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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part145

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:07:46 ID:rdkoEiDL
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

前スレ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part144
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1213199100/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    ___            ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .    ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.    ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
              ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

--------------------------------------------------------------------------------

     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず本スレではなく避難所への投下をお願いね。
    ノルノー゚ノjし     ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。
   /く{ {丈} }つ      やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l       ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
    { {_jイ」/j」j〉     これ以上は投下出来ません。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
   ⊂j{不}lつ     ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   く7 {_}ハ>     ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
    ‘ーrtァー’      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
             ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
              姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
             ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。


2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:08:25 ID:rdkoEiDL
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:20:53 ID:Yt1PZK9a
>>1
乙ー。

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:21:33 ID:/SEqIsZA
>>1

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:33:28 ID:qqdN8pt2
>>1エレガントだ

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:34:12 ID:f43jmNL5
>1
乙であります!

7 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/17(火) 08:46:33 ID:DIqgZjUC
>>1


8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:47:07 ID:IL48hTtP
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。






夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部

http://rein4t.blog123.fc2.com/

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:47:28 ID:IL48hTtP
やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-244.html

完結:やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-245.html

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-284.html

やる夫が同人小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-371.html

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:48:23 ID:IL48hTtP
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち>>16

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 08:48:54 ID:IL48hTtP
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ



このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 11:02:40 ID:SNcxUoeE
すみませんがIL48hTtPさま

>>8>>9>>10>>11は不要です
以後ご遠慮願えませんか
特に>>11

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 11:06:14 ID:BZZfIehY
IL48hTtPは単なる荒らしだからスルーでおk

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 11:16:27 ID:OdHXjdy1


15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 12:58:40 ID:mMiHdCCA
>>1

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 13:28:18 ID:4K9HPy2X
> ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
ここだけちょっと興奮した

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 13:28:43 ID:G6Kf6Wgp
ジバン呼ぼうぜ

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 13:43:39 ID:aVKdg97Y
>>17
メンテナンスの問題がありますな。それと、対バイオロン法が異世界でも適用できるか。

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 13:50:02 ID:pEToPKh1
>>17
なんだかんだで真の敵との決戦
ジョゼフ「これで全てに決着を付ける!蒸着!」
教皇「赤射!」
テファ「焼結!」
ジョゼ・教・テファ・ジバン「「「行くぞ!!!」」」

ルイズ「……」
ジバン「どうしたルイズ、行くぞ!」
ルイズ「(なんだろう、私の方が正しいはずなのにこの疎外感……)」

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 13:54:29 ID:9mnO2Wqp
>>19
そしてキュルケやギーシュ、マリコルヌたちが「重甲!!」と叫ぶんですね。
すごい見てみたいのでぜひ書いてくださいな。

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 14:00:01 ID:rOEt36vE
ビーファイターだのウィンスペクターだの…

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 14:04:12 ID:5tH9xDDD
昔、同人で
「横着!」ってのがあったな。
横着して最初っからコンバットスーツ着たまま出かける。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 14:05:39 ID:S96Kl6NH
テファがあのガッチリしたコンバットスーツを着ることが出来るのだろうか?

特に胸の辺りの形状は無理なんじゃないだろうか。
スピルバンの〜レディ達でもあれほどモノは持ち合わせていなかったのに。

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 14:08:25 ID:5tH9xDDD
>>23
勿論オーダーメイド。
激しい動きでもしっかりサポートします。

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 14:09:49 ID:3rFFQgjH
>>24
凄く……きつそうです……(胸固定的な意味で)

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 14:15:36 ID:SNcxUoeE
ふと思ったのだが「とある」世界の魔術をハルケギニアの連中が見たらどう反応するのだろう

車輪を粉砕してその破片を利用したり金貨の入った袋を操ったり「順位」を入れかえたり
十字架の大きさを変えたり

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 14:15:42 ID:5tH9xDDD
男性には分かり辛いかもですが、胸はちゃんと支えないと痛いんですよ、動く時。

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 14:16:22 ID:895kUc0d
>19
長谷川設定なあたり、通だなw

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 15:01:40 ID:16InD4Hr
>>23
スピルバンをスピルバーグって読んじまったorz

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 15:11:28 ID:vXrqWjHC
>>25
脱いだ後は随分と蒸れてそうですね。個人的にはご褒美です


31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 15:19:54 ID:VMAPG4Fv
テファ「クロスアゥッ!!(脱衣)」

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 15:21:31 ID:XgLrNEF/
昨夜遅く、とある玩具でブーンドドドしてたら電波受信した

ルイズがサイトを召還したのと同時にハルキゲニアの軌道上に現れた”それ”は
トリステイン国内の山中に墜落した。学院とサイトたちの調査で巨大な(おそらくは
宇宙)船と推測された”それ”は魔法技術の粋を集めて対アルビオンのための戦略拠点
として極秘裏に修復・改修されることが決まり、「巨大なもの」を意味する「マクロス」
と命名された。

「超魔法要塞マクロス」
 いや、単に三段変形するゴーレムが見たいだけなんですけどね

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 15:22:58 ID:SNcxUoeE
>>31
ジョゼフ「それはわたしのおいなりさんだ」

こうですか?わかりません!

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 15:31:23 ID:v0ooALV0
>>29
「サイト、オウチ、カエル」

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 15:43:19 ID:SNcxUoeE
>>29
「フォース(虚無)だ、ルイズ、フォースを使うのだ」

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:01:07 ID:v0ooALV0
>>35
まて、あわてるな
それはジョージ・ルーカスの罠だ

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:06:50 ID:/gu9ICax
>>33
ジョゼフ「それは余のおいなりさんだ」

こうだろ?

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:08:11 ID:UxMdOxU6
>>34
言葉が通じないだけでなく、
明らかに見た目もE.T.なサイト想像して吹いたwww

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:24:31 ID:SNcxUoeE
まあそれはともかく、医者キャラ召喚を考えてみた

間黒男とか財前五郎とか南方仁とかトキ様(仮名)とか


40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:25:07 ID:bXUqevR1
>>38
俺はカエサルを思い出した「キタ、ミタ、カッタ」

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:37:35 ID:kAPGrBGI
医者ならKAZUYAがいいなあ。戦闘力もあるし。んん〜?違ったかな、の人には勝てないかもしれんが。

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:39:20 ID:OUjXBV6a
>>39
Kを追加な
個人的には同じ作者のウルトラマンが好きだ
あれからナバーロ族長を呼びたい

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:44:00 ID:kAPGrBGI
>>33
それは我が家のお稲荷様だ。
というのがどっかに有ったかなあ…別に何も関係はないが。

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 16:56:59 ID:UxMdOxU6
Dr.キリコ召喚。





ちい姉さまが。

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:07:23 ID:MS6iEu7s
>>前スレ891
どっちも嫌な思い出しかねぇ

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:08:13 ID:Kns02xCi
>>44
それは「カトレアは氏ね」というブリミルのお告げでしょうか?

ある程度までは治そうとはするんだけどねあの人は。

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:13:26 ID:jwLJBT/j
玄米ブレードより玄米を召喚
病魔とチャンバラして治すよ

48 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:17:57 ID:KXWewRPW
医者呼ぶならKと仁のどっちかがいいな…
それはともかく、2話目が出来上がったので投下したいけどいいかな?

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:19:01 ID:SNcxUoeE
ドクトルGは医者じゃないのかー

それはともかく>>48支援

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:19:13 ID:pEToPKh1
どうなんだろ、キリコって病気の原因が解らない時に治そうとするか安楽死させるか……
あの人も苦しみながら生きるよりは安楽死させてやろう、っていう医者としての矜持というか善意だしなぁ。

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:25:30 ID:3erpPKm7
とりあえず、ちぃ姉さまが安楽死を望まない限り手は出さないと思う…思いたい

52 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:25:55 ID:KXWewRPW
すみません。なんか行が長いとか出るので調節して出直してきます;;

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:27:07 ID:RFWSyeLe
つーか安楽死なんかさせたら烈風カリンにヌッコロされるw

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:32:51 ID:/3tKb8wX
存外簡単に治ったりしたら笑えるな。
「半年ほどこの薬を投与すれば大丈夫だ」
とかいって。

まあ、めでたいことだが。

55 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:35:41 ID:KXWewRPW
行調整できました(多分)
投下よろしいですか?

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:37:06 ID:jwLJBT/j
治療代1000万エキューいただきますぜ
>>55
どうぞどうぞ

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:37:20 ID:v0ooALV0
>>49
キバ男爵ならきっと原始タイガーに改造して治してくれるよ。

>>55
支援

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:37:29 ID:/SEqIsZA
come on! ギュス様!

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:43:32 ID:/SEqIsZA
…遅い。 まさか間違って消したりしてないよな?

60 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:43:57 ID:KXWewRPW
どうも行が長いって出るけど大丈夫かな。では投下
----------
1296年、グラン・ヴァレに程近い所に築かれた砦は、しんと沈むべき夜中にあって、火竜の心臓の如く赤く燃えがっていた。
ギュスターヴは少数の手勢と側近を連れて南方の巡察に赴きその砦を宿としたが、その夜、何者かに率いられたモンスターの群が砦を襲った。 一騎当千ともいえるギュスターヴ軍といえども多勢に無勢、ギュスターヴはフリンに師父シルマールの高弟ヴァンアーブルを逃がすように
遣わし、自らは護衛であるヨハンとともに砦に残った。

砦の奥深く、わずかな調度品が置かれた一室にギュスターヴは鎮座していた。扉は閉め、内側から閂をかけてある。
ふとガタガタと音立てる窓を見ると、窓枠の端から顔を覗かせるフリンを見つけた。
「フリン!なぜ戻ってきた!」
ギュスターヴは狼狽した。最早運命は決している。既にどこからか上がった火の手が扉の奥まで迫っていたはずだ。
毒に病んでいるヨハンが倒れればモンスター達が扉を食い破り炎と共に押し寄せてくる。そうなればギュスターヴは命の限りに剣を振るい、
最後までこの陰謀をたくらむ者に抵抗するつもりでいたのだ。たった一人で。
「……私は最期までギュスターヴ様と共にいると決めたのです」
「この馬鹿者が!何のためにヴァンアーブルと脱出させたと思っているのだ。お前には生きてこのことを
ケルヴィン達に伝える使命があるというのに……」
流石のフリンも火の手が回り始めた砦を何度も出入りする事が出来るはずもない。
となれば此処でモンスターを相手に死闘と共に果てるだけだ。
「ギュス様」
「なん……だ?」
急に子供の頃のように呼ばれたギュスターヴは、フリンの声にすぐに答えられない。
「僕は、ギュス様が居なければ、今日まで生きていなかったよ。ギュス様あっての今までの命だよ。
だからさ。最期までそうさせてくれないかな?ギュス様が死んだんじゃ、ずっと生きててもつまらないよ……」
「…つまらない、か……」
グリューゲルでの親分子分の関係から既に四半世紀以上。同じ術不能者として、術社会に鋼鉄を握って立ち振る舞った半生を振り返る。
「……俺と一緒にいるせいで、辛い目にあったりしただろうに」
「それでも、僕はギュス様が大好きなんだよ」
笑いかけるフリンに、同じくギュスターヴに笑みがこぼれる。
扉がぎしぎしときしみ始める。閂が曲がり始め、隙間からモンスターの獣臭が漂う。
「……付いてくるなら、最後まで気を抜くんじゃないぞフリン」
「ギュス様こそ、もう若くないんだからがんばってね」
やがて砕け散る扉。モンスター達が飛び掛る前に、二人は自分達から扉の向こうに飛び込んで行った。


周囲は見渡す限り煙と火の粉、自らで鍛え上げた剣には、緑や赤黒い血痕が付いている。
既に、煙の向こうから飛び掛るモンスターを切り伏せて二十は越えた。フリンの声も途絶えた。天井が焼け落ち、出入り口も塞がった。
「此処までか……」
せめて最期まで共に居たフリンを見取るべくそれほど狭くない砦の中を歩き回ったが、焼け落ちて行けなくなった部屋に居るのか、
見つけることが出来ずにいた。
「グフッ、ゴフッ、ゴフッ……」
火の粉と煙を吸い過ぎた。モンスターから受けた傷もある。獣の餌にはならずに済んでも、消し炭になるのは確実だ。
酸欠で腰が立たない。剣を床に突き立てて杖にする。
「ゴフッ……」
視界も徐々に暗くなってくる。天井が落ちて、火の玉となって降りかかってくるのがわかるのに、体が付いていかない。
立ったまま、それを見ていた。
「あぁ……」
力尽きるように目を閉じるギュスターヴ。そのまま下敷きになった……


はず、だった。


『ギュスターヴと学院』


61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:45:19 ID:/SEqIsZA
支援

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:45:50 ID:/SEqIsZA
第一行空白のエラーじゃないか

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:45:56 ID:pEToPKh1
しえーん

64 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:46:19 ID:KXWewRPW
 ここはトリステイン魔法学院学生寮。ヴァリエール公三女ルイズの部屋。
 目を覚ました時、ギュスターヴはやはり自分があの砦からここに召喚された、という事を改めて実感した。
 夢に見た、砦落ちる最期の瞬間。フリンと砦に残り、モンスターを蹴散らし、崩落する天井に押しつぶされて果てる直前に、
そこのベッドに眠る少女に呼び出されて九死に一生した。
(……生き残って、しまった……)
 ギュスターヴの脳裏に浮かぶのは、死を覚悟して共に砦に残り、事実死亡しただろうフリン。
そしてギュスターヴ無き後の混乱を任されたケルヴィンやヴァンアーブルのことだった。
(フリン。俺はどうやら死ねなかったよ。お前なら笑ってくれるか? ケルヴィン。俺は戻れないらしい。うまくやってくれていると信じたいが……)
 朝日がカーテンの隙間から入る。朝鳴く鳥の声が耳を洗う。身に着けていた鎧等、荷物は邪魔にならないように部屋の角に纏めておいた。
そこからギュスターヴは50サントほどの長さがある短剣を取り出す。
ギュスターヴが最初に打った、手製の短剣である。ギュスターヴは一国の主となった後も、
自ら身に着ける武具だけは、自分の手で作り出していた。
 鞘から抜いて掲げる。研ぎ澄まされた黒い光沢が、細く届く朝日を反射するようだった。
「ん……」
 背中から聞こえる声に、部屋主の存在を思い出したギュスターヴは、短剣を荷物に戻し、ルイズの肩を揺らした。
「んみゃ……」
 寝起きが悪いらしいルイズは、多少揺すられても起きそうになかった。仕方が無いのでギュスターヴは、窓に掛かるカーテンを空け、
窓を開けて外気を呼び込んだ。朝の空気は澄んで冷たい。ルイズは覚醒を迎える。
「ん…んぅ?……」
「起きたかな、主人」
目をうっすらと開くルイズに見える、壮年の男性の顔。
「はぁう!?だ、誰よあんた!」
「昨日、お前に呼び出されたらしい、使い魔のギュスターヴだ」
「あ……そう…だったわね」
 身体にかけた毛布を払い、背筋を伸ばしているルイズは、ギュスターヴに向かって言う。
「それじゃ、そこのクローゼットから服を出して頂戴」
「何?」
 ネグリジェを脱ぎながらも当然のように。ギュスターヴは狼狽する。
「早く出しなさいよー、風邪引いちゃうじゃない」
 どうやら自分でやる気がないらしいようなので、ギュスターヴは渋々クローゼットを開け、適当に服と下着を選んでベッドに運ぶ。
「着せて」
「それくらい自分で出来るだろう」
 呆れたギュスターヴにルイズは言い放つ。
「田舎者だから知らないかもしれないけど、貴族は下僕がいれば自分で服なんて着ないの」
 当然のような顔をして腕を伸ばして待機するルイズがおかしくて、ギュスターヴは噴出してしまった。
「何笑ってるのよ」
「いや。しかしルイズ「様」…ルイズ様。それじゃ貴族というのは服も自分で着る事の出来ない赤ん坊と一緒じゃないか……
と、俺は思うんだが、違うか?」
 貴族が無力な赤ん坊と同じだ、と言われて、流石のルイズも鼻白む。
いいから着させなさい、と言おうとする前に、ギュスターヴは洗濯籠を持って立ち上がっていた。
「それでは俺はこの洗濯物をどうにかしてくるので、それまで裸でいたいならそうしているといい」
 ルイズと取り合う気が無いギュスターヴはそのまま部屋を出て行ってしまった。閉じられたドアを呆然とみるルイズ。朝の空気が身体を冷やす。「使い魔だったら主人の言う事位聞きなさいよ!……寒い…」

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:48:15 ID:/SEqIsZA
支援。流石に一枚上手だな

66 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:49:19 ID:KXWewRPW
 洗濯籠を抱えて学生寮の外、学園敷地内を歩くギュスターヴ。宮城の類には親しい。しかもここは貴族が多く住んでいる。
なら、貴族の衣服を洗濯する専用の小屋が敷地内にあるはずだ、と辺りをつけ、学院を囲む塀沿いに歩いていた。
 暫く歩いていると、寮の裏手に当たる場所に石造りの小屋を見つける。
よく見れば朝日の差し込む広い物干し台がしつらえてあり、既に洗われたシーツ等が掛けられて、風に靡いている。
一人のメイドがちょうど、小屋から出て洗濯物を干し台に掛けようとしていた。ギュスターヴは何気なく近づき、声を掛けてみる。
「すまないが、洗濯はここでやっているのかな」
「あひゃう?!」
 声を掛けられたメイドは頓狂な声を上げて驚いた。背後から近寄ったのが不味かったかな?とギュスターヴ。
「驚かせたかな?仕事中に失礼」
「ああ、いえ、大丈夫です。大きな声で驚いてごめんなさい」
 互いに謝る姿が奇妙に思われて、メイドとギュスターヴは笑った。
「主人から洗濯物を預かっているんだ。ここで洗ってもらえると助かるんだけど」
「ご主人?……貴方は噂になっているミス・ヴァリエールが召喚した人ですか?」
 もう噂になってるのか、いや、この狭い学院の中ならそんなものだろう。ギュスターヴは若草の髪のメイドに答える。
「うん。昨日からルイズの使い魔になっている、ギュスターヴだ。よろしく」
「はい。私はシエスタ。学院付のメイドです。ではこちらの衣服は、私共で洗わせてもらいますね」
 会話しながらも小屋から持ち出してきた洗濯物は全て干し台に掛けられている。
「じゃあ、頼むよ。俺はルイズの部屋に戻るから」
「はいっ。……あの……」
 なにか?と振り返るギュスターヴを、まじまじとシエスタは見ていた。まるで観察するように。
「その……ミス・ヴァリエールって、変わった方ですね。平民を使い魔にされるなんて……」
「?…そうらしいな。それじゃ」
 得心が行かないながらも、戻らなければ困るだろうとギュスターヴは学生寮に戻っていった。
シエスタはそこで見えなくなるまでギュスターヴを見ていたが、
「不思議な人。…まるで、空の瓶のような……」
 やがてルイズの洗濯物を持って小屋に戻った。

 ルイズの部屋に戻る道すがら、ギュスターヴはルイズを部屋に放置したことを思い出した。ギュスターヴは生まれこそ高貴だが、
成人するまで傅かれて生活するような日々とはあまり縁がなかった人間だ。ワイト候となって以後は侍従や下男がつくようになったが、
身の回りのことを人に任せるのは落ち着かないからと、掃除洗濯以外は殆ど自分でしていた。
厩番が「だんな様がギンガーの世話をされては馬丁達が仕事を覚えません」と小言を聞かせた時は流石に困ってしまったが。
ギュスターヴにとって貴族とは、一に術社会の象徴であるが、一方で自分を支援してくれたヤーデ伯やケルヴィンに見る、
精神的な清貧を現すものだった。ルイズの実家は公爵らしいが、果たしてこの世界の貴族は一体どうなのか……。
「お前も、下僕に服を着さてもらってたのか?ケルヴィン……」
 今は遠い親友の姿を想像して、なんともいえない気分にギュスターヴは浸る。

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:50:28 ID:v0ooALV0
皆死えん矢

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:51:08 ID:/SEqIsZA
支援

69 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:51:21 ID:KXWewRPW
 部屋に戻ると、ルイズは下着姿ではなかった。一応、昨日見た感じと同じように、制服を着ていたが、顔はあまりいいとは言えない。戻ってきたギュスターヴを睨んだ。
「主人を裸のまま放置するなんていい度胸じゃないの」
「いい年して服を着せてもらおうなんていうのが悪いんじゃないか」
 なんですって!と怒鳴りつけるのをいなしていたギュスターヴは、鍵を掛けたはずのドアが勢い良く開くのを見た。
「ハァイ!朝のお目覚めいかがかしらルイズ?」
 入ってきたのは女性だ。しかし部屋主のルイズとは性別以外でほぼ違っている。赤髪をなびかせ、背が高い。
胸元は開かれて豊かな胸が覗かせている。化粧もルイズよりもずっと上手で、何より醸し出す色気があった。
「おはようキュルケ。その前に何か言う事はない?」
「なにかしら?」
「『アンロック』は校則で使用禁止になっているでしょうが!」
 ああ、そうだったね。キュルケはルイズとあんまり取り合う気が無いらしい。
「それよりも、貴方平民を使い魔にしたって言うけど本当?興味が有ったからお披露目まで待ちきれなかったの」
 キュルケはルイズの部屋を見渡すまでもなく、ルイズのそばに立っていたギュスターヴをまじまじと見た。
「ふぅん。結構いい男ね。お名前聞かせ願いますかしらミスタ?」
「ギュスターヴ」
「初めましてミスタ・ギュス。私はキュルケ。キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー」
「何親しげに挨拶してるのよ!」
 それがどちらに向けられた言葉か分からないが、ルイズは非常にいらだたしげに声を荒げる。
「それにしても本当に平民を使い魔にしたのね。魔法学院の歴史で初めてだそうよ。流石ゼロ」
「うるさいわね」
「私も昨日使い魔を呼んだのよ。いらっしゃい、フレイム」
のそのそと開けられたドアから入ってきた赤銅色の物体は、鰐程もある大きな蜥蜴であった。
「どう?これだけ立派な使い魔は、そうお目にかからないんじゃないかしら」
「サラマンダーね」
「そうよ〜しかも火竜山脈に生息する亜種よ。普通のサラマンダーよりもずっとレア物なんだから」
「そりゃ、よかったわね」
 キュルケの相手が鬱陶しそうなルイズと対照的に、ギュスターヴはフレイムの背中を撫でて感触を確かめていた。
「それじゃ、使い魔も見させてもらったし、失礼」
 あらかた話し終わるとフレイムをつれて出て行ったキュルケ。閉じられたドアに向かって火を噴きそうなほど睨みつけるルイズ。
「きー!なんなのよ!自分がレア物の使い魔を召喚できたからって!」
「あまりかっかとしていても仕方が無いだろう」
「よくないわよ!いい?メイジの実力を見るには使い魔を見よ、っていうのよ。つまりあいつがレア物のサラマンダーを呼んだってことは、あいつが
優秀な火のメイジだってことを明らかにしているんだから」
 つまり術不能者のギュスターヴを使い魔にしたルイズは、優秀ではない、ということになるらしい。
「……そりゃ、わるかったな」
 まったくよ、とそろそろ朝食が始まる時間。ルイズはギュスターヴをつれて食堂に向かうべく部屋を出た。
 廊下道すがら、ギュスターヴはルイズに聞いてみた。
「ところで、キュルケはルイズの事を『ゼロ』と呼んだが、どういう意味なんだ?」
「あだ名よ。それだけ。メイジは大体、自分の能力に相応した二つ名があるわ。キュルケは『微熱』、昨日会ったミスタ・コルベールは『炎蛇』ね」
 そう説明するルイズだったが、その場で『ゼロ』の意味を言う事はなかった。

 アルヴィーズ、と書かれている――ギュスターヴには読めなかった――部屋は、巨大な食堂だった。
テーブルが並べられ、豪勢な料理と粛然とした雰囲気が包んでいる。
「さて、あんたの朝食はどうしようかしら?食堂には貴族しか入れないんだけど」
 本来ならこの時使い魔は、学院付の厩番などから食事をもらったりするのだが、ギュスターヴはそうはいかない。
どうしたものか。食堂では朝食を運ぶメイド達が行き交う。ルイズはその一人を呼び止めて近づいた。
「ちょっといいかしら?」
「なんでございましょうか貴族様」
 若草の髪をしている少女だった。
「こいつに食事を用意できないかしら。食堂には入れされられないから、都合して頂戴」
「かしこまりました。私共の厨房まで案内させてもらいます」
 それじゃ頼むわね、とルイズは食堂の中、自分に割り当てられた席に向かっていった。ギュスターヴはメイドに連れられて
食堂から繋がる地下の厨房へ続く廊下を歩いていた。

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:52:59 ID:/SEqIsZA
支援

71 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:53:23 ID:KXWewRPW
「また、会いましたね」
「そうだな。食事なんて用意できるのか?」
 そのメイドは丁度、ギュスターヴが洗濯小屋で話しかけたシエスタだった。どうやらシエスタは雑役女中らしい。
「学院に奉公に来ていたり、雇われている平民は一緒に食事を取るんです。賄いも作ってますから、一人分くらいどうってことないですよ」
 シエスタは胸を張った。ルイズよりも立派に主張する体付きをしていた。
「この先が厨房です」
 地下廊下の先にある厨房は、大人数の貴族を養うべく広く、且つ立派なものだった。オーブン、ロースター、鍋、フライパン、調理具の数々がコックに握られ踊っている。
出来た料理は皿に盛られてメイドたちが運んでいく。
「マルトーさーん」
 シエスタは厨房で指示を出している恰幅のいい男性に声を掛けた。風貌からここの料理長だろう。
「おう、話はシエスタに聞いたぜ。俺はマルトー。学院の厨房を任されている。聞けば噂の使い魔にされちまったってのは、あんたなんだってな。
知り合いもいなくて困ってんだろ。何かあったら相談に乗ってやれるぜ……っと、朝飯だったな。厨房の隣に俺達用の食堂があるんだ。そこで食べてくれ。
賄いだが貴族向けにも負けない出来だ!腹いっぱい食って行きな!」
 まくし立てるマルトーに言葉がでないギュスターヴであったが、シエスタに案内されて厨房の隣部屋に設えられた食堂に入った。
 そこは地下にある為か薄暗い印象をもったが、使い込まれたテーブルや椅子、壁掛けられたタペストリー、交代制なのか既に食事を取っているらしい男女がいて、
生活の匂いがした。ギュスターヴはどこか懐かしいような気さえした。
 ともかく腹を満たさねばならないと、並ぶ男女の列に混じり盆を取り、食事を取り分けてもらう。
野菜や肉の入ったシチュー、少々硬いがしっかりと味のある黒パンに、匙で掬って皿の端に盛られた鶯色のペースト。
 シチューを掬い、口に入れる。思えば丸一日、何も食べていなかった。召喚される前は真夜中の上満身創痍だったし、召喚された後は夕方まで倒れたまま、
目が覚めたらそのままルイズの部屋で眠り、と、水すら飲む機会がなかった。
 結局ギュスターヴは、シチューを三皿戴き、黒パンで皿を拭って堪能した。
シチューは良く煮込まれて具は歯に立たぬほどだったし、黒パンには何か香料が混ぜてあったのか酸味のある香りがした。
ペーストは豆か何かだったが、パンにあう甘みがあった。
使い終わった食器を洗って返し、一段落して食事をしていたマルトー、シエスタに礼をいうギュスターヴ。
「御馳走様。美味しかったよ。ありがとう」
「何、気にする事はないさ。これからも来てくれてかまわないぜ。どうせ貴族様はそうするよう言うだろうしな」
 忌々しげにマルトーが言い、それを少し困った顔で見ているシエスタ。
「マルトーさんは貴族嫌いなんですよ」
「おうよ!あいつらは魔法が使えるってんで、平民を見下してるんだ。ま、給料の支払いがいいから、俺はここで仕事してるんだけどな」
 マルトーの言葉にどう答えていいか分からないギュスターヴにマルトーは笑った。
「なんでも魔法もないような田舎から来たって言うじゃないか。いいねぇ。メイジが威張って平民をあごで使ったりしない所があるなら、俺も行きたいもんさ」
 その言葉に、ギュスターヴは自分の元いた世界でも、術不能者は術が使えるものから蔑まれていたのだ、という事を思い出さずにいられなかった。

72 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:54:48 ID:KXWewRPW
 厨房を抜けてアルヴィーズの食堂に戻ったギュスターヴは、同じく食事を終えて食堂の入り口で待っていたらしいルイズと合流した。
「遅いわ!主人を待たせるなんてとんでもないわよ。次待たせたらお仕置きよ!」
「時計がなかったんだ。仕方ないだろ」
 何か言いた気だったルイズだが、気に留めずに次の予定を言った。
「使い魔召喚の後の最初の授業は、使い魔のお披露目を兼ねているの。余程大きな使い魔じゃなければ連れて行く事になっているわ」
 ルイズはギュスターヴをつれて食堂から廊下を渡り、学院を巡る塔の一つに入った。
 教室であるらしいそこは、すり鉢上の構造になっている。一番下の段には教壇と大きな黒板が置かれて、そこから扇状に机が並んでいる。
(ハンの廃墟を思い出すな……)
 埒もないギュスターヴの思考を消し飛ばしたのは、既に教室に多数いる他の生徒が召喚したらしい使い魔の動物達だった。キュルケのフレイムもいた。
キュルケの足元でじっとしている。他にも梟や蛙、蛇、猫、一つ目の怪生物のような、ギュスターヴの見たこともない動物もいた。
「俺はどこに居ればいい?」
「そうね、床に座って……でも、邪魔かしらね。いいわ。特別に私の隣に座らせてあげる」
 得意そうに言うルイズであったが、ルイズが座った机からは次第に他の生徒達が離れ、別の机に付いて行った。

 程なくして教室の机は生徒の少年少女で満たされ、ほぼ生徒の数と等しい使い魔の生き物達も居る事で、教室は非常に騒がしい空間になった。
やがて教壇に一人の女性が立つ。中年の、すこしふとましい風貌が、優しげな印象を作っている。
「皆さん。春の使い魔召喚は、どなたも成功したようですね。このシュヴルーズは、毎年この日を楽しみにしているのですよ」
「先生!ルイズは成功してません!平民を使い魔の代わりに雇ってるんです!」
 シュヴルーズと名乗った女性の声の後、すぐに飛んできたのはルイズを目標とした侮蔑の声だった。シュヴルーズはコホン、と咳をはらって、
「いえいえ、ミス・ヴァリエールは少し変わった使い魔を召喚されましたが、私はそれはそれでよいと思いますよ」
「そうよ、それにちゃんとサモン・サーヴァントには成功したもの!ただこいつが来ちゃっただけよ」
「ゼロのくせに魔法が成功するものかよ!」
 ざわめく生徒。その声にはひそひそと忍ぶ笑い声が混じっている。
「あまり学友を悪く言う事は許しませんよ。ゼロだのなんだのと」
「しかしゼロはゼロです。それは先生が一番知って……」
 ルイズを口汚く罵る小太りの少年は、シュヴルーズが静かに振った杖と共に静かになった。彼の口には粘る赤い土が張り付いている。
「あなたはそのまま授業を受けなさい。では授業を始めますよ、皆さん」
 やがて静かになる教室。シュヴルーズは再び杖を振ると、教壇に置かれたチョークがふわりと浮き、黒板に字を書いていく。

 ギュスターヴはハルケギニアの字がまったく読めなかった。しかしシュヴルーズが話すメイジの4属性と失われた虚無、メイジの等級、
社会との関わり方、という内容は、統治者としてのギュスターヴの思考を大いに刺激するものだった。
「ルイズ。魔法が使えない者はどうやって生活するものなんだ?」
 ハルケギニア、特にこのトリステインという国は魔法が産業の基盤だそうだ。土のメイジが土壌改良や鉱脈をさがし、水メイジが治水などを行う、という具合に。
そこに平民の入る場所はあるのだろうか?
「平民は平民でする仕事があるんでしょ、この学院にもたくさん平民が働いているじゃない」
 ということは平民の多くは肉体労働のような単純な仕事しか与えられない、ということだろう。それは凄く淋しいことのようにギュスターヴは感じられた。

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 17:54:51 ID:/SEqIsZA
支援

74 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:56:13 ID:KXWewRPW
「……では、この『錬金』の実演を……ミス・ヴァリエール」
 シュヴルーズはルイズに教壇に置かれた石の錬金を実演するように指名した。次の瞬間教室にどよめきが走る。ある生徒は顔を青くして机の下にもぐりこんでいる。
「先生、やめたほうが良いかと思いますが……」
 キュルケが先生に考え直すよう言うが、シュヴルーズは首を縦に振らない。
「いいえ。使い魔を召喚できた一人前のメイジなら、錬金は簡単にできましょう。さぁ、ミス・ヴァリエール。やってごらんなさい。きっと成功できましょう。」
 ギュスターヴはシュヴルーズの言葉の端に、言い聞かせるようなニュアンスを聞き取ったが、ルイズは立ち上がり、教壇に歩いていった。
「さぁ、ミス・ヴァリエール。この石ころを、望む金属に変えるのです。変えたい金属のイメージを強く念じなさい」
 ルイズは頷き、少し間を置いて、石ころに向かって杖を振った。
瞬間、教壇は光と共に消失し、次の瞬間には爆音と爆風が教室を貫いた。その衝撃は、総石造りの教室を共鳴しあい、椅子や机など調度品に守られなかった
生徒や使い魔を壁に叩きつけた。
ギュスターヴは光を放った瞬間に身を屈めたため怪我はなかったが、他の者はそうではないようだった。シュヴルーズは間近にいた為爆風と爆音を諸に受け
壁に打ち付けられたらしく、ぐったりとして動かないし、同じくルイズも教壇に一番近い机にもたれかかるようにしてのびている。使い魔が暴れだしているものもいて、
教室全体がパニック状態に陥っている。
「ん…」
 やがて目を覚ましたルイズは、破れた衣服を気にする事無く、ハンカチを取り出し、煤で汚れた顔を拭いて一言。
「ちょっと失敗ね」
 たちまち巻き起こるルイズへの罵声が教室を覆う。
「なにがちょっとだ!魔法の使えないメイジのくせに!」
「成功率ゼロだろうが!ゼロのルイズめ!」
 向けられた言葉をどこ吹く風か、つんと澄ましているルイズだが、ギュスターヴは見ていた。
 杖を握った手が静かに震えていることを。

75 :鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/17(火) 17:59:35 ID:KXWewRPW
投下終了。
今回のネックは宮城、というか、貴族の生活を支える平民の生活を書こうとしたところですかね。
ネタ本はFファイルなんですが。いいですね新紀元社の本って。
シエスタが改変されてるのは勿論理由があります。サガフロ2ですから。
あーでもこわいなー。「これはゼロ魔じゃない!」なんていわれたらと今もビクビクしてますよ

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:01:06 ID:/SEqIsZA
乙! 教室の後片付けでのやり取り、ギーシュとの決闘に期待だ!

ギュス様の貴族たらんとする所に期待だぜ

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:01:31 ID:pEToPKh1
乙ー。
ルイズに鋼の剣を与えるのか、あるいはアニマの使い方を教えるのか、あるいは……
とにかく期待。

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:19:15 ID:3rFFQgjH
乙!

ギュス様は生まれつきアニマゼロ=術不能のコンプレックスを
鋼の剣を作ることで打ち破って己を確立してるからな、ルイズも暖かく見守っていけそうだ。
年上の男の包容力に期待

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:22:57 ID:qc/HBZ56
しかし、こちらの魔法も鋼で阻害できるのだろうか?

80 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/17(火) 18:25:56 ID:DIqgZjUC
>>54
そういえば、キリコって、治せるのなら治るに越したことはないとは思っているんだよな。

>>26
禁書魔術はいろいろととんでもないものがあるからな……
「アルス=マグナ」とか「天罰」とか、
「リメン=マグナ」でも、ゼロ魔世界からみたらとんでもないんだよな。
思いついたんだが、神の右席の方々を呼び出したらどうだろうか。
イメージとしては、
ルイズ アックア
テファ ヴェント
エイジス テッラ
ジョゼフ フィアンマ
ですね。
エイジスを「異教のサルの使い魔になどなれるか」と殺すテッラはすぐにうかびます。

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:30:11 ID:pEToPKh1
>>54
ブラックジャック的にはありそうすぎる話だなそれw
ルイズがキリコの持っていた「どんな患者も一発」って薬を勝手に持ち出し飲ませて危篤状態。
「一発で安楽死させる薬だ」と怒鳴るキリコとそれを聞いて泣き出すルイズ。
鞄に入っていた解毒薬を使おうと思ったら「途中で鞄は捨てた」とさらに泣くルイズ。
ルイズを引っぱたいて叱咤して鞄を探し回り、ようやく解毒剤を見つけて間一髪カトレア回復。
ヴァリ公から「貴方が人を殺す医師とだとしても、貴方は今娘の命を救うため奔走してくれた」
改めてキリコが診察したら先天性の臓器不全で「臓器移植+水魔法」のコンボでドナー共々全快。
「馬鹿を言うな。俺だって助かる患者なら治るにこしたことはない」とルイズと軽口を……
……眠りながら死ぬ薬そのままだ、これ。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:32:05 ID:/SEqIsZA
タバサママも治せるのかねぇ… >キリコ

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:45:59 ID:WjA9f5Q+
>82
内蔵からアメーバ吸い出す要領で水の精霊のなんかを吸い出したら解決しそうな気もする

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:50:26 ID:qqdN8pt2
>「しかしゼロはゼロです。それは先生が一番知って……」
このシュヴルーズ、チャレンジャー?

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:55:29 ID:G7b1U+EX
(悪魔城シリーズの)ドラキュラ召喚とか考えたけど
どう考えても数日のうちに魔法学院がドラキュラ城と化して
鞭を持ったワルドがルイズを助けに来る展開しか思い浮かばん
息子は息子でオーバースペックすぎるし

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 18:58:40 ID:QQegKXRT
キン肉マンからロビンマスクを召喚

「超人だ!ゼロのルイズが超人を召喚しやがった!?」

色々すっ飛ばして食堂にて
ギーシュ「決闘だ!ヴェストリ広場にて待つ!」
ロビン「ロビン殺法その一!『敵の誘いに乗るな』」
ギーシュ待ちぼうけ

完結

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:02:30 ID:qqdN8pt2
魔法戦もゆで理論を駆使したものになりそうだ。特にコルベール

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:10:44 ID:rdkoEiDL
>>19
ワロタ

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:15:43 ID:QQegKXRT
ウォーズマンの場合

生徒「あはは!ゼロのルイズが変なのを召喚したぜ!」
生徒「所詮ゼロはゼロだな!」
生徒「ゲラゲラゲラ!」

ウォーズマン「わらうな・・・笑うなー!!」
トラウマスイッチの入ったウォーズマンが残虐超人時代に戻って大暴れ
超人のまでは魔法が使えたところで所詮は人間、もはや誰にも止められない!
そう思われたときに奇跡が起こった

???「止まれ!」
静止を呼びかける声とともにムチの音が鳴り響きウォーズマンが動きを止めた

頭からモップを被ったルイズが愛用の乗馬用のムチでウォーズマンを引っ叩いたのだ!

ルイズ「ウォーズマンよ、ベアークローは手にはめて使うのよ!」
ウォーズマン「ダー(はい)、バラクーダ!」
動きを止めたウォーズマンを見てその場の誰もがこの悪夢のような惨劇も終わりを告げたのだとホッと息をついた
だが

ルイズ「さぁウォーズマンよ!さっきまで人様を見下していたクズどもに死の制裁を!!」
ウォーズマン「ダー!バラクーダ!」

終わり

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:16:11 ID:3kNhov4F
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。






夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部

http://rein4t.blog123.fc2.com/

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:17:01 ID:3kNhov4F
やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-244.html

完結:やる夫が小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-245.html

やる夫が「売れっ子」ラノベ作家を目指すそうです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-284.html

やる夫が同人小説家になるようです
ttp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-371.html

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:17:29 ID:3kNhov4F
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

途中飛ばすけど、

 対7万戦と再召喚(一度使い魔契約が切れ、まっさらな状態からルイズとの関係を再構築)

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:17:56 ID:qqdN8pt2
>>89
吹いたw

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:18:10 ID:jwLJBT/j
超人を喚んだら大半が亜人扱いされそうだな

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:18:21 ID:3kNhov4F
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
いぬかみ投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? いぬかみ投下? ぎゃあああああ何でここまで叩いてるのに投下できるんだああああ
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるいぬかみのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ



このぐらいまで単純化できそうな気がする。

本スレに1人か2人の荒らしが登場
「うぎゃああああ荒らしがでたああああ
 本スレのやつら民度が低いから触りまくってスレが荒れるにちがいねええええええ」×20
本スレでスルー
「本スレの奴等も少しはマトモになったようだなプゲラ」×5
今までの流れが本スレに貼られる→スルーか一人二人が「肥溜めにカエレ」
「ここを肥溜めとか言う奴は上から目線のお子ちゃま。むしろ俺たちの方が大人」×10
提督投下
「まったくよー、本スレの奴等、嫌いなSSならあぼーんするかスルーしろってんだよなwwwwww
 ちったあ俺達を見習えよwwwwww
 ・・・ナニ? 提督投下? ぎゃあああああまたビッチ談義でスレが埋め尽くされるううううううううううう
 お前らもっと叩こうぜえええええ   何? スルー? ここはお祭り好きな奴等の集まりだから良いんだよw」
以後ダラダラと「ぼくののうないのこんごよそうされるていとくのてんかいのひはん」×50

以降無限ループ

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:19:18 ID:7QZqi7hJ
医者だったら佐渡酒造先生は?
ハルケギニアはワインしかないから薬用アルコールでヤマトカクテルを作って、それをルイズが飲んで大騒ぎと。

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:19:49 ID:3kNhov4F
鋼の使い魔乙です

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:19:52 ID:OUjXBV6a
>>79
外国かどっかの話で鉄は魔除けになるって聞いた
各地で刃物は魔除けになるとかも
元がよくわからんが精霊は金属を嫌うってのも聞いた覚えがある
頑張ってこじつければなんとかなるんでないか

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:20:40 ID:NYa7vM8b
ID:IL48hTtP
ID:3kNhov4F

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:23:12 ID:8AtGQMpi
>>86
ロビン「ロビン式アイス・ロック・ジャイローッ!!」
ルイズ「ゲェーッ!!ロビンが魔法を使ったーッ!?」

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:26:56 ID:HbT3KVqr
ジェロニモも亜人?

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:28:07 ID:jwLJBT/j
>>101
ジェロニモは半裸の平民扱いだろ

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:31:59 ID:QQegKXRT
テリーやジェロニモ、ブロッケンJrくらいまでは人間扱いで
機械超人たちはゴーレムかガーゴイルの類
で、他は亜人かな

キン肉スグル召喚!
キン肉星の大王である彼を見て生徒達が騒ぎ出す

「豚の亜人だ!ゼロのルイズが豚の亜人を召喚したぞ!」

で、ルイズの部屋でお互いの情報交換
スグル「私は平民ではない、キン肉星の大王だぞ!」
ルイズ「ふーん、亜人の王様なんだ。だから喋れるのかしら。どっちみち魔法が使えないアンタはここでは平民よ!」

とか

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:34:54 ID:v0ooALV0
>>98
『かまいたちの夜』では風切り鎌っていう鎌が一種の魔除けだったする。
あと鎌と言えばみゃしゃくじ様で有名な諏訪も薙鎌っていう変わった形状の鎌が神具だった気がする。
確か『カルラ舞う!』で見た。

カルラ舞う……あれの呪詛返しはある意味『反射』以上に反則だな……

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:35:38 ID:qqdN8pt2
魔法の代わりにフェイスフラッシュで見返そうとして
偶々当たったコルベールの髪がふさふさにして崇められる。

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:36:27 ID:8AtGQMpi
カルラ?ああ青い尻神ねと思ってしまったが分かる人いるんだろうか

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:37:00 ID:i+Wvijg2
残念、そのカルラは俺の嫁

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:37:14 ID:Bz+cmXC9
超人は空飛んだり巨大化できるんだけど、これで亜人扱いされそうな

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:38:10 ID:HbT3KVqr
カルラ?シュラトを思い出した。

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:38:38 ID:HbT3KVqr
女神転生のゴトウは?

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:40:17 ID:fgbRplG3
ギュスターブ氏乙でした!ギュスは系統魔法も軽減出来るんだろうか?アニマって精霊みたいな物だし
先住魔法の方が耐性有りそうだけど

112 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 19:49:59 ID:Ii/4fCom
前々スレでオルロックの話が出た時についかっとなって書いた。
小ネタ投下よろしか?

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:50:48 ID:qhceDyRE
よくってよ

114 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 19:52:06 ID:Ii/4fCom
「さあ始まりました。クイズ!!「らめぇ! じんじんきちゃうぅ!」のお時間です」

(♪クイズーーーーーーーー ウフン……
  クイズーーーーーーーーー♪ おお……)

 その日は緊張と期待に満ち溢れた日だった。これまでの人生、一度たりとも魔法に成功した事のない彼女にとって、それはまさに伸るか反るかの一大イベントであった。

「司会はお馴染みこの人!! わたくし 野 沢 ウ ォ ー ケ ン です」

(♪JINJINキチャーーーーーーーーーーーウ♪
    ワァーーーーーーーーーーーーーーオ!!♪)

 そして例によって例のごとく、幾度となく失敗を繰り返した召喚の果て。
 周りの野次もそろそろ息切れし始めたその時、漸く何か、決定的な「手応え」を感じたその瞬間、彼女の意識は暗転した。そして次に気がついた時には……。

「な……なに? 何処、ここ」

 思わず呆然とした表情でルイズが呟く。
 まず目の前に一人の男がいる。鼻が高く彫が深い顔で、造形だけならハンサムの部類に入るだろう。
 だが、その濁り切って死んだ魚の様な目が全てを台無しにしている。トレンチコートを着込み、右手には杖を突いていた。
 自分はいつの間にやら椅子に座っており、半ボックスタイプのデスクが目の前にあった。その上には用途不明の丸くて平べったい物がある。

 視線を巡らせて見ると、自分の右側に三人、別の人間が座っていることに彼女は気付いた。
 隣から、いけ好かないツェルプストー、彼女とよく一緒にいる青髪の少女、そして何故かマリコルヌ。
 キュルケとマリコルヌはルイズと同じく呆然とした様子だが、その間に挟まれている少女だけ、鋭い視線を周囲に飛ばしていた。
 自分一人ではないことに安堵しながらも、自分を馬鹿にする人間の筆頭に対して安堵感を得てしまった事に憤る。
 しかし、このまま座っていても状況は改善しない。家と家の関係はこの際何とか押さえ込んで、話しかける必要がある。

 そうして隣に話しかけようとしたその瞬間!


   「 未 来 が 見 え る 。 」(フュチャッ!)


タバサ(ピクッ!)
キュルケ(ビクッ!)
マルコメ(ビクンッ!)
ルイズ(ガタンッ!)

 完全に意味不明。
 前後に全く繋がりがない台詞。
 言葉と同時にピシッと九十度に曲げられた右腕の持つ杖の先にも、特に何もない。
 何かを指し示したわけでもなかったのだ。

「乳房をね……
 吸いたいんね……
 乳房の 最先端をね……
 イーーーーーーーーーーーーヒヒヒヒヒヒヒィィィィィ!」

 とうとう先ほどまでの茫然自失の状態から、明確に恐怖の視線を向け始める四人の前で、トレンチコートの怪人はあらぬ方向を見ながらげらげらと笑う。

「失礼」(シュッ)

 瞬きする間に元の無表情に戻った男は、先程と同じように右肘をピタッと九十度に曲げる。が、やはりそのステッキの先には誰もいない。

「何? 何なのこの状況」
「私が知るわけないでしょうが、ヴァリエール!」
「誘拐……?」
「なんだって!? 何処なんだ此処は!?」


115 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 19:52:52 ID:Ii/4fCom

「私語スンナそこ!! えぐっっ……えくぅ……」
 
「ぇえぇえ!?」
「何で泣いてるの!?」
「……」
「だ、誰なんだおm……」

「 そ れ で は 第 一 問 ! ! 」

 聞いちゃあいなかった。
 男は裏に「?」マークの書かれたカードをポケットから取り出す。

「ガガッと参上 勇気リンリン!!
 おかあちゃーん……月はごっつ寒いでー
 乳首めっちゃ勃つわー

 と言ったのはガガーリンです、が……」

 くるぅりと最後の「が」の部分で一同を眺め見る男。
 全員露骨に視線を合わせずに下を向いた。

「おやぁ……? どちら様も……」

 ゆっくりと、じらすように四人の背後を男が練り歩く。
 カッカッと床を打ち鳴らすステッキの響きが神経をすり減らした。
 足音が背後を通り過ぎる時、タバサは汗でじっとりと濡れ始めた掌で杖を握り締める。彼女の戦闘者としての本能が囁いていた、この男は危険だ!

「おツッコミにならない!
 放 置 プ レ イ か し ら ! ? 」

 驚愕の表情も束の間、何事も無かったかのように新しいカードを取り出す。

「それでは第一問」
「意義あり!!!!」

 思い切り目の前の机に叩き付けた掌は、たまたまそこにあった早押しボタンを押す。
 「ピンポーン」という軽やかな音と共にルイズは椅子を蹴たぐって立ち上がった。

「1番の方、なにか?」
「アンタさっきも第一問って……つーかそんな事はどうでもいいの! ここはいったい何処でアンタは誰なのよ!? 何で私たちはこんな所でクイズなんてやらされてるの!?」

 この異常な状況で無謀・蛮勇とも取れるその行為にキュルケは背筋が寒くなり、マリコルヌは驚愕し、タバサは男の視線がルイズに向いた隙に精神を統一する。

「正解者が無いならいつまでたっても第一問ですよ。あとここはクイズの部屋で私は 野 沢 ウ ォ ー ケ」
「ウィンドカッター!!」

 渾身の力を込めたタバサのウィンドカッターが発動する!
 これ以上ないほど完璧に、垂直に男の首へと吸い込まれた不可視の刃は、男の首を大根か何かの様に「すぽん」と切り落とした。

「ひっ……!」
「う、うわあ!?」
「ちょ……! タバサ!?」

 いきなり目の前で人が死ぬ瞬間を見せられた三人は驚愕の表情でタバサを見やる。
 そんな三人に、無表情に少し冷や汗をかきながら一言。

「危ない所だった……」
「何がよ!? 確かに危ないヤツみたいだったけど、話も聞かずにいきなり、こ、殺すなんて! いったい何考えてるのよ!」


116 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 19:54:12 ID:Ii/4fCom

 突如目の目で成された殺人と、この訳の分からない状況で溜まりに溜まったストレスによってルイズは完全にいきり立った。
 椅子を蹴り飛ばしてタバサに掴みかかろうとする彼女を、キュルケが抑える。
 
「落ち着きなさいよ、ヴァリエール!」
「あ、アンタも何言ってんの!? し、死んだのよ!? 人が! 目の前で!」
「あれが最善」
「何処が!? 人を殺しておいて!」
「あの男は危険」
「アンタの方が危険よ!」
「だからちょっと落ち着きなさいって! タバサもちょっと黙って!」
「……」

 滅茶苦茶に暴れるルイズを押さえながら、キュルケはふとある事に気付く。さっきからもう一人が随分と静かだ。
 ほぼ同時にそのことに思い至ったのか、三人は揃ってマリコルヌを見る。
 そこで三人の目に入ったのは、蒼白を通り越して土気色になった顔だった。
 その視線は瞬きすら忘れて三人の向こう側を凝視している。

「「あわてないあわてない」」

「「「!?」」」

 背後からの声に一斉に振り返った三人は、大小はあるにせよ例外なく悲鳴を上げた。
 そこにいたのは、さっき目の前で死んだはずの男。床に転げ落ちたはずの頭は男の右手で髪の毛を鷲掴みにされ、それが元々収まっていた所には新たな「頭」が出現していた。
 否。それを頭と言ってしまって良いものか。それは成人男性の握り拳ほどしか大きさが無く、目も鼻も耳も存在しない。鮫の様な歯がびっしりと生えた口が顔と思しき部分の半分以上を占めていた。
 そして、右手に持たれた頭と、新たに生えた頭の両方から声が出ていた。

「「危ないお嬢さんにはペナルティだッッ!!」」

 いつの間にかステッキから手斧に姿を変えたそれを、男はタバサに向かって投げ放つ!
 恐ろしい風切音を放ちながら高速で飛来した手斧は、タバサの持つ杖を半ば程で切り飛ばした。

「さあ盛り上がって参りました!! 上げてテンション!! ブチ抜け成層圏!!」

 再び手元に戻った手斧を振り回しながら、男は雄叫びを上げ、斧を持った右手を高々と振り上げた。

「オーディエンスの皆さーーーーーーーん!!!」


  (うおおおおおおおおおあああぁぁぁああぁああぁぁぁあぁああぁ!!)

   「こーろーせ!!」   「こーろーせ!!」
       「こーろーせ!!」   「こーろーせ!!」

「ひぃぃぃ!?」
「な、な……」
「ッ……」
「さ、殺気しか感じねえ!?」

 解答席の背後のカーテンが開くと、そこには目を血走らせた大勢の「観客」が現れた。

「は、ははは、そうよ、これは夢よ、こんなの現実なはずないわ」
「夢ではなくてクイズです!! パメルクラルク 第 一 問 ! !」
「いやあぁぁぁ!!」

 現実逃避をあっさり無視され。もはや半狂乱のルイズ。
 泣きじゃくる彼女を抱きしめながら、「泣きたいのはこっちだ」と内心溢しながらも諦める事を良しとしないキュルケ。
 もはや死人同然の体でうつろな視線を中空にやるマルコメ。
 そして、この絶望的状況にありながらも、タバサの灰色の頭脳は事態打破の為に高速回転していた。


117 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 19:55:27 ID:Ii/4fCom

(相手は圧倒的に有利な状況にあるにも拘らず、直接危害を加える事は一切なかった)

 唯一の例外は、先程の手斧。しかしそれでも、杖を切り飛ばしただけでタバサ自身には指一本触れなかった。

(明らかに正常な精神の持ち主ではない。狂人。言動も不安定。だが……)

 今の今まで、一貫している事がある。それが……。

(それは、「クイズ」! この男はあくまで「クイズ」のルールに則ってでしか行動出来ない! そう、先程の攻撃の時もこの怪人はこう言ったのだ。「ペナルティ」だと!)

 あまりに少ない情報を基礎にした、綱渡りの様な仮説。しかし、彼女はこれこそが生還のための重要なキーだと確信した!

(だが、あと一手。たった一つだけでいい。何か新しい情報があれば、確実になる……!)

 この間約二秒。
 合理的かつ幾多の戦闘経験に裏打ちされた思考に淀みはない。
数々の修羅場を潜って来た彼女にとって高速思考は必須のスキルである。

 そして男がカードの内容を読み上げた。

「白の国との異名も名高い浮遊大陸アルビオン。さて、その総面積はいったい何平方キロ? `以下の単位は省略可!」

(まともな問題! やはりこれが本当の「第一問」! しかし、本当の核心に至るにはさらにあと半歩。この問題に正解か……或いは不正解だった時の状況を知る必要があるッ!)

 しかし、彼女にはアルビオンの総面積など見当もつかなかった。
 さっと視線を巡らせると、キュルケは「そんなもん知るか!」と今にもブチギレそうな顔で、マルコメは必死に考えている。ルイズにいたってはポカーンと口を開いて完全にアホの子状態。
 万事休すかと思われたその瞬間!

ピンポーン!

「一番の方どうぞ」
「……24万4820平方キロメルトル」
「大正解!!」

 ぱんぱかぱーん、とファンファーレの鳴り響く音と共にルイズの頭上から紙吹雪が落ちてきた。
 その他の三人は驚愕の目でルイズを見やる。
 その視線に彼女は居心地悪そうに身じろぎした。

「な、なによ……これくらい、一年の地理で習ったでしょ?」

 そうだ、確かに一年の時に使った地理(社会)の教科書にのっていた。だが、そんなものを覚えている人間は皆無だった、ルイズを除いて。
 実技が壊滅的な状況にあった彼女はそれこそ舐めるように教科書を隅から隅まで読み漁り、完全に頭に入れていたのだった。

「大正解した一番の方には豪華賞品が当たるダーツチャンス!!」

 男がルイズにダーツを一本渡すと、少し離れたところにルーレットが登場する。

「な、何? 何なの?」
「さあ! 配置について!」

 男に促されるままに配置につくと、彼女はルーレットに書かれた文字を読んだ。

「オルロック、アンデッタ、辻斬り108号、蟹江リカ、警部、ギャルキング、変な猫、短いサンタ、ウニボウヤ、平賀(源内)、平賀(才人)、たわし、パジェロ……? 何これ」
「見事ダーツが当たれば、それを使い魔にプレゼンツ! 貴女が……今一番欲しいもの……でしょう?」
「え…………」

 ぞくり、と耳元で囁かれた言葉にルイズは総毛立った。

118 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 19:56:19 ID:Ii/4fCom

「さあ……遠慮は要りません、見事射止めて御覧なさい……貴女だけの、使い魔を」
「私だけ、の……使い魔……」

 ルーレットが回り始める。グルグルと回り始めるそれを見つめるうちに、彼女の脳は霞がかかったように不鮮明になっていく。
 尋常ではない様子にキュルケが席を立とうとするも、何故か下半身は椅子から動かす事ができない。

「ルイズ!」
「…………」

 ルイズは虚ろな目つきでダーツを振りかぶり、投げ放った!

「「「「「………………」」」」」

 不気味な沈黙の後、ルーレットが止まる。
 そして……。

「大当たり!! 一番さんは見事、最高の使い魔を引き当てました!」
「えっ……」

 はっと気がついた時には、既にルーレットは跡形もなくなっていた。

「ちょっと! 見せなさいよ! 何があたったの?」
「賞品の発表は発送をもって代えさせてもらいます」
「は?」
「貴女が「向こう」に帰った時、私が商品をお届けに参ります。それまで何が当たったかはお楽しみで。あ、スモモどうぞ」
「「たわし」じゃないでしょうね……何でスモモ……」
「とんでもない! たわしをお当てになった場合はこの場でプレゼントいたしますよ…………肛○にッ!!!」

 ぶぴゅっ、とその場で食べかけのスモモを噴出すルイズ。
 その言葉の表す結果に、青ざめる。
 キュルケとタバサも青ざめた。
 何故かマルコメだけ興奮している。

「な、なな、な、こ、こうも」
「それでは第二問!!」

 またしてもスルーだった。


119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:56:36 ID:v0ooALV0
パジェロ支援

120 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 19:57:10 ID:Ii/4fCom

「おっと、その前に……一番の方はイチ抜けで先にお帰りください」
「え?」

 ルイズが間抜けな返答をした次の瞬間、何の前触れもなく足元に開いた穴に彼女は落ちた。

「ボッシュゥゥゥゥトッ!!」
「きゃああぁぁぁぁあぁあ!?」

 妙な効果音と共に奈落の果てに消えていくスーパーひとs……ルイズ。
 最早驚き疲れたのか、ウンザリした顔でキュルケが呟く。

「それで……つまりこれは、正解しないと帰れないって訳かしら?」
「恐らくそう」

 男がカードを取り出した。

「それでは皆さん……次の問題に行きましょう。はてさて、最後まで居残りする間抜けはいったい誰か……。ナントモ見物だ!! ヒィィヒヒヒヒヒィ!」

「こーろーせ!!」   「こーろーせ!!」
    「こーろーせ!!」   「こーろーせ!!」

 げらげらと笑う怪人と会場一杯の殺せコール。
 後に三人にとって生涯のトラウマとなる「クイズ」が始まったのだった……。

「 そ れ で は 問 題 で す ! ! 」


おまけ
観客「パージェーロ!」
野沢「パージェーロ!」
キュルケ「パージェーロ!!」
タバサ「パージェーロ!!」
マルコメ「ちょ、ま、無理だって!! こんなもん幾らなんでも入んないよ!! ちょ、待て、止めろ、来るな、あ、ああ、あ……」



アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!



END

121 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 19:58:37 ID:Ii/4fCom
というわけで、『不死身探偵オルロック』から野沢ウォーケンとクイズの部屋


このネタ分かる人いるのかwwwww

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 19:59:14 ID:G7b1U+EX
ヒコロウなんてまた文字にしにくいものを…

そういえばこれ被召喚じゃね?

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:04:24 ID:1fk77LUT
ここで一番の問題はバジェロが入ったのか入らなかったのかだ。

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:04:49 ID:v0ooALV0
GJ
ルイズは結局なにを当てたんだろう

みらいのーせかいのーウニがたロボットー
「ボク ウニボウヤ! ウマソウダナオマエ!!」

125 :ゼロとクイズの部屋:2008/06/17(火) 20:06:06 ID:Ii/4fCom
>>124
そのあたりはご想像にお任せいたします

ウニボウヤねた分かる人いたw

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:07:11 ID:11Amzqq6
ヒコロウ絵のルイズを思い浮べた…、
うん、なんだかとってもシックリくるなぁ。

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:16:25 ID:hEl2GFJ/
ここはパジェロだろw
それを見て興奮するコッパゲが見えるぞw

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:19:08 ID:xQTJDHvk
クイズなら「国民クイズ」に来て欲しいが

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:26:43 ID:HbT3KVqr
原平さんに全部

130 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/17(火) 20:39:30 ID:BpVHR1xz
こんばんは。第3話の投下よろしいでしょうか?

