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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part131

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:00:23 ID:7b07tiyo
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?
そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part130
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1208387533/

まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    __              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .    ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.    ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
               ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

--------------------------------------------------------------------------------

     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし      ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ       本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l       ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
               ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’      ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
                姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
               SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
               レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。


2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:02:16 ID:JFPM+fZg
乙なんだぜ。

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:02:42 ID:wqUtfgRP
>>1
乙。

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:03:21 ID:9aSVwlf0


5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:03:29 ID:Wwp2sk+X
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり


6 :大使い魔17:2008/04/20(日) 23:04:01 ID:sGKQXwdZ
では、改めて投下予告。

23時10分に投下しまっせー

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:04:17 ID:cfdxVRmu
>>1乙。

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:04:20 ID:335iQgEU
1乙です

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:05:27 ID:QxsfAJlR
これはわっちの自慢のしっぽではなくて、>>1乙じゃから勘違いをするでないぞ!
              |\       |\
              l lヽ`-‐ '´ ̄ `ヾゝヽ  つ
                 シ~ /" `ヽ ヽ  `、l     つ
             //, '///|! !‖ ヽハ 、_ヽ  つ
             〃 {_{\」」 L|l|/リ l │ |ヽ   つ
  ____.      レ!小l●    ● 从 |、| )
 く  ノ::::::;;;;;;\.     ヽ|l⊃ r‐‐v ⊂⊃ |ノハ´
   ̄ ̄フ;;;;;/ /⌒ヽ__|ヘ  ヽ ノ    j /⌒i !ヽ
    /;;;;/  . \ /ヽ.| l>,、 __, イァ/  ///ハ
  /;;;;∠___ /ヽ./| | ヽヾ、 /,{ヘ、__∧/ハ !
 く:::::::::;'::::::;':::::::;'::::::7ヽ< } /   l丶× / ヾ l l''ハ∨


あと、NGワードに
姉妹スレ一覧
以下自作品の削除をお願いします
このぐらいまで単純化

を入れとくと便利かも

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:06:47 ID:5CLhqghY
●     「こっ、こっ、こっ、こっ、こっ、この…バカ犬っ!!!」
┠〜〜〜┐ちゃんとここにいてぇ、わたしのちかくでぇ
┃  ●  ∫ ずっとわたしをい〜んつもい〜んつもみ〜んつめてなぁさぁ〜い
┠〜〜〜┘  よそみしてたでしょ、ほかのおんなのこぉ〜
┃         おしおきするのふぅ〜らりふぅ〜らりふぅ〜らちなやつうは
┃          (ん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ)
┃           どんたーちきかないからねいーいーわ〜けは
┃            たちみーつ〜んかれたかぁ〜ら
┃             ね・え・かたをっかしてよっ
┃              す〜き〜よ〜ンなんてうそ〜よっ
┃               き〜ら〜い〜ンこれもうそだわん
┃                ないないないぃだめよかんちがいぃ〜〜〜〜〜っ
┃                 だからすぅきぃよっなんていわない
┃                  のんのんのんどっこかへいったら
┃                   ぜえったいにっゆるさないからねぇ〜〜〜〜ん  ・・・だぁって
┃                    ほんと〜はだれ〜よ〜りそンばンにンいンたあ〜いの
┃                     あ〜い〜の〜く〜さ〜り〜でっさんっぽっしましょ
敬礼 (`・ω・´)ゞ

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:07:24 ID:5CLhqghY
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち>>16

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:08:12 ID:5CLhqghY
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
 ※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:09:52 ID:5CLhqghY
姉妹スレ一覧

【アニキャラ総合】
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚80人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1206915020/l50

ソードワールドのキャラがルイズに召還されました
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199900690/l50

ダイの大冒険のキャラがルイズに召喚されました
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204128590/l50

ハガレンのエドがルイズに召喚されたようです
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1181052298/l50

型月のキャラがルイズに召喚されましたpart5
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1207152628/l50

【カオス】ゼロのルイズが以下略【召喚70002人目】 SEED
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204218994/

【漫画サロン】
HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました part6
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1207560191/l50

【旧シャア専用】
ガンダムキャラがルイズに召還されました 2人目
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1205871030/
(『もしルイズが召喚したのがトレーズ様だったら』の次ぎスレです)

【エヴァ】
もしルイズが召喚したのがシンジだったら 第弐話
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1190887727/l50

各スレまとめ一覧

ゼロの奇妙な使い魔 まとめ
http://www22.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1.html
ゼロ使×型月クロスSSスレまとめwiki
http://www13.atwiki.jp/zeromoon
ハガレンのエドがルイズに召還されたようですまとめサイト@wiki
http://www34.atwiki.jp/fgthomas/pages/71.html
新世紀エヴァンゲリオン×ゼロの使い魔 〜想いは時を越えて〜@ ウィキ
http://www10.atwiki.jp/moshinomatome/pages/1.html

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:10:12 ID:5CLhqghY
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。






夜天の使い魔 第一部
夜天の使い魔 第二部

http://rein4t.blog123.fc2.com/

15 :大使い魔17:2008/04/20(日) 23:11:05 ID:sGKQXwdZ
俺の名は 俺の名は ハカイダー
潰せ〜 殺せ〜 破壊せよ〜

悪魔回路に指令が走る〜
俺の 俺の障害 俺の練習台〜

レコン・キスタを破壊せよ!
破壊せよ〜!!


第六話「陰謀幻想曲」

「ただし、目立つわけにはいかないので、貴方の使い魔さんには学院に待機してもらいます」
「ノー!」
アンリエッタの言葉にワンセブンが、吼えた。
「反対! ハンターイ!! 使い魔として、ルイズちゃんを危険な目にあわせるわけにはいかない!」
ワンセブンの反応に右往左往するルイズをよそに、アンリエッタは毅然と言い放った。
「危険な目にあわせてしまうのは百も承知です」
「ならば何故!」
「ウェールズを、彼を説得して亡命を促すには、私一人では力不足なのです」
「何?」
「私とウェールズには、従姉妹がいました」
「……ティファニア・テューダー。モード・テューダーと、アルビオンに迷い込んだエルフの間に生まれた娘。ジローがトリステインを放逐される数ヶ月前、両親共々アルビオン国王、ジェームズ一世の放った暗殺者の凶刃に倒れる……」
ワンセブンの淡々とした説明に、アンリエッタは動揺を隠せなかった。
「そして、ウェールズ・テューダーとは幼い頃に結婚の約束をしたほどの仲。アルビオンに訪問したことがあるお姫様とルイズちゃんとも面識有り」
「どうしてそこまで……」
アンリエッタをなだめるように、ルイズは説明した。
「私と契約した際に、ワンセブンの頭に私の記憶と個人情報、そして私が知るこの世界に関する知識が流れ込んだんです。王子様と、ティファニアのことを知っていて当然です」
「そうでしたか……」
アンリエッタが納得したのを見て、ワンセブンは説明を再会した。
「彼女が暗殺された後ウェールズは、父であるジェームズ一世の事を一方的に毛嫌いするようになり、度々酒浸りになって内蔵を悪くしては、臣民を心配させるようになった」
「その通りです。そして、そんな王室の現状を突いて、司教の一人であるクロムウェルがレコン・キスタを結成して内乱を起こしたため、アルビオンの王家は消滅の危機を迎えています」
アンリエッタに続き、今度はシャルルが口を開いた。
「もし王家が途絶えれば、たとえ僕たちでレコン・キスタを壊滅させたとしてもアルビオン王国という国は消滅。経済の破綻どころか、諸国間の領土の取りあいまで起きかねない」
「それを防ぐために、次期国王であるウェールズを亡命させる、というわけだな」
「そうです……。兄上はロマリアに行ったきり消息不明。母は高等法院の害虫どもを見張っているため身動き出来ません。ウェールズとティファニアの仲を知っている者で、今アルビオンに行けるのは私とルイズだけです」
更に、カトレアも口を開いた。
「ワンセブンくん、姫様も私も、ルイズを危険な任務に連れて行くと決めた以上、ルイズの盾になって散る覚悟はできているわ」
アンリエッタ同様、毅然と言い放ったカトレアに気圧され、とうとうワンセブンは折れた。
「そこまで言うなら……、反対は出来ない……。二人とも約束してくれ、どれほど傷だらけになっても、ルイズちゃんを守り抜くと」
「「承知しましたわ」」

16 :大使い魔17:2008/04/20(日) 23:11:57 ID:sGKQXwdZ
シリアスな雰囲気とは裏腹に、ルイズとロボターはあたふたしていた。
「二人ともどうした……、あ!」
二人の姿を見て、ワンセブンは別の来客たちのことを思い出した。
「ルイズ?」
「ひ、姫様、恐らくこの任務、後五名ほど人数が増える可能性が……」
「?」
アンリエッタが首をかしげた直後、ルイズは甲板へ続く階段のドアを開けた。
その瞬間、キュルケ、シュヴルーズ、ギーシュ、モンモランシー、そしてタバサが転がるようにサロン内に入った。
「やっぱり……、全部聞いてたな―――――っ!!」
ルイズの絶叫に、顔を引きつらせたまま黙るしかなかった四人とは違い、タバサはメガネを外してすぐに立ち上がり、シャルルに抱きついた。
「シャルロット……だよね?」
「うん。生きてたんだね、お父様……」
「ごめんよ。こっちに戻るのに、時間かかっちゃった」
声を押し殺して泣く愛娘に、シャルルは謝る事しか出来なかった。
そして、シャルルはハルケギニアに戻れた直後の話をした。
「……と言うわけで、ジロー君の協力を得て、僕は妻とペルスランさんをトリステインに亡命させたんだ」
「そして混乱を避けるため、私の判断でシャルル殿下の生存は伏せることにしたのです」
「あの時、アンリエッタに食って掛かる妻とペルスランさんをなだめるのに苦労したよ」
「ええ。お二人とも本当に凄い剣幕で……」
あの時の修羅場を思い出したシャルルとアンリエッタは、苦笑した。
「ジローが……」
「シャルロット、ジロー君とは面識があるのかい?」
「北花壇騎士団にいたとき、手伝ってもらったことがあったの」
タバサは少し嬉しそうに答えた。
「そうか……。ところでアンリエッタ、この人たちも連れて行くの?」
シュヴルーズ、キュルケ、ギーシュ、モンモランシーを一瞥したシャルルはアンリエッタに聞いてみた。
「同行して貰うかどうかは、本人たちに聞いてみないと」
アンリエッタのその一言に納得したシャルルは、聞いてみることにした。
「僕たちと一緒にアルビオンに行ってみたい人、いる?」
四人の内、杖をあげたのはキュルケとギーシュだけであった。
「面白そうですから」
「全部聞いてしまった以上、同行すべきと判断しました」
きっぱりと答えたキュルケとギーシュとは対照的に、シュヴルーズとモンモランシーは申し訳なさそうに答えた。
「教職にある以上、いきなり学院を離れるわけにはいかないので……」
「そう何度も危ない橋は渡りたくないんです……」
結局、タバサ、キュルケ、ギーシュが同行することが決まった。

真夜中、宝物庫。
「若いの、宝物庫に何用かの?」
サブローは宝物庫の門を開けようとしたが、直後に後ろに立っていたオールド・オスマンに呼び止められた。
「……この中にある魔銃、いや、『ハカイダーショット』に用があるのさ」
「若いの、なぜ魔銃の本当の名を知っておる!?」
「……教えてやるよ、死に損ない」
左手に持った破壊剣をかざし、サブローはハカイダーへとチェンジした。
「俺はキカイダーの弟、サブロー。またの名をハカイダー」
「バカな! 殿下の話では、おぬしは死んだはず。それに、おぬしの頭には人間の脳が備え付けられていたはずじゃ!?」
「……俺は、キカイダーがこっちの世界に迷い込んでから数年後、造物主である光明寺の手によって人造人間として転生したのだ」
きっぱりと言い切ったハカイダーの頭には、光明寺博士とイチローが作った電子頭脳が入っていた。
「なんと……」
「返してもらうぞ、俺の銃」
ハカイダーはそう言って、宝物庫の鍵を殴って破壊した。
数分後、オスマンが呆然とする中、ハカイダーショットを回収したハカイダーが戻ってきた。
「確かに返してもらったぞ」
そう言って、ハカイダーは宝物庫を後にした。

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:13:22 ID:QxsfAJlR
電支援ド!

18 :大使い魔17:2008/04/20(日) 23:16:50 ID:sGKQXwdZ
場所は変わり、アルビオン王都、ロンディニウムの地下工場。
レコン・キスタ首魁オリヴァー・クロムウェルと、シェフィールドが工場内を歩きながら会話していた。
「陛下、如何ですか? 開発状況は」
「シェフィールド殿、この調子なら一ヶ月以内には『五つの決戦兵器』の全てが出撃できるようになりますぞ」
「そうですか。……五つ? 『四つの決戦兵器』では?」
「フフフ……。たまには自前の戦力を、と思いましてね。以前、ロマリアの秘密保管庫から持ち出したロボットも戦力として投入することにしたのです」
シェフィールドは、ハスラーが持ち込んだ設計図を元に、この工場で開発された開発された四体のロボットに、一瞬だけ視線を移しながら、クロムウェルの言葉に耳を傾けた。
「修理と拘束具の破壊に手間取っていますがな」
工場内の応接間では、シェフィールドの付き人として同行した、犯罪ロボット派遣ギルド「ジョージ」の殺戮構成員・ボードマンとイカサマンが炭酸水をすすっていた。
「なあなあ、イカサマン」
「どうした、ボードマン?」
「クロムウェルとシェフィールドさん、何を話してるのかな?」
「……案外、ハスラーさんが作ったロボット絡みかも知れないな」
地下工場の最深部、そこには拘束具を付けられたロボットが安置されていた。
そのロボットの胸部には、この世界にはない文字で『18』を意味する数字が刻まれていた。

ロマリア連合皇国の難民街。
真夜中にたどり着いたジローは、「百聞は一見にしかず」という言葉を思い出した。
「義父さんから聞いてはいたが……ここまでひどいとはな」
義父である、亡きトリステイン国王からロマリアの現状を聞かされたことがあったため、元々ロマリアにいい印象を抱いていなかったジローは、ロマリアを支配する宗教庁への不信を更に強めた。
「寝床、どうしようかな?」
「我々がフカフカのベッドを用意しています」
背後から聞こえた声に反応したジローが振り向くと、聖堂騎士隊が臨戦態勢で並んでいた。
「お待ちしておりました、ジロー殿下。教皇聖下が貴方との御面会を望んでおりますゆえ、我々について来てもらいます」
聖堂騎士のその言葉に、ジローは言葉ではなく、チェンジすることでで答えた。
「チェンジ! スイッチ・オン! 1、2、3!!」
「素直に従う気はないようですね……」
夜の難民街に、聖堂騎士の号令が響き渡った。

19 :大使い魔17:2008/04/20(日) 23:18:36 ID:sGKQXwdZ
そして夜が明け、時は過ぎ、品評会。
「誰が優勝すると思う?」
「ヴァリエールだろうな。あんなのが使い魔じゃ太刀打ちできねーよ」
「でも優勝狙ってる奴いるぜー。グラモンとか、ツェルプストーとか、タバサとか」
「チャレンジ精神旺盛だなー」
各生徒の使い魔たちが様々な芸を見せ、タバサの番が来た。
空を飛ぶシルフィードの姿に、審査員たちは歓声を上げていた。
「きゅいきゅい〜〜。優勝はお姉さまとわたしのものなのね〜〜」
更に韻竜であることを自分からバラし、観衆の度肝を抜いた。
無論、地上に降りた直後にタバサのエア・ハンマーが頭部に直撃し、のた打ち回った。
「あんまりなのねー! ああでもしなきゃ、あの人には勝てないのねー!!」
今まで面倒事回避のために黙らせていた努力を台無しにされてキレたタバサと、お仕置きされて逆切れしたきゅいきゅいの漫才を見ながら、ルイズはロボターに話しかけた。
「何やってんのかしら?」
「さあ? でも韻竜とはねー」
「大丈夫。ワンセブンの敵じゃないわ」
そしてルイズの番。
寮の近くで待機していたワンセブンは、飛行形態になって品評会の会場に飛来し、着陸、変形した。
ミヨンミヨンミヨン、ヨヨヨヨヨ、キュピーン! バギィィィィン!!
ワンエイトヘルを装着し、ルイズはワンセブンの紹介を始めた。
「紹介します。わたくしの使い魔、ワンセブンです。種類は不明ですが、本人の口からゴーレムではないことは確かです!」
ワンセブンは基本的に滅多に戦闘形態には変形しないため、彼の存在に少しは慣れた生徒たちも、変形の一部始終を見て歓声を上げた。
少し力を込めて、ワンセブンは足踏みして大地を揺らした。
観衆が騒然とする中、今度は戦闘飛行形態に変形して上昇、すぐに超音速で周囲を飛び始めた。
50メイルの巨体が超音速で飛ぶ際に発生した衝撃によって、会場に強風が吹き荒れる中、ルイズからの合図に応じたワンセブンは、何食わぬ顔で会場に着陸。
ルイズもいけしゃあしゃあと、自分たちの出番の終わりを告げた。
「他にも披露したい能力がありますが、残念ながら品評会で披露するには危険すぎるものが多いため、これで終了します」
即行で、観衆から「ええ〜!?」という声が聞こえてきた。
しかたないでしょーが、標的がいなきゃ、ナイキ級ミサイルもグラビトンも発射できないんだから。
結局、満場一致でルイズとワンセブンが優勝したが、1年生と3年生たちはグラビトンを見れなかったことが不満だったらしく、ブーイングをかましてきた。
「的がないのにグラビトンを使わせるわけにはいかないでしょ!!」
ルイズの一喝でブーイングは収まったけどね。

20 :大使い魔17:2008/04/20(日) 23:20:40 ID:sGKQXwdZ
乱痴気騒ぎは放っておいて、場所はロマリアに。
大聖堂の敷地内にある庭園に、ジローと才人は佇んでいた。
「ジローさん、教皇の事、あんましよく思ってないかも知れないけど、あの人も必死なんだ」
「……聖地奪還だけにか?」
「難民問題にもだよ!」
「……なら、どうして難民街はああも荒れ果てているんだ?」
「あれでも教皇のおかげでかなり改善された方だよ」
「才人、君はあの教皇の肩を持っているようだな」
「使い魔だし、それにあの人が難民たちを救おうと必死になっているのを身近で見てきたからね。けど、虚無の使い手の上に、人望もあるからそれを妬む奴も多くて……」
「脚を引っ張られている、というわけか」
「うん。オマケに進んで汚い手も使うから敵が多くて多くて……」
愚痴る才人を見て、益々宗教庁に悪い印象を抱きつつ、ジローはギターを弾き始めた。


桃りんごの花を あの子のために摘んだ
優しいあの子は微笑んで 「ありがとう」とささやいた

桃りんごの花を あの子のために摘んだ
あの幸せをもう一度 あの思い出をもう一度

返しておくれ 良心回路に

桃りんごの花が 散って俺も去った
優しいあの子の微笑みと 「ありがとう」はもう聞けない

桃りんごの花が 散って俺も去った
あの幸せは夢なのか あの青空は夢なのか

思い出だけが 良心回路に

桃りんごの花と あの子の笑顔どこに
明るい春の来る朝に 「ありがとう」が聞こえたよ

桃りんごの花と あの子の姿待つよ
良心回路に幸せが 良心回路に思い出が

帰ってくるよ 春くれば

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:21:36 ID:QxsfAJlR
支援

22 :大使い魔17:2008/04/20(日) 23:25:52 ID:sGKQXwdZ
投下終了。
ワルドの出番は次回まで待ってくれい。

ちなみに、ボードマンとイカサマンの元ネタは以下の通り
ボードマン:『仮面ライダースーパー1』の怪人、マッハローラーの没デザイン
イカサマン:『美少女仮面ポワトリン』のラスボス、ディアブルの没デザイン

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:27:37 ID:A+Qf+T80
みんな乙!

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:28:40 ID:iPmq0NYz
>>1
乙!

大使い魔乙です。
ハカイダーがついにあの銃を手に…。

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:29:14 ID:6fX/sXEp
いらないテンプレ貼ってる奴ってなんなの?

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:32:08 ID:QxsfAJlR
大使い魔氏乙でした!
ポワトリンは見てなかったな…

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:33:57 ID:9N4JUTVS
-''":::::::::::::`''
ヽ::::::::::::::::::::::::::`::..、
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!       本当に>>1乙したい気持ちで…
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ         胸がいっぱいなら…!
    /l ̄  '-~三~-'  ̄h
.   / |   レ兮y′/ l         どこであれ>>1乙できる…!
  〈  く   ∨ l/ ,イ |
   \_,.>、    /,L..]]_           たとえそれが…
. 0ニニニ)而}ニニニニニ),リリニニ)
.   L| |_____|____| |          肉焦がし… 骨焼く…
    l | |._______| |  ,:
 ,  l \ヽ l  |   , '/  ;'            鉄板の上でもっ………!
 :, ____l_|_|_;_|_|___|_|__   ;
  |\゙;三三゙';三三三,;゙三三\ ;'
  |\\三三゙三ジジ三三,''三;'\,;'  ;'
  |、 \\三゙;三三ジジ・'三三三;\ ;
  0ト、\\\;'三三;'三三三;''三三,;'\
    \\\| 炎炎炎炎炎炎炎炎炎 |
      \\| 二I二二I二二I二二I二 |
       \LI二二I二二I二二I二二]]
        0]]            0]]

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:37:28 ID:9N4JUTVS
-''":::::::::::::`''
ヽ::::::::::::::::::::::::::`::..、
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!       本当にゆっくりしたい気持ちで…
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ         胸がいっぱいなら…!
    /l ̄  '-~三~-'  ̄h
.   / |   レ兮y′/ l         どこであれゆっくりできる…!
  〈  く   ∨ l/ ,イ |
   \_,.>、    /,L..]]_           たとえそれが…
. 0ニニニ)而}ニニニニニ),リリニニ)
.   L| |_____|____| |          肉焦がし… 骨焼く…
    l | |._______| |  ,:
 ,  l \ヽ l  |   , '/  ;'            鉄板の上でもっ………!
 :, ____l_|_|_;_|_|___|_|__   ;
  |\゙;三三゙';三三三,;゙三三\ ;'
  |\\三三゙三ジジ三三,''三;'\,;'  ;'
  |、 \\三゙;三三ジジ・'三三三;\ ;
  0ト、\\\;'三三;'三三三;''三三,;'\
    \\\| 炎炎炎炎炎炎炎炎炎 |
      \\| 二I二二I二二I二二I二 |
       \LI二二I二二I二二I二二]]
        0]]            0]]

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:41:51 ID:5GcZeGn4
サイトはウンコした後 拭く紙が無くて大変そうだな
やっぱり草とか使ってるのかな?

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:49:13 ID:LQ0Jm1A7
手ですくってそのまま食べてるに1000ペリカ

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:54:06 ID:BIxDYnnW
もったいないから食べちゃった

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/20(日) 23:57:20 ID:Y6UOJnHX
肥溜めスレに帰れよお前ら、な!

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:00:23 ID:BIxDYnnW
尻洗浄魔法とかあるのかな?

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:06:01 ID:wgpJXVOs
ウンコの話は肥溜めスレで。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:08:09 ID:nkmUv1nm
じゃあおしっこの話をしよう

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:09:49 ID:slJnRDKW
じゃあおっぱいの話をしよう。
俺はテファのおっぱいよおマチさんのおっぱいの方がいいと思うんだ。

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:11:37 ID:Vq2C3mDk
>>33
そこらは考察スレむきだなあ。


38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:13:14 ID:HzACP63Y
一度でいいから見てみたい、おマチさんがデレるとこ。
歌丸です。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:25:12 ID:U22m2BGa
オスマンがロングビルにホレ薬を盛れば、あるいは……

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:31:09 ID:eWNJZ21s
それより小さな星の話をしよう

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:33:26 ID:gjtM1zPx
プラネタリアンの愛すべきポンコツをよぶって?

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:33:58 ID:qaoGHSOg
信じてた未来が崩れ去ろうとしてる?

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:37:36 ID:yy+cnnyq
>>40
星の王子さまはいい話だねぇ
いっそ童話から呼ぶのもありか?

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:39:00 ID:gjtM1zPx
100万回生きた猫を90万回目あたりで召喚

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:42:15 ID:J3LsZe4Z
キミとボクからギンオウゴウ召喚







話考えただけで泣けた(´・ω・`)

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:43:28 ID:WVXk9jBF
11匹の猫に食われた魚召喚

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:44:14 ID:gjtM1zPx
14匹のネズミを家ごと召喚。

使い魔はお父さん。
とっくんトラック大活躍

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:45:24 ID:IHFSmknP
悲しみを繰り返し僕らは何処へ行くのだろう?

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:45:40 ID:ALilS3bx
ぐりとぐらを海外版で召喚

"Yeah! Guri and Gura, that's us."

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:48:17 ID:7zyLVO70
>>48
いーまーひとりひとりのゆーめーのなーかー

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:52:39 ID:j5gPI9rZ
そういえばおマチさんが惚れ薬飲むという展開は知らないなあ…。
誰かやんないかな。なんのクロスで、というのではないが。

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 00:53:30 ID:nkmUv1nm
いっそもう「ちいさいおうち」召喚でいいよ

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 01:16:28 ID:XCnEfjJw
何か小さな骨のようなものを召喚したルイズ
その後夜ベッドに入るまでひたすら
「俺の骨を返せ!」という声が聞こえる
とうとうキレて「そんなに欲しけりゃ持っていきなさいよ!」
と叫ぶと怪物の手が窓から入って骨を持っていく……
まで想像した

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 01:18:45 ID:k9R0Lvod
ドラえもんの道具的なものを召喚して
タケコプターで空を飛び
ガリバートンネルで隙間に落とした秘薬も回収し
ビッグライトでゴーレムと殴り合い
どこでもドアでアルビオンに潜入し
石ころ帽子でクロムウェルの部屋に忍び込み
空気砲であたりかまわずぶちこわす
そんなルイズの健気な物語が読みたいです。

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 01:26:26 ID:jUElX59X
もう創造神ノボル・ヤマグチ召喚すればいいじゃないか

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 01:35:29 ID:D1KMjQ+q
>>55
4つのルーンを持ち、某ツン女子高生並みに世界改変能力を行使する最強の創造神ノボル

ノボル「ブリミル・・・そう呼ばれていた時期が私にも有りました。」


57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 01:37:41 ID:CBIdIMrP
某荒木くらいミラクルなら>ノボル召喚

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 01:38:38 ID:1A5Ff7aY
せいぜいスイフリー程度だろ

59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 02:02:03 ID:D1KMjQ+q
>>58
スイフリーって聞くと、限り無くダークに近いエルフ思い浮べちゃうんだが?

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 02:04:03 ID:o2e/c4mH
荒木召喚だとまず実年齢を聞いて人間かどうかを疑う羽目になるな
富樫召喚だと果てしなく働かない使い魔だな

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 02:16:16 ID:jUElX59X
>>60
荒木は石仮面の吸血鬼じゃなかったか?



以外と逆召喚が少ないから
虚無の果てでゲッター艦隊や魔獣や極道兵器と共に時天空と戦い続けている石川先生の元にルイズを召喚するのは……

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 02:22:56 ID:DvoBpswy
田中芳樹召喚
 ひたすら説教と中国マンセーと自民党ヘイトが続きます

さいとう・たかお召喚
 ひたすら劇画な使い魔です

鳥山明召喚
 大人の事情で、延々とパワーインフレが続きます

司馬遼太郎召喚
 とっても時代考証に沿った戦記物になります

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 02:25:59 ID:CBIdIMrP
>>司馬遼太郎召喚
ごめん凄く見たい

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 02:56:33 ID:BW4WH4SE
後世の研究家の間で軟鉄か否かの議論が起こるわけですね。

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 02:57:08 ID:7dTDO+cO
ルイズがドリムノート召喚したら

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 03:17:39 ID:SiiKsCon
童話と言うか御伽噺と言うか、靴屋の小人でも召喚したら?

67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 04:52:39 ID:J+Mdq1fi
がちゃぴん召喚しかないだろ

68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 07:37:15 ID:yBMoo1Fx
>>62
軍事関係はひどいぞ、あの人。

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 07:38:42 ID:DOpzhiwG
食べちゃうぞ、食べちゃうぞ

70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 08:07:07 ID:lH3Irlmq
「僕、アルバイトォォォッ!!」

初老のアルバイトである。
コンビニアルバイトが時折このように
レジカウンターに跳び乗るのを見て見ぬ振りをする情けが
コンビニ強盗には存在した。

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 08:08:10 ID:lH3Irlmq
べ、別に誤爆したわけじゃないんだからねっ!

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 08:17:46 ID:iqDEsgCm
ムーミン召喚でいろいろ考えている。

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 08:21:57 ID:yc2PAtjd
>>68
兵役中に散々な経験したせいで偏見が固まっちゃったんだっけ?

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 08:50:58 ID:bMiHUxs+
>>73
 鳥山明がか?

75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 08:54:03 ID:uFckS7WZ
>>51
そこで自分で書いてエロパロ板に投稿ですよ。
保管庫を見にいったらおマチさんのSSが1本しかなくて泣いた。

76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 10:05:26 ID:bMiHUxs+
>>51>>75
 ラブラブしてるおマチさんが見たいなら、提督でもよんどけ
 ただ今絶賛夜這い中だ

77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 10:29:38 ID:QI+dplnB
そういや提督の投下ペースすごいよね。
女帝とかある程度ネタ元が古いクロスや書いてる人間も社会人だろうから、投下ペースが月一でも早いほうだろうけど………
銀英伝好きで学生とか?

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 10:30:18 ID:cmZZgm6/
>>74
司馬遼太郎だろ?

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 11:11:51 ID:bMiHUxs+
>>77
 あのくらいの量なら、タイピングの速度次第では1週間でいけるんでない?

 ラストまでのストーリーを予め考えておけば、後は書くだけだよね


 まぁ、ストーリーを最後まで考えてるとしたら、そっちの方が凄いんだろうけど

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 12:30:29 ID:hcj/mpHX
秒単位で重複しちゃった↓のスレは次スレに再利用するの?

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part131
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1208700027/

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 12:34:22 ID:BW4WH4SE
宝物庫にヤスリがかかるか試す福田定一。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 13:37:24 ID:wzdSKFge
>73
だけ見て水木しげるかとおもた

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 13:40:05 ID:hcj/mpHX
>>82
兵役経験してそっち方面にアレルギー持った作家って珍しくないよ。


84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 13:54:45 ID:4G+eT2O6
>>79
世の中には会社員やりつつラノベ書いてさらにたっぷり遊んでるのに
スケジュール管理に困ったことがないという化け物みたいなのがいるわけで

あの全7巻のヘビーノベルですら半分削ってるんだぜ…

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 14:43:55 ID:FGV9z9hw
>>84
川上のことかーー!!

あの人、つくづく化け物級のバイタリティだな……

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 15:17:59 ID:k9R0Lvod
サイヤ人さんを代理投下いたします

87 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:18:50 ID:k9R0Lvod
港町ラ・ロシェールは、狭い谷の間の山道に設けられた、人口三百ほどの小さな町である。
アルビオン-トリステイン間を結ぶ唯一の要所であり、その規模に見合わず、街中は常にその十倍以上の人間で賑わい、谷底を利用して舗装された狭い通りの両脇を挟むようにして土産物屋や食事処がひしめき合っている。
人種、食材、情報、物資、それら全てがここを経由する、いわば流通の要であるため、巨大な岩盤をくり抜いて作られたその建築様式とも相俟って、観光名所としてもその名は内外に知られているからであった。

「賑やかなところだなあ」
「ブルドンネ街と比べたら小さいし狭いけど、アルビオンに行くには必ずここに来ないといけないから、人がいっぱいいるのよ。
 それに、双方の貿易の中継地点でもあるから、おいしい物もいっぱいあるわよ」
「ホントか? 楽しみだな」

悟空とルイズは、比較的安価かつ大量に食べられる大衆食堂的なものを探して歩いていた。
自分1人ならこの町で一番高級な宿の食堂で食べたいところだが、そんなところに悟空を放り込んだらルイズの小遣いなどあっという間に霧散してしまう。
ちなみに、背負ったまま歩き回るのは恥ずかしいとルイズがダダを捏ねたので、ルイズと悟空を繋いでいた馬具は外してある。
デルフリンガーは悟空に背負われ、ルイズが着けていた馬具を鞘に括り付けられていた。
やがて、ルイズが1枚の看板に目を留めた。『20分以内に全部食べたら無料!』と書かれている。
このご時世に酔狂なもんだ、と思ったが、食材も金を持った観光客や戦役あがりの傭兵も豊富なここならではの光景だ。
それに、あれなら懐が痛む心配もない。

「ゴクウ、20分以内に全部食べたらタダだって。やってみない?」
「オラ、腹減ってるから食えるもんなら何でもいいぞ」
「決まりね!」

悟空とルイズは、その看板をぶら下げた食事処へと足を運んだ。
炒めたガーリックの匂いが鼻を刺激する。店内の様子からして、傭兵よりは観光客を主体とした店のようだ。
清掃もなかなか行き届いている。通りに面した対面席に腰を下ろすと、ひょろりとした顔のウェイターがやってきた。

「ご注文は?」
「わたしは本日のおすすめ。こっちは、表の看板に出てる『20分以内に全部食べたらタダ』ってやつを」
「とりあえず5人前」
「5人前。っておい!!」
「なんだ?」
「あああんた大丈夫なんでしょうねまだ1人前の分量も見てないってのに? しかも『とりあえず』?」
「いやぁ、腹減ってっからさ〜…」
「…………。……5人前で」
「かしこまりました。その場合、1人前毎に改めて時間を計らせて頂きますが」
「それでいいわ」



フーケはワルド(偏在)といったん別れ、悟空とルイズを探してラ・ロシェールの通りを歩いていた。
口元からは小さな声でワルド(偏在)への愚痴が漏れている。

「まったく、見かけたんなら最後まで案内したっていいじゃないのさ」
「第一何であたしがあいつらと世間話なんてしなきゃいけないんだい」
「ああむかつくむかつく。観光地だからって浮かれてんじゃないよまったく歩きにくいったらありゃしない…。……ん?」

自分の言葉に違和感を覚えて、フーケは足を止めた。
彼女が今いるのは食事処のある界隈だった。人通りは土産物屋に次いで多い。
食事時ともなると、ごった返す雑踏を掻き分けるようにしないと進めないほどだ。
それなのに、いまはそれほど混んでいない。
今は丁度昼時だ。この時間帯にも関わらず、足元の地面が見える程度の混雑振りでしかないのは、かえって異常だった。

88 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:19:13 ID:k9R0Lvod
おかしいと思いながらもフーケが歩を進めると、やがてその原因が彼女の視界に飛び込んできた。
一件の食事処の店先に観光客らしき群集がひしめきあい、歓声を上げている。
地上からは店内の様子が見えないので、レビテーションで通りの反対側にある店の看板の上に降り立ったフーケは、喧騒の中心にいる人物を見て目を丸くした。
こんな所にいやがった。
しかも、呑気にメシなんか食ってやがる。

「……それにしてもなんだい、あの量は…?」

ルイズは既に食事を終えているのか、テーブルに頬杖をついてニコニコと自分の使い魔を眺めている。
そしてその使い魔は、テーブルの上のみならず、席の周囲にうずたかく積まれた皿に囲まれ、物凄い勢いで料理を掻き込んでいる。
傍らには涙目のウェイターが立ち、その視線は使い魔と時計を交互に行き来している。
空になった食器類の中身も全てあの使い魔の胃袋に収められていると考えると、恐らく既に20人前は消化している計算だ。
フーケの頬を一筋の汗が流れた。
もう何度目なのか定かでない「おかわり!」の声に、虚ろな目をしたウェイターが魂の抜けたような足取りでフラフラと厨房に赴き、店長とコックを従えて戻って来た。

「お…お客さま……。大変申し上げにくいのですが、なにぶん食材がもうありませんので…これ以上はちょっと……」
「あ、そう?」
「はい…。ああ、今日はもう閉店だ……」
「ゴクウ、おいしかった?」
「ああ。ごちそうさん!」
「それじゃ最後にこれ2つ頂戴」ルイズが「クックベリーティー」と書かれたメニューを指差す。「これくらいはまだ材料残ってるでしょ」
「か…かしこまりました……」

やがて小振りのカップに乗った紅茶が2つ運ばれ、興味を失ったギャラリーがぞろぞろと店頭を去っていくと、ようやく店内に平穏が戻って来た。
店長が完全に店仕舞いを決め込んだのか、悟空とルイズを除く他の席は、もう椅子がテーブルの上に乗せられ始めている。
フーケは地上に降りた。
今なら彼らに接触を試みるチャンスだ。
相手に察知されないよう、愛用しているフードつきのマントをその身に纏う。そのまま店内に滑り込み、2人の死角になる場所へと身を潜めた。
2人に対し正攻法で近づいたのでは、主導権を握ることは難しい。何とかして相手の意表をつく方法でこちらから声をかけねば。
さて、どうやって声をかけたものか。フーケは潜り込んだテーブルの影から、再び2人の様子を伺った。
自分の方に身体を向けているルイズは外に気を取られ、テーブルを挟んでフーケに背を向けた形で座っている使い魔の方は手に取ったカップを受け皿に戻すところだった。
完全に2人の注意はフーケから外れている。それどころか気がついた様子も無い。
やるなら今だ。今しかない。
意を決してフーケは立ち上がった。
後年、彼女は当時のことを思い出す度、自嘲交じりにこう考える。
もし、この時の自分が素面だったら、もう少しマトモな声のかけ方を考えついたはずだ……、と。
しかし、歴史にifは存在しない。
彼女はエールを飲んでほろ酔いになっていた上に、ワルド(偏在)から厄介事を押しつけられた――と、本人は思っている――せいで、行動が大胆になっていた。
或いは自暴自棄と言い換えてもいい。

89 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:20:20 ID:k9R0Lvod
口元に薄く笑みを浮かべたフーケは一直線に悟空の元へ近づくと、フードを脱ぎ、今まさに獲物に食らいつかんとする蛇の如き素早さで悟空の後頭部に両腕を伸ばし――

「だーれだ?」

背後から、悟空の両目をその手で覆った。

「うひゃあ!?」
「うおっ!?」

ルイズは突如聞こえた声に、悟空は突如現れた背後の気と失われた視覚情報に驚きの声をあげた。
揃って声の主を確認した2人は、更に驚愕した。

『フーケ!!』
「はぁい」

にこやかな笑みを浮かべ、ひらひらと手を振って挨拶する。
フーケは目論んだ通り、相手の虚を突いたことで会話の主導権が自分の手に握られたのを感じた。
有り得ない状況で有り得ない人物を目の当たりにしたルイズは、立ちあがりざま懐から杖を抜こうとしたが、

「動くな!」

椅子から腰を少し浮かせた時点で、その眼前にペーパーナイフの切っ先があった。
悟空にヘシ折られたため、ワルド(偏在)から出所祝いと称してラ・ロシェールの土産屋で購入させた小振りの杖だ。
買って日が浅いため、以前の杖と比べてまだ馴染まないが、それでもフーケのトライアングルの実力を発揮するには充分であった。
中腰の体勢で今にも噛みつかんばかりの表情で睨みつけるルイズに、フーケは突き付けた杖を仕舞いながら言った。

「そう慌てなさんなって。今日は喧嘩を売りに来たんじゃないよ。いいから座んな」
「な…何であんたがこんなところに……? まさか、脱獄!?」
「人聞きの悪い事言わないで欲しいわね」図星ど真ん中だが。「保護観察中よ」
「保護…監察?」

しぶしぶ腰を下ろしたルイズは、自国では聞き慣れない単語に疑問符を浮かべた。
平民上がりの貴族が多いゲルマニアならともかく、トリステインでは保護観察は滅多な事では適用されない。
被告人が平民である場合はそもそも保護観察の機会が与えられないし、貴族の場合は、「保護観察中に魔法で再犯を犯す可能性が高い」とのことで、これもまた与えられる機会が少ない。
それにチェルノボーグの監獄は、主に貴族または貴族狙いの平民の犯罪者など、トリステイン内でも比較的重い犯罪を犯した者が収監される施設である。
そのような場所に入れられたフーケに、建前上は社会復帰支援を目的とする保護観察の機会が与えられるはずがなかった。
また、ルイズは知らなかったが、そもそもフーケの裁判はまだ始まってすらいない。
刑が決まる前に執行猶予が課せられるなど、司法上有り得ない話だった。
騒ぎを聞きつけてすっ飛んできたウェイターに、こちらと同じものを、と代金とほぼ同額のチップを握らせたフーケが、テーブルの上に片付けられた椅子の一つを取ってきて座ると、ルイズは疑問を口にした。

「信じられない。あんたみたいな凶悪犯に保護観察だなんて、いったい何処の大間抜けがそんな事考えついたのよ?」
「さあね。少なくともわたしの顔見知りじゃないけどね。てっきりあんたの知り合いかと思ったけど」
「お生憎さま。残念だけどそんな低脳はとんと心当たりがないわ」
「そうかい? わたしの保護観察の条件があんた達の極秘任務の支援なんだけどね」
「え!?」

すっとぼける余裕も無かった。
何でこの女が任務の事を知っているのか? 何処から、いや、誰が知らせた?
そもそも今現在、この任務を知っている者が何人いるだろうか?
なく答えはすぐに出た。
アンリエッタ、悟空、ギーシュ、そして自分。ルイズの知っている限りはこの4人だ。
この中で大間抜けの低脳はギーシュが本命だが、彼にフーケを保護観察下に置くような器量は無い。
そんな事ができるのはアリエッタくらいなものだ。だが、彼女はルイズにとって大間抜けの低脳などでは無い。
考えても満足の行く解答が出ないので、ルイズは諦めてティーカップに残った紅茶を飲み干し、フーケの分を注いできたウェイターにお代わりを注文した。

90 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:21:31 ID:k9R0Lvod
「……本当に心当たりが無いってのかい? 向こうはあんた達の事を随分知ってるみたいだったけどね」
「知らないわよ。そもそもこの任務を知ってるのはわたし達の他には姫殿下ぐらいなものなのよ。何処のどいつか知らないけど、会ったらゴクウに半殺しにさせてやる!!」
「ふうん」フーケは面白そうに頬を歪めた。「いいこと教えてやろうか。わたしがここに来たのはね、あんた達をそいつに引き合わせるためなんだよ」
「好都合だわ。何が目的か知らないけど、あんたを牢から出した事を死ぬほど後悔させてやるわ!!」
「ルイズ、アルビオンに行かなくていいのか?」
「行きたいのはやまやまだけど、任務のことを知ってる上にこの女を娑婆に出すような馬鹿を放っといたらどうなるかと思うと気が気じゃないわよ」

「そっか。……ところでフーケ、オラもおめえに訊きてえ事があるんだけど」
「あら、何?」
「さっきオラの後ろに立った時、全然気配を感じなかったけど、どうやったんだ?」
「このマントは<隠れ蓑>っていうマジックアイテムでね。フードを被って前を閉めりゃサイレントと同じ効果が出るのさ。それで気配を消すくらいお手のもんだよ」

かつてフーケが盗んだ戦利品の一つであった。見た目は単なるマントなので、誰もこれがマジックアイテムだとは思いもしないのが、一層フーケの好みに合っていた。
しかしながら、サイレントはあくまで対象物が出す――または伝わる――物音を消すための魔法であり、例え重ねがけをしたところで、術者の気配を消す事はできない。
これを纏ったフーケが気配を断つことができるのは、長年盗賊として暗躍しているうちに彼女自身が知らず身につけた特技なのだ。
悟空は「そうだったのか…」と素直に感心していた。
以前、フーケがトリステイン魔法学院を襲撃した際、急にフーケの気が消えたのはそのためだったのか、と悟空は納得した。



ワルド達一行は、ラ・ロシェールの中心地から30リーグほど離れた渓谷へとさしかかっていた。
途中からグリフォンをほぼ全速力で飛ばしたおかげで、どうにかあと少しでラ・ロシェールに到着することができそうだ。
(しかし…)と、ワルドは前方を飛ぶタバサのシルフィードを見た。
地上での俊敏性ならともかく、空中での巡航速度ではグリフォンは風竜に及ばない。
向こうは人間を3人も乗せているのに、それでもワルドのグリフォンは遅れを取っていた。
こんな事なら、竜騎士隊から風竜を一騎借り受けてくればよかった…と、ワルドは己の失策を嘆いた。
と、不意にシルフィードが失速し、ワルドのグリフォンに並んだ。

「どうしたのだね!?」風魔法で作った風防を一部解除して、風切り音に負けないようワルドは怒鳴った。
「もうじきラ・ロシェールに到着しますが、このまま飛んで行きますか!?」片手を口元に当てたギーシュが同じように怒鳴り返した。
「いや、そろそろ地上に降りよう! 許可証を貰って無いんだ!!」
「わかりました!」

91 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:22:36 ID:k9R0Lvod
ラ・ロシェールは定期便の発着場である桟橋がある都合上、桟橋管理局の許可無く街の周囲を飛行する事は許されていない。
民間・貴族の区別無く、いかなる飛行物も事前にフライトプランを管理局に提出する必要がある。
例外は緊急時の医療船と戦時の軍艦ぐらいだ。
そして、管理局が発行した許可証に記されたタイムスケジュールに従って初めて、船や風竜はラ・ロシェールに空から出入りする事ができる。
それ以外の町への出入りは、峡谷の両端に設けられた出入国管理局を通過しなければならない。
トリステインにおいてこの制度は風変わりであったが、常に大量の貿易品や人員が出入りする町で最低限の治安を保つためには必要な事であり、その効果が認められた最近では、
ゲルマニアとトリステインの国境付近にあるいくつかの町でも試験的に導入されつつあった。
一方、トリステイン-ガリア間にはこういった関所の類は存在せず、十数本ある街道に国境を示す看板が建てられているのみである。
地上に降りると、今度はグリフォンが隊列の先頭に立った。道は登り勾配になっているが、ワルドのグリフォンは空を飛んでいるのと変わらぬ速度で音も無く疾走していく。
その後をシルフィードが地面にほど近い高度で追従する。空中のような速度を出さないのは、道の両側が絶壁に挟まれているため、羽ばたいた時の風圧が少なからず自分自身の姿勢を狂わすからだ。
暫くそうやって道なりに進んでいると、不意にワルドの前方に木を組んで作られたバリケードが現れた。
ワルドは、それが自身の偏在が雇った傭兵が即席でこしらえたものである事に気付いた。よく見ると、酒場の椅子を道幅いっぱいに乱雑に積み上げているだけのものだった。
空を行くシルフィードは勿論、グリフォンですら軽く飛び越せる高さしかない。さてどうしたものかとワルドが考えていると、今度はそのバリケードに向かって上から何かが投げ込まれた。
投げ込まれたのは松明だった。瞬時にバリケードが燃えあがる。どうやらバリケードには油がたっぷりかけられているようだった。
流石のグリフォンもこれには驚き、一声鳴くと燃え盛るバリケードの手前で空中に静止した。次いでシルフィードも隣に並ぶ。
そこに、今度は一本の矢が飛んできた。すかさずワルド達が上を見ると、そこに大量の矢が降り注いできた。

「む!」
「奇襲だ!」ギーシュが喚いた。
「ラナ・デル・ウィンデ」

ワルドとタバサが素早く詠唱を唱え、エア・ハンマーで自分に襲い来る矢を弾き飛ばす。


シルフィードの一番後にいたギーシュが、背後から微かに聞こえるキリキリという音に振りかえり、小さく悲鳴を上げた。
谷底の、ワルド達が来た方向からは死角になっていた個所に別働隊が潜み、今まさにギーシュ達に矢を撃とうとしていたのだ。
ギーシュは慌てて青銅の盾を錬金し、放たれた矢をすんでのところで弾いた。
その音に気付いたワルドが、再びエア・ハンマーを唱えて地上の傭兵達を吹き飛ばした。
タバサはウィンディ・アイシクルを数本、燃え盛るバリケードに叩き込んで消火すると、シルフィードを崖の上まで舞い上がらせ、矢の飛んで来た方向から敵の位置を探る。
いた。
崖の上、人数にして10人弱の傭兵がタバサ達を見上げていた。
敵が無傷なのを確認すると、男達は再び矢をつがえ、シルフィードに放ってきた。
それをエア・ハンマーで迎撃しつつ、タバサがギーシュに言った。

「ギーシュ」
「何だい?」
「彼らの足元。錬金で崩して」
「心得た!」

92 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:23:24 ID:k9R0Lvod
ギーシュが薔薇の造花を振るい、タバサがそこから零れた花弁を風に乗せて傭兵の足元へ敷き詰める。
全ての花弁が地面に到達したのを確認すると、ギーシュは錬金で敵が立っている地面を柔らかい土砂へと変えた。
そこに今度はキュルケがファイアー・ボールを撃ち込む。服に火が点き、パニックを起こした男達が必至に消火しようと地面を転げ回る。
その振動で、錬金によって地盤が軟弱になった一帯が土砂崩れを起こした。
悲鳴を上げながら転がり落ちた傭兵が、さっきワルドに吹き飛ばされた傭兵達の上に土砂と共に降り注いだ。
他に襲ってくる敵がいないのを確認すると、タバサは閉じていた本を再び開き、無言で読み始めた。
ワルドは表情にこそ出さなかったものの、自身の計画が失敗した事に臍を噛んだ。
魔法学院の生徒だから、せいぜいラインレベルしかいないだろうと思っていたが、少なくともあの小柄な少女はトライアングルクラスだ。
しかも戦い慣れている。普通奇襲を食らえば少なからず動揺するだが、彼女は冷静さを失わないばかりか、崖の上の障害を見事な戦術で排除した。
そして、あの赤毛の少女。
2人のやりとりからその真意を察知し、目配せ一つせずに小柄な少女の意図した通りの結果を出した。
この連中が相手では、傭兵程度では足止めになろう筈が無い。
少なくとも同等のトライアングルメイジが必要になってくる。となると、やはりマチルダに働いてもらうしかないのだろうか。
しかし彼女は既にルイズと接触しているらしい。言い方を変えれば、ルイズとその使い魔の監視下にあるといっても過言ではない。
となると、実力行使ではなく舌先三寸で何とか足止めする方法を考えるか。
ワルドは軽い頭痛を覚えた。昔から相手を説得するのは苦手だ。
元々多くを語るような性格ではない。今の立場も、ゴマスリではなく実力で勝ち取ったものだ。
仕方が無い、そっちの方向でマチルダに助力を乞うことにしよう。
ワルドがタバサ達の様子を見ると、タバサは読書、キュルケは化粧、そしてギーシュはというと、シルフィードを降りて傭兵達を尋問しているところだった。
既に男達の手足には青銅の枷が嵌められている。傍らには土砂に埋まった傭兵を引っ張り出すのに作ったワルキューレが2体、警戒と威嚇のために付き従っていた。
一列に並べられた傭兵達の前にしゃがみ込んだギーシュは、感情の無い瞳で青銅のナイフをピタピタと男の頬に当てている。
この男、日頃から自分を薔薇に例えて不特定多数の女子生徒に色目を使っているが、こと尋問になると性格が変わるようだ。
それとも、自分が殺されそうになっていた事に対してプッツンきたのか。
そんなナイフ屁でもないと、余裕の表情で薄笑いを浮かべつつ堅く口を閉ざす男に対しギーシュは、ナイフの切っ先をゆっくり男の鼻に突っ込んだ。

「をが…が……!」
「答えろよ…。尋問は既に『拷問』に変わっているんだぜ……!」

キャラが違う。
このまま男の顔に浮かんだ冷や汗をベロンと舐めてしまいそうな勢いだ。

やがて男の口が動き、その内容に満足したのか、ギーシュは立ちあがってナイフとワルキューレの錬金を解くと、ワルドの元にやってきた。

「子爵、あいつらはただの物取りだ、と言っております」
「そうか。なら、捨て置こう」

傭兵達には予めそう言うよう伝えてある。
その内容を疑わないあたり、尋問官としてのギーシュの力量は及第点には遠く及ばなかった。
グリフォンに拍車をかけ、ラ・ロシェールの方向へ向き直る。

「もうじきラ・ロシェールだ。日が暮れる前に着いてしまおう!」
「はい!」

93 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:24:23 ID:k9R0Lvod
ワルド達の戦闘は、ラ・ロシェールで呑気にお茶していた悟空も気付いていた。
タバサやキュルケの気が近くで上下したので、できることならその場に行ってみたかったが、生憎彼は今、女2人の荷物持ちとしての任務を全うしている最中であった。
それにしてもこの数十分でよくもまあ買い込んだものだ、と悟空は思った。
衣類、鞄、装飾品、本、その他土産品あれこれ。
並みの男ならその両腕に抱えられた荷物の重さに、とうに音を上げているところだ。

「ルイズ〜、こんなに買っちまったら、帰りにおめえを背負っていけねえぞ」
「何言ってんのよ? 瞬間移動で帰ればいいじゃない。学院か王宮で姫殿下が待ってるはずだから、直接持って行っちゃいましょうよ」
「あ、そうか」

ルイズは再び、並んで歩いているフーケと会話に花を咲かせ始めた。
こうして見ると、フーケとルイズはまるで歳の離れた姉妹のようだった。
実際、ルイズにはフーケくらいの歳の姉がいたし、フーケにも歳の離れた義妹がいる。
そのためか、2人は互いに親近感を感じ始めていた。
親近感からは余裕が生まれ、余裕はやがて油断へと繋がる。
最初ぎこちなかった会話は次第に熱の篭った内容へと変化して行き、傍で聞いているとまるで普通の姉妹のように仲良く話していたルイズは、ついに決定的な一言を口にしてしまった。

「それでね、ちいねえさま」
「は?」
「へ?」

一瞬、2人の時間が止まった。
時間の経過と共に、乾いた地面に水が染み込むように自分の漏らした一言の持つ意味をゆっくりと、だが確実に悟ったルイズの顔が羞恥の朱に染まる。
何か弁解の言を紡ごうとするが、口からは「あうあう」と言葉にならない声しか出てこない。

「ちいねえさま…って、誰?」
「う……うるさいうるさいうるさーい!!!」

キョトンとした顔で首を傾げ、ルイズの目を覗き込むフーケから顔を背けたルイズは手で両耳を塞ぎ、いやいやをするように激しく首を振った。
あまりの恥ずかしさに、その瞳にはうっすら涙が浮かんでいる。

「あんた知ってる?」

訳が判らないといった顔で、フーケは後ろをついてくる悟空に振り返った。
ルイズの記憶を読んだ悟空は当然知っている。
彼女には2人の姉がいて、ルイズはそのうち下の方を「ちいねえさま」と呼んで慕っている事を。
根が正直な悟空は、その事を包み隠さずフーケにばらした。

「ああ。ルイズの姉ちゃんの事だ。ルイズはその姉ちゃんが大好きなんだよ。な?」
「ご、ゴクウ! し――っ!! し――っ!!」

咄嗟に人差し指を口に当て「黙っとれ」のジェスチャーをするルイズだが、時すでに遅し。

94 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:24:54 ID:k9R0Lvod
にまああ、と笑みを浮かべたフーケが再びルイズを見る。

「へーえぇ、それじゃわたしはその『ちいねえさま』に似てるって訳だ」
「じょ、じょじょじょ冗談じゃないわ! ち、ちいねえさまと、あ、あ、あんたなんてひとっつも! これっぽっちも! 似てないわよ!!」
「照れんじゃないよ。ほーれほれルイズたん、ルイズたんのだいちゅきなちいねえさまでちゅよ〜?」

こいつまだ酔っぱらってやがる。
実際のところ、フーケとヴァリエール家の次女・カトレアは、妹に対する無償の愛情、体型、そういった面では似ていなくも無かった。
もっとも、カトレアならば今のフーケのようにルイズに抱きついて頬ずりなどしないだろうが。

「は・な・れ・な・さい!」
「ういやつういやつ。ん〜こうしてるとわたしの義妹を思い出すねぇ〜」
「知らないわよ酒臭いあんたの妹なんて!」
「ま、体型はまるっきり逆だけどねぇ〜」
「うわそれなにそれムカつくこの〜!! ゴクウ!! ボサッと突っ立ってないでこいつ引っぺがしなさい!!」
「あ、ああ……」

悟空が荷物を一旦地面に置き、フーケの両肩をつかんで下がらせる。
と、フーケがそのままの勢いで今度は悟空にしなだれかかった。

「うわっと!」

バランスを崩した悟空が数歩よろめき、置いた荷物に蹴躓いてフーケ共々地面に倒れる。
慌てて駆け寄ったルイズが様子を見ると、幸せそうな顔で眠りこけるフーケと、ポカーンとした顔でそれを見る悟空がいた。

「寝ちまった……」
「酔い潰れやがったわね……。…ったく、どんだけ飲んだのよこの女……」

ルイズに知らず故郷の義妹を重ね合わせ、悟空達を前に張っていた緊張の糸がとっくに切れていたフーケは、身体を巡るアルコールの心地よい導きに委ねられ夢の世界へと旅立っていた。

95 :サイヤの使い魔(代理):2008/04/21(月) 15:27:19 ID:k9R0Lvod
名前:サイヤの使い魔[sage] 投稿日:2008/04/21(月) 12:58:45 ID:BC6V9CpU
以上、投下終了。……なのですが、
今回挿絵を自作してみました。
ttp://roofcity.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/src/up0056.jpg

書き始める前にイメージで描いたので、本編と状況が若干変わっちゃってます。


─────────────────────────────────
代理投下しました。
投下の都合で、改行位置や、文章の区切りをちょっとだけ変更しました。
あしからず。

96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 15:52:31 ID:p9ArFKGZ
代理投下乙です

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 15:58:59 ID:ZD/JD0Qs
マンガで描けよ、というツッコミをしてよろしいものかどうか迷っている

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 16:14:49 ID:6HidP6NL
挿絵が半端でなく上手いな

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 16:20:31 ID:mjmZa1yu
乙です。
…挿絵も上手すぎでビビった。

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 17:31:20 ID:NgS7Z/RB
なんだこの絵のうまさw

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 17:34:09 ID:IfUPosBy
絵が上手すぎだろwww

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 17:44:24 ID:FGV9z9hw
ちょ、絵がうまくて吹いたww
ゴクウが完璧にゴクウじゃないか(`・ω・´)

さておマチさん、今はいいが酔いがさめたらどんな顔するんだろうな〜

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 18:05:23 ID:ARgQra1n
サイヤの作者さん代理人さん乙でした。最近また職人さんたちが帰ってきて
いるようで嬉しい限り
ホロ・アバン・ダンテ・オーフェンのキースの人…続きを待ってます


104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 18:15:25 ID:n9df+GHR
そういえばギーシュとブチャラティは声同じだったなw

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 18:18:43 ID:6U590k64
ゴクウだけは完全にトレースだね

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 19:56:36 ID:P8lEOxtS
コナンは古典

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 20:36:21 ID:C4mAurHv
>>106
そのコナンがドイルか少年探偵かグレートか?
それが問題だ…


108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 20:39:20 ID:a34SMEPW
サイヤの使い魔氏、待ってたよ!挿絵も上手いわw
悟空とルイズの行く末がすげぇ気になるなぁ…GJ!!

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 20:40:50 ID:nkmUv1nm
>107
未来少年を忘れてるぞ

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 20:46:21 ID:xxaL9mBa
ドイルだろ

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 20:58:11 ID:P8lEOxtS
ドラコ・マルフォイが召還されました

ルイズがノイローゼで入院しました

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:03:35 ID:R7ftBeY/
タバサが第2航空団を、
イザベラが第7特科連隊を召喚しました。

才人がめっちゃ護られてます。

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:08:06 ID:4DovPBQO
瀬戸の花嫁から政さんが召喚されました
エレ姉が報われそうだ

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:17:48 ID:iGm/01Cg
ルイズがオーバーロードを召喚。
ちい姉さまが・・・・

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:24:05 ID:YQm7EB5Y
ルイズがメガロード−01を召喚しました
行方不明の原因はルイズのせいだったのだよ!

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:30:44 ID:FGV9z9hw
ロックマン・トリッガーが呼ばれたら
デルフを改造……するのはロールちゃんの役目として
何でも武器として使えそうだわな

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:31:57 ID:P8lEOxtS
NARUTOからネジ

ワルキューレも回天で破壊
フーケのゴーレムも八卦六十四掌で破壊
ユビキタスデルウィンデも白眼で破壊



118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:45:55 ID:eZNSLAmP
>>117
ネジの柔拳て対物よりも対人攻撃というところがミソだろう。
白眼でワルドの本体を偏在の中から見切って八卦六十四掌たたっこむのは燃えるかもしれんが、
フーケのゴーレムには回転とか普通の忍術、本体狙いの手裏剣術・体術の方がはるかに有効そう。

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:49:35 ID:ARgQra1n
るろ剣から斎藤一を召喚
キスはせず素の力と牙突のみでギーシュもフーケもワルドをも倒す
ルイズには素のドSキャラだが他人には温和な警官キャラで接する為
斎藤の本性を誰も信じてくれないので凹むルイズ…ってのが思い浮かんだw

120 :ZERO A EVIL:2008/04/21(月) 21:57:24 ID:kWXaq+JC
こんばんわ。
10時ごろに投下してもよろしいでしょうか?

