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あの作品のキャラがルイズに召喚されました part125

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 02:14:11 ID:wWrGsYez
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?
そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part124
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1206431878/


まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    __              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃  `ヽ  .    ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.    ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′    ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
               ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

--------------------------------------------------------------------------------

     _        ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし      ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ       本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l       ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
               ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、       ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>      ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’      ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
                姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。
              ・一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
               SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
               レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 02:19:44 ID:wWrGsYez
姉妹スレ一覧

【アニキャラ総合】
【ジョジョ】ゼロの奇妙な使い魔【召喚79人目】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204895725/l50

ソードワールドのキャラがルイズに召還されました
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1199900690/l50

ダイの大冒険のキャラがルイズに召喚されました
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204128590/l50

ハガレンのエドがルイズに召喚されたようです
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1181052298/l50

型月のキャラがルイズに召喚されましたpart4
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1203159002/l50

【カオス】ゼロのルイズが以下略【召喚70002人目】 SEED
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204218994/

【漫画サロン】
HELLSINGのキャラがルイズに召喚されました part5
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1204297718/l50

【旧シャア専用】
ガンダムキャラがルイズに召還されました 2人目
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1205871030/
(『もしルイズが召喚したのがトレーズ様だったら』の次ぎスレです)

【エヴァ】
もしルイズが召喚したのがシンジだったら 第弐話
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/eva/1190887727/l50

各スレまとめ一覧

ゼロの奇妙な使い魔 まとめ
http://www22.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1.html
ゼロ使×型月クロスSSスレまとめwiki
http://www13.atwiki.jp/zeromoon
ハガレンのエドがルイズに召還されたようですまとめサイト@wiki
http://www34.atwiki.jp/fgthomas/pages/71.html
新世紀エヴァンゲリオン×ゼロの使い魔 〜想いは時を越えて〜@ ウィキ
http://www10.atwiki.jp/moshinomatome/pages/1.html



3 :大使い魔17:2008/03/29(土) 02:23:00 ID:1CO+ty31
>>1乙です。

改めて投下予告。
24分に投下。

4 :大使い魔17:2008/03/29(土) 02:24:29 ID:1CO+ty31
だがだん♪ だがだんだがだん♪
「大使い魔ー、ワーンセブーン!!」

オゥオオー オゥオオー 彼こそは〜
オゥオオー オゥオオー 大使い魔〜ワンセブ〜ン

燃える真っ赤な太陽
ギラリ輝く装甲
見よ! 右手の虚無のルーン 

風の唸りか雄叫びか〜
イザベラ企画の大殺戮

立て! 要塞ワンセブン
防げる者は他になし

オウゥオゥオゥ オゥオオー オゥオオー 彼こそは〜
オゥオオー オゥオオー 大使い魔〜ワンセブ〜ン


第二話「最終兵器! 汝(なれ)の名はグラビトン!」(ノコギリロボット登場)

「朝〜、朝〜、寝坊は美容の大敵ぃ〜〜。ルイズちゃん、オハヨ〜」
珍妙な目覚ましコールでものの見事に目が覚めたルイズは、前に突き出した両腕を上下にフリフリさせているロボターを見て、自分がワンセブンを召喚した事を思い出した。
「……おはよう、ロボター。何で踊ってるの?」
「ん〜、何となく」
ロボターの返事に頭痛を感じかけたルイズは、気を取り直して窓を開けた。
「おはよう、ルイズちゃん」
「おはよう、ワンセブン」
ワンセブンに朝の挨拶をしたルイズの顔は、思いっきりニヤけていた。

着替え終わり、ロボターを連れて寮を出たルイズは、食堂へと続く廊下でシエスタと顔をあわせた。
「あ、おはようございます、ミス・ヴァリエール、ロボターくん」
「おはよう、シエスタ」
「シエスタちゃん、オハヨ〜」
「ねえ、シエスタ」
「何でしょう?」
「いつの間にロボターのこと知ったの?」
「実は昨日の夜……」

5 :大使い魔17:2008/03/29(土) 02:25:59 ID:1CO+ty31
回想シーン
「洗い場〜、洗い場〜」
独り言を言いながら洗い場を探していたロボターは、洗濯籠を持って歩いているシエスタを見て、洗い場がどこにあるかを聞くために声をかけた。
「シエスタちゃん、シエスタちゃ〜ん」
自分を呼ぶ声に反応したシエスタは、振り向いた瞬間に視界に入ったロボターの姿を見て固まった。
「誰!? っていうか何故私の名前を?」
「私が教えた」
ロボター以外の声がした方向に首を動かしたシエスタは、そこにいたワンセブンの巨体を見て更に固まった。
「私はワンセブン。ルイズちゃんの使い魔だ」
「あ、あなたが、ミス・ヴァリエールが召喚した巨大な喋るゴーレムなんですか?」
「確かに私は巨大で言葉を喋る。だがゴーレムではない」
「そ、そうなんですか……? そういえば、何故ワンセブンさんは私の名前を?」
「……ルイズちゃんと契約したからだ」
「そ、それはどういう意味ですか?」
「そのままの意味だ。ルイズちゃんが契約のキスをしたときに、ルイズちゃんの記憶、知識、個人情報が私の頭に流れ込んだのだ。君の名前も、ルイズちゃんの記憶で知った」
ワンセブンの説明にあいた口がふさがらないシエスタに、今度はロボターが話しかけてきた。
「シエスタちゃん、そういえば洗い場ってどこ?」
この一言と、ロボターが手に持って振り回しているルイズの下着を見て、ロボターが洗い場を探していることに気が付いたシエスタは、ロボターを連れて洗い場へと向かった。

「……という訳なんです」
「そうだったの……」
ほかの生徒たちの視線がロボターに集中する中、ルイズとシエスタの会話は続いた。

午前の授業は失敗魔法による爆発以外にさしたるアクシデントもなく終わり、ロボターと一緒に教室の後片付けを終えたルイズは、駆け足で食堂へと向かった。
「ワンセブンから聞いていたけど、あそこまで強烈とは……おっとっと」
あわてて喋るのをやめたロボターを見て、ルイズは苦笑するしかなかった。
食堂に入り、いざ食べようとしたその時食堂が、否、学院全体が揺れた。
周囲が騒がしくなる中、一人の生徒があわてて食堂内に入ってきた。
「ゴ、ゴーレムだ! ヴァリエールが召喚した奴とは違うゴーレムが出てきた!」
この一言を聞いたロボターが、慌てて食堂から出て行ったので、ルイズは後を追った。

ヴェストリの広場に出たロボターと、それを追ったルイズが見たもの、それは異様なものがこちらに迫ってくる光景であった。
その異様なものは、両肩に円形のノコギリが突いているだけでなく、両手と頭部は円形のノコギリそのものであった。
「ノオオオ〜〜〜! あのロボット、ルイズちゃんを狙っているー!!」
「ええー!!」
直後、ルイズを確認したノコギリロボットは、ルイズ目掛けて走り出した。
「イヤーーー!! 何でいきなり走り出すのよーーー!!」

6 :大使い魔17:2008/03/29(土) 02:26:38 ID:1CO+ty31
ガゴォン!
両手の回転ノコギリを起動させ、ルイズ目掛けて振り下ろそうとした瞬間、ノコギリロボットは突如飛来したワンセブンの体当たりで弾き飛ばされた。
後ろにいるルイズを守るかのごとく、ノコギリロボットの眼前に立ち塞がったワンセブンは、飛行形態から要塞形態へ、そして戦闘形態へと変形した。
ミヨンミヨンミヨン、ヨヨヨヨヨ、キュピーン! バギィィィィン!!
「ロボター、ルイズちゃんを頼むぞ!」
「了解!」
ロボターがルイズを連れて後退し始めたのを見て、ワンセブンは改めてノコギリロボットと対峙した。
「これ以上ルイズちゃんに近づくな!」
ワンセブンの容赦ない鉄拳がノコギリロボットに直撃し、装甲を損傷させていく。
ノコギリロボットも両手と頭部の回転ノコギリで反撃に出たが、それぞれワンセブンの水平チョップと頭突きでアッサリ破壊された。
「凄い……」
「ルイズちゃん、こんなのはまだ序の口だよ」
「え?」
ルイズとロボターの会話の間も、ワンセブンの戦いは続いていた。
ワンセブンはノコギリロボットに止めを刺すべく、最終兵器を発動させた。
「グラビトォオオオン!!!」
パキューン、パキューン、パキューン、バギィィィィン!!
腹部のシャッターが開き、内部の機械から発射された強大な重力によりノコギリロボットは押しつぶされ、大爆発した。
一部始終を見たルイズは呆然としながら、ロボターに問いかけた。
「何、アレ?」
「アレこそ、超重力で標的を爆破解体する、ワンセブンの最終兵器にして必殺技「グラビトン」!!」
「グラビトンかぁ……」
「一回使うと、半日以上使用不可能になるけどね」
ワンセブンは、ルイズとロボターの会話を聞きながら、別の方向を見ていた。
そこには、人間代の偵察用ロボットが森の木々に隠れて戦いの一部始終を見ていた。

偵察用ロボットが映している映像の送信先
「チキショー! よりによってアイツまでこっちの世界に来ていたなんて!」
「ハスラー、一体何物だ、あのロボットは!?」
「シェフィールドちゃん良くぞ聞いてくれました! 奴こそがワンセブン! ブレインに分身として造られたにもかかわらず、造物主であるブレインに反旗を翻した反逆児よ!」
「あれが、ワンセブン……あのような姿なのか」
モニターに映ったワンセブンの姿を興味深そうに凝視するシェフィールドは、あることに気付いた。
「……ハスラー、ワンセブンの奴、どうもこちらの方を見ているような……」
「本当だ……あ!!」
ハスラーが気付いた直後、ワンセブンの脚から発射されたナイキ級ミサイルが偵察用ロボット目掛けて押しかけ、映像が途絶えた。
「キィイイイッ! ノコギリロボットだけでなく偵察用ロボットまでぶち壊しやがった!」
「……偵察用ロボットの位置まで察知するとは」

7 :大使い魔17:2008/03/29(土) 02:27:41 ID:1CO+ty31
突如、ワンセブンが森の一画目掛けてナイキ級ミサイルを発射したため、ロボターは面食らった。
「ワンセブン、どうした!? 何故ミサイルを!?」
「さっきの戦いを見ていた小型の偵察ロボットがいた。だからそいつをミサイルで破壊した」
「ええ!?」
「おそらく、ルイズちゃんを襲ったロボットの仲間」
「あいつらを送り込んだのは一体誰? 目的は何?」
「情報が少なすぎる。向こう側が尻尾を出すのを待つしかない」
ノコギリロボットの残骸を見詰めながら、ルイズは考え事をしていた。
(こいつ、何で私を狙っていたんだろう……)
そう考えながら、ルイズは視線をワンセブンに移した。
何故かルイズは、自分の胸から“キュン”という音が出たのを耳にした。


ワンセブン オーオオ ワンセブン オーオオ
ワンセブン オーオオ ワンセブン オーオオ
ワンセブン オーオオ ワンセブン オーオオ
セブン セブン ワンセブン

九死に一生ワンセブン(ワンセブン)
ルイズといっしょにワンセブン(ワンセブン)

レコン・キスタは砕けて散った
ご〜ぜんいっぱつ〜 グラ〜ビト〜ン OH!

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 02:29:05 ID:FNqr0hhD
ブレインたくらむ大支援

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 02:31:05 ID:fujHSGKF
>>1 乙
支援

10 :大使い魔17:2008/03/29(土) 02:32:06 ID:1CO+ty31
投下終了。
新スレが立った早々に投下したけどよかったのかしら?

今回出てきたノコギリロボットの元ネタは、石ノ森先生の画集にあった「大鉄人17」関連のラフスケッチです。

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 02:35:03 ID:8hHjOhHM
>>1
>>10投下乙

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 06:54:34 ID:QqK8i1ds
●     「こっ、こっ、こっ、こっ、こっ、この…バカ犬っ!!!」
┠〜〜〜┐ちゃんとここにいてぇ、わたしのちかくでぇ
┃  ●  ∫ ずっとわたしをい〜んつもい〜んつもみ〜んつめてなぁさぁ〜い
┠〜〜〜┘  よそみしてたでしょ、ほかのおんなのこぉ〜
┃         おしおきするのふぅ〜らりふぅ〜らりふぅ〜らちなやつうは
┃          (ん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ)
┃           どんたーちきかないからねいーいーわ〜けは
┃            たちみーつ〜んかれたかぁ〜ら
┃             ね・え・かたをっかしてよっ
┃              す〜き〜よ〜ンなんてうそ〜よっ
┃               き〜ら〜い〜ンこれもうそだわん
┃                ないないないぃだめよかんちがいぃ〜〜〜〜〜っ
┃                 だからすぅきぃよっなんていわない
┃                  のんのんのんどっこかへいったら
┃                   ぜえったいにっゆるさないからねぇ〜〜〜〜ん  ・・・だぁって
┃                    ほんと〜はだれ〜よ〜りそンばンにンいンたあ〜いの
┃                     あ〜い〜の〜く〜さ〜り〜でっさんっぽっしましょ
敬礼 (`・ω・´)ゞ

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 06:56:22 ID:QqK8i1ds
ルールじゃないけどマナー上しておく方が良い事・システム上の注意事項
投下時はタイトルをコテハンとする、トリップ推奨
予告でクロス元他必ず説明する(一発ネタ等でばらすと面白くないならその旨明示)
※過去「投下してもいい?・投下します」等の予告から
  最低の荒らし投稿を強行した馬鹿者が居たため同類認定されるリスク極大
実例を見た事が無いなら「Z武」で過去ログ検索するよろし

1時間に一定量超える投下は「さるさん」規制に遭うので注意
連投規制には有効な支援レスもこれには何の役にも立たない
文章量(kB)と分割予定数の事前申告をしておけば、規制に伴う代理投下をしてもらいやすい
投稿量カウントも規制も正時(00分)にリセットと言われている
他スレでの実験により規制ボーダーは8.5kBらしいという未確認情報あり

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 07:25:52 ID:QqK8i1ds
このぐらいまで単純化できそうな気がする。

爆発召喚
キス契約
「ゼロ」の由来判明(教室で爆発)
使い魔の能力が明らかに(ギーシュ戦)
デルフ購入
フーケ戦
舞踏会

最近はその流れでいかに飽きない話を作るかに凝りがち>>16

爆発
平民プゲラ
コルベール問答無用さっさと汁
キス契約
フライに唖然とする
説明はぁどこの田舎者?
何者であろうと今日からあんたは奴隷
二つの月にびっくり
洗濯シエスタと接触
キュロケフレイム顔見見せ
みすぼらしい食事厨房でマルトー
教室で爆発片付け
昼食シエスタの手伝い香水イベント
オスマンコルベール覗き見
ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
この段階でフーケは絶対つかまらない
翌朝捜索隊保身に走る教師一同
教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
オスマンから褒章 舞踏会 終わり

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 08:26:46 ID:bgPMJ3uP
>>14の未知なる力により、>>16に謎のプレッシャーがかかりました

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 08:35:09 ID:Z5lE2Pt2
知らんがな(´・ω・`)

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 08:37:26 ID:sO2ctJmy
>>1
スレ立て乙か霊夢

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 09:03:14 ID:bgPMJ3uP
>>16
お前には失望した

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 09:22:34 ID:M8WdqFqL
こんなバカの一つ覚えで状況変化に合わせた改変すらしない
コピペで受けると思ってるんだからどうにもならんな

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 09:40:29 ID:LOeIhgd4
>>4-7
>レコン・キスタは砕けて散った
グラビトンか?グラビトンを敵陣ど真ん中にぶちこんだのか!?

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 09:44:10 ID:IYpKv6Hr
透明あぼーんに設定しる

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 09:59:30 ID:nPZGm/fZ
テンプレって便利な気もするな、と思ってちょっとやって見た。

無理だ無理だと言われてるスレイヤーズのリナを
テンプレに当てはめてみる。

>爆発
リナ登場。ゲホゲホ言ってる。

>平民プゲラ
マント着てるけど、杖持ってないし。

>コルベール問答無用さっさと汁
>キス契約

>フライに唖然とする
とりあえず、レイ・ウィングでついていこうとして、ルイズが飛べないのに気付き、
抱えて一緒に飛ぶ「杖も無いのに、魔法を?」

>説明はぁどこの田舎者?
>何者であろうと今日からあんたは奴隷
「インバース・ローリングクラッシュ!」
ボロボロになったルイズから状況説明。

>二つの月にびっくり
異世界だってのは理解したから、とりあえず金を巻き上げてしばらく雇われてやる。

>洗濯シエスタと接触
ルイズの洗濯をやるわけは無いが、自分の服は洗うから。
「貴族様ですね?」「違うわよ。うちの実家は雑貨屋」

>キュロケフレイム顔見見せ
こ、この胸は。「敵よ」「敵ね」 芽生える友情。

>みすぼらしい食事厨房でマルトー
食い物でリナが折れるわけが無いので、この時点でまかないメニュー。
リナ、大食い。



23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 10:00:05 ID:nPZGm/fZ
>教室で爆発片付け
錬金に興味津々。しばらくここにいて勉強しようと考えるリナ。
専門家としてルイズの魔法が精霊魔法でないことに気付く。

>昼食シエスタの手伝い香水イベント
「忙しそうだから、手伝おうか?」
「なーに、言ってんのかな? 自分が悪いんでしょうが」
「やーよ、決闘なんかしたって、銅貨一枚の得にもならないし」
「どーしても? しょうがないわね、じゃああたしが勝ったら金貨300枚ってことで」

>オスマンコルベール覗き見
>ギーシュフルボッコ場合によって使い魔に弟子入り
メガ・ブランド一発で吹き飛ぶワルキューレの群れ。追い討ちファイアーボール。
「青銅が溶けている?!」(注・リナのファイアーボールは鉄をも溶かす)
「スクウェア級の威力じゃの。しかし、ガンダールブとは関係ないんじゃないかの?」
ギーシュから金を巻き上げる。

>キュルケセクロスの誘いしかし使い魔はインポテンツか童貞w
>ルイズ寝取られの歴史を切々と語る
イベント省略。

>休日街でデルフ入手 キュルケタバサがついてくる
スリをどついて、アジトまで押しかけ、お宝強奪。ルイズ、涙目。
秘薬とかあれやこれや買い物。マジックアイテムでもないかな、と訪れた武器屋でデルフ発見。
武器屋と値切り交渉。(半日経過)10で購入。デルフ、涙目。

>ルイズが爆破訓練宝物庫破壊フーケ侵入お宝げっと
>この段階でフーケは絶対つかまらない
リナが動けないというと……「あの日」か。

>翌朝捜索隊保身に走る教師一同
>教育者オスマン犯罪捜索を未熟な子供にマル投げ
>小屋で破壊の杖ゲットフーケフルボッコしかし絶対死なない
破壊の杖の代わりにデモンブラッド。魔力を増幅し無理やりドラグスレイブ。
デーモン粉砕。

>オスマンから褒章 舞踏会 終わり


ほら、便利。

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 10:27:22 ID:vJa92eDm
ハルケギニアにおける社会の基盤は貴族の威厳そのものであるから、それを嘲笑するかのようなフーケの討伐が賞賛される事なのは分かる。
しかしそれで褒章は……単なる一犯罪者の捕縛に過ぎないのだから、行き過ぎではないかと。
……オスマンが公爵の三女であるルイズの格付けにそれを利用した、というなら納得だが。

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 10:47:33 ID:+AXqjv7n
>24
トリステインは貴族の名誉を何よりも重んじるお国柄ですから。
つまり、貴族をバカにする=死刑でもおかしくない国で。
そうなれば、フーケは間違いなく重犯罪者。

捕まえることに成功したルイズ達に高い褒賞を与えることで、
 ・教師達が本来するべき見回りなどを怠った
 ・志願したとはいえ、本来守るべき生徒達を重犯罪者討伐に送り出した
 ・身元の不鮮明な人間を学院内に招き入れた
 ・犯罪者に情報を漏洩した
等の問題点から目を逸らさせるという保身行動の結果でしょ?

銀英伝で同盟軍が「軍が民間人を見捨てて逃げ出した」という大問題から目を逸らさせるために、
ヤンを「エル・ファシルの英雄」として祭り上げたように。

・・・うわ、こう書くとオスマンって最低だ。教師として以前に人間として。

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 10:58:52 ID:BX9V8D3f
オスマンとムライって声が同じ人だね

27 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 11:00:30 ID:+AXqjv7n
>26
成原博士かw


28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 11:31:15 ID:Xi5/dzdj
今思い出したが、スレイヤーズ世界にも『錬金』相当の魔法があったなぁ。
1巻だか2巻だかでリナがクズ宝石をまとめて一つの大きな宝石に加工してた。

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 11:37:32 ID:JiZEjtEg
>>25
だからたまにオスマンがとことんへたれというかやな性格に描写されるのでは?
提督のオスマンはコルベールと組んで平民から持ち物盗んでるし(w

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:17:31 ID:sO2ctJmy
>>25
保身として考えるとオスマンって最低ながらも策士でもあるんだな。
現実だと社会で一番得するタイプの、まぁ最低には変わりないが。

31 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:19:22 ID:CLwJw0ry
>25
海千山千の学院の長らしくはあるな。
おマチさんを招き入れたのもいつでも使い潰せる私兵としての色合いが強かっただろうし。
それくらい根性悪くないと「宮廷の馬鹿共」の相手など不可能って解釈も出来るな。

てかおマチさんが洗いざらいしゃべったら魔法学院がやばいから、拘禁中に水の秘薬ラリらせるくらいはやりそうだと思ったけど。
それをやらなかったのは人としての最後の良心だったのかね。


32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:25:01 ID:rUxLp1Wm
>>22-23
まじでつまらんなテンプレ展開だとw

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:32:32 ID:+AXqjv7n
>>31
いや、トリステインで平民や元貴族の犯罪者相手にまともな裁判や尋問がされるとは思えない。
されたとしても、学院の人間の証言の方が優先されるでしょうな、全員貴族だから。

つまり、水の秘薬使う必要すらないほど、トリステインという国が貴族至上主義、と言うだけでしょう。


34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:34:12 ID:Oid4CTHm
まあたいした調査もせずフーケを雇い入れたって時点で死んだほうがましな大馬鹿なんだがな

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:35:01 ID:0sz1dT6D
>>32
だからこそ作者の手腕が問われるのでは無かろうか!むしろ同じ題材で別のキャラクターを付け加えるだけで大筋すら変える職人の腕には感動を覚え以下自重


36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:35:32 ID:PO1CTpfh
トリスティンはそういう国なんだからしょうがないさ

トップのアンアンがアレだぜ?

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:36:34 ID:sO2ctJmy
>>34
オスマンがまだ五十代か四十代後半だったのなら一応警戒はしていたと思うけど
もう百年くらい軽く生きてそうなおじいちゃんになったら仕方ないでしょうに…

38 :25:2008/03/29(土) 12:41:41 ID:+AXqjv7n
あ、そうだ。
25の問題に追記。

オスマンは討伐に行く人間を指名するのではなく、志願させた。

送り込んだ人間が死亡して問題になったとき、自分が指名したならば、その責任はすべて指名したオスマンにかかる。
しかし、志願したならば、許可したオスマンよりも、自分の実力をわきまえず志願した本人達により大きな責任がある。

いわゆる、軍隊で稀にある、志願の強要。
自分にかかる責任を少なくしようとしている。

うわほんとにさいてーだ。

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:48:54 ID:BX9V8D3f
よりによって人間恨んでいる時の木場を社長にした花形みたいなもんだな

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:49:15 ID:JQme3Ozj
最低だとは言うけどフーケ捕まえたルイズたちに褒賞の一つも与えなかったり
オスマンが誰かに討伐を強要するのはいいのか?

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:52:36 ID:kHMeHQXM
>>38
>いわゆる、軍隊で稀にある、志願の強要。

文字通り、ルイズたちは「学徒兵の特攻隊員」・・・

オスマン学院長は、旧日本軍の上層部並みの腐れ外道だな。

42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:56:08 ID:sO2ctJmy
逆に考えるんだ
『オスマンはルイズ達の力やガンダールヴに信頼してフーケ討伐を承諾した。』


43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:57:22 ID:BTgR6Q89
むしろあそこで誰か手をあげろよ教師陣と思いつつもそろそろ別の話題にした方がいいのではないかと思っている俺。

誰か長編「ドラえもん のび太のゼロの使い魔」とかやる人はおらんかな…。

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 12:58:11 ID:+AXqjv7n
>>40

いや、褒賞を与えるのがおかしいとは言ってない。
むしろ与えるのは当然。

問題は、生徒の手柄を純粋に称えているのではなく、オスマンや学院の教師陣の保身が見え透いていると言うこと。

討伐の強要については、王宮に知らせず学院内部で解決しようとするなら、むしろそうするべきだった。

そもそも教師陣がちゃんと見回りをし、コルベールが情報の漏洩をしたりせず、
何よりもオスマンが身元不明のロングビルを雇用しなければ、こんな事になる可能性は0とは言わないけど、低かった。

つまりそもそもの責任はオスマンにあるんだから、オスマンがそのすべてを背負うのが当然のはず。
にもかかわらず、オスマンは自分の責任が少しでも軽くなるように行動している。

つまり今の日本の政治家や官僚、偽装問題を起こした企業の幹部等と同様の真似をしているわけだ。

これが最低でなくてなに?


45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:06:20 ID:dO7wceFe
まぁ、まぁ、全てはこの一言で解決すると思うんだ

「フィクションの世界ってかファンタジーに突っ込み入れるのは野暮」

と言うか、こう言う話題は避難所向きのような気も

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:07:02 ID:6AEOyNNq
現代の感覚で異なる倫理観がある世界や時代のこと捉えるやつは自分から馬鹿って公言してるの理解しようぜ?

47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:11:05 ID:LOeIhgd4
口車の上手い使い魔(スイフリーとか)に煽られて、
学院の教師総出でフーケ探索に出る事になりおマチさん涙目な展開とかどうか

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:11:46 ID:HnIM2Bhz
>38
志願の強要はしてないだろ
志願するように求めたのは教師相手で 誰も志願してないし

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:17:03 ID:A+i5HGKL
何故かファンタジーの世界観と現実の世界観を同じにするやつ多いよな

特に軍ヲタが

50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:22:25 ID:PO1CTpfh
ファンタジーに現実を無理に持ち込もうとするのは現実主義じゃなくて妄想主義、とかどっかで見たな

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:23:53 ID:jTdcbqT1
本当の軍オタならその時代の政治情勢や思想くらい考えるさ!


ただ最近は戦場の少女やら戦争・銃モノの漫画やアニメから入ったにわかオタが多いだけだよ………

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:24:08 ID:mbP25VQq
ザンダクロス召喚で手を打とう

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:28:11 ID:qyTEAxzn
>>51
やはり軍オタになるなら、まず初めにアフリカか中東で民兵やるところから始めるべきだよな?

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:33:54 ID:jTdcbqT1
>>53
学校の図書室にあった小林源文からで勘弁してください

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:34:46 ID:gm6wq4o7
>>47
スイフリーなら教師だけでなく生徒も探索に駆りだすねw
んでフーケの事情が分かったら、胸革命の為に宝物と引き換えに見逃すだろう
そして学院長からはたんまりと謝礼を頂くんだよ
(事の次第を全て然るべきところに告発しますよとか言って))

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:35:26 ID:qyTEAxzn
>>54
軟弱なやつだ…
世の中には親友に騙されて中東で傭兵やることになった奴もいるというのに……

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:38:01 ID:KW2L/Ecw
結局、ルイズ達がフーケ討伐したのに恩賞が一つも出てないのは事実だよね。
しかも身内で処理したんで名声すら彼女達には与えられていない。

だが逆に考えると、ルイズ達はオスマンや学院の弱みを握っている、という風に考える事もできないか

58 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:41:02 ID:sO2ctJmy
>>57
最初はちゃんともらえるはずだったが王宮の方で爵位は軍に入ってないと駄目になってたと思う。


59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:43:20 ID:yNATHiJk
過程や葛藤をまるっきり無視して、結果だけで判断するんであればね
そろそろ、避難所の設定考察スレでも行けばどうか?

60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:46:59 ID:xPMagNpV
シェヴァリエと勲章の申請したんじゃなかったっけ?身分社会では権威もうまく使えば大きな武器だよ。
世間には部下に美しい行動を要求するくせに諫言されると癇癪起こして殺すような極端なやつもいるがね。


61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:52:57 ID:RVxi9uCY
じゃあクリムゾン召喚した結果
オスマンがフーケを巧妙な罠で捕らえて
悔しい…でも…学院長!なおマチさんを見たかったと、君は!

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 13:55:03 ID:6AEOyNNq
>>58
シュヴァリエは軍属じゃなきゃ駄目、じゃなくて従軍による結果じゃないと駄目、だったはず
タバサの精霊勲章だかは通ったんじゃね?

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 14:06:10 ID:sO2ctJmy
>>62
あぁ、そうだったな。


そりよかもう避難所の考察スレ行こうぜ。
これ以上はもうスレ違いだと思う。

64 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:10:45 ID:0iIbwPZB
じゃあ話が避難所に移った所で

予約もないし、そろそろ投下しようかと思います

65 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:11:28 ID:0iIbwPZB
「この不可侵条約締結の打診は、偽装だと言うのかね?」
「はい。あまりにも不自然です。そもそも、彼等の存在意義に対し矛盾しています。トリ
ステインとゲルマニアの虚を突くためのものでしょう」

 枢機卿は、ヤンの進言に沈黙を守る。
 真っ直ぐに向けられた視線に物怖じすることなく、ヤンは話を続けた。

「彼等はハルケギニア統一と聖地奪還を大義名分として蜂起し、王家と王党派を粛正した
のです。無論、聖地奪還など単なるお題目に過ぎず、実質は王家に対する貴族連合の利権
拡大が目的だったでしょうが」

 枢機卿の執務室ではデスクを挟み、椅子に座る枢機卿に対しヤンの意見が披露されてい
た。ヤンの横に立つルイズは、ヤンと枢機卿の話をジッと聞いている。
 部屋の隅には警護としてグリフォン隊隊長ワルド子爵と部下数名が待機している。その
横にはヤンから預かったデルフリンガーが立てかけられていた。
 黙ったまま頷いた枢機卿に対し、更に推測が語られた。

「ですが、このような『期限を定めない』不可侵条約では、ハルケギニア統一をしないと
言ってるのと同じです。故に聖地奪還も出来ない…王権を打倒して神聖アルビオン共和国
樹立を宣言したとたんに彼等の掲げた大義を放棄したのでは、総司令官オリヴァー・クロ
ムウェルのみならずレコン・キスタから民心は離反します。
 なにしろ、始祖より授けられた王権を打倒するのですから、王権を打倒するに相応しい
大義を示し続けねば、彼等はただの逆賊と誹りを受けるでしょう」

 話し続けたヤンが一呼吸を置いた所で、ワルドが一歩前へ踏み出した。
 室内の者が視線を精悍な男へ向ける。

「失礼。猊下、よろしいでしょうか?」
「うむ、ワルド君の意見を聞こう」

 子爵は恭しく一礼した上で、力強く反論しだした。

「確かに今回の不可侵条約の打診、いささか性急で不可解ではあります。ですが、だから
と言って偽装とするのは勘繰りすぎと考えます」
「ふむ、何故に?」
「まず、アルビオンは激しい内戦で国内は疲弊し、兵達も疲れ果て、戦争継続が困難な状
況と推測されます。なにしろ国家を二分する戦いで、うち一方を完全に殲滅してしまった
のですから。戦力は単純に考えても半減です。
 期限については後の交渉なり、何か適当な口実を付けて条約そのものを破棄するなり可
能です。むしろ、彼等はそこまでしなければならない程に国土が荒廃し、戦力を低下させ
ている、と見るべきではないでしょうか」

 ワルドの反論に対し、枢機卿は大きく頷いた。
 そしてヤンに視線を戻し、何か異論はあるか?と言いたげな顔をする。
 これに対しヤンは、いつも通りの口調で語り出した。


66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 14:12:02 ID:sO2ctJmy
支援

67 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:14:05 ID:0iIbwPZB
「確かにそれは言えます。ですが、国力の低下は確かでしょうが、果たして戦争継続が不
可能な程かどうか、は確認しないことにはなんとも言えません。
 むしろ、彼等の財政についてのみ言うなら、以前より潤っているのではないか…とすら
思うのです」
「ほう?何故かね」
 枢機卿は興味深げに、ワルドは鋭い目でヤンを見る。
「はい。彼等は王党派を粛正しました。それは同時に王党派が有していた財産・利権・領
地が全てレコン・キスタに渡ったという事です。戦力が半減し、巨額の戦費を借金してい
たとしても、その補充と返済には苦労しないでしょう。戦力と一緒に貴族も半減、ならば
領土から手に入る金は二倍です。
 人的資源の補充と国土の回復は一朝一夕にはいきません。ですが、こと財務に関しては
健全化していると見てよいかと。ならば戦力の再編成に時間はかからないと思います」



      第11話    異邦人



 ヤンが召喚されてから5回目の虚無の曜日となった。

 トリスティン−ゲルマニア軍事同盟条約文の署名のためゲルマニア首都ヴィンドボナへ
行っていたマザリーニ枢機卿は、先日ようやくトリスタニアへ戻った。そしてすぐに、ア
ルビオン新政府である神聖アルビオン共和国初代皇帝オリヴァー・クロムウェルより派遣
された特使から両国へ打診された『不可侵条約締結』について協議に入った。王女の恋文
の一件を解決したヤンと、その主であるルイズへ城への招待状もすぐに送った。
 ヤンとしては乗り気ではなかった。が、トリステイン王国の実質的最高指導者から直々
の招待を蹴ったのでは、主たるルイズの叛意すら疑われかねない不敬だ。公爵との義理も
ある。渋々ながら、朝から王宮の馬車に乗り出発となった。

 城で出迎えたグリフォン隊のメイジ達に案内されて来たのは、枢機卿の執務室。デスク
には枢機卿が座り、部屋の隅にはルイズの婚約者であるワルド子爵が控えていた。ルイズ
は王女の学院来訪時と同じように頬を染めて俯いたものの、枢機卿の前であるため、いつ
ぞやのように心ここにあらずとはならなかった。
 二人は、激務の果てに鳥の骨と影で呼ばれるほど痩せてしまったマザリーニへ型どおり
の礼をした。そして枢機卿は挨拶代わりの始祖ブリミルへの信仰と、その加護による国民
の安寧について手短に一通り語る。始祖をブラスターで穴だらけにしてやると誓ったヤン
も、とりあえずは神妙な顔で挨拶代わりのお説教を聞いていた。

 で、王侯貴族に相応しいもったいぶった挨拶がやっとのことで終わった所で、枢機卿は
恋文事件解決への協力について謝辞を述べた。その上で、「ところで、君ならどう思う?」
と不可侵条約への意見を求めたのだ。



 ワルドが不愉快げに鼻をならした。
「単なる憶測だな。それに貴族が半減しては戦力は半減以下だ」
 その批評にヤンは頷いた。
「はい、単なる憶測ですし、メイジの質・量とも不明です。なので、急ぎアルビオンの残
存戦力を確認する必要がありますね。
 ただ…もしアルビオンが実力をもって攻め入るなら、それは艦隊によるものとみて、間
違いありませんか?」
「当然だ」

 何を下らぬ事を、と言いたげなワルド。


68 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:16:43 ID:0iIbwPZB
 そのワルドへ更に言葉を続ける。
「ありがとうございます。
 何しろ、私の故郷には浮遊する大陸というのはありませんでした。それに艦の形も機能
もかなり違いまして、ここからは本当に、書物と伝え聞いただけの話から勝手に憶測する
だけのものなのです」
「待ちたまえ。異邦人の勝手な憶測と分かっているなら…」

 ヤンの言葉を遮ろうとしたワルド。だが、マザリーニ枢機卿が更にワルドの言葉を手を
振って止める。
 そしてヤンに対して頷いた。話を続けよとの指示と見て、ヤンは更に推測を語る。

「アルビオンは浮遊大陸。彼等が打って出るには、好きな時に滑空して降下するだけなの
で楽なものです。多少地上から離れていても、お構いなしです。
 対して大陸側から攻め入るには数日かけて風石を大量消費しながら上昇せねばなりませ
ん。しかも、アルビオンがラ・ロシェールに近付く日に限定されます。侵攻ルートも日時
も限定され、おまけにゆっくり下から浮き上がってくる艦列…大砲の餌食ですよね」
「知れた事。だからこそ、アルビオンは難攻不落の要塞と同義なのだよ」

 ワルドのバカにしたような言葉に、やっぱり満足したように頷くヤン。

「そうです。奇襲を受ける心配も少なく、防衛のための戦力はほとんど要りませんよ。な
ら、彼等は戦力が完全に揃っていなくても、トリステインへ攻め込む事を躊躇うことはな
いでしょう」
 ワルドは、ぐっと言葉に詰まる。
「もともと空軍力で圧倒している上に、空で上方を取るという地の利も得ています。なら
ば、同盟に基づくゲルマニアからの援軍が来る前に、奇襲を持って侵攻し、一気にトリス
テインを墜とす。…不可能ではないと思います。
 何より、彼等は急ぎ新たなる戦乱を起こす必要があるのです」
 ワルドは今度は反論しない。
 代わりに枢機卿が口を開く。
「ほう…その必要とは、何かな?」
「はい。それは彼等レコン・キスタが、利権目当ての烏合の衆だと言う事に起因します。
王党派を倒し利権の分配をしている彼等は、利権の分配を巡って鍔迫り合いを繰り広げて
いる事でしょう。
 そんな彼等をまとめ上げるには、目前の利権から目を逸らすもの、即ち大義と敵が必要
です。急いで王党派に代わる新たな敵を仕立て上げねばなりません。そのため聖地奪還と
いう美名の下、早期にトリステインへ攻め入る必要があるのです」

 枢機卿は満足したように大きく頷いた。
 ワルドは、少々不満げに眉をひそめた後、肩を落としながら溜め息をついた。
 壁に控える騎士達とデルフリンガーは何も言わず、黙って話を聞いている。
 そしてヤンの横にいるルイズは、真剣に枢機卿とヤンのやりとりを見つめていた。一言
一句を全て頭に叩き込むかのような気合いが滲み出ている。

 太陽が真上にのぼったトリスタニアの正午。枢機卿の前に立つ平民は、自らの知識と経
験に基づく政戦両略を語り続けた。
 既に昼食の時間だ。枢機卿ともなればランチも重要な会議の席であり、他の重臣達との
交流の場となる。だが、枢機卿はトリステインの重鎮達をさしおいて、ヤンの話を聞き続
けていた。

「なるほど…では、君はこの不可侵条約締結に反対、というわけだね?」
「いえ、実は賛成です」

 前言をあっさり否定するかのようなヤンのセリフ。枢機卿はじめ室内の全員が一瞬、目
が点になった。


69 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:19:22 ID:0iIbwPZB
「さっきも述べたとおり、本来アルビオンはいつでもトリステインに攻め込めます。ただ
それだと正攻法なので、国力と軍事力の十分な回復を待ってからになり、かなり時間がか
かります。
 ですが、条約締結は奇襲が前提なので、そこまで時間はかけなくて済みます。そのかわ
り他国との信用上、安易には攻め込めません。条約を破棄するだけの相応の口実が必要で
す。また、不可侵条約を信じたトリステインの油断を狙う、という意味ですから、逆に言
うと侵攻する時期が読める、と言う事です」

 ルイズが「あ…」と小さく驚きの声を上げる。後ろにいる騎士達も顔を見合わせてしま
う。枢機卿も感心しきりでヤンの意見に重々しく「うむ…」と声を漏らす。
 ワルドは刺すような視線でヤンの横顔を射抜き続けている。

「よって、アルビオンは『条約破棄の口実』『トリステイン艦隊を奇襲可能』…この二つ
の条件を満たす時に奇襲をかけてくるでしょう。
 トリステインは彼等の不十分な戦力による奇襲を、周到な準備のもとで迎撃する事が可
能となるのです」

 枢機卿はしばしの思索の後、ヤンの眼を真っ直ぐ見返しながら話を続ける。
「条約を締結すると、姫の結婚式にアルビオンから、大使を乗せた親善艦隊が来るかもし
れんが?」
 その問に先に答えたのは、さらに一歩前に出るワルド。
「姫殿下の結婚式は3週間後、新政府樹立から一ヶ月も経っていません。いくらなんでも
早すぎます。軍の補充はおろか、再編すらも厳しいでしょう。それに、そんな早期に条約
を破棄しては、いくら口実を得たとしても他国に疑念を抱かれます」
 ワルドの意見に、ヤンも頷いた。
「私も同意見です。ですが、我々がそう思っているからこそ奇襲の好機とも言えます。警
戒するにこしたことは無いと思いますので、ゲルマニアの艦隊との連携を深めておくべき
と考えます」

 ヤンがそこまで語った所でドアがノックされた。見るからに王宮に相応しい気品ある女
官が入室し、財務卿が昼食をお待ちです、と伝える。
 枢機卿はようやく椅子から腰を上げた。

「うむ。ヤン・ウェンリーよ、君の意見はとても興味深かった。実は君と似たような意見
は、将軍や大臣からも囁かれていた。どうやら、元将軍という噂は真実らしいな」
 枢機卿からの讃辞に、ヤンは肩をすくめる。
「いえ、私は単に集められた情報を分析するのが仕事だっただけです。ただの後方勤務で
すよ」
「ふむ、ではそういうことにしておこう。ご苦労だった」
 枢機卿は威厳を持って、だが一目見て分かるほど上機嫌で、女官を連れて退室した。



 後に残るヤンは、ふへぇ〜…と、肺が空になるほど息を吐き、ソファーに座り込んでし
まった。それをルイズが手をひっぱり無理矢理立たせようとする。
「ちょっとあんた!ここは王宮の、枢機卿の執務室よ!シャンとしなさい!!」
「いやぁ、そうは言われても…」
 グイグイと腕を引っ張られるヤンだが、脱力したまま立とうとしない。
「おいおい、情けねぇなぁ。さっきまでの威勢はどうしたよ?」
 デルフリンガーも呆れたような声をあげる。
「はははっ!それはしょうがないよ、僕のルイズ。僕だって猊下の前では未だに緊張する
ものさ!」
 ワルドは先ほどまでの鋭い眼光とはうって変わり、陽気な笑顔でヤンを見下ろした。
「それにしても、噂通りの慧眼だね。感服したよ。いやはや、軍議で熱くなるなんて久し
ぶりだったな」
 賞賛されたヤンは、ぃよっこらせっと、年寄りのような声を出して立ち上がる。そして
凛々しい貴族に頭を下げた。
「とんでもありません。ところで、ご挨拶が遅れました。私はヤン・ウェンリーと申しま
す。先月ミス・ヴァリエールに召喚され、瀕死の所を救って頂きました」

70 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:21:23 ID:0iIbwPZB
 長身の貴族もヤンへ一礼し、張りのある声で名乗り返す。
「こちらこそ、自己紹介が遅れたね。女王陛下の魔法衛士隊、グリフォン隊隊長ワルド子
爵だ。ルイズの婚約者だよ。まずは顔を上げてくれたまえ」
 ヤンが顔を上げるのを待たず、ワルドはルイズへ視線を移した。
「そして、久しぶりだな!ルイズ!僕のルイズ!」
 ワルドは人なつっこい笑みを浮かべて、ルイズを抱きかかえた。
「お久しぶりでございます…あの、人目があるので、お恥ずかしいですわ」
「おっと。これは失礼したね」

 ルイズの視線の先にいる、部屋の隅で待機したままだったグリフォン隊隊員は、笑い出
すのをこらえていた。




 王宮の廊下を、ワルドの案内でルイズとヤンが歩いている。ヤンは白手袋に黒服、背中
にデルフリンガーを背負っている。鈍くさそうな執事モドキが古ぼけた長剣を背負って歩
く姿はかなりヘンらしく、婚礼の準備で忙しく走り回る召使いや兵士がチラチラと視線を
向けてくる。
「やっぱり、僕に剣は似合わないよ…」
 その言葉に、背中の剣が飛び出してツバをガチガチと激しく打ち鳴らす。
「うっせー!文句言うんじゃねぇ!俺だって、俺だって…まさか、ここまで剣に縁がない
ヤツだなんて思わなかったぜー!」
「いや、そう言われても…君が売り込んだんじゃないか。話し相手になるって」
「だからって、限度があるだろーが!何でもかんでも口先三寸で解決しやがって!たまに
は盗賊にでも襲われろー!」
「おいおい、そんなの怖いじゃないか」
 別にヤンに非があるわけでもないのだが、デルフリンガーの愚痴は止まらない。何しろ
ヤンに買われてからというもの、本当に話し相手以外の役に立っていないのだから。これ
では武器屋にいた頃と変わらない。

 そんな彼等を後ろに従えるルイズは、一人と一本の寸劇なんか耳に入っていない。彼女
は頬を赤く染めながら婚約者を見上げていた。
「まさか、婚約の事を覚えていて下さったなんて…嬉しく思いますわ」
「はは、もちろん覚えているさ。でも、父がランスの戦いで戦死し、爵位と領地を相続し
てからは、ずっと魔法衛士隊にいたからね」
「領地には、ほとんど帰ってこなかったものね」

 ルイズは思い出すように、目をつむった。

「ああ。一生懸命、奉公したよ。おかげで出世した。なにせ、家を出る時決めたからね」
「何を?」
「立派な貴族になって、君を迎えに行くってね」
 ワルドは笑いながら言った。
 だが、ルイズは浮かない顔だ。俯いてしまい、声もだんだん小さくなる。
「でも…私はまだ、あなたに釣り合うような立派なメイジじゃないし…それに、私…この
前なんか…」

 暗い表情になってしまうルイズの肩に、ワルドの手が優しく置かれた。

「話は聞いているよ。でも君が気にする事じゃないさ。姫殿下の命に逆らうなど、臣下と
しては本来許されないのだから」
 ルイズを庇う言葉に、彼女も少し表情を明るくして婚約者を見上げる。ワルドは穏やか
に微笑みを浮かべていた。
「ただ…名誉挽回のためとはいえ、政の場へ婦女子が立ち入るというのは…さすがに淑女
として慎みに欠けると思うな」
 そう言ってワルドはチラリと後ろを向く。そこには未だに長剣の待遇改善について激論
をかわすヤンがいた。ルイズも同じく後ろを向きつつ言葉を返す。
「そう、思いますわ。ですが、私は未だに魔法が失敗してばかりです。なら、魔法以外で
何かを成し遂げる事も考えるべきではないか…そう、思うのです」

71 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:23:30 ID:0iIbwPZB
 その言葉に、ワルドは目を丸くした。
「メイジとしての生き方を捨てるって言うのかい!?」
 ワルドの問に慌ててルイズは首を振る。
「いえ!そうではなくて…ただ、メイジだからといって、魔法だけにこだわってはいけな
いのかも、と思うんです。そして彼は、一切魔法を使わずに、魔法とは全く異なる生き方
を示す人物、私はそう考えてます」

 二人の視線がヤンへ注がれる。半分寝ているとしか思えない目をしたヤンが、どう贔屓
目に見ても似合わない背中の長剣に、戦いに出るなんてめんどくさいのなんのと言ってる
姿を。
 ルイズは、前言を撤回しようかと思った。




 城の前にヴァリエール家の馬車が待っていた。お城の召使いが華麗かつ優美に扉を開け
て、ルイズが乗り込む。
 ヤンも乗り込もうとした時、ワルドがヤンを呼び止めた。
「済まない、ちょっといいかな?」
「はい。なんでしょうか」
 馬車にかけていた手を離し、ワルドの方へ向き直る。
「先ほどの君の意見なんだが、猊下は採用なさると思うかい?」
「いえ、しないでしょう」

 あっさりと当然のように否定され、ワルドは拍子抜けしたような顔になる。ヤンは肩を
すくめながら、構わず話を続ける。

「どこの馬の骨とも分からない平民の意見を軽々しく採用したとあっては、他の大臣や将
軍が鼎の軽重を問われるでしょう?採用するにしても、誰か適当な貴族からの意見という
事にするでしょうね」
 その言葉にワルドは数回軽く頷き、そしてヤンの肩にポンと手を置いた。
「そこまで分かってるとはねぇ。…いやはや、それだけに惜しい。君のような才覚ある平
民を生かし切れないようだから、この国は衰退の途にあるなどいわれるのだよ。
 トリステインは歴史ある国家。故に伝統としきたりに固執し、その国力は年々低下して
いると言われる。悲しいが、否定しきれないのもまた事実だ」

 馬車の方からルイズがヤンを呼ぶ声がする。
 ヤンは、そろそろ時間ですのでと言ってワルドに一礼した。ワルドも型どおりの別れの
挨拶を返し、最後に一言付け加えた。
「ルイズの使い魔である君とは僕も良い関係を築きたいと思う。次は、この国の将来につ
いて語り合いたいものだよ」

 こうしてルイズ達は城を後にした。




 馬車からルイズがピョンと飛び降り、その後をヤンが長剣を背にしてノッソリと降りて
くる。
「それじゃヤコブ、また買い物終わるまで待っててくれるかい」
「おー、ゆっくり行ってきな。昼寝しながら待ってるぜ」
「ちょっとー!何してるのよ、早く買い物行くわよ!」
 ヤンはヴァリエール家の、いつもの御者に一声かけて、慌ててルイズの後を追いかけて
走り出す。
 街の門の駅に、城から乗ってきたヴァリエール家の馬車を待たせ、二人はトリスタニア
に入った。
  

72 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:25:23 ID:0iIbwPZB
 城からの帰りに立ち寄ったトリスタニアは、まるでお祭りだ。
 もともと虚無の曜日なのだから、露店が並び、大道芸人が技を披露し、吟遊詩人が楽器
をならしながら詩吟を語り、ボロボロになった法衣のなれの果てを来た遍歴の修道士が辻
説法をしているのはいつものこと。
 その上、アンリエッタ姫の結婚式まで一ヶ月を切ったのだ。
 式は来月ニューイの月、一日にゲルマニア首府ヴィンドボナで行われる。これに先立ち
アンリエッタ姫の婚礼パレードはトリスタニアを通り抜け、国内へ国家的慶事を知らしめ
る予定となっている。

 なので、現在トリスタニアはてんやわんやの大騒ぎ。姫が乗る馬車が進む石畳の道は急
ピッチで補修中だ。街の中は裏通りに至るまで清掃作業に余念がない。各商店もそれぞれ
に、特にブルドンネ街の各商店は看板を新調したり、店構えを拡張したり。そのような資
金が無くても、せめて塗装を塗り直したり。姫の婚礼の儀に粗相があってはならぬと、準
備に余念がない。
 大きな商会やギルドは、まるで戦争のような勢いだ。実際、これほどの特需は戦争でも
起きないと降ってこない。毛織物ギルドなら各地から羊毛を必死でかき集める。各地方出
身者が集まる商業組合は、商会に持ち込む商品を買い叩かれまいと、連携して価格協議に
火花を散らす。塩・肉・小麦などを扱う業者は城や貴族へ最高級品を売りつけようと競争
が激しい。
 そして一般家庭であっても姫殿下の婚儀への準備が進んでいる。どの家も通りの壁を飾
る色とりどりの布を準備する。子供達は紙吹雪や花吹雪を揃える算段に頭を悩ませる。奥
方達はこれを良い口実にと新しいドレスや靴を注文し、尻に敷かれた亭主達に諦めの溜め
息をつかせる。
 警備の衛士達も走り回る。警備主任が街の地図を頭に思い浮かべて部下の配置図を考え
続ける。もちろん、一番姫の目に止まる重要なポイントは自分が確保しようと、ライバル
の騎士達と火花を散らす。部下達は上司達のいがみ合いに辟易しつつも、不埒者や間者が
紛れていないかと街に目を光らす。ゴミのポイ捨て一つにすら怒号を飛ばすほどの気合い
で駆け回っている。

 で、そんな街へ何しに来たかと言えば…
「さ!この店がヴァリエール家御用達の仕立屋よ。この前寄ったから覚えてるでしょ?今
回はあんたも!ビシッとした一張羅を買いなさいよ!」
 当然ルイズも婚儀にあわせてのお買い物。付き合わされるヤンは立派な店の前で、特大
の溜め息をついてしまう。

「あのさ、僕の服は関係ないんじゃないかなぁ…というか、ルイズは素敵なドレスを沢山
持ってるんじゃ?」

 そんなヤンのささやかなつもりの具申は、ルイズのギロリという擬音が聞こえそうな視
線の前に跳ね返された。
「何言ってンのよ、あんた。…トリステインでも随一の歴史と格式を誇るラ・ヴァリエー
ル侯爵家の三女ともあろうものが!こともあろうに、王家同士の婚儀という目出度い席
に!使い回しのドレスなんか着ていけるわけないでしょ!
 あんただって同じよ。ヴァリエール家の者として、主に恥をかかすような服なんか着さ
せられないわ!」

 ルイズのお叱りにヤンはタジタジ。
 もともと彼は、軍服以外は何を着ても似合わない、と言われた人。寝たきり青年司令官
とすら呼ばれた生活無能力者。養子のユリアンが来るまではゴミの山が同居人だった、超
ものぐさ。
 だいたい貴族の嗜みなんて、学院の図書館に籠もってたって身に付くわけもなし。


73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 14:28:08 ID:v+m+ict8
しえん

74 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:28:36 ID:0iIbwPZB
 ルイズに政戦両略の教えを請われたヤンではある。だがそれ以外、特にハルケギニア貴
族の礼法とかは、相変わらずルイズに頭を下げて教えてもらわなければならないのは変わ
らない。
 そんなわけで、ヤンは渋々ルイズと一緒に店へ入っていく。店内はやっぱり街と同じで
目の回る忙しさだ。それでもルイズの姿を見るや、即座に店主が飛んできて店の奥へと案
内された。
 ヤンはどこが違うのかサッパリ分からない布地をズラリと並べられ、全身をメジャーで
測りまくられ、ルイズからドレスの生地が似合うかどうか聞かれて「う、うん。とっても
似合うと思う…」と適当に答えて蹴られるのであった。


 夕方、またも大荷物を抱えさせられて馬車まで戻って来たヤンは、既にフラフラ。馬車
で待ってた御者のヤコブとデルフリンガーは、同情と共に「お疲れさーん」と苦労を労っ
てくれた。もちろんルイズは労いの言葉なんかかけてくれない。さっき露店で買った、蜂
蜜をたっぷりかけたパンを幸せそうに頬張っていた。口の周りを蜂蜜でベトベトにしなが
ら。




「ところで、ヤンよぉ」
「ん?何かな、デル君」
 夕闇が広がる茜空の下、馬車の中で長剣がヒョコッと鞘から飛び出した。
「おめぇ、あんだけ『バカバカしい』だのなんだの言ってたわりにゃぁ、随分ノリノリで
枢機卿と話してたじゃねぇか」
「ああ、それか…」
 疲れた体を、窓から見える黄金色の草原で癒していたヤンは、ボリボリと頭をかく。そ
して少しだけ、どう答えようかと考えてから口を開いた。
「自分でも、矛盾に満ちてるとは思うんだけどね。いつも夢中で考えてしまうんだ、どう
やったら負けずに済むんだろうって。権力や戦争の愚かさを偉そうに語るくせに、おかし
な話さ」
「何それ、ヘンなの」
「まったくだぜ、おでれーたな、この変人ぶりは」
 反対側の窓から夕日を見ていたルイズも、おかしな事を言うわね、と呆れ顔。デルフリ
ンガーも顔があったら似たような表情をしていたろう。
「そうだね、ヘンだね。…まぁ、僕が変人呼ばわりされるのは、今に始まった事じゃない
さ」
「だから、そういう事を自慢してんじゃないわよ」
 ヤンの変人ぶりを咎めるような事を言うルイズだが、顔は笑っていた。彼女にしても、
ヤンがハルケギニアの常識から大きく外れた人物だという事実に、今さら文句を付ける気
もなかった。

 だんだんと夜が広がる草原を、馬車は学園へ向けてポックリポックリ音を立てて進んで
いた。




 すっかり暗くなった学院で、ヤンは御者に手を振っていた。
「んじゃ、ヤコブ。またよろしくお願いするよ」
「おー、今度はもっと荷物が少ない時に頼むぜー」
 またも大荷物をルイズの部屋に運び込む手伝いをさせられたヤコブは、大仕事を終えた
疲労感と達成感を胸に去っていった。
 そして寮塔に入っていったヤンが向かうのは、大荷物が小山を作るルイズの部屋、では
なくその向かいの部屋。キュルケの部屋には、椅子に座ったキュルケとルイズがシエスタ
の入れるお茶を飲んでいる。
 壁にはデルフリンガーも立てかけられている。


75 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:30:28 ID:0iIbwPZB
「お待たせしたね。今夜はタバサさんはいないのかな?」
 キュルケの室内を見渡すヤンだが、いつもキュルケと一緒にいるタバサが見えない。
「虚無の曜日はいつも部屋で本を読んでるんだけど、部屋にもいないの。朝から見かけな
いのよ」
 ルイズは青髪少女の事は気にせず、シエスタのお茶をグィッと飲み干した。
「ま、あの子だってたまには本以外の用事があるんでしょ。それより、早く始めましょ」
 そう言ってルイズはテーブルの上にノートとペンを広げる。そんなルイズを見るキュル
ケは渋い顔だ。
「ちょっとちょっと、そんなに慌てなくて良いんじゃなぁい?それより、今日のお城の事
をもっと教えてよぉ〜。婚約者の事とかさぁ〜」
「だっ!ダーメ!それこそ後で良いわよ」
「そーそー!そういう事はオレッちがたっぷり教えてやっからよ!」
 とデルフリンガーが自慢げに言う。キュルケは、「これ、本当に剣として役に立つのか
しら…」と内心感じていた。さすがに剣が可哀想になるセリフなので口にしなかったが。

 そんな二人と一本をよそに、シエスタは床に置いていた籠からグラスとワインを取り出
し、グラス半分ほどに注いでヤンに手渡す。
 受け取るヤンの目はキラキラと輝かんばかりだ。しきりに香りを楽しみ、ランプの光に
赤い液体を透かし見る。
「うわぁ〜、これが前に言っていたタルブのワインかい?」
「そうなんです!とっても美味しいんですよ!」
 というシエスタの言葉を最後まで聞かず、グラスのワインをクッと飲み干した。
「あっこら、だからそういうのは後に」
 ルイズの止める言葉はヤンには届かなかった。カッと目を見開き、驚いたように硬直し
ている。いくらシエスタお勧め名産ワインとはいえ、さすがにオーバーな反応に女性達は
少し怪訝な顔をする。
「どうしたよ?ヤンよ」
 デルフリンガーの言葉にもヤンは答えない。
 ゆっくりとワインをテーブルに置いたヤンは、大きな溜め息をついた。

「・・・美味しい」

「うわぁ!そんなに喜んで頂けるなんて!田舎から届けてもらった甲斐がありました!」
 可愛いしぐさで跳びはねんばかりに喜ぶシエスタを、ヤンはじっと見つめる。
「美味しいんだけど、その、なんというか、懐かしい味がするんだ。そう、どういえばい
いのか、うん…お袋の味って言えばいいのかなぁ?」

 ヤンの感動しきりな姿に首を捻ったキュルケとルイズも試しに飲んでみる。
「美味しいけど・・・ワインよね?」
 一口飲んだルイズは、特に目だった所のない味のどこにそんな感動をしたのか、理解出
来ないといった様子だ。
「確かに美味しいわよねぇ・・・でも、お袋の味って言うほど懐かしいのかしら?」
 グイッと一気に飲み干したキュルケも訳が分からない感じ。

 だがそんな二人の疑問はよそに、ヤンは既に2杯目を飲み干していた。
「うーん、よく分からないんだけど、何か、トリステインの他のワインとは違う気がする
んだ。あの、シエスタさん、このワインって」
 と、ヤンが尋ねようとした所で、ドアがノックされた。入ってきたのはタバサだ。相変
わらず無表情で、小さく頭を下げただけでツカツカ部屋に入り、当たり前のように着席。
そしてヤンを見上げる。
 シエスタは皆に一礼し「では夜も遅くなりましたので、失礼致します」と退室した。



76 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:31:30 ID:0iIbwPZB
 ヤンは「それではみんな来たようなので…」と話を切り出す。
「それじゃ、昨日までの話の続きをしようか。ええと、昨日は確かアムリッツァ会戦終結
まで話したよね。
 それじゃ、その後の事だよ。帝国で起きたリップシュタット戦役と、同時期に起きたフ
リープラネッツにおける『救国軍事会議』のクーデターについてだ。この救国軍事会議の
クーデターは、リップシュタット戦役で門閥貴族勢力を打倒するまでの間、帝国へ介入さ
せないために仕掛けられた内乱でね・・・」


 ヤンは、先日ルイズに請われた通りヤン自身の事をルイズに語っていた。
 だが語り始めれば、自然とそれは同盟と帝国の戦乱の現代史そのものとなる。ヤンは常
に戦局全体を見渡し、歴史における自らの立場と、民主共和制国家における一軍人として
の地位を踏まえた上で行動し続けたのだから。
 もちろん宇宙・超光速通信・ワープ航法等といった科学用語はルイズ達には分からな
い。なので、そう言う言葉はなるべく避け、宇宙は『海』に、星は『島』に当てはめるな
ど、なるべく分かりやすく語り続けた。また、なるべく同盟の政治体制である『民主共和
制』と自分の地位については言及しないよう配慮している。
 そして常に最前線に身を置いてたヤンの語る物語は、単なる夢物語や妄想とは言い切れ
ない迫力と臨場感を含んでいる。ローゼンリッターの斧、ゼッフル粒子発生装置という物
証もある。また、ヨハネス・シュトラウス遺物捜索に同行したギーシュの口から(かなり
自分の活躍についての誇張を含んでいたが)自慢げにクラスメートへ語られた話からも、
ヤンの話は信憑性が高いと認められていた。
 そしてヤンは、そういう歴史や戦略を語らせると、長い。

 で、そんな面白そうな話をキュルケが聞き逃すわけもなく、タバサも異国の将が語る兵
法講義に興味津々のようだ。結果、ヤンの話をみんなで聞くということになった。
 ルイズは話の要点を手短にまとめてノートに記していく。タバサは無表情だが、ヤンの
顔をジッと見て話に聞き入っている。『微熱』のキュルケも、さすがに色気のない話だか
らと退屈そうにしたりはしない。デルフリンガーはヤンの話の丁度良い所で「ふむふむ、
それからどーした?」「おお、それはすげーな!おでれーた!」と合いの手をいれたりす
る。
 身振り手振りを加え、ルイズから借りた紙とペンで艦隊の展開図を示したりしながら、
熱心に別宇宙の戦史を語り続けていた。




「ふぅわ〜・・・それじゃ、お休みなさぁ〜い」
「お休み〜」
「おうよ〜また明日な〜」
「ではキュルケさん、失礼します」
 タバサは黙って小さく頭を下げる。
 夜も更けた頃、ようやくヤンの長い講義が一段落。皆キュルケの部屋を後にした。


 アクビをするルイズがネグリジェに着替えようとした時、ルイズの部屋の窓がコツコツ
と叩かれる音がした。
 シエスタのワインでちょっとほろ酔いなヤンが窓を開けると、そこには風竜に乗ったタ
バサがいた。
「おや、タバサさん。どうしたんですか?」
 タバサはピシッとヤンを指さす。ルイズも何事かと窓の外の少女を見る。
「客」
 それだけ言うと、タバサは二人に風竜へ乗るよう促した





77 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:32:42 ID:0iIbwPZB
 学院の近くの森には、タバサの使い魔である風竜シルフィードのねぐらがある。
 その辺の木を牙と爪で切り倒して作った天井と、地面に敷き詰めた藁。近くには飲み水
をいれる飼い葉桶。
 その辺の木を切り倒したので、その周囲は少しだけ森が開けている。

 シルフィードに乗ったタバサ、ルイズ、デルフリンガーを背負ったヤンが降り立ったそ
こには、先客がいた。
 薄暗い月明かりの中、その人物のシルエットは降り立った彼等の足下にポイッと何かを
投げてよこした。
 一番近くにいたルイズが拾い上げると、「…何これ?」と呟く。

「これは・・・!」
 ルイズの肩越しにそれを見たヤンが驚きの声を上げた。

「やはり、知っていたか」
 その人物は予想通りという様子だ。その声を聞いた瞬間、自分の迂闊に自分を呪った。
「あいつは!?」
 ヤンの背中のデルフリンガーは、シルエットの人物に対して驚きの声を上げる。

「それは、つい先日聖地から湧き出した『悪魔』の破片の一部だ。それだけは大地の精霊
も地の底に封じなかった。どうやら毒に冒されてはいないようなので、安心して欲しい」
 そう言って客はルイズ達の方にゆっくりと歩み寄る。
 双月の下に照らされた人物には長い耳がついていた。

「以前、君たちに会った時、そこの彼が同じ紋章をつけた帽子を被っていたのを思い出し
たのだ。もしやと思い、そこのタバサ殿に連れてきてもらったのだ」
 その人物に指し示されたタバサが、小さく頷く。
 ヨハネス・シュトラウス遺物捜索の時、ヤンはまだ同盟軍の軍服を着ていた。同盟軍の
帽子は、白い五稜星マークが入った黒のベレー帽だ。
 そしてルイズが持つ物体にも同じマークがある。それは黒こげの金属板で、赤・白・青
の三本線の下地。真ん中の白線中央には五稜星。同盟の国旗だ。

 月明かりの下に立つのは、長い金髪を輝かせるエルフ。
 ビダーシャルだ。

               第11話    異邦人    END

78 :ゼロな提督11:2008/03/29(土) 14:34:02 ID:0iIbwPZB
以上、第11話投下終了

今回は、単なる日常の描写です。盛り上がるポイントはなーんにもありません


だから、投下逃げー

79 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 14:48:21 ID:Tk02nAR3
提督の人、乙です〜♪

80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 14:51:03 ID:A+i5HGKL
>>56
エリア88?

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 14:58:15 ID:EHI7nO2y
乙です。

こういうタメがないと後が面白くならない。
それに何気に重要な事がチラホラと…。

82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 15:02:08 ID:CYDqFjh6
乙でした……。


まとめサイトで読ませていただいてたのですが、
やっぱり提督が提督してはるなぁ……。

83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 15:04:12 ID:kHMeHQXM
提督の人、乙。
しかし、結局アルビオンに行けず、ウェールズ暗殺という手柄を立て損ねたワルドが、今後自身の
野望を妨害したヤンにどのような対処をするか、かなり気になるところです。
そして、ヤンが「悪魔」と関係があることを感づいたビダーシャルとの関係、次の展開が待ち遠し
くてたまりません!