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:42:01 ID:dkjK0d9h
はらたいらさんに臀部。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:43:46 ID:dkjK0d9h
よろしいのでは?
支援。

133 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/17(火) 20:43:53 ID:BpVHR1xz
それでは始めさせていただきます。
 

「すすす、すごいじゃないの!天下無双と歌われたアルビオンの竜騎士が、
 まるで虫みたいに落ちてくわ!」
十騎の竜騎士をあっと言う間に撃墜したゼロ戦に
ルイズが感嘆の声を上げた。
「ああ、そろそろあの親玉を……なっ!」
他の竜騎士を振りきり、雲の隙間に見える戦艦を狙おうとしたマミーモンが
突如として焦ったような声を上げる。
「ど、どうしたのよ?!」
「燃料が切れちまいそうだ! 早く着陸させないと墜落しちまう!」
燃料の残量が少なくなっていることをルーンの力で把握して、
舌打ちと共に悔しげに吐き捨てる。
「な、何よそれ! ちゃんと考えて飛ばしなさいよ!」
「そんな余裕あるかよ! ここに来るまでで必死だったんだ!」
ぎゃあぎゃあと言い争う二人を見てデルフリンガーは
どこだか分からない頭を痛めながら告げる。
「んなことより、上から三騎だ。どーするよ、相棒?」
「げぇっ!」
その声に慌てて上を見上げれば、火竜が三騎、彼らへ向けて
今まさに、ブレスを放たんとしているところだった。
間に合わない、と彼の直感が告げた。
咄嗟にルイズを庇うようにして抱え込む。
目を閉じるその一瞬前に、ちらり、と目の端に黒い物体が映った。
はっとして、目を開いた。
マミーモンはその影が自分達と
竜騎士達の間に立ち塞がったのを視界にとらえた。
「……ガイアフォース!」
凄まじい熱量を持った赤い球体が、一瞬にして火竜とその乗り手達を撃ち落す。
「!!」
「相棒、今の内にコイツを降ろせ!」
「わ、分かった!しっかりつかまってろよルイズ!」
デルフリンガーの声を聞いて操縦桿を握りなおす。
「きゃあっ! もっと丁寧に操りなさいよ!」
無茶言わないでくれ、と叫んで一気に降下すると、
草原だった場所にゼロ戦を着陸させる。


134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:44:03 ID:QQegKXRT
支援

135 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/17(火) 20:44:28 ID:BpVHR1xz
「この辺りに敵はいないようね……」
きょろきょろと辺りを見回しながらルイズがほっと安堵する。
「けど、村の奴らも見当たらない……!」
左手に握ったデルフリンガーに、ぎりり、と力を込める。
「あんたたち、無事かい?」
飛行音と共に降りてきた人物とそのパートナーを見上げる。
「フーケ!」
ルイズが咄嗟に杖を構える。
風になびく緑の長髪を押さえながらフーケは答える。
「今はお嬢ちゃんとケンカしてる場合じゃないよ。
 くそっ、アルビオンの奴らめ!
 アタシとブラックの居ない間に村を襲うなんて……!」
ラ・ロシェールの遥か上空にあるであろう戦艦を睨むようにして、
フーケは忌々しげに声を荒げる。
「どうする、マチルダ。私ならあの戦艦を吹き飛ばせるかもしれんが……」
「いや、いくらアンタが頑丈でも、無事で居られるとは限らないよ」
案外直情径行にある自身のパートナーをたしなめる。
「マチルダ! マミーモン!」
立ち尽くしていた彼らの下へアルケニモンが姿を現す。
「アル!」
「アルケニモン! よかった!無事だったんだな!」
駆け寄って彼女を抱き締めたマミーモンを殴り飛ばす。
放物線を描いて跳落下した彼のことは無視して、フーケが村人の安否を尋ねる。
「テファや村のみんなは?」
「大丈夫、森へ避難してるよ」
「そう、無事なのね……よかった」
フーケとルイズは胸を撫で下ろす。
「……うぅ」
その後ろで、ひっくり返ったままのマミーモンがピクピクと震えている。
「おーい、相棒ー、大丈夫かー」
飛ばされた拍子に取り落とされたデルフリンガーが呼びかける。
ひらひらと手を振りながら彼は起き上がる。
「あー大丈夫大丈夫。慣れてる慣れてる。ヒヒヒ。
 やっぱ、アルケニモンに殴られると胸がときめくなあ」
頬に手を当てて顔を朱に染めながら、
嬉しげに笑うマミーモンに一体と一振りはヒいた。
「なあ、あんた。相棒は、前から……『こう』だったのか?」
「……さぁな」
呆れたように、彼がぐねぐねしているのを見つめるばかりだった。

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 20:44:35 ID:i+Wvijg2
かまん

137 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/17(火) 20:45:21 ID:BpVHR1xz
「それより、どうすんのさコレから」
「ゼロ戦が飛べれば、まだどうにかなったかもしれないけど……、
 燃料、切れちまったんだよなぁ……」
「何だって? 肝心な時に役立たずだね、アンタは!」
「ああ、ごめんよぉアルケニモン」
げしげしとアルケニモンに足蹴にされ、情けない、
しかし何処か嬉しそうな声を上げるマミーモンをルイズが冷ややかな目で睨む。
「……この非常時にあんたはー!」
手に持った始祖の祈祷書で殴りかかろうとして、
ルイズは祈祷書と、指にはめていた水のルビーが光を放っていることに気づいた。
「な、何これ?」
思わずパラパラと光るページをめくっていく。
光の中に、文字を見つけた。
それは……古代のルーンで書かれていた。
ルイズは光の中の文字を追った。
「『序文。これより我が知りし真理をこの書に記す。
  この世の全ての物質は、小さな粒より為る……』」
ぶつぶつと読み上げ出したルイズをフーケ達は怪訝な顔で見る。
ひょい、と後ろからその本を覗き込んだフーケが叫ぶ。
「ちょっと、何も見えないじゃないかい、一体何を読んで……!」
フーケは、その光景にはっとする。
ルイズには見えるのに、自分には、見えない。
テファには見えるのに、自分には、聞こえない。
「まさか……」
ルイズも、テファも同じように四系統の魔法が使えない。
そして、テファの能力は先住でも四系統のいずれの魔法でもない。
その事実に思い当たって、フーケは息を飲んだ。
「『四にあらざれば零。零はすなわちこれ『虚無』。
  我は神が我に与えし零を『虚無の系統』と名づけん。』
 虚無……虚無、ですって? 伝説じゃないの!
 伝説の系統じゃないの!」
ルイズは思わず呟いてページをめくる。鼓動が高鳴った。
声を出すのも惜しくて、必死で目で追うだけに留める。
そこに書かれていたことを信じるのなら、
自分には、虚無を使う『資格』があるのかもしれない。
誰も、自分の魔法が爆発する理由を言えなかった。
それは……誰も知らない、伝説の系統である『虚無』だったからではないか?
信じられないけど、そうなのかもしれない。
だったら、試してみる価値はあるのかもしれない。
だって……そうしなければ、私は何も守れない。
この使い魔達のように、守るために命をかけてみよう。

「どうにか……出来るかも、しれない」
ルイズがそう呟いた時、皆が一斉にルイズを見つめた。
「……どういう、ことだい?あんたが、さっきから読んでるソレは……」
「始祖の祈祷書よ」
「始祖の……!」
フーケが目を見開いて、祈祷書とルイズを交互に見つめる。
「戦艦に近づければ、どうにかなるかもしれない……!」
「近づくって言っても、アレはもう飛べないんだろ?」
「……お前を乗せて、戦艦に近づけばいいんだな?」
「え? きゃあ!」
その大きな竜に似た手で、フーケのパートナーはルイズを抱きかかえる。

138 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/17(火) 20:45:59 ID:BpVHR1xz
「ま、待ちな!」
フーケが慌てて彼を制する。
「そいつを抱えてたんじゃ、あんたは攻撃できない!
 竜騎士共に狙い撃ちにされるのが関の山だよ!」
フーケが彼と行動を共にする際には、
魔法を使って振り落とされないようにしている。
けれど、ルイズはそういった類の魔法が使えない。
竜騎士は、およそ半数がマミーモンによって撃ち落とされていたが、
残りはまだ戦艦を護衛するために飛んでいる。
「だったら……そいつらを、俺が引き付ける」
「引き付けるって、どうやって……」
「えっとそれは……」
考えなしに叫んだマミーモンの言葉に、アルケニモンが続く。
「アタシがいる。アタシがマミーモンと一緒に竜に乗って操ればいい。
 丁度、おあつらえ向きのが一頭来たみたいだしね」
こちらへ向かってくる風竜に乗った騎士を視認し、アルケニモンはニヤリと笑った。
いつの間にか右手に握っていたフルートをその形のいい唇に押し当て、奏でる。
右手のルーンの力が甲高い笛の音に乗って竜の下へと届く。
瞬間、竜が勢いよく体を揺り動かして、乗り手を振り落とすのが見えた。
竜は笛の音に導かれるままに、彼女の傍へ舞い降りた。
グルル……とじゃれつくような声を上げ身を擦り寄せてくる。
「よぉし、いい子だ。私の指示に従うんだよ?」
その竜を撫でてやった後で、アルケニモンは手綱を取る。
「とっとと乗りな!」
「へへっ! 了解」
マミーモンが心底楽しそうに笑った。
ぐにゃり、と体を歪ませると全身に包帯を巻いた怪物めいた姿になる。 
右手には愛用の銃『オベリスク』を持ち、
左手にはデルフリンガーを携え、竜の背にまたがる。
「一緒に戦うの、久しぶりだな、へへ」
こんな時だというのに彼は、はずんだ声でアルケニモンに喋りかける。
「……馬鹿言ってんじゃないよ!」
「はは、悪ィ! フーケ、悪いけどゼロ戦を見ててくれねえか?
 壊されちまったらコルベール先生が悲しむからよ」
フーケに笑顔を向けた後で、ルイズに向き直る。
「ルイズ、準備はいいか?」
「も、勿論よ! 国家に仇なすアルビオンなんか吹き飛ばしてやるわ!」
少し青白い顔をしながらも、懸命に声を張り上げる。
「それでこそルイズだ! 行くぞ!」
「あいよ!」
マミーモンの号令に合わせ、アルケニモンが手綱を振るう。
風竜が咆哮し、翼を羽ばたかせ空へ舞い上がる。
「使い魔が命令するんじゃないの! とにかく、行くわよ!」
「……分かった」
武装した黒い竜人、とでも形容すべきフーケのパートナーが、
その後を追うようにルイズを抱えて飛び上がる。
「……死ぬんじゃないよ」
彼らを見送りながら、フーケは呟く。
祈るように、胸から下げた奇妙な形のペンダントをしっかりと握り締める。
異なる世界で、『デジヴァイス』と呼ばれていたペンダントには、
使い魔のルーンが刻まれている。
同じものが、彼女のパートナーの翼に良く似た盾の部分にも刻まれていた。
「生きて帰るんだよ。ヴァリエールの嬢ちゃん、
 アルケニモン、マミーモン……ブラックウォーグレイモン」
かつて、トリステイン魔法学院の宝物庫に封じられていた、
『破壊神のタマゴ』から姿を現したパートナーの名を最後に呟く。
彼らの無事を祈りながら、フーケは、空を見上げ続けていた。

139 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/17(火) 20:46:41 ID:BpVHR1xz
以上で投下終了です。
多分、後一話で終わると思います。
マミーモンは殴られて胸が高鳴ってこそなんぼです。

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:06:01 ID:9mnO2Wqp
お疲れ様です
ブラックウォーグレイモンときたか!大好きなデジモンの一人なんで登場は嬉しいですね。
…というかガイアフォースで戦艦落とせるような気も…w

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:20:26 ID:/0Z7U5/5
タキシード仮面呼ぼうぜ

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:31:49 ID:ZpZk7z+6
タキシード仮面は登場時のセリフを再現するのが難しそうだ

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:51:31 ID:iRuWgO/G
タキシード仮面って惑星破壊するくらいは余裕な強さと聞いたことがある

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:55:05 ID:8xzXXlIt
スレの最初の方で医者を召喚ってあったけど
ギルティギアシリーズよりファウストを思いつきました。
需要あるなら書いてみるけど・・・。

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:56:33 ID:PQ1R/HWE
ディスティ・ノヴァなら・・・

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:56:40 ID:QQegKXRT
>>144
GO

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:57:03 ID:v2zme9Ex
烈風の二つ名を持つキャラが召喚された場合の、ルイズをはじめとしたヴァリエール家の面々の反応を見てみたい
どんなキャラがいたっけ?

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:59:29 ID:u9VM5jqa
>>144
コッパゲが狂気乱舞するな・・・頭部及び技術的に

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 21:59:41 ID:SO4G3nWY
烈風頑駄無

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:01:35 ID:YyCWyVWk
>>147
バクシンガー

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:02:08 ID:WO3fJEzY
>>143
タキシード仮面というか、あの世界の強化服全般は宙間戦闘用だからな。
土星だっけ、恒星クラスを破壊可能な広域殲滅型は。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:02:49 ID:HMkRoCQd
>>98
妖精は鉄が嫌いだよ。
だから、寝てる間に掃除してくれたりするグッドフェロー(良い妖精さん)が来てくれるところに
鉄の刃物を置いとくと、怒ってひどい悪戯をされたりするから注意だ。
お礼はミルクを皿に入れておいて置くとよし。
金貨とかを置いておくと、報酬をもらえると労役から開放されるルールによって来てくれなくなる
から、もう来なくていいよ、って時以外は置いちゃだめだ。

出典はヨーロッパの民話というか民間伝承。

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:02:54 ID:jwLJBT/j
>>147
烈風のシンク

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:08:31 ID:U5kS01ot
>>147
キメラから「烈風のタキ」

155 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:09:39 ID:7XaWSOf7
>>151
大体主人公のセーラームーンが最強スレで宇宙破壊の壁突破してるんでなんとも……

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:10:08 ID:Ro2Gez0H
>>152
SWでも精霊が鉄を嫌うってんで、
シャーマンは鉄製の鎧をつけられないってルールがあったなぁ。
(ソーサラーがソフトレザー以下しか付けられないのは、体の動きを阻害するから)
一応銀製の鎧ならOKなんだが、そんな馬鹿はソアラ以外にはいなかったよーな……。
2.0だとどうなってたかは覚えてない。

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:12:37 ID:ddBH3Vao
>144
ファウスト先生は大好きだぜ。
色々とイっちゃってるけど基本は良い人だしな。小説版だと無料で貧しい人たちに
治療を施してたりするし、レイブン相手に果敢に戦いを挑んだり。
先生の手にかかればちい姉さまの病気もルイズとカトレアさんの貧ぬぅも解決可能だぜ!

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:13:23 ID:emhhMK3/
ルイズ「こういうのって、続くといいわよねギュスターヴ。
    ずーっと、ずーっと続くといいわよね」

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:13:48 ID:McBCREUy
金属の鎧着てても魔法は使えるよ。判定に-4のペナルティだか食らうと思ったが

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:22:06 ID:QQegKXRT
ゼロ魔世界のメイジにとっても鉄が天敵になりえるならフルプレイトメールを着込んだ騎士で編成した対メイジ部隊とかを
どっかの国が実装してても良さそうな気もするけど
逆にその世界の住人だからこそ、気付かない盲点として誰も実装して無いなんて事もありえるのかな

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:24:56 ID:DCuZ0Uh4
錬金じゃ作成できないってことにもなるしな
メイジじゃなくてギュスみたいな職人鍛冶師が作らないといけないし

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:25:50 ID:Jn77KtZa
ジャック・スパロウ召喚

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:30:46 ID:+t61wJRI
>>160
どっちかっつーと精霊に頼った先住魔法殺しのような気がするな、
鉄の武装は。
系統魔法を相手取る場合、
ライトニングクラウドみたいな電気絡みの魔法はもちろん
熱伝導のせいで炎にも冷気にも耐性が無く、
錬金喰らって脆い金属に置き換えられたり分解されたりしそう。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:30:54 ID:QQegKXRT
>>161
青銅や金、真鍮なんかは鍛えられたわけじゃ無いただの『鉄』
で、ギュス様御用達の金属は鍛えられた『鋼』で魔法が効き難い、とかにしてしまえば或いは
デルフの対魔法性能も単に「魔法で作られた剣」なんじゃなくて「鍛えられた鋼と始祖的な奇跡のパワーが合わさった剣」とかにすれば・・・
ちと厳しいか

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:31:13 ID:is1Bcy26
>>160
妖精とか精霊が鉄を嫌ってるんだから対メイジじゃなくて対エルフじゃないかな?
まぁ盲点云々の所はそういうのもありそうだよね
メイジ10人分のエルフにメイジじゃない傭兵がバカ重い全身鉄製の鎧着て突っ込むとも思えないし


166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:33:45 ID:HT7uTsBr
まあいっそのこと世界設定も改変するという大技もあるがな
それもクロスオーバーの一環さ

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:37:54 ID:OUjXBV6a
忍者として人体に関する知識一通り持ってるチップをして何がどうなってるのかサッパリ読めない体をしてるファウスト先生
ディテクトマジックかけたら面白おかしい結果が出そうだ
ところでファウスト先生巨大メスもって白衣(?)着てるよね
しかも空間操作だかなんだかの法力使うよな
メイジに間違われないだろうか

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:40:06 ID:h/1kCwIk
メイジでなく名医師

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:40:46 ID:LUKSrkNG
>>166
>世界設定改変
兵庫県在住の某女子高生召喚ですね、分かります。
元メガネでも腕章でもどっちでもいいぞ

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:43:20 ID:McBCREUy
>>168
上手い事言うなあ。感心した

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:44:59 ID:LUKSrkNG
>>168
ただし名医師は名医師だけど目医者

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:45:29 ID:k/lcYe07
明治大帝召喚ですね、わかります




ところでよーやっとガンヘッドのDVDが届いたわけだが。

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:46:12 ID:B5q73/a3
>>153
アビスのか。いままで二つ名忘れてたw
更正前のルークとかも面白そう

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:49:51 ID:ycYTbZ9A
>>173
更正後というかラスボス戦後のルークなら召喚されてるけどな。
しかしテイルズ系はあまり長続きしないのが残念。最近投下されたミトスも3話で止まってるしなぁ…。

175 :虚無の王:2008/06/17(火) 22:50:27 ID:pGYXVoo9
今空いてますか?

予約が無い様でしたら、久方ぶりに投下したいと思います。

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:51:34 ID:+t61wJRI
>>173
更生後のルークなら来てたな、なかなか面白かったと思う

















…………絶賛更新途絶中だけどねorz

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:52:03 ID:LUKSrkNG
>>172
明治乳業
明治製菓
明治安田生命
明治図書出版
さあ好きなのを選ぶんだ

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:52:10 ID:+t61wJRI
っと失礼、支援仕る

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:52:34 ID:qhceDyRE
待ってたよ支援

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:53:04 ID:ddBH3Vao
>168
誰うま

小説版では負けたけどレイブン相手に法力戦で結構いいとこいってたぜ。
あのカイが「こんなハイレベルな空間操作の法力戦みたことがない」みたいな
こと言ってたから、作中でも屈指の実力者であるのは間違いなし。
…意外とギルティの中では良識者なんだけどな。

181 :虚無の王:2008/06/17(火) 22:54:05 ID:pGYXVoo9
では、投下させて頂きます。

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:54:42 ID:k/lcYe07
>177
せっかくだから俺はこの明治大学を選ぶぜ!

183 :虚無の王Trick26-1/9:2008/06/17(火) 22:55:31 ID:pGYXVoo9
 真夏の太陽が、殺意にぎらつく目線を投げ降ろしていた。
 地平線は陽炎に溶け、何もかもがその眩しさで、容赦無く瞳を刺し貫いた。
 重く垂れ込めていた陰は、陽の勢いに懼れをなして、どこかに消えてしまった。
 事実、二つの塔、殊に中央の本塔を失った魔法学院の広場は、どこもかしこもがぶ厚い熱気に覆いつくされ、正気を失っていた。
 夏は魔の季節だ。どんなにおかしな事が起きても、夏だから、の一言で片が付く。
 アウストリの広場に、学生達が整然と列を作っている。
 城壁に似た竈で風が煮え立つ中、ここだけは凍て付く空気が層を重ねている。
 乾涸らびたローズマリーが太陽から目を背ける様に首を垂らす。
 恋の夜は去り、広場は悲劇の後日譚に舞台の様相を変えていた。
 整列する学生は凡そ200人。魔法学院は本来、一学年90人の編成で、三学年だ。
 辻褄の合わない数字が今後どう変異するかは、風の気紛れと、個々人の幸運とに委ねられている。
 風の王。異界から来た侵略者との戦いに於て、名誉ある最期を遂げた貴族達の慰霊式典が、粛々と進められていた。
 200の目線が集まる急造の壇上では、進行役のギトーが平べったい広場の集団を見下ろしている。
 フーケの一件で負傷していた、最強の系統を担うメイジは、それ故に命を拾っていた。
 抑揚の無い、淡々とした声には、うっすらとした滲みが紛れていた。
 いついかなる場合に於いても毅然たる態度を示し、若き貴族達の範たる事を、己が使命と心得る風メイジ。
 だが、どんな使命感も、胸中に渦巻く悔恨と自責の嵐を抑える事は難しい物だ。
 自分は常々、教えて来た。
 風こそ最強の系統である。
 目に見えぬ風は、諸君の身を守る盾となり、あらゆる敵を吹き飛ばす矛となる。
 自分は風の頼もしき事ばかりを伝えて来た。風の恐ろしさを、向かい風となって迫り来る、その脅威について語る事を忘れていた。
 結果、死をも恐れぬ若者達から、死に様について考える機会を奪ってしまった。
 彼等はいかなる勇気も、名誉ある態度も示す間を与えられずに、全く思いもかけない死に飲み込まれてしまったのだ。
 広場には血の通わない、凝固した顔が並んでいた。
 事件を目の当たりにする事が無かった多くの学生達は、一体、何が起きたのか、未だ理解出来ずにいた。

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:56:30 ID:qhceDyRE
支援

185 :虚無の王Trick26-2/9:2008/06/17(火) 22:57:39 ID:pGYXVoo9
 何物も映していない点では、ガラス玉と変わらない瞳の列に、炎の輝きが紛れていた。
 炯々たる深紅の光は、壇上をぼんやりと照らす代わりに、一人の少年を真っ直ぐ貫いた。
 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・ツェルプストーは薄い唇を噛んだ。
 一昨夜の出来事が、ゲルマニア貴族の豊満な肢体の中で渦を巻き、体中の血管を煮え滾らせていた。
 情熱に生きる少女は、それだけに激情を操る術にも長けている。だが、何事も限度が有る事は免れ得ない。
 活動的な性分から、野宿にはそれなりに慣れているとは言え、藪陰で毛布も無く目を醒ましたのは、初めての経験だった。
 顔にまとわりつき、鼻に、耳に潜り込もうとする藪蚊や、蟻を払い除けた時、鼻腔の奥でくしゃみが破裂した。
 その時、隣で身を捩ったのがギーシュだ。
 草臥れた仕草で濁った眼を開けた少年は、二、三、意味不明の呟きを漏らしたきり、動かなくなった。
 反対には、希望と言う言葉を永遠の中に探している様子のルイズ・ド・ラ・ヴァリエールが居たが、目を開ける事さえ忘れた女には、何の興味も湧かなかった。
 トリステインの少年貴族が自分の呼吸を確かめる様にして、ゆっくりとした瞬きを繰り返している間に、キュルケは五匹の蚊を叩き潰していた。
 掌に、ねっとりと血の斑点が残った。
 立ち上がったギーシュの背中は、何も言わなかった。造花の杖を振り回し、自身に残された精神力を測っていた。
 気絶と睡眠とは似ている様で違う。キュルケ自身の精神力は空に近い。
 その点、先の戦闘で勇気を示す機会に聊か見放されていた土メイジには、若干の余裕が有ると見えた。
 造花の一振りは、程なくして一体の戦乙女を生み落とした。
 巨大な車輪を備える、高速型ワルキューレだ。

「ねえ……何がどうなっているの?」
「僕等だけで逃げて来た。後の事は分からない」

 説明は簡潔だった。
 ルイズだけは無事に逃がす必要を覚えた事。
 ヴェルダンデに抜け道を用意させた事。
 ミスタ・コルベールの御陰で、脱出の好機が得られた事。
 手近に居た自分も一緒に連れて来た、と言う事。

「助かったのは、私達とルイズだけ?」
「ここに居るのが、三人だけなのは確かだ」
「他には、誰も連れて来られなかったの?」
「タバサには手が届きそうだったけど、駄目だった」

 差し伸べた手を、タバサは拒否した。使い魔を置き去りに出来なかったのだろう。
 脳裏にフレイムの姿が浮かんだ。
 忠実なる使い魔。火竜山で生まれた火トカゲの感覚は、どんな光景も運んで来なかった。

「ルイズを頼む」
「学院の様子を見に行くの?」
「今、あそこは危険だ」
「友達が心配じゃないの?」
「もっと心配な事が有る」
「モンモランシーも居るのよ。それ以上に心配な事が、あなたに有るのかしら?」
「王宮に行く」

 一夜の内に、魔法学院が壊滅した。その事態を王政府が把握するには、もう少し時間がかかる。
 そして、武内空がその気になれば、魔法学院とトリスタニアは目と鼻の先だ。

「事は一刻を争うんだ。学院に行っている閑は無いし、あの男に出会しでもしたら、目も当てられない」
「だから、見捨てるの?」
「友に背くも、王権に背く事勿れ――――うちの家訓さ」

 愛国心は無頼漢の最後の砦と言う言葉が有る。無法者でさえも、祖国を裏切る事だけは出来ない物だ。
 まして、トリステイン貴族たる者、王権の為に命を抛つ覚悟は出来ている。友の為、王権に背けば、結局の所、双方を裏切る事になる。

「タバサはガリア人よ」
「関係無い。いかなる貴族にとっても、始祖の血統を継ぐ三王家は等しく忠誠の対象だ。僕はトリステイン王家に対してそうである様に、ガリア王室の為にも命を捨てる事が出来る。彼女だって同じ筈だよ」

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:58:01 ID:afveO9x4
支援支援

187 :虚無の王Trick26-3/9:2008/06/17(火) 22:59:14 ID:pGYXVoo9
 陽が投げ落とす熱線と、炎の視線が一つに混じり合い、空を白く焼いた。
 暑いのは苦手だ。
 だが、頭蓋の内で煮え滾り、今にも溢れ出ようとしている灼熱の奔流に比べれば、草木を枯らす熱風が如何ほどの物だろう。
 友人を見捨てるのか――――必ずしも本気で言ってはいない。
 武内空と鉢合わせたら最期だ。そして名誉有る死を望める程に慈悲深い相手でも無い。
 タバサについての言葉が、ゲルマニアの火メイジを苛立たせていた。
 ギーシュの言い種は、全く、判を捺した様に模範的で、それだけに太平楽が過ぎた。
 何も知らない癖に。
 ガリア王室と異国から来た偽名の少女の複雑な関係を知る身としては、勝手と知りつつ、そんな言葉が脳裏を過ぎるのは否めない。
 なにより、あのトリステイン人が最後に付け加えた一言だ。

「ゲルマニア人の君には分からないかも知れないけど」

 全く。トリステインは良い所だ。トリステイン人さえ居なければ。
 朝を迎えた魔法学院は、深夜と寸分違わぬ様相で捨て置かれていた。
 白々とした朝日が、惨劇の痕跡を無慈悲に掘り起こした。
 王都トリスタニアと王宮を襲った悲劇の報は、結局、届かなかった。
 風の王は現れた時と同様に、忽然、その姿を消していた。
 アンリエッタ王女の行啓は沙汰止みとなるだろう。
 出迎えるべき教師はその多くが倒れ、白亜の学院も、今は数百年の歴史に代わって、一夜の惨劇が深々とした爪痕を残しているばかりだ。
 とても、王族の啓を仰げる状態では無い。
 誰もがそう考えた。
 一人だけ、考えを異にする人間が居た。
 彼女の白い手が、この一件に関して、決定権を握っていたとは考えにくい。だが、学院の事態に親から処せんとする王女の行く手を遮るには、鳥の骨ではあまりに軽過ぎた。
 壇上に少女が居る。
 今、この場に並ぶ者無き高みに端然、鎮座する始祖の末裔、高貴なる半神は、それ故に偏る事を知らない、平等なる慈愛の視線を眼下に垂れている。
 その御足が同じ土を踏み、繊手が眼前まで降りて来ると、トリステインの貴族達は感激に噎び泣く。
 これはきっと、美しい光景なのだろう。
 戦いと惨劇の中、心身に傷を負い、疲れ切った貴族の子弟。そんな少年少女を慰撫せられんが為、姫殿下は危険を推して行啓を敢行させられた。
 炎が消えた。赤い瞳の奥には、白けきった、氷の光だけが揺れていた。
 ギーシュが跪き、涙を流している。
 やがて、広場に沸き立つ万歳の歓呼。
 始祖の末裔を君主と仰ぐトリステインと違い、ゲルマニア皇帝は武辺者の成り上がり、貴族の棟梁でしか無い。
 言わば、貴族にとっては利害を対する競合相手であり、それだけに、根拠不明な王権に対する忠誠も薄い。
 古い伝統の国、小国の少年少女が純真無垢な感激に身を委ね、改めて無償絶対の忠誠を胸の内に誓う中、キュルケ一人が心優しい王女殿下に猜疑の瞳を向けている。
 生来の優しい性分もあるだろう。
 勿論、打算もあるだろう。
 この行啓で、将来の女王陛下は同じく将来の王国を担う貴族達の忠誠を、確固たる物にした。
 だが、それだけだろうか。
 騎士と大貴族の当主とでは背負う使命が違う。騎士の役割が戦場に於ける勇敢な死であるのなら、当主の役割は万難を排して生き延びる事だ。
 まして、自身を於ては他に目立った継承者も居らず、近くゲルマニア皇帝との婚姻が噂されている王女となれば尚更だろう。
 何か、臣下の慰撫に託けて、学院に来なければならない理由が有るのではないか。それも、近臣には決して告げる事の出来ない、極めて私的かつ不名誉な理由が。
 キュルケは奥歯で苦虫を噛み潰し、大きく重い感触を躊躇いがちに嚥下した。
 自分の勘が良く当たる事を、“微熱”の少女は良く知っていた。

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 22:59:48 ID:qhceDyRE
相変わらず引き込まれる文章だな支援

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:00:17 ID:zvQyEZml
支援

190 :虚無の王Trick26-4/9:2008/06/17(火) 23:00:43 ID:pGYXVoo9
「傷は癒えたかな?子爵」

 微笑みを含む一声が、肩を叩いた。
 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド子爵。トリステインの魔法衛士は、形式に則る一礼を慎ましく投げ返した。
 レキシントンに於ける大勝を皮切りに、貴族派は勝利に勝利を重ねていた。
 今では、白き大陸アルビオンを支配するデューダー王家に残された領地は、小さな岬の突端に聳える城塞ニューカッスル唯一つでしか無い。
 王党派の息の根を止め、王国を我が物にせんと逸り高ぶる貴族派の陣中で、異朝の貴族が気儘に歩を運んでいる。
 奇異の目は無い。
 レコンキスタは国境を越えた貴族の連合体だ。
 ハルケギニアのあらゆる国家に同調者が居る。
 彼等は将来生まれるハルケギニア統一国家こそを祖国と信じている。
 ハルケギアの将来を憂う貴族達にとって、現存の王国は、自身の理想を阻む障害では無く、本来、存在する筈である理想社会を犯す侵略者だ。
 その打倒の為なら、あらゆる手段、あらゆる欺瞞、あらゆる悪徳が是認される。
 寧ろ、既存の概念に縛られ、有効なる手段を躊躇するのは、同じ理想を掲げた同志に対する、何より救世の理想と正義に対する、恥ずべき裏切りだ。

 ハルケギニアに解放を!
 統一を!
 世界中の貴族よ連帯せよ!

 熱狂渦巻く陣中の方々に、ワルドは冷ややかな瞳を配っている。
 二人の風使いがレコンキスタに与えた役割は既に終ろうとしていて、その行く末に良い未来が用意されていない事を、彼は良く知っていた。
 空袖が呆れた様に首を振った。自分が国籍を超えた貴族達と五十歩百歩の間抜けである事を思い出し、思わず吐息が漏れた。
 全く失態だった。最早、利用価値が失せつつある相手の信用を繋ぐ為に、腕を一本捧げてしまったのだ。割に合わない事、この上無い。
 まあいい。ワルドは内心で一人ごちる。
 我が僚友は目的の為に、己が両脚を切り落としたと言うではないか。
 右腕で無かっただけ良しとしよう。

「それにしても、驚いたね」

 一人の男が居る。
 鷲鼻の左右で理知的な眼が人懐こい笑みを作る。
 身に纏うローブは聖職者だが、軽快な口調は軍人の物だ。
 オリヴァー・クロムウェル。レコンキスタの総司令官が見せる気易い態度に、ワルドは人知れず肩を竦めた。
 器と言う物は、広くすれば浅くなるし、深くすれば狭くなる。
 鷹揚を気取る、異邦人にも分け隔ての無い態度。
 驚くほど浅いその本性を見逃すには、いささかつき合いが長くなり過ぎていた。

「君ほどの勇者に深手を負わせる使い手が、ウェールズの他にも王党派に残っているとはね。思いも寄らない事だ」
「腕前に、見るべき点が有った様には思われません」
「ほう。では、どう言う事かね?」
「ただ、生きようと言う執念が凄まじかった。片腕を引きずり込まれました」
「ふむ……」

 碧い左右の瞳には、不可解と無理解とが揺れていた。
 杖を片手に手勢を率い、自らの手で領地を押し広げる聖職者は珍しくないが、レコンキスタの総司令官は、その種の冒険的な怪僧とは正反対の人物だ。
 命の遣り取りの場を、技巧ですり抜けられると、本気で信じているのだろう。
 こうした男の目には、戦を前にして、名誉ある死を始祖に祈る貴族の切実さえ、軟弱と映る。
 終生鏡と縁を結ぶことの無い、最も幸せで、同時に最も忌避すべき人種だった。
 ワルドはその指先に付いている小さな石ころ程にも価値が無い男から、そっとその背後に目線を移した。
 常にローブを目深にした女の口元は、薄く歪んでいた。秘密を共有した者が見せる、共犯意識に裏打ちされた物とは違った。
 怪訝に思うよりも先に、ぶ厚い影が、その背後からぬっと現れた。
 背筋の神経を鋭い刺激が走った。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:02:13 ID:zvQyEZml
支援

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:02:53 ID:+hFZOXdl
支援〜

193 :虚無の王Trick26-5/9:2008/06/17(火) 23:02:58 ID:pGYXVoo9
 現れたのは、剣士を思わせる男だ。鋼の硬さと獣の獰猛とを兼ね備えた肉体が、マントの下に直接覗く。
 熟達したメイジの本能が、男の正体を教えてくれた。その出で立ちからは、想像に遠い正体だ。
 隆々たる筋肉が抱える凶悪な鈍器を、一体、どこの誰が杖だと考えるだろう。
 目線が交錯する事は無かった。
 冷たい碧眼の放つ眼光は、皺と火傷に埋もれた男の瞳に、抵抗も無く吸い込まれた。
 いかなる光も宿す事の無い瞳が、男の盲目を無言の内に物語っていた。

「ワルド子爵だ」

 クロムウェルがワルドを紹介した時も、男の顔は鉄の固さで凝固したままだった。

「ワルド君、君も名前ぐらいは聞いた事があるだろう。彼が“白炎”メンヌヴィルだ」

 碧い瞳の奥に、光が灯った。その二つ名には聞き覚えがあった。
 悪名には事欠かない、火メイジの傭兵だ。そして、残虐非道の誹りこそ枚挙遑無いが、臆病の二字だけは耳にした事が無い。
 全身の皮膚が粟立ち、一斉に警報を鳴らした。その声に比べれば、どんな噂も、常人であれば正視に耐えぬ凶悪な人相も、取るに足りない物だった。

「どうだね子爵?伝説を目の当たりにして」
「ここが戦場でなくてよかったと思いますよ」

 正直だが、それだけに白々しい答えでもあった。
 クロムウェルが見せる、聖職者特有の胡散臭い笑顔も、ローブの女が浮かべる趣味の悪い笑みも、人を和ませるより、寧ろ頑なにさせる類の物だった。

「では、閣下。私はこれにて」
「うむ。例の件、宜しく頼むよ」

 ワルドは踵を返した。その背中を聖職者の総司令官は笑顔で見送った。
 長身が踵を軸にしてくるりと回った時、温和と鷹揚のメッキが、ストンとはげ落ちた。
 腰間の杖は、鞘鳴りの一つも無く抜かれていた。呪文はとうとう聞こえなかった。
 眼前で二つの魔法が弾け、瞳孔を白熱の皮膜で覆った時も、クロムウェルは事態を察する事が出来なかった。
 すらりとした体躯が風の中に滑り込んだ。
 鋼鉄の巨体が吹き上がる炎と化したのは、同時だった。
 剣の拵えを持つ杖先が、電光一閃、火傷に塗り固められた頬肉を削り飛ばした時、戦槌と見まごう超重の杖は一陣の轟風となって、羽根飾りを斬り飛ばした。
 メンヌヴィルの杖。持ち主の巨躯にも優る、長大な鈍器が剣の間合いに即している事実が、ワルドにその構えと、次なる一打を教えてくれた。
 握りは杖を両手で三等分する型。空気を裂いて、もう一端が反対側から襲って来る。
 長靴の下で土塊が爆ぜた。切っ先は弾丸の速さを帯びていた。
 長杖の両端による攻撃は回転に勝れるが、間合いが犠牲となる。
 我が杖の迅速はその鼻頭を抑えるに足る。避けるよりも、そこに賭けた。
 杖先が歪んだ顔面に吸い込まれた時、ワルドは反射的に身を反らせた。
 メンヌヴィルが構わず鈍器を振り抜いて来るのは、聊か予想に反していた。
 風と炎、二つの魔法が完成したのは、この時だ。
 鑢の感触を残して沈黙したクロムウェルの瞳を、閃光が刺し貫いた。耳の中では、鼓膜と空気とが一緒くたに割れた。
 火花が弾け、一面に降り注いだ。
 風メイジの碧眼と、火メイジの見えない目は、焼け付く雨を隔てて、この時、確かに絡み合っていた。
 メンヌヴィルの側頭には、千切れかけた左耳がぶら下がっていた。ワルドの杖先を、首を捻ってかわした代償だ。
 打撃を躊躇していれば、それも叶わなかっただろう。顔面を砕いた杖先の放つ魔法が、零距離から、その意識を永遠に奪い去った筈だ。
 ワルドの頭に帽子は無かった。メンヌヴィルの首を捻る動作が、若干、その打撃を鈍らせた。
 杖の一突きが半瞬遅れていれば、頭を割られている。とは言え、受けに回っていれば、至近から放たれる炎で丸焼きにされただろう。
 杖が伸びた。その先端は、眼前の傭兵では無く、頭上に踊る帽子を捉えていた。

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:03:27 ID:zvQyEZml
支援

195 :虚無の王Trick26-6/9:2008/06/17(火) 23:04:14 ID:pGYXVoo9
「何の真似だ?」

 唸る様な声が言った。

「貴君に隙が無いか試しただけだ」
「物騒な野郎だ」
「杖と一緒に腕が鳴るのだよ。貴君の様な男を見ているとね」
「忘れねえぞ」

 答えたのは杖先だ。魔法を放つ代わりに、胸元を指して小刻みに揺れる。
 その挑発的な仕草に、メンヌヴィルが歯を剥いた時、場違いな笑い声が、蛞蝓の舌使いで耳朶を撫でた。

「いや、素晴らしい!」

 視力が未だ戻らない事は、クロムウェルにとって幸運だった。
 白けた目線にも気付かずに声を上げて笑い、手を叩いて間に入る。
 その仕草は多分に芝居がかっていたが、仮に芝居だとしたら、道化芝居の類である事に、本人だけが気が付いていなかった。

「さすがに、達人同士の手合わせは迫力が違う!諸君等の様な部下に恵まれた事を、始祖に感謝しなければな!」

 二人は杖を収めた。続きをやりたければ、目の前の男をまず黙らせなければならない。
 生憎、貴族会議により選ばれた我等が代表は、敵愾心を刺激するほどの人物では有り得なかった。
 砂が頬を叩いた。
 ワルドの背後に、一頭の風竜が合図を待っていたかの様に舞い降りた。

「ほう、子爵。君は風竜も操るのか。そうとは聞いていなかったが」
「騎乗の経験はありませぬ」
「ふむ。確かに風竜の速さと航続距離は有用だが。大丈夫なのかね?」
「私に乗りこなせぬ幻獣は、ハルケギニアには存在しない物と存じます」

 風竜に飛び乗る仕草は、正直な言葉を裏付けていた。
 その軽快は、なるほど優れた軍人の物ではあれ、到底熟達した竜騎兵の物では無かった。
 それでも、離陸は危う気の無い物で、一度風を掴んだ竜の速度は、物欲に別れを告げる事が出来ない聖職者の目を眩ませるに十分な物だった。

「名竜だね。調教の具合もいい」

 その言葉に、ローブの女は奇妙な仕草を見せた。ともすれば不便な衣服も、表情を隱すには便利な物だ。
 千切れた耳を繋ぐ男の喉から、痛みと無縁な唸りが漏れた。

「次はこうはいかねえ」

 風竜の翼上。
 ワルドも亦、不服に舌を鳴らしている。

「私の代わりと言う事か。クロムウェルめ」

 風竜の首筋を撫でると、ワルドは短く呪文を唱える。
 刹那、風のメイジの体は、空に紛れて消え失せた。
 風竜が鳴いた。
 野生を取り戻した幻獣は、どこへともなく、翼を巡らせた。

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:04:51 ID:qhceDyRE
支援

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:04:53 ID:xYQZRVu/
ギュスがどこまで剣技を覚えているか気になるな…ブルクラッシュでも使えればワルキューレクラスなら粉々に出来そう
後魔法と鋼談義で、ある程度実力があればフルプレート着込めば勝てると思うけどな
火のメイジを除けば風だと鉄を切れるまで威力を高めなきゃ効果は薄いし
錬金は接近する必要があるし、水はジャベリンクラスじゃないと威力は薄そう…
…鋼鉄兵はトライアングルまでなら効果は高そうだな

198 :虚無の王Trick26-7/9:2008/06/17(火) 23:05:49 ID:pGYXVoo9
 鎧戸から滑り込む陽の中で、埃がクルクルと踊っていた。
 小さな部屋の真ん中では、一枚板の円卓が、どっかりと腰を下ろしている。
 上座を持たない円卓は、平等なる討議の象徴だ。
 尤も、顔を付き合わせる三つの影は、揃ってそんな言葉を歯牙にもかけない人物だった。
 卓上を右へ左へと滑る言葉も、友愛や平和とは程遠い。
 それでも、密談が漏れる事を恐れ、鎧戸を閉め切ろうとする者は居なかった。
 臨席する二人の男は、耳を兼ねる翼を持っている。
 円卓の上に転がる秘密を守るには、風の運ぶ気配に片耳を預けている方がいい。

「どうした?」

 風を弄び、熱暑の慰めとしていた左手が、不意に卓上へ降りた。
 薄い飴色の陽を透かして、同席者が示した僅かな変化を、空は見逃さなかった。
 右手に座するのは、三○○○m上空で立ち会いを演じ、風竜に跨っていた筈の男だ。

「偏在を一体消した」
「なかなか、面白い物を見せて貰ったわ」

 答えた影もまた、アルビオンの大地でクロムウェルに従っていた筈の物だった。
 空は両手を翳した。狭い部屋で、風が渦を巻いたが、暑さに苦しむ仲間達へ親切心を起こすほど、人の好い男では無い。
 ワルドは偏在、シェフィールドは魔法道具の類。複数の目を世界の至る所に配する手段を手にしている。
 その点については凡人と変わる所の無い身としては、二人の会話は愉快ではなかったのだろう。

「はん。ったく、ワルドの癖しよってっ」

 不満が手刀を象り、青年貴族の喉を打った。
 冗談のオブラートに包まれた一打は、それでも数秒に渡って呼吸を奪うには、十分な物だった。
 激しい咳が喉を削った。一瞬、杖へと伸びた左手、手袋に覆われた義手は、結局、その握りを撫でるに留まった。
 決して寛容な性分では無い。余人なら、片腕は貰っている。
 だが、トリステインの風使いは誇り高き風の王の人となり、いつでも自分が中心でなければ気が済まない、少年の心を忘れない大人と言う一面を知っていた。
 そう言う輩には、反撃してやるよりも、もっと効果的な方法が有る物だ。
 ワルドは敢えて笑った。
 空の目元が小さく引きつった事を、グリフォンの背から大地を見下ろす鋭敏な瞳は見逃さなかった。

「あの男は私を疑い始めている様だが……」
「鈍い男よ。でも、同時に臆病だわ」
「例の件については、“上”で話した通りで構わないだろうか?」
「特に変更の必要は無いわね」

 シェフィールドに水を向けると、案の定乗って来た。
 この“おでこさん”が聊か、左手にルーンを持つ使い魔とは合わないらしい事も、ワルドは見抜いている。
 自分を差し置いて、自分の知らない話を進めて、自分の知らない理由で決定を下す二人の様に、空の眉が跳ねる。

「ったく。けったくそ悪い奴らやなあ」

 内心でほくそ笑みながら、ワルドは席を立った。
 風向きが分からない人間は居ない。風の王が見せる態度も、頗る分かり易い。
 だが、風を読むたやすさはともあれ、風の変化を予知する事は、スクウェアメイジにとっても難しい物だ。
 議するべき事も話し終え、ささやかな勝利を得た今、長居は無用だった。
 席を蹴ると、空はマントの後姿に続いた。
 その足を縫い止めたのは、耳にざらりとした違和感を残す、重い声だ。

「Hey.Big Willie!!(やあ、イケメン)」

 背後には一人の女が座している。
 他には誰も居ない。
 その声は、確かにたおやかな女性の物だが、鋭利と重厚とが刀剣の重さで同居する口調は、到底、端麗な容姿に似つかわしい物では無かった。

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:06:44 ID:efvFpsHf
しえん

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:06:50 ID:+hFZOXdl
支援〜

201 :虚無の王Trick26-8/9:2008/06/17(火) 23:08:03 ID:pGYXVoo9
「なんや、あんたかい」

 風を掴む両掌が、シェフィールドの頬を包んだ。
 異性への愛情を込めた仕草では無い。受話器を掴む無造作だ。
 そして、その扱いが強ち間違いでは無い事は、当の本人の声が物語っていた。

「ミスタ・空。君は暫く、手すきだと聞いていたが。まさか、予定が変わってしまった、などと言い出したりはしないだろうね?」

 女の唇が、他人の声を運んだ。
 恐ろしく深い瞳の奥には、いかなる光も覗く事は出来なかった。
 今、この瞬間、その奥底は遙か千リーグを隔てたガリアまで通じている。

「あいつ一人働かせといて、何もしいへんのも気ぃひけるさかい。ま、果報を寝て待つんは性分に合わんへん言うんも有るけどな」
「おお、ミスタ・空。君はなんと残酷な事を言うのだ。残念だよ。実に残念だ」

 本当に残念そうな声が言った。
 デートを当日にキャンセルされた、グラモン伯爵家の四男坊だって、ここまで無念な声を漏らす事は無いだろう。

「新しい将棋が出来たのだ。現実と同じ様な地形を用意し、ダイスによって、駒の勝敗を決めるのだ。全軍の将たる者、あらゆる偶然をも、計算の内にしなければならないと語ったのは、誰だったかな?
とにかく、これにより結果に揺らぎが生じ、本当の戦を指揮している様な楽しみが生まれるのだ。定石の応酬に終始しがちな従来の将棋とは、全く違った物だ」
「小姓でも相手にさせとき」
「ああ!君はなんと残酷な男だ。知っている筈ではないか。最早、どんなルールでも、余と対等の指し手など居りはしないのだ。
なのに君は余に、この長い退屈な時間と!世界の半分と戦って討ち死にしろ、とそう言うのかね!」
「はは。就床様や。いっそ、その方が世の為にはなるとは思うけどな」
「残念だ。全く残念だ。君だけだ。君だけが、唯一余を楽しませてくれる打ち手なのだ」
「まあ、そう残念がることないやろ」

 一点の曇りも無い笑顔で、空は言った。

「何事も派手な方がええ。この世界が盤面や。ダイスは神様が振ってくれよる。勝負遅いんが難点やけど、これほど楽しい将棋、他にあらへんわ」
「おお、その通りだ。君の言う通りだ」

 無表情な女の口腔の奥で、男の口調が相好を崩した。

「君が用意している手は、余の預かり知る所では無い。おっと、決して話さないでくれたまえよ。楽しみが無くなる」
「ホンマ、病気やな。あんたは。まあ、ええ。“始祖の虚無”はうちの王様がいただくさかい、覚悟しとき」
「王?」

 怪訝な声が言った。
 このハルケギニアで王と呼ばれる人間は二人しか居ない。そして、内一人は亡国の淵に立たされている。

「どう言う事かね?まさか、君の様な人間が、トリステインの小娘供に膝を折るとは思えない」
「そらそーや。親子丼には食傷しとるし、ワイも落ち着いたさかい。あのおばはんにも、娘の方にも大した興味はあらへん」
「では、一体誰の事だと言うのかね?」
「虚無の王や」

 空は受話器を置こうとした。
 生憎、現代日本人が手にするそれは、電話機とは違った。
 無線機の要領なら、電源を切ればいいだろう。
 幸い、スイッチと思しき突起なら二つ有る。
 空の推理は正しかった。
 両の突起をつついた時、シェフィールドは自身の声帯が女を取り戻した事を、分かり易く教えてくれた。

202 :虚無の王Trick26-9/9:2008/06/17(火) 23:09:33 ID:pGYXVoo9
 ワルドは風のスクウェアメイジだ。
 空気の動きには極めて敏感であり、いかなる些細な音をも聞き逃さない。

「一○○メイル先に落ちた、針の音をも聞き取る男」

 独白に違わぬ鋭さで、ワルドは足を止めた。
 よく聞き覚えの有る女の声が、微かに耳朶を撫でる。聞き覚えのある声は、聞いた事も無い声音を帯びていた。
 何事だろう。
 誰にでも聞こえる鈍い打撃音が、事の成り行きを教えてくれた。
 思わずため息が漏れた。
 何かを言おうとして、結局何も思い浮かばなかったワルドは、トリステイン人らしい仕草で肩を竦める事にした。


 ――――To be continued

203 :虚無の王:2008/06/17(火) 23:10:58 ID:pGYXVoo9
今回はここまでです。

この話から第三部に入ります。

次は多分、近々投下出来ると思います。

御支援ありがとうございました。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:11:45 ID:qhceDyRE
乙!

陰険な会話が楽しすぎる。「近々」を期待して待ってます。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:17:14 ID:qqdN8pt2
GJ!
ぞくぞくするね。再開が嬉しいよ。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:32:20 ID:ZTt94tLc
>>172
ガンヘッドか。
そういやあれはアルコール(ウィスキーでも可)で駆動できたな。
最先端メカのくせにえらい安っぽい燃料で動くからいい感じかも。

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:36:27 ID:85Xf3YC9


どこでもガリア王は楽しませてくれる相手にはデレデレだな

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:39:30 ID:zvQyEZml
そっちの突起だったか!w
乙っしたー

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:40:58 ID:xQTJDHvk
エルフキャラ召喚そこそこあるが、結果的周囲がエルフを使い魔としてすんなり認めるのはどうも(そうしないと物語にならんので)
召喚されたとたんにわけも分からず周囲からフルボッコで魔法攻撃されまくりやむを得ず冒頭からいきなり1対多の決闘イベントっつうのも
候補キャラはやっぱリンクか…回転斬りで魔法攻撃薙ぎ払える?

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:42:21 ID:SO4G3nWY
スパイダーマわろたwww

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:48:30 ID:d7lPLYYO
 

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:51:04 ID:/0Z7U5/5
ゾフィー呼ぼうぜ

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:55:37 ID:8AtGQMpi
ネモかフェティ様召喚でも書いてみようか

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:57:29 ID:CB9MBgHf
ルルアンタを呼んで癒しを…。

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/17(火) 23:57:57 ID:8xzXXlIt
ファウスト先生召喚とりあえず出来ましたけど投下してもよろしかったでしょうか?

つまらなかったらスルーして下さい。

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:05:51 ID:Kr9bMJWz
>>209
牛乳や虫を入れるビンで光の弾丸を叩き返せるようなヤツだぞ

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:07:55 ID:BxiDSxD0
>>215
投下しろ

218 :紙袋の使い魔:2008/06/18(水) 00:11:44 ID:sSRTfQZn
それでは投下させていただきます。

「ん?アレ・・・ここ何処だ?」

 その日も彼、Dr.ファウストは患者を求めて旅をしていた筈だった。
 いつものように彼の得意な物質転移の術を使い、いざ次の患者の下へ、と。
 だが・・・ファウストがど○でもドアを開けた先に広がっていたのは不思議な光景だった。

「ああああああああんた、何者!?」
 
 突如、サモン・サーヴァントの光が怪しい扉に変わり、ルイズは驚きを隠せなかった。

「何これ?ひょっとしてワタシったら、凄い使い魔を呼べたのかしら!?」
 ワクワクとしながらルイズはその扉を見つめ続けていた。

 ルイズの小さい胸のドキドキが最高潮に達そうとしたとき、ルイズの前にその物体は現れた。

 見上げる程の体躯。だが体の線は凄く細い。全身白い服で着飾っており、その見上げた頂点には
 紙袋が被さっている。

 そんな謎の物体を目にし、今までの期待は吹き飛び思わずルイズは叫んでいた。
 
 

ファウストが扉を開けた先には、大勢の子供達と頭部が自分と似ている男性が自分を見つめて
 いる光景だった。
 しばしその光景を見回していると自分の腰の辺りから少女の叫び声が聞こえた。

「私ですか?ファウスト・・・と呼んで下さい」
 ルイズは目の前のモノが喋るとは思っていなかったので思わず走って逃げた。

「ミスタ・コルベール!やり直しを要求します!こんなモノが私の使い魔だなんて・・・!」
「お嬢さん、私は一応人間なのですが・・・。さすがにその言い方には哀しくなっちゃいますよぅ・・・」
「私にはルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールと言う由緒正しき名前があるわ!
それにあんたみたいに訳がわかんないのに呼ばれたくないわ!」

 見ず知らずの少女に散々な言われ方をし、ファウストは少々凹んだ。

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:12:38 ID:1iqdNwl0
>>156
シャーマンと聞いてM4A1が浮かんだ

220 :紙袋の使い魔:2008/06/18(水) 00:12:40 ID:sSRTfQZn
「さぁ!ミスタ・コルベール!再度サモン・サーヴァントを!」
「ミス・ヴァリエール。それは認められない。サモン・サーヴァントは神聖な儀式なんだ。自分の気に
 いらない使い魔が召喚されたからといってやり直しをする事は出来ないんだよ」

 コルベールはそう言うと、ルイズの召喚したモノを見つめていた・・・。
「(ミス・ヴァリエールが召喚したこのモノ・・・いや、本人が言うには人間か。確かに怪しいが別に
危険は無い様だし大丈夫そうだな。それにあの紙袋から時おり見える目には優しさ、それに私と同じ
ような感情が伺える。人間の召喚など前例は無いが、認めてしまっても支障はあるまい)」

「さぁ、ミス・ヴァリエール。君が最後の生徒なんだ。早くそのミスタ・ファウストと契約を」
 コルベールと呼ばれた男性と目が合った後、彼は少女へと話しかけた。

「契約?何の事ですか?私に何かご用件でもあるのですか?」
「うるさいうるさいうるさい!あんたは私に使い魔として召喚されたの!私はあんたと契約しないと
留年しちゃうの!だからあんたと契約するしかないの!」
「使い魔ですか?よく分かりませんが貴女が困るのでしたらその契約をお受けしましょう」
「え・・・?いいの?そんな簡単に引き受けちゃって・・・」
「私は人が困っているのを見捨てる事は出来ません。それに困っている人全てを救わなくては
ならないのですから・・・」

「そ、そう!ならあんたは今日から私の使い魔よ!契約の儀式を行うからしゃがんで頂戴!」

「分かりました。(コレが流行のツンデレってやつですか。それにこのルイズという少女・・・
何処と無くあの娘に似ている・・・)」

「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。
この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!!」

「!?な、何を!?」

 少女は早口に言葉をまくし立てると、ファウストの顔にはめられた紙袋をずらした。
「きゃぁ!!眩しい!!なによコレ!?」
「ルイズさん!急に何をするのですか!?」
「契約の儀式よ!契約するには使い魔とキ、キキ、キスしなくちゃいけないのよ!」

 ルイズはその光り輝く顔を直視できず、思わず紙袋を戻してしまった。
 心なしか、召喚に失敗した爆発で汚れていた服が綺麗になっている気がした。

「キス!?それをしないといけないのですか!?分かりました。少々、光を抑えましょう・・・」
 ファウストはそう言うと口元を少しだけ顔から出した。

221 :紙袋の使い魔:2008/06/18(水) 00:14:15 ID:sSRTfQZn
「ゴホン・・。それではもう一回行くわよ?
我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。
この者に祝福を与え、我の使い魔となせ!!」

「(あの娘と似ている少女とキスをしてしまうなんて・・・。神よ。私をお許し下さい。また一つ
罪を重ねてしまいました。でも・・・ぼかぁ幸せだなぁ・・・)」
しばらくすると、ファウストの体が光始め、使い魔のルーンが刻まれていく。

「!?何ですかこの感じは!?」
「使い魔のルーンが刻まれているだけよ大丈夫。すぐに痛みは治まるわ。
「痛いというよりは気持ちがいいのですが・・・」

 ルーンが刻まれたのを確認しようとコルベールが近づいてくる。
「ほう・・・変わった形のルーンだね。僕も教師生活は長いけどこんな形のルーンを見るのは
初めてだよ。スケッチを取らせて貰ってもよろしいかな?」
 そう言いながら彼は既にファウストの右手を取り、スケッチを描いていた。

「よし。では皆さん。教室に戻りますぞ」
 コルベールはスケッチを終えると、早々と空を飛んで建物の方へと飛んで行った。
 周りで呆然と成り行きを見続けていた生徒達も我に帰ると、空を飛び、彼に着いていく。
「ゼロのルイズ〜!お前も早くその変なのと一緒についてこいよ〜」
「そうそう〜。なるべく速くねぇ〜」
 生徒達は飛び際にそう叫んでいった。

「(ふむ。ここの生徒達は中々に法力を使いこなしているようですね。ところで今更ですがここは何処でしょうか)」
「ファウスト!行くわよ!私についてきなさい!」

ルイズはそういうと悔しそうな表情で歩きだした。

「ルイズさん。貴女は皆さんのように飛んでいかないのですか?」
「うるさいわね!!飛びたくっても飛べないのよ!あんたもあいつ等みたいに私をバカにする気なの!?」
 そう言うと、ルイズは目元に涙を溜めながらファウストの事を睨み付けた。

「これは失礼をしました。私ッたらルイズさんに何とお詫びをすればよろしいやら・・・」
「あんたに謝ってもらって飛べるのなら苦労はしないわ!それともなに?あんたは私を空に飛ばせれるって言うの?」
「彼らのように飛べればいいのですね?少し待ってて下さい」
 ファウストはそう言うと何処から取り出したのか鞄をガサゴソと触っている。

「ロ ボ コ プ タ 〜」
「・・・・何よそれ?」
「コレはデスね。私が以前出合った方から奪い取っ・・・ゲフンゲフン。頂いた物でしてね。なんと・・・
頭につけると空を飛べるのですよ!」
「マジックアイテムじゃない!?そんなの持ってるなんてあんた何者なの?」
「そういえばお互いの事をまだ名前しか知らないのでしたね。これで優雅な空の旅をしながらお互いの事でも
話そうじゃありませんか・・・」

222 :紙袋の使い魔:2008/06/18(水) 00:16:12 ID:sSRTfQZn
第一話はとりあえず終わりです。

気に入って頂けたなら暇を見つけては少しずつ続きを投下させていただきたいと思っています。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:17:50 ID:BxiDSxD0
GJ!

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:22:45 ID:iIE7zk+a
筆速いね、GJ

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:23:22 ID:INdaq+QL
乙でした

>>216
虫取り網やスコップでも弾けますw

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:25:37 ID:EWsrduTx
>>209
魔法反射で倒すボスもいたし行けるんじゃないか?
問題はそれがリンクの力なのか剣の効果なのか分からないところだが

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:26:30 ID:hJ5Th2hF
GJ!

是非とも続きをお願いします。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:29:26 ID:vawXxNxW
>209
どのシリーズかにもよるけど
シェイク・ボンバー・エーテルのメダルで一掃するリンクが見える

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:32:56 ID:NJGZaofJ
>>226
虫取りアミでも反射可能だったから大丈夫じゃないかな

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:42:51 ID:Kr9bMJWz
とりあえずルイズはリンクよりもコッコの群れを召喚すべき。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:49:23 ID:INdaq+QL
コッコを引き連れるルイズ…和むな
ただ、キュルケが「もやせ!もやせ!やきつくせ!」 とか言い出さないか心配w

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:57:10 ID:vawXxNxW
小ネタを書いたのですが投下してもよろしいでしょうか?
元ネタはちょっとオチにかかる(かもしれない)ので伏せておきます

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 00:59:32 ID:8oT1nLp0
ルイズに手を出したらあの無敵軍団にフルコッコにされるわけですね。
わかります。

ワ「こ、こいつら倒せね…ギャァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:01:38 ID:dHV7LQEh
>>222
乙です

見た目や技はアレだけど、実際にはゲーム中でトップクラスにいい人なんだよなファウスト先生

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:01:53 ID:UPTuyryV
>>232
支援する、嫌とは言うまい

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:02:38 ID:XwE7u9mb
>>233
ガノンドロフさえ超越して最強だからなぁ…アイツ等。

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:05:19 ID:INdaq+QL
>>232
さあこい

>>233
遍在ってレベルじゃねーぞ!
コッコを唯一倒せるマジックロッドが破壊の杖だなw

238 :戦いは時空を越えて…:2008/06/18(水) 01:05:37 ID:vawXxNxW
それでは投下します

アルビオン・ニューカッスル城・礼拝室――――――――――――


「よくもルイズの気持ちを裏切りやがったなぁ!!」
才人の気迫の剣がワルドに迫る。

「勝手に信じる者を利用して何が悪い!!」
ワルドの杖が空を裂き殺意の風を生み出す。

反王制陣営であるレコン・キスタの一員であったワルドは、アルビオン国のウェールズ皇太子を殺害し
意のままに動かぬルイズをもその手にかけようとしていた。
だが、ルイズの危機を使い魔の能力である「感覚の共有」で知った才人が、間一髪ルイズの元に駆けつけ
今まさに世界を知らぬ平民の意地と世界を動かす貴族の意地がぶつかり合っていた。

「遍在<ユビキタス>!!」
ワルドが呪文を唱えた瞬間、その周囲に陽炎が立ち昇るかのように複数の人影が現われる。
それは姿形ともにワルドそのものであった。
「風は遍在!風の吹くところ何処と無くさ迷い現われるは遍在!使い魔の少年よ、貴様の命もここまでだ!」
人影は才人に対し一斉に構え、突撃していった。

「分身だが何だか知らねーけどよ……お前だけはたたっ斬る!!」
『そうだ相棒!お前の感情なんでもいい!喜怒哀楽どれでもいい!!震わせろ、その心の震えがてめーの力だ!』
才人の左手に刻まれたルーンがより一層輝きを増す。
愛剣・デルフリンガーを構え、自分目がけ襲い来る遍在の中へ斬り込んでいった。

「才人……ワルド……なんで…何で殺しあうの…なんでみんな死んじゃうのよぉ…」
憧れの者に裏切られ、生を望んだ者は死に、目の前では信じていた者と信じている者が殺し合いをしている。
これまでのルイズの人生にとってこれほど悲惨な事は無かった。
しかし自分の力ではこれをどうする事も出来ず、只嘆きながら二人を見ている事しか出来なかった。

『(…は…にあり、…いは…ねにあり、て…はあ…にあり)』
「誰?」

ルイズの耳に何者かの囁きが聞こえてきた。
才人でもワルドでもない、もっと年齢を感じさせる落ち着いた、しかし力強い声。
周囲を見回しても死闘を繰り広げているワルドと才人と、ワルドの一撃で斃れたウェールズ皇太子以外
自分の周りには誰もいない。
しかし声はまだ、ルイズの耳に語りかけてくるのだ。
「一体…何て言ってるの…?」

「遍在を…全て倒すとは流石と…いった所か……ガンダールヴ…!」
「ぶっ…分身に頼ってばっかりのてめーなんざ…楽勝だっての…」
遍在を倒されたワルドは最後の力と、魔力を振り絞った杖を構える。
その左腕の、中ほどから先はもう、無い。最後の遍在を断ち斬った才人の一撃で持っていかれたのだ。
才人もよろめきながらも再びデルフリンガーを真正面に構える。
超人的な身体能力を発するガンダールヴの力も尽きた才人の体には大きな反動が襲っていた。
並の、今までの才人なら即座に倒れて意識を失う程の疲労とダメージ。
しかしここで倒れたらルイズ共々命運はここで尽きてしまう。意志の力だけが才人を支えていた。
「風よ…」
「行くぜ…」
最後の一撃を互いに繰り出そうとしたその時、ルイズはその囁きが
強い声となってこの場に響いたのを感じた。

『運は天にあり!鎧は胸にあり!手柄は足にあり!』

そして、ワルドと才人はまばゆい閃光に包まれた

239 :戦いは時空を越えて…:2008/06/18(水) 01:06:38 ID:vawXxNxW
「また相見えたか!」
「お主こそ久しいな!」
ルイズは光が晴れた目の前の光景を疑った。
対峙していた二人は全くこことは違う、異質な鎧に身を包んでいたのである。
才人の手にはデルフリンガーではない別の物が握られていた。
柄の先に妙な形をした平たい板が付いており何か書かれてある。
ワルドの手にも杖ではなく、ハルゲキニアでは見た事も無い細身の、少し反りが入った剣が握られていた。
「「いざ!」」
そして二人は再び戦い始めた、ワルドの剣はもはやルイズの目では追い切れないほどの猛攻を見せる。
しかし才人は焦る様子も無く手にした武具でその猛攻を捌ききった。
「何が…起こっているの…?」
その光景に目をこすってもルイズの目の前では二人の激戦が繰り広げられている。
今まで瀕死寸前だった二人とは思えないほどの動きは、どこかダンスのように流麗であった。
「この間は妙な人形の体であったが今度は人の体だな謙信!」
「左の腕が無いのが惜しいが遅れはとらぬぞ、信玄!」
“ケンシン”と呼ばれたワルドは改めて剣を構える。魔法衛士隊独特の構えではない、全く違う構え。
“シンゲン”と呼ばれた才人は手にした武具を鎧の腰あたりに挿し、腰にかかっている剣を抜いた。
やはりそれはデルフリンガーではなく、ワルドが持っていた剣と同じ物であった。
構えた二人の動きがぴたりと止む。次の一撃で全てが決すると、ルイズの直感が告げた。

「「斬る!」」

二人の剣が切り結んだ瞬間、再び周囲を眩い閃光が覆った―――――………

「ん…くっ…」
「大丈夫かい?」
ワルドが目を覚ますとグリフォンの上に括りつけられていた。
顔を上げずとも目の前でグリフォンの手綱を取っているのは「土くれのフーケ」だと声で分かる。
「ここは?」
「空の上、旗艦に帰るところだよ」
眼下に広がる風景は幾多もの兵士がニューカッスル城に押し寄せる滅びの風景。
城の守りが破られる時必ず訪れる、殺戮と略奪のうねりである。
「僕は…どうしていた…」
「どうしたも何も、礼拝堂であの小娘と平民と一緒にぶっ倒れてたじゃないか。覚えてないのかい?
大変だったんだよ時間になっても来ないから様子を見に行ったらあの様さ。
あんたを担いでグリフォンに括りつけるの、結構大変だったんだからね。時間外手当でも貰おうかしら?」
ワルドは記憶を辿る、確か最後の一撃をあの平民に叩きこもうとして……そこから記憶は途切れている。
「どうやら、情けない事にお互い最後の一撃を叩き込もうとして倒れたらしい」
「あっははは!『閃光』のワルドとあろう者がねぇ!」
「笑わないでくれよ、傷に響く」
「ごめんごめん。そういえばさ、これ」
そう言ってフーケはワルドの顔の前に何かをズッ、突き出した。
装飾品か、それともマジックアイテムか、Vの字を描いた上に
何かルーンのようなのたくったものが配置されたそれは金色の輝きを発していた。
「何だ?」
「倒れてたアンタが手に持ってたのさ」
眺めていると何故かあの平民が思い浮かんだ。
伝説の使い魔ガンダールヴ。あの主人に叶わぬ恋を抱き、あの主人の為に剣を振るう只の平民。
しかしその想いはついに、ワルドの左腕すら落とした。
「サイト…次こそは……斬る…!」
「んでこれ、いらないんなら捨てちまうかい?」
「…取っておいてくれよ、何だか捨てるのが無性に惜しい」
「あーらら珍しい事で」
「言わなかったかい?僕は世界で一番、欲深い男だよ」
「はっ、今聞いたよそれ!」
ワルドは知らない、知る由もない。
それがあの平民のいた世界に伝わる物だという事は、欠片ほども知らない。

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:07:27 ID:INdaq+QL
支援

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:07:47 ID:TQsU1DP/
>222
超乙!

