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リリカルなのはクロスSSその53

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 16:16:21 ID:L5zgsJVG
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
ゲット・雑談は自重の方向で。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその52
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1205047976/

*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロス感想・雑談スレ28
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1205035655/l50

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/


2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 16:20:25 ID:pYKUc5nm
>>1

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 16:24:48 ID:ars+OOuA
1乙!

4 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/12(水) 16:57:08 ID:459jolHR
>>1乙!
この時間にスレを覗けたのは魔帝様の導きか?
ティアナとフェイトと幼女なのははいただいていく。
そしてね、ダンテを一人にまとめて三人の中に放り込んで恋愛シュミレーションゲーム「Devil May Love―悪魔も恋しちゃう―」を作って自分でやるとするか。
二週目は主人公をバージルに変更可能でヒロインがシグナムとはやてとヴィヴィオに変わって同時発売のガールズサイドではDMCのイケメンを千切っては投げ千切っては投(ry

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 17:03:15 ID:Cvl7+pK2
>>1乙!
なのはさんのクラスメートになって一緒に弁当食べてくる。
 
>>4
stylish氏のファンには悪いが……。
ティアナの挫折があるといわれて、少しほっとした俺がいる。

6 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 17:09:00 ID:8Iv5nia+
>>1乙!

>>4
OK、それがありならば自分は家族シミュレーションゲーム「やがみけ」を作るとしよう。
プレイヤーは銀さん、悟飯、シンヤ、その他諸々のキャラクターの中から1人を選んで、八神家の一員となって皆と交流するゲームだ。
条件を満たすとStS時間軸でもプレイできるようになり、更に隠しキャラのセフィロスが登場s(ry

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 17:11:21 ID:rg7/n35G
>>1



8 :仮面ライダーリリカル電王sts:2008/03/12(水) 17:19:55 ID:F80JDjXe
>>1乙!リンディさんにケーキ奢ってきます

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 17:36:11 ID:8DfO+59z
>>1乙!

さて自分は黒野くんの独白タイムでも書いてくるか。

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 17:38:03 ID:MudWwmT8
>>1


11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 17:52:43 ID:R/3LJMCe
>>1

ギンガさんとギアナ高地で修行してきます
伝説の超必殺技、トゥルーファイナル波動砲を会得する為に!

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:09:44 ID:a3aHwY2J
>>1
スバルとご飯食べに行ってくる。朝まで帰ってこないがな!!

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:16:37 ID:nG36GhRm
>>1乙ー
そして
>ゲット・雑談は自重の方向で。
頼むからこれを読んでくれ。前スレから折角テンプレに入ってたのに無視ですか。

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:19:12 ID:rg7/n35G
きっと自重してこれなんだろうよ

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:03:42 ID:Ft7j4qve
ゲットしなければいいんだろ?
俺はいつも通りウェンディをソフマップに売ってくるだけだし

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:05:22 ID:pYKUc5nm
……
早く職人が投下して空気が変わんないかな

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:06:57 ID:JsI7/87o
>>13
最初の>>40位までなら別にいいと思うが。
大げさに言えば様式美、形式美みたいなもので。
別にたかだか1〜2行だし。

18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:11:45 ID:7B2HzIYq
>>17
その>>40までやってたからテンプレに自重しろって書かれたんだよ

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:14:05 ID:998QyAxu
>>1
グラ乙アイゼン

ひでー時は50超えてもまだやってるしな
って、こういうレスも無駄だな、失礼。

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:14:23 ID:FxCr06s4
>>16
OK、14日に一本投下するから、それまで……

ゆっくりしていってね!(AA略

21 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:14:50 ID:8Iv5nia+
呼ばれて飛び出て俺参上。
空気を読まずに、リリカル殺生丸を投下してもよろしいですか?

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:15:52 ID:ZATaqvWW
ゲットと雑談だけで50も100も行けばさすがに問題だが
一切合切全て禁止みたいに余裕が無さすぎるのも問題だと思う

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:16:21 ID:a3aHwY2J
支援

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:17:16 ID:rg7/n35G
>>22
禁止じゃなくて自重な

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:17:51 ID:nG36GhRm
>>21
オーケー、支援します

26 :リリカル殺生丸 ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:18:23 ID:8Iv5nia+
嫌な風だ。

男の眉がひそめられる。

これはとびきり嫌な風だ。瘴気と汚臭の乗った忌々しい風だ。

鋭い金の瞳が、たちこめる暗雲を睨んでいた。
優雅にただよう銀の長髪は、とびきり上等な絹糸のよう。
気品を醸し出す純白の着物の中で、両の袖と左肩に咲いた真紅の花が、煌びやかな個性を放っていた。
一転、身に付けた胴鎧は闇にも溶け込む漆黒。右肩の毛皮は、さながら百獣の王のたてがみかと。
流麗たる美男子の耳は長い。長く鋭く尖っている。
額には三日月のごとき紋様が浮かび、頬には赤い線が走っている。
そう――まるで犬のひげのように。

否。
ようにではないのだ。

男の名は――殺生丸という。

現代から遡ること五百年余り、後に戦国の世と呼ばれる乱世に生きた、気高き妖怪の貴公子だ。
数多はびこる妖怪の中でも、一際秀でたる誇り高き大妖怪だ。
かつて大和の大地を闊歩した、偉大なる犬妖怪の血を引き継ぐ御曹司だ。

その殺生丸が、今は静かに怒っている。

天上に轟々と立ち込める、黒煙のごとき暗雲。その先に待ち構える、忌々しき宿敵に対して。
無数の憎悪と悪意から生まれ落ちた存在――奈落。
突然この地に姿を現し、我が物顔で暗躍し、殺生丸さえも騙しその身に取り込もうとした、浅ましき欲望の塊。
そして挙句の果てに、奈落は越えてはならぬ一線を越えた。
殺生丸の逆鱗に触れたのだ。何より触れてはならぬモノを奪い去ったのだ。

(……りん……)

声にならない呟きが胸に響く。
刹那、麗しの妖怪は大地から離れた。
緩慢とも言える動作で、その身が宙へと浮いていく。右肩の毛皮が渦を巻き、さながら霊山のまとう雲のように風にたなびく。
殺生丸が飛翔した。
あの忌まわしき雲の彼方へ。おぞましき悪意に満ちた妖怪の懐へ。
白銀に輝くその姿が、漆黒の雲の中へと飛び込んだ。
日輪の輝きも、この暗黒の中では僅かばかりの価値しかない。見渡す限りの一面が、得体の知れない闇の運河。
しかし、それは殺生丸の速度を殺ぐには至らない。
絶対悪への恐怖などおくびも感じず、彼はその速度を増していく。
もっと高く、もっと高く。雲の彼方から流れ出る、醜悪な妖気の源へ。
「うん……?」
瞬間、眼前に白光が走った気がした。

これは不幸な事故だ。
膨れ上がった奈落の妖気が偶然もたらした、小規模な次元震が発生しただけのことだ。
しかしこの小さな事故によって、最強の妖怪殺生丸は、遥か遠い魔法の地での、長き戦いに身を投じることになった。

27 :リリカル殺生丸 ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:19:38 ID:8Iv5nia+
魔法妖怪リリカル殺生丸

第一話「異界へ降りた者」


閉じられた金の瞳が、再び開かれる。
気が付けば、鋼の具足は地に付いていた。
そして彼の視界に広がるものは、おびたただしいまでの炎。薄暗い建物の中を、舐め回し、侵略し、焼き尽くす炎。
さながら焼け落ちる城の中のような光景だ。一瞬殺生丸は、人間の戦場にでも放り込まれたのかと思案する。
そして思い出した。
(……何故私は、いきなりこのような場所に出たのだ?)
自分は確か、上空に姿を現した奈落の元へ向かうために、雲の中へと飛び込んだはずだ。
にもかかわらず、何故そのような場所へと行き着くのか。あるべき空すら見えない、見覚えのない建物の中へと。
であれば、これはかの忌々しき奈落の得意とする、浅はかな幻術の類が見せるまやかしか。
そうも思考した殺生丸だったが、それはつぶさに否定された。
(覚えのない臭いだ)
犬妖怪の鋭敏な嗅覚は、即座にその場の異常を訴えかける。
この建物の床や壁は、見る限り石造りに近いものであろう。しかし、それを示す臭いはおくびも感じられなかった。
幻術はあくまで使用者のイメージしうる範囲の情報を刷り込むに過ぎないものだ。
たとえ奈落と言えども、このような異臭を放つ石を詳細に連想することはできるだろうか。
知らないものの外見を強引に頭の中で想像するのは可能といえど、臭いなどというものはそう易々と作り出すことはできまい。
石といえば、一体この足場はなんだ。石を削ったにしては、これは明らかに平らすぎる。
日本全国どこを回ろうと、ここまで綺麗に平坦な床にも、ましてや地面にもお目にかかることは叶うまい。
コンクリートと呼ばれる近代文明の産物は、戦国時代の殺生丸にとっては、まるきり未知の存在だった。
大体、この場所は自分のいた場所とは空気そのものが違う。
ほんのごく僅かに漂う臭いからは、草や川などの自然的要素がことごとく排除されていた。
それだけではない。先ほどから妙な力が、この一帯で現れたり消えたりしている。
妖怪の放つ妖気にも似ているが、これはまるきり別物だ。こんな肌触りの力など、過去に体験したことがない。
(異国の地にでも飛ばされたというのか……?)
本格的にそんな気がしてきた。
これほどまでに知らないもの尽くめの土地が、国内にあるはずがない。
蝦夷か琉球にでも流されたか、はたまたかつての父の宿敵・飛妖蛾が覇権を握った大陸か。
あるいはそれらとも異なる、全く未知の国にでも放り込まれたのかもしれない。否、そちらの方がまだ説明がつく。
「奈落め……」
鋭利な牙が、微かに歯軋りの音を立てた。
ここがどこかなどはさしたる問題ではない。重要なのは、見知らぬ場所へと飛ばされたということだ。
そして、それが奈落の仕業であるという可能性には、容易に至ることができる。
奴はりんをさらってこちらを誘い出しておきながら、そのままどことも知れぬ場所へと放り出したというのか。
騙しにしては、あまりにふざけたやり口だ。
幼い人間の娘の笑顔が脳裏にちらつき、静かな怒りが募っていく。それが誤った推測であることにも気付かず。
(……ここで手をこまねいていても仕方がない、か……)
そして、ふと冷静さを取り戻し、殺生丸は歩き出す。
いつまでもこの場に留まったところで、何かが変わるわけでもない。とにかく、まずはこの奇妙な建物から出ることだ。
微かに空気の流れる臭いを頼りに、ひとまずはこの暑苦しい場所から立ち去るため、殺生丸は歩を進めていった。

28 :リリカル殺生丸 ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:20:45 ID:8Iv5nia+
しばらく歩き続けた後、辿り着いたのは大きな吹き抜けだった。
直方体の空洞の周りを、今殺生丸が立っている通路が走っている。
それらは複数の階層に同じように広がっていて、さながら無限の螺旋回廊を彷彿とさせる様相をしていた。
下方から上方から、細かな爆発の音が断続的に聞こえてくるものの、どうやらここには炎そのものはないらしい。
しばし、殺生丸は直立し、その周囲を見回す。
この吹き抜けを上がっていけば、外へと出ることが叶うだろうか。
そして、外へ出たらまずは何をすべきか。考えるまでもない。この場が一体全体どこなのかを確かめる必要がある。
続いて重要なのは、自分が元いた国の位置を調べること。そうすれば、後の帰還手段はどうとでもなる。
とにかくも、彼にはあまり時間がなかった。
こうしている間にも、奈落が一体何をしているか、分かったものではない。
自分に不利益が及ぶ前に――そして誰かが先に倒す前に、あの男をこの世から消し去ってしまわねばならない。
そのためには、まず外に出ることだ。殺生丸の足が、ひどく平らな床から離れようとする。
「――スバルー……?」
そしてその声が、彼の飛行を妨げた。
続いて、右方からの爆発。
「きゃあっ!」
少女の悲鳴が響く。
そこでようやく殺生丸は、そちらへと視線を飛ばした。
見れば、自分と同じ階層の所に、1人の人間の少女がいる。
まだ10代に差し掛かってそこそこといったぐらいの、ひどく幼い少女の姿だ。
通路の手すりに掴まって、爆発から身を守るように這いつくばりながら進んでいる。
着ている服は、自分達の着物に比べて随分と肌に密着していた。随所の意匠も、見慣れたものとは程遠い。
強いて言うならば、あの頭に血の上りやすい不出来な弟が連れていた、巫女の少女が身に纏っている「洋服」というものが近いかもしれない。
そしてそれは、言うまでもなく異国の人間の装束だ。少なくとも、それをモチーフにしたものだ。
ここが自分の知らぬ土地であることを再確認し、殺生丸は少女の方へと歩み寄る。
何の気なしに、自然と足がそちらへと向いていた。
「スバル? スバル、返事してー!」
青いロングヘアーの少女は、誰かを捜し求めているようにも見えた。
この状況から察するに、炎の中で身内とはぐれでもしたのかもしれない。
「お姉ちゃんが……すぐに、助けに行くから……」
緑の瞳を苦悶の色に染めながらも、少女は必死に歩みを進めていく。
そして、遂に気付いた。
「あ……」
いつの間にか目の前に現れた、銀髪長身の男の存在に。
殺生丸はしばしその少女の姿を、一言の言葉も発することもなく、じっと見据える。あたかも彼女を見定めるかのように。
「……あの……貴方は……?」
耐えかねて、少女が問いかけた。
無理もないだろう。こんな火災現場にいきなり見知らぬ服装の男が、やけに落ち着いた様子で現れたのだから。
しかし、その質問に対する答えを聞くことは叶わなかった。
「えっ……?」
それよりも早く、足場が崩壊したのだから。

29 :リリカル殺生丸 ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:21:51 ID:8Iv5nia+
ぴしっ、という嫌な音と共に、コンクリートに亀裂が走る。
この火災の中で既に耐久限界を超えていたであろう足場は、ものの見事に崩れ去った。
「きゃああぁぁぁぁぁーっ!」
少女の悲痛な叫びが、巨大な吹き抜けに響き渡る。
「!」
殺生丸は反射的に、その右手を目の前に伸ばしていた。
瞬間の早業で、落下しかけた少女を引っつかみ、その小脇へと抱え込む。
右肩にかかった毛皮が傘の代わりをし、粉塵から少女の小柄な身体を保護した。
もちろん、それで全てが解決したわけではない。崩れた足場から、無数の瓦礫が殺生丸と少女目掛けて殺到する。
金の瞳が細められ、さながら猛獣のごとき眼光を光らせた。
左手が振りかぶられる。
緑色の妖気が、犬妖怪の鋭い爪の先端へと集束する。
刹那、光が一閃された。
妖気はしなやかな鞭の形を成して伸縮し、刃の鋭利さを成して瓦礫を両断していく。
1つ、1つ、そしてまた1つ。
殺生丸がその指先で巧みに操る光速の鞭を前に、その形を保てるものはない。
迫り来る全てのアスファルトの塊が、次から次へと寸断されていった。
少女は懐から見た。
神秘性さえ放つ緑の光の中で優雅に舞う、銀髪の麗しき貴公子の姿を。
一種幻想的な雰囲気を漂わせる殺生丸の姿に、彼女は一瞬心奪われる。
そして、すぐ下の階層に降りた足音を聞いて、少女はようやく我に返ったのだった。
「あ……ありがとうございます……」
謎の男が現れ、足場が崩れ、その男に助けられる。
あまりに唐突すぎる出来事の連続に、少女がようやく返すことができたのは、それぐらいの言葉だけだった。
「フン……」
一方の殺生丸は、さしたる返事をするわけでもなく、興味なさげに鼻を鳴らして答えた。
反射的に助けてしまったのだが、元々彼にはそんなつもりは毛頭ない。彼女の安否さえも、知ったことではなかった。
と、その時、唐突に頭上で更なる爆発音が鳴り響く。
「ああっ!」
見上げると、先ほどまでいた場所よりも更に一段上で爆発が起こり、床が巨大な岩塊となって落下してきていた。
そのサイズは、あの光の鞭で切り裂いた瓦礫の数々よりも大きい。自分に被害が及ばない程度に破砕するには少々骨が折れるだろう。
そして、わざわざそんな労力を費やすよりも、この場合は飛んで回避した方が早い。
殺生丸の足に力が込められる。
脇に抱えた少女が言葉にならない呻きを漏らしていた。正直五月蝿かったが、降ろしている余裕はないらしい。
よってそのまま、殺生丸は飛び退ろうとした。
「――プラズマスマッシャァァァーッ!!!」
その時だった。
彼方から差し込んだ金色の閃光が、瞬く間にコンクリートを飲み込んで粉砕したのは。
微かに雷にも近い感触を放つ光をかたどるのは、高位の妖怪の妖気にも匹敵する膨大なエネルギー。
この場に飛ばされてから度々微かに感じていた、正体不明の力。
「大丈夫ですか?」
殺生丸が瞳を向けた先には、放たれた光にも似た金色の髪を持った女性が、漆黒の杖を片手に浮遊していた。

30 :リリカル殺生丸 ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:22:57 ID:8Iv5nia+
空戦魔導師フェイト・T・ハラオウンがこの吹き抜けを訪れたのは、ちょうど少女が殺生丸に誰何の声をかけた瞬間だった。
元々この日は、執務官の激務の中での休暇を利用し、友人のところへプライベートで立ち寄っていたのだが、
近くの空港で大規模な火災が起こり、もう1人の友人共々救助活動に参加することになったのだ。
せっかくの休みが台無しになってしまったのだが、そんなことをぼやくつもりは毛頭ない。
空港の8番ゲートに要救助者の反応を確認し、全速力でそちらへと向かう。
しかし到着した時には、既に誰かの張った防御魔法のバリアーが人々を保護していた。
曰く、幼い魔導師の少女が助けてくれたらしい。
フェイトは彼女らを現場の外へと運び出した後、今なお妹を探しているというその少女を救助すべく、再び空港へと戻っていた。
そして、ちょうどそこで目にしたのだ。
恐らくその魔法をかけたであろう少女と、見知らぬ銀髪の男が、いくつか下の階層で向き合っていたのを。
(あの人は……?)
一瞬、フェイトの足が止まる。
傍目に見た男の風貌は、相当変わっているとしか言いようがなかった。
三日月を象った青い刺青はまだよしとしよう。しかし、その身に纏った服は一体何なのだ。
あんな服は、ミッドチルダではまずお目にかかれるような形のものじゃない。
思い出したのは、第97管理外世界・地球の日本にあった「着物」の存在だ。
だが、それがより一層彼の異様さを際立てる羽目になった。
そもそも着物とは、日本においても相当昔に用いられていた衣服である。そして、そんな服がミッドにあるはずがない。
(まさか、次元漂流者?)
そこで推測した。
あの男は、恐らくこことは違うどこか別の世界――それこそ、着物のような服装が一般化している世界から、
何らかの事故によってこのミッドへと流れ着いてきたのではないか、と。
言うまでもなく、それは事実である。
「きゃああぁぁぁぁぁーっ!」
「っ!」
しかし、結果その推測が彼女の反応を遅らせたのは、皮肉としか言えなかった。
少女の絶叫が聞こえた時には、既に2人の足場は崩壊し、無数の瓦礫が彼らを押し潰さんと落下してきていた。
(間に合うか?)
一瞬のうちに、フェイトは対応の手立てを考察する。
攻撃魔法で瓦礫を破壊するのが早いか、ソニックムーブで直接彼らを助け出すのが早いか。
「なっ……!」
しかし次の瞬間、それらの思考は杞憂に終わっていた。
男の指先から妖気の鞭がほとばしり、あっという間にアスファルトを粉砕し、あまつさえその態勢のまま下の足場へと着地したのだから。
(あの力は……)
だが、それはフェイトに新たな疑問を抱かせる。
今の攻撃に使われたエネルギーが魔力だったならば、次元漂流者は魔導師だった、で済むことだろう。
しかし、どうにも様子が違う。あの力からは、魔力がまるで感じられなかったのだ。
人間が内に持つリンカーコアから抽出される魔法の力とは、性質が微妙に違う。
言うなれば、どことなく人間の肌には合わないような、微かに本能的な反発を感じるような――
「!」
爆発音がその思考を遮る。
彼らに襲い掛かる、あらたなコンクリートの塊。
そして、今度はフェイトの反応は遅れなかった。

31 :リリカル殺生丸 ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:24:04 ID:8Iv5nia+
「バルディッシュ!」
『Load Cartridge.』
その手に掴んだ漆黒のデバイス――バルディッシュ・アサルトへと指示を飛ばす。
圧縮魔力を込めたカートリッジの空薬莢が飛び出し、瞬発的に魔力が増幅される。
フェイトの左手が突き出された。黄金の光を放つ魔力が集束され、その中を電流が駆け巡る。
狙いは1つ。外すわけにはいかない。
細められた真紅の瞳が、瞬時に照準を合わせた。
そして、叫ぶ。
「――プラズマスマッシャァァァーッ!!!」
瞬間、抑えられた魔力が一挙に解放された。
発光する魔力球は、必殺の破壊力を宿した光線へと変貌する。
魔力と雷撃が複雑に混ざり合った砲撃は、光の速さで瓦礫へと殺到し、その巨体を丸々飲み込み、粉砕した。
その後の対応も素早かった。
フェイトは即座に飛行魔法を行使し、彼らの元へと接近する。
先ほどのようなことがないとも限らない。故に、迅速な保護が必要だった。
「大丈夫ですか?」
それに、今この声に答えてその金の瞳を向けた男が、一体何者であるかも、確かめねばならなかった。

(人間が宙に浮く、だと……?)
殺生丸の瞳に、微かな疑念の色が宿る。
その対象は、当然目の前で浮いているバリアジャケット姿のフェイトだ。
先ほどの電撃はまだよしとしよう。聖職者の用いる法力の強力なものと考えれば、まだそれで話は通る。
しかしそれを考慮しても、人が空を飛ぶというのは聞いたことがなかった。
飛行能力を有するに至るのは、妖怪の特権とでも言うべきもののはずだ。そしてフェイトから感じられるのは紛れもなく人間の臭い。
「管理局です。その子を保護しに来ました」
そんな殺生丸の内心などお構いなしに、フェイトははきはきとした口調で言葉を紡いだ。
管理局、というのは何かの部隊の名前だろうか。いずれにせよ、どうやらようやくこの少女を手放せるらしい。
殺生丸は特に何も言わず、素直に少女の身柄を引き渡した。
「ごめんね、遅くなって……もう大丈夫だよ」
フェイトは先ほどまでの事務的な口調から一転、穏やかな声音で声をかける。
どこか母性的な響きを持った優しい声と共に、小さな少女の頭を撫でた。
殺生丸は、しばしそれを無言で見つめる。
その視線に気付いたのか、フェイトがそちらに向けて顔を上げ、問いかけた。
「ご協力、感謝します」
「礼などいらん」
少女を守ってくれたことに対するフェイトの礼を、殺生丸ははっきりと突っぱねる。
元々助ける気などなく、流れでああなっただけのことだ。感謝されるようなことなど微塵もしていない。
何より、本来殺生丸は、他の妖怪よりも一際人間が嫌いなのだ。必要以上に言葉を交わすことなど、したくもなかった。
「あ、えっと……次元漂流者の方ですよね? ひとまず色々とお話を聞きたいので、ご同行を……」
突然の反応に一瞬うろたえつつも、どうにか語調を正し、フェイトが言う。
その言葉に、殺生丸の眉が微かに動いた。
どうやらこの管理局とかいう部隊の人間、関わると色々と面倒なことになりそうだ。
冗談ではない。知りたいことこそ山ほどあれど、人間の世話になるなど、真っ平御免だ。
「……フン……」
再び、静かに鼻を鳴らす。
そしてそのまま殺生丸の身体はアスファルトを離れ、巨大な吹き抜けの上空へと飛んでいった。
「あっ……」
咄嗟の出来事に、フェイトは反射的に手を伸ばすのが精一杯だった。

この時、殺生丸が意図しないながらも助けてしまった少女は、名をギンガ・ナカジマという。
この少女とはやがて再び巡り会うことになるのだが、それはまだまだ先の話だ。

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:24:29 ID:8DfO+59z
支援

33 :リリカル殺生丸 ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:25:19 ID:8Iv5nia+
4年の歳月が過ぎた。
あの火災の場では草木の臭いの感じられなかったミッドだが、こうして自然が残っている場所はちゃんと存在したらしい。
小鳥がさえずり、木漏れ日が差し込む、広大な大森林の中。
あの時少女を助け出した妖怪の青年は、1人そこに佇んでいた。
この地に飛ばされてからかなりの時間が経ったが、未だに元いた場所へ帰る手がかりは見つかりそうにない。
当然と言えば当然の帰結だ。あれ以来、殺生丸はほとんど人間と接していなかったのだから。
本来なら、あそこで管理局なる連中と接触するべきだったのかもしれない。
しかし、脆弱なる人間達に頼るというのは癪に障る。殺生丸の強い誇りが、それを強く拒んでいた。
だからといって、解決の糸口が見つかるわけでもない。現にここに来てから4年もの月日が流れてしまった。
もどかしい。
こうしている間に、元いた場所では何が起こっているのかも分からない。
あの忌々しい奈落はどうなったのか。それに囚われたりんは一体どうなったのか。
日に日に苛立ちは増していく一方だった。
「――おろ? 旦那、ルールー、誰かいるよ〜」
と、不意に何者かの声が耳に飛び込んできた。
視線をそちらに向け、嗅覚を研ぎ澄ます。
いくつかの臭いがこちらに近づいてくるのが分かった。そのうち1つは、確かに人間のものだ。
しかし、同時に漂ってきた2つの臭いは、それと比べると異質なものだった。
まず、1つ目。人間のそれにかなり近いが、微かに腐臭のようなものを纏っている。
土くれの身体を持って転生した、桔梗とかいう名前の巫女――あれが1番近いかもしれない。
しかし、そんなものは可愛いものだ。もう1つは、これまでに全く経験したことのない臭いなのだから。
人間のものとも、ましてや妖怪のものとも大きく異なる、独特な臭い。
そしてこれらの思考を脳内で処理した一瞬の後に、それらは姿を現した。
「見慣れない服装だな」
男の低い声が響いてくる。
こげ茶の髪に、襤褸のような外套を身に纏った、中年の男性だ。死人の臭いの持ち主は彼である。
「次元漂流者かもしんねーな」
そして、先ほど聞こえてきた気の強そうな少女の声。
極めて露出度の高い服に、蝙蝠のような羽。そして目にも鮮やかな赤い髪を持つ小人。
どう見ても妖怪の類なのだが、この少女が正体不明の臭いを漂わせている張本人である。
「………」
そして、その中に1人、人間の少女の姿があった。
あの時助けた少女よりもさらにいくらか年下といった様子の、紫の髪をした小さな幼女だ。
中年男性のものと似たようなマントを羽織っているが、その赤い瞳と額の複雑な紋様は、どうしても目立ってしまう。
視線はどこかぼんやりとしており、生気に乏しい虚ろな印象を受ける。
その幼女が、一歩踏み出し、殺生丸に向かって声をかけた。

「……貴方の、名前は?」

こうして殺生丸は、このミッドチルダの一連の事件に、否応なく巻き込まれることになった。

34 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 19:26:24 ID:8Iv5nia+
投下終了。
嘘予告がそのまま実現の運びとなった、リリカル殺生丸です。ふぃー、やっぱりいつになっても新連載は緊張するぜ…

嘘予告の方を見れば分かりますが、今回の連載開始に伴い、結構内容が変わっています。特に1番の違いはギン姉の存在。
フェイトさん、は……ごめんなさい、これ以降はあんま目立たないッスorz

というわけで、ルーちゃんとギン姉の地味ヒロインズ……ゲフンゲフン……ともかく、この2人をメインに進めていきたいと思います。
何はともあれ、皆様なにとぞよろしくお願いします。

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:29:09 ID:rg7/n35G
乙でした
あと思ったのは4年経ってたら本編終わっちゃってるなw

36 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 19:38:12 ID:LZ/YEclw
乙です、まさか殺生丸とはw
展開が楽しみです、頑張って下さい。

37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:44:23 ID:nG36GhRm
GJ!しかし殺生丸とは…書くのが難しそうだ
>>35
四年後はちょうど事件の年だからまだ本編終わってないぞー。

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 19:47:09 ID:rg7/n35G
>>37
そっちじゃなくて犬夜叉のほうなw

39 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 20:01:26 ID:LZ/YEclw
第3回Fullcolor'S舞台挨拶してよろしいですか?

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:02:59 ID:nG36GhRm
>>38
ああ、なるほど…

41 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:06:41 ID:8DfO+59z
>>39
どうぞー。

42 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 20:07:26 ID:N6x1Hq4k
>>1

>>39
OKです。

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:08:38 ID:998QyAxu
支援

44 :高天 ◆7wkkytADNk :2008/03/12(水) 20:10:56 ID:k4rR+M8j
支援いたします

45 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 20:11:51 ID:LZ/YEclw
すいません、訂正部分があったので20分頃に投下します。

46 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:20:26 ID:998QyAxu
……そろそろかな?

47 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 20:22:40 ID:LZ/YEclw
アレックス「本編終わりましたねー」
シャアザク「だが、まだ終わったわけではないぞ!」
アレックス「舞台挨拶もですね。じゃあ、第3回Fullcolor'S舞台挨拶始めちゃいましょー♪」

シャアザク「ところでガンダムはどうした?」
アレックス「あ、ゲストの交渉に行きましたよ」
シャアザク「交渉に?」
アレックス「はい、陵桜という学校だそうです」

シャアザク「聞いたことないな……まあ、いないなら進めるか。あと今回からなのは達は19歳だ」
はやて「うん、よろしくな皆。さて今回の舞台挨拶はガンダムデュ『メナ』スくんや」

デュナメス「違うわコラ!」
なのは「あれ、デュ『メナ』スくんじゃなかったっけ?」
シャアザク「デュ『メナ』スだろ?」
デュナメス「違う!(怒)」

シグナム「主はやて、奴の名前ぐらい覚えてあげて下さい」
フェイト「そうだよ二人とも」
なのは「ごめんねデュスメナくん」
デュメナス「Σちっげぇよ!オレはデュ ナ メ スだ!」

なのは「ごめんなさーいι」
シャアザク「そういえばジャスティスも同じような間違いされてたな……」
デュナメス「そうなのか?」
アレックス「インフィニティジャスティスとかインファニテッドジャスティスとか」
はやて「ステファニージャスティスとか」
デスティニー「Σいねぇよ!」
フェイト「ソレ誰?ι」




48 :高天 ◆7wkkytADNk :2008/03/12(水) 20:28:02 ID:k4rR+M8j
支援カードダス

・NO,2
高町なのは
・プロフィール
『極々平凡な小学三年生の魔法少女だ。激しく傷ついてるぞ。』
・LP
10
・謎の文字
『ね』

アリサ「・・・ちょっ、なのは〜!!!」
すずか「落ち着いてアリサちゃん。あっ、これ捲れる様になってるよ。
『隠しキラカード』って奴だね」
アリサ「あっ、本当だ。小癪ね・・・・・・どれどれ」

支援です

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:28:43 ID:998QyAxu
らき支援すた

50 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 20:29:18 ID:LZ/YEclw
なのは「ま、まあι とりあえずデュナメスくん。読者のみんなに挨拶してよ♪」
デュナメス「ああ。ガンダムデュナメスだ、テレビ放送でも活躍中だからオレの百発百中のライフルの腕見てくれよな?」

がんたんく:てきを殺るのにひゃっぱつもいらないよ(ジャキンっ★)

一同「えι」

ウィング「そうだ……爆発という名の強力な一撃で十分だ」(スチャっ★)

ドッカーンっ!!

一同:ぎゃー


−−−−

シャアザク「つ、次は……」
ガンダム「キュリオスくん……です」
なのは「それゆり、わ……私たち……身体持つのかな?」
はやて「つ、次から変身しとこか……」
フェイト「……そだね」

がんたんく:いちげきがわかった?
デュナメス:はい、わかりましたι

エクシア:次はおまえか……
キュリオス:ね、ねえ……逃げていいかな?
エクシア:無理だろう……


−−−−
その頃、ガンダムは。

???「ゲスト?別に良いよー」
ガンダム「ホントに?ありがとー♪」
???「そのかわり、ガンダムくんさ。ネトゲで組まない?」
ガンダム「ん、良いよー♪」
???「んじゃ今からネカフェ行ってやろっかー」
ガンダム「じゃあ、ホワイトベースに来る?パソコンいっぱいあるし」
???「ホワイトベースキター。行くよ♪」

交渉は成立していた。
続く

51 :高天 ◆7wkkytADNk :2008/03/12(水) 20:30:56 ID:k4rR+M8j
支援カードダス

・NO,2
高町なのは
・プロフィール
『新しいレイジングハートを持ったなのはだ。砲撃が凄まじいぞ』
・LP
1900
・謎の文字
『ね』

アリサ「・・・・・・・勇ましいわね」
すずか「うん、勇ましいね」

支援です。

52 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 20:31:07 ID:LZ/YEclw
以上です。らき☆すたからゲストキャラは……なんとなく合うかなと思っての試みですw

ではでは

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:32:54 ID:998QyAxu
乙です。わんわやーは? わんわやーはッ!?
多重クロスに挑戦ときましたか……
花見スレ知ってます? 氏の本領はそっちで発揮されそうで楽しみにしてるんですけど

54 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 20:34:38 ID:LZ/YEclw
すいません訂正ι
ガンダム「キュリオスくん……です」のガンダムをアレックスに差し替えて下さいι

55 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 20:36:29 ID:LZ/YEclw
>>53

舞台挨拶だけで留めるつもりなんで……花見スレは知らないです。

56 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 20:41:44 ID:N6x1Hq4k
乙です。
>>55
でしたら避難所に行ってみましょう。様々な人が様々なクロスキャラを使って、書いてますよ。

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:42:00 ID:998QyAxu
>>55
クロススレ住人が避難所で開催予定の各キャラ交流イベントスレ。
今は当日に向けて場所取り中の模様です。

58 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 20:48:44 ID:LZ/YEclw
わかりました、行ってみます。

59 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 20:53:04 ID:P0IMdQPJ
市民、投下ですか?
勿論だコンピューター、投下は市民の義務だ

10時頃にR-TYPE Λの第7話を投下してもよろしいでしょうか


60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:53:44 ID:998QyAxu
市民、あなたは支援ですか?

61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:56:50 ID:rg7/n35G
パラノイアwwww

62 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 21:56:18 ID:P0IMdQPJ
それでは10時から投下します

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 21:58:38 ID:1aK02j9g
さっそく支援

64 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 21:59:32 ID:8DfO+59z
支援だ、総員!

65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 21:59:43 ID:MudWwmT8
覚めない悪夢支援

66 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:00:05 ID:P0IMdQPJ
では、投下します



ミッドチルダ北部、聖王教会本部。
その一室で八神 はやては、自身が姉の様に慕う人物と相対していた。
クラナガンが不明機体群に襲撃されている今、本来ならばこんな所に居て良い筈がない。
しかし襲撃の直前、彼女を呼び出したのは、他ならぬ目前の人物。
その上クラナガンに戻ろうにも、各交通手段は完全にストップしている。
複数の次元断層が観測されているこの状況では、転送を用いる事もできない。

何より、相手は空戦魔導師など問題にもならぬ超高速・高機動を誇る、正真正銘の「戦闘機」。
それも、はやての知るようなジェットエンジンと空力特性によって飛翔するものではなく、かといってガジェットの様に魔力機関による重力制御を用いている訳でもない、未知の科学技術によって構築された異形の機体。
前線から地上本部を経由して送られる情報、異常極まるその戦闘能力。
常軌を逸した機動性で魔力弾を回避、明らかにS級砲撃魔法に匹敵する威力を持つ質量兵器を連発し、一瞬にして都市区画を業火の海へと沈める、悪鬼の如きその力。
そんなものがうろつく戦場へと介入したところで、後方支援に特化したはやてができる事などありはしない。
幾ら大威力・広範囲を誇る広域殲滅魔法を修めていようと、放てなければ意味が無いのだ。
ただでさえ詠唱に時間の掛かるそれを、援護すら満足に受けられない状況で発動まで漕ぎ着ける事など到底不可能。
例え発動したとして、不明機体群がその範囲内に留まっている筈が無い。
最悪、魔法陣の展開と同時に攻撃を受ける事も考えられる。
つまり、後方からの大規模魔法による制圧を得意とするはやては、高機動兵器を相手取る今回の戦闘に於いて、全くの戦力外。
無論、その事は彼女自身が最も良く解っている。
だからこそ彼女はこうして教会本部に留まり、信頼する友と家族が道を切り開いてくれる事を信じ、己のできる事を為そうとしているのだ。

「・・・何でや」

だが、彼女が心から信頼する者の1人、目前の女性。
カリム・グラシアから告げられた言葉の内容は、そんな彼女の覚悟を裏切るものに他ならなかった。

「・・・聖王教会に属する者、「教会騎士」カリム・グラシアとしての決定です。危険性は無いものと判断し、報告は教会内部に止めました」

鼓膜を叩く、冷たさを含んだ女性の声。
其処には普段の親しみを感じさせる色は存在せず、ただただ無機質に真実を口にする。
だが、はやては気付いていた。
その声が、抑え切れない感情に震えている事に。
それを取り繕う事すらせず、カリムは続ける。

「ジェイル・スカリエッティ事件の後より、管理局は聖王に関するあらゆる情報、そして古代ベルカ時代の技術に関して過剰な程の警戒心を抱いています。危険性が無い以上、徒に混乱を招く事態は避けるべきと判断しました」
「それを・・・それを私が信じると、本気で思っとるんか? 私が、そないな言葉を信じると?」

一切の虚実を許さない、苛烈なまでの意思が込められた言葉。
手元の書類からカリムへと視線を移し、はやては弾劾の意を突き付ける。
その視線を受けつつ、カリムは手にしたティーカップに揺らめく紅茶の水面へと視線を落としたまま、坦々と言葉を紡いだ。

「現在、クラナガンを襲っている所属不明の次元航行機群に関しては、それを予見させる表現は何処にも見当たりません。もうひとつの第97管理外世界についても同様。故に、その文面から現状を予測する事は困難だったと判断できます」
「エスティアの件は? この文面の内容が指しているのは、明らかにエスティアの件や。もっと早く、この内容が知らされていれば・・・」
「はやて」

次第に熱を帯びゆくはやての声を遮り、カリムは幾分和らいだ声で語り掛ける。
窘める様に、落ち着かせる様に。


67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:00:43 ID:rg7/n35G
S・H・I・E・N

68 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:01:47 ID:P0IMdQPJ
「貴方も知っているでしょう? この技能は予言ではない。これは飽くまで収集された情報に基づく予想であって、未来予知ではない。例えこの内容が管理局の知るところであったとして、エスティアを救う事に繋がっていたとは限らないわ」
「カリム、ふざけるのも大概にしいや。確認済み次元世界ほぼ全域の情報を収集するプロフェーティン・シュリフテンが、「奇跡」なんて曖昧な表現を用いる事は今までに無かった筈や。これを異常やないとでもいうつもりなんか」
「はやて。希少技能とはいえ、これも「魔法」の一種よ。通常の次元世界では通用する筈だけれども、魔法体系の、次元世界の理からすらも外れた事象を詠み取る事などできる訳がない。そんなものが存在するなど、少なくとも今までには有り得ない事だったのだから」

ふと視線を上げ、弱々しく笑みを浮かべる。

「理解できない事象は、「奇跡」と表現するより他に無いわ」

自嘲するかの様に呟き、静かに紅茶を啜るカリム。
カップがソーサーに戻されるまでの一連の動きを、はやてはより鋭さを増した双眸で観察していた。
その視線を、自らの前に置かれたカップへと移す。
その水面に湯気は無い。
疾うに冷め切っている。
香りからして良い茶葉だったとは解るが、それを無駄にした事について何ら感傷は浮かばなかった。
揺らめく水面に映る、対面に座したカリムの歪んだ輪郭を見つめ、呟く。

「聖王教会としては、何としてもこの予言だけは成就させなければならない。障害となり得る管理局からの干渉は避けるべし、ちゅう訳か」

失望、悔恨。
そして親に置いて行かれた子供の様な、悲哀と不安。
筋違いだと冷静に己を諭す内なる声とは裏腹に、滲み出すそれらを抑える事もできず、はやては縋る様にカリムへと目をやる。
嘗てジェイル・スカリエッティ、そして聖王のゆりかごという脅威に対し、共に立ち向かった仲間。
そんな彼女自身の言葉によって、否定して貰いたかった。
その様な意図は無い、考え過ぎだと。
カリムが、口を開いた。

「・・・私達が崇めるは「聖王」。その「復活」が詠まれた以上、教会がそれを妨げねばならない要因は存在しません」

全身を襲う虚脱感。
はやての手から、1枚の書類が零れ落ちる。
紙片の片隅には「新暦76年」の文字。
そして、ほぼ中央に記された詩文が、窓からの陽光に鈍色の光を放った。



『其は奇跡なり。勇猛なる古き騎士、正義に殉じし戦士、災いに消えし幾多なる生命。虚空の果てに消えし者共、虚空の果てより蘇り、主なき船を道標とし、我らが前へと凱旋す。率いたるは我らが王、真に蘇りし翼を駆りて、我らが前へと現れる。番となりて現れる』

*  *  *

「っらあああぁぁぁぁッッ!」

裂帛の気合、そして魔力噴射による加速を以って叩き込まれた戦槌の一撃が、巨人の右腕を打ち砕く。
左腕の砲身を狙った一撃だったのだが、敵が咄嗟に身を捻って砲身を庇った為に右腕へと直撃したのだ。
舌打ちをひとつ、ドレスにも似た白い騎士甲冑に身を包んだ少女は、眼下に犇くビル群へと急降下を開始した。

「畜生、失敗した! 何だアイツ、あんな図体のクセに早ぇ!」
『ヴィータちゃん、後ろ!』


69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:03:19 ID:rg7/n35G
いいぞもっとやれカリム支援

70 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:03:19 ID:P0IMdQPJ
己に融合したデバイス、リィンフォースUの警告に背後を見やれば、先程の巨人が此方へと砲口を翳し、今にも発砲せんとする瞬間が目に入る。
すぐさま回避運動に移る少女、ヴィータ。
しかしながら、彼女を狙った砲撃が放たれる事はなかった。
青い閃光と共に、巨人が爆発・四散したのだ。

「なっ・・・」
『ヴィータちゃん、あれ!』

直後、巨人の滞空していた地点を突き抜ける、青いキャノピーの不明機体。
減速する素振りすら見せずに直進、そのまま別の巨人へと肉薄、球状兵装の先端から何かを射出した。
次の瞬間、巨人の全身を無数の爆発が覆い尽くす。
大気を震わせる炸裂音、途切れる事の無い爆発。
そして轟音と共に一際巨大な爆発が連続して起こり、僅かな破片を残し巨人が四散する。
爆炎を突き抜け、新たな獲物を求め彼方へと消え行く不明機体。
その姿を見送りつつ、ヴィータは苛立たしげに叫んだ。

「助けたってのかよ、アタシを・・・何様のつもりだ!」
『落ち着いて下さい、ヴィータちゃん! 都市を攻撃しているのはあの巨人です! 不明機はあれと敵対しているみたいですし・・・』
「だから余計に訳が解らねーんだッ! 先に攻撃してきたのはあの機体どもじゃねーか! 何であいつらがクラナガンを攻撃する連中を墜としてるんだ!?」

その言葉も終わらぬ内、またしても上空で轟音が響き、白い光が周囲を染め上げる。
見上げれば、凄まじいまでの光の奔流に呑まれ、文字通りに消滅する巨人の姿。
圧倒的な力による蹂躙。
その余波は地上にも達し、拡散する光の奔流が数棟のビルを呑み込んだ。
衝撃、そして爆発。

「ッ・・・あいつらッ!」
『・・・クラナガンを守っている訳ではないみたいですね。あの巨人達を討つのが目的みたいです』

着弾の余波は想像以上に大きかったのか、ビルが次々と倒壊してゆく。
この地区の避難が完了したという報告は受けていない。
数分前から始まった巨人どもの無差別砲撃とも併せ、民間人にどれ程の被害が出ているか、2人には想像も着かなかった。

そもそも2人は当初、クラナガンの北部区画にて対空戦闘を行っていたのだ。
ところが、不明機体群が西部へと集結を始めた為に、各方面へと散っていた管理局部隊はその地点へと取り残される形となった。
警戒の為に一部を残し、ほぼ全ての部隊が西部へと急行。
しかし状況は既に一変しており、新たに出現した所属不明勢力によりクラナガン西部区画一帯が戦場と化していた。
先に現地へと到達した部隊が交戦していたのは、空翔る鋼鉄の巨人によって編制された軍勢。
無差別に地上を砲撃し、その恐るべき威力を秘めた質量兵器によって都市を崩壊させゆく、悪魔の群れ。
不明機体ほどの機動性は無い為に攻撃を当てる事は可能であったものの、その分厚い装甲は並みの砲撃魔法であれば少々の破損程度で防ぎ切ってしまう程の強固さを誇っていた。
加えて、一撃でビルを全壊させる程の砲撃を文字通り連発する、左腕の異常な質量兵器。
都市を守るどころか、全滅までの時間を先延ばしにするのが精一杯だと、口にはせずとも誰もが理解していた。


71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:04:17 ID:2PU4i7OH
来て!R-101!

72 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:05:31 ID:1aK02j9g
支援だ!!

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:05:42 ID:rg7/n35G
支援

74 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:05:56 ID:P0IMdQPJ
ところが、援軍は意外な形で現れたのだ。
巨人どもの後を追う様に、西部よりクラナガン上空へと侵入した十数機の不明機体。
それらは、対空戦闘を継続する管理局部隊には目も呉れず、巨人達に対する攻撃を開始したのだ。

クラナガン西部区画の上空にて交叉する、無数の光。
在りし日にミッドチルダを、そして古代ベルカを崩壊寸前にまで追い込んだ大戦すら思い起こさせるそれは、地上より撃ち上げられる魔法の砲火とも相俟って、この世の地獄と呼ぶに相応しい光景を現出させていた。
既に西部区画の高層ビル群は、巨人の砲撃により4割が倒壊、もしくは地下基礎部分より完全に崩壊している。
レールウェイは至る箇所で寸断され、駅は停車中の車両諸共吹き飛んだ。
撃墜された巨人が地上で爆発を起こし、同じく推進部を破壊された不明機体がビルを貫き炎上する。
都市の其処彼処から幾筋もの黒煙と粉塵が遥か上空まで噴き上がり、魔導師達はその合間を縫う様にして戦闘・民間人の救助に当たっていた。
だがそれも、巨人の砲撃、そして不明機体からの砲撃の余波により、思う様に進まないのが現状である。
民間人の避難は言うに及ばず、巨人に対する隙を突いての奇襲も、その耐久力と反応の鋭さにより成功しているとは言い難い。

そして何より、不明機体群による攻撃の激しさこそが、管理局部隊にとって最大の脅威であった。
彼等の攻撃は明らに巨人を狙った物ではあったのだが、その威力・範囲は余りにも大き過ぎた。
巨人を撃墜した砲撃の一部が、その威力を保ったまま都市へと着弾するのだ。
着弾時の被害は、巨人の砲撃に勝るとも劣らない。
何より、性質の悪い事に無数の砲撃を同時に、更に拡散させて発射する機体が複数存在するのだ。
複数の巨人を纏めて消滅させるそれは、しかし同時に多大なる破壊を都市へと撒き散らす。
その攻撃に、都市への被害拡大に対する躊躇は一切感じられず、ただ怨敵に向けるかの様な狂気じみた憎悪、そして過剰なまでの恐怖が浮き彫りとなっていた。
凄惨に、完全に、一片の容赦無く。
只々、目前の敵を殲滅する事だけを優先した、慈悲無き破壊の嵐。
既に彼等にとっては、眼下のクラナガンなど目に入ってはいないのだろう。
無論、其処に存在する一千万を超える人々の存在も。

「畜生!」
『また来ましたよ! 人型、8体です!』

憤りに悪態を吐くヴィータ。
そんな彼女に、またしてもリィンから警告が飛ぶ。
砲撃を放ちつつ、クラナガンへと侵入する8体の異形。
直後に不明機体からの砲撃、更に地上からの砲撃魔法により、3体が撃墜される。
しかし残る5体は散開、内2体が不明機体群と交戦、3体がクラナガン中央区画を目指し低空・高速での侵攻を開始。
遥か前方で3体の異形に対し、管理局部隊による対空戦闘が開始される。
冷静さを覆いつつある怒りに歯軋りしつつ、ヴィータは自身の相棒へとカートリッジを装填、肩に担ぐ様にして振り被った。

「リィン! アイゼン! 覚悟決めろッ!」
『Jawohl!』
『ヴィータちゃん!?』
「此処でアイツらを中央区に入れれば、あの連中もそれを追う! 避難所の集中する中央区であんなモンぶっ放されてみろ! どれだけ死人が出るか分かったモンじゃねぇぞ!」
『あ・・・!』
「だから!」

ロードカートリッジ2発。
グラーフアイゼンをギガントフォルムへ。

「何としても此処で! ブッ潰すしかねぇッ!」


75 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:08:02 ID:rg7/n35G
支援

76 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:09:13 ID:P0IMdQPJ
巨人の頭部に魔力弾が直撃、センサーの機能を遮られたか、本来の動きに比べ幾分直線的な回避行動を開始する。
殺到する砲撃魔法。
その合間を突き、ヴィータは突撃を開始した。

「ギガント・・・」

敵との距離が50mを切った地点で急制動、ハンマーヘッドが巨大化、更に柄を伸長させる。
グラーフアイゼンを振り被った状態から更に身を捻り、魔力によって強化された筋力で柄を強く握り締めた。
此処で漸く、敵は自身の軌道上に位置する彼女の存在に気付いたらしい。
即座に進路を変更するものの、最早手遅れだ。
完全に自身の射程内へと敵を捉えた事を確認し、ヴィータは全身の力を開放せんとした。
しかし。

「シュラー・・・ッ!?」
『あ、ぐッ・・・!』

その力が、敵へと放たれる事は無かった。

「・・・え?」

突如として、背面から腹部へと走った衝撃。
視界を掠める青い光線。
そして身を締め付ける様な圧迫感。
これは。
この感覚は。

「A・・・M・・・F・・・?」

間違いない。
この感覚は、JS事件の際に六課を苦しめた、あの魔法防御機構。
動作範囲内の魔力結合を崩壊させ、魔法の発動すら封じる異質な魔法装置。
それが何故、この状況で?

『ヴィータ・・・ちゃん・・・』
「リィン・・・?」
『お・・・お腹・・・早く・・・手当て・・・』
「え?」

途切れ途切れに発せられる、リィンの声。
その言葉に従い、自身の腹部へと視線を落とすヴィータ。
目に入ったのは、鮮烈な赤によって徐々に侵食されてゆく、白い騎士甲冑の腹部。

「え・・・これ・・・」
『う、後ろ、です!』

続く声に、咄嗟に振り返る。
そして、その存在がヴィータの視界へと飛び込んだ。

「・・・何、で?」


77 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:09:49 ID:2PU4i7OH
ついに動き出した聖王教会支援

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:12:14 ID:8DfO+59z
真っ黒だぜ、支援。

79 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:12:17 ID:P0IMdQPJ
青み掛かった灰色の装甲。
鷲の嘴を思わせる曲がった機首。
機体上部のミサイルポッド、下部のレーザー砲門。



「ガジェット・・・!」



かつて、ジェイル・スカリエッティの尖兵として管理局との戦闘に投入され、数多の魔導師を地へと沈めた、魔法動力機関を核とする戦闘攻撃機。
ガジェットドローンU型の姿が、其処にあった。

「コイツが・・・どうして・・・」

喉を遡る血の臭いに咽ながらも、ヴィータは嘗ての敵を睨む。
その頭上を、4機ずつの編隊を組んだ無数のU型が、轟音と共に通過した。
立ち上る黒煙と粉塵の間に引かれた幾筋もの白線を、融合したリィンと共に呆然と見上げるヴィータ。

その眼前、ホバリングによって中空へと留まったU型のレーザー砲門に、青い光が点る。
直後、ヴィータの視界を、光が覆い尽くした。

*  *  *

「このぉッ!」

桜色の砲撃が、鎌状の近接兵装を備えた機械兵士を撃ち抜く。
嘗て彼女を死の淵へと追いやった、古き王の船を守護せし機械兵。
それが、大型機動兵器の移動と時を同じくして、この第4廃棄都市区画へと群れを成して出現していた。

『上だ、高町!』

念話による警告。
瞬時に後退し、頭上からの砲撃を躱すなのは。
2発の砲撃は、既に倒壊したビル群の跡地へと着弾し、その地下構造物を根こそぎ吹き飛ばす。
直後、地上各所から放たれた複数の砲撃魔法が、1体の巨人へと四方から殺到した。
四肢をもがれ、落下を始める胴部。
その中心に、不明機からの砲撃が叩き込まれる。
爆発。

「やっぱり・・・!」

上空に残る1体へと、不明機体群が発射したミサイルが迫る。
銀に輝く金属片の様なものを肩より放ち、巨人は回避行動へと移った。
しかし其処に、地上より放たれた無数の誘導操作弾が殺到、左腕部砲身を吹き飛ばす。
反動にて体勢を崩した巨人へと、欺瞞装置による妨害を掻い潜ったミサイル群が直撃、爆発が中空を埋め尽くした。
敵、消滅。

『515より各空戦魔導師! ガジェットどもが翼を出しやがった! 包囲されるぞ!』

地上部隊からの警告。
すぐさま周囲に視線を走らせれば、廃棄都市区画の至る所から、先程のガジェットが上昇する様が目に入る。
その数、優に200以上。


80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:13:17 ID:MudWwmT8
BJ物質によるガジェット乗っ取り?支援

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:13:54 ID:rg7/n35G
これぞ絶望だ!支援

82 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:15:05 ID:P0IMdQPJ
「多過ぎる・・・!」

レイジングハートを構え、手近な数機へとアクセルシューターを放たんとするなのは。
しかしその背後から、深紅の影が躍り出る。
あの機体、なのはとの交渉に当たったものと同型機。
残る5機の内1機だった。
更に上空から、もう1機の同型機が急降下を掛けている。
直後、耳障りな高音と共に、想像を絶するほどの閃光が放たれた。

「ッ・・・!」
『冗談じゃない・・・!』

眩い光に閉じた瞼を再度開いた時、視界を埋め尽くさんばかりだったガジェットの影は、残らず消え去っていた。
「1機残らず」だ。
正面、左側面、右側面、下方、上方。
ガジェットが出現しなかった後方を除く、全ての方角に存在していた敵影が、跡形も残さず消え去っていたのだ。
否、微かに落下してゆく、炎を纏った破片のみが、先程のガジェットの群れが幻影でなかった事を示している。
つまり、200機を超えるガジェットが、僅か2機の不明機体によって撃破されたという、信じ難い事実を証明していた。
同時になのはは、AMFの影響が完全に消失した事を、感覚を通じて認識する。

『・・・こちら高町、AMFの消失を確認。隊長、そちらに敵は?』
『・・・今ので消えちまったよ。信じられん。俺達を追い回していた時とは比べ物にならんな』
『くそ、舐めやがって。あれがお遊びだったってのか!』

戦技教導隊各員に確認を取るものの、ガジェットの姿が残っているという報告は確認できない。
隊員達の悪態を耳にしつつ、なのはは呆然と周囲を見渡した。
第4廃棄都市区画のほぼ全域から、黒煙と粉塵が立ち上っている。
敵味方を問わず、増援に次ぐ増援の投入により、戦闘の規模は驚異的な速度で拡大していた。
そして同時に、奇妙な協力関係が戦場に築かれる事となる。

無差別砲撃を行い、クラナガンへの侵攻を図る人型兵器群と大型機動兵器。
人型兵器を除く全ての勢力に対し、同じく無差別攻撃を行うガジェット群。
管理局部隊との交戦、そして交渉を中断し、人型兵器・大型機動兵器・ガジェットの全てへと、容赦の無い攻撃を開始した不明機体群。
先程の交渉を耳にしていた為か、不明機体群への攻撃を戸惑い、明らかな敵対行為を取る人型兵器・ガジェットとの交戦を開始した管理局部隊。

各々にとっての敵対勢力が一致した事により、管理局部隊と不明機体群の間には、とある暗黙の了解が生まれた。
即ち、互いを攻撃する事無く、他の勢力に対し限定的な共闘態勢を取る形となったのだ。
互いに交信を交わす事すら無い、御世辞にも味方とは言えない勢力同士による協力態勢。
しかし現状に於いて、それは非常に有効なものとして機能した。
高高度に於ける空対空戦闘及び、都市上空へと群れを成すガジェットに対する一方的な制圧戦を担う不明機体群。
低空へと逃げ込んだ人型兵器に対する迎撃及び、地上を闊歩するガジェット群への攻撃を行う管理局部隊。
各々が得手不得手とする領域に於ける戦闘を明確に区分し、尚且つその境界線に近付く敵に対しては複合された攻撃を見舞う。
数が数ゆえ、クラナガンへの侵入を完全に防ぎ切る事はできなかったものの、それでも僅か15分前後の戦闘で敵の7割を壊滅させる事に成功したのだ。
残る敵についても、クラナガンに残る管理局部隊が迎撃に当たっている事だろう。
更に数機の不明機体が追撃に移った事が確認された為、戦力面での不安は無い。
考えられる問題としては、不明機体群の攻撃の余波が都市に及ぶ事くらいか。


83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:15:44 ID:2PU4i7OH
助けて、R-9DP!