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 15:09:14 ID:Tk02nAR3
遅スレですが17の人も乙でしたぁ^^

「ルイズちゃんが契約のキスをしたときに、ルイズちゃんの記憶、知識、個人情報が私の頭に流れ込んだのだ。
身長や体重・健康状態などはもちろん、スリーサイズや○○、○○○、○○○などなどが!! クククク……」

てな感じのメイドガイちっくな17を感じたのは私だけ??

85 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 15:17:37 ID:UwhUn4xN
うおっっ、提督の新作キテタ─!!
職人さん投下乙でした!

86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 16:02:45 ID:fs1MM9/t
ワルドやビダーシャルがどう動くのか気になるなあ。提督の人GJ&乙。

87 :名無しさん@お腹いっぱい。::2008/03/29(土) 16:14:52 ID:AzOpfdwT
提督の人乙。
ただ、ビュコック提督の最後などを考えるとヤンが現状に流されて、
トリステンの貴族社会のために講義をするのは少し情けないような、、
でも、政府からの暗殺を逃れて独立愚連隊を率いたことを考えれば、保身の
為の行動ならヤンらしいかもしれない。

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 16:16:16 ID:KW2L/Ecw
提督GJ
これが慧眼というやつか

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:03:43 ID:tk576uUT
>>84
俺はルイズから記憶他の情報貰ったなら洗い場くらい知ってるんじゃねとは思ったw

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:15:12 ID:DoMN63rX
>>87
メルカッツ提督を思えば「民主主義→貴族社会と乗り換えるのもありかな〜」なんて考えるかもな
 つか、もう乗り換えなきゃしゃーない状況だし

>>89
 ルイズが自分で洗濯をするなら、知ってると思う



 ところで、提督のデル・・・ぐふげほ、なんでもない

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:20:04 ID:pI90S+4F
まあ、この時代の技術水準じゃ民主制は無理なことくらいはわかるだろうしね>ヤン
都市単位ではない民主制を成立されるには多くのインフラや技術が必要だったし
民主制の成立も、フランス革命みたいな文明衰退させかねん方法もあれば
ブータン王国みたいな嘘みたいな方法もあるわさ
今の時点では民主制に理解がある啓蒙専制君主こさえるのが一番の近道だろし

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:27:35 ID:KNaPn4EG
>>91
魔法が使えるか否かという絶対的な能力の違いがある以上、
民主制への以降はかなり難しいと思う。
ハルケギニアの魔法は相当高度なことが可能だし、これをすべて技術で、
しかも簡単にできるぐらいの技術がないと―――


民主制を最終的な目標としつつ、妥協点を探すヤンというのも面白いかも知れん。

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:30:08 ID:xWY1P5YH
今投下しても構わないかな?
作品はGUNGRAVE OD
召還されるキャラは九頭文治
うっかり前スレのほうに書き込んでたよ

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:30:57 ID:Tnn+IwJK
支援。バッチコーイ!!

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:31:43 ID:xWY1P5YH
■■■■■■■■■■■■

神様がいるとしたら――そいつはどうしようもねぇ根性ワルだ
一度死んだ男に、また
恥を掻く場所を与えようとしてやがる

■■■■■■■■■■■■

蒼狼の使い魔 第一話

トリステイン魔法学院、春の使い魔召還の儀。
ひとりを除く全ての生徒が使い魔の召還に成功し、その残る1人の女性徒の召還を嘲りながら見守っていた。
彼女――ルイズは何度も杖を振って呪文を唱えた、が結果は爆発が巻き起こるだけ
そのたびに嘲笑と罵声がルイズに向かって容赦なく降りかかる。
何度も繰り返される失敗と嘲笑にみかねた教師が彼女に声をかける。

「ミス・ヴァリエール、集中が乱れています。今日はもうやめにして明日に…」
「お願いです、あと、あと一回だけやらせてください!」

ルイズの切実かつ必死の懇願に教師――コルベールはあと一回ですよと念を押した。
コルベールとてメイジとしての勉強に誰よりも熱心で誠実なルイズを嫌いなわけではない。
ただこうも失敗するとどうにも才能だの才覚だのという言葉が頭をよぎってしまう
だが、そんな考えは恥ずべきと頭で打ち消し、ただ彼女の姿を見守る。
すぅっ、と目の前の少女が深呼吸をし、息を調えて杖を振るうのをただ見守る。

(がんばりなさい、ルイズ)

呪文が静かに、一言一言強く祈りをこめて唱えられる。

何でもいい、ドラゴンやグリフォンみたいな強力な生物じゃなくてもいい
贅沢もいいません、ただ、ただわたしの為に、わたしの為だけにここに来てくれるもの
今ならどんなものだって受け入れてあげる。そしてできるなら私を支えて欲しい
だからお願い、つぎこそは つぎに進みたいから

「宇宙の果てのどこかにいる、私の下僕よ! 強く、美しく、そして生命力に溢れた使い魔よ! 私は心より求め、訴えるわ。我が導きに応えなさい!」

白い光が満ちたあと、今までにない爆発が黒煙を巻き上げた。
じっとルイズは注視する。失敗か?成功か?

草原にたたずむ誰もが見守るなか、煙の中で何かが蒼く光った。


96 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:35:50 ID:xWY1P5YH
――風が心地いい

こんな気持ちのいい風を感じたのは何年ぶりだろう
雲ひとつない青空に、横切る鳥の群れ
ざわざわと頬を撫ぜる草の感触。

(ここは天国か?)

何故かもうもうと巻き上がる煙を眺めながら男は考える。

(俺は生まれてこのかた地獄行きだと思ったんだがな)

体は動かせなかった、当然だろう。俺は己の全存在を賭して負けたのだ。
あの男――ビヨンド・ザ・グレイヴに、ブランドン・ヒートに
幾多もの銃弾を短時間に浴び、自己修復機能も処理をしきれずにパンクしている。
蒼く燐光を発する血がとめどなく流れ大地を汚している。
致死量を越える出血、それにくわえての修復機能の停止、
「機能停止」寸前――と、ここで男はいぶかしむ

(なんで俺は天国まで来て死にかけてやがんだ?)

と、その疑問に応える声、ではなく誰かの叫ぶ声が聞こえた
大きな足音とそれより一回り小さい足音がこちらに慌てながら駆け寄ってくる。
体が揺すられた、誰かが酷く狼狽して泣き叫んでいる。
誰だろう、こんな浅ましく愚かな俺をそんなに悼んでいるのは
なんとか動く片目で、気配の正体を視る。

(誰だろう、誰かに似ているな、誰だったか)

ぼやける視界の中に桃色の髪の少女が居た
幼い、と感じるその童顔をくしゃくしゃに歪ませている。
ぽつりと頬に温かいものを感じた。熱い液体、涙だ。
泣いているのか?この俺のために、どうして
こんな犬畜生になんの義理があってそんなに悲しんでいるのか
おまえは誰だ?誰か答えてくれ

その疑問への回答は誰からも得られず、男の意識は暗転する。
ただ最後に、男は自身のひび割れた顔に柔らかい何かが押し付けられたのを感じていた。

――かくして、ルイズの召還の召還に応えて、ある男がこの世に現れた。
ただ1人の男を越える為、悪魔に身を委ね異形と化した男。
己の全存在を賭して戦い、笑いながら死んだ男。

その男の名は――九頭文治


97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:38:41 ID:xWY1P5YH
と、第一話はここまで
短くてすいません
なんか文章が横に長くなりすぎなところがあったなすいやせん

98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:47:24 ID:k22WVC4a
>ウェールズ暗殺という手柄を立て損ねた

関係ないけど、ウェールズってワルドが手を下さなくても戦争で殺せたんだから別にわざわざ暗殺しなくてもよかったような気がするんだけど

99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:48:12 ID:kUJkn6z+
>>92
民主制ってのは別に思想的に立派な制度というわけじゃなくて、
成熟した社会において最も効率のいい制度というに過ぎないんだよね。
だからまず金持ちの平民が増えていかないと話にならないし、
普通選挙に到っては全国民に教育を行き渡らせるだけの国力がないと厳しい。

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:50:44 ID:DoMN63rX
>>98
戦争で普通に死んだら他人に手柄取られちゃう

101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:51:52 ID:DoMN63rX
>>96
元ネタは知らないけど、なかなか渋そうなキャラだな、乙ー

102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 17:52:16 ID:rOxB/tJu
>>98
いや、万一生き残る可能性を摘んでおきたかったんじゃないか
心変わりというのは誰でもある。ルイズの説得、アンリエッタからの手紙で亡命を考える可能性も無くはないし。

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 18:09:46 ID:xPSA1Y3k
絶対勝てる戦場ででも、討ち取ったら評価されて当然ではないかな。
その活躍の場を奪われてワルド涙目。
枢機卿の前で恥をかかせてやろうとしたけど、それも失敗。
ルイズとイチャイチャして一本取ったつもりでも冷静に考えれば情けない状態に変わりなく。
召還された者の中でワルドにとって相性が悪さではトップクラスだな、提督。

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 18:10:17 ID:Vjppz1/J
ああ、つまり色々有ってヤンが艦隊を指揮して
侵攻軍を撃退すrんですね。

期間への集中攻撃で指揮系統を潰し、そのあと各個撃破辺りで。
艦と艦との一騎打ちや 貴族の誇りを蔑ろにする戦い方で。

そののち、軍の大半を失ったアルビオンに連合軍が侵攻ですね。
そのさい、ルイズたちはヤンの話した帝国領侵攻作戦と
その顛末を思いだすと。

ヤンは色々有って、ワルドのエアニードルで
銃で撃たれた同じ場所を貫かれ、その状態でレダUに帰還ですね。
良く分かりました。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 18:13:04 ID:/5xUN9gI
勝手に展開決めつけるなよ。

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 18:18:04 ID:OkTH5Y+/
ウェールズを先に殺しておけば
「ウェールズ殿下、レコンキスタに王族の誇りを賭けた決死の攻撃を敢行。見事玉砕されました」
ってな美談を作らずに暗殺という無残な末路をくれてやった、とも取れるけどね。
「レコンキスタ許すまじ」って意見はどうせ出るだろうし、だったら美談と共に死なせたくないよね、ってとこかな。

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 18:31:44 ID:LOeIhgd4
>>97
乙です
女っ気ゼロな文治がルイズをどう扱うのか想像つかんだけに期待

>>101
文治の兄貴は渋いぜー

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 18:45:52 ID:uF+8aP5R
>>104
もし本当にその通りの展開をする程度の作者なら
投下のたびに延々とネタ潰しや展開希望が続いたりしないと思う

つか、そんな程度の展開するならかえってビックリだ

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 19:03:34 ID:IxAW23vi
提督グッジョブ
すげー楽しみな引きしてくれる!!

ワルドがどういう行動に出るかも気になるぜ

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 19:17:12 ID:r5tEnTIM
ワルQ様としては「体制にとって不利なものは体制に取り込む」理論で
提督をルイズもろとも味方に引き入れたいだろうな。

111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 19:22:42 ID:IYpKv6Hr
>>110
そりゃ切り捨てるにはもったいない人物だもの。
ただ、レコンキスタを辛辣に分析されて、心中穏やかじゃないだろうな。

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 19:48:08 ID:3hSrqOJF
読者召還されすぎ

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 20:02:05 ID:Tnn+IwJK
前レス>>877

>赤薔薇さんは強すぎるのがネック
それをバランスをとるために黒鳥も召喚ですよ。
レコンキスタの誰かに取り付かせてもよし。
アニエスあたりに取り付かせても、ルイズを信頼するアンアンへの忠誠心と
そのルイズの使い魔たるストラウスへの反感のはざまにゆれる展開とか、
あるいは黒鳥の元になったステラの髪の色はピンクだったから(カラーイラストでは)
ルイズにとり付かせて、「魔法らしい力を揮えるようになった!」と最初は大喜びするものの、
すぐに自分の使い魔と殺しあわなければならない運命に気づきショックを受けたり
さらにストラウスの壮絶の一言につきる悲しい過去を知り、苦悩する展開とか。
アイデアはいくらでも出るんだけど、自分に今ひとつ文章力が…。

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 20:30:43 ID:qgbqfPvt
提督グッジョブ
ワルド、ルイズ弟子入りフラグの方と以前出ていた聖地見学ツアーフラグの方の線と…

115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 20:49:37 ID:Aiy4Wj1F
http://buzzbuzz.s35.xrea.com/x/sourceup0677.jpg

A.上村愛子

B.イチローin真珠湾

116 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 20:53:16 ID:CcLsSGgE
>>104,108
作者がめんどくせーからそれで良いやと思ったらやぶ蛇だな。

117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 21:44:06 ID:sKxzrctP
前スレで言いそこねたから、新スレでちょっと叫ばせて。
虚無の王の方アルティメット乙です!楽しみに待っていました

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 21:48:20 ID:aOmVZ16b
>>111
辛辣な分析をされても何の痛痒も感じないんじゃないか?
ワルドもレコンキスタの思想を丸っきり信じてる訳ではないでしょ
聖地に行くという自身の目的に利用出来そうだから参加してるっぽいし

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:04:23 ID:kHMeHQXM
しかし激戦の末に玉砕したウェールズらアルビオン王家は、いずれにせよ「伝説」として
後の世にも大きな影響を与えることになるのは間違いないな(古代ユダヤが、ローマ帝国
との激戦の末に玉砕した「マサダの戦い」のように<今日イスラエルという国を支える主要
なイデオロギーであるシオニズムのシンボルとされている事柄の一つになっている)。

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:13:56 ID:xGianl4v
提督を読んでると、ゼロ魔キャラが漫画版銀英伝の絵に脳内変換されるから困るwwww

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:14:43 ID:/HThDxCa
赤薔薇と一緒に黒鳥を喚んでも、
赤薔薇は素直に殺されるだろう。
死ねない理由がないから。

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:21:00 ID:BX9V8D3f
あんま漫画は好きじゃないんだよな、とくにシェーンコップ

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:32:39 ID:ZOcP8qj/
提督乙!
うーむ、しかし平民ということで出世するのが難しそうですねえ
いっそのことレコンキスタかゲルマニアのほうが出世は早く(ry

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:42:56 ID:8hHjOhHM
MGSポータブルオプスから若オセロットもしくはMGS1からリボルバー・オセロット召還
おマチさん逮捕後拷問でハァハァな展開しか思い浮かばない俺は末期だと思う

125 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 22:47:02 ID:vlxU0n7d
もしもし来来軒? 今出前頼めますか?
もし頼めるなら支援一つお願いしたいんですけど。



今回も啓太の口車展開です。申し訳ない。

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:47:02 ID:SzuK+lCH
>>124
「どうだ?キくだろう?」

ボトムズのキリコはやたら拷問されそう。

127 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:48:49 ID:pgqvP11I
お願いしたいといわれたらどうしようかなぁと おもう今日この頃


支援待機

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:50:03 ID:z4py+9Rc
安西先生・・・狼と虚無のメイジの続きが読みたいです

129 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 22:51:22 ID:vlxU0n7d
支援ありがとうございます。では。
第11話です。実質10話な11話です。


 川平家初代当主、川平 慧海。
彼は、いつも笑っているような、それも自分の言った下品な冗談に
自分で笑うような、ちょっとエッチでお馬鹿な人であったらしい。
彼は本当に困った人が、魂の底から助けを求めるようなときには、
『そこに居てくれる』『呼べば来てくれる』人だったという。
彼は、大妖孤との戦いの最中に、犬神達のもとにふらりと現れたのだそうだ。
その戦い方は独特で、自らが戦うよりも、多くの配下を見事に束ね、
自在に指揮することによって強さを発揮する、指揮官タイプだったらしい。

 もう、300年ほども昔の話である。



 ヴァリエール別邸に移動した啓太達は、すぐにルイズ達と合流した。
ヴァリエール別邸、つまり領地の本城とは別に王都での社交や政治のために
使用されるセカンドハウス・・・は、250メルテ四方ほどの敷地を誇る。
狭い王都において、個人が所有する屋敷としては破格である。
実にシャン・ド・マルスの錬兵場に匹敵する広さ(2万が集結可能)だ。
やろうと思えば、一軍を敷地内に集結させることすら可能である。

 さて、その広い別邸は大騒ぎだった。なにしろ、塀の向こう側で
トライアングルクラスのゴーレムが暴れていたのである。
老年に差し掛かりつつあるヴァリエール公爵自身が庭に出て
いざというときは魔法を行使しようとしていた。
そこに来たのが(出来が悪いが故に)かわいい娘のルイズ達である。
自ら駆けつけて来た。

「ルイズ! お前か! まさかあの騒ぎに巻き込まれたのか?」
 渋みがかったバリトン。年のころは50過ぎ、白くなり始めたブロンドの
髪と口ひげを揺らし、王侯もかくやのの豪華な衣装に身を包んでいる。
左目にはグラスがはまり、鋭い眼光をこの瞬間だけわずかに緩める。
「はい、お父様。ちょうど王立銀行脇を通った時に巨大なゴーレムが
立ち上がったのですわ。そのようなわけですので突然来た事をお許しください。」
そういってルイズはぺこりと頭を下げる。つられて他の皆も頭を下げた。
「ふむ、王都に来てこのような目に会うとは災難だったな。」
王立銀行のほうを見る。まだ土煙が舞っている。
「はい、お父様。あ、紹介しますわ。こちらは私の友人達です。」
ルイズは、皆を紹介した。
「ふむ、災難であったな。さぞ恐ろしかったであろう。しばし休んでいかれよ。」
みなが、一斉にお礼を言う。ルイズは馬車の世話を従僕に命じると、
ヴァリエール公爵に続いて屋敷に向かった。

130 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 22:52:16 ID:vlxU0n7d
 啓太達はルイズとは別室を用意され、くつろいでいる。
ルイズは久しぶりに会った父と親子水入らずの時を満喫しているのだろう。
 啓太はこの時、ギーシュ達からフーケや王立銀行について
聞き込みを行っていた。
「そうか、ナイエフルト店長が悪名高い、ってのはやはりそういうことか。」
「ああ、賄賂請求に不正融資に流用、何でもござれって事らしいが
証拠が無いんだよね。あくまで単なる噂なんだ。」
「それでナイエフルト店長の派閥は? わからない?
土くれのフーケについては・・・そっちも、あまりわからないか。」
執事が来て香草水や最近流行しだした香草入り麦茶(実は啓太作)を出す。
豪華なお菓子類も並べられる。
啓太は、これ幸いと聞き込み先をそちらに変えた。
「ありがとう、おかげで欲しい情報が手に入った。そうか、やはりフーケは
魔法のアイテムを貴族限定で盗んでいるのか。そしてナイエフルト店長の
派閥は領地がフリースラントにあるだけあってフリースラント公爵か。
王家には今ひとつ批判的、かつヴァリエール公爵と対立する。なるほどな。」

(エドワード・ヴァン・ヘイレン・ド・レーワルデン・ル・フリースラント公爵)
(オランダのフリースラント州レーワルデンから。ナイエフルトは同州の地名)

啓太はぶつぶつ呟いた後、物騒な笑みを浮かべた。
「啓太様、どうなされたのですか?」
「うむ、なにかたくらんでる顔だな。」
「そうね。たくらんでるわ。」
「ま、それは後のお楽しみ。一旦終わりだ。それよりも。」
啓太が、顔を引き締めて姿勢を正す。
「姫様に献上するポーションの問題だが。」
皆も姿勢を正して相談に参加した。
その話も一段落した頃、啓太はふと傍らに立てかけてあったデルフリンガーに
目をやった。トイレに行くといって席を立ち、そこで密かに聞く。
「おい、デルフリンガー。おもちゃ屋で俺の事を使い手といったよな?
それはもしかしてガンダールヴのことか? お前は虚無にかかわりがあるのか?」
見せるのは左手のルーンである。
「ガンダールヴ!? 聞き覚えがある。聞き覚えがあるぞ? 
それに、虚無? …だめだ、わからねえ。知っていたのは確かなんだが。
長いこと生きてるからな。忘れちまったんだろう。」
啓太は、つくづくと錆びた剣を見つめた。
普通の鞘では引き抜くのが難しいほど長い片刃の大剣。
剣先1/3を除いてX字型の覆いと外れないように押さえる留め金だけの鞘。
いかにも古めかしく、だが強い力を感じさせるインテリジェンスソード。
学院の図書館でも情報の少ない始祖の虚無についての手がかりが、
なぜか向こうから転がり込んできた。
随分と都合のいいことであるが、自分はそういう星回りなのだろうか。
啓太は、初代、川平慧海に思いをはせた。



131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:54:05 ID:JTpSZniA
提督のワルドは救国軍事会議の時のバグダッシュの立ち位置に近いかな?

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 22:54:33 ID:8hHjOhHM
良い文章ださすがはボスと同じコードを持つ男
ひさしぶりだよこんなに充実した支援は

133 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 22:55:18 ID:vlxU0n7d
部屋に戻ると、公爵とルイズが来ていた。
上座に座っていた公爵が立ち上がって啓太を歓迎する。
「おお、ミスタ・ケェタァ・カゥワーヒェラ殿! 先ほどは失礼した!
娘がサモン・サーヴァントで異国の貴族を呼んで大変な迷惑をかけてしまった、
とは知っていたのだが、何分手紙では発音が一致せんでな!
いやはや、娘が迷惑をかけてしまったね。謝罪と礼を言わせてくれ。」

そういって、公爵は心持ち、体を前に傾けた。皆が息を呑む。
どうやら、公爵が平貴族にするものとしては滅多にない事らしい。
あわてて恐縮する啓太である。

「いやいや、この程度は当然だ。それだけ迷惑をかけてしまった
にもかかわらずカトレアの薬まで作ってくれたそうじゃないか。
カトレアは、ここのところ発作が少ないそうだ。
その上ルイズの魔法を目覚めさせてくれた上にフーケのゴーレムから
逃げ出すときにはしんがりを勤めてくれたとか! 
まったくもって感謝の言葉も無い。この恩と迷惑の代償として、
何か出来ることは無いだろうか? できない事も無論あるが、
私はぜひ君にお礼がしたいのだよ。」

 公爵はすさまじく上機嫌だ。魔法的に徹底的に無能と思っていたルイズが、
コモンルーンとはいえいくつもの魔法を危なげなく成功させて見せたのである。
これで上機嫌にならなければ親といえないだろう。

「公爵様にそのようなもったいなきお言葉を賜り、ケータ・カワヒラ、
大変恐縮に存じます。」
歯が浮くなあ、こういった言い方はどうにも苦手だ、と思いつつ
事実のみを語ろうと考える啓太である。
「生国はサハラ砂漠の東の端からおおよそ東へ1万リーグ程、
生家は国境から北東へ約900リーグといった場所にございます。」
嘘ではない。
地球のサハラ砂漠とハルケギニアのサハラが別物だと言っていないだけである。

「カワヒラ家は代々霊能者、こちらで言うメイジとして(中略)
何分迎えが来るまで何年かかるかわからず、帰れたとしても継承順位は2位、
こちらでの栄達を視野に入れて活動をしております。
つきましては、王宮に討伐任務の口利きをお願いいたしたく思います。」

「討伐任務?」

「は、聞きますところによると、ハルケギニアにはモンスターの群れに襲われ、
開拓民が逃げ出し、放棄された村が掃いて捨てるほどあるとか。3P152
それらはモンスターとの戦争によって領主から奪われた領土。
これらを討伐し、勝ち得たものには当然領主としての権利が発生します。
これらがまとまっている地域も少なくありません。
そこに難民13P13を呼び、住まわせ、保護してやれば立派な領地となりましょう。
現在薬草クラブの次男三男派の仲間に調べてもらっておりますが、
困難ではあれど実現の可能性は高いとの事。ぜひとも奏上し、
計画を実行に移したいと考えております。なにとぞ便宜を図っていただきたく。」

134 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 22:58:59 ID:vlxU0n7d
「ほう! 確かにな。奏上せずに勝手に討伐するのも可能だろうが、
王宮に話を通しておけば格段に軋轢が減る。面白い。だが、困難な計画だぞ。
領地の維持にかかる手間も桁違いだ。それでもやりたいのかね。」
「もちろんにございます。」
公爵は、自分の腹はまったく痛まないので快諾した。
「良かろう、それら全ての後押しは任せて置け。昔自分の領地だったから、
と言って権利を主張するやからも多いだろうが、なに、わしが保護してやる。
ヴァリエール公爵領の飛び地として登録すれば、誰も文句は言えぬ。」

 つまりは、魔法学院の名門子弟たちを自分の派閥に大量に囲い込む
かわりに保護してやるという意味だ。わずかとはいえ上納金も期待できる。
最初は持ち出しも多かろうが、勢力拡大の葱しょったカモが来たのだ。

「公爵様のご厚情、大変ありがたく存じます。早速皆に諮りたいと存じます。」
話してみるけど、派閥や血筋の問題もあるからダメだったときはごめん。
という意味である。これでヴァリエール家に来た目的のうち、
公爵との顔つなぎ、後見になってもらう、領地獲得=爵位獲得の後援願い、
については達成できた。
「うむうむ、ケータ殿の活動に触発されて同じ事を狙うものも増えようが、
なに、あらかじめ主だった場所を知らせてくれておれば手は打つ。」
あらかじめまとまった範囲=領地候補の優先権を確保してくれるというのだ。
「ありがとうございます。他の領主も同じ事をすれば、我々だけでは
とても手の回らぬほど広範囲の農地が解放されましょう。
農地が無料で与えられると聞けば国外からの移住者も増えましょう。
農家の次男三男達にも門戸を開けばより感謝され、治安もよくなりましょう。
さらに討伐に熱心になる以上領主軍の軍事訓練となって錬度が増します。
基本的な国力が大きく上がる事が期待できます。さすればトリスティンも安泰。」

「ふむ!」
 啓太の説明に、公爵は感心する。自分が話を通す折に使おうとしていた
利点のいくつかが一致している。政治能力もあるようだ。
これはいよいよ味方に引き込んでおいたほうが良い人材である。
「つきましては、まずは王宮との顔つなぎをしたく存じます。」
「娘に聞いたが、献上品を姫様に直接渡したいとな? 任せるが良い。
すでに王宮に使いは出した。明日は無理だがあさってには謁見できるだろう。」
「ありがとうございました。では、早速献上品の準備に取りかかりたいと
存じます。時間や手順、場所などの仔細を学院までお願いできましょうか?」
「うむ、返事が来次第知らせよう。」
「お願いいたします。時に公爵。」
「うむ?」
「先ほどフーケが国立銀行を襲った一件についてでございますが。
気になる点がいくつかございまして。いま少しだけお時間をいただけますか?」
「ほう。聞こう。」

135 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:01:39 ID:Se/z5XqS
sien

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:01:51 ID:7713Vh4d
支援!

137 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 23:04:35 ID:vlxU0n7d
 啓太は、歯が浮き舌をかみそうになるのをこらえながら
もったいぶった口調を必死で続けている。偉い奴をおだてて使うには
これが最も効率的だからだ。そう考えると小気味いい。
「は。恐縮でございます。では。件のフーケと思われるゴーレムの
国立銀行襲撃ですが、いくつかの不審な点がございます。」

「まず一つ目はフーケの狙いが通常マジックアイテムである点。
現金を直接狙うは不自然です。二つ目は、今までは貴族個人の所有物を
狙っていた点。公共機関を狙うは不自然です。3つはあまりにも
これ見よがしな犯行。あれでは、まるで現金よりも銀行が襲われたことを
知らしめる事が目的に思えます。これだけならまだ問題はございません。」

「問題なのは、これに国立銀行店長、ナイエフルト子爵の悪名が加わる事です。
さすれば恐ろしい可能性が見えてまいります。店長は賄賂請求に
不正融資に予算流用、何でもござれと噂されています。
しかし、証拠が無い。そのため強硬な捜査もされず、地位を保っています。」

 公爵の眉が、ぴくりと動いた。面白い話だ、というように。

「もし、フーケの襲撃が自作自演であったら? フーケとナイエフルト子爵に
つながりがあり、公金に手をつけたのをごまかすために強盗されて奪われた、
という体裁をつけるために一芝居打ったのであれば?
自ら立ち向かい、負傷したとあっては、誰も疑うものは居ないでしょう。
あれだけの巨大ゴーレムを前の蛮勇も、それで説明がつきます。」

「ナイエフルト子爵の後見であるフリースラント公爵は今ひとつ王家には
批判的とか。その一派に膨大な金が流れ込んでいた可能性を考えますと、
緊急に徹底捜査し、不正を暴く必要があるかと存じます。口実は、そうですな、
襲われた銀行の被害実態把握ならびに証拠品探索とすればよろしいかと。
いかがでしょう、この推理は?」

「くくくく!」
公爵は含み笑いをしている。啓太は、これを好機と敵対派閥を叩け、
とたきつけているのである。
「よかろう、すぐに手を打とう。ジェイムス! 出かける支度をせよ!
王太后陛下に急ぎ奏上せねばならない事がある! それと王立銀行に人をやれ!
後始末の応援にやっていた者たちに伝える事がある。重大な犯罪への(後略)」
矢突き早に指示を出していく公爵に、啓太はもう一つたきつけた。

「悪事が明るみに出た場合は、無論領地没収や爵位降格、人事刷新等が
必要でしょうな。その際には、公爵が能力・人格・ともに信頼できる
高潔な人物を推挙なさる必要があるかと。再発防止には良い人物の
就任が必要でございます。さすれば事業を始める者や“軍事”で緊急に
金を必要とするものに円滑な融資が行われ、国力は増しましょう。」

ようするに、公爵に都合のいい奴を店長にしろ、その時は融資ヨロシク、
という意味である。公爵は呵呵大笑すると快諾した。

 かくして、啓太はヴァリエール公爵というトリスティン第3の権力者に
いくつもの恩を売り、実益を与え、そのかわりに強力な後援者としたのである。
しかも、知らずとはいえレコンキスタに渡っていた金の出所の一つを叩き潰し、
後の戦争時に必要とされる戦費の賄いで売りに出す領地の確保にも一役買う。
まあ、今は関係ない、未来の話ではあるが。

138 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 23:05:52 ID:vlxU0n7d
「面白いな、君は。時に、モンスターの討伐となると、どうしても実力を備えた
戦力が必要だ。魔法学院の坊ちゃん共で大丈夫なのかね?」
出かける間際に聞く公爵に、啓太は、ニヤリと笑って豪語した。
「現在、特訓中にございます。才能のあるもの、基礎の出来ているものから
投入するのであれば、半月以内に計画を開始出来ましょう。
その頃には、全ての手続きは終わっていると考えてよろしゅうございますか?」
「無論だ。しかし、どんな訓練をしているのかね?」
ギーシュとルイズが、そっと顔を背けたのには、公爵は気付かなかった。
「なに。普通の訓練をしているだけにございます。」
 啓太は特訓風景を思い出していた。


 その日。ついに念動と浮遊を成功させ、いよいよ教導できる、
その気のある奴は放課後集まれ、と呼びかけた啓太は、薬草採取も調合も
ともはね達にまかせてヴェストリ広場に立った。

 ずらりと並んだ絹の制服姿の男子生徒達の前を、のしのしと練り歩く。
最前列には、武器戦闘の基本を指導していたルイズの姿も当然ある。
マリコルヌ、ギーシュ、ギムリ。おもだった男子は全員そろっている。
啓太が声を張り上げる。

「俺が訓練教官を勤めるケータ・カワヒラである! 
訓練である以上手加減はせん! 手加減しては訓練の意味が無い!
よってお前達はこれから地獄を見る! 死ぬほうがましな地獄だ!
途中で抜けることは許さん! 落ちこぼれを排除する権利があるのは俺だけだ!
わかったか、貴様ら!」

「「「は、はい!?」」」
全員、顔が青ざめている。もしかしなくてもまずい人に指導を頼んじゃったかも、
との思いがありありと見て取れる。当然ながら返事はか細いものだった。
「ふざけるな! 大声だせ! タマ落としたか! 」
「「「は、はい!?」」」「ていうかなんだよこの態度の豹変は!?」
「返事がなっとらん! 話しかけられたとき以外は口を開くな! 
口でクソたれる前と後に“サー”と言え! 分かったか、ウジ虫ども!」
「「「サ、サー・イエス・サー!」」」
「ふざけるな! 大声だせ! タマ落としたか! 」
「「「サー・イエス・サー!」」」

 全員、たった一人で十数人をなぎ倒したこの間の決闘を覚えている。
逆らうに逆らえない。

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:10:26 ID:7713Vh4d
支援! 支援!!

140 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 23:10:49 ID:vlxU0n7d
「よし、まあ最初としては上出来だ。もう一度言うがお前達は
これから地獄を見る! だがその地獄の先には―――栄光がある!
貴様ら雌豚どもが俺の訓練に生き残れたら―――各人が兵器となる。
平民の影に隠れてこそこそ魔法を撃つ事しか出来ない臆病マラではなく、
最前列に立ち、領地を荒らす盗賊や怪物を殺す兵器となる!
その時、お前達は始めて貴族としての義務を果たせる体となる!
この地獄の特訓を耐え抜いた暁には、貴様らに討伐任務を与えてやる!
モンスターの群れに襲われ、開拓民が逃げ出し、放棄された村は無数にある!
モンスターのしかけた戦争によってよって奪われた領地を討伐するのだ!
勝利の暁には当然領主としての権利が発生する!
そこに難民を呼び、住まわせ、保護してやれば立派な領地だ!
モンスターの徘徊するエリアゆえに統治は困難だろうが、
貴様ら自らの手で勝ち得る領土の領主となるのだ!
栄光ある初代! 実力で勝ち得た領地! 家名の創始者!
金、女、権力、名誉! 全ては一繋がりとなってお前達の手に入るだろう!」

「「「「「う、うおおおおおお!!!!!」」」」」
話を聞いていた男子達が、雄たけびを上げた。

「その日まではウジ虫だ! ハルケギニアで最下等の生命体だ!
平民が汗水たらして稼いだ金を横取りして生きる寄生虫だ!
義務を果たしてはじめて権利を主張できる。義務を果たすその日まで、
貴様らは貴族ではない。両生動物のクソをかき集めた値打ちしかない!
女にモテたいと、部屋住みの厄介者になりたくないと思う奴は付いて来い!
貴様らに実力と自信と栄光と名と金、何より女を与えてやる!」

「「「「「サー・イエス・サー!」」」」」

こうして、地獄の特訓が始まったのである。初日の軽い訓練ですら
軟弱な貴族の坊ちゃん達には全員がへたり込んで動けなるほどであり、
実に過酷なものであった。次の日からはより本格的な特訓の開始だ。
 早朝に起きての柔軟運動、体操、ランニング、筋トレに始まり、
アスレチックや棒術、剣術、格闘、精神鍛錬まで含んだ総合訓練である。
領地獲得という明確なビジョンを得た男子達は、訓練に喰らい突いた。
人間は理想や奇麗事ではあまり動かない。もっとも行動の原動力となるのは、
明確で手の届くところにある実利と欲望である。
啓太は、実利と欲望をかなえる手段として特訓を位置づけた。
欲望にかられた男子達は、強いやる気を見せたのだ。
一部ルイズのように目的が違うものも居たが、熱心さに変わりはなかった。

 隣で訓練をしている連中は、ともに戦う仲間であると同時に、先に手柄を
立てられていい領地を先に取られるかもしれないライバルとなった。
ライバルに負けられない。同級生に負けたくない。
単に成績の上下という名誉問題ではなく、いい領地を早く手に入れるという
“明確で現実的な利益”を鼻先にぶら下げられた彼らの努力は…

傍から見ても鬼気迫るものとなったのだった。

 授業にも身が入るようになった。魔法の実力を高める事が領地獲得で
手柄を得るための最短手段である事を啓太が説いたからだ。
同時に、強いストレスを特訓でかけられた男子達は、
授業を簡単で楽しい時間と見るようになったのである。

彼らもまた、急速にその心身を鍛え、実力を増していった。
そして、噂を聞き新たに特訓に加わる連中は急速に増えていったのである。
啓太の夢は、多数の犬神を指揮して戦うことであった。
たった一人の犬神とともに戦うことではなく。
今啓太は、多数のメイジを指揮して戦うという、
ちょっと妥協した夢に向かって大邁進しているのであった。

141 :いぬかみっな使い魔:2008/03/29(土) 23:13:00 ID:vlxU0n7d
以上で今回の分は終了です。
支援ありがとうございましたm(_ _)m

142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:14:42 ID:7713Vh4d
いぬかみの人、乙でした。
啓太の腹黒さが実にGJでしたなw

っつか、ちょっとの妥協でそれかよとw

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:37:59 ID:wtw17nv+
いささか気が早いが藤田氏の新作をネタにする場合は
@フツーにルイズがでっかいどんぶりかぶったお姫様を召喚
Aタバサがイーヴァルディの勇者を召喚
B月打(ムーンストラック)が照らしたのは「おとぎ話世界」ではなく「ラノベ世界」だったためルイズが地球の才人に召喚。
召喚寸前に電話してたのはシャナかA君。

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:39:24 ID:fYX1FfAx
>>143
このド早漏めw

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:40:55 ID:DB7amBR9
>>143
流石に気が早すぎる。
つーか、3のはどう見ても多重クロスだな。

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:44:36 ID:29oPI4d2
>>43
とんでもない亀レスだが
そこは「ドラえもん のび太とゼロの魔法使い」じゃないか?

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/29(土) 23:53:57 ID:1cPbvDYG
いぬかみっ氏乙でした。
そう言えば、ハートマン軍曹ご本人はまだ召喚されていないなw

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 00:05:11 ID:YH+X6lei


支援待機といいつつトイレ逝ったら忘れてテレビみてたw

149 :ゼロの戦乙女 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:07:14 ID:HWNaAYuZ
様子見て視界良好なようであれば、
第六話投下したいと思います。

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 00:09:07 ID:x8qj4k1l
>>146
いかにも大長編ドラっぽい題名だw
タイトル聞いただけでワクワクしてくるよw

>>149
キャムオーン!!

151 :ゼロの戦乙女第六話1/6 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:10:48 ID:HWNaAYuZ
 しばらくして意識を取り戻したシュヴルーズは、授業の中止を宣言して小石を爆発させたルイズに教室の後片付けを命じた。
 勿論魔法を使うのを禁じてだ。
 ルイズの場合魔法を使うとほぼ必ずと言っていいほど爆発させるので、ただでさえ惨憺たる惨状に駄目押しをすることになる。
 それをよく思い知っていたルイズは、シュヴルーズの「魔法を使うな」という普通のメイジにしてみれば屈辱的な一言を大人しく受け入れた。
 シュヴルーズや生徒たちがいなくなった後に、力無い声でレナスに教室内の片付けを命じる。

『……さすがのあの子も、ちょっと堪えてるみたいねぇ』

 黙々と箒とちり取りを動かすレナスの横で、メルティーナがルイズを見ながら少し心配そうに呟く。
 ルイズは己の使い魔の仕事振りを見もせずに、無事だった机の上に座り、膝を抱えて俯いている。
 サモンサーヴァントとコントラクトサーヴァントを成功させたことで、ほんの少しだが、それでもルイズには期待と自信が芽生えていた。
 土系統の基本である錬金くらいならば自分でもできるのではないかと、ルイズは教壇に立った瞬間に希望を抱いたのだ。
 努力を惜しんだことはなかったから、幸い知識だけはそれなりにあった。
 誰よりも長く図書館に篭って勉強してきたし、授業の予習復習は毎日念入りに済ませていた。
 生徒たちは勿論、恥ずかしくて教師にも内緒だが、魔法の自主練習だってしていた。
 努力のおかげで一年次の筆記の成績は、ルイズが学年で一番だった。
その努力を嘲笑うかのように、実技の成績ではダントツのビリだった。
 だから、ルイズは努力を続けながらも、口では自分の二つ名を否定しながらも、心の中では自分が魔法を使えないことを受け入れていた。
 十年以上魔法を失敗させ続けてきたので、今更魔法が使えるようになるとも思っていなかった。
 そもそも魔法学院という閉鎖社会の中では、家柄そのものよりも魔法の腕が尊重される。
 魔法が使えないルイズは公爵家の娘でありながら、殆どの生徒に馬鹿にされてしまうのだ。
 もちろん面と向かって罵倒されるわけではない。
 実力と家柄を兼ね備えた生徒には面と向かって罵倒されることも多いが、そういう時にはルイズも虚勢を張って言い返すことができる。
 むしろルイズにとって一番辛かったのは、自分より爵位が低い家柄の生徒たちの陰口だった。
 表面上は公爵家の娘として敬っておいて、影で魔法を使えないルイズを馬鹿にする。
 実際に決定的な場面を取り押さえたことこそないが、事実そうであることをルイズは知っている。
 だから、サモンサーヴァントでレナスを召喚した時、ルイズの胸には落胆以外にも僅かではあるが安堵があった。
 これ以上『ゼロ』と言われずに済むと、ルイズは期待したのだ。
 だが、結局使い魔を召喚して最初の授業で、ルイズはいつものように魔法を失敗して爆発させた。
 抱いた希望は、大きな落胆となって再びルイズを打ちのめした。
 公爵家の娘でありながら、魔法を使えない事実がルイズの胸を締め付ける。
 努力しても駄目なのか。『ゼロ』は所詮『ゼロ』なのか。平民を召喚したのも、実技でおちこぼれだからなのか。
 まともに魔法が使えないルイズには、使い魔などただの平民で充分だとでもいうのか。
 レナスに教室を掃除させながら、ルイズはそんなことをぐるぐると考えていた。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 00:11:35 ID:u3qgUADS
無限の支援…貴様に見えるか!

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 00:12:01 ID:eA+bLZft
>>146
のび太「と」ということはサイトが別に呼ばれるんだろうな
のび太「の」はのび太が虚無の使い手になるから確かにちょっとおかしいことになるな

のび太自身が使い魔になる場合、原作にはないのび太「は」になるのか
あるいは半分黒歴史の「ぼくルイズのなんなのさ」になるのか

154 :ゼロの戦乙女第六話2/6 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:12:26 ID:HWNaAYuZ
「終わったわ」

「……ありがと」

 掃除を終えたレナスに、膝を抱えたまま小さく礼を言う。
 無表情のまま掃除用具を片付けたレナスは、ルイズに振り向いて言った。

「これからどうするの? もう昼食の時間をだけれど」

「……何も聞かないの? 私のこと」

 ルイズは赤くなった目をレナスに向ける。
 あれだけ派手に失敗した自分に何も言わないレナスが、ルイズは意外だった。
 よく考えれば、一方的に召喚して契約を結んでからは必要最低限の説明をしただけで、自分のことは何一つ教えていないのだ。
 自分が劣等生であることも告げていない。意に添わず突然召喚され、無理矢理契約させられた使い魔が黙っているとはとても思えない。
 レナスの返答は素っ気無かった。

「聞いて欲しいの?」

 問い返されて、ルイズは自分でもどうなのだろうと眉を寄せる。
 胸がもやもやして答えは出てこなかったが、今はとにかく全てを吐き出して楽になりたかった。

「……分かんない。どんなに努力しても報われないんだもの。何だか疲れちゃった」

 覇気を失って項垂れるルイズに、メルティーナが心配そうな目で見てため息をつく。

『こりゃ重症ねぇ』

 大いに同感だったが、レナスは平民の使い魔としてできることをすると決めているので、あくまで感情を排して冷静にルイズに問い掛ける。

「なら、部屋へ行く? 話を聞くくらいならするわ。そうすれば、気分だって晴れるかもしれない」

 ルイズは驚いてレナスを見上げる。
 レナスは相変わらず表情を変えなかったが、ルイズはこの時ばかりはその無表情さに感謝した。

「……うん」

 貴族である以上、他人に弱みを見せることは許されない。だが、使い魔になら別にいいだろう。
 そう心の中で言い訳をして、ルイズはレナスとの心の距離を縮めることを、自分にほんの少しだけ許すことにした。


次場面転換します

155 :ゼロの戦乙女第六話3/6 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:13:33 ID:HWNaAYuZ
 一方その頃。
 貴族に怯えるだけでなく、立ち向かうことを決めたシエスタだが、それでも日々の仕事がなくなるわけではない。
 その時も彼女は『アルヴィーズの食堂』でデザートの配膳をしていた。
 あるテーブルに差し掛かると、前の方で金髪の巻き毛の少年を中心としたグループの一人が大きな声を上げた。
 たまたまその会話がシエスタの耳に入ってくる。

「おい、ギーシュ! お前、『香水』のモンモランシーといい仲らしいが、一年生にもモーションをかけてるらしいじゃないか! どっちが本命なんだ!?」

「ははは、何を言っているんだい。薔薇は多くの女性を楽しませるために咲くものだよ。一人きりに絞ってしまったら、他の女性を悲しませてしまうじゃないか」

 配膳を続けながらシエスタは首を傾げる。
 ギーシュの答えは抽象的で分かりにくいうえに答えになっておらず、結局どちらが本命なのかさっぱり分からない。

(まあ、どちらにしろ平民の私には関係のない話ですよね)

 シエスタはさっさと自己完結してケーキの配膳を続ける。
 その途中でギーシュのポケットから香水のビンが落ちたので、シエスタは持ち前の真面目さから、そのビンを拾ってギーシュに差し出した。

「落としましたよ」

 何故かシエスタは無視された。
 ちょっとムッとしながらも、もしかして聞こえなかったのかと思い、心持ち声を大きくする。

「貴族さま。落としましたよ」

 さすがにこれは無視できないのか、ギーシュはシエスタに振り向く。

「何のことだい? それは僕のではないよ」

 予想外の返答にシエスタは混乱した。
 ギーシュのポケットから香水のビンが落ちるのを確かにシエスタは目撃している。目の前で落ちたのだから見間違えるわけがない。

「おい、その紫色の香水は、『香水』のモンモランシーが調合したものじゃないか!?」

「彼女から個人的に香水を貰っているってことは、ギーシュの本命はモンモランシか!」

 シエスタが目を白黒させているうちに、差し出されたビンに気付いた周りの男子生徒たちが叫び始める。
 違うテーブルに座っていた茶色のマントを来た女子生徒がショックを受けた顔で近寄ってきた。

156 :ゼロの戦乙女第六話4/6 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:14:22 ID:HWNaAYuZ
「酷いです、ギーシュさま。この前二人きりになった時は、誰とも付き合っていないと仰っていたではないですか」

「違うんだよ、ケティ。泣かないでおくれ、これには深い訳が……」

 ギーシュはしどろもどろになって言い訳するが、ケティはポロポロと涙を零して叫ぶ。

「その香水をギーシュさまが持っていたことが何よりの証拠ですわ! さようなら!」

 最後にギーシュの左頬に思い切り平手打ちをすると、ケティは顔を押さえて食堂を出ていってしまった。

「ああ、ケティ……!」

 張られた頬を押さえて呆然とするギーシュに、長い金髪を縦ロールにした女子生徒が憤然とした表情で近寄ってくる。

「まさかとは思ってたけど、本当に一年生に手を出していたなんて!」

 あまりの剣幕にギーシュはだらだらと脂汗を流した。

「ま、待ってくれモンモランシー。彼女とはラ・ロシェールの近くまで遠乗りに行っただけで……」

「言い訳は結構! あなたの顔は金輪際見たくないわ! 最低よ!」

 ギーシュの弁解をピシャリと遮ると、モンモランシーはケティとは反対側の右頬に平手打ちし、肩を怒らせて去っていく。
 両頬を真っ赤な紅葉型に腫らせたギーシュは、我に返ると足を組んでキザったらしく呟いた。

「彼女達は、薔薇の意味が分からないらしいね」

 かなり間抜けな光景だったが、シエスタは自分の行動が結果的に大事になってしまい、顔を真っ青にしていた。
 貴族に立ち向かおうとあれほど決意していたというのに、身体はガタガタと震えが止まらなかった。

「ところで、そこのメイド」

 シエスタがびくりと身体を震わせ、怯えた顔で慌ててギーシュに向き直る。
 腕と膝を組んだギーシュは尊大な表情でシエスタを見上げ、嫌味な口調で尋ねた。

「君のせいで二人のレディの面子が傷付いてしまった。どうしてくれるんだい?」

 誰がどうみても悪いのは二股をかけたギーシュで、たまたまビンを拾っただけのシエスタには何の非も無い。
 だが、平民のためにわざわざ助けに入るような奇特な人物は、生憎食堂内にはいない。

157 :ゼロの戦乙女第六話4/6 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:15:04 ID:HWNaAYuZ
「とは言っても、僕は悪人じゃない。平民の君でも、この場に這いつくばって土下座するというのなら許してあげよう」

 屈辱的なギーシュの要求に、シエスタは強く歯を噛み締める。
 あまりにも理不尽だった。大勢の人間が集まっている中で、土下座なんてしたくなかった。
 だが、これが貴族と平民の差だった。
 生まれついた身分格差は絶対に覆らず、弱者に生まれてしまったシエスタは強者に生まれついたギーシュに絶対に勝てない。
 改めてそれを思い知らされたシエスタは、長年染み付いた平民の習性で命じられた通りに身体を動かそうとする。

「……ぃ……ゃ……」

 シエスタは打ち破るべき悪習に全力で抗いながら、掠れた声で呟いた。
 もっと不味いことになると分かっていても、シエスタは非のないことで貴族に従いたくはなかった。
 誰にも理解されなくても、たった一人でも貴族の理不尽に立ち向かうと決めたのだ。
 ただの平民であっても、これからの人生を悔いの無いように駆け抜けると決めたのだ。
 その誓いを違えることだけは、絶対にしたくなかった。

「……嫌です!!!!」

 その絶叫は、食堂のざわめきを一瞬でかき消した。
 遠くにいたモンモランシーと、つまらなさそうな顔で騒動を眺めていたキュルケがびっくりしてシエスタを見た。
 我関せずとはしばみ草のサラダを食べていたタバサが、シエスタの絶叫に驚いてはしばみ草を咽喉に詰まらせた。
 厨房に戻ってこないシエスタを心配して様子を見にきたマルトーが、唖然として我を失った。
 教員席ではらはらしながら事態を窺っていた教師たちを含め、騒動に注目していた全員が一斉に驚愕の表情でシエスタを見た。
 勿論、シエスタの心情を理解している者など一人もいない。
 貴族である生徒や教師は勿論、同じ平民であるはずのマルトーや給仕たちまで、信じられないという顔をしている。

「馬鹿野郎、何考えてやがる! 今すぐ土下座でも何でもして謝っちまえ!」

 いち早く我に返ったマルトーが、物凄い形相で近付いてきてシエスタの頬を食堂中に音が響き渡るほど強く張り飛ばした。
 マルトーは呆気に取られているギーシュに向き直ると、愛想笑いを浮かべてペコペコと頭を下げる。

「すいません、貴族様。この馬鹿にはよく言い付けておきますから、ここは何とぞご容赦を。何なら代わりに土下座もしますんで」

 頬を張られて床に倒れたシエスタは、みるみるうちに真っ赤に晴れ上がった頬を押さえ、信じられないものを見る表情でマルトーを見る。
 食堂中の注目が集まっていることにようやく気付いたギーシュは、キザな仕草で前髪をかきあげると、気取った表情で言った。

158 :ゼロの戦乙女第六話6/6 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:16:04 ID:HWNaAYuZ
「それはできないよ、コックくん。だけど、僕は紳士だ。メイドにはもう一度チャンスをあげようじゃないか」

「はいっ! 分かりやした! ほらっ、シエスタ、貴族様の気が変わらないうちにさっさと土下座しろ!」

 土下座を強要するマルトーに、シエスタは裏切られた気分になった。
 いつも厨房で貴族に対する愚痴をぶちまけるのは、マルトーが一番多いのだ。
 だから貴族に対して大きな不満を持っていると思っていたのに、マルトーは媚びへつらうように貴族に追従している。
 食堂の中に大勢の人間がいても、その中でシエスタは独りぼっちだった。
 おそらく、マルトーにはシエスタの行動が何の意味も持たないと分かっている。
 反発したところで、何の力もないシエスタではギーシュの考えを改めさせることはできない。
 シエスタを手酷く扱ったのも、先にその光景を見せて貴族の怒りを少しでも削ごうという、マルトーなりの思いやりなのだろう。
 流された方が楽には違いないけれど、それでは駄目なのだ。
 食堂の中に、シエスタの決意の意味を理解できる人間はいない。シエスタが抱く思いは、きっと誰にも分かってもらえない。
 シエスタ自身だって、レナスと出会っていなければ、係わり合いになることすら恐れたはずだ。
 貴族に逆らうなど、あまりにも危険すぎる考えだ。それを掲げる人生は、綱渡りの上に綱渡りを重ねるような生き方だ。
 その果てに待っているものなど、自己満足意外何も有りはしない。
 でも、シエスタはそれで満足だった。その道を貫いた先に自己満足があるのなら、それこそシエスタの本望だった。

(だって、私みたいな平民でも誇りを残せるのだと、ヴァルキュリアさまが教えてくれた)

 床についたシエスタの手が硬く握り締められる。
 ここで負けてはいけない。今までのように理不尽にまで服従するのではなく、敢然と反旗を翻すのだ。
 貴族に歯向かうのは怖いし、現に今も土下座したくなる気持ちを押さえ付けるのに必死になっている。
 残されるであろう家族や親類のことを考えると、決意も途端に鈍りそうになってしまう。
 だが、立ち上がる時は今しかない。今を逃しては、様々な柵に捕われて、シエスタは二度と立てなくなるだろう。

(──やってみせる!)

 重大な決断がなされた。
 意思を酌んだ身体が、力を振り絞って動き出す。頬を張られた衝撃で膝が笑っていても、身体は今までの強張りが嘘のように動く。
 頬を腫らせ、目じりには涙が浮かんでいても、しっかりと両足は床を踏みしめてくれる。
 シエスタの決意に、彼女の身体は答えてくれた。
 今にも腰が抜けそうなくらい身体は震えているけれど、土下座するのではななく、確かにシエスタは立ち上がることができた。
 油断すればすぐにでも膝から崩れ落ちそうになる身体を叱咤して、シエスタは真っ直ぐにギーシュを睨みつける。

「嫌です。何の非もないのに、そんなことはできません」

 今度こそ、食堂中が凍りついた。

159 :ゼロの戦乙女 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:18:47 ID:HWNaAYuZ
以上、第六話終了です。
途中5/6のタイトルを間違えて4/6にしてしまいましたorz



160 :ゼロの戦乙女 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/30(日) 00:20:32 ID:HWNaAYuZ
うっかり忘れていたので追記します。
支援ありがとうございました。

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 00:21:48 ID:1u0LM/yC
乙!&GJ!

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 00:54:21 ID:VfWe/rQd
投稿乙。

一人反逆者なシエスタみてたら、
卒業式で生徒9割が国歌斉唱を拒否、一人だけが立ち上がって歌った、
ってニュースを思い出した。
第三者の現代日本人からすれば、一人の正しい勇気ある者なんだけど、
その場の状況だとか周囲の環境とかを考えると、
そのときの勇気が正しいものだったか、判断に苦しむ。

163 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 01:06:47 ID:VDBBghUI
戦乙女の人乙!
シエスタに志望フラグが・・・次回を楽しみにしてます!

しかしVP3人組の声が脳内で完璧に再生されてしまうあたり、
会話文の再現力高いNE!

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 01:41:26 ID:dxaXIVsa
>>143
早すぎるぜ!
月光がもう少し設定とかわかって展開や世界観が理解できてきたら
何か書こうと思ってるのはお前だけじゃないぜよ。

165 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 01:41:42 ID:o89QyStj
皆様お久しぶりでございます。
色々と立て込んでいて間が空いてしまいましたが、50分頃から15話投下したいと思います。

166 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 01:47:35 ID:dxaXIVsa
支援

167 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 01:50:29 ID:o89QyStj
投下開始いたします

イザベラ管理人第15話:エルザとお兄ちゃんのドキドキ深夜デート♪


リュティスの中州を挟んで北東側にある地域は、市立劇場を中心に四方に繁華街が広がっている。
その中でも、ベルクート街と呼ばれる通りは高級店が並ぶ貴族や上級市民のための場所であった。
日も落ちた頃、そこを歩くのは食事を終え、眠るまでの間を”文化的に”過ごす目的の貴族たちが多かったが…その中に明らかに浮いている二人組みがいた。
一人は190aを越える長身に珍しい黒髪、顔立ちも通りを歩く貴族たちとは単なる個性で片付けるには難しいほどに作りが違う。
身を包むタキシードは一目でわかるほどに上等の材質でできており、彼が富裕層であることを示している。
だが、それらを台無しにするものが二つ、彼にはあった。
一つは、布に包まれた長大な棒を持っていることだ。杖なのかもしれないが、タキシードとのミスマッチが甚だしい。
二つ目は…優雅さがないのである。歩き方一つ、身のこなし一つとっても、貴族とは言いがたい。平民が無理をしているようにしか見えない。
差し詰め、成り上がりの外国の商人が背伸びをしてみた…といったところか。
しかし、浮いている理由はそれだけではなかった。彼の連れが最大の理由だ。
背の高い男の腕にぶら下がるように掴まり、見るからにご機嫌に鼻歌など歌って笑顔を浮かべる5歳ほどの少女。
こちらは朴訥な印象が抜けない男とは対照的に、華のような魅力を振りまいていた。
美しく波打つ金の髪をポニーテールに結わえ、おそらく特注で作ったであろう上質な絹を用いた清楚な印象の黒のドレスに身を包んでいる。
装飾品も多くはない。せいぜいが金のネックレスとイヤリングをしている程度だ。
だが、それだけで彼女はこの貴族が集うベルクート街において、誰もが振り向かずにはいられないほどの輝きを放っていた。
加えて、彼女の『世界中で一番幸せ』とでも言いたげな満面の笑顔が少女特有の無邪気さ、無垢さを付加させており、ともすれば近づきがたいほどの輝きを微笑ましいものに変化させていた。
柔和な笑顔を浮かべる父と、お出かけを喜ぶ娘…というには、二人は様々な面で違いすぎた。
周囲から奇異の目で見られるのも致し方なかろうというものだ。
さて、この二人組みが誰かというと…当然のことながら、生まれながらの小市民である槙原耕介と、金色の吸血鬼エルザである。
「♪〜♪♪〜〜」
相変わらずエルザは鼻歌を歌いながら、耕介の腕を中心にくるりと回転したり、嬉しさを表現することに余念がない。
彼女がこんなにもご機嫌なのにはもちろん理由がある。何故ならば、耕介と二人きりでお出かけであるからだ。
宮殿ではいつもあの憎きおでこ姫がそばにくっついている上に威嚇してくるせいで、あまりアプローチができない。
夜は夜で、耕介は規則正しい日常を送っているせいであまり遅くまで付き合わせることもできない。
ベッドに潜り込んで色々する…というのも考えはしたが、耕介の普段の態度から察するにエルザの体には興味がないだろう。
無理やり迫ったところで逆効果。もう少し体が成長していたらまた違ったのかもしれないが。
エルザの『お兄ちゃんを虜にしちゃうゾ☆大作戦』は難航していた。
そんなある日、降って湧いたようにこのチャンスはやってきたのである。
ことの始まりはこうであった。


「あーもう!貴族って奴はどうしてこう外面ばっかり…!」
苛立たしげに叫んでテーブルに書類を叩きつけたのは、その貴族の中でも最上位に位置するガリア国の第一王女イザベラである。
彼女はもはや日課となった書斎での食事と北花壇騎士団の書類整理、任務の割り振りを行っていた。
その傍らにはやはり耕介がおり、今は絵本ではなくイザベラが使っていたという教科書を広げている。
さらにその膝にはエルザが座り、耕介の作ったベーグルサンドを幸せそうに食べていた。
書斎は本に日光を当てないために窓が少なく作られているので、エルザも耕介にくっついてくることが多くなっているのだ。
「おっと…今度はどうしたんだ、イザベラ」
イザベラがテーブルを叩いたことではねたスプーンを素早くキャッチした耕介が苦笑しながら聞いた。
まずイザベラは紅茶を飲み干し、1度深呼吸をしてから答えた。
「本当にくだらないよ。最近、ベルクート街に賭博場ができてね、欲に目が眩んだ貴族どもから派手に金を巻き上げてるそうだ。その賭博場を潰してほしいとさ」
耕介が今の言葉を理解できずキョトンとしていると、答えは下から返ってきた。
「あはは、貴族のプライドってことだね。権力で潰しちゃったら、お金取られた貴族の人たちは面目丸潰れ。だから北花壇騎士の出番なんだね〜」

168 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 01:53:17 ID:o89QyStj
「え、でも、賭けは運だろ?運が悪かったってだけで、別に恥にはならないんじゃないか?それをわざわざ潰そうって…」
耕介の心底不思議そうな声に、エルザは手についたパンくずを払って向きを変え、暖を求める猫のように抱きついた。
「お兄ちゃんってやっぱりいい人だよね〜。でもね、貴族様ってプライドがすっごく大事なんだよ。だから賭け事に負けてお金取られたなんて事実自体嫌なの。それなら賭け事自体やらなきゃいいのにね〜。
 それで、その賭博場はイカサマやってるだろうからそれを暴いて、負けたのは相手が卑怯だったからだ!って免罪符がほしいんだよぉ。ついでにお金も取り戻せて一石二鳥!」
「エルザ、離れな!例えイカサマじゃなかったとしても、証拠を捏造してでも取り潰してほしいんだろうね」
この任務の意味を理解した耕介は、苦笑を浮かべるしかなかった。ちなみにエルザはイザベラの言葉など華麗にスルーしている。
確かに賭け事に負けたのは外面が悪いかもしれないが、その取り潰しを北花壇騎士団に依頼するとは、少々行き過ぎだろう。
「ま、でも確かに怪しいかもね、その賭博場。最近できたってのに金回りが良すぎる。最低が金貨1枚からっていう高レートなのもあるけど、でかい勝負には必ず店側が勝ってるらしい」
店側の不自然なほどの勝率の高さは確かに怪しい。だが、誰もそのイカサマを見抜けなかったのだから、かなり巧妙な手口を使っているのだろう。
そのイカサマを暴くとなると、単に戦闘能力が高いだけでは任せるわけにいかない。
イザベラが書類を睨みながら難しい顔をして唸っていると、エルザが突然口を開いた。
「そうだ!ねぇイザベラ、そのお仕事エルザがやる!」
数秒、書斎に沈黙が降りた。
最初に口を開いたのはイザベラであった。
「…あんたが…いくって…?」
「うん」
「賭け事…やったことあるのかい?」
「ないよ!」
エルザの笑顔の断言に、ついにイザベラの何かが切れる音を耕介は聞いた…気がした。
「バカも休み休み言いな、賭けってのは運と駆け引きを楽しむ大人の嗜み、お子ちゃまに出番はないんだよ!」
一息で言い切ったイザベラは目撃した。エルザの満面の笑顔がニヤァ…と変化していくのを。
イザベラはエルザに乗せられていたと気づいたが、後の祭りである。
「うふふ、何言ってるの?エルザが一番大人じゃない?」
「ぐ…!」
そう、彼女は吸血鬼。見た目は5歳程度だが、実際はその10倍以上を生きているのだ。
しかも人間に気取られぬように30年を一人で生き抜いた、この中で最も人生経験豊富な”大人”なのだ。
「それにね、イカサマを暴くのが目的なんでしょ?なら、相手がイカサマを使うような状況に追い込まなきゃいけない。ほら、やっぱりエルザが適任だよ」
「な、なんであんたが適任になるんだい」
イザベラは反射的に反駁したが、その理由などわかっていた。
「忘れたの?エルザは吸血鬼だよ?それに、嘘を見抜くのは慣れてるもの」
エルザは30年間、ずっと人間を観察して生きてきたのだ。そうでなければ生き残ることなどできなかった。
しかも吸血鬼、彼女の言う通り、この任務に最も適した人物だ。
だが、やはりイザベラは反論せざるを得なかった。
「だからって、あんただけで賭場に入れるわけないだろ、却下だ却下!」
こうなることがわかっていたからだ。
「エルザは最初からお兄ちゃんと一緒に行くつもりよ?貴族か商人の親娘って触れ込みにすればいい話じゃない」
「まぁ、そうなるか。俺は別にかまわないけど」
エルザが動くなら、耕介を連れて行こうとするのは火を見るより明らかだからだ。耕介が断るわけもない。
しかも今回はイザベラが共に行くわけにはいかない。賭場に王女が現れるなど、相手に警戒してくださいと言っているようなものだ。
《フェイスチェンジ》を使うのも考えたが、魔法に対する備えが賭場にないわけがない。
あらゆる要素がエルザが適任だと示している。
だが、承服できないのだ。
「コースケはあたしの使い魔だよ!あんたには他の騎士をつける!」
「そんなのダ〜メ。エルザはお兄ちゃんと一緒じゃなきゃイ・ヤ☆」
この幼女を装った危険極まりない妖魔と自分の使い魔を二人きりにするなど、いったい何が起こるかわかったものではない!
あどけない…だが、目を見れば蛇のような光を放っているエルザと、怒髪天を突いたイザベラの視線が衝突し、火花を散らす。
しかし、この勝負の行方は決まっているのである。
「あー二人とも、とりあえず落ち着くんだ。イザベラ、俺はついていくのはかまわないよ。エルザ、睨むのはやめなさい」

169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 01:54:48 ID:gNAp9EZq
支援

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 01:55:10 ID:Jk8uYwrg
呼んでて鳥肌が立ったよ