コッパゲとファウスト先生がお互いにシンパシーを感じてるw
あとさりげなくキン肉マンのマスクネタがw

242 :戦いは時空を越えて…:2008/06/18(水) 01:08:10 ID:vawXxNxW
「痛ぅ…」
「ダーリン大丈夫ぅ?」
シルフィードの背びれにもたれかかった才人の腕にキュルケが組み付く。
普段なら嬉しい胸の柔らかさが、今では骨にじわじわと染み入る痛みに感じる。
「ごめん…骨…痛ぇや…」
「怪我人に何やってんのよこの発情痴態女っ!
サイトの骨がアンタの乳の圧力で折れるでしょう!?この殺人おっぱい!マーダーバスト!」
「ご、ごめんねダーリン!って言いすぎよこの石板おっぱい!墓標か何かなワケ!?」
「ハハッ、君も難儀だねぇ」
「うるせぇ…前向いてろギーシュ…」
サイトから離れたキュルケにルイズが食って掛かり、いつもの言い争いが繰り広げられた。
色々あったせいか、このいつものやり取りを見ているだけで生きて帰って来れた実感が沸いて来る。
「……」
才人もまた、ワルドと対峙してからの記憶は無かった。
気づいたら倒れているルイズと自分、そして二人を探しに来たギーシュとタバサとキュルケの姿が目に飛び込んできた。
デルフリンガーに聞いても才人と似たようなもので、
「光に包まれてから全然覚えてねぇ、出番が無かった気がするぜ」
といった感じだった
ルイズが話すには「変な鎧を身にまとって妙な剣で戦っていた、すっごい戦いだった」らしい。
気を失っている間の夢だと笑いそうになったが、ルイズから聞いた自身とワルドが交わした内容や
ルイズに聞こえた謎の声の話、そして今手に持っている“ある物”を見ると信じざるを得ない。

…それを眺めているとどういう訳かワルドの事が思い浮かぶ。
ルイズの婚約者だったが慕っていたルイズの気持ちを裏切り、しかもウェールズ皇太子まで殺した
レコン・キスタの一員。魔法の腕が滅法強くガンダールヴの力と
覚醒したデルフブリンガーの力が無ければ今頃はエア・ニードルで穴だらけで死んでいたに違いない。
剣を振るってから力の差を痛感させられた初めての相手。
「ワルド…次はぜってぇ叩きのめして…あとルイズに謝らせる…」
「それ、何?」
隣で本を読んでいたタバサが視線だけを下に向けて話しかけた。
もちろん、その視線の先は才人が手に持っていた“ある物”であった。
才人も実物を見るのは初めてだが、ゲームや漫画、活字とあらゆるメディアに出てくる
それを知らない才人ではない。
「これ…“軍配”ってんだ」
「“グンバイ”?」
「俺の国に昔あったもん。戦の指揮官がこれ持って指揮したりもし剣で切りかかられてもこれで受けて防ぐんだ。」
「…ありがとう」
そう答えると再びタバサは視線を本に戻した。

軍配を握り締めながら才人は空を眺める、あの二人は今も時と空間を越えて戦っているのだろうか?
答えが浮かぶはずも無く、アルビオンの風が才人の頬を撫でていった。

243 :戦いは時空を越えて…:2008/06/18(水) 01:08:41 ID:vawXxNxW
投下終了

召喚された(というか勝手にやってきた)のは上杉謙信と武田信玄の魂ですが
二人の魂がそれぞれ乗り移って戦うという元ネタはSDガンダム戦国伝からです。
ワルドが持っていたのは謙信の兜の前立て、才人はもちろん信玄の軍配。
…そういえば才人のライバルポジション的なキャラって誰だっけ?

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:12:21 ID:a+0Xsuuk
>ライバルポジション的なキャラ
そんな、ノボル先生が致命的な打撃を受けそうな事は言ってはいけません。

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 01:20:26 ID:8oT1nLp0
>>ライバルポジション的なキャラ

他の虚無の使い魔方かね。
最近は……おっと、これ以上は最新刊のネタバレになりそうだな

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 02:09:12 ID:aklqdPEH
サイトが生死不明でティファの世話になってる時にルイズがファイアーエムブレムからオームの杖持ったエリスが召喚
サイトを蘇らせてもらおうと思ったら、まだ生きてるようですねと聞かされて喜ぶルイズ
しかし、もうガンダールヴにはエリスがなっている
ガンダの力を失ったサイトの明日はどっちだ
エリスがアンリエッタに狙われているぞ
というのをなんとなく思いついた

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 02:14:52 ID:qib7fKn+
幻想水滸伝のビクトール
元から喋る剣使ってるしいいと思う

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 02:23:44 ID:oTqRPzlF
うぉ!天と地ととは懐かしいネタを!
こないだの再販で20年ぶりに作ったばかりだ!
乙!

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 05:43:39 ID:eAnEZinC
おや、さりげなく
避難所SSにタチコマの新作が来てるよ

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 07:46:04 ID:a+0Xsuuk
>>243
何か頭に引っかかってると思ったら、昔BB戦士で出てた奴か。
まだどっかに解体保存してあるよ。今唐突に思い出した。

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 09:04:12 ID:EFmTgD7G
tu-ka,召喚じゃないなら避難所に投下すべきじゃないの?

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 09:13:23 ID:56Sklgh2
ライバルポジションか…
割れぬなら曹操の人、ジョゼフあたりに召喚されるのは劉備より、孫堅あたりが見たいな
作中でも史実でも幻に終わった両者の対決とか見たいが

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 09:42:00 ID:R5TdNeBc
後れ馳せながらファウストの人GJ!

ルイズに似ているあの娘っていうのは、某ボルトヘッドさんが救えなかった子ですか?

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 10:26:25 ID:gysF7UUE
ラコック呼ぼうぜ

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 10:36:25 ID:LGzdDsTz
ドズル・ザビの副官なんてマイナーなキャラ召喚してどうすんの!?(ガビーン)

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 10:53:55 ID:M5g6qwzj
当代随一のダガーの使い手にして、ジャガーノートを駆って人々を極楽往生に導くアノ人は呼ばれないの?

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 11:04:32 ID:IYpdlGoQ
ジャガノゥ、パァンチ!しか思いつかない。
エアストームの中を平気でのっしのっし歩いてワルドをパンチ一発で城からたたき出すジャガノート。
アレで元学者で頭良いとかとんでもない人だなぁ。

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 11:12:41 ID:gysF7UUE
>>255
寄生虫めが!のほうのラコックだよ

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 11:41:51 ID:LGzdDsTz
ああ、「このまちだいすき」に出てくる……

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 11:46:07 ID:rawlUE15
ああ、あのジゴック先生に名前が似ている……

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 12:04:51 ID:LGzdDsTz
ルイズ「召喚に成功したけど……なにこの微妙に可愛くないの」
(中略)
ギーシュ「いやらしい!」
マリコルヌ「なんていやらしいやつらだ!!」
ギムリ「そうだ!みんな!!相手の得体の知れない奴だろうと・・・」
レイナール「こっちにもいやらしい奴らがいるぜ!!」
ジョセフ「うむ!いやらしい奴らなら得体の知れない奴にも勝てるかもしれん・・・!!」
(中略)
オスマン「死にました」

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 12:22:27 ID:xiPYD0ed
ライバル的な存在というか、クロスさせたキャラと敵対しているキャラや組織もいっしょに来るってのはあるよな。
ゼロシャイム総統ルイズの続きまだかな。

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 12:31:50 ID:sU5AC881
>>257
ケイン・マルコが頭良いですか?
もと脱走兵で、頭の悪さにおいてはマーヴルユニバースで1,2を争いますよ?
ちなみに争う相手は理性が飛んだハルクね。

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 12:53:23 ID:tuK7TvhU
上の方で出たリンク召喚、破壊の杖が光の弓矢でシエスタがインパの子孫、
聖地がゼル伝の聖地とリンクしてて、シャイターンがガノンドロフという妄想はしてたな。
それで虚無の使い手達が6賢者の代わりを担ってガノンを倒すみたいな・・・。

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 12:53:54 ID:aoHFzp/S
>>259-260
ルイズがトリステインの町をアチコチさんと一緒に調査して、その報告をオスマン先生が評価するんですね、わかります。

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:11:35 ID:gf6bup+9
>>256
ジャガーノートといえばナイトライダーをぶっ壊した装甲車

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:18:12 ID:ShtfkKk6
アメコミならウルヴァリンかガンビットあたりをだな


268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:32:56 ID:DC+vXVvc
アメコミならシュマゴラス呼ばなきゃ嘘だろう。
カプコンがMVC作るときに許可取ろうとしたらマーヴル本社がその存在を完璧に忘れ去っていたという曰く付きのキャラだが。

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:35:24 ID:SY4LHY0l
予約など無いようでしたら超小ネタ投下してよろしいでしょうか?

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:41:42 ID:SY4LHY0l
いいのかな〜?投下いきます〜

271 :冷徹なる義眼:2008/06/18(水) 13:42:56 ID:SY4LHY0l

「ちょっと!それってつまり…アルビオンをあれで焼き払うって事!?」
「いけませんか?ルイズ様、ウェールズ皇家に付く兵力は残り300程度、対してレコン・キスタなる叛徒共は3万、もはや核でも使わない限り勝機はありませぬ」
 冷徹な義眼が睨み付けてくる…身のうちに感じたそんな言いしれぬ恐れを根性でねじ伏せて、ルイズは己の使い魔、
元銀河帝国ローエングラム朝主席参謀、現ウェールズ王軍残党暫定参謀、オーベルシュタインをにらみ返す。
「もはや反撃どころか逃げる事も不可能、良いところ無駄な突撃を行い300名の敗残兵が骸を晒すだけです
 あなたが真実このウェールズ皇子を連れ出そうというなら、もはや選択肢はそれしかない事くらいあなたならお判りのはずだ」
何を今更、そういった感すら含ませて言うオーベルシュタインに、ルイズはさらにくってかかる。
「だからって!あれは下手すれば周囲10キロメイル以上を焼き払い、百年は草一本生えない焦土と化す兵器だって!」
「だからこそ今使うのです、幸いにもこのアルビオンは浮遊大陸、他の国家、土地への被害は最小限で済む、それに、この機に乗じて良からぬ事を企む者が居るのならば、これは最大の抑止力となりましょう」
どこまでも正論、冷静、冷徹、冷酷な言葉に、二の句を告げぬルイズは何も言えずに地団駄を踏み、キュルケに窘められたりしている。
主の沈黙を了解と取ったのか、オーベルシュタインは次にウェールズ皇太子に向き直る。
「皇太子、ご選択ください、貴方一人だけでも明日を生き、王朝を再建するためにこの大陸と、貴方の腹心300、そしてこの大陸全ての生物と、平民を生け贄にするか、負け犬として死ぬか」



272 :冷徹なる義眼:2008/06/18(水) 13:43:44 ID:SY4LHY0l
「…ミスター・パウル、卿は私に王として死に、大量虐殺者の汚名を被って生きよと言うか?」
「そのような事、私は次善策を申しているに過ぎなければ」
 今は全てを犠牲にしても生き、再起を図る。
正論だ、ここでウェールズまでもが死ねば、王家そのものが滅びる、そうなれば復興も糞もあったものではない。
だが、だがしかし
「それは…この大陸全てと、ここに住まう臣民を皆殺しにしてまでなすべき事なのだろうか?」
 ウェールズの心の隅にある良心の呵責、自分に付いてきた300の兵達、貴族、そして何も知らされずおびえるだけの平民、これら全てを生け贄とすることに自分は耐えられない、そう言いたかった。
だが、オーベルシュタインの言葉はその葛藤すら愚かと切り捨てる。
「これは異を仰る、この世界、魔法も使えぬ平民は家畜同様、奴隷以下の存在ではなかったのですかな?そのようなもの、たとえ大陸一つ分消えたところで王家にとって痛くも痒くもありますまい?」
 今まで王家が…否、王家も含めた貴族達が平民にしてきたことを考えろ、皆殺しにするなど、その延長に過ぎないではないか、王家も貴族も、平民の生き血を吸わねば生きていけぬ寄生虫なのだ。
宿主を殺すことで美しく羽化する虫とて居ないでは無い。
 ふと、そんな考えがウェールズの脳裏をよぎる、それは限りなく邪悪で、甘美な生への執着、人間の根源、本能…そして、愛しき姫への愛情が作り出した彼なりの線引き。
平民は王の、貴族の為に生き、その命を差し出す義務がある。
だが、その逆はありえない、平民無くとも国は成り立つが、国無くして平民が平穏にある事はあり得ない。
 どちらが枝でどちらが幹か、わずかな躊躇いの後、ウェールズは口を開いた。
「卿の、策を使わせて貰う」
「御意、では、私は準備を」
その次の日、レコン・キスタによる王城襲撃の最中…
アルビオン大陸に、巨大な太陽が出現した。
その熱と光の前に、もはや理屈も思想、理念もなんの力も無かった。
いや、或いは虚無の一端さえ、無力だったかもしれない。
「太陽の欠片」…オーベルシュタインの言うところの「古典的熱核弾道弾」がアルビオン大陸でもっとも効果的な場所…すなわち、首都上空で炸裂した。


273 :冷徹なる義眼:2008/06/18(水) 13:44:25 ID:SY4LHY0l
 その直後、アルビオンはまさに地獄絵図だったと聞く。
救援に駆けつけたガリアの陸戦隊は、文字通り「何も発見することは」できず
探索に関わったものは、正体不明の病に冒されて次々と死んでいった。
レコン・キスタは全滅、ガリアは事後の探索で実に総兵力の20%を病に失った。
「これで、あの大陸に手を出そうとする者は居なくなるはずですよ、何、病の原因、放射能は100年もすれば濃度が下がります」
「済んだことを言っても仕方ないけど…もっと何か方法が…」
「あったかもしれませんが、私にはあれ以上は献策しかねます」
呆然と呟くルイズの傍らで、オーベルシュタインは淡々と答える。
今、からくりを知るトリステイン以外の国家は戦々恐々としていた。
いつ、あの「太陽の欠片」が自分たちの上に落ちてくるのかと。
……アンリエッタ王女、ウェールズ皇太子挙式の、1週間前の出来事であった。

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:44:46 ID:SY4LHY0l
以上の小ネタでした〜

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:48:07 ID:56Sklgh2
錬金でプルトニウムやウランは作れるかも知らんが…

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 13:52:54 ID:xRPvqYqh
 時は※※※※年。
 王政末期、民衆は貴族打倒を掲げた活動家に賛同し、王政を打倒した。
ただそれは、新しく「党員」と言う貴族と「全体主義」と言う独裁国家が出来ただけだった…
貴族、王族、マイノリティーや同性愛者は弾圧され強制収容所へ。

レジスタンスとなり活動をしていた元学院生ルイズは、部隊が襲われた時、最後の希望を賭け使い魔召還を行う。

 そこに現れたのは、仮面を付けた男だった。

これは、イギリスだったけ?VフォーヴェンデッタからVを召還

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:01:39 ID:56Sklgh2
幼い頃に母親を亡くしたルイズは使い魔召喚の儀で母の幻影を見た瞬間→爆発
表れたのは透明なビンに入った赤と青のあめ玉だった…

さてルイズが青いあめ玉を一つ飲むと…

@背丈はエレ姉さまに胸部はちい姉さまに似たグンバツ美女となる。
A意表をついて背丈変わらず胸だけ巨大化したロリ巨乳少女となる。
B変わらない―――現実は非常である。

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:02:43 ID:a+0Xsuuk
A

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:04:14 ID:bz+pQjU5
アラン・ムーアのキャラはどいつもこいつも反体制っぽいからな
呼ばれても素直に従属しないどころか反逆しかねない
コメディアンとか、ジキルとかなら交渉次第かな?

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:17:42 ID:6FUTpS8s
>>264
子供リンクと時オカクリア後のガノンが召還されちゃって
勇気のトライフォースの変わりにガンダールヴの力でリンクが戦う妄想ならしたことある

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:21:24 ID:aoHFzp/S
>>274
ウェールズはどう考えても粛清されんだろこれ。

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:46:05 ID:vu3Lw2S1
>>277
(4)戦え今がその時だ 空を見ろ発信5秒前


283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:51:47 ID:ncBcnnP8
>>281
オーベルシュタインの罠だ罠w

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:54:47 ID:BZ04ec2h
>>277
B

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 14:54:49 ID:+7c6L+h8
ひょとして、そのジャガーノートは「わ」ナンバーがついた2tトラックってオチか?

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:08:04 ID:a+0Xsuuk
ジャガーの頭と手足が付いたノートじゃないのか

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:12:16 ID:k/2q3tjb
>>281
つまりルイズをハルケギニアの覇者にするため、オーベルシュタインが暗躍するのですね?

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:15:13 ID:ShtfkKk6
そういやジャガノートって厳密にいえばミュータントではないんだよね
あれは魔術の力でああなってるだけで

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:23:44 ID:sU5AC881
魔術というか破壊の女神サイトラックからもらった鎧着てるだけ

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:33:17 ID:OE+FZoJR
>288
サイトラックスの魔石だったかな ちなみにハルクもジャガーノートも実はかなり頭がいい(ハルクは現役学者!!)
ただ凶暴性が全面に出てるせいでそれが見えないだけ

オンスロート編ではジャガーノートは普通に知性があるし、
ハルクに至っては未来の世界で全世界の支配者になれるくらいの力と頭脳を持ってる(そのかわり禿げた)


291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:44:16 ID:3cTkD8xA
ハルクの場合頭がいいのはあくまで「変身前」であってハルクの状態でそれを維持してるとは限らないのがミソだな。
バージョンによって変身前の知性をそのまま保ってることもあれば変身前とは人格さえ別物の場合もある。

ジャガーノートについては微妙。知性はあっても賢くはないと思うんだ、奴はw
ただパラレルワールドのエイジ・オブ・アポカリプスでは哲学者みたいなマッチョ修道僧やってたから本来は頭が良くて賢い人なのかも知れぬ。

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:47:11 ID:xTf7tkfL
>>282
戦国ww魔神wwナンバーwwwワンwwww

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:53:11 ID:xTf7tkfL
すまんsage忘れた

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 15:56:57 ID:jo4+vKcW
>>274
胸が悪くなる、やめろ。

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 16:08:24 ID:ShtfkKk6
悲しいかな魔法のあるハルケギニアでもミュータントは異分子扱いなんだろうね


296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 16:10:40 ID:rawlUE15
亜人の使い魔になるんじゃないかな

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 16:18:28 ID:sU5AC881
悪魔博士ことビクター・フォン・ドゥーム召喚

・・・・・・・・・・・・・・・・

ハルケギニアがコワい事になりそうだ
しかし昔のアニメで学生時代に普通に「おい悪魔」とか呼ばれてて色々吹いた


298 : ◆qtfp0iDgnk :2008/06/18(水) 17:10:56 ID:q43dtcP8
>>297
ゴームズでは謎の訛りで話す人だな

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 17:39:34 ID:56Sklgh2
ガリア=フランス のイメージなら、ガリア人のタバサやイザベラがフランスアニメのヒーローを召喚する話とか
Goldorakかな?

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 17:43:07 ID:IYpdlGoQ
フランスファイブですね、わかります。

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 17:49:41 ID:sU5AC881
バトルフランスがスパニッシュダンスを踊るのですね
判ります

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 17:59:03 ID:c3UNiQSy
タバサかイザベラがオスカル様召喚

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 17:59:29 ID:rawlUE15
ルパンでいいじゃないか

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:00:01 ID:sU5AC881
ここはいっそ静弦太郎召喚はどうだろう
鞭一本で巨大怪獣や巨大ロボを倒す男・・・・・・・

ワルド逃げてー

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:05:31 ID:56Sklgh2
飛び出せ青春!ですか懐かしいですね

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:07:54 ID:7JCtasFM
強キャラを召喚するとデルフがいらない子になるの法則
みんなもっとデルフに優しくしろよ

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:08:54 ID:NeVt+Ohk
フランスで有名……グレンダイザーだっけ?
あっちで有名なのは

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:20:34 ID:Dt7B70KN
「ブレーメンU」の自称・火星人はどうだろう。
ルイズがストレスで倒れそうだが。

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:20:49 ID:g3VEVPjC
ヴァッシュ呼ぼうぜ

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:26:54 ID:+U7M764q
>>306
だって最新巻じゃイラナイ子じゃないですか。

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:30:55 ID:Mkfms/y4
もういっそデルフを召喚してやってくれ

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:31:10 ID:3TZVVo6q
お得意の魔法無効化も吸収しきれない魔法が出始めたしな

まあ存在してるのかどうかすら怪しいフレイムにくらべれば・・・・

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:41:30 ID:d8UBaZ1U
ポスタル2からポスタル・デュード召還

「・・・これはいったいなんのつもりだ?」
「あんたのご飯よ」

ファッキュー キル・・・

しかし使い魔なので逆らえない
むしゃくしゃしたポスタルさんは隣のうまそうにステーキを食っているマリコルヌを蹴り付ける
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
雄たけびをあげながら逃げたのでテーブルのピザを取り食べた

すると食堂の貴族の子たちが立ち上がりいっせいに杖を向けるではないか!

「ファック!」
テーブルに飛び乗ると窓ガラスを蹴破り外に逃げ出す
いつのまにかポリスがやってきて静止しろと怒鳴っているが
無視だ

後ろから弾が飛んでくるがぴょんぴょん跳ねながら逃げる

そして逃げ込んだ先は宝物庫
武器がよりどりみどりである

まず油、入り口にまいてマッチで火をつけ追撃を逃れる
そして手榴弾を数個投げポリス(魔法衛士隊)を爆殺するが
火達磨になり変なダンスを踊りながら近寄ってくる
しばらくすると、こんがり焼けた死体がドア付近に山になっている

炎蛇のコルベールも真っ青

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:44:48 ID:IYpdlGoQ
>>313
そこはテーブルの上に乗ってルイズの食事に向けてコマンド「小便」だw

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:51:36 ID:Loydot9I
>>274
両作品にとって見事なヘイト作品だな。
ウィキから削除された銀英伝のクロスと同じ作者じゃね?

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:53:13 ID:DubV9N4Y
>>309
お、あ、カカ、カン……ベン…、して、くださぁぁぁぁぁぁぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
のヴァッシュ?

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 18:53:28 ID:gbBzpB8L
>>314
ドーナツに掛けて道に撒いておくと警官が拾い食いして(ry

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:02:21 ID:yoMWaNZD
>>ライバル的な存在というか、クロスさせたキャラと敵対しているキャラや組織もいっしょに来るってのはあるよな。
バビル二世のとかな

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:11:44 ID:k4l8N09p
>>318
まず確実にゼロ魔世界そのものを蹂躙する結果になり、パワーバランスも崩壊、そして収拾付かなくなり放置への電車道。

るいとらとかな。
素人にも玄人にもお勧めできない。

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:12:33 ID:GJvc6TIr
>>315
度を超えたヘイト表現のアレかw
残念ながら削除されてないぞ

>地面には銃撃で千切れ飛んだアンリエッタの右腕、肘から先が落ちていた。

ヘイター作者の右腕のひじから先が落ちますように ( -人-)




321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:18:18 ID:wXA50CFH
>>320
そんな内容でも面白い作品はできる(はず…)
自然とそうなる構成ができればの話だが

できなきゃヘイター船に放り込め
行き先はパラダイスだ

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:21:27 ID:yoMWaNZD
>>319
結構好きなんだけどなぁ
まぁ途中からルイズやビッグファイア様の動向より残月の奇行に目が行っちゃうけど

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:30:08 ID:7JCtasFM
>>319
ちょっと風呂敷を「もう、たたみきれない」って悩んでるだけだよ
多分

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:33:30 ID:iNi4/AuX
虚無の使い魔と煉獄の虚神の人はたたみきれるのかな?

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:33:44 ID:56Sklgh2
>>319
ああみえて初代ガンダールブ、直系の怒鬼は実はエルフの美少女というんはどうか?

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:35:15 ID:HMDYRooh
>>319
るいとらの人は話をでかくしすぎたんだよね。
るいずととらの絆に終始すれば良かったかもしれん。

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:44:29 ID:+7c6L+h8
片ガチな展開は読んでて白ける

ラブコメファンタジーにリアリティ系ファンタジー(おかしいか)で乗り込んで
社会システムがおかしいとかやっちゃうのは滑稽な感じもする

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:46:46 ID:56Sklgh2
ま、松下はだいぜうぶだよね…?

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:48:39 ID:ShtfkKk6
クロスキャラをゼロ魔キャラの踏み台にするってどうかな?
例えばギーシュとの決闘でクロスキャラがボコボコにされて死にそうな所をサイトが颯爽と現れてギーシュをフルボッコにするとか
クロスキャラの活躍する場が全くないとか
これならゼロ魔を蹂躙することはまずなくなるよ

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:51:51 ID:TYMlRI5I
ゼロ魔キャラは性根がいやらしい下衆野郎ばかりであり、原作レイプされて当然と主張したいわけか

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:51:59 ID:pJtRO0KA
低スペックキャラを呼べって意味ですね

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:53:11 ID:qGGmGfNx
>>329
クロスキャラを召喚したルイズが不憫でなりません

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:53:29 ID:OCeTyYer
>>329
クロスさせる意味は?

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:55:01 ID:7JCtasFM
>>329
もう一人の『左手』みたいにサイトと一緒に召喚された神聖モテモテ王国のファーさまがロビンにフルボッコにされてるところをサイトが助けるんですね
わかります

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:57:01 ID:/pNzjFwZ
>>329
それが成り立つキャラはメソウサくらいだな

336 :「ゼロと帝国」の作者:2008/06/18(水) 19:58:11 ID:7yfJC4n7
>>315
おい、いくらなんでもこんな胸の悪くなる代物は書かないぞ。

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:58:48 ID:ShtfkKk6
>331
低スペックキャラでなくとも高スペックキャラを弱いしてしまえばいいのです

>>333
蹂躙される心配もなくなりゼロ魔Tueeeeができます


338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 19:59:58 ID:2aXzcU9D
>>331
ひたすら増える小さな鬼や、やわらかい戦車とかですね。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:09:35 ID:ncBcnnP8
>>336
目くそ鼻くそを笑うというが、貴様は「犬のくそ」だったからなw
少なくとも今回の荒らし(?)のオーベルシュタイン物の方が大分ましだよ。

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:10:25 ID:TYMlRI5I
両方が好きだから書くもんだろ、クロスって
ゼロ魔をクロス元で蹂躙するのもクズだが、ゼロ魔をクロス先ヘイトの道具にするのもクズだっての

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:11:25 ID:/pNzjFwZ
>>339
どうみても偽物です
本当にありがとうございました

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:17:42 ID:7JCtasFM
ガンダ才人より弱いくらいのスペックのキャラを呼べばバランスがいいのかな
消閑の挑戦者から鈴藤小槙召喚
うん。戦闘で役に立つ姿がまったく目に浮かばない

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:20:14 ID:8oT1nLp0
ちょっ!
今最強クラスの人で小ネタ書いてるのに投下しにくいじゃないか!
ほとんどギャグだけど……

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:20:48 ID:EQE6pKPM
・原作キャラの性格改悪
・原作キャラに説教
・原作キャラを原作以上に傷つける
・原作キャラを殺す

一般論でどのへんからがヘイト?

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:22:18 ID:oTqRPzlF
今ばっと思い付くのは竹刀の剣道少女たちとか
バキの心神会白帯とか、ハイスクールオブデッドのヒラコー、小室あたりだが
後半二人は精神性が怖いw

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:23:29 ID:TYMlRI5I
お前らにとっては面白さ=強さなのか
そのキャラの言動がゼロ魔世界にどんな影響を与えるかが重要なんじゃないのか

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:24:17 ID:8oT1nLp0
>>344
性格改悪は当然だな。
説教はキャラ次第では十分ありうるからセーフだと思う。
他の二つは展開によっては仕様がないと言えるかもしれんが、
こればっかしは作者の文章表現力によるだろうな。

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:26:01 ID:7JCtasFM
>>346
今までに一番面白いと思ったのが、ご立派と黒騎士だから、両方兼ね備えてるな

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:26:16 ID:X36M9Y8f
>>345
練習中のタマちゃん召喚は興味があるが
どう考えてもタバサが二匹になるんだよな。

ナイチチツンデレ
姉御きょにう
無口眼鏡

コレに足すなら、多分、おしとやか系か元気系がバランスいいはず

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:26:25 ID:X3Uch6NN
>>344
描写や作風にもよるし、一概には言えん
ガンダム種、種死なんかでは原作通りにキャラを動かしたらヘイトって言われたりするしな

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:26:32 ID:oTqRPzlF
そもそもクロスオーバー=バトルと考えるのがおかしい

352 :「ゼロと帝国」の作者:2008/06/18(水) 20:26:47 ID:7yfJC4n7
>>315
「ゼロと帝国」の内容を覚えているなら、私が嫌いなのは「傲慢な貴族達」なんだということはわかるはずだ。
それがなぜ、「アルビオンの平民を滅ぼす」ような話を書かなければならん。
>>339
どこがどうましなのか、説明してもらいたいものだ。
>>340
私は、「ゼロの使い魔」も「銀河英雄伝説」も大好きだが? 嫌いなのは、「ゼロの使い魔」に登場する
傲慢な貴族どもだけだ。

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:26:51 ID:PLkghi1t
>>315
何を持って削除されたと思ってたのか気になるな

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:28:54 ID:g3VEVPjC
ジャンパーソン呼ぼうぜ

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:29:27 ID:8oT1nLp0
>>352
性格改悪と度が過ぎた俺設定

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:29:33 ID:yoMWaNZD
>>348
ご立派は良かったな
最後はハッピーエンドだし

なによりも完結してるし

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:29:58 ID:TYMlRI5I
強キャラ、あるいは弱キャラ呼べば面白くなるわけでもない
そのキャラらしさや行動と結果に対する説得力(論理的でも勢いONLYでも)があるかどうかだろ
戦闘力なんてのは一要素であってそのキャラの全てじゃあるまいに

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:31:37 ID:yTfuLkIA
>>344
全部よせと言いたいとこだが、
二番目と……一応四番目は弄り方によっては何とか読めなくもない……かな?
>>346
おっしゃる通り。
だが自分は、ほのぼのやコメディ風味の異文化交流譚――とでも言えばいいのか――が一番読みたいかな
つーかゼロ魔キャラ・被召喚キャラが対等に向きあう話を読みたい



……と、思うのは贅沢かな

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:31:39 ID:x3ZdIawY
実家の自室にてホビージャパンのコミックマスター(全50巻)を発掘した。


暇があったら、超絶聖剣ブッタギレイヤー で小ネタでも書こうかなぁ。
アルビオンを真っ二つにするオチとかで。

熱血大冒険大陸も捨てがたいなぁ。

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:32:31 ID:X36M9Y8f
そうか。

元気娘とか、おしとやか娘を追加する方向は、
ここの連中的にイマイチか

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:33:00 ID:TYMlRI5I
>352
貴族は存在自体が悪とばかりに惨殺しまくっといてよく言うw
生かしてやったルイズとアンリエッタは傲慢でないとでも?

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:33:11 ID:8oT1nLp0
>>360
いや、俺は読みたいぞ。

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:35:37 ID:vawXxNxW
・原作キャラを殺す

でちょっと思ったけどウェールズ皇太子が生きてたりするのはいいのかな
書いててここらへんの展開どうしようか考えてるけど

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:35:50 ID:EQE6pKPM
なるほど
個人的にワの人とかフーケなんかはもっと悪役にして殺しても納得できちゃうな
主役側はどれも納得いかないけど

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:36:42 ID:X36M9Y8f
フーケにしろワルドにしろ、洗濯しちゃいたいけどな
きれいにな〜れ、って

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:37:39 ID:rvsbSY/j
>>363
作中で納得できる展開と相応の理由があればおk

欲言えば、筆力が伴えばなお良し

367 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/18(水) 20:38:47 ID:ELlXrsU1
こんばんは。投下したいのですがよろしいでしょうか?

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:38:50 ID:yTfuLkIA
>>360
シエスタとテファじゃダメなのか?
まあキュルケとつるんでルイズやタバサにちょっかいかける元気印系の娘の話やら
タバサと互いに物語やら知識やらの教えあい……つーか読書会?をしたりする
おしとやか系の娘の話は読んでみたくもあるけど

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:39:22 ID:TYMlRI5I
>360
どんな性格でも書き方次第だろ
ただまあ「版権キャラの皮を被ったオリキャラ(=作者の分身)」は9割以上つまらないと見ていい

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:39:39 ID:7JCtasFM
>>359
熱血大冒険大陸からギルを召喚して……
緑の髪のエルフの乙女はどこですか?

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:40:16 ID:TYMlRI5I
>367
どうぞ

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:40:47 ID:h/VfICeL
大冒険大陸かぁ……ヌイグルミ召喚されたら緑髪のエルフが居なくて困るな。
ここはテファを緑髪に改編する荒技を使うしか無いのだろーか。

もしくはけっこーイイ人(神)のデスピー召喚で。
意外とルイズを導く指導者役を上手にこなしてくれるかもしれない。

だがロリっ子はやめておけ。あいつ魔法得意過ぎるからルイズ涙目どころか
魔法学院の生徒全員が涙目になりかねん。あの世界の魔法破壊的過ぎるし。

373 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/18(水) 20:41:28 ID:ELlXrsU1
それでは投下させていただきます。
 
戦場に居たものたちは、生涯その光景を忘れないだろうと思った。
見たこともない種類の黒い竜のような生き物が空を舞っていた。
腕には桃色がかったブロンドの少女が抱きかかえられている。
何か考えがあるのでは、放っておくのは危険だ、
そう感じたアルビオンの竜騎士達は討ち落とさんと向かっていった。
その前に、一頭の風竜が進路をはばむように立ちはだかった。
手綱を握っているのは赤い衣装に身を包んだ女性。
その後ろには、包帯に身を包んだ長身の亜人が乗っている。
竜騎士達は、牽制のために呪文を唱え、魔法を放つ。
ゴウ、と音を立てて飛んでいった火球を見て、亜人はニヤリと笑った。
左手に握った大剣を、その火球を切り払うかのように動かす。
瞬間、火球は始めから存在しなかったかのように、消えてしまう。
「な、何だ、一体何が……!」
竜騎士達の間に動揺が走った。
慌てながらも、隊長格らしい騎士が叫ぶ。
「落ち着け! お前達はあの黒い方を狙え!」
「そうはさせるか!」
亜人は叫び、右に握った黒い槍のようなものを向けた。
それが、銃だと気づいた瞬間、放たれた光弾で、竜は羽を撃ち落とされる。
「何ッ……クソ! 竜を狙え!」
「できるもんならやってみな!」
歴戦の竜騎士もかくや、というほど流麗に、風竜を操り、
攻撃をひらりひらりと交わしていく。
竜があんなに鮮やかな動きをする生き物なのか、と目を疑った。
まるで、乗り手と一体化し、本来の能力が引き出されたかのような動きだった。
「ひゃはは! 楽しいなぁ、アルケニモン!
 まさかまた、お前と戦えるとは思わなかったぜ!」
「馬鹿言ってんじゃないよこんな時に!」
呆れたように声を張り上げるアルケニモンの姿を見ながら、
マミーモンは潤みかけた目をごしごしとこすった。
それから、彼女と再会した時のことを思い出す。
アルビオン軍五万を足止めし、ウェールズ皇太子とルイズを逃亡させる。
その任を買って出たのは、ついこの間だったような気もする。
愛する人を失う悲しみと悔しさを知っていた彼は、
アンリエッタのために、ウェールズを生かそうとしたのだ。
しかし、ガンダールヴの力があるとはいえ、五万は強大すぎた。
死にかけ、もう指一本さえ動けない、というところに現れたのは
ブラックウォーグレイモンを連れたフーケだった。
フーケは何のきまぐれか彼を助け、ウエストウッド村へと連れて帰った。
数日して目覚めた彼は、そこであの笛の音を聞いたのだ。
もう二度と、聞くことが出来ないと思っていた。
痛む体も気にならず、走り出して、見つけて、抱きしめて、殴られた。
アルビオンから抜け出す彼女達を護衛しながら、タルブ村へ向かった。
偶然、そこを訪れていたルイズに再会した時は鞭でぶたれた。
その時、誓ったのだ。何処に居ても必ず守りにくる、と。
そう、ルイズも、アルケニモンも、守り抜いてみせる。
力を貸してくれ、と光り続けるルーンを見つめた。
「ぼさっとしてんじゃないよ! 上からもう一騎!」
「おうっ!」
風の刃をデルフリンガーで吸い込み、オベリスクの照準を合わせ、放った。



374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:41:38 ID:h/VfICeL
おっと支援

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:42:14 ID:X36M9Y8f
しえん!

376 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/18(水) 20:42:27 ID:ELlXrsU1
「たった二騎で、我が方の竜騎士隊を全滅させただと……!」
ボーウッドはその報告を受けて唖然とした。
「竜騎士隊を預けたワルド子爵はどうした?」
「……二騎の内、化け物が乗っている方は子爵に預けた竜らしいとの
 伝令が入っております。……おそらく、討たれ奪われたものかと」
あの役立たずの伊達男め、と舌打ちする。
「だが、たかが二騎だ。この艦隊の砲をもって相手すれば、たわいもない」
ラ・ロシェールの港町に布陣したトリステイン軍の陣容を
眼下に睨みながら、砲撃の命を下した。
トリステイン軍も、二頭の竜も、この砲撃には敵うまい。
「やべえ! 撃ってきやがった! よけろぉ、アルケニモン!」
「今やってるよ!」
バラバラと撃ち出される散弾銃を避けるように、手綱をとる。
「ええい、忌々しいねえ! あんなもん出されちゃ、
 こっちに勝ち目がないじゃないか!」
キッ、と艦隊を睨んでアルケニモンが叫ぶ。
「マミーモン、あの嬢ちゃんは大丈夫なんだろうね!」
「……大丈夫だ」
散弾の合間を潜って艦隊に近づくブラックウォーグレイモンと、
その腕に抱えられたルイズを見つめながら、マミーモンは告げる。
「頼んだぞ……」

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:42:56 ID:c3UNiQSy
支援
投下予告が来たら雑談は控えましょう

378 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/18(水) 20:43:15 ID:ELlXrsU1
「きゃあああ!」
「叫ぶな、舌を噛むぞ!」
どうにかある程度まで艦隊に近づくため、無茶な動きをしている
ブラックウォーグレイモンの腕の中で、ルイズは叫んだ。
「それより、お前の切り札というのは、まだ発動できないのか!」
「え、えっと……うん、この辺りなら、大丈夫だと思う」
ルイズは大きく息を吸い込んで、気持ちを落ち着かせる。
「私が合図したら、一番デカいアレに突っ込んで」
そして、祈祷書に記されていた呪文を口にする。

―エオルー・スーヌ・フィル・ヤルンサクサ―

ルイズの中を、リズムがめぐっていた。一種の懐かしさを感じるリズムだ。
呪文を詠唱するたび、古代のルーンを呟くたびに、
リズムは一層強くうねり、神経が研ぎ澄まされている。
辺りの雑音は一切耳に入らない。
いつも、ゼロと蔑まれ、両親や姉に叱られていた自分。
そんな自分の、これが本当の姿なんだろうか?

―オス・スーヌ・ウリュ・ル・ラド―

体の中に力が生まれ、さらに大きくうねっていく。

―ベオーズス・ユル・スヴュエル・カノ・オシェラ―

体の中の力が行き場を求めて暴れ出す。
知らない力の宿る心に、火が付いたように熱かった。
足でブラックウォーグレイモンに合図を送った。
レキシントン号に向けて、異形の竜が飛んだ。
しっかりと開いた目で、ルイズはタイミングをうかがう。
『虚無』
伝説の系統。どれだけの威力があるものかは、誰も知らない。
それは、伝説の彼方の存在だったのだから。

―ジェラ・イサ・ウンジュー・ハガル・ベオークン・イル……

長い詠唱の後、呪文が完成した。
その瞬間、ルイズは己の呪文の威力を理解した。
全てのものを巻き込む。
選択肢は二つ、殺すか、殺さぬか。
答えは決まっている。自分は『壊す』のではない、『守る』のだ。
宙の一点をめがけて、ルイズは杖を振り下ろした。

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:43:53 ID:v5pBQahZ
と、しえんだ

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:44:07 ID:rvsbSY/j
支援支援

381 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/18(水) 20:44:10 ID:ELlXrsU1
アンリエッタは、信じられない光景を目の当たりにしていた。
負ける可能性が高い戦闘のはずだった。
その状況は、二頭の竜の登場に際して、一気に形勢が変わった。
そうして、今まで散々自分達に砲撃を浴びせていた巨艦の上空に、
突如として巨大な光の珠が現れたのだ。
小型の太陽のように光を放つその珠は膨れ上がり……包んだ。
空を遊弋する艦隊を包み込んだ。
さらに膨れ上がり、視界すべてを覆い尽した。音は無い。
目が焼けるような錯覚に陥り、アンリエッタは目を閉じた。
そして、光が晴れた後には、艦隊は炎上していた。
まるで嘘のように、あれだけトリステイン軍を苦しめていた艦隊が、
がくりと艦首を落とし、地面に向かって墜落していく。
アンリエッタは、しばし呆然としていた。
彼女を筆頭として、誰も、今見た光景を信じられなかった。
「諸君! 見よ! 敵の艦隊は滅んだ! 伝説の竜騎士とその僕によって!」
「伝説の竜騎士?」
「さよう! トリステインが危機に陥ったときに現れるという、
 伝説の竜騎士とその忠実なる僕の竜人である!
 おのおの方! 始祖の祝福は我らにあり!」
すると、あちこちから歓声が漏れ、すぐに大きなうねりとなった。
「うおおおおおおおーッ! トリステイン万歳!」
アンリエッタは、そっとマザリーニに尋ねた。
「枢機卿……伝説の竜騎士と、竜人の話は……まことですか?」
マザリーニはいたずらっぽく笑った。
「真赤な嘘ですが……、実際に、類稀なる才を持った竜騎士と、
 竜に似た亜人はおるのです。利用せぬ手はありますまい」
「はぁ……」
「考えるのは後になさいませ。勝ちに行きましょう、殿下」
マザリーニの言葉に、はっとして、アンリエッタは頷いた。
そうして、水晶の杖をかかげて、叫ぶ。
「全軍突撃ッ! 王軍! 我に続けッ!!」

テファとシエスタは、森から出て、マチルダと並んでその光景を見ていた。
「……勝ったの? あれが、ルイズの力なの?」
「そう、みたいですね」
互いに手を握りながら、困惑している二人の横で
フーケは、よく知る歌を口ずさんだ。
――神の左手ガンダールヴ。勇猛果敢な神の盾。
   左に握った大剣と、右に掴んだ長槍で、導きし我を守りきる――
左手にデルフリンガーを握り、右手に槍にも見える銃を掴んだ
マミーモンの姿が浮かんでくる
――神の右手がヴィンダールヴ。心優しき神の笛。
   あらゆる獣を操りて、導きし我を運ぶは地海空――
その笛の音で、どんな獣さえも従わせてしまう
アルケニモンの姿浮かんでくる。
「どうやら……伝説の再来ってことらしいね……」
「マチルダ姉さん……?」
震えるテファの頭を、クシャクシャと撫でる。
可愛い妹分のこれからは、もっと大変なことになりそうだ。

382 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/18(水) 20:45:00 ID:ELlXrsU1
さて……この光景を、遠見の鏡で見ていたものが、二人居た。
一人はガリアの王都リュティス、ヴェルサルティル宮殿に居た。
王族の髪の色にちなみ、青いレンガで作られたグラン・トロワ。
その一角で、その男は青い髪を揺らしながらおかしげに笑っていた。
「ははは! あれが『虚無』! あれが我がきょうだいの力!」
ガリア王ジョゼフ、その人であった。
「ああ、素晴らしい! どうやら俺の『きょうだい』は、
 どいつもこいつも『天才』であるらしい!」
ギチギチギチ、と奇妙な音を聞いて、彼は振り向く。
「おお、そうか! 戦いのか、我が魔獣よ!
 もう少しだ、今少し、時を待て!
 分かっておる、お前が一番強いのだ、お前が、俺の使いまであるお前が!」
声の主は、不気味な化け物だった。
化け物は、雑多な種類の竜、巨大な甲虫、悪魔、竜の骨。
そんなものがない交ぜにされた不気味な姿だった。
その胸にはルーンが不気味に光り輝いていた。
それは、異世界で奇跡の力によって消滅させられた、忌まわしい存在。
『キメラモン』と呼ばれる、合成魔獣。
ソレを作り出したものは、選ばれた存在だった。
天才だった兄弟を失って、歪んでしまった哀れな少年だった。
奇しくも、その状況は、虚無に選ばれたジョゼフと
魔法の天才と呼ばれていた弟のシャルル。
二人の関係に、とてもよく似ていた。

そして、もう一人は、ロマリア連合皇国に居た。
「あの力さえあれば、私はあの場所へ行けるのですね?」
誰かに語りかけるように、その男は笑った。
金色の髪も、端整で美しい顔立ちも、しかし何処か不健康そうに見えた。
「そうなのですね、おお我が神よ! 案ずることはありません!
 あなたの願いは私の願い! 今に、手に入れてご覧にいれます!」
――期待しておるぞ、ヴィットーリオ――
彼の影が、そう言っておかしげに笑ったように見えた。
「行こう、行こう、あの世界へ」
狂ったように、彼の口は呪文を口ずさむ。
そうして、そこに現れた光の向こうに見える世界を、うっとりとして眺めた。
「ああ、いつか必ず、たどり着いてみせましょう」
その光が消えるのを見た後で、たたずまいを整える。
扉を開いて、目的の場所へと向かう。
そこには、何十人という子供達が集められていた。
「さあ、みなさん。ちゃんと勉強していましたか?」
優しげな、しかし狂った微笑を子供達に向ける。
「はい、偉大なる教皇聖下」
「きちんと勉強していました」
子供達の顔には、年相応の無邪気さが一切見受けられない。
その目は何も見えていないかのようによどんでいる。
そんな子供達を見て、教皇は満足そうな笑みを見せた。
子供達のうち何人かの頭部には、奇妙な形の花が咲いている。
それは、『暗黒の花』と呼ばれる存在である。
あと少し、と教皇の内に潜む闇はほくそ笑んだ。
その闇は、かつて子供達の夢と希望の力によって、
存在を保つことができず消滅したはずのものだった。
だが、消える寸前に、彼が唱えた『サモン・サーヴァント』によって
こちらの世界へと訪れ、彼の心に巣食うことによって、一命を取り留めていた。
――あちらの世界も、ここも、デジタルワールドも、
   完全なる闇の世界に統一し……、我が物としてくれる――
その影の額には、使い魔のルーンがおどろおどろしい光を放っていた。
影の名は、『ベリアルヴァンデモン』と言った。


383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:45:37 ID:yTfuLkIA
遅ればせながら 失礼、支援

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:45:53 ID:+dc17IBe
>>353

例によっていつもの提督アンチだ。
相手にすんな。

385 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/18(水) 20:46:06 ID:ELlXrsU1
艦隊が落ちたのを確認した後で、マミーモンとアルケニモンは
フーケたちのところへ降り立っていた。
「ルイズー!」
ブラックウォーグレイモンに抱えられ、
降りてきたルイズをマミーモンは抱きしめる。
ルイズはぼんやりとしながら、そのまま抱かれている。
体中を、気だるい疲労感が包んでいる。
しかし、それは心地よい疲れだった。何事かをやり遂げた後の……
満足感が伴う、疲労感だった。
「なあ、さっきのすっげえアレ、何だったんだ?」
「……伝説よ」
「伝説?」
「説明は後でさせて。疲れ……たわ」
そのまま目を閉じて、すやすやと寝息を立て始めたルイズを
横抱きに抱えると、マミーモンは愛しげな表情で見つめた。
彼女をかかえたまま、ぐるりと周りを見る。
何箇所かは焼けてしまっているが、十分復興できるレベルだろう。
村人達も、数人が軽い怪我をしたくらいで、死人は出ていない。
……アルケニモンも、テファもシエスタも無事だ。
マミーモンの心を、えもいわれぬ感情が埋め尽くす。
あの時、守ることが出来なかったものを、やっと守ることが出来た。
そんな安心感だった。
これからもまだ、戦いは続いていくのだろうという予感はした。
それでも、今だけは、この温もりを抱いて、
幸せに浸っていても、かまわないだろう。
そう思いながら、彼はとてもとても嬉しそうに、笑うのだった。

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:48:42 ID:v5pBQahZ
しえん

387 :Brave Heart  ◆xq/C1v8U32 :2008/06/18(水) 20:48:42 ID:ELlXrsU1
以上でBrave Heart全話投下終了です。
長編を書きたかったんですが、流石に書ききる自信がなかったので、
小ネタ、という形で終わらせていただきました。
久しぶりにデジモンアドベンチャー02を見たら
Brave Heartってガンダールヴの歌に聞こえたり、
デジモンカイザーとジョゼフ、ヴィットーリオと及川さんがカブって見えたり、
思わず筆を取ってしまったわけです。
支援、感想、ありがとうございました。


388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:50:12 ID:Z/nQO/bi

変なふいんきを変えてくれてありがとう

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:52:10 ID:v5pBQahZ
ただ一言だけ贈らせてください。


GJ

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:52:49 ID:INlLMZIM


391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:53:21 ID:X36M9Y8f
いい仕事だったぜ……



>>368
シエスタ(俺の嫁)は、からみキャラが魔法職だと、ヒツヨウ性皆無になるとです。
ティファはぽけぽけさん属性だと信じております

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:54:12 ID:0q0H88YJ
デジモンは詳しく知りませんが、熱い展開を楽しませていただきました。GJです!

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:54:26 ID:8oT1nLp0
ハッキリと言おう

面白かったです。

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:55:56 ID:h/VfICeL
おつー。
面白かったー。

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 20:57:07 ID:4gppzfL2
>>344
自分は面白ければ構わない

というかクロスの時点で両作品を汚してるのはしょうがない

というかどんな作品でもそれを楽しんでる読者もいるんだから
自分の好き嫌いだけで叩くなよ

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:13:19 ID:TYMlRI5I
面白ければ、な
だが両作品に敬意を払わない代物が、ファンにとって面白いなどということは九分九厘ない
好き勝手書きたいんなら人の褌を使わずに最初からオリジナルで書くべし

というか汚すの前提かよw

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:16:17 ID:uW6ZnCdT
>>396
クロスっていうジャンル自体が作品を汚している、って考え自体はそんなにおかしくないと思うぜ
突き詰めると二次創作まで問題になるし、線引きをどこでするかは人それぞれだ

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:20:09 ID:TYMlRI5I
好きだから書くってファン活動と、嫌いだから叩くってアンチ活動を混同するのもどうかと

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:20:24 ID:rawlUE15
クロスが元ネタ侮辱ってのも無くはないだろうけどクロススレでわざわざ考える必要はないと思うんだぜ

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:21:01 ID:X36M9Y8f
好きだからこそ、自分ごときの筆で書くのは恐れ多い。
だがそれでも書かずにはいられない。

そういうもんじゃないかね?

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:21:40 ID:PTf9Y06Y
蒸し返すとか…ありえん

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:21:42 ID:aFP9hyQ1
原作レイプでも、「悔しい、でも感じちゃう!」な内容ならいいんじゃないか

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:23:09 ID:ShtfkKk6
どうしてこんな流れに

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:25:20 ID:gbBzpB8L
おしとやか系か元気系で思い付いたが
兵庫県立K高校の某団長と某マスコット召喚してみたらどうだろう。
ハルケを現代の日本風に改変しそうで困るが。

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:25:22 ID:X36M9Y8f
とりあえず、

元気っこ、おしとやかっこ以外で、
三人娘に追加する属性を考えるんだ

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:26:25 ID:yoMWaNZD
>>405
サイコさん

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:27:38 ID:TYMlRI5I
世話焼きな策士

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:27:50 ID:0AEbHp07
>>363 
王子どころかアルビオン王党派全員亡命させたっつうとんでもないSSが世の中にはあってだな

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:28:37 ID:Kr9bMJWz
好きだからこそ書くのは恐れ多い、か。

夢幻魔実也召喚を書いてみたいが、まさにそれだ。俺には原作のあの味を出すのは無理だ。
それ以前に話自体も想像できないけどな。
少なくともバトル方向には持っていけないだろうことはわかるんだが。

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:28:39 ID:OCeTyYer
>>405

目潰し拡散ビーム
ジャイアントバズ
ヒートサーベル

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:29:08 ID:p485JbFy
>>405
おしとやかっこがおしっこって見えた俺は色々と疲れてるな・・・

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:29:22 ID:4gppzfL2
>>399
だからこそ特定の作品を元ネタへの敬意云々で叩くのはちょっと違うんじゃないか?って言いたかっただけです。

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:29:27 ID:OCeTyYer
>>408

だ、駄目なのか?

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:29:57 ID:Z/nQO/bi
男の娘(おとこのこ)

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:30:53 ID:yTfuLkIA
>>405
・好物に異常な執着を示すアホの子
・ちと百合入ったがめつくて騒がしいお嬢様
・純和風、侍染みた古風な堅物熱血漢
・そそっかしい小動物系妹キャラ

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:31:11 ID:a+0Xsuuk
>>395-
ハッキリ言って


自 重 し ろ

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:31:49 ID:a+0Xsuuk
リロードorz

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:32:16 ID:i45eu159
>>411
前後2文字ずつに略せばそうなるじゃないか
なにも間違っちゃいない

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:32:25 ID:U938r5N4
蓬莱学園の冒険!から絶 倫太郎を召喚

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:33:23 ID:0AEbHp07
>413 

いいんじゃない? ユーやっっちゃいなYO!!

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:34:58 ID:a+0Xsuuk
>>419
なんだそのベラボーマンみたいな名前は

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:35:17 ID:rvsbSY/j
>>419
無論煉獄のスピッツさんを従えて、だなw

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:35:26 ID:gbBzpB8L
>>408
ニューカッスルに隣接する飛行場にDC-10が2機降りて王党派全員を乗せて脱出するんですね、分かります。

ということでイラン・イラク戦争の時のトルコ航空の特別機召喚

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:35:32 ID:8oT1nLp0
>>405
スクランの晶みたいな、策士タイプの食えない女ならどうだ?

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:35:58 ID:94aB032l
なあ>>2が真偽は知らないが
投下中の雑談は無論だが支援もやめてくれないか?
編集するときはっきり言って邪魔でしかない


426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:36:53 ID:X36M9Y8f
>>425
あれって、連投規制対策じゃないのか?

まぁ、1レス挟まれば十分なのは知ってるけど

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:37:32 ID:EpI2QrYL
>>425
専ブラで投下レスだけ抽出すればいいじゃない。
それで納得できなければ↓こっちへどうぞ。

運営議論スレ3
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1194526775/

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:39:24 ID:94aB032l
あと投下する作者さんにお願い
作品名+話数+トリップ
で頼むブレイブみすった

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:40:07 ID:OCeTyYer
>>420
やぁぁぁぁぁぁってやるぜ!!
でもアルビオンに行くまで待ってね。

…ただウェールズ救うとアンアンの出兵理由が消えちゃうんだよな。復讐しなくていいから。

愛する者のために、トリステインがアルビオンを取り返します!みたいな理由だと、アレっぷりが顕著になっちゃうしな…

話題に出しといて何だが、以後アンアン叩き禁止!ビッチ発言禁止!

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:40:21 ID:94aB032l
>>427
家だといいんだけど会社だとIEしかないんよ

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:40:44 ID:Loydot9I
>>352
ゼロ魔側の虐殺の具合と、銀英伝側の性格改悪のすさまじさがそっくりなんだけど


432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:41:54 ID:a+0Xsuuk
>>431
蒸し返すな粘着

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:43:14 ID:0AEbHp07
>423
まぁ、俺が言ってるのはやわらかるいずの事なんだけどなぁー
あれ実は俺TUEEE作品だし w

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:43:49 ID:8oT1nLp0
>>429
自分もそれで悩んでいる。
VS七万イベントを消してしまうのも惜しいしね。

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:43:50 ID:7JCtasFM
>>429
出兵しないって選択肢はないのか?

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:44:23 ID:ZAhUeKeU
>>408
空中城アルビオン……でしたか? 記憶薄いですが

437 :ゼロ・HiME:2008/06/18(水) 21:45:39 ID:EYqNjrGm
14話完成したんで投下します
進路オールクリア?

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:45:53 ID:vawXxNxW
>>429
ウェールズが同盟の反故を懸念して死んだ事にして欲しいとルイズに頼むとか
元々あの戦いで死ぬつもりだったし自分が表立って動けばまずい事は分かってるだろうし

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:45:57 ID:8oT1nLp0
>>435
そっから話を進めつつゼロ魔の延長上を保つのは難しいぞ。

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:46:09 ID:yTfuLkIA
かむかむ

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:46:57 ID:4gppzfL2
>>429
クロスキャラにとっても最高クラスの見せ場であろう七万が消えちゃうんだもんな・・・
ニューカッスルで代替する手もあるけど余程力量が無いと厨臭くなるだろうしな

そもそもそこまで話を進めるのが大変だけどさ

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:47:06 ID:yTfuLkIA
……またやっちまった、ひとまず静流さん支援

443 :ゼロ・HiME:2008/06/18(水) 21:47:16 ID:EYqNjrGm
それでは投下はじめます

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:47:24 ID:ZejAEdJA
逃がせばいいじゃない
どうせほっといてもレンコンの方から攻めてくるし見せ場なんていくらでも作れるさ
味方入り七万殺しより敵オンリー艦隊ぬっころしの方が後味も悪くないぜ

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:47:54 ID:EpI2QrYL
>>430
いや、だから本スレでするには微妙な話だから運営へ誘導してるわけだが。

>>437
おk。支援します。

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:48:20 ID:C4LheblV
ゼロ・HiME支援

447 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第十四話 1/3:2008/06/18(水) 21:48:47 ID:EYqNjrGm
 その日の夕刻、ラ・ロシェールに到着したルイズ一行は、逗留場所を街一番の上宿『女神の杵』亭に決めると、一階にある酒場で休息していた。

 「……なるほど。何で船に乗るのに海やのうて山の方に向かってるんやろと不思議に思うとったけど、そういうことやったんどすな」

 ルイズ達からアルビオンが空に浮かんだ大陸であり、その周回軌道の傍にあるここラ・ロシェールに移動の手段である空飛ぶフネの発着所があるのだと説明された静留は得心が行ったという表情を浮かべた。

 「こっちこそ、まさか空飛ぶフネを知らないとは思わなかったわよ。シズルのいたとこでは空を飛ぶ乗り物ってないの?」
 「ありますえ。もっともフネやのうて飛行機いう翼のある乗り物やけど……」
 「飛行機……どういうもの?」

 静留がルイズの疑問に答えていると、正面に座るタバサが質問してくる。

 「そやね、小さくて一人、大きいのになると400人以上の人間をシルフィードの10倍以上のスピードで運ぶことができる乗り物やね」
 「……なんていうか、想像の範疇を越えてるわね」

 静留の答えにタバサの横に座るキュルケが、信じられないといった表情でため息を漏らす。そこに、桟橋へ乗船の交渉に言っていたワルドとギーシュが帰って来きた。

「アルビオンに渡る船は、明後日の朝にならないと出ないそうだ」
 「まあ、自然が相手ですし、ワルド卿が気に病む必要はないですよ」

 無念そうに報告するワルドにギーシュが慰めの言葉をかける。

 「よく事情がわかんないけど、なんで明日はフネが出ないの?」
 「明日の夜は月が重なる『スヴェル』の月夜だ。その翌日の朝、アルビオンが最もラ・ロシェールに近づくんだよ」
 
 ワルドはキュルケにそう答えると、懐から取り出した鍵束をテーブルの上に置いた。

 「さて、部屋も取ってあるし、今日はもう寝よう。部屋割りはキュルケ、タバサとミス・フジノが相部屋。そしてギーシュが一人部屋だ」
 「まさか自分はルイズ様と一緒とかいうんやないやろね、ワルド様?」

 部屋割りを聞いた静留がワルドに冷ややかな視線を向けて尋ねる。

 「もちろん、そのつもりだとも。婚約者だからな、当然だろう」
 「そうどすか。ほんならくれぐれもルイズ様が嫌がるのを無視して最後までやったりせんよう自重しておくれやす」
 「ちょっ、シズル、何言ってるのよ! ワルド様、私達まだ結婚してるわけではないですし、そういう訳には……」

 ルイズは顔を真っ赤にしてワルドに考え直すよううながすが、ワルドは首を振ってルイズを見つめた。

 「大事な話があるんだ。二人きりで話したい」


 ワルドとルイズの部屋は貴族相手の宿『女神の杵』亭で一番豪華な部屋だけあって、かなり立派なつくりであった。
 部屋の中央にあるテーブルに座ると、ワルドはワインの栓を抜いて杯についで、それを飲み干す。

 「君も座って一杯、やらないか? ルイズ」


448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:49:16 ID:B+w+ePUy
オーベルシュタインはああいうキャラだし、特に何も問題ないと思うけどな
劣悪遺伝子排除法にあたる法律もハルケギニアにはないし、
生来あるはずのものがない、という点でルイズ助けてやろうくらいの気まぐれはおこすかもしれん
犬のワガママにも最期までつきあってあげたしな

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:49:17 ID:OCeTyYer
ならば、我が支援に意味は不要ず

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:49:26 ID:U938r5N4
>>421
1990年、遊演体という会社で行われたメールゲームのキャラクター。
大雑把だが「服を脱げばすべて良くなる」という教義の元に裸人教を起した聖人
 
>>422
そうなるとヌードフェンシングの人と前後方不敗も欲しくなる罠

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:49:43 ID:B+w+ePUy
ごめんなさい

支援

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:50:11 ID:U938r5N4
うわ、リロってなかった。雑談して投下を邪魔した豚に支援させてください!

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:50:15 ID:8oT1nLp0
さて、雑談は止めて支援といきますか

454 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第十四話 2/3:2008/06/18(水) 21:51:15 ID:EYqNjrGm
 ルイズが言われたままにテーブルに着くと、ワルドがルイズの杯、ついで自分の杯にワインを満たし、それを掲げる。

 「二人に」

 ルイズはちょっと俯いて、杯を合わせる。室内に陶器のグラスがかちん、と触れ合う音が響く。

 「姫殿下から預かった手紙はきちんと持っているかい?」
 「……ええ」

 ポケットの上からアンリエッタから預かった封筒を抑えるルイズをワルドは愛しそうに見つめる。

 「心配なのかい? 無事に皇太子から、姫殿下の手紙を取り戻せるかどうか」
 「そうね、確かに心配だわ。でも、あなたがいるんだものきっと大丈夫よ……それで、大事な話って何?」

 ワルドは遠くを見る目になって、話し始める。

 「覚えているかい? あの日、屋敷の中庭で交わした約束……」
 「あの秘密の場所のこと? ええ、覚えているわ。あなたは落ち込む幼い私をいつも慰めてくれた」
 「あの頃の君はいつもお姉さん達と魔法の才能を比べられて、出来が悪いなんて言われていたけど……僕はそれは間違いだと思っていたよ」
 「それはあなたが贔屓目で見てくれているだけ……私は今だってあの頃と同じゼロのままよ」

 ワルドの言葉にルイズは自嘲するような笑みを浮かべた。

 「そんなことはないさ。確かに君は失敗ばかりしていたけど、誰とも違うオーラを放っていた。それは君が他人にはない特別な力を持っていからだ。決して贔屓目なんかじゃない、力をつけた今の僕にはそれが分かるんだ。例えば、そう、君の使い魔……」
 「……シズルのこと?」
 「そうだ。これは出発前に学園長から内密に教えてもらったことだが……彼女は始祖ブリミルが用いたという伝説の使い魔ガンダールヴなんだよ」
 「ガンダールヴ?」

 ルイズは怪訝そうに尋ねた。

 「誰もが持てる使い魔じゃない。君はそれだけの力を持ったメイジなんだよ」
 「信じられないわ」
 「いいや、君は偉大な……そう、始祖ブリミルのように歴史に名を残すような素晴らしいメイジになるに違いないと、僕は確信している」

 ワルドは熱っぽい口調でそう言うと、真剣な表情でルイズを見つめた。

 「ルイズ、この任務が終わったら僕と結婚しよう」
 「え……」

 突然のプロポーズに一瞬、呆然とした後、ルイズははっとした顔になった。
 
 「僕はこのまま一介の隊長で終わるつもりはない。いずれはこの国、いやハルケギニアを動かすような貴族になりたいと思っている」
 「で、でも……わ、わたし、まだ……」
 「もう子供じゃない。君は十六だ、自分の事は自分で決められるし、父上のお許しもある。確かに……」

 ワルドはそこで一旦言葉を切ると、ずいっ、とルイズに顔を近づける。



455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:51:38 ID:U938r5N4
支援

456 :ゼロHiME〜嬌嫣の使い魔〜 第十四話 3/3:2008/06/18(水) 21:54:17 ID:EYqNjrGm
 「確かに、任務に追われていたとはいえ、手紙を送るだけでずっと君をほったらかしだった事は謝るよ。婚約者なんていえた義理じゃないかもしれない……でも、ルイズ、僕には君が必要なんだ」
 「ワルド……」

 ルイズは考えた。幼い頃は本気で、私はこの人のお嫁さんになるんだと、そう思っていた憧れの人。逢うことは出来ずともゼロと呼ばれる日々の中、ワルドの手紙だけが心の支えだった。しかし、だからこそ、ここで簡単に首を縦に振ることはできない。

 「ごめんなさい、ワルド……私は今それを受け入れるわけにはいかないの」
 「……それは何故だい?」
 「別にあなたが嫌いとかいうわけじゃないのよ……ただ、私はあなたに釣りあうような立派なメイジなりたいの。そうでないと自分自身があなたと結婚することに納得できない、だから……」

 そう言って俯いたルイズを、ワルドがじっと見つめる。

 「ふふふ、君ならそう言うだろうと思っていたよ……別に今すぐに返事をくれとは言わないさ。とりあえずはこの旅の間に僕を見ていてくれればいい」
 
 ルイズは何も言えずにただ、頷く。

 「それじゃあ、もう寝ようか。疲れただろう」

 ワルドはルイズに近づいて、唇をよせてきた。ルイズはきゅっと目を閉じて、体を一瞬こわばらせた。

 「えっ……」
 
 唇へのキスを覚悟していたルイズは、額に唇の感触を感じて目を開いた。ワルドがルイズに微笑む

 「ミス・フジノが言っていただろ、君の同意なしで事を運ばないようにと……君がそれを望むまで僕は待つよ」
 「で、でも……」

 ルイズがもじもじしてワルドを見つめると、ワルドは苦笑いして首を振る。

 「無理はしなくてもいい……それにキスをしてしまうと、自重できずに最後までやってしまいそうだからね」

 ルイズは再び、俯いた。
 何故だろう、ワルドは凛々しくて、こんなにも優しいのに。ずっと憧れていたのに。結婚してくれと言われて嬉しくないわけじゃない、それなのにどうして素直にすぐ「YES」と返事が出来ないのか。
 さっき言った理由も確かにある。だが、心に引っかかるのは使い魔である静留のワルドへの態度だ。表面上は笑顔だが警戒……いや、あきらかに嫌悪している。

 (きっと慣れないところへ行くから静留も気が立ってるだけよね……うん、そう。きっとそう。旅している間にワルドとも打ち解けてくれるはずよ)

 ルイズは不安を無理やり心の奥に押し込めると、自分のベッドへと潜り込んだ。

457 :ゼロ・HiME:2008/06/18(水) 21:56:28 ID:EYqNjrGm
以上で投下終了です。
原作テンプレの上に百合分ないorz

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 21:57:16 ID:56Sklgh2
るるるじゃないけど、ハルケギニアは実は大型宇宙移民船(世代宇宙船)の中っつ設定はどうなんだろ?
原作でも、必ずしも惑星状にある、とは言い切れない…

メガゾーン23とか宇宙の孤児、星をみるひと

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:00:51 ID:94aB032l
>>130-458
までまとめwikiに登録
>>1-129は誰か頼む

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:01:32 ID:gbBzpB8L
>>458
登場人物の一人が「その『たん』禁止」とか言ったりするんですね

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:01:57 ID:a+0Xsuuk
実は空の青さも2つの月も書き割りでした
ハルケギニアは閉ざされた世界だったのです、みたいな?