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:17:50 ID:rg7/n35G
真の絶望とは希望の果てにある支援

85 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:18:12 ID:P0IMdQPJ
少なくともこの時、なのはを含む魔導師達の考えは、この点で一致していた。
残る当面の脅威は大型機動兵器、ただ1機のみ。
廃棄都市区画の東、約15kmの地点で動きを止めたそれは現在、追撃に移った不明機体群との間で壮絶な対空戦闘を繰り広げている。
それも、恐らくは不明機による攻撃の前に、然程時間を掛けずに無力化されるだろう。
問題はその後、不明機との交渉が再開されるか否か。
そう、考えていた。
しかし。

「後はアレだけだね。レイジングハート、やれる?」
『Off Course』
「じゃあ・・・」
『本部より全局員へ、警告!』
『1044より緊急!』

同時に発せられた2つの通信。
地上本部及び、大型機動兵器追撃の任に当たっていた航空武装隊、双方からの入電。
それらは状況が最悪の方向へと転がり始めた事実を、管理局全部隊へと突き付けた。



『第4廃棄都市区画及びクラナガン西部区画にて次元断層発生! 西部区画、ガジェットドローンU型の多数転移を確認、機数300超! 管理局部隊及び不明機体群と接触、交戦中!』
『大型機動兵器との戦闘に当たっていた不明機体群が全滅! 8機とも撃墜された! ガジェットU型だ! ブースターを装備したタイプ、恐らく新型! 奴ら、不明機に体当たりしやがった!』



爆音。
廃棄都市区画の一画で、巨大な炎の柱が噴き上がる。
何事か、と振り返ったなのはの視界に、獄炎の渦中から飛び出す複数の影が映り込んだ。
ただし、正確な輪郭としてではなく、その後に引かれる凄まじい炎と白煙の帯として。

「え?」

呆然と呟いた瞬間、それは彼女から100mほど横の空間を突き抜けていた。
直径数mほどの白煙の帯が、遥か彼方の廃墟へと突入する。
次の瞬間、轟音と共にその区画が吹き飛んだ。

またも背後へと振り返り、活火山の如く爆炎を噴き上げる廃棄都市区画を見やる。
なのはのみならず、全ての魔導師達がその光景を唖然と見つめる中、悲鳴の様な念話が硬直した意識を揺さ振った。

『1044より全局員! 化け物が何か始めやがった! 機体下部が光って』

通信が途絶える。
同時に、空中に浮かぶなのはにさえ感じられる程の振動が、周囲の大気を揺るがした。
突然の事に、半ば恐慌状態に陥る魔導師達。

『地震だ! くそったれ、こんな時に!』
『崩れる、建物から離れて!』
『飛べる者は空に上がれ! くそ、開けた場所は無いか!?』

そんな念話が全方向へと飛び交う間にも、振動は収まるどころか徐々にその激しさを増してゆく。
誰もがその異常性に気付き始めた頃、地上本部からの通信が信じ難い事実を伝えた。

『ミッドチルダ中央区画全域に於いて地震発生! 震度5、震源はクラナガン西南西20km、震源深度18km!』


86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:20:33 ID:MudWwmT8
惑星級殲滅モード?支援

87 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:21:07 ID:LTrqxo4n
ヴィータ「何じゃこりゃー。」支援

88 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:22:02 ID:P0IMdQPJ
クラナガン西南西20km。
それは正しく、あの大型機動兵器が身を据える地点だった。

何が起こっているのか。
1044航空隊に何があったのか。
この地震はあの大型機動兵器が原因なのか。
見慣れないガジェット群を戦域に投入したのは何者なのか。



クラナガンは。
ミッドチルダは、一体「何をされている」のか?



『畜生、こちら601! 被弾したガジェットが突っ込んで』

唐突に飛び込んだ陸士部隊からの念話が、同じく唐突に途絶える。
爆発。
廃棄都市区画の一部が、またしても業火に覆われた。

「・・・まさか!」

なのはが気付いた時には、地上からの弾幕が複数のガジェットを捉えていた。
咄嗟に攻撃中止を伝えようと試みるも、ガジェット後部から爆炎が噴出する方が遥かに早い。
機体下部、または側面に攻撃を受けた筈のそれらは2つのブースターユニットと、更に内側から弾け飛んだ後部装甲の内部に隠れていた無数のマイクロノズルから凄まじい爆炎を発し、瞬時に超音速へと達すると、そのまま都市区画へと突っ込んだ。
視覚が、聴覚が、周囲の状況を把握する為にある全ての感覚が揺さ振られ、遂には物理的な衝撃となって意識を襲う。
衝撃波によって数十mもの距離を吹き飛ばされ、漸く体勢を立て直したなのはの目に映ったものは、廃棄都市区画の南部に聳え立つ巨大な炎の壁だった。

『103、601、661、1711、2013、ロスト! ガジェット群、なおも集結中!』
『805より局員、聞け! 連中は被弾と同時に突撃を開始する自爆型だ! 攻撃は控えろ!』
『ガジェット群、質量兵器を発射!』

今度は比較的小規模の爆発が、廃棄都市区画の至る箇所で巻き起こる。
ひとつひとつの爆発はそれ程の規模ではないものの、その数たるや100や200では到底足りない。
少なくとも数百箇所を下らない地点にて、連鎖的な複合爆発が立て続けに発生しているのだ。
何が起こっているのかは、続く陸士部隊から念話によって明らかとなった。

『クソ、クソ! 奴ら、超小型の誘導弾を山ほど積んでやがる! 撃たなきゃやられる!』
『待て、撃つな! 突っ込んでくるぞ!』
『撃たなくても同じだ! このままじゃどっちみち吹っ飛ぶんだぞ、畜生!』

絶望の滲む声。
その念話もまた、数秒の後に途絶えた。
閃光、爆発。
複数のビルが、折り重なる様にして炎の中へと倒れ込む。


89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:23:00 ID:MudWwmT8
バイドとは人類の作り出した悪夢支援

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:23:07 ID:ZxzOvdrt
支援

91 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:24:14 ID:P0IMdQPJ
既に、この第4廃棄都市区画に於いては、炎の手が及んでいない場所を探す方が難しかった。
視界に映る廃墟のビル群はその殆どが炎に覆われ、未だ辛うじて原形を留めている建物すらも次々に崩壊、積み木崩しの様に炎の中へと沈み込んでゆく。
その衝撃と圧力によって大気が周囲へと押しやられ、業火の手を更に広範囲へと拡げるのだ。
この中で、どれだけの局員が生存しているというのだろう。
悲鳴を上げる間すら無かったのか、既に大分静かになった全方位への念話を拾いつつ、なのはは呆然と空中に佇んでいた。
元々が対地攻撃に主眼を置いているのか、空中に身を置いていた空戦魔導師達は、異常とも思える程に被害を受けなかったのだ。
そんな彼女達の意識に、新たな念話が飛び込む。

『・・・こちら陸士121部隊。空の連中、聞こえるか?』

場違いなまでに静かな声。
返答を返したのは、戦技教導隊隊長だった。

『こちら戦技教導隊。121、援護する。そちらの位置を・・・』
『そんな事はいい。それより、アンタらは大型機動兵器の撃破に向かえ』

その言葉に、なのはは目を見開いた。
彼等は今、眼下に拡がる業火に囲まれているのだ。
それだけではない。
彼等の頭上には、無数の自爆型ガジェットが群れを為している。
空戦魔導師の援護を受け、今すぐにこの区画からの脱出を図らねば、遠からぬ内に炎に巻かれる事となるのは明らかだ。
にも拘らず、彼は大型機動兵器を追えと言う。
何故?

『121、何を言っている! このままでは・・・』
『地震が酷くなってきている。空中のアンタらには分からないかもしれないが、もう立っているのもやっとなんだ』

その言葉も終わらぬ内、其処彼処でビルの残骸が倒壊を始める。
轟音。
巨大な隔壁が水圧に軋む様な、遠方より轟く鐘楼の音にも似た不気味な重低音が、何処からともなく大気中に響き渡る。
徐々に大きさを増すその音に紛れ響くのは、巨人が鉄壁を殴り付けるかの様な、全身を揺さぶる衝撃音。
これらが何処から響くものか、なのははすぐに理解した。
「全て」だ。

視界に映る全て、視界の外の全て。
自身がこの身を置く、ミッドチルダという世界を為す惑星の全てが、この不気味な衝撃音を発しているのだ。
それは紛う事なく、生命の危機に曝された星というひとつの生命体が上げる、恐怖と絶望の叫びだった。
「時間」は、もう然程も残されてはいない。

『この地震の原因は、間違いなくあの化け物だ。奴が何をしているかは解らんが、少なくともこのまま放っておけば碌な事にはならんだろう。繰り返す。全ての空戦魔導師は、大型機動兵器の撃破に向かえ。ガジェットはこちらで引き受ける』

またしても轟音。
10を超えるビルが、ほぼ同時に吹き飛ぶ。
見れば炎の合間から、無数の魔力弾が空へと撃ち上げられていた。
鼓膜を破らんばかりの高音と衝撃波を撒き散らしつつ、弾幕の発せられる地点へと突入する巨大な白煙の帯。
そして爆発。
発射される魔力弾が、大きく数を減らす。
しかし一拍の後、今度は廃棄都市区画のありとあらゆる箇所から、空を覆わんばかりの魔力弾が放たれた。
未だ健在の全陸士部隊による、決死の対空攻撃だ。
忽ちの内に、廃棄都市区画上空が轟音と白煙、七色の光を放つ無数の魔力弾によって覆い尽くされる。
爆発に次ぐ爆発。
狂った様に地表へと突撃してゆくガジェット群。
都市を根こそぎ吹き飛ばさんばかりの広域爆発。
それらに曝されながら、衰えるどころかより激しさを増す対空弾幕。
最早、なのは達の出る幕は無かった。


92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:25:58 ID:998QyAxu
支援弾幕を張れ!

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:26:17 ID:rg7/n35G
ミッドチルダ崩壊支援

94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:27:10 ID:2PU4i7OH
崩壊へのカウントダウン支援

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:27:17 ID:MudWwmT8
モリッツG支援

96 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:27:57 ID:P0IMdQPJ
『・・・高町一等空尉!』
『は、はい!』

突然、戦技教導隊隊長からなのはへと念話が繋がれる。
それは全方位通信ではあったが、その内容はなのは個人への命令であった。

『砲撃魔導師を連れ、大型機動兵器の追撃に当たれ! 1603、2024が護衛に就く! 直ちに向かえ!』

瞬きする程の僅かな時間、なのははその言葉に呆然とする。
しかしすぐに我を取り戻すと、焦燥と共に自身の上司へと食い掛かった。

『そんな! 隊長達はどうなさるんです!?』
『どうせあの化け物には砲撃以外は効かん! 追撃隊を除く空戦魔導師は陸士部隊の援護及び救出に当たる! さあ行け!』
『しかし!』
『さっさと行け! もう時間が無い!』

次の瞬間、青い光が上空を吹き荒れる。
思わず目を逸らし、再び視線を向けた先には、ガジェットの影すら存在しなかった。

「これは・・・」
『見ろ。気に食わないが、心強い連中が戻ってきたぞ』

直後、頭上を突き抜ける複数の機影。
地上戦型ガジェットの殲滅と同時、一時高高度へと退避していた不明機体群の一部が、戦域へと舞い戻ったのだ。
空間を覆い尽くさんばかりの大規模砲撃と、各種質量兵器の弾幕。
突撃を実行する時間すら与えず、片端からガジェット群を消滅させてゆく不明機体。
時折、僅かに消滅を逃れたガジェットが空中で爆発を起こし、その衝撃が地震によって負荷の高まった地上建築物を倒壊させる。
それでも、陸士部隊は降り注ぐ爆発物の雨から逃れる事ができた。
ガジェットの増援は未だに途絶えてはいないが、不明機体群が戦闘に加わっているこの状況下ならば、彼等が無事に脱出できる可能性はある。


97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:29:08 ID:Z3JoWd33
支援!

98 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:30:15 ID:P0IMdQPJ
なのはは周囲を見渡す。
1人、2人、3人。
次々とその周囲に集まる空戦魔導師。
10人、11人、12人。
見知った顔もあれば、知らない顔もある。
24、25、26人。
彼等は一様に、なのはに向かって頷いてみせた。
彼女の中に、言い知れぬ熱が宿る。
相棒へと目をやれば、何を躊躇うのか、と言わんばかりに光を放つ様が目に入った。
それらの光景を前に、なのはは決意を固める。
空間を薙ぐ様にレイジングハートの矛先を振り、発生と念話の双方で声を放った。



「これより敵主力の追撃を開始します! 目標は敵大型機動兵器の撃破! 以上!」



猛々しく、戦意に震える叫び。
それらが幾重にも響いた後、第4廃棄都市区画の空を、50を超える人影が翔け抜けた。

不明機の砲撃、ガジェットの噴煙、魔導師達の魔力弾。
崩れ落ちるビル群の粉塵、地上を覆う業火、立ち上る黒煙。
それらの合間を、肉体と魔力が許す限りの高速にて貫き翔ける魔導師達。
彼等が目指すは、ただひとつ。



惑星そのものを陵辱せんと大地に牙を突き立てる、機械仕掛けの悪魔。
次元世界の理を外れし、禍々しき技術によって構築された獣。
その首を刎ねるべく、彼等は一路、東を目指す。
彼等を守護するかの様に舞い降りた、十数機の不明機体を引き連れて。



彼等が第4廃棄都市上空を飛び去った、その数分後。
新たに転移した不明機体の一群が、黒煙と弾幕に覆われた空を東へと横切った。
重厚な外観に、黒み掛かった濃蒼色の塗装が施された4機。
それらに護衛されるかの様に編隊の中央へと位置する、漆黒と濃紫色の塗装を施された1機。
黒煙を切り裂いて飛び去ったその姿を、はっきりと確認した管理局局員は1人として存在しなかった。

しかし、僅かに数名の魔導師達は、確かに気付いた。
空を切り裂き、空間を貫いて飛び去った、歪なるその存在に。
無限の英知と狂気によって蝕まれた、嘗ての英雄の成れの果てに。



『808より本部、上空を横切った馬鹿デカい魔力は何処の部隊だ?』


99 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:30:29 ID:Z3JoWd33
真逆、さるさんなのか?

100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:31:51 ID:Z3JoWd33
支援砲火!!

101 :R-TYPE Λ:2008/03/12(水) 22:32:42 ID:P0IMdQPJ
投下終了です
支援ありがとうございました
今回もまた、予告のところまで届きませんでしたorz
しかも手違いにより、投下に異常なまでの時間を掛けてしまいました
本当に申し訳ありません

今回出てきたガジェットU型のモデルは、「2」及び「SUPER」で、多くのプレイヤーにトラウマを植え付けたであろう、生体洞の特攻野朗です
子供の頃、タイヤキ君と呼んでいたのは自分だけではない筈

次回予告
今度こそ、今度こそは!


102 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:34:11 ID:XHR8Gbau
GJ!
でもはやてってリミッター付きでも戦術核弾道弾攻撃相当の超長距離砲撃魔法を連射できなかったっけ?

103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:35:57 ID:jJMzllVP

さてここからどう跳ね返すか楽しみだ。

104 :仮面ライダーリリカル電王sts:2008/03/12(水) 22:38:34 ID:F80JDjXe
GJ!絶望的な状況こそ、どう返すかが楽しみです。

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:40:00 ID:CW9iyy4i
じーじぇい!
破壊の戦火と悲鳴の怒号が入り交じる絶望の蹂躙……これぞまさに戦場!
次回も楽しみに待ってますw

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:41:14 ID:BEmkepKE
>>101
地上部隊のこの台詞に痺れた!
>『見ろ。気に食わないが、心強い連中が戻ってきたぞ』

あと、この展開であのトラウマ攻撃を見事に再現してくれるとは思っても見なかったw
都築を機体w

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:42:47 ID:kojokzR8
>>106
原作者が機体で参戦するのか?

108 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:44:13 ID:E+lv5fiy
GJ!
原作知らない者としては、連中に「自重」って言葉を教えてやりたいwww
まさに超人集合なこのスレですが、いくら何でもここまでの奴らがいるとは思わなんだ…

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:45:50 ID:MudWwmT8
GJ!
それは狂機
市街地で繰り広げられる死闘。ミッドチルダを死守せよ。
流れてしまった膨大な血と涙を力に変えて希望に繋げられるのだろうか?
アイレムは最後にトドメの絶望を投下してくれるけどw

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:48:45 ID:ZATaqvWW
なのはの熱さとRの絶望っぷりが見事に共演していてGJとか言いようが無い…

タイヤキくん怖いよタイヤキくんw


111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:01:37 ID:bYyQwBUm
GJ!

深緑の機体?
R-9DV2とかTW-1、B-1A系ぐらいしかなかったと思うが

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:04:13 ID:bYyQwBUm
間違えた
緑じゃなくて蒼だった

113 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:09:46 ID:kojokzR8
>>112
sageも忘れてるぜ

114 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:18:22 ID:o46W0zTy
やっぱり クロノ父ちゃんが乗ってるのかな?

115 :LMS:2008/03/12(水) 23:18:29 ID:QlaHBEFv
R-TYPE…小学校の頃何度絶望したことか
その絶望が今また蘇る(俺の中で)。なのは勢は大丈夫なのか!?
これはもう、バイドバーガーをリンディ茶で食べながら正座して続きを待つしかない!
超GJです!


というところで、この後予約が無ければ半頃にLMS8話を投下しようと思うのですが、大丈夫ですかね?

116 :リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/12(水) 23:20:33 ID:6m57FqMh
>>101
GJっす!
自分も十一時半ごろから投下していいすか?

117 :StS+ライダー:2008/03/12(水) 23:22:02 ID:HPFKCrfk
お久しぶり〜
支援

118 :リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/12(水) 23:27:03 ID:6m57FqMh
おっと失礼。
自分は明日にでもさせて頂きますです。

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:32:21 ID:MudWwmT8
>>115
その組み合わせはいろんな意味で致死量w
そして支援

120 :LMS:2008/03/12(水) 23:35:26 ID:QlaHBEFv
大丈夫……だよな? いきます



Lyrical Magical Stylish
Mission 08 Thunder fowl


「待っていたぞ、魔剣士の息子よ、そして幼き魔導師よ」

 広場全体を揺るがすほどの大声。そして、突如空を覆った雷雲の中から現れた巨大な鳥。ファントムと同じくムンドゥスに忠誠を誓う、

魔鳥グリフォンである。

「やれやれ、ファントムの次はお前か。ドイツもコイツも諦めが悪いったりゃありゃしねぇ」
「ムンドゥス様に楯突く愚か者よ、この場で消滅させてくれよう!」
「ったく、人の話聞いちゃいねぇな」
「ダンテさん……」

 面倒くさそうに愚痴をこぼすダンテに、なのはは自身を震わせる激戦の予感を伝える。ダンテはそんななのはに器用にウィンクを一つ飛

ばすと、グリフォンを指差してこともなげに言った。

「そんな訳だなのは。アイツは空を飛んでるからな、頼むぜ?」

 ダンテは空を飛べない、そしてなのはは空を飛べる。グリフォンは鳥である以上、ダンテのフィールドに最初から下りるわけがない。そ

んな簡単な計算からはじき出される、前衛なのは後衛ダンテ。
 なのはもまた、それを理解していたからこそダンテに聞いたのだ。返ってきた予想通りの答えに、なのははレイジングハートを強く握り

締め、不敵な笑顔で言い放った。

「……端っこでのんびり眺めてても構いませんよ?」
「ハッハッハ、さすがに援護位はしてやるさ」

 グリフォンが翼を大きく広げ、戦闘態勢を取る。ダンテもまた両手にエボニー&アイボリーを構え、銃身がスパークを起こすほどに魔力

を込める。
 そしてなのはは大きく息を吸うと、グリフォンのフィールドである空へと舞い上がった。

「私と同じフィールドで戦うか。その驕り、後悔させてくれる!」
「そういうことは、私を撃墜してその後言ってよね。言っとくけど、空中戦で負ける気なんてないんだから」
「吹き飛べ―――!!!」

 咆哮とともに放たれた雷撃は三発。直感を頼りにそれを避け、掠っただけでシールドが消し飛んだことになのはは戦慄する。

(……直撃もらったら終わり、か。でも、そんなのはここに来てからはずっとそうだった)

 続けざまに放たれる雷光を、紙一重なんて贅沢を言わずにしっかり距離を取って避ける。
万が一目測を誤ってシールドが消えれば、その度にシールドを形成しなければならない。そんな無駄な魔力は使っていられない。

「ウオオオオオ―――!!!」
「小賢しい……!!」

 ダンテが連射する二匹の獣はグリフォンの片翼を執拗に狙い続けている。ダンテがかつて取った戦法、翼を片方?げば鳥は空を飛べない

、それはグリフォンにも通じる。
己に攻撃が向けられることが極端に減った分、ダンテは殆ど動かずに砲台と化していた。その様子をチラリと窺ったなのはが、安堵半分苛

立ち半分といったなんとも微妙な表情を見せる。

121 :LMS:2008/03/12(水) 23:36:35 ID:QlaHBEFv



(時間を稼げばいい、ってこと? でも……そんなの……)

 満足できない。納得できない。ダンテは言ったはずだ、なのはに頼むと。だったら、ダンテの攻撃はグリフォンの気をそらすただの援護、メインは自分が張る―――!!

「ディバインシューター!!」

 高速で空を駆ける三発の魔弾は、グリフォンが撃った雷撃をすり抜け、ダンテが狙う方の翼に直撃する。体が大きい分狙いを外すことはありえない。
逆に、迫った雷撃を避けるのは容易いことではないが、出来ないことではない。

「これだったら……」

 なのははさらに連続でディバインシューターを放つ。その間にも目まぐるしく位置を変え、グリフォンに的を絞らせない。

「フェイトちゃんの攻撃のほうが、百倍避けにくかった!!」

 一度は自身を堕とし、そして激戦を繰り広げ、今は親友となった雷を操る魔導師、フェイト・テスタロッサ。フェイトとの戦いの経験から、なのはは雷に対して鋭い感覚を持っていた。

(行ける……!)

 ダンテの射撃はどういうことか止む気配がない。銃弾一発一発には濃密な魔力が目で見て確認できるほどに宿っており、グリフォンの纏う雷の加護をものともせずに翼を痛めつける。
 なのはの魔法もまた、フェイト用に作られた雷対策が、魔弾にグリフォンの加護を破る力を与えている。これならば、いずれグリフォンの翼は潰され、そして地上でダンテに炎の洗礼を浴びるだろう。
 全てが、順調に行けば―――

「鬱陶しい……時間の無駄だ!!」

 だが、世の中はそんなに甘くない。グリフォンが広場全体を覆いつくす雷のフィールドを発生させ、中にいるもの全てに無慈悲な雷撃が襲い掛かる。

「く……ライトニング・プロテクション!!」

 かき消されるディバインシューターに気をやる余裕もなく、なのはは自身を襲う全方位の雷に対抗したワイドエリアの雷専用シールドを展開する。シールドと触れ合う雷が激しい発光を起こし、なのはの目を焼く。
 ダンテもまた、銃撃を止め、全力でネヴァンを掻き鳴らしている。
グリフォンの放つ雷はその威力もさることながら、食らうと暫く痺れてロクに動けなくなるということを、以前の戦闘でイヤというほどに思い知らされていた。

「死ね」

 激しい発光と、同時に起こる爆音。その中で、なのははグリフォンの声を聞いた。

「あ……」

 プロテクションを突き破られる感覚。ヤバイと思った次の瞬間感じた、自身の体に”何か”が無数に突き刺さる感触。
 呆然と体を見ると、グリフォンの羽根がデタラメに突き刺さっていた。愕然とする光景に、消し飛ぶシールド。そして、周囲に存在するのは触れたら体ごと消し飛ぶほどの雷撃のカーテン。

「Reacter purge」
「きゃああああああ!!!」
「なのは!!」

 バリアジャケットの一部が消し飛ぶ。リアクターパージ、限界を超えたダメージを受けた際に発動する最後の自動防御魔法が、辛くもなのはを即死から救う。
だが、続いて感じるのは浮遊感。飛行魔法が消えたら、重力に従って落下するだけだ。

「間に合え!」

 ダンテはすぐさまなのはの落下地点に向けて全力で走り出した。鬱陶しい雷も無視して、自身が迅雷の速度で以って広場を駆け抜ける。
なのはもまた、薄れゆく意識を必死に繋ぎ、レイジングハートを落とさないよう強く強く握り締める。

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:36:48 ID:fXgURrtM
支援

123 :LMS:2008/03/12(水) 23:37:14 ID:QlaHBEFv



「消えろ!」
「させるか!!」

 落下するなのは目掛けて放たれる死の一撃。それに抗うかのようにぶん投げられたリベリオンが避雷針の役目を果たしたか、ギリギリのところで雷を打ち消す。

「ウオオオオオ―――!!!」

 なりふり構わぬ獣のような咆哮を上げ、矢のようなスライディング。ダンテは墜落死寸前のなのはをまさに間一髪で受け止めることに成功する。
だが、状況は最悪。空ではなのはへの追撃を邪魔されたグリフォンが、ならばとばかりに身動きの取れぬ二人目掛けて今までで最大の雷を落とそうと構えている。

「こりゃ、ヤバイか?」

 なのはを抱きかかえたまま上を見上げてダンテは呟く。あの威力を完全に相殺できる手段は自分にはなく、また、なのはを抱えたまま無傷で避けるのは不可能だ。
だが、グリフォンが止めの一撃を放とうとした時、ダンテにとってもグリフォンにとっても完全に予想外の声がグリフォンの咆哮を遮る形で響く。

「消え失せるが―――」
「Divine buster」

 ダンテは目を疑った。雷の直撃を受け、飛行すら出来なくなって落下したはずの、腕の中のなのは。
確かに、助けられたことに安堵して意識の確認はしなかった。だが、そのなのはがまさか爛々と目を輝かせていようとは誰が想像できようか。

「吹き飛べえぇぇぇぇ!!!」

 ダンテの腕の中から放たれるなのは最強の一撃。既に発射体勢に入っていたグリフォンにそれを避けることなど出来やしない。

「グオオオオオオオオオオ!!!!」

 発射寸前で爆発した雷が、ディバインバスターの威力に上乗せされる。
半分自爆する形で、グリフォンのいた空域一体が太陽と見間違うほどの白光に包まれた。その光に目を奪われていたダンテに、なのはの声が聞こえてくる。

「してやった、よね」
「……喋るな。治療に専念しとけ」
「こんなの、余裕です……」
「だから喋るなって」

 ダンテの腕の中で、なのはが弱弱しい、けれど優しい光に包まれる。ユーノから学んだ治癒魔法をレイジングハートが自動で発動したものだ。
ダンテはゆっくりなのはをその場に横たえると、すぐ傍にネヴァンを突き立てフィールドを発生させる。これで多少なりとも雷撃は防げるだろう、というダンテの配慮だった。

「さて……レディにひどい仕打ちをしたこと、後悔してもらおうか」

 怒りを隠さない声色で、収めていた二匹の獣を再度引きずり出し、銃身に今まででも最大の魔力を無理矢理ねじ込んでいく。目を焼いていた輝きも弱まり、その奥から未だ堕ちぬグリフォンが姿を現す。
だが、ディバインバスターに打ち抜かれたと思われる右足周辺は完全に吹き飛んでおり、自身の雷で焼かれた全身はところどころが激しく焦げている。ダメージは甚大なようだ。
 これならばすぐにでも地上に引き摺り下ろせる。ダンテがそう考えたところで、ファントムに続きあり得ない台詞を聞いた。

「……今回はここまでだ」
「何?」
「この勝負、預けるぞ」
「! 待ちやがれ!!」

 ダンテの制止は意味を成さず、バサリと翼を翻したグリフォンは自身が生み出した雷雲の中へと消えていった。咄嗟に放った銃弾がグリフォンを掠めるが、それも戦闘の継続に対しては役に立たなかったようだ。
 そして、グリフォンが完全にこの場から姿を消したことを暗示するかのように雷雲もまた消滅していき、広場には最初の静寂が戻る。

「……どうなってんだ」

 ダンテはリベリオンを呼び戻し、定位置である背中へと戻す。ファントムに続き辛くも退けることが出来たが、この程度で退く相手ではないことはダンテが一番よく知っていた。
二体の不可解な行動に謎は深まるばかりだが、今はそれでもよかった。

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:38:11 ID:P0IMdQPJ
デカいスズメキター!
支援!

125 :LMS:2008/03/12(水) 23:38:15 ID:QlaHBEFv



「大丈夫か?」
「……なんとか」

 あの時は咄嗟にグリフォンを逃すまいと声を上げてしまったが、あのまま戦闘を続ければ、なのはがどうなっていたか分からない。
今はとりあえず回復のための時間が取れただけでよしとするべきだ、ダンテは自分を納得させると、ネヴァンを引き抜いてなのはの横に腰を下ろした。
 そんなダンテに、弱弱しいながらもしっかりとした声が聞こえる。横を見ると、なのはがダンテを見上げていた。

「……ごめんなさい。足、引っ張っちゃって」
「バカ言え、飛べるからって理由だけで前衛やらせた俺のミスだ。時間がかかっても、二人で地上に引き摺り下ろす算段を立てるべきだった。悪かったな」
「何言ってるんですか……前衛を任せてもらえて私は嬉しかったんですよ? ファントムのときは何も出来なかった、だから」
「汚名返上ってか? 冗談キツイぜ。そんなんで死なれた日には、俺はどうすればいいんだよ」

 羽根に穿たれた傷跡は深く、雷に焼かれた傷跡はさらに深く。
治療を始めて時間が大して経ってないとはいえ、まだ起き上がることすら出来ないほどの重傷なのだ。ダンテは失態だったと強く自分を責める。

「……なのは」
「今さら、帰れ、なんて言いませんよね」
「……だけどよ」

 ダンテはなのはを見る。今生きてるのは単純に運が良かったからだ。何か一つでも違っていたなら、なのはは死んでいた。
それが分からないなのはでもなし、ダンテは何とか言い含めようとするが、対するなのはの目は強い意志をたたえ、輝いていた。

「ダンテさん、言いましたよね? 相棒って」
「…………」
「私なら、大丈夫。今度こそ、ローストチキンにしてやりますから」
「はぁ……ったく、お前が一番人の話聞かねぇな。分かったよ、好きにしな」

 暫く動けないほどの重傷のクセに口だけはでかく。それは、いつもダンテがしていることと全く同じだった。そんな相手には何を言っても無駄、というのはダンテ自身が一番知っている。
 グリフォンの残した強力な悪魔の気が周囲一体には色濃く残留している。これがある限り、下級悪魔は出てこれない。期せずして得たしばしの休息の時間だった。





 場所は大きく変わり、門の外。結界内で戦うクロノやフェイトをモニターで眺めながら、アースラのブリッジで座っていたリンディが呟く。

「……海鳴市の海域そのものを時空転移させます」

 アースラのブリッジでリンディが下したのは苦渋の決断。ここまで大規模で、かつ安定してしまっている空間を転移させるとなれば、発生する時空震も相当なものになるだろう。
いくらリンディが魔導師として優れていると言っても、抑えきれるかどうかは分の悪い賭けになることは間違いない。

『提督!? それは……』
「分かっています。ですが、最悪の事態を考えた場合にはこれしか方法はない」
『く……』

 現場から飛んできたクロノの驚きの声にも、答えは変わらない。つい先ほど、管理局本部では今回の極小次元断層をアルカンシェルで空間ごと消し飛ばすという決定がなされた。
たとえ海鳴を巻き込んでも、魔界が広がるのを看過するわけにはいかないということだ。
 もちろん、現場で対応に当たっていたリンディは猛反対。だが、たとえ海鳴が消し飛んだとしても、それ以上の人々が救われるのならばという話を理解できないわけでもなかった。
 結果として、アースラスタッフが抑えられる限りという条件付でアルカンシェルの即時発射は止められたが、それでもいつまで時間が稼げるか分かったものではない。
だが、海鳴の守護はもちろんのこと、門に消えたダンテとなのはの安否が確認できるまではどうしても門を死守しなければならない。

「準備します。エイミィ、しばらくよろしくね」
「ハイ……御武運を」
「ええ。任せてちょうだい」

126 :LMS:2008/03/12(水) 23:39:22 ID:QlaHBEFv



 リンディは提督の椅子を後にし、最大限の力を出せるよう自室に戻り準備をする。ここまで大きな魔法になると、服装から何から全てに気を使わなければならなかった。
 やることは対プレシア・テスタロッサ戦で行ったことと同じだが、今回は規模が違う。どれだけ押さえ込んでも生じる時空震は甚大な被害をもたらすだろう。それでも、やらないわけには行かない。

「さて……頑張らないと、ね」

 最後に、モニターから門を一睨み。魔導師として前線で動いていたときですら持ち得なかった気合を入れて、リンディは颯爽と歩き出した。




「ぐえ……」
「鼻つまんだって無駄だぜ、諦めな」
「……なんでそんな平然としてられるんですか」
「俺の事務所がある掃き溜めはこんな感じだからな」

 治療が終了し、二人は広場を抜けて新たな場所へ来ていた。扉を潜った先にあった階段を抜けた、そこは下水道。あまりの悪臭に思わずなのはが帰りたくなったのも仕方の無いことかもしれない。

「まだいいじゃねーか。お前は空を飛べるんだし、靴やズボンが汚れることは無いだろ」
「まあ……確かにそうですけど」

 高かったジーパンに汚水が跳ねるのを見て顔を顰めつつ、ダンテは飛んでるなのはを恨めしげに見る。靴はもう処分決定だろう。お気に入りだったが、仕方ない。

「しかし、随分滅茶苦茶な繋がりしてますね」
「そーだな。でもま、よくある話さ。魔界だからな」
「おかしく思わないんですか?」
「別に俺がここに住むわけじゃないからな」
「……そりゃそーですけど」

 お互いぶつくさ文句を言いながら、T字路へやってきた。

「じゃ、そっちお願いします」
「ヘイヘイ」

 ダンテは左に、なのはは右に。
 ダンテが歩いていくと、更に曲がってその先に扉があり、頑丈そうな鉄格子で塞がれていた。その横には三つ並んだ穴が開いており、どうやらこれが封印のようだ。

「鍵になりそうなものは……ねーか」
「ダンテさーん! ちょっと来てくださーい!」
「おー」

 コートの中を探ったが、もちろん何も無い。そこになのはからの声、聞こえたかどうかも分からない返事をしてダンテはなのはが消えたほうへと歩いていく。
 そこには、特に何の変哲も無い扉の前でドアノブをガチャガチャ回しているなのはの姿があった。

「……やっぱ鍵がかかってるよ」
「ヘイ、どきな」
「お願いします」

 なのははドアノブから手を離し、やって来たダンテに場を譲る。もしかしたら鍵を持っているのかも知れない、そんな期待を持ちつつなのははダンテを見て、そして目が点になった。

「うおらっ!!」

 本物のヤクザキック。扉は盛大に吹っ飛んでいった。

「開いてたぜ」
「……随分無用心ですね」

 他に言えることがなかった。二人は扉のあった穴を潜る。そこは先ほどの下水に比べて若干広い、部屋と呼べるスペースだった。

127 :LMS:2008/03/12(水) 23:40:02 ID:QlaHBEFv



「あれですか?」
「ああ、間違いない。あれだ」

 その奥に、おそらく、下水を抜け出すための扉、あの封印を解く鍵であろう、三叉の矛が突き刺さっているのが見えた。

「じゃ、ダンテさんお願いしますね」
「ったく……」

 長さ的になのはが持つのはしんどい、分かっているのだが、何となく文句を言いつつダンテはそれを引っこ抜いた。と同時に、元扉の穴が赤い封印に覆われる。

「またですか?」
「そーいうこった」

 壁を背にしていても安全ではない、そのことをよく知っている二人は部屋の中央へ陣取る。そしてなのはは死にたくなった。

「……うげ」
「ハハハ、あーいうのは嫌いか?」
「……ダンテさん、私を何だと思ってるんですか? か弱い乙女ですよ?」
「自分で自分のことをか弱い乙女とか言うなよ、つい噴き出しちまいそうになった」

 下水を流し込んでいる配管から涌き出てきたのはベルゼバブ。耳障りな羽音を撒き散らしつつ、部屋を埋め尽くさんばかりに増殖していく。
 さすがに、いくら優れた魔導師と言えどまだ子供、何だかんだ言ってこういったグロテスクな相手は苦手なんだろうとダンテが当たりをつけたところで、聞こえてきた呟きは憎悪に満ちていた。

「……最悪」

 もう、見た目からして殺意が沸く。今まで何度も料理をダメにされたことか、考えただけでなのはは血管が切れそうになる。夏場なんか特にそうだった。作ったばかりのケーキを一瞬でオシャカにされたことは生涯忘れないだろう。
ダンテも真っ青なほどに赤く染まった怒りの炎がなのはを覆う、そんな幻を見たダンテは冷や汗をかきつつなのはに尋ねる。

「だったら―――」
「ここから、ついでに翠屋からいなくなれ!!」

 どうする? と聞く前に浮いた光弾は七発。我先にと押し寄せるベルゼバブに向け、具現化したなのはの怒りが炸裂する。
 厨房で殺虫剤を使うわけにはいかないとハエ叩きを持って必死に追いまわした腹立たしい記憶。逃げることなくむしろ向かってくる連中は今までの溜まりに溜まった怒りをぶつけるにはちょうどいい相手だ。

「……やれやれ、レディは怒らすもんじゃないな。だろ?」

 あれほどの重傷を負っていたことなどおくびにも出さず、荒れ狂うディバインシューターでバカスカ蝿の悪魔、ベルゼバブを撃ち抜いていく。
そんな光景を眺めつつ、ダンテは近付いてきたベルゼバブに同意を求めながら、同意が得られる前にショットガンでぶっ飛ばした。

「こりゃ、俺の出番はねーなぁ」

 360度見えてるのではないかと疑うほどの精密操作。周囲を飛び交うベルゼバブはあっという間に殲滅されていく。
だが、これで終りではない。ベルゼバブは二種類、互いが互いを補完する形でこの弱肉強食の魔界を生き延びてきたのだ。撃ち落とされた青いベルゼバブの死骸を、飛ばない緑のベルゼバブが喰っていく。
そのおぞましい光景を見たなのはの攻撃の手が思わず止まるのも、致し方ないだろう。

「うわ……夢に出てきそう」
「さすがに刺激が強かったか? なんなら代わるぜ」
「バカ言わないでください。ケーキをダメにされた仕返しは、まだ済んでないんです」

 だが、そんな悪夢のような光景でさえも、なのはにとっては恐怖より怒りを呼び起こすものだった。仲間の死体を食べれるのなら―――

「何でわざわざ、人様の作った物を食べるの!!」

128 :LMS:2008/03/12(水) 23:40:36 ID:QlaHBEFv
7(終)


 ついにプッツンした。なのはから巻き起こる魔力が暴風となって周囲一体に襲い掛かる。ダンテはその光景に割と本気でビビッていた。半分以上八つ当たりなのだが、そんなのは知ったことではない。

「こんの……クソボケェェェェェェ!!」
「……頼むから、天井が崩壊するほどの破壊だけはするなよ」

 ダンテの呟きは、ベルゼバブの上げる悲鳴と、ダンテ自身が上げる銃声と、なのはが上げる叫びに虚しく掻き消されていった。




「怒りは収まったか?」
「ええ、まあ」

 言葉とは裏腹に頭から湯気が見えそうななのはだったが、炎よりはマシか。ダンテは肩を竦めつつ、三叉の矛を鉄格子横の穴に突き刺した。鉄格子が上がり、そしてまた扉が赤く発光する。

「……やれやれ、運の悪いというか、空気の読めないというか、いろんな意味で大した連中だぜ」

 背後から聞こえるのは先ほどと同じ羽音。ダンテは振り返ることすらしなかった。

「―――へぇ……まだ、足りないんだ」

 隣のなのはが、レイジングハートにどう見てもオーバーキルにしかならない量の魔力を注ぎ込むのを確認していたから。

「ヘイヘイ、壁は壊すなよ? 天井が落ちてきたらたまらん」
「運がいいといいですね」
「おい!?」
「ディバインバスターーーーー!!」

 思わず制止しようとしたダンテの手は間に合わず、なのはがディバインバスターをぶっ放した。哀れなベルゼバブの群は怒りの白光に飲み込まれ、文字通り塵一つ残さずに消滅する。

そして―――


ズズン……


 天井から落ちる埃。ダンテは嫌な予感がした。


ビシビシッ!


 天井にヒビが走る。さすがに我を取り戻したか、なのはが冷や汗をかく。

「走るぞっ!」
「……ったく、誰のせいですか!!」
「お前のせいだ!!」

 封印の消えた扉を蹴破り、背後の天井が凄まじい音を立てて崩壊していく様子を感じたくもないのにハッキリと感じながら、二人は通路を全力で疾走した。





「ハァ……ハァ……二択、です、か?」
「ゼェ……ゼェ……いんや、多分、どっち、も、行かなきゃ、なんねーと、思うぜ」

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:44:40 ID:E+lv5fiy
規制か? 支援

130 :LMS:2008/03/12(水) 23:47:09 ID:QlaHBEFv
8話はこれで終わりです。分量が少なくて物足りないのはお詫びします。次はもうちょっと増える、はず
しかも一発目から酷い失敗、すみません。何が原因なんだろう…

というわけで、7話の最後で出てきたグリフォンとの一回目の闘いと、スレで話題になってたベルゼバブの話でした
やはり高位悪魔の力は尋常じゃないよ、ということで、ここからなのはのパワーアップが始まる、と思います
グリフォンもまたファントムと同じで、二対一じゃつまんねーってことで、決着は次に持越しです
やっぱボスとは何度も戦わないと

>>リリカルスクリーム氏
申し訳ない……明日、正座しながら投下を待ってます

>>支援をくれた皆様
ありがとうございます。いつもいつも助かります

それから、前スレでGJくれた皆様、ありがとうございます
ロックすぎるなのはですが、今後もお付き合いください

>十年後
stsの道を歩むのであれば、新人の教育に多大な影響を与えるのは間違い無さそうw

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:49:55 ID:jIg2L154
LMS氏、何はともあれGJ!



…ナノハサンコワイヨーーー。

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:51:20 ID:P0IMdQPJ
GJでした!
スゲェよ、あらゆる意味で突き抜けてるよ、このなのはさん
本編以上に9歳とは思えないよ!
そしてたぶん、もう戻れないとこまでいっちゃってるw
クソボケは流石に不味いと思います、教導官どの!

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:52:40 ID:E+lv5fiy
>>130
「よぅみんな、ダンテお兄さんだ。
 以前俺…というか、これ書いてる人間の影響でLMSの連載が始まったと聞いたときには、そりゃびっくりしたもんだった。
 何故か責任感じてガタガタ震えてたぜ、アイツ。
 で、最近なかなか読めてなかったのに罪悪感を覚えつつも、久しぶりに目を通してみたんだが…
 …ハハッ、なるほどコイツはクレイジーだ」

というわけでGJ!
もうこのSSのなのはは色々な意味で戻れないような気がしますwww
十年後この人に憧れるスバルは一体どうなるんだろ…w

134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:09:35 ID:w3eMvZlr
>LMS殿
今回のなのはさん、2話でダンテがクロノを罵った時とは比べ物になりませんね。
誰かが頭を冷やしてあげないといけないんじゃないかな?(誰がいいかな)

>R−TYPE Λ殿
タイヤキ君とはシュールなネームを(笑)。Uは2面からかなりムズくなるので大変(ステージも長いし)。
予言が意味するものとは一体!?、そして謎の魔力反応の正体は!?

135 :LMS:2008/03/13(木) 00:38:48 ID:5c1D4TmK
まずは業務連絡
8の1で「?げれば」となっているところがありますが、「?げれば」と書いたはずなんです
何で?

GJ、感想くれた皆様、ありがとうございます

>>131
食べ物の恨みは怖いってことですね
え、そんなレベルじゃない?

>>132
ダンテがボケの役割なので、それに応じて凶暴化したのは間違いないんですが……
あれー?
きっと最悪に近い思い出があったんでしょう。件のケーキ以外にも

>>133
フェイトたちに言われて表と裏を使い分けるようになる、ハズ
というかなってくれないと、Asが大変なことになってしまう

>>134
そろそろ家にSLB飛んできそうで毎日震えてます
次以降、さすがに今回ほど酷く言葉が乱れることはない、と思いたい

136 :LMS:2008/03/13(木) 00:40:14 ID:5c1D4TmK
連投すいません
書き込みを確認したところ、やっぱり?になってますね……

「もげれば」って書いてあるんです(も、だけ漢字)
翼をもぐ、んです。常用漢字じゃないからか……

137 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:47:42 ID:3sENUfvY
GJこのなのはだったらもう死体を踏み越えていく事すら
平然と出来そうだな。蠅の共食いすら平気とは(身近な事象に置き換えて逃避してる可能性もあり)
ファントムやグリフォンもこれ位の強さがなくては。

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:55:41 ID:UEeycFrh
>LMS氏
いつも楽しみに見ています。
八つ当たりのなのはさん怖いっす。だがそれがいい。
悪魔の死体踏みつけて、RH肩に担ぎながら不敵な笑みを浮かべるなのはさんを想像した。

続き楽しみにしてます。


139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 01:58:02 ID:6agAEaNA
BINGOだぜ!

しかしこの『なのはさん』見てるとあれだな……
ヴォルケンズの皆さんが心配でならない。
ぶちまけられつつもシャマル先生に手痛い反撃かましたり、ヴィータやシグナムに『テメーが泣くまで砲撃を止めない!』をしそうでw

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 02:35:21 ID:QVSKNUq6
すでに、そのなのはは倉庫で待機しているぜw

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 02:46:55 ID:GtAT1jVb
一発ネタ思いついたー。

「なあロッサー。スカリエッティと繋がっとった上層部ってまだわからんの?」
「相手が相手だしねぇ。難航中。ただ、外部から特別捜査官を迎えたから進展すると思うけど」
「特別捜査官?」
「そ、丁度今仕事中だと思うけど」

──同時刻・某陸士部隊のオフィスにて──
「いえ、ですから、資料のこの部分の資金を説明して頂きたいんですよ」

そう言うのは後ろに髪を撫でつけ、黒縁の眼鏡をかけた人畜無害の見本のような男である。
男は不正の証拠を掴むべくこの部隊に来たのだが、当然相手がはいそうですと認める筈が無い。
挙句、部隊長の口から脅しめいた台詞まで出てくる始末である。

「ハヤシっつたか〜? 大体手前もどこぞの提督と同じで、親のコネで昇進したクチじゃねえのか〜?」

その一言でハヤシと呼ばれた男はうつむき、微動だにしなくなる。図星かと勝ち誇った笑みを浮かべようとした隊長だったが、急に周りに煙が立ち込めるのを見てギョッとする。すわ火事かと身構えたがそうではない。煙の正体、それは……

「あ〜手前何葉巻なんぞ吸ってやがる!!」

さらに、すう、ぱあ、すう、ぱあ、と煙を吐き出しながら

「親は関係無えだろ親は……」

と睨みつける。そこに居たのは、先程までの温厚な顔を捨て、獲物を追い詰める一匹の獣だった。

──時空管理局特別査察官・中坊林太郎── 始まらねえよ!! 首吊って死ねボケ!!
 クロス相手・公権力横領捜査官 中坊林太郎。

142 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/13(木) 08:51:08 ID:5QghB/0B
朝っぱらからコーヒー吹かせるなw
作者は北斗の拳の原哲夫といえば分かりやすい。
管理局の重役、皆フルボッコwww

143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 11:00:38 ID:MLcbIOik
>141
そっちかぁ。てっきり入江さんかと。いやどっちでも大差無いとは思いますが。

144 :名無し@お腹いっぱい:2008/03/13(木) 11:05:37 ID:oKTaTUyP
>143

いや、入江さんだったら捕まえる段階で車両とか建物とか尽くぶっ壊してると思う。
・・・そしてそのまま管理局ごと壊滅とか。

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 11:52:47 ID:QaKj4N2H
入江なんて言うからてっきり、ひぐらしかと思った。

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 15:23:38 ID:b6mXyHYF
>>101
おお、なんという血戦!GJ!
ゲインズ大暴れ!惑星破壊プログラム発動!!バイド化ガジェットがAMF!皆のトラウマタイヤキくん/(^o^)\
さすがロックオン波動砲IIIだ!200体のガジェットが相手でもなんともないぜ!陸士部隊や教導隊隊長も熱い!
地球軍の民間人無視な戦い方はFINALのムービーや3面を思い起こす。クラナガン全域が廃棄都市になりそうな勢いだ。
そして遂にスィートメモリーズが来たようだが嘗ての英雄に魔力反応、非情な予感がビンビンするぞ。
次回のなのは対モリッツGにwktk、俺の姪のモーニングスターと一緒に待ってる!

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 15:24:53 ID:0yNcstHx
ダッボンの方じゃなくてヨカッタ

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 16:57:46 ID:kgamK+4A
その他の296がメチャクチャスタイリッシュな件

149 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/13(木) 17:36:48 ID:7e5nPMsa
野郎尽くしの闇王女第三章前編、投下していいでしょうかー?