171 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 01:55:49 ID:o89QyStj
耕介にエルザの同伴を断る理由がないのだ。加えて、イザベラが耕介を行かせたくない理由など気づくわけもない。
エルザを危険視しているのはイザベラだけなのである。
「わーい、お兄ちゃんとお出かけ〜♪」
エルザはますますご機嫌になり、耕介に強く抱きつく。
耕介は右手でエルザの頭を撫でつつ、左手だけでポットからイザベラのカップに紅茶を淹れて差し出した。
飲んで落ち着けということなのだろうが…イザベラの視界にカップなど入っていなかった。
「ぐ…ぐぐぐ……!わかった、わかったよ!エルザ!その代わり、必ずイカサマを暴いてくるんだよ!失敗した、なんて認めないからね!」
ついに観念したイザベラは半ばヤケでエルザに言葉を叩きつけ、目の前にあったカップを引っつかんで中身を飲み干した。
「うふふ〜。じゃ、お兄ちゃん、いこ!貴族に成りすますんだから色々準備しないとね!イザベラ、ちゃんと偽の身分用意してね!」
「あ、エルザ引っ張るなって!イザベラ、悪い、また後で!」
イザベラの言質を取ったエルザは跳ねるように耕介の膝を降りると、その手をとって駆け出していった。
一瞬だけイザベラを見た時の表情は…勝者の余裕に満ちていた。
二人が出て行き、扉が閉まる。
その扉をイザベラは恨めしげに見つめ…爆発した。
「あーーーむかつくーーーー!あんのヒル娘め…!」
頭をガシガシとかきむしり、やり場のない苛立ちに悶える。その姿はどう控えめに見ても貴族には見えない。
「コースケもコースケだ、いつもいつもエルザのなすがままになりやがって…あたしだって、たまには………う!?」
何を想像したのか、イザベラの顔が熟れたリンゴのように真っ赤に染まる。
そのまま一時停止し…数秒後再び爆発した。
「うぁーあたしゃ何考えてんだ!」
イザベラの百面相を見た者は残念ながら誰も…いや、いた。
悶えていたイザベラの耳にコツコツコツと窓を叩く音が聞こえたのだ。
それが人であったならばイザベラはすぐさま口封じに動いたであろうが、今回は違った。
傍らの杖を取ると、《念力》で窓を開けてやる。
そこから入ってきたのは一羽の梟であった。
イザベラが伝令に使っているガーゴイルだ。
足にくくりつけられていた手紙はタバサからであり…内容は信じがたいものであった。
「…ハァ?アルビオンに行くぅ?あそこは今内戦の真っ只中だろうに!いったい何やってんだい…」
如何なる神秘かは解明されていないが、ハルケギニアには空に浮かぶ大陸がある。
その大陸を領土とする国がアルビオン、始祖から与えられた三つの王権の一つだ。
だが、その王権はレコン・キスタと呼ばれる貴族の連合軍による反乱で滅亡の憂き目にあおうとしていた。
今ではもはや王権側は一城に立てこもるのみである。
タバサはそのアルビオンに向かう旨を手紙でよこしてきたのだ。
理由は書かれていないからその真意を知ることはできないが、なんにせよ危険に飛び込んでいることには変わりがない。
だが、イザベラにとっては更なる驚愕に値する事実がそこには書かれていた。
「……え?コースケと同じ国から召喚された奴が……いる……?」
そこには、とあるメイジの使い魔として召喚された少年が耕介と同じ国の出身であり、近々二人を会わせてやりたいと記されていた。
その意味を認識したイザベラは、蒼白な顔で我知らず自分の体を抱きしめていた。
「コー……スケ……」


かくしてこの不釣合いな二人組みが誕生したのである。
「いらっしゃいませ、お客様。本日は何をお探しでしょう?」
二人がやってきたのは一軒の宝石店であった。
「わ、綺麗!」
エルザは《錬金》で作られたと思しき一体型のガラスケースに収められた宝石類を興味津々に見つめている。
やはり美しいものは万国共通、種族も超えて少女の目を惹きつけるのだ。
一方の耕介は、エルザを置いていかない程度に先行し、目的の物を探していた。
「あぁ、あった。これをもらえるかな」
「凄い、こんな大きなダイアモンド初めて見た!」
耕介が指したのは、店内でも一際美しく飾り立てられたショーケースに収められた大きなブルーダイアモンドであった。
エルザは一目でその輝きに目を奪われている。
二人が入店してから、エルザに宝石の解説などをしてくれていた店員が耕介の言葉に反応し、そばにやってきた。
「お客様、失礼とは存じますが、このブルーダイアモンドは売り物ではございません」
なるほど、店の格を示すための宣伝用なのだろう。だが、耕介は折れなかった。

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 01:56:55 ID:dxaXIVsa
siemm

173 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 01:57:25 ID:o89QyStj
「そう言わず、売ってくれないかな。娘も喜んでいるし」
店員の目がわずかに細められる。
「大変珍しい品でして、二千万エキューはいたしますが…」
まさしく法外な値段、金持ちで有名な大貴族の総資産にさえ匹敵する値段だ。
だが、耕介はにっこり微笑むと頷いた。
「それでいいよ、買った」
「それでは、手付け金をいただけますか?」
店員の言葉に応え、耕介はその手に銅貨を3枚渡す。
ありえない額ではあったが…店員は恭しく一礼した。
「確かに。それではこちらへどうぞ…あぁ、お嬢様はいかがいたしましょう?」
「一緒にいくよ。聞き分けのいい娘だから大丈夫」
カーテンで仕切られた奥の間へと先導しつつ、店員は顔をしかめた。
この先へこんな年端も行かぬ娘を連れて行こうとは、この客は何を考えているのか。
だが、”合図”を知っている客を相手に下手なことを言うわけにはいかない。
店員は大きな棚の横に垂れ下がった紐を引っ張った。すると、棚が横にずれ、扉が現れる。
客へと振り向いた店員は既に完璧な営業スマイルを浮かべていた。
「どうぞ、お客様。ごゆっくりお楽しみを」

「地下の社交場、”天国”へようこそ!」
入り口で御架月を預け、そこに足を踏み入れた二人を待っていたのは、舞い踊る光と喧騒、酒と煙草の匂いだった。
客が現れたことを知ったきわどい衣装の女性が耕介にしなだれかかる。
「いらっしゃいませ、素敵なお客様!是非、私と一緒にこの”天国”を楽しみましょう!」
女性はこの”金づる”からどうやって様々なものを引き出そうかと考えていたが…不意に視線を感じた。
反射的に下を向くと、そこには5歳ほどの金髪の少女。
客が長身だったせいで今の今まで気づいていなかったが、こんな賭場にいること自体がおかしい…だが、客の腕に掴まっている以上、その連れなのだろう。
まさか子連れで賭場にやってくる者がいようとは。
女性は好奇心で少女に話しかけようとし、それを後悔することになった。
「ヒィッ!」
こちらをじっと見つめるその目を認識してしまったのだ。
輝くような金髪に注意が向いて気づかなかったが…既に彼女は理解していた。
この背筋を駆け抜け、体中が凍傷にかかったような寒気は…この少女が原因だ。
何故かはわからない。そもそも理性ではありえないとわかっている。
だが、生物としての本能の部分で理解していた。これ以上、ここにいては”命がない”と。
「すまない、連れがいるんだ」
耕介の言葉を渡りに船とばかりに女性は慌てて離れていった。
とりあえず女性を追い払った耕介は、まずはいったいどんなゲームをやっているのかを観察することにした。
サイコロ、カード、ルーレット…耕介の知る物に似た遊具を使っているが、ゲームのルール自体は馴染みがない。
イザベラが事前に手に入れていた情報で、知識としてならばルールは頭に叩き込んである…だが、やはりそれだけでいきなり乗り込むのは危険すぎる。
軍資金としてイザベラから渡された金貨をチップに交換し、ゲームに興じる貴族たちを観察する。
さて、一見冷静に振舞っている耕介であったが、その内心は冷静とは程遠かった。
(うーん…慣れないなぁ…)
彼は、一言で言うなら小市民である。
家事は全て自分でするし、料理は財布と料理人としての技能と好奇心を照らし合わせて、安く、しかし美味く作る。
昔も今も、根っから大金とは縁がない、一般人だ。
別に必要がなかったからそれで良かったのだ。故に、賭け事などせいぜい学生時代の戯れ程度の経験しかない。
なにやらエルザが自信満々に任せておけとは言っていたから基本的に彼女に任せるつもりではあるが、この賭場の雰囲気だけで疲れてしまうのだ。
加えて、慣れないタキシードに富裕層の真似事…既に精神的にかなりキている。
「さて、いこうか、エルザ」
「うん、父様!」
だが、引き受けた以上は退くわけにはいかない。
まずはエルザとの打ち合わせ通り、サイコロ博打。
三つのサイコロを振り、出た目を当てる単純なゲームだ。
「あちゃ…ダメか」
まずは数回やってみたが…耕介に博打運がないのか、最初に1度当てたのみで、後は負けが続いていた。
次はどう張ろうかと耕介が思案していると、エルザが袖を引っ張り、小声で囁いた。
「うふふ…準備いいよ」
エルザの秘策が準備できたらしい。
それがなんなのかは教えてくれなかったが、エルザは相当な自信を持っているらしく、必ず勝てると断言していた。
耕介は今まで通り適当に張り…ディーラーがサイコロを振った。
三つのサイコロが台に落ちようとする時…耕介の耳にかすかに言葉が届いた。

174 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 01:59:12 ID:o89QyStj
「森に連なる者たちよ、我が声に耳を傾けよ」
その声は小さすぎて耕介にしか聞こえなかったし、他人に聞かれたとしてもその意味を解することはできなかっただろう。
だが、”人間”以外の存在には確かな声となって届いていた。
「なるほど…秘策、ね」
耕介は苦笑するしかない。
サイコロが台に着地した瞬間、ほんの一瞬だけ台の形状が変化したのだ。
それにより、サイコロの目が操作され、見事に耕介が賭けた目を示した。
「父様、当たったよ!」
エルザは輝くような笑顔で歓声を上げる。
さすがは海千山千の吸血鬼、と言ったところか。まさか彼女が魔法をかけて目を操作したと気づける者などいようはずがない。
そこからはまさに濡れ手に粟という格言通りだった。
「やった、父様また当たり!」
ディーラーや客の目を盗んで表面を微妙に隆起させたり、台自体をわずかに傾けたり…エルザは誰にもばれないように巧妙に耕介の賭けた目を出していく。
今なら耕介にも理解できる。イザベラも、エルザ自身も、エルザが適任だと言っていたわけが。
精霊の力を操るエルザは自然物を加工した物も操ることができるのだ。
そして、誰の目にも留まらぬよう自然に賽の目を操作する技術。
いずれも人間の機微に精通し、精霊の力を操れる吸血鬼であるエルザにしかできない芸当。
確かにこれでは負けようがない。
イカサマをしている引け目は感じるし、全てエルザの力であることもわかっているが、耕介は段々と気が大きくなってきていることを自覚していた。
「じゃぁ、今度はこれに全額賭けるよ」
既に数千エキューに達しているチップを全額一点張りする耕介に周囲から歓声が上がる。
悪目立ちする子連れの男が勝ちまくっているのだ、集まるギャラリーも一気に膨れ上がっていた。
耕介の相手をするシューターは顔を蒼白にし、表情も引きつらせて、哀れなほどだ。
サイコロが再び台に落ち…
「おぉぉぉー!」
ギャラリーからはさらに大きな歓声が上がり、シューターはがっくりと肩を落とした。
サイコロの目は過たず、耕介の賭けた目を示していたのだ。
「父様すごーい!」
仕掛け人であるエルザが、そんなことは露とも感じさせずに耕介の腕にぶら下がって喜びを表現する。
だが、二つ隣の台から賭場の雰囲気をぶち壊す…いや、ある意味賭場らしい叫びが聞こえてきた。
「イカサマだ!このワシにこんな真似をして、ただで済むと思っているのか!」
マントを羽織った貴族と思しき中年の男が怒りもあらわに台にカードを叩きつけていた。
すぐに従業員らしき太った男が駆けつける。貴族は、男にイカサマなどありえないと論破され、憤懣やるかたないといった風情で去っていった。
男が自信満々に言い切っていたことから、おそらく本当にイカサマをしていないか、絶対に見破られることはないと考えているのだろう。
やはり、この任務は一筋縄ではいかないな、と耕介が考えた時、先ほどの貴族が戻ってきた。
「この平民風情が…貴族をナメおって!」
入り口で預けた杖を取り返し、報復をするつもりらしい。
全くもって見苦しい姿だが、それだけにその殺意は本物だ。
杖の先から一抱えもあるほどの火の玉が現れ、解き放たれた。
距離がある上に御架月を持たない耕介にはどうすることもできない。
火の玉は男へと直進し…だが、捉えることなく、壁へと直撃した。
疾風のように現れた影が男をさらっていったのだ。
「貴様ぁ!」
魔法を避けられた貴族はさらに激昂し、続けて魔法を放とうと詠唱を開始する。
だが、そんなものよりも影の方が圧倒的に早かった。
耕介も目を見張る速度で男から離れた影は、そのままの速度で貴族の懐に飛び込み、左腕を振り上げた。
次の瞬間、半分になった杖が地面に転がった。
果たして、その閃きを捉えられた者がこの場に何人いたことか。
影はいつの間にか左手に短剣を握っており、それで貴族の杖を斬り飛ばしたのだ。
「な…なん…だと…」
「お客様、この場は魔法を禁止させていただいております」
慇懃無礼に影…耕介に迫るほどの長身で細身の優男が一礼した。
平民の客たちは貴族をやり込めた優男に惜しみない拍手を送っているが…耕介は穏やかではいられない。
もしかしたら、あの優男とやりあわねばならないかもしれない。
だが、とりあえずはゲームを続行しなければならない。まずは店側をイカサマをせざるを得ないほどに追い詰めねばならないのだから。
その後も耕介の確定された快進撃は続き、シューターが二人入れ替わっても勢いが衰えることはなかった。

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:00:54 ID:gNAp9EZq
支援

176 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 02:02:20 ID:o89QyStj
チップは既に5万エキューに達しており、ここまで勝ち続ける耕介に店側も不審がっているだろうが…エルザの工作がばれるわけもない。
そして、その人物は耕介がもう一つ桁を上げた時にやってきた。
「こ、これは旦那様、大勝でございますな…さて、夜も更けてまいりましたが…」
先の貴族を論破した男であった。男はこの賭博場の支配人ギルモアと名乗った。でっぷりと太り…しかし、眼光は鋭い、どう控えめに見ても油断ならない男だ。
これほどの大金を勝ち逃げされては困る、と言外に匂わせる言葉に、耕介はやっとこの胃が縮むような賭けが終わったことを知った。
「ああ、続けるよ」
「それでは旦那様、そろそろ小さな賭け額にも飽きた頃合ではありませんか?旦那様さえよろしければ、更なる興奮をお約束できるゲームをご用意しますが」
「頼むよ」
耕介の快諾にギルモアは顔をほころばせ、恭しく一礼した。
「それでは、お席をご用意させていただきます」
だが、そこに水を差す者がいた。
「ねぇ父様、エルザ疲れちゃった」
エルザが耕介の袖を引っ張り、駄々をこねだしたのだ。
だが、言葉に隠された真意を耕介は過たず感じ取っていた。
「すまないけど、娘もこう言ってることだし、休ませてくれないか?」
「かしこまりました、旦那様」

二人が案内されたのは、豪奢なベッドなどの毒々しささえ感じるほどに豪華に飾り立てられた別室だった。
「ふぅー疲れたぁ…」
体がどこまでも沈みこみそうなほどにふわふわのベッドに沈み込み、耕介はやっと気を抜いた。
繰り返すが、彼は小市民なのだ。加えて、王宮で生活しているとはいえ、リュティスで情報収集などもしているので物の価値もある程度わかっている。
今日耕介が稼いだ額は、まさしく彼にとって天文学的な数字。そんなものを担保に賭けをするなど、精神衛生に悪いことこの上ない。
勝ち始めた当初こそ気が大きくもなったが、桁が上がっていくにつれ、そんなものは虚空の彼方に消えてしまっていた。
もちろんエルザを信頼していないわけではないが、やはり大金を扱うという事実自体が耕介にとっては現実味がないことなので致し方ないだろう。
「えへへ、エルザの言った通り、勝てたでしょ?このお金もって逃げちゃおっか!」
エルザが耕介の胸にダイビングし、おそらくは半ば以上本気の冗談を言った。
柔らかくエルザを受け止め、耕介は苦笑するしかない。
「これは仕事なんだからダメだって。それに、こんな大金持ってると思うと気が休まらない」
いかにも小市民らしい言葉である。
「えーお兄ちゃんのためならエルザ、これくらいいつでも稼いであげるよ?」
「そんなのはダーメ、自分の生きる分程度は稼げるんだから、自分でしないとな」
エルザの頭を撫でながら他愛ない会話をするが、耕介の頭は別のことを考えていた。
先ほどまでのシューターの動きを思い出すが、イカサマをしているようなそぶりはなかった。やはりあの場ではイカサマはしていないと見るべきだろう。
おそらく、仕掛けられるとしたら次の勝負だろうが…先ほどの貴族の一件からも、店側はよほど巧妙にイカサマを仕掛けていると見ていい。
果たして見破ることができるのか…不安は拭えない。
その時、耕介に頭を撫でられてご満悦だったエルザが不意に顔を上げてきょろきょろと辺りを見回し始めた。
「どうした、エルザ?」
「何か…動物の鳴き声みたいなのが聞こえた気がしたんだけど…」
考え事をしていたとはいえ、耕介も戦士の端くれ。異質な音がすれば間違いなく反応する。
だが、耕介には動物の鳴き声など聞こえなかった。
「賭場に動物…なんだろう、ここに来てる貴族のペットかなにかって可能性もあるけど…」
エルザ自身、かすかに聞こえただけで、空耳と言われても仕方がないことだ。
エルザは思考の半分を鳴き声の捜索に当てつつ…もう半分は耕介のことを考えていた。
(無条件にエルザの言葉信じちゃって…お兄ちゃんって本当にいいなぁ…このままさらいたくなっちゃうよ)
もちろんそんな風に考えているなどエルザはおくびにも出さない。
1分ほど、二人して耳をそばだて…エルザにはまた聞こえた。
やはりか細いが、動物の鳴き声と思しき声だ。
「やっぱり聞こえた…どこかに動物がいる」
「俺には聞こえないな…エルザの方が耳がいいのかな。とりあえず動物がいるか聞いてみよう」
ベッドの隣に置かれたベルを鳴らし、現れた従業員に飲み物の注文と共にそのことを問う。
「いえ、今はペットをお預かりしてはおりませんよ。何かの音を聞き間違えられたのではないでしょうか?」
そう答え去っていった従業員の言葉は嘘偽りはないように見える。
エルザも特に嘘とは感じなかった。

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:04:29 ID:vH3+0opc
紫煙

178 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 02:05:36 ID:o89QyStj
となると本当に聞き間違いである可能性もあるが…。
「あ、また聞こえた…やっぱり気になるなぁ…ね、お兄ちゃん、探しに行ってもいい?」
「そうだな…わかった、次のゲームではエルザに工作してもらうわけにいかないしな。大丈夫だとは思うけど、一応気をつけてな」
今回の目的は勝つことではなく、イカサマを暴くことだ。
使わざるを得ない状況にまで追い込んだ今は、もうエルザの工作は必要ない。
いったいどんなイカサマを使ってくるのか見当もつかない今は、少しでも不審な点は調べておいた方がいいだろう。
「うん、わかった。じゃ、また後でね、お兄ちゃん!」
元気よくベッドとから飛び降りたエルザを見送り、耕介も気を引き締める。
「さぁ、気合を入れないとな」

ギルモアの使いに案内され、耕介は個室にやってきた。
そこでは、ギルモアと先ほどの貴族をやり込めた長身の優男が待っていた。
「旦那様、お待ちしておりました。おや、お嬢様はどうされました?」
「娘は疲れたと言ってましたから、部屋に寝かせてあります」
「そうでございましたか。では早速ですが、ゲームを始めてもよろしいですかな?」
どうやらギルモア自身が相手をするらしい。
今回のゲームはサンクというカードゲームであった。
ハルケギニア版のポーカーのようなものだ。
公平さを期すためにカードをきるのは耕介となった。
注意深くカードも台も観察していたが…今のところ不審な点は見当たらない。
ゲームを開始しても、やはり怪しいところはない。
そして数回勝負を繰り返し…耕介はこの賭場が怪しいといわれているわけを悟った。
(確かにこれは…異常だな。こっちがどんな役を作っても、向こうは一つ上の役を作ってくる)
耕介がどんな役を作ろうと、ギルモアは一つ上回るのだ。
だが、不審な点は見当たらない。
カードは毎回耕介が切っているし、台にも特に動きはない。優男も飲み物を注ぐ以外に特に動きはない。
イカサマをしているとしか思えないが…見破れない。
チップはまだまだあるが…この調子でいけば全てむしりとられるのは明白だ。
一応はまだポーカーフェイスを保っていたが、内心は焦りでいっぱいであった。


エルザは時折聞こえる鳴き声を頼りに従業員用の通路を彷徨っていた。
隠れるのも面倒なので途中で出くわした従業員は全て”眠り”の魔法で眠らせている。
声を頼りに奥へ奥へと進んでいくと…なにやら見るからに堅気ではない二人の男が扉を護っているのが見えた。
剣を差しているところ見るに平民の傭兵なのだろうが、明らかに怪しい。
果たして鳴き声はその扉の向こうから聞こえてきた。
一瞬だけエルザはニヤリと笑うと、すぐにその笑顔を無邪気なものに変えて傭兵へと近づいていった。
「おじちゃんたち、何してるの?この部屋に何があるの?」
「な、なんだ?お嬢ちゃん、どこから入ってきた?ここは従業員しか入っちゃいけねぇんだ、とっとと帰りな」
「なぁんだ、おじちゃんたちも知らないんだね。じゃあいいや。眠りを導く風よ、彼らを包みたまえ」
男たちが中の物のことを知らないと判断すると、エルザはすぐさま彼らを眠りに落とし込んだ。
抵抗することもできずに崩れ落ちた男たちを尻目に、扉の取っ手に手をかける。
やはり鍵がかかっており、硬い手ごたえが返ってくる。
だが、エルザはただの少女ではない。精霊の力を操る吸血鬼なのだ。
エルザはスカートの内側に縫い付けられたポケットから小さな植物の種を取り出した。
「森に連なる者よ、我が声に応えたまえ」
エルザの声に反応し、種が割れて中から蔓が伸びた。
それはまっすぐに鍵穴へ入り込み…数秒の後、カチンという音と共に鍵が開いた。
「ご苦労様」
種を労うように一撫でしてからポケットに戻したエルザは軽い足取りで部屋の中に足を踏み入れた。
そこは傭兵が護っていたにしては、単なる倉庫にしか見えなかったが…エルザにとっては全く別の意味を持つ”もの”が待っていた。
「へぇ……なるほど、そういうわけかぁ。そりゃ、誰にも見破れないよねぇ」
エルザは心底楽しそうで…だが、底冷えのする笑みを浮かべた。
そこには、数枚のカードが檻の中に入れられ、無造作に置かれていた。

179 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 02:09:04 ID:o89QyStj
「また、私の勝ちですな」
「負け…か」
あれだけあったチップはもはや残りわずかとなっていた。
この勝負はイカサマだ。耕介には確信に近いものさえある。
いくら耕介が素人とて、時間稼ぎのためにあれだけのチップをちまちまと賭けて小さな勝負を繰り返したのだ。
にも関わらず耕介は未だに一度さえ勝てていない。
単純な確率論から言ってもありえない。
耕介は一度だけ、ロイヤルストレートフラッシュさえ揃えたことがある。
だが、ギルモアもロイヤルストレートフラッシュを揃え…あまつさえ、それは耕介が揃えた属性に勝てる属性で作られていた。
これほどの偶然が揃う確立など、まさしく天文学的だ。
そう、どう考えてもギルモアはイカサマを使っている。
にも関わらず全く不審な点がない。毎回カードをきるのは耕介だし、台も調べたがやはり何もない。ギルモアと優男がメイジという可能性も考えたが、杖らしきものもない。
部屋の外まで調べたが、やはり何もない。
結果は不審極まるが、その結果に至る過程には不審な点がない。
これだけあからさまなことをしているのに、見破れないとは…確かに貴族たちが北花壇騎士団を使ってでも潰そうと考えるのもわかる気がする。
「さて、次はどうしましょうか?」
ギルモアは余裕の笑みを浮かべている。正直、非常に癇に障るが…どうすることもできない。
だが、ここで退くわけには行かないし、最低でもエルザが来るまでは時間を稼がねばならなかった。
「続けよう」
先ほどのサイコロ博打の時とは比べようもないほどに胃が痛いが…なんとか踏ん張るしかない。
耕介が胃薬がほしいなぁと思っていたその時、彼にとっての救世主は現れた。
「父様、こんなとこにいたんだ、エルザ探しちゃった!」
突然、扉が少しだけ開かれ、そこからエルザが顔だけを出したのだ。
屈託のない笑顔で耕介の元へ走りより、指定席へと飛び乗る。
すなわち、耕介の膝の上だ。
「おやおや、旦那様とお嬢様は仲睦まじいですなぁ」
「はは、甘えん坊で困りますよ」
ギルモアと優男は突然のエルザの登場に困惑し、それとは正反対に耕介は安堵のため息をついた。
何故なら、膝に飛び乗る際にエルザが小声で囁いたのだ。
「わかったよお兄ちゃん、もう大丈夫」
エルザは耕介の信頼を裏切ったことはない。ならば、彼女が大丈夫だと断言したのだ、耕介の胃は救われたも同義である。
そしてそれは現実のものとなった。

「な…バカな!?」
ギルモアが初めて負けたのだ。
それも、今度は耕介の手が一つ上。
「やっと勝てましたね、やっぱりエルザが俺の幸運の女神のようです」
エルザがいったい何をしたのかはわからないが、彼女はイカサマを破り…おそらくはそれを逆手に取ったのだ。
(俺、全く役に立ってないなぁ…)
耕介の内心は忸怩たるものであったが、今は勝負の真っ最中。そんなことはおくびにも出さず、エルザの頭を撫でてやる。
仮面親娘が和やかなムードを発しているが、ギルモアは焦りに焦っていた。
このイカサマは絶対にばれるわけがないと、ギルモアは自信を持っていた。事実、今までたくさんの貴族から金を巻き上げたが、誰一人として見破れた者はいない。
この成り上がり風の男も、カードや台、果ては部屋の外まで調べたが、秘密に行き着くことはなかった。
だが、あの妖しいまでの美しさを放つ金髪の少女が現れてから、勝利が確約されていたはずのワンサイドゲームは一変してしまった。
何かの間違いだと自分に言い聞かせ、その後も数ゲーム続けたが…やはり勝てないのだ。
しかもその勝ち方は、今までのギルモアの勝ち方…常に相手の一手上を出すもの。
もうここまで来ては間違いない。イカサマを見破られたのだ。
しかも如何なる手段によってか、相手はそのネタを逆手にとっている。
そう…もう、終わりなのだ。
「トマ!」
優男…トマはギルモアの突然の叫びに、まるで命令を与えられたガーゴイルのように反応した。
部屋の隅から驚異的な踏み込みで耕介の下へ飛び込み、メイジの象徴を斬り飛ばした閃きが首へ迫る。
「…む!」
だが、それは空振りに終わった。
耕介が床を蹴り、椅子ごと後ろに倒れたのだ。まるでトマの襲撃を予想していたような対応。
さらに次の攻撃はトマを驚愕させた。
「ぐぁぁぁ!」
耕介の腕の中に収まっていた少女が、トマの肩を蹴り上げたのだ。
しかも、その一撃はトマの肩を完膚なきまでに破壊し、それでも余りある衝撃がトマを壁に叩きつけた。
耕介は椅子が倒れきる前に、エルザの蹴りの反発も利用して背を丸め、くるりと回転して立ち上がった。

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:09:23 ID:gNAp9EZq
支援

181 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 02:12:01 ID:o89QyStj
「森に連なる者よ、我が声に応えたまえ」
エルザの鈴を転がすような声に反応し、スカートの下から伸びた蔓が扉を叩き開け、向こう側にあったものを引き寄せた。
それは、霊剣・御架月。耕介の無二の相棒。エルザがここに来る前に取り返していたのだ。
事ここに至って、ギルモアは理解した。
「お、お前ら…まさか王政府の人間か!?」
ギルモアとて、いつかはこんなことが起こるだろうとは予想していた。
だが、それがまさか平民の剣士と正体不明の少女とは…。
「うふふ、おじさんたち、いったいどこでこの子たちを捕まえたの?可哀想に、親から引き離されて泣いてたよ?」
エルザがスカートをわずかに持ち上げると、イタチのような生物が数匹現れ、エルザの肩に登った。
それに答えるように、台の上に散乱したカードもまたイタチのような姿に変わり、エルザの下へ走りよった。
「い、いったいどうやって…」
じりじりと後ずさりながら、ギルモアは混乱の極地にあった。
この少女はいったいなんなのだ?厳しい視線を向けてくる剣士などよりもあの少女の方がよほど正体不明で恐ろしい。
あのイタチのような生物はエコーという韻竜と同じ古代の幻獣種であり、姿を変える先住魔法が使える。
ギルモアはひょんなことからそのエコーの子どもを捕獲し、人質にして親たちにイカサマの片棒を担がせていたのだ。
エコーの鳴き声は、人間に聞こえぬし、先住魔法を感知する術はない。
故にギルモアは絶対の自信を持っていた…それをあの少女は看破し、しかもエコーを手懐けている。
加えて、先ほどのトマへの攻撃。あんな小柄な体のいったいどこにあれほどの…人間を越えるような破壊力が存在しえるというのだ?
だが、何よりも。
「な…なんなんだ、お前は…」
あの瞳だ。あの金色の瞳が恐ろしい。まるで蛇に睨まれた蛙のような心境だ。
「ギ、ギルモア様…早くお逃げを!」
血を吐くようなトマの叫びが、恐慌状態のギルモアにわずかに理性を取り戻させた。
そうだ、この賭場には逃げるための準備もきちんとしてある。
それはこの部屋も例外ではない。
「と、トマ、お前は時間を稼げ!」
ギルモアはトマにそう命じると、背後の壁の一角を押し込んだ。
すると、壁が開き、通路が現れた。この薄暗い通路は、路地裏へと繋がっているのだ。
ギルモアの命を受け、トマは袖から丸いものを取り出し、口で噛み千切った。
中には燐が仕込んであったらしく、激しい煙が部屋を包む。
だが、トマの起死回生の一手はあっさりと振り払われることになった。
「うぁぁ!」
突如、煙の中から二本の植物の蔓が現れたのだ。
それはあたかも剣のごとくトマの両腿を貫き、壁に縫い付けて、再び煙の中に戻っていった。
全くわけがわからない。先ほどから起こっていることが何一つ理解できない。
だが、明確なことは…トマと、彼の恩人である主のギルモアはとんでもないバケモノに追い詰められたということだ。

ギルモアは必死に逃げ、ようやく路地裏へと出た。
トマは死んだかもしれないが、彼にはそんなことは些事であった。
所詮は捨て駒として拾った餓鬼、自分を救って死ねるのだから本望というものだろう。
「ま、まだだ…シレ銀行の鍵はいつも身につけている…まだ終わったわけじゃない!」
シレ銀行とは、彼が稼いだ金を預けている銀行である。
そこから金を引き出し、ゲルマニアにでも高飛びすればまだまだ再起は可能だ。
だが、それはもはや叶わぬ夢となっていた。
「うふふ、おじちゃん、どこいくの?」
死神はとっくの昔に彼の影を踏んでいたのだ。
「ひ、ひぃぃぃぃ!」
この10分にも満たぬ間に、いったいギルモアは何度「ありえない」と叫んだかわからない。
イカサマがばれたこともありえなければ、平民の剣士と少女が自分を捕まえに来たことも信じられない。
今も、ギルモアは全力で走っていたというのに、圧倒的に歩幅が小さいこの少女は息も切らしていない。
いったい自分はどんなバケモノに魅入られたというのか?だが、ギルモアは恐慌の極みにありながらも一縷の希望を捨てなかった。
「ご、ご容赦ください!ここは喜捨院なのでございます!貴族様方からいただいたお金は貧しい者たちへ渡しているのです…!」
ギルモアとて、伊達にこのような真っ当でない商売で財を成したわけではない。
人間には良心というものがある。それを突けば、まだ望みはあるはずだと考えたのだ。
だが、やはりギルモアは冷静さを失っていたと言わざるを得ない。
彼は自分で認めていたではないか。目の前の金色の少女が、バケモノである…と。
「へぇ、そうなんだぁ。おじさん偉いね、義賊って奴?」

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:12:46 ID:gNAp9EZq
支援

183 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 02:15:19 ID:o89QyStj
無垢な笑みで少女が小首をかしげる。その様は誰が見ても麗しい少女の魅力に溢れていたが…ギルモアには恐怖を煽る効果しかなかった。
「で、ですから、お願いでございます、見逃してはくださいませんか!」
ギルモアは土下座までして年端も行かぬ少女に命乞いをする。
エルザの答えは…
「ギャア!」
足であった。
地に額をこすりつけたギルモアの頭を、エルザが踏みつけたのだ。それは信じられない力でギルモアの頭に圧力を加える。
「嘘でしょ、おじさん。だって嘘つきの匂いがするもの」
ギルモアからは見えないが、エルザは相変わらず無垢な笑顔のままだ。
それがより一層、彼女を異形足らしめていた。
「ぼ、ぼんどうなんでず…!」
顔を地面にこすり付けられながらギルモアがなおも言葉を重ねる。その声は頭蓋骨が軋むほどの力に晒され、醜く曇っていた。
だが、エルザの答えは変わらず無情であった。
「うふ、でもね、本当はおじさんが嘘ついてようがどうでもいいんだ。あ、ついでに言っておくと、別に恨みがあるわけじゃないよ?」
異形の声は変わらず鈴を鳴らすような美声で、少女特有の無邪気さに満ちている。
「むしろ感謝してるんだぁ。だって、お兄ちゃんと二人っきりでお出かけできたもの。おでこ姫の目を気にする必要もなくいちゃいちゃできたし、エルザ的にはすっごく満足だよ、おじさんありがとうね♪」
愛らしく礼を述べるエルザだが、その右足は相変わらずギルモアの後頭部を踏みつけている。
「でも、もう一回エルザの役に立ってね。おじさんを捕まえてお兄ちゃんに渡してあげれば、お兄ちゃんは絶対エルザのこと褒めてくれるから♪」
もはやギルモアのわずかに残った理性もとっくに消し飛んでいた。
不意に頭にかかっていた圧力が消えた時、ギルモアは全力で逃げ出した。
一刻も早くこの金色の悪魔から離れたかった。
「じゃ、おやすみ、おじさん。眠りを導く風よ、彼の者を包みたまえ♪」
少女の弾むような喜びの声を最後に、ギルモアはスイッチを切るように意識を失った。

両足と左肩を負傷し、それでも果敢に挑んできたトマを峰打ちで倒した耕介は、彼の治療を御架月に任せてエルザの後を追った。
夜露にけぶる路地裏に出た時、突然衝撃がやってきた。
「うぉ、エルザ!」
エルザが耕介に飛びついてきたのだ。
「お兄ちゃん、エルザが捕まえたんだよ!褒めて褒めて♪」
エルザの向こうには、倒れ伏したギルモアの姿があった。
特に外傷もないところを見ると、眠りの魔法で眠らせたのだろう。
「そうか、偉いぞ、エルザ。ケガはなかったか?」
「えへへ〜♪もちろんだよぉ」
エルザの予想通り、耕介はエルザの頭を優しく撫でてくれる。
それだけでエルザのご機嫌度はいくらでも天井知らずに上昇するのだ。
エルザが吸血鬼だとわかっているのに、こうしてケガの心配までしてくれる。
エルザの耕介に対する欲求は高まるばかりだ
「あれ、この人、鼻がつぶれてるな…」
ギルモアの体を検め、シレ銀行の鍵を手に入れた時に、耕介は彼の鼻が潰れていることに気づいた。
「ここに出た時に凄い勢いでこけてたから、そのせいだよ」
エルザは表情一つ、声色一つ変えなかった。

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:17:22 ID:OoGdsqVS
支援ロボ!

185 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/30(日) 02:18:26 ID:o89QyStj
耕介とエルザはギルモアだけを憲兵に引き渡し、プチ・トロワへの帰路についていた。
「あ〜あ、お兄ちゃんともうちょっとデートしたかったなぁ…」
「また今度な、もう日が昇っちまう」
相変わらず腕にまとわりつくエルザを好きにさせつつ、耕介は考え事をしていた。
今日は全く役に立っていなかったことがやはり悔しいのだ。
「うーん、賭け事くらい覚えた方がいいのかな…」
「えぇ〜いいよぉ、お兄ちゃんはそのままで。でも、どうしても覚えたいならエルザが教えてあげるよ♪」
「そうだなぁ…あ、そうだ、エルザ。あんまり手荒なことはしちゃダメだ。トマって人の肩と足を攻撃したの、エルザだろ?」
今回のギルモアという相手に対しては耕介とて交渉の余地などないことがわかっていた。
だが、それでも必要以上に相手を傷つけるのを良しとはできないのだ。
「ぶ〜お兄ちゃんが危ないと思ったからしたのにぃ…。でも、お兄ちゃんがそう言うならそうする〜」
夜明け前の街路を歩くには、あまりにも歳の差がある二人だったが、ほとんど人通りも絶えた今はそんなことを気にする者はいない。
エルザは終始ご満悦で、プチ・トロワについてからもずっと耕介にくっついたままであった。
珍しく、イザベラもそれをいつものように咎めることはしなかった。


舞台はアルビオン王家最後の地となったニューカッスル城へと移る。
そこでは、激戦の末に裏切り者ワルドを退けた”ゼロの使い魔”サイトが主を護るべく剣を構えていた。
「何する気だい、相棒?相手は5万だぜ?」
サイトの持つインテリジェンスソード・デルフリンガーが呆れたような声を出した。
そう、ここにはもうじきレコン・キスタの大軍勢が押し寄せてくるのだ。
けれど、もう逃げ道はない。彼一人ならば逃げおおせることも可能だろうが、主であり、恋する少女を置いていくことなど端から考慮の埒外だ。
「だからなんだってんだ。俺はルイズを護る。そして、生き残る。タバサが言ってた、コースケって人にも会いたいしな。まだまだ死ねねぇよ」
「はは、そうだな、気に入った!さすが俺の相棒だぜ!5万ごとき散歩にいくようなもんだよなぁ!」
状況はまさしく絶望的。だが、サイトは心が震えるのを感じていた。
それは、恐怖の震えではない。ワルドとの戦いの時にも感じた、熱い心の叫びだ。
背後に護るべき少女がいる、それだけでサイトは5万だろうが50万だろうが負ける気はしなかった。
尤も、今回に限っては彼の心の震えが力を振るうことはないわけだが。

ギーシュの使い魔ヴェルダンデに救われたサイトとルイズは今、タバサの使い魔シルフィードの背に乗り、トリステインへと帰還していた。
同じ国から違う国に召喚された二人の男の道が交わるのはもうしばし先のことになる。



以上で投下終了になります、支援ありがとうございました!
避難所の方で拙作の応援書き込みをしてくださっている方々にも感謝を、非常に励みになります。
エルザは原作での描写が少ないのをいいことに趣味全開で書いております。
いやぁ人外ロリって萌えますよね。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:26:30 ID:dxaXIVsa
乙!

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:27:15 ID:xujfKnqG
エルザたまらんなぁw

188 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:28:59 ID:lhhT5wc9
いやー週末のBSのせいで、ギルモアと言うとギルモア博士が浮かんでしまう


189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:29:03 ID:hDzhYNOx
ところでどこかでダイノガイスト様(勇者エクスカイザー)が召還されるという話があったのを思い出した。

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:30:24 ID:eNvFuM86
なんと言うエルザ萌え。
姉妹スレのホルホースものと双璧を為すGJ。

191 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:50:45 ID:J2uZsYp8
乙! 月並みではあるが

         (<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: 、
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     ~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,)   も リ の
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192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 02:57:31 ID:S4bTkRRt
なんというスーパーエルザタイムw
そして出番は少ないがイザベラも可愛い。

しかしこんなにポヤヤンな耕介が、過去にグレてたってのを知ったら女性陣はどんな反応するのかな?

193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 03:06:09 ID:1yz3dHFD
>>191
これの娘召喚したらどうだ

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 03:23:24 ID:sJJphHNw
>>193
それって三次創作にならないか?


195 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 03:48:22 ID:dxaXIVsa
>>191
これってよく見るけど元ネタは何?

196 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 03:52:22 ID:etBdiHL0
このロリコンどもめ でぐぐると解る。

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 03:55:35 ID:dxaXIVsa
おk、やってみる。サンキュー。

198 :小ネタにもならない小ネタ:2008/03/30(日) 04:02:56 ID:8Y8OG0QK
ルイズが召喚を爆発させるとそこには・・・・・



















      (<、,,> ":::::::::::::::::::::::::::: 、 
      〜〈/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::) 
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ギーシュとマルコメはロリコンの称号を手に入れたとさ

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 04:04:29 ID:2uCoSUtc
なぜワルドには与えられない

200 :駄目小ネタ:2008/03/30(日) 04:08:02 ID:8Y8OG0QK
ワルドは・・・・















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       〃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::<、    ど マ こ  
     ~そ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,)   も ザ の  
  、_ ,, /::::::::::::::::::::::::、,ゝ===く:::::::,:::::ヽ  め コ  
    `V::::::::::::::::::::、_γ      `ヾ,_ < ! ン  
     l::::::::::::::::::::::く(   r,J三;ヾ   )> く,  
 〜v,ん:::::::::::::::´:::::::=; {三●;= }  ,=ニ `/l/!/⌒Y  
     l:::::::::::::::::::::::::::::ゝ≡三=イ ´::::゙:::::::::::::::::::::::::::::::  
 、m,.. ,ゞ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::  
 ´ " ~ ヘ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 
こう言われた

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 04:26:30 ID:WAshK3wV
零戦の銃弾喰らって生きてるぐらいのタフガイだからな

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 04:29:48 ID:FlmgbU+m
むしろワの人の正体はベアード様、というのは別作品にあるか
ともあれ人外ロリのエルザ乙です

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 04:41:27 ID:Lkeq126z
なるべく無駄な改行とAAやめようぜ

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 04:43:38 ID:ZokvYEOx
保管庫のを全部じゃないけど一通りあたって見たよ。個人的なベスト3
 
1.ゼロの魔獣:石川節全開。最高。オチも綺麗に落ちてる(ケンイシカワ的な意味で)。
2.ご立派な使い魔:コメディチックな展開が最終話の脳天気さを肯定させる。ご立派。
3.KNIGHT−ZERO:ナイトライダー最高。KITTはいいなあ。作者氏の愛を感じる。
 
番外:ディセプティコン・ゼロ:テファ・才人・ジャズ組が燃える。心優しい薄幸の少女と
彼女を守って闘う勇気の少年、相棒のスーパーカー?テンプレ的展開最高。

205 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 04:51:01 ID:4XxzSsHa
感想スレに書けよ

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 05:09:21 ID:BG1w4J8P
東方キャラ召喚で「ゼロのEXボス」と言うのを思い付いたけど…パワーバランスが
やっぱ紫とフランドールはバランスブレイカーだ

と言う事で新しいバージョン「ゼロの弾幕少女」
ルイズ:十六夜咲夜
キュルケ:藤原妹紅
モンモランシー:洩矢諏訪子
ギーシュ:リグル=ナイトバグ
マリコルヌ:ミスティア=ローレライ
イザベラ:伊吹萃香
テファニア:八意永琳
他は同じで…これを文章化出来れば……才の無い私にはむ、難しいぜ

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 08:14:14 ID:WAshK3wV
ゼロのサンアンドレアス
CJ召喚

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 08:14:55 ID:3TLwg9pd
>>206
タバサはどうした

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 08:19:28 ID:ybTmizoG
>>206
どう見ても収拾がつきません。
本当にありがとうございました。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 08:55:10 ID:6PKjamaZ
>>208
タバサは幻想郷に逆召喚されました。

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 09:46:27 ID:nqWcwnXX
誰か六条壬晴召喚やってくれないかなぁ
声優的な感じで

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 10:31:16 ID:uEix5PR2
魔女の宅急便からキキが呼ばれました

「なんだ、箒で空を飛ぶしか脳が無いのか・・・」
「あんた自分の食い扶持くらい自分で稼ぎなさい」
「どうしようか、ジジ」
「また宅急便をやろうよ」

これが後の大運輸会社になるのであった

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:05:37 ID:cn+fygJU
ゲド戦記からハイタカが呼ばれました。

「使わぬ魔法こそが真の魔法なのだ」
「あたしは「使えない」のよ!」

戦争になる前に「指輪」で世界がゆがめられていることに気付いて
正すために旅立つのかな。

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:09:03 ID:x8qj4k1l
>>204
ナイトライダーの話は良いよね。本当に車好きの職人さんが書いたんだなっていうのが伝わってくる良作。
自分も保管庫を知った最初の頃に読んで好きになったよ。
主と使い魔との主従関係がしっかり描かれていて、ルイズが日に日にKITTの扱いに習熟していって
タルブ戦では完璧に使いこなしてみせるカッコいいルイズが見れるのが良いね。

自分も全部っていう訳じゃないけど保管庫の作品をいくつか読んだ感じでは
侍の使い魔、ゼロな提督、サイヤの使い魔、爆熱の使い魔が面白かったな。

あと姉妹スレのだけど、奇妙な鉄の使い魔とスターダストファミリアーも面白いのでオヌヌメ

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:14:57 ID:Id5a45Sv
富江シリーズから富江が呼ばれました。

お仕事中のフーケを目撃し、ゴーレムにぺっちゃんこにされた富江。
日頃の行いからかルイズを含めた学園の女性陣は悲しみもしない。

が、皆は知らない、気づかない。
潰れて四散した富江の血肉がそれぞれ意思を持ち再生していることに…!

216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:24:09 ID:nqWcwnXX
>>215
ファンタジー小説が、一瞬にしてホラー小説に一変!
一人ひとりと姿を消していく生徒たち、殺人事件?失踪事件?いいえ、ケフィ(ry

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:28:13 ID:QRCwGMzY
予約が無ければ投下しても宜しいでしょうか?
新作になります。『永遠のアセリア』より、ヘリオン・B・ラスフォルトを召喚。

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:29:37 ID:nqWcwnXX
支援

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:30:26 ID:QRCwGMzY
 今日は召喚日和ですね、というミスタ・コルベールの微妙な挨拶を横耳に流しつつ、私はただただ緊張していた。
 メイジの実力を見る時には使い魔を見よ。
「それでははじめに、ミス・タバサから」
「合点、当たり前田のクラッカー」
 トリステイン魔法学院においては専門課程を決めるの材料となり。
 多くのメイジにとっては、自分の属性がどれなのか判断する物となっている。
「私はタバサ、祈りが届くならば、使い魔よ、我の前に現れたまえ」
 タバサがその身体に似合わない大きな杖を諸手で振る。
 人だかりの中央、皆が注目する視線の先に光が射す。
 どこからともなく現れたのは、ウィンドドラゴン。十メイルはあろうかというほどの巨体。
 何て大きくて立派な使い魔、見てる私も緊張してきて思わず唾を飲む。
「うむ、さすがはミス・タバサ契約も滞りないね、次……」
 私は早くも当てが外れてしまった。
 今まで魔法なんか一回も成功したことがない。
 だから多くの人間は私の事をゼロのルイズと呼ぶ、属性が無いからだ。
 属性が無いから使い魔も属性の無い使い魔。
 何かそれって凄そうじゃん? パッと見名前だけ見ると虚無の属性みたい。
 虚無の使い魔……神の使いのドラゴンでも呼び出せると思ってたのに。
「あっらー、次は私のようねルイズ、ちょちょーいと使い魔呼び出してくるわ」
 考え事をしている私の肩を叩くのはキュルケ。
 余裕綽々でミスタ・コルベールに呼び出される背中に、親指を地面に差し向ける動作を行う。
 ふん、使い魔に反抗されて死ねばいいんだわ。あんなの。
「キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーが命じる、熱く、気高い、炎の使い魔よ。我の求めに答えよ!」
 キュルケの言葉と共に現れたのは、火竜山脈のサラマンダーだ。
 ……すごい、アレ欲しいなあ。交換してくれないかなぁ。
「ルイズ、よだれよだれ」
「はっ!?」
 戻ってきたキュルケに注意され慌てて口元を拭う。
 してやったりの表情をするキュルケに、騙されたと気が付く私。
 何てせせこましい手を使うの、さすがゲルマニアのツェルプストーは卑怯さでもヴァリエールの上を行こうとするのね。
「それでは最後だ、ミス・ヴァリエール」
「はいミスタ、クラスで一番の使い魔を召喚してご覧に差し上げますわ」
 といいつつ、内心では緊張で心臓が張り裂けそうだった。
 使い魔までゼロだったらどうしよう? そんなの末代までの恥だ。
 専門課程に進めず、契約も出来なかったら退学になるかもしれない。
「ふぅ……」
 思わず出る溜め息、大丈夫よ他の人間は一発で成功してる。 
 彼らに出来て私に出来ない道理はない。
「私はルイズ、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。公爵家であり、サラブレッドであり、超エリートのルイズ様よ!」
 私は杖を振り上げ、天高らかに叫び上げる。
「聞き届けよ我が声! 天に宿りし虚無の使い魔よ! 私の祈りに答えたまえ!」
 喉が潰れそうなくらいに声を発して、腕が千切れんばかりに杖を振り下げる。
 ……えーっと、何も怒らないわね。
 どうしてだろう? ここで普段ならボーっと光が現れて。
 その中から使い魔が現れて契約を結ぶ言葉を紡ぐ。
「こほん、今のはちょっとしたデモンストレーションよ」
 周りで唖然としてる生徒達に声をかける。
 あまりに想定外の出来事なのか、皆一様に頭を下げた。
 頬に熱さを感じつつ、私はもう一度召喚をして見ることにする。
「えーっと、お願いです使い魔様、私はへっぽこメイジですが、意地とプライドは捨てたことがありません。そんな私に慈悲をお与え下さい」
 今度は割と小さな声で、かつ杖を振る動作も弱くしてみた。
「お、お願い申し上げます使い魔様! 私はへっぽこメイジです。意地とプライドも全て捨てます、私の声に答えて、慈悲をお与え下さい! おねがいっ!」
 もうやめて! ルイズのライフはとっくにゼロよ! キュルケの声が聞こえる。
 現実は、つらいことがいっぱいです。タバサがいう。
 いわれたことしかできない人間を三流。
 いわれたことを上手にできる人間で、ようやく二流。
 ルイズはいつになったら一流になるんだ? うるさいよマリコルヌ!

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:31:02 ID:nmo3MoQR
支援

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:31:09 ID:QRCwGMzY
「ミス・ヴァリエール」
「止めないで下さいミスタ、これは……私の戦いです!」
「いや、ね、時間が」
 確かに次の授業もある。
 だけど、今ここで使い魔を呼び出すことが出来なかったら、次が無い。
 退学になってしまう恐怖が、私の体を震わせる。
「何でも良い、使い魔じゃなくても良い! 私の言葉に答えてくれるのなら平民でも何でも良い! 私の前に現れて!」
 ぽぅっと、杖の先に光が現れた。
 あまりに小さな光なので一瞬気が付かなったくらいだ。
 陽射しに負けそうなくらいの光の先に手が見えて、私はその手をつかむ。
 引く! 引く! 全力で捻りあげる! 
 予想外の人間の手に驚きながら、腰を入れて引っ張る。
「だ、だめ! みんな、手伝って!」
「仕方ないわね、タバサ」
「貸し一つでFA?」
 私の腰をキュルケが掴み、キュルケの腰をタバサが掴み。
 タバサの腰をモンモランシーが、モンモランシーの腰をギーシュが。
 ギーシュの腰をマリコルヌが、マリコルヌの腰は太くて引っ張れない!
 だけど少しずつ、本当に少しずつ使い魔の全貌が現れる。
 髪の毛は茶色の、二つ括りの長髪。
 更に引っ張ると、女性の使用人のような衣装に身を包んだ女の子だ。
「みんな、あと少しよ! せーの!」
「でぃーふぇんす! でぃーふぇんす!」
 不意に力が緩み、引っ張り上げていた力が私にもかかる。
 引っ張っていた全員で後ろにずざざざー! っと転び、私は目を回しつつも前方を見た。
 私が掴み取ったのは確かに女の子の手、現れたのも小柄の可愛らしい女の子。
 咳払いを一つ。
「さて、もう一度召喚の」
「ミス・ヴァリエール以外の生徒は次の授業に向かうように、さ、急いで」
 いけないいけない、使用人の子を引っ張ってくるなんて私もお茶目さん。
 私はフライを使って飛んでいく、生徒達に中指を立てつつ、今思いついた召喚を行おうとした。
「この世界の」
「ミス・ヴァリエール、現実を直視しなさい。召喚はもう行われてる」
 自分が召喚したであろう少女に目を向ける。
 気を失っているのかピクリとも動かない、あれ、もしかして死んでる?
 いけないいけない、死体を呼んじゃうなんてお茶目さんなルイズね。
「ここでコントラクト・サーヴァントを行わなければ、学院長に相談して退学の準備を」
「わ、分かりました、ミスタ! 現実逃避は控えます、ですからお慈悲を!」
 ちっ! と心の中で舌打ちをかましつつ。
 召喚したのは確かに平民の女の子、アレは言葉の綾で本気じゃなかったのに。
 まあ、いいか。寝ている子にキスをするなんて背徳感をそそるし。
「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン、この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」
 力が失われて重い身体を持ち上げ、唇にキスをする。
 ふわっと左手に文字が刻まれて、それを興味深そうにミスタが覗いた。
「さて、ミス・ヴァリエールも授業に戻りなさい、後は何とかしておくから」
「寝ているのをいい事に……」
「ミス・ヴァリエールは退学という選択肢も厭わないらしい」
 やれやれとばかりに首を振るミスタ・コルベール。
 仕方ない、学生である以上教師である人間には逆らえない。
 私は走って、次の授業が行われる教室へと向かった。

222 :ゼロのルイズと失望の使い魔:2008/03/30(日) 11:32:26 ID:QRCwGMzY
タイトル入れ忘れ、前回と同じミスorz
投下終了です、支援ありがとうございます。

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:36:50 ID:Lkeq126z
ひでえ

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 11:49:33 ID:nqWcwnXX
ノリは好きだよ。
でもネタ仕込みすぎだよ。
気をつけて。
次を待ってる。
あと、このレスからもう一つ察してみて。

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 12:13:10 ID:NVTdp+00
そういえば、棄てプリ外伝のテレジア召喚というネタを思いついたのだが
能力はバランス?何それおいしい?の領域だが行動制限と引っ込み思案で
弱気な性格を足かせにすれば一応話は成り立つと思うのだがw
(なにせ口癖がごめんなさいだからなあ……)

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 12:23:38 ID:xPdu/NA4
時にちょっと気になる事が。

ルイズの魔法成功率は、「ほとんどゼロ」であって、「たまに成功する」だ。
つまり、使い魔召喚と契約が成功したはじめて、とかではない。

たまに成功していた。そう、たまには。

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 12:26:18 ID:nqWcwnXX
コモンスペルは成功する事もあったんだと思う。
虚無系統が扱えるようになったあとは使えるようになってたし。

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 12:26:52 ID:x8qj4k1l
>>222
職人さん乙!

>>226
虚無が使える様になってからは簡単なコモンマジックなら使える様になったんだよね。
と考えると、系統魔法はゼロでもコモン系なら過去に成功した事があったのかもしれない。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 12:50:04 ID:4QGrsVM8
ルイズ「言えない、チンカラホイなら百発百中だなんて…」

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 12:54:48 ID:04whU0I6
>>229

「ドラえも」を思い出してしまったじゃないか  どうしてくれる

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 12:55:47 ID:sLxekfRy
>>229
爆風でめくってるのかと思った俺

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 13:06:53 ID:etBdiHL0
ほとんどゼロってどこで出た言葉だっけ。
最初の赤土先生のところの授業だったとしたら、サモン・サーバントのことをさしているのかもしれんが…。
さてさて。

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 13:08:19 ID:ntstWdQY
>>231
だが、めくれあがったのはシュブルーズ先生のパンツw


俺はマチルダ姉さんのがいいな(*´д`*)ハァハァ

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 13:09:12 ID:BprulNJL
こんなやつらのためにもう誰かの涙は見たくないんです!
みんなに笑顔でいて欲しいんです!

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 13:19:23 ID:B4KLQxrN
>>233
いえいえ、めくれたのはオールド・オスマンのローブです

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 13:27:39 ID:+IRAS2II
>>233
めくれあがったパンツ…
たいへんな事ですよ、それは

237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 13:54:18 ID:gO9O/cgL
俺はタバサの縞パンをめくりたい。

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 13:57:12 ID:Zj7QRnxW
>>225
行動制限ってどんなんだっけ?
人間に対しては如何なる攻撃行動も許されないとかだっけ?
そういや竜機神ってメンテナンスとか必要なんだっけっか?

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 14:07:05 ID:dV2IZe8a
>>237
落ち着け。タバサはパンストだ。

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 14:48:09 ID:BprulNJL
ぐふふっ

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 14:53:29 ID:xPdu/NA4
>>232
最初の召喚場面でクラスメイトが野次で言ってたかと。


242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 14:56:31 ID:/nJ/vPzW
                  ヽ人人人人人人人人人人人人人人人ノ
         / ̄(S)~\  <                      >
       / / ∧ ∧\ \<  嫌なら見るな! 嫌なら見るな!  >
       \ \( ゚Д,゚ ) / /<                      >
         \⌒  ⌒ /  ノ Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Y´`Yヽ
          )_人_ ノ  
          /    /
      ∧_∧ ■□ (    ))
     (   ; )■□  ̄ ̄ヽ
   γ⌒   ⌒ヽ  ̄ ̄ノ  ノ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|


243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 14:58:56 ID:xoskUUAA
>>242
まさに今のこのスレを表現するのに最適なAAだな

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:18:05 ID:8f0fXZq0
うーん……戦乙女、そんなにシエスタ死亡させたいか?
ギーシュにとって平民はぶっ殺しても本当にどーでもないのかなぁ?
まあ、マンネリじゃないからいいか。

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:20:12 ID:mfe+iSMu
>>242
粗末なもん見せんじゃねえ

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:23:54 ID:KtBeyL7R
>>244
死ぬ前にルイズあたりが止めに入るとか
非があるのは確かにヘタレの方だし

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:29:55 ID:AveJT1n3
>>244
エッチするときに服は要らないだろ
だからシエスタに肉体はいらないんだよ!

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:36:05 ID:8xmqTkr3
>>247
馬鹿野郎!
それじゃあメイド服の意味がないだろうが!!

ショーツは片方の足にかけたまま、おっぱいは服をずり避けて出す!
それが正義であると何故分からんのだ!?

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:38:37 ID:YdhNGCox
>>248
あんたセイギノミカタだよマジで……

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:40:34 ID:KtBeyL7R
セイギノミカタでPS2初期のゲーム思い出したじゃないか

誰だってスモールタウンスーパースター♪って歌のやつ

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:41:06 ID:8xmqTkr3
>>249
いえ、ただの変態紳士です

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 15:48:57 ID:bvYCt7W+
ガチでエロい話は別のところでヤラナイカ

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 16:00:28 ID:nlVYTAWL
もし死んじゃうとしても
シエスタってエインフェリアとして役に立つのか?
生前はただの一般人だったんだし

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 16:09:13 ID:C27rFI8C
だよなー。
ゼロ魔側でエインフェリア作るならワルドあたりがいいと思うんだけどな。
生前の回想シーンから入って母親の死や、トリステインで成り上がっていくまでとか、
そういうのがやりやすいし盛り上がるシーンとして使えるからなぁ。

シエスタとかどんだけポイント突っ込む必要があるんだろ?
初期値で相当マイナスに寄ってるだろうな。

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 16:10:23 ID:ueSC1J59
>シエスタとかどんだけポイント突っ込む必要があるんだろ?
そういうのも魔改造の部類に入るんだろーか?

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 16:11:23 ID:6lEtwwzh
>>253
才能だけはあったかもしれないが、それを発揮できないまま死んだと思われる
ただの兵卒な弓兵、ラウリィ君がいたじゃないか

まあアレは別個の理由でエインフェリアになったっぽいけどな

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 16:15:07 ID:fZg8Qt7L
いやいや、ゼロ魔ならウェールズがエインフェリアとかいいんじゃないかな?
英霊になった後、その死骸が利用されて、アンアンが騙されそうな時に本物登場(魂)とかw


258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 16:21:32 ID:8fYqLAIq
ところで、美味しく頂かれた金の卵って、ステータスアップとかするんだっけ?

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 16:31:49 ID:nlVYTAWL
ググッたけど

金の卵:STR、INT、DEX、AGLがそれぞれランダムで1〜10上昇する

らしい。毎日卵食ってればシエスタ使えるようになるかもなw



260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 17:08:12 ID:qIGzYnkM
厨房でみなたべるからマルトーや他のコック、メイドもムキムキw


261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 17:15:37 ID:Ig6G6APj
INT(知力)、AGL(敏捷)も上がっているから
知的になったり器用になったりすばしっこくなったりしてるかも。

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 17:19:01 ID:5CLzGqqA
腹筋が割れたシエスタか・・・・・・それはそれで見てみたいかもしれない

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 17:26:52 ID:bvYCt7W+
さぁ、どうなるかという不安もあるが
どんな話に発展するのかという期待もあったりする。

ぶっちゃけていうとがんばれ戦乙女の人!なんだけどな

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:02:03 ID:ntstWdQY
>>262
「ドーピングスカロンスープだ……ッ!」なシエスタ with 妖精たちを想像して吹いたw

265 :206:2008/03/30(日) 18:15:57 ID:BG1w4J8P
>>208
タバサはシルフィードのまま…ちなみに「チルノ召喚」と言う案もあったけどやめた

>>257
ミョルなんとかが「変態メガネ」でなければ希望はありそうですね
変態メガネだったら…やっぱアンアン涙目か〜

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:43:26 ID:Dq7ZXdo+
フツーにメイド召喚ものないなあ
女性キャラ召喚→着るものが無いので学院のメイド服
のパターンはあるけど、出来れば最初からメイド服着たまま召喚が

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:47:53 ID:BG1w4J8P
メイドと言ってもピンからキリまでいるけど
既に「イロモノメイドTOP10」な「メイドガイ」は召喚されてるし

他のメイド召喚…「HMX」は電気が必要だから駄目
ブラクラの「ロベルタ」なら戦闘力高いけど…坊ちゃまや旦那さま以外に従う筈が無いか

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:49:01 ID:/iPFSo+u
エマ召喚とか?

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:49:33 ID:H5wprJ/+
>>266
最初からメイド服を装備していることが条件なら、別スレで、ヘルシングのアーカード(幼女版)がメイド服で召喚されてたが。
メイドではないがな。

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:50:54 ID:BG1w4J8P
>>268
引き離すのは残酷すぎだ…同じ作者なら「シャーリー」の方が

271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:54:49 ID:ndLJxn1W
モンハン小説版からヴィヴィーとか
メイドシリーズにブラックフリルパラソルだぜ
しかも眼鏡着用

272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:57:29 ID:i1QHSd4N
まほろさんでいいジャマイカ?
ガンダールブに最適な武器内臓メイドだし。

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 18:58:16 ID:p5bmin6h
メイドガイを呼ぶとな?

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:01:53 ID:mGETsc6b
草薙サライやくるみやメイン全員にメイド付けてカオスに

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:04:07 ID:tj4fuu3C
サライの場合スパンキングシーンは必須かと。

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:05:44 ID:tCBbHA25
裏界の魔王”誘惑者”エイミー(=地獄の大総裁Amy)呼ぼうぜ。
ナイトメイジさんとこにそのうち出てきそうな気もするけど。

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:08:48 ID:FlmgbU+m
家事使用人…腸チフスのメアリ…いや、ダメだ

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:14:56 ID:c7RRO4zD
>>270
それ言い出したらルイズと才人の出会いを無しにしちゃうのも結構酷いと思うんだぜ。

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:17:22 ID:AwosuqT1
ゆけゆけ!トラブルメーカーズより
明朗快活無敵戦闘メイドロボ、マリナちゃんを召喚…

ってメイド服着てねーや

ならわくわく7よりティセを…

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:17:43 ID:8f0fXZq0
ロベルタとかwぼっちゃんに会う前ならなんとかなるんじゃ?
でもほぼオリキャラになるんかな。いずれにせよルイズが消去される確率高いw

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:25:09 ID:9aVw2Csu
>>280
コロンビア革命軍の裏側を知る前だったら、赤化革命目指したりするのかな

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:31:06 ID:sJJphHNw
>>280
何とかならないな
メイドをやるという発想その物が湧いてこない可能性大
つーか、下手するとルイズが契約のキスとか余裕で避けられて銃を突きつけられたりしそうだ

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:32:16 ID:VDBBghUI
>>269
あれは冥土の化身

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:34:26 ID:PwnAGZiQ
アワーズなら旦那じゃなくて、それ町出してやれw

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:47:15 ID:xmyVypoS
ハヤテのごとくのマリアさんじゅうななさいなんかどうだろう。

メイドだし、ナギで素直じゃない釘声ワガママお嬢様の相手は慣れてるし。


286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:53:04 ID:ntstWdQY
>>285
お前…消されるぞ……(((( ;゚Д゚)))

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:53:44 ID:TLhrhYwg
ヴァルキリーといえば、DSで新作出るよな。
すまない、関係のない話だったか

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 19:56:47 ID:uEix5PR2
草薙素子少佐が呼ばれました


289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:00:24 ID:UoRBQuVj
義体のメンテが出来りゃ少佐呼んでもいいんだが、出来ないのがなぁ・・・

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:01:12 ID:nmo3MoQR
可愛い系なら藤子F先生のチンプイ召喚なんてどうだろ

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:02:25 ID:8f0fXZq0
ゼノサーガのキルシュヴァッサーでいいんじゃないかな。
ヘッドドレスみたいの付いてるし。なんならアルベド込みで

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:03:28 ID:UEDXQ5Or
>>288
「社会に不満があるなら自分を変えろ
それが嫌なら耳と目を閉じ口を噤んで孤独に暮らせ
それも嫌ならっ・・・・!」

レコン・キスタに似合いのセリフだな、と思ったが
ワルド→レコン・キスタは目的(おかーさーん)のための踏み台
クロムウェル→社会への不満を垂れ流してたら魔改造されました
で、別に社会に不満があるから社会を変えようという「まともな」革命家が居なかった

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:03:59 ID:2INH691u
あれ?今日投稿されたヘリオンのやつ
メイド服バージョンじゃなかったっけ?

記憶違いならスマン

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:07:36 ID:nlVYTAWL
LALのアキラ召還
フーケもワルドも心を読まれて事前にタイーホ
近未来編なら松の方が良いかも知れんけど

295 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:09:01 ID:gD3twk3+
>>288
ウィザード級ハッカーがウィザードに召喚されるわけですね。解ります。

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:09:26 ID:RRGX2XWQ
その年の使い魔召喚の儀式は、後の歴史に残るほどに異質であった。
召喚された使い魔たちはことごとく、誰一人異なることなくメイドであったのだから――

なんて文言を妄想したじゃないか。

297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:11:10 ID:sJJphHNw
>>294
しかしルイズ達に信じてもらえなくて紛糾する
まあ、話的にはそっちの方が明らかに盛り上がるが


298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:15:24 ID:ueSC1J59
>>294
>LALのアキラ召還
アキラと聞くと28号を思い出す漏れ
金田がバイク込みで召喚される話を考えてみようかな
しぶとさと反骨心でハルケギニアを引っ掻き回す話を

299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:15:35 ID:UoRBQuVj
>>296
メイドがメイジに見えた
ウルザ、バリン、レイン、ハナ、テフェリー、アーティ辺りがまとめて召喚されたところを幻視してしまった

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:24:03 ID:FSHVB/Yc
≫草薙素子
タチコマは召喚されたけど
・・・連載を再開して欲しいっすね
(`・ω・´)

301 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:24:36 ID:fkqwc6Nx
さんざん走って帰って来て『メロスはここにいる!』って叫ぶ直前にルイズに召喚されるメロス

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:25:56 ID:BG1w4J8P
>>296
メイドそれにプラスして乗り物…
「超重神グラヴィオン」なら主役ロボのパイロットは全員メイド経験があるぜ
男も混じってる?…あんな可愛い男がいるものかよ!!