462 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:02:13 ID:8oT1nLp0
>>458
乙です

>>458
その手の改変はOKなの?

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:04:24 ID:wKFxe4r1
超遅ればせながら
ファウストさいこ〜、続き待ってます!

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:09:03 ID:a+0Xsuuk
>>462
大事なのはどこが改変とかじゃなくて、話の筋を通す事だよ。
履き違えると、只変えて満足みたいな内容になってしまう。

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:13:16 ID:gHavmFhm
改変が悪い訳じゃないよ
おもしろいか、納得できるか だよ

466 :割れぬなら……(0/5):2008/06/18(水) 22:16:34 ID:C8khxM6L

投下予告

10時30分から作品を投下します。

もしも蒼天版曹操を召喚したら。

>252
うん、それ無理。
もうラストまでどう進めるか決めていますので。


467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:29:55 ID:Y3sAuigD
絶倫太郎は死んでも七日後に甦るんだよな
聖人だから

468 :割れぬなら……(1/5):2008/06/18(水) 22:30:42 ID:C8khxM6L

「始祖の降臨の日を祝して、悪鬼を追い払う剣舞をご覧に入れましょう」

アンリエッタ、ウェールズといった名士達の前に、女装をした曹操が歩み出た。
軍楽隊はパレードの音楽を止めて、演武用の曲を奏で始める。

リッシュモンがその様子を苦々しく見つめていた。

「戻りました」

そこに先日リッシュモンと密談をしていた男が現われ、そっと耳うちをした。

「首尾は?」

「なんとかワルド子爵の眼を誤魔化して何箇所かに兵を配置できました。
 メイジはおりませんが、全員が銃の名手です。
 命令があれば、出席者を狙撃する事が可能です」

「良し、すぐに奴を始末させい」

「はっ」

男は再び人混みの中へと消えていった。

当時の鉄砲の有効射程距離はおおよそ200メイル。
甲冑を着込んでいるのならともかく、剣の舞を演じている曹操は軽装、1発でも当たれば深手を負うだろう。
またトリスタニアには背の高い建物が多く、その全ての部屋を警戒するのは不可能に近い。


469 :割れぬなら……(2/5):2008/06/18(水) 22:31:58 ID:C8khxM6L

複数ある狙撃ポイントの一つ。
とある宿屋の一室に彼女は居た。
名をアニエス、王都の治安を守る警備兵の一人。
……ぶっちゃけた話、その他大勢の一人。
しかし、彼女は剣と射撃の名手であった。
その腕前を見込まれ、リッシュモン……正確には、その部下によってここに配置された。

……火薬は詰めた、弾も込めた。
小さな窓から銃身をのばす。

彼女は、自分がアンリエッタからの特命によって働いていると信じていた。
銃口の先で舞う女性が出席者の命を狙う暗殺者だと信じていた。

慎重に照準を定める。
狙撃に2発目は無い。
必要な物は必中の一撃。

徐々に曲が速くなってゆき、曹操の動きも次第に激しいものに変わっていく。
白銀の剣が光を反射し、眩いばかりに輝く、煌く。

着弾点を決め、全身を固定させる。
次に女がその位置に立った瞬間に殺す。

炸裂音。

銃声だ。
音曲を引き裂くように、同時に2つ。

仮面の男が2人、軍楽隊の中から飛び出した。
杖を振るい、一人は風で、一人は炎でもって、弾丸の道筋を遮った。


470 :割れぬなら……(3/5):2008/06/18(水) 22:33:14 ID:C8khxM6L

軍楽隊は、何が起こっても曲を止めないように厳命されていた。
曹操もまた何事も無かったかのように、いや、銃声に気づかなかったかのように舞を続けた。

再び炸裂音。
別の場所から、今度は3つ。

一つは風に、一つは炎に、最後の一つは炎を操る男が自らの体を盾にして曹操を守った。

炸裂音。
1つ。

突風が弾丸を吹き飛ばす。

最初は銃声に驚いていた人々だが、平然と舞を続ける曹操を見て、安堵した。
3度目の銃声が聞こえる頃には、それも演目の内なのだと信じていた。

炸裂音。
2つ。

狙いの甘い一発は無視され、曹操に向かった一発は炎の壁に遮られた。

5度目の炸裂音は無い。

音曲がさらに激しさを増す。
大太鼓が連打される。
仮面の男が杖を振るい、花びらを吹雪のように舞い散らせる。

そして曹操がもう一人の男の仮面を……叩き割った!

「げぇっ! 炎蛇!」

リッシュモンが叫ぶ。
それは悲鳴か、断末魔に近い。
ある意味、彼にとって一番見たくなかった顔だっただろう。
『炎蛇』は優秀な軍人であると同時に、リッシュモンの悪事の証拠でもあるのだ。
その『炎蛇』が曹操の隣に立っているという事は、曹操の上奏が死を意味するという事だ。


471 :割れぬなら……(4/5):2008/06/18(水) 22:34:33 ID:C8khxM6L

「ええい、何故射撃を止める? いったい何をやっているのだ!?」

彼は気づいていない。
射撃は止めたのではない、止められたのだ。

アニエスは、突然部屋に飛び込んできた男によって取り押さえられていた。
彼女には武術の心得があったのだが、不意を衝かれた事、襲撃者もかなりの使い手だった事が、彼女を敗北させた。

では、どうしてこんな短時間でアニエスの居場所が割れたのだろうか?
理由は2つある。

1つはあらかじめ狙撃がやりやすい場所を割り出し、あえてその場所の警備を手薄にしておいた事である。
つまり、狙撃を困難にするよりも、刺客を制圧する事を優先させたのだ。

2つ目は、最も狙撃位置を確認しやすい場所にいた人物……ワルドだが。
彼は曹操を守りながら、敵の場所を確認し、あらかじめ配置しておいた自分の偏在達に急行させたのだ。

こうしてリッシュモンによる曹操暗殺作戦は失敗に終わり、トリスタニアは観衆達の拍手に包まれた。
特にアンリエッタが日頃の嗜みを忘れる勢いではしゃいでいた。

「まあ、なんて素晴らしい舞なのでしょう!
 貴方に酬いなければなりません。望みを申しなさい」

「王都北門警備隊長、曹操孟徳。
 望みを申し述べます」

仮面の男……ワルドが書類を持って現れる。



「おそれ多くも、申の儀上奏奉ります!」



ざわ……と、出席した名士達が騒ぎ始める。

「お待ちを。
 ここは始祖降臨を祝う場所でございます。政を執り行う場所ではございません。
 また国外からの客人の前で上奏を許すべきではございません」

マザリーニが、アンリエッタを制した。
しかし、アンリエッタは乗り気だ。

「よろしいではございませんか。
 彼はアルビオンを救った英雄なのですよ」

リッシュモンは早くも戦略的撤退を考えていた。
しかし、既に退路は魔法衛士隊が固めている。


472 :割れぬなら……(5/5):2008/06/18(水) 22:36:10 ID:C8khxM6L

曹操は王族達の前で、公然とリッシュモンを筆頭とする宮廷貴族達への糾弾を始めた。
国外の要人たちの前で、平然とトリステインの暗部を暴露し始めた。
ゴドーやワルド、コルベール達の手を借りて集められた証拠の数々は、当事者たちにとってはどれも致命的といえる内容であった。
その中でも特に、ダングルテールでの虐殺への糾弾は激しいものであった。
曹操にとって民は国の礎であって、それを自らの出世のために殺した者達を許せなかったのかもしれない。
いくら平民が軽く見られる国柄、風潮であっても、限度というものが存在する。
曹操が暴きだしたトリステインの暗部は、貴族であっても吐き気を催すような内容ある。
しかもその場に居た群衆の中には、平民も数多く……いや、平民が大多数だった。
これで何の処罰も無ければ、暴動が起きかねない。
諸外国からも軽く見られかねない。
さらにアンリエッタはどこか純粋で、お人好しで、なにより正義を信じていた。

……つまり、リッシュモンの命運は尽きたという事だ。

ワルドの偏在の1人が、アニエスの涙に気がついた。
思えば、女性に対して少し力を入れすぎたかもしれない。

「済まない。君の凶行を阻止するためとはいえ、力を入れすぎたようだ」

銃を取り上げ、アニエスを拘束から解放する。

「いえ……」

アニエスは、立ち上がろうとしない。
茫然とした様子で座り込む、涙を拭く事もできていない。

「痛いから泣いているのではありません」

……それは怒りの涙、自責の涙であった。


473 :割れぬなら……(6/5):2008/06/18(水) 22:37:31 ID:C8khxM6L

次回、ルイズ学生編終了。

……たぶん、おそらく。
だんだん自信がなくなってきた。


ところで、次回は金曜日午後10時に投下がしたいのだが。
スパロボをやるか、続きを書くか、それが問題だ……


474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:37:51 ID:w0RQOcUL
漢だ・・・

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:38:51 ID:a+0Xsuuk
よかった。胸が熱くなるな。

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:39:09 ID:7o0rQd/v

そうか、Aが移植されたんだっけかw

477 :割れぬなら……(7/5):2008/06/18(水) 22:43:02 ID:C8khxM6L
ごめんなさい、前言撤回。

金曜10時ムリ、用事ある。
10時30分に投下予定。


478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 22:57:04 ID:ncBcnnP8
投下乙。
さあ、早速だがスパロボをやりながらSSを執筆する作業に戻るんだ。

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:16:34 ID:d8UBaZ1U
もしアンアンがラクスのポジションにあったならば

数ヵ月後
「力だけでも想いだけでも駄目なのれす」
「だからってそんな」
「ウェールズの敵を討つのです!」


「ははは使い魔くん、これが業だ!数千年積み重ねたメイジの業だよっ!!!」
「あんた支離滅裂だよっ!ルイズはあんたを待ってたんだっ!」
「それでも私は世界を滅ぼさなければならないっ」
「お前の妄執を断ち切ってやるっ!うおおおおおおおおおおおおお」

こうですか

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:21:30 ID:0q0H88YJ
>「げぇっ! 炎蛇!」
さりげなく別の三国志吹いたw

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:34:29 ID:5nD9p/HA
ジャーンジャーン
火計ですね、わかります

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:36:53 ID:LsKK8ldE
>>419
神聖裸体帝国(通称兄貴倶楽部)がロマリアに……ってのも捨てがたいな。
魔法の裸人・ラヴリーサーブとか裸人教には良キャラが多いな。

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:47:07 ID:h/VfICeL
ジャン・コルベールとジャン・ジャック・ワルドだけにジャーンジャーン。
ワルドがきれいなワルド過ぎて吹くわぁw

蓬莱ネタでもカダフィだけは呼ぶなよ! 特にロマリアには絶対呼ぶなよ!!

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:48:56 ID:xiPYD0ed
ヤマトの波動砲で吹き飛ばされる瞬間の浮遊大陸を召喚。
あと1年でアルビオンと衝突してハルケギニアは滅亡してしまう。
そして浮遊大陸からは謎の軍隊が…

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:51:07 ID:dZXsZpCU
テファの所に犀川静をもってきちゃダメだ!
退学生徒会は蓬莱でも語るのも憚られるぞ!

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/18(水) 23:51:40 ID:gSSX0gCx
病院のカレーを食べる

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:03:30 ID:AvjlRFZX
>>483
>カダフィ
97年に宇宙に投棄〜いつの間にか帰ってた、の間に召喚か?

俺が書こうとしてるのはやかん団or落ちぶれた図書館騎士orたそぺん将軍ロボ召喚。
……蓬莱丸ごと召喚もいいなぁ。

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:04:41 ID:wC7p39+B
ジョゼフのところに南豪君武第一生徒官が償還されるんですね。

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:06:00 ID:AvjlRFZX
>>486
お前さん、Ωマスターの所にいた同士か!?


490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:13:16 ID:nCFIRaBX
>>489
ちょ、世間狭すぎだろwwwwww

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:16:09 ID:dSOWk91w
カトレアがファントムブレイブのモカ召喚。
ここまで書いたらオチ読まれるだろうなあ…。

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:20:15 ID:AvjlRFZX
>>490
マジかよ……。
宝探しと宇宙とと党と月光洞と南部密林のラスダン最終リアをまだ待ってる俺orz

493 :ゼロの魔龍伝:2008/06/19(木) 00:20:42 ID:zyYeLZ9y
こんばんわ
三話の投下をしたいのですが大丈夫ですかね?

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:24:10 ID:6zQvsQsz
もんだーいないさぁ〜。

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:24:18 ID:5+vn8wPw
こい!ガンダァァァム!!!!!

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:26:02 ID:EzOy9J6w
パチーーン

497 :ゼロの魔龍伝・3 1/5:2008/06/19(木) 00:26:32 ID:zyYeLZ9y
3.使い魔ゼロの学園生活

目を覚ましたゼロが目にしたのは朝焼けが窓に差し込んでいる見知らぬ部屋だった。
ベッドで静かに寝息を立てている少女を目にし自分の今の状況を改めて認識する。
「(そうだったな、俺はこの娘に召喚されてここへ…)」
「んにゅ…クック…ベリーパイ…おいしいわぁ…もっと持ってきなさいよ…ガンダム…」
「…全く良い気なもんだな、このお嬢様は」
それに合わせるかのように寝る前に交わした会話が蘇って来た。
“下着の洗濯”、あまり乗り気しない頼みではあったがやらなかったらそれはそれで騒がれるに違いない。
どうせ子供の着るものだし早い内に済ませて朝の鍛錬でもしようと思い立ったゼロは
剣を片手に、もう片手に下着を掴んでルイズの部屋をそっと後にした。
「…洗濯する場所なんて聞いてないぞ」
が、学園内でルイズに教えてもらった場所を転々としながらゼロは早々に迷っていた。


トリスティン魔法学院で働くメイドの朝は早い。
日も昇らぬ内に起床し、掃除洗濯から貴族達の朝食の準備の支度までまるで戦争のように
総勢でバタバタとこなす。そんな朝の争いの少し前、水を汲みに空の桶を持って走る少女が一人。
ここに仕えるメイドの一人、シエスタである。
「お水を汲んで…洗い物をまとめて…」
「すまないがちょっといいか?」
「あ、はい…ぃいっ!?」
今日の仕事の口にしながら水汲み場まで駆けていたシエスタが振り向くと
標準サイズに比べてはやけに小さいゴーレム(の、ような何か)が立っていた。
人の形を模しているのは何となく分かるが2〜2.5頭身と相当に縮められていて
まるで子供が遊ぶ組み立て式の人形のような、そんなイメージがした。
「衣服の洗い場を探しているのだが……」
「洗い物ですね、もしよければ私にお任せくださいませんか?
 この後洗濯物をまとめて洗うので、使い魔さんのご主人のお名前さえ言ってくだされば後で
 私がお部屋までお届けしますわ。」


知らない洗い場まで行って女性の下着を洗うという未知の領域の仕事を任されたゼロにとって
これは渡りに船であった。
「すまないが…その…これを」
「はい!承りましたわ!」
ゼロが恥ずかしそうにしながらシエスタへ手にした下着を渡し、笑顔で受け取るシエスタ。
が、このメイドの話し振りから一つの疑問が浮き上がる。

「(洗濯・掃除・その他雑用というのは普通使い魔が行うものでは…ないよな、うん)」

昨晩一緒に食事をした使い魔達が思い出されるが、どう考えても火を吹くドラゴンだの
浮いてる目玉だの一般庶務に使うには手に余るどころか部屋が壊れそうな面子ばかりだ。
「ルイズ…俺は召使いか何かなのか…」
「あの…ひょっとしてミス・ヴァリエールの使い魔さんですか?」
「あぁ、そうだが?」
「昨日の事なのに“ヴァリエールの小さなゴーレム”ともう噂になって私達も聞き及んでますわ」
「…へ?」
「皆は笑ってますけど、とても奥ゆかしいのですね。私ちょっと驚きました」
「え、ちょっ」
「それでは私は仕事に戻りますので失礼しますねゴーレムさん」
笑顔のシエスタはそう言うと足早にまた走り去っていった。

「俺…ゴーレムじゃないのに…トホホ…」

朝から何かに負けたような気分に打ちひしがれたゼロであった。

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:26:53 ID:0sbMmcOf
>>461
おはよう。
会えない時のために、こんにちは、こんばんは、おやすみ。

こうですねわかります

499 :ゼロの魔龍伝・3 2/5:2008/06/19(木) 00:27:58 ID:zyYeLZ9y
「…フゥッ、ハッ!」
噴水の近くで黙々と剣を振るい朝の鍛錬に打ち込むゼロ。
手にしている剣はかつて彼が手にしていた剣ではない、旅の途中で手に入れた普通の剣である。
彼の相棒は全てを終わらせた後戦友に預けた。
傷つき、全ての力を失った相棒をこれ以上手にする事も、使う事もない。
何より亡き父が残した唯一の形見であったからだ。

ゼロがルイズの部屋に戻るとルイズがふくれっ面でベッドに腰掛けていた。
「あぁ、おはようルイズ。ちょっと剣の鍛錬に」
「使い魔なら起こしなさいよぶぁかーーーーーーーーーー!!」
朝の挨拶は怒号から始まった。
「まったくいつもの調子で起きちゃったじゃないのよ!そこのクローゼットの一番下から下着!」
「え?」
「私に一式着せるのも使い魔の仕事!早くしなさいよ!」
とりあえず下着を出してルイズに渡し、ネグリジェを脱ごうとしているルイズに気づいて
慌て後ろを向きつつ制服を取る。
「服!」
そのままルイズの方へ腕だけ伸ばし制服を渡そうとするが
「着せて」
の一言で遮られた。
朝起こさなかった事とルイズの機嫌の悪さがあり仕方なくルイズに制服を着せてゆくゼロ。
「普通、使い魔に服を着させるもんじゃないんじゃないのか?」
「いいもんアンタ喋れて手足が使える使い魔だし」
「……次からは自分でやれ」
着替えが終わった後は手早く自分の鎧を着けて、共に部屋を後にした。
「あらぁ〜、おはようゼロのル・イ・ズ」
「…おはようキュルケ」
部屋を出た二人の目の前に一人の女性が立っていた、長身に燃えるような赤い色の長髪、褐色の肌。
ルイズと同じ制服を着ているが上のボタンはしめられずそこから豊満な胸の谷間が見える。
「で、それが話題の“ヴァリエールの小さなゴーレム”ってわけね〜ふぅ〜ん」
キュルケがゼロをじろじろと見る。
「何ていう名前なの?」
「俺はゼr」
「こいつはガンダムっていうのよ!うん!ガンダム!」
ぜロが名前を言いかけた所でルイズが割り込んで名前をガンダムだという事にしてくる。
異様なまでに「ゼロ」と呼ばれたくないその態度がゼロとしては少々気にかかっていた。
「ガンダムねぇ…変わった名前だしおもちゃみたい」
「なっ!」
「なんですってぇこのおっぱいオバケ!」
驚くゼロと憤慨するルイズをよそに自信満々な態度で
「私の使い魔見てみるぅ?フレイム〜」
と呼ぶとのそっ、とキュルケの後ろから赤い大トカゲが出てきた。
それは昨夜ゼロに肉をあげようとしたあのトカゲ。
きゅるきゅると鳴きながら近寄ってきたフレイムの頭をゼロが撫でる。
「お前か、よしよし」
「…何でガンダムがキュルケの使い魔の事を知ってんのよ」
「昨日飯を食べていたらこいつが肉をくれようとした」
「あらぁ〜ご主人様と違って使い魔同士仲良くやってるようじゃな〜い?」
キュルケがさも勝ち誇ったような顔でルイズに満面の笑みを見せる。
「…食堂に行くわよ!」
「あ、あぁ」
声を荒げながら足早に去るルイズを追ってゼロも後を追いかけて行った。
「うちのフレイムがそこまで懐くなんてあのゴーレム、何なのかしら…」
 しかも今飯って…ゴーレムってご飯食べないわよね?」
「きゅる…きゅるきゅる」

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:28:25 ID:0sbMmcOf
しまったリロ忘れ割り込みすまん支援。

501 :ゼロの魔龍伝・3 3/5:2008/06/19(木) 00:28:49 ID:zyYeLZ9y
「全くヴァリエール家の使い魔がツェルプストー家の使い魔から
 情けをかけられるなんて恥よ!罰として朝食は抜き!」
「理不尽すぎるぞ!」
「いい事?我がヴァリエール家と憎きツェルプストー家の因縁はそれは長きに渡るものよ!」
と、食堂まで歩きながらその因縁とやらを話すルイズ。
耳が痛くなる思いをしながら食堂まで歩いたが、入り口前でルイズがご機嫌斜めに
「さっきも言ったけど朝食抜きだからアンタはここまで」
と言い放った。
「…やはり召喚された時に学院から出た方が良かったな」
空腹が身に染みるのを我慢しつつ、食堂入り口に突っ立っているゼロであった。

授業の時間になり、ゼロは教室の後ろの壁にもたれかかって様子を見ていた。
何人かの生徒がこちらを見ているのが少しうっとおしかったが生徒の方を一睨みすると
そそくさと席に向き直る。
「(…俺を何だと思ってるんだ)」
ゼロの横にはフレイムが寝ていた他に、教室に入れるぐらいの中型の使い魔が暇そうにしていた。
窓の外を見ると教室に入りきらない大きな竜(ルイズに聞く所によると風竜というらしい)が
佇んでおり、教室の様子を横目で伺っている。
「…確かにこの使い魔の中では俺は目立つ、か」
生徒がこちらを伺うのは“ゼロのルイズが召喚した変な使い魔”というのが
もっぱらの理由であったのにはゼロは気づいていなかった。

「皆さん、おはようございます」
教室に入ってきた中年のふくよかな女性、シュヴルーズの声が響く。
「春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に
様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
後ろに陣取った使い魔を次々と眺めるシュヴルーズの目がゼロに留まった。
「おや、珍しい使い魔ですねミス・ヴァリエール」
ルイズ以外の生徒から一斉に笑い声が上がる。
「出来損ないのゴーレムじゃ仕方がねーよなー!」
「うるさいわね風邪っぴき!」
「俺は風邪っぴきじゃなくて“風上”だ!ろくに召喚できないゼロの癖に!」
「ミス・シュヴルーズ!このうるさい風邪っぴきに注意して下さい!」
「喧嘩両成敗です」
シュヴルーズが杖を振るうと、ルイズ、そしてルイズと口論していた微笑みデブな男の子、マリコルヌの
口に赤土が一瞬でふさがった。
「罰としてこの状態で授業を受けてもらいます」
赤土を剥がす二人をよそにシュヴルーズの授業が始まった。

授業内容は年度最初の授業、という事でごく初歩的なこの世界における
属性の概要から始まっていた。
「『土』系統の魔法は……この魔法がなければ重要な金属も……皆さんの生活に密接に関係……」
「(生産・加工・建設・農業…魔法が産業の根幹まで関わってるとはな…
 なるほど、魔法が使える貴族がここまで権力を持つのも無理は無い)」
「(そういえばルイズが魔法を使っているのを見た事が無いな…)」
シュヴルーズの講義を聴きながらゼロはルイズの事を思い返していた。
魔法が使えるのが貴族、あのプライドの高い性格からして誇示の為に多少は使ってもよさそうなのだが
彼女は最初の召喚以外魔法を使っていないのだ。
「(…ま、これぐらいなら聞いても怒られないかな)」
ゼロは近くにいたルイズにこっそりと近寄って疑問をぶつけてみる事にした。
「ルイズ」
「何よ授業中に」
「俺を召喚してから魔法を使ってないよな、何か魔法を使わない理由でもあるのか?」
「アンタには関係ないわよ!」
「ミス・ヴァリエール!使い魔との交流は結構ですがそういった事は後でお願いします」
「すっ、すみませんミス・シュヴルーズ!」
ゼロの質問に思わず語気を荒げたルイズにシュヴルーズの注意が入った。

502 :ゼロの魔龍伝・3 4/5:2008/06/19(木) 00:31:03 ID:zyYeLZ9y
「では、次に土系統の基礎的な魔法、“錬金”に話を移しましょう」
授業の内容が“錬金”に移る。石を金属に変えるといった魔法でシュヴルーズが実演として
石を真鍮に変えてみせた。
「では…さっきおしゃべりをしていたミス・ヴァリエール、貴女に実際に錬金をしてもらいます」
その言葉を発した途端、教室の空気が一瞬止まった。
「ミス・シュヴルーズ!ルイズに錬金を行わせるのは止めておいた方が良いかと思われます!」
一番最初に口を開いたのはキュルケだった。いつもの軽口ではない、真剣味を帯びた一言。
「そうですミス・シュヴルーズ!ルイズに魔法を扱わせてはなりません!」
「彼女では荷が重過ぎます!」
「ルイズが錬金だなんて絶対無理ですムリムリムリムリかたつむりです!」
等と、次から次へとルイズの錬金に対する警告が周りの生徒から飛び出す。
「ミス・ヴァリエールは大変努力をなされてると聞きました、誰にだって得手不得手がありますから
多少の不出来など気にしなくて結構です。さぁ、やってごらんなさい」
席を立ったルイズが教壇の前に立ち、目の前に置かれた石ころに対して杖を構える。
ここは見守っておきたいゼロだったがその過程までに全ての生徒が椅子の下に隠れたり
席を立って後ろの方の机に退避している様子がかなり気になっていた。
「(…何でここまで大げさな反応なんだ?)」
先ほどの生徒の反応ぶりから今までの馬鹿にしたそぶりは感じられない、確実に“何か”あると
読んだゼロは教室の一番後ろ、入り口近くまで移動してルイズを見据える。
「(杞憂であれば…)」

「ではミス・ヴァリエール、この石を錬金で金属に変えてごらんなさい」
ルイズが呪文を唱えて構えた杖を振り下ろしたその瞬間、まばゆい閃光と轟音と共に石が爆ぜた。
爆発は教室全体に及び入り口からは黒煙がもうもうと立ち上がっていた。
「敵か!?」
ゼロは咄嗟にその場に屈んだのと、ルイズから離れていたためさほど被害は無かった。
爆発の衝撃で暴れる他の使い魔達をよそに、ゼロが立ち上がりながら背中の剣に手をかける。
が、目の前の光景は爆発によって所々崩れた教室と、隠れてジッと動かない生徒達
そして黒板の前に倒れて伸びているシュヴルーズと
教壇の前で傲岸不遜といった感じで腕を組むルイズの姿だけだけであった。
「ちょ〜っと、失敗したみたいね」
いつもの調子で言い放つルイズ。

「ふざけるな!どこがちょっとだゼロのルイズ!」
「貴女が魔法を使うといつもこうではありませんの!?」
「今まで成功した試しが無いじゃないか確率ゼロのルイズ!」
「俺の使い魔がアッー!」
隠れていた他の生徒達が猛然とルイズに抗議していた。
「(…“ゼロ”、か)」
ゼロはルイズがゼロと呼ばれている理由と、自分をゼロと呼ばない理由をようやっと理解していた。

「…」
「…」
ボロボロになった教室でゼロとルイズが黙々と片づけをしていた。
シュヴルーズが再起不能になったため授業は中止、魔法を使ったルイズがその責を負い
罰として魔法を使わないでゼロと片づけをしていたのである。もっとも、魔法を使えばこうなので
必然的に自力でどうにかするしかないのは自明の理なのだが。
ゼロは破片や使い物にならない椅子や机を外へ運び出しては新品のものと取替え
ルイズは無事だった道具を雑巾で拭いていた。
「主人の問題は使い魔の問題」とゼロも巻き込まれた訳ではあるが
ゼロはあまり抗議する気にはなれなかった。無言ではあるが彼女の顔からは悔しさが見て取れたからである。
「ルイズ、この机は何処に置けば…」
「なんで…」
「え?」
「なんで何も言わないのよ…」
ルイズが机を拭きながら唐突に聞いてきた。今まで無言だっただけに少しドキリとするゼロ。
「その…だな…」
「分かったでしょ?私がゼロって呼ぶのも呼ばれるのも嫌な理由」
ボロボロの衣服も相まってかルイズの放つ言葉が痛々しく聞こえる。

503 :ゼロの魔龍伝・3 5/5:2008/06/19(木) 00:32:11 ID:zyYeLZ9y
「…俺は気にしてはいない、俺をガンダムと呼びたいならそう呼べばいい」
「嘘よ…どうせ心の中では見下してるんでしょ?魔法も使えない、貴族の出来損ないだって」
「ならもっと研鑽を重ねればいい、笑う奴は放っておけ」
「そうやって来たけど…でも…魔法だけは駄目だった…一杯勉強しても、知識を目一杯覚えても…
魔法は応えてくれなかったわ!いつも爆発して、失敗して、ゼロって…」
机を拭く手は止まっておりルイズは体を震わせていた。話している内につい感情的になり
胸の内を、今までの自分を目の前の使い魔に吐露していた。
「ルイズ」
「放っておいてよ!使い魔をやめたいならさっさとここから出てけばいいじゃない!
どうせゼロよ!私には何もないのよ!」
こういった癇癪には慣れておらず、どうにもルイズを扱い損ねているゼロであった。


「俺の剣の流派は雷龍剣(サンダーソード)っていう流派なんだ」
「いきなり何よ」
「雷龍剣ってのは一子相伝、つまり継承する人が一人だけだ。」
「…効率悪いのね」
「まぁ、な。そして継承者には技と共に専用の剣も受け継がれる。
それでその継承者を決める戦いってのがあって俺はもう一人の継承者候補と戦ったんだ。
だが俺はそいつに負けてた。なのに最終的に継承者になったのは負けてた俺だったんだよ」
「何でよ」
「相手が言うには“あの剣がお前を選んだ”からなんだそうな、それで相手が辞退した。」
「剣が人を選ぶって…インテリジェンスソードじゃあるまいし」
「さてね」
「で、今の話が何なのよ」
「えーっとだな、うん、今は魔法が使えないからといって決して劣っている訳じゃあない。
実は凄い力秘めているのかもしれないからな、うん」
「で?」
「でだな…その…剣が人を選ぶように使い魔だって人を選ぶと思うんだ。
別に嫌味じゃない、俺がお前に呼ばれたのも何か因果があっての事だろうと俺は考える。
だからだな…あー…せっかく召喚したんだ、俺を信じろ。話ぐらいなら聞いてやるから…」
「もしかして私の事を…慰めるつもりで?」
「あ、あぁ…」
「…ったく、全然慰めになってないじゃないのよ」
たどたどしく話すゼロの姿を見て完全に飽きれきったルイズ。
その姿を見てゼロはとりあえず一安心していた。
「今のはちょっとからかっただけよ、アンタの姿が馬鹿らしくてもう演技する気にもなれないわ」
「ま、そのくらい元気なら涙ぐらいは拭いておくんだな」
「おっ、女はねぇ!嘘泣きが得意なの!だからこれも嘘泣き!」
そう言ってブラウスの袖で顔をぐしぐしと拭いた後、ルイズはいつもの調子に戻っていた。
「あとはやっておくから、ルイズは部屋に戻って着替えたらどうだ?
流石にその格好は俺の目から見てもよろしくない」
「言われなくても着替えるわよ!もう!」
色んなところがボロボロになった服に気づいたルイズは机を拭いた後さっさと教室を出て行った。

「ただのじゃじゃ馬娘かと思えば……やれやれ、複雑だな」
そう呟きながら一人机を運ぶゼロ。とても似つかないものではあったが
かつて雷龍剣と共にがむしゃらに父の仇を追っていた自分の姿をルイズに重ねていた。

504 :ゼロの魔龍伝:2008/06/19(木) 00:36:17 ID:zyYeLZ9y
投下終了です

補足になりますがゼロの使う流派とその流派専用の剣は
どっちも同じ漢字と読みの「雷龍剣(サンダーソード)」と書きます
以降ちょくちょく文章の中に出てくるのでわかりづらいかなと思ったので一応

あとこの主人公、物語の中で雷龍剣を預けたにも関わらず
次の弾でしれっと新しいのを作って登場します、そこらへんも絡めていこうかなと

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:40:01 ID:l+1/8Gv2
>>504
乙です!!

506 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 00:48:02 ID:iaDcvvsU
どうもです。

2話の投下をさせて頂いてよろしいですかね?

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:53:05 ID:33S4NEtQ
乙したー。ガンバレ、ゼロ。

>>506
ブラボー……おお、ブラボー!

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 00:53:07 ID:gAs9eORC
よろしいですとも!

509 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 01:04:28 ID:iaDcvvsU
「そうね。主人と使い魔は一身同体でないといけないわ。まずはお互いの事を知らないとね」

「ご理解が早くて実に助かります。それでは、ルイズさんこれを頭に付けて・・・」

「ん・・・ありがと。すごい!!本当に飛べたわ!!」
「いやはや。喜んでもらえて幸いですよ。それは差し上げますので」
 ファウストはルイズの頭にロボコプターを装着し、飛ぶのを確認すると、鞄から傘を取り出す。

「あれ?あんたは付けないの?」
「私は自前のがありますので・・・」
 ファウストは傘を広げるとルイズの横に並ぶように浮き上がった。

「それも空を飛ぶマジックアイテムなの?」
「これは気分的に使ってるだけで特に意味はありませんネ」
「って事は何?あんたフライが使えるの!?メイジって事・・・は貴族!?」

「はて・・・?貴族・・・?ここはヨーロッパの辺りになるのですかね?しかし、聖戦が終わって
 からも存続している貴族社会など私の記憶にはないのですが・・・」
 
 ファウストがそう話している間、ルイズは頭がボーっとしてくるのを感じていた。
 ルイズは、この異形だが親しみやすそうな使い魔がまさか貴族とは思っておらず、焦るに焦ってしまう。


510 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 01:05:15 ID:iaDcvvsU
「やややややややってしまったわ!貴族を使い魔にしてしまうなんて・・・こんな事がお母様に
 知れたら・・・」
 震えながらブツブツと呟きだしたルイズを見かね、話しかける。

「ルイズさん、ルイズさん。私は貴族ではありませんよ。そもそもメイジとは何ですか?言葉の
意味から察するに魔法使いって所ですかね?」
「でで、でででも!あんた今空を飛んでるじゃない!?それが魔法以外のなんだって言うのよ!?
魔法を使えるのなら貴族って事じゃない!!」
「これは法力で飛んでいるだけですよ。ルイズさんは何を驚いているのですか?先ほどの学生達も
法力で空を飛んでいたではありませんか」

 そう言いながら既に豆粒程の大きさになっている子供たちを見つめる。
「ここは皆が法力を学ぶ場所なのでしょう?私も世界中を周ってきましたが、こんな場所は初めてですよ」
「は!?あんた何言ってるの?ここはトリステインに名高いトリステイン魔法学院じゃない!!あんたまさか
魔法を使えるのに知らないの?それにさっきからあんたが言ってる法力って何よ?田舎では魔法の事を法力って
いうのかしら?」

 ファウストの顔から一筋の汗が流れる。紙袋に隠されている彼の素顔が見えないルイズは気付かないが。

「・・・・・ルイズさん。ここはヨーロッパではないのですか?」
「質問に質問で答えるんじゃないわよ!!・・・まぁいいわ。答えてあげる。
そ ん な ど田舎の!名前!聞いた事も無いわよ!」
 怒鳴るルイズが落ち着くのを待ちファウストは話を続ける。

511 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 01:09:22 ID:iaDcvvsU
「先ほど、トリステインと仰いましたねルイズさん。私は世界中を周ってきましたがそんな地名聞いた事はありません。
それに魔法とも仰られましたね・・・。魔法なんてお伽の国の話では・・・」

 ファウストの話の途中でまたもやルイズはキレた。この使い魔が訳が分からない話をするからだ。
「現にあんただってその田舎魔法の法力で空を飛んでるじゃないのよぉ!!ゼェ・・・ゼェ・・・ゼェ・・・」
「ルイズさん・・・。少し落ち着いて下さい・・・ま、コレでも飲んで少し気を楽に・・・」

 鞄から取り出した飲み物をルイズに飲ませ、暫く彼女が落ち着くのを待った。






「・・・・なんか初めて飲む味だけど美味しいわね。コレ」
「それはファウスト印の栄養ドリンクですよ。味は企業秘密ですのでナイショですヨ!」
「ふーん。まぁいいわ。で、何の話だったかしら?」

「ルイズさん、少し考えてみたのですが、どうやら今私に起きている事は私の予想の斜め上を行っている様です」
「そうなの?説明してみなさい」

「先ほども言ったように私は魔法使いではありません。”私の世界では”魔法は存在しないのです」
「何を言って・・・」
「ルイズさんは私を召喚したと仰いました。そう。貴女は召喚したのですよ。異世界から・・・私を・・・」

 この一言にはさすがのルイズも面食らった。ルイズは思ったのだ。自分の召喚したモノはイカれてしまっているのかと。


512 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 01:10:25 ID:iaDcvvsU
「貴女がそんな顔するのも無理はありません。私だってこんな事は初めてで戸惑っていますから。ですがこれは事実なのです。
貴女が訳が分からなくともこの事実は変わらない」
「そんな・・・。異世界からだなんて・・・。ありえないわ。そんなこと。そんなに自信満々に
言うのなら何か証拠を見せなさいよ!」
「分かりました。では分かりやすく魔法と法力の違いを検証してみましょう。ルイズさん。魔法に必要なものは?」
「生まれついた素養と、杖ね」
「そこがまず違います。法力は難しいですが学びさえすれば誰でも使えますし、道具もいらない。多少例外もありますが」

 ファウストはそう言いながら傘を鞄にしまうと、ルイズの周りに7色の光球を浮かべた。
「何よこれ・・・。こんなの系統魔法には無いわ・・・。まさか虚無なの・・・?」
「コレは雷の法力の応用です。今、系統魔法とおっしゃいましたがそれは属性の事ですか?」
「ええ・・・。そうよ。「火」「水」「土」「風」・・・そして失われし「虚無」の系統があるわ」
「法力には「火」「雷」「水」「風」「気」の系統があります。ここは多少似ている様ですね」

 ルイズはこの使い魔の言う事を少しずつではあるが本当では無いかと思い始めていた。
 そのルイズの表情に気付いたファウストは奥の手を使う事にした。

「どうやら少しですが信じてくれているようですね。ならば、私もコレを使いましょう・・・」

 ファウストはそういうとルイズの前に手の平を差し出した。
「法力の応用で、かなり高度な技になるのですがね・・・」
 そう言ったファウストの手の平に突如ドーナツが現れる。

「!?ちょっと、今どうやったの!?」
「これは物質転移の術と言いまして、その名の通り好きな所に好きなものを出し入れ出来るナイスな術です。
ちなみに私の十八番なんですよぉ」


513 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 01:10:57 ID:iaDcvvsU
「コレ・・・。食べれるの?」
「ええ。勿論。味の保障付きですよ!」
「ファウスト印ってやつ?こんなの見せられたんじゃ信じるしか無いじゃないの・・・」

 ルイズは心なしか幸せな顔をしながらドーナツを頬張ると、モフモフと租借し呟いた。

「正直、あんたを最初召喚した時は軽く絶望したけど、こんな事出来る使い魔そうは居ないわ。どうやら私は当りを引いた
らしいわね」
「ええ。そりゃぁもう!私が来たからにはいろいろと保障は出来ませんよっ!」
「さりげなく聞き捨てならない事が聞こえたけど・・・まぁいいわ。気にしちゃダメよ。ルイズ」

 ふとルイズが周りの景色を見渡すと、日が沈みかけていた。ファウストとの話に熱中していて気付かなかったが
あれからかなりの時間が経ってしまったようだ。

「暗くなってきたから後の話は私の部屋でしましょう。ファウスト。いい?貴族の女の子の部屋に入れるのなんか奇跡なんだからね?
あんたは私の使い魔になってくれたんだから特別に入れてあげるんだから」
「分かりました。ルイズさん。貴女ほんとにいい人だ。私感激!」


514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:13:01 ID:mAS38qW4
保障できないのかよw支援

515 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 01:13:06 ID:iaDcvvsU
とりあえずここまでです。

これだけ書くのに3時間くらいかかってしまうので・・・・。

次もなるべく早目に投下できるよう頑張ってみます。

応援してくださる方、ありがとうございます。

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:13:45 ID:EzOy9J6w
投下乙!
ファウストさんいい人だ。

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:14:17 ID:vJi8HSgE
保障しろよファウストwwwwww
GJ!

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:14:17 ID:mAS38qW4
あれ、たしかにsageたはずなんだが……スマン

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:14:34 ID:g5DxflND
投下乙次も楽しみにしてます

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:18:38 ID:cPU8hqrZ
ゼロの方もファウスト先生の方も乙でした!

それと、自分は少し前にクイーンズブレイドのアイリを呼ぶ話を書いているといったものなのですが、
ようやく1話が書きあがりましたので、投下よろしいでしょうか?

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:21:55 ID:DjIwQfvj
ごーごー!

522 :サーヴァント・オブ・ゼロ:2008/06/19(木) 01:24:23 ID:cPU8hqrZ
では、投下いたします。至らぬところもあると思いますが、ご容赦願います。


「つまり、この召喚ゲートに入り、召喚者の使用人となって修行して来い……御主人様は、そうおっしゃられたのですわね?」
「そういうこと。あ、戻れなくなる心配は無いから、安心して励んで来いだってさ」
「はあ……アイリの主は御主人様ただ一人なのに……でも、御主人様がそうお命じならばそれも仕方ないですわ……」

4年に一度、大陸の支配者たる女王を決める大闘技大会「クイーンズブレイド」が開催される名も無き大陸。
そしてその大陸の東に位置する、「沼地の魔女」の支配する沼地。
その一角で、光を発する鏡のようなものを前にして二人の少女が話しこんでいる。
一人はモノトーンの使用人衣装を身につけた赤いツインテール、もう一人はピンクの長髪を持ち、全身から粘液を滴らせている。

彼女たちの名はアイリとメローナ、大陸制覇の野望を持つ沼地の魔女の側近である。
女王は手っ取り早く大陸制覇を成すため、精鋭としてアイリを、大会のかく乱のためメローナをクイーンズブレイドに送り込んだ。
メローナの方は生来のいたずら好きな性格が幸いし、妨害工作は上手くいっているらしい。
これでアイリが勝ち進んでくれれば魔女としては万々歳なのだが、現実はそう上手くはいかなかった。
勝てないのである。
決してアイリが弱いわけではない。彼女は沼地の魔女の配下の中では最強クラスだ。
他の参加者とのレベルが違いすぎるわけでもない。それは確かに規格外クラスも何人かいるが、大体は勝てないほどの実力差は無いはずである。
しかし……なぜかアイリは勝てなかった。
何回やっても誰とやっても、絶対に負けてしまう。
そして、負けるときまってアイリは魔女にお仕置きされるのだった。

アイリにとって怖いものはこの世に二つしかない。この世界から消滅してしまうこと、そして御主人様のお仕置き。
そしてまた今日も試合で負けてしまい、魔女のお仕置きを受けるため沼地に帰ってきたところ、
魔女の代理(彼女いわく、御主人様は今手が離せないらしい)で来たというメローナに案内され、この鏡―――これもメローナいわく、一種の召喚ゲートらしい―――の前にやってきた、というわけである。

「その件に関しては了解しましたけど……メローナ」
「ん?何?」
「アイリは……御主人様にとって邪魔になっていないでしょうか?」
「アイリは心配性だなぁ、もしそうだったら、御主人様はとっくにアイリを消してると思うけどな。それに御主人様言ってたよ、『アイリは戦闘面ではまだまだだが、とても優秀なメイドだ』って」

523 :サーヴァント・オブ・ゼロ:2008/06/19(木) 01:26:26 ID:cPU8hqrZ
「……ありがとう、お世辞でも嬉しいですわ」

安堵の顔を浮かべたアイリの背後で、青白い人魂がいくつも浮かぶ。

(そうですぜ、たといどんなに弱かろうと、俺たちの主はアイリ様お一人でさぁ)
(ウチらはそういったところも全て含めて、アイリ様についていくって決めましたからね)
(生アイリ様の生修行を拝見してもよろしいでしょうか?)

「お前たち……ありがとう、えっと……タマ、ミケ、クロ」
(えっ、俺たち猫ですかい?)
(逆に考えるんだ、猫は猫でも宇宙化猫だと)
(いや、その例えはちょっと……)

彼?らはアイリの部下である低級霊たちである。
彼女のために身を粉にして働く傍ら、セクハラ発言をしては叩き落され悦ぶ、彼らの言葉を借りれば「真性のM集団」だ。
ちなみに彼らに特に名前は無い。たまに気まぐれでアイリが名前を付けてくれることがあるが、その名前をアイリがすぐに忘れてしまうため、ほぼ一発ギャグとなっている。

「あ、そうえば御主人様がこれを渡してくれって言ってたのを忘れてたよ。はい、これ」
そういって、メローナはアイリに預かり物を渡す。

「これは……眼鏡?アイリは別に視力は悪くないのですが」
「度は入ってないよ。眼鏡というよりは、むしろ眼鏡の形をしたマジックアイテムと考えるべきかな」
「マジックアイテムですか……それで、これをかけるとどうなるんですの?」
「ああ、それもちゃんと御主人様から聞いてるよ。えっと……あれ?……あはは、ごめん、忘れちゃった」
「……ええ、メローナに聞いたアイリが間違っていましたわ」
「あ、そういえば、精気がどうとか、固定化がどうとか言ってたような……」
「???さっぱり意味が分かりませんわ……まあ、後で使って確かめてみます。他に、御主人様から伝言は?」
「後は……うん、特に無かったよ。……あ、待って、もう一つ忘れてた!『勇気と、幸運を!』だってさ」
「……ありがとうございます、御主人様。このアイリ、必ずや強くなってまいります!…それではメローナ、留守の間を頼みますわ」
「まっかしといて!」

「お前たち、しっかりついてきなさい。途中ではぐれても、責任は負いませんわよ」
(がってん!俺たちゃアイリ様のためなら)
(例え火の中水の中草の中、森の中)
(土の中雲の中アイリ様のスカートのなkべぶらっ!)
さりげなくセクハラ発言をした人魂を叩き落すと、アイリは鏡の中へ飛び込んでいった―――



サーヴァント・オブ・ゼロ 第1話「冥土のメイド、召喚さる」





524 :サーヴァント・オブ・ゼロ:2008/06/19(木) 01:28:40 ID:cPU8hqrZ
BOOOOOOOOOOOMB!!!

ハルケギニア大陸の一国トリステインに名だたる名門ヴァリエール家の三女ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは驚愕した。
サモン・サーヴァントの魔法により何故か発生した爆発の中から、一人のメイドが姿を現したからだ。
しかも何故か、力尽きて獣人にキャンプに運ばれる狩人の様に、尻を突き出した体勢でうつぶせに倒れている。
しかも、スカートの中身―――繊細なフリルで飾られた下着、とても平民に手の届きそうな代物ではない。おそらくは位の高い貴族に使えるメイドだろう―――まで覗かせて。

「ゼロのルイズが犯罪に走りやがった……!」
「いくら成功しないからって、メイドを誘拐してくるなんて……」
「おまけにかなり身分の高そうな服装だぞ……このままでは俺たちもやばくねーか?」
「おお……おお!なんという麗しい姿!誰かのメイドでさえなければ、ぜひとも僕の傍仕えに欲しい「この浮気者――――ッ!!」いってれぼァッ!」

まあバカップルは置いといて、場内は騒然となる。当のルイズ本人も、訳がわからず呆然としたまま動けない。
と、生徒の一人が、メイドの周りに何かが浮いているのに気付く。
丸くて、青くて、燃えていて……それはまさに、「人魂」であった。
そういえば、このメイドもなんだか地面から浮いているような……

(ああっアイリ様、大丈夫ですか!?)
(ダメだ、気を失っている……)
(それよります、この状況を何とかしねーと!)

「幽霊だッ!ゼロのルイズが幽霊を召喚したぞーっ!しかも人魂がしゃべった!」
「ま……まさか、ルイズの奴、ネクロマンサーだったのか……」
「こ……この氷室キヌ!リオン!アヌビステップ・ネクロマンセス三世!」
「気持ち悪いアル、しばらく私に話しかけないで」
「そ、そんな……私、ネクロマンサーじゃ……」

皆の猜疑の視線が一身に集まる。ルイズはどうすることも出来ず、涙目になることしか出来なかっ―――


525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:29:26 ID:6B+0Dj48
久しぶりの投下ラッシュだ! 俺も早く書き上げないと 支援

526 :サーヴァント・オブ・ゼロ:2008/06/19(木) 01:30:34 ID:cPU8hqrZ
「コルベール・フラーッシュ!」
「「「ぎゃぁぁぁ!目に悪い!」」」

突如として強烈な閃光を発し場を沈めたのは、授業を担当していた教師のコルベールだった。
ちなみに閃光がどこから発せられたのかは、もはや言うまでもないだろう。

「皆さん、落ち着いて。確かにサモン・サーヴァントで人の形をしたものを召喚するのは今まで例がない。確かに人魂らしきものが浮いているし、幽霊と疑っても仕方ないかもしれない。
しかし、彼女―――本人に聞いてみないことには性別は分からないが、とりあえず外見から女性であると私は判断しました―――は、どうみても実体を持って存在している。
これはあくまで私の推測だが……ミス・ヴァリエールは、もしかしたら精霊を召喚したのかもしれません」

「精霊」「精霊」

生徒たちの間に、先ほどとは違う方向の動揺が走る。
精霊と契約したメイジなど、聞いたことがない。
しかもそれをあの「ゼロ」が成し遂げてしまうかもしれないのだ―――

「さて、ミス・ヴァリエール。召喚成功おめでとうございます。念のため、先ほどの騒動の間に彼女にディテクトマジックをかけてみましたが、彼女は誰の使い魔でも無いようです。それでは、契約を」
「私が……精霊使い……?」

ルイズは訳がわからなかった。
一体今の状況は何なのか。今まで散々「ゼロ」と呼ばれ続け、先ほどネクロマンサー扱いを受けたかと思えば、今度は精霊使いである。

しかし―――今度は、心の底から喜びが湧き上がってきた。
精霊使い!なんと魅力的な言葉なんだろう。
もしその力を借りることが出来るならば、皆をギャフンと言わせられる。
そして何よりも、お父様やちいねえさまを喜ばせられる。
ああ、始祖ブリミルよ!このような素晴らしい機会を与えてくださったことを感謝します!
とりあえず落ち着け自分。小便は済ませた?始祖にお祈り……はもうした、部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする準備は……ちょっと待て、どんなシチュよそれは。
ますます慌ててどうするのよ、深呼吸深呼吸。すーはー、すーはー……
よし、心の準備は整った。3、2、1……

(あーっ!てめぇ、アイリ様に何をしようってんだ!)
(ざんねんだが じったいをもたない おじさんたちには なにもしてあげられない。くじけるんじゃないぞ)
(こんな大変なときにふざけるんじゃねー!)


527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:32:09 ID:gAs9eORC
支援してもいっすか?

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:32:23 ID:EzOy9J6w
ちょ、コルベール・フラーッシュw
武器にする先生始めてみたw

529 :サーヴァント・オブ・ゼロ:2008/06/19(木) 01:32:27 ID:cPU8hqrZ
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

言葉とともに杖を振り、契約のため倒れているアイリの顔を寄せ……ようと触れたとたん、それは起こった。

「ひうっ!」

まるで生命力を吸い取られるかのような―――事実そうなのだが―――感触とともに、指の力が抜けていった。

「あ・・あ・・?」

ルイズとは対照的に、アイリの頬には赤みが差していく。

「だ……だめっ!」

やっとの思いでアイリから手を離すと、ルイズはがっくりとその場に倒れ伏し―――

「ミス・ヴァリエール!」

そうになったところを、ルイズの異変に気がついたコルベールが慌てて走りよって体を支えた。

「どうしたのです?急に力が抜けたようだったが……」
「せ、先生……私があれに触れたとたん、全身から力が抜けていったんです。まるで、あれに吸い取られたみたいに……」
「生命吸収(ドレインライフ)」

ふいに生徒たちの中から声があがる。発言主は本を手に持った青髪の少女だった。

「何、知っているのですか、ミス・タバサ?」
「そういう魔法があると聞いたことがあるだけ。詳しくは知らない」

それだけいうと、タバサと呼ばれた少女は再び本を読み始めた。

「つまり、彼女が無意識にその、生命吸収?その魔法を使ったか、誰かが彼女にその魔法をかけたかのどちらかなのだろう」

ルイズは愕然とした。つまり、あれに触れば生命力を奪われてしまうのだ。
無理やりにでも済ませればいいのだろうが、力が抜けてどうしてもキスまで持ち込めない。

「ミスタ・コルベール、どうかもう1度私に召喚のチャンスをください。これでは契約できません」
「すまないが、一度呼び出した使い魔は変更できない。それがこの儀式のルールなんだ」
「う、うう……」
「さあ、契約を。もうみんなはとっくに契約を済ませているぞ」
「あーもう!わかったわよ、やればいいんでしょ、やれば!」

ひとしきり叫ぶと、ルイズは決死の覚悟でアイリへと向かっていった……



果たしてルイズは、アイリと契約を交わすことが出来るのだろうか?
それは、やってみなければわからない。

to be continued……

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:35:40 ID:mAS38qW4
GJ
元ネタは知らないけど、アンタッチャブルな使い魔を喚んだもんだなぁ
しかし……『コルベール・フラッシュ』……きっとメンヌヴィルの目を焼いたのもこの技だなw

531 :サーヴァント・オブ・ゼロ ◆f0ncrej9Os :2008/06/19(木) 01:35:41 ID:cPU8hqrZ
今回はここまでです。

ゼロの使い魔に興味を持ち、なおかつSSを書いてみようと自分に思わせたのが姉妹スレの某変態氏なので、多分カオス方向に進んでいくと思われます。
しかし、なんとか完結させるため頑張っていくので、どうか生暖かい目で見守ってやってください。

では、今回はこれで。

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:38:15 ID:DjIwQfvj
おつ。
なんとも珍しい導入で。
自分から転移の門に入ったヤツも珍しいが、契約のキスができないのも珍しい。
カオスなお話大好きなんで今後に期待。
しかしクロちゃんはクリムゾン自重しる。

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:41:28 ID:UA9GPV5n
G3‐XかG4呼ぼうぜ

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:52:05 ID:mAS38qW4
>>533
他のライダーと違って整備や弾薬の問題があるからなぁ、G3系は。
契約のもたらした不思議パワーで解決って手もあるが。

ワルド「お前はいったい何者なんだ、ガンダールヴ!」
氷川「俺は――ただの人間だ!」

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:52:08 ID:SVOlsuFn
乙。
ドレイン系常時展開してるようなのが呼ばれたのはひょっとして初めて?
>>533
G3-Xが召喚されてコルベールに過労死してもらってエネルギーとか色々解決。
そしてオスマンの恩人はG4でユニットが死人の鎧として保管されてるんですねわかります

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:52:09 ID:9KErj4gr
ギーシュとの決闘で序盤にボコられるのは絶対?
明らかな格上キャラがギーシュのワルキューレにボコられるのはどうかと思うし

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:52:32 ID:6zQvsQsz
コッパゲ太陽拳自重しるwwwwwww

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:56:42 ID:zyYeLZ9y
ニニンがシノブ伝から音速丸召喚、いやいっそクラス全員+楓でもいいな
おねーちゃん大好きでツンデレでCV釘宮というあたりが雅と共通してるし上手くやれそうだ

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:57:27 ID:mAS38qW4
>>536
ボコるのもいればボコられるのもいる。
決闘イベント自体がないのもいれば、うまく回避しているものもいる。
ようは物語上、自然な流れであることが大事だと思うぞい。
もしカトレアが召喚されたとしても、(おそらく)決闘はしないだろう?
そういうことさね。

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:57:28 ID:89BTu8SJ
>>536
そんなの絶対でも何も無いというか
ボコられてない作品幾らでもあるだろう

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:59:25 ID:/4eyQ+Nt
むしろギーシュが最初から手も足も出ずにボコられてる作品のほうが多いような

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 01:59:37 ID:9KErj4gr
要するに流れに不自然じゃなければいいわけね

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:03:22 ID:cPU8hqrZ
例えば、「相手の動きを探るため」だとか「準備運動」だとかでわざとギリギリで避けてて、
それははたから見れば「よけるのに精一杯」のように見えるとか。
で、キュルケとかタバサがそれを見抜く、と。
・・・うん、自分のSSで使おうw

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:05:29 ID:EzOy9J6w
>>542
そうそう。

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:09:55 ID:doA2qFkW
流れによってはギーシュが八つ当たりだったすまないと謝って
決闘自体なかったことにしたっていいんだし。

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:10:34 ID:mAS38qW4
>>543
他にも、ボコボコにされてるように見えて実は無傷でした、とか。
んでギーシュのほうが根負けしちゃう。

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:10:38 ID:plRUzK+M
>>543
貴様、さては「ゼロの大冒険」を読んでいるな!?

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:10:41 ID:89BTu8SJ
>>543
それ駄目テンプレみたいにも言われるけど少年漫画の典型的な王道パターンだからありふれてるぞ

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:16:58 ID:SVOlsuFn
>>545
そもそも香水を落とさないって選択肢もあるんだよな
もう少しさかのぼってというかキャラ改変してギーシュがモンモン一筋ってのもアリか?