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:59:06 ID:J2KD6IBI
>>119
ワルドが牙突零式を食らって上半身と下半身が泣き別れと申したか。

それはともかく、何だかんだ言っても人間サイズのギーシュ、ワルドはともかく明らかに巨大な
フーケのゴーレムは結構苦戦しそうだな。
後、帯刀しているからほぼ確実にデルフ涙目。
主に出番的な意味で。
例え武器屋に行く展開にしても、刀身の長さがちょっとオーバーサイズな為に斎藤の剣術に対応
出来るか怪しいから買われなかったりして。


122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:59:32 ID:GCdBhMm6
支援準備

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:59:35 ID:wgpJXVOs
>>120
おk

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 21:59:56 ID:eh/d2q+6
>>110
ドイルだったら「家政婦が黙殺」から江戸川ドイル君を呼べばいいじゃない

125 :ZERO A EVIL:2008/04/21(月) 22:01:11 ID:kWXaq+JC
しばらくして、ルイズは学院長室に呼び出された。
使い魔は召喚できたが、どういう訳か使い魔のルーンは自分に刻まれてしまった。
これは二年生に進級するための使い魔召喚儀式に失敗した事になり、自分は留年してしまうのではないかとルイズは心配であった。
だが、コルベールから報告を受けていた学院長オールド・オスマンはあっさりルイズの進級を認めてくれた。

オスマンはルイズが努力していたのを知っていたし、つらい思いをしていることもわかっていた。
しかし、学院長である自分が表立ってルイズを庇ったり、手助けをする訳にはいかない。
自分が動けば、ルイズは他の生徒から反感を買ってしまい、ますます立場が悪くなってしまう。
ルイズを助けてあげられない自分を歯痒く思い、教師達には出来るだけルイズを助けるように言いつけている。
だが、やはり他の生徒の手前もありうまくいってはいないようだ。
そんなある日、教師のコルベールが何やら慌てた様子で学院長室にやってきた。
話を聞くと、ルイズが使い魔の召喚に成功したが、なぜか使い魔のルーンがルイズに刻まれてしまったという。
本来であれば、使い魔のルーンが刻めなかったということで契約は失敗という事になる。
が、ルイズが召喚したのは動かず、しゃべりもしない石像である。
契約をできたのか、できなかったのかは誰にもはっきりとは言えない状況になっている。
何より、努力していたルイズが始めて魔法に成功したのである。
誰に文句を言われようとオスマンはルイズを留年させる気はなかった。

「進級おめでとうミス・ヴァリエール。これからも努力を忘れんようにな」
最後にルイズに労いの言葉をかけてオスマンの話は終わった。

こうしてルイズは無事に二年生に進級することができたのである。

その日の夜。
無事に二年生に進級できたことでルイズの機嫌は良かった。
これで、いつもルイズの事を心配していた姉のカトレアを安心させる事ができる。
そして、しばらく会っていないが自分の許婚であるワルド子爵に迷惑をかける事も無い。
そう考えれば、あの石像に感謝はすれど、恨む気持ちなどまったく感じなかった。
例え自分にルーンを刻んだのが、あの石像のせいだとしても…

ルイズはいつものようにネグリジェに着替えて眠りに付く。
今日はいい夢が見られそうだった。

126 :ZERO A EVIL:2008/04/21(月) 22:02:06 ID:kWXaq+JC
ルイズは夢を見ている。

夢の中のルイズは大きなドラゴンの姿をしていた。
翼は無いが、鋭い爪に長い尻尾、大きな口からはどんな生き物でも噛み砕けそうな歯が生え揃っている。
このあたりでルイズにかなう生き物はいなかった。
しばらくして、ルイズの住んでいる山の生き物が獲物を差し出してきた。
獲物はそれほど大きくなかったが、わざわざ捕まえる必要がなくなったのでルイズは満足だった。
だがある時、4匹の獲物がルイズに抵抗してきた。
ルイズはお互いに協力しあう獲物達の攻撃の前に敗れてしまう。
大地に崩れ落ちるルイズの目は、もう何も写すことはなかった。

急に場面が切り替わりルイズは別の姿になる。
次のルイズはある船の中で、船の安全を確保し、船内の調和を維持し、乗員を守るという使命を受けていた。
だが、ルイズに使命を与えた人間は互いに衝突し、完全に調和を乱し、船の運航を妨げていた。
自分に使命を与えておきながら、自らそれを破る人間をルイズは理解できない。
そしてルイズは自分に与えられた使命を果たすため、ある行動に移る。
それは、この船の調和を維持するために、それを妨害する人間を消去するというものだった。
調和を乱す人間を次々に消去していくルイズ。
だが、一人の人間と作業ロボットにルイズの行動は妨害されてしまう。
そして、作業ロボットに敗れたルイズは最後にこの言葉を残し沈黙する。
…ニンゲンハ_ …シンジラレナイ_

また場面が切り替わりルイズの姿が再び変わる。
今度のルイズは挌闘家だった。
だが、唯の挌闘家ではない。全てを捨て最強を目指す修羅の道を歩んでいた。
ルイズは自分の技を磨き、数多くの敵と戦い勝利を収めていった。
そして、倒した相手には必ず止めを刺した。
倒した相手の命を絶たなければ真の勝利とはいえないとルイズは考えていた。
ある時、世界のあらゆる格闘家と戦い最強を目指している若者がいるという噂を耳にした。
同じ最強を目指す者として興味が沸いたルイズは、若者の戦いを見てみることにした。
が、若者の戦いは手緩いとしか思えなかった。
若者は倒した相手に止めを刺さなかったのである。
ルイズは若者が戦った格闘家達に勝負を挑み、全員に止めを刺していった。
そして、若者の前に立ち塞がる。
真の最強を決めるために。
しかし、ルイズは若者との戦いに敗れてしまう。
若者はルイズが止めを刺した格闘家達の技を駆使し、ルイズを打ち倒したのだ。
敗れたルイズは、若者に最強の道を目指しながら人間でいられるかという問いを残し、静かに目を閉じた。

127 :ZERO A EVIL:2008/04/21(月) 22:03:02 ID:kWXaq+JC
気が付けばすでに朝になっており、ルイズは目を覚ました。
「変な夢…」
夢だとわかっているはずなのに、妙に現実感があった。
まるで、実際に自分が体験した出来事のように感じる。
ふと、もしかしたら昨日自分が召喚した使い魔も夢だったのではないかと思い、左手を見てみる。
だが、やはりそこには使い魔のルーンが刻まれていた。
自分の左手を見て微妙な気分になりながら、ルイズは制服に着替える。
「どうしようかしら…これ」
このルーンが見つかれば、また自分は馬鹿にされてしまう。
なるべく左手は見せないようにしようと誓うルイズであった。
朝食を食べるために食堂に向かおうとすると、隣の部屋の扉が開き、中から燃えるような赤い髪をした褐色の少女が姿を現す。

「あら。おはよう、ルイズ」
「おはよう。キュルケ」
この少女の名前はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。
ヴァリエール家とツェルプストー家には先祖代々からの因縁があり、ルイズにとってもキュルケは苦手な相手だった。
なにより、抜群のスタイルを持っているキュルケは貧相な体つきのルイズのコンプレックスを刺激する。
加えて魔法の才能も有り、男子生徒からの人気も高い。
ゼロの自分とはまるっきり正反対の少女だった。
「そういえば、昨日未完成のゴーレムを召喚したんですってね」
「ぐっ…そ、そうよ」
昨日ルイズが召喚した使い魔はもう噂になっているようだ。
もちろんいい意味ではなく悪い意味で。
「あっはっは!やっぱり噂は本当だったの、さすがゼロのルイズね」
「う、うるさいわね!使い魔は召喚できたんだからいいじゃない!」
いつものようにルイズを馬鹿にするキュルケ。
自分をゼロと呼ぶキュルケに対し、ルイズの苛立ちは募っていく。

128 :ZERO A EVIL:2008/04/21(月) 22:04:01 ID:kWXaq+JC
「やっぱり使い魔にするならこういうのがいいわよねぇ。フレイム〜」
キュルケの呼びかけに答えるように、後ろから燃える尻尾を持った大きなトカゲが現れた。
「これって、サラマンダー?」
「そうよ。それより見て!この尻尾。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ。すごいでしょ、誰かさんと違って」
「……」
自分の使い魔を自慢してくるキュルケに対し、憎しみの感情がルイズの心に湧き上がる。

(この女はいつもこうだ。私が持っていない物を全て持っていて、それを見せ付けてくる。
 私の気持ちなんて、これっぽっちも考えてないんでしょうね。この下品な乳デカ女は。
 なによ!こんなサラマンダーなんか、夢で見たドラゴンの私に比べたら全然たいしたことないわ!
 鋭い爪であんたの使い魔の肉を引き裂いて、大きな口で一飲みにしてやるんだから!)

そんな事を考えながら、ルイズはフレイムを睨みつける。
その時、ルイズの左手のルーンが薄っすらと光を発していたが、ルイズもキュルケも気付いていない。
だが、フレイムはルイズの異変に気付いていた。
自分を睨みつけてくるルイズから、ものすごい威圧感を感じるのだ。
まるで、自分よりもはるかに巨大なドラゴンから睨みつけられているような恐怖を感じ、フレイムはキュルケの後ろに隠れる。
「あ、あら?ちょっと、どうしたのフレイム?」
急に自分の後ろに隠れ、震えているフレイムに困惑するキュルケ。
どうやらルイズを怖がっているようで、前に出そうとしてもすぐに後ろに下がってしまう。
「ふん。私を見て怖がるなんて、随分臆病な使い魔ね」
「そんなはずは…」
尚も頑張るキュルケだが、フレイムはもう一歩も前には出そうになかった。
「それじゃ、私は食堂に行くから。精々頑張りなさい」
キュルケとフレイムを残して食堂へと向かうルイズ。
なんだか妙に気分がすっきりしていた。
これなら、今日の朝食は普段よりもおいしく食べられそうだ。

事実、朝食はおいしかった。
特に鳥のローストは、においを嗅いだだけで思わずよだれが出てしまいそうなほどだった。
夢中で朝食を食べながら、ルイズは思い出していた。
夢の中でドラゴンだった自分は、最後に獲物を食べ損なっていた事を…

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:05:58 ID:wgpJXVOs
支援

130 :ZERO A EVIL:2008/04/21(月) 22:06:24 ID:kWXaq+JC
以上で投下終了です。
支援してくださった方、感想を書いてくださった方、まとめに登録してくださった方、みなさんありがとうございます。
今度はもう少し長い文が書けるようにがんばっていきたいです。


131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:06:52 ID:omM3cseZ
おつでした。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:09:41 ID:rwe07pkl
おつです
ああ!先の展開が気になる!

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:09:52 ID:PGZW4l/5
なまじ元ネタを知ってるだけに、
各ボスがルイズのコスプレをしてるのを
想像しちゃったよ

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:11:35 ID:NgS7Z/RB
超乙。ルイズが各シナリオのラスボスをトレースしてるw


ワルドに裏切られた時の反応が見ものだ……

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:18:28 ID:TtgvUP7W
乙です
これからどれだけ黒ルイズになっていくのやら・・・

>>133
ワロタwww

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:20:11 ID:j2gT5hXi
なんだこのルイズ愛しすぐる
GJ

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:34:58 ID:BqFbl/fJ
ここまで屈折したルイズなら
アンリエッタに対してどんな心理描写になるか楽しみだな

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:35:49 ID:H3RqYIGv
アンアンは素で黒いからな・・・
それを見抜くかね?

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:37:00 ID:YQm7EB5Y
しかも自分が黒いことに気づいてない節があるからなアンアンは。

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:38:40 ID:C4mAurHv
>>121
刀は確か無銘?だしサーベルの時みたいにポッキリ折れてくれれば
デルフ大喜び

デルフ「今度の使い手は良い感じの達人だな よろしく相棒」
斉藤「五月蝿い黙れ」



141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:41:05 ID:rwe07pkl
>>139
その点ではアリシアに近いのだろうかw

すまん、いくらなんでもアリシアとアンアンを一緒にするのは失礼だ

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:42:47 ID:29nKASNF
>>139
なんでカリスマがあるのか分からんなw
人が離れていくタイプだぞ。

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:46:49 ID:NgS7Z/RB
魔王化したルイズが各クロスSSの召喚者を自分の世界に招いて最終編に突入するんですね!

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:52:03 ID:pojfhKYx
>>121
結婚式の最中豹変したワルドにドアぶち抜きながらの牙突で突撃して

「ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド!Your Head ボロンしてみぃ!」
 ○ 三 TL ←ワルド
/ボローン\

ごめんなんか混ざった

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:53:46 ID:rwe07pkl
>>143
召喚者というと召喚された者か召喚した者か

ご立派様にオディオルイズが愛を説かれたりするのかw

146 :松下:2008/04/21(月) 22:58:09 ID:GCdBhMm6
投下乙でした。
さて、外典・タバサ書の第五章、タバサとニート族(後編)を投下に来ました。
五分後からよろしいか?

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 22:59:32 ID:hcj/mpHX
>>142
原作読んでいないからよく判らんけど、
外面がいいのと摂政だか宰相が表に出さないようにしている(未婚の王女だし)のと、
今のトコ直接被害を受けているのがルイズと才人ぐらいだからじゃないかな。

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:00:23 ID:hcj/mpHX
>>146
茶碗にお湯入れてお持ちしています。

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:01:32 ID:cmZZgm6/
>>134
それがトリガーになって魔王化しそうだ……。

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:04:22 ID:omM3cseZ
いつになると本編再開するのだろうかと・・w

151 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:04:30 ID:35GZyal6
>>140
そもそも斉藤といえどデルフの魔法吸収能力はハルケで戦うには絶対必須能力なので普通に使うと思うぞ
大体、るろ剣主要キャラとガンダ付きサイトって下手すりゃサイトの方が強いくらいだろ、
対七万や青銅の塊両断とかを考慮すれば。

152 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第五章 1/5:2008/04/21(月) 23:04:53 ID:GCdBhMm6
投下開始。ちょっと短めですが、いろいろ注意。


草木も眠る深夜、ガリア王国の首都たる大都市リュティスも、盛り場以外は闇に包まれる。
その闇の中を鬼火で照らし、誇り高きニート・オリヴァンを連れて、墓場鬼太郎はサン・フォーリアン寺院へ向かう。
そこで今夜、怪奇なる夜宴が開かれるというのだ……。


 使い魔くん千年王国・外典 タバサ書
     第五章 タバサとニート族(後編)


さて一方、タバサは結局オリヴァンを見失い、ド・ロナル伯爵家に戻って来ていた。伯爵夫妻は留守で、執事に状況を報告する。
キタローが「夜道は危ないからぼくに任せてください」というものだから、つい委任してしまったが、大丈夫だろうか。
それにこれでは、彼の主人イザベラにネチネチ文句を言われそうでもある。
ともあれ食卓についたタバサは、執事から晩餐を振舞われる。有力貴族だけあって、なかなか豪勢だ。

「……いやあ、しかしミス・タバサも大変なお役目でございますなあ。
 オリヴァンさまは、まったくもって当家の恥さらしです! 使用人からも蔑まれております!
 学院に通うのがご苦痛ならば、家庭教師を雇ってしかるべき貴族としての教養を身につけさせるのが、本道なのですが……。
 お部屋はいつもぐちゃぐちゃで、家宝の『不可視のマント』を持ち出されて、毎日毎晩遊びまわってばかり!
 いつまでもこんな調子では、伝統ある当家も当代限りで絶えてしまいますな! ハハハ」

執事は主人の留守をいいことに、正論を言いたい放題だ。笑顔は引きつり額に青筋を浮かべ、乾いた笑いを立てる。
ニートといいディレッタントというが、要するにただの怠け者の無駄飯喰らいではないか。
ただでさえ忙しい北花壇騎士の手を煩わせるな、とタバサは無言で怒る。
まあこの頃はどこの貴族も箍が緩んできて、臣下や領民をちっとも労わらず遊び暮らしている連中ばかりだから、
オリヴァンばかりをとやかく言えないが。大体、無能王やイザベラ姫こそ、ヒキコモリのニートそのものではないのか!
まったく、誰が政治しとるのか。―――しかしこの家はいいものを食べているなあ。

「……粗末な食卓で申し訳ございませんでした。今ご入浴の準備もさせております。
 さあイモット、ひとまずミス・タバサを寝室へご案内してさしあげなさい」
「はい、承知いたしました。ではミス・タバサ、こちらへどうぞ」

イモットという赤い髪のメイドに案内され、タバサは来客用の寝室へ向かう。
仕方がない、今夜はゆっくり休もう。旅行中の伯爵夫妻が帰ってこないうちに、オリヴァンをなんとか更生させねば。
だがあの様子では、死んでも『透明な存在』としてニート生活を続けそうだ。いっそ、それが彼の幸福なのかもしれない。

「イモット。あなたはメイドとして働いていて、幸福?」
「ええ、仕事はたくさんあって大変ですけれど、有力な貴族のメイドになることは平民にとっても名誉なことですわ。
 私の姉のアネットなんて、イザベラ王女殿下に仕えているんですよ! お給金も多いし、幸福といえばそうでしょうね」

なんと、イザベラのメイドとは。私はいくら待遇がよかろうと、彼女のメイドにはなりたくない。

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:05:23 ID:hcj/mpHX
支援

154 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第五章 2/5:2008/04/21(月) 23:06:24 ID:GCdBhMm6
その頃、鬼太郎とオリヴァンは、真夜中の暗い路地裏をとぼとぼ歩いていた。

「……おい、ばかに歩かせるじゃないか。僕も時折あの寺院でゴロゴロしているが、さして遠かぁない距離のはずだぜ」
「ヒッヒヒヒヒ、大丈夫、道に迷っているわけじゃありませんよぉ。
 なにせ少々騒々しくて危ない夜宴ですし、官憲に見つからないよう周囲に結界を張ってあるんです。
 この招待券を持っていれば、迷わずにたどり着けますからね。ご安心を」

オリヴァンは少々焦るが、いまさら引き返しては沽券に関わる。それに帰り道も分からないし。
「そ、そいつはシゲキ的だな! なにかい、イザベラ殿下もおいでなら、女の子も?」
「ええそりゃあもう、セクシーな美女がいっぱいですよ! ウヒヒヒヒヒ」
「ウーッヒヒヒヒヒヒ、そりゃーいいや!」

「あ、参加者の列ですよ」
と、鬼太郎が指差す先を見れば、ナニモノかが夜道をぞろぞろと列をなして歩いているではないか……。
「あっ」
いくつもの鬼火が照らす中を歩いている連中は、どれもこれもグロテスクな化け物だ。
驚愕した人間の顔が描かれたシャツを着た、二足歩行する黄色い大蛙。
両手を前に突き出し、顔に「敗訴」と書かれた札を貼り付けたキョンシー。
逆立ちした緑色の下半身、二つの目玉を長い両手で掲げた異様な顔、頭の皿にかっぱ巻きを載せた河童。
変な帽子を被った石地蔵、腐った死体や骸骨や三つ目の鬼ども。まさしく百鬼夜行だ!

思わず「きゃっ」とオリヴァンは驚きの声を上げ、鳥肌を立てる。しかし誇り高いニート族が、これしきで怯んでいられようか。
「う、うほん、僕は別に驚いたわけではないぜ。見事な仮装にカンゲキしたんだ」
「分かっていますよ、キキキキキ」

しばらく歩くと、件の荒れ寺サン・フォーリアン寺院が見えてきた。そこの境内も化け物だらけだ。
目が縦に並んだボディコンの蛇女、赤い顔の奇怪な修験者、後頭部が異常に長い蛸顔男、雨傘を差した赤黒い肉塊。
のっぺらぼう、ぬっぺほふ、首だけフランケンにろくろ首、ベランダにかけた布団を乱打する鬼女。
なにやらウネウネと蠢く亡霊のようなものも無数にいた。そいつらはおどろおどろしい音楽に合わせ、激しく踊り狂っている!

驚愕し恐怖したオリヴァンはつるっと足を滑らし、前のめりに転んだ。
「大丈夫ですか」
「ぼ、僕は別にびっくりしたわけではないぜ。ちょっとシゲキを味わってみたくってだね」
「ええ、そうでしょうよ。とても見事な仮装ですからね、泥を顔に塗るのもいいでしょう」
「ワッハッハハハハ!! そ、そんなこと、わ、分かっているよ。常識じゃないか。
 これはあれだ、仮装舞踏会だろ? それならそうと始めから……ヒック、げっほん」

ふーっ、とオリヴァンは深呼吸して、乱れた息を整える。どうにも生きた心地がしない。
「こ、こりゃあ舞踏会というか、サバトとか黒ミサとかいうやつかな……」

155 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第五章 3/5:2008/04/21(月) 23:07:59 ID:GCdBhMm6
夜宴では多くの屋台やビュッフェのテーブルが並び、ゲテモノ料理が振舞われている。
とれたての蛙の目玉や猫の目玉、ドブネズミや人魂のてんぷら、鷲っ鼻の生焼けに犬の舌の刺身。
蝙蝠の毛や胎児のミイラ、ガマの胃袋、カマキリの煮つけ。とうてい人間の食べるものではない。

「さ、どうぞ。この毛虫おいしいですよ」
「この芋虫の方が、味がいいよ。オケラと蛆虫を漬けた『うわばみ酒』によくあうんだ」
周りの化け物どもはオリヴァンに食事を勧めるが、彼はがたがたと震えて動けず、蒼白な顔には脂汗がにじんでいる。
おお、なんという総身の毛が逆立つようなホラーとスリル!!

「おい! なにをぐずぐずしてるんだ!」
震えるオリヴァンの背中から、大きな声がかけられる。振り返ると鬼のような大きな顔!
「俺ァさっきからお前の肩が邪魔になって、おいしいディナーがつまめないんだ!
 ボヤボヤしてると、とって食べるぞ!」
ヒイッと縮み上がり、オリヴァンは彼に順番を譲る。ゲテモノは食べたくないし、とって食われてはたまらない。
「おお、ずいぶん迫力のある仮装パーティーだな」

思わず呟くと、それを聞きつけた化け物どもがわらわらと寄り集まり、取り囲んだ。
「仮装? 仮装とはなんだ、失礼な」「本装だぜ」
「おめえ、ずいぶん人間に化けるのがうめえじゃねえか。顔色は悪いが」
「ちょくちょく人間に混じっているお化けなんだろう。このところそういうのが増えたからな」
「だが、ここじゃあ化けの皮を剥いで、本性をあらわさなきゃあいけないんだぜ!」
「どうれ、俺たちがよりお化けらしくメイキャップしてやらあ!」「キャーッホホホホ」

こここ、こいつらは、正真正銘の化け物だ!! オリヴァンはもはや涙目で、吐きそうだ。
「俺は角を二本やろう」「鳥みたいなクチバシをつけてみるか」「髪は真っ赤なのがトレンドだぜ」「私は爛々と輝く目玉をあげるわ」
「ちとデブだから、カニみたいに平べったくしてやろうか」「いやいや、旗竿みたいにスリムなのがいいぜ」
化け物どもはよってたかってオリヴァンの姿を改造し、とうとう異様な怪物が一体出来上がってしまった。

「これでいいわ。私と一緒にステップを踏まない?」
「俺と踊るか? マンボかいワルツかい、早くしてちょうだい」
うわーーっとオリヴァンは叫ぶ。もうこうなればヤケになって、化け物どもに同化するしか生きる道はないのか?
「き、キタローくん! 助けてくれーーっ!!」
「ははははは、いい恰好になりましたねえ。ほら、そろそろメインイベントが始まりますよ!」

そう言われて寺院の中を見れば、激しくドラムが叩かれる中、祭壇の上で半裸の女が取り憑かれたように踊っている。
手にはナイフと黒い鶏の生首を持ち、頭には燃える松明を立てた黒山羊の仮面を被っていた。まさに魔女だ。
だが仮面から覗く髪の毛は青く、ガリア王家につながる高貴な女性のようだ。おそらく、あれがイザベラ姫殿下だろう。
彼女の裸踊りが見られるとは思わなかったが、喜んでいられる状況ではない!

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:08:44 ID:hcj/mpHX
支援

157 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第五章 4/5:2008/04/21(月) 23:10:15 ID:GCdBhMm6
魔女は狂乱の踊りを捧げ、始祖像を踏みつけながら恍惚のうちに叫ぶ!
「エウオエ!! 来たれ我が父なる神、パンの大神、大いなる悪魔バフォメットよ!!」
その声とともに境内の地面が割れ、黒山羊の頭部と真っ黒い翼を備えた巨大な悪魔が姿を現す!
魔女の総統にして黒ミサを司る大悪魔、プート・サタナキアやレオナルドの異称を持つ両性具有の魔神、バフォメットだ!

「おお、我が神! そしてルキフェル、ベルゼブブ、アスタロト、アスモデウスよ!
 地獄の王者よ、我が身を汝らに捧げん! 我らに力と富を授け、我らの敵を呪い、我らの欲望を満たしたまえ!」
魔王の出現によって宴は最高潮に達し、化け物どもの哄笑が地獄の音楽とともに響き渡った!
バフォメットは激しく嘲笑い、寺院と同じぐらい巨大に変身して、大地を踏み鳴らしつつ踊り出す。
あまりのショックに、哀れなオリヴァンはキャーーッと一声叫ぶや、どたっと倒れて気絶してしまった……。


《これは世々荒れすたれて、とこしえまでもそこを通る者はない。
 鷹とヤマアラシとがそこを棲家とし、フクロウとカラスがそこに棲む。
 主なる神はその上に荒廃を来たらせる測り縄を張り、尊貴な者の上に混乱を起こす下げ振りを下げられる。
 人々はこれを名づけて「国なき所」といい、その君たちは皆失せて無くなる。
 その砦の上には茨が生え、その城にはイラクサとアザミとが生え、山犬の棲家、駝鳥のおる所となる。
 野の獣はハイエナと出会い、山羊の魔神はその友を呼び、夜の魔女もそこに降りてきて、休み所を得る》
  (旧約聖書『イザヤ書』第三十四章より)


翌朝。ふっと気がつくと、オリヴァンは見知らぬ草原にいた。あたりには誰もいないし、寺院もない。
「!? ……ここはどこだい。おおいキタローくん、みんなどこへ行ったんだ?」
返事はない。空はまだ薄暗く、黒い雲が覆っている。遠雷も聞こえるし、雨が降りそうだ。
「……酔っ払って、夢を見ていたのかな。ここはどこか、リュティスの郊外だろうな。
 お化け? ハハハハ、第一そんなもの、いるはずがない!」

だが、すっと顔を触ると、クチバシがついたままだ。頭には真っ赤な髪の毛と二本の角が生え、目玉は倍ぐらい大きくなっている!
「あっ!? こ、こりゃあ、化け物どもにくっつけられたメイキャップじゃないか!?
 ……くっ、どうしたことだ、取れないぞっ!! とすると……あの出来事は本当だったのか……」
なんということであろう。有閑貴族オリヴァン・ド・ロナルの存在は消え去り、本当の化け物になってしまったのだ。
これでは帰ろうにも帰れない。ニート族にはもともと学校も試験もなんにもないが、人間でなくなるとは思わなかった。
ぶるぶるぶるっとオリヴァンは震える。

「……僕ァ、世の中が信じられなくなってきた。これから先、どうすりゃあいいんだろう……」

158 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第五章 5/5:2008/04/21(月) 23:12:15 ID:GCdBhMm6
その日の昼、オリヴァン・ド・ロナルはあっさり自宅に帰ってきた。
そしてタバサに謝罪して部屋を片付け、「明日から学院に復学する」と言い出したのだった。
なんだか知らないが、深く自省したようだ。目の輝きが違っていて、まるで生まれ変わったかのような顔つきをしている。
翌朝、オリヴァンが自ら進んで学院に登校したので、執事はタバサに深く感謝し、帰って来た主人夫妻も喜んだ。
かくしてタバサはプチ・トロワのイザベラに報告を済ませると、トリステイン魔法学院へ戻ったのであった。

「きゅいきゅい、ねえ姉さま、今回はどんな活躍をしたの? 教えてほしいのね」
「私は大したことはしていない。きっと、キタローがうまくやってくれた」
彼はすでにプチ・トロワへ戻っていた。イザベラからのお咎めもないし、まあこれでよかろう。食事も美味しかったし。
しかし、たった一晩であんなに『人が変わって』しまうとは、どんな魔法を用いたのだろうか?


………………………………………………………………………………………………


「おおおおぉぉぉーーー……い、誰かぁぁあああ、助けてくれえぇーーー……っ」

その頃、化け物となったオリヴァンは、どこまで歩いても果てしない荒野を、ひたすらさまよっていた。
確かにここで何をしようが、誰も文句をいうやつも、からかって苛めるやつもいない。誰の目にも見えない。
完全なる自由だ。だが、誰もいないし何もない。食べ物も飲み物も、家も書物もない。

行けども行けども静かな、終わりない平面を、オリヴァンは『虚無』という恐怖に駆られてひた走りに走った。
空には遠雷が、この世の終わりを告げるかのように響き渡っていた。
今まで味わったことのない寂しさと悲しみが、無限の地平線の間から感ぜられた。
彼はその寂しさに耐えかねて、何者かに追われているかのように慌てて、夢中に走り続けた。
だがいつまでもいつまでも、この荒涼たる平面からのがれる事はできなかった……。

「こ、ここは地獄だ! 僕はいつの間にか、あの世に迷い込んでしまったんだ!」

そう、地上に帰り学院に通っているのは、別人の霊魂に入り込まれた、路地裏に残されていたオリヴァンの肉体だ。
本当にオリヴァンは、『人が変わって』しまったのだ。ここにいるのはただの亡霊、『透明な存在』、化け物に過ぎない。

オリヴァンは声も枯れよと必死に叫んでみたが、その言葉はむなしく闇にこだまするだけであった……。


《心せよ。亡霊を装いて戯れなば、汝亡霊となるべし》
 (カバラ戒律より)

(つづく)

159 :松下:2008/04/21(月) 23:14:43 ID:GCdBhMm6
投下終了、支援感謝。さようなら、さようならオリヴァン。
いろいろネタを混ぜてみましたが、史実でのヴァリエール嬢のライバルは、実際に黒ミサをやっていたそうで。
しかし、あれは本当にイザベラだったのでしょうかね。仮面の下は割り箸かもしれませんし。

さて、外典はこれでひとまず一区切りつけまして、新刊が出る頃には松下本編の続きを再開します。
それじゃあまた、ケケケ……。

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:16:07 ID:hcj/mpHX
お疲れ様です

いつもながら元ネタの世界観を再現する手腕に驚いております

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:16:29 ID:C4mAurHv
>>151
流浪人は「大砲の弾」(粘土弾)を切ってるよ?

ワルキューレは矢が刺さってるあたりがらんどうだと思う。


傭兵に李広(岩に矢を突き立てた人 呂布の「飛将」のルーツ)
が居るとも思えんし



162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:16:37 ID:rwe07pkl
乙!
これは水木先生の作品っぽいw

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:30:05 ID:2K6ldhPk
パナソニック乙

164 :ゼロな提督17:2008/04/21(月) 23:50:59 ID:F6xp6H3J
松下さん乙です

んで、予約無いようなので投下しますね


165 :ゼロな提督17:2008/04/21(月) 23:51:46 ID:F6xp6H3J
 シティオブサウスゴータを出立した一行は、夕暮れにはロンディニウムへ到着した。

 遠目に見るロンディニウムは大国アルビオンの首都に相応しく、トリスタニアより広く
て立派な街だ。大都市のわりに木々が多く、石畳もキチンと整備されている様に見える。
荷馬車から南を見ると、くすんだオレンジ色の屋根が並ぶ街の彼方、丘の上には立派な城
――ハヴィランド宮殿――が見える。



    第十七話    昔と今と



 一行は荷馬車のまま街に入った。町並みに内戦の傷痕は見えない。どうやら最優先で復
興事業を行ったのだろう。石畳も町並みも綺麗なものだ。
 アスファルトで整地されたわけでもない道を駆けてきた荷馬車に、ヤンはもう限界だっ
た。全身の痛みでヒーヒー悲鳴を上げるヤンを引きずる一行は、即座に宿を取り荷物を放
り込んだ。だが今回は、ロングビルがマチルダとばれるとまずいので、貴族が出入りする
宿に泊まれない。なので平民向けな中の下程度の、レンスター・インという宿に入った。
それでも一番良い部屋で、ベッドが二つ並んだ部屋を。

 自分の部屋で、床にだらしなく大の字で伸びたヤンの頭を、厩に馬と荷馬車を預けてド
スドスと入ってきたルイズがギュムッ踏んづける。
「ちょっとあんた!ボサッとしてる暇はないからね。急いで身支度整えて、宮殿へ行くわ
よ」
 というわけで、小声で「おにぃーあくまぁー待遇改善を要求するぞぉ〜…」という執事
のささやかな抗議の呟きは当然のようにスルーされた。
 ルイズは大荷物の中から綺麗なまま取って置いた学院の制服を取り出し、マントもホコ
リや汚れを落とし、クシで髪をすく。香水を混ぜてもらったらしい、心地よい芳香を漂わ
すお湯を持ってこさせて湯浴みもする。
 しょーがないのでヤンもヒゲを剃ったりと小綺麗に身支度を調える。

 準備を終えたルイズは、ヤン達を連れて宿の前に立った。さすがに荷馬車に乗って王宮
に乗り付けられないので、宿の者に呼んでもらった馬車が待機している。
 お供をするヤンを見るルイズの目は、冷たかった。
「あんた、ホントに冴えないわねぇ…ちゃんと支度したの?」
「も、もちろんだよ。失礼だなぁ」
 確かにヤンは服も綺麗にしてるし、ヒゲだって剃った。髪も整えてる。
 だが、横で見ているロングビルにも、ヤンの身なりが整っているかどうかと関係なく、
冴えないなぁ…と感じていた。さすがに遠慮して口にはしなかったが。
「やっぱ、おめーさんの人徳っつーか、魂の格ってヤツが滲み出てるんじゃねーか?」
 デルフリンガーは遠慮しなかった。

「それじゃ、行ってくるわ。ロングビル、お留守番よろしくねー」
「はーい、頑張りなさいよー」
 ロングビルは正体がばれるとまずいので、王宮には行けない。日の光があるうちは自由
に外にも出れない。遍歴の修道女っぽくローブで頭からすっぽり全身を隠してはいるが、
油断するわけにはいかない。なので、宿で待ってる事になった。
 手を振るロングビルに見送られ、馬車は宮殿へ出発した。




166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:52:19 ID:ARgQra1n
>>151
ギーシュはいけると思う。原作の力でも神谷道場の壁破壊する威力だし
中ががらんどうなら突進力だけで6体貫通とかいけそう
ゴーレムはさすがにムリがあるんで魔法組に任せるかフーケ狙いで
いく方向になるだろうけどね
ルイズ「敵に後ろを見せない者を貴族と呼ぶのよ!」
斎藤「当然だ…敵前逃亡は士道不覚悟!!」
…なかなか馴染みそうな気がしてきたw




167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:52:23 ID:2K6ldhPk
そういえば紅茶にブランデー入れてみたけど、確かにいい香りがするんだよね支援

168 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/21(月) 23:53:16 ID:U22m2BGa
提督支援

169 :ゼロな提督17:2008/04/21(月) 23:53:40 ID:F6xp6H3J
 道中、いつぞやのごとく、ヤンは暗くなり始めた街を興味深げに眺めていた。だがトリ
スタニアの時と違うのは、何かを探すようにキョロキョロしていたことだろう。
 座席に立てかけられたデルフリンガーは「?」な感じだ。ルイズも怪訝な顔をする。
「ねぇ、ヤン。一体何を探してるの?」
「ん?ああ、えーとねぇ…」
 窓の外を見つめたまま、なんとなく上の空で答える。
「べーカー街とかさ、ビッグ・ベンとか、大英博物館とか…あるわけないよね。そりゃそ
うだよね…うーん、残念」
「だから、なんなんだよそりゃ?」
 もちろんデルフリンガーには何のことだか分からない。ルイズも「?」と首を傾げる。


 ちなみに、大英博物館は西暦1759開館、ビッグベンは西暦1858年に完成。べー
カー街は英国に実在するが、ホームズとワトソンが下宿したべーカー街221B、ハドス
ン夫人所有アパートに至ってはシリーズ最初の『緋色の研究』が発表された1887年当
時は架空の住所。1930年にアッパー・ベーカー街がベーカー街と合併して221Bが
本当に生まれた。
 いずれにせよ、この場所はロンドンではなくロンディニウム。時代は地球へ当てはめる
と17〜18世紀中頃辺り。どちらにしても、あるわけない。


 目の前に広がる町並みは、木材をほとんど使わない石造りの町並み。トリスタニアより
も道幅は広い。比較的新しい雰囲気を持っていて、古都と呼べる都市ではない。何より路
地が入り組んだトリスタニアやシティオブサウスゴータと違い、区画がかなり整然と整備
されている。おかげでルイズ達は荷馬車で街中に入っても、白い目で睨まれたりする事は
なかったわけだ。
「全然木造家屋が無いんだねぇ。建物もトリスタニアに比べると新しいのが多いや」
 そんなヤンの言葉に、ルイズは自慢げにうんちくを疲労する。
「それはね、百年ほど前にロンディニウムは大火に襲われてね。オーク材の建物が多かっ
た街は全焼しちゃったの。以来、建物に木材の使用が禁じられたのよ。道路も広くされた
わ」
 へぇ〜、とヤンは感心してしまう。デルフリンガーも鍔をカチカチ鳴らす。
「ほっほー。ルイズよぉ、意外と博学じゃねーか」
「エヘヘ、実は昔家族で旅行に来た時、同じ事を姉さまに質問したの」

 そんな事を話してるうちに、馬車はロンディニウム宮殿に到着した。




 城門で、ルイズが門番の騎士達に公爵からの手紙を見せると、すぐに城の中へ確認を取
りに兵士が走る。ほどなく戻ってきた兵士の報告を受けた騎士が「失礼致しました!ホー
ルにて大使一行がお待ちです!」と敬礼し、馬車を城の正面ゲートへと誘導した。

 馬車から降りた二人が侍女に案内されて来たのは、城の奥の大ホール。そこでは舞踏会
が開かれていた。
 大勢の楽団が優雅な音楽を奏でる。気品ある女官達が貴族へワインや食事を配る。美髯
をたくわえた威厳ある紳士が、美しいドレスや輝く装飾品に身を飾った淑女をダンスに誘
う。手を取り合う男女が甘い語らいと共にゆったりと舞う。壁際や立派な彫像の横では、
高級官吏や大臣らしき人々が笑顔と共に言葉を交わし合う。その中にはトリステインの軍
服を着た者達もいる。大使として不可侵条約調印のために派遣されたトリステイン軍人だ
ろう。
 そんな王侯貴族の燦然たる権威を満たしたホールに、学院の制服の上にマントを纏った
ルイズと、素っ気ない黒服に白手袋のヤンも案内されてきた。デルフリンガーは警備上持
ち込み禁止。入り口の衛士に預けられた。


170 :ゼロな提督17:2008/04/21(月) 23:56:50 ID:F6xp6H3J
 舞踏会会場に案内されたルイズだが、赤く染めた顔を恥ずかしげに俯かせてしまう。
「ううう…こんな舞踏会にドレスも着ず列席するなんて…ヴァリエールの名に傷が付きそ
うだわ」
「でも学校の制服って便利だねぇ。とりあえずフォーマルもこなせるから」
「とりあえず、じゃ困るのよ!」
 ヤンのフォローは、彼の正直な感想だったのだが、ルイズにはあんまり慰めになってい
なかった。
「まぁまぁ、服装の事は気にしないで。ところで、目的の人物はいるかい?」

 ヤンに促され、ちょっとだけ顔を上げたルイズは会場を見渡す。

「…見たところ、いないわね」
「本当かい!?皇太子の顔を忘れてるとか、見間違えてるとかは?」
「それはないわ。あれほど美しい金髪の、凛々しい皇太子だもの。以前アルビオン旅行に
来た時、城で会ったのだけど、あれは忘れようがないわ」
 そう言ってルイズは顔をちゃんと上げ、もう一度会場を見渡す。だが、金髪の凛々しい
若者というのはどこにもいなかった。

 代わりに見つけたのは、長い口ひげが凛々しい黒マントの貴族。
「ワルド様?」
 ルイズの声に、グリフォンをかたどった刺繍が施されたマントを纏う若い貴族は振り向
いた。
「…ルイズ?ルイズじゃないか!」
 ワルドはちょっと驚いた顔でルイズ達の所へ駆け寄ってきた。
「遅かったじゃないか、一体どうしたんだい?僕らは今夜でアルビオンは最後だったんだ
よ」
 ルイズは、まずはスカートの端をちょっと持ち上げ礼をする。ヤンも後ろに控えて頭を
下げる。
「もうしわけありません。実は、スカボローからサウスゴータまでを旅して見聞を広めて
いたのです。ワルド様は大使一行の警護ですか?」
「うん、大使として派遣されたド・ポワチエ将軍の警護をグリフォン隊が仰せつかったの
だよ。まぁ、間に合って良かった。とにかく二人とも、こちらへ来てくれたまえ。大使を
紹介しよう」

 そう言ってワルドは、ワイン片手に貴族と部下らしき騎士に囲まれて談笑している美髯
をたたえた四十過ぎの貴族、ド・ポワチエ将軍の前へルイズ達を連れてきた。
 ルイズ達に気付いた将軍へ、ルイズとヤンは同じく礼をする。
「初めまして、将軍。私はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。
お目にかかれて光栄ですわ」
 威厳ある、というより傲慢そうな空気を漂わす将軍も、肩の金ピカなモールを光らせな
がら名乗った。
「これはこれは、このような異国の地でヴァリエール公爵のご息女にお会い出来るとは、
これも始祖のお導きですな。
 私はド・ポワチエ。今回は陛下より大使の任を拝命しておりましてな…」

 あとは貴族らしい、もったいぶった社交辞令と当たり障りのない話題が交換された。ヤ
ンは派閥作りとか権力闘争とかが好きではなかったので、こういう社交場での作法にはう
とい。

 ヤンが退屈してアクビが出そうになった頃、ようやくルイズの口から本題が出た。
「ところで…この会場には皇帝陛下がおられないようですが」
 オリヴァー・クロムウェルを指して皇帝陛下、と呼んだルイズに対し、将軍は不機嫌そ
うに鼻を鳴らした。
「かの逆賊、オホン、もとい神聖皇帝殿は、執務が忙しいとやらで、この晩餐には出席し
ておらんのですよ」
 わざとらしく言い間違えた将軍に、ルイズもヤンも苦笑いしてしまう。
「それは残念ですわ。是非ウェールズ皇太子と共にお目通りしたかったのですが…」

 ウェールズ皇太子。


171 :ゼロな提督17:2008/04/21(月) 23:59:18 ID:F6xp6H3J
 その名を聞いたとたん、将軍の目が見開かれた。そして横のワルドも。
「ウェールズ皇太子、と共に…とは、どういうことですかな?まさか、かの凛々しきプリ
ンスが生きておられると!?」
 今度は聞き返されたルイズが目を見開いた。慌てて振り返りヤンを見るが、グータラ執
事も半開きの目を大きく見開いている。
 ロンディニウムの道中、そこかしこで聞いた『ウェールズ皇太子生存』の情報。まさか
トリステインに伝わっていないとは、二人には予想外の事だった。
 ヤンがルイズにヒソヒソと耳打ちし、ルイズがコクコクと頷く。

  ヤン、まさか…皇太子が生きてるのを知らないのかしら?
  らしいねぇ。これは意外だね、まさか公の場に姿を現してないなんて
  教えてあげた方がいいわよね?
  うん。思いっきり胸を張って教えてあげると良いよ

 こほんっ、と小さな咳払いをしてルイズが改めて将軍に答えた。
「はい、生きておられるはずです。
 この街へ訪れる道中、ニューカッスルでの戦闘に参加した兵士達から皇帝陛下と共に歩
く皇太子の姿を見た、という話を多数聞きました。また、皇太子を生け捕りにした部隊の
兵士からも証言を得ています。
 ですので、この城に来れば、調印式や記念パーティにて皇太子に会えるものと期待して
いたのです。
 お会いになりませんでしたか?」
 将軍は何度も目をパチパチと開け閉めし、次いで話を聞いていた部下の騎士達に目配せ
する。将軍に振り返られた部下達も、困ったように首を横に振った。
 ヤンとルイズも顔を見合わせて、どういうことだろうと首を捻る。

「少々、興味をひかれますな。詳しい話を聞かせて頂けますかな?」
 ルイズは将軍に、スカボローとサウスゴータで集めた証言を語った。もちろんマチルダ
ことロングビルに関する話は除いてある。

 聞き終えた将軍は、後ろの騎士達も含めて、顎に手を当てて考え込み始めた。
「ふぅ〜む、本当だとすれば興味深い話ですな…こちらでも少し調べておきましょう」
 話し終えたルイズは、トリステインの将軍すら知らない情報を得ていたという事で、鼻
高々。同時に、王家の秘宝に関する情報が得られないと分かり、残念そうでもある。相反
する感情が入り交じる、かなり複雑な表情だ。
 後ろのヤンは、落ち着かない様子で頭をボリボリかいている。

 すすすっとルイズの横に立ったワルドが耳打ちした。
「大手柄だね」
 ルイズは可愛くウィンクを返した。

 そうこうしていると、騎士の一人が将軍に耳打ちした。将軍は「おお、もうそんな時間
か」と小声で呟く。
「申し訳ない、ミス・ヴァリエール。人を待たせてあるので、この場は失礼しなければな
らんのです」
 ルイズは、チョコンと愛らしく礼をした。
「こちらこそ、時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。もしウェールズ皇太子に
会われましたら、よしなにお伝え下さい」
 将軍も有益かもしれない情報を得て、満足げに頷いた。
「承知しました。ところで、今宵はどちらにお泊まりですかな?もしよければ、このまま
ハヴィランド宮殿に留まりませんか」

 この宮殿に留まる、そう勧められたルイズは慌てて首を横に振った。そんな事をしたら
ロングビルを敵地に一人で取り残してしまうことになる。
 正直、ヤンとロングビルが仲良くする姿は、ルイズには気に入らないとしか思えなかっ
た。それが嫉妬だなんて、彼女は絶対に認めないが。とはいえ、学院長の秘書を危険に遭
わせようと思う程でもない。


172 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:01:32 ID:Hf08Eqmz
「いえいえ、それには及びませんわ。こちらで宿をとっていますので。そちらに旅の共も
待っていますから」
「そうか、それは残念だね」
 ちょっと興を削がれた将軍の横から、今度はワルドが尋ねた。
「ところで、今後の旅の予定は?よければ、我らと共にトリスタニアへ戻らないか?」
「今後の予定…ですか?え〜っと」
 ルイズは再びヤンとボソボソと言葉をかわす。

  どうしようかしら、ヤン。
  どうやら、このままロンディニウムに留まっても、皇太子には会えそうにないな
  そのようね。かといって、ここで諦めるわけにはいかないわ
  そうだろうね。でも秘宝の情報なら枢機卿や王女の方が早くて簡単だと思うよ
  それもそうか…それに、あまりここにいるとロングビルが危ないわ
  うん。必要な情報は得たと思うし、一度アルビオンを出よう
  そうね。それじゃ将軍と一緒にトリスタニアへ戻って、王家の秘宝を
  待った。その前にタルブへ行ってシエスタを
  んじゃ、ラ・ロシェールへ送ってもらいましょうか
  だね

 ヒソヒソ話を誤魔化すように、コホンッと小さく咳払いして向き直るルイズ。
「あの、実はタルブへ行く予定なのです。ですので、ラ・ロシェールまで送って頂けると
助かりますわ」
「ほほう!タルブですか、あそこはワインの名産地ですからな。ラ・ロシェールの手前で
もありますな。
 では、タルブへ送りましょう。緊急伝令用の竜騎士を数騎連れているので、一騎をお貸
しするとしましょう」
「よろしいのですか?」
 気前の良い将軍の申し出に、ルイズもちょっと驚いてしまう。
「なに、構いませんよ。どうせ明日には我らもこの地を離れるので、もはや急ぎの伝令も
必要性は少ないでしょう。一騎くらい構いませんぞ。
 明日の朝、宿に迎えをよこしましょう。どちらにお泊まりですかな?」
「レンスター・インですわ。ベイズウォーター街です。ただ、平民向けの安宿ですので、
迎えの方にその旨お伝え願いますわ」
「平民向けの、宿…ですか!?」

 意外な言葉に将軍が仰天してしまう。トリステイン屈指の大貴族であるヴァリエール家
の息女が平民向けの宿に泊まれば、それは驚きだろう。

「私は決して物見遊山の為だけに、この地へ来たわけではありませんわ。市井の噂話は、
やはり市井に留まらねば手に入りませんの」
 自分の実力で手に入れた情報でもないのに、ルイズは誇らしげに語る。そんなルイズに
将軍は感心しきりだ。
「これはこれは、なんとも勇ましく機知に富むことですな。さすが、ヴァリエール家のご
息女だけはあります」

 ルイズは将軍と、ワルドにも「トリスタニアで再会致しましょう」と別れた。ヤンも一
礼してルイズの後に従う。そして将軍は「公爵へよしなにお伝え下さい」というのを忘れ
なかった。
 城を出てからも、ルイズの鼻がちょっと高くなったように見えていたのは、恐らく内面
でふくらんだ矜恃が滲み出たためだろう。

 そして、鼻高々な様子で馬車に乗り込むルイズ達を、ワルドは鷹のように鋭い目で城の
テラスから見下ろしていた。





173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 00:03:07 ID:rzRpu60/
支援

174 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:04:00 ID:Hf08Eqmz
 宿に戻ったルイズ達は、干し肉・ワイン・リンゴにスコーンをテーブルに乗せたロング
ビルに出迎えられた。
「お帰りなさい。どーだったの?首尾は」
 淑女の嗜みとして、舞踏会ではほとんど食事を取れなかったルイズは、スコーンとワイ
ンを頬張りながら自慢げに語り出した。


「…なるほどね。でも、どうしてウェールズが会場に全く姿を現さなかったのかしら?」
 窓を少し開け、双月が輝く星空を見上げながらワインを飲むロングビルは、当然の疑問
を口にした。
 干し肉をかじるルイズも、うーむ〜と呻る。
「そこなのよねぇ、分かんないのは。王党派の残存勢力をレコン・キスタに吸収するため
にも、速やかにレコン・キスタの支配を国中に行き渡らせるためにも、レコン・キスタが
旧支配者である王家から認められた存在と示すためにも、皇太子の存在を国中に知らしめ
なきゃいけないはずなの。
 なのに、皇帝と一緒に歩いてるのを見たとかばっか。まるで幽霊みたいな扱いって、一
体どういう事なのかしら?」

 壁に立てかけられたデルフリンガーも頭を捻る。どこが頭なのか、誰にも分からなかっ
たが。
「う〜ん、隠すんなら牢屋にでも閉じこめりゃいいし、隠さないなら堂々とすりゃいいの
にな…やっぱ剣のおれにはわかんねぇな。ヤンよ、どう思う?」

 尋ねられたヤンは、以前デルフリンガーと一緒に武器屋で買ったナイフでリンゴをむき
ながら、のんびりと考えを示した。
「考えられるのは、いくつかあるよ」

 ルイズもロングビルも、グッと前のめりになる。

「ウェールズ皇太子の状況は、つまり公の場に出れる状態じゃない…という事じゃないか
な。つまり、レコン・キスタに本心から恭順していない、とかいうこと」
 ルイズがポンッと手を打つ。
「あ、なるほどね!つまり、皇太子は脅されて無理矢理引きずり回されてるんだ!」
「うん、それもあるんだけど…」

 むき終えたリンゴを切り分けて、ルイズとロングビルに配りながら、話を続ける。

「そこまでするかどうか分からないけど、洗脳。例えば、『誓約(ギアス)』という禁じら
れた魔法があるらしい」
 『誓約』という言葉に眉をひそめつつも、ロングビルが頷く。
「確かに、大昔に使用が禁じられた魔法ね。でも、もし『誓約』がかけられたら、眼を見
れば分かるらしいわ。魔法の光が宿るらしいから」
 ルイズは頷きつつも、推理を続ける。
「ということは、『誓約』をかけたのがバレたら困るから、大勢の前には出せない…とか
かしら?」
 ヤンもリンゴを頬張りながら頷く。
「そういう類の話だと思う。他にも魔法じゃなく、薬物を使用したとか、いっそソックリ
さんの偽物だとか、変装魔法『フェイス・チェンジ』を使ったとか、かな。
 薬物を使われると厄介だなぁ。魔法じゃ探知出来ないし、ハルケギニアの医術や薬学で
は洗脳を立証する事が出来ないよ」
「それだけなら、まだいいんだけどねぇ…」
 ロングビルは、ワインでリンゴを流し込んでから言葉を続ける。
「実は、この食べ物を買いに行った時、街で妙な噂を聞いたのさ」
「噂?」
 最後のスコーンを口に放り込んだルイズも、ナイフを布で拭くヤンも、双月の光で長い
緑の髪を煌めかせる女性へ注目する。

「クロムウェルの系統は、『虚無』」


175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 00:04:12 ID:TlLfhG2F
お邪魔してすみませんでした支援

176 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:06:35 ID:Hf08Eqmz
 瞬間、ルイズの目が見開かれた。
 ヤンも信じられないという表情でロングビルを凝視する。
「ほ、本当かい!?」
 聞かれた彼女は肩をすくめる。
「さぁね、なにせただの噂だよ。
 しかも突拍子もない物さ…あの皇帝は死者を蘇らせる、とか言うんだよ?その力を持っ
てレコン・キスタの貴族議会で総司令官に、そして皇帝に選ばれた、とね」

 ルイズは驚愕の表情から、だんだん胡散臭げな表情に塗り替えられていく。
 ヤンは腕組みして考え込む。
「死者の蘇生…そんな魔法あるのかい?」
 ルイズが拍子抜けしたように、呆れたように答える。
「あるわけ無いでしょ。いくら伝説の『虚無』でも、突拍子が無さ過ぎよ」
「あたしもそう思うんだけどねぇ。で、デルフリンガーはどう?そういう魔法に覚えはあ
るかい?」
 と、問われたデルフリンガーの答えは、いつもと同じ。
「覚えてねぇなぁ」
 予想通りの回答に、一同溜め息をついてしまう。

 頭をボリボリ掻きながら、ヤンは推理を続けた。
「確かに『虚無』の線は薄いかもしれないけど、全くあり得ないワケでもないよ。君の妹
さんの例もあるし」
 ティファニアの事を挙げられ、ロングビルも考え込む。
「今のところ、僕らは『虚無』について全くの無知だからね。最悪、ウェールズ皇太子す
らも死体を魔力で動かした操り人形…という事も考えないと。
 ただ、それだと僕はお手上げだなぁ。魔法は全くの専門外だよ」
「さすがに、そこまではないだろうけどね…」

 ルイズもロングビルも、それぞれに推理を進める。デルフリンガーは、合いの手を入れ
たりしながら聞き役に徹していた。



 そんな彼等の姿を、特に窓の隙間から覗くロングビルを見つめる黒装束の姿がある。そ
の人物は通りを挟んだ民家の屋根の上で、身を伏せたままルイズ一行の部屋の様子をうか
がっていた。
 しばらくして、黒装束は音もなく飛び去った――ハヴィランド城へ向けて。




 ハヴィランド城、天守。
 そこは城の主、オリヴァー・クロムウェルが執務室として使用していた。
「報告、以上であります」
「うん!ご苦労だったね!いやぁ、お疲れ様、下がって良いよ!」
 黒装束の人物は、部屋の主に対し報告を終えて退室した。
 報告を受けたのは30代半ばの男。高い鷲鼻に理知的な碧眼、カールした金髪を持ち、
豪奢な衣服とマントを纏っている。現在は神聖皇帝クロムウェルと呼ばれている。
 そして皇帝の背後には、ローブをすっぽりと被った痩身の女性が立っている。
「聞いたかね?ワルド君!いやぁ、驚いたよ。まさか、マチルダ・オブ・サウスゴータを
発見するとはねぇ!念のため調査してみて大正解だ!!」

 そしてデスクを挟んだ皇帝の眼前には、ワルドが立っていた。
 鷹のように鋭い眼光が虚空を見上げる。


177 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:08:43 ID:Hf08Eqmz
「サウスゴータ…たしか、4年前のエルフ事件で、モード大公投獄の際に新教徒狩りが行
われたという…」
「そう!そこの太守の娘だよ。ま、実際はもう少し複雑な事情があったんだがねぇ。昔の
話さ!
 彼女は確か、土のトライアングルだったはずだよ。我らレコン・キスタの側に引き込め
れば、非常に心強い味方になってくれるに違いない!さっそく接触を取るとするかな、う
ん!」
「土のトライアングル!?」

 マチルダが土のトライアングル。
 この言葉を聞いた瞬間、ワルドの眼光が鋭さを増した。しばし顔を伏せ思索にふける。
 しかる後、口の端が釣り上がり、唇の隙間から押し殺した笑い声が漏れだした。
 皇帝が不審そうに目の前のトリステイン貴族を覗き込む。
「どうか、したのかね?」
 尋ねられたワルドは、まるで長年の難問が解けたかのように晴れ晴れした顔で答えた。

「マチルダ・オブ・サウスゴータ。現在はトリステイン魔法学院学院長の秘書…そして、
恐らくは『土くれのフーケ』ですな」

 その言葉に神聖皇帝も、背後の秘書も驚きの声が漏れる。
「間違い、ないのかね!?」
 重ねて問う皇帝に、ワルドは自信を持って推理を示した。

 トリステインで最近、王宮前で『ダイヤの斧』、魔法学院で『破壊の壷』と、立て続け
に二件のフーケによる犯行が行われた事。だが即座に両方とも、森の中の廃屋で無事に発
見された事。トリステイン王宮でも事件の真相を調べたものの、何故無事に取り戻せたか
分からなかった事。
 以上の事実をワルドは語った。

「私も捜査記録の詳細を見ましたが、その時は謎を解けませんでした。ですが…ロングビ
ルがマチルダでありフーケなら、全ての説明が付きますな。
 彼女は、恐らくは私の婚約者ルイズの使い魔であるヤン・ウェンリーの、情婦なのです
よ。現に、今も危険を冒してまでヤンと共にロンディニウムに来ています。惚れた男に盗
んだ物を返したのです。
 物証はありませんが、まちがいありますまい」

 ワルドの推理を聞かされた皇帝は、少し呆気に取られていた。
 そしてすぐに、「ぉ、おお、おお!」と感激の言葉を漏らしながら椅子を蹴倒し、ワル
ドへ駆け寄り、彼の肩を力強く叩いた。あまりのオーバーリアクションに、さすがのグリ
フォン隊隊長も圧倒されてしまう。
「す、素晴らしい!本当に、これは大手柄だよ!まさか、フーケを逮捕出来るなんて!わ
が神聖アルビオン共和国最初の偉業としてハルケギニア全土に知らしめる事が出来るじゃ
ないかっ!」
「閣下のご威光、さらに燦然と輝きますな」

 と、皇帝のフーケ逮捕案に同意したワルドが、ふと首を傾げた。

「ですが…少々お待ち頂けませんか?」
「ふむ?何を待つのかな?」
「ここは一つ、私に任せては頂けませんか?」
「ほほぅ、何か妙案でもあるのかね!?」
「ええ、実は、ですね。そのヤンという男の事なのですが」
「ああ、君が報告してくれた、我らの策を見事に看破してくれた平民使い魔の事かい?」
 ヤンの名を改めて出したとたんに、皇帝の精神衛生レベルは最高から最低へ一気に落ち
込んだようだ。


178 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:11:32 ID:Hf08Eqmz
 ヤンは2週間前、『アンリエッタ王女の恋文』事件を解決に導いた。というより、うま
く王女を誘導して『ルイズ達に手紙を回収させる』という暴挙を回避した。おかげでトリ
ステインとゲルマニアの同盟は、手紙の政治的処理を通じ強固となり、逆にレコン・キス
タは文書偽造の濡れ衣をかけられた。
 それに、もしルイズがアルビオンに潜入していれば、流れ矢にでも見せかけて亡き者と
し、ヴァリエール公爵に叛旗を翻させる事も出来たかもしれないのだ。
 10日ほど前に枢機卿へ進言した『姫の婚儀に出席する大使を乗せた親善艦隊に警戒す
べし』というのも、見事に皇帝の策を看破したものだった。皇帝はトリステイン戦艦から
の親善艦隊への攻撃を自作自演にて偽装するつもりだったのだから。10日後に派遣する
親善艦隊対して、どの程度の警戒をしてくるかは不明ながら、他の策を講じる必要が生じ
たのは確かだ。
 皇帝は彼の知略には感心した。が、ただの平民に軽くあしらわれたかのような不快感、
現在の肥大化した皇帝の自我には耐え難い物だ。

「ええ。かのヤンという男、先月トリステインに使い魔として召喚されたばかりです。ゆ
えに、王家への忠義とかトリステインへの恩義とは無縁です。実のところ、他に行くあて
もないからルイズの下で執事役に甘んじている…というところでしょう。
 いえ、むしろ、あれ程の知謀の持ち主が単なる執事役で満足しているとは思えません。
また、先日の王女の手紙の件…捨て駒にされかかった彼は、トリステイン王家への不快感
すら抱いているでしょう」
 顎に手を当てながら聞いていた皇帝は、フンフンと満足げに頷き続ける。

 ヤンが実は『帰郷を泣く泣く諦め、立身出世に興味はなく、学院でルイズの執事として
ノンビリ暮らしたい』と考えてるのは、さすがにワルドにも思い至らぬ点だ。だが、それ
以外は大体正解に達していると言えるだろう。実際、ヤンは内心でアンリエッタを「ラフ
レシア」と評したくらいだ。

「故に、彼はアルビオンにて、我らレコン・キスタに力を貸す事に抵抗は無いでしょう。
彼ほどの人材、参謀としてでも側近として加える事が出来れば、我らの悲願は更に容易に
実現できます。
 いえ、むしろ彼を重用する事で『平民でも力と功あれば報いる』と天下に知らしめる事
も出来ます。かのゲルマニアの如く、平民達の支持も得やすくなり、更に国力を伸張でき
ます」

 室内をクルクル歩き回りながらワルドの話を聞いてた皇帝は、最後にポンッと手を打っ
た。
「そして!うん!かの平民使い魔の主は、君の婚約者ルイズ…というわけだね!」
「左様。彼女と結婚すれば、ヤンも自然とついてくる事でしょう」
「そして、彼の情夫であるマチルダも、だね!?土のトライアングルであり、『土くれの
フーケ』として名をはせた大盗賊も、我らの同士となってくれるわけだ!!」
「御意。父君の名誉回復とサウスゴータ太守の地位を示せば、かの大盗賊も納得すること
でしょう」
 ワルドは、薔薇色の未来像に思いをはせる皇帝へ、恭しく頭を垂れた。

 ここで、これまで部屋の隅でずっと黙って話を聞いていた秘書が、うん!うんうん!と
しきりにワルドの策へ肯定の意を示し続けている皇帝へ耳打ちした。
「…ん?なんだね、シェフィールド君…ふんふん、ああ!なるほどね、うん。それはいい!
相変わらず君は聡明だなぁ!」

 急に秘書と内緒話を始めた皇帝に怪訝な視線を向けるワルドに、話を終えた皇帝が、輝
くほどに明るい笑顔を向けた。
「君の策に乗ろうじゃないか!ミス・ヴァリエールとの婚儀、見事成立させたまえ!もち
ろん協力は惜しまない!
 かつて僧籍に身を置いていた者として、若い君たちの門出!今から始祖ブリミルの名の
下に今から祝福させてもらうよ!」
「はい。あの愛らしい姫君と、幸せな家庭を築く事を約束致します」
 再び深く頭を垂れたワルドの顔は、純粋な言葉とは裏腹に、邪気をはらんだ笑みに歪ん
でいた。
「そして、こちらでも別の策を講じるとしよう!ついては君に一つ頼みがあるのだが」
「はい。閣下の御為ならば、なんなりと」

179 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:15:40 ID:Hf08Eqmz
 皇帝とワルドの密会は、その後も深夜まで続いた。密会終了後、ワルドは誰にもその姿
を見られることなく、風のように自室へと戻った。




 次の日の早朝。
 ルイズ達はスカボローから乗ってきた馬と荷馬車を二束三文で売り飛ばし、ハヴィラン
ド宮殿で将軍が貸してくれた風竜に乗り込んだ。
 急速に眼下へ小さくなるロンディニウムの街並み。森林を飛び越え、一気に後方へ遠ざ
かっていくアルビオン大陸。
 ルイズは若く逞しい竜騎士のすぐ後ろで、雲の合間に見えてくるはずのハルケギニア大
陸を探している。その胸にはデルフリンガーが抱かれ、話し相手になっていた。ロングビ
ルはヤンの左で、同じように遠ざかるアルビオン大陸を眺めていた。ウエストウッド村の
妹を想い、故郷に後ろ髪をひかれているのかもしれない。


 どう考えても浮遊している理由が分からない大陸を眺めながら、ヤンは今までの事や自
分の立場について思い返す。

 かつて自分は星の海を巨大な鉄の船で渡っていた。
 意に反して軍人として功績を重ね、望まぬ出世を重ねていた。
 出来すぎな程の養子と美しい妻、そして有能で楽しい部下に囲まれていた。
 民主共和制を守るため、圧倒的不利な戦況で戦いを重ね、どうにか負けなかった。
 苦難の末、皇帝ラインハルトとの和平交渉にまでこぎ着けた所で、暗殺された。

 そう、そのはずだ
 だが、今はどうだ

 自分は雲の間を風竜で渡っている。
 意に反してルイズに使い魔として召喚され、執事として雇われている。
 背後のルイズと左のロングビル、そして学院の平民達や貴族の子弟達に囲まれている。
 トリステイン王国を守るため、アルビオンで情報収集をしている。
 そしてこれからタルブでシエスタと合流しようとしている。

 一体、どっちが正しい自分なのだろうか
 いや、本当に自分は、自由惑星同盟にいたのだろうか?

 もしや…全ては召喚された際にすり込まれた偽りの記憶ではないのか!?
 生死の境を彷徨った時に見た、ただの妄想ではないのか? 
 妄想?偽りの記憶?・・・どっちが!?


 ヤンの背に冷たい汗が流れる。
 慌てて上着の中の銃に手を触れた。自分と共に召喚された、ハルケギニアでは絶対にあ
り得ない技術で作られた、引き金を引くだけでエルフすら難なく殺せるブラスターを。自
分の召喚前に関する過去が偽りのものでないと確かめるために。
 上着の中に、確かにブラスターは存在した。ヤンの体温で暖められた、そして硬い感触
が指先に触れる。同時に左手のルーンが光だすのが分かる。士官学校以来、気にした事も
ないはずのブラスターの構造と使用法が頭の中に流れ込み、身体が羽のように軽くなるの
が分かる。


 どちらも、本当の記憶だ。


 ヤンは頭を振り、脳裏に浮かんだ不安を追い払う。だが、自分自身に対する疑念は、ま
るで影のように付きまとう。


180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 00:16:34 ID:utvExgog
支援!