150 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/13(木) 17:39:44 ID:7e5nPMsa
9、8、7、・・・ひひひもう我慢できねえ、ゼロだあ!というわけで投下。

魔法少女リリカルなのは 闇の王女 第三章前編

 自分自身の彼女への未練を捨てられたら、どんなに楽だろうな、とクロノは思った。所詮、かなわぬ願いだが。
黒い髪がさわりと揺れる。部下に結界の解除を命じながら、クロノはなのはに近づいた。
ユーノが意味ありげな視線を眼鏡越しに送ってくる。あとで話がある、ということか。
慌ただしく撤収の準備を進めていく武装局員たちを尻目に、なのはに声をかける。
「なのは――君の家族が来ているようだ。会って―――」
前を見据える。
「けじめを、つけて来てくれ」
なのはは機械的に頷いた。
「………わかった」
歩き出す。ただ無心に。その姿が、ひどく寂しげに見えて――ユーノは声をかけそうになったが、思いとどまる。
これはなのはの問題だ。自分が口出しする問題じゃない。
頭ではそうわかっているのにな――と自嘲を口元ににじませる。
「提督、いかがなさいますか?」
「先に撤収していてくれ。僕は『後片付け』を担当する」
部下の問いにクロノが答えた。
「わかりました。全員撤収!」
術式詠唱。
転移魔法。ミッド式の円陣とともに、三十人近い武装局員たちの姿は消えた。
沈黙。蝉が鳴いている。
唐突に、フェイトが口火を切った。
「お兄ちゃん、どういうこと!なんでお兄ちゃんがなのはのこと――知ってるの?答えて!」
「そや、どないなっとるんや、クロノ君!」
そっけなくクロノが答えた。
「機密事項だ。君達に喋るわけにはいかない。フェイト・T・ハラオウン、八神はやて」
「な……」
あまりにも他人行儀な言い様に、二人が戸惑った。
何故、クロノはこんなことを言う――?
ユーノは見かねて口を挟んだ。
「答えてやればいい、クロノ。どうせもう――隠し切れないだろうさ」
「ユーノ・スクライア、どういう意味だ」
無表情に問われた。
「言ったとおりの意味だよ。君に命令を下しているであろう人物は、目星がついている。3提督――なんだろう?」
「――ッ!」
クロノがS2Uを構え、警戒の視線を向けてくる。
(本当に――腹芸が下手だな、君は)
冷ややかな視線とともに、もう戻れない場所まで行ってしまった男へ言葉をつむぐ。
「クロノ、君から先日得られた情報だけで推測できるさ、このくらい。あまり僕をみくびるな」
「―――喋りすぎたようだな、どうやら」
「感情的になるとすぐああなる。クロノ、君の悪い癖だ」

眼を閉じて溜息をついた。ユーノの言うとおり、確かにそれは自分の悪い癖かもしれない。

151 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/13(木) 17:41:16 ID:7e5nPMsa
いや――。
(なのはが絡んでいるから、か)
自分の一番弱いところは、多分そこなんだろう。
ユーノが相変わらず冷ややか目線をこちらに向けながら、語りかけてくる。今までの――先日までのユーノとはまるで別人だ。
(覚悟を決めたか。ユーノ)
いいだろう。なら、自分も腹を括ろう。喋ってやる。自分は――既に父にあわせる顔の無い外道に堕ちた。だが、心はまだ、クロノ・ハラオウンのものだ。
断じて3提督のものなどではない。
「ああ、そうだともユーノ、フェイト、はやて。僕が――高町なのはを3提督の命で訓練し、戦士に育て上げた」
眉をしかめながら、
「――利用する、為にね」
フェイトがひどく傷ついた顔をした。当然だろう、これは裏切り以外の何物でもないのだから。
しかも家族と信じた兄からの裏切り。傷ついて当たり前だ。
どうして、という叫び。
「どうしてなの?お兄ちゃん!なのははあんなこと――」
「望んでいない、か?違うな、フェイト。あれは――」
言い切ってやろう。どうせなら、これ以上ないほどの悪役として。
「―――彼女から望んだことなんだ。復讐の為の力を手に入れる。それが、彼女の願いであり、僕達の手伝ったことだ」
「せやからって、そんな方向になのはちゃんを進めるのは間違ってる、クロノ君!!」
S2Uを握り締める。
わかっているさ、そんなことは――。心中の慟哭をおくびにも出さずに、クロノは続ける。
自らの罪の、告白を。
「僕がスカリエッティの研究所から助け出したとき、なのはは泣いていたよ」
それは――燃え尽きる優しさの証だったのか。それとも、復讐に焦がれることへの悲しみだったのか。
クロノにはわからない。
「――僕は――そんななのはを復讐の鬼に仕立て上げた。それだけで――」
君達には十分な筈だ。そう言いかけたとき、ユーノが言った。
冷ややかだった視線を、初めて悲しそうなものにして。
「クロノ。僕には君達が何をしたいのかはわかるけれど、どういうつもりなのかはわからない。
特に、十代の女の子に戦闘術を仕込んで駒として扱うようなことに関しては、ね」
でもね――とユーノが続け、
「自分の気持ちまで覆い隠す必要は―――ないじゃないか、クロノ。君は悲しかった筈だ」
「知った風な口を――」
反射的に喚いていた。
「いいや、違わないさ。君も僕も――なのはを想っていることにかわりはない筈だから」
「そんな――わけが――」
心臓が跳ね上がる。
「嘘をつくな、クロノ。望んでやったことか、それは!違うだろう。何時だって――君は真面目すぎるだけだ」
心の殻が、決壊した。ぱりぱり、ぱりぱりと。
割れていく。偽りで塗り固めた何かが。
そうだ、自分が本当に守りたかったものは―――。
(――なのは、君の笑顔だ)
だというのに、自分は――。
膝をつき――手をついてクロノ・ハラオウンは泣いた。身も世もなく、ただ泣いた。
夏の日差しが、堪らなかった。熱くて、熱くて――。気づけば、フェイトも、はやても、涙で顔がくしゃくしゃになっていた。
嗚咽。
涙が、石畳に落下して、奇妙な模様を形作って――。
つらい、何もかもが――辛い。

入道雲が、高く、高く空にそびえ立っているのを、ユーノは黙って眺めた。
聖王の揺り篭。それが如何なるものであれ、自分は戦うだけだ。
それが。
(僕にできることだから)
嗚咽だけが木霊する空間で、一人ユーノは決意を固めていた――。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 17:41:18 ID:Z1+TK9bJ
支援

153 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/13(木) 17:42:21 ID:7e5nPMsa
 高町士郎は、娘の墓にそなえる品を片手に高町家墓地に続く石畳の上を歩いていた。
手には翠屋の包みに入ったシュークリーム。娘の好物だったもので、士郎が自分で選んできたものだ。
この猛暑にも関らず、この男の額には汗一つない。
かつての生業――要人のボディガード――のお陰か、未だにその体は衰えを知らないようだった。
今でこそ喫茶店のマスターであるが、身体の方はまだまだ現役である。
本当なら妻や息子達も一緒に来るはずだったのだが、士郎は自分一人で早めに来る事にした。なんとなく、そうしたかったのだ。
やはり、もう何年も経つが、士郎は未だに娘の死を割り切れないでいた。いくら月日が経とうと、これだけはいけなかった。
だから――今日という日は、なるべく一人で心の整理をつけたかった。もうすぐ――あの子の死から十年近くが経つのだから。
こつん、と足音が響いた。
士郎がそちらに眼を向けると、そこには黒い女が立っていた。
身につけた衣類は、全て黒。漆黒のマントを身に纏い、栗色の長髪を背中までのばした女性だ。その肌は、衣装とは対照的に白く、整った顔立ちだった。
にも関らず――女はどこか剣呑な空気を放っていた。士郎がよく知る場所――人の死がよくあるところだ――の空気。
そして何より――その容姿に凄まじいデジャブを士郎は感じた。
栗色の髪。優しそうな、しかし強い意志を秘めた顔。
あれではまるで―――。
娘の面影。
「あの……何か?」
女性が声をかけてきた。低い声だ。まるでわざと声音を低くしてるような――。
吃驚しながらも、努めて冷静に答えた。
「あ、いえ……少し、物思いに耽っていましてね……」
士郎は内心己の意気地の無さに憤慨していた。違う、言いたいのはそんなことじゃないだろう。
とにかく女性を呼び止めるべく、士郎は言った。
「少し……話をしていいですか。娘のことを、思い出しまして」
ぴたりと、女性の足が止まった。

「娘の墓が、ありましてね。それで――今日は、墓参りに来たんです。命日な、ものですから」
士郎の言葉を噛み締めるように聞きながら、黒衣の女は少しばかり眼を細めた。
「そう、ですか。娘さんの、ご冥福を―――祈ります」
「ありがとうございます。娘が――もし、生きていたら、ちょうど貴方のように、なっていたんだと思います。娘も、栗色の髪だったんですよ」
じくり、と心が痛んだ。私は生きている。私は生きているんです、お父さん。心の何処か、まだ空洞になっていない部位が、激しく泣き喚くのを、女は感じた。
それを鋼の如き自制心で抑え付ける。私は死人、もう――家族の間では死んだ身なのだ。
今更出てきて何になる。心の傷口が血涙を流すのを、ただ傍観するのみ。
そうだ――私は――。

「――本当に、可愛い子でした。いや――もうこんな茶番は止そう、なのは」
不意に、士郎の目つきが変わった。昔を懐かしむものから、今の欺瞞を拒否するものへと。
「生きて…いたんだろう。なのは。どんな事情が有ったかは、知らないよ。でもな、俺達は家族じゃないか」
士郎の手が、なのはの手に触れた。暖かい。
「もう一度―――」
暖かな手が、なのはの手を包み込んだ。
「やり直そうじゃないか、なのは………」
声は、涙と嗚咽で震えていた。
お父さん、私のこと覚えていてくれたんだ――。それだけで、もう胸が一杯になった。
復讐の炎が、揺らぎかける。暖かな手の感触に、何かを揺さぶられるのだ。
でも――精神のとびきり冷めた部分が警告を発する。
お前はなんだ。復讐の鬼ではなかったのか。もうお前の手は血でべっとりと濡れているではないか、今更戻れるものか。
第一、あの男をまだ殺していない――。
父の手を振り払う。驚きに見開かれる士郎の目。

154 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/13(木) 17:44:14 ID:7e5nPMsa
「お父さん――貴方達の知っている高町なのはは――死んだ。私は、もう戻れないんだよ………」
「何を言っているんだ!なのは、お前はちゃんとここで生きてるじゃないか!!」
士郎が叫んだ。何故だか――ひどく娘の言葉が恐ろしいもののように感じられたのだ。
まるで、冥府の亡霊の言葉のような――。
なのはが首を横に振る。
「私は、確かにあの日死んだの。心はボロボロで―――身体は残らず弄くられて――もう私は、あの頃の高町なのはじゃない」
「馬鹿なことを言うな!お前は――俺の娘だ。高町士郎の娘の、高町なのはだ!!」
悲鳴のような声だった。
変わってしまう何かを、必死にこちら側に繋ぎ止めんとする声。
―――違う。もう私は人を殺めてしまった。
あの頃の自分との決定的な断絶。この手で――いったい何人の人を殺めたのか――わからない。
数え切れないほど多くの人の犠牲。それが、自分が今日まで積み上げてきたものだ。
「もう本当に、いっぱい人の命を奪ってきたんだよ、お父さん。だから――私は――」
「なのは、お前は――」
確かな断絶を、士郎は感じた。感じてしまった。
「撃沈する戦艦の中で死んだ人もいた。魔法に消し飛ばされた人もいた。私がこの手で屠った人もいた――みんな、私の罪。
こんな私が、お父さん達と一緒にいていい筈がないじゃない」
無言。士郎はただそこに立ち尽くした――かに見えた。
ばあん、と鋭い音が辺りに響いた。
本気で頬を張り倒され、ぐらり、となのはの身体が揺れた。
初めて――父にぶたれた。
「なのはぁッ!お前も……色々あって、辛かったんだろう、けどな……俺も、桃子も、恭也も、美由希もぉ!
皆――誰一人として辛くなかった奴なんていないんだ!それに――お前が何をしようと――俺達は家族だ。
なにがあっても、続けられる、続けていける、それが家族じゃないかッ!」
娘が人を殺めた―――そんなことも、今の士郎にはどうでもいいことだ。
罪は償えばいい。けれど――生きているうちから、諦めきっている娘の姿勢だけは、許すことができなかった。
どうして――家族が、俺達がいるのに、諦めるんだ。
まだ――。
(生きてるじゃないか)
生きているだけで、いいのだ。それなのに――。
なのはが、しゃがみこみ、拳ほどの大きさの石を拾った。
「お父さん――」
めきめきと、石に亀裂が入っていく。そして――凄まじい握力に耐え切れずに、砕け散った。
「――これでも、こんな身体でも、私は戻れるっていうの。今だって――私はぶたれたとき、お父さんに身構えかけたんだよ?」
そう言いながら、粉々になった石の欠片を地面に落としていく。
「………なのは」
ばさり、とマントが翻った。
黒衣が風に揺れ、栗色の長髪が銀糸のように煌いた。
「もう、私の前に現れないで――。私は、皆とはいられない」
閃光。士郎には知るよしもなかったが、それはミッドチルダ式の転移魔法発動の証だった。
魔方陣とともにその姿が掻き消えていく。
残された残像に向け、士郎は呟いた。

「それでも、俺達はお前を待っているよ、なのは……」

蝉が、みんみんと鳴く中、士郎は泣いた。

155 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/13(木) 17:46:16 ID:7e5nPMsa
以上になります。

士郎さんはこんなキャラじゃなねえよ、とかそういう突っ込みは――。
ああ、やめて石を投げないで!
感想等待っております。

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 18:05:49 ID:9qkCArxk
ゲッターロボ氏乙
鋼の如き自制心で抑え付けすぎてると、某うっそり男みたく虚無に呑まれちまいますがな。
家族や仲間を肯定してしまえば、今まで奪った命の価値をも肯定してしまうことになり、犯した罪の重みに耐え切れなくなるこのジレンマ。
なのはさんが最終的に破滅してしまわないことを願ってやみません。

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 18:37:16 ID:3sENUfvY
GJまあ少なくとも父や兄は なのはとあまり世界が違わないので
許すでしょうけど本人はそんな自分は許せないと。
ただやっぱり強力な敵が今はいないのが少し寂しい所。
クロノ以外のフェイト はやて ヴォルケン達の仲間はなのはのためなら
いざとなったら管理局をすたこらさっさしかねないので戦力的に不安がない所も

158 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 18:39:46 ID:xbXxctdo
>>155
死んだと思った子供が、生きて目の前に現れれば、
誰でもああなると思う。子供に対する情が深ければ。
多分、……うちの両親でも、ね。


あなたの作品読んで、さっき弟に線香立てて話してきた。
夜勤が開けたら、久々に仏前で酒でも、なんて思ってる。


GJでした。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 18:42:02 ID:mrzoA0TS
乙です。
うまい落とし所はないものだろうか。

160 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/13(木) 19:07:13 ID:7e5nPMsa
>>156
ボイルドのような虚無に飲み込ませない為にも、男どもの行動が重要になってくる、筈。
破滅は――避けさせたいです。
>>157
今後は、敵が『聖王の揺り篭』やらゼストやら○ャロやら色々出てくる予定ですので、ご容赦を。
フェイトさんなんかドギツイフラグが立ってますし。
>>158
弟さんのご冥福をお祈りします。
>>159
作者も悩んでるところです(最近の帰宅中の思考は闇王女ENDで占められている)
色々プロットはあるんですが・・・

161 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:22:57 ID:aGHHN2MB
GJ
僕も投下して良いですか?

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 20:24:29 ID:8JBZfdDw
支援!

163 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:25:53 ID:aGHHN2MB
【平成ライダーサイド】五話「北岡秀一最悪の休日」Bパート

【針野山】
北岡秀一とU良太郎は、北岡の車を使い、ポレポレから四時間ほどかけ、針野山に辿りついた。

「ここが針野山か…随分大きな岩山だな…」
「ロッククライマーも近づかないとはよく言ったもんだねぇ…ん?北岡さん隠れて!」
「え…お…おお…」

北岡はU良太郎の言ったとおりに、彼と共に近くにあった大岩の影に隠れる。
すると三十秒ほど経った後、女性を抱えた数人の戦闘員達が通りかかった。

「やっぱりAAMONか…どうするウラ?追うか?」
「追っ手気付かれたら不味いね…おそらくアジトはこの山の頂上…でも、正規の道にはきっと沢山待ち伏せが居る…別ルートで目立たずに頂上まで行くしかないな。」
「別ルートって、ここ以外に道らしい道は…」
「ほい。」

U良太郎は手袋とクライミングシューズと炭酸マグネシウム粉、そしてベストと安っぽい服を取り出し、北岡に渡す。

「あ?」
「たまには運動しないと…ね♪」

………
「ちょっと待て!別ルートってこれか!?」
「そうだよ♪」

U良太郎が行った「別ルートを行く」
それは針野山の岩壁をよじ登り、頂上までたどり着くということであった。
二人はクライミングシューズに履き替えて手に炭酸マグネシウム粉を付け、北岡はスーツから安服に着がえて岩壁をよじ登る。

「北岡さんもライダーなんだから、体力はあるでしょ?」
「だとしてもな!いくらなんでも…!?、うわぁ!?」

北岡は足を滑らせ、体制を崩すか、なんとか踏みとどまり、事なきを得る。

「ふう…危なかったねぇ…」
「はぁ…はぁ…」

………
「ふぅ…やっと登り切ったね。」
「死ぬかと思った…」

二人は必死に岩壁を登り、一時間半掛けて頂上に着いた。
頂上には大きめの洞窟があり、見るからに怪しい雰囲気をかもし出している。

「こういう場合、洞窟にアジトがあるってのがセオリーだよね。」
「はぁ…はぁ…見張りは居ないな…よし、さっさと片付けて、あぁんなことやこぉんな事を楽しみたいぜ…」
「全くだねぇ…」

二人はそんな会話をしながら洞窟の中に入っていった。
隠しカメラで自分達が監視されていることにも気付かずに…


164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 20:26:26 ID:W0xU2F5M
>>160
>○ャロ
!?

165 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:27:57 ID:aGHHN2MB
【AAMONアジト 司令室】
「ホーチョーン!怪しい奴だ!」
「何!?」

AAMON・ジンドグマ系統怪人、包丁怪人ホーチョーンと拳銃怪人ガンマグナムは、隠しカメラで映し撮った映像を映しているモニターの前に立ち、それを見る。
モニターには、洞窟に入っていく北岡とU良太郎の姿が映されていた。

「この二人は…確かゾルダと電王と言ったか…」
「どうするホーチョーン?このままでは、作戦が…」
「安心しろ。奴らはこの司令室にたどり着くことはできん。あの洞窟は道順を知らなければ通れないほど複雑な迷路になっている上、我々以外の者が侵入したとき、トラップが発動することを忘れたか?」
「おお、そうだった!」
「フフフ…多彩な罠に襲われ、死ぬがいいライダー!」

【洞窟内】
洞窟の中は薄暗く、二人の予想通り不気味な空間であった。
二人はペンライトで前を照らしながら歩いていた。

「暗いねぇ…」
「ったく…いくらあぁんなことやこぉんなことの為とはいえ、スーパー弁護士の俺がなんでこんな陰気な場所歩かなきゃ…」

「ゴロゴロゴロゴロ…」

『ん?』

二人は何かが転がるような音を聞き、後ろを振り向く。
すると数十秒後、巨大な岩石の玉が二人に向けて転がってきた。

『うわああああああああああああ!?』

二人は我を忘れ、一目散に逃げ出す。

「何なんだよコレ〜!?」
「僕に聞かないで〜!」
「うおおおおお!!…おいおい…何で俺が…久々の休みにこんな目に会わなきゃならないんだよ〜!!」

二人は体に残る体力をフルに発揮し、全速力で走る。
しかし、体力には限界がある。
永遠に走り続けることなどできるはずも無く、二人の足は段々と失速していく…
「ここまでか?」
二人がそう思った瞬間、目の前に道が見えてきた。
入り口の大きさは岩石より小さく、どちらかに入れば助かるだろう。

『よし!』

二人は最後の力を振り絞り、入り口に飛び込んだ。
間一髪二人は助かり、岩石も入り口の小ささに受け止められた。

「はぁ…はぁ…助かったね…」
「はぁ…はぁ…ああ…ここまで来ればだいじょう…」

「ヒュンヒュンヒュンヒュン…」

『ん?』

次は何かの発射音を聞き、上を見上げる。
すると今度は…無数の矢が雨のように二人に向かって降ってきた。

『わああああああああああああああ!!』


166 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:29:29 ID:aGHHN2MB
【北岡邸 吾郎の部屋】
「リンゴ、剥けましたよ。」
「ああ…ありがとうございます…あぐ。」

吾郎はノエルに剥いて貰ったリンゴを食べていた。
歯ごたえも甘さも丁度良く、美味しいリンゴだ。

「美味いっすねぇ…今度、スィーツに使ってみたいっス。」
「由良さんは、いつも料理のことを考えてますね。」
「ええ…俺、先生にもっともっと美味いものを食って貰いたいんス…病気が治って…
普通の生活が出来るようになたから…前以上にもっともっと、美味い物を食って貰いたいんス…」
「…それじゃ、私と一緒に居る時間が無くなってしまうかも知れませんね。」
「え?」
「あ!いえ!何でもないです!じゃあ、お掃除してきますから、何か欲しい時は呼んでくださいね。」

ノエルは吾郎にそう言い、部屋から出て行った。
後には、何がなんだか分かっていない吾郎が残された。

【針野山 洞窟】
一方北岡とU良太郎は、様々な罠を潜り抜け、アジトの司令室を探していた。
既に体力は尽きかけ、足は棒になり、喉もカラカラである。

「もう…駄目だ…」

クタクタになった北岡は、地面に倒れてそう言った。

「気持ちは分からないでも無いけど…どうやら着いたみたいだよ。」
「へ?」

北岡は地面に付けていた顔を上げ、前を見る。
すると北岡の視線の向こうには、岩だらけの周囲には似合わない鉄の扉があった。

「これは!?」
「どうやら、運よく着いたらしいね、僕達。」
「あ…ああ…だがもう体力が…」
「北岡さん、頑張ろうよ。あぁんなことやこぉんなことのためにさ♪」
「うぅ…しょうがねぇ…」

北岡はゆっくりと立ち上がり、両腕を三回回した。

「よし…トラップの借り…返しに行くか!」
「OK、相方!」

二人はドアに向かって突撃し、ドアを蹴破ってアジトに入った。

【アジト司令室】
「オラアァァァァァァァァァァア!!」
「ハアァァァァァァァァァァァア!!」

北岡とU良太郎は大きな叫び声を上げ、アジトに突入する。
そこには包丁怪人・ホーチョーンと、拳銃怪人ガンマグナムの姿があった。

「ホアァァァア!?き…貴様ら!あの罠を突破してきたのか!?」
「ガガアァァア!?信じられん…」
「へぇ…包丁に拳銃か…不細工な形だね…クス♪」

U良太郎は二大怪人のデザインを罵り、軽く笑い飛ばす。


167 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:30:16 ID:aGHHN2MB
「貴様…」
「俺達のデザインを…」
「デザインなんかどうでも良い。俺達は疲れてるんだ。相手してやるから、さっさとあんたらの目的教えなよ。」

北岡は人差し指で二体を指差し、ヒーローっぽくそう言った。

「しょうがない…教えてやろう。」

ホーチョーンは包丁のような腕で近くの壁に付いていたスイッチを押す。
するとアジトの床下から、大きな石が上に乗った巨大な漬物樽が現れた。

「これは…」
「漬物樽…だよね?」

あまりに珍妙すぎる状況に少しだけ怯む北岡とU良太郎。

「そうだ…我々の作戦は、「女性漬物作戦」だ!」
『ハイィィィィィイ!?』

珍妙な物の後に珍妙な作戦名…
二人は大きく口を開け、愕然となった。

「つ…漬物?」
「な…何でそんなことを…」
「ホアァァア…教えてやろう。人間の女の肉は美味い。だから漬物にして、首領の生贄に差し出すのだ!」
「ガガア!良い作戦だろう?」
「う〜ん…漬物か…」
「ふざけたやり方だけど、女性を生贄にするなんて許せないな。」

U良太郎は静かに怒りを燃やし、デンオウベルトを腰に巻きつける。

「ま、なんにせよ、女性は漬物にするもんじゃないからな。」

北岡もそう言うと、カードデッキをかざし、腰にVバックルを出現させた。

「面白い!いでよ戦闘員!!」
『ギィ!』

ホーチョーンの叫びと共に十人ほどの戦闘員が現れ、二人を取り囲む。

「奴らを捕まえろ!」
「やれるもんなら…」
「やってみな…ってね!」

U良太郎はベルトの青いボタンを押し、北岡は変身ポーズを取る。

『変身!』

二人は叫び、U良太郎はライダーパスをセタッチし、北岡はカードデッキをバックルにセットする。
二人の姿が戦士の物に変わり、北岡は仮面ライダーゾルダに、U良太郎は仮面ライダー電王・ロッドフォームに変身を遂げた。

「フン!」

ゾルダはマグナバイザー、電王はデンガッシャーロッドモードを構え、並び立つ。

「かかれ!」
『ギギィ!』


168 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:31:36 ID:aGHHN2MB
命令を受けた10人の戦闘員は一斉にゾルダと電王に襲い掛かる。
しかし、二人は数多の闘いを駆け抜けた一流の戦士だ。戦闘員如きが敵う筈も無い。
マグナバイザーで撃たれ、デンガッシャーで叩かれ、戦闘員達はあっという間に全滅した。

「おいおい…雑魚モンスターでもここまで弱くは無いぞ。」
「さっさとかかって来なよ、怪人さん♪」
「クソ〜…来い!」

ホーチョーンとガンマグナムは、背後の扉を開け、そこに入っていく。

『待て!』

二人のライダーは二大怪人を追い、その扉の中に入る。

【採石場】
扉の中は一本道になっており、二十分ほどかけて道を走り抜けると、そこは何処かの採石場に続いていた。

「こんな道が…」
「非常用通路って所かな?」
「その通りだ!ここなら存分に戦えるだろう?」
「来いライダー!」
「北岡さん、僕は包丁を、貴方は拳銃のほうを!」
「良し!」

命令を受けた10人の戦闘員は一斉にゾルダと電王に襲い掛かる。
しかし、二人は数多の闘いを駆け抜けた一流の戦士だ。戦闘員如きが敵う筈も無い。
マグナバイザーで撃たれ、デンガッシャーで叩かれ、戦闘員達はあっという間に全滅した。

「おいおい…雑魚モンスターでもここまで弱くは無いぞ。」
「さっさとかかって来なよ、怪人さん♪」
「クソ〜…来い!」

ホーチョーンとガンマグナムは、背後の扉を開け、そこに入っていく。

『待て!』

二人のライダーは二大怪人を追い、その扉の中に入る。

【採石場】
扉の中は一本道になっており、二十分ほどかけて道を走り抜けると、そこは何処かの採石場に続いていた。

「こんな道が…」
「非常用通路って所かな?」
「その通りだ!ここなら存分に戦えるだろう?」
「来いライダー!」
「北岡さん、僕は包丁を、貴方は拳銃のほうを!」
「良し!」

【電王・ロッドフォーム対ホーチョーン】
(BGM・Double-Action Rod form)
「お前、僕に釣られてみる?」
「訳の分からんことを!ホアァァァァア!!」

ホーチョーンは電王に向かって突撃し、両腕の巨大包丁を振るって立ち向かう。
しかし、電王はホーチョーンの包丁攻撃をロッドを使った早技で冷静に捌いていく。
冷静なウラタロスらしいクールな動きだ。
二人は幾度か武器を交えると、鍔迫り合いに入る。


169 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:32:22 ID:aGHHN2MB
「強いねぇ…」
「貴様も良い腕だ。だが!」

ホーチョーンは鍔迫り合いの最中、右足の膝に小型包丁を出現させ、それを使ったニーキックを電王の腹部に見舞った。

「うぐあ!」

電王は五歩ほど下がり、地面に倒れ伏す。

「フフフ…他愛ない。その首刈り取ってやる。」

ホーチョーンは倒れている電王に近づき、右手の包丁を振り上げた。

「何てね♪」

しかし、包丁を振り下ろそうとした瞬間、電王は上半身を起こし、デンガッシャーをホーチョーンの腹部に向けて思い切り突いた。

「グオアァァァア!!き…貴様…なんと卑怯な…」
「よく言われるよ。」

電王はそう言って立ち上がり、ライダーパスを取り出した。

「さて…そろそろ三枚に卸すか。」

電王はパスをベルトの中心にかざし、ベルトから青いフリーエネルギーが放出され、ロッドに集中する。
そして、電王は青く輝くロッドをホーチョーンに向けて投げた。

「ホアァァア!?」

ホーチョーンの体に亀甲型の網・オーラキャストが現れ、動きを封じる。

「エアァァァァァァァァァァァァア!!」

そして電王はオーラキャストの中心めがけ、飛び蹴りを放つ。
必殺技「デンライダーキック」だ。

「ホアァァァァァァァァア…」

デンライダーキックを受けたホーチョーンは断末魔の叫びを上げ、粉々に爆発した。

「ふふ…最高♪」

(曲終了)

【ゾルダ対ガンマグナム】
(BGM・果てなき希望)
「ライダー!俺の三連銃攻撃を食らうが良い!!」

ガンマグナムは銃型の頭部、そして拳銃の形をした両手の銃口から銃弾を連射し、ゾルダを攻撃する。

「STRIKE VENT」
「おおおおおおおおおおお!!」

しかしゾルダは、自分の手甲(ストライクベント)、ギガホーンを装備し、銃弾の中を駆け抜け、ガンマグナムに接近する。
そしてギガホーンの鋭い角で、豪快な攻撃をガンマグナムに何度も叩き込んだ。
遠距離戦が主体のゾルダの戦い方からすれば、非情に彼らしくない戦い方だ。


170 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:33:08 ID:aGHHN2MB
「ぐあ!き…貴様は俺と同じ遠距離戦主体では…」
「うるさい!俺は今…」
「ぐお!」

ゾルダはギガホーンで殴り、

「無性に!」
「ぐは!」

殴り、

「何かを!」
「ぎゃは!」

殴り、

「殴りたい気分なんだよおぉぉぉぉお!!」
「ぐおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

殴り続けた…

「あ…あぁぁぁあ…」

こっぴどく殴られたガンマグナムは、よろよろと後退し、クラクラと頭を動かす。

「止めだ…」
「FINAL VENT」

ゾルダはギガホーンを捨て、マグナバイザーに「エンド・オブ・ワールド」のカードをベントインする。
すると鋼の巨人・マグナギガがゾルダの前方に出現し、体の銃の砲門を開いて照準をガンマグナムに合わせる。

「消し飛べ!!」

ゾルダはマグナギガの背中にマグナバイザーをセットし、引鉄を引いた。
マグナバイザーの胸部ミサイルが、両腕、両足の砲門から発射されたビームや砲弾がガンマグナムに降り注ぐ。

「ガガアァァァァァァン…」

砲撃の波に飲み込まれたガンマグナムは、残骸も残さず、跡形も無く消滅した。

「ふう…すっきりした。」
(曲終了)

【アジト司令室】
「さってと、開けるよ。」
「おう。」

二人は巨大な漬物石をどかし、漬物樽の蓋を開ける。
「あぁんなことやこぉんなこと」…そんなことを想像しながら…
すると樽の中から沢山の女性が現れた。
現れたのだが…


171 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:33:45 ID:aGHHN2MB
「助かったわぁ♪」
「ワォ!イケメ〜ン!」
「貴方達が助けてくれたのね!」
『ゲ!』

女性達の肌は、高齢者のようにしわしわになっていた。
おそらく長時間漬けられたことにより、肌がしなびてしまったのだろう。

「こ…これは…」
「良太郎、後宜しく。」
『え?』

ウラタロスは良太郎の体から緊急脱出し、U良太郎は良太郎に戻る。

「ちょっとウラタロス!ねぇウラタロス!」
「イケメンに助けられるなんて最高〜!」
「愛しちゃう〜!」
『うわあぁぁぁぁぁぁぁあ〜!!』

しなびた肌の女性達は、一斉に北岡と良太郎に襲い掛かった(?)

【北岡邸 玄関】
数時間後、北岡は自宅に帰宅した。
心も体もボロボロになりながら…

「北岡さん!?」
「先生!?」

北岡を玄関で待っていたノエルと、ノエルのおかげで熱が下がった吾郎は、北岡のボロボロの姿に驚愕する。

「ったく…今日は最悪の休日だ〜〜〜〜〜!!!」

北岡は玄関で倒れ、そう叫んだ…

【次回予告】
エリオ「貴方が…ブレイド…」
ヒビキ「久しぶりだな。」
剣崎「ヒビキさん…」

(戦闘員を蹴散らす剣崎&ヒビキ)
ヒビキ「俺もトドも、加賀美も天道も、まっすぐなお前が好きだった…なのに何で…」

グレイブ「貴様を地獄に落とすための俺の仲間だ!」
剣崎「お前達は!?」
ランス「テメーがブレイドか?」
ラルク「例えアンタが強くても、AAMONに選ばれた人間であるアタシ達には勝てないわ!」
(ブレイドに襲い掛かるランスとラルク)

響鬼「無駄だよ。力だけのお前達じゃ、俺もコイツも倒せないね。」
エリオ「お前達に…ライダーを名乗る資格は無い!」
(並び立つブレイド、響鬼、エリオ)

次回
【強敵登場!】


172 :一尉:2008/03/13(木) 20:36:12 ID:ckYLRVo8
ほう支援する。

173 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 20:36:16 ID:aGHHN2MB
投下終了
女性を漬物にするという作戦とオチの元ネタは、僕が昔読んだ漫画からです。
あの作戦のイメージが強烈に残っているからやってしまいましたw
つまらないものですが次回もお楽しみに。

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 20:38:28 ID:8JBZfdDw
>>173
「ボ○ボ○」に掲載されてた漫画かな?
ウルトラマンの忍者漫画描いてた人が描いてた作品だよね。
多分。

175 :仮面ライダーリリカル電王sts:2008/03/13(木) 20:40:26 ID:FgJ4+2F7
GJ!らしさが出てますね、らしさが。

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 20:42:31 ID:kgamK+4A
>>173
GJ、ずっと待ってましたぜ!

ってか次回はオンドゥルに響鬼にエリオですか!?
俺の大好きなキャラ勢揃いだよwww

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 20:44:14 ID:4xTUEoqX
擬音を「」でくくるのはどうなんだ?
誰かがいちいち実況してるのかと思った

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 20:49:29 ID:9qkCArxk
人間漬物……。
勇午……ではないか。あれは男だし

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 21:04:49 ID:T0xSsZGA
次回はvs劇場版ブレイドライダーズか。
こいつは楽しみだぜw

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 21:27:03 ID:MLcbIOik
>173
乙。

かぐやにエキスを吸われた人たち?

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 21:34:30 ID:CHcFamys
>>173
このSSの舞台はヒーローショーとかの類で
ナレターのお兄さんやらお姉さんが
>「ヒュンヒュンヒュンヒュン…」 だの
>「ガガアァァァァァァン…」 だの叫んでいるという解釈でいいですか?

182 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 21:37:26 ID:aGHHN2MB
>>174
そうですニトロです。
あれは面白かったw
なんで未完で終わっちゃったんだよ…
メダカードファイターズも続きが見たかった…
>>177
あれは演出です。
ギャグってのはこんなもんだろうと考えてる俺の勝手な自己満足です。
お気に召さなかったのなら謝ります。

183 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 21:39:52 ID:aGHHN2MB
>>181
連投すいませんけど「ガガァン」はガンマグナムの鳴き声ですよ?

毎日怪人の名前と鳴き声を考えるのは大変っす。
結構楽しくもありますけどw

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 21:42:06 ID:7e5nPMsa
GJ!
楽しいノリですなー。

そして遅いレス
>>164
「ハードボイルドなある日」参照のこと!(宣伝)

185 :リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 21:48:03 ID:VWk2IhZL
>>173
GJっす!
十時ごろから投下したいんですがよろしいですか?


186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 21:50:56 ID:7I4dtOey
皆様GJ!
>ゲッター氏
ああ、素晴らしきは家族愛……そしてクロノ君の涙となのはさんの苦悩……
感動したと同時に、何やら不安を覚えた回でもありました。
なのは達が(精神的に)壊れてしまう兆候でなければいいのですが……

>ライダー氏
毎度毎度ライダー同士のクロスオーバーがすごい!
アンタゲーム会社に入ってヒーロー戦記作っちまえよwww

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 21:52:42 ID:j7JzEtI/
投下の品はスクリームでしょうか? それともライダーでしょうか?
どちらにしても支援準備完了!

188 :機甲戦記リリグナー4話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 22:03:40 ID:VWk2IhZL
それでは投下させて頂きます。


「な、何だよありゃあ!」

ケーンとタップは我が目を疑った。
白い服を着た女性と黒い服を着た女性…なのはとはやてがホバリングしている
ゲバイに向かって杖のようなものを構えているではないか。
そして杖の先端からはレーザー砲と見まがうような光の塊が迸っている。
ゲバイの方もレールガンを構えてはいるが対応に苦慮しているようだ。

「なんだかよく判らねえけどこのまま放っておいたら不味いんじゃねえか?」
「待った!レーダーに北方より新たな敵機…増援らしい…これは、ゲルフタイプ。数は3!」

ライトのレーダーが新たな敵機、ゲルフタイプのメタルアーマーによる3機編隊を捉えた。
ゲルフタイプのメタルアーマーはダインタイプやゲバイタイプと違ってエースパイロットや
近衛師団などにしか配備されていない新型だ。
必然的にパイロットは限られる。

「ゲルフタイプだって…てことは…!」
「おいおいまさか…。」

ケーンとタップがうんざりといった調子で言った。

「ああ、あのお坊ちゃま方のお出ましらしいぜ!」

ライトが叫ぶ。「あのお坊ちゃま方」とは彼らがドラグナーに乗ってから幾度も相まみえてきた因縁の相手…
南洋のオーレリア戦線へ更迭されたマイヨ・プラートの名誉挽回に燃えるエリート部隊「プラクティーズ」である!
彼らが頭を抱える横で…

「な、なんだこいつらは!」
「これは敵だよ!こいつらはきっと連合軍の人間兵器だ!いいから撃てえ!」

目の前に訳の判らぬ少女が現われた事に困惑するゲバイ
しかし黙っている訳にも行かない。
同僚に叱咤されてなのは達に向かってハンドレールガンを構えるゲバイ。
その時である!

「あんなに大っぴらにチャージしてる時点でなんかあるって思わねーのかよバーカ!ギガントぉ…」
「マシンの性能とパワーは認めるが乗っている者の覚悟が足らん!紫電ッ…。」

突然機体の下方から赤と桃色の光を纏った二つの影が躍り出た。

「ハンマーァァァァァッ!」
「一閃ッ!」

ヴィータとシグナムである!

189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:06:40 ID:bY9exztT
支援

190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:07:37 ID:j7JzEtI/
リリグナーだったのかーー!

支援

191 :魔法戦記リリグナー6話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 22:08:34 ID:VWk2IhZL
ゲバイが反応する暇も無く一機のゲバイの大きな頭部にギガントハンマーを食らわせるヴィータ。
鈍い音とともにゲバイの頭部がゆがみ、センサー系がいかれたらしく明後日の方向にレールガンを射撃し始めた。
もう一機のゲバイにはシグナムがその肩口に紫電一閃を食らわせた。レールガンごと腕を切り落されて棒立ちになるゲバイ。
二機ともこの異様な事態には全く対応出来なかった。

「おのれっ…地球連合軍にはサイクロプスでも居るのかっ…?おおっ!」
「なのはちゃん。合わせてや!行くでえ!スターライトォ…」
「ブレイカーッ!」
「な…なんだあっ!ああああああーーっ!」

二人の女性…なのはとはやてが放ったスターライトブレイカーかゲバイを飲み込み、
煙を吹き上げて地上へと墜落させていく。

「とりあえず、黄色いボディの機体は全て撃墜したようです。」
「この調子で皆ぶっ飛ばしたいとこだけど正面からやるとどう考えても不利なんだよなあ。歯痒い…。」

周りを見回すシグナムと歯軋りするヴィータ。

「ヴィータちゃん。敵をやっつける事が目的じゃあないんだよ?」
「そりゃ判ってるけど…。」

ヴィータはなのはの声に口を尖らせた。

「新手みたいです!数は3!」

リインが緊張を隠さない顔で言った。

「どうする?ぶっ叩くか?」
「正面からやると不利だって言ったのはお前だろう。ここは一度散った方がいいかと。
スバル達の居る倉庫から遠ざかるように散開して誘導した後相手を混乱させる魔法を
使用し後は出たところ勝負…今のところこれしか無いでしょう。」

グラーフアイゼンを構えるヴィータを諌めるとはやてに進言するシグナム。

「それしかなさそうだね…。よし、散開ッ!」

なのは達は彼方に見える三つの青い機影から逃げるように四方向へと散開していった。

192 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:10:39 ID:bY9exztT
支援

193 :魔法戦記リリグナー6話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 22:11:03 ID:VWk2IhZL
「友軍はほぼ壊滅状態か…。むっ?おい、何かが散っていったのが見えたぞ?」

青いメタルアーマー・ゲルフのパイロットの1人、「カール・ゲイナー」が2人の同僚に報告する。

「連合軍の人間兵器だそうだ。実態は不明だがメタルアーマーを撃墜出来るほどの武器を備えているらしい。」

もう1人、「ダン・クリューガー」がモニターから送られてくる情報を睨んで呟く。

「人間兵器だと?そんなものまで出てくるとは世も末だな。D兵器も我が方と交戦しているのだろう?
大尉殿に報いるためにはD兵器を先に墜とすべきだが…。」

最後の1人、「ウェルナー・フリッツ」がレーダーの端に表示されたドラグナー3機の光点を見ながら言った。

「よし、俺がまず様子を見てくる。ウェルナー、カール。貴様達はD兵器を叩いてくれ!」

ダン・クリューガーが編隊を離れると正面に飛行していく桃色の閃光…高町なのはに追いすがり始めた。

≪It is unlucky. Master. ≫
「そうでもないよ。後は私がなるべく遠くまで誘導すればいい。それよりもさっきからフェイトちゃんと通信が繋がらない…。
今は探しに行く余裕が無いし何も無ければいいけど…。」

その頃…。

「くしゅん!うう…ハッ!?ここは…?あ…ッ!」
「ああ…あの…目…覚めました?」

ひとつくしゃみをするとゆっくりと顔を上げるフェイト。
キョロキョロと辺りを見回し、

「あっ…あなたは誰ですか!ここは何処ですか!」
「わあっ!ちょっと…落ち着いて…」

フェイトはライトから弾かれたように離れると魔力刃を展開した。
狭いコックピットの中でそんな事されれば操縦に問題が起きるどころの話ではない。

「おっ…。は、話は後です。ちょっとばかり揺れますよ!」

言い訳しようとしたライトだったが
正面にカールが搭乗したゲルフが接近している事を悟ってディスプレイに向き直り、機体を急旋回させた。

「なっ…ちょっと…う〜〜〜っ!?」

訳もわからないまま洗濯機に放り込まれたような感覚を味合わされたフェイトが悲鳴をあげる。
その頃…
なのははダンのゲルフにビル街へと追い詰められていた。

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:13:14 ID:bY9exztT
支援

195 :魔法戦記リリグナー6話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 22:13:38 ID:VWk2IhZL
「奴はこの辺に逃げたはずだ…だがゲルフの乙女の肌よより鋭敏なセンサーに引っかからないはずはない。
必ず見つけ出してくれる。」

コックピットではダンがいきまいていた。

≪Is it a place in which it was said all is over with me?(万事休すと言ったところでしょうか?)≫

そんな彼の焦燥を他所にビルの陰に隠れたなのは。そこでレイジングハートが少し悪戯っぽく言った。

「まだ手は有るって判ってる癖に…。」
≪It is a joke to which wit was abundant. (ウィットに富んだジョークですよ。)≫

自信ありげななのはに少し嬉しそうに言うレイジングハート。

「それじゃ、行こうか。この場合ならあの戦法だね。」
「ほう、出てきたか。む…お、女だと!?…おい!そ、そこを動くな!」

不敵な面構えでビルの陰から出てきたなのはが自分とそう年の変わらぬ女性だということに戸惑いを見せるダン。
その頃…


「これほどまでに濃密な砲火に晒されているとは…これでは自由な空戦など望むべくもない、
か…。おまけに管理局の魔導師まで出てきたとは。」

ドラグナー3機が熾烈な空戦を繰り広げる中数十メートルの高度まで上昇して周辺の様子を伺うトーレ。
だがその時一瞬隙を見せた事、そしてなにより安易に滞空してしまったのがいけなかった。

「トーレ!」
「何っ…。」

ひとたび作動すれば敵味方識別信号に合致しない物体を無作為に攻撃しつづける
自動対空警戒システム(CIWS)が彼女達を見逃す訳がなかった。
この時点でギガノスの攻撃によりほとんどの砲門は潰されていたが運良く生き残った
数門の近接対空ミサイルやバルカン砲がその砲門やランチャーをトーレ達に向けているではないか。
トーレが咄嗟に傍らのセッテを下方へ突き飛ばした。その瞬間彼女に遠慮も会釈も無くCIWSの攻撃が一斉に襲い掛かる。

「ぐううううっ…ライドインパルスッ!」

砲火に耐えながらもライドインパルスで数百メートルの距離を一気に移動し、離脱。
しかしそんな彼女を待ち受けて居たのは…。

196 :魔法戦記リリグナー6話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 22:15:26 ID:VWk2IhZL
「あああっ…。」

既にコックピット周りを中心に各部に損傷を追ってパイロットを失い、制御不能になったダウツェンであった。
そして、ライドインパルスを再発動する余裕は今の彼女には無かったのである。
ダウツェンはトーレを巻き込んで海上へと墜落していき、彼女を巻き添えにして派手に水柱を吹き上げつつ粉々に吹き飛んだ。

「トーレッ!…そんな……うっ!」

絶望を隠さずに絶叫するセッテ。そんな彼女にもCIWSの情け容赦ない砲火が襲いかかろうとしていた。
砲火が脇腹を掠り、火が付いたような痛みが走る。

「トーレを失っては…撤退するしか、無いのか…。」

空間転送機能を使ってスカリエッティのラボがあるミッドチルダへと戻っていくセッテ。
その頃空母の内部では。格納庫に残ったナンバーズ達…セイン、クアットロ、ディード、
オットー、ウェンディの5人がいよいよ本格的に警備兵によって包囲されつつあった。

「トーレ姉様が落ちた…?セッテが撤退?冗談じゃない!」

警備兵に取り囲まれているクアットロが二人の戦線離脱を察知し、青い顔をした。
ナンバーズの中で単独で次元を超えてスカリエッティのラボに戻れるのは単独、及び少数行動を想定して開発された
トーレ、セッテと前線指揮を任された彼女だけなのだ。セッテとトーレがいなくなったとあっては
電子的なかく乱以外に自衛手段を持たない自分が安全に帰路に付ける保証は無い。
本当にこの管理外世界の軍隊に捕縛されてしまう可能性すらある。
もしそうなれば戦闘機人の事も魔力の事も知らない(彼女は知らないがゲイズ中将が送り込んだ陸士隊が居るのである
程度の知識は得ていた訳だが)この世界の無能な科学者達は自分の身体を徹底的に調べ上げ
挙句にはバラバラに分解されてしまう可能性すらある。

「冗談じゃないわよっ…そんなの!」

転送システムを発動させると妹達に目もくれないまま逃走していくクアットロ。

「クア姉!?そ…そんな…。アタシら置いてけぼりかよ!あんまりだよ!」
「トーレ姉はもう落ちちまってるし…どうしろってんスか!」

セインとウェンディが警備兵に取り囲まれた状態で叫んだ。

197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:16:25 ID:KO1iILDG
支援!

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:17:34 ID:W0xU2F5M
なんという兵器の力支援

199 :魔法戦記リリグナー6話 ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 22:17:50 ID:VWk2IhZL
「やっと全員鎮圧されたみたい…。リンダ、大丈夫?」

格納庫の隅っこでは「安全第一」と書いてある作業用のヘルメットを被り、なぜかおたまとフライパンで武装した
ローズ・パテントンとその親友でケーン・ワカバのガールフレンド(?)「リンダ・プラート」が様子を伺っていた。

「あれが兵隊…?私達よりも小さな女の子ばかりじゃない…。あっ…。」

トーレを失い、クアットロにも見捨てられたナンバーズを見て複雑そうな顔をするリンダ。
ふと、カチューシャのようなものを付けた少女…ディードと目が合った。そして向こうもリンダの存在に気が付いたらしい。

「……!」

その少女…ディードは素早く視線を周囲に巡らせ、自分を捕まえようとしている
警備兵の注意が散漫気味になっている事を確認すると…

「ぐはあっ!」
「げほっ!」

素早く警備兵を殴り倒し、リンダに肉薄してツインブレイズを突きつける!

「リンダ!」
「あ…あなた、一体何を…。」
「動かないで…言う通りにしていただければ乱暴はしません。…皆から放れて。速く!」

ブレイズの刃をリンダに突きつけたままディードが叫んだ。

「リ…リンダさん!クッ………。行かせてやれ。」
「おい、軍曹何を言うんだ!折角苦労してやっと捕まえようと言うところまで追い詰めたのだぞ!」

あっさりと聞き入れて警備兵にナンバーズを放すように促したベンをダグラスが怒鳴りつけた。

「こういう時空気読んだ発言が出来ないといつまでたっても
お嫁さんもらえないよお兄さん。へっへーえ。べ〜っだ!」
「な、何をぉ!おんにょれぇこの小娘え〜ッ!」
舌を出すセインに憤懣やる方ないといった様子のダグラス。

「ダクトか…ここからなら甲板に出られそうだね。ディード…。」
「リンダさんでしたか?今から少し飛びますが、怖かったらしっかり捕まっていて下さい。」
「ウェンディ、乗せてって!。」
「だーっ!わーったから押さないでっちゅーに。ダイエットした方がいいんじゃないっスか?」

ディード達はリンダを人質に取ったままダクトから甲板へと向かって行く。

「あああ…。」

そこで、ディード達は息を飲んだ。
アクアポリスの甲板には3体の機動兵器が仁王立ちになり、にらみ合っていた。
一機がプラクティーズのゲルフ。もう一機がダイン。
そしてもう一機がケーンのD-1だ。いずれも白兵戦用のレーザーソードを構えている。
その凄まじさと迫力と言ったらディードのツインブレイズなんて比べるべくも無かった。


200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:19:27 ID:W0xU2F5M
レーザーソードが生身に直撃したら蒸発しちゃう支援

201 :リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 22:23:06 ID:VWk2IhZL
ここまでという事で。
出てきた当時はチェホフ中尉を銃殺したりとかく嫌な奴だったのに
いつのまにかいい奴になっていたプラクティーズ登場。
次回はなのはがダンにフラグを立…もとい、一泡吹かせる予定。
プラクティーズみたくエリート風吹かしていて実際なのは達なみに強くて
気持ちいいまでに盲目的に上官(ゲイズ中将とかかな?)を崇拝する奴がstsに出てきても面白かったと思うんですけどねぇ…。

202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:26:26 ID:ajF9l31O
そして青い鷹さんのような人が出てくれば完璧だったと思うね

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:28:52 ID:W0xU2F5M
GJ!
主人公のマイヨの活躍を楽しみに待ってます!

204 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/03/13(木) 22:34:08 ID:Ev1gfAk7
マイヨさんによる。管理局に対する正当な反論を期待!!
あの人なら出来る!!

205 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/13(木) 22:36:19 ID:aGHHN2MB
スクリームさんGJ!
相変わらず上手な文章っす!

>>186
ヒーロー戦記…
参戦作品は、
仮面ライダーシリーズ
超星神シリーズ
シャンゼリオン
リュウケンドー
リリカルなのはシリーズ(ヒーローじゃねぇw)
プリキュアシリーズ(こっちもw)

こんな感じかな(笑)
でも無理っす…僕、太ってるけど舞台俳優志望なんです…
頭も特別良くないし…

206 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 22:37:07 ID:O6S7ubiG
GJ!
プラクティーズ並みに強かったと言えばダグラス大尉……だったのに。当初は。

日付が変わったら投下していいですか?
そう、アレですよ、アレ……フフフ

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:52:32 ID:Lo6uE+6A
乙です。スパロボではいい味だしてたなあ。

>>204
またあなたかw


208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 22:52:59 ID:KO1iILDG
ホワイトデーネタか?!
ワクワクしながら待ってます!

209 :リリカルスクリーム ◆0qJqyuBpiQ :2008/03/13(木) 23:06:12 ID:VWk2IhZL
皆さんマイヨ好きですねぇ〜。
ドラグナーの主人公はあくまでもケーンなんですよ?
>>204
その辺はまず今の戦いが終わった後のダグラスとかケーン(つまり地球連合軍)となのはとの絡みで
ある程度はやるつもりですが。
まあやりすぎるとアレなんでほどほどにということで。
しかし戦闘妖精雪風に登場する機体とかエスコンのファルケンとかフェンリアならギガノスのメタルアーマーともガチでやれそうだなあ…。
こいつらオーバースペック戦闘機衆も何処で出すか今のうちに決めておこう。


210 :なの魂の人 ◆.ocPz86dpI :2008/03/13(木) 23:12:23 ID:ujaQRLth
GJっす
ACEで緊急回避しながらマルチロックミサイル発射するのが俺のジャスティス

んでは、自分は武者○伝氏の後に投下しようかと思います

211 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/13(木) 23:13:29 ID:KO1iILDG
な、なんだってー!?
じゃあ、自分はなの魂の人の次に予約します。
最近ハードボイルドしか書けないぜよ orz

212 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:16:54 ID:O6S7ubiG
ありゃ、投下の順番が押してるようでしたら日時関係なくすぐにでも投下しましょうか?

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 23:18:25 ID:LUS0OpE1
>>211
じゃあハードボイルド同心を書けばいい。
「マスター、カミュ」

214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 23:23:06 ID:kgamK+4A
>>213
「カミュじゃねえ焼酎ですぜ旦那」
こうだったっけか?

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 23:25:34 ID:uc0YVO6n
>>177
誰かがこっそり実況してるんだよ。
弾鬼さんとか、裁鬼さんとか、弾鬼さんとか、裁鬼さんとか。あと弾鬼さんとか裁鬼さんとかね。

216 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/13(木) 23:26:44 ID:KO1iILDG
バーに一時撤退だ!
とでもいうべきでしょうか? 店主が一番ハードボイルドだった件について。

>>212
三十分ルールで時間が経ってたら、早めのほうがいいんじゃないでしょうか?
と自分は思います。
自分はいいですが、なの魂様(敬意の表れで)が大変かもしれませんし。

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 23:26:57 ID:yf0uMgSU
>>214
「はい焼酎」
「焼酎じゃねぇ。カミュと呼べ、マスター」
「マスターじゃねぇ、親父と呼べ。旦那」
だった気が…

218 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:28:29 ID:O6S7ubiG
ACEではビルバインが好きです。
でもダンバインはもーっと好きです。

>>216
了解しました。
んじゃ、投下行きますねー

219 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:31:52 ID:O6S7ubiG
 三月も半ばに差し掛かろうとするある春の日。
 二人の少年がテレビの前に並んで座り、とりとめのない話に花を咲かせていた。

「ユーノ、そろそろホワイトデーだなー」
「え? うん、そうだね……あっ、また赤マスかー。出費がキツいなー」
「何返すかもう決めてあんのかー? チッ、ボンビーの奴まーだ徳政令カード買って来ねぇ」
「んー、実はまだなんだけど……あ、青森に着いた」
「何ぃッ!? お前また目的地かよー? オレなんかまたボンビーだぜ……
 あー、やめたやめた! もう今日オレの負けでいいわ」

 遊んでいたテレビゲームの負けがほぼ確定し、コントローラーを放り出した
ツンツン頭をした年上の方の少年……シンヤは後ろにごろんと倒れこむと、
ふてくされた顔でゲームの相手をしていた年下の少年、ユーノにそう告げた。

「シンヤ、大人げがないぞ。ユーノはお前より年下なのにもっと行儀がいいじゃないか?」
「るっせーなトッキー、これがオレの生き様なんだよ」
「あっはは……とりあえずこれで僕の三連勝だね」
「傷口に塩を塗りこむなっつーの! もうお前とは桃鉄やらないからな、いいか、絶対だからな!?」
「はいはい。ところでホワイトデーだけど……」

 話を元に戻そうと話題を振るユーノに対し、シンヤは不機嫌そうな眼をして
寝転がったまま首だけをそちらに向け、面倒くさそうに返事をする。

「あー、そうそう。ホワイトデーな。
 この国じゃあ大体女の子から貰った分の三倍返しが相場って事になってるな」
「三倍……けど、あのチョコって手作りだったから価値がよくわかんないや」
「そうだったな。あれは美味かったなぁ……」
「うん、おいしかったねぇ……」

 ひと月も前のチョコの味を思い出し、しばし恍惚とした表情を浮かべる二人。
 やがて、正気に戻った二人は口元をぬぐいつつ、体裁を整えたいのか咳払いをして
改めて話に戻る。はたから見ているとそこはかとなく不気味に見える光景だ。

「と、とりあえず金で価値が計れないんだったら、男らしくココで勝負だな!」

 そう言いながら、シンヤは自分の胸をバンと叩く。
 ユーノはそんな彼を不思議そうな眼で見つめ、何の悪意も無しにこう言った。

「胸?」
「馬鹿! ハートだよ、ハート! 野郎の胸に何ができるってんだ!
 オレはお前にしかできない、世界でたったひとつのお返しをすりゃいいっつってんだ!」
「世界で、たった一つの……」
「そーそー、それにオレ達にはイカしたその道のプロの知り合いが何人もいる……そうだろ?」
「その道のプロ? ……あぁっ!」
「わかっただろ? お前にしかできない最ッ高のプレゼント、用意してやろうじゃねーか!」

220 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:33:38 ID:O6S7ubiG
 
リリカル武者○伝SS零弐
「それは真っ白な贈り物なの」



「転送、完了! ここに来るのは初めてだったけど、うまくいったみたい」
「よっしゃ、んじゃ時間もないしちゃっちゃと行くか!」

 昼なお暗い林の中、それまで何もなかった空間から突如現れた緑色に輝く魔方陣。
 そこから現れた二つの小さな人影。言うまでもなくユーノとシンヤである。

「着いたのはいいけど、そんなにうまくいくかなぁ……?」
「トッキーからアドレス帳を借りて来てる。案ずるより産むがきよしって言うだろ?」
「あれ、日本語にはあんまり詳しくないけどやすしじゃなかったっけ?」
「うっさい、黙ってついて来い」
「あっ、待ってよシンヤ、シンヤってばー!」

 春とはいえいささか暖かすぎる陽気の中、西洋風な古い建物と中華風の寺院のような建物が
坂道だらけの地形に点在する海に近い街……長崎の街を目的地に向けて二人は駆けて行った。


 〜長崎県在住 武者鷺主(むしゃろーず)さんの場合〜


「地図によるとここだね」
「あ、あぁ……けど、思ったより地味な店だな」
「そう? 結構雰囲気のいい店構えだと思うけど」

 二人の目指す店……天宮からやって来た武者頑駄無、鷺主が経営する
アンティークで彩られた、小さいながらも落ち着いた雰囲気を醸し出している
大人の魅力あふれる古風なカステラの店。
 手作りのお菓子に対するお返しはやはり手作りのお菓子。
 例え不格好でも自分の手で作ったという所に価値がある……
それがシンヤがユーノに授けたアドバイスだった。
 そしてそのコーチにと白羽の矢が立てられたのは、遠く長崎の地に住む武者頑駄無。
 そんな所に気軽に行って帰って来れるのは彼らと顔見知りで、
なおかつ魔法と管理局の設備を使って瞬時に行き来が可能なユーノくらいなもの。
 まさしく「彼にしかできない」お返しである。
 だが、所詮は子供の浅知恵。そうそううまく事が運ぶはずがない。
 世の中はいつだって、誰だってこんなはずじゃ無い事ばかりなのである。

「何という失態だぁぁぁぁぁっ! 私のミスだぁぁぁぁぁぁっ!!」
「落ち着いてください、店長!」

 目当てのカステラ店主、武者鷺主はなりふり構わず絶叫していた。

「な、何か、取り込み中みたいだな」
「そうだね……出直そうか?」
「いや、けど他に菓子作りが得意な知り合いっていないし……」
「!! そこの君たちぃぃぃぃっ!?」
「なっ、速い!?」
「だーっ! スンマセン、マジスンマセンっした!」

221 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:34:27 ID:O6S7ubiG
 物陰から騒然とする店内の様子をうかがうユーノ達。
 そのただならぬ雰囲気を察知し、こそこそと見切りをつけるかどうかの算段を行う二人を
鷺主は鍛え抜かれた第六感で察知し、嘘のような速さで回り込んでがっしりとその肩をつかみ上げた。

「君達は夢者遊撃隊の仲間ですね? 仲間ですよね!? 今更違うとか言わせませんからね!」
「は、はぁ……」
「一応そうです、けど……」
「あぁ、よかった! 天はまだ我等を見捨ててはいなかった! 君達にお願いがあります!」
「な、何でしょうか?」
「実は……」


 〜北海道在住 天界武将戦刃丸(てんかいぶしょうせんじんまる)さんの場合〜


「……寒いな」
「……雪、積もってるしね」

 言葉少なに人の気配どころか車さえ一台も通らないだだっ広い雪原の中を貫く
一本の道路を白い息を吐きながらてくてくと歩き続ける二人。
 日本の風景とは思えないここ、北海道の雄大な大地のど真ん中に彼らはいた。

「何でオレ等が牛乳取りに行かなくちゃいけないんだ? しかもわざわざこんな所まで」
「もうその話三回目だよ?」
「他に話す事もないんだ、話せ」
「鷺主さんがお客さんの奥様方のリクエストに応えてエレガントにオーバーアクションしてたら、
 牛乳のたっぷり入ったケースを盛大にひっくりかえしちゃって使い物にならなくしちゃったの。
 それで特別な牛乳の仕入れ先である北海道の戦刃丸さんの牧場まで取りに来てるわけ」
「わかってるよ、んな事は」
「あれ、聞いて来たのそっちだよね。何その理不尽な答え?」
「気にすんな。くるくる回って牛乳ぶちまける間抜けのどこがエレガントなんだよ、ったく……」

 思考状態が理解不能になっているシンヤと半分キレているユーノ。
 二人ともあまりの気温の変化にかなり情緒不安定になっている様子である。

「大体だなぁ、いけどもいけども全然牧場の建物なんて見えてこないぞ」
「そうだね……日本にもこんな広い土地があったんだね」
「せめて電話でもありゃなぁ、1000、10、0って……」
「! シンヤ、伏せてっ!」
「んぁ? って、どわっ!!」

 ユーノの言葉に慌ててシンヤは身をかがめると、その次の瞬間、彼らの頭上を
一頭の立派な機械馬とそれに跨る武将風の貫録を身につけた武者が飛び越えて行った。

「あ、あれは……」
「見間違えるかよ! あいつだ、あいつが例の牧場主……戦刃丸だ!」
「うん!」

 互いに顔を見合わせ、目的地より先に探し人を見つけた事で二人は気を引き締める。

「……けど、なんて速さだよあの馬! このままじゃ見失っちまうぜ!?」
「わかってる、手段は選んでられない! チェーンバインド!」

 時間に追われているという事もあり、ユーノは即座に足下に光る魔方陣を展開させ、
駆け抜ける馬に向かって幾筋もの光の鎖を放つという強硬手段へと移った。

 良い子は危ないから走っているお馬さんに鎖を投げつけるなんて言う真似は……
って、そんなシチュエーションに陥る心配はございませんかそうですか。

222 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:35:08 ID:O6S7ubiG
「やった、捕まえた!」
「よくやったぜ、ユーノ!」
「コラーッ、何がよくやっただー! 君達、すぐにわしを放しなさーい!」

 二人は捕らえた戦刃丸に駆け寄るが、当然のように怒鳴りつけられてしまう事に。

「ご、ごめんなさい! 僕達急いでるんです!」
「急いでいるのはわしも一緒だ! まだ小さな子羊のメイちゃんが家出してしまったんだ!」
「子羊が……家出?」
「マジかよ、こんな寒い中でか!?」
「そうだ、急がないと大変なことに……メイちゃんやーい!」

 かなり悲壮な表情でその子羊の名を叫ぶ戦刃丸。
 事態はかなり切迫しているようだ。
 ユーノはそんな彼の姿を黙って見ていられず、一歩前に歩み出るとその手を差し伸べた。

「せめてもの罪滅ぼしです、僕にも手伝わせてください!」
「手伝うって、おい、ユーノ?」
「場所はこのあたりなんですか?」
「う、うむ。足跡がこっちに……」
「わかりました。エリアサーチ……目標は小さな羊の子だ!」

 ユーノは再び魔方陣を展開して、いつぞやのなのはのように、
いくつもの光の球を四方八方へと飛び散らせ、目を閉じて意識を集中させる。

 ――これじゃない……ここでもない……一体どこだ!?