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:27:30 ID:ohUnXYMf
>298
イザベラ様「カネダァーーッ!」
金田「“さん”を付けろよデコスケ王女!」

こうですね?

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:28:12 ID:nmo3MoQR
シャルル暗殺直後にジョゼフがハカイダー召喚、弟の脳みそを使い魔に詰め込む
とか、どうだろ

305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:29:55 ID:BG1w4J8P
>>304
でもハカイダーって一日一回脳の維持の為に血液交換しなきゃいけなかったような

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:30:44 ID:/nfIS2w6
「赫奕たる異端」後のキリコをスコープドッグ付きで召喚って考えたんだけど、契約できそうにないんで話が進まない。
スコープドッグのハッチが開くと人間らしいのがうずくまっているので近付くと死んだフリのキリコがアーマー・マグナムを突きつけてルイズを人質に……。

そもそも奴のいるところ悉く壊滅するし。

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:31:14 ID:c7RRO4zD
>>301
酷すぎw

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:35:43 ID:1u0LM/yC
>>306
そこは素直に気絶してようよw

まあ平和な世界でラブコメしている姿が想像できないが…

309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:36:24 ID:ueSC1J59
>>303
ルイズ「この馬鹿犬ーッ!!」
金田 「うっせぇ、貧乳チビ!」
こんな感じでもあります

真面目な話、登場人物全員が最初はこんな風に言われるのは間違いない

キュルケ→色っぽい姉ちゃん、タバサ→根暗チビ、シエスタ→お手伝いの姉ちゃん
ギーシュ→気障野郎、コルベール→眼鏡ハゲ、オスマン→じじい、ワルド→ヒゲロリコン

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:39:35 ID:xLL1m0vI
全然話は関係ないが、ローゼンメイデンの連載が再開される
それもヤンジャンで
ゼロのミーディアムも再開よろしく

そして、薔薇乙女召喚モノがわさわさと湧いてでるだろう

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:41:01 ID:FlmgbU+m
金田はおもしろそうだ、是非召喚してみてくれ
封印されしAKIRAそのものを呼んだら大破壊が起きるだけだし

…あれ、ブリミルってまさか

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:42:30 ID:OeEvBfFc
>>296
そう言うのがやりたいなら姉原美鎖で良いんじゃない?
同じ作品でやるなら坂崎嘉穂の方が私好みだが

313 :312:2008/03/30(日) 20:44:26 ID:OeEvBfFc
すまん、アンカーミス
>>295

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:51:27 ID:grKr5SgI
また

頭蓋骨陥没内臓破裂大腿骨骨折全身打撲全身に第3度の熱傷

から一週間で回復するのか>キリコ

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:52:53 ID:WAshK3wV
ジム・チャップマン召喚

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:56:49 ID:ueSC1J59
>>314
召喚しても身動き一つしない状態で、
コルベール「心臓が止まってる、 彼は死んでいます。」
ルイズ   「……せっかく召喚したのに。」
そしてルイズが触れようとすると、いきなり目を開いて
ルイズ   「ひッ!?」
コルベール「バ、馬鹿な!? 確かに心臓は止まっていたはずです!!」

こうなりそうだがw 

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:58:39 ID:/nfIS2w6
とどめを刺そうとする→何故か攻撃がそれる
杖を額にくっつけて攻撃魔法詠唱→杖が爆発
左胸貫通で死亡→死体置き場で何事もなかったかのように蘇生

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 20:59:22 ID:i1QHSd4N
名探偵だよ、うさみちゃん召喚
次々に起こる事件を華麗に解決、変態クラスメイトのマルコリヌが毎日捕まる痛快推理ストーリー

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:00:30 ID:ueSC1J59
>>317
ある意味、素の状態で『語ることすら憚られる存在』なんだよな
ああ『触れえざる者』だったっけか

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:01:27 ID:oI3JDZMq
>>266
円盤皇女ワるきゅーれから真田さん召喚
ルイズに「んまーーーー!!犯罪的に可愛いですわ!!!」
学院の生徒をネコミミ化させて手下に加え
ワルドには「婿殿をたぶらかすレコンキスタなる者共を壊滅させておきましたわ」
(巻き添えでアルビオンも壊滅)

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:02:52 ID:oI3JDZMq
追伸、ルイズはサモンサーヴァントの影響で幼女に

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:11:31 ID:4f2BXxG+
メルへブン系ってあったけ。あれも主人公異世界召喚だけど

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:13:34 ID:tfHaTz9X
キュルケがリボーンのツナ・・・なんでもない

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:19:04 ID:AwosuqT1
ハリーポッターとヴォルデモートを…

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:19:33 ID:H4cuY3CL
>>266
まだマイナーだが、「まじしゃんず・あかでみい」のエーネウス・ザ・バージェスト はどうだろうか?
たしか、召喚者の”メイドさんの使い魔よ!来たれ!”の呼びかけに答えてやってきた、正体はけっこうやばめなメイドさんの使い魔で、
本人だけでなく彼女をモチーフにした量産型チビロボ(?)とか巨大ロボとかも活躍してたが(w

参考
ttp://www.enterbrain.co.jp/game_site/MA/charactor06.html


326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:21:11 ID:883JBZ2Z
くそっ、>>301で爆笑しちまったwww

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:24:49 ID:ShUQaUFm
>>326
しかし余程上手に作らないと
ひとしきり笑った後で後味がかなり悪くなりそうだな

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:31:54 ID:1u0LM/yC
むしろ>301で完璧な気がするw

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:43:19 ID:x8qj4k1l
>>298
AKIRAか…昔見た映画の最後位の方で女の子が
てつを君の肉にぷちっと潰されるシーンが子供心にトラウマだったなぁ
ん…てつを…てつをとな…?!絶対に許さん!
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2140298

>>306
キリコは先生やルイズがどんなに頭を下げて引き止めても絶対に学院を出て行くだろうなw

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:44:14 ID:q+uXq0Za
>>301
ぐっじょぶ!あまりの結末にグレ果てるメロスを想像しようとして失敗したけどw

>>310
薔薇乙女も使い魔が完結してしまったのでお呼びではないかも知れん。
あの完成度と〆では次回作や別作品を想像し難いw

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:45:57 ID:x3yFBYQt
ゼロの戦乙女が面白かった……気がしたのだけれど、最近はそうでもなくなってきた。
一回の更新に対する文章の量が少なすぎて読んだ気にならん。
あと、話を進めるのに躍起になって、台詞が少なすぎる。

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:48:35 ID:/nfIS2w6
>>329
赫奕後であてのない旅を続けている彼なら或いは……?
ただ対人交渉能力が絶望的なくらいないからねぇ。
不用意な一言で相手を怒らせたり、過去のことを訊かれると暴れたり。
主や周囲にも相当な忍耐強さが必要かと。

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:55:17 ID:ueSC1J59
>>329
キリコが学院を出ていって数日後、学院に報せが届いた。
アルビオンで圧倒的な勢力のレコン・キスタが王党派に雇われた一人の傭兵によって壊滅したというのだ。
その傭兵はこの世界では見られない奇妙な赤い鎧を着て、鉄の板をも貫く銃を持っていたという……

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:56:45 ID:u3qgUADS
ゼロの戦乙女はシエスタを死なせようとしてるとか言ってるけど、まだそうとは限らないんじゃね?
さすがに死んだらタルブ関係が少しやりづらくなると思うし、無難にレナスが介入すると思う。
つかこのペースでギーシュ戦にレナスが出なかったらルイズが使い魔の実力を知る機会が遠のいて
いつになるかわからん。

それと変態メガネがミョズじゃねとか言われてるけど、それってジョセフとキスするということだろ?
あいつだったらぶち切れてガリア占領するか滅ぼすかしちゃうんじゃないか?


335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 21:57:34 ID:1u0LM/yC
ジョセフ×変態メガネ
これだわ!

336 :小ネタ 0/2:2008/03/30(日) 22:00:41 ID:r53YbGCn
あああメイド云々とっくに過ぎてしまった
でも折角だから晒させて

337 :小ネタ 1/2:2008/03/30(日) 22:02:15 ID:r53YbGCn
メイドを召喚したと馬鹿にされた。
そのメイドが、メイドらしい仕事と言える仕事が全くできず馬鹿にされ。
そのメイドがどうやら人ならざるもの……ゴーレムらしき存在であることを彼女の口から伝えられた時は、
それはそれは喜んだものだが、よくよく考えてみるとメイドのゴーレムなどあまり褒められたものでは
ないのではなかろうか。
いくら精巧に人間に似せて作られたところで、このゴーレムは所詮召使いをするためだけに作られた物。
それも、召使いとしての性能は皆無と言える。
これではなんの価値も無い、とまでは言えないが、実益は全くありはしないではないか。
それに気付いた私は、酷く落胆した。
授業中、他の生徒達に馬鹿にされた私は、とうとう頭にきてしまった。
そして、使い魔のメイドに言ってしまったのだ。
私は後悔した。
彼女に言った台詞を、私はとても後悔した。

「もう! アンタ、あいつらをなんとか黙らせなさいよ! なんかないの? こう、特技とか……」
「命令をご確認します。目標の沈黙。命令に間違いは無いでしょうか?」
「えッ。あ、アンタ、なんかできるのッ?」
「命令に間違いはないでしょうか?」
「え、ええ。やっちゃってちょうだいッ。下手な芸だったら許さな――――」
「了解しました。命令を実行します」

惨劇。

メイドが両腕を水平に掲げたと思ったら、間も無くけたたましい銃声。
原理は全くわからない。
ただ、とてつもなく高速、そして連続に発砲されているのはわかった。辛うじて。
机を、壁を、窓を、そして生徒を。
全て銃弾は打ち抜いた。
やっとこ紡ぎ出した、私の制止を求める声を聞いて、彼女は攻撃を中止してくれた。
銃撃の止んだ教室は、呻き声と泣き声と悲鳴で埋め尽くされていた。
死人が出なかったのは、本当に奇跡だと思う。

あれで謹慎で済んだのだから、それこそ本当に奇跡だと思う。
ああ、本当に思い出したく無い出来事だ。

しかしその後の彼女の活躍は目覚しいものだった。
盗賊の繰り出した巨大なゴーレムを、掌から放つ光線でバラバラにしたり、
傭兵達からの容赦ない攻撃から、身を挺して私を庇ってくれたり、
スクウェアクラスのメイジと対峙し、なんと勝利をもぎ取ってしまったのだ。


338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:02:41 ID:x8qj4k1l
>>332-333
おおっ、ボトムズ好きな人がいて嬉しいw
やっぱりあれかな、キリコが飲むとタルブのワインでも苦くなるんかな?w

339 :小ネタ 2/2:2008/03/30(日) 22:03:13 ID:r53YbGCn
今、私はコルベール先生と共に、技術者をしている。
先の戦乱で、私のことを守るために奮起した彼女は、遂に破壊されてしまった。
そして彼女の左手に刻まれたルーンは、跡形も無く消滅してしまった。
しかし、彼女は私にとって永遠に唯一の使い魔である。
彼女をこの手で再び目覚めさせること。
このことに、私の残りの人生の全て捧げようと思う。
彼女は私にその身全てを捧げて、私を守ってくれたのだから。

そして、できることならば。
できることなら、蘇った彼女が再び戦場へ向かうことが無いように、
彼女の持つ姿に相応しい、本来の仕事を与えてやりたい。
メイドとしての仕事を、きっちり教え込んでやりたい。
茶汲みの一つもできなかった彼女に、徹底的に教え込んでやりたい。



ルイズがレイドバスターを召喚したですッ

おわりッ

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:05:16 ID:x8qj4k1l
>>336
やや、ゴメン…リロードしてなかったんだ(汗

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:06:14 ID:r53YbGCn
WAFからのレイドバスターです
ごめんなさい

>>340
いや俺も急に投下しちゃってごめんなさい

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:25:40 ID:/nfIS2w6
>>338
奴はタバコ吸えますが酒は飲めません。
サンサ編序盤の宇宙船内を思い出してください。

>>339
乙。元ネタ分かりませんが。
ステンレスナイトという成人向け漫画がそういうオチだったような。

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:26:13 ID:ueSC1J59
>>338
苦いどころか酒飲めねーぞあいつ
下戸だしw

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:27:03 ID:nmo3MoQR
>>270
書いてみました

というわけで、「シャーリー」からシャーリー・メディスン召喚
投下よろしいでしょうか?

345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:28:52 ID:/nfIS2w6
>>344
OK!
でも彼女、家事しかできないけど荒事は起こさないんですか?

346 :ゼロの使い魔はメイド1−1:2008/03/30(日) 22:29:54 ID:nmo3MoQR
 「――あんた、誰?」
 ルイズがそう訪ねても、即答はなかった。
 地味な衣服を着たその少女は、粗末げなカバンを抱えて地面に座りこんでいた。
 黒に近い濃い目というか暗目の褐色のおかっぱに、同じような色合いの瞳。
 明らかに平民と見えるその少女は目をそのつぶらな瞳を見開いて、口をぱくぱくさせている。
 自分の現状がまだ理解できていないらしい。
 「ちょっと、返事しなさいよ!」
 ルイズがきつい口調で叫ぶと、少女はびくりと震える。
 平民だ、平民だと囃すまわりが鬱陶しい。
 「まあ、まあ、ミス・ヴァリエール」
 コルベールがルイズをなだめる。
 「彼女もいきなり召喚されて驚いているのでしょう。それよりも、早速契約のほうを」
 「コルベール先生、やりなおしをさせてください! いくら何でも平民の女の子なんて……」
 「それはできません。サモン・サーヴァントは神聖なものです。勉学熱心なあなたならご存知のはずですよ? ミス・ヴァリエール」
 「……」
 そう言われては、ルイズにはどうしようもなかった。
 憤然としながらも、ずかずかと少女に近づいていく。
 「光栄に思いなさいよ……。貴族にこんなことされるなんて、二度とないんだから」
 ルイズはコルベールにせっつかれてやむを得ず、少女とコントラクト・サーヴァント、すなわち契約のキスをする。
 ルイズからすれば、召喚した人間でしかも平民というのは多いに不満だったが、とりあえず変な化け物や生理的に受けつけないタイプの男ではなかったということでよしとした。
 強引によしとした。
 「!!」
 いきなり同性にキスされた少女はそれはもう面食らいまくり、ちょっと涙さえ浮かべていた。
 (な、なによう! まるで私が襲ったみたいじゃない……!!)
 罪悪感と同時に、自分が何かキモい生き物扱いされているようで、ルイズはちょっと傷ついた。
 と、少女は右手を抑えて気絶してしまった。
 多分ルーンを刻まれたショックのせいだろう。
 コルベールは、おや変わったルーンですねと少女の右手を見てルーンをスケッチしている。
 少しは自重しろ、このハゲ。
 ルイズは心の中で毒づいた。

 「……で、あんたはその『いぎりす』とかいう国からきたのね?」
 夜。
 ルイズは部屋で少女と話していた。
 何でも、メイド募集の広告を手に雇い主の家を訪ねたところ、留守だったので玄関先で待っていたところ、目の前に変な鏡のようなものが出てきた――のだそうだ。
 他に何があろう、召喚のゲート。
 何か思って触ってみると、気が遠くなり、気がつけばここにいた、と少女は控えめな口調で語った。
 年を尋ねたところ、
 「十三歳です」
 と、答えた。
 「ふーん。私より三つ下なのね」
 ルイズが言うと、少女は意外そうな顔をした。
 ふんだ、どうせ私は幼児体型よ、つーかあんたよりは女らしい体だっての。
 ルイズは密かに天敵の赤毛娘が聞いたら爆笑しそうなことを考える。
 話をすると、どうもとんでもないど田舎からきたらしい。
 イギリスの他に、フランスだのドイツだの、わけのわからん地名ばかり出てくる。
 デンキがどうの、レッシャがどうのとおかしな単語も。
 新聞の切り抜きとかいう紙切れを見たところ、得体の知れない文字が並んでいた。
 カバンの中身も改めたが、着替えの衣類とかそんなものだけで、特に目を引くようなものはなかった。
 メイジのことを話しても、
 「ま、魔法使い?」
 きょとんとした顔。
 話を聞くうちに、ルイズは泣きたくなってきた。
 魔法も知らない超のつくほどの田舎者の平民。
 感覚の共有はできないし、秘薬の材料を探す……のも、無理だろう。
 主人の護衛なんぞ、聞くまでもない。
 失敗魔法とはいえ爆破を起こせルイズのほうがずっと強いだろう。
 せいぜい雑用、それこそメイドぐらいにしか使えないではないか。
 冗談ではない、メイドなんか十分に間に合っている。

347 :ゼロの使い魔はメイド1−2:2008/03/30(日) 22:31:17 ID:nmo3MoQR
 何がかなしゅうてヴァリエール家の娘が、メイドなんか使い魔に召喚せねばならぬのだ。
 ルイズは頭を抱えそうになりながら、少女を見た。
 十三歳というだけあって、体つきも未成熟、特に胸はルイズに親近感を抱かせる。
 ルイズは、困った。
 これが、たとえば貴族を貴族とも思わぬようななめくさった態度をとる輩であれば鞭をくれてやるところだが、目の前の少女は田舎者とはいえ、貴族への礼儀もわきまえているようだ。
 異国の地にいきなり引っ張ってこられて途方にくれているその様子は、ルイズに怒りよりもむしろ罪悪感を起こさせるものだった。
 (真面目そうだし……悪くはないんだけどねえ…………)
 純粋にメイドとしてならなかなか良さそうだ。
 ちょっと若すぎるのが気にならないでもないが。
 しかし、使い魔として大外れもいいところである。
 ルイズは溜め息をつく。
 「その……悪かったわね。召喚なんかしちゃったりして……」
 つい、ぽろりとそんな言葉が出てしまった。
 発言の後、ルイズは自分の顔を手の平で覆う。
 ああああああ。
 何でメイジで貴族の自分が、平民で使い魔に謝らなくちゃいかんのだ。
 ルイズは内心頭を抱えて怒鳴りたい気分だった。
 一方、少女のほうはかすかに笑みを浮かべて、
 「いえ……別に、心配する人もいませんし」
 そう言った。
 「いないって、親は?」
 「もとから、いません」
 「……」
 気まずい。
 ルイズは冷や汗をかく。
 何か、これ以上聞いてはいけないような予感がする。
 「ま、まあ、いいわ」
 ルイズは咳払いをしながら、できるだけ威厳をこめて言う。
 「とりあえず、あんたには私の使い魔……としては使えそうにないし、専属メイドってことにするわ。あんた、メイドの経験は?」
 「前のおうちで少し……」
 前のおうち?
 またしても深く聞かないほうがよさそうな言葉。
 深く聞くな、ルイズの本能が危険を報せる。
 「……と、とにかく! 今日はもう寝るわ。明日は、ちゃんと起こしなさいよ? メイドなんだから」
 ルイズはそう言って、ツンとそっぽを向いた。
 「あ……そういえば、あんた名前は?」
 「シャーリー・メディスンです」
 「しゃーりーめでぃすん? 長い名前ね、平民のくせに」
 「あの……メディスンは苗字です」
 「へ? 平民なのに、家名があるの? 変わったとこねー、イギリスって……」
 ルイズがそう言うと、シャーリーは困ったように微笑んだ。

 なんやかんやで翌日。
 日の出前、床で毛布にくるまっていたシャーリーはむくりと起き上がった。
 まだ夢の中であるルイズの様子をそっとうかがった後、洗濯籠を抱えて、静かに部屋を出ていく。
 ルイズから洗濯をしておけと命じられている。
 目指す場所は水汲み場なのだが、何分はじめての場所、おまけに異国なので勝手がわからない。
 ここには、水道なんてものはなさそうだ。
 あっちこっちをうろうろするが、なかなか見つからない。
 歩きながら溜め息をついていると、
 「ちゅうちゅう……」
 足元を、ハツカネズミがうろうろしている。
 「きゃ……ッ!」
 ハツカネズミは物珍しそうに後ろ足で立ち上がり、シャーリーを見つめていた。
 「……」
 しばらく見つめあった後、
 「ちゅう」
 不意にハツカネズミはついてこい、というような動作をした。
 シャーリーは困惑するも、何となくハツカネズミの後をついていく。

348 :ゼロの使い魔はメイド1−3:2008/03/30(日) 22:32:44 ID:nmo3MoQR
 すると目の前に、どうやら洗濯をするらしき場所・水汲み場が見えてきたではないか。
 (ひょっとして、案内してくれた?)
 シャーリーがハツカネズミを見ると、
 「なあに、礼にはおよばねえよ」
 というような仕草をして、ハツカネズミは走り去ってしまった。
 「……」
 ハツカネズミを見送りながら、
 (さすが魔法の国……)
 シャーリーは妙なところで感心していた。

 しばらく水汲み場で洗濯をしていると。
 「あら?」
 誰かが近づいてきた。
 黒い髪をしたメイドである。
 「あなた新人? でも、そんな格好で……」
 「あの、私はヴァリエール様の……」
 「ああ」
 て、メイドは気がついたように、
 「ミス・ヴァリエールの召喚したっていう、平民の使い魔……」
 「…………」
 「私は、シエスタ。この学院でご奉仕しているの」
 「シャーリー……です」
 シャーリーも名前を名乗る。
 メディスンという姓は言わずに飲みこんだ。
 この国では、平民には姓はないようなので、いちいち説明するのも煩わしい。
 「そう、シャーリー。困ったことがあったら、いつでも言ってね? 同じ平民同士助け合わないと」
 シエスタはにこりと笑って言った。
 「はい。よろしく、おねがいします」
 シャーリーは控えめにうなずいた。
 シエスタのシャーリーに対する第一印象は、
 (……おとなしい子)
 ついで、
 (無口な子)
 だった。
 シャーリーが洗濯を終え、ルイズの部屋に戻ると、部屋の主はまだ夢の中だった。
 桃色ブロンドのご主人様はまだまだすぴーすぴーと寝息をたてている。
 シャーリーはそっと部屋のカーテンを開ける。
 朝の光がさしこみ、それを受けてルイズは、
 「ううーん……」
 身をよじる。
 「……おはようございます」
 声をかけられ、ルイズはもそもそと起き上がる。
 「ふぁ….。おはよう……」
 ルイズはあくびをして、
 「服」
 シャーリーが椅子の上のマントと制服を持っていくと、
 「見慣れない顔ね、あんた新人?」
 寝ぼけ頭のルイズはシエスタと同じようなことを言った。
 「え、あの……」
 「ああ。使い魔……。昨日、召喚したんだっけ」
 ルイズは髪の毛をかきあげながら、
 「下着。そこのクローゼットの一番下……」
 「はい」
 「着せて」
 シャーリーはちょっと不慣れな手つきながら、着替えを手伝う。
 着替えの後は櫛を持たせて髪をとかせる。
 なかなか上手で、ルイズは起きたばかりなのにまた軽い眠気を覚え、あくびを一つ。
 「さてと」
 着替えが終わり、ルイズはひょいと立ち上がった。

349 :ゼロの使い魔はメイド1−4:2008/03/30(日) 22:34:29 ID:nmo3MoQR
 その時、ドアがノックされる。
 「……? シャーリー、ちょっと出て」
 ルイズは内心嫌な予感を覚えながら、そう命じた。
 シャーリーは言われたまま、ドアを開ける。
 「はい。どちら……」
 そこまで言ってから、シャーリーは絶句し、ドアの向こうを見つめていた。
 一、二秒後。
 「…………ッきゃあーーー!!」
 悲鳴をあげた。
 「ど、どうしたの!?」
 シャーリーは腰を抜かして、床にへたりこんでいる。
 ドアの向こうには、真っ赤な色をした大きなトカゲ。
 「サラマンダー!?」
 サラマンダーはのそのそと部屋に入りこみ、脅えるシャーリーに近づいていく。
 「ひっ……」
 いきなり現れた虎ほどもある大トカゲに、シャーリーは完全に脅えていた。
 「ちょっと、何よこいつ!」
 ルイズは杖を構えてシャーリーをかばうようにサラマンダーの前に立ちはだかる。
 すると、
 「フレイム、ダメよ勝手に」
 サラマンダーに続き、赤い髪をした女が部屋に入ってくる。
 「キュルケ、こいつあんたの使い魔ね?!」
 「そうよ、火竜山脈のサラマンダー。素敵でしょう」
 キュルケはその豊かなバストをさらに強調するように、胸を張って言った。
 「ふん! いくらサラマンダーでも、しつけもろくにできない主人の下じゃブタに真珠ね。いきなり女の子を脅かすなんて主人に似ていい性格だこと!!」
 「あら、ご挨拶ね」
 キュルケはふふんとルイズの罵声を流して、シャーリーを見る。
 シャーリーはいきなりサラマンダーにせまられたショックでなかなか立てないでいる。
 フレイムはまだシャーリーを見ていた。
 その瞳にあるのは、敵意や害意ではなくて、好意。
 (フレイムがいきなりなついてる? まさかねえ……)
 キュルケは心中の疑問をおくびにも表に出さずに、
 「あっははは! ホントに人間なのねー!? さすがはゼロのルイズ、あたしたちにはできないことをさらりとやってくれるわ!!」
 いつものようにルイズをからかった。
 「うるっさい! シャーリーが怖がってるじゃないの!? 早くそのバカトカゲ部屋から出しなさいよ!!」
 「へえ、シャーリーって言うの?」
 またシャーリーを見て、
 (やっぱり、ただの平民よねえ……? ゼロのルイズの使い魔なんだから、もっと面白いかと思ってたのに)
 首をかしげた。


 これにて1回目投下終了です

350 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:42:12 ID:/nfIS2w6
乙。右手なんですね。
確かに左手で戦士やる彼女ってのは考えにくかったけど。

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:50:05 ID:yUZcFq4b
メイドさん乙です。
元ネタは知らないのですが、この後の続きが楽しみです。

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:50:11 ID:AwosuqT1
元ネタわからないけど楽しめたぜ

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:55:11 ID:tcw7tmqW
投下乙

それはそうと、オスマン何やってんだw

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:56:42 ID:wy3HVghn
もしかして森薫のシャーリーか?

355 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:58:09 ID:uEix5PR2
GS美神極楽大作戦から全盛期のドクターカオスが呼ばれたら

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 22:58:50 ID:/nfIS2w6
>>314
小説版野望のルーツによると、
骨盤と大腿骨骨折及び大腿筋損傷で全治6ヶ月の重傷を負いながら、
手術後たった5日で完治して敵5機を大破させているという記述がありました。

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:00:00 ID:BUrHv8RJ
>>355
元の世界とは異なる知識を大量に仕入れたため脳のトコロテン化が急速進行する。

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:01:20 ID:0bElQW1d
メイドじゃないけど乳母は家政婦系に含まれるのか?
メリーポピンズとか召喚に応じてもいいと思うんだが……

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:03:09 ID:C27rFI8C
>足元をちょろちょろ
オスマンハイチマンベンシンダホウガイイトオモイマス

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:03:10 ID:zL9QatkP
sageてね

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:04:34 ID:AwosuqT1
ガンダールヴにスミカ
ミョズにスティンガーを召喚

最終的にヨルムンガントと一体化したスティンガーと激闘…とか

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:04:45 ID:0bElQW1d
>>358
sage忘れ失礼

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:06:20 ID:uEix5PR2
まぁヴィンダールヴのルーンがあるくらいだから
知識云々は解決出来るんじゃ無いの

それいったらガンダールヴっていろいろ記憶を圧迫してそう

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:06:25 ID:xLL1m0vI
>>330
 あれは、ほぼ完全なオリジナルストーリー
 なので、自分なりの展開を各自が展開出来るぞ

 いやいや、いっそ薔薇水晶や偽お父さま召喚とか

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:07:53 ID:xLL1m0vI
それはそうと、「ゼロの使い魔はメイド」GJ

これにハァハァしてしまうヤツは地獄に堕ちろ
私と一緒に

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:13:53 ID:lzqh0BHo
メイドと言って真っ先に思いついたのがMMMですね


367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:14:06 ID:uEix5PR2






368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:14:53 ID:dV2IZe8a
シャーリーって人、本来完全な非戦闘員?
ある意味サイトと同じか。
投下乙

369 :ゼロのエルクゥ05 0/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/30(日) 23:20:23 ID:lLLRvO6C
メイドと言えばHMX-13。
投下予定がなければ5分後に投下を始めたいと思います。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:21:43 ID:BG1w4J8P
>>361
いや、最終的には「4番目」である「fA主人公」と激闘する方が
「記す事も憚られるような事」してる奴ですし、スミカ(ver4世界)とも関係あるし

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:22:45 ID:yUZcFq4b
小ネタやら、シャーリーさんやら見ていたら、ふと思いついてしまったのですが、
鋼鉄天使のくるみとか、サキとか、カリンカとかだったらどうでしょう?
キスからはじまるミラクルだし、「きゅい〜ん、貴女が私のご主人様ですか」
意外とゼロ魔との相性はいいかもw
……まあ、鋼鉄天使はメイドとは、ちょっと違うかもしれませんが。

372 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:23:22 ID:7dE5g0cO
鬼支持

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:23:46 ID:B4KLQxrN
>>369
支援いたす

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:25:27 ID:xPdu/NA4
支援いたす

375 :ゼロのエルクゥ05 1/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/30(日) 23:25:32 ID:lLLRvO6C
「むぐ……」

 水の底から浮かんでいくような意識の中、耕一がまず感じたのは、眩しさだった。

「……つぁ」

 次いで、固くなった体の軋み。
 講義中に突っ伏して寝てしまった時の感覚に似ていた。

「ふあああぁ……」

 無意識に体を伸ばすと、がたん、と座っていた椅子が音を立てた。
 覚醒していく意識を、コキコキ、と肩を上下させる事で補助しながら、耕一は大あくびを一つ。

「あー……しかし、椅子寝なんて久々だったなぁ」

 去年、ゼミの課題が終わらなかった時以来だろうか。
 エルクゥとして目覚めている以上、椅子寝だろうが床寝だろうが体調的には何の問題もないはずなのだが、20年ほど普通の人間やってた記憶からか、横になって寝れないと、どうしても、一日を終えて休んだという気がしないのだった

 ああ、楓ちゃんを抱き枕にしてゆっくり眠りたいなぁ。いい匂いのする髪に顔を埋めて思いっきりぎゅってしたいなぁ……。

「……朝っぱらから何考えてるんだ俺は」

 いかん、結構重症だ俺。と、耕一は頭を振って、邪念を振り払う。

「お役目通り洗濯にでも行きますかね」

 もう一度大きく伸びをして、忘れないようにとテーブルの上に畳んで置いておいたルイズの制服と下着を手に取った。
 ルイズは、まだあどけなく寝息を立てていた。

 貴族である学院の教師や生徒達はまだ寝ていても、奉公する平民達の朝は早い。
 授業開始前の朝食の時間までに学院に住む人々全ての朝食を作らねばならない厨房をはじめ、日の出の前から既に仕事を始めている。
 外に出れば、ぱたぱたと駆け回るメイド達をすぐに見つける事が出来た。
 洗濯なんてメイドに預けてしまおうか、とも考えたが、なんとなーく自分でやらないとまたルイズの機嫌がナナメに傾いてしまうと思ったので、洗濯道具と干す場所を借りるだけにしておいた。

376 :ゼロのエルクゥ05 2/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/30(日) 23:26:14 ID:lLLRvO6C
「うほー冷て。眼は覚めるけどなぁ……」

 水汲み場から冷たい水をタライに張り、洗濯板でゴシゴシ。
 水を切って干し場に干したところで、ちらほらと食堂に向かう生徒達の姿が現れ始めたので、軽い急ぎ足で部屋まで戻った。

「ルイズちゃん、朝だよ」
「う、うぅーん……」

 寝入っているルイズの肩を揺らすと、軽いうめき声。

「……寝てると初音ちゃんに似てるなぁ。起きてると梓だが」

 柏木4姉妹が次女の耳に入れば即座に回し蹴りが飛んできそうな事を口走りつつ、肩を揺らし続けると、徐々にルイズの反応が良くなってくる。

「ふえぇ……?」
「起きた?」
「あんた、誰……?」

 寝ぼけ眼を擦り擦り、幽鬼のように上半身を起こしたルイズの目には、生気が宿っていなかった。質感の良さそうな桃色の髪が、ピンピンと所々ハネている。
 どうやら、ルイズは低血圧らしい。

「ルイズちゃーん、起きてるかーい。耕一お兄ちゃんですよー」
「……誰がお兄ちゃんよ。使い魔」

 耕一がおどけてみせると、ルイズの瞳に光が戻った。

「はぁ。おはよう、コーイチ。ま、時間通りみたいね」

 窓の外の太陽の角度をさっと見て、のろのろと起き出す。

「服取って。そこのクローゼットに入ってるわ」
「はいはい」
「下着。クローゼットの一番下」
「ほいほい」

 言われた通りのものを取り出してルイズの側に置き、後ろを向く。
 柏木家の女達は、皆自分で出来ることは自分でやる性質だ。こんな風に世話を焼くのは新鮮な経験だった。
 いや、どちらかと言うと、世話を焼かれっぱなしだった。居候の分際で。

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:27:04 ID:mhvFTPq8
千年天秤!!
乙です。

378 :ゼロのエルクゥ05 3/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/30(日) 23:27:34 ID:lLLRvO6C
「何後ろ向いてるのよ。着せて」
「……はいぃ?」

 おそるおそる後ろを振り向くと、ルイズはネグリジェ姿のままだった。

「従者がいる時には、貴族は自分で服なんて着ないのよ」

 ……元の世界でも、昔の支配階級はそんな文化を持っていた、と、ゼミ仲間の由美子さんから聞いた知識を唐突に思い出した。

「はぁ。わかったよ。ほら、腕をあげて」

 子供を着替えさせるだけだ。気にするな。気にしない。俺ロリコンじゃないから平気。そう。初音ちゃんだと思え。あの天使に不純な劣情を抱く事など出来ようか。(反語的な意味で

「ん。よし。じゃあ行くわよ」

 自己暗示は辛くも成功したようで、意外と平気に着替えさせる事が出来た。うむ。大人の男はこんな事では動揺しないのである。

「俺もか?」
「使い魔召喚の儀式から初めての授業には、先生方へのお披露目という意味で、使い魔を連れてくるのが義務付けられているの。それに、私が居なくちゃ食堂でご飯が食べられないわよ?」

 なるほどそれは重要だ、と頷き、戸締りを確かめて部屋を出ようとドアに手を掛ける。

「はーい、ルイズ。おはよう」

 しかしてドアを開けると、一人の人影があった。

「……おはよう、キュルケ」

 フランクに片手をあげて笑顔を浮かべたのは、よく日に焼けた褐色の肌と、燃えてうねるような赤く長い髪を持つ女性だった。
 ルイズは、いかにも『何で朝っぱらからこんなヤツと』という面白くない顔を隠さないまま挨拶を返す。

 ―――しかし……なんというか、目のやり場に困る。

 キュルケ、と呼ばれた赤い女性、これがなんとも色っぽい。
 ルイズのものと同じデザインの二回りほどは大きいサイズの制服を着ていながら、メロンやスイカを思わせるそのつるんと丸っこい大きなバストは、ボタンを2つ外してなおきつそうに服に収まっている。
 ……あれは、明らかに梓を越えている。
 快活で大らかな笑みを浮かべるその様子は、ナイーブな面が強そうなルイズとは、どこからどこまでも対照的であった。

379 :ゼロのエルクゥ05 4/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/30(日) 23:29:05 ID:lLLRvO6C
「後ろのその人が、あなたの使い魔ね?」
「……そうよ。見てたから知ってるでしょ?」
「ええ。何処の平民を連れてきたのかしらと思ったけれど、なかなかどうして面白そうなのを喚んだじゃない? さすがゼロのルイズ、と言ったところかしら?」

 ゼロのルイズ。何か聞いたことあるな、と耕一は顎に手を当てた。

「うるさいわね。わざわざそんな事を言いにここで待ってたの? ツェルプストーは体だけでなく、お暇ももてあましていらっしゃいますのね」
「あら、部屋はお隣ですもの。偶然鉢合わせる事もあるでしょう」
「どう見ても先にあんたが居たでしょうがっ!」

 ―――おお、そうだ。確か、あの召喚されてすぐの時、回りの子供達がルイズを囃し立てていた、そのフレーズだ。
 何か悪口のようなものなのだろうか。しかし耕一には、目の前の赤い女性に悪意は感じられなかった。

「偶然よ。ね、フレイム? あなたもそう思うでしょう?」

 ガア、と、キュルケの足元にいたとんでもなく大きなトカゲが、ぼうっと火を吹きながら返事をした。
 テレビで見た、世界で最も大きなトカゲというコモドオオトカゲに匹敵する大きさだ。人間的な感覚で見ると、正直ちょっと怖い。

「自分の使い魔にアリバイ証言させて、誰が信じるのよそんなものっ!」
「ねえあなた、ホントに召喚されたの? どっかから連れてこられたとかじゃなぁい?」
「無視するんじゃないわよっっっ!!!」

 ……そう、あれだ。千鶴さんが梓をからかっている時のような、あんな感じ。
 あれより随分と剣呑ではあるが、根底にあるのは同じもののような気がした。

「いや、まあ、連れて来られたといえば問答無用で連れて来られたのは間違いないな。変な鏡みたいなのに吸い込まれて、気付いたらああだったんだし」
「ふぅん……あなた、お名前は?」
「柏木耕一」

 キュルケは、さっと視線を耕一の左手に滑らせて、頷く。

「変わった名前ね……どうやらホントみたい」
「だ、だからそう言ってるじゃないっ」
「うん、おめでと。よかったじゃない、ルイズ。ちゃんと召喚できたみたいで」

 今にも噛み付きそうだったルイズの顔が、ぽかん、と呆けた。

380 :ゼロのエルクゥ05 5/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/30(日) 23:30:02 ID:lLLRvO6C
「……な、なによキュルケ。気持ち悪いわね」
「あら心外ね。私だって褒める時には褒めますわよ? ゼロとイチの違いはとてつもなく大きいんですもの。たとえ、たとえ召喚できたのが平民、冴えない顔の平民の男だとしても、それはとてもめでたい事ではなくって?」

 あくまでも軽いその声に、毒気を抜かれかけたルイズの顔がやっぱり真っ赤に染まった。
 冴えない顔、と言われた耕一は、苦笑を顔に貼り付けている。

「キュルケーっ!!!」
「おほほほほ。それでは、ごめんあそばせ」

 ルイズをいなしつつ、耕一に向かって悪戯っぽくウィンクする。
 そのすれ違いざま、

『ダシにしちゃってごめんなさいね』

 と、耕一だけにそっと囁くと、キュルケはお供のトカゲを引き連れて、悠々と去っていった。

「な゙ん゙な゙の゙あ゙の゙お゙ん゙な゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!!」
「ま、まあ落ち着けってルイズちゃん」

 こっちは、とてもじゃないが悠々と、とはいかなかった。
 千鶴と梓ならもう少し勝負にもなるが、この二人の場合はルイズが圧倒的に不利のようだ。キュルケの方が余裕過ぎるのか、ルイズの余裕が無さ過ぎるのか。

「自分が火竜山脈のサラマンダーを召喚したからって! ああもうくやしいいいいい!!!」

 地団駄を踏むルイズ。

「胸だけでかけりゃいいってもんじゃないのよ! む、胸! 胸だけの女のクセに! 胸ーっ!」

 ……しばらく収拾がつきそうになかった。よっぽどコンプレックスであるらしい。
 耕一は、やれやれ、と肩をすくめて、ご主人様のため、そして、このままでは食いっぱぐれそうな朝食のため―――少しだけ、鬼氣を解放した。

「―――そんなに悔しいなら、そのサラマンダーというあれ、潰してきてやろうか?」
「……えっ?」
「君の喚び出した使い魔の方が遥かに上だと証明して見せよう。どうだ?」
「えっ? えっ? な、何、言ってるの、コーイチ」
「言葉通りの意味だが。あのトカゲの頭を一瞬で捻り潰してこよう、と言っている」
「なっ―――!」

381 :ゼロのエルクゥ05 6/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/30(日) 23:31:02 ID:lLLRvO6C
 ルイズの顔が、驚愕に青くなる。
 その目をまっすぐに見つめて、言葉を続けた。

「どうした? 馬鹿にされて悔しいんだろう? 君の方が上なのだとあの女に見せつけるチャンスじゃないか。さあ、命令をくれ。使い魔に一つ命令を下すだけで、あのご立派なサラマンダーはただの肉塊に変わる。君はもう馬鹿にされる事なんてなくなるぞ」
「あ、あう」

 眼が泳ぐ。そんな事考えもしなかった、という顔だった。
 ―――うん。やっぱり優しい子だ。

「……落ち着いたかい、ルイズちゃん?」
「―――へ」

 にっこり。
 柏木家は末娘の『天使の笑顔』を真似するつもりで笑ってみる耕一。
 驚愕と緊張に強張っていたルイズの顔が、ぽへ、と抜けた。

「あ、あああ、あんた」
「頼まれたってそんな事しないから、安心して。ごめんな、変な事言って」

 ルイズは口をぱくぱくさせていた。頭の中の感情を言葉にしようとして言葉にならず、うにゅにゅにゅにゅ、と不明瞭な音だけが漏れ出てくる。

「ほら、主人はでんと構えて。さっきのは冗談。君の友達の使い魔を殺すなんてしないから。な?」
「……ツェルプストーが友達なんて、ぞっとしない話ね。はあ。まったく、冗談に聞こえなかったわよ……」
「聞こえないように言ったからね」

 行き場のない感情を何とか飲み込めたのか、肩を落としてため息をつくルイズ。

「馬鹿にされて悔しいのはわかるけど、気にしない方がいい。ルイズちゃんのそういう反応が楽しくてしてくるんだから」
「わかってるわよ! わかってるけど……悔しいものはしょうがないじゃない!」

 結構根は深いみたいだなあ、と、ふるふる震えるルイズを見ながら思う耕一。
 まあ、さっきの言葉に戸惑いを見せるぐらいならまだ大丈夫だろう、と耕一は気楽に構えた。少なくとも、実害を加えてやろうという憎しみまでには至っていないのだから。

「ま、美味しいご飯を食べれば忘れるさ。早く行こうぜ」
「……そうね」

 あんたは悩みが無さそうで良いわね、というルイズの視線は、大人の余裕で黙殺しておいた。

382 :ゼロのエルクゥ ◆yxbMPy6fic :2008/03/30(日) 23:32:04 ID:lLLRvO6C
以上です。支援ありがとうございました。楽しんでいただければ幸い。

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:32:27 ID:YH+X6lei
乙ですた~

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:33:24 ID:dV2IZe8a
鬼の人乙
反応が大人というか、さわやかだ耕一

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:34:33 ID:YDtEEAzi
戦闘メイドならとらはシリーズの方のノエルとか
ここは意表をついてエルザに召喚とか

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:38:06 ID:80ydPTDn
乙です!
エルクゥってなんか聞き覚えあるなーと思ったが痕でよかったっけ?

ところでメイドなら由比ヶ浜ぷに子あたりはどうだ
戦闘力なら申し分ないぞ
……あれ?

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:41:17 ID:xPdu/NA4
うんうん、いいかんじのエルクゥですね!
面白かったです!

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:42:18 ID:YDtEEAzi
痕の方乙です。シエスタとの遭遇が描かれていないのが気になる…

痕の一つ前の雫が見たいです。無論、タバサが瑠璃子さん召喚で
でむぱうまく使えばタバサ母直せない?

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:44:33 ID:UFk23BZz
メイドロボならスーパーメカ翡翠

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:48:10 ID:S6/UgCit
召喚直後に花火やらかしてトリステイン壊滅ENDか

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/30(日) 23:52:32 ID:80ydPTDn
ところで零崎一賊って双識以外に誰か呼ばれてたっけ?
曲識あたりが射程範囲内バッチリの状況に放り投げられた所を見てみたい

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:05:27 ID:nyt1kNzu
メイドさんということでなぎさを召喚すると…

避難所行きだなww

>>385
ドジっ娘巫女メイドもいっしょに

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:06:49 ID:cX9Yi233
エッグチェンバー召喚

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:08:53 ID:q39aNjqy
白貌の伝道師を召喚

どう見ても胸革命が酷い事になって終わりです
本当にありがとうございました

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:13:20 ID:pbOUjV6y
メイドならTHEメイド服と機関銃のユウキさん

それにしても姉妹スレが多すぎてチェックしきれない
リスト以外にも派生してるみたいだし
まとめのまとめとか作る努力してみるか・・・

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:19:27 ID:pvZjf1jH
メイドならリリなののファリン・K・エーアリヒカイトでいいんじゃん?
すいません一番最初に思い浮かんだだけです……

397 :ゼロの戦乙女 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:31:33 ID:HA+Vfos/
こんばんは。
メイドはあまり語れませんが、その分シエスタに愛を注ぎます。
その割に当SSではシエスタがやばいことになっていますが……。
視界良好であれば第七話投下したいと思います。

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:32:26 ID:pvZjf1jH
ういさ

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:34:39 ID:5wbkB+F1
死の先を行く者に支援!

400 :ゼロの戦乙女第七話1/7 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:36:00 ID:HA+Vfos/
 シエスタが一世一代の大反抗をしていた頃。
 学院長室では学院長を勤めるオールド・オスマンが、真面目に仕事をする振りをしながら使い魔の鼠を使い、秘書のミス・ロングビルの下着を覗こうと躍起になっていた。
 ロングビルは知的な容貌の美人で、中々モートソグニルを近くに近寄らせる隙を与えず、淡々と秘書の仕事をこなしている。
 その目は揺ぎ無くモートソグニルの動きを注視しており、それでも仕事をする手は止まらない。。

「ふむ、モートソグニル。現実は厳しいのう」

 戻ってきたモートソグニルの頭を撫でながらため息をつくオスマンに、ロングビルの額に青筋が浮かぶ。

「オールド・オスマン。使い魔で私の下着を覗こうとするのはやめていただけませんか?」

 秘書として雇われてからというもの、仕事中に常にセクハラ行為に遭い続けているロングビルは、この老人に雇われたことを少々後悔していた。
 これでもオールド・オスマンは偉大なるメイジとして学院中の尊敬を集めているメイジだ。
 百歳とも三百歳ともいわれる高齢に、それに見合った知識と教養を兼ね備えているはずなのだが、ロングビルに言わせれば所詮セクハラ爺に過ぎない。
 学院長という責任ある身分についていることからして、それなりの実務能力があることは確かなのだが、如何せん椅子に座っているだけなのでメイジとしての実力は未知数である。

「さて、ミス・ロングビル。何のことを言っておるんじゃ?」

 堂々としらを切るオスマンは、そ知らぬ顔で再びモートソグニルを床に放し、ロングビルの下着を覗こうとする。
 立ち位置を変えるなどしてモートソグニルを牽制するロングビルが執務机にたまたま近付くと、オスマンはさり気ない手の動きでロングビルの尻を撫でた。

「な、何をするんですか、オールドオスマン!」

「おお、すまんのうミス・ロングビル。他意はないのじゃが手が滑ってしもうた」

 撫でられた尻を押さえて後退るロングビルに、オスマンは飄々と謝罪する。
 これだからロングビルはオスマンが苦手だ。
 目に好色そうな光を浮かべているとか、悪意がセクハラ行為に透けて見えたりすれば、ロングビルだって断固として過激な態度を取れる。
 だが、オスマンは老獪で何気ない風を装ったりすぐに謝罪したりして、ロングビルの怒りを不完全燃焼にしてしまう。
 ロングビルが黙ってオスマンを見つめていると、オスマンのもとに一瞬の隙をついてロングビルの股の間を潜り抜けたモートソグニルが戻ってくる。

(ふむ、ミス・ロングビルの下着は白か。彼女の雰囲気なら黒が似合うと思っておったのじゃが、意外じゃのう。ここは匿名で最高級の黒の下着を後で送り付けておかねばならんな)

401 :ゼロの戦乙女第七話2/7 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:37:03 ID:HA+Vfos/
 好々爺の表情で己の使い魔にナッツをやるオスマンが、そんなことを考えているとは露とも思わないロングビルは、オスマンのさり気ないセクハラをどうやって避けるか真剣に考え込んでいた。
 そんな中、学院長室のドアが開きコルベールが飛び込んでくる。

「オールド・オスマン!」

「なんじゃね、ノックもせずに騒々しい」

 ロングビルからコルベールに興味の対象を移したオスマンがコルベールに問い掛けると、コルベールはオスマンの執務机に古めかしい本を載せる。

「『始祖ブリミルとその使い魔たち』? このような古臭い本をよく発掘してきたのう」

「そんなことはどうでもいいのです! ミス・ヴァリエールが召喚した使い魔に刻まれている見慣れないルーンを調べていたのですが、とにかく、このページを見ていただきたい!」

 興奮しているコルベールとは対照的に、冷めた表情で開かれたページを見たオスマンは、一瞬だけ鋭い表情を出すと、もとの好々爺に戻ってロングビルに退室を促す。
 ロングビルが退室すると、オスマンはいつもの飄々とした雰囲気の中に真剣な表情を滲ませてコルベールに向き直った。

「どういうことかね、ミスタ・コルベール」

「ミス・ヴァリエールの使い魔に刻まれたルーンは、ここに描かれている『ガンダールヴ』のルーンと全く同じなのです! あの使い魔はガンダールヴかもしれません! これは一大事ですぞ!」

 興奮するあまり古書をバンバンと叩きながら、口角泡を飛ばす勢いでコルベールはまくし立てる。
 コルベールがここまで興奮しているのは、ガンダールヴのルーンだけが理由ではない。
 誰よりも努力を惜しまぬのにも関わらず、報われないでいたルイズが、伝説のガンダールヴを呼び出したかもしれないという事実が嬉しかったのだ。
 度を超えたコルベールの感情移入っぷりが少し心配になったオスマンは、いったん沈静化するのを待って口を開く。

「じゃがそうなると、ガンダールヴは人間、しかも平民だということになってしまうのう。
 それにガンダールヴは六千年前の伝説の存在じゃぞ? この時代に生きておるはずがない。何かの間違いではないのかね?」

 オスマンの反論は筋が通っているように思えて、コルベールは一瞬言葉に詰まる。
 確かに、コルベールが見たルイズの使い魔は、どう見ても二十歳ちょっとにしか見えなかった。
 しかし、ルイズを心配するコルベールは天才的な閃きで、この矛盾を全て解消する仮説を思いつく。

「では、ミス・ヴァリエール自身がガンダールヴに関係する何かなのかもしれません! よく考えればミス・ヴァリエールの失敗は私にも説明がつかない現象でしたし、それなら充分にあり得ます!」

 発想を逆転させたコルベールの主張に、オスマンは目を白黒させながらも、鷹揚に疑問を指摘する。

402 :ゼロの戦乙女第七話3/7 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:38:12 ID:HA+Vfos/
「待ちたまえ、ミスタ・コルベール。始祖ブリミルは伝説の『虚無』を操ったといわれておるメイジじゃ。
 君の主張では、まるでミス・ヴァリエールが魔法を失敗しておるのは彼女が虚無のメイジだからで、使い魔にガンダールヴのルーンが刻まれたのも全てそのためであるように聞こえるぞ。
 虚無は伝説の中だけの話じゃし、さすがにそれは早計ではないかの?」

「しかし、それではミス・ヴァリエールの失敗も、彼女が召喚した使い魔に他とは違うルーンが刻まれたのも説明ができません!
 オールド・オスマン、ここは私たちだけではなく、当人も交えて話をした方が──」

 コルベールの言葉をオスマンは遮った。

「馬鹿なことを言うでないよ。これらは仮説に仮説を重ねただけの話に過ぎん。
 確かにミス・ヴァリエールの爆発は、失敗として説明することはできんかもしれんが、彼女が虚無のメイジだということも現状で証明することは不可能じゃ。
 ここは確たる証拠が揃うまで秘密にしておくのが一番良いと思うぞい」

 オスマンの最もな発言に、コルベールは冷静になって考えた。
 確かに、ルイズを虚無のメイジだと断定するには明確な証拠が足りない。
 レナスにガンダールヴのルーンが刻まれていることや、ルイズが系統魔法を全て爆発という統一された現象で失敗しているということから、ルイズが虚無のメイジである可能性はかなり高いだろう。
 だが、そうではない確率が少しでも残っている以上、ここで決め付けるのは危険過ぎる。
 万が一アカデミーや王宮に話が漏れでもしたら目も当てられない。

「君にも分かったようじゃな。ミス・ヴァリエール自身のためにも、今はそっとしておくのが一番いいんじゃよ」

 真剣な表情で頷くコルベールを見て、オスマンは満足げに笑った。
 話が一段落したのを見計らったかのように、学院長室のドアがノックされる。

「失礼いたします」

 入ってきたのは話の前に退出させたロングビルだった。
 オスマンとコルベールが自分に向き直るのを確認すると、ロングビルは固い表情で口を開く。

「食堂で騒動があったらしく、ヴェストリの広場で生徒が決闘をしようとしています。広場には食堂にいた殆どの人間がいるようで、中には教師もいるようですが止める気配が見当たりません」

 それを聞いたコルベールは頭痛を感じてこめかみを押さえた。
 決闘をしようとしている生徒がいるにも関わらず、その場にいる教師が何もしないとは、真面目に教師という職業を勤めているコルベールにしてみれば信じられないことなのだ。

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:39:12 ID:6pkpgvUq
冷厳なる支援

404 :ゼロの戦乙女第七話4/7 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:39:11 ID:HA+Vfos/
「決闘は校則で禁止されているのに、彼らは何をしているんだ!?」

 憤慨しているコルベールと同じく、広場を見てきたロングビルはそれを不思議に思っていた。
 適当に生徒を捕まえて事情を少し聞いた後は、一目散に学院長室に来たので完全に事態を把握したわけではなかった。
 だが、それを差し引いて考えても広場に集まった教師たちの態度はおかしかった。

「教師達も娯楽に飢えておるんじゃろう。暇を持て余した貴族ほど、性質の悪い生き物はおらんからな。で、一体誰なんだね、その決闘をしている生徒は」

「一人はギーシュ・ド・グラモン、もう一人はシエスタという平民のメイドだそうです」

 ロングビルの言葉に、オスマンの眉が意外そうに跳ね上がる。

「グラモンのところの馬鹿息子か。じゃが解せんのう、平民といえども、グラモンの子弟ならば女性に対して暴力的な手段は使わないと思っとったのじゃが」

 しきりに首を捻るオスマンに、ロングビルは冷静に生徒から聞き出した事情を告げる。

「それが、どうやらメイドの方がミスタ・グラモンに楯突いたようなのです。私が事情を聞いた生徒は、メイドの自業自得だと言っておりました」

 思いも寄らない名前が出てきたことに、オスマンは部屋に安置されている『遠見の鏡』に杖を振り、広場の情景を映し出す。
 駆け寄って遠見の鏡を凝視するコルベールを他所に、オスマンはロングビルに命じた。

「ミス・ロングビル。一時的に宝物庫の鍵を預けるので、念のために『眠りの鐘』を準備しておいてくれんかね? ミスタ・グラモンもそうじゃが、平民とはいえど人死にを出したくはないからの」

「……承知いたしました」

 その場で完璧な礼をすると、ロングビルは足早に学院長室を出ていく。

「やれやれ。ミス・ヴァリエールの使い魔の後は、決闘騒ぎか。大事にならなければよいのじゃが」

 老いてなお偉大なメイジは、コルベールと同じく遠見の鏡に目を向け、深いため息をついた。


             


 散々溜まりに溜まった胸の内をレナスにぶちまけたルイズは、残った時間で少しでも昼食を取っておこうと思い、食堂に来て呆然とした。

405 :ゼロの戦乙女第七話5/7 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:40:35 ID:HA+Vfos/
「何これ? 人っ子一人いないじゃない」

 ルイズは一瞬午後の授業が近いからかと思ったが、それにしては料理が下げられてないのはおかしいと思い直す。
 レナス用に昨日の夜と同じ献立をコックに用意させようと思い厨房へ行くも、コックも給仕もいない。

「何がどうなってるのよ?」

 予想外の事態に戸惑いながらルイズは誰も手をつけていない席の前に立つが、戸惑っているのまレナスも同じで、椅子を引いてやることまで気が回らない。

「ああもう、気が利かないわね!」

「……座って食事をしている場合なの?」

 明らかに異常であるにも関わらずいつも通り食事を取ろうとするルイズに、レナスは不思議そうな目を向ける。
 別に非難しているような視線ではなかったが、ルイズは自分がとんでもなく馬鹿なことをしているような気がして、顔を真っ赤にした。

「だだだだってお腹空いてたんだもの!」

 ルイズの言葉を証明するかのようなタイミングで、ルイズの腹から空腹を証明する可愛らしい音がする。
 顔から湯気が出そうなルイズを他所に、レナスは残された料理の数々を眺めながらマイペースに言った。

「いくつか皿を持っていって歩きながら食べればいいわ。この状況なら、何を持っていっても文句は言われないでしょうし、今は状況を把握することを優先すべきよ」

「そ、そんな行儀の悪いことできるわけないじゃない!」

 公爵家の娘として厳しく躾られてきたルイズは、効率的見地から意見を述べるレナスに真っ向から反発する。
 そんな中、食堂の入り口からマルトーがぶつぶつ愚痴を言いながら戻ってきた。

「ちくしょう、シエスタの奴どうしちまったんだ。前は貴族相手にあんな無謀なことするやつじゃなかったのに」

「ちょっと、そこのコック! これはどういうことなの、説明しなさいよ!」

 彼が平民だと察したルイズは横柄な態度で話し掛ける。普段なら働く自制心も、予想外の事態に吹き飛んでいるようだ。
 シエスタが心配なマルトーは、機嫌が悪いのを隠そうともせずに物凄い目でルイズを睨みつけてきたので、ルイズは「ひっ」と思わず恐怖のあまり声を上げてしまった。
 ルイズが『ゼロ』であることは有名なので、貴族嫌いのマルトーはルイズに対してはそれほど恐怖心を抱いていないのだ。
 さらに加え、シエスタを心配するあまり自暴自棄になり、表面上だけでも貴族を敬っていた態度をやめてしまっている。

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:40:48 ID:5wbkB+F1
とりあえず、色ボケジジィには匿名でカミソリを送りつつ支援。

407 :ゼロの戦乙女第七話6/7 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:41:56 ID:HA+Vfos/
「ああ、ヴァリエールのお嬢さんですかい。うちのメイドが貴族に逆らっちまって、ヴェストリの広場で公開リンチに遭ってるんでさあ。
 いいですねえあんたは。魔法が使えなくとも、貴族というだけで俺達みてぇに虐げられることはねぇ。あんたら貴族のせいでシエスタは……!」

 ただの平民であるはずのマルトーに自分が『ゼロ』であることをあげつらわれ、ルイズは一気に頭に血が上り、沸騰した。
 憤然と前に出ようとするルイズを、レナスは冷静に押し留める。

「まって、ルイズ。理由も分からないうちに、売り言葉に買い言葉で激昂してはいけないわ。頭を冷やしてまずは落ち着いて」

 マルトーはそこで初めてルイズの隣に立つレナスに気付き、怪訝そうな表情になる。

「何だ、あんた、貴族の使い魔だったのか?」

「……不本意だけれど、そうね」

「だったらシエスタを助けてくれ! あんたなら簡単だろ!?」

 必死なあまり襟を掴んで締め上げてくるマルトーに、レナスは僅かに顔を歪める。

「シエスタから聞いたの?」

「いいや、あいつは何も言っちゃいねぇよ! ただあいつの態度からそう思っただけだ! 文句あるか!?」

 何やら会話が成立しているらしい二人に、ルイズは慌てて割って入る。

「待ちなさい、コイツはただの平民よ! 無茶を言わないで!」

「な、何だって……?」

 精根尽き果てた様相のマルトーは、呆然とした表情でへなへなとその場に座り込んだ。

「何なのよ、一体もう!」

 カリカリした様子のルイズを一先ず放っておいて、ルイズはマルトーの傍に片膝をつく。

「私たちも今食堂に来たばかりで、事態が掴めていないの。よかったら事情を説明して欲しいわ」

 あくまでも冷静なレナスをマルトーはのろのろと見上げたが、やがてぽつぽつと語り出す。
 ケーキの配膳をしていたシエスタがギーシュの香水のビンを拾い、それが切っ掛けで二股がばれ、ギーシュは二股をかけていた両方に振られてしまったこと。
 たまたまビンを拾っただけのシエスタに、ギーシュが腹いせに言い掛かりをつけ、土下座を強要したこと。
 明らかにギーシュに怯えていたシエスタが、震えながらも何故か土下座を拒否し、二回目の要求すら拒否したこと。
 ギーシュがそれに激昂し、シエスタに決闘を申し込んで『ヴェストリの広場』へ向かい、シエスタも一緒に連れていかれたこと。

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:42:57 ID:pvZjf1jH
霊柩無き者に支援!…てオワテルか?

409 :ゼロの戦乙女第七話7/7 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:43:34 ID:HA+Vfos/
 ゴーレムに殴られ続けるシエスタを途中で見ていられなくなって、マルトーだけが戻ってきたこと。
 マルトーには分からなかったシエスタの行動の意味も含めて、状況を全て理解したレナスは、思わず今までルイズの前で保ち続けてきた冷静さをかなぐり捨てていた。

「あの子! 意地の張りどころを間違えたわね!」

 ハスキーな声は変わらないとはいえ、レナスが感情を剥き出しにするのを始めて見たルイズは目を円くしてポカンとした。
 今の言葉を吐いたのは一体誰だろうと首を傾げ、やはり自分の使い魔しかいないという結論に至る。
 そこまで考えたところでルイズは我に返った。

(って違う、そんなの今はどうでもいいことだわ)

 頭を軽く振って逸れかけた思考を戻す。
 確かにマルトーの話を聞いた限りでは、シエスタには災難という他はない。
 ルイズとしても、もしギーシュがこの場にいれば、平手打ちの一つや二つはくれてやるところだ。
 だが、ルイズは同時にシエスタにも呆れている。学院に奉公している身なのだから、貴族に逆らえばどうなるかくらい分かっていたはずだ。
 なのに逆らおうとするなど、正気の沙汰とは思えない。
 そもそも、どうしてレナスはシエスタのことを知っているような口振りなのだろう。
 召喚してからまだ一日しか経っていないのに、どこかで会っていたのだろうか。
 そう考えると、何故かルイズは面白くなかった。

「で、レナス、どうするつもり?」

「決まっている! ヴェストリの広場に向かうわ!」

 ムスッとした顔で問い掛けるルイズに、レナスは振り向くことすらせずに答え、食堂を飛び出していく。
 自分を見てくれない使い魔に苛立ちつつも、ルイズはレナスを追いかけて走り出した。

410 :ゼロの戦乙女第七話7/7 ◆5ZSwcPATsg :2008/03/31(月) 00:46:50 ID:HA+Vfos/
以上、第七話終了です。
今回はオスマンとコルベールの場面に力を入れました。
原作の雰囲気を残しつつ、SS独自の雰囲気を感じて貰えたら幸いです。
時間軸が錯綜しているのでちょっと分かりにくいかもしれません。
対ギーシュ戦は次回に持ち越しになります。
支援ありがとうございました。

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:48:45 ID:5wbkB+F1
ぐはぁ! なんて所で切るんだろうか・・・あ、投下乙です。
とにかく、シエスタがまだ死んでないことを祈りつつ次回をお待ちしてます。

412 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:54:14 ID:OpdxM8OE
戦乙女の人乙!
シエスタ死亡フラグ回避か!?とはいえどう収拾をつけるのか・・・
既に貴族に啖呵切ったのは、殆どに人に知られてるだろうし

エルクゥの人も乙です
楓登場が待ちきれないっ。続きを待ってるぜ!

