが求める国家は、もっとも純粋で、強靭な力を持った民主国家だ。
 平民を王の道具として切り捨てる時代を終わらせるため―
 そして、戦争という選択肢を国際政治から抹消するために―
 最高の戦力から生まれる民主国家だ。
 軍事技術者であり、そして兵士である諸君ら一人一人が
 その新たな国家の国民であり、財産であり、そして軍事力そのものである。
 無為にその貴重な資源をを損なうことの無いように―私は切に願う。」


下の兵士たちが敬礼し、涙ぐむ。
既に感動で泣き出しているものもいた。

驚くべきことに今まで彼は演説だけで兵士の心を奪い、彼らの士気を高めてきたのだ。
おかげで、彼の実力を知るものは数少ない。
ワルドですら、彼の魔法は見たことがなかった。

そして隣で初めて彼の聞いたワルドは彼の声に奇妙なものを感じとった。

本当に心の奥深くまで染み込んでいく演説だった。
染み込むなんてものじゃない、これは―

「洗脳だな…。」

そのつぶやきは幸い誰の耳にもとまることは無かった。






今回はこれで終了です。
支援ありがとうございました

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 01:38:27 ID:5bysnkzw
蛇さん乙です。
クロムウェルのカリスマ値が上がっているだと!?
GJ

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 01:44:38 ID:ZVIo56kD
乙。
演説終了後にオセロットが出てきそうな気がします。

> 「あんたが愛だ何だっていってるのは少し気持ち悪いわね。」
 MGS1をやっていてそう思いました。
 前半の厭世的なスネークとエンディングの前向きなスネーク、別人みたい。
 いい事を言ってはいるんだけど。

> 「運命が許さない」
これってMGS2のフォーチュン?
あれはひどかったなぁ。戦闘になっても絶対に倒せないからただ逃げ回ることしかできず、その後オセロットに種を明かされてあっさりと致命傷を受ける。
にもかかわらず死ぬ間際にミサイルを全弾逸らす……開いた口がふさがらない吟遊詩人シナリオに絶句。

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 02:23:20 ID:SVoEyYsG
>>32
演説含めて、MGSポータブルオプスの若本ヴォ〜〜イスなボスキャラの台詞

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 02:34:28 ID:SVoEyYsG
あと結構関係ないこと言ってんけど、ここは私見のお披露目場じゃないぞ

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 05:38:48 ID:l9KJkljM
蛇GJ!

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 09:45:50 ID:uDVS3XjL
>まあ、美少女の百合百合しい姿に見とれていたのは否定しないが。
おいオッサン自重汁wwww

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 09:56:54 ID:bEaNX0Fc
そうだぜ、オッサン。反省汁!

http://www.geocities.co.jp/WallStreet/3575/yj.jpg

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 10:05:46 ID:O1HfKRi7
>>37
期待した俺への謝罪として、その男たちを百合百合しく変換することを要求する!

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 11:34:39 ID:sCyUkCyZ
ふと思ったんだが手の付けられない狂戦士キャラって呼ばれたことあるか?
普段は「どうせ俺なんか…」とか内向的でルイズを苛立たせるけど
誰かの笑い声が耳に入ったとたん「今、誰か俺のコトを笑ったか…?」って外攻的になる奴とかどうだろう

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 11:36:48 ID:O8nH4vKB
>>39
それなんてやさぐるまさん?

やさぐるまさんなら、神代召喚の奴で出てきてたな。

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 11:37:40 ID:b8ttGvtB
>>39
矢車の兄貴が呼ばれた所で止まってる話ならあるぞ

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 11:57:19 ID:aLPFoXUM
>>39
まとめにヒストリエのトラクスさんがいてだな(ry

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 12:34:49 ID:9uYI/wKh
>>39
狂戦士はともかく手のつけられないのってならけっこういると思うのですよ
ぷにえさまとかズシオとか

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 13:27:54 ID:rY0sawFu
戦闘力が高くて、自尊心が強いキャラは基本的に手がつけられないと思う

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 13:34:15 ID:YlgsfO4U
狂戦士ならダマ呼ぼうぜダマ。

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 13:37:19 ID:5wV94h4/
睨んだだけで相手が死んだり気に当てられただけで相手が死ぬようなキャラの召喚はこれまでにある?

47 :ゼロの視線:2008/07/31(木) 13:38:49 ID:9uYI/wKh
予約ありますかぁ

無ければ二話目投下しちゃいますよぉん

48 :ゼロの視線:2008/07/31(木) 13:40:58 ID:9uYI/wKh
いちお50分頃からのつもり

>>46
一応わたしが投下してる「甲賀忍法帖」の主人公甲賀幻之助は睨んだだけで死にます
正確には「殺意をこめて睨んだのを睨み返されたら死にます」

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 13:49:51 ID:5wV94h4/
>>48
弦之助の瞳術は自殺に近いよね

50 :ゼロの視線:2008/07/31(木) 13:51:59 ID:9uYI/wKh
第二話

ふむ、と弦之介は困っていた。
「召喚」と「契約」とやらで呼ばれた次の朝。
洗濯を終え(次期党首とはいえ自分の事は自分でやるべし、と教育された)主である少女を起こし
食事を終えた後屋根の上でまどろんでいると、妙に騒がしい。
見ると、るいず殿ではないか。
なにやら変わった色の髪の毛をした少年と向かい合っている。
喧嘩でもしているようだ。
やれやれ 放っておくわけにも行くまい。

「で、『ゼロのルイズ』 どうあってもボクと戦おうというのかい?
 キミは愚かと知ってはいたがここまで天井知らずの愚か値ストップ高とは思わなかったよ」
「あたしが愚かならあなたは阿呆よ。
 大体フタマタ掛けしといて失敗の責任をメイドに押し付けるってどれだけ阿呆?」
「彼女が機転を利かせれば二人のレディの名誉は守れたんだよ。
 それに貴族に全面的に従い時に生命すら投げ出すのは平民の義務、常識じゃないのかい。
 それは偉大なる始祖ブリミルより授かった正当なる権利さ」
「じゃああたしは全ての貴族を敵に回して、その上で全ての女性の権利のためにアンタをドツくわ
 このあたしじゃない、ヴァリエール家でもない、『女性』を敵に回したこと後悔なさい」

なぜか片方の目に眼帯をしたマリコルヌが審判役を買って出た。
こういった「力ある者」同士の喧嘩はえてして「やりすぎて」しまう事が多いため審判役が立てられる。
両者とも「審判役」の言葉に逆らってはいけないとされているのだ。
「両者ともこの決闘の結果を始祖ブリミルの啓示とし、決して異議を差し挟んではならない。
 お互いOK?それではみなさん!メイジファイト! レディ   ゴゥ!」
その言葉に両者とも杖を構える。
先制攻撃は・・・・・・・・・・・ルイズ。
「ブツブツブツブツ・・・・・・ファイヤーボール!」
その言葉とともに壁の一部が爆発する。
「おいおい、かわったファイヤーボールだな」
「うわっ 危ねっ」

「残念ながら狙いが甘いとか色々問題があるようだね。いけっワルキューレ!」
その言葉とともに一体の銅製のゴーレムが立ち上がる。
装飾過剰な無手の『彼女』、しかし2メイルの巨体は十分危険であった。
「ボクはキミと違って大人だからね、手加減はしてあげるよ」
更なる呪文を唱え、見当違いの方向を爆破しながらルイズは叫ぶ。
「大人ってのはメイジだろーが平民だろーが自分の仕出かした事の責任きっちり取るモンよ。
 自分より弱いモンに押し付けてる時点で大人ホザくな。
 生えてもいないくせに」
「しっ失礼だなキミは!これから生えるんだ!」
「あらやだ、本当だったの?」
その言葉にその場は爆笑に包まれる。

「あくぁwせdrftgyふじこ!
 心底無礼にして失礼だなルイズ!手足の一本くらいは覚悟したまえ!」
「出来るといいわね、つるつるギーシュ!」
その瞬間、男のデリケートな部分を侮辱した罰があたったのか、石に足を取られてルイズがバランスを崩す。
「くらうがいい!」
ワルキューレの豪腕が、地に突き刺さる。

51 :ゼロの視線:2008/07/31(木) 13:56:46 ID:9uYI/wKh
しかし、土煙の収まった後には少女の姿は無かった。
「ふむ、使い魔の義務と権利としてここはわたしが引き受けようか」

ルイズを抱き抱えた弦之介の、いっそ幻想的とすら言えるオリエンタルな美しさに
その場の一同は凍り付いていた。

そしてそれまで関心など欠片も無いかのごとく本に没頭していた眼鏡の少女が、本を閉じた。
「あら、タバサも彼狙い?」
「興味がある」
「あら珍しい、やっぱ異邦の美形だから?」
「違う。彼の風体はガリアに伝わる伝説の勇者に似ている」
「伝説の勇者?」
「これは秘密」
そう前置きしてタバサは友人に語る。
ガリアの一部に伝えられし英雄の物語。
七百年程前のガリア。
王と王妃が事故死し、残されたのは17才の王女のみ。
これを好機と時の大公が王家乗っ取りを画策する。
その時ふらりと現れたのは三人組の盗賊を自称する男たち。
ガリア王家に伝わる秘宝を盗み出さんとやってきた彼らは、もう一人の女性と組んで王女を守る。
秘宝を隠す謎を解き明かした彼らは、平民でありながら強大なメイジである大公と渡り合って
これを倒したという。
この国に留まって自分を助けて欲しい、さもなくば自分を連れて行ってくれ
涙ながらにすがる王女を振り切ったリーダーは、後からやってきた茶色い服の男と合流し、何処とも無く去ったのだとか。
「で、秘宝って何だったの?」
「わからない。リーダーが『自分の懐には大き過ぎる』と今一度封印した」
その三人組の一人の服装が、あのゲンノスケの服に似ているのだとか。
「武器も、『1メイルに及ぶ剃刀』と称される細身の剣」
「なるほど、どの程度伝説に似てるのか。こりゃ目が離せないわね」

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 13:57:08 ID:duaGhC4V
支援

53 :ゼロの視線:2008/07/31(木) 13:57:31 ID:9uYI/wKh
はいここまでです
お目汚し失礼したのですよ

54 :ゼロHiME:2008/07/31(木) 14:22:07 ID:/WUxOB6Z
ゼロの視線さん投下おつでした。
1日遅れですが18話の投下良いでしょうか?

55 :ゼロHiME:2008/07/31(木) 14:26:49 ID:/WUxOB6Z
特に問題ないようなので、投下はじめます

56 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第十八話 1/3:2008/07/31(木) 14:28:38 ID:/WUxOB6Z
 ニューカッスル城は浮遊大陸から突き出た岬の突端にある高い城だった。
 ルイズたちを乗せた軍艦『イーグル』号は捕獲した商船と共に、城の上空に待機する貴族派の巨大戦艦の監視の目を避け、大陸の下の方から巧妙に隠された王城の秘密の港に入った。

 ウェールズと一緒に艦を降りると、港で働いていた兵士たちが出迎え、その中の年老いたメイジに皇太子は叫ぶ。

 「喜べ、バリー。硫黄だ、硫黄!」
 「おお! 硫黄ですと! 火の秘薬ではござらぬか! これで我々の名誉も、守られるというものですな!」
 「王国の誇りと名誉を、叛徒どもに示しつつ、敗北することができるだろう」
 「これぞ、栄光ある敗北ですな! この老骨、武者震いがいたしますぞ! 彼奴らの前で見事、最後の徒花を咲かせてみせましょうぞ!」

 ウェールズ達は心底楽しそうに笑いあっている。ルイズは敗北という言葉に顔色を変えて、ウェールズを見ていた。

 「して、その方たちは?」

 老メイジの問いに、ウェールズはトリステインからの大使だと告げ、そのまま私たちを天守の一角にある居室に案内した。
 皇太子の居室は王子の部屋とは思えない質素な部屋であった。ウェールズは窓辺にある古びた机の引き出しに入った小箱の中から一通の手紙を取り出した。
 そして、何度も読み返したらしくボロボロになった手紙に一度目を通した後、丁寧に折りたたんで封筒に入れ、ルイズに手渡す。

 「ありがとうございます」

 ルイズは深々と頭を下げ、その手紙を受け取る。

 「明日の朝、非戦闘員を乗せ『イーグル』号が出航する。それに乗って帰りなさい」

 ウェールズの言葉にルイズは手紙じっと見つめた後、決心したように口を開いた。

 「あの殿下……さきほど、栄光ある敗北とおっしゃっていましたが、王軍に勝ち目はないのですか?」
 「ないよ。我が軍は三百、敵軍は五万。万に一つの可能性もありえない。我々にできる事は、せいぜい華々しく散って、勇敢な死に様を連中に見せつけることだけだ」

 ルイズは俯いた。

 「殿下の討ち死になさるさまも、その中に含まれるのですか?」
 「当然だ。私は真っ先に死ぬつもりだよ」

 明日にも死ぬというのにウェールズは落ち着き払った態度で、その瞳には一遍の迷いも浮かんでいなかった。
 そんなウェールズにルイズは一礼すると、躊躇いがちに口を開く。

 「殿下、失礼をお許しください。恐れながら、申し上げたいことがございます」
 「なんなりと申してみよ」
 「この、ただいまお預かりいたしました手紙の内容、もしやこれは……」
 「ルイズ様」

 静留がルイズをたしなめるが、皇太子はほんの少し悩んだ後、はっきりと言い放つ。

 「君が察しの通りの代物――それも始祖ブリミルの名において、愛を誓いあった恋文だよ。ゲルマニアの皇帝と婚約するとなれば、邪魔になる類のものさ」
 「では、姫様は、殿下と恋仲であらせられたのですね?」
 「今となっては、もう昔の話だ」


57 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第十八話 2/3:2008/07/31(木) 14:32:04 ID:/WUxOB6Z
 それを聞いたルイズは熱っぽい口調で、ウェールズに言った。

 「殿下、亡命なされませ! トリステインに亡命なされませ!」
 「それはできんよ」

 ウェールズはその誘いを言下に否定した。

 「そんなことは受け取った手紙には一言も書かれてはいない。なにより、王女であるアンリエッタが、そんな私情と国益を天秤にかける様な愚かなことをするはずがない」
 「ですが、殿下!」
 
 激昂してウェールズに詰め寄るルイズを、静留が背後から羽交い絞めにして押しとどめる。

 「ルイズ様、いい加減にしなはれ! これ以上はこのお方だけやのうて姫さんも侮辱することになりますえ!」
 「――! すいません、とんだご無礼を……」 

 静留に叱りつけられ、我に返ったルイズは、顔を青ざめさせてウェールズに謝罪する。

 「いや、別に構わんよ。むしろ君のように心から案じてくれる臣下がアンリエッタにいると分かってうれしく思う。さて、今宵は戦いを前にしてささやかなパーティーが行われる。我が王国最後の客として、君達には是非出席して欲しい」

 それだけ言うと、ウェールズはルイズたちに促し、ルイズ達は部屋の外に出た。だが、ワルドだけが、居残ってウェールズに一礼する。

 「まだ、何か御用がおありかな?子爵どの」
 「恐れながら、殿下にお願いしたい議がございます」
 「なんなりとうかがおう」

 ワルドはウェールズに、自分の願いを言って聞かせた。

 「なんともめでたい話ではないか。喜んでそのお役目を引き受けよう」


 パーティーは、城のホールで行われた。簡易の玉座が置かれ、玉座にはアルビオンの王、年老いたジェームズ一世が腰掛け、集まった臣下たちを目を細めて見守っていた。
 明日で自分達は滅びるというのに、ずいぶんと華やかなパーティーであった。王党派の貴族たちはまるで園遊会のように着飾り、テーブルの上には様々なご馳走が並んでいる。
 静留はホールの外にあるテラスで、デルフと共に夜風に吹かれながらぼんやりと死を前にして明るく振舞う人々を眺めていた。
 確かに敗北が決まっている戦いに赴く彼らの行為は、端から見れば愚直で滑稽なものだろう。だが、静留はそれを否定しようとは思わなかった。
 静留自身が愛するなつきの未来を守ろうと、その手を血に染め、最後は自ら死を選んだように、彼らにも死を賭して守りたいものがあるのだろう。ならば、それを否定する権利は何人にもありはしない。
 
 「シズル……」

 呼びかける声に静留が振り向く。そこには今にも泣き出しそうな顔をしたルイズが立っていた。

 「どないしました、ルイズ様?」

 優く問いかける静留にルイズは無言で抱きつくと、その胸に顔を埋めた。



58 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第十八話 3/3:2008/07/31(木) 14:35:07 ID:/WUxOB6Z
 「いやだわ……あの人たち……どうして、どうして死を選ぶの? わけわかんない。姫様の手紙には絶対生きていて欲しいって書いてあったはずよ……なのに、どうしてウェールズ皇太子は死を選ぶの?」
 「……やっぱり、ルイズ様には理解できまへんか?」
 「当然よ! 大事なものを守るためとか言ってたけど……何よそれ、愛する人より、大事なものだっていうの? 残される人たちの気持ちはどうなるの!」

 そのルイズの言葉に静留は寂しげな表情を浮かべて答える。

 「あはは、なつき残して自殺したうちには、きっつい言葉ですなあ」
 「あ……ごめん、そういうつもりじゃ……」

 静留は慌てて謝るルイズを手で制し、言葉を続ける。

 「確かに死ぬために戦うのは残される人たちの気持ちを考えない身勝手な事かもしれませんな。でも、ウェールズはんは残される姫さんを愛してるからこそ、負け戦と分かってても戦うんやと思いますえ」
 「そんなのただの自己満足じゃない……悪いけど、私、ウェールズ皇太子や貴女のこと理解できない……」
 
 同意と慰めの言葉を静留に期待していたのか、ルイズは酷く失望した顔でテラスから立ち去った。

 「……やれやれ、こういう役目は婚約者の僕の領分のはずなんだが」
 「ずっと見てはったんどすか、悪趣味なことで」

 ルイズとのやり取りを見ていたのか、軽口を言いながらテラスにやってきたワルドに、静留は鼻白んだ表情で答える。
 
 「別にそんなつもりはない。宴の最中に見失ったルイズを探していて、たまたま出くわしただけさ……それより君に言っておくことがある」
 「なんどすか?」
 「明日、僕とルイズはここで結婚式を挙げる」

 そのワルドの言葉に静留はわずかに眉をピクリと動かすと、無言のままワルドに話の続きをうながす。

 「ルイズにはもう話したんだが、是非とも、僕たちの婚姻の媒酌を、あの勇敢なウェールズ皇太子にお願いしたくなってね。皇太子も、快く引き受けてくれた。決戦の前に、僕たちは式を挙げる」
 「そうどすか。別にうちに言わんでも、ルイズ様が結婚に異存がないならそれでええんと違いますん?」
 「いやいや、僕がルイズと結婚したら君とは共に彼女を支えていくことになる訳だし、お互い妙なわだかまりはない方がいいだろう? それに君にはルイズの使い魔として、式に立ち合って欲しいからね。まあ、どうしても嫌というなら明日の朝、『イーグル』号に乗るといい」
 「そんな、ご主人様の結婚式に欠席やなんて滅相もありまへん。ぜひ立ち合わせてもらいますわ」

 静留がにっこりと笑って答えると、ワルドは満足そうにテラスから立ち去った。それを見計らったように今まで沈黙していたデルフが口を開く。

 「姐さん、あの色男、何か企んでやがると見たぜ……どうするよ?」
 「どうするもなにも、明日は決着つけんといかんやろね」

 静留はそう言って表情を引き締めると、月を見上げた。白い月の後ろから顔を覗かせた紅い月が、何故か自分が手にかけた人たちの血の色のように見えた。

59 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第十八話 3/3:2008/07/31(木) 14:37:00 ID:/WUxOB6Z
以上で投下終了です

60 :ゼロの視線:2008/07/31(木) 14:48:01 ID:9uYI/wKh
直後に極上のモン投下されると影薄くなるなぁ

お疲れです

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 15:02:18 ID:DoJ0rbEZ
GJ!

弦之介の瞳術が発揮されるときは血の海になるから……誰が最初の生贄になるのやら。
敵役の不死身の人とかも洒落にならないし……。

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 15:37:56 ID:fnsuYq8G
視線の人もHIMEの人も乙

清姫とかにも出番あるのかな?

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:11:15 ID:kmQXrOWc
>>45
ダマは既に来てる。
小ネタ見るよろし。

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:15:30 ID:g4c2VCMV
とりあえず来て欲しいキャラを思いついたら
まとめwikiで検索してからこちらに書き込むようにしよう。

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:19:03 ID:M2001hjE
来て欲しいキャラを思いついたら自分で書くんだろ?

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:19:04 ID:RiSXmhRo
俺のところにルイズが来て欲しい。

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:19:10 ID:NK+edxEm
狂戦士といやぁベルセルクのガッツ、のはずなんだが・・・

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:22:07 ID:9uYI/wKh
アメコミの「携帯電話の普及で電話BOXが無くなって困ってる新聞記者」は
ハルケギニアと相性良くないな。
ギーシュや土メイジにはほぼ無敵だけどそれ以外のメイジにはてんで弱い。
タバサはおろかモンモランシーにも負けるな、多分

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:25:25 ID:iaz8/ySw
>>46
邪眼は月輪に飛ぶのミネルヴァがある

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:31:39 ID:rY0sawFu
>>68
40メガトンの核爆発に耐えられるらしいから、スクエアクラスでもダメージを与えることは不可能だと思うぜ?
それと、カメラ映像をコマ送りしても人だとはっきり認識できない速度で走れるみたいだから、スペルを唱えてる間にフルボッコだろう

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:33:35 ID:Bra1j1hU
>>68
同じページからの引用
「40メガトンの核爆発に耐える耐久力」
ルイズのエクスプローション直撃でも生き残ると思うがその辺どうよ?

緑の石があれば平民以下なのは間違いないが。

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:36:20 ID:/QRGv6HR
>>68
彼は素手でビルを持ち上げ、走る速さは亜音速、空を飛べば光速にすら達する。
液体窒素のの極低温を笑って受け止め、太陽のフレアを潜り抜け、深海の水圧にも真空曝露にも平気の平左。

どうやって倒すんだ。

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:37:51 ID:9uYI/wKh
>新聞記者
「魔法、魔術」及び「幻術、精神操作」の類に対する耐性が常人にはるか劣るのです
七歳児の魔力を込めた拳で殴り殺されかけましたから

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:41:11 ID:9uYI/wKh
他にもテレパシーによる幻覚でバットマンを殺しかけてます。
ワンダーウーマンがテレパスを殺す事で助かったけど

ちなみに「自分を救う為とはいえ人を殺した事は絶対許せない」と彼女と絶縁してます

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:41:11 ID:/QRGv6HR
>>73
ほほう。
それは知りませんでした。


なら、ワルキューレに殴られたら即死しかねんな。

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:47:26 ID:Bra1j1hU
>>73
て事は精霊利用して自然現象内で魔法を起こすエルフ相手にはありえない強さ
になるのか。いや議論はスレチだわな。あのスーパーマンの弱点をまた1つ知ったよ。
どうもありがとう。

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:49:20 ID:rY0sawFu
>>73
そこまで魔法に弱いのか・・・
それなら、ギーシュ戦を待つまでもなくシュヴルーズの授業で死んじまうな・・・・・・

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 17:50:47 ID:l2pHayAD
相性的には最悪だけど逆に話的には面白くなる…かも?
ギーシュやフーケはともかく、アルビオン行あたりからの展開が面白くなりそうだ。

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 18:10:03 ID:b8ttGvtB
当たらなければどうということはない

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 18:23:04 ID:AFvn/ND5
まあクラーク・ケントは銃弾を見てから余裕で避けるからな

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 18:24:47 ID:RlOZzf1q
取り合えず

銃弾が飛んできたらレビテーションを使えば
慣性は殺せなくても反らせそうな気がする

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 18:31:52 ID:sCyUkCyZ
>>81
銃弾が放たれたことを認識してから杖を構え呪文を唱え反らすべき物体に対して魔法を発動……無理だろ
何らかの要因で感覚を化け物並みに強化してなきゃ撃たれたことすら理解できまいて

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 18:34:52 ID:g41teBrJ
>82
機械で反応力を強化したバーンアウトメイジですね、分かります。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 18:37:54 ID:iv99liZ4
クラークケントが超能力や魔法に弱いって、確か公式設定じゃなかったと思うが

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 18:47:12 ID:xVeMsjkh
さて、落ち着いたところで小ネタを投下しようかな。

ちなみに北野くんネタです。

※ゼロのエンジェルさんとは何の関係もありません。

86 :最「恐」の使い魔2:2008/07/31(木) 18:52:05 ID:xVeMsjkh
  あらすじ
 なんかこう、色々あってアンリエッタがトリステイン王国の女王に即位した。そしてル
イズは、その女王に謁見するために、王都トリスタニアへ使い魔の北野誠一郎と共に
赴くことになったのであるが…。

 登場人物

ルイズ:貧乳、ツンデレの設定だが、なんか世話好きお姉さんっぽくなった。

北野誠一郎:ルイズの使い魔(サーヴァント)。天使のような心の優しさと悪魔のような
顔を持つ男。それゆえに、数々の誤解を受ける。

 キュルケ:いつの間にかルイズの相談相手に。

 エレオノール:ルイズの姉。性格は…。

    プロローグ
 ある晴れた日、トリステイン魔法学院の中庭。外に用意されたテーブルと椅子があり、
その椅子に座っていたルイズは悩んでいた。
「どうしたのルイズ。あんた、トリスタニアに行くんでしょう?ちゃんと準備しなくていいの?」
彼女に声をかけてきたのは同じ学年のキュルケである。
「あ、荷物の準備とかはできたんだけど…、彼が」
「ああ、北野くんのことね。それがどうしたの?」
「誠一郎をあのまま都に連れて行ったら、間違いなく大騒ぎになるわ」
「そうねえ…」
 北野誠一郎。天使のように澄んだ心の持主である一方、その外見は悪魔の化身と思える
ほど怖かった。未だに彼のことを悪魔だと誤解している者は多い(ルイズの父親も含む)。
「あれ?どうしたのルイズちゃん」
 噂をすれば影。件の北野誠一郎が現れた。
 キュルケはじっと誠一郎の顔を見つめた後、急に立ち上がった。
「どうしたの?」とルイズ。
「ちょっと待ってて」そう言うとキュルケはどこかに走って行った。
 しばらくすると、彼女は変な布のようなものを持ってくる。
「何それ」ルイズは聞く。
「ローブよローブ。修道士とかが着てるでしょう?あれでこうやって顔まで隠せば、目立たなく
て済むわ」
「なるほど!キュルケ頭いい」
「じゃあ早速来てみて、北野くん」
「え、はあ…」
 誠一郎は、言われるままローブを身にまとい、フードをかぶった。
「…!」
 こげ茶色のローブを着た北野誠一郎の姿は、まるで地獄からの使者のようでもあった。



筆者注:SIREN(サイレン)2の「闇人」を想像していただきたい。
※イメージ画像(グロ注意)
http://www.famitsu.com/game/coming/__icsFiles/artimage/2005/09/14/pc_fc_n_gs/104_43329_20050916siren2.jpg



   最「恐」の使い魔2
  〜戦慄のトリスタニア〜

87 :最「恐」の使い魔2:2008/07/31(木) 18:54:25 ID:xVeMsjkh
 トリステイン王国王都、トリスタニア。ルイズと誠一郎は、ある建物の前に立っていた。
「ルイズちゃん、ここはどこ?」
「こ…、ここは王立魔法研究所よ誠一郎」
「どうしたの?」
「ここに私の一番上の姉、エレオノール姉さまが働いているわ」
「へえ、ルイズちゃんのお姉さんってここにいるんだ」
「今日は、カトレア姉さまから手紙を預かっているから、それを届けに来たの」
「へえ、そうなんだ。でもなんでルイズちゃん元気ないの?お姉さんに会えるのに」
「それは…」


「きゃあああああああああ!!!!」
「きえええええええええええ!!!!」
研究所の建物中にエレオノールの甲高い声(と誠一郎の怪鳥のような声)が鳴り響いた。
「落ち着いてエレオノール姉さま!」
「安心なさいルイズ!こんな悪魔、私の魔法で木端微塵よ」
「やめてお姉さま!」
「大丈夫よルイズ!お姉ちゃんは半魚人と戦って勝ったこともあるんだから!」
「いや、だから違うから」
「離しなさいルイズ!危ないわよ」
 ルイズは、姉エレオノールの体に抱きついて離さない。もしここで離したら、間違いなく
誠一郎に対して攻撃魔法を放つからだ。
「彼は私の使い魔なの!」
「なんですって!?アンタ悪魔を召喚してしまったの!?」
「違うから、彼はこんな見た目だけど、ちゃんとした人間なの」
「ウソおっしゃい!人間の使い魔なんて聞いたことないわ」
「確かにそうなんだけど落ち着いてお姉さま!」
 周りの研究員や職員に取り押さえられたエレオノールは、ようやく落ち着きを取り戻した。


「なんでアタシが取り押さえられなきゃならないのよ!捕まるのはそっちでしょう」エレオノー
ルが誠一郎を指さす。ちなみに彼女の杖は没シュート。
 とりあえず、研究所の応接室でエレオノールと向かい合う形でルイズと誠一郎は座った。
「まったく、ちびルイズは昔からとんでもないことばかりやらかして」
「お父様とけんかして庭に大穴をあけたお姉さまに言われたくありません」
「まあ、姉に向かってなんて口のきき方をするの」
「まあまあ、二人とも」
「あなたは黙ってて」
「はい…」
 エレオノールの一喝に誠一郎も黙りこむ。
「何度もいいますけど、誠一郎は普通の人間なんです」
「だからなんで普通の人間が使い魔になるわけ?」
「そういう例はないかもしれませんが、使い魔召喚(サモン・ザ・サーヴァント)で召喚してし
まったのだから仕方ないでしょう?召喚にやり直しがきかないことくらいお姉さまだってわかっ
ているはずよ」
「随分とえらくなったようね、ルイズ。まともに魔法を成功させたこともないくせに」
「こ、これから練習していきます!」
「どうかしら…」
「まあまあ二人とも」
「あなた(誠一郎)は黙ってて!!」
 今度は二人一斉に言われて、再び誠一郎は黙り込んだ。
「おやおや、また喧嘩ですの?」
 不意にルイズにとって聞き覚えのある声が。

88 :最「恐」の使い魔2:2008/07/31(木) 18:56:44 ID:xVeMsjkh
「お母様?」
「元気そうで何よりね、ルイズ。それにエレン(エレオノールのこと。家族や親しい友人
などはそう呼ぶ)」
「は…、はい」
先ほどまでの強気な態度が一転して緊張した面持ちとなったエレオノールの表情を見て、
ルイズは少し可笑しくなった。普段なら実の父親相手でも堂々と喧嘩をふっかけるエレ
オノールも、母親にだけは勝てなかった。
それもそのはず、母カリーヌ・デジレは落ち着いた外見とは裏腹に風系統のスクウェア
メイジであり、かつて「烈風のカリン」と呼ばれ恐れられていた。武闘派が多いラ・ヴァリ
エール家の中でもおそらく最強と思われる。
「エレン、あなたが今回で二十九回目の婚約に失敗したと聞いた時は心配しましたの」
「二十八回目ですわお母様」
 そんなのどうでもいいじゃない、どうせ二十九回目も三十回目も同じ結果よ、とルイズは
思ったが間違っても声には出せない。
「この人がルイズちゃんのお母さん?」
「あらやだ、あなたがルイズの使い魔ね」
ルイズ母が珍しそうに誠一郎の顔を覗き込んだ。
「まあ、噂に違わぬ悪魔ね」
「お母様、彼はこんな顔をしておりますが悪魔では」
「冗談ですよルイズ。あなたは私の娘ですもの」
「お母様」
「並みの悪魔なんか召喚しないわよね。彼は大悪魔になる素質を持っているわ」
「全然わかってない…」
 いや、むしろすべてわかった上でそんな事を言っているのかもしれない。母は父と違い色々
と裏がある人だ。エレオノールの性格が父親似でカトレアが母親似と言えば分ってもらえるだ
ろうか(筆者注:原作のカトレアやヴァリエール公爵ではない)。
「ところでお母様、お父様とカトレアはどうされました?」動揺から幾分立ち直ったエレオノール
が母に聞いた。
「ああ、主人は確か、年甲斐もなく庭で魔法を乱発したり剣を振り回したり崖から落ちそうになっ
たりしたせいで、持病の腰痛が悪化したために都に来ることができませんでしたの」
「…ルイズちゃん」
「大丈夫、誠一郎のせいじゃないわ」
 ちょっと涙目になる誠一郎をルイズは慰めた。うん、確かに彼のせいではない。
「カトレアはどうなの」とエネオノール。
「あの子も持病の仮病が悪化してこられないようよ」
「仮病が、持病?」
「気にしないで誠一郎、いつものことよ」
 頭の上に?マークを浮かべている誠一郎に、ルイズはそう声をかけた。
「それにしてもルイズ、しばらく見ないうちに大人っぽくなったわね」
「そんな、お母様」
「胸の方は全然だけど」
「大きなお世話ですわお母様」
「でも胸が大きい方が殿方は好きなんじゃなくて?」
「べ、別にそんなことはありません」
 しかしその時、
「ルイズちゃんは今のままでも十分可愛いと思うよ」
「え…!」
 唐突な誠一郎の言葉にルイズは赤面する。
「な、何よ誠一郎。こんなところで」
「ご、ごめん」
「別にいいのよ。ちょっと、嬉しかったし…」
「そう…、それはよかった」
「はいはい、昼間からラブコメは禁止ですのよ」
 二人の雰囲気をぶち壊すようにカリーヌは手を叩いた。

89 :最「恐」の使い魔2:2008/07/31(木) 18:58:58 ID:xVeMsjkh
「エレンは変わらないわね」
「悪かったですわね、お母様」
「あら、また身長伸びましたの?」
「伸びてませんから、もう」
 ちなみにエレオノールの身長は北野誠一郎よりも高い。
「エレンはね、ちょうど十二、三歳の頃私に聞いてきたのよ。どうやったら私みたいに胸
が大きくなれるかって」
「ちょっと、お母様!」突然出てきた恥ずかしい過去話にエレオノールは身を乗り出した。
「だから私言ったの。牛乳を飲めばいいんじゃないかって。この子、根は素直だから私
の言うことに従って牛乳をたくさん飲んだのね。そしたら身長だけが伸びちゃって」
「お母様!」
 顔を真赤にして起こるエレオノールを見て、母のカリーヌはケタケタと子供のように笑っ
た。
「そういえばルイズちゃんのお母さんって、お若いですね」不意に誠一郎はそんなことを
言った。
「え…?」
 一瞬の沈黙。
「あらやだ!この使い魔くんったら、そんな本当のこと言って!やーだあ!」
「痛い痛い」
 カリーヌは、先ほどよりも更に声を高めて、嬉しそうに誠一郎の肩を平手でバンバン叩く。
「いいこと、ルイズ。女はいつまでも女としての努力を怠らないことよ。そのためには気持
ちが大事なの」調子に乗ったカリーヌは、さらに語り始める。
「は、はい…」
「だからといって『永遠の十七歳』とか言うのは、ただの現実逃避よエレン」
「なんで私に言うんですかそれを!」
「エレンももう、三十二歳ですし…」
「二十七歳です!」


 そんなこんなで、何をしに来たのかよくわからない母カリーヌは、どこかへ行ってしまい、
応接間には再びエレオノールとルイズ、そして誠一郎の三人が残った。
「使い魔のあなた。ちょっとお母様に気に入られたくらいで調子に乗らないで。わたくしは
あなたをまだ認めたわけではありませんからね」
「そんな、お姉さま」ルイズは反論するも、エレオノールは頑な態度を崩さなかった。
「我がヴァリエール家にふさわしい使い魔というものがあるはずです。このような悪魔みた
いな使い魔が召喚されたとあっては、一族の名誉にかかわります」
「見た目だけでなく、ちゃんと中身も見てあげてください」
「見るまでもないわ」
「お姉さま!」
「なによ」
「そうやって外見ばかり気にしているから、今までも殿方に嫌われてきたのではないですか」
「ルイズ、あなた…!」
 ルイズの言葉にカッとなったエレオノールは、右手を振り上げた。

90 :最「恐」の使い魔2:2008/07/31(木) 19:00:28 ID:xVeMsjkh
 平手の乾いた音が部屋に鳴り響く。しかし、ルイズの頬には痛みはなかった。
「あ…」
「誠一郎!」
 誠一郎がルイズの前に立って、彼女の代わりにエレオノールに平手打ちをされたのだ。
 誠一郎は、キッとエレオノールを睨むと、懐から何かを取り出した。
「待って誠一郎」ルイズはとっさに誠一郎の服をつかんだ。
「ひっ!」思わず目を閉じるエネオノール。
 しかし誠一郎の出した物は、ひとつのハンカチであった。
「な、なに…?」
「涙、拭いてください」
「え…」
 ルイズがよく見ると、エレオノールの目に大粒の涙がこぼれているのがはっきりと見えた。
あの気丈な姉が泣いている。それはルイズにとってはじめての光景でもあった。
エレオノールのは誠一郎からハンカチを受け取り、それで涙をぬぐった。
「あなた、名前は」涙をふき終わると、彼女は誠一郎をまっすぐ見つめてそう聞いてきた。
「北野、誠一郎です…」
「そう、わかったわ。誠一郎、このハンカチーフは洗って返しますから」
「いや、いいですよそんなの」
「いいえ、そうはいきません。あなた達はこれから用があるのでしょう?それが終わったら、
また私のところへ来なさい。その時にお返しします。そして…」
「へ…?」
「その時は食事くらいは…、御馳走しますわ…」
「お姉さま?」ルイズは、不思議そうな顔をしてエレオノールの表情を覗き込む。
「か、勘違いしないでくれます?わたくしはただ、叩いてしまったお詫びをしたいだけですの。
まだ認めたわけではありませんからね!」
「わかりました」
 そんなエレオノールを見て、誠一郎は笑顔で答えた。


   エピローグ

 その日の午後、都ではアンリエッタの女王即位を記念したパレードが行われていた。
「見て、誠一郎。もうすぐ女王陛下がまいられるわ」
「楽しみだね、ルイズちゃん」
 たくさんの人混みの中でパレードの様子を見つめる二人。しかし誠一郎は、迷子になった子供
を発見したようだ。
「あ、ダメよ誠一郎!」ルイズがそう言って止めようとしたが、親切な彼の動きは止められなかった。
「うえええええん」
「大丈夫かい?どうしたの」
「パパとママが…」
 誠一郎の顔を間近で見た子供は一瞬息をのんだ。
「どうしたの?」
「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
 子供の叫び声に、近くで警備にあたっていた兵士たちが集まってきた。
「怪しいやつだ!怪しいやつがいるぞ!」
「え?え?」
「こっちへ来い!悪魔か」
「いや、魔物じゃないか!」
「ちょっと待ってください!彼は違います!普通の人間なんですううう!!」
 誠一郎が捕まり、誤解が解けるまでには夜までかかってしまい、その日のうちに女王に謁見する
ことはできなかったようである。

91 :最「恐」の使い魔2:2008/07/31(木) 19:01:25 ID:xVeMsjkh
   おまけ

 深夜、エレオノールは自宅の鏡の前にいた。
「…」
 無言で鏡を見つめる彼女。そして次の瞬間、表情を変えて言い放った。
「私エレオノール、十七歳です(はぁと)」
 …沈黙。
「ふっ、私もまだまだいけるわね」そう言うと、部屋の中には怪しい笑い声が静かに響く
のであった。


   おしまい

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 19:12:52 ID:IEYvfc+r
中の人自重しろwww

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 19:46:34 ID:hJhFKJok
>>91
あえて言おう

オイオイ(ウサ耳仮面並の棒読みで)

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 19:56:31 ID:RnAOBRdx
>>こげ茶色のローブを着た北野誠一郎の姿は、まるで地獄からの使者のようでもあった。
この姿の北野は間違いなく闇人に仲間扱いされる

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 19:58:32 ID:8MzYwU6d
1000 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2008/07/31(木) 19:53:16 ID:8aWHobLo
1000ならお前らの創作能力が数十倍になる

だがゼロはいくら掛けても(ry

96 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 19:58:56 ID:n7jFVdnL
ウルフウッド、8時10分くらいから投下します。

97 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:10:18 ID:n7jFVdnL
虚無と狼の牙 第十二話

 ラ・ロシェールからアルビオンへと続く空、そこに浮かぶ船の上で一人のおっさんが頭を抱えていた。
「ちくしょー、破産だ。あぁ、もう破産だ。こんちくしょう……」
 どんよりとした空気の漂う甲板で一人両手を付いてうなだれる。
 なんでこんなことになったのだろうか。やっぱり人の不幸を当てにして一儲けしようとしたのが間違っていたのだろうか。神様、これは私への天罰でしょうか? 
あぁ、ならば懺悔いたします。というか、懺悔させてください。それでなんとかなるならいくらでも懺悔させてください。
 おっさんが一通り身勝手な反省をしたとき、何か鈍い音が目の前でして、おっさんは顔を上げた。
 そこには彼の願いを聞き入れたのか、牧師が一人立っていた。
 なんという天からの使い! あぁ、俺の願いは天に聞き入れられたのか! あぁ、今ここで懺悔すれば、オレの罪は赦されるのか!
「ぼ、牧師様! 私は、私はあぁ――ゲフッ!」
 な、なぜ牧師様は私の顔に十六問キックを……?
「……なぜ蹴る?」
 冷ややかな目で男たち二人のやり取りを見ながら、竜から降りるタバサ。首をかしげながらウルフウッドに尋ねる。
「なんかおっさんがいきなり抱きついて来ようとしたから、つい」
 そして、急に抱きついてきたおっさんの顔に見事な十文字キックを食らわせたまま、どうしたらいいのかわからずそのまま固まっているウルフウッド。
「あぁ神よ、そんなに私が憎いのか……」
 おっさんの悲しい声だけが空っぽの空間にゴウゴウとこだましていた。

「おい、おっさん。手短にワイの質問に答えてくれ」
 おっさんはまだどこかに行ってしまった様な目をしていたが、とりあえずウルフウッドの言葉には頷いた。
「あんたら、ラ・ロシェールで人を乗せたか? 一人は長身の大男で髭面で帽子かぶっていてなんかキザで嫌味で『僕仕事できる子だから』ってオーラがいけすかんヤツ。
もう一人が髪の毛がピンクがかった小娘で、身体も小さけりゃ胸も小さいくせに態度だけは一人前にでかいヤツ」
 おっさんは見事に特徴を捕らえているのはいいが、その表現はどうかと思った。
「乗せたよ。あぁ、そうさ。欲をかいてそいつらを乗せて飛んじまったせいでオレたちはこんな目に遭ったんだ」
「こんな目?」
「空賊だよ、くーぞく。オレたちはそいつらに襲われて積荷の硫黄を根こそぎ持っていかれちまったのさ」
「……んで、その二人は?」
「連れいていかれたよ。なんでもあいつらはトリステイン貴族様らしいからな」
 ウルフウッドは舌打ちをすると、くるりとタバサのほうを振り向いた。
「すまんな、ちっこいじょうちゃん。またトラブルや。あいつらどうやら賊に拉致られたらしい。苦労してあいつらの乗った船を見つけたと思たら、ほんまに次から次へと……」
「追う?」
 タバサがシルフィードの首を撫でながら尋ねた。
「あぁ。ここまで来たし、もうしゃあないわ。竜はまだいけるか?」
「問題ない。まだ大丈夫」
 タバサにあわせてシルフィードが「きゅいきゅい!」と鳴いた。
「頼もしいかぎりやな」
 そして、ウルフウッドはまたおっさんのほうを振り向いた。
「ちゅうわけや。その賊がおじょうちゃんたちをさらったのはいつぐらいや? んで、そいつらはどっちの方角へ行った?」
 ここでおっさん思いついた。
 こいつらも例の貴族の知り合いらしい。ということはそれなりに金を持っているはずだ。ならば、せめてもの損失補填をさせていただこうか。
「別に構わないけどよ。こっちだってそれなりの痛手を払っているんだ。きっちりと貰うもんは貰わないと教えられないな」
 おっさん、してやったりと思った。
「……そうか、まぁしゃあないな」
 ウルフウッドはにやりと笑うと、
「これがお礼や。存分に取っとき」
「え……?」
 おっさん、とりあえず今日はとんでもない厄日だと思った。そして、二度と欲をかかないことを固く固く誓った。



98 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:11:37 ID:n7jFVdnL
 雲の中を飛ぶシルフィードからウルフウッドたちはその下の様子を窺っていた。
「あれは……」
「戦艦」
「なるほどな。通りでごつい得物をぶら下げているわけやで。じょうちゃんたちが連れて行かれたんはあの船で間違いないか?」
「多分。聞いた特徴とも一致している」
 ウルフウッドたちの眼下にある船の上では見張りらしき男が辺りの様子を注意深く窺っているのが分かる。
幸い彼らの注意は戦艦のような大きな船に集中しているようで、雲の影に隠れた竜には気付く素振りはなかった。
「ワイがあそこに乗り込むから、ちっこいじょうちゃんは一旦戻って、残っている連中に経過を伝えておいてくれ」
「わかった」
「お前もこんなクソ重い銃を運んでくれて、ご苦労やったな」
 ウルフウッドはシルフィードにも声を掛ける。シルフィードは得意そうに「きゅいきゅい」と鳴いて、首を振った。
「ちゅうわけや、行くで」
 ウルフウッドは左手に持ったデルフリンガーにも声を掛ける。
「……なんだよ、敗戦処理に使っておいてさ。何が今更行くよ、だ」
「まぁ、そう拗ねるなて。むやみに弾薬を使うわけにはいかへんから、必然的にお前に頼る頻度も上がるわ」
 ウルフウッドは繊細な心を持つ剣の扱いの難しさに苦笑いをする。
「じゃあ、ちっこいじょうちゃん。近づけてくれ」

 見張りに立っている男はつまらなそうに辺りを見回していた。
「こうやって空賊のふりをするのも今日で終わりか。なんだか、妙な気分だな、本当に」
 そう呟きながら、退屈そうに甲板の柵に上半身をゆだねる。
「明日総攻撃をするっていうのに、貴族派の連中もこんな日には戦艦なんか動かさないだろうによ。
にしても、こんな日にあんなわけの分からないメイジを二人も拾って、一体どうするつもりなんだろ……ん?」
 男の耳に何かがドスンと落ちる音が聞こえた。
「なんだ?」
 男が音のしたほうを振り向いた瞬間に目に入ったのは、大きな手。それで口をふさがれると、「すまんな」という声が聞こえて、男はそれから意識を失った。
「……杖? メイジか、こいつは?」
 倒れた見張りの服の裾から転がり落ちた杖を手にとるウルフウッド。まるでメイジであることを隠すように、杖を持っていたことが気にかかる。
 ウルフウッドは当身で気絶させた見張りの男を物陰に隠すと、ゆっくりと辺りを見回した。幸いにして辺りに人はいない様だ。
「相棒……」
「なんや?」
「お前さん、なんかこういった悪事にすごく慣れている感じだね」
「じゃかあしい」

 空賊たちに捕らえられ、この部屋の閉じ込められてから数時間ばかりが経ったのだろうか。その間、ルイズは何もやることがないまま、じっと座っていた。
すぐ傍にワルドがいたが、とても話しかけるような気分にならない。
 なんでこんなことになってしまったんだろうか、と思う。このまま、もう二度と故郷に帰ることは出来ないんじゃないか――
こうして何もせずにじっとしていると想像は悪い方向へばかり傾いていく。
 ありふれたおとぎ話みたいに、かっこよく誰かヒーローが助けに来てくれないかなと考えた。しかし、そんな都合のいい話なんてあるはずがない。
この年になってそんな都合のいい話を信じていられるほど、子供じゃない。
「じょうちゃん」
 え――
 疲れと不安のあまりの幻聴だろうか。聞きなれた声が聞こえた気がした。
「ちょっとでかい音するで。耳塞いどきや」
 再びドアの向こうからは聞きなれた声。これは幻聴なんかじゃない? そして、ガコォンという激しい音と共にドアの蝶つがいごとねじまげて、ひしゃげたドアが開かれた。
 ルイズの目の前にパニッシャーの白い姿が映る。どうやら、このパニッシャーがドアを叩き破ったらしい。
「無事か?」
 何事もなかったかのように、こじ開けたドアから顔を出したのはウルフウッド。自分の、使い魔。
 思わずルイズはウルフウッドに駆け寄った。しかし、言葉がうまく出てこない。
 ウルフウッドはほんの少しだけ頬を緩めると、ゆっくりとルイズの頭を撫でた。

99 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:13:14 ID:n7jFVdnL
「でかい口を叩いた割には、随分なご様子やな」
「あいにく僕は君ほど前後の見境なく行動しているわけではないのでね。むやみやたらと暴れるわけにはいかないのさ」
 大して動じることなくワルドは立ち上がった。そして、ドアの前で気絶している見張りを一瞥する。
「一体どうするつもりだい、使い魔君? 助けてくれたのはいいが、派手にやったせいでこれでは相手に筒抜けだ」
「じょうちゃんを助けるだけの時間だけ稼げたらええ。それさえ出来たら、あとは気付かれようがかまわへん。ここは空の上。逃げ場がないのは相手も一緒や。
よっぽどのことがない限り、ワイらを道連れに仲良く墜落する道は選らばへんやろ」
「一理はあるね。しかし、空賊相手にこの人数で対抗できると思うのかい?」
「こんな船の中で、連中も派手な魔法や火薬を使った攻撃とかはできひん。なら、小回りが効く分、オレに利がある」
 ワルドはふっと鼻で笑った。
「なるほど。確かに、そういう意味ではこの場での戦闘には君が適任かもしれないね」
「それにや、もともとここの連中にはいろいろと訊きたいことがあったんやろ?」
「どういう意味だね?」
「お前らを助けるのに、何人かこの船の人間をぶっ飛ばしたったけど、全員杖を持っとった。ただの賊にしてはあまりにメイジの数が多すぎる。っちゅうことは、おそらくこいつらの正体は貴族。
大方、クーデターにあって逃げ出した体制派の残党がドサクサに乗じて火事場泥棒みたいな真似をしとるいうところちゃうか。
戦況的に有利な反体制側がそういう真似をする必要があるとは考えにくいしな」
「……常識には疎いくせに、洞察力はなかなかのものだね、使い魔君」
「まぁ、そういうことや。なんにせよ、目的地がある以上、この船はハイジャックさせてもうことになるで。……で、ところでじょうちゃん、いつまでしがみついているんや? 動きにくいんやけど」
 ルイズは顔を赤くすると、あわててウルフウッドから離れた。

 船内を歩き回る三人。しかし、意外なほどに人影が少ない。
 おそらく、相手はどこか一箇所に固まって待ち伏せをする作戦だろう。とすれば、その場所はおそらく――
「操舵室っちゅうのはこっちでええんか?」
「あぁ。大体こういった船のつくりというのは同じだからね。おそらくは扉を開けたら集中砲火といったところかな」
 ワルドが嫌味っぽく笑う。ウルフウッドはそれを軽く流すと、
「ところでじょうちゃん、あんたら船の乗るために桟橋に向かったときに仮面の男が現れへんかったか?」
「え? ええ。確かに仮面の男が襲ってきて、わたしはさらわれそうになったけどワルドが助けてくれたわ。
ライトニングクラウドとか高位の魔法を使っていたから、低く見積もってもトライアングルクラスの力はあるメイジだと思うけど……でも、どうしてそんなことを知っているの?」
「こっちもあの後で例のフーケに襲われてな。そんときに仮面の男がおったから、もしかしたらそいつがそっちを襲ってへんかと思ってな。……無事やったらそれでええわ」
 ウルフウッドはそれ以上仮面の男について話すことはしなかった。
一応、あの後タバサに瞬間移動の魔法があることを訊いてみたが、そんな魔法は聞いたことがないとの返事だったし、なによりこの状況で余計な心配事は増やしたくない。
 ウルフウッドはワルドをちらりと見る。
「おそらくは、貴族派のメイジだろうね。どういう経緯で情報が漏れたのかは分からないが、どうやらこちらの動きをある程度把握しているようだ」
 ワルドが無表情に答えた。


100 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:15:50 ID:n7jFVdnL
 ウルフウッドたちは操舵室の扉の前にたどり着いていた。船内は不思議なほどに静まり返っている。静かに息を潜めるルイズをウルフウッドは振り返った。
「それじゃあ、開けるで」
 そう言って、ゆっくりと扉を開けると、十数人のメイジたちがウルフウッドたちに杖を向けていた。
 ウルフウッドは軽くひゅうと口笛を吹くと、両手を挙げる。彼らの真正面には白髪の長髪で眼帯をした以下にも空賊というような男が立っていた。おそらくはこの男が船長だろう。
「てめえら、空賊の船を襲うなんざどういう了見だ? ただの馬鹿か、え? そっちのお二人さんは後で尋問してやるつもりだったから、ちょうどいいや。お前ら、何が目的だ? 包み隠さず答えな。さもないと」
 船長は彼の周りに控えるメイジたちに目配せをする。
「お前らの体が穴だらけになるぜ」
 ウルフウッドは「どうする?」という視線をルイズに送った。ルイズはこの部屋に足を踏み入れてからずっと、まっすぐに船長を見据えている。
「まずは大使としての扱いを要求するわ」
「随分と、大きく出るじゃねえか」
「あんたたちの正体はわからないけれども、これだけ多くのメイジを抱えていることを考えると、ただの空賊じゃないわよね? 大方、王党派の貴族が使えるべき主を見限ったのはいいけれども、今更貴族派にもなれずこうして身を落としているのじゃないかしら」
「ふん。なかなかの洞察力だねえ、お嬢さん」
 ウルフウッドはその話はもともと自分が言い出したことだと思ったが、突っ込みは無粋だと思ったのでやめておいた。それよりも、問題は相手がどう出るか、だ。
相手に魔法を打ち込まれたとしても、パニッシャーがある以上おそらくは防げるだろうが、その後をどうするか。如何せん相手の数が多い。今までのように簡単にはいかないだろう。
「本当はそんな恥知らずどもとは一言も口を聞きたくないんだけれどもね。それでもこちらはトリステインからの大使としてこの国へやってきたの。アルビオンのウェールズ王子に用があるから、あんたたちから情報を頂こうって話よ」
 船長はフンと鼻で笑う。
「ってことはあんたら王党派なんだな?」
「ええ、そう言ったわ」
「あんたらも馬鹿だねえ。あいつら明日にでも消えちまうよ。そんな連中に何の用だ?」
「あんたたちみたいな人間に言う気はないわ。ウェールズ王子たちの情報を渡して、そしてわたしたちをアルビオンまで案内しなさい。そうすれば許してあげるわ」
「おいおい、立場ってもんをわきまえてくれ。あんた、自分が命令できるような立場にあると思うのかい?」
 ウルフウッドたちに杖を向けたメイジたちがわざとらしく杖を動してみせる。
「あんたらに下げる頭なんかないわ」
「くくっ。貴族派の連中はなんでも人手不足でメイジを探しているって話だ。オレたちも元王党派だが、さっきかっぱらった硫黄を手土産に連中のお仲間に入れてもらおうかと考えていてね。
どうだい、おじょうさんたちもこっち側に付く気はないか? そっちのほうが賢明だと思うがね」
 ルイズは両手を震わせて、それでも相手を見据えて立っていた。たいしたもんだ、とウルフウッドは思う。こうして銃口を突きつけられてもなお自らの矜持を失わないとは。

101 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:17:01 ID:n7jFVdnL
「最後通告だ。貴族派につく気はないか?」
「くどいわね。絶対に嫌と言ったら、嫌よ」
 ウルフウッドは小さく頭を振ると、ルイズの前に立った。交渉決裂に奴らが魔法を放つなら、自分がルイズの盾になる。そう思っての行動だった。
「何のつもりだ? 貴様」
「一応ワイはこのじょうちゃんの使い魔やからな」
「使い魔? お前が?」
「あぁ」
 船長は愉快そうに身体を揺らして笑い始めた。
「たった一人で主人を取り戻しに空賊船に乗り込んでくる使い魔と、杖で脅されても一歩も引かないご主人様か。まったく、トリステインの貴族は気ばかり強くでどうしようもないな。まぁ、どこぞの恥知らずどもよりかは何百倍もマシだけどね」
 突然今までのドスの効いた低い声から、快活な口調を変えて、愉快そうな声を上げた。
「失礼したね。貴族に名乗らせるなら、こちらから名乗らなくては」
 周りに控えた空賊たちが、杖を収めていっせいに直立した。
 船長はゆっくりと頭に手を伸ばすと、自らの白髪をむしりとるように外した。その下から金色の髪が露になった。そして、眼帯を取ると、澄んだそれでいてどこか人懐っこさを感じさせる碧眼でウルフウッドたちを見た。
「私はアルビオン王立空軍大将、本国艦隊司令長官……本国艦隊といっても、すでに本艦『イーグル』号しか存在しない、無力な艦隊だがね。まあ、その肩書きよりこちらのほうが通りがいいだろう」
 金髪の男はクスリと笑うと、
「アルビオン国王子、ウェールズ・テューダーだ」



「まさかこんな形で目的の人物に会うとは思わへんかったで」
 ウルフウッドの言葉にウェールズはニコリと笑うと、
「こちらにも色々と事情があるのだよ」
 そして、硫黄の入った袋を持ち上げてた。
 王子自らがそんな事を、と周りの側近に止められていたみたいだったが、ウェールズはただ一言「ここまで来て王子も何もないだろう。私は自分に出来ることはしっかりやっておきたいんだ」と笑って聞き入れなかったのだった。
「君は君のご主人と僕がどんな会話をしたかについては訊かないのかい?」
「その件に関してはワイはノータッチや」
 ウルフウッドは硫黄の入った袋をふた袋担ぐと無愛想に歩きはじめた。
 彼らは首都ニューカッスルの真下にある彼らしか知らない秘密の港に船を着け、例の船から奪った硫黄を運び込む作業をしていた。
「どうするつもりや? こっから戦況をひっくり返せる自信はあるんか?」
 ウェールズは微笑むと
「我が軍は三百。敵軍は五万。万に一つの可能性もありえない。我々にできることは、はてさて、勇敢な死に様を連中に見せることだけだ」
「死に戦か」
「そうだね」
 ウルフウッドは微笑んだままのウェールズを短く一瞥すると、「アホが」と呟き、そのまま先を歩いた。

102 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:18:03 ID:n7jFVdnL
 ウルフウッドがウェールズからあてがわれた部屋に戻ると、そこにはルイズがいた。ウルフウッドは右手を挙げて軽く挨拶をする。
「よう、じょうちゃん」
「よう、じゃないわよ! あんたウェールズ殿下に失礼な態度は取らなかったでしょうね?」
「別に。ワイは普段どおりや」
「それが失礼だっていうのよ!」
 ルイズはピンク色の髪を大きく振るわせてウルフウッドを怒鳴りつけた。しかし、ウルフウッドはそれには構わず、淡々と服に付いた埃を払った。
「……じょうちゃん。随分カリカリ来てるな。なんかあったんか?」
 穏やかなウルフウッドの声。そのウルフウッドの言葉にルイズはうつむいた。
「明日、この城に貴族派の総攻撃がかけられるらしいわ」
 そして苦しく息を吐くように言った。
「どうなると思う?」
 不安そうに尋ねるルイズ。おびえた子供のような目がウルフウッドを捉える。
「あかん、やろな。なによりも肝心のこっち側のほうが勝つことをあきらめてる時点でどうしようもないわ。……じょうちゃんはじょうちゃんの目的は果たせたんか?」
「ええ。殿下から手紙は受け取ったわ。けれども――ねぇウルフウッド。どうしたらいい? どうすればいいと思う? 死ぬなんてダメよ、絶対。姫様もきっと」
「わからん。ワイにはわからん」
「でも」
「わからんもんは、わからん」
 ウルフウッドは自分に言い聞かせるように呟くと、ゆっくりと床に腰を下ろした。ルイズはそんなウルフウッドの態度に、顔をうつむけると、
「……ウルフウッド」
「なんや」
「わたし、さっき、ワルドに求婚されたわ。殿下に式を見届けてもらって、ここで式をあげるって」
 ウルフウッドは何も言わないままに目をつぶっている。
「ねぇ、どうするべきだと思う? この結婚、お受けするべきだと思う? ねぇ、ウルフウッド? わたしはどうしたら――」
「……知らん。それはおじょうちゃんが決めるべきことや」
「何よ、さっきからわからない、知らないって」
「しゃあないやろ」
「何が仕方ないのよ!」
 ルイズは大声を上げて、立ち上がった。
「何よ! 人が真剣に悩んでいるのに、あんたはどうでもよさそうに! あたしのことなんかどうでもいいんでしょ! そうよね、どうせあんたは強引にわたしの使い魔にされたようなもんだし、だから別にわたしのことなんか」
 ルイズは息を荒くして、肩を大きく上下させる。燃えるように力強い光を放つ瞳には、大粒の涙が宿っていた。
「あのときだって、あんたはわたしじゃなくてキュルケたちを守るために残ったし、それで、わたしが仮面の男に襲われたときも、空賊に襲われたときも、助けて欲しかったときにいなくて……わかったわよ。
あんたにとってわたしなんてどうでもいいのよね。だったら、あんたなんかどうでもいい! 好きにさせてもらうわよ!」
 ルイズは走って、乱暴にドアを開けると飛び出していってしまった。彼女の残した空白の中にぼんやりとウルフウッドは佇む。
「なぁ、相棒。あんまし貴族の娘っ子を怒ってやるなよ」
 デルフリンガーの鍔が鳴る音がカチャカチャと響いた。
「わかっとる」
「いろいろあって、きっといろいろありすぎて、ちょっと混乱しているだけなんだ。本心じゃねえよ」
「わかっとる。……ちゃんとわかっとるわ、ワイにはどうしようもないこともな」
 ウルフウッドはぼんやりと天井を眺める。きっとこの天井も明日には跡形もなくなってしまうのだろう。



103 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:19:04 ID:n7jFVdnL
 人々の喧騒が聞こえる。時折巻き起こる歓声。彼らは踊るのだろうか。そして、踊りきれるのだろうか、悲しいラストダンスを。
「やぁ、こんなところにいたのか。そんなところで人から外れて一人で飲む酒など、大しておいしくもなかろうに」
「こういうのは苦手でな」
 最後の晩餐。そこに参加したウルフウッドは一人外れた場所で酒を飲んでいた。その姿を見つけたウェールズは酒を片手にニコニコと笑いながらウルフウッドの隣に腰掛ける。
「しかし、実に君は失礼な男だな」
 ウルフウッドはため息をついた。また貴族特有のへんなプライドで難癖をつけられるのか。
「悪いか?」
「あぁ、悪いね。実に悪い!」
 ウェールズは愉快そうに笑う。
「私が自分の名を名乗ったのに、君は私に名を名乗っていないではないか!」
 ウェールズはウルフウッドの目を悪戯っぽく覗き込む。
 ウルフウッドは面食らった。今まで出会った貴族の中で、自分を対等に扱おうとした人間はいなかったからだ。
「ウルフウッド。ニコラス・D・ウルフウッドや」
「そうか。では改めてよろしく。ニコラス君!」
 屈託のない笑顔で握手を求めてくるウェールズ。ウルフウッドは頭をかきながらその手を取る。
「変わっとるな、あんたは」
 ウェールズは「ん?」と首を傾げると、
「何を言う。ここまで来て貴族も平民も使い魔もあるか。私は勇気のある人間、誠意のある人間を尊重する。
たった一人で女性を守るために空賊の船に乗り込んできた君の勇気、その勇気の前には形だけの貴族など価値もない土クズも同然だ。今回の一件で実にこの身に染みた教訓だよ」
「ほめすぎや。ワイはそんな出来た人間やない」
 ぶすっとするウルフウッドの背中をウェールズは愉快そうに叩く。
「少し、酔ってしまっているのかな? 私の行動が粗暴でも多めに見てくれたまえ。無礼講というヤツさ」
 カラカラと笑うウェールズ。明日死ぬ男の最後の晩餐。
「空元気はええで。誰かて死ぬのは怖いんや」
 ウルフウッドがぼそりと呟くように言う。
「……そうだな。全く持ってしてその通りだ」
 ウルフウッドの言葉にウェールズが笑うのをやめて、空の一点を見つめた。その目は驚くほどに澄み切っていた。
「けど、死ぬのが恐ろしいのは事実だが、しかしそこまで恐れてもいないのも事実なのだよ。私には果たさなければならない義務がある。守らなければならない名誉がある。それが私の恐怖をやわらげてくれている」
「お前ら貴族いうのはわけわからんわ。そんなに名誉が大事か?」
「……そうだな。少し違うかな。きっと私を突き動かしているのは名誉、などではなく罪の意識だろう」
「罪?」
「私たちの至らなさのせいで今回の戦は起こってしまった。そのために多くの部下、そして民草の血が流される。そんな中で、この国の王子である私がわが身かわいさに逃げ出せると思うかね? 
出来やしないさ、そんなことは。君が今日会った人々のほとんどがきっと明日死ぬ。それも愚かな私たちのために」
 ウェールズは澄み切った瞳をウルフウッドに向けた。
「だから死を恐れるわけにはいかない。私には最後までアルビオン王家の矜持を貫き通す義務があるのだ。私は最後の最後まで奴らに立ち向かう」
 ウルフウッドは静かに目を閉じた。
「アホタレが。何もかも悟ったような口叩きやがって」
「まったくもってしてその通りだな」
 ウェールズとウルフウッドは同じ月を見上げる。月は変わらずに空に上っていた。彼らアルビオン王家が栄華を誇った夜も、そして滅亡へと向かうこの夜も。

104 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:20:06 ID:n7jFVdnL
「ニコラス君。君に頼みたいことがある」
「なんや」
 ウェールズは左手にはめた指輪を取り外した。
「アルビオン王家に伝わる風のルビーだ。トリステインに伝わる水のルビーと対をなす始祖の秘宝だよ。これを君に預かってもらいたい」
「ワイに?」
「明日、私たちはみな名誉の戦死を遂げるだろう。それは構わないのだが、例の野蛮な貴族派の連中にこのアルビオン王家の秘宝を渡すわけにはいかない。君なら信用できる。預かってくれ」
「……預かって、オレはこれをどうしたらええんや?」
「この国にサウスゴータという都市がある。そこのウェストウッドという場所にそれを埋めて欲しい」
「ウェストウッド?」
「私たちアルビオン王家の愚行の象徴のような場所さ。獣ですら、兄弟で殺しあうことはないのに、私たちは――。思えば、そこでの我々の愚行が王家崩壊の序曲であったのだろうな。
とにかくその場所こそが、我々アルビオン王家の墓碑銘を刻むにふさわしい」
「なんで今日会うただけの貴族でもなんでもないワイなんや」
「言っただろ、君は敬意に値する人間さ。なんならもう少し褒め言葉を並べさせてもらおうか?」
 悪戯っぽく笑うウェールズにウルフウッドは「もうええ」と苦笑いすると、受け取った風のルビーをポケットにしまった。
「わかった」
「ありがとう。それと、明日早朝にワルド子爵とヴァリエール嬢の結婚式を執り行うつもりだが――君はどうする?」
「どうもこうも、じょうちゃんの決めたことや。なら、オレには関係ない」
 ウェールズは困ったように笑った。
「確かに君の気持ちも大事だが、彼女の気持ちも少しは思いやってあげたほうがいいのではないかな」
 ウルフウッドは静かにウェールズの澄み切った目を見つめる。
「いや、こんな亡国の王子の言うことさ。そんなに真に受けないでくれたまえ」
 そしてウェールズは「さて」と呟くと立ち上がった。
「そろそろ僕はパーティーの席に戻るとするよ」
 ウェールズはにこりと笑うとゆっくり右手を差し出した。ウルフウッドも立ち上がると、その手を取る。明日死に行く人間の手は、暖かかった。
「明日、ヴァリエール嬢の結婚式が終わった後、イーグル号で非戦闘員を脱出させる。君も彼女とそれでここから脱出してくれたまえ。そして――」
 そこでウェールズは小さく息を呑んだ。
「最後の最後に君と出会えてよかったよ、ニコラス。始祖ブリミルのお導きに感謝しよう。――あと、アンリエッタには私は勇敢に戦ったと、そう伝えてくれ」
 そして、ウェールズの手の暖かさがウルフウッドから切り離された。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 20:20:09 ID:e5NDzsQR
しえん

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 20:20:17 ID:Bf5dmki0
しぇん

107 :虚無と狼の牙:2008/07/31(木) 20:21:11 ID:n7jFVdnL
以上で投下終了です。

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 20:49:44 ID:8MzYwU6d
狼乙
パニッシャーの存在がワルドに知られちゃってるけど、ランチャーで逆に虚を突けるな
喰らったらワルド死ぬけどw

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 20:53:36 ID:3Eaz/fBf
もしも、召喚されたのが初代ゲッターチームだったら…
武蔵「コイツは、たまげたなぁ…」
隼人「俺たちは、ハルゲニアという異次元に召喚されてしまったようだ」
龍馬「オレに、ワカるように説明しろオオォォー!」

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 20:53:51 ID:sj/kmqpy
狼GJ!
ここでサウスゴータの話が出てくるのは新鮮だった

ワルドの能力はかませとしても高水準
強力な使い間の攻撃も少ない回数なら分身で身代わりに出来るんだぜw

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:10:40 ID:Q33Tjrt7
ぼくらのからジアースを召喚してルイズを初め学園の生徒が契約してパイロットになり順に死んでいくというウツ展開を…。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:11:34 ID:Ud6aaRAD
それだったらむしろコエムシ召喚では?
最後はジアースと戦って滅亡する展開しか思い浮かばなかったが

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:12:51 ID:8SnGi22e
>>95
あえて言おう。
誰がうまいことを言えとwww

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:23:22 ID:LLDb+19I
>>109
おいおい、その竜馬の世界だと初代ゲッターチームは
早乙女博士・コーウェン博士・スティンガー博士だぜ?