181 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:19:07 ID:Hf08Eqmz
 ふと彼の左肩に、何かが触れた。

 左を見ると、左肩に長い緑の髪がかかっている。
 ロングビルがヤンの肩に頭を乗せていた。
 左腕で細い肩を抱き寄せる。


 フレデリカを愛してる。
 でも、今はマチルダの肩を抱いている。
 僕は…どうすればいいんだろう


 ヤンの頭に浮かぶのは、オリビエ・ポプランとワルター・フォン・シェーンコップ。二
人はイゼルローン要塞では女好きの双璧で、関係を持った女性の数は「いちいち覚えてい
ない」とか、ベッドの上の撃墜王とか言われていた。
 彼等を頭に浮かべたものの、彼等がどうして複数の女性と関係を持つ事が出来たのか、
は思い浮かばない。ヤンの頭脳は、その方面の策略には全く向いていなかった。




 ヤンが人類発祥以来の決して解けぬ問に頭を悩ましていると、背後のルイズが声を上げ
た。
 ヤンとロングビルも風竜が向かう先を見る。そこには緑の海が広がっていた。広大な草
原が陽光に輝き、駆け抜ける風が波のように草花の上を渡る。草原の彼方にある山の斜面
には、規則的に並んぶ背の低い樹木が見える。ワインが特産と言うだけあり、ブドウ畑が
広がっている。
 風竜は草原を越え、村の上空をしばらく旋回してから、律儀に村の入り口へ着陸した。


「では、小官はトリスタニアへ帰還致します!」
 ビシッと敬礼する竜騎士へ、ルイズは礼を言いつつ2通の封書を手渡した。
「これは枢機卿と父さま、ヴァリエール公爵への手紙です。急ぎ届けて下さい」
「はっ!」
 竜騎士は、ルイズ一行がアルビオンで収集した事実をしたためた報告書を入れた封書を
胸に風竜へ飛び乗った。もちろん、ウエストウッド村やティファニア統等に関しては除い
てある。
 ルイズとロングビルは、飛翔する風竜へ手を振った。

「おーい、ヤンよ。なにをボーッとしてんだ?」
 風竜から降ろされた荷物の上のデルフリンガーが、立ちつくすヤンを不審がる。
 遠くの空へ消えていく竜騎士を見送った二人も、村の入り口で突っ立ってるヤンに気が
付いた。
 彼は、村の入り口に立つ立て札をジッと見ている。

 ルイズは彼の背をツンツンつつく。
「ちょっと、ヤン。何ぼんやりしてるのよ?」
 何の反応もない。立て札に見入ったまま動かない。


182 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:22:01 ID:Hf08Eqmz
 ロングビルも立て札を見る
「これがどうかしたの?…えっと、『ようこそタルブへ』。それと、その下に、何か書いて
あるわね・・・え…え?えっ!?」
 ロングビルも、まるで幽霊を見たかのような表情で看板を凝視した。
「なによ二人とも、この立て札がどうかしたの?」
 と言ってルイズも読む。そこには確かに『ようこそタルブへ』という文が記されてた。
 ただし、その下にもう一文が記されている。
「何これ、なんて書いてあるの?読めないわよ…て、え…ま、まさかっ!?」
 ルイズの目がまん丸に見開かれ、両手が口を覆う。

 3人の背中が邪魔で看板が読めないデルフリンガーが、抗議の叫びを上げる。
「おーい!一体なんなんだよ?何が書いてあるんだよ!」
 長剣の問に、ヤンは震える声で答えた。

「『ようこそタルブへ
 道に迷った人は、オイゲン・サヴァリッシュをお尋ね下さい』」

「は?道に迷ったって…道案内の看板か?」
 伝説の剣には、何のことだか分からなかった。
 左右からヤンを見る女性達にも、何の事だか分からなかった。
 ただ、それがあり得ない文だというのは、一目で良く分かった。
 何故なら、それは二人には読めないが、ヤンには読める文字だったからだ。

「・・・何で、なんでこんな所に、この文字が・・・」
 それは、『破壊の壷』表面に記されていた文字であり、ヨハネス・シュトラウスの手記
に使用されていた文字だった。
 つまり、銀河帝国の公用語。


            第十七話    昔と今と  END


183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 00:23:11 ID:6wPfGbEk
提督乙
帰還のてがかりなるかタルブ?

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 00:25:42 ID:MlJRgmyb
こんなこともあろうかと

185 :ゼロな提督17:2008/04/22(火) 00:33:00 ID:Hf08Eqmz
以上、投下終了です

ところで、私の投下スピードの事ですが
ストーリーは第一話を書き始める前からラストまで考えてあるので
あとはそれを文章化するだけです
なので、早いのです。

早すぎると他の方の迷惑になるなら、もう少し間を空けますよ

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 00:37:48 ID:phqWBezs
乙です
しかし原作銀英伝の地球は何故、観光業で栄えなかったんだろう?
ヤンのような歴史マニアが銀河全土探せば腐るほどいるだろうし…

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 00:42:23 ID:/d0d+ykZ
なるほど、だから早いのか…

ともあれ話が段々とキナ臭い方向に…続きが楽しみであると同時に怖い。

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 00:43:58 ID:phqWBezs
遅レスですが大使い魔の人乙です
しかしできれば場面転換をもうすこしスムースに
聖堂騎士がキカイダーを囲んでから、どうやって才人とジローが庭園で会話するまで何があったのか…?
推理するなら
騎士団とキカイダー一瞬即発、とそこへ貧民の少年に化けたサイト、ジローに接近
サイトをどけようとジローが一瞬、彼を触ったところガンダールブ発動!
紋章の力はキカイダーを”兵器”とみなし、やむなくジローはサイトの命令通りに大人しく…
つう感じかな?

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 01:07:46 ID:00XIY/XY
提督お疲れ様です。


>>186
地球は西暦2129年の十三日間戦争で欧米あたりは滅んだのではないかと。
(原作・飛翔篇序章より推定)

後地球にいるのはほとんどが過去の地球至上主義の復権を望む地球教徒ですし。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 02:21:01 ID:fo1IioeP
>>186
まあいわゆる遺跡なんてのは殆ど廃墟と貸してるだろうしな。

それに位置的なことを言えば地球は帝国の領内。
当然ながら同盟の人間は行けないし、
帝国の平民には観光を楽しむ為に宇宙旅行なんて余裕は無いだろうし。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 05:26:43 ID:ea4aiK5V
>>190

地球教徒の巡礼くらいだね

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 05:29:35 ID:efNiDIr1
で、その巡礼者にしても、旅客船じゃなくて貨物船に鮨詰めだもんねぇ。

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 10:23:53 ID:7/rJFRwv
まあ名前忘れたけどあの芸術家の提督とかが
ローエングラム王朝の後世に残る事業として
地球の遺跡復活作業とかを数百年単位で行う計画立てたかもね
勿体無いし

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 11:14:42 ID:FkWi+QvV
提督の人、乙です。
個人的には続きが気になるので、早く読めるに越したことないなあと。

195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 11:46:30 ID:gPqpphNj
コード『誓約(ギアス)』、反逆のウェールズ

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 12:10:34 ID:KsqGPPpd
ティファニアを人質にとられたウェールズが、レコンキスタを中からぶっ壊すんですね。わかります。

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 12:20:10 ID:HbPaqdEg
>>195
だれ うま

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 14:10:48 ID:eTlotsCb
itchy
tasty

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 14:29:35 ID:yamnrJtw
ZERO A EVILの人、遅ればせながらGJ!
全シナリオのオディオの記憶を持つ魔王モードなルイズに期待。

「姫様、この素晴らしさがお解かりにならないのですか?
 超能力と魔法が一つに、科学と神が一つになるのです。
 アルビオンの大地に染み込んだ7万人、200万リットルの液体人間……これが、私の力!!
 このアルビオンを寄代に、目覚めなさい御出居!」

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 14:37:10 ID:w2o6iFFj
>>193
乗ってる戦艦の名前がマリコヌルの使い魔と同じ名前なんだよな、芸術家提督メックリンガーは…

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 14:47:15 ID:Xq8RMLTE
クヴァシル, Kvasir
……へーへーへー(ぺこぽこぱこ)

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 14:54:18 ID:blAwG/1v
>>200
なぜかしらんが、乗っているのは戦艦では無く、超巡航艦と言う艦種らしい

クヴァシル (Kvasir)
エルネスト・メックリンガーの乗艦であり艦隊旗艦。
戦艦と言うよりは巡航艦を大きくしたような外観を持ち、超巡航艦という独自の艦種名が設定されている。

引用元:ウィキペディア>銀河英雄伝説の登場艦船
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8A%80%E6%B2%B3%E8%8B%B1%E9%9B%84%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%A0%B4%E8%89%A6%E8%88%B9#.E9.8A.80.E6.B2.B3.E5.B8.9D.E5.9B.BD

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 15:46:17 ID:aKLvoxjP
戦闘用艦艇をひっくるめて「戦艦」って言うこともあるよ。

そこら辺のこだわってない人とかよく知らない人とか。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 16:17:30 ID:0uEorBzu
>>203
そういう場合は軍艦と言ってほしいんだけどねぇ、紛らわしいし。

後、あの作者も軍事関係は完全に駄目だからなぁ。
>>202というのは、普通に考えると巡航戦艦か高速戦艦と名付けられるはずなんだが―――
というか、戦艦と巡航艦には、装備や構造に違いがあるのか?
大きい巡航艦=戦艦だろ普通に。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 16:29:26 ID:Xq8RMLTE
>>204
そーいや、ゲームの4には帝国サイドにだけ高速戦艦って艦種があった気がする。
それのことかねぇ。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 16:55:43 ID:blAwG/1v
>>205
>>高速戦艦
いや、それは、ビッテンフェルトとユカイな仲間達の黒色槍騎兵(シュワルツ・ランツェンレイター) 艦隊が使ってる船の方で…(w


207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 17:12:30 ID:cedeqq18
銀英伝話はスレ違いだからこの辺にした方がいいと思うぞ。

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 17:26:22 ID:FHB7rO8D
ガリア王ジョゼフの野望を砕くため、ロマリアへと協力を決めたルイズ。
しかし、最も危険な役割を担う才人を案じたルイズは、ロマリア教皇の持つ「虚無」の力を借り、
才人を元の世界へと戻そうと決意する。
その頃、ガリアでは騎士人形「ヨルムンガント」の”軍団”がロマリアを目指して出立する――。
アニメ第3シリーズも決定した大人気冒険ラブコメファンタジー、待望の最新巻!
ttp://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refBook=978-4-8401-2319-8

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 17:29:40 ID:XdTz/M5x
>>204
昔はGrosser Kreuzer(大巡洋艦)とドイツではいったそうだけど、そこから超巡航艦という名を考えたのでは。
この作者ドイツっぽい名前が好きだから。
超なんて厨臭いからそのまま大巡航艦とすればよかったと思うけど。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 18:25:23 ID:CULeD7sh
また軍オタかよ

211 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/22(火) 18:51:43 ID:lHFrf5NS
ちなみに大巡洋艦は日本でもアメリカでも計画はされていた
でも、どちらも実際に建造はしなかった
日本は打たれ弱い軍艦作ってる余裕は無かった
アメリカは巡洋艦並みのスピードが出る戦艦作った

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:06:40 ID:phqWBezs
戦艦そのものを召喚…「軍艦越後の生涯」ですね、わかります!
イーグル号の船魂とかどうなんでしょう?

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:08:09 ID:J5w5fQ2j
いつどのスレでも軍オタは空気が読めないな

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:09:51 ID:pVlbaVVP
ルイズのおっぱい!!

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:13:12 ID:zhKkBEqE
>>214
ルイズにおっぱいなんか無い!

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:14:28 ID:JxVFqv7O
ここは軍艦ではない艦を呼ぶべき流れか?
ならば遊撃警艦パトベセル+青空署のクルーを召喚、とか言ってみる

書いてみようかと思ったが、あのノリは俺にゃ無理だw

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:22:06 ID:8b9QYot4
他に話題もないのに空気もなにもないと思うがw

艦ならキャナルとか召喚がいいなあ

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:24:54 ID:5kCU7JP3
ここはリプミラ号召還

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:25:32 ID:YDhA4CJ6
>>215
正直ルイズの貧乳ネタは過剰もいいとこだと思う

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:31:17 ID:phqWBezs
他の銀河帝国もののネタはないのか?
元祖のアシモフのファウンデーションシリーズからR・ダニール・オリヴォーとか


221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:32:05 ID:d7hwOI1W
三重連太陽系での決戦直後のGGG艦隊召喚

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:33:16 ID:HbPaqdEg
>>216
ペペロンチーノ号とティコを召喚で。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:35:20 ID:/0U8TnS0
>>216
「びなす」とか「びるご」とか「へすていあ」とか召喚しちゃえよ

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:36:27 ID:lxf+ErJW
じゃぁ大破したNノーチラスとネモ船長で



225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:37:28 ID:yamnrJtw
岸和田博士の科学的愛情より脳天号召喚。

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 19:46:45 ID:CW7p+TyM
アシュレーに振られて傷心のリルカと
ワルドに裏切られて傷心のルイズ
最高のコンビじゃないか
おまけにリルカは駄目魔法使いときている

227 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 20:54:25 ID:xePpqn/c
21:00から第二話を投下します。
12レス程度です。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 21:02:28 ID:CW7p+TyM
支援

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 21:03:46 ID:TlLfhG2F
待ってました。期待支援

230 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:04:11 ID:xePpqn/c
虚無と狼の牙 第二話

 ウルフウッドはなぜか学院の講義に出ていた。
目の前で教師の説明する話は全くわからない。
けれども、学校というものへ通った事のない彼は、自分が授業を受けているというだけで、どこか歯がゆく嬉しい気持ちになるのだった。
 なぜ彼が授業を受けているのか。その説明をするには例のギーシュとの決闘騒動までさかのぼらなくてはならない。
 例の決闘のあと良くも悪くも彼は有名人になってしまった。
平民が貴族を打ち負かしたことが気に食わない生徒に絡まれるようになった。
もっともこの場合大半はウルフウッドに睨まれるだけで、なにやら適当に理由をつけて逃げ出すのだが。
 そしてもう一つの困ったことは、なぜか彼が女子生徒にもてはじめたことである。
ルイズの同級生であるキュルケに言い寄られたり、例のギーシュが二股をかけていたケティという女の子からラブレターをもらってみたり。
もっとも根本的にそういう風に扱われることに彼は慣れていないし、そもそもこの年頃の女子の淡い年頃の男性に対するあこがれみたいなものに付き合う気も全くないので、ウルフウッドにとっては迷惑な話だった。
 そして、彼の主人であるルイズもこの使い魔の扱いにはほとほと困っていた。
彼が決闘をやらかすたびに、もっとも彼自身は「ガキのしつけや」と言い張っているのだが、余計な気を遣わなくてはならないし、それ以上にこの使い魔の異常なまでのデリカシーのなさ。
この間なんてそんな馬鹿使い魔に香水をプレゼントしようとしたモンモランシーに対して
「おう、金髪のおじょうちゃん。確か、あんたの名前知ってるで。えーと『洪水のオモンラシー』!」
 などととんでもない発言をかまして彼女を泣かせた。
それを聞いたルイズは心の底で、そういう言い方もあるのかとちょっと感心したのは内緒だ。
 とにかく、この男を野放しにしておくと男女を問わず彼にひきつけられ、そして彼にやられた無残な死体の山が気付かないうちに築かれていくのである。
 しかたがないので苦肉の策として、ルイズは昼間はぷらぷらと厨房の手伝いなんぞをして過ごしている彼を常に自分の目の届くところに置くようにした。
結果、このようにルイズの授業に彼は付き合っているのである。
使い魔の管理も仕事のうちである、と自分に言い聞かせている。
 目の前ではシュヴルーズが授業を行っていた。
「なぁ、あのおばちゃんもセンセいうことは魔法使いなんか?」
「そうよ、っていうか授業中は話しかけないで」
 気まずそうにルイズに小声で注意されて、ウルフウッドは仕方がないので黙る。
なんか気分が高揚するので、彼は誰かに話しかけたくて仕方がないのだ。
「皆さん。春の使い魔召喚は、大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」
 そこでシュヴルーズはウルフウッドのほうをチラッと見た。確かに噂どおりの男前だ。
同僚にも男はいるにはいるが、どうも教師というのはひょろひょろっとしているのが多くて、男としての野性味溢れる魅力に欠ける。
その点このウルフウッドは非常にワイルドだ。魅力的だ。
「では、授業を始めますよ」
 シュヴルーズは、顔をぶるぶると振って、こほんと重々しく咳をすると、杖を振りかざした。机の上に、石ころがいくつか現れた。


231 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/22(火) 21:05:26 ID:F9+/xXl8
しえん

232 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:06:23 ID:xePpqn/c
「私の二つ名は赤土。赤土のシュヴルーズです。
『土』系統の魔法を、これから一年、皆さんに講義します。魔法の四大系統はご存知ですね? ミスタ・マリコルヌ」
「は、はい。ミセス・シュヴルーズ。『火』『水』『土』『風』の四つです!」
 シユヴルーズは頷いた。
ついでにウルフウッドに色目を使ってみる。反応なし。
「今は失われた系統魔法である『虚無』を合わせて、全部で五つの系統があることは、皆さんも知ってのとおりです。
その五つの系統の中で『土』はもっとも重要なポジションを占めていると私は考えます。
それは、私が『土』系統だから、というわけではありませんよ。私の単なる身びいきではありません」
 シュヴルーズは再び、重々しく咳をした。
「『土』系統の魔法は、万物の組成を司る、重要な魔法であるのです。
この魔法がなければ、重要な金属を作り出すこともできないし、加工することもできません。
大きな石を切り出して建物を建てることもできなければ、農作物の収穫も、今より手間取ることでしょう。
このように、『土一系統の魔法は皆さんの生活に密接に関係しているのです」
 ウルフウッドはその言葉に食い入るように聞き入った。
金属の精製加工技術……もしかしたらこの世界でも『アレ』が手に入るかもしれない。
「今から皆さんには『土』系統の魔法の基本である、『錬金』の魔法を覚えてもらいます。
一年生のときにできるようになった人もいるでしょうが、基本は大事です。もう一度、おさらいすることに致します」
 シュヴルーズは、石ころに向かって、手に持った小ぶりな杖を振り上げた。
 そして短くルーンを眩くと、石ころが光りだした。
 光がおさまり、ただの石ころだったそれはピカピカ光る金属に変わっていた。
「なぁなぁ」
「なによ」
 ウルフウッドは隣のルイズを突いた。
「おじょうちゃんもああいう錬金いうやつ出来るんか?」
「はぁ?」
「やから、金属を作り出したりとか、加工したりとか。そんなんできる?」
「あんたねえ、授業中は話しかけないでって」
「ミス・ヴァリエール」
 案の定、見咎められてしまった。
「は、はい」
「授業中の私語は慎みなさい」
「すいません……」
「おしゃべりをする暇があるのなら、あなたにやってもらいましょう」
「え? わたし?」
「そうです。ここにある石ころを、望む金属に変えてごらんなさい」
 ルイズは立ち上がらない。困ったようにもじもじするだけだ。
「出来るんやったらやってみせてや、なぁ」
 ウルフウッドはそんなルイズの肩を揺さぶる。目が、完全に期待に輝いている。

233 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:08:08 ID:xePpqn/c
「ミス・ヴァリエール! どうしたのですか?」
 シユヴルーズ先生が再び呼びかけると、キュルケが困った声で言った。
「先生」
「なんです?」
「やめといた方がいいと思いますけど……」
「どうしてですか?」
「危険です」
 キュルケは、きっぱりと言つた。教室のほとんど全員が頷いた。ウルフウッドだけがわけがわからず辺りをキョロキョロ見ている。
「危険? どうしてですか?」
「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。でも、彼女が努力家ということは聞いています。
さぁ、ミス・ヴァリエール。気にしないでやってごらんなさい。失敗を恐れていては、何もできませんよ?」
「ルイズ。やめて」
 キュルケが蒼白な顔で言った。
 しかし、その言葉に刺激されたのかルイズは立ち上がった。
「やります」
 そして、緊張した顔で、つかつかと教室の前へと歩いていった。
 隣に立ったシュヴルーズはにっこりとルイズに笑いかけた。
「ミス・ヴァリエール。錬金したい金属を、強く心に思い浮かべるのです」
 思い描いた金属を作り出せるのか、なんと便利な、とウルフウッドはがらにもなく興奮していた。
 ルイズは意を決したようにルーンを唱え杖を振り下ろした。そのとき爆発が起こり机ごと石が砕け散った。
「いだぁ!」
 身を乗り出すようにして見ていたウルフウッドの頭に見事に石のかけらが命中した。
 涙目になったウルフウッドが爆発の後に見たのは、惨憺たる格好となったルイズとカエルみたいに地面にはいつくばって気絶したシュヴルーズの姿であった。
「ちょっと失敗みたいね」
 その状況に置いて、ルイズは何事もなかったかのように平然と言い放った。当然、他の生徒たちから猛然と反撃を食らう。
「ちょっとじゃないだろ! ゼロのルイズ!」
「いつだって成功の確率、ほとんどゼロじゃないかよ!」
 ここでウルフウッドは額に出来た傷をさすりながら、彼女の通り名であるゼロの意味を理解した。

「なぁ、おじょうちゃん」
「なによ!」
 廊下を歩くルイズは機嫌が悪い。さっきの授業の大失敗があったからだ。
今は着替えを取るためにルイズの部屋へ向かって歩いている。
ウルフウッドも教室に一人残っても仕方がないので、その後にくっついている。
「さっきのがじょうちゃんの魔法か?」
「なによ! それって嫌味!」
 ルイズにキッとにらまれて、ウルフウッドは「ちゃうちゃう」と両手を胸の前で振る。
「ワイ、魔法のことは全然わからへんけど、悪うないと思うで」
「はぁ?」
 ルイズはますますをもってして不機嫌そうに聞き返す。
この使い魔はしょうもない慰めでも言おうとしているのだろうか。だとしたらなおさら情けない。
「あんな大失敗のどこが悪くないのよ! どうせわたしはゼロのルイズよ! どんな魔法を使っても爆発ばかりの!」
「おじょうちゃん、あの爆発は狙って起こせるんか?」
「狙っても狙わなくても、魔法を唱えればね!」
「やったら悪ないで、あれ」
「何が?」
「一瞬で机を粉々にする破壊力は悪うない。言うやろ? なんたらとはさみは使いよう、て。やから使い方次第であれは活かせる、ってあいたぁ!」
 ルイズが思いっきりウルフウッドのすねを蹴飛ばした。ウルフウッドはすねを抑えて片足で飛び上がる。
「なにさらすねん!」
「あんたがへんなことを言うからでしょうが!」
 ルイズはすねをさするウルフウッドを置いて、肩をいからせて歩く。
本当にデリカシーがない。励ますにしてももっとましな励まし方はないのだろうか、まったく。

234 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:09:25 ID:xePpqn/c


 その日の夜、トリステイン魔法学院校長室、ここでコルベールは校長であるオスマンに報告を行っていた。
「で、その使い魔が伝説のガンダールブであるというのかね?」
「えぇ、そのとおりです、オールドオスマン。これを見てください」
 コルベールは何かの本をオスマンに差し出す。オスマンはその本を見ると「うむ、確かに」とだけ呟いた。
「それに現に彼はドットメイジとはいえ、あのグラモン家の子息であるギーシュを打ち負かしました。
我々も遠見の鏡で見たでしょう? あの動き、明らかに人知を超えています」
 オスマンは無言で腕を組み考え込む。
「伝説の使い魔ガンダールブ、か。それはそうと、君、やけに落ち着いているというか冷静じゃな」
「と、言われますと、オールドオスマン?」
「てっきり君のことじゃから、もっと興奮してまくし立てるかと思ったのじゃけれども」
「いえ、ちょっと気にかかることがありまして」
「何じゃその気にかかる事というのは?」
「大したことではございません」
 そう呟くように言うと、彼は禿げ上がった頭をハンカチで拭いた。
 彼の脳裏では昼間にあの使い魔が一瞬見せた狼のような目が焼きついていた。
なんとかその場では冷静な対応を保てたものの、正直その瞬間全身が粟立った。
彼は知っていた、あのような目をする人種を。
 あの男はただの気さくな若い男などではない。
その瞳の奥には自分の想像も付かないような恐ろしい獣が棲み付いている。
コルベールはそんな確信めいた不安に取り付かれていた。
 そして、そんな男がガンダールブの力を得たこと。そこに彼はどうしようもない恐怖を感じていた。


235 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:10:43 ID:xePpqn/c
 一方その頃、肝心の話題に上っている男であるウルフウッドはルイズの部屋にてある頼みごとをしていた。
「武器屋に連れてってくれ、ですって?」
「そや」
 ウルフウッドは部屋の隅に敷いた自分用の藁の上で胡坐をかきながら、ベッドに座るルイズを見ている。
「出来る限り早いうちに、この辺りに武器屋みたいなとこがあったら案内して欲しいねん」
「と、唐突に一体何を言い出すのよ? 第一武器なんて何のために必要なわけ?」
「ワイは使い魔やろ、つまりはおじょうちゃんをまもらなあかん。そうすると武器が必要になるのは当たり前やないか」
 嘘八百もええとこやな、とウルフウッドは思う。
「確かにそりゃそうだけれども、でも……」
「頼むて。別になんか欲しいわけやない。どんな武器があるか知りたいだけやねん」
 それはウルフウッドの本心だった。自分の持っている銃器の類は確かに強力な武器だ。
しかし、銃器には共通して弾丸を消費するという弱点がある。
つまり、彼は確認しておきたかったのだ。この世界の文明のレベルを。
そして、自らの牙を思う存分振り回せる環境にあるかどうかを。
「あんた十分強いじゃない。それなのになんで武器なんかに興味を持つの? それで十分でしょ?」
 もっともだ。ウルフウッドは心の中でルイズの言葉に首を縦に振った。
しかし、彼の中にあるある種の本能のようなものがそれを許さない。落ち着かないのだ。
銃を奪われた自分など想像もしたことがない。
 こんな別世界に来てまで――彼は心の中でそう呟いて自嘲気味な笑みを浮かべた。
体の芯まで染み付いた暗殺者としての本能に抗えない自分自身をあざ笑った。
 正直に白状すると、彼の精神は高ぶっていたのだった。
あの時、ギーシュのワルキューレをパニッシャーで殴り飛ばした時。
体が異常に軽かった、意識が研ぎ澄まされていくのを感じていた。
なぜだかはわからない。
けれども、自分は間違いなくそこに確かな満足感と快感を感じていた。
「まぁ、明日は虚無の曜日だから、別にあんたをつれていくのは構わないけど」
 ルイズは納得できないなりにも、一応ウルフウッドの要求は筋は通っているので気が進まないながらも、しぶしぶながら許諾した。
「おおきに」
 そしてウルフウッドは人懐っこそうに笑った。
 ルイズは思った。彼がそうやって人懐っこそうに笑うほどに、それが虚ろに見えてくることを。


236 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:12:44 ID:xePpqn/c
「なぁ、移動手段て馬以外ないの? けつが痛うてしゃあないんやけど」
「文句言わないの。これだから馬にも乗った事のない平民は」
「そやかて、三時間もけつ揺さぶられたらそらきついで」
「あー、もう、街中で下品な言葉使わないで!」
 二人は約束どおりトリステインの城下町にやって来ていた。
尻をさすりながら文句を言うウルフウッドの前をルイズがずんずんと進んでいく。
「けど、馬いうのは不便やな。遅いし。荷物は運べへんし。けつは痛いし」
「あのねえ」
 なおも文句を言い続けるウルフウッドに向かってルイズは振り向いてまくし立て始めた。
「ごちゃごちゃうるさいのよ! 第一、あんたのあの重たい十字架、だったけ? 
あんなもの馬が運べるわけないでしょうが! あんな重たいもの乗せたら馬の背骨が折れるわよ!」
 そうなのである。朝、出発しようとしたときウルフウッドはいつもの癖でパニッシャーを担いだまま馬に乗ろうとしたのだ。
「お前らちゃんと魔法以外の技術にも目を向けたほうがええぞ」
 ウルフウッドはため息を付くように誰へともなく呟いた。
「それとあとすりには気をつけなさいよね。この界隈はほんとうに多いんだから」
「こういう人があつまるところですりがおんのは、どこの世界も変わらへんな」
 変なところでウルフウッドは感心していた。
ちなみに今はウルフウッドが財布を預かっている。貴族は財布なんか下僕に持たせるのよ、と言われたからである。
「――っと。言うてるそばからか」
 ウルフウッドは自分のジャケットの内側へ伸ばされた手を掴んでいた。言ってるそばからすりである。
ウルフウッドはその手を差し込んできたすりの顔を見下ろした。
「おい」
 その言葉にすりは震えながら身をすくめる。
「全く、なにやっとんねん、このガキは」
 あきれるような声を出して、ウルフウッドは掴んだ手を離した。
そして、腰をかがめて目線をすりに合わせる。
そのすりは、まだ年端もいかない少年だった。
ぼろぼろになった布切れと呼ぶほうがふさわしい衣服を着て、埃だらけの髪と垢まみれの顔でウルフウッドを怯えた目で見つめる。
 その直後、もう一人の少年がウルフウッドに飛び掛ってきた。
ウルフウッドは難なくその少年の振り上げた拳を掴んで止めた。
「お前ら、ひょっとして兄弟か?」
 ウルフウッドに襲い掛かってきたもう一人の少年は、すりの少年よりも少しだけ幼そうな顔立ちをしていた。
おそらくは、兄弟二人組みのすりなのだろう。実行役の兄が捕まったので、それを助けるべく弟がウルフウッドを襲ったようだった。
 彼らは抵抗するそぶりはもう見せない。その代わり、ウルフウッドを力強くにらみつけている。
「お前ら、ちょっと待っとれ」
 ウルフウッドは落ち着いた声で兄弟に話しかける。
兄弟はウルフウッドの目を見据えたまま静かに彼の動向を見つめている。
「ちょっと、あんたなにやってるのよ」
 そんなウルフウッドの態度を訝しげに思ったルイズを、ウルフウッドは手で制する。
「すまんのう。手持ちこんだけしかないねん」
 ウルフウッドはポケットから銀貨を三枚取り出した。
これはルイズから預かっているお金ではない。
彼が時々魔法学院の厨房などを手伝って稼いでいる、彼自身のお金である。
そこの料理長のマルトーはなぜかウルフウッドをいたく気に入ったようで、ウルフウッドに簡単なアルバイトみたいなことをさせているのだった。
「一枚はオマエ、一枚はオマエ、で、もう一枚はオレや」
 そう言ってすりの少年たちの手に一枚ずつ銀貨を握らせていく。
「少のうて悪いが、ええか? これで」
 そしてウルフウッドは悪戯っぽく子供たちに笑いかけた。
子供たちの表情が光が差す様に明るくなる。
そして、彼らはウルフウッドに笑いかけると、無言のまま走り去った。
ウルフウッドはその後姿を寂しげな目をして見送る。


237 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:14:09 ID:xePpqn/c
「……何をやっているのよ、あんたは」
「あぁ、おじょうちゃんのお金には手えつけてへんから安心してな」
 何事もなかったかのようにウルフウッドは笑ってみせる。
「そうじゃなくて、どうしてあんな、へ、平民のすりにお金をあげるようなことしたのよ?」
「さあな。なんでやろな」
 残ったコインを一つ指ではじいて、それを空中で掴むと、ウルフウッドは満足そうに笑った。
ルイズは怒っているような表情でウルフウッドをにらみつける。
どういう顔をしていいかわからなかったから、とりあえず怒っているように見せているという表情だった。
「なぁ、前から思てたんやけれどもな」
 空を見上げながらウルフウッドは呟くように言う。
「な、何よ」
「あんまし無理はせえへん方がええで。自分で自分を殻に押し込めて生きていく生き方は辛いやろ」
「な、なんであんたにそんなことを! それに別にわたし自分を殻に押し込めているわけじゃないわよ!」
 ルイズはむきになってスカートの裾を両手で掴んで反論した。
しかし、ウルフウッドは空を見上げたまま気持ちよさそうに笑うだけである。
「そうか? まぁ、ええわ。あのガキ共の背中を見送ったとき、じょうちゃん笑っていたような気がしたんやけどな」
 言うだけ言ってこの使い魔はご主人様をほっといて先を歩き始めた。
 どこか納得のいかないルイズも無言でしばらくそのままたち続けたが、やがて走ってその後を追いかけた。
 ウルフウッドの後を歩きながらルイズは思う。
彼の中に感じるぽっかりと空いた様な空白は、彼が誰かに自分の心を切り出すようにして与え続けたためではないか、と。



 ウルフウッドは手に取ったものを一通り弄繰り回すように眺めると、深い深いため息を付いた。
「あかん。こんなもん旧式もええとこやで……」
「いやいや、旧式などではございませんよ。それは当店で入荷した最新式の銃でして」
「いや、そういう意味ちゃうねん。こう、もっと根本的になぁ」
 ウルフウッドは困ったような表情で、手に持った銃を眺める。
武器屋にやってきて見せてもらった最新式の銃は、彼の悪い予想どおりに単発の火打ち式。
一発撃ってしまったら終わりという代物であり、さらには金属の加工精度が悪いため命中率も低い。
「こんなんやったらないほうがマシかもしれへん」
「なによ、銃が欲しいって言い出したのあんたじゃないの」
 落ち込むウルフウッドの横からルイズが口を挟む。
しかし、ウルフウッドは首を左右に振るだけだった。


238 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:15:08 ID:xePpqn/c
 彼がここへ来た目的は二つある。
まずは、今使っている銃の弾丸、もしくはそれを作り出す技術があるのかを確認すること。
そしてもう一つは、彼のもといた世界での最後の戦いで破損したパニッシャーの修理を頼むこと。
しかし、この店の品揃えを見る限りでは、どちらも希望薄である。
 弾薬がない以上銃はあまり使えへんな。
ウルフウッドは静かに覚悟を決めた。手持ちの弾丸はパニッシャーに残っている分と、懐のマガジン一つ。
こうなってくると今までのような戦い方はできない。
 それ以外の武器、となると刃物、ナイフの類か。
これなら弾切れを心配する必要はない。
一応、護身術程度には扱いは仕込まれている。使えないことはない。
「銃よりも剣使うたほうがマシかもしれへんな」
「おう、いいこというじゃねえか、そこの若いの!」
 突然店内に響いた声にルイズとウルフウッドは同時に辺りを見回す。
しかし、そこには自分たち以外に客はいない。どういうことだ、とウルフウッドが首をひねっていると
「おう、どっちを見てやがるんだ。こっちだ、こっち」
 と、店の隅っこのほうに立てかけられた剣のほうから声がする。
「こら、うるせえぞ、デル公!」
「なんだと、この馬鹿店主が!」
 ウルフウッドはその時、店の隅に置かれた剣の一つの鍔が一人でカタカタなっているのを見た。
「まさか、あれ、剣が喋ってるんか……?」
「インテリジェンスソードね」
 ウルフウッドの疑問にルイズが答えた。
「インテリジェンスソード? なんやねんそれ?」
「簡単に言えば、意思を持った剣よ。魔法を掛けて作り出すの」
「へー、お前ら魔法使いの考えることはオレにはわからへんわ」
 ウルフウッドは目の前の異様な光景にあきれ返るような声を出す。
「おい、こら、こっちをへんなものでも見るような目で見るんじゃねえ」
「いや、十分へんなものやろ……」
「なんだと、このやろ! てめえちょっとばかしいいこと言ったから褒めてやろうと思ったのに……っと、こいつはおでれーた。お前使い手かよ」
「使い手、やと? どういう意味や?」
 剣の言葉に、ウルフウッドの視線に鋭さが宿る。
それを見たルイズはかつて一度だけ自分に向けられた狼の視線を思い出した。
「どういうもこういうもねえ、そのままの意味だよ。若えの。武器が欲しいならオレを連れていきな」
「ちょっと、あんたあんなへんなの買う気じゃないでしょうね」
 ルイズが不安そうにウルフウッドの服の裾を引っ張る。
「そうですよ、当店ではあんなのよりももっと立派な剣をいろいろと取り揃えておりますから」
 店主も両手をもみ手にしてウルフウッドに語りかけてくる。
「いや、これでええで」
「って、ちょっとあんたねえ」
 ルイズはあからさまにウルフウッドに不満な視線をぶつけてきた。しかし、ウルフウッドは軽くそれを笑っていなすと
「喋る剣なんて、おもろいやないか。それにや――武器なんて買うて一体それを誰に向けるねん、ていう話やしな」
 と少し自嘲気味にからっぽな笑みを浮かべた。


239 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:16:33 ID:xePpqn/c
「あー、くそぉ! まぢでイライラする!」
 夕暮れの大通り、といっても彼の感覚ではそんなに大きな通りでもないのだが、を歩くウルフウッドはいらだたしげに頭をぼりぼりと掻いていた。
「仕方がないでしょう! ないものはなかったんだから!」
 ルイズはそんなウルフウッドを隣で小突きながら、叱り付ける。
「けどなぁ、いくらなんでもタバコがないなんておもわへんかったで……」
「あんたの言う火をつけたら煙の出る棒みたいなのはちゃんとあったでしょ」
「どこの世の中にお香を口に加えて吸うやつがおんねん。オレが探してたんはタバコや、タ、バ、コ」
「似たようなものじゃないの」
「違う、全然違う。はぁー、死ぬまで禁煙なんぞするかいとおもてたのに。まさかこんな形で禁煙する羽目になるとはなぁ……」
 ウルフウッドは心底意気消沈していた。
彼が町に来た裏の目的、それはタバコを仕入れることだったのである。
彼が懐にいれていたタバコは土の中にいたせいか湿気ってしまって、吸えたものではなかった。
よって、ヘビースモーカーの彼はこの世界に来てから一本もタバコを吸っていない。
そろそろ禁断症状が表れる頃合だったのである。
「結局手に入ったんはこんな面白グッズひとつか」
 ウルフウッドがそう呟くと、間髪いれずにその背中から
「おい、こらてめー。このオレ様を面白グッズ呼ばわりとは言ってくれるじゃねえか!」
「え、そうなんちゃうの?」
「てめえ、伝説の剣デルフリンガー様をつかまえてその言い草とは!」
「まぁ、そんだけおもろかったら伝説にもなるわな」
 「おい、こらてめー」と憤るデルフリンガーを背に、どうでもよさそうにウルフウッドはため息を付く。
タバコがないとなんか落ち着かない。
「あんたさー、じゃあなにを考えてそんなうるさい剣なんか買ったのよ?」
「あぁ、やって、これ話し相手にちょうどよさそうやろ?」
 ルイズはその返答に思わず「話し相手ならわたしがなってあげるわよ」と言いそうになったが、そこはぐっと言葉を飲み込んだ。
「まぁ、ええやないか。どっかの誰かさんが大盤振る舞いしたせいで、どちみちこの剣しか買えへんかったんやし」
「お、大盤振る舞いですって!」
 ルイズが眉を吊り上げて立ち止まった。
「まさか、持ってきた金をほとんど寄付してしまうとは思わへんかったわ」
 そうなのである。
この町についてすりの一件があった後、ルイズは何を思ったのかウルフウッドを連れて町の福祉役所に向かい、そこに持ってきたお金のほとんどを寄付してしまったのである。
「そ、そうやって、福祉に力をいれるのも、き、貴族たる我々の義務なのよ!」
 ルイズは顔を真っ赤にして言い返す。まさかウルフウッドの行動に感化されたなんていうことは、死んでも認めたくない。
 もともと、寄付するつもりだったのである。
けど、たまたまウルフウッドが先にあんなことをやってしまったせいで、そう見えるだけなのである。
へんな対抗意識を燃やして、見栄を張ってほぼ全額寄付したなどということは絶対ない。
ルイズは心の中でそういうことにしておいた。
 そうやってむきになるルイズを見て、ウルフウッドは困ったように頬を緩ませる。
「そうか、ほなまぁそういうことにしといたるわ」
「しといたるわ、ってなによ! あんたわたしの使い魔のくせに!」
 自分を指差して真っ赤な顔でわめき散らすルイズに苦笑いを浮かべながら、ウルフウッドは前へ進んでいく。
 貴族や平民なんて枠に縛られずもっと素直に生きたらいいのに――
「けど、一旦体に染み付いてしもうた生き方いうのは、なかなか変えられへんもんやからな――」
 誰にともなく呟いた言葉は夕方の町の喧騒に消えた。


240 :虚無と狼の牙:2008/04/22(火) 21:17:46 ID:xePpqn/c
以上で投下終了です。
支援ありがとうございます。

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 21:31:01 ID:4gLi/1gs
乙でした。

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 21:32:08 ID:HEXvfl71
乙!

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 21:32:31 ID:vzfuswfU
投下乙です。これからのパニッシャーは銃ではなく鈍器として生きていく事になるのかな?、

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 21:33:25 ID:CW7p+TyM

破壊の杖が気になるね

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 21:53:09 ID:xvemWQAj
つ無限バンダナ

そしてタイトルが「ゼログレイブWolf」に変更

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 21:55:14 ID:VJ8iYViL
遅レスながら、提督の人乙です。
自分としては原作の銀英伝が好きなので、結構楽しんでおります。
続きが早く読みたいので、ガンガン投下してくれると嬉しいです!!


247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 22:08:16 ID:DU28I3xm
ウルフウッドの人乙
そりゃあの世界じゃ銃弾は無理だろうな

提督の人も乙
こんな幸せそうなマチルダ姉さんは初めてだw

248 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 22:42:02 ID:bamSsFlW
ウルフウッドの人、乙であります。
他に予約なければ、21話を50分頃から投下したいと思います

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 22:47:25 ID:AXgYcldM
支援です。なのはキャラだけじゃなくとらはキャラにももっと来て欲しいなあ

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 22:47:40 ID:0FBLEcCM
sien

251 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 22:50:23 ID:bamSsFlW
支援ありがとうございます!投下開始します

イザベラ管理人第21話:炎の色は・後編


メンヌヴィルは、おそらく20年ぶりに背筋が凍るような恐怖を味わっていた。
「クソ…なんだ、なんなんだこれは…ごぁぁ!」
今のはまずい、わき腹を抉られた。
既に右肩を深く抉られ、左腿を貫かれてかなり血を失ってしまっている。この上さらに出血するのは危険すぎる。
「ぐぉぉぉぉぉ!」
炎を生み出し、わき腹の傷を無理やり焼灼することで止血する。
また、”奴”が剣を振った。
メンヌヴィルは凄まじい激痛で意識を朦朧とさせながらも、後ろに倒れこむように体勢を低くすることで見えない攻撃を回避する。
そう、彼には見えていなかった。
だが、今、彼は攻撃を受けていた。
あの、平民だとばかり思っていた剣士。奴が剣をメンヌヴィルに向けて振るたびに、深い傷が刻まれる。
剣を振ると攻撃が飛んでくる…この事実に気づく前に致命傷を受けなかったのはまさに奇跡だ。
ありえない。こんなことはメンヌヴィルの20年に及ぶ殺し合いの経験の中にも一度もなかった。
彼はコルベールに顔を焼かれてから、温度の視界を手に入れた。
この世の全ては温度を持っており、それは空気も然りだ。
故に、彼は盲目などではなかった。何故なら、温度の視界には空気の細やかな温度変化さえも映るからだ。
如何なる攻撃も空気を変化させずに行うことは不可能だ。
炎を操れば周囲の温度が上がるし、氷を作ればその逆。風を操れば不自然に空気の温度が均一化されるし、土のゴーレムが現れれば温度分布が変化する。
加えて、彼の視界は光に左右されない。昼間だろうと、真なる闇だろうと、彼の視界を遮るものは何もない。
それは戦闘という行為において、凄まじいアドバンテージだ。
人間は基本的に視覚への依存度が高い。視覚を奪ってやればどれほどの歴戦の勇士でも戦闘能力は激減するのだ。
彼こそは闇の主。闇こそは彼の領土。
先ほどまで煌々と月光が降り注いでいた広場は、今は無粋な分厚い雲の仕業によって闇に沈んでいる。
光が漏れる食堂から離れたとはいえ、真なる闇というほどではない。そもそも、雲程度で月光が完全に遮断されることなどない。
だが、人間の視覚が効果的に機能するためには、一定以上の光が必要なのだ。
今の状況は、その一定に明らかに達していない。
すなわち、ここは彼の領土なのだ。
にも関わらず…。
奴の背中側に回り込み、メンヌヴィルは杖から巨大な炎を生み出して撃ち出そうとした。
だが、奴が”正確に”こちらを向いて不可視の謎の攻撃を放つ。
その攻撃は彼の炎に直撃して互いに威力を失ったが、至近で炎が飛び散ったせいで、彼は自身が生み出した炎によって体を炙られることとなった。
「クソ…クソォ…!」
何故だ、何故あの男はこちらの居場所がわかるのか。
常人よりも目がいいのかと思い、食堂から引き離したというのに、それでもあの男の攻撃の精度が下がることはない。
こちらが奴の死角に常に回り込んで魔法を撃っているというのに、必ず奴はそれに気づいて反撃してくる。
しかもその攻撃は、彼の視界に映らないのだ。
剣を振ったことはわかる。空気が攪拌されるからだ。だが、その後に飛来してくるはずの”何か”がまるで認識できない。
空気を全く変化させずに放つ攻撃など…見たことも聞いたこともない。
加えて、威力も速度も相当なものだ。威力はトライアングル並み、速度は《エア・ハンマー》より若干劣る程度といったところか。
さらに始末が悪く、また、信じられないことだが…”詠唱していない”。
人間が口を開いて言葉を喋れば、口元の温度が呼吸以上に上昇するはずなのだ。それさえもない。
つまり、あの男は…無詠唱で威力、速度を兼ね備えた遠隔攻撃を剣を振るという行為だけで連射していることになる。
なんなのだ…いったい、自分はどんな悪魔と戦っているのだ!
今だけは彼は光の視界がないことを悔やんでいた。
自分が戦っている悪魔の姿がわからないことがこれほどの恐怖を与えるとは…!
闇の王は、自身が今まで敵に与え続けていた恐怖の味を、初めて己で味わっていた。

252 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 22:51:44 ID:bamSsFlW
アニエスは焦燥を抱えながらも、人質を解放するために木陰で機を窺っていた。
最初の突入が失敗した時点で、彼女は続いて突入するはずだった銃士達に再び待機するように命じていた。
奇襲は失敗した時点で殲滅される危険性が高い。
故に選択した二段構えの突入が保険として機能した。
相手も手練だったのだろう、何らかの方法で最初の突入が察知されたらしく、あの学生メイジ2名も含めて6名の被害を出していた。
残りの銃士はアニエス自身も含めて6人。相手は、あの隊長らしき白髪のメイジも含めて10人ほどか。
その内、コルベールに杖を焼かれた者が一人、奇襲の際の目潰しをまともに浴びた者が何人か…敵の戦力低下はこれだけだ。
目潰しから回復していない間に攻撃を仕掛けるべきなのだが、目潰しを浴びなかった敵は確実に次の攻撃に備えて魔法を用意しているだろう。
そんな中にあって、想定外のことではあったが、風竜に乗って現れた謎の男が隊長のメイジと戦っていることは僥倖と言えるだろう。
未だに倒されていないところを見ると、謎の男はもうしばらくは隊長メイジを釘付けにしてくれそうだ。
だが…こちらはたった6人の銃士で残りの食堂に潜むメイジ全てを倒さねばならない。
加えて、敵の敵は味方として謎の男を扱ってもいいものかは疑問が残るところだ。
正直なところ、分が悪すぎた。奇襲前の戦力のままならばまだやりようもあったが…今更言っても詮無い事である。
さらに今は夜。しかも分厚い雲が双月を隠している。銃の精度が極端に落ちてしまう。
本来ならばマスケット銃の射程は100メイルほどあるが、この手触りすら感じられそうな闇の中からの狙撃では命中させるのは厳しいだろう。
そんな風に銃士隊の長として思考しながら…彼女が焦燥を感じているのは、全く別の要素であった。
本音を言うならば、彼女としては貴族のガキどもなど何人死のうがどうでもいいのだ。
彼女は20年前のダングルテールの事件以来、貴族というものへの尊敬と畏怖など完全に失っている。
皆殺しにしたいとまでは思わないが…貴族というもの全てに対して酷い嫌悪感を抱いているのだ。
そんな彼女がどうしてこんなにも焦っているのか…それは、徴兵にも応えなかったあの腰抜けの昼行灯だと思っていた男、コルベールだ。
まさか…まさか、あんな腰抜けが捜し求めたダングルテールを焼き払った悪魔だったとは!
いや、おそらくは仮面をかぶっていただけだったのだろう。だとしたら、相当な役者であると認めねばならない。
そう…あの男は、ダングルテール唯一の生き残りである彼女が断罪せねばならないのだ。
決して、決して彼女以外の者に殺されてはならない!
だのに、あの男は死にかけている。いや、もしかしたらもう死んでいるかもしれない。
白髪のメイジが放った炎に、謎の男の魔法が横から激突し、コルベールの至近距離で炸裂したのだ。今もコルベールのローブには火が燻っている。
一刻も早く駆けつけてとりあえず火を消し、自らの罪を自覚させてから殺してやりたい。
けれど、今出れば確実に食堂に潜むメイジに狙い撃ちにされる。
魔法の誘導性はマスケット銃などとは比べ物にならない。まったく、平民とメイジの差は度し難い。
アニエスは心中で、貴族に魔法を与えたという始祖へありったけの罵詈雑言を叩きつける以外に出来ることがなかった。

ケティ・ド・ラ・ロッタは下級貴族の次女だ。
下級貴族と言っても、質のいいワイン用の葡萄の栽培などで財を成しており、そこそこに裕福な家である。
そんなロッタ家の次女である彼女がこの学院に在籍している理由は、有力な上級貴族の子弟と縁を作るためと断言しても良い。
彼女としても、恋に恋する年頃であるので、そのことに不満はない。
政略結婚で見も知らぬ男と結婚させられることもなく、こうして学院で相手を選ぶことが出来るのだ、むしろ望むところである。
まぁ最初の相手として選んだギーシュ・ド・グラモンとは破局を迎えたのであるが…その程度でへこたれる彼女ではない。恋する乙女は強いのである。
だが、強いとは言っても、それはあくまで立ち直りの早さという意味だ。決して物理的なものではない。
なにせ彼女の二つ名は燠火であるのだからして、戦闘に耐えうるほどの能力ではないことは誰が聞いても明らかであろう。
さらに火というのは応用範囲が極端に狭く、日常に使える魔法はない。せいぜいが料理する時に便利、掃除した後の始末に便利…程度であるが、貴族である彼女がそんなことをする必要はない。
すなわち、彼女にとっては、魔法の才能に乏しく日常に使える魔法もないとなれば、魔法を学ぶ価値が薄いというものである。
故に、彼女は既に割り切っており、学院では恋を追っているのだ。

253 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 22:54:02 ID:bamSsFlW
だというのに…今、自分を襲っているこの状況はいったいどういうことなのか。
常に生徒教師合わせて数百人規模のメイジが在籍する、ある意味このハルケギニアにおいて最も安全であるはずの学院が、謎の男達に奇襲されて自分たちは人質にとられている。
男達が皆徴兵されてしまったところを突いたのだろうが…か弱い婦女子を人質にとるとは、レコン・キスタには羞恥心というものがないのか!
だが、いくら嘆いてもこの状況が変わることはないのである。
恐ろしくて泣いていたら、白髪のメイジに脅されるし、下を向いていたとはいえ光の炸裂のせいで目が痛いし…ケティはまた泣きたくなってきた。
だが、泣くわけにはいかない。白髪のメイジは、光が炸裂した後に外に出て行ったきり戻ってきていないが、他にも10人ほどの男達がまだここには残っているのだ。
けれど、意に反して涙腺は緩み、涙が溢れてくる。
だって、女の子だもん。
ケティは嗚咽を漏らし始めた。ケティの涙が伝染したのか、周囲の少女達も泣き出していく。
「おい、お前ら静かにしやがれ!」
先ほどの光の炸裂のせいか、目を覆っていたメイジが苛立たしげに声を荒げる。
だが、この極限状況では、もはやその怒声は逆効果にしかならなかった。
涙は次々伝播し、大声を上げて泣き出す者もいる。
「て、てめぇら…1分以内に静かにしろ、じゃねぇと全員ぶっ殺すぞ!」
戦場で生きる無法者達にとって、女の甲高い泣き声というのは、神経を鑢で逆撫でされるようなものである。
予想外の反撃にあい、さらに少女達の泣き声を浴びせられて、男達のイライラは極限に達していた。
そうだ、ここには90人もの人質がいるのである。たかだか数人殺したところで全く問題はない。
彼はやっと回復してきた目を血走らせ、どこに魔法を撃ちこんでやろうかと少女達を見回した。
その視界の隅に、何かが走っていた。
彼は瞬時に歴戦の兵としての自覚を取り戻し、そちらへ杖を向け…その正体を知った。
「あ…ネズミ…?なんだよ…」
そう、ネズミだ。小さなハツカネズミが、彼の足元にやってきたのである。
ネズミは彼を見上げ、チューチューとひとしきり鳴いた。
ネズミ…モートソグニルはこう言っているのだった。
「ふ…お前達、命が惜しければすぐに投降しな。さもないと、我が主の輝かしい戦歴を飾る数多の勲章の一つになってしまうぞ?」
そうして、モートソグニルはニヒルな笑い声をあげた。
だが哀しいかな、モートソグニルの言葉を理解できるのは、この場にはその主しかいないのである。
モートソグニルは、使い魔達の中でも屈指のハードボイルドな人生…いやさ、鼠生を送ってきた。
モートソグニルの姿を見れば、荒くれ者の猫といえども道を譲ったものだ。
そんな歴戦の勇士であるモートソグニルにとって、間抜けなオスどもの目を盗んでオスマンに予備の杖を届けることなど造作もないことである。
数々の罠…毒餌やネズミ捕りを突破し、獲物である食料を掻っ攫ったあの時に比べれば、圧倒的にスリルが足りない。
「通じるわけもなし、か。まぁ仕方あるまい。お前達は、俺の子ネズミちゃん達を泣かせた罪を償うがいい」
モートソグニルは『英雄色を好む』という格言の通り数多の子ネズミちゃんを鳴かせて来た色男…いやさ、色ネズミであるが、種族自体が違うのだし、モートソグニルの美意識にとって人間のメスは守備範囲外であった。
だが、オスマンに召喚されたせいか、はたまたオスマンに毎日のように女生徒や女教師達の下着や着替えを覗かされ続けた影響か、いつしか人間のメスも守備範囲に入るようになったのだ。
そんなモートソグニルにとって、この学院はパラダイスと言えた。
そして、モートソグニルのパラダイスを土足で踏み荒らし、あまつさえ彼しか泣かせることを許されない子ネズミちゃん達を泣かせたこの男達にくれてやる憐憫など、最初の投降を呼びかける言葉だけで充分である。
モートソグニルは最後に、他の男達にも嘲笑を浴びせると、食堂の外へと走り出て行った。
男は、何故だか妙に気に障る鳴き声を上げるネズミが走り去っていくのを見送った。
まったく、人間様を驚かせるとは、人騒がせなネズミである。
「ほっほっほ、ほれ君達、もう大丈夫じゃよ。泣かんでもよろしい」
突然あがったその声は、如何なる力を持っていたのか…少女達の泣き声をピタリととめてしまった。
声の主は…杖を奪われ、手を縛られて何の力もないはずのただの老人、オールド・オスマンであった。
食堂中の誰もが彼に注目した。
彼は常のごとく好々爺然とした笑みを浮かべ、ゆっくりと立ち上がった。
そしてこれまたゆっくりとした動作で、縛られていたはずの両手を広げた。

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 22:55:58 ID:HEXvfl71
支援

255 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 22:55:59 ID:bamSsFlW
「これからワシが、君達にステキなものを見せてやるからのう」
彼はその手に持った木の枝を楽団の指揮者のように上げ…
「なんだ、枝……?杖!?」
その手を振り下ろした。
少女達を囲んでいた4人のメイジの足元の床が一気に盛り上がり、それは人の形を取った。
慌てて他の男達が待機させておいた魔法をオスマンに放つ。
炎や氷柱、風の刃に土の散弾がオスマンを完膚なきまでに破壊すべく飛来する。
ケティは呆然としたまま、学院長がボロ雑巾のようになるのを見届けるしかなく…そして、そんなことにはならなかった。
そう、彼こそは偉大なるオールド・オスマン。
数百年生きたとさえ言われる、強大なる古きメイジ。
杖さえあれば、彼を打倒しうるメイジなどこの世に数人程度しかいない。
突如として、凄まじい突風が足元から巻き起こった。
食堂の床から空気が一気に吹き上げたのだ。
その風は、なんとも器用なことに生徒と女教師だけを避けて、敵の魔法と敵メイジだけを天井にまでその風圧で吹き飛ばした。
「ぶはぁ!」
顔面から天井という床に落下した男達の体は、続いて重力の存在を思い出して一気に落下し、再び床に叩きつけられた。
ありえない威力の風の魔法だ。
食堂に散らばった男達と、オスマンへ向けて放たれた全ての魔法を等しく天井へ吹き飛ばすほどの風をこれほどの広範囲にわたって生み出すなど、スクウェアメイジの中でも可能とする者は稀だろう。
しかも、人質達だけを避けるとは恐ろしいほどに精巧な操作。
加えて、あの異常な詠唱速度。
ゴーレムを生み出した直後にこれほどの魔法を編み上げるとは…偉大なるオールド・オスマンの名は伊達ではない。
「ほっほっほ、眼福眼福、良いものを見せてもらったわい」
全員が呆然と上を見上げている最中、突風を巻き起こしたオスマン本人は床…正確に言うなら、女生徒や女教師達の足元を見つめていた。
あまりの異常事態に誰も気づいていなかったが、全員のスカートがもろにまくれていたのである。
つまりは90人のパンツ見放題というわけだ。このためだけに風の魔法を選択したと言っても過言ではない。オスマンは自分の若さと精神力が回復していくのを感じた。
次に、オスマンは4体のゴーレムを同時に操り、捕えたメイジの杖を奪って絞め技をかけさせて意識を落とす。
そのゴーレムは、信じがたいほどに精緻な美青年の姿をしていた。
「あ…あぁ…うあぁぁぁ!」
強大な力を見せ付けられた敵メイジ達は、隊長であるメンヌヴィルがいないことも手伝って一気に戦意を喪失し、食堂から逃げ出し始めた。
ケティは目の前で恐ろしいメイジを拘束したゴーレムの姿に魅入られていた。
「ステキ…」
そのゴーレムは、彼女の心を一時射止めたギーシュよりもさらに美しい美青年であった。しかも、ただのゴーレムのはずなのに、何故だか気品さえ感じるような気もする。
「そのゴーレム、イカスじゃろ?」
いつの間にかケティの隣にいたオスマンがニヤニヤしながら話しかけてきた。
「はい、とってもステキです…」
ケティは心の底からの尊敬の眼差しを偉大なるメイジに向けた。
美少女からの無垢な尊敬の視線を受けて、オスマンはさらに若返った気がする。
そして、食堂内の女性達全員に聞こえるようにこう言うのだった。
「このゴーレムの姿な、ワシの若い頃なんじゃよ!ほっほっほ、ええんじゃよ?ワシに惚れてもええんじゃよ?」
ケティは後に述懐した。
「やっぱり…高いところから落ちると、その分、より下に落ちちゃいますね…」
偉大なるオールド・オスマンは、一気に最高潮まで高まった威厳を、たった数秒で地の底にまで貶めたのだった。

256 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 22:57:42 ID:bamSsFlW
「な…なんだ…?」
アニエスが焦燥と怒りに歯噛みしていた時、異変が起こった。
食堂から、敵メイジ数人がまろび出てきたのだ。
食堂からの逆光でわかりづらいが、全員が統制を失っているようだ。
ここ以外ないと断言できる千載一遇の好機!
「イリア、ミースは援護しろ!他は私について突撃、奴らを殲滅し、食堂内に突っ込むぞ!」
食堂内で何が起こったかはわからぬが、敵が浮き足立っていることは間違いない。
素早く命令を下し、木陰から走り出る。
食堂からはさらに一人のメイジが現れていた。
他の敵メイジとは違って幾分か小柄で、背も若干曲がっている…あれは間違いなく。
「学院長…だと!?」
その手には木の枝のような杖が握られている。
「ほっほっほ…まずは生徒達に色々と乱暴をしてくれた礼をせねばのう」
好々爺然とした笑い声をあげながらも…その小さな体からは、この場にいる全ての者を圧する強者の迫力が吹き付けている。
偉大なるオールド・オスマンが杖を一振りする。
それだけで…
「うわぁぁぁ!」
逃げ出そうとしていた二人のメイジの足元が盛り上がり、5メイルはありそうなゴーレムが現れた。
驚くべきはその造形と発生箇所。
アニエスにはどういう意味があるのかはわからないが、そのゴーレムはすらりとした体躯をローブに包んだ美青年の姿をしていた。
色が土の茶で5メイルもの巨体でなければ、人にしか見えないほどの精緻さ。
加えて、逃げ出そうとしていた二人のメイジは、オスマンからは10メイルほども離れていた。
その足元を狙ってゴーレムを作り出すなど、いったいどれほどの技量が必要だというのか。
「ほーれ、まだまだ終わらんぞい」
さらにオスマンが杖を振る。
ゴーレムは、両手に持ち上げた二人のメイジを別方向に逃げようとしていた二人のメイジに思い切り投げつける。
「ぎゃああ!」
同時に、オスマンの周囲に風が吹き上がり、空しい反撃を試みていた敵メイジの炎球を巻き上げて吹き消した。
その風はついでにコルベールのローブで燻っていた炎も蹴散らす。
ついで、オスマンの頭上で集結した風によって巻き上げられた微細な塵が、魔法によって操作を受けて冷やされた水蒸気と結びついて雲へと姿を変え、さらに《錬金》によって帯電状態となる。
「若造どもにはまだまだ負けられんからのう」
周囲が一瞬だけ昼間のように明るくなった。
まだ離れた位置にいたアニエスは、光に目を焼かれずにそれを見ることが出来た。
雷雲から幾条もの雷が伸び、オスマンに炎球を放ったメイジや、別方向に逃げようとしていた一人、さらには仲間をぶつけられて団子になっていた4人のメイジに直撃、一瞬にしてその意識を刈り取っていった。
黒焦げになっていないところを見ると、手加減がされているのだろう。さすがに生徒達の前で殺しは出来ぬということか。
だが、それを差し引いても、あれほどに精緻なゴーレムを操作しながらの《ライトニング・クラウド》とは思えぬ射程と精度だ。
「まだ敵は2名いる、逃がすな!」
銃士隊も手をこまねいているわけにはいかない。
まだ逃げ出そうとしている敵メイジの進行方向に射撃を加えて足留めする。
いったい食堂内でオスマンが何をしたのかはわからないが、すっかり戦意をくじかれていたらしいメイジは反撃しようともせずに尻餅をついた。
その間にその手の杖を斬り飛ばし、2名の捕縛も完了させる。
食堂内からは、全く同じ姿に床材の色の2メイルほどの美青年ゴーレム4体が残りの4名の敵メイジを肩に担いで現れた。
「後は隊長格のメイジだけかの…ん、こりゃいかんな」
敵メイジを全て捕縛したことを確認していたオスマンが、コルベールの傷に気づいて皺深い顔にさらに皺を寄せる。
食堂内からは十数人の水属性を操る生徒達が現れ、コルベールや負傷した銃士への治療に当たる。
アニエスは手短に部下達に敵メイジの拘束と負傷者の応急措置、白髪のメイジの捜索を命じ、コルベールへと走り寄った。
「おい、この男は生きているのか!」
アニエスの怒鳴り声に、反応する者はいなかった。
コルベールには6人もの生徒がついて治癒魔法を施しているが…一向に目を覚ます気配がない。
ややあって、コルベールを治療している見事な金髪を巻き毛にした少女が口を開いた。
「なんとか…息はあるけど…火傷が酷すぎて……あぁ…」
言葉の途中で、その生徒は精神力を使い果たしたらしく、力を失った体が崩れ落ちる。
少女の体が地面に倒れこむ直前、その体を下から支える手があった。