どちらも今後にwktk

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 00:54:47 ID:mKUg4+9o
恐竜惑星(知ってる人いる?)のラプターが召還されるという話を妄想してみたが、
ラプターが強すぎるせいでうまくいかない・・・・

414 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 00:57:15 ID:Jj0owvKC
予約がなければ、1:05分に投下いたします。

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:00:33 ID:pvZjf1jH
おkですよ〜

416 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:06:23 ID:Jj0owvKC
フォックスが目を覚ますと、そこはいつものグレートフォックスにある就寝部屋ではなく、
貴族が住んでいるような豪華なベッドやイスが置いてある部屋だった。

「そうか、そういえばそうだったな……」

フォックスは、自分がルイズの使い魔になったことを思い出し、少しブルーな気分になる。
しかし、朝から落ち込んでいても何も始まらないので、もぞもぞと毛布を剥いで体を起こした。
光が差し込んでいる窓を開け、フォックスは外の空気を思いっきり吸い、そのまま背伸びをする。
外は、すがすがしいくらいの晴天だった。
真っ青な空を見上げると、落ち込んでいた気分も、少しは晴れやかになる。
ふとフォックスは、ルイズの方を見る。すやすやと寝息を立てて眠っている姿は微笑ましい光景だった。

「これでおてんばじゃなければな……」

ふっと笑いながら、フォックスは寝ている主の元へ行く。

「ルイズ、朝だぞ。起きなきゃいけないんじゃないか?」

ゆさゆさと布団を揺すり、ルイズを起こそうとする。
しかし、ルイズはヘラヘラと笑っているばかりで、一向に起きる気配がない。
余程良い夢でも見ているのだろう。
このまま眠ったままでも困るので、フォックスはそのまま布団と毛布を掴んではいだ。

「ふぇ……!? な、何! 何事!」
「朝だ。起きなきゃいけないんだろ?」
「あ……そうだったわね。って、誰よあんた!」

417 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:08:16 ID:Jj0owvKC
寝起きで頭が働いてないのか、ルイズは寝ぼけた声で怒鳴った。

「……昨日、使い魔になったフォックスだ」
「ああ、そういえばそうだったわね……」

ルイズは大きなあくびをしながら起き上がる。
そして、椅子にかけてあった服を指差して言った。

「服」
「昨日も着ていた奴だな。あれがルイズの制服か? 中々いい服じゃないか」

フォックスは腕を組みながらルイズの服を見る。

「……感想はいいから早く取って頂戴」
「わかった」

フォックスは椅子にかかっていた服を取り、ルイズに渡す。
ルイズはだるそうにネグリジェを脱ぎ始めた。
フォックスはあわてて視線を明後日の方向へ向ける。

「下着」
「下着?」
「そこのー、クローゼットのー、一番下の引き出しに入ってる」

フォックスはクローゼットの引き出しを開ける。
そこには女性物の下着が沢山入っていた。フォックスは少し戸惑う。

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:08:25 ID:O/N5NPCW
支援

419 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:10:20 ID:Jj0owvKC
「……で、これをどうすればいいんだ?」
「適当に選んで渡して頂戴」

女性物の下着を手に取るのは若干抵抗があったが、主人の命令とあらば仕方が無い。
フォックスは適当に下着を掴んで、ルイズの方を見ないようにしながら下着を渡した。

「服」
「さっき渡したじゃないか」
「着せて」

この命令にはさすがのフォックスも困った。
いくら年下とはいえ、ルイズは悩み多き年頃なのだ。
そんな女性の着替えを手伝うのは、フォックスにとってかなり抵抗がある。

「服くらい自分で着替えられるだろう?」
「あんたは知らないだろうけど、貴族は下僕がいる時は自分で服なんて着ないのよ」
「……そうなのか?」
「そう。だから早く着せなさい」

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:11:52 ID:O/N5NPCW
支援

421 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:12:34 ID:Jj0owvKC
そう言われて、フォックスは仕方なく着替えの手伝いをする。
ふと、フォックスの頭に嫌な予感が過ぎる。
まさか身の回りの世話を全てやらなければいけないのだろうか?
フォックスは恐る恐るルイズに質問した。

「なあ、一つ聞いていいか?」
「何よ?」
「使い魔というのは、身の回りの世話という世話を全てやらなくちゃいけないのか?」
「そうね、大抵のことはやってもらうつもりだけど」

この言葉を聞いたフォックスは、あんなことやこんなことを想像して思わず声を荒げた。

「なっ……! そ、それじゃあまさか風呂に入る時やトイレ行く時も付き添わなきゃ行け……」

フォックスが言い終わる前に、ガンっと鈍い音が部屋に響いた。

「そこまでやれとは言ってないわよ、このエロ狐!」
「そ、そうか……安心した……」

フォックスは殴られた後頭部を擦りながらルイズの着替えを手伝った。

422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:14:58 ID:O/N5NPCW
支援

423 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:15:07 ID:Jj0owvKC
数分後、着替えを終えたフォックスとルイズが部屋を出ると、隣の部屋のドアが空いた。
中から燃えるような赤い髪の女の子が現れた。
ルイズより背が高く、フォックスの身長よりやや低い背丈で、むせるような色気を放っている。
フォックスが最初に目に付いたのは、まるでメロンのような突き出たバストだった。
一番上と二番目のブラウスのボタンを外し、胸元を覗かせている。わざとやっているのだろうか?
いくら温厚で真面目な性格のフォックスであっても、ついそこに目がいってしまうものだ。
(しかもフォックスは後に出来る彼女の体形から察するに巨乳好きである)

「おはよう。ルイズ」

ルイズは顔をしかめると、嫌そうに挨拶を返す。

「おはよう。キュルケ」
「あなたの使い魔って、それ?」

フォックスを指差して、物珍しそうに言った。

「そうよ。悪い?」
「まさか。悪いなんて言わないわよ。ただ、随分と珍しい使い魔だと思ってね」

そう言って、フォックスの前に行き覗き込むように見つめる。
キュルケの谷間がフォックスの目前に迫る。
フォックスは、ついそこに視線がいってしまうが、あわてて顔を逸らす。


424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:15:10 ID:H7cNkNSM
一瞬コセイドン?と思ったがアレは恐竜戦隊だったな。

425 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:18:05 ID:Jj0owvKC
「ねえ、昨日から気になってたんだけど、これって狐なの?」

フォックスにとって、"キツネ"と言われるのはあまり気分が良いものではなかった。
人を指差して"ニンゲン、ニンゲン"と連呼するようなものである。バカにされてるような気分になるのは当然だ。

「……俺の名はフォックス。フォックス・マクラウドだ。フォックスと呼んでもらえるとありがたい」

そう言って、握手を求め、片手を差し出す。
一方、キュルケはポカーンと口をあけ、目を点にしていた。

「……しゃ、しゃべることが出来るの!?」

そう言われたフォックスは、ムッとした表情で答える。

「キミといい、ルイズといい、オレが喋るのはそんなにおかしなことなのか?」
「変よ」
「おかしいわ」
「別に変じゃない」

"変"、"おかしい"と答えたのはルイズとキュルケ。
"別に変じゃない"と答えたのは、青がかった髪と、ブルーの瞳が特徴的なタバサであった。

「って、タバサいつの間に……」

キュルケが後ろを振り向くと、フォックスをじーっと見つめるタバサの姿があった。
その様子を見て、キュルケが呆れながら突っ込む。

「あんたって、たまに気配が消えるわよね……」

426 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:20:09 ID:Jj0owvKC
気配を消すタバサに驚きながらも、"変じゃないと"答えてくれたことに、フォックスは妙な親近感を覚えた。

「やっぱりそうだよな? オレが喋ることはおかしなことでも何でもないはずだ!」
「おかしくない」
「そうだ、オレは変じゃない! そうだよな、オレは変じゃないよな!」

タバサの手を持ってブンブンと握手をするフォックス。
そんなフォックスを見ながら、ルイズは突っ込みを入れる。

「でもその体形は絶対変。狐なのに人間みたいだし」
「そうね」
「シュール」

この言葉にフォックスはショックを受ける。
せっかく自分のことを理解してくれる人がいると思ったら、"シュール"と言われてしまった。
がっくりと肩を落とし、落ち込むフォックス。

「ところで、あたしも昨日使い魔を召喚したのよ。せっかくだから紹介してあげるわ。フレイムー」

キュルケが呼ぶと、真っ赤で巨大なトカゲが、のっそりとキュルケの部屋から出てきた。


「どう? 素敵でしょ。火トカゲよー。ブランドものよー。あたしの属性にぴったりでしょ?」
「あんた『火』属性だもんね」

そんな二人の話を尻目に、フレイムと呼ばれたトカゲはのそのそとフォックスの方に近寄った。
口からほとばしる火炎がフォックスのフサフサした尻尾にあたる。


427 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:21:43 ID:Jj0owvKC
「ん……?」

しばらく落ち込んでいたフォックスであったが、尻尾の辺りに妙な熱源を感じ後ろに振り向く。
そこにはのっそりとした巨大なトカゲがフォックスの方をじーっと見ていた。

「う、うわっ! な、なんだ……?」

フォックスがびっくりして尻餅をつく。
今の尻尾に感じた熱源はコイツかと、フォックスはフレイムを見る。
しかし、フレイムから尻尾を遠ざけたはずなのに、尻尾に感じる熱はどんどんと大きくなっていった。
なぜかなとフォックスが思っていると、タバサが小さな声でぼそりと言った。

「焦げてる」

タバサに言われて尻尾を見ると、まるで尻尾に火を灯したかのようにチリチリと燃えていた。

「うわぁぁぁあああっ! し、尻尾が! ファルコ、後ろの敵を何とかしてくれーっ!」

突然のことに頭を混乱させ、訳の分からないことを口走るフォックス。
どたどたと廊下を走り回り、尻尾に火をつけたまま明後日の方向へ行ってしまった。

「こ、こらぁーっ! ご主人様を置いてどこいくのよー!」

ルイズはフォックスを追いかけようとするが、
あまりの足の速さに追いつけず、フォックスはそのままどこかへ行ってしまった。

「ちょ、ちょっと! どうしてくれんの……よ」

ルイズが文句を言ってやろうとキュルケの方を見ると、そこには誰も居なかった。
キュルケ、タバサ共にフォックスが暴れている隙に逃げ出していたのだ。
足元に小さな紙キレが落ちていて、"ごめんね、ルイズ byキュルケ"とだけ書かれていた。

「あ、あんの女ァ〜〜〜!!」

ルイズは、フォックスを捕まえるため廊下を走った。


428 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:23:37 ID:Jj0owvKC
キュルケとタバサが逃走し、ルイズが顔を怒りの形相に変えている頃、
フォックスは尻尾に火を灯したまま廊下をひた走っていた。

「水! 誰か水をくれ! このままじゃ尻尾がもたないーっ!」

フォックスは、スリッピーが言うような情けない台詞を言いながら廊下を走り回る。
探せど探せど後ろの火を消すようなものが置いてない。
この時、ペッピーが居たら"地面にローリングしろ!"とかヒントをくれたかもしれないが、今ここにペッピーはいない。

「な、なぜこの施設には消火器具が置いてないんだ!?」

この世界に消火器具なんてものが存在するはずもないが、フォックスはそのことを知らない。
フォックスの世界では緊急事態に備え、どの施設にも当たり前に置いてあるものだが、この世界は勝手が違う。

「だ、誰かこの火を消してくれー!」

そんなフォックスの叫びを聞きつけたのは、たまたまフォックスの隣を通りかかったメイド姿の少女であった。

「た、大変……!」

メイド姿の少女は、運んでいた朝食用のジュースをフォックスの尻尾に向かって思い切りぶっかける。
ジュウっと火が消える音がし、フォックスの尻尾はやっと火事から開放された。
火が消えたことに安堵し、フォックスはそのままへたり込む。

「た、助かった……」
「よ、よかった……! あの、大丈夫ですか……?」

メイド姿の少女はフォックスを心配そうに見つめた。


429 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:27:02 ID:Jj0owvKC
「ああ、キミのおかげで助かった。礼を言うよ。ありがとう」

フォックスは自分の尻尾を救ってくれた恩人に感謝した
頭を下げて礼を言うフォックスに、メイド姿の少女は思わず恐縮する。

「そ、そんな頭を下げなくても……。私は当たり前のことをしたまでですから」
「いや、あのままだったらオレの尻尾が完全にこげているところだったよ」

そう言って、先っぽが少し焦げた尻尾を振った。

「あら……? 失礼ですが、あなた、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になった……」

どうやら、フォックスの左手にかかれたルーンに気づいたようだ。

「え? ああ、そうだ。オレは雇われ遊撃隊・スターフォックスのリーダー、フォックス・マクラウドだ」
「やとわれゆうげきたい……?」

フォックスは、この世界ではこの肩書きが通用しないことを思い出す。

「あ、いや、こっちの話だ。気にしないでくれ」
「そうですか……? あ、私はシエスタって言います」

シエスタと名乗る少女はペコリと頭を下げながら自己紹介をした。
メイド姿、カチューシャで纏めた黒髪とそばかすがなんとも素朴で可愛らしかった。

「キミはシエスタって言うのか。いい名前だね。よろしく!」

そう言って、フォックスは握手を求め手を差し出す。

「あ、ありがとうございます」

名前を褒められ、シエスタは少し照れくさそうしながらフォックスの手を取った。

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:27:53 ID:92cMluY1
おおっ、スターフォックスの人が来てるではないか!
支援させていただきます!

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:28:28 ID:+X0HlEao
狐支援

432 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:30:17 ID:Jj0owvKC
「……そういえば、キミはオレが喋ったりしても驚かないんだな」
「え?」

フォックスは焦げた尻尾を丸めながら話を続けた。

「いや、この星じゃオレのような者が喋るのは……」

フォックスがそう言いかけた瞬間、
通路の曲がり角からフォックスに向かって、少女が猛ダッシュしてきた。
フォックスのご主人様である、ルイズだ。
ルイズはフォックスの襟首を掴むと、ガクガクと体を揺さぶる。

「あんたね! そんなに私を困らせて怒らせたいわけ!?」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょ、落ち、落ち、落ち、落ち着けよ、オイ」

カクンカクンとダルマのように顔を揺らすフォックス。

「もういいわ! 説教は後よ! 朝食の時間に遅れるから早く行くわよ!」
「わか、わか、わか、わかったから俺の襟首を掴んだままはしらなひでくで……」

舌をかんだのか、ろれつが回らないフォックス。
シエスタは、嵐のように去っていくフォックスとルイズをポカンと見つめる。
ふと、朝食用のジュースを運んでいたことを思い出し、急いで厨房に戻ることにした。

ちなみに、シエスタがフォックスのために
ジュースの大半を撒き散らしてしまったことを思い出したのは、厨房に戻ってからだった。


433 :雇われた使い魔:2008/03/31(月) 01:32:08 ID:Jj0owvKC
今回は以上です。
なんだかフォックスがどんどんヘタレてきてますが、彼はやる時はやるので大丈夫です。

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:34:23 ID:+X0HlEao
狐の人乙
早くやる時をみせてほしいぜ

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:35:37 ID:H7cNkNSM
乙です。
リロード忘れて割り込みスマソ_| ̄|○

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 01:38:20 ID:92cMluY1
>>433
乙乙!流石のフォックスも馴れない異世界生活ですっかりペースを乱してますなw

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 02:40:05 ID:ZmUCTynC
フォックスの人乙&GJ。見てて飽きないなあこの狐w
それと遅ればせながら耕一の人GJ&乙。
泰然としてる兄ちゃんは好ましい。
>>413
戦闘狂の改造恐竜人だっけ?
メンヌヴィルあたりと逢わせると愉快な事になりそうだw
そういえばあいつの爪とか足のスタンガンもどきって何の属性の武器になるんだろ?雷っぽいから風?

438 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 02:48:39 ID:zbA5IZup
投下予告。
これより日常編なのをいいことに出番のないキャラを特別出演させます。
そういうの、およびおっぱいに嫌悪を覚える方は速やかにPCの電源をオOFFにし、
そのままPC本体を破壊、さらに心のドアを閉め、心のカギを閉じ、
心のシャッターを閉め、心の核シェルターに避難することをおすすめします。

耐えられるかたは支援に協力しつつ、お楽しみあれ。


439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 02:50:10 ID:17wwHLJW
来い来い来ーい!!

440 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 02:53:18 ID:zbA5IZup
前回のあらすじ
       
(可能な方は脳内でコナンのテーマを流してください。)

    
ほっほーい!
ある時は!取られたものを取り返す取り返し屋、ヌパン4世しんのすけ!
またあるときは!見た目は5歳!頭脳も5歳!おしりはクサイ!名探偵コシン!
しかしてその実態はッ!
この間ウンチの最大記録が19センチに更新した、野原しんのすけ!


オラはカスカベ防衛隊隊長野原しんのすけ。愛犬のシロとおさんぽに出かけている途中、
道端に現れてた怪しい鏡を目撃した。
鏡を調べるのに夢中になってたオラは、鏡は実はどこかへの入り口なのに気付かなかった!
オラは体全部鏡に飲まれ、目が覚めたら…!

異世界に召喚されてしまっていたゾ!

父ちゃんや母ちゃんともはぐれたため身寄りのなくなったオラはオラを召喚した
胸がぺったんこでピンク色の髪の女の子、ルイズちゃんの力を借りることにした。
今はルイズちゃんの下で使い魔をやっている。
正直、オラ使い魔なんてメンドくさいゾ。カスカベに帰る方法探さなくちゃね。

さて、オラの周りにいる心強い仲間の紹介だゾ!



441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 02:53:48 ID:RrBanR5U
春日部防衛隊、出動準備OK!

442 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 02:54:10 ID:zbA5IZup
まずはオラを召喚した張本人で、その可愛らしいピンク色の唇で今まで風間君にしか許していない
(しのぶちゃんは言わないお約束だゾ。)オラの唇を奪っていったルイズちゃん!
この時胸がキュンとしたのは秘密だけど、この子は可愛い顔してオラの母ちゃんのように凶暴な女の子!
見た感じオラの母ちゃんとよしなが先生を足して半分にしたようなイメージだぞ。
どうもみんなと違って一度も魔法が使えないのが悩みみたい。
でもいつかみんなのように魔法が使えるようになりたいんだって!そこはオラも応援するぞ。

続いてはお城のメイドのシエちゃん!シエスタだからシエちゃんだぞ。
洗濯物の洗い方も教えてくれるし、お腹をすかしたオラにご飯をつくってくれるし、
やさしいし、美人だし、おムネも大きいし、サイコー!すばらしいゾ!ぜひ結婚をぜんてーにお付き合したいですな!ウンウン。

さらに、この間仲良くなったギーシュくんとチビマルコくんの迷コンビ!
そしてギーシュくんとよく一緒にいるモンモンちゃん!
いつ名コンビなんて呼ばれたのかはオラにもわからないし、この間結局別れたのかどうかは分からずじまいだゾ。

そしてオラと一緒に呼び出された愛犬シロ!オラの相棒を務めるわたあめ犬!ま、みんな知ってるよね。
でも仲間といえば、カスカベに残してきたカスカベ防衛隊のみんなや野原家のみんなは今頃どうしているのかな?

そして、オラの使う秘密へーきの紹介だゾ。
まずはオラが本気になった時に使う野原しんのすけ隊員専用ヘルメット!
オラの本気をモーレツに上げてくれるイカしたメットだぞ。ゴーグルの部分がチャームポイント。

もう一つは野原しんのすけ作、大規模変装セット入りバック!
オラの特技といえば変装とかくれんぼだよねー。
アクション仮面変身セットもこの中の一つだぞ。

そしてオラの愛機!スーパー三輪車!名前は…えーと「中島スバル3号!」
この間は「赤マムシ72号」だった気がするけど気にしない気にしない。
どーせカスカベに忘れてきちゃったしね。

異世界行ってもお茶目は同じ!
行き止まりなしのおバカパワー!!

おねえさん!オラとお茶飲みにいきませんか?



443 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 02:55:26 ID:zbA5IZup
クレヨンしんちゃん×ゼロの使い魔

伝説を呼ぶ使い魔 第7話 「ストライク!バッターアウト!だゾ」

天気は快晴、雲ひとつない。そんなとあるお昼時。ヴェストリの広場。
その中央に張られたバレーボールのネットが一つ。だがどこか不恰好だ。
ネットの片方にしんのすけとシロ。もう片方にギーシュとマリコルヌが立っていた。
しんのすけとギーシュがお互いに叫ぶ。

「準備はよろしくて?ギーシュさん?」
「上々。いらして!」
「サアッ!!!」
しんのすけが高く打ち上げる。狙いは右のコーナー。
しかしマリコルヌが見事受け止める。ギーシュにレシーブ。
「ナイス!マリコルヌ!」
「ほらギーシュ!お行きなさい!!」
ギーシュが高く飛び上がる。勢いをつけてスパイクを打ち込むつもりだ。
しんのすけのブロックより速く打つ。それのみが頭にあった。
「イナズマァァァァァァ!!!スパイクッ!!」
「半ケツブロックッ!!」
負けじとブロック!しかしギーシュのほうが速いッ!!
だが!
「アン!アン!!」
シロがボール到達地点に早回り!見事カバー!ボールは相手側、マリコルヌが再びキャッチ!
「やりますわねシンノスケ…もといパピヨン夫人!」
「そちらこそ…初心者とは思えませんわ…ですが!」

「「勝つのはこの私よッ!!」」

「サアッ!!」「そうれッ!!」「えいっ!!」「やあっ!!」
「ああんッ!!」「危ないッ!!」「まだまだッ!!」

「…アンタたち何やってんの?」


444 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 02:57:34 ID:zbA5IZup
しんのすけとギーシュが声のした方向に顔を向ける。
すごくムスッとした表情でルイズがこちらを見ていた。
「はっきり言わせてもらうとアンタたち気持ち悪いのよ。なに?アンタたちいつからそっちの気に目覚めてたの?」
「…んもう。ルイズちゃんったら、せっかくいいところだったのに〜。
ちょっかいいれないでほしいですな。まったく!ムネもなければ気遣いもナシですか!?」
ゴンッ!っとげんこつの音が響き渡らせた後、ルイズが聞きなおす。
「で、だからなにやってるの?」
「ハッハッハッ。これはねルイズ、シンノスケの故郷にあった球技で『バレーボール』
と言ってね。これがなかなか面白いんだよ。」
うさんくさそうにみるルイズにギーシュは爽やかに説明を始める。
「今やってるのは少人数でも楽しめるビーチバレーなるものらしいけど、実際は6対6でやるらしくてね、
このネットを中心にそこに引いた相手側のラインの内側にボールを放ち、受けられなかったら攻撃成功、
ポイントが入るというゲームなんだそうだが。」
ギーシュが得意げにルイズに説明する。
しかしルイズは的確に、当然の疑問をぶつけた。
「今アンタ、たしかに言ったわね?これは球技だって。じゃあ一つ聞いていい?」
「ああ、一体何だい?」

「ボールはどこよ?」

聞かれた瞬間に三人と一匹はそろってあさっての方向を向き始めた。
「いや、シンノスケの言われた通りにネットを『錬金』して、いやそれでもどこかヘンと言われた
んだけどもね、正直ぼくの魔力じゃ万全でもこのネット作るのが限界で…。ボールは無理だった。」
「ぼくに至っては風系統だしね…。彼の見よう見まねの情報と専門外の錬金では無理があって…。」
「で、仕方がなかったから女の子バレーボールやってたんだゾ。」
「クーン……。」
「女の子バレーボール?なんで女の子の必要が?」
ルイズが首をかしげて聞くがしんのすけは人差し指を立てて教える。
「ルイズちゃん、男の子と実際のバレーボールにあって、女の子とこのゲームにないものは何?」
数刻の静寂。
やがてルイズが平手にポン、と拳をのせてひらめく。
「ああ!なるほど、タマがないから女の子……。」

ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり!!!!

「イデデデデデ!!!ぼくが何をしたと言うんだね!?」
「うおおおお中指がくいこむぅぅ!!」

しんのすけとギーシュの頭を挟んでおもいきりぐりぐりとかましてやったルイズだった。



445 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 02:59:00 ID:zbA5IZup
「全く、またくだらない遊びを考えてこのおバカは…。ていうか楽しいのこんなの。」
「フッ。正直な感想を述べると、こんな清々しい爽快感と死にたくなるような空しさを同時に感じるのは
コレが始めての体験さ…。」
そう言ったギーシュは美少年のルックスをふんだんに活かした爽やかな笑顔を重苦しいオーラをまといながら
作るというかなり高等なテクニックを見せた。

あの決闘が終わって以来、この使い魔はやけにギーシュたちと意気投合していた。
ルイズはこの数日でわかったのだが、おバカで天真爛漫なこのしんのすけと言うヤツはどうも人をひきつける力を持っているらしい。
冒頭で行われた女の子バレーボールだけでなく、昼食の席に呼ばれた時にもこんなバカトークを行っていた。
「オラにとってのおっぱいとは!愛の形であり!人生であり!青春でもあるゾ!
オラはおっぱいにうるさい!やわらかさ!張り!つや!見てもよし、触れてもよしな至高のおっぱいが大好物だ!
オラは飛び込んでいきたいんだ!あのぽよっぽよのおムネの中に!!
実り豊かなお姉さんをオラ愛用の抱き枕にできたら!つまり二人で寝れたらどんなに嬉しいだろう!耳掃除のときとか横目で見たら
すぐそこにオッパイが見つかった時なんか!もう心が躍ってしかたないゾ!!『はーい。しんちゃーん。気持ちいいですかー?』
『ほーい。気持ちいいでーす!あーでももう少し奥のほうがかゆいなー。』『えーよくみえないけど、
どのへんがかゆいの〜?』っていってそのオッパイがオラのこめかみに着陸して…!
カーッ!もう想像しただけでおさまりつかなくなりそーう!!」
白昼堂々公衆の面前で自分の大好きな巨乳について熱烈なセクハラトークを大音量で行っていた。ルイズはあまりの光景に自分の中で感情がぶつかり過ぎたあまり、
顔を真っ赤にしたままその場を動かない。見えるのは陰で見ていたシエスタのみ。これまた真っ赤な顔で動けなくなっている。
至高の意味もわからないくせに。だがそこでマリコルヌが意見を返す。
「シンノスケ。やはりキミはまだまだお子ちゃまだと言うことがわかったよ。よりによって貧乳をボイコットするとは。」
「なんだって!?その通りだゾ!!でも貧乳なんてどこがいいんだ!?」
「キミくらいの若造はみんなそう言う事を言うんだ。キミのこだわりには感化をうけたのは確か。
しかし巨乳が甘ったるいチョコトップ生クリームクレープなら貧乳はね、甘酸っぱいストロベリータルトだ!
酸味がきいているんだよ酸味が!まず巨乳とちがって貧乳は外見も感触も劣ってるとか言うけどそれは大きな間違いだ!
やわらかければいいってモンじゃない!肋骨の流れるラインとその固い感触の間に混じったほどよいやわらかさがいいんじゃないか!!
そしてそっちが耳掃除で来るならな、こっちはいつもは友達チーム3人でいる内気な後輩がぼくにお悩み相談してくる場合の話だ。
その子はどうも他の二人の友人と比べて胸が小さいことを気にしているらしい。
『先輩、私ってやっぱりダメですか?』『ダメなんかじゃないさ。キミだっていい所が…。』
そして彼女はうつむいたまま恥ずかしそうに僕に聞くわけだ。『先輩も…、やっぱり先輩も、
胸は大きいほうがいいとおもいますか?やっぱり胸が大きい子が好きだったりするんですか?』
なんて言われた日には感激のあまりその場で号泣しそうだよ!僕の頭の中で『晴れてハレルヤ』が流れるよ!」
「大きいほうがいい!」「いいや!小さいほうが最高だ!」「ところでなんで魔法陣グルグルのOP?」「なんとなく。」
討論は収まりが付かない。だがこの騒動をまとめたのは一人の男、ギーシュ・ド・グラモン。

「ええい!おさまらんかこの田吾作どもがぁーーーーーッ!!」

あまりの気迫に二人が黙る。




446 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:01:52 ID:zbA5IZup
ルイズが怒鳴ったギーシュを見る。
「キミたちは、何をくだらないことで討論してるんだ。こんな話題、するだけで無意味だね!」
そのセリフを聞いたルイズは思わずギーシュを見直した。
「女ったらしのくせに…。あんがい真面目なところがあるのね…。」
しんのすけとマリコルヌが断固講義する。
「くだらないとは何だ!男として大事な問題じゃないのかギーシュ!」
「そうだそうだ!その股間にあるモノを捨てたいのか!故郷の親父さんが泣くゾ!!」
「…キミたちはおっぱいは何カップが一番素晴らしいと思うんだい?」
「Aは流石に…。Bか?」「F!いやGだと思います!」
「そこで答えてしまった時点でキミたちはすでに敗北しているッ!!」
ギーシュがバッ!と手を前に出して言い放つ。
ルイズはギーシュの雄雄しき後姿を見直しながら、違和感があることに気づく。
(待てよ…、何この質問。おっぱいは何カップが一番素晴らしいと思うんだい?ですって?)
そしてその違和感に気づいたのは次の質問。

「かつて、僕の人生観を変えた男はこう語った。
『おっぱいに優劣など存在しない。すべてのおっぱいにはそれぞれ良さというものが存在するのだ。』
それ以来ぼくはAカップも、Bカップも、Cカップも、Dカップも、Eカップも、Fカップも、Gカップも、
全てを愛するようになった。
やわらかさ?張り?つや?いいじゃないか。肋骨の流れるライン?固い感触の間に混じったほどよいやわらかさ?
実にいいじゃないか!!それだけ長所があるのに、どうして同時に愛すことができない?どうしてどちらかを
決めることにこだわったりする?そんなことは無意味だ。なぜならおっぱいとは無限の可能性を秘め、
ありとあらゆる、千差万別の魅力を持つまさに女神のような存在なのだからッ!!」
おお〜〜〜〜〜!!と言う声が野次馬たちから流れる。マリコルヌもその言葉に心打たれた顔をみせた。
「いいぞー!ギーシュ!」「全くおいしい事を言ってくれるぜ!!」「やっぱりお前は一味違うぜ!」
その後、マリコルヌを含む男たちがギーシュをたたえ、ある者は腕をふり、ある者は胴上げしながら「おっぱい!おっぱい!」と叫びだした。
それと同時にドン引きしたルイズの肩を叩く者がいた。モンモランシーだ。
彼女たちは身振りとアイコンタクトだけで意思疎通を行った。

    や ら な い か ?

             や っ ち ゃ お う か 。

「おのれらッ!!真昼間からさかってんじゃないわぁーーーーーッ!!」
10分後、ある者は黒こげ、ある者はびしょ濡れ、ある者は頬に紅葉、ある者は頭にトリプルジェラートのごときタンコブを作った
男たちの亡骸がころがったそうな。


447 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:02:36 ID:zbA5IZup
「全く…オラにはぺったんこの良さはどうしてもわからないゾ。」
ちゃっかり惨劇から逃げてきたしんのすけは学院内をシロと一緒に散歩していた。
「クーン。」
「この学校はでっかいから探検するだけでお昼の散歩がおわっちゃうな、シロ。」
散歩といっても魔法を使う異世界の住人たちが集まる場所での散歩だ。この場所での探検は
しんのすけの少年らしき冒険心を著しく駆り立てた。
シロも心なしかいつもよりはしゃいでるように見える。
「オラたち、いままでもいろんな所を見てきたけど、ここもすごい所だゾ…。でもときどきシロがお留守番することも
あるんだよね。」
「アン!アン!」
ちょっと六感的な会話を試みようとしんのすけがシロが見たら、シロは前の人物をみて吼えていた。
その人物は、重そうな本の束を抱えてふらふらと歩いていた。とても危なっかしい動き方をしていた。
この学校の女子だろうか。やがて床の隙間につまずいた。
「あ…。」
「おお!危ない!シロ!」
「アン!!」
ここからでは転ぶこと自体は回避させられそうにない。まずは床に散らばるであろう本を優先。
「シロ!わたあめ!!」
「アン!!アン!!ウワン!!」
空中に跳ねた雑種の白犬が空中で体を丸くわたあめのような体勢をとる。
その体勢のまま、このままだと床に散らばるはずの本をそのわたあめの弾力で跳ね返す。
犬とはおもえないほどの脅威の手並みとスピードで本は空中で一つ、また一つとつみ上がっていく。
最後にシロはその少女の倒れる地点に先回りし、また『わたあめ』の体勢になる。
床に顔面をぶつけ、少々のダメージを負うはずだった彼女はシロというクッションのおかげで無傷だ。
「よくやったゾ。シロ。さて、大丈夫かな?お嬢ちゃん。」
良い仕事をしたシロをほめて、その小柄な少女に話しかける。
小柄な少女だった。よほど軽かったのだろう、シロは苦しい顔を全く見せてない。ルイズより年下だろうか。
青髪でメガネをかけている。綺麗な印象を受ける整った顔はまるで人形のようだった。
服装はルイズと同じ服装だが黒ニーソックスのルイズと違い、彼女は白ニーソだ。この間は白タイツだったようだが。
だがしんのすけよ。一応おまえよりは年上だ。お嬢ちゃんはないだろう。
その少女がしんのすけとシロを見て口を開く。
「…助かった。今日は調子が悪かった。感謝する。」
「いやーそれほどでも〜。紳士として当然のことをしただけだゾ〜。」
「…一応これはこの子の功績。」
無表情でシロを指差して少女は呟いた。


448 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:04:03 ID:zbA5IZup
彼女は図書室に向かっていた。しんのすけも途中まで運ぶのを手伝った。
どうも彼女の足元がおぼつかないのは本の重さが原因ではないようだ。テーブルにおいて別の本を棚から出す間の移動も
どこかふらついていた。
「どうしてふらふらしてるの?」
「言ったはず。今日は調子が悪い。」
椅子に座って本を読み出す。それにしても無表情だ、クスリとも笑わない。
「なんか最近にこんな感じにふらついてる人を見たような…ま、いっか。
オラは野原しんのすけ。こっちはオラのペットのシロ。キミはなんて言うの?」
「・・・・・・。」
本を読み始めた彼女はしんのすけの言葉には答えない。
しんのすけはそんな彼女のつっけんどんな態度に首をかしげる。
「あれ?もしもし?おーい!お元気ですか〜!」
返事がない。ただの無口のようだ。
「うーむ。どうすればいいかな…。」
考えたしんのすけはテーブルの下に。そしてこう言った。

「本日は!白に黄緑のしましまもよう!!」

しかし彼女はそんなことをされてもまるで反応しない。
「うーん…できる。よし!シロ!『アレ』やるぞ!」
「アン!」
まずしんのすけは自慢の尻を出して横に。次にシロは体は彼女からみてしんのすけの体の死角に隠す。
そして地面につけている方の尻をおしつけてだえん状にしてシロの後ろ頭をその上にし最後に耳をたたみ一言。

「かがみもち!」

しんのすけの尻を餅に、シロの後ろ頭をみかんに見立てた芸である。カスカベ防衛隊では賛否両論の評価を得たこの芸。
でも、返事がない。ただの本の虫のようだ。
「すごい…!これでもこっちを向かないとは…。恐るべきツワモノだゾ…。」




449 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:05:12 ID:zbA5IZup
どうにもおさまり付かないしんのすけはどう攻め落とすかを考える。
まさに女性をどう口説き落とすかを考えるように。
「…そうだ!本に集中してるなら…。」

彼女、タバサは本が大好きだ。
理由は特になく、昔からただ物語が大好きだったという単純な理由だ。
しかし、そんな彼女の本を読む姿勢はものすごい。よほどの衝撃を与えないと『サイレント』の呪文で
無音空間に逃げられてしまう。
今も勉強をやめ、とある冒険物の本を読んでいるようだ。そんな彼女の目に何章も終わってないのにタイトルが飛び込んできた。
そのタイトルのそばには挿絵もついている。

ぶりぶりざえもんのぼうけん

               さく:のはらしんのすけ
             イラスト:のはらしんのすけ  

むかし、むかし、あるところにおじいさんとおばあさんはいっぱいいましたが、
ぶりぶりざえもんというぶたはいっぴきしかいませんでした。
ぶりぶりざえもんとは、すくいのヒーローのなまえです。
このせかいのどこかにはふしぎなマラカスがあり、こまったときにふるうとそのこまったひと
をたすけに、ぶりぶりざえもんがあらわれるといわれています。
でも、ぶりぶりざえもんはしごとはできるけど、いつもいつもしごとをおえるとすくいりょうをとるので、
いままでつかったひとはけっこうこまっていました。

タバサは『どこのお国のお言葉でございましょうか?』と言いたげな目でそれを見る。
そりゃそうだ。いくら若くしてトライアングルとなった天才であるタバサといえども、日本の文字は読めない。
やがて、何かに感づいたようにしんのすけを見る。
「…あなたが?」
「お、やっとこっちを向いたゾ。それはオラの書いたごほん、ぶりぶりざえもんのぼうけんだゾ。」
そう言ったしんのすけはどこからか持ってきた羽箒でタバサの鼻をくすぐる。
「…!ふぁ…。」
「でもキミ、さっきから見てたけどなんかオラのともだちに似てるね。ボーちゃんって言うんだけど、
ボーちゃんもキミみたいに口数少ないし、表情をめったに変えないし、実は高い実力をかくしてるんじゃないの?」
一瞬ドキリ、とした。タバサはしんのすけのことは聞いていた。旗争奪戦のときも見学していたが、彼の技量ははかりしれない。
…このままだと自分の正体もバレるかもしれない。ていうか鼻をくすぐらないでほしい。
「もしボーちゃんがかわいい女の子に成長するとするならちょうどキミのようになるかもしれないよね。
でもボーちゃんにたとえるにはやっぱり足りない物があるよね。それはもちろん…。」
「くちゅん!!」



450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 03:05:57 ID:YbSMrZPK
支援

451 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:06:11 ID:zbA5IZup
くしゃみした彼女の整った鼻から、鼻水がたれている。
「おおーっ!!はなみず!それもボーちゃんのと負けず劣らず立派な鼻水だゾ!!」
しんのすけは心からの感想を言う。すると、彼女の顔に少しだけ赤みがさす。
柄にもなく照れているのだろうか。
「ねえねえ!もしかして鼻水を器用に操る特技とかあったりするんじゃない!?」
言われるが速く、タバサの鼻水が円運動を始める。
そしてその場で急激に伸びる。リボンを回すように華麗に鼻水は舞う。
「おお〜。ボーちゃんとほぼ互角!すばらしい腕前だゾ!!」
しんのすけはここでやっと彼女と意思疎通できてることに気づく。
「改めまして!オラは野原しんのすけ!気軽にしんちゃんと呼んでほしいゾ。
こっちはオラの相棒を務めるシロ!特技はチンチンカイカイ!
オラたちの最近のブームは!『何でも』我慢大会!!現在13勝10敗!どうぞよろしくだゾ。」
「…タバサ。」
「タバサ?そういう名前なの?わかった!じゃあオラそろそろぶりぶりざえもんのぼうけんの次回作執筆に
とりかからないといけないんで。またね!タバサちゃん!」
そうしてしんのすけとシロが去っていった。

「あらタバサ!鼻水復活してるじゃない!なに、それがないとバランスとれないって言ってたわね!」
去っていくしんのすけに一瞬目をやり、タバサの顔を見る。
「鼻水のよさが分かるらしい。なかなか見所がある。」
「あれって、ヴァリエールの使い魔の子よね?…へえ。面白い子ね。でももう例の騒動は
聞いているわよ…フフフ。」




452 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:06:54 ID:zbA5IZup
夜、シエスタたちのいる台所にてしんのすけ皿洗い中。
「皿洗いいっちょあがりー!!」
「お、ごくろーさん。じゃあそっちに運んどいてくれ…。」

ガッシャーーーン!!!

「・・・・・・。」
「・・・・・・あー。ま、こういう日もあるさ!ドン小西!だゾ。」

ゴン!!
「それを言うなら…ドンマイだぜ…。坊主。」
マルトーのおやっさんの愛の拳もまた痛かった。
「ああ!大丈夫ですかシンちゃん!!」
シエスタがかけよる。見たら、人差し指を少し切っている。
「あ、やっちったゾ。」
「もう…。危ないですよ…。」
その次の瞬間だ。シエスタが傷ついた指を咥えた。
「おお!?あ…そんな…!」
シエスタ自身は特に変な意識はなかっただろうがしんのすけは年頃の少年なのだ。
医療行為とはいえ、過敏に反応してしまう。すでにしんのすけは万年思春期なのだ。
「お…あ…あっあぁ〜〜んシエちゃんったら、もう。ダメ、ああ、ダッメェ〜〜ン!!」
しんのすけがクネクネしながらシエスタに指を咥えられたままもだえる。
彼はとても純情な少年なのだ。おまけに敏感だ。
「おお…シエちゃんテクニシャン…。もうオラおよめいけない…。シエちゃん、責任とってもらってくれない?」
「えーっと…私女の子だからおよめさんはいらないです…。」




453 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:07:49 ID:zbA5IZup
とまあ、そんな事件も乗り越えて就寝時間。
「じゃ、オラルイズちゃんに心配かけてるかもしれないから。じゃ、そういうことで〜。」
「おやすみなさい。シンちゃん。」
シエスタと別れ、ルイズとシロの待つ部屋に戻るしんのすけ。
空にはすでに二つの月が昇っている。今日は晴れていてまたたくような星が見下ろしている。
「やっぱり月が二つなんて落ち着かないゾ全然…。」
「あら?ここにいたのね?使い魔さん。」
ふと、疲れたように呟いたしんのすけに向けて、どこか妖艶さを纏う声が話しかけてきた。
その時、しんのすけの耳に何かが聞こえてくる…。

どこかの学校のグラウンドで野球の音が聞こえる。
「さあ、試合はいよいよ最終回、後攻、バスターズの攻撃。
実況は私、平賀才人、解説は浪人生 四郎、スーザン小雪でお送りいたします。」
「あの〜。ボクグラビア買った帰りに散歩してただけなんだけど…。なんで草野球の解説を…。」
「そーよー。なんでよりによって私たち〜?今後確実に出番ないからって〜。店番任せっぱなしだからそろそろ返してくれない?」
「黙って!後でバイト料払いますから!さて得点は現在4−5。ツーアウト、ランナー満塁。
この打席でおそらく勝敗は決まるでしょう。バッターは7番、セカンド駒田。
この打席で勝敗は決まると思いますがどうでしょう?」
「いや…。正直僕らはどうでもいいよ…。」
「ていうか、あの子なんか言ってるわよ?なんか『私駒田じゃない』ってこっちに向かって叫んでるみたいだけど…。」
「さあ、ピッチャーが今モーションに入った!」
「「無視かよ。」」

部屋でルイズが胸騒ぎを覚える。
「おかしいわね…。シンノスケやけに帰りが遅いじゃない…。」
ルイズは椅子の上でしばらくうずうずしていたが、やがて我慢の限界が来たようだ。
「シロ、ちょっと部屋の番頼んだわよ。アンタの飼い主探してくるから。」
「アン!アン!」




454 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:08:53 ID:zbA5IZup
夜空に輝く2つの月が二人を照らす。
しんのすけは自分の心臓が早鐘を打っているのに気が付いていた。
「お、おお…。」
「ようやく二人っきりになれたわね。少々お時間頂けませんこと?くりくり頭のすてきなムッシュー?」
目の前に現れたのは間違いなくしんのすけの好みに入る大人な美人だった。

「さあ、ピッチャー第一球!投げました!!」
スパァアン!ど真ん中見送り!ストライク!!
「うっわ〜速ッ!」
「あんなの打てるとは思えないわよ〜?」

「ふ、二人っきり?二人っきりってオラに言ってるの?」
「そうよ。あなたに言ってるの。あ・な・た。」
燃えるような赤髪に褐色の肌の女性。しんのすけの心を鷲掴みにする美貌。
女性にしては背は高いほうだろうか。スカートからスラリと伸びた足が見える。
ウエストもくびれていてモデルのような体型だ。
そして…。しんのすけの大好きな…大好きな巨乳!!

「続いてピッチャー第二球!投げたッ!!」
スパァアンッ!!空振り!ストライクツー!!」
「いくらなんでも…。」
「荷が重過ぎるわよね…。」

「こ、こ、この使い魔のオラに何の御用でしょうか!?」
「用?ウフフ。ちょっとだけ付き合ってくれるだけでいいのよ。ちょっと貴方に興味がわいたから。
私は強い人と、可愛い子がとっても大好きだから。だから、」
しんのすけの胸板をつつく。
「おお…。」
「わ・た・し・と・あ・そ・び・ま・しょ?」
そしてなめらかに人差し指で撫で回す。そして、
「・・・フウッ。」
唇をすぼめ、耳に息を吹きかけた。

「さあ、ラスト一球!!投げたァーーーッ!!」
スッパァアアンッ!!空振り!!ストライク!バッターアウト!!ゲームセット!!
「試合終了ーーーー!!!バスターズ敗れるーーーーーーッ!!
最後のチャンスを活かせませんでした!駒田、崩れ落ちるーーーー!!」
「僕ら何のために呼ばれたんだ…。」
「だからあの子駒田じゃないって言ってるわよ。」

「シュ。」
「シュ?」
しんのすけの顔が真っ赤になって、口がひょっとこのようになっている。
そう。しんのすけは最大級に興奮するといつもこうだ。まるで暴走機関車のごとく熱暴走を起こしてしまう。
「シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ、シュ!!

ポッポーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!」



455 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:10:17 ID:zbA5IZup
野原しんのすけ。心のストライクど真ん中三振を取られた瞬間だった。

「す、すごいテンションね…。」
我に返ったしんのすけは彼女が気おされているのに気づく。
「お、お姉さん!!お名前は!?」
「私は、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー。キュルケでいいわ。
一年前にゲルマニアから留学してきた身よ。ちなみに今、18歳。遅めの入学?でもこの若さでトライアングル。」
「オ、オラは野原しんのすけ!5歳!最近気になって来たのはこの間庭にまいたユウガオの種が芽を出したかどうか!!
みんなはこのオラをしんちゃんと呼ぶからキュルケちゃんもフレンドリーにしんちゃんと呼んでほしいゾ。」
「はーい。シンちゃん♪よろしくゥ!」
お互いフレンドリーな二人はあっさりと仲良くなれた。
「で、オラに何の御用ですか?まさかこの満点の星空の下で天体観測という名のデートのおさそいですか!?」
「あら、風流。なかなかロマンチストなのね。詩とか得意だったりする?」
「得意も何もこれで何人の女性の目を引き付けてきたことか〜。で、オラといっしょに歩いていただけますか?」
しんのすけが紳士ぶった身のこなしでキュルケに手を差し出す。
「ええ。よろしくてよ。ぜひ貴方とは話がしたかったところですわ。」

今日は快晴、朝から晩まで雲ひとつない天気。
星空の元でのデートをするには絶好の日だった。
「シンちゃんは星には詳しいのかしら?」
「いいえ全然。こっちの星座は一つも見たこともありませんです。」
「何?そんな遠くから来たの?南半球から呼ばれたの?まあいいわ。
例えばあの一等星が三つ並んでるのは風韻竜座ね。」
「フーイン流?どこの流派?」
「そうじゃなくて風韻竜。ずっと昔に絶滅したと言われている伝説の竜のことよ。
竜ながら人と同じような知能を持ち、先住魔法を使い、人間に化けられると伝えられてるわ。
無論、絶滅した今は実際にそんな力があったのかはわからないけどね。」
「じゃああの赤っぽい星は?さそり座みたいな。」
「サラマンダー座ね。あの赤い星は尻尾の炎を表してるそうよ。私の使い魔のフレイムもサラマンダーよ。
今度見せてあげるわ。あれはオーク座ね。ジャイアントモール座は先月で見えなくなったんだっけ。」
「おおー!詳しいですな。その道のプロ?この道進んで13年?」
「あら。別にプロってほど詳しくはないわ。」
そう言ってキュルケは髪をかきあげる。その一つ一つの動作にしんのすけは釘づけだ。
しんのすけは憧れの目線を保ちながら次の質問を行う。
「じゃ、じゃああれは?なんか見たことあるけど。オリオン座?ヘラクレス座だっけ?」
キュルケはクスクス笑ってその質問の答えに答える。
「いいえ。あれはイーヴァルディ座よ。」
「威張るディティー?」
「イーヴァルディよ。知らない?平民ならみんな知ってると思ってたけど。」


456 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:10:59 ID:zbA5IZup
平民ならみんな知っていると言われてもそもそもしんのすけはこの世界の住人ではない。
素直に説明を聞くことにする。
「イーヴァルディって言うのは『イーヴァルディの勇者』という物語の主人公の名前よ。
始祖ブリミルのご加護を受けた勇者イーヴァルディの事よ。仲間とともに力を合わせ、
目の前に立ちはだかる龍や悪魔、亜人や怪物など様々な敵を倒すって言うハルケギニアで最もポピュラーな
英雄譚なんだけど…。ホントに聞いたことない?」
「全然知らないゾ。オラこっちの事は何一つ知らないから。」
キュルケはしんのすけが即答したことに一瞬眉をひそめるが、気を取り直す。
「でも主人公が平民だから大抵の貴族にはお笑い種の話よ。私は別にこんなのがあってもいいと思うけど。
でもそのかわり平民たちにとってはイーヴァルディはヒーローなのよ。また、原典が存在しないし、地方で尾ひれ背びれがついて
伝わったからいろんな種類の物語がある。ノンフィクションの可能性もあって、今も研究を続けてるらしいわ。」
しんのすけは話の内容は半分くらいしかわからなかったが『ヒーロー』と言うワードに反応する。
「そのイボビタンDの話は今日始めて聞いたけど、オラの元いたところではアクション仮面が有名だよ。」
「アクション仮面?聞いたことないわ。どんな話なの?」
「悪の秘密結社たちに立ち向かう正義のヒーローのことだゾ!町の人たちを襲ったり、建物をこわしたり、
ミミ子ちゃんをさらったりする悪者たちと戦う史上最強の正義の味方だゾ!すっごく強くて、現にブラック・メケメケ団も雀の涙もみーんな
アクション仮面にやられて壊滅したんだゾ。オラのいた所ではアクション仮面を知らないなんて考えられなかったんだけど…。」
「うん。私のほうもそんなヒーローは知らないわ。今の今まで聞いたこともなかった。」
「たとえどんなピンチに陥っても最終的には絶対に正義が勝つ!というのがアクション仮面の持論なんだゾ。
現に今までオラが困った時どんなにアクション仮面に助けてもらったことか…。
ほら、こんな感じで必殺技を出すんだよ。」
しんのすけは言うが速くいつものモーションを見せようとする。
いつもながらアクション仮面の話をするときのしんのすけは輝いていた。
「『くらえーアクションビーム!!ビビビビビビ!!!!』『うわーやられたー!ドッカーーーン!!!』
『やったわ!アクション仮面!アクション仮面はやっぱり無敵のヒーローね!』『うむ!正義は勝つ!ワッハッハッハッハ!!!』
こんな感じのヒーローなんだゾ!!」
「うーん。よくわからないヒーローね。」



457 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:11:45 ID:zbA5IZup
今やすっかり距離が縮まったと感じたキュルケ。
そろそろ当初の目的を果たそう。そうして話をもちかける。
「ねえ、シンちゃん。相談なんだけど、私の下で働かない?
貴方みたいに可愛くてメイジとも渡り合えるほど強い部下がいてくれたら嬉しいしとても心強いわ。
悪いふうにはしないわ。どう?私の部屋で住み込みの仕事。三食休憩有りで給料は週5エキュー出すわ。」
しんのすけは今の話の内容を考える。
キュルケの下で働く?住み込みで?つまりキュルケと四六時中いれて、しかもルイズよりも優遇してくれるそうだ。
5エキューが何なのかはわからないとかそんな細かいことは完全に忘れ、0.11秒で答えをだす。
「ほい!ぜひやらせていただきますです!!…あーでもオラルイズちゃんともうけーやくしちゃってるんだよなー。
コレどうしよう?」
そう、しんのすけが左手のルーンを見てつぶやく。
そうだ。すでに使い魔としての契約は果たされている。もうすでにしんのすけをどうこうする権利はルイズにあるはずだ。
…にもかかわらずキュルケは言う。
「あら。それがどうかしたの?そんなの私は別に気にしないからいいわ。そんなルーンなんかの束縛で
ツェルプストーの女を黙らせるなんてことは絶対に出来ないわ。ねえ?やってみる価値はあるはず…。」

「そうはさせるかァーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!」

十一時の方向よりヘッドバット!狙うはしんのすけ!みごとに命中!!
「うおお…。ジャンプ力とか飛距離とかすご過ぎだゾ…。ていうかおもいっきり低空飛行してたように見えたゾ…。」
「じゃかしい!!ちょっとツェルプストー!!アンタ何私の使い魔をたぶらかしてるのよ!!」
ルイズが鬼神のごとき形相でしんのすけをにらんだ後、キュルケに怒鳴りつける。
「あらあら。ちゃんとこの子のことを引き付けておかないからこういうことになるんじゃなくて?ヴァリエール。
最もそんな貧相な体じゃ目もくれやしなかったみたいだけどもね。」
「なっ…!!」
ルイズの顔に赤みが増す。キュルケと顔をつき合わせたらいつもこうだ。
しかし無理やり冷静さを取り戻そして悪口を言い返そうとする。ああ、聞こえるようだ。あのテーマが。



458 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 03:12:46 ID:YbSMrZPK
支援

459 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:12:58 ID:zbA5IZup
「フン!アンタみたいに邪魔な物をつけなかっただけよ!!そんなに凹凸あったら
暑っ苦しいし、せまいところですぐつっかえちゃうんじゃなくって?そんな無駄乳なくてせいせいするわ!」
「あら、『微熱』の私にとってはあついなんて最高のほめ言葉だわ。まさに名は体を現すって
感じよね。『ゼロのルイズ』?」
ピクリ、とルイズのこめかみが動く。完全に頭に血が上っている。まさにキュルケ無双ってやつだ。
ルイズがかんしゃく起こすようにキュルケに怒鳴りつける。
「『ゼロ』がどうとか関係ないわ!それより、シンノスケを雇うですって?アンタたちは先祖代々私たちから何もかも
奪いとって!シンノスケは私の使い魔なの!手を出さないでよ!!」
しかし、キュルケはどこ吹く風だ。しんのすけを近くに引きよせ、言い返す。
「奪いとる、ね。たしかにほしい物は何が何でも自分の力で手に入れるって言うのが私のモットーよ。
でも人は本人が来たいって言うからきたんじゃないのよ。現にシンちゃんだって自分の意思で受け入れようと
してたわよ。」
「え…。そんな、冗談じゃないわよ…。だって…。」
完全にうろたえるルイズ。だがキュルケは追い討ちをかけるようにしんのすけをおもいっきり抱きしめる。
「シンちゃんもアンタみたいなへっぽこ貧乳メイジより、色々と豊かな私のほうを選んだのよ。
信じられない?そうね。本人の口から言って聞かせたほうが信じるわよね。
さあ、シンちゃん。言ってあげなさいよ。あなたより私の方がいいって…。シンちゃん?」
抱きしめたしんのすけの返事がない。ふと気になって胸のしんのすけを見る。
しかし抱きしめられたことによってモロにキュルケの巨乳にはさまれたしんのすけは…。

これまでに見せたことがないほど神々しく、安らかな笑顔を見せていた。しんのすけは鼻血を出しながらこう言った。
「オラ…。たとえオラがカスカベに帰れないまま…。この世界で死んでしまったとしても…。もう悔いはないゾ…。ウフフフ…。」
そのまま、しんのすけはやすらかに首を落とし、動かなかった。
ピクリとも動かなかった。

「この子…!死んでる…!」
「ええ!?」




460 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:13:30 ID:zbA5IZup
「…みたいに動かないわ…。なんて安らかな顔して気絶してるの…。死に顔と勘違いしてしまいそうだわ…。」
「あら!?」
とりあえずずっこけるルイズ。
キュルケはなんか白けてしまったような顔でしんのすけをルイズに返す。
「なんか、返事はきけそうにないわね…。今日のところは返しておくわ。ま、引き止めたければせいぜい頑張りなさい。」
そのまま、キュルケは去っていった。

所変わってルイズの部屋。
「こぉのエロ犬!!とっとと起きろーーーーーーーーーッ!!」
ゴァン!!と音を立てて拳骨をおみまいするルイズ。
しんのすけはそのままあっさり復活した。
「オラの…オラの顔にやわらかいのが…ポヨっと当たって…もうなんか切ないような弾力…。」
「もう一回きつけしてほしい?」
おかげで寝ていたシロも完全に起きてしまった。
しんのすけは状況が読み込めないようにルイズに聞く。
「あれ?キュルケちゃんは?」
「もう帰ったわよ。それよりどういうことなの!?ツェルプストーの奴にたぶらかされるなんて!
男って奴はどうしてそうなのよ!!アンタ私に対する恩とかないの!?」
しんのすけは全然わからないようにシロのほうを向く。
「シロ、なんかわかるか?」
「ワウー??」
「本気で考えてんじゃないわよ!!アンタ、あの、色狂いの、イヤミなツェルプストーなんかに
骨抜きにされたりして…。この、エロ犬!」
しかししんのすけがルイズのおなじみの悪口をいわれたところで帰ってくる答えはひとつのみ。
「犬じゃないぞオラ野原しんのすけだゾ。犬はシロだゾ?」
「アン!!」
明らかにこっちを『どうかしてるんじゃないのこの人?』って感じの目で見る。


461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 03:14:04 ID:YbSMrZPK
支援

462 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:14:38 ID:zbA5IZup
ルイズはとうとう疲れきったようにベッドに座り込む。
そしてしんのすけに背を向けてブツブツ文句を言い始めた。
「フン…。平民のガキンチョのくせにツェルプストーなんかの色仕掛けに引っかかったりしてさ、
信じらんないわよ。バカじゃないのアンタ…。」
「ほい!よく言われるゾ!だって、男の子だもん♪」
しかししんのすけに説教などして効果などまるでない。これなら魔法が使えるようになるほうがよっぽど確率が高い。
「アンタもやっぱり…小さいのはダメだって思ってんの?アンタもやっぱりおっぱいは大きいほうが…。」
こう聞かれてどこぞの青白パーカーとかだったら実は巨乳好きでも、ルイズにはハッキリ言わない。
だが思い出せ。今の使い魔は野原しんのすけ。巨乳のために人生をかけたギャンブルだってやってのける男だ。

「ハイ!その通り!巨乳がいいに決まってます!!」

あっさりと。本当に迷わず。
ルイズが言い終わらないうちにしんのすけは即答してみせた。
「ギーシュくんたちはああは言うけどどうしてもオラにはぺったんこのよさはわからないゾ!
ひまだって大きければもっとたくさん食事にありつけたはずだって愚痴をこぼしてたくらいだゾ!
固さっていってもそれは高校生視点の話で、オラみたいなうら若き5歳児にとっては
固さとか度外視が基本だし、貧乳なんてそのへんにありふれてるし、やっぱりめったにお目にかかれない巨乳のほうが…。」
しんのすけはそこまで言ってようやく自分の身の危険に気が付いた。
ヤバイ。このままだと殺される。
恐る恐るしんのすけは力説してるあいだにつぶっていた瞼をあけてルイズを見る。
「そんなにあっちが良ければ行っちゃえばいいじゃない…。」
しかし、ルイズは力なくそう行っただけで襲ってこなかった。
「あ、あれ?ルイズちゃん?」
しんのすけは持ち前の度胸を活かし、そろりとルイズに近づく。だがキレてもおかしくないと予想してたルイズ本人は…。

「…私だって、私だって好きで魔法が使えなくて、ヒグッ、好きで胸がない訳じゃ、…エグッ、ない、もん…。」
ルイズは泣いていた。目にいっぱい涙をため、こらえようとしても
涙をおさえることは出来なかった。



463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 03:15:08 ID:YbSMrZPK
支援

464 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:15:23 ID:zbA5IZup
「あ、えっと、その…。ルイズちゃん?」
これにはしんのすけも慌てた。何時も電気オーブンみたいにすぐカッとなって怒る短気なみさえのような
タイプだと思っていたしんのすけは意表をつかれていた。
それはそうだ。目の前にいるのはみさえではなくルイズなのだ。母親の持つ強さなど持ってなかったのだ。
「私だって、グズッ、みんなにゼロって言われるのが、悔しくて、いっつも努力したし!
胸だって年頃になったらちい姉さまみたいに大きくなるって、エグッ、思ってたのに、
なんにも報われない!なんでよ!どうして私には何もないの!?
にっくきツェルプストーは完璧なプロポーションと、グスッ、魔法の才に恵まれたのに、
その何倍も努力した私は何もないの!?…ふえ、エグッ!」
しんのすけは今、初めてルイズの弱さを知った。
可憐な見かけとは裏腹に強気な子だと思っていたけど、実はずっと我慢してきたのだ。
見せ掛けの強さ。虚勢。強がり。
だがしんのすけは目の前で可愛い女の子が泣いていてほっておくような男じゃない。
考えるより先にシロにアイコンタクトをして行動に移る。

まずシロに野原しんのすけ隊員メットをかぶせ、ズボンとパンツを脱ぐ。
次にポケットの中に入れておいたビー玉二つとセロテープを取り出し、左右の尻に貼る。
そして逆立ちして開脚。最後に尻はルイズの方向にむけ、それを胸と見立てるようにシロを二本足で立たせて首を下半身に密着。

「もし、そこのお嬢さん。」
「…なによ。」

実に奇妙な格好の犬的な人がこちらを向いていた。
「ワシはおっぱい魔人!そんなにおっぱいがほしければワシがおまえのおっぱいになってやろう!!」

バシッ!バシッ!バシッ!!

一通り終えたルイズは制服のままベッドに横たわり、後には尻に大きなダメージを負い悶絶しているしんのすけと
「やめとけばよかったのに…。」と言わんばかりにしんのすけをみるシロだけだった。

じゃ、そーゆーことでー。

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 03:15:54 ID:YbSMrZPK
支援

466 :伝説を呼ぶ使い魔 :2008/03/31(月) 03:17:24 ID:zbA5IZup
投下終了。
スイマセン。ノリと勢いであの三人を出しました。

しんのすけはいつ描いても恐いもの知らずだと思う。
みさえ以外にしんのすけが怖がる物ってなんだろう。

股間を攻撃されても全く痛いと思わない男?そんな奴いるかな?
なにはともあれお疲れ。

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 03:26:05 ID:RrBanR5U
投下乙です。
キュルケは門呂さんの奥さん的な、うふん、キャラ付けに、あはん、なるかと思ってたが違ったかw
もう完全にギーシュは風間くん、マリコルヌはバラ組のピザに見えてきたw

468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 07:43:29 ID:5fvoo6K9
3 名前:名無しさん 投稿日: 2008/03/31(月) 03:28:35 ID:jRj1HtYE
>>1乙ー

で、毒。
 ま た 本 文 の 前 の 警 告 か 。
しかも「PC破壊をお勧め」とか妙に挑発的な部分があるし。
何で感性が合わないからってそこまで言われなきゃならないんだか。

つーか、こう言うのを見る度に思う。
そう言うもんだって自覚があるんだったらどうして最初から避難所に投下しないのか、と。

4 名前:名無しさん 投稿日: 2008/03/31(月) 03:31:58 ID:L3XrzYow
最初から投稿しなけりゃいいじゃん

と思ったりするのでござる

5 名前:名無しさん 投稿日: 2008/03/31(月) 03:44:42 ID:8cfyjunE
主人公にあわせてわざとああいう文章を書いてるのか
どうせなら中途半端に漢字を入れずに徹底的に五歳児を再現しろよ

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 07:58:45 ID:2S5RqtuD
しんのすけ乙!
ニューカッスル城攻防戦で映画版のような海苔を期待すたいが

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 08:39:04 ID:08WuX16E
こういうテンプレに囚われてないSSは先の展開が楽しみだね。
それだけで価値がある。



「原作のストーリーはそのままに、サイトと別のキャラを置き換えるだけでOK」
初期の住人が、スレの方向性をこんな安易なものに固定してしまったから、
劣化コピーの拡大再生産ばっか続いてしまった。

独自の展開、独自のイベント、独自の人間関係と、
職人さんには恐れずに挑戦して行って欲しい。

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 08:41:37 ID:NOtdLNwK
とりあえず予告投下ー
上司の目を盗みながら書き上げるんでよろしく


472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 08:42:20 ID:po7DGECu
おっぱいの素晴らしさが分かる5歳児
末恐ろしい逸材よ・・・


次は「大人帝国の逆襲」なノリをお願いしたいくらいだ

乙でしたー

473 :『緋色と24の指輪』:2008/03/31(月) 08:43:07 ID:NOtdLNwK
 『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』

 後に敵からも、味方からも、恐れを込めて”緋色”と呼ばれし者。
 彼女は、ある時代、ある場所で、歴史に名を残す活躍をしたわ。
 ……けど、
 あなたが、彼女の名を歴史書の中に見いだすことはできない。

 ……何故私がそれを知っているか?
 ふふ、何故でしょうね?
 考古学者だから……ということにしておくわ。

 ……私は知っている。
 彼女が自ら望んで血塗られた栄光を手にしたわけではないことを……。
 そして、彼女がなぜ”緋色”と呼ばれる道を歩き始めるようになったのかを。
 私は語ろう。
 この一人の少女の物語を………。

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 08:54:40 ID:G9yIwid2
>>471
リアルタイムで書きながらの投下は忌避されていますので、どうかお引取り下さい

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 09:33:04 ID:CLDmTNOh
推敲もせずに投下?
笑わせるな。

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 09:47:15 ID:zF/oaeIU
>>337-339

えーと、まとめに入れようかと思ったんだけど、タイトルがない。
題名どうしましょ?

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 09:53:28 ID:+GGlOiCP
>>470
良いこと言うなお前!
褒美にオプーナの購入権利をくれてやろう。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 10:15:13 ID:wKRMTw4z
>>476
わーいごめんなさい
「盗賊退治の使い魔」でお願いします
最後の「したですッ」は「したようですッ」の間違いでした、恥ずかしい><
やっぱりWAFの雑魚モンスターはマイナー過ぎました

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 10:32:06 ID:If0xxlkj
>>472
それは初期の住人じゃなくて最近の住人じゃないか?

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 10:52:38 ID:7Lp9llcA
戦乙女の人乙。
シェスタ死んだなこりゃ。
ヴァルキリープロファイルとのクロスなんだから、主要キャラが悲劇的な死を迎えるのは当然だと思うし。
続き、期待してます。

481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 11:09:30 ID:+B/fZ9Au
伝説を呼ぶ使い魔GJ
おもしろかったです。次回も楽しみにしてます。
そういえば野原一家しんのすけとシロがいなくなって大混乱してるんだろうな。

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 11:23:39 ID:tslaLD5/
しんちゃんの話の職人さん、乙です!
ギーシュとマルコルルとすっかり意気投合してたり、
キュルケのおムネに夢中なしんちゃんが微笑ましいですなw

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 13:29:24 ID:Sq/7+CHf
19 名前:名無しさん 投稿日:2008/03/31(月) 13:22:42 [ O/MN0FwQ ]
>>17
普通にスルーしてるから気付かなかったが、クレしんの奴か。
作者本人も酷けりゃその後に感想つけてる奴も酷いよな。
まあああやって挑発してる以上こちらも遠慮なく叩いてやろうぜ。
今回の話は普通に文章下手で詰まらん程度だが、
今後落ち度があったら臓腑を抉りこむかのように切り込んで心がズタズタになるまで叩いてやるさ。




毒吐きのターゲットに認定しました。
逃げるなら今のうちだぜ。

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 13:46:21 ID:tcwp55fc
戦乙女でレザード期待って一瞬思ったが、あいつは爆弾だよなぁ。
開発者からすら「ストーカーでロリコンでフィギュアフェチ」と呼ばれていた
あの才能のあるKICHIGAIを、変態ボイス・やれやれポーズの立ち絵抜きに
表現するのは至難の業と予想。



だから出そうぜw

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 13:46:49 ID:qbtll2H4
> ID:Sq/7+CHf
14に進め。

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 13:56:48 ID:QuZNqHix
>>479
テンプレそのままなSSを書いた。
テンプレそのままなSSにマンセーした。

それはスレの始まりからずっと変わってないぞ。

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 14:44:21 ID:pa7dKirt
こち亀の星逃田召喚

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 14:48:44 ID:8D3ZHEHq
星は無駄に行数を消費するから駄目

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 15:25:36 ID:eFFvcAjF
コルベールと友情が芽生える星禿田

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:11:36 ID:863G6rn7
どうせなら変態刑事を呼べば


491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:16:47 ID:If0xxlkj
そういやスパロボとかスマブラとかナムコ×カプコンとかとのクロスは無いんだな
これだけカオスなら一つくらいあるかと思ったが

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:23:16 ID:I959GWHW
>>490
月光刑事が月光に乗ってやって来るわけですね?

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:27:32 ID:qxVuH+0a
多重クロスは収拾がつかず駄作になることが多いそうだ。
無理にやるべからず。

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:29:18 ID:CDaMvU/f
>>491
スパロボ、小ネタなら3編ほどあるよ


495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:31:51 ID:iUcUJVL6
>>492
ゼロ戦の代わりに月光じゃね?

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:36:37 ID:s/1DRBQl
長らく更新されてない作品は今後も更新されないんだろうか。
力を求めるとか好きだったんだが残念だ。

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:41:50 ID:mKUg4+9o
恐竜惑星のラプターが召還されるというやつを投下したいのですがいいでしょうか?