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:26:05 ID:b8ttGvtB
>>109
は原作版じゃないのか?

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:30:48 ID:LLDb+19I
>>115
あのセリフは真!だろ? 原作の竜馬にあんなセリフ無いぞ。

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:34:09 ID:5wV94h4/
今週のLCを読んでちょっとぐらいなら聖闘士も武器を使ってもいいんじゃないかと思ったり
まあデルフを出さなければいいだけなんだけど

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:41:05 ID:GgGYBwms
新ゲッターロボの狂気に溢れた三人を召喚してはどうだろうか。

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:43:06 ID:SisUeoB4
チェンゲは唯一隼人が置いてけぼりにされなかった作品だな

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:46:48 ID:3j0l2baO
>>118
そもそも狂気に溢れていないゲッターチームがいるのかという疑問が

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:48:22 ID:WaXOqsKR
>>120
スパロボゲッター

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:49:23 ID:C2XCr7oX
新ゲ出すならあの脱獄が成功して大喜びの凶悪犯にしか見えない出撃シーンを
うまく組み込んでくれたらそれだけで全部許せる

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:49:53 ID:Mdp+tyBd
>>120
アニメの無印とG

とりあえず新ゲは2話のスイッチ入った隼人が最高

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:49:59 ID:R6bagQjX
>>121
スパロボアンソロジーでのゲッターGからゴウまでの空白期間のゲッターチーム

125 :蒼い使い魔:2008/07/31(木) 21:51:29 ID:+HsqeLaN
とりあえず、第九話完成いたしました、
あいかわらず貧相な文でがんばっとります…
問題ないなら22時くらいに投下します

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:55:18 ID:sd1hxbyz
俺は鏡の山は面倒だから一回しかやっていないな。
もちろん村人に教えて俺涙目wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

そろそろ10周年でなにかやるぜ! といっても1週間しかないんだよな。
なんかカードワースを記念できることは無いかなぁ?

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:55:48 ID:EevxSe5Y
バージル事前支援

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:56:11 ID:sd1hxbyz
すまん。誤爆だ

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:57:24 ID:Tef5/aPs
支援準備

>>126
俺と同じスレに入り浸ってるな貴様っww

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 21:58:48 ID:sd1hxbyz
紫煙


>>129
スレで発見したな貴様っ!

131 :蒼い使い魔:2008/07/31(木) 22:00:04 ID:+HsqeLaN
ギーシュとの決闘が終わり、ルイズはさっさと歩いて行くバージルへ駆け寄り質問する
「ねぇ、さっきの剣、あれってなに?先住魔法なの?」
「…?そんなものは知らん、あれは魔法ではない、俺の魔力を剣の形にして打ち出しているだけだ」
「そ、そう、そういうのを魔法っていうんじゃないかしら…、
あと、さっきの決闘、殺しちゃだめっていう命令を無視しかけていたとはいえよくやったわ、褒めてあげる」
そうルイズは言うと少し顔を赤くして俯く。
「フン…」
背中を向けたまま短く鼻を鳴らすとバージルは先ほど取り損ねた昼食をとるために食堂へと向かった。

バージルとルイズが食堂へ辿り着くとそこにはギーシュとの決闘騒ぎの発端となったメイド―シエスタが立っていた。
シエスタはバージルの姿をみるとすぐに駆け寄ってきた。
「あぁっ!バージルさんご無事でしたか!申し訳ございません!私のせいで危険な目にっ…!
お怪我はありませんか?私ずっと心配でっ…!」
「少し黙れ、俺は何ともない、それより食事を用意しろ。」
泣きそうな顔で心配してくるシエスタにうんざりしたようにバージルは言った。
「はっ、はい!本当に申し訳ございません!すぐにご用意いたします!」
そうバージルに命じられ、深く頭を下げてからシエスタは厨房へ走って行った。
そんなバージルを見て後ろにいたルイズが低い声で話しかける
「あんた…あのメイドと随分仲がいいみたいね…、ご主人様を差し置いて、い、いい度胸じゃない…!」
そういえば、食堂でこいつとあのメイドが親しげに(?)話していたのを見た気がする、
「貴様の服を洗わせただけだ、貴様が知る所ではない」
「だっ!だからっ!ご主人様に向かって貴様って言うな!もうっ!なによ!もうアンタなんか知らないんだから!」
蚊帳の外に置かれたあげくに、バージルの冷たい態度に堪忍袋の緒が切れたのかルイズはどすどすと歩いてどこかへ行ってしまった。
「…?」
怒りの歩調で歩き去るルイズを呆れるような目で見送ったバージルは後を追うわけでもなく厨房の中へ入って行った。


132 :蒼い使い魔:2008/07/31(木) 22:01:12 ID:+HsqeLaN
バージルが厨房へ入ると、ガタイのいい偉丈夫が大手をふって出迎える
「おう兄ちゃん!シエスタから聞いたぞ!貴族のガキを決闘で打ち負かしたんだってな!」
「…?誰だ貴様」
熱く歓迎している男に対しぶっきらぼうにバージルは返す
「あぁ、名乗るのが遅れちまったな!俺はマルトー!ここのコック長だ!お前さんはシエスタの恩人だ!
今からとびっきりの料理をふるまってやらぁ!そこで待ってろ!」
そういうと、マルトーは調理場へと意気揚々と入っていく。
そんなマルトーを一瞥し、バージルは適当なテーブルへ着くと、シエスタが話しかけて来る。
「今朝お出ししたシチュー、あれもマルトーさんがつくったんですよ、とってもおいしいって貴族の方からも評判なんです。」
そう説明を受けバージルは今朝のことを思いかえす、確かにあのシチューは美味かった。
しばらくすると、賄い料理とは思えないような豪華な食事がバージルに振舞われる。
その量はとても一人では食べ切れないほどのものだったがバージルは上品な手つきで完食した。
久しぶりに美味い食事にありつけたのか、―表情は相変わらずの仏頂面だが、満足そうなバージル。
そんな彼を見て気を良くしたのかマルトーは話しかける。
「いやぁ!兄ちゃん、見てたぜ!あんたがシエスタを貴族のガキから助ける所をよ!」
「フン…別に何もしていない」
そう言うと、マルトーはその態度を謙遜と受け取ったのか、
「はっはっは!そう謙遜するなって!決闘のこと聞いたぜ?なんでも貴族の小僧の呼んだ青銅の人形を
目にもとまらぬ速さで叩っ斬ったらしいじゃねぇか!さすがは『我らの剣』だぜ!」
バージルの背中をバンバンと叩きながらマルトーは言った。
普段のバージルなら叩かれた時点でマルトーを真っ二つにする所だが、純粋な善意でうまい食事を振舞ってもらった事に
負い目を感じているのかそんな凶行に及ぶことはなかった。
これからうまい食事が提供されるなら生かしておいて損はない、一時の感情に身を任せるのは愚か者のすることだ。
そう考えマルトーを適当な生返事で全てスルーした。


133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:01:31 ID:7ViKAu/H
ルイズ、大方の平行世界と同じように空回り支援

134 :蒼い使い魔:2008/07/31(木) 22:02:08 ID:+HsqeLaN
「うまかった、礼を言う」
「おう!また来いよ!賄い料理でよけりゃいつでも作ってやるぞ!」
というマルトーの言葉を聞きながら、さっさと食堂を後にするバージル。
そんなバージルの後をシエスタが追ってくる、
「あのっ、バージルさん!」
「…今度は何だ?」
多少うんざりしながら立ち止まりはするものの振り返らずに聞く。
「あの…バージルさんは本当に平民なのですか?メイジではないのですか?」
そうおずおずと尋ねるシエスタ
「何が言いたい…」
「私、決闘見てたんです、バージルさんが何もない所から剣を出して、
そのまま手を触れずに飛ばすのを…、あれは魔法ではないのですか?」
「どいつもこいつも魔法…か、あれは俺の能力だ、魔法でもなんでもない、
俺はここではただの平民、そういうことになっている」
「でもっ…」
          ―ヒュガッ!
シエスタの足元に幻影剣が突き刺さる
これ以上詮索すれば殺す、その意思表示だろう。
「あっ…あぁ…」
そう呟きながら腰を抜かすシエスタを尻目に、バージルは静かに立ち去った。

夜、すべての授業が終わり夕食を済ませた生徒達が学生寮へと戻っていく、
二つの月を本塔の一番上から眺めていたバージルは
蒼いコートを翻すように飛び下り、寮塔にあるルイズの部屋へと向かう、
その様子を物陰から伺っていた影が一つ、のそりと動いた。


135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:02:24 ID:EevxSe5Y
支援

136 :蒼い使い魔:2008/07/31(木) 22:03:03 ID:+HsqeLaN
学生寮に入りルイズの部屋へと向かう、ふと見ると廊下に一匹の火トカゲ―キュルケの使い魔であるフレイムが疼くまっていた
フレイムはバージルを見るとビクッ!と一瞬強張ったが、きゅるきゅると鳴きながらバージルに近づいて来た。
それを無視しつつ、バージルはルイズの部屋のドアに手をかける、
すると、どうやらカギがかかっているのかドアが動かない、
中から「誰よ?」と如何にも不機嫌そうなルイズの声が聞こえて来た。
「俺だ、開けろ」
バージルは中にいるルイズに声をかけると
「なによ!あんたなんかもう知らないって言ったでしょ!?」
中からドアにバスンッ!と枕かなにかがぶつかる音と共にルイズの癇癪が飛んできた。
どうやらさっきのをまだ根にもっているらしい、
軽くチッ、と舌うちをし、閻魔刀でドアを切ろうと柄に右手をかける。
すると何かがコートの裾を引っ張った。
「…?」バージルが視線を下に向けるとフレイムがバージルのコートの裾を引っ張っている
「なんだ…?」
そう問いかけると、フレイムはきゅるきゅると鳴きながら隣のキュルケの部屋に入って行った、
ドアは開け放たれている、どうやら入って来い、ということだろう
「フン…」
そう鼻を鳴らすとバージルはキュルケの部屋へ足を踏み入れる。
部屋の中は暗くなっており、フレイムの尻尾だけがゆらゆらと揺れていた。
香を焚いているのか、鼻に入る匂いにバージルの険しい表情がさらに険しくなった。
「扉を閉めて下さるかしら?」
暗闇の奥、ベットの方からキュルケの声が聞こえた。
特に開けておく必要もないのでバージルはドアを閉める
「何の用だ…」
「用件の前に、もっとこちらへいらして…?」
そうキュルケが言い指をパチンッ!とはじく、
すると部屋の中に立てられたロウソクが、一定の感覚で灯っていった
まるでバージルの近くからスタートし、ゴールはキュルケまでと言った感じに、ロウソクが燃えている。
ベットに腰掛けたキュルケの姿は、年頃の男ならば目のやり場に困る姿をしていた、
ベビードールのような、そういう下着だけしかつけていない。
だがそこはバージル、そんなキュルケをみて
「(テメンニグルにこんな奴がいたな・・・)」とあまり関係ないことを考えていた、
赤い髪という点で似ている、向こうは雷を操り肌が死人のように青い、という違いはあるが。


137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:04:00 ID:Tef5/aPs
支援いたします

138 :蒼い使い魔:2008/07/31(木) 22:04:23 ID:+HsqeLaN
そんなバージルを見て、動揺していると勘違いしたキュルケは
「そんな所にいないで、もっとこっちへいらっしゃいな…」と色っぽく声をかける
「そんなことはどうでもいい、俺は何の用だ、と聞いたんだ」
と氷のように冷たく言い放つ
するとキュルケは大きくため息をついた。そして悩ましげに首を振った。
「あなたは、あたしをはしたない女だと思うでしょうね」
「その通りだな」
バッサリと言い捨てるバージル、それをおかまいなしにキュルケは続ける
「思われても、しかたないの。わかる? あたしの二つ名は『微熱』」
「……」
そういうとおもむろに立ち上がりバージルへ近づいていく
「あたしはね、松明みたいに燃え上がりやすいの!だから、いきなりこんな風にお呼びだてしたりしてしまう…。わかってる、いけないことよ…。」
「くだらん…」
「でもね、あなたはきっとお許し下さると思うわ」
「―帰る」
そう言い残しドアへと向きかえる、
「恋してるのよ。あたし、あなたに。恋はホント突然ね…」
「一人でやってろ」
ドアノブに手をかけながら冷徹にバージルは言う、
「あなたが、ギーシュを倒したときの姿……。かっこよかったわ。彼のゴーレムの群れを一瞬で斬り倒したした時の!
痺れたのよ。信じられる?これは情熱だわ!」
そう言い終わるや否や、キュルケはバージルの背中に抱きつこうとした、
その瞬間キュルケの目の前からバージルが消えた、勢い余ったキュルケはドアに思いっきりつっこんだ
「いっ、痛ったぁ〜い・・・!あ、あらっ!?どこっ!?ダーリン!」
そう言ってキュルケは後を振り向く、そこには鼻先1サント先で止まる閻魔刀の刃が。
「なっ…」
瞬間的に後ろに回り込んでいたバージルは閻魔刀を抜刀しキュルケに突きつけていた、
しかも周りをみると数本の幻影剣が浮きキュルケを狙っている
「貴様には付き合いきれん、俺は帰る、邪魔をするな。」
魂まで凍らされるような低い声、キュルケは全身がゾクッ!と粟立つような感覚に襲われる。

バージルが流れる様に閻魔刀を納刀し、幻影剣を消滅させようとした時に
コンコンッと窓の外が叩かれた。そこには、一人の青年が部屋の中を覗きこんでいた。
「キュルケ……。待ち合わせの時間に君が来ないから来てみれば……」
「ベリッソン! ええと、二時間後に」
「話が違っ…」
我に返ったキュルケは、胸の谷間に差した魔法の杖を振り上げると、即座に振った。
男の話を聞かず火球を放ち男を追い出す
「キュルケ! その男は誰だ! 今夜は僕とすごすんじゃなかったのか!」
「スティックス! ええと、四時間後に」
「そいつは誰だ! キュルケ…うわぁあああ!」
また違う男がまた火球で吹き飛ばされる
「…」
さすがにこの展開に毒気を抜かれたのか唖然とするバージル
「キュルケ!そいつは誰だ!恋人はいないって言ってたじゃないか!」
「マニカン!エイジャックス!ギムリ!ええと、六時間後に」
「朝だよ!」
「フレイム〜!」
キュルケの命令とともに今度は三人の男がフレイムによって吹き飛ばされた


139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:04:57 ID:EevxSe5Y
支援

140 :蒼い使い魔:2008/07/31(木) 22:05:13 ID:+HsqeLaN
「…愚かな女だ」
バージルはそう言い残し立ち去ろうとする、バージルがドアノブに手をかようとした時
反対側から勢いよくドアが開かれる、そこから現れたのは主のルイズだった。
「ちょっとキュルケ!うるさいわ…ってバージル!あんたなんでこんなとこにいるのっ!?」
「フン、とんだ災難だ」
そう吐き捨てるように言うとさっさと出て行ってしまった。
「あ、ちょ、ちょっとまちなさいよ!ちゃんと説明してもらうからね!」
立ち去るバージルを追ってルイズも行ってしまった。

その場に一人と一匹取り残されたキュルケは
「生死を賭けた恋…燃えて来たわ…!」
と殺されかけていたにも関わらず一人燃え上がっていた。

さて、部屋にもどったルイズは右手に乗馬用の鞭をもち鬼の形相でバージルを睨みつけている
それを振ることができないのはバージルの持つ閻魔刀の恐怖故か、
「で、なんであんたはあんなとこにいたの!?キュルケになにもしてないでしょうね!?」
と勢いよくまくしたてる
「フン、文句をいうなら向こうの女にいえ。それに、俺がそんなことをすると思っているのか?」
とバージルに言われ、冷静になるルイズ、
たしかにこの無表情で無愛想で冷たいこの男が愛を囁くなど想像ができない。
「た、たしかにそうね。まぁ、なにもしてないようだし今回は特別に許してあげるわ!」
その後、バージルはさらにヴァリエール家がツェルプストー家に恋人を寝取られまくった過去など、
憎らしげに語るルイズの演説に延々とつき合わされるハメになった。

「(こういうのはダンテの役目だ…)」
と演説を聞きながらバージルは双子の弟のことを思いかえしていた。



141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:05:54 ID:EevxSe5Y
終わりかな?

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:06:34 ID:SUJvaU9A
ダンテ苦労人だったっけ支援

143 :蒼い使い魔:2008/07/31(木) 22:06:43 ID:+HsqeLaN
これで投下おわりです、
あ、名前欄九話っていれわすれてたごめん、

できるだけ早くかけるように努力します

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:08:49 ID:EevxSe5Y
乙でしたー!

ネヴァンは雷のモードだけどNE

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:09:28 ID:Tef5/aPs
乙でした〜
大丈夫、充分執筆速度お早いですよ

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:18:46 ID:kAJeEJb7
乙でした
このバージルはいい感じにルーンに調教されてきてるなw

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:35:21 ID:FfFG/bpi
バージルが・・・・丸くなっているT T
確かに、色恋はダンテの役割かも
良くも悪くも、バージルはそれとは無縁の世界だったからなぁ

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:41:02 ID:3hEGLnON
もしよかったら今日の23時20分頃に滝島慧召喚ss投下してよろしいでしょうか?

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:47:32 ID:GgGYBwms
契約のルーンを開発したメイジは、心底ドSだったんだろうな。
きっと名前はネウr……

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:48:50 ID:d6Zg+w4W
ふとニューカッスル城での戦闘の途中に、王党派のメイジにインタビューする咲坂守とか思い浮かんだ

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:49:21 ID:NK+edxEm
滝島慧…とは、いかなるキャラにござるか?

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:50:57 ID:GgGYBwms
>148
S・A〜スペシャル・エー〜の登場人物だったかな?

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 22:55:52 ID:O8nH4vKB
え〜

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:08:15 ID:Af28kIU6
調教ていうか駄妄想、、、いやなんでもない

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:11:51 ID:KvFGlqht
コードギアスからC.C.召喚。

「所詮は口先だけで頭でっかちの童貞坊や」とギーシュが嘲われる姿しか思い浮かばなかったorz

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:17:23 ID:Clc0zKaE
キュルケ会話が成立してねえw

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:24:34 ID:BxGm7F7t
原作(漫画版)性能のjojoと北斗が見てみたいな

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:25:20 ID:BxGm7F7t
誤爆です

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:26:41 ID:3hEGLnON
よし。では投下します

160 :S・A in ハルケギニア:2008/07/31(木) 23:28:10 ID:3hEGLnON
1話 主は使い魔の実力を見抜けずに苦悩する


「ここはどこだ?」

滝島慧は気付くと、見知らぬ場所に座っていた。
辺りを見渡して見たら、いるのはピンクや赤や青と色とりどりの髪を持つ少年少女。
建物の様子と、周囲の人間の様子からここが外国である可能性が強いとは判断できるが、そもそもなぜ自分が
外国に居るのか理解出来ない。

(どういうことだ?確か俺は………)

滝島はつい先ほどの出来事を思い返す。

161 :S・A in ハルケギニア:2008/07/31(木) 23:28:46 ID:3hEGLnON
「やあ光。おはようございます」
「おう、滝島。おはよう。なあ……あれなんだろ?」
「えっ!?」

光が指を指すほうを見ると、そこには不思議な空間が広がっていた。
ブラックホールのほうなものだ。
そして他のSAメンバーの五人もその中心に立ってなにやら話していた。

「何なのかしら?」
「ねえ、竜。これって危なくないかな」
『本物のブラックホール?』
「いや、危険かは分からないけど、ブラックホールじゃないはずだ。本当にブラックホールならのんびり立っていられないから」

と、口々に話していた。
そして一人の男がのんきな一言を吐いた。

「ひょっとしてただの大きいチョコレートだったりして……あっ、光ひょっとしてチョコ作った?」
「そんなわけないだろ!誰がこんなデカイチョコなんて作る」
「そうですね。それに光が作ったとしても、わざわざ温室に放置する理由が無い。そもそもチョコならとっくに溶けている」
「ははは、それはそうだな。ハハハハハ」

と、宙のボケを慧があっさりと斬り捨てる。
宙も笑ってごまかしているが、何気なく歩くとやはり定番のように宙は足を滑らせた。

「うわっ!?」

宙は咄嗟にバランスを整えようとするが、すでに間に合わない。しかも倒れる方向はブラックホールの方向だ。
このままでは突っ込んでしまう事になる。
そこでうっかり近くにいた純と芽を掴んでしまう。

「うわっ!」
「っ!?」

しかし純も芽もそんな突然の行動に対応しきれずに、やはりバランスを崩してしまう。

「ちょっと芽っ!」
「純危ないっ!」

と、そこで素早く明と竜が手を伸ばして助けようとする。
だが、一瞬出遅れたせいで二人もやはりバランスを崩してしまった。

162 :S・A in ハルケギニア:2008/07/31(木) 23:30:19 ID:3hEGLnON
「おいお前らっ!危ないぞっっ!!」

そこでようやく光がダッシュしてそのまま跳び明の手を掴む。
が、勢いよく走りすぎたせいで勢いそのまま光も他の六人と共にブラックホールのような物に吸い込まれつつあった。

「光っっっ!!!」

そして最後に慧が走り出し光の手を掴む。
だが、すでに重心が浮いてしまい、踏ん張りが利かなかった。

「くっ、しまっ!」

た!
最後の言葉が出る前に七人はブラックホールのようなものへ吸い込まれていった。
やがて7人を吸い込んだ物は跡形もなく消え去り、温室には誰も居なくなった。


163 :S・A in ハルケギニア:2008/07/31(木) 23:31:34 ID:3hEGLnON
(そうだ。確かに俺は………だがそれならどうして他のみんなは……いったいこれは……んっ!?)

滝島が必死に状況を飲み込もうとするが、そこで驚きの出来事が起こる。
なんといきなり近づいてきたピンク髪の少女が口付けを交わしたのだ。

「なっ!?なにをする!?」

滝島は思わず若干怒気の混じった声で言い返す。
すると少女は驚きの返答をした。

「何怒ってるのよ。貴族の私にしてもらえるんだから光栄でしょ。あなたは私の使い魔なんだから」
「…………使い魔?何を……つっ!」

滝島は更に言い返そうとするがそこで右手に痛みが走るのを感じた。
みると右手には不思議な模様が刻まれていた。

「ほら。これであなたは私の使い魔よ。それは使い魔の証のルーンなんだから。あなた名前は」
「…………」

そこで滝島は急速に頭が冷えていくのを感じた。
事情はまだつかめていないが、目の前の女が自分の気に入るタイプとは外れているのを感じ取れたからだ。
そして、頭が冷却され、冷静さを取り戻したのを感じると、ようやくいつもの調子を取り戻す事が出来た。

「名前ですか。名乗るならまずはあなたが先に名乗るべきでしょう。貴族の癖に礼儀がまるでなっていませんね」
「なっ!」

と、滝島の思わぬ反撃にルイズはイラっと来るものを感じた。
そして周囲からは

「ルイズが召喚した使い魔が口答えしてるぞ」
「さすがゼロのルイズだ。使い魔を全然扱えてないぜ」
「才能ゼロは使い魔もまともなの召喚出来てないぞー」


164 :S・A in ハルケギニア:2008/07/31(木) 23:32:12 ID:3hEGLnON
と様々な嘲笑が飛び交う。
しかし滝島はそれに我関せずのまま更にルイズに追求する。

「ほら。あなたが先に名乗ってください。それとも私が名前をつけましょうか。そうですね……ゼロさんでどうですか」
「なっ!、ゼロ……」
「嫌ですか………ゼロさん。良いと思いますがね。ああ、私は滝島慧といいます。変なあだ名はやめてちゃんと名前で
呼んでくださいよ。ゼロさん」
「ゼっ…………」
「んっ?」

ルイズは明らかに怒りのボルテージが高まっているが、滝島は涼しい顔でそれを眺めている。
そして遂にルイズの怒りが爆発し、

「ゼロって言うなーっっっ!!!」

怒鳴りながら杖で殴りつける。
しかし滝島はそれを表情も変えずによけてしまう。

「なっ!」
「突然殴りかかるなんて………乱暴ですね。……ゼロさん」
「っ!」

滝島の涼しい顔のままの挑発に、ルイズは声にならない怒りを覚えた。
しかしそれをよそに、滝島は新たな事を考えていた。

(しかし……他の皆さんはどこに……あとで誰か話せそうな方を見つけて色々聞き出さなくては)

そうだ。
滝島の仲間を探すハルケギニアでの不思議な生活は今始まったのだ。

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:33:01 ID:3hEGLnON
投下終わりです。

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:38:46 ID:tm3DS8uo
GGGj!!

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:43:55 ID:NK+edxEm
…ふむう、例によってwikipeを参照してみた。


『S・A』(スペシャル・エー)とは南マキによる日本の少女漫画作品である。

滝島 彗
声:神谷浩史(まんがDVD) 鈴村健一(ドラマCD) / 福山潤 / 幼少期:清水香里
11月22日生まれのA型。身長175cm。家族構成:父・母・弟、好きな食べ物:光(ヒロイン)が作ったもの。
2-SA。学年1位。滝島グループ社長子息。完璧で超人、一度見たものは覚えられる。
父からは、仕事を手伝って欲しいと、よく頼まれるため、重要な会議などに出席する事もある。
以前は、その超人さが原因で、弟の翠に嫌われていたが、光を通して仲良くなった。
幼い頃は同年代の子供と遊んでも彗の超人さに相手が付いて行けず、彗としても株の動きを見る方が楽しかった模様。
そんなとき父繋がりで光と知り合いプロレスで勝つが、再度勝負を申し出た光を好きになる。
以後光に近付く男には容赦せず、光の兄すらも危険視している。

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:47:24 ID:F48wgfH5
元ネタは少女マンガか。ちょいと珍しいな。

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:47:47 ID:4huVXNpg
>>167
……ギャグ漫画?

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:49:00 ID:W/1gHpaS

むぅ七人とな他の六人はどこに消えた?
虚無の担い手他の三人+キュルケ、タバサ、ギーシュ。
なわけないだろうし。

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:50:05 ID:4ajzfU3m
恐ろしい事に少女漫画だと、これくらいの厨二設定普通なんだぜ……

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:52:55 ID:LJU1GvQ1
なにしろスナイパーライフルを肩に担いで狙撃するようなのが超一流の殺し屋な世界だからな

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:53:34 ID:d6Zg+w4W
>>172
あれのRPG-7のコラで吹いた俺ガイル

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:54:09 ID:Arev7ArS
とりあえず少女漫画は一生理解できない、というのが俺の認識。

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:57:19 ID:NK+edxEm
考えてみりゃあ、かの「パタリロ」だって少女漫画じゃねえか

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:57:56 ID:8MzYwU6d
あれはギャグ漫画だ

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:58:51 ID:OmxGlQgV
パタリロはギャグありシリアスあり801ありのカオスな漫画だからな。

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:59:03 ID:SUJvaU9A
地獄少女も少女漫画だよ

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/07/31(木) 23:59:27 ID:fQy/Tmse
赤ちゃんと僕は鉄板だ。
流石に拓也を召喚するのはムリだが。

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:00:05 ID:d6Zg+w4W
まだ召喚されてなさそうだが、「こいつら100%伝説」だって「お父さんは心配性」だって少女漫画だ。

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:00:45 ID:SOgMuOFr
>>169
基本ギャグ+恋愛もので、毎回登場人物の誰かのちょっといい話をやってみせたりする。
ときどき嫌なキャラが出てきて問題が起きるが、実はそれほど悪い人でもなかったんだ、みたいな話とか。
少なくともアニメはそんな感じ。

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:01:16 ID:W/1gHpaS
>>175
そういえばパタリロも超少女明日香もS・Aも白泉社の少女マンガか。
他の出版社の少女マンガからの召喚ってあったかな?

明日香は出版社またいでるけど。

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:01:29 ID:ds/BYYVY
ゾンビ屋れい子だって女性誌に連載してたんだぞ。
ホラーM。

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:02:21 ID:5wV94h4/
Xも少女漫画だし

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:03:32 ID:1QicKrFp
>>182
赤ずきんチャチャがあったろう。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:05:24 ID:KQp7SAy4
ちばてつやだって、松本零士だって、手塚治虫だって少女漫画を描いてんだぞ。

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:08:44 ID:aVIP3gPr
まともな人間だってたまには少女漫画くらい描くさ

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:10:22 ID:bT/ImGYg
>超少女明日香
スケバン刑事とピグマリオと少女鮫も少女漫画

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:11:05 ID:2NDhbjgM
あと、レイアースもあったな。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:12:16 ID:LKdFcJBy
百億の昼と千億の夜だって少女漫画。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:14:22 ID:j6/XYVtG
動物のお医者さんも入れてあげて

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:16:02 ID:2NDhbjgM
>>190
あれは小説だろう。漫画も少年チャンピオンだぞ。

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:16:21 ID:r8Q2qnF0
おっと。はいからさんが通りますよ。

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:29:06 ID:2NDhbjgM
少女漫画といえば「11人いる!」とか「那由他」とか好きだったなあ。

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:30:12 ID:nb4Z/j+l
今アニメでやってる奴だっけ? ヒロインの中の人が空鍋やみくるんと同じ人の。

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:34:25 ID:LKdFcJBy
>>192
ゲ、チャンピオンだっけ?コミカライズなのは知ってたが。
萩尾望都の他のまざって覚えてたみたいだスマン。

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:38:32 ID:ItBKaRQy
幻獣の國物語から秋津犬の親を召喚
ルイズ的にも被召喚者的にも正に願ったり叶ったり

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:40:43 ID:2NDhbjgM
>>196
竹宮恵子や萩尾望都は結構少年誌でも書いてるのだよね。
地球へ…も「SF漫画少年」連載だし。

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:41:33 ID:Gmh5RcsT
今やエヴァだって少女マンガだ

・・あれをエヴァと言って良いかどうかは微妙だが

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:42:51 ID:lnr07+sK
DNANGELとかセイントテールとか、魔法を使う怪盗をフーケが召喚するとか

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:45:07 ID:7Rs2XulH
>>200
おマチさんじゃなくてテファに召喚させて手伝わせる方が自然じゃないかな。

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:47:05 ID:j6/XYVtG
>>200
変身アイテム召喚で魔法少女?マジカルフーケちゃんですね、分かります

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:52:53 ID:l4G3L64o
>172
スナイパーライフル(長距離狙撃銃)じゃないよ、アサルトライフル(中距離突撃銃)だよ

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:53:42 ID:7Rs2XulH
婚期逃しかけているような歳でも「少女」ですね!
わかりました><

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:53:49 ID:sq4x3f9n
久々にあさりちゃん(85巻あたり)を流し読んだが、タタミがおマチさんみたいな美人に成長しててビビった

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:57:36 ID:KXhNXDVC
あさりちゃんってまだやってたのか
何年やってるんだろう・・・

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 00:57:50 ID:622WwR3W
    〃:.:.:./.:.:.:.,:.:.:.:.:.:.:.:.:.\:.:.:.:.:i、:.:.:.:.ヽ
   ./:i: :.: i: :/:.:i:.:.|:.:l:.:.:.:.:.:.:.:.Y:.:.:|ヽヽ:.:.:|
   レl:!:.:./l::|:.:/レl:j、:j、::|::l:|:|:.:|:.:/l l l:.:.:.!
     'ヘ/:.:l::l:.:l'莎 ヘト忝レ::l::ム/ 'v l |:.:.:.',
    .|:.: :⊥ヽl ¨ ,  ゙ー' |/イ/   \|:.:.:.:.', 
    .l/  `l\ ‐   イ l/`llY  ̄\ :.:.:.',     >>204 少し、頭吹っ飛ばそうか・・・
    /     / lノ l¬≠ i   lj.!    ∧:.:.:.:',
  /     />.>  | 〒__/  く |     \: :i
  ヽ\  _i ヽ\ 「 ¬7 /ノ |    / /:.:|
    \¨  }   _\゙v /ィ∠__ jv- ‐′,イ :.:|

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:03:07 ID:36KE7Oep
ショカツリョウ召喚

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:03:20 ID:Mfov0GKW
19で婚期逃しかけとか、おマチさんはどうなるんだよw

……エレ姉さん? あの人は17歳だから何も問題はありませんよ、市民

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:08:21 ID:yk+FY3j9
ルイズは魔法ができない
カトレアは運動ができない
エレオノールは結婚ができない
カリンは手加減ができない

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:12:35 ID:F7+fBIsN
>>210
何故だろう、エレオノールが一番深刻に見える……

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:12:45 ID:QJlXFmTd
>>209
今度出るドラマCDで、オマチさんと同年齢になりました

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:13:58 ID:y3hu2Mlv
>>210
できないものはそれだけじゃないと思うんだがなぁ。

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:14:49 ID:mcwIW4nN
できないというか、足りないというか

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:16:33 ID:F7+fBIsN
でもまあ、深刻なのはカトレアだわな。
身体が弱くて魔法が使えない、結婚相手もままならない、自分の土地にしがみついたまま。
でも、いつまで生きるかわからないっていうほど深刻にも見えない。

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:23:02 ID:6DKEiWyw
エレ姉さんを助けてあげたい

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:23:40 ID:OhLZ7pBJ
ただ男として嫁に欲しくなるのはカトレアだろ
エレオノールは嫁に欲しいとは思えんいくら莫大な財産がついてても

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:29:02 ID:9QsUs9Pi
やっぱり「守ってあげたくなる人」っていうのは男から見ればかなり点数高いからな
デレの塊みたいな人だし

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:29:03 ID:7Rs2XulH
>>217
その莫大な財産がネックで婿が来ないんじゃないかな。

案外ヴァリアール家が中堅どころ以下の貴族だったら姉二人とも
とっくに結婚してたかも。

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:31:12 ID:Kssm/XXi
違う、バーガンディ伯爵はエレオノールのツン具合に限界を感じたんじゃない。

「お前なんぞに娘はやれん!」って叫び続けるパパンに負けたんだよ。

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:31:42 ID:F7+fBIsN
>>217
なんてたって、婚約相手がもう限界と言い張るほどの女傑。
その貴族って、それなりの身分だったはずだし魔法の腕だってあったろうになあ。
あの世界、DVとかないんだろうか。

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:31:59 ID:i9C3JrCx
この流れで思い浮かんだのがT女の竹田。
ミスコン会場で「ミスって未婚女性って意味でしょ?資格十分じゃん」と齢30の女に言っていた。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:35:09 ID:AZG6oGEg
30代はまだ「女の子」だよ
年増なんて言ってるのはガキだけ

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:36:26 ID:F7+fBIsN
いつ効果が切れるかわからない惚れ薬があるなら、セイカクハンテンダケみたいなポーションがあっても良いのに。
一日カトレア剤みたいなの

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:39:58 ID:yk+FY3j9
>>223
年増って言葉は元々最も美しい年頃、女として成熟しているって意味なんだぜ。

だからエレオノールは年増と声を大にして言っておこう。

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:43:19 ID:dWxWkCE8
いいねぇ、セイカクハンテンダケがハルケギニアに召喚された挙句繁殖しました。
「いいからルイズを一発コましちまえよ。ゲヘヘwww」とか言い出すヴァリエールパパ。
子犬のような目に涙をためて、部屋の隅でビクビク震えてるカリン様。
デレ全開のエレオノールやルイズ。

そして変化が無いカトレア。

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:45:02 ID:nPssPHoa
貴族にとって結婚は政略の一手が大前提。
家格が下の者から婚約破棄するなんて普通は起こりえない。
エレオノールが何をしたかは知らないが、一大スキャンダルだ。
結婚が遠のく以前に社交界に顔を出せん。

次女は健康不安で貰い手がないし、三女は婚約者が国賊に
なった挙句、平民とニャンニャン未遂。

列挙してみると、ヴァリエール家の未来は果てしなく暗いぜ。
パパン、長男を授かる様もう一分張りするしかないぞ。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:45:24 ID:36KE7Oep
マタンゴ召喚ですね。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:47:41 ID:wdfjI8TA
というか、烈風女史が姑になるのがいやになったのでは
ガンダールヴがまるで歯が立たないような怪物だし

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:48:44 ID:F7+fBIsN
>>226
カトレアはむしろ腹黒なんじゃね? 素直の裏返しで。
もしくはデレ7・ツン2・ヤン1のデレツンとか

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:49:23 ID:qEFTM6S/
ルイズの母親が烈風カリンと知っているのは、ヴァリエール家の他にはだれがいたっけ

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:52:13 ID:OhLZ7pBJ
全ては嫡子をあげなかったパパンと烈風女史が悪い
確か早漏だと高確率で女子が生まれるとか聞いたが
もしそうなら全面的にパパンが悪い

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:53:18 ID:F7+fBIsN
>>231
ワルドやバーガンディ伯爵あたりは知ってたんじゃないか? 
一応婚約者だし。そういえばキュルケも知らないんだっけか、家同士がアレだし知ってそう
ただ、ルイズの意見を見てると、ヴァリエールのツェルプストーに対する態度って逆恨(エクスプロージョン

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:54:46 ID:F7+fBIsN
パパンが早漏だって言ったら、なんかサイトと物凄く仲良くなりそうだな……。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 01:59:22 ID:rRnTi2XD
>>234
そんな描写無いのに早漏扱いされてるサイトに泣いた。

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 02:03:51 ID:O/3EqydA
エレ姉さんは子供が出来たらいい母親になるんじゃないかな。
子供が出来るまでが苦難の道のりだろうけど…。

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 02:15:02 ID:NGRQOiPG
>>226
カリンさまに萌えた。

238 :毒の爪の使い魔:2008/08/01(金) 02:22:35 ID:yev4biKh
少々遅れましたが、第二話完成です。
とくに投下予定の人が居なければ投下したいのですが…宜しいでしょうか?

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 02:23:33 ID:MYQige3d
あまり聞くべきではないのかもしれないが、
リリカルルイズ再開予定まで後何ヶ月だったろうか?

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 02:24:46 ID:aVIP3gPr
ジャンガktkr
支援支援

241 :毒の爪の使い魔:2008/08/01(金) 02:32:05 ID:yev4biKh
では、第二話を投下開始します。本作では公式でもあまり触れられてないジャンガの過去とかについてのオリジナル設定なども混ぜて書いていきます。


「…う…うう……」
苦しげな声を上げながら、彼は目を覚ました。上体を起こすと身体に痛みが走る。
まだ霞む両目を手の甲で擦り、ボーっとする頭を必死に働かせ周囲を見回す。
そこはありふれた感じの…多少豪華だが、至って普通の部屋だった。
一つある窓からは明るい日差しが差し込んで――日差し!?
彼の意識が急速に覚醒していく。何せ、彼が最後に居た所は月……こんな日差しを経験する事などは不可能だからだ。
そして、彼がもう一つ気になった事がある。それは…
「何で……俺は生きてるんだ…?」
彼は意識を失う直前、敵対する少年との勝負に敗れた。
命乞いの後に奇襲を掛けたが失敗、少年の持つ親の形見のハンドライフルに右胸を打ち抜かれ、クレバスへと落下した。
あの状況で助かる可能性は万に一つも無かったはずだ。
誰が自分を助けた…?どうやって…?何の目的で…?
悩んでも答えが出るはずも無く、取り敢えず彼は現状の把握に努める事にした。
「ここは…地球なのか?」
耳を澄ませば鳥のさえずりまで聞こえてくる…まず間違いない。
次に彼は自分の体を見た。帽子やコートは脱がされており、イスの背もたれに纏めて掛けてあった。
そして、体には包帯が巻かれている。
まだ右胸に痛みが走るが、治療の仕方が良かったのか”ある程度はマシ”なレベルにはなっている。
と、何となく見た左手の甲に見慣れない文字のような物があった。
「なんだぁ…?」
刺青のようだが、そうではなさそうだ。――誰がこんな物を?
その時、扉が音を立てて開き、彼は弾かれる様にそちらへと向き直った。

242 :毒の爪の使い魔:2008/08/01(金) 02:33:07 ID:yev4biKh
「あ、良かった…気が付かれたんですね?三日三晩も眠り続けていたので、心配だったんです」
入って来たのはメイド姿の少女だった。
手には銀色のトレイを持っており、湯気を立てるシチューの盛られた皿と水の入ったコップが乗っている。
少女はトレイをテーブルに置き、彼に向かって微笑んだ。
「…誰だ、お前?」
「あ、申し送れました。私はここ、トリステイン魔法学院で給仕をさせてもらっておりますシエスタと申します」
「トリステイン?」
聞かない名に怪訝な表情を浮かべる。ボルクにもジャグケトルにも、そんな名前の場所は無いはずだ。
まあ、それは兎も角として――
「なぁ…聞きたいんだがよ…」
「はい?」
「俺は……何だってこんな所に居る。…月のクレバスに落ちたはずなんだがよ?」
まずはこれを聞きたかった。
気を失うまでの出来事が紛れもない事実である事は身体の傷が物語っている。
ならば”どうやって助かった”のか?彼はその事をシエスタに尋ねた。
すると彼女は驚きの表情を浮かべ…
「月ノクレバス…?え、貴方は月から召喚されたんですか?」
召喚――また聞きなれない単語が出てきた…。
いや、少女の言い方から言葉の意味はある程度理解できた。(彼の悪友に一人そういう事を簡単にやってのけていた奴がいたからではあるが…)
つまり、自分は地球の何処かにいた”誰かさん”に呼び出されたおかげで、一命を取り留めたという事なのだろうか?
彼は溜息混じりに呟く。
「――だとしたら……余計な事をしたもんだな…」
「はい?」
「何でもねぇ…こっちの話だ…」
彼はそう言い、ベッドから降りようと身体を動かす。途端、右胸に酷い痛みが走った。
呻き声を上げて右胸を抑えた彼の身体をシエスタが慌てて支える。
「あ、だめです無理をなされては…。まだ、怪我は治りきっていないんですよ?」
「チッ…」
彼は苦々しい表情で舌打をする。と、良い匂いが彼の鼻孔をくすぐった。
それがシエスタの持ってきたシチューの匂いだと気付いた途端、彼の腹の虫がそれを求めて鳴き声を上げた。
彼女は優しく微笑むとトレイからシチューの皿と木のスプーンを手に取る。
シチューをスプーンで掬い、息を掛けて冷まして彼の口元へと差し出す。
「…自分で食えるんだがよ…?」
「まだ無理はなさらないでください。…それに、こういう事をするのが私の仕事ですし」
「はぁ…」
小さく溜息を吐き、彼は意を決してシチューを口にした。

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 02:33:09 ID:aVIP3gPr
支援

244 :毒の爪の使い魔:2008/08/01(金) 02:34:12 ID:yev4biKh
「…ごちそうさん」
「ふふ、お口に合ったようでよかったです」
空になった皿をトレイに戻し、今度は水の入ったコップを差し出す。
彼はそれに口を付けて水を飲む。水が無くなり、シエスタは空になったコップをトレイに戻す。
「三日三晩か…。世話んなったな、お前にもよ…?」
彼は礼をシエスタに言う。しかし、彼女は首を振る。
「いえ…私はただ食事を持ってきただけでして、貴方の看病をなさっていたのは、あちらのミス・ヴァリエールです」
「あん…?」
彼女が顔を向けた方を見る。
最初は気付かなかったが鏡台にうつ伏せになるようにして、マントを羽織った一人の桃色髪の少女が眠っている。
可愛らしい寝息を立てながら、幸せそうな寝顔を晒すその姿は実に愛らしい。
「ッ!?」
そんな彼女の寝顔が一瞬、別の少女がダブって見えた。

――頭痛がする

――息が荒くなる

――苛立ちが込み上げる

彼は慌てて頭を振る。
そしてもう一度少女を見た。この少女が自分を看病していたのか?
「はんっ…お節介好きな奴だな…」
「使い魔の面倒を見るのはメイジの役目だと…ミス・ヴァリエールは仰られておりましたから」
「…ちょっとまて?」
「はい?」
「使い魔ってのは…何だ?」
「ああ…それはですね――」
「うう、ん…?」
シエスタが彼に説明をしようとした時、別の誰かの声が聞こえてきた。…と、言っても一人しかいない訳だが…
「う〜〜〜ん!よく寝た…」
目を覚ました少女=ルイズは大きく伸びをする。
そんな彼女にシエスタは声を掛けた。
「おはようございます、ミス・ヴァリエール」
「ん…?あ、シエスタおはよ――って!?あーーーーーーっっっ!!?」
シエスタに返事をしようとしたルイズは起き上がっている彼=使い魔を見るや大声を上げた。
彼の傍へと歩み寄ると、威圧感たっぷりの目で睨み付ける。
「……なんだ?」
「『なんだ?』――じゃないわよ!この馬鹿猫ぉぉぉぉぉ!!!」

245 :毒の爪の使い魔:2008/08/01(金) 02:34:57 ID:yev4biKh
耳元で叫ばれ、彼はキーンと鳴る耳を手で押さえる。
「うるせぇ…、いきなり怒鳴るんじゃねぇよ?」
「あんたねぇ…いったいどれだけ眠りこけてたと思うの?三日よ、三日!!召喚されてから三日間も眠りこけて、
主人の手を煩わせる使い魔なんて聞いた事ないわよ!?」
「…おい?今こいつからも聞こうとしてたんだが……その”使い魔”ってのは何だ?」
「あっ…そう言えばあんたは召喚した時から気絶していたから、知らないわよね?」
ルイズは彼に使い魔としての役目(と、三日三晩の苦労の愚痴)を聞かせた。
話し終えると、ルイズは再度彼を睨み付けた。
「どう?これで貴方が如何にご主人様である私に迷惑掛けたか解ったでしょう!?」
「全然」
「はぁ〜…」
ルイズは深い溜息を吐いた。
「最初は当たりだと思ったのに…こんな怠け者で、バカっぽそうな奴だったなんて……最悪」
大きく項垂れる。無理もない、亜人を召喚してようやく魔法を上手く使えたと喜んだ矢先、
呼んだ使い魔が死に掛けで…三日三晩、面倒を見る羽目になったのだから…。
もっとも…一方的に捲し立てられた挙句、侮辱された彼にしてみればえらい迷惑ではあったのだが…。
「…勝手に呼び出しといて、随分な言い草だな…?」
「う、うるさいわね!私だってあんたみたいな馬鹿猫、好きで呼び出したりしないわよ!?」
「まぁ、それは兎も角としてだ…」
彼は話題を変えるべく、一旦言葉を切った。
そして、ルイズとシエスタの顔を順見比べる。
「なによ?」
「いや…、お前等が至って普通なんでな…」
「どういう事?」
「解んねぇかよ…?月の基地から発せられた”悪夢の電波”でこの星の連中は全員、悪夢の眠りについてたんだぜ?
それがこうして普通に起きて、普通に話しているんだ……気になるのも当然だろう?奴の演説も流れただろうが…。
まぁ…あのガキ共が何とかしちまったんだろうがな…」
彼が最後に記憶していた状況では、計画の中心人物が星中に演説を大々的に流し、悪夢の電波による光の靄は星の大半を覆っていた。
ここがどこかは未だに解らないが、無事で済んでいたとは考え辛い。そうであったとしても、例の演説は知ってるはずだ。
――しかし、返ってきた答えは彼の予想に反した物だった。

246 :毒の爪の使い魔:2008/08/01(金) 02:35:33 ID:yev4biKh
「悪夢の電波?月の基地?…あんた、何言ってるの?」
……一瞬、彼は少女の言葉が理解できなかった。
――知らないだと?あの事を全て?
「おい、何の冗談だ?」
「それはこっちの台詞。月って…あんた”あの”月から来たって言うんじゃないでしょうね?」
「…ああ、そうだぜ?俺は月で死に掛けてた所をお前に呼ばれたんだよ」
ルイズはあからさまに呆れた表情で溜息を吐いた。
「…怪我の所為で頭が混乱してるみたいね…。はぁ〜、折角高価な薬も使ったってのに…最悪」
「オイッ!?お前……何か物凄い俺を侮辱した考えを抱いてねぇか!?月から来た事も端から信じてねぇって顔しやがって!」
「あたりまえでしょ!?だって月よ、月?あんな所に何かが住んでるわけないでしょうが!?」
「月面人は居たがな…。俺はここの出身だ」
「尚更嘘ね」
「なんでだよ!?」
「月までどうやっていくのよ?魔法を使ったって、無理な事よ」
「ボルクの軍が造った月ロケットを使って行ったんだよ」
「ボルクって何?月ロケットって何?」
「んな事も知らねぇのか?…お前、どこの田舎のガキ――だっ!?」
頭に衝撃が走る。ルイズが拳を叩き付けたのだ。
「つつ…テメェ、何しやがる!?」
「ご主人様に向かってガキって何よ、ガキって!?アンタこそ、ある事ない事空想してるだけじゃないの?」
「……」
彼は考えた…。目の前の少女はあの事件を知らない、それどころか…ボルクや月ロケットの事も知らないと言っている。
ドが付く田舎で過ごしているような奴だったとしても、余りに情報に疎すぎる。
…それに、目の前の少女が嘘を吐いている様にも見えない。自分がそれを得意としているだけによく解る。
――ふと、彼の頭にとんでもなく”馬鹿げた考え”が浮かんだ。
そんな事あり得るのか?と思ったが、自分が追い求めていた力の事などを考えると、否定しきれないのも事実だ。
半信半疑――彼は少女に向かって尋ねた。

「なぁ……ここは地球だよな?」

「チキュウ…?何処の地名…それ?」

――その言葉は彼の”馬鹿げた考え”=”異世界への転移”を決定付ける物となった――

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 02:36:04 ID:F7+fBIsN
支援

248 :毒の爪の使い魔:2008/08/01(金) 02:40:08 ID:yev4biKh
以上で投下終了です。次はもう少し早く投下したいです(汗)
余談ですが、シエスタのシチューを食べさせるシチュエーションはアニメ第一期の
DVD2巻のシエスタを見て思いついた物だったりします。

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 02:41:26 ID:aVIP3gPr
毒爪の人乙っしたー
猫舌イベント来るかと思ったがそんなことはなかったぜ
やっぱジャンガってなんだかんだで可愛いよね


250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 02:57:32 ID:iHJz4bYa
乙と言わざるを得ない

251 :Persona0 :2008/08/01(金) 03:21:56 ID:lz8toWgQ
こんばんは、三時半から投下させていただきたいのですがよろしおすか?

252 :Persona0 :2008/08/01(金) 03:31:48 ID:lz8toWgQ
Persona 0  第四話


 両方の頬に紅葉を咲かせたギーシュは部屋のなかで不貞寝していた。
 薔薇はすべての女性の為に咲くのだと粋がってみたものの、それで何人もの女性に手を出していたことが許される訳ではない。
 ギーシュとて心の底では分かっていた、けれどギーシュにだって見栄がある。
 その結果が二人とも愛想を尽かされるなんて、ほんと馬鹿だと自分でも思う。
 だがその馬鹿な結果を前にしても頭を下げにいけないあたり自分は本当に救いようがない。
 そんなことを考えながらごろりとベットの上で寝返りを打つ。
 昼から降り続くしとしとと言う雨の音がやけに耳に残り、不貞寝しようにも寝付けないのだ。
 ごろりごろりと転がりながら結局眠れず、ギーシュはその場に立ちあがり。
「え?」
 部屋の壁をぶち抜いて来た何かによって、その意識を一瞬で刈り取られた。


 午前零時。
 ルイズがそんな時間にテレビを見ていたのはただの偶然だった。
 ちょうど面白い番組が放映していてついつい夜更かしをしてしまった、理由としてはただそれだけ。
 至極単純だが、まるで示し合せたみたいな偶然の結果だった。
 テレビを消し、眠りに就こうとしたルイズの前に映し出されたその光景は……


「こんばんは、あんっ、女性のみなさ、あっ、咲き誇る紅の薔薇、ギーシュ・ド・グラモンですっ」
 ルイズは石のように固まっている。
「今宵は、この僕が、あっ、素晴らしき、薔薇の世界へとご招待、いた、します!」
 ギーシュは赤い縄で拘束された――俗に言う亀甲縛りである……白いブーメランパンツ一丁の半裸の状態で頬を赤く染めながら悶えているのだから。
「題して、ギーシュ、麗しき薔薇の円舞曲!」
 デカデカと画面に浮かび上がるテロップは昼に見たバラエティー番組のよう。
 テレビの向こう側でギーシュは恍惚とした表情を浮かべながら、いくつもの靴に蹴られている。
「ああん、カ・イ・カ・ン」
「ちょっと何よ、なんなのよ、これは!?」
 ルイズの疑問に答える存在はいない、ただ嬉しそうに悶えるギーシュの声だけがテレビのなかから響いてくる。
「でも薔薇たる僕にはこの程度じゃ、あっ、満足できませんんん!」
 赤いハイヒールのおみ足がギーシュの顔を蹴り、唇を切ったギーシュの顔からはたりと血の滴が流れた。
「僕のことを嬲ってくれる視聴者さんの参加、お待ちしております!」
 そう言ってぷっつりとテレビは切れた。
 ルイズは呆然としたまま


 キュルケに話に行くことにした
>見なかったことにして寝ることにした

「見なかった、私は何も見なかったわ」
 ランプを消し眠りに入る、無意識に落ちる直前までギーシュの嬉しそうな顔がちらついてきて眠いのになかなか寝付くことができなかった。




253 :Persona0 :2008/08/01(金) 03:33:09 ID:lz8toWgQ
 翌朝。
 ギーシュがいなくなった。
 朝起きて仲直りしようとギーシュの部屋に行ったモンモランシーがそこに開けられた大穴を見つけたとのこと。
 ギーシュは事件の第一発見者だ、だから……と言う訳ではないがアニエスと言う衛士が苦い顔で本当にいなくなったのかと入念に調べていた。
 けどルイズには、私にだけは心当たりがある。
 あんまり思い出したくないんだけれども……
 微妙に憂鬱な気持ちを抱えたまま、ルイズはキュルケと共にテレビの中へと向かった。
「はぁいルイズちゃん元気ィ?クマ」
 当たり前だけどそこではクマが待っていた。
「うん、元気よ。ちょっと憂鬱だけど」
「そっかぁ、クマも今日は憂鬱だから仲間クマね、一緒一緒〜」
「憂鬱って、なにかあったの? クマちゃん」
 キュルケが不思議そうに尋ねると、クマは歯ぎしりでもしそうな様子で地団太を踏む。
「そうクマよ、聞いて欲しいクマよ」
 こんなに怒ってるなんてなんのことだろう? そう思いながらルイズもクマの言葉に耳を傾ける。
「最近この中に人を放り込む人がいるクマよ、ここ最近は収まったと思ったらまぁた始まって、クマもうほんとに困っちゃうクマ」
「放り込むって……」
「そのせいでこの中もどんどんおかしくなってるクマ」
 しょんぼりとしたクマの姿はルイズからしても見ていて辛い。
「おかしくなるって此処って一体全体なんなのよ? もう一人のルイズやらペルソナやら、普通じゃない」
「分からんクマ」
「分からないって、あんた此処に住んでいるんでしょう?」
「じゃあ君たちは、君たちが住む世界について何でも知っているんクマ?」
「うっ、そ、それは……ともかく、その放り込まれた人について教えて欲しいの」
 この世界に入った当初、ルイズはもう一人の自分に殺されそうになった。
 ならばギーシュの身に同じことが起きないとは限らない。
 女たらしのいけすかない奴だが、あれでいて悪い人間ではない。それにむざむざ見殺しにするには少し後味が悪すぎる。
「んーと、こっちの方から匂って来るクマ」
 そうしてルイズたちはその場所に辿り着いた。



254 :Persona0 :2008/08/01(金) 03:34:53 ID:lz8toWgQ
 ――麗しき薔薇園

「此処は……」
 咲き乱れる真赤な薔薇のなかで幾人もの乙女が舞い踊っている。
 いやそれは乙女ではなく精緻に作り上げられた青銅のゴーレム――ワルキューレだった。
 その顔はモンモランシーやケティ、或るはルイズも知らない女性のものも多く混じっており、共通するのが彼女たちは皆きわどい服装を着てその手になんらかの責具を持っていると言うこと。
「なによ。これは……」
 そしてよくよく眼をこらして見れば、元はこの場所がヴェストリの広場であったことは明確だった。
 なぜこの世界に魔法学院と同じ建物や場所があるのか?
「此処はギーシュって人の影響を受けておかしくなってるクマよ」
「ギーシュの影響?」
「この世界は人の心の影響を受けやすいんだクマ、だから人がいっぱいこっちにくるとどんどんおかしくなっていってしまうクマよ」
 そんな会話をしてる途中にふと金色の髪が視界を掠めた。
「ギーシュ!?」
「ちょっと待って、なんか様子がおかしいわ」
 びくんびくんと痙攣しながら近づいてくるのは紛うことなきギーシュ。
「ああん、飛び入りゲストの人達が来てくれたようだ、ね」
 金色に光る眼、それを見てルイズははたと気がつく。
「まさかもう一人の……」
「でもまだまだクライマックスには物足りないね」
 そう言いながらギーシュは首輪を引っ張られ、奥へと向かって引きずられていく。
「さぁレディたち僕を追っておいで!」 
 その背中を見つめながらルイズはぽつりと呟いた。
「追わないと駄目かな、やっぱり」
「突撃クマー!」

 ――ルイズがダンジョンを攻略しております、少々お待ちください


255 :Persona0 :2008/08/01(金) 03:36:11 ID:lz8toWgQ
「ギーシュ!?」
「見て、本物もいるわっ」
 ギーシュは怯えたように目の前のもう一人の自分に向かって叫んだ。
「なんなんだ君は、それに此処は一体どこなんだっ!」
「ああっ、ふ、ふふ、わからないかい? 僕は君、さ」
「ふざけるな、僕はそんな変態じゃないぞ!」
 本物のギーシュを見ながら偽物はニヤリと笑う。
「本当に、そうかな?」
「何を……」
「命を惜しむな名を惜しめ、グラモン家の家訓は君には重いよね。だから女の子に逃げたってしょうがない」
「違う、違う違う、僕は本気で女の子たちのことを……」
「薔薇はそれを愛でる全ての女性たちの為に咲く、そんなこと本気で信じてる訳じゃないんだろう?」
「一人は嫌だ、寂しい、怖い。だから女の子と一緒にいよう」
「だ、黙れっ!」」 
「そう思いながら、けれど君は誰一人本気で愛せない」
 くすくすとギーシュの影は笑う。
「愛想ばかり振りまいて何が薔薇だよ、そんなだから本気の言葉にも応えられない」
「ちっ、違う!」
「違わない、違わないよ!」
 そうしてギーシュの影は一歩ずつギーシュに近づいて行く。
「なんて卑怯な自分、薄汚い自分、女の子の心を弄ぶなんて――罪深い自分、だから罰して欲しいんだろう? 女の子自身の手で、こうやってさ?」
 その言葉と共に周囲の女の子の姿をしたワルキューレ達が影に向かってそれぞれの獲物を突き立てた。
「ああん、もっとだ、もっとぉぉぉ」
「やめろ、やめてくれ……いやだ。お前なんか……」
 ギーシュがその言葉を言おうとするのを聞き、ルイズは止めようとしたが。
 しかしどうしても制止の言葉をギーシュに向かって言うことは出来なかった。
「お前なんか僕じゃない!」
 影から暗いオーラが立ち上る、深く深くその顔に笑みを刻む。
「認めろよ、僕は君さ、君なんだぁぁぁああ!」
 その言葉を聞きながらギーシュは意識を失った。




256 :Persona0 :2008/08/01(金) 03:38:00 ID:lz8toWgQ
「我は影、真なる我。邪魔しないでおくれレディたち、僕は今からそこのクズに制裁を加えねばならないのだからね」
 そう謳うギーシュのシャドウは見た目的には普段彼が使役する青銅の乙女――ワルキューレに酷似した姿をしている。
 もっともそのワルキューレの背中いは立派な青銅の巻き毛があり、被った割れた仮面の下からはぎょろついた目が覗く、ルイズ達の三倍もの大きさを誇るその手にはその巨大な体よりなお巨大な盾を構えている。
 その盾のなかには赤い布で縛られたギーシュがまるでワルキューレを庇うように半裸で腕を広げた絵が描かれている。
「ギーシュ、この馬鹿とっとと目ぇ覚ましなさいよ!」
 そしてその絵のなかからギーシュの影は言葉を放っていた。
「ふふ、言っても分からないようだね。不本意だがしょうがない暫く眠ってもらうよ!」
 ワルキューレはその右手に構えた剣を試すように何度か振るうと、ルイズたちに向かって向きなおった。
「その言葉、そっくり変えさせて貰うわ!」
 そう言ってキュルケは杖の先から炎の渦を送り出した、それをワルキューレはギーシュの盾で受け止めた。
「熱っ、熱い、熱いじゃないか――でも彼女たちに傷は付けさせないよ!」

 ――赤の壁!
 ――ラクカジャ!
 ――かばう!