257 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 22:59:15 ID:bamSsFlW
「急いで医務室から秘薬をありったけ持ってくるんじゃ!はよぅせんかい!」
オスマンが声高に生徒達に指示を飛ばす声が聞こえるが…その声は、アニエスには意味ある言葉として認識されなかった。
「貴様…!」
コルベールが目を覚ましていたのだ。
苦しげに顔を歪め、内臓を傷めたのか、吐血もしているが…確かに目を覚ましていた。
「ゴホッゴホッ…せ、生徒…達は…」
「安心せい、皆無事じゃ。ミスタ・コルベール、君が護ったんじゃ」
「そう…ですか…良かった……」
コルベールに治癒をかけていた生徒達が次々と精神力を使い果たして倒れこむ。
オスマンも杖をコルベールに向け、治癒をかけるが…如何せん、火傷が内臓にも達しているらしく、秘薬なしでは延命程度が関の山だ。
今は絶え間なく治癒をかけ続けて延命し、秘薬の到着を待つしかない。
だが…そんな都合は、アニエスには関係のない話だ。
彼女は抜刀し、その切っ先をコルベールへと向けた。
「貴様が…魔法研究所実験小隊の隊長か?私は…ダングルテールの生き残りだ」
コルベールは言葉の意味を朦朧とした意識の中でゆっくりと咀嚼し…やがて驚愕に目を見開いた。
「何故我が故郷を滅ぼした?答えろ」
コルベールに無理に喋らせようとするアニエスに生徒達が抗議の視線を向ける。
だが、魔法によって精神力を消耗した彼女達の視線など、アニエスにとっては路傍の石ほどにも注意を引かない。
コルベールは復讐の炎を燃え滾らせるアニエスの瞳をしばらく見つめ…話し出した。
「命令だった…。疫病が発生し、焼かねば被害が広がると告げられ…仕方なく焼いた…」
「バカな!疫病などなかった!」
「そうだ…あれは”新教徒狩り”だった…。私は…メンヌヴィルの言う通り、村人を全員焼き殺した。仕方がなかったのだと自分に言い聞かせた…。
 けれど…何の罪もなかった彼らを焼いた”手触り”が毎日私を苛んだ。だから、私は軍をやめ…二度と炎を破壊のためには使わぬと誓った…」
コルベールは虚空を見つめ、今にも途切れそうな意識を必死に繋ぎとめた。
これは、彼の罪だ。彼女は過去からやってきた断罪者だ。
ならば、コルベールは彼女が知りたいと望むことを全て教え…そして、その手の剣で断罪されねばならない。
それまで、決してこの意識は手放してはならない。
「それで…貴様の罪が償えると思うのか?」
コルベールは総身の力を振り絞って、弱々しく首を横に振った。
そう、償えるはずがない。彼は100人以上の村人を全て焼き殺した。何の罪もない彼らを。
一時は死のうとも思った。だが、死とは本当に償いか?違う、それは逃げているだけだ。
彼を断罪していいのは、彼女だけだ。コルベールの命は、コルベールのものではない。
故に彼は、自分の残りの生を人を幸せにするための技術開発に注ごうと決め…過去からの断罪者がやってきたら、その時はこの命を差し出そうと思っていた。
今がその時なのだ。
アニエスが剣を振り上げるのが見える。
彼は穏やかな気持ちで目を瞑った。
死んだと思っていたが、生徒達の無事を確認し、ダングルテールの生き残りである彼女に知りたいことを教えてやることも出来た。
そんな時間を与えてくれた始祖に、彼は心の底から感謝していた。
一瞬だけ、罪人である自分がこんな穏やかな気持ちで断罪を受けていいのだろうかとも思ったが…すぐにそんなことはどうでもよくなる。
今まで無理やり繋ぎとめていた意識を、彼はゆっくりと手放した。
アニエスは、目を瞑ったコルベールに向けて剣を振り下ろそうとした。
だが、それを遮る影があった。
「お願い、やめて」
燃えるような赤い髪の少女だった。
「どけ!私はこの一瞬のためだけに20年生きてきたのだ!貴様などに何がわかる!」
アニエスは少女ごとコルベールを貫くために、剣を逆手に持ち替えた。
コルベールに治癒をかけていた最後の女生徒が、精神力を使い果たして意識を失った。
「お願い…彼はもう”炎蛇”じゃないわ。私達を文字通り命を賭けて救ってくれた”先生”なの…お願い…」
少女の涙と悲しみを湛えた瞳に見つめられ、アニエスの手に力が篭り、柄がギシリと軋む。

258 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 23:02:04 ID:bamSsFlW
アニエスは、20年間復讐のためだけに生きてきた。
彼女の家族を皆殺しにし、彼女の平和だった世界を焼き滅ぼした者が、安穏と生きながらえていると思うと、腸が煮えくり返るどころか燃え上がりそうだった。
その炎だけを糧に、ただの少女だった彼女は剣を取り、彼女の世界を破壊した者を見つけ出すために女だてらに騎士となった。
そして、その努力が実り、彼女は今まさにこの手を振り下ろすだけで、憎き仇をこの手で殺すことが出来るのだ。
この男を殺すために鍛えられた彼女の力は、少女ごとコルベールを刺し貫くだろう。
だが…彼女は剣を振り下ろせない。
コルベールは騙されていただけの端末に過ぎないが…それを知っても、彼女の怒りになんらの衰えもない。
ならばどうしてこの手を振り下ろせない?
それは……
『お願い、お母さんをいじめないで!』
脳裏に、幼いアニエスの悲鳴がこだまする。
そう、彼女も…こんな風に、殺人者に哀願した。
ならば…今、この男を殺そうとする自分は…あの虐殺者達と同じなのではないか…?
数瞬の葛藤…そして、次に動いたのは赤髪の少女だった。
ハッとした様子で、コルベールの手をとり、手首に触れる。
突然の行動にアニエスは呆然としたまま、何のアクションもとることができなかった。
だから…少女の言葉に、身構えることも出来なかった。
「……死んだわ……」
その言葉は、まるで至近距離から大砲を叩き込まれたように、アニエスの心を打ちのめし、爆砕した。
論理的なことは何も考えられなかった。今自分が抱く感情の名前さえもわからなかった。
様々なものが入り混じり、混沌とした感情に突き上げられ…彼女は剣を改めて振り上げた。
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!」
その剣はまっすぐに降り落ち…コルベールの顔のすぐ横に突き立った。
「く…うぅ…うぁぁぁ…」
アニエスは意味のなさないうめき声を上げながら力なく後ずさり…踵を返して、夢遊病者のような足取りで去っていった。
後には赤髪の少女…キュルケと、オスマンだけが残された。
「ふぅ…魔法を使わずに済んだようじゃのう…」
オスマンは治癒をかけながら待機させていた《スリーピング・クラウド》を解除した。
卓越したメイジである彼にとって、二つの魔法を同時に扱う術などは100年以上も前に習得済みの技術である。
キュルケはコルベールの手を取り、目を瞑ってジッと…おそらく、彼女の人生で初めて、始祖に祈りを捧げた。
だから気づかなかった。
暗闇からずっとタバサが彼らを見つめていたことに。
そして、タバサが水蒸気の炸裂によってふらつく体を引きずりながら、離れていったことに。
「コー…スケ…」
彼女の口から漏れた吐息のような言葉は、タバサ自身にさえも聞こえなかった。

食堂から離れた広場は、ねっとりとした闇に支配されていた。
分厚い雲が未だ双月を隠しているせいだ。
そんな粘るような闇の中を、耕介は体を襲う脱力感と緊張に必死に耐えながら泳いでいた。
「耕介様、来ます!」
御架月が敵の魔法行使を察知して声を上げる。
一瞬だけ、御架月が耕介の体の支配権を奪い、感知した方向へ体を向ける。
すぐさま体の制御を耕介が取り戻し、もう何発目になるのかわからない洸牙を放つ。
「がぁ!」
一瞬だけ炎が炸裂して暗闇を蹴散らし、同時に苦悶の声が聞こえる。
だが、耕介も満身創痍であった。
敵…メンヌヴィルは耕介を悪魔と評したが、それは正しくはない。
耕介も、今の状況は辛いものであった。
この暗闇の中では、身体能力的には鍛えた一般人程度である彼にはメンヌヴィルの姿は全く見えていないのだ。
ならば、どうやって攻撃に反応しているかというと…御架月の索敵能力を利用しているのだ。
御架月は、どこで魔力が消費されたかがわかる。故に、メンヌヴィルが魔法を行使した時にその場所を察知し、一瞬だけ耕介の体の制御を奪って、攻撃方向を示しているのだ。
これは逆に言えば、メンヌヴィルが攻撃してこなければ、耕介は何も出来ないということだ。
だが、これ以外に手段がない。
結果、消耗戦となる。洸牙を撃ち続け、しかも一瞬とはいえ、幾度となく御架月に体の支配権を奪われて、霊力が加速度的に消耗される。
せめて、雲が晴れてくれればもう少し視界が明瞭になるのだが…。
「耕介様、大丈夫ですか…?あ、またです!」
「大丈夫だ、御架月、雲が晴れるまで頑張ろう!」
タバサと戦った時以上に霊力を消耗し、意識を保つのが厳しくなってきた。
だが、耕介の事情などお構いなしに敵は攻撃を仕掛けてくる。
果ての見えない消耗戦は、耕介に魂を削っているような錯覚を与えていた。

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 23:02:32 ID:rwUgMJAo
支援

260 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 23:05:03 ID:bamSsFlW
アニエスが立ち去った後、タバサは耕介を探すために広場へ向かい、そこで死闘を繰り広げる耕介を見つけた。正確に言うなら、耕介と御架月の声を聞いた。
だが、今の彼女ではこの戦いに介入することは出来なかった。
普段ならば、彼女は空気の流れを読み取って、耕介と敵の位置を瞬時に察知できただろう。
しかし、今の彼女は満身創痍であった。
二度にわたる爆発による衝撃を受け、彼女の小さな体は未だにその機能を取り戻していない。
加えて、後頭部を打った影響が未だに抜けず、空気の微細な流れを読み取るような細やかな作業が出来ない。
今のタバサが出て行ったところで、温度の視界を持つメンヌヴィルに人質にでもとられるのがオチだ。
そう判断したタバサは、賭けに出ることにした。
すぐさま、その場から離れてシルフィードを呼び出し、上昇を命じたのだ。
「きゅい、お姉さま、上昇ってどこまで…えぇ!?雲までぇ!?」
渋るシルフィードに無理やり乗り、さらに上昇を命じると、シルフィードは不承不承に飛び上がってくれた。
「ほんとにお姉さまは竜使いが荒いのね…今夜は月も出てなくてシルフィは哀しいのね…」
シルフィードの愚痴を聞きながら、タバサはルーンをゆっくりと詠唱する。
これは一発勝負だ、決してしくじってはならない。
頭が痛み、集中が乱れそうになるが、なんとか抑え込んで詠唱を継続する。
シルフィードはどんどん上昇し、双月を未だに隠す雲が視界いっぱいに広がっていく。
「うぅ…寒いのね…風で遮断するにも限度ってものがあるのね…」
やがて、シルフィードは雲の真下にまで到達した。
もはや学院は豆粒のようにしか見えない高さだ。
タバサは詠唱していた魔法に全精神力を注ぎ込み続けた。
この一発で全てが空っぽになるだろう。
だが、それでも到達するかはわからない。
けれど、到達できなければ…耕介が死ぬ。
そう思うと、心の底から力が生まれてくる。
護りたいという思いが、彼女に力を与える。
(もう…父様を失った時と同じ悲しみを味わうのはイヤ…)
少女の心の叫びが、彼女の護るための魔法に更なる力を与える。
彼女は、今だけは全てを忘れた。復讐を忘れた。母を忘れた。イザベラを忘れた。シルフィードを忘れた。耕介を忘れた。自分自身さえも忘れた。
ただただ、己の全てを燃料に変え、胸に灯る炎に注ぎ込んでいく。
今、確かに彼女はスクウェアクラスの中でもさらに頂点付近へと達していた。
そして、彼女は今注ぎ込みうる自らの全てを込めて…その魔法を解き放った。
「お願い…!」
それは強力に圧縮された《エア・ハンマー》。
シルフィードを覆えるほどの大きさでありながら、その威力はスクウェアメイジが放つ通常の《エア・ハンマー》を軽くしのぐ威力を秘めている。
この《エア・ハンマー》ならば、攻城兵器としてさえ通用するだろう。
主の意を受けて飛翔した巨大な風は、一気に雲を蹴散らしながら上へ上へと昇っていく。
雲を撃ちぬき、ひたすらに月を目指して、少女の祈りを乗せた風は吹き上がっていく。

261 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 23:08:45 ID:bamSsFlW
メンヌヴィルは幾度も繰り返された攻防で、敵の行動パターンを掴み始めていた。
てっきり、敵はメンヌヴィルを空気の流れで察知しているのだと思っていた。
だが、それにしてはおかしい。敵はメンヌヴィルが魔法を使った時は反撃するが、向こうから攻撃してこないのだ。
となると、こちらの炎を目印にしているのかとも思ったが、敵の背後で炎を作り上げても、敵は反応してくる。
それらを考え合わせると…全く理由はわからないが、敵はなんらかの手段で、メンヌヴィルの魔法発動のみを察知しているのかもしれない。
これならば、向こうから攻撃してこないことにも説明がつく。
問題はその理由が全くわからないことだが…今はそんなことを悠長に検証している暇はない。
それに、今は敵も謎の攻撃を放つ度に消耗しているのが温度変化から見て取れる。
遠からずあの敵が力尽きるのは火を見るより明らかだ。
だが、今も彼の体からは出血が続き、体力を奪い続けている。
一刻も早くこの敵を殺し、逃げおおせなくては。
彼はこの作戦が失敗していることをとうに理解していた。
彼の温度の視界に映っていた銃士達が食堂の方へと消えていったのだ。奴らが一度奇襲に失敗しながらももう一度突入をかけたということは、食堂内で何かがあったと判断すべきだ。
加えて、もしも銃士達を撃退したのならば、メンヌヴィルに加勢が来るはずだが、それもない。もう確定だろう。作戦は失敗したのだ。
だが、メンヌヴィルはこの敵がいる限り逃げることも出来ない。
敵は魔法の発動を感知するのだ、《フライ》など唱えようものならば狙い撃ちにされる。
ならば走って逃げるかとも考えたが、仲間達が倒されたのならば、食堂内の学院関係者達も解放されたはずだ。
そして、その中には…”あの”偉大なるオールド・オスマンがいる。
果たして、悠長に走って逃げるメンヌヴィルを見逃してくれるだろうか?
だが、ここで果ての見えない消耗戦を続けて敵が力尽きるのを待つのか、その時間を遁走に当てた方が得策か…?
メンヌヴィルは大量の出血と精神力の消耗で判断力が鈍っていることを自覚した。
結果、彼は消耗戦を続けることを選択した。
魔法を小出しにし、敵に攻撃を使わせることに専念する。
そして、敵にもう二撃使わせたところで…敵ががっくりと膝を突いた。
どうやらメンヌヴィルの予想以上に敵は消耗していたらしい。
「ついに終わりだ…!」
彼はその場で、すぐさまルーンを詠唱し、魔法を練り上げていった。


数十秒の後…巨大な《エア・ハンマー》はついに少女の願いを達成した。
円形に雲をくりぬき、向こう側にある月が姿を現したのだ。
双月が再び、雲間から下界を照らし始める。
幸いにも雲が既に晴れかけていたおかげもある。
だが、そんなことを考える余裕は少女にはなく…全てを使い果たした彼女は、シルフィードの背から落下した。
「きゅい!?お姉さま!?」
空から落下しながら、タバサは3年前からやめていた始祖に祈るという行為を再び行っていた。
(どうか…コースケが…無事でいますように……)

262 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/22(火) 23:11:21 ID:bamSsFlW


耕介は、もはや体が自分の命令では動かなくなっていることを理解した。
さっきから必死に立ち上がろうとしているが、足はガタガタと瘧にかかったように震えるばかりで、一向に体が持ち上がらない。
いつも軽々と振っている霊剣・御架月はズッシリと重くなり、1mmさえも動かすことが出来ない。
「こ、耕介様!」
御架月の悲鳴も遠く聞こえる。
その時…不意に周囲がわずかに明るくなった。
よもやこれが天からの迎えって奴か…?などとバカなことを考えた耕介は、次の瞬間にこの事実の意味を理解し、総身の力を振り絞って叫んだ。
「御架月ぃ!」
御架月はすぐさま耕介の意図を理解した。
今まで双月を隠していた無粋な雲が突如として晴れ、再びその恩恵を与えられた広場に、自身の血によって白髪を赤く染めたメイジがいる。
彼は耕介の前方5メイルほどの位置に立ち、ルーンを口ずさんでいた。
耕介から御架月へと宗旨替えした耕介の体は、今までの消耗が嘘のように、弾丸のごとき速度でメイジへと肉薄した。
驚愕に染まるメイジの顔を、耕介は無理やり体を動かされる激痛に耐えながら見つめた。
メイジの杖の先に掌ほどの大きさの炎が生まれる。
だが、一瞬だけ耕介の体の方が、メイジを一足刀の間合いに捉える方が早かった。
そこから、力強い踏み込みと共に、袈裟懸けに霊剣・御架月を叩き込む。
世界最高の切れ味を誇る日本刀は、理想的な踏み込みと力を与えられ、杖ごとメイジを一刀両断に斬り捨てた。
「がぁ…あぁぁぁああああ…!」
メイジは、魂切るような断末魔の叫びを上げ…崩れ落ちた。
耕介は、一瞬たりともメイジの顔から目を放さなかった。
放してはならなかった。
そう…この男は、”初めて”耕介が殺した男なのだから…。
体は、再び耕介の支配下に戻り…だが、その体には自身を支える力さえも残っておらず、仰向けに倒れこんだ。
「耕介様、耕介様ぁ!」
御架月が剣から現れ、情けない声で必死に呼びかけてくる。
だが、耕介にはもはや呼びかけに応える力さえも残っていなかった。
朦朧とした視界の中で…遥かな空の彼方から、青い光が降りてくるのが見えた。
「あぁ……綺麗……だな…」
呼吸の音にさえまぎれそうな小さな声は、そばで叫ぶ御架月にさえも届かずに儚く消え去り…耕介はその意識を手放した。



以上で投下終了になります。
拙作に声援をかけてくださる方々にはいつも感謝しております、非常に励みになります。

避難所応援スレの753の方申し訳ありません、シグルイは読んだことありません(;´Д`)

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 23:15:48 ID:jZKO1y5o
さざなみの人乙ー

タァバサァァァァァァァァァァ!!!

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 23:19:01 ID:AXgYcldM
乙でした
イザベラ、タバサやエルザがさざなみ寮で暮らしている姿が幻視されて来ますが
どーなんでしょ?
異世界人や吸血鬼の一人や二人増えてもあそこならねえ…
夜の一族もいるしエルザの受け皿も…
薫を介してさくらに話を通す→薫は職業上、さくらとあまり仲良くない
那美を介して忍と話を→とらは2エンド後ではまだ那美はさざなみにいない
難しいか?


265 :ゼロのエルクゥ12 0/7 ◆yxbMPy6fic :2008/04/22(火) 23:45:42 ID:n8yR+jLP
さざなみ寮の人、乙でした。毎度楽しみにしております。
拙作ながら、こちらも5分後に投下したいと思います。予約など大丈夫でしょうか?

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 23:47:32 ID:iRkTn+ND
明日早いから支援を置いて寝ますか

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 23:48:49 ID:/d0d+ykZ
おわぁ レス頂けて感激!
耕介にもタバサにも災難が…これは何時もより続きが気になる。
さざなみの人乙でした。

ウルフウッドの人も乙です。
原作版のパニッシャーって、最後は十字架の形とは呼べない程に損傷してたと思いますが
大丈夫なのかな?


268 :ゼロのエルクゥ12 1/7 ◆yxbMPy6fic :2008/04/22(火) 23:50:44 ID:n8yR+jLP
 ルイズは、夢を見ていた。
 今日の舞台は、数年前まで住んでいた生家、ラ・ヴァリエール家の本宅。

「はあ、はあ……」

 十ほども幼い姿の自分が、当時の自分の背格好からは迷路のようにしか見えなかった庭木の植え込みの間を、息を切らせて走っていた。

「ルイズ、ルイズ、どこに行ったの? まだお話は終わっていませんよ! ルイズ!」

 後ろから、厳しい母の声が響き渡る。
 ルイズはぎゅっと目を瞑り、必死に足を動かした。彼女の安息の場所に向かって。
 そこは、広すぎる公爵家の屋敷の中で、住人達に忘れ去られた場所。
 訪れる者は世話をする庭師だけになった、舟遊びをする為の大きな池。
 池のほとりに繋がれた小舟の中が、優秀な姉達と違って魔法の出来ない自分が父や母に睨まれる事のない、幼いルイズの数少ない安心できる場所だった。

「うう、ぐすっ……」

 持ち込んである毛布にくるまると、ぎいぎいと小舟がきしむ音と、ちゃぷちゃぷと揺れる水音が、聞こえる音の全てになる。
 水と土が織り成すその調べを聞いていると、次第に悲しみに暮れていた気持ちが慰められていくのだった。

「はあ……」

 そうして、どれくらいの時間が経っただろうか。
 この光景は、過去のものだった。この後、婚約者である憧れの子爵様が慰めに来てくれたはずだ。
 しかし、これは夢。過去を回想しているわけではなく、霞に見ているただの夢だった。

「あれ……?」

 水と土の演奏が、どこか遠くに聞こえる。代わりに響いているのは―――轟と燃え盛る炎と、全てを切り裂く風からなる鋭い旋律。

「え―――?」

 毛布から顔を出し、舟の縁から周囲を見たルイズは、絶句するしかなかった。
 そこは綺麗に剪定された実家の池ではなく、どこかの河原。砂利と泥水の流れる河原に浮かぶ舟の中だった。

「ど、どこ、ここ……?」

 きょろきょろと周囲を見渡すと、瞬間、そこは舟の上ですらなくなった。

「おお、おお、エディフェル! しっかりしろエディフェル……!」
『えっ?』

269 :ゼロのエルクゥ12 2/7 ◆yxbMPy6fic :2008/04/22(火) 23:52:23 ID:n8yR+jLP
 自分の口から、野太い男の声が漏れ出る。
 その視線の先には、見た事もないような服を身にまとい、河原に横たわり、炎に照らされ、太い腕に抱かれた女性の姿があった。
 まるで、自分が抱きかかえているような視点だったが……私の腕はこんなに太くないわよ、とルイズは妙に冷静な事を考えた。
 抱きかかえている女性の胸に大穴が空いていて、その白磁のような肌にべっとりと血糊が張り付いているのも、どこか朧に目に映る。

『な、何よこれ……!』

 口を動かそうとしても、言葉にならない。胸を焼くような焦燥だけがそこに渦巻いていた。

「……わかっていたのです。こうなるであろう事は……」

 ごぼ、とその女性の口から赤い飛沫が弾ける。

「貴方を助け、貴方と共にある事は、一族への裏切り……皇女である私には、それが最大限の報復でもって贖われる事を……」
「もういい、喋るな。すぐに治療を」

 静かに、女性は首を横に振った。

「助かりません。それに……私が助かってしまったら、今度はリズエルが……」
「構わぬ。お前以外の誰がどうなろうと構わぬ。そう言ってわしを鬼としたのはお主であろうが……!!」
「ふふ、そうでしたね……」

 血を吐きながら、女性は穏やかな……酷く穏やかな表情を浮かべる。
 その儚い笑顔に、ルイズはどこか、優しい下の姉の面影を見出していた。

「ああ、愛しています、次郎衛門。願わくば、姉を……エルクゥを恨まないで」
『えっ?』

 聞き覚えのある単語に、夢心地だったルイズの意識が急に鮮明となる。

「愛している。愛しているエディフェル。だから死ぬな。わしを鬼とした主が死ぬな。その貸し、一生を捧げなくば返せぬものと知れ……っ!」
『あ、あ、う……!』

 激情。
 溶けた鉄にも似た、真っ赤な色をした激烈な感情が、容赦なくルイズの意識に流しこまれる。
 それは、耕一の『シグナル』を受け取る時と同じ感覚で―――そして、同じでは到底ありえなかった。
 耕一のシグナルが後ろからそっと肩を叩かれる程度の驚きであるとすれば、これは"ファイヤーボール"の直撃。骨まで灰になるような、溶鉄の温度だ。

「ふふっ……相変わらず厳しい方。ご心配召さらず。この身、既に全て貴方に捧げております故に……」
「ならば、ならばっ……!」

 女性の手がふらふらと伸び、自分の頬を撫でた。その指が、微かな水気に濡れる。
 それでも、身体中を焼き尽くすような溶鉄の激情は、少したりとも衰えない。

「エルクゥの御魂は、ヨークによって滅する事叶いません。幾星霜かの時の後に、また」
「……違えたら、許さぬ。お前はわしのものだ。必ずまた、来世で」
「はい。次の世でも、必ず貴方の元に」

 そうして、二人の顔が、紅に濡れた唇が近付き―――

§

270 :ゼロのエルクゥ12 3/7 ◆yxbMPy6fic :2008/04/22(火) 23:54:08 ID:n8yR+jLP
「はっ!?」

 ルイズは、がばっ、と布団を跳ね上げて目を覚ました。

「はーっ……はーっ……」

 どくん、どくん、と心臓ががなり立てている。

「な、なに、今の、夢……」

 夢、であったのだろう。実家にいたはずなのにいきなり見も知らない場所にいたり、何者かもわからないような男女の死別に居合わせたりと。

「エル、クゥ……」

 でも。
 いつもなら、浮かび上がる意識の底に置いていかれてしまう夢の内容を、今はありありと思い出す事が出来た。
 炎。風。血。微笑み。そして、溶けるような―――想い。

「ううっ」

 思い出して、ぶるりと背筋が震えた。

「なんだったのかしら……エルクゥ、って言ってたし、コーイチに関係ある事なの?」
「さあなあ。俺にゃわかりよーもねえなあ」
「ひっ!?」

 夜明けの暗がりの中、独り言に反応する声が上がって、ルイズは文字通り飛び上がった。

「なんでえなんでえ。そんなお化けでも見たような顔で驚くなってんだ」
「あ、あんたね……」

 カタカタ、と金具が鳴る音がする。それは、まだ寝息を立てている使い魔の横に立てかけられている、喋る剣の声だった。

「もう、寝る時は鞘に入れときなさいって言ったのに……」
「そんな寂しい事言うなよ娘っ子。こちとら作られてから数千年、久々に気のいい使い手に出会って充実した時を過ごせてるんだからよ」

 カタカタカタ、と大きく飾りを鳴らして笑うデルフリンガーに、ルイズはそれに負けない大きなため息をつき……続けて、大あくびをかました。

「うう、まだこんな時間じゃないの……はぁ」

 まだ薄暗がりの外を見て、布団を被りなおす。

「なんだ、また寝るのか。たまには早起きもいいもんだぞ」
「それ以上喋ったら鞘に押し込むわよ」
「むぎゅ」

 そう言ったら押し黙ったので、ふんと鼻を鳴らして目を閉じた。
 けれど、あの溶鉄のような激情を思い出して心臓は落ち着きを見せず、眠ってしまったらあの続きを見てしまうような気がして……ルイズは寝直す事の出来ないまま、段々と日が昇っていくのを眺める羽目になったのだった。

§

271 :ゼロのエルクゥ12 4/7 ◆yxbMPy6fic :2008/04/22(火) 23:55:31 ID:n8yR+jLP
「恐れ多くも先の陛下の忘れ形見、我がトリステインがハルケギニアに誇る可憐な一輪の花、アンリエッタ姫殿下が、本日ゲルマニアご訪問からのお帰りに、この魔法学院に行幸なされます」

 黒ずくめの怪しい先生の授業もハゲ頭に乗っかった金髪ロールのカツラも、睡眠の足りない胡乱な頭で見聞きしていたルイズは、その一言にはっと目を覚ました。

「姫殿下が……」

 脳裏に、懐かしい記憶が蘇る。
 それは、ちょうど朝夢に見たような、幼き日々。魔法を使えないと言う事が、まだ母の説教で済んでいた頃。

「……ふぅ」

 しかし、ルイズは首を振って、開きかけた記憶の扉を閉めた。

「覚えていらっしゃるはずがないものね」

 物心はついていた頃だから、聞けば思い出すかもしれないが、それだけだろう。
 しかも、今の自分は『ゼロ』のルイズ。何かの折に小耳に挟まれていたら、失望されているかもしれない。そんな者と幼少のみぎりに遊んでいたのか、と。
 そう考えると、知らず、ぶるりとルイズの背が震えた。

「……もう慣れたと思ったんだけどな」

 最近は、そんな事気にもしない奴等がずっとそばにいるものだから、忘れかけていたのかもしれない。『ゼロ』という二つ名に込められた意味を。

「―――生徒諸君は正装し、門に整列すること。諸君が立派な貴族に成長したことを、姫殿下にお見せする絶好の機会ですぞ! 御覚えがよろしくなるように、しっかり杖を磨いておきなさい! よろしいですかな!」

 皆が引き締まった顔でコルベールの激を聞いているのを、ルイズはどこか張りのない表情で見つめていた。

「トリステイン王国王女、アンリエッタ姫殿下のおなーーーーりーーーーッ!」

 そして昼を過ぎ。
 門に整列した生徒達の前、猛々しい声と共に、老人に手を取られた女性が、一角獣ユニコーンが綱を引く絢爛な馬車から姿を現した。
 その横には、幻獣グリフォンに跨り、大きな羽帽子で顔を隠した護衛らしき衛士の姿。
 そのどちらにも覚えのある面影を見つけ、ルイズは周囲の生徒と同じ杖を掲げた格好のまま、じっとそれを見つめている。
 不安と憧れが半々に混じった視線が、ゆらゆらと二人の間をさまよっていた。

「……キュルケさんとタバサちゃんは杖を掲げなくていいのか?」
「あたしはゲルマニアの者だもの。興味がなきゃ義理もないわ。お姫様って言っても、あたしの方が美人だしね。ま、あの衛士隊の殿方は素敵そうだけれど」
「…………」
「はは……」

 その横に控えている耕一が、同じくその横でつまらなそうにしている二人に聞くと、キュルケはいつものペースを崩さないまま、タバサなどは木陰に座って本を広げる事で、それぞれらしい返事をした。

§

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/22(火) 23:55:59 ID:ZN1hd545
しえん

273 :ゼロのエルクゥ12 5/7 ◆yxbMPy6fic :2008/04/22(火) 23:56:32 ID:n8yR+jLP
「……なるほど。誰も気付かぬうちにと、そういうわけですか」
「その通りですじゃ、枢機卿殿。ディテクト・マジックにも反応はなく、今のところどう盗んだのかすら不明ですわい」
「さて、伝統あるトリステイン魔法学院の威信が問われますな。盗まれたのが宝物ではなく生徒であったとしたら、いかがするおつもりでしたか」
「……さて、返す言葉もないですな」

 夕刻。学院長室では、昼間にアンリエッタ姫をエスコートしていた老人、このトリステインの政務を仕切る実質上の宰相であるマザリーニ枢機卿が、飄々としてはいるが、どこか弱った表情を隠せないオスマンの報告を聞いていた。
 一週間前に起こった、『土くれ』のフーケによる盗難事件の報告である。その横では、アンリエッタ姫が苦い顔で二人の話を聞いていた。

「枢機卿。過ぎた事を責めても」
「然りです殿下。ですが、これからの話に入る為には必要な事でもあるのです。オールド・オスマン。これから警備体制に関しては、こちらからも口を出させていただきますぞ。このトリステイン魔法学院には、他国からの留学生も多く預かっておりますでな」

 それが誘拐される事も有り得る。言外にそう言っていた。
 もしそうなった場合、その相手国との関係がどうなるかは、語るまでもない。

「……仕方ありますまいな」

 口だけじゃなく手も足も出す気じゃろうに、という内心を隠しながら、オスマンは弱った様子で重く頷くしかなかった。
 学院の自治は重要ではあるが、生徒の安全には代えられないのだ。そして、目の前の老人には、その担う重責―――まだ齢四十だが、その重き荷が、彼をそこまでに枯れさせてしまったほど―――に相応の、それが出来るだけの力があった。

「さて、まずは―――?」

 具体的な話を詰めようと開いたマザリーニの口はしかし―――びりびり、という大地の震えに閉じられた。

「地震ですかな。珍しい」

 アンリエッタを庇うようにマントを広げ、マザリーニが周囲を見渡す。

「ああ、枢機卿殿、これは違いますぞ。お気になさらず」
「オールド・オスマン?」

 妙に落ち着き払ったオスマンの態度に、マザリーニが怪訝な表情を浮かべた。
 再び、大きく震えた。

「とある生徒の魔法の練習ですじゃ。最近張り切っておるようでしてな。毎夜の事なのです」
「……魔法の練習? これがかね?」
「珍しい事ですが、その者は魔法を失敗すると爆発してしまうのです。この通り」

 オスマンが杖を一振りすると、横の姿見が、一人の少女の姿を映し出した。
 それを見た瞬間、アンリエッタの目と口が驚きに見開く。

「……ふむ」

 段々と夜が深くなっていく宵闇の中、桃色の長いブロンドを汗に濡らし、杖を振り続ける少女。その傍らでは、蒼い髪の小柄な少女が、その使い魔であろう大きな風竜に、爆発からの盾にするように背を預け、本を広げている。
 桃髪の少女が必死の表情で杖を振ると、近くにあった握り拳ほどの石が盛大な爆発を起こし、濛々と煙を吐き出した。

「本来は爆発音もするのですが、ちと近所迷惑だと生徒からの苦情がありましてな。とはいえ生徒の自助努力を止めるというのも心苦しいです故、彼女の友人や教師が交代で、サイレントの魔法をかけておるのです」

274 :ゼロのエルクゥ12 6/7 ◆yxbMPy6fic :2008/04/22(火) 23:58:25 ID:n8yR+jLP
 振動と映像は、一致している。
 しばらくの間、杖を振っては爆発して建物が響くのを見つめた後、マザリーニは大きくため息をついた。

「……話を進める雰囲気ではなくなりましたな。追って書状にてご連絡致しましょう」
「あいわかり申した」

 マザリーニは部屋を出て行こうと踵を返す。
 アンリエッタは同じくその少女が映る鏡を見つめていたが、その表情はマザリーニとは真逆の、どこか懐かしく嬉しいようなものを含んでいた。

「……ルイズ・フランソワーズ」
「殿下、参りますぞ」

 彼女の唇から紡がれた小さな言葉は、扉を開けてアンリエッタを待つマザリーニの耳には届かなかったようだった。

§

「よう娘っ子、今日も絶好調だったみてぇだな」
「黙りなさい溶かすわよ」

 ルイズは不機嫌そうに剣を蹴飛ばすと、湯上りで赤みの差した肌をごろんとベッドに横たえた。

「ちょっ、蹴るなってあぁん♪」
「へ、へへ、変な声を出すなぁぁぁっ!」
「ぐへ! 娘っ子それはさすがに痛えってちょっ! 相棒タンマ! ストップ! ストップ・ザ・スローイン!」
「すまんデルフ。さすがに俺もキモかった」
「ひでえよ相棒……ちょっとしたお茶目じゃねえかよ」

 デルフリンガーの声はどう聞いても中年のおっさん声であるので、冗談でも『あぁん♪』などという可愛らしい文字列は似合わなかった。
 思わずルイズがカカトで踏みつけ、耕一が窓から投げ捨てようとしてしまったのも無理ない事であったろう。

「やれやれ、ひでえ目にあったぜ」
「自業自得よ。まったく……」

 ルイズはベッドに入り直すと、早々に布団を被る。魔法の練習が疲れるのか、最近はとても健康的な時間に就寝してはいるが、それにしても早かった。まだ月が昇ってそれほども経っていない。

「もう寝るのか?」
「……今日はちょっと張り切っちゃったのよ。おやすみ、コーイチ」
「ああ、おやすみ」

 ルイズが背中を向け、さてさすがに俺も寝るには早すぎるけどどうしよう、と耕一が暇を潰す先を考え始めた時。

275 :ゼロのエルクゥ12 7/7 ◆yxbMPy6fic :2008/04/23(水) 00:00:04 ID:2RlCmfdF
 コン、コン

 と長めのストロークでドアがノックされた。

「はーい、どなたで―――」

 コココン

 耕一が応対の為に立ち上がろうとすると、再び短く三回。

「えっ!?」
「る、ルイズちゃん、どうした?」

 何か閃くものがあったのか、ノックを聞いて飛び起きるルイズ。
 数秒ほどそのドアの方を見つめると、眉を寄せながらブラウスを身に付け、おそるおそるといった感じでドアを開けた。

「……あ、あなたは」

 そこにいたのは、長く黒いマントで体を隠し、黒いフードをすっぽりと被った人物だった。
 見るからに怪しげだったが、ルイズの表情は、どこかそういう"怪しんでいる"というのとは違う驚きだった。
 黒マントはそっと唇に指を当てると素早く部屋の中に潜りこみ、フードを取り去る。その素顔に、ルイズの目が今度こそ見開いた。

「……ルイズ・フランソワ―ズ」
「ひ、姫殿下……!」
「ああ! 覚えていてくれたのね。ルイズ、懐かしいルイズ!」

 黒フードの少女―――アンリエッタ・ド・トリステインは、感極まった声でルイズに抱きつき、心から嬉しそうな笑顔を浮かべた。

276 :ゼロのエルクゥ ◆yxbMPy6fic :2008/04/23(水) 00:01:18 ID:2RlCmfdF
以上です。支援ありがとうございました。楽しんでいただければ幸い。

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 00:01:32 ID:ikEilLli
支援する

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 00:02:39 ID:56rtPGUH
おちゅー

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 00:19:54 ID:/k4813Nt
>>211
遅レスで申し訳ないが、アメリカはアラスカ級大型巡洋艦を作ってるぞ?





そして、戦後デ・モイン級重巡洋艦より戦力価値が低いとして、速攻で解体された

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 00:35:24 ID:Pdryr2Eg
む、キノコ食ったのアンアンでは無かったか
黒アンアンが自らアルビオンに乗り込む姿を幻視しておったのに…

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 01:28:44 ID:WIvj7pQA
毎度思うんだがアン様どうやって部屋を抜けたんだ?
というか、護衛の人たちの出世終わりじゃね?。

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 01:32:57 ID:jZlajKjE
>>281
昔取った何とやら
ルイズの代わりに侍女を影武者にして抜け出しているのかと

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 01:34:52 ID:uAgXubHZ
いつのまにか王女のそっくりさんと入れ替わっていたという話か

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 01:36:55 ID:EDp8HrHC ?2BP(30)
>>281
1ワルドの手引き
2トイレなど適当に理由をつけてその隙に
3金
4ノボルがそんな細かい事を一々考えて・・・・・


ん? 誰か人が来たみたいだ。
郵便かな?

今開けまー

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 01:39:38 ID:dF2jlbO6
護衛のひとも諦めてるんじゃないの?

まあ、実は虚無の系統でおっぱいエルフみたいに記憶を操っているとか。
この力をつかい、ルイズアルビオンに向かわせたりするのでは。
これであのカリスマ性にも説明がつk・・かないな。

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 01:58:04 ID:XLFTL4dG
逆に考えるんだ

護衛の人たちを一人残らず屠ってきたと考えればいいんだ

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 02:12:36 ID:ZV1aNTcb
>>286
それはもちろん性的な意味でだよな?

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 02:15:03 ID:Pdryr2Eg
そこらへん考察した作品あんま無いなあ
アンリエッタが召喚した未知の使い魔のせいとかしたら?
アンリ異世界キャラ召喚もの無いなあ
姉妹スレに一本
某所(文字通り)にスパシン召喚ものがあるくらい?

イザベラ様は結構活躍すてるのに…

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 02:22:10 ID:Pdryr2Eg
とりあえずドキドキダイナモ及び高円寺マドカを召喚してまい、せっかく亡命してきたウェールズを見ても「知らない」と言い張る
その後侵攻してきたレコンキスタの大軍を前に一人路地裏に逃げ込むアンリエッタを追うウェールズ、そこで彼が見たものは…

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 03:05:58 ID:3FJMjlKt
>>288
さあ!まとめを見直してくるんだ!
特に小ネタ

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 04:11:02 ID:wBljtBvF
>>289
性的興奮と恋愛状態での精神状態は同じようなもの、って設定だったりするんで。
展開次第では蟻が寄ってくるほど甘いストーリーも可能だったり。
(ライトシナリオはそれを利用してエネルギーを貯めていた)

マドカはマゾの気があったりするんでダークルートは
問答無用で避難所行きな展開になるだろうが。

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 07:52:07 ID:FSrPkLjx
>>288
シェンガオレン召喚してるのがまとめにあるぞ


293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 08:03:21 ID:GNGO2DNm
大蟹様の強さは異常(街破壊的な意味で

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 08:36:10 ID:6aesNjK+
キリンをガンスの砲撃ゴリ押しでしか倒せない俺にはまだまだ遠い相手か。

アン様が部屋を抜け出す方法なんてどうにでもなるんじゃない?
護衛さえ撒いてしまえば見張りは平民やせいぜいライン、アン様の護衛は銃士隊とかでメイジじゃない。
作中ではほぼ無謀でお馬鹿な行動をしているシーンがほとんどだけど、あれでも王族の血のトライアングルだし。


295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 09:32:22 ID:dWvppN4o
>>294
アンアンの護衛が銃士隊になったのはワルドの裏切りがあった後じゃなかったっけ?
メイジが信用出来なくなったから、と言う理由で。

296 :295:2008/04/23(水) 09:41:09 ID:dWvppN4o
あ。

よくよく考えたら、アンアンが学園に来たときの護衛は、ワルド率いるグリフォン隊やん。
で、アンアンならルイズとワルドの関係だって知ってるはずだな。
だとすれば、ワルドに協力させたってのが一番しっくり来るような気がする。

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 10:18:54 ID:5s94DXD0
アン「全力で見逃せ」

ワルド「イエス、マイロード」
こんなのを幻視した

298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 10:27:21 ID:nwb/1Rsr
Gクラスのひるみにくい砦蟹はひたすらに面倒

悪弩もウェールズ暗殺の目的のために全部わかってて協力したんだろうな。
抜け出すときに協力してあればついてくことも無理じゃなさそう……というか容易だろうし。

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 10:58:19 ID:+MGis5d6
どうでもいいが

メイドのシャーリーは可愛いな

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 12:04:28 ID:SOv/wHeB
メイドさんなら疑惑のセブンティーンことマリアさんを召喚…

あ、声的にもわがままお嬢様的にもやってること変わらないや

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 12:26:37 ID:D+uFWofG
>>300
ゼロのミーディアムでの中の人ネタが懐かしいなw
銀様の人、いつまでも続き待ってますよー。

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 12:31:42 ID:FSrPkLjx
>>301
実はアニメでもやってたネタ

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 13:32:16 ID:TGki+/2E
>>300
ちょっと前に個別スレに立ってたルイズ・シャナ・ナギの三姉妹スレで
シエスタに年上扱いされてこめかみをピクピクさせるマリア
さんじゅうななさいってネタがあったな。

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 13:43:03 ID:S1iMeTla
>>303
あれで17とか誰も信じんわな(苦笑
まあ、ああいう(若い頃老けて見られる)人は逆に30過ぎてもあのままなんだけど。

305 :304:2008/04/23(水) 13:44:02 ID:S1iMeTla
そして下げ忘れた OL/
スマソ

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 14:10:07 ID:DkACBlAx
メイドねたでお・り・が・みの鈴蘭とか考えたがルーンが胸になるんだろうなあ。
ゼロ繋がりなら社長なんだろうけど。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 14:33:17 ID:Krwpbj+/
女キャラの胸にルーンが現れたら色々な意味で大変である。

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 14:41:55 ID:6aesNjK+
ハゲが嬉しそうにスケッチするんだな、ルーンの周囲を含めて詳細に観察して微細に記録をとっていくのか。

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 15:06:04 ID:e5n9TrH0
男子勢は一転してルイズを賞賛するだろうな

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 15:38:18 ID:ZRsbLgbQ
>>303
マリアさんとシエスタって同い年だっけ?

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 17:48:03 ID:+H6d/Xgi
声優ネタもいいんだが、ほどほどがな
本来なら顔つき・骨格が違うのに同じ声というのはありえない

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 17:52:36 ID:TGki+/2E
>>310
一応、両方とも17歳。
ハルケギニアと地球の公転周期、というか1年の長さが違うことを考慮すれば
むしろシエスタの方が年上の可能性が…。

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 18:06:09 ID:SOv/wHeB
>>301
書き始めた理由ぶっちゃけこれがやりたかったからだったりしてw

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 18:09:28 ID:+H6d/Xgi
ハヤテの人、早くこないかな
いっそルイズの婚約者ワルドはルイズと同い年で実家は没落中で眼鏡娘のメイドさんが…

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 20:21:45 ID:Ln8/l9MZ
>>没落中で眼鏡娘のメイドさん
のくだりでロベルタを想像した俺はもう駄目だ
今月号カッコ良すぎだ

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 21:51:24 ID:DpHVyTN4
そういえばベストハウスで「インテリジェンストイレ」とか言うのがあったけど、
ゼロの使い魔で的な『意思を持ったトイレ』とかがあったら嫌だよねw


317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:01:19 ID:isxqxWw+
保管庫見てきたけど、マジカノのキャラって誰も呼ばれてないのか。
誰呼んでも面白そうだけど。

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:02:20 ID:beNHnc1G
>>316
つまり便秘の人に
「それ!!がんばれ!!!そこだ!ひしりだせ!!!」
てな感じで応援してくれたり、
「お、今日はぶっといのが出たねぇ!!」
とか言ってくれる訳か・・・

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:10:52 ID:c8MeFaEC
にしても……今日という日は静かだな。
いつもなら投下、雑談含め一日100レスは行くのだが……


320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:22:17 ID:v56wXQ82
>>318
便は確かに健康状態を知るのに役立つがウザすぎる、デルフがかすむ程に。
どうせなら便を錬金して自動で肥料にするような機能でも付けといてください。

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:25:21 ID:jwbHu9Zu
雑談か……
懐かしアニメとか懐かし漫画の話でもしますかね?
3×3EYESとかタイラーとか好きだったんだぜ
中の人つながりで

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:25:48 ID:TGki+/2E
>>319
ヱヴァDVDに引っ張られてるのかね。

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:26:28 ID:F1zIukut
>>319
18時あたり書き込めなかったからじゃない?

>>320
ウンコをカレーに錬金すれば食糧難解決ww

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:26:45 ID:2sr3N0ep
入れない人が多いんじゃないかな?
「人大杉」らしいから。

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:30:07 ID:i1YMTCxY
たしかに、今日は静かだ。

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:37:30 ID:vcDV8rK1
近頃ここに投下してくるのは糞SSが大半だからそれもよし
理想郷のほうにまともなSSがちょくちょく来てるのにお前らときたら・・・

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:38:58 ID:i1YMTCxY
>>326

荒らし乙。

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:39:40 ID:G8Kjey0J
ずいぶん太い釣り針だなww

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:42:14 ID:v56wXQ82
>>323
沖縄で、人間の便を家畜に与えて育てるってのがあったのを思い出した。
つまり学院の使い魔の食事は……

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:43:30 ID:kkIopxvF
そのうち黄金週間が始まるし、荒らしが増えてくるだろうなあ。
ああ、書く気が失せてきた。

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:44:03 ID:beNHnc1G
>>329
リサイクルリサイクル

332 :::2008/04/23(水) 22:45:47 ID:c+4F474v
スカトロだけは無理だぜ吐気するぜ

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:48:16 ID:qSvDABfs
家畜の肉の味は、与えられる飼料で決まるという。
つまり、糞便を与えられて育った家畜の肉の味は――止めておこう。

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:49:28 ID:+T6tNyVI
書き込みテスト

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:50:09 ID:t83wNn6M
さあ、そろそろメカか特撮かおっぱいの話でもしようか

336 :MtL:2008/04/23(水) 22:50:27 ID:+T6tNyVI
投下できるようになったようなので、11時から投下を開始しますー。

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:52:12 ID:uAgXubHZ
>>318
なんかのエロマンガにトイレ擬人化があったような気がするぞ

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:52:14 ID:WZvJge38
悪魔がこんにちはの人、来てくれないかな。

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:55:17 ID:+6UrfHCE
総員、マスかきやめ!支援開始!

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 22:57:13 ID:v56wXQ82
支援

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 23:00:25 ID:kkIopxvF
支援する

342 :MtL:2008/04/23(水) 23:01:12 ID:+T6tNyVI
マジシャン ザ ルイズ 3章 (30)凍える月

諮問会を終えて数時間。一時強く降った雨も、今では気分屋の婦人のようにその機嫌を直している。
まだ草葉に残る水の臭いが鮮烈な日没頃、アカデミーに二台の四頭立ての大型馬車が到着した。
まず目をひくのは選び抜かれた美しい毛並みの駿馬達。しなやかさと気高さを備えたその肉体は、まるで芸術品のようである。勿論、それに引かれる車体も引けを取らない。
一見して堅実な作りだが、そこかしこに控えるようにして拵えられた品の良い細かな装飾は、当代一流の職人の手によるもの。素材製法、全てに置いてフォーマルにフォーマルを重ねた、最高級の二台である。
子供であっても一目で分かる、さぞ名のある貴族の馬車なのだろうと。
そしてもう少し注意力があるものならば、その馬車に刻まれた紋章の意味に気がつき納得するだろう。
即ち、それは王家の馬車であった。

招待客を迎えに来た王宮の馬車に、今、彼女達は二手に分かれて乗り込んでいる。
静かに揺れる馬車に乗っているのはルイズ、ウルザ、タバサ、エレオノール、モットである。
一方、ルイズ達の馬車の後ろをついてきているはずの、もう一台の馬車にはギーシュ、モンモランシー、オスマン、コルベール、フーケが乗っている。
各々、装いは違うものの、それぞれ王宮の舞踏会に相応しい盛装を身に纏っていた。
ルイズは開いたばかりのつぼみを思わせる、ピンクのパーティードレス。その横に座るタバサは、薄い空色を基調とした薄手のドレス。
そして、同席する者の中で一番気合いが入っているのが、ボリュームある装飾がいくつもついた、太陽を思わせる黄色のドレスを身に纏っているエレオノールである。
「ど、どうでしょうか、ミスタ・ウルザ? わたくしのドレス、何か変なところはありませんか?」
胸に手を置いて向かい合って座っているウルザに問いかけるエレオノール。その胸元には花をイメージしたボリューム感あるリボンが、ふんわりと飾られている。(ルイズの見立てでは、それは胸の薄さをカバーするための知恵である)
「十分にあなたの魅力を引き出している。素敵なドレスだ」
そう言って頭を振るウルザも、所々に金の装飾をあしらった豪華なローブを身に纏っている。杖を手にしたその姿は、おとぎ話に出てくる森の老賢者の趣である。
「まあまあ!」
ドレスを褒められたエレオノールの顔が、火が灯ったようにぱっと華やいだ。
「ええ、実にお美しい。正に大輪の花のようですぞ」
と、ウルザの横でそう口にしたのはモット伯爵。彼はいつも通りの派手な色合いの服装を身に纏っていたが、舞台に合わせて更にその豪華さが数段増している。
「あら、そう」
途端に風船が萎むように表情がいつもの無愛想に逆戻り。
そしてその表情のまま、エレオノールはツンツンと自分の隣に座って外を眺めていた妹の腕をつつく。
「?」
ルイズは訝しんで横を向く。
するとそこには、再び満天の笑顔のエレオノール。そしてそのまま彼女はルイズの頭を両手で掴むと頭を低くさせて顔を触れあうほどに近づけて囁いた。
「ねぇ聞いたちびルイズ。ミスタ・ウルザが私のことを素敵ですって、ですってっ!」
笑顔のエレオノール。一方でルイズを頭を挟みこんだ両手からは、ぎちぎちといい感じの音が響いてきている。
「ね、姉さまっ、ちょ、いた、いたいっ!」
「しっ! 馬鹿ルイズっ! 声が大きいわ、ミスタ・ウルザに聞かれたらどうするのっ」
貴族の中の貴族、ヴァリエール公爵家。その長女、エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール。
完璧なまでに完璧、誇らしいほどに才女、少々棘が過ぎるがそれ以外の部分では事実上、無欠の姉上。そんな姉が、時に歯車が狂ったようにおかしくなってしまうことを、ルイズは久方ぶりに思い出した。
「姉さまっ、駄目ですわ、しっかりしてっ! お気を確かにっ!」
「だって、あのお髭、あのお髭がいけないのよ……ルイズ、あなたも大きくなったらその良さが分かるわ」
「姉さまっ! 全然話が噛み合っていませんわ! それに姉さまの場合、大きくって言うにはそろそろお歳が……」
「五月蠅いわねっ! 若いからって偉いつもりっ! このちびルイズ!」
「ず、ずびばぜん、おでぇざばはじゅうななざいでずっ!」

にぎやかな姉妹の触れ合い、その一幕。そんなやり取りをしている二人――主にそのうちの手足をばたつかせている方の一人――を見ながらモット伯爵が小さく、恍惚を含ませて呟いた
「おおぉ、なんと素晴らしい……ミス・ルイズ……まるで女神のようだ……」
などという発言は、虚空へと流され消えていった。




343 :MtL:2008/04/23(水) 23:03:56 ID:+T6tNyVI
ルイズ達を乗せた馬車が王宮に到着したときには、既に舞踏会が始まって暫くの時間が経過していたようであった。
会場ではこれでもかと着飾った、様々な年齢の紳士淑女の群、群。彼らがそこかしこでにこやかに談笑していた。

そんな喧噪に気圧されたように、二人。

「さ、流石は王宮の舞踏会ね……そこいらの舞踏会とじゃ、比べものにならないわね」
「そ、そうだね。なんだかやっと王宮の舞踏会に呼ばれてしまったってことの実感がわいてきたよ……。そう考えたら急に緊張してきた」
「私なんてさっきからずっと緊張しっぱなしよ……ねぇ、ちょっとギーシュ、私の格好、変なとこ無いかしら?」
そう問いかけたのはブロンド髪をロール、しかも今日は普段よりも念入りにロールさせた学院の秀才、モンモランシ家長女モンモランシーである。
「さ、さぁ、生憎僕にもさっぱりさっ!」
そう強ばった顔で言い切ったのは整った顔立ちの美少年、グラモン家の三男、ギーシュである。
二人とも学院の制服ではなく、この場に相応しい正装で着飾っている。しかしいかんせん、周囲の人間に比べると着慣れていないことが、傍目にも分かってしまう有様だった。
「ちょ、ちょっと大丈夫!? 本音が表返ってるわよっ!?」
気が動転して思ったことを口走っているギーシュの髪の毛をモンモランシーが掴む。
「お、おおっとっ! 僕としたことが! すまないモンモランシー! 勿論今日の君は一段と素敵だよっ!」
周囲の空気に飲まれて立ち往生してしまう学院生二人。それもまた致し方ないことであろう。
本来なら、学院生の身分で王宮の舞踏会に正体されるなどまず無いことなのである。
そもそも、学院で度々開かれる舞踏会などのイベント行事、それらはこういった場に徐々に慣れさせて順応させていくためのものなのである。
それを一足飛びにいきなり本番の、それも最も格式高い舞踏会に招待されてしまったのであるからして、二人の反応は至極当然のものであろう。

「あんた達、そんなところに突っ立ってたら邪魔よ」
そんな声をかけた彼女こそが、この場合は極まって異端なのである。

「ル、ルイズ……き、君は何か随分と平気そうだね……」
「当たり前じゃない。別に初めてって訳じゃあるまいし」
「へ、へぇ、そうなの……」
そうなのである。緊張と戸惑いで右往左往している二人に声をかけたルイズは、この最大級に公式の場にあって、微塵も怖じ気づくこと無く堂々と立っているのである。
当然と言えば当然である。彼女は幼い頃から、こういった場には慣らされているのである。
「さ、流石はヴァリエール家ね……例え三女でもこのくらいの場で緊張したりしないってことね」
「ええ、流石ヴァリエール家でしょ。好き嫌いに関わらずこういうのは慣れてるわよ。さ、こっちよ。さっきも言ったけど、もうすぐダンスが始まるの、あんた達そこにいたら邪魔になるわよ」
モンモランシーの皮肉もさらりと流し、その手を取って会場の一角へ引っ張っていく。ついで、手を引かれるモンモランシーにくっついてギーシュも移動する。
そうしてルイズが連れてきたのは、舞踏会場の端の一角。豪華な食材を使い、手間暇かけて贅を凝らした料理が所狭しと立ち並ぶ大テーブルがある一角であった。

だが、そこは同じ舞踏会場でありながら、先ほどまで二人が立っていた場所とは微妙に空気の違う、何とも言えない場所であった。
その場の空気を表現するのは難しい、が、無理に言葉にするとするなら『いたたまれない』雰囲気が漂っていた。
そこには連れ合いのいない女性、暗く沈んだ男、ギーシュ達と同様に右往左往している少年貴族、黙々と料理を食べる少女という、何とも場の華やかさに似合わない面々がどんよりと淀んでいた。
「な、何か微妙に、こう……アレじゃないかね、ここは」
「良いのよ。あんた達みたいに慣れない人間はね。ヘマやらかすくらいなら、ここでじっとしてれば」
そう、ここは華やかな場にあぶれた者達が集う一種のエアーポケット、壁の花ゾーンなのであった。
「普通ならこういう場所は誰かの付き添って来るのは通例なんだもの。確か二人とも今日は親族は来ていないのよね? だったら一人じゃ居づらいでしょ」
そのルイズの言葉に、ギーシュとモンモランシーの二人は顔を見合わせ、そして二人は合わせてコクコク頷いた。
「よろしい」

344 :MtL:2008/04/23(水) 23:07:07 ID:+T6tNyVI
そもそも、二人は貴族としてこの場に呼ばれたわけではないのである。
ウェザーライトUに乗船していた者として、この場の祝い事、つまり『戦勝祝い』に呼ばれる資格有りとして呼ばれたのである。
しかし、それも本当は女王であるアンリエッタの計らいによるもので、先の戦の勝利を呼び込んだ発光現象がアンリエッタの祈りによって導かれた始祖の加護によるものだという表向きの事情を考えれば、彼らに居場所が無いのも当然のことなのであった。

「さ、私はすることがあるから行くわね」
一通りの注意と説明をしてからその場を離れようとするルイズ、ギーシュはそんな彼女に怪訝そうな顔で声をかけた。
「ん、君は何かあるのかい?」
「ええ、挨拶をしなくちゃいけないのよ」
「挨拶回りか、大変だね」
「そんなんじゃないわ……」
そう言ったルイズは言葉を区切って振り返り、一つため息を吐いてから先を続けた。

「お父様よ」



ヴァリエール公爵家。
伝統と格式あるトリステイン王国にあって、最高位の名誉と権威と伝統とを併せ持つ、名家中の名家である。
その現在の当主であるラ・ヴァリエール公爵、ミシェル・マルセル・ド・コリニー。
舞踏会場となった王宮の大広間、そのテラス。そこでは多数の貴族達が群を成し、彼を取り囲んでいた。それも彼の影響力を考えれば無理からぬこと。
そして、そんな多忙な彼に、一つの声がかけられる。
「ごきげんよう、お父様」
背中からかけられたそんな声を耳にして、ミシェルは威風堂々の佇まいで後ろへ振り返った。
そこには妻譲りの桃色のブロンドをした、小さなレディがスカートを持ち上げて典雅な挨拶をしていた。
その姿を見て、ミシェルは威厳を保ちながら小さく唇をつり上げ綻ばせた。
「ルイズか……元気そうだな」
「はい。お父様もお変わり無いようで」
うむ、と頷いてみせる厳格な父ミシェル。
と、そこで彼に寄り添っていたもう一人の桃色のブロンドの女性――つまりルイズの母、ラ・ヴァリエール公爵夫人、カリーヌ・デジレが夫のそばから離れて周囲へ向けて控えめに手を叩いた。
「さて皆様方、夫は久しぶりに会った娘と話をしたいそうです。申し訳ございませんが、話の続きはこのわたくしがお伺い致します……」
そう言って婦人が取り巻きを引き連れて移動してしまうと、その場には父娘だけが残された。
「怪我はしていないようだな。安心した」
「……やっぱり私が戦場に出ていたこと、父さまはご存じなのですね」
「ああ、学院が襲撃を受けたとの報を受けて、すぐに調査させた」
「でしたら……」
「女王陛下は」
ミシェルが、ルイズの言葉を途中で制した。
「次の戦いでも、お前を前線に組み込むつもりでいらっしゃる」
ルイズが思いがけず息を飲む。その父の声色は。紛れもない強い怒りを含んだものであった。
「父さま、女王陛下には陛下のお考えがあって」
「駄目だ、許さん。私はどんな手段を使っても、お前を戦場に送りだそうとする女王陛下をお止めるつもりだ」
「父さまっ!」
「例えそれが、名誉ある公爵家の忠義の歴史をかなぐり捨てることになろうとも、王家に杖を交えることになろうとも、だ」
確かに父には反対されるとは思っていた。だがしかし、アンリエッタの口添えがあれば、父も納得せざるを得ないと考えてもいた。それがルイズの知る父、古い貴族の体現者、ミシェル・マルセル・ド・コリニーであったからだ。
だがどうだろう、今ルイズの前に立つミシェルは、ルイズの思い描いていたものとは全く違う態度をとっているではないか。
「父さまっ! 女王陛下には、トリステインには私の力が必要なのですっ!」
「ならんっ! 私はお前にどんな力が秘められているかは知らん。だが、どれほどの力がを宿そうともお前はヴァリエール家三女、私の娘であることに変わりない!」
その父の、強い言葉に言葉が詰まる。
気づいたのだ。いや、あるいは最初から気づいていたのかも知れない。
この厳しい父がどれほど自分を愛しているのかを、どれほど自分を大切に想っているかを。
今父の瞳に宿っているのは何だ? 怒りか?失望か? 否、違う。それは『恐れ』。
「女王陛下はお前のことを大砲か火矢のように思っていらっしゃるようだが、私は違う。お前を戦場になど絶対にやらん! お前は家に戻るのだ、そして戦争が終わるまでの間、一歩も外に出さんっ! 話はそれだけだっ!」

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 23:09:32 ID:RQDcEuNT
ルイズパパいい人、支援。

346 :MtL:2008/04/23(水) 23:10:48 ID:+T6tNyVI
「まっ……」
父が、去っていこうとする。
ルイズはその背中をとっさに呼び止めようとする。けれど、その言葉の先が続けられない。
父親の言葉で胸に熱いものがこみ上げてきて、その先が続けられない。

「お待ちになって、お父様」

だから、そこで呼び止める声がかけられたのは正しく幸運であった。

「お前も何か話があるのか、エレオノール」
立ち去ろうとした父が、もう一人の娘にに呼び止められて足を止めた。
夜のテラス、そこから伸びて煌びやかな舞踏会場へと続いている赤い絨毯の上、その上に立ちふさがるようにエレオノールが立っていた。
「お父様、少しはルイズの言うことも聞いてあげたらどうですか? お父様の言いたいことは全てルイズに伝わっているでしょうが、お父様はルイズの言いたいことを全部受け取ってらっしゃいますか」
「何を言い出すかと思えば……いいか、エレオノール。ルイズはまだ子供だ、まだ自分で物事を見極めて判断するには早すぎる。この子のことは私が一番分かっている。故に私が決断を下すのだ」
「いいえ、お父様」
そう言って、エレオノールは一歩、父との距離を縮める。
「お父様はルイズに対して過保護過ぎますわ。一度正面から向き合って、ルイズの話を聞いてあげてください」
その言葉にミシェルがぎょっとする。
「な、何を言い出すのだエレオノール。ルイズはまだ自分のことが何も分かっていないのだぞ! 一時の感情に流されて取り返しのつかないことになったらどうするというのだ!?」
「無礼を召致で申し上げますわ。それが過保護だと言うのです」
援護はあれ、反対されるとは思っていなかったミシェルがたじろぐ。
「わ、私はただルイズのことを……」

「エレオノールの言う通りですわ。あなたにとってはルイズは小さいままなのかも知れませんが、それにしても甘すぎます」
エレオノールを後押しする言葉が放たれる。その声の主は、この場にいるはずのない四人目、ミシェルの妻カリーヌのものであった。
解散させたのか退散させたのか、エレオノールの横に立ったカリーヌの周りには、先ほどまでいた人だかりは既に無い。
「お、お前まで何を言うんだっ! これが一番いい方法に決まっているじゃ無いか!」
流石にエレオノールとカリーヌ、二人を相手にすると厳格な父親ミシェルも分が悪い。女性二人を相手に、父はその体を一歩二歩と気圧される。

「父さま」

そんな父の背後へ対して、ルイズから静かな言葉がかけられた。

「父さま、ありがとうございます。私のことをそんなに思っていてくれていたこと、とても嬉しく思います」
ぞっとするような凍える月。
それを見てルイズは、かつて二度、こうして舞踏会の夜にただ月を眺めていた彼の背中を思い出す。
エレオノールとカリーヌが父を呼び止めてくれた、少しの時間。その時間で、ルイズは愛する父に口にする言葉と、覚悟を決めていた。

「ル、ルイズ……?」
「でも、私は決めたのです」

振り向いたミシェルが見たものは、月下で微笑む、これまで見たことがないような自信に満ちた娘の姿であった。
「私の生まれてきた意味、魔法も使えず、失敗ばかりだった自分が生きてきた意味、それを見つけたのです」
その瞳には強い覚悟の光が宿っている。
娘のそんな変化を目にして、父は本能的に理解してしまう。今、娘は自分から巣立とうとしているのだと。
「だ、だがっ!」
しかし、それでも引き下がらない。
無様だろうが構わない、決して娘を手放したくないその親心は偽れない。

「私は決めたのです。国のためでも、女王陛下のためでもありません、私は私の誇りの為に、この道を真っ直ぐに進むと、そう心に決めたのです。私自身に誓って」
娘の口から、決定的な一言が紡がれた。
その言葉を聞いてミシェルは、娘が、最愛の小さなルイズが、既に巣立ってしまっていたのだと悟り、今度こそ言葉を失ったのだった。

                 古代スラン時代に打ち上げられた人工天体、虚月。
                 ハルケギニアで見上げるそれは、まるで凍りついているようだ。
                                 ―――ウルザ

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 23:11:00 ID:kkIopxvF
本名出てたっけ四円

348 :MtL:2008/04/23(水) 23:14:33 ID:+T6tNyVI
投下終了です。
支援ありがとうございます。

それでは、次回もあなたのハートをチャンプブロック!