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:17:36 ID:mAS38qW4
そうだ
ヤメタランスかモエタランガか宇宙化猫を召喚しよう

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:19:00 ID:EzOy9J6w
>ギーシュがモンモン一筋
まて、それはある意味原作に忠実だ

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:20:54 ID:cPU8hqrZ
>>550
もしヤメタランスなんて呼んじゃったら姫が面倒くさくてルイズに頼みに行かない、ワルドも面倒くさくて裏切らない、
ジョゼフ王も面倒くさくて遊ばない・・・いろんな意味で平和な世の中にw

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:29:37 ID:DjIwQfvj
香水拾ったら色々あって、なぜかケティと決闘するハメになる使い魔とか。
「私の名は「熾火の」ケティ。敵を燃やしつくすまで永遠に燃え続ける炎を味わいなさい!!」

ケティ可愛いしただのミーハーだけど、「熾火」ってなんか地雷女っぽい二つ名だよね。
いつまでも燃え燻ぶってそうな感じの。

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:31:50 ID:EzOy9J6w
暗いところでじっとりと目を光らせるかのような。

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:33:41 ID:dSOWk91w
キュルケとの決闘なら考えたことある。

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 02:44:49 ID:mAS38qW4
ブリミルの使い魔が四体だったのは、実は平行世界の自分を殺してその使い魔を奪ったから
なんて妄想が脳裏をよぎった。

うん
素直に『ザ・ワン』からゲイブでも喚ぼう。

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 03:33:41 ID:KDg4WT5D
>>543
ガンダ補正発動のせいで、そのまま戦うとギーシュを殺してまうから、
戦いにくくなるってのもあったな。

んでタバサに『なんだ。殺したくないだけか』って見抜かれてる。

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 04:41:57 ID:PVPf5Rj2
第二次大戦中の英雄オットー・スコルツェニイを召喚
学院では決闘を趣味とし、タバサによって顔に傷をつけられたりするが
アルビオン編ではレコンキスタの精鋭に包囲されたニューカッスルに
グライダーで降下し、アルビオン王族を見事に救出
同様の作戦を多数成功させ、戦犯として追求された時は法廷でも最強っぷりを発揮

最後はガリア南部で旧トリステイン第三帝国のルイズ達を支援しながら、事業家としての余生を過ごす

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 04:53:59 ID:qR7yF0Al
地雷女としては既にアンアンという大物がおられますので・・・

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 05:22:47 ID:AaHpRfl/
地雷は地雷でも
アンアンは核地雷だな

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:37:06 ID:3Pj2r7kK
アンアンは可愛い地雷

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:38:37 ID:9KErj4gr
ルイズも地雷女なんじゃあないかな

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:44:10 ID:oVjrCget
>>533
G4はG4でもPower Mac G4とかGulfstream G4をだな(ry

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:45:12 ID:ciBUvNwQ
>>561
お前が本当にアンアンが好きなのは良く分かったw

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:46:45 ID:BgS042xh
地雷女……うん、ギャルズーアイランドから「アレ」を呼ぼう。

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:52:25 ID:9KErj4gr
ライダー喚ぶならてつをを喚ぼうぜ
クライシス皇帝を怪魔界50億の民もろとも葬ったてつをなら7万の大軍を相手に一人でも足止めできるさ

567 :鋼の使い魔(前書き?) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 06:58:11 ID:V8HeiKZl
とりあえず3話目書き上がったけど、どうしようかな

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:59:56 ID:6zQvsQsz
もんだぁいないさぁ〜。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 06:59:58 ID:9KErj4gr
>>567
どうぞどうぞ

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 07:09:13 ID:APFvdUE8
支援開始

571 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 07:11:37 ID:V8HeiKZl
それじゃ投下します。
----------
 『錬金』の失敗とシュヴルーズ先生が負傷した事から、ルイズは教室の掃除を一人でやること、という罰を受けることとなった。
ただし魔法を使わず。
もっとも、魔法がろくに使えないルイズにとっては余り意味の無いことだった。
が、それが反って『魔法が使えないルイズ』を強調しているような気がして、ルイズ自身の心を抉り、捨て鉢な気分を与えていた。
ルイズとギュスターヴ以外誰もいない教室。ルイズは箒で床を払い、絞った雑巾を素手で持ち机や椅子を拭く。
ギュスターヴは、壊れた教壇や椅子を運び出し、新しいものをいれたり、ヒビの入った壁や床にセメントを塗りこんでいた。
 開け放たれた窓から暮れ始めた陽が射し始める。力無く箒を握って立つルイズの脇でギュスターヴは、何も言わずに黙々と掃除をしている。
「幻滅したでしょ?」
 ルイズは振り返らない。顔を背けたまま一言、二言と言葉を漏らす。
 ギュスターヴもまた、それに何かを答えるような事はせず、手を動かしながら聞いていた。
「私はね。魔法が成功した事が無いの。シュヴルーズ先生が仰っていた四大属性のどれを唱えても、コモンマジックすらまともに使えない。
何を使っても失敗。爆発しか起こらない。成功率ゼロ。だからゼロのルイズ」
 何もいわずに只、ギュスターヴは聞いた。聞きながら、己を顧みるのだった。


『なんということだ!』
『あれは私の息子ではない。お前もあれの事は忘れろ』
『そこらの木石にすらアニマが宿っている。あれは石ころ以下だ』




572 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 07:13:37 ID:V8HeiKZl
「領地のお父様やお母様、領地で家庭教師をしてくれた先生にも言われたわ。自分の属性を見つける時、
体中に流れのようなものを感じることができるって。……でも、そんなものは今まで一度も無かったわ。さっきもそう。
詠唱を正確に答えようと駄目……生まれて一度も満足に魔法が成功したことなんて無かったわ!」
 ルイズの肩は震えていた。使い魔をどうにか召喚できた。ならば他の魔法だってきっとできるはずだ。そう信じていた。シュヴルーズ先生も
そう考えていたからこそ、今回の実演に声を掛けてくれた事を、ルイズは言葉の内に悟っていた。
誇らしくも思った。使い魔は少し普通とは違うけれど、これで私は貴族として恥ずかしくない、一人前のメイジとして立てると、そう信じていた。
だからこそ、今回の失敗はルイズの心をひどく裏切った。他の生徒たちに向けた虚勢が精一杯だった。
ルイズは今、自分が自分を裏切った事に打ちのめされていた。
「なぁ、ルイズ」
 黙って聞いていたはずのギュスターヴは、このとき始めて、ルイズを見た。
「……何?」
(ああ……これは……)
 ルイズの瞳は潤んでいた。しかしそれ以上に、疲れて見えた。公爵の娘、貴族の模範であろうとするのに、その証明であるはずの
魔法がつかえない。孤立を深めて憔悴し、しかしそこから抜け出す手段がわからない。そんな顔をしていた。
(子供の頃の俺がいる……)
「……ルイズ。草木が花を咲かせるのは、どうしてだと思う?」
「え?」
 ルイズは唐突に出された話題に対応できなかった。ぐしゃぐしゃとした気分がそうさせてくれない。大してギュスターヴの声は、妙にはっきりと
聞こえてくる。
「……魔法が使えるからか?」
「……」
 ルイズが答えないまま、ギュスターヴは話す。ギュスターヴは掃除を続ける手を止めて、真新しくなった教壇にむかって歩く。
「蝶や鳥が空を飛べるのは、魔法が使えるからか?……そうじゃないだろう」
「だから何よ」
「魔法が使えなかろうと、ルイズ。お前はそこに生きている。生きているものを否定するものは誰にも許されないことだ」
 だから、と。ギュスターヴはルイズに正対した。
「自分で自分を見下げるな。周りに何を言われようと気にしなくてもいいじゃないか。……それに、たとえ魔法が使えないと言われても、俺は
お前に呼び出されて使い魔になったんだ。それは変わらない。主人がそんなんじゃ、使い魔の俺は困ってしまうな」
 少しおどけるような、でも優しい声が、乾くルイズの心に沁みる。
ルイズはギュスターヴが自分を励ましてくれている事が嬉しかった。しかし、貴族たらん、メイジたらんとしばりつけ続けていたルイズの一方は、ルイズ自身に向けて蔑むのだ。『おまえは使い魔にすら慰められている』と。
「何よ……使い魔のくせに……何も、何も使い魔らしいこと出来ないくせに……」
 握っていた箒を投げ捨て、ルイズはゆらゆらとした足取りで教室を出て行く。ギュスターヴの優しさが痛い。心が裂けるように痛いのだ。
「分かった風な口を聞かないでよ!」
 血が流れる。体ではなく、心の奥底に。吐き出すように叫ぶと、ルイズは走ってどこかに言ってしまった。
「……」
 ギュスターヴは追いかけず、そのまま残された教室の始末を続ける。教室の体裁が整うと、今度は一路、地下の厨房へ足を運んだ。

573 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 07:15:11 ID:V8HeiKZl
トリステイン魔法学院、学院長執務室。
そこはトリステインの公機関の一つである魔法学院の最高責任者の席であり、学院発足以来、只一人の者が占有している席でもあった。
齢300とも噂される大メイジ。政治の世界から身を引いて尚、メイジとしての権能が響き渡るオスマン只一人が、今は執務室に座り、
秘書から受け取っていた書類の決裁をしていた。
 秘書のミス・ロングヒルは午後の業務を辞退し、私用で出払っている。そんな中、執務室のドアをノックする者がいた。
「入りなさい」
オスマンの声の後、静かに開かれるドアの先には、壮年に入る男性が立っている。年嵩に似合わず、その頭部は毛髪が枯れ、
顔にも窺いきれない人生の明影が染み込んでいる。
 彼は学院に勤める教師の一人、『炎蛇』のコルベール。今年の使い魔召喚の際に引率を務め、ギュスターヴがハルケギニアで
最初に目にした男である。
「御呼びと聞きまして参上しました」
「うむ」
 書類に走らせていたペンを止め、パイプを咥え直すオスマン。
「呼び立てしたのは他でもない。ミス・ヴァリエールの使い魔の件についてじゃ」
 勿論、今年度生徒たちが召喚した使い魔についての報告書はオスマンの下に届けられている。しかしルイズが召喚したのは人間である。
他とは一種違う扱いをせねばなるまいと、オスマンは引率を担当したコルベールを呼び、詳細な情報を集めようとした。
「このトリステイン魔法学院の過去いかなる時にあっても、使い魔に人間が召喚されたことはない。例え成績で劣る者であっても、
並の動物が使い魔として召喚された。ミス・ヴァリエールは実技において優秀どころか一度の成功もないのじゃ。これらの事態に関して、
コルベール君。君の意見が聞きたいのぅ」
 あくまでオスマンはこの件に関して慎重だった。公爵の娘、それでいて魔法が使えないルイズに関しては、前々から教師達から
さまざまな意見が上がってきていたからであり、親元のヴァリエール公もそれを知っているからである。ギュスターヴが
いかなる位置づけに置かれるかによっては、これは高度な政治問題になる可能性すら秘めていた。
「彼は召喚直後、全身と体内に火傷を負っていました。さらに獣のものと思われる噛み傷のようなものも。身に着けていたものも
改めてみましたが、いずれの国ともしれない紋章があり、つけていた鎧も特殊なものでした」
「特殊、とは?」
「一般に衛兵なり傭兵なりが身につけるものではありません。例えて言うなら、王族がつかうような設えになっていました」
「王族じゃと?馬鹿馬鹿しい。どこに重厚な鎧をつけて戦場に出る王族がおる」
 ハルケギニアの戦場では魔法と弓矢が飛び交う。近年発生した銃を含めても、身に着けて防御する鎧というのは
需要が偏り、メイジ等身分の高い人間は身に着けたがらない。身に着けたとしても、銀や白金などを用いた薄くて見栄えを優先したものであり、
実用の装いではない。無論、
板金を重ねた鎧もあるが、これらは専ら魔法の使えない傭兵や、空中機動戦を行う竜騎兵が使うものである。
「あと、傷の治療の際にも『ディテクトマジック』を掛けてみましたが、彼の体から魔法に反応するものはありませんでした」
 ふむ、とパイプを離し、オスマンは煙を吐く。
「しかし、彼に刻まれた使い魔のルーンを調べてみましたところ、伝承にまったく同じルーンが記されておりました」
「ほぅ。して、それはなんじゃ?」
「ガンダールヴ。始祖ブリミルの三つの使い魔の一つ。あらゆる武器を使い、始祖を守ったという」
「ガンダールヴ、のぅ」
 わずかに開かれたドアの隙間から白い影が入り込み、それはオスマンの肩に止まった。オスマンの長年の友、使い魔のモートソグニル。
「さて。ミス・ヴァリエールの使い魔になぜガンダールヴのルーンが刻まれたか、それを考えねばならんの」
「ガンダールヴなら武器を使わせれば何か反応があるかと思われますが」
 オスマンはデスクの引き出しからナッツを取り出し、モートソグニルの口元に寄せた。
「そうかそうか。ご苦労、友よ」
 ナッツを受け取ったモートソグニルは、そのままオスマンの肩から降り、またいずこかへと消えた。
「彼の荷物には短剣が混じっておったようじゃの」
「はい。……使わせますか」
 ほっほっほ。好々爺を装うオスマンであるが、その目は深い光をたたえてコルベールを視る。
「事を荒立ててはいかんぞコルベール君。ひとまず『鏡』にて観察を続ける。煩い教師達にはそう言っておくように。
ガンダールヴであるかそうでないかについても、今のところはわからん。いずれにしても現状のままじゃな」

574 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 07:16:40 ID:V8HeiKZl

 陽はやがて落ち、夕日の赤と夜の青が混じり始めている。
 ルイズは夕食にも出ず、部屋に篭りきっていた。窓にカーテンも掛けず、ベッドの上で毛布をかぶって、只じっと外を見ていた。
 貴族ではない自分など考えられなかった。しかし自分は貴族の基礎たる魔法が無い。それは始めから
貴族などではなかったという事ではないのか。
そんな考えが脳裏をよぎる。それはひどく恐ろしい。メイジではない只のルイズは、乗馬が得意な16歳の少女に過ぎない。
社会は彼女に酷だろう。
 懊悩に身をよじり、途方に暮れ、絶望できずに涙する。波があったが、彼女の今までの人生はすべてそこに集約されるようだった。
同時に今、使い魔として召喚したギュスターヴに、己のような者が召喚してしまったことへの侘びや、優しさを示してくれた事への感謝が、
貴族としてのルイズが持つ矜持に触れて、一層に涙が搾り取られていく。
(もう、どうしていいかわからなくなっちゃった……)
 ドアがノックされて、静かに開いた。
ギュスターヴはメイド達からルイズの衣服を受け取り、また何かの入った布包みを持っていた。洗濯された衣服を置き、荷物の置かれた
自分のスペースに座った。
「……」
 沈黙が部屋を覆う。教室を飛び出してしまったルイズは、さっきはごめんなさい、と言いたい。
一方で貴族のルイズは『使い魔が主人の尻拭いくらいして当たり前よ』と澄ましている。普段は自覚しない二つの考え方が、
今は自覚されてしまって辛い。
「ルイズ」
「……何よ」
 喉が枯れてがらがらと答えるルイズ。
「夕食、食べてないだろ?厨房であけびを貰ってきたんだが、食べないか?」
 言うとギュスターヴは布包みを広げた。熟してころころとしたあけびが入っていた。
 その一つを取り、ギュスターヴはルイズに差し出す。ルイズは黙って手を伸ばし、それを受け取るのだが、ベッドの上で
自分の目の前に置いたまま、手を伸ばさない。
「……どうして」
「ん?」
「どうして、こういうこと、するの?わたし、なにもできないのに。メイジとしても、主人としても、なにもできないのに」
「そう言われてもな……」
 ぽりぽりと頭を掻くギュスターヴ。
「使い魔と主人なら、主人が辛い時に助けるのが、使い魔ってやつなんじゃないかな?よく分からないけど」
「……」
 ルイズは暗くなってきた部屋で、涙で腫れた目をギュスに向ける。
 少しだけ。笑った。
「……泣けるっていうのはいいものだ。泣ける時は泣いてもいい」
「誰かがいたんじゃ、泣けないわ」
「俺は使い魔なんだろう?」
 笑いかけるギュスターヴ。詭弁だ。二人とも分かっている。それでも、今はありがたく受け取っておこう、ルイズはそう思えてきて
あけびを手に取り齧った。
 血と涙の味がした。

575 :鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 07:18:39 ID:V8HeiKZl
投下終わり。
今回はちょっと短めになってしまいました。
あー、それにしてもルイズがあんまりツンデレしてない;;
これはギュスターヴが親子ほど年が離れているから、ということで勘弁してください。
あと鎧に関する云々は考察半分設定半分くらいですね。
次回からギーシュ決闘フラグに入っていきます。

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 07:18:42 ID:APFvdUE8
支援

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 07:23:17 ID:APFvdUE8
朝っぱらから乙

フリンを思い出すなぁ

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 07:55:41 ID:RMvXduqG
この時のギュスって幾つだっけ?
オヤジに見えるんだよね あのグラ

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 08:20:05 ID:3cmiosTu
ギュスさん乙ー。
母さんの話か……としんみり。

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 08:51:25 ID:Ym8COHRc
たしか43だったような>ギュス
それはそうと乙です

581 : ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 09:11:00 ID:V8HeiKZl
追伸
「南の砦で」の時点でギュスターヴは49歳です(アルティマニア27P参照)

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 09:32:23 ID:Ym8COHRc
おう、おもいっきり間違えてるし
次でガンダルーンの扱いが決まるな

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 09:51:14 ID:DJN8OaBR
こういう関係もいいと思います。
原作は知りませんがギュスターブさんは大人ですなあ。

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 09:57:21 ID:RMvXduqG
ギュスってもうそんな年だったのか…
もう一回やり直そうかな

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 10:17:33 ID:g7QXPsBb
乙したー。
ギュスさんいいなぁ。

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 10:29:20 ID:3cmiosTu
そういやファウストやギュスさんとか、おっさん使い魔増えてきたな。
……年齢層的にここに来る様な人間が書くとボーイミーツガールならぬゲフンゲフン
ああそういえば自分も大学生のお姉さんキャラ大好きな30男だった……
「仕切るの春日部さん」の校長の苦悩がよくわかるorz

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 10:39:10 ID:j04D+ddm
しかし、ギュスさまは下手な魔法よりも強力な技持ってるんじゃないのか?

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 10:52:45 ID:y/DTp4bx
強いけど物語的には強くないのかな?ギュスは

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 10:57:06 ID:F2w5nUf3
ゲームのステータス的強さと設定的強さは別物だろ。そりゃあ並の剣士よりはよっぽど強いんだろうが。

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 11:04:49 ID:Ym8COHRc
技自体は無拍子と残像剣があれば十分だと思うな
あとは魔術耐性をどうするのかが楽しみだ

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 11:21:56 ID:3cmiosTu
そういや怪我の治療に水魔法が使われたよな。アニマ以外は素通りかな。
……ハルケ魔法が普通に効くならワルドあたりは厳しいかも。
エルフの先住は無効化できそうだけど。

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 11:23:10 ID:jznL+p5B
デルが対魔法防御

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 11:23:18 ID:y/DTp4bx
ていうかあの世界に鋼ってあるのかな・・・

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 11:27:36 ID:Ym8COHRc
医務室に運んだとは書いてあるけど
治療魔法のことは言及なしだな
あとはディテクトマジックは反応なし

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 11:52:53 ID:X68P1/HE
>>593
武具としての剣が存在する以上鋼は間違い無く有るでしょう
鉄の剣なんて柔らかいものぶっちゃけ役に立ちませんしね


596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:01:15 ID:oYHXoaJB
>>鉄の剣なんて柔らかいものぶっちゃけ役に立ちませんしね
はあ?

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:04:18 ID:X68P1/HE
>>596
属の中では加工はしやすく、かなり柔らかい方になりますよ
あくまで金属の中では、の話ですがね

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:05:13 ID:X68P1/HE
>>567
失礼
鉄は金属の中では加工しやすく、かなり柔らかいものに分類されますよ
あくまで「金属の中では」ですがね

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:11:08 ID:DIXa6/HK
---金属論争終了---

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:29:34 ID:E1rCmcSp
>>586
ルイズやタバサみたいな外見ロリっこと
渋いおっさんの組み合わせは大好きだ
色々と期待できるし


あと見た目が可愛らしいおねーちゃんやおじょーちゃんは
何人喚んでも困らないってじっちゃがゆってた

601 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 12:39:24 ID:iaDcvvsU
第三話の投下をしてもいいでしょうか?



602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:40:50 ID:EzOy9J6w
素晴らしいスピードだ

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:41:50 ID:QA6MOEzy
Come on! 支援するぜ

604 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 12:45:01 ID:iaDcvvsU
「それじゃ、ファウスト。さっきの話の続きをしましょうか」
 部屋に着いたルイズの第一声がそれであった。
 あれから、ものの数分で部屋についてしまったのだから、あのロボコプターというものの凄さが分かる。
 自力で飛んだ訳ではないのが少し寂しいが、とりあえずは今ある喜びで満足しよう。

「そうですねぇ。何から話をしましょうか?」
「うーん・・・。そうだ。元の世界に居たころは何をしていたの?」
「流れの医者をしておりました」
「え、あんたお医者様だったの!?」
「はいぃ。よく疑われますけどネ」

 話をすればするほど驚かされてばかりだ。まさか、この男。この風貌で医者らしい。
 異世界の医者はみんなこいつみたいなのだろうか?
 だが、異世界とはいえ医者は医者だ。ひょっとしたらこの世界より技術が発達しているかも知れない。
 まだ医者としての実力を見ていないが、近いうちに自らの姉。最愛のちい姉さまの病気について見てもらいたい
 と思った。

「そう・・・。ところでその紙袋は何とかならないのかしら?契約を結んだ主にさえ見せられないの?」
「申し訳ありません。ルイズさん。コレばかりはご容赦ください。これは私への戒めなのです。私は・・
私は以前・・・罪を犯しました。その罪を償うその日まで私はこの顔をさらす事はしないと誓ったのです。
それにこの紙袋をとっても私の顔フラッシュで私の素顔を見ることは出来ないでしょう」

「罪・・ね・・。いいわ。その件については譲歩してあげる。でも、いつか話を出来る日が来たら教えて頂戴。
あんたの中で踏ん切りが付き、私を真の主と認めた日に。ね。

「ハイ・・・」

「少し辛気臭くなっちゃったわね。あんたから私へ聞きたい事はあるかしら?」

 ファウストは光が弱くなった目を元のように発光させ、何かを思い出すように考えこんだ。


605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:45:02 ID:X68P1/HE
いったい何所をどう探せば「してはいけない理由」とやらがみつかるんだ?
支援させてもらおう

606 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 12:45:57 ID:iaDcvvsU
「私は使い魔として貴女に召喚され、そして契約を結んだ。これはどういった意味を指すんでしょうか?」
「使い魔は主人の目や耳となることができる・・・筈なんだけど私にはあんたの見えるものは見えないわ」

 ファウストの顔を見つめながらそう呟く。もし、彼の視線で物事が見えたらどんな風景なのだろうか?
 なにせ、見上げる程の巨躯だ。今まで自分をバカにした連中を遥か高さから見下してやれたらと思うと
 少しルイズは楽しくなった。

「でも見れないんじゃあねぇ。まぁいいわ。他には魔法で使う秘薬なんかを見つけてきたり・・・」
「秘薬ですか・・・。こちらの世界ではどんな物が秘薬になるのですか?」
「例えば、火の秘薬だと、硫黄。水の秘薬だと・・・確か・・何かの精霊の一部だった筈だわ」
「その精霊の一部はよく分かりませんが、硫黄くらいなら精製できますよ。」
 
 そのファウストの何気ない一言は、この世界の住人からすればとんでも発言以外のなんでもない。
 手に入りにくく貴重だから秘薬なのだ。それをこの男は精製できると言ったのだ。スクウェアクラス
 のメイジが少量作るのにかなりの精神力を使うという秘薬を。

「ちょ、ちょちょちょっと!今あんた何て言ったの!?」
「硫黄くらいなら精製できると」
「なら見せてよ!!今すぐ!早く!!」
「急かさないで下さいよぉ。はりゃほりゃ!!」

 服のポケットに手を突っ込んで勢いよく引き抜くと・・・。
 その手には硫黄が入った袋があった。

「すごい・・・。ほんとにあんたが精製したの・・・?」
「そうですよぉ。ハイィ〜。私が精製しましたぁ〜」

 この使い魔の評価がみるみる上昇していく。ルイズの中での彼への評価は、最初が低かったのを考慮
 してもこんなに好評価になるとは思いもしなかっただろう。平行世界の東京から召喚されたS・H
 氏が見たら悶死ものであろう。

「さ、さささ、最後は主人の力となり身を守るってのがあるんだけど・・・あんたはお医者様だもんね
 。さすがに法力とか使えてもねぇ」
 これだけの事が出来るのだ。さすがに戦う力まで望んだら始祖ブリミルから罰が当たりそうだ。


607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:46:00 ID:QA6MOEzy
支援

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:46:19 ID:G8E8fFj/
探し物は何ですか してはいけない理由ですか
かばんの中も 袋の中も探したけれど見つからないのに
支援

609 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 12:46:47 ID:iaDcvvsU
「そうですねぇ。今は私愛用のメスも手元にありませんしねぇ。どうもあれが無いとしっくりこないんですよぉ」
「メス?それは武器なのかしら?」
「手術道具兼武器ですかねぇ。メガデス級のギアが出て来たりでもしない限りはある程度は私でも大丈夫だとは思うのですが」

 メガデス級やらギアやらの意味は分からなかったが、どうやらこの医者、戦闘も多少はこなせるようだ。
 もともと持っていた武器もあるらしいので、次の虚無の日にでも買ってやろうと思う。
 それにしてもこの使い魔。やり手である。私のゼロは今日でお終いよーとか思っちゃったり。

「ところで使い魔はいつまでやらせてもらえば良いのでしょうか?」
「死ぬまで。一度契約した使い魔は死なないと契約を破棄できないの。後でそれを言うのは卑怯だとは思うけど」
「そうですか・・・。死ぬまで・・・。まぁいいでしょう。一度乗りかかった船ですし、ルイズさんが困るのは分かっているのに
 無茶は言いませんよ。不肖。この闇医師ファウスト。ルイズさんの使い魔として全力をつくさせて頂きます」

 この医者の台詞に思わずルイズは涙ぐんだ。今まで魔法が使えず、同級生からバカにされ、信頼できるものが少なかった少女には
 この医者の台詞は自分の心を包み込んでいった。この男だったら例え有能でなくても自分の使い魔として誇れていたであろう。

「ルイズさん・・・泣いていらっしゃるのですか・・・?」

 ファウストはその大きな体で小さなハンカチを私に手渡してくれた。

「ち、違うわ!!これは心の汗よ!!燃えてくると目から汗が出てくるのは当然の事じゃないの!?」

 そういうとルイズはハンカチで鼻をちーんとかみ。満面の笑顔でファウストを見たのだった。

「(なんと純真無垢でいい笑顔なのだろう。神よ。罪深き私にこの少女と出会う権利を下さり深く感謝いたします。
私はこの少女の笑顔を守りましょう)」
「どうしたの?ファウスト。何か考え事?」


610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:47:03 ID:rB/HFzxu
まとめサイトで鋼読んだんだけどおもしろかったです
次回も楽しみにしてます

611 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 12:47:39 ID:iaDcvvsU
「ルイズさん。一つだけお願いがあるのです。私は医者です。もし私が助ける事が出来る命があれば・・・」
「えぇ。言わなくても分かっているわ。助けてあげて。それがあんたの使命なんでしょ?」

 ルイズは安堵するファウストの表情を見ると真剣な顔をした。

「実は私には病気の姉がいるの。ちい姉さまっていって2人いる姉の内、私を可愛がってくれる大好きな姉さまが。」
「分かりました。今からお姉さんの所へ行きましょう」
「今から!?どうやって行く気なの?」
「物質転移を使います。病で苦しんでいる人がいると知った以上、放っては置けません。場所はルイズさんが
知っているなら行けますので」

 そんな事まで出来るのかこの男は。の○太が堕落していたのは間違いなくあの青狸のせいだろう。

「ま、まって。この時期はちい姉さまは療養をかねてお父様から任されている領地に居るはずだわ。私が学院に入ってから
領地をまかされたから詳しい場所は分からないのよ・・・」

 分かりやすく目の輝くが失われていく。ファウストにとって人を助ける事は自分自身が生きている事の証なのであろう。
 そんなファウストを見るのは辛い。

「・・・心配してくれてありがとう。先日お手紙を出した時はお元気そうだったから今の所は体調もいいのだと思うわ。
近いうちに実家に帰る用事を作るから、ちい姉さまの事はその時に見てあげて」
「はい・・・。分かりました。ですが、何か調子が悪そうと感じたらすぐに行きましょう」
「ええ。分かったわ。ありがとうファウスト」

 ファウストと喋っていると時間がどんどん過ぎて行く。法力の事や気になる事はまた今度聞くとしよう。

「ファウスト。私眠くなってきちゃったわ。そろそろ今日はお開きにしましょう」
「そうですね。睡眠不足は美容の大敵。それはナイスな判断ですヨ。ところで私は何処で寝ればよろしいのでしょうか?」
「勿論使い魔なんだからこの部屋よ。まさか人間を召喚するとは思っても見なかったから藁しか無いけど、ベッドは新しく
買う予定だからとりあえず床で我慢してくれるかしら?」

 私は何の疑問も持たず言った台詞だったのだがファウストはそう取らなかったらしい。

612 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 12:48:20 ID:iaDcvvsU
「イ、イ、イ、イケマセンよ!うら若き乙女と同じ部屋で寝食を共にするなんて!」
「別にいいわよ。あんたは使い魔なんだし。そこらへんの野蛮な男達と一緒とは思っていないわ」

「ですが・・・さすがにそれは・・・」

 ファウストは真剣に悩んでいるようだ。異世界からやってきた有能な医者でもこういった事には免疫が無いらしい。
 その様子を面白そうに眺めていると、ファウストは思い立った様に自分の鞄の中からギザギザの刃が付いたよく分からない物を
 取り出した。
 どう考えても鞄の大きさからするにありえないものだがこの医者ならそんな事は関係ないだろう。
 
「ちょっと・・・何それ?何する気なの?」
「コレは電動チェーンソーと言いまして、所謂大工道具みたいなもんです。しばしお待ちを」

 ファウストはその何とかソーとか言うので私の部屋の壁の方へ行くと・・・・。
 おもむろにそれを振り上げ・・・。
 斬り付けた。そりゃもう豪快に。私が声を失って呆然と見続けていると。

「にょほ〜!ほれほれ!どうですか!?バッパッパー!!」

 叫びながら、壁を切り刻んでいく。これは後で気付いたのだが、強力な固定化がかかっていた筈なんだが・・・。
 ・・・・・期限切れだったのだろうか?

「これで仕上げですよぉ!!そぉぉぉぉい!!」

 職人のような顔(当然見えないのだが)で満足そうにしているファウスト。
 何と壁に扉が出来ている。

「(私の部屋の隣って・・・ツェルプストーの部屋じゃない!?こんなことしちゃったらあの女ったらまた私に
絡んでくるに違いないわ!!ばれない様に塞がないと・・・)」

 ルイズは冷や汗を掻きながらその扉を開けた。
 だが、そこにあるのは見た事も無い部屋で宿敵の姿は見えなかった。

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:48:38 ID:EzOy9J6w
このお医者さん、聖者ですか?支援

614 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 12:49:09 ID:iaDcvvsU
「あ・・れ?ねぇファウスト。あんたこれは何をしたの?」
「さすがにルイズさんと同室はマズイと思いましたので、私用の部屋を作りました」
「作ったってあんた・・・。隣の部屋と私の部屋の間には壁一枚だった筈よ・・・」
「それは気にしない方向でいいと思いますよ。さぁこれで不安材料は取り除かれました。ごゆっくりとして下さいネ」

 考えても無駄。この男、話をしてみると良識人なのだがやっている事は滅茶苦茶だ。ルイズの常識が全く通じない。
 軽く頭痛を覚えたが、眠気の方が勝ったようだ。

「そうね・・・もう寝るわ・・・ふぁうすと・・・ワタシのふくのせんたくと・・・あしたのあさ・・おこし・・・」

 台詞も言い終えぬまま彼女は夢の世界へと旅立った。

「フフフ。強がっていてもまだまだ子供ですねぇ。さて明日のモーニングコールもありますし私もおねむの時間にしますかね。
洗濯については明日の朝考えるとしましょう」

「それでは私の小さなご主人様。おやすみなさい」

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:49:57 ID:X68P1/HE
>>608
まだまだ探す気ですか
それより僕とSS読みませんか
ネットの中へ ネットの中へ
行ってみたいと思いませんか

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:51:48 ID:QA6MOEzy
やべ 読んでて支援忘れてた

617 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 12:52:09 ID:iaDcvvsU
第三話はここまでです。

ふと思ったのですが、話の区切りが中途半端に
なってしまってもいいんですかね?

今日は休みなんで、もう一話分くらい書きたいと思っております。

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:54:57 ID:ZuNyDGrj
ギルティの設定では魔法=法力だろ?

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:55:38 ID:EiEG7mmk
紙袋GJでした。
しかしファウストも地味に女の子に縁があるな(ファニー含む

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:56:33 ID:X68P1/HE
>>617
まったく問題ありません
まして今日中にもう一本投下されるのでしたら何の問題がありましょうか
あるいは「もう一本とあわせて一話なのでまとめにあげるの少し待っててくれさい」
とでも書いておけばいいのれす
先を大変楽しみにしておりますです、はい

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 12:56:34 ID:QA6MOEzy
乙!

ファウストは良い人(?)何だけど、振る舞いがねぇ

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 13:05:56 ID:BwvzPcIG
乙!です!

なんというファウスト先生…。素敵過ぎて困る。
ということで今後も楽しみにしております!

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 13:06:27 ID:3cmiosTu
乙ー。
ファウスト良い人!
ていうかあんたメスなくてもめっちゃ強いじゃん。

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 13:15:06 ID:g7QXPsBb
乙したー。
できた人間のはずなのに、どっか回路がずれてるのが笑える(^^;

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 13:28:30 ID:nrvVLyTA
俺、コッパゲとファウスト先生、ギュス様になら抱かれてもいいぜ…

というぐらいGJ
ギルティ中数少ない良識人だけど奇行がなw
ちびファウストの出番が今か今かと待ち遠しかったりする

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 13:38:33 ID:3cmiosTu
俺、ソフィー様になら抱かれてもいいや……
それくらい素晴らしいママン。

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 14:24:55 ID:plRUzK+M
小説であれだけ凄まじい次元越えワープ対決をしといて何を言う

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 14:41:46 ID:9o0XKKC9
出遅れたけどサーヴァント・オブ・ゼロの人に一つだけ突っ込みたい。

…タバサが幽霊と思われるもの(人魂浮いてるし)に対して全く平然としてるのは何故なんだあああっ!?

629 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 14:44:34 ID:iaDcvvsU
少しお聞きしたいのですが

以前に書いた話で修正したい箇所(誤字等)が
ある場合、どうすればよろしいのでしょうか?

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 14:46:49 ID:g7QXPsBb
>>629
まとめサイトに既に上がってる分なら、編集すれば直せるよ。
やり方がわからないなら、どこをどう直すか書けば、
親切でヒマな人がやってくれるかも。

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 14:51:56 ID:EzOy9J6w
>>628
既に気絶していた説

>>629
スクリプト有効にして、上の方の編集メニューからどぞ

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 14:57:11 ID:9o0XKKC9
>>631
異議あり!
しかし彼女は一部始終を見ていて生命吸収の説明までこなし、
平然と本を読んでいます!これは明らかに矛盾している!

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:03:20 ID:EzOy9J6w
くっ、このアウチともあろうものが!?
…ふっふっふ、流石はナルホド君と言っておきましょうか。

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:06:11 ID:9o0XKKC9
>>633
付き合ってくれてありがとうございます、亜内検事(w`
後は作者さんの回答待ちかな。

635 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 15:07:11 ID:iaDcvvsU
>>631
すいません修正完了しました。
一話の、ルーンをコルベール先生がスケッチするシーンです。

初歩的なミスで申し訳ありませんが
脳内補完お願いいたします。

636 :サーヴァント・オブ・ゼロ ◆f0ncrej9Os :2008/06/19(木) 15:08:11 ID:XFERM2ni
>>628
アッー!すみません、すっっっかり忘れてました・・・生兵法とは自分のためにある言葉ですね。
他にも何箇所か手直ししたい箇所があるのですが、新規ページ作成のやり方がチンプンカンプンなんです・・・
申し訳ありませんが、どなたかお暇な方が居られましたら、作成していただけないでしょうか?
編集は・・・何とかがんばってみますので。すみません。

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:11:35 ID:o38sR+eJ
生兵法は体に悪いが生足とか生ニーソとかは大好物ですぞ


638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:12:35 ID:TuWSalX8
>>637
ニーソをくんかくんかするのが好きと申したか

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:15:45 ID:nrvVLyTA
私はシエシエのドロワーズがいいです

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:22:01 ID:nrvVLyTA
シエシエのドロワーズでふと思ったのだけれど、そういや黒パンスト成分が作中には不足してね?
これは黒パンストキャラを召喚せよとのノボル神の啓示ですか?

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:22:04 ID:9o0XKKC9
>>636
う…えらそうに突っ込んだのはいいけど新規ページの作り方なんて僕にも分からないぞ…
ごめんなさわわああああああんん!!!

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:46:52 ID:o38sR+eJ
南国アイスから呼ぶと右手も左手も戦闘とはまったく関係ない意味にしか見えなくなってよいぞよ


643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 15:56:13 ID:4cHMnOLw
今予約ありますか?
無ければ小ネタ一本投下したいのですが


644 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:00:51 ID:AaHpRfl/
支援

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:01:59 ID:1d5cWJxQ
変人なのに良い人ファウスト先生www
ニヤニヤが止まらないです。続き楽しみにしてます!

>643
支援

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:02:59 ID:g7QXPsBb
>>636
とりあえず乗っけといたぜ。頑張ってやー。

>>643
支援仕るー。

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:03:48 ID:4cHMnOLw
では投下します。
タイトルは「ゼロの経営者」キャラは「ベアトリーチェ・パスコリ」です

通称「ゼロ」ことルイズ・フランソワ−ズ・ル・ブラン・ド・ヴァリエ−ルはひきつっていた。

昇級試験を兼ねた「春の使い魔召喚儀式」において自分が呼び出したのは平民だった。
妙に引き締まった服装をして黒い髪を肩のあたりで切りそろえた女性。

無言で担任教師コルベールを見やる。

せんせい、お願いですからやり直させてください

無言で出来の悪い、しかしそれ故可愛がってる生徒に目をやるコルベール。

駄目 召喚は神聖な儀式なのだから これまで何回もやり直しを認めただけでも感謝しなさい

うるせぇハゲチャビン とっとともう一回認めろ 昔から言うだろが『泣きの一回』って

馬鹿言ってんじゃねーのですこのウスラトンカチ 『泣きの一回』何度認めたと思ってんださっさと契約しろ

視線だけで交わされた会話(というか口喧嘩)を諦めると、ルイズは平民に『コントラクト・サーヴァント』を行う。
彼女の胸に浮かび上がった謎の紋章。
「・・・・・・・・・・・・というワケだから帰還とか戸棚のオヤツとかはあきらめなさい。
 で、アンタ何よ」
「それはこちらが聞きたいのだけど、まあそれは置いておいてまずは自己紹介ね。
 私の名はベアトリーチェ。
 ベアトリーチェ・パスコリよ、ご主人様」

数日後
「決闘だぁ!
 ギーシュと『ゼロのルイズ』の使い魔が決闘だぞぉ!」
「レディ、正直女性を傷つけるのは薔薇としては望むとこじゃないのだよ。
 ここはおとなしく降参し、過ちを認めて貰えれば皆が幸せになれるんだ。
 ついでに君も幸せにしてあげよう」
「ふふっ」
薄く微笑んだベアトリーチェは、開始の合図の前にギーシュに近寄り、耳元に何かをぼそりと囁きかける。
見る間に真っ青になっていくギーシュ。
すると突然ペタリと地面に座り込み、ベアトリーチェに土下座をはじめる。
「僕が、僕が僕が悪かった、悪かったです!
 どうか勘弁してください!」
周囲が呆然と見守る中、ベアトリーチェは薄く微笑むのでした。
 
 
「ワルド!
 あなた、レコンキスタだったのね!
 最初から・・・・・・・・最初から」
血を吐くかのごとき絶叫を眉すら動かす事無く聞き流す一人の男。
剣の腕、魔力、権力に顔立ち、もうそれだけで人生勝ち組な彼の名はジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド。
にもかかわらず更なるものを求めてレコン・キスタへと身を投じた。
王子暗殺の最初の一撃を、しかしかわされて今現在、許婚の使い魔と対峙していた。
「悪い事は言わないわ、ワルド君。 おとなしく降伏なさい。
 さもないと後悔するわよ、心底」
「おやおや、わが婚約者の使い魔は随分大言壮語がお得意のようだ。
 魔法も使えない分際でこのジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドに
 後悔させる事が出来る物ならやってみるがいい」
その言葉に、懐から一枚の髪を取り出すベアトリーチェ。
にやりと笑うと、紙にかいてある文章の朗読をはじめる。


648 :ゼロの経営者:2008/06/19(木) 16:04:37 ID:4cHMnOLw
「『しょうらいのゆめ
 三年ワイバーン組、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド
 ぼくは、おおきくなったら「わー!わーわーわーわー!わー!何なんだそれは一体!」
「貴方が子供の頃書いた作文よ。
 (しばらく読んで)あらまぁ、随分と素敵な夢ねぇ」
「うるさいうるさいうるさい!卑怯じゃないか!」
「貴方達貴族が魔法を使って戦うように、私はこの(人差し指で自分の側頭部をつつく)頭脳を使うのよ
 まさか卑怯なんて言わないわよね?」
「ぐぅ・・・・・・」
「さてそれじゃあ第二段!
 ワルドさんが七歳のとき『烈風カリン』さんに送ったラブレターを朗読しましょうか」
「やめんか!」
「あらそお?残念ね
 じゃあ十二歳のときエレオノールさんに「判った!悪かった!謝るから勘弁してくれぇ!」   あら残念」

そして数年後
どたどたとジョゼフ王の私室に踏み込むイザベラ王女。
「お父様!なぜあのガーゴイル娘を処刑してはいけないのですか!
 あいつ最近あたしの言う事聞かないのよ!
 つまりガリア王家に反逆してるって事じゃない!」
「落ち着けイザベラ。
 いまシャルロットに手は出せん」
「何故ですの!」
「シャルロットが知り合いと立ち上げた『RKTG株式会社』。
 株式という経済運営システムも素晴らしいものだが、いまその会社は
 このハルケギニアの経済、物資運営、情報流通をほぼ完璧に制御している。
 それはガリアであってもそれは変わらぬ。
 もはやハルケビニアで五人以上人間が集まって何かをしようとするならRKTGの
 意向を無視することは出来んのだ。
 あやつらの触手はもはやエルフどもの評議会にまで食い込んでおるようだ」
怒りを隠す事無く自室へと引き上げる娘の後姿を見ようともせず、ハルケギニア全域から送られた情報の束を見やるジョゼフ。
「そう・・・・・・・もはや戦争は、いや国の運営は権力ではなく魔法でもない、情報によって行われる。
 それを理解しているようだな、ヴァリエール家の娘の使い魔とやらよ。
 お前は・・・・・・・・・・・・・私を楽しませてくれるのだな。
 こんなに心が躍るのはシャルルとのチェス以来、ひさしぶりだ   ふっふっふっふ・・・・・・・・・・・・」

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:05:48 ID:g7QXPsBb
聞き覚えある名前だと思ったらおかっぱかよ!
支援。

650 :ゼロの経営者:2008/06/19(木) 16:06:31 ID:4cHMnOLw
はい、ここまでです

言い忘れてましたが彼女は「王様の仕立て屋」ジラソーレ社創立メンバーのひとり
通称「オカッパ」です


651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:08:20 ID:g7QXPsBb
乙したー。
ベアトリーチェに限らんけど、ユウが名前で呼ばないから
あの作品のキャラの名前って覚えづらいんだよね……。


652 :ゼロの経営者:2008/06/19(木) 16:08:29 ID:4cHMnOLw
セルフ間違い発見
ジョゼフの台詞より
「ハルケビニア」→「ハルケギニア」です

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:33:44 ID:Mnz9bdsv
test

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:47:49 ID:kB7hQ8zs
紙袋の使い魔 第3話 おっつ〜
ファウストいい人過ぎ!!
更新速度も速いし、これからがとても楽しみだ!


655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 16:58:58 ID:ZuNyDGrj
ファウストの手術ミスを仕組ませた元同僚を追う旅はどうするんだっていう疑問はあるが…

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:12:25 ID:DJN8OaBR
>>655
そいつもここに来ている事を本能的に察知していたってのは?
ところで元同僚って「あの男」とは無関係?

しかしギルティ世界の「あの男」ってソル、梅喧、テスタメント、後誰に恨まれていたっけ?全世界嫌がらせ協会会長?

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:24:55 ID:iyuXR/rf
>>656
ギルティギアはよく知らんが格ゲーのボスって多かれ少なかれそんな奴じゃないの。

師とか親の仇とか、故郷を地上げした悪徳企業のボスだとか。

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:26:25 ID:BwvzPcIG
>>656
元同僚は終戦管理局がどうたらこうたらってあったような…
てかギルティ単品での考察はギルティのスレ行きましょうよ

チップの人は帰ってこないのかな〜。

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:29:18 ID:XZlhWzSI
しかしファウスト先生っていいキャラだよな。何をやっても「まあファウストだし」で納得してしまうのが怖い…

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:30:30 ID:4cHMnOLw
>>656
「それもわたしだ」

661 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 17:38:47 ID:V8HeiKZl
半日かけて書き上がっちまったァァ
でも思ってたよりなんてこと無かったな(byペッシ)
ということで、投下してもいいか、イエスかノーで答えてもらう(漫画版スクライド)

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:40:54 ID:4cHMnOLw
絶対にノゥ!とは言わない!

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:46:04 ID:9KErj4gr
イエスとしか言わぬはず

664 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 17:49:39 ID:V8HeiKZl
>>662-663
ちゃんと答えてくれてありがとう。
それじゃ5時55分くらいから投下させてもらいます。

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:52:06 ID:Mbe1KJBY
ギュス様ktkr

実は初投稿の時「鋼の(ry」と聞いて、例の荒らしと混同して護身発動してしまったんじゃ。
スマン、ありゃこっちの早合点じゃった。

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:53:03 ID:JYUlrwW5
そこは ‘はい か イエス’ でしょう 支援^^

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:53:54 ID:Jpu2K9+R
俺はイエスとしか言わない!!

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:53:57 ID:pkNxOYDT
やっておしまいなさい(漫画版スクライドを描いた人が描いたアストレイ)


669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:55:30 ID:iyuXR/rf
あらほらさっさ!
と支援

670 :鋼の使い魔(前書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 17:57:39 ID:V8HeiKZl
 ギュスターヴがルイズの使い魔として召喚されて、早4日が経とうとしていた。
その日もギュスターヴは日の出とともに起床し、カーテンと窓を開けて外気を部屋に招きながら、ルイズを揺すり起こした。
「朝だぞ。起きろ、ルイズ」
「ん……」
 やがてゆっくりと体を起こし覚醒するルイズ。それを確認したギュスターヴは、クローゼットから服を選びベッドに置いた。
「じゃ、洗濯を持っていくから。服、着替えておくんだぞ」
「わかってるわよ。……いってらっしゃい」
 返事が返ってくるわけでもなく、そのままギュスターヴは洗濯籠を担いで部屋を出て行った。
 錬金の失敗以来、ルイズはギュスターヴに高圧的に接しづらくなっていた。慰められたせいもある。
しかしそのことで反ってルイズは、ギュスターヴとの『使い魔と主人の関係』をどう捉えて良いのか分からなくなってしまった。
「もう少し、使い魔らしく振舞ってくれてもいいじゃない……」
 頭を下げて傅くわけでもない。敬語も使わない。しかしルイズに見せるギュスターヴの所作は、優しさと敬意が滲み出ている。
それに応えられていない自分がもどかしくて、そう口走る。
一方、廊下を歩くギュスターヴも、学院での生活に順応し始めてはいたものの、一抹の『満たされない』気分を感じ始めていた。
(どうにかして、もとの世界に帰る方法がないものかな……)
 別にギュスターヴは今の生活に不満があるわけではない。強いて言えば『物足りない』のだ。それは一国の王として
巨大な国土を支配した人間にとって、納得付くとはいえ従者の生活が窮屈だからであり、だからこそ、
帰還の模索という“それらしい目的”をギュスターヴにちらつかせるのだった。



『ギュスターヴの決闘』
 
 
 


671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 17:58:53 ID:APFvdUE8
おーーとっと支援だぜ

672 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 17:59:30 ID:V8HeiKZl
 朝食の時間が終わり、生徒と教師各位は定められた教室で授業をしている。
その間も学院に奉公している平民の人々は割り当てられた仕事をこなす。マルトーは夕食以後の食材の買い付け、シエスタ他メイド達は
廊下や部屋の掃除、生徒寮のリネンに精を出す。しかしシエスタは今日、半日の休みを貰い、どこかに出かけていることを
朝食の折にギュスターヴは知った。
尚、授業時間の間、使い魔の動物達は思い思いに過す。学院の敷地内外に自分の憩いの場を探したり、食べ足りない食事を求めたり。
ギュスターヴはこの数日、学院の内部構造を覚える為に歩き周り、間取りを覚えたばかりだった。
そして今日は、名の知らぬ広場の一角に、いくつかの荷物を持ってたたずんでいた。植え込まれた樹の陰に座り、短剣を鞘から抜く。
鍛え上げられた鋼の光沢には、うっすらと年輪のような文様が浮かんでいる。
 ギュスターヴは、短剣の刀身を眺めながらこれからをどう過すべきか考えた。ここには今までのように相談すべき相手がいない。
今まではケルヴィンがいた。フリンがいた。若い頃にはレスリーもいた。しかしここにはいない。ルイズには相談すべきでないと思った。
彼女は自分の事で手一杯なのはギュスターヴ自身がよく分かっていたから。
(まず文字が読めるようにならなければな。確か図書館があったはずだ。文字を習うにはどうするべきか。
やはりルイズに、いや、コルベール先生にでも……)
深く思考に沈降していると、広場の向こう側から誰かが歩いてくる。籠のようなものを背負い、片手に棒のようなものを握っている。
「あ、やっぱり居ましたね。ギュスターヴさん」
「……なんだ。誰かと思えばシエスタじゃないか。しかし……」
 広場に入ってきたのは朝食の後から姿を消していたシエスタだった。しかし装いが印象を変えている。普段のメイド服ではない。
皮の当てられたスカートを履き、ブーツもなめした皮でできた丈夫なものだ。頭も山形の皮兜のようなものを被り、
頭の脇に流した若草の髪が汗で張り付いている。手袋も厚布を縫い合わせた丈夫なもので、手に握っていた棒は、
どうやら杖のようなものらしい。
「凄い格好だな。まるでディガーだ」
「ディガー?」
「いや、なんでもない。……その背中のものは?」
 これですか、とシエスタは背負っていた籠をギュスターヴの前に降ろした。中にはたくさんの茸、山菜、〆られたばかりの野兎が入っていた。
「近くの森まで行って採って来ました。子供の頃から山歩きとかが趣味なんです。今日は良いものがたくさん取れました」
「へぇ、意外だな。手に持ってるのは杖、みたいだけど」
 シエスタの杖は、硬い樹木を削りだしたような荒っぽい代物で、キュルケやルイズ等、貴族が使うものとは似ても似つかない。
確か、キュルケの友人らしいタバサという少女の持っていたものに近いが、それでも装飾らしいものも無い。
限りなくただの棒切れのような杖である。
「一応、森にも危険がありますから。狼とか、熊くらいなら、これで追い払えますし。オークとかが出てきたら流石に逃げますけど」
 こんなふうに、と杖を握って構えるシエスタ。視線鋭く、そのさきに仮想される『敵』に気圧されない迫力がある。
その姿にギュスターヴは、なにか記憶のそこに引っかかるものを感じた。それは10年以上昔、海賊退治の計画を持ちかけてきた
高名なディガーの面影だった。
(タイクーン・ウィルは、今どうしているのだろうか……)
 まさにディガーのような装いのシエスタが、遠い郷里の人々に重なって見える。
「…杖を持つということは、術が使える?」
「とんでもない!魔法なんて使えません。こうやって杖を持って歩くと貴族様から苦情を貰うんです。だからこっそり出かけて、
こっそり帰ってくるんです」
 埒もない。この世界にアニマの術があるわけが無い。アニマ宿さぬギュスターヴはアニマによって引き起こされる事象を受けにくい。
初日に治療を受けた時も特にそのような干渉は無かったと聞く。であればこちらの魔法というのはアニマの術とは違うものなのだろう。

673 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 18:00:52 ID:V8HeiKZl
「でも、故郷のおばあちゃんに教えてもらったんです。森や山の歩き方。植物や鉱石の見分け方、獣の追い払い方……だから、
わたしはこうやって出歩くのが好きなんです」
「そうか。シエスタのお祖母さんは大層な人だな。孫に面白い趣味を仕込まれる」
 そうですね、シエスタとギュスターヴは笑いあった。
「……しかし、どうして俺がここに居るってわかったんだ?マルトーさんにも言ってないのに」
「なんていうか……、ギュスターヴさんのいる所って、分かりますよ。その……他の人とすこし違うような…」
「そうかな……」
 事実ギュスターヴは異邦人であるから違って当然なのだが、シエスタの言葉にはすこし含みが感じられた。
「あの、私はこれから着替えて仕事に戻るんですけど、私の変わりにこの籠のものをマルトーさんに届けてくれませんか?」
「そんなことか。いいよ。それくらいは」
 ありがとうございます。シエスタはギュスターヴに一礼して広場を出て行った。
「タイクーン・シエスタ……なんてな」
 埒もない戯言が零れる。

 ギュスターヴは依頼通り、シエスタの収穫品を厨房で仕込みをしていたマルトーに届けた。
すでに厨房は昼食の準備で人が混雑し始めていた。
「いやぁ悪いなギュス。シエスタが外出する時は大抵頼んでるもんでね。貴族様の所望の高級食材、とはいかないが、
これはこれで趣きのある食材でさ。料理のし甲斐があるんだ」
「これくらいは大したことじゃないさ。…それにしてもここはいつも忙しそうだな」
 当然よ、と手のひらを上げて応えるマルトー。ここ数日の付き合いでギュスターヴはマルトーとの親交が持てたが、
朝から晩までマルトーは厨房にほぼ掛かりきりだ。他のコックの話では休みらしい休みが年に半月ほどしかないらしい。
「何せ、貴族向けに朝昼晩と300食、作り倒さなきゃいけないからな。賄いはうちの若いのに任せているが、貴族向けは手が抜けない。
トリステインは小国だが、食文化が結構広い。海沿いは海鮮が豊富だし、内陸は肉や野菜だな。
味付けもガリアやゲルマニアに隣接してるところじゃ隣国寄りの方が好まれる。この学院じゃ留学生含めて色んなところから
貴族が集まってるんだ。料理で文句言われないようにするにゃ俺くらいの腕がなきゃな」
 文句と自慢が折衷したマルトーの話に相槌のように、「よ、マルトー親方!」「トリステイン一の料理人!」と、若いコックから声が掛かる。
「うるせぃ!おめーらはさっさと仕事しやがれ!」
「はははは……。なら、俺も手伝わせて貰おうかな」
「おいおいギュス。おめぇは客人なんだからそんなことさせられねぇよ」
「そうは言ったって、もう食事の世話ばかり受けてちゃ申し訳ないんだよ。給仕でもいい。なにかさせてくれ」
「そうだなぁ……」

674 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 18:01:59 ID:V8HeiKZl
 昼食の時間。生徒と教師達は各々が着々と席を埋めていく。
ルイズも午前の授業を終えて昼食を摂っていた。粛々と並べられる食事を胃に入れながら、味わっているというよりもただ流し込んでいる。
その心は目の前の食事に向けられていないからである。
(ギュスターヴのこと、どうしよう。やっぱり『使い魔と主人』として、厳格に振舞うべき?そうなんだろうけど、でもそれは少し違うような気がするわ。
だって、まず私が主人の資格が無いじゃないの……どうすればいいのかしら……)
 揺れる心はここにあらず、握られたフォークがぷつぷつと目の前の肉を穴だらけにする。
結局ルイズは昼食に出されたものを半分も口にしないで皿を下げさせ、デザートを食べようとしていた。倦んだ気分を甘いもので紛らわそうとする辺りが、年相応らしい。
 カートに載せられて運ばれてくるデザート。ミントの香りのするパイのようだった。
「デザートでございます。ご主人」
「そう。……って、なんであんたがここにいるのよ!」
 カートでデザートを運んできたのは、給仕の格好をしたギュスターヴと、仕事に戻っていたシエスタだった。二人はカートに載せられたデザートを運び、
テーブルに着く生徒たちに配っていたのだ。
「普段、食事の面倒をしてもらってるから、手伝わせてもらってるんだ」
「そ、そうなの。まぁいいわ。他のメイド達の邪魔になるんじゃないわよ。恥ずかしいから」
 衆目の手前、主人らしく命令するが、それが酷く滑稽な気がして、人知れずルイズに自己嫌悪を与える。
 カートは進み、他の生徒たちの方へ移った。ルイズはデザートを摘みながら、シエスタとともにデザートを配膳するギュスターヴをじっと見ている。
ギュスターヴは壮年の体にしっかりとした筋肉の付いた意丈夫だ。背も高く、給仕服と煩くないように撫で付けられた髪が相まって、
本来持つ高貴さが滲み出して魅力を引き出している。
 その脇で粛々と配膳を務めるシエスタも、山出しの田舎娘ながら健康的な体躯、特に若さと健康さが主張する胸元や腰つきがあり、磨けば光る逸材なのが判る。
眩しい。彼らは私にない『何か』がある。どうしてそれが私にはないの?
 嫉妬と羨望が思索を深め、ぷつぷつと再び、デザートが穴だらけになっていく。
「何よ、使い魔らしいこともしないで、メイドと仲良くしちゃって……」
「あら、メイドに嫉妬するなんて心が狭いわねルイズ」
 いつの間にか零れた言葉に食いついたのは、隣に座っていたキュルケだった。キュルケは紅茶に口付けて、片目がこちらを覗き込んでいる。
ルイズが物思いにふけり、皿のものを穴だらけにし続けていたのをずっと視ていたらしい。
「あんたには関係ないでしょ、キュルケ。人の食事を盗み見るなんて下世話なゲルマニアらしいわね」
「ずいぶんな言い草ねルイズ。でも、使い魔の彼の事で悩んでいるらしい事は、前から知っていてよ」
 ルイズは答えられない。図星だからだ。よりによってこの御家の仇敵に。
「使い魔だからって彼を手足のように使えるなんて、いくら貴方も思ってないでしょ」
「……それは…」
「彼は人間なんでしょ?それは、只の平民なんだろうけど。さしあたりのない使い魔が居ても、関係を作っていくのはそんな優しいことじゃないわ」
 キュルケの脳裏には、自室の部屋影でじっとしているフレイムの姿が思い起こされる。
「貴方は普通とは違う使い魔をもらったなら、普通の使い魔と同じような関係を求めるのは少し違うんじゃないかしらね」
「知った風な口を聞かないでよ……」
 フォークの爪先でパイを崩しながらぼやくルイズ。
「私はただ、人に馬鹿にされないような使い魔が欲しかったのよ。……ただ、それだけ…」

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:03:37 ID:APFvdUE8
支援

676 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 18:03:45 ID:V8HeiKZl

 懊悩するルイズを尻目に、ギュスターヴとシエスタは配膳を続ける。ルイズの席からいくつか離れた席に座る男子生徒の一団が居た。
「なぁギーシュ。いったい誰がお前の彼女なのか教えろよ」
「そうだぜ。いろいろと話を聞くが本命は誰なんだ?」
 話はどうやら男女の話らしい。もっともそんな色っぽい領域ではない、まだまだ青臭いところが残る。話の中心に座るギーシュと呼ばれた少年は、
センスの悪いシャツをひらひらとさせながら、なにやら格好つけて質問に答える。
「本命?薔薇の花は皆のものさ。特定の人を選んで交際するなんて、薔薇の役割がわかっていないね」
(ああ、こいつは自分が女にもてていると勘違いしているタイプだな。大方口がうまくて先導がいいから異性が寄ってくるような、そういうのだなぁ、これは)
 帝王ながら浮名を流したギュスターヴはこの青っちょろい少年、ギーシュの振る舞いをこそばゆく、一方冷めて見ていた。
ギュスターヴの視線を感じ取ったのか、ギーシュはギュスターヴとシエスタに手招きする。
「給仕君、僕らにもデザートを寄越したまえ」
 呼びつけられたギュスターヴは特に返事をすることもなく、軽く会釈して黙ったままデザートを配っていた。同じように紅茶をカップに注いで配るシエスタ。
 紅茶を注ぐポットに新たな茶葉を足そうと視線を動かした時、シエスタの視界にきらりと陽光を照り返すものが写った。ポットをカートに戻して床にあるそれを拾う。
それは掌に収まるような小さな小瓶だった。栓がしっかりとされた見事な硝子の瓶。中には鮮やかな紫の液体が8割ほどまで入っている。
 テーブルの下に落ちていたのだからきっと目の前の生徒たちが落としたに違いなく、粗相があっては困ると、シエスタは願い出た。
「こちらの小瓶を落とされた方はいらっしゃいませんでしょうか」
 屯する男子生徒の前に置かれた小瓶に視線が注ぐ。
「知らないね。僕のじゃないな」
 ギーシュはそっけなく答えてカップに口を当てている。
「これは、モンモランシーの香水瓶じゃないのか。彼女が持ち歩いているのを見たことがあるよ」
 取り巻きの誰かが言うと、ではお届けしておきますね、とシエスタは機転を利かせて香水瓶を持ってモンモランシーのところへ行ったが、
ギーシュはそれをじっと目で追っていた。
「ミス・モンモランシ。こちらの香水瓶が床に」
 飽くまで粗相の無いよう、恭しく香水を差し出したシエスタに、モンモランシーと呼ばれた巻き髪の少女は小首をかしげて答えた。
「あら、これはそこのギーシュに贈ったものよ。返してあげて」
 ギーシュとモンモランシーの席の間はそれほど遠くない。ギーシュの取り巻きはそれを聞いてざわついた。
「ギーシュ!お前の本命はモンモランシーだったのか」
「お前がロール髪好きとはマニアックだな」
 はやし立てる取り巻きに平静を装って対応するギーシュだが、目がおよぎ始めて明らかにうろたえの色がある。
「落ち着きたまえ諸君。いいかね、これは」
 取り巻きをなだめるべく言葉を選んでいると、少し離れたテーブルから硝子の割れる音が聞こえる。音の主はテーブルから立ち上がり、顔を覆って震えている。
「ギーシュ様……」
 めざとくギーシュは立ち上がって、音の主の少女に近寄った。
「どうしたんだいケティ?」
「酷いわ!ギーシュ様…ミス・モンモランシーという人が居ながら、私に声をかけるなんて」
「おおなんということだ。君は酷く誤解しているよケティ。いいかい、これは誤解だ」
「これ扱いだなんて随分ね、ギーシュ」
 ギーシュが振り向くと、そこには仁王立つ少女モンモランシーが冷ややかな視線をギーシュに、そしてケティに注いでいた。
「私が貴方のために丹精込めて作ってあげた香水を『これ』扱いだなんて、酷い侮辱だわ。それに一年生にも手を出していたなんて。遊びでも、不愉快だわ」
 『遊び』と呼ばれたケティは衝撃のあまりボロボロと涙をこぼし、そのまま食堂を飛び出してしまった。
それをどこまでも冷ややかに見送るモンモランシーと、徐々に汗を浮かばせるギーシュの二人。

677 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 18:05:16 ID:V8HeiKZl
「彼女とはどこまで?」
「いや、その……」
「お答えくださる?ミスタ・グラモン」
 じりじりとギーシュに詰め寄るモンモランシーに追い詰められるギーシュ。食堂に居合わせたすべての人間がそれを観賞していた。傍観ともいう。
「……ラ・ロシェールの森まで、二人で遠乗りに……」
「遠乗りしただけ、かしら?」
「いや、その……」
 テーブルに追い詰められ、逃げ場なく視線を泳がしながらしどろもどろと答えるギーシュに我慢ならなくなったモンモランシーは、
とっさに近くのテーブルにあった切り分け前のパイを掴み、ギーシュの顔に投げつけた。やわらかなパイ生地がべっとりとギーシュの顔面に張り付き、ズルっと落ちた。
「そうやってそこでしばらく笑いものになりなさい。ギーシュ」
 モンモランシーはそう言うと、颯爽と靴音高く食堂を去っていった。
一方取り残された『色男』ギーシュは、ポケットからド紫色のハンケチーフを取り出し、丁寧に顔を拭くと、
「ふぅ、どうやら彼女らは、薔薇の役割がわかっていないようだね」
 一言言ったきり、食堂が静かになる。笑いものになれ、といわれたところで、ここで本当に笑ったら非常に厳しい、という空気が暗黙に広がっている。
 しかし、人間は目の前で起きた喜劇を黙って観賞できるほど行儀良く出来ているわけではない。ぽつり、ぽつりと忍ぶような笑い声が聞こえてきて、
やがてそれが全体の意思のようになってくると、流石のギーシュも黙っていられない。
「誰だ!僕を笑うのは!」
 ギーシュは探した、このばかげた空気を鎮めねばならない。その為にはもっとも危険の少ない誰かを吊り上げて怒鳴りつけるに限る。と、彼は考えた。
そして見つけた。手ごろな生贄を。それは若草髪のメイドだった。
「君か!そこのメイド!」
 指突きつけられたシエスタは、ビクリと身を震わせ、そっとギーシュの顔を見定める。
「貴族を笑うとは不届きなメイドだ。大体だ、君が香水瓶を拾ったりしなければ、ああもレディ二人の名誉を傷つけるようなことはなかったんだ。どうしてくれる!」
 反論は許されない。シエスタは口つぐんで頭を下げた。反論すればまさに『貴族に逆らう平民』として食堂にいるほぼ全員の生徒から目の敵にされる。
その全員がギーシュの主張が詭弁だとわかっているにも関わらず。
なぜならそれが平民であり、貴族であるから。貴族が白といえば平民は黒と言ってはいけないのだ。それがトリステインであり、ハルケギニアとは
大同小異あれそういう世界なのだ。
 だがしかし、ここに少数の例外がいる。魔法の使えないメイジと、その使い魔である。
「それくらいにしておけばギーシュ。どう見ても二股バレた八つ当たりに見えるわよ」
 みっともない、とルイズは明らかに蔑んだ目でギーシュを見た。ルイズからすれば、ギーシュの行動は貴族としてやってはならない部類の一つだ。
身分を嵩に行動してはならない。少なくとも彼女の志向する貴族とは、そんなものじゃないからだ。
一方ギーシュから見れば、自分の不始末を有耶無耶にするチャンスを潰そうとする、位ばかり高い無能なメイジは邪魔以外何物でもない。
「なんだねミス・ヴァリエール。君は関係ないじゃないか。それとも、魔法が使えない自分を哀れんで平民の肩を持つというのかね」
 彼はこういうときの常套句を知っている。否や、ルイズを知る生徒は皆知っているのだ。
方向性を失ったままだった観客達は、ギーシュの言葉に付いた。
「そうだ!ゼロの癖に貴族ぶってるんじゃないぜ、ルイズ!」
「いっそのこと、そこのメイドの変わりにメイドでもしてろよ!」
 昔ならいざ知らず、己の無能は知り果てたつもりだったルイズにとって、周囲の罵声はそよ風だった。
何も知らないから言えるのだ。そう思う。冷たい気持ちが心に掛かる。
だがしかし、彼女の使い魔を以ってこの世界に立つ壮年の男は、主人とは対照的に、奥歯をかみ締め眉間を寄せ、ギーシュの視界に立つ。

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:05:46 ID:2NsUvD8r
支援

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:05:50 ID:APFvdUE8
支援… ギュス様の女性関係もたしか大胆だったような…

680 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/19(木) 18:06:40 ID:0TP8ynyQ
sienn


681 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/19(木) 18:06:43 ID:0TP8ynyQ
sienn


682 :鋼の使い魔 ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 18:07:06 ID:V8HeiKZl
「な、なんだね、君は」
「一応、ルイズの使い魔をやっている。主人への言葉を取り消してもらう」
 ギーシュとて、ルイズが平民を使い魔にした事は聞いていた。少し驚いたが、また余裕ぶった気障な格好を取ってみせる。
「哀れな主人を守ろうなんて健気だね」
「そんなものじゃない。それより」
 ギュスターヴはギーシュの胸倉を掴むと、ぐっと自分のところまで引き寄せた。ギーシュとは身長差が10サント程あるが、それ以上に
立派な体格をしたギュスターヴに詰め寄られて怯む。
「たとえ貴族だろうが、品性のないふるまいをする奴はゴロツキと同じだ。糞餓鬼」
 このとき初めてギーシュは、ギュスターヴ自身が己を見下している事を理解した、その瞬間、怯んで引いた血が一気に体を駆け巡って、熱を帯びてくる。
「平民如きが貴族を語るとは。何たる不敬だ!おいそこのメイド!」
 ギーシュに再び指差されるシエスタは、身を縮めている。
「その男をヴェストリ広場までつれてくるんだ。そうしたら今回のことは不問にする」
 飽くまでギーシュはシエスタを生贄にするつもりだったが、予定が変わった。どちらにしても二股騒ぎは有耶無耶にできた。
あとはこの苛立たしいゼロの使い魔を使って憂さを晴らすだけだ。
ギーシュが食堂を出て行くと、野次馬気分の生徒たちが食堂を飛び出し、ヴェストリ広場に駆け込んでいく。
 シエスタは動転した。自分の行いでギュスターヴが貴族の手に掛かってしまうのだ。
「貴方、殺されちゃう……」
 一方、平然とするギュスターヴに、テーブルを立って駆けつけたルイズはギュスターヴに怒鳴りつけた。
「なんであんな事いったのよ!今すぐ謝ってきなさい!」
「できない」
「あんたがどれだけ強いか知らないけどね、平民はメイジに絶対に勝てないの。私も謝るから」
「それだけは駄目だ」
険しい顔で答えるギュス。
「あんなのを貴族だなんて。俺は認めない。たとえ子供でも」
 ギュスターヴの怒りは、ルイズとは少し軸を異にした。本質的には間違っていない。貴族たらんなら、身分を越えて義務を務めるべきだ。
しかしギュスターヴは猛る。猛る頭に浮かんだのは、青春に彩られていた若き日々のケルヴィンの姿だった。
あれを『貴族』だなどと。俺は決して認めない。
「先に行っててくれ。荷物を取ってくる」
 短く言い、ギュスターヴは給仕服についているエプロンを剥ぎ取ってシエスタに渡すと、そのまま食堂から出て行った。
「もう、知らないから!」

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:08:05 ID:FKgcNXZK
支援。
それにしてもギーシュ、死亡フラグ乱立の割りに決闘で死んだ事は殆ど無いな。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:08:42 ID:UMMkeSjZ
支援

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:08:46 ID:UWMRwhn6
>637
ニガッタ乙

686 :鋼の使い魔(後書き) ◆qtfp0iDgnk :2008/06/19(木) 18:09:08 ID:V8HeiKZl
投下終わり。
今回の肝はディガー?姿のシエスタとパイ投げギーシュ。
ギュス様は色恋も派手だったそうですが甲斐性はあったみたいなのでギーシュのやりとりはオママゴトみたいに見えるんじゃないかなぁ。

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:10:39 ID:iyuXR/rf


一国の王と貴族のボンボンじゃ
甲斐性云々を比べるのが可哀想ですw

688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:11:51 ID:APFvdUE8
投下乙!
武帝の剣戟に期待だな


所で…シエスタがジニーの孫娘だったらいいなぁ…
ジニー・ナイツはブリムスラーヴス装備、これは譲れない。

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:33:44 ID:fKwc8rxk
加藤智大(わずか30秒で十数人殺傷)ならギーシュ瞬殺だな!
ガンダールヴにふさわしい人間がリアルにいるとはすごい。
http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1213865634/

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:36:15 ID:Qqed2fiT
何事もなかったかのようにスレ再開。

691 :コテ今までしてなくてごめんなさい。 ◆ISpkOVs7Yo :2008/06/19(木) 18:37:01 ID:tWHfAW5h
You got a mail!
You got a mail!