「まだまだぁ、僕の愛はこんなもんじゃないぞぉぉぉ! 錬金!」
 その言葉と共に槍と槌を持った二体のワルキューレが薔薇の吹雪と共に立ち上がる。
「守る、守るんだ、僕が……」
 虚ろな目で、怯えた目線で、盾のなかでギーシュは繰り返す。
「そんなに罰して欲しいなら、罰してあげるわよ!」

 ――メギド!

「ああん!」
 ワルキューレをまとめてなぎ払おうとしたルイズのメギドは全てギーシュに吸い込まれた、あまりの苦痛に平面になったギーシュはもがくが、しかしどこか嬉しそうにも見える。
「いいぞ、ルイズもっとだ、もっと……」 
「っ、そんな……ゴーレムを庇って自分が怪我してたら世話ないじゃない!」
「それでも僕は――錬金!」

 さらに二体、弓と斧を持ったワルキューレが花壇から立ち上がった。
 
 ――マハタルカジャ!

257 :Persona0 :2008/08/01(金) 03:38:50 ID:lz8toWgQ
 ギーシュの魔法がかかると同時に防御体制に入っていたワルキューレ達が一斉に攻撃態勢に入る、ギーシュの盾を持ったワルキューレが攻撃目標を指し示す。

 ――ラインの黄金!
 
「きゃぁぁぁぁああ!?」
「キュルケ!?」

 ――ディア!

 四体のワルキューレによる連続攻撃を受けキュルケが身悶える、かろうじて立っていられるのはルイズの回復魔法が連撃の途中で間に合ったからだ。
「だ、大丈夫!? 今ディアを……」
「駄目よルイズ、今の攻撃をもう一度受けたら私たちに勝ち目はないわ」
「でっ、でも……」
「見たところギーシュも大分無理してる、だったら今はただ攻撃あるのみでしょう?」
 そうしてキュルケは杖を構えた、己の激情をその先に込めようとするかのように。
「あんた、どうしてそんな無茶ができるのよ!」
 呆然とその顔を見つめるルイズを前にキュルケは笑った。
「だってヴァリエールの前で無様な姿を見せる訳にはいかないじゃないの、さぁ行くわよぉ!」
 キュルケの放った火の弾は雨となってワルキューレ達の上に降り注ぐ。
 そしてそれをギーシュは庇い……
「ぎゃああああああ!」
 ギーシュの叫びなど関係なしにワルキューレ達は各々の獲物を構え、二人に向かって突進する。
 それをまっすぐに見据えながら、ルイズは魔法を呟いた。

 ――メギドラ!

 高ぶった感情が魔法の力を上乗せしたのか放たれた爆発はより高みの威力を備えていた。
 もはやギーシュにそれを庇うだけの体力は残っておらず、その威力は余すことなく青銅の乙女たちに降り注ぐ。

「あ、あああ……」

 気絶したキュルケを床に寝かせると、ルイズは頭を抱えて呻くギーシュをまっすぐに見据えながら最後の戦乙女に向かって歩いて行く。

「掛かってらっしゃいギーシュ――決闘よ!」


258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 03:39:40 ID:vTYeZoRl
しえんだ

259 :Persona0 :2008/08/01(金) 03:41:12 ID:lz8toWgQ
以上でございます。
次回はギーシュ覚醒編とその次回への接続の話の予定。


260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 05:43:08 ID:63L6WLZ+
GJ!!
決闘イベントをこう書くか、と膝を打ちました。
シャドウやダンジョンの描写も相変わらず素晴らしいです。

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 08:10:30 ID:Iqo0vLiq
下手すぎだろwww
こっちの方が面白い

http://tv11.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1215358420/l50

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 08:21:35 ID:7Rs2XulH
夏だねぇ

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 09:38:48 ID:8biKVv4i
寛容の心を持って、こちらも「夏ですねぇ」と、風物詩を楽しむような態度で乗り切りましょう。

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 10:02:04 ID:SEPfWEew
夏だろうが秋だろうが変なのは年中そこらにいるがな

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 12:11:22 ID:l3Oa0HeF
>>264
リナの台詞でそんなのがあったな。
細かい言い回しは忘れたが、
「春になると変なのが沸いてくるって言うけど、奴らは年中居る」
ってなことをSPで言ってた、はず。

266 :炎神戦隊ゴーオンジャー ◆/J119aJ2n2 :2008/08/01(金) 12:23:26 ID:gtriq3gn
 長編の第1話を投下したいのですが、よろしいですか?

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 12:25:34 ID:ZKEdUfxC
またすごいタイトルを持ち出してきたなぁ…wしえん

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 12:29:14 ID:M6OiQw5I
人事ながら大丈夫か?   期待&支援

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 12:31:45 ID:2GA2uiGK
個人的に期待支援

270 :炎神戦隊ゴーオンジャー@ ◆/J119aJ2n2 :2008/08/01(金) 12:32:35 ID:gtriq3gn
「炎神戦隊ゴーオンジャー BUNBUN!BANBAN!クロスオーBANG!!」
――GP01 三悪ツカイマ――

「ここはマジックワールドのトリステイン魔法学院。今2年生の進級に必要な春の使い魔召喚試験の真っ最中だぜ、ドルドル!」

 既に召喚を終えた生徒達は、退屈そうにまだ召喚に成功していない唯一の生徒・ルイズを眺めていた。
 彼女は目下20回目の挑戦中だ。
 自身の起こした爆発で髪は乱れ服は埃にまみれ、目を血走らせ息を荒げても、まったく諦めないルイズをコルベールは密かに応援し続けていた。
 ルイズはなおも大仰な呪文を唱え必死に杖を振るう。
「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ! 神聖で美しくそして強力な使い魔よ!  私は心より求め訴えるわ! 我が導きに答えなさいっ!!」
 周囲に轟音が響き閃光が溢れる。
 周囲はまた失敗かと呆れていたが、ルイズ本人の考えはまったく違った。
(手応えがあった!)
「……ゲホ、ゲホゲホ……ゲホゲホゲホゲホ……!!」
 ルイズの確信に答えるかのように、白煙の中から男の激しい咳の音が聞こえてきた。
 それと同時に白煙も薄まり、ぼんやりながらその中に3つの人影が見えてきた。そのうちの1つが激しく動いている。おそらくそれが咳き込んでいるのだろう。
「人間!? まさか平民じゃないわよね……?」
「あっ、何だあれは!?」
 白煙が視界を妨げないまでに薄まった時、一同の目の前に現れたのは……、

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 12:34:18 ID:M6OiQw5I
ここで終わったら面白いな 殺意沸くけど

272 :炎神戦隊ゴーオンジャーA ◆/J119aJ2n2 :2008/08/01(金) 12:38:53 ID:gtriq3gn
「うむむ……、いったい何事が起こったなり?」
 真鍮色の鎧と仮面に身を包んだがっしりした体格の人間……いや、ゴーレムがそう呟いた。困惑を表現するかのように頭部から生える金属棒がゆっくり上下している。
「どうやら事故か何かで、ヒューマンワールドの外に転送されてしまったようでおじゃるな」
 真鍮色のゴーレムにそう返したのは、召喚された中で唯一人間らしく見える銀色の部分鎧を纏った女性だった。
「ゲホゲホ……、そうとしか考えられんぞよ! ヒューマンワールドの空気はここまで綺麗ではないぞよ、ゲホゲホゲホ!」
 激しく咳き込みつつも女性の発言に同意したのは背の高い鉄色のゴーレム。体の各所から煙を噴出している。
「あれがルイズの使い魔か!?」
「女は平民のようだが、ゴーレムを2体も連れてるぞ! 何者なんだ!?」
 ルイズの召喚した正体不明の使い魔に一同がざわめく中、コルベールだけがその存在を示す音――咳に違和感を覚えていた。
(なぜ彼は咳を……?)
 コルベールの疑問はもっともだ。
 正史においてルイズが召喚した使い魔の故郷・ヒューマンワールドならともかく、ここマジックワールドにおいて常人が咳き込むほど空気の汚染された場所といえば、活火山の火口付近か何年も掃除されていないような埃の溜まりきった場所程度だ。
 こんな自然溢れる中に建てられたトリステイン魔法学院においてここまで激しく咳き込むと、本来であれば何らかの病気を疑うのが自然だ。
 しかし相手はゴーレム、病気とは考えられない。
(何か気になりますが……、判断材料が少なすぎますね)
 現時点では考えてもどうしようもないと思い、唯一の人間と判断した銀色の鎧の女性に声をかける。
「失礼しますミス、私はこの学園の教師コルベールと申します。突然の事で困惑されるのは当然かと思いますが、まずはお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

273 :炎神戦隊ゴーオンジャーB ◆/J119aJ2n2 :2008/08/01(金) 12:51:24 ID:gtriq3gn
 その言葉に真っ先に反応したのは真鍮色のゴーレムだった。
「人間、コルベールと言ったな? まあ名前がわからねば呼びにくいのは確かなり。我が名は害地大臣ヨゴシュタインなり」
「わらわは害水大臣ケガレシアでおじゃる」
「害気大臣キタネイダスぞよ。コルベールとやら、とにかく状況を説明するぞよ」
「大臣だって!? とんでもない方を召喚したもんだな」
「下手打ったら戦争ものだぜ……」
「という事はあのゴーレムみたいなのも、凄い鎧を着てる人間って事だよな」
 3人の発言に生徒達は騒然となり、コルベールも緊張を隠しきれない口調で答える。
「だ、大臣ですか……。それではミスタ・ヨゴシュタイン、ミスタ・キタネイダス、ミス・ケガレシア、率直に言います。皆様方はミス・ヴァリエールのサモン・サーヴァントによって召喚されたのです」
「召喚!? ……率直に言うぞよ、コルベール。……もしやここはマジックワールド……いや、ハルケギニアか?」
「マジックワールドという地名に心当たりはありませんが、ハルケギニアなのは確かです」
「やはりか。マシンワールドほど文明が進んでいないのに世界間転移が可能なのは、マジックワールドの魔法しかありえないぞよ」
「それで、皆様はミス・ヴァリエールの使い魔として契約していただく事になるのですが……」
「……まあいいでおじゃる。どのみちヒューマンワールドに戻ったところで手詰まりなのは変わらぬ。それならばマジックワールドを新たな標的にして、しばらくほとぼりを冷ますのが得策でおじゃる」
「ヴァリエール、だったな? さっさと契約とやらを済ますなり」
 3人とコルベールとの会話を眺めていたルイズがおずおずと進み出る。
「……我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え我の使い魔となせ」

「この後、コントラクト・サーヴァントの苦痛に耐えかねたケガレシアとキタネイダスが汚水と黒煙を撒き散らしよったせいで、生徒が全員倒れて学園中の水のメイジがてんてこまいしたんやけど、それはまた別の話や! ブイブイ!」

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 12:56:35 ID:NjgfJ4+e
言ってる側から出て来たな。しかも書きながらかよ。
まあ夏だからねぇ。

275 :炎神戦隊ゴーオンジャー ◆/J119aJ2n2 :2008/08/01(金) 12:58:17 ID:gtriq3gn
 以上で投下終了です。
「炎神戦隊ゴーオンジャー」から「ヨゴシュタイン・ケガレシア・キタネイダス」を召喚です。
 何分放映中の作品なので時間がかかると思いますが、よろしくお願いします。
「マジックワールド」は「ゴーオンジャー」世界で言う「ゼロの使い魔」世界の名前ですが、ご容赦ください。

 なお書き込みが遅れたのは投下するタイミングでちょっとした横槍が入り続けたためで、書きながらではありません。

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 13:06:43 ID:+tSr+rrV
呼ばれたモノがハルケギニアを認識してると言うのは珍しいですね
この先期待しますので頑張って下さい

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 13:24:43 ID:l3Oa0HeF
乙したー。
ハルケギニアが認識下にあるってのは始めてじゃなかろか。

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 14:55:13 ID:PW8EeDzq
少し前に学園物からのキャラ召喚の雑談がされていたが。
そのとき俺が真っ先に思いついたのが。


木津千里


だった。
いや、だって強そうだし・・

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 15:16:55 ID:iUyniljz
ゲデヒトニス呼ぼうぜ
執事として働いてくれるからルイズも満足するだろ
もしくはお嬢さま呼ぶか・・・

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 15:21:34 ID:9+otIMRX
>>279
むしろ二人とも呼んで誰も突っ込まないあの世界にルイズというツッコミを
配置するのはどうだろうか。

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 15:21:37 ID:YooH1IQ+
ゴーレムじゃなくてガーゴイルって認識になるんじゃね?

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 15:31:51 ID:f+IeHkL7
ハルケギニアにおけるゴーレムとガーゴイルの違いってナンだろ
メイジが操縦するのがゴーレムで自意識持ってなくてもある程度自分で動くのがガーゴイル
そういう認識でよいのだろか


283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 15:35:19 ID:h5GLWYem
>>279
残念だがそいつは二次創作的には非常に危険と言うか実質
アンタッチャブルなキャラなんだ。
ぶっちゃけディズニーの作品だし。


284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 15:39:52 ID:7Rs2XulH
そこまでディズニーも細かい事は言わないよ。

自重しておくに越したことはないけどな。

>>282
それで良いみたい。

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 16:25:49 ID:bmFOSmxu
神話からの召喚はあり?

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 16:28:34 ID:8WxbxKla
クトゥルーから呼ばれてた気がする

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 16:34:06 ID:f+IeHkL7
>>285
昔話からの召喚もあるので良いと思うのですよー
ソーは果たして神話からの召喚なのか漫画からの召喚なのか悩む今日この頃

288 :ゼロの女帝:2008/08/01(金) 16:36:49 ID:f+IeHkL7
予約あるですかー
無いなら40分頃から投下しちゃうですよー

289 :ゼロの女帝:2008/08/01(金) 16:37:45 ID:f+IeHkL7
間違い失敗  16:00から投下するです
申し訳無いのですよ

290 :ゼロの女帝:2008/08/01(金) 16:38:16 ID:f+IeHkL7
17:00からの間違いなのです
重ね重ね申し訳ないのです

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 16:41:29 ID:bmFOSmxu
神話からもありか

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 16:42:15 ID:cMSTdNuK
ルイズの世界と召喚された使い魔のいた世界との時間の流れを考えたらクロスオーバーって難しいなー……
リアル浦島太郎だし

293 :ゼロの女帝:2008/08/01(金) 16:56:35 ID:f+IeHkL7
はい、それではそろそろ投下するのですよー

294 :ゼロの女帝:2008/08/01(金) 17:02:23 ID:f+IeHkL7
  ゼロの女帝    十話

「もうすぐラ・ロシェーヌね」
「思っていたより早く着いた」
「シルフィードもだけど、ワルド卿のグリフォンのおかげね。
 あらどうされましたワルド卿?」
「い、いやちょっとね」
「まあまあワルドちゃんったら、まるで『初めてのデートの相手が待ち合わせに遅れてる』みたいよ」
「な、なにおおっしゃっているのかわかり・・・・・・」
「ワルドちゃんは男の子、しかもこの中で最年長なんだからどっしりと『俺に全て任せておけ』みたいに構えないと。
 ましてルイズちゃんの前なんだから」
「どう考えてもワルド卿はヴァリエールにはもったいないわよねぇ」

などとヨタ話をしながら飛び行く二匹。
そして岩陰からそれを見送るのは、珍妙な格好をした一人の男。
トリステインでは見かけない衣装だ。
否、ハルケギニア全土を見てもこのような服を着た者はいないだろう。
「う・・・・・・うぐ、テメェ」
げしっ
「黙ってろ。第一お前、本来なら平身低頭して俺に感謝すべきなんだぞ」
「な・・・・にぃ?」
「今ここでおれにやられてなければお前ら、みなあのクソババァに係わっちまう所だったんだからな」
『お疲れ様、兼光   帰還して頂戴』
「なあ水穂、本当に水鏡と俺たち、瀬戸様放って帰還していいのか?」
『あら、心配?』
「ああ、心配だね。あのクソババァが好き勝手するかと思うと、この惑星、ハルケギニアだったか?
 戻ってきた時には存在してないなんて事になりかねん」
『しかたないでしょ、瀬戸様がしばらくいなくなってるって事で海賊やら天木の舟参やらがコソコソ動き始めてるし
 瀬戸様のアストラルコピーで睨み効かせないと』
「お前も西南くんに会いたいし、てか?」
『な、な、な、何言ってるのよ!そんな事あるわけないでしょ!
 とりあえず樹雷に帰還するわよ!』
「ヘイヘイ」


「えーみなさま。と・いうワケでラ・ロシェーヌに早く着いたワレワレでありますが」
「誰に説明してるんだい?」
「誰でもいいでしょ 一番早い便が明日の朝なので一夜の宿を取ったら、そこを謎な傭兵のクズどもに
 襲撃されているという状況なのです」
「で、ワルドちゃんはどうしたらいいと思う?」
瀬戸の問いに、少し考えるワルド。
「このような任務は、半数が目的地に辿り着ければ、成功とされる。
 正式な使いであるルイズと、護衛としてこのわたしが裏口から行こう。
 皆は連中を食い止めていて欲しい」
「はい三十点ね、失格。
 裏口に伏兵が待ち構えてたらどうするの?
 彼我の戦力差を認識していない状況でいたずらに分かれるのは各個撃破されるだけよ」
「ではどうするべきと?」
できればここで余計な『護衛』と使い魔を排除、とまで行かなくとも別れておきたかったのだが。
「ここは正面突破ね」
「正面突破なんて無謀です」
「大丈夫よギーシュちゃん、心配してくれてありがと。
 でもまあ時間も無いし。
 みんな後から来てね」
いうなり立ち上がる瀬戸。
そのまま無造作にすたすたと外に歩いていく。
矢は勿論、燃え上がる炎はおろかメイジくずれの放つ風の牙すら彼女を傷付ける事無く自ら身を逸らしていく。
「やれやれ、『死を覚悟すれは鬼神も道を譲る』といったところかね」

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:02:53 ID:IZ8PV3hm
支援

296 :ゼロの女帝:2008/08/01(金) 17:03:17 ID:f+IeHkL7
「あら何を言ってるのかしらギーシュ。
 セトは『死を覚悟』なんかしてないわ。
 ただ普通に歩いてるだけ。
 それだけで火も風もセトを恐れて逃げているのよ」
そういったルイズは、自らの使い魔の後について行く。
それはギーシュも、キュルケもタバサも同様であった。
「な・・・・・なにが・・・・・・・」
仕方なく最後尾をついていきながら、ワルドは呆然としていた。
何故あの使い魔はあそこまで自信満々なのだろう。
そしてルイズやこの物達は何を考えてここまで平民をごときを信用できるのだ。
「それはですね、ワルド卿。
 彼女に教えられたからです。
 魔法など宴会芸のひとつに過ぎないのだと」

これはいけない。
決定的な破滅で心が壊れかけた状態のルイズ。
そんな彼女に手を差し伸べる事で彼女の信頼を勝ち得る予定だったのに。
その為に周囲の者を少しずつ排除していく段取りだったのに。

などと考えながら外に出たワルドは驚愕した。
あの命知らずの荒くれ傭兵どもが、怯え恐れ身を竦ませているではないか。
先頭の、ルイズの使い魔である平民がただ歩くだけで腰を抜かし、逃げ出してゆく。

一体何なのだ、ヤツは。

ヤツを殺さなければならない

ヤツの存在は自分達メイジの存在意義を危うくする

ヤツは『メイジとそれ以外』という始祖ブリミルによって定められたこの世界のありようを否定する

ヤツはどこかママににてるが、彼女を許しておいてはいけない

ヤツはボクがボクであることすら否定してしまう存在だ

ママ、ママ、ああママどうしたら良いと思う?助けてよママ

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:04:43 ID:ze4PRWHW
支援。
マザコン全開なワルドにこそ支援する。

298 :ゼロの女帝:2008/08/01(金) 17:06:13 ID:f+IeHkL7
はいここまでです

なんか最後ワルドがギイ・クリストフ・レッシュ(ギャグバージョン)みたいな事になってしまいました
まあ今回は繋ぎ、ということでご容赦ください、いろいろと

299 :ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:20:26 ID:F8S7R+pG
ども、魔砲の人です。

水曜日に投下していましたが、今週、長くなりすぎて投下間に合いませんでしたw

というわけで女帝の感想タイムも考慮して、30分頃から一挙二本立てで投下いたします。

さるさん怖いので、後半は少し間を開けますけど。


というわけで三週間+αぶりになのはさん登場です。

勝利の鍵は『全力全開』です。

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:25:17 ID:7qNd8nzz
>>278
名取羽美の方がストーリーテラーとしては万能だぞ


301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:30:28 ID:iHJz4bYa
俺は!
魔砲使いの人が投下し終えるまで!
支援するのを止めない!!

302 :ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:32:53 ID:F8S7R+pG
では、そろそろ投下開始いたします。

303 :ゼロの女帝:2008/08/01(金) 17:33:05 ID:f+IeHkL7
コレで私の作品自体を皆に忘れられてしまうのだなぁ

と・いふワケで魔砲の人支援するのですよー

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:33:20 ID:GyP3qNJP
待ってました、進路オールグリーン投下よろし

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:34:03 ID:ze4PRWHW
全力全開の支援を。

306 :ゼロと魔砲使い 第18話-01 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:34:30 ID:F8S7R+pG
18話 王子

 ワルドが借りた船の名前は「マリー・ガラント号」といった。
 この地ではよくある貨客船だが、一見みすぼらしげな見た目に反して、一等船室と称されている部屋はルイズでも満足できる快適さと豪華さを兼ね備えていた。
 「船を借り切ろうなんて考える客は、たいてい貴族か大商人ですからね。乗り合いじゃない船には、こういう部屋も必要なんですよ」
 言われてみれば確かにその通りだったので、ルイズ達も納得した。
 「ただすみませんね。さすがにこちらも貴族の方がこんなに大勢で来るとは思っていませんでしたから」
 一等船室は四人程度で満員になってしまう。当然控えの間というか、世話人の部屋もあるので泊まるスペースには事欠かないが、どうしても格が桁違いに落ちる。
 貴族のプライドは高いだけに、こういう点でよくもめるのということを船長は熟知していた。
 もっともその心配は杞憂であった。男二人、ギーシュとワルドが「さすがに同室はまずい」と引いたので一等船室はルイズ、キュルケ、タバサ、ロングビルの四人が使い、ギーシュとワルド、及びなのはは控えの間になった。
 
 出港して少し落ち着いた頃、サロンに集っていた一同に対して、ワルドが言葉を投げかけてきた。
 「そういえば彼らは君の友人かい? 出来れば紹介してもらいたいな」
 「あ、そういえばろくに挨拶もしていませんでしたね」
 ルイズもそのことに思い至った。ある意味仲がよくなりすぎたがための問題だろう。
 「ではまず私から……」
 口火を切ったのはキュルケだった。
 「私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。二つ名は“微熱”。キュルケと呼んでくれていいわよ、すてきなお方」
 「ツェルプストーというと、確か」
 「そ、ルイズのお隣さんよ。ただ、ご存じかどうかは知らないけど、ツェルプストーとヴァリエールは色事に関してトラブルが多いから、この場では控えておきますわ。この場では」
 最後の「この場では」をわざわざルイズを見ながら言うキュルケ。ルイズが爆発し掛かるが、何とか自分を押さえ込んだようだった。
 「あ・ん・た・ね〜」
 「はいはい後々。まだ紹介が終わっていませんわ」
 次に一歩進み出たのはタバサだった。
 「タバサ」
 そう一言言っただけで引き下がる。
 さすがにワルドも二の句を継げられなかった。
 「あ……いや、よろしく」
 そういうのが精一杯だ。
 何となく気まずい雰囲気になり掛かったが、そこにすかさず次が出た。
 「あ、ぼ、僕はギーシュ。ギーシュ・ド・グラモンです。はじめまして」
 「グラモン? というと君は元帥の」
 「はい、四男になります」
 「いつも元帥にはお世話になっている。よろしくな」
 「こ、こちらこそ! グリフォン隊の若き隊長であるあなたと話が出来て光栄です!」
 「はっはっはっ、そう緊張しなくてもいいよ。ルイズの友達であるようだね。よろしく頼むよ」
 嫉妬の影すら見せぬ余裕ぶりであった。いつものギーシュなら反発するところであろうが、目の前の人物があこがれに近いエリートであるというおかげてそれは相殺されていた。
 次いでミス・ロングビルが挨拶をする。
 「わたくしはロングビルと申します。元貴族でしたが、今は家名を失い、学院で秘書をしているただの平民でございます。此度は元アルビオン出身ということで、案内役を申しつかりました」
 「それはそれは。よろしくお願いします」
 元貴族、ということを考慮したのか、やや素っ気なしに返答するワルド。この場合、相手を持ち上げるとかえって失礼になる。
 「ルイズ、どうやらたくさん友達が出来たようだね」
 「え、あの」
 なのはの紹介がまだなのに、まるで全員の紹介が終わったかのような態度を取るワルド。
 思わず混乱したルイズだったが、彼女をそっと押さえるようにキュルケが前に出た。
 「ええ、いろいろありましたけど、今は仲良くやってるわ。ご心配なく」
 その背後でタバサがギーシュに耳打ちをしていた。ギーシュはそれを聞くとちょっと驚いたようになり、その後唇を食いしばるようにしてワルドに向かった。
 「し、失礼します!」
 「ん? どうかしたのかい?」
 「はい、今回、こんな貴重な機会を得たので、至りませんが一手御指南いただきたく!」
 それを聞いてワルドの顔もほころんだ。
 「ははは、男だね。いいだろう。甲板でいいかな?」
 「はい!」
 二人は連れだって上甲板へと上がっていった。

307 :ゼロと魔砲使い 第18話-02 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:35:51 ID:F8S7R+pG
 二人の姿が消えたのを確認すると、キュルケはルイズを解放した。
 「ちょっとキュルケ、なによ一体。なのはのこと紹介できなかったじゃない」
 「あ、やっぱりそう思ってたんだ」
 納得する様子を見せるキュルケだが、ルイズは納得しない。
 「どういうこと?」
 「簡単よ。ワルド様は、たぶんなのはのことを、あなた付きの侍女か何かだと思ってるのよ」
 「あ」
 いわれてルイズも納得した。侍女だと思っていたのなら、紹介なんかしたらかえって面食らう羽目になる。よほどのことがない限り、メイド達は『いないもの』とするのが貴族のたしなみだ。
 もっともルイズにしてみれば、なのははその『よほどのこと』にあたる。だがそれをいう前にキュルケはルイズにいった。
 「気持ちは判るけれど、しばらくは誤解させておきなさいな。手札は多い方が有利よ」
 「なんの手札よ!」
 もっともルイズにも判っていたようで、顔は真っ赤だ。
 当のなのはは、そんな二人を見て笑っていた。
 もっとも、キュルケの気遣いは、ほんの数時間しか持たなかった。主に外的な要因で。
 
 
 
 
 
 
 
 チャーター便ということもあって、マリー・ガラント号は他の船に先んじて出航していた。
 そのため、周囲には他の船の姿はない。
 が、それが裏目に出たようだった。
 順調かと思われていた航海が、にわかに慌ただしくなってきた。
 初めにそれに気がついたのは、タバサだった。
 「変」
 読んでいた本から目を外し、一言そうつぶやく。これはきわめて珍しいことだった。
 それが珍しいことを知っているキュルケが尋ねる。
 「どうしたの、タバサ」
 「上が騒がしい。何かあった」
 「何かしらね……」
 つぶやきつつ窓から外を見ると、視界に何かが写った。
 「船かしら」
 「こっちに近づいてくる船? 空賊でも出たの?」
 何気なくつぶやいたルイズだったが、答えは思わぬものだった。
 「それ、あたりかも知れない」
 ふと気がつくと、いつの間にか彼女は杖を握っていた。
 「上の音を拾ってみたら、そんなことが聞こえてる」
 「まじ?」
 思わず冷や汗を流すルイズだった。それをごまかすようにいう。
 「とにかく上に行ってみましょ。ワルド様達もいるだろうし」

308 :ゼロと魔砲使い 第18話-03 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:36:34 ID:F8S7R+pG
 艦橋は慌ただしくなっていた。
 「なんてこった! こんなときに空賊とは……」
 「貴族のお客さん、多いっスからね」
 船長のぼやきに船員がツッコむ。
 「恥を忍んで手伝ってもらったとしても、さすがになあ」
 こちらは装甲もしていない民間船、相手は間違いなく武装船である。まともに立ち合ったら勝ち目はない。
 客の貴族が腕利きだとしても、そもそも空中戦においては船の性能がものをいう。こちらが相手を墜とせても相手に墜とされたら負けである。そういう意味において、この船は守りが薄すぎた。
 「何事かね?」
 そこに甲板で一汗かいていたワルドとギーシュが飛び込んでくる。不審船を見とがめて事情を聞きに来たのだ。
 「空賊でさあ」
 答える船長の声には元気がない。
 「先ほど確認しましたけど、ありゃれっきとした武装船だ。お客さん型の腕前を借りたとしても、砲撃でこっちが墜とされるのが先でしょうね」
 「それはまずいな……私は風のスクウェアだから戦うことはやぶさかではないが、それではこの船が守りきれないか……」
 「砲弾は防げませんか」
 問い掛けるギーシュに、ワルドは答える。
 「ああ。空気の壁を作る魔法でも、重い砲弾に対してはほとんど無力だ。私のグリフォンと、あと確かタバサという子の使い魔が竜だったから攻めることは不可能ではないが、相手の砲撃が一発でも当たったら、こちらの負けになる」
 「厳しいですね……僕の練金じゃ、船を装甲するなんて無理だし」
 そこに転がるように女性陣が飛び込んできた。
 「空賊が出たんですって!」
 先陣を切ったのはルイズだ。
 「おや、ずいぶん耳が早いね。実のところ、その通りだよ」
 こういう間にも、不審船はどんどん近づいてくる。こちらを目標にしているのは明らかだ。
 「蹴散らすことは出来ませんの?」
 そう上目遣いで問い掛けるルイズに、ワルドは心底残念そうな顔でいった。
 「僕と、後補助一人……そちらの、風竜を使い魔にしているお嬢さんの力があれば攻められないことはない。ただ、守りが足りない。敵の砲撃を一発でも受けたらこちらの船は航行不能になる。そうなったらこちらの負けだ」
 その時、艦橋に絶叫と緊張が走った。
 「敵、撃ちました!」
 まだ小さく見える船から、小さく煙のようなものが上がった。
 少しの間を置いて、船の上方を何かか飛んでいった。巻き起こる風で船が揺れる。
 「わっ」「きゃっ」「うおっ」
 慣れていないキュルケ達が体勢を立て直すのに必死になる。
 「ちっ、上かよ……いい砲積んでやがんな」
 船長がぼやくようにいう。
 「お客さん、申し訳ないが、降伏することになります。なに、身の安全は相手も守るはずです。そうじゃないと身代金も取れませんからね」
 「そんな……?」
 憤るルイズの肩を、誰かが叩いていた。振り返ると、それはなのはだった。
 「どうしたの、なのは」
 「今の砲撃、かなり揺れましたよね……ちょっと確認してください」
 言われたことを、船長に確認すべくルイズは言った。
 「あの、船長……今の砲弾って、ひょっとして丸いですか?」
 一瞬あっけにとられる船長。それでも貴族の質問である。
 「てか、普通砲弾は丸いもんですが……丸くない砲弾なんてあるんですか?」
 それを聞いたなのははルイズに言った。
 「大丈夫です。なら、守れます」
 「いいの?」
 「万一があったら困りますから」
 それを聞いたルイズは決断した。
 
 
 
 砲撃で船が揺れた……つまりそれは、砲弾が乱流を巻き起こしていると言うことである。
 つまり砲弾が流線型をしている確率は低い。それならば初速も遅く、威力も低い。
 それがなのはの計算であった。

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:37:01 ID:GyP3qNJP
支援

310 :ゼロと魔砲使い 第18話-04 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:38:16 ID:F8S7R+pG
 「船長。降伏は無しよ。徹底抗戦するわ」
 ルイズは船長達の前で宣言する。
 「な、勘弁してくださいよ!」
 「ルイズ!」
 船長だけでなく、ワルドも止めに入る。だが、ルイズは言い切った。
 「安心して。私の使い魔は……最強よ」
 それに応えるように、艦橋に桃色の光が満ちた。
 
 
 
 
 
 
 
 「変ですね……降伏旗が上がりません」
 「そうか。逃げ切るつもりかな。なら砲撃後に移乗白兵戦だな。あの船はたしか民間の貨客船だったはずだな」
 「はい。おそらくはマリー・ガラント号かと」
 「だとしたら、これは相当大物を抱えていると見た」
 襲撃側のこの見立ては正しかった。かの船は大物を山ほど積んでいた。
 唯一の誤算は……敵の護衛にあまりにも非常識な相手が乗っていたことであろう。
 
 
 
 観測手は、相手の甲板に、奇妙なものを見た。
 白を基調とした、奇抜な格好の女性らし姿。その手には、随分と長大な杖。
 彼は傍らの伝声管に向かって叫んだ。
 「目標の甲板上にメイジの女性らしき姿が見えます」
 それを聞いた空賊の船長はつぶやく。
 「魔法で何とかするつもりか? とにかく、撃て」
 空賊船の砲が、一斉に火を噴いた。大半は外れたが、そのうちの二発は命中コースを取っていた。

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:39:16 ID:vTYeZoRl
しえん

312 :ゼロと魔砲使い 第18話-05 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:39:18 ID:F8S7R+pG
 一方、受ける立場のマリー・ガラント号では。
 「ルイズ、彼女は……」
 謎の光と共に姿を変えた侍女に、ワルドは驚愕しつつもルイズに聞いた。見れば彼女の友人達は誰一人として驚いた様子はない。ということは彼女たちは知っていたのだろう。
 そしてルイズは、驚嘆するようなことをさらりと言った。
 「彼女はあたしの使い魔よ。名前はなのは。まあ見てなさい。あの空賊達もかわいそうに。自分が誰に喧嘩を売ったのか、思い知るといいわ」
 そしてなのはが甲板に立った直後、相手の船が砲撃を開始した。
 「船長! 二発来ます!」
 こちらの観測手からの連絡が届き、艦橋内の空気が緊迫する。
 「総員備え……なあああっ!」
 備えろ、と言いかけた船長のかけ声は、後半が別物に取って代わられていた。
 「なん、だと……!」
 ワルドも声も出ない。
 つい、と滑るように虚空に躍り出たなのは。そのまま宙に浮く彼女は、一転して目にもとまらぬ速度で動いた。
 かざす手からは光の陣が展開される。彼女はそのまま砲弾に突撃していき……
 
 
 
 光の盾で砲弾を難なくそらしてしまった。
 
 
 
 一発目をそらすと、そのまま即座に位置を変え、二発目も同じように光の盾をかざす。斜めに向けられた盾は、直撃した砲弾にひるむことなく、その進路をするりとねじ曲げていた。
 それを見ると同時に、ルイズが口を開く。
 「三発までなら何とかなるって。出来たら援護がほしいっていってる」
 それを聞くと同時に、タバサが動いた。
 「実戦練習」
 「任せたわ。さすがにここじゃ私は足手まといだし」
 キュルケの言葉に送られて、タバサは駆け出していく。
 数分の後、シルフィードに乗ったタバサが、相手の船に向かって飛んでいった。その間にもう一度砲撃があったが、命中コースに乗っていったのは一発だけ。なのはが同じようにしてあっさりと進路をねじ曲げると、そのまま彼女も敵船に向かって突撃していった。
 その速度は風竜に匹敵していた。
 
 
 
 後はもはや勝負にすらならなかった。
 距離を詰めたところでなのはからの砲撃。彼らが見たこともない光の魔法が、一撃でマストの上半分を消し飛ばした。
 そこに向かってくる竜に乗った少女。
 タバサは、なのはの魔法に唖然となっている空賊達に猛然と襲いかかっていった。
 「うわあっ!」
 まずはトルネードで露払い。このままシルフィードの上から魔法を放っているだけでもいけそうな気はしたが、それでは『訓練』にならない。
 ある意味ひどく傲慢なことを考えながら、タバサは飛んだ。
 (シルフィード、後詰めをお願い)
 (了解なのね、お姉様。きゅい)
 バックをシルフィードに任せたタバサは、改めて甲板に目を向ける。
 その時に気がついた。マルチタスクの持つ、もう一つのすばらしい……あるいは恐ろしい点に。
 メイジは使い魔と感覚を共有できる。普通は自前の感覚の代わりに使い魔の感覚を借りる形になる。
 だが、マルチタスクを習得していると、自分の感覚と、使い魔の感覚を、混同せずに並列して認識することが可能だった。
 これは大きい。大きすぎる。今のタバサには、自分の背中を前と同時に見ることが可能だった。
 さらに、視点が複数になったためか、敵との間合いが錯覚に惑わされることなく、今まで以上の精度で認識できる。
 これだけでも充分なのに、その相棒は韻竜である。自前の思考で判断が出来るのだ。加えて二人の間には念話という即時的な連絡手段がある。完璧な連携が可能だった。
 その結果……甲板に出ていた賊達は一連の攻撃でことごとく倒された。
 死者はなく、怪我も軽微。だが、こちらの攻撃を背後からのものすら見切り、一発たりとも外れを出さない上、さらに飛翔しながら魔法を撃ち、死角は竜がふさいでいる。その完璧な戦いぶりは、彼らの士気を根こそぎ奪いとった。
 そしてその隙を突き、とどめとばかりに襲い来る白いメイジの光の攻撃。光の玉が、こちらの砲塔を一撃で破壊していく。
 すべての砲が破壊されると同時に、竜騎士の少女を従えた彼女の声が響き渡った。
 「これ以上の抵抗は無意味です。降伏してください」
 彼らに出来たのは、手を上げることだけだった。

313 :ゼロと魔砲使い 第18話-06 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:40:03 ID:F8S7R+pG
 今二隻の船が空中で接舷していた。普通この光景を見たら、空賊に民間船が襲撃されていると思うだろう。
 だが、実態はその真逆であった。
 空賊達は、ひとまとめにして縄で縛られ、甲板に転がっていた。
 もっとも、縄を解いたとしても、抵抗しようという気概のある賊はいなかっただろう。
 それほどまでに、その戦力差は圧倒的だった。
 もっとも……
 「で、とりあえず捕まえたけど、どうします?」
 最高の立役者は、実に間抜けな質問をしていた。
 「そうよねえ。突き出そうにもあれだし、殺すには忍びないし……」
 ルイズもなのはも、実際彼らの処分には困っていた。
 「ワルド様、どうしましょう」
 相談されたワルドも困惑気味だ。彼にしても先ほどの光景がまだ消化し切れていなかったりする。
 何となく硬直したこの場を打ち破ったのは、意外な人物だった。
 「あら……あんたまさか」
 ロングビルが、空賊達の中で一番偉そうな人物の元に近づいていった。
 その人物も何か心当たりがあったらしい。
 「君は……まさか」
 彼女はそれには答えず、彼の頭と髭に手を掛けた。そしてそれをそのまま力ずくで引っ張る。
 と、それらはあっさりとはがれ落ち、現れたのはまだ若い、金髪の精悍な若者だった。
 それを確認すると、ロングビルは普段とは違うはすっぱな口調で言った。
 「なんでこんなところで空賊なんかやってんのさ、ウェールズ殿下?」
 「そういう君は……マチルダかい?」
 沈黙が落ちた。
 そして。
 
 
 
 「「「えええええええええええっ!」」」
 
 
 
 悲鳴の大合唱が、マリー・ガラント号の甲板に響き渡った。

314 :ゼロと魔砲使い 第18話-07 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:40:47 ID:F8S7R+pG
 空賊達は一転して賓客になっていた。といっても人数が多すぎる上、空賊船……王党派所属軍艦「イーグル号」は、満身創痍でまともに航行できなかったため、一人をのぞいて全員が曳航作業中だ。
 その一人……アルビオン王国皇太子、ウェールズ殿下は気まずそうに頭を下げていた。
 「まさか襲撃した船にトリステインからの使者が乗っていたとはね。これは失礼した」
 「いえ、お気になさらずに。むしろ僥倖かも知れませんわ」
 そう如才なく答えるルイズ。そしてルイズはアンリエッタからのメッセージを彼に手渡す。
 中を見たウェールズは、少し眉をしかめた後、丁寧に書簡をたたみ、懐に収めると言った。
 「用件は了解した。ただ、そのためには一度ニューカッスルに戻る必要がある」
 「そうですか。だとするとこのままイーグル号を曳航してニューカッスルに行かないといけませんね」
 「航路については任せてくれ。貴族派に見つからずに帰れるルートは確保されている」
 とりあえず話はまとまった。
 
 数時間の後、二隻の船は、ニューカッスル城のドックに入港していた。
 
 
 
 
 
 
 
 城はひどい有様であった。何とか城としての体裁は保っていたものの、もう一度攻撃されたら終わりであろう事は予想に難くない。
 「これは……」
 思わずなのはがそうつぶやいてしまって、ルイズにはたかれるなどという一幕もあったりした。
 唯一の救いは、それでもここにいる人達の顔にはやる気がみなぎっており、士気だけは高そうだということだろうか。
 「殿下」
 道すがらルイズは、そのことをウェールズに聞いてみた。返ってきた答えは、何ともリアクションに困るものだった。
 「もはや我々の間には、裏切り者も脱落者も出ないと判っているからね。そういう輩は、すでに全員脱出済みだ」
 要するにここにいるのは覚悟が完了してしまっている人間だけなのだ。そりゃ士気も高いはずだ、とルイズは納得した。
 納得はしたが、憤懣はたまる一方だった。
 「でもよかったよ、あそこで出会えて」
 唐突にそういうウェールズ。ルイズのみならず、同行していた一同も皆頭が『?』になる。
 「まともに入港して、それからこちらを目指していたら間に合わなかっただろうからね。おそらく明日から明後日くらいには、レコン・キスタがこちらに総攻撃を掛けてくるはずだ。推定兵力三万でね。こちらは五百でそれに当たらないといけないんだ」
 六十対一だ。どう考えてもこちらに勝ち目はない。
 「今夜は最後の壮行会。その後、非戦闘員を脱出させる予定だ。君たちもそれと共にここを去るといい。ああ、お嬢様方」
 「どうかなさいまして?」
 しなを作るキュルケに、ウェールズは軽く頭を下げる。
 「よろしければ今夜、勇者達を見送る花になっていただけませんか?」
 「いやですわ」
 キュルケは一刀のもとに切り捨てる。
 怒りとも悲しみともつかない表情を一瞬浮かべてしまったウェールズに対して、今度はルイズから見てもとっておきと思える笑みを浮かべて言う。
 「私の祝福は、死出の旅に出ようなどという甘ったれた男に送る分など全くありません事よ。私が愛を囁くのは、眼前にひしめく敵を見て、なに、一人六十人だと言い切れる者のみですわ」
 ぽかんとなったウェールズの顔は見物であった。ロングビルがとうとう耐えきれずに吹き出す。
 「アハハハハ、殿下、あなたの負けですわね。私もミス・キュルケに倣うとしますわ。そういう人達が相手ならば、あなたたちに祝福のキスくらいは送って差し上げますわ。過去の遺恨は別にして」
 完璧にしてやられたウェールズは、一行の中で唯一愚痴をこぼせそうな相手……ワルドに向かってぼやいた。
 「やれやれ、とんだ姫将軍達だ。彼女らなら、ひょっとして勝ってしまうかもね。三万相手に」
 「ですな」
 ワルドも頷いていた。

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:41:44 ID:vTYeZoRl
しえんっ

316 :ゼロと魔砲使い 第18話-08 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 17:42:25 ID:F8S7R+pG
 全員を城内の部屋に割り振ると、ウェールズは改めてルイズを呼び出した。ルイズはなのはを伴って彼の元へ向かう。
 行き先は彼の私室であった。
 部屋に迎え入れられたルイズ達は、そこでウェールズから、手紙を渡された。
 「これがご要望のものだよ」
 ルイズはちらりと目を通し、それをしまった。
 「妃殿下の手紙、確かに預かりました」
 「これで任務達成だね、おめでとう」
 そういうウェールズに、ルイズはきっぱりという。
 「いえ、これを無事に持ち帰るまでが任務です。途中で賊に奪われました、では洒落になりません」
 それを見たウェールズは、何ともいえないいい微笑みを浮かべた。
 「うん、アンリエッタはいい友達を持ったみたいだね。よろしく頼むよ」
 どうやら先ほどの言葉は彼なりの試しであったらしい。
 「それはそうと、僕からもお礼をしたい。恥ずかしながら、万一この手紙が敵の手に渡った時のことを、僕はすっかり失念していたよ。誰にも知られていないというのは甘い考えだったね」
 「いいにくいですが、殿下が討たれた後、偶然人手に渡る可能性もあるかと」
 略奪は戦争の常である。
 「そうだね」
 ウェールズも頷いた。
 「で、何か希望はあるかい? といってもこういう身だ。たいしたことは出来ないけどね」
 ルイズは少し考え……問いに答えた。
 「一番ほしいものは、たぶんいただけないでしょうからいいです」
 「もらえないからいい? それは?」
 いぶかしるウェールズに、ルイズは言った。
 「一番は殿下の身柄です。おそらくですが、姫様の手紙には、殿下の亡命に関することが記されていたと思います」
 その瞬間、明らかにウェールズの顔がこわばった。
 つかの間、周囲を沈黙が支配する。
 「申し訳ない」
 その沈黙を破ったのは、ウェールズの謝罪だった。
 「判っていますわ。今の状況で、殿下が国を見捨てるわけがありません。背後に守るべきものを持つ殿下が」
 「すまないね。アンリエッタに……そうだ」
 ウェールズは身につけていた指輪を外し、ルイズに手渡す。
 その瞬間、ルイズがはめていた指輪との間に光の架け橋が架かる。
 「これは……」
 「そう、アルビオンに伝わる、風のルビーだ。君からアンリエッタに渡してくれたまえ。このままレコン・キスタに渡るよりずっといい」
 ルイズは一瞬困惑してなのはの方を見た。なのはは部屋に入った時から、ずっと表情を崩さない。そこに無言の励ましを感じたルイズは、ウェールズに向き直って言った。
 「判りました。『お預かりいたします』」
 『お預かりいたします』を強調したその言い方に、また一瞬ウェールズはぽかんとなる。そしてその意味が脳裏にしみこむにつれて、今度はそれが笑いに転じてしまった。
 「ハハハハハ、いや、レディの前で失礼。はは」
 こらえきれずに吹き出してしまったウェールズが落ち着くのに数分が必要だった。
 その時、なのはが動いた。ルイズの耳元に、囁くようにあることを告げる。
 ルイズもはっとなってそれに頷いた。
 そしてウェールズの発作が治まったところに、ルイズは聞いた。
 「ルビーを見て思い出しましたけど、テューダー王家には、このルビーと対になるような、あるいは同じくらい古いか由緒あるものが何か伝わっていませんか?」

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:43:21 ID:TbthEwI8
しえーん

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:43:54 ID:vTYeZoRl
しえんっっ

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:44:32 ID:GyP3qNJP
ここでオルゴール登場支援

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:48:33 ID:vTYeZoRl
む。さるさんか?

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:49:05 ID:ze4PRWHW
出るか、オルゴール。
出るとしたらどうなるんだ?!
支援しなければ!

322 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 17:50:43 ID:PW8EeDzq
816 名前: ゼロと魔砲使い 第18話-09 ◆IFd1NGILwA [sage] 投稿日: 2008/08/01(金) 17:46:11 F5MpdGIw
 突然方向の変わった話題に、笑いの影響が残っているウェールズは一瞬とまどったが、すぐに質問に答えた。
 「風のルビーに匹敵するとなると……『始祖のオルゴール』しかないな」
 「始祖のオルゴール?」
 「ああ。始祖の御代から存在するという触れ込みのものだけど、これがどういう訳だか音が鳴らないんだ。調べてみたけど、何故音がしないのかは原因不明だよ。由来を秘密にして職人にも見せたけど、何故鳴らないのか不思議がってた」
 それを聞いてルイズとなのはは顔を見合わせてしまった。
 似ている。
 文字の書いていない『始祖の祈祷書』
 音の鳴らない『始祖のオルゴール』
 念話以前に、目と目で通じ合ってしまったルイズとなのは。ルイズは必死で鳴る心臓を押さえながら、ウェールズに言った。
 「殿下」
 「?……どうかしたのかい」
 奇妙なまでに声の重いルイズに、ウェールズはいぶかしく思いつつも聞いた。
 「お礼をしていただけるというのでしたならば……見せていただけますか? 始祖のオルゴールを」
 「ん、ああ、確かこの城に運び込まれているはずだからかまわないよ。ああ、場合によっては君に持って行ってもらうのもいいかもね。仮にも始祖の秘宝と伝えられているものを、レコン・キスタの手に渡すわけにはいかない」
 そういうとウェールズは机の脇のベルを鳴らし、侍従を呼ぶ。
 程なく現れた侍従に対して、彼は一言二言告げると、ルイズの方に向き直った。
 「物が物だけに、僕が直接取ってこないといけない。壮行会の開始前に、またここへ来てくれないか?」
 「判りました」
 ルイズは一礼すると、ウェールズの部屋から退室した。
 
 
 
 「よほどの馬鹿か、出来た方ですね」
 割り振られた自室に戻る途中、なのははそうつぶやいた。
 「そうね。あなたのことを、何一つ聞かなかった」
 ルイズにも判っていた。
 未知の魔法で戦艦を薙ぎ倒したなのは。その本人を目の当たりにして、ウェールズはなにも聞かなかった。
 最後の降伏勧告の時、彼は間違いなくその場にいたのだ。興味を持たないわけがない。
 なのに彼は、そのことに関して全く話題を出さなかった。猫の手でもほしい戦況にも関わらず。
 「仕方ないわね」
 部屋の前でルイズはつぶやいた。
 「私じゃボリュームが足りないけど、姫様の代わりは務めましょう。ね、なのは」
 「なんでしょうか」
 「あなたたちの魔法に、こうちょっと増量できるようなのない?」
 なのはは先ほどのウェールズのように、一瞬ぽかんと鳴った後、盛大に吹き出した。
 「こら、吹くことはないでしょ!」
 「す、すみません……無いことはないんですけど、私は使えないんです。変身魔法は、犯罪にも使えるものなので、管理が厳しいですかすら」
 「あることはあるんだ」
 「はい」
 なのはは十年来の友達が、地元に戻る時、そろそろ使わないとまずいかと言っていたのを思い出す。
 「ま、いいわ。その代わり……」
 「その代わり?」
 「あんたも出なさい! なんで素材はいいのにしゃれっ気がないのよ、あなたは!」
 どうも先日の舞踏会で味を占めたらしい。
 結局のところ、この事態になってもなお城にいるという、鋼鉄の忠誠心を持つメイド達によって、すっかり磨き上げられてしまうなのはであった。


323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:50:48 ID:f+IeHkL7
そういやオルゴールはほぼ必ずジョゼフの手に落ちてたな、これまでは
ちょっと新しいぞ

324 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 17:52:32 ID:PW8EeDzq
 それは一種微妙な壮行会であった。
 ここに集う者達は、おそらく明日、もしくは明後日には全員命を落としている。だがそれをおびえるものはいない。明日を限りと、婦女子に暴行を働くような男もいない。
 それはまさしく、覚悟を完了してしまった馬鹿の集団であった。
 「見ていていっそすがすがしいけど、私は好きになれないわね」
 先ほどまで若い騎士達の間で大輪の花となっていたキュルケは、誘われつつも壁の花に徹しきっていたタバサに言った。
 タバサは無言のまま、目だけで返事をする。
 「吹っ切るって言うのは大事だけど、私はもっと醜くあがいてでも生きることに執着する殿方の方が好みよ。もっともそのために最後の誇りまで捨てるのは論外ですけどね」
 「矛盾」
 「さじ加減よ」
 タバサのツッコミをキュルケはいなす。そして横目で部屋の中央付近を見る。
 そこではギーシュとワルドが数少ない女性の誘いを受けていた。彼らは大半が今城に残っている者達の妻女である。つまりは旦那持ちだ。
 あしらわれておたおたしているギーシュと、見事に裁いているワルド。
 「あたしは今のギーシュは結構気に入ってるわよ。なのはとの決闘以来、間違いなくいい方に彼は変わったわ。まあ、モンモランシーに持っていかれたみたいだから手を出す気にはなれないけど」
 そういう親友を、ちょっと興味ありげに見上げるタバサ。
 「難しいのがあのワルドって言う男ね……あれはやっかいすぎて手を出す気になれないわ」
 「意外」
 タバサもヴァリエールとツェルプストーとの間柄は知っている。そしてキュルケの主義と性格も。相手の一番には手を出さないキュルケも、ヴァリエールだけは例外の筈だ。だとするとむしろ格好の獲物のような気がする。
 「底が見えないのよ。あの男は実力とハッタリがややこしく絡んでいるわ。その上深入りするとヤバそうな気配がしている。あれをモノにするには、こっちも覚悟を決める必要があるわ」
 「納得」
 「だけど……遅いわね」
 タバサもそういわれて気がついた。
 キュルケやタバサ、ミス・ロングビルは、ルイズの友人や案内人としてここに来ている。本来の立場にかかわらず、形式的には一番下になる。なのでわりと早いうちから入場し、明日の命のない騎士達の相手をして踊っていた。
 一方ルイズはトリステインの使者としての立場でここにいる。さらに身分は公爵。王族の傍流として、その身分はウェールズの次に高い。アンリエッタの友人という立場も考慮するなら、エスコート役は当然ウェールズ殿下本人である。
 ワルドが婚約者にもかかわらず先に入場しているのはそのためだ。
 現在この城にいて入場していないのは、ウェールズとルイズ、そして現王のジェームズ一世だけである。ちなみになのはは従者扱いなので別だ。
 宴は結構たけなわになっており、いい加減殿下が入場してこないとだれる境目である。
 だが、そこに現れたのは。
 
 
 
 ……城を揺るがす、砲撃の音であった。
 
 
 


325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:52:53 ID:vTYeZoRl
まったくないわけではないが…いやだが諸君、カルタゴは滅ぼさなくてはいけない。
支援だ!

326 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 17:53:33 ID:PW8EeDzq
 「うわあっ!」
 「敵襲!」
 「レコン・キスタの艦砲射撃です!」
 大混乱になる城内。明日には決戦と、そう心に決めていた勇者達の士気を根こそぎへし折るような夜襲であった。
 矢を番え、限界まで引き絞ったその瞬間に弦を切られたようなものである。
 兵士も、騎士も、将軍さえもが混乱してしまった。
 もしこの瞬間に敵兵がなだれ込んでいたら、命運が決していたのは間違いない。
 だが幸いにも、敵の陸兵は城から離れたところにいた。
 夜間砲撃は命中弾を出すのが難しい。外れ玉で仲間を撃ちでもしたら本末転倒である。
 そのため展開した戦艦で艦砲による飽和攻撃の後、包囲した陸戦部隊と周辺に展開する竜騎兵の監視によって一人とて逃さない体勢をレコン・キスタは取っていた。
 その中央、旗艦『レキシントン』。
 サー・ヘンリ・ボーウッドは、闇の中に上がる炎を、苦渋を感じつつ眺めていた。
 大艦隊による夜間奇襲などという離れ業は、彼と彼を信頼する士官達がいなければ不可能であっただろう。最初にこの作戦を提示された時は、彼は反対した。だが、
 『残りわずかとはいえ、彼らは全員死兵だ。その恐ろしさは、あなたたちの方がよく知っていると思いますが。ならば、彼らがその死をゆるめる一瞬を突くことです』
 総司令の意見に、彼は反論できなかった。そして今、その慧眼に敗北感を覚えていた。
 先ほどから一兵たりとも反抗の手が上がるのが見えない。完全なワンサイドゲームであった。
 もし、相手の士気が横溢している昼に戦ったら。勝利は間違いないだろうが、どれだけの損害が出たことか。
 それを考えると、危険だったこの作戦を肯定せざるを得ない彼であった。

327 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 17:54:34 ID:PW8EeDzq
 大混乱する城内で、冷静でいられたのはトリステイン組くらいであった。もちろんアルビオン側も無能ではない。だが残念なことに大黒柱が抜けていた。もしこの場にジェームズ陛下かウェールズ殿下がいたら、こうも無様な真似をさらすことは決してなかったはずだ。
 だが現実は厳しかった。
 「どうする?」
 「ルイズを探す。続きはそれから」
 キュルケとタバサの意志は瞬時に固まった。
 「無事かい!」
 「今の攻撃は砲撃のみだ! 撃たれている間はむしろ安全だ! これが止まったら、兵士がなだれ込んでくるぞ!」
 ギーシュとワルドも的確に状況を判断して合流する。
 「こっちよ!」
 ロングビルことマチルダが道案内をする。
 そして五人は素早く行動した。
 タバサは念話でシルフィードに身の安全の確保を優先するように指示。待機して、いつでも駆けつけられる体勢を取らせる。
 ギーシュとロングビルは崩れてくる壁や行く手をふさぐ瓦礫を、練金で固定したり粉砕したりする。
 ワルドは少しの間とどまって呪文を唱える。するとなんとその姿が五人に分身した。
 さすがに驚くキュルケ達。タバサだけが短く「遍在」と言った。
 「人手が足りない。かといって分散するのは愚だ。僕たちはルイズを探しつつも脱出路を見つけるべきだ」
 四人の分身が城内に散る。だがルイズも、ウェールズも、ジェームス一世も、そしてなのはも見つからなかった。
 「どういうこと?」
 さすがにおかしいと感じるキュルケ。まさか先に脱出したのでは……という考えが頭をよぎる。ルイズは仲間を見捨てることはしないが、ウェールズ達を優先する可能性はある。
 ただそれならば自分たちのやることが変わる。それならそれで情報が欲しかった。
 と、そのとき。
 「見つけた。屋上」
 タバサが言うと同時に窓の方に駆け寄る。
 それを見てキュルケは瞬時に事態を悟った。外にいたシルフィードが彼女たちを見つけたのだろう。
 「みんな、乗って!」
 先に飛び出したタバサに続くように、自分も窓から飛び出しつつキュルケは叫ぶ。
 そこには予想通り、すっかり慣れ親しんだ風竜が待機していた。
 最後にワルドが乗ったのを確認すると、タバサはシルフィードを一気に上昇させる。
 彼女がルイズ達の背後に降り立った時、そこに異様な気配を感じた。

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:55:09 ID:GyP3qNJP
代理人に支援

329 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 17:55:48 ID:PW8EeDzq
 屋上でルイズは、一心不乱に呪文を唱えていた。
 それを守るように立つなのは。幸い砲弾の飛んでくる気配はないが、その身には一分の隙もない。
 それを見てワルドがつぶやく。
 「彼女……ルイズの使い魔だと聞いたけど」
 「どうしたの今更」
 ワルドの声に、その身に似合わない色……おびえのようなものを感じたキュルケが聞き返す。
 「今の彼女には、僕が遍在五人で襲いかかっても全く勝てる気がしない。彼女の魔法抜きでだ」
 「魔法抜きで?」
 「ああ、武人として見ても隙が全くない。今の彼女がいる限り、ルイズには傷一つつかないだろうね」
 その瞬間、轟音と共に風がうなった。その瞬間、なのはが杖を動かした。
 絞り込まれた光が一閃、闇の中に激しい閃光が生じた。
 それにもかかわらず、ルイズの詠唱は揺るぎもしない。
 「今のは!」
 少し驚いたように言うギーシュ。
 「どうやら……砲弾を迎撃したらしい」
 呆れたような口調になるワルド。
 そして、先ほどから無言だったロングビルが、ぽつりとつぶやいた。
 「あれは、まさか……」
 「どうかしたのですか? ミス・ロングビル」
 ギーシュが丁寧に尋ねる。
 「まさかとは思っていたけど、ひょっとしたかも」
 「?」
 首をひねるギーシュを無視して、ロングビルは言った。
 「この戦い、勝てるかもね。奇跡的に」
 その瞬間、奇跡は起きた。

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:56:07 ID:vTYeZoRl
風は天にしえんっ

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:57:43 ID:PW8EeDzq
820 名前: ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA [sage] 投稿日: 2008/08/01(金) 17:49:09 F5MpdGIw
前半というか、18話はここまで。

規制解除になる1800以降に19話行きます。

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以上、代理投下完了。
最初の代理投稿先を間違えた。
あと、一回長文エラーができたので分割した。
ちょっとだけ絶望した。



332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:59:08 ID:Z5Ximyn6

なんと五万の軍に勝てると言うのか。
七万相手に単身挑むより楽だろうどう考えても、というのはおいといて。

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 17:59:31 ID:ze4PRWHW
18話、乙でした。
続いて19話へと支援開始。

334 :ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:01:59 ID:F8S7R+pG
さるさん解除されたので19話行きます。

もしまた止まったら避難所よろしく。

335 :ゼロと魔砲使い 第19話-01 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:03:00 ID:F8S7R+pG
第19話 奇跡


 少し前の時間。ウェールズの私室。
 着飾ったルイズとなのはは、ウェールズから古ぼけたオルゴールを見せられた。
 「はい、これが『始祖のオルゴール』だよ」
 見た目はそれほど豪奢でもない、むしろ手作り感のある、ごく普通のオルゴールに見えた。
 「けどこの通り、なんにも聞こえない」
 ねじを巻き、ふたを開ける。普通なら音楽が鳴るはずなのに、なにも音がしない−−筈であった。
 だが、この場にその音無き音を聞き取れるものが二人いた。
 「え、なんで! オルゴールがしゃべってる!」
 一人はルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエール。
 “マスター、間違いありません。これはデバイスの残り半分、ストレージユニットです”
 同じデバイスである、レイジングハートであった。
 
 「どうした、一体! それに今の声は!」
 ウェールズは慌ててオルゴールのふたを閉めると同時に、武人としての目で辺りを見回した。
 だがここにいるのは、自分とルイズ、そして人の使い魔だというなのはだけである。
 「どうかなさいましたか!」
 「いや、なんでもない」
 表で控えている護衛達が騒いだので、いったん扉を開けて中を見せる。
 特に不審のないことを確認した彼らは、部屋を退いた。
 同時にウェールズは、多少騒がしくても心配しないように言う。
 彼らが引いた後で、改めてウェールズはルイズに聞いた。
 「どうしたんだいいったい。それにもう一つの声は」
 「声の方はなのはの相棒の声です」
 ルイズの答えに合わせて、なのはがレイジングハートを杖化させる。
 “はじめまして。レイジングハートと申します”
 「インテリジェンス・スタッフとは! しかも変形機能付きか。君の使い魔はすごいな」
 誤解であったが、そのままルイズ達は流した。その方がややこしい説明をする必要もない。
 「で、私ですが……聞こえたんです。そのオルゴールから、声が」
 「声? 曲じゃなくてかい?」
 「はい。声でした」
 そしてルイズは、再びオルゴールのふたを開ける。
 今度は気がついたが、その時、ルイズのはめていた水のルビーと、ふたの開いた始祖のオルゴールが、かすかな光を放ちはじめた。
 不思議な奇跡に唾を飲み込むウェールズ。
 そしてルイズは、聞こえてくる声を、なぞるように語り出した。

336 :ゼロと魔砲使い 第19話-02 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:03:43 ID:F8S7R+pG
 「これより我が知りし真理をこの楽器に記録す。この世のすべての物質は、すべて小さき粒より為る。四の系統は、その粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり。それは『火』『土』『風』『水』と為す」

 朗々と語られるそれは、魔法の根源であった。
 ルイズは言葉を続ける。それに重なるように、レイジングハートも、言葉を語りはじめた。

 「神はより深き真理を我に残された。四の系統が影響を与えし小さな粒は、さらに小さき粒より為る。神が我に与えしその系統は、四のいずれにも属せず。我が系統はそのさらなる小さき粒に干渉し、影響を与え、かつ変化せしめる呪文なり」
 “四にあらざれば零。零すなわちこれ『虚無』。我は神が我に与えし系統を『虚無の系統と名付けん』”
 
 「虚無、だって……伝説の系統が」
 「おそらく、ご主人様は、虚無の系統の使い手なのでしょう」
 驚くルイズに、落ち着いているなのは。
 「君は驚かないんだな」
 「可能性はあると思っていましたから。ご主人様は系統魔法がまったく使えないんです。根本的に」
 「根本的に?」
 「それはまた後で」
 ルイズが次の言葉を紡ぎはじめていた。

 「これを聞きし者は、我の行いと目標と無念を継ぐ者なり。そのための力を担いし者なり。志なかばで倒れし我と同胞にかわり、神の眠る聖地を開放せよ」
 “虚無は強力なり。またその詠唱は永きにわたり、多大なる集中力と魔力を消費する。詠唱者は心せよ。時として虚無はその力ゆえその命を削る”
 「従って我はこの語りの聞き手を選ぶ。資質無き者が指輪をはめても我が声は聞こえず。選ばれし聞き手は、『四の系統』の指輪をはめよ。さればこの語りは開かれん……って、なんで注意書きまで封印してるのよ!」
 
 突然入ったルイズのツッコミに腰が砕ける一同。
 「始祖ブリミルって……」
 「意外とドジ?」
 思わず顔を見合わせるウェールズとなのはであった。
 だが、語りはまだ続いていた。
 
 “以下に我が扱いし虚無の呪文を……マスター!”
 