 ポプラの木が立ち並ぶ小さな林、夏になればラベンダーが咲き誇るであろう花畑、
タンチョウヅルが越冬する美しい湖……ユーノの思惟をいくつもの風景が通り過ぎて行く。
 飛び散った光の球は数多くののビジョンをユーノへと送り続けるが、
肝心の羊の子はなかなか見当たらないようだ。
 シンヤと戦刃丸はそんなユーノを心配そうに見つめていると、突然弾かれたように
開眼したユーノはバリアジャケットにその身を包み、天高く飛び上がった。

「ユーノ!?」
「見えたよ! ずっと南の方……白い軽トラックの荷台に、
 足を縛られて苦しそうにもがいている子羊の姿が!」
「何だと!? 羊泥棒め、よくも家のメイちゃんを……ハイヨー、天雷轟(てんらいごう)!!」
「先導します、付いて来てください!」
「ウム!」

 高速で飛行するユーノを追い越さんばかりの勢いで、戦刃丸は馬を駆り雪原を駆けていく。
 ただ……

「ちょ、待てよ、オイ! オレは置いてきぼりかよーっ!?」

 シンヤを一人置き去りにして、だが。


223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 23:35:49 ID:9Ld/1/Kr
ホワイトデーネタきたー
支援

224 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:35:50 ID:O6S7ubiG
「へへ、ラッキーでしたね斉藤さん!」
「あぁ。こんなよさげな羊が一匹でとぼとぼ歩いてるなんてな、高く売れるぜ」

 どすん。
 何か重い物がトラックの屋根の上に落ちてくるような音がしたのは、
二人の羊泥棒がにたにたと意地の汚い笑みを浮かべながら
荷台で寂しそうに鳴き続ける子羊を眺め、頭の中でそろばん勘定をしている時であった。

「ん? 今揺れたな。何だ?」
「パンクしたかな? ちょっと止めて見ましょって、ぎゃあっ!?」
「うぉわっ!? 何じゃこりゃぁっ!?」

 違和感を覚えた二人が調べようとした次の瞬間、両者の間に天井を突き破って巨大な矢が
まさに槍のように突き刺さり、さらに幾重もの光の鎖がトラックをその場に釘づけにしていた。

「見つけたぞ、羊泥棒め! 家のメイちゃんに手を出そうなど、不届き千万!」
「げぇっ! 見つかった!?」
「し、しかもコイツ武者頑駄無ですぜ、斉藤さん!?」
「バ、馬鹿! 本名で呼ぶな!」
「ほほう、斉藤と申すか……貴様ら、覚悟はできておろうな!?」
「ヒィッ!?」

 威圧感たっぷりに羊泥棒ににじり寄るのはもちろん戦刃丸。
 その手には先ほどの巨大な矢、雷槍の矢がしっかりと握られている。

「メイちゃんの味わった恐怖、とくと思い知れ!」
「ぎぃぃやぁぁぁぁぁぁっ!?」

 戦刃丸は座り込んでいる羊泥棒たちに向け、
目にも留らぬ見事な槍? 捌きで笹目崩しに連続突きを仕掛けた。
 もちろん傷つけるつもりなどなく、恐怖心を味あわせるための寸止めであったのだが……

「今日のところはこれくらいで勘弁しておいてやろう。後は警察署でゆっくりと事情を話すがよい」
「は、はひ……」

 手が滑ったのか故意になのか、二人の頭髪は見事な虎刈りと逆モヒカンと化していた。

「一件、落着……かな?」

 ユーノは自らの腕の中で嬉しそうな鳴き声を上げる子羊を見つめ、
心からほっとした表情でそう呟いた。
 後ろから幽霊のような歩き方で恐ろしい顔をした人影が近付いているとはつゆ知らず。

「……まだ全然落着してないだろ」
「あ、シンヤ?」
「『あ、シンヤ?』じゃねーよ! オレ達がなんでここに来たのかもう忘れたのかよ!」
「あっ、そうだった! あの、戦刃丸さん、お願いが……」

 すっかり本来の目的を忘れていたユーノは、不機嫌度がさらに増したシンヤにそう言われて
ようやく戦刃丸に本題を切り出そうと話しかけた。

「おぉ、君達には助けられたからな。わしにできる事なら何でもしよう。何がいいかね?」
「実は……」


225 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:37:02 ID:O6S7ubiG
 
「おぉ! まさしく北海道直送の新鮮な牛乳! 君達ありがとう、本当にありがとう!」

 そして長崎のカステラ店。
 北から南に一気に舞い戻った二人と牛乳のタンクを抱きしめ、今にも踊りだすかのような勢いで
鷺主達は生地を作成しだした。もうこうなっては二人に出る幕などない。
 ただただじっと厨房が落ち着くのを待つばかりである。

「やれやれ、これでどうにかなりそうだな」
「そうだね……ごめんね、シンヤ。付き合わせちゃって」
「気にすんなって、お前一人じゃ危なっかしいし、こっちだってプレゼント確保できたし。
 ま、結局オレは何の役にも立たなかったけどなー」
「そんなことないよ。そう言えば向こうの牧場で何か貰ってたね。
 僕には手作り薦めといて自分は既製品?」

 ジトっとした目でユーノはシンヤをにらみつけ、そう訊ねる。

「へっ、気持ちが大事って言ったろ? こういうのは返すことに意義があるんだよ」
「なーんかズルくない?」
「気にすんなよ、ハゲるぞ」
「けどさぁ……」
「お話し中すみません。少しいいですか、小さなムッシュ達?」

 ユーノがさらに問い詰めようとしたその時、二人の間に鷺主が割って入ってきた。
 見ると、厨房の様子もだいぶ落ち着いていて、ショーケースの中も空っぽになっている。
 追加して焼いた分も瞬く間に売り切ってしまったようだ。
 その様子を確認して、二人はこれでもう大丈夫と安心して事情を話すと、
彼は快く二人の申し出を快諾してくれた。

「いいでしょう、美しいマドモアゼルには美しいカステラがよく似合います。
 私が教授いたしますので、残った材料はわずかなものですが……一緒に焼き上げてみましょう」
「いよっ、さすが鷺主! 天宮一のエレガント武者!」
「あれ、さっき間抜けとかなんとか……フガッ!?」
「? 何か?」
「い、いや! 何でもねーから! じゃ、早くやろうぜ!」
「は、はぁ……」
「全く調子いいんだから、もう……」

 そして、嵐のような数時間が過ぎた。
 主の美意識を象徴するかのように美しく磨きあげられていた厨房はまさに戦場の跡のような
凄まじい光景となり果てていた。
 卵の殻は散乱し、小麦粉は部屋中を白くまだら模様に彩り、そして三人もご多分にもれず真っ白だ。
 生ゴミを集めた箱には山のような失敗作が並んでいる。
 しかし、三人の目の前にあるたった一個のそれだけは、店で売る物と何ら遜色のない
美しい焼き色を保ち、黄金のような断面を見せて暖かい湯気を立てていた。

226 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:37:57 ID:O6S7ubiG
「で、できた……」
「へへっ、苦労した甲斐あってメチャクチャ旨そうに見えるぜ。
 これなら、きっと……」
「二人とも、よく頑張ってくれました。
 このカステラならどんなマドモアゼルも喜んでくれること間違いなしです。
 私が太鼓判を押して差し上げましょう」
「ハイ、ありがとうございます!」
「では、早速包装を……」

 そんな時。
 とうに閉めた店のシャッターをドンドンと叩く音がする。
 仕方なく、鷺主は営業スマイルを浮かべて相手をするべくそちらへと向かった。
 一体、こんな遅くに何の用だというのか?
 興味を持ったシンヤと、彼に引きずられる形でユーノも二人して聞き耳を立てる。

「今日、オレに娘が生まれたんです!
 それで、頑張ってくれたカミさんに差し入れをしたくて……大好物のカステラを……」
「それはおめでとうございます! ですが、もう当店は閉店しておりまして、
 カステラももう一本も残っては……」
「ここにありますよ」
「! ユーノ君!?」

 鷺主の背後から声をかけるユーノ。その手にはできたてのカステラが握られていた。

「もうじきホワイトデーですよね。でしたら、これを奥さんに。最高の記念日にしてくださいね?」
「お、おぉ……ありがとう、君!」
「ですがユーノ君、それは……」
「そうだぜユーノ! お前!」

 今日の頑張りを全部無駄にするのか?
 しかしシンヤのその言葉が最後まで紡がれることはなかった。
 黙って首を振るユーノがそっと彼の耳につぶやいたからだ。

「誰にでも最高の思い出の日はあるよ。それが、子供が生まれた記念の日なんて最高じゃない?
 僕には家族はいるけど、本当の両親はいないから……だからそういうの、大事にしてほしいんだ」

 どこまでも晴れ晴れとしたユーノの笑顔を見て、シンヤは呆れつつもどこか暖かい気持ちで
その肩をすれ違いざまにポンと叩き、包装紙と箱を鷺主に手渡しつつこう言った。

「ったく……お人好しにも程があるぜ」
「……ありがとう」


227 :リリカル武者○伝 ◆IsYwsXav0w :2008/03/13(木) 23:38:39 ID:O6S7ubiG
「ハッピィィィィッ、ホワイトデェーッ!!」
「みんな、一月前はありがとう。これは僕らからのちょっとしたお礼だよ」
「似合うかどうかわからないけど……クロノさんと一緒にスカーフを見繕って来たんだ。
 順番に渡すね?」

 ホワイトデー当日。
 再び翠屋のオープンテラスに集まった一同は今度は逆に男子組から女子組に、
バレンタインチョコのお礼を渡しつつ和気藹藹と盛り上がっていた。
 しかし、そこに……

「わぁ、とってもいい柄……ありがとう、クロノお兄ちゃん」
「お、おに……だから恥ずかしいからその呼び方はまだやめろって!」
「おーおー、照れてる照れてる」
「こらまた初々しいなぁ、新米おにいちゃん?」
「君達も茶化すな! なのは、気にいってくれたかい?」
「うん! ありがとう、クロノ君。大事にするね!」
「二人で悩んで選んだかいがありましたね、クロノさん! ……ところでシンヤ、ユーノ君は?」

 そう、そこにはあれだけ頑張っていたユーノの姿はなかったのである。

「んー、中で寝てると思うぜ? 昨日いろいろ大変だったから」
「大変? アースラの設備を借りていたようだが、何をしていたんだ?」
「わざわざ言うほどのこっちゃねぇよ。んな事よりさぁ……」
「私、見てくるね」
「あ、ちょっと、なのは?」

 アリサの声掛けにも応じず、なのははユーノを探して店の中に入っていく。
 ユーノは探すまでもなく割とすぐに見つかった。
 今では見る事が珍しくなった体力と魔力を温存するためのフェレットの姿で、
暖かい陽の差す彼お気に入りの場所でユーノは穏やかな寝息を立てていたのだ。

「ユーノ君? 寝ちゃってるのか……風邪ひいちゃうよ?」

 なのはがふかふかのタオルを持ってこようとその場を離れようとした時、
不意に風が巻き起こり、彼の間の前に置かれた物にかぶせてあった布がふわりと浮かび、
その下に隠された物が露となった。それは……


「あ、お帰り、なのは」
「ユーノ君、おったかー?」
「うん。けど、眠ってるみたいだしそっとしておいてあげてね?」
「? なのはちゃん、何だか嬉しそうだね」
「ふぇ? にゃはは、何でもないよすずかちゃん、なーんでも!」
「……?」

 タオルをかぶせられ、スヤスヤと丸くなって眠るユーノ。
 その目の前には棚から持って来られたと思われるモノが置いてあった。
 作りかけでまだ真っ白だが、紙粘土で作られたなのはとフェレット姿のユーノの人形。
 デフォルメが激しく、とても上手とは言えないいびつな出来栄えだったが、
作る人の気持ちが伝わってくるようなとても暖かい表情をしていた。
 さらに、そこには一枚のカードが添えられていた。そこに書かれていた物は……

 『これからも頑張って ユーノ』

 ……という、短い文章。しかし、それには別人のかわいらしい字で続きがこう書いてあった。

 『ありがとう、ユーノ君 なのは』
 
 暖かい春の昼下がり。街にはただ穏やかな風が吹いていた。
 子供達に平和な日々を届けるように。

228 :高天 ◆7wkkytADNk :2008/03/13(木) 23:45:03 ID:wHAJaArI
カ○ード「ふっ、支援だ!」
アリサ「ちょ、場所違うから!!」

229 :リリ武者@携帯:2008/03/13(木) 23:46:07 ID:43uvrlpk
後は後書きだけなのにさるさん……
ともかく、白い日ネタ一番乗りは以上でした。
短編なら割と気軽に書けるのに長編は……アゥア

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 23:54:43 ID:9Ld/1/Kr
ほのぼのGJ!でした。
そういや武者連中はチョコもらってませんでしたっけか…。(味見除く
此処で言うことではないかもしれませんが、お花見の幹事も頑張って下さい。

231 :なの魂の人 ◆.ocPz86dpI :2008/03/14(金) 00:14:14 ID:E+PEuN30
GJです
これはいいホンワカ空間

さて、三十分ほど間を置いたので、そろそろ投下しようかと思いますが……
おk?

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:15:47 ID:03UGIqqx
どうぞー!!まってました!!

233 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 00:16:04 ID:CV+VECH0
OKです!
全力でワクワクしながら支援!

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:16:17 ID:k8JkWzou
いかなければ男と呼ばない!

235 :なの魂の人 ◆.ocPz86dpI :2008/03/14(金) 00:17:40 ID:E+PEuN30
なの魂 〜番外編 三倍返しが男の甲斐性ってそれ単にお返し期待してるだけじゃねェかァァァ!〜

『えー、現在チョコ売り場はホワイトデー商戦で……いたた!
 ご覧のような大変込み合った状態でして――』

万事屋にしては珍しく、何事もなく穏やかに迎えた金曜の朝。
テレビの向こうで人の荒波に飲まれそうになっているニュースキャスターを、神楽は不思議そうに見ていた。

「ホワイトデー? 銀ちゃん、ホワイトデーって何アルか?」

「あ〜、今日ホワイトデーか。そーいやそんな日もあったな。忘れてたわ。
 ホワイトデーっつーのはだな、バレンタインにチョコ貰った男が、その礼に女にチョコを返す日だ」

面倒くさそうに頭を掻きながら銀時は答える。
表面上では興味など無さそうな態度をとっているが、内心では彼は少しだけ焦っていた。

(あー、アイツこーいうことはキッチリしてそうだからなー。返さねーと何言われるか分かったもんじゃねぇな。
 ……行く前にコンビニで適当に見繕っていくか)

脳裏に、何故か笑顔で指の関節を鳴らすはやての姿が浮かんでくる。
そしてその周りには、各々の得物を構える守護騎士達。
――うん。絶対返そう。
そんなことを思っていると、新八が陰鬱な表情で茶をすすりながらぼやいた。

「あー、なんか昨日、妙にはやてちゃんやシャマルさんが優しかったと思ったら、そーいうことですか。
 まァ僕貰ってないから関係ないですけど」

近寄り難い負のオーラを醸し出す新八に、思わず銀時は後退る。
だが、これでこそ新八というものだ。
女の子とフラグを立てる新八なんて新八じゃない。
表紙を飾る山崎並にらしくない。
あれ? でも確かDVDで表紙になってたよな? 山崎。

「銀ちゃん。私もチョコ欲しいアル」

一部の人にしか分からないような思考を巡らせていると、突然神楽が机から身を乗り出してきた。
どこまでも食い意地の張った女だ。

「いや、神楽ちゃんチョコあげてないでしょ」

「後で五円チョコでも買ってやるから、それで満足しろ」

投げやりにそう言って、両腕を広げてソファーにもたれかかる。
それと同時に、何の前触れもなくインターホンが部屋に鳴り響いた。
立ち上がるのも億劫になっていた銀時は、重たげに腰を上げてぶっきらぼうに返事を返す。
しかし、インターホンが鳴り止むことは無かった。
それどころか、鳴り響く音は激しさを増しており、もう呼び出し音なのかサイレンなのか分からないくらいになっている。
十六連射か? 十六連射なのか?


236 :なの魂の人 ◆.ocPz86dpI :2008/03/14(金) 00:19:41 ID:E+PEuN30
「あァ? どこのイタズラ小僧だ……ったく」

こめかみに薄く青筋を浮かべ、銀時は荒っぽく事務室の入り口を開けた。
事務室から伸びる廊下の先には玄関が繋がっており、事務室からは玄関を一望できるようになっている。
そしてその玄関の入り口は――何故か、開きっぱなしになっていた。
不審に思い、部屋から足を踏み出そうとしたその時、銀時の足元で何かが蠢いたかと思うと、

「ぉふゥ!?」

突如として彼に衝撃が襲い掛かった。
予想だにしなかった下腹部への不意打ちに、銀時はその場に仰向けに倒れこむ。

「銀さ〜ん!」

そして聞こえてくる、あどけない声。
声の主は、その小柄な体格に似合わない力で、銀時をぎゅーっと抱きすくめる。

「な、なのはちゃん!?」

「いって……オイオイ、なんのマネだ?」

上体を起こしながら銀時は頭を掻いた。
こんなところで何をやってる。学校はどうした。
色々と問いたいことがあったが、なのははそんなことはお構いなしに、

「えへ〜。銀さん、今日はホワイトデーなんですよ〜?」

有無を言わさぬ笑顔を浮かべながら、銀時に馬乗りになる。

「だから〜、チョコ貰いに来ちゃいましたぁ〜!」

頬を赤く染めながら言うなのはに対し、銀時は言い知れぬ不安を感じた。
なんですかコレ? なんかの罰ゲーム?

「……何故? Why? なんで俺がお前にチョコやんなきゃならないの?
 つーかなにこの状況? お前ホントになのはか?」

なのはらしからぬ行動の数々に、さすがの銀時も疑念を抱く。
そして銀時に疑いの眼差しを向けられたなのはは、あろうことか、その大きな瞳に涙を浮かべ、ぷるぷると震えだしてしまった。
本当になのはらしくない。
神楽も同じことを思ったらしく、

「何か悪い物でも食ったアルか? なのは」

と、ジト目になりつつも心配そうになのはを見つめた。
だがなのははその質問に答えようとはせず、何を思ったか突然ぴょんと立ち上がり、
トコトコと神楽の側へ小走りでやってきて、

「神楽ちゃん〜! 銀さんが、銀さんがいぢわるだよ〜!
 せっかく手作りの義理チョコあげたのに! 毎年あげてるのに、一度も返ってきたことないんだよ〜!」

「手作りで義理ってどうなのよ、ソレ?」

新八のツッコミをスルーし、泣きながら神楽にしがみついた。
本当にどうしてしまったのか、この娘は。
普段なら「ウゼーんだヨ。さっさと離れるネ」と切って捨てるところだが、さすがに泣かれてしまってはそうするわけにもいかない。
神楽はため息をつきながら、よしよしとなのはの頭を撫でる。
異変に気付いたのは、その時だった。


237 :なの魂 ◆.ocPz86dpI :2008/03/14(金) 00:20:47 ID:E+PEuN30
「……なんかなのは、臭くないアルか?」

すんすんと鼻を鳴らした後、神楽は自分の鼻をつまんでそんなことを言った。
鼻につくような、そして喉の奥を刺激するかのような匂い。
ありていに言えば、アルコール臭のようなものがしたのだ。

「臭くなんかないよ〜! 毎日ちゃんとお風呂入って〜。顔も洗って〜。歯も磨いて……」

年頃の少女が「臭い」と言われて気分を害しないはずもなく。
なのはは頬を膨らませて抗議するのだが、その声には、先程までのような元気は無かった。

「……?」

神楽が怪訝そうになのはの顔を覗き込むと、小さな欠伸が一つ。
そしてそのまま、目をとろんとさせて、うつらうつらし始めたかと思うと、

「……すぅ……」

神楽に抱きついたまま、健やかな寝息をたてて夢の世界へと堕ちていってしまった。
万事屋三人衆は互いの顔を見合わせ、無言の意思疎通を行う。
すなわち、

『……どうしよう? コレ……』



「嫁さんにやるつもりだったウイスキーボンボンを間違えて渡しただァ?」

リビングのソファーにどっかりと腰を据え、銀時は心底呆れた様子でぼやいた。
あの後、顔を真っ赤にして眠りこけるなのはを背負って高町家へ向かい、士郎に事情を話し、
そしてなのはを自室のベッドに寝かせて、今に至るというわけである。

「いやー、ホンットにゴメン! 包装が似てたもんだから、つい……」

顔の前で両手を合わせ、頭を下げる士郎なのだが、銀時はそんな彼に対して
「いや、なのはに謝れよ」と尤もなツッコミを返してため息をついた。

「らしくねーな。ガラにもなく緊張でもしてたのか?」

からかうように言うと、士郎は一瞬動きを止め、しばらく虚空を眺めた後に、
恥ずかしそうに苦笑を漏らしながら頬を掻き始めた。
どうやら図星だったらしい。
銀時は今度こそ盛大なため息をついた。

「……ったく。いつまで経っても恋仲夫婦だな、アンタら」

失笑しながら立ち上がり、おもむろに台所へと向かう。
戸棚からコップと盆を取り出し、それを台所の上へ。
そしてコップになみなみと水を注ぎ、盆の上に酔い止めの薬を乗せる。

「すまないね。こんなことまで頼んでしまって……」

盆を持って二階へ上がろうとする銀時に向かって、士郎は申し訳無さそうな顔をする。
だが、銀時はまんざらでもなさそうな様子で笑ってみせた。

「いーよ別に。アイツの面倒は俺が見とくから、アンタは店の方をしっかりやりな」




238 :なの魂 ◆.ocPz86dpI :2008/03/14(金) 00:22:01 ID:E+PEuN30
なのはは頭を抱えて布団の中でうずくまっていた。
よりにもよって銀時達にあのような醜態を見せてしまったこともあるが、それ以上に、頭が痛いのだ。
おそらく、悪酔いというやつだろう。
まだ肉体的に未熟とはいえ、まさかあんな少量のアルコールでこれほどまでになってしまうとは。
どうやら自分は酒類にはあまり手を出さない方がいい体質らしい。
そんな事を考えていると、不意に部屋の扉を叩く音が聞こえてきた。
ズキズキと痛む頭を押さえながら、今にもあの世へ旅立ってしまいそうな声で返事を返す。
直後、銀時がぶっきらぼうに扉を開けて、部屋の中へと入ってきた。

「おーう、入るぞー」

「あ、銀さ……」

重たげに顔を上げると、不意に銀時と目が合ってしまった。
その拍子に、先程自分がしでかした奇行の数々が鮮明に脳裏に蘇ってくる。
酔っ払って抱きついてしまった。おまけに頭の悪いおねだりまでしてしまった。
凄まじい勢いで身体を起こし、青白かった顔を紅潮させ、しどろもどろになりながら、なのはは矢継ぎ早に言い訳を行う。

「あああ、あの! さっきのアレはそういうんじゃなくてですね! その、自分でも何であんなことやったのか分からなくて
 むしろ何であんなことしちゃったのかなーとか思っちゃう次第で、ああでも嫌だったってわけじゃありませんけど
 じゃあまんざらでもなかったのかと聞かれるとノーと答えざるを得ないわけでありまして、や、ホントに銀さんのこと
 嫌いってわけじゃないんですけどやっぱりああいう行為は色々とマズい誤解を大量生産しちゃったりしますし――」

滑舌よりもむしろ肺活量を疑いたくなるような台詞をまくしたてるが、銀時はそんなことには興味が無い、と言わんばかりの態度で
手にした盆を机の上に置いた。
そして袖の下に手を入れ、長方形の何かを取り出すと、

「まだ酔ってるみてーだな」

「あだっ!」

コツン、とそれでなのはの頭を叩いた。
一際大きな頭痛に襲われ、なのはは恨めしそうに銀時を見る。
だが、目の前に差し出された"それ"を見て、銀時に対する不平不満は何処かへ飛んでいってしまった。

「え……?」

当惑しながら再び銀時に目を向けると、彼は「早く取れ」と言いたそうな目でこちらを見返していた。
ほんの少しだけ逡巡し、おずおずと長方形の"それ"を受け取る。
"それ"は、紛れもなくチョコだった。
コンビニなんかで百円くらいで売ってそうな、何の変哲も無い普通の板チョコ。


239 :なの魂 ◆.ocPz86dpI :2008/03/14(金) 00:23:06 ID:E+PEuN30
「それでも食って、さっさと酔い醒ませよ」

そう言い残し、銀時はさっさと部屋から出て行ってしまった。
一人残されたなのはは、しばらくボーッとした後、思い出したかのようにチョコの包装を開けた。
ためらいがちに、一口だけかじってみる。

「……苦い」

口の中に広がるカカオの香りと、奥深い苦味。
かなり濃厚なビターチョコらしい。
眉をしかめたくなるような苦味から逃れるため、盆の上に乗ったコップに手を伸ばす。
はた、と、そこでなのはの動きが止まった。
水が注がれたコップと、自分が手にしたチョコを交互に見比べ、黙考を始める。
しばらく押し黙っていたなのはだったが、結局水には手を出さず、苦い苦いと言いながらも
チョコをかじり続けるのであった。



翌日。

「……一日遅れの結果がコレ……」

「丹精込めて作ったチョコのお返しがコレ……」

「……あの二人は何故落ち込んでいるのだ?」

「さぁ? 財布でも落としたんじゃねーの?」

一粒十円のブロックチョコを受け取ったはやて達は、こんな反応を返したとかなんとか。

240 :なの魂の人 ◆.ocPz86dpI :2008/03/14(金) 00:24:44 ID:E+PEuN30
俺……信じてるから……
なのはは実は甘え上戸だって……

というわけで投下終了です
ぶっちゃけた話、酔っぱらったなのはを書きたかっただけなんだ
反省はしている

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:25:16 ID:CV+VECH0
支援支援
なんか久しぶりになのはな気がするよ 支援

はやてはオチか?!

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:26:25 ID:03UGIqqx
GJ!!だが俺ははやて派だ!!

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:26:43 ID:ZXKgUa94
>>240
GJ! orzってる二人がなんかかわいすぎるwwwwww

このメンツでsts時点のバレンタイン&ホワイトデー見たいなwwwww

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:28:12 ID:CV+VECH0
確かに俺もはやて派だ。
しかし、あの淫獣になのはを渡せない俺がいる。
分かるな?

取りあえず銀さんと恭也と士郎を倒せる猛者だけが、なのはを嫁にすることが出来るんだ!
一心不乱に八神家&高町家&よろずや一家の幸せを願う俺がいる!

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:30:28 ID:k8JkWzou
GJ!
なのは派とはやて派どちらも胸を疼かせるような
ストーリーですな。

あなたはなのは?それともはやて?

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:32:07 ID:oOxLYYt3
>>240
GJッス!

けど、あれ? おかしいな、俺銀はや派なのに
なにこのトキメキ
あれ? 真面目にヴィヴィオにパパと呼ばれる銀ちゃんみたくなってきたぞ!?


247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:33:56 ID:MkcAwoym
>>240
GJゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
ヤバイヤバイマジヤバイ何がヤバイってほろ酔いなのはがマジヤバイ
おっぱいがミサイルの母ちゃん1000人分の破壊力だよオイ はやて派なのにぐらついてるよオイ
そして新八。・゜・(/Д`)・゜・。
俺らはお前の味方だからな。・゜・(/Д`)・゜・。

248 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 00:35:01 ID:CV+VECH0
うー、こんなほのぼのの後に荒んだ内容のビスケット・シューターの続きを投下したいのですが、
自重して明日に回すべきか? どうせ待っている人なんていないだろうしw

なの魂氏の感想タイムがきっと夜明けまで続くだろうしね!
もうオールタイムで!


>>240
GJ!
ほのぼの書かせたらあんたほんまに日本一や!
こんなに可愛いなのはは初めてみたかもしれない!
はやて派の自分としてはオチで来た分でもう満足!
これからも頑張ってください!! 尊敬してます!

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:36:11 ID:k8JkWzou
正直本当はなのはにもはやてにも
ゆり動いちまうんだよな。

銀さんはいいよなあ…。モテて。
オレも銀さんのような男になりたい。そう思ってた時期がオレにもありました。

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:40:12 ID:jaZtnXkA
GJ!!
くおおおおおおお!!久々ななの魂ワールドが!
なんかなのはさんに心を奪われてしまった罠…。
トキメイタ…


251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:42:35 ID:oOxLYYt3
>>248
いやいや、ちゃんと感想スレがあるのですから
だいたいの時間を取れば問題ないはずッスヨ!

ですから投下プリーズ


252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:43:16 ID:m0Bx4fzf
なのはってこんなに可愛い動きするんだなぁ…
両氏とも、GJです!

>>248
むしろ全力で支援体勢

253 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 00:44:49 ID:CV+VECH0
>>251-252
あ、ありがとう(涙)
あんな荒んだ内容の続きを待っていてくれるなんて。
了解! 一時から投下開始します!

シグナムも登場するよ!

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:55:56 ID:jaZtnXkA
一時か…
支援準備を…!

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 00:58:08 ID:u+W2nQqG
なの魂のフェイトの影の薄さに泣けてくるぜ、まったくよう

256 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 00:59:25 ID:CV+VECH0
そろそろ時間かな?
1時丁度から投下開始します。
支援よろしくお願いします。大体8レスほどです。

メインキャラはヴァイス&シグナム。
バトルは今回ないですが、オチでびっくりするかも。


257 :アンリミテッド・エンドライン(8/1) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:00:52 ID:CV+VECH0
時間ですので投下開始!
支援お願いします!


 

 この世でもっとも生物を殺したのはなんだろうか。
 それは刃か?
 それは火か?
 それとも銃弾か?
 いや、毒である。
 肉体を蝕み、血肉を腐らせ、悶え苦しんだ後に残酷に息を止める。
 無念にも毒で死んだ者。
 諦めの果てに服毒した者。
 勝てぬ化け物に挑み、毒を持って打ち勝った者。
 毒とは総称だ。
 それは体を蝕むもの。
 それは心を蝕むもの。
 痛みを、苦しみを、誰かが望むがままに与える痛みの塊である。


                             ――煙草の焼け焦げを残した紙片より



【AnrimitedEndLine】

 外伝 『Biscuit・Shooter/2』

  その日、別れを告げた



258 :アンリミテッド・エンドライン(8/2) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:01:46 ID:CV+VECH0
 
 ……ニコチンは毒だ。
 煙草に付随するタールもまた毒だ。
 体を蝕み、肺を黒く汚して、毛細血管を収縮し、舌を麻痺させ、体力を削る。
 どう足掻いても吸うことに意味はない。
 けれど、手を伸ばすのは……もはや中毒なのだからだろうか。

「プハ〜……」

 武装隊の詰め所にある喫煙所。
 そこでヴァイスはいつものように煙草に火をつけて、紫煙を吸い込んでいた。
 喫煙所には他には誰も居ない。
 元々肉体勝負の武装隊には禁煙を心がけている奴も多いし、それ以前に今は武装隊の一チームが出動したばっかりだ。
 ヴァイスは、その出動する人員には……含まれていない。

「今日でここもおさらばか」

 煙を吐き出して、紫煙を揺らめかした煙草の先端を見つめながら、ヴァイスは天井を見上げた。
 普段にはないだらけた姿勢で、スプリングの壊れたまま修理申請の通らないソファーに背を預ける。
 ギシギシと軋んで休めない固いソファー。
 これも今日でおさらばだ。

「そう考えるとなんだか名残惜しく……はならねえな」

 座り心地最悪のクッションに思い出なんて求めちゃいない。
 この一本を吸い終わったら、行くか。
 そう考えて煙草の先端を見る見る灰に変えていった時だった。

「誰かいるのか?」

「あ?」

 ガチャリと煙から隔離するための扉を開けて、見覚えのある赤いポニーテイルが見えた。

「ヴァイス、か?」

「シグナムの……姉さん?」

 そこに居たのは同じ航空武装隊の同僚であり、先輩とも呼べるシグナムだった。



259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:02:48 ID:m0Bx4fzf
狙撃手っぽく物陰から支援

260 :アンリミテッド・エンドライン(8/3) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:02:49 ID:CV+VECH0
 
 窓を開け、換気扇を回す。
 そうすることで部屋一杯に立ち込めていた紫煙の煙が薄れていく。
 大して高級でもない安い煙草はただ煙臭い香りと苦々しい味しか齎さない。
 そんな中に煙草を吸わない非喫煙家のシグナムには厳しいだろうという配慮だった。

「すまないな」

 ヴァイスが座っていたソファー。
 その対面に当たるやはりスプリングが利いていないソファーにシグナムは腰掛けていた。

「いや、大したことでもないすから……ところで姉さんはなんでこんなところに?」

 喫煙家どころかあまり煙草の煙自体を好んでいないはずのシグナムが、喫煙所にやってきた理由をヴァイスは尋ねた。

「そうだな……率直にいえば、お前に会いに来たんだ」

「へ?」

「武装隊から部署換えするのだろう? なんでもヘリパイロットを目指すらしいな」

「参ったな……知ってたんすか?」

 ガリガリと頭を書き上げて、煙草の端を噛みながら苦笑するヴァイス。
 それを見ながら、シグナムは内心不安を感じていた。

(例の誤射事件から顔を合わせていなかったが……随分とやつれているな)

 同じ航空武装隊とはいえ、別の班の所属だ。
 大掛かりな任務でもなければ任務で顔を合わせることも無い。
 最後に顔を合わせたのは数ヶ月も前の話だ。

(ティーダが亡くなった時もそうだったが……さらに悪化しているな)

 たった数ヶ月前の記憶と現在を見比べてみると、愕然とする。
 過酷な任務で疲労の色はあったものの軽口を叩きながら笑っていたヴァイスの面影は殆ど残っていない。
 確かに口調や態度は記憶のままだが、どこかで違和感を覚える。
 無理して取りつくろっている。
 そんな気がするのだ。
 笑いたくもないのに笑っていて、苦しいのに苦しくない振りをする。

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:05:01 ID:q0/C3X1h
闇王女が更新されてたーーー

一言でいえばGJ
士郎がこのまま黙って見ているとは思えない
恭也や美由希に美沙斗を呼んで楽しいパーティーに参加するのでは・・・ 汗

ともかく完全に死亡フラグがスカリエッティにたったようです。


262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:05:28 ID:q0/C3X1h
すまん、支援

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:05:30 ID:Xtm0TTU6
支援

264 :アンリミテッド・エンドライン(8/3) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:05:36 ID:CV+VECH0
 
「ところでヴァイス。体調の方は……どうなのだ?」

「は? 姉さん、なにを藪から棒に」

「いや、な。又聞き程度だが、お前の調子が悪いと聞いてな。違う部署に行くのだ、調子を崩していたら最初から躓いてしまうだろう?」

「うー、いや確かにちょっと調子は悪いすけど。大したものじゃないっすよ」

 調子が悪い。
 そんなレベルではなかった。
 少なくともシグナムが知っている限りでは、そんなレベルではない。

 初めに聞いたのは銃がマトモに握れなくなったという話。
 射撃場でガタガタと震える腕を押さえつけて、デバイスの引き金を引いていたという噂。
 任務が終わるたびに嘔吐し、誰とも口を利かないまま姿を晦ますという。
 昔はまったく手を出していなかったはずなのに飲酒に手を付け、決して吸おうとしなかった煙草をシグナムの前で吸っている。
 おそらく煙草や酒は不安感やイラつきを抑えるためにやっているのだろう。
 明らかなPTSD(心的外傷後ストレス障害)の傾向だった。
 明らかな重病人であり、本来ならば心身共に酷使する武装隊になど続けられるはずのない状態だった。
 なのに、ヴァイスはそれでも武装隊をやめようとしなかった。
 昔のままに……否、以前よりも鬼気染みた雰囲気と態度で戦歴を挙げ続けた。
 壊れたように、狂ったように働き続けていた。
 いつか死ぬんじゃないか? とまで囁かれていた。
 そんな彼が唐突に転属願いを出した。
 それも荒事とはさほど関係のない運搬部への転属願い。
 良い傾向だと思った。
 確か昔ヘリが好きだと聞いていたから、本当に好きなものに熱中することが出来るのならば多少は傷を癒せるかもしれない。
 そう考えていた。

「そうか……それならいい」

「えっと、それだけすか?」

「ああ。ちょっと心配になっていてな」

 シグナムは何気なく成長した同僚であり、後輩のヴァイスを見つめた。
 二年だ。
 新米として武装隊に入ってきた十代の少年は二年の月日でここまで成長し、そして変わり果てた。


265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:06:43 ID:m0Bx4fzf
シグナムどうする!? 俺は支援

266 :アンリミテッド・エンドライン(8/5) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:06:53 ID:CV+VECH0
(私は未だに成長も衰えもしないのにな……)

 
 闇の書――否、蒼天の書の防衛プログラムとして生み出された仮初の命。
 記憶はある。
 心もある。
 命もある。
 けれども、それは不変だった。
 おそらくは十年経っても、二十年経っても、主が年老いても自分は同じままなのだろう。
 そして、目の前の後輩であり同僚だった若者はこれからも成長し、変わっていくのだろう。

(少々羨ましくもあるがな)

「姉さん? ……なんか用があるんすか?」

 そんなことを考えていたら、ヴァイスがこちらに目線を合わせていた。
 どうやら無意識に見つめていたらしい。

「いや、少し考えごとをしていただけだ」

「そうすか……」

 そうヴァイスは呟くと、ゴソゴソと胸ポケットから取り出した煙草を咥えようとして――不意にシグナムに眼を向けた。

(吸ってもいい? ということか)

 シグナムは苦笑しながら、手を振って構わないという態度を取ろうとした時だった。

 
『臨時ニュースです』

「ん?」

『市民街で起きた違法魔導生物の脱走事件ですが、武装隊の迅速な対応で無事確保されました。しかし、その際に市民に数名の軽症者が出ており、地上本部の治安体制に抗議の意見が殺到しており――』

 ブツン。
 喫煙室に取り付けられていたディスプレイが、ヴァイスの握った端末によって電源を落とした。



267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:07:57 ID:Xtm0TTU6
支援

268 :アンリミテッド・エンドライン(8/6) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:09:43 ID:CV+VECH0
 
「……どこもかしこも文句しか出ないすね」

「ああ。ただでさえ地上本部は忙殺されるほど動いているというのにな」

 度重なる治安問題。
 未だにはこびる違法魔導師や管理局への反テロ運動。
 異常とも言える管理外世界への勢力拡大に、性急な動きによって海はより広まる活動範囲に人手と人材が足らず、それによって引き抜かれた地上本部はより深刻な人材不足と戦力不足に悩む。
 急激な運動に管理局という組織自体が軋みを上げて、その動きに耐え切れずに組織のパーツ……すなわち人材が磨耗して擦り切れていく。

「上層部は何を考えているんすかね……」

「さあな。少なくとも私達程度では口の出せない領域だということには変わりあるまい」

 如何にSランク魔導師といえども、所詮組織の端末だ。
 重要性と戦力という意味では重宝されているかもしれないが、自分たちヴォルケンリッターは闇の書の収集行為という
度重なる重罪を犯し、本来ならば何の関係もない主ともども管理局に組している。
 時折、組織の方針に疑問を抱くこともある。
 ヴィータは特に気づいていないだろうが、シャマル或いは少なくともザフィーラも同じ心境だろう。
 ――“完全無欠の正義”など存在しないことに。
 けれども、この管理局は主が夢見る願いを叶えるための組織であり、数多くの恩人が所属している組織だ。
 鎖に繋がれた囚人も同然とはいえ、自らが幸せを望む主と友人たちのために剣を振るい続けることは間違っていない。
 決して間違っていない。

 少なくとも私はそう信じている。
 
「……口は出せない、か。いつまで続くんだろうな、こんな事件が」

「ヴァイス?」

 私が思案にふけていると煙草を噛み潰し、ディスプレイを見上げたヴァイスが居た。

「え? あ、いや、ちょっと……いらついただけっす。すいません」


269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:09:46 ID:ZXKgUa94
どーでもいいがタイトルの数字おかしくね?支援


270 :アンリミテッド・エンドライン(8/7) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:10:38 ID:CV+VECH0
 
「腹立たしいのは分かる。しかし、ここでお前が怒る理由にはなるまい?」

「あー、そう……すね」

 噛み潰した煙草の根元を指で掴み、ヴァイスはライターを取り出す。
 カチンカチンと鳴らして、火を出そうとするのだが、オイルが切れたらしく火が出ない。

「っ、くそ」

「ちょっと貸してみろ」

 私は立ち上がり、ヴァイスの口元に手を運んだ。

「姉さん?」

 眼を丸くするヴァイスの前で、軽く魔力を放出し、変換資質で火へと変質させる。
 パチンと指を鳴らすように、指の間から躍り出た火が煙草の先端を焦がした。

「おー。シグナムの姉さんがいると、ライター要らずっすね」

「そういわれると、途端に安上がりな気分になるな」

 シグナムは軽く苦笑し、ヴァイスもまた笑みの形を取り繕いながら紫煙を吸い込む。
 そして、ゆっくりとシグナムには掛からない位置に煙を吐き出して、喫煙所に備え付けられた灰皿で折れ曲がった煙草の先端を揉み消した。

「それじゃあ、俺はそろそろ行きますわ」

「ああ」

 よっこいしょっという声と共に、ソファーにおいておいたのだろう肩下げバックを腕にかけ、ヴァイスは喫煙所の扉を開けた。

「じゃあ、シグナムの姉さん。またなんかの機会があったら会いましょう」

「ああ。楽しみにしている。いずれはまた模擬線でもするか」

「そいつは勘弁を。勝てないですって」

 苦笑しながら、ヴァイスは最後に手を振って、喫煙所の扉を閉めた。



271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:11:23 ID:m0Bx4fzf
ヴァイスのイライラ感を支援

272 :アンリミテッド・エンドライン(8/8) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:12:04 ID:CV+VECH0
 

 そう告げて、ヴァイスは武装隊の宿舎から姿を消した。
 シグナムはそれを見届けた。

 彼は知っている。
 近き日か、遠きいつかの日に起こりえるであろう事態を。

 彼女は知らない。
 近き日か、遠きいつかの日に起こる出来事を。

 かつての同僚にして、先輩。
 かつての同僚にして、後輩。

 同じ部隊に所属するであろう烈火の騎士と落ちぶれたエーススナイパー。

 二人の信念をかけた激突を。


「シグナムの姉さん。悪いが、ここで墜ちてくれ」


「ヴァイス! お前はぁあああああああ!!!」


 万物一切の敵を断つ烈火の騎士。
 万物一切の障害を撃破するビスケット・シューター。
 剣と銃。
 真っ向から打ち破る騎士と死角から仕留める狙撃手。
 相反する存在の対立。


 彼と彼女の激突は、遠き六年後に演じられることになる。

 そう、それは燃え上がる噴煙と爆炎の戦場で。




273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:15:03 ID:0sYuPj1j
GJ!!です。
6年後のヴァイスVSシグナムが気になりますw
楽しみです。

274 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 01:15:08 ID:CV+VECH0
投下完了。
途中で数字の変更を忘れていましたが(汗)無事投下出来ました。
ご支援ありがとうございます。

それと原作との差異ですが、ここのヴァイスは武装隊を抜けるまで公式より数ヶ月ほど長く武装隊に居ます。


275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:16:09 ID:cwZ97nuq
狙撃手対騎士…!オラわくわくしてきたぞ!

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:19:00 ID:m0Bx4fzf
狙撃手vs騎士
真っ向からぶつかったら狙撃手に勝ち目が無い以上、ヴァイスがどう策を弄するのか
今からすっげー楽しみです

ヴァイスがタバコを吸っている描写を見て思わず外に吸いに行ってしまったのは内緒だ

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:29:19 ID:0sYuPj1j
2期まではユーノやシャマルが良く使っていた魔法をヴァイスが使えば・・・。

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 01:33:30 ID:vx/k9iE/
ASP-177scMK-23を装備しての超遠距離射撃だな。

279 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 02:00:17 ID:CV+VECH0
手の数は全て晒せませんが、”二丁”狙撃銃使いになる可能性があります。
ここのヴァイスは。
この作品だと普通に質量兵器も出しますので、ご期待下さいw

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 02:42:46 ID:/GFu47C/
ちょっと楽しみかも

深見真の小説の、二丁アンチマテリアルライフルなんていう化物を思い出したw

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 09:11:13 ID:qj5h4l03
>>229
武者○伝氏
ホワイトデーネタGJ!
桃鉄が微妙に伏線だったか。

>>240
なの魂氏
>俺……信じてるから……
なのはは実は甘え上戸だって……
俺も信じてます!

>>209
本当にほどほどでお願いしますね。





282 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/14(金) 10:23:04 ID:mCsg8Rq2
くっそぉぉぉ!
ネタに……ホワイトデーネタに詰まった……ッ!
というわけで、今回はホワイトデー短編流れから撤退することになるかもしれません。
セフィロスやルルのツンデレを期待していた皆様、ごめんネ。

そしてホワイトデーネタを書かれた両氏にGJ!
バレンタインに比べて影の薄いホワイトデーで、こんなものを書けるなんて……羨ましい限りです

283 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 10:31:14 ID:41mWQlMW
ホワイトデーか・・・やつはどうしているやら(遠い眼)
それはともかく皆さんGJ!
自分には真似できない・・・というわけでミシャグジさま(チン○)大活躍のSS、執筆中。
絶対あの人(悪魔)超力超神より強いよ、ママン・・・主に口から出される白い液体のせいで。

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 11:08:03 ID:RjxGY0ej
>>240
魔王と甘え上戸は両立する要素だと信じるっ

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 11:11:36 ID:RjxGY0ej
>>283
連レス失礼。
あぁ……回復アイテム使い切るまで戦ったあの人ね……
ホント久々の登場だと思ったら卑猥さに磨きがかかってたなぁミシャグジさま。
仲魔がメロメロになりすぎて治療が追いつかないのなんの。

286 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 11:21:18 ID:41mWQlMW
>>285
雑談になりそうですが、少し質問を。
ミシャグジ様って蛇体に亀頭の悪魔であってたよね?!

すいません、クリアデータしか手元になくって・・・

287 :節制の14 ◆6EgzPvYAOI :2008/03/14(金) 11:51:41 ID:FPuFfsIW
>280
ダブクロトワイライトのクリスも対戦車ライフル二挺装備。
うちの作品ではそこからダブルディバイン・バスターにするか二挺でディバイン・バスターにするかまだちょっと迷ってます。

288 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 12:25:19 ID:41mWQlMW
さて――完成に近づいてきたんですが、ミシャグジ様ってやっぱり避難所投下のほうが無難ですかね?
エロはありませんが卑猥なもので。

下ネタありますし。

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 12:34:35 ID:HenH0bLn
>>287
エンジェル・ハイロゥのエフェクトで光線出せばいいんじゃないの?

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 12:35:18 ID:qcooTzoj
>>288
真・女神転生とIFでは蛇体でしたが、ソウルハッカーズでは人間体に亀頭でした。
女神転生の悪魔は大好きなので楽しみにしています。

下ネタ具合にもよると思いますね。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 12:37:14 ID:UD1HyFy7
>>288
まあその方がいいかと
某マーラさま召喚SSもそこの避難所でしたし
あの方たちは存在そのものが卑猥ですからね

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 12:48:35 ID:2MCLWOb4
>>291
ああ……あの東出が絶賛したアレか……たしかにあの発想はなかったよなぁ……

293 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 12:50:04 ID:41mWQlMW
OK、司令部!これより避難所に投下する!!

・・・いや、ホワイトデーネタだよ、一応。

294 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 12:58:41 ID:41mWQlMW
投下完了しましたー。


295 :代理投下:2008/03/14(金) 14:05:47 ID:SKH2QOW+
召喚師リリカルキャロ 祟り神召喚編

とある辺境世界。宵闇が辺り一帯を覆い尽くしている。
篝火が焚かれ、パチパチと薪が弾ける音がする。
そんな中でも――聞こえるざわめき。
ル・ルシエと呼ばれる部族の祭壇は、かつてないほどの熱気に包まれていた。
アルザス地方において竜を使役する彼らの中でも――幼いながら召喚術の才能に長けた娘が、召喚の儀を執り行うことになったからだ。
期待、心配、羨望、嫉妬。様々な感情が入り乱れる祭壇を、まだ少女と言って良い年齢の子供が歩く。
その顔に浮かぶのは、緊張の二文字。
少女の名はキャロ・ル・ルシエ。まだ十歳にもなっていない女の子である。
幼き召喚師の歩みの一歩一歩に皆が注目する中、祭壇に厳かに立つ長老が言った。

「キャロよ……ではこれより召喚の儀を始める」
「は、はいッ!」

キャロの緊張に若干口をほころばせて、
「緊張するでない。その幼き飛竜――フリードを使役しているお主だ。何も心配することはないぞ、キャロ」
落ち着かせようと長老は言葉を紡ぎ出した。
孫の成長を見守るような心持で、長老はこの儀式に臨んでいた。この幼い召喚師の成長を、誰よりも楽しみにしていたのが、長老だった。

―――このときまでは。

キャロが慌てるようにして答える。
「はい!が、頑張ります!!」
相変わらずカチンコチンに緊張しているキャロに、長老は少し苦笑した。
(緊張するなと言うておるのに)
まあ、それも無理な話か、と長老は思い直す。
なにせここには部族のほぼ全員が集まり、キャロの動向を凝視しているのだ。緊張するな、というほうが無茶だろう。

「では―――始めよ、キャロよ」

幼き召喚師の術式の詠唱が、始まる。
それは本来ならば『黒き火竜』を呼び出し、少女の運命を大きく変える筈だった呪文。

しかし――神は気まぐれだ。本当に――気まぐれだったのだ。
残酷なまでに。

召喚陣が完成し、召喚成功の証の、眩い閃光が辺りを包み込んだ。
「おお………」
思わず長老は感嘆の声をあげていた。歳に似合わぬまでの、見事な召喚陣だったからだ。これならば、あるいは――。

―――黒き火竜すら召喚できているかもしれない。

その力に危惧を覚えつつも、キャロの召喚したものを見極めんと眼を凝らした。
もうもうと土煙が上がっている。
その中にあって、シルエットだけで大物だとわかるほどの巨体。
これはいったい―――?