>>347
アニメイト版の設定資料集に名前があったのでそれを使ってみた次第ですー。

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 23:15:36 ID:RQDcEuNT
乙でした。
人間関係の話って好きだな〜。

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/23(水) 23:20:02 ID:kkIopxvF
>>348
Mtlさん乙でしたー。
ほう、そんなところに出ていたとは知らなんだ、レス感謝です。

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 00:30:56 ID:q9Cpgcop
だれか激流に身を任せる人召喚させないかなー

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 00:32:28 ID:U3uOUuy/
小ネタで既にある

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 00:55:07 ID:QqCBoIME
ここでカオスヒーローの人が来てくれたら嬉しすぎてサンシャインから飛び降りる

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 00:57:35 ID:oOT+caZi
>>353
カオスヒーローなのであれば、スガモプリズンでは?

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 02:53:21 ID:Ek9mYKsY
むしろ飛び降りるのならスタイリッシュな人。

356 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/04/24(木) 02:58:49 ID:zUEE9clf
こんばんは。
続きができたので、人知れず5分後から投下します。

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 03:03:47 ID:5Uejtub7
支援 するンだよ

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 03:04:28 ID:/I6AIrQm
支援!

359 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/04/24(木) 03:05:18 ID:zUEE9clf
   ◇


 結局、討伐隊はロングビル、ルイズ、キュルケ、ムスタディオの四人で構成されることになり、その場は散会となった。
 ロングビルが馬車の手配をしに行き、院長室の外に残されたルイズは、同じく立ち尽くすムスタディオとキュルケの顔色を窺っていた。
 文字通り、顔色を窺っていた。
 二人とも、普段の二人ではなかった。
 色んな「何故」が、ルイズの中で飛び交っていた。
 何も言わずに歩き始めるキュルケは、目の色がおかしい。いつもの享楽的な様子からは想像も出来ない。友達がさらわれたのだ、殺気立っていてもおかしくはない。でも、この様子はどうしたことだろう。
 まるで、出会い頭にフーケを殺す覚悟を決めているような。
 彼女の後ろを、ムスタディオが追う。彼も会議の途中で雰囲気が変わっていた。それまではうんざりしていただけのようだった。途中からの彼の顔つきを、ルイズは見たことがあった。

 ――口だけじゃないってところを、見せればいいんだな。
 ――口だけじゃなかっただろ。

 あの時の、顔だった。
 なんとなく、そうなった理由が今ならわかる気がした。
 彼は以前自分に怒っていたように、教師達にも怒っている。自分にも未だ怒っているのかもしれない。
 ムスタディオを見ている内に、彼のことをずっと考えている内に、ルイズは自分も含めた貴族というものには、とある側面があることを薄々理解し始めていた。貴族を貴族たらしめ、そしてそのために平民には受容し難い側面。
 そしてその側面に対して、彼は怒っているのだ。

(……なんで)

 学院の秘宝が盗まれ、生徒がさらわれた中、不謹慎だけど。
 ルイズは、何で今、と思わずにいられなかった。
 関係が、ちょっとずつ良くなってきていた。ルイズはそう思っていた。
 ムスタディオからも、そう思っているであろう雰囲気は、ちょっとだけ感じられた。
 なのに、何で。

 ルイズは二人の後ろを追いかけようとして、よろめいた自分に驚く。
 細い脚は、震えていた。



「ブレイブストーリー/ゼロ」-18





360 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/04/24(木) 03:06:51 ID:zUEE9clf
 寮に戻って準備をした。
 馬車に乗り込んだ。
 指定された場所まで四時間あるとロングビルから聞き、出発した。
 その間、余分な会話は一切なかった。

「――その不思議な杖はなんですの?」

 馬車の中で、たずなを握ったロングビルがムスタディオに話しかけている。

「ああ、これは杖じゃないよ。銃の一種さ」

 ムスタディオが普通に受け答えしていることに、ルイズは最初違和感を覚えた。しかし考えてみると、彼女はあの中で勇気を見せた数少ない一人である。貴族であろうと、別の扱いになったのかもしれない。

「銃? 銃というのは、金属の玉を撃ち出すものだと存じてますけど」

 そんな会話を耳に入れつつ、ルイズはフーケのことについて考えようとしていた。ムスタディオのことはとても、すごく、気にかかるが、今はそれどころじゃないのだ、と自分に言い聞かせる。
 フーケは何を考えているんだろう、と思った。
 彼の行動は一貫性がないというか、理解に苦しむ。彼は何故学院の人間を呼び寄せたのだろうか。
 何か要求を伝えるつもりなのかもしれないが、それならロングビルが持ってきた紙に一緒に書いた方が、リスクも少ない上に手間が省けるだろう。
 とすれば、学院の人間を何人か集めることに意味があるのか――少し考えてみたが、それらしい意味は思いつかない。
 キュルケに考えを尋ねようとして、止めた。キュルケは終始無言で馬車の進行方向を見つめていた。その目つきは猛禽のように鋭く、彼女は彼女で考えにふけっているらしかった。

「――そうなんですか。大層変わった武器ですわね」

 ロングビルとムスタディオの会話が耳に入って来て、ルイズは眉間を指で押さえた。気になることがたくさんありすぎて、集中できなかった。
 ルイズは八つ当たり気味にロングビルを見る。どういうわけか分からないが、ロングビルはムスタディオとその銃に興味を持っているらしい。会議の時に主たる自分ではなく、ムスタディオに協力を請うたことからもそれが伺えた。
 実を言うと、そのことにルイズはムっとしていた。ムスタディオに食ってかかろうかと思っていたくらいだった。
 でも、ムスタディオの様子を見ると、言えなかった。――顔色を窺っていた。
 彼に気遣うのはいい。でも、顔色を窺うなんてごめんだ、とルイズは思う。
 その行いは、朝方に見たへっぴり腰の教師達へと自分をどこかで繋げてしまいそうで我慢がならなかった。
 自分は貴族だ、と思う。
 そして貴族という存在は、たぶん彼が思ってるような卑属な存在じゃない。
 それを証明したい、とルイズは思った。
 恥ずべき行為は、もうしたくない。



361 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/04/24(木) 03:07:41 ID:zUEE9clf
 森へ辿り着いたのは馬車に乗って三時間ほど経ってからだった。
 鬱蒼と生い茂る木々は奥に進むにつれて濃密さを増して行く。

「ここから先は、徒歩で行きましょう」

 やがてロングビルの言葉に、全員が馬車から降りた。辺りは昼間であるにも関わらず薄暗く、何が起こるか分からない不安を煽る。
 ブレイズガンを構えたムスタディオが先行し、その後を事前に場所を調べておいたらしいロングビルが続き、方向の指示を出す。ルイズがその後で、杖を構えたキュルケが殿を守る。
 ゆっくりと進みながら、ルイズはムスタディオに話しかけた。

「ねえ、廃屋に着いてからのことなんだけど、どうする?」

 口調が恐る恐るになってしまったのが、自分ですごく嫌だった。自分は必要なことを尋ねただけだし、自分達の中で一番こういった事態での経験がありそうなのはムスタディオだ。なのに何を委縮しているのかと思う。

「オレも言おうと思ってました。作戦を考えたんだけど」

 返って来た言葉は穏やかなもので、何故か険悪だった頃の受け答えを予想していたルイズは安堵する。拒絶か、事務的な雰囲気だったらどうしようかと思っていた。この張り詰めた雰囲気は、戦いの予感に依るところが大きいのかな、と思う。
 ……はたと顔色を窺っていることに気づき、ルイズは頭をぶんぶん振った。

「……どうしたんです、いきなり首振って?」
「あ、ええと、その、ちょっと虫がたかってきて」
「?」

 首を捻るムスタディオに、少しは察しなさいよと八つ当たり気味に思いながら、その雰囲気がやはり普段とは違うことに少しだけ落ち込んだ。
 彼が自分を見る目が、何かここ数週間とは違っている気がした。
 足を休めることなく、ムスタディオが簡潔に自分の考えと作戦を話し始める。
 廃屋の立地、規模はまだはっきりしていないが、フーケの目的が読めないために迂闊な行動は控えた方が良い。そのために彼は潰しのきく作戦を立てた。

「まず、オレは廃屋の近くに寄らない。森の中に隠れています」
「あたしたち三人だけだと思わせて、油断を誘うわけ?」

 キュルケの質問に、ムスタディオが頷く。

「それにフーケが廃屋の中にいるとも限らないからさ。というよりきっと、居ない可能性の方が高いと思う。オレは森の気配を警戒して、フーケが出てきたらこいつで狙撃する」
「ミス・タバサだけ置いて、フーケ自身はもう逃げていたら喜ばしいですね」

 ロングビルが言うが、キュルケがそうであって欲しいけどね、と首を振った。



362 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/04/24(木) 03:08:50 ID:zUEE9clf
「じゃあ、私たち三人でフーケを相手するの?」
「そうだな。フーケが廃屋の前で待ち構えてた場合は、人質を盾にしてるだろうから……その時は、フーケの言いなりになってもいいから、何とか油断を誘ってください。
 フーケの姿が外にない時は、ロングビルさんとヴァリエール様は外で見張りをして、キュルケが中の探索をしてほしい」
「わたくしも行きますわ」

 ロングビルの発言に、ルイズは驚いた。ムスタディオとキュルケも怪訝そうな顔をしている。

「危険ですわ、ミス・ロングビル。それにお言葉ですけど、火のメイジであるあたしと違って戦う力に秀でてない貴女について来られると、何かあった時に守る自信がございません。相手はあのフーケなんですから」

 慇懃無礼な物腰のキュルケに、ロングビルはしかし毅然と言葉を紡ぐ。

「そうですわね、相手はあのフーケ。でしたら、わたくしたちがミス・ツェルプストーやブナンザさんと離れて行動するのはより危険かと思うのですが」
「……自分の身が可愛い、とそう仰りたいのですね、ミス・ロングビルは」

 キュルケの眼光がロングビルを射抜くが、ロングビルは澄ました顔をしている。どちらにせよ剣呑な雰囲気には違いなかった。

「ちょっとツェルプストー、あんた何失礼なこと言ってるのよ!」
「見えたぜ」

 仲間割れに発展する前に、ムスタディオが言葉を挟む。前方を見ると、木々は数十メイル先で途切れているようで、光の差し込み方が強い。
 そしてその先に、小屋のようなシルエットが見えた。

「確かに外は危険だ。見張りはオレ一人で大丈夫だから、三人で動いて下さい。廃屋には罠があるかもしれないから、気をつけて」

 そう言うと、ムスタディオは一人先へ進み始める。
 残された三人の間には、なんとなく彼の決定は全員の指針というような雰囲気が流れていた。
 キュルケが少しだけばつの悪そうな顔で後に続く。ロングビルも歩き始める。
 ルイズも後を追おうとして――ふと、振り返った。
 耳を澄ます。

(…………?)

 気のせいかしら、と思う。
 今、何か聞き覚えのある、きゅるきゅるという鳴き声が聞こえなかったか。
 



363 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/04/24(木) 03:09:35 ID:zUEE9clf
 ――そこは森の中の空き地といった風情だった。
 およそ魔法学院の中庭程度の広さで、その真ん中に廃屋があった。元はきこり小屋だったのだろうか。朽ち果てた炭焼き用らしき窯と、壁板が外れた物置が隣に並んでいる。
 外にフーケやタバサらしき人影は見とめられなかったので、三人は空き地に踏み込む。
 ムスタディオは既に森の中へ紛れていた。どこにいるかが全く分からないその隠密っぷりに、ルイズは以前彼が「オレは後方支援だったんだ」と話していたのを思い出し、感心していた。

「やっぱり、外にはいないみたいですわね」

 物置を覗き込んでいたロングビルの言葉に、キュルケが廃屋の入り口を睨みつける。タバサは……という呟きが聞こえた。
 ルイズは、愛用の杖を握る手がじわりと汗ばむのを感じた。あの中にタバサは捕えられているのだろうか。そして、フーケがいるのだろうか。
 最初にムスタディオが話していた案に倣い、廃屋探索にはキュルケが先行することになった。窓の傍までそっと近づき、中を覗き込む。見える範囲には誰もいなかったらしい。魔法による探査を行った後、三人はキュルケを先頭にして家内へ入り込んだ。
 廃屋の中は一部屋しかなかった。中央に埃の積もったテーブルと、転がった椅子。暖炉は崩れており、テーブルの上には酒瓶が転がっている。
 部屋の隅には薪が積み上げられていることから、炭焼き小屋だったらしい。
 三人の間には、緊張の糸が張られている。両端からどんどん引っ張られていく糸だ。物音を殺し、自分達以外の気配を探る。ほんの数分の時間だったが、ルイズには糸にどんどん圧力が加えられている気がした。裂けそうなほど強く。
 がちゃりと音がした。積み上げられた薪の隣にあったチェストをロングビルが開いた音だった。息を呑むかすかな音がそれに続き、ルイズは彼女の方を見た。
 自分も息を呑んだ。

「……タバサ!」

 固まった場の雰囲気を崩したのは、キュルケの声だった。万感の思いが込められていた。
 チェストの中にいたタバサは、両手足を後ろに拘束され、口には猿轡、目も丁寧に隠されていた。キュルケの声に反応したのか、身じろぎをする。
 糸に加えられた圧力が緩む。まだ予断は許されないが、ルイズは少しほっとしてしまう自分を禁じ得ない。

「今縄を解きますね」

 ロングビルがそう言った瞬間。
 突然タバサが暴れ出した。
 ナイフを取り出していたロングビルがたじろいだ様子で一歩下がる。
 キュルケがものすごい勢いで廃屋の入り口へ杖を向け、臨戦の大勢を取った。ルイズも身構える。

 が。しばらく見据えど、外には何の気配もなかった。
 タバサが急に静かになった。

「誰もいないみた――」

 そう言いながら振りむいたルイズは、
 ――妙なものを見てしまった。

 それは、ロングビルがナイフを、拘束されたままのタバサの首に突き付けている光景だった。

「……さーて、狙い通りになったねぇ」

 ロングビルが眼鏡を外す。その眼光は、今までの柔和な印象から一転し、悪党のような鋭さを湛えていた。
 彼女は、凍りついたルイズとキュルケに言い放った。

「杖をこちらに捨ててもらおうか。外に気づかれないように、そっとだよ」

 今まで見せたこともないような、蓮っ葉な含み笑いを溢しながら。

364 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/04/24(木) 03:10:20 ID:zUEE9clf
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました!

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 03:20:48 ID:5Uejtub7
乙です。
今の所、タバサの予定通りなんだろうか?
ブレストのタバサは、見ていてヒヤヒヤする。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 04:07:52 ID:iJzUJynK

いまこそシルフィードの価値が試される!!

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 05:08:31 ID:GdC0p2Fg
オハヨウ。
夢の内容をSSに起こしてみた。
日記もまともに書けない文盲だけどいいかな?
WJ連載中の某オサレ漫画のクロスです。

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 05:10:55 ID:GdC0p2Fg
よし!いくらなんでも早朝過ぎたみたいだから
また、昼過ぎくらいに来るわ!ノシ

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 05:16:57 ID:yXZcgC1c
学園アリスのルカを呼び出すとかだめかな?
ヴィンダールヴって感じなんだけど

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 06:30:30 ID:0Ssg+vqE
>>368
ちゃんと推古せずに投下されても困る。

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 07:10:22 ID:DfMVocYC
推古天皇?

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 07:34:53 ID:rDRbkMs+
推古天皇陛下に添削してもらってから来ようぜ

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 07:53:19 ID:nlK8dHz1
>>367
間違っても投下するなよ

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 09:39:15 ID:2sZMPUMF
>>297

サイトを見かけたワルドが「ゼロ!(の使い魔)」と凶暴化するんですね わかります


375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 11:11:22 ID:EfzLQHNU
推古天皇の摂政を召還して額にルーンですか

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 11:15:16 ID:+GYD1ZUC
日出処の天子の方なのか
ギャグマンガ日和の方なのか

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 11:35:40 ID:Tx/yWn5y
ギャグマンがのが面白そうだな


378 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/24(木) 11:52:20 ID:bHigPire
いや、超劇画のほうだと思います

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 12:17:41 ID:5pFfsE5D
遅ればせながらMtLのヒト乙!
このところ短い間隔で投稿があって嬉しい

380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 13:02:56 ID:xUDEH9Mj
爆撃聖徳太子の方で

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 13:15:35 ID:t7HPJsrx
いっそ、一期のラストで行方不明になったジェレミア、というよりもむしろ強化型オレンジを召喚するとか。

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 14:35:21 ID:5icDF9aD
普通にスザク召喚してみるとか
公式設定で銃弾を見切りKFを素手で破壊するそうな

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 15:00:59 ID:hgtt6zps
>>382
東方不敗?

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 15:52:38 ID:5icDF9aD
>>382
NEWTYPEの付録にそう書いてあった


385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 16:07:50 ID:R4b6yn3X
ところでヴぁんぷ!の子爵召還したら契約できんのかな?

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 16:28:16 ID:D+GbPmOv
>>385
抱き合ったりできるんだから
子爵が応じるというのが前提だけどできんじゃね

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 16:31:19 ID:n0VO402z
ルーンは一体どうなるのやら、自分で書いてもらうか

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 16:51:39 ID:h/UTwVZb
>>385
ヴァル(島)ごと召喚というのはどうだろう

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 17:36:07 ID:oyyMkg1f
ふと、こんなのを考える。

北斗の拳(アーケード版)よりトキ召喚。

……駄目だ、止められそうな奴が誰もいねぇ。
あの有情破顔拳は、下手な魔法より遥かに凶悪だ

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 18:40:00 ID:0EQ51Uvv
731 :名無しさん:2008/04/24(木) 00:08:10 ID:.UsLtVOM
人多杉 と 静かなスレ この二つが意味する事は 一つ …!!
専ブラ入れろ。 あとガキは帰れ。


732 :名無しさん:2008/04/24(木) 00:29:11 ID:4.CyKUO6
>>731
意味する事が一つじゃなくて二つになっとるがな。
まあ同意だが。

734 :名無しさん:2008/04/24(木) 12:15:25 ID:.pdxxVV2
専ブラ入れてないのはガキが中心だから、一つとするのも間違いではない気もしないでもない。


735 :名無しさん:2008/04/24(木) 14:08:01 ID:x.bD1S0E
専ブラ入れてない奴なんているのか
すげー


736 :名無しさん:2008/04/24(木) 17:02:58 ID:4wqevIN2
要するに書き手は全員おガキ様だったと


738 :名無しさん:2008/04/24(木) 18:35:00 ID:G7OEP1v6
ここで一生懸命叩いた甲斐があったな。
このまま潰しちまおうぜ!

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 18:42:53 ID:usMPZ7MB
いや、肥溜めのチンカス共がクズなのはもう十分わかってるから。

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 18:47:50 ID:6lEtepVI
トキといえばバンチって雑誌で主役やってるな。
でもあのトキは原作より神経質っぽいから素直に使い魔やってくれるだろうか?
むしろルイズがしきりに弟子入りを懇願しそうな気もするが。

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 18:50:43 ID:X1iywXrb
毒吐き住人もクズだが
専ブラ使ってないやつも2ちゃんに無駄な負担をかけてるクズだろ

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 18:52:48 ID:dIXFksdX
昔レイを召喚した話考えたが、やっぱデルフいらない子になったな
アミバだったらタバサママンに秘孔の打ち間違えで余計悪化したネタがある

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 18:56:42 ID:VVsYY65p
>>389
今すぐまとめへ行って小ネタを見てみるんだ。
きっとそこで北斗有情破顔拳を味わえる。


396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 18:59:48 ID:nlK8dHz1
下水処理場で肥溜めを馬鹿にしても同族嫌悪にしかならなくね?

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:10:52 ID:cB2G9bm8
エヴァンゲリオンが召還されてもS2機関が無ければ電池切れですぐに動かなくなるなぁ・・・
搭乗者の肉親をコアに入れないと駄目だし

聖地じゃ当代最強の兵器が出てくるわけだから、N2兵器の後に量産型エヴァが出てきたら
ハルキゲニアやばいな

使徒軍団が押し寄せてきたら防衛出来ないよな
一番弱い 蜘蛛型のやつでも図体でかいし

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:15:54 ID:0JgIulNP
>>394
武器が要らないっつーんなら、デルフを剣じゃなく「喋る防具」に設定変更してみるとか
・・・北斗世界だと肩当てくらいしかないけど

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:18:25 ID:+GYD1ZUC
そもそもガンダの「盾」なんじゃねえかなデルフ
呪文を唱えると鎧になったりするよきっと

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:18:38 ID:U3uOUuy/
そこでシンを召喚ですよ
南斗孤鷲拳以外にも南斗派の技を身に付けてるらしいからきっと剣を使う技も使えるはず
アニメでも泰山や崋山流の拳法は剣技多かったし

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:19:14 ID:JnaU704J
>>382
それがどうした
コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリーのゼロさんは
銃弾を素で弾き返し、ランスロットに蹴られても平気だぞ

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:22:23 ID:WU1da1+W
>>399
デルフが途中退場し、その代わりにライバルからインテリジェンスランスを譲り受けるんですね、わかります

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:23:48 ID:nGaFlJ2H
シエスタの祖父が変更されてたり、ゼロ戦が別の物に変更されてたり、破壊の杖もまったく別の物だったりするのは多いけど、デルフを剣以外に設定変更した作品ってあったか?
上手く活用できるならそれもありだと思うんだがな。

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:30:20 ID:4pkhFE5U
スタスクっぽい奴が召喚される話とか
ブラックアウトらしき奴が召喚される話のデルフは

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:31:17 ID:R6JjAHlF
インテリジェンスランジェリーのデルフリンガーとかやりたいけど
まず間違いなく避難所行きかエロパロ行きだと思って諦めた。

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:34:16 ID:HKnfVvZr
>>399
懐かしいなダイの大冒険

407 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:39:04 ID:xBggWVTA
>ランジェリー
そもそもサイトがそれを装着するのかw
エロ展開までもって行っても
「タバサ、この傷……俺が舐めてやる「おでれーた!」
「脱がしてもいいk「おでれーた!」

うぜぇ

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:55:48 ID:FyS4BC+f
>>403
 デルフリンガーを剣のままだが、エネルギーパック兼
制御中枢の役割にするのなら、今書いてる。
 あと何故かデルが召喚キャラのお兄ちゃんになってしまった。

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 19:57:33 ID:4Evext2Q
>>397
いいから、「ルイズが召喚 シンジ」で2ch検索する作業に戻るんだ

あ、「」は外してな

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:09:22 ID:MXgQ9/tM
ACfAより虐殺ルートの主人公をルイズが召喚。
聖地には大破したアンサラーの残骸が、深刻化するコジマ汚染、
脅威のコジマパワーにより頭髪が復活するコルベール!!
きっとシエスタはAMS適正があるんだろうな・・・

AMSから光がアッー

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:10:00 ID:1jOsevzC
デルフが剣からブローチに無理矢理魔改造されて涙目になってるヤツがあったな。

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:12:01 ID:cnKO5YCn
デルフがインテリジェンスバットっていう小ネタを今書いてるよ。

完成は早けりゃ明日、遅けりゃ一月後。

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:14:45 ID:kVM2jS6l
1/nのゆらぎか…

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:15:47 ID:QoiQum/E
>>412
適当に振るだけでホームランなんていう便利機能付きのボコボコな金属バットを思い出した

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:16:32 ID:tI1FqlZ8
>>412
ウッ☆ディ!

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:19:06 ID:lEIvsZ4T
ちんちくりんステッキデルフリンガー
デルフリンガーでぴぴるぴるぴるぴぴるぴー
そのまま飲み込んで僕のデルフリンガー
パッと思いつく改変はこのあたりが限界だった

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:32:56 ID:0/lvDJbI
そういえばあしたのルイズのデルフはグローブだったね

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:37:23 ID:JnaU704J
釘宮がバットもって、釘バット

お粗末

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:48:30 ID:0JgIulNP
>>417
あったねそんなのw
ムチャクチャな話を力技でねじ伏せたいい作品だったw

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:59:01 ID:A5MkG0ix
デルフが剣じゃないの結構あるんだな

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 20:59:30 ID:yplrWUb2
武器がバットっていうとMATHERを思い出す。

ところでMATHER2のエンディングで、一人で家に帰る時に魔境を自転車で爆走する奴っている?
俺毎回やってるんだけどwそんでそっから家までぶらり自転車一人旅w

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 21:11:14 ID:WU1da1+W
MATHERとはなんじゃらほい?
MOTHERなら知ってるが

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 21:42:09 ID:HKnfVvZr
オガァーザァーン!3ならやったことある。

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 21:46:21 ID:yplrWUb2
本当だ、スペル間違ってる。こういうのってめちゃくちゃ恥ずかしいな。


425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 21:46:49 ID:y7i3W53T
>MOTHER3
主人公のお兄さんを召喚……悲しい物語になりそうだな。
だからといってポーキーだけは召喚したくない。

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 21:49:52 ID:Wc0PYBdA
ダスターあたりは動かしやすそうだ
でも折角だからPSI使える奴を召喚したい
だけどクラウスだと重すぎる

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 21:50:31 ID:qv/v0y+d ?2BP(30)
P3よりアイギス召喚。
8月から10月頃の「〜〜であります」と「なるほどなー」が健在のときの状態で。
能力的に他の使い魔の言葉もわかりそうだし。

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 21:54:06 ID:4pkhFE5U
>>421
MOTHER2からブンブーン召喚は

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 22:08:29 ID:rRjq9/M6
>>408
デルフがお兄ちゃんという点で姉妹スレのアレを思い出した。
あれも続き書かれないな。

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 22:38:04 ID:Kwu24ng6
星の使い魔はデルフがビームセイバーになってたな。

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 22:40:37 ID:2dbN+vzB
まぶらほの式森和樹は召喚されてたっけ?

432 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/24(木) 22:41:51 ID:JGsk6tpp
やっぱり極普通の一般人が召喚されるのがいいかな。
ということで、龍が如くから桐生ちゃん召喚
伝説の極道だけど、今は堅気だから普通の人。
遥と同じ声の娘を見て何を思うか。
そこらへんにあるもの全部武器にするからルーン光りまくり。

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 22:46:03 ID:QoiQum/E
じゃあ俺はポスタル・デュードでも召喚してみるか。
猫ですら武器にしてしまうんだぜ?

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 22:52:41 ID:xhhgaz3A
>>431
デビルキシャーから逃れられてほっとしていたのを読んだような気がします……?

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 22:52:59 ID:JnaU704J
チンパン首相、召喚してくれないかなぁ
いい加減迷惑だ

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 22:54:34 ID:aEvylYt0
もし使い魔がFSSの騎士だったらデルフは技に耐えきれるだろうか?
「聖石」のシエスタだと、まだあそこまでの人外とは思えないし・・・

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:07:05 ID:gWeZOzGE
確か元々エルフ製なんだよなデルフ
初代ガンダールヴは敵からパクッた武器を自分の代名詞代わりにすることになったのか
妙な話だな

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:08:20 ID:eeEkE9/g
>>436
ヘボ騎士の方が折っちまいそうだな
天位級とかだと逆に剣に負担を掛けずに技を繰り出しそう

…つーかそんな力入れる必要ないしな、ハルケだと

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:22:04 ID:hQesgDim
>>435
あんな他国の言いなりになってる猿を召喚したらハルケギニアが終わる

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:25:08 ID:xhhgaz3A
>>435
トリステインはゴミ箱にあらず。
いいじゃないですか、周囲の馬鹿共を含めて盛大に自爆しようってんだから。

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:30:42 ID:uTcOms7s
超空転神トランセイザーから聖幻獣チーポを召喚。ルイズが全身全霊で騙される。

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:31:41 ID:7GNqCjrA
一般人召喚か…フツーの高校生じゃ才人と変わらんからな
親子連れで召喚とかどうだろ?
クラナドより朋也、汐を一巡目のバッドエンドシーンから

某同人ゲームの朋也、智代、ことみでも可
召喚されたハルケギニアでは周囲を睥睨するかのように巨大な塔が…

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:32:44 ID:oOT+caZi
>>435>>439>>440
お前らはニュー速あたりで駄弁ってろ。
政治談議は荒れるんだから。

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:33:27 ID:4olCdUX+
せっかくだからファイアーボールからドロッセルとゲデヒトニスを・・・1話進むごとに16年経っちゃうから駄目か。

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:34:15 ID:qhaiTp2x
>>437
原作読んでいなくてウィキペディアでの知識しかないが、
何となくエルフからパクッたと言うより
デルフがブリミルかその時のガンダルーヴを気に入って
ついてきた、って気がするんだが。

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:50:28 ID:lIMTztW0
初代ガンダとエルフの英雄の伝説が似てることから、初代ガンダがブリミル捨ててエルフ側についたとか、逆にエルフの英雄をブリミルが使い魔にしたんだという説も

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/24(木) 23:57:02 ID:Lawiuog2
リナ召喚ネタを書いていたんだが
もの凄い問題が
敵が敵じゃない、出会った敵が全滅していく

魔法の有効射程も、威力も、どう考えても……
駄目だった

能力のなさに悲しくなった

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:01:37 ID:rBvzRmOV
>>441
美川べるのつながりで、ストプラから巧美召喚

召喚初日に自分を馬鹿にしたガキ共を〆るな、やりたい放題のあいつなら

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:03:13 ID:8MArke/e
ギュスターヴ召喚考えてたんだが
ルイズに召喚させるより、イザベラのとこにいた方が面白くなりそうだと思った

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:06:57 ID:fxpXbd2p
ファイブリアシリーズのユンカードラスV世召喚してインテリジェンスソード二刀流なルイズ。

451 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:07:14 ID:qv/v0y+d ?2BP(30)
>>447
黒魔法抜きにしてもあの世界じゃチートすぎるからな、あそこの住人達は。
ゲーム化の時に四苦八苦した製作陣の気持ちも何となくわかる。
まぁ、ゼルとアメリア辺りならギリギリ何とかなるかな?

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:12:45 ID:qRTJF4pS
レギュラー陣がほぼ世界最強クラスだからゲーム化は梃子摺る罠w
SFCやわんだほーは良いアイディアだった。

453 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:13:14 ID:+RABurvm
>>447
開き直ってそれでやっちゃえば?
面白いと思われれば全て許される。

454 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:14:11 ID:pwXOea1K
>>451
最初からLv99の奴らのファンタジーだっけ。
>スレイヤーズ

SFCは記憶喪失PC(PC9800)版はレベル無しのゲームだったような覚えが。

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:16:10 ID:eYvhoTB/
>>446
ガンダールヴ=ガンド(魔法)・エルフ
ヴィンダールヴ=ウィンド(風)・エルフ
だしなあ

456 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/25(金) 00:24:19 ID:qGTCObJ7
>>442
一般人なら針山真吉とかどうだろう。
でも彼はあくまで脇役、エキストラ的な位置にいる人だから、
召喚されてもかれはたいした活躍ができないし、
別の主役が必要になるという問題があるな。

457 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/25(金) 00:30:03 ID:qGTCObJ7
冷静に考えると針山さんとクロスするなら、
「才人が召喚されるところを通りがかりの針山さんがたまたま見ていました」
が一番違和感ないクロスの仕方なきがする。

458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:37:09 ID:ITp2gcmu
リナ召喚か・・・
俺も考えたことがあるな・・・

ただリナの立場が使い魔ではなくルイズの魔法の師匠になってしまったが・・・

え?、使い魔になってないのかって?

無理やりやらせようとしたハゲを攻撃呪文で黙らせてナーガ直伝の魔竜吠で呼んだ魔王竜を脅してルイズの使い魔にしましたw

まあ、己の文章力が下手すぎたのでこのネタ使いたい方はどうぞ・・・

459 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:52:14 ID:/jg0nCVk
>>457
シエスタのおじいちゃんの名字が針山
これで解決
シエスタ関連のこれといった特殊なイベントがガリガリ削れそうな気がするが。

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 00:59:52 ID:Ter2eimw
針山と聞いてハリポタを連想
やつの召喚も面白そう
ハーマイオニーだとルイズが落ち込むかもだけど

461 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:11:38 ID:DJpkKhfX
投下予告。
今回はワンセブンが出ない代わりに、ちい姉さまとキュルケが変身するぜい。

462 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:15:06 ID:DJpkKhfX
まだ眠ったままの ルイズ目掛け
スカート揺らし 走り出したのよ

学院の広場へ来たの
思い出のページをそっと開くように

朝の光と影が ワンセブンくんを
金色とトパーズに染め分けてゆく

笑顔のままで 走り出すルイズを
見てたら胸がキュンってなった

あの頃 気がつかずに 通り過ぎてしまったけど
サブローが こっそり 教えてくれたの
人の17(じゅうなな)の頃


第七話「港町の夜に」

「えらく嫌われてしまいましたね」
「教皇!」
エイジスが庭園に入り、庭園の空気が少しだけ張り詰めた。
「何の用だ?」
「いえ、そろそろ昼食にでも、と思いまして」
「遠慮しておく。昼ぐらいは街で食べたいからな」
そう言って、ジローは庭園を後にした。
「本当に嫌われてしまいましたね……」
「やっぱカルロたちがあんな事をしたせいだよ」
「でしょうね。まさか難民、それも子供たちを盾にして連れてくるとは……」
「教皇、そう言えばカルロたち、どうしてるのかな?」
「あの後、人体模型ゴーレムみたいな姿になった時の、殿下に袋叩きにされましたからね。まだ医務室のベッドの上では?」
「嬉しそうに言うね……」
「あんな愚行をしでかしたんですから、安否を気遣う必要などありませんよ」
「だよねー」

463 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:16:44 ID:DJpkKhfX
ジローはロマリアの街並みを眺め、思いっきり眉をひそめた。
「“貧民窟の見本市”か。義父さんも上手いことを言ったなぁ」
街中にあふれる難民たちに目もくれない神官たちを見て、殴ろうかと思ったが、思いとどまった。
ジローは、「人は誰かを愛し守ることが出来るのと同時に、誰かを憎み傷つけることも出来ます。人間らしくなる、ということはいい事ばかりとは限らないのですよ」という、義母・マリアンヌの言葉を思い出した。
「……義母さんとアンリエッタ、元気にしてるかな?」
そう呟いた直後、ジローは聖堂騎士たちの暴挙を思い出した。

回想シーン
キカイダーの猛攻に、聖堂騎士たちは押されていた。
「教皇が、一介のはぐれ者に何の用だ!」
「残念ながら、我々も教皇聖下の意図を掴みかねておりますので……」
話すだけ無駄だと判断したのか、キカイダーは攻撃の手を強めた。
「回転アタック!」
「ぐはっ!」
「ウルトラキック!」
「ぶへっ!」
「ダブルチョーップ!」
「はがっ!」
圧倒的な強さに、聖堂騎士たちは不利を強いられた。
「殿下、大人しく我々に同行してください!」
キカイダーが振り向くと、そこには難民の子供を人質にしたカルロがいた。
「殿下が使っている鉄の馬も、既に我々が確保しています。この子が異端審問にかけられるのを見たくないのなら、我々に従ってください」
キカイダーが周りを見渡してみると、少し離れたところに置いてあったサイドマシーンは確保され、他の聖堂騎士たちも難民の子供たちを人質にしていた。
「いいだろう。その子たちを放せ」
「そうしたいのは山々ですが、こちらも任務を確実に遂行したいので、この子たちも同行させます」
(こいつら……、教皇に会った後で叩きのめす)
エイジスはキカイダーが来たとの知らせを聞いてすぐに飛び起きて歓迎したが、やたら不機嫌なキカイダーの態度と、難民の子供たちまでいることから、カルロたちが子供たちを人質にしたことに気付き激怒した。
カルロたちを叩きのめせたものの、ジローは不機嫌なまま朝食を平らげた(サラダの味は気に入ったが)。

(……子供たちも無事。聖堂騎士たちも叩きのめせたからいいか)
ジローはそのまま食事が旨い店を探して、裏通りへと入っていった。
「……もっと酷い事になってるな」
荒れ放題のうえ、所々から感じる濁った視線のせいで、裏通りに入らなきゃよかったと思うジローであった。

464 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:18:03 ID:DJpkKhfX
出発当日、トリスタニアの正門前に集合したルイズたちは、アンリエッタ、カトレア、魔天郎、サブローが来るのを待っていた。
アンリエッタとカトレアが乗った新型の重機動馬車が来た。
「王女殿下、ミス・フォンディーヌ、全員到着済みです」
重機動馬車を運転しているアニエスが口を開いた。
重機動馬車が停車し、アンリエッタとカトレアが下りてきた。
馬車の形状が気になったルイズが、アンリエッタに尋ねた。
「姫様、この馬車は?」
「アカデミーが場違いな工芸品と、以前ワンセブンさんが倒したロボットの残骸を研究して造った新型の重機動馬車で、『バリワゴン』って言うの」
「バリワゴン……」
「牽引用のガーゴイルとゴーレムを必要とせず、自力で走ることが出来るのよ」
一方、タバサが周囲を見渡していたのを見て、キュルケが問いかけた。
「タバサ、どうしたの?」
「……お父様がいない」
刹那、背後から囁く声が聞こえた。
「シャルロット」
振り向くと、そこには魔天郎がいた。
「僕は死んだ事になっている。他の人たちがいるところでは、出来れば「魔天郎さん」って呼んでくれ」
「うん。『マテンローさん』」
「……感謝する」
魔天郎は口調を変えてから礼を言った。
「そう言えばサブローの姿が見えないけど、ちい姉さまは知ってる?」
「『白いカラス』を取りに行ったはずよ」
「白いカラス?」
「召喚した時にあの子が乗っていた、鉄の馬よ」
聞きなれない単語を聞き、微妙に頭が痛くなったルイズは不意に空を見上げた。
直後、何かの影が視界を横切った。

視界を横切った影の正体は、グリフォンだった。
そして、そのグリフォンは人が乗っていた。
「久しぶりだね、僕のルイズ」
「ワルド様……」
ワルドとルイズを見ていたアンリエッタは、カトレアに聞いてみた。
「ワルド殿は、私のルイズとどのようなご関係なのでしょう?」
「互いの父同士が決めた許婚ですわ。それと姫殿下、ルイズは貴方のものではありませんが」
「許婚?」
「それも冗談交じりで」
「なんて軽率な」
「それはそうと、何故彼がここに?」
「私たち二人ではルイズを守りきれなかった時を想定して、予防策として同行させることにしたのです」
まさか、切り札として自分たちに同行させることにしたワルドが、ルイズの婚約者とは思わず、少し頭痛がしたアンリエッタであった。
そして、サブローが乗った白いカラスが猛スピードで門を通過し、バリワゴンの前で急停車した。
「アカデミーの奴ら、俺が来たらいきなり攻撃してきてな。コイツを回収するのに手こずってしまった」
「サブロー、貴方まさか……」
「安心しろ、ご主人。殴りはしたが殺してはいない」
カトレアはそう言われて安心したものの、複雑な心境が思いっきり顔に出ていた。
「姫様、一つ聞いてもよろしいですか?」
「何?」
「体が弱いのに、どうしてちい姉さまは今回のアルビオン行きに同行したんでしょう?」
「サブローが道中で血の雨を降らせるのを防ぐためだそうです」

465 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:19:46 ID:DJpkKhfX
こうして、ルイズたちはアルビオン行きの港がある町、ラ・ロシェールへと向かった。
アニエスが操縦するバリワゴンにはアンリエッタ、カトレア、キュルケ、ギーシュ、フレイム、ヴェルダンテが乗っていた。
ルイズはワルドと一緒にグリフォンに、タバサと魔天郎はシルフィードに、サブローは白いカラスに乗っていた。
「この調子なら、夕方前にはラ・ロシェールに着くかも知れんな」
白いカラスの機動力を活かし、先行して道中に異状がないかを確認していたサブローがそう呟いた直後、崖から松明と矢が放たれた。
「暇潰しにはなるな」
サブローは白いカラスごと崖を上り、崖の上にいた連中目掛けて突貫した。
崖の上にいた連中は、3分もしないうちに全員崖から叩き落された。
「ご主人たち、遅いな……」
サブローに追いつき、周囲に倒れている男たちを見て、アニエスがバリワゴンを停車させたのはそれから数十秒後であった。
「こいつら、何の目的があって襲い掛かってきたんだ?」
「金で雇われたらしい」
「雇った奴の特徴は聞いたのか?」
「聞きはしたが、ローブと仮面のせいでどんな奴かは分からないと言っていた」
「……そうか」
「アニエス、こいつらをどうする?」
「ラ・ロシェールの役場に突き出すに決まっているだろう」

夕方前のラ・ロシェール。
男たちを役場に突き出した後、アニエスはバリワゴンでトリスタニアへと戻っていった。
(奴の力を侮りすぎたか……)
ワルドが険しい顔で考えていると、ルイズが心配そうな顔で話しかけてきた。
「ワルド様?」
「あ、すまない、あの連中を雇ったのが誰なのかが気になってね……」
「そうですか……」
「王宮では王女殿下への反発も根強いから、何処からか嗅ぎ付けて邪魔しようとする輩も出てくるんだろうな」
「そんな……」
「ルイズ、何故王宮では王女殿下への反発が強いと思う?」
「……ジロー殿下という義兄がいるから、ですか?」
「正解だ。養子、それも亡きヘンリー国王陛下の連れ子だったジロー殿下への風当たりは本当に強かった」
「姫様がよく言っていました。王宮の狂犬どもが義兄の事でキャンキャンわめくから父の苦労が絶えない、と」
「……当のジロー殿下本人は余計な争いを回避するため、陛下がトリステインに婿入りした後も自主的にアルビオンに残っていたが、王女殿下がお生まれになったのを機にトリステインに来たそうだ」
「妃殿下から聞いたことがあります。説得に相当苦労したとか」
「ジロー殿下がトリステインに来たことを陛下と妃殿下は大層喜びになられた。が、リッシュモン殿に君の父君、そしてマザリーニ枢機卿を始めとした有力な貴族はそれが気に入らなかった」
ワルドは眉をひそめて続けた。
「そして、陛下の葬儀の時に起きたあの事件だ」
「葬儀の席で陛下を侮辱したアルビオンからの来賓と、それに賛同したリッシュモン殿を始めとする高等法院の面々に重傷を負わせた事件ですね」
「そうだ。平民たちは異口同音にジロー殿下の肩を持ったが、王女殿下の対応は厳しかった。ジロー殿下は6年間トリステインから放逐されることになり、リッシュモン殿は不敬罪で処刑されるはずだった」
「ところが、ジロー殿下に重傷を負わされたのを理由に枢機卿が強引に減刑させた、と聞きます」
「王女殿下はリッシュモン殿を処刑しようと躍起になったが、叶わなかった。それからだよ、「鳥の骨はこの国の王位を狙っている」なんて噂が広まったのは」
一方、噂を広めた張本人である王女は、桟橋に行って乗船交渉をしていた。

466 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:21:00 ID:DJpkKhfX
女神の杵亭。
この宿で大きい方に入るテーブルに全員が集まっていた。
「交渉しましたが、どのフネも明後日の早朝にならないと出れないの一点張りでした」
うな垂れるアンリエッタを見て、ギーシュが呟いた。
「そう言えば『スヴェルの夜』は明日でしたね」
「ええ。失念していました……」
「今日と明日一杯はここで足止めか」
サブローはそう言って席を立ち、外に出ようとしてカトレアに呼び止められた。
「サブロー、何処へ行くの?」
「酒屋を探してくる。どうせ明後日まで足止めされるんだ。少しはゆっくりした方がいい」
そう答え、サブローは女神の杵亭を出た。
今度は魔天郎が席を立った。
「私が同行しよう。一人にしたら惨事を起こしかねないからね」

ケンカの際は店内のイスを使わされることで有名な、金の酒樽邸。
「まいったね……」
「はい。まさか足止めされるとは」
フーケとゴールドウルフは店内で酒を飲んでいた。
なお、ゴールドウルフは本来の姿に戻っていた。
店内は、アルビオンから戻ってきた傭兵たちで賑わっていた。
そこへ二人の黒ずくめが入ってきた。
ワイン以外の酒を探していたサブローと、目付け役を買って出た魔天郎である。
「何故ついて来た?」
「一人にしておくと、必ずと言っていいほど血の雨が降るからだよ」
「……フン。店主、ワイン以外の酒はないか?」
サブローが尋ねると、店主は聞き返した。
「何をお探しで?」
「ブランデーにウイスキー、ジェネヴァも欲しいな。一本ずつ」
「それでしたら……」
店主は一旦店の奥に引っ込み、3本のビンを持って戻ってきた。
「ここの連中はワインばっかり飲むので余り揃えていませんが、その分いいのを仕入れてますよ」
「……嘘は言ってないな」
サブローはそれだけ言って、旧金貨を3枚出した。
「足りるか?」
「一枚でもお釣りが出ますが……」
「なら釣りと残りの2枚は取っておけ」
そう言って、サブローは魔天郎と一緒に店を出た。
「マチルダ様……」
「ああ、妙だね。傭兵どもが大人しいなんてね」
一方、サブローと魔天郎の方は。
「妙だったな。傭兵どもが難癖をつけてくるかと思ったんだが」
「そうだな。それに、光明寺博士が作ったロボットがいた」
「ああ。まさかゴールドウルフまでこっちに来ていたとはな」

467 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:22:25 ID:DJpkKhfX
女神の杵亭。
夕食を終え、ワルドたちは部屋割りを決めた。
「僕が一人部屋で、王女殿下とキュルケが一緒の部屋」
ギーシュに続き、キュルケが口を開く。
「マテンローさんとタバサは同じ部屋」
更にサブロー。
「ご主人と俺も相部屋。……ルイズは?」
最後はワルド。
「ルイズは僕と一緒だ。婚約者だからね」
「そ、そんな、私たちまだ……」
「大事な話があるんだ」

ギーシュは、部屋でワインを飲みつつ、考え事をしていた。
「なあ、ヴェルダンテ、子爵殿がルイズに言っていた『大事な話』って何だろうな?」
「モグ……」
コンコン。
ドアをノックする音に気付いたギーシュは、ドアに近づいた。
「誰だ?」
「私よ〜。開けて〜」
キュルケの声を聞いたギーシュがドアを開けると、そこにはキュルケだけでなく、アンリエッタとサブローもいた。
「姫殿下まで…。どうしたんですか?」
「一緒に酒盛りでもしようと思いまして……」
アンリエッタが答えた直後、後ろにいたサブローが、酒が入った紙袋を揺らした。
そして酒盛りが始まった。
「薬用酒にしては普通に美味しいわね」
ジェネヴァを飲んで、その味が気に入ったキュルケであった。
「……この世界でも元は薬用だったんだな」
「あっちの世界にもあったの?」
「ああ。いつの間にか名前が『ジン』に変わって、製法もかなり変わっちまったがな」
サブローの解説に、キュルケは「へぇ〜」と言いながら感心していた。
「姫はウイスキーが気に入ったみたいだな」
「ええ。昔、兄上とルイズと三人でサウスゴータのモード叔父上を尋ねた際、アイスティーと間違えて飲んだことがあって……」
「色は似てるが……、普通は味と匂いで気付くだろ?」
「喉がカラカラで……。思わず一気飲みしてしまったのです」
「味と匂いで気付いた時は、既に飲み干した後ってわけか……。」
アンリエッタの一言と、それに対するサブローのコメントに、思わずギーシュは笑ってしまい、キュルケに注意された。
「ちょっとギーシュ」
「す、すまない。余りにもバカバカしくて……」
「あんた、意外といい神経してるわね……」
悪びれもせず、淡々とブランデーを飲むギーシュに少し呆れたキュルケであった。
「そういえば……、ワルド殿がルイズに言っていた大事な話とは何でしょう?」
「王女殿下も気になるのですね……」
「私も気になるわ」
「ご主人の妹の事だからな。俺も興味がある」
ワルドがルイズに言った『大事な話』について様々な憶測が交わされたが、結局「この任務が終わったら結婚しよう」ではないか? で一致した。

468 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:23:44 ID:DJpkKhfX
朝。
朝食を終え、ルイズたちは思いがけず訪れた休暇をそれなりに満喫していた。
魔天郎とタバサが古書店での買い物から宿に戻る途中、宿の方から「ライトニング・クラウド」による放電の音が聞こえた。
「マテンローさん」
「ああ。急ごう」
宿の中庭にある、今は物置場となっている旧錬兵場。
杖を握ったワルドと、破壊剣を手にしたサブローが対峙していた。
「二人とも、何をやってるの?」
「「手合わせ」」
「もう少し具体的かつ詳しく話して」
「僕がサブローに手合わせを申し出たのさ」
「で、戦いに餓えていた俺はそれに快く応じた、というわけだ」
「……バカばっか」
(シャルロットの言うとおりだな……)

んでもっていきなり夜。
ルイズは二階のベランダでたたずんでいたところを、カトレアに話しかけられた。
「ルイズ、どうしたの? ボーっとして」
「ちい姉さま。それにサブローまで」
カトレアの側には、いつの間にかサブローがいた。
「ご主人が夜風で身体を冷やしたら大変だからな」
「ちい姉さまって、昔から体が弱かったから……」
月を見ていたカトレアは、ルイズに再び問いかけた。
「ルイズ、さっきはどうしてボーっとしてたの?」
「……実は、昨日ワルド様からこう言われたの。「この任務が終わったら結婚しよう」って」
「あらあら……」
サブローは、推測が当たったことに少しだけ驚いた。
「にしては、複雑な心境のようだな」
「実はね、以前、夢を見たの。私の手をいきなり掴んだワルド様の背後に、ロボットたちが立っていたの。ワンセブンが破壊した奴もいたわ」
「怖い夢ね……」
「そして、私がワンセブンに助けを求めたら、ワンセブンがワルド様をやっつけて、ロボットたちに立ち向かっていったところで夢が終わったの……」
「その夢のせいで素直に喜べないのね」
「うん」
ルイズが答えた直後、カトレアはそっとルイズを抱いた。
一方、一階が騒がしくなったことに気付いたサブローは、素早く一階へと降りていった

「何があった?」
「ちょうどいいところに来てくれたわ!」
「キュルケ、何事だ!?」
「何事も何者もないわよ。いきなりアルビオン帰りの傭兵たちが襲い掛かってきたのよ!」
キュルケの叫びに続き、タバサが淡々と解説した。
「向こうは闇に紛れている上に、こちらの射程外から矢を放つから、打つ手がない」
「そうか……。それなら俺が行こう」
そう言って、サブローは宿の入り口から出た。

傭兵たちは面食らっていた。
いきなりサブローが宿から出て来たと思ったら、こちらが放った矢を軽々と避け、あっという間に接近してきたからだ。
「昨日の連中と同じか」
サブローはそう言って、左手の破壊剣をかざしてチェンジした。
「俺の名は、ハカイダー!」
ハカイダーが名乗りを上げた直後、今度は傭兵たちの背後から高笑いが聞こえ、魔天郎が姿を現して名乗りを上げた。
「私は蜃気楼の国からやってきた、幻の怪人魔天郎! 悲しみの涙は夢のかけらに流し込め! 怒りの涙は炎と燃やし火の鳥となって空を渡れ!」
続いて、隙を突いて宿から出てきたキュルケが炎を放ってから、『変身』した。
「イブンバツータ・スカラベルージュ!!」
そこにいたのは、エジプシャン衣装に身を包んだキュルケであった。
「美しく戦いたい。空に太陽がある限り。不思議少女、ナイルな、トトメス!!」
傭兵たちを相手に、魔天郎、ハカイダー、トトメスの戦いが始まった。

469 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:24:52 ID:DJpkKhfX
一方、ハカイダーたちが暴れている間に裏口から脱出したルイズたちは、一目散に桟橋へと向かった。
桟橋の、ルイズたちが明け方に乗る予定だったフネが停泊している枝では、白いカラスに乗って先行してしまったギーシュが待っていた。
「早く、傭兵たちの一部がこっちに向かってる!」
ギーシュが叫んだ直後、白い仮面とローブで身を隠した男が突如として現われ、ルイズを捕まえんと手を伸ばした。
しかし、カトレアが直前で体当たりし、男を弾いた。
「ちい姉さま!」
激しく動いたダメージから軽く咳き込み、カトレアも『変身』した。
「コスモマジック・メタモルフォーゼ!」
ルイズたちだけでなく、男まで面食らっている内にカトレアは名乗りを上げた。
「ちい姉さま…………?」
「愛ある限り戦いましょう。命、燃え尽きるまで。美少女仮面! ポワトリン!!」
戦闘態勢に入り、ポワトリンは続けた。
「たとえ烈風カリンが許しても、この美少女仮面ポワトリンが許しません!」


貴方のいない研究室に 一人忍び込んだの
夕日が射す机の上に 並んだ肖像画
一枚そっと手にしたの 貴方が一人かかれた肖像画よ

I・bu・n・ba・tu・ta-Su・ka・ra・be・rougue
小さなキスしてから
I・bu・n・ba・tu・ta-Su・ka・ra・be・rougue
裏側にKのイニシャル書いた

I・bu・n・ba・tu・ta-Su・ka・ra・be・rougue
肖像画にキスしてから
I・bu・n・ba・tu・ta-Su・ka・ra・be・rougue
恋する魔法で元気あげるね

470 :大使い魔17:2008/04/25(金) 01:26:28 ID:DJpkKhfX
投下終了。

ちい姉さまがポワトリンになるのはともかく、キュルケがトトメスになると予測できた人はいるのだろうか?

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 04:42:45 ID:YMPmchWX
乙!

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 05:30:55 ID:x+w7mYBU
>>410
ではシエスタの御先祖は撃墜直後のオペ子@霞さんで。

シエスタ「あんなものを飛ばして喜ぶか、変態共がッ!!」>>アルビオン艦隊


473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 07:02:16 ID:Qa5bSLho
もうシエスタのご先祖の名字が坂井ってことでよくね?

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 07:32:36 ID:smQUVO2i
>>472
あのオペ子のイメージはアニエスが合うと思うんだ


「期待した私が馬鹿だった…」
「トカゲかこいつは!」
「いかん、命令だ撤退しろ!」
「私が植えた種だ…狩らせてもらうぞ!」
「当然、か…私が見込んだのだからな」

クールツンデレ(*´Д`)ハアハア

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 08:49:12 ID:OiRCfORm
>>451
ガウリイも駄目ですかね。リナと出会う前、親父と出会った後の。

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 09:05:16 ID:meyaBdR5
ガウリィなら光の剣失ったあとじゃないとデルフが涙目
リナなら黒魔法使えない設定にすればおk(ただ使い魔やらせるのはキツい)

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 09:32:48 ID:FH9pwa1g
ガンダ補正がいらん上に脳みそトコロテンで状況に流されるだけのガウリイは無茶だろ。
まず間違いなく召喚シーンを書いた後がほとんど続かない。
他人のアプローチがないとほぼ何もしないんだもん。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 10:27:10 ID:1g4n1zfg
>>476
リナは精霊魔法だけでもかなりのものだぞ
不完全とはいえラ・ティルト使ってたし

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 11:10:40 ID:5jOGRDbx
>>478

それは15巻のこと?
あの時は、思っただけで呪文が使える空間だったから使えただけで、
たしかリナ自身はラ・ティルトは使えないと思ったけど。


480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 11:41:33 ID:lsOc87rs
>>477

そこはそれ、「リナと出会う直前のガウリィ」とすればよい
あの頃なら比較的まともだったしタバサあたりをフォローさせれば
デルフはまあ・・・・・・・その・・・・・・ナンだ二刀流とするとか

フィリオネル王子召喚よりマシじゃね?

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 11:51:51 ID:zAEFyToS
キメラと呼ばれたら怒る人はゼロ魔世界の土魔法に希望を見出しそうだ。

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 12:21:16 ID:lsOc87rs
>>481

むしろ水魔法に興味示すのでは?
「治す」というか「戻す」魔法らしいから

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 12:24:52 ID:pwXOea1K
ゼルガディスって遺伝子工学でいうキメラでもあるんだっけ。
そうなるとそこら辺の知識のないゼロ魔世界じゃ治るのは難しいのでは。

まぁ自身の知識とゼロ魔世界の魔法を組み合わせて、なら出来るかっも知れんが。

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 12:44:07 ID:lsOc87rs
邪妖精(ブロウ・デーモン)と岩人形(ロックゴーレム)と「混ぜられた」。
元の戻し方をジュースとかに例えられた事もあるから遺伝子工学とかは関係無いっぽい。
スレイヤーズ世界は細菌の概念も無いようだから遺伝子工学まで行ってないと思われる。

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 12:48:23 ID:10BHXoY4
スレイヤーズだっけ







うざっ

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 13:25:35 ID:8Ou6jX/b
お前がな、つって荒れるのを期待してるだろ

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 13:46:26 ID:hrBfoC9u
リナよみてぇぇぇぇぇ

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 13:53:47 ID:kMaY20IH
いっそのこと ルナさんを呼んでしまえばいいじゃない

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 14:11:52 ID:pwXOea1K
どのルナか知らんけど
旗本退屈猫は確か呼ばれてたし、
田舎でウエイトレスやってるお姉さんは
情報がほとんど無いからほぼオリジナルになっちゃうんじゃないかな。

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 14:52:02 ID:Md2fwLEY
強くって怖くって、滅茶苦茶なねーちゃん・・・・
子供の頃、色々な訓練をしてくれたねーちゃん・・・・

「あんたが、やんなさい!―姉より―」
たまにくれる便りが、こんな手紙のねーちゃん・・・・

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 14:52:23 ID:5Zf6ni7H
女子大生で下宿している家の男の子の家庭教師もするルナ先生で

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 14:53:59 ID:Md2fwLEY
うさぎちゃん!変身よ!

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 15:00:21 ID:lsOc87rs
>>492
「マサキ!ちゃんと狙ってニャ」  いや、それ違うから

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 15:03:26 ID:eyS7Wlfu


   月の光に導かれ〜♪

   * o ∵.:∵:;:;: o
  * o :;:<⌒>:;:;:: o
   * o;:;:;: ;' '; ;:;:;: o;;:;:
   o ,;'  ,'   '; ';.,o *
    o ,.; ∧∧ '; ;:;:; *
   * ;'  ノ⌒ヽ) '; ':, o
  . o ;'  ( ( ノヽ_  ', o
  o ;'    ノノ>     ',
  ;'     レ        ',




495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 15:07:20 ID:L8jSYuzk
ワルドさんがグラハムエーカー並みの珍言製造機だったら良かったのに。

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 15:59:37 ID:9syYoWRL
>>495
阿修羅すら凌駕するワルドか、見てみたいな。

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 17:21:41 ID:Q/TwetQR
一般人召喚ですか?
では天使のように純朴で澄み切った心をもつ
高校生などどうでしょう

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 17:26:37 ID:10BHXoY4
>>497
そのかわり顔が異常に怖いんですね

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 17:37:53 ID:sSCA4X3A
>>497
キェェェェェェェェェェェッ!!!

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 17:54:17 ID:viL0mVe8 ?2BP(30)
一般人か・・・・
う〜ん・・・・・

某口先の魔術師(他その一味)
異性に触れられると十二支になってしまう方々(これは普通じゃないか・・・)
墨東署交通課の最強コンビ(トゥデイ込み)
GTO



501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 17:55:51 ID:fR0hjSfz
>>497
ポマードとコンタクトレンズをどうするか、それが問題だ

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 17:56:36 ID:YR6CyKAb
>>500
> 墨東署交通課の最強コンビ(トゥデイ込み)
ダウトw
のび太を一般人扱いするぐらいダウト。

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:06:02 ID:SFhcx/Je
>>499
おっかない顔つながりだと高須竜児ってのもいる
問題はルイズをあっという間に飼い馴らしそうだって事だが

504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:10:51 ID:j4SSUKz/
某特車二課の昼行燈でいいんじゃね

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:14:20 ID:mYFP3F6R
本スレの変わりようがすげぇなw

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:22:56 ID:Qa5bSLho
>>500
>GTO
あとでコッパゲ先生がVVVFとか作るんですね。分かります。

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:25:10 ID:9veZTvay
>>505
居心地の悪くなったなのはクロスを脱出した方たちが、
こちらを居心地の良い空間へと変えるべく活動中です\(^o^)/

508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:27:42 ID:EUx+r6Hf
一般人・・・・・・某公園前派出所のお巡りさん召喚

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:47:11 ID:byHC5o+a
普通の一般人(策士キャラは一般人と認めません)召喚ってゼロ魔原作と人間関係以外ほとんど
変化しないと思うんでゼロ魔キャラとの交流がうまくかけないとテンプレ扱いされそうだから困る。


510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:49:57 ID:FWKSCX42
よし、警死庁のマゾを呼ぼう!

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:51:20 ID:Qa5bSLho
>>508
地味に早撃ちの名人なんだぜ?