 今度はレイジングハートがパニックを起こした。
 「どうしたの、レイジングハート」
 だが珍しくレイジングハートはなのはの言葉を無視した。
 「ミス・ヴァリエール、あなたには呪文が『いくつ』聞こえていますか!」
 「? 一つだけど。初歩の初歩の初歩、エクスプロージョン」
 “一つですか……よかった。どうやら術者の力量に合わせてプロテクトされているようです”
 そこで器用にため息をつくと、レイジングハートは続きを言った。
 “ミス・ヴァリエール。あなたがこれを唱えきった場合……”
 「どうかなるの?」
 その瞬間であった。
 突如、轟音と共に部屋が揺れた。
 「!! 奇襲か!」
 「なに! どうしたの!」
 「殿下! 陛下が!」
 ルイズ達は慌てて部屋を飛び出した。

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:04:10 ID:Z5Ximyn6
全力全開の支援

338 :ゼロと魔砲使い 第19話-03 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:04:20 ID:F8S7R+pG
 ジェームズ一世に何かが、と思われたが、幸いにも足腰の弱っていた彼がベッドから転げ落ちただけであった。
 「父上、しっかりしてください!」
 隣室から駆け込んだウェールズが、ジェームズを抱き起こす。
 「やられたの……完敗じゃ」
 「父上、弱気なことを」
 「いや、勝てぬ。まさに心の隙を突かれた」
 ジェームズは諭すように語る。
 「明日ならば、勝てはせねども、おそらく互角に戦えたであろう……だが、今夜は駄目だ。明日に意識が集中していた分、一気に士気を砕かれる。今の兵達は、烏合の衆であろう」
 「くっ……」
 そのことはウェールズにも想像がついた。その時。
 「殿下、負けたくないですか?」
 そう言ったのはルイズであった。その瞳には、今までとは桁違いの『何か』が籠もっていた。
 思わず気圧されるウェールズ。そのせいか、つい本音が漏れた。
 「ああ、負けたくないし、死にたくもない。何より今この場にいるみんなを見殺しには出来ない」
 「妃殿下には」
 「会いたいとも! ゲルマニアの皇帝になんかくれてやりたくはない! でも、僕の力では、トリステインは救えない……自分の身すら危ういというのに」
 「そうですか」
 そう言うルイズの声を聞いて、ウェールズははっとなった。
 その声は、年頃の少女の者にしては、奇妙なまでに澄み切った声だった。
 まるで、死を覚悟したつわもののように。
 「あなたが妃殿下を……姫様を好きだとおっしゃってくださるのなら」
 ルイズはじっとウェールズを見つめる。
 そして、言った。
 「殿下は兵をまとめてください。そして、外を見てください」
 「いったい、なにを……」
 それに答えることなく、ルイズとなのはは部屋を出た。そして去り際に一言、こう言い残した。
 
 「奇跡を、差し上げます」

339 :ゼロと魔砲使い 第19話-04 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:04:56 ID:F8S7R+pG
 ウェールズとジェームズが将来を案じていた時、ルイズもまた重大な決断を迫られていた。
 (ご主人様)
 (なになのは、わざわざ念話で)
 (レイジングハートが言うには、ご主人様が先ほどの呪文を唱えきったとしたら)
 (? わざわざ確認するようなことがあるの?)
 (今襲ってきている敵、全滅させられます)
 「!」
 ルイズは慌てて飛び出しそうになる悲鳴を押さえ込んだ。自分で口を押さえ、念話を続ける。
 (なにそれ、なんでそんなことが判るの?)
 (レイジングハートはご主人様と違って、直接あの『始祖のオルゴール』に記されている呪文を読み取れました)
 (あらすごいじゃない)
 (それに関して頭の痛い問題が一つありますけど、それは後でゆっくり。とにかくレイジングハートの分析通りなら、あの『エクスプロージョン』という呪文は、襲ってきている敵どころか、数リーグ四方を壊滅させることが可能だそうです)
 (……ほんと?)
 (しかもその気になれば、きわめて精密に破壊対象を限定して、です。船だけでも、人だけでも自在とか)
 (なにその便利な呪文。でもそんなことが出来るなら)
 (はい。奇襲してきた相手に逆に奇襲を返せます。城のみんなも助かるかと。ただ……)
 (なにかもんだいでも?)
 (隠しきれません。ご主人様が虚無の呪文の使い手だとばれることになります)
 (?? 何か問題でも?)
 判っていないルイズに、なのははなるべく伝わりそうな言葉で言った。
 (最悪始祖ブリミルの再来として拝まれます)
 「!」
 ルイズはまた吹き出すのを押さえ込む羽目になった。
 (納得……そうよね。ゼロが一転して頂点、っていうわけね)
 (今まで通りには過ごせなくなるのはほぼ確実かと)
 (でも、助けられるのね。ウェールズ様も、お城のみんなも)
 (はい)
 (ならいいわ。とりあえずはそれが優先。貴族は背後に守る人を持ったら、引くことは出来ないわ)
 そしてルイズは、ウェールズに向かって言った。
 
 「殿下、負けたくないですか?」

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:06:06 ID:GyP3qNJP
支援

341 :ゼロと魔砲使い 第19話-05 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:06:07 ID:F8S7R+pG
 奇跡の始まりは、ルイズの詠唱の完了と共に起きた。
 「ジュラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル…………エクスプロージョン!」
 その瞬間、ルイズの意識は一瞬天に飛んだ。夜の闇の中だというのに、すべてが見える。襲ってくる敵の艦隊、地上に伏せるたくさんの兵士。
 すべての生殺与奪がルイズの手にあった。それは圧倒的な力。
 その気になれば、そのことごとくを鏖殺できるだろう。
 だがそれはやってはいけないこと。ちらりと隣の使い魔に目がいく。
 彼女は以前語っていた。あれだけの力を持ちながら、彼女は人を意図して殺したことはないと。不運にも死んでしまった場合も、事故や自殺に近い者だったという。ならば自分のやることは。
 ルイズは冷徹に、破壊するモノを選んだ。ゼロに等しい時間の中、解放の言霊と共に、絶大な力は解き放たれた。

 そして……闇夜に突然、激烈な太陽が出現した。
 
 
 
 
 
 
 
 「な、何事だ!」
 ボーウッドは、いや、ボーウッドですら混乱していた
 レキシントンの艦橋で、突然生じた光によってすべての視界が閉ざされた。同時に起こる激しい衝撃。それが収まると同時に、信じられない報告が突如殺到した。
 「こちら機関室、風石が消えて無くなりました!ゆっくりと降下するのが限度です!」
 「こちら第一砲塔、砲が、崩壊しました!」
 「こちら第二砲塔……」
 「こちら第三砲塔……」
 「こちら上甲板! 帆が、ずたずたに!」
 「船体に損傷! 装甲はすべて消滅!」
 そして外を見ると、いくつかの僚艦から火の手が上がっていた。敵の攻撃と言うより、慌てて火事でも起きたようだった。火薬の誘爆ならあんなモノではない。
 だが、間違いなく言えることは。
 今の謎の光の一撃で、レコン・キスタの全艦隊が戦闘不能になったと言うことだった。
 だが、これで終わりではなかった。
 城から、かすかにだが、桃色の光が飛び立った気がした。
 それが奇跡の第二幕であった。

342 :ゼロと魔砲使い 第19話-06 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:07:04 ID:F8S7R+pG
 力の解放と共に、ぐったりと崩れ落ちるルイズ。だがその表情は、心地よい疲労感に満ちていた。
 「ご主人様!」
 真っ先になのはが駆け寄る。次いでキュルケ達も殺到するようにルイズの元に駆けつけた。
 「今のはいったい……」
 代表するようにワルドが尋ねる。ルイズは微笑みながら、その言葉を口にした。
 「虚無、よ……ふふ、私、伝説になっちゃったかな」
 さすがに全員が驚きの表情をしていた……いや、一人例外がいた。
 「大丈夫かい。えらい大技だったみたいだけど」
 「ミス・ロングビル……あんまり驚かれていませんね」
 「ちょっと訳ありでね。それは後にしよう……おっと、しましょうね」
 思わず地が出ていたのを慌てて訂正する。もっとも手遅れのようであったが。
 「と、とにかく、無理してはいけませんよ」
 真っ赤になって取り繕うロングビルの様子に、一同は虚無のショックから解き放たれたようだった。
 ほっとした空気が流れる。が、突然それを打ち破る者がいた。
 「あ、そうだ、なのは!」
 ルイズがいきなり大声を上げた。不意打ちを食らった一同は耳がきーんとなる。
 「な、なんですか、いったい」
 どうにか立ち直ったなのはがルイズのそばによると、ルイズは興奮した様子でまくし立てはじめた。
 「おねがい! まだ敵は残ってるの! 艦は全部墜としたけど、地上に兵がいるわ! さすがに同時には無理だったの。彼らを止めて!」
 「どのくらいですか?」
 「総数二万二千百五十七人。この先の広いところに集結してる。道が狭くなるから、そこで陣を組んでた」
 確信を持って相手の人数を言い切るルイズに、キュルケ達は思わず注目する。
 そしてなのはは、いったん目を閉じると、何かを吹っ切ったように立ち上がった。
 「判りました、ご主人様。やってみます」
 同時になのはの姿は、あっという間に天空へと飛び立っていた。

343 :ゼロと魔砲使い 第19話-07 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:07:48 ID:F8S7R+pG
 “よろしいのですか、マスター”
 闇を切り裂いて飛ぶなのはに、レイジングハートが問い掛ける。
 なにをするつもりなのかは聞くまでもない。だがこれをやってしまえば、間違いなく他文明過干渉として罪に問われることになる。
 「判ってるわ」
 だが、なのはの答えは明白だった。
 「今ここで画竜点睛を欠いたら、すべておじゃん。レコン・キスタの皆さんには申し訳ないけど、ここはご主人様側に肩入れさせてもらいます」
 竜騎士らしき影も見えるが、夜間ゆえ相手がとまどっているうちに振り切れた。
 やがてうっすらと見える人の影。月明かりゆえ見にくいが、おおよその位置は判った。
 それを見て悩むなのは。
 「やってやれないことはないけど……範囲が広すぎるなあ。一回じゃ無理かも」
 一度でないと奇襲効果が激減する。相手に闇の中を動かれたら、撃ち漏らしが多発する。
 ただでさえ今下の陣地は、上空の閃光のせいで混乱しているのだ。チャンスは今しかない。
 それに答えたのはレイジングハートだった。
 “マスター”
 「なに?」
 “スターライトブレイカーを、リミット3解除のブラスターモードで撃ってください”
 「え゛」
 さすがのなのはも一瞬言葉に詰まる。それは掛け値無しの全力全開、なのはの体にも反動が来る、諸刃の剣であった。
 だがレイジングハートは、自信を持って言い切った。
 “おそらくですが、マスターの体に悪影響は出ません”
 「? なんで?」
 “その左手のルーンです。ガンダールヴのルーンが、何かをするはずです”
 「……よく判らないけど、そういうことなら。信じてるよ、レイジングハート!」
 “ではあの岬へ。あそこなら周辺の魔力吸収による崩壊があっても、それほど悪影響はないかと”
 「了解!」
 岬に降り立ったなのはは、一瞬閃光に包まれる。それが晴れた時、そこに立つのはすべての力を解き放ったなのはとレイジングハート。
 ロングスカートになったバリアジャケットと、四つのビットを浮かべるレイジングハート。そしてその切っ先が、眼下の兵達に向けられた。
 展開するビット。巻き起こる魔力の光。
 ミッドチルダや地球とは桁違いに輝き出す魔力収束線。
 “ガンダールヴのルーン、発動確認”
 その中に加わる新たなプロセス。
 ガンダールヴのルーンには、担い手が力を発揮する時、その能力を最適に生かせるようにサポートする力がある。
 剣を振るうなら筋力と反射速度を。
 飛行機を操るなら操縦技術と予測射撃を。
 そして過負荷の魔力行使に対しては。

344 :ゼロと魔砲使い 第19話-08 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:08:23 ID:F8S7R+pG
 なのはの全身が発光をはじめていた。
 色は桃色、なのはの魔力光の色。
 ガンダールヴのルーンは、なのはの全身、細胞の一つ一つに魔力を送り込んでいた。
 全身に満たされた魔力は、強固なインナーバリア、魔力ギブスとなってなのはの全身を衝撃から保護する。その強度は砲撃の一部を回しているため、砲撃の威力に比例して強化される。どんなに強大な反動を受けても、その衝撃は細胞をカバーしている魔力が受け止める。
 なのはのような過大な火力を放つ者に対して、最高のサポートであった。
 唯一難点を上げるとすれば、その間のなのはの姿が、全身から桃色の魔力光を放っていること……ぶっちゃけ『ピンクのスーパーサ○ヤ人』にしか見えないことくらいであろう。
 
 ちょっとだけ問題を抱えつつも、当人は気づいていないので事実上無問題。なのははむしろ全身を満たす魔力の心地よさに酔っていた。
 「嘘、なにこれ、反動を全然感じない。なんか最高級の椅子かなんかに座っているみたい」
 “ルーンによる防御機構が働いています。どんなに力を込めても、反動による障害は生じないと思われます”
 「ほんと嘘みたい……でもなら行くわ」
 そして唱えられる言葉。
 
 
 
 「スターライトブレイカー!」
 
 
 
 とてつもない五条の光量が、混乱する地上部隊に襲いかかった。保護効果がなのはだけでなく、レイジングハートにも及んでいなかったら、反動で分解しているほどの超高エネルギーが炸裂する。
 かつて地球やミッドチルダで放った時の、数倍、いや、数十倍の巨大な光条が、レイジングハートと各ビットのやや先から迸った。
 五条の光の帯が、周辺一帯をなぎ払うように通り過ぎていく。
 死者はいなかった。破壊された物もなかった。
 だが、その場にいた兵士はすべて、激しい麻痺と共に気絶していた。
 彼らは夜が明けても、身動き一つとれなかったのである。
 
 
 
 
 
 
 
 城内でウェールズは見た。ルイズと、おそらくはなのは、その二人によって、闇の中、三万の軍勢が崩壊する様を。
 「これは、いったい……」
 混乱から立ち直った兵達が、ウェールズに質問する。
 彼はそれに、こう答えた。
 「奇跡だ。ぎりぎりのところで、始祖はあきらめなかった我々に、加護をもたらしてくれたのだ」
 「それは……」
 兵に語っているうちに、ウェールズも気持ちが高揚してくるのを感じた。
 「そう、道は我にあり、レコン・キスタに正義はない!」
 城内に歓声が満ちあふれた。

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:08:43 ID:Z5Ximyn6
支援。エクスプロージョンは非殺傷モードつきの魔法だったんや。

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:09:15 ID:vTYeZoRl
紫電一閃支援っ

347 :ゼロと魔砲使い 第19話-09 ◆IFd1NGILwA :2008/08/01(金) 18:09:27 ID:F8S7R+pG
 夜が明けた時、城内の者すべてが理解した。
 眼前に広がるのは、不時着した無数の艦船と倒れ伏す兵士。
 艦船に乗っていたと思われる兵が、倒れていた兵を救助していた。
 そこに城内から、大音量の声が響き渡った。
 
 「レコン・キスタの者に告げる!」
 
 救助作業をしていた者達の手も一瞬止まる。
 
 「汝らレコン・キスタに今始祖の加護無し! されど一片の慈悲はもたらされた。汝らが今生きていることこそその証! もし再びその手を振り上げし時は、今度こそ始祖の怒りは汝らの命を奪うであろう!」
 
 地に落ちた『レキシントン』の艦橋でウェールズのものと思われるその声を聞いていたボーウッドは、レコン・キスタの勝利に対して、決定的な亀裂が入ったことを悟っていた。
 となれば出来ることは一つ。元々自分が貴族派に属したのは、立場ゆえのことだった。
 ならばこれも悪くはない。
 
 その日、ニューカッスル城攻略部隊三万は、死者0でありながら、王党派に降伏した。

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:11:23 ID:GyP3qNJP
支援

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:13:09 ID:hZh8nOE4
追いついた!
支援!

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:13:25 ID:vTYeZoRl
毎度どんな作品からクロスされても、虚無の魔法のデタラメさはほぼそれを上回るものなあw

そして重ねて支援。

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:13:51 ID:GyP3qNJP
サルか…?

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:15:00 ID:ze4PRWHW
支援。
それにしても、大作はさるさん規制に引っかかる率が高いな。

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:15:36 ID:f+IeHkL7
オイラも一度くらいさるさん規制に引っかかってみたいモノよのぅ

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:16:09 ID:kPDgT4md
ワルドがどう動くか気になる支援。

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:20:22 ID:jEn7yGND
wktk支援

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:30:23 ID:WY5I+EtE
>>353
わずらわしいだけだぞ、人任せになるからうまく投下されるか不安になるし。
ただ、すぐに代理投下してもらえると、とてもうれしいんだけどスレが一時停滞することには違わないからな。

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:31:12 ID:vTYeZoRl
ちっ…こう着状態っぽいな。
代理投下してよろしいか?

358 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 18:33:14 ID:vTYeZoRl
 その少し前、城内である会合がもたれていた。
 トリステイン組と、ウェールズ、及びジェームズ一世による会合である。
 そこでいくつかの衝撃的な事実が明らかになっていた。
 「ルイズ様、あなたのおかげで我々は生き延びられました。お礼のしようもございません」
 「ちょ、ちょっと、やめてください陛下! 私は陛下に頭を下げられるような人間じゃありません! 様付けもしないでください!」
 虚無の担い手……その事実を知ったアルビオン王ジェームズは叩頭してルイズに礼を言った。さすがに覚悟していたものの、ルイズには堪えた。
 ある意味虐待され続けていたルイズである。持ち上げられるのには慣れていなかった。
 「父上、ルイズ殿はお困りですよ。もう少し落ち着かれた方が」
 「ああいや、感謝のしようもない」
 その様子にルイズは少しほっとした。
 「殿下」
 場が落ち着くと同時に、口火を切ったのはワルドであった。
 「ルイズとその使い魔、なのはの力によって、王党派は一息つくことが出来ました。でも、あくまでも一息でしかありません。相手にはまだまだ力があり、対してこちらの力はほとんど無いも同然です」
 「ですね。ここで今巻き返しの手を打たねば、結局元の木阿弥です」
 ウェールズはため息をついた。
 「ですが幸い、私はここで殿下に、殿下にとって有益な情報を提供できます」
 「ほう」
 ウェールズの目が鋭く光る。
 「見返りは何かね」
 「とりあえずは結構。私にとっても、少々危険な発言ですので」
 そしてワルドは言った。
 「実は、私はレコン・キスタに与しています」
 その瞬間、文字通り何人かが椅子から転げ落ちた。
 具体的には、ルイズ、キュルケ、ギーシュ、ウェールズである。
 「どどどどどど」
 「落ち着きたまえルイズ」
 興奮するあまり暴れ出しそうなルイズを、ワルドが言葉で、なのはが力で押さえ込む。
 「説明はしてくれるんだね」
 何とか椅子に座り直したウェールズが、ワルドに向けて言う。
 「もちろん私はトリステインの忠実な騎士でもあります。そんなある日、私は枢機卿から密命を受けました。レコン・キスタに潜入せよ、と」
 「なるほど、二重間諜か」
 ウェールズは頷く。
 「その通り。枢機卿曰く、私は野心が強すぎるとのことで。レコン・キスタに協力すると同時に、相手の内情を探って伝えるようにとの命を受けました。そのためにトリステインの機密をある程度流すことも許可されました」
 「……これは一杯食わされたかも」
 そうつぶやいたのはキュルケだった。
 「どういうこと?」
 怪訝そうに聞くルイズに、キュルケは語る。
 「前行ったでしょ、枢機卿って、頭がよすぎて馬鹿のことが判らない人だって」
 「うん」
 「そう見られることまで計算のうちだったって言うこと」
 ルイズにはまだ判らなかった。
 「もうちょっと具体的に判りやすくならない?」
 「あんたトリステイン貴族なのに持って回った言い方苦手なのね。判ったわ。簡単に説明してあげる」
 そういうとキュルケはちらりとワルドの方を見て言った。
 「皇帝との婚約、あれ、場合によっては流すつもりだったっていうことよ」
 「えっ!」
 「つまりね。自分がどう見られるかも含めて、あの人は全部計算済みだったみたいね。目的は……トリステイン内部の不満分子の粛清よ」
 「たいしたお嬢さんだ。よくそこまで見切ったね」
 その言葉を肯定するようにワルドが言った。

359 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 18:33:54 ID:vTYeZoRl
 「お嬢さんの言うとおり、枢機卿閣下はトリステインの内部状況を憂慮していた。一部の貴族が外国と通じたり、領民を虐げて蓄財したりと、国を食い物にしているのに心を痛めていた。
 もっとも、先王陛下が生きているうちはよかった。陛下にはそういう毒虫であっても、ちゃんと使い方を心得ていた。自分が手綱を押さえていれば致命的なことにはならず、むしろその毒を有効に使えると判っていた。
 だが、アンリエッタ様ではそうはいかない」
 アンリエッタの名前が出たところで、ルイズとギーシュが緊張する。
 「妃殿下にはそういう毒虫を使いこなすのは無理だ。早すぎる。となればそれは早急に排除しないといけない。だがそういう毒虫は、今のような状況に強い。現にあっという間に繁殖して、トリステインの内情は結構危ないことになっている。
 枢機卿がいなかったらつぶれていたというのは冗談事じゃないんだよ」
 ルイズの顔は青ざめていた。言い換えればそれは、アンリエッタの危機なのだから。
 それに気づいていながら、あえて無視するようにワルドは言葉を続けた。
 「はっきり言おう。僕もトリステインを半ば見限っていた。あのままだったら、僕は密命無しでも、たぶんレコン・キスタについていたね。トリステインよりはましだと思って。まあ、こっちに来てみたらどっちもどっちだったんだが」
 肩をすくめつつ、ため息をつく。
 「枢機卿の人を見る目には感心せざるを得ないよ。僕の内心の不満を見切って、僕にレコン・キスタの実態を見極める機を与えてくれた。どっちもどっちだったけど、それでも僕自身の栄達には、レコン・キスタの側の方が有利だった。
 でも、今それはすべてひっくり返った。ルイズ、君の存在によってね」
 「? どういうこと?」
 不思議そうなルイズに、ワルドはウェールズとルイズ、双方を見つめて言った。
 「レコン・キスタがあそこまで急激に膨張したのには一つ重大な話がある。総司令官オリバー・クロムウェル司教、彼は『虚無』を使う、そう言っている」
 「えっ!」
 「そうか」
 驚くルイズと、にやりと笑うウェールズ。そこにタバサがぽつりと言った。
 「偽物?」
 ワルドは頷いて答えを返した。
 「鋭いね。その通りだ。いや、僕も昨日のあれを見るまではあり得るかもとは思っていた。だがあれを見てしまったらはっきりと判る。クロムウェル司教の言う『虚無』、それはおそらく別物だろうってね」
 「なるほど。ということはルイズ殿、あなたの協力があれば、レコン・キスタを瓦解させることが出来る。そこまで行かなくとも、五分までは戻せるな」
 レコン・キスタをつなぎ止めている要は、虚無に対する信仰である。今となっては利権その他も絡んでいるからそう単純なものではないが、ある意味呉越同舟なレコン・キスタがまとまっているのには、司教の『虚無』に対する信仰がある。
 そう説明されて、ルイズ達にも納得が出来た。
 「なんか大事になっちゃったわね。私たちの手には負えないわ」
 「同感」
 キュルケとタバサはいまいち乗り気ではなかった。ギーシュは考えがまとまらないのか、沈黙を保っている。
 「殿下、いずれにせよこうなると問題は我々だけの問題ではなくなります。一度トリステインに戻って、妃殿下や枢機卿とも相談せざるを得ません。帰還をお許し願えないでしょうか」
 「ああ、それはやぶさかではないが……あれをどうするかだな」
 ウェールズは窓の外を見た。そこではレコン・キスタの兵が作業をしている。
 なのはによって麻痺させられた同僚を引きずっている。
 「ルイズ殿、あれはどのくらいあんな状態なのですか?」
 「なのはの言うことですと、あと半日くらいはあんな感じだとか。そのくらいすれば徐々に回復していくそうですけど」
 「半日、か」
 「なら、試してみてはいかがですか?」
 そこで口を挟んだのは、ロングビル……いや、マチルダだった。
 「どういうことだい、マチルダ」
 「始祖と虚無の名前に力があるのなら、試してみるのも一興かと」

360 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 18:34:25 ID:vTYeZoRl
 そしてタバサの魔法で拡大されたウェールズの声明が、レコン・キスタに打ち込まれた。
 効果は劇的だった。あの場のレコン・キスタ三万が、あっさりと降伏してきた。
 補給の問題などもあったが、少なくとも最大の問題は解決したと言えよう。
 ルイズ達は、いったん帰国することになった。
 だが、一人だけこの場に残る人物がいた。
 「たぶんまた来るから、ミス・ロングビル……いいえ、マチルダさん」
 「たぶんね。元気でね」
 マリー・ガラント号は、ラ・ロシェールへと向かう。それを見送りつつ、マチルダはウェールズに言った。
 「虚無って言うのはあそこまでカリスマ性があるのかい?」
 「ああ。思い知ったよ」
 そう答えるウェールズに、マチルダは語る。
 「なら、いけるかもね……ちょっとばっかり驚くことを教えてあげるよ。テファのこと、覚えているかい?」
 「ああ、モード大公の……やはり、生きているのかい?」
 マチルダは、その問いには答えずに言葉を続けた。
 「彼女もね、『虚無』の担い手だよ。エルフとの間に生まれた娘なのにね」
 「な!」
 衝撃に硬直するウェールズ。
 「彼女は今、その虚無の力で守られている。けどそれじゃあの子が不憫だ。うまく扱えば切り札にもなるこの手札、どう使うか見せておくれ。殿下があの子を生かしてくれるのなら、あたしは昔を忘れてあんたの味方になって上げるよ」
 マチルダは真正面からウェールズを睨む。
 「だけどあんたが扱いをしくじって、あの子を不幸にするようなら……あたしはあんたの不倶戴天の敵になるよ」
 そういい残して、マチルダはニューカッスル城から立ち去った。
 
 
 
 
 
 
 一方、マリー・ガラント号の中でも、最後の爆弾が炸裂していてた。
 「そういえばワルド様、そのクロムウェル司教が使う、虚無と見まごう力とは、どんなものだったんですか?」
 ルイズの質問に、ワルドは答えた。
 「ああ、驚くべきことに、彼は死者をよみがえらせることが出来た。だから断言は出来ないよ、彼が偽りの虚無だとは。死者復活ともなれば、虚無の力だと思われるのも無理はない」
 その瞬間、ギーシュ以外の全員の顔がこわばった。代表するように、ルイズが聞く。
 「ワルド様、その人は、指輪をしていませんでしたか? 水の魔力を持っていそうな」
 ワルドは少し考え込む。
 「そういえば、つけていたような気がするな。水のルビーによく似た感じのものを」
 その瞬間、全員の視線が交差する。
 「アンドバリの指輪……」
 つぶやいたのはなのはだった。
 「アンドバリの指輪?」
 復唱するように聞き返すワルド。なのははそれに答えて言った。
 「約三年前、ラグドリアン湖の水の精霊から奪われた秘宝……その力は、死者をよみがえらせることです」
 今度こわばったのはワルドの方であった。
 「時期は、合う……」
 それで充分であった。
 ルイズとなのはの視線が重なる。
 「どうやらこの問題、他人事じゃなくなったわね、なのは」
 「はい」
 
 
 
 そしてこれが、最後の大動乱の始まりとなった。

361 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 18:36:14 ID:vTYeZoRl
827 :ゼロと魔砲使い ◆IFd1NGILwA:2008/08/01(金) 18:16:08 ID:F5MpdGIw
以上ここまでです。ワルド、味方になっちゃったなあw
本当はなのはさんにフルぼっこされるはずだったのに。

代理の方には感謝いたします。


―――――

返事なしに投下してすみません。
とりあえずここまでで。

作者の方、乙でしたー。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:39:30 ID:ze4PRWHW
作者さん、そして代理投下の方、乙です。
……むぅ、枢機卿がカッコイイ。そしてワルドも悪っぽくありながらカッコイイ。流石だ。

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 18:43:17 ID:OhLZ7pBJ
作者の方乙
ただワルドには地獄をみてもらいたかった

364 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 18:59:01 ID:YLjMNquw
 その少し前、城内である会合がもたれていた。
 トリステイン組と、ウェールズ、及びジェームズ一世による会合である。
 そこでいくつかの衝撃的な事実が明らかになっていた。
 「ルイズ様、あなたのおかげで我々は生き延びられました。お礼のしようもございません」
 「ちょ、ちょっと、やめてください陛下! 私は陛下に頭を下げられるような人間じゃありません! 様付けもしないでください!」
 虚無の担い手……その事実を知ったアルビオン王ジェームズは叩頭してルイズに礼を言った。さすがに覚悟していたものの、ルイズには堪えた。
 ある意味虐待され続けていたルイズである。持ち上げられるのには慣れていなかった。
 「父上、ルイズ殿はお困りですよ。もう少し落ち着かれた方が」
 「ああいや、感謝のしようもない」
 その様子にルイズは少しほっとした。
 「殿下」
 場が落ち着くと同時に、口火を切ったのはワルドであった。
 「ルイズとその使い魔、なのはの力によって、王党派は一息つくことが出来ました。でも、あくまでも一息でしかありません。相手にはまだまだ力があり、対してこちらの力はほとんど無いも同然です」
 「ですね。ここで今巻き返しの手を打たねば、結局元の木阿弥です」
 ウェールズはため息をついた。
 「ですが幸い、私はここで殿下に、殿下にとって有益な情報を提供できます」
 「ほう」
 ウェールズの目が鋭く光る。
 「見返りは何かね」
 「とりあえずは結構。私にとっても、少々危険な発言ですので」
 そしてワルドは言った。
 「実は、私はレコン・キスタに与しています」
 その瞬間、文字通り何人かが椅子から転げ落ちた。
 具体的には、ルイズ、キュルケ、ギーシュ、ウェールズである。
 「どどどどどど」
 「落ち着きたまえルイズ」
 興奮するあまり暴れ出しそうなルイズを、ワルドが言葉で、なのはが力で押さえ込む。
 「説明はしてくれるんだね」
 何とか椅子に座り直したウェールズが、ワルドに向けて言う。
 「もちろん私はトリステインの忠実な騎士でもあります。そんなある日、私は枢機卿から密命を受けました。レコン・キスタに潜入せよ、と」
 「なるほど、二重間諜か」
 ウェールズは頷く。
 「その通り。枢機卿曰く、私は野心が強すぎるとのことで。レコン・キスタに協力すると同時に、相手の内情を探って伝えるようにとの命を受けました。そのためにトリステインの機密をある程度流すことも許可されました」
 「……これは一杯食わされたかも」
 そうつぶやいたのはキュルケだった。
 「どういうこと?」
 怪訝そうに聞くルイズに、キュルケは語る。
 「前行ったでしょ、枢機卿って、頭がよすぎて馬鹿のことが判らない人だって」
 「うん」
 「そう見られることまで計算のうちだったって言うこと」
 ルイズにはまだ判らなかった。
 「もうちょっと具体的に判りやすくならない?」
 「あんたトリステイン貴族なのに持って回った言い方苦手なのね。判ったわ。簡単に説明してあげる」
 そういうとキュルケはちらりとワルドの方を見て言った。
 「皇帝との婚約、あれ、場合によっては流すつもりだったっていうことよ」
 「えっ!」
 「つまりね。自分がどう見られるかも含めて、あの人は全部計算済みだったみたいね。目的は……トリステイン内部の不満分子の粛清よ」
 「たいしたお嬢さんだ。よくそこまで見切ったね」
 その言葉を肯定するようにワルドが言った。


365 :ゼロと魔砲使い(代理):2008/08/01(金) 19:00:02 ID:YLjMNquw
 「お嬢さんの言うとおり、枢機卿閣下はトリステインの内部状況を憂慮していた。一部の貴族が外国と通じたり、領民を虐げて蓄財したりと、国を食い物にしているのに心を痛めていた。
 もっとも、先王陛下が生きているうちはよかった。陛下にはそういう毒虫であっても、ちゃんと使い方を心得ていた。自分が手綱を押さえていれば致命的なことにはならず、むしろその毒を有効に使えると判っていた。
 だが、アンリエッタ様ではそうはいかない」
 アンリエッタの名前が出たところで、ルイズとギーシュが緊張する。
 「妃殿下にはそういう毒虫を使いこなすのは無理だ。早すぎる。となればそれは早急に排除しないといけない。だがそういう毒虫は、今のような状況に強い。現にあっという間に繁殖して、トリステインの内情は結構危ないことになっている。
 枢機卿がいなかったらつぶれていたというのは冗談事じゃないんだよ」
 ルイズの顔は青ざめていた。言い換えればそれは、アンリエッタの危機なのだから。
 それに気づいていながら、あえて無視するようにワルドは言葉を続けた。
 「はっきり言おう。僕もトリステインを半ば見限っていた。あのままだったら、僕は密命無しでも、たぶんレコン・キスタについていたね。トリステインよりはましだと思って。まあ、こっちに来てみたらどっちもどっちだったんだが」
 肩をすくめつつ、ため息をつく。
 「枢機卿の人を見る目には感心せざるを得ないよ。僕の内心の不満を見切って、僕にレコン・キスタの実態を見極める機を与えてくれた。どっちもどっちだったけど、それでも僕自身の栄達には、レコン・キスタの側の方が有利だった。
 でも、今それはすべてひっくり返った。ルイズ、君の存在によってね」
 「? どういうこと?」
 不思議そうなルイズに、ワルドはウェールズとルイズ、双方を見つめて言った。
 「レコン・キスタがあそこまで急激に膨張したのには一つ重大な話がある。総司令官オリバー・クロムウェル司教、彼は『虚無』を使う、そう言っている」
 「えっ!」
 「そうか」
 驚くルイズと、にやりと笑うウェールズ。そこにタバサがぽつりと言った。
 「偽物?」
 ワルドは頷いて答えを返した。
 「鋭いね。その通りだ。いや、僕も昨日のあれを見るまではあり得るかもとは思っていた。だがあれを見てしまったらはっきりと判る。クロムウェル司教の言う『虚無』、それはおそらく別物だろうってね」
 「なるほど。ということはルイズ殿、あなたの協力があれば、レコン・キスタを瓦解させることが出来る。そこまで行かなくとも、五分までは戻せるな」
 レコン・キスタをつなぎ止めている要は、虚無に対する信仰である。今となっては利権その他も絡んでいるからそう単純なものではないが、ある意味呉越同舟なレコン・キスタがまとまっているのには、司教の『虚無』に対する信仰がある。
 そう説明されて、ルイズ達にも納得が出来た。
 「なんか大事になっちゃったわね。私たちの手には負えないわ」
 「同感」
 キュルケとタバサはいまいち乗り気ではなかった。ギーシュは考えがまとまらないのか、沈黙を保っている。
 「殿下、いずれにせよこうなると問題は我々だけの問題ではなくなります。一度トリステインに戻って、妃殿下や枢機卿とも相談せざるを得ません。帰還をお許し願えないでしょうか」
 「ああ、それはやぶさかではないが……あれをどうするかだな」
 ウェールズは窓の外を見た。そこではレコン・キスタの兵が作業をしている。
 なのはによって麻痺させられた同僚を引きずっている。
 「ルイズ殿、あれはどのくらいあんな状態なのですか?」
 「なのはの言うことですと、あと半日くらいはあんな感じだとか。そのくらいすれば徐々に回復していくそうですけど」
 「半日、か」
 「なら、試してみてはいかがですか?」
 そこで口を挟んだのは、ロングビル……いや、マチルダだった。
 「どういうことだい、マチルダ」
 「始祖と虚無の名前に力があるのなら、試してみるのも一興かと」


366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:00:08 ID:tc0umY8h
ん?

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:00:18 ID:q8/oUBz2
大体ボコられてばっかで不憫に思っていただけに、ワルドが味方になってくれてよかった。


368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:01:11 ID:YLjMNquw
あ、しまった。もう代理投下されてた。
ごめん。

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:03:44 ID:vTYeZoRl
偏在五体とクロスレンジで苦戦するなのはさんというのも見てみたくはあったが。
それにしても虚無魔法のデタラメさは毎度のことながら…。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:27:49 ID:NF0BtzfD
微妙に綺麗なワルドキター

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:29:24 ID:DKbWZQ3B
>>183
ぞんび屋れい子の作者はそれ以前にコンパイル社員だったことも

372 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/08/01(金) 19:35:49 ID:3XBzR2qg
こんばんは。第13話が出来ました。投下よろしいでしょうか?


373 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/08/01(金) 19:38:19 ID:3XBzR2qg
始めさせていただきます
  
使い魔はじめました―第13話―

「はっ! そんな斧一本でどうこうできるもんか!」
そんなフーケの嘲りの言葉も聞かず、サララは斧を構える。
狙うのは本体ではなく足元。
巨大な分、足が崩れればたちまち倒れるだろう、そう読んでの行動だ。
走った勢いをぶつけるように、斧を横に構え、薙ぐ。
ざしゅり、と鋭いような鈍いような音がして、ゴーレムの足を抉る。
その拍子にバランスを崩し、ゴーレムがぐらりと揺れた。
「……へえ、結構威力はあるようだね。それもマジックアイテムの類かい?」
落ちないように足をふんばりながら、フーケが笑った。
必死に斧を振るうサララには、その声が聞こえていない。
サララの構えた斧は、土や霧、あるいは溶岩などで体を構成する『巨人』と呼ばれる
モンスターを攻撃する際に威力を発揮する『巨人のすね打ち』である。
二足歩行型の生物というのは、元来足元が弱いものだ。
遥かな異国に生息するという成人男性に似た足を持つ巨大な蛇すら、
そのすねを打たれた際には悶え苦しむといわれるほどである。
「けど、甘い! 土のある場所でゴーレムが倒せると思うな!」
フーケが錬金の呪文を唱える。
たちまち、ゴーレムの壊れた足が再生していく。
これではいつまで経っても倒せはしないだろう。
「ど、どうしよう、サララが……!」
「このままじゃやられちゃうよ! な、なんとかしなくっちゃ!」
ルイズとチョコはその光景を見ながらおろおろしていた。
「きゃっ! いたた、何よ、もー」
足をとられたルイズがぶつくさと足元を見る。
「あ……!」
それは、サララが持参したアイテムの詰まった袋だった。
「そうだわ、この中のどれかがあれば、きっとサララは勝てるはず!」
ルイズは袋をひっつかむと、サララとゴーレムの元へ駆け出した。

374 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/08/01(金) 19:39:16 ID:3XBzR2qg
「サララ!」
ルイズの声に先に気がついたのはフーケだった。
その姿を見れば、袋を抱えている。あれにはマジックアイテムが入っているはずだ。
形勢を逆転されてはたまらない、とばかりにゴーレムの攻撃対象を
ルイズへと変更させた。その拳を錬金で鋼鉄に変える。
「きゃああああ!」
迫ってくる拳に対してあげた悲鳴により、サララはルイズの存在に気づいた。
手にした斧を手放すと、ルイズの元へ急行する。
サララは未だ預かり知らぬことであるが、彼女の額に刻まれているのは
神の頭脳、あるいは神の本と呼ばれる『ミョズニトニルン』のルーンだ。
『あらゆる魔道具の能力を最大限にまで引き出し、使用することが可能』
という能力を使い魔に与える額のルーンが光り、ブーツの性能を大幅に上昇させる。
彼女が身につけているブーツは、装備したものの素早さを上げ、
攻撃の命中精度をあげ、敵の攻撃をかわしやすくするものだ。
その能力が最大限にまで引き出された結果、今のサララは
ブーツの名に冠された異国の神と見まごうほどに俊足であった。
ルイズを抱えたまま、鋼鉄の拳を間一髪で避ける。
「あ、ありがとう、サララ……それより、これ……」
あまりの素早さに目を回しながらも、ルイズは袋を渡す。
「これがあれば、あんたは、フーケをやっつけられるんでしょ?」
そのルイズの言葉にサララはにっこりと微笑みながら眉をしかめた。
助かりましたけど、こんな無茶はしないでくださいね、とため息をつく。
「つ、使い魔の危機を黙って見てちゃ、ご主人様失格だもの」
頬を膨らませて、すねるようにルイズが言い返した。
そんなルイズをかばうように背を向けると、ゴーレムと、
その肩に乗ったフーケを睨みつける。
「茶番は終わりかい? なら、こちらから行かせてもらうよ!」
再び、ゴーレムがその拳をサララに向けた。
サララはその拳から目をそらさず、目的のアイテムを探して、袋を漁った。
手に触れるたびに、アイテムの名前が流れ込んでくる。
……そして、予想だにしなかったものを見つけて、森に響くほどの驚きの声をあげた。

375 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/08/01(金) 19:40:20 ID:3XBzR2qg
「な、何だい?」
サララの声にうろたえたフーケが、思わず拳を止めた。
わたわたしながら、サララは袋から一つの箱を取り出した。
そんな、なんで? と首を傾げながら、サララはその箱を開ける。
薄紫色に妖しげな光を放つ宝玉と、その台座。
……フーケが手にしているはずの、『魔王の宝珠』だった。
「「「えええええー! なんでえええ?」」」
ルイズとフーケとチョコの声が重なった。
「そ、そっか! さっきロングビルに渡すときに、間違えたんだ!
 『アレ』も、箱に入ってるから!」
サララは、どんなに大事なアイテムでもとりあえず無造作に箱に放り込む。
そのせいで、ルイズが取り出した際に間違えてしまったらしい。
フーケは顔を真赤にして、口をパクパクとさせている。
「そ、そんな馬鹿な! じゃあ、こっちのアイテムは一体?」
自分が持っているはずの宝が、敵の手にあるのを見て、
フーケは冷静さを失ってしまったらしい。
不用意にも、自分が抱えていた箱を開いて中身を確認しようとした。
そして、その中に入っていた『モノ』と目が合って、石になった。
それは比喩ではない。本当に一瞬にして、彼女の体は石像と化したのだ。
魔力の供給が途絶え、ゴーレムがただの土くれに戻る。
土の小山の上には、ぼふり、とその石像が落下する。
土がクッションになったらしく、幸いにして何処も欠けていない。
「……えー……」
怒涛の展開に、誰もが声を失う中、チョコだけが呆れたような声を上げた。
ハッ、と正気に戻ったサララは、石になったフーケの元へ近づく。
石像になったままの彼女を、袋から出したロープで縛り上げた。
それから、その足元に落ちていた木箱の破片を拾いあげる。
この中に入っていたのは、蛇の髪に猪の牙を持つ魔物の生首である。
その邪悪な瞳に見つめられたものは、たちまち石と化してしまうのである。
そんなアイテムだから、普段は箱に入れて保存していた。
まさかそれが、こんな風に役に立つとは思わなかったけど、と苦笑した。
どうやら戦闘が終わったらしいことを確認して
タバサ達を乗せたシルフィードが降りてくる。
彼女達に手を振りながら、サララはちらり、とフーケの顔を見た。
悲鳴をあげたまま、口を大きく開けた顔だ。
この顔なら治すのにアレを使えるな、と安堵のため息をつく。

376 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/08/01(金) 19:41:20 ID:3XBzR2qg
馬車を置いて帰るわけにも行かないので、四人と一匹と石像一体は
再びがたごとと馬車に揺られていた。
その手綱を取っているのはタバサである。
「それで、どーすんのよ、コレ」
コンコン、と石像になったフーケをルイズが軽く叩く。
「このままじゃあ、衛兵にも引き渡せないものねえ……」
キュルケも興味深そうにそれを見ながら嘆息する。
「あ、うん、大丈夫。元に戻す方法はあるよ。ね、サララ?
 ……サララ、どうしたの?」
チョコに呼びかけられてなお、サララは深い思索の海に沈んでいた。
サララの直感は、フーケがそこまで悪い人物だとは思えない、と告げている。
宝を盗むのは、いつも悪徳貴族からだけだ、と噂で聞いた。
それに、何となく彼女は雰囲気が似ているのだ。
だんじょんの町のお得意さんであった女盗賊サファイアに。
守るべきものがあるがゆえに、非道になっているような、そんな人だ、と思えた。
「サララ、ねえ、サララってば!」
ペチペチと膝に猫パンチを数度食らって、ようやくサララは呼ばれているのに気づいた。
「とりあえず、フーケを戻さないと」
ああ、そうだった、とサララは袋の中から目的のアイテムを取り出す。
「うわぁ、なにそれ? きれいね……リンゴ?」
ルイズの言葉に頷くと、黄金色に輝くリンゴを石像のフーケの口に放り込んだ。
「う、ううん……」
たちまちの内に、フーケの体が石像から元に戻る。
「はっ!」
目を覚ましたフーケは逃げようとしたが、体を縛られているのを見て、
観念したかのように吐き捨てた。
「情けないねえ。この土くれのフーケ様が、お宝を間違えて、
 そのせいでとっつかまっちまうなんて……」
「間違えたのはルイズだけどね」
「あんたは黙ってなさい」
茶々を入れたチョコを、ルイズがギロリと睨む。
「……もう抵抗はしないさ。煮るなり焼くなり、好きにしな」
サララは、じっとフーケの瞳を見つめた。
それから、意を決したようにフーケに告げる。
こちらの条件を飲んでくれれば、逃がしてさしあげますよ、と。
その言葉に場の一同が唖然とする中、サララはただニコニコと笑っていた。

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:42:36 ID:EWdBKu0K
支援

378 :使い魔はじめました ◆xq/C1v8U32 :2008/08/01(金) 19:43:30 ID:3XBzR2qg
以上で投下終了です。
前回の中に誰もいませんよ、は今回メドゥーサの首を出すための伏線でした。

   *      *
  *     +  うそです
     n ∧_∧ n
 + (ヨ(* ´∀`)E)
      Y     Y    *

人の足を持つ巨大な蛇はだんじょん商店会には出てきません。
元ネタが分かったあなたはきっとボンボン派。

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:47:08 ID:EWdBKu0K

なんて決着だw

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:48:47 ID:cfrvPK68
ヘビビンガーとか懐かしすぎるだろJK

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:50:14 ID:cEgCj7+A
GJ!
鱗を削ると大人しくなるアレですね、解かります。

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:52:13 ID:SHgO1W/4
>遥かな異国に生息するという成人男性に似た足を持つ巨大な蛇すら、
なんというヘビビンガーwww

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 19:55:19 ID:MN7y8clj
女帝様
魔砲使い様
はじめました様
各々方GJです!
時に女帝様
>>天木の舟参やらがコソコソ動き始めてるし
の行ですが天地の裏設定ではすでに天木舟参には野心が無いそうです
船穂さんにボコられた時に失せてしまったそうです
そういう状況なので変な動きはしないかと

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 20:29:33 ID:jkXA80W4
ヘビビンガーwww
売ったマンガを買いなおしたくなってきたぞ

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 20:43:19 ID:eq7awDIy
>>383
>の行ですが天地の裏設定ではすでに天木舟参には野心が無いそうです
それ、梶島の同人誌見てないと分からない設定だから・・・・
しょうがないよ。

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 21:29:09 ID:GfkFfc9n
収束かければかけるほどプロテクトも強化される
って事は理論上無限大まで威力を上げられるのか・・・
ハルケギニアオワタ

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 21:31:57 ID:6s75w6Rx
これはあれか?
サイボーグクロちゃんから誰か召喚しろと言う事か?
マタタビは、一つあったけど途中で止まってるしな

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 21:44:45 ID:0/sbhJb5
>>385
真天地見ればとも思ったが、あれだとちょっと丸くなったぐらいにしか読みとれんから野心がなくなったとまでは言い切れんな

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 21:45:41 ID:vTYeZoRl
ところで、デルフはつれてきてないのかな?<ゼロと魔砲使い
…留守番しているにしてもどっちにしても、なんというか、空気なんだが…。


390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 21:51:02 ID:622WwR3W
デルフは大概のクロス作品で空気だと思うが
だいぶ以前から原作でも

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 21:57:35 ID:Y1SDCswj
だって、召喚されるキャラは基本的に自前の武器を持ってるか、武器が必要のないキャラだもんな
それにデルフよりレイジングハートの方が優秀っぽいしw

なにげに提督のデルフが活躍してるような気がするぞ
まあ、漫才のようにも見えるがなw

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:02:40 ID:aVIP3gPr
ディセプティコン・ゼロだとレギュラーキャラになってるのにな、デルフ

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:06:06 ID:5yEF1NlZ
バージルなんてデルフを完全無視するだろうな。
日本刀に形状が似てても居合には使えないから。

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:08:33 ID:K1iNQjwD
カービィなんて食われてるし
でもあれはあれで存在意義があるといえる・・・?

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:17:39 ID:zfyjQgwD
空気なだけマシかも……登場した回に約6000年の歴史(幻想)を殺されたデルフよりは。

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:18:20 ID:EWdBKu0K
デルフが一番似合うのはシエスタと思ってる俺
アトリエとかエデンとか

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:19:35 ID:xVCJOSCB
剣使いが剣を持ってない状況で召喚されればそこそこ出番はあるだろうけど

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:22:24 ID:7Rs2XulH
デルフって細身で片刃の曲刀、
しかも両手持ちしないといけないぐらいの長さ、
っていう使い手を選びまくる形状だから難しいかも。

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:27:55 ID:sYfpMwhe
>>398
RtoLからラムザス人を馬付きで、とかあまり通じそうにないことを言ってみるが
そもそも馬に乗ってるときは剣を手放さないかもしれない

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:37:12 ID:FBhndoFG
デルフが相棒になりそうなキャラか・・・
bleachの死神とかかな?
更木剣八だとデルフが霊圧に耐えられるか心配(汗)
・・・そう言えば、黒崎一護召喚SS更新が止まって一年になりますが私は待ってますよ!!

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:43:03 ID:sfx3Cps9
ソウルイーターのキャラクターとかとは相性いいんじゃ?

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:43:25 ID:nIZ4mN92
ブリーチの何が面白いのかさっぱりわからんのだが・・・

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:45:29 ID:8H6TX9XR
ハーメルンからギータを召喚すれば、物凄く喜んでくれると思うぞw

>>401
ガンガン買うのやめて大分立つからうろ覚えだが、あれは武器と職人が魂を共鳴させて力を出すって奴だったと思うから相性は今ひとつだと思う。

404 :割れぬなら……(反省文):2008/08/01(金) 22:45:37 ID:3YWZF8nw

もし時間足りず、作品投下滞ることあらば!

リトルバスターズ!をインストールしたとき、
我が武運は尽きておったということか!



今日の投下はムリそうです。
原因は続きも書かずにゲームをしていたからです。

猛省します、ごめんなさい。


405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:46:12 ID:5nxnvzz7
読みきりとか書いてた頃の話はふつーにグロくて好きだった>ブリーチの人

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:49:27 ID:622WwR3W
と 頭骨をえぐれい

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:49:33 ID:6s75w6Rx
>>403
ソウルイーターの日本刀キャラってミフネじゃね?
いや、デルフの人格がエクスカリバーだったら確実に「記すのも憚られる使い魔」だろうけど

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:51:20 ID:7Rs2XulH
>>402
私見だけど単行本でざっと流してみると結構楽しめるかも。

とりあえずブリーチの死神喚んだとしてルイズ達に見るかな?
確か擬蓋(だっけ?)がないと一部を除いた生きている人間には
見ることも触ることも出来ないはずだったけど。。

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:52:20 ID:aVIP3gPr
そういう特殊な才能or素質的なものを基本的にメイジは持ってるってやっても違和感は無いと思うけどな

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:53:08 ID:EjIw7E/W
鋼の使い魔のデルはちゃんと活躍してるなー
買った直後にピカピカに研ぎ直しても貰ってるし

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:57:23 ID:QnjcIGqD
ツカイマグルイでもデル公は活躍してるよ!
そういえばワルドにとどめさしたのがギーシュって珍しい作品だよね。

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:58:29 ID:cRuUVQP3
>>398
棄てプリからシャノンさんですよ愛剣がぽっきり逝った直後あたりなら問題なし竜機神も人相手にゃつかえんしなお良し

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:58:30 ID:622WwR3W
今試みに「デルフリンガー」でぐぐったら、
「エンリコ・デルフリンガー」っていう世界的なイタリア料理のシェフが出てきたんだが


これはデルフを料理包丁として平和的に活用せよとの思し召しだろうか?

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 22:59:35 ID:sfx3Cps9
>>407
デルフ「俺っちの伝説は6000年前から始まったんだぜ!」

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:01:06 ID:FES2cg96
ブリーチの死神連中でルイズ的に当たりはマユリ様とわんわん隊長かな

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:03:22 ID:Z5Ximyn6
>>412
嫁のゼフィリスが泣いて迎えに来ます。

417 :鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/01(金) 23:04:31 ID:XvBJnjyH
頑張ってデルフ使ってるのに俎上に上らないのは悲しいものだ。
さて、予告しよう。
1時30分までに次の話を投下する。
繰り返す。
1時30分までに次の話を投下する。
over

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:05:23 ID:gKeEaPuI
それはつまり、現在執筆中という事ですね?
頑張ってください!

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:07:09 ID:Fx6p3uz8
>>415
マユリ様はルイズ死亡フラグか魔改造フラグだろ

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:09:57 ID:EWdBKu0K
今日の作品投下量は凄いな

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:16:05 ID:IpUbYTiJ
>>401
エクスカリバー召還とか
…ダメだ、人としての付き合いが出来ない

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:18:24 ID:gKeEaPuI
まとめwikiを乱読してたんですけど、どれもこれもルイズが癇癪持ちの駄々っ子にしか見えないんですよ。
最初の辺りから理知的な、大人なルイズって……どの作品にいますかね?

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:18:37 ID:faw74T85
ばっちこーい!鋼の人!
がんばって起きてるから!

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:20:22 ID:sfx3Cps9
>>422
つ 「自分で書く」

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:20:28 ID:ELCWmLoA
騎士ガンダムがデルフ持っているときに石版を使うと………


炎のデルフになります。

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:24:12 ID:EZy/Vbw7
>>422
俺の知る範囲で比較的理知的なのはエデンと聖石とガンパレかな?
後は知らん。

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:25:30 ID:622WwR3W
「癇癪持ちの駄々っ子でない初期ルイズ」なんて存在し得るのだろうか?
しかも物語が進むにつれヤンデレが進行しているぞ

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:25:31 ID:2dTCwL4+
一時半までにってえらいあやふやだな。ボン・クレー並に。

なんかオカマキャラとルイズのかけあいが見てみたいが…何かいいキャラはないか。

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:25:38 ID:Mr2RW5Mu
>>422
「物言わぬデカブツ」とか「袋怪物」とか、アタリ召喚すぎてツンデレの使いようの無い話はある。
後は自分で探すか書くかしんさい。

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:27:24 ID:5yEF1NlZ
うしとらのとらなんて当たりそのものだからなー
続き描かないのかな?

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:27:55 ID:F1hzUSNq
>>417

>>410で言及されております!


>>402
うむ、私もだ。
私的つまらん作品ランキングで「とある魔術の禁書目録」「パンツァーポリス」と同程度。

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:28:41 ID:BapQUzT6
>>426
もはやガンパレのルイズは別キャラだよなww

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:29:08 ID:rvW8bItp
金色のガッシュのビクトリーム様もある意味あたりのような気がするぜ。

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:29:48 ID:wXD/8tqs
最初にクロスキャラが召喚されるけど、色んな理由で契約しないで二度目に召喚された
才人と契約するSSってあったっけ?
DQM+のサトリをロランと再会する前で召喚して、才人やルイズの助言役みたいなのを
妄想していたんだが、いまいち文章にできない…。

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:29:58 ID:anpS8i/z
>>422
そこから成長していく物語だからねぇ。
それに、彼女の境遇を考えてみればちょいとばかりひねくれるのもやむなしでしょ?
原作でも彼女だけが悪いとは言い切れないところもあるし(才人がくだらん悪戯をして怒られる等)。

強いて言うなら
○シャーリー:従順で有能な年下のメイドの為お姉さんっぽく振舞う。
○ミカヤ:自分より高位の術者で性格も良い為お姉様と慕う。

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:30:02 ID:8H6TX9XR
>>426
ガンパレは知的とは少し違うんじゃないか?

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:32:12 ID:bOS6GrV1
豆粒
黒騎士
黒蟻?

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:33:35 ID:622WwR3W
そもそも「虚無の魔法」は精神的にアレっぽい人物にしか使えそうにないという事実(テファは比較的マトモな性格だが)
イヤボーンじゃないが、怒りによって爆発の威力がアップするし

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:37:21 ID:2dTCwL4+
ルイズは幸せすぎるとパワーダウンするからな。哀しみのエスパーマンのように。

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:39:28 ID:Y1SDCswj
>>434
あれ、一旦召喚したら使い魔死ぬまで次召喚できないんじゃなかったっけ?

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:46:18 ID:kJAtZc6n
ルイズ:癇癪持ちのDQN
テファ:比較的まともだが生まれのせいでコンプレックス持ち
ジョゼフ:ヤンデレブラコン陰謀家
教皇:ガチホモ狂信者

ロクな奴がおらんな

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:51:02 ID:7Rs2XulH
虚無の魔法自体人間の負の面だかストレスが力の源とかいうから
まぁ少なくとも人生にある程度不満のない人間が選ばれることはないだろうな。

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:51:33 ID:k8qKr9nr
ニューカッスル攻防戦で虚無発動というと
魔砲の人
V3の人
るるるの人(正確には違うが)

こんなところかな?
理想郷のエリオ召喚でも
そーいやリリカルの男性キャラ召喚少ないな
クロノとか?

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:53:37 ID:622WwR3W
始祖ブリミルも、実際はマッドサイエンティストみたいな危険人物だったのだろう
エルフ少女を使い魔の実験台にするとか

445 :鷲と虚無 ◆I3um5htGcs :2008/08/01(金) 23:55:36 ID:MGfPX7FA
短いですが投下していいですか?

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:57:59 ID:sfx3Cps9
>>鋼の人はしばらく後みたいですから、大丈夫かと。

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:59:13 ID:LKdFcJBy
>>434
ゼロの魔獣は契約はするがガンダにならないし最後はちょうどそんな感じだぞ。
もっともあれはあまりにもダイナミックすぎて素晴らし…もとい気にならんが。

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/01(金) 23:59:19 ID:ecCq5WUl
デルフといえばゼロガンダムとの組み合わせは上手かった。

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 00:01:54 ID:95G1vFYM
ven?te(来たれ)!