名前:LFO,夢幻竜両作者
件名:異世界(多分)より


メールを開きますか[Y/N]


692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:37:46 ID:Jpu2K9+R
鋼版のシエスタ先祖はリチャードじゃないかね。
ナイツ家でなら一番自然なのは彼だし。

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:37:57 ID:Qqed2fiT
y

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:38:51 ID:iyuXR/rf
>>691
Y

695 :作者 ◆ISpkOVs7Yo :2008/06/19(木) 18:44:29 ID:tWHfAW5h
あ…ありのまま最後の投下後起こった事を話すぜ!
『俺は“また執筆をしよう”と思いつつ外に出かけようと思ったら
いつのまにか変な鏡を潜っていた』
な……何を言ってるのかわからねーと思うが俺も何をされたのか分からなかった…
頭がどうにかなりそうだった…
催眠術だとか下手な手品だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

俺は生きている。
今、一応は無事だが明らかにここは地球とは違う。
いや違いすぎるぜ。
耳が尖った何か分からん人間に今日も襲われかけた。
あれから奴らに襲われる事数えて774回……
故郷の夏が日本の夏なら、ここはさながら緊張の夏!
おちおち眠りも出来ねえぜ……
しかもテレビもねえ!ラジオもねえ!
ここは砂漠のど真ん中だ!
だがいつか帰る!
俺を待っているやつがいる限り!続きを持って帰る!
もう一度!俺は生きている!必ず戻る!

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:49:02 ID:UWMRwhn6
投下場所をお間違えですよ

697 :紙袋の使い魔:2008/06/19(木) 18:53:01 ID:iaDcvvsU
今日中にもう1話投下する予定が・・・。

申し訳ない、私用で怪しくなっております。
楽しみにしていて下さる方には申し訳ない。

展開に関しては、クロスの世界なんで、将来的にどうするかはまだ
未定です。

鋼の作者様の執筆速度が羨ましい・・・。

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:53:34 ID:Qqed2fiT
これは「近況」だ 必ず戻るという「近況」とオレは受け取った
書き手の執筆は………辛い現実に打ち勝つことだとな…
え? おまえもそうだろう? >>695

レクイエムを聞きながら待ってるぜ。

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:55:46 ID:X68P1/HE
>>697
お気になさらず
ごゆっくり、御自分の満足のいく作品を書かれてから
投下されるがよろしいでしょう


700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 18:58:31 ID:5MghQKy9
なんだ、あの人じゃないのか…

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:01:31 ID:Mbe1KJBY
>>697
了解しますた。

ところで、最初タイトル見た時に「すわ、ヒダカトオル召喚!?」と思ったのは内緒なんだぜw
紙袋かぶってるキャラなんて三次元含めてもビークルしか思い浮かばなかった…orz

702 : ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:01:38 ID:wiQkE9vw
予約が無ければ新作投下してもいいでしょうか。
召喚されるのはPSO EP2終了時点でのヒースクリフ・フロウウェンです。

703 :作者 ◆ISpkOVs7Yo :2008/06/19(木) 19:01:40 ID:tWHfAW5h
いやぁ、すみません。
最初はサイトの手紙風にしようとしたんですが、ちと調子に乗りすぎました。
でもパソコンが無い、携帯駄目なら続き書けないは事実です。
いつか戻ります。
では、また近い内にお会いしましょう。


704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:12:35 ID:U4zvlqq0
フロウウェンとは渋いところをw
オルガ・フロウから解放されたあとかな?

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:16:04 ID:jbVBsjJX
エクシードラフト呼ぼうぜ

706 :IDOLA have the immortal servant 1/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:16:35 ID:wiQkE9vw
一応解放後です。では問題無さそうなので、投下します。


「おおおおおおおおおっ!」
 片膝を付いた巨躯に向かって、狩人は跳ぶ。
 赤く輝くフォトンの大剣を振りかぶって、全身全霊、持てる全ての力を振り絞って打ち下ろした。
 それは刹那の一瞬。しかし、自分の眉間に叩き込まれるであろうその一撃が、やけにゆっくりと動いて見えた。
 避け切れない、と『彼』の幾多もの戦の経験が悟らせる。これは致命傷になる、とも。だが。
 ―――それでいい。
 『彼』は思った。諦めではない。その感情は、歓喜と言って良い。
 我ヲ打チ砕キ、滅ボシ、屍ヲ踏ミ越エ、赤キ捕ラワレ子ヲ―――
 それこそが唯一つの望みだった。ともすれば千切れそうになる自我を繋ぎ止める全てだった。
 それにしても……と思う。
 あの娘に自分が作り与えた武器が、今こうして自分を滅ぼす。何とも皮肉な話ではないか、と『彼』は今際の際、確かに笑ったのだった。

707 :IDOLA have the immortal servant 2/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:17:17 ID:wiQkE9vw
 
 舞台は変わる。
 春を迎えたトリステイン魔法学院では、伝統にして恒例である、使い魔召喚の儀式が行われていた。
 二年生に進級する為のテストを兼ねたそれは、一生の供となる使い魔を召喚する大切な儀式なのである。と言っても「サモン・サーヴァント」を失敗させて進級出来なかった生徒など、聞いた事がない。
 爆発が起こった。
「これで何度目かしら」
「十六回目」
 赤い髪と褐色の肌を持つ女生徒のぼやきに、隣にいた青い髪の少女が、手にした本から目を離さずにぽつり、と答える。
 しっかり数えてたのかい、と心の中で突っ込みつつ、赤毛の女生徒……キュルケは歯噛みした。
 キュルケの視線の先には、桃色がかったブロンドの少女が肩で息をしている姿があった。
 ルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエール。二つ名は『ゼロ』。トリステイン魔法学院創立以来の問題児だ。何しろ魔法が全て原因不明の爆発になってしまう。
 先程から何度も魔法の失敗による爆発を繰り返し、草原のあちこちにクレーターを作ってしまっていた。
 ルイズに浴びせられる嘲笑と罵声は、爆発が十回を超えた辺りで聞こえなくなった。悲壮感すら漂わせるその姿に、さすがに気の毒になってきたのだろうか。或いは単純に、飽きてこの気まずい空間から解放されたい、という者もいるかもしれない。
 キュルケも最初こそ野次を飛ばしていたのだが、今では皆と同じように静観モードに入っていた。しかし、クラスメイトのように同情しているわけでも、冷やかな視線を向けているわけでもない。
 応援している、と言うのも少し違うが、事ある毎に衝突してきたライバルが、こんな事で進級出来なくなってしまうのはキュルケとしても面白くないのである。
「ちょっと、しっかりしなさいよ。どれだけ皆を待たせれば気が済むの?」
 そんな言葉がキュルケの口を突く。自分がこういえば、ルイズは決まってムキになるのだ。何せ諦めるという事を彼女は知らない。系統魔法の威力は強い感情に左右される。であるなら、こうして発破をかける事は、単なる根性論以上の意味合いがある。
「うっ、うるさいわねっ! 気が散るから黙って見てなさいっ!」
 彼女の予想した通り、ルイズは頬を紅潮させて怒鳴ると、目を閉じて大きく息を吸い、呪文を詠唱する。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、宇宙の何処かにいる強くて神聖で勇敢で美しい使い魔よ! 私の呼び掛けに応えなさいっ!!」
 と、大仰に叫んで身振り手振りを交えて杖を振るえば、一際大きな爆発が起こった。
「十七回目……」
「違う」
 視線を本から爆発地点に移した青い髪の少女……タバサが言った。
「違うって……え?」
 ―――十七回目の爆発は、それまでのものとは手応えが違った。
 自分は何かを喚び寄せた。それは解る。
 もう、この際なんでも良かった。ドラゴンやグリフォンなら言う事は無いが、鳥でも犬でも猫でも構わない。昆虫でもいい。
 ―――あ、でも蛙だけは勘弁して欲しいな、などと思いながら土煙の中を凝視する。
(何……あれ……?)
 ルイズは”何か”をそこに見た。燐光に包まれて宙に浮かぶ”何か”は、子供の頭ぐらいの大きさで、球形をしていた。
「う……」
 爆発で巻き上げられた土煙が風でこちらに流されてきたので、ルイズは顔を顰めて一瞬だけ目を逸らした。本当に一瞬の事だ。視線を戻せばそこには……
「平民だ……」
 誰かの漏らした言葉と共にどよめきが広がる。
「ゼロのルイズが平民を召喚したぞ!!」
「え? あれ!? さ、さっきのは何よっ!?」
 ルイズは、爆発で作られたクレーターの中心へ向かう。
 そこには白髪頭の老人が一人、仰向けに倒れているばかりだった。さすがにオールド・オスマンには見劣りするものの、口元には立派な白髭が生えている。
 とても変わった服を着ていた。少なくともメイジではありえない。
 肌の露出している部分が極めて少なく、指先と顔以外は身体のラインが出るようなぴったりとした衣服が覆っていた。
 厚みのある肩当や手足は明るい青と暗い青の配色だ。材質は全く見当も付かないが、肩当は金属とも違う鈍いツヤを放っていて、相当弾力性に富み、頑丈そうに見えた。
 腹部は布地が薄いのか、割れた腹筋がくっきりと浮かぶ。その腹部と、前部に大きくスリットの入った腰周りの直垂は白を基調としたもので、所々に赤いラインが走っていた。
  喉元に、円形の白いエンブレム。左肩には赤い、炎を模したかのような形のエンブレムが見て取れる。
「く……」
 男が小さく呻いて薄く目を開いた。青い、瞳だった。

708 :IDOLA have the immortal servant 3/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:18:02 ID:wiQkE9vw
 
「あんた誰?」
 抜けるような青い空をバックに、こちらの顔を覗き込んでいた少女が言った。
 まだ年若い。子供と言っても良い。華奢な身体付きをしているから余計に子供っぽく見えるのか。
 黒い布のマントの下に白い布のブラウス、グレーのスカート、という出で立ちだ。
 顔の造作はまだ幼さを残しているものの、かなり整っているといって良いだろう。桃色がかったブロンドと、透き通るような白い肌。活力に満ちた鳶色の瞳。耳は……尖っていないのでニューマンではないらしい。
 しかし……コーラル本星でもちょっと見た事がないようなアナクロな服装だ、と男は思った。
 しかも合成ではなく、天然の繊維を使っているようだ。ますます珍しい。
 自分はどうやら仰向けに寝転んでいるらしい。立ち上がって周囲を見回せば、目の前の少女と同じような出で立ちの少年や少女が、こちらを物珍しそうに伺っている。見渡す限りの草原。遠くには、石造りの建造物。
 ラグオルでは絶対に有り得ない。相当な年代モノだろう。ここがコーラルならば観光地の古跡名勝、といったところか。
 歴史の資料を紐解けば、中世時代にあんな建造物を見ることが出来るに違いない。いずれにせよ、本星の人間が宇宙に進出するよりも遥か以前の遺物だ。
「オレは、ヒース―――」
 言いかけて、彼は気付いた。口から紡がれたのは確かに人間の言葉だったからだ。
 目の前の少女が立っている。こちらが見下ろす形だが、あくまでも人間の目線の高さだ。
 どうして、元に戻っているのだ?
 両の手を見詰める。
 武器と一体化した異形では無い。人間の掌。人間の指だ。
 常に心を覗かれているような、あの不快な感覚が無い。
 『アレ』から受けた傷の疼きも、意識を乗っ取ろうと送ってくる暴虐な圧力も、微塵も感じなかった。
(オレは、一体―――)
 助かった、とは到底思えない。あの勇敢なハンターに頭をソードに叩き割られて、自分は確かに滅びたはずではないか。
「どこの平民? 変わった格好ね」
 混乱した思考は、良く通る鈴のような声で中断させられた。
「平民だと……? ここは……?」
 遠巻きに自分を見やる子供達は、皆一様にロッドやケインを手にしている。
 彼らはフォースの集団だろうか、と男は思った。
 そこで初めて、自分に向けられる好奇の視線の中に、異質なものが混じっているのに気がついた。悪意の類、というよりは、これは寧ろ……ラボの研究者の視線に近い気がする。実験体であった彼にとってあまり良い印象は持てない視線だ。
「ルイズ、『サモン・サーヴァント』で平民を喚び出してどうするのよ」
 その声に釣られるように、少女を除いた彼ら全員がどっと笑った。
「ちょ、ちょっと間違っただけよ!」
 ルイズと呼ばれた少女は頬を紅潮させて怒鳴る。
「間違ったって、ルイズはいつもそうじゃないか!」
「ゼロのルイズは一味違うよな!」
 一層、笑い声が大きくなる。
 自分が笑われているわけではないようだが、男にとってもあまり気持ちのいい類の笑い声ではない。嘲笑、と分類されるものだからだ。
「ミ、ミスタ・コルベール!」
 明らかに狼狽した様子のルイズが呼び掛けると、中年のフォーマー(と、男が便宜的呼ぶ事にした)が前に出てくる。
(こいつか)
 先程からずっと、こちらを値踏みするように伺っていた者がいたが、どうやらこのフォーマーらしい。
 フォースとしての実力も、他の者達とは一桁も二桁も違うようだ。この場では最も注意が必要な相手だろう。
「なんだね。ミス・ヴァリエール」
「や、やり直しをさせてください! 平民の使い魔なんて聞いた事がありません!」
「それはダメだ。君も知っての通り、これは神聖な儀式だからね。やり直しは認められていない。例え平民であっても、喚び出した以上は彼に使い魔になってもらうしかない」
「そ、そんな……」
 ルイズは目に見えて肩を落とす。
「さあ、『コンクラクト・サーヴァント』を」
「くっ」
 ルイズは男に向き直り、睨みつける。
「あんた、ちょっとしゃがみなさい」
「何故だ」
「いいから!」
「………」
 ここは大人しく従っておくのがいいだろう、と彼は判断する。
 この人数のフォースを相手に、武器も持たずに戦っても勝ち目があるとも思えない。
 これを一度に敵に回すのは得策ではない。それに、自分は意識を失っていた。連中に危害を加える気があるなら、とっくにそうしているだろう。
「うう、こんな年寄りと『契約』するなんて思っても見なかったわ」

709 :IDOLA have the immortal servant 4/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:19:56 ID:wiQkE9vw
「……契約とは何だ」
 その言葉を無視してルイズはルーンを唱える。
 その様子から質問をしても無駄だと、彼は悟ったようだった。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
 すっと、額にケインを当ててくる。動作には敵意や殺意は感じられない。テクニックを放つわけでもないようだ。述べた口上は祝福と言っていたし、使い魔になってもらうとか何とか言っていた。
 彼の尺度の中で判断するならば、これを文字通り単なる儀式、セレモニーだと理解していたのである。
 なるほどこれも儀式とやらの一環か、中世の騎士受勲に似ているな、などと彼が心の内で呟いていると、ルイズがゆっくりと顔を近づけてくる。
「何だ」
 不穏な気配を感じて上体を後ろへ反らそうとしたが、肩を掴まれた。
「いいから、じっとしてなさい。全くどうして私が……!」
「待て、お前は何を」
「ん……」
 唇を重ねてくる。まさか初対面の相手が自分にキスをしてくるなど、考えても見なかった。
 彼がどちらかというと堅物だったという事もあるが、ルイズの動きにこちらを害を及ぼそうとする気配が全くなかった。だから、不意を突かれたのだ。
 触れ合っていたのはほんの一瞬だ。顔を真っ赤にしたルイズが飛び退くように離れた。
「な……何をするか! はしたない!」
「うるさいうるさいうるさいうるさいっ! わたしだって本意じゃないわよ!」
 顔を真っ赤にして喚き散らすルイズ。囃し立てる周りの生徒。
「『コンクラクト・サーヴァント』は一度できちんと成功したようだね。おめでとう、ミス・ヴァリエール」
 中年のフォーマーが苦笑いを浮かべた。
「相手がただの平民だから『契約』出来たんだよ!」
「幻獣だったら、ゼロのルイズじゃこうはいかないよな」
「なんですって!?」
 ルイズが怒鳴り返す。
 どうも、周りの子供らに、ルイズという少女は馬鹿にされているようだった。
 しかし、契約、とは何だ? 単なる儀式ではないのか?
 と、彼が子供達の口論を横目に思案していたその時だ。
「ぐっ!?」
 彼は胸を押さえて、呻き声を上げた。
 『アレ』につけられた傷の疼きに酷似していた。肉体と精神を侵食される感覚。ここ暫くの間ずっと味わってきたのだ。間違えようはずもない。
「お前、オレに何を……!?」
(油断した。敵意がないから、子供だからと侮ったか!?)
 テクニックを行使しようと、意識を集中させる。この状況で最適なのは、指向性を持つギゾンデだろう。
「心配しなくていいわ。『使い魔のルーン』が刻まれているだけよ」
「使い……魔だとっ?」
 先程の会話が冗談や形だけの儀式でない事を、彼はここに来て悟った。
 『アレ』の支配から解放されてみれば、また訳も解らずに誰かの支配を受けろというのか。お笑いだ。
 絶望か、諦観か。何だか無性に馬鹿馬鹿しくなってテクニックの発動を思いとどまる。
 どうせ、一度は死を覚悟し、そして実際に死んだ身なのだ。身体は人間に戻ったが立場は前と変わらない。
 支配する主が『アレ』であるより、目の前の少女が主である方が、同じ人間というだけで何倍もマシだろう。
 ルイズの言うとおり、彼の身体は少しの間の辛抱で、すぐに平静を取り戻した。
「ふむ。ルーンはちゃんと刻まれたようだね。ちょっと失礼。ん? この服はどういう構造をしてるんだ?」
「…………」
 フロウウェンは無言で襟元を開いた。自分の身体がどうなったのか、興味があったからだ。
 あの、忌まわしい傷はない。その代わりに見慣れない記号……文字が胸には刻まれていた。
「珍しいルーンだな」
 そして中年フォーマーは踵を返すと、少年たちに呼びかける。
「さてと、皆教室に戻るぞ」
 ふわり、とフォース達が宙に浮かぶ。
「何だ……? テクニック……ではない? マジックだとでも言うのか?」
 それは男の住んでいた星、コーラル本星では既に失われた技法だ。
 マジックはテクニックの前身となったものだが、両者には大きな違いがある。マジックの行使によって起きる現象を、科学技術によってそのプロセスを忠実になぞり、現象として再現したのがテクニックである。
つまり、知識と生体フォトンがあれば誰でもそれを行使する事が出来る。しかし、マジックの行使には生まれ付いての才能が必要、とされている。
 そして彼が知る限り、空を自在に飛ぶテクニックなど、存在しない。彼が意識を取り戻すまでの間に、技術革新でもあったというのなら話は別だが。

710 :”IDOLA” have the immortal servant 5/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:21:42 ID:wiQkE9vw
「ルイズ、お前は歩いて来いよ!」
「あいつ、『フライ』はおろか『レビテーション』すらまともにできないんだぜ」
「その平民、あんたの使い魔にお似合いよ!」
 口々にそう言って、少年らは飛び去って行った。どうやら向こうの石造りの建造物に向かうらしい。
 ルイズは、彼に向き直って大声で怒鳴る。
「あんた、なんなのよ!」
「それはオレの科白だ。意識を取り戻せば知らない場所にいて、知らない連中に囲まれていた。説明ぐらいはしてくれても罰は当たらないと思うが」
「ったく、どこの田舎から来たか知らないけど……仕方ないわね。召喚したのは私なわけだし。いいわ。説明してあげる」
「田舎、か。本星に比べればここは未開の土地も良い所だ。大体、ここはラグオルのどの座標だ?」
 空気が澄んでいる。コーラルにはこんな自然が残っている土地はもうどこを探しても存在しない。
 気候からしてガル・ダ・バル島ではない、という事は想像が付くが。
「ラグオル? ほんせい? 何それ?」
「……本星といえばコーラルに決まっている」
「なにそれ。そんな国? 土地かしら? 聞いたことないわ」
「…………」
 老人は言葉を失った。どうも話が噛みあわない。ラグオルもコーラルも、彼の常識の範囲内の話なのだ。相手が知らない、と言う事がまず前提として有り得ない事だった。
 ジャケットに備え付けられているアイテムパックを探って見れば、軍で支給されているセンサーが出てきた。
ハンターズにも支給されているごく標準的な装備で、設定された座標を基点とした現在位置の割り出しが可能な他、動体センサーやガイガーカウンターなども内蔵している。
 彼の纏っている衣服は軍に在籍している当時のものに戻っていた。ならばもしかしたらと持ち物を探って見たのだが、本当に所持しているとは思わなかった。
 センサーのパネルを手馴れた様子で叩いて、渋面を浮かべる。
 セントラルドームを基点とした座標、不明。周辺地形はただっ広い草原。動体センサー、ルイズと自分以外に反応無し。
 他に……フォトン濃度が異常な数値を示している点が気になる。分かった事はそれだけだった。
「何よ、それ」
 興味深々といった様子で、ルイズはセンサーの画面を覗き込んでくる。
「……センサーだ。パイオニア計画を知っているか?」 
「知らない」
「君達はフォースではないのか?」
「わたし達はメイジよ」
「ここは、どこだ」
「トリステインよ。そしてここはかの有名なトリステイン魔法学院。知らないの?」
 苛立ったようにルイズが言う。
「魔法……だと?」
 聞き覚えのない単語に、彼は頭を抱えた。
 彼は海千山千の政治家達とも渡り合ってきたのだ。目の前の直情的な少女が嘘を言っているかそうでないかぐらい、すぐに解る。答えは、否だ。
 だとするなら、少女の頭がおかしいか自分の頭がおかしいか。それとも少女の言う事が全て真実か、しかない。
 少女の正気を疑う気にはなれなかった。何しろ、空を飛んでいくフォース―――彼女の言葉を借りるならメイジ―――の集団をこの目で見てしまっているのだ。
 それよりも、正気を疑うなら自分の頭だろう。
 どう考えてもここでは自分の方が異邦人で、その上自分がラグオルにいた頃の末期は散々な目に遭っていた。
 D型亜生命体の細胞に侵食された。訳の分からない実験の材料にされた。計画の頓挫と共に廃棄処分とされた。
 最後には調査にやってきた四人のハンターズとの交戦の後に死亡した……はずだ。
 そのはずなのに、気がつけばこんな訳の分からない場所にいる。
 これでは、自分で自分の正気を保証する自信もない。
「わたしは二年生のルイズ・ド・ラ・ヴァリエール。今日からあんたのご主人様よ。覚えておきなさい!」
 と、ルイズは胸を張る。最も、ルイズに張るほどの胸は無いのだが。
「やれやれ……」
 彼は溜息をついた。契約だとか使い魔という断片的な単語から予測していたが、どうやらこの少女に仕えろ、という事らしい。気が乗らないが、仕方が無い。
 どうせラグオルではIDや軍籍の抹消どころか死亡扱いなのである。生きていると知れただけで軍に拘束されて実験室に送られるような身の上だ。であるのなら、ここでこの少女の使い魔とやらに身を窶している方が良いのかもしれない。
 そんな風に自分を納得させると、ルイズに質問を続ける。

711 :”IDOLA” have the immortal servant 5/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:23:14 ID:wiQkE9vw
「ここがトリステインとやらというのはわかった。では、オレはどうしてここにいる?」
「わたしが『サモン・サーヴァント』で召喚したからに決まっているでしょう」
「召喚? どこから?」
「知らないわよ。その、ラグオルだか、コーラルだか、パイオニアとかいう所からじゃないの」
「確かに前に居た場所はラグオルだが。どこから連れて来たかも分からないというのか」
「仕方ないじゃない! そういう魔法なのよ!」
 召喚、という言葉に抵抗はなかった。彼の世界にはリューカーという離れた場所を繋ぐテクニックが存在しているし、ワープ航法やトランスポーターも実用化されている文明レベルなのだ。
 ルイズ達の文明レベルがどの程度かは分からないが、マジックであればそういう事も可能なのだろう、と彼は思った。
「では、オレの治療をしたのは?」
「知らないってば。あんた、怪我でもしてたの?」
「まあな」
 魔法であれば肉体を再構成する事も可能なのかとも思ったが、そういうわけでもないらしい。
 或いはコールドスリープの類やクローン技術で時間を置いて生き返ったところを、ルイズによって召喚された、とも考えられる。
 ルイズが行った事がこのトリステインに喚び出すだけならば、他にこの身体を再構成した者か、或いは現象が存在するはずだ。
「もう諦めなさい。わたしも諦めるから。ほんとはドラゴンとかグリフォンが良かったのに。何で平民なのかしら」
「オレは平民じゃない。軍属だ」
 オレでなく、β630やβ772といった、オスト博士が作っていた生物兵器が召喚されていたら、この少女も満足していたのだろうな、と彼は独りごちる。
「軍属って言ったって魔法は使えないんでしょう? あんた杖持ってないし」
「魔法は、な」
 フォースには及ばないまでも、テクニックは使える。だが、あれは魔法ではなく科学の範疇だと彼は定義している。ならば自分は魔法など使えない。
「じゃあ平民よ」
「なるほど」
 魔法を使える者をここでは貴族、というらしい。
「さ、随分話し込んじゃったけど、そろそろ行くわよ。ええと、ヒース、だったっけ?」
 ヒース、と呼ばれて彼は怪訝そうな顔を浮かべた。
 ああ、そう言えば、と思い返す。さっきの自己紹介は途中で中断してしまったのだった。
「ヒースではない。オレの名前はヒースクリフ・フロウウェンだ」

712 :”IDOLA” have the immortal servant 7/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:24:31 ID:wiQkE9vw
 
 
「月が、二つ、か。この星は衛星が二つあるのだな」
 空に浮かぶ双月を見て、フロウウェンは苦笑いを浮かべる。
 自分の今いる土地がラグオルでもコーラルでもないという証拠を、これ以上ないほどの形で突きつけられてしまった。 
 それでだろうか。『アレ』の支配力を感じないのは。遠く離れれば精神支配は弱まるのかもしれない。
 オルガ・フロウであった時も、フロウウェンはギリギリの所で自我を保っていられた。母体であるあの存在から、彼のいたガル・ダ・バル島まで、距離が離れていたからだろうと、フロウウェンは推測していた。
勿論、彼自身の強靭な意志が無ければ、それも叶わなかっただろうが。
「何の話?」
「いや、なんでもない。昼間の話の続きをさせてもらってもいいか?」
「いいけど」
「まず、オレを元いた場所に帰す魔法はあるのか?」
「無理よ。召喚する魔法はあっても送り返す魔法は存在しないもの」
「そうか」
 フロウウェンは然程ショックを受けなかった。
 フロウウェンの知る限り、『サモン・サーヴァント』に似たテクニックとして、リューカーというものがあるが、あれは術者がゲートを一往復すれば消滅してしまう。それと似たような理屈なのだろう。
 それにラグオルに戻れば、自分はまた『アレ』に取り込まれてしまうかもしれない。それは考えうる限りで最悪の事態だ。
 愛弟子のリコや養子であったアリシアの事は心残りだが、自分はあの四人のハンターズ達に全てを託した。きっと彼らはリコを救ってくれる。フロウウェンに出来るのは信じる事だけだ。
「でもおかしいのよね。『サモン・サーヴァント』は普通、幻獣や動物を喚び出すんだけれど。どうして人間が来ちゃったのかしら」
 今までのルイズの口振りからすれば、召喚される生物も、この惑星……ハルケギニアの存在に限られるのだろう。別の惑星から召喚される事があると知っているのなら、相手の持つ常識や情報を頭から否定するような事はしないはずだ。
 自分が召喚されたのは……D型遺伝子がルイズの魔法に反応したからかも知れない、とフロウウェンは考えていた。D型遺伝子に侵食された者を、本当に人間と言っていいのかどうかは怪しい所だ。
 ただ、今現在は侵食されている感覚がない。彼が科学者で、研究設備があればもっと詳しい事もわかったのだろうが、生憎フロウウェンは愛弟子であるリコ・タイレルと違って、科学者としての才能には恵まれてはいなかった。
いずれにせよ人間の身体に戻ったからといって脅威が完全に消え去ったと考えるのは楽観が過ぎるだろう。
「その使い魔というのは、具体的に何をするものなんだ? 人間では何か不都合があるのか?」
「不都合? あるわよ。まず、使い魔は主の目や耳となる能力を与えられるわ」
「というと?」
「使い魔の見た事、聞いた事が主人にも伝わるの」
「…………」
 フロウウェンはその言葉に気分を害した。それでは『アレ』に思考を監視されていた時と何ら変わらないではないか。
「でもあんたじゃ無理ね。わたしなにも見えないもの。あんたが人間だからかしら」
「それは僥倖だ」
「僥倖じゃないわよっ」
 ルイズは唇を尖らせた。
「……まあ、いいわ。次に、使い魔は主人の望むものを見つけてくるの。秘薬……例えば、硫黄とかコケとかね」
「すぐには無理だな。生態系がこちらの知識とは違う。知識が必要だ」
 今度はルイズがその言葉に不快そうに眉を顰めるが、文句は言わなかった。どうせ今の自分では秘薬の調合は無理なのだ。わざわざそこに突っ込まれて墓穴を掘ることはあるまい。主としての威厳を損なわない為にも必要な事だ。うん。
「それから、これが一番重要なんだけど、使い魔は主人を守る存在であるのよ。あんたは軍属って言ってたけど……強いの?」
 ルイズはフロウウェンを値踏みするように眺めた。確かに体格はいい。軍属というだけあって、かなり鍛えているようだ。
 だが、高齢だ。体力には難があるのではないだろうか。
「その辺の平民よりは、な」
 フロウウェンは小さく笑って、そう答えるに留めておいた。
 はっきり言えば相当な謙遜なのだが、ルイズの言う幻獣やメイジとの戦闘経験がフロウウェンにはない。
 オルガ・フロウのままであればいざ知らず、今の自分の剣技やテクニックがどれだけこの世界で通用するのか。相対化するには情報が足らなさ過ぎた。

713 :”IDOLA” have the immortal servant 8/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:25:21 ID:wiQkE9vw
 ハンターズの力関係に置いては、一対一の状況ではハンターよりもフォースの方が優位に立つだろう、とフロウウェンは考えている。
 近接戦闘を仕掛ける場合は勿論のこと、遠距離から銃撃を加える場合でも、ハンターとレンジャーは目標を武器の攻撃範囲と視界内に捉える必要があるが、テクニックは必ずしもそのプロセスを必要としない。
 発動まで若干のタイムラグはあるが、背中を取られていてもお構いなしでテクニックは命中させられるし、遮蔽物を無視して一方的な攻撃も仕掛けられる。
 例えば上空から落雷を落とす雷の初級テクニック、ゾンデを例に挙げるならば、ヒューマンのハンターならば射程距離半径20メートルほどが限界だが、熟練のフォースならば約35メートル半圏以内の相手に瞬間的に効果を及ぼす事が出来る。
 この距離の差で常に先に捕捉され、先手を撃たれるというのは実戦では大きなアドバンテージであろう。
 ルイズの世界の魔法がどれほどのものかは解らないが、テクニックよりマジックの方が強烈であったとは聞くし、メイジが貴族という支配階級として君臨しているのが、そのまま魔法の有用性や威力を証明しているではないか。
「はぁ……やっぱり平民じゃ使い魔の意味が無いじゃない」
 一方のルイズは溜息をついて肩を落とした。
 その辺の平民よりは強いと言っても、幾らなんでも幻獣やメイジに勝てるとは思えない。まあ、護衛か執事でも雇ったと思えば安い買い物かも知れない。
「もう、いいわ。魔法学院は護衛なんて必要ないくらい平和だもの。だから普段は掃除、洗濯、その他雑用をやってもらう事にする。それで衣食住が保証されるなら文句はないでしょう?」
「よかろう」
 雑用、と聞かされてもフロウウェンは嫌な顔一つしなかった。
 軍隊ではそれらの事は自分でこなすのが当たり前だし、子供の面倒を見るというのは別段初めての経験ではない。
 ルイズは養子のアリシアや弟子のリコに比べたら随分な跳ねっ返りなようだが、まあ何とかなるだろう。
「ふわぁ……しゃべってたら眠くなっちゃったわ」
「それでは、今日はもう休むとするか。オレはどこで寝ればいい?」
 ルイズは床を指差した。これも使い魔の躾の内だと、ルイズはわざと不遜で尊大な態度で接しているのだが、フロウウェンは特に不平不満を漏らすでもなく、わかった、と頷く。
「意外と素直ね。特別に毛布をあげるわ」
 元々渡してやるつもりだったのだが、ルイズは殊更に特別、という部分を強調した。
「それはどうも」
 と、概ね波風を立てないようにルイズと接してきたフロウウェンだったが、彼女が堂々と自分の前で着替えを始めた時には流石に眉を顰めて顔を背けた。
 ルイズの意図は大体想像がつく。兵士の育成に当たり、新兵の意識を変えさせる為にわざと人間扱いしない、というのと同じだ。自分が主でお前は使い魔。だから男どころか人間扱いもしない、というところだろう。
 貴族としては、それは間違いではないのかも知れない。この老いぼれを男として意識して欲しいなどとも思っていない。ここまでの交わりから、ルイズがプライドの高い人間だという事も理解していた。
 しかし、だ。それでも慎みが足りないと思う。アリシアやリコが同じ事をしていたら多分雷を落としていただろう。
「これ、明日になったら洗濯しといて。朝わたしを起こすのも忘れない事」
 と、脱いだ衣服と下着を投げて寄越した。流石にあんまりだったので、ついつい苦言を呈してしまう。
「……行儀の悪い」
「何よ、ご主人様のする事に文句でもあるの?」
「時には諫言するのも部下の役目だと思っているだけだ。この国ではオレの以前の身分は意味がないから、使い魔扱いは多いに結構だ。だが、今は人の見ていない所ならば何をしても良いのか、という美意識の話をしている」
「そ、それは……」
 美意識などと言われると、常に貴族たらんと心がけているルイズは弱かった。しかも使い魔だからこそ諌めるのだ、とまで言われている。主従関係をはっきりさせる為に、わざと理不尽な行為をしたという自覚があるルイズには反論の術が見当たらない。
 目に見えてルイズの表情が暗くなるのを見て、フロウウェンも子供相手に大人気なかったか、と少なからず後悔した。
 確かにルイズは自尊心が高く、素直ではないので扱いにくいところがある。
 ただ、昼間の様子を見ている限りでは周囲の人間から馬鹿にされていたようだが、それでも卑屈な所を見せなかった。それは美徳だとフロウウェンは思う。だからこそ、自分が間違っていると悟った時には内罰的になってしまうのだろう。

714 :”IDOLA” have the immortal servant 9/10 ◆GUDE6lLSzI :2008/06/19(木) 19:26:14 ID:wiQkE9vw
「いや、いい。やり込めたいわけではない。オレにも娘がいたので、つい、な」
 だから、フロウウェンは話を打ち切って、もう眠ようと決めると床に横になった。
 ルイズは所在無さげにしていたが、やがておずおずとベッドにもぐりこむ。パチンと、指を鳴らすと照明が消えた。
「あんた、子供がいるの?」
 月明かりの照らす部屋の中で、ぽつり、とルイズが言った。
 冷静になってみれば、フロウウェンにも都合があるはずだ。家族がいるという。フロウウェンの年齢から考えれば、その娘にも家族がいてもおかしくはない。きっと今頃、帰らぬ父を心配しているのではないか、とルイズは思った。
「血の繋がりは無いがな。アリシアは戦争で親を失った子だ。それを引き取って育てた」
「その……あんたの家族も、トリステインに連れて来てもいいのよ。ヴァリエール家に仕えて禄を受け取るって形にすればいいじゃない。あんたにいなくなられたら困るのは、わたしや、その、アリシアって人も同じでしょ?」
 言って、ルイズは失言だと思ったのか慌てて訂正する。
「こ、困るっていうのは、あ、あんたがいなくなったらわたしが進級出来なくなるから言ってるのよ! 特別な計らいなんだから感謝しなさいよね!」
 部屋を暗くしていて良かった、とルイズは思う。多分顔は真っ赤になっているだろう。
「ん? ああ。勘違いしているようだな。アリシアの事なら、オレがコーラルを出る時に信頼出来る男に預けてきている。心配はいらない」
 答えながらも、フロウウェンはそんなルイズの慌てた様子がおかしくて笑ってしまった。
 素直ではないが、根は優しい娘だ。だから厚意を素直に受け取っても良かったのだが、それは土台無理な話だった。
 説明がてらの寝物語に自分の事を話してやるのもいいだろう。信じてくれるかは解らないが。
「それに、帰れない事情もある。ルイズは、オレがあの星々のどれかから来た、と言ったら信じるか?」
「星って、あの夜空の星のこと?」
「そう。その夜空の星だ。信じてくれとは言わない。証拠があるわけでもないからな。だが、実際にそうなんだ。オレが元々住んでいた星はコーラル。母なる大地コーラルと言われていた」
「…………」
 ルイズからの返答はない。信じたわけではないが、話を遮るつもりはない。そんな肯定的な沈黙だった。フロウウェンが言葉を続ける。
「オレ達の星はあちこちで戦争をやっていた。その結果、草木は枯れ、水は腐り、空気は澱み……人が暮らしていくには厳しい環境になっていた。そこで、いくつかの国が同盟を結び、新天地を別の星に求める事にした。それがパイオニア計画だ。
戦争で田畑が荒れたから、船で大海原に乗り出し別の大地を探しに行った、と言い換えればルイズには解りやすいか」
 フロウウェンが語ったのは、パイオニア計画の表向きの名目だ。
 実際にはある宙域からコーラルに飛来した隕石と、それに付着していた未知のフォトンからD型因子が発見され、それに基づいて行われた探査によって惑星ラグオルの存在が明らかとなる。その地下に眠る、最悪の存在と共に。
 そして移住という建前の元にパイオニア計画が発表された。
 詳細は出立前のフロウウェンにすら知らされていなかった。軍の内部の不穏な動きを察知してはいたから、このパイオニア計画の裏が真っ当なものではない、と薄々気付いていたのだが。
 それでもパイオニア1にフロウウェンは乗り込んだ。自分がいなければ他の誰かが代役になるだけだ。問題から目を逸らして他人に委ねるのは自分の矜持に反する。
 ともあれ、今その事をルイズに語るつもりはなかった。話してしまえばラグオル地下に眠る宇宙船と、そこに存在する亜生命体群の話も絡んでくる。これは、他愛の無い身の上話を寝物語にしてやろうと思っただけに過ぎないのだ。
「事前の調査を続けた結果、どうにか人の住めそうな星が見つかった。オレは軍属として移民船の第一陣に乗り込み、そのラグオルと名づけた星に向かったというわけだ。その時、オレの親友にアリシアを任せ、コーラルに残した」
「どうして? 一緒に連れて行ってあげれば良かったのに」
「人が住めるという事は解っていたが、その危険性が未知数だった。だから一部の市民に加え、オレのような軍人と研究者や技術者が先遣隊になったわけだ。未知の風土病や猛獣だとか、留意すべき事は山のようにある。それに……」
「それに?」
「一度行ったら帰る事は許されない。食い扶持を減らす意味合いもあったからな」

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:30:33 ID:SVOlsuFn
なんか面白そうだ支援

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:35:07 ID:Mbe1KJBY
規制入ったかな?
何はともあれ支援する。

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:37:16 ID:E1rCmcSp
元ネタ知らないが格好良い爺さまみたいだ支援

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:47:06 ID:LMdDo+Md
>>717
もとネタはファンタシースターオンラインだな
懐かしいなぁ、GC版で友達と遊んだものだぜ。

719 :代理:2008/06/19(木) 19:52:32 ID:APFvdUE8
「なによそれ! ひどい話だわ! 体よく追い出しただけじゃない!」
 我が事のように怒るルイズ。
 ルイズの怒りの対象にフロウウェンは含まれてはいなかったのだが、フロウウェンは自分が責められているように感じていた。
 フロウウェンはひどく後悔していたのだ。
 民間人達を、外敵から守る。そんな軍人本来の使命もフロウウェンは果たす事が出来なかった。それに……リコが自分を慕って付いてきてしまった事。それについては悔やんでも悔やみきれない。
 惑星ラグオルの地下深くにはフロウウェンの想像も及ばないほどの、危険な遺跡が埋まっていた。
 遺跡の正体は異星人の宇宙船だ。
 発見された遺跡の調査に向かった発掘部隊は、深奥から現れた亜生命体群に襲われた。
 結果は全滅。生存者、無し―――。
 その結果を受けて差し向けられた、フロウウェンを指揮官とする討伐部隊もまた、亜生命体群との交戦でほぼ壊滅状態となった。生き残ったフロウウェンも、高い代償をその身体で支払う事になった。
 ―――D型因子。人間ともニューマンともアンドロイドとも全く異なるルーツを持った第4の因子。
 遺跡内部の亜生命体群が内包するそれは、進化を求めて生物、非生物を問わず融合、侵食し、変容させる性質を持つ。フロウウェンの肉体は、深淵から現れた『アレ』との戦闘の際に、D型因子に遺伝子レベルで侵されていたのだ。
 同じ轍を踏ませまいと、実験体になる事を交換条件に第二陣の移民中止を提言するよう求めた。だが、結局約束は守られなかった。
 そして、A.U.W3084年。パイオニア2がラグオル軌道上に到着したその時―――あの忌まわしい大爆発が起こったのだ。
 最終的な結果を見ればパイオニア1のクルーは戦闘員非戦闘員問わず全員死亡という、最悪の大惨事だ。
「……そうだな。確かにひどい話だ」
 フロウウェンは不承不承とは言え、最後には覚悟を決めて移民船パイオニア1に乗ったのだ。ただ、フロウウェンの部下や、弟子のリコは何も知らなかった。それぞれに事情と不安はあっただろうが、新天地開拓という希望を抱えていたはずだ。
 陸軍副司令官であったフロウウェンは、部下達よりも遥かに真実に近いところにいた。権限も持っていた。もっと上手くやれたのではないか。
 そうだ。そもそも『アレ』と対峙した時、もっと自分に力があれば、あんな結果にならなかったはずだ。自分は薄々パイオニア計画の裏を感じ取っており、事態を直接打破する機会も与えられていたではないか。
 必要な物は全て持っていた。だが、ただ無力だった。こんな男の、何が英雄であるものか。
「でも、移住は成功したんでしょう?」
「いや、失敗だった」
「どうしてよ?」
「惑星の……環境に馴染めずにな。大勢死んだよ。オレ自身も死に掛けて、結局何も出来やしなかった。オレの仕事は皆を守ることだっていうのにな」
 フロウウェンは慎重に言葉を選んで言った。
「そんな……」
「死に掛けのオレに出来た事は、後から来る者達の可能性を信じる事ぐらいのものだ。だが、ここに来る前にそう信じるに足る、強い意志と力を持つ連中に出会った。オレは無力で何も出来なかったが、後の事は彼らに託したつもりだ。だから―――」
 一旦言葉を切る。リコ・タイレル。彼女もオレと同じように、彼らの手で解放される事を祈る。彼らなら、或いは―――
「ラグオルにもコーラルにも帰るつもりは無い。少なくとも今のところは、使い魔で構わない」
「そう……」
 突拍子もない話だった。
 ルイズには彼の話は半分以上信じられないものだったが、頭ごなしに否定出来るほど軽い話でもないし、フロウウェンは意味もなく嘘をつくタイプにも見えない。
 使い魔になる事を納得してくれているなら、それでいい。そう結論を出そうとしたが、心の隅に何かが引っかかる。
 ああ。自分は移民が帰ってくる事を許さなかったコーラルの人間たちと同じ事をしてしまったのではないか―――
 そう思い至った時、ルイズは胸を締め付けられるような息苦しさを感じた。望んだわけではないが、自分の都合でフロウウェンに自分の下にいる事を強制してしまっている。
 故郷に帰るつもりは無い、とフロウウェンは言う。星々を行き来する魔法もルイズの知る限り存在しない。
 だからフロウウェンが帰る事は叶わないし、彼自身が帰れない事を問題に思っているわけでもない。
 しかしだからと言って、それをよしとするのは彼女のプライドが許さなかった。
「本当……どうして人間なんかが召喚されたりしちゃったのかしら」
 昼間から何度かルイズが口にしていた言葉。けれど、その言葉に込められた意味は、今までとは少し違っていた。

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:53:03 ID:APFvdUE8
739 :”IDOLA” have the immortal servant ◆GUDE6lLSzI:2008/06/19(木) 19:37:27 ID:T9UpEbFg
以上で終了です。
途中までタイトルが
IDOLA have the immortal servantとなっていましたが、
“IDOLA” have the immortal servant が正しいです。
5/10が二回続いたり、色々不手際が合って申し訳ないです。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 19:56:38 ID:B7ZAhQFa
紙袋&鋼の人乙。

つい、サガフロ2と復刻版を引っ張りだしてきちまったぜ!

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 20:16:09 ID:KDg4WT5D
IDOLAの人、乙&GJ!

クロス先の詳細は知らないけど、面白かったっす。
続きに期待してます。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 20:18:14 ID:aNnANTzG
リコではなくフロウウェンですか。
勿論秘書はアリサですよね。

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 20:58:31 ID:2g+QA7qY
お前さんは・・お前さんはなんちゅうSSを読ませてくれたんや(京極さんSS省略)

ほんまに、ほんまに涙が出るでぇ
DC時代からのユーザーやったわしにPSOなんて感激もんやないか!!

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:00:29 ID:Hldiic5g
乙ですよ、IDOLAの人、面白かたーよ

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:09:46 ID:aNnANTzG
私なんてDCのトライアル版からですよ。
フロウウエンの持っている武器は何でしょうね?

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:11:30 ID:EzOy9J6w
PSOは昔の小説版しか知らないけど、面白かった。次回も期待。

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:35:18 ID:5+vn8wPw
元ネタはタイトルくらいしか知らないけどこれは面白そう
次回も期待しています

729 :ゼロのエルクゥ21 0/6 ◆yxbMPy6fic :2008/06/19(木) 21:44:53 ID:y6VQA6DR
PSO懐かしいなあ。ひたすらDCにかぶりつきだった……期待してます。
さて、5分後に投下したいと思います。大丈夫でしょうか?

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:47:23 ID:IJRB4qkZ
>>729
ばっちこーい

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:47:55 ID:5+vn8wPw
今日は豊作だな支援w

732 :ゼロのエルクゥ21 1/6 ◆yxbMPy6fic :2008/06/19(木) 21:50:25 ID:y6VQA6DR
「そっか……ごめんな、楓ちゃん。辛い思いをさせた」
「いえ……構いません」
「助けられてばっかりか……一年前も、今も」
「私も……耕一さんに、ずっと助けられていますから」
「そうかな。俺は、こっちが助けられてばっかりに感じるよ」
「いいえ……耕一さんがいなければ、私は……」
「楓ちゃん……」
「耕一さん……」

 タバサの『錬金』で作られた簡単なポンチョのようなもので、変身から解けた裸身を包んでいる耕一に、楓は常に寄り添っていた。
 1ヶ月ぶりの、もしかしたら二度と会えないかもしれないとまで思い詰めた状況で果たされた再会に、恋人達の交わしあう視線は、その熱を下げる事がまったくない。

「やれやれ。『男を腹の上で泣かせられれば一人前の女だ』、とは言うけどねぇ……身を引くと公言しといてなんだけど、あれだけ見せ付けられるとちょっと妬けちゃうわ」

 風の妖精の名を冠した竜が空を駆けるその背で、その二人から少し離れて一人ごちるのは、赤い髪を緩やかな風に流すキュルケ。

「…………」

 その傍で愚痴を聞かされているポジションのタバサは、しかしキュルケの言葉には反応を示さず、じっと眼下に広がる戦場跡を眺め続けている。
 エルクゥが蹂躙してきた道。静寂を取り戻した岬へと続く街道は、血の海に沈んでいた。

「……すごいものね。これ全部コーイチがやったのかしら」
「……恐らくは」

 風竜の背より垣間見た黒き鬼の姿を思い出して、タバサは自らの体が自然と震えを訴え出すのを自覚した。
 あれなら、この凄惨な光景を作り出す事が可能だ。一見トロール鬼より小柄なあの体躯には、その万倍もの力が煮えたぎっていた事を、タバサは感じとっていた。

「……サイト」

 自らの二の腕を抱きすくめながら呟くと、震えは止まってくれた。
 弱くなった。そう思うと同時に……気が安らいでもいる。
 彼に出会うまでの自分ならば、黒き鬼の力を心底羨ましいと感じ、何とか手に入れ、利用しようとしたであろう。
 復讐の誓いは変わらない。今も変わらないが……タバサはその先を、全てを投げ打って仇を討つつもりで今まで考えもしなかった、復讐を果たしたその後の事を、考えるようになっていた。
 悪魔の力でも何でも、強い力ならば渇望して止まないはずだったのに、今は……死を、死に繋がる強大な力を、恐れるようになっていた。

733 :ゼロのエルクゥ21 2/6 ◆yxbMPy6fic :2008/06/19(木) 21:51:25 ID:y6VQA6DR
「タバサ」
「……?」

 ぽん、と頭に乗せられる手。
 寒々しい蒼の髪を通してもほんのりと暖かい、『雪風』の友人である『微熱』の手。

「それでいいのよ。そう思うわ、私は」
「…………」

 主語の省かれた言葉にタバサは何も言わず、髪の毛をくしゃくしゃにされるに任せていた。

「見えてきたわね」

 キュルケが前方を見やって呟いた。
 その先には、先の細い岬の突端に立つ堅城、ニューカッスル城の姿があった。

§

「つ、疲れたのね。おなかすいたのねー……」

 ホントの本気の全速力で数時間飛び続けさせられた風韻竜の幼生は、その背に乗せていた4人の人間が城に入っていくのを見やってポツリと漏らし、ぐでーんとうなだれた。
 普通に飛ぶのなら一日でも二日でも飛んでいられるが、全速力となれば四半日が限界だ。ちょうど人間が、歩くのならば数時間でも歩いていられるが、全力で走れば一分と経たず息が切れるのと同じように。
 それでなくては間に合わなかった用事だというのは理解していたし、まともに進めば一日二日かかる道程を四半日弱で踏破した事は誉められてしかるべきだったが、人間でも竜でも、疲れた頭というのはろくな判断を下さないものだった。

「お肉たくさんもらわないと割りに合わない! 帰ったら思いっきり食べさせてもらうのね! いやいっそここで食べさせるのね! きゅいきゅい!」

 じたばたしてみても、周囲には誰もおらず、ただ雲海から吹きつける風が通り抜けるばかりだった。

「……空しいのね」

 ひとしきり暴れると、シルフィードはぐったりと地面に顎をつけた。

「それにしてもあの男の子、やっぱりすごく怖い子だったわ。シルフィの目に狂いはなかったのね」

 彼―――コーイチという男が召喚された時から、シルフィードは主人に口を酸っぱくして『あれは危険なのね。近づかない方がいいのね』と言い続けていた。
 先程あの黒い鬼の姿を見て、それは確信に変わった。オーク鬼ぐらいのちびすけの癖に、韻竜の成体をも脅かす力を持っている異形だ。あんな生き物、見たことも聞いたこともない。

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:52:32 ID:E1rCmcSp
支援仕る

735 :ゼロのエルクゥ21 3/6 ◆yxbMPy6fic :2008/06/19(木) 21:52:36 ID:y6VQA6DR
「……でも、悪い人じゃないみたい?」

 しかし、あれを支配していたのは、通常のオーク鬼やそれに類する亜人が持つような、破壊の欲求、暴行の快楽ではなく―――人間のような怒りだった。
 出力こそ、人には辿り着けぬ境地の憤怒と言って差し支えないそれはしかし、凡百の亜人どものような醜いものではない、何か大切なものを踏みにじられた時のような、熱い熱い感情だった。

「まあ細かい事はいいのね。お兄さまがいない間は、このシルフィがお姉さまを守るのね! 危険じゃないっていうのはいい事ね!」

 幼竜の疲れ果てた頭脳は、そこで考える事を放棄した。
 わたし、わたし今良い事言った! とカメラ目線でカッコつけようとポーズをとった、その時。

 ぐぅ〜……

 存外に大きな、太鼓を響かせるような重低音が響き渡り。

「おなかすいた……」

 シルフィードは、先程の決意も何処へやら、ぺたりとその場に伏せってしまったのだった。

§

「ルイズ……」
「ルイズちゃん……」

 城の一室のベッドに横たわるルイズに、キュルケと耕一は沈痛な顔で名を呼んだ。
 反応はなく、ルイズは静かな呼吸音と共に胸を上下させている。

「この人が……耕一さんの」
「ああ。まあ……ご主人様、という事になるのかな。ウェールズ皇太子を庇って、裏切り者に刺されてね」
「……まったく、ゼロのルイズの癖にでしゃばっちゃって」

 キュルケの軽口も、眉が下がって瞳が潤んでいては、ただの強がりだった。

「傷は塞がり、何とか命は繋いでいますが、目を覚ましません。血が流れすぎてしまったのかも……数日治療を続ければ峠は越えると思うのですが、現状でこれ以上の治療は、スクウェアの水メイジでもないと……」

 水のラインであるらしい女性のメイジが説明するのを、4人は言葉なく聞いていた。
 ウェールズが精鋭のメイジを率いて敵の本陣に奇襲を掛けに出て行き、城内に残っていたのは、ルイズの治療に当たった水のメイジ達と、最低限の守りとしての風や土のメイジが十数人だけであった。
 『数日の治療』が出来る可能性は、全滅を覚悟していた彼女らにとっては、いまだ望めるものではないのだろう。その声に、希望は感じられなかった。

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 21:52:58 ID:33S4NEtQ
サイト×タバサだな!
支援

737 :ゼロのエルクゥ21 4/6 ◆yxbMPy6fic :2008/06/19(木) 21:53:21 ID:y6VQA6DR
「血、か……」

 自らの右手を見つめながら、耕一がぽつりと呟く。

「耕一さん……」
「大丈夫。そんな事するつもりはないよ。思い出してただけさ」

 かつて、自らの命を救い……そして、後に続く柏木の悲劇の幕開けとなった出来事。
 それを思い出し、耕一は頭を振った。

「思わせぶりね。何かルイズを助ける方法でもあるの?」
「…………命だけなら。ある意味、命を奪うよりも酷い事だから、やるつもりはないけど」
「……参考までに、聞かせてもらえる?」

 耕一は俯き、開いていた掌を、ぐっと握り拳にした。

「俺達の血を与えて、エルクゥにする。エルクゥの肉体回復力は人間より遥かに強いから、腹を貫かれた程度なら、問題なく治るはずだ」
「……そんな事が出来るの?」
「ああ。何せ……正確には違うけど、俺自身がそうやって楓ちゃんに命を助けられた人間だからね」
「…………」

 楓が俯いてしまい、タバサが耕一の顔をじっと見つめた。
 正確には二人の前世であるが、説明してもしょうがない事だと省いた。今や前世の記憶を自らの物としている二人には、まさに自分の事でもあるのだし。

「ふぅん……で、それのどこが酷い事なの? まあ、亜人になっちゃうなんて、確かに微妙な気分だけれど……人間より遥かに強い体になるんだから、いい事でもあるんじゃないの?」

 キュルケの言葉に、耕一を見つめていたタバサの瞳が、微かに伏せられた。

「……エルクゥは、ただ体が強いだけじゃないんだよ」

 淡々と、耕一は続ける。

「エルクゥには、人の命をろうそくの炎のようにして見る事が出来る。そして……それが燃え尽きる瞬間に一際大きく燃え上がるのを、何よりも好む習性があるのさ」

 それも、自らの手で『燃え尽きさせる』事をね。
 そう続けながら、ぽんと楓の頭に手を乗せ、耕一は微笑んだ。

738 :ゼロのエルクゥ21 5/6 ◆yxbMPy6fic :2008/06/19(木) 21:54:32 ID:y6VQA6DR
「それって、つまり……」
「そう……人殺しを楽しむ鬼になってしまう。食うためでもなく、生き残るためでもなく、ただ殺すために殺す。そんな化け物に」
「…………」
「雌のエルクゥはそこまで強い衝動じゃないが、雄のエルクゥは……力を制御できずに殺人衝動に負けてしまえば、本当に、人類を殺し尽くすまで止まらない化け物に成り果てる可能性がある」
「……ルイズは女だから、大丈夫なんじゃないの?」
「産まれてくる子供が、相手が人間でも、エルクゥとして産まれてしまうんだ。それは……子供を産まないか、殺人鬼になってしまった自分の子を殺さなければならない、という事になる」

 なるほど、女として、それは悲劇以外の何者でもなかった。
 そして、耕一の口振りからして、それは決して低い確率ではなく……むしろ、制御できる方が珍しいのだと、キュルケもタバサも気付いた。

「……わかったわ。変な事聞いてごめんなさい」
「いいさ。もうあの姿を見られてるわけだし、話したくなかったら話さないだけだから」

 耕一の微笑みが本当に吹っ切れているものだと判断したキュルケは、一つお辞儀をして、寝ているままのルイズに向き直った。

「変な話になったけど、結局、ルイズはこのまま治療を続けるしかないって事なのね」
「あの、実を言うと、それは難し……っ!?」

 少し離れて話を聞いていた女性メイジが口を開いた瞬間、がくん、とベッドが軋む音がした。

「ごほっ! がふっ! あ、うううっ!」
「ルイズ!? ルイズ!!」

 それまで静かな呼吸以外の運動をしていなかったルイズが突然体を折り、激しく咳き込み始める。
 咳には血が混じり、白いベッドのシーツに赤い斑点を刻み込んだ。

「いけない! くっ!」

 女性メイジが慌てて杖を取り出して呪文を唱えると、ルイズが淡い薄青色の光に包まれる。
 血の咳は止まったものの、その顔には珠のような汗が浮かび、苦しげに喉を鳴らしていた。

「血を吐いてる……内臓の修復が完全じゃなかったの? う、だめ、私だけの力じゃ……!」
「誰か人を呼んでくるわ!」
「いえ……もうトライアングルの方々は精神力を使い果たしてしまっていて……私のようなラインやドットでは、体の中の傷は、熱や血を止めるのが精一杯で……!」
「く……!」

739 :ゼロのエルクゥ21 6/6 ◆yxbMPy6fic :2008/06/19(木) 21:55:39 ID:y6VQA6DR
 キュルケが歯噛みして、苦しげな息を吐くルイズを見つめる。
 タバサも杖をかざして詠唱を始めるが、『水』が専門ではない彼女の治癒ではドットレベルに等しく、焼け石に水のようだった。

「…………く」
「……?」

 その様子を不安げに見つめていた楓が、耕一の異変に気付いた。
 左手の使い魔のルーンが強く明滅し……何かに耐えるように、歯を食いしばっていた。

「―――耕一さん!?」

 そっとその手を取り……その冷たさに、思わず声をあげてしまった。
 いや、体温が冷たいわけではなかった。金属の刃を背中に押し当てられたような、そんな怜悧なイメージが脳裏に走ったのだった。
 それは、あの―――さっきまで耕一が変身していたエルクゥに感じたものと、同じ。

「ダメだと、わかってる……あんな事は絶対に繰り返しちゃいけない。わかってるのにっ……死ぬより辛い事だって、俺はわかってるはずなのに、なんでっ……!」
「コーイチ!?」
「……っ!」

 ぎり、と耕一の握り込まれた左手の骨が軋み……その内から、爪で掌を突き破ったらしい血が流れ落ちる。
 ルーンの光が強くなり、無理矢理糸で吊っているかのようにゆっくりと、その腕が上がっていく。

「なんで、死なせるよりマシだなんて思っちまうんだっ!!」

 ぽたり、ぽたり、と拳から滴る血が、シーツから、ルイズの顔の横を汚していき―――。

「耕一さんっ!!!」

740 :ゼロのエルクゥ ◆yxbMPy6fic :2008/06/19(木) 21:56:32 ID:y6VQA6DR
以上です。支援ありがとうございました。お楽しんでいただければ幸い。

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:00:06 ID:ZfoIXop5
お疲れ様でしたぁ。

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:04:38 ID:E1rCmcSp
耕一の人GJ&乙。ご馳走様でした。
…………タバサイktkrとかシルフィ乙とか柏木夫妻の再会おめとか
色々言いたい事があるはずなのに

ラストのせいで
「あちゃー……ルイズイっちまったかァ…………」
としか言えなくなってしもうた。
頑張れルイズ負けるなルイズ。
そういえばウェールズやおマチテファ姉妹はどうしてるんだろ?
本筋脇道の何もかもひっくるめて次回も期待してます。

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:05:29 ID:kG46Tekc
文字通りの鬼引きだ

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:09:17 ID:EzOy9J6w
ほんに、鬼のような引き。
凄いところで切るなぁ。先を渇望してしまう。

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:09:29 ID:5+vn8wPw
なんてとこで切るんだ乙!

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:12:59 ID:FHzjence
乙です。
というか、なんという引き! 止めるのか、飲ませてしまうのか、もし飲んだならどうなるのか、あああああっ、やきもきするじゃないですか!

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:16:02 ID:/gZfqEbQ
柏木夫妻はペアで来てるし、ワルドは死んでるし、才人はタバサが相手だとルイズは相手なしかあ

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:16:51 ID:D0m2Htn7
癇癪もちのルイズがエルクゥに
もう不吉な予感しかしねえ

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:17:11 ID:sLA2IOqZ
しかし才人ってガリアではどういう立場なんだろ?
ジョゼフの取り巻きからシャルル派のスパイじゃないかと疑われてて
逆にシャルル派からはタバサを篭絡しようとするジョゼフのスパイと疑われてるとかw
かなり肩身が狭そうだな(ジョゼフは面白がってそうだがw)

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:22:07 ID:E1rCmcSp
>>748
エルクゥの先輩が二人もいるんだしまあ何とかなるさ…………たぶん。
>>747
相手ならいるでしょ、キュル(ry

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:24:18 ID:fzXeS6bK
>>748
…貴方を…殺します

いや、ほら胸ないし。

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:25:35 ID:sLA2IOqZ
>>747
コッパゲ、マルコリ、オスマンとよりどりみどりじゃないかw
ちなみにコッパゲの方はポップ召喚であったし、マルコリの方は姉妹スレで

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:27:55 ID:EzOy9J6w
最近マルコメって、意外にいい奴じゃないかと思うんだ。

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:28:09 ID:0k0FIrVx
できるだけ早く、「冷徹なる義眼」は削除して貰いたい、マジで。

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:30:48 ID:/PNAVz2S
馬鹿が必死ですw

>>754

http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/9616/1213275920/210
210 名前:名無しさん 投稿日:2008/06/19(木) 22:23:48 [ .Ei7Xtm6 ]
できるだけ早く、「冷徹なる義眼」は削除してもらいたい、マジで。



756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:31:08 ID:Lv0h0Q2h
>>754
毒吐きに行け

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:31:17 ID:3V4KgXIS
>>750
どういった方向で何とかなるのかが問題ですな。

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:31:20 ID:c8DbewWj
日本兵召喚

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:33:06 ID:Lv0h0Q2h
>>758
バロン西か、船坂軍曹か、それとも葉隠四郎か

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:35:17 ID:JOzNknB6
>>758
ガ壱号の召喚ですね。

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:37:19 ID:EzOy9J6w
>>758
某ゲームのボスで出てきた、ピンク色の落書き風棒人間のことですね。

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:38:02 ID:82XnEZiF
>758
辻、富永、牟田口召喚でアンアン発狂死ですね、わかります

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:40:34 ID:fzXeS6bK
>>758
伊・九号召還でいいや。

イルカは一応哺乳類だから陸でも死なないし。

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:42:28 ID:Lv0h0Q2h
そういえばメタルダーも日本兵なのか?

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:49:19 ID:RLmn/RAG
鉄人28号召喚
操縦法? んなもの習うより慣れろだ。

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:52:37 ID:FzhQBiV/
>>758
シエスタの曾祖父の名字が坂井になるんですね、分かります。

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:52:38 ID:XjwYo+A0
>>765
大丈夫、あのリモコンは
「行け鉄人!」
「頑張れ鉄人!」
「逃げろ鉄人!」
の三つで構成されているから。

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:54:10 ID:LMdDo+Md
28号って真空管制御なんだよな・・・
ハルケなら真空管程度なら作れそうだから微妙なローテクまではいけるな。


769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:55:18 ID:53oJq5U2
早く半導体を錬金するんだ!