296 :ゲッターロボ昴代理投下:2008/03/14(金) 14:07:01 ID:SKH2QOW+
長老にもわからぬ、異形の影だった。見ればキャロも己の召喚したものを見極めんと必死の形相で影を見つめている。

そのとき。
声が、響いた。

『ほえ、ほえほえ。なんじゃあ、ここは。魔界でも人間界でもないようじゃのお。その割にはMAGが豊富じゃわい』

それは、決して触れてはならぬ禁忌の扉。
おそるべき祟り神。

土煙が、晴れた。
そこに在ったのは―――見たこともない異形だった。
蛇のようにのたうつ巨体。太く、真っ白なしなやかな蛇体だ。それが、とぐろを巻いて召喚陣の上に鎮座している。
そして――髭か、髪のようなものが生えた頭部。白髪。
そこまでなら、神々しい龍、とすますことができる。黒き火竜ほどではないが、知性を持ち、喋ることができる竜など中々いるものではないのだから。
しかし――運命は残酷だった。

<それ>の頭部を見たキャロが絶望の声をあげた。

「あ……ああ………」
『んー?どうした、娘ぇ。わしの頭がどうかしたかのう』

<それ>はまぎれもなく、亀頭だった。もっと直接的にいうのなら、男性器のそれに酷似しているのだ。
すごく―――卑猥だ。
全身がのっぺりとした純白なのが、またいけなかった。
なんていうか――すごく、ご立派です。

その威容に、部族の者たちが老若男女問わず、悲鳴やら嬌声やらをあげた。
さすがにご立派なイチモツは違う。
人間のイチモツならここまではなるまい。まさしくそれは――神のご立派だったのだ。

長老は止まりかけた心臓を復旧させながら、息も絶え絶えにキャロに言った。

「キャ、キャロよ……早くその……ご立派な御方のお名前をお聞きし、契約を結ぶのだ」
この爺さん、何言ってんだ、と部族の人々が一斉に長老のほうを見た。
見れば、完全に眼がラリっていた。
かなりやばそうである。

「は……はい」


297 :ゲッターロボ昴代理投下:2008/03/14(金) 14:07:55 ID:SKH2QOW+
しかし、キャロは健気なことにその発言を真に受けて、実行した。してしまった。
「あ、あの……貴方様の、お名前はなんと……?」

『うむ?そうか、娘。お主がサマナーか。わしの力を借りたいのじゃな?』
「さ、さまな?ってなんですか」
『むう。サマナーを知らぬとは……さてはここは異界のどこか、か』
一人納得するご立派な異形。
『まあ、いいじゃろ。最近は退屈しておったところじゃしのう……よく聞け、娘。わしの名はミシャグジさま。畏れられる祟り神じゃ』

そのとき、一人の青年が駆け出していた。手には大振りな鉈。
「死ねえ、化け物ぉ!よくも長老を!!」
まだ死んでないが、そんなことは関係ないらしい。
青年が鉈を振り下ろしかけたとき、ミシャグジ様が――その卑猥な亀頭から、液を吐き出した。
白くて、どろどろした液体である。
あれはまるで――いや、いえない。

なんか生臭そうな液が、直撃した。ぶっ倒れる青年。
ぴくりとも動かない。

『おやおや。麻痺効果しかない攻撃だとういうのに、だらしないのう』
「あ、あのう……ミシャグジ様、大丈夫なんですか?その人……」
『心配するでない、娘。ちょぴっと時間が経てばすぐ元通りじゃて』

『さて――よろしく頼むぞい、娘!お主は今日からわしのサマナーじゃ』
「あ――私、キャロです、娘じゃありません!!」
キャロがちょっぴり憤慨して言う。
『ほえ、ほえほえ。そうかキャロ。よろしく頼むぞい』

この日、幼き召喚師とミシャグジさまは出会った。
この出会いが――世界を揺るがす事態になろうとは、誰も想像していなかった―――。
人と悪魔の間に、芽生えた絆が―――。


298 :ゲッターロボ昴代理投下:2008/03/14(金) 14:08:39 ID:SKH2QOW+
以上になります。
うん、やりすぎたね。ウロスの住人の皆様に感謝を。
素敵なネタ、ありがとうございます。

あと、ホワイトデーネタさ!(何が)


299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 14:10:03 ID:RI6Jx/mS
頼むから>>288をよく見てくれ

300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 14:23:54 ID:IKCugMz+
>>298
>>298
>>298
>>298


301 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 14:25:52 ID:gNFibseb
空気も読まずに投下予告。
今日の夜十時にEDFの続きを投下します。

302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 14:30:03 ID:41mWQlMW
>>301
待ってました!
ミッドは果たしてどうなるのか、楽しみです。

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 14:32:43 ID:HenH0bLn
>>298
頼まれてもいないのに代理投下した君よ、>>288の日本語も読めんのかい?

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 14:51:09 ID:4h4FetiS
管理局員隊長「俺達は戦う!!奴らが宇宙に帰りたくなるまで!!」
        オオーー!!!
局員「時空管理局の勇猛さを見せる時だ!!」
        オオーー!!!
「ふっ。今日で一番楽しみな10時になりそうだぜ。」

305 :LMS:2008/03/14(金) 15:08:51 ID:m0Bx4fzf
>>301
ktkr! 楽しみにしております

さて、昨日投下できなかった9話を10分後ぐらいに投下しようと思います

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 15:15:31 ID:5qsBn3yR
EDFの旗の下に

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 15:17:30 ID:5qsBn3yR
よしじゃあ俺はその前にタテオベスを釣るか
爆弾くらげのエラプトジェルしか釣れない

308 :LMS:2008/03/14(金) 15:22:45 ID:m0Bx4fzf
よし、投下します




Lyrical Magical Stylish
Mission 09 Double duel



「ハァ……ハァ……二択、です、か?」
「ゼェ……ゼェ……いんや、多分、どっち、も、行かなきゃ、なんねーと、思うぜ」

 崩壊を続ける通路を走りぬけ、ようやくたどり着いた安全地帯。二人は息を整えながら次の展開について話し合う。
 その視線先には、上に降りるための階段が二つ、ダンテの言うとおり、どちらかが進む道であり、もう片方にはそのための鍵があるのだろう。だが、どっちがどっちかは行ってみないと分からなさそうだ。

「ふぅ……多分、一方が当りだ」
「……もう片方は?」
「Jackpot. 大当たりだ」

 何が当りで何が大当たりなのかを指すのか全く不明の説明になのはがげんなりした表情を見せるも、全く気にせずダンテは続ける。

「ヘイなのは、お前、右と左どっちが好きだ?」
「……近い方行きますよ」
「なんだなんだ、ノリが悪いな」
「ダンテさんがノリノリすぎなんですよ」
「んなことねーよ」

 やれやれ、とばかりになのははダンテを無視して右の階段を昇り始める。ダンテもまた、なのはを見送ると口笛一つ吹いて左の階段を昇ることにした。

「さて……何が出てくるのやら」





「ヒュウ、当りか」

 ダンテが着いた先はきちんと手入れされていれば庭園と呼べなくもない場所だった。ボロボロになった噴水が辛うじて役目を果たし、だが流れる水は淀んでいる。

「来タナ……忌マワシキすぱーだノ血族ヨ……」
「やれやれ、相変わらずモテル男はツラいぜ。そのくせ女運は最悪なんだ、どうにかならないか?」

 ダンテはリベリオンに手を掛けながら、まるで旧友に話をするかのように気さくにダンテを迎えた死神に相対する。
 デス・サイズ。死神系と括られる悪魔の中では最上位の存在であり、戦闘力は上級悪魔の中でもトップクラス。ダンテもまた、かつてデス・サイズの操る四本の鎌には随分と苦しめられた。
 だが、この部屋は大当たりではなさそうだ。デス・サイズが護るように背後に存在する扉は封印が施されており、どうやらデス・サイズを倒す以外にもう一つ鍵が必要になりそうである。

「やれやれ、なのはのヤツも運がいいんだか悪いんだか」

 おそらく大当たりを引いたであろう、相棒に思いを馳せる。まあ、大丈夫だろうが。

「コノ場ヲ貴様ノ墓ニシテクレヨウゾ……!!」
「ソイツは気が合うね。俺もそう思ってたんだ」

 人間を狩る悪魔と、悪魔を狩る人間。二人の狩人が、己の信念を賭けて激突する。

「派手に踊ろうぜ!!」

 デス・サイズの鎌とダンテのリベリオンが、激闘開始といわんばかりに激しい火花を散らす。今ここに、戦いの火蓋が切って落とされた。

309 :LMS:2008/03/14(金) 15:23:33 ID:m0Bx4fzf



「イヤァッ!!」
「ヌオッ!!」

 浮遊し、上からの利を生かそうとするデス・サイズと、エア・ハイクや壁蹴りを駆使して同じ位置で戦うダンテ。
デス・サイズは最初から四本の鎌を操る全力モードで、ダンテもまたそんなデス・サイズに対抗するべく速度を上げていく。
 死神に共通する弱点である頭部を狙った空中で放ったとは思えないほど威力の乗った横薙ぎの一撃は、デス・サイズの背後から飛来した鎌に阻まれ、よろけた隙に襲い掛かるもう一本の鎌をダンテは仕返しとばかりに足場としてさらに上に飛ぶ。

「オオオッ!!」

 全体重を乗せた渾身の兜割。だが、デス・サイズは辛くもその一撃を二本の鎌を交差させて受け止め、両手が塞がったダンテに残る二本の鎌を前後から挟むように投げつける。
普通に考えたらかわせない一撃だが、ダンテは普通ではない。

「ハッハァ!」

 剣と鎌が交差する一点、そこを支点にダンテの体がデス・サイズの背後へと跳ねる。物理法則をまるで無視したキチガイじみたアクロバティックで迫る鎌を避けると、回転の勢いを乗せて剣を叩きつける。
吸い込まれるように迸った剣閃は、デス・サイズが間一髪で空間を渡って逃げたことにより、空振りに終わる。

「チッ、相変わらずすばしっこい」

 だが、不平を言う口とは裏腹に表情は強敵との死闘に対する歓喜に喜びを隠せない。着地し、リベリオンをだらんと下げたダンテはデス・サイズが出てくるのを待つ。

「オノレェ……!」
「ハハハ、ダンスは苦手か?」
「許サンゾォ!!」
「ヘイヘイ、ちゃんと話は聞けよ。誰も許してくれなんて言ってないぜ?」
「ヌオオオオオオッ!!」
「やれ、やれ」

 ダンテがリベリオンを振り上げようとした刹那、周囲に突風が巻き起こる。

「おっと」

 デス・サイズの発生させる小規模な竜巻だ。身動きを封じられた状態で高く跳ね上げられ、そのまま四つの鎌で串刺しにする、デス・サイズの必勝パターンの一つ。

「死ネエエエエエ!!」

 だが、ダンテにとって空中など地上と何ら変わりない。一つ目の鎌をリベリオンで弾き、その反動で二つ目を避け、同時に迫る三つ目と四つ目は空中で銃を乱射することにより落下速度と軌道を変えてあっさり避ける。
 なのはがこの光景を見ていたら絶句しているだろう、そんな魔技を楽々やってのけ、さらにエア・ハイクでデス・サイズの上を取る。

「たまげただろ?」

 笑みをさらに深め、ダンテはリベリオンをぶん投げる。空中でのラウンド・トリップ、回転する剣はデス・サイズの頭部を掠めるだけに終わるが、その一瞬の停滞にダンテは準備を済ませていた。

「竜巻が、お前だけの専売だって思うなよ?」

 取り出したのはアグニ&ルドラ。ダンテは二本を連結させると、連結部を両手で持ち、猛烈な速度で回転させる。
風と炎、二つの属性が相乗効果を発揮し、デス・サイズの起こしたものよりはるかに強力な竜巻が発生する。吹き荒れる暴風を突き破って、ダンテとアグニ&ルドラの奇声が力強く響き渡る。

「Yeaaaaaaaah!! Tempest!!!」
「「Genocide storm!!!」」
「グオオオオオオオオッ!!!」

 逃げ切れず、魔力が実体化しているだけの外套が炎に巻かれ、焼け落ちていく。破れかぶれに放った鎌も、圧倒的な竜巻に阻まれ中心のダンテを刺し貫くには至らない。

「さあ、メインディッシュと行くぜ!!」

 竜巻に巻き込まれ、自身のすぐ側までデス・サイズが吹き上げられる。ダンテは凶悪な笑みを浮かべるとテンペストを止め、アグニ&ルドラの連結を解除、そして必殺のスカイダンスを叩き込む。

310 :LMS:2008/03/14(金) 15:24:13 ID:m0Bx4fzf



「イィィィィヤッハアァァァ!!」

 とても手の力だけで振っているとは思えない馬鹿げてる威力の連斬がデス・サイズを襲う。呼び戻した二本の鎌で必死に防ぐが、ダンテは全くお構い無しで攻撃を続け―――


ピシリ


 頑強な鎌に皹が入る音が聞こえただろうか。

「ヌオオオオオオオッ!!!」
「イッちまいなぁ!!」

 最後の仕上げと放たれた、二刀あわせての回転斬りが、デス・サイズの鎌を破壊し、それでも勢いを全く緩めぬまま頭部を何度も何度も斬りつける。

「ハッハァァ!!」

 大地に叩きつける最後の一撃、迸る爆炎と暴風。頭部の強力な魔力を纏った見事な骸骨は角が叩き斬られ、いつ割れてもおかしくないほどに罅割れている。
全ての攻撃を直で貰ったデス・サイズは吹き飛ばされ、それでもまだ死なぬとばかりに砕け散った鎌を再生させる。
 だが、ダンテはもう終わったとばかりにアグニ&ルドラを収めると、デス・サイズに背を向ける。

「貴様アアァァァァ!!!」

 高位悪魔の余裕も矜持もズタズタにされた。この男だけは絶対に許すわけにはいかない、デス・サイズは最後の力を振り絞ってダンテに飛び掛ろうとし―――

「Jackpot」

 デス・サイズの背後から飛来したリベリオンが、デス・サイズに死をもたらした。

「バカナ……」

 自身の頭部を破壊し、ダンテの腕に収まるリベリオン。それが、デス・サイズが悪魔としての長い長い生を終えるときに見た最後の光景だった。

「Too easy. ちゃんと周りを見ろよな、怪我すっからよ」

 アグニ&ルドラでテンペストを起こす前に放ったラウンド・トリップ。本当はスカイダンスだけで決めて最後に格好よくリベリオンを掴み取ろうと思っていたが、まあこういうのもありだろう。

「どーせ観客もいねーしな」

 やれやれ、とダンテは封印された扉の横に座り込む。テンペストを発生させている際に放たれた鎌はダンテを貫くには至らなかったが、その切っ先は確かにダンテを捕らえていたのだ。
鋭い切っ先に込められた信じられないほどの呪いが、ダンテの内側で暴れている。

「ったくよ……」

 だが、ダンテが気にしているのは傷ではなくてコートだった。大事な一張羅に穴が開いてしまっていたのだ。
 確かに傷を負ったし、呪いのせいだろうか、治りの遅い傷跡からは今なお少量ではあるが出血している。それでも、ほっとけば治ると言わんばかりにダンテはコートに開いた穴をどうしたもんかと見つめていた。

「弁償、ってわけにもいかねーし……あ、そうだ。オイコラお前等」
「「……なんだ、我等を駆る者よ」」

 と、そこでダンテは重要なことを思い出したとばかりにアグニ&ルドラを取り出す。ダンテの形相と呼びかけに、喋らないという約束をしていたはずの二本が返答する。


ガギン!


 その返事と同時に、ダンテが二本の柄を衝突させた。

311 :LMS:2008/03/14(金) 15:25:05 ID:m0Bx4fzf



「喋んなって言っただろーが。竜巻ん時に喋りやがって」
「「……済まぬ、つい」」


ガギンガギンガギンガギン


「……もう喋るんじゃねーぞ。次やったら捨てるからな」
「「…………」」
「……Good(それでいい)」

 ダンテは満足そうに二本を再び収めると、おそらく大当たりを引いたであろう、なのはの到着を待つことにした。あまりに遅いようなら念話で状況を聞いたうえで助けに行くつもりだが、さすがにまだ早い。
 そのなのははどうしているのかと言うと―――




 ―――少し、時間を戻そう。
 ダンテがデス・サイズと邂逅していた頃、なのはもまた階段を昇り切り、扉を開けていた。

「う……寒……」

 なのはが開けた扉の先は、今までとはうって変わって極寒の地であった。決闘場のような開けた場所なのだが、壁に張り付いた分厚い氷が空間を随分と狭めている。

「当たりか大当たりか、どっちだろ……」

 なのはは白い息を吐きながら、とりあえず奥に向かって進む。周囲を探ってみた限り、部屋の奥に巨大な犬に似た何かの氷漬けがある程度で、ここには悪魔の気配はない。
それもそのはず、ここは氷の門番が守護する場所なのだから、有象無象の悪魔が出てこれる場所ではなく、また、出てくる必要もないのだ。もっとも、なのははそんなこと知らないのであるが。

「何もなさそう……氷を壊さなきゃいけないんだったらめんどくさいなぁ」

 パッと見た感じ扉もなく、これといって鍵となりそうなものもない。だが、この広大なフロアの氷を全て破壊しないといけないとなると相当の消費が見込まれる。
とりあえず周囲を探ってからでも遅くはない。なのはは慎重にフロアの中心へと歩を進め―――

「グオオオオオオオオオオオオ!!」
「!!」

 突如響き渡った、ドーム全体を揺るがすほどの叫び声に、なのははレイジングハートを握り締め、声のしたほうを向く。今の今まで悪魔がいる気配がなかったのだ。

「……彫像だと思ったんだけどなー」

 それもそのはず、門番は氷の奥深くで眠っていたのだから、気配なんかするはずなかったのだ。
地獄の番犬、ケルベロスが動き出した際に飛んできた氷塊を弾き飛ばした後、霧氷の奥から現れた悪魔の姿を焼き付ける。

「立ち去れ! 人間!!」
「……うわ、喋った」
「ここは力なき者は入ることすら許されぬ聖域、死にたくなければすぐさま引き返せ!」

 なのはは、犬のような悪魔が喋ったことに驚き、そしてその内容のあまりの定型っぷりに溜息を漏らす。よりにもよって魔界を聖域と言うか。
確かに一瞬飲まれたが、すぐに落ち着きを取り戻したなのはは、なのは曰く頭の悪そうな悪魔に自身が持てる最大の侮蔑を込めて挑発する。

「はぁ……喋る犬なんて、随分珍しい。ワンちゃんコンクールに出たらどうかな? 優勝間違い無しだと思うよ」
「愚弄する気か、小娘!」

 吐き出された氷のブレスを飛び上がって何事もなかったかのように回避。
人間だの小娘だのという呼ばれ方に結構腹が立っているなのはは、軽々と攻撃を避けれたことも手伝ってか、さらに嘲りの言葉を投げつける。

312 :LMS:2008/03/14(金) 15:25:50 ID:m0Bx4fzf



「Easy Fido.落ち着きなよワンちゃん。それとも散歩の時間かな? ほーらいい子いい子」

 ダンテならもっと嘲りたっぷりに言えたかも、なんて考えながら、なのはは挑発を繰り返す。ケルベロスは己を恐れぬばかりか、かつて己を倒した悪魔狩人と同じことを言うなのはに激しい怒りを覚える。

「後悔するぞ!」

 グオオオオオオ! という咆哮と共に、自身を縛る氷の鎖を断ち切り、戦闘態勢に入るケルベロスを眺めながら、
なのははダンテの真似をしてレイジングハートをチアリーダーのようにクルクルと振り回し、ケルベロスに突きつけた。

「It's showtime! 上下関係も分からないおバカさんは私が躾けてやる!!」

 それが、戦闘開始の合図だった。なのはの挑発に完全にキレたケルベロスは、三つの口から巨大な氷塊とブリザードを織り交ぜて広範囲にわたるブレス攻撃。

「目は見えてる? 私はこっちだよ、ウスノロ」

 それをフライヤーフィンで易々とかわしたなのはは、お返しとばかりにディバインシューターを正確に操り、巨体の中では小さい目を打ち抜く。
だが、それはケルベロスを覆う氷の壁に阻まれ、本体にダメージを与えることはない。

「ヒュゥ、やるじゃん?」

 吐き出されるブレス攻撃と上空からの氷柱をかわしつつ、ディバインシューターが掠り傷一つつけられなかったことに対してなのはは番犬を少し見直す。

「その程度、我を傷つけられると思うな!!」

(ちょっと大変かも……)

 気合を入れなおしたなのはは、五月蝿い咆哮を無視して戦略を一から考える。とりあえず、単純に防御力が高いだけなのか、あの氷がバリアの代わりをしているのかを確かめないといけない。

(よし、これで!)

 戦略を立てたなのはは、先ほど不発に終わったディバインシューターを、今度は氷の薄そうな足目掛けて放つ。直撃した魔弾はケルベロスの足を覆っていた氷を破壊し、剥き出しにされた足に僅かだが傷を刻む。

(成る程、あれはバリアの代わりなんだ。なら、氷をどうにかした後で顔に一発ぶち込んでやればいい)

 攻略の糸口は掴んだ。だが、手札が足りない。アルフの使うバリアブレイクが使えれば話は違うのだろうが、と考えたところで、バリアブレイクという単語がなのはに閃きをもたらす。
だが、あれは最後の切り札、なるべくならば使いたくはない。どこで誰に見られているか分からない以上、手札はギリギリまで伏せたかった。

(……あれは最後の手段として、今は魔法で何とかするのを考えよう。でも、ディバインシューターでもダメだったならディバインバスターじゃないと顔の氷は割れそうにないかな)

 そこまではいい。だが、問題はディバインバスターを放つだけの詠唱時間が取れないということだ。ひっきりなしに放たれるブレスと氷柱の波状攻撃をかわし続けながら、魔法を練るのは不可能である。

「ちょこまかと小賢しい小娘が!」

(……完全無効化なのか、ダメージが蓄積するのか確かめよう。蓄積するなら、何回当てれば壊れるのかも知っとかないとって、あーもう五月蝿いなぁ)

 ダンテという強力な前衛が敵を抑えてくれていたことがこれほどまでにありがたいことだったなんて、と今さらながらに認識しつつ、なのはは魔弾の操作と攻撃の回避に集中する。
 そして、ディバインシューターを四度当てたところで顔の氷に皹が入った。それが理由かは分からないが、ケルベロスが攻撃方法を変える。

「グオオオオオオ!!」
「えっ……」

 なのはの周囲を霧氷が舞う。粉雪のようなそれは、なのはがケルベロスが生み出したものだと認識した直後、強烈なブリザードとなってなのはを襲う。

313 :LMS:2008/03/14(金) 15:26:36 ID:m0Bx4fzf



「!!」
「Protection」

 間一髪、レイジングハートが生み出したバリアがブリザードから身を護る。だが、いささか堅さが足りなかったらしい。
荒れ狂う氷の粒に、徐々に徐々にバリアは隙間を生み、されど、極小の弾丸にはその隙間でも十分。
僅かずつだが侵入してくる弾丸が、バリアジャケットに当たり弾け、そして遂になのはの体に傷を生む。

「ぐっ……」

 けれど、生み出したシールドを維持したまま新たなシールドを内部に構築することは出来ない。なのはは全力でシールドを打ち破ろうとする氷の嵐に耐える。
 
「いたた……」

 ギリギリではあったが、嵐がおさまるまでシールドは持ってくれた。それでも、ところどころバリアジャケットは裂かれ、白い肌から血が流れる。

「グオオオオオオオオオオ!!」

 だが、危機は去らない。嵐がおさまった事に安堵するまもなく、ケルベロスの巨体がなのは目掛けて猛スピードで突進してきたのだ。
何が起こったのか認識する暇もあらばこそ、身を貫く危機感に反応してなのはは身を翻す。

「こ、のぉっ!!」

 それもまた間一髪で上に飛んで避けるものの、首から突き出た刃のような氷柱がなのはの足を掠め、血が吹き出る。それほど深いわけでもないが、放っておくには少々危険な傷だ。

「やってくれるじゃない……」

 距離を取り、体勢を立て直す。ブレスと氷柱以外にも多彩な攻撃を仕掛けてくるケルベロス。ディバインシューターで顔の氷を打ち破っている時間はなさそうだ。なのはは戦略を練り直す。

(あんなにいろんな攻撃、全部見てるわけにはいかない。早めに倒さないと、傷が増えて集中力も落ちる。そしたら負ける)

 痛みは、今は精神力で押さえつけられている。だが、それもいつまで保つか分からない。さらに、どれもこれもまともに直撃を受ければそれだけで致命傷になりえる攻撃だ。
どれかの選択肢を見ることを放棄するわけにもいかない。とすれば、短期決戦に持ち込む以外道はない。

(あれだけ好き放題挑発したんだし、負けたら凄くかっこ悪いよね)

 それになにより、今この身は最強の悪魔狩人、ダンテの相棒を務めているのだ。この程度の相手も一人で倒せないようならば、この先ダンテの足を引っ張る以外にやることがない。それだけは絶対に認められない。

(……あ、足のバリアが治ってる)

 見ると、ディバインシューターで打ち抜いたケルベロスの足が再び氷に覆われている。
ブリザードを防いでいる間や、突進をかわしたときは見れなかったが、ディバインシューターを顔に打ち込んでいる間はしっかりと見ていた。そのときはまだ治っていなかった。

(だったら、あれを治すにはそれなりの時間がかかるか、治す必要もないからほっといたかのどっちか。でも、確かめている術はない、それなりの時間がかかる、うん。間違いない)

 なのはの戦略にどうしても必要な最後の一ピース。バリアを破壊した後、ディバインバスターの詠唱を行う間にバリアが修復されてしまうのであれば、この戦略は通らない。
だが、一番重要な項目をダンテよろしく勘に任せて決め付けたなのはは、身を覆っていた防護フィールドを解き、三発のディバインシューターを周囲に纏わせつつ、フライヤーフィンに最大限の魔力を注ぎ込む。

「ヘイ! ワンちゃん、あんまりオイタすると痛い目見るって事、教えてあげる!」
「まだ言うか、小娘風情が!!」

 さあ、ショータイムの始まりだ。先ほどとは逆になのはが全速でケルベロスに向かって突進する。

314 :LMS:2008/03/14(金) 15:27:04 ID:m0Bx4fzf


 放たれる氷塊はスピードを殺さぬギリギリの範囲で避け、荒れ狂うブリザードは身に纏ったディバインシューターで致命打になりそうなものだけを叩き落す。
掠ったり、叩き落し損ねた細かいのが直撃したりであっという間に傷だらけになるが、そんなのはすべて無視して今まで出したなかでも最高峰のスピードでケルベロスの元へ到達する。

「ディバインシューター」
「「Blast!!」」
「ガアアアッ!?」

 なのはとレイジングハートの声が重なる。ケルベロスの眼前まで来たなのはは、纏ったディバインシューターを叩きつけ、自身は直角に飛び上がる。
破裂するディバインシューターとそれによって生じる粉塵がケルベロスの視界を塞ぎ、なのはに追撃は来ない。

「Got it! ベオウルフ!!」

 天井ギリギリまで飛び上がったなのはは、今までひた隠しにしてきたベオウルフを遂に両手足に装着、ケルベロスの頭上目掛けて垂直に急降下。
何も、拳を叩き付けるのは大地じゃなくたって構わないはずだ。

「Go to the hell!!」

 煙幕が晴れる。なのはの姿を見失っていたケルベロスが、声に反応して上を見たときには、なのはは既に眼前だった。

「ヴォルケイノ!!!」
「グオオオオオオッ!?」

 体重に重力と加速の魔法を上乗せした渾身のヴォルケイノが炸裂する。
迸った白光がケルベロスを覆っていた氷のバリアを一瞬にして粉々に吹き飛ばすように消滅させ、硬い氷に覆われていた柔らかい本体が露になる。

「さらに一発! Killer bee!!」

 さらに、ヴォルケイノの発光を再度の目くらましに利用しケルベロスの視界から消えたなのはは、反動と魔法でもう一度上空へ大きく飛びあがる。
そして、露になった足一本、その膝関節に狙いを定め、再度加速をつけて急降下。ヴォルケイノが周囲を攻撃する大槌だとするのであれば、こちらは一点を貫くまさに槍だ。
インパクトの瞬間、骨の砕け散る嫌な音が響き渡る。

「グオオオオオオオッ!!?」

 自身の体重が仇になった形で、足の一本を破壊されたケルベロスがその場にくず折れる。だが、それよりはやくなのははケルベロスと距離を取り、レイジングハートに己が魔力を叩き込んでいた。

「たまげたでしょ?」
「貴様あああっ!」

 ケルベロスは運が尽きたか、足の修復を先に行ってしまった。なのはの攻撃では、バリアごとケルベロスを打ち抜くにはどうしても多大な詠唱が必要なのだから、足など無視してバリアを先に修復するべきだったのだ。
だが、どんな情報も見逃さなかったなのはと、侮り、楽に叩き潰せると過信していたケルベロスの差が、ここで出た。

「ぶち抜け!!」
「Divine buster」

 裂帛の掛け声と共に、強烈な魔光が空間を引き裂く。一直線に突き進んだディバインバスターは、ケルベロスの頭を三つまとめてぶち抜いた。

「グオオオオオオオオオッ!!!」

 断末魔の叫び声。強烈な光に焼かれ、見えない目の中でなのはは確かに聞いていた。
 そして、つい口から漏れたのは期せずしてダンテと同じ呟きだった。

「……Jackpot」



 三つあった顔のうち二つを消し飛ばされ地に伏した地獄の番犬と、地に下りそれを見上げるなのは。視線の位置は逆なれど、勝敗は確かになのはの勝利で決していた。

315 :LMS:2008/03/14(金) 15:27:37 ID:m0Bx4fzf



「……貴様」
「なのは。高町なのは。まあ、この場合は”なのは様”かな?」
「…………」
「冗談だよ」
「……なのは、お前は力を示した。なのはを認めよう」
「ま、当然だよね。分かってくれて嬉しいな」

 全身に刻まれた裂傷をものともせず、なのははレイジングハートを肩に担いで不敵な笑顔を見せる。
サイズこそ違えど、かつて戦いそして破れた悪魔狩人にそっくりだ、ケルベロスは内心遠い記憶を僅かな間懐かしんだ。

「先に進むがよい。我が牙の加護を手に!」

 一際大きな咆哮とともにケルベロスの体が消滅する。だが、完全には消滅せず、僅かに残った光がゆっくりとなのはの元へ進んできた。
我が牙の加護を手に、という最後の言葉を思い出し、なのははそれに手を差し出す。すると、光は一際強く発光したかと思うと、レイジングハートへと吸い込まれていった。
とりあえず外見に変化はないが、なのはは思わず聞いてしまう。

「……レイジングハート、大丈夫?」
「No problem,master. You get the new power,Mode Ceruberus. Is a detailed explanation necessary?
(問題ありません。新たな力、モード・ケルベロスを入手しました。詳しい説明が必要ですか?)」
「……ううん、大丈夫。なんとなくわかるから」
「All right」
「じゃ、傷の治療お願いね」
「Yeah. please wait」

 なのはの体を優しい光が包み込む。徐々に傷の痛みが引いていく中、なのはは自身に湧き上がる新たな力を噛み締めていた。

(ヘイ、なのは)
(ダンテさん?)

 そんなとき、なのはから一向に連絡が来ないことに心配になったダンテから相変わらずノイズ交じりの念話が飛んできた。

(どうだ? 大当りだったか?)
(そりゃもう。詳しくは後で話しますよ)
(そーかい。ソイツは良かった。それよか、お前さんの部屋に鍵になりそうなものはないか?)
(鍵、ですか?)
(ああ。こっちの部屋は当りでね、門番は倒したんだが、鍵がない。そっちにないか?)
(ちょっと待ってください。探してみます)

 なのはは一旦念話を切り、周囲を見回してみる。すると、ケルベロスが護っていたと思われる祭壇のようなものがあり、明らかに怪しい何かが乗っていた。槍が二本くっ付いたようなものだ。

(ありました。多分、ですけど)
(ハッハッハ、ソイツはきっとジャックポットだ。悪いが、持ってきてくれや)
(ハイ、すぐ行きますね)

 あらかた治療も終わった。魔力は随分使ったが、それに見合うだけの力は得た。
これならば、今後激化するであろう戦闘においてもダンテの足を引っ張ることはそうそうないだろう。なのははダンテにどう話したものか考えながら、祭壇の上にあるオブジェを手に取った。





「随分暇そうですね」

 なのはが対なる二槍を持ってダンテを追うと、ダンテは封印がかけられた扉の前に座ってクルクルと銃を玩んでいた。なのはが近付いていく間にも、大あくびを隠そうともしない。

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 15:27:45 ID:5qsBn3yR
話しかけたから二人は答えたのに酷いよダンテ(それじゃペローナ)支援

317 :LMS:2008/03/14(金) 15:28:07 ID:m0Bx4fzf
9(終)


「まーな。門番は随分前にぶっ飛ばしたんだが、その後出てくる連中出てくる連中雑魚ばっかでよ」

 と言って、おもむろになのはにエボニーを突きつけぶっ放す。

「そうみたいですね」

 それを当然知っていたかのようなタイミングでなのはは首を右に倒し、避ける。頬をギリギリ掠めなかった銃弾は、なのはの背後に迫っていたエニグマを破壊した。

「で、お前さんはどうだったんだ? 大当たりだったんだろ?」
「大当たり、って程でもないですけどね。首の三つあるワンちゃんに上下を教えただけです」

 そう言いつつ、なのははレイジングハートをダンテに突きつけ、仕返しとばかりに魔法を解き放つ。

「首が三つ……ケルベロスか? ハハッ、大したもんじゃねーか」

 だが、ダンテもまた当たり前のように魔弾をかわし、背後に迫っていたヘル・プライドが一撃で元の砂へと還っていく。

「で、ソイツがご褒美か。ハハハ、当りだぜ、なのは。そこにある穴にぶっ刺しな」
「何だ、当たりだったんですか。外れてたらダンテさんを刺そうと思ったのに」
「サラッと怖いこと言うんじゃねーよ」

 互いが何も言わずに互いを攻撃したことを当然のようにスルーしつつ、なのははダンテが言うとおり、開いた二穴に二槍を刺し込んだ。鍵を得た扉が、封印を打ち破る。
その光景を眺めながら、ダンテは大したことでもないと言わんばかりに軽く告げる。

「で、この先はリターンマッチの時間だ」
「それって」
「ああ。グリフォン、アイツがこの先にいる」
「……成る程」
「で、どうする?」

 暗に、先ほどとは逆の立ち位置にするか? という質問にも、なのはの返答は決まっていた。ニヤリ、と笑みを深めてダンテの提案を突っぱねる。

「どうもこうも。せっかく得たケルちゃんの力を試す絶好の機会ですから、邪魔しないでくださいね」
「ハッ、そー言うと思ったぜ」

 二人は扉を押し開けた。そこにいたのは―――




「GAHAHAHAHA―――!!! 待ってたぜ坊や!!!」
「ここが貴様等の墓だ……」

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 15:31:51 ID:5qsBn3yR
天使と言うが大仏にしか見えないデモノコーラス支援

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 15:37:05 ID:5qsBn3yR
えー瞬殺っスか支援

320 :代理の人:2008/03/14(金) 16:16:27 ID:41mWQlMW
削ったのにさるさん食らった……またここを使わせて頂きます
度々申し訳ない


Mission 09はここまで
やっぱ派手にやられた後はパワーアップだよね
ということで、ダンテはケルベロスを持ってきていません

次はダンテ&なのはvsファントム&グリフォン
せっかくだし、チーム戦やります

>>319
腹心勢>>>>>>>>>>>3のボス
だと思っているので、グリフォンにタイマンで勝てないなのはでも、
グリフォンの足を吹き飛ばす程のダメージは与えられた。なら、このぐらいはいけるんじゃないか、と思ったんですけど……

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 16:44:33 ID:FPuFfsIW
>289
一応、あの世界では皆魔導師扱いで、クリスの銃もフィンのトランクもデバイスです。
描写してなかったけど大悟は近代ベルカという事で。

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 16:49:16 ID:EK65/gl1
なのは様ですか。おしゃべりワンちゃんもビックリだ。

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 17:18:47 ID:fi7XMGbW
>>320
なるほど、自分は319ではありませんが納得しました。

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 17:20:38 ID:fi7XMGbW
>>320
失敬

そんなお気になさらず。

325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 17:25:47 ID:NIgqJREj
>>321
エフェクトは出てこないんすか?
リザレクトの回復っぷりを見てもらいたい。

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 18:46:29 ID:INiZI/BW


327 :リリカラー劇場:2008/03/14(金) 19:53:51 ID:Q4RpUO9r
職人の皆さんGJです!

Fullcolor'S機動六課編プロローグを投下してよろしいですか?

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 19:55:48 ID:FSwUzAsE
カモン!

329 :リリカラー劇場:2008/03/14(金) 19:58:06 ID:Q4RpUO9r
ガンダム「いやぁ、春だねー」
アレックス「春ですねーお兄さん」
ガンダム「暖かくなってきたねー」
アレックス「ぽっかぽかですねー」

ガンダム「とゆーわけで今日はのんびり〜と電車で旅をして『いい日旅立ち』を歌うぞー♪」
アレックス「ぶらり途中下車ですかお兄さん!?」
フリーダム「世界の車窓からですか!?」
デスティニー「Σなんでやねん」
レジェンド「先頭車両に顔がついてる奴に乗るのか」
デスティニー「Σソレ違う!」


魔法少女リリカルなのはFullcolor'S 機動六課編 プロローグ


ここはミッドチルダの山岳に敷かれたレールを行く列車。その車内

ガンキャノン(109)「でも確かに良い日差しだねキャノっ8兄さん」
ガンキャノン(108)「そだなー、電車に揺られるのも悪くないよなー」
ウィング「だるー」
サンドロック「て、テンション下がってるねι」
ゼータ「……こうゆう時に限って厄介事が起きるんじゃないのか」
マークII「不吉な事言うなよι」
ガンダム「そうだぞ、縁起悪い−−ぞ」
その時、ガンダム達は車窓ごしの青空に大群の機械を見る。

一同:……起きたし……ι



330 :リリカラー劇場:2008/03/14(金) 20:06:41 ID:Q4RpUO9r
−−−−

ガンキャノン(109)「あれってMA?」
ガンダム「そだなー」
ブリッツ「何とかしないといけないでござる!」
デュエル「バクゥはやらせん!」
ガンダム「そだなー」
アレックス「Σお兄さん!?スバルさん達が空から来ました」
ガンダム「そだなー」

ガンキャノン(108)「ダメだ、現実逃避してる。たんく、最小限で撃て」
がんたんく:らじゃー(ジャキンっ★)

−−−−

撃たれた→ガンダム「ケホッ、ケホッ。じゃあ、手伝いますかι」
アレックス「そうですねお兄さん」

だが、その時。ふよふよと突如ガンダム達の前に現れるカプセル型の物体。

ガンキャノン(108)「Σうわっ何だコレ!?」
フリーダム「Σ赤と白の粒々ー!?」
ラクス「Σショウヘイヘーイ!?」
デスティニー「Σどっちも違うだろ!」

カプセル型「効き目長いから勝ちぃ!」
デスティニー「Σィャィャ乗るのかよ!」

スバル「はあぁぁぁ!キ・ラ・キ・ラあふろー!」(車両の入口から飛び込み、カプセル型の物体を破壊するスバル)
デスティニー「Σそれ師匠!」

ジャスティス「いったい何が起きてるんだ……」
ラクス「でも、このネタは出っ歯で関西弁を喋るおじ様の番組で話せますわ!」
フリーダム「Σ踊る大御殿!?」

デスティニー「できるのか!できねぇよ!」
バスター「”まんま”は?」

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 20:09:05 ID:FSwUzAsE
支援

332 :リリカラー劇場:2008/03/14(金) 20:11:20 ID:Q4RpUO9r
−−−−

スバル「あ、ガンダムさん♪お久しぶりです」

ガンダム「久しぶりースバル♪ところであの空の大群と今のカプセルなんだったの?」

スバル「はい。あれはですね!………………なんだっけ?」
デスティニー「Σ忘れたのかよ!」
ティアナ「『ガジェット』でしょうが!」
ガンダム「…………」
アレックス「…………」

一同「ショウヘイヘーイ!」
ティアナ&デスティニー「Σなんでやねん!」


−−−−

ゼータ「そうか……ロストロギアがこの列車の貨物室に」

ダブルゼータ「でさっきのガジェットって奴が列車を乗っ取ってんだな」

ティアナ「そうよ、とりあえず私達はガジェットを倒しながら探さないといけないの」
マークII「じゃあ、オレ達も手伝うぜ」
スバル「え、でも皆お休みなんじゃ……」
ティアナ「そうよ、それにこれは私達の仕事だから皆の手はいらないわ」

ガンダム「いや、やるよ」

ティアナ「へ……?」
ガンダム「せっかく、せっかく……『いい日旅立ち』を歌おうとしたのに……皆、手分けしてガジェットを片付けよう!」

一同「おー!!」
スバル「じゃあ、私はあっちの車両に行くから着いてきてー」
ゼータ「解った……」
強行偵察型ザク「おー」
ナタク「ザクなんて居たか……?」
スバルの後に続く、”えぅーご””ころにーれんごー”達にア然となるがティアナも来た方向を戻る。
ティアナ「仕方ないわね……こっちも行くか。ガンダムさん達、準備は良いですか?」
ガンダム「オッケー♪行くぞ、フリーダム達」
フリーダム「はいっ!」



333 :リリカラー劇場:2008/03/14(金) 20:18:51 ID:Q4RpUO9r
−−−−

その頃、”じおん”軍居住艦ムサイ

シャアズゴ「ガジェットはどうだ?スカリエッティ」
スカリエッティ「シャアか……上手くいっているよ」

シャアズゴ「そうか、ところで私の杏仁豆腐が見当たらないんだが知らないか?」
スカリエッティ「さ、ささささあ知らないなι」

シャアズゴ:食ったなコイツ……
ズゴック「大佐、ドクター」
スカリエッティ「うわ、ズングリーズが揃った」

シャアズゴ「変なコンビ名で呼ぶな(怒)」

−−−−
殴られた→スカリエッティ「イタタ……どうした?」
ズゴック「はい、どうやら列車には”れんぽー、えぅーご、ころにーれんごー、ざふと”の連中が乗っているようです。
さらに機動六課も到着したようです」

スカリエッティ「フフ、さあ。シャア、次の手札は−−」
シャアズゴ「……ぁあ……今回は勝てないな」
スカリエッティ「Σちょ、あきらめないで!」


−−−−

スカリエッティ「とりあえずは偵察用ザクにデータを収集するか」

シャアズゴ「それも多分無理なんじゃないか?」
スカリエッティ「なんで?」

※その頃、列車。

ウィングゼロ「さっきから敵意を補足していた−−」(バスターライフル)
ナタク「小細工発見!」(ドラゴンハング)

強行偵察型ザク「Σぎゃー」

−−−−

ウーノ「カメラ、至近距離で破壊されました」
スカリエッティ「Σな、なんでだー」
シャアズゴ「いや、ずっと後つけてたらばれるだろι」



334 :リリカラー劇場:2008/03/14(金) 20:20:53 ID:Q4RpUO9r
−−−−

再び、列車の方ではレリックを回収し。ガンダム達の協力もあってガジェットは全て破壊できた。

フェイト「みんな、協力ありがとう」
なのは「まさかみんなが乗ってたなんて、すごい偶然だね♪」

アレックス「そうですね♪ガジェットもみんな破壊出来てよかったです」

フェイト「そういえばシャアは?」
ガンキャノン(109)「日焼けしに日光浴に行ったよー」

なのは「…………え、何か意味あるの?」
ガンキャノン(108)「突っ込むなι」

−−−−
エリオ「お久しぶりです、皆さん」
ゼータプラス「お、エリオじゃん♪」
キャロ「お兄ちゃん、お久しぶりです♪」
ダブルゼータ「おーキャロ久しぶり」

ティアナ「あれ、ガンダムさんは?」
マークII「あっちで車内で歌えなかった『いい日旅立ち』歌ってる」

ガンダム「いーいひ〜、たび〜だちぃ〜♪」
スバル「日本武道館に行くときの歌だっけ?」
デスティニー「いや、違うι」
レジェンド「光る玉葱がある建物に行くときの」
デスティニー「いや、ソレは日本武道館だι」


この日、MS達は再び魔導師達と出会った。
それは少し大人になった親友達と新しく仲間になった彼女らとの再会。
だが、それが新たな闘いの話になることはまだ誰もしらない。
そして、スカリエッティと共に居るシャアの真意とは一体…………。

ガンダム「ところでさ、19歳なのに少女は無いよね」
フェイト「なっ!ばっ−−」
なのは「しー!」

続く

335 :リリカラー劇場:2008/03/14(金) 20:22:17 ID:Q4RpUO9r
以上です。ついに機動六課編に入りました。
シャアとスカのタッグはいかにー。
ではでは

336 :仮面ライダーリリカル電王sts:2008/03/14(金) 20:25:32 ID:FQ8B9imZ
GJ。相変わらずユルユルだねぇ〜、こりゃツッコミ大変だぁ。

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 20:26:30 ID:FSwUzAsE
>>335
GJ! SDになったガジェットが脳内に浮かんで萌えたwしかもコンタックwww
ズングリーズとか懐かしいなぁ。何でズゴックになってるんだシャアw

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 20:34:54 ID:VVh+JTH9
いかん吹いたw
シャアも諦めるの早すぎw

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 20:36:37 ID:41mWQlMW
このゆるい空気――本物だ!というわけでGJ!!
懐かしい気分になりますー。

340 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 20:40:27 ID:rGMQo7dY
ゆるゆるはいいですなー。
あー、癒される癒される(お茶を啜りつつ)

GJでしたぁ!

341 :一尉:2008/03/14(金) 20:46:11 ID:Hln3cMV2
うむ勇者戦記したらどう。勇者特急マイトガイン、勇者警察ジェイデツカー、勇者指令ダグオン、勇者王ガオガイガー、
リリカルなのは、量子跳躍レイゼルバー、でとう。支援、

342 :×DOD:2008/03/14(金) 21:14:43 ID:01/hW5Zd
今日の予告ってどうなってるのかな? かな?

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:15:09 ID:0sYuPj1j
誰もいないの・・・。

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:16:28 ID:mCsg8Rq2
10時にEDF氏が予約されています。
つまり今はフリーさ!

345 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 21:17:34 ID:41mWQlMW
10時にEDF氏が投下予定です。
というわけで今です、中佐!

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:19:34 ID:01/hW5Zd
おk、じゃあ前座でスバゲッチュ21:20〜いいかな?かな?

347 :×DOD:2008/03/14(金) 21:20:04 ID:01/hW5Zd
コテ抜けた(´・ω・)

348 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:20:51 ID:m0Bx4fzf
さあ、支援だ

349 :スバゲッチュ 第一話Cパート 0/6:2008/03/14(金) 21:22:27 ID:01/hW5Zd
では少々レスを頂きます。約5300字(10kb?)の6分割です。

350 :スバゲッチュ 第一話Cパート 1/6:2008/03/14(金) 21:23:57 ID:01/hW5Zd
(検査は……というかあのチビたち、大人しくしてるかしら)

とスバルの体を心配するのが半分、面倒見のいいお姉さん気分が半分といった感じで、シャマルか
ら消毒と絆創膏の処置を受け部屋へ様子を見に戻ってきたティアナ。彼女はしかし、部屋の中に足
を踏み入れて直ぐに異変に気付いた。
 室内は明らかに異常な様相を呈していた。
 まず明白に、視覚的に酷い有り様である。机の上には小さなローラー、おそらくマッハキャリバ
ーのホイール、の痕が縦横無尽に走り、デスクに付属している椅子があちこちでひっくり返っている。
 どうみてもあの小さなスバルたちが暴れまわった痕跡としか考えられない。あれだけ元気がよか
ったちび人間のことだ、これくらいのエネルギーはあるにちがいない。
 さらに言うと、あれほど沢山いたはずのミニチュアスバルたちが、文字通り影も形も見当たらな
いのである。
 それも根こそぎ、まさに一人残らずだ。どうやら自分の言うことを聞き入れ、大人しくすると言
ったのは嘘であり、シャリオに協力する気は毛頭なかったらしい。自分の言葉など、毛程にしか思
わなかったのだろう。
 ティアナはひどい裏切りをされた気分になった。
 ふつふつと何か、熱い何かがわいてくる。

「あの馬鹿ども……ッ」

 震える拳を握りしめて呟く。声からは怒りの感情が、溢れんばかりに滲み出ていた。去り際自分
に向けてきた心配げな顔に、小さな妹ができたがごとき可愛らしさを感じたのは、すでにもう頭の
中から吹っ飛んでいる。
 騙されたのだ。要するに考えが甘かった。どんな姿であろうと、スバルはスバルだったのだ。自
分を振り回し引っ張り回す、アイツはいつだってスバルなのだ。

「……うぅ」
「……! シャーリーさんはっ」

 ゼッタイユルサンと心を固めたティアナは、呻き声を聞いた気がして、はっと辺りを見回した。
そうだった。ここにはちびスバル以外に、目付役のシャリオがいたはず。
 右を見、左を探し――いた。うずくまったシャリオの、制服の袖がデスクの陰から覗いていた。

「シャーリーさんッ! 大丈夫ですか!?」

 立って姿を見せないこと、聞こえた声がうめくような、くぐもったそれであったことに、ティア
ナは慌ててデスクを飛び越し駆け寄った。よもやピポスバルたちをおさえようとして、危害を加え
られたりはしていないか。
 やはりしゃがみこみうずくまっていたシャリオ。しかしその制服に傷も埃も、マッハキャリバー
のローラーの痕跡も無く、ティアナはひとつ安堵の息を吐いた。外傷はないようだ。
 しかしシャリオの様子がおかしいのは変わりがなく、あの小人どもに何かされた可能性はかなり
高い。「大丈夫ですか」や「何があったんですか」と問いながら手をとり肩を貸し、近くにある無
事だった椅子にとりあえず座らせた。
 するとシャリオは、切羽詰まった表情でこう言う。




「ティアナ……ティアナっ、もって、持っていかれちゃった、なのっ!」




「…………『なの』?」



 魔法少女リリカルなのはStrikerS外伝
 スバゲッチュ   第一話「スバルの出来心」 Cパート

351 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:26:00 ID:rGMQo7dY
俺たちのアイドル、ピポスバルの降臨だ!
支援!

352 :スバゲッチュ 第一話Cパート 2/6:2008/03/14(金) 21:26:37 ID:01/hW5Zd
 


 不意に、機械音がひとつ。ティアナが振り返ると、そこには独りでに開いたモニターが。

『やっほー、ティアーっ』
『ティア、ティア、みてる?』
「……説明しなさい。何をどうしたのか」

 中にはやはりと言うべきかなんと言うべきか、あのチビどもであった。
 それに向かって心もち額に血管マークを三つくらい浮かべ、ティアナは静かに厳かに問う。先程
かわいく思った面々を、今は虫くらいなら視線だけでぶっ殺せるというレベルのにらみつけである。
 まだ事の真相を言わないシャリオはというと、その姿を見つけるなり「スバル! お願い、返し
てっ、おねがいっ! なのっ!」と、やっぱり妙な口調で繰り返しながら、モニターにかじりつき
はじめていた。何か重要なものを、おそらくは持っていかれたのだろうと勝手に推測する。そのヘ
ンな語尾も、ひょっとしたらそこに起因するのか。
 いずれにせよ、シャリオに迷惑をかけて自分の言う事を(嘘まで吐いて)聞かなかったのは事実。

「なに持ってったか知らないけど、さっさと返して部屋を掃除した方が……身のためよ」

 クロスミラージュをぎりり、と音を立てて握りしめてティアナは言った。怒りを内包しにじませ
た、おどろおどろしいプレッシャーがそこに在った。
 その迫力と恐ろしさに、モニターの向こうで騒いでいた小さなスバルたちが水を打ったかのよう
に静まり返る。かと思うと、幾人かが慌ててあたふたと動き出した。ペースに飲まれる、まずいと
でも思ったのだろうか。
 一人が急いで走って行って、どこからともなく小さな紙を持ってくる。表面に文字が書かれてい
るようだ。モニターの向こうが何処かは分からないが、黒い文字列がうっすら光に透けて見える。
 そしてティアナの射抜くような視線の矢にたじろぎながらも、ちいさなスバルの一人がそれを読
み上げた。

『わ、わ、われわれは、24じかんいないに、スパゲティ100おくさらをよーきゅーする!』
「……へぇ」

 呆れを交えた目で見る。

『ほ、ほんと、ほんとうだよっ! うそじゃないもん!』
「……」
『ひっ』

 一蹴されたちびスバルのひとりは、ぎろりと鋭い眼光を受けてへたりこんだ。よほど怖かったの
だろうか、眉がハの字に下がる。

『ひっ……ひっく』

 めそめそと泣きべそをかく。

『ああっ、だいじょうぶ?』
『ほんと、ほんとう、だもんっ、ほんとう、ひ、ひっ、ひえぇぇぇぇんっ』

 しだいに目尻から大粒の水滴が浮かんできて、恐怖のあまりかびいびいと泣き出した。まわりか
らわらわらとチビどもが寄ってきて慰めはじめる。

353 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:26:56 ID:wg9OgAVy
支援

354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:26:59 ID:mCsg8Rq2
人がやる気になった時にピポスバルなんぞぶち込みやがってwww支援

355 :スバゲッチュ 第一話Cパート 3/6:2008/03/14(金) 21:27:28 ID:01/hW5Zd
 少々の罪悪感。しかし同情は許されない。ティアナは抑え込み、怒りのそれとわかる声で告げた。
くだらないことを言ってる暇があったらさっさと戻ってこい。
 だが残りのちびスバルたち、なんだかまだめげていない様子。
 手にした紙を目で追う一人。それをまわりから覗き込むのが多数。そのうち何やら一生懸命な声
が、モニターの向こう側から届いてきた。泣きだした一人も立ち直って、その輪に加わっていく。

『え、えと、えーと、きょひ、した、ばあい……これ、なんてよむの?』
『ぐずっ……ん? え……きんよかい?』
『えっと、ちょんちょんがないから……ぜん、じゃない?』
『そうそう! ぜん……よかい。あれ?』
『『よ』じゃなくて、『せ』だよきっとっ』
『おおーっ!』

 ティアナは思わず怒りを忘れ、涙をぬぐった。憐みの涙であった。

『んと、ぜん、せかいのにんげんに、しゃーりーさんとくせいの、『なのなのこうせん』をはっし
ゃします!』

 それを聞くと、何やらシャリオのほうから慌てたような声がする。
 見ると、「それは、それだけはっ」とスバルたちに向かって呼びかけている。持って行かれたと
いうのは、おそらくその発生装置か何かか。
 それにしても、とんでもない焦り方だ。それほど恐ろしいものなのか?