450 :1/3 鷲と虚無 ◆I3um5htGcs :2008/08/02(土) 00:03:38 ID:Ulmj6nJu
ルイズは既に落ち着きを取り戻していたので、三人が戻ってきてもある程度平静でいられた。
だがそれでもやはり緊張はする。
彼らが使い魔になっても問題は多い。だが彼らがそれを拒否すればそれで終わりだ。
魔法を使えない自分では三人を力ずくで従わせるなんて不可能だ。
(頼むからイエスと言ってよね、もう契約は終わってるんだから……ここであんたらがゴネたら私は終わりなのよ)
ルイズは緊張した面持ちで三人を見つめた。

「答えは決まったかね?」
オスマンが三人に声をかけた。
「ええ、われわれ三人とも承諾する事にしました」
「はい、話し合った結果今の所はそれが一番良いって事になりました」
才人とウォレヌスが答えた。
プッロはブスッとした表情で腕を組んでる。

確かにこいつらは「はい」と言った。
使い魔になる事を承諾した。
(つまり……進級出来る!)
ルイズは安堵した。これで最大の恐怖は消えてなくなったのだ。
確かに彼らは使い魔として従順にさせるにはかなりの苦労が必要だろうが、それでも首の皮は繋がった。

「……一応条件を確認します。我々はヴァリエール嬢の“使い魔”になり、また学院は我々に職を提供する。学院側はこれに対して相応の給金を出す。また、学院は我々が故郷に帰られる手段を探す。よろしいですか?」
「ああ、それで構わんよ」
「給金は一体どの程度出すおつもりでしょうか?知っての通り、我々はここに来たばかりなのでここの物価が全く解らないのです」
プッロも金の話には口を挟んだ。
「ああ、それは俺も気になるな。金は出すと言って1年に銀貨1枚なんて事になっちゃシャレにならねえからな。そこんとこははっきりさせておきたい」


451 :2/3 鷲と虚無 ◆I3um5htGcs :2008/08/02(土) 00:04:51 ID:MGfPX7FA
こいつらはまさか学院長がはした金しか出さないとでも思っているのだろうか?全く失礼な連中だ。いや、それはもう十分解ってるがやっぱり失礼だ。
仮にもトリステイン魔法学院長がそんなケチな事をする訳がないじゃないか。
「それに関しては後ほど仕事の内容も含めて話すが、少なくとも普通に生活するには不自由しないだけの分は出すと約束しよう」
「失礼だとは思いますが、今言った言葉をあなた方の神々にかけて誓えますか?」
ルイズはもう我慢出来なかった。
「……アンタね!いい加減にしなさいよ!貴族が平民に約束したのにそれが信用出来ないの!?厚かましいにも程があるわ!」
「おいおいおいお嬢ちゃん、ついさっき会った人間の言う事を丸っきり信用しろってのか?保証を取るのは当たり前じゃねえか。まあ誓いなんてジジイに名誉がカケラも無ければ反故にされるだけかもしれないけどよ」
貴族が平民にここまでするのが既に破格だと言うのにそれを疑うとは何事だ。
(徹底的な教育が必要ね、こいつらは!まずは貴族を敬うと言うところからはじめないと…)
礼儀知らずにも程がある。こいつらがやって来たローマとやらはとてつも無く野蛮な国に違いない。

が、オスマンは特に気分を害した様子も無く続けた。
「ふむ、口約束だけでは信用出来ないと言う事かの?まあ、構わんよ。私はルキウス・ウォレヌス、ティトゥス・プッロ、ヒラガ・サイトに当学院にて仕事を与え、また使い魔としての給金も出す。
その給金は彼ら三人が生活するのに不自由しないだけの分を出す。そして私は彼らが故郷に帰れる手段を力の及ぶ限りに探す。私、オールド・オスマンは始祖ブルミルと水の精霊にかけてこれを誓う」
「ありがとうございました……一つお聞きしてよろしいですか?」
「ん、なんだね?」
「先ほどから疑問に思っていたのですが、一体なぜここまで我々に協力を?我々は突然現れた異邦人です。しかも事情を知らぬとは言えあなた方に剣を抜きました。こんな連中にわざわざ職を与える理由が私には正直言って全く解せません」
「そう!私もそれを聞こうとしたんですよ!なんでこんな奴らにここまでしてあげるんですか?絶対におかしいじゃないですか!」
ルイズが声を張り上げた。

こいつらが部屋に帰ってきたから言い終える事が出来なかったが、ルイズも同じ事を聞こうとした。
ルイズにはどう考えてもオスマンがここまでする理由が解らない。
「無論、タダでこんな事をする訳じゃない。あんたらに一つ条件がある」
「……それはなんですか?」
才人は怪訝そうな表情で聞いた。
「なに、簡単な事じゃよ。あんたらの故郷の事を全て教えて欲しいんじゃ。技術、歴史、文化、言語、全てをな」
これは四人全員にとって拍子抜けだった。


452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 00:05:38 ID:622WwR3W
venite

453 :3/3 鷲と虚無 ◆I3um5htGcs :2008/08/02(土) 00:05:50 ID:Ulmj6nJu
「そ、それだけっすか?」
「そう、それだけじゃ……いや、それだけと言う言い方は相応しくないな。
これはワシにとって重要な事じゃ。あんたらもミス・ヴァリエールも気付いておらんようじゃが、これは歴史的な出来事なんじゃよ。長い歴史の中人間が召喚されたのは今回が始めてじゃ。
しかもあんたらは我々が全く聞いた事ない所からやってきたと言う。一人の研究者、いや人間としてこれほど好奇心をくすぐられる事は無いと断言できる!
ワシの様な人間にとってはな、その知識を誰よりも早く一番に得られるなら学院で働く人間を二人三人増やす事くらいなんでもない事じゃ。
まあ、先ほどいったように今日は遅いしあんたらも疲れてるじゃろう。今は話さんでもよい。明日か明後日には仕事の件も含めてあんたらここに呼ぶ事になるじゃろうからな」

ルイズにはオスマンの言う事が理解出来なかった。
名前も聞いた事の無い遠い蛮人の国の事なんて自分達にはまるで関係無い事だとしか思えない。
仮にその連中の事を知りたくてもたかが平民にここまでする事はルイズにはとても出来ないだろう。
「……まあ、解りました。それで我々はどこに行けばいいのですか?何か寮の様な物でもあるのですか?」
「寮はあるが、空きがあるかどうかは解らん。少なくとも今日の所はミス・ヴァリエールの部屋で寝てくれんかな?」
ウォレヌスはオスマンの提案に目を細めた。

「それは色々と問題になるのでは?」
「問題って何が問題になるのよ」
「おいお嬢ちゃん、あんたは男三人が自分の部屋で寝ても構わんってのか?中々大胆だなぁ」
「あんたらは使い魔になったのよ?使い魔が同じ部屋に住むのは普通の事なの。まあ部屋に住むには大きすぎる幻獣とかは厩舎に入るけどね」
ルイズはこう言ったが、ウォレヌスが何を意味しているかはだいたい解っていた。
ウォレヌスが言う通り、確かに年頃の娘の部屋に男が三人も泊まるのははしたない。
だが彼らは使い魔だ。
特別扱いはしたくないのだ。

暴発した彼らが自分に危害を加えるかもしれないという不安は少しはある。
でもそんな事を恐れていてはとても主人とは言えない。
「使い魔が自分を襲うのが怖いので別の部屋に住まわせます」なんて言ったら物笑いの種でしかない。
(とにかく、まずは私がこいつらを恐れていないと態度で示す必要があるわ。自分を怖がる主人に従う使い魔なんていないんだもの)
特にウォレヌスとプッロの二人は私が彼らを恐れているなどと考えたら絶対に自分を敬いなどしないだろう。
だからルイズは可能ならば寮に住まわせると言うのも止めさせるつもりだ。

「……まあ、1日2日程度なら問題ないでしょう。それで具体的に明日から何をすれば良いのですか?」
「それはミス・ヴァリエールに聞いてくれ。使い魔の管理は主人の仕事じゃからな」
ウォレヌスは主人と言う言葉に口を歪めたが何も言わなかった。

「ではオールド・オスマン、色々とありがとうございました。では私たちはそろそろ退出する事にします」
そう言ってルイズは礼をした。
今のところもう話す事はもう無い。
三人もそれは同じのようだ。
「うむ。おやすみ、ミス・ヴァリーエル。ではウォレヌス殿、明日辺りに秘書を送るので待っていてくれたまえ」

そして四人は部屋を後にした。


454 :鷲と虚無 ◆I3um5htGcs :2008/08/02(土) 00:06:59 ID:MGfPX7FA
以上です。
今週は色々と忙しくてあまり書く時間が取れなかったのですが、来週からはもう少し早く投下できると思います。

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 00:10:33 ID:u2js5SOt
学究の徒としてのオスマンらしい言動ではありますな。
薄々考えていた展開を先にやられてチとシャクだが、面白いぞ!(ブラック将軍風)

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 00:13:29 ID:95G1vFYM
Bonus!

457 :蒼い使い魔:2008/08/02(土) 00:17:36 ID:eV499zoH
投下おつかれさまです
こちらも第10話できますた…
相も変わらず文章が拙いですがおつきあいくだしい…
30分あたりに投下しようと思ってます

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 00:29:02 ID:nJMRYftO
支援

459 :蒼い使い魔 第十話:2008/08/02(土) 00:30:08 ID:eV499zoH
「街に買い物に行くわよ」
「そうか、勝手にしろ」

決闘騒ぎから数日後、ルイズは休日である虚無の曜日であることを利用し
街へ買い物へ行こうとしていた。
バージルに対し主人らしいことをひとっつもしていないことを気がついたたルイズ、
ここはひとつバージルの気に入る物をプレゼントしご主人様としての株を上げる作戦に出ようとしたのだが…

「勝手にしろって!あんたも行くの!ついてきなさい!」
「なぜついていかねばならない、俺には関係ないだろう」
ご主人様らしい所を見せてやろうとしているのにこの男は…ッ!
そう思いながら拳を握り締めルイズは続ける。
「あ、あんたに剣の一本でもなんでも買ってやろうって思ってるのよ!」
「必要ない、俺には閻魔刀がある、これ以上あっても邪魔なだけだ」
とりつく島もない、だがご主人様としての株が賭かっているのだ、引き下がれない
「その剣怖いのよ!あんたもだけど、それ自体もなんか威圧感放ってるっていうか…、だから普通の剣の一本くらい」
「いらん」
「せ、せっかくご主人様があんたにプレゼントしようとしてるんだからありがたく受け取りなさいよっ!」
ルイズは軽く目尻に涙まで浮かべ始め、心なしか涙声にもなっている
「(この世界の武器のレベルを見るいい機会かもしれん、
魔法という概念がある以上そういった類の武器が存在する可能性もある)」
そう頭の中で打算したバージルが口を開いた。
「フン、気が変わった」
「えっ…?」
「貴様がどうしてもというなら行ってやらんこともない」
「なっ…!なんか役柄をとられたような気がしないでもないけど…。まぁ、いいわ、
い、いくなら早く準備しなさい!」


460 :蒼い使い魔 第十話:2008/08/02(土) 00:31:11 ID:eV499zoH
それから間もなくし、ルイズとバージルは学院の外へ出る
バージルにとっては初めての学院の外だが、当の本人はあまり興味がなさそうにしている
学院から街までは、馬で向かった。
バージルは馬に乗ったことがないらしく、扱いに四苦八苦していた、ルイズはそれを見て
使い魔に勝っている部分ができたと「はやくきなさいよ〜」等、少しの優越感に浸っていた、
が、バージルもだんだん慣れて来たのか
数十分後には乗馬が得意なルイズに並ぶほどの乗馬技術を身につけていた
「あ、あんたやるわね…こんな短時間で…」
「フン…」

ルイズとバージルがそんなやり取りをしている頃、学院の学生寮では…
バージルから唯一ダウンを取ることができた人物、タバサは自室で本を読んでいた
彼女は休日の読書をなによりの楽しみにしていた、が、その楽しみはドアを突き破りそうな勢いで
部屋へと乱入して来た人物によって破られることになる。
「タバサ!今から出掛けるわよ!早く支度して頂戴!」 」
その声と共に部屋へ飛び込んで来たのはキュルケであった、相手がキュルケでは魔法でご退場というわけにはいかない
「虚無の曜日」
そう短く言うとタバサは視界を本に戻した
「あなたの邪魔をして悪いと思ってはいるわ!でもこれは恋なの!それも生きるか死ぬかの!」
キュルケは朝起きた後、昨日殺されかけていたのにも関わらずバージルにアプローチしようと
ルイズの部屋に行ったがもぬけのからだった。
偶然窓からバージルとルイズが馬で出て行くところを見たキュルケはすぐさまタバサ部屋に行き
今に至るというわけである。
「あぁもう!恋したのあたし!ほら使い魔のバージル!それであの人がにっくきヴァリエールと出掛けたの! 
だからあたしはそれを追って突き止めなきゃいけないの!わかった?」
バージル、その単語を聞きタバサは僅かに反応する
「わかった」
そう短く言うと読んでいた本を仕舞い、準備をする
そんなに簡単に折れると思っていなかったキュルケはすこし驚きながらタバサに感謝をする
「あら、貴方にしてはずいぶん物分りがいいのね、とにかく馬に乗って出かけたのよ。
貴方の使い魔じゃなきゃ追いつかないのよ!助けて!」
タバサは何もいわずに準備をしている。
「ありがとう!じゃ、追いかけてくれるのね!」
タバサが了承したのはキュルケの頼みだから、というよりは純粋にバージルに興味を持ったからだ
その後2人は、タバサの使い魔、風竜、シルフィードでルイズ達を追った。


461 :蒼い使い魔 第十話:2008/08/02(土) 00:32:08 ID:eV499zoH
「ねぇ、バージル」
「…なんだ」
「あんた、元の世界に帰りたい、って思ってる?」
不意にルイズがバージルに元の世界のことを尋ねる
「それは契約を解除したい、そういうことか?」
「そっそうじゃないわよ!ただあまりにもあんたが元の世界のこと気にしないから…気になって…」
「ふん、そうだったらこっちも助かったんだがな」
詰まらなそうにバージルは言う、その冗談とも本気ともつかない表情を見てルイズはあわてる。
「なっ、なによ!私だって迷惑してるわよっ!でも―「俺は」」
ルイズは憎まれ口を叩こうとしたがバージルによって中断される。
「ここに来る前に元の世界で弟と殺し合いをした、今になって戻ろうと言う理由はない」
実際、ここに来るのがテメンニグル起動前なら、ルーンが刻まれていようがいまいが
ルイズ達学院の者を皆殺しにしてでも元の世界に帰ろうとしていただろう
だが、それもすべてダンテに阻まれた今、戻る理由がない。
ある意味ベストな時期にバージルを呼び出したのだ。
「そう…双子の弟と殺し合いって、どんな兄弟ゲンカよ…」
この男の双子の弟だ、性格は正反対と聞いていたが相当イカレた奴にちがいない、
こいつが二人いると思うだけで頭痛がする
そう思いバージルを見る、
ここ数日この男と生活を共にしてわかったことがある、
この男、一見優雅で知的だが中身は結構ブッ飛んでいる、
目的の為なら手段を選ばず、敵対する者にはまるで容赦がない、
しかもやたら強いから手に負えない、直接戦ったのがギーシュだけとはいえ
どう控え目に見てもトライアングルクラスが束になってかかっても相手にすらならないだろう
冷徹非情、傲岸不遜、傍若無人、そんな言葉がよく似合う、
だが自分の言うことはそこそこ聞いてくれるのが救いである
でなければ学院の生徒のうちは確実に何人かは死んでいる。

そう考えていると、ふとバージルが後方を睨んでいるのに気がついた
「どうしたの?」
「…どうやら蠅がとんでいるようだ」

「きゅいきゅい!?」
タバサ達が乗っているシルフィードが突如鳴き出す
「ど、どうしたのタバサ?その子の様子が…」
「シルフィードが怖がってる、彼がこっちを睨んでる」
「まさか!?この距離よ?」
実際タバサ達の視点からではルイズ達は豆粒ほどの大きさでしか認識できない
「多分、気付かれてる」
「あぁんダーリンったら素敵、私に気がついてくれたのね!」
と、クネクネしている友人を見てタバサはやれやれといった感じに首を振った。


462 :蒼い使い魔 第十話:2008/08/02(土) 00:33:07 ID:eV499zoH
「狭いな…」
街の大通り歩きながらバージルは吐き捨てるように言った
「これで狭いって、あんたのいた所はどうだったのよ?ここはトリステインでも有数の大きな街なのよ?」
そういって大通りをまっすぐ指差す
「この先にはトリステインの宮殿があるのよ、だから街として発展もしてるわけ」
そういいながら軽く街について説明をしていた。
「とりあえず、武器屋ね、こっちよ」
そう言いバージルを路地裏へ案内する、
路地裏は表通りにくらべ日も当たらなく不衛生だった。
歩きながら顔をしかめ「まるで掃き溜めだな…」と吐き捨てるようにバージルは言った、
「ここら辺は治安が良くないから、あまりここへは立ち寄りたくないのよね…」
そうルイズが呟く、そんな中事件は起こった。
二人が裏路地を進んでいると4人の男が道をふさいだ
「へっへっへ、貴族のお二人がた、ここを通るには通行りょ―『―シピィーン…!』」
男の一人がお決まりのセリフを言い終わる前に四人の首が同時に落ちる
男たちの体は首から上を失いながらもしばらく立ち続け、切り口から大量の血を噴出しながらバラバラになって崩れ落ちた。
「あぁ…あぁぁ…」
その様子をみたルイズは目の前でいきなり四人の男が斬殺されたショックで失神してしまった、
年頃の女の子にはいささかショックが大きすぎたのだろう、
バージルはルイズの襟首を倒れない様に掴むと、引きずるようにその場を後にした。
路地裏の殺害現場から離れた場所でバージルはルイズを起こす、
「あの程度で気を失うとは、情けない奴だ…」
「あぁ…うぅ…」そう呟きながらルイズは膝を抱え丸くなってしまった
そうだ、こいつが悪魔だということを完全に忘れていた。
まさか「邪魔だ」の一言もなしに全員斬り殺すとは…。
「さっさと行くぞ、時間の無駄だ」
「あんた…なんてことを…」
「ここは治安が悪いんだろう?ゴミ掃除をしたまでだ」
人を殺してもまるで何も感じていない、そんな冷徹な表情でバージルは言った。

一方そのころ、空の上では、その現場をばっちり目撃してしまったタバサとキュルケ
タバサはあいかわらずの無表情だったがキュルケは口元を押さえ軽く涙目になっていた
「タバサ…なんであんたあんなのみて平然としていられるの…」
「慣れてる」
「慣れてるって…、あんなの至近距離でみるなんて…絶対トラウマだわ…かわいそうにルイズ
ごめんタバサ…吐きそう…」
タバサは急ぎシルフィードを旋回させ街の外へと降りて行った。


463 :蒼い使い魔 第十話:2008/08/02(土) 00:34:09 ID:eV499zoH
今ので完全に憔悴しきったルイズに連れられバージルは武器屋へと入る
武器や入ると店主がパイプを吸っていたがルイズを見ると
あわてて猫なで声で対応した。
「旦那、貴族の旦那、うちは全うな商売してまさぁ、お上に目をつけられることなんか、
これっぽっちもありません…あの…顔色が悪いみたいですが大丈夫ですかい?」
「聞かないで、聞いたら吐くわよ、この場で、とにかくコイツに武器を見繕ってやって頂戴…。」
店内で嘔吐されちゃたまらない、と話を中断し、店主の親父はバージルを見ると
「これなんかどうですか?」と1.5メイルほどある豪奢な装飾がされた立派な剣を持って来た。
「これいいわね」とルイズも気に入ったようである。
「ねぇ、バージル、これにするわよ、いいわよね?」
「いらん、話にならん」
「そりゃあんたのそのヤマトとくらべるのは酷ってものよ、でもこれがいいの!ヤマトよりかっこいいじゃない!」
「ヤマト…ってなんですそりゃ?そちらの旦那が腰にさしてる剣ですかい?」
その会話内容に疑問をもったのか店主が聞いてくる、
「貴様には関け―「そうよ」」
ルイズに中断させられ、バージルはフンと鼻をならす
「しかし、旦那の持っている剣がどれほどすばらしいものであろうと、こちらの剣も負けちゃいません、
なんせ、かの有名なゲルマニアの錬金術師シュペー卿が自ら鍛えた剣ですぜ!」
と必死に剣の売り込みをする店主を尻目にバージルは適当な剣を手に取って選んでいた。
「どれもこれも話にならん…」
そう呟きながら樽の中に適当に突っ込まれた剣を見ていく、そのうちの一本に手をかけた時
ふと声が響いて来た。
「なっなんだおめぇ!何モンだ!」
その声に怪訝な表情であたりを見回すバージル、
その様子に気がついたのかルイズも近寄ってくる
「…?」
「どこみてんだ!こっちだこっち!」
その声はバージルが掴んでいた錆びの浮いたボロボロの片刃の剣から聞こえて来た。
「(こいつみたいなのもテメンニグルにいた気がする)」
そう考えながら、ひとりでにカチャカチャと音を鳴らす剣を取り出す。
「それってインテリジェンス・ソード?」
ルイズが横から覗き込む
「へ、へぇ。誰が作ったか知りませんが、魔法で剣に意思を込めた魔剣、インテリジェンス・ソードでございまさ。
あいつは特に口が悪くて客と口げんかばかりして参ってるんですよ。」
そんな話を聞きながらバージルはインテリジェンス・ソードと呼ばれた剣を見る
錆が浮いているが造りはしっかりしてよく鍛えられている、バージルが振り回しても問題ないだろう、
だが片刃の剣なら閻魔刀で間に合っている、剣に話かける趣味もない。ガチャンッ!と無雑作に元の場所に放り投げる。


464 :蒼い使い魔 第十話:2008/08/02(土) 00:35:03 ID:eV499zoH
「帰るぞ」
「えっ、ちょっ!剣買わないの!?」
店の外へとさっさと行ってしまうバージルに向け投げ捨てた剣から懇願するような声が聞こえて来た
「まてまてまてまて!頼む待ってくれ!おめぇ『使い手』だろ!?だったら俺を買え!
いや買ってくれ!買ってください!このまま出番終わるなんていやだぁぁぁぁ!!!!」
と最後の方には意味が分からない発言まで飛び出す始末、
『使い手』という言葉に反応したのかバージルは踵を返し、剣を樽の中から引き出す
「どういう意味だ?」
「そのままの意味だよ、お前さんの左手のルーンさ、なんだったかは忘れちまったが…そのうち思いだすだろ、
それに、俺はお前さんのことはよーくわかるぜ、なんせ『使い手』の剣だからな!」
そう思わせぶりに剣が話すと急に小声になる
「お前さん、人間じゃないだろ?」
その言葉を聞きバージルの眉がピクッと動く
「なぜそう思う」
「おっ、興味もってくれたね?握られただけでわかったぜ、おめぇさんに流れてるおっそろしい力がよ。
な?な?買ってみようぜ?損はさせないからさゼッタイ!」
そう言ってバージルを説得する、
ルーンのことを知っている口ぶり、こいつなら解除する方法を知っているかもしれない、
「わかった、貴様にしてやる」
「あぁ!よろしくな相棒!おれはデルフリンガーっていうんだ!デルフって呼んでくれ!」
説得に成功した剣―デルフリンガーはうれしそうに声を上げる。
「ちょ、ちょっと!ほんとうにそんなボロ剣でいいの?あっちのは?」
とルイズは少々不満そうだったが、バージルがこれでいい、と突っぱねたので渋々買うことにした。
「なんであんなボロ剣なのよ…ぜったいあっちのがいいじゃない…」
とブツブツ言っているルイズだったが、安く済んだので良しとする。
二人は大通りへ出ると、学院へ戻るために外へと向かう。
その途中「路地裏で男4人が惨殺される事件があった」という噂が聞こえ
ルイズはバージルの手を引っ張り足早に街を後にした。

二人が学院に戻ることにはすでに日も暮れ夜になっていた
ルイズは路地裏のことがトラウマになっているのかフラフラと学生寮の自室へと向かう
途中キュルケとばったり会い、口論になる…とおもわれたが、
キュルケもなぜか元気がなく逆に「今日はよく休んだ方がいいわ…」
と意味不明な気遣いをされた。


465 :蒼い使い魔 第十話:2008/08/02(土) 00:35:40 ID:eV499zoH
さて、二人の乙女の心に多大なトラウマを残した張本人、バージルは
広場へと出て静かにデルフを抜き放ち、地面へと突き立てる
「さて、貴様に聞きたいことがある」
「おお、相棒、忘れられてるとおもったぜ。いいぜ、なんでも聞いてくれ」
「このルーンはなんだ、どうやったら解除できる。この閻魔刀で斬ろうとすると体が動かなくなる」
「忘れた」
            ―チキッ!
「まったまったまったまった!思い出す!思い出すから!」
閻魔刀の音を聞いてデルフが震え上がる、この刀に斬られたらヤバイ
魔を宿す剣としての本能がそう告げていた。
「ええと、確か、そのルーンが刻まれるとすげー力が刻まれた者に与えられるんだ、確かな」
「"力"だと?」
バージルがその言葉に反応する
「あぁ、具体的には忘れちまったがな、なんせ6000年も生きてるんだ、しかたないだろう?
まぁ、そこは俺っちを実戦で使ってくれると思いだすかもな!」
「…」
その話を聞きバージルは静かに自分の左手のルーンを見る
「(このルーンが刻まれた者には力が授かる…)」
もちろんこのボロ剣の言うことを鵜呑みにするわけではない、
だがなにより純粋な力を求める者としてその話には興味がわいた。
「いやしかし、今回の相棒はまさか悪魔たぁね」
「わかるのか?」
そう言いながらバージルは背中にデルフを背負う
「あぁ、店でも言ったろう?相棒に流れるおっそろしい"力"、俺っちは剣だからな、
握られた相手のことは何となくわかるのさ」

「…悪魔?」
物陰から声がする
「……」
バージルはゆっくりと声がした方へ向き直る
そこには自分の背丈よりも長い杖を携えた
青い髪と瞳を持つ小柄な少女がいた
「貴様は…」
バージルの脳裏に初日に受けた魔法がフラッシュバックする
「タバサ」
「フン、盗み聞きとは、いい趣味だな」  ―チャキッ!と閻魔刀の音が広場へと響く
「そんなつもりじゃなかった、気に障ったのなら謝る」
どうみても穏やかじゃない雰囲気のなかタバサが静かに口を開く
「あなたは…悪魔?」
「だからなんだ、貴様には関係がない、ところで…なんの用だ」
「あなたと手合せをしてみたい」
「なんだと?」
少女の口から出て来たとんでもない一言にバージルは少し驚く
ただでさえ険悪な雰囲気がさらに悪化する
「あなたと戦えば、得られるものは多い」
そう言いながら杖を構える
数多くの危険な任務に携わり、今まで生き抜いて来たし、これからもそうしなければならない
この目の前の男と戦えば自身を強くする近道にもなる、しかもこの男は信じがたい事に悪魔だと言う、これ以上ない相手だ
そう考えタバサはバージルに手合せを挑んだのだ。
そんなタバサをみてバージルは口元を歪める、
「相手との力量の差も測れんとは…愚かな女だ…いいだろう、貴様には借りがある、少し遊んでやる」
そう言うと閻魔刀の柄に手をかけた。


466 :蒼い使い魔:2008/08/02(土) 00:36:55 ID:eV499zoH
これにて投下終了であります
支援どうもでした〜


467 :鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 00:45:13 ID:2NlXreIP
お疲れ様。
さて、予言どおり続きが完成したよ。
…でも、ちょっと時間を空けたほうがいいな。
よし、1時きっかりに投下します。

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 00:55:40 ID:2okfMg3n
蒼い人乙
主人公本人が自分は悪役であることをわかりきっていてなおかつ
なんの迷いもなく悪道を突っ走る展開がいいなあ。
悪い子ちゃん全開でがんばれ〜〜〜!!

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 00:56:13 ID:7zGqnZMG
タバサ死ぬw

470 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:00:17 ID:2NlXreIP
 ワルドとルイズが騎乗するグリフィンはラ・ロシェールの町の出入り口を見つけると、行き来する人らを驚かさないように静かに、ゆっくりと降下していった。
人に慣らしつつ、獣としての性質を殺さないように躾けるのが幻獣騎士の器量の見せ所で、そういう意味ではまさしくワルドのそれは模範的とも言っていい。
一声もあげないグリフィンが夕闇の町に降り立つ姿は、遠景には幻想的でもある。
グリフィンから降りたルイズは町から街道へ伸びる道を振り返ってじっと見ていた。追従しているはずのギュスターヴが到着するのを待っていたのだ。
しかしギュスターヴの馬はいくら待っても現れない。暫くすると宿の手配に行ったワルドが戻って声をかけた。
「ルイズ、ひとまず宿に行こう」
「でも、ギュスターヴがまだ着てないのよ?」
「彼なら大丈夫さ。町の近くまで着ていれば危険はないし、宿の人に言伝しておけば連絡はくれるよ」
 ワルドはそのようにしてルイズを言い含めると自分がとった宿『女神の杵』亭まで案内する。
宿の主人から渡された部屋鍵は一つだけだった。
「僕と相部屋で構わないかな?ルイズ」
「そんな!未婚の男女が同じ部屋なんて……いけないわ」
 困惑した表情でルイズは見るが、緩く首を振って制してワルドが言う。
「二人きりで話がしたいんだ。いいだろ?」
 


『秘かな疑惑を胸に』





471 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:01:18 ID:2NlXreIP
同時刻、シルフィードに揺られて三人はラ・ロシェールの上空に到着した。
「着いたな。ここがラ・ロシェールか……」
その町は岩肌を刳り貫いて家を作ったような建物が多く、またそれほど住宅等の規模が大きいわけでもないが、町の繁華街に当たる部分は夜が更け始めた頃でも
人が溢れ、喧騒が絶えていなかった。
「とりあえず宿を取りましょ。ルイズは明日からでも探せるわ」
「夜闇で探すよりはマシだろうな。…といってもなぁ」
 シルフィードはぶさり、と風を巻き上げて少し開けた場所に降り立った。三人はいそいそと背から降りたのだが、多くない人の視線を受けるため居心地が悪い。
「シルフィードは目立っちゃうから、しようがないですわ」
 キュルケの言葉にタバサも頷く。
 言ってキュルケはひとり歩き出して宿を取ってきた。
「ここがいいわね。やっぱり泊まるならこれくらいのクラスじゃないと」
 キュルケの足が止まった先の看板には『女神の杵』亭と書かれていた。

 宿の一階に併設されている酒場をはじめ、テーブル等の調度品は建物と同じ岩を削りだして作られたもので、貴族等の上客を相手にしている分、手入れも
行き届いている。滑らかな平面は鏡のように磨かれてギュスターヴ達を写しこんでいる。
「ミスタは誰と相部屋がいいかしら?」
 何気に潤んだ瞳でギュスターヴを見つめてキュルケが尋ねるのだが、ギュスターヴは笑って手を振った。
「キュルケとタバサが相部屋。俺は一人でいいよ」
「あら、つれない人ね。…でもそこが素敵!」
 微妙に蚊帳の外に置かれたタバサはタバサで、部屋の交渉が済むまで本を広げていた。
本の題名は『たった一つの冴えたやりかた』とあった。



さて、すったもんだの挙句部屋割りが決まって、軽い食事を取って部屋に入った三人である。
ギュスターヴは窓から入る月明かりが気になって、窓を開け放った。
そよぐ風が入り、カーテンが揺れる。
窓からぼんやりと空を見上げてみると、この世界でしか見られないだろう大小の月が、身の半分ほどを重ねて空を飾っている。
「月が珍しいかい、相棒」
 デルフが聞く。
「二つも月が上がっているのが、な。サンダイルにはない風景だな」
「そうかい」
 それっきり、デルフも話さなかった。
窓際に置かれたテーブルの上に、部屋ごとに置いているのだろうワインのボトルが入ったバスケットがあり、そこからボトルを抜いてグラスに注いでみた。
 そのまま飲まずにグラスのワインに写る月明かりを愉しんでいると、窓の外から声が聞こえる。
その声が見知らぬものなら、ギュスターヴも特に気にも留めなかっただろう。しかしその声は、この異界に迷い込んでから聞かぬ日のない、
最早耳に慣れた少女の声だった。
 



472 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:02:03 ID:2NlXreIP
「君も腰掛けて、一杯どうだい?」
ルイズとワルドの部屋も、月明かりを浴びるように窓を開け、テーブルの上にワインを置いた。
対面するように置かれた椅子の片方にはワルドが座り、二つのグラスにワインを注いでいる。
ルイズは話す言葉もなく静かに空いた椅子に座り、ワインの注がれたグラスを取った。
「二人に」
 グラスの合わされた音が部屋を染める。
 ワルドは手のグラスを傾け、肺腑にアルコールの気を送っていたが、対するルイズは力なくワインに写る月を眺めているだけだった。
「強行軍で、疲れてしまったかな?」
「そんなこと、ないわ…」
 頬を突いたワルドの視線が、外の月に向けられる。
「姉と比較されて出来が悪いと言われていた君が、陛下から密命を任せられるほどになった。それはすばらしい事だと思うよ」
「出来が悪いのは相変わらずよ。杖を振れば爆発ばかり…練習しすぎで爆発に慣れちゃったわ…」
 どこか自虐的な笑みを浮かべるルイズに、ワルドは熱の篭った声で語りかける。
「ルイズ。僕には君が、何か秘められた力があると信じている」
「そんなもの」
「あるよ。僕にはわかる。君の使い魔の…」
「ギュスターヴ?」
「そう。彼の手に浮かんでいたルーンを見た時、僕は驚いたよ。あれは始祖の使い魔が持っていた『ガンダールヴ』のルーンだ」
「たまたまよ。人間の使い魔なんて、聞いたことないし。人間が使い魔になると、そんなルーンが浮かぶんだわ」
「そうだろうか。僕にはあれが、君が秘められた力を持っている証だと思っているよ」
 その情熱的、といえるワルドの言葉がルイズの体に流れ込んでくるようで、ルイズは顔を上げた。
口を引き締め、眼に自分が映りこむほどのワルドが、ルイズを見つめていた。
「この任務が終わったら、僕と結婚してくれないか。ルイズ」
「えっ…」
 ルイズは、胸の奥が重く、熱いものが押し込まれたような錯覚を感じた。
「僕は今の地位で終わるつもりは無い。必ず世界を動かす地位についてみせる」
「でも、そんな急に…」
「今まで放っておいて、こんな事を言える義理もないのは分かっているよ…でも、僕には君が必要なんだ」
「ワルド……」
 

窓枠に腰掛けて、外から聞こえる会話に耳を傾けていたギュスターヴは、窓から降りると椅子に座らずに立ったままグラスを取って、ぐいっとワインを飲み干した。
「何が聞こえたよ」
 ギュスターヴから外されて立てかけられていたデルフが聞く。
「…近くにワルドとルイズが泊まっていたよ」
「ほー、よかったじゃねーか。明日の朝で合流さね」
「そうだな…」
 答えながらもギュスターヴの声にはどこか、張りが無い。
(ルイズとワルドが結婚か。貴族の子女ならさも当たり前ではある。あるのだが…)
 熱っぽいやり取りを無防備に晒していた二人を思う。次に、王女を連れていた時の、学院を出発した時のワルドを思い出す。
(……ワルドの真意が読めない。本当にルイズに何等かの神秘を見出しているのか。或いは…)
 
あの瞳は信用できないと、王としての自分が警告する。
 
(…明日次第、かな)
「デルフ。俺はもう寝る」
「おう、おやすみ」
 今ここで考えても仕方が無いことと判断したギュスターヴは、翌日の合流を期してベッドに身を投げた。
この世界で得た久しぶりのベッドの感触に、疲れの溜っていたギュスターヴの意識は綿に染み込む水のようにあっけなく沈んでいった。







473 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:02:52 ID:2NlXreIP
 豪奢な調度品がしつらえられた一室だった。一見質素だが、その実世に二つとない良質の木材で作られた机が置かれ、その上にはさまざまな書類が摘み置かれ、
インク壷と羽ペンも用意されている。
 窓を除いた四方の壁には本棚が天井まで並べられ、領土の端から端までの調査報告を纏めたものが納められているのだった。
 そんな部屋に男が二人、腰をかけて座っていた。


一人は……ギュスターヴ。しかしその格好は上質の生地を用いた、シックだが貴人の用いる拵えで、顔色も今より若い。ギュスターヴは椅子に座らず、明けられた
出窓に背を預けてまどろんでいる。
 一方の男も同じように、高い身分の人間だ。その髪はギュスターヴの焼けた濃い金よりも薄い金髪で、短めに刈りながら、前髪が長い。
 金髪の男は、広げられた本を眺めながらギュスターヴに問う。
「ギュスターヴ。新型の溶鉱炉の詳細には目を通したのか?」
 うとうととしていたギュスターヴだが、質問を受けて頭を上げて答えた。
「ああ、見たよ」
「あれは従来のものよりインゴットの純度が2割は高いが、燃料消費量が1.5倍だぞ。超過分の燃料にする木材や石炭は何処から調達するんだ?」
「南東の森林伐採を一部許可するか、今ある炭鉱に増産命令を出すかだな。流石にヤーデやワイドから燃料資材を輸送するんじゃ、割に合わなくなるし」
 金髪の男は本から視線を外してギュスターヴを見た。
「ラウプホルツからの輸入を薦めるぞ。緩衝地帯が殆ど無い以上、ラウプホルツとは親密な関係を作らなければ、向こうに要らぬ緊張を与えるだろう。
経済的互恵関係ならお互いに利益になる」
「相手が経済的互恵を求めないかもしれないぞ、ケルヴィン」
 ケルヴィンと呼ばれた男はギュスターヴを見据える。
「私は相手に要らぬ誤解を与えるかもしれないといっているのだ。それを緩和するついでに資材も調達する」
「ついでか…まぁ、いい。その線で行こうじゃないか」
 窓から降りたギュスターヴは机の前に置かれた一枚の書類を取り上げると、ペンを取ってさらさらと文章を書き始めた。


「さっきから何を読んでいるんだ?」
「シルマール先生を訪ねた際にお借りした書物だ。先生の学派の古人がかつて、この世界の果てを探して探検し、その結果を纏めたものだ。これによれば
世界は世界を包む巨大な混沌の中に泡の様に浮かぶもの、らしい」
「ほぉ」
 新鮮な話に関心を示すギュスターヴ。
「そして古人の推測によれば、混沌の果てにはここサンダイルと同じように泡のように浮かぶ世界があるだろう、と書いている」
「混沌の果ての、別の世界か」
 ギュスターヴはそう言って含むように笑うと、ケルヴィンは渋い顔をする。
「なんだ。何が可笑しい」
「いや、この世界の隅から隅まで知っているわけでもないのに、世界の外を見ようというのが、少し可笑しくてな」
「…しかし世界の外側というのは、興味深いな。誰もまだ知らぬ領域だ」
「北大陸の開拓村にいるような連中も、同じような気持ちなのだろうかな」
「かもしれないな。…さて、私はそろそろ仕事だ。ギュスターヴ。執務をまたサボるようだったら、レスリーを召喚して説教してもらうからな」
「おいおい!この年になってそれは勘弁してくれよ」
 男二人が屈託なく笑う。しかしその光景は、水面に写る像を打ち消すように掻き消えて、遠くなっていった……。







474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:03:01 ID:VRxnEY5h
支援


475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:03:15 ID:fjdlxV1D
ちょっと遅れましたが魔砲の人乙です!

「綺麗なワルド」は滅多に見ないからやたら新鮮だったり。

476 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:03:38 ID:2NlXreIP
翌日、ギュスターヴは硬くなった身体を解しながら一階の食堂を覗きに行くと、うーうーと不機嫌そうに呻るルイズ、それをからかうキュルケ、その二方の脇で所在無く、
あるいは宥める様に振舞うワルドとタバサが見えるのだった。
「何やってるんだ、おまえら」
 流石のギュスターヴも呆れ声だった。
「ギュスターヴ!」
 ルイズは飛ぶように走ってギュスターヴに駆け寄った。ルイズは一晩中ギュスターヴを置いていってしまったことが不安で仕方がなかったのだ。
「合流が遅れてすまなかった。道の途中で夜盗に襲われてしまって」
「キュルケから聞いたわ。無事でよかった。キュルケもタバサも寝てるのを起こすなって言うから……」
 そう話しているとワルドが割り込むように入ってギュスターヴに声をかける。
「やぁやぁ、使い魔の…」
「ギュスターヴだ」
「うん。ギュスターヴ君、昨日は一人道に残して先んじてしまい、すまなかった。どうだね、一緒に朝食でも」
「…頂こう」
 不自然とも自然とも言いがたいフレンドリーなワルドの提案を承諾する。
 

 すこし遅めに始まった朝食である。旅先で慣れない食事ではあるが、特に騒がしいわけでもなく、ギュスターヴ達のテーブルは異様なまでに静かであった。
 一つは、全員が貴族階級でありテーブルマナーが身についているから。
 もう一つは、無言のまま視線の応酬をする男二人が静かに作る緊迫する雰囲気によって、である。
 静かである。実に静かなのである。
(…気まずいわ…)
 キュルケは出されているボトルウォーターを飲みながら思う。
 ギュスターヴもワルドも、相応の人生を踏んだ大人である。その視線のやり取りは激しいものではない。さりげなく、しかしどこか他者をけん制する。
そのことが反って火花を散らすようでキュルケは居た堪れないのだった。
ルイズは二人を交互に見ながら困った顔をしている。
(もう、しっかりしなさいよね)
 本来この二人の間に立つルイズなのだが、どうも様子がよろしくない。仕方が無いと思い、キュルケは話題を切り出す。
「ミスタ・ワルド…だったかしら?」
「ああ、なんだね」
「貴方達がアルビオンに向かうつもりだったのは昨日ギュスから聞いたけど、出航はいつの事になるのかしらね。旅の無事を祈ってお見送りさせていただきますわ」
 勿論、キュルケとタバサは一昨日にルイズと王女の密談を盗み聞きしたなどとは言わない。ラ・ロシェールにやってきたのもちょっとした旅行みたいなものよ、と言って
納得させた。
「ふむ。それがだね、聞いたところだとスヴェルの日まで後2日。つまり明後日の朝一番の船便でアルビオンに向かう事になる。もう2泊することになるね」
 ごとり、と話を切るように空のグラスが置かれる音がテーブルを包む。
ナプキンを置いてギュスターヴが席を立った。
「ご馳走様。少し歩いてくるよ」
「待ちたまえ」
 席を離れて出て行こうとしたギュスターヴをワルドは手を伸ばして止めた。
「…何か?」
「少し話がある」
 
 



477 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:04:33 ID:2NlXreIP
 『女神の杵』裏につれてこられたギュスターヴ。そこは昔、王軍がこのラ・ロシェールに拠点を持っていた時に作られた練兵場だった。
最も、今は宿屋の人間達によって物置きなどに使われていて、昔の面影はあまりない。木々や崩れかけた壁などがあって、侘しさを見るものに与える。
「君は、『ガンダールヴ』だ。そうだろう」
 ギュスターヴの前に立つワルドはそう言った。
「…さて。なんのことやら」
 やんわりとギュスターヴは否定した。
ワルドは自分の左手甲を指して言う。
「君の左手のルーンは伝説の使い魔のものだ。僕はこう見えて歴史や学術に興味があってね。古い文献で同じ物を見たことがある」
 自慢げに語るワルドの目はこちらを見下ろすようで――実はそれを精一杯、ワルド自身は隠しているつもりなのだが――じわじわと神経を逆撫でる。
「…それで?」
「さて、そこで僕は疑問に思うのだよ。僕の愛しい婚約者の使い魔は果たして、伝説の名にふさわしき力を持っているのかと、その力はルイズを守れるほどなのかと、
非常に興味が有るわけだ」
 腕を広げて大仰に、空に向かって叫ぶようなワルドの様に、苛苛がむしろ削がれてしまう。
(…こっちの貴族っていうのは皆こんな感じなのか??)
 ギュスターヴはこめかみが痛い気がしてならない。
「そこでだ」
 振り返ってワルドが見た。
「君に決闘を申し込む」
「…なんだと?」
「何、命の奪い合いをするわけじゃない。君と僕、どちらかが一本取れれば終わりだ。君の力を見せてもらいたい」
 一瞬、ギュスターヴはワルドの纏う空気が変わるのを感じた。今までの道楽貴族のそれではなく、力を磨いた戦士としてのそれだ。
 
さて、受けるか、受けまいか……

思案しながらワルドの挙手投足をはぐらかしていると、二人を追いかけてきたらしいルイズら三人がやってきた。ルイズはワルドの前に立って叫ぶ。
「ワルド!一体何をするつもりなの?」
「やぁルイズ。君の使い魔の力を、ちょいと試したくなってね」
「そんな…。馬鹿なことはやめて」
「僕は大真面目だよ。君の使い魔が不甲斐ないものならば、僕は不安で夜も眠れない」
 変わらずルイズに熱い言葉を投げかける姿を静かにギュスターヴが見ていると、ルイズは振り向いてギュスターヴを説得しようと試みた。
「ギュスターヴ、あんたも何か言いなさいよ。こんな事しても意味ないわ。私達は任務を進めていくための、大事な『仲間』よ」
 その刹那。視界の脇に見えるワルドが、

わずかに、嗤った。

「…ルイズ」
「何よ」
「荷物を預かっててくれ。タバサ。例の剣を貸してくれ」
 言うが早く、ギュスターヴは身に着けていたデルフ、ナイフ、短剣を外してルイズに渡す。ルイズはその重さに耐え切れずよろよろとして傍に積まれていた
木箱の上に荷物を置いた。
 タバサは背中に負っていたレイピアを抜いて、ギュスターヴに渡した。
「…じゃあ、始めるか。ワルド『殿』」
「全力で来るといい。使い魔君」
 ルイズから離れ、レイピアを『右手』で構えたギュスターヴ。ワルドも軍杖を抜いて構える。
 二人の間で視線が火花散らし、それをルイズら三人は固唾を呑んで見守る。





478 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:05:29 ID:2NlXreIP
軍杖を水平に構え、息を吐く程度の震えで詠唱しながらも、ワルドの視線はレイピアを構えて正対するギュスターヴを観察した。
(…中々の、兵(つわもの)だ。今魔法を放っても、容易く避けられてしまうだろうという『確信』がある)
 沈黙のまま二人の間を流れる時間。しかし間合いはじわり、じわりと狭まっていく。
ギュスターヴがすり足で徐々にワルドとの距離を詰めているのである。
(引き付けて、回避不可能な距離から撃つ!)
 きらりと光るレイピアの切っ先が、徐々にワルドの軍杖で払える間合いに近づいた、その時。
「!!」
 ギュスターヴはその体躯から想像もつかぬほど軽やかに跳ね、左側方へ身を翻した。
 ほんの一拍ほどまでギュスターヴの身が置かれていた空間がわずかに揺らぐ。次に、ギュスターヴの後方遥かに積まれていた木箱が木材の折れ曲がる
独特の音を立てて砕け散った。
ワルドの『エア・ハンマー』が通り過ぎたのだった。
(あの距離から、かわすとは!?)
 ギュスターヴはそのわずかな機微を見逃さない。踏み込んで間合いを一気に詰め、レイピアを突き出す。
 ワルドも軍杖を突き、互いの視線で二つの突起が交差して止まる。互いの膂力でもって交差点がきりきりと鳴り、二人の距離がさらに縮まる。
囁き声でも話し合えるほどに、密に、密に。
「なかなか、流石に軍人だけある」
「ふふふ。侮ってもらっては困るぞ使い魔君。先ほど自分の剣を棄てた時はどうなるかと思ったが、手ごわい手ごわい」
「生憎あれは古剣でね、人様に見せるものじゃない」
「余裕ぶっていられるのもそこまでだぞ、使い魔君」
 ぐっとワルドが杖を払い、それに応ずるようギュスターヴも間合いをわずかに開くが、尚も踏み込んでレイピアを振るい、一閃、二閃と切り込んでいく。
ワルドもそれを受ける事はなく、杖で剣を受け、払い、或いは自ら突きこみ、応酬する。
ほんのわずかな時間――それを見ていた三人、主にルイズには、それが亀の一生のように長く感じたのだが――、互いの攻撃は拮抗しているかに見えた。

 しかし、その均衡が徐々に崩れていく。ワルドはギュスターヴの攻撃のリズムを覚え、合間合間に低威力ながら魔法を織り交ぜていくと、ギュスターヴとの間合いは
踏み込み一つで打ち合える距離を離れ、段々と『魔法を打ち合う』距離へと変わりつつあった。
「魔法衛士大隊兵は、只のメイジ兵士とは違う」
 ワルドが余裕を見せ始め、大胆に自分から深く踏み込んで同じタイミングで踏み込んできたギュスターヴと杖先を交差させる。
 付き合わされた距離でワルドが声を張った。
「杖を剣の如く使い!詠唱を素早く行い!如何なる間合いからでも攻撃が可能なのだよ」
 強く振るった杖がレイピアを大きく弾き、ギュスターヴの体勢がわずかに崩れた。ワルドはそれを見逃さず、今度は初撃の威力に近い『エア・ハンマー』を放った。
 動作が遅れたギュスターヴは素早く体を右へ反転させる。エア・ハンマーの衝撃を半身で受けることで反撃への動作を残し、わずかにたたらを踏んだが難なく立つ。
 三度の強い踏み込みにレイピアの切先がワルドの鼻先数サントまで進む。しかしそれはワルドの構えた軍杖で止まった。
「君は、強い。確かに強い。今もあと一歩早ければ僕の顔に剣が入るところだった。つまりだ。ただの剣士である君には間合いが足らないのだよ」
 レイピアを払って、再び姿勢の崩れたギュスターヴへ三度『エア・ハンマー』が飛ぶ。
 身体を反らしたギュスターヴはやはり半身に魔法を受けたのだが、今度は堪えきれず2歩ほど吹き飛ぶ。
 吹き飛んでから体勢を立て直したギュスターヴの手には先程まで握られていたレイピアがなくなっている。『エア・ハンマー』を受けたときに弾き落とされてしまった。
振り向けば目の前に向けられた、軍杖。
「残念ながら、君ではルイズを守る事はできない」
 見物人のつばを呑む声すら聞こえるかのような数瞬。
「…まいった。俺の負けだな」
 悔恨がにじむことも、感心を誘うこともないギュスターヴの言葉。
「そう。君の負けだ」
 こうして朝食後の決闘は幕を閉じた。ギュスターヴの敗北である。





479 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:06:15 ID:2NlXreIP
はぁ〜と、息の詰まる思いで見ていたルイズは、言葉のやり取りをした二人に駆け寄り、引き裂くように怒鳴った。
「もう!これで二人とも満足したでしょ!馬鹿なことやってないでさっさと宿に戻るわよ!」
 ワルドは杖を仕舞い、眉をひそめて申し訳なさそうに答える。
「いやーすまないルイズ!僕もまだまだだな、どうしても我慢できなくって!」
「いやだわまったく。こんな事ばかりされたら私困るわ、ワルド」
「ごめんごめん、もうしないよ。さぁ、みんな宿に戻ろうじゃないか」
 ワルドは率先してルイズの手を引いて宿へと戻って行った。ぽかんとしてそれを見送るキュルケとタバサ。
「なにあれ。ギュスのことは放っておく気?」
「彼女は雰囲気に流されやすい」
 先日のアンリエッタの訪問を盗聴した時を思い出すキュルケ。確かにルイズは状況に流されやすいようだ。思えばフーケの時もそんな感じだった気がする。
「…で、お怪我はない?ギュス」
 それはさておき、主人に捨て置かれた格好の使い魔の彼、ギュスターヴは起き上がると土ぼこりを払って傍に落ちていたレイピアを拾い、懐紙でざっとだが
汚れを拭っていた。
「ああ、ちょっと軽く身体を打ったくらいで他はなんともないよ。レイピア貸してくれてありがとう、タバサ」
 レイピアを返すと、タバサはすこし不器用な感じで背中に収めた。
「教えて」
「ん?」
 木箱に置かれた荷物を身に着け直していたギュスターヴに、蒼髪の少女は静かな瞳を向けていた。
「どうして手を抜いたの?」
「あら、手を抜いたのギュス」
 ギュスターヴも身に着けた道具を確認しながら答える。
「ああ、何度か手は抜いた」
 キュルケもあっさりと答えたギュスターヴに呆れる。
「随分はっきり答えるのね。っていうか、よくタバサ気付いたわね」
「左手で剣を使わなかった。それに、本気なら自分の剣を使うはず。彼は細身の剣より、そっちの方が得意」
 タバサの指摘にニヤリとギュスターヴが意地悪そうな顔を見せる。
「そうだな。確かに俺はレイピアみたいな細い剣は、少し苦手だな。振り切ると折れてしまいそうで」
「お、折れるの?剣が」
「折れるさ」
 こともなげに答え、キュルケは眼を白黒させる。魔法や鍛冶工が技術で切ったり曲げたりするのではないのだから。
 ギュスターヴはすらりとデルフを抜いて、左手で握る。
「相棒、どうしたん?」
「何、慣れないことしたから……憂さはらしに、なっ!」
 ギィン、と風を切る音がして一閃、デルフを横なぎに払った。
 数拍して、練兵場の壁際に植え込まれていた樹がずるりと傾き、切れ落ちた。
 切り口はわずかに傾いているが、断面が綺麗な平面に見える。それほど鮮やかな斬撃だった。
「ふぅ。すっきりした」
 手元でデルフが不満を漏らす。
「相棒ー、俺様斧や鋸じゃないんだぜ。試し切りならもうちょいマシなものがいいぜ」
「いやぁ、すまん。…どうかな、キュルケ。今やったみたいにレイピアを振れば、多分剣の方が折れてしまうだろう」
 たらりと汗を流してこくこく、水飲み鳥のようにキュルケはうなずいた。
 しかしタバサはやはりその静かな目でじっとギュスターヴを見ていた。
「どうした?」
「まだ答えを聞いてない」
「だから、剣が折れるから」
「違う。手加減をしてワルドを勝たせた理由」
 その言葉にギュスターヴの顔が一瞬静かになり、表情が消える。
 それは少し険しい顔になったが、何事もないようにギュスターヴはデルフを納めた。
「あれが信用ならないからさ」
「ワルドが信用ならない?」
 首傾げるタバサとキュルケ。
「なんていうのかな。ワルドの行動はどこか『うそ臭い』。そういう奴は少し機嫌を取らせておくと、案外ぼろを出すものだからな」
片目を閉じてタバサにそう答えるギュスターヴ。
「……そう」
「んじゃ、宿に戻るぞ。…どうせだから、町に出てみるのもいいな…」
 まるで他人事のように言って練兵場を去るギュスターヴを追いかけるキュルケ。その後をタバサがついていく。
練兵場はそうして空になり、切り落とされた樹木の切り株が乾いていった。

480 :鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/08/02(土) 01:08:01 ID:2NlXreIP
投下終了。
今回もまたタバサが何か本を読んでましたね。
ケルヴィンの話す世界の成り立ちの元ネタが分かる人は、いらっしゃるかなぁ。居たら嬉しいなー。
次回はフーケの襲撃ですね。では。

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:08:40 ID:u2js5SOt
王は子爵(だったっけ?)より上、というわけですか。
支援。

482 :475:2008/08/02(土) 01:11:09 ID:fjdlxV1D
ご免なさい!

書き込むタイミングを計っていたら
猫に襲われました o...rz

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:14:47 ID:MrqGdrDH
>なんか役柄をとられたような気がしないでもないけど
ワロタ

鋼の人もGJ

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:18:21 ID:DSDi0eDS
そういえばSaGaでは剣でも遠距離攻撃出せたっけ。
GJです。

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:22:43 ID:2okfMg3n
蒼い人のタバサ死んで。そのほうが話が読めなくなる。
と一瞬思ってしまった。

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:24:58 ID:OBwDDUCX
混沌(カーオス)に浮かぶ泡のような世界、というとアマランスしか思いつかない。

鋼の人、GJっす。

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:32:34 ID:yp/x/naf
なんか今日は大量だな

ところでたまに見かける「理想郷」ってなに?
避難所とか纏めWIKIのことじゃないよね?

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:33:56 ID:OBwDDUCX
理想郷、とは
SSの創作・投稿の巨大サイト「Arcadia」のことであるな。

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:34:01 ID:+ay72EbW
>>487
キャプテン・ハーロックの船の名前なSS投降サイトがあるとです

490 :488:2008/08/02(土) 01:34:53 ID:OBwDDUCX
「創作」じゃなくて「捜索」であった。orz

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:45:06 ID:rrxjNsu1
>>486
おいおいスレイヤーズも似たような設定だということを忘れないでくれよ
久しぶりにアニメやってるというのにあまり話題にならないな

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:49:23 ID:MvhxvWcm
鋼の人GJ
元ネタは思いつくのがありすぎてなぁ
サガフロ1のリージョンもまんまそれだしね

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:51:26 ID:LgXoWZog
鋼の人GJ
元ネタはソードワールドとかクリスタニアの世界のあれかな?

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:51:35 ID:QMl47f4p
そういえばワルドがマザコンって公式?

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:53:32 ID:p9xoI88N
鋼の人、GJ.

サガ系のキャラは良い感じなのが多いが、
ゲ=ラハとかアルカイザーとか……考えても巧くかけそうにないよ。

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 01:58:41 ID:c0LWd8ef
>>494
ファンブックか設定集みたいなので、脳内グラフが母100%
本編ではまあ、匂わせてる程度?
出番が(ry

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:01:31 ID:OBwDDUCX
>>491
歩法、そうなのか。

ところでスレイヤーズって何?

つーわけでぐぐってみた。

うむ、そういう小説・アニメがあるのね。

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:01:34 ID:LLejrGva
魔砲の人も鋼の人も、鷲の人もおつかれさま。
今日は大漁じゃー。

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:03:29 ID:4HMmbR4i
>>497
何だか急に自分が老け込んだような気がした。

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:04:50 ID:Vze1KSeZ
あの頃は毎日、林原ボイスがテレビから流れてきてたな……

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:06:28 ID:L9wQhFDz
というか今やってるよね深夜に
ノリがまんま当時の感じで吹いた

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:06:32 ID:+ay72EbW
自分で書くのはおっかないが、読んでみたいもの


リリカルなのはのリニスさん召喚

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:07:54 ID:OBwDDUCX
>499
いや、年代的には知っててもおかしくない年なのよ、俺。
さっきwikipediaで見たら、俺が社会人になってからの作品だし。

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:10:33 ID:fG7biYIS
蒼い使い魔、こりゃモット伯やワルド死ぬな

505 :487:2008/08/02(土) 02:25:29 ID:yp/x/naf
>>488-489
教えてくれて有難う!
愛してるよ!


506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:43:05 ID:RQPQYxbK
>>504
むしろそれ以外の結末が考えられねぇw

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 02:59:45 ID:V3wmwFe3
そういやフーケやワルドや7万といった敵を問答無用で皆殺しにした作品ってあるか?
作品内パワーバランス気にしたり殺しはなるべく自重するのが基本っぽいが

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 03:10:27 ID:7GmVpzkC
かませ2号とかませ3号はともかく7万はもともと味方の兵隊が混じってるし

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 03:15:19 ID:XfDiiowV
7万を問答無用で皆殺しにできる能力と性格の持ち主ならアンリエッタの手紙取りに行ったときにレコン・キスタ滅ぼせるよね。

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 03:15:23 ID:QMl47f4p
>>49
そうだったのか

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 03:20:18 ID:LLejrGva
>509
はっきりとは描写してないけどタルブ戦で敵味方問わず無差別攻撃で壊滅させたのなら小ネタの「零と黒」が

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 03:51:45 ID:fG7biYIS
EDAZIMAがいれば7万の軍勢ぐらい


513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 04:11:45 ID:Lry45A+G
>>512
EDAZIMAは反則だw

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 05:22:11 ID:S/Qpq7gh
>>509
それやったのがエルクゥと黒騎士と煉獄だったっけ

エルクゥと煉獄の続き、いつか読めるよね

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 06:16:21 ID:KgDYEEoa
>489
デスシャドウですね。わかります

516 :不破刃:2008/08/02(土) 06:36:43 ID:AJWFrXOy
>>497
ラノベ界では有名だよ>スレイヤーズ
アニメでもあの林原めぐみが主演だし。
しかし綾波レイとリナ・インバースを同時期に演じるって「凄い漢だ!」

スレイヤーズの作者は「自分の取り分削っていいからその分を挿画のあらいずみるいに回してくれ」」と頼んだそうな。
こちらも「凄い漢だ!」

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 06:47:14 ID:8jZXlFQc
>>516
不破刃乙。

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 07:26:23 ID:sUyqIwxg
ラノベ原作アニメのスレにいてスレイヤーズを知らん者がいるとは…これも時代か。

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 08:28:50 ID:cYc4zkzD
なあ今保管庫SS読み返してて思うんだが小ネタでポケモンは多いのにデジモンは少ないよな。
進化の過程でサイボーグ化とか口から光線吐いたり…世界観が合わないのか?それとも『しゃべれる』ことから魅力が薄いから?

Vテイマーからゼロマル召喚とかなぜに今まで誰も思い浮かないんだろうな。

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 08:53:45 ID:bucgl+1H
亀レスですが、魔砲、DMCの方乙です(_ _)
魔砲>>何か、ドンドンなのはさんがあっちの世界に染まって行ってる様な・・・・
貴女は貴女のままでいて
バージル>>兄弟喧嘩の後からか、随分性格丸い印象受けました
損得勘定→活殺を秒単位で済ます印象があったので
何にしても、頑張って下さいb
(感想がgdgd...orz)

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 09:17:26 ID:Rjl03n4J
>>519
アニメ版だと有名所のデジモンにはだいたいパートナーがいるから呼びにくいんじゃない?
パートナーごと呼ぶかパートナーのいないゼボリューションから呼ぶか以外だとモブしか呼べないし。
あとパワーバランスとか、ロイヤルナイツ級は単独でハルケ滅ぼしかねん。つか究極体はどれもヤバイが。

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 09:24:23 ID:EeYlw1oO
>>491
>>497
スレイヤーズ世界の魔法は、あの世界にいる魔王の力を借りてるから、
召喚後も魔法を使えるようにするには理由付けが必要なんだよ。=メンドイ

魔王って言っても一人じゃなくて、魔法の系統ごとにいて、
原作でも一人たおしたら、以後そいつの系統の魔法は使えなくなるくらい重要な要素。
ギガスレイヴなら使えるかも知れないけど、水爆級魔法1種類のみでどう話しを作る?

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 09:27:42 ID:V7e3npZY
ある意味呼びやすいデジモンはレオモンあたりかな。
毎回だれか死ぬから死んだと見せかけて召喚というネタがやりやすい

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 09:30:46 ID:EJjfh2wR
七大魔王はbadend直行便っぽいしなあ。
Bウォーグレイモンやテイルモン辺りなんてどうだい?


525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 09:38:13 ID:O352qbIS
>>522
黒魔法使えたらバランス崩壊する気もするし
たまには精霊魔法と剣術・体術だけで頑張るリナもいいんじゃないか

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 09:48:09 ID:RQPQYxbK
>>525
精霊魔法でも大概がゼロ世界でも破格の威力とコストの魔法が目白押しだし、
体術もそこらの一般兵なんぞ問題無いくらいのレベル。
十分バランス崩壊です、ありがとうございました。

精霊魔法ぶっ放して
「やっぱ黒魔法使えないと不便ねー。だってこれ弱いし」
(……これより強いって……)

っていう光景が目に浮かんだわ。

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 09:55:27 ID:wOpTuBqV
というか、ブリミルの力を借りた「本物の」白魔法を自分で作るんじゃないかな。
スレイヤーズじゃ魔法は自分で作るってのも普通だし。

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 09:58:16 ID:DVXKprdJ
>>526
故郷のゼフィーリア自体「手加減一発岩をも砕く」なんて言われるほどだし
リナのファイアーボールは岩を熔かせるほどの威力があったはずだしねぇ

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:08:36 ID:cGoNsdmf
まあその程度なら世界の違いでどうとでもなるわな

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:10:57 ID:cYc4zkzD
>>521
じゃ、ゼヴォから一度死んだ(?)デュークモンかメタルガルルモンX召喚ってだめか?
>>523
俺02から入ったからレオモンっつーとVジャンプの奴しかしらねぇ…orz

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:16:30 ID:I8/x3ze+
魔砲の人、鋼の人GJでした。
>リミット3解除ブラスターモード→SLB
これがペナルティ無しでぶっ放せるって…、レイハさんなんて事をしてくれたんだ。
>『殿』
『様』ではなく『殿』を使う辺りにギュスターグの憤懣を感じた様な気がしました。

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:20:38 ID:O352qbIS
貴族にとってリナの使う魔法の最大の脅威は誰でも使えるという点かもしれんな
原作でも痴漢撃退用にそこらの女の人たちに風魔法教えてたりしてたし

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:21:05 ID:usst0lnU
>>530
インフレってレベルじゃねぇぞ! ってことになると思うけどお前さんが書くならバッチリ支援するぜ
あと、レオモンは無印だけじゃなくてテイマーズでもフロンティアでもセイバーズでもゼヴォリューションでも死んでる

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:24:18 ID:tw3ytBYg
>>531
ギュスターグって誰だよww
てか鋼の人のギュスターブは今のところまさに王といった貫禄だけど
原作でのアニマ教徒虐殺みたいな暗黒面は出したりしないのかな?


535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:26:38 ID:EJjfh2wR
ふと思ったがスレイヤーズ世界のレッサーデーモンがハルケでは相当な脅威になるな。
火・水・風は全く通用しないだろうが唯一土が何とか出来そうだ。


536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:48:55 ID:Mw5Lfvv2
バージル兄貴のツンデレっぷりは異常w
ルーンの効果でご主人様にはデレ・アンジェロ

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 10:56:09 ID:tjvaOT/E
地獄の招待状より内木を召喚。見えないロープで吊るした相手を色んな手段で殺害してくれる恐怖の使い魔。

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 11:27:27 ID:BDnRt3rK
スレイヤーズのレッサーデーモンは実はかなり厄介だからなぁ
耐久力や防御力もそうだが火力もわりと半端ない。
一声あげるだけで火の矢を十本単位でぶっぱなせるから…。

とりあえず、完結記念ということでD&Dリプレイ『若獅子の戦賦』シリーズから
リューマ・バステソーンとおまけのエアハルト召喚
もちろん『プレートメイルのウェディングドレス』装備で

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 11:33:09 ID:Xt6ASgox
「ガメラ3 邪神覚醒」よりイリスの幼体をルイズが召喚。ルーンは胸。
ルイズをいじめた生徒達は死ぬね。ってか、魔法学院壊滅?

ガメラの方はティファが召喚。ルーンはやっは右手でしょ。
で、ニューカッスル城でガメラVSイリスの怪獣大決戦やらかして、
レコン・キスタも王党派も涙目。w

ラストは聖地からギャオスの大群が現れてハルケギニア滅亡フラグ。

ちなみに、ジュリオはガンダルーブで虎戦車で突っ込んでやられる役。w


540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 11:34:27 ID:tWR+Oi/F
>>537
あれはヤバイだろw
最後に死ぬのはシエスタだろうな

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 11:35:10 ID:eNBhRpdw
>>535
水魔法で精神攻撃とかできないのかなー。
これなら純魔族にも一応通用しそうだ。嫌がらせ程度だろうけど。
まともに相手できそうなのは虚無くらいだな・・・。

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 11:57:56 ID:gwnWkTeB
>>525
まぁ、ゼロ魔の世界の精霊達が力を貸してくれなきゃ
精霊魔術も使えなくなる可能性もあるけどね。

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 12:12:49 ID:i6ZDdNvJ
20分から投下します

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 12:15:44 ID:DkjSBaH8
誰だー!?