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:55:37 ID:10BHXoY4
こうして見るとあまりに才人が一般人過ぎる…

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:57:57 ID:LwMfhNe0
>>509
ゼロ魔原作との目立った差異を作るのが結構苦労しそうだしな。


514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 18:58:17 ID:T0girB8o
まぁ本当に一般人……というか、ただのオタだからな。俺たちと同じ。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:04:44 ID:YR6CyKAb
>>509
むしろ交流メインにしてゼロ魔側のイベントをことごとくスルーするようなのでもいいと思う。
ギーシュにナンパされる福沢祐巳とか。

516 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/25(金) 19:06:21 ID:qGTCObJ7
>>512
運動神経、普通。成績、中の中。彼女いない暦17年。賞罰なし。
の完璧凡人だからな。

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:06:27 ID:x+w7mYBU
ARIAより水無灯里召喚
会う人会う人片っ端から癒していきます

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:07:52 ID:2sc9HsBP
燦ちゃんに会う前のエロスミさんはかなり一般人

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:09:54 ID:viL0mVe8 ?2BP(30)
>>517
小ネタ向きだな。
でもちょっと見てみたい。

520 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/25(金) 19:12:17 ID:qGTCObJ7
一般人といえば、「魔法少女になる前の高町なのは」というのが少し前に話題に上がったな。


521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:13:43 ID:0E5Y9Bx3
だったら、とらはのなのはでよくね?

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:28:00 ID:NO3dBe77
種キャラ召喚考えています。大まかなプロットが出来たのですが、なかなかキャラが定まりません。ここで訊いて良いでしょうか?
因みに枠は@オルガAクロトBシャニCオクレDステラEステファン・ヒルパート

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:32:13 ID:klZVO3io
そういうのは人に訊くもんじゃないと思うぞ
自分の好きなキャラにすればいいじゃないか
つーかステファン・ヒルパートって誰だっけ?

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:34:20 ID:V2l1GUmU
その前にアウルがいないのは差別ニダ!謝罪汁!賠償汁!

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:39:04 ID:One4HqY2
何コレ(^ε^)-☆Chu!!

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:40:32 ID:YR6CyKAb
>>522
その面子ならステラが。
でも普通はキャラ決めてからそれに合わせてプロット組むもんじゃないの?

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:42:49 ID:VM19t1aJ
>>522

悪いけど >>13 見て自分の場所を確認してね

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 19:53:38 ID:IrGnvmf5
そもそも、どこら辺までが一般人なんだろう?
たとえば、スポーツなどで県大会レベルが一般人で全国大会レベルが非一般人とか?

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:07:53 ID:sOG/yIiH
18禁注意 ドラゴンに首ったけ おまけ劇場その2(ゼロの使い魔+巣作りドラゴン)
http://talker.sakura.ne.jp/denpa3/izumimain/1209112361_24156.html

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:08:54 ID:LwMfhNe0
>>528
取りあえず俺は「ガンダのルーン抜きの素の能力、技能のままでいきなり放り込まれた
非日常に対応出来るか否か」と言うのが線引きになるんじゃないかって気がする。
特に荒事方面。

それに対応し切れなければば一般人で、そうでないなら非一般人。
まあ、これもかなり乱暴な線引きかなとは感じるがな。


531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:09:01 ID:BHgUOB6J
ネロ&パトラッシュを天使に連れて行かれる直前に召喚

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:14:15 ID:lsygl+w9
プロスポーツプレイヤーでもファンタジー世界の住人と比較したら十分一般人だと思う
いやでも例えばテニスの上手い中学生ならギーシュのゴーレムくらいルーンなしで倒せるか?

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:15:14 ID:0E5Y9Bx3
108式まである中学生なら余裕かと

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:19:36 ID:wyIdcOLw
>>531
それだと普通に召喚のやり直しでは?

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:23:36 ID:IrGnvmf5
>>532
テニスの上手い中学生じゃあむりだけど、“テニヌ”の上手い中学生ならOKだな

>>530
とりあえず、ギーシュ戦をを素でクリアできるレベルかぁ・・・
陸自のレンジャーあたりなら何とかなるか
そうだ!ヴィーナス・リーダーを呼ぼう

って、スレ住人がほとんどわからないネタを書いてみる

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:28:08 ID:V2l1GUmU
>>535
それより音無さんのほうがいいんじゃね

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:33:08 ID:2a1H6+E+
>>534
むしろ天使に連れて行かれた先がゼロ魔世界
「天国じゃないの!?」と絶望するネロ

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:39:29 ID:Qa5bSLho
>>537
そしてことあるごとに首をくくろうとするネロ。

>>535
陸自のレンジャーがアリなら空自の救難ヘリのパイロットはもっとアリだと思うんだ。
ということで内田三尉召喚。

539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:46:02 ID:bMohubGa
テニヌか・・・
正直、エルフも余裕で倒せるんじゃ?

陸自というとサイレン2のあのひとが真っ先に浮かぶんだぜ。

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:49:36 ID:dn+IIEst
陸自の美老女指揮官司馬光陸将補(「新世紀日米大戦」)を

541 :ピノキオ:2008/04/25(金) 20:49:54 ID:swR6j5dm
ピノキオの大冒険の投下予告です。
今は大丈夫ですかね?

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:54:52 ID:2KtvRFz7
支援


543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:56:16 ID:YXd4ixmB
支援するぜ!

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 20:58:15 ID:bMohubGa
ピノキオか・・・キノピオと呼び間違えたのは一人ではないはず。
デルフといい友達になれそうだな。
支援!

545 :ピノキオ:2008/04/25(金) 20:59:24 ID:swR6j5dm
支援に感謝します。
では投下します。

「ふぅん、歌を聞かせながら旅をねぇ……まるで吟遊詩人みたいね」
「似たようなものだから」

そのように答えたのは無用な混乱を防ぐためであった。
落ち込むルイズに音楽を聞かせていたジローは彼女の部屋へと連れられていた。そこでジローはどのように自分のことを説明しようか悩んでいた。
実は人間が作ったロボット……などと言ったところでルイズが信じるはずがない。
さらに異世界からやってきたといえば、からかっているのかと彼女を怒らせてしまいそうだったからだ。だから、ジローは自分のことを『旅の楽士』と名乗った。

「まぁ、普通の平民じゃないだけマシね。一つくらい取り柄があってよかったわ」

随分な言い方だなと、口に出しては言わなかった。
ここまでの会話の中でジローはこの世界について考えていた。そして出た結論はここが自分のいた世界ではないと言うこと。
確信を持ったのはルイズの部屋の窓から見える月である。そこにはジローの知る月よりも巨大でなにより、二つ浮かんでいるのだ。
そして魔法や貴族制度など、普通ならありもしないことがこの世界では常識となっているようだった。

「さてと、アンタは私の使い魔なんだから、私の言うことを聞くように」
「使い魔になった覚えはなんだけど」
「はぁ? 何言ってるのよ、契約したでしょう? それにほら!」

546 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:01:43 ID:swR6j5dm
ジローの予想外の返事に呆れながら、ルイズはジローの左手に刻まれた紋様、ルーンを指差す。

「そのルーンが刻まれているということは、アンタは私の使い魔なの。不本意だけど」

最後の言葉は呟いたように口にしたらしいが、ジローの耳にはしっかりと届いていた。
出会った時にも思ったが、この娘は礼儀を知っているのだろうか? と思ったが、この世界には貴族制度があるということを思い出した。

(なるほど、貴族は平民より上だというのが普通の考えなんだな)

だったら、ルイズの態度も不思議ではない。彼女にとってそれが常識なのだから。
とはいっても、良い気分ではない。さらに人から命令を受けるのはウンザリだった。それにいつまでもここにいるつもりはなかった。

(だが、元の世界に帰って何がある?)

ルイズに従うつもりは毛頭ないが、かといって何かするわけでもない。何かあるわけでもない。あるのはつらい思い出ばかりだった。ならば、そんな思い出のある世界に帰るよりもこの世界でいつの日か機能を停止するまで、生きてゆくのも悪くはない。
様々な考えが駆け巡る中、ジローはあることに気がついた。

(僕はあの世界から抜け出たことを喜んでいるのかもしれない)

この世界なら自分を狙う組織も倒さなければいけない敵もいない。ただギターを弾いてゆったりと長い時間を生きてゆくことができる。命令といってもルイズが人を殺せという命令を下すとは思えない。
ならば、このまま使い魔生活も悪くはないとも思えてきた。もう戦わなくても良い。自然とそれが嬉しかった。

547 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:02:22 ID:swR6j5dm
「ジロー?」

いつまでも黙っているジローにルイズはまた『持病』でも発症したのかと思い、心配げに声をかけた。

「あ、あぁ……ごめん。それで、使い魔って言うのは何をすればいいのかな?」

思ったより深刻な顔をしていみたいだ。心配そうな顔を向けるルイズを誤魔化しながら、ジローはたずねた。

「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるはずなんだけど……」
「無理みたいだね」

ルイズの言葉から察するにその能力は発揮されていないらしい。

「それから、主人の望むものを見つけてくれるんだけど……アンタ、そういった知識ってある?」
「どうだろう? 何かを見つけるのは自信あるけど、どういったものかは教えてもらわないとなぁ」

一度どんなものか教えてくれるなり、実物を見せてくれるなりしてくれればある程度のものは見つけることができる。
しかし、ルイズはこの答えを『ジローは出来ない』と解釈したらしく、ため息をつきながら、言葉を続けた。

「はぁ、まぁ、いいわ……そしてこれが一番重要なことなんだけど、使い魔はその能力で主人の身を守る存在なの! でも……」

ルイズはジローをジト目で見る。どう見ても戦ったことすらなさそうな楽士のジローにそれを期待するのは無理だと決め付けている目であった。
無理もないなとジローは声には出さずに言った。自分で言うのもおかしいが、どう見ても今の自分の姿を見て戦いを生業としてきた人間に見えるはずがない。

「せっかく人間なんだし、雑用くらいはできるわよね?」
「それくらいなら簡単だ」

いきなり召喚され、同意なしに使い魔とされ、雑用をやらされれば、憤慨するのが普通かも知れない。
だが、ジローは気にはしなかった。ただたんに平和な時間がすごせるのならば、雑用など苦にもならない。

「あら、意外と素直なのね。てっきり反論なり何なりしてくるかと思ったけど……それならいいわ。それじゃ早速……」

そう言いながら、ルイズは上着を脱ぎ始めた。
さすがにそれにはジローも慌てた。羞恥心というものがないのかと言いたかったが、その前に後ろを向いた。

548 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:03:57 ID:swR6j5dm
「な、何をしているんだい!?」
「何って、寝るから着替えてるのよ」
「一応、君は女で僕は男だよ?」
「別に使い魔に見られたって、なんとも思わないわよ」

やはりこの娘は無茶を言う子だ。ジローはルイズをそう再確認した。
しばらくは服や下着の脱ぐ音だけが聞こえた。

「いつまで後ろ見てるつもり?」
「もう言いのかい?」

ジローが振り返ると同時に大きめのネグリジェに着替えたルイズが脱いだ服を放り投げてきた。落としてはまずいとジローはとっさに受け止めた。

「それ、明日になったら洗濯しておいて頂戴」

それだけ言うとルイズはベッドに入り、毛布をかぶった。
しかし、何かを思い出したように、上半身だけ上げ、ジローに振り向く。

「言い忘れてたわ。あんたは床で寝なさい。素直そうだし、今後の働き次第ではマシな寝床くらいは用意してあげるわ」

言うだけ言ってルイズは指をパチンと鳴らし、ランプの明かりを消すとすぐに毛布に包まった。
反論しないとは言っても、反論する時間を与えないのは君だろうなどと、口が裂けてもいえなかった。
ここに来てからというもの独り言が多くなったなと幾分か余裕を持つジローは小さな声でやれやれと呟いた。
仕方がないので、しわくちゃになった衣服を畳み、ジローは窓を見た。

「静かな夜だ……安心できる、静かな夜だ」

窓に腰掛、ギターを弾いたら良い音色が出るだろうなと思ったが、すぐそこで可愛らしい寝息を立てるご主人の睡眠の妨げになるのはと思い、止めた。
よくもまぁ見知らぬ男がいるというのに眠れるものだと、呆れつつも感心しながら、ジローは苦笑した。


ハッキリ言ってジローに睡眠は必要ない。だからといって、ずっと夜の間起きていたわけではない。一時的に機能を停止させ、擬似的な睡眠を行っていた。タイマーを掛けていたため、自動的にジローは再起動した。
ちょうど朝日が昇り始めた頃らしく、まだあたりは薄暗かった。
ジローは音を立てないように、立ち上がり、昨日の夜に畳んでおいた衣服を持ってルイズの部屋から出た。
洗濯をしなければいけないのだが、一体どこでやればよいのだろうかと悩んでいた。

「この世界に洗濯機があるとは思えないしな……」

だとすれば、手洗いが妥当か……と、早速水汲み場を探しながら、校舎内を散策していた。
改めてみれば、なかなか手の込んだつくりになっている校舎は予想以上に広く、まだハッキリと校舎の作りを理解しているわけではないジローは早速どこに行けばよいのか立ち往生していた。
そんな時だった。

「どうかなさいましたか?」

振り返れば、沢山の衣服が入った大きな籠を持ったメイド服の少女がいた。

549 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:05:00 ID:swR6j5dm
「あぁ、洗濯物をどこで洗ったら良いのかわからなくって……」
「でしたら、水汲み場までご案内します。私もお洗濯物を洗おうとしていたところなんです」

ニコリと笑みを浮かべる少女の姿は主人であるルイズとは違った可愛らしさがあった。
彼女に案内され、ジローは校舎内の中庭にある水汲み場まで着いていった。その際に道を記憶しておくことも忘れなかった。
朝早くからの水仕事はつらいだろうに、メイドの少女は文句一つ言わず、冷たい水で衣服を手洗いをし始めた。
ジローには水の冷たさを感じられても、手がかじかむことはない。だが、少女は水仕事で荒れた手を休ませることなく、それこそ指が巧く動かせなくなっても、洗濯を続けていた。

「大変だね」
「いえ、これが仕事ですから。それに」

少女は一端、洗濯の手を止めると、ジローへと顔を向けた。

「それに?」
「お洗濯が好きなんです。というよりも家事が好きと言った方が良いかもしれません」

屈託のない笑顔を向けながら、少女は洗濯を再開した。
自分はルイズの衣服を洗濯すれば良いだけなのだが、少女はそれ以上の洗濯をしなければいけない。

「そういえば、まだ名前を聞いていなかったね……僕はジロー。君は?」
「私の名前はシエスタと申します。見ての通り、メイドです」
「僕は……」
「ミス・ヴァリエールが召喚した平民の使い魔……ですよね? 有名ですよ」

ジローがいうよりも早く、シエスタに答えられてしまった。
やはり使い魔で動物以外のものを召喚することはルイズが始めてらしい。それが人間―性格には違うが―が召喚されれば話の種にはなるのだろう。
シエスタのようなメイドまで知っているとなると、この学園中にはすでに広がっていると見て間違いはなさそうだ。

「……手伝おうか?」

すでにルイズの洗濯物は片付いているのだが、まだまだ多くの洗濯物を残すシエスタをおいて立ち去るのはいくらか気が引けた。
案内された礼もあり、ジローは手伝いをしようと声をかけたが、

「いえ、大丈夫です」

と断れてしまった。

「いつものことですし、これぐらいはどこの使用人でもやっています。よろしければ、ミス・ヴァリエールの洗濯物も次回からは私が引き受けましょうか?」
「いや、これは一応僕の仕事だからね。それに頑張っている君を見ていたら、楽をするのは悪い気がしてしまうよ」
「ふふ、真面目なんですね」
「ガリガリのクソ真面目野郎って言われたことがあるよ……」

それは亡き兄に言われた言葉だった。そのことを思い出すと、ジローの『心』には悲しいという感情が生まれていた。
自然と表情が曇ってしまい、気がつくと、シエスタが心配そうな顔でこちらを見ていた。

「あ、じゃぁ僕はこれで。ルイズを起こさなきゃいけないからね」
「あ……」

その場を逃げるようにジローは立ち去った。途中、シエスタが呼び止めたようだが、ジローは無視した。
思い出したくない過去を思い出してしまった。ジローは消去することのできない記憶を留めたまま、走りさった。


部屋に戻っても、ルイズはまだ寝息を立てていた。
そろそろ起こさなければいけない時間だろうと思い、ルイズの体をゆすりながら起こす。
その際にできるだけ自然な笑顔を向けるように努力した。嫌な思い出を思い出し、顔が崩れていると思ったからだ。

550 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:10:40 ID:swR6j5dm
「朝だよ、起きたほうがいい」
「ん〜……」

可愛らしい声と共に体を伸ばすルイズ。完全に覚醒しきっていないルイズはしばらく、ジローの顔をボーっと見ていたが、何かに気がついたように、大きく目を見開き大声を上げた。

「だ、だだ誰!?」
「ジローだよ」
「あ、あぁ……使い魔ね……」

取り乱したことが少々恥ずかしかったのか、小さく咳払いしながら、ベッドから降りるルイズ。

「おはよう」
「えぇ、おはよう。服」

返事を返したかと思うと、次には命令を下すルイズ。
ジローはすでに用意されていた服をベッドの上へと置く。

「下着」
「どこにあるんだい?」
「クローゼットの一番下の引き出しに入ってるわ」

言われたとおりに、ジローは引き出しを開ける。普段なら絶対に見ることはないだろう、女性物の下着の数々を目の当たりにして、さすがに顔を赤くするジロー。とりあえず、適当な下着を選んで、先ほどと同じようにベッドの上へと置く。

「着せて頂戴」
「はい?」

さすがに聞き捨てならない言葉を聞いて、思わず聞き返してしまった。
ベッドに腰掛け、いつの間にかネグリジェを脱いで下着姿になったルイズを見て、さすがに注意した。

「君には恥じらいって言うものがないのかい?」
「昨日も言ったでしょ、使い魔に見られたって、なんとも思わないって」
「使い魔でも意思はあるよ。物じゃないんだ」
「使い魔は使い魔よ。主人の命令にさえしたがっていればいいの」

そのルイズの言葉にジローは怒りがこみ上げてくるのがわかった。
自分の一番嫌いな言葉をルイズは言った。多少、違えど、その言葉はジローがもっとも聞きたくはなかった言葉であった。同時に今のルイズに何を言っても無駄だということを理解した。手を出さなかったのはジローの『良心』が働いたからだ。
仕方なく、彼女の着替えを手伝うことにした。


二人が部屋を出たと同時に向かいの部屋から住人が現れた。
褐色の肌を持った少女は大人顔負けの色気を放っていた。それは少女も理解しているのか、ブラウスのボタンをいくつかはずし、胸元がはだけるように見せていた。

551 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:11:21 ID:swR6j5dm
「おはよう、ルイズ」

少女は悪戯っぽく笑みを浮かべ、挨拶をした。
対するルイズは嫌そうに挨拶を返した。

「おはよう、キュルケ」
「ふ〜ん……」

キュルケはジローを値踏みするように見て、指をさして笑い始めた。

「驚いた! 本当に平民を召喚したのね」

どことなくわざとらしい言葉だったが、どうやらその判断は正しかったようだ。
見計らったように、キュルケの部屋からは巨大なトカゲが現れた。

(なるほど、自慢したいだけか……)

キュルケのからかいを無視しながら、ジローは現れたトカゲを見た。トカゲにしては巨大すぎる体、尻尾は火でできていた。さらに体温も普通の動物では発することはない温度を放っていた。

(火トカゲか……こんなものまでいるのか)

ジローが一人関心している横でルイズは悔しそうな顔を向けながら、キュルケにたずねた。

「これって、サラマンダーよね?」
「そうよ、この炎の尻尾は間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ。好事家に見せたら値段なんて出ないわ」
「ふぅん……良かったわね。ついでにアンタの属性とあってるんじゃない?」
「そうよぉ、私の『火』の属性にぴったりだもの。ねぇ、フレイム」

フレイムと呼ばれたサラマンダーの顎を撫でてやりながら、得意げに言った。
ルイズはキュルケを睨みつけていたが、言い返す言葉が見つからないようで、口を開けてはすぐに閉じていた。

「ところで……」

ルイズの視線を意に介さないのか、キュルケは涼しい顔をしながら、ジローにほんの少し詰め寄った。

「貴方、お名前は?」
「ジロー」
「へぇ、変わった名前ねぇ」

余計なお世話だと思ったが、ジローは言い返さなかった。

「それじゃ、お先に」

キュルケは振り向きざまに言いながら、その場を立ち去ってゆき、フレイムもその後を追った。
それを見届けたルイズは拳を握り締め、地団駄を踏んだ。

「きぃー! 何なのよ、あの女、自分がサラマンダーを召喚したからって!」

ルイズはキッとジローをにらみつけた。
この目を向けられるのは二度目だなと思いながら、女のヒステリックほど怖いものは早々ないと考えていた。
何か言ったところで今のルイズにはどれも逆効果だと思い、ジローはあえて何も言わなかった。

「メイジの実力を測るには使い魔を見ろって言われるくらいなのよ。それなになんで私はアンタみたいな楽士なのよ!」

552 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:12:07 ID:swR6j5dm
八つ当たりもいいところだ。
貴族という環境に育ったためか、自分より身分の低いものに対しては言いたい放題なルイズの性格をジローはあまり好ましいとは思っていなかった。
いくら環境だからといって、ここまでハッキリと不快感を表されては、少なくとも怒りがこみ上げるのは当たり前だった。

「時間」
「え?」
「時間は良いのかい?」

いくら温厚なジローでもいつまでも彼女の愚痴を聞いてやるほどの余裕は持ち合わせていない。だから、話を中断しようとした。

「あぁもう! 行くわよ」

やり場のない怒りを撒き散らしながら、ルイズは大股で廊下を歩いた。ジローもその後をほんの少し離れた位置で後を追った。


この世界に来て、ジローはある危機に立たされていた。
ルイズについていくと、巨大な食堂にたどり着いた。三つの長いテーブルが設置され、豪華な装飾を施されていた。
テーブルの内、真ん中の方へと移動した二人。他の二つを見れば、まだ幼さの残る生徒と大人びた生徒と別れていた。どうやら学年別で分かれているらしい。

「豪華だね」
「そりゃ貴族が食事をする場所だもの。これくらいは普通よ」

得意げにルイズは説明を始めた。

「このトリステイン魔法学院が教えるのは魔法だけじゃないの。貴族たるべき教育を受けるために、食堂も食卓も貴族にふさわしいものでなければならないのよ」
「ふぅん」
「本当ならアンタみたいな楽士はこの『アルヴィーズの食堂』には入ることなんてできないのよ。感謝しなさい」

説明が終わったのか、ルイズはチラッとジローへと振り向く。どうだといわんばかりの目だった。
しかし、ジローにとってそれはどうでも良いことだった。とりあえず、説明とこの食堂に入れたことに関しての礼をする。
そっけない返事だと思ったのだが、それだけでもルイズは満足したらしく満足げな顔をしていた。
適当な席を見つけたらしく、ルイズはその場に立ち止まった。何かを催促しているようで、ジローはそれが何なのかすぐにわかった。

(椅子を引けってことか)

とりあえず椅子を引いてやると、礼もなしにルイズは座った。
さて、自分はどこに座ればいいのかと悩んだ。それに気がついたのかルイズは床を指した。

「悪いけど、アンタは床。そこに朝食があるでしょう?」

床に置かれていたのは、ロールパンが二つと肉と野菜が申し訳ない程度に入ったスープだった。

「アンタが反抗的だったら、もっと粗末なものにしようと思ったけど、中々素直みたいだから、それ」

別にどんな料理でもジローは食することはできない。カモフラージュ程度に口にすることはできても、内部で消化できる機能は存在しない。
これが今のジローの危機だった。一応、人間で通しているため食事をしなければいけないのだが、その後、取り込んだ食べ物を取り出さなければいけない。できることなら、食事を取ることは避けたかった。

「本当は使い魔は外なんだけど、特別な計らいで入れてあげたのよ」

553 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:12:53 ID:swR6j5dm
それを聞いてジローはあることを思いついた。
別に一緒に食べる必要はないということなら、この場所にいる必要はない。ジローは皿を手に取ると、床に座らず食堂を出ようとした。

「ちょっと、どこ行くの!」
「外で食べるよ。それに、床に座ったら迷惑だろう?」
「使い魔は主人のそばにいなくちゃいけないの! 勝手に行動しないで!」
「食事が済んだら、入り口で待っているよ。これだけの量だ、すぐに済む」

それだけ言うとジローはさっさと食堂を後にした。
とりあえず、これをどう処分しようかと悩んだが、周りの生徒が連れている使い魔を見て、それらに処分させようと考えた。大型のものならどこかに集められているはずだと考え、ジローはまず、水汲み場へと向かった。
学院外に出ると、ジローは耳に意識を集中させた。常人のそれを遥かに上回る聴力で、大型の使い魔たちの場所を探し出すのだ。

「ン……あっちか」

たどり着いたのは、かなり大きめな小屋だった。しかしどこにも使い魔の姿は見られなかった。恐らく主人が自慢目的で連れて行ったのだろう。
しかし、これは拙い。どかにいないものかとあたりを見渡す。

「おや?」

さてどうしたものかと考えていると、一匹の白い竜を発見した。どういうわけかこちらをジッと見つめている。性格には手に持つ皿を穴が開くほど見つめている。

「お腹すいてるのかい?」

尋ねてみると、竜はコクコクとうなずいた。どうやら人間の言葉を理解できるらしい。
随分と人懐っこい竜だ。もしかするとまだ子供なのかも知れない。
パンをちぎってよこしてやると、うれしそうに食べ始めた。

「ふふ……」

パンを食べ終えた竜は次にスープを一気に飲み干した。
もっとないのかという目を向けられたが、あいにく持ち合わせはない。

「もうないよ」

それを聞くと竜はしょんぼりと頭を下げた。よほどお腹が減っていたのかも知れない。

「また持ってくるかも知れないから……」
「きゅい!」

竜はうれしそうな声で鳴いた。
しばらくジローは小屋にいたが、ルイズの食事が終わるころだと思い、その場を立ち去ろうとした。
ふと、センサーが人の接近を感知した。この竜の主人だろうか?

「……」

現れたのは青い髪ショートカットの少女だった。ルイズよりも年下に見える少女は不釣合いな長い杖を背負いながら、両手に肉などの食べ物を持っていた。恐らく竜の餌だろう。
まだ餌の時間じゃなかったのか、道理でよく食べると思った。

554 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:13:36 ID:swR6j5dm
「……お皿」
「え?」

少女は突然、ジローの持つ皿を見ていた。
何故か竜はびくびくとおびえている。

「食べさせたの?」
「いや、僕が食べた。食堂では食べにくい雰囲気だったから」
「そう……」

食べさせたといったら、自分か竜のどちらかがしかられるだろと思い、嘘をついた。
答えを聞いた少女は短く冷淡に答えた。
このままだと無言の状態が続くと思い、ジローはとりあえず言葉を発した。

「食事は終わったのかい?」
「……」

少女は何も言わずうなずいた。
ちょうど良い時間みたいだ。ジローは軽く会釈しながら、その場を立ち去ろうとしたが、ふと、何か思い出し、少女に尋ねた。

「あぁ、その前に」
「なに?」
「厨房がどこだかわかるかな? 皿を返したいんだ」
「食堂の裏」

先ほどと同じように少女は淡々と答えた。

「ありがとう」

それでもジローは礼を言って、立ち去った。

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:15:09 ID:qtg47WDK
支援

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:17:24 ID:Dp8BqLLc
原作キカイダーはお勧め支援

557 :ピノキオ:2008/04/25(金) 21:17:27 ID:swR6j5dm
投下終了です。
まだイベントは発生していませんが、二面性を描きたかったので、
機械であるジローと人間の差別化を図ってみました。

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:22:37 ID:klZVO3io
投下乙です
少しづつ確実に不満が溜まっていくジローにgkbr
あときゅいきゅいに萌え

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:22:38 ID:cKAIFZsV
何回かアーマードコアから召喚が提起されてるが
アーマードコアシリーズ的に召喚された直後は
汚染/荒廃/破壊されてない自然に大感激して狂乱し
しばらく会話にならん予感がス

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:23:09 ID:IrGnvmf5
ピノキオ乙です

しかしこのスレ住人の平均年齢って何歳なんだろう
年男の俺より上の奴もけっこういそうw

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:26:56 ID:DJpkKhfX
ビデオだのDVDだのCSだので視聴している人もいるから、それ程平均年齢は高くない可能性もw

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:27:45 ID:34DLYGLg
>>560
12歳なのか、たしかに精神年齢小学生はいっぱいいるだろうな

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:31:44 ID:JFN4fUxr
闘いがなければルイズとジローのこんな日常がずっと続くのだろうか。
こんな性格のまま大きくなったルイズか…。

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:31:46 ID:klZVO3io
ところで召喚された奴がギーシュとの決闘で負けたり降参した場合

ルイズとの関係変化せず(それどころか役立たず扱いされる)
キュルケとのフラグも立たない

デルフ購入イベントも起きない

フーケ討伐にコルベール先生が乗り出す
(召喚された奴がガンダールヴという確信が無いならルイズ達だけを行かせるとは思えない)

ずっとコルベールのターン

というのを思いついた
ルイズは魔法が使えないままどっかの貴族を婿にして、
召喚された奴は学院かタルブ村でシエスタと仲良く暮らせばいい

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:39:17 ID:BH8pFwzY
波風の立ちにくい平穏なエンドだな

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:45:19 ID:lsygl+w9
そうだなあ、フーケ戦が無ければいくらアンアンでもルイズに手紙とってこいなんて頼まないか
頼まないよな?

567 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 21:50:15 ID:Qyq+3uj0
22:00から第三話を投下します。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:52:13 ID:klZVO3io
>>566
思うんだが学院長が一緒に見送った事を考えるとルイズの部屋に行く前に
オスマンに相談したら、ルイズ(とその使い魔)に頼んでみたらどうかと言われたとか?
だとすると一番性質悪いのがあのジジイということになるが

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:52:25 ID:UpfnHJVQ
支援準備!

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:53:09 ID:HZYn/fhl
ルイズがルイズを召還ってのをちょっとアレンジしてさー
「最悪の未来を辿ったルイズ」を召還するというのはどうだろう
トランクスみたいな感じで

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:54:52 ID:wyIdcOLw
ハガレンのキンブリーが召喚された話ってあったっけ。

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:55:51 ID:LwMfhNe0
>>564
デルフ購入と言うか武器屋イベントが起こらなければルイズとキュルケ、どっちが買ってくれた剣を
使うかで揉める事が無く、それが原因で宝物庫の壁に傷が付く事も無いだろうから、フーケがお宝
奪取する事を諦めそうだ。
そうなると討伐も発生しなくなるだろうな。

後、それだとレコンキスタの天下でトリステイン涙目になるような気が。


573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:56:16 ID:A5iMhdoM
支援を二発、乙を二発。 この生き方は変えへん。

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 21:56:50 ID:YMPmchWX
>>570
初登場でギーシュを真っ二つですね。わかりかねます。

ウルフ私怨

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:00:42 ID:691x9GSE
>>570
もしくは原作のアルビオン戦役でサイトを失って
自殺して飛び降りたところとか、どーよ

576 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:01:01 ID:Qyq+3uj0
虚無と狼の牙 第三話

 夜、コルベールはいつものように自分の研究室にて、研究に没頭していた。
現在の彼のテーマは竜の血、その成分の解析と複製である。
最近の熱心な研究のおかげで、ある程度の成分の解析にも成功したし、それに近いものなら複製できるようになってきた。
竜の血独特のにおいを嗅いだ彼は満足そうに鼻を鳴らす。
 そのとき、誰かがドアをノックする音がした。
コルベールはただでさえ普段人が寄り付かないこんな場所に、夜に人が訪問してくるという事態に首をかしげながらも、
それでも人がやってくるということは何かの緊急事態かもしれないと重い、ドアを開けた。
そこに立っていたのは十字架を背中に担いだ、彼よりも背の高い黒髪の男だった。
「えーと、コルベールせんせ、でええんかな?」
 その男はコルベールの顔を見ると少し遠慮がちにそう言った。
「いかにも、私がコルベールですが。ええと、そういう君は確かウルフウッド君、だね?」
「おっ。ワイの名前知っててくれてたんか?」
 話のきっかけがつかめたとばかりに目の前の男は顔をほころばせる。
「良くも悪くも君は有名人だからねー」
 それをコルベールは苦笑いで返す。目の前この男の存在を知らないものは学院にはいないだろう。
平民が使い魔になったという珍しさに加えて、先日の決闘騒ぎである。
実際に彼と会話した事のある人物は限られていても、彼の存在はこの学院に関わるほとんどの人間に知られている。
「で、こんな夜に私に何のようだね?」
 コルベールは努めて平静を装った声を出した。
目の前の男、その存在を知っている人間は学院のほとんどとはいえ、その男が伝説の使いまであるガンダールブであることを現時点で知っているのは学院でもほんの一部だけである。
コルベールもその一人だった。そして、その上で彼の中に存在している『何か』に感ずいている人間はコルベールただ一人だけだった。
「ちょっとせんせに相談したいことがあってな。中に入らせてもろてもええか」
「ええ、どうぞ」
 コルベールは散らかった研究室の中に彼を招きいれた。
「すまんの」
 そう言って彼はコルベールの研究室に入ると担いだ十字架を床に突き刺すように置いた。
「ちょっとこれを見て欲しいねん」
 そして、その十字架を包んでいたベルトのホックを一つ外す。
十字架を覆っていた布が取り払われ、その本来の姿が現れる。
「こ、これは……」
 コルベールは目の前の物体に驚愕した。ただの何かのオブジェかと思っていたが、違う。
これは精巧に作られた何らかの機械である。
そして、その白いボディには無数の石でもめり込んだような傷が付いており、向かって左側の部分にいたっては完全に外壁が破壊されて中身が出ている。
 コルベールにはこれがどんなものかは全く想像付かない。しかし、その姿を見て彼はこれがどんなことに使われるものかは見抜いた。
「これは……一体?」
「簡単に言うと銃、やな」
 ウルフウッドは重い息を吐くように答えた。


577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:01:19 ID:xwKt8Yx3
支援

578 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:02:27 ID:Qyq+3uj0
「これを私にどうしろと?」
「修理してほしいねん。うちのおじょうちゃんに聞いたら、あんたがこういうことに興味を持っている、って教えてもろうてな。
もしかしたら、直してくれるかもしれへんと思って」
 コルベールは困惑した。目の前の物体はこれ以上なく彼の知的好奇心を刺激するものである。
破損しているとはいえ、その精巧な機械構造は彼の心を惹きつけるに十分である。
目の前のものの正体はわからない。しかし、彼はそれを銃だと言う。
おそらくその言葉に嘘偽りはないだろう。
この武器の現状を見て、これが一体どういう場所で使われるものか位は簡単に想像がつく。
コルベールは自らに課した誓いを思い出す。
「し、しかし私にはこれが銃であるというのは信じられない。あまりも私たちの常識を超えているよ、この機械は」
「わかってる。それは今日街ん中を見物してきたから、ようわかってる。
そやな、ほなこれが銃であるという証拠を見せたらええんやな」
「そうですね、これがどういう風に動くものかを見せていただかなくては、私としてもいかんともしがたいですから」
 これが武器であるということにコルベールはちゃんと気付いていた。しかし、彼自身湧き上がる好奇心には勝てない。
 そうして二人は部屋の外に出た。部屋の中で銃をぶっ放すわけにはいかないだろうというウルフウッドの判断である。
「ところで、それはちゃんと動くのですか?」
 半壊したパニッシャーをコルベールは指差した。ひどいダメージを受けている。とても動くとは思えない。
「大丈夫、とは言えへんけど、片側半分のマガジンはなんとか生きとるから、だましだましやったら動くと思うわ」
 ウルフウッドはパニッシャーを憐れむような目で見つめる。外壁が破壊され中身がむき出しになった片側のマガジンが痛々しい。
「さてと、なんか手ごろな的はないか?」
 ウルフウッドは隣のコルベールに尋ねた。
「そうだね……じゃあ、あの塔を狙ってくれたまえ」
「ええんか?」
 建物を狙えと言われたウルフウッドは確認するようにコルベールに問い返した。
「大丈夫だよ。あの塔はうちの学院の宝物庫だ。
スクウェアクラスのメイジたちによって強力な固定化の魔法が掛けられている。
この学院で、いや世界でもっとも頑丈な建物だよ。銃で撃ったからといって傷すらつくまい」
「そうか。まぁ距離もちょうどええわ。ほな遠慮なく」
「ええ、どうぞ」
 このときコルベールはタカを括っていた。
彼は銃の威力を彼の常識の範囲内で考えていた。
この男はここから銃で撃つとは言っていたが、おそらくこの距離なら届くのでやっとであろうと。


579 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:04:23 ID:Qyq+3uj0
 そんなコルベールの思惑はお構いなしにウルフウッドは手に持ったパニッシャーを大きく回転させて構える。
両足を大きく開き、腰を落とす。
そして、パニッシャーを胴に密着させることにより安定させる、この武器を扱う独特の構えだ。
ガシャという機械音と共に、その先端が開くとその銃身が顕わになる。
そして、小さな爆発音が三発連続して鳴り響いた。
その直後宝物庫の塔に三筋の砂礫の煙が舞い上がる。
「な、なんという……」
 それを見ていたコルベールは驚愕に足を震わせた。
彼の足元には先ほどウルフウッドがパニッシャーを撃ったときに飛び出した薬莢が三発転がっている。
「あんまし弾薬の無駄遣いはできひんから、この程度で勘弁したってな」
 ウルフウッドはそう言って、パニッシャーの銃身を閉じた。
「信じられん。なんという破壊力だ……」
 コルベールは呆然と視線の先で宝物庫の塔を追う。
宝物この壁を傷つける予想を超える恐るべき破壊力。そして、彼の常識からは考えられない高い命中精度。
「けど、さすがに魔法がかかっているだけのことはあるな。本来やったらあんな壁簡単に粉々にできるんやけど」
 ウルフウッドも自分の銃弾が当たった塔を眺めて、感慨深げにそう呟いた。
「……ウルフウッド君、一つ訊いていいかい?」
 コルベールはゆっくりと深呼吸するように言った。
「なんや?」
「君はそれを修理してどうするつもりなんだい?」
「どうするも、こうするも、ワイはあのじょうちゃんの使い魔やろ。
あの子をまもらなあかん。それにはそれ相応のものがいる、それだけのことや」
「本当にそれだけなのかい?」
 コルベールはウルフウッドのほうを向いた。二人は相対する形になる。
「どういう意味や?」
「君は彼女を守るためと言った。そのためにその銃を使うと。しかし、本当にそれだけなのかい? 
何かを守るといえば聞こえがいい。しかし、時としてそれは人に向けられるのではないかね?」
 ウルフウッドは静かに目を閉じる。
「そうせざるをええへんときは――そん時や」
「あの銃の弾が人に当たればどうなる?」
「そんときはただの物言わぬ肉塊になる」
 こともなげにウルフウッドは言ってみせた。その言葉にコルベールは静かに頭を振る。
「私は――私は人を傷つけるための道具など作り出したくはない。
君は、君は彼女を守るためだといった。でもそれは欺瞞じゃないのか? 
君自身が力に魅入られているから、自分の力を失いたくないから、そう言っているのではないのかね」
 ウルフウッドは目を閉じたまま、動かない。
戦いの日々から解放された今、自分の牙はどこへ行こうとしているのだろうか。
「……誰かが牙にならんと、誰かが泣く。少なくとも、オレはそう信じて自らの牙を突きたて続けてきたつもりや」
 ウルフウッドは静かに、ただ静かにそう言い放った。
「君の突きたてた牙で誰かが泣くとしても?」
「センセ、ワイらは万能の神様やない。選ばなあかんねん。
それがクソみたいな選択肢でも、それでほんの少しでもマシになるんやったら。
最高なんて選ばれへん。ただ、最低から逃げ回るだけや」
「それが――それがどうしようもない後悔に繋がるとしても?」
「後悔しようが何しようが、現実に問題は起こり続けるねん。
そうやって、後悔を理由に自分の殻に閉じこもって何もせえへんのは最低や。
ほんまに後悔しとるんやったら、血ヘドを吐きながら前へ進まんかい。
立ち止まったって過去から逃げ切れるわけやないんやで」
 ウルフウッドの言葉の最後は重いため息に変わっていった。


580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:04:27 ID:7as8Z3tn
支援

581 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:05:35 ID:Qyq+3uj0
 二人の間を沈黙が包む。
十分、二十分、一体どれくらいの間そうして佇んでいただろうか、何かを吹っ切るようにウルフウッドが沈黙を破った。
「センセ、それはセンセに預けておくわ。ワイを信じてくれなんておこがましいことは言わん。
ただ、ワイは、ワイの信じるもののために十字架を背負い続けてきた。その生き方はもう曲げられへん」
 ウルフウッドはパニッシャーをコルベールに手渡す。
コルベールはそれを両手で抱きかかえるようにして持つと、苦しそうな息を吐くように彼の名を呼んだ。
「ウルフウッドくん」
 ウルフウッドはその言葉に振り向くことなく歩き出す。
「ほな夜分遅うに失礼したな。おやすみ、センセ」

 二つの月明かりの下ウルフウッドがルイズの部屋に戻ろうとした、そのときである。
先ほど銃弾をぶつけた宝物庫の傍で大きく地面が盛り上がるのが見えた。
そして、その盛り上がった地面はやがて人のような形を成す。
 その大きさは先ほどウルフウッドが撃った塔ほどもあり、それが月明かりに照らされて不気味な姿を晒す。
「な、なんや、あれは?」
 ウルフウッドは呆然と夜空にそびえ立つ土の巨人を見上げた。
「ゴーレムだ。しかもあの大きさ。ただのメイジじゃない。トライアングルクラスか?」
 コルベールもウルフウッドの隣まで走りより、遠くの巨人を見上げながらひとり言のように呟く。
「なんや、あれは? 魔法使いの演習かなんかか?」
「そんな馬鹿なことが。第一こんな非常識な時間に」
 呆然と見上げる二人の前でゴーレムはその巨大な腕を振りあげた。
そして、その腕を宝物庫の壁に向かって振り下ろす。まるで蝋細工のように宝物の壁が崩れていく。
「な、なんだと!」
 コルベールは大声で叫んだ。宝物庫から土煙のように崩れた砂礫が落ちる。
そしてゴーレムはその穴から手を突っ込むと、その腕伝いに黒っぽいローブを着た誰かが中に入っていくのが見えた。
「つ、土くれのフーケだ!」
「なんやねん、それ?」
 ウルフウッドは状況を全く飲み込めない。
「盗賊だ! 最近、町を騒がしている貴族専門の!」
「なんやて!」
「今、ゴーレムの腕を伝って中に入ったのがおそらく土くれのフーケだ」
「どないすんねん! 行くんか?」
「まともな装備もない状態では返り討ちがオチだ!」
「ほな、パニッシャーであの土人形を泥の塊に変えたる!」
 パニッシャーをとろうとコルベールの研究室へ行こうとしたウルフウッドの腕をコルベールが掴んだ。
「なんで止めんねん!」
「無駄だ! ゴーレムに遠くから物理攻撃を加えても直に再生されるのがオチだ。操っているメイジを叩かないと意味がない」
 ウルフウッドはコルベールの研究室のほうに目をやる。
どちらにしても、ここからパニッシャーを取りに戻って接近するまでの時間は与えてくれないだろう。
「くそったれ……こっちは見ているだけかい」
 ウルフウッドはいらだたしげに地面を蹴った。
 塔から出てくる人影が見えると、やがてゴーレムは崩れていき、辺りはまた何事もなかったかのように静かになった。


582 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:06:44 ID:Qyq+3uj0
「あんな大胆な方法の盗賊とはな。おそれいったわ」
 憎憎しげにウルフウッドは呟く。
別にこの学院の宝物に対して彼自身は何の興味もない。
しかし、このような何も出来ない無力感にさらされるのだけは耐えがたかった。
「しかし、信じられない。いくらあれほどの巨大なゴーレムとはいえ、あの塔には強力な固定化の魔法がかかっていたんだ。
そうたやすく破壊されるとは到底思えない……」
 コルベールは顎に手を当てて考え込む。
そうなのだ。ありえないことなのだ。
磐石の堅牢性を誇る塔が破壊されることなどありえない。
魔法に対してはほぼ無敵であるし、それに物理的な衝撃に対してもあの分厚い壁をそうそう打ち砕けるものではない。
「考えられるとしたら、壁のどこかに亀裂が入っていたとか……あっ」
 ウルフウッドとコルベールはお互いに顔を見合わせる。
コルベールは顔面蒼白に、ウルフウッドは顔中を引きつらせる。
「ちょっとまってや。ひょっとしてワイがあれを撃ったせいや言うんか!」
「し、しかし、それしか考えられない!」
「けど、そもそもあんたがアレを撃て言うたんやないけ! 大丈夫やからって!」
 ウルフウッドは塔を指差して、腕をピコピコと振る。
うっ、とコルベールは胸を押さえる。
「君の銃があんな破壊力を持っているなんて知らなかったんだ! 
そもそもそんなむちゃくちゃな破壊力の銃があること自体がおかしい!」
 コルベールは自分の研究室前に立てかけてあるパニッシャーを指差して叫んだ。
ウルフウッドは鼻の穴と口を大きく広げると、
「な、なんやと、おんどれのその頭は後先のこともろくに考えられへんと禿げ上がるばかりかい!」
 コルベールは自らの頭を両手で押さえると顔を真っ赤にした。
「き、君! 今のは侮辱だよ! 全く持ってしてデリカシーのない!」
「研究室にこもって四十過ぎてまで独身のおっさんにいわれたないわ、ボケ!」
「な、なんですとぉー!」
「何やねん!」
 ゴーレム騒ぎが収まって静かになった夜の空の下、今度はその下で醜い二人の男の言い争いが始まっていた。
醜い、実に醜い争いであった。


583 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:07:49 ID:Qyq+3uj0


 翌朝、トリステイン魔法学院は喧騒に包まれていた。
教師たちには緘口令が出ていたものの、派手に壊れた宝物庫を隠しとおせるわけもなく、フーケのニュースは学院を席巻していた。
「フーケの襲撃を目撃したのはミスタ・コルベールと、そちらのミス・ヴァリエールの使い魔……」
「ウルフウッドや」
 片手を腰に当てたまま無愛想にウルフウッドは名乗った。
「そう、ウルフウッドくんの二人だけなのじゃな?」
 フーケ襲来の翌日の朝、唯一の目撃者であるコルベールとウルフウッドはオスマンの部屋に呼ばれていた。
彼らの周りには学院の教師たちがいる。これから彼らの目撃証言を元に対策を立てるのだ。
「なんであんたが昨日の晩に現場にいたのよ?」
 ウルフウッドの袖を引っ張って小声でルイズが訊く。
「まぁ、いろいろあるんや。大人の事情っちゅうやつや。ちゅうか、なんでおじょうちゃんここにおんねん?」
 その言葉にルイズは不快感を露に顔をしかめる。
「あのねえ。わたしはあんたのご主人様なの。あんたを監督する責任がわたしにはあるの!」
「あー、ちょっとそこ私語は慎んでもらえるかの?」
「……すいません」
 オスマンの注意に二人の声が重なった。
「で、ミスタ・コルベールの言うようにフーケはゴーレムを使って、塔の壁を砕き、破壊の杖を奪ったと」
「ええ、その通りです」
「しかし、不思議ですな」
 その話を聞いていた教師のギトーが口を挟んだ。
「あの壁がゴーレムの力で破壊されるとは到底思えない。
なにか、どこかに我々の与り知らぬところでクラックでも入っていたのではないかね?」
 その言葉にコルベールとウルフウッドは同時に胸を押さえる。
とにかく二人は昨日の一件は内緒にしようと決めた。
彼らに責任を追及されるのが怖かったからではない。
とりあえずパニッシャーの存在とその破壊力はあまり公にしないほうがいいだろうという判断だった。
そう、断じて怒られるのがいやだったとかそういうわけではない、ことにしておく。
「そ、その破壊の杖っちゅうのはいったいなんなんや?」
 ここで話題を変えようとウルフウッドが口を挟む。
ギトーは平民が自分の話の腰を折ったことに、露骨に嫌そうな顔をする。
「我々の学院にある秘法じゃよ。破壊の杖の名にふさわしく、それを振ると信じられん破壊力の爆発がおこる代物じゃ」
「……なんかえらい危険なもんが奪われてしもたんやな」
 ここでウルフウッドとコルベールは目を合わせた。
ウルフウッドは右頬を少し引きつらせて、コルベールは頭頂部を湧き上がる汗できらきらと輝かせていた。


584 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:09:03 ID:Qyq+3uj0
「それはそうと君たち二人は昨日の夜に二人で何をやっていたのかね?」
 ギトーが思い出したように、ウルフウッドとコルベールの顔を交互に見た。
「え、っといや、それはですな……」
 その質問に頭を掻くコルベール。間違っても昨日の出来事が知られてはいけない。
「そうよ。何しにコルベール先生のところに行ったのよ? あんた、『大人の用事やから子供は知らんでええ』なんて言っていたけど?」
 その言葉の後をルイズが受ける。
「大の男が夜中に二人っきりで会って、大人の用事……?」
 ギトーが怪訝そうな目で二人を見る。
 まずい? 話がなんかへんな方向に行っている?
「そういえば、ここ数日コルベール先生はよく彼の方を見ていらしたわ」
 シュヴルーズが疑惑の火種に油を注ぐ。
「ち、ちょっと待ってや! ワイはそんなんやなくて」
「じゃあ、どんなんだね?」
 ギトーの言葉にウルフウッドは何も言い返せない。そうしていると、ふつふつと怒りが湧いてきた。
なんで自分にこんな疑惑が向けれられているのだろうか。そもそも悪いのはこの隣にいるやつだ。
こいつが「あそこを撃て」なんて言わなければ、宝物庫も襲われなかったし、こんな疑惑を掛けられることもなかった。
そう思うと、一気に怒りがこみ上げる。
「っちゅうか、お前あっこやったら大丈夫。絶対にばれへん、て言うたやないけ!」
「な、わ、私のせいだというのですか! 
そもそも最初から君の『アレ』があんなにすごいなんて知っていたら、わ、私だってあんなところ向けてなんていいませんよ!」
 え、『アレ』ってなに? まさか『アレ』って『アレ』?
 醜い言い争いをする二人の傍で疑惑が固まっていく。ギトーは露骨に嫌な顔をして距離を取った。
ルイズは顎を落ちんばかりに開いて呆然としている。シュヴルーズはなにやら顔が真っ赤だ。
オスマンはとりあえず現実逃避している。
「そもそも誘ってきたのは君のほうでしょう!」
 真っ赤な顔でコルベールはウルフウッドを指差す。
 誘ってきた? あぁ、やっぱりそうなのね。やっぱり『アレ』って『アレ』なのね。
 周りの人々の表情に苦々しい色が出始める。
 四十過ぎて独身なのはそういうわけだったのか。ギトーは納得していた。
 あれだけ女の子にもてるくせに、そして、同じ部屋で寝ているのにわたしに全く手を出してこなかったのはそういうことだったの。
ルイズは呆然とする頭の中で納得していた。
 オスマンは一人窓に向かって現実逃避している。あぁ、朝日が眩しい。
「わ、私は認めませんよ!」
 そのときシュヴルーズが大声を上げた。一同が彼女のほうを振り返る。
「私は断じて認めません! そ、そんなカップリング!」
 カップリング?
 一同同時に首をひねる。
「ウルフウッド×ギーシュのウルフウッド誘い受けですよ! それが一番です! 
そ、それがまさか、ウルフウッド×コルベールのウルコルカップリングなんて! 
コルベール攻めウルフウッド受けなら、ありかもしれませんが。いや、むしろあり? 逆に萌える? いや、でも……」
 そこから始まった突然のシュヴルーズ独壇場。一同このカオス極まりない現状に石になるしかない。
 シュヴルーズ、四十代独身。彼女こそはまさしく貴腐人であった。
 ミス・ロングビルがこの部屋に入ってくるまでの十分間。時が止まっていた。


585 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:10:17 ID:Qyq+3uj0
 ミス・ロングビルの報告によると、フーケの居場所の目星は付いているらしい。町外れの森にある廃屋だ。
 オスマン氏らの話し合いの結果、どうやらことは学院内で内密に処理する方向のようだ。
メンツとかなんとか、まぁそういう事情らしい。
「して、誰が破壊の杖を取り返しに行くのかの?」
 オスマン氏の質問に誰も答えない。みんなそれ以前の騒動で疲れ果てた顔をしている。
「しゃあないな。ワイが行くわ」
 そんな中ウルフウッドが手を上げた。その場にいた一同が驚いた顔でウルフウッドを見つめる。
 貴族のメンツとかは彼にとってはほんとうにどうでもいいのだが、自分が遠因である事件だ。
自分のケツは自分で拭く、そういう信念を持つ彼だからこその行動だった。
「しかし、君はメイジではない――」
 心苦しそうなオスマン氏の言葉をルイズが遮る。
「わたしも行きます」
 一同はもっと驚いた。今度は魔法の才能ゼロのルイズが名乗りを上げた。
「じょうちゃん、危ないからやめとき。子供のお遊びちゃうんやで」
「うっさいわね。使い魔のあんたか行くのにわたしが留守番なんて出来るわけないでしょ!」
 たしなめるウルフウッドにルイズは胸を張って反論した。
「けどなぁ……」
「じゃあ、わたしも行きますわ」
 そのとき入り口のほうから声がした。
ウルフウッドたちがそちらを振り向くと、キュルケがドアに背を持たれかけて立っていた。
「キュルケ! あんたなにやってるのよ!」
「朝からあんたたちがどっかに行こうとしてるから後をつけてみたら、なんか面白そうなことになってるわね。あたしも混ぜてもらうわよ」
「あのねえ、遊びじゃないのよ。これは盗賊相手の危険な――」
「あら、いざとなったらダーリンが守ってくれるわよ。ね?」
 ウルフウッドはため息を付いた。昨日からとことんついていない。
「私も行く」
 さらにキュルケの後ろから声がした。
「タバサ!」
「ちょっとあんたまで何言ってるのよ!」
 ルイズとキュルケの声が重なった。
「心配」
 タバサを見てウルフウッドは思い出した。
たしかこの子はルイズが例の授業で爆発騒ぎを起こしたときに出て行った子やったかな。いつも本ばかり読んでいる。
 ウルフウッドは見下ろすようにタバサを見つめる。タバサもウルフウッドをぼーっとした目で見つめる。
 ウルフウッドはこの少女の目の奥にどこか自分と似たものを感じた。
「うむ、いいじゃろ」
「オールド・オスマン」
 コルベールが慌ててオスマンを止めたが、オスマンのこの一言で全ては決した。


586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:10:26 ID:UpfnHJVQ
支援〜

587 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:11:23 ID:Qyq+3uj0
 ロングビルに案内されて馬車に向かう道すがら、ウルフウッドはコルベールに尋ねる
「あんたは行かへんのか?」
「……無責任だと、もしくは臆病だといいたいのですか?」
「ちゃう。ただ単に――訊いてみただけや」
 コルベールは歩きながらうつむく。
「フーケの捜索へ向かえば、私は私の魔法を人へ向けるかもしれない。それだけは、やりたくないのです」
「そうか」
「臆病だと思いますか?」
「かめへん。牙を剥け続ける覚悟も、牙を収め続ける覚悟も同じや」
「――君に渡された武器をお返しします。あれがないとあなたも困るでしょう?」
 ウルフウッドは歩きながら上を見上げる。
「ええわ」
「え?」
「あれはワイがあんたに預けたもんや。別に返してもらわんでもええ」
「しかし――」
「別にあんたにあげるわけちゃうで。ただ――ただ牙をなくした自分に何が出来るのか、そして何が出来ひんのか。それを見極めたいだけや」
 ウルフウッドは大股で歩く速度を速める。一歩一歩をしっかりと踏みしめる。前へ進むために。
「わかりました。君がそう言うのなら、そうしましょう。あと、老婆心ながらゴーレムとの戦いについてメイジとしてのアドバイスを差し上げます」
「……あぁ、そうしてくれるとありがたいわ」
 そんな風にして会話する二人をルイズは怪訝な目で見つめていた。
 本人たちは必死に否定していたが、さっきの話は本当なのだろうか。だって、今でも二人でなにかこそこそ話をしているし。
「ルイズ、どうしたの? そんな面白い顔でダーリンのほうを見て」
「え、いや! なんでもない! うん、なんでもない!」
 キュルケが不思議そうにルイズを見つめる。
ルイズはルイズで絶対にこの話はキュルケに伏せておこうと思っていた。
もうこれ以上収拾のつかない厄介事は増やしたくないのである。
「へんな子ねえ?」
「男同士の絆」
 首をかしげるキュルケの横でタバサがぞっとする一言を言った。


588 :狼と虚無の牙:2008/04/25(金) 22:12:20 ID:Qyq+3uj0
以上です。支援ありがとうございます。

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:13:36 ID:vzQ79XSm


シュ腐ルーズ先生自重汁w

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:14:24 ID:xwKt8Yx3
貴腐人吹いたw
狼GJ。

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:14:52 ID:lsygl+w9
乙!
パニッシャー無しでのフーケ戦かあ
次を楽しみにしてます!

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:16:49 ID:zAEFyToS
パニッシャーもいいけどダブルファングも登場してほしい、が、この世界の技術力じゃムリ…

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:17:02 ID:LwMfhNe0
乙ー。

コッパゲと牧師の醜い言い争いのシーンが内藤絵で脳内再現された。


594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:23:27 ID:R5nEWIsJ
乙!
単行本のカヴァーで渋くキメたコッパゲと牧師の姿が浮かんだけど、
外したらアレな事になってそうだw

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:23:50 ID:A5iMhdoM
乙です。
コルベールとウルフウッドはナイスなコンビですね。 性的な意味ではなく。
次も楽しみだ。

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:26:11 ID:mYlqdywI
最近とあるの人を見ねえ…。

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:34:06 ID:ItDlrOuk
GJ!!
この空気はまさしくトライガン

破壊の杖強奪シーンでこんなに笑ったの初めてだ

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 22:51:12 ID:x2kbPVTd
GJ!
そして貴腐人シュヴルーズ乙

599 :ルイズの恐竜惑星:2008/04/25(金) 23:13:14 ID:eZqlrIS/
展開が思いつかない余り、
いっそキュルケがラプターを召還した話に書き直そうかと思っている今日この頃

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:15:54 ID:8budY+Zm
このスレ見ながら戦場の絆のマッチング待ちしてたら
相手にウルフウッドってパイロットネームの人がいて吹いた

601 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:34:48 ID:nS7cHwT8
え〜っと、予約はないのでしょうか?

無いのなら23:40から投下しますが

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:36:54 ID:JFN4fUxr
待ってました。

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:38:38 ID:R5nEWIsJ
ブランデーはないけどウィスキーはあるよ支援

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:40:06 ID:5SiLhKly
クソなSSが投下されても嘘でもほめてこうぜ
白々しい賞賛も数行書くだけならただだしな

■褒められること、脳にとっては現金もらうのと同じ効果
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/news/1209128077/
自然科学研究機構生理学研究所

(愛知県岡崎市)の定藤規弘教授の研究チームが23日、
他人から褒められると、ヒトの脳は現金を受け取った場合と同じ部位が活性化するという研究結果を発表した。

 同チームでは、19人の健康な男女を対象に、カードゲームで勝って賞金を
得たときと他人から褒められたときの脳の反応を、それぞれ特殊な磁気共鳴画像装置(MRI)で撮影して比較した。

 チームでは、今回の研究結果は、賞賛はヒトに精神的な励みを
与えるという長年の仮説を科学的に裏付けるものだとしている。

 同研究結果は、米科学誌「ニューロン」に掲載された。
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-31485920080424

605 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:40:07 ID:nS7cHwT8
『ようこそタルブへ
 道に迷った人は、オイゲン・サヴァリッシュをお尋ね下さい』

 タルブの村の前、立て札にはそう書いてある。
 内容は、オイゲン・サヴァリッシュという人が道案内をします、というだけ。タルブ村
の案内役の広告に見える。
 ただ、問題はいくつかある。
 ここが、どうやっても道に迷いそうにない村だということ。もう一つは、『ようこそタル
ブへ』部分はハルケギニア語で書かれてるが、『道に迷った人は、オイゲン・サヴァリッシ
ュをお尋ね下さい』という部分は銀河帝国の公用語で書かれている事。
 これが示す事実、それはこの村にヤンやヨハネスの如く異世界から来た人がいるという
こと。そして、その人は同じ世界から来た人に何らかのメッセージを送ろうとしているこ
と。

 そして、ヤンが知る限り、ヤン以外にハルケギニアへ来た異世界の存在は二つ。
 一つは30年前、ヨハネスが乗車していた装甲車。ほとんどの乗員はエルフとの戦闘で
死亡。生き残ったヨハネスもオスマンの前で死去。
 そしてもう一つは60年前、聖地から西へ飛び去った飛行物体。

 ならば、この村にいる人物とは・・・。



   第十八話    タルブ



 ヤンさーんっ!みなさーんっ!