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:57:14 ID:t1SOa0EC
>>758
リアルアンデルセンこと舩坂弘軍曹が召喚されました

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:58:30 ID:LMdDo+Md
半導体はムリだろw
ハルケから見たら未知の素材だしw
何よりもあの集積回路なんて絶対無理すぐるwコッパゲが死んじゃうw

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 22:58:51 ID:FzhQBiV/
>>768
MiG25ならいけるんじゃね?
コッパゲ狂喜乱舞はガチだな。

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:00:02 ID:Mbe1KJBY
ルイズが乳へのあくなき執念からシリコンの錬金に成功。
それにちなんで、ラ・ヴァリエール公爵領は後世にシリコン・ヴァリエール、
すなわち「シリコン・ヴァレー」と呼ばれるようになるのじゃった。

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:01:10 ID:yc/yHna/
>>764
日本兵じゃない
だが、陛下の持ち物である事は間違いない

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:03:15 ID:53oJq5U2
>771
珪素ならそこら中にあるんだがなぁw
魔法でPN接合とか燃え燃えだ…

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:06:04 ID:1N7mdWUu
温度調節の得意(誤差0.1℃)な火系魔術師が居れば、ゲルマニウムを使った
トランジスタまでなら多分ハルキゲニアの技術でもできる……はず……

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:07:19 ID:53oJq5U2
だが…電気使えな(ry

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:07:49 ID:EzOy9J6w
バッテリーを、なんだか分からないまま電気を生む物に錬金してしまうコッパゲなら、
大雑把な概念だけ理解したらなんでも錬金しかねない。

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:09:00 ID:SVOlsuFn
>>776
コルベールとメンヌヴィルが協力して作り出すんですね

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:10:02 ID:FzhQBiV/
零戦のオルタネータを見たコッパゲが発電機の原理を知って、交流発電所建設とかありそうじゃね?
エンジンと同じように「そんなの魔法で(ry」と言われるかもしれんが。

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:13:34 ID:839sYVpc
ハルケギニアに「温度」という概念があるかどうか……
相対的な「熱い」「冷たい」はあれども。

あと、真空って概念、あるかね?

うちらの世界では両方16〜17世紀までは無かった概念なんだが。

…ま、どうでもいい話題でした。スマヌ。

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:15:05 ID:EzOy9J6w
メンヌヴィル氏は温度の世界に生きてます

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:16:08 ID:mAS38qW4
カトレアやタバサ母を治せそうな医者を召喚……

よし、誰かメフィスト病院の院長を召喚するんだ

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:16:19 ID:iyuXR/rf
原作の設定にこだわるならともかく、
SSつくる際にはある程度勝手にしちゃっていいんじゃない。
全体で整合性さえ取れていれば。

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:17:03 ID:tu+fikNW
>>759
ここは意表を衝いて牟田口廉也を!カン・ユーもおまけにつけておきます!
……済みません。

786 :虚無の王:2008/06/19(木) 23:21:37 ID:9IDE/2qc
空いている様でしたら、2325くらいから投下したいと思います。

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:21:45 ID:RLmn/RAG
冥王星までやっとこさの技術力から設計図だけで14万7千光年を踏破して一国滅ぼした例もあるんだから
ハルケでの技術拡張もできそうな気がするんだけどな。

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:21:58 ID:fzXeS6bK
>>783
ひと財産積んでもらいますぜ。の顔面ツギハギ先生を希望。
ピノコ付きならなお良し。

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:24:06 ID:53oJq5U2
>787
先ず技術が必要になる状況に持ち込まなくては

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:24:36 ID:EzOy9J6w
>>786
いらっしゃいませ

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:25:29 ID:/gZfqEbQ
お前いらクロススレなんだから第二次大戦もの漫画から選べよ
「紫電改のタカ」から滝城太郎曹長

792 :虚無の王Trick27-1/11:2008/06/19(木) 23:25:36 ID:9IDE/2qc
「ルイズ!ルイズ!どこに行ったの?ルイズ!まだお説教は終わっていませんよ!」

 迷宮にも似た植え込みの中で、六歳の幼女は身を竦めた。
 神様は魔法の才能を二人の姉ばかりに与えて、末娘に分けてやる事を忘れてしまったらしい。
 或いは、二人に与えた才能の巨大さに不公平を反省し、その妹からは取り上げる事に決めたのかも知れない。
 運命の動機がどうであれ、ルイズの小さな体に眠る魔法の才が、領地の片隅で酒場を手伝う平民の小娘と大差が見られない物である事は、動かしようの無い事実だった。
 その物覚えの悪さを、母に叱られるのは、礼拝所へお祈りに行くくらい、当たり前の行事となっている。
 そして、幼いルイズが逃げ出すのも、いつもの事だ。
 何故、魔法が使えなければならないのかも分からない幼児にとって、母親の見せる厳しさは、天災の様な、理解を超えて恐ろしい物でしか無かった。

「ルイズお嬢様は難儀だねえ」
「全く。上の二人のお嬢様は、あんなに魔法がおできになるって言うのに」

 柔らかい乳歯が、唇を噛んだ。
 天災なら、ただ身を小さくしてやり過ごせばそれでいい。
 罰だ。お前が悪いからだ、と言われてはそうもいかない。
 罪の意識は何よりも人をの心を薄弱に、矮小にする。
 召使い達の捜索の手が、植え込みの中にまで及んだ。
 茂みの隙間を行き交う木靴を目に、ルイズは脱兎の軽やかさで逃げ出した。
 その胸中は耳の長い小動物の様に、小さく小さく握り潰されていた。
 小さな赤い靴は、自然と中庭の池へと向けられていた。
 ルイズは「秘密の場所」と呼んでいる。
 滅多に人の寄りつかない、うらぶれた中庭だが、それでも池の周りには季節の花々が咲き乱れ、小鳥の集う石のアーチとベンチが有る。
 池の中央には島があり、石造りの東屋が白い光を弾いている。
 ルイズは小さな船に潜り込んだ。
 最早、船遊びをする者も無く、忘れ去られた小舟は、それでも定期的に手入れだけはされていると見え、小綺麗な顔で澄ましていた。
 例え、二度と使う事の無い船の掃除夫だろうが、年に一度も開く事の無い部屋のドアノブ拭きだろうが、奉公人を解雇する訳にはいかない。
 貴族の名誉と義務は、粗野で怠惰で愚痴ばかり零している平民達に、片手間の仕事と、幾許かの収入を約束する一方で、当の権威者の財布を圧迫する。
 備え付けの毛布にくるまると、ルイズは泣きたくなった。
 魔法の使えない貴族は、ドアを開け閉めしたり、絵入り新聞の皺を伸ばす程度の仕事も満足にこなせない、そんな平民達よりも不要な存在だ。それが分かる年頃になりつつある。
 長靴の下で、芝生が鳴った。
 ルイズは小さな期待を胸に、毛布と舟の間から空を覗いた。足音は不作法な平民が終生、理解する事の無い優雅さで彩られていた。

「泣いているのかい?ルイズ」

 鍔の広い、羽付帽子の下に、白い歯が覗いた。
 歳の頃は一六だろうか。紅顔の美少年は、その繊細な面差しの中に、勇気と自負心とを着実に蓄え、一人前の貴族へと脱皮しつつあった。

「子爵様、いらしてたの?」

 ルイズは慌てて目を逸らした。憧れの少年が見せる爽やかな笑顔に、一時、身を竦めていた惨めさが、その憧憬を吸って膨れあがった。
 全く、なんとと言う姿を見られてしまったのだろう。

「ミ・レイディ、手を貸してあげよう。さあ、捕まって。晩餐会が始まってしまうよ」
「でも……」
「また、叱られたんだね。大丈夫。僕がお父上にとりなしてあげよう」

793 :虚無の王Trick27-2/11:2008/06/19(木) 23:27:04 ID:9IDE/2qc
 躊躇いがちな指先が、大きな掌に滑り込んだ。
 立ち上がった時、舟が十六歳の重さで揺れた。見上げていた筈の顔は、いつの間にか眼下に移っていた。
 そこに有るのは、見上げていた顔ですら無い。
 車椅子に座った青年が、どこか愛嬌の有る笑みでルイズを見上げていた。
 苦笑に肩が揺れた。
 ルイズは車椅子の握りを掴むと、ゆっくりと歩を進めた。異邦人の長躯を物ともせず、大きな車輪が軽やかに回る。
 複数の足音が、下生えをかき分けた。
 一瞬、貝殻の様な耳朶を震わせたルイズは、振り向く事も身を隠す事もしなかった。
 今の自分は、貴族としての務めを果たすに十分な力を手にしていて、それが聊か王道に悖る物である点も、いつかは両親にはっきり告げなければならない事だった。
 緊張が小さく胸を叩いた。
 大丈夫。ルイズは努めて薄い胸を張る。
 自分には力が有る。それを認めてくれる人が居る。
 いざとなれば、連れて逃げてやる。そう言ってくれた男は、今、自分の手の内にある。

「そっちはどうだった?」

 声が近い。
 ルイズは繊手をぎゅっと握った。間も無く見つかるだろう。
 始祖の前へと、審判に引き出される心持ちで、ゆっくりと息を吐く。
 だが、続く召使い達の声は、その予想に全く反した物だった。

「ああ。もういいってよ」
「ああっ?」

 もういい?――――思わぬ言葉に、ルイズは愕然とした。

「もういい?そりゃ、どう言う事だよ」

 ルイズの疑惑を、一人が代弁した。
 ルイズが魔法の不出来を叱られるのは日常。逃げ出すのも日常。そして、必ず捕まるのも、また日常だ。
 母のヘ育熱心は、幼女の浅知恵など物ともしないのが常だったではないか。

「どう言うもなにも。そう言う事だろ」
「おーい、もういいってよ!探さなくてもいいって!」

 もういい?
 もういい?
 どう言う事だ?
 声が遠離って行く。
 見えない何かを、ルイズは呆然と見送った。
 手の中から重さが失われて、頼りのない手応えが滑り、消えた。
 振り向くと、大きな背中に突き当たった。
 車椅子はどこにも無かった。

「ルイズ」

 青年は振り向きもせずに言った。

「お前、もういらへんから」

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:27:05 ID:D0m2Htn7
>>783
ウェールズを生き返らせてほしいと無理難題を言うアンリエッタが見えた
そして現れる魔女医シビウ

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:28:06 ID:ZFSLCVTw
マスかき止め!支援せよ!

796 :虚無の王Trick27-3/11:2008/06/19(木) 23:28:24 ID:9IDE/2qc
 粟立つ皮膚の感触が、ルイズを夢の世界から引きずり出した。
 全身の毛穴が開き、汗がラードの粘度でじっとりと染み付いた。
 薄明かりを返して、石造りの天井がざらりと瞳を撫でた。薄布のネグリジェが肌に吸い付き、幼い曲線を微細な凹凸に至るまで露わにした。
 目を醒ました鳶色の瞳は、相変わらず機能を失ったままに見えた。
 南向きの大きな窓から、朝日が絹の柔らかさで頬を撫でた。
 ベッドを抜け出し、脚を降ろした現実の世界は、悪夢と一本の太いロープで繋がっていた。
 藁束と木箱を組み合わせた即席の寝台は空で、十字の杖の先端では、不思議な帽子が案山子の仕草で左右を見回していた。
 机の上には、ぶ厚い本がむっつりとした表情で黙り込んでいた。
 机に向かう足取りは、夢遊病者の物だった。
 事実、夢の世界の住人であると言う意味で、貴族の少女は夢遊病者に等しかった。
 鍵付きの引き出しを開けると、なによりも先に、ルビーの指輪が目についた。
 化粧箱も無く、ハンカチに身を沈めた宝石は、光の透明度と湖の深さを併せ持っていた。
 端然とした光彩は、自身が何者よりも高貴である事を、無言の内に主張していた。
 ルイズはアンリエッタの瞳を思い出した。遠慮の無い、にこやかな瞳。
 自身が上位にある事を、無意識の内に自覚している人間だけが見せる瞳だ。
 ルイズの動きは重たい。
 トリステイン王家の秘宝、水のルビーは決して着用者に超人的な膂力を要求する類の物では無く、始祖の祈祷書が幾ら重いと言っても、鍛鉄を伸ばして出来ている訳では無い筈だった。
 白い指先が、古びたページを撫で、文字を拾った。始祖の名を騙る文章は、文学的な品位とも縁が無かった。
 唇から滑り出た吐息は、どんな感情も含んでいなかった。
 内容に統一性の無い、偽書だらけの聖典。全てが偽書で、そもそも本物など存在しない、と考えるのが妥当だ。新教徒の悪辣は、今更語るまでも無い。
 衣服を着替え、今までそうして来た様に、部屋を出て水を汲み、顔を洗った。
 昨日は殆ど一日、ベッドから出る事が無かったが、今日はそうもいかない。大げさな意味では無く、命より大事な使命が有る。
 窓を開け放つと、夏風が爽やかな笑顔で出迎えた。
 この季節、早朝は唯一太陽と仲良くなれる時間だ。後、一時間もすれば空気は煮え立ち、空は灼けて白茶ける。
 鏡を前にして、身嗜みを整える。黒いマントが、自分が何者かを思い出させてくれた。
 杖に手を伸ばした時、指先が帽子に触れた。
 手に取ると、昨夜の出来事が脳裏に蘇った。
 魔法学院に行啓したアンリエッタ王女は、ヴァリエール公爵家の三女、かつてよく遊びもすれば、喧嘩もした古い友人の部屋を、こっそりと訪れた。
 心優しい姫君はまず、ルイズの無事を喜ぶと共に、体調を気遣った。
 ルイズの瞳は、生に諦めを付けた小動物のそれと大差が無かった。アンリエッタは懐かしい友達を元気付けようと、昔話を一ダースばかり口にしたが、それが本来の目的と言う訳では無さそうだった。
 続いて切り出したのは、婚姻が決まったと言う話だが、祝福を期待する様子も無かった。
 結婚と言う物は身分を問わず、恋と手を繋いでやって来る物では無いから、その点は怪しむに足りない。まして彼女は王女で、相手はゲルマニアの野蛮人なのだ。
 続いてアンリエッタは顔を両手で覆い、崩れ落ちた。本題だ。
 何事かと尋ねるルイズに、婚姻を控えた王女は、苦渋の面持ちで己が置かれた苦境を訴えた。
 王権に仕えるは貴族の義務であり、特権だ。まして、アンリエッタは幼少の砌に遊び相手を務めた仲。絶対の忠誠の対象であると同時に、永遠の友情を誓った姫君の助けを求める声に、ルイズは一も二も無く頷いた。
 水のルビーは軍資金として賜った物だ。その時、落ち着かない声が言った。

「所で、使い魔さんは?」

 不意に唇を奪った男を警戒する声とは、違った。
 答えたのは、金に困っているのか、と聞かれたツェルプストー家令嬢の様な声だ。

「使い魔?何の事ですか?」

 ルイズは帽子を放った。主人にも似た巧みさで風に乗った帽子は、クルクル回りながら、窓の外へと飛んで行った。
 杖を差し、簡単な荷物を手にすると、ルイズは樫の扉に手を伸ばした。

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:29:47 ID:ZFSLCVTw
支援!

798 :虚無の王Trick27-4/11:2008/06/19(木) 23:29:53 ID:9IDE/2qc
 背後で樫戸が開いた時も、ワルドは振り向かなかった。
 風メイジは目に頼る割合が常人よりも小さい。まして、足音も無く近付いて来た相手が、工夫の無い軋みを立ててドアノブを捻ったのだ。
 少し鋭い人間なら、その正体を察する事は容易いだろう。

「まだ、車椅子を使っているんだな」
「義足の部品も限られとるしな。くそ、暑っ。たまらへんわ」

 背後を車輪が音も無く滑った。
 開け放たれた衣裳棚には、簡素なシャツが並んでいた。
 異邦人があれこれと注文を付けて作らせる衣服は、快適そうではあるが、高貴な人間に相応しい物とも言えなかった。

「せやけど、ワイらはまだマシやな。可哀想に、“でこ”の奴は額やさかい。あの格好、見とるだけで暑苦しうなるわ」
「確かにな」
「これから、出発か?」
「ああ。どうやら、思わぬオマケも付いたらしい」
「オマケ?」
「風の王様に裏切られた、気の毒な紳士達さ」
「別に裏切ったワケやあらへん。人聞きの悪い事を言うなや」

 ワルドはちらりと視線を送った。
 車椅子の男は、汗沁みたシャツを脱ぎ捨て、新しい物を手に取った。背もたれ越しに、背中の刺青が覗いた。
 半身だけに彫り込まれた刺青。右片翼と、“飛”一字の右半分。
 空は半年間、ルイズや学院の少年少女達と過ごした。その時々で見せた笑顔、示した友情は悉くが相手を利用する為の演技であり、あの晩に見せた顔こそ、風の王としての本性。
 そこまで単純な話なら、この男は決して恐ろしくは無い。
 冷酷無情は必ず人の嫌悪と猜疑を呼ぶ。何者の信用も共感も得られない人間は、何事も成し遂げる事が出来ない物だ。
 恐ろしいのは、彼らの幼い目に映った全てが、空と言う男の正体であり、本性だと言う事だろう。
 ルイズに、仲間達に、心からの友情を抱く一方で、必要とあらば――――或いはほんのした気紛れで――――平然、踏み躙る。
 二人で酒を飲み交わした際の会話を思い出す。ナポレオンの逸話だ。
 彼は極度の負けず嫌いであり、部下とポーカーをすると、平然、イカサマに及んで省みなかった。
 それでも、勝ち分を必ず分配した為、恨まれる事も無かった。
 エジプトから帰還する船上の話だ。彼の部下達は語らって言った。
 もし、この船が沈みそうになったら、ナポレオンは迷わず自分達を海に放り出すだろう。だが、もしそんな事態になったら、自分達は命令されるまでも無く、自ら海に飛び込むだろう――――。
 大抵の場合、独裁者は“いい奴”だ。
 情に厚く、無自覚なまま、相手の警戒心を麻痺させる術に長け、特に意識する事も無く、心の隙間へと忍び入る。
 もし、あの気の毒な少年少女達が、もう騙されるものか、と警戒しているのだとしたら、心から同情するが、この先何度でも利用され、捨てられる事だろう。

「僕が思うに――――」

 心底の友人を平然、切り捨てる。それが冷酷無情の業でなければなにか。

「君には人間として重大な欠陥が有る様だ。丁度、その背中の刺青の様にね」
「あん?」
「察するに、左翼を背負う男も、本質においては君と同じ類の人間なのだろうな」
「阿呆言うな。あないなヘタレと一緒にされたらかなわんわ」

 比翼の鳥は、一羽で飛ぶ事が出来ない。
 反面、それは二つが揃えば、どこまでも飛べるのだ、と言う自負の現れとも言える。
 空の口振りからは、半身との訣別が読みとれる。
 それは二人がその精神に宿した“欠陥”の故なのか、
 それとも表面的には敵対しながら、未だどちらかが、どちらかに絡め取られたままでいるのか……。

799 :虚無の王Trick27-5/11:2008/06/19(木) 23:31:08 ID:9IDE/2qc
「なんや、その面は」

 一陣の風は、目に見えて不機嫌だった。
 ワルドは自分の口元が笑っている事に気づいた。

「この顔がどうかしたかね?生まれついての顔だと思うのだがね」
「何言うとる。ったく。こないな腹立つ顔、初めて見たわ」
「それはどうも」

 ワルドは魔法衛士隊の制服、そのシャツを脱いだ。
 これから、王女の密命に当たらねばならず、今回はお忍びだ。制服で堂々と出歩く訳にはいかない。
 左腕の中で、数本のワイヤーが微かな軋みを立てた。
 人体の柔軟さで曲がる鉄腕を、無言の瞳が撫でた。

「左腕で良かった、言う所やな」
「ああ」
「ワイと“でこ”の合作や。お前なら使いこなせるやろ」
「悪くない」

 生身と比して、硬く鋭い左腕は、乙女の柔肌を這う精密さで、絹のシャツを取り出した。

「君こそ、系統魔法を覚える気は無いのか?」
「ワイ、ここの貴族やあらへんで」
「君なら、使いこなせると思うのだがね」
「興味ない。そないな時間あらへんし、あっちに帰った時、使えるかどうかも分からへんやろ」

 硬い感触が、胸を叩いた。
 真珠の清純と、白銀の清楚が入り交じる曲面を撫でると、細い鎖が頸で揺れる。
 開いたその中では、一人の女性が微笑んでいる。

「お。大丈夫だったみたいやな」
「君には感謝している」

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:31:13 ID:ZFSLCVTw
支援

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:32:16 ID:9KErj4gr
スシ王子よりスシ王子こと米寿司を召喚
ハルケギニアにスシ旋風を巻き起こす


「お前なんか、握ってやるッ!」

「「ヨッ、スシ王子。」」

802 :虚無の王Trick27-6/11:2008/06/19(木) 23:32:25 ID:9IDE/2qc
 足音が二人の耳朶を叩いた。無意識の内にも抑えられた歩調は、それだけに警戒心を刺激した。
 空は苦笑する。よく、あのオスマンが怪しまなかった物だ。

「準備は出来たのかい?」

 ノックは無かった。ワルドが無反応な一方、空は恥じらう乙女の仕草で身を捻った。

「いやん」
「気味悪い事してるんじゃないよっ!……て、なんだい?そのごっついペンダントは。ロケット?」
「貴様には何の関係も無い事だ」

 蓋を閉じると、ワルドはシャツを羽織った。手袋を嵌めると、作り物の左腕は人体と一つになった。
 マントを羽織りながらも、秀麗な顔には汗一つ浮く事が無かった。
 夏。ハルケギニアに住む貴族の四人に三人が、風メイジを羨望して止まない季節だ。

「では、空。そちらは頼む」
「おう。ルイズと会うんは久しぶりやろ。気ぃ使うたれや」
「あの嬢ちゃんと、知り合いかい?」
「婚約者だ」
「あんた、ロリコン?」

 心ない一言に、風メイジは小さく肩を竦めた。

「その科白は、妙齢の女性に言われ慣れている」
「何が言いたいんだい?」
「誤解を受けやすい男が、一人居ると言うだけの話だ」

 慎ましい貸し家の借り主が姿を消すと、そこには主人よりも大きな顔をした居候と、一人の女と、自身の若さに対する一抹の疑念、行き所の無い苛立ちだけが残された。
 空の笑顔は、あくまで朋友を送る為の物だった。
 空気を読めない風の王も、冗談が通じない年齢と言う物が確かに存在する事を心得ている。

「いけすかない男だね」
「女を怒らす名人みたいな男やからな。気にせんこっちゃ」
「はん……それよりも、あいつがしてたロケットだけどさ」
「あれはやめとき。まだ、命が惜しい歳やろ」
「あんたも大概だね」

 柳眉がバネ仕掛けの勢いで跳ねた。
 金が要らない人間は居ない。
 お宝を盗まれてあたふたとする貴族の姿は、最高の見せ物だ。
 常日頃、勇気だのと名誉だのと言っている奴らが、その時だけは、算盤片手に頭を抱える商人と変わらない本性を晒す。
 逆に言えば、色々な意味で金に変えられない物には、手を出す気は無い。
 気になったのは、ロケットの中に一瞬覗いた肖像画だ。見た事も無い技法で描かれていた。

「あれは、何の系統の魔法で描いてあるんだろうね。風?水?」

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:33:11 ID:ZFSLCVTw
支援

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:33:11 ID:RLmn/RAG
支援

>>791
シルフィードで逆タカ戦法、で最後はガリア艦隊へ向けて特攻か

805 :虚無の王Trick27-7/11a:2008/06/19(木) 23:34:25 ID:9IDE/2qc
 ドス黒く濁った夜が明け、嘘寒い夜が過ぎ、ギーシュは漸く、夜明けには太陽が昇るのだ、と言う簡単な事実を思い出した。
 瞼を貫く朝日に感謝したのは、登山の最中に滑落し、遭難して以来の経験だ。
 冒険の旅には準備が欠かせない。だが、生憎、ギーシュが用意出来るのは、我が身一つでしか無かった。
 酒、食べ物、女の子へのプレゼントと、手元に残らない物ばかりで乱費を繰り返した少年は、奇天烈なデザインの衣服以外に大した物を持ってはいなかったし、先日の一件、男子寮塔は無傷では済まされなかった。
 簡単な身繕いを済ませると、ギーシュは勇躍、床に転がる数人の紳士を飛び越え、石造りの塔を後にした。
 夏の禍々しい陽射しも、感激に胸を膨らませた少年には、心地よい物だった。
 忠誠と憧憬の対象であったアンリエッタ王女は、昨日以来、信仰の対象へと変わっていた。
 その王女が、トリステインの可憐な花が、薔薇の微笑みの君が、微笑みかけ、その運命を左右する重大な任務を授けてくれたのだ。
 最早、この世のいかなる苦難も、死ですらも、取るに足りないではないか。
 芝生に沈んだ長靴は、踵を上げる代わりに、口を閉ざして考え込んだ。
 気が利かない。気が回らない。思慮が足りないギーシュ・ド・グラモンとは言え、履き潰した長靴程度には、考える事も有る。
 美しい王女の為に死ぬ事が出来るのなら、この上無い名誉だろう。
 だが、今の自分には、そんな贅沢は許されない様に思えた。

「ミスタ・グラモン」

 背後からの呼びかけは、彼女が一人では無い事を教えてくれた。“飛翔の靴”を履いたメイド、シエスタの隣には、料理長のマルトーが控えている。
 眉を跳ね上げる表情筋の動きが、はっきりと分かった。
 シエスタにマルトーなら、異色の組み合わせと言う訳では無い。
 だが、小太りの料理人が浮かべる笑み、進んでこちらの足下に平伏す顔つきは、潔癖な少年貴族を満足させるよりも、寧ろ苛立たせる類の物だった。

「言われた通りに、物置小屋を開けておきました」
「ありがとう、シエスタ」
「空の野郎をとっちめよう、て言うんでしよう?ミスタ・グラモン」

 初老の境に踏み込みつつある平民は、“我等が風”と言う呼称を、三日前のどこかに忘れて来てしまった様だった。
 長年、魔法学院の料理人を勤め上げて来ただけあって、マルトーは強かだし頭もいい。
 夏季休暇と共に手に入る筈だった一時金を、約束相手ごとフイにしたのは誰か。
 帰省しない居残り組の食事は、大切な収入源だ。それをフイにしてくれたのは誰か。
 魔法学院の組織が一変される様な事があれば、料理長の地位が危ういかも知れない。誰のせいだ?
 それを、よく理解している。

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:35:38 ID:ZFSLCVTw
支援

807 :虚無の王Trick27-7b/11:2008/06/19(木) 23:35:49 ID:9IDE/2qc
「こうなったら、皆さんだけが頼りですからね。我々も及ばずながら、応援していますよ」

 その声はギーシュの耳に届かなかった。事によったら、目にも見えていないかも知れない。
 誰にでも、我慢出来ない物の一つや二つは有る物だ。

「ミスタ・コルベールの様子はどうだい?」
「魔法治療はもう終わって、今は何しろ人手が足りませんから、私達が交代で御世話しています」
「メイドの皆が、と言う事かな?とにかく、あの人の事は宜しく頼むよ。ミスタにもしもの事があったら、あの男に対抗する為の、重大な出がかりが無くなる」
「あの……本当に空さんが?」

 善良なメイドの少女は、未だに先日の出来事が理解出来ていない様だった。
 当然だろう。目にした自分でも、未だに信じられない程だ。
 皆さんだけ――――マルトーは図らずして真実を口にした。
 事態を正しく理解出来ているのは、武内空と接触があった自分達だけで、それは、風の王の魔手からこの世界を救い得るのは、自分達だけだ、と言う事も意味していた。

「ほら、シエスタ。ミスタ・グラモンをお送りして」

 二人が物置小屋へと向かったのは、見知らぬ誰かに促された為では無かった。
 正体不明の襲撃者により、魔法学院が一夜にして壊滅した。この事実をどう処理して良いのか分からなかった王政府は、禿上がった頭を学院ごと抱え込んでいる。
 貴族の子弟を永遠に拘禁しておく訳にはいかないにしても、方針が定まるまで、この事態を壊れた城壁の中に仕舞い込んでおくつもりなのだろう。
 粗末な物置小屋は粗方片付いていて、大きな木箱が積まれた陰には、大きな穴が口を開けて待っていた。
 我が愛する使い魔、ジャイアントモールのヴェルダンデは全く重宝だ。

「じゃあ、行って来る。後の三人が通ったら、元通りにしておいてくれ給え」
「あの。ギーシュ様で最後です」

 それは、意外な一言だった。

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:36:19 ID:ZFSLCVTw
支援

809 :虚無の王Trick27-8/11:2008/06/19(木) 23:37:07 ID:9IDE/2qc
 魔法学院の物置小屋から伸びるモグラのトンネルは、坑道の快適さでギーシュを数十メイル先へと案内した。
 五分ぶりの太陽が目に突き刺さった。
 眼球の奥に軽い焼灼感を覚えて手を翳すと、おかしな色の樹の下に、おかしな服を着た亜人が二人、右に左に目を配っていた。

「遅いぞ、ギーシュ」
「すまない」

 自らも木陰に避難した時、緑色の影は黒に戻っていた。
 眼前に立つのは、着飾った亜人では無く、二人の友人。マリコルヌにレイナールだ。
 王女より密命を与えられたギーシュは、二人の親友を推挙した。絶対に信用のおける紳士達であるから、と。
 当初は困惑の顔を見せたアンリエッタは、結局二人の同行を許す事にした。
 本来なら、ギーシュは言い出さない。アンリエッタも応じない。共通した理由が、二人に節を曲げさせた。
 ルイズの様子は誰の目にも正常とは言い難く、王女にとってヴァリエール家の三女は掛け替えのない友人で、勇敢な貴族にとっては、この世界に迫る脅威へ対抗する唯一の光明だった。

「ルイズは?彼女はどうした?」
「彼女なら着替えている」

 レイナールは眼鏡を押さえた。小さな廃屋が、レンズの隅に透けて見えた。

「着替え?」
「宮廷とは麗しくも恐ろしい所だよ。あの蜘蛛の巣で、一人のレディが秘密を守るのは簡単な事じゃない。今度の密命だって、誰かの耳に入っているかも知れないだろう。盗み聞きを趣味とする変態紳士が、君だけだなんて、始祖だって保証出来っこないんだからね」
「人聞きの悪い言い方はやめてくれ給え!」

 ギーシュは憤慨した。
 四大系統は風の王を前に無力だった。ならば、ルイズの平たい体に眠ると言う“虚無”は、武内空を倒し得る、唯一の武器だ。
 その彼女にもしもの事が無い様、見守るのはトリステイン貴族の、いや、彼女と裏切り者の使い魔を知る者の、聖なる義務ではないか――――ギーシュの言葉には一切の下心も、邪念も無かったが、それだけに、あまりタチが良い物とも言えなかった。

「まあまあ。そこで、僕は考えた。姫殿下の密命は勿論、大事だ。何物に変えてでも成し遂げねばならない。
だが、同時に、あの風の王や、その手の者供から、ルイズを守る事だって、当然考えなくちゃいけない。そこで、彼女には僕が用意した衣裳に着替えて貰っている訳さ」
「なるほど。変装で敵の目を欺くのだな」
「あの男はどうにもならないだろうが、手下には有効だろう」

 感心する代わりに転がり落ちた吐息は、砂利の重さを帯びていた。
 当のレイナールも、気楽なギーシュも、それが一つの前提を必要としている事を知っていた。
 その手下が、トリステインの貴族で無ければ。
 王国の貴族に、あの邪悪なレコンキスタの浸透分子が紛れている。そんな噂は学生の耳にさえ、時折飛び込んで来る。
 嘆かわしい話だが、反逆者の手先が居るなら、侵略者の手先が居た所で、不思議とするに足りないだろう。
 マリコルヌが捻り出した息は、その体躯に相応しい重さを備えていた。

「し……彼は本当に裏切ったのだろうか?」

 眼鏡の奥に光る瞳には、蔑みよりも憐みが灯っていた。
 ギーシュはどこを見て良いのか分からない様子で、首を左右した。
 マリコルヌ。必ずしも善良とは言えないが、比較的愚かな友人の感想は、二人の頭のどこかに繋がった物だった。

810 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/19(木) 23:37:27 ID:0TP8ynyQ
sirnn

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:38:14 ID:ZFSLCVTw
支援

812 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/19(木) 23:38:35 ID:0TP8ynyQ
sien

813 :虚無の王Trick27-9/11:2008/06/19(木) 23:38:57 ID:9IDE/2qc
「だって、僕らはあれだけ巧くやっていたし、その、旅行だって楽しかったし、先に手を下したのは、学院側だって言う話だろう。何かの行き違いがあって、まだ話し合う事も出来るんじゃないか、て。そう思うのはおかしな事なのだろうか?」
「僕らと、あの男は全く違う存在だ。違う物を同じ様に扱おうとすれば、間違いが起きる物だよ」
「でも……」
「こんな話を知っているかい?」

 眼鏡のレイナールが割って入った。
 とある、樵村で起きた出来事だ。
 木の伐採を巡って、翼人との衝突が発生した。このままでは木材で生活している村は乾涸らびてしまう。
 領主に騎士の派遣を要求するも、梨の礫。
 村人達は遂に翼人との決戦を決意する。
 そこに、一人の若者が割って入った。怪我をした所、翼人の牝に治療を受け、情が移った男だ。
 彼は訴えた。
 翼人とは分かり合える。
 話し合いで解決すべきだ。
 大体、悪いのは後からやって来て勝手に村を作った人間ではないか。

「おかしな言い分だな。自分が人間では無いつもりか?」
「まあまあ。だが、翼人は先住を操る手強い相手だ。平民が束になっても敵わない。結局、なんやかんやの経緯の末、彼等は若者の言う通り、和解を選んだ。若者は件の翼人と結ばれ、彼等は翼人と協力して暮らしてゆく事になったんだ」
「美しい話じゃないか」
「ここで終わっていればね」
「終わらなかったのかい?」

 脂肪が不安気に揺れた。

「ある意味、終わったよ」
「どう言う事だ?」
「一月後、その村は無くなった」

 肉付きの良い喉が、硬い息を飲み込んだ。何が有ったかは、聞く必要が無かった。
 お人好しで、何よりも恋愛沙汰に興味を示す少年の顔は、能面の様に凍り付いた。

「まあ、ただの噂だよ」
「噂だって?」
「だって、そうだろう。本当に村が全滅したなら、誰がこの話を伝えるんだ?大方、廃村で翼人を見た、と言う話に尾鰭が付いたのだろうな」
「驚かせるなよ」
「まあ、事の真偽はともあれ、自分と違った存在を、自分の尺度で測るのは危険だと言う事だ。物事の順逆を間違えるのは更に拙い。犬公爵の話は君らだって知っているだろう?」
「ああ。あのバカ殿様だろう」

 子宝に恵まれなかった公爵は、犬を着飾らせ、領民達を平伏させた。
 やがて、犬を傷付けた者を罰する法令を出した。
 ついには生物一切の殺生を禁じ、背いた者を次々と処刑した。
 人間と動物、どちらが大切か。そんな簡単な問題に正しく答えられなかった公爵は、半年後には領民達の手により吊され、領地は暴動に乗じた隣国に併呑されたのだ。
 この事件と、公爵お気に入りの愛妾、隣国出身の新教徒が常々、動物愛護と平和と平等とを語っていた事実は、恐らく、何の関係も無いのだろう。

「さっきの話もそうだ。もし、話し合いを主張していた例の若者が、翼人なんかよりも先に、仲間と話し合う事を考えていたら、もう少し違った結末が有っただろうにね」
「噂だろう」
「噂だ。でも、ついこの前まで誰かが住んでいた筈の村で、翼人だけが目撃されたのは、多分事実なんだろうな」
「ああ、ああ。全く。嫌な話だ」
「優先順位をはっきりさせよう。僕らにとって一番大切なのは、我が王国と、領民達だ。異世界から来た、て言う訳の判らない男と仲良くする事じゃない」

 薄い戸板が小さな軋みを吐き出し、紳士達の会話を中断した。
 空気を読む事を大の得意とする二人の紳士から、声が失せた。
 戸惑いと恥じらいとを含んだ、薄桃色の空気が、少年達を局所的に緊張させた。

814 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/19(木) 23:40:06 ID:0TP8ynyQ
sien

815 :虚無の王Trick27-10/11:2008/06/19(木) 23:40:21 ID:9IDE/2qc
「……あの……この服……」

 躊躇いがちに囁く声と、二人が首を巡らせるのは、ほぼ同時だった。

「……こ、これは、そのー……問題があるのではないかね?」
「レイナール。君は“神”か?」
「賤しい、始祖の下僕さ」

 掌の陰で、眼鏡が光った。
 ギーシュは唸りを上げた。賤しい始祖の下僕が用意した衣裳は、明らかに始祖の教えに背く、倒錯的な物だったが、だから言って責める気には到底なれなかった。
 ルイズは恥ずかしそうに身を捻った。
 こいつは誰だ?
 心の中で、ギーシュ・ド・グラモンそっくりな声が言った。
 羞恥に頬を染め、睫を伏せるルイズ・ド・ラ・ヴァリエールと言う生物がこの世に存在するなど、昨日までは想像もつかなかった事だ。
 ゆっくりと流れる時は、ローションの粘度を帯びていた。
 鬚の生えた鼻先が足下に覗いた時も、一同は無言だった。
 レイナールはただ一人、始祖が自身に許した才能に泥酔した様子で、しきりに眼鏡を押さえていた。
 土塊が大人しい仕草で弾けると、巨大なモグラが顔を出した。
 ギーシュの使い魔ヴェルダンデは、苦手な筈の太陽に怯む様子も見せず、しきりに鼻をひくつかせた。

「ああ。ヴェルダンデ。僕の可愛いヴェルダンデ。こんな物を見てはいけないよ。きっと、僕の友人はサハラの悪魔にあらぬ事を吹き込まれたに違い無いんだ。何しろ、夏だからね」
「こんな物?ここ、こんな物ですって。一体、どう言う意味?どう言う意味よ!私だってね、好き好んでこんな格好してるんじゃないんだからね!」
「まあまあ、待ちたまえ。言葉遣いに気を付けないと、変装が台無しだ。今の君は公爵家の令嬢ではなくてだね……」

 ヴェルダンデは身を震わせて、体表の土を払った。
 公爵家の令嬢では無い、どこかの誰かの柔らかい下腹に、鼻先が突き立てられた。

「ちょ……」

 悲鳴は上がらなかった。地中を馬と変わらない速度で進める巨大モグラは、電光石火、ルイズを押し倒し、ほっそりとした肢体にのしかかった。
 すぐ後に居たレイナールは、紳士らしい俊敏さを以て身をかわした。犠牲者が令嬢では無い以上、少年貴族が責められる謂われは何一つ無かった。

「や!ちょっと!どこ触ってるのよ!」

 モグラの鼻先が、柔らかい肢体を突き回した。
 白いシャツが捲れ上がり、滑らかなお腹が露わになった時、三人の少年は、手助けが必要だと考えた。
 勿論、実行には移さない。使い魔のモグラが何を求めているかはよく分からなかったし、なにより自分達が手を出せばさすがに犯罪だ。
 こう言う時は、事のなり行きを見守るにしくは無い。

「或る意味、官能的な光景だなあ。ギーシュ。君こそ、“神”ではないのか?」
「単なる始祖の下僕だ。だけど、ヴェルダンデには神の啓が宿ったと見えるね。ああ、可愛いヴェルダンデ。君は最高のパートナーだ」
「バカな事言ってないで助けなさいよ!こら!無礼なモグラね!姫様からいただいた指輪をどうする気!」

 内心で手を打ちながら、ギーシュの手は顎に当てられたままだった。
 なるほど、指輪か。ヴェルダンデは宝石が大好きだ。勿論、人が身に着けている物には手を出さない様、躾けてある。
 白魚の指を飾る宝石は、世界一賢い使い魔に、その躾を忘れさせてしまう程の代物なのだろう。
 さて、どうしよう。
 眼下でルイズとモグラが絡み合う。白いシャツがはだける度に、チラチラと白い素肌が覗く。
 ヴェルダンデの意図を伝えて、友人を助けてやるべきか、それとも我が使い魔に降りた神の啓示を尊重するべきか。
 友か、神か。ギーシュが少年らしい実直さで頭を悩ましている時、風が蠢いた。
 一陣の突風が、棍棒となってジャイアントモールを弾き飛ばした。
 緩んだ目尻に、緊張の筋が通ると、三人は一斉に散った。
 杖を抜き放ち、魔法を唱える一連の動きは反射的な物だ。

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:41:03 ID:ZFSLCVTw
支援

817 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/19(木) 23:42:38 ID:0TP8ynyQ
sienn

818 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/19(木) 23:42:39 ID:0TP8ynyQ
sienn

819 :虚無の王Trick27-11/11:2008/06/19(木) 23:42:47 ID:9IDE/2qc
「待ち給え。僕は敵では無い」

 聞き覚えの有る声が、造花の花弁を飛ばそうとするギーシュを思い止まらせた。
 朝靄の中から降り立つ人影に、一同は息を漏らす。
 悪夢の一夜を経験した貴族達は、揃って風には過敏になっていた。

「驚かせないで下さい。それに、僕の大切な使い魔に対して、あまりに乱暴ではありませんか」
「人が襲われている様だったのでね。君達こそ、何をしていたんだね。紳士が三人も揃いながら、見て見ぬフリかね」
「紳士だからこそです」
「なあ、諸君。この紳士と、知り合いなのか?」

 一人、会話から取り残されたレイナールが、二人に紹介を促した。

「ああ。以前、旅行中に知り合ってね」
「女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長ワルド子爵だ」

 レイナールは瞳の色を変えた。女王陛下の魔法衛士と言えば、王国中の若い貴族の憧れだ。
 文弱と見なされがちな、眼鏡の少年とて例外では無い。
 一方、別の意味で顔色を変えたルイズは、慌てて顔を逸らす。
 嘘でしょう。
 聞いていない。
 どう言う事?
 頭の中で、似たり寄ったりの言葉が、ぐるぐると渦を巻いた。
 まさか、ワルド子爵が、許嫁か、幼い初恋の相手が、同行するなど聞いていない。
 そう知っていれば、こんな変装など、決して受け容れなかった物を。

「所で諸君。肝心の人物が見当たらない様だが」
「我々の使命は危険な物で、赴くは血で血を洗う戦地です。姫殿下はお優しい方。心からの信用をおける人物を必要とされてはいましたが、同時にそんな相手を死地へと送る事に心を痛められたのでしょう。
結局、ラ・ヴァリエール嬢が推挙する人物を遣わされる事になされたのです」

 予め用意され、冷え切った言葉を前に、ワルドは内心で首を傾げた。
 そんな話は聞いていないし、不自然が過ぎる。
 何より、事の真贋によらず、自身の計画が始まる前から狂う事は、愉快な話では無かった。
 レイナールは態とらしく眼鏡を押さえた。唾液が石の感触で胃に落ちた。
 相手が相手だ。決して生粋の正直者では無いが、虚構と現実とを切り分けて生きて来た少年にとって、魔法衛士隊隊長と言う権威を前に嘘を通すのは、極めて神経に堪える事だった。

「あ、あの……!」

 猜疑の眼に、レイナールが言葉を接ごうとした時、ルイズが動いた。
 正体を隠し通す事について、許嫁を前にした少女は、誰よりも切実だった。

「は、初めまして!……宜しくお願いします。ワルド子爵!……」

 二つの碧眼から、猜疑の色が抜け落ちた。 
 無意識に漏れた吐息の中には、あるだけの思考力が溶けていた。
 一見簡素ながらも、品の良い衣服が、子鹿の曲線を包んでいる。
 ピンクブロンドの向こうに、薔薇色の頬と、熱を帯びた項が覗く。
 頬を染めて目を逸らすのは、花も恥じらう美少年。

「姫殿下から護衛を仰せつかっている。こ、こちらこそ宜しく頼む」

 体のどこかから、上擦った声が漏れた。
 魔法衛士の胸中に開いた世界扉は、見た事も無い世界に繋がっていた。


 ――――To be continued

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:43:19 ID:ZFSLCVTw
支援

821 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/06/19(木) 23:44:03 ID:0TP8ynyQ
sien

822 :虚無の王:2008/06/19(木) 23:44:04 ID:9IDE/2qc
御支援ありがとうございました。

今回はここまでです。

次回投下まで、また時間がかかるとは思いますが、その時は宜しくおねがいします。

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/19(木) 23:50:21 ID:t1SOa0EC


学院壊滅してもたくましくルイズを見守る紳士たちにワラタ

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:22:54 ID:TthCHKvu
また変態紳士かw

ワルドは属性多すぎだろう

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:28:40 ID:DtZLeaMj
乙でしたー!

に、してもワルド…。
それは本当は女の子だからねー(しかもアンタの婚約者なんだよー)
あっちの世界へ行かないでちゃんと戻ってくるんだぞーw

826 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔:2008/06/20(金) 00:45:20 ID:Q+HmRF4B
人はいるかな?
虚無の魔術師と黒蟻の使い魔の8・9話を投下したいと思いまする


827 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第8話:2008/06/20(金) 00:46:28 ID:Q+HmRF4B
「うーん……」
ルイズは一人唸っていた。
自室のベッドに腰掛け、あごに手を当て考え込んだかと思うと、頭を抱えて俯いたりと落ち着きのない姿を見せている。
ふと、窓を見ると空が赤いことに気づく。
いつの間にか日が暮れていた。……そんな風に思えればどれだけ嬉しいだろうか。
ルイズの心中は、しつこくも地平線の上で粘り続ける夕日に対する憎々しげな気持ちで一杯だ。太陽など早く沈んでしまえばいいのに。
太陽が沈めば夜が来る。待ちわびていた夜が来る。
夜が来れば……。
夜が来れば?
夜が来たところで何も変わりはしないじゃないか。
夜が来たところで……
「することがない……」
ルイズは暇を持て余していた。

ギーシュとの決闘の後、ルイズとギーシュには学院から処罰が下されることとなった。
謹慎5日間。
今日はその初日である。
謹慎期間中は授業には出られず、食事も自室でと、基本的に寮から出ることは出来ない。唯一の例外は風呂だが、それも時間を指定され、好きな時間に入ることはできない。
規則を破り、勝手なことをした分、勝手を、自由を制限される。
朝食、昼食と、シエスタが食事を持ってきてくれたので、その僅かな間だけは暇を持て余さずにすむが、それ以外は己一人、部屋の中にあるものだけで時間を潰さなければならないのである。
朝食をとった後、モッカニアの『本』の魔術審議の場面を読んでイメージトレーニングをし、魔術審議を行った。
続いてその成果を試すために黒蟻を呼び出していろいろと操ってみる。実践を積んだからだろうか、7匹同時に操ることに成功した。
ルイズとしては出来ることなら一日中でも魔術審議をしていたいところだが、魔術審議はやりすぎると混沌に近づきすぎて命を失う可能性すらある。
司書養成所であれば指導教官がその辺りを見極めて危険な領域に行く前に止めてくれるのだが、流石にモッカニアの『本』が止めてくれたりするわけは無い。そのあたりは自分で少しずつ限界を見極めていくしかない。
仕方なく魔術審議を打ち切った後、系統魔法のトレーニングをしようと思ったのだが、思いとどまる。部屋の中でトレーニングを行ったらルイズの場合取り返しのつかないことになってしまう。仕方なく、窓の外へ向かって魔法を放ったところ、教師から叱られた。
危険だ、と。
それはルイズ自身にも否定できない。
ルイズのすぐ横で窓ガラスがびりびりと震えていた。もう少し近くで爆発が起きてしまったら、おそらくガラスが割れて大変なことになっていただろう。
こうしてやることが無くなった。
部屋を見渡す。
暇な時にすることといえばやはり読書だろうと思ったが、今部屋の中にある本はモッカニアの『本』を含め全て読んだものばかり。
学院の図書館の品揃えが充実しすぎているため、いくつかの手元に置いておくべきと判断した本を除いて本は買わないようにしている。そして、必然的に手元に置く本というのはもう幾度と無く目を通したものばかりである。
モッカニアの『本』を除けばもう読み飽きたというのが実情だ。時々無性に読みたくなることがあるから手元に置いてあるのだが、暇なときに限ってそういった欲求が生じないものである。
ならばモッカニアの『本』を読めばいいではないかと思い、実際に読んではみるが……。『本』を読むという行為は、本を読むのとは違うのだ。『本』はほんの僅かな時間で莫大な量の情報が頭に流れ込む。
読み疲れるまで読んだところで、時間はどれほども流れていない。暇を潰すのには向いていないものなのだ。
ならば、手遊びに趣味の編み物でもやろうかと思ったが、ハルケギニアにもモッカニアの世界にも例を見ない革新的な毛糸の塊が出来つつあるのを見てやめた。
その後本棚の整理をしたりいろいろと足掻いた揚句、2時間ほど午睡し、目が覚めたらやっと空が少し赤らみ始めていたところだった。


828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:46:54 ID:DtZLeaMj
投下OK、支援する!

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:46:58 ID:kRxpXX2Q
>黒蟻
待ってました!

830 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第8話:2008/06/20(金) 00:47:29 ID:Q+HmRF4B
やっと、日輪が地平線の下に沈みきった。
まだ空は明るいが、しばらくすれば夜の様相を示すだろう。
そこからまたしばらくの後、シエスタが夕食を持って来てくれる筈だ。それまでの辛抱。
夕食さえ来てくれれば、あとは精々のんびりと味わい、しばし食休みをし、後は入浴、そして睡眠と時間を持て余す暇はないだろう。
ならば、後は夕食が来るまでの時間を如何に過ごすかだけだ。
(あぁ、早くシエスタが来ないかな)
そう思ったのと同時に、自分がついさっきまで寝ていたことを思い出す。
服に皺ができている。そんなに気にするほどのものでもないように思えるが、貴族たる者、人に見られる時はきちんと身だしなみを整えておかねばならない。
シエスタが来る前に身だしなみを整えねば。場合によってはシャツを取り換える必要もあるか?
そう思い、姿見の前に立ち己の姿を確認する。多少皺が付いているが、わざわざ着替えるほどではないか……。
なんだか胸のあたりの皺が少し目立つように思える。
(むう)
それは胸周辺の布地が余っていますと言わんばかりに思えてくる。
ルイズは己の両の二の腕で、左右から胸を寄せてみる。
しかし、そのようなことをしても平原は平原のまま。地殻変動で山が隆起することもなければ、渓谷が現れることもなかった。
「ぐうぅう」
ルイズの口から悔しげな呻き声が漏れる。
(いや、あきらめるな!)
私はこれから成長期だ。ルイズはそう己に言い聞かせる。
そして、縦しんばこれ以上の成長がならずとも、間もなく完成するはずだ。完成させるはずだ。アカデミーに勤める姉、同志エレオノールが、禁断の肉体改造魔法を完成させてくれるはずだ。
それまでの辛抱。今はただ耐えればいい。
しかしただ耐えるだけの日々も辛い。
ならば、その日が来るまでは、今あるものだけでいかに魅力を引き出すかを考えねばなるまい。
「こ、こうかしら?」
ルイズは鏡の前で腰をひねりしなを作ってみせる。



831 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第8話:2008/06/20(金) 00:48:18 ID:Q+HmRF4B
「んー? これもいいなぁ」
空が夜の様相を示し始めても、ルイズは鏡の前でポーズを取っていた。
「これか?」「これか?」「これか?」「これか?」
次々と、かわるがわるポーズをとっていく。
ルイズは己の魅力を如何に引き出すかに夢中になっていて、時間の経過も忘れていた。
そして、周りの音も聞こえなくなっていた。
「こっちのほうがいかなぁ?」
「あ、あの……」
故に背後からかけられたその声にも気づかなかったし、その前に幾度も繰り返されたノックの音にも気づかなかった。
「あ、あの! ミス・ヴァリエール!」
背後からかけられるその声が、気勢を強くしたことで、やっとルイズはそれに気づいた。
そして固まった。
人差し指を立てて口にあて、ウィンクした状態で固まった。今にも「禁則事項です」と言いそうな姿勢で固まった。
「も、申し訳ありません! ミス・ヴァリエール! 何度もノックして、返事もないのでその眠ってらっしゃるのかとも思ったのですが、ご飯が冷めてしまったら、その、何と言うか、申し訳ありません」
声の主はシエスタだった。
メイドとしてそれ相応の教育を受けているシエスタではあったが、鏡の前でかわるがわるポーズをとる貴族への対処の仕方など知らなかった。いや、それが貴族でなく平民のメイド仲間であろうと、シエスタには状況を乗り切る術など持ってはいない。
しどろもどろになりながら、とりあえず頭を下げる。

ギ、ギ、ギ。
そんな音が聞こえてきそうなぎこちなさで、ルイズの首が回り、シエスタの方へ向く。
その顔には、何かいろいろな表情が混ざり合ったような微妙な表情が張り付いている。
「も、申し訳ありません!」
シエスタは改めて頭を下げる。
「アラ、ナニヲアヤマッテイルノ? しえすた」
ルイズが口を開いた。
「え、あのその、お、お取込中のところ、失礼してしまって……」
「オトリコミチュウ? ワタシハナニモシテナカッタワヨ。ヒマヲモテアマシテぼーっトシテイタダケ」
「え?」
「アラ? しえすたニハ、ワタシガナニカシテルヨウニミエタノカシラ? ネエ、しえすた。アナタハナニヲミタノ?」
「い、いえ。ドアを開けたら退屈そうにボーっとしているミス・ヴァリエールが見えただけです」
「そ、そうよねぇ!?」
「は、はい! もちろん」
「「あははははは……」」
二人は顔を見合わせると、搾り出すように笑った。


832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:48:33 ID:AWV80VvG
支援

833 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第8話:2008/06/20(金) 00:50:07 ID:Q+HmRF4B
「で、では、夕飯を運びますね! 少々お待ちください」
シエスタは何とも言えない空気に耐え切れず、そう言ってあわてて扉の外、夕飯を乗せたワゴンの元へと駆け寄ろうとするが、
「あ!」
そこで己が失念していた存在と目が合う。
ワゴンの傍らにマルトーがいた。
「失礼してもよろしいですかいね? ミス・ヴァリエール」
「だ、誰? あんた。何の用よ」
ルイズもマルトーの存在に気づき、再び固まりかけるが、マルトーのほうから口を開いたので、それに答える形で何とかフリーズを免れる。
「料理長のマルトーと申します。この学院の使用人の取り纏めもやっております」
マルトーはそう言うと深々と頭を下げる。
「本当はもっと早く伺おうと思っていたんだが、ですが、何分、仕事柄、朝飯作ったら昼の仕込み、昼がすんだら夜の仕込みといった具合で、こんな時間になっちまいまして……」
マルトーは少しぎこちない敬語で言う。それはあまり敬語を使い慣れていないせいかもしれないが、シエスタと同じように見てはならないものを見た故の動揺かもしれない。
どちらであるかルイズに見極めることは出来ないが、とりあえず、ルイズは何事も無い風を装い、マルトーを見据える。
「それで? 何の用なわけ? 配膳ならシエスタ一人で十分でしょう」
「礼を……シエスタを助けてくれた礼を、言おうと思ってな」
マルトーの口から発せられたのは、ルイズの予期せぬ言葉だった。
「え?」
「いやよ、あんた、シエスタが貴族に難癖つけられてるところを助けてくれたって言うじゃねえか」
マルトーは少し興奮した様子で、敬語も忘れてまくし立てる。
「だからよ。シエスタの上司として礼を言わせてもらいたくてよ。正直なところを言えばよ、貴族が平民を助けてくれるなんて、俺は思っても無かった。
それなのにあんたはシエスタのために決闘までして、怪我を負ってまで助けてくれたそうじゃねえか。あんたみたいな貴族がいたなんて俺は感動した。本当、ありがとうよう」
一気にまくし立てるマルトー。
その勢いに押され、絶句していたルイズ。
だが、マルトーが言い終えると、ルイズの顔が見る見ると紅潮していく。
「な、な。何言ってるのよ。れ、礼なんて言われる筋合いは無いわよ! シエスタは何も悪くないんだし、わ、私は、貴族として当たり前のことをしただけなんだからっ!」
ルイズは顔を赤くしながら、早口でまくし立てる。
「いやいや。流石だ。当たり前にシエスタを助けてくれるってんだから、本当、頭が下がるぜ。頭を下げて礼を言うぐらいしかできない自分が恥ずかしくなる。
そうだ! 何か好きな食べ物があれば言ってくれ。出来るだけメニューに加えるようにするからよ!」
マルトーも負けじとまくし立てる。
そんな二人のやり取りを見て、笑いながらあきれたようなため息をつくシエスタ。
二人を尻目に、机の上にクロスを敷くと、次々と皿を並べていく。
それが済むとまた二人を見る。相変わらずのやり取りが続いている。
「マルトーさん。ミス・ヴァリエールも困ってらっしゃいますよ。ご飯の用意も出来ましたし、それぐらいにしないと」
「お、そうか?」
シエスタの言葉に、やっと口を閉じるマルトー。
それをみてルイズはほっと胸を撫で下ろす。
「でも、私からももう一度お礼を言わせてください。有難う御座いました」
シエスタはそう言うと、にこりと微笑む。それを見て、再びルイズの頬は紅潮する。
「それに、凄い格好良かったです。男の人に、あんな風に腕っ節でも勝っちゃうなんて憧れちゃいます」
言うと、シエスタはファイティングポーズのようなものをとって、おどけて見せる。
「れ、れれれ、礼は、い、いらないって言ってるでしょ! それよりアンタ達。食堂の方の食事も始まるでしょ。こんな所に居ていいわけ?」
「はい。ではそろそろ失礼しますね。ごゆっくり召し上がってください。後程、食器を下げに伺いますから」
シエスタはぺこりと頭を下げると、マルトーを促して部屋を出て行く。
そんな二人の背中を、ルイズは呼び止める。
「ちょっと待ちなさい。マルトー。アンタに確認しておきたいことがあるの」
マルトーが振り返る。
「シエスタには確認したけど……。マルトー。あなたはこの部屋で何か変なもの見たりしたかしら?」
ルイズの言葉に、マルトーは思わず噴出しそうになる。
「いやぁ、俺は何も見ておりませんぜ」



834 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第8話:2008/06/20(金) 00:50:58 ID:Q+HmRF4B
シエスタとマルトーがルイズの部屋を出て、厨房へと帰る途中。
思い立ったようにマルトーが口を開く。
「シエスタよぉ」
「はい?」
「お前さんは立派な貴族だ何だと言ってたが、あれはアレだ。立派とかそういうのは置いといて……、変な貴族だな」
マルトーの言葉に、シエスタは思わず苦笑いする。
「ミス・ヴァリエールは、含羞の人なんですよ」
シエスタが言うと、マルトーは「なるほどなぁ」などと独り言ちながら歩いていった。


シエスタの並べた皿の前、ルイズは座っている。
決闘で、テンションの上がっていた時ならいざ知らず、改めて感謝の言葉を言われるとどうにも落ち着かない。照れてしまう。感謝されるのには慣れていない。
況してや、
「格好良かった、ねぇ……」
そんな事を言われるのは初めてだ。
ルイズは自分の左手を見る。
拳が少し擦り剥けてヒリヒリと痛む。ギーシュを殴ったためだ。
外れた右肩は、医務室で水系統のメイジに治してもらったため、もう痛みもない。
だが、左拳は小さな傷であったため、治療を担当したメイジも気づかず、そのままにされている。
しかし、傷の大きさのせいだけではないだろう。
貴族が決闘で拳を痛めるなど、思いもしなかったのだろう。だから見落とした。
闘っている時は無我夢中で気にしてなどいられなかったが、自分の手で殴るなど貴族の戦い方ではない。謹慎中で他の生徒と接する機会がないが、今頃、醜い戦い方だとこき下ろされているかもしれない。
しかし、シエスタはそれを格好良いと言ってくれた。
魔法の使えない平民ゆえの感想だろう。貴族であるルイズとしては素直には受け取りにくい言葉ではある。
しかし、この拳がなければ、決闘に負けていたのも事実。
「平民のために力をふるう」などと言っても、この拳がなければシエスタ一人救うこともできなかったのも事実。
「筋トレでもしようかしら、どうせ暇だし」
呟いてみる。
肉体強化の魔法は掛け算だ。
武装司書たちも、ただ肉体強化の魔術審議を繰り返すだけで超人的な身体能力を手に入れたわけではない。ロードワークや筋力トレーニングなどを並行して行うことによって、より強靭な肉体を手に入れる。
「ついこないだまでは『普通の貴族』、『真っ当な貴族』になることが目標だったのにね……」
ルイズは自嘲する様に言う。
「すっかりもう『変な貴族』になってしまったわね」
ハルケギニアのメイジで、魔法ではなく肉体を鍛えようとする者など、軍人ぐらいのものだ。
しかし、モッカニアたち武装司書を参考にして力を手に入れんとするルイズは、肉弾戦を魔法と並べて考えることができる。
モッカニアをはじめとした武装司書は、その比重に個人差はあれど、魔法も肉体もどちらも鍛えるものだ。
モッカニアは魔法に重きを置くタイプではあるが、その身体能力は飛行機による爆撃を回避してみせるという、ハルケギニアの常識からすれば規格外のレベルだ。
そもそも、ハルケギニアに戦闘機などないので比較しにくいが。例えばトロル鬼。例えばミノタウロス。そういった人間をはるかに超える肉体をもつ亜人にそんな所業ができるだろうか?
いや、無理だろう。
トップクラスの武装司書になれば、その身体能力だけで亜人以上の脅威だ。
「……まぁ、とりあえずご飯ね」
そういうと両手を組み目を閉じる。そして始祖への感謝の祈りを捧げる。
信じ、敬い、そして裏切ってしまった始祖への祈り。
「ほんと、つくづく『変な貴族』よね」



835 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第8話:2008/06/20(金) 00:52:02 ID:Q+HmRF4B
「ふむ。5日間の謹慎ご苦労じゃった。今後このようなことの無いようにの」
謹慎最後の夜、ルイズとギーシュは学院長室に呼ばれていた。
この時をもって謹慎は終わり、晴れて自由の身となった。
「ミス・ヴァリエールは残っていただけますか?」
オスマンの隣に控えていたコルベールが口を開いた。
その言葉に怪訝とした顔をするギーシュだが、当のルイズが特に気にする風もないので、結局、何も言わずに退出した。

見送ると、再びコルベールが口を開く。
「さて、ミス・ヴァリエール。言われたものは持ってきましたか?」
「はい」
ルイズは答えると、ポケットからハンカチに包まれたモッカニアの『本』を取り出す。ここに来る前に持ってくるように言われたのだ。
手の上に乗せ、ハンカチを広げ、モッカニアの『本』のルーンのある面を見せる。
「ふむ」
それを見てオスマンが嘆息する。
「何しろこんな使い魔は例がなくての、少し調べさせてもらってよいかの」
「例のない使い魔ってことでしたら召喚して一目で解ることですのに、その時は調べもせずに契約させて、今更になって調べるのですか?」
少し嫌味たらしくなりすぎかとも思いながらオスマンの言葉に噛みつくルイズ。言われるままというのも癪だと思ったのだ。
言われてオスマンとコルベールがばつの悪そうな顔をする。
「いや、そうなんじゃがの。今は更に例の無いことが起こっておるじゃろ」
オスマンが弁解する。
「石が呼び出された時点で十二分に調べるべき事態だったと思いますけど……」
ルイズは更に皮肉を言いながらも、
「この子たちのことですね」
そう言ってモッカニアの『本』を持つのとは反対の手に黒蟻を一匹出現させる。
「ほお」「おぉ」
二人は思わず息を漏らす。
生き物が召喚される現象は、彼らの常識ではサモンサーヴァント以外に存在しない。紛れもなく前例のない状況だ。

「失礼しますよ」
そう言うとコルベールは杖を取り出しルーンを唱える。
ディテクトマジック。魔力を探知する魔法だ。
「どうじゃ?」
「そうですねえ。ミス・ヴァリエールとこの蟻の間に魔力的な繋がりがあるのは間違いありませんね」
「繋がりと言うと?」
「ミス・ヴァリエールからこの蟻に魔力が供給されています。しかし、蟻と石の間には特に何もありませんね」
「ふむ。つまり、蟻を呼んでいるのはミス・ヴァリエールであり、その石ではないということじゃの」
ディテクトマジックの結果について話し合う二人にルイズが口を挟む。
「当然でしょう。石ですもの。石が意思を持って何かをできるとお思いですの? オールド・オスマン」
「いや、その石が未知のマジックアイテムという可能性もあるかと思っての」
オスマンのその言葉に、
「そうですね。ミス・ヴァリエール。少しその石を調べてさせてもらいますよ」
コルベールが追従する。
(来たか)
ルイズは心中で舌打ちする。
石はただの石であり、調べる必要は無い。そういう方向へもっていこうと思っての言葉だったが裏目に出た。
しかし、それも想定の範囲内。
「少々お待ちください」
そう言うとルイズはポケットから白い手袋を取り出す。
「触るときは手袋をしてください。それと机から30サント以上持ち上げないでください。くれぐれも気をつけて扱ってください」
「え?」
「当然ではありませんか? 使い魔と主は一心同体と習いましたよ。ならば、それは私自身も同じ。乙女の柔肌にそんなに簡単に触れていいと思っているのですか?」
面食らった表情のコルベールに、ルイズは満面に如何にもな作り笑顔を浮かべてみせる。
「随分大切にしているようじゃの」
「勿論です。メイジとして使い魔を大切にするのは当たり前でしょう。それが優秀な使い魔というなら尚更のこと」
乙女の柔肌云々は冗句。ただ、ルイズがこの使い魔を大切にしているのだと、そう認識させれば良い。そうすれば、主の目の前で使い魔に対して主の意に反した扱いをすることなど出来ないだろう。
直接触れさせるのだけはまずい。本当はモッカニアの『本』について調べられること自体嫌なのだが、この際触らせなければ、読まれなければよしとする。


836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:52:21 ID:hMfsZxWv
教祖様自重支援w

837 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第8話:2008/06/20(金) 00:53:38 ID:Q+HmRF4B
「ディテクト・マジックには反応ありませんね。特に魔法がかかってるわけではないようです。見た感じはただの石ですけど、細かい成分までは解りませんね」
「ふむ。つまり石そのものに蟻を召喚する力はない。あくまでコントラクト・サーヴァントの影響と見るしかないようじゃのう」
「しかし、コントラクト・サーヴァントで使い魔が何かしらの力を手に入れることはありますが、主が力を手に入れるなど聞いたこともありません」
「阿呆。そんなもん言い様じゃわい。『主の目となる能力』などと言うが、『使い魔の視界を覗き見る能力』と言い換えれば主人の側の力じゃろう」
「うーん。確かにそうですね。ともあれ、前例から推し量る現在の研究では、コントラクト・サーヴァントは解らないことが多すぎますね」
「確かにのう。今回の様な前例から外れた事態でも起きない限り、原理原則が解らんとも、どんな能力を使い魔が手に入れようと『こんなもん』で済ましてきた部分じゃからのう」
「その辺りは、いずれ誰かが解明しなければならない部分でしょうね」
「そうじゃが、解明しつくしてしまうのも問題がある気もするのう」
「どうしてです?」
「もし使い魔召喚から契約までの仕組みが完全に解き明かされてみい。皆、好きなものを呼び出して、好きな能力を好き勝手つけてしまうようにならんか? 相応しい使い魔を召喚するという部分を無視しての」
「確かに。未知の部分があるからこそ、神聖な儀式足り得るのかもしれませんね」
「まぁ、杞憂じゃと思うがの」
オスマンとコルベールの会話をルイズは黙って聞いていた。
少し話が逸れてはいるが、都合のいいほうに話は転がっている。
結局ルイズの嘘は、秘密の部分を全てコントラクト・サーヴァントの未知の部分に押し付けることで成り立っている。蟻を呼び出すこの能力の原因をコントラクト・サーヴァントに求めるかぎりばれない嘘。
ルイズにとって都合の悪いパターン。コントラクト・サーヴァントの仕組みが解明されてしまった場合。謎を隠れ蓑にしているのに、その謎が無くなったらルイズの嘘は完全に破綻する。
だが、それは心配はないだろう。六千年に渡り未知であった部分が、今日、明日に突如解明されるなど思えない。多少の希望的観測に拠るが問題ないだろう。
「ところでの、ミス・ヴァリエール。お主はどうしてこの石を蟻の巣じゃと思ったんじゃ? それにどうして蟻を呼び出せると思ったんじゃ?」
オスマンが突如ルイズに水を向けた。
「それは……。コントラクト・サーヴァントをした時に、何と言うか、頭に情報が流れ込んできたというか……」
嘘ではない。「頭に情報が流れ込んできた」という部分に限れば。
使い魔と心が通じ合ったりだのというのはよくある話。その類だと思えなくもないだろう。
「なるほどのう」
オスマンの態度も、特にそれを疑う素振りはない。
「しかし、石の中に住む蟻など聞いたこともないわい。いや、それを言ったら大きさもじゃの……。こんなでかい蟻は初めて見るわい」
そんなオスマンの呟きに答えたのはコルベールだった。
「世界は広いですからね。どこかにそんな蟻がいても不思議はありませんよ」
そう前置き、
「決闘以来、図書館でいろいろと調べてみました。東方には竹の樹上に巣を作る蟻がいるとか、南方に水上に巣を作る蟻もいるとか。大きさについても3サントを超える種類もいるそうですよ」
コルベールが蘊蓄を披露する。
「そんなもんかのう」
オスマンもそれに適当な相槌を打つ。


838 :虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第8話:2008/06/20(金) 00:54:49 ID:Q+HmRF4B
「ふむ、まぁ、大体解った。いや、解らんことばかりじゃが、取り敢えず経緯と事情は把握できたし良しとするかの」
オスマンの言葉は、ルイズの使い魔に対する詮索の終了を意味する。
その言葉にルイズはほっと胸を撫で下ろす。
「わしから言えることは……そうじゃの、その黒蟻にはお主の魔力が与えられてるということを忘れんようにってとこかのう。ならば魔法と同じように使いすぎれば打ち止めになることもあるってことじゃ。逆に……」
「逆に、鍛えればより多くの蟻を使役できる、でしょうね」
オスマンの言葉をルイズは引き継ぐ。
「ほ、ほ。言うまでもなかったかの。いまいち解らんところが多いとはいえ、せっかく手に入れた力じゃ。大切にしんさい」
オスマンは言うと、何か言うことはあるかといった視線をコルベールに向ける。
「えー、そうですね。コントラクト・サーヴァントしたときに解ってたなら、そのときに言ってほしかったですね」
「あら? 石を召喚しても問題視しなかったのですもの。それが蟻の巣になってもさして変わらないと思いましたわ」
オスマンに水を向けられたので、取り敢えず言うことを探したコルベールだが、思わぬ反撃を受けて苦笑いする。
「まぁ。明日は虚無の曜日じゃ。久々の自由じゃ。羽を伸ばすがよかろう」
見かねたオスマンが場を締めくくるように言った。


「嫌われたのう。ミスタ・コルベール」
「いや、まぁ、言いたくなる気持ちは解りますよ」
ルイズのいなくなった部屋の中。
老人と中年の二人きりの反省会。
「どうなんじゃろうなぁ。蟻はあれでアリとして……」
「ガンダールヴや虚無の話が何処かに行ってしまいましたね」
「うーむ。取り敢えずあの使い魔をどうこうしようというのはやめたほうが無難かの。あの娘もアレを気に入ってるみたいだしのう」
「それは、やめたほうがいいでしょうね。そもそも道に外れた行為であったわけですし。本人が使い魔に納得していないならともかく……」
オスマンもコルベールも、ガンダールヴの調査のためなら使い魔を殺してもいいなどと思っているわけではない。
ルイズの使い魔が生物でなく、殺すわけではないということ。使い魔として主に奉仕するということが有り得ない存在であること。そして、その使い魔をルイズが嫌がっていること。
これらの理由が、言い訳があるからこそ、ガンダールヴを調べるために石を砕いてでもサモン・サーヴァントのやり直しをさせようという思考に至った。
しかし、その使い魔はルイズに蟻を呼び出すという力を与え、そしてルイズはそれを気に入っている。
それでは免罪符が足りない。
「ガンダールヴについては地道に調べていくしかないでしょう」
コルベールは諦めたように言う。
「しかしのう。もし本当に虚無、本当にガンダールヴだとわかったらどうする? ガンダールヴであるならやはり召喚しなおすほうが良いかもしれん」
「あの使い魔がガンダールヴだとハッキリしたら。彼女が虚無の使い手だとハッキリしたら……。そうなってしまったら本人に説明するしかないでしょう」
「その上であの娘がどうするか? か。もしガンダールヴの力をほしいと思ったなら……。わし等がやるのとは違うからの。不注意で石を落して砕けてしまう。そんな事故はいくらでも起こせるだろうからのう」


839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:54:52 ID:hMfsZxWv
支援

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:55:27 ID:Q+HmRF4B
第8話終了
ちょっと、魔法の研究は前例主義なんて都合よく書いちゃってますが、
まぁ、原作でもガンダールヴのルーンに対して、過去の文献を当たるって調査方法を取ってるからそうじゃないかなーと。
まぁ、物語的なご都合主義です

続いて9話連続で投下


841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:56:49 ID:bHamZM08
支援

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:57:00 ID:hMfsZxWv
そういえば原作もそろそろクライマックスだね支援

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:59:25 ID:kRxpXX2Q
同じく支援!