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 12:16:35 ID:KgDYEEoa
空の彼方で踊る影

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 12:17:10 ID:rrxjNsu1
>>535
精霊魔法も効かないわけじゃないよ
単に低級魔法は完全に無効化されるだけで威力の高い魔法ならちゃんと効く
トライアングルクラスの魔法なら効くんじゃないかな

547 :人のいい使い魔:2008/08/02(土) 12:19:01 ID:i6ZDdNvJ
「あー……本当にこの世界は空気がおいしいな」
大きく伸びをしながら、肺腑一杯に瀬川は澄んだ朝の空気を吸い込んだ。
瀬川は目の前に広がる広大なまでの広葉樹林の山々を見渡し、満足げに頷く。
フーケとあんな出来事があった2日後。ルイズから、人間なのだから自分が授業の間は自由していい権利をご褒美に与えられ、シエスタからもらった弁当を片手に森に来ていた。
改造人間特有の超人的な治癒力もあってかすっかり怪我も癒え、ルイズの部屋から見える学園の裏の森を、足取り軽く瀬川は立ち入っていく。
瀬川からすれば、ここは同量の金銀財宝の山に匹敵するほどのお宝だった。
自分の住む世界とは違う植物故に一概には言いきれないが、ここの植物の繁栄ぶりは目を見張るものがあった。
周りの村民が手を入れているのだろう、乱雑に育った黒い森とも違う調和のとれた美しさがそこにある。
今の『地球』では、どこの山でも人の手が乱暴に加えられた土色の大地が見えるものだが、ここにはそれすらない。
信じられないほど、豊かな自然。
感嘆すら覚えながら瀬川は木にふれ、土を触り、小動物を撫で、森を調べていく。
自分の下げるディバックをごそごそとあさり、ルイズからもらった『もう一つのご褒美』を引っ張り出す。
細長い棒が一本、そして四角く薄い何か――それは鉛筆とスケッチブック。あの夜、瀬川がルイズに望んだものはこれだった。
「フィルムは極力節約しないとな」
鉛筆を前に突き出し、片目をつぶって被写体との距離を測る瀬川。
そう、瀬川とて望むならばカメラマンのはしくれとしてフィルムの限り目の前に広がる奇跡を撮って回りたい。
しかし、現実フィルムの数には限界があるのだ。考えなしにシャッターを切れば、あっという間になくなってしまうだろう。
それでも瀬川は自分の目の前に起こる出来事を『保存』したい。そう考えたとき思いついたのがこれだったのだ。
すなわち、自分で写す。
元々絵を描くのは苦手ではない……というかむしろ絵を描くのはかなり得意な部類に入る瀬川からすれば、この発想はかなりの名案に思えた。
フィールドワークこそ、すべての基本。瀬川の体力は文字通り人間離れしており、これ以上ないほど適している。
時々足を止めては、スケッチブックに植物や小動物を書き込んでいく行為に、これ以上ないほどの充足感を覚えながら、森の環境についても自分なりにまとめていく。
散策が一段落ついたのはもう昼過ぎになっていた。
そろそろ食事を取ろうかと、見通しがよく周囲を俯瞰できる場所を探しているときに、あるものを瀬川は見つけた。
「これが……噂の……」
程よく開けた場所を遠くから見つけ、そこまで歩いてきた瀬川は驚きの声を上げた。
その場所にいたのは、瀬川の世界では空想、架空の生き物の代表とすらいわれる生き物だったのだ。
深い青を湛えた鱗。背中に生えた、蝙蝠をより筋肉質にしたような翼。トカゲに近いがトカゲよりも丸みがあり尖った印象を与えない顔。その身の丈は大岩より大きい。
正真正銘、古今東西の神話から民話までよく登場する、その生き物の名は――
「――ドラゴン!?」
魔法やタコ人間など、こちらに来て色々瀬川も見ているが、これほど典型的にファンタジーを感じさせる生き物はまだだった。
自然に対するものとはまた別の感動を感じながら、ドラゴンにそっと近づいてみる。
ドラゴンは瞳を閉じ、翼をたたんで地に伏している。具合が悪そう、という風には見えない。
ただ、単に寝ているだけに見えた。恐る恐るではありながら、好奇心から瀬川はドラゴンに触れてみる。
思ったより、すべすべしていた。節くれだった年輪に似た硬さや、外敵を拒絶する鋭さとは無縁の、少し柔らかさをもった体の感触を鱗越しに指先で感じる。
ドラゴンは、まだ寝ている。その寝顔を見て、思わず瀬川は小さく笑みをこぼした。

548 :人のいい使い魔:2008/08/02(土) 12:19:36 ID:i6ZDdNvJ
恐ろしいものというイメージの強いドラゴンが、これほど穏やかな寝顔で――まして「きゅいー、きゅー……」などと寝言のようなものを呟きながら自分の前で寝ているのだ。
ドラゴンの表情など分かるはずもないし、ましてやドラゴン自体始めてみると言うのに、あどけないという言葉を思い浮かべてしまう。もしかして子供なのかもしれない。
起こすのも悪いと思い、これ以上触らず距離を取ると、スケッチブックと弁当をその場に広げる。
思えば、右へ左へ森を回りながらとはいえ、結構奥まで入ってきてしまった。
暗くなる前にはルイズの授業は終わる。それまでに帰りたい以上、今日はもう時間をかけられないだろう。
今日書くものの締めとしては申し分ない存在を前に、鉛筆を握り締める。
弁当からサンドウィッチを取り出し、口に頬張りながら静かに瀬川はドラゴンを書き写していった。
これにはかなり時間がかかっていた。何しろ、対象が大きい分、細部まで書き込めるようにすると、どうしても紙に写す姿も通常の植物より大きく書かなければいけない。
「っ痛!」
ちびた鉛筆をナイフで削るとき、ナイフの刃が左手の親指に触れてしまった。赤い線が入り、その後ぷっくりと血の球ができたのを口でなめとる。じわりと口に広がる鉄の味。
しかし、傷口をぬぐって確かめると、そう深く切ったわけでない。薄皮1枚がいいところだろう。
今の声で目の前のドラゴンが起きないか心配だったが、起きる気配はない。
「よほど眠いんだろうな」と思いながらも、気を取り直してまた書き始める瀬川。
結局、2時間ばかりはそこに滞在していただろうか。太陽を見れば、書き終わる頃には日が傾くまであと1時間ほどになっていた。
「よし、これで終わりかな……でも本当にここはすごいな。ドラゴンまで住んでるなんて……」
名残惜しげに、もう一度ドラゴンに近づいてその頭を起こさないよう優しくなでる瀬川。
もしまたここにいるのなら、また会えればいいなと思いながら、瀬川が踵を返したときだった。
「きゅい……きゅ〜い……ご、はん〜!」
ドラゴンのいたところから聞こえだす、高い女性の声。瀬川は咄嗟に振り向き――頭をかじられた。
「わっ、わっ、ちょっと待った! 俺は餌じゃない! 餌じゃないって! ……ていうか話せたのか!?」
おとなしく食われるいわれは瀬川もない。思いきり暴れて、大声で自分がえさでないことを主張する。
フガフガモガモガと口を緩く動かすドラゴンと、どうにか腕で口をこじ開けて頭を出そうとする瀬川。
なんとも奇妙で珍妙な光景だったが、食われている瀬川からすればたまったものではない。
最悪本気でこちらを食べる気なら、こっちも方法があるぞと瀬川は拳に力を込める。
しかし、次の瞬間ドラゴンはあっさり口を放した。
「っぷはっ!」
頭を口の中から抜き、ドラゴンの顔を凝視する。そこには、明らかに目が半分くらいしかあいておらず、人間で言うなら眠気眼に見えないこともないドラゴンの顔のアップ。
なんというか、その顔を見ているとどうでもよくなったのか、涎の付いた髪を掻きながら瀬川は苦笑した。
「ねぼけるのはいいけど、頭をかじるのは勘弁してくれよ」
普通なら、もっと怒りだして悪態のひとつでも付くところだろうが、これで済ませてしまうのが、この青年のお人よし過ぎるところかもしれない。
頭をポンポンとドラゴンの頭を叩くと、ドラゴンの目も覚めたのか、くりくりとした大きな目を開いて瀬川を見つめ返している。
「君、話せるんだろ? よかったら何か好きなものでも言ってよ。できたら拾ってきてあげるから」
ドラゴンが何を食べるかいまいち知らないが、とりあえずお腹がすいているのかと思って瀬川は話を振ってみる。
しかし、ドラゴンの反応は話すわけでもなく、意外にも体をくねらせて後ずさるものだった。
きゅいきゅいと奇妙な鳴き声を出すだけで、けして話そうとしない。
「……どうしたんだ? 話したくないのかな?」
一応近づかれること自体はいやではないし、こちらに危害を加える気もないようで、側に瀬川が立っても何もしてこない。
だが、口を開こうとしないのだ。
うーん、と腕を組んで頭を悩ます瀬川は、冗談めいた口調で思ったことを言ってみる。

549 :人のいい使い魔:2008/08/02(土) 12:20:09 ID:i6ZDdNvJ
「もしかして、『知らない人としゃべっちゃいけません』とか? いや日本ならともかく――」
ビクンとドラゴンの背が動く。
「……ん?」
なんとなく、怪しい。
今度は、ドラゴンと目を合わせて言ってみる。
「もしかして、『知らない人としゃべっちゃいけま………」
露骨に、怪しい。
話す途中に、顔をそむけるドラゴン。さっきまではこんなことはなかったのに、急にこの対応だ。
瀬川もその動きで得心し、頷いた。
どうやら、このドラゴンは誰かのペット……というには多少違うかもしれないが、とにかく人の飼っているもので、主人から他人と口を聞くなと言われているのだろう。
そうなれば、仕方ない。きちんと飼い主の言う事を真面目に守っている相手に、無理やり決まりを破らせる必要もないのだ。
瀬川は素直にあきらめようと思って、こんどこそ最後と頭をかじられる直前のように頭を優しくなでた。――そう、左手で。
ついさっき、指を切ったばかりで、そしてルーンの刻まれた左手がドラゴンの顔の前に突き出される。
先ほどよりも、はるかに大きく目を見開くドラゴン。瞳に移る感情は驚きだったが、瀬川はそれに気付かなかった。
ドラゴンが口を開く。思わず、左腕がまたかじられると腕を引こうとし――ペロリと、ドラゴンの大きな舌が瀬川の手を嘗める。
さらに、じっと瀬川の顔を見ているドラゴン。そして――
「きゅいきゅい! 人間に見えたからシルフィ話しちゃいけないと思ったのに!」
「おわっ!?」
頭を左右に振っていきなりそんなことを口走るドラゴンに、思わず瀬川も一歩引く。
「違うならそう言って欲しかったのね〜〜!」
「いやちょっと待って! 俺は人間だよ!」
「嘘! 絶対嘘! 精霊の力しかない人間なんていないってシルフィでも知ってる! きゅいきゅい!」
言葉に詰まる瀬川。確かに、瀬川は人間として一旦死に、精霊の力でJの戦士となって蘇って生きている。
事実、精霊の力が無くなればまた瀬川は死ぬ。自然との完全な共生の上に成り立つのが今の自分なのだ。
「それに手のルーン、シルフィと同じで誰かの『使い魔』ってこと! 人間の使い魔なんて見たことない!
 元の姿を見せてくれればシルフィすぐにお話ししてあげたのに! きゅい!」
自分は生まれ変ったJの戦士としての力と姿を持っている。
理由は大地を守る聖戦士としての役目を受けたからで、今は変身できずとも、変身した姿こそ本質的な姿と言える。
しかし、目の前のドラゴンに急にそこまで図星を突かれるとは流石に予想外にもほどがある。
「なんで君、急にそこまで分かったんだ?」
いきなり饒舌に、だがどこか舌足らずな調子で話しだしたドラゴンにふと問うて見た。
ルーンを見て使い魔だから人間じゃない、は左手を見れば一目瞭然で理解できるが、精霊に関しては瀬川も何故思い当たったのか見当もつかない。
「精霊の力で怪我を治してたから! あと、君じゃなくてシルフィードって名前があるのね」
ドラゴンの即答。
瀬川の傷の治りが異常に速いのは改造人間だから……なわけだが、なるほど、改造人間の常人離れした細胞を活性化させるのは確かに精霊の力だ。
つまり、精霊の力が無自覚的に傷口に集中して再生速度を早めてくれる。
もしかして、左手を嘗めたとき、傷のからくりを理解したのだろうか。
しかし、変身した姿を持つまでいきなり当てられるとは、流石は、神話などで恐怖以外にも高い知性の象徴と言われるドラゴンだ。
「いや、変身したいのはやまやまなんだけど、変身できなくて困ってるんだよ」
そこまでばれたなら仕方ない、肩をすくめて正直に暴露する。
「どうも、精霊の力を借りられなくてね」
そう言って、変身のための一連の動作をドラゴンの目の前でやってみせる。
しかし、僅かに光が起こったかと思うと、たちまち霧散していく。瀬川の全身に変化はない。
「本当は、これで変身できるはずなんだけど……」
その様子を大きな目で見ていたシルフィは、きゅいきゅいと嬉しそうに鳴いた。
このきゅいきゅいというのが啼き声なのか口癖なのかいまいちはっきりしない。
「やり方が違うのね! お手本を見せてあげる、きゅい!」

550 :人のいい使い魔:2008/08/02(土) 12:20:57 ID:i6ZDdNvJ
そう言うと、シルフィが体を起こす。そして、目をそっと閉じた。
途端、空気が変わった。
「これ……」
瀬川は、精霊信仰で、シャーマンたちが瞑想に入る前の独特の雰囲気を思い出していた。
先ほどと日差しも何も変わらないにも関わらず、そこに満ちる空気が変わったことを感じているのだ。
精霊の力を過敏に感じるからこそ感じる変化。
「我を纏いし風よ。我の姿を変えよ」
先ほどの幼い少女の印象を与えていた声ではない。声の高さなどは何も変わらないのに、そのときだけ、澄んで年経た女性の声に聞こえた。
「うわっ!」
一瞬突風が吹き荒れる。思わず、瀬川は顔を守るため腕をかざした。
指の隙間から見える。シルフィの周りで風が渦巻き――収縮しているのを。
「何だ!? 何が起こったんだ……」
突風が吹いていたのはとても短い時間だった。
視界を遮るほど濃密な風がはらりはらりと衣を払うかのように大気に溶け込んでいく。
風の中から出てきたのは―――
「これが姿を変えるやり方なのね! きゅい!」
腰に手を当て、自慢げに大きな胸をそらす女性だった。髪は深い蒼でかなり長く、腰のあたりまで伸びている。
ぱっちりと開かれた大きな瞳も、吸い込まれそうなほど深い蒼で、整った顔立ちのためとても魅力的に見えた。
肌は雪のように白いが、頬や胸などは健康的な薄桃色をしており、健康的な体は闊達なイメージを与えるものだった。
腰回りは細く、その肢体の何もかもに隙がない。だと言うのに、作り物めいた感じがなく、天然自然の生み出した奇跡のようだ。
……なのは、いいのだが、何故ここまで分かるかというと、それは。女性は、何も身につけていなかったからだ。
一糸まとわぬ、という言葉をそのままに。何も身につけず、野外で太陽の下、裸体をさらす女性。
「うわっ! ちょ、ちょっと待って!」
耳まで真っ赤にして、慌てる瀬川を見て、リスなどの小動物のように小首を傾ける女性……というか、変身したシルフィ。
とても愛らしいと言える仕草だったが、それを見て微笑める心の余裕は今の瀬川にない。
いろいろと年の割に達観したところのある彼とは言え、この手の方向は人並み以下の耐性しか持ってないのだ。
こんな状況に対応できるほど枯れてはない。
相変わらずきょとんとした様子で、瀬川の様子の変化にいまいち、いやまったく理解してないシルフィ。
どうかしたのかと思ったのか知らないが、考えゼロで瀬川に近づこうとたどたどしい足乗りで一歩を踏み出そうとするシルフィ――が、思いきり前につんのめった。
「うわ―――」
人間、咄嗟の時こそその人間の本質が出ると言う。瀬川という超のつくほどお人よしのこの青年、他人が危ないとなれば何をおいても助けようとする性格だ。
つまり、反射的にシルフィがこけて倒れてしまわないよう、体を前に出して、手を伸ばした。
しかし、前に体を半分投げ出すような形で受け止めたため、踏ん張りが利かない。
地面に力をかけられなければ、改造人間いえど無力。シルフィを受け止める形で、地面に瀬川も倒れた。
瀬川の上にシルフィが乗る形で地面に倒れる二人。――瀬川の胸板に押し付けられるとても柔らかい何かの感触。
頭に強烈に血液が集まってくらくらするのをどうにか抑えて、シルフィの両肩を掴んで離すため持ち上げようとする。
肌のきめ細かさと柔らかさが指に伝わるのを、必死に我慢し、引きはがす。
シルフィも素直に体を離して立ち上がる。心労からくる疲れから荒い息をする瀬川に、シルフィは相変わらず不思議そうな視線を向けている。
「きゅい?」
そんなシルフィに、少し大きな声で瀬川は言った。

551 :人のいい使い魔:2008/08/02(土) 12:21:37 ID:i6ZDdNvJ
「お願いだから、服を着てくれ!」
あまりにも、切実な瀬川の叫びが山に木霊する。



「で、なんでコウジ、そんなに疲れてるの?」
その日の夜、ルイズの部屋。授業が終わって少し経ってから帰ってきた瀬川の憔悴した様子を見てルイズは、目を丸くして瀬川を見ている。
朝にはあれほど元気だった、無類のタフネスを持つこの瀬川がここまで消耗していることが心底不思議だったのだろう。
「いやちょっとね……いろいろあって」
いや実際いろいろあった。それも相当予想外のことが。その出来事を思い返して小さくため息をつく瀬川。
「ちょっと、本当に何があったの? 森に行って調べてくるって言ってたじゃない」
瀬川が描いたスケッチブックをぱらぱらとめくりながら小さく驚きの息をもらすルイズ。
「案外うまく書けてるじゃない、これなら図書館とかで正確になんの動物や植物か調べられるわよ?」
「いや、そっちはうまく行ったんだけど……」
「だけど?」
そこまで言って口をつぐむ瀬川。そう言えば、シルフィは主人以外と口をきいてはいけないと教育されているのだ。
つまり、シルフィが話せること自体他人に話さないほうがいいに決まっている。
「いや、別に……ドラゴンを見てね」
口ごもる瀬川の様子に、不審に思ったのか眉を傾けるルイズ。
しかし、今日書いた最後のページを見て、納得した様子で頷いた。
「これ、キュルケの友達の使い魔じゃない。キュルケと多分主人の子が乗ってるのを見たことあるわ」
「キュルケ、っていうと……ああ、あの火トカゲの子?」
正確には、火トカゲ『サラマンダー』のご主人であり、ルイズの隣の部屋の住人である褐色の肌をした女の子を
瀬川はぼんやり思い浮かべる。
あの子のお友達か、また随分と派手好きそうだな……と思うとなぜかため息が出る。
「使い魔の小屋には入らないし、いなかったけど森で過ごしてたのね。それで、どうしたの? 追いかけられでもしたの?」
まさか、突然女の子になったなどとは口が裂けては言えない。
あまりにも羞恥心と言うか常識がないため色々とあれだったとなるとまた更に。
そして、精霊の力について様々なことを知っていることも……。
「そんなところかな? とにかく今日は疲れたよ」
毛布にくるまり、壁を背にずるずると腰を下ろす瀬川を見てルイズも気を使ってくれたのか、一言「気をつけないさいよ」と言うとベッドに入っていった。
明日はもっと疲れるだろうな、と内心思いつつ、瀬川も明日のために眠りについた。
そう、明日からは瀬川にも授業が待っているのだ。



「ええと……というわけで今日からお願いします」
次の日も瀬川は森に出かけると、いそいそとスケッチブックに動植物を移したあと、昨日最後についた開けた丘で座っていた。
「きゅい!」

552 :人のいい使い魔:2008/08/02(土) 12:22:10 ID:i6ZDdNvJ
目の前にいるのは、昨日会ったドラゴンのシルフィード、愛称シルフィ。シルフィに対して深く頭を下げる瀬川を見て、どこかうれしそうにきゅいきゅいと啼いている。
「それじゃ、精霊の力について授業を始めるのね!」
明らかに弾んだ声で高らかに言い放つシルフィ。
実は、昨日瀬川が精霊の力について教えてほしいと頭を下げたのだ。
最初はちょっと嫌そうだったシルフィも、瀬川の熱心なお願いを見て気分がよくなったのか、最後には引き受けてくれた。
昨日は瀬川も時間が迫っており帰らねばならないし、なにしろ素っ裸の女性を前において話に集中できるはずがなく。
服と、お肉と、時間を抱えて瀬川は今日ここにやってきたのだ。
「それじゃ、今日は精霊がいったいどんなものかについて!」
スケッチブックの白紙のページを取り出すと、鉛筆片手にシルフィの話を聞く。
分からないことがあったら一対一という形式なので自由にシルフィへ質問をすることもできる。
これぞまさしく『授業』であった。大学を出て2年、こんなことをしてなかったので気恥ずかしいくもあり懐かしくあった。
ただまあ、講師役があまりにも元気すぎて、いまいち何か違ったが、それも笑って済ませられるものだ。
「それじゃ、お手本を……」
そう言って、昨日と同じく変身するシルフィ。変身のプロセスは、精霊の力の流れを見るためにも、凝視しなければいけないが……これはつらい。
向こうも恥ずかしがるなりしてくれればまだこちらも対処できるが、ここまであけっぴろげにされると困る。
「……ちょっと待って。お願いだから服を着て。まっすぐ見れない」
変身の終わりと同時に、鞄から服を引っ張り出す。
女ものの服を調達できればそれがベストだったのだが、そうもいかない。誰にも事情を話せない以上男の自分が女の服を借りられない。
ルイズの服ちょっと借りようかと思わなかったわけでもなかったが、冷静に考えると変身したシルフィにルイズの服は小さすぎる。
結果、持ってきたのは瀬川がこっちに持ってきたTシャツと、ゴムを絞ったハーフパンツだった。
ベルトなどもなくこれならおそらく服を着たことのなくても着られるはず……という発想だった。
「え〜〜、ごわごわする。きゅい」
明らかに不満の声をもらすシルフィに、頭をかなり低く下げる瀬川。姿を見ないように気をつけているせいか、もはや土下座同然の姿だ。
しかし、納得してくれたのか、衣摺りの音が僅かに聞こえてくる。
「前もお姉さまに着ろって言われたけど、服なんて邪魔!」
そんな声とともに、瀬川はもう大丈夫だろうと頭をあげる。それには、しっかり服を着たシルフィの姿があった。
自分の世界の服を着ているせいか、自分の世界の女性たちの美しさとの対比が強く浮かび上がる。
ラフで適当な格好でありながら、その美しさのバランスは何も崩れていなかった。まさに、物語から浮き出てきたような可憐さだ。
「う……」
予想外なことにかなり大きいかと思っていたTシャツが意外とぴったりだった。
いや、袖は確かに大きくて五分袖になっているのだが、胸元のふくらみの大きさのため、袖以外はバランスがとれている。
下着も何もつけず、Tシャツ一枚はまだ瀬川の目に毒だった。
「……それも着て」
自分の着ていた黄色いブルゾンを、顔をそらしながらシルフィに差し出す。
やっぱりシルフィは嫌がっていたが、もう1枚2枚増えても同じと思ったのか今度はわりとあっさり着てくれた。
だぼだぼのブルゾンの前を閉めると、ようやくまっとうに見えるようになった。
その闊達な印象も相まって、さながら運動部の女の子だ。
ようやくここまでやって授業再開。
別にすぐ竜の姿に戻ってくれればこんな必要はないと瀬川も思うが、なんだか妙にノリノリのシルフィを見るといまいちそれも突っ込みずらい。
わざわざ「お姉さまが昔使っててレンズがないメガネ(正確に言うと、レンズの外れたメガネのフレーム)」を持ってきてつけている。
もしかして、常日頃は人に教わる側――それもあまりできのよくない――だったんじゃないかなあ、などと失礼なことを考える瀬川。
人間ではなくドラゴンではあるが、先生によく叱られる小学生が、下級生にものを教えるときはこんな感じになったりする。
話していると、自分より長く生きているし、人間になった時の外見年齢は高いが、それに反して精神は結構幼い。逆の立場になってはしゃぐ小学生というのは的外れではないかもしれない。
「うーん、精霊は、たくさんいて、個別に契約するものなのか?」

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 12:22:14 ID:jTsUb9mU
>>542
スレイヤーズの精霊魔術って単にそう名付けられているだけであって、基本的に精霊の力を借りているわけではないぞ。
カオスワーズで現実と紙一重の所にある精神世界面に干渉して其処から何らかの力を引き出すっていう仕組みだし。
原作でゴキブリ魔族がそう説明してた。
ちなみに白魔術も精霊魔術と根本的には一緒だったりする、単に浄化だの治癒だの神聖っぽいからそうなったってあったな。

明確に高位の何かから力を借りるのは、黒と神聖だけだし。

554 :人のいい使い魔:2008/08/02(土) 12:22:51 ID:i6ZDdNvJ
頭を掻きながらも疑問に思ったことを口にする瀬川。その頭をペチペチと――やっぱり嬉しそうに――叩くシルフィ。
「違うのよ、精霊は全部で一つ、けどいっぱい力を借りようと思ったらそこの精霊の力と契約するのね! きゅい!」
「うーん……」
精霊はシルフィの話(今日の授業)を聞くに、どうも全にして一、一にして全という性質を持っているらしい。
切り離して力を借りることなどはできるが、結局意識としては全体で一つ。だから、シルフィはどこでも姿を変えるための力を貸してもらえる。
けれど、その場所でより多くの力を借りようと思えば、そこの場所の「精霊の力」と契約する必要があるとか。
あとエルフが契約するのをうまいと聞いたことがあって、それでエルフは恐れられているらしい……ということを伝聞口調で教えられた。
こりゃ、学院長に詳しく話を聞きに行ったり図書館に行ったりして自習も必要だな、と思いながらもスケッチブックを閉じる。
「今日は、もう帰らないといけないし、話も一段落ついたからここまでにしようか」
「え〜?」
ノリノリで話してたのになんでそんなこと言うの? というのが瞳にありありと映っているのを見て、笑いながら瀬川は頭を下げた。
「ごめん、明日もまた来るから。服は……シルフィが持っててくれ。もっとお肉も持ってくるからさ」
その言葉で一応納得したのか、「きゅい」と答えを返すシルフィの頭をなでる。変身したものとは言え、驚くほどさらりといた髪。

瀬川のしばらくの生活は、こうして過ぎていった。
朝起きて山に出かけ、昼前からシルフィの授業を受け、夜はルイズの自習を手伝うついでに図書館にて自分で調べてみる。
文字の勉強ではルイズにさわりを習うだけで驚くほどの早さで習得できたことに驚き、精霊の勉強ではどうやったら変身できるか頭を悩ます。
そんな生活が一週間は過ぎたころだろうか。
また、瀬川の身に災難が降りかかったのは。





555 :人のいい使い魔:2008/08/02(土) 12:24:42 ID:i6ZDdNvJ
投下、完了です。
新刊が出て、原作と設定で矛盾が生じて悩んでいましたが……このSSではそういう設定になってるということで続けることにします。
雑談を切るような形になってしまい申し訳ありません。

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 12:32:44 ID:3sVSjKMu
乙。投下優先だし、空気読めないのは気にするな
変身できないのって珍しいな、続き待ってます

557 :不破刃:2008/08/02(土) 13:02:50 ID:AJWFrXOy
乙。凄い漢だ!(挨拶)

ミスティックアームズ改造人間はメンテナンス等で気をつけなくて良い反面、世界が違うとこういう事もあるのだな。
しかし瀬川はタイトル通り人が良いなぁ。

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 13:07:42 ID:/B6HE3z0
投下乙。

リナ・インバース最強のオリジナル呪文は1巻に出てきた「入れ食いの呪文(仮称)」。
川の近くならまず食いっぱぐれない上、
多用すると魚が居なくなって漁師さんの生活が成り立たなくなる諸刃の剣。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 13:17:51 ID:0X9UDXOQ
投下乙です。
きゅいきゅいをこういうポジションに据えるのは珍しいのではないでしょうか?
なおかつ、きゅいきゅいらしさがちゃんと出ててよかったです。
次回の投下待っています。

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 14:53:33 ID:teRBSRnh
ロアナプラからホテルモスクワを丸ごと召喚。ガリア王が。
・・・これで勝つる!

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 15:04:52 ID:ri18guMh
エイリアンからクイーンエイリアン

「キシャーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
メイジの卵達はエイリアンの餌とされ
使える爆発の魔法を持つルイズはコルベール・キュルケ・タバサ達と
離れの実験室に立てこもり今後の事を考え絶望していた

「周りにはあいつらがウヨウヨしているし、このままではここも見つかるだろう」
「夜になったら終わりよ、日没まであと数時間・・・」
「高熱、もしくは超低温が有効」

そして
「た、たすけてくれーーーーーーーーー」
「ギーシュ、もう誰も生き残っていないわ」

「しょうがない、ギーシュのワルキューレは使えるから入れてやるか」
「モンモラシーは水属性だからあんまり頼りに成らないけどしょうがない」

そしてルイズ達はまず貯水槽の水を油に錬金し、タバサがそれを学院中に
ばらまき、コルベールがそれに火を付け エイリアンの卵もろとも成体を
焼き殺す事にした

「もう腹に産み付けられた生徒は助からない・・・私はまた破壊をもたらすのか・・・」
「コッパゲ、いいから準備しなさい」

そして学院の部屋という部屋が可燃性の蒸気で満たされ、
コルベールの魔法により点火

凄まじい爆轟と共にガラスが外に飛び散り、固定化を掛けられた壁が
爆圧エネルギーを閉じ込め、結果として中に居る生き物は文字通り
ぺしゃんこに潰されたのである

しかし、クイーンは地下の浴槽に居たため
傷つきながらも生きていた

「・・・もしあいつが死んだのなら新しい使い魔は呼べないはず・・・」
「ちょ、まって、また同じやつを呼んだら元の木阿弥じゃない!」


ちょうど出張中であったオスマン校長が学院の参上に
失禁し、秘書のロングビルが倒壊した宝物庫の中身の惨状を見て
失禁したのであった。

そして強力なメイジに学院ごと固定化の魔法を掛け、
人の立ち入りを禁止したのだった。

公式記録によれば、召還により異世界からもたらされた強力な疫病に
より学院の生徒が集団死したことになっている・・・


ルイズが召還呪文を唱えている
「どこかにいる強くて・・・・略」
しかし呪文は失敗 クイーンは生きている bad end

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 15:09:36 ID:WaeX+rd7
>>532
一応基礎のある人間にしか教えてない。
一般人には魔法がつかえないレベルの講義しかしてないはず。

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 15:12:09 ID:8tPh0j4r
瀬川の人乙かつGJです、瀬川の初心さとシルフィの天真爛漫さが愛いw
そういえばこの話のルイズも使い魔と喧嘩にならんクチだなァ…………。
原作と乖離しちまってても、
理知的だったり冷静(?)だったりした為に使い魔と穏便な付き合いをするルイズは大好きだ。

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 15:25:26 ID:aGnLZuv3
>>539
怪獣大決戦になりかねない作品なら既にある件。
しかしどうオチつけるんだろうか。

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 15:36:54 ID:tDQ2JhUf
エイリアンも既にあるな

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 15:47:18 ID:T7RJvC8u
小ネタのゼロの使い魔竜を読んで、最後の最後でオレンジジュース吹いた

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 15:49:53 ID:bucgl+1H
魔砲>>そう言えば、リミット3リリースのSLBをノーリスクでブッ放したんですっけ、こっちのなのはさん
そりゃ反則だわww
間違いなく、最強

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 15:53:22 ID:tWR+Oi/F
>>566
個人的にはその後どうなったか凄く気になるんだ
ルイズが正気を取り戻さなきゃバッドエンド確定だし……

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 16:06:05 ID:ZONemopG
>>568
あれ以上を語るのは無粋というものだろw

時に、その使い魔竜が投下されたのってpartいくつくらいだったっけ?
投下後の住人の反応も含めて読みたくなってきた。

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 16:52:09 ID:8+uHnwY5
>>569
どのスレかは忘れたがスレの最後の方、次スレに行く直前だったから過去スレの最後辺りを
見ればいいよ。

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 17:03:17 ID:tWR+Oi/F
調べてみたらPart.135の最後だな
改めて読んでみると、ハルケギニア\(^o^)/オワタとしか思えんw
Part.136のICBM召喚もダークでいい味出してる

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 17:24:31 ID:4h83ltt8
>>570-571
多謝!!
つか、自分で調べるのを不精して軽い気持ちで聞いたのに、
571の人の手を煩わせたようで非常に申し訳ない。

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 17:35:19 ID:tWR+Oi/F
まあ自分も読んでみたくなったんで探したんだから、あまり気にしなくていいよ
ついでにPart.142の『待つのと待たせるのとどちらが辛いね』も読み返してみたが、何度読んでも吹くw

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 17:41:42 ID:sT8E0g0B
瀬川の人GJ! こういうオリジナルの展開も入って余計好きになりました。
やっぱりいいですねえ、ファンタジーしながら暖かいキャラたちがわいわいやってるのは。
しかしほかのキャラと違ってきゅいきゅいだけやたら描写が細かいwもしかしてきゅいきゅいヒロインとかw


チラ裏
シルフィードに焦点当たったSSなんてどれだけ久しぶりだろう……もっときゅいきゅいは活躍していい子なのに。


575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:06:13 ID:0MrLjhaU
>>572
確かにwikiで面白い子ネタを読んで
当時の反応が気になることは多々あるよね

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:16:40 ID:QdvLbHHU
>>522
あの世界には、「異世界の魔王」の力を借りる魔術(と言うか魔力増強呪文)があるから、何とかなるんじゃね?

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:27:24 ID:aakzIFwG
ルアゴイフが召喚されるやつは続き読んでみたかった

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:30:38 ID:MTJ5TUxX
クロノトリガーのラヴォスとか当たりじゃね?
ハルケギニアじゃ誰も勝てないでしょ?

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:36:52 ID:Vze1KSeZ
ルイズは言うことを聞かせることが出来るのか?
出来ないなら大ハズレだろ

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:36:52 ID:+6IYnwfL
>>578
よくあるハルケギニア終了のお知らせ物にしかなりえないけどな。
つーかそれ以外話の作り様が無い。

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:38:02 ID:2VCwlmCP
クロノトリガーならあの人を呼ぼう。
ゴーレム使い、ダルトンさんを。

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:44:49 ID:XENEWenf
>>578
古代編その2になるぞ。サラ母みたいに狂うが、サラ母と違って元から
世界消滅させかねない魔法の使い手だから原作より性質が悪い。

>>581
異次元を彷徨っていたら鏡を見つけて入ってみたらハルケギニアなわけですね。
杖を持たずに喋るゴーレム召喚するとか先住魔法の使い手として恐れられるに
違いない。

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:58:54 ID:Uk8R65k7
スペッキオならルイズと共に成長していくわけだな

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 18:59:07 ID:XoCL3gVn
どうせならゴンザレス呼ぼうぜ!

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:00:33 ID:tka3gVyt
>>581
最後におならぷーのダルトンさん。

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:03:42 ID:6RRwjFeD
そう言えば、ゼロ魔世界の東方を意味するロバ・アル・カリイエの語源ってクトゥルフのロバ・エル・ハリイェーなのか?
なんかもう想像するだけでいろいろと危くないか・・・・

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:15:47 ID:usst0lnU
そう言えばジョゼフが言ってるミューズってミョズニトニルンの略称でいいのか?

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:16:36 ID:L0MHn0KO
どこかでルブ・アル・ハリ大砂漠と超次元的につながってたりして。カダスとかンカイみたいに。

……そりゃクトゥグァも召喚されるわ。

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:24:39 ID:tlYPDL2T
>>587
ミューズといえば芸術の女神だけど、ハルケギニアじゃ関係ないし
うーん…わからん

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:26:02 ID:EbZwiK/9
>>589
そこでオレンジがかった薬用石けんですよ

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:27:55 ID:uB3IhkHB
>>586
語感が特殊過ぎるし、おそらくその通りだろうな。誰ぞ放浪してるのかねえ。

>>588
ルブ以下略ってロバ以下略と同じにRub' al khaliのことだろ?

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:31:32 ID:i6ZDdNvJ
鬼械神召喚すれば勝てるよ!

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:36:16 ID:LgXoWZog
650レスまでくらいに半年以上放置せざるを得なかった作品投下できそうです
……1話目からやった方がいいかね?

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:37:13 ID:L0MHn0KO
>>587
たんに『マジックアイテムを使いこなす』という能力や『神の頭脳』ということを
芸能神の多才さに例えただけかも。

>>591
ルブ(ryはロバ(ryの現代名らしいっす。

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:37:14 ID:usst0lnU
まとめにあるなら1話から落とす必要は無いと思うよ
でもタイトルと元ネタを言ってくれないと困るぜ

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:40:16 ID:XF7rN/to
まずタイトルおしえてくれない?

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:44:26 ID:LgXoWZog
>>596 元ネタはGBA用ゲームのサモンナイトの異色シリーズのクラフトソード1
タイトルは『虚無の鍛聖』です

1話書いたは良いけどその後ずっと仕事がね……2話目は出来てるけどどうしようかなーと
ギーシュが出てくるのが3話、決闘が4話あたりになりそうなので投下していいものかどうか 

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:50:31 ID:uhKmMSsu
ガンダールヴの元ネタのガンダルヴァって
どっちかと言えばヴィンダールヴっぽいよな。

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:51:19 ID:uhKmMSsu
ガンダールヴの元ネタのガンダルヴァって
どっちかと言えばヴィンダールヴっぽいよな。

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:52:26 ID:4HMmbR4i
>>593
気にしないでそのままGo!
1年かそこら放置も珍しくないから。

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:58:33 ID:0q1CSqep
>>598-599
なぜ2回言うの!
なぜ2回言うの!

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 19:59:05 ID:Mn+JI7O8
モビルスーツがあまりないというかネタにしづらいので、おヒゲの奴とロランを召喚、と妄想してみたが
絵的に元とあんまり変わんないと気付いた
難しいなぁ・・・

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:03:52 ID:/PAMaN3b
トリガーの話出てタネ・・・

クロスのことも忘れないでね・・・・・・

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:04:46 ID:GATd/8Hr
ロバ・アル・カリイエ(ロバ・エル・ハリイェー)ってのは実在の地名で、別にクトゥルフ神話とは関係ないが。

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:10:51 ID:LgXoWZog
誤字修正した後、8時半ごろには2話投下するつもりです
3話目は明日の夜明けまでには書き上げて見せます!!…出来なかったらごめんなさい

>>602
生き物ならいいというのなら色々あるのでは?
正義の味方ばかりもアレだから仮面ライダーの死神博士連れてくるのとか

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:13:11 ID:k3jKIykg
>>598
ガンダールヴは北欧神話の小人。
ガンダルヴァはヒンドゥー教の神。

関係ないと思うが。

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:25:18 ID:L0MHn0KO
>>605
死神博士なんか召喚したら、治療の名目でカトレアが改造されるんじゃないか?

608 :虚無の鍛聖  あらすじ?:2008/08/02(土) 20:30:27 ID:LgXoWZog
リィンバウムにある人工の海上都市ワイスタァンの最高評議会の1人である黒鉄の鍛聖クリュウ
彼はかつての父親と同じく世界を巡る旅に出ていました。護衛獣であるサプレスの妖姫シュガレットと一緒に。
そんな旅のある日の事、不思議なゲートを潜ってみるとその向こうは月が2つある、5つ以外の異世界でした

そして出会ったピンクの髪の女の子。

これは成長した鍛冶師の青年と、大きな力を秘めた少女の大きな、でも有り得なかったはずの冒険のお話です。


半年振りに再開します。

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:33:38 ID:sDU3NHiy
                                     ¶       ∧彡
                                    ( `Д)  彡 ・ \
返してよぅ                             /丑/つヽ,)彡  人.ヽ.)
 ̄∨ ̄ ̄ ̄                            //丑/(三"'''--/'''" ̄
  ∧_∧                           =≡=( (**)─┘   ヽ
 ( ´Д⊂ヽ                        /   /  ⊇       )
⊂    ノ                       /    / ノ ノ ̄丶  ソ \
  人  Y                       /   /// /    \ ヽ\ .\
 し (_)                 [こくまろ]    《_/ 《_/      ヽ/ラ丶/ラ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ''';;';;;;;,., ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  
シチュー引き回しの刑

610 :虚無の鍛聖  第2夜 出会いはピンクと双子の月(後編) クリュウ:2008/08/02(土) 20:34:10 ID:LgXoWZog
ぎんっ、ぎんっ、ぎんっ、ぎんっ、ぎんっ、ぎんっ、ぎんっ、ぎんっ、ぎんっ…!!

振り下ろす度に赤い火花が咲いて散っては消えていく。たった一瞬の、でもそれ無しには得られないモノの為に存在する欠片。
小さな頃から見続けてきた。父さんがハンマーを振るう姿も、親方や友人達が熱い鉄を見る間にすごい作品に仕上げて行くのも。
ボク自身もずっと見続けてきた、そしてこれからも見ていくだろう光景を。ただ無心に金属と向き合う為に。
ただ力任せに打つんじゃ駄目なんだ。それはタダの物にしかならない。ボクらが作るものは道具なんだ。人が使う為の特別なものだから。

「クリュウ様、そろそろ…」
「うん、あと4回。…よし、これでいいかな。あとは冷ませば完成だね」
「滑車ですし、研磨もしなくちゃダメですよクリュウ様。それにしても……ちょっと不便ですね、使えるのが井戸水だけというのも」
「川がかなり遠い場所にあるから仕方ありませんよ。何でも、ここは魔法を学ぶのに国でもっとも良い土地だとか。お茶持ってきたんですけどどうですか?」
「何かを封じ込める為、とかじゃないですよね?…はぁ…ノドが元に戻ったぁ…ありがと、シエスタ」
「そうそうそんな場所はあるものじゃありませんよクリュウ様。私も頂きます。…ふぅ、やっぱり働いた後のお茶は美味しいですね」
こっちのお茶は発酵させちゃってからの葉を使うからなんか酸っぱい匂いで味も渋いけど、それでも美味しかった。
シルターンやハヤトさんの元の世界の住んでた国ではお茶の葉は発酵させずに蒸したり、乾かしたものを使ってお茶を作るらしい。
ボク自身もそっちをお茶だと思って育ってきたから未だにちょっと慣れない。苦くて後味の甘いお茶、飲みたいなぁ…砂糖菓子と一緒に飲めたら最高なんだけど。
そういえば、こっちの料理ってどんな物なんだろう。カレーはあるのかな?

「マルトー、彼はどこに……おお、ここにいたかクリュウ君。お取り込み中だったかね?」
「いえ、今ちょうど終わりました…ただの応急処置ですけど。わざわざボクなんかの為に来て頂いて光栄です」
「…行きましょう。オールド・オスマンも待っていらっしゃいます」
「はい。シエスタ、その滑車は明日の朝まで冷やさないと使えないって伝えておいてくれるかな。それじゃ、また後で」


カツン、カツン…と鳴るかなーとか思ってたけど、この廊下は走っても黙ってる。魔法がかかってる様子は無いみたいだから建材の関係かな。
柔らかい石、堆積岩か、急激に冷えて出来た火成岩、軽石の類かな?魔法で強化してあるにしては風化もしてる。

「君は貴族が嫌いらしいですな。分からないではありませんが、ここ(の世界)で言うのは控えたほうがよろしいですぞ、クリュウ君」
「……良ければ、聞かせてもらえませんか?コルベールさんが他の貴族と違う理由を」
「!……まだ話す気になれませんな。私は君を信用したわけではありませんぞ。ただ、貴族が君の信用に足らない者だけでない事を知ってもらいたいですな」
「それとこの学園の代表の人と会う事の関係はあるんですか?…監視までされながら」
「それも向こうの方が話してくれると思いますよ、クリュウ様」
「全部お見通しというわけですか。まったくもって…」

(かんかんっ)
「コルベールです。件の少年と精霊の少女をお連れしました」
「うむ、入りなさい。…それから、武器は置いて来るように言ってくれんかね。何か起こされると怖いのでな」
「断るってボクが言ったらどうします?この言葉は嫌いなんですけど…そっちが魔法を使えるのにこっちには武器を持つな、なんて不公平です。
もし無理矢理にでもと言うならこの話は無かった事にさせてもらいます。魔法を一切使わないという保障は一体誰がしてくれるんですか?」
「よいじゃろう。ミスタ、我々も杖から手を離そう。始祖ブリミルの名に於いて誓う、一切魔法は使わんよ。…入って来てはくれんかね」
「しかし……」
「神様か誰か知りませんけど、自分に誓えない、ここにいない人に誓えない様な人達とじゃ話になりませんよ」


611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:36:37 ID:6RRwjFeD
支援

612 :虚無の鍛聖  第2夜 出会いはピンクと双子の月(後編) ルイズ:2008/08/02(土) 20:37:01 ID:LgXoWZog
(…ざけて…ふざけてんじゃないわよ!!)
声が聞こえた途端に冷めていた頭が一気に沸点を通り越した。鍛冶屋らしく熱いものが得意(しかも無自覚)な人間だとまだ私は知らなかったから。
つかつかつかっ!!とそれでも歩き方は崩さずに詰め寄って睨みつけた。

「何様よアンタ!!偉大な始祖ブリミルにまで誓われてそれに従わないなんてそれでも人間なの!?エルフの回し者じゃないでしょうね?」
「ボク達にとって神って実際にサプレスにいる存在だし従うとか誓うとか分からないよそんなの。エルフ達は善良な民族らしいよ?回し者って何なのさ」

この場にミスタ・コルベールがいなければ私は目の前のキョトンとしながら怪訝な表情の―――随分器用だ―――彼を蹴り飛ばしていたに違い無い。

「ルイズさん、落ち着いてください。クリュウさまや私がいた世界はそういうものなんです。こっちの世界の事は常識ではないので…」
「凶悪なエルフが善良ですって?神が実際にいるなんて見た事もないクセに!!」
「実際あったよね?パリスタパリスも炎氷で一対の精霊だけど確かそれくらいのはずだったから。他にも召喚されてたのを見たよね」
「サプレスにいた頃は毎日、年月の概念は薄いので頻繁にという事になりますがお会いしてました…キュハイラさん達も位としてはそのレベルです」
「エルフ達には会った事はないけど…それも思い込み激しすぎるんじゃないかな。何か証拠でもあるの?」

あくまでマイペースで『絶対者なんていない』みたいな顔をして『何を言ってるんだこの相手は』というスタンスを崩さない。
それを無礼だとか思っていない。相手が誰であったとしても自分を変えない。王でさえ相手によって態度をころころ変えるというのに。
ギーシュみたいなマイペース極まりない―――ある意味では凄いと思う――人間でさえ上の立場に従い言葉遣いさえ変えるのに。
コイツ以上の異端はそれこそこの世界にはエルフ程度だと思う。革命起こそうと考える平民や貴族とは方向性が違いすぎる。
根っこからして全部違う。異世界なんて何の冗談かとか思っていたけれどいよいよ笑えるどころか背筋が寒くなってきた。
こいつらは何なのか、推察してみようなんて欠片でも考えた私のバカさ加減に腹が立つほどに。

「…話し合うかはともかく、入ってくれんかね。元々秘密裏に話すためにここに来てもらったのだからの」
「………。分かりました、学長さん」
「心配なさらないでください。クリュウ様には私がついてますから」

ミスタ・コルベールが先にドアを開けて入り、その後に精霊、その後に私、最後に彼がゆっくりと入って音も無く閉めた。
部屋の中には明るさが満ちていて、部屋の隅に置かれた魔力の光が眩しくない程度に、私達の影を伸ばす事無く仕事をしている。
オールド・オスマンは私達をひとしきり見回すと、どうしたものかという表情で紫煙をひと吹きした。

「クリュウ、だったかね?君が異世界から来た事はわしも確認しておるよ。じゃからこの世界の事も知らんのは仕方ないじゃろうな。
しかし…場があまりにも悪かったのでは無いかね。如何にこの場にいるのが子供であるとはいえ、いや、だからこそ止まれない事を知っておるはずじゃ」
「つまり何なんですか?何を言いたいんですか」
「分かっておるのではないのかね、貴族がどんな生き物であるのか。適当にやり過ごせばいいではないのかね?…これでも回りくどいのぅ。
ざっくばらんに言わせてもらおう。本当に君達はサモン・サーヴァントという魔法を知らないのかね?分からぬ事が多過ぎてワシも全てを聞く気になれぬが…
本来、召喚用のゲートは召喚されるものしか通過できぬ仕組みになっておるのじゃよ。そこにおったとしても通る事は叶わぬ」
「つまりボク達を疑ってるんですよね、どこかから侵略しに来たんじゃないかって。そうじゃなくても、変だと思ってるんですよね」
「……ふむ。君には回りくどい言い方でも隠す事は無駄じゃな。その通りじゃよ。悪い人間には見えん。じゃが、信用ならぬのが本音と言えよう」

ミスタ・コルベールの顔から真剣な意味での冷や汗が流れるのを見たのは初めて―――というか昼間は見えないし、あまり話した事も無いけど。
私の方はと言えば、卒倒寸前だった。シュガレットの笑顔が流石に引き攣っていたのに妙な親近感を覚えた。



613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:37:34 ID:0X9UDXOQ
支援


614 :虚無の鍛聖  第2夜 出会いはピンクと双子の月(後編) クリュウ:2008/08/02(土) 20:39:41 ID:LgXoWZog
「ミスタ、呆れさせてしまっている所を悪いが本題に入ろうと思う。帰ってきたまえ」
「私は最初からここにいます。…ミス・ヴァリエールの件についての事でよろしいですね?」
「うむ。クリュウ君、他の全てをあえて忘れるとして、改めて言う。その少女の使い魔になってくれる気は無いかね」
「無いです」
「ま…そうじゃろうな。この世界で魔法を使えない存在が低く見られておる以上は普通の平民として生きていった方が余程マシになろう」
「召喚された以上従えとか言うのは無しですよ?」
「分かっておるよ、君を無理矢理引き止めるよりは行かせたほうが双方にとって害が最小限で済むという事くらいはのぅ。そうしたいのじゃが…
それではヴァリエール家とミス・ヴァリエール、生徒達に対して示しがつかん。貴族にとってメンツを潰される事は怖い事じゃからな。
条件をこちらがいくらか飲むという事で、彼女が卒業するまでの使い魔役を引き受けてはくれんかね。その後も君達に協力もしよう」
「こっちが断ったらどうしますか?条件も何も要らないからとっとと開放してください、って言うのが普通かもしれませんよ」

というより、そうしたいのが本音かな。ここにいたって何か得られるわけじゃない。むしろ色々やりにくくて仕方無い。…うん、普通だよね。

「ストレートじゃのぅ」
「嘘をつくのも吐かれるのも苦手ですから。話にならない冗談や例え話なら構わないですけど今回はボクらにとって大事です。そこまで言う理由は?」
「まあ大っぴらに言えば彼女の家の影響力の大きさが相当な物である事が言えようが、もう1つあるのう。彼女もまたワシらの教え子だからじゃよ。
君に迷惑をかけてしまう事よりもそちらをどうにかしたいと思っとる。使い魔は本来一生仕えるのが常じゃが…卒業したらまた他を呼べば良いからの」
「解りました。それじゃ、これは商業的契約の取引きとしてもいいですよね。鍛冶屋であって、傭兵や兵士じゃないですけど商売人ですから」
ここが、ボクにとって歩み寄れるギリギリの線だ。

す、と、音もなくシュガレットが歩み出る。歩み出るという言葉を使うべきかは分かんないけど。

「もう一つよろしいでしょうか。相手が誰であれ命を奪う事をさせるというのなら容赦無くこちらから契約は破棄させて頂けないと困ります。
私達は確かに武器を作ってそれを人々に売る事で暮らしてきました。…ですがその武器を私達が作るのは戦争の為でも殺戮の為でもありません。
遠い昔に、私達の世界をも含めた5つの世界でも戦争が起こりました。
その時に多くの精霊や異世界の存在が人々を脅かし、人々は戦う為の武器を作り出しました。
ですが、それは自分達の野心の為でも殺戮の為でもなく、大切なものを守る為の物として生み出された物です。
その為の武器を作る為に私達がいます。武器は間違い無く他者を傷付け、命さえも奪う物です。それは否定しません。
私達の作った武器が誰かの命を奪ったかもしれません…だからと言って武器が生み出されたその理由を私達が否定する事は許されません。
私達は武器を生み出した人々の誇りを受け継いでいます。
そこがどこであれ、どの様な状況であれ、どの立場であれ私達が鍛冶師であるという事に変わりはありません。理解していただけますか?」

シュガレットがこういうサポートをしてくれるから、ボクはきっとここまでこれたんだろうと改めて思う。
この世界では精霊はあまり一般的ではなくて、貴族や王族であっても敬意を払われる存在であるというのも幸運だったかも。

彼女の以前よりも伸びた銀色の髪が彼女の動きに合わせてふわりと揺れ動くのを見て、今更ながらに綺麗だな……と感じられた。

「ミス・ヴァリエール、言いたい事があるのなら言いなさい。先ほどからそのように頭を真っ赤にさせたままでは煮えてしまいそうじゃからの」
「…こんな屈辱を受け入れろと仰るんですか?」
「ワシとしては彼ら以外に解決策は思い浮かばんがのぅ。それとも、いるはずの使い魔を探しに旅にでも出るかね?あてもなく。
使い魔は下僕でも奴隷でもなく契約した魔道士の友となるべき存在じゃよ。奴隷や下僕ならゴーレムでも作ればよい。奴隷が欲しいかね?」

「要するに自慢できる使い魔で自分の言う事を聞いてくれる子が欲しいって事ですか。酷い侮辱ですね」
「シュガレット。後はそっち次第でいいです。お互い事情が分かっていないのに今決めても仕方ないですからその辺りは状況に応じてお願いしていいですか?」


615 :sage:2008/08/02(土) 20:43:28 ID:vtJ7FkES
支援

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:44:10 ID:ClMpva+2
しえん

617 :虚無の鍛聖  第2夜 出会いはピンクと双子の月(後編) クリュウ:2008/08/02(土) 20:44:18 ID:LgXoWZog
「……あんた達には私を納得させられるだけの技能があるっていうの?」
「学園長さん、ボクは貴方が相手でも構わないです。誰が相手でも構いませんよ?満足できるものを作って見せますし、どんな相手にだって勝ってみせます」
「クリュウ様!!」
「彼女が納得してくれない事にはどうしようも無いのが現状ですよね?何でも構いません。彼女が納得できるだけの相手を用意してもらえますか」
「じゃあワイバーンだろうとドラゴンだろうと打ち倒して見せてくれるのね?スクウェアクラスのメイジでもいいって言うの?」

答えなんて決まってる。けどドラゴン100頭とか来られたら流石に死んじゃうかも…。ていうかドラゴンってシルターンの?サプレスの?どっちにしてもキツそう。

「―――――――何人だって構わない。騎士団を連れてきてくれたって勝ってみせるよ。それで納得してくれるならそれでいい」
だけどそこで引き下がるわけにはいかない。最初から後ろが無いこの世界ではどの道後ろなんて無いんだから好都合だ。
ボクが、鍛聖がその程度でいい筈無いんだから。……いつの間にか、自分で自分の事を鍛聖って言うようになってる。気をつけなきゃ。

「いいでしょう。オールド・オスマン、私はこの条件、飲ませていただきます。…明日、学院の食堂に張り紙を出して決闘相手を探し出して……
このバカを脳天から尻尾の先まで叩きのめす相手を選び出して完全に根本から叩き直してやります!!それでは失礼します!!」

バンッ!!!!と叩きつける様にドアを開け放ってずかずかという擬音ピッタリに出て行った。…なんて分かりやすい子だろう。
サナレやヴァリラも似たようなものかな。素直じゃなくてプライド高くて自信が…………あ。そっか、そういう事なんだ。
彼女の場合、その自信や実力が無いんだ。高慢でも不遜でもなくて、ただの見栄っ張りな空っぽの意地。それ以外の物を見ていない。それ以外だってあるはずなのに。
ただの推測でしかないけど、多分当たってるんじゃないかな。そうじゃなかったら、あんな―――――――――――――泣きそうな眼にはならない。

「良かったのかね?貴族と争う事になってしまったが」
「何度か経験があるので大丈夫ですよ。後は明日次第でしょうね。ボクはこれで失礼させてもらいますコルベールさん。失礼します、学園長」
「・・・クリュウ様、私は少しお2人にお話が。庭で待っていて頂けますか?」
「うん」

なんだろう。以前にもそういう事はあったんだけど、シュガレットはごく偶にこうやってボクを遠ざけようとする。
この時の彼女は決して引き下がってはくれない。そんな時の母さんと同じ目なんだって事、シュガレットは気付いてるのかな?

誰もいない廊下を自分1人分の影が傾いだり分裂しながら青い光の下を歩いて行く。月の光の色はこの世界でも変わらないんだな。
ハヤトさんもきっとこんな、もっとどうしようもない気持ちでリィンバウムに来た日を過ごしたんだろうな。言葉が通じてもそれ以外は全然分からない何もかも違う世界。
それを思えば、ボクの場合は遠くの召喚術の無い別の遠い国に来たと思えば何とかなる。何せ、誓約者(リンカー)がボクの事を知ってくれているんだから。
……………それって、何年後?早くて5年くらいだよね。シュガレットはサプレスと行き来出来るだろうから、それを応用して何とか知らせる事は出来るけど、そこまでだ。

廊下が途切れて、草が刈って整えられた庭へと続く入口。
そこには、蒼い竜がいた。この学園に飼われているのか個人の騎竜なのか、それともただ単にここで翼を休めているだけの通りすがりかは分からないけど、そこにいた。


618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:45:14 ID:p8tHeFeM
疎遠

619 :虚無の鍛聖  第2夜 出会いはピンクと双子の月(後編) クリュウ:2008/08/02(土) 20:48:36 ID:LgXoWZog
「きゅい」(こんばんはなのね)
「え、ええと、こんばんは」
やたら大きかった。地下迷宮に住んでるドラゴンの倍以上は余裕であると思う。翼の大きさからして、あまり地面を歩かずに飛ぶことを生活の移動手段にする種類かな?
眼は優しい柔らかい視線だから、多分大丈夫。……いざ襲われたら手加減できないだろうから、それはなるべくなら避けたい。
じー、と見つめてくる視線は、疑念というよりはむしろ好奇心の様な雰囲気。……どうか「どんな味かな」とかじゃありませんように。

「きゅい。きゅい」(こっちこっち!)

何か呼んでるので近づいてみる。どことなくしなやかな感じを受けるけど女の子かどうかは分からない。シュガレットなら分かるだろうけど、ボク人間だし。
水の入っていないバケツのつるを咥えるとボクの前に突き出す。どこか困っているような目…の様に見える。何となくだから当たっているかは分からないけどね。

「水を入れればいいんだろうけど、水を入れるとしたら井戸…って、ああ、そうか。洗濯物ならまだしも、飲み水は美味しい物が飲みたいって事か」
「きゅい」(正解!)
「うん、任せて。井戸の場所なら知ってるから、待っててくれるかな」

昼間に井戸の水を使ったのも、そこの水が鉄を冷やす為に使えるくらいに冷たくて綺麗だったから。……竜だから生水で冷たくても大丈夫かな?
ガッシャガッシャと上下させるポンプ式では無くて、本当に水の溜まっている所まで滑車を回す古いタイプ。ひょっとして、ここではまだ作られてないのかな?
蒸気機関も無いなんて、それこそリィンバウムでも田舎の村くらいのものだけどこっちではそうでもないらしい。
大変だよね。お風呂の習慣も無いみたいだし、汗のついた身体のまま着替えをしなきゃならないのかな?
「お待たせ。さっきのバケツ壊れてたから新しいので………持…」
「―――――――――――おかえりなさいませくりゅうさま」
「きゅい」(おかえりなさーい)
「………」

――――――――――――竜が助けを求める目を出来る事を始めて知りました。笑顔がブチ切れた時の顔よりも怖いと知りました。人間よりも竜を身近に感じました。
「あー…その、ボクはそのコの為に」
「ええ、それは分かってます。…ですが何故そのコと一緒に先ほどの女性がいらっしゃるんですか?」(にこにこ)
「知らないってば。本当に知りませんホントに!!」
「……それは本当。………シルフィードが迷惑かけて悪かった」
「いいよ、ボクが自分からやろうと思った事だから。シルフィードっていうんだ。…タバサ、だったよね。シルフィードに水あげてもいいかな」
「クリュウ様は種族を問わずに女性に優しいんですね。そして知り合った女性の前でまた新しく女性に声をかけてしまうんですよね優しい方ですから♪」(にこにこ)
「……きゅい」(う…ここは一旦退却するべしなの)
あ、逃げようとしてる。女の子だったのか。

「シルフィード、はいお水」
「きゅい♪」(あ、お水!!)
「……………」
「……………………」
「別に誰かだから優しくするとか、そんなつもりは無いんだけどな。シュガレット、先生達と何話してたの?」
「『武器と相手はこちらで指定する。明日の正午に今日2人が現れた場所に』だそうです。そのついでにルイズさんの決めた相手とも決闘しろと」
「武器は向こうの指定かぁ。疑いたくないけど、保険くらいはかけるだろうね。魔法の鎖や蔦でボク達を拘束するくらいは」
というか、ルイズさんが何もしないとは思えない。あの後1人だけ歩いて帰ったのが気になってたし。

「そうですね。悪い方々ではなさそうですが、それでも私達は異端な存在には違いありません。私も警戒はしておきますクリュウ様」
「………………………もいい」
「「えっ?」」
「……試合前に出来るなら解呪してあげてもいい」
「きゅい?」(お姉様?)

「そのかわり私に協力してほしい」
表情は硬いままだけど、目には強い力がこもってた。

「人殺しや悪い事は出来ないよ?」
「………………その時になったら言う。そちらでするかどうか決めてくれていい」

振り向きもせずに立ち去って行った彼女の背中がその小さな身長よりも小さく見えたのは気のせいだったのかな?


620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:53:36 ID:p8tHeFeM
疎遠

621 :虚無の鍛聖:2008/08/02(土) 20:54:07 ID:LgXoWZog
2話はこれで終了です。知らない人は多いかもですが、いいですよね?
それではまた。

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 20:59:03 ID:9Pb6HPlj
半年ぶりでも再会する心意気よし!
でも出来ればあらすじ云々の前にwikiの該当ページがあれば直接リンクで飛んですぐに確認できるからいいと思ったぞ!

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:02:16 ID:sUyqIwxg
その意気や良し。

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:16:32 ID:fbhTHT67
激しく乙です
良作をまた一つ見落としていたとは・・・今後も支援

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:34:08 ID:B6IouqXG
21:40に小ネタ投下してもおK?

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:38:40 ID:Vze1KSeZ
クロス先は?