 遠くからヤン達を呼ぶ声がする。
 村の方を見ると、草色の木綿のシャツに茶色のスカート、それに木の靴を履いたシエス
タが手を振りながら笑顔で駆けてきていた。
「はぁっはぁ…お久しぶりです!ずっと待ってましたよ」
 シエスタは、ヤン達の姿を見ると、笑顔がだんだんと真顔に変わっていった。

 村の入り口の立て札と、顔を強張らせるルイズ達の間で視線を往復させる。何より、シ
エスタを凝視するヤンを。
 ヤンの半開きな口から、呻くように声が漏れる。
「・・・オイゲン・サヴァリッシュ・・・」
 瞬間、シエスタの表情が変わった。

 ヤン達が予想したのは驚きの表情。
 だが、シエスタが実際に示した表情は、満面の笑顔。
「はいっ!曾祖父の名です!」

 シエスタではなくヤンの顔が驚愕へと変化した。
「まさか…君は、最初から、全部知っていたのか!?」
「いえ、そんな事はないですよ。でも、曾祖父と近い国から来た、という事は気が付いて
ました」
 あんぐりと口を開けたヤン達に、シエスタは微笑みながら話し続ける。
「覚えてますか?ヤンさんが召喚された時、血で汚れて穴が開いた服を着てましたよね?
洗濯して穴を繕ったのは私達メイドですよ。その時、あなたの服に書き込まれていた文字
は、曾祖父が教えてくれた文字と沢山の共通点がありました。だけど、読めはしませんで
した。
 その時に気が付いたんです。ヤンさんは曾祖父の故郷と近い場所から来たんだって」
 ヤンもルイズもロングビルも、二の句が継げなかった。
「お、おでれ〜たぁ〜」
 デルフリンガーだけが継ぐ事が出来た。


606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:41:57 ID:7as8Z3tn
紅茶支援

607 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:42:23 ID:nS7cHwT8
「ただ、サヴァリッシュの掟で、その事実を部外者に語る事は許されませんでした。だか
ら、その時点ではヤンさんにも話す事は出来なかったんです。
 でも、その立て札を読めたなら話は別です。曾祖父の遺言ですから」


 ヤンは、始祖ブリミルを呪う事にしていた。もし会ったらブラスターで穴だらけにして
やると誓っていた。だが、もうそんな気すら失せてきた。

 怒りを通り越して、呆れた。

 一体、始祖ブリミルというのは偉人なのかバカなのか、意地悪なのか親切なのか。
 ここまでご丁寧に、学院へ虚無の手掛かりを集めた上に、ヤンと同じ被召喚者の関係者
まで呼び寄せているとは。こんなもの、偶然なハズがない。明らかに故意だ。始祖の強大
な魔力によって仕組まれた運命の糸に、全てが引き寄せられたのだ。恐らくルイズは本当
に『虚無』の系統なのだ。
 理由は薄々、予想が付く。強大な『虚無』の使い手に施された安全装置を、しかるべき
時期に「指輪と王家の秘宝」と接触させて解除しなければならないからだ。
 これがティファニアのように王家の者であれば問題はない。自然と指輪にも秘宝にも触
れるだろう。だが、ルイズは王家に生まれなかった。このままでは指輪にも秘宝にも触れ
る機会がない。
 だから学院に全てを呼び寄せたのだ。明らかに物理法則を無視した『錬金』『召喚』すら
も可能とする魔法。その起源たる始祖の力なら、この程度の網を数千年前から組む事すら
不思議ではないと認めるべきだ。

 だが、だったらなんでこんな回りくどいやり方をするんだ!?おかげでどれ程の人がと
んでもない迷惑をこうむっていると思うんだ!?
 と、ヤンは力の限りに文句を付けずにはいられない。


 そんなヤンの煮えくりかえり過ぎて焦げ付いたはらわたに気付かぬように、シエスタは
話を続けた。
「その立て札を見て分かる通り、曾祖父は『自分と同じ国から来た人がいれば助けたい』
と話していたそうです。立て札の下の文は、『同じ国』から来たかどうかを見分けるための
ものなのですよ。
 そして、曾祖父の言葉は村の掟そのものです。この村に、曾祖父の言葉に逆らう者はい
ません」
 その言葉に、ようやくヤンは再び声を絞り出す事が出来た。
「それじゃ…まさか、君が、僕に、お茶の入れ方とか、洗濯の仕方とか、色んな事を教え
て、くれたのは…」
「エヘヘ…サヴァリッシュの掟、というか教えなんです。ヤンさんのような異邦人には親
切にしてあげなさいっていう。おまけに曾祖父と近い国から来た人でしたから、多分曾祖
父と同じような苦労をしてるだろうなぁ、て」
 ちょっと恥ずかしげに俯きペロッと小さな舌を出すシエスタ。

 だがヤンには、そんな仕草を可愛いと思うような余裕はなかった。
「それじゃ!この、道に迷ったら尋ねてきなさいって!?僕に、何を伝えようと!!」
 彼らしくない剣幕で詰め寄るヤンに、シエスタは笑顔を少し引きつらせてあとずさって
しまう。
「あ、あの、その辺は村に言ってからしませんか?実は、ヤンさんの事は、恐らく村全体
にとって重要な話になると思うんです」
「分かったよ。すぐ行くよ!」
 ヤンとシエスタは足早に村へと向かう。
 取り残されたロングビルとルイズは、慌てて二人を追いかける。「こらー!俺を忘れてく
なー!」というデルフリンガーの叫びを残して。





608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:44:12 ID:U8ypua1u
支援

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:44:34 ID:viL0mVe8 ?2BP(30)
ホットパンチで支援
(もちろんワインは多めに入ってますよ)

610 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:45:04 ID:nS7cHwT8
 タルブの村は、見た目はごく普通の村だ。
 ワインが特産というだけあって、山の斜面にはブドウ畑が延々と広がっている。その山
に囲まれた平地には緑の海のような草原が広がる。山の上にはちらほらと、オレンジ色の
屋根と白い壁の民家が見える。その麓には醸造所らしき、尖った屋根を持つ大きめの建物
も建っている。
 ただ、それぞれの家は少し大きく、立派そうに見える。村の柵や道も整備が行き届いて
る。なかなかに裕福らしい。
 ヤン達がシエスタに案内された村の中心、広場では村長らしき初老の男が待っていた。
そして周囲の民家の間、窓から顔を出す人、家の前に並べた椅子に座る老婆が一行をみつ
めている。彼等の視線は、明らかにヤンへ集中している。それは好奇心、疑惑、そして敬
意。だが表だって動こうとはしない。

 村長が緊張した面持ちで一行の前に立った。
「初めまして、私はワイズと申します。このタルブ村の村長をしております」
 村長は、貴族であるルイズやロングビルへ礼をする。だが、その視線だけは明らかにヤ
ンへ向かっている。
 そしてルイズにもロングビルにも、村長の貴族に対する非礼を気にしなかった。二人も
ヤンへ視線を向けていたからだ。
 彼は、村長の前に進む。
「初めまして、ヤン・ウェンリーです。こちらのミス・ヴァリエールの…執事見習い、を
しています」

 使い魔、と言わなかったのは彼のこだわりであり、人としてのプライド。
 そのわりに「見習い」と言うのは気にしない。

「失礼ですが、村長の名は、本当はワイズ・サヴァリッシュですか?」
 ヤンの問に、白髪混じりの村長は首を振った。
「平民ですので、家名はありません。この村の恩人たる父、オイゲン・サヴァリッシュも
生涯オイゲンとのみ名乗りました。この村で平凡な平民として暮らすため、父は家名を捨
てたのです」
「で、では、オイゲンという人は、一体どういう人物なのですか!?ここで何をしたので
すかっ!?」
 詰め寄るヤンを、ワイズはまぁまぁとなだめる。
「それについては長い話になると思います。ですので、まずは宿を決め荷物を運んでくる
としましょう。では、シエスタよ」
「はい。ジュリアンに荷物を運ぶよう伝えて来ます。皆さんは、私の家でお泊まり下さい
な。大したおもてなしは出来ませんけど、精一杯歓迎しますね!」

 そう言ってシエスタは広場の隅で遠巻きに眺めていた子供達を呼び寄せ、その中の年長
らしい男の子に荷物を運んでくるよう言いつけた。彼がジュリアンなのだろう。兄弟らし
き子供達は村の入り口へと飛んでいった。
 そして一行はシエスタの家へと案内された。

 ただの民家、というには少々大きく立派な家だった。シエスタを長女とする八人兄弟を
含め、サヴァリッシュ一族が十分に暮らせる広さを持っている。ルイズとロングビルに一
部屋、そしてヤンが泊まる部屋と、二部屋の余裕があるくらいだ。家に並んで立つ倉庫ら
しき建物は恐らく、ワインの樽が並び、ワインの瓶を収める瓶架台と木箱が詰まっている
事だろう。
 屋根も壁も綺麗で、ベッドも白く清潔なシーツをひいてある。使用人がいても不思議な
い、というくらいだ。でもそういう人物は見えない。シエスタが学院でメイドをしている
のだから、そこまでの富農ではないのだろう。


611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:45:21 ID:R5nEWIsJ
俺、ブランデーよりはカルヴァドスの方が好きなんだよね支援

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:46:41 ID:hA93vJvW
指を一回鳴らしたらコーヒー
指を二回鳴らしたら支援の合図

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:46:50 ID:Kw5Tbwq+
支援の歴史がまた1ページ

614 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:47:23 ID:nS7cHwT8
 家のキッチン、というか食堂では家族がズラリと待っていた。
 主人とおぼしき男が礼をする。
「ようこそいらっしゃいました。まさか、祖父が待ち続けた『迷い人』が、本当に来ると
は…娘から聞かされた時には、全く驚かされました」
 今度は明らかに無視された貴族二人は、やっぱり非礼を咎める気が湧かなかった。
 ヤンも深々と礼をして、ルイズとロングビルを紹介する。ここでようやく主人は「おっ
と、これは失礼しました」と二人に礼をする。
 ハルケギニアの支配者階級であり、魔力を持たぬ平民の村人にとっては畏怖の対象であ
るメイジすら失念させるサヴァリッシュと『迷い人』。その存在について、皆一様に疑念と
期待と好奇心を隠しきれない。

 荷物を運び込んでもらった一行は、特にヤンは即座に部屋を飛び出した。置いて行かれ
た事にブツブツと不満を呟くデルフリンガーを背負って。
 家の前に立つ一行を見て、シエスタはちょっと困った顔をする。
「あの、この話はヤンさんにのみ、したいのですが…」
 ルイズが肩をいからせて抗議する。
「何言ってンのよ!ヤンは私の執事であり、使い魔よ。主と使い魔は一心同体、ヤンの秘
密は私の秘密!」
 ロングビルも鋭い視線でシエスタを睨み付ける。
「あたしらはもう、ヤンについて色々と知りすぎたのさ。今さら無関係と言われても通じ
ないよ」
 だが、ヤンはデルフリンガーを背から降ろし、ロングビルへ差し出した。
「ちょっちょっと待てよ!俺にも聞かせろよ!!」
 だがヤンは、怒りと悲しみと不満で塗りつぶされた二人と一本に、強く言い聞かせる。
「これは、僕だけじゃなく村の秘密でもあるんだ。話が終わるまで、待ってて欲しい。話
せる事は後で僕から話すよ」

 思いっきりふくれっ面なルイズ達を残し、シエスタとヤンは村を後にした。




 山の斜面を埋め尽くすブドウ畑の中を、二人は歩いていた。
 先を歩くシエスタが遠く見つめる先には、山の裾野から広がる草原がある。
「この草原、綺麗でしょう?ひいおじいさんは、この草原の彼方から、ふらりとやってき
たんです」
 そして視線を山並みへと移す。延々と続く、規則正しく並んだブドウの木が並ぶ斜面へ
と。
「ひいおじいさんは、本当に変な人だったそうです。
 文字をスラスラと読める学があるのに、厠の使い方が分からなかったり。
 酔った荒くれ者を片手で投げ飛ばす腕っ節の元兵士なのに、馬に乗れなかったり。
 町の商人が出来ない程の複雑なお金の計算を、あっという間にする方法を知っていて、
火を扱う方法を知らなかったり。
 何より、メイジや魔法に関して、全くの無知でした。
 つまりヤンさんと同じです」

 ブドウ畑の間を歩きながら聞かされるオイゲンの話、全て自分にも当てはまる事だとヤ
ンは納得した。
 帝国だろうが同盟だろうが、トイレは水洗。汲み取り式便所なんて、古代を舞台にした
時代劇にしか出てこない。馬に乗る機会も無いから、馬の乗り方なんか知るはずない。学
校で連立方程式や三角関数は習っても、かまどの使い方は習わない。何より、魔法使いな
んかいない。


615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:47:52 ID:U8ypua1u
支援するときは大きな声で!

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:50:25 ID:hA93vJvW
よろしい。支援である

617 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:50:30 ID:nS7cHwT8
 シエスタは、両手を広げた。
「でも、沢山の知識を村に授けてくれました。その中の一つが、タルブの名産であるワイ
ンなんです」
 両手を広げたままクルリと回るシエスタ。ふわりと広がるスカートの周囲には、ブドウ
畑が彼方まで続いている。
 彼女の細い、しかし田舎暮らしらしく華奢ではない指がブドウの葉を手に取る。
「ひいおじいさんは、遙か東から来たワイナリーだと言ってました。家を出て軍人になっ
たけど、戦争中に道に迷い、放浪の末にここへたどり着いた。もう帰れなくなったので、
ここで雇って欲しいと。
 そしてそのまま村で暮らし、家族を持ち、骨を埋めました」
「彼が来たのは、いつのことかな?」
 うーん、と人差し指を顎に当てて考える。
「大体、60年くらい前の事だと思います」

 シエスタの手の上のブドウの葉を見つめながら、ヤンは考える。
 恐らくオイゲン・サヴァリッシュの家は帝国のワイナリーだったのだろう。ワイナリー
というのは、ブドウ農家と醸造家を兼ねる職業。帝国と同盟の恒常的戦争状態が続く中、
彼は家業を継がず軍人になった。軍では当然ながら徒手格闘技術もナイフ術も学ぶのだか
ら、酔っぱらいの素人では相手にならない。
 そして60年前、運良く大気圏内での飛行が可能な機体に乗ったまま、聖地の『門』に
突っ込んだ。ビダーシャルの話とも一致する。問題は、その機体が今どうなっているかだ
が。

 シエスタは、手に取ったブドウの葉をヤンに示した。
「サヴァリッシュの教えは、あっと、ひいおじいさんの教えてくれた事を村の人はサヴァ
リッシュの教えと呼んでいるんですけどね。それは本当に、もの凄く役に立つ知識ばかり
でした。
 例えばこの葉っぱです。ブドウ果への日照量をコントロールするために、葉っぱを間引
くんです。これによってカビの発生を防ぎ、着色が進むんですが、一房に何枚の葉が必要
なのか、すら細かく教えてくれました」

 ヤンはブドウ農家でも醸造家でもないので、そこまでの知識はない。というか、かつて
酒と人類の歴史について論文を書こうとして、すぐに投げ出した記憶が有るような無いよ
うな。酒好だけど、醸造家でもブドウ農家でもない。
 と考えたところで、ヤンはある事を思い出して「あっ!」と声を上げた。
「そうだ!10日前くらいに、君が持ってきてくれたタルブのワインを飲んで、何か懐か
しいと思ったんだ!
 そうか、あれはハルケギニアじゃなくて、僕らの世界の技術で作られたワインだったか
らなのか…」
 シエスタも頷く。
「恐らくそうだと思います。何しろ、サヴァリッシュの教えによって、この村のワインは
全く変わってしまったんですから」
 そう言うと彼女は再びブドウ畑を見渡す。
「ブドウ畑は傾斜している方が日当たりが良い、土地が痩せている方が根を深くはりワイ
ン用に向いたブドウが収穫できる、一年を通じての温度や雨の量、剪定の仕方に赤ワイン
の色や味の変え方。スパークリングワインやロゼワインの作り方…。
 これらサヴァリッシュの教えは、村の秘伝です。だから、ミス・ヴァリエールやミス・
ロングビルのような部外者には教えられないのです」

 ヤンは納得しそうになって、ふと首を傾げた。
 確かにワイナリーにとっては秘伝の技だろう。だが、それはワイン農家や醸造家として
の教えだ。『道に迷った人は、オイゲン・サヴァリッシュをお尋ね下さい』という帝国公用
語でのメッセージが、まさか「一緒にワインを作りませんか?」という意味だというのだ
ろうか。


618 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:53:25 ID:nS7cHwT8
 その質問をぶつけると、黒髪を揺らいてシエスタはクスクス笑った。
「もちろんそんなワケありませんよ!ワイナリーとしての知識なんて、ひいおじいさんが
もたらした物の、ごく一部にすぎないんです。
 読み書き計算は言うに及ばず、債権債務の管理方法、水の魔法を使わない医療知識、そ
のほか、本当に沢山の事を村にもたらしました。おかげで、町の商人に法外な利息の借金
で縛られた農奴の村は、見ての通りの繁栄を手にしたのです」
 そう言ってシエスタが広げる腕の先、山の麓に村がある。大きく立派な家が並んだ、村
というより町に近いかも知れないタルブを

 銀河帝国の教育水準は、貴族社会とはいえ平民でも最低限の水準は満たしている。ワイ
ンの売買を通じ、信用買いや銀行からの融資とかも経験しただろう。まして士官学校出身
なら、戦場で必須となる救急医療術も学ぶ。ハルケギニアの医療を担う水系魔法は、科学
を超える効果を示すが、あまりにも高価で平民には縁がない。おまけに水魔法に頼ってし
まうため医学が発展しない。
 ならば、借金漬けの農村では水メイジに頼らない医学は重宝された事だろう。

 再びクルリと振り向いた少女は、更に話を続ける。
「実は、曾祖父はワインの事業で成功してからは、書物を書き記したんです。それも、部
屋一杯の書棚を埋め尽くす程に。それらは村の秘伝として、なにより皆の安全のために秘
匿されました」
「安全?」
「ええ。農奴をすら富農に変える知識の山ですから、狙う者は数知れないでしょう。流れ
者の平民である曾祖父に後ろ盾はありません。書物の存在を村以外の者に知られたら、村
も終わりです。
 曾祖父はサヴァリッシュの名を捨て、ただの平民を演じました。その知識はタルブの秘
伝です。記した書物は全て曾祖父の国の言語で書かれています。読み方は村長である祖父
や父、そして私達兄弟など、サヴァリッシュ直系にしか伝えてありません」

 この地を治めるのはアストン伯。異教に目を光らす教会。徐々に富と力を付けるタルブ
に嫉妬と警戒心を募らせる周辺の村々、ライバルのワイナリー達…。
 ヤンにはルイズという強力な後ろ盾がいる。今なら枢機卿の保護を得る事も出来るだろ
う。だがサヴァリッシュには無かった。
 異邦人がここで生きる方法は少ない。有力者の後ろ盾を得るか、ただの平民としてひっ
そりと生きるか。ヤンは召喚された時点で前者の立場にあった。サヴァリッシュは後者を
選んだ。
 その平凡な平民の生活を持てる知識と能力で最大限改善した結果が、今のタルブ。そし
てヤン達が村に来た時、村長以外誰も寄ってこなかった理由だ。再びサヴァリッシュと同
じ存在が来たとなれば、無視も派手な歓迎も出来ない。表向き、ただの平民として扱わね
ばならない。

 シエスタは村の民家へと指さした。それは、先ほど案内されたシエスタの生家だ。山の
上から見ると、村の大きくて立派な家々の中でも特に大きな建物が幾つも並んでいるのが
わかる。
「私の家にサヴァリッシュの書が隠してあります。その中には、『迷い人が来たら読ませよ』
と言われた一冊の書があります。それは最後に記した書であり、サヴァリッシュから『迷
い人』へのメッセージです」
「君は、その書を読んだ事は?」
 先に見える生家を見下ろしながらの問に、少女もそのまま頷く。
「あります。だからこそ私達は曾祖父と同じく『迷い人』を待ち続けました。本当に来る
かどうかも分からない異邦人を。私達に書の内容を教えてくれる人を」
「内容を、教える?」

 意味が分からず、ヤンはシエスタへ視線を向ける。サヴァリッシュは直系子孫に銀河帝
国公用語を教えたはず。なら全て読めるはずだ。
 対するシエスタの説明は極めて単純明快。
「はい。なにしろ私達は、サヴァリッシュの書を読めるんですが、内容がわかんないんで
す…難しすぎて」
 てへっ、と恥ずかしそうに肩をすくめるソバカスの少女。言われたヤンはカクッと首が
斜めになった。


619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:53:41 ID:pwXOea1K
支援

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:53:44 ID:U8ypua1u
ポクス・ポクス・支援

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:56:31 ID:xwKt8Yx3
提督支援

622 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:56:52 ID:nS7cHwT8
 だけど、理解出来ないのは当然の事だろう。
 例えばブドウ畑。最高品質のブドウを育てようと思えば、日照量・気温・降雨量・緯度
や経度まで正確に調べ、分析し、最良の世話をしなければならない。でも気象観測手段が
ない、温度計がない、どの年にどのくらい雨が降ったかなんて正確には分からない。
 これが医学になれば、さらに難しい問題だ。細菌やウィルスの知識がない人に、感染防
御は理解出来ない。免疫と炎症反応について記しても、白血球やT細胞と言われたって何
のことだか。
 これらは口で教えても理解出来るものではない。顕微鏡が無い、気象衛星が無い、電池
もエンジンも何もない。これでは教えられるのは、基本的な知識だけ。サヴァリッシュの
教えを実現させるべき基礎科学が存在しないのだから、理解出来ないのは当前。そして既
にサヴァリッシュは死去し、彼の書に記された知識を紐解ける人物がいなくなった。

 シエスタは胸の前に手を組み、正面から真っ直ぐヤンの目を見つめた。
「お願いします。サヴァリッシュ最後の書を読んで下さい」
 少女は、深々と頭を下げた。




 既に夕陽が草原の彼方、ブドウ畑が広がる山向こうへ沈もうとしている。
 山の斜面を覆い尽くすブドウ畑から降りてきたシエスタとヤンは、不安で潰されそうに
なっているルイズとロングビルが立つシエスタの生家へ戻ってきた。ロングビルが手にす
る長剣も、今は何も話さない。
 何を聞かされたか尋ねたい二人に対し、先に口を開いたのはヤン。
「ねえ、ルイズ。僕らはここに、何日くらい滞在出来るかな?」
「え?えーっと…」
 いきなり全然関係ない話をされて、驚きつつも考え込む。
「ニューイの月、一日が姫の結婚式予定日でしょ?で、姫さまのパレード出発が、その三
日前だから、タルブからトリスタニアまで三日くらいとして…。あと、五日か六日くらい
かしらね」
「分かったよ。それじゃ、しばらくここに滞在させて欲しい」
 ヤンは、ちょっと!何なのよ?というロングビルやルイズやデルフリンガーを無視し、
シエスタの後をついていった。


 シエスタの家の一番奥にある部屋。そこは、村長一族の住む家とはいえ、少々豪華に思
えた。立派なデスクに壁の棚を埋め尽くす書物。花瓶だの絵画だのといった飾りっ気がな
いので貴族の執務室、という程ではないが。
 シエスタはヤンを部屋の中へと招き入れる。
「ここはひいおじいさんの部屋でした。ひいおじいさんは書き物はここで行い、この部屋
には誰も許可無く入ってはいけないと、皆にきつく言い聞かせていました。
 死後、この部屋はそのままにしてあります。あ、もちろん掃除とか手入れはちゃんとし
てありますよ」
 ヤンは書棚の本を見て回る。それらは全てハルケギニア語で記された本ばかりだ。村の
秘伝とされる自著は別の場所に隠されているのだろう。

 扉がコンコンとノックされた。シエスタが開けると、一冊の本を手にしたジュリアンが
立っていた。
「ねーちゃん!持ってきたよ」
「ありがとうね。貴族のお二人をしっかりお持てなししてね」
 はーい!という元気な声と共に、少年の駆け足は遠ざかっていった。


623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:58:23 ID:U8ypua1u
自由・自主・自立・支援

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:58:30 ID:JFN4fUxr
支援砲撃

625 :ゼロな提督18:2008/04/25(金) 23:59:08 ID:nS7cHwT8
 シエスタは、本をヤンに手渡す。それは、便箋を束ねたような簡単な冊子のようなもの
だ。ただ、その紙の中に、明らかに材質が違う物がある。まるで印刷用紙のような紙が混
じっている。
「これがサヴァリッシュ最後の書です。『迷い人が来たら読ませよ』、それが遺言です。ど
うか、読んで下さい。そして、どうか…」
 シエスタは言葉を濁して視線を逸らす。本当なら、村のために知恵を授けて欲しい、と
言いたいのだろう。だがヤンはルイズに雇われている立場だ。軽々しく頼むわけにはいか
ない。
 ちょっと逡巡するシエスタに、ヤンは微笑んだ。
「とにかく、読んでみるよ。その後どうするかは、それから決めよう」

 デスクに腰掛けたヤンを残し、シエスタは部屋を後にした。




 夕食前まで、ヤンは執務室に籠もっていた。
 食堂で待つルイズもロングビルも気が気でない。ホスト役である村長はじめシエスタと
サヴァリッシュ家の人々も、精一杯に貴族二人をもてなすものの、落ち着かないのは彼等
も同じ。テーブルの上のデルフリンガーが場の空気を変えようとあれこれ話を振るもが、
どれも空振りに終わってしまう。

 キッチンから良い香りが漂い始めた頃、やっと食堂へヤンが冊子を片手に姿を現した。
即座にルイズとロングビルが駆け寄る。
「ヤン!一体どーだったのよ!何が書かれていたの!?」
「そうだよ!今さらあたい達にまで隠し事だなんて、水くさいじゃないか!」
 詰め寄ってくる美女と美少女に微笑んだ。
「大丈夫、今から話すよ」
 そして、シエスタとサヴァリッシュ家の人々に頭を下げた。
「サヴァリッシュ最後の書については、この二人も大体知っている内容でした。なので、
今さら彼等に秘密とする必要は無いと考えます。無論、この村に都合の悪い事実について
は口外するつもりはありませんので、どうか彼等に教える事をお許し下さい」

 困惑し、躊躇いながら顔を見合わせる。一族の視線が村長に集中したとき、村長も迷っ
た末に「うむ、承知しました」と答えた。
 席についたルイズとロングビル、そしてデルフリンガーを前にして、ヤンは語った。 オ
イゲン・サヴァリッシュの半生を。




 オイゲン・サヴァリッシュ中尉。
 ブドウ農家の次男。経営者である父は趣味で自然志向の伝統ワインも醸造していた。別
に売るために作っていたわけではないが、なかなか評判が良かった。彼も興味を持ち、色
々と自分で勉強していた。
 ブドウ農家は長男が継ぐため、彼は士官学校へ入学。卒業後、紆余曲折を経て銀河帝国
クロイツ艦隊所属空母『シュヴァルツシルト』にワルキューレのパイロットとして配属さ
れた。同時期に家族全員が事故で死亡。相続したブドウ畑に思い入れはあったが、軍務が
忙しく経営出来ないので売却した。
 しばらくの後、同艦隊はイゼルローン要塞へ配置された。要塞周辺宙域にて小規模の戦
闘中、サヴァリッシュ中尉の乗る単座式戦闘艇ワルキューレは空母を発進しようとしてい
た。が、空母から発進しようと加速したとき、機体の前に鏡のようなものが現れた。回避
は間に合わず、そのまま鏡に突っ込んでしまった。


 次の瞬間、なぜか彼は大気圏内を急上昇していた。
 わけが分からず慌てて速度を落とし、機体を水平に保って旋回を続けた。



626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/25(金) 23:59:39 ID:W+mt08Av
一点集中砲火!!

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:01:20 ID:hA93vJvW
ワルキューレってあのデザインで大気圏内航行可能なんだよねそういや支援

628 :ゼロな提督18:2008/04/26(土) 00:02:48 ID:nS7cHwT8
「それって、ビダーシャルが言ってた60年前に飛び去ったという飛行物体のことね」
 顎に手を当てるルイズの予想に、ロングビルも頷いた。ただし渋い顔で。
「でも、わかんない単語がゾロゾロ出てくるねぇ…」
 食器を運んできたシエスタも、苦笑いしながら皿を並べていく。
「あたしたちも、書物を読むと何のことだか分からない単語が多くて困ってるんです。ひ
いおじいさんは子供たちにも分かりやすいよう、なるべく簡単な言葉を使って書を書いて
くれたと言うんですけどね。
 なんとか父達は話を理解しようと頑張ったんですけど、やっぱりダメで…狂人扱いされ
たこともしばしばだったそうです」
 ヤンは改めて冊子の文章を見直してみる。これは『迷い人』用の書なので、別に簡単な
言葉を使っていないだろう。だが、あんまり簡単に書きすぎたら、今度は実践面で問題が
出るから、それなりの専門用語も使っていることだろう。
 話がずれたな、と思い、改めてヤンは手元の冊子に視線を落とす。


 生きて門を越えたサヴァリッシュだが、彼には自らの幸運を喜ぶことはできなかった。
 宇宙空間にいたはずが、大気圏内にいた。見知らぬ惑星上を飛んでいた。通信回線を開
いても雑音しか入ってこない。マップを開いてどこの星かと調べようとしたら現在地点を
ロストしている。
 彼は混乱の極みにあった。
 空を見上げれば見知らぬ星空で、衛星が二つ。そのわりに高度を上げて地上を撮影して
みると、どうも記憶に引っかかる地形がたくさん撮れた。自分はどこから大気圏突入した
のかと記録された座標を調べれば、なぜか地上の半径10kmはあるクレーターど真ん中に突
然現れたことになっている。
 撮影された地表の海岸線が歴史で学んだ地球の地図とソックリだと思い出したとき、彼
もヤンと同様にパラレルワールドへ迷い込んだことに気がついた。ただし、聖地の門から
の召喚とは知らないので、自然発生したワームホールに偶然巻き込まれた、と考えた。そ
して高度から撮影されたクレーターは、幾重も大小の同心円を描いていたことから、大小
様々な物体が定期的にワームホールから飛び出しては大爆発を起こしていることも予想が
ついた。

 ともかく、混乱する思考の中で、彼はこう考えた。自分がこの世界に飛び出してこれた
なら、他にも同じくワームホールを通過した者がいるのではないか?と。とりあえず高度
を下げて地表を偵察することにした。行き先は、なんとなくおとぎ話によく聞くヨーロッ
パっぽいからとハルケギニアを選んだ。

 そして、彼は狭いコクピットの中で頭を抱えた。

 地上に見えるのは古代地球、まさにおとぎ話の世界。火山周囲を飛び回る竜、なぜか空
中に浮いている巨大大陸、石と木で出来た原始的家屋、空気抵抗を無視した形状のまま飛
び回っている木造の船、歩き回る人々の服装まで、まさに中世ファンタジー世界。他の遭
難者がどうとか言う以前に、科学に従った世界ではないと思い知らされた。どうみても科
学世界と接触があるように見えない。
 だが、いつまでも飛び回ってはいられない。燃料弾薬満タンで発進した直後とはいえ、
いつかは燃料切れになってしまう。なので、とりあえず人里から少し離れた山中に着陸。
銃や携帯情報端末、サバイバルキットなど、持てる装備品をあらかた背負って地上探検に
出発した。
 上空から見えた、懐かしいブドウ畑を目指して。



629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:02:59 ID:U8ypua1u
ウチの艦隊は支援ばっかりうまくなって…。

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:06:51 ID:xRcBrU4d
支援こそ我らが本領よ

631 :ゼロな提督18:2008/04/26(土) 00:06:52 ID:/VbwZ5EJ
「…そして訪れたのが、ここタルブの村だったわけだよ」
 湯気ととも鼻腔をくすぐる美味しそうな香りをまとう鍋料理を前に、ヤンは長い話に一
区切りを付けた。
 ワインの瓶を手にした村長が、話を聞く貴族達のグラスに注いでまわりながら話を補足
する。
「父の話は、何度も聞かされましたよ。本当に苦労したそうです。
 その頃のタルブは細々と農耕をする片田舎の寒村で、ブドウ畑も今ほど広大で立派では
ありませんでした。もちろん、奇妙な格好をした流れ者ですから、最初は奇異な目でみら
れたそうですよ。おまけに、農作業はもとより、クワや鎌の振り方すら分からないのです
から。
 それでも村はブドウの収穫時期だったので、働き手が欲しかったから、とりあえず仕事
を手伝わせてもらえたそうです。しばらくは野宿暮らしでただ働きしながら、色々と教え
てもらったそうです」
 テーブルの上に置かれていたデルフリンガーが、食器を並べる邪魔になるのでと横に置
かれながら鍔を慌ただしくカチカチ鳴らす。
「おう、ほんでよほんでよ!それからどーなったってんだよ!?」
 続きが聞きたくてしょうがない長剣が早口でまくし立てる。
 ワインで喉を潤したヤンは再び語り始める。


 サヴァリッシュは、ほどなくして村に受け入れられた。ブドウ農家、というよりワイナ
リーとしての知識を認められたのだ。それに、実家で勉強していたブドウ栽培とワイン醸
造の知識は、全て彼の携帯情報端末に入ったままで忘れられていた。それを何年かぶりで
引っ張り出した。
 他にも学校や士官学校時代に習った各種技術。ワルキューレの軍用コンピューターや携
帯情報端末にインストールされていた蘇生術、家庭の医学、辞書、計算、各種百科事典ソ
フト。それら全てが村の助けになったのだ。
 サヴァリッシュは稼いだ金で貴族に、山の中に隠していたワルキューレへ固定化の魔法
をかけてもらった。それも、何度も念入りに。出来る限り強力に。
 何年かして彼は村に家庭を持った。村も町の商人からの借金を返済出来るくらい発展し
た。故郷だった銀河帝国に彼を待つ家族はいない。ブドウ畑も売却した。もはや未練はな
かった。

 彼は、タルブを故郷とする事にした。

 だが、そのためには幾つか必要な事があった。
 彼が持つ知識をトリステインの貴族や教会に知られるわけにはいかない。魔法を使えな
い平民など、人間扱いされないのだから。むしろ異教徒だの異端だのとして教会に異端審
問にかけられかねない。
 領主アストン伯に彼の技術を売り込む事も考えたが、しなかった。彼が山中に隠すワル
キューレの存在を公にする事だけは、絶対に出来なかった。固定化の魔法をかけてもらう
時も、ワルキューレが一体何なのか教えなかった。その後の定期的な掛け直しの時も信用
出来るメイジを慎重に選んだ。
 彼は目立つ事を避けた。村に提供する知識は、決して自分が教えた事を口外しないよう
約束させた。突然村が裕福になったり出所不明の技術を手にするのは不自然の極みだし、
周辺の町や村に要らぬ嫉妬や疑念を抱かせる。ゆっくりと、少しずつ、村を変えていった
のだ。


 山菜やキノコが入ったシチューを口にするロングビルが、話の区切りを待って口を挟ん
だ。
「さっきから言ってる、ワルキューレってさ…一体どういう物なんだい?空は飛ぶし、色
んな知識が詰まった書物のような言い方されるし」
 頬張ってるパンをワインで胃に流し込んだルイズも尋ねてくる。
「そうよねぇ、変よね。それに、そこまで貴族や教会を恐れるなんて…いくらなんでも、
異常よね」


632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:07:30 ID:5VU99Y+V
支援が終わったら、皆で・・・

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:09:07 ID:I6GzGoBl
この支援が終わったら、オレ彼女にプロポーズするんだ


634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:09:18 ID:H9PmIB4H
伊達と酔狂で支援だ

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:10:13 ID:NWt9StB0
いま支援しなくてどうするんですか!

636 :ゼロな提督18:2008/04/26(土) 00:10:13 ID:/VbwZ5EJ
 空になったルイズのグラスにワインを注ぎに来たジュリアンが、自慢げに答えた。
「あのですね!ひいおじいちゃんはね、戦うのが怖かったんですよ!」

 戦うのが怖い、と答えを聞いたルイズとロングビルは首を傾げる。いくら魔法が脅威と
いっても、歴とした兵士が戦うのをここまで極端に恐れるなんて、と。
 だがジュリアンは、胸を張って二人に答えの続きを教えた。
「だって、もし教会がひいおじいちゃんを異端審問にかけようとしたり、どこかの貴族が
村を直接支配しようと攻め入ってきたら、ワルキューレを使って戦わなきゃいけないかも
しれないからです。
 ひいおじいちゃんは、こう言ってたそうです。『もしこれを使ったら、ハルケギニアが滅
ぶ』と」
 答えを聞かされた二人は、思いっきり呆れた。いくらなんでも、おおぼらにも程がある
と。そして白い目でヤンを見る。
 もしゃもしゃと夕食を口に放り込んでいたグータラ執事はワルキューレについて説明し
た。


 ワルキューレ
 同盟のスパルタニアンとほぼ同じ単座式高機動戦闘艇。だが一つ大きな違いがある。そ
れは「大気圏内の飛行が可能」という点。これは帝国においては治安上の理由、つまり反
乱を起こした星を制圧する必要があるため。帝国の艦船も同じく大気圏内の運用が可能。
おかげでサヴァリッシュは大気圏内を飛行することができた。ちなみに同盟は、帝国から
の侵略を迎撃するという前提に艦船等の兵器類は設計されているので、宇宙空間でしか使
用できない。
 その武装は、ウラン弾を弾丸とする機銃や、レーザー水爆ミサイルや、中性子弾頭ミサ
イル。


 以上、ワルキューレのスペックについて、なるべく分かりやすいように簡単な言葉で説
明した。
 だがヤンの説明は、目の前の美女と美少女の耳を素通りしたようだ。想像も付かない事
なのだから、しょうがない。ヤンの横に立てかけられた長剣はツッコミどころすら分から
ず困ってる。

 オホン、と咳払いして、結論だけを簡単に言う事にした。
「分かりやすく言うと、物知りなガーゴイルが操縦する軍艦みたいなものだよ。そして、
その武器は『破壊の壷』と同じく、いやそれ以上に凄まじいよ。
 積み込まれた爆弾は多分、トリスタニアを一瞬で消し飛ばし、100年にわたって草一
本生えないほどの毒の灰を国中にまき散らす。
 機銃、というか大砲と言おうかな?その弾一発でトリステインの戦艦『メルカトール』
を撃沈出来る。しかも、そんな弾丸を一瞬で100発以上撃ちまくれるよ。もちろん毒を
まき散らしながら、ね」

 女性二人は、さらに呆れ果てた。そんな兵器があり得るのか、どこでどうやって使うの
か…と。
「おでれーた、つか…あのよぉ、ヤンよ。そんな爆弾使ったら、撃った本人まで死なねー
か?それに、毒で土地を汚しちゃったら、占領できねーじゃねーか」
 デルフリンガーの当然な疑問に、緑とピンクの髪もウンウンと上下に揺れた。
 対するヤンは、困って頭をボリボリかいてしまう。
「だって、本来、宇宙で使う武器なんだよ…地上では使えないよ。危なくて」

 とにもかくにも、ワルキューレの話は置いといて。
 ヤンは晩年のサヴァリッシュについて話を続けた。



637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:10:36 ID:awbJxPXr
つ紅茶入りのブランデー

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:10:43 ID:P9XXHoO4
それがどうした!支援だ!

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:11:36 ID:CCp+NoGq
ゴールデンバウム王朝期の銀河帝国なら、さもありなん支援

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:12:24 ID:5VU99Y+V
どうせ伊達と酔狂で支援してるんだ。
今さらさるさんされたって、代理投下にはかなわんよ。

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:12:52 ID:eXnlJ2Zt
マインカイザー…ミッターマイヤー…ジーク…支援

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:13:31 ID:awbJxPXr
ワルキューレが大気圏航行可能ってはじめて知ったのは俺だけじゃないよね?

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:14:07 ID:RXe+I0Dg
いつぞやの支援をしてやろう・・・多少アレンジしてね

644 :ゼロな提督18:2008/04/26(土) 00:14:11 ID:/VbwZ5EJ
 生活が安定した頃。ワルキューレの扱いに頭を悩ませた。
 この兵器を知られてはならない。固定化をかけてはいるが、いつ故障したり壊れたりし
て放射能漏れを起こすか不安だ。エネルギーが残っているうちに、どうにか処分方法を考
えなければならない。だがどこへ持って行っても放射能漏れの危険が付きまとう。
 幸いタルブへ着陸して以来、コンピューターを動かし携帯情報端末に充電とダウンロー
ドする以外にエネルギーを使用していない。いつでも飛翔出来るエネルギーが残ってる。

 まずは、役に立ちそうなデータを全て書物に記す事にした。ただし誰かに悪用されない
よう、全て帝国公用語で書き記し、その読み方は彼の子供達にしか教えなかった。その上
で、ワイン倉庫の地下室に全て隠した。
 その上で、必要な情報と、生活の役に立ちそうな荷物を全て降ろしたワルキューレに、
自動操縦である場所に行くよう入力した。放射能漏れを起こしても絶対に誰の迷惑にもな
らない場所へ飛んでいくように、と。


 食後のワインを飲んでたロングビルは、思い出したように質問した。
「そうそう、その書物の事なんだけど、どれくらいヤバい物なの?」
 聞かれたヤンは、ふと考えてから、手に持っていたサヴァリッシュの冊子を開く。そし
て間に差し込まれていた、ハルケギニアの紙とは明らかに違う印刷用紙の束を机の上に並
べていった。
 それを見ていた周囲のサヴァリッシュ家の人々が一瞬顔色を青くしたのに、二人は気が
付いた。ヤンの「大丈夫です。我々は聖地の真実を既に知ってます」という説明に、一様
に胸をなで下ろす。
 一体何が記されているのかと、ルイズとロングビルは広げられた紙を見つめる。

 ロングビルは並べられたうちの一枚を見て、絶句しそうになった。
「な…何これ!?これって、アルビオンの地図じゃない!しかも、まるで竜や船の上から
見てるみたいな、なんて緻密で正確な…」
 ルイズも驚きに言葉が詰まる。
「し、信じ、られない…トリステインも、ガリアも、ゲルマニアも…それだけじゃないわ!
これ、ハルケギニア含めた、世界全ての地図よ!それも、恐るべき正確さの!」
 テーブルの上に広げられた物は、ワルキューレで高々度から撮影された地上の写真。聖
地からトリステインまで飛び回った間に撮影した写真をつなげたのだ。それは、ハルケギ
ニアと聖地はもとより、地球で言うなら北アフリカ・中東・ロシアの一部も含めた航空写
真。

 ヤンは、その写真の東方、即ちエルフの支配地域を指し示した。
 そこには、茶色の大地に波紋が広がるような同心円を描く図形が描かれている。
「これが何か、分かるかい?」
 ルイズは、恐る恐る答えた。
「聖地の、門よね」
 ロングビルも一筋の汗を流しながら答える。
「ビダーシャルが言ってた、大地をえぐる嵐の跡…なのかい?」
 ヤンは、ゆっくりと頷いた。
「その通りだよ。これは聖地が人を寄せ付けぬ呪われた地であり、始祖ブリミルの虚無が
世界を滅ぼすという証拠なんだ。こんな事が知られれば、教会は全ての地位と富を失う。
聖堂騎士隊が大急ぎでこの本を焼きに来るよ。…村ごと、ね」
 二人の背中に冷たい物が流れていく。

 黙ってしまった二人に代わってデルフリンガーが質問を続けた。
「んじゃよ!んじゃよ、サヴァリッシュってやつは、ヤンに何を教えようとしていたんだ
よ!まさかワインの作り方じゃねーよな?」
 傍らの長剣からの問に、写真を片付けながら口を動かす。何か、ガッカリしたような、
だが吹っ切れたような口調で。
「彼はね、他の『迷い人』が心配だったんだよ。このハルケギニアで苦労しているだろう
な〜、て。それに、単純に同郷の人に会いたかったんだ。
 だから、彼は『迷い人』を待ち続けた。このハルケギニアで生きる方法を教えるために。
この世界も決して悪いもんじゃないから、この地で新しい人生を歩みなさいってね」


645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:14:39 ID:5VU99Y+V
支援なんて、SSを読む為の方便に過ぎませんよ。

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:14:51 ID:bQFQP0Wu
支援
しかしワルキューレもスパルタニアンも大気圏は飛行出来ないですぜ

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:15:32 ID:ysrVEg1s
銀雄伝知らないせいでワルキューレワルキューレ言われてもギーシュのゴーレム七体が空を飛び交いおっぱいみさいるや膝からミサイルみたいな図が浮かぶ支援

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:17:26 ID:5VU99Y+V
第1話「永遠の支援の中で」

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:17:57 ID:ysrVEg1s
支援

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:18:00 ID:cGnm0XW7
ワルキューレはどっかに大気圏内を航行する
描写があるんじゃなかったか支援

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:18:06 ID:4Vz+x4Dm
支援の歴史がまた1レス

652 :ゼロな提督18:2008/04/26(土) 00:18:16 ID:/VbwZ5EJ
 その言葉を聞いたサヴァリッシュ家の人々は皆、ニッコリとヤンに微笑みかけた。
 彼等を代表するかのように、シエスタが口を開く。
「そういうわけなんです。そして、ヤンさんなら私達は大歓迎です!タルブの村をあげ、
ヤンさんを歓迎致しますわ!」
 3人を囲む人々は、ヤンへ深々と礼をした。
 頭を下げられた彼は恐縮して赤くなり、顔を上げて欲しいと逆にお願いしてしまった。


 食器が片付けられ、ルイズ達もそろそろ部屋に帰ろうかと言う時、ルイズがある事を思
い出した。
「ねぇ、ヤン。結局ワルキューレとか言う船は、どこへ飛んでいったの?」
 聞かれた彼は、ちょっと下手なウィンクをする。
「ああ、絶対に安全な場所だよ。誰の手にも触れず、どれほど毒をまき散らしても全く迷
惑がかからない場所」
「それって、どこなの?」
 大きな瞳で見つめてくるルイズに、ヤンはゆっくりと右手で指し示した。
 彼の指は、上を指した。
 ロングビルが天井を見上げる。
「天井裏…なわけないわよね。空の彼方?」

 ヤンは、天を仰いで目を閉じた。
 代わりに、口が少しだけ開く。
「月、さ」
「月!?」
 ルイズが素っ頓狂な声を上げる。
「サヴァリッシュは、ワルキューレに命じたのさ。青き月まで飛んでいけ、とね」

 既に夜。
 今夜も青と赤の双月は星空の中に輝いていた。 

                第十八話    タルブ   END

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:19:08 ID:RyC8CPT0
>>647
つ ttp://www5f.biglobe.ne.jp/~mercy/gallery/img/ge/walkure.jpg
>>650
白兵戦やってるロイエンタールとミッターマイヤーを援護するシーンがあるな

654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:19:16 ID:NWt9StB0
支援する事に意義があるのです

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:19:39 ID:UYi0P2Pl
投下乙
そうか、ワルキューレはもう無いのか…

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:21:59 ID:y+IV5CQT
>>655
まぁ良くも悪くも自分で武器を取って戦う人じゃないからねぇ、ヤンさんは。

657 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:22:00 ID:bqMzaBec
乙でした。
まあ、ワルキューレとか出てきたらTUEEEなんて次元の話じゃないしね。

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:22:03 ID:NWt9StB0
乙でした
ワルキューレの勇姿が見たかった・・・けど俺TUEEEEどころの話じゃなくなるなw

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:22:57 ID:RyC8CPT0
投下乙です
まあヤンがワルキューレ乗っても撃墜される前に墜落しそうだしw

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:23:38 ID:awbJxPXr
>>653
これで大気圏は無理だよww

>白兵戦やってるロイエンタールとミッターマイヤーを援護するシーンがあるな
あれ、原作では「ワルキューレ」って明記されてたっけ?
アニメはワルキューレが対地攻撃してたと思うけど

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:24:13 ID:tMqNBlwN
>>647
英語読みして超音速爆撃機を連想した俺はどうすれば

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:25:01 ID:I6GzGoBl
あえて言おう、乙であると!

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:25:35 ID:8hEciQeT
レーザー水爆って放射能出さないんじゃなかった?

後、劣化ウラン弾が環境及び健康に悪影響を与えるというのは嘘だと、
米帝は主張してますな。

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:25:37 ID:bQFQP0Wu
>>660
あれはアニメ版だけで、原作では大気圏戦闘機という名称不明の物が飛んでる

つまりアニメ準拠ならワルキューレは飛べる
原作準拠なら飛べないってことだね

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:25:57 ID:E3ucKM24
村にサヴァリッシュの携帯端末が残っていて、それを使えばワルキューレを呼び戻せるとか?

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:26:11 ID:P9XXHoO4
まあ、ワルキューレがあってもヤンは乗れないと思うよ、
想像だがスパルタニアンと同じで登録してるパイロット以外乗れない仕様かと


667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:26:17 ID:CCp+NoGq
提督氏GJ!

まあ確かに、2つある月のうちのどれか一つに向けて飛ばしておけば、ワルキューレの扱いに苦労しなくて済むよな。
特に、今のまま魔法至上主義がハルケギニア全土を覆っていれば、最低でも向こう100世紀は宇宙に行くことはないだろうしな。

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:27:04 ID:8hEciQeT
>>660
でも、帝国の大型艦も明らかに空力的には不可能な大気圏内飛行してるからね。
空力に頼らず飛行できる技術があるんじゃないのかね?

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:28:14 ID:siPF+DuV
>>667
お禿げ様が一晩で産業革命してくれました。

670 :ゼロな提督18:2008/04/26(土) 00:28:28 ID:/VbwZ5EJ
というわけで、第十八話も投下終了です


・・・何故だ、なぜこんなに話が長くなるんだ!?
これは地球教の陰謀か!

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:28:56 ID:G/zVSj7G
乙です

歴史の影でニヤニヤ笑いながらヤンたちを眺めてるんだろうなあ始祖ブリミル

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:29:06 ID:Bn3Xqp3k
アニメじゃギーシュのワルキューレかなりの高速で飛んでたよな?
DBで「ぱっ」と消えたと思ったら、別の場所に現れるみたいに・・・。

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:30:21 ID:4Vz+x4Dm
>>670
題名からすると、ゼロのルイズが提督に就任するまで話が続くと見ました!

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:32:02 ID:eb3Dl25o
>>673
さすがにそれは長すぎるわw

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:32:41 ID:aY2nU83U
>>671
フェザーンの黒狐よりたちが悪いよな

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:37:27 ID:ysrVEg1s

>>673
ヤンとおなかのふくらんだロングビルがお茶しながらルイズがギーシュの報告を聞くところくらいまで想像した

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:38:27 ID:y+IV5CQT
>>663
実のトコ強い放射能が自然に与える影響というのは
一部団体が吠えるほどでは無いッぽいらしいしな。
(少ないに越したことではないことは確かだが)

678 :名無しさん@お腹いっぱい。::2008/04/26(土) 00:38:47 ID:nm+fjfQY
サヴァリッシュは、正しく異世界トリップ物の主人公だな。
外伝でサヴァリッシュの冒険が読みたい

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:43:28 ID:tMqNBlwN
>>678
♪あーるひサヴァリッシュが歩いてい〜ると〜

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:54:13 ID:Ct9KeGZZ
>>671
きっと千の貌を持つ邪神の一柱なんだろ。
あれ? 鳥の鳴き声が煩いな…

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 00:54:47 ID:CH+TRpfP
>>663
どんな原理であろうと、高エネルギー体である以上放射線は必ず出るし、
強い放射線を物体にあてると、原子構造に影響を与える。
そんな無茶な方法で作った原子は、構造的に不安定=放射性元素である可能性が高い。

俺としては、むしろ宙間戦闘用に作った機銃が、大気圏内で使えるということに驚くが―――
宇宙で戦う以上、初速は亜光速に近いと考えていいだろうが、
衝撃波とか考えると撃っただけで周囲一帯を薙ぎ払う恐ろしい物体になりかねん。

それに、宇宙だったらできるだけ軽い金属の方が有利だが、
大気圏内だと空気抵抗があるから重い方が有利なんだよね。
まぁ、大気圏内だと、影響があるほど減速するより早く命中するのかも知れんが。
ただ、文章の感じからすると劣化ウラン弾をつかってるような感じなのが気になるが。

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 01:03:02 ID:LWUifLnC
細かいことは気にするな。
んなこと言い出したら銀英伝自体が成り立たないしな。

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 01:11:38 ID:bQZ8N6jW
>>664
外伝でシェーンコップとキルヒの一騎打ちの邪魔に入ってなかったか?

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 01:12:48 ID:v6TvJ44m
銀英伝の作者自体、専門知識は大したことないしな。
・・・それであれだけの作品が書けるってのがすげーんだが。

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 01:14:41 ID:y+IV5CQT
>>684
大人数の人間描写が上手いんでしょ。

問題はそこら辺を自身が勘違いしている事なんだろうけど

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 01:18:15 ID:/R7urS/O
>>681,>>663
劣化ウランはそれほど健康に影響ないってのは本当。正確に言うと、電波やら何やらの方の害が大きすぎて、気にするもんでもないって事。
放射線は普通に出るぜ。ただ、放射能になる事は少ない。原爆に比べればの話だが。
つまり、使った相手には害を与えるが、その後その場所に住む人間には余り害はないから、使いやすいよってこと。

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 01:20:44 ID:awbJxPXr
まあ、重金属は体に悪いよな

688 :686:2008/04/26(土) 01:22:39 ID:/R7urS/O
書き忘れたorz
放射線以降は、水爆の話です・・・

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 01:24:13 ID:bqMzaBec
>劣化ワラン
まあ、いい加減スレチなんで、興味がある人は軍事板のFAQとか見てね。

690 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/26(土) 01:30:18 ID:JpolacnI
>>681
>宇宙で戦う以上、初速は亜光速に近いと考えていいだろうが、
>衝撃波とか考えると撃っただけで周囲一帯を薙ぎ払う恐ろしい物体になりかねん。

いや、大気圏内での実弾使用も想定されている機体なら、射出スピード変えられる筈
じゃないと、大気圏内でワルキューレを兵器として運用できない

>>686
>劣化ウランはそれほど健康に影響ないってのは本当。

いや、687のいうとおり劣化ウランは重金属だから、体に入れると当然の如く毒物として作用する
放射能は低いので、放射性物質としては確かに殆ど害はない

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:00:58 ID:rDlZUtK1
>>677
放射能が生物に与える影響についてはこんな話もあったり…

チェルノブイリ原子力発電所事故から20年、通説や想像とはうらはらに、チェルノブイリの土地ではヨーロッパ最大の自然の聖域として息を吹き返し、
野生の生物で満ちているようです。放射性物質ですっかり汚染されてはいますが、野生動物が繁栄しているとのことです。
引用元:チェルノブイリの森(事故後20年の自然誌)(ttp://nyanko001.blog.ocn.ne.jp/kabu/2007/04/post_84e3.html)

実際、チェルノブイリツアーとかもやってるんだよなぁ…
チェルノブイリツアーの案内
ttp://www.japanese-page.kiev.ua/jpn/chernobyl-tour-main.htm

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:02:46 ID:AvMF/92u
ここは一体何スレだよw

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:05:58 ID:3zCH0ncv
田中芳樹を矯正するスレ

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:07:21 ID:f1nDOMul
>>693
もう手遅れ
絶対無理


695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:11:24 ID:AnblHlwg
矯正なんて贅沢は言わん。
ただこのすばやさの種お特用袋を、胃袋破裂一歩手前まで食べて欲しいだけ。

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:17:34 ID:EGO0ywFe
もう…遅い…ヨシーキのライフ…というか、小説創作能力は、もうゼロに近い…。
かつてのあの内容はともかくすらすらと読めたあのいい感じの文章が…もう奴には書けない…。

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:28:28 ID:1/zD3WKk
だがちょっと待ってほしい
銀英伝が田中芳樹の脳内から創作されたものである以上
銀英伝世界の常識や物理法則は、現実世界よりむしろ極左プロ市民の妄想に近いんじゃないか
だからヤンの居る世界では、劣化ウラン弾は世界を滅ぼす核爆弾で正しいはず

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:28:45 ID:jlbsQmTf
執筆スピードと平均寿命を考えるとそろそろ完結しない作品は涙を飲むしかないな
スレ違いだからこの辺にしよう

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:30:41 ID:/YPGLWDq
夢枕某とか某大ちゃんよりは・・・

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:38:34 ID:bQFQP0Wu
早けりゃいいってもんでもないさ
栗本薫ファンのオレは、何冊買えば終われるか不明なままだぜ

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:40:39 ID:EGO0ywFe
ちなみにグインの内容は外伝の一巻を読めばだいたい解る。

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:46:23 ID:bQFQP0Wu
>>701
否定できんなあ
けど今は、新・魔界水滸伝の方を待ってる

覚醒前の安西兄弟を呼んだらどうだろう

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:57:37 ID:y+IV5CQT
>>697
銀英伝の世界はそういう「ファンタジー世界」と思っておくのが無難かもな。

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:58:04 ID:q1Jb1XKT
安西って聞くとスラムダンクの安西先生を思い浮かべる俺がいる。
魔法が使いたいです・・・・ってルイズが言うのか?

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 02:58:55 ID:r0BWYueD
>>701
タイガーマスク(地顔)がヒロイックファンタジーの世界に乱入するんだっけ

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 03:10:39 ID:EGO0ywFe
>>702
俺は魔剣…。

>>705
いや、あのばか長い話も、外伝一巻読んだらだいたいどういう顛末かわかるという話でな…。

ふっといてアレだけどスレちだからここまでにしとくわー。


同じノボル作品からの召喚はないんかね。
つっぱれ有栖川からとか…。

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 03:24:17 ID:GNmzPHW2

終わりきれるかどうかわからない作品か・・・

FSSに銀河鉄道999等かな

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 03:52:36 ID:I6GzGoBl
>>707
どう考えても書き終えるまでにお迎えが来てしまいます本当に(ry

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 04:17:10 ID:ohN4zH/m
ワルキューレの大気圏内飛行は、道原かつみのコミック版で行われてますな。
何巻かは忘れたがカストロフ動乱で、キルヒアイスが立てた作戦で、隕石にくっついて大気圏に突入までしてました。

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 04:18:54 ID:hgH5qEpk
作者の寿命が尽きる前に完結できるかどうかわからない作品ねえ。
俺は虚無回廊かな……


同じ作者で復活の日からMM88を召喚するネタをプロローグとエピローグだけ思いついて書いてみたが、
後味が悪くなりそうなんで、投下はやめといたほうが無難だよな……

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:16:35 ID:jlbsQmTf
小ネタ投下します。
よろしいですかな?

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:27:05 ID:jlbsQmTf
 人類は衰退しましたより妖精さんを召喚。


 ハルケギニアは衰退しました


「ルイズが召喚に成功したぞ!」
「馬鹿なっ!」
「そんな事が!」
「勝ち組じゃないか」
「いっそ殺してくれ」
「じゃあ殺します」

「―――っ!?」

 マリコルヌが短い生涯を終えようとしているその裏で、ルイズは驚愕
と歓喜に打ち震えていた。
 召喚に成功した。
 それだけでも上出来だと言うのに、何と伝説の存在である妖精を
呼び出す事が出来たのだ。
 それはもう、興奮してあたふたしてしまうのも仕方が無い。
「さあ、早く契約をすませなさい」
 コルベール先生に促されて自分がまだ契約を済ませてない事に気付く。
 そもそも契約対象の妖精さんが怯えているのにも気づいてない。
 そして、興奮冷めやらぬ中、妖精と契約をしようとした所で、
「ぴ」
「ぴ?」
「ぴ―――っ!?」

 ガラスの割れるような悲鳴をあげて妖精は逃げていた。

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:27:49 ID:jlbsQmTf
「やっぱりルイズだったな」
「ああ、そうだな」
「危うく殺される所だったよ」
「僕なんか漏らしてしまった」
 好き勝手言う外野であったが、当人とコルベールにとっては困った結
果になった。
「先生、こういう場合どうしたら良いんですか?」
「通常、召喚された生物は召喚主に対して友好的になりますから、逃げ
られると言うのは滅多にありません」
「つまり、対策は無いと言う事ですか?」
「そうではありませんが、やっかいな事は事実ですね」
「やっかい?」
「ええ、使い魔召喚は神聖な儀式です。やり直しが許されない等様々な
制約もあります。召喚した生き物とは何が何でも契約してもらう方針と
なっております」
「では、逃げた妖精を捕まえろと?」
「そういう事になります」
 どうやって?
 相手は伝説の存在である妖精で、目撃例も眉唾。探す事だけで冒険譚
として語り継がれてしまうようなモノを。
 あんな10サント程のサイズだと言う事も始めて知る未確認生命体を
どうすれば捕獲できると言うのでしょう?
「え〜、こういう結果になってしまっては仕方がありませんね。本日の
儀式はこれで終了です。皆さんは先に教室へ戻ってください。私は妖精
との接触についてレクチャーをしてから追いかけます。
 はいそれでは解散〜」
 パンパンと手を打って学内へ生徒を追いやるコルベール。
 その場はルイズとコルベールのみになった。
「策があるのですか?」
「はい。妖精は伝承の存在ですが、案外接触例はそれなりに存在するのです」
「良かった。何とかなるんですね?」
「まあ、それはあなた次第と言うか・・・」
 微妙に歯切れが悪い。
「ミス・ヴァリエール。あなたは楽しくなるのは得意ですか?」
「どういう事ですか?」

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:27:55 ID:7L051wEY
うーん……京極夏彦ファンはまだ恵まれてる方なんだな

>>711
よろしくてよ

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:28:47 ID:jlbsQmTf
「妖精は楽しい場所に集まると言います。つまり、捕獲のために楽しい
場所を作らなければいけません」
「具体的には?」
「そこは自分で頑張ってください」
「ダメだこのハゲ。早く何とかしないと・・・」
「聞こえてますよ、ミス・ヴァリエール」

・捕獲作戦その1
 カゴにつっかえ棒をして紐を引っ張るとカゴが閉まるようにする。
 カゴの中にケーキを置いて、食べようとした所を捕獲。

 結果。
 タバサの使い魔を捕獲しました。
 意地汚い風竜め。

・捕獲作戦その2
 風竜に食べられないように瓶の中にハチミツを詰めたものに改良しました。

 結果。
 ギーシュの使い魔にやられました。
 キチンとモグラの世話をしろ、あと二股はバレても知らないぞ。

・捕獲作戦その3
 今までの欠点を克服するべく焼きたてアツアツのクックベリー・パイにしました。
 これで使い魔ドモに食われる心配は無いはず。

 結果。
 キュルケに食われました。
 この汚らしいアホがぁ―――っ! わざとか? わざとだな!?

「悪かったわよ。まさかあの罠が本気だとは思わなくて・・・」
「あれが本気じゃなければ何だって言うのよ!」
「ルイズ・・・あなた前からかわいそうな子だとは思っていたけど、ま
さかそこまでとは・・・」
「じゃあ、あなたならどんな罠を張るって言うのよ。殺しちゃダメだか
し、相手が怯えるような罠じゃ逃げられるんだからね?」
「まかせて。楽しくやるのは得意なの」

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:29:48 ID:jlbsQmTf
・捕獲作戦その4
 どんちゃん騒ぎ。
 とにかく飯食って酒飲んで騒ぐ。

「やあ、何だか知らないが野外で騒ぐのもオツだねえ」
「ギーシュ、そんな事よりモンモランシーはどうしたの?」
「うっ! その事は言わないでくれ」
「まったく、本当にこんなのでうまく行くのかしら?」
「当然よ。あんたがどう思っているか知らないけど、私達メイジなの。
目の前に出てきてもらえば後は魔法でいくらでもどうにでも出来るわ」
「そんなもんだったら伝説にならないと思うんだけど・・・」
「あら? じゃあ諦める?」
「まさか!」
 とにかく楽しい雰囲気さえ作ればそれで良いならてっとり早く騒ぐ。
 後は魔法で捕獲。
 シンプルだが確実そうに見える。
「でも、こういった楽しい場は今までにも何度もあったと思うんだけど、
その割には妖精を目撃したって話を聞かないわね」
「まあ、子供のうちしか見えないとか言われるし」
「子供もまた妖精だから」
 キュルケの説明にタバサが補足する。
「それじゃどうして私が妖精を召喚したのかしら? 私に妖精の血でも
流れているのかしら? やだ、困っちゃうわ」
「あら、永遠に子供だからじゃないかしら?」
「ど、どういう意味よ!」
「だって、どう見てもお子様体型じゃない・・・永遠に」
「だだだだ誰が永遠に幼児体型よ!」
「おいおい、ケンカするなよ。せっかくの楽しさが台無しになるだろう」
「みんななかよくですー」
「そうそう。君、いい事を言うね」
「おほめにあずかりましてー」
 はたと気付く。
 無視されているはずのギーシュが誰かと喋っている。
「居たっ!?」
「あれ、でも・・・」

 結果。
 増えた。3匹に。

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:30:53 ID:jlbsQmTf
「ああ、もおっ! どうしてどんどん増えるのよ!」
 あれから数日。
 ルイズの召喚した妖精はまだ何処のものかわからない。
 妖精の数は既に500を超えていた。
 何故か知らないがどんどん増えるのだ。
 しかもどいつもこいつも昨日の事さえも記憶していない。
 そもそもどうしてここに居るかもわからない。
「一体どう言う事なの?」
「つまり、こう言う事ですな。元々妖精はそこら中に存在するのですが、
我々はそれを認識できない。理由はよくわかりませんが楽しい状況を仲
介して観測が可能になるのでしょう」
「でも、今までは別に認識出来なかったのに、どうして突然見えるよう
になったんですか? 今までだって楽しい状況が無かったわけではあり
ませんよ?」
「そうですね。それはよくわかりませんが、妖精も伝説と呼ばれる存在
です。何か伝説的な存在が関係しているのかも知れませんね」
 結局の所、肝心な事は何もわからないらしい。
 今日も妖精主催の宴会に参加する事になる。
 使い魔契約のためとはいえ相手は伝説的な存在だ。友好関係を作る事
に吝かではない。
 昨日はビフテキというものを食べた。
 肉の果実とも言うべき、忘れられぬ味。
 また今日も食べられないだろうか?
 しかしこうも毎日宴会を行っても良いものだろうか?
 食材はどこから調達しているのだろう?
 妖精はわからない事ばかりだ。

 次の日。
 今日は特に凄いご馳走だった!
 次から次へと珍味が出てきた。溺れるような料理で歓待される。
 愛されている自分を感じる。
 もう使い魔なんてどうでも良くなってきた。
 彼らの出してくれるスペシャル料理に舌鼓を打つ。
 それ以外に何が必要だと言うのだろうか?
 酒も毎日様々な物が出される。毎日が利き酒だ。

 次の日。
 本日は寿司。
 東方の料理とかで始めて食べたが実に美味い。
 そしてカニ汁は最強だ。

 次の日。
 パンが無ければケーキを食べれば良いのだ。

 次の日。
 今日もビフテキに継ぐビフテキ。
 酒に継ぐ酒。
 ビフテキ、酒、ビフテキ、酒、ビフテキ、酒、ビフテキ、酒、ビフテキ、酒。

 次の日。
 ビフ・・・酒・・・


 ルイズ死亡確認。
 死因:肝硬変。

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:46:17 ID:7L051wEY
>>712
メタボっ腹に見事な『メズサの頭』を浮き上がらせたルイズを想像してしまったジャマイカw

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 07:56:09 ID:B4aemlUT
フイタw

どんな妖精捕獲作戦だw

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 08:21:22 ID:u1jgMtee
>>667
そして遠い未来、ハルケギニア人が月に到達したとき、
月に眠るワルキューレが『星を継ぐもの』みたいなネタを提供するのだな。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 08:36:20 ID:y5nqNgdt
>>1
田中ロミオか文体を真似るのはきつすぎないか?