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:44:22 ID:pdDZcUku
しえん

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:44:40 ID:s/1DRBQl
支援

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:49:24 ID:XFyGh55O
いいかどうかと聞かれたら…
「もっと推敲した方がいいんじゃないかな…」
と答えるが。
でも支援した方がいいのかな…

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:51:55 ID:mKUg4+9o
では投下

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 16:59:05 ID:Gi2AWGQ1
>>498
ごゆるりと…

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:00:33 ID:pdDZcUku
>>502
どいう意味?


504 :タイトル未定1/2:2008/03/31(月) 17:05:26 ID:mKUg4+9o
「彼」はベッドの上で目を覚ました。
(....ここはどこだ...俺は死んだんじゃなかったのか?)
それは少し前...と言ってもここに来る前に遡る。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
バーチャル世界の一角、恐竜人類「夕闇の民ギラグール」の本拠地に「彼」はいた。
ギラグールの首領を突き飛ばした「彼」は、特殊樹脂の泡に包まれたギラグールの男と人間の少女を解放した。
「ラプター!どうして私たちを..?」
人間の少女がラプターと呼ばれた「彼」に問う。
「お前の..隣にいる...男に借りを..返した..だけだ...」
そこまで言って「彼」は意識を手放した。

しばらくしてその部屋が瓦礫に埋もれた後、ギラグールの兵士と女科学者が部屋に入った。
そこで彼女らが目にしたのは破壊された「観察者」と息絶えた首領の姿だった。
「草喰いどもが...」
女科学者は亡骸を目にして崩れ落ちた。
だが部屋に倒れているはずの「彼」の姿が、無いことに気付いていた者はいなかった。

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:15:58 ID:SR1eWo7v
恐竜惑星とか懐かしすぎw
支援

506 :タイトル未定1/2:2008/03/31(月) 17:32:38 ID:mKUg4+9o
「ゼロ」と呼ばれた少女は使い魔召還の儀式の最中である。
ただし、そのほとんどが失敗に終っている。
「やっぱりゼロには無理だよなあ」「爆発しか起こらない」
そんな野次もそろそろ聞き飽き始めたころだ。
煙の中に何かが立っている。それはトカゲを思わせる亜人だった。
仮面を付けた顔、茶色の体に真っ赤な目、強靭そうな脚と爪、
そして左腕には篭手のような物が付けられ、その先端には大きなかぎ爪が付いていた。
「やったわ..ついに成功したわ!」
「マジかよ...あのルイズが!?」「ゼロのルイズが召還に成功した!?」
そんな野次は少女に届いていなかった。感動にうち震えているのだ。
だがその亜人は何かと戦っていたのか、全身傷だらけで目も虚ろだ。
やがてその亜人は倒れ込んだ。
「早く彼を医務室に!水メイジは応急処置をっ!!」

その後「彼」は奇跡的に一命を取り留めた。
水のメイジを全員投入し、安くはない秘薬を使用した結果だった。
「目覚めた?」
「彼」が目を覚ますとピンク髪の少女が立っていた。
「お前は...?」「ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。あんたを召還したのは私」
少女はそう名乗った。
「そしてあんたは私と使い魔の契約をするのよ」「..俺はお前の使い魔とやらになるのか」
少女はルーンを唱え「彼」に口づけをした。やがて彼の右手にルーンが刻まれた。

かつてギラグールの狂戦士として生きた男が、「ゼロ」の使い魔となった瞬間であった。

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:34:13 ID:pdDZcUku
しえん


508 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:34:32 ID:1b/RzkOz
モエーーーッ!

509 :タイトル未定:2008/03/31(月) 17:34:32 ID:mKUg4+9o
とりあえず1話目終了です。
読みにくいかもしれませんが生暖かい目で見守って頂ければ幸いです。

それからタイトルを考えて頂きたいのですが案はあるでしょうか?

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:38:55 ID:sOj8u2Tx
安直なところでギラグールの使い魔はどうでしょう
あと1/2が二個ある

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:40:44 ID:tslaLD5/
「ルイズの恐竜惑星」・・・そのまんまやねw

512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:43:35 ID:tcwp55fc
安易な選択肢こそ正道。>511でいいんじゃない?

513 :タイトル未定:2008/03/31(月) 17:50:40 ID:mKUg4+9o
では次回以降の投下は「ルイズの恐竜惑星」で行きます。

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:52:40 ID:edISgQaY
正直自分で考えた方がいいんじゃない?というかそれが当たり前。
どんな作品でも他人に頼まず自分でタイトルをつけるべき。

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 17:54:04 ID:sOj8u2Tx
あい
遅い気もするけど投下乙

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:01:02 ID:tslaLD5/
>>513
うおっ、まさか本当に採用して戴けるとは!
でもホントはてれびくんのナノセイバーしか見た事無かったりするのですが・・・(汗

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:10:31 ID:zF/oaeIU
>514

べつにええやん。
姉妹スレでも作者が付けたんじゃないタイトルが結構あるぞ。
サブ・ゼロとか隠者とか使い魔は静かに暮らしたいとか

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:14:50 ID:KjxCsQV6
エグザクソンから加農砲一じゃなくて砲介

「エグザキャノン!4096ミリ砲砲身長12口径じゃ」
「4000・・・4メイル?!」
『これならアルビオン大陸を包囲している貴族派の戦艦を余裕で直撃できる』
「そんな事よりウェールズ王子はどーすんだよ!」
『だからそんな事とは比較にならん程のヒーロー的活躍をすればいいんじゃよ。死んじまったヤツの取り返しなんぞつかんわい 今は既に世界中が戦争状態なんじゃぞ』
『貴族主義者なんぞにゃ何も出来んわい!ルイズよお前は現代のブリミルになるべき立場にいるんじゃ。
そしてそう出来る力もお前には与えてある
今すぐ降りて単なる娘となりレコンキスタどもにエグザクソンを与えてより圧制をしきやすくさせるか?
それとも風呂も飯も無いそのコックピットで篭城するつもりか?』
「・・・砲介この4メイル砲って撃ったらすごい爆風とか出るんじゃ・・・」
「なぁに竜騎士が墜落する程度じゃい目の前の数十人の命と
世界規模のホロコーストなら比較するまでも無かろう?
ヒーローになれィ!!」

※解説 トリステインに埋まっていたXXXユニットを発掘した砲介はそのスーパーテクノロジーによりエグザクソンMkUを作り上げ、ルイズに与えたのだ!がんばれルイズ!レコンキスタ
と戦うんだ!

ティファニアはリオフォルド人と現地の住民のハーフ
聖地はワームホールが設置してあるとする

519 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:23:04 ID:xwD/dSVt
あー、砲介博士は強烈だw
ミス・ゴールディもヤバイな、貞操的な意味でw。

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:25:03 ID:tcwp55fc
エグザゾン……アレの序盤、ちょうどこの「目の前の命と世界規模の〜」の下りは震えたなぁ。
目の前の少数を切り捨てなければ多くが死ぬ、英雄的行為というか、血まみれの英雄とかいいね。
タクティクスオウガとエグザゾンが個人的に手を汚す主人公物としてお気に入り。


「正しい心から行った行動は必ず報われる」系の優しい世界のゼロ魔にはキッツイけどw
ワルドあたりと相性良いよな。

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:28:08 ID:fIpQRRou
ラプターグッジョブ
ヴェログが来れば空中戦も完璧だ!!



ハルゲキニアはリオフォルドの失われた植民地の一つだと思っていたこともある

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:31:09 ID:sJbH3so+
誇り高い貴族であろうとするルイズが苦悩する話か
書くには気合いが要りそうだけど他のSSとは違った内容になって面白いんじゃないか?

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:34:39 ID:O9Lzlmu3
クウガの一条さん呼ぼうぜ

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:38:27 ID:QSiR/sIH
>523
かつて始祖ブリミルの御世において――世界を支配していたのは人間ではなく、エルフでもなく、グロンギなる奇怪な者たちであった。
って感じになるんでしょうか?

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 18:51:24 ID:a04dAKBu
>>524
クウガになれる五代を呼ぶ訳じゃないんだから無理にグロンギ出さなくていいのでは。


526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 19:04:29 ID:sBpHx6Wq
>>524
むしろエルフの正体がグロンギ
そりゃ始祖ブリミルでも勝てんわ

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 19:17:07 ID:KjxCsQV6
土<青銅<真鍮<鋼鉄<黄金

周期表で見ると
Cu
Ag
Au

青銅も真鍮も銅が入っているから
錬金というのは銅と金の間に銀があるんじゃないかと思う
ドットで青銅 トライアングルで真鍮 スクウェアで金だから
がんばれば銀とか錬金出来るんじゃないの?シェブリーズ先生

528 :いぬかみっな使い魔:2008/03/31(月) 19:24:34 ID:LxOb+VGM
そろそろOKかな?
予約なければ5分後くらいを目処に投下開始したいと思うのですけど。


529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 19:34:42 ID:ztfs/yDk
おk

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 19:36:06 ID:15hc+OKu
>>527
多分銀は「すぐ腐食する」や「やわらかい」で敬遠されてるだけで出来ると信じたいですね
そうじゃないと吸血鬼や狼男など「銀が弱点」な奴等出すの考えてる者として…

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 19:36:33 ID:csEN/cr/
イメージとか無しな?

532 :いぬかみっな使い魔:2008/03/31(月) 19:38:49 ID:LxOb+VGM
支援ありがとうございます。では。
12話です。実質11話な12話です。
というか、9話でここまで行く予定だったのになorz


 公爵を見送った後、啓太達はそれぞれ行動を開始した。

ギーシュとモンモランシーはとりあえず今日は必要ない薬草類を運ぶために
馬車で魔法学院へ。ともはねとタバサは急いで必要な薬草を持って
学院へ急行、直ちにクラブ員に動員をかけて調合に取り掛かる。
同時に謁見のための準備として、クラブ員が授業を休む申請書を提出。
学院の協力を仰ぐ。啓太はトリスタニアの工事現場を回ってクラブ員を集め、
乗合馬車で学院まで連れ帰る。という事になった。
「まあ、帰りは少し遅くなるだろう。バイト先の都合もあるだろうからな。
明日からしばらく休む事も頼まなきゃいけないし、調合のほうは頼むぜ?」
「はい!」
「(無言でコクリ)」
「任せたまえ!」
「ええ。でも、私はタバサと一緒に帰るわ。調合担当ですもの!」
「ええ!? ひどいよモンモランシー、僕一人で帰れってかい!?」
啓太とギーシュをちらりと見たモンモランシーは冷たく言った。
「二人きりにしてやろうって魂胆なんでしょうけど大きなお世話よ!」
「「ぐっ!」」
見抜かれた啓太とそれを感謝していたギーシュの二人が言葉に詰まる。
「私は、荷物を届けたらまたとんぼ返りする。時間が惜しいでしょ?」
「う・・・わ、わかった、ありがとうな、タバサ。」
なぜか言いよどむ啓太である。待ち合わせ場所と時間を指定し、
皆はそれぞれ移動した。

 最も早く学院についたのは犬形態のともはねだ。背に薬草を括り付けている。
それを見つけた、戦闘訓練中の一部男子生徒たちが色めき立つ。
「ああ! ともはねちゃんだ!」「なにいぃ!」
「おお、犬形態だ!」「で、でかした!」「すげえ、チャンスだ!」
「きょ、今日ここで訓練していて良かった!」「準備しろ!」「おう!」

全力で迎え入れる(一部)男子達。
 「お帰り、ともはねちゃん!」「荷物取るよ! 重かっただろう?」
 「ほら、ちょうど洗濯中の着替えあったからもらってきたよ!」
「ありがとうございます!」
そういって、ともはねは無防備に人形態に化けた。
当然素っ裸であり、渡された服を着る。皆、ちょっとだけ離れて
平静を装っているが、気分はかぶりつきである。啓太の使い魔でなければ
速攻で襲っている所だが、怖いので見るだけだ。それでも至福のひと時である。
こういったわずかなチャンスを得たいがためにクラブに入り時を待っているのだ。
しかし至福の時も、ともはねが事情を話すまでだった。
全員、クラブ員に動員をかけるために血相を変えて学院に散った。



533 :いぬかみっな使い魔:2008/03/31(月) 19:39:35 ID:LxOb+VGM
 その頃。啓太は第1の工事現場で事情を話し、休ませることを謝罪していた。
「お姫様に献上するとあっちゃあ仕方ねえな。また頼むぜ。」
とは現場監督の言である。貴族といえどここまで下級になると
口調もでんぽうだ。啓太は、クラブ員に予定の時間に
予定の場所に向かうよう指示した。
同じようにしていくつか回ると、最後の工事現場である。
そこはパン屋の裏手で、パン焼き釜の余熱を利用した風呂屋の建築現場であった。
隣の宿屋、モンバーバラの別棟であり廊下で繋がっている。

「お、みんな集まってるな。」
 その数、二十数名。啓太は、集まった学院生達に訓示を垂れた。
「いいか! 今日から俺たちはアンリエッタ王女殿下に忠誠を示すため、
特別体制に移行する。各種秘薬を姫殿下に献上するため登城し、謁見するのだ!」
「「「「「うおおおお!!」」」」」
一同から大声が漏れる。漏れ聞いてはいたが、改めて聞くとまた格別らしい。
「そのためこれから全力で秘薬の生産に当たることになる。
金回りが苦しくなるし、秘薬の分配率も下がるがそれは勘弁してくれ。
とはいえ、俺はやると約束したものをやらないほどケチるつもりは無い。
今日は、今までがんばってきた皆への報酬の日だ。楽しめ。」

「「「「「うおおおお!!!!!!」」」」」

先ほどに倍する雄たけびが響いた。

 啓太は、外に出てきた“宿屋の女将”に金貨の袋を渡す。
「みんな始めてだからな。ヨロシク教えてやってくれ。」
「まあかしときな。いい娘ばっかり勢ぞろいさせといた。
あんたが作ってくれた薬風呂や薬湯でみんなの健康状態もいいし、
風呂屋と兼業にすることでサービスも充実して大助かりさ。
これくらい、お安い御用だよ。これからもひいきにしておくれ。」

この日。
後に『東方の○○な風呂屋』という意味でハルケギニア全土にチェーン展開する
『トルコ風呂屋』の第一号店の工事が終わり、その工事に従事していた
トリスティン魔法学院生達(+α)が改装第一号の客となった。

 ちなみに約束とは。
「お前ら女を抱いたことも無いんじゃあがっつくばかりでモテんぞ。
大体男女とも初めてじゃあ本番で失敗して破局する確率も高い。
いっぺん経験して来い。え? どうすればいいって? 金も無い?
病気も怖いって? しょうがねえ、段取り整えてやっか。」



534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 19:43:06 ID:ztfs/yDk
これはw

535 :いぬかみっな使い魔:2008/03/31(月) 19:43:40 ID:LxOb+VGM
 こうして、啓太は工事の練習に対してのやる気を皆から引き出したのである。
啓太は店のお姉さま方の中で、好みの娘を選ぶ段では口説いて
承諾をもらうよう条件を出した。女の子を口説く練習である。
同時に、店のお姉さま方にはどう言って貰えれば嬉しくなるかの
レクチャーなども頼んだ。双方乗りのりで擬似プロポーズなんぞをしている。

「う〜〜ん、こういった基本を教えてくれる大人の男ってのが
俺の周りに居なかったからな。河原崎先輩がゲームでレクチャー
してくれる前の俺って、あれ以下だったんだよな。ちっと恥ずかしいぜ。」
 
 実は犬神に対する態度というものに関しても、生まれたときから
まわりに犬神が居ないという酷い教育環境だった啓太である。
それゆえに多大な勘違いをしていた啓太は13歳の儀式の折に
1匹の犬神も憑かなかったという醜態をさらしたのだ。
霊力測定儀式の前日に友人と酒盛りをして二日酔いになったのも、
元々はそれでぐれていたからである。嫉妬深い母を持ったのは、
啓太にとって不幸の元凶であった。

「さて、終わった奴からタバサに送って貰う事も待ち合わせ場所も教えたし、
俺も一丁楽しむか。どのお姉さまにしようかな♪」
 ルンルン気分で啓太が一歩踏み出すと、一斉に周りからブーイングが飛んだ。
 「ええ〜〜〜!!」「け、ケータさんもですか!?」「ブーブー!」
 「勝ち目無いじゃないですか!」「経験無いやつ限定でしょう!?」
 「強力すぎるライバルだ!」「キュルケさんとヨロシクやってるくせに!」
口説き落とさないと出来ない童貞少年達も必死である。
そこに、この店の看板娘達が現れた。
「ほっほっほっほ! 坊や達、そんな狭量じゃあモテないわよ?」
「そうそう、堂々と渡り合うくらいの気概をお持ちなさいな!」
男子生徒たちが歓声を上げた。
「「「ミネアさんとマーニャさん!」」」

536 :いぬかみっな使い魔:2008/03/31(月) 19:48:12 ID:LxOb+VGM
 店一番の見事な肢体と美しい顔、話術、床上手と、文句なしの双璧。
 売れっ子ダントツの双子の占い師&踊り子なお姉さまズである。
 「ああっ! その紫の見事な髪!」「小麦色のすべらかな肌!」
 「金の髪飾りが似合います!」「ピンクのレオタードが素敵だ!」
 「やすらぎのローブが神秘的に似合っている!」「星降る腕輪が映えるなあ。」
 「祈りの指輪、似合ってます!」「ああ、あの編みタイツが!」
 「ああ! なんて素敵なんだ!」「ケータさんだろうと負けはしない!」
 「やるぞ! やってやるぞ!」「わたくしめにお情けをいただきたく!」
 たびたび工事に来てめぼしをつけていた連中が、
肌もあらわな衣装に身を包んだミネアとマーニャに群がる。
彼女達は滅多なことで客を取らない高嶺の花だ。
踊りと占いで充分店一番の売り上げを出しているのである。
一説によると某国の騎士団長ライアンやら勇者と呼ばれた若者など、
寝室に招きいれた者は数えるほどとも聞く。
「やれやれ、容易い目標から確実に達成しろ、って教えてんだけどな。」
啓太は苦笑すると、胸の大きく競争相手の少なそうな娘を物色した。
何度か客になっている啓太の好みはすでに知られているらしく、
向こうも声をかけてくる。

「ああんら〜〜〜せくしぃい〜〜な坊やね〜〜〜今日は私とどう〜〜〜?」
啓太は、愛想良く手を取ろうとして、なぜか冷や汗をかいた。
ナニか、危険なモノを感じる。
「い、いや、今日はギムリに譲るよ。薬草クラブの初期メンバーなんだ、
ヨロシク教えてやってくれ。」
「ケ、ケータ君! ありがとう! ありがとう!」
ギムリが、感動していた。
「ああんら〜〜、残念ねえん。」
豊満な胸と腰の、ぽっちゃり型のお姉さまはあっさり引っ込んだ。

「んどぉおん? 私の体、セクシィーでしょう〜〜〜〜?」
次に声をかけようとした娘は、マリコルヌの前でセクシーなポーズを取っていた。
「うう、す、素晴らしい、素晴らしいです! って、ケータ君!?
だ、ダメです、今日は、今日だけは譲ってください!」
小太りなマリコルヌが、滂沱の涙で懇願する。
「あ、ああ、もちろんだ、マリコルヌ。お前も初期メンバーだしな。」
ナゼか、啓太の悪寒は先ほどに倍するものとなっている。

「ああんら〜〜、そんな事言わないで愛しい人〜〜〜」
スレンダーな美人を口説いている横を通りかかった啓太は、すさまじい悪寒を
ナゼか感じて硬直した。
「げっ! ケータさん!? 勘弁してくれ! やっとここまでくどい…
どうしたんです、顔色が真っ青ですよ?」
「い、いや、なんでもない、なんでもないんだ。」
啓太は、必死でなにかを思い出さないようにしている自分に気付いた。
ナニを、何を思い出すまいとしているのだ!?


537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 19:48:37 ID:sOj8u2Tx
支援です

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 19:49:24 ID:SiTzPLqX
相変わらずひどい

539 :いぬかみっな使い魔:2008/03/31(月) 19:50:25 ID:LxOb+VGM
「喜んでえぇん! 私、天国に連れて行ってあげるからあん。」
レイナールにしなだれかかっているお姉さまが、睦言をささやきながら
二階へと誘っている。それだけだ。それだけなのだ。
それなのに、啓太はまたも強い悪寒を感じた。全身が瘧のように震える。

「あん、もう! こうなったらあなたに埋め合わせをしてもらうわよおおん。」
ムニュッ? 一人のクラブ員を取り合っていたお姉さまの片方がが競り負けた。
直後、都合よく通りかかってしまった啓太は、後ろから抱きつかれた。
やわらかい豊満な胸が啓太の背中を刺激する。それは、非常に心地よい、
モノであるはずだった。だが。やはり啓太の背筋に悪寒が走る。
「お、おかしい、そんなはずは…」
見ると、実に啓太好みの豊満な肢体を持った色っぽいお姉さまである。
「さ、二階に行きましょう、坊や。」
今度は悪寒を感じない。啓太は、警戒を緩め、そのお姉さまと個室に移った。
しゅぱぱぱ! と素早く服を脱ぐ啓太。肌もあらわなお姉さまを
優しく抱き、「きれいだぜ」とささやきかける。「お前が欲しいんだ。」
と、言いながらお尻に手をやる。お姉さまも逆らわない。

「そんなに私と遊びたいなら、私脱いじゃうわあぁん。」
そういって服に手をかける。啓太の背中に、今までで最大級の悪寒が走った。

啓太は、その瞬間、思い出してしまった。
今日戦ったおぞましいゴーレムの台詞を。
『ああんら〜〜〜せくしぃい〜〜な坊や達ね〜〜〜(野太い声で)』
『そんなに私と遊びたいなら、私脱いじゃうわあぁん(野太い声で)』
『んどぉおん? 私の体、セクシィーでしょう〜〜〜〜?(野太い声で)』
『ああんら〜〜、そんな事言わないで愛しい人〜〜〜(野太い声で)』
『喜んでえぇん! 私、天国に連れて行ってあげるからあん(嬉しそうに)』
『よくもやったわね、こうなったらあなたに埋め合わせをして「ざれごと
いってんじゃねえ!」もらうわよおおぉん(野太い声で)』

それは。
ナゼか、啓太のたまたま聞いた娼婦の台詞とほとんど同じもので。

その後、いろいろとお姉さまといたした啓太であるが。
ついに、立つ事はなく。
しょんぼりなまんまだったそうだ。

その後しばらくの間。
啓太は女を抱くことをしなくなったそうであるが。
インポになったからかどうかは…
触れないでやろうと思う。

540 :いぬかみっな使い魔:2008/03/31(月) 19:53:43 ID:LxOb+VGM
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました!

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 20:02:36 ID:Tt3Ix3O1
うわ、きも

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 20:04:32 ID:tslaLD5/
>>540
投下乙です〜。
しかし今日はどうも単発IDの短文カキコが多いですなぁ。

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 20:15:53 ID:VR3l3M/r
乙!

>>542
そうですね。パターンがまったく同じ。


544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 20:21:07 ID:4DHMO+t5
乙!

彼岸島から誰か呼べるかな。師匠とか邪鬼とか色々いるけど。
でも、あの下手にギャグを入れられない雰囲気を再現できるか…

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 20:28:14 ID:ky47POjw
>>544
ギーシュの失禁フラグですね
分かります

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 20:30:51 ID:s/1DRBQl
>>545
フーケさんの事もたまには思い出

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 20:54:16 ID:cX9Yi233
U96召喚

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:01:34 ID:ztfs/yDk
>>544
ああ、ワルドが文房具屋の息子になるのか。分身つながりで。

549 :ゼロのエルクゥ06 0/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/31(月) 21:24:35 ID:cpkrQ+Kd
予定がなければ5分後に投下を始めたいと思います。
大丈夫でしょうか?

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:25:01 ID:VR3l3M/r
支援いたし魔する。

551 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:26:44 ID:9Ds4eIZ/
サウスパークのエリック・カートマンを召喚したって言うのはダメ?

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:29:07 ID:s/1DRBQl
楽しく見させてもらってます支援

553 :ゼロのエルクゥ06 1/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/31(月) 21:29:33 ID:cpkrQ+Kd
 昨夜と同じく厨房で朝食を終えて教室に入ると、教室中の視線が一斉にこちらを向いた。
 昨日と同じような、あまり良い意味のこめられた視線ではなかった。くすくすという忍び笑いも漏れ聞こえてくる。
 無視して足を進めるルイズ。耕一もそれに続いた。
 教室の中には、先程のキュルケもいる。その隣には、ルイズとは違う意味でキュルケとは対照的な、透き通るような蒼い髪をした小柄なメガネ少女が本を広げていた。

「貴族だの魔法だのっつっても、教室ってのは変わらないもんだなぁ……」

 甲高いおしゃべりの喧騒に、高校時代を思い出す。
 暫しそんな風に懐かしい気分に浸っていると、ガラリとドアが開き、明らかに生徒ではない人物が教室に入ってきた。同時に、お喋りがピタリと止む。
 ゆったりした紫色のローブとマントを身に纏い、同色の、これぞ魔女、とでもいうようなトンガリ帽子を被った、恰幅のいい中年女性だ。
 女性はゆっくりした足取りで教壇に昇ると、ぺこりと一礼した。

「皆さん、おはようございます。私の名前はシュヴルーズ。二つ名は『赤土』。『赤土』のシュヴルーズです。これから一年、皆さんに『土』の魔法を講義致します」

 シュヴルーズは穏やかな口調で述べると、満足げな微笑みを浮かべながら、教室を見渡した。

「春の使い魔召喚の儀式は、皆さん大成功だったようですね。このシュヴルーズ、こうして春の新学期に、様々な使い魔たちを見るのがとても楽しみなのですよ」

 その視線が、ある一点で止まる。

「おや、ミス・ヴァリエールはとても変わった使い魔を召喚したものですね」

 シュヴルーズは、耕一とルイズを見て、とぼけた声をあげた。
 その声には、何か含む所は微塵もなく、文字通りの意味しか込められていなかったが、元から含むところを持っていた人間には、十分な刺激らしかった。

「ゼロのルイズ! 『サモン・サーヴァント』の魔法を使えないからって、その辺歩いてた平民連れてくる事はないだろ!」

 肩にフクロウを載せた小太りの男子がからかいの声を上げると、途端に教室中が笑いに包まれた。
 ルイズは肩を震わせて俯いてしまう。唇を噛み締め、耐えるように。

「そうだそうだ! どんな魔法を唱えても失敗しちまう、魔法成功確率ゼロのルイズ!」
「ゼロにはお似合いの使い魔だよな!」

 ―――なるほど。あのあだ名はそういう意味か。
 ルイズが全身を震わせ始めた時、耕一はさっと、甲を前に向けて左手をかざした。

554 :ゼロのエルクゥ06 2/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/31(月) 21:30:32 ID:cpkrQ+Kd
「あー。とりあえずこの通り、『コントラクト・サーヴァント』とやらは成功しているんだから、成功確率はゼロじゃないんじゃないかな?」

 その言葉に、しーん、と教室が静まり返った。

「それに、俺自身も、変な鏡みたいなのに無理矢理吸い込まれてこんな知らないところに飛ばされてきたもんでね。『サモン・サーヴァント』というのも成功してるんじゃないかな。そこの君、どう思う? 成功確率はゼロだと思うかい?」

 最初にからかった小太りの男子を指差すと、あわあわと見るからに焦り始める。
 その様子を見て、太っちょ男子の隣に座っていた金髪の少年が、胸に差していたバラの切り花をキザったらしく手に持った。

「フン。平民に簡単に言い包められてどうするんだいマリコルヌ。口裏を合わせれば、そんなのどうとでも説明がつくじゃないか。その使い魔のルーンだって、絵の具で書いたのかもしれないだろう?」

 バラを手繰りながら、そんな事を言う。
 これでもかというぐらいにドレープの付いた飾りシャツの胸元から素肌が見えているこのバラ少年、ちょっと、いやかなり、悪趣味と言わざるを得ない。

「お、おお。さすがギーシュ! そうだな! そうに違いない!」

 沈静していた勢いが再び戻るのを見て、やれやれ、と一つ嘆息。
 教壇のシュヴルーズに目を向けると、ちょうど彼女が、手に持った二の腕ほどの長さの杖を振り、何がしかの呪文を唱えたところだった。

「もがっ!? もご、もごーっ!」

 次の瞬間には、太っちょ男子と悪趣味男子、それに一緒になって笑ったり囃し立てたりしていた生徒の口に、土で出来たフタがかっぽりと嵌っていた。

「お友達をそんな風に言うものじゃありません。今笑った人たちも同罪です。そのままで授業を受けなさい」

 見た目はコメディだが、一瞬で、何も無いところに、複数の土塊を出現させる、という現象に、耕一はかなり驚いていた。
 ……口だけだからあれで済んでるけど、アレにいきなり目とか鼻とか塞がれたら、かなりやばくないか?
 魔法というもののデタラメさに、耕一は少し肝が冷えたのだった。

555 :ゼロのエルクゥ06 3/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/31(月) 21:31:29 ID:cpkrQ+Kd
「さて、ミス・ヴァリエール、魔法の四大系統はご存知ですね?」
「は、はい。『火』『水』『土』『風』の4つです」
「はい、ありがとうございます。以上の4つに、今は失われた系統、『虚無』をあわせて5つの魔法系統が存在する事は、皆さんもご存知の通りです」

 四大属性+特殊系統が一つってホントにRPGの属性みたいだな、と耕一はにべもない事を考えた。

「その5つの系統の中で、『土』は、最も重要な位置を占めると私は考えます。まあ、『赤土』の二つ名の通り、私が『土』属性のメイジだからという身びいきは否定しきれませんが」

 そう薄く笑う仕草は、上品なおばさまそのものだった。嫌味じゃないセレブってヤツだ。

「『土』は、万物の組成を司る、重要な属性です。様々な金属の製造や加工、家屋などの建築には欠かせない魔法であり、農作物の育成や収穫などにも大きな役目を果たしています。『土』系統の魔法は、皆さんの生活に密接に関係しているのです」

 シュヴルーズがさっと杖を振り一句唱えると、机の上に小さな小石が3つほど現れた。

「今日は、『土』系統魔法の基本である『錬金』の魔法を覚えてもらいます。『土』属性の人達は、もう既に覚えている人も多いかもしれませんが、基本は重要です。そういう人も、もう一度おさらいをするように」

 もう一度杖を振り、今度は少し長めの呪文を唱える。
 すると、小さな小石がぱあっと光を放った。それが収まった時には、その石は、キラキラとした金の光沢を持っていた。

「ごご、ゴールドですか!? ミズ・シュヴルーズ!?」

 キュルケが、目の色を変えて立ち上がった。

「いいえ。これは真鍮です」

 シュヴルーズが答えると、なぁーんだ、と、つまらなそうに腰を下ろす。
 清々しいぐらいの現金っぷりだった。

「『錬金』の魔法は、このように、一つの物質を別の物質に変えてしまう魔法です」

 ―――それが基本の魔法という時点でとんでもないなあ。
 さっきの口を塞いだ土もこれで作ったのだろうか。と、耕一は未知の知識に好奇心を膨らませていた。

「『錬金』という名前にもなっているように、金を作り出す事を目的として生まれたこの魔法で最も困難なのが金の製造です。可能なのは、『土』のスクウェア・メイジだけです。私はただの、トライアングルですから」

556 :ゼロのエルクゥ06 4/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/31(月) 21:32:03 ID:cpkrQ+Kd
 謙遜の言葉でありながら、その底には確固とした自信が垣間見えた。
 スクウェア(四角形)、トライアングル(三角形)、という名前からして、レベル4とかレベル3とか、そういう意味だろうか。

「それでは、誰かにやってみてもらいましょう。そうですね、ミス・ツェルプストー。どうでしょう?」

 新たな小石を出して、シュヴルーズがキュルケを指名した。

「私ですか?」
「ええ。ゴールドに興味があるようでしたので。魔法の力は意志の力。それを成したいと願い、想像する力を創造する力に変える。それが『錬金』です」
「わかりました。やってみますわ」

 キュルケは席を立ち、ぷるんぷるんと胸を揺らしながら教壇まで降りていく。
 ……明らかに、男子の視線がそれに集まった。この世界でも、女性の魅力の価値観というものはあまり変わらないようである。

「いや、俺は楓ちゃん一筋だからね」
「またあんたは……誰かと話してるの? あの、シグナル、ってやつで?」
「そういうわけでもないんだけど……こう、総論と各論の齟齬というか」
「意味わかんないわよ……」

 ルイズにバカな説明をしている内に、教壇では今まさに、キュルケが杖を振りかぶるところだった。

「ゴールドなんて贅沢は言わないから、せめて何か宝石っ!」

 実にわかりやすい呪文と共に杖を振り下ろす。
 小石が光を放ち、収まり、そこにあったのは……。

「……何これ?」

 鮮やかな黄色の小石であった。

「これは硫黄ですね」
「硫黄? 火の秘薬の硫黄? これが?」
「はい。使い魔を見るに、ミス・ツェルプストーは『火』の属性。イメージが抽象的なもののようでしたから、それにちなんだものが出来上がったのでしょう」
「うーん、宝石は無理だったかぁ」
「キチンと何の宝石を作るかをイメージしさえすれば、きっと出来るようになりますよ。ではもう一人、やってもらいましょうか」

 再び新たな小石を出し、ぐるりとシュヴルーズが周囲を見渡して……自分の使い魔と何やらひそひそ話しているルイズを見咎めた。

「それでは、ミス・ヴァリエール。前に出てやってみてください」

557 :ゼロのエルクゥ06 5/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/31(月) 21:33:38 ID:cpkrQ+Kd
 そう言った瞬間、ざわ・・・と教室中がざわめいた。

「あの、先生。危険ですから、やめておいたほうがいいですわ」
「危険? どういう事です?」

 教壇の側にいたキュルケがキッパリと言うと、教室の中のただ二人以外の全員が、然りと頷いた。

 ちなみに、一人は耕一。もう一人は、キュルケの隣にいた、教科書を広げる振りをしながら別の本を裏で読んでいる蒼い髪の少女だった。

「ルイズを教えるのは初めてですよね?」
「ええ。あまり実技の成績が良くない事は存じていますが、座学に関しては学年首席であると、非常な努力家である事も存じております。さあ、ミス・ヴァリエール、気にせずにやってごらんなさい。数多くの失敗から、成功は生まれるものです」
「いや、あまり、どころじゃ」
「……やります」

 キュルケが言葉を続けようとしたところで、ルイズはまっすぐに立ち上がった。
 そのまま有無を言わせずに教壇に降りていく。キュルケは諦めたように首を振ると、自分の席に戻って机の下に隠れた。

「……何やってんだろう」

 見ると、周囲の生徒全員が、まるで避難訓練か何かのように物陰に隠れ始めていた。
 あの蒼い髪の少女まで、机の下に潜っている。

「さあ、ミス・ヴァリエール、作りたい金属を、強く心に思い浮かべるのです」
「はい」

 こくりと頷いて、ルイズは目を閉じ、杖を掲げた。
 事態が進むに連れて、教室中が戦々恐々としだす。

「ルイズの使い魔さん あなたも隠れていた方が良いわよ」
「へ?」

 一体なんなんだ、暴発でもするのか、と首をひねっていた耕一に、キュルケが声をかけた。

「なあ、わけがわからないんだが……一体何がどうなってんだ?」
「爆発」
「え?」

 机の下でも本を広げていた蒼髪少女がぼそりと呟いた瞬間、ルイズが裂帛の気合と共に杖を振り下ろした。

「『錬金』!」

558 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:35:15 ID:azQHTHPm
支援

559 :ゼロのエルクゥ06 6/6 ◆yxbMPy6fic :2008/03/31(月) 21:35:40 ID:cpkrQ+Kd
 刹那、小石がシュヴルーズやキュルケの呪文とは明らかに違う勢いで光り始め、それは見る間に視界を覆っていき―――

「ッ!!」

 ずがーん、と、盛大に爆発した。
 猛烈な光と煙が視界をゼロにする。耕一は、運良く最初の光の時点で目を覆っていたので大事なく済んだ。


「げほっ! げほっ! こ、こういう事か……っ!」

 まさか、本当に暴発だとは。
 光と煙が晴れた時、目の前にあったのは、惨状、の一言だった。
 小石が乗っていた教壇は教室の端まで吹き飛んでいた。ルイズとシュヴルーズは爆発を直接くらったのか、ススだらけで倒れてぴくぴくと痙攣している。
 すりばち上に配置された机もところどころが吹き飛び、その下に隠れていた生徒を瓦礫にまみれさせていた。

「…………」

 使い魔召喚の儀式から初の授業という事で、大きすぎるもの以外は連れてこられていた使い魔達がぎゃあぎゃあと暴れているのを横目に、ゆっくりとルイズが立ち上がる。
 無残な格好だった。魔法で保護されているという制服がボロボロになっている。ブラウスの破れ目から健康的な色をした肩やお腹が露出し、スカートは下着を隠しきれない程に傷ついていた。
 ルイズはけほっとススの混じった咳をし、どこからか真っ白で清潔そうなハンカチを取り出すと、顔についたススを拭き取りながら、口を開いた。

「……ちょっと失敗したようね」

 口を塞いでいた赤土がいつの間にか取れている生徒達が一斉に文句を言い始めるのを尻目に、耕一は、楓とよく見ていた吉本新喜劇を思い出したのだった。

560 :ゼロのエルクゥ ◆yxbMPy6fic :2008/03/31(月) 21:36:27 ID:cpkrQ+Kd
以上です。支援ありがとうございました。楽しんでいただければ幸い。

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:37:41 ID:VR3l3M/r
sienn

562 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:45:49 ID:VGNytNXs
乙ー

もしかして、エルクゥの宇宙船がどっかに埋まってたり・・・

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:45:57 ID:VR3l3M/r
うむ、いかにもなテンプレ展開(w

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:54:20 ID:6UnTXHKW
乙。
吉本新喜劇を見るのは良いけど強制的に参加させられるのは困るなw

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:54:45 ID:O+TJ26kN
>>523
あの人はガンダールブより素で頑丈だからな

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:56:00 ID:UthUhHVY
乙。
だが実際に爆発を起こされる方は吉本じゃすまんだろうな

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 21:56:55 ID:urDkEb6r
>>563
だがそれがいい。
その紋切り型がいい。ここからどう発展していくか想像する事こそ面白いとは思わんかね?

>>564
それはこの召喚自体に言えるのでは。
ツンデレは見物するならいいけど、実際に付き合うと疲れそう。
まぁルイズはまだ何とかなりそうだけど。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:01:23 ID:ZmUCTynC
耕一の人乙&GJ。
どっかのーてんきな雰囲気がホントに心地良いっス。修羅場になるのも好きだけど。
>>567
同感だ。ツンデレは遠くから眺めるくらいがちょうどいい。接してくのは勘弁だな。

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:23:51 ID:9H7+B71Z
エルクゥの人乙。
召喚された生き証人が名乗るっていい案だな〜

>>567
ツンデレはツン分が多すぎるとされた本人にとってはただただ嫌なだけの女だしなw
扱いは面倒だしふとしたことで刺激すれば修羅場だし……

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:25:54 ID:6UnTXHKW
ルイズがツンデレ+マルコメ風の顔だったら…

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:27:23 ID:urDkEb6r
>>569
そのあたりの配分を間違えちゃったのが「涼風」でしょうかね。
逃げていくところを追いかけていけば殴る、追いかけなければ何故追いかけないと怒る。

赤い人改め金色の人「私に何をしろと」

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:30:17 ID:KjxCsQV6
ガンダム00の刹那=F=セイエイが呼ばれていたら

「愛しのルイズ!」
「サーシェス!貴様何故ここにいる!答えろ!」
「おいおい、俺はワルドだぜ?誰だよこのボーズ」
「貴様!」
怒った刹那がワルドの眉間をハンドガンでぶち抜くと
偏在だったのかだんだん色が薄くなって消えた
「サーシェス・・・こいつ、違う!」
「・・・ちょちょちょちょ、ちょっとワルドが消えた!」
ぱにくるルイズ
「・・・突然銃で撃たれるとは思わなかったぜ」
そしてひょっこりまた現れるワルド 何人いるのやら
「お前は偽者か?」
「あぁ?本物に決まってるだろ」
「・・・世界は歪んでいる、歪みの原因は貴様だ!ムッコロス!」

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:31:13 ID:s/1DRBQl
エルクゥの人乙
>>569
ツンが多すぎると病む。

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:31:48 ID:eHeBC8jE
エルクゥの人乙。
テンプレ展開の中の、ちょっとしたオリジナル展開が清涼剤。GJ♪

575 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:32:16 ID:d44t1wh0
予約がなければ35分に投下したいと思いまする。

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:32:40 ID:KDFAiPHn
>>572
これが抜けてるぞ
つ「俺がガンダムだ」

577 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:36:07 ID:d44t1wh0
人修羅がルイズの使い魔となり、魔法学院で暮らし始めてから三日目。
初日は召喚されたり下着を洗ったりで大変だった。
二日目は授業で爆発しそうになったり大変だった。

今日はどうなるかなぁと思いながら欠伸をすると、よっこいせと呟いて立ち上がり、両腕をぐるぐると回して身体をほぐす。
窓から外を見ると、日が昇って間もない時間らしく、朝の清浄な空気が自分を招いている気がした。
「…まだ起こすには早いな」
小声で確認するように呟くと、人修羅は寮塔の外へと出て行った。

魔法学院の敷地は広い、正五角形の壁に囲まれた範囲だけでなく、その周辺も魔法学院の管理下にあるらしい。
人修羅はいくつか確認したいことがあったので、裸足のままつま先を立てて、地面をトントンと蹴った。
大地の感触を確かめると、「フッ」と短く息を吐いて身体に力を入れ、魔法学院から少し離れた林に向かって走り出した。

ビュゥビュゥと風を切る音が聞こえる、まさしく今、風を切って走っている。
人間とは比べものにならないパワーを持っているが、足の長さという如何ともしがたい問題により、思ったより早くは走れない。
その代わり異常なまでの体力が備わっているので、時速50kmで何日も走り続けられると考えれば適切だろうか。

林に近づくと向きを変える、地形を確認するために、林に平行して走り、魔法学院の方角から見られない位置を探した。
林に沿ってしばらく走ると、魔法学院の高い塔も見えなくなる、そこで人修羅は走るのをやめた。


「ふーーーーーーーー…」
深呼吸して、身体を適当に動かす、最初は緩慢とした動作で両手を振ったり、屈伸運動ナリをしていたが、途中からその動作に攻撃的なものが混じった。

「確かめておかないとなー」
そう呟きながら指先に力を込める、爪が10メートルも伸びるようなイメージを描き、指先に力を流す。
右手をだらんと下げた状態から、勢いよく空に向かって突き上げると、同時に地面に五本の亀裂が走り、土がえぐり取られ空中へと高く舞い上がった。

「こうして見ると、畑仕事に便利かな?……でも巻き添えを作りそうだな」

『アイアンクロウ』と名付けているこの技は、ボルテクス界では破壊力のみを求めて、好んで使っていた。
しかし今試しに使ってみると、今まで恩恵にあずかってきた破壊力が、予想以上の威力を発揮しているのが解ってしまった。
10メートル、こちらでは10メイルの距離を抉るつもりだったが、実際には30メイル先まで地面がえぐれていた。
精密な動作には向かない、これでは乱戦、混戦になった時に、仲間を傷つけてしまうかもしれない。

「…まずいな、これじゃ、ジャベリンレインでも使った日には仲間ごと吹き飛ばすかもしれないな……うーん。困った」

人修羅はあぐらをかいて地面に座る、顎に手を当てて、いかにも『悩んでます』という雰囲気を作ろうとしているその姿は、どこか滑稽だった。

「ルイズさんに魔法の話はしたけど、どうするかなあ」

今の人修羅は、仲魔達から一応の手ほどきを受け、炎を出すアギ、氷を作るブフ、電撃を放つジオなど、ある程度のことはできる。
しかし口から吐く炎や吹雪と比べて効率がとても悪くとても実戦では使えなかった、そもそも魔法を習得しようとした理由が『ご飯炊く時、口から火を吐いたら悪役みたいで格好悪いじゃんか!』なのだから、戦いに使えないのも仕方がなかった。

「怪我の治癒に良さそうな魔法でも教えてみようかな…あ、待てよ、そもそもこの世界の人間に…って言うか普通の人間に『ディア』を使っていいのか?副作用とか無いのかな」
ディア、とは怪我の治癒に使うものであり、簡単な怪我なら多少深くてもすぐに治癒してしまう、しかし今までは仲魔に使っていた、人間に使った訳ではない。
「まいったなー、どうしよ」

まさか人体実験をするわけにも行かない、人修羅は今の自分が役立たずな気がして、地面にのの字を書いて落ち込んだ。

578 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:38:19 ID:d44t1wh0
■■■

「ルイズさーん、朝だよー、早く起きないと蜜柑聖人が起こしに来るよ」
「ううん…」
硬い床に体育座りで寝ている人修羅とは違い、ルイズはとても柔らかそうなベッドで眠っている、それを揺り動かすのは躊躇われるので、とりあえず声をかけるところから目覚ましは始まる。

目を覚ましたルイズは、寝ぼけ眼で部屋を見回す癖がある、この時眠そうな目つきをしているが睨んでいるのと大差はない、しかしルイズは可愛い、というわけで人修羅にとっては妹か、それに近い存在のように思えてしまう。
妹だとしたら下着着せるのってやばくね?禁断の関係!ヒャホー!
などと考えることもあるが、決して口には出さず、ルイズに言われるがまま服を渡していく。
人修羅も恥ずかしいので、下着は自分で着て貰うことにしているが、やっぱり時々胸の小さい桜色の小さな可愛らしい女の子スイッチ二つが見えてしまう。
気まずくなって目をそらすが、人修羅の顔は赤かった。

昨日言われたとおり、顔と口を洗う水を準備しておいたので、ルイズは無言で顔を洗い歯を磨いていた。
実は今朝、桶に汲んだ水をファイヤブレスで温めようと考えていたが、早朝の身体能力実験で火力が強すぎると解ったので、水は冷たいままであった。

ルイズが顔を洗うのをちらちらと見ながら、ファイヤブレスでうまくお風呂を沸かす方法は無いかと考えていた。

■■■

食堂に入ったルイズは、入り口から人修羅が見ていないかと思って、後ろを振り向く。
しかしそこに人修羅の姿はない、人修羅は生徒ではないので、アルヴィーズの食堂で食べるのは遠慮している。
魔法学院で働く平民にはいくつかの区別があって、そのうち宝物庫周辺や門の外を警備する衛兵と同じものを食べさせて貰うよう、ルイズを通して頼んだのだ。
そんなわけで食事時になると、人修羅は厨房の空きスペースで食事を頂き、ルイズは一人で食事の席に着く。

「椅子ぐらい引いてくれたっていいじゃない」
ルイズの呟きは、誰にも気付かれることなく消えていった。

■■■

「おう、そっちに置いてあるぜ」
そう言って厨房の奥を指さしたのは、コック長のマルトー親父。
年は四十を過ぎており、恰幅の良い体型をしている、厳しそうな目つきとたくわえられた顎髭が彼の頑固さを見た目に表していると言える。
マルトーは貴族ではなく平民だが、収入の低い貴族よりも遙かに羽振りはいい、魔法学院のコックとしてオールド・オスマン直々に雇ったと言われるだけあり、料理の腕は確かだった。

マルトーの腕をちらりと見ると、筋肉の動きがハッキリ見えている、ただの肥満ではなく力仕事から何から何まで、いろんな経験をしてこの職に落ち着いたのだろうと想像できた。

人修羅がシチューの置かれたテーブルに座ると、シエスタがそっと近寄ってふかふかの白パンを出してくれた。
「どうぞ、一つ余りそうなんです。遠慮無く食べてください」
「いいの? うわ、こんなふかふかのパン初めてさわったよ、しかもまだ暖かい」
「焼きたてですから」
人修羅がパンをちぎると、弾力性のある生地がプチプチとちぎれていく、まるで上質の綿のようであった。
「いただきます」
零れそうになる涎を我慢しながら、人修羅はパンをほおばった。

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:39:10 ID:07ku9La/
>>572コレもだ つこの世界に神なんて居ない

580 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:39:53 ID:d44t1wh0
■■■

「ごちそうさまでした」
人修羅が食事を堪能すると、包丁を持ったマルトーがやってきた。
不思議そうに人修羅を見ている、正確には人修羅が眼前で合わせた手に視線が向いている。

「あ、マルトーさん、ごちそうさまでした」
「よう、気に入ってくれたかい」
「こんな美味しいスープも、パンも、初めて食べましたよ」
「そうかそうか、パンは貴族に出してるものと同じものさ。それにしてもお前、貴族と同じ料理を断ってまかないを食いたいだなんて、変わった奴だなあ」
「…僕の住んでた所じゃ、朝からお肉は食べなかったんですよ。すいません無理を言って」
そう言って人修羅が笑うと、マルトーはがっはっはと盛大な笑い声を上げた。

「気にすんな、オールド・オスマンから貴族と同じ食事を出してくれたと頼まれてたんだ、それを断った理由を聞きたかっただけさ」

人修羅は驚き、マルトーを見上げた。
「ホントですか、そこまでしてくれなくてもいいのにな…」
申し訳なさそうに頭を掻くと、マルトーがまたハハハと笑い出した。
「ははは、だから気にするなって。それはそうとちょっと聞きたい事があるんだが、お前、東方から来たんだって? そっちにはどんな食い物があるのか教えてくれないか」

「あー…」
人修羅はちょっと困ったような笑みを浮かべた、東方から来たというのは間違いではないが、この世界の東方『ロバ・アル・カリイエ』とは違う。
どうしたものかと説明に困っていると、マルトーが人修羅をせかすようにしゃべり出した。
「東方で作られた『茶』ってのを飲んだことがあってなあ、紅茶を若葉で飲むと茶に近い味が出るのは分かったんだが、あの苦みと甘さの中間のような味が出ねえんだ、話に聞いたところじゃ、酒の作り方も違うんだって?それが気になってなあ」
「茶?茶って、緑色で、ちょっと時間をおくと黄色っぽくなる、あの茶ですか」
「おお!やっぱり知ってたか、いい茶は薬として飲まれてるって聞いたが、なんか手がかりは無いかなあ」

人修羅は首を捻って考え込む。
お茶といわれてもどんなお茶があるのか、この世界とのお茶の相違点がよく分からない、上手く誤魔化すにしてもどう言えばいいか困ってしまった。
「すんません、お茶は作ったこと無いんですよ。でもいいお茶は60度から70度で煎れるとか」
「ロクジュウドからナナジュウド?なんだいそりゃ」
「えーーーと……。お湯を沸かすと、鍋の底に気泡ができますよね、沸騰はしていないけど、気泡は出来ているぐらい。まあ素手じゃ触れない温度です。それぐらいの温度で一分間蒸らすと、苦みより甘みが抽出されるとか」
「ほう!紅茶とは違うんだな、そうか温度の違いか、確かにそりゃあ大事だ」
「そろそろルイズさんが出てくると思うんで、行ってもいいですか?」
「ん? ああ、そうだな。次は食い物の話も聞かせてくれ」
「はい。それじゃ」

席を立って厨房から外に出ようとすると、こちらを見ているシエスタと目があった、シエスタが微笑むと自分も嬉しくなる、彼女の髪の毛が日本人の黒髪に似ているからだろうか。
「ボルテクス界でもホームシックにはならなかったのになあ」
人修羅はそう呟くと掃除と洗濯をすべく、寮塔へと足を運んだ。


581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:41:00 ID:xwD/dSVt
満喫してるなぁ、人修羅支援

582 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:40:55 ID:d44t1wh0
■■■

朝食をとり、ルイズの部屋を掃除し、洗濯をした後は、ルイズと共に授業を受ける。
ルイズは空いている席に座るよう求めたが、人修羅は貴族の学校なので席に座るのは遠慮したいと言って断った。
人修羅は最後列の壁を背にして、立ったまま授業を受けるつもりだったが、教師から「立ったまま授業を受けるのは使い魔とはいえ行儀が悪い」と言われ、仕方なくルイズの隣に座ることになった。
もっともその教師は、立ったまま授業を受ける人修羅が不気味だったので座らせたのだが……

「なんか俺、転校生って感じだ」
「バカ言わないの、あんたは使い魔だし、亜人じゃないの」
「まー、そうなんだけどね」
冗談めかして呟いた言葉だったが、半分は本気だった。
殺気混じりではないが、周囲から見られている気がしてならない、それが何とも言えない居心地の悪さを感じさせていた。

魔法学院の授業は、人修羅が知っている魔法や技と違い、生活に結びついたものばかりでとても興味深かった。
水からワインを作り出したり、秘薬を調合して特殊なポーションを作るなど、普段何気なく使っていた『宝玉』の作り方を見ているようであった。
三年生になると、石に魔法を封じ込めて簡単なマジックアイテムを作る授業もあるらしい、俺も作ってみたいなあ、と思う人修羅だった。
他にも、箱やボールなどを空中に浮かべて窓から外に放りだし、使い魔に取りに行かせ『感覚の共有』を実演させる授業などがあった。
自分もルイズに「ほら犬、取りに行きなさい」なんて言われたらどうしようかと真剣に悩んだが、人修羅が指名されることは無かったのでほっと胸をなで下ろした。

他にも夜洗濯物の取り込みで下着の扱いに困ったり、東方の料理について聞かれ、文化性の違いから閉口することもあったが、大きなトラブルもなく数日が過ぎていった。

■■■

ある日の夕方。

ばさっ、ばさっという羽音が聞こえ、ふと窓を見ると一羽のペリカンがルイズの部屋の窓を見つめていた。
人修羅もそれに気付いたのか、先ほどまで見ていた『やさしい標準文字』と書かれた本からペリカンに視線を移している。
夕食後、人修羅に文字を教えていたルイズは、ペリカンを見て何だろう?と首をかしげたが、足にくくり付けられた包みを見て、あっ、と声を上げた。

「意外と早かったわね」
そう言って窓を開け、ペリカンを窓枠に止まらせると、包みをほどいてベッドの上に置いた。
包みの中身をちらりと見て確認すると、ルイズはくちばしの中に金貨を入れ、ごくろうさまと呟いた。
するとペリカンはくわぁと鳴いてそのまま外へと飛び出し、星の見え始めた空へと飛んでいってしまった。

「ペリカン?本物? それ何?」
「貴方の服よ、ほら、上が裸のままじゃ困るって言ってたじゃない」
「まさか、買ってくれたのか」
「言っておくけど、お金を払わそうなんて思ってないわよ。使い魔の世話は主として当然のことなんだからね」
ふん、と鼻を鳴らして胸を張るルイズを見て、人修羅は年の離れた妹が居たらこんな感じかなあと考えた。

ルイズから渡されたものは黒い長ズボンに、黒い靴、そしてダークグレーのシャツだった。
「なんで黒ばかり?」
「身体が光るから何とかしたいって言っていたでしょ、だから光を通しにくい生地で作って貰うよう頼んだのよ」
「何から何まですまないねえ」
「当然よ」
おとっつぁんそれは言わない約束でしょ、と言い返されるのを期待していたが、現実はそんなに甘くなかった。

服を着てみると、確かに身体から光が漏れない、これなら夜でも目立たないだろう。
首の後ろに生えた角も被着に影響はなかった、魔法学院の生徒のように硬い襟ではなく、伸び縮みのする繊維で織られていたからだ。
「首の後ろに角の生えた亜人だから、って説明したのよ。でも亜人に服を着せるなんて、酔狂だと思われたかもしれないわ」
「へえー、亜人は服を着ないの?」
「吸血鬼は人間に偽装しているから服を着るわ、翼人やエルフは独特の服を着ているし、オーク鬼やトロル鬼は毛皮の腰巻きをまいてるそうよ」
「そいつら、首の後ろに角が生えてるわけじゃないだろ?どんな亜人だと思われたのかなあ。これでも一応人間だったんだけど」
「そんなことまでいちいち気にしないでしょ。……ところで人修羅。」
「なに?」

583 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:43:41 ID:d44t1wh0
きょとんとした表情で人修羅が答える、ルイズはそんな人修羅をじろじろと検分するかのように見つめたが、しばらくするとハァとため息をついた。
「……オールド・オスマンは貴方のこと、すっごく強いって言ってたけど、本当に強いの?」
「うーん、返事に困るな。それは。実際に見て貰えれば解ると思うけど、第三者に見られたくないんだよなあ。……魔法学院の外で見せたい」
「それはいいけど、何でそんなに人目を気にするのよ」
じとっとした目でルイズが睨む、視線にはどこか人修羅を疑うような意志が見える気がした。
「そりゃねえ、危ないしねえ」

■■■

魔法学院の外に出たルイズと人修羅は、人修羅が召喚された草原に来ていた。
最初は人修羅がルイズを背負って走ろうとしたが、恥ずかしいという理由で断られてしまった、あたりはもう暗く、星々が空に輝いている。
隣を歩くルイズを見ると、不意に東京の生活を思い出した。
「…女の子を夜中に連れ出すなんて、ちょっと危ない人だと思われるよなあ」
「何?」
「いや、誰かと一緒に歩くなんて、久しぶりだと思ってさ。それとルイズさんって、随分心配されてるんだね」
「心配?」
「ほら、あれ」
首をかしげたルイズの疑問に答えるべく、人修羅が夜空を指さした。
見ると、星が光ったり消えたりしている、何だろうと思って目をこらすと、星を明滅させているのは竜だった。

竜もルイズ達に気付かれたと思ったのか、だんだんと高度を落としてルイズ達に接近してきた。
「はぁい、ヴァリエールも隅には置けないわね。夜のデートなんて」
竜の背に乗っているのは、キュルケと、青髪の少女だった、キュルケは外套を羽織り、青髪の少女は
「なっ なななななに言ってるのよ!って言うかツェルプストー、何してるのよあんたこそ」
「あら、級友が逢い引きしようとしてるんですもの、応援してあげようと思ったのよ」
「……この……あ、逢い引きなんて…」

顔を赤くして恥ずかしがるルイズ、どう見てもキュルケの方が一枚上手だった、人修羅は頭をポリポリと掻いて呟く。
「あまりからかわないでくれよ。それはそうと…何しに来たんだ?魔法学院じゃ危ないから外に出たんだけど」

人修羅の言葉を聞いて、キュルケは人差し指を自分の唇に当てて、笑みを浮かべた。
「ヴァリエールを見てたら解るわよ、使い魔の能力を知らないのは自分だけ…って顔してるもの」
「見破られてるなあ…ルイズさん、どうする?」
「……いいわ、人修羅。ちゃんと私の使い魔が、強いって事を証明しなさいよ」
ルイズが不機嫌さを隠そうともせず呟く、それに苦笑した人修羅が、竜の背に乗ったパジャマ姿の少女に声をかけた。
「そっちの人は?」
「この子はタバサよ、この風竜はこの子の使い魔のシルフィード。貴方達をこっそり追いかけようとして協力して貰ったの」
キュルケがタバサを紹介し、人修羅が会釈する。
「よろしくタバサさん。シルフィードもよろしく。俺は人修羅」
「……」
タバサはこくりと、無言で頷いた。

キュルケだけは、タバサが本を持たずに出てきたことを驚いていた。
また、人修羅から視線を外さないのも何か引っかかる者があったが、それは自分と同じメイジとしての本能だろうと解釈しておくことにした。


584 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:45:39 ID:d44t1wh0
■■■

「アギ」
ぽっ、と音がして炎が現れる。
右手を前に差し出し、掌を上に向けて呪文を唱える、それだけで杖も使わず握り拳大の炎が出てきた。
その事実に驚いたのか、ルイズは口を開けて固まっている。
キュルケとタバサも驚いてはいるが、ルイズほどあからさまではないが、驚いていることに違いはなかった。
「…先住魔法」
ぽつりと呟かれたタバサの言葉は、キュルケとルイズの心中を代弁したものでもあった。
「ルイズさんには一度話したけど、俺が居た世界じゃ魔法は存在してなかった…いや、存在してない事になっていたんだ。
この世界と違って魔法使いは『悪魔の手先』みたいな扱いだから、存在していたとしても、隠されていたんじゃないかな」

「人修羅が魔法を使えるようになったのは、儀式に巻き込まれたからだ、って言ってたわね」
ルイズが確認のつもりで呟くと、人修羅はこくりと頷いた。
「もしかしたら俺も生け贄になったかもしれない、でも運が良かったのか悪かったのか……俺は人間の意識を持ったまま、アクマの身体になった。そこで魔法を知り、覚えたんだけど…」
そう言って、今度は左手の上に小さな氷の粒を作り出す。
「これ以上大きな火も、氷も作れないんだ。とても戦いには使えないって仲魔に言われたよ」

ふぅん、とキュルケが頷く、それを見て人修羅が言葉を続ける。
「この世界で言う、火、土、水、風の系統は凄く苦手なんだけど、得意なのが別に一つある。『万能属性』って奴だ」
「ばんのうぞくせい?」
聞き返すルイズに、人修羅は頷くことで答えた。
「たとえば…キュルケさんのサラマンダーって、火に強いよね。その代わり氷や土を相手にするのは苦手じゃないかな」
「ええ、火の精霊の加護があるから、未熟なメイジのファイヤボールなら食べちゃうわ。でも吹雪はあまり好きじゃ無さそうね」
キュルケは自慢げに答える。
「万能属性ってのは、そういった火・土・水・風などの影響を受けない、どの属性が相手でも、同じだけの効果を発揮できるんだ。 …ちょっと離れててくれよ」

人修羅がルイズ達を背にして、草原に腕を向ける、そして小さい声で、できるだけ力を加減するつもりで「メギド」と呟いた。

それはほんの一瞬だった、しゅんしゅんと音にならない音が鳴ったかと思うと、草原の上に光が集まり、白色と紫色の光球があらわれた。
そしてバッ!と光が弾けたかと思うと、後には直径15メイルほどのクレーターが形作られていた。
「…こんなもんかな」
「何よ、これ」
ルイズが恐る恐るクレーターに近寄る、そこはまるで果物の実をスプーンでくり抜いたような、綺麗な半球を描いていた。
地面を溶かすような炎を使うメイジが居る、そう聞いたことはある、しかし地面を消滅させるような魔法など聞いたことが……
「あ!」
そこでルイズは、自分の魔法に思い当たった、失敗だと思っていた爆発、しかしあの爆発はコルベール先生が『失敗ではない』と指摘してくれた。
だとすれば、人修羅の『メギド』の光はその成功例ではないだろうか。
「ヴァリエールの爆発と違って、コントロールができてるのね」

キュルケの呟きも、ルイズの考えを肯定している。

「これ、ルイズさんの魔法の参考になるかな」
「人修羅の実力は解ったわよ。でも、その魔法は先住魔法でしょ?私には使えないわよ」
「…魔法は魔法だから似たようなモノだと思うけど……。 まあ、本音を言うと使って欲しくないな」
「どういう意味よ」
いつもより低い声でルイズが呟く、多少怒りが混じっているのか、人修羅を見る視線も厳しい。
「この魔法は手加減ができないんだ、相手を殺すこと破壊すること、それだけが目的の魔法なんだ。俺が知ってる魔法や技のほとんどが手加減の難しいものだから、一人で戦うには最適だけど…」
ルイズの視線に、人修羅の赤い瞳が映る。
「…守りたい人まで、巻き添えにするよ」

585 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:46:11 ID:d44t1wh0
■■■

ドン!と音が鳴る。
しばらく間をおいて、またドン!と音が鳴る。
ルイズは人修羅にアドバイスを受けながら、魔法を実演している。
地面に寝そべったシルフィードを椅子代わりにして、キュルケとタバサがルイズ達をじっと見ていた。
「ねえ、タバサ。どう思う?」
「興味はある」
「そうじゃなくてぇ、もっと具体的によ」
タバサは少し考え込むと、顔を上げてキュルケを見つめ返した。
「……今度、治癒について聞いてみたい」
トリステイン魔法学院で出会い、まだ一年のつきあいではあったが、これ程まで真剣なタバサの表情は初めて見た気がした。
「そう、その時はあたしも見てていい?」
小さく頷くタバサの肩に、キュルケがそっと手を回して抱き寄せる、タバサは無表情のままキュルケに身を預けた。
「やっと、貴方が真剣な理由を話してくれたわね」
「…」
「事情は分からないけど、私も協力するわよ」

タバサは何も答えなかった、だがキュルケにはそれが肯定の意志だと解っていた。
キュルケが実力で唯一認めるメイジ、それがタバサ。
年齢に見合わない過酷な環境を生き抜いてきたのか、頼りなさそうな目つきの内に、誰よりも深い激情を抱えていることを、キュルケは知っている。
優れたメイジは魔法をぶつけあうだけで、お互いの心中を察してしまうという。
キュルケとタバサは、ある誤解から決闘をして、互いの魔法をぶつけ合ったことがあるのだ。
あの人修羅という存在が何者なのか解らないが、タバサに益があるのなら、それを手伝ってやりたい、そう思ってタバサの肩を強く抱きしめた。

「危ない」
「え?」
タバサの呟きに、キュルケははっとして顔を見上げた。
ルイズの方を見ると、ルイズの目の前に、先ほどの『メギド』とは違う光の玉が浮かんでいる。
それはいかにも不安定で、今すぐにでも爆発してしまうような危うさを含んでいた。



586 :アクマがこんにちわ:2008/03/31(月) 22:48:15 ID:d44t1wh0
■■■

「杖の先端だけじゃなくて、視線と、意識と、杖の向きを合わせた方がいいと思う。三つの線が交差する点を意識すれば、爆発位置を特定できると思うな」
「…わかったわ」

何度目かの爆発で、地面にいくつものの穴が空いてしまった。
飛び跳ねた土が服を汚し、ルイズの服は所々が泥で汚れている。

「…………………………」
ルイズは今度こそ狙った場所に爆発を起こそうと、深呼吸をしてから杖をまっすぐに向けた。
狙うは空中、10メイル前方、威力はツェルプストーのフレイム・ボールぐらい…
人修羅のアドバイス通り、視線と意識と杖の先端を同じ場所に向け、そこに『メギド』のような光をイメージした。

「………ウル・カーノ」
着火。空中に火を灯すために呟かれたその呪文は、本来なら杖の先端から小さい炎を出す魔法であった。
それが原因だったのか、ルイズの眼前、杖の先端に、直径30サントほどの光球が膨大なエネルギーを伴って出現した。
「え」

近すぎる。
ルイズがそう思った時、ルイズから10歩ほど離れた場所でアドバイスを送っていた人修羅が駆け出した。

地面を抉るように蹴り、一瞬でルイズに接近する。
ルイズの身体を両腕で抱きかかえて、首だけを横に向ける、そして魔力を含んだ息を光球に吹きかけた。

■■■

それは、ゴババババッという、氷塊と氷塊のぶつかるような音だったろうか。
ルイズの眼前に浮かんでいた光球は、人修羅が口から吹き出した吹雪によってかき消された。
穴だらけになった地面は凍り付き、空気中の水分を巻き込んでダイヤモンドダストが浮かんでいる。

「いやールイズさん、今のは危なかったよ。練りが甘かったから消し飛ばせたけど」
「………」
「今日はこれまでにして学院に戻ろうか。シルフィードに乗せて貰いなよ、俺は歩いて帰……」

いつもの笑顔で喋っていた人修羅だが、口を半開きにしているキュルケとタバサを見て、流石にまずいと感じたらしい。
抱き上げていたルイズを地面に降ろすと、コホンと咳をする。

尚も人修羅に何とも言えない視線が集まっていたので、気まずさを吹き飛ばすつもりで、必要以上の笑顔でこう言った。

「頑張ればルイズさんも火を吹けるよ!」

ルイズの裏拳が人修羅の鼻頭に命中した。



ーーーー
今回はここまでです。

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:48:22 ID:9H7+B71Z
メギドがメギドラオン並の破壊力になってやがる…!支援

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:49:42 ID:sJbH3so+
支援

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:50:59 ID:sJbH3so+
GJ!
なんというフォローw

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:51:22 ID:urDkEb6r
乙。
人修羅君、真面目で優しくていい奴なんだけど不器用でちょっとずれてるね。

591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:52:26 ID:9H7+B71Z
乙でした〜

アイスブレスなんか見たら目を丸くするよな確かに。
そしてフォローの仕方が致命的に間違ってるのがw

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:53:28 ID:1ATHkLV5
支援

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 22:53:49 ID:BVk4i8Dn
人修羅さん乙


594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:00:46 ID:8D3ZHEHq
イザベラつて何巻に出てくるっけ?