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:42:27 ID:B6IouqXG
一年ぶりくらいのグドグドな小ネタを投下
お嫌いな方はスルーをよろしくお願いします

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:43:17 ID:B6IouqXG
前回までのあらすじ

平和な世界に突如現れた魔王SIMEKIRIは世界を暗黒(ごく一部の人間的に)へと変えてしまった。
暗黒へと変わってしまった世界に人々(ごく一部の人間)は恐れ逃げ惑いそして、全てに絶望してしまった。
魔王を倒す為、次々と勇者達が魔王へと戦いに挑むがその悉くが返り討ちにされ、人々(ごく一部の人間)は
魔王を倒すことを諦めていた。
そんな人々(ごく一部の人間)の前に希望の光が差し込まれる。
魔王を倒す為現れた勇者シバタとその従者オザワは次々と現れる魔王の手先(ヒゲ)を打ち倒し
ついに魔王を追い詰めるが、魔王を唯一倒す事の出来る法具GENKOUを持っていなかった勇者シバタは
逆に魔王に追い詰められてしまう。
もうだめか・・・そう思った時、二人の前に光り輝く鏡が現れその鏡に二人は吸い込まれてしまう。
その後、魔王の前から姿を消した二人の行方は誰も知らなかった。
だが人々(ごく一部の人間)は諦めなかった。
何時の日か必ずあの勇者達が帰ってくると信じて、今も魔王に人々(ごく一部の人間)は抵抗を続ける。

鏡を通り抜けた先、異世界ハルケギニアの地にも暗黒へと変わる兆しが現れていた。
その事にいち早く気が付いた一人の少女が希望の祈りを込めて勇者を召喚する。
召喚された勇者にこの世界の少女は託す(訳 いいからさっさと私の奴隷になりなさい)
少女の願いを聞きその願いを叶える為、そして元の世界へ帰る為、少女に貰った旅の資金(どうみても窃盗です
本当にry)を手にハルケギニアの世界へ勇者シバタと従者オザワは旅立って行ったのでした。

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:44:00 ID:B6IouqXG
ティファニアのドッキンばぐばぐアニマル

鏡を通り抜けた先は・・・巨乳っ娘でした。

「あの・・・その・・・」

突然現れたナマモノ二匹にオドオドする巨乳っ娘。

「おやおや、ツンデレロリッ娘の次は幸薄そーな巨乳エルフッ娘かい?」
「アキバ系にはたまらない展開だね」
「ッ!・・・あの・・・エルフが怖くないんですか?」

黄色い方のナマモノが言った言葉にビクッとする巨乳っ娘。
恐る恐る尋ねると二人のナマモノから答えが返ってくる。

「エルフには肉じゃがを持っていくほどの仲です」
「あんたどんだけ恥を掻きゃあ気が済むんだよ」

言ってる意味は分からないがとりあえず悪い人?では無いと判断して安心する巨乳っ娘。

「あの、私ティファニアって言います。貴方方はどなたですか?」
「人生に引き篭もりたい漫画家です」
「ネオポケの電源が入らないのが気になってしょうがないチップスオザワです」
「ところでここは何処なんだろーねぇ」
「帰れると思ったらまた違う所に来ちゃったみたいだね先生」
「あの、そのことなんですが・・・実は」
「「えー!」」
「ま、まだ何も言ってませんけど・・・」

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:44:44 ID:B6IouqXG
巨乳っ娘改めエルフ巨乳っ娘ティファニアから事情を聞いたナマモノ。

「これからどーするかねオザワ君」
「そーだね先生」
「それじゃあ私の家に来ませんか?こうなったのも私のせいですから」
「優しくされた・・・死のう」
「先生ッ、死ねって言ってんじゃないんだよッツ!好意だよ好意ッツ!」

近くの木で首を吊ろうとする黄色のナマモノとソレを止めようとする白いナマモノ。
ソレを見ていたティファニアは思った、これからこの二人とやっていけるんだろうかと。

「すいません、ボクら他人の親切に慣れてなくて」
「ぼ・・・募金してくれ・・・」
「・・・・・」

それから数日、ウエストウッド村に騒がしくも楽しい時が訪れた。
初めて子供達と対面した時。

「うわーなにこれ、ナマモノナマモノ」
「きもーい」
「「きしゃー!」」
「きゃー!」
「えーい、にんげんのくずー」
「じんせいのらくごしゃー」
「痛い痛い生まれてきてすいません」
「石痛、石痛」

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:45:15 ID:95G1vFYM
げえ、柴田!!
支援

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:45:20 ID:B6IouqXG
家計簿が赤い時。

「今月はピンチですね、どうしましょうか?」
「ティファニアや、これを売って美味いものでも食べなさい」
「全部盗品だけどね」
「返して来て下さい!」

それを乗り越えた時。

「なんとか今月は乗り越えられました」
「ティファニアや、お前は良くやった。さあ、森へ帰ろう」
「どこの森ですか!」

ティファニアが魔法を使った時。

「こいつから締め切りのことを忘れさせて下さい」
「こいつの存在自体を忘れさせて下さい」

本気の土下座を見せられた時はどうしようかと思ったが、そんな世間知らずだったティファニアも逞しく成長していった。
そんなある日のこと。

「どうしても今月はまずいですね・・・こうなったら」

ついにティファニアは禁断の呪文を唱えてしまう。

「姉さん・・・・・事件です」
「あんたたち!あたしの妹になにしてるんだい!」
「おやおや、おひさしぶりですサイレント・ヒルさん」
「ロングビルだよ!」
「ンとルしかあってねーじゃねーかよ」

バタンと扉を開けて入ってくるロングビル。

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:46:02 ID:B6IouqXG
「お帰りなさい姉さん。今月はピンチだからいつもより多めに下さいね?」
「え・・・?テファ・・・?」
「あんなに汚れなき子だったティファニアが成長したものじゃよ」
「人は変われるんだね先生」
「なんかいい話っぽく纏めるんじゃないよ!あんた達かい!テファをこんな子にしたのは!」

そう言ってナマモノ二匹を外に蹴り出し、ズモモモモーっとゴーレムを作って二匹に襲い掛かるロングビル改めマチルダさん。
そのままナマモノ二匹に襲い掛かろうとしたゴーレムが突如どっかーんと大爆発を起こした。

「みーつーけーたー!」

その言葉とともに何処からともなく現れたのはピンクのツンデレロリッ娘ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールだ。

「なになに?なんなんですか?」
「いったいなんなんだい!」
「やばいよ先生、見付かっちゃったよ」
「どーしようかねオザワ君?」

そんな周りを無視してルイズの独白は続く。

「新しく呼んだ使い魔は次々と他の女の子を落としまくるし、いったい何処のフラグ一級建築士よ!他のもまだまだあるけど・・・
 とにかく!あんた達は連れて帰るからね!」

そう言って杖を構えるルイズ。

「「にげろー!」」
「逃がすかー!」
「やめてー!子供達がー!」
「こっちにくるんじゃないよ!」

どっかーん!

爆発に巻き込まれるティファニア達だが、いつの間にか現れていた鏡に飛び込んでしまう。

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:46:12 ID:tWR+Oi/F
原稿書ける程度に切腹支援

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:47:05 ID:B6IouqXG
「あッ!待ちなさいよ!」

そう言って鏡に飛び込むルイズ。
すべてが終わった後には、いつもの平和なウエストウッド村が残されていた。

鏡を通り抜けた先は・・・

「誰だいあんた達!」
「・・・誰?」
「だれなのね?きゅいきゅい?」

ティファニアのドッキンばぐばぐアニマル おわり

次回予告

チャンカチャンカチャンチャン♪

「どーもォ(はーと)ティファニアでーす!」
「ルイズでーす!」
「バスト胸革命!でも周りは子供で意味ねー私とォ!」
「貧乳はステ−タス!偉い人には判らないので意味ねー私がお贈りする」
「「イザベラのドッキン「言わせねーよ!」(嘘)

以上投下終了です

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:48:38 ID:ZK1ZlkVW
乙〜って、ちょ、次回予告www我が家wwww

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:51:19 ID:Ld2fhK+4
ほんとうに ひどい ないよう だな!(ほめ言葉

正しい武士道は女子供も真っ二つ!

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:52:44 ID:tWR+Oi/F
>新しく呼んだ使い魔は次々と他の女の子を落としまくるし、いったい何処のフラグ一級建築士よ
やっぱり才人のことかいな?

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:54:07 ID:rmO9TS1k
鍛聖が帰ってきて喜んでたらナマモノに感動をぶちこわされたw
肉じゃが持ってったエルフはエロゲの会社じゃねえかw

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:54:29 ID:sUyqIwxg
柴田絵のルイズが脳裏に浮かんだわw

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 21:56:27 ID:bnf+tzsJ
>新しく呼んだ使い魔は次々と他の女の子を落としまくるし、
物理的な意味でだったら怖いな。

さておきGJ.。

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:14:55 ID:XCEJTmNL
>>641
>>新しく呼んだ使い魔は次々と他の女の子を落としまくるし、
>物理的な意味でだったら怖いな。
電王第1〜2話のバットイマジンかよ?

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:21:33 ID:aGnLZuv3
乙、理由はともかくなんやかやでウエストウッド村が平和で何より。

>>新しく呼んだ使い魔は次々と他の女の子を落としまくる(ry

ランスか本郷一刀が浮かぶ俺の頭オワタ。

644 :641:2008/08/02(土) 22:23:43 ID:bnf+tzsJ
>642
どちらかっつーと闘神都市2思い出して思いついたんだけどね。




電王見てないし。

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:25:04 ID:QPicB8px
追悼の意味でバカボンのパパ召喚を…

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:27:19 ID:+tH1v6ld
>新しく呼んだ使い魔は次々と他の女の子を落としまくるし、

チョークスリーパーするわけかそりゃ落ちる

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:27:55 ID:bnf+tzsJ
そっか、今日亡くなったんだね。赤塚先生。

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:29:56 ID:bnf+tzsJ
>646
次々といろんな女の子に裸締めかけまくる使い魔。

変質者だー!www

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:33:24 ID:z53RsmLr
ガリアでドキばぐ。
つまり「ひげ」が登場するのですね。

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:40:33 ID:6/jptqgu
>>644
あ、そうなんですか。こっちは逆に闘神都市やってないんで。
バットイマジンは人を捕まえて高空から落として殺してたので「物理的な意味で落としまくる」でつい脊髄反射を。

>>646,>>648
そういえば昔(前世紀前半)連続絞殺魔というのがいたらしい。
確か未解決だったかな?

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:41:39 ID:8JgEYJcw
電王って言ったら特命係長だろ…jk

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:47:38 ID:epQyEFNM
赤塚作品かあ…

>もーれつアルロット

妙に江戸っ子気質で幽霊になった親父と召喚したタバサくらいしか思いつかんな
従兄妹のデコっぱち姫を子分に…


653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:49:46 ID:T7RJvC8u
>>644
俺はあれ間違えて落として地獄行きになったなぁ

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:50:30 ID:95G1vFYM
む、とうとう亡くなられたか。合掌
長らく植物状態だったというからなあ・・・

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:50:33 ID:P+qbaCrk
提督の人はどうしたのだろうか


656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:55:40 ID:9Pb6HPlj
>>655
合掌

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 22:57:11 ID:LnZI0Y9v
>>655
俺と一緒に裸ネクタイで正座してひっそりと待とうぜ。

658 :一流SSリーダー瞬:2008/08/02(土) 23:00:41 ID:3B5YoFa/


>>628
0点 元ネタなんだよ

>>609
73点 自活できる能力があるならそりゃ奴隷なぞならんわなw

>>561
17点 落ちが弱い

>>547
0点 つまってて読みにくい。てかよっぽど内容が良くないと読む気がせん

>>470
50点 可もなく不可もなく。どっかで見た展開ばっかだな

>>459
18点 契約と同時に虚勢でもされたのか?もはや別人格だろこれ
次回タバサの腕か足を切り落とす・・・なんて展開にゃならんわなこのチンカス野郎じゃ

>>450
68点 ウォレヌスはもっとこすいと思うが

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:05:12 ID:pirf33/h
>658
ROM専に戻れ。

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:06:35 ID:9Pb6HPlj
>>659
専ブラのあぼーんくらい使え。

661 :カービィの人:2008/08/02(土) 23:10:10 ID:ir8KzCNI
えー・・・皆さん今晩は。
恥ずかしながら戻ってまいりました。
最終投下からもう1年は経っているので、ほとんどの方が初めましてかと思います。
今回は休載理由と次回の内容についてちょっとだけ予告するために書き込みさせていただきました。

まずは休載理由から。
連載時私はちょうど受験生でして、8月からAOが控えていました。
それが終わったら一旦更新しようかと考えていたのですが、AOに見事に落ちてしまい・・・
その後の入試でなんとか合格したのですが、一人暮らしや手続きなどなんだかんだでこの時期まで引き延ばしになってしまいました。
絵板などで再開を待ってくれていた方々には本当にすみません。
今は独り暮らしや大学生活にもようやく慣れてきたので、この夏を機に連載を再開しようと思います。
ですが、プロットの関係上一年前のような超高速投下はできないのでご了承ください。

それから次回の内容ですが、フーケ戦には行かずカービィの日常的な番外編になる予定です。
投下は今週中か来週のはじめになると思うので、気長に待ってくれると幸いです。

では、今回はこの辺で。
これからまた生暖かい目で見守ってやってください。

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:11:15 ID:2NlXreIP
特命係長読んだらキュルケとおマチさんが(ふん!ふん!ふん!

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:12:46 ID:QPicB8px
>>661
頑張れよ。


664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:13:34 ID:Uk8R65k7
>>661
私生活を崩してまで書くことは無いさ
だがよく戻ってきてくれたッッ

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:16:09 ID:8+uHnwY5
>>661
おお!お帰りなさい。
気長に待ってます。

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:26:38 ID:epQyEFNM
ルイズが六つ子というのはどうだろう?
ライズ、リイズ、ルイズ、レイズ、ロイズ…
六人とも虚無のメイジで六人とも別々の赤塚キャラを召喚したり
魔法詠唱時に独特のポーズを取るおガリア帰りの婚約者がいたり

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:27:59 ID:cGoNsdmf
>>666
六人目の名前がどんななのか激しく気になる訳だが

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:28:35 ID:bnf+tzsJ
ミーはおガリアがえりざーます。
シェーっ!

ですね、わかります。

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:31:34 ID:cNqfUBiR
>>661
ピンク色の悪魔に期待

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:32:21 ID:UhOrZDi3
>>661
私は君をいつまでも待っている

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:32:36 ID:11bnCa9E
乃木希介召喚

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:34:00 ID:8GAFsafs
赤塚先生死んだのか・・・

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:46:57 ID:8tlsfE88
PC立ち上げたら鍛聖の人キテターーー!!
アティ先生といいクラレットといいサモンナイト系は更新途絶が続いてたから本当に嬉しい。
いつまでも待ち続けるので頑張ってください!

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:52:43 ID:O352qbIS
もっと来てるかと思ったが案外テイルズ系少ないのな

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:56:08 ID:qEo8O5OL
ドキばく面白いなww
カービィまってるぜ

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:57:39 ID:+ay72EbW
>>673
わかった、書く

まさか読んでるヤツがいるとはおもわなんだ

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/02(土) 23:58:50 ID:9Pb6HPlj
>>676
百万回保存した。

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:00:00 ID:D4aEO9F/
「月は東に日は西に」から召喚を考えているのだが、梅子かーさんと米犬のどちらが面白い展開になるだろう……

「So what?」からライム呼んだらエルフ扱い間違いなし。じーちゃんよんでタバサ卒倒、位しか思いつかぬ。

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:02:15 ID:ieG5hsdK
>>676
やったあああ!!どの作品か気になりますが楽しみにしてます!

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:02:18 ID:+Wf2VTZX
>>678
>月は東に日は西に
養護教諭と古典教諭が時空転移装置の誤作動でハルケギニアに飛ばされて、
ルイズといっしょにプリン作る光景を思い浮かべてしまった

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:06:44 ID:D4aEO9F/
>>680
結「にじゅう○才ですよ」
ルイズ「ウソ!」

こうですか、わかりません。




……そっか、「月は東に日は西に」っつーと、普通こっちを思い出すのか……

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:06:48 ID:1OKaAtWl
>>678
>月は東に日は西に
西から昇ったお日様が〜に見えた。

すまねぇ、合掌するわ。

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:08:44 ID:+Wf2VTZX
>>681
先生!普通は与謝蕪村だと思います!

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:11:12 ID:D4aEO9F/
>>683

誰が先生やねんw
しかし、確かに一番知名度高い・・・・・・っつか元ネタやん!

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:11:38 ID:ZIumW4bd
世間的にはそっちだけど、ここの住人的には……!

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:23:51 ID:zELY4o9v
ふむ、俳人を召喚するのかね?
松尾芭蕉と河合曾良とか

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:26:04 ID:PXjIgLlF
俳人なら友蔵じいちゃんだろ

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:27:08 ID:/MKeDMIW
廃人とな

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:29:29 ID:gl+JHcsX
しのぶれど 築きしかばね(ry

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:29:53 ID:AxZqxSTE
>>688
カミーユ(TV版)がどうかしましたか?

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:38:23 ID:D4aEO9F/
いつでもHighな人種ですか?

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:38:52 ID:RlV8WVYU
>>689
月見し度に 涙流るる

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 00:52:04 ID:i5OMtAMi
風の歌 散り逝くものの 鎮魂歌

という事でゼノギアスからシタン召喚か?
先生なら剣も使えるしw

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 01:09:49 ID:eDlW0ABx
ジャガーよりハマー(浜渡浩満)を召喚

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 01:12:49 ID:ojNtCv0S
いえ、私は遠慮しておきます。

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 01:22:24 ID:L2yhQyuc
先生はチートすぎる
コッパゲの産業革命が100年単位で進歩するぞ
タルブに出てくるのヘイムダルかElフェンリルになるだろうし

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 01:28:36 ID:pGwoAaOA
Getbackersから銀次と蛮二人を召喚。

「ジャスト一分だ。…いい悪夢は、見れたかよ」
ウェールズ殺したと思っていたワルド。しかしそれは邪眼の見せた幻だった。
んでもってルイズに対する仕打ちに切れた銀次が雷帝化してワルドあぽーん。

……俺tueeeeeeeeeee展開以外には絶対ならんな、こいつら。(とくに蛮の性格からして……)

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 01:45:51 ID:lzMVM2JT
>>697
赤屍さんなんか7万相手でも普通に虐殺して帰ってくるだろうな

無理だよそいつら召喚させてまともな話にしようなんて

699 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 01:57:48 ID:isP0xXj+
>>655-657
 あの〜、どうしたと言われても困るというか何というか
 前回の投下から、二週間も経っていないのですが・・・
 もしやここの〆切は、どこかのヒゲな編集長より厳しいのでしょうか?


 とにもかくにも、次の話が書き上がったので投下しようと思います
 いつものように長く長くなりました。前中後編に分けますね


 ただ・・・これを最終話とするかどうかという点。
 自分としては、この第30話後編に全てが集約しているつもりです
 これ以降の話は、単なるオマケだと感じます。エピローグに過ぎず、無理に書く必要があるのか、と


 もともとこのSSのネタは、私の前作SS「薔薇乙女も使い魔」で使用しようかと思っていたものです

 ですが、まだゼロ魔本編が十分進んでいなくて、データ不足だった
 そのため「薔薇乙女も〜」を書いてる時点では、まだ考察が足りず書ききれなかった
 非常に微妙で繊細なポイントだったため、中途半端に触れる事は憚られた
 ローゼンメイデンの世界観にも相応しく無かった

 ETCの点から、「薔薇〜」では触れませんでした


 で、今回とうとう触れたわけです
 逆に言うと、これでSSのテーマは書き切れたと感じるわけです。


 相変わらず話が長くなってしまいましたが、ぶっちゃけ簡単に言うと
 今回の話を投下してからエピローグまで書くかどうかを考えようかな、ということ



 というわけで、まずは前編を投下します

700 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 01:59:06 ID:isP0xXj+
 夜の聖地。
 千年前なら立派なオアシス都市があったかもしれない場所だが、今は巨大クレーターが
広がるのみ。
 クレーター中心にある召喚ゲートは、今日も光を放ち続けている。人一人がくぐれる程
度の大きさで、10km彼方の土手からだと、小さな光点にしか見えない。クレーター外周の
土手にはエルフの各部族から派遣された人々がいる。
 だが今、その中に何人もの耳が短い人、エルフが蛮人と呼ぶハルケギニア人が混じって
いた。
 彼等は皆、クレーター中心へ視線を向けている。

 金髪の蛮人女性がイライラした様子で懐中時計を取り出し、舌打ちをした。
「まったく、連中と来たら…いつまで待たせる気なのかしら!?」
 一人のエルフが隣の別な蛮人女性に話しかける
「遅いですね。予定では今夜のハズなんですけど…もうすぐ夜が明けますよ」
「そうだねぇ。随分と遅れてるんじゃないかい?」
 そう言って蛮人の女は右腕を顔の前に持ってくる。その右手首にはデジタル表示の腕時
計が文字盤の光を放っている。
 女の横に立っていたエルフの男も腕時計を覗き込む。
「かなり遅れているようだな。何かトラブルが起きたなら連絡があるはずだが」
 そういってエルフの男は胸元から手の平サイズの機械を取り出してパカッと開き、中の
画面を見ながらスイッチを押す。
「ふむ…特に連絡は入っていない。今は待つしかないな」

 ほとんどの蛮人はエルフ達と、普段と何の変わりもなく言葉をかわしている。だが、中
にはエルフ達へ近寄ろうとしない蛮人の男もいた。
「はぁ…あのお方の言うとおり、確かに聖地は何もなかった…。しかし、これがエルフ達
の仕業ではなく、始祖の力が暴走した結果だ、などと言われても」
「私達の言葉が信じられない、と?」
 隣に立つ蛮人の女が、怯えて縮こまる男を睨み付ける。すると男は更に小さく縮こまっ
た。
「い、いえ!滅相もない!ミス、私は常にあのお方とミスのご加護を受けてきました。あ
の酒場で出会って以来、私のような小物の『王になってみたい』という願いを叶え続けて
下さいました。
 ですが私とて、かつては始祖の教えにこの身の全てを捧げていたのです。果たして、一
体どちらを信じればいいのか、もう、どうすればいいのやら・・・」
 縮こまった男は頭を抱え、さらに小さくなってしまう。隣の女は、そんな男に目を向け
ようとはしない。ただ淡々と言い放つ。
「別に強制はしないわ。これから起きる事を見て、その上で自分で考えなさい。これから
は、あんたは自分一人で考えなきゃいけなくなるんだから」
 そう言って女は聖地の中央をじっと見つめ続ける。

 そんな話をしていると、少し離れた所に立っていた蛮人の痩せた男が、ゲートを指さし
声を上げた。
「見よ!始まったようだ」
 その言葉に話をしていた人々も聖地中心を見つめなおす。

 そこには、聖地の門がある。人一人がくぐれる程度の大きさだったはずの門が。
 だが今は、徐々に光点が大きくなっていくのが遠目にも分かる。それはゆっくりと、確
実に巨大化していく。沢山のエルフと数人の蛮人が見守る中、それはかつて多くの観測機
や無人機を吐き出した時と同じか、それ以上の大きさへと成長していく。そして今回は、
大地や風の精霊は全く動きを見せない。

 風が吹きすさぶ荒れ果てた荒野の中、輝く門は更に大きくなっていく―――



       第30話     狂宴は終わる




701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 01:59:39 ID:Hoi27jew
提督の人が来たのなら支援せざるを得ない!!!

702 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:00:56 ID:isP0xXj+
 調印式当日、朝。
 いくつもの雲が浮かぶ空の下、シャン・ド・マルス錬兵場は、熱気に包まれていた。
 式典会場は、一人でも多くの人が連邦設立宣言書への調印を目に出来るようにと、城で
はなく広い錬兵上が選ばれた。

 いま、トリスタニア全体がトリステイン・ゲルマニア両軍による厳戒態勢下にある。特
に式典会場は上空の竜騎士隊に加え、地上にも魔法衛士隊のグリフォン・マンティコア・
ヒポグリフ隊が、調印式に訪れた人々への監視を続けている。
 数万人が演習可能な錬兵上の座席は、既にすべて貴族たちによって占められている。彼
らはトリステイン・ゲルマニアのみならず、ガリア・ロマリア・アルビオンからすら来た
貴族たちだ。もちろん舞台のすぐ近く、最前列から後ろ数列は各国の要人が占めている。
他の席とは異なる豪華な作りの椅子が並び、王族もかくやという立派なマントやドレスの
紳士淑女が並ぶ。
 錬兵場の外側は、会場に入りきらなかった平民たちが、遠くにわずかに見える式典を見
ようとしていた。少しでも中が見渡せる高い木の上、屋根の上等にも人が鈴なりになって
いる。

 錬兵上の入り口から一番奥には、一段高くなった舞台が設置されている。白い布に覆わ
れた舞台の上には幾つもの豪華な椅子が、さほど大きくはないが立派な机を中心に並べら
れている。舞台の背には二枚の大きな布、トリステインとゲルマニアの旗が下げられてい
た。
 そして、既に各席はそれぞれの主によって占められている。トリステイン女王マリアン
ヌ、その背後に立つは宰相ヴァリエール公爵。ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世と、後ろ
のカイゼル髯がトレードマークのハルデンベルグ侯爵。アルビオンからは皇帝クロムウェ
ルと背後に控える秘書のシェフィールド。ガリアからジョゼフ王と隣に立つ王女イザベラ
が参列していた。
 各王の警備陣は、壇上下から目立たないよう周囲と相互への警戒を怠っていない。

 会場内で着席している貴族たちの間から、もうすぐ始まる式典を待ちわびながらも、囁
き声が漏れてくる。
「なぁ、宰相や将軍が後ろにいるのはともかく、アルビオンの秘書もいいとして、なんで
ガリア王は王女が控えてるんだろう?」
「いや、舞台へ上るお付の方は一名のみ、人選は自由になってるから」
「社交界へのお披露目、のつもりかな?」
「多分な。今回は単に調印の証人という儀礼的なものだし、ガリア王女として各国要人へ
印象付けるには丁度いいだろう」
 各国の支配者と同じく王冠を戴いた頭に前髪を納め、ツヤツヤした額に陽光を反射させ
るイザベラは、静かにジョゼフの横で立っていた。

 別の場所からも囁き声が聞こえてくる。ただし、それは壇上ではなく、貴族席の一部を
占める若い貴族たち、トリステイン魔法学院生徒達の席を見つめながら、ヒソヒソと囁か
れていた。
「なぁ、おい。見ろよ、あの娘」
「あれは、間違いない。例の『虚無』のルイズだよ。ヴァリエール家の」
「その左右に座ってるのは、噂の平民使い魔の夫婦だな。夫のほうは何でも遥か遠方の異
国、ガリアすらも軽く凌駕する大国の将軍らしいぞ。衛士隊からの話では、恐るべき策士
らしい」
「ああ、噂は聞いてるぜ。ヴァリエール家のお抱え軍師で、異国の船で飛び回ってるって
な。最近は主と一緒にトリステインを離れていたって話だったが、もう帰って来てたんだ
な」
 彼らが目立たないように指差す先には、確かにルイズがいる。その左右にはヤンとフレ
デリカも、同盟の軍服を着て静かに着席している。三人とも黙って調印式の進行を見つめ
ている。
 彼らの周りにはオスマンを先頭に、ギトーやコルベールといった教師達はもちろんギー
シュ・モンモランシ−・マリコルヌ、といった生徒たちも大人しく着席し、この歴史的儀
式を眺めていた。



703 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:03:52 ID:isP0xXj+
 そんな政治談議もそこそこに、長いマリアンヌとアルブレヒト三世の演説が始まった。
ふくよかで優しげな女王と、野心の塊を絵に描いたような四十男の皇帝が、長い長い演説
をする。
 権威と儀礼に満ちた二人の演説がようやく終わり、いよいよ調印の儀が執り行われる。
上空は甲冑姿で警護する竜騎士が綺麗に隊列を組んで旋回し、周囲の騎士達も整列。視線
だけは周囲への監視を怠らない。

 濃い紫色の神官服に、高い円筒状の帽子を身につけた人物が現れた。ロマリアの教皇聖
エイジス三十二世が、幾人もの神官を従えて舞台へと進んでいく。とたんに会場の人々は
聖杖を手にした美しき教皇へ目を奪われ、恭しく頭をたれる。会場の外から祈りの声が聞
こえてくる。

 ヴィットーリオは壇上に上がりつつ、観客席を見渡す。
 会場内にいる小さなピンクの髪の少女、その左右の異邦人を見つける。次に壇上へ視線
を戻し、ガリア王と目を合わす。ジョゼフはニヤリと笑ってから、フードで顔半分を隠す
シェフィールドへ視線を送る。真の主からの視線に、ミョズニトニルンは僅かに頷いた。
その様子に教皇も小さく頷く。

 壇上に上がった教皇は、調印内容が記された用紙の広げられた机を前に立つ。軽く用紙
へ視線を落としてから、ヴィっトーリオは仰々しく両手を広げた。
「マリアンヌ女王と、皇帝アルブレヒト三世は、ここへ」
 若き聖者の声に導かれるように、二人は優雅に立ち上がり、机の左右に立つ。二人は最
初に教皇へ、次に壇上の彼らを見守る貴族たちへ礼をした。

 会場は、しん…と静まりかえった。

 教皇は一瞬視線を下げて、机の上に置かれた調印用紙の内容を確認し、それを高らかに
読み上げた。
「・・・今ここに、トリステイン・ゲルマニア両国は過去のわだかまりを捨て、互いの手
を取り合い新たな時代を作るべく、ゲルマニア=トリステイン連邦を成立することを誓う
か?」
「誓おう」
 アルブレヒト三世が力強く頷く。
「誓いますわ」
 マリアンヌも微笑みと共に頷く。
 そして教皇も頷き、調印書を指し示した。
「では、異存なければ、両者ともここにサインを」

 二人とも杖を取り出し、書面上に自らの名を記していく
 その姿を教皇は黙って静かに眺め続けた。
 数多くの観衆も、固唾を飲んで歴史的瞬間を見守っている。
 全ての視線が新国家設立の瞬間へ向けられている。

 二人はサインを終え、書面から一歩下がる。
 教皇は書面のサインを確認してから、観客席へと向き直る。
 聖杖を手にした手を大きく広げ、賛美歌を歌うような透き通った声を響かせた。
「今ここに、トリステインの女王マリアンヌと、ゲルマニアの皇帝アルブレヒト三世は、
ゲルマニア=トリステイン連邦成立宣言書に名を記した。
 よって私は、ここに・・・」
 教皇は半身を引き、壇上の机を前に立つ両者へ向き直る。
 そして、右手に握る聖杖を、二人へ突きつけた。


「両者を、邪教に基づく国家を設立せんとした背教の咎により、火刑に処す!」


 瞬間、ヴィットーリオは壇上から飛び降りた。
 シェフィールドも観客席へ向けて駆け出した。
 ジョゼフは一瞬で席を跳ね、舞台の下へ飛び降りた。


704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:03:53 ID:+9t+n+uP
支援

705 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:05:28 ID:isP0xXj+
 舞台を見守る人々は、警備の騎士達も含めて、何が起きたのか分からなかった。
 それでも騎士達は反射的に杖を引き抜き、舞台へ向けようとした。
 だが、杖を向けた時には、既に舞台が無かった。


 壇上には、各国の支配者がいたはずの場所には、紅蓮の炎があった。


 一騎の火竜が壇上の直上に舞い降りていた。
 その、大きく開かれた口からは、赤い鱗と同じ色の炎が吐き出されていたのだ。
 その炎は一瞬で、壇上に残っていた世俗支配者と、その付き人達を消し炭にした。

 上空警備の竜騎士隊、その内の一騎が隊列を突然離れ、壇上へ急降下していたのだ。
 そして壇上から飛び降りた三人は、教皇お付きの神官達が作り出した氷の壁『アイス・
ウォール』によって炎の熱から守られていた。


 眼前で起きた突然の事態に、人々は動く事が出来なかった。各国から来た警護の騎士達
も、一瞬で杖を引き抜いたはいいが思考が停止していた。無論、血を吐くほどの訓練を積
んできた騎士達ゆえ、思考停止は一瞬でしかなかった。即座に『ジャベリン』等の水や氷
のルーンを唱えようと口を開く。
 だが、その空白の一瞬を教皇は逃さない。澄み渡る声が会場に響く。

「全ブリミル教徒へ告ぐ!」

 世俗支配者達を上回る権威を持つ教皇の言葉。なおかつ、「火刑宣告」の説明をするであ
ろう言葉。
 行動停止に陥った客席の貴族達だけでなく、警護の騎士達までもルーン詠唱を中止して
次の言葉を待ってしまう。燃えさかる炎を背にした教皇へ視線を集中させたまま動けなく
なる。

 教皇は静まりかえった会場を優雅に見渡す。
 その横に、舞台を焼き払い支配者達を抹殺した火竜騎士が着陸する。極めて気性が荒く
気難しいため、自分が認めた乗り手しか乗せないはずの火竜は、大人しく教皇へ頭を垂れ
る。そして、まるで当然のように翼を下げ、自らの背を教皇にしめす。教皇は火竜の背へ
軽やかに上がる。
 赤き火竜の背に上がり赤い炎を背にするその姿は、伝説や御伽噺が本から飛び出てきた
かのように神秘的で神々しい。騎士達のルーンは既に完成していたが、すぐにも消火して
主を救いたいが、目も意識も奪われてしまい、呪文を放つ機会を失してしまった。

 そして若き教皇は、高らかに語り始めた。
「トリステイン女王マリアンヌと、帝政ゲルマニア皇帝アルブレヒト三世。彼等はヴァリ
エール公爵が捏造した『聖地消失』『エルフによる世界の守護』という、神をも恐れぬ讒言
をもとに、邪教の国を打ち立てんと企てました!
 始祖と教会に背き、ハルケギニア全ての民を謀ったのです!この地を闇に堕とさんと邪
心を抱いていたのです!」

 会場にどよめきが走る。突然の教皇からの糾弾に、トリステイン・ゲルマニア両国の貴
族達に動揺が広がる。

「加えてオリヴァー・クロムウェル!
 彼は教会に属し始祖の教えを守るべき司教の地位にありながら、始祖の教えに背きまし
た。始祖より授けられし神聖なる王権を滅ぼし、皇帝の地位を僭称するという簒奪を行っ
たのです!」


706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:06:37 ID:RlV8WVYU
支援

707 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:07:37 ID:isP0xXj+
 アルビオンからやってきた貴族・騎士達にも動揺が走る。その点については彼等も考え
ないではなかった。だが聖地奪還という旗印の下、教皇は皇帝への即位を承認すると思い
こんでいた。
 しかし、確かに教皇の承認を得ておらず、かつ司教として始祖より授けられた王権に背
く事は重大なる罪。その事を今さらに思い出したのだ。

「よって、私は教皇聖エイジス三十二世の名の下に、この場を借りて宗教裁判を行いまし
た。判決は、火刑!裁判と刑の執行が終了した事を、ここに宣言致します!」
 教皇は聖杖を高々と掲げ、居並ぶ貴族達へ宣言した。

 いきなり教皇から宣言された貴族達は、言葉が出ない。目を白黒させ、口は酸欠の魚の
如くパクパクと虚しく開閉するばかり。練兵場にいる数万の貴族達が揃って沈黙してしま
う。

「なお、ヴァリエール公爵の捏造した讒言につき、それを語る証人も既に呼び寄せてあり
ます。
 今、ここに集う全てのブリミル教徒達に、証言してくれます。今回の調印式がほんの一
握りの、私欲に駆られて神の教えに背いた、哀れなる悪鬼による狂言であったという真実
を!」

 教皇は、高く掲げていた聖杖を観客席へ向ける。
 その聖杖の先には、小柄なピンクの髪の少女、ルイズがいた。彼女は目の前で父を焼き
殺されたというのに、何の感情も表していない。いや、聖杖を向けた教皇へ、爽やかな微
笑みを返した。

「ヴァリエール家の息女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
よ!父たるヴァリエール公爵に脅され、此度の陰謀に利用された事実、今ここで証言しな
さい!」

 人々は、一体どういう事なのかと訝しみ、ざわめきが広がる。
 そんな中、ルイズは淡々と立ち上がる。左右のヤンとフレデリカも無表情なまま後に続
く。三人は学院生徒達の間を抜け、前に進み出ようとした。


 だが、出来なかった。
 さらなる突然の出来事に、練兵場の人々は再び言葉を失った。
 ただし、今回は教皇と、お付きの神官達までもが目を見開いて驚愕した。


 いきなりルイズの首が宙を舞った。
 さらにヤンの胸から杖が生えた。
 フレデリカは上半身が斜めにずり落ちた。


 マリコルヌの杖が、ルイズの首を切り落としていた。
 ギーシュの杖が、ヤンの心臓を背後から貫通していた。
 さらには彼等の同級生男子がフレデリカの前に立ち塞がり、杖で袈裟切りにした。



708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:07:56 ID:eIHj4Hnl
支援

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:08:41 ID:+9t+n+uP
展開が読めないw
支援

710 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:09:25 ID:isP0xXj+
「やった…ヴィリエ、ギーシュ。やったよぉ!僕ら、やったんだよ!」
 マリコルヌが、感動に震える拳で杖を掲げた。
 ヴィリエと呼ばれた男子生徒がマリコルヌに抱きついた。
「そうだ!やったぞ!僕たちはやったのだ!トリステインを狙う侵略者共を、貴族を軽ん
じる身の程知らずの平民を、討伐したのだ!」
 ギーシュの震える手は、造花の杖を取り落とした。そして、マントの中から円筒状のも
のを取り出した。
「姫殿下、見て頂けましたか!?僕はやりました!姫殿下を害し、トリステインを異国へ
売り渡そうとした悪党共を、切り伏せたのです!
 あの中央広場、サン・レミ聖堂前で姫殿下に誓った言葉を、今ここに果たしました!必
ずや姫殿下の無念を晴らすと。ヤンによって地に堕とされた姫殿下の名誉を回復するとい
う誓いを!
 あの日、あの時から、すぐに僕達は山へ籠もりました。竜をも倒す銃を持つ悪党共を倒
すため、厳しい修行を積んだのです!今、この瞬間のために!」 
 叫びながらギーシュは、取り出した円筒状のものに頬ずりをしていた。
 それは液体の詰まった瓶。液体の中には、細長い肉塊が漂っている。

 中央広場でヤンとシエスタの銃撃により千切れ飛んだ、アンリエッタの右腕だ。

 三人は、歓喜の叫びを上げ続けた。
 呆気に取られた貴族達の視線が集まる中、彼等は手を取り合い、肩を叩いて喜びを分か
ち合っていた。


「ちぃっ!」
 ジョゼフが舌打ちした。
「くっ!せっかく指輪で洗脳したのに。ガキ共が、余計な事を!」
 火竜の横で、ミョズニトニルンも呪詛を呟く。
 その言葉に、教皇が我に返った。即座に横にいる甲冑姿の竜騎士へ目配せする。
 一瞬教皇と目があった竜騎士は、その意図を瞬時に理解した。火竜を飛び降り、ミョズ
ニトニルンの首へ剣を振るった。

 彼女の首は、頭を覆っていたフードごと宙を舞った。

 さらに竜騎士は剣を翻す。ミョズニトニルンの横にいたジョゼフの分厚い胸板を、正面
から易々と貫いた。
「貴様…!?」
「洗脳が不要なら、あなた方も用無しですよ。無能王」
 ジョゼフの目の前には、兜の隙間から竜騎士の月目が見えていた。
 月目の目にも、ジョゼフの目が見えていた。
 満面の笑みを浮かべる目が。


「そうだな、確かに俺は用無しの無能王だ!」


 胸板を剣で貫かれているジョゼフが、笑顔で陽気に断末魔の笑い声を発した。
 同時にジョゼフの体は消えた。跡形もなく一瞬で消え失せた。
「なにっ!?」
 月目の竜騎士は周囲を見渡す。ついで足下を見る。
「これは…人形!?」

 地面の上には、一体の小さな人形が転がっていた。

 慌てて月目がミョズニトニルンが立っていた地面を見る。
 そこにも首がもげた人形が転がっていた。



711 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:11:21 ID:isP0xXj+
 会場の彼方、ルイズ達が襲撃された辺りから、少年達の悲鳴が上がった。それはマリコ
ルヌとギーシュとヴィリエの悲鳴。
「うわあーっ!な、何だこれはー!」
「に、人形!?これは、アルヴィー(小魔法人形)だ!」
「ガーゴイルの身代わり!?しまった…やられたぁーっ!」
 ガヤガヤとどよめきが上がる会場の一角。ただし、先ほどとは異なる性質のどよめき。
今回の連邦設立の立役者が暗殺された驚きではなく、彼等が襲撃を予測して逃走済みだっ
たという驚きの声だ。
 その中心には、ちっぽけな人形が三個、壊れて地面に転がっていた。


  《はーはっはっはっはっ!いやはや、これは参った!》


 突如、声が響き渡った。
 それはジョゼフの笑い声。

  《教皇よ、俺は宗教裁判の被告人じゃないぞ。何故俺まで殺すのか説明しろ!》

 その声はどこから聞こえてくるのかと、人々は周囲を見渡す。
 だが、どこから聞こえてくるのか分からない。いや、周囲の全方位、四方八方から聞こ
えてくるとしか思えない。
 その声は会場外の平民達にすら聞こえていた。

 銀髪を持つ初老の貴族が、最前列に座るリッシュモンが気が付いた。自分の尻の下から
声が響いてくる事に。彼は慌てて身を屈め、自分の席の下を覗き込む。
「なんだ…これは?声を伝えるという、風魔法の魔道具か?」
 彼は自分が座る椅子の下に、ちっぽけな黒いものが張り付いているのに気が付いた。手
を伸ばしてそれを指先につまんでみる。
  《どうした?言えんのか?》
「うわっ!?」
 リッシュモンは驚いて黒く小さな塊を地面に放り出してしまった。
  《お前は教皇なのだろう、ブリミルとかいう神の代弁者なのだろう。さぁ、神の言葉
  を口にしろ。俺を殺す理由を、神の言葉で語ってみせろ!》
高等法院長の周囲に座っていた貴族達も、ジョゼフの言葉を吐き出し続ける黒いものに
気が付いた。彼等は一体それが何なのか、分からなかった。
 ただ、その黒いものの裏には見た事も無い文字、「Mini Speaker」と書いてあった。


 教皇の乗る火竜が首を巡らす。背後の、焼け落ちかけた舞台の方へと牙をむける。
 教皇も肩越しに後ろをみやる。
「そういえば、あなたへの判決を言ってませんでしたね」
 この不可解な状況にあって、抹殺したはずの男の声が響く中でも、涼やかな声でヴィッ
トーリオは語り出す。

  《おいおい、死刑を執行してから死刑判決を下す気か?》
 会場外の、木に登って会場を眺めていた少年が気が付いた。自分の真上の枝に小さくて
黒いものから声が響いてくるのを。


712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:13:05 ID:RlV8WVYU
支援

713 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:13:38 ID:isP0xXj+
  《昔から、死刑囚が死刑執行を受けても死ななかったら無罪放免、だろうが。俺も無
  罪って事で良いだろう。神のお慈悲で見逃してくれよ》
 会場から遠く離れた、『魅惑の妖精亭』でも、店長のスカロンが気が付いた。店の軒先に
ひっついた機械から声が響いてくるのを。
「あらやだ。これってオイゲンのひいジーサマが言ってた『すぴーかあ』てヤツね。とい
うことは、ヤンさんが付けたのかしら?」
 長身のスカロンはヒョイッと腕を伸ばし、マイクロスピーカーと書かれた物体を取り外
し、しげしげと眺めた。それから周囲をキョロキョロと見渡す。
「…随分と沢山つけてまわったのねぇ」
 ジョゼフの声は、街のそこら中からも響いてきていた。
 トリスタニア各所から生じた声が、街全体を包む。



 月目の少年はニヤリと口の端を釣り上げる。そしてジュリオは舞台の後ろへ剣を突きつ
けた。
「お戯れはおよし下さい。さぁ、被告人は証言台へ」
 舞台がガラガラと焼け落ちた。火の粉と煙の向こう側に人影が見える。
  《やれやれ、やっぱり神の法は厳しいな。まぁいい、それじゃ出るとしよう》
 ズンッ…と地響きが鳴る。
 焼け残った舞台の残骸が、鋭い爪を持つ前足に踏みつぶされた。

 そこにいるのは魔法人形だ。黄色く光る眼、禍々しい牙をのぞかせる口、鋭い爪を生や
した手、長い鞭のような尾、そして長大な羽を持つ、巨大なガーゴイル。
 どこからか現れた巨大ガーゴイルの頭上に、ジョゼフがあぐらをかいて座っていた。そ
の後ろには、フードを外して美貌を露わにしたミョズニトニルンが立っていた。
 ジョゼフはニヤニヤといやらしい笑みを浮かべながら、ハルケギニアの最高権威である
教皇聖エイジス三十二世を見下ろしている。
「さて、出てきてやったぞ!
 では、検察官にして裁判官たる教皇聖下よ。俺への宗教裁判をやってもらおうか!」
 被告人は叫んだ。傲然と、悠々と。

 見下ろしてくる被告人から裁判を要求された教皇は、爽やかな微笑みを浮かべつつ、判
決文をそらんじた。
「ガリア王、ジョゼフよ。
 あなたがエルフと通じた件、ガリア東薔薇騎士団団員より証言を得ました。また、エル
フから技術供与を受けんがため、彼等に様々な便宜を図っていた事についても証拠を揃え
てあります。
 よって、他の者と同様に火刑を宣告します」
 高らかに宣言した教皇は、聖杖を天へ掲げる。
 そして、ジョゼフへ向けて振り下ろした。

 刹那、炎の嵐が巻き起こった。

 それは火竜のブレス。しかし、教皇が乗る火竜は口を開いていない。空中から炎の豪雨
が降り注いだのだ。ジョゼフとミョズニトニルン、そして二人が乗るガーゴイルへ向けて
真紅の巨大な竜巻が落ちてきたのだ。

 上空を旋回していたはずの竜騎士全てが、急降下してきていた。騎乗して竜を操ってい
るはずの騎士を無視し、彼等を振り落とさんばかりの勢いで。いや、既に何騎もの竜が、
乗り手無しで飛来していた。そしてジョゼフ達へ向けてブレスを放ったのだ。岩をも溶か
す火竜達の炎が束ね上げられ、竜巻と化し、大地ごと全てを溶かそうと吐きかけられたの
だ。
 ジョゼフ達へ剣を向けていたジュリオ。彼の右手甲の隙間から、激しい光が漏れだして
いる。
「…やった」
 月目に勝利の光が浮かぶ。



714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:15:46 ID:RlV8WVYU
こうしてみるとヴィンダールヴもチートだなあ
支援

715 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:16:02 ID:isP0xXj+
  《・・・あちっ!あちちぃっ!ええい、熱いじゃないか!まったく、ヴィンダールヴ
  は手加減を知らんなぁ!》


「なぁ!?」
 教皇が初めて動揺を見せた。驚きの叫びを上げた。
 全ての火竜を操っていた月目のヴィンダールヴも、驚愕で目を見開く。
 会場の人々も、紅蓮の嵐が焼き尽くさんとする舞台を凝視する。

 そこには、大きな土の山があった。
 土の山は、表面こそ確かに灼熱に溶けている。だが地面から脈打つようにわき上がる土
と岩が、溶岩と化した土を速やかに地中へ流し去っていた。
 そして、土山の頂上部分がススス…と下がっていく。そこには、相変わらずガーゴイル
の頭上であぐらをかくジョゼフがいた。
 その後ろではミョズニトニルンが主へ向けてパタパタと団扇を仰いでいる。

「あー、熱かった。今のは死ぬかと思ったぞ」 
 服の胸元を開き、分厚い胸板を晒しながら、ノンビリとガリア王は呟いた。
 そして教皇とジュリオを見下ろす。
「そうか、お前も俺やルイズと同じ『虚無』の系統だったわけか?あらゆる獣を操るヴィ
ンダールヴの力、大したものだ」
 王の眼光はジュリオの右手、手甲から漏れる光を睨んでいる。
 教皇は『虚無の系統』と言われても否定する事なく、ジョゼフを睨み上げる。


 ガリア王の口から飛び出した『虚無』の言葉。それはトリスタニア全域に響き渡った。
 会場には、もはや何度目かも分からないどよめきが広がる。
 教皇はルイズを『虚無を騙る偽物』と断じた。だがガリア王は教皇もルイズも、彼自身
も『虚無の系統』だと言う。

 教皇の頭上では火竜の群れが旋回を続けている。足下の火竜も恭しく傅いている。エル
フと並ぶ恐怖と力の象徴たる竜が、尽く教皇の号令に従い意のままに動いている。それは
誰の目にも明らかな奇跡。
 では、教皇の奇跡を易々と退けるジョゼフは何なのか?本当に『虚無の系統』なのか、
それともエルフと通じる異端なのか。
 人々の目は、もはや釘付けだ。彼等は言葉もなく眼前へ、自ら異端審問を行う教皇と、
被告人たるガリア王へ視線を向けたまま動けない。



 月目の少年が口を開いた。鈴のように澄んだ声が響き渡る。
「その土の壁、先住魔法ですか。エルフと通じている点に疑う余地はないですね」
 ふんっ、と王は少年の詰問を鼻で笑った。
「その件については、俺も証人を呼んでおいた。証言台に上がってもらうとしよう。教皇
よ、異存はないな?」
「当然です。被告人には自分に有利な証言をする証人を呼ぶ権利があります」
 教皇も一時の動揺は既に無く、むしろうっすらと笑顔をすら浮かべている。


716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:17:51 ID:RlV8WVYU
支援

717 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:18:39 ID:isP0xXj+
 ガーゴイルを覆っていた巨大な土のドームが大地へ戻っていく。
 すると、巨大ガーゴイルの足下に数人が立っていた。その先頭に立つ男は薄茶色のロー
ブをまとい羽付の帽子を被った長身。帽子の隙間から垂れる金色の髪が、腰まで伸びてい
る。他には、やはり金髪を垂らしたローブの女性らしき人が、頭をすっぽり覆うような帽
子を被っている。ぶかぶかのローブを羽織って全身を隠す人、その隣に立つ痩せた緑の服
の少年など。
「お初にお目にかかる、ロマリアの教皇よ。そして、ハルケギニアの貴族達よ。
 私の名はビダーシャル。サハラに暮らすエルフの一部族「ネフテス」の一員であり、老
評議会の議員をしている。
 『大いなる意思』と、少々の悪戯心に導かれた今日の出逢いに感謝を」
 そう言って先頭の男が帽子を取って礼をした。彼の金髪から突き出た長い耳に、全ての
双眸が集中する。そして同じように金髪女性も帽子を脱ぎ、エルフの象徴たる長い耳を衆
目に晒した。

 ビダーシャルの後ろにいる人物は、隣に立つ痩せた少年の手を借りて、ぶかぶかのロー
ブを脱ぐ。そこに現れたのは、背に持つ大きな翼をローブの下で窮屈そうに畳んでいた人
間。長い亜麻色の髪が美しい亜人、翼人の女だ。
 妖精のように美しい女性は、背の翼を大きく広げた。
「は…初めまして、皆さん。私はガリアの、エンギハイム村で人間達と共に暮らす翼人、
アイーシャです」
 今度は唐突に現れた翼人の翼に視線が集中する。

 隣に立つ痩せた少年も、小刻みに肩を震わせながら小さな声を絞り出した。その小さな
声もマイクを通じて街全体に響き渡る。
「あ、あの…貴族の皆さん、はじめ、まして…」
 少年はカチカチになりながらも、必死で深々と頭を下げた。隣の翼人女性もペコリと頭
を下げる。
「お、俺は、いえ、僕は、エンギハイム村の村長の息子で、ヨシアと言います。妻の、ア
イーシャと共に、来ました。僕らの王様、ジョゼフ様が、人間と仲良くしている亜人の助
けがいる、ということで…」
 たどたどしい夫の言葉を、妻が受けて続ける。
「私達の村は、ジョゼフ様が派遣して下さった騎士様のおかげで、人間と翼人が仲良く暮
らせるようになりました。私達も結婚する事が出来たのです。
 このご恩に報いようと、こちらのエルフの方々と共に、この地の精霊と契約しました。
皆様が先住魔法と呼ぶ『精霊の力』で、あちらにおられる王様を守りました。精霊達に感
謝致します」
 そう言ってアイーシャは腕を伸ばす。彼女が恩返しすると言った、傲慢に眼下の人々を
見下す男へ向けて。


「はーっはっはっはっはっ!」
 妖精の様な美女に指し示されたジョゼフは、剛胆な笑い声を響かせた。
「と、言うわけで、だ…教皇よ。証人は証言してくれたぞ。
 俺がエルフを含め、様々な亜人達と手を組んで先住魔法を我が物とする、見まごう事な
き背教徒である、とな!」
 王の後ろで団扇を仰いでいたミョズニトニルンが、白々しく呟く。
「ジョゼフ様、被告人側の証人が証言したら、かえって不利になったように思います」
「おお、そういえばそうだ。これはいかん、うっかりしていた。やっぱり俺は火刑に処さ
れてしまうぞ!」
 そういってジョゼフは、さらに大笑いしだした。腹の底から響く爆笑はトリスタニアを
揺るがすほどだ。




718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:20:06 ID:+9t+n+uP
無能王が主役www
支援

719 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:20:55 ID:isP0xXj+
 教皇の美貌から笑顔が消えた。
 凍り付いた眼光が王を射抜く。
「では、あなたは自分が有罪である事を認め、火刑の判決を受け入れるわけですね。
 それとも、まさか、この状況で今さら懺悔し、神に許しを請う、とでも?」
「くっくっく…俺を火刑に、だと?出来もしない事を偉そうに。刑を執行出来ない法など
寝言に過ぎん」
 さも楽しげに笑う王を睨みながら、再び教皇は聖杖を掲げた。ジュリオの手甲から漏れ
る輝きも光量を増す。
「出来ますよ。例え先住魔法がどれほどのものであろうと、あなたは刑を免れません。何
故なら、上空にいる火竜だけでなく、この会場にいる幻獣全てが始祖の御言葉にひれ伏し
ていますから」

 教皇の言葉通り、魔法衛士隊が引き連れるマンティコア・グリフォン・ヒポグリフ全て
もジョゼフに向けて牙をむき、唸りを上げ始めていた。騎士達が、突然に手綱を離れて勝
手に戦闘態勢に入り出した幻獣を押さえ込もうとするが、全く制御が効かない。
 会場を警備していた幻獣達全てもジョゼフを包囲し、じわじわと間合いを詰め始める。
 だが、それでもジョゼフとミョズニトニルンは悠々とガーゴイルの頭の上に居座ったま
ま動かない。

「ああ、違う違う」
 王はいきなり手をヒラヒラと顔の前で振り、教皇の間違いを指摘した。
「違う、とは?」
 ヴィットーリオは、聖杖を掲げ油断無くジョゼフを睨んだまま、それでも落ち着いて尋
ねる。
「刑とは、罪があってこそ下されるものだ。ゆえに、罪なくば罪を贖罪させる刑も無い。
刑は執行されぬ、されてはならぬ」
「ほう?どういうことですか…まるで、己の背教が罪ではない、とでも言いたげですね」
「その通りだ。そこのエルフと仲良くして、何が悪い?」
 堂々と言い放って王はエルフの男へ視線を向ける。
 ビダーシャルは、ちょっと困った顔で笑った。
「ジョゼフよ、いい加減にしろ。悪ふざけにも程があるぞ」
 エルフに名を呼び捨てにされて諫められたガリア王だが、詫びれる様子は全くない。
 くははははは…と相変わらず楽しげに笑うばかり。



720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:21:00 ID:Nw1DvH30
ジョセフが素敵っ!支援

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:22:39 ID:6kIU+EZ1
このジョゼフは伊達男すぐるwwww支援ww

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:23:03 ID:51eVjBYS
さすがジョゼフ、性格悪いぞ支援

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:23:14 ID:+Wf2VTZX
ずっとジョゼフのターン!支援

724 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 02:24:23 ID:isP0xXj+
以上、前編はここまで。
中編は明日の朝にでも投下しようと思います

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:25:06 ID:+9t+n+uP
投下乙。
こんないいところで焦らすとはなんて鬼畜。
明日楽しみにしてます

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:25:21 ID:Hoi27jew
ギャーッ!なんという生殺し・・・。

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:25:52 ID:+Wf2VTZX
俺…明日の朝になったら提督見た後にエンジンオイル交換しに行くんだ…

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:25:58 ID:RlV8WVYU
乙でした
底が知れないだけに味方サイドだと痛快過ぎるよジョゼフ

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:26:47 ID:ag/2e4E9

おろそしいまでのwktk感

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:28:31 ID:1OKaAtWl
投下乙。
明朝も期待してますー。

731 :元、薔薇乙女感想の人:2008/08/03(日) 02:30:24 ID:51eVjBYS
うわーい、提督の作者が、まさか薔薇乙女の人だったとは、
朝投下予定の続き、楽しみにしています。

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:35:33 ID:npSBS37Y
なんという放置プレイ


733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 02:42:08 ID:DMoJ2eTY
あ、明日の朝というのは8/04の朝ということか?

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 03:02:40 ID:EqxHMA46
双子星座のサガを召喚
ええ、ただ単にギャラクシアンエクスプロージョンとエクスプロージョンを合体させたらという妄想ですよ


735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 03:20:21 ID:3449KNcL
ヤンとジョセフの共闘か……
マリアンヌとアルブレヒトも生きてそうだね
しかしここでわざわざギーシュ達をかませ犬にする必要もないような……

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 03:28:53 ID:fjPvOHj6
>>699
>>前回の投下から、二週間も経っていないのですが・・・
>>655-657の方ではないのですが、一日千秋の思いで待ってる身には、なかなか長いものが(w
そうか、まだ、二週間しかたってなかったのか

中篇、後編、あと、無理に書いてとは言いませんが(w)あるかもしれないエピローグを楽しみにさせていただきます
まぁ、個人的にはエピローグより、”外伝”の方が好みですけど(w

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 03:33:49 ID:ZIumW4bd
蛇足はやるべきではない、と思うが……
結局やるやらないは作者の自由だけど、読み手としては作者が無理してまで書いたものを読みたくないな。
勿論、必要性があって書いたものならどんとこいだ。

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 03:47:24 ID:IEBW4BcP
提督の人とりあえず乙!
強要するつもりはないがあるならエピローグも読みたいな
終わるのが寂しいぜ

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 03:58:49 ID:DMoJ2eTY
俺…明日の朝になったら提督見た後にバリウム飲むんだ
いや、会社の健康診断なんだけどね
でも最近胃が痛いからちょっと心配

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 05:19:27 ID:rje+GFaO
DQ5で主人公一家召喚ネタやりたいけど馬車ごとってアイデアがwikiにある作品とネタがかぶる・・・


741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 05:27:35 ID:Hoi27jew
>>740
元ネタやアイデアがかぶるのは良くある事。中身で勝負だッッ!!!


742 :Persona0:2008/08/03(日) 06:51:25 ID:ApilAfID
第五話書きあがりました。
提督さんの前座代わりに7時からベンチ温めさせて頂きます。

743 :Persona0:2008/08/03(日) 07:01:25 ID:ApilAfID
Persona 0  第五話

 まっすぐにギーシュに向かって杖を突きつけルイズはそう宣言する。
 ギーシュはもはや瀕死、だがルイズにはもうペルソナの魔法を使うだけの精神力は残されていなかった。
 使えるのは系統魔法、いや系統魔法ですらない失敗魔法だけ。
 対して、盾のなかでギーシュは苦しそうに喘いでいるがそれを構える戦乙女は未だ健在。
 その青銅の剣の一撃はペルソナでガード出来ない今の状態では当たり所によっては十分致命傷に成り得る。
 敵に対峙した状態でルイズはふと考える。
 なぜこんなに傷だらけになり、友人と己の命を天秤に掛けてまでこんな場所で決闘まがいのことをしているのか?
 心の奥を探ってみれば答えはすぐに見つかった。
「助けられるの私たちしかいないじゃない」
 ただの女たらしのクラスメートだが、なにも死ぬことはないと思った。
 ふと心によぎるのは次から次へと動物たちを助ける二番目の姉の姿。
 傷ついて動けなくなった雲雀を抱き上げながら、カトレアはこう言ったのだ。
『この子を助けてあげられるのは私だけだもの、だったらその状態で助けてあげないのは私がこの子を殺すのと変わらないわ』
 助けられるのに助けないのは自分が殺すのと変わらない。
 今、ギーシュを止めずにギーシュが死んだらきっと自分はずっと後悔する。
 だからそれが理由。
 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが貴族としての誇りを賭けるに足る戦場。
 だが同時にルイズは思う、もししくじれば死ぬのは自分だけでは済まない。自分の足元で横たわっているキュルケまで道連れにすることになる。
 決闘と言ったのはその為の保険である、腐ってもギーシュも貴族だ。いくらおかしくなっていようとただの決闘ならばキュルケ無抵抗な相手にまで手を出しはしないだろう。
 そう信じた、いや信じたかったかのしれない。
 いくら心の底の闇を曝け出したとて、貴族であるならば貴族としての最低限の矜持は持ち合わせているはずだと言うことを。
「――行くわよ!」
「はは、はははは、ははははは!」
 ルイズは黙し、ただまっすぐ杖を構える。
 ギーシュは笑い、平面のなかで杖を構える。


744 :Persona0:2008/08/03(日) 07:02:03 ID:ApilAfID
 だがそんな二人のことなど知ったことではないと言うように、戦乙女は右手の剣を腰だめに構えた。
 その剣身を盾で覆い隠すのはおそらくリーチの長さを見せないため。
 互いに一撃で勝利が決する状態では、いかに相手より先に攻撃を当てるかが要となる。
 ならばこそ『錬金』で剣身の長さを作り変えると言うのは恐ろしく有効な手であろうとルイズには思えた、長くすれば避けたつもりでも胴を抜かれ、短くすれば予想もしない速さで首を飛ばされるであろう。
 だがルイズには恐れはない、しかし体が震えるのはこれが世に言う武者震いと言うものなのだろうか?
 ルイズは息を一度だけ短く吐き出し、覚悟を決めた。
 盾のなかで悶えるギーシュに向かってまっすぐに駆け出していく。
 僅かに遅れて戦乙女も足を踏み出す、青銅のスカートを舞いあげ、重心を落とし、バイザー状になった仮面の下からルイズにを睨み据えの突進。
 身を低くし初撃の疾さにかける様はまるで獲物を狙うマンティコアのようである。
 相対する両者はともに守りをすて攻撃のみにそのすべて賭す、かつてトリステインの貴族たちがその杖を互いの血で染めたが如く。
 だが巨大な青銅の乙女とただの少女ではリーチが全く違う。
 先にその一撃を振り抜いたのは戦乙女のほうであった――絶対当たるし絶対死ぬ……そう思えるような致命的な一撃。
「甘いわっ!」
 だがルイズはそれを読んでいた。
 自分程度では絶対に防げない攻撃が来る事などルイズには分かって当たり前だ。
 ならばその一撃で自分が死ななければそれでいい。
「ペルソナ!」
 目の前に呼び出したイドゥンを足場にしてルイズは駆け上がる、何度も繰り返したシャドウたちとの戦闘が眠っていたルイズの才覚を目覚めさせたのか。枝の上をひた走る彼女の姿はトリステインの伝説に名を残す烈風の如く面影をその背に映じていた。
 ギーシュは戦乙女に剣の軌道を変えさせようとしたが、結局それは叶わなかった。
 剣が貫いたのは最後の精神力を使い切って消えてゆくペルソナの残像だけ。
 それでも己の分身を切り裂かれたルイズの体には切り裂かれた場所と同じ場所に激痛が走り、体を真っ二つにされたと言う幻の感覚に心が折れそうになる。
 だがルイズはそれに耐えた。
 一人ではおそらく耐えきれずに気を失っていたに違いない、だがキュルケの身を案じる
 その隙にルイズは剣を振るった体勢のままの戦乙女の胸元へと身を踊らせる。
 唱えた魔法は『フレイムボール』
 キュルケが好んで使う“火”の属性の魔法、何度使っても全くコントロールが効かずいつも癇癪を起してしまうこの魔法もこの距離でなら絶対に外さない。
「ま、参った、降参……」
 ギーシュの言葉を皆まで聞かずルイズは盾を爆砕した。




745 :Persona0:2008/08/03(日) 07:02:53 ID:ApilAfID
おかしいな?
 私は決闘に勝ったはずなのに、ギーシュを助けて今頃キュルケと一緒に帰り支度をしているはずなのに。
 どうして私の体に剣が突き刺さっているんだろう?

 ルイズは呆然と自分の体を貫く青銅の剣を見た、足元に散らばる砕けた盾の欠片を見た、そして最後に爆発で砕けた戦乙女の仮面を見た。
 いくつも罅が入った仮面が砕けて割れる。
 その下から現れたのはギーシュの顔。
 ひたすら無表情で無慈悲な顔をしたギーシュが、無感動にこちらを見てきている。
 ルイズは知らない。
 この戦乙女こそギーシュがおどけた表層の下に眠らせていた、自分自身ですら知り得なかった苛烈さと勇敢さと冷酷さの象徴。
 故に“もし”があり得たならば、ギーシュは己より遥かに強大な相手に臆しながらも全力で立ち向かっていただろう。
 だがそんな機会は訪れなかった、だからこそギーシュのその心の一部は仮面の下で眠り続けていたのだ。
 ペルソナとは自分、神のような悪魔のような、或いは死神のような、心の奥に眠る自分自身の一面に他ならない。
 自身の影よりもなお深い、無意識の海に近い場所に存在するソレを呼び覚ましたのはやはり……

「げほっ」
 口の端から血が零れ、視界がゆっくりと暗くなっていく。
 悔しくて悔しくて堪らなくて、目の端から涙が零れた。
 自分は死ぬのだ。
 この場所で誰も救えず、ただ無意味に死んで行くのだ。
「い、や…………」
 いくつもの顔が脳裏に満ち、そして消えていく。
 お父さま、お母さま、ちぃ姉さま、エレオノール姉さま。
「死にたく、ない……」
、アンリエッタ姫さま、キュルケ……そして、そして…………
「……けて」
 血と共に吐き出されたその言葉は命乞いではなかった。
「たすけて」
 始祖ブリミルに対する祈りの言葉でもなかった。
 霧のようにぼんやりとした記憶の向こう側、その向こう側に向かって呼びかける声だった。
 アイツは、アイツは……
「サイト! 助けて!」

 ――ガギンッ!