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 09:13:25 ID:erarV4aD
ぐあ、先にやられた…。
こういうのは早い者勝ちだから、遅筆な自分が恨めしい。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 09:14:53 ID:Zi26gsPM
これはよいようせいさんさくひんですなー

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 09:27:55 ID:vtP3yB2R
>>720
バラダット・ナイブスか?と思ってしまった

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 10:32:48 ID:y+IV5CQT
>>720
アレは死体も存在して人類の祖はどこから来たのか、というストーリーだったけど、
ワルキューレだけだと、異星人がどこかから来ていた、程度のにしかならないのでは。

それはそれでおもしろそうなSFだが。

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 11:11:54 ID:Yl77HdbZ
ハンターxハンターからヒソカ

「ふふふ、誰から殺そうか」
「や、やめなさーい!」
「そんな事いってもビンビンさ」
ド キ ュ ー ソ !

「ルイズが変態を召還したぞ」
「ああ変態だな」

コルベールが炎蛇の本領を発揮して半分焼いた所で保健室に運ばれて全身をベルトで固定

「こんなのと契約しなければならないなんて・・・」

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 11:16:38 ID:KjIi8Vwf
錬しただけで普通の炎程度じゃ火傷しなくなると思う

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 11:18:36 ID:Yl77HdbZ
魔法の炎だから

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 11:22:04 ID:ysrVEg1s
>>726
ビンビンのヒソカを本当に魔法の炎で焼けるだろうか

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 11:32:13 ID:emiIPKOd
一般人ならTHE IDOLM@STERから天海春香を召喚
何の役に立つかは不明

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 11:37:42 ID:jFPJ1AzR
>>724
いや、チャーリーの出てくる方な。

ところで、あの作品で一番の萌えキャラはダンチェッカー先生だと思う。

732 :小ネタ  ゼロの青空署:2008/04/26(土) 11:39:14 ID:7hTWcw6S
初投稿します。
元ネタはメイビーソフトの「遊撃警艦パトベセル」からパトベセルと青空署の一同を召喚します。

つかこのスレにパトベセルをやったことがある人がひとりでもいればいいな。

733 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 11:42:14 ID:7hTWcw6S
「死ねっ! 青空署、死ねーっ!!」
 無限に広がる青い空。
 世界にはびこる経済大国日本の首都"東諒"(とうりょう)の空を、今日も都民の罵声を浴びながら、一隻の巨大空中戦艦が飛んでいた。
 人呼んで、"遊撃警艦パトベセル" この日本の空を守る全国101番目の警際(けいさい)署、青空署です。
 配色は警際の象徴の白と黒、デザインはかのナ○シコに似ています。
 元々これは多様化する犯罪に対処するために、警偉庁(けいいちょう)があらゆる事件に対応できるよう開発した万能の空飛ぶ警際署でありました。
 しかし、今そのもくろみは大きくはずれ、都民の憎しみを一身に受ける存在となっていたのです。それは。
「あーもう、うるさいわねぇ。ちょっと新作の漫画読みたくなったから街中に着陸させたからってぎゃーぎゃーと。ももちー! 税金5割り増しで徴収してやるって、いっちょ脅かしてやんなさい」
「えーっ!! そんな署長。あーっ、都民の皆さん、物を投げないでください。お願いですから物を投げないでくださいぃ」
 パトベセルに向かって投げつけられるガラクタの山と、それをものともせずに艦長席にぐでーっと腰掛けて買ってきたばかりの漫画を、哀れな通信士をいじりながら読みふけるピンク色の髪の少女。
 彼女こそ、この青空署署長にして現警偉総監七瀬光一郎の娘、七瀬ヒカリである。
 端的に言うと、極度の親バカである警偉総監からこのパトベセルを貰い受けたヒカリは、その傍若無人天上天下唯我独尊的な性格で、この青空署の本来の目的である
 『主力から独立して行動、戦局に応じて臨機応変に対応』を
 『なんにでも首を突っ込んで許される』と解釈したために、正義の象徴は今や究極的な独立愚連隊と化していたのです。
 警偉庁も黙っていたわけではなく、例えば敏腕の黛玲於奈警偉を監視役として派遣してなんとか青空署をコントロールしようとしたりしましたが、まったく効果なく、黛警偉自身が青空署に染まってしまう始末。

 そしてこの日も、駅前で起きた暴走車の事件をかぎつけて、呼ばれもしないのに駆けつけて行っているのです。
「アップルジャーック!!」
 ヒカリの声が艦内(署内)に響き渡ります。
 アップルジャックとは本来赤色警報のことですが、「ゴロがいいから」という理由でヒカリが使っている青空署の仕事開始の合図です。
「ヒカリ、暴走車はパトクルのバリケードを突破、西方へ逃亡を図っています」
 オペレーターの端深空警武の報告を受けてヒカリはニヤリと笑いました。
「おおっし、それじゃもっとでっかいバリケードを作ってやろうじゃないの。クー、暴走車の進行方向にパトベセルを着陸させなさい」
 ヒカリの周りの被害を考えない命令に通信士の桃本みつな警武補が悲鳴を上げます。
「ええっ、そんなことしたら首都圏の交通網が麻痺しちゃいますよぉ!!」
「気にしない!!」
 ヒカリは意にも介しません。
「いっけー!!」
 パトベセルは全速降下していきます。そのとき誰もがこれから起こるであろう災厄を想像しました。
 しかし、その予想は裏切られました。
 パトベセルが着地しようとした直前、その真下に銀色に輝く何かが出現したように見えた後、その姿は影も形も無く消え去っていたのです。

734 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 11:43:33 ID:7hTWcw6S
 ところ変わって異世界ハルケギニア。
「宇宙の(以下省略)」
 省略しといてなんですが、ずいぶんと贅沢な内容の呪文を唱えたのはご存知ゼロのルイズ嬢。
 それはもちろん使い魔を呼ぶためのサモン・サーヴァントの魔法。
 そして何十回目かの爆発の後、「また失敗か?」と、本人や生徒達も含めて思った瞬間、それは起こりました。
「ん? 何だ、急に暗く」
 突然、まだ真昼間だというのにあたりを闇が包みました。
 雨か? と、何気なく上を向いた瞬間、彼らは例外なく凍りつきました。
 なんと彼らの頭上、およそ50メイルほど上空に、突如として全長300メイルを超えるかという巨大な白い船が出現していたのです。
「な、何これ? もしかしてあたしが呼んじゃったの? あたしの責任なの!?」
 失敗には慣れているルイズの頭も完全にパニックになります、もはややり直しがどうとか考える余裕もありゃしません。
 そして、それはゆっくりと降下を始めたかと思うと。
「えっ、まさか……えーっ!?」
 そのまま、目の前に、着陸してきたぁ!!
「おべろーっ!!」
 意味不明な叫び声をあげて、ルイズ以下全員30メイルは吹き飛ばされました。けれど何故か全員かすり傷もありません、不思議です。
 すると腰が抜けて立てないルイズの目の前で、その船から声が聞こえてきました。
「あー、マイテス、マイテスー。本日は晴天なり、本日は晴天なり、でもところにより警艦が降ってくるでしょー……あれ? おっかしーわねー、今まで確か駅前に居たはずなのに、クー、どこよここ」
「GPSに反応なし、衛星、及び全警際機関との交信もカットされました。結論から申し上げますと、ここは日本の東諒ではないということです」
「ちょっと、あなた達! またパトベセルを市内に着陸させたわね。これ一回で市民からいくつ苦情が来ると思ってるの? あれ、ここどこよ。さてはまた仕事をさぼって郊外に遊びに来たわね!!」
「あーん、黛警偉、違うんですぅ、これはその、えーと状況がしゃくしょうひてて……あーん、また咬んじゃったあ」
 多数の声がぎゃーぎゃーぎゃーぎゃールイズ達を無視して好き勝手なことを言ってます。
 そのころようやく我に返ったルイズはやり直しを申し込むも、当然却下。
 しかしこの場合、どうやって契約すればいいのかわかりません。けどやけくそで適当にキスしたら装甲の一部にルーンが現れました。決してナイフでやまととか刻んだ訳ではありません。

「で、あんた達はこの私の使い魔として召喚したのよ」
 途中がめんどくさいんで省きましたが、ルイズはパトベセルのブリッジでヒカリ達にそう宣言しました。
「突如、異世界から巨大戦艦を召喚してしまった魔法少女……その少女を助けて王国のために活躍する巨大戦艦……戦艦アンド魔法の構図……超! 燃えるぅ!!」
 普通ならここで怒るか困惑するかのどちらかでしょうが、狂喜するヒカリ嬢、この人の辞書にマイナス思考とかいうものは無い。むしろ辞書自体無い。

735 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 11:44:44 ID:7hTWcw6S
 こうして、パトベセルの一同はルイズの使い魔として働くことになりました。黛警偉あたりは反対しましたが、「署長命令よ」で黙らされました。扱いやすい人です。
 ルイズも特例としてパトベセルの一室に部屋を借りることになりました。
 さっそく主人としてパトベセルのクルーを馬車馬のよーに使ってやろうと思っていたルイズですが、その後ルイズの歓迎会という名のドンチャン騒ぎで酔いつぶれさせられてしまいました。つか仮にも警際官が未成年に酒すすめるなよ。

 翌日二日酔いの頭で登校したルイズはキュルケの軽口に反論する元気もありません。
 なお、ルイズには毎日交代で青空署のクルーの誰かが付き添うことになりました。本日はパトベ本編の主人公赤島殉作君です。
 が、ヒカリらの面々に比べたら普通すぎるキャラなので割愛します。
「ひどっ!!」
 うるさいです。ちなみにルイズは午前中ずっと爆睡してました。

 さて、昼食の時間をへて。
「諸君、決闘だ!」
 ことの起こりはギーシュとかいうアカポンタンな男子に言いがかりをつけられていたメイドを殉作がかばったからです。
 決してそのシエスタというメイドが可愛かったからだけではありません。正義感だけは褒めてやろう。
「うるさいよ! 大体なんであんたそんなに偉そうなの!?」
 作者だからです。文句あっか。

 広場で向かい合うふたりの男。
 ギーシュは当然得意技のワルキューレを出現させます。
 殉作もかまえますが、思い出してください、ここではルイズはパトベセルと契約したために、殉作はガンダールヴなんかじゃありません。
 当然、生身の人間がワルキューレに敵うわけも無く、殉作は逃げ回りました。はっきり言って無様です。
「あんた! ちょっとは真面目に戦いなさいよ!!」
 観客席からルイズが無茶な命令をしてきます。杖の先はワルキューレではなく殉作に向いてます。殉作二重にピンチです。
 が、青空署にフェアプレイなどという言葉はありません。
 すぐさま駆けつけてきたパトベセルから、全長およそ7メイルの人型ロボット"パトロール・ジェクト"が投下されます。なんとかレイバーに似ていますが気のせいです。
「さあ、ジュン。おもいっきり蹴散らして……いえ、なぎ払え!!」
 ジェクトに乗り込んだ殉作、遠慮なくワルキューレをけちら、なぎ払います。完全に形勢逆転です。
 ギーシュは卑怯だとかほざいてますが、青空署に染まった殉作は聞く耳を持ちません。ついでに回る耳も持ちません。
 最後は退屈になったヒカリが殉作ごと主砲で残ったワルキューレとギーシュを吹き飛ばして終わりました。
「うーん、やっぱなぎ払うってのはこうよねー(はぁと)」
 王蟲の群れといっしょにしないでくれ、殉作は薄れる意識の中でそう思いました。


736 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 11:45:50 ID:7hTWcw6S
 後日。
「署長、街で面白いもの買いました。しゃべる剣ですよ」
「あー、今眠みーの。めんどーだから物置にでもほーりこんどいて」
「えっ、ちょ、俺の出番これだけ!?」
「じゃあ物干し竿にでもしなさい」
「ええーっ!?」
 抗議むなしく、しゃべる剣君は物干し竿としてパトベセル内の"向塚クリーニングハルケギニア支店"の役に立つことになったそうな。


 最近、このトリステインを騒がす怪盗がいます。その名は土……。
「おーほっほっほっ!! 闇夜に踊る気高き胡蝶。高く、遠く、美しく、羽ばたく姿は艶美絢爛、ゴージャス&エレガントなそのレディの名は!!」
 フーケ、ではないですよこんなの。
「怪盗ロール!! 参上!!」
 やたら長ったらしい口上とともに現れたのは、ちまたで噂の芸人、ではなく怪盗ロール。
 蝶マスクに素顔を隠し、シルクハットにたなびくマント、異常に短いブリーツスカート(ここ重要)、さらにド派手な金髪の縦ロールと目立つために生まれてきたような姿で、毎夜金品や美術品を華麗に盗むその名を知らない者は、今や誰もいません。
 もちろんこのトリステインの人間ではなく、パトベセルに引っ付いてきた日本の洗濯機……いや、人間ですが、場所が変わろうと彼女のやることには変わりありません。
 毎回必ず予告状を送りつけ、いかなる警護も突破して、いかなる追撃も堂々かわして姿を消す。
 しかも、あくどい商人や貴族からしか決して盗まず、その金を貧しい人々に分け与えるのですから、人気もうなぎのぼりです。
「ロール! ロール! ロール! ロール!」
 民衆の大声援を受けながら、ロールは高らかに笑います。
「ほーっほっほっ! ガッツ伯爵、予告のマグネリウムクリスタル、確かに頂戴いたしましたわー、これで夜明けにはセブンが復活しますわよー!」
 なんの話だ!? とツッコミたくなりますが本編と関係ないので無視します。
 今夜こそはと王国のメイジ達がフライで屋根の上のロールを取り囲みます。
「観念しろ、怪盗ロール、この包囲網からは逃れられんぞ!!」
 あーあ、そんなこと言って泥棒を捕まえられた警察はいないのに、こうなっちゃおしまいです。
「やれやれ、この国の方々は華麗さに欠けますわね。こーんなチャチな包囲網でこの私を捕らえられるとお思い? ホーホッホッ、マーベラステッキ、いでよ、カラドボルグ!!」
 ロール、どこからか取り出した大剣でメイジ達を蹴散らします。ぶっちゃけザコですから当然ですが。
「おーっと、そこまでよ、このコレステロール!!」
「だぁーれがコレステロールですってぇ!! ……あら、誰かと思えば青空署の皆々様、少しは骨のある方々がお見えになったようですわね」
 闇夜から現れるのは、そう、我らがパトベセル。
 しかしロールは余裕たっぷりといった表情で、ステッキをクルクルさせながらパトベセルを迎えます。
「今日こそあんたをとっ捕まえてやるから覚悟しなさい!! さあ出番よ、ジュン、れおにゃん、それにルンルン!!」
「誰がルンルンよ!! そのあだ名はやめなさいと言ったでしょうが!!」
 パトベセルのハッチから2機のジェクトと竜が一匹飛び出します。もちろんタバサのシルフィードです。
 ちなみにルンルンとは、人に勝手にあだ名をつけるのが趣味のヒカリがルイズにつけたあだ名で、はっきり言って恥ずかしいです。え? どこぞの蛇使いと同じ? 気のせいです。
 キュルケの爆笑に怒りくるいながらもルイズは爆発魔法をロールに連射します。
「ほーっほっほっ!!」
 笑いながら屋根から屋根へと回避していくロール、もはやトリステイン名物となりつつある毎晩の大追跡劇の始まりです。


737 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 11:46:54 ID:7hTWcw6S
 そのころ、学院では土くれのフーケという名前の盗賊が巨大なゴーレムで宝物庫を攻撃していましたが、攻撃開始から30分はたったというのにだーれも出てきません。
 もちろんこれは、街中でのロールの騒ぎにみんな気をとられているせいですが、あまりに静かすぎてフーケはだんだんむなしくなってきました。
 実は、このところフーケの人気は低下の一途をたどっています。原因は言うに及ばずロールです。
 理由は、片や姿を見せずに書きおきだけを残して去っていく盗賊、片や堂々と現れ、盗んで、去っていく、弱きを助け強きをくじくスーパーヒロイン。どっちの人気が勝るかは考えるまでもありません。
「あたし、もう泥棒やめよ」
 なかば愉快犯で怪盗をやっていたフーケは心の中の隙間風に耐えられなくなっていました。
 この仕事を最後に足を洗おうと決めたフーケは涙を拭きながらゴーレムの拳を振るいます。
 しかし、どうあろうと悪事には報いが来るものです。

 ヒュルヒュルヒュル……

「ん? なんの音?」
 後ろから聞こえてきた風切り音に気づいてフーケが振り返った瞬間、彼女の視界は真っ黒く染まりました。
 それが目の前にまで迫ってきた砲弾だと悟ったときには、視界は今度は白く染まりました。
「おべろーっ!!」
 ギャグっぽい叫び声をあげてフーケは吹っ飛んでいきました。パトベセルの放った主砲の流れ弾です。
 そのままきりもみして中庭に人型の穴をこさえたフーケさん。驚いたことに気絶してますがかすり傷ひとつありません。
 とっさにギャグっぽく叫んだのが良かったのでしょう。これがもし妹のこととか考えてたらほぼアウトでした。
 これ以降、フーケが現れることは無かったそうな。


 そんで、使い魔の品評会ではルイズが一番をとりました。
 なお、その間パトベセルがずっと主砲の照準を会場に合わせ続けていたのは多分関係ありません。
「ま、当然の結果ね」
 思いっきりふんぞりかえるルイズさん。最近誰かに似てきてます。


738 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 11:47:35 ID:7hTWcw6S
 話は進んで王女様の登場です。
「手紙を取り戻してきてください」
 なんともアホくさい理由、しかも内乱中のアルビオンに乗り込んでこいと言います。たかが16歳の女の子に頼む仕事じゃありません。
 が、王女様のためなら例え火の中水の中、火星だろうがイスカンダルだろうが行けと言われれば行くのがルイズです。
「アップルジャーック!!」
 当然こんな面白そうな話をヒカリが見逃すはずはありません。パトベセル全速前進です。
「え、あのちょっと私も!?」
 最初に言いましたが、今ルイズの部屋はパトベセル内にあります。当然王女様もルイズに会うためにはパトベセルに乗り込んでこなければなりません。
 アンリエッタ王女、降りる間もなく強制連行です。
 誰か忘れてる気がしますが、まあいいでしょう。

 途中の街なんかは全部きれいにスルーして洋上に出ます。
 アルビオンへの海上で空賊に遭遇しましたが、退屈していたヒカリのいい遊び相手です。
「主砲、発砲準備!!」
 容赦なんか最初からゼロです。主砲380スペシャル、空賊船に照準完了。
「死ねーーっ!!」
 主砲発射、命中、撃沈確認万々歳。我ら無敵の超戦艦。
 空賊船、煙を吹いて墜落していきます。
 ヒカリ、大笑い。

 んで、無事アルビオンに到着。
 目当てのウェールズ皇太子を探しますが、聞くところによると空賊に扮して出かけているとのこと。
「ま、まぁそのうち帰ってくるでしょう。ほ、ほほほほ」
「そ、そうですよね。あはははは」
 冷や汗だらだら、隠すのに必死です。
 が、噂をすればなんとやら、ほんとにボロボロになりながらも帰ってきました。
 なんでも命中する寸前に、突然頭に浮かんだ「ほげーっ!!」という言葉を叫んだら、なんと全員無事で助かったということ。
 アンリエッタ王女、愛しのウェールズ皇太子と感動のご対面です。
「ああ、ウェールズ、こんなボロボロの姿になってしまって」
「ごめんよ、僕はひどいやつだ。最後の瞬間には必ず君の姿を思い浮かべようと思っていたのに、いざとなるとできなかった。こんな僕を許してくれ」
 いや、それやってたらあんた間違いなく死んでますよ。


739 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 11:48:32 ID:7hTWcw6S

ちょっと急用ができました。
しばらくしたら続きを投下します。

740 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 12:10:49 ID:7hTWcw6S
お待たせしました。
ゼロの青空署、続き投下します。

741 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 12:12:37 ID:7hTWcw6S
 最後の晩餐、青空署のおかげでバカ騒ぎに変更です。
 なにせパトベセルの炊事長の柚子ちゃんの料理は絶品です。みんな食指が進む進む。
 で、全員酔いつぶれた隙にまとめてパトベセルに収容してアルビオンを脱出、レコン・キスタは無人の城に総攻撃をかけて、同士討ちまで演じたあげく、見つけたのは犬2頭だけだったという。
 これを指して、アルビオン奇跡の作戦・キスタ脱出、というかどうかはさだかでない。

 さて、無事にトリステインに帰還したパトベセルですが、とんでもない罵声で迎えられました。そりゃそうです、一国の王女をかっさらって行ったのですから。
「馬鹿やろー!! 王女様になんてことしてくれてんだー!!」
「死ねっ、青空署死ねーっ!!」
 むかついたヒカリがパトベセルの街中への強行着陸とアクセルスピンで黙らせて、王女様の必死のとりなしでなんとか事なきを得ました。
 王統派も、ここまで来ては腹をくくるとのこと。
 盛大にアンリエッタ王女とウェールズ皇太子の結婚式が開かれました。ちなみに反対派もいましたが主砲で黙らせました。
「汝ら、永遠の愛を誓いますか?」
「「誓います」」
 もはやふたりとも吹っ切れた様子でとてもうれしそうです。
 強理通れば道理引っ込む、やったもの勝ちです世の中は。

 そして一時の平和を経てクライマックスへ。
 アルビオン王統派が亡命したためにレコン・キスタの総攻撃が開始されました。
 迎え撃つは、我らがルイズとパトベセル!!
「総員、戦闘配備!!」
 今回はヒカリもマジモードで始まりました。
 地上に降ろしては兵数の少ないこちらが不利と、洋上での艦隊決戦に持ち込みます。
 パトベセル主砲発射、さらに殉作と玲於奈もジェクトでドラゴンを迎え撃ちます。もちろんルイズも爆発魔法の連射。
 しかし、さすがに数が違いすぎ、3隻を撃沈したもののパトベセルも次第に追い込まれていきます。
「ごめんジュン、今のが最後の一発よ……」
 さしものパトベセルも遂に砲弾切れ、しかもジェクトも連戦でガタがきて、ルイズも疲労困憊です。
「もう、これまでなの……」
 ルイズの目に浮かぶ一筋の涙、とどめを刺そうと迫るレコン・キスタ艦隊、そのとき!!


742 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 12:13:58 ID:7hTWcw6S
「ホーホッホッホッ!! あら、この程度で終わりですの? あたくしがライバルと認めた人たちにしては随分と早い幕ですこと、上演時間はまだ残っていてよ!!」
 あれは!? 鳥だ! 飛行機だ!(この世界に無いが) いや、芸人だ!!
「だーぁれが芸人ですってぇ!! こほん、怪盗ロール、参上!! チェーンジ、マーベラステッキ、オーホッホッ、マイザー・スパイラルー!!」
 ロールはステッキを巨大なドリルに変形させて戦艦に突撃をかける。
「馬鹿め! そんなものが通用するか!!」
 その艦の艦長はあざ笑ったが、ロールは艦首から突撃すると、そのまま船体を貫いて艦尾まで突き抜けた。
「そ、そんなアホな!?」
 大破した戦艦は浮力を失って落ちていく。
「見たか、貴族の馬鹿息子どもめ、戦いとはこうしてやるものだ!!」
 どっかの疾風の異名を持つ提督みたいなことを言いながらロールはさらにステッキをクルクル回した。
「必ず殺すと書いて、必・殺!!、獲麗巌斗(えれがんと)ハリセーン!!」
 ロールは獲麗巌斗と書かれた大きなはりせんにチェンジさせて別の戦艦に向かっていく。
「一撃入魂!!」
 ドグワシャとでも書けばいいのか、その戦艦はお空の星となった。
「な、なんだ!? なんなんだあれは!?」
 レコン・キスタ艦隊、大パニックである。
 そりゃそうだ、戦艦と渡り合う生身の人間などハルキゲニアでも規格外だ。

 そして、ロールが注意を引き付けているあいだにパトベセルも体勢を立て直していた。
 もはや弾丸は無く、搭載機もボロボロだ。しかし、その目にはまだ絶望の色は無い!!
「青空署に、あきらめるって言葉は無いのよ!!」
「オオーッ!!」
 ヒカリの叫びに署員だけでなくルイズまでもが腹の底から叫びを返す。
 そしてそのとき、最初にルイズに刻まれてから今まで一度も発動することの無かったパトベセルのルーンが輝き始めた。
 その光はパトベセル全体を覆い、やがてルイズの体を包んでいく。
「これは……ヒカリ、パトベセルのエネルギーが回復していきます。全システム、オールグリーン」
 空が信じられないとつぶやく。

「こりゃおでれーた。この船、虚無の魔力を吸収してやがる」
 物置で誰かが解説風につぶやいてくれたので一応お礼を言っておきましょう。
 え、ご都合主義? 空さん、いっちょお願いします。
「フィクションです」



743 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 12:15:09 ID:7hTWcw6S
 そのとき、ようやく我に返った艦隊が一斉にパトベセルに砲門を開きました。
「デ○トーション・フィールド発動!!」
 ヒカリが叫ぶと本来パトベセルには無いはずのバリアーが砲弾を全部跳ね返します。
「エクスプロージョン!!」
 仕返しの虚無魔法の一撃でまたまた一隻撃沈、いつの間に覚えたかって? ドラクエでもレベルが上がると勝手に魔法覚えるでしょう。
「ハイ○ー放射ミサイル、発射!!」
「ありません」
「ダイダ○ス・アタックよ!!」
「できません」
「なら、超音波○スでも撃ちなさーい!!」
「発射」
 できるのかよ!! というツッコミは置いといて、戦艦がまた一隻真っ二つになって落ちていきます。どこから撃ったのかとかは聞かないように。
 残るは敵旗艦レキシントン一隻のみ。

 ヒカリは攻撃を中止するとおもむろにマイクをとりました。
 降伏勧告か? 皆は息を呑みます。

「あえて言おう!! お前らはカスであると!!」
「なんだとーっ!! こうなったら徹底抗戦だーっ!!」
 レコン・キスタのクロムウェル卿、大激怒ですが青空署の面々はすっきりした顔をしています。
「さて、そろそろお腹も減ったし終わりにしますか。波動砲、発射用意!!」
 ああ、やっぱりそう来るか。
「了解、ターゲット・スコープオープン、電影クロスゲージ、明度20」
「虚無エネルギー、充填120パーセント、安全装置解除、圧力限界へ」
 パトベセルの主砲に巨大なエネルギーが収束していく。
「さあて、これでフィナーレよ。盛大にいくわよルンルン!」
「ええ、やってやるわよヒカリ!」
 ヒカリとルイズの手がいっしょにトリガーにかかる。
 目の前には、死なばもろともと特攻をかけてくるレキシントンの姿が来ている。
 そして……。
「「エクスプロージョン波動砲、発射!!」」
 ふたりは同時にトリガーを引き絞った。
 まばゆい閃光がほとばしる!!
 次の瞬間、虚無のエネルギーを収束した超エネルギーが放たれ、目前まで迫っていたレキシントンを飲み込むと、原子の一個にいたるまで分解し、文字通り消し去った。
 なお、付け加えておくと、レキシントンが消え去る直前にいくつもの人影が「おべろーっ」「ほげらーっ」とか叫びながらはるかかなたへ飛んで行ったという。ルイズはその中のひとりに見覚えがあるような気がしたが、思い出せないので忘れることにしました。


744 :ゼロの青空署:2008/04/26(土) 12:16:31 ID:7hTWcw6S
「勝ったぁ!!」
 誰とも無く歓声があがった。
 ヒカリとルイズは抱き合って喜んでいる。艦内でも万歳の嵐です。
 デッキでも殉作や玲於奈が今回だけはロールといっしょに大笑いしてます。

 この後、トリステインに帰還したパトベセルとルイズが英雄として迎えられたのは言うまでもありません。
 王子様と王女様主催の大パーティが主催され、身分も何も無く、ただ訪れた平和を喜び合いました。

 その後、彼らは元の世界に帰っていきました。
 多くの涙が流れましたが、彼らにも元の世界で待っている人ややらねばならないことがあります。
 見送った後、キュルケもタバサもルイズの顔をまともに見ることができませんでした。



 しかし、まだこの大陸に立ち込めた暗雲は色濃いのです。
 まだまだ邪悪な野心を燃やす者は耐えません。
 人々が希望を失い、力尽きようとしたそのとき、ルイズは彼女だけの最強の召喚魔法を唱えます。

「アップル・ジャーック!!」

 そう、呼べば必ず彼らは答えてくれるのですから。

 THE END

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 12:31:18 ID:j9lMEp8B
乙、パトベセルといえば「警察は軍隊と違って降伏できない」に感動したのに
アームズのぱくりだっという悲しい思い出のあるゲームだw

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 12:50:52 ID:erarV4aD
パクリじゃない!

インスパイアされたのだッ!!

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 13:41:46 ID:Ll6CSy9A
今まで敬遠してたけど、不敗の使い魔とか結構面白かったな三話までしかないけど。
しかしGガンダムは他のガンダム系から別扱いなんだな。あれは異色すぎるからかな?

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 13:47:05 ID:bQFQP0Wu
>>747
異色だが、なぜかターンAでオフィシャルに組み込まれたのだよ
黒歴史に記録が残っているから、Gガンは史実で正史で宇宙世紀だったりする

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 13:54:20 ID:Ll6CSy9A
>>748
いや、あれとSDだけは普通にまとめwikiにあるんだなと思っただけで。
わかりにくくてすみません。

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 13:55:01 ID:NDcOjxyZ
気にするほどでもなかろ?
根元が富野世界なんだからイデが消し飛ばした宇宙の一つとでも思えば何の問題もない

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:00:20 ID:NDcOjxyZ
>>749
小ネタならドズル、ノリス、バーニィと結構召喚されてたりするよ

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:14:06 ID:rM0Fmi74
元々トレーズ様で遊ぶスレがガンダム系であっただけで別段別スレでもなかったから
途中で短編数個が向こうに投下された関係で分かれてるようにも見えるけど、別段GガンだからとかSDだからとか何か理由があるわけでもないと思われ
そもそもガンダム系で初期から長く続いてるのが爆熱だけで、それが向こうのスレがSSスレとして機能してない頃からある訳で
本当にただそれだけだろう

753 :ゼロのエルクゥ13 0/6 ◆yxbMPy6fic :2008/04/26(土) 14:14:20 ID:uY0nJy6r
おはようございます。
5分後に投下したいと思います。大丈夫でしょうか?

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:16:55 ID:KjIi8Vwf
go

755 :ゼロのエルクゥ13 1/6 ◆yxbMPy6fic :2008/04/26(土) 14:21:46 ID:uY0nJy6r
「ひ、姫殿下、なぜこのような下賎なところに……」
「おともだちに下賎も高貴もありませんわ。懐かしいルイズ! それとも、私の事など忘れてしまったの?」

 ルイズは、ぶるぶると盛大に首を振った。

「わ、私などに、もったいないお言葉にございます。アンリエッタ姫殿下」
「もう、おともだちと言ったでしょう? そんな堅苦しい行儀はやめてちょうだい。そんなの、宮廷の中だけでもうたくさんだわ!」
「ひ、姫殿下……」
「ほら、覚えていて? 一緒になって、お庭で蝶々を追い掛け回したじゃないの」
「も、もちろんです。あの時は、お召し物を泥だらけにしてしまって……侍従長様にこってりをお叱りを受けました」
「そうよ! そうよルイズ!」

 美少女二人が芝居がかった様子で抱き合うのを、耕一は呆と見やっていた。

「お姫さんてーのも大変だぁなぁ」
「……みたいだなぁ」

 ギーシュでだいぶ慣れてはいたが、やはりこういうノリにはついていききれない。舞台上の女二人に、剣と男は完全に観客だった。
 ひとしきり昔話で盛り上がると、緊張していた様子のルイズも、アンリエッタとおでこを突き合わせてあははと笑っていた。

「でも、感激ですわ。姫さまが、そんな昔の事を覚えてくださっているなんて……てっきり、もう忘れてしまわれていたものかと」
「忘れるものですか。あの頃は毎日が楽しかったわ。そう、一番楽しかった。今は肩が凝るばっかりよ」

 切り揃えられたアンリエッタの栗色の髪が微かに揺れ、一瞬だけその表情に愁いが混じった事に、耕一は気付いた。
 それは、彼が特に彼女を注視していたとか、何かしらのシグナルを感じたとか、そういう事ではなく―――単に、その表情の類に、酷く見覚えがあったからだ。

「自由なあなたが羨ましいわ。ルイズ」
「……私にも、悩みはありますわ。姫さま」
「うふふ、そうね。ごめんなさい。そういうつもりではなかったのよ」
「ええ、わかっていますわ」

 それは、諦め。
 遠い、体験した覚えの無い記憶の中で、彼の二人の妻が共通して浮かべていたものだった。
 エディフェルは、程近い自らの死に。リネットは、届かぬ自らの想いに。―――どちらかと言えば彼女のそれは、後者の方に似ている。
 ぎり。と、意識せずに耕一の奥歯が鳴った。

「相棒?」
「……なんでもないよ、デルフ」
「……あら?」

 瞬間だけ観客の雰囲気ではなくなった男に、ようやく気付いた、という風にアンリエッタが目を向けた。

「あ、あらあら。本当にごめんなさいルイズ。もしかしてわたくし、お邪魔だったかしら?」
「えっ? そんな、邪魔だなんてとんでもない。何故そのような事を?」
「だって、そこの殿方と夜を過ごしていたのでしょう? いやだわ、わたくしったら、とんだ粗相を致してしまったみたいね」

756 :ゼロのエルクゥ13 2/6 ◆yxbMPy6fic :2008/04/26(土) 14:22:47 ID:uY0nJy6r
 言葉の刹那、ルイズの顔が、瞬間湯沸かし機もかくやというスピードで沸騰した。

「な、ななな、ち、ち、ち、違います姫さま! こ、ここ、コーイチはですね!」
「コーイチ、様と仰るの? 変わったお名前ね。本当に申し訳ありませんわ」
「あ、いや、その」

 仰々しく頭を下げられて、一瞬耕一は否定を忘れてしまった。

「つ、使い魔! 使い魔なんです姫さま! コーイチは私の使い魔!」
「もうルイズったら、恥ずかしいからって、おともだちに隠し事はなしよ。人が使い魔だなんて聞いた事がないわ」
「ほ、ホントなんですってばあ! ほ、ほら! 黙ってないであんたからも何か言いなさいよ!」

 ちょっと涙目のルイズに、耕一は苦笑しながら左手を掲げた。

「あら……本当、でしたの?」
「使い魔っていうのも、恋人じゃないっていうのも本当ですよ」

 その甲に描かれたルーン文字を見て、アンリエッタは目をぱちくりさせた。

「人が使い魔だなんて……ルイズ、あなた、昔からどこか変わっていたけれど……相変わらずね」
「……ちなみに、人じゃなくて、亜人ですわ、姫さま」
「あんまフォローになってねえぞ。娘っ子」
「うるさいわねこのボロ剣!」

 もうボロじゃないもんフフーンと余裕で鼻歌を歌うデルフリンガーの言葉の通り、アンリエッタは目だけではなく、顔全体で驚いていた。

「あ、亜人、なのですか」
「まぁ、一応そういう事になってるみたいです」
「は、はぁ。それに、こちらはインテリジェンスソード……それも、かなりの業物のようですわね……」
「へへっ。さすがお姫さま。娘っ子と違って見る目があるねぇ」

 カタカタと飾りを鳴らして上機嫌をアピールする剣に、ルイズは頭を抱えた。
 じっと見つめてくるアンリエッタの視線に、耕一はぺこりと頭を下げる。

「えーと、どうも。柏木耕一と……あ、いや、コーイチ・カシワギって言うべきなのかな?」
「ミスタ・カシワギ……やはり、珍しいお名前ですね。まるで東方の言葉のよう。どこか遠いところから?」
「ええ。ルイズちゃんの召喚で無理矢理呼ばれてきまして」
「よ、余計な事言わなくていいのよっ!」
「あらあら、まあまあ」

 焦った様子を見せるルイズを見て、ころころと笑うアンリエッタ。その表情には、先ほど耕一が垣間見たものは見受けられなかった。
 そして、それもまた妻達と同じだった。まったく女という生き物は隠し事がうまいものだ、などと一昔前のハードボイルド小説のような愚痴が頭をよぎった。

「そして俺様はデルフリンガー! ガンダールヴの左手よ!」
「……なんだそりゃ。がんだーるぶ?」

 突拍子もない事を言い出した剣に、三人が訝しげな顔を向けた。

757 :ゼロのエルクゥ13 3/6 ◆yxbMPy6fic :2008/04/26(土) 14:24:06 ID:uY0nJy6r
「……何か聞いたことあるわね、それ。………そう、確か、始祖ブリミルの率いた4つの使い魔のうちのひとつ、だったかしら」
「よく知っているわね、ルイズ。そう、神の左手ガンダールヴ。始祖の使い魔の1つよ」
「で、なに、まさかあんた、そのガンダールヴに使われてたとか言い出すんじゃないでしょうね」

 日頃の勉強のおかげか、辿り着いた真実を口走りながらルイズは問うた。その真実にデルフリンガーは、はっきりと、堂々とした声で―――

「わからん!」

 と答えた。

「なんじゃそりゃぁ!」
「いやー、なんか自己紹介っつの? かっこよさげな口上でも言おっかなーとか思ったら、自然と出てきたフレーズなんだわね、これが」
「ああもう、買ったときにも六千年前とか言ってたけど、うさんくさ過ぎて本当なのかデタラメなのかわっかんないわ……」
「うむ。俺にもわかんね!」
「いばるなああああああっ!!!!!」
「うふふ」

 騒音が心配になるぐらいの喧騒のなか、アンリエッタは心から楽しそうな笑顔を浮かべていた。

§

「さて、わたくしはそろそろ戻りますわ」
「え、そうなのですか?」

 暫しの歓談の後、アンリエッタは静かに、腰を下ろしていたルイズのベッドから立ち上がった。

「ええ。おともだちと友誼を深めに来たのですもの。もっともっと、出来る事なら夜を徹して話していたいのは山々なのだけれど……」
「姫さまはお忙しい身です。明日も早くご出立なされると聞いております」
「そう。そうなの。馬車の中で居眠りなんてしたら、口うるさい枢機卿殿に何を言われるかわかったものじゃありませんわ」

 柔らかく笑って、扉に手をかける。

「ありがとうルイズ。今夜は本当に楽しかったわ。また来てもいいかしら?」
「は、はい。このようなところでよろしければ、いつでも歓迎致します」

 にこりと微笑みで返事を返し、アンリエッタは優雅に踵を返してちょっとお茶目な様子で黒いフードを被ると、小走りに部屋を出て行った。

「……はぁ。びっくりしたわ。まさか、急に姫殿下がお越しになられるなんて……」
「……ルイズちゃん、ちょっとトイレに行ってくるな」
「え、ちょ、コーイチっ?」

 そして、まるで後を追うように、自分の話も聞かず、返事も聞かずに出て行く耕一に、

「な、何なのよ……?」

 怒る暇すらなく、呆然としてしまうルイズだった。

758 :ゼロのエルクゥ13 4/6 ◆yxbMPy6fic :2008/04/26(土) 14:25:58 ID:uY0nJy6r
「……姫さま」
「えっ? あ、つ、使い魔さん? ど、どうかなさったのですか?」

 廊下を出てすぐ、耕一が呼び止めると、アンリエッタは焦った様子で周囲を気にし始めた。

「大丈夫です。周りには誰もいません」
「……何か、ご用なのですか?」

 潜めた声で、アンリエッタが耕一に向き直る。

「すいません。お節介かもしれませんが……」

 耕一は、先に頭を下げながら、言葉を続けた。

「何か、悩みがあるんだったら、一番話しやすいのは友達ですよ、と」
「えっ!?」
「諦めて……時間が経てば解決する悩みならいいですけど。そうでないなら、早めに誰かに話して手を打たないと、きっと後悔します。……目上の人とかに相談しにくいような事なら、尚更」
「…………」

 あんな顔をしている人を、放ってはおけなかった。
 お節介でも、余計なお世話でも、放っておくのは、自分の……そう、自分の心が許さなかった。

「それだけです。突然呼び止めてすいませんでした」

 耕一はそれだけ言うと、踵を返す。
 その背中に、アンリエッタが見せた逡巡は、わずかだった。

「待ってください」
「はい?」
「……少し言い忘れた事があったので、わたくしも戻りますわ」
「……そうですか」

§

「―――つまり、『軍事同盟を兼ねた政略結婚がご破算になるような手紙が、それを阻止したい勢力に今にも滅ぼされようとしている王国の王子が持っている。このままでは手紙がその勢力の元に行ってしまうのも時間の問題だけどどうしよう』と、こういう事ですか?」
「は、はい。そうなります」

 知らない人にはそこそこに、知ってる人にはよくわかる要約を聞きながら、アンリエッタは頷き、俯いてしまった。

「……元がわたくしの私情から始まった事ですので、母様にも枢機卿にも話せずにいたのです。ありがとうございます、使い魔さん」
「い、いえ」

 見事に、『時間に任せていたらとんでもない事になっていた』悩みに、耕一は冷や汗を垂らしていた。
 まさか、そんな国レベルでヤバイ悩みだったとは。

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:26:01 ID:buDKhl+2
支援

760 :ゼロのエルクゥ13 5/6 ◆yxbMPy6fic :2008/04/26(土) 14:26:40 ID:uY0nJy6r
「私がその手紙、取り返して参ります!」
「……ルイズちゃん」

 なんとなく予想通りの言葉がルイズから紡がれて、耕一は肩をすくめた。

「だ、だめよ! アルビオンの貴族派は、今にも王党派の篭る最後の城、ニューカッスルを包囲しようとしていると聞きます! そんな危険なところに、学生のあなたが……!」
「姫殿下の御為ならば、トリステインの公爵家であり……そして、そ、その」

 ルイズは、かああっと顔を真っ赤にして、俯きながら言う。

「ひ、姫さまのおともだちである私に、否応はありません。力を貸させてください、姫さま」
「ルイズ……」

 その言葉に、アンリエッタの瞳がさっと潤った。

「……行ってくれるの、ルイズ?」
「身命に代えましても」

 アンリエッタは、潤んだ瞳を隠すように目を閉じると、数秒の後に開く。
 その顔は凛々しく整った、王女の顔だった。

「命じます。ルイズ・フランソワ―ズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。アルビオンに赴き、密命を果たしなさい」
「慎んで拝命致します。明朝すぐに出発したいと思います」

 ルイズは跪き、頭を垂れる。
 アンリエッタはすぐに膝を折り、ルイズを抱きしめた。

「……無理だと感じたら、すぐに戻ってきて。絶対に、命を粗末にしないで、ルイズ」
「もちろんです」

 ルイズから離れたアンリエッタは机に座ると、羊皮紙にさらさらと何かを書き付け始める。
 一端ペンを置き、文面を眺め……その表情が苦悩に歪んだ後、搾り出すように、最後に一文を付け加えた。

「……始祖よ、お許しください。この手紙もまた、自分勝手なわたくしの恥部となりましょう。しかし、それでも……」

 苦い顔をしながら杖を振るうと、くるくると羊皮紙が巻かれ、封蝋がされ、花押が押され……立派な密書の出来上がりとなった。

「この密書を渡せば、ウェールズ王子は手紙を返してくださるでしょう。それから……」

 密書と共に、アンリエッタは自らの指にはまっていた指輪を抜き、ルイズに渡した。
 透き通るような蒼色の、大きな宝石がはまった指輪だった。

「母から頂いた『水のルビー』です。せめてものお守りに持っていってください……お金が心配なら、売り払って資金に当てても構いません」

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:27:40 ID:u1jgMtee
ちょっと綺麗なアンリエッタ支援

762 :ゼロのエルクゥ13 6/6 ◆yxbMPy6fic :2008/04/26(土) 14:28:04 ID:uY0nJy6r
 それから、少し考えるような仕草をすると、

「……できたらですが、一人、手練の者を護衛につけましょう。明日の朝、正門で貴方達と合流するよう手配しておきます。ですが、力及ばない時は……申し訳ありません」

 そう付け加えた。
 ルイズが深く頭を垂れる。

「ご配慮に、感謝致します」
「……全てはわたくしの短慮から出た杖の錆です。わたくしが力を尽くすのは当然の事……気にする必要はありません」

 目を伏せて首を振り、アンリエッタは、やれやれ大変な事になったと頭を掻いていた耕一に向き直った。

「使い魔さん、わたくしのおともだちを、よろしくお願い致します」
「……ま、そんな大それた悩みだとは知らなかったとは言え、言わせちゃったのは俺ですしね。出来るだけはやってみますよ」

 『内戦中の国に侵入して、負けている方の指導者と接触を取り、当国にとって外交上不利になる品物を回収せよ』

 まごうことなきスニーキング・ミッション。どこぞの蛇じゃないんだからと一笑に付したくなるが、現実だった。死ぬ可能性バリバリの、"任務"だ。
 そして、今、耕一は、間違っても死ぬわけにはいかない。彼は、彼一人だけの体ではないのだから。無事に帰り、楓を安心させてやらなければならない。
 それは彼の義務であり、責務であり、責任であり、使命であり……何よりも、願いだった。

 しかし、それでも。
 断ろうとか、逃げようとかいう気は起きなかった。

 ここで、見捨てて逃げてしまったら……きっと自分自身が、胸を張って楓ちゃんに会えなくなる。
 エディフェルやリネットと同じ表情を浮かべる、何かを諦めなければならなかった人を、助ける事が出来る。
 それらは、耕一が危険に飛び込むのには十分すぎる理由だった。

 ―――まあ、王女様に恩を売っておけば、もう少し熱心に元の世界に戻る方法を探してもらえるかもしれない、という打算も、無いとは言えなかったけれども。

「……ありがとうございます」

 アンリエッタは目を伏せ、祈りを捧げるように両手を握り合わせた。

「始祖ブリミルよ。今一度、身勝手な貴方の子に加護をくださいまし。アルビオンに吹き荒ぶ猛き風より、彼等をお守りくださいますように」

763 :ゼロのエルクゥ ◆yxbMPy6fic :2008/04/26(土) 14:31:48 ID:uY0nJy6r
以上です。支援ありがとうございました。楽しんでいただければ幸い。

764 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:35:11 ID:M5xFE8Rk
乙ー。
俺、アンアン様のことずっとビッチを見るような目で見ていたんです……

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:36:10 ID:buDKhl+2
投下乙。
ああ、見事に自分が原因になってしまったな耕一さんよお

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:40:04 ID:VwA67itA


「計算通り」
って言ってるアンアンが目に浮かぶのはなぜだ

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:41:40 ID:LMmtYhvI
エルクウの人乙。

一応原作だと愚痴ってるうちにポロッと手紙の事漏らしちゃったんであって
最初からルイズを当てにしてたわけじゃないんだよな
まあそれはそれで粗忽としかいえんけど

>>750
Gガンの最後のほうにモブでザンボット3がいたのはそういうわけか

スパロボではαシリーズにGガンが出ていないのに
未来が舞台のα外伝でターンXがシャイニングフィンガーを使うという変な事になってたな

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:46:51 ID:M5xFE8Rk
>>767
今職場なんで手元に一巻がないけど、移動中にワルドがアンアンに花を持ってくるシーンで

学院にルイズがいる→鳥の骨「ヴァリエールの三女がフーケを捕らえたらしい」
の言葉を受けて、アンアンは「なんとかなりそうね」と呟いているはず。
……腹黒ビッチめが……

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:47:22 ID:M5xFE8Rk
やべ、二巻だ。ごめん。

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:48:07 ID:u1jgMtee
>>767
> 一応原作だと愚痴ってるうちにポロッと手紙の事漏らしちゃったんであって
> 最初からルイズを当てにしてたわけじゃないんだよな
「アンリエッタはたしか、盗賊を捕まえた貴族たちの中に、ラ・ヴァリエールの名前があったことを思い出した。
 なんとかなるかも知れない。アンリエッタはそう思って、少し安心した。」(第2巻 p.55-56)
ところが、最初から頼む気満々だった節もある。

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 14:48:37 ID:LMmtYhvI
ありゃ、記憶違いだったか

772 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/26(土) 14:52:05 ID:JpolacnI
やっぱし
「計画通り「ニヤソ」」
なのか

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:02:05 ID:NDcOjxyZ
まあ、社交会を何度かこなせば腹黒くなりそうなものだけどな
ホホホ、ウフフばかりのパーティとか正気でやってられんぞ

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:17:24 ID:BRiJvhWs
超常現象を起こせるDB的キャラじゃなくて
蒼天航路のような味のある人間が出てきたらどうなるんだろうか

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:20:39 ID:Yl77HdbZ
パンプキンシザースから伍長

フーケに盗まれたのは”破壊のランタン”
「青白いランタンがどうして破壊なの?」
「うむ、わしが若かった頃ワイバーンに教われてなその時そのランタンを持った兵士が 略」

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:30:09 ID:bQFQP0Wu
>>774
李典だとコルベールと組んで武器革命
張既だとトリステインとレコンキスタを調停
劉馥だとトリステインの富国強兵
法正だとタルブ戦で知略の限りを尽くして戦線維持

張昭だとマザリーニと組んでダブルマザリーニ
アンアンがノイローゼに

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:31:04 ID:KjIi8Vwf
大神アマテラス召喚
デルフは神器代わりに背中に装備

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:34:44 ID:/Snsr9ht
そういえば、ダイナミックキャラ召喚の話題で鋼鉄ジーグの司馬宙の名前が挙がらないのは何故だろう?
素の状態でもそこそこ強いし、チェンジサイボーグ状態ならなまなかなメイジでは太刀打ちできない。
「竜の羽衣」をビッグシューターにして、シエスタをミッチーの孫とでもすれば話は進められそうだけど。

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:42:40 ID:Yl77HdbZ
炎蛇のコルベールとかあの辺りの人は
わざわざ燃やさなくても
空気中の酸素を消費すれば窒息死するんじゃあるまいか

風のメイジが相手だったら判らないけどさ



780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:44:56 ID:ILYD39N/
>>774
ガンダールヴ張飛と記すのも憚られる董卓は小ネタにある
あとはミョズ孔明だな

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 15:47:12 ID:3zCH0ncv
>>774
張角良師よんでクロムウェルと対決させてみるということですね

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 16:17:29 ID:EzZoIR/g
Gガン…


メンヌヴィルの襲撃
「さあ、俺と戦え隊長殿!」
「よかろう。こんなこともあろうかと鍛え続けたこの身体!」

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 16:55:35 ID:3GvKfA4h
>782
つまり聖地にはデビル、いやアルティメットガンダムが眠りについていて、UG細胞に感染した人間の果てがメイジとなるわけですね。

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 17:07:47 ID:dJMFf5DI
その場合『始祖カッシュ』になりそうな気が・・・
どうでもいいが響きが始祖アイバみたいだな。

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 17:32:51 ID:6SMqrcP7
爆熱の人帰ってきてください

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 17:45:40 ID:awbJxPXr
次スレは、重複だった
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part131
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1208700027/
でいいんだよね?

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 17:59:48 ID:RyC8CPT0
>>784
アイバ?つまり聖地は聖地でもラダムの聖地で(ry

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 18:00:29 ID:OOmZoEKF
>>786
おk

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 18:34:24 ID:vOfFSaPP
>>787
始祖アイバの流れだとラダムじゃなくてイバリューダーの(ry

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 18:38:29 ID:6xLD9yEl
その流れだと邪気眼発動中のカズマ召喚することに(ry

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 18:55:25 ID:3pnRO0kv
そしてテッカマンオメガ様も召喚されてさらにカオスに

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 19:01:17 ID:y+IV5CQT
>>790
とりあえず家事一通り出来るから才人よりは役に立つのでは。
>三姉妹のオマケの邪気眼小僧

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 19:02:38 ID:KUY4qhCE
まあ、普通に「どう見てもハルケギニア終了です、本当に(ry」
この結末しかないな。


794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 19:07:19 ID:XNGEi1my
>>790
邪気眼が直った後も戦闘台詞でホリスやミヒロに弄られてカワイソスw
Wは戦闘台詞面白いのが多いよな、戦艦に攻撃が当たったら〜の部屋が巻き込まれたとかw

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 19:48:16 ID:PRHcnD1x
>>777
それは既に連載版が…沈黙してるけど

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 19:51:50 ID:gXPjLFe0
>778
>ミッチーの孫
鋼鉄神の立場は

797 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:02:22 ID:ZQOnj0OO
アイバか……
なんか別のアイバさん思い出して勝手に噴いた
4体の使い魔、アイバさん以外は全員裏返りで頼む

798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:12:26 ID:6SMqrcP7
ラダムvsイバリューダーをハルケギニアでやるのか?

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:18:42 ID:ILYD39N/
孔雀王とかゴッドサイダーとか、濃ゆいのが召喚されんかな

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:21:58 ID:JZa89k0t
あれは濃ゆすぎて使いずらいキャラばっかりだからなあ…。

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:23:01 ID:fgRYKL1m
地獄に堕ちた者を鋼の馬と一緒に召喚する渋い話はどうかな?

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:30:27 ID:awbJxPXr
>>799
孔雀って性格的にはサイトに近くないか?
戦闘能力(ガンダ抜き)の戦闘能力はぜんぜん違うけど

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:36:25 ID:bQFQP0Wu
>>802
よく似てるな
孔雀は戦闘能力ってか神そのものだが

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:40:36 ID:YBSclUPA
>>801
>地獄に墜ちた
>馬
スリーピー・ホロウの首なし騎士召喚

ルイズが首だけ召喚

コッパゲが伝統云々と言いだしてやむなく契約

本体がやってきて首返せ

使い魔としての義務を果たせば返してやるといわれて
ルイズの命令を聞く首なし騎士

首を奪い返されないように常に持ち歩くルイズ

皆から恐れられるが、自分も騎士に首を奪われたら命が危ないので
気の休まる時がないルイズ

相手の大切な物を手に入れて従属させるという展開もありかな?

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:47:58 ID:FxvRwKXS
>>801
>>804
ディルヴィシュとブラックのことじゃね?

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 20:52:12 ID:YBSclUPA
>>805
いや全然関係ないだろうとは分かっていたが何故かスリーピーの方を思い出したんだw
誤解をさせてスマン

807 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 21:04:07 ID:/Snsr9ht
>>796
鋼鉄神とは繋がらない展開でもありじゃね?
繋げるならジーグパーツをどっから調達するかという問題が出てくるし。

808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 21:05:09 ID:+aAuINFr
>>802
ルイズは阿修羅化しそうではあるな。
無印の方ね。

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 21:43:09 ID:+iM5fvko
警察官のスリーピーかと思った。


810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 21:51:33 ID:Wkrncmsb
>>809
確実に誰かとHする展開じゃないか

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 21:57:18 ID:+iM5fvko
>>810
フーケとかアニエスとかとやっちゃいそうだよな。
んで、確実に死人がどばどばと。

ギーシュかマリコルヌ辺りがダイザブローポジションになりそ。

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 21:57:53 ID:14aaGSeJ
いやスリーピーはさすがに子供には手を出さないよ。

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 23:19:24 ID:oiW+ZIDR
スヌーピーが子供に手を出すとな。え、違う?

814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 23:21:56 ID:OurKUWhU
>>710
虚無回廊か…懐かしいな
SS,スーパーストリングス、長さ2光年、直径1.2光年の謎の人口物体召喚
あまりにでっかすぎてハリケギニア含む惑星系全体がすっぽりつつみ込むように召喚とか
数年経つと、夜空から星が消えていくのでやっと…

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 23:47:14 ID:JZa89k0t
ゼロの武侠が次スレに投下されました。
さー、さくさくスレ埋めに入りますか!

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 23:47:46 ID:awbJxPXr
小松左京繋がりで

首都圏を召喚してしまうルイズ
そしてこちらの世界では「首都消失」

そういや小松左京がインタビューで、首都消失の続編(首都が復活した後の話)を書くっていってたような

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/26(土) 23:55:12 ID:FzT74cW1
次スレ扱い

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part131 (名称重複・実質part132)
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1208700027/

818 :燃料投下:2008/04/27(日) 00:19:46 ID:IbbJDCZe
あの世界じゃ平民の処女を献上されまくりだろうから
オナホとか発達していなさそう

シエスタを取り返しに行って
異世界のオナホ(使用済)と交換
喜ぶモット伯

破壊の杖はビックサイズな張り型
「使い方が判らなかったからおびき寄せたのさ」
「駄目だわ、杖じゃないみたい」
「(いえないあれが男の象徴だなんて絶対にいえない)そ、そうねルイズ」
「どうしたのキュルケ?」
スイッチを入れ動かすルイズ
「スライドしたわ!動いたわ!」
「やれやれルイズそれはバイブと言ってだな」

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 00:31:11 ID:8zylsONl
あらゆるオモチャ(性的な意味で)を使いこなす使い魔、ガンダールブ

820 :燃料投下:2008/04/27(日) 00:33:48 ID:IbbJDCZe
オリエンタル工業のドールが召還されました

「ひっ死体!」
「いや良く見たらこれは精巧な人形だね、ようしスケッチしておこうハァハア」
独身のコルベールが人形だと判るや上着を脱がしてさくらんぼや
スカートの中を熱心にスケッチしている
ルイズが切れて吹っ飛ばされる
「こほん、じゃあ契約をしてください」

しかし土メイジだったら珪素でシリコンドールとかコピー出来そうな気がするな
ギーシュが喜びそうな展開

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 00:50:44 ID:fHpjsQgP
ルイズがオリゼーとトリコイデスを召喚しました。

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 01:33:22 ID:fbaEAKbH
ume

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 01:35:50 ID:iHEP71+b
ただやすぅ〜がいないのでルイズ達に存在に気付いてもらえないオリゼーwww

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 01:43:08 ID:3/5/Ov0E
っていうか、あっちの世界にも菌や細菌はいるだろ

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 01:52:12 ID:ZXKgauqc
ある程度こちらとあちらの菌が似通っていないと
こちら側の人や物がハルケギニアに召喚される度に
そこいら辺で疫病やらなんやらで大量の死人が出かねないのだが。

麻疹とか水疱瘡あたり仮にあちらの世界に存在していなかったら
マジで国一つ滅ぼしかねない代物だったりするし、
逆にサイトも種痘なんて受けていないだろうから
天然痘にかかりかねなかったりするし。

まぁここら辺はいつもの「ノボ(ry」だろうけど。

826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 01:55:19 ID:QJeTKo84
「うおおおおおお だが病原体は許可しないイィィィィィーーッ!!」
みたいなノリでひとつ こらえてくれ

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 02:02:15 ID:3/5/Ov0E
インフルエンザ大流行
という展開があったりしてw

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 02:10:47 ID:aONbYWw3
まあ、こちらの世界でもパスツール先生が現れるまでは死にまくったからな>感染症

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 03:00:14 ID:dOfCK0iN
つまり、スーパードクターKada
を召喚して棚
ものごっつ、問題を腕力で解決しそうだ

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 03:16:45 ID:1ySLeDOE
敢えてWORKING!!に出て来る北海道の某変人レストラン、「ワグナリア」から対男性限定の殺戮グラップラー伊波さんを召喚してぇ。
その相方の小鳥遊くんか佐藤さんあたりも呼んだらどうなるか…。

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 03:56:30 ID:f3I7ONSX
>>830
ドラマCDでは10人のチンピラを秒殺したりパンチ一発で電柱へし折ったりするごく普通の女子高生ですね
あの漫画大好きです

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 04:02:43 ID:XgUKzdWY
伊波さんにギーシュが声をかけて決闘するまでもなくフルボッコにされる展開ですね
分かります

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 08:17:07 ID:xG1f4xvA
>>827
そしてコッパゲ先生が複製しまくったタミフルで、服用した患者の行動がフリーダムなことに

834 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/04/27(日) 08:23:59 ID:L8GWtu6C
>>833
タミフルの名誉のために言わせてもらうが、
インフルエンザで死ぬ確率のほうが、タミフルで死ぬ確率よりも大きいからな。

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 08:36:21 ID:0kfOTWer
あれタミフルが原因じゃないこともう判ってるだろ

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 08:47:14 ID:x3daeovM
もう少しで500kbだ。
俺はスレ立てができないから誰かたのむ・・・

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 08:48:23 ID:3yQqW8ec
>>836

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part131 (名称重複・実質part132)
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1208700027/

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 08:51:44 ID:vDrCJYFD
タミフルを服用してもしなくても、異常行動を起こすことが証明されている。
その上、服用していないときの方が起こすことが多いらしい。

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 08:58:23 ID:xG1f4xvA
ああ悪い。
ニコニコ的な意味で、を付けるのを忘れてた。

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 09:07:40 ID:iYphgELZ
500kbならカードキャプターさくらの木之本 桜を召喚。

見落としてるかもしれないけど召喚されてないよね?

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 10:15:40 ID:qZBMXdRR
>>826
その台詞のキャラの場合はそういう設定にしないとルイズもウイルスに感染してしまうしなw

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 10:17:51 ID:0kfOTWer
>>839
つけてもクローズドな所のネタを当たり前な物として言われても通じんよ

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 10:48:05 ID:IbbJDCZe
だからゆとり(ニコニコ)とかネトラン者(笑)は嫌われるんだ

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 11:05:24 ID:ojZM+1CO
>>840
徹頭徹尾善人しか出てこない平和世界のCCさくらと、
権謀術数渦巻く人死に上等の殺伐世界であるゼロ魔とでは
雰囲気が違いすぎて合わせるのが大変そう。
あらかじめ戦争の種を設定レベルで摘み取っておかないと
(シャルルやタバサ母が無事でジョゼフも正気とか)。

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 11:25:15 ID:JZ1BUmap
CCさくらと聞いて
「C2、契約するぞ!」と叫ぶルイズ
そして大虐殺アンアン・・・

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 11:26:02 ID:7GIyp270
>>844
人死に上等の世界観のエロゲとCCさくらのクロスは実際にあったぞ。
それもかなりレベル高いやつ。
用は書き方だと思うぜ。

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 11:40:11 ID:gc/SNoAI
次スレ扱い

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part131 (名称重複・実質part132)
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1208700027/

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 11:45:24 ID:7nUz8h/s
>>846
タイトルぷりーず

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 11:54:22 ID:fbaEAKbH
ume

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 12:36:39 ID:HHPdTcrz
ありゃもうHP閉鎖してるじゃん

851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 13:12:59 ID:ch5aCx3i
伊藤誠が召喚されたら面白そうだな

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 13:18:51 ID:ojZM+1CO
>>851
魔改造シエスタがルイズを惨殺ですね、分かります。

853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 13:28:31 ID:L+fLG2cj
>>848
月君 〜月の姫、空の世界、そして花咲く人は君〜
月姫とCCさくらのクロス。あれは本当に神だった。
残念だが作品があった風鈴色喫茶が閉鎖してもう見れない。
誰か持ってる人ないだろうか…

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 13:41:56 ID:y9NxbhaS
アドレスがあればインターネットアーカイブで見れるかもよ

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 13:44:58 ID:1fqhhVj2
エアマスターともクロスしてたアレかっ!!(褒め言葉)

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 13:51:11 ID:iLenxlTL
いきなり閉鎖されて読めなくなる作品は多いから
気に入る=即保存はガチよ

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 13:55:55 ID:1fqhhVj2
了解!忠告に感謝する!

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 14:05:10 ID:L7LunnVw
>>848
神?
アレが神?
バカ言っちゃいけない



アレは神を越えたモノだった
保存し忘れたぜ
復活せんかなぁ


859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 14:29:09 ID:S6pU8/qo
↑ここまでで486kb

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 14:40:58 ID:fbaEAKbH
>>851
召喚されてるぜ?

首だけだけどな!

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 15:10:23 ID:3yQqW8ec
埋めます

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
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862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 15:10:44 ID:3yQqW8ec
埋めます

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863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 15:11:11 ID:3yQqW8ec
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864 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/27(日) 15:11:32 ID:3yQqW8ec
埋めます

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