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:08:32 ID:FnYFM6Jb
外伝だね

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:08:48 ID:6UnTXHKW
魔法の危険に無頓着ですな。
裏拳で顔を打った弾みでブレスを吹かれたらどうしようとか想像しないかな。

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:12:05 ID:3zFEtEfP
みなさん、おもしろいので読んでください
ttp://mai-net.ath.cx/bbs/sst/sst.php?act=dump&cate=etc&all=2803&n=0&count=1

598 :松下:2008/03/31(月) 23:14:21 ID:2B9YF0q3
イザベラさまは外伝の「タバサの冒険」に登場しますです。本編やアニメには出ないのかな。
人修羅さん乙でした。頑張ってもファイアブレスなんか吐けるか!(大道芸?)

さて、5分後に松下外典・タバサ書の第二章「霧の中のタバサ(上編)」を投下します。

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:16:00 ID:e65afsqq
修羅の人乙乙!楽しみにしてました。

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:18:01 ID:KjxCsQV6
「今の私は修羅をも凌駕する!」
「グラハム自重しろ」



601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:19:55 ID:8D3ZHEHq
>>595
>>598

さんきゅう

602 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第二章 1/6:2008/03/31(月) 23:20:39 ID:2B9YF0q3
そろそろいいかな。投下開始、鬼注意。


始祖ブリミル降臨暦6242年、初夏の第五月ウルの月。
ガリア王国の三千メイル上空を、今日もタバサとシルフィードが飛んで行く。

先月はひどい目に遭った。イザベラが召喚したキタローとかいう妖魔の子供が、幽霊を操って私を脅かしたのだ。
あのでこっぱち娘、いつの日かあの広い額に落書きして辱めてやる。
結局あの日はあれだけで済んだが、今度は何を企んでいるのやら。まともな仕事なら、まだいいが。


  使い魔くん千年王国・外典 タバサ書
      第二章 霧の中のタバサ(上編)


「きゅいきゅい! お姉さま、私そろそろおなか空いたーのねー!」
「私は空いていない。パーティー会場でたっぷり食べて来た」
タバサは、昨夜催された『フリッグの舞踏会』を抜け出してきた。急な呼び出しはいつものことだが、食事中に呼び出すとは。
ぴかぴかおでこ娘め、食べ物の恨みをいつか思い知らせてやろう。

「ずるーい! ところで、今回あのマツシタって子供、ゴーレムを倒すだけの火力は出せなかったのね。
 フーケ本体を発見したのはあの、なんだっけ、るるるのルイズ!」

私はルイズやキュルケ、そしてマツシタとともに、怪盗『土くれ』のフーケを捕えたのだ。
確かに彼の先住魔法は独特であるが、破壊力、決め手にはやや欠ける。
しかし最後に召喚した『月霊』という存在は強力で、正体不明だった。何かの幻術かもしれない。
あのキタローが幽霊を操ったような術なのだろうか?

「今日の御本はなぁんなの、お姉さま? 歴史書? 魔道書? 人生訓?」
「実用書。『ハルケギニアの多種多様な吸血鬼について』。図書館から借りてきた」
「きゅ、きゅい、吸血鬼!? 今度の相手は、きゅーけつき!?」

タバサは、こくりと肯く。イザベラの手紙には、珍しく今回の掃討相手が記されていた。
偽情報かも知れないが、いつか戦うかも知れない強敵だ。知っておいて損はない。

「吸血鬼は、最強じゃないにしても最悪の妖魔なのね! 冷酷で邪悪で残忍で狡猾!
 人間そっくりに化けられるし、エルフほどではないけど先住の魔法は使うし!
 それに血を吸われて死んだ人間は、そいつに操られる屍生人(グール)になってしまうの!
 ああ、恐ろしい! きゅきゅきゅKYUKYUYYYYYY!!」
「操れるのは一人だけだから、鼠算式にグールが増えないだけまし」

それにグールはアンデッドだが、実体がある。ゆ、幽霊ではない。すごく近いけれど。

603 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第二章 2/6:2008/03/31(月) 23:22:43 ID:2B9YF0q3
「姫殿下ぁ、『人形七号』ちゃんが来たそうですよぉ。キヒヒヒッヒヒヒヒ」
「『ちゃん』なんてつけなくていいよ、キタロー! あいつはあたしのオモチャさ、操り人形さ!
 死ぬまで楽しくダンスしてもらおうかい、フヘッヘヘヘヘヘヘ」

夜のプチ・トロワに不吉な笑い声が木霊する。イザベラとその使い魔、墓場鬼太郎である。
底意地の悪さと人を怖がらせて楽しむ性癖は、人間と妖怪でも相通ずるものがあったらしい。
それに父親がアレなせいか、イザベラにも結構『怪奇嗜好』の悪趣味がある。
つまるところ、二人は妙に意気投合してしまったのだ。

目玉の親父を香り高い紅茶風呂からあがらせると、鬼太郎は彼をタオルで拭いて、空いた片目に入らせた。
ちなみに潰れているのは本来左目なのだが、妖怪ゆえか鬼太郎は、自分の目玉をどちらにも移動させられるようだ。
イザベラはベッドに寝転がり、指を突き付けて鬼太郎に命令する。

「さあて、今宵は『歓迎』はなし。ただしキタロー、あんたにも仕事を与えるよ」
「えっ、ぼくもですか?」
「そう。あの人形娘にくっついて、吸血鬼退治の手助けをしてやんな。お目付けさ。
 幽霊とかを使ってたっぷり怖がらせながら、死なない程度に頑張らせるんだよ、死なない程度に」
「あれ、姫殿下は、あの子の死を願っていたんではないのですか? 意外とお優しいなぁ」

鬼太郎は訝しがるが、イザベラはにたーっと厭な笑みを満面に浮かべた。
「へっ、まあねえ。そうそう簡単に死なれちゃあ困るんだよ、大好きな人形で遊べなくなっちゃうじゃないか。
 さんざ苦しめて苦しめて、ぎりぎりまで痛めつけて痛めつけて、血肉と精神をギュウギュウと絞りとって、
 生まれてきたことを後悔するぐらいに、この世の悲哀と屈辱を骨の髄まで味わわせてやろうってつもりさ!
 もちろん、ちょびっとだけ希望をちらつかせて、その上で、だよ。
 ああ、嗜虐のヨロコビってえのは、王侯貴族のタシナミだよアンタ!」

イザベラは自分の体を抱きしめ、ぶるぶると悦びに震える。さしもの鬼太郎も呆れるほどだ。
「フハ、いい性格してはるわホンマ」
「鬼太郎、この姫さまはひょっとして、魔女か吸血鬼じゃないかのぅ?」


《この吸血鬼なるものは、生きている者の血を吸い、苦しめて死に至らしめると言われておるが、
 世界のこちら側におられる貪欲なる大臣は、蛭か吸血鬼に例えられよう。
 彼らは墓場から出て来て圧政を加え、民よりの収入を期待し、税を永久に固定し、
 国家から血と精神を徐々に吸い取っておる……》
  (『政治的吸血鬼』:ロンドンの雑誌「ジェントルマンズ・マガジン」1732年5月号の記事より)


「というわけで、よろしくお願いしますタバサさん。フッヒッヒヒヒヒ」
「…………よろしく、キタロー」

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:24:40 ID:KOsgKQr5
支援

605 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第二章 3/6:2008/03/31(月) 23:24:50 ID:2B9YF0q3
イザベラから命令書を受け取り、タバサと鬼太郎と目玉の親父は、シルフィードに乗って出発する。
目的地はガリアの首都リュティスから、500リーグほど南東に下った山間の寒村、サビエラ村。
人口は350人ほど、主産業は農林業。霧深い山中に段々畑が連なる、寂れた村だ。

そこでは二か月ほど前から、明らかに吸血鬼の仕業と見られる殺人事件が相次ぎ、今や9人が犠牲となっている。
いずれも喉元に禍々しい二つの牙の痕が残され、全身の血が吸い尽くされて枯れ枝のようになってしまっていた。
その上、先々週王室から遣わされた正騎士も、火のトライアングル級という強力なメイジであったにも関わらず、
三日目に死体となって発見された。敵が不意を打ったのではあろうが、並々ならぬ強敵である。

「ケケケ、吸血鬼ですかぁ。ぼかぁ何匹も出遭っていますよぉ。
 あいつらは確かに恐ろしいですけど、弱点をつけばイチコロですよ!」
「弱点?」

鬼太郎が急に発言し、目玉の親父が詳しく説明する。
「そう。まぁ吸血鬼といえば、ふつう日光や炎や十字架や、ニンニクや聖水に弱いのう。
 夜中は棺桶で寝ておるから、その隙に心臓に杭を打ち込めば殺せる。塩や穀物を撒いておけば墓場から出て来れん。
 流れる水を渡れんし、体温が低くて鏡に姿が映らないから、簡単に見分けがつくじゃろ。
 恐ろしいのは蝙蝠や霧に変身したり、動物を操ったりすることや、なによりほとんど不死身の生命力じゃ。
 人間が吸血鬼になるのも、いろんな理由があるのじゃが……」

「それらは迷信ばかり。日光と炎には弱いけれど、彼らは初めから人間ではなく、凶悪な妖魔の種族。
 変身できるのも人間だけ。この本を読んでおいてくれると助かる」
「ふうーむ、まあ吸血鬼もいろいろ種類がおるからのう。
 では勉強させてもらいますぞ……ああ、わしとしたことが、文字が読めんわい」
「あとで文字は教える。協力して」
この目玉、なかなか知識は豊富なようだが、ハルケギニアの知識は乏しいようだ。
まあキタローともども、せいぜい利用させてもらうとしよう。でも人魂をランプに使うのはやめてほしい。

シルフィードを人間に化けさせて自分は従者になり、油断した吸血鬼をおびき出す作戦も考えてはいたが、
イザベラの使い魔がついてくるとなれば話は別だ。彼女にシルフィードが『韻竜』だとバレてしまう。
いずれジョゼフたちに反旗を翻す日が来るまで、こちらの手のうちは隠しておきたい。
まあ、バレてもどうということはないが、いろいろややこしくなるし。

「ところでキタロー、あなたとイザベラは感覚共有できている?」
「ええまあ、チラホラとできるらしいんですがねぇ。こっちからもご主人様の視界を奪えますですハイ。
 ほーら就寝中のイザベラ様、あの世の風景を見せてあげますよぉ〜〜。クケケケケケッ」

うむ、流石は妖魔である。よくやったキタロー。


《血を飲んではならない。肉の命はその血だからである。
 誰でもすべて血を飲むならば、その人は民のうちから断たれるであろう》
  (旧約聖書『レビ記』第十七章より)

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:26:26 ID:sJbH3so+
支援w

607 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第二章 4/6:2008/03/31(月) 23:26:28 ID:2B9YF0q3
翌朝。プチ・トロワを発ってから数時間で、シルフィードは目的の村に到着した。
山陰で朝霧が深くたちこめ、春とはいえ寒そうだ。タバサはしっかり着こんでいるからいいが。

「おお、騎士さまじゃ! 風竜に乗った騎士さまがいらっしゃった!」
「今度こそ退治していただかないと、この村が滅んでしまうよぉ!」

喜んで出迎える村人たち。しかし降りてきた二人は、見るからに子供だ。
いかにメイジが平民には及びもつかない強力な存在とはいえ、風竜に乗っているとはいえ、これでは期待外れだ。
村人たちはモーレツにがっかりして、『しーーーん』という擬音が霧とともに漂った。

「……こないだの騎士さまだって凄く強かったのに、三日でお葬式だぜ」
「今度は二日か、一日か……はぁ、王侯貴族のお遊びにゃあ付き合ってられねぇや」
「やっぱり騎士なんざ、あてにはなんねえだ! おらたちで解決するだよ!」

タバサはそんな噂など、どこ吹く風の無表情だ。
シルフィードを村人に預けると、鬼太郎を連れて様子見がてら村の真ん中を歩き、高台にある村長の家を訪ねる。
白い髭を生やした、人の良さそうな老人だ。一行は居間に通され、朝食をご馳走になる。

「ようこそいらっしゃいました、騎士さま。ええと、あの」
「私はガリア花壇騎士、『雪風』のタバサ。こちらは従者のキタロー。勅命により参上した。
 事件の概要はこの報告書で知っているが、詳しく説明していただきたい」
「は、はい。まあそのう、あらかたは報告書に書いたとおりなんですがのう……」


二か月前に少女が犠牲になって以来、ほぼ一週間おきに9人ばかりの若い女性が犠牲になっている。
二人目の犠牲者が出た時点で、夜間に出歩く村人はいなくなった。しかし吸血鬼は、家の中にも忍び込んでくる。
犠牲者はベッドに寝たまま血を吸い尽くされ、変わり果てた姿で発見されるのだ。
しかも、寝ずの番をしたり扉や窓をふさいだりしても、いつしか眠らされてしまう。先住の魔法のようだ。

おそらく吸血鬼は、昼間は暗い森の中に潜み、夜になると村へやって来るのだろう。
あるいは巧妙に人間に化けて、文字通り「何食わぬ顔」で暮らしているのかも知れない。
そして手引きをしているのは、吸血鬼の忠実なしもべ、『屍生人』なのではないか。

「……しかしながら、聞くところでは吸血鬼も屍生人も、普段は人間と区別がつかないとか。
 屍生人には首筋に牙の痕があるようですが、虫刺されや山蛭の噛み痕があるものだけでも7人はおりますで。
 もう村人同士が疑心暗鬼に陥っておりますよ、村を捨てるものさえ出てくる始末ですじゃ」
「その7人はどうしているの?」
「一応まあ、一つ所に集めて夜な夜な監視しております。それでもやっぱり、犠牲者は出るんですわい!
 疑惑が晴れるまで軟禁しておくというのも、村の働き手ばっかりですしどうかなとは思うんですがのぅ……」

最後の犠牲者というか行方不明者は、この村長の家に住んでいた「エルザ」という孤児の少女らしい。
三日前の夜から行方が分からず、その足跡は森の奥へと向かっていた。
まだ遺体は見つかっていないが、吸血鬼か屍人鬼に連れ去られたのではないか。

608 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第二章 5/6:2008/03/31(月) 23:29:01 ID:2B9YF0q3
「では、二か月前に何か変わったことはあった? 封印を壊したとか、誰かが死んだとか」
「それがそのう、同じ頃に占い師の老母を連れた『アレキサンドル』ちゅう大柄な男が移り住んで来ましてな。
 そやつにも首筋に傷があったので、彼が屍人鬼で母親が吸血鬼なのではないかと、みな噂しております。
 しかしながら二人を厳重に監視してみても、別のところで犠牲者が出るばかりでして。やっぱり違うんですかのう」
「いろいろ手を尽くしてはいるんですねぇ、ご苦労さんですフヒヒ」

さて、事情は大体把握したが、ではどうやって吸血鬼を捕まえるか。
エルフ相手ならいざ知らず、一対一ならタバサは大抵の妖魔には負けない自信がある。
しかし相手は、人間の中に紛れ込んでいるのだ。
キタローや目玉は妖気を察知できるが、吸血鬼は隠れ潜むのに長けており、かすかな気配はするが特定はできない。
犠牲者の家や、首筋に傷のある人々も調べてみたが、これといった情報はない。

「キタロー、あなたが囮になる。そして私が倒す」
「えへっ、やりましょう!」
「と思ったけど、吸血鬼が狙うのは若い女性ばかり。あなたじゃダメ」
「あらぁ」(かくっ)

となれば私か、女性に化けたシルフィードを使うか。なんなら生き残っている村の娘を使ってもいいが。
襲撃の際は妖気を出すだろうから、キタローが察知できるはず。
「ではキタロー、幽霊を呼び出して情報収集してみて。私は向こうへ行っている」
「わっかりましたぁ、タバサさん」
「わしは虫とも会話できますから、そいつらにも聞いてみましょう。記憶力はあんまりない連中ですが」

森の中の墓場で、鬼太郎は幽霊たちを呼び出し、吸血鬼の噂を聞いて回る。

『無念、この花壇騎士が吸血鬼ごときに……うらめしや……』
『うう、私たちの仇をとってくださいぃぃぃ……しくしくしく』
『新入りが増えだしたから、吸血鬼が現れたのはわしらも知っているが、誰に化けているかまではのう……』

「うーん、あれですよ、村人全員を日光に当てて、爽やかに体操をさせるんです!
 日光を嫌がったらそいつが吸血鬼です! どうですぼくの名推理は」
『じゃが、この村は一年通して霧深いところじゃぞ。今も真昼じゃというのにお天道様が見えん。
 農作物もモヤシとかキノコとか薬草とか、じめじめしたのばかりじゃし。蛭もたくさんおるし』

「衛生的じゃないなあ、まったくぅ。こんなとこ住んでいたら病気になりますよ!
 我々幽霊族や妖怪には住みよい環境なんですけどねぇ……あ、だから吸血鬼もいるのかナァ」
『先祖代々ここに住んでおるから、離れるのも忍びないんじゃ。
 しかしこのまま村が滅びては、わしらの供養をする者もいなくなってしまう……』


ともあれ、タバサは村の若い女性たちを村長の家に集め、しばらく様子を見ることにした。こうなれば長期戦だ。
昼間は虫たちに、夜の間は幽霊たちに見張りをしてもらう。なんとも寒気がするが、背に腹は代えられない。
虫はともかく、すでに死んでいる彼らなら、吸血鬼の魔法にも対抗できるのではないか。

609 :使い魔くん千年王国・外典 タバサ書 第二章 6/6:2008/03/31(月) 23:32:09 ID:2B9YF0q3
その頃、深い森の奥の洞窟では、一人の少女がギリギリと歯ぎしりをしていた。
彼女は金髪の少女の姿で数十年生きている吸血鬼、エルザだ。しもべの屍生人と感覚を共有し、離れた村の様子をうかがっている。

「けえーっ、あのガキども、なかなか頭が回るじゃないの!
 村娘たちをああもガッチリ見張られちゃあ、お食事ができないわ!」

三日前まで、彼女は村長の家に住み、「メイジに両親を殺された可哀想な子供」として振る舞っていた。
そしてそれこそ「何食わぬ顔」で、夜な夜な村娘の寝込みを襲い、吸血を繰り返していたのだ。
吸血鬼にとって、人間の血を吸うことは命をつなぐための食事。誰でも食事をせねば餓死してしまう。

だが人間は弱いがゆえに群れをなし、妖魔や野獣に負けないよう知恵を発達させてきた。
一つ所にとどまって吸血を繰り返し目立ってしまえば、こうして討伐者がやってくる。
あるいは共同体が崩壊して獲物がいなくなり、食事にも事欠いてしまう。人間に寄生するにも配慮が必要なのだ。
そうした配慮について、エルザはいまいち欠ける部分があった。吸血鬼の両親が早くに殺されてしまったせいもある。

「あのまま村にとどまっていれば、もう少し食事ができたのに、私ったらフラフラと家出しちゃうなんて!
 月夜がきれいだったし、綺麗な音色は聞こえたし……でも、森の中には何もなかったじゃないの。
 ああ畜生、こうなりゃ悔しいけど退散して、別の村を襲おうかしら? ひょっこり戻っても疑われそうだし」

エルザは唇を噛む。忌々しいが何だったのだろう、あのミリキ的な音色は?
と、ふわりと人魂が飛んできて、エルザの耳元を漂い出した。

『きみを呼んだのは私だよ、可愛いエルザ。たくさん血を吸ってきて、私に飲ませておくれ!』

いきなり渋い男の声がして、流石のエルザもびくっと驚く。
「!! あ、あなたは誰!? 妖魔?」
『そぉんなもんさ、私も吸血鬼なんだ。ちょっと不覚を取って死んでしまったけど、大量の血を浴びれば生き返れるのさ。
 ほら足元を見てごらん、私のお墓があるはずだ。掘り起こしてくれ』

そう聞いて足元を見れば、確かに小さな墓碑があり、遠い異国の言葉で墓碑銘が刻まれていた。
言われるままに掘り起こせば、出て来たのは無惨に焼け焦げた小柄な死体と、古い大きなギターがひとつ。
そのギターは誰も触れていないのに、ひとりでに鳴っている!

『フヒヒヒッヒッヒ、私は吸血鬼、霧の中のジョニー!
 さあエルザ、この魔法のギターを使って村人を呼び寄せ、たっぷりと血を吸うのだよ!
 妖魔だってメイジだってこのギターの音色には逆らえないんだ、どんなやつでもコロリポンさ!』

エルザは震える手でギターを持ち上げ、軽く奏でてみる。楽器など使ったことはないが、しっくりと手になじんだ。

 ♪ジャガジャガジャガ ジャガスカジャガ ジャンジャンジャン ジャンガモンガ

おお、なんと素晴らしくミリキ的な音色であろうか! エルザは自分の奏でた音に、ジーンとシビレた。
それを祝福するかのように、森や洞窟の奥からは、無数の蝙蝠が彼女の周りに集まってきた……。

(つづく)

610 :松下:2008/03/31(月) 23:35:59 ID:2B9YF0q3
投下終了、支援感謝。
サビエラ村のエピソード、原作より遅めに時間設定してます。
あんまりタイトスケジュールじゃあタバサも大変だし。

さて次回後編、霧の中から吸血鬼エルザが、ジャンガモンガとギターを弾きながらやってくる!?
では、また。

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:41:39 ID:dCfuWROi
マツシタ乙

吸血鬼エリート何やってんすかwwwwwwwwww

612 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/03/31(月) 23:41:48 ID:hzfwfT4l
人修羅の人、松下さん共に乙であります。
人修羅の性格が微笑ましすぎてニヤニヤさせてもらってますw
タバサ書では俺のエルザに死亡フラグが立っている気がするんですが、気のせいですよね><
実際、外伝一巻のタバサのスケジュールって凄く厳しいですよね。
外伝1巻の最後の話でやっとルイズとサイトがトリスタニアに出かける話だし。

それでは、自分は0時頃に16話の投下をしに戻ってきまする。

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:42:18 ID:urDkEb6r
吸血鬼エリート登場ですか。
吸血鬼といえば漫画「天獄〜Heaven's Prison〜」の終夜空(よすがら・うつほ)がエロ可愛いショタ吸血鬼でした。

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:50:02 ID:e65afsqq
松下さんお疲れ様です。

今夜は人修羅にメシアと、大好きな二作品の新作がいっぺんに読めてゥ,、ゥ,、

615 :無重力巫女の人:2008/03/31(月) 23:51:12 ID:+GGlOiCP
人修羅と悪魔くんの人、お疲れ様です。
さてと自分も投下したいので、ざざなみ寮生さんの次に予定します。

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/31(月) 23:52:23 ID:MsRDhP+t
投下予約
小ネタを>>615の後に投下します

617 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/01(火) 00:01:32 ID:kjBFnAL4
>>613 あの漫画は下手なエロ漫画よりもエロイですね
というわけで後が押しているようですので、手早く投下したいと思います。

イザベラ管理人第16話:家族というモノ・前編


”ゼロの使い魔”ことサイトは今、絶望的な戦いを強いられていた。
それは男という生物が一度は遭遇する、必ず勝たなくてはならない戦いだ。
負ければそれは、己の理想を己で蹂躙したことを意味する。
この戦いに比べれば、ニューカッスルで迎え撃つかもしれなかった5万の軍隊ごときがなんだというのか。
それほどに困難な戦いだ。しかし、彼は戦い続けなければならない。
何故ならば、男には厄介なことに矜持というものがあるからだ。
そんなものを投げ捨ててしまえば、こんな絶望的な戦いから逃れられることは痛いほどによくわかっている。
だが、彼がサイトである限り、勝たねばならないのだ。
そうでなければ、彼は自分が許せない。
「うぁぁ…!」
相手の攻撃がサイトに直撃した。危険だ、致命傷になるかもしれない。
だが、相手には容赦などありえない。連続して攻撃を仕掛けてくる。
既に満身創痍のサイトに避ける術など存在せず、全てが命中する。
もはや彼の命運は風前の灯、救援もありえない。
それでも、彼は一筋の光明にすがり、意識を保ち続ける。
時に、一縷の希望とは絶望よりも厄介なものだ。希望があるからこそ人間は痛みに耐えて抗い続けてしまうのだから。
そして、絶望は再び彼に肉薄した。もはや燃えつきかけた蝋燭ほどの力しか残していない彼にトドメを刺すために。

「わたしにも、つけて」

ルイズが甘い声で懇願した。
そう、今彼が戦っているのは、人間の三大欲求の一つにして、最も苛烈な衝動に数えられるもの…性欲だ。
男の本能の中に存在する、不可分の獣としての性。
そんなものを相手に、理性という脆弱な理論武装のみで戦いを強いられる彼の絶望を理解できる者は稀だろう。
獣性という名の悪魔が囁きかける。
『別にいいじゃねぇか。ルイズもそれを望んでるんだぜ?』
理性と恋心という名の天使が囁きかける。
『ダメだ、ルイズは惚れ薬を飲んでしまったからこうなっているだけだ!そんなルイズに手を出すべきではない!』
だが、彼は聖人君子ではなかった。かといって、ただの獣でもなかった。

「つけてくれないと、眠らない」

妥協点として、彼は一度だけルイズの首筋にキスをした。
彼の体につけられた大量のキスマークが、戦いの激しさを物語っている。
それに比べれば、今更一度だけ我慢が増えたところで何ほどのことだというのか。
だが、彼は間違っていた。

「んっ…!」

ルイズの艶かしい声と甘やかな吐息、唇に感じる張りのある美肌の感触が彼の最後の一線を崩しかけた。
だが、彼は必死に自分に言い聞かせ続けた。
ルイズは惚れ薬のせいでおかしくなっているだけだ…と。
そして、ルイズはどうやら極度の緊張により気絶し、そのまま寝入ってしまったらしい。わずかに乱れた寝息が聞こえる。
彼は勝ったのだ、この最悪の戦いに。
おめでとう…奇跡は、ここに果たされた。
サイトはようやくルイズから目を逸らすことを許された。
今のルイズは、いわゆる裸シャツである。もちろんオーバーニーソは脱いでいない。妙なところで男心がわかっている。
惜しむらくはダボダボのYシャツでないことであろうが、太ももにようやく達する程度の丈しかないシャツ一枚というのも乙なものである。
つまりは、男のただでさえ脆弱な理性という武装をあっさりと無力化しうる装備なのだ。
ルイズと同じベッドで横になっているという事実だけでもサイトは理性を手放しそうだというのに、こんな姿を見せられ、あまつさえ先ほどのように甘えられては、男としては猛り狂う炎のままに暴れるしかないというものだ。
しかし、彼は勝った。驚くべきことに、勝ったのだ。ある意味負けたと言えるが、彼はサイトという恋する少年としての自分を守ったのだ。
サイトはやるせない気持ちで、長いため息をついた。
「はぁー…俺…何やってんだろ…」

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:03:54 ID:VDWkxdgE
支援

619 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/01(火) 00:04:05 ID:kjBFnAL4
サイト、君はこの勝利を誇っていい。同時に、泣いていい。
「ますますガリアにいくのが遠のいたなぁ…宝探しやセーラー服なんて後回しにしてタバサに連れて行ってもらった方が良かったかも…いや、セーラー服は必要だったよな、うん…」
ルイズにシエスタ絡みの一件で放り出された際、彼はタバサの知り合いの日本から召喚されたという男に会いに行かないかと誘われていたのだ。
だが、ガリアまでいくとなれば当然時間がかかる。加えて、ケンカ中とはいえ、ルイズを放り出してガリアくんだりまでいくというのは気が引けたので断ったのだ。
そうこうしているうちに彼はまたぞろ様々な事件に巻き込まれ、あるいは自発的に関わり、ずるずるとガリア行きが延びてしまっている。
それに、彼は自分がおかしいんではないかと感じ始めていたのだ。
「なんか…タバサからコースケって人の話聞いた時ほど、焦ってないんだよなぁ…」
彼は様々な事件を経て、このハルケギニアに自分の立ち位置を確立し始めている。
ルイズの使い魔として、あるいはギーシュやコルベールらの友人として…。
それが関係しているのか、彼は以前ほど焦っていないのだ。
タバサから話を聞いた当初は、ルイズに踏まれたり鞭で打たれたりしてもめげずにガリア行きを許してもらえるように懇願していた。
結局はアンリエッタからの依頼でアルビオンに行ったりしていたので叶うことはなかったのだが。
それが今はどうだ、セーラー服にうつつを抜かし、宝探しに明け暮れ、今は惚れ薬を誤飲してしまったルイズをあやすために絶望的な戦いをしている。
「なんだろ……俺、帰りたくなくなってきてんのかなぁ…」
彼がその気持ちの理由に気づくのは、もっと後になってからのことだ。



ところ変わって、ここはハルケギニア随一の名勝と名高いラグドリアン湖。
この風光明媚な湖を含むガリア側の一帯は、王族の直轄領となっている。
だが、自然の美しさに反して、たった一つだけ存在する屋敷からは王族が暮らしているとは思えぬほどに人の生きる空気というものが欠如していた。
「ここ…のはずだよな」
ここまで耕介を連れてきてくれた竜騎士に礼を述べ、巨大な門へ向けて歩き出す。
陽は中天にはまだ差し掛かっておらず、明るい光を振りまいている。
陽光に照らされた門には、二本の交差した杖とガリア公用語で”さらに先へ”と銘が打たれた王家の紋章が刻印され…だが、その上から醜い×字の傷がつけられていた。
耕介はその意味を知る由もないが、それは不名誉印だ。つまり、この屋敷の主は王族としての地位を剥奪されているのである。
門の前まで来て、耕介はここに人が住んでいることをやっと確信できた。
庭が手入れされているのだ。人の手によって綺麗に整えられている。
だが、やはり屋敷の規模からは考えられないほどに生活臭が感じられない。
疑問は様々にあるが、まずは家人に会わねばならない。馬車用の巨大な門の隅に設けられた通用門を通って敷地に足を踏み入れる。
重厚な…しかし、年月にくたびれた印象のある扉を、取り付けられたドアノッカーで叩く。
しばしの後、現れたのは一人の老僕だった。
「当家に何の御用でございましょう?」
口調こそ丁寧だが、明らかに耕介を警戒している。突然の来客という以上の敵意さえ感じるが、今はそれを追及するべきではないだろう。
「はじめまして、花壇騎士のコースケ・マキハラと言います。この手紙を渡すよう主から言い付かってきました」
耕介が懐から取り出した手紙を受け取った老僕は「少々お待ちください」と言って下がろうとした…その時。
「ペルスラン、下がりなさい!」
鋭い声が、静寂に沈む屋敷を切り裂いた。
「ツェルプストー様!」
奥から燃えるような赤い髪をなびかせてタバサと同じ…しかし、タバサとは正反対の豊満な肢体のせいで全く印象の変わっている服を着た女性が現れた。
しかも彼女は杖をこちらに向けており…かてて加えて、拳大の火の玉が既に生み出されていた。
「え…え!?」
あまりにも突然のことに耕介も反応できない。
だが、女性は問答無用であった。
「タバサに手は出させないわ!」
その言葉を合図に、杖の先から火の玉が解き放たれる。
「うわぁ!」
正確に顔を狙ってきた火の玉を咄嗟に飛び退ってかわす。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「耕介様、後ろから来ます!」
突然の襲撃に狼狽する耕介を御架月の叫びが叱咤した。
首だけで後ろを確認すると、虚空へ飛び去ろうとしていた火の玉がこちらへと引き返してくるのが見えた。
「ホーミングって、知佳やリスティじゃあるまいし!」

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:06:49 ID:VDWkxdgE
しえん

621 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/01(火) 00:07:03 ID:kjBFnAL4
悪態をつきながら、御架月の柄に手をかけ、タイミングを計る。
数秒もせずに刃圏に火の玉が入り…
「ハァ!」
霊力をまとわせた御架月を抜き放ち、火の玉を叩き斬る。霊力の塊をぶつけられた火の玉は、風圧も加味されて吹き散らされた。
だが、背後からさらに呪文と思しき声が聞こえてくる。
「さすが花壇騎士ね、でもこの”微熱”のキュルケがこの程度で終わるとは思わないでほしいわ!」
今度は先ほどよりもさらに大きな火球が、しかも二つ現れた。
「だからちょっと待ってくれ、俺はタバサに手を出す気なんてない!」
先ほどのセリフから、彼女はタバサの友人か何かだと推測できる。
タバサの事情について、彼女も知っているのだろう。
だから花壇騎士という身分でここにやってきた耕介を敵だと認識しているのだ。
「それを証明できるの?」
なおも女性は厳しい視線を向けてくるが、一応話を聞く気にはなってくれたらしい。
ならば、こちらもタバサの味方であることを示さねば。
耕介は御架月を納刀し、地面に突き立てると、後ろに数歩さがって両手を上げた。
「タバサに聞いてくれればわかるよ。耕介って名前だけでも伝えてくれればいい」
耕介とキュルケの睨みあい―睨みつけているのはキュルケだけだったが―はしばらく続き…それは一陣の風によって断ち切られた。
上空から小柄な少女…タバサが風をまとって舞い降りてきたのだ。
「タバサ!」
「この人は、敵じゃない」

「ごめんなさいねぇ…もうちょっと冷静になるべきだったわ…」
ペルスランに案内された居間で、タバサの仲介により耕介は誤解を解くことができた。
と言っても、タバサがキュルケに「彼は味方」と言っただけであるが、彼女はそれであっさりと信じた。
「まぁ、いきなり攻撃ってのは勘弁してほしいけど。でも、タバサをそこまで心配してくれる友達がいてくれて嬉しいよ」
そのやりとりだけで、この二人が互いを心から信頼しあっていることがわかる。
耕介としては、タバサは基本的に没交渉なので学院での生活がどうなっているか気になっていたのだ。
だが、心配する必要もないようだ。タバサを護るために戦ってくれるキュルケという友人がいるのだから。
同時に、キュルケもタバサの変化を感じ取っていた。
彼女は現時点で”タバサ”を最もよく知る人物と言える。
なにせ、タバサの表情のほんのかすかな動きや雰囲気から彼女の考えをある程度読み取れるのはキュルケだけである。
その感覚を信じるならば、驚異的なことに、タバサは完全にリラックスしていた。
タバサはいつ如何なる時でも必ず精神の一部分は緊張させている、常在戦場タイプだ。
キュルケが知る、どんなに寛いでいる時でも、彼女はどこかで周囲を警戒していた。
それはキュルケと一緒にいる時間でさえ例外ではなかった。
だが、今のタバサはどうだ。自分から耕介の隣に座り、紅茶を啜っている。
キュルケにしか判別できない程度だが、その表情は安堵以外の何者でもない。
(なんか……嫉妬しちゃうわねぇ…)
常に嫉妬させる側であった自分が、まさか男に嫉妬させられようとは。人生とは、面白いものである。
そこで、キュルケの脳裏を電撃的にとある記憶が駆け抜けた。
それはフリッグの舞踏会の記憶だ。あの時、キュルケはいったいタバサに何と言ったか?
(『年上の』…『優しそうな』…『紳士』…!全部当てはまってるわ!)
ちょっと身長差と年齢差が激しいが、そんなものは”微熱”のキュルケにとってはなんら障害とはなりえないのである。
いきなり魔法で攻撃した自分をあっさり許すところから、優しさや包容力は及第点を超えている。
杖―彼女は耕介をメイジだと思っている―を捨てたのは不用意だと言わざるを得ないが、彼が誠実である証でもあるだろう。
騎士と名乗っていたし、先ほどの《ファイアボール》を斬り払ったところから、実力はラインの上位からトライアングルくらいか。
容姿も悪くない、鼻が低いし肌の色も黄色いが、彼の柔和な雰囲気にはむしろ相応しい気がする。
メイジとは思えないほどに質素な格好だが、それもまたタバサには相応しいだろう。彼女には貴族のプライドを外見で示したがるような輩は似合わない。
だが、何よりも、舞踏会の時のタバサの反応である。
タバサは、この男をたったあれだけの言葉から連想し、あまつさえ常に貼り付けている鉄面皮を崩したのだ。
もはや確定である。そして、キュルケ的にもOKだ。
さて、そこまで思考したキュルケの対応は素早かった。
「ねぇ、素敵な騎士さん、貴方お名前は!?」
「あぁごめん、名乗ってなかったな。コースケ・マキハラだよ。こっちは御架月だ」
なにやらキュルケの態度が一変していた。

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:07:22 ID:V9PgXzxh
支援

623 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:09:08 ID:VDWkxdgE
支援

624 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/01(火) 00:10:19 ID:kjBFnAL4
先ほどまでのしおらしさなど一瞬で吹き飛び、今はその燃えるような赤い瞳をキラキラと輝かせている。
「ミスタ・マキハラ…珍しい名前ね、けど素敵だと思うわ!優しいのね、剣を大切にして!私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストーよ、キュルケでいいわ!ねぇ、ミスタ、色々聞きたいことがあるんですけれど、よろしいかしら!」
「え、あ、ああ…いいけど。後、コースケでいいよ、タバサもそう呼んでるし」
「まぁ、気取らない方なのね!ますます素敵だわ!それでね、コースケ、貴方、年下の女の子に興味ない!?」
「へ…?」
戸惑う耕介など置いてけぼりに、キュルケは燃え上がる炎のままにマシンガンのごとく喋りまくる。
「コースケはまだ結婚してないわよね!なら、お相手は若い子がいいわ!貴方はとても優しいようだから、その優しさで全てを包んで上げられるもの!」
「え…えーっと…」
「ちょっと発育が悪いかもしれないけど、とびっきりの美人だもの!将来性抜群よ、今のうちに手をつけておくに越したことはないわ!そうだ、コースケは貴族にしてはとても質素な格好だけれど、家が傾きそうなの?なら、私が援助してさしあげてもいいわ!」
「い、いや、貴族じゃ…ないんだけど…」
「貴族じゃない!?なのに騎士なの?まぁ、それじゃぁ純粋に能力だけで騎士になったのね、ますます素敵だわ!ならゲルマニアにいらっしゃいな!ガリアで騎士になれる能力があれば、簡単に貴族になれるわ、もちろん私の家に来てもかまわない!」
冷静に考えればゲルマニア以外で平民が騎士になれるわけもないのだが、そんな冷静さは既に吹き飛んでいるようだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ、えっと、いったい何の話をしてるんだ?」
「そうよ、私の家に来て爵位を買えるお金が溜まるまで働けばいいわ!何の話って、決まってるじゃない!ね、年下の――――――――?」
「――?」
途中からキュルケ…どころか自分の声すら聞こえなくなっていた。
だが、キュルケの口は変わらず動きまくっているので、何事かを喋っているのはわかる。
耕介の隣では、タバサが半眼になって杖を振っていた。
キュルケは全く気づかず、突っ走り続けた。

結局、キュルケが《サイレント》をかけられたことに気づいたのは、ペルスランが昼食を持ってきた頃であった。
「もう、タバサったら酷いわ!あなたの為を思ってしていることなのに!」
タバサの売り込みを当の本人に中断させられてキュルケは不満げだが、タバサはそんなものはどこ吹く風と食事をしている。
だが、決して二人の間に険悪な空気はない。
「タバサ、いい友達と出会えたんだな」
そのことに嬉しくなり、耕介はタバサの頭を撫でてやる。
タバサはされるがままだが、キュルケの目にはわかる。彼女は喜んでいる。
その証拠に、食事を停止している。
(親娘みたいな雰囲気だけど…いずれは恋になるに違いないわ。彼は女としてタバサを見てないようだけど、絶対この二人をくっつけてみせる!)
キュルケはさらに気合を入れるのだった。
「そういえばタバサ、手紙にはなんて書いてあったんだ?今朝、いきなりイザベラに御架月と一緒に放り出されたから、何をするのかわかってないんだよな。手紙を見せればわかる、の一点張りだったし」
タバサは懐から件の手紙を取り出して耕介に渡そうとし…途中で引っ込めた。
訝しげな二人の視線をスルーし、自分の口で説明し始めるのだった。
「ラグドリアン湖の水量が2年前から増して、近隣の村を水没させている。それを解決する」
「増水…?俺たちじゃ、管轄が違うんじゃないか?」
治水となると、騎士である彼らが関わることではないはずだ。
ましてや、北花壇騎士は汚れ仕事や特に危険な荒事専門、ますますもって関係がない。
だが、この世界は魔法が支配する異世界ハルケギニアなのである。
「ラグドリアン湖には水の精霊がいる。増水は精霊の仕業。だから、精霊を退治する」
エルザのような先住魔法…精霊の力を操る種族は、あらゆるものに存在する精霊と契約を交わし、力を借りる。
水の精霊とは、その精霊の集合体で、人間に似た自我も持っている存在だ。
その水の精霊が理由は不明だが、ラグドリアン湖を増水させているらしい。
「ちょっと待ってタバサ、水の精霊に手を出すなんて無謀よ!水の精霊といえば、水魔法の塊みたいなもの、水に触れただけで心を奪われてしまうわ!」
水魔法の本分とは、人体の操作なのだ。この人体には、精神的なものでさえも含まれる。
人間が操れる範囲は微々たるものだが、水の精霊ともなれば話は別だ。血液に干渉して治癒能力を高めることも可能ならば、脳を弄ることさえもできる。

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:10:41 ID:V9PgXzxh
支援

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:11:13 ID:KOmNhfz4
支援

627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:12:09 ID:3SZbn7ui
範馬刃牙 第106話 発見
立ち上がったピクル、トラックに頭突きを入れ運転台をつかみ背負い投げ。
運転台だけちぎれて下敷きになるが意に介さず、残った荷台へ。
幸運にも積荷は食用肉だった。吊るされている中の一本を丸かじり。

◆敵と見なした運搬車両(トラック)!!その荷台にありしは求めていた大量の肉、肉…野人(ピクル)、食糧確保!!!

コメント
多忙につき コメントの暇はなし。




先々週 服を奪う
先週 トラックに轢かれる
今週 トラック破壊 中から肉が!やったね!


ターン制バトルの方がマシだわ

628 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/01(火) 00:12:51 ID:kjBFnAL4
そんな存在を退治しようなど、自殺行為以外の何者でもない。
「心を奪われるって…そんなことができる相手とどうやって戦うんだ?交渉は無理なのか?」
「水の精霊は専門の水メイジじゃないと交渉はできない。人間とは価値観自体が違うから、交渉自体も失敗しやすい。増水を止めるには倒すのが一番確実。戦う方法もある」
水の精霊がどれほど強力な存在なのかいまいち実感は湧かないが、それでも耕介にもこれが危険極まりない任務だというのはわかる。
そんな任務をタバサ一人に任せるとは…本当に現王はタバサを殺したいらしい。
(姪を殺したがるなんて…これが政争って奴なのかよ…)
耕介がこちらに召喚されてから2ヶ月ほど経つが、未だに彼はイザベラの父に会ったことはない。
だが、イザベラやマルコー、プチ・トロワの使用人たちの話を総合するに、魔法が一切使えず、政治にも興味を示さず、日がな一日遊戯に明け暮れる冷酷な愚王であるらしい。
優秀だった実弟を謀殺して王位につき、自身を脅かし得るタバサの母の心を壊し、今度はただ一人遺されたタバサさえも”事故死”させようとする。
イザベラはタバサに任務を与えることを後悔し続けてきた。
なれば、イザベラの父も果たしてそうなのだろうか?実際に会ってみないことにはわからないが…やるせない思いは消えない。
「…わかった。俺はタバサを手伝えばいいんだろ、何をすればいい?」
だが、今はそんなことを考えていても仕方がない。
正当な手順を踏んでこの任務はタバサに与えられたのだ、拒否することはできない。
なればこそ、イザベラは耕介を送り込んだのだ。ならば、全力でタバサを護らなくては。
「仕方ないわねぇ…どうせ止めても聞かないだろうし、私も全力でサポートするわ」
水の精霊の危険性を聞かせてなお、協力すると言い切る二人に、タバサは俯いて蚊の鳴くような声で
「…ありがとう…」
と呟いたのだった。
その言葉はこの場にいないイザベラにも宛てられていた。
タバサが引っ込めた手紙には、任務の詳細が記されていたが、その最後にこう書かれていた。
『コースケを貸してやるから、必ず生きて戻りな。いいかい、貸すだけなんだから必ず返すんだよ!』

屋敷からラグドリアン湖へ飛ぶ短い空の旅の最中、シルフィードはご機嫌斜めであった。
キュルケがいるから喋れないのもあるが、何より荷物が問題である。
(うぅ…重いのね、なんでこんなものもっていくのね…)
「ねぇコースケ、本当に使えるの、この小麦粉。火薬でも調達してきた方が良かったんじゃない?」
シルフィードの疑問をキュルケが代弁してくれた。
そう、シルフィードを辟易とさせているのは、大量の小麦粉だ。
発案者は耕介であり、彼はシルフィードの怨念を一身に受けている。
水の精霊を退治するため、タバサが提案した作戦はこうだ。
タバサが風を操って巨大な気泡を作り、湖底まで行く。魔力を含んだ水を見つけたら、それをキュルケと耕介で攻撃する、というものだ。
だが、それに異を唱えたのが耕介であった。
気泡の中で炎を使えば酸素を使ってしまって危険であるからだが、これを説明するのに苦労した。
この世界は科学があまり発展していないので、燃焼の原理を知る者など稀なのだ。
もちろん耕介も専門家ではないし高校までの知識しかないこともあって説得は難航したが、なんとか方針を変えさせることに成功した。
そして、代案として耕介が提案したのが、この小麦粉である。
「水の精霊の規模にもよるけど、かなり有効だと思うよ。火薬は今から集めるには時間がかかるけど、小麦粉は簡単だからね」
要は粉塵爆発である。
だが、これまた専門家ではないことに加えて、耕介も経験則として『粉の充満してる空間で火の気は厳禁』ということを知っているだけである。
なので、百聞は一見にしかず、実際にやってみせることにしたのだ。
「見えた」
本に目を落としていたタバサが声を上げた。
行く手に、雄大な湖が見える。
「あれが、ラグドリアン湖か…」

ラグドリアン湖畔の森の一角に着陸した一行は、小麦粉を《レビテーション》と人力で水辺まで運んだ。
「大きい湖だなぁ…この中から水の精霊を見つけるのは苦労しそうだ…」
抱えていた小麦粉の袋を下ろし、嘆息する。ラグドリアン湖は琵琶湖ほどの大きさがある、この中から魔力の感覚のみを頼りに探すというのも気が遠くなる話だ。
だが、その問題は意外なところから解決した。
「耕介様、湖底に一際強い魔力がわだかまっているんですけど、それじゃないですか?」
「え、な、何!?…あの時と同じ声…?空耳じゃなかったの!?」

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:12:55 ID:VDWkxdgE
>>627は初心者なんで許してあげて下さい的支援

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:14:00 ID:V9PgXzxh
支援

631 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/01(火) 00:14:24 ID:kjBFnAL4
突然の声にキュルケがきょろきょろと周囲を見渡すが、自分たち以外には誰もいない。
当然だ、既にこの場にいる人物が発言しただけである。
「御架月だよ、キュルケ。えっと、インテリジェンスソードなんだ」
「イ、インテリジェンスソード…?」
キュルケは、耕介が差し出した御架月を改めて観察する。
故に、彼女はその怪異を間近で見ることとなった。
「ご挨拶が遅れてごめんなさい。はじめまして、御架月といいます、キュルケ様!」
御架月から燐光が溢れ、人型をとったのだ。
それはくすんだ金髪に黒い着物の中性的な美少年…であるが、キュルケにそこまで観察する余裕はなかった。
「きゃあ!何、幽霊!?」
その言葉にタバサがビクッと反応するが、御架月には既に慣れたらしく、すぐに平静を取り戻した。
だが、キュルケは突然の出現が悪かったのか、御架月に杖まで向けてきている。
「キュルケ、大丈夫だよ、御架月は俺の相棒だ。幽霊といえばそうなんだけど、悪さをするようなことはないよ」
「え…幽霊が宿った剣なの?そのミカヅキって…」
さすがにこのあたりは魔法世界ハルケギニアの住人、すぐに驚きは興味に変化したらしい。
キュルケは初めて幽霊を見たらしく、御架月を無遠慮に観察している。
御架月も怖じないキュルケが嬉しいのか、笑顔でされるがままだ。
「へぇ、貴方可愛いわねぇ、幽霊じゃなきゃお付き合いしたいくらいだわ!じゃあ改めて、私はキュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー、キュルケと呼んで」
「はい、キュルケ様」
かつてここまで素早く御架月に慣れた人物はいない。さすがは新興国家ゲルマニア出身と言ったところか。
「ねぇコースケ、ミカヅキ。剣も見せてもらっていい?幽霊が宿っている剣なんて初めて見るから、是非拝見したいわ!」
「ああ、かまわないよ」
御架月も、特に断る理由はないので首肯する。
耕介が御架月をよく見えるように顔の高さでゆっくりと抜いてやると、キュルケから感嘆のため息が漏れた。
「はぁ…凄いわ、こんな綺麗な剣、初めて!いったい誰が打ったの?薄すぎてすぐ折れそうだけど、装飾品もないのにこんなに美しい剣なんて、ハルケギニア一の治金技術を持ってるゲルマニアにもないわ!」
「えっと、俺の故郷で打たれた刀って剣なんだけど、誰が打ったのかはわからない。400年前からあるらしいから」
「400年!?」
タバサがさらに評価を付け加えた。
「ミカヅキは頑丈。私の《ジャベリン》を斬った」
キュルケは、入学当初のとある一件からタバサと本気の決闘をしたことがある。
その時から彼女の類稀な実力を知っているので、驚きも一入だった。
「まぁ、じゃあ頑丈で綺麗なのね!すばらしいわ、ねぇ、是非このカタナをツェルプストー家に売ってくださらない?いくらでも出すわ!」
「いや、ごめんキュルケ、御架月は俺の相棒だから売るわけには…」
「じゃあ仕方ないわねぇ…。なら、貴方の故郷にはこのカタナを作れる人がいるんでしょう?是非その人を雇わせて!お給料なら言い値を出すわ、どう!?」
革新的なものなら既存の価値観に囚われず採用するゲルマニア人らしい対応であるが、世界を隔てているので無理な相談である。
耕介が、激しい勢いで迫ってくるキュルケに困り、自分が異世界人であることを説明しようか迷っていると救いが現れた。
「――――!――――?」
この現象には覚えがある。昼食前にもタバサが使った《サイレント》だ。
今度はすぐに自分の声が聞こえないことに気づいたキュルケがタバサに詰め寄る。
「――――もう、交渉してるだけじゃない!」
「コースケが困ってる」
キュルケの抗議への答えはにべもない一言だった。
だが、タバサのその普段よりも若干平坦な言葉にキュルケは別の意味も感じた。
「あら…タバサ、あなた妬いてるの?もう、安心して!彼はあなたのものだもの、手を出したりしないわ!ちょっと惜しいけどね!」
タバサの嫉妬というレアなものが見れた嬉しさからか、キュルケはタバサに抱きついて頬ずりをしだす。
その様子は仲睦まじい友人同士の触れ合いであったが…会話の内容が内容なので耕介は苦笑するしかない。
彼女が耕介とタバサをくっつけようとしているのは明白だが、今のところ耕介にその気はないのである。
それに、タバサの方も耕介に恋愛を求めてはいないはずだ。
多分、タバサは家族がほしいのだから。
もし耕介の方がタバサを女として意識することがあったとしたら、その時にまた考えればいい話で、今はまだ早計というものだ。
「どうにも調子が狂うなぁ…」
「でも、キュルケ様とってもいい人ですね!」
「ま、それは間違いないな」

632 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:16:50 ID:VDWkxdgE
支援

633 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/01(火) 00:17:10 ID:kjBFnAL4
二人が任務を思い出すまでの間、友人同士の微笑ましいやり取りを見守る耕介であった。

「ゲホ!ゲホゲホ!ちょっと吸い込んじまった…」
「大丈夫ですか、耕介様!」
御架月が発見した湖底の魔力溜りのそばに作り出された巨大気泡の中で、耕介は小麦粉を撒いていた。
「ああ。これだけ撒けば大丈夫だろう」
気泡の中は白くけぶるほどになっている。
半分ほど小麦粉を失った袋を提げて、気泡と同じくタバサが作ってくれた空気の道を歩く。
周囲には淡水魚が泳ぎ、藻などが繁茂している。
「こんな綺麗な湖で爆発起こすのはちょっと気が引けるなぁ…」
「そうですねぇ…でも、他にいい方法も思いつきませんし…」
直接水中で戦うというのはリスクが高すぎる故に選択した方法だが、湖底で爆発など起こせば周囲の生物を殺してしまうのは確実だ。
後味の悪い方法だが…他に良案もない。
念のため、魔力溜りに声をかけてもみたが、反応はなかった。タバサの言う通り、専門の交渉役以外とは話す気はないのだろう。
水面から差し込んでくる夕暮れ時の赤い光が美しい。
本当に美しい湖なのだ。
それをこの手で破壊する…切ないものを感じてしまう。
やがて、空気の道を覗き込むキュルケとタバサが見えてきた。
「お疲れ様、コースケ。準備はいい?」
耕介が外に出たのを確認し、キュルケが杖の先を空気の道へ向ける。
「ああ。タバサ、キュルケが魔法を使ったら、炎を消さない程度の速度で道を閉じていってくれ」
耕介の言葉にタバサがコクリと頷く。
「じゃ、行くわよー!」
キュルケが短くルーンを唱えると、杖の先に拳大の炎の球が生まれる。
それが射出され、次にタバサの操作を受けた空気の道が徐々に閉じていく。
「キュルケ、炎の壁を念のため張っておいてくれ!」
「わかったわ」
三人を護るように炎の壁が展開された。
それから数秒…水面が波立ち、飛沫が飛んだ。だが、細かい水滴はキュルケの炎の壁に阻まれて蒸発する。次に湖の中央付近に魚が浮き上がってくる。
「本当に爆発したわ…」
「御架月、どうだ?」
「少し、魔力が減ってます。成功ですね」
ひとまず、作戦は功を奏したということだ。
やはり後味の悪さは感じるが…もう割り切るしかないだろう。
その後も、日が暮れるまで3回ほど爆破作業を行い、御架月の索敵によると魔力溜りは3/4ほどに減少したらしい。

「凄い、塩を振っただけなのに美味しいのね!それに身もふっくらしてるし、こんな焼き魚初めてだわ」
「さっきキュルケに作ってもらった白炭のおかげだよ。これが一番焼き魚に向いてるんだ」
夜の森の中で、四人は焚き火を囲んで食事をしていた。
献立は耕介が持ってきていた人数分のパンと、精霊退治の副産物の魚だけであるが、そこは耕介の腕の見せ所である。
貴族である二人には焼き魚は新鮮だろうと作ったものだが、好評を得ているようだ。
タバサもシルフィードも一心不乱に食べ続けている。
「炭ってああいう風に作ってるのねぇ、初めて知ったわ。ねぇコースケ、貴方って不思議な人ね。色んなことを知ってるし、メイジでもないのに魔法のようなことができるんでしょう?」
「ここの地図にもない場所から来たから、慣れるのに苦労したよ。それに、俺の技は魔法みたいに便利なものじゃないよ」
本当は拉致まがいに召喚されただけであるが、耕介のような存在は珍しいらしいのであまり口外しないことにしている。
便宜上、地図にも載っていない場所から来た、ということにしているのだ。
「そうね、貴方は私の知るどんな人間とも違うわ。だからタバサも懐いたのかしらね」
キュルケは優しい瞳で、7匹目の焼き魚に手をつけるタバサを見つめる。
今は周囲への警戒を解いていないが、やはり耕介がいるせいか普段よりも警戒が薄い。
焚き火の周りに流れる和やかな雰囲気は、まるで彼らを家族のように見せていた。
「そういえば、いたわ、コースケと似てる人。同級生の使い魔なんだけど、私たちの常識から外れていることばかりしていたわ」
キュルケの何気ない言葉に耕介は違和感を覚えた。
(使い魔なのに”似てる人”…?俺みたいに人間が召喚されたのか?)
だが、その疑問を問うことはできなかった。
「ん、なんだ?」
上空から舞い降りた突然の闖入者…フクロウが耕介の肩に留まったのだ。
「あぁ、イザベラのガーゴイルか」
その足には例によって手紙がくくりつけられている。
手紙をはずすと、フクロウはすぐに夜闇の中に飛び去っていった。
「え…どういうことだ…?」

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:19:03 ID:Gn3eMj0X
支援します。

635 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/04/01(火) 00:19:22 ID:kjBFnAL4
「どうしたの、コースケ?なんて書いてあったの?」
耕介が開いた手紙には、こう書かれていた。
『コースケ、なるべく早く戻ってきてくれ…』


夕暮れまで、時間は遡る。
夕日に照らされたプチ・トロワの庭でイザベラはフクロウを右手に留まらせ、葛藤していた。
俯いたその顔には、恐れや悲しみ…そして、彼女と共に在り続けた自己嫌悪が現れていた。
「あたしは…やっぱり弱い…」
彼女は明日、この世で最も彼女が恐れる存在と会わねばならないのだ。
突然の通達が来たのは昼前。タバサを助けるために耕介を手紙と共に竜の背に放り出した後だ。
半日悩み続けたが…やはり、この結論にしか辿り着けなかった。
「シャルロット…あたしは…強くなるって言ったのに…」
涙がこぼれそうになるが、イザベラは我慢し続ける。
自分の弱さが招いたことだ、せめて涙だけは我慢しなければ。
数分、涙をこらえ続けたイザベラは右手を上げ、フクロウに指令を出す。
「コースケに届けな」
主の命を受け、フクロウは朱に染まる空を飛び去っていった。
フクロウが飛び去っていった方向を見つめ…イザベラはしゃがみこみ、自分の体を抱えて縮こまった。
それはまるで寒さに震える幼子のよう。
「コースケ…あたしはまだ…あんたなしじゃ強さを装うこともできないよ…」
以前、オリヴァンに戦うことを説いた自分がこの体たらく…本当に度し難いほどに弱い自分。
しかも、今は耕介にまで隠し事をしている。
わかっている、それを伝えたところで、彼はイザベラの元を離れはしないだろう。
数日は離れるかもしれないが、結局は自分の元に戻ってくるはずだ。
けれど、怖い。どうしようもなく怖い。
彼の居場所が自分のそば以外の場所になる可能性がある…それだけで喉が震え、舌が動かなくなる。
もしもそのまま耕介がいなくなったとしたら?そう考えるだけで、まるで世界そのものが凍りついたように感じる。
いったい、いつの間に自分はここまで耕介に依存していたのか。
イザベラは日が沈み、闇が世界を支配しても、その場で震え続けた。
涙だけはこぼれることはなかった。



以上で投下終了になります、支援ありがとうございました。
惚れ薬飲んだ時のルイズの誘惑に屈することがなかったサイトは凄まじい精神力の持ち主だと思います。
俺なら確実に襲ってますね!確実に!

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:21:16 ID:VDWkxdgE
乙でした。
最後に良い所を奪っていくイザベラ、GJ!

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:22:00 ID:V9PgXzxh
投下乙かれ様です。お茶ドゾー
( ・∀・)つ旦

では十分後に投下をしたいと思います。


638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:24:54 ID:OXyROa0m
月夜巫女支援

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:25:56 ID:iX3/b4Ty
このロリコン乙め!