今連載中の作品では黒蟻、提督、魔砲が大好きだぜ!

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 00:59:58 ID:M0OU+4Jg
>同志エレオノールが、禁断の肉体改造魔法を完成
おい!www

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:13:13 ID:/gJuyGiC
なんという投下ラッシュ
スバラシイネ

支援

846 :くろありー:2008/06/20(金) 01:14:25 ID:Q+HmRF4B
かきこめるかな?
さるさんくらって避難所に第9話投下しました
連続でなんていって、いきなり消えてしまって申し訳ない

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:22:07 ID:lRtXr7cp
それでは、代理やってみます

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:22:50 ID:DtZLeaMj
第8話乙でしたー。
続いて第9話代理支援!

849 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:23:04 ID:lRtXr7cp
トリステイン王国王都トリスタニアの路地裏にある一軒の武器屋。
薄暗い店内。その天井近くを黒い一匹の虫がふらふらと飛んでいる。
客はいない。店主一人。
店主はその虫には気づかず、それ故に気づかない。次の瞬間、その虫が忽然と消えてしまったことに。
「消えた」という言葉は比喩ではない。文字通り存在していたはずのその虫が、次の瞬間には存在していなかった。
虫が入ってきたことも、忽然と消えてしまったことも知らない店主だが、次に入ってきたものには当然のように気がついた。
見落としようもない。人間。
だが、それも先ほどの虫が忽然と消えたことには比べられないが、異常なものだった。
「これはこれは貴族様。うちはまっとうな商売をしてまさあ。お上に目を付けられるような事なんか、これっぽっちもありませんですぜ?」
それは貴族だった。
武器屋である以上、客は武器を使う平民がそのほぼ全てを占める。貴族の客などいない。
貴族が全く店を訪れないわけではない。しかしそれも客とは云えぬ者ばかり。
忌々しい徴税官が定期的に来るが、それは当然客ではない。
稀に、土メイジが己の魔法で作った武器を売りに来ることもあるが、それは客ではなく取引相手。仕入先。
そもそも店に直接売り込みに来るようなメイジは、まず貴族の位を持っていない。平民のメイジだ。
唯一店に訪れる貴族で客と言えるのは、彼が武器屋の店主として培った武器を売りに来た土メイジとの繋がり、コネクションを求めに来た者ぐらいだ。
それを踏まえて入って来た貴族を見る。
ピンクブロンドの美しい髪。背丈は150サント程度か。低い。背も低ければ顔も幼い。体型も幼い。
少女だ。
店主にとってはうろ覚えの記憶で確信が持てないが、マントの留め具に刻まれている紋章は魔法学院のものだったように思える。
見た目の特徴と併せて考えれば、魔法学院のものでほぼ間違いないだろうと店主は決めつける。
しかし、そう決めつけたところで店に来る理由は分からない。
徴税官ではない。
ならば学生が小遣い稼ぎに武器を売りに来たのか? それにしては手ぶらだ。
ならば土メイジを紹介しろと? そんなもの学校にいくらでもいるだろう。
いや、貴族でないメイジと繋ぎをとりたがるなんてのは、大抵が何らかの訳有りだ。見知った者には言えない事情があるのやも知れぬ。
いや、どんな事情が有るのかなど知ったことではない。
ただ、あまり考えなしの人間と関わり合いになるのは勘弁願いたい。
目の前の少女。いかにもだ。
しかし、その少女の口から出た言葉は店主のそんな想像からかけ離れたものだった。
「客よ。剣? 槍? なんでもいいから武器を買いにきたわ」
その少女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは言った。

850 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:23:54 ID:lRtXr7cp
「なんでもいい、ですか?」
店主は思わず聞き返してしまう。武器を買う貴族もあり得ないが、武器屋に来て「なんでもいい」と言った客は初めてだ。
「そうね……。取っ手? 柄って言うの? とにかく手で持てるようになってて振り回したり出来るものなら何でもいいわ」
つづけて言うルイズの言葉に店主は吹き出しそうになる。
そんな物、店の中にある全てがあてはまる。用途として振るより突くためのもの、レイピアなどがあるが、振り回すことができないわけではない。
これで出した物が気に入らないとケチをつけられても堪らない。
武器のことなど何も知らない貴族の娘だからこその物言いなのだろう。自分が求めている物を正しく説明できていないのだ。
店主はそう判断し、何とかより詳細な情報を引っ張り出そうとしたところで思いつく。貴族が武器を求める理由。
「あれですかね。最近物騒ですから従者に武器を持たせるんですな。その従者の方の体格とか教えていただければ、適当なものを見つくろえるんですがね」
店主の言葉にルイズが小首を傾げる。
「物騒?」
その反応も店主の想像から外れている。
「最近『土くれ』のフーケなんて言う盗人が幅を利かせているじゃねぇですか。それで警備のために従者を武装させようってんでしょう? お客様。流石に貴族様自ら買いに来られたのはお客様が初めてですけど」
ルイズの反応に戸惑いながらも言う。
しかし、やはりルイズの反応は芳しくない。
「フーケ、ねぇ。確かに聞いたこともあるわ……。言われるまで忘れてたけど……。そんなのは関係ないわよ。私は寮住まいだし、警備のことなら学校は先生が、実家はお父様が考えてるわよ」
店主の考えは外れていたらしい。
ならば、何のために使うのか? 店主の頭からその答えを導き出すことは出来そうもない。
事実、次にルイズの口から放たれた言葉に店主は耳を疑った。そんな答えを導き出せるわけがない。
「使うのは私よ。体格は見ての通り。身長158サント。わかったら何か適当なもの持ってきなさい」
ルイズは当たり前のように身長を5サントほどサバを読んだ。
彼女自身が使うらしい。
そんな答えを導き出す武器屋などハルケギニア中探してもいないだろう。

店主が店の奥へとはいって行った。
それを見送るとルイズは一匹の蟻を出現させる。
ただ、その蟻は決闘の際に呼び出した物とは違う。その背に羽根が付いている。
羽蟻だ。
謹慎期間中に羽蟻を生み出すことに成功した。
モッカニアはこの蟻を偵察用として使っていた。
ルイズと黒蟻達は感覚を共有していない。黒蟻の見たものをルイズが見ることはできない。
ルイズに解るのは蟻達がどの辺りにいるか。そして生きているか否かぐらい。
しかし、この羽蟻と、今は呼び出していない女王蟻を使うことで簡単な偵察ぐらいはこなせる。
羽蟻と女王蟻の間では信号による情報のやり取りがある。
羽蟻を偵察対象の近くに潜ませ、女王蟻を手元に置くことで、女王蟻を経由して羽蟻周辺の様子を窺うことができる。
とはいえ女王蟻とも思考を共有しているわけでもなし、羽蟻の信号を受けた女王蟻の反応で察するしかない。せいぜい動きがあるか、異常があるかなしかが分かる程度。
偵察、探索はモッカニアにとってはおまけのような能力。本職の探索系の魔法の使い手、あの館長代行とは比べるべくもない。
ただ、モッカニアの場合は羽蟻と女王蟻のセットを他者に貸してやることができるのが、他の探索系の魔法と比べても優れている部分だ。
虚無の曜日ということで街へ出たルイズだったが、街を歩いている時間がもったいないと思い、歩きながら、新しく生み出せるようになったこの羽蟻の操作を練習していた。
しかし、平面の動きから立体の動きに変わったことで、自在に操るには今までよりはるかに難しい。
そのため羽蟻の精密操作をしながら大通りを歩くと人とぶつかりかねないと判断し、通りを一本折れた。
するとそこにあったのがこの武器屋。ルイズは思うところあり、入ってみた。
そして今に至る。
店主が店の奥から戻ってくる気配を感じ、ルイズは蟻を消した。

851 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:24:39 ID:lRtXr7cp
「お客様でしたらこれなんかいかがですかね?」
店主が持ってきたのは見事な装飾の入ったレイピアだった。
ルイズの体格から、扱えるとしてもせいぜいこのサイズだろうという判断。また、魔法衛士隊の軍人などはレイピア型の杖を使う者が多い。
そしてルイズは貴族であり、金は持っていそうだが武器の良し悪しなど判りそうもない。ならば、細かな装飾の入った、武器としての性能とは別の部分で高価なものを売りつけるのに丁度いい。
そういったことを踏まえて持ってきたのだが、
「駄目ね。軽い」
ルイズは一蹴した。
「か、軽い、ですか?」
言葉の通りルイズはレイピアを片手で持つとぶんぶんと振り回している。
そもそもレイピアは刺突剣ではあるのだが、そうでなかったとしても素人丸出しの振り方。
だが、幾ら細身の片手剣とはいえ、女の腕力であんな小枝を振るうかのように振れるものなのか。
店主は目を疑う。
「悪かったわね。言い忘れてたわ。私が探してるのは手で持って振り回せる『重いもの』よ」
ルイズはなんでもない風に言ってのける。
「重けりゃなんでもいいんですかい? 剣でも、槍でも」
「そうね……一応、剣に限定しておこうかしら。剣を使えるようになったらブレイドの魔法で応用が利きそうだし」
ブレイド。杖の周りに魔力をまとわせ、剣のように振るう近接戦闘用の魔法である。
ルイズは当然使えない。
「兎に角。一番重要なのは重さよ。重い剣はどれよ」
「き、貴族様。力自慢なのかもしれないですけど、力が強いからといってただ重い剣使えばいいってもんじゃないもんです。重いっつーことはでかいってことでもありますし、どうしても取り回しが難しくなる。悪いことは言わねえから先程のレイピアぐらいの方がいいですぜ」
店主は思わず、高いものを売りつけるといった目的も忘れ、真面目に忠告する。
しかし、ルイズはそんなことは知ったことではないとばかりに言い放つ。
「いいのよ、取り回しだとかは。兎に角重くないと筋トレにならないでしょ」
「き、筋トレ?」
思わず聞き返す店主。
「そうよ。腕力つけるんだったら重いもの振り回すのが良さそうじゃない。でもって剣の使い方も身につけば儲け物だけど、そっちは二の次よ。兎に角重さが重要なの」
ルイズの言葉に店主はぽかんと口を開ける。


852 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:25:14 ID:lRtXr7cp
「ケッ。何が筋トレだ。重りと武器の違いも解んねえお嬢ちゃんは武器屋に来るんじゃねえや」
突如、ルイズの背中に罵声が浴びせられた。
驚いてルイズは振り向くが、そこには誰もいない。確かに声がしたはずなのに、人の姿はどこにもない。ただ、壁際に武器が陳列されているだけである。
しかし、そんな誰もいない空間に向けて店主が叱責の声を飛ばす。
「こら! デル公! 貴族様に失礼なこと言うんじゃねぇ! 黙らねえと熔かしちまうぞ!」
それに対し、再び誰もいない空間から声が返る。
「やれるもんならやってみろってんだ! こちとら長いこと生き過ぎて、疾うの昔に飽きちまってんだよ」
店主の言葉に対し、誰もいないはずの空間から店主に食って掛かる言葉が発せられる。
そして、その声の裏側でカチャカチャと金属の音がするのをルイズの耳は捕らえた。
「インテリジェンスソード?」
古き時代のメイジが作った喋る剣。
人がいない。剣はある。そしてそこから声がする。
ならばインテリジェンスソード以外あり得まい。
「はい、インテリジェンスソードのデルフリンガーっちゅうんですけどね……」
店主がルイズの言葉を肯定する。
「ただ、どうしようもなく口が悪くて……」
「ふーん……」
ルイズは剣の並べられているところへと歩み寄る。
その中の一つ、一際大きい、ルイズの背丈ほどもある大剣。その鎬の部分が、まるで人の口のようにカチカチと動いているのを見つける。
「こいつね」
ルイズはその大剣を持ち上げる。
「こら! 小娘! 俺に触るんじゃ、って、ええっ!?」
「んなぁ!?」
ルイズがその大剣、デルフリンガーの柄を両手で握り振り上げると、デルフリンガーと店主が頓狂な声を上げる。
デルフリンガー程の大きさの大剣、ルイズのように鯖を読まなければ150サント程にもなる大剣となれば、女子供に扱えるようなものではない。
それをルイズは、軽々ととは行かないが、大上段に振り上げてしまったのである。
彼らが驚くのも無理はない。
「ん。これは、重いわね……」
ルイズは力みながら言うとデルフリンガーをゆっくりと床へおろす。
「ありえねぇ」
「おでれーた」
店主とデルフリンガーが驚きの声を洩らす。
抱き上げるような持ち方ならともかく、柄を握って振り上げれば手首にかかる重量は生半可ではない。身の丈ほどもある大剣を振り上げる。それは女としても小柄な体格のルイズができることではない。
店主は、目の前のルイズの体格とその手に持つデルフリンガーを見比べて、それが現実なのか、己の目を疑っている。
しかしデルフリンガーの驚きはそれとは違うものだった。


853 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:25:48 ID:lRtXr7cp
「お、お前っ! 使い手か!?」
「使い手?」
デルフリンガーの吐く耳慣れぬ単語にルイズは首を傾げる。
「いや、使い手じゃねぇか。うん、違うな、こりゃ」
「使い手って何よ?」
「でもなんか似てるんだよな、使い手に。なんだろな、こりゃ」
「だから使い手って何よ?」
「んー。似てるんだけどな。なんか違うんだよなぁ。つーか、これ、俺とあんま関係ないのか?」
「あーもーっ! さっきっから何ぐちぐち言ってんのよ! 聞いてるんだから早く答えなさい!」
ルイズは怒鳴った。
店主は思わず身をすくめているが、ルイズの目にはすでに店主は入っていない。
デルフリンガーはルイズの剣幕に少し驚いて、少しの沈黙の後、口を開いた。
「あー、使い手ってのはあれだ……忘れた」
店内に沈黙が流れる。
「ア、アンタ、私を馬鹿にしてるのね。け、剣に虚仮にされるなんて初めてだわ。お、重しつけて海に沈めてやろうかしら」
沈黙を破ったのはルイズだった。
「ち、ちがっ。本当だ。本当に忘れちまったんだよ! 何しろ随分と長いこと生きてきたもんでな」
デルフリンガーが慌てて取り繕うが、
「つまり、適当なことを言って私をおちょくろうってわけね。壁の中に塗りこんで、夜な夜な声の聞こえる呪いの壁にでもなってもらおうかしら」
それは逆効果だった。
ルイズは不意に店主を見る。
「アンタもこの何の役にも立たないお喋りくそ野郎の処分の仕方を考えなさい。こんなものを店先に置いておいても意味ないでしょう」
ルイズは引き攣った笑みを浮かべながら言う。
「それに何これ? 錆び錆びじゃない。こんなんじゃ剣としても使えないだろうし、口を開けば人をおちょくろうってんだから処分したほうが世のためよ」
ルイズは刀身を少し鞘から抜き、それがすっかり錆びているのを確認すると言った。
「いやいやいや! 待て待て待て! おちょくるつもりは無え。それに役立たずでもねえ。確かにいろいろと忘れちまって入るが、今解ることってのもあるんだぜ」
デルフリンガーは慌てる。
熔かしたければ熔かせと言っていたのがうそのように慌てる。
先程の言葉は口先だけだったのか、ルイズの微妙に陰湿な処分方法が嫌なのか、それとも気が変わったのか。
「お前さん。俺を振り上げたのはすげえと思ったけど、ありゃ、お前さんの腕力じゃねえだろ。何かよく解んねえ力で、腕力を水増ししてるだろ」
デルフリンガーが言う。
「…………」
その言葉にルイズは沈黙した。
「俺は俺をもったやつのことならある程度わかるんだ。お前さんの自前の腕力じゃあ、絶対にさっきみたいなことはできねえ。使い手が何だったが忘れちまったが、使い手もそういう筋力とは別の力で嵩を上げてた気がするんだよ」
デルフリンガーが更に捲し立てる。
「よく解ったわね」
ルイズはぼそりと呟いた。
「へえぇ。腕力を上げる魔法ってのもあるんですかい?」
そう言ったのは店主だった。
「えぇ」
ルイズが店主を見ずに答える。
「水の魔法の応用よ。病気や傷を治す要領で、健康な人間をより健康にしてるのよ」
ルイズは嘘を吐いた。
「…………」
今度はデルフリンガーが沈黙する。
そのデルフリンガーの様子を見て、ルイズは己の嘘がこの剣に通じていないことを悟る。
持ってる人間のある程度のことがわかると言ったが、それはどこまで分かるのか? 何もかも分かってしまうなら、これを放置しておくことはできない。
口振りから、何もかもということはないだろうが、それでもこの剣から己の異端の術がばれる可能性は無視できない。
ルイズはデルフリンガーを睨みつける。
「これ、おいくらかしら?」
「へ?」
ルイズの言葉に呆けたような声を返す店主。
「だから、これおいくら? 買うわ。重さは十分だし、喋るってのも何かの役に立つかもしれないし」
この剣を放置しておくわけにはいかない。どこまでこの剣が知ってしまったのかは解らないが、それを見極めるか、さもなくば問答無用で処分してしまうかだ。
何を知られているか解らないものを放置しておくという選択肢は無い。
それとは別に少し興味があるのも事実だ。
肉体強化に似ているという、その『使い手』というものに。
「へぇ。そいつでしたら100エキューで結構でさ」

854 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:26:17 ID:lRtXr7cp
「ぶっちゃけて言うとよ、お前さんのそれ、水の魔法だなんて嘘だろ」
夜。
学院の中庭にデルフリンガーを携えたルイズがいた。
「いや、別にな。これを見てそう思ったわけじゃないぞ。最初っからな、お前さんに最初に握られたときから解ってたことだぜ」
ルイズの周りにはいくつかのクレーターが出来ている。系統魔法のトレーニングをした結果だ。
今にして思えば、水の魔法だなんて嘘はルイズが系統魔法を使えないということを知らない武器屋の店主相手だからこそ通じる嘘だった。
ただデルフリンガーの言を信じば、始めから系統魔法ではないことは気づいていたということだ。とりあえずこの剣を回収しておいたのは正解だった。
「で? 系統魔法じゃなければ何だって言うの?」
ルイズはデルフリンガーに聞く。この剣はどこまで知っているのか。
「うーん。系統魔法じゃないことは確かだが、先住とも違う気がするな。良く解らん力だ。使い手とも違うし……未知の力だな。俺は結構長く生きてきたつもりだが、俺が解らないってことはハルケギニアにとって未知の力といってもいいかもな。
それにさっきちょろっと見せてくれた蟻からも似た力を感じたな。蟻は使い手とは遠い気がするが、蟻とお前さんの力の嵩上げは似た所から来る力だ」
デルフリンガーの言葉は余すところなく正鵠を得ていた。
「……100点満点よ。ご褒美に海の底と呪いの壁、好きな方を選ばせてあげる」
「な、なんでそうなるんだよ! どこが褒美なんだよ!」
「私はメイジなわけだけど、そんな私が系統魔法でもなんでもない、得体の知れない力を使ってるなんて知られるわけにはいかないでしょう?」
禍根は断つべきか。ルイズは考える。
「いや、言わねえよ。お前さんの力が何だって俺には関係ねえし。俺はただ使い手に振られてえだけだし、お前のそれが使い手のそれに似てるならそれはそれで俺的には望むところだし」
デルフリンガーは言う。
その言葉を信じていいのか?
正直、剣の考えることなど解るわけもない。ただ、確かに人間のように異端だなんだといったことは問題にはしなさそうではあるが。
「大体、系統魔法だって、6000年以上前は得体の知れない力だったんだろ。多分、俺、6000年ぐらい生きてる気がするから俺が保証するぜ。力は力だ。剣振ろうと、杖振ろうと、得体の知れない力だろうと、敵をぶっ飛ばすなら変わりねえだろ」
目の前の敵を打ちのめす。武器として生まれたものに意思があるなら、その思想は単純なのかもしれない。
剣に信仰がないのなら、密告の恐れはないだろう。ただ、うっかり口を滑らす可能性は否定できないが。
「6000年って随分吹くわね。そんなの伝説のレベルよ」
「おうよ。俺は伝説だ。伝説の魔剣、デルフリンガー様ってな。だから捨てたら勿体無いから俺のこと使ってくれよー」
この剣はただ自分のことを使ってほしいだけなのかもしれない。それが武器として生まれたものとしては自然な志向か。
ただ、ルイズとしては体を鍛えることには積極的でも、武器を使うということに関してはそれほど積極的な志向を持ってはいないのだが。

855 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:26:43 ID:lRtXr7cp
「3つ、約束できるならアンタのこと使ってやらなくもないわ」
「3つ?」
秘密の漏洩さえなければ、デルフリンガーを処分する必要はない。むしろ100エキュー払ってしまった以上使わずに処分してしまうというのは勿体無い。
「まず一番重要なこと。その得体の知れない力については私以外に言わないこと。これは絶対。これが守れないなら、私はアンタの存在を許容できないわ」
「任せとけ。口は堅いぜ。鉄で出来てるからな」
「次。使い手のこと、それ以外も、思い出したことは私に言いなさい」
「おう。思い出したらな」
ルイズの言葉に、威勢よく答えるデルフリンガー。
「最後に。目覚まし時計にもなること」
「目覚まし時計?」
ただ、3つ目の条件は即答とはいかなかった。
「毎朝、お前さんを起こせって?」
「そうよ。『ジリリリリ』ってベルみたいな音出せる?」
「いや、俺の声は人間のそれと同じと思ってくれ。人間が口で出せる音だけだ。つーか冗談じゃねえ。俺は剣だぜ。それは剣の仕事じゃねえ」
デルフリンガーが不満を言う。
「あら、剣の仕事しかしないんだったら魔剣の意味がないじゃない」
「んー? そう言われると、そう、なのかぁ?」
ルイズの言葉にない首を捻るデルフリンガー。
「決まりね! じゃぁ明日の朝からお願い」
ルイズは無理やり話をまとめる。
「あー仕方ねえなぁ。まぁ、よろしく頼むぜ、相棒」
仕方なし、といった調子でデルフリンガーは了解する。
「相棒?」
「俺を使ってくれるなら相棒だろ。本当は使い手が相棒なんだが、いない使い手より実際に使ってくれる相棒こそ相棒だぜ」
「相棒ねぇ」
「俺のことはデルフって呼んでくれてかまわないぜ」
そう言うと金具をカチカチと鳴らし笑うデルフリンガー。
「まぁ、よろしく頼むわ。デルフ」
「おう」
そんなやり取りの後、ルイズはデルフリンガーを振り上げた。

856 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:27:07 ID:lRtXr7cp
「相棒ってまるっきりド素人なのな。ある意味おでれーたぜ」
ルイズはデルフリンガーを振り上げ、そして振り下ろす。それだけの行為を繰り返していた。
それは傍から見れば不恰好で、剣を振るというより、鍬を振るような動きであった。実際に、振り下ろし勢いのついたその重量を止めるには力が足りず、一振りごとに地面を掘り返している。
乳母日傘で育てられた、と言う程甘やかされたわけでもなく、むしろ厳しい両親をもつルイズではあるが、そこは貴族。軍人としての教育で設けていない限り、杖より重いものを振り回すなんてことはしたことがなくて当たり前だ。
一振りごとにデルフリンガーから「腰が入っていない」だの「腋を締めろ」だのと言われるが、腰が入っている状態と言うのがどのようなものを指すのかもルイズにはいまいち分からない。
ざくり、と切っ先が地上に埋まった。
それを引き抜き振り上げ振るおろすというルーチンが続いていたが、それが止まる。
ルイズはデルフリンガーを杖のようにしてもたれかかると、肩で息をする。
「ダメッ。もー駄目。腕上がんない」
音を上げるルイズ。
「まったく。フォームがなってないから余計な力を使うんだぜ。ちゃんと敵をぶった切ることを想定して素振りしなきゃあな」
「うるさい……。振ってて解ったけど、それ、まだ無理。絶対振り下ろした勢いを止めらんない。兎に角もっと腕力つけないことにはまともに振るのも無理だわ」
「あー、腕力だけじゃねえな。下半身も弱いから振った勢いで体が流れちまうんだ。走りこめ」
デルフリンガーがルイズに駄目出しをする。
その点はインテリジェンスソードを買ってよかったかもしれない。
ルイズ一人ではただ闇雲に剣を振るだけで、自分に何が足りていないのかなど解らない。
デルフリンガーなら、数多の剣士に使われた経験(デルフリンガーがどれだけ覚えているのかは不明だが)をもとにルイズを指導することが出来る。
(なんか、無機物にばっかものを教わってる私ってどうなんだろ……)
ルイズは息を整えながらそんなことを考える。
「まぁお前さんの場合走り込みしなくても、その『肉体強化』ってやつの修行をすりゃいいのか?」
デルフリンガーがルイズに聞く。
剣を振りながらも、デルフリンガーには黒蟻と肉体強化については説明した。
系統魔法でも先住魔法でもない別の魔法だとだけ。
モッカニアの『本』のこと、モッカニアの世界のことはまだ話してはいない。
それはもう少しデルフリンガーと信頼関係を築けたら考えよう。
「駄目よ。もとの筋力が強ければ肉体強化の魔法の効果もさらに上がるのよ。魔術審議は一日に何度も出来るわけじゃないし、黒蟻の魔法との兼ね合いもあるから。実際に体を鍛えたほうが効率がいいわ」
ルイズは説明する。
何だかんだと言っても、ルイズはハルケギニアに生まれたメイジである。
どちらも魔法ではあるが、肉体強化のような魔法にはまるで見えない力よりは黒蟻の方に重きを置きたい。
それに、武装司書なら誰もが使う肉体強化より、モッカニアしか使えない黒蟻の魔法のほうが、モッカニアとの繋がりを感じることができる。
また、肉体強化はあまり高いレベルまで突き詰めてしまうと、ハルケギニアの常識からあまりにも外れた次元まで行ってしまう。
そこまでの身体能力は必要ないし、亜人を超えるような身体能力を周りの人間に見られたらどうなることか。
「それに、こうやって魔術審議ではなく実際に体を鍛えることは布石でもあるのよ」
「布石?」
「それは……」
ルイズが魔術審議ではなく実際に体を鍛える理由。それを説明すべく口を開いたところに、急に視界が暗くなる。
月明かりが遮られ、ルイズの周りに影が落ちる。
頭上からバサバサという音がする。
ルイズが顔を上げると、ルイズの頭上に一匹の風竜が浮いていた。


857 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:27:37 ID:lRtXr7cp
「あらルイズ。何よその剣。魔法は諦めて剣士にでもなるの?」
風竜から降りてきたのはキュルケとその友人のタバサ。ルイズはタバサとは特に交流がないが、風竜を使い魔として呼び出したことを記憶していた。
そんなキュルケがルイズの様子を見るなり口を開いた。
(なんでよりによってこいつなのよ)
ルイズは剣を持っているところを、選りに選って己が敵と看做しているキュルケに見られたことに舌打ちする。
(キュルケ以外だったら誰でも良かったのにー)
布石。
デルフリンガーに言いかけた布石とは、すなわち周りの貴族に自分が剣を持ち、それを振るうための鍛錬をしているということを見せるということ。
当然のことながら、貴族でありながら剣を持つということは本来有り得ない。
杖は貴族の象徴であり、剣は平民の象徴である。
そして、ルイズにとっても剣を持つということは己のプライドを著しく損なうことであるのは事実だ。
幾ら今のルイズがハルケギニアの一般的な貴族観から外れた存在になりつつあるとはいえ、16年間培ってきた貴族としての価値観をそう簡単に変えられるわけではない。
自分が剣を持っているということ。そしてそれを他の者に見られるということ。
内心では忸怩たる思いがある。
だがルイズはそれでも剣を持ち、あまつさえ他の者に見せつけるつもりでいた。
それこそが布石。
いずれ、己が身に付けた身体能力を公然と振るうための布石。
黒蟻の魔法を使い魔として周知させたように、身体能力にも何らかの理由付けが必要なのだ。
現状のような男子生徒と互角程度のレベルならともかく、それ以上の力を発揮しようと思うなら、それに相応しい理由が必要になる。
自分の身体能力がどのレベルまで辿りつけるかは解らない。
武装司書レベルか。亜人レベルか。メイジ殺しレベルか。
そのどれにしたところで特に体格に恵まれているわけでもない貴族の娘が突如身に付けたならば異常な事態だ。
ならば、普段からその身を異常に置いておく。
貴族でありながら、剣を振るい、その身を鍛える。
ただ体を鍛えるというのではなく剣を振るうのも、それがより異常であるから。
異常であればより印象に残るから。
何かを守るためにその力を誰かの前で振るうことがあった場合。「貴族でありながらまるで平民のように剣を振るい、体を鍛えていた」という認識があれば、多少速く、強く動けすぎたところで誰もおかしな事だとは思わないだろう。
魔法権利を隠匿しなくてはならないルイズにとって、魔法権利はハルケギニアにある既存の力に扮する必要がある。
その点、肉体強化については、体を鍛える己を周囲に知らしめれば、よほど度を過ぎない限り問題ないだろう。
そもそもが人間が人間として手足を動かす、その延長線上なのだから。
地道なピーアールを欠かさなければ、その力に疑問を持つものはいないだろう。

858 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:29:15 ID:8IPGp/qY
そういった理由から剣を振る姿を見られることは想定内ではあるのだが、キュルケに見られるというのは気分的によくない。
誰に見られてところで、馬鹿にされ笑われることは覚悟しているが、キュルケにそれをされるのは我慢ならない。
「誰が魔法をあきらめるですって? 馬鹿なこと言わないでよ!」
ルイズがキュルケに反論すると、キュルケはちらりと周囲に目をやると、
「そうね。確かに魔法の練習そっちのけで剣を振ってたってわけじゃあなさそうね」
そう言った。
ルイズの周辺のクレーターを踏まえたうえでの言葉だ。
「やい! なんだおめーら。剣を振ることの何が悪いってんだ!」
突然、デルフリンガーが二人のやりとりに割って入った。
「あら? インテリジェンスソードなの?」
「デルフ! ややこしくなるからあんたは黙ってなさい!」
ルイズはデルフリンガーを黙らせようとするが、デルフリンガーは黙らない。
「いや、言うぜ。乳がでかくても、俺のことを振り上げられねー様な貧弱娘が偉そうなこと言うんじゃねーや」
だがその言葉を吐いた瞬間、
「あ? 乳がなんだって?」
「いや、スミマセン……。乳は関係ないです。相棒は最高です」
ルイズから背筋も凍るような気配が発せられる。
「で? なんで剣なんて振ってるのよ?」
ルイズの乳限定の凄味などいつものことと、キュルケは意に関せずにルイズに質問を浴びせた。
「そんなの剣を使えるようになるために決まってるじゃない」
ルイズは当たり前のように言った。
だが、それでは質問の答えになっていない。
「だから、何で剣を使えるようになりたいのよ?」
「こっちこそ聞きたいわよ。剣を使えるようになりたいってことに何か疑問があるわけ? 剣を使えるようになって損することなんてないわよ。魔法も剣も使えれば、魔法しか使えないやつより優秀ってことじゃない」
ルイズはやはり当たり前のように言う。
だが実際にはそれが当たり前から大きく外れていることも自覚しているし、そして、真意からも外れている。
あくまで肉体強化の理由付けこそが目的。
「ふーん、そう」
そんなルイズの言葉に対するキュルケの反応は素っ気ないものだった。
その反応にルイズは肩透かしを食らった。
「なによ。馬鹿にしたいならすればいいわよ!」
剣を使うという貴族として逸脱した行為。
肉体強化の魔法をものにするための過程において、貴族として逸脱した行為を衆目に晒すと決めた。その時に侮蔑や嘲笑されることは覚悟済みだ。
貴族として弱きものを守るためにもそれに見合う力が必要。そのためならそれぐらい耐えねばならぬ。
そういう覚悟はできていた。
「馬鹿になんてしないわよ。強くなりたいって思ってそのうえで自分で考えた結果なんでしょ?」
だが、キュルケは侮蔑も嘲笑もしなかった。
「決闘のときは随分ご大層なことを言ってたけど、そのためにそんな力が必要だってあなた自身で考えたのなら私がどうこう言う余地なんてないじゃない」 
キュルケはルイズを敵と看做している。だからと言って、理由もなくルイズを馬鹿にしたりはしない。
もしルイズが貴族であることをあきらめ、キュルケに対する対抗心も失ってしまった結果として平民の真似ごとをするのなら、嘲笑では済まない。
それをする価値もないと判断するだろう。
だがルイズは、強くなるための努力としてそれをやっているというのだ。
それならば、何も言うまい。
「ただ『魔法も剣も』って、まず魔法使えるようになってから言いなさいよって突っ込みたくはなるけどね」
「う、うるさい! すぐに魔法だって使えるようになるんだから!」


859 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:29:52 ID:8IPGp/qY
「それに、爆発だってそこらの魔法よりよっぽど威力があるんだから!」
ルイズの言葉にキュルケが目を丸くする。
ゼロの象徴である爆発を、ルイズがこのように肯定的に捕らえてるとは思わなかった。
いや、決闘のときも爆発を戦力として計算した上で闘っていた。
やはり、キュルケが感じていた通り、使い魔召喚以来ルイズの中で何かが変わっているのだ。
「そんなこと言うけど、私に言わせればそんな爆発、怖くもなんともないわね」
「なによ!」
「ならあなた、あそこの木を狙って爆発当てられる?」
キュルケが10メイル程離れた気を指差して言う。
「私だったら……そうね、あの本塔の壁あたりの距離でも、正確に魔法を当てる自信があるわ」
そして木を指していた指をその上方へと向けて言う。
「わ、私だってそれぐらい出来るわ!」
ルイズが声を張り上げる。
「あら、そう? じゃぁやってもらおうかしら。……何か的がいるわね」
キュルケはそう言うとあたりを見渡す。
そしてデルフリンガーの所で目を止める。
「じゃぁ、タバサ。シルフィード使ってこの剣を壁の近くにロープかなんかでぶら下げてくれない?」
「ちょっ。なんで俺なんだよ!」
デルフリンガーが慌てた様子で言うが、
「大丈夫よ。あなたは的じゃなくて目印だから。ルイズにはあなたをぶら下げているロープを狙ってもらうわ。ルイズはあの距離でもきちんと狙えるらしいから何も問題はないわよね」
キュルケはそう言って取り合わず、むしろルイズをけしかける。
「あ、当たり前じゃない! この程度の距離、何の問題もないわ。きっちりロープだけ切ってやるわよ!」
「ちょっ!」
ルイズはものの見事にキュルケに乗せられていた。
「決まりね! じゃぁタバサお願い」
「…………」
今まで全く会話に加わろうとしなかったタバサは、あいも変わらず沈黙を守ったままだったが、キュルケに視線をやると黙って首肯した。
だが、デルフリンガーを拾うために近づいていく際、キュルケのすぐ脇に達したとき、
「お節介」
一言ぼそりと呟いた。
爆発を戦力の一つと数えるのには致命的な欠陥がある。狙いのあまりの不正確さである。
それはルイズも自覚しているのだろう。決闘の際は、ワルキューレにぴったりくっついた上で魔法を使うことで狙いの不正確さを克服した。
だが、それは二度通じる手ではない。
平民が貴族に敵わない決定的な理由。それは距離。
魔法による距離をおいての攻撃。非メイジである平民には、その距離に対抗する手段が乏しいのだ。
弓は使いどころが限られ、銃は距離があると狙いがつかない。
離れた的に対して狙いを付けれらないのなら、ルイズの爆発は対メイジの戦闘において戦力とはなりえない。
キュルケがルイズをけしかけたのは、克服すべき欠陥を知らしめるためだ。
タバサの言葉はそれを察したからこそのものだった。
タバサはそれを踏まえて、キュルケが指し示した木、本塔の壁に目をやる。
キュルケが最初に指し示した木までの距離、10メイル。それはメイジとして最低限手に入れたい距離。
それだけの距離がないと平民に対する優位性すら危うくなる。それ以下では詠唱が完成する前に接近を許す恐れがある。
そして本搭までの距離。およそ30メイル。
それだけあればドットやラインのメイジの中でも優秀な部類と言える距離。
つくづくお節介だとタバサは思う。
普段、敵だ何だと言ってるのに、遠まわしではあるがルイズにアドバイスしている。
だが、そんなキュルケだからこそ友達甲斐があるのだともタバサは思う。

860 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:31:08 ID:8IPGp/qY
「……まずいんじゃないかしら、これ」
「ど、どど、どうしよう」
「…………」
「おでれーた」
「きゅい〜」
3人はそろって同じ場所を見ていた。
デルフリンガーには目はないが、それでもその意識はやはり3人と同じところに向いていた。
タバサの使い魔であるシルフィードも3人に倣い同じところを見ていたが、彼女たちの焦る理由が理解できていないのか暢気な鳴き声をあげていた。
タバサがデルフリンガーにロープを結ぼうとしたときに、デルフリンガーがぎゃあぎゃあと喚き、必死に的にされるのを避けようとしたり、
それに対してルイズがそんなに信用できないのかとデルフリンガーに切れたり、それを見てキュルケが笑ったり、タバサは相変わらず無表情だったり。
そんな紆余曲折は省略して、さらにルイズが魔法を放つ場面さえ省略して、現在。
結果から言えば、ルイズの魔法はデルフリンガーを吊り下げるロープに当たることもなければ、デルフリンガーにも当たらなかった。
その代わり、その背後。本塔の壁に当たり、その壁に罅を入れるに至らしめた。
3人はその壁を見ながら呆然としている。
「これって、私のせい、かな」
ルイズが重々しく口を開く。
「連帯責任……」
タバサが言うと、
「……よね」
キュルケが頷いた。
実際に壁に罅を入れたのはルイズの魔法だが、その壁の近くを的にするように指定したのはキュルケだし、実際に的を設置したのはタバサだ。
そもそもが、ルイズの魔法は遠くのものに狙いを付けられないということから始まったのだ。
それなら、的の近くのものが爆発に巻き込まれるのは想像に難くないことであり、誰かがそれを指摘し場所を変えるべきだった。
「どうしよう……」
「お説教……だけで済むかしら? ルイズ、謹慎明けたばっかのあなたがまた謹慎ってなったら、流石に、その、御免」
「…………」
3人はやはり呆然と罅の入った壁を見ている。
が、突如タバサが視線をルイズとキュルケのほうに向けた。
「……私は何も見ていない」
そしてそんなことを言った。
「私たちは何も見ていない。私とキュルケは街から帰ってシルフィードから降りると、ここでルイズと出くわした。他愛のない言葉を2・3交わした後、そろって寮のほうに帰った。良く見たわけではないので定かではないが、その時、特に壁に異常はなかったように思う」
普段まるでしゃべらないタバサが、立て板に水を流すがごとく捲くし立てる。
その内容は、ルイズもつい最近使った奥の手。『無かったことにする』というものだった。
「そ、そうね。私たちは何も見なかったわ」
それにキュルケが乗ると、
「壁に罅なんて入ってないわよ。私の目には見えない」
ルイズも乗った。
「おめーら……」
「デルフも何も見てないわよね?」
何か言いかけたデルフリンガーにルイズが釘を刺す。

「さて、もう夜も遅いし寮にもどりましょう」
キュルケが言うと、それに倣いルイズとタバサも本塔に背を向け、寮へと歩き出す。
歩きながら軽く周囲を見渡す。誰もいない。目撃者がいたらなかったことにするもなにもない。
とりあえず見渡す限り人のいる気配がないことに胸をなでおろす3人。
だが3人は見渡す限りしか見ていなかった。背を向けた、目を背けた、なかったことにした本塔の付近は、無意識に注意を外していた。
だからそこに潜んでいた人物に気付かなかった。
しかし、次の瞬間に現れたものはどれだけ注意の外にあろうと気づかぬなどということのありえない代物だった。
本塔に並び立つように、30メイルはあろうかという巨大なゴーレムが突如現れた。

861 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:31:35 ID:8IPGp/qY
「な、なななななーっ!?」
ルイズは叫んだ。
「え?ちょ?な?えぇ!?」
キュルケも叫んだ。
「!!!!」
タバサは叫んだような雰囲気を出した。
突如現れた巨大なゴーレム。思わず3人とも呆気にとられてしまった。
そんな3人をまるで相手にすることもなく、ゴーレムは本塔の罅の入っている辺りへとその拳を叩き込んだ。
どぉんという轟音と共に殴られた外壁は口をあける。
そして、ゴーレムはしばらくその姿勢のまま硬直していたかと思うと、不意に動き出し、学院の外へと向けて歩き出した。
時間にして3分にも満たない早業。ゴーレムのその淀みない動きを3人はただ見ているだけだった。
「あそこって、罅入ってたところかしら?」
キュルケが呆然としたまま言う。
「穴あいちゃったけど、それって私のせい……」
ルイズも呆然としたまま言う。
だが、タバサだけはいち早く平静を取り戻していた。
そして淡々とした声で言う。
「さっきも言ったようにあそこに罅はなかった。それに、罅などなくてもあの重量のゴーレムなら壁に穴をあけることなど造作ないはず」
タバサの言葉はルイズとキュルケに責任を感じさせまいとして発したものだったが、逆にルイズは現実に引き戻され、不安が生じる。
「あのゴーレムはなに? 穴のあいた場所って……」
「宝物庫よね……」
ルイズの言葉をキュルケが引き継ぐ。
どんどん冷静さを取り戻していくと同時に、それに比例して事態の大変さにを認識していく。
「盗賊。おそらく『土くれ』のフーケ」
タバサが短く言い放つ。
その名は昼間に、武器やで聞いた名だ。巷を賑わしている盗賊。当然キュルケもその名を知っている。
あの罅がどれだけ影響を与えたのかは解らないが、その罅めがけ拳を打ち込み、穴をあけて、中の宝物を盗んでいった。
今起こったのはそういうことだ。
「ちょっ! ちょちょ! ちょっと! ゴーレムが行っちゃうわよ!」
やっと目の前で起こったことのあらましを理解するにいたったルイズは慌てて叫んだ。
「追わないと! タバサ! シルフィードを!」
キュルケも慌てて言う。
「危険。それに下手に捕まえても、罅のことで責任を取らされる可能性もある」
そう言いながらも、タバサは指笛を鳴らしシルフィードを呼び寄せる。
キュルケもルイズも性格からして、そんな理由で黙ってゴーレムを見送ることなど出来ないだろう。
「保身のために盗賊を見逃していいわけないじゃない!」
ルイズが叫び、
「捕まえて盗まれたものを取り戻せばそんなのチャラよ!」
キュルケも威勢よく言う。
案の定だと内心で思いながら、地上に降り立ったシルフィードに屈ませる。
3人はその背に乗り込み、双月の輝く夜空に舞い上がった。


862 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:32:04 ID:8IPGp/qY
しかし威勢の良い二人とは裏腹に、タバサはあくまで冷静だった。
二人に呼応し、フーケを追ってはいるものの、この先で大捕物が起こることなどないだろう。だから危険はない。二人が納得するまで追いかけるだけだ。
そんな風に考えていた。
フーケが見事な手際でこちらが呆気に取られているうちに撤退を始めた時点で、フーケの勝ちは決まっている。
いまさら追いかけても捕まえることなどできやしない。


結局、タバサの考えた通りになった。
シルフィードの速さを持ってすればゴーレムに追いつくことだけなら容易かったが、追いついたところでゴーレムの腕をかいくぐって接近できるわけでもなし。
ならばと、ゴーレムの腕の届かないところから魔法で攻めても、やはりその腕で防御され、なかなか効果が上がらない。
そうしている間にもゴーレムは森に辿り着き、突如その身をただの土くれへと変えてしまった。
それでフーケを見逃してしまい、さらに降下するためのポイントを探す間にフーケに時間の猶予を与えてしまう。
そうなったらもうどうしようもない。
フーケは当然、逃走手段なり隠れ場所を用意しているはず。
まして、フーケは間違いなくトライアングル以上の土メイジ。地中に穴でも掘って隠れているかもしれない。
夜の森で本格的に隠れる、もしくは逃げる人間を見つけ出すなど、よほど優秀な猟犬でもいるか、でなければ人海戦術しかあるまい。
そのどちらの手段もとることができない。
打つ手なしだ。


その後、教師たちがフーケに侵入された宝物庫を見聞すると、その壁に挑発的なサインが刻まれていた。
それは『土くれ』のフーケのお決まりのもの。
盗まれた者を嘲笑うように、毎回領収のサインを残していくのだ。
魔法学院の宝物庫にはこう刻まれていた。
『蜘蛛の魔剣、確かに領収いたしました 土くれのフーケ』


以上投下終了
支援してくれた人ありがとう御座います
8・9話は繋ぎの話ってことで、書いててあまりテンションがあがらなくて時間がかかってしまったです


863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:33:28 ID:kRxpXX2Q
黒蟻の人&代理人乙!

864 :代理:虚無の魔術師と黒蟻の使い魔 第9話:2008/06/20(金) 01:33:37 ID:8IPGp/qY
代理投稿完了。
途中でID変わってるけど同一人物です。
>860は長すぎの行があって書き込めなかったんで、
途中一行改行しました。

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:36:52 ID:EWLYkMAc
黒蟻の人&代理の人乙!
デルフが武器としてだけでなく師匠役としても活躍できそうとはw

866 :くろありー:2008/06/20(金) 01:40:43 ID:Q+HmRF4B
代理投下してくれた人ほんとーにありがとう御座います
書き込めるようになったんだから、自分で投下しなおすべきかとも思ったりしたのですが
いまいちさるさんのルールとか理解してないので、なんか躊躇ってしまったです

次回までにさるさんとか行数、容量とか、ちゃんと勉強しておきます
改行してくれたところはそこで結構です。ありがとう御座いました


867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:44:33 ID:eW/hsfAk
黒蟻の人乙!

デルフ君が海の藻屑にならないことをお祈りします。


小ネタいいですか?

アニメ版赤ずきんチャチャから主人公3人召喚。

マジカルプリンセスになるまでには時間がかかりそうですが。

868 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:50:30 ID:3/m22iCP
>>867
歓迎します。

869 :笑顔が好きだから-0/2:2008/06/20(金) 01:51:00 ID:eW/hsfAk
誰もいませんね?

870 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 01:51:39 ID:DXhZ1oG9
神ID来たよーーーーーーーーーーーー!!!
http://ex24.2ch.net/test/read.cgi/campus/1213889972/

871 :笑顔が好きだから-1/3:2008/06/20(金) 01:55:23 ID:eW/hsfAk
 わたし、こと、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの朝は早い。
 宵っ張りの朝寝坊が常のトリステイン……というかハルケギニアの貴族としてはありえないことだし、病的な
ほどの低血圧であるわたし自身としても信じられないことだけれど、わたしの一日は日の出と共に始まる。
 何故なら、つい1週間ほど前に行われたトリステイン魔法学院の春の恒例儀式、新2年生による使い魔召喚の
儀式でわたしが呼び出して使い魔になってもらった3人の子供……チャチャ、しいねちゃん、リーヤに、日の出
と共に起こされるからだ。
「ルイズ様、朝ですよ。」
 ほとんど無理矢理拉致した上に使い魔なんかにしてしまったのに、わたしのことを「ルイズ様」って呼んでく
れるのは、黒い髪に黒い瞳。とっても賢い魔法使いの弟子、しいねちゃん。
「ルイズちゃん!今日もとってもいいお天気よ!」
 天真爛漫っていう言葉を人間の形にするとこうなるんじゃないかっていうくらい、いつも明るく元気な、自称
可愛くて優秀な魔女。真っ赤な防空頭巾がトレードマーク、金髪碧眼の見習い魔法使い、チャチャ。
「ルイズー!朝だぞ!起きろー!」
 わたしのおなかの上でぴょんぴょん飛び跳ねている灰色の仔犬がリーヤ。喋ってるくらいだから、リーヤはも
ちろんただの仔犬じゃない。
「あー、もう!分かってるわよ!起きればいいんでしょ!起きれば!」
 わたしがガバッと身体を起した拍子に、リーヤは床に転げ落ちた。
「あたた。」
 しゅぽん!と気の抜けるような音がして、床にころがりおちたリーヤが、仔犬の姿から人間の姿に変身する。
 そう、普段のラメ入りのボールにじゃれ付いてる姿からは想像も付かないのだけれど、リーヤは狼男。ハルケ
ギニアでいえば最強の亜人、人狼の子供なのだ。
「ルイズ様、おはようございます。」
「ルイズちゃん、おはよう!」
「おはようなのだ!」
 ニコニコ笑いながら朝の挨拶をしてくれる3人の顔を見ていると、何故だろう、わたしもつい釣られて笑って
しまう。
「おはよう。チャチャ、リーヤ、しいねちゃん。」
 朝の挨拶が済むと、次は顔を洗って着替えだ。
 わたしはのろのろとベッドから抜け出し、欠伸をしながら洗面所へ行く。
 洗面台の鏡に映ったわたしの顔は、寝起きとはいえちょっとアレだ。さっさと顔を洗ってさっぱりしよう。
 だけど、洗面台の中の洗面器に水は入っていない。普通なら前の晩のうちに学園のメイドが準備しておいてく
れるんだけど、メイドがさぼったんだろうか?
 いや、違う。これは、しいねちゃんが教えてくれた、どろしー式魔法訓練法の一つなのだ。
 顔を洗いたいわたしの目の前にあるのは空っぽの洗面器。顔を洗うためには洗面器にいっぱいの水が必要だ。
さぁ、どうしよう?………そういうときに使う魔法、井戸から水を汲んでくるように洗面器に水を満たす魔法の
練習なんだそうだ。
 ちなみに、どろしーっていうのは、しいねちゃんの魔法のお師匠様。
 しいねちゃんやチャチャ、リーヤがハルケギニアに来る前に住んでいたチキューっていうところでは、世界一
の魔法使いだったこともあるすっごく立派な魔女で、うりずり山っていう人里から離れた山奥にある大きなお城
にしいねちゃんと二人で住んでいたんだって。

872 :笑顔が好きだから-2/3:2008/06/20(金) 01:56:47 ID:eW/hsfAk
 二人が住んでいたお城はとても大きくて、寝室から水場まではものすごく離れているから、自分で水を汲みに
行くのは大変だ。だったら魔法で水を汲んでこよう!この魔法の訓練は、そういう横着をするための魔法なんだ
そうだけど、しいねちゃん曰く、「そういう横着をするための努力を馬鹿にしてはいけませんよ。横着をしたい
っていう欲求こそが、魔法を覚える最大の原動力になるんですから。」だって。
 まぁ、確かにね。洗面器に水を汲んでくるなんてメイドの仕事だけど、魔法で水が汲めるなら、わざわざメイ
ドを呼びつけて命令する手間も省けるんだし。
「じゃぁ、やるわね。」
 わたしが愛用の杖で洗面器の縁をコツコツと叩くと、チャチャ達はどきどきわくわくきらきらした目で頷いた。
 さてと。わたしは想像する。目の前の洗面器が井戸から汲んできたばかりの、冷たく澄んだ水で満たされてい
るところを。もう春も本番だから、真冬みたいに指が切れそうなほど冷たい水じゃない。真夏の昼間、外に出し
っぱなしにしておいたような温い水でもない。程よく冷たくて、一発で目が覚める、そういう冷たい水が、洗面
器いっぱいに入っているところを、出来るだけハッキリと思い描く。
 うん、OK。出来た。わたしの目の前には、冷たい水が入った洗面器がある。完璧ね。
 完成したイメージを精神力に乗せる。チキュー風の呪文を唱える。
「出でよ!洗面器いっぱいの冷たい水!」
 そして杖を振る。
 杖の先から開放された精神力が、空気の中の水の元素に働きかけてるのが分る!
 空気の中の、小さな小さな、小さすぎて目に見えないくらい小さい水の元素が集まって、小さな小さな水滴に
なる!その水滴が集まって雨粒ほどの大きさになって、そして!
 しゅぽん!と小さな爆発が起きる!
 魔法を使うとき、わたしが一番緊張する瞬間だ。
 何故なら、しいねちゃんやチャチャ、リーヤの3人に出会うまで、わたしの使う魔法は全部失敗して爆発して
たから。
 でも、今は違う。爆発の後に、ちゃんと結果が出ることだってあるんだから。
 爆煙が消える。そこにあったのは、綺麗な水がいっぱいに入った洗面器!
 やたっ!成功だ!これで顔が洗える!………ん?ま、いっか。
「やったぁっ!」「チャチャよりもう上手だぞ!」「すごいですねぇ!」
 チャチャ達がわたしを褒めてくれるのも気持ちいいしね。

「でも、本当にすごいですね。」
 顔を洗っているわたしの後、タオルを持って立っているしいねちゃんがしみじみとつぶやいた。
「もう、ほとんど完璧じゃないですか。普通、この手の魔法って、一応使えるようになるのに半年、こんなにち
ゃんと使えるようになるのには1年くらいかかるんですよ。」
「そうなの?」
 顔を洗い終わってタオルを受け取る。
「ええ、チャチャさんの先生のセラビーさんみたいな、本物の天才だったら教わったその日のうちに使えるんで
しょうけど、ぼくのお師匠様でも三日かかったっていってましたからね。ルイズ様は、地球だったら文句無しの
天才ですよ。」

873 :笑顔が好きだから-3/3:2008/06/20(金) 01:58:30 ID:eW/hsfAk
 ん〜、微妙だ。
 天才ねぇ。
 自慢じゃないけど、天才なんていうのはもちろん、わたしは魔法のことで誰かに褒めてもらったことなんで今
まで一度も無かったのだ。
 天才。そう言われるのは嬉しい。嬉しいけれど。 
「でも、ここ、チキューじゃないのよね。」
 そう、ここはチキューじゃないのだ。
 洗面器に水を汲んでくる魔法、そんな魔法はここハルケギニアには無い。コモン・スペルにも、水魔法にもそ
んな魔法は無い。噂に聞くエルフ達が使うという先住魔法にもそんな魔法は無いはずだ。
 そんな魔法が存在しない以上、わたしが洗面器に水を汲んできても、わたしが魔法を使えたことにはならない
のだ。
 ここ、ハルケギニアでは。
「そうなんですけど。」
 変なところですね、ハルケギニアって。
 チャチャ達を召喚してしまった日の夜、しいねちゃんはそう言った。
「火を燃やそうとして爆発させちゃったら、火を燃やすっていう目的から考えたら確かに失敗ですけど。爆発っ
ていう結果そのものは残ってるんだから、ルイズさんに魔法の才能が無いっていうことにはならないと思うんで
すよ。」
 しいねちゃんは、そう言ってくれた。
「そうよね。本当の失敗って、何も起こらないことだもんね。」
 魔法の失敗という点では間違い無くわたし以上の失敗をする、チャチャもそう言ってくれた。
 でも、いいんだ。
 わたしが住んでるのはチキューじゃない。ハルケギニアなんだし。
 今はまだ、コモン・スペルも系統魔法も使えないけれど。いつか絶対、コモン・スペルも系統魔法も使いこな
して見せるんだから。
「ルイズちゃん、着替えよ。」
 チャチャが着替えの服を持ってきてくれると、しいねちゃんは入れ替わりで洗面所から出て行く。
「ん、ありがとう。」
 わたしがそう言うと、チャチャはえへへと笑った。
「あのね、ルイズちゃん。わたしたちの国の魔法には着替えの魔法もあるんだよ。」
「着替えの魔法って、わざわざ魔法で着替えるの?」
「うん、そうよ。寝坊して遅刻しそうな時とか便利なの。ルイズちゃんも練習してみる?」
「そうねぇ。」
 あはは。
 ああ、チャチャ達の魔法ってなんて滅茶苦茶で楽しそうなんだろう。
「一人で箒で飛べるようになったら、練習してみようかな。」

 わたしの一日は、だいたい、こんな感じで始まる。



874 :笑顔が好きだから-4./3:2008/06/20(金) 02:00:31 ID:eW/hsfAk
以上です。

続きは、また来週にでも。

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:01:05 ID:0Y4oeZo9
>>720
pso夢中でやってたよ。もちろん続くんだよな?

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:01:25 ID:sqlqwdHR
GJ!!大好きだったなこの作品
昔は途中までしいねちゃんのこと女だと思ってた

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:04:12 ID:Es8M/kvw
GJでした。
チャチャはアニメの方しか知らないので、あのキャラそのままで思い浮かびました。
ほのぼのとしていて、楽しかったです。
確かに、ハルケギニアの魔法とは異なる魔法使いですよね。

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:04:51 ID:EtSAQJFg
しいねちゃんの唇を奪うルイズって…なんか犯罪の香りが…

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/06/20(金) 02:13:42 ID:jjKSs2a9
容量がヤバイのでスレ建て行ってみます。

880 :879:2008/06/20(金) 02:17:35 ID:jjKSs2a9
建てられませんでした。

誰か御願いします。
一応テンプレ↓

もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

前スレ
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part145
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1213657666/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    ___            ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .    ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.    ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
              ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

--------------------------------------------------------------------------------

     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は本スレへの投下で問題ないわ。
    J{  ハ从{_,     ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず本スレではなく避難所への投下をお願いね。
    ノルノー゚ノjし     ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。
   /く{ {丈} }つ      やめておいてね。
   l く/_jlム! |     ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
   レ-ヘじフ〜l       ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。
    { {_jイ」/j」j〉     これ以上は投下出来ません。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
   ⊂j{不}lつ     ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   く7 {_}ハ>     ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
    ‘ーrtァー’      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
             ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
              姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
             ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
              SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
              レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。

↑テンプレ終わり

正式なテンプレは以上です。

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