「駄目ッ! そんなものを使ったら、世界中がとんでもないことになるのっ」
「しゃ、シャーリーさん、そんなに危険なものなんですか?」

 あまりの言葉に驚いて尋ねる。シャリオはそれはもうと言わんばかりに首をブンブン縦に振った。
余程まずいコトが起こるらしい。

「あれは危険なのっ、あれを受けると私みたいになっちゃうのっ」
「……は?」

 目が点になる。追って説明するように、スバルの自慢げな声が届いた。

『そうなんだよっ! ぜんせかいのにんげんが、せりふのさいごに『なの』をつけてしまう、『なの
なのくちょう』になっちゃうのっ!』

 ティアナは思った。超くだらねぇ。

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:28:08 ID:rGMQo7dY
ピポスバル可愛いよ、ピポスバル!
つうかなんて萌えキャラ誕生させたんだアンタは! 支援w

357 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:29:05 ID:m0Bx4fzf
なのはこうせんテラワロス支援ww

358 :スバゲッチュ 第一話Cパート 4/6:2008/03/14(金) 21:29:50 ID:01/hW5Zd
「あー、はいはい勝手にすれば」

 ティアナはそう言って、通信機モニターのスイッチに手を伸ばす。はっきり言ってもうどうでも
いい。

『ああっ、だめ、きらないでっ!』
『だ、だめだってば、ティアのばかーっ!』
『ばかーっ!』
『ばかーっ!』

 が、しかしスイッチを押すことは叶わなかった。察知した無数のちびスバルたちの顔が、猛烈な
勢いで画面いっぱいに殺到してぎゃーぎゃー騒いだからだ。ものすっごいうるせぇ。

「バカはアンタ。ガキの遊びに付き合ってる暇はないの。検査するからさっさと戻って来なさい」
『うーっ、いいもんいいもん! ティアがこなかったら、なのはさんとフェイトさんのはずかしい
しゃしん、ばらまいちゃうもん!』
『いいもーんだ』
『いいもーんだ』

 スバルたちは口々に告げた。なんだかとてもムカついたティアナである。

「またそんなホラ吹いて……あれ、シャーリーさん。どうしたんですか?」

 気づいたティアナが、シャリオを呼んだ。その両肩が、大きくびくりと跳ね上がる。
 不審に思って顔を覗き込んでみるも、気まずそうに目を背けられる。

「……」

 逆から覗いてみる。やはり視線をそらされる。

(まさか……)

 しばらくじっと見つめると、シャリオはおそるおそる目を上げ、苦しげに笑顔を作ってこう言った。



「……てへ、なの」



 胸倉をつかみ上げた。



「なんで持ってたんですかッ!」
「だ、男子職員の端末から押収した、……なの」
「なんで捨てなかったんですかッ!」
「な、なんとなく、もったいなかったからなの」
「命とどっちが大事ですかッ!!」
「そ、そりゃなのはさん怖いけどほら、えと……ご、ごめんなさいなのっ!」
「あああああああああああもおおおおおおおおおおっ!」

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:31:44 ID:9fBcvgzC
なにやってんだシャーリーww支援

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:33:14 ID:5qsBn3yR
えーサルゲッチュのほうかよwwスタンバイしてたのに脱力&拍子抜けしたぜ支援ww

361 :スバゲッチュ 第一話Cパート 5/6:2008/03/14(金) 21:33:37 ID:01/hW5Zd
 


「……覚悟しときなさいよ……全員捕まえて、思いっきり拳骨お見舞いしてあげるんだから」

 そんなわけでティアナは結局、スバルたちを捕獲することになった。
 なのはたちに援軍を呼ぼうにも、「恥ずかしい写真」の所持を知られたくないシャリオにそれは
止められた。そのため単独での出撃が決定したのである。シャリオの自業自得と一蹴してもよかっ
たが、一度強力に頭を冷やされている身としてはいくらなんでも――と思ったが故の譲歩であった。
あの時は教導上の話だったから気絶程度で済んだが、今回のそれが全く個人的な話であることを考
えると、頭を冷やすだけでは済まないかもしれない。
 それに何やらちびスバルたちも、

『なのはさんよんじゃだめだからね!』
『ぜったいだからね! やくそくだからねっ』

という風に繰り返し、隊長達の介入をひどく嫌がっている様子であった。ティアナと同じ命運を辿
ることを恐れたからか、それとも別の理由でティアナだけの追撃を希望しているのか。要求を呑ん
でやる必要はなかったが、しかし全世界の人間がなのなの口調になってしまっては困る。らしい。
 それにしても変な念の入れかただが、とにかく一刻も早く捕まえなければならない。スバルが元
に戻るかどうかはもう二の次である。

「……こんな虫取り網で、本当に何とかなるんですか」

 とりあえず、スバル達の一部が訓練スペース付近に逃げ込んだらしいことが今のところ分かって
いる。そこに向けてとっとと出陣しようとしたティアナであったが。
 その手に渡されたのは一本の虫取り網であった。

「大丈夫なの。それはゲットアミっていって、捕獲と転送を兼ねたスグレモノ……うぅっ、そん
な目で見ないでなのっ……」

 懐疑心から目を向けると、シャリオがしおれた。なんだかとても小さく見えた。

「……じゃあ、サポートお願いします。一人では限界があると思いますけど」
「……仕方ない、なの。助っ人を呼ぶの」

 単独出撃を控えたティアナに、シャリオはちいさく呟いた。振り返り、尋ね返す。

「助っ人?」

 ティアナには当然、思い当たる節は無い。
 しかしながら、なんだかシャリオは自信ありげの様子であった。確かに一人であの大量のスバルをとらえる
のはキビシイ。ここはお願いした方がいいであろう。

「……じゃあ、お願いします」
「後から合流させるから、先行をお願いっ、……なの」
「……あの、その口調、気が抜けるんですけど」
「うぅ、あんなもの作るんじゃなかったなの……」

 覇気を込めたつもりのシャリオ。しかし、なんだか締まらなかった。

362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:33:42 ID:0sYuPj1j
なのはさん命令とフェイトそんの執務官の補佐にしてあげるよの甘い誘い
でティアナが狩り出されるぅwww

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:33:56 ID:rGMQo7dY
駄目だシャーリーw
支援www

364 :スバゲッチュ 第一話Cパート 6/6:2008/03/14(金) 21:34:30 ID:01/hW5Zd
 


 どこかの世界の、ある国の、ちょうど暑い夏の日の事。
 とある施設のおおきな部屋で、受信を告げる無線機がひとつ。

「私だ。キャンベルだ……おお、君か! 久しぶりだな!」
「いやいや、メサルギアの件ではむしろこちらが世話になった。あの特殊段ボールはあいつにも大
好評だったぞ。頑丈でどう扱っても壊れないとな」
「ん? あいつがどこに行ったか? 今は長期休暇中だ。近くには来ているが……どうした慌てて。
何かあったのか?」
「なんと! ピポヘルをかぶった魔導師が分身! ……白い悪魔? お仕置き? ……む、それは
ともかく、助っ人だな?」
「……そうだな。製作者に是非一目と言っていたから、君の頼みなら聞くと思うぞ。やってみよう」
「渋ったら賞品を付けるがいいか? 分かった、ではそちらに送ろう。2時間もかからんだろう」



 どこかの世界の、ある国の、ちょうど暑い夏の日の事。
 とあるホテルのちいさな部屋で、受信を告げる無線機がひとつ。

「大佐……折角の休暇だ」
『何、危険は皆無だ。捕獲任務だからな』
「勘弁してくれ。カエルやヘビならジャングルでイヤと言うほど捕まえてきたんだ」
『そう言うな。捕獲対象はなかなかの美女だぞ。年下だがな』
「……いや、だが」
『要人ではない。ついでに言えば、そうだな。あの特殊強化段ボールを覚えているか?』
「ああ……あれはいいものだ。銃弾まで弾くのに手触りはそのまま、まさに最高傑作だった……だ
が、それが?」
『その製作者の依頼でな。賞品にあと2、3個は作ってくれるそう……どうしたスネーク?』
「――――」
『スネーク? スネーク! ……無線も切らずに離れたな、あいつめ』



 はるか彼方の世界の、百戦錬磨のエージェントをも巻き込んで。



 ながい戦いがはじまる。

365 :スバゲッチュ:2008/03/14(金) 21:35:34 ID:01/hW5Zd
次回からようやくティアナがアミ持って走り回ります。
ではまた。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:36:05 ID:9fBcvgzC
なにしてんの蛇支援w

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:36:12 ID:Q7IK/BNf
スネーーーーークwwwwwww

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:37:02 ID:EFA16ceg
スネーク、応答しろ、スネェェェェク!?

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:38:11 ID:rGMQo7dY
スネーク!!!
やばい、MSGのほうのサルゲッチュだったのかwww
そして、ピポスバル可愛いよ、マジデ!

最強の萌えキャラだよ、うん。

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:38:27 ID:m0Bx4fzf
これはいいスネークwwww

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:38:39 ID:5qsBn3yR
報酬にはワニキャップとダンボールを付けるぞスネークゥ

372 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/14(金) 21:40:08 ID:mCsg8Rq2
GJ!
理解は幸せ! 今! 点と点とが繋がったッ!
なるほど、やはり初期タイトルのスバルギアとはこういうことか!
それはともかく、今回も盛大に萌えさせていただきました。荒んだハートにピポスバルは最大の薬だぜ……w

それでは自分も、ホワイトデーネタ執筆に戻るとします。11時半頃には投下できるといいな。
ようやくアイデアが固まってきたんよ、うん。
今夜はスバル祭りだぜっ!

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:41:18 ID:5qsBn3yR
シャーリーのアホ発明やティアナ スバルを抜いてスネーク人気ナンバーワンww

374 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 21:44:25 ID:41mWQlMW
ホワイトデーに卑猥なものを投下した、私惨状!
あれ・・・?文字違いか。

ならば私は――キャロ(ダークネス)でも書いてますとも、ええ。
そして最後に――ピポスバル最高!

スバル祭り――?よしゲッタースバルを(無理でした)

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:47:20 ID:/Dph0MEy
超人機スパルダー…嫌、何でもない。

376 :Strikers May Cry:2008/03/14(金) 21:47:38 ID:mCh97HQ2
ちょっ! やべえ、カワイ過ぎだろこれ!? マジ萌えます最高です。
特に要求が可愛いなぁ、なんせ“スパゲティ100おくさらをよーきゅーする!”だもんなぁ。
俺はこういうのに弱いんだ‥‥

という訳でGJです! 次回は対に伝説の工作員が登場っすか、期待大です。
しかし彼はピポスバルにどういう対応をするのか‥‥やっぱ喰うのか?

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:50:40 ID:mCsg8Rq2
>>376
蛇「性欲を持て余す」
ティア「!」(あの効果音と共に頭上に浮かぶ「!」マーク)

こうですか分r(ry

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:54:38 ID:5qsBn3yR
ピポスバル捕まえたら「で、味は」って聞くんですね?

379 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 21:55:05 ID:rGMQo7dY
ピポスバルが可愛い!
まったく最高の萌えキャラじゃないですか!
そしてスネェエエエエク! アンタ、参加する気満々ですねw

くそ、ホワイトデーから甘ったるい世界に入りそうだぜ。


あと、ホワイトデーSSが書きあがったのですが、ちょっと回線工事の都合で11時からネットが使えないです。
もしEDF氏の後で、時間が合えば投下させていただきたいのですがよろしいでしょうか?
投下タイミングとしては、反目氏の前になりそうなのですが。



380 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 21:56:25 ID:KvXEaYFN
GJ!
スネーーーーーーーークwww

>>374
キャロがあの仮面をかぶってレッドアイズを召喚するわけだな
、、、あれ?意外と似合う?

381 :名無しんぼ@お腹いっぱい:2008/03/14(金) 21:56:40 ID:t+nFGNXS
凡人vsスネークの対決っすか。
すげぇ期待して待ってますwww

382 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 22:00:30 ID:gNFibseb
投下してもいいですか?
今回はABなしの一括投下です。

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:02:00 ID:yuyLETMz
無論OKですとも!支援

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:03:49 ID:0sYuPj1j
支援
格闘重視の戦闘機人はアリとかの相手は大変だろうなぁ。

385 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 22:05:41 ID:gNFibseb
魔法少女リリカルなのはStrikerS――legend of EDF――"mission7『悪夢の胎動』"

――二〇一八年 四月十一日 十二時四十九分 第九十七管理外世界 海鳴市――

「……そう、だったら今日もめぼしい収穫はなかったのね?」
「はい、決定的なものはまだなにも。ですが、アンノウン対策本部からは『ノストロモ』のボックスに気になる映像が残っていたとの報告がありました。
 そちらにも送信しておきますので、後ほどご確認ください」
 部下の報告を聞き終えて、時空管理局総務統括官リンディ・ハラオウンはホロスクリーンを閉じた。
彼女の机には最新の時空間通信システムが内蔵されており、いつでも本局とのやり取りが出来るようになっている。

クラウディアの爆沈からもうすぐ二ヶ月。
本局の新鋭艦が謎の沈没を遂げたこの事件は、次元災害に巻き込まれた不幸な『事故』として処理されている。
会見で調査部が話したことを、リンディは今でも覚えている。

『二月から三月にかけては時空間が最も不安定になる時期で、あの時もクラウディアと同じ座標で次元震と良く似た反応があった。
 当時の現場には強い通信障害が確認されていたので詳細はわからないが、以上のことから沈没の原因が次元災害である可能性は高い』

 初めの頃は大々的に報道していたマスコミも、世間の注目が薄れるに連れて記事を縮小していった。
代わりに『アンノウン』による数々の事件に関する記事が報道されるようになると、クラウディア事件は急速に風化し、人々から忘れさられていった。
そんな中でもリンディは、細々とではあるが独自に事件の調査を進めていた。
彼女に協力したのは、本局運用部長レティ・ロウランを初めとする本局の友人達や事件の被害者遺族。
そして、育児休暇を切り上げ現場に戻ったクロノの妻、エイミィ・ハラオウンである。
だけど、これだけ人手は足りず、『アンノウン』との因果関係がないことから本局の援助も受けられない。
それに、自分を含めた多くのメンバーも『アンノウン』対策に協力しないといけないため、調査は全く進んでいなかった。

 それでもリンディは諦めることは無かった。
彼等はわからないのだ。子供を奪われた母の怒りと悲しみがどれほど大きいのかを。
それに、彼女は確信していた。
この事件こそが、『アンノウン』が起こした初めての事件。
そして、あの『予言』に記された災厄の始まりであると。 


386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:06:09 ID:rGMQo7dY
全力で支援!
我々は作品の投下から背を見せない!

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:06:47 ID:yuyLETMz
リンディさん…支援

388 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 22:07:05 ID:gNFibseb
>>385

新暦七十五年二月二十六日。
クラウディア事件から十日たったこの日、民間の時空客船『タイタニア』が『銀色の何かが……』という通信を最後に消息を断った。
失踪から二日後、同船は失踪時と同じ座標で、部品のほとんどを抜き取られた残骸となって発見された。
乗員乗客は全員死亡。その亡骸は、残骸の周りにゴミのように漂っていたという。
遺体には首元を掻き毟った後があったこと等から、被害者達は生きたまま次元空間に放り出され、そのまま窒息死したものと推測された。
その後も船舶の失踪は相次ぎ、今までの被害は大型次元航行艦八隻、小型船舶十七隻。被害は今直増加傾向にある。

 新暦七十五年三月一日には、第九十管理外世界において、同地で行方不明だった次元震調査団が本局捜索隊によって発見された。
調査団はヴェロッサ・アコース査察官以下全員が死亡。
現場では激しい戦闘跡と蟻に酷似した生物の死骸、そして転送装置と見られる円盤が発見される。
捜索隊は遺体の他にも蟻の死骸と円盤を回収したが、その帰路で未確認飛行物体の群れと交戦。次元の海に爆散した。

 ミッドチルダでも、各地で未確認飛行物体の目撃情報が相次いでいた。
二月の未明には、本局の輸送部隊が攻撃を受けてロストロギア『レリック』と製造途中のインテリジェントデバイスを強奪されている。
また、未確認飛行物体――『アンノウン』は船舶失踪の現場周辺でも度々目撃されており、一連の事件と深く関わりがある物と推測された。
後に管理局は、船舶失踪事件の犯人を『アンノウン』と断定する。

 これらの事件について、本局はパトロール艦を増やし、民間船舶には魔導師の護衛をつける等の対応を取った。
しかし、『アンノウン』は巧みに管理局の目を掻い潜り、僅かな隙を突いて船舶をさらっていく。
各世界のバランスを保つという仕事も疎かには出来ないため、本局はかなりの苦労を強いられているのが現状だ。
一方の地上本部では、ミッドチルダの治安維持に手一杯でまともな『アンノウン』対策はとられていなかった。
資金、人材、物資に全く余裕が無いのも大きな理由だ。
地上本部防衛長官レジアス・ゲイス中将が進める軍備増強計画も、形になるにはまだまだ時間が必要だろう。

 近い将来、確実に『アンノウン』はミッドチルダに攻撃を仕掛けてくるだろう。
その場合、戦力に劣る地上本部がどこまで対応できるのだろうか?
有事の際にも陸と海が戦いそっちのけでいがみあってしまったら?
それ以前に『治安維持』が主な目的である時空管理局がどこまで戦争に耐えられるのか?
予言に備えて結成された『あの部隊』も、準備不足で行動できる状態ではない。

 状況はどんどん悪くなっている。
そんな中で、成果の上がらない調査を続けているリンディ達に批判の声があるのも事実である。
このままだと、近いうちに調査は強制終了となるかもしれない。
管理局には、自分よりも偉い者はまだまだ沢山いるのだから。


389 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 22:08:20 ID:gNFibseb
>>388
その時、出し抜けに通信システムが小鳥が囀るような音を発し始めた。
部下が言っていた『ノストロモ』の映像が届いたのだ。
中身を確認すべく、リンディは慣れた手つきでコンソールを操作する。

――『ノストロモ』

それは、船舶失踪事件の被害に遭った大型次元貨物船の名称だ。
『ノストロモ』も他と同じように失踪し、他と同じようにスクラップとなって、他と同じように多数のクルーが死亡した。
ただ、二つだけ他の事例には見られなかったことがあった。

 一つは、女性航海士一名が襲撃時に飼い猫一匹を連れて脱出していたこと。
彼女は『アンノウン』の追撃を巧みに振り切り、脱出から五十七時間後に哨戒中の次元航行隊に回収されていた。
そして、彼女の証言と、それまで集めた数々の状況証拠から、管理局は一連の事件が『アンノウン』の仕業であると確定できたのだ。
もう一つは、船のブラックボックスが無傷の状態で発見されたことだ。
しかし、ボックスには傷は無かったものの、中身のデータが完全に消去されていたと訊く。
はたして、そこには一体、何が残っていたんだろう?
『アンノウン』に喰われて骸となった『ノストロモ』
彼が死後も我々に残してくれたものとは、いったいなんだろう?

 操作していた手が止まり、ホロスクリーンに映像が現われた。
送られてきたのは、映像ではなく静止画像だった。
一見すると、TVの砂嵐に見紛う程に画質がわるい。カラーではなくモノクロなのも見にくさに拍車をかけている。
理由はすぐに分かった。
画面の右下にうっすらと写る『00:00:00』の文字。
なるほど。この映像は本来、一秒にも満たないほどに短いものだったのだ。
それでは静止画にしないと見られない。画質も悪いはずだ。元々これ以上に悪かったのだから。
それを見られるようにしてくれた調査部には感謝しないと。
リンディは画像の詳細を理解しようと目を細めるように凝視した。



390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:08:39 ID:yuyLETMz
ちょ、ヴェロッサまで死んでるのか…支援

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:09:04 ID:rGMQo7dY
ヴェロッサ、出番ないまま死んでるー!!
支援!

392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:09:10 ID:m0Bx4fzf
リンディを支援

393 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 22:09:32 ID:gNFibseb
>>389

これは、おそらく船外カメラの映像だ。
暗い、乱れた画面の向こう側。航行不能となった『ノストロモ』に『アンノウン』が群がっている。
十機、二十機、いや、それ以上か。
無数の『アンノウン』が外壁を剥ぎ取り、船体をその場で解体していく一方的な光景。
武装のない輸送船ではなすすべもなかっただろう。
そして船体の向こう側、『アンノウン』が部品を持って行く先には、なにやら丸くて巨大な物体が浮かんでいた。
画質が悪くて細部はわからないが、『ノストロモ』よりはるかに大きい。
小惑星クラスはあるだろうか。物体の表面には、損傷のような割れ目も見て取れた。
それを見たとき、リンディは『アンノウン』の目的を、船舶失踪事件の真相を即座に理解した。
つまり、『アンノウン』の目的は、傷ついたの母船の修理だったのだ。
多くの船をさらっていたのは必要な部品を調達するため。
円盤の破壊は証拠隠滅。ミッドチルダでの目撃は偵察行動と考えたら、全てに説明がつく。
リンディの額に脂汗が流れ始めた

「気になる映像? 馬鹿なことを……決定的じゃないの。これは」
 吐き捨てた瞬間、リンディはふと、あの『予言』を思い出した。
聖王教会騎士兼管理局理事官 カリム・グラシア少将が出した滅びの予言を。


               赤き戦士と戦乙女が邂逅し

          法の船を贄として 暗き門より破滅の母が降臨す

            古き結晶に導かれ 英霊達は闇へと降る
 
          それを先駆けに 数多の守人は虚しく焼け堕ち
 
             魔道の都は異形と亡者の楽園とかす
  

 赤き戦士と戦乙女がなんであるか、それはまだわからない。
しかし、法の船が『クラウディア』であることはわかっている。
だったら破滅の母は……私からあの子を奪ったのは……ッ!


394 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 22:10:22 ID:gNFibseb
>>393


 クロノ。私の大事な大事な一人息子。
えらくなって、結婚もして、子供も授かって、全てはこれからだったのに、なのになぜ、なぜあの子が。
あの子は死んだ。死んでしまった。あんなに元気だったのに。
なんで、なんであの子が、あの子が、なんでッ!
この世にこんな悲しいことが、恨めしいことがあっていいのか?
ああ、神様、なぜあの子を助けてくださらなかったのですか?
あの子には、生きる権利が無かったとおっしゃりたいのですか!?
リンディの心を黒い炎が焼きつくす。
夜の闇よりどす黒く、地獄の業火より燃く、理性では到底消し止められない憎悪の炎。
わなわなと体を震えさせながら、リンディは一つの決意と共に、本局との通信回線を開いた。

「ラルゴ元帥ですか。リンディです。実はどうしても頼みたいことがありまして……内容は……はい、もちろん私は本気です。
 三提督のあなたなら簡単だと思いますが……理由ですか?……見つけたんですよ、『破滅の母』を……そうですか。
 ありがとうございます。それでは、また後ほど」
 通信を終えると、リンディは心に渦巻くありったけの憎しみを込めて破滅の母を睨みつけた。
 どれだけ祈りを捧げても、神はなにもしてくれない。
それどころか、奴は夫を奪い、子供を奪い、私を悲しみの底に突き落とす。
だったら、もういい。もう二度と、お前になんか頼らない。
あの子の仇は私が討つ。どんな手を使っても、必ず奴を獄の底に叩き込んでやる!
決意を胸に、リンディは冥府の息子へ一言呟いた。

「……クロノ、あなたの恨みは、母さんが晴らしてあげるからね」


『星舟』活動再開まで後――36日――


To be Continued. "mission8『誕生 新生ストームチーム』"



395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:10:31 ID:MHHaWmqC
フォーリナー活動開始支援

396 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 22:12:17 ID:gNFibseb
投下終了。
あと、本編に出てきた輸送船云々は作者のお遊びなので気にしないで下さい。
もちろん生き残ったりプ○ーさんは今後も登場しません。
続きは完成したら投下します。

397 :322 ◆tRpcQgyEvU :2008/03/14(金) 22:13:00 ID:gNFibseb
投下終了。
本編に出てきた輸送船云々は作者のお遊びなので気にしないで下さい。
もちろん生き残ったりプ○ーさんは今後も登場しません。
続きは完成したら投下します。

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:13:54 ID:yuyLETMz
リンディさんコワイヨー、でも子供が死んだら当然か…とにかくGJ!

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:21:55 ID:MHHaWmqC
GJ!
リンディさん、夫に続いて息子までなくして復讐鬼への道に…
しかし相手はあまりにも強大すぎる!
そして一言の出番もないままヴェロッサ・アコーズ死亡確認w退場レコード更新だなw
調査隊レベルじゃそら勝てませんw遺体があるだけましか?
次回ついに最後の希望が登場ですね!!wktk

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:24:22 ID:m0Bx4fzf
GJ!
管理局にとって絶望的なこの状況、どう打破するのか
黒リンディはどう動くのか。スカ勢は? 六課勢は?
wktkが止まらないっす!

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:31:08 ID:0sYuPj1j
GJ!!です。
クロノの仇討ちのためなら、はやて達に嘘ついてスカ博士と繋がるくらい
しそうな黒リンディさんwタマンネェ!!
そして、ヴェロッサやっぱり死んじゃってたか・・・はやてとの会話が消えたぜ。


402 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 22:36:56 ID:rGMQo7dY
GJです!
まさか速攻でヴェロッサが退場になるとは予想もしてませんでした
リンディさんも復讐の念に燃えてますし、これからがどうなるのか、狂乱と爆砕の入り混じる戦場へとミッドガルドが変わっていきそうです。
そして、次回タイトルにもう既にワクワクドキドキですw
次回も楽しみにしてます!



あと、投下予約ですが。
ちょっと取り下げさせてもらいます。
すみません(謝罪)
また明日にでも投下させていただきます。

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:40:58 ID:mCsg8Rq2
GJ!
リンディィィィィィ! そしてロッサァァァァァァ!
ああ、何としたこと。相変わらずそちらの世界は相当ハードですなぁ……
とりあえず、リンディさんにプレシアママンの面影を見ちゃったのは内緒w

404 :名無しさん@お腹いっぱい:2008/03/14(金) 22:48:50 ID:4JTQf23G
いっそリンディは第2のプレシアママンに!!
でも家族は凄く大事にするでしょう。

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:52:21 ID:0sYuPj1j
「いまなら、彼女(プレシア)のやろうとしたことも理解できるわ」とか言ってほしいw

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:53:48 ID:FPuFfsIW
>325
エフェクトはほぼ全部、魔法か快男児にエミュレートしたって事で。
ほら、トワイライトステージではレネゲイドウィルスだと認識されてないでしょ?
だから、ここではギヨーム以外も魔法扱い。

ぶっちゃけ『ダブルクロス』ではなく『トワイライト』『快男児』とのクロスだ、ぐらいに思って下さい。

なお、どてっ腹貫かれたヴィータが立ち上がったのがリザレクトで、AMFはワーディングです。
>335
ゆるっ!

……何時の間に、新人達とがんだむは知り合ってん?
>365
スネェークっ!
>397
お、おおぅ、魔王誕生ですか。そしてロッサ……哀れすぎる。

407 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 22:54:46 ID:41mWQlMW
GJ!って本当にキャラを不幸に突き落としますなー、旦那ぁ(捨て丸的笑顔)
いや、私に言えたことじゃありませんが――リンディさんに救いがあらんことを。

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 22:55:34 ID:MHHaWmqC
もうレリックを集め出してもおかしくないなw
そしてR-TYPE Λに続いてミッドチルダが地獄の業火に包まれる日も近づいてきたな。

409 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/14(金) 23:10:28 ID:mCsg8Rq2
さーてと、皆様の荒んだハートを癒せるかどうかは分かりませんが、そんな感じの内容のホワイトデーネタが完成しました。
今回ネタもない時間もないギリギリな状況でしたので、反目1本立てです。
セフィロスごめん! ……あとキリヤも(ぇ

では、正直EDF魂の後の投下はかなり勇気がありますが……いいかな?

410 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 23:14:26 ID:41mWQlMW
音速丸「いいってことよー、さあ!」
サスケ「何で全裸なんですか?!」

というわけでカモン。

411 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/14(金) 23:17:50 ID:mCsg8Rq2
OK、では行きます。
オラに投下する勇気を分けてくれーっ!

諸事情により、余裕のある方はAqua Timezの「千の夜をこえて」と一緒に読んでくれると嬉しいです

412 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/14(金) 23:19:07 ID:mCsg8Rq2
3/14 〜たまには真面目に時事ネタを〜

エリア11、サッポロゲットー。
日本最北端の地・北海道の中心とも言えるこの場所は、豊富な特産品の流通拠点として、開発が進められている。
特にこの地は、帝国にとっては忌まわしきかの皇暦2017年――「ゼロアワー」の戦禍に晒されなかったということもあり、
各ゲットーの中でも、活気のある部類に入っていた。
そしてそんな街のショッピングモールを歩く、1組の男女。
「そういえば、今日はホワイトデーだったな」
黒い髪と紫の瞳を持った青年――ルルーシュが、思い出したように言った。
「あ、そういえばそだねー」
隣を歩く、青い長髪の女性――スバルが返す。
ランペルージ夫妻、今日は絶賛ショッピング中のようだ。
「バレンタインのお返しをする日だと聞いたが……プレゼントは、むしろ俺がやった物だよな?」
先月のことを思い出し、口を開く。
要するに、今日プレゼントをもらうのは自分であるべきだ、と言っているのだ。
昔からルルーシュは損得には厳しかった。
「あれ、そうだったっけ?」
「おいおい……」
「あはは、冗談冗談」
頭を抱えるルルーシュに対し、スバルが朗らかに笑いかける。
どこか間の抜けている彼女だったが、さすがに夫の心のこもったフォローを忘れるほどの馬鹿ではなかったらしい。
「で、何かあるのか?」
若干の期待を込めてルルーシュが問う。
この日に急に買い物と言い出して、2人揃って外出しているのだ。
彼がそういう推測を立てるのも、当然の流れだった。
「んーっとねぇー……」
だが、傍らのスバルは、何故か宙を仰いで考え事のような仕草をするばかり。
まさか何も予定がなかったのだろうか?
はたまた何を渡すか、今考えているのだろうか?
ルルーシュの頭の中に疑問が渦巻き、いつしか考え事をするのは彼の方になっていた。
と、その隙をついて、何かがルルーシュの顔面に飛んでくる。
「もがっ……」
そのまま軽く鼻先に当たり、彼の視線を遮ったのは、スバルの握ったハンドバック。
視界が晴れた瞬間、子供っぽさを残した伴侶は、数歩先へと駆け出していた。
「お、おいスバル!」
「へへ……鬼ごっこ、しよっ!」
「はぁ!?」
突然の提案。しかし理解もできぬうちに、スバルの姿は遠ざかってゆく。
「やれやれ……」
全くしょうがない奴だ。
そんな笑みを浮かべて、ルルーシュはそれを追いかけ始めた。

413 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/14(金) 23:20:03 ID:mCsg8Rq2
「おーいこっちこっちー!」
スバルの足は速かった。元陸戦魔導師というのも伊達ではない。
ルルーシュが姿を見失ったかと思えば、一段上の手すりから声をかけてくる。
「こっちだってばー!」
ようやく上に上がったと思えば、今度は立ち並ぶ店の角から顔を出して呼びかけてきた。
「えへへー、こっちだよー!」
角を曲がってみれば、更にその奥へと駆け出している。
まったくもって元気な奴だ、とルルーシュは再認識する。
そうやって追いかけ回す羽目になろうとも、挙げ句見失ってしまっても、しかし彼の顔から笑顔が消えることはなかった。
「おーい、どこだスバルー?」
珍しく声を張り上げ、捜して回る。
本当にスバルは元気だ。それこそ、初めて出会ったあの時から。
(思えば……ああいう奴は、俺の周りにはいなかったからな)
久しぶりに当時へと思いを馳せる。
スバルは変わった奴だった。
自分の周囲の誰よりも、底抜けに明るかった。毎日毎日、誰よりも元気に、あちこちを走り回っていた。
多分スバルは、誰よりも人生を楽しんでいたのだと思う。
いつも楽しそうに話をして、いつも楽しそうに食事をして、いつも楽しそうに生徒会の仕事をして。
きっとこの世界そのものを、世界で1番楽しんでいる奴だったのだ。
(まるきり逆だったからな、俺は)
ルルーシュはこの世界を、世界で1番嫌った人間だった。
母を殺し、妹から自由を奪った世界が嫌いだった。自分達を見捨てた世界をひどく憎んでいた。
だから、毎日の生活が非常に味気なかった。1日1日を、帝国の影から隠れて生きるのが堪らなく苦痛だった。
そして力を手に入れ、目指したのは自身の望む世界。
しかし世界はそれを許さず、最後には妹と親友の命さえも取り上げた。
これほどまでに世界を嫌った人間が、他にいるだろうか。
(でも……だからこそ、スバルは俺にない物をたくさん持っていた)
そんな中で、スバルがくれたものは計り知れなかった。
他愛もない会話、一緒に食べる昼食、学園祭の出店巡り。
スバルは自分の知らないことをたくさん知っていて、それを自分に教えてくれた。
そうして見える世界はどれだけ楽しかったことだろう。
煉獄の闇とばかり思っていた世界に、どれほど眩い光が射したことだろう。
(多分……だから、俺は……)

414 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/14(金) 23:21:06 ID:mCsg8Rq2
そのルルーシュの視界が、不意に再び遮られた。
「わっ……!?」
何か目隠しのような細長いものが、彼の目元を覆う。どこかビニール質のような肌触り。
それを強引に払いのけ、ルルーシュはその全容をその目でしかと見た。
「……ネクタイ……?」
手の中にあったのは、1本のネクタイだ。まだビニールに包まれた、新品のそれがそこにあった。
全体の色は紫で、先端に2本の黄緑の細いラインが走っている。
言うまでもなく、紫とはルルーシュの瞳の色だ。
そしてこの鮮やかなグリーンは――
「はーい、あたしからのホワイトデープレゼントでーす♪」
澄んだ緑色の瞳が、振り返ったルルーシュの顔を見つめていた。
「えへへ、びっくりした? ちょうど今買ったばかりなんだ」
スバルが笑っている。
心底楽しそうに笑っている。
誰にも真似できない、世界を誰よりも楽しんでいる者の、最高に明るい笑顔で。
(ああ、そうだ……)
そしてそんな笑顔は、他人の笑顔さえも引き寄せるのだ。
(だから俺は……コイツに惹かれたんだろうな)
蛾は暗闇の中を生きる。言うなれば、かつてのルルーシュはその闇の中の蛾だった。
しかし、そこの暗闇の中、不意に光が現れた。
そして蛾は、自分が持っていないその光に憧れ、手を伸ばした。
「……フッ……駄目だな、全然駄目だ」
ルルーシュの顔に、ふっと笑みが浮かぶ。
「色もデザインも悪い。男の好みをまるで分かっていない」
「そ……そんなぁ! せっかく選んだのにぃ〜……」
「まぁそう言うな。ちゃんと大事に飾っておいてやるから」
若干顔を赤くして頬を膨らますスバルの頭に、ルルーシュの手が添えられる。
きっと自分は、まだまだこの広い世界の中では、光に寄り添うだけの小さな蛾と変わらないだろう。
でも、それでも構わない。
こうして自分の横で、また笑顔を向けてくれる光がある限りは。


「やれやれ……見込み以上だったのか、それとも見込み違いだったのか……」
少し離れた場所で、そんな2人を見つめる少女がいた。
緑の髪に金の瞳。人形のような整った顔に浮かぶ笑みの本質は、決して誰にも分からないように思えた。
「……まぁ、契約不履行には変わりないか」
漆黒のドレスのような服を翻し、少女は振り返る。
「さ、用事はこれで終わりだ。黒の騎士団の再出発の準備をしよう。新たな仮面の反逆者――」
そしてその先には、1人の少年の姿があった。

「――ロロ」

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 23:21:21 ID:rGMQo7dY
なんていうか馬鹿っぷる?
支援!

416 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/14(金) 23:22:20 ID:mCsg8Rq2
投下終了。
ええ、ウロスでも触れましたが、昼にDVDで見た劇場版BLEACHの影響を多大に受けてます。鬼ごっことか。
……もっとまともに考えろ、俺orz
まぁともかく……ホントにね……おいちゃん、真っ昼間から泣きそうになりましたよ……
映画の本筋自体はそこそこ程度だったんですが、もう茜雫(CV斎藤さん)が可愛くて切なくて仕方なくて!
やっぱり……世界を誰よりもめいっぱい楽しんで生きてて、それでもどこか切なさを抱いたキャラって……胸にぐっとくるよね。

そうとも! 斎藤千和魂は、そしてスバル魂は、永久に不滅ですッ!

417 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/14(金) 23:28:21 ID:41mWQlMW
音速丸「つまり、スバルちゃんのおっぱいは俺のもんだな、そうなんだろ?!」
サスケ「うわ、いいこと言ってたのに台無しにしたよこの人!」
ミシャ「ほえ、ほえほえ。ええ娘子じゃあ」
GJ!
上の怪文章は気にしない!!

418 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 23:30:32 ID:rGMQo7dY
おや?
まだ工事が始まっていないらしく、ネットが繋がるぞ?

よし、途中で止まったらアウトだけど。
十二時からこっちもホワイトデー(過ぎたよ orz)SSを投下したいのですが
よろしいですか?
男祭り状態ですが。


419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 23:31:02 ID:Q7IK/BNf
>>418
ダーンディ!! ダーンディ!!

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 23:37:54 ID:8OWC+Qqx
>>416
GJです。確かに茜雫は切なかったな〜〜。

421 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 23:51:36 ID:rGMQo7dY
うー、回線切断が怖いのと一応三十分経っているのでそろそろ投下してもよろしいですかな?
びっくりなことに全部で12レス。
支援マジでお願いします。
単なるホワイトデーネタでなにやってんだ 自分 orz

422 :アンリミテッド・エンドライン(12/1) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 23:55:32 ID:rGMQo7dY
返事は無いけど投下します。
 
 ホワイトデーネタです。
 なのに、女性がまったく出ません。
 色気担当はエリオくんです。
 若干ギャグ&ほのぼのです。

 そんな内容でもよければどうぞ。


【ホワイトデーだよ! けれど、世間は眩しいぜ!】(タイトル)


 
 それはおそらく平凡な日。
 機動六課が成立してからそれなりの月日が経過した頃の時だった。
 その日、ライトニング分隊。コールサイン・ライトニング03である陸士エリオ・モンディアルは
大変な問題に直面していた。

「……ホワイトデーってどうすればいいんだろう?」

 辞書を片手に、彼はウンウンと唸っていた。
 ホワイトデー。
 そうホワイトデーである。和訳すると白い日。
 いや、そんなのはどうでもいいとして。エリオはその日にぶち当たり、ある問題を抱えていた。

「どうすればいいんだろうか?」

 辞書曰く、ホワイトデーとはバレンタインデーにチョコを貰った男性がお返しに女性に
贈り物をする日と書かれている。
 何故第97管理外世界でしか存在しない風習とそんな内容が書かれている辞書を持っているのか?
 それはこの機動六課に数多く所属する第97管理外世界育ちの人間によって広められ、
十年ほど前から管理局の大多数に通用する風習となっているのだ。


423 :アンリミテッド・エンドライン(12/2) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 23:56:20 ID:rGMQo7dY
 
 そのため、先月の2月14日にバレンタインデーとしてエリオはキャロとフェイトから義理チョコを貰っていた。
 うん。
 そこまではいいのだ。親愛の意味を篭めてのチョコはとても嬉しい。
 こんな模造品の自分でも誰かの役に立っていると自覚できる。
 なおさらに、それに応えて頑張っていこうと考える。
 しかし。

「フェイトさんとキャロ……どんなお返しをすれば喜ばれるかな?」

 女性に贈り物などしたことがない。
 オリジナルの記憶からすれば、両親にカーネーションのプレゼントぐらいはしたことがあるのだが、
如何せん肉親以外の異性に対する贈り物などしたことはない。
 やったことがないことには、判断基準が生まれない。
 にっちもさっちもいかないという奴だ。

「うーん……」

 腕を組み、しばし考える。
 幸い考える時間は沢山あった。
 今日は事前に申請を出して、午後からの半休届けを貰っている。
 首都にでも出て、何か買ってくればいいかと気楽に考えていたのだが、いざ直面すると
どうにも緊張してしまう。

「……」

 チッチッチ。
 そして、時間だけが流れて。

「あ、そうだ」

 ポンと手を叩き、エリオは解決方法を思いついた。
 そう、それは――



424 :アンリミテッド・エンドライン(12/3) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 23:57:21 ID:rGMQo7dY
 

「ヴァイスさーん!」

 ドゲーン!
 扉を蹴り開けて、エリオはその部屋に飛び込んだ。

「お、おぉおお!?」

 突然飛び込んできたエリオに、その部屋の主――ヴァイス・グランセニックが動揺の声を上げる。
 そこは機動六課宿舎の男性寮。
 そして、ヴァイスに割り当てられた部屋だった。

「ヴァイスさん! すみませんが協力してください!」

 飛び込む勢いそのままに、床を転がっていたエリオが獣のような勢いでヴァイスの首根っこにしがみ付いた。

「あ!? へ!? いや、一体なんの話だぁああああ!?」

 ガクガクと揺らされる首でヴァイスがそう叫ぶと、不意に理性を取り戻したのか、エリオは手を離した。

「えっと、実は……って、あれ?」

「うん? あ」

 話を切り出そうとした時、不意にエリオは気づいた。
 ヴァイスが手に持っていた本。
 具体的に言うと大人向けの本である。
 ちなみに表紙に載っていた女性は……ブロンドヘアの巨乳だったことを記しておく。

「……すみません」

「……いや、そう気を使われると余計気にするんだけどな」

 ポイッとその本を部屋の隅に投げ捨てると、ヴァイスは頭を軽く掻き揚げた。
 その顔には一切の気まずさがない。
 女性陣ならばともかく、数少ない男……まだ子供だが、のエリオに対してそういう趣向を持っていることを知られても
まったく気にしないのが大人である。
 駄目な大人ともいうが。



425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 23:58:41 ID:Q7IK/BNf
ヴァイスwwwwww支援

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/14(金) 23:58:45 ID:KvXEaYFN
バイド汚染支援

427 :アンリミテッド・エンドライン(12/3) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 23:59:05 ID:rGMQo7dY
 
「んで? 慌ててたみたいだけど、どうした?」

「えっと、実は――」

 エリオはかくかくしかじかうまうまーと説明した。
 ちなみにうまうまーの部分は少々女性の趣味に対する脱線事項である。
 閑話休題。

「ふむ。ホワイトデーのお返しか、お前も大変だな」

「はい……ってあれ?」

「どうした?」

「あの……ヴァイスさんはやらないんですか? ホワイトデーのお返し」

「ん。しないな。――チョコレートなんて貰ってないし」

 しらっとヴァイスは答えた。
 人によっては号泣の涙を流しそうな返答を。

「……すみません」

 エリオは空気が読める子だった。

「だから謝るなって。余計気にするから」

 ヒラヒラと手を振るヴァイスの顔は苦笑。
 もはや貰ったとか貰わなかったとかいうことで熱くなる青春時代を過ぎたのであろう顔をしていた。

「んで、まあ本題に戻るんだが……お前はホワイトデーの贈り物の内容に困っている、で合ってるんだよな?」

「はい、そうです」

「ふむ。そうだな……これが本命か、もう少しお前が大人だったらアクセサリーの一つや二つでも
送るのがベストなんだが……」

「えっと……じゃあ、どうすればいいんですか?」

「そうだな。取りあえず、菓子だな」

「菓子?」


428 :アンリミテッド・エンドライン(12/5) ◆CPytksUTvk :2008/03/14(金) 23:59:44 ID:rGMQo7dY
 
「そ。クッキーとかな」

「クッキー……ですか」

 それだとちょっと安上がり過ぎないだろうか?
 送られた想いと釣り合わないのだろうか。
 エリオはそう考えて、少し顔を渋くした。
 その時だった。

「しかも、出来るなら――手作りがベストだな」

「え?! て、手作りですか?! ぼ、僕料理なんて殆どしたことないんですけど……」

「安心しろ。レシピに従えば、よほど壊滅的な腕がなければ作れるもんだ。ちなみに、意外だろうが俺は作れる」

「ほ、ほんとですか?!」

「ふっふっふ、男の一人暮らしを舐めるなよ」

 ヴァイスはニヤリと笑みを浮かべると、ベットから立ち上がってエリオの頭に軽く手を乗せた。

「んじゃ、いくぞ」

「へ? ど、どこにですか?」

「決まってるだろ? 買出しだ」

 ピラリといつの間にか取り出した、外出届の紙を手に、ヴァイスは悪そうな顔を浮かべた。





429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:00:36 ID:91Np0YCz
万能兄さんヴァイスwwwww
支援

430 :アンリミテッド・エンドライン(12/6) ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:01:18 ID:cMYhNYAM
 
 一陣の風が首都高の道路を駆け抜けていた。
 それは一台のバイク。
 背中に一人の少年を乗せた一人のライダーが高速道路を走っていた。

「うわわわわわ!」

 時速百キロに近い速度に、後ろに乗っていたエリオが声を上げていた。
 被らされた予備ヘルメットの下からくぐもった悲鳴が洩れる。

「手を離すなよー! 落ちたら、バリアジャケットがあっても死ぬからな!!」

 レバーを握り、風圧を切り裂くように声を弾ませるヴァイス。
 時速百キロを超えてなお、アクセルを緩ませない。
 ビュンビュンと周囲の車を追い抜かし、或いは追い抜かれ、それなのに周囲の景色だけは
高速で変わっていく。
 殴りつけられるような風圧が、エリオを襲っていた。

「しかし、意外だなぁ! この程度で驚くなんて!! 普段お前らを運んでいるヘリの方が、
数倍以上速いんだぞ」

「いや、風圧が、それに体感性がまったくっ、違くて!」

 普段輸送に使われているヘリよりはずっと速度は劣っているだろう。
 けれども、その身に直接ぶつかる風圧が、それに何より地上を走っているために周囲の景色の
変化が肌にずっとずっと染み込んでくる。
 ソニックムーヴで移動している時の光景が、永続化しているような感覚。

「けど、凄いです!」

 だから、エリオは興奮していた。
 風を、その身を打ち付ける大気の荒々しさとそれを切り裂く速さを実感して。

「よし、それじゃあまた今度乗せてやる!」

「はい!」

「んじゃ、取りあえず先に――首都街へと行くぞ」

 そう叫んで、ヴァイスとエリオの乗ったバイクは高速道路の降り口へと繋がる路線に移動していた。





431 :アンリミテッド・エンドライン(12/7) ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:02:23 ID:cMYhNYAM
 
 高速道路を突っ走った甲斐もあって、まだまだ太陽が真上で輝いている時間帯にヴァイスとエリオは
クラナガンの繁華街に辿り着いていた。

「えーと、なんでここに寄るんですか?」

 エリオが周りを見渡しながら、ヴァイスに尋ねる。
 そう、彼らがいるのは食料飯店……ではなく、本屋だった。

「いや、まずクッキーを作るレシピが必要だろ? エリオは作り方知らないんだろ?」

「あ、はい」

「俺も作ったのがかなり昔だから、記憶があやふやでな。取りあえずここでお菓子の作り方でも
載っているクッキング本を買う」

「なるほど」

「千里の道も一歩からってな。取りあえず、これなんか良さそうだな−―」

『一人暮らしの淋しい人でも簡単に作れる 癒しのお菓子講座』と書かれたクッキング本に
ヴァイスが手を伸ばした瞬間、スッと横から手が伸びた。

 同時に本を掴むヴァイスと誰かの手。

「ん?」

「おや?」

 手を伸ばした両名が、同時にお互いへと顔を向けた。
 ヴァイスの目の前には、メガネを着け、男にしては長い紫色の髪を結い上げた男の姿。
 ぶっちゃけ見覚えがありました。

「な、な、な」

「おや? 奇遇だな、ヴァイスくん」

「ぶ!! ス――じゃなくて、ジェイル?!」

 そこに居たのは茶色のカラーレンズを付け、髪形を変え、帽子を被っているものの間違いなく、
広域手配されている重犯罪人ジェイル・スカリエッティだった。




432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:03:08 ID:1ee63Ahy
なにやってんすかスカさんwww支援

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:03:57 ID:vF17Yjsb
テラヴァイス支援

434 :アンリミテッド・エンドライン(12/8) ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:04:30 ID:cMYhNYAM
 
「あれ? ヴァイスさん、知り合いですか?」

 ヴァイスの態度に、スカリエッティを見上げながらエリオが首を傾げる。
 彼は知らないのだ。
 レリックに関わる事件で出没するガジェットドローンの製作者が、目の前にいる男だということを。
 もしかしたら手配写真ぐらいは見たことがあるかもしれないが、それも強く印象していない上に、
特徴的な琥珀色の瞳にカラーコンタクトし、髪型を変えれば中々連想が出来なかった。

「なに。古い知り合いでね、ところで君たちは何のようかね?」

「あー、それはこっちの台詞なんすけど。アンタ、こんなところでなにやってるんすか?」

 指名手配されている身分の癖に、堂々と本屋で本を買いに求めるなと言いたかった。

「……笑わないかね?」

「なにが?」

「えっと、別に笑ったりしないですよ」

「いや、ホワイトデーだろう? ちょっとお菓子の作り方でも調べようと思ってね」

「……お前もかよ」

 ガクリと肩を落とし、ヴァイスはため息を付いた。
 どうせこいつはあれなのだ。
 お付の秘書とか、自分で作った人造人間の子たちにせっせとチョコレートを渡されたのだ。
 そうに違いない。
 くそ、羨ましくなんかないぞ! ないったらないんだからな!!

「む? ということは」

「あ、はい。実はボクたちもなんですー」

「ふむ。それなら……一緒に作らないかね?」

「え?」

「実は偶然にも、こういうイベントが近くのデパートで行われているのだよ」

 そういってスカリエッティが指差した先には、『始めての男性でも気軽にチャレンジ。初めてのお菓子教室
 参加料――』 というポスターがあった。

「あれ? 管理居でしか広まってないイベントじゃなかったのかな? ホワイトデーって……」

「ふむ。経緯は知らないが、民間にも広まっているようだな」

「あー、もういいから。さっさといくか。なんというか渡りに船だし」

 こうして三人の男たちが出陣した。


435 :アンリミテッド・エンドライン(12/9) ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:05:51 ID:cMYhNYAM
 


 参加料(原材料費込み)を三人分支払い、用意されたエプロンと三角頭巾を身に付ける。
 まだまだ知名度が低いのか、他の参加者があまり見られない状態で、三人組の彼らはかなり目立っていた。

「えっと、レンジにかけてから。マヨネーズぐらいに柔らかくなったバターをまず砂糖と一緒に
かき混ぜるんですね」

「そうそう。こうトロトロになるぐらいまで混ぜてから、卵黄を入れて」

「よいしょ、よいしょ――あっ」

 ガシャンッ!

「すみません。手が滑って……」

「あー、ったく。顔とか頭に被ってるぞ? ほら、拭け。放っておくとベタベタになるぞ。
あ、こんなところまで、ちょっと顎上げろ。拭いてやるから」

 濡れた付近でゴシゴシとエリオの首を拭いてやり、頬や、肩、髪に引っ付いたクッキーの素を拭ってやる。
 ……何故か、周りで見ていた一部の男性客が息を荒げていたような気がするが、
まあ気のせいにしておくことにした。気にするな。気にしたら負けだ。

「すいません。うー、なんでこんな簡単なことで躓くんだろう……」

「緊張のし過ぎだな。こういうのは失敗しても構わないぐらいの意気込みでやるといい」

 テキパキと砂糖と卵黄をバターにかき混ぜたスカリエッティが、ふるいにかけた薄力粉をかけていき、何回かにかけて混ぜていく。
「よし、それじゃヴァイスと君、これを任せた」

「え? あ、はい」

「ん? お前は、どうする気だ?」

「いや、なに。用意されている型だと面白くなくてね」

 そう告げて、買ってきたものと思しき針金を軽く火で炙って熱消毒し、そのまま器用に折り曲げていくスカリエッティ。
 それを見ながら、エリオは必死にクッキーの素をかき混ぜていき。

「よし、これぐらいでいいだろう。んじゃ、冷蔵庫で冷やして」

 冷蔵庫に入れること十分。
 固まったクッキーの素こと生地を引き伸ばし、先ほどまでスカリエッティが折り曲げていた針金で型を取っていく。

「あれ? これってなんかみたことがあるような……」

(ていうか、完全にガジェットの型だろ!)

 スカリエッティ、趣味全開であった。




436 :アンリミテッド・エンドライン(12/9) ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:06:39 ID:cMYhNYAM
 
「なに、普通のデザインだけだと詰まらないだろう? ほら、こういうのもある」

 そういってスカリエッティが差し出したのは複雑な模様をした花の型である。

「あ、凄いですね」

(お、誤魔化された。危ない危ない)

「というわけで、さっさと焼いてみよう」

「はーい」

 余熱で暖めておいたオーブンに、型を取った生地を入れる。
 そして、待つこと25分ほど。

「おお」

「ふむ」

「やりましたね!」

 出したオーブンの中には立派なクッキーが出来上がっていた。

 こうして、三人の男性のお菓子作りの幕が落ちた。




437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:06:40 ID:91Np0YCz
良いお兄さんだwwwスカwwwwww支援

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:07:32 ID:vF17Yjsb
テラスカ博士wwwwwwwwwww支援

439 :アンリミテッド・エンドライン(12/11) ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:07:47 ID:cMYhNYAM
 
 出来上がったクッキーはヴァイスが自分用に数個、それ以外の大多数をスカリエッティとエリオで二等分にして分配した。
 もちろん、ガジェットの型をしたのは全部スカリエッティに割り振っている。

 そして、夕方の闇も更け始めた時間。
 エリオに六課の皆への連絡を待たせたヴァイスは、スカリエッティに話しかけていた。

「んで? わざわざアンタが外に出ていた理由はなんだ?」

「おや? 偶然ということを考えないのかね?」

「くだらないな。お前にそんな偶然があるんなら、レジアスの大将も俺も協力なんてしない」

 カリッと焼きたてのクッキーを齧り、ヴァイスは空を見上げた。

「時間は……まだあるのか?」

「ああ。まだ、君が彼らと過ごす時間は十分残っている」

「そう……か」

 そう告げて、ヴァイスは離れた位置でデバイスを用いて連絡を取るエリオを見つめた。

「まったくままならないもんだよな。情を移さないほうが賢明だっていうのに、どうしても優しくしちまう」

「迷っているのかね? それならば、抜けても構わないが」

「冗談」

 パキンとクッキーを噛み砕き、甘い味とは裏腹に苦々しい笑みを浮かべてヴァイスは告げた。

「覚悟は決めている。レジアスの大将の、そして俺の願いのためなら――どんな奴だって、
このクッキーのように粉々にしてやるよ」

 甘い香り。
 甘い味。
 その優しさはまるで痛みのようだった。




 その後、エリオは無事にフェイトとキャロにクッキーをプレゼントし、喜ばれたという。
 ついでにそれをヴァイスが手伝ったと聞いて、何故かロングアーチの面々が驚いていて、ヴァイスは凹んだ。


 そんな一日だった。



440 :アンリミテッド・エンドライン(12/12) ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:08:34 ID:rGMQo7dY
 

おまけ

「というわけで、お返しだ」

 にこやかな笑みでスカリエッティは自分の手作りのクッキーをナンバーズに振舞っていた。

「はぁ」

「クッキー……すか?」

「む。これは中々に」

「けっこうイケるかも」

「それでは、私は紅茶を入れます」

「私も手伝うわよ〜」

 スカリエッティの研究所の一室。
 そこにもまた穏やかな時間が流れていた。

 どんな人間にも。
 どんな世界にも。


 ひと時の平穏よ、あれ。




441 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:11:15 ID:cMYhNYAM
投下完了。
支援本当にありがとうございます。
単なるホワイトデーSSなのに、12スレってなんだ orz
途中でレス番号を二回ほど間違えました。今度から間違えないように気をつけます。

最初はギャグ、次はほのぼの、最後はシリアスでシメ。
一風変わった男性陣ですが、これからもよろしくお願いします。
ご拝読ありがとうございました。

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:13:55 ID:91Np0YCz
>>441
GJ!!!!
良い感じでほのぼのでした・・・


443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:16:32 ID:vF17Yjsb
GJ
意外だといわれて凹むヴァイスに全俺が泣いた
男だって料理できるヤツはできるんだー!

444 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 00:16:43 ID:cMYhNYAM
>>441
間違えた! スレじゃなくて、レスでしたw
ヴァイスの兄貴が、いい感じに兄貴になってます。
あと実はエリオの性格が以前ウロスで話題になっていたちょっと虚構性格になっています。
今回はあまり目立ちませんでしたが、いずれかの話でその性質が表ざたになると思います。

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:20:21 ID:2wZc/d3B
GJ!!です。
次回が楽しみです。早くナンバーズと局員の戦闘が見たいw


446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 00:53:33 ID:GRWJPo9u
確かにスカは犯罪者というより自分の力を認めてほしい奴なんだな

第一被害は地上本部に集中して街に被害は行ってない
逆に管理局に反感を持つ奴らは次元LVだし、純粋に兵器を愛してた故に魔法に頼ってるより力に頼らない兵器を認めて欲しかった。

もし悪人なら水道管にサリンを入れたり、街に地雷を置いたり
幼稚園バスをジャックして子供を殺したり洗脳したり
盗撮写真やスキャンダルを公表するわけだし

本気のフェイトに降参し武器をすて牢獄された

有る忌み核瞑霞の鏡だな

奴もライダーや銀魂に出てたらキャラ立してたはず


4月13日に劇場電牙みてから良太郎とエリオのスパイSSを描きだいと思ってます
題して 時刻超越リリ電climax

どうですか?