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:25:59 ID:+TZ3zDrY
投下乙
そして支援

641 :ルイズと無重力巫女さん『迎え-A lie the end-』:2008/04/01(火) 00:31:46 ID:V9PgXzxh
どうもお久しぶりです。
今回のテーマは…今日の日付である『四月一日』と関係しています。
話しとしては余りにも巫山戯ていて将来不快になる人もいると思いますので。
決して、まとめwikiなどに載せないでください。

642 :ルイズと無重力巫女さん『迎え-A lie the end-』:2008/04/01(火) 00:33:09 ID:V9PgXzxh
  
「ふぅ〜…。」
霊夢は空になったコップを机に置くと今日起こった出来事を振り返ってみた。
あの後塔が爆発し見に行ったらルイズが失敗魔法を起こしたらしい。
どうやらただの石を真鍮に練金しようとして爆発を起こしてしまったという。
しかしその爆発の後そこには木っ端微塵になった石ではなく、蒼く輝くサファイアが転がっていた。

それに気づいたルイズと他の生徒達は一瞬反応が遅れ、次の瞬間には皆が驚愕していた。
「なんてこったい!ゼロのルイズが成功するなんて!!」
「しかも真鍮じゃなくてサファイアときた!スゴイってレベルじゃない!!」
皆が声を上げる中、ルイズはタダ一人涙を流しこの事を喜んでいた。
その後窓から見ていた霊夢に気づいたのかサファイアを拾い、いきなり彼女の両手を掴んだ。
「やっぱり私はスゴイわ!!だってあんたみたいなスゴイ奴を呼んだんだから!!」
それと今回のサファイアとどう関係があるのか分からない。

その後教師陣達にも話しが広がり、一種のお祭り状態となった。
夜になると食堂で大規模な祝宴が始まり、『祝ルイズが魔法使えた記念』という名前で行われている。
現在進行形でみんな酔っていて、霊夢も少しほろ酔い状態になっている。
まぁここへ来てから余り酒など飲んでいないので丁度良かったが。
「でもねぇ…当の本人がこれを持って行くのを忘れるというのはどうなのかしら?」
霊夢はそう言い横に置いているサファイアに目をやる。
一時部屋に帰ったルイズは一人で興奮して食堂へと突っ走り、ベッドの上にサファイアを置いていってしまったのだ。
とりあえず後で渡してあげようと思っていたのだがこの様子だと当分渡せそうにない。

「しかし、本当に綺麗ね。」
サファイアを頭上に掲げながら霊夢はポツリと呟く。
なにか神秘性を感じるというか、たまに幻想郷で見るマジックアイテムと同じような感じがした。
その美しさに見ほれながらもサファイアを回して遊んでいると霊夢はふと気が付いた。
空に浮かぶ双月の内、大きい方が微妙に動いたことに。
「?あれって…。」
大きい方の月は段々と大きくなっていく、否こちらへ近づいてくる。
しかもなんだか様子がおかしい。



643 :ルイズと無重力巫女さん『迎え-A lie the end-』:2008/04/01(火) 00:35:19 ID:V9PgXzxh
最初は一つだったはずだが何故か二つ、三つ、四つと段々と分裂して小さくなっていく。
ほろ酔いしていて危機能力が鈍っていた霊夢が気づく頃には既に十個の月がこちらへ迫ってきた。
「でも…あれ、月じゃないような。というより円盤?」
近づいてきてわかったのだがこれ、月ではなく円盤状の何かであった。
やがて円盤状の何かは『ミョンミョン』と音を鳴らしながら霊夢の方へと寄ってくる。
距離がどんどんと縮んでいく内にその円盤状の何かに人みたいなのが入っていることが分かった。
霊夢はただただ未知との遭遇に驚き、口をポカンと開け唖然としていた。
やがて円盤の群れは霊夢の真上で空中停止し、そのうち一つの下部分から放たれた光が霊夢と手に持っていたサフイアを照らした。
「なっ!?しまっ…」
直感で次に何が起こるか気づいたときには時既に遅し、そのまま霊夢は光の中に消え去ってしまった。
霊夢を消した円盤は一番上に着いているアンテナをピコピコ光らせるとそのまま大空の彼方へと飛び去っていった。
それに続き他の円盤達も大空へと飛んでいき、後にはコップが一つだけ残り、夜空には月が一つしかなかった。

「う…うぅ〜ん。」
次に霊夢が目を覚ました時は、家具もベッドもない真っ白な部屋で横たわっていた。
部屋に突いている丸窓からは黒い空しか見えず、何処か身体の感覚も浮いているような感じがする。
以前外の世界から来たという薄っぺらい本――紫が言うには「雑誌」という物らしい―――を読んで「宇宙人に拉致された人々」という記事があった。
読んだときは暇つぶしには丁度良いゴシップ記事でなかなか見応えがあったがまさか自分が拉致されるとは信じてもいなかった。
「異世界まで呼ばれたり、宇宙人に拉致されたり…少しは休ませてよ。」
一人愚痴りながらも霊夢はこの何もない白い空間から出ようと入口を捜したがそのような物は一切見つからない。
どうせなら壁の何処かをぶち破ってやろうかしら と思っていたら後ろの壁が音を立てて横に開いた。

『ようこそ、私たちの宇宙船へ!』
ペ〜ロポッロポ〜♪
元気の良い声と情けないリコーダーの音と共に奥から見覚えのある帽子を被った女性が出てきた。
その声、容姿、服装…目にサングラスを掛けている以外を覗けば何処からどう見てもあの『八雲 紫』であった。
「ゆっ紫!?何でアンタがこんな所に!」
こんところでこいつと出会うなんて思っても見なかった霊夢は紫を指さして素っ頓狂に叫んだ。
「あら、ばれちゃった?」
呆気なく正体をばらしてしまった大妖怪は掛けていたグラサンを取るとポイッと後方へと放り投げた。
「アンタが何でこんな所にいんのよ!というか幻想郷は!?」
「あぁ、それについては大丈夫、これは幻影よ。」
そう言って紫は手で壁を触ろうとしたが手はテレビの砂嵐のようにブレてしまい、壁に触れない。
「いちおう幻想郷からここを通して写してもらっているわ。」
「は、はぁ〜………で、さっきのわたし「達」ってどういう意味なの。後ココ何処?」
『それについては私が説明しましよう。』
後ろから声がしたので振り返ってみると先ほどはいなかったのにいつの間にかテーブルの上で優雅に紅茶を飲んでいる灰色の生物がいた。
少し大きい頭に点のような黒い目、何処からどう見ても『宇宙人』である。
霊夢は少し驚いたが紫は軽く手を挙げて挨拶をしていた。
どうやら聞いてみたところ、話しは私があの鏡に吸い込まれてから始まる。


644 :ルイズと無重力巫女さん『迎え-A lie the end-』:2008/04/01(火) 00:36:34 ID:V9PgXzxh
急遽自宅に帰った紫は急いで博麗の巫女が補っていた結界の分を補おうとしていた時、空から一機の円盤が落ちてきたという。
円盤はそのまま八雲紫宅の中庭に不時着、そして入り口部分が開いたかと思うと中からこの宇宙人が出てきたという。
その場にいた紫の式である八雲 藍が空からの侵入者を攻撃しようとしたが宇宙人は落ち着いた口調でこういった。
『すいません、わざわざ人の領地に不法侵入して言うのもなんですがトイレは何処ですか?』
わざわざ不時着しといてトイレを借りるのか? そう思った藍だがまぁ相手には敵意がないと感じ素直にトイレの場所を教えた。
うまく結界を―――時間稼ぎにしかならないが―――補修し終えた紫は興味が湧いたのか用を足し終えた宇宙人と交渉をしてみた。
どうやら彼ら、月に住む人間達とは違い、独自の文化と星を持った『グレイ』という種族らしい。
『どうもトイレを貸してくださり有り難う御座います。移動してる途中に急にトイレのドアが壊れてしまい仕方なくここへ不時着することにしました。
いや、でも本当はここに用があったから入り口のところで着地しようと思いましたが尿意には勝てず中庭に着地してしまいました。』
その言葉に思わず紫は目を細めた。
「用…一体何の?」
『まぁ話せば少し長くなりますが…』
このグレイさん(仮名29歳)が話したところ、内容はこうである。

彼らは毎年『生物を別の世界に送る実験』をしているという。
もう既に物体での実験は成功しており、実用化もされていたが生物に関しては未だに不安定なところがあり。
毎年数回は事故が発生するという。
で、その事故というのは『対象外の生物を送り込んでしまう』というものであった。
たまに誤差が生じ、初めから送る予定ではなかった者を異世界に放り出してしまうのだ。
霊夢もまた例に漏れず、誤差により異世界へ送られてしまったらしい。

『しかも調べてみたところ彼女、この幻想郷で非常に大切な存在だと発覚し、この様に謝罪しに来ました。』
要はこいつらが黒幕か…紫はすぐにでも優雅に話しているこいつをとっちめてやろうと思ったが話しはまだ続いた。
『流石に一つの世界を壊すような真似はいたしません。今から宇宙で待っている仲間と共に迎えに行きます。そのためにここへ来ました。』
「あら…?意外と礼儀正しいのね貴方。」


「…と、こんな所かしら。」
「要は全部こいつらの仕業って事…なんか拍子抜けするわね。」
うへーっ…、とした顔で紅茶を飲みながら紫の話を聞き終えた霊夢は目の前にいる宇宙人を見た。
「で、いつになったら帰れるの私は?」
『大体後二時間ぐらいで到着します。』
「あぁそう…それにしても私がいなくなった後、アイツはどうなるの?」
アイツとはルイズのことである。
『それについては別のガンダールヴを派遣しておきました。もうそろそろ着いている頃でしょう。』
そう言って宇宙人はカップに紅茶を注ぎながら優雅に言った。
対象にされた外の世界の少年にとっては大層ご迷惑であるが我慢して貰うしかない。
ガンダールヴという言葉に霊夢は首を捻ったが、すぐにそれを忘れることにした。

こんな馬鹿げた終わり方があっていいものか……とかそんな考えを捨て、早く布団に潜って明日の朝日を拝みたいと…。


壁に掛かっていた電子時計は丁度「0:00 4/1」を示していた。

645 :ルイズと無重力巫女さん『迎え-A lie the end-』:2008/04/01(火) 00:40:17 ID:V9PgXzxh
…すまない、『エイプリルフール』なんだ。
むしゃくしゃやってしまったことは心から謝罪する…

ただ、一回だけこの日にこんな物を書いてみたいと思っていたんだ。
誤解させてしまった人達には本当に申し訳ないと思っている…。

646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:40:22 ID:ou2fx6II
しえん

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:41:44 ID:9/eMBny5
投下お疲れ様でした。
改めて投下予約。
10分後にクトゥルー召喚モノ投下します。

648 :ルイズと無重力巫女さん:2008/04/01(火) 00:42:17 ID:V9PgXzxh
後、これで投下終了です。
>>616の方どうぞ…

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:52:38 ID:9/eMBny5
 神、それは人智を超越したもの。そして人という知的生命体に恐れ、崇められている。
 ある者は火を神として崇め、ある者は動物を神と崇めるなどその形は様々である。
 それらに共通するものは、作物の豊穣等の様な幸福を神に願うのである。
 だが総ての人間がそれを願うのではない。ある者は神に破壊や混沌を望むのだ。
 彼らが崇める神は邪神と呼ばれ、云わば普通の神々と一線を引く。
 邪神を崇拝するものはアウトローという訳ではない。文明社会において重要な地位を保持しているものもそのような神を崇めている者さえいる。
 そして、その邪神を崇める者たちは団結し、巨大な秘密結社を築き上げてきた。
 その集団の名はクトゥルー教団、崇める邪神の名は教団名ともなっているクトゥルー。
 地球上のルルイエという所在が定かでない海底に、深き眠りにつくクトゥルー。教団は予言された復活の時を静かに待っている。
 再びこの邪神が地球を支配するその時を。
 だが彼らの願いが叶うことはなかった。とある異世界とゲートを繋げた少女がいた。その少女によって彼らの崇拝する邪神が異世界へと渡ったのだ。



 その少女の名はルイズ。トリステインに住まう貴族の娘だった。



 それは使い魔召喚の儀式が迫っていた日のこと……。魔法が使えぬと揶揄されていた少女は儀式を目前に一念発起し、今まで彼女を馬鹿にしてきたものたちを見返してやろうと考えていた。
 そのために彼女は自身が学ぶ学院の図書館にて、様々な書物に目を通していた。どの様にすれば、素晴らしい使い魔が呼び出されるのか、目を通してはみれど、どの記述も似たような内容だった。
 曰く、どのような使い魔が呼び出されるのかはメイジの力量によって左右される、だ。
 何ともあいまいな記述。それでも彼女は諦めず、幾多もの書物に目を通そうと考えていた。
 だが、あいにく図書館は閉館の時間となり、司書から退室するよう促され、仕方なく何冊かの書物を借りて自室に戻ることにした。
 自室に戻ったルイズは我が目を疑った。借りて帰った本の中に妙に古惚けた虫食いだらけの本が混じっているではないか。
 彼女はこんな本があったかしらと首を傾げながらもタイトルを読み取ろうとする。
 表紙に書かれていた文字もはっきりと見えず、ネクロノミコソとも読み取ることが出来た。
 表題だけでは内容も察することが出来ず、破けぬよう丁寧にページをめくって行く。
 虫食いだらけ、そして見慣れぬ文字が多く、内容が辛うじて読み取れる程度の劣悪な保存状態。
 眉を顰めながらもページを捲るルイズの手が突然止まる。
 彼女の視線はあるページに釘付けになった。
 そこに書かれていたのは……

『神■■る、く■うるうへの■■について』

 これだとルイズは大きな声をあげ、その記述をメモに書き写した。
 来るべき召喚の儀式に備え、書き写した召喚に必要と思しき呪文を何度も口の中で呟く。
 彼女は知らない。己が如何なる存在を呼び出そうとしているのかを。


650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:53:23 ID:ou2fx6II
しえーん

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:54:19 ID:9/eMBny5
 そしてついにその時が訪れた。
 春の使い魔召喚の儀式……。
 周囲の生徒の嘲る様な視線を受けながらや威風堂々と、異世界から神を呼び出す呪文を唱えんとしていた。

「宇宙の果てより来たれ! 我の呼びかけに答えよ!」

 辺りは静まり返り、周囲の人間は聞いたこともない呪文に我が耳を疑った。

―ああ、汝、死して横たわりながら夢見るものよ
 我の呼びかけるのを聞きたまえ
 ああ、強壮なるクトゥルーよ、我が声を聞きたまえ
 夢の主よ、我が声を聞きたまえ
 ルルイエの塔に汝は封じ込められしも
 ダゴンが汝の呪わしい戒めを破り
 汝の王国が再び浮上するであろう
 深きものどもは汝の秘密の御名を知り
 ヒュドラは汝の埋葬所を知れり
 我に汝の印を与えたまえ、されば我も汝に印をつけよう
 汝がいずれ地上にあらわれることを知りたいがために
 死が死するとき、汝の時は訪れ
 汝はもはや眠ることなし
 我に波浪を鎮める力をあたえたまえ
 汝の呼び声を聞きたいがため―


 ルイズが呪文を紡ぎ終えても辺りには何の変化も訪れなかった。
 口を閉ざしていた生徒達もやはりこうなったかと彼女を囃し立てようとした時にそれは起こった。

 突然、見慣れぬ魔方陣が地面に刻まれ怪しく発光し始めたたのだ。
 無知とは幸福である。彼女は期待に胸を躍らせてその光景を見守っていたのだ。
 ここいる人間は誰も知らない。ルイズが呼び出そうと試みたのが邪悪な神であったことを……。


 早く出て来いという思いをのせ、再び呪いの言葉を紡ぎだすルイズ。

―フングルイ・ムグルウナフ・クトゥルー・ルルイエ・ウガフナガル・フタグン―

 そして遥か地球のルルイエとハルケギニアが「門」を通じて繋がった…。
 それは彼女の願いどおりの存在がこの地に舞い降りることが約束されたのだ。
 ついにそれは姿を現した……。



652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:55:09 ID:V9PgXzxh
支援

653 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 00:55:20 ID:AyYa/MqO
支援、でもタイトルは書いてね。

654 :うらにわのつかいま:2008/04/01(火) 00:56:22 ID:9/eMBny5
「こーんにっちわーっ!」

 何やら楽しげなオカリナをBGMに、回転しつつ満面の笑みを浮かべて顕現したローティーンの少女。
 頭に可愛らしい蛸に蝙蝠の羽の生えた被り物をつけ、地球でスク水と呼ばれる、露出の激しい服と白いニーソックスを身に纏う(胸には平仮名でくとぅ〜らと書かれている)少女。
 傍らにぬいぐるみのような魚の体に手足の生えた生き物(?)を従えている。

 ルイズも含め、そこにいる人間全てが呆然としてしていた。

「えーと…みなさん、こんにちはー!」

 涼やかな声で再度挨拶。そして自己紹介。

「お呼びにより顕現させていただきました、クトゥルー改め、クトゥーラでーっす!」

 沈黙と静寂が痛いほど続く。

「あ、あんた何?」

 沈黙を打ち破りルイズが尋ねる。それに対してクトゥーラと名乗った少女は嬉しそうに質問に答えた。
 曰く、神という存在だそうだ。
 ルイズは心の中でガッツポーズを決めた。身なりは変だが神を召喚したというのだ。想像してたのより姿かたちが変だけど現実って残酷よね、と無理やり肯定しつつ。
 だがルイズが喜びを満喫する間もなく怒声が響いた。

「嘘だ!!」

 突然叫び声をあげるとツカツカと皆の前に歩み出てクトゥーラを指差し、再度口を開いた。

「あなた、ハスターの手のものね!」
「モ、モンモランシー? 行き成り何を?」

 モンモランシーという名の少女が声高らかにクトゥーラの嘘を断罪する。
 彼女が言うには……

 本物のクトゥルー様はタコともイカともつかない軟体状の御体を御持ちになって、見るものを恐怖に、そして平伏せされるようなお方なのだと…。
 
「そして何より神々しさが足りない…って今呼び出したロビンが言ってたわ!」

 両手で先ほど呼び出した蛙の使い魔を高々と掲げた。
 それを聞いた生徒達は次々と口に出してそれを確認した。

「なんだ。嘘か」

 まぁ子供のいうことだから大目に見てやらないと、等など生暖かい目で見られるクトゥーラ。こうなってはいくら弁明したところで無駄だった。
 必死で邪神から愛と恋の神に転職したと伝えても信じてもらえない。 
 一方のルイズはというと未だ現実から目をそらし、わたしが呼び出したのはこいつよ、などといいながら魚に手足の生えたような生き物と契約をしようと口付けをしていた。

「イタイー」
「ああ、だごんたん大丈夫?」

 舌足らずな悲鳴をあげるだごんたんなる生物を気に掛けるクトゥーラ。そのやり取りを聞いてようやく教師であるコルベールが口を挟んだ。

「ミス・ヴァリエール。それは頂けない。ちゃんと彼女と契約するんだ」

 ルイズがコルベールに必死に抗議するもそれも実らず、結局クトゥーラと契約する事になった。
 そうなったのだが成功しなかった。何度口付けしても契約できない何故ならすでにだごんたんと契約してるから……。
 そのことに誰も気付かず、羞恥のあまりクトゥーラが気を失うまでそれは続けられた。


655 :うらにわのつかいま:2008/04/01(火) 00:58:25 ID:9/eMBny5
 クトゥーラが召喚されて数週間が過ぎた……。結局ルイズはクトゥーラと契約が結べぬまま、ルイズ付きのメイドという形でクトゥーラは学院に居ついた。
 おいしいご飯に頬を緩ませる平凡な学院の風景がそこにはあったがそれが崩れんとしていた。
 そう、クトゥルーの名を語る不届き者現るの一報がハルケギニア全土を駆け抜けた。それを聞いて激怒したのはガリアの王ジョゼフであった。
 何を隠そう彼はクトゥルー教団ガリア支部の支部長だったのだ。
 怒りに狂った彼はエルフの中でもインスマンス族といわれるエルフを集めてトリステインに侵攻を開始したのだ。
 それに驚いたのはトリステインだけでない。アルビオンで内戦を繰り広げるレコン・キスタの一党だ。
 反エルフを標榜する彼らにとってこれは見過ごせる事態でなく、王族と講和を結び、アルビオン・トリステイン連合軍を結成することとなった。

 争う人とエルフのインスマンス族。次第に人の側が押され、ついに学院の生徒達も少年兵として借り出される事態にまで陥った。

「ごめんなさい…」

 神としての力を取り戻せないでいた彼女はルイズたちの出兵をただ見守るしか出来なかった。
 何より謝る彼女にルイズは自分の責任だから気にするなと声を掛けるのである。

 学院を最終防衛ラインとして戦う学院生と教師達、襲い掛かるエルフ達……だがエルフにしては妙に風貌が変である。エルフというよりは蛙人間と言った方が正しい、そんな醜い姿をしているのだ。

「あの姿形は深きものども(ディープ・ワンズ)!」

 少女は自らの言葉に首を傾げる。そう、彼女は思い出したのだ。昔の知識を。
 思い立てば即行動と、傍らでぽかんと口を開けているだごんたんを引きつれて戦場へ向けて駆け出した。



656 :うらにわのつかいま:2008/04/01(火) 00:59:58 ID:9/eMBny5
「それ以上やったら『メ』!」

 戦場に涼やかな声が響き渡る。そして争いの音がやんだ。
 クトゥーラは形のよい逆立てて腰に手を当て、「怒ってますよ」というポーズをとっていた。
 ついでにだごんたんもクトゥーラの肩の上に乗っかり、三又矛を掲げて威嚇のポーズらしきものをとって深きものどもの注目を得ていた。
 争いをやめた深きものどもに向かって地面を指差す。すると数百もいた彼らが一斉に正座をし始めた。

「な、何で戦いを止めるのだ!? 」

 慌てふためくのは一段を率いていたジョゼフ。

<当然です>

 突如聞こえてきたどこの言葉でもないがどこの国の人間でも理解できる言葉が響いた。

<深きものどもはわたしの眷属の一員で……あれ?>

 深きものどもは眷属の一員でもあるから言うことを聞くのです、と言おうとしたのだが、彼らの様子がおかしい。

「オノレ、トリステインの人間どもめ!」
「我らの父、ダゴン様を人質に取るとは!」
「卑怯ものめ!」

 別段クトゥーラを彼らの信仰する神と認めたわけではなかったらしい。
 この後しばらくだごんたんと共に説得攻勢に入るのだが……話にさっぱりついて行けなくなったトリステインの兵士や戦闘に参加した学院生は次々と我が家へと帰っていった。
 後に残されたのは僅かにそれを見物する物好きな人間だけだった。もちろん、ルイズもその中に含まれている。


 長い時間を掛けて自分がクトゥルーと同一であると信じてもらえたクトゥーラは喜んでいた。ルイズはそれを眺めながら何故自分は帰らなかったのか自問していた。
 気が付けば深きものどもの群れの中に放り込まれ、他のクトゥルー信仰者の説得の旅をする破目になった。
 それは許せる。百歩譲って自分が一緒でなければならないとしても、この深きものどもの群れと一緒に旅などしたくない。生臭いし。


 クトゥーラとルイズが去り、トリステインに平穏が戻った。しかし、ギーシュと呼ばれる少年はあることに気付いた。

「あれ? 君は旅に同行しないのかい?」
「オイテカレター」


657 :うらにわのつかいま:2008/04/01(火) 01:01:26 ID:9/eMBny5
エピローグ



 ルイズとクトゥーラが説得の旅をしているその間、置いていかれただごんたんはというと……

「お、おめぇ使い手か…?」
「ケンガシャベッター」

 運命的な出会いを果たしていたのだ。



 さらに月日は流れ、ルイズとクトゥーラが再びトリステインに舞い戻って来た。
 しかしそこにはトリステインという国はなかった。アンリエッタはアルビオンに移り住み、ウェールズと共に幸せな日々をすごしていたのだ。
 ではトリステインがあった場所はどうなったのか。ゲルマニアが併合したのか、それともガリアか……。
 そのどちらでもなかった。かつてトリステインがあった場所には神聖だごんたん王国が建国されていたのだ。

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 01:01:57 ID:ji8ePSxY
支援!
うらにわのかみさま、まだ読んでなかったのに・・・

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 01:04:06 ID:ou2fx6II
GJ
クトゥーラ わらた

660 :うらにわのつかいま:2008/04/01(火) 01:04:49 ID:9/eMBny5
以上で投下終わり。うらにわのかみさまよりクトゥーラでした。
四月一日なので、本家クトゥルーと誤解させるために故意にタイトルを最初つけませんでした。


661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 01:32:06 ID:ji8ePSxY
乙です

エイプリルフール・・・避難所のるるる完結とかも含めて
職人様方が企画でもやってるの?

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 02:19:46 ID:8pH+zzlI
DOD2のカイムが燃え尽きた後に召喚されたら〜って考えたけど
開始5秒でルイズが蹴られて終了だよね

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 02:22:27 ID:DmQ0TPP5
>>662
まとめくらい見ろ新参

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 02:47:29 ID:G9NjdRgV
四月一日か……ウソップとか。いい使い魔になれそうだぞ

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 03:12:02 ID:3165Wf8G
4月1日なので数分後にライアーソフト絡みの小ネタを一つ。
場面は10巻タバサ救出。原作と違う点は使い魔がサイトじゃなくなってるのと、ビダーシャルにヨルムンガントが支給されてるところ。

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 03:12:02 ID:X8keAPeB
>>664
ルイズと一緒に成長できそうな使い魔だね

667 :使い魔の数式医 1/3:2008/04/01(火) 03:23:30 ID:3165Wf8G
 危険だからと、ルイズを後ろにギーは前へと進む。
 彼女の魔法は切り札だ。けれどその力は大きすぎる。
 きっと、恐らく、巨大なゴーレムのみならずその内に囚われた友人さえも傷つけるだろう。
 だから、ギーはデルフリンガーを携えて、たった一人で前へと進む。

 ヨルムンガントの肩に乗る、ビダーシャルを強く睨む。

「エルフのきみ。きみがルイズの友だちを攫わなければ、僕はきみに何もしなかっただろう。
 けれど、きみは彼女を攫った。今も縛り付けようとしている。
 それにどんな理由があろうとも、僕はそれを許せない。
 だから、僕はきみをここで止める。ビダーシャル!」
 
 右手を伸ばす。ビダーシャルへ、彼を乗せるヨルムンガントへ。
 あるいは囚われた主人の友人へと。

 ――虚空へと――
 
 ――鋼の右手が伸びることは無く――

 ――右手を、伸ばす。
 ――前へ。

 ギーの右手に重なるように、まっすぐに、
 何かを掴み取ろうとする手はすでに無く。
 
 ――鋼でできた手などはない。
 ――けれど、ギーは立ち止まらない。
 
 ――鋼の兜に包まれて――
 ――鋭く輝く、光は消えて――
 
 それでも、ひたすらに手を伸ばす。
 ただひたすらに、ギーは右手を伸ばす。
 
 ――その右手に掴まれて――
 ――物を語る、剣はひとつ――
 
 剣を掴んだ腕を伸ばして"同じ物"を見ている。
 エルフと、ヨルムンガルドの姿。
 圧倒的な力のゴーレム。
 
 数式を機動せずともギーには視えている。
 ギーと"彼"はヨルムンガルドの姿を睨む。
 
 ――右手を向ける。
 ――重なる手はない、ルーンも刻まれていない、ただの右手を。

 ――現象数式ではない。
 ――けれど、ルーンの力をその身に受けて。

668 :使い魔の数式医 2/3:2008/04/01(火) 03:25:10 ID:3165Wf8G
 手中の"彼"にできることが、何か。
 ギーと"彼"がすべきことは、何か。
 
 ――この手で何を為すべきか。
 ――わかる。今、こうして。
 
「そんなものでいったいなにをするつもりだ!」
 エルフの声と、そして無力なものを嘲る笑いが高らかに響く。
 
 応じて、ヨルムンガルドが動く!
 ビダーシャルの殺意の発露が動く。強固な拳が振りかざされる。
 死を振りまくものが確かに視える。
 
 ギーの"右目"は既に捉えている。
 ゴーレム・ヨルムンガントのすべてを。
 20メートルを越すその身体にまとわりつく力の塊。鋼鉄の鎧。
 あれこそが楯だ。力の媒体。鉄壁。
 あらゆる魔力と刃をはじき返す、難攻不落。
 
 振り上げられた鋼の拳。
 向けられる殺意の先はギーと"彼"!
 
 ――硬く冷たい拳が空間を叩きつぶす。
 ――速い。目では追えない。
 
 生身の身体では避けきれまい。
 幾多の戦場を乗り越えた≪炎蛇≫と呼ばれるメイジや、
 騎士団長を任ぜられた≪閃光≫の名を持つ裏切り者以外には。

 もしも拳を避けられたとしても、
 飛散した石片が死を運ぶ。

 しかし、生きている。
 ギーはまだ。
 
 傷一つなく立っている。
 ヨルムンガントの拳が砕いたのは大地のみ。
 身体を駆け巡るルーンの力と、その手に握る"彼"が守る。
 死にはしない。まだ。
 
「なに……!?」
 ビダーシャルの驚愕の声。
 
「……遅い」
 ギーの声が冷たく返す。ただ事実のみを口に上らせて。嘲るようにたったの一言。

 ビダーシャルの顔に怒りが浮かぶ。感情のままにヨルムンガントへ命じる。
「殺せ、今度こそ!!」

「喚くな」
 睨む"右目"に意識を傾ける。
 荒れ狂うヨルムンガルドのすべてを"右目"が視る!


669 :使い魔の数式医 3/3:2008/04/01(火) 03:26:24 ID:3165Wf8G
 ――ヨルムンガルドはすべての魔法を反射する――
 ――鋼鉄の鎧はいかなる刃でも貫けない――
 ――勝利条件は――
 ――本体そのものの破壊のみ――

「……なるほど、確かに。
 人はきみに何もできないだろう」

 本体を破壊するための魔術も剣戟も、
 如何なる攻撃も反射と鎧に阻まれその本体へは到達しない。
 故に、確かに人間はこれを破壊できない。
 アポルオンを失った、ギーですら。
 けれど、けれど。

 ――けれど。

「けれど、どうやら。
 彼女の魔法はそれすら打ち消す」

 ――"右目"が視ている。
 ――"右手"と連動するかのように。

「ルイズ。前へと歩み続けるきみ。
 きみの力を借りて、僕は"彼"にこう言おう」

「"虚無の如く、かき消せ"」

 ――――――――――――――――――!

 その身に宿した虚無の力を解き放ち、"彼"が――デルフリンガーが唸る。
 ディスペル。ありとあらゆる魔法を無意味とする、虚無の魔法。
 ギーの身体を操って、あらゆる魔法をかき消す力を、叩きつける。
 ただそれだけだ。ただ、それだけ。
 それだけで。
 ヨルムンガント。それを動かす力は途絶えて。
 巨体は崩れる。鎧は落ちて。
 意識を失った少女は、慌てて駆け寄る友人達に助け出されて。
 
 その肩にいたエルフ、ビダーシャルは地にひとり。

 それを見据えて、ギーは言う。


「彼女はもう前へと進む。
 誰も、それを止めることはできない。あなたにも。ガリアの王にも」

670 :使い魔の数式医 3/3:2008/04/01(火) 03:27:56 ID:3165Wf8G
以上
直したつもりなのにいくつかヨルムンガントがヨルムンガルドのままだった……申し訳ない。

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 03:36:30 ID:4xM+SCo0
>>670

アポルオンじゃなくてポルシオンじゃない?

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 03:37:17 ID:ncud0YtY
ポルチオ…?

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 03:45:09 ID:3165Wf8G
もうダメだ……
>>671
言うとおり。なんでこんなミスしたんだろ。

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 03:53:56 ID:kjBFnAL4
>>数式医の人
乙&GJです!
まさかギーで書いてくれる人がいるとは思いませんでした。
アティはギーの嫁。

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 04:12:56 ID:4xM+SCo0
>>673
でも、ポルシオンなしでの召還ならバランスも取れて話としては面白いかもね。
それに戦闘よりも数式医としての話が読みたい。

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 04:47:34 ID:xTtPFwDP
5時になったら小ネタ投下します

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 04:51:08 ID:mhcZrSOM
>>670
元ネタとキャラ名の記載忘れてるよ


678 :670:2008/04/01(火) 04:54:55 ID:3165Wf8G
寝る前にスレ更新して良かった……。
ええと、赫炎のインガノックから、数式医ギーです。
>>677
ありがとうございます。

>>676
投下頑張ってください

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 05:02:21 ID:xTtPFwDP
「魔法を使える者が貴族なんじゃない! 敵に背中を見せない者を貴族というのよ!!」
「はっ、じゃあそのくだらない誇りと一緒にぺしゃんこになりなっ」

 足を震わせながらも堂々と吼えるルイズに向かって、土くれのフーケは己が生み出した
ゴーレムの腕を振り上げる。
 ルイズに対抗する術はない。魔法が使えない彼女がどうして30メイルもの大きさを誇る
ゴーレムに打ち勝てよう。
 彼女に残された未来は、宣言通り唸りを上げて振り下ろされる拳に潰されるだけだ。

「ルイズ!!」

 だが、それをどうして使い魔が見逃せよう。
 その手に破壊の杖を持ち、左手の紋章を光り輝かせながら使い魔は叫んだ。
 わいバーンをも打ち倒したといわれる破壊の杖。その威力を以ってすれば、たかだか土
のゴーレムなどおそるるに足りない。
 フーケには使い方はわからなかったが、そしてルイズも、使い魔自身も知らなかったが、
その程度、左手のルーンが教えてくれる。
 ロックオンは済んでいる。あとは引き金を絞るだけ。
 だというのに、だというのにその使い魔は――

「これを使え!!」

 手に持つロケットランチャーを、あろうことか使い方もわからぬルイズへと放り投げた。

G ゴーレム
N 抜いて
B バックパス

 唸りを上げてヘキサゴンスペルの竜巻がルイズと使い魔に襲い掛かる。巻き込まれた小
石が一瞬で粉々になるほどの威力。スクウェアですら遠く及ばない王家の秘法を前に何が
出来るというのだろう。
 あるいは虚無ならば。だが、虚無の魔法は恐ろしく詠唱が長い。ルイズは光り輝く始祖の
祈祷書を必死に読み進めてはいるが、呪文を覚え、さらに詠唱する時間は確実にない。
 まして、今着当初が教えようとしている魔法が何なのかすらわからないのでは、助かる
確証などどこにもない。
 だから、使い魔が己と主のためにこれから秘儀を披露するのは当然でもあった。
 暴風に巻き込まれ、人の頭ほどの土の塊が使い魔へと飛んでいく。地盤がちょうど弱ま
っていたであろう地面から引き抜かれた土の塊は一直線に使い魔の足元へ。
 それを前に、使い魔は避けるのではなく、むしろ迎え撃つように足を振り上げた。
 タイミングを合わせ、振りぬいた右足が見事に土の塊の下部を打ち抜き、見事にそれを
上空へと弾き飛ばす。その高さといえば、宇宙開発をはるかに凌駕する。
 それだけに飽き足らず振りぬいた勢いを利用し、使い魔はその場で一回転。
 どれほどの力がそのシュートに込められていたのだろう。
 気付けば、その場には目の前の竜巻に勝るとも劣らない
「 サ イ ク ロ ン 」が生み出されていた。

 使い魔がどのように召喚されるのか。
 メイジの力量を見るにはその使い魔を見よ、という言葉通り、使い魔の重要性は広く知
られているが、それに反しわかっていることは意外なほど少ない。
 ゲートが開くということは確実なのだが、どのようにその対象を選ぶのか、その使い魔
に対し、どの程度の最良が与えられているのかなどは、多少は共通点するが千差万別だ。
 魔法はゼロと呼ばれるほどだが、座学が優れているルイズはそのことを知っている。
 だから、使い魔がどうやって自分の元へやってきたのか。同じ人間ならそのシステムが
理解できるのではないかと、わずかな期待を寄せて問いかけてみた。

「ねえ、あなたはどうやって私のところに召喚されてきたの?」

 無論、使い魔の彼の答えなど決まっている。

「急に鏡が来たので」

680 :QBK:2008/04/01(火) 05:05:08 ID:xTtPFwDP
Q 急に
B ボールが
K 来たので

エイプリルフールネタです。
本来は嘘同盟のキーストやエドガーとか考えましたが、どうにもあの秋田ならではの真似を出来ずネタに走って逃げました
誰しもそうだけど、俺たちは嘘をつかなければならない
いや嘘だが

681 :ゼロの独立愚連隊:2008/04/01(火) 05:57:58 ID:Y7PA0UeI
おはようございます。
平日の朝ですが5分から投下したいと思います。

682 :ゼロの独立愚連隊8-1:2008/04/01(火) 06:06:19 ID:Y7PA0UeI
では投下します。

 コルベールとの食事が突然の―――男性にとっての―――惨劇によって中断してしまった後、サモンジは
予定通り学院のあちこちを回りっていたのだが………
「やれやれ、やっぱり困ったことになってるなぁ」
 そうぼきながら日の落ちかけた中庭へとぼとぼと歩いて行く。とりあえず食事や休憩時間に生徒達の間を
うろうろして噂話に耳を傾けていたのだが………ルイズの名前が会話に全く上がらなかったのだ。

 大半の生徒達はルイズに家柄―――実家の、そしていずれ手にする権力―――という点では大きく劣って
いる。しかしルイズは全く魔法が使えない『ゼロ』だった、それが家柄への嫉妬や劣等感を解消して余りあ
る物となっていた………それが、今までのルイズの周りの環境。
 しかし、それが破壊の杖奪還とフーケ討伐によってルイズがメイジとしての実績を上げ、さらに教室での
暴行の際に起こした巨大な爆発によってたとえ一般の系統魔法が使えなくとも、ヴァリエール家の力とあの爆発が
あれば軍人として出世する可能性は十分にある。
 そうなれば、今までルイズをゼロとあざ笑ってきた自分達が一体どんな目に遭うのか………
 しかし、彼女が相変わらず系統魔法どころかコモンマジックすら使えないのは変わらない。
 学院の生徒も、教師達ですらルイズにどの様に向き合えばいいのか分からなくなってしまった。
 入学直後の、魔法が使えない公爵家の娘とどう付き合えばいいのか分からなかったあの時と似た状況。違
うのは、入学直後は「本当に無能なのではないのか」、そして今回は「本当は有能なのではないか」という
悩みであるということ。
 そして、やはりルイズが無能のままだった場合は彼女に媚を売った者は後々まで馬鹿にされるだろうとい
うことと、ルイズが有能だった場合は、将来ルイズを嘲笑った彼らは公爵家の権力によって閑職に追いやら
れる恐れがあるという十分在り得る末路が彼らを悩ませていた。
 選択肢を間違えば貴族としての将来に大きな傷を負うことになる。しかし現状ではどちらの選択肢を選ぶ
べきか、それを判断するための材料があまりにも少ない。

 結果、生徒や教師達が選んだのは………沈黙と無視だった。


 日が沈みかけ、空が赤い色を帯び始めてくる中をサモンジは疲れた顔でぶらぶらと歩いていた。
 昨日のルイズに対する他の生徒達の嘘吐き扱い、そしてルイズの教室ごと爆発魔法で吹き飛ばすという
暴行………それが生み出したルイズと周囲との溝は、以前の「無能メイジ」と呼ばれ馬鹿にされていた時
よりも深いものとなっていた。
 自分がメイジとして認められることを―――夢見ていた、と言っていいほど望んでいたルイズにとって
今の状況は以前と同じどころか、その夢を踏みにじられたと言って良いだろう。
 昨日はギトーと生徒達の振る舞いへの怒りを吐き出すことが出来たが、これからは毎日あの空気に耐え
なければならない。
「………まあ放っておけないよね。私としても気分悪いし………」
 大きくため息を吐き出す。せめて彼女を理解する友人でも居てくれれば、そう思う。
 やはりサモンジという近しい人間が居たとしても、サモンジは大人なのだ。ルイズと子供としての気持
ちを交わせるような歳の近い友人が子供の生活には、子供の成長には必要なのだと実感する。
 最初に思いついたのはキュルケだ。一見仲が悪いように見えるが、あのぶつかり方が二人のコミュニケ
ーションのように思える。とはいえ、喧嘩するほど仲が良いとは言っても本当に喧嘩ばっかりでは意味が
ない。せめて競い合うような、できれば手を取り合って歩めるような子がよい。
 他に近しい人間としてはメイドのシエスタが思い浮かぶが、彼女は平民だ。サモンジもこの星の人間の
価値観はある程度理解している。貴族と平民で友情を結び理解しあうというのは果てしない道のりだろう。
しかも、フーケ討伐の件でルイズは学院の平民達からは少々評判が悪いようだ。昼に賄いを食べに食堂に
寄った際にマルトーらの噂話を聞く限りは、フーケは平民にとっては義賊というかロビンフットのように
見られていたようだ。当然、それを捕らえたルイズ達への少なからぬ悪態も聞こえた。
 となると………誰も居ない。ルイズの交友関係は公爵家という家柄からは信じられないほど狭いのだ。



683 :ゼロの独立愚連隊8-2:2008/04/01(火) 06:07:25 ID:Y7PA0UeI
 朝からずっと部屋に戻っていないが、食事を届けるように頼んだメイドが足を運んでいるだろうし問題
は無いだろう………そう思い、人気の無いところで少し休んでから戻ろうと中庭に出ると先客がいた。
「おっとギーシュ君か、お疲れさん………ところで何やってんのさ?」
 中庭の片隅、そこには大きな穴があった。
 深さは人間の腰程度まで。そこにギーシュが大きなモグラ―――ギーシュの使い魔のヴェルダンテ――
の毛皮に埋もれていた。
「サモンジ君か?………僕は土のメイジだからね………土に埋まっていると落ち着くんだ、はははは」
「いや嘘でしょそれ」
 サモンジの突っ込みにギーシュはアハハ、と乾いた笑いを返しながら顔を上げる。
「ハ、ハ、ハ…………ヴァリエールの気持ちが良く解ったというか………聞いてくれるかいサモンジ君?」
「ああ、いいけど………」

 朝。鏡の前で身だしなみを整えたギーシュは、時計を確認して硬い表情で部屋のドアを開けた。
 昨日、ギーシュがフーケのゴーレムを倒したという学院の発表を信じようとしなかったばかりか、
ギーシュの事を嘘吐きだとあざ笑った彼の友人達。
 そして彼らには反論できても上級生から馬鹿にされた時は怯えて何も言えなかった自分。
 思い出すのは「ゼロ」と笑われても卑屈にならず高慢な態度を取り続けたルイズの姿。いや、あれは
高慢と呼ぶべきではなかったのだろう、と今のギーシュは思った。立場や力の差に尻込みして意思を
曲げたギーシュには、過去のルイズが「ゼロ」という嘲りに怒鳴り返す姿がもう滑稽とは思えない。
 昨日からは自分も彼女のように周りの生徒達から馬鹿にされ、あざ笑われる立場になってしまった。
それでも自分の意志は曲げられない、もう誇りは捨てられない。昨日、上級生を前にして誇りを捨てた
あの時の感情は一生忘れられないだろう。
 今日から僕は本当の貴族になるんだ、そう決意を込めて廊下へ足を踏み出した。

「(大丈夫だ。このくらいどうって事はない………こんな貴族に相応しくない真似に付き合えない)」
 食事を終えたギーシュが席を立つ。それに合わせるように、隣の席に座っていたマリコヌルがゲフウ
と音を立ててアルコール臭のするゲップをしてにやりと笑い、それを見た周囲の生徒がクスクスと笑い
を漏らす。
 食堂に向かうまでの陰口はまだ平気だった。しかし、家の格がルイズと比べて劣るギーシュにはやや
直接的な嫌がらせをしてその様を見て笑おうとする者もいた。しかもその一人は一昨日までは友人だと
思っていたマリコヌルだった。先にテーブルに着いてフォークを隠す、ギーシュが目を離した隙に彼の
グラスのワインを飲み干すなど、そういった行動をして周囲の笑いを誘っている。
 裏切られた、というよりは悲しみがギーシュの中では勝っていた。友人だと思っていた人間がこんな
下品な神経をしていたということ、そして、自分も以前は同じようなことをルイズにして笑っていたと
いうことが悲しかった。
 こうして周囲の嘲笑を浴びる立場になってようやくギーシュはどれだけ酷い仕打ちをルイズにしてい
たのか理解した。今日会ったら改めて謝ろう、ルイズが謹慎処分を受けていることを知らないギーシュ
はそう考えながら食堂を出ようとして…………思わず声が出た。
「………モンモランシー………」
 食堂の出口、そこにモンモランシーがいた。ギーシュも知っている同じ学年の女子生徒、そして
彼も知らない、上級生らしい長身の男子生徒。



684 :ゼロの独立愚連隊8-3:2008/04/01(火) 06:09:11 ID:Y7PA0UeI
「っ、あ…あら何か用かしらギーシュ?」
 モンモランシーは一瞬気まずそうな顔をして顔を伏せるが、すぐに表情を戻して顔を上げる。それに
ギーシュが何か言う前に、一緒にいる女子生徒が侮蔑も顕わに割り込んでくる。
「あら架空冒険譚で噂のミスタ・グラモンではありませんか。今は冒険譚の気分じゃありませんの」
「ふふっ、私たち虚無の曜日の予定の相談で忙しいんですの。どこかに行って下さらない?」
 そう言って口元を隠しながらクスクスと笑う。さらにギーシュから庇うように上級生がモンモランシー
達とギーシュの間に割って入るようにギーシュの前に立ち見下ろし、馬鹿にしたように言う。
「なんだい、君がミス・モンモランシに言い寄っていたっていう噂の嘘吐きギーシュか。私は今度彼女
達と休日を楽しみたいと思っているだけさ。邪魔しないでくれるかな」
 その言葉に後ろの女子生徒達は再び笑い声を漏らす。モンモランシーの顔は見えない………軽く口元を
隠しながら俯く彼女の表情が解らない。
 ギーシュは短く息を吸うと表情を引き締め視線をモンモランシーから目の前の上級生に戻す。今度は
退かない、その意思を視線に込めてまっすぐに見つめ返す。
「その言葉取り消して頂きたい。ギーシュ・ド・グラモン。そのような蔑称を受ける覚えはありません」
 しかし、その上級生は一瞬意表を突かれたような顔をしただけですぐに馬鹿にしたような表情に戻る。
「あれ?なんだい君………女の子の前では見栄を張りたいのかい?はは、余計に格好悪いよ」
 そう言ってポーズを決めるように―――というか実際そうなのだろうが―――髪をかき上げる。その
仕種に女子生徒達は悲鳴のような歓声を上げる。
「あっはは、言い過ぎですよ先輩。彼、錬金しか取り得の無いドットですから。先輩とは格が違うって
分かってても見栄を捨てられないんですよぉ」
 そして、笑いながらのその言葉に、思い出したようにもう一人が致命的に余計なことを口走った。
「あらそういえばモンモランシー、あなたの首飾り………前にグラモンが作ったって言ってなかった?」
 その言葉に今まで彼女らのさらに後ろで俯いていたモンモランシーに視線が集まる。女子生徒と前に
立つ上級生、そしてギーシュと目が合う。モンモランシーはすぐに視線を外して泳がせるように廊下の
先を見ながら「そういえばそうだったわね」と小さく漏らす。
 しかし、その言葉に今まで余裕の態度を取っていた上級生が気に食わないといった表情に変わる。
ふーん、と彼が不機嫌そうに漏らす声にモンモランシーと女子生徒が思わず振り返る。上級生は彼女達
が自分の態度におろおろしているのを見て少し気が晴れたが、相変わらずこちらをまっすぐに見つめ返
してくる、いや睨み返してくるギーシュは別だった。
 彼は最初からギーシュのことは眼中に無かった。所詮下級生のドットメイジ、しかも元帥家とはいえ
落ち目の家柄。聞く限りでは単なる女たらしの放蕩貴族、そう思っていた。現に先程まで彼が声をかけ
ていた女の子との会話に割り込まれても笑顔であしらっていたくらいだ。しかし、今このドットメイジ
風情は彼の嘲笑に家名を上げて訂正を求めてきた………気に入らない。
 しかし上級生の自分が彼を直接ヘコませるというのも面白くない、そう考えた彼は笑みを浮かべなが
ら振り返る。そして膝を曲げモンモランシーと視線を合わせて彼女の首飾りを指差しながら言う。
「やれやれ、僕と休日の予定を話す時に他の男からの贈り物を見につけていたのかい?酷いなあ」
「あ、いや………その、すみません………私そんなつもりじゃなくて彼女達に付き
 友達に付き合って、そう言いかけたモンモランシーに彼は首飾りを指差したまま言った。

「それ、捨ててよ」



685 :ゼロの独立愚連隊8-4:2008/04/01(火) 06:10:32 ID:Y7PA0UeI
 その言葉にモンモランシーの表情が凍りついた。彼女を見つめる上級生の目………口元が笑みの形に
歪んでいるだけの表情。その表情が意味するところは言うまでも無い、この場で、食堂という周囲の目
がある場所でギーシュと決別しろということ。
 あう、と声にならない声を漏らしながら視線を泳がせたモンモランシーの目に入ってきたのは、真剣
な目で上級生を睨みつけるギーシュ、そして好奇心一杯の生徒達の視線だった。
 食堂の入り口でこんなことをしていれば目を引かないはずが無い。モンモランシーは泣きそうになり
ながらも必死でどうすればいいのか考えていた。そもそも、モンモランシーにはこの上級生と一緒に
虚無の曜日を過ごすつもりなどなかったのだ。友人と話しているところに上級生が話しかけて来て、
いつの間にか自分と友人が一緒に遊びに行くという話しになってしまっていただけでしかない。しかし、
ここで首飾りを捨てられないと言ってしまえば、彼女は下級生の目がある場所でこの上級生に恥をかか
せることになってしまうだけでなく「嘘吐きギーシュ」と笑われるギーシュの仲間と思われてしまう。
 正直、モンモランシーもギーシュがフーケのゴーレムを倒すという手柄を立てたなどとは思っても
いない。しかしギーシュが自分のことを誇張して話すのは今に始まったことではないし、それはそれで
楽しんでいた、とモンモランシーは思っている。それが今回のように嘘吐きギーシュと過剰に馬鹿にす
るようになったのは「ゼロのルイズ」の手柄を学院が認めたのが気に入らない、ということが飛び火
しただけだとモンモランシーは判断していた。
 そうなのだ、モンモランシーにギーシュを嫌う理由は無い。いや、この首飾りを捨てろと言われた今
こんなにもショックを受けていることを考えれば…………
 しかしここで首飾りを捨てないということは………でも捨てるなんて、私はギーシュを………
 そんな思考のループにはまり込んだモンモランシーに、唐突に名案が思い浮かんだ。いや、普段なら
こんな選択肢は論外だろう。しかし、上級生の面子と友人との付き合い、周囲の生徒の視線とギーシュ
への感情、それら全てをクリアする選択肢としてその案に飛びついてしまった。

 するり、とモンモランシーは上級生の横をすり抜けてギーシュの方へ向かう。一瞬あっけに取られた
上級生は怒りも顕わにモンモランシーとギーシュを睨みつける。戸惑う女子生徒と面白そうに見つめる
生徒達の視線の中で、モンモランシーはギーシュの目の前に立った。
「ああ愛しいモンモランシー………僕は、君を」
 モンモランシーが自分の方に来たことに微笑を浮かべて手を広げるギーシュ。しかし、その言葉には
応えずモンモランシーは無言で両手を首飾りにかける。

 そしてギーシュの、周囲の目の前で首飾りを外した。
「これ、お返ししますわ。ミスタ・グラモン」

 どっ、と周囲が沸いた。広げた両手をそのままに何を言われたのか理解できず呆然とするギーシュの
手が取られ、モンモランシーの手で首飾りを握らされる。


686 :ゼロの独立愚連隊8-5:2008/04/01(火) 06:13:11 ID:Y7PA0UeI
「モ、モンモランシー………?」
 呆然と、しかしまだ理解していないという顔で名前を呟くギーシュに目を合わせることなく、顔を
伏せたまま食堂から走り去るモンモランシー。そして口元を隠すことさえせずに大声で笑い声を上げ
る先程の上級生と女子生徒。
 捨てることは絶対に出来ない、しかしこの状況で手放さない訳にはいかない。その背反する選択に
モンモランシーは首飾りを返すという選択をしたのだ。いつかギーシュと誤解を解き、改めて首飾り
を贈ってもらえる、そんな希望を持って。しかし、周囲の生徒とギーシュにそんなモンモランシーの
苦悩と行動の真意は分からない。今目の前で起こったことは、贈り物を相手から突き返されたという
屈辱的な行動をギーシュが受けたということ。それだけだ。

「      」「       」「  」「       」「      」
 ぐらぐらする。周囲の騒がしさが遠い。何かとても屈辱的なことを言われているような気がする。
 ぐらぐらする。
 ぐらぐらする。
 ぐるりぐるりと思考が空転する。
 ぐるりぐるりと思考が空転する。
 何か、何かがギーシュの中から欠けた。ギーシュの中の大部分を占めていた何かが無くなった。
 彼にとって毎日の生活の軸だった物が無くなった。
 ぐるりぐるりと思考が空転する。
 ぐるりぐるりと思考が空転する。



「はは………そうさ………僕は、振られたんだ」
 昨日、そして今日の朝の決意と覚悟は………もうかけらも残っていない。
 最後にそう呟いてギーシュは抱きついているモグラに頬擦りを始める。ああ僕の可愛いヴェルダンデ、
そんなことをいいながらぐりぐりと穴の中でモグラにじゃれ付いている………何かもう痛々しい。
 その様子を呆れたように見守りながら、サモンジは頭の隅でふと思いついたことがあった。友人たち
に裏切られ、恋人も離れた上に他の男がアプローチをかけていた。今なら、ギーシュもルイズと同様に
ひとりぼっち………他に相手もいないのだから、ルイズと仲良くしてくれるかもしれない。
 そこまで考えたところで頭を振ってそれ以上の思考を止める。さすがに今まさに意中の子から振られ
たばかりのギーシュに、別な女の子と友達になってくれと頼むというのはデリカシーが無いにも程があ
るというものだ。サモンジは軽く息を吐くとベンチから腰を上げる。
「そうかい………そっちも大変そうだね、私は君に用事があったんだけど明日にしようかな」
 穴の中のギーシュを見るが、モグラ―――ヴェルダンデといったか―――に抱きついたままで顔だけ
をサモンジの方に向けている。その様子にサモンジは軽く肩をすくめる。
「いや、明日でいいよ。ちょっと君にしか頼めそうに無いことだったんだけど、まあよろしく頼むよ」


687 :ゼロの独立愚連隊8-6:2008/04/01(火) 06:14:21 ID:Y7PA0UeI
 そう言って女子寮に向かいながら背中越しに手を振る。ギーシュを必要としている、ということを
さりげなく言葉にしたおかげで多少の興味は引けたようだ。後は多少気持ちが落ち着いたところで、
サモンジからの頼みごとついでにルイズと引き合わせよう………ほんのりと熱を持つ左手のルーンを
何とはなしに撫でながらこれからのことを考えていた。
「さて………今日のこと、ルイズちゃんには何て言おうかな………」
 周囲の生徒達の態度の変化、ルイズと共にフーケのゴーレムを倒したギーシュへの周囲のいじめ、
そしてコルベールが口走った虚無の系統という言葉。何よりも、教室でルイズが自分の意思で生徒と
教師を爆発魔法で攻撃した昨日の夜………ルイズに芽生えた「私は私のことをを哂う他の生徒より強い」
という暗い自信。
 別にサモンジはルイズが軍人を目指そうとするなら反対するつもりは無い。この星の貴族社会では
メイジは領民を守るという側面を持っているし、サモンジの部下には女性兵士が二人いた上に、その
一人のレベッカは17歳だ。ガーディアンエンジェル小隊にいたっては全員16歳、ルイズと同い年
というトンデモ部隊―――戦争が現在進行する中心領域で傭兵をしていたサモンジに反対する理由は
特に無いのだ。心配しているのは、その魔法という暴力を軍人として管理するのではなく自分の感情
のままに行使する、ただの理不尽な貴族になるのではないかということだ。
 ルイズが周囲に抱いていたコンプレックスの深さはサモンジも知っている。そして、心を許せる
友人がいないルイズがその感情を処理しきれなくなるのではないかということをサモンジは心配して
いた。
 自分とルイズを繋いでいるという魔法………左手のルーンを見た後で、女子寮の窓―――ルイズの
部屋のあたりを見上げる。
 せめて、あの孤独な少女を大人としてできるだけ助けてやりたい。そう思ったあとで、我ながら
お節介な事してるよなぁと胸の内で突っ込みを入れていた。


688 :ゼロの独立愚連隊:2008/04/01(火) 06:16:44 ID:Y7PA0UeI
以上で投下終了です。
進みが遅いのでプロットから余計な話は抜いているつもりですが、なかなかアルビオンまで
行けませんでした。
では。

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 07:24:36 ID:Kzugeo17
乙。
立ち上がれギーシュ!

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 08:52:57 ID:Rb968qvz
投下乙です。
トリステイン貴族の、と言うより、人間の汚い部分が見事なまでに出てますなぁ。
モンモンとはもう駄目だな、ギーシュ。
頑張れギーシュ、きみにはヴェルダンデがいる。


691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 08:54:18 ID:Rb968qvz
あ、もう480kbなんで、新スレ立てますね?

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 08:55:53 ID:Rb968qvz
と言うわけで立ちましたよ。

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part126
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1207007723/l50


693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 09:17:39 ID:tx6m2iV+
>>692


694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 09:42:55 ID:vMx7ADlV
ちょっとまて、690台で480kbって、どんだけ早いんだよこのスレ!

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 09:48:46 ID:ISCBa4tt
>>530
それなら金もやわらかい。
銀は金についで腐食しにくい。

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 10:08:31 ID:Rb968qvz
「銀が腐食しやすい」というのは、単に酸化しやすくてすぐ変色するために発生した誤解なんですよね、たしか。
ちなみに王侯貴族が銀製の食器を使うのは、その変色しやすい性質を利用して、毒を盛られていないか確認するため、だったっけ?

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 10:42:12 ID:RIiQIYFK
そだよん。昔流行した砒素による毒殺予防ね。

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 10:59:52 ID:xhjulNYf
>>690
ルイズがいるじゃないか
傷を〜舐め合う〜道化芝居〜♪

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 11:36:37 ID:M/Mh4nw9
>>697
ペロッ!
これは砒素!!

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 11:40:46 ID:Rb968qvz
>>698

コスモス空〜を〜駆け抜けて〜

って、それじゃあ宇宙が滅ぶじゃないか!w

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 11:56:36 ID:xhjulNYf
>>700
もしもイデオンとソロシップが召喚されたら

@大量の隕石が降ってこなくなるし厄介者がいなくなるので、地球とバッフクラン大喜び
A流石に異世界までは追っ手が来ないのでソロシップクルー大喜び
B異世界の技術が手に入るのでコッパゲ大喜び
C勿論ルイズも大喜び
Dいきなり異世界に放逐されたイデがふてくされて不貞寝
 (流石にイデでも異世界からの帰還は無理だろうし
  それ考えると召喚魔法スゲェ)

いいことずくめじゃないかw
イデの力無しで、ミサイルランチャーにグレンキャノン抜きでも十分強いぞイデオン

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 12:09:23 ID:q7BGTyVZ
イデオン召喚

イデに翻弄され、試される人々

イデ「ダメだこりゃ、次行ってみよう」

ハルケギニア終了のお知らせ

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 12:11:07 ID:bvsiW/N7
イデに関わるな。あれはキャラクターでもスーパーロボットのエネルギー源でもない。
ハゲの怨念そのものだ。
ネットゲームのサーバーそのものだ。
 
イデが出た時点で全て破滅以外ないわ。

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 12:26:32 ID:aqFPe/5V
下半身が吹き飛ぶマリコルヌとか見たくねーな

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 12:29:36 ID:xhjulNYf
真面目な話、一つの星での大量破壊兵器を使わんような戦争だと
イデが発動する余地ないような気がしたんでネタ振ってみた
それにソロシップクルーなら、「追っ手が来ないなら今の内にぶっ壊すなり埋めるなりしちまおう」
と考えるかもしれん(TV本編の終盤で内部に爆弾を仕掛けてる)
その場合はアフロヘアーの少年が使い魔として活躍して
元クルーだちは魔法学院で平和に生活するだけの作品になるのが問題だが
……小ネタならありかな?

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 12:45:25 ID:Kzugeo17
あのソロシップのクルーの中でおとなしく使い魔やってくれそうな人っているかね。

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 12:47:12 ID:dxIb6aW+
>>706
いねーよ。あいつ等は無理

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 12:48:24 ID:VDGAHC5n
アルビオン戦でもイデオン一人勝ち決定だからな。
でもイデ様がバリア張る気なけりゃイデオンもただのでかい箱だし
魔法の直撃でもBメカの人員を処理できるかも知れん。

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 12:53:23 ID:q7BGTyVZ
人間サイズのイデオンが召喚されれば万事解決

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 13:02:30 ID:/zxIhN/f
お前等、年いくつや

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 13:09:27 ID:q7BGTyVZ
>>710
イデオン知ってるからと言って直撃世代だとは限らんぜ
今はスパロボ効果でイデオンも随分有名になったからね。
ちなみに自分はF完結編の影響で発動編を見た口

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 13:09:34 ID:2+xitsFd
>>710
聞いちゃらめぇ

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 13:18:06 ID:1HZvV5kO
ハッハッハッ、黄金バットさえ召喚されるこのスレでは年齢など無意味ッ!

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 14:15:33 ID:Rb968qvz
>>710

はっはっは、還暦間近の漫画家が自分の作品のスレにカキコをする2chで
年齢を問うなど全くの無意味だッ!

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 14:47:25 ID:M/Mh4nw9
>>714
あの人もいい加減2ゲットするのやめて本業に専念してもらいたいものだ

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 14:49:37 ID:1HZvV5kO
>>714-715
誰?

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 14:50:56 ID:q7BGTyVZ
>>715
2ゲット狙う年配の人なんているのかw2ちゃんは広いなぁ・・・

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 15:05:22 ID:DmQ0TPP5
>>714-715
そんなやついるのかよw

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 15:10:35 ID:ScR6jThS
それも私だ

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 15:30:11 ID:EHz6GmZp
唐突にギーシュと電王のジークがDouble-Action Wing form熱唱してる様が脳内に浮かんだ

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 15:30:39 ID:/zxIhN/f
どんなヒマな漫画家なんだろうw


722 :ゼロな提督12:2008/04/01(火) 15:31:53 ID:/zxIhN/f
2ゲットが趣味な漫画家はおいといて、投下し

723 :ゼロな提督12:2008/04/01(火) 15:32:38 ID:/zxIhN/f
と思ったけど、次スレが立ってましたか。

126の方に投下しときます

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 16:04:18 ID:Rb968qvz
>>701
ヒマでは無いと思いますよ、ちゃんと連載持ってる人だし。

725 :ゼロな提督12:2008/04/01(火) 16:04:24 ID:/zxIhN/f
第十二話、投下終了です。
失礼しました

726 :724:2008/04/01(火) 16:04:58 ID:Rb968qvz
アンカーミス。
>>701じゃなくて>>721

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 16:36:01 ID:xhjulNYf
埋めネタ

「あんた契約は初めて? 力抜きなさいよ。」
「アッー!」
「汚いルーンだなぁ。」
「四つん這いになれば、契約を解除していただけるんで「無理よ。」」

TDN召喚

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 16:44:58 ID:q7BGTyVZ
>>727
ワロタwww
野球人ネタか…ならば巨人軍から長嶋4番で
タイトルはズバリ、j「使い魔は永久に不滅です」

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 16:49:10 ID:Rhgn151y
どす恋ジゴロ召喚されないかな

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 16:53:27 ID:xhjulNYf
>>729
そんな貴方に
>>ttp://hrk.jugem.cc/?month=200409
ゼロ魔とは関係ないけど読んだら噴くよw
そう! コーラを飲んだらゲップが出るくらい確実に!!

731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 17:17:43 ID:f283/mxB
埋め

「…ダイ……!!…おれが死ぬところを見ても
まだとぼけたツラしてやがったら……うらむぜ…」
「あ…うわぁぁっ…!!」
「……あばよ…ダイ…おまえといろいろあったけど
 …楽しかったぜ…でも…」

   おれの冒険は… ここまでだぜ…!!



「宇宙の果てのどこかにいる私の僕よ! 神聖で美しく、そして強力な使い魔よ!
 私は心より求め、訴えるわ!我が導きに答えなさい!」

「メガンテ!!!」

    ご愛読ありがとうございました!

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 17:35:40 ID:q7BGTyVZ
ルイズがこのスレに召喚されますた

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 17:44:55 ID:jdd8yVSm
それって、ダイやクロコダイルから見たら
「ポップがなんか死亡フラグっぽい回想語ったと思ったらルーラかなんかで逃げた」
ように見えるじゃん。ポップ最低すぎw

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 17:55:49 ID:EHz6GmZp
そしてゼロ世界でも召喚された瞬間に無関係なルイズたちをズドーーーン
どっちも救われねぇww

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 18:11:14 ID:qk8ZodEW
メガンテで死んだ後に召喚され、死体も残らない状態になった、
と納得され、トリスティンでは蘇生のために水魔法使いまくった、
とかじゃあだめか?

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 18:17:21 ID:X8keAPeB
それじゃあ普通じゃないかw

737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 18:35:29 ID:EHz6GmZp
ゼロのルイズがクウガの第0号を…

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 18:36:52 ID:aJjE8zO4
>>731
なぜかタルキン導師も同じ現場に誤召喚されていてWメガンテで阿鼻叫喚の地獄絵図。
そこへ、さらにセル戦時の悟空が「わりぃ、界王さま。 ここしか……ん、ここどこだ?」でハルケギニア詰みw

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 18:48:13 ID:uHI9Rpru
>>738
あれ、俺がいるwww

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 19:28:46 ID:DmQ0TPP5
>>738
いっそのことそいつらをvs7万の時に戦場のド真ん中に呼び出せば……

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 19:32:04 ID:Sb0XXqAr
その頃トルネコは
不思議のダンジョンにて動かなくなった爆弾岩に
剣を振ろうとしていた―。

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 19:40:27 ID:A8jIVwXm
バラン戦のポップのメガンテ、セル戦の悟空の瞬間移動とジャンプ自爆系多いな

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 19:41:16 ID:8JYatbdj
>>741
そしてギルガメッシュはバッツたちに別れをつげ、あの青魔法を使おうとしていた――

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 19:51:55 ID:Sb0XXqAr
一方その頃シベリア沿岸では

ストライクに組み付いたイージスが最終手段を以て
ストライクを撃破しようとしていた―

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 19:57:35 ID:oFwFpvGv
自爆厨共自重しろwwwww



時を同じくして、ヒイロは眼前に掲げた自爆スイッチを押し込んだ――

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:01:26 ID:aJjE8zO4
ワルド「これが……虚無の力か…………」

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:02:09 ID:BNnx+P2H
時を同じくして、マーズが召喚され・・・
さらに最終決戦中のゼオライマーも召喚され

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:06:59 ID:AJssPQQD
お前らハルケギニアに恨みでもあるのかwww

749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:08:38 ID:uMArXBvG
時を同じくして元暗塔大(MORUMO 1/10)があらわれ、嬉々として他爆装置を使いまくっていた

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:20:24 ID:q7BGTyVZ
コーナーに登ったレスラーがリング中央に向かってダイブ!

751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:20:28 ID:XXUjsSR/
500kなら少女革命ウテナの天上ウテナを召喚。

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:22:06 ID:+TZ3zDrY
一方その頃とあるポケモンバトルでマタドガスが大爆発しようとしていた

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:24:57 ID:OcEH+rU0
いーかげん自爆ネタから離れろやあんたらw

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:25:09 ID:uHI9Rpru
──その時、イデが発動した

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:26:20 ID:BNnx+P2H
そのころ、ジャバウォックが反物質を生成しようとしていた。

756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:28:05 ID:aJjE8zO4
>>751
スレの流れ的に、500k爆弾抱えたウテナが特攻するのかと思ったw

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:30:43 ID:Kzugeo17
実は虚無でもなんでもなくて歪んだ召喚系の呪文しか使えないルイズ。
エクスプロージョンとは自爆寸前の人物を召喚する魔法でしかなかったのでした。

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:32:21 ID:NIJB2PIs
自爆といえばタチコマ

759 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:32:27 ID:UX4c8+ar
そのころ、仲間のパーツを集めきれなかったスィンドルは爆弾を爆発させられそうになっていた

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:36:03 ID:DmQ0TPP5
その頃ヤムチャに張り付いたサイバイマンは自爆しようとしていた

761 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:36:23 ID:BNnx+P2H
そのころプルトン爆弾とライダーマンが

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:39:26 ID:UX4c8+ar
そのころ、重傷を負ったトーマス・キニア大佐は復活した「アイスマン」に拾い上げられていた

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:41:42 ID:8JYatbdj
そして武蔵はゲッター1のゲッター炉を暴走させ、無敵戦艦ダイに特攻しようとしていた

764 :ルイズの恐竜惑星:2008/04/01(火) 20:41:57 ID:1SbEj3Im
ではそろそろ2話目投下したいと思います

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:42:54 ID:DmQ0TPP5
遥か彼方の宇宙では最強勇者ロボ軍団がソール11遊星主達に向かって自爆技を放とうとしていた

766 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:44:04 ID:alxbuxrs
そのころ、メカ沢に爆弾が仕掛けられていた

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:44:54 ID:yB5Xp5GO
"微熱"のキュルケがONE PIECEのポートガス・D・エース召喚

768 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:45:27 ID:alxbuxrs
>>494
容量ないよー

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:46:06 ID:alxbuxrs
なんというアンカミス
>>764

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:46:40 ID:04B18RE/
そのころ、ゴジラの炉心温度は1200℃に達しようとしていた。

771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:46:52 ID:q7BGTyVZ
>>757
おおっ、その発想は無かったw新解釈だなw

>>764
次スレで投下された方が良いですyo
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1207007723/

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:47:20 ID:UX4c8+ar
そして名も無き宇宙の片隅でゴースト一号はディセプティコンの首領にミサイルを放ち、
更に風来人シレンは自爆の巻物を読んでいた

773 :ルイズの恐竜惑星:2008/04/01(火) 20:47:46 ID:1SbEj3Im
>>768
では次スレへ行くとします

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:49:21 ID:DmQ0TPP5
さらにその頃、重陽子ミサイルが真ドラゴンに直撃しようとしていた

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:49:22 ID:BNnx+P2H
そのころブラッド・エヴァンスはドッペルゲンガーをとっ捕まえ
アムロはガンダムに取り付けられた爆弾の除去作業に勤しんでいた

776 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:52:57 ID:DmQ0TPP5
カービィに倒されたマルクは大彗星ノヴァに向かって飛んでいた

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:54:23 ID:UX4c8+ar
さらにそのころ「眠りネズミ」は自らの体を魔弾タスラムに

778 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:55:14 ID:04B18RE/
銀河連邦の勇者ムゲンのチカラが今まさに暴走しようとしていた。

779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:58:46 ID:OcEH+rU0
>>777
ブルー兄さーん!
…………サーヴァント・ARMSの人帰ってきてくれないかなあ…………。

780 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:59:02 ID:HL4i0ys5
そのころイギリスでは最後の大隊の襲撃を受けたペンウッド卿が
司令室の自爆スイッチを押そうとしていた

781 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:59:11 ID:M/Mh4nw9
時を同じくしてA-01部隊の榊と彩峰はS-11を使用しての回廊崩落を企図していた

782 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 20:59:48 ID:oSVXdw4R
500kなら仮面のメイドガイのメイドガイ・コガラシを召喚

783 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:09:42 ID:l38WfGpt
500kbならロリコンフェニックス召喚、だが守るべき対象が居ない

784 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:10:39 ID:q7BGTyVZ
ゼロの使い魔  おしまい

                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                   \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                      ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙      .'                            ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:               ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                             ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙i|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:12:00 ID:OcEH+rU0
>>783
タバサ&シルフィは?

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:13:04 ID:KOmNhfz4
500なら
永遠のアセリアよりエスペリア召喚

787 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:14:19 ID:l38WfGpt
容姿が子供っぽいだけじゃだめさ!!

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:14:27 ID:FU66tvb0
500kbならピオラ&フィオ召喚


789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:15:18 ID:04B18RE/
500kbならムリョウ召喚

790 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:15:24 ID:Tm3tbEBx
500なら丸くて白い!

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:16:59 ID:bvsiW/N7
500kbならプロット書いたのをまとめなおして避難所に投稿する。

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/04/01(火) 21:19:48 ID:uDde7xuN
みんな!靖国で逢おう!

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