 鉄が何か固いものを打ち抜くような音が響く。
 あり得ない記憶、繋がってはいけない線が繋がり、そして霧の向こう側から彼は現われた。

「ペルソナァァァァァァァァ!」





746 :Persona0:2008/08/03(日) 07:03:50 ID:ApilAfID
 ぼんやりとした意識の向こう側でルイズは見る。
 誰かが誰かと闘っている。
 剣と剣が打ち合う音、巨大な犬と吠え声と、そして自分の体を癒す暖かな感触。
 彼が誰なのか自分は知らない、だが自分は知っているような気がする。
 果たしてそれが誰だったのか、確かめようとしたが急速に眠りに向かって落ちていく意識ではそれは叶わない。
 届かない心を胸に、ルイズは気を失った。



 彼は包帯を巻いた手で桃色の髪を掻きあげる。
 その下にある穏やかな寝顔を見て、彼はふっとその張りつめた顔を緩めた。
 だがそれも一瞬のこと、次の瞬間には彼の顔は悲しみと寂しさを覗かせる色へと曇り、そしてすぐに張りつめたものへと変わる。
 敵意と憎悪、彼に似つかわしくないその感情をぶつける相手は彼のすぐ隣にいた。

 ――ズゥゥゥゥゥ、イイィィィズゥゥゥゥ!

 小さな小さな窓。
 まるで鉄格子の向こうから一人だけ死刑を免れた仲間を見るように、黒い怪物はその黄金の瞳を覗かせていた。
 眼ひとつですら窮屈だと言うのになんとかこちら側に入ろうとしているのか、指を突っ込んで無理やり枠を広げようとしているらしいがしかしそれも無駄な努力だ。
 世界を繋ぐ枠は小さく、彼ですら通り抜けられるかどうかと言ったところなのに怪物が通れるはずがない。
 それでも執拗に指を突っ込もうとする怪物の姿は、届かぬ月と言う宝石に手を伸ばす赤ん坊みたいでどこか物悲しい。
「やっぱ“あそこ”からしか出入りできねぇみてぇだな」
 そう言うと彼は戦乙女が手に持っていた剣を拾い上げ、

 ――オオオオオオオオオオオオオオオォォォ!?

 黄金の瞳に向かって、力の限り突き立てた。




747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 07:04:10 ID:vmn0FMsm
読者が集いし、支援の館へようこそ・・・

748 :Persona0:2008/08/03(日) 07:04:53 ID:ApilAfID
「ふわぁぁ、あ、あれ……?」
 目を覚ますと見知らぬ場所にいた、咲き乱れる薔薇、薔薇、薔薇、うん、素晴らしい場所だけどこんな場所近場にあったっけ?
 そうして周囲を見れば横で安らかな寝息を立てるルイズとキュルケ。
「あれ、あれれ……」
 一体全体どうしたのか? ともう一度周りを見て血の気が引いた。
「きっ、君は……」
 そこには亀甲縛りをした姿のもう一人自分が、静かにこちらに視線を送っていた。
 そうしてギーシュは思い出す。
 もう一人の自分を否定してルイズと決闘になったこと。
 その最中急に視界が切り替わり、ふつふつと燃えるのような激情に囚われルイズと串刺しにしてしまったこと。
 後悔する間もなく、突如として現われた青い服装の誰かによって滅多打ちにされたこと。
 ショックだった。
 薔薇を自称する自分が女の子を傷つけたことも、見知らぬ誰かどころか“ゼロ”のルイズにさえ負けるほど自分が弱いことも、そして同時に影が言っていたことに納得できる自分がいると言うことも。
「確かに、そうかもしれないな……」
 自嘲するようにギーシュは言った。
「僕は、逃げていたのかもしれない」
 そう言ってギーシュは一歩もう一人の自分へと近づいた。
「答えを先延ばしにして、決定的な答えが返ってくるのを恐れていたのかもしれない」
 もう一人のギーシュはどこか卑屈な笑みで微笑みかけたが、どこかそれは演技臭くギーシュには思えた。
 ――モンモランシーやケティの前で、僕もこんな貌をしていたんだろうか?
 そう思うとどこかおかしく、ギーシュは笑った。
「それは結局最後は女の子を悲しませるってことになるって、わかっていた筈なのに……」
 見ないふりをしていた心の奥底を突き出され、苦笑しながらギーシュは受け入れた。
「残念だけど図星だね、君は僕、僕は君だよ」


 >自分自身と向き合える強い心が、“力”へと変わる…
 >ギーシュはもう一人の自分。
 >困難に立ち向かうための人格の鎧、ペルソナ“シグルズ”を手に入れた。 

 


749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 07:08:43 ID:aE+m+E8m
支援

750 :Persona0:2008/08/03(日) 07:11:39 ID:ApilAfID
以上でございます。
書いても書いても話が先に進みません……
長編書いてる人たちマジ尊敬。

ギーシュのペルソナはシグルズかブリュンヒルデかで迷いましたけど結局、ワルキューレの恋人と言うことでシグルズに。
けど此処まで来てこの展開ならブリュンヒルデのほうが良かったかなと悩んでいたりしております。
そのうちペルソナの解説とかも付けてみたいのですが、調子に乗ると知らず知らずに暴走して文章が“痛い”文章になるのでやっていいものかどうか……

では失礼致しました、次は六話でお会い致しましょう。

751 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 07:48:03 ID:mMcXnYqo
ペルソナの人、お疲れ様でした

こちらP4がなかなかすすまんです。ただいまアイドル劇場攻略中
ニャルラトホテプとフィレモンも出てきて欲しいなぁ


では、8時から中編を投下しますね

752 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:02:58 ID:mMcXnYqo
 シュンッと風を切る音と共に、ジュリオの剣がジョゼフへ突きつけられた。
「戯れは止めてもらいたい!一体、あなたは何がしたいのですか!?聖地奪還を阻む始祖
の仇敵、エルフと手を結ぶ事が背教の罪でないとは、ロマリアを、教会を愚弄するにも程
がある!」
 突きつけられたジョゼフは、ようやく笑いをおさめた。そしてポンと膝を打つ。
「いやあ、すまんすまん。ちょっとからかうだけのつもりだったんだが、ついつい面白く
なってな。
 それでは、そろそろ全てを明らかにしようか。実は、俺はな…」
 よっこらせ、という感じで立ち上がった王は、これでもかと尊大にふんぞり返り、高ら
かに宣言した。

「連邦派なのだっ!」
 腰に手を当てて断言した。

 教皇もジュリオも、会場の内外全ての人が、何を言われたか分からなかった。
 一瞬の間の後「ああ、そういえばここはゲルマニア=トリステイン連邦設立調印式典会
場で、さっきまで調印式の真っ最中だった」と、思い出した。
 思い出したからって、ガリア王の連邦派宣言に、今さら何の意味があるのかは分からな
かった。

 人々の疑問には構わず、ガリア王は語り続けた。
「俺は、ここに宣言する!俺と同じ『虚無の系統』たるルイズの言葉に従い、地に平和を
もらたす、と!
 『聖地』などという、千年前に消失した幻想から目を覚まし、千年にわたり世界を守り
続けたエルフ達への誤解を解く時が来たのだ!ガリア王としてゲルマニア=トリステイン
連邦と共に、そしてエルフや翼人など、全ての知恵ある者達と共に新時代を築く事を、こ
こに宣言する!」
 その自信と威厳に満ちた言葉は、ミニスピーカーを通じてトリスタニア全体に響き渡っ
た。


  《ありがとうございます、ガリア王ジョゼフ一世よ。私達もあなたの宣言に賛同しま
  すわ》
 それは、マリアンヌの優しい声。
  《うむ、ゲルマニア=トリステイン連邦初代皇帝アルブレヒト三世として、ガリア王
  からの連邦設立承認と和平の申し入れに感謝する。共に、地に平和をもたらそう》
 それは、アルブレヒト三世の張りのある声。

 突如、女王と皇帝の二人が当然の様に感謝の声を発した。
 と同時に、何か甲高い音が空から響いてくる。
 人々が音のする方向、遙か東の空を見ると、雲の彼方に何か小さな点が二つ見えた。
 その点は、徐々に大きくなっていく。甲高い音も轟音と言えるほどに大きくなる。

 あっという間に、それは会場上空へ飛来した。いかなる艦よりも、風竜よりも遙かに速
く。三角の翼を持つ鉄の塊の様なものが二つ、火竜の群れの更に上を飛んでいた。
 それは、銀河帝国の強襲降下艇。
 二機の降下艇は黒々とした腹側をトリスタニアの人々に見せつけながら、甲高い音と共
に降下してくる。飛び回る火竜を気にする様子もなく、その群れの中を貫いて高度を下げ
る。そして、ガリア王とミョズニトニルンが乗る巨大ガーゴイルの横に着陸した。



753 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:04:46 ID:mMcXnYqo
 銀色の機体上部にあるハッチがバシュッと音を立てて開く。
 そして降下艇から男性が顔を出した。
「じょ、ジョゼフ様ぁーっ!」
 突然、男のひっくり返った裏声が飛んできた。それは神聖アルビオン共和国初代皇帝オ
リヴァー・クロムウェルの声だ。
「い、いやはや!驚きました!全く、あなた様の言うとおりでした!最初から最後まで!
教皇聖下がマリアンヌ陛下やアルブレヒト閣下だけでなく、私の命も狙っているという、
あなた様の警告にも一片の偽りは御座いませんでした!
 信じられません、本当に信じられません!私はかつて聖職者にあった身として、聖地奪
還を夢見たのは事実なのです!なのに、なのに…まさか、教皇聖下が私も火刑に処すだな
んて!
 しかも、既に聖地が消えていただなんて!残っていたのは召喚の門一つだけだったなん
てっ!」
 クロムウェルは興奮して早口をまくし立てながら、ハシゴを登ってくる。

 彼は銀色に輝く機体上部で、ツルツルの表面に足を取られそうになりながら、何とか立
ち上がった。そしてハッチをのぞき込み、奥に何か声をかける。
「大丈夫ですよ、皆さん出てきても」
「ふむ。では、行くとしよう」
「いやはや緊張しますね」 
 そんなヒソヒソ話が聞こえてくると同時に、軽やかに数人の男女がハッチから飛び出し
て機体上にフワリと降り立った。

 全員、長い耳を持つ老エルフだ。

 一人の老エルフが前に進み出た。
「我等はサハラのエルフ。各部族の評議会を代表し、大使としてこの地に派遣された。
 我等エルフの総意として伝える。ゲルマニア=トリステイン連邦設立を承認し、汝等蛮
人…と、失礼した、もはや蛮人とはいえんな。ハルケギニア人達からの和平申し入れを受
け入れる、と」
 元司教であるクロムウェルも、隣に立つエルフ達の言葉に何度も何度も頷いた。
「よ、余も宣言する!聖地奪還というレコン・キスタの大義は誤りであった、と!エルフ
達への偏見と誤解を捨て、手を取り合うと!
 余は、そこにいる秘書のシェフィールドから、そして、ジョゼフ様から全ての真実を伝
えられた。加えて、この目で見てきたのだ!聖地が今や草一本生えぬ死の荒野だというこ
とを!」
 クロムウェルは宣言した。レコン・キスタの大義を捨てる、と。

 これでハルケギニアの全世俗支配者が聖地回復運動を否定した事になる。なおかつエル
フとの和解を宣言。即ち、教会と教皇に叛旗を翻すに等しい。世俗の権威と始祖の権威、
真っ向から対立しているのだ。

 再びバシュッという音が響く。もう一機の降下艇のハッチも開けられた。
 中から『フライ』で飛び出してきたのはマリアンヌやヴァリエール公爵、アルブレヒト
三世とハルデンベルグ侯爵、そして最後にマザリーニが上がってきた。

 マリアンヌが前に進み出て、教皇へ向けて頭を下げた。
「今日、我等が集った理由について教皇聖下を謀っていたことを、ここに告白し懺悔致し
ます」
 アルブレヒト三世も前へ歩み出る。
「すまぬ、聖下。実は我々は、とうの昔に聖地へ案内され、サハラのエルフ達と和解して
いたのだよ。
 我等は知ってしまったのだ。始祖の力が暴走した事により聖地が消失した事を、世界が
滅びの危機にあったことを。そして、エルフ達こそが世界を守っていたと」
 後ろのマザリーニが空を指さした。
「全ては、あの者達のおかげだ。彼等が我々を聖地に直接連れて行ってくれたのだ」


754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:06:02 ID:9RoM2Kj6
ニャル様は消滅したけど城戸君がペルソナ持ってるし、城戸君が出れば解決じゃね?
ふめつのくろ強いよふめつのくろ支援!!

755 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:07:56 ID:mMcXnYqo
 空にはいつのまにやら、白銀に輝く細長い船が二機。『ドラート』だ。
 パシュンッと弾ける音と共に操縦席のキャノピーが開いた。
 前席のヤンが操縦する『ドラート』の後席には、風にピンクの髪をなびかせるルイズが
いた。フレデリカが操縦する『ドラート』の後席には、やたら胸が大きくて、長い耳を持
つ少女が金髪を風になびかせていた。
 遙か地上を見て、あまりの高さに怯えているのはティファニアだった。

 ティファニアはシートベルトで体を支えつつ、地上へ向けておずおずと手を振った。
「あ、あの…」
 勇気を振り絞って、何かを言おうとしたらしい。だが、すぐに俯いてしまう。前席のフ
レデリカが振り向き、微笑みと共に「大丈夫、みんなついてるから」と励ますと、エルフ
の少女は再び口を開いた。

「あ、あの!皆さん、初めまして!私、ティファニアと言います!」
 彼女は勇気を振り絞って力の限りに声を張り上げた。なので、スピーカー近くにいた人
はいきなりの大音量に仰天し、耳鳴りをする耳を押さえてしまった。

 フレデリカが苦笑いで、もう少し声を小さくと伝える。ティファニアは顔を赤らめて、
改めて語り出した。
「ご、ごめんなさい。私はティファニアと言います。アルビオンのサウスゴータ地方、ウ
エストウッド村から来ました。
 母がエルフで、父はプリンス・オブ・モード(モード大公)です。
 それと、その、私の系統なんですけど、『虚無』らしいです」

 モード大公。即ち前トリステイン国王ヘンリーの弟君であり、前アルビオン王の弟君。
モード大公投獄事件の真相は公には秘匿されているので、多くの外国人には何の事か分か
らない。だが、アルビオンから来た貴族達は流れてくる噂を耳にしている。そして噂を知
らない他の貴族達でも、モード大公がエルフと契りを結び、娘を得たという事実は理解出
来る。
 王族がエルフを妾にし、二人の間に生まれたハーフエルフは『虚無』の系統だった。ハ
ルケギニアの常識を覆すには十分な発言だ。事実、既にボロボロだった会場の人々の常識
は、トドメをくらった。

 高度を下げつつある『ドラート』の後席で、ルイズはすっくと立ち上がる。
 そして胸を張って声を張り上げた。
「教皇聖下!ほんっっと、申し訳ありませんでしたわー!実はこの式典、最初からエルフ
を含めた全ての人達との、和解と講和宣言が目的だッたんですのー!
 連邦成立式典は、ハルケギニアの貴族を一人でも多く証人として呼び寄せるための大義
名分だったんでぇーっすっ!」
 ルイズは、謝罪の言葉を口にしてはいるのだが、全然謝っている様子はない。むしろふ
んぞり返っている。そして、見下ろしている。

 もはや、目を見開いたまま動けないヴィットーリオを。
 言葉を無くした会場の人々を。
 町中のスピーカーから流れる音声に耳を澄ますトリスタニアの人々を。


 そんな中、一人ジュリオだけが気を吐いた。
「あ、ななたは、あなた達は、何を言っているのか分かってるのか!?そんな世迷い言を
信じろと言うのか!?
 まさか、あなた達全員が、ヤンという異国の軍人が騙る作り話に踊らされて、ハルケギ
ニアそのものをエルフに、いや、『フリー・プラネッツ』とか言う異国に売るつもりだとい
うのか!
 分からないのか!?その男の故国がハルケギニアへの侵攻を企てていると!あなた達を
懐柔して、都合良く植民地支配に利用するつもりだと!」
 彼は涼やかだったはずの顔を怒りに歪ませ、剣を振り上げて訴える。
 ヤンが侵略者の先兵であり、超技術を用いてハルケギニアを一気に侵略すると。マリア
ンヌもアルブレヒト三世もクロムウェルも、侵略後の植民地統治に利用するために騙され
ているのだと。


756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:10:35 ID:vmn0FMsm
こちら自由支援同盟のビコック提督である

757 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:11:01 ID:mMcXnYqo
 ガリア王は、下らぬものを見るかのようにジュリオを見下ろした。
「ほほう、ヤンの故郷『フリー・プラネッツ』がハルケギニアを狙っている…というのだ
な?」
「そうだ!あなたがその点に気付いていないはずがない!」
「お前は一つ間違えている。ヤンの故郷は『フリー・プラネッツ』ではない。その国は既
に亡び、今は『銀河帝国』の属領となっている」

 『ドラート』に乗るヤンは、ちょっと複雑な表情を浮かべつつ頷いた。

 だがジュリオには、とても頷けなかった。
「彼の故国の名前なんかどうでもいい!
 まさか、最初からそれが目的だったのか!?お前は、お前達はハルケギニアを『銀河帝
国』とやらに売り渡し、その走狗と成り果て、己の私腹を肥やすのが目的だったと…そう
言うのか!?」
 彼は兜を脱ぎ捨てた。これまでの怒りを叩き付けるかのように、地面に投げつけた。
 そして右手に握る剣を、力の限りにジョゼフへと突きつける。

 ジョゼフは引き締まった腕を胸の前に組む。
 青い髪が風に揺れる。
 そして、落ち着いた口調で答える。
「それは、無い」
 その回答に、ジュリオは落ち着いてはいられない。
「無い?無いだと!?何故そう言える、そんな事を信じられると思うのか!?」
「信じるも何もない。ハルケギニアは銀河帝国の侵攻を受けていない。それが全てだ」
「何を、何をバカな事を…今侵攻を受けていなくても、これから受けるかも知れないじゃ
ないか!?」
「それは無いのだ、ヴィンダールヴよ」

 ジョゼフは、自信を持って言い放つ。銀河帝国はハルケギニアを侵攻しない、と。
 だが、ジュリオにもヴィットーリオにも、この地に住まう全ての者にとっても、それを
信じる根拠は無い。

 ふふん…と軽く笑い、ジョゼフは左手を地面へ向けた。
「ま、その辺の話は本人から語ってもらおう」
 全ての視線がガリア王の指し示す先へと降りる。二機の降下艇、うち一機の下へ。


 そこには、一人の若い男が立っていた。
 いつからそこにいたのか誰にも分からない。だが、その金髪の人物は立っていた。黒を
基調として各所に銀色を配した服、その上に黒のマントを羽織っている。素晴らしい美貌
と王冠のように輝く金髪が眩しい、そして王者の威厳を漂わす青年だ。

  《ハルケギニアの貴族諸君、お初にお目にかかる。予は、銀河帝国ローエングラム王
  朝初代皇帝ラインハルト1世。
   今日、この場に立ち会えた事を光栄に思う》

 青年は名乗った。銀河帝国ローエングラム王朝初代皇帝と。
 この数ヶ月、『ドラート』をはじめとした数々の超技術に基づく品々をトリステインへ送
り続けている、噂の超大国。その皇帝が、一人で会場に来て立っているという。見た目は
確かに美しいが、それだけだ。普通の若い人間の男が一人で立っているだけの様にしか見
えない。
 いや、僅かにおかしな所はある。発言と口の動きがずれている。最前列の人々が目をこ
らしてジッと見てみると、足下も地面から離れ、僅かに宙に浮いている。

  《ああ、立ち会えたと言っても、予は会場にはいない。これは立体映像、ただの幻影
  に過ぎない。詳しい話は置いておくが、我々はそちらの世界に軽々しく行く事が出来
  ないのだ》


758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:12:56 ID:WpjTU1gw
支援

759 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:14:51 ID:mMcXnYqo
 ジョゼフのガーゴイルが長い尾を振り、ラインハルトの体をなぎ払う。だが、その姿は
一瞬ぶれただけだ。すぐに何事もなく同じ姿が投影された。降下艇の立体映像投影装置の
真下に。
 ラインハルトのハルケギニア語は、銀河帝国公用語を自動翻訳させてラインハルトの声
質と口調を可能な限り忠実に再現したものだ。そのため口の動きと発言に僅かなズレが生
じている。
 ラインハルトは、両手を広げて落ち着いた声を響かせた。

  《予はここに宣言する。
   銀河帝国はハルケギニアに対し、一切の領土的野心を持たない。また、相互不理解
  や疑念、何より迷信に基づく無秩序な争乱も望まない。予の望みは、二つの世界が手
  を取り合い、秩序ある交流の下、力を合わせて新たなる世界を築き、共に発展する事
  である。
   このため、銀河帝国ローエングラム王朝初代皇帝ラインハルト1世の名においてゲ
  ルマニア=トリステイン連邦設立を承認することを宣言する。のみならず、アルビオ
  ン、ガリア、そしてロマリアも含めたハルケギニア全ての国家に対し、平和的交流を
  求めるものである》

 ラインハルトは一呼吸を置き、そして大きな声を響かせた。この地に住まう全ての人へ
伝えるかのように。

  《地に平和を!
   銀河帝国、サハラのエルフ、ハルケギニアも、この地に生きとし生けるもの全てを
  含めた平和を築く事を、予は心より求める!》


 静寂が広がる。
 ただし、それは感動とか畏怖とかいう類の静寂ではない。
 理解出来ないものを前に、どう反応をすればいいのか分からないという類のものだ。


「・・・いきなり、何を言うのですか?」
 ここにきて、とうとう教皇が口を開いた。
 その麗しい尊顔には、信者達に常々向けている暖かな微笑みはない。ジョゼフに向けて
いた鋭い眼光もない。理解出来ない者を目の前にして対応に苦慮するかのうような、苦々
しげな歪みが浮かんでいる。
 ジョゼフへ向けていた聖杖も、ラインハルトへ向けられた。
「一体あなたは、どういうつもりですか?
 突然現れて、銀河帝国とかいう聞いた事もない国の皇帝だと名乗り、侵略する意思はな
いから安心せよと言い放つ。
 しかも、こともあろうにブリミル教の中心地たるロマリアに対して、教皇である私に対
して、異教徒であり聖地を奪還すべき相手であるエルフと仲良くせよというのですか?」

  《その通りだ。
   教皇よ、ロマリアが始祖ブリミルの没した地であり、祖王、聖フォルサテ以来、墓
  守として王国を築いている事は知っている。確か、今は皇国であり、代々の王は教皇
  と呼ばれているのだったな》

「その通りです。ロマリア大聖堂に宗教庁を置き、私は教皇という全聖職者と信者を庇護
し導くべき地位にあります。
 それで、あなたは何なのですか?あなた達が言う銀河帝国、その皇帝があなただという
証明が出来ますか?この地に侵攻する意思がないなどと、どうやって信じろと言うのです
か?」


760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:15:43 ID:cIdSIyTo
提督=薔薇乙女
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

JUNの次はYANかよ
どおりで似てないわけだ自己投影だからなwwwwwwwwww

761 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:16:57 ID:mMcXnYqo
 教皇の問はもっともなものだ。ハルケギニアに住む誰も銀河帝国なんて目にした事がな
いのだから、まずその存在自体が疑念の対象となる。確かに『ドラート』や降下艇は飛来
してきているが、国家自体を見た者はいない。正式な交流は全く無いので、その統治者が
誰なのか証明出来ない。
 ましてや、どう見ても普通の人間の若者でしかないラインハルトを見て、彼が皇帝だと
思う者もいないだろう。どういう人物かも分からないのに、「侵略する気は無い」と言われ
て素直に信じる方がおかしい。ハルケギニアの各支配者達が騙されている可能性も十分に
ある。
 当然その点はラインハルトも理解していた。

  《その疑問は当然の事だろう。いきなり予のような若者に「予は皇帝である。その方
  等との戦争は望まない。和平を築きたい」と言われて、信じるはずがない。信じるよ
  うなら人の上に立つ力は無い》

 その答えに、教皇も一応の納得を示した。
「よく理解しているようで幸いです。では、早速その点を証明して頂けますか」
 僅かに口の端を釣り上げて、教皇は証明を要求した。

  《よかろう、それは簡単だ。今すぐに出来る》

 今すぐに出来る、と答えられた教皇は少し面食らった。微かに首を傾げてしまう。
 銀河帝国については、各種小型艇を送り込んでいるので存在するのは事実と言えるだろ
う。だが、ラインハルトが皇帝だという証明を、この場ですぐに、どうやってするのだろ
うか。第一、侵攻する気が無いなど、人の心を読む力でもない限り確認する方法なんかあ
るはずがない。
 無論教皇もそう知っていて、あえて問いただしたのだ。

  《要は予の言葉が全て偽りであればどうなるか。予が皇帝ではなく、銀河帝国がハル
  ケギニアへの領土的野心を持っているとすればどうか、という事だ》

 ラインハルトの立体映像は、右腕を差し上げた。
 真っ直ぐに空を指さす。未だに多くの火竜が旋回を続けている頭上を。白い雲が漂う青
空を。
 会場内の、会場外の、全ての人々が空を見上げる。



 空は、相変わらず青く澄み渡っている。
 ぽっかりと浮かぶ雲が緩やかに流れていく。
 だが目の良い者達は、澄み渡っていた青の中に小さなシミがある事に気付いた。

 会場から微かな呟きが、そこかしこに生まれる。
「なんだ・・・?」
「何か、空にある…」
 何人かが空を見上げて小さなシミを指さす。

 やがて、視力が特別良いわけではない人々にもにも、そのシミは見えた。
 何か白い点が青空の中にある。じわじわと大きくなっていく点が。
 しかも点は一つではない。白点を中心にどんどん増えていく。

 会場全体にどよめきが広がる。
「何なんだ?何か、上空にいるみたいだぞ」
「鳥かしら…でも、何か、変よね…妙に高度が高すぎ…数も…」
 貴族達は増加する点を、首を回して把握しようとする。だが、すでに視界に収まりきら
ないほど点は広がっている。


762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:18:25 ID:tHPMrrAc
支援

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:18:47 ID:vmn0FMsm
シスコン陛下キター

764 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:20:09 ID:mMcXnYqo
 点は、どんどん大きくなる。どんどん増えていく。
 やがて会場上空、いや青空一杯に点が広がる。もはや点とは言えないくらい大きくなっ
ていく。
 いつしか白い点は、白い船の底である事が分かった。ただ、それが船と言って良いのか
どうか、会場の人々には分からなかった。

 どよめきは、いつしか驚きと恐怖の叫びに変わっていた。
「・・・あれは、船、なのか?」
「そんな、まさか…まだ雲より遙か上を飛んでいるのよ?あれが船だとしたら…」
「間違いない、船だ…とてつもなく、巨大な、白い船だ!」
「そ、そんな!?あんな、雲より巨大な…まさか、あれが銀河帝国の船だというの!?」
 空を見上げる人々は、もともと開いていた口を更に大きく開けてしまった。
 スピーカーから流れる音声に耳を澄ませていたトリスタニアの人々は、この時はじめて
視覚をもって会場で起きている事態の一端を認識出来た。


 それは、白い船。
 ただし、あまりにも大きい。まだ雲の上にあるというのに、地上の全ての人がハッキリ
と船を見る事が出来た。船の下を流れる雲より大きいからだ。ガリア両用艦隊旗艦『シャ
ルル・オルレアン』号ですら、全長150メイルの木製空中戦艦。だが今、徐々に会場へ向
けて降下してきている船は、明らかにその五倍を超える。そして材質は、どう見ても木で
はない。もっと遙かに硬質で滑らかな、金属か陶器の様に見える。なにより、帆の類が全
くない。

 ラインハルトは会場の人々の反応に、楽しげに笑みを浮かべつつ告げる。
  《あれは予の艦、ブリュンヒルトだ。
   銀河帝国艦隊の総旗艦であり、今回の式典にあたり親善艦隊旗艦として相応しいと
  思い、派遣した》
 銀河帝国皇帝の解説だが、人々の耳に届いたかどうかは疑わしい。ハルケギニアの人々
は、空に目を奪われてしまっていたから。その巨体に、巨艦の表面を走る風が雲を霧散さ
せる有様に、信じがたい巨大さだったために有り得ない速度で降下してきている事にも気
づけなかったという事実に。


 ブリュンヒルト (Brunhild)。
 ラインハルトの乗艦。かつて彼が大将に昇進した際に下賜された。後の帝国軍総旗艦。
流線型で優美かつ繊細なフォルムを持ち、白鳥にも喩えられる。全長1,007m。コスト無視
の装備がなされ、その外観に似合わず強力な火力と装甲を持つ。


 そして、地上へ向けて降下してきているのはブリュンヒルトだけではなかった。白い船
の後に続いて、次々と船が降下してきていた。空一杯に広がっていた点、それら全てが大
気圏へ降下する銀河帝国艦隊の艦船だった。

 今や、トリスタニアの空は銀河帝国の艦船で埋め尽くされていた。

 その中の一つとして、ハルケギニアの戦列艦より小さなものはない。帆を持たず、風を
無視して飛来してくる。その数は数え切れない。彼等の頭上に降りてきたブリュンヒルト
だけで視界の大半を遮っているのだ。ブリュンヒルトの巨体の向こうに見える艦は、どう
見ても千隻を上回っている。

 未だ会場上空を旋回していた火竜達が怯え、耳障りな叫びを上げてパニックになり、無
秩序に飛び回り出す。会場内の幻獣達も恐怖の呻きを上げている。そしてそれは人間達も
同じだ。いや、人間達こそが最も恐怖と混乱の渦中に叩き込まれている。会場は悲鳴で満
たされていた。





765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:21:25 ID:r2LH9WX0
支援

766 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:22:27 ID:mMcXnYqo
 同時刻、聖地。
 トリステインは昼だが、時差の関係上、サハラは既に夕方。
 クレーター中央には、400メイルまで拡大した門がある。その門の輝きの中から、銀河
帝国の駆逐艦が湧き出しつつあった。門の出口付近にはゲート通過を終えて上昇を開始し
つつある駆逐艦の艦列がある。その艦列は遙か空の彼方、大気圏外まで続いていた。
 その様子をクレーター周囲に佇むエルフの調査隊員達と人間達が見上げていた。

 クレーターの畔に立つ金髪の女性、エレオノールも艦列を眺めていた。
「・・・まったく、これはいつまで続くの!?夜明け前からゲート通過が始まったという
のに、未だに終わらないだなんて!」
 その隣、地面の上に寝っ転がる緑の髪の女、マチルダが眠たげに答えた。
「えぇ〜っと、予定では3600隻って言ってたから…今で、ええ…と、1200隻くら
いかい?」
「言われなくても分かってるわよ!ただの愚痴よ!というか、もう1800隻はいってる
ハズだわ」
「つまり、やっと半分だねぇ。はぁ、なぁ〜んでヤンが故郷に帰るだけで、こんなに艦が
いるんだろうねぇ」
 そう言うと、マチルダは大あくびをしてゴロリと横を向く。自分の右腕を枕にして寝る
気らしい。

 その様子を見て、隣でイライラしながら立っているエレオノールが腹立ち紛れに食って
かかった。
「随分と余裕ね!あなたの元恋人が国へ帰るというのに。今からでも会場にいって、別れ
の挨拶くらいしてきたら?」

 二人の間に、少し沈黙が流れる。

 マチルダは寝っ転がったまま、めんどくさそうに答えた。
「辛気くさいのはゴメンだね。それに…」
 彼女の左手は、自分の下腹部を愛おしげに撫でている。
「お土産はもらってあるから、寂しくなんかないさ」
 そう呟くマチルダの背中は、エレオノールには寂しげに見えていた。だから、それ以上
何も言わず、延々と続く艦列を眺め続ける事にした。




 やはり同時刻、イゼルローン回廊。
 ヤンを発見した当時より改良と増設を重ね、今や小規模な要塞にも等しい『アインシュ
タイン・ローゼンの橋』監視観測司令所の中央司令室。巨大立体ディスプレイと沢山のオ
ペレーター達を見下ろす司令席に、体操選手のような無駄の無い体の銀河帝国将官が座っ
ていた。
 指令席のコンソール上に投影される映像の一つに、シャン・ド・マルス錬兵場へ投影さ
れるラインハルトの映像も、現在では既に百を超える第二地球衛星軌道上の観測衛星から
撮影された練兵場周辺の映像もある。もちろんブリュンヒルトから撮影された会場の様子
も。
 だが、蜂蜜色で癖のあるおさまりの悪い髪に、あまり長身ではない将官の目は、別の方
を向いていた。背後の扉へ、軍靴の踵を怒りにまかせて床に叩き付ける音の方へと向けら
れていた。


767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:24:11 ID:VTEW1mTp
マチルダさん妊娠してたのか支援

768 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:25:02 ID:mMcXnYqo
「ミッターマイヤー元帥…」
 気の毒そうに指令席の人物の名を呼んだのは、彼の隣に立つユリアンだ。
 元帥は、同じく気の毒そうな顔で若者へ振り返った。
「ミンツ司令官、貴官が気にする事ではない。これは帝国軍内の、しかも一将官のごく私
的な趣味の問題と言って良い」
 そう説明を受けたユリアンも、溜息混じりにコンソール上のモニターを見る。そこには
パニックに陥るハルケギニア貴族達の姿が俯瞰図で映っていた。
「でも、メックリンガー上級大将の意見はもっともです。今回の作戦を数時間も遅らせる
ほどの激しい抗議は理解出来ますよ。多分、ヤン提督も本心では、メックリンガー上級大
将の意見に同意しているでしょう」
 ユリアンの意見に、まだ三十代前半の若い将軍も溜め息混じりに答える。
「とはいえ、次元の壁を破って我等の宇宙へ帰還するには、あれだけの大艦隊が総掛かり
でワームホールを作らねばならない。それに今後、万一にもハルケギニア人達にゲートへ
干渉されるわけにはいかないんだ。
 彼等に聖地奪還運動を諦めさせるには必要な事だ。ミンツ司令官とて、この作戦には賛
同したはずだろう?」
「ええ…ヤン提督を取り戻すためなら、両宇宙に平和をもたらすためなら、やむを得ない
事です」
 同意の言葉を口にするユリアンだが、その顔は不承不承という感情が露わだった。


 ウォルフガング・ミッターマイヤー(Wolfgang Mittermeier)。
 首席元帥であり、ローエングラム朝銀河帝国宇宙艦隊司令長官。ロイエンタールと共に
「帝国軍の双璧」と呼ばれる。艦隊の高速移動に定評があり、「疾風ウォルフ」の異名を持
つ。
 現在ラインハルトは式典会場と通話中であること、及び可能な限り速やかな艦隊のゲー
ト通過が必要なため、今回の作戦ではミッターマイヤー元帥が指揮を執る事となった。

 今回の合同作戦には、幾つかの目的があった。
 単純に、連邦成立を祝う親善艦隊の派遣。
 ヤン提督の回収。
 出来るなら、ロマリアにいる可能性が高い『虚無』の使い手を誘い出す。
 そして何より、ハルケギニア人に聖地奪還運動を放棄させる事。



 つい先日、とうとう座標算定に成功したのだ。
 銀河帝国と旧同盟が総力を結集し、あらゆる分野の科学者と技術者、そして徴収可能な
コンピューター全てをつぎ込んだ結果、召喚ゲートを通過せずにワープすることは可能と
なった。

 だが無論、通常の艦船に搭載してあるワープ・エンジンでは出力が足りない。だからと
出力を単純に上げると、エネルギー源も何もかも同時に巨大化し、今度は巨大な要塞のよ
うな大質量を伴う事になる。そのような巨大なワームホールを両宇宙間に不用意に開く事
はリスクが高い。現在の所、召喚ゲートは未だ謎だらけで、人工的に生み出す事もできな
い。
 よってヤン達の回収には時空の安定確保が最優先とされた。時空転移は一回のみ。ワー
プ・エンジンを改造した艦隊を遠隔操作し、召喚ゲートを通過させる。ヤン達を回収した
ら第二地球周辺の重力圏を離れた宙域に移動する。その上で、改造ワープ・エンジン数千
を遠隔操作と自動操縦で完全同期させる。ヤン達の乗った艦が通れるだけの、最小限度の
ワームホールを造るのだ。




769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:27:03 ID:ZtItnc+G
しぇーん

770 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 08:29:16 ID:mMcXnYqo
 数ヶ月前、ヤンとラインハルトが水の塔で連絡をとった後、すぐにヤンはエルフ達と連
絡を取った。もちろん、大地と大気の精霊による防壁を軽々と突き破って飛び去る多数の
飛行物体に仰天し慌てふためいたエルフ達も、使者としてビダーシャルを学院へ送ってい
た。
 ゲートがイゼルローン側から捕獲されている事、宇宙歴時代から千年に渡ってゲート衝
突事故事が生じていた事、捕獲し続ける限り新たなゲート衝突事故も聖地の大爆発も生じ
ない事、等が説明された。エルフといえど、本来なら信じがたい話ではあった。が、予め
ヤンからエルフ達に聖地の情報が伝えられていた事もあり、時間はかかったが、どうにか
信じてもらえた。
 ともかくゲートを捕獲し続ければ、聖地の嵐は起きず土・水・空気への汚染は収まる。
新たな兵器類のゲート衝突事故も起きず、安全を確保出来る。エルフ達も納得し、精霊に
よる聖地の封印を解除した。
 こうしてエルフと銀河帝国はヤンを仲介役としてテーブルにつき、今後の対応について
協議に入った。ちなみに、この交渉のために多数の通信機器等が聖地近くのエルフの集落
へ設置された。エルフ各部族からも続々と代理人や代表が派遣され、速やかに交渉の席に
ついた。


 さて、ゲートの件はとりあえず真相が判明した。ヤンとフレデリカの帰還も座標算定を
待つだけの、時間の問題。だが、まだ解決していない問題がある。全てを水泡に帰しかね
ない、大問題が。
 それは、ゲートが始祖ブリミルの系統『虚無』というハルケギニア人の魔法で生み出さ
れていること。もう一つは、ハルケギニア人が無知と誤解に基づいて聖地奪還を望んでい
ることだ。

 万が一、ルイズやティファニアのような他の『虚無』の使い手が、聖地の門を新たに生
み出したら、元も子もなくなる。また最初からやり直しだ。そして聖地以外の、もしかし
たらハルケギニアのど真ん中で聖地のような大爆発が起きるかもしれない。また、戦力差
から可能性は乏しいが、ハルケギニア人がエルフを駆逐して聖地を奪還したりすると都合
が悪い。ブリミル教という宗教支配の下で誤った知識を教え込まれたハルケギニア人は話
し合いが難しい。
 最悪、誤解と偏見と迷信を根拠に聖地で新たな魔法を使って、ゲートをさらに暴走させ
てしまうかもしれない。

 ゲートが暴走した場合に何が起きるか、全く予想は付かない。が、シャフトは考え得る
事態を最悪のケースから順に幾つか列挙した。
 宇宙同士の衝突による摩擦でビッグバンが発生し、両宇宙は消滅又は融合。
 際限なく広がった時空の裂け目に両宇宙が飲み込まれ、全てが虚数の海に還る。
 重力バランスが崩れ、双月が第二地球に衝突。
 ゲートが銀河帝国側宇宙と直接連結され、双方向の自由移動が可能となり、第二地球の
大気も何もかも全てが真空の宇宙空間へ吸い出される。
 etc...
 もちろん銀河帝国もイゼルローンも、あまりに途方もない予想に頭を抱えた。科学的な
話は分からないが、エルフ達も事態の深刻さは理解した。

 だからといって、ハルケギニアを武力制圧するわけにはいかない。制圧しようにも、現
状では人員を送れないのだから。召喚ゲートの通過は人体への影響がいまだ不明。ワープ
はあまりにもコストとリスクが高い。何しろ、ヤン達を回収するだけで3600隻を無人のま
まで第二地球側に送らねばならないのだから。しかもゲート拡大に使用している艦船の分
もある。
 遠隔操作した艦船でハルケギニアを砲撃、破壊し尽くして『虚無』の血統を根絶やしに
する…のは有り得ない。未知の技術である魔法、銀河帝国側の第一地球では遙か昔に絶滅
した多種多様な生物群、伝説の幻獣達、それらはあまりに魅力的だ。西暦2039年の13日
間戦争で熱核兵器により破壊し尽くされた文明・史跡旧跡も、多少姿形は違うが、当時の
状態のまま残っている。


771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:32:41 ID:tHPMrrAc
支援

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:39:31 ID:zUYQo6fa
支援  制限引っかかった?

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:41:58 ID:51eVjBYS
支援だ、支援するより他あるまい。

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:42:34 ID:sqJCLXUc
教皇立場なしwww

支援

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:43:07 ID:4EhEzNwN
避難所確認しておこう… 支援

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:46:20 ID:ApilAfID
自分との支援の数の差に吹いた。
しかし支援せずにはいられない!

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:50:57 ID:tHPMrrAc
>776 引っかかっちまったから、その間の分多く見えるだけだよ、
一応 支援。

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:51:06 ID:vmn0FMsm
まさか・・・地球教の仕業か!(汗)

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:52:10 ID:abE3tO+i
がぁーNAMAGOROSHI !!!
早く続きをー
支援 !!


780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:58:17 ID:ZqzRsJq2
支援する!
それしかない!

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:59:10 ID:Ap6PLWEm
支援 家財もって逃げ出す平民いそうだなw

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 08:59:26 ID:51eVjBYS
こりゃあ、9時の連投規制解除まで待たなきゃなんないかな、支援

783 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 09:04:14 ID:+cwbXjth
すいません・・・OTZ

断線してました
再起動ついでにさるさんきせいも逃れてました

ご迷惑おかけしました


784 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 09:05:11 ID:+cwbXjth
 例えばヴェネチア(Venezia)。イタリアの北東部にあった水上都市は、干潟の上に建物を
建てていた。干潟に大量の丸太の杭を打ち込み、それを建物の土台とした…ので、最初か
ら泥の中に沈む運命。実際、近世には水没しかけていた。そんな水上都市すら、ハルケギ
ニアではアクレイアの名で中世そのままに存在している。それも二十世紀後半以降の、土
産物屋とホテルとレストランで埋め尽くされた観光地としてではなく、人が暮らす本物の
都市として。

 ちなみにゲート通過による人体への影響だが、既に数ヶ月経った現在でも未知数のまま
だ。フレデリカニはハルケギニア語が話せるようになったという以外の変化は見られてい
ない。
 肝心のヤンなのだが、やはり『契約』の脳への影響が明確ではない。確かにヤンはルイ
ズを娘のように可愛がっているが、果たしてそれは魔法による洗脳か否か、誰にも分から
ないのだ。
 ヤンにとっては命の恩人で雇用主。見た目は愛らしい少女。意地っ張りで素直じゃない
けど、根は優しくて努力家で善良。何よりヤンがルイズを娘のように可愛がる以上に、ル
イズがヤンを父のように慕っている、としか言いようがない。これでは両者の関係が魔法
による洗脳かどうか分からない。ルイズに笑顔を向けられて悪意や敵意を持てる男がいる
とも思えないから。
 結局この点は今後の研究を待つしかない…というのも野暮な事。
 加えてガンダールヴについては、まさに謎の塊。いくら調べても全く何も分からない、
というより理解出来ない有様。

 話は戻るが、ともかくラインハルトは宇宙を奪う事を望んだが、破壊は望んでいない。
まして、1521年にアステカを滅ぼしたスペインのエルナン・コルテス(Hernan Cortes,
1485-1547)、1532年に皇帝アタワルパを殺しインカ帝国を滅ぼした、同じスペイン人のフ
ランシスコ・ピサロ(Francisco Pizarro、1471 - 1541)のような「文明の破壊者」と呼ばれ
る気はなかった。
 偏見と先入観と独善から異種文明を悪と決めつけ破壊するなど愚の骨頂。子供向けTV
や芸能情報を垂れ流すワイドショーでしか通用しない、無知で野蛮な凶行。高官達も当然
その程度は理解していた。

 また、領土の面から言うなら、第二地球は単なる一惑星。同程度の地下資源を有する未
開の惑星などいくらでもある。その狭い惑星上で、数多の小勢力が狭い国土を奪い合い、
群雄割拠を続けている。これを本当に征服して統治しようと思うと、トリステインやガリ
アやアルビオン、エルフ・翼人・オーク鬼に吸血鬼に、はては韻竜まで、全くの異生物を
一つ一つ相手することになる。思考形態から何から根本的に異なる相手に、銀河帝国の法
と正義を一から説明して押しつけてまわる…ナンセンスだ。そんな微細な小部族を、一々
構っていられない。
 一部には「ゲート破壊による完全解決」という意見もあったが、安全な破壊方法すら現
状では不明で実行不能だった。

 結論として、第二地球はリスクとコストが高すぎて統治出来ない。銀河帝国との接触は
最小限に抑え、文明と生態系をそのままで保存してこそ価値がある。第二地球の住人達と
対立するなどもってのほか。虚無をはじめとする系統魔法やエルフ達亜人が使う先住魔法
は、様々な面で科学を超える。是非とも彼等と交流し、協力体制を築きたい。魔法を手に
したい。
 事実、既にこれらは垂涎の的だ。観測所の運営拠点となっているイゼルローン要塞は、
はやくも全宇宙から科学者・技術者・文化人・メディア関係者・企業のエージェント・山
師や単なる野次馬まで詰め掛けているのだ。要塞の実務管理者キャゼル中将とイゼルロー
ン要塞司令官代行メルカッツ客員提督は、帝国軍のみならず彼らへの対応にも忙殺される
毎日だ。
 もちろんハルケギニア人に聖地奪還運動を止めさせて、ゲート衝突爆発事件に終止符も
打ちたい。
 更に言うなら、第二地球調査とヤンの身柄回収は銀河帝国の国家的事業となっている。
民主共和制の要たるヤンを捜索・発見・回収することは、銀河帝国に対する共和主義者の
反感を溶かし、帝国への協力を促し、彼等の帝国内への取り込みを促進する。第二地球調
査とパラレル・ワールド進出は国家の枠を超えた人類史に残る大事業であり、帝国支配へ
の反感を逸らす。


785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:06:03 ID:4EhEzNwN
支援だ

786 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 09:09:03 ID:+cwbXjth
 エルフにしても、元々争いは望んでいない。また、どう考えても抵抗自体が無意味な程
に銀河帝国の技術力軍事力が上なのも理解出来る。召喚ゲート事件を解決に導きたいとい
う姿勢も一致。各種魔法や幻獣達への露骨すぎる好奇心と欲望には辟易させられるが、銀
河帝国とイゼルローン勢力は、話し合うに足る知性と理性を持つ相手だとは認める事が出
来た。

 こうして立てられた作戦が、今回の連邦とガリアの統治者、エルフ、そして銀河帝国が
共同して実行した「講和宣言」。聖地奪還がもはや無意味であり、実行も不可能だと認識さ
せるのだ。なおかつすべての『虚無』の使い手を集め、彼らの理解と協力を得られれば、
もはや言うことはない。


 だが、この作戦に最後まで反対の意思を表明し続けた人物が銀河帝国にいた。それがピ
アニストにして水彩画家かつ散文詩人、美術骨董品コレクターでもある異色の軍人、「芸術
家提督」の異名を持つ上級大将、エルネスト・メックリンガー。
 彼は元々は軍人志望では無かったが、売れない芸術家だった頃に生活の手段として軍人
になった。
 その彼は、今は司令室を後にしてラウンジへ向かっていた。

 ラウンジの窓からは、400mまで拡大された光り輝くゲートが彼方に見える。その周
囲にはゲートを拡大させている艦隊の輪、千隻以上がぐるりと取り囲んでいる。通過を待
つ艦隊の列も延々と並んでいる。艦列の通過自体は十時間以上も前から始まっているのだ
が、何しろゲートは広くないし艦は遠隔操作や自動操縦。聖地側の大気に悪影響を出すわ
けにも行かない。なので一分ごとに2隻ほど、ゆっくりと通過している。おかげでまだ半
分も通過できていない。
 そしてラウンジにも、多くの見物人の軍人と、窓から見える艦列をレポーターつきで実
況するマスコミ関係者達がいた。

 そんな光景を忌々しげに眺めながら、手に持ったワインの瓶をグラスに自分で注いで一
気に飲み干した。
「何が、何が両宇宙の平和だ・・・文明の交流だ!
 ハルケギニアはブリミル教への信仰を基礎とする貴族社会だぞ!その信仰の元になる聖
地と始祖の真実を伝えれば、彼らの信仰も王政も破壊されるんだ。魔法文明も衰退してし
まう。
 第一、そのブリミル教自体が素晴らしい文化だと、なぜ分かってくれないのか!彼らの
生み出した教会、彫刻、経典は、既に我々の宇宙では13日間戦争の核爆発で灰燼に帰して
しまったんだ!一度失われた文明と生態系を取り戻すチャンスだというのに、それを、ま
た破壊する気か!?」
 彼はひとしきり悪態をつくと、再びグラスになみなみとワインを注いで一瞬で飲み干し
てしまう。

「・・・こちらでしたか。まだ言い足りない事がおありなのですね?」
 そういって背後から声をかけてきたのは、ユリアンだった。
「ああ、言うよ・・・何度でも言うとも!皇帝陛下も、お前たちも、みんな野蛮人だ。文
化の意味と価値を理解しない原始人だ、とな!」
 メックリンガーは心から軽蔑するようにはき捨てると、今度はワインボトルから直接に
ラッパ飲みをした。
 その後姿に、ユリアンはそれ以上かける言葉を見つけられない。


787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:10:07 ID:4EhEzNwN
姉妹スレの吸血鬼じゃあるまいし…
支援

788 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 09:10:52 ID:+cwbXjth
 ユリアンは、そしてメックリンガーとて、分かっていることだ。
 今後出現するすべての『虚無』の使い手に理解と協力を求めないと、第二、第三の『聖
地の門』が出現する可能性がある。可能性は何千年に一度のものかもしれないが、一度現
れれば両世界に無秩序な死と破壊を撒き散らす。これを防ぐためには彼らに真実を教える
必要がある。
 精霊魔法や系統魔法による科学を超えた医療技術は、今すぐにでも欲しい。魔法と化学
の融合、そして多種多様な知性と生態系が、両文明の発展にどれ程の寄与をするのか想像
もつかない。
 そもそも、既に自分たちはパラレル・ワールドの存在に気づき、移動方法を発見してし
まったのだ。もはや両世界の接触は避けられない。ならば、ラインハルトとヤンの力と知
恵を持って、最善とはいえなくても次善の策でもって対応したほうが、お互いのためにな
る。

 だが、それでもメックリンガーは納得できなかった。
「全く、ただ接触するだけでも取り返しのつかない失敗だということがなぜ分からないん
だろうな・・・。
 かつて、新天地を発見したと喜んで上陸した船乗りたちが持ち込んだ動植物で、どれほ
どの固有の種が滅んだか知らないのか?この六千年の間、召還門を通じて、こちらの宇宙
から各種細菌やウィルスは向こう側に持ち込まれているから、新たな感染症の拡大の危険
は低い、だって!?まだ持ち込まれていなかった病原菌だって、いるかもしれないじゃな
いか。
 向こうの世界から持ち込まれる未知の病気だってあるんだぞ!?」
 芸術家提督は酒をあおりながら、いつまでも文句を呟き続けた。背後のユリアンや、周
囲に他の士官や、取材を続けているマスコミ関係者がいるのも気にせず、酒を胃に流し込
みながら、ブツブツとぼやき続けた。

 取材をしていたレポーターの一人が、堂々と皇帝への不平を漏らすメックリンガーに気
付いて取材しようとした。だが、ユリアンがやんわりと断り、彼等を連れてラウンジを後
にした。
 そして、そんな提督の警告には耳を貸すことなく、艦列は輝く鏡の中へ整然と吸い込ま
れ続けていた。





789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:12:29 ID:4EhEzNwN
容量ヤヴァイな… 
次スレ立ててくる

支援

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:12:35 ID:51eVjBYS
意外にお堅いなメックリンガー、支援

791 :ゼロな提督30:2008/08/03(日) 09:12:50 ID:+cwbXjth
中編ここまでです

途中の中断、申し訳ありませんでした



後編は、お昼までには投下しようかと思います

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:14:22 ID:sqJCLXUc
メックリンガーw

駄目だこりゃ

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:16:07 ID:sqJCLXUc
何はともあれ、乙!

クライマックスに向けてwktkが止まらない

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:17:08 ID:4EhEzNwN
提督の方、乙でしたー!!!

ついでに次スレ
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1217722582/

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:17:33 ID:4VShBld/
乙ですた。お昼まで待てるかしらん(´・ω・`)

796 :虚無の鍛聖:2008/08/03(日) 09:18:09 ID:zUYQo6fa
提督さん乙でした!!何か設定深くてすごいなぁ…

で、こっちも3話目出来たので投下したいのでみなさんOKサインをお願いします
30分くらいから投下予定です

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:18:44 ID:pZqwoyr9
投下が早いのは読み手としては嬉しい。
しかしこうあまり間もなく投下されると他の職人さんが投下しにくくないか?
しかも朝とか昼までとか曖昧な表現だと尚更。
投下するならまとめて投下するかもっと間をおく、もしくは明確な時間をいうべきでは…

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:18:52 ID:BPYkDouD
>>796
容量厳しいから次スレに投下した方がいいかもよ。

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:19:15 ID:ZtItnc+G
ジョセフが「俺は連邦派なのでな」といった瞬間に脳裏を「ジオン軍驚異のメカニズム」なる単語がよぎった

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:19:26 ID:zUYQo6fa
次スレ立っちゃったか…どうしよう?

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:20:43 ID:ZtItnc+G
1レスの短編ならまだ大丈夫だけど長いのはあっちの方が無難

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:22:26 ID:+Wf2VTZX
>>799
>連邦
ジョゼフ「♪サユーズ ネルシームイ リスプーブリク スヴァボードヌイフ」
なぜかこれが浮かんだ

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:23:08 ID:DDcxTVbR
残り13KBじゃ、短編も無理っぽい

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:27:31 ID:FvBEnSav
次スレも立ちましたし、埋めますか( ´ー`)y-~~

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:29:53 ID:Ap6PLWEm
うめうめ

806 :鋼の人 ◆qtfp0iDgnk :2008/08/03(日) 09:32:03 ID:aRKAlXaM
提督の人がフィーバーしてるなぁ…
よっし、おいらも続きを書くぞ。
今日中に次のを上げるわ〜

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:33:29 ID:DDcxTVbR
短編組は厳しいぜ

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:38:55 ID:L2yhQyuc
英呂独仏蘭の同盟
vs
伊の1国じゃあ勝ち目はないわな

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:41:35 ID:CrRrZwNz
提督さん乙です。続きも楽しみです。

……と、埋めに入ったようなので遠慮無く書き込んでみた。

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:42:57 ID:ICLb6HTa
メックリンガーが壊れてる。
10時30分が待ち遠しい。

では埋め開始。

>>500kbなら「ベルサイユのばら」のオスカル召喚。

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:45:12 ID:L2yhQyuc
しかし文化財保護って面で見たらメックリンガーの言にも一理ある
だけども文化は変化していくものと考えれば温故知新でやっていくのも1つの手ではある
難しいところだ

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:52:04 ID:DDcxTVbR
>>810
マリー=アンアンですね

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 09:53:13 ID:FUhLbQLY
>>808
単独の戦いだと得意の「いつの間にか味方の国裏切って戦勝国側につく」も使えないしな

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:02:32 ID:L2yhQyuc
あとはもうサレンダーするか
でもサレンダーしたらしたで宗教上の権威は失われる
権力はともかくとして権威まで失われるのはよくないんだよな
日本は権力は内閣総理大臣が持ってるけど権威は天皇家が持ってるから上手くいってるんだし

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:07:17 ID:ibSSKfEY
あれ? そういえばアンリエッタ姫はどうなるんだろう。廃嫡こそされていないものの、トリステインを滅亡寸前にまで追い込んだ上にレコンキスタへと逃亡。
人の口に戸は立てられないから行状はいつか知れ渡るだろうし、ついていったウェールズも死人に過ぎない。
……レコンキスタもクロムウェル自身が『連邦』に迎合したから、逃げ道はもう塞がれたんだよね?

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:17:16 ID:DDcxTVbR
アンアンは国を再建させるべく、聖杯戦争に参加するのです。

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:18:09 ID:uMPj/LQB
>>815
提督のウェールズは辛うじて生きてる状態で治療されてから洗脳喰らったんじゃなかったっけ?
29話のクロムウェルの台詞でそう臭わせるものがあったと思うけど。

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:18:13 ID:vJgalkho
>>815

ウェールズは死んでないだろ
洗脳はされてるだろうけど、それも解除されて2人でひっそり暮らすんじゃないか?

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:23:06 ID:L2yhQyuc
>>816
アーサー王みたいなそんな気概があったら現状はなかっただろうに

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:23:32 ID:Q9WVJUwh
>>818
昔話&アンアン的には、それがハッピーエンドだな。

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:25:12 ID:I0sdS+Qb
>>818
ウェールズにとっては生き恥晒してまさに地獄だが、アンアン見捨てるわけにはいかんしね

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:31:15 ID:I0sdS+Qb
つーかギーシュ達はどうなるんだろ?
アンアンが国を捨てて逃げた経緯を知ってても、やはり忠誠は捨て切れなかったか
そこを教皇達に上手く利用されたんだろうけど

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:43:35 ID:sqJCLXUc
誰かワルドのことも思い出してやってください

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:52:16 ID:I0sdS+Qb
そういえばあいつももう行き場所が無い上に、聖地に託した望みも全てパアだわな
ウェールズやアンアンにワルドその他レコン・キスタに参加した連中はアルビオンに島流しかな
(もちろん船や飛竜などの外に出る手段は奪っておく)

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:55:44 ID:lzedfA4W
もう500kbとかwww

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:57:19 ID:neFZWHva
>>824
極論するなら丈夫で大きい布があればパラシュート作ってアルビオンからの脱出可能
・・・・・・・まああの世界に「パラシュート」という概念があるかは不明だが

あとヴィンダールヴの能力封じる方法見つけないと

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 10:59:22 ID:J/PWKT6q
何しろファンタジーの世界だ。
パラシュートなんて我々の常識を吹き飛ばし、ハットリくんの風呂敷みたいな飛び方でアルビオンから地上へ来るに違いない。

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:04:49 ID:neFZWHva
極端な話「一定時間で解ける錬金」で体を鉄に変えて必殺「ロープ無しバンジー」で脱出は可能

杖作るのに特殊な材料or技術or特別なナニカが必要だったら没収されてたらどうにもなりませんが

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:06:14 ID:BPYkDouD
地面&海面ギリギリでレビテーションかければいいじゃん。

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:09:30 ID:I0sdS+Qb
まあ自分で言い出しといてなんだが、魔法なんてものがある世界では島流しは効果的な刑罰とは言えないな
手を潰すとか声帯を潰すなりして魔法を使えなくして放り出すほうが効果的だ

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:13:26 ID:neFZWHva
「魔法は鉄を忌諱する」とかだったりしたら外科手術で鉄、ないし魔法を封じる金属を
体内に埋め込むというテがある。

王宮とかが存在する以上魔法を防ぐ方法が絶対存在するはず」
それとも「ブ厚い壁」あたりの力ずくでしか防げないのかな?

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:21:08 ID:3449KNcL
ふむぅ、もう少しジョセフの逡巡とかクロムウェルの内面を丁寧に描写して欲しかった気もする

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:24:22 ID:I34mbf9t
>>828
アストロンですね、わかります。

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:28:45 ID:LhI1K9dv
>>832
クロムウェルはともかく
wktkするだけじゃないのか
まともに育ってたら一番進歩的で優れた王になってそうだし

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:31:34 ID:zJ7PXc7j
>>831
いや、普通に王宮建ててから固定化すれば済むと。
便利だよなー固定化って。

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:49:44 ID:zjb0Kmy9
へい!しのぶ!に匹敵した面白さだった!!!乙

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:51:02 ID:nVD9e01Y
>827
動画:体ひとつで滑空する『ウイングスーツ』
http://wiredvision.jp/news/200711/2007111422.html

こんなかんじに飛び降りて
着地の寸前にフライを掛ければ問題なし

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 11:51:02 ID:zjb0Kmy9
あう・・・・・・超誤爆った・・・すまん

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 12:36:09 ID:DMoJ2eTY
錆は止めるのに電池は減らないんだっけ?
どっちも化学変化なのになw

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 13:56:38 ID:CQEZQFC9
           ミ   rfミミヾ    ,,  `ヾゞ
         ミ _ -―――- ,,_ ゙゙  ミ
       , -‐''´::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ、 ミ
      /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ彡
      ./::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     /:::::::::::::::::::::::::::,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::',
    ,i:::::::::::::::::::::::::::::|l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::l
    l:::::::::::,::::::::::::::::::||:::::::::::::::i:::::::::::::::::::::::::::::|
    |::::::::::l|::::::::::::::::::|l:::__:|_::::::::::::::::::::::::|
    `ヽ、::ヽTfェ、 ̄ `,-, -‐ーァ|:::::|'ヽ::::::::::|
      |:::::::| lイ:ト   イi j::::| ´ .|:::::|ソl:::::::::::|
      |::::: | `'´ ,   ヽ_ソ   |:::::レ'::::::::::::|  
       |:::::l:'、   `       J l:::::::|:::::::::::: |
       |:::::|::::ヽ、   ―-、   /|:::::::|:::::::::::::|
       |:::::|::::::|::`丶、  , ‐'´l:::::|:::::: |:::::::::::::|
       |:::::|::::::|::::::::,ト  ̄  /ヽ,|:::::: |:::::::::::::|
.      |:::::|:::::::|:,, -|v,ハ二// .|::::::::|:::::::::::::|
     |:::::|::::::::| / |ヾ┬tヽ,イ  |:::::::::|`ヽ、:::|
      lr'´|::::::::|'  | ./ | / ,l  .|::::::::::|    \
     |ヽf::::::::|   |/  レ' |   |:::::::::::|    イ|
      | ,'::::::/  .|  /   l  |:::::::::/ , -''´ |
      |/|:::::/ヽ、 | /  ,r'l  . |::::::イ    ヽ,|
    ,イ .l/ ,|く  /   ‐|   |/|ソノ     >
     | l  ii |  ソ   , -‐|      |´    /
     l l  ii | /, - '´  |      .|    /|
    ,','  ii ,l | O-―'  |       |    |
   ,','  ii ,|  |,ト'ー-- .f|      |     |
   ,','   ii |   |,|    ||     |     |

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 14:04:08 ID:upH3Uh0m
500kbならゼロの使い魔が映画になる

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 14:05:23 ID:1OKaAtWl
>>840
ぷぎゅるより組長の娘レオを召喚ですか?
残弾数が死活問題になりそうなコだな。

――という訳で埋め。

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 14:06:50 ID:RZ3RrCDw
素で天使長かと思った埋め

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 14:12:20 ID:vcYtmCRj
500ならうるずととらの続きが読める

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 14:53:32 ID:DXSrMzLZ
500なら停滞中の作者全てに執筆意欲があふれ出す

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 14:55:39 ID:zELY4o9v
「神は死んだ」と誰かが叫んだが、本当は神は生きているのだ
 (19歳・空飛ぶスパゲッティーモンスター教徒)

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 14:59:07 ID:DMoJ2eTY
500なら「皇国の守護者」と「星界の戦旗」と「十二国記」の続きが出る

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:03:12 ID:RlV8WVYU
500なら執筆中、停滞中、準備中、構想中の全ての作者がガンダールヴ並に頑張れる

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:06:39 ID:i5OMtAMi
500なら十二国記から楽俊召喚

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:08:11 ID:bASo7DMN
500なら何かネタを思いつける(切実)

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:10:27 ID:zELY4o9v
500なら五百羅漢召喚

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:10:57 ID:ho9oW8zl
んー…じゃあ500ならシャルアミで

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:11:49 ID:AFaTU0nN
500なら只野仁召喚

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:20:50 ID:1OKaAtWl
500なら↓のレス番の人が歴史に残るような巨編SSを思いつく。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥あれ?

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:24:21 ID:RlV8WVYU
       | 
   \  __  / 
   _ (m) _ピコーン 
      |ミ| 
    /  `´  \ 
     ('A`) 
     ノヽノヽ 
       くく

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/08/03(日) 15:25:57 ID:WMT9TWWX
>>852
また渋い所を…!

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