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 01:00:09 ID:hWWAI+kS
かなりおもしろそ。

448 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/15(土) 01:50:56 ID:ingz+Xdq
>反目さん
これはまさか反目のスバルR2の伏線ですか?

話は変わって僕も投下おk?
今回は一部台本形式仕様してるし、短いですけど。

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 01:59:17 ID:sllA3qzP
睡魔支援

450 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/15(土) 02:00:10 ID:ingz+Xdq
反応無いな…投下だけしておきます。

【平成ライダーサイド】五話「強敵登場!」Aパート
【AAMON日本支部 実験室】
志村純一は、ボードから盗んだグレイブのデータを元に、新たなライダーを作り出していた。
その名も、「ランス」と「ラルク」…
以前ボード理事長、天王寺博士が作り出したカード「チェンジケルベロス」のコピーカードを使用した、強力なライダーシステムである。

「「ケルベロスの分身」…流石だ、グレイブと同じように、ブレイドやレンゲルのスペックを遥かに上回っている…」
「へぇ〜、そいつが俺達のベルトか…」
「カッコイイじゃない。」
「ん?」

実験室の扉が開き、二人の男女が入室してくる。
ランスの装着者・禍木慎と、ラルクの装着者・三輪夏美だ。
二人とも、カードに選ばれた「人間」である。

「禍木…夏美…」
「こいつを使えば俺らは晴れてライダーか…」
「楽しみだわ…」
「お前達、俺やココの奴らと違って人間のクセに、よくAAMONに協力する気になったな。」
「へ、こんなつまんねぇ世の中、ぶっ壊したほうが丁度良いぜ。」
「仕事…人間関係…生活…もう全部が全部退屈なのよ。だったら、少しでも面白そうなことしてみるのが人間の性ってもんじゃない。」
「フッ…まぁいい、明日には完成する。そして、「邪魔な奴」を消しに行く…良いな?」
「おう。」
「任せてよ。」

禍木と夏美は志村にそう言い、実験室から出て行った。

「あ〜ら、アルビノ様はお優しいですのねぇ♪」

ふとした瞬間、志村の背後にクアットロが現れ、志村に後ろから抱きつく。

「クアットロか…」
「あんな下郎に力なんか与えなくても、ここの技術を使えば強力な改造人間が作れるじゃありませんかぁ。」
「奴らの力は本物だ。下手な改造人間よりも強い。それに地球のAAMONを牛耳るためにも、今は力が必要なんだ。分かるな?」
「ええ…アルビノ様が作る、素晴らしき世界のために…ウフフ♪」


451 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/15(土) 02:03:49 ID:ingz+Xdq
【浅間山】
「ホアァァァア!!ゼヤアァァァァア!!」
「オォォォォォオ!!」

翌日の朝、仮面ライダー響鬼が、浅間山でヤマビコと戦闘していた。
状況は、いつものように響鬼の圧倒的優勢である。

「行くぜ!」

そして激しい攻防を繰り広げた響鬼はヤマビコの頭に飛び乗り、音撃鼓を貼り付けた。

「火炎連打の型ぁ!セヤッ!はあぁぁぁぁあ…でりゃあぁぁぁぁぁぁあ!!」

響鬼長年の必殺技・火炎連打がヤマビコにぶち当たる。
激しい必殺技を受けたヤマビコは、土くれとなって消滅した。

「よっと…一丁上がりっと。」

ヤマビコの頭部から落ちた響鬼は着地し、顔だけ変身解除してそう呟いた。

【河原】
「31…32…」
「33…34…」

その頃河原では、響鬼の仮サポーター・安達明日夢と、機動六課ライトニング分隊所属・エリオ・モンディアルが腕立て伏せをし、響きを待っていた。

「じゃあ…キョウキさんは運動音痴だったんですか…」
「うん…まぁね…他にも学校で寿司を取ったり、競走勝手に始めたり、変な事する奴だったよ。」
「それが今は鬼なんて…ほんっとに…分からないもんですね…」
「僕だって、元は鬼志望だよ…それが今は医者志望なんだから…不思議なもんでしょ…」
『ああ…』

二人は規定の回数に到達した瞬間腕立て伏せを止め、河原の石の上に寝転がった。
そんな二人の下に、顔だけ変身解除した響鬼がやって来る。

「明日夢!少年!」
『ヒビキさん!』
「鍛えたようだな。」

【十分後】
十分後、私服に着がえた響鬼は、明日夢、エリオと共に朝食のカレーライスを食べていた。

「それにしても魔法使いの少年、俺についていきたいなんて、珍しい事言うもんだな。」
「ええ!強くなるためには、強い人の傍に居るのが一番良いと思ったんで。」
「…強い人ねぇ。」

響鬼は食べるのを止め、右斜め上を向く。

「ヒビキさん?」
「そいつは、俺じゃないな。」
「え?」

ヒビキの一言に目を丸くするエリオ。

「剣崎さんの…ことですか?」

明日夢はヒビキの横から話しかけ、「剣崎」の名前を口にする。


452 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/15(土) 02:06:20 ID:ingz+Xdq
「ああ。明日夢、分かってんじゃないか。」
「確か…仮面ライダーブレイドの…その人のことなら、この世界の本で読みました!ヒビキさん達の、仲間だったんですよね?
僕、彼のファンになってしまいました!」

エリオは剣崎と聞いた瞬間、目を輝かせた。
どうやら友を守るために戦ったと本で描かれていた剣崎は、エリオの心を充分に刺激したらしい。

「はは、ファンか、そっか…あいつは俺か出会った男の中で、一番強い男だ。いや…俺以外の皆も、多分分かっている。」

ヒビキはサングラスをかけ、昔語りを始めた。

【四年前】
四年前、ジョーカーの存在が明らかになったその日、ライダーや魔導師達が集い、ジョーカー・相川始の討伐に乗り出した。
剣崎一真はその行為に反抗し、始を守る側についた。

カブト「剣崎、そいつを渡せ。ひよりのためだ…俺がそいつを倒す!」
G3-X「抵抗はやめてください!」
シグナム「この戦力差では…お前が不利だ。」
ゾルダ「大人しくしなよ。」
ブレイド「コイツは世界を滅ぼしたりはしない!きっと何か別の方法があるはずです!」
ギャレン「剣崎!お前は相川始に取り込まれかけているんだ!目を覚ませ!」

剣崎はあくまで始を守ることを選び、他のライダーと敵対することを選んだ。
結果剣崎は総攻撃を受け、大ダメージを追った。

ブレイド「はぁ…はぁ…」
フェイト「あの損傷で…」
クロノ「一体彼は…」
カブト「何でも良い。従わないなら…止めを…」
ガタック「待て!」

ガタックは大ダメージを追ったブレイドの傍に駆け寄り、彼を守るように立ちふさがる。

カブト「加賀美…貴様!」
ガタック「皆の言い分も分かる!けど!俺にはこれが正しいなんて絶対思えない!!」
クウガ「…」

クウガもブレイド側に行き、立ち塞がる。

はやて「五代さん!?」
クウガ「彼がいなくなったら、天音ちゃんが泣いちゃう。笑顔を奪うなんて…俺には出来ない!」
轟鬼「俺も!こんなの嫌っス!」
歌舞鬼「俺も嫌いだ!弱いものイジメみたいでな!!」
龍騎「俺も…剣崎を信じる!」
アギト「俺もだ!きっと運命は変えられる!」
電王SF「チキショオーーーー!俺もなんだかコッチの方が良いぜ!」


453 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/15(土) 02:07:16 ID:ingz+Xdq
轟鬼、歌舞鬼、龍騎、アギト、電王…

ユーノ「なのは!?」
威吹鬼「響鬼さん!?」
なのは「ごめん…でも!あたしも信じてみたい!!」
響鬼「人間、信じることを忘れたら、お仕舞いだよな?」
ブレイド「皆…ありがとう!」

そしてなのはと響鬼…

多くの者が剣崎の味方に付き、彼の考えを理解した。

………
「あいつの必死さに、皆が打たれた。俺たちを敵に回しても、決して弱音を見せないその心の強さ…
だから俺は、あいつ側に付いた。
あくまで敵側を貫いたあの天道だって、まっすぐなあいつが羨ましかった筈さ。」
「それも読みました!多くのライダーが、その人の取った行動に共感したって!」
「そっか。でもあいつ、本当に今何処にいるのやら…は!」

ヒビキは河原の方を見ると、ボロボロの服を身に纏い、釣りをしている人物を発見する。
ここからは後姿しか見えなかったが、ヒビキには「雰囲気」でそれが誰か分かった。

「…!」
「え?」
「ヒビキさん?」

ヒビキは立ち上がり、釣り人の方に向けて走っていく。
そして釣り人の傍まで来ると、彼の肩をポンと叩いた。

「…よっ!」
「!…ヒビキさん…」
「やっぱりお前か…噂をすればって奴かな。」

釣り人の正体は、ヒビキの戦友・剣崎一真その人であった…

………
「浅間山に隠れていたんだな。」

釣りをしている剣崎の隣で話しかけるヒビキ。

「一昨日来たばかりですけどね。」
「牛乳の青年達には?」
「会ってませんよ…会えるわけが無い…」
「そうか…」

ヒビキはサングラスを外し、コートの胸ポケットにしまう。

「お前…よければ皆で一緒にAAMONと戦わないか?」
「あもん?」
「ああ。」

ヒビキは、今地球は世界征服を企む悪の組織・AAMONの脅威にさらされ、自分達は魔化魍の他に、その組織の繰り出す改造人間とも戦っているということを剣崎に話した。


454 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/15(土) 02:08:14 ID:ingz+Xdq
「AAMON…そうか…俺が世界で見てきた怪人は…そいつらが…」
「皆戦ってる。だからさ…お前もまた一緒に…」
「できませんよ。」

剣崎は即答した。

「お前…」
「皆に会えば…別れるのが辛くなる。」

剣崎は瞳を閉じ、迷いを断ち切るかのようにそう応えた。

「あの人が…」

一方、テントの傍で明日夢と共に食器を片付けていたエリオは、ヒビキと話している剣崎を見つめていた。

「そう、剣崎一真さん。仮面ライダーブレイドだよ。」
「…」

エリオは地球に来てから、「仮面ライダーと言う名の仮面」という本を読んだ。
様々なライダー達の活躍を描いた本で、エリオはすぐその本にのめりこんだ。
ブレイドはその本で主役扱いされており、どんな困難にも立ち向かい、自らを捨ててジョーカーになることを選んだ彼をエリオは尊敬した。
「自分も男として自分を捨ててでも大事なものを守れるような男になりたい。」
エリオはそう思うようになり、彼に一目会ってみたいと思っていた。

「明日夢さん…あの…」
「ああ、良いよ。片付けは僕がやっとくから。」
「!」

エリオは明日夢の好意を受入れると、大急ぎで剣崎の傍に向かった。

「あの!」
「ん?」

剣崎はエリオの声を聞き、後ろを振り向いた。

「君は?」
「エリオ・モンディアルです!貴方が…ブレイドですか?」
「うん…まぁ…」
「へへへ…」

ヒビキは少し悪戯を思いつき、剣崎の耳元で囁いた。

「この少年はな、魔法少女2号の子供なんだよ。」
「へぇ…この子がフェイトちゃんの…ウェェェェェェェェェェェエ!?(:OwO)」


455 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/15(土) 02:09:02 ID:ingz+Xdq
口と目を大きく開け、驚愕する剣崎。

「あ…あの!ぼ…僕はフェイトさんの養子みたいなものなんです!だから決して、子供と言う訳では…」
「なんだ…そうか…」

剣崎は安心し、ほっと胸を撫で下ろす。

「ハハハ!引っかかったな!」
「もう…酷いですよヒビキさん…」
「悪い悪い。でも、少し昔のお前に戻ったな。」
「あ………」

剣崎は再び言葉を失い、黙り込んだ。

「ぼ…僕!貴方に憧れてるんです!自分がアンデッドになってまで、ジョーカー…相川さんを助けた貴方に憧れて…」

ファンがいると分かれば明るい顔を見せてくれるかもしれない。
そう思ったエリオが発した台詞であったが…

「最低だよ俺なんか。」
「…え?」

剣崎は明るい表情を見せるどころか、自分を卑下し始めた。

「俺の決断のせいで、何人も一般人が死んだ…遺族の人々は決して俺を許してはくれないだろう…」
「う…」
「始のことにしたってそうさ。今は良くても、今のままじゃあいつは必ず時間に取り残される…独りになる…
結局俺のやったことなんて、自己満足以外のなんでもないんだ。
そんな奴に憧れるなんて、止めとけよ。」
「…」

エリオは完全に言葉を失い、その場に黙り込んでしまう。
そして剣崎は、エリオとヒビキの元から離れ、近くの森の中に去っていった。

「…」
「…ふう。」

ヒビキは溜息をつき、エリオの頭に手を置く。

「あんな奴じゃなかったんだよ。前はもっと血気盛んで、未熟で…けど、良い奴だった。
(俺もトドも、加賀美も天道も、まっすぐなお前が好きだった…なのに何で…)」

ヒビキは去っていく剣崎の姿を見ながら、変わってしまった彼の姿を悲しんだ。


456 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/15(土) 02:10:10 ID:ingz+Xdq
【浅間山 森林】
「はぁ…」

剣崎は溜息をつきながら森の中を歩く。
本当はもっと話したいことがあった。
虎太郎達は元気にしているのか?なのは達は今どうしているのか?そして始は…
だが、聞けばきっと会いたくなる。
アンデッドとしての運命を生きる剣崎にとって、もう皆と一緒に生きることは許されない。
だから自分は独りで戦うことを選んだ。
だからこれでいい…これでいいのだ…
そんな風に自分に何度も言い聞かせる剣崎。
そんな彼の元に、数発の光球が飛んできた。

「!?」

剣崎はとっさの反応で光球をかわし、光球が飛んできた方向を振り向く。

「久しぶりですね剣崎さん。」
「!?」

その方向には、かつて剣崎がアフガニスタンで出会った男・志村純一の姿があった。

「し…むら…?」
「お元気…でしたか?」


投下終了
今回はご都合主義で固めてみました。
お気に召さなかったらすみません…
次回もお楽しみに。

457 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 07:28:34 ID:ITNQEr+D
職人の皆様GJです。
9時ごろに逆襲のフェイトのチャプター10を投下しようと思いますが、よろしいでしょうか?

458 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 09:01:36 ID:ITNQEr+D
反応がないけど投下します。答えは聞いてない!

 なのはは一人でトーレとセッテの後を追い、トーレとセッテはその事に気付く。

「どうやらついて来ているようだな」
「トーレ姉さま……」

 トーレとセッテは突然止まり、なのはも寸前のところに止まる。

「やっぱり、私を誘うためだったんだね」
「はい」
「でも何で?」
「本来、あなたのお相手はフェイトお嬢様がするのだが、お前の力がフェイトお嬢様と戦うのに値するか、我々が確かめる!」

 トーレとセッテは突如となのはに襲いかかる。なのははブラスターファンネルを4機ほどだし、νレイジングハートの新しいモード「スラスターモード」を発動させる。
 「スラスターモード」はレイジングハートをバルディッシュのザンバーやライオットみたいな、デバイス自身を武器にするモードである。
 その姿は、かつてのレイジングハートのエクシードモードと変わらないが、レイジングハートには完全に魔力の刃を纏わせたもの。
 それにより、レイジングハート自身の耐久力も上がり、なのはの身を守る時のバリアも上がるのだ。
 しかし、なのはは元々砲撃系魔導師なので、これはあくまで自分の身を守るくらいにしかならない。
 それでもトーレとセッテにとっては苦戦する相手である。

「く!」
「うまくビットを使ってくる……」

 なのははディバインシューターをトーレとセッテに撃ちながら、ファンネルも操る。
 ディバインシューターの威力自体も上がっており、一撃でも当たったら自分達には大ダメージである。
 トーレとセッテはディバインシューターを避けながらなのはに近づこうとするが、ファンネルがそれを阻むように砲撃をする。
 なのは自身も何もしないわけではなく、ショートバスターで二人を引き離し、ファンネルで攻撃をしたりとする。
 トーレの攻撃をνレイジングハートが防ぎ、なのははνレイジングハートをトーレに向かって振り下ろしたりとなれない接近戦をしたりするが、
 ディバインシューターやファンネルが、なのはの接近戦の苦手を補う。
 次第に戦いはなのはが有利な方に持っていき、トーレとセッテはあること考える。

「ならば、こうだ!」

 トーレは力を込めてショックブレードを大きくし、セッテも力を込めてブーメランスラッシュを二つ投げ、なのはに当てようとする。
 それらは非殺傷設定であるものの、当たったらただではすまない。しかもその攻撃力は今のなのはのバリアすら、破壊しそうな勢いと威力である。

「やられる!?」

 なのはの頭には「やられる」と言う事がよぎる。そのなのはの考えを感知し、ブラスターファンネル4機はなのはを囲むような陣形をとり、
 なのはを守るクリスタルケージを作りだし、なのはを三つの刃から守る。

『何!?』

 並みのバリアなら簡単に破れる刃を簡単に防がれた事に二人は驚く。
 なのははファンネルのクリスタルケージを解除し、ファンネルは執拗にトーレとセッテの後を追い、砲撃を続ける。

「くそ、何であんなにビットが持つんだ!?」

 ファンネルはビット以上の持続力と攻撃力がある。
 セッテがファンネルとディバインシューターの魔力弾をうまくかわすが、なのははひとまずセッテに狙いを定め、
 エクセリオンバスターの強化版「スラスターバスター」を撃ち、セッテにぶつける。

「何!?」


459 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 09:02:10 ID:ITNQEr+D
 セッテはそれを避けきれず、直撃を受けて気を失う。
 なのはは急いでクロノに連絡をいれ、セッテを転送、拘束する。

「セッテをやるとは……」

 残りはトーレ一人、なのははトーレのライドインパルスには付いていけてない状態。トーレの方が優勢である。
 トーレはライドインパルスで、なのはをじわじわと追い詰めようと画策するが、
 なのはは感覚を研ぎ澄まし、トーレがやって来る方向を考える。

(この状況で私に勝つためのいい方向は……、あそこだ!)

 なのははディバインシューターやファンネルを巧みに使い、トーレを狙った場所に誘い出し、トーレはなのはが狙った場所へとおびき出される。
 なのはは狙った場所に向かって、スラスターバスターを放ち、トーレはなのはの作戦にはまった事に気付く。

「しまった!?」

 トーレはライドインパルスの加速を停止させようにも、もう勢いが付きすぎて止まらず、スラスターバスターの直撃を受ける。
 その攻撃にトーレも気絶し、クラウディアに転送、拘束される。
 なのはは二人を倒し、ほっと一息つく。

「何とか勝った……。後はフェイトちゃんだね」

 なのはは急いで時の庭園へと向かう。
 フェイトと最後の戦いをする為に……。



 時の庭園の前にはバリアジャケットを羽織ったフェイトの姿があった。

「フェイトちゃん……」

 なのはとフェイトは数日ぶりに再会する。フェイトは笑ったような明るい顔でなのはと会う。

「待ってたよ、なのは」
「フェイトちゃん、やめる気はないんだね」
「ごめんね、なのは。なのはの頼みでもやめる気はないよ。でもこれだけは言える。これが私の最後のわがまま、私と戦って!」

460 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 09:02:42 ID:ITNQEr+D
 なのははフェイトの決意を聞いて考え、クロノに念話を送る。

「クロノ君、私がフェイトちゃんと戦ってる間にクロノ君達は……」
「わかってる……」
「クロノ君、それじゃあ……」
「ああ」

 クロノはなのはとの念話を終えて、オペレーターに指示を出す。

「高町なのは一尉とフェイト・テスタロッサの会話と戦闘映像をリアルタイムに全チャンネルで出せるか?」
「出来ますけど……、どうするんですか?」
「彼女達の戦いを世界全てに見てもらう」

 クロノの突然の発案に艦員全員が驚く。

「艦長、本気ですか?」
「ああ、本気だ」
「しかし、何でまた……」
「フェイト・テスタロッサがああなったのは管理局が腐敗してると思ったからだ。ならばそのフェイト・テスタロッサの思いを市民や管理局すべてに届けさせようと思う。
そうすれば、フェイト・テスタロッサの考えが市民だけでなく、管理局にも伝わり、変わっていくかもしれない」
「でもそんな事を勝手にすれば、クロノ艦長は……」

 戦闘の通信と映像を勝手にミッドチルダや管理局全てに流して、賛同されなかったらクロノは間違いなく管理局を辞めさせられるだろう。

「これは賭けだ。フェイト・テスタロッサは高町なのはには本音をぶつけて戦ってくるはずだ。それに……」
『それに?』

 クロノは少し間をおいて、皆に話す。

「これは高町なのは一等空尉の意志でもあるんだ。頼む……」

 クロノが艦員全員に対して、頭を下げて頼みこむ。クロノは出撃前になのはからそのような頼みごとを皆に内緒で受けていたのだ。

「わかりましたよ」
「私達も付き合いますよ」
「皆……、すまない」

 クロノは頭を上げて、全員に感謝の言葉を送る。
 オペレーターは急いで、ミッドチルダと管理局全てになのはとフェイトの会話と戦闘映像を出す準備をする。
 クロノはその作業を見ながら、次の指示を出す。

「その作業をしながら、クラウディアを時の庭園に可能な限り、接近させてくれ」
「了解!」

 操舵手は、待機していたクラウディアを動かし時の庭園に向けて進行させる。

(なのは、頼んだぞ……)

 クロノはなのはに、作戦の成功を祈る。


461 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 09:03:12 ID:ITNQEr+D
 時の庭園ではフェイトがなのはに宣戦布告して、なのははクロノとの念話を終えて、フェイトの答えに応じる。

「フェイトちゃん、わかったよ。でも私のわがままも聞いて……。今度こそこれが、最後の全力全開の本気の勝負だよ!」
「懐かしいね、その言葉……。だったらいきなりだけど全力でいくよ! なのは!」
「うん!」
「オーバードライブ、真・ソニックフォーム改!」

 フェイトは新しいモード「真・ソニックフォーム改」を発動させ、バリアジャケットの姿が変わる。
 フェイトのその姿は、JS事件の時に使った、真・ソニックフォームの格好をさらに露出させたような格好で、
 腹部辺りがへそを隠すくらいにしかなく、胸部分は上のほうが少し開いていて、胸の上部分が露出しているような格好になる。
 正直に言うと、下着のような格好にお腹の部分と胸の部分に服を少し入れたような露出の高い姿である。
 その姿は完全に防御を捨て、スピードと攻撃に転じるもの。フェイトはなのはの攻撃力を知っているために、この姿をとったのだ。
 それにこれは全力全開の勝負。最初っからフルモードを使わないと負けると判断しての事である。
 バルディッシュ・アサルトパージもライオットによく似ているが、まったく違うフォーム「ブレイカーフォーム」を展開させる。
 「ブレイカーフォーム」のバルディッシュは、ライオットの刃がさらに鋭くなっているが、形そのものは丸くなっている。
 フェイトはバルデイッシュ・アサルトパージの「ブレイカーフォーム」で、もう一つのブレイカーブレードを作り、二つの剣をそれぞれの手に持つ。

「だったら私もいくよ! νブラスターモード、リリース!!」

 なのはも新しいモード「νブラスターモード」を使い、なのはのバリアジャケットも姿を変える。
 その姿は、分厚い白い服が全身を大きく被さり、胸には赤いリボンが残ったままで、スカートもロングスカートのまま、
 背中の後ろ部分には、折りたたまれた様な白くて細長い翼のようなものが付いている。
 フェイトの姿とは違い、露出がほとんどなく、分厚い装甲に守られている。
 レイジングハートの姿は「スラスターモード」と変わらない姿である。
 まさになのはの「νブラスターモード」と、フェイトの「真・ソニックフォーム改」は、対になるものである。

「フェイトちゃん、戦う前に一つ聞いていい?」
「何?」

 なのはが構えながら、同じく構えているフェイトに尋ねる。

「マリーさんのところに「シャイニングフレーム」を送ったのって、フェイトちゃんなの?」
「……、そうだよ」
「やっぱり……、でも何で?」
「なのはとはきちんとした本気の勝負をしたかった。なのはがあの大怪我をしたときからは全然模擬戦もしなかったらね……。それが正直な気持ち。
でも一番の理由はなのはのため」
「私のため?」

 なのはが疑問に思い、フェイトが答える。

「うん。なのはとレイジングハートはいつも無茶ばかりして私やはやて、他の皆にも心配をかける。だから心配をかけないようにと思って「シャイニングフレーム」を送ったの……」
「ありがとう……」
「それは言わないで。実はと言うとバルディッシュにも「シャイニングフレーム」は搭載してるの」
「え?」
「「シャイニングフレーム」はサオトメ博士とシキジマ博士に頼んで、なのは用と私用にしてもらってるの」
「私用とフェイトちゃん用? どういうことなの?」
「なのはのは、なのはが無茶をしても大丈夫なように安全な出力設定とそれを補う機能。私のはそれの逆で出力を思いっきり出す設定」
「何でそんな事を?」
「私もなのはやレイジングハートの気持ちがわかりたくて……。それよりも本当にやるよ! いいね!」
「うん!」

 こうして次元航行空間で熾烈な戦いが繰り広げられるのであった。

462 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 09:05:47 ID:ITNQEr+D
投下完了。
一応、逆襲のフェイトは書き終えて、スパロボEの方を執筆してるのですが、スパロボEの方が書きやすいです。
スパロボEは逆襲のフェイトが終えてからと言いましたが、出来れば午後には第2話を投下したいと思ってます。
JOJOのジョルノ風に「逆襲のフェイトを終えてからスパロボEの第2話を投下するといったけど、すまんあれは嘘だ」です。

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 10:04:24 ID:77az08zT
>>(前略)戦闘映像をリアルタイムに全チャンネルで出せるか?」
これがどうしてもガンダムWの48話を思い出してしまうwww

464 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 10:36:59 ID:UIiJtnO9
>>456
GJ!
クアットロは情婦役が似合いますなあ。そしてエリオ、フェイトをお母さんと呼んで
さらに場をかき回すのですw

>>462
GJ!
なのはとフェイトの新モードがかっこいいです。
戦いに至る過程もリリカルなのはらしくて良かったです。
次は二人の本格的な戦闘、続きを楽しみにしています。

465 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 11:49:12 ID:ITNQEr+D
投下しておいて何なんですが、2時半頃に今度はスパロボEの第2話を投下したいと思いますが、よろしいでしょうか?

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 12:17:10 ID:OxCr54NJ
>>462
いつも早い投下GJです。
しかし、いくら書きやすいからと言ってそちらに流れるのは、一番気持ちを込めて力を入れなければならないクライマックシーンを控えた作品に対して悪影響ですよ。

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 12:59:04 ID:upmD/bls
みなさんGJ
そいえば卒業の時期だよな〜
なのは達の卒業式…

468 :LMS:2008/03/15(土) 14:24:04 ID:vF17Yjsb
よし、3時からLMS10話を投下しようと思います

469 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:32:41 ID:ITNQEr+D
さてと、スパロボEの第2話投下します。出来れば支援もお願いします。

 なのは達が甲児達と知り合って、1ヶ月半が経つ。なのははその間に、ジュエルシードの捜索と封印だけでなく様々な敵と戦う。
 ミケーネ帝国、リクレイマー、最近出現した鉄甲龍、謎のモビルスーツ軍団との戦闘に、なのはは巻き込まれる。
 なのははジュエルシードの封印だけではと思い、ユーノや甲児達に戦闘技術などを学ぶ。
 ユーノの話によると、魔法でロボットなどは破壊可能であり、防護服のバリアジャケットは多少の攻撃ならビクともしないらしい。
 なのはは色々な敵と戦いながらも、ジュエルシードを集める。なのははその戦いの中で己の戦いのセンスを磨いていく。
 そして新たに自分達の協力者もできた。鉄甲龍と対するための組織「ラストガーディアン」から、天のゼオライマーとパイロットの秋津マサトと氷室美久、
 リクレイマーに対する「ノヴィス・ノア」のブレンパワード隊から、伊佐見勇、宇都宮比瑪もなのはとユーノの手伝いをする事になった。
 海鳴市周辺では、ジュエルシードによる様々な争いが行われていた。そしてその争いにまた一人の少女が介入しようとする。


 第2話 ライバル!?もう一人の魔法少女なの


 7月21日、なのは達の通う聖祥大付属小学校の終了式のためになのはとユーノは、一時海鳴市へと戻っていた。

「いい街ね」
「そうだね」

 なのは達と共に来たのは、甲児や鉄也のマジンガーチームだけでなく、
 1ヵ月半の間に新しく仲間になった秋津マサトと氷室美久、伊佐見勇、宇都宮比瑪である。

「こんないい街がまだあるなんて、あたし、気付かなかった。今度はクマゾー達も連れてきたいな……」
「……」
「勇、どうしたの?」
「うん、いや別に……」
「おおーい」
「ここにいたか。探したぞ」

 甲児と鉄也が4人と合流する。

「甲児さん、鉄也さん。どうしたんですか?」

 美久が二人に尋ねる。

「さっきなのはちゃんから連絡があってね」
「今日一日は友達を一緒にいたいから、帰れないそうだ」
「そうなんだ。まあ、元々ここがなのはちゃんの帰る場所だから仕方ないか……」
「僕達はどうするればいいんですか?」
「そうだな……」

 マサトが鉄也に尋ねようとすると、突然兜博士から通信が入る。

「所長、どうしたのですか?」
「海鳴市から少し離れた所にリクレイマーが現れた」
「リクレイマーだって!?」
「ビープレートが近くにあるの?」
「わからないが、君達はすぐにそちらに向かってくれ」
「わかりました。よし、いくぞ!」
『はい!』

 甲児、鉄也、マサト、美久、勇、比瑪は急いで海鳴市を出て、それぞれの機体に乗る。
 甲児はマジンガーZ、鉄也はグレートマジンガー、マサトと美久は天のゼオライマー、勇はユウ・ブレン、比瑪はヒメ・ブレンに乗って飛び立つ。

470 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:33:41 ID:ITNQEr+D
 リクレイマー達が現れた地点では、リクレイマーがある敵と戦っている。それは一人の少女と一人の女性であった。

「何だ、こいつら……」
「あの白いガキとは違うのか?」

 リクレイマー達を引き連れていた、ジョナサン・グレーン部隊がその少女と女性に苦戦を強いられている。

「ジュエルシードは渡さないよ」
「ジュエルシード? なんだそりゃ? ビープレートじゃないって事かよ?」

 ジョナサンのリクレイマー部隊が、その少女と女性と戦っていると、勇達がやって来る。

「あれはジョナサンのグランチャーだ」
「でも何かと戦ってるみたい」

 比瑪がそう言うと、皆がグランチャーの周りを、モニターで拡大して見ると、空に一人の少女と一人の女性が浮いていた。

「な、何だありゃ!?」
「なのはちゃんとは違う……。別の魔導師?」

 空に浮かぶ少女は、金髪で黒い服とマントをしている。女性の方は、オレンジ色の髪に、犬のような耳を生やしていて、グラマーな体つきで、黒いマントをしている。

「ジョナサン! お前達一体何と戦ってるんだ?」
「勇の奴か……。今はお前と遊んでやるほど暇じゃない。ひとまず俺は撤退する。お前達でどうにかしてくれ」
『はい!』

 ジョナサンは、リクレイマー部隊を残して、バイタルジャンプで撤退する。


471 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:34:20 ID:ITNQEr+D
「ジョナサン!」
「勇、ひとまずはあいつらをやつけてからにしようぜ」
「あれで逃げられたらもう追いつけないし……」
「それにあの少女も気になるしな……」
「わかった。ひとまずはリクレイマーを倒そう」

 勇は皆に従って、皆で残ったリクレイマーを倒す。謎の少女達もリクレイマーを倒していき、そして残ったのは少女と女性だけになる。

「お前達は一体何者だ!?」
「教える必要は無いね。行こう、フェイト」
「うん」

 そのフェイトと言う少女は女性に勧められて、空を飛び立ち去ろうとする。

「逃がすかよ!」
「邪魔をするな!」

 甲児がマジンガーZで二人の行く手を阻もうとすると、女性がマジンガーZに向かって拳を繰り出す。
 甲児はマジンガーZの腕をクロスして防ぐが、その防御をまったく無視するかのように、拳はマジンガーZを地面に叩きつける。

「うわあああああ!」
「甲児君!」

 皆の気が甲児に集中している間に、フェイトと女性はどこかへと飛び去る。
 その方向は自分達がやって来た方向である。

「ねえ、あっちって……」
「海鳴市の方だ!」
「急いで戻るぞ!」

 皆がフェイト達の行き先が、海鳴市だと予測して急いで海鳴市に戻る。
 そんな中、天のゼオライマーのパイロットのマサトは、頭の中で考える。

(あの子、どこかで見た気がする……)



 久々にアリサとすずかに会った、なのははユーノと共にすずかの家を訪ねていた。

「なのはちゃん、本当に久しぶりだよね」
「なのは、あんた寂しくなかった?」
「大丈夫だよ。頻繁に連絡を取ってたし、それに一緒にいた人達も優しい人達だったしね……」
「どんな人達か会ってみたいわ」

 三人が仲良く話していると、なのはとユーノは、ジュエルシードの反応がすずかの家の庭にあることを感知し、ユーノは先に現場に行く。

「ユーノ君、ごめん、ちょっと、ユーノ君を探してくるね」

 なのははユーノを出しにして、アリサとすずかの元から離れる。当然ユーノもなのはを行かせる為にわざと自分が先に出て行ったのだ。
 なのはとユーノは庭でジュエルシードを探そうとすると、ジュエルシードが発動したのを感じる。

472 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:35:17 ID:ITNQEr+D
「発動した!?」
「ここだと、人目が……。結界を作らなきゃ……」
「結界?」
「最初に会った時と同じ空間。魔法効果が生じてる空間と通常空間の時間進行をずらすの。僕が少しは得意な魔法だよ」
「でも最初に会った時って、甲児さんと鉄也さん、それにお兄ちゃんがいたよね」
「彼らはロボットに乗ってて、何故かはわからないけど、ロボットなら入り込めるみたいなんだけどね……。多分お兄さんはマジンガーが入ってた影響で入れたんだと思う。そんなことより、結界を張ろう」

 ユーノがそう言うと、ユーノの前には魔法陣が現れる。

「あまり、広い空間は作れないけど、この家の付近くらいなら何とか……」

 魔法陣が大きくなっていき、結界はすずかの家全体を覆う。
 その様子をあるロボットのコックピットで見ていた、黒服でおさげをしている少年は考える。

「これが噂に聞く魔法か……。一応モビルスーツも入れるみたいだから入ってみるか……」

 その少年の乗るモビルスーツは人の目を何とか掻い潜って、結界の張られているすずかの家に入り込む。
 なのはとユーノは結界を張り終え、ジュエルシードを探そうとすると、突然目の前から巨大な何かが現れる。

「ニャーオ」

 それはすずかの家で飼っている猫達の一匹であった。
 なのはとユーノは思わず目を点にしてしまう。

「あ、あ、あ、あれは……」
「多分、あの猫の大きくなりたいと願いが正しく叶えられたんじゃないかな?」
「そ、そっか……」

 なのはは思わず呆れ返ってしまう。

「だけど、このままじゃ危険だから元に戻さないと」
「そうだね。さすがにあのサイズだとすずかちゃん困るだろうし……。襲ってくる様子はなさそうだし、さっさと封印を……」

 なのはがレイジングハートに手を伸ばし、変身をしようとした瞬間何かがなのはの後方から飛んできて猫に命中する。

『!?』

 なのはやユーノが、その飛んできた方向を見ると、その先にはすずかの家の近くの電柱上には、先ほど甲児達と戦っていた金髪の少女フェイトの姿があった。

「バルディッシュ、フォトンランサー」
「Photon lancer.Full auto fire.」

 フェイトの持つデバイス「バルディッシュ」から魔法弾が次々に発射され、それらは全て猫に命中する。

「ま、魔法の光……。そんな……」

 ユーノの発言からなのははすぐに読み取り、なのはは急いで変身する。

「レイジングハート、お願い!」
「Stanby ready.Set up.」

 なのはは光に包まれ、変身を終える。


473 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:36:06 ID:ITNQEr+D
「Flier fin.」

 なのはの両足に、小さなピンクの翼が生えてなのはは飛び立ち、猫の横に立つ。

「Wide area.Protection.」

 レイジングハートがそう言うと、なのはの前には広域バリアが張られ、フェイトの攻撃を全て防ぐ。

「魔導師……」

 フェイトは即座に攻撃目標を変え、猫の足元を撃つ。猫はそれに怯み、倒れる。
 なのはもそれにつられて倒れそうになるが、うまく自分の体勢を立て直して着地する。その時になのはの両足に生えた翼は消える。
 ユーノはそのなのはの姿を見て考える。

(そろそろ、驚かなくなってきたけど、僕がなのはに教える事はもう何もないかも……。やっぱり戦闘獣やモビルスーツにグランチャーと戦ってるからかな?)

 フェイトはいつの間にかなのはの目の前に木の枝に立っている。
 なのはは色んな意味で驚く。フェイトの速さもあるが、フェイトが自分と同い年くらいの少女だと言う事の方が驚きである。

「同系の魔導師、ロストロギアの探索者」

 その言葉にユーノは確信を持つ。

「間違いない。僕と同じ世界の住人。そしてこの子、ジュエルシードの正体を……」

 フェイトはレイジングハートを見て呟く。

「バルディッシュ、インテリジェントデバイス」

 なのはは「バルディッシュ」と言う言葉を聞いて、フェイトの持つ杖だと思い、呟く。

「バルディッシュ……」

 フェイトは淡々と話し続ける。

「ロストロギア、ジュエルシード」
「Scythe form.Setup.」

 バルディッシュがそう言うと、バルディッシュは先端からビームシザーズのような魔力刃が現れる。

(あれって俺のデスサイズと同じじゃねえか……)

 なのはとフェイトとユーノをこっそりと、陰から見ていた少年がそう思った。
 フェイトは、バルディッシュを構えながら、なのはに告げる。

「申し訳ないけど、いただいていきます」

 フェイトは言い終わると、なのはに向かって突撃し、攻撃をする。

「Evasion.Flier fin.」

 レイジングハートが言うと、なのはの両足に再び小さな翼が生え、フェイトが足に向かって攻撃をしていたため、なのはは上に逃げて攻撃をかわす。
 フェイトはすぐに上空にいるなのはに向かって構える。


474 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:36:57 ID:ITNQEr+D
「Arc Saber.」

 フェイトがバルディッシュを振ると、バルディシュのシザーズから、魔力刃が飛んでいく。

(おいおい、飛ばせれるのかよ!?)

 なのはも驚くが、陰で隠れている少年も驚く。

「Protection.」

 なのははバリアを張るが、バリアと魔力刃はぶつかって爆発を起こし、なのはは思わずさらに上空に行くとフェイトが待ち構えていたかのように襲いかかる。
 なのははレイジングハートでフェイトの攻撃を何とか防ぐ。なのははフェイトと面を向き合って、フェイトに尋ねる。

「何で? 何で急にこんな……」
「答えても、多分意味はない」

 なのはとフェイトはお互い後ろに下がり、着地する。

「Device form.」
「Shooting mode.」

 バルディッシュは魔力刃を引っ込ませ、レイジングハートはシューティングモードに変化する。
 なのはは構えながら、フェイトを見てこう考える。

(多分、私と同い年くらい。綺麗な瞳と綺麗な髪。だけど、この子は……)

 その間に猫は目を覚まして起き上がる。なのはが猫に気を取られてる隙に、フェイトは攻撃をする。

「ごめんね」
「Fire」

 バルディッシュに込められた魔力弾がなのはに向かって放たれる。なのはは気を取られていたために、防御が間に合わない。
 しかしそれはなのはに直撃する事はなかった。何故ならその魔力弾はあるものがかき消してくれたからだ。
 なのはは思わず目を瞑っていたが、目を開けると自分の目の前には大きくて黒いモビルスーツが立っていた。

「あ、あれって、モビルスーツ……」
「間に合ってよかったぜ」

 そのモビルスーツから声が聞こえる。まだ若い男の声だと言う事になのはは気付く。
 そのモビルスーツは全身が真っ黒で悪魔のような翼を持ち、手にはフェイトのバルディッシュのような鎌、顔がガンダムと呼ばれるタイプである。
 なのははそのモビルスーツが1年前の戦争で戦っていたモビルスーツ、「ガンダムデスサイズヘル」だと言う事に気付く。

「あ、あなたは?」
「俺は通りすがりの死神ってところかな。お前の事は甲児達から聞いてるぜ」
「え? 甲児さんを知ってるんですか?」
「まあ、ちょっとした知り合いってとこだな……」


475 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:37:39 ID:ITNQEr+D
 少年はすぐにフェイトの方に顔を向けなおす。

「しかし俺みたいな死神がいるなんてよ……。少しショックだぜ。死神は俺一人でいいのによ……」
「あなたは?」
「さっきも言ったけど、通りすがりの死神だぜ!」

 少年がそう言うとデスサイズヘルの頭部からバルカンが発射される。
 フェイトはすぐにバルカンを避け、再びバルディッシュのサイズフォームを展開させる。

「Scythe form.Setup.」

 フェイトはバルディッシュをデスサイズヘルに向けて振り下ろすが、デスサイズヘルは持っていたビームシザーズで防ぐ。

「俺と同じ黒くて、鎌を持ってる。まさに俺と同じ死神だな……」

 フェイトは後ろに下がり、バルディッシュの刃を引っ込ませ、再びフォトンランサーでデスサイズヘルを攻撃しようとする。

「ファイア!」

 フォトンランサーは次々にデスサイズヘルに当たる。そして爆発の煙が晴れるとデスサイズヘルの姿はない。

「どこ?」
「ここだぜ!」

 デスサイズヘルは上空に浮いていて、太陽を背にして、ビームシザーズをフェイトに向けて振り下ろす。

「どりゃああああああ!!」
「させないよ!」

 デスサイズヘルのビームシザーズがフェイトに当たる直前に突然デスサイズヘルが横に吹き飛ばされる。

「ぐおおおおおおお!!」

 デスサイズヘルは地面を引きずりながら落ちる。

「フェイト、大丈夫かい?」
「大丈夫だよ、アルフ」

 そのアルフと言う女性も先ほどフェイトと共に、甲児達とリクレイマーと戦っていた女性である。
 ユーノはアルフの姿を見て考える。

「あれはまさか、使い魔か!」
「おや、その通り。あたしはこの子の使い魔だよ。あたしは命をかけてこの子を守るよ」

 アルフがなのはとユーノに向かって話すと、デスサイズヘルが起き上がる。

「いてててて、何だよ一体……。って増えてやがるぜ」

 少年は敵が一人増えた事にため息をつく。
 その時結界を察知して、ようやく甲児達が到着する。

「ようやく追いつた」
「あれ? デュオ、お前いたのかよ?」
「ああ、弓教授が俺の上司にこっそりそこのおチビさんの護衛を頼んでな……。俺はその仕事をしてただけだぜ」

 このガンダムデスサイズヘルのパイロット、デュオ・マックスウェルは諜報機関「プリベンター」の一員であり、
 プリベンターは光子力研究所などと協力関係を持っているのだ。デュオはそのプリベンターのリーダーのレディ・アンの命令で、
 甲児達に内緒で、デスサイズヘルを持って、なのはの護衛に来ていたのだ。

476 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:38:11 ID:ITNQEr+D
「まずいね。あいつらもう来たよ……」
「アルフ、今は引くよ」

 フェイトはアルフに撤退するように言う。

「フェイト、何を言って……」
「今の状況と数だと勝てる見込みがない。だから今は……」
「わかったよ」

 アルフが先に撤退し、フェイトも撤退しようとするとなのはがフェイトに呼びかける。

「待って、君の名前は?」
「フェイト・テスタロッサ」
「わ、私……」

 フェイトは自分の名前を言い終わると、なのはの名前を聞かずに撤退する。

「フェイトちゃんか……」
「とりあえず、終わったって事でいいのか?」
「いえ、まだジュエルシードを封印してません。なのは、早くジュエルシードの封印を……」
「あ、うん」

 なのはは急いでジュエルシードを封印し、猫は元の大きさに戻る。
 すると突然そこにある少年が姿を現す。

「時空管理局の執務官、クロノ・ハラオウンだ」

477 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 14:39:59 ID:ITNQEr+D
投下完了。
次のスパロボEは第2話終了のインターミッションになります。
フェイトの鎌と言ったら、やっぱりライバルはデスサイズヘルですね。

478 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 14:59:16 ID:8I+CNdo3

海鳴市は皆にとっても良い町だろうなあ……。
でもここでクロノがでてくるか。


479 :LMS:2008/03/15(土) 15:03:36 ID:vF17Yjsb
>>477
GJです
生身の人間がMSとドンパチするのもちょっと見たかったりw

さて、時間なので投下します

480 :LMS:2008/03/15(土) 15:04:20 ID:vF17Yjsb



Lyrical Magical Stylish
Mission 10 Double team


「GAHAHAHAHA―――!!! 待ってたぜ坊や!!!」
「ここが貴様等の墓だ……」

 扉を開けた先は昔ダンテがグリフォンと決着を付けたコロシアム、そこまでは予想通り。でも、ダンテとなのはの予想を覆して、いたのはグリフォンと。

「ファントム……」
「お嬢ちゃん、まだ帰ってなかったのか? GAHAHAHAHA!!!」

 灼熱の魔獣ファントム。




 時間を戻そう。ダンテとなのはが辛くもグリフォンを退けた、あの後。

「派手にやられたな、グリフォン」
「ファントムか……」

 なのはに吹き飛ばされた足を治しているグリフォンの前に、ダンテに破壊された外殻の治療が完了したファントムが現れた。

「……あの魔導師、中々に強力な魔法を放つ」
「ハハハ、やっぱあの程度が嬢ちゃんの全力じゃなかったか」

 ファントムは自身の外殻に殆どダメージを与えられなかったなのはの全力を知らなかった。それ故、グリフォンの足を吹き飛ばしたということを素直に褒める。

「それで、どうするつもりだ」
「あんなのは小手調べよ。次は間違いなくあの坊やを捻り潰して、あの嬢ちゃんを八つ裂きにするまでさ」
「……そうか」
「いくらグリフォンでもワシの邪魔は許さない、と言いたいところなんだが―――」
「……ムンドゥス様の命ではな」
「納得いかねーが、しょうがない。どっちかは譲ってやるぜ」

 共に二人に対して敗走を許した己の腹心にムンドゥスが下した命令。

『二人同時に出向き、我に楯突く愚か者をその肉の一片までも絶滅させろ』

 ファントムにしてもグリフォンにしても納得のいかない命令だが、従わないわけにはいかなかった。魔帝の力はそれほどまでに強力なのだ。

「コロシアム、次はあそこだな」
「ああ。あの場で今度こそ因縁を断つ」




 大地を力強く踏みつけて迫るファントムと、天空を雄々しく羽ばたきプレッシャーを与えるグリフォン。
だが、ダンテとなのはもまた数々の死線を潜り抜けてきた。その程度で気圧されるような柔な二人ではない。

「やれやれ、大したパーティになりそうだ。なぁ、なのは?」
「ホント。踊る相手に幻滅することは無さそうです」

 全身を押しつぶすような圧力も何のその、踏み出す一歩はファントムに負けないぐらい力強く、羽ばたく翼はグリフォンを凌ぐほどに輝いて。

481 :LMS:2008/03/15(土) 15:05:49 ID:vF17Yjsb



「ククク、嬉しいぜ坊や。捻り潰してやんよ―――!!」
「はっ、やれるもんならやってみな。何度生き返っても無駄だってこと、教えてやるぜ!!」

 ダンテはファントムと真っ向から睨み合い。

「……やはり貴様か、魔導師」
「高町、なのは。貴方を、塵芥へ変える存在です」
「……悪魔相手に名乗りを上げるか。いいだろう高町なのは、ならば私は貴様を塵一つ残さず消滅させてくれる!!」
「……やれるもんなら、やってみろ!!」

 なのははグリフォンと壮絶な火花を散らす。
 渦巻くプレッシャーが竜巻を象ろうとするほどに高まった瞬間、四人のうち真っ先に行動を起こしたのはやはりダンテだった。

「―――Let's get creazy yeah!!!」

 ファントムの間合いギリギリ外から神速の踏み込みで一気に己の間合いへ飛び込むと、抜き放った相棒リベリオンが悪魔の血を求めて凶悪に暴れまわる。

「ウオオオオオオッ!!」
「ヌアアアアアアアッ!!!」

 今まで何度も死闘を繰り広げた相手に遠慮なぞする必要がない。ファントムもまた、最初から全力でのぶつかり合いは望むところとばかりに、ダンテの攻撃をもろともせずに反撃を打ち込んでいく。
 何人たりとも踏み込めない剣戟の嵐のなか、ファントムの外殻は徐々に削れ、ダンテもまた赤い血を流していく。

「オオオオオオオオッ!!」
「ガアアッ!!」

 まず第一ラウンドを制したのはダンテ。荒れ狂う嵐の中振りぬいた渾身のフルスイングがファントムの頭部を直撃し、そのままホームランになりそうな勢いでファントムを壁まで吹き飛ばす。

「ったく、野球にしちゃ随分重いボールだぜ」

 衝撃に痺れる手をプラプラさせながらダンテはぼやく。ファントムの爪が掠めた腕や背中からは血が流れているが、この程度の掠り傷ではダンテは止まらない。
 ファントムもまた、より強固に治療した外殻にあっという間にヒビを入れたダンテに対し、嬉しそうに咆哮を上げて第二ラウンドの開始を宣言する。

「ガハハハハハ―――!! 次はワシから行くぜ―――!!!」

 ファントムがその巨体に似合わず俊敏に移動したかと思うと、ダンテにすら追随するほどの跳躍を見せる。

「Shit!!」

 それを見たダンテは慌ててその場から飛び退る。いくらなんでもあの巨体で押しつぶされたら一撃で出来損ないのハンバーグになってしまう。

「どうした? 逃げるだけか坊や―――!!」
「調子に……乗るんじゃねぇぞ!!」

 逃げ惑うダンテと、それを押し潰さんとするファントム。二人の攻防は加速度的に勢いを増していく―――



「ディバインシューター!!」
「無駄だ!!」

 その頃、遥か上空ではなのはとグリフォンが灼熱のドッグファイトを見せていた。
本来ならどっしりと構えて強力な一撃で相手を粉砕するなのはなのだが、今回はどちらかというとフェイトのように限界スレスレの速度でフィンを駆り、常に死角に回り込もうと立ち回る。
逆に、普段と同じく堂々と構え、向かってくるなのはを叩き落そうと待つのはグリフォン。
 そんな中何度目になるか分からないほど放たれたなのはの一撃、叩き落そうとする雷撃を気合の操作でかわし、グリフォンの翼に当たって弾け、数枚の羽根が虚空に散る。
何度繰り返したかも分からない攻防、直撃してもダメージがロクに通っていない。だが、なのはは諦めない。

482 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 15:07:26 ID:ITNQEr+D
支援

483 :LMS:2008/03/15(土) 15:07:50 ID:vF17Yjsb



(ディバインバスターなら本体を打ち抜けるのは確認済み。でも、詠唱時間が取れないのもさっきと一緒)

 違うのは状況。ダンテが下でファントムと戦っている。よって、ダンテの援護は期待できない。

(でも、二人が下にいることによって、グリフォンの一番厄介な全方位雷撃が使えない)

 ファントムとダンテを巻き込む形になる。ファントムならば死ぬことはないだろうが、ダンテがどう動くかは分からない。万が一のことを考えたらあれは使えないはずだ。

「逃げ回るだけか!!」
「まさか!」

 ここに来て、オートガードに設定されたライトニング・プロテクションでグリフォンの雷撃を悉く無効化するなのはに痺れを切らしたグリフォンが遂に動きを見せる。
 巨体が残像を生む程の加速をみせ、逃げるなのはを追従する。なのはは今は逃げるしかない。グリフォンが雷撃による撃墜を諦めるまでは。

「速い……」
「堕ちろ!!」

 ミサイルのように放たれる雷撃。間一髪でかわすが、ライトニング・プロテクションの一部が消し飛ぶ。

「Shit!」

 そこを狙って放たれる無数の雷撃。誘導性も付加された一撃はバリアの穴を正確に狙ってくる。

「Blast!!!」

 抗うのは小さな魔弾。紫電がバリアを抜ける瞬間触れた魔弾が、掛け声と共に爆発。周囲の雷撃を巻き込んで四散する。
次の一撃が来る前にシールドを直すのは容易い、雷撃だけは絶対に貰うわけにはいかないというなのはの意志が現れている。

「小賢しい真似を……!!」

 ならば、この爪と嘴で存分に引き裂いてくれるとばかりにグリフォンがさらに加速する。それを見たなのはは急反転すると、グリフォンに向かって最大速度で直進する。
 待ち望んでいたこの瞬間、グリフォンが自身の体で攻撃してくるときは、雷撃を行わないというのはこの二回の戦いで熟知している。

「Got it!!」
「面白い、打ち砕いてくれるわ!!!」

 掛け声と共に右手が光る。あろうことか、この幼い魔導師は巨鳥グリフォンに接近戦を挑もうというのか。予想を超えた展開にグリフォンは小さき挑戦者を粉微塵に粉砕せんと突進する。
 なのはも右手のタメは十分。真正面からグリフォンをぶん殴ろうと速度を限界まで上げ、空を駆ける一筋の矢と化す。

「はあああああっ!!」
「ヌオオオオオッ!!」

 グリフォンが狙うのは嘴による粉砕。なのはが狙うのは―――
 突き出された嘴と拳が衝突する寸前、なのはは僅かに体を左にずらした。ベオウルフの外側と嘴がこすれ、凄まじい発光を起こす。

「グアッ!?」

 それを予想していたなのはと、していなかったグリフォン。この差は、グリフォンが右目を一瞬だが焼かれ、視界からなのはが消えたという結果になって表れる。
 次の瞬間、なのははグリフォンの毛を皮ごと鷲掴み、スピードが生み出す暴風に右肩を砕かれそうになるが、なんとかこらえ、自身の体をグリフォンの頭頂部へとバインドの魔法まで使って無理矢理固定。
 さあ、これで準備は整った。グリフォンの体が纏う紫電がライトニング・プロテクションを激しく侵食し、足に絡みつきそうになるのを完全に無視して、なのはは右腕を振り上げ万感の思いを込めて叫ぶ。

「Go to the hell!! ヴォルケイノッ!!!」
「ガアアアアアアアアアッ!?」

 魔界に太陽が具現化したかのような強烈な光が空を灼く。

484 :LMS:2008/03/15(土) 15:09:48 ID:vF17Yjsb


 なのはにはなっから衝突なんかする気はなかった。ウェイト差を考えればなのはが真っ向からぶつかって勝てる道理はないのだから。
なのはが狙っていたのは、勝手に真っ向勝負だとグリフォンが思い込んだその隙だ。能力の勝る相手には知略で勝つ、クロノから学んだ教訓が生きた瞬間だった。

「小娘がぁぁぁぁぁ!!」
「きゃっ!?」

 もう一発打ち込んでやろうとしたところで、グリフォンの放つ雷撃にとうとうプロテクションが打ち破られ、弾き飛ばされる。
 やや距離を取って対峙するなのはとグリフォン。ヴォルケイノの直撃を受けたグリフォンは拳が突き刺さった頭頂部から血が噴き出ており、また、迸った光に焼かれた特に首から上のダメージが酷い。
 なのはもまた、プロテクションに護られてたとはいえ、グリフォンの体に直接触っていたのだ。プロテクションが消し飛んだ際、グリフォンに最も近かった両足に電撃を食らっている。

「許さんぞ!!」
「上等!!」

 頭部から血を流しつつ、全く衰えぬどころかより濃度を増した殺気を撒き散らしながら恫喝するグリフォンに、負けじとなのはは中指を一本おっ立て、レイジングハートに魔力を注ぎ込む。
 矜持をかけた空中戦はさらに加速、お互い一歩も譲らぬまま中盤戦へと突入していく。




「おあああああああっ!!」
「ヌオオオオオオオッ!!」

 お互い全力を込めた一撃がぶつかり合い、衝撃に弾き飛ばされるダンテとファントム。中盤戦に突入した捨て身の殺し合いは凄まじい様相を呈していた。

「はぁっ……はぁっ……」

 一撃貰ったのか、頭から血を流し、頭以外にも決して浅くない傷を負ってリベリオンを杖代わりに膝をつくダンテと。

「カカカカカカ……相変わらずやりおるわ」

 前肢を一本斬り飛ばされ、頭部を覆っていた外殻も半分ほどが砕かれているファントム。
 ダンテが本来の戦い方をしていたなら、お互いまだ傷は浅かったはずだ。ここまで戦闘が加速しているのは、ひとえにダンテがなのはのことを気にしていたからに他ならなかった。

(あんまり時間かけらんねぇってのに、相変わらずタフなヤローだぜ……)

 ちらりと上空に目をやり、なのはがまだ健在なのを確認する。だが、いつまでもつかなど分かったものではない以上、ダンテとしてはとっととファントムを蹴散らしてグリフォンを撃墜したいところだ。

「戦いの最中に余所見か? 舐めたまねをしてくれるわ―――!!」
「Shit!!」

 安堵の溜息をつく暇もない。ファントムが放った炎の弾丸を横っ飛びでかわし、離れていても狙い打たれるだけとばかりに、笑う膝に喝を入れてダッシュで距離を詰める。

「ハアアッ!!」
「ヌオオッ!!」

 散々重ねてきた剣戟。振るわれる肢を払い、巨体に何度目になるか分からない斬撃を叩き込む。それでも揺らがないファントムが繰り出す反撃を皮一枚で避け、返す刃を頭部へと撃ち込む。

(ラチがあかねぇぜ……)

 剥き出しになった頭部にリベリオンが直撃しているにも関わらず、ファントムは一向に倒れる気配を見せない。このまま身を削った攻撃を続けていては、いずれダンテの方がダウンしてしまう。
 折れそうになる心は、上空から聞こえる爆音によって奮い立たせられる。ここで折れて持久戦に持ち込む、ダンテ一人なら悪くない選択肢だろう。だが、そうも言っていられない。

「行くぜ蜘蛛野郎!!」

 二対一に持ち込めばなのはが撃墜される心配もグッと減る。ダンテは意を決し、ファントムの背中に飛び乗ることにした。

485 :LMS:2008/03/15(土) 15:11:17 ID:vF17Yjsb



「グハハハハ―――!! 捻り潰してやるぜ―――!!!」

 本来なら二本同時だっただろう前肢の一撃は、一本だけゆえに容易くかわせる。距離が近すぎるために溶岩を打たれる心配もない。ダンテは振るわれた肢を足場にファントムの背へと飛び込む。

「お見通しだぜ―――!!」

 そして飛んでくる背を護る尻尾。これさえ斬ってしまえば、ファントムの背は溶岩の発射にさえ気をつければ安全圏だ。

「ソイツはこっちの台詞だ!!」

 だが、不安定な足場では紙一重でかわすなんて芸当は出来るわけもなく。貫通こそしなかったものの、鋭い尻尾の先端がダンテの脇腹を深く抉り、ダンテの笑みが深くなる。

「おおおおおっ!!」

 気合の掛け声と共にファントムの尻尾を脇に抱きかかえ、リベリオンを全力で叩き付けた。

「グアアアアアアッ!!」

 ダンテ渾身の一撃に尻尾を斬り飛ばされたファントムが絶叫を上げ、身を捩る。揺れる足場の上でダンテは斬り捨てた尻尾を投げ捨て、空いてる手でファントムに中指をおっ立てた。

「さあ、お楽しみの時間だぜ!!」

 両手で突き出した全力の一撃がファントムの頭部に深く突き刺さる。ファントムがさらに絶叫を上げ、背中に溶岩を溜めてダンテ目掛けて撃ち出そうと構える。
 死闘は終盤戦へ。共に重傷を負ったダンテとファントム、最後の瞬間はもうすぐ―――






 高速で吹き飛んだ何かが闘技場の壁に衝突し、崩れ落ちる。

「けほっ……痛い……」

 立ち込める粉塵を掻き分け出てきたのはなのは。グリフォンに吹き飛ばされ、姿勢制御もままならないまま壁に激突したようだ。
直接ダメージを打ち消すことに精一杯で衝撃までは殺しきれなかったらしい、その衝撃で内臓に傷を負ったか、咳と同時に出てきた血はどす黒く、口を押さえた手を伝ってバリアジャケットを血の色で染める。

「全く……冗談、キツイよ……」

 痛みで霞んでいく視界で空を睨む。そこには、二体に分裂したグリフォンの姿。
グリフォンが電気分身を使っただけなのだが、そんなこと出来るとは知らないなのはにとっては悪夢以外の何物でもない。一体でも大変な相手が増えたのだから。

「レイジングハート、分かる?」
「Perhaps, it seems that it is an one's double. (おそらく、分身だと思われます)」

 悠々と状況を見ているグリフォンを今すぐぶっ飛ばしたい衝動に駆られながら、なのはは冷静に今を分析する。負ったダメージは結構深刻で、失った魔力を考えると泣きたくなるレベルだが、まだ倒れるには早い。
 レイジングハートによると、もう一体のグリフォンは分身。だということは、魔力で作り出した実体を持つ幻影ということだろう。ならば、壊す手段はある。

「やっぱ、出し惜しみは良くないって、ね」

 あんなのが二体も飛び回っている場所へ飛び込むのは愚の骨頂。とりあえず、邪魔な分身だけでも消さないといけない。壁に叩きつけられた以外でも負わされた無数の傷が痛むが、泣き言なんて言ってられない。

「でも、どっちがどっちかなんて分からない」

 ならば、二体纏めてダメージを与えるまで。

486 :LMS:2008/03/15(土) 15:13:00 ID:vF17Yjsb



「レイジングハート・ケルベロス、起動」
「Mode Ceruberus, get ready」

 レイジングハートが青白く光り、三つの首を持つ番犬のように形体を変える。つい先ほど手に入れた力、氷を操るケルベロスの力がなのはに満ちる。それを見たグリフォンが驚愕するが、今さら焦っても遅い。

「どっちか分かんないから、纏めて行くよ! アイス・コフィン!!」
「Ice Coffin」

 ”氷の煉獄”の名を冠した超超広範囲を標的にしたブリザードが、二体のグリフォンを巻き込んで激しく吹き荒れる。
氷弾一発一発のダメージはディバインシューターより劣るが、圧倒的な数の暴力が天空を蹂躙する。

「ヌアアアアッ!!?」

 飛ぶグリフォンにとって、弾丸の如く吹き荒れる雹は翼に甚大なダメージを与える天敵といえる。
全身を打ち抜く雹に分身はたちまち霧散し、それでもなお勢いを緩めぬ猛吹雪がグリフォンの体温を奪い取っていく。

「いっけぇぇぇぇぇ!!」
「小癪な!!」

 こんな慣れぬ魔法を飛んだ状態で使ってなおかつ飛行するのは不可能。地に足がついてる今しか出来ない攻撃。
 そんななのはを床ごと、壁ごと押し潰さんとグリフォンが迫る。

「足りない、か!」
「死ねええええええええ!!」

 願うことならこれで終わって欲しかった。慣れないケルベロスの力はなのはの減った魔力を怒涛の如く消費していく。だが、グリフォンを撃墜するには少し足りない。

「終わりだ!!」

 逃げられぬよう放たれる雷撃。プロテクションが吹き飛ばされ、もう眼前にはグリフォンが迫っている。

「……Got it!!」

 アイス・コフィンで撃墜できなかったことは後で反省しよう。今は、次の瞬間へつなげる一歩が欲しい。
 なのはは魔法を中断し、ベオウルフを装着する。今から回避は間に合わない。ならば、せめてインパクトの場所をずらさないと即死してしまう。

「Go to the hell! ヴォルケイノッ!!」

 吹き上がった凄まじい白光がなのはの姿を覆い隠し、なのはを粉砕しようと迫るグリフォンへ襲い掛かる。

「チィ!」

 その威力を身を以って知っているグリフォンは舌打ち一つ、頭から突っ込み嘴での攻撃を、急遽足での一撃へと変更する。僅かに持ち上がるグリフォンの体、それを白光の中、瞬間的に感じ取ったなのはが直撃コースからギリギリ身をかわす。
 共に遠距離を基本とする両者の二度目の激突。爆音と粉塵と白光が全てを吹き飛ばそうとするなかで、両者の絶叫が爆音よりもなお高く響き渡る。

「ガアッ!!?」
「ぐっ……」

 粉塵の中から飛び出てきた両者は弾け飛ぶようにして距離を取る。なのはは何とか体勢を整え、そして砕け散った左肩を庇うように半身になってグリフォンにレイジングハートを突きつける。
対するグリフォンは白光に焼かれた足を気にした様子もなく、なのはを視線だけで射殺せそうなほどに睨みつける。

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 15:13:05 ID:8I+CNdo3
支援

488 :LMS:2008/03/15(土) 15:14:14 ID:vF17Yjsb


 あの瞬間、ヴォルケイノは確かにグリフォンの足にダメージを与え、その結果なのははギリギリながら生還することに成功したのだ。
もっとも左肩が粉砕されている以上、余り激しい動きは出来なくなったし、なにより患部から生じる灼熱の痛みが脳髄をひっきりなしにかき回し、真っ直ぐ立つのもしんどい状況だ。
まあ、かわしたと言ったところで左手が吹き飛ばなかったことに感謝したほうがいいレベルの衝撃だったのだが。

「ダメージ勝ち、とは言えないよね……」

 すぐにでも治したいところだが、戦闘中にそんなことをしている暇はない。なのはは次の戦略を練るべく、高速で頭を回転させる。

「ダンテさん……!?」

 極限のにらみ合いの中、なのはは下の様子を見る。と、ダンテがファントムの尻尾を切り飛ばし、その背に飛び乗ったところであった。その瞬間、なのはの脳裏に閃光が走る。

「……やれる? いや、やるしかない!」

 残された体力も魔力も精神力もあとわずか、それなのにあの灼熱地獄に飛び込むなんて正気の沙汰とは思えない。でも、やるしかない。このままではジリ貧だ。
グリフォンとてダメージを負っているだろうが、もともとの体力が違いすぎる。いつまでも相打ち覚悟でダメージを取っていくわけにもいかない。戦況を動かすなら今しかない。

「余所見か、余裕だな!!」
「!!」

 雷光が迸る。咄嗟に突き出したレイジングハートが生み出したライトニング・プロテクションが辛くも一撃を相殺するが、痛みで集中力を欠いたためか、一撃でシールドが破壊される。

「堕ちるがいい!」

 その隙に放たれる第二撃。モード・ケルベロスを発動したことによる氷の加護がなのはを護るが、それでもグリフォンの一撃を無傷で耐えるには程遠く。

「きゃああああっ!!」

 遂に直撃。そのまま意識がなくなったかのようになのはの体が重力に身を任せ、落ちていく。

「手こずったが、所詮はただの人間……」

 以前の戦いから、同じ愚はおかさないとグリフォンが止めの一撃を放つ。だが、最後の一撃が当たる寸前、レイジングハートが輝き、なのはが加速した。

「バカな!?」
「Flash move」

 下に。ダンテとファントムが激闘を繰り広げる闘技場へと向かって。

「ダンテさん!!!」
「!! しまった、ファントム!!」

 グリフォンが大声でファントムに呼びかけるが、そのときなのはは既に杖を振りかざしていた。
 終幕の時は近い―――



「オラァ!!」
「ガアアアッ!?」

 リベリオンが縦横無尽に駆け回る。抉られた脇腹から噴き出る血もなんのその、今叩き伏せなくていつこの悪魔を葬り去ると言うのだ。
ダンテは吐き出されるマグマをイフリートを装備した左手で殴り飛ばし、ダンテを背の上から弾き飛ばそうと横薙ぎに振るわれる短くなった尻尾を邪魔だと言わんばかりの蹴りで逆に弾き飛ばし、その間にも右手のリベリオンは止まらない。
 そして、ファントムの頭部を覆っていた外殻が全て消し飛び、尻尾が元の十分の一ぐらいの長さになったとき、その声はダンテの耳にはっきりと聞こえた。

「ファントム!!」
「ダンテさん!!!」

 反射的に上を見ると、レイジングハートを構えたなのはが真っ逆さまにダンテとファントム目掛けて急降下、そしてその後ろをグリフォンの雷が、そしてさらにその上からグリフォンが追撃してきている。

489 :LMS:2008/03/15(土) 15:15:55 ID:vF17Yjsb


 だが、ダンテの目に一番焼きついたのはなのはの姿ではなく、かつて自身が薙ぎ倒した地獄の番犬によく似たフォームを取っているなのはの愛杖、レイジングハートだった。その姿を見た瞬間、ダンテはなのはの真意を悟る。

「よっしゃあ! 派手にぶちかませ!!」
「Alright!!!」

 ダンテはファントムの頭部に蹴りをいれ、その反動で飛び上がる。

「させぬわ!!」
「アイス・エイジッ!」
「なんだとっ!?」

 ファントムはダンテもろともなのはを焼き尽くそうと溶岩を放つが、溜めのない溶岩では霧氷の加護を纏ったなのはにダメージを与えることすらできやしない。
絶対零度の冷気を身に纏い、溶岩を避けることすらせずに突き抜けた先はファントムの無防備な背中。
 入れ替わるようになのはがファントムの背中へと着地し、渾身の力を込めてファントムの背中へとレイジングハートを叩きつけ、全力で叫ぶ。

「貫け! Crystal!!!」
「グガアアアアアアッ!!!」

 巨大な氷柱が、ファントムの体をぶち抜いて何本も屹立する。全身を内部から抉り取られる激痛にファントムが絶叫を上げ、のた打ち回る。

「ちぃ、ファントム!!」
「おっと、お前の相手はこの俺だ。食らいな、Tempest!!!」
「グオオオオオッ!?」

 ファントムの上に立つなのはを押し潰さんと迫るグリフォンの前に立ち塞がったのは、たった一言の会話で相手を入れ替えてみせたダンテ。
リベリオンは既に定位置に、取り出したアグニ&ルドラを連結させて発言させた炎の竜巻は、グリフォンの放っていた雷撃を消し飛ばし、それでも勢いを緩めずグリフォン本体に牙を剥く。

「これでは……!!」

 ダンテが発する竜巻は凄まじい威力でグリフォンに襲い掛かる。この中に飛び込もうものならさすがのグリフォンも無傷で済むとは思えない。
ここは、ファントムの強靭な体力に賭けるしかない、グリフォンはそう判断し、竜巻を食らわないように大きく距離を取る。

「これで、最後っ!! It's cool! Million Carats!!!」
「ガアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 クリスタルの一撃でもなお倒れぬファントムに叩き込まれたのは死の鉄槌。クリスタルよりも多く、太い氷柱が全身を突き破る。
自身の血である溶岩の奔流を凍結させる氷の力にさすがのファントムも崩れ落ちる。

「なのは!!」
「Yeaaaah!!」

 そんななのはに頭上から声を浴びせるのは、テンペストでグリフォンを追い払ったダンテだ。なのははダンテ同様にその一声でダンテの考えを見抜き、ファントムの頭上から再度入れ替わる。

「Sweet Dream(おネンネしてな)!! Million Slash!!!」

 超高速で振るわれる二刀が、外殻を突き破った氷柱ごとファントムの頭部に炸裂する。

「オオオオオオオッ!!」

 ファントムの絶叫は荒れ狂う二刀の奏でる爆音にかき消され、遂に頭部そのものに走った亀裂によって声を上げることすらままならず。
 一方なのはもまた、助走を取るべく距離を離したグリフォンに向けてレイジングハートを構え、特大の一撃をぶち込まんと魔力を込め、発動のためのキーワードを叫んだところでダンテと声が重なった。

「リリカル・マジカル!!」
「Stylish!!!」

490 :LMS:2008/03/15(土) 15:16:45 ID:vF17Yjsb


 止めとばかりに振るわれた二刀を併せ持った極太の一撃が、宿敵ファントムに死をもたらした。そして、ダンテの叫びを聞いたなのはが思わずバランスを崩し、そして何か思いついたような笑みを浮かべる。

「……Master?」
「やりなおし。行くよ、レイジングハート、Lyrical Magical Stylish!!!」

 より凶暴性を増した光がレイジングハートに収束する。左肩から感じる失神しそうな激痛も、痛めた内臓が発する悲鳴も、出血によってふら付く足も、何もかもを無視してグリフォンを睨みつける。
 ちょうどそのとき、ダンテとファントムの死闘はダンテの勝利で終わろうとしていた。

「ガハハハ……楽しかったぜ、坊や」
「あの世でオヤジと遊んでな」

 薄れゆくファントムに最後の言葉を投げつけて、ダンテは意識をグリフォンへと移す。そこで目にしたのは驚くべき光景。

「肉片も残さん!!」
「ディバイン・バスター・Ceruberus!!!」

 ファントムが死んだ今、巻き込む心配は要らないとばかりに全力で急降下体当たりをぶちかまそうとしているグリフォンと、なのはの今まで見せた最大魔法が激突している。

「あああああああっ!!」
「ヌオオオオオオッ!!」

 全身に雷光を纏ったグリフォンと、それを打ち抜こうとする極大の魔法。だが、両者の拮抗は一瞬で、グリフォンが次第に押し始める。このままではなのはが潰される。

「オオオオオッ!!」

 そう思った瞬間、ダンテはなのはの側へ駆け寄り、イフリートの力を溜めだした。

「ダンテさん!?」
「一人が無理なら二人でな。そら、もうちょい頑張れ!」
「! はいっ!!」

 凝縮されていくファントムの火炎弾を超える地獄のマグマ。インフェルノと並ぶイフリート最強技の一つ、メテオ。
ロクに溜めない一撃ですら並の悪魔なら一発で消し飛ばすほどの破壊力を備えたそれを限界まで溜めるのだ。その威力、触れるすべてのものを灰燼と帰す。

「Shit……これ以上は……」

 折れた左手がここにきて最大の障害となっている。片手でレイジングハートを操るものだから、安定性がカケラもないのだ。杖はブレ、駆る右手には凄まじい反動が返ってきている。

「終わりだ!!!」

 そして遂に、ディバインバスターを突破してグリフォンが二人を射程におさめる。直撃した右半身がほぼ吹っ飛んでいて、ケルベロスの力を上乗せした魔法を突っ切った代償に体のいたるところが凍り付いている。
だが、それでも、二人を押し潰そうとする執念でスピードを全く落とさずに突撃して来て。そしてグリフォンが到達するより早くダンテが終幕を下ろす。

「ヘイ、ローストチキンは好きか?」
「き、貴様ああああああ!!」
「遠慮すんな、俺からのプレゼントだ。Meteor!!!」

 放たれる地獄の業火。翼を失い、それでも二人を潰そうと突進してきたグリフォンにそれを避けることなど出来るはずはなく。

491 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 15:17:19 ID:ITNQEr+D
支援

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 15:21:40 ID:tHgE3yjm
おぉ!投下中なのを発見!支援〜

493 :代理の人:2008/03/15(土) 15:23:28 ID:hugU9NRb
10(終)


「グアアアアアアアアアアッ!!!!」

 メテオの直撃を受け、壁まで吹っ飛び、爆音を上げてメテオが爆ぜ割れ、飲み込まれる。

「Too easy! チョロいもんですね」
「I'm abusolutely crazy about it!! 楽しすぎて狂っちまいそうだぜ、なあ?」
「それはダンテさんだけ」

 重傷を負っていることなどおくびにも出さず、勝利した二人は不敵に笑い飛ばした。
 燃え盛る炎が消えた後には、消し炭となったグリフォンが残る。だが、それも長くは残らない。ファントム同様、溶けるように消えていった。

「はぁ……終わりましたね」
「まあな。腕は大丈夫か?」
「見事に折れました。ダンテさんもついでに治療しちゃうんで、この中に入ってください」

 レイジングハートの生み出す柔らかな光のドームが二人を包む。難敵を退けたダンテとなのはの間にもつかの間安らいだ空気が流れ―――

「!!」
「……こいつは」

 突如、今まで感じたことのない巨大な”何か”の気配を感じた。





「……つくづく使えぬ連中だ。役立たずどもめ」




494 :LMS代理:2008/03/15(土) 15:24:38 ID:tHgE3yjm
10(終)


「グアアアアアアアアアアッ!!!!」

 メテオの直撃を受け、壁まで吹っ飛び、爆音を上げてメテオが爆ぜ割れ、飲み込まれる。

「Too easy! チョロいもんですね」
「I'm abusolutely crazy about it!! 楽しすぎて狂っちまいそうだぜ、なあ?」
「それはダンテさんだけ」

 重傷を負っていることなどおくびにも出さず、勝利した二人は不敵に笑い飛ばした。
 燃え盛る炎が消えた後には、消し炭となったグリフォンが残る。だが、それも長くは残らない。ファントム同様、溶けるように消えていった。

「はぁ……終わりましたね」
「まあな。腕は大丈夫か?」
「見事に折れました。ダンテさんもついでに治療しちゃうんで、この中に入ってください」

 レイジングハートの生み出す柔らかな光のドームが二人を包む。難敵を退けたダンテとなのはの間にもつかの間安らいだ空気が流れ―――

「!!」
「……こいつは」

 突如、今まで感じたことのない巨大な”何か”の気配を感じた。





「……つくづく使えぬ連中だ。役立たずどもめ」


495 :494:2008/03/15(土) 15:26:38 ID:tHgE3yjm
被りました、ごめんなさい。
リロードしてなかった俺のミスです。

496 :代理の人:2008/03/15(土) 15:27:22 ID:hugU9NRb
Mission 10はここまでです。
ファントム&グリフォンを何とか退けた二人。遂に凄いのと対面です
このまま戦うのか、それともまだ何かあるのか。それは次回以降をお楽しみに

さて、やっちまった感ありありの俺魔法
突っ込み等何でもお願いします



497 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 15:30:13 ID:ITNQEr+D
GJ!!
一体次は誰なんだ!?まさかのバージル!?

498 :一尉:2008/03/15(土) 16:04:15 ID:f4yU7vxf
うむ支援よし。

499 :メビウス×なのは ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 19:36:44 ID:9KxF0OeK
GJっす。
戦いが終わったばかりなのに、また何かおっかないのがきましたな。
なのはは腕も折れちゃってるし、大丈夫なんだろか……(汗


さて、Lクロス2話完成いたしました。
20時の5分前位から投下開始いたします。
メモ帳が20kbいってますので、この時間帯からじゃなきゃ確実に規制食らいます故……

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 19:56:56 ID:cjHONJZW
支援

501 :メビウス×なのは ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 19:57:12 ID:9KxF0OeK
それでは時間が来ましたので、投下開始しますね

502 :メビウス×なのは ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 19:58:58 ID:9KxF0OeK
昨日、ミッドチルダの臨海地区にて火災が発生した。
近隣の陸上・航空全部隊に召集がかけられる、ミッドチルダ史上最大規模の空港火災。
事態の鎮圧は困難を極め、局員達も相当の苦闘を強いられていた。
しかし……突如として現れた一人の天才により、事態はひっくり返された。
その天才の名はL。
世界最高の頭脳と称されていた、異世界からの来訪者である。



〜L change the world after story〜

第二話「ミッドチルダ」



「ミッドチルダ……魔法……時空管理局……」

Lは今、ホテルの一室でノートパソコンを操作していた。
昨日の空港火災鎮圧後、Lはゲンヤの計らいで近くのホテルに宿泊していた。
本当ならばすぐにでも話をしたい所だったのだが、何分かなりの大事故である。
色々と事後処理にも時間がかかる為、一日だけ待って欲しいと言われたのだ。
勿論宿泊費はゲンヤが出しており、彼曰く「事件に協力してくれた礼」との事である。
Lにとってこの事態は、当然想定の範囲内であり、そしてその中では一番理想的な展開でもあった。
御蔭で、ゆっくりと情報を整理する事が出来る。
それに何より、ノートパソコンの貸し出しサービスを利用出来るのが大きかった。
異世界だからと思ってはいたが、自分の世界と同じサービスがあったのは行幸だった。
インターネットにさえ繋げられれば、幾らでも情報を得る事が可能である。

(デスノートや死神も、十分人知を超えた存在ではありましたが……
どうもこの世界は、それ以上の様ですね)

時空管理局、魔法、魔道士、デバイス。
ミッドチルダにおいては一般常識と言える知識も、Lからすれば何もかもが非常識であった。
異世界だからと覚悟はしていたが、それでもやはり驚かずにはいられない。
大きく溜息を付いた後、Lはクッキーを一枚口に運ぶ。
一通りの事は頭に叩き込んだが、それでも覚えるべき事はまだまだある。
ちなみに今、Lの目の前には御菓子が幾らか入った籠がある。
全て売店で購入したものであり、その費用もゲンヤが出してくれた。

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 19:59:11 ID:2wZc/d3B
支援

504 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:00:41 ID:9KxF0OeK
(一切の常識が通用しないというのも、中々厄介なものですね。
……こういう時、月君ならどうするでしょうか)


―――さようなら、L……確かにお前は、新世界の神キラの相手に相応しかった


Lの脳裏にふと浮かんだのは、彼にとって最大の強敵であった一人の天才。
デスノートを武器に、新世界の神になろうとした男……キラこと、夜神月。
彼は決して許す事の出来ない殺人鬼だが、それでもその実力は本物だった。
自らの命を犠牲にするという選択を取らなければ、彼には勝てなかった。
それでも、大切なパートナーであるワタリを失うという失敗を犯してしまった上での、ギリギリの勝利だった。
唯一人、Lが完全な勝利を収めることが出来なかった最強の存在。
一体彼ならば、この状況下で何を思い、どう動こうとするだろうか。
そんな風に、ふと考えてしまったのだが……

(……いない人の事を考えても、意味が無いですね)

Lはすぐに、頭を切り替えた。
今ここにいない人物の事を考えても、何の意味もない。
重要且つ大切なのは、今の自分に何が出来るかである。
そしてそれが何であるかは、Lには勿論分かっている。
時空管理局の者達が来るまでの間、出来る限りの知識を得る事。
それが、今の自分が為すべき事である。
Lは作業を再開すべく、キーボードに手を伸ばす……すると、その時だった。


コンコン

「はい、どうぞ。
ドアなら開いてますよ」

ドアをノックしてきた何者かに対し、パソコンの画面を見つめたまま返答する。
このタイミングで自分を訪ねて来る者は、凡そ見当が付く。
時空管理局の局員が、事情を聞きにやってきたのだろう。
そして恐らくその局員は、自分と面識があり話を進めやすい人物である可能性が高い。
適任なのははやてとリインフォース、ゲンヤの三人。
ならば、この三人の中で最も可能性がありえる人物は……

505 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:01:50 ID:9KxF0OeK
「おはようございます。
やはりあなたでしたか、はやてさん」
「あらら……分かってはったんですね」

Lはドアの方へと振り返り、部屋へと入ってきたはやてへと視線を向けた。
はやてが来る事を、Lは完全に確信できていた。
まず、立場上かなり忙しいであろうゲンヤが、自分の元へと来る可能性は低い。
ならばはやてとリインフォースの二人がということになるが、リインフォースが来るというのは、Lには考え難かった。
もしも自分が時空管理局の局員ならば、はじめてミッドチルダに来た人物の元に彼女を寄越したりはしない。
初めて死神を見た自分達の様に、驚くなり興奮するなりして冷静さを失い、話にならない可能性があるからだ。
そうなれば、もはやはやてである事は明らかであり……そして、彼女に同行者がいるという事も想像の範囲内だった。
二人程、彼女と同年代であろう女性局員がその傍らに居るが……彼女等の顔に、Lは見覚えがあった。

「おはようございます、Lさん。
えっと、こちらの二人は私の友達の……」
「時空管理局のエースオブエース、高町なのはさん。
そんななのはさんと互角の実力を持つ凄腕執務官、フェイト=T=ハラオウンさん……ですよね?」
「え……?」

はやての側に居た二人―――高町なのはとフェイト=T=ハラオウンが、驚き声を失った。
いきなり初対面の人間、それも昨日異世界から来たばかりの者に名前を言われれば、当然な反応である。
そして、はやてもまた同様の反応に至っている。
二人に比べれば、度合いこそ低いようではあるが。

「え、えっと……Lさん?」
「はい、何ですか?」
「どうして、私となのはの名前を……?」
「さっき時空管理局に関して検索をかけた時に、お二人の名前と写真を確認できました。
雑誌の取材とかも時々あるみたいですし、結構有名人なんですね」
「あ……」

ここで二人は、机の上に置かれているノートパソコンの存在に気付いた。
どうやら、あれを使って自分達の事を知ったらしい。
確かに彼の言う通り、自分達は管理局内じゃ有名人の部類に入る。
ネットで検索をかければ、簡単なプロフィールぐらいは入手可能である。
三人とも納得し、苦笑してしまう。
尤も、Lが二人の事を知っていたのはそれだけではないのだが。

「まあ、昨日の一件でもお二人の事は見ていましたよ。
空港内に取り残されていた、ゲンヤさんの娘さん二人を見事に救出してましたよね。
ゲンヤさん、お二人に感謝してましたよ」
「あ、そういえばあの時の二人って……」
「まあ……不思議な縁もあるものですね」

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:03:35 ID:2wZc/d3B
支援

507 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:03:56 ID:9KxF0OeK
Lは昨日の空港火災でも、なのはとフェイトの顔を見ていた。
空港内に取り残されていた、最後の要救助者―――スバル=ナカジマとギンガ=ナカジマを救出したのは、彼女達である。
ゲンヤはその時、自分の娘達が無事助かった事に対して大いに感謝していた。
それもあって、Lにはなのはとフェイトの事が印象深く残っていたのだ。
流石に、はやてが二人と友人関係にあるというのまでは分からなかったが。
不思議な縁もあるものだ……そう思いながら、Lはティーカップを三つ机の上に並べ、順に紅茶を注いでいく。

「さて……そろそろ、本題に入りましょうか」
「そうですね……それじゃあ、まずは簡単な自己紹介からしてもらえますか?
昨日はバタバタしてて、ロクに出来ませんでしたし……」
「ええ、分かりました」

まずは自分の事について話して欲しい。
Lはこれに対し、とりあえず話しても大丈夫そうなだけの事を話す事にした。
幾ら異世界といえど、そうそう自分の正体を明かすことは出来ない。
万が一、それこそキラの様な力を持つ者がいたとしたら、取り返しの付かない事になるからだ。

「私はLと言います。
ゲンヤさんにはお話しましたが、探偵をやっていました」
「探偵ですか……えっと、Lさんの名前って……」
「ええ、Lは私の通称です。
本名というわけではありません……申し訳ないですが、本名は明かせません。
キラの様な存在がいたら、厄介ですからね」
「……キラ?」

Lが零した『キラ』という聞きなれない単語に対し、三人とも疑問の色を顔に浮かべた。
その反応を見て、Lはやはりと感じる。
インターネットで検索をかけても引っかからなかったし、何よりLの名を知らない時点で確信は出来ていた。
だが、念には念を入れてあえて口にしてみたのだ。
結果は見ての通り……三人とも、キラの存在を知らない。

「……やはり、キラはこの世界にはいないようですね。
私の世界だけの存在であり、そしてこの世界にそれを知る者もいない。
ちょっとだけ安心しました」
「えっと、Lさん。
そのキラって言うのは……?」
「私の世界にいた、最強最悪の殺人犯の名前です」

その後、Lはキラに関する話をし始めた。
キラとは、世界中の凶悪な犯罪者を片っ端から殺害していき、世界から犯罪を無くそうと目論んだ神気取りの殺人鬼。
そして、自らの邪魔をする者もまた悪であると断定し、殺害していった悪魔である。
キラの武器は、名前を書き込んだ者の命を奪う死神のノート『デスノート』。
ただ命を奪うだけではなく、死の前の行動を操れ、死因も可能な範囲ならば自由に出来るという、最強最悪の殺人兵器である。

508 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 20:05:05 ID:ITNQEr+D
支援

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:05:56 ID:4uCMfzkG
キラ

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:06:45 ID:2wZc/d3B
支援

511 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:06:56 ID:9KxF0OeK
「……そんな……とんでもないものが、Lさんの世界にあったんですか……!?」
「……ええ。
信じられないかもしれませんが、事実です」

はやて達は、信じられないという風な表情のまま、言葉を失っていた。
Lが嘘を言っている様子は一切ないし、嘘をついても意味が無い状況なのは分かっている。
キラとデスノートの話は、紛れも無い事実なのだろうが……ならばデスノートは、どんな魔法やデバイスよりも危険な武器である。
名前を書き込めば、誰だって殺害できる……もしも管理世界内に存在していたとしたら、最大級のロストロギア扱いに違いない。
いや……これはロストロギアなんてレベルにとどまらない、もっと恐ろしい何かである。

「しかしキラは、誰でも殺害できるというわけではありません。
デスノートで人を殺すのに必要なのは、その者の顔と本名。
顔を見たことの無い人物の名前を書き込んでも効果は発揮できませんし、名前が分からない場合も同様です」
「それで、名前を隠していたんですか……」
「ええ、御蔭で死神の目を持つ第二のキラ達にはかなり梃子摺らされました」
「死神の目って……もしかして、顔を見たら名前が分かる目とかですか?」
「正解です、なのはさん」

デスノートには、その持ち主である死神が憑いている。
その死神と取引すれば、相手の顔を見ただけで名前を知ることが出来る『死神の目』を手にする事が出来る。
取引の代価は、己の寿命の半分。
Lにとって、この死神の目というのはかなり厄介な相手であった。
死神の目を持つ第二・第三のキラが現れてしまったが為に、多くの犠牲を出してしまった。
自分自身も、殺されかけたのだ。

「……相手の顔を見ただけで名前が分かる魔法とか、そういうのはありませんよね?」
「私達が知っている限りではですが、そんな魔法は一切ありません」
「そうですか、それを聞いて安心しました。
私はキラだけに関わらず、大勢の犯罪者から命を狙われる立場にありますからね。
ですので、極力人前に顔は出さないようにしてますし、名前も一切隠しているんです。
万が一そこから調べがつけられましたら、かなり危険ですからね。
どうしてもというなら、L=竜崎なり、リンド=L=テイラーなり、適当にそちらで偽名をつけといて……
いえ、リンド=L=テイラーの方はやっぱりやめといてください」
「どしてですか?」
「死刑囚の名前ですから」

Lは世界中の警察組織を動かせるという、とてつもなく大きな地位にいた。
犯罪者達からすれば、彼の存在は最大の邪魔者なのだ。
それ故に、命を狙おうとする者も少なくない……Lはそんな者達への対処として、名を隠しているのである。
三人とも、その理由には納得をする。
そもそも本名を知らなければいけないという決まりも無いし、上にはこのままLという名前で報告したので構わない。

512 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:08:30 ID:9KxF0OeK
「じゃあ次に、Lさんがどんな状況から、ミッドチルダに来たかを教えて欲しいんですが……
ゲンヤさんから聞きましたけど、Lさんは自分が時空漂流者やって、分かってたんですか?」

はやては次に、Lがミッドチルダへと飛ばされた時の詳しい状況について聞こうとする。
ここで気になったのが、Lは自分が次元漂流者であると分かっていた点だった。
彼ほどの推理力の持ち主ならば、気付いてもおかしくはない。
それでも、実際はどうなのかが気にはなったので、尋ねてみたのだ。
Lはチロルチョコレートを一つ口の中へと放り込んだ後、その問いに答える。

「はい、95%の確立でそうであると思っていました。
最初に目が覚めたらいきなり見知らぬ場所にいた時には、色々な可能性を考えましたが。
しかし、貴方達時空管理局という名前を聞いて、もしやこれは時空を越えたのではないかと」
「それで……でも、それにしてもえらい順応が早いですね。
普通やったら、それなりに驚くもんやのに……」
「確かにそれが普通の反応でしょう、しかし。
貴方方の言う次元世界、それに近い存在を私は一つだけですが知っています。
ですから異世界というものを、すんなりと信じられたのでしょう」

全ての発端となった死神達が住まう、死神界。
その存在を知っていたからこそ、Lは異世界という概念をあっさりと信じられた。
逆に言えば、死神界の事を知っていなければここまで冷静にはいられなかっただろう。
怪我の功名とでも言うべきか。

「それで、私がミッドチルダに来る直前の話なんですが……
私は先程言ったキラ事件を解決した後、ある大きな事件の捜査をしていました。
キラ事件ほどではないにしろ、色々と大変ではありましたが……何とかそれも片付ける事が出来ました。
その後、少し疲れたので眠りについてたわけなんですが……」
「目が覚めれば、何故かミッドチルダにいたと……」
「はい、そういう事です」

Lは、自身がミッドチルダを訪れる直前の出来事についてを三人に話した。
ただし、この話には一つ大きな隠し事があった。
それは、キラ事件解決の代償として己の命を犠牲にした事。
自らデスノートに名前と死亡時刻を書き込み、そして死亡時刻となった時……気がつけばミッドチルダにいたという事。
これを話さなかったのは、余計な混乱を避けるため。
何より自分に対して、嫌な印象を持ってもらいたくなかったからである。

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:08:45 ID:JyF/k9d0
ジェイル・スカリエッティ
なのはクロススレを支援後、全裸で聖王のゆりかごから飛び降りてry

514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:09:45 ID:i+P/ga6X
人間って面白い支援

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:10:32 ID:2wZc/d3B
なんてエグい殺しかたw支援

516 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:10:44 ID:9KxF0OeK
「う〜ん……だとしたら、Lさんがミッドチルダに来た原因ってのが検討つかへんな」
「死神の仕業っていう可能性はありますか?」
「いえ、それはまずないでしょう。
死神達にそんな事をするメリットがありません」

Lにとっても全く検討がつかないのは、自分が何故ミッドチルダに来たのかであった。
死神達ならばとも考えはしたが、彼等にはそうするメリットが無い。
リュークが月にノートを拾わせた時の様に、退屈しのぎとして行ったという一番ありえるだろう可能性も、限りなくゼロに近い。
もしもそうだとしたら、自分の側に死神が憑いていないのは不自然である。
最大の特等席である自分の側に、何故いないのかという話になってしまう。
まあ、これに関しては今は考えていても仕方ない……チロルチョコをもう一つ口の中に放り込んだ後、Lは話題を変えた。

「……ネットで調べた情報と、ここまでの話を聞いてる限り。
私のいた世界は、はやてさん達の出身地である97管理外世界『地球』とは別物らしいです。
恐らくは、似て非なるパラレルワールドといったところでしょうが……見つけられますか?」
「勿論、かならず見つけてみせますよ。
こういったケースは、確かに今までに例はないですけど……Lさんの事、このまま放っておけませんもん」
「ありがとうございます」

はやては、必ずLのいた世界を見つけてみせると告げた。
Lはそれを聞いて、少しだけだが安心する。
死の一日前、自分はもう少しだけあの世界で生きてみたいと思えるようになれた。
あの世界に対する未練自体は、一切無いが……正直言えば、戻りたいという気持ちはある。

「そうなると、後の問題は私の衣食住ですね。
ゲンヤさんに迷惑はかけられませんから、最低でも明日の朝にはこのホテルをチェックアウトしないといけませんし。
一応形式的には、私は保護扱いなんでしょうが……どういう風になりますか?」
「管理局が用意した、それ用の施設に入ってもらいますね。
ああ、施設いっても単なるアパートの様なものですから安心してください。
特に厳しい縛りとかはありませんし、補助金とかも出ますから」
「成る程……」

Lははやての話を聞き、少しばかり考える。
自分がこういう待遇になるであろう事は、十分予想出来ていた。
別に待遇自体に関しては、文句という文句は無い。
しかし……ただ援助を受けて生活をする立場というのは、どうにも好ましくなかった。
何から何まで世話になるというわけにはいかないし、何よりそんな生活には面白みが無い。

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:11:48 ID:ShyCV94n
支援

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:11:54 ID:cjHONJZW
しえん

519 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:12:20 ID:9KxF0OeK
「しかし、ずっと保護を受けっぱなしというのも複雑な気分です。
自分でもそれなりに……そうですね、それこそ以前の様に探偵でもやれればいいのですが……」
「あの、その事なんですけど……Lさん、時空管理局に入るつもりってあります?」
「……それはつまり、私の昨日の活躍が評価されたということですか?」
「はい、皆Lさんの腕を褒めてましたよ。
Lさんなら、いきなり部隊を一つ任せても問題ないって発言した人もいるぐらいですし」

時空管理局からの勧誘。
やはり来たかと、Lは溜息をついた。
確かに今の状況下では、この申し出は渡りに船である。
管理局入りすれば、手に入る情報等は今の比ではなくなるだろうが……

「申し訳ありませんが、遠慮させていただきます」
「え……Lさん?」
「確かに、管理局からのスカウトというのは魅力的な申し出です、ですが。
一つの組織の一員になると、これまで私が行ってきた様にはいきません。
行動の制限がついて、自由に動く事は出来なくなります……それは私としては、あまり好ましくないんです。
それに、私はこの世界に来て間もありません。
時空管理局入りするにしても、せめて色々とミッドチルダについて知ってからにしたいです。
そうしないと、行動に支障をきたしかねませんから」

時空管理局に入る事で、行動が制限されてしまう。
ミッドチルダに関して学ぶ時間も勿論減るだろうし、マイペースに動く事は厳しくなる。
それがLにとっての、管理局入りの最大のデメリットであった。
三人とも、それを聞いて少しがっかりとする。
しかし……Lとて、管理局入りのメリットを見逃すのは惜しいと考えていた。

(管理局に入る事で得られるメリットも、確かに大きいものはある。
それを見逃すのは惜しい……ならば、今は保留するというのが一番か)

Lの判断。
それは、管理局入りは保留扱いにして欲しいというものであった。
元の世界に戻るまで、もしかしたら戻れない可能性もあるが、それまで一切管理局に頼らないというのは無理である。
ならばここは、自分が思い通りに動ける様な状況を作った後に管理局入りするのが最善である。
これまで同様、探偵として多くの事件を解決していく事で、実力の程を認めてもらう。
そうした上で管理局入りをする、もしくは管理局と協力体制を築けば、自分は自由に動く事が出来る。
時間はかかるだろうが、これが今の状況ではベストの案である。


520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:13:00 ID:zCWNWA5x
>Lにとっても全く検討がつかないのは
その「けんとう」は「見当」だ

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:13:46 ID:4uCMfzkG
支援

522 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:13:57 ID:9KxF0OeK
「まあそれでも、このまま蹴るというのも惜しい話ですし……保留という事で構いませんか?」
「あ……はい。
それでも、勿論全然大丈夫ですよ!!」
「それを聞いて安心しました。
まあそれまでは、探偵事務所でも開いて気軽にやってみたいと思います。
それじゃあ、お話は以上ですね?」
「はい、ありがとうございます。
施設へは明日の朝に改めて案内いたしますから、荷物の整理とかをそれまでにしといてもらえますか?」
「何でしたら、今日にでも構いませんよ?
いつにでもここを出れるよう、準備は既に出来ていますから」

Lは既に、いつでもホテルをチェックアウト出来る様にしていた。
その気になれば、今すぐにだって全く問題はない。
この準備の良さには、流石にはやて達も苦笑せざるをえなかった。
それからしばらくの間は、四人は軽い雑談を交わし合っていた。
そして、五分ほどした後……Lは頃合と見て、三人へとある話を切り出した。

「実は私から、一つ皆さんにお願いがあるのですが……構いませんか?」
「何ですか?」
「もしよければ私を、無限書庫という場所に案内してもらえませんか?」
「え……無限書庫にですか?」
「はい、色々とミッドチルダに関して知っておきたくて。
インターネットも確かに便利ですが、信憑性がいまいちな情報が多いのが欠点です、ですので。
ちゃんとした書物を見ておきたいと思ったんですが……今日すぐにとかは、無理ですか?」

Lはインターネットで検索をかけているうちに、無限書庫についての存在を知った。
ありとあらゆる書物が揃えられている書庫というのは、Lにとってかなり魅力的な存在だった。
是非とも利用したいと思い、そこで三人に話を切り出したのだ。
この程度の頼み事ならば、断られる事は無いだろうとLは予想していた。
今日すぐに、というのは流石に無理があるかもしれないとは思ったが……しかし、なのはが笑顔でこれに答えてきた。

「だったら、私が案内しますよ。
今日は私、本局に用事がありますし」
「そうですか。
なのはさん、ありがとうございます」

Lはなのはに対し礼をするが……この直後、ある事に気付く。
フェイトとはやての表情が、何かおかしい。
ニヤニヤして、なのはの事を見ている……彼女が何か、変な発言をしたのだろうか。
Lはすぐに考えるが……ここでふと、先程見たあるホームページの内容が頭に浮かぶ。

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:14:36 ID:tU/HqlLa
支援

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:15:17 ID:JyF/k9d0
>「はい、95%の確立でそうであると思っていました。
確立→確率
支援

525 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:15:34 ID:9KxF0OeK
「……そういえばなのはさん。
ユーノ=スクライア司書長さんと、かなり仲が良いって噂らしいですね」
「あ……はい。
ユーノ君とは幼馴染で、昔からのお友達なんです」
「あらら〜、なのはちゃん。
そこは、友達以上とちゃうの?」
「ふぇっ!?
ちょ、ちょっとはやてちゃん!!」
「ふふっ……なのは、顔真赤だよ?」
「もう、フェイトちゃんまで〜!!」
「……成る程、そういう事でしたか」

Lは三人のやり取りを見て、やはりかと思う。
どおりで先程、なのはが随分と笑顔だったわけだ。
Lはポリポリと頭をかきながら、紅茶をティーカップに注いでいく。
そしてそこへと、どこぞの天パー万屋と互角かそれ以上の量の角砂糖を放り込んでいくのだが……

「……」
「……どうかしましたか?」
「あ、いえ……たくさん砂糖入れるんだなって思って」
「糖分は、脳に一番重要な栄養源ですから」

そういって、Lはマシュマロを一つ口の中に放り込む。
三人とも、その光景に何故か既視感を覚えた。
知り合い―――フェイトにとっては身内―――に一人、彼と似た行動を取る人物がいる。
彼女―――リンディ=ハラオウンは、抹茶の中に大量の角砂糖をぶち込んで飲むのだが……

(……リンディさんも、Lさんと同じ理由なのかな……?)
(母さんの仕事もかなり頭を使うし、だからあんなに甘いものを……?)
(だとしたら、リンディさんも結構考えてやっとるんやろけど……)

絶対に違う。
彼女は単に甘いものが好きなだけだと、三人はLを眺めながらそう思った。

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:16:37 ID:2wZc/d3B
支援

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:16:45 ID:tU/HqlLa
ジャンプつながり支援

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:16:56 ID:4uCMfzkG
万事屋支援

529 :メビウス×なのは ◆ga/ayzh9y. :2008/03/15(土) 20:19:31 ID:9KxF0OeK
以上、投下終了です。
まずは……誤字多くて申し訳ありませんorz

とりあえず、いきなりですがLにはそれなりに情報を入手させました。
原作とか見てる限り、一日の徹夜なんてどうって事なさそうなので、丸一日ネットと向き合うという形にしました。
物覚えが良すぎるのも、まあLだからということで……(ぉ
次回は、ユーノ達と無限書庫での対面となります。
……なのは×ユーノの描写がそれなりにありますので、まあご容赦を。

530 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:21:44 ID:DeDlwBgi
更新お疲れ様でした。

ツバサ-RESERVoir CHRoNiCLE- 〜ミッドチルダ編〜 

531 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:22:23 ID:JyF/k9d0
GJです。
誤字は、この程度だったら少ない方だと思います。
次回が楽しみです。

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:24:20 ID:2wZc/d3B
GJ!!です。
Lがなのはやフェイトの名前や情報とかをネットで入手してたが、
インタビューや取材を受けるほど有名であることをどう思うのだろう?
L自身は姿も名前も隠してきた人だからどう思うのか気になります。
職種が違うから、どうも思わないかな?

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 20:53:19 ID:4O2HYBkJ
千里眼が来たらどうなる事やら。
とりあえず裏切り者は一網打尽だろうけど

534 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/15(土) 20:56:51 ID:gvOHWhvH
>LMS
一瞬でお互いの標的をスイッチ…! こいつら、共闘し慣れてやがる!
戦闘開始から、それぞれで決着がつくものを思い込んでたので、縦横無尽なタッグ戦には意表を突かれました。
っつーか、このなのははもう完全にダンテ色染まってますなw
ゲームの場合、グリフォン戦はダンテが飛べないから見上げる戦いでしたから、なのはとの空中戦は新鮮で想像するのが楽しかったですね。
ま、チームプレイなんてない悪魔サイドの負けということで。
戦場がコロシアムだったということは、やっぱり最後のお叱りの言葉はムンドゥス様かな?

>L change the world after story
元ネタを知らない作品には感想を出しにくいんですが、R-TYPE同様かなり興味をそそられました。
デスノートなら手を出しやすいし、これを機に読んでみようかな。
いずれにせよ、元ネタが頭脳戦メインの作品なので、リリなのクロスでも新鮮な感じがします。
元が熱血アニメだから戦闘メインなのは当たり前だけど、だからこそこういう別の作風を組み合わせることでどういう世界を展開できるのか、期待が沸きますw

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 21:07:18 ID:WYWIm5jJ
GJ
いや、デスノとのクロスとか無理だろとか思っていた自分が恥ずかしい……。
つか異世界でもLがLらしすぎてw

>>534
トライガンに染まりすぎw

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 21:28:50 ID:j+WdTXm9
GJ!
Lに食わせる菓子?
原作だと結構たべてましたね


ところで、着地を一切せずにボスをしばくプレイ動画を見るかぎり
最近の悪魔狩人は飛べるらしいですよ?
カプコンはムービーパートとゲームパートの性能が違いすぎるのが多いこと多いこと
一番のムービー詐欺賞は多分ロックマンゼロ

537 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:16:49 ID:hugU9NRb
さて――闇の王女 第三章中編、投下していいですかー?

538 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:21:37 ID:hOonajF2
支援

539 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:24:19 ID:hugU9NRb
では行きます。幕間ぽい内容ですが気にしないでくださいー。

魔法少女リリカルなのは 闇の王女 第三章中編

 轟轟、轟轟と。
大地が揺さぶられていた。地震だろうか。
否。
それは―――大地が何かを生み出さんとするときの振動だ。ぴしり、ぴしりと地面にひびが入っていき――。
大地が割れ、焔を吐き散らしながら『それ』が浮かび上がる。
巨大な外壁。人工物の証。森が崩れ、木々が薙ぎ倒されていき、鳥が、獣が一斉に逃げ出し、巨木が音を立てて引きちぎられ、獣達を押しつぶしていく。
大地の割れ目から噴出した焔によって森が、獣が焼き払われていった。
断末魔の悲鳴。獣の焼ける臭い。

まるで、地獄。

それを――無感動な瞳で見つめる影があった。
ばさり、ばさりと翼を羽ばたかせて、白銀の飛竜が飛ぶ。飛竜の名は、フリードリヒ。
その背中には十歳ほどの少女が乗っており、巻き上がる突風に桃色の髪が揺れた。
顔には、無機質な仮面がかぶさり、その表情は見えない。
ただ――幼い声だけが、響いた。
術式詠唱――長い、長い竜制御の為の呪文。長命、かつ強大な力を持つ竜を従えるために紡がれるそれは、唄のようにも聞こえた。
大地に刻まれる召喚陣が、光り輝き、一種幻想的な光景を造りだす。
少女の詠唱が終わりに差し掛かり――最後に、仮面の少女は己の僕の名を叫んだ。

「ヴォルテールッ!!」

ぎぎぎ、と空間それ自体が大質量物体の転移に歪み――弾けた。
ずしん、という衝撃音。たださえ脆くなっている地面が、あまりの衝撃に耐え切れず崩壊していく。
現れたのは、漆黒の巨体。
アルザスの民、ル・ルシエに『大地の守護者』と称される、稀少古代種。
それが咆哮し――大地を踏み割りながら、飛び立たんとする方舟を、持ち上げた。
がっしりとした体躯が、方舟の放つ焔をものともせずに、天空へ向けて方舟――『聖王の揺り篭』を打ち上げる。
ぱらぱらと大地の残骸を振り落としながら、聖王の揺り篭が飛翔を開始。
目指すは、衛星軌道上、月の魔力を受け取ることのできるエリア。その場所にこの方舟がついたとき――。
竜を召喚し、役目を終えた少女が揺り篭へと飛び去っていった。
召還呪文。ヴォルテールの巨体が掻き消えていく。
最後に――念話で、少女は最も信頼する少年に呼びかけた。
『終わったよ、エリオ君』
返答は、短いものだった。
『わかった。キャロ――お疲れ様』
少女――キャロ・ル・ルシエは笑った。
これで――世界は変わる。ドクターの望む方向へ。
キャロが、嗤った。仮面の奥に張り付くような笑みだった。

540 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:25:41 ID:hugU9NRb
 研究所――いや、上昇する聖王の揺り篭の中枢で、男――ジェイル・スカリエッティは満足そうな笑みを浮かべていた。
目線の先には、キャロの竜召喚の様子が映っている。
眼をきらきらと輝かせ、

「あれが竜召喚か――素晴らしいね、ウーノ。あんなちっぽけな女の子に、これだけの力を付加できるんだから。人間の可能性というものの広大さに目眩すらするよ。
もっと、もっと見たいな―――可能性、って奴をね」

キーボードを叩いていく。次々と映し出される『製造工程』。無数の少年、少女。
産まれたままの姿での、『生体強化』。機械的な作業工程。苦痛に呻くことすらなく人体改造を受け入れるさまは、不気味なものすらあった。
スカリエッティがそれを見て、愉快そうに顔をほころばせた。

「いやあ、こうして『成果』を見ていると、自分の研究も捨てたもんじゃないって思えるよ。あとどのくらいで戦力になりそうだい、ウーノ」
「はい、あと5時間ほどで全工程が終了します。装備の装着と『刷り込み』も含めて7時間ほどかと」

ウーノの報告にうんうん、と頷いてスカリエッティが、水を口に運んだ。
ごくり。
美味そうに飲む。

「さて――クアットロ。エリオの調子はどうだい?彼が強化人間達の統率個体だからね。コンディションチェックはきちんと行わないと」
空中展開式モニターに、軽薄そうな女の姿が映った。にやにやとした笑み。
『は〜い、ドクター。彼は絶好調よ〜。何せ拳銃弾を十発以上弾いてみせましたから〜』

きらり、とスカリエッティの眼が光った。

「それは素晴らしい。まさかここまで輝いてくれるとは――Fの遺産も捨てたものじゃないね。フェイト・テスタロッサもいい検体を提供してくれたものだ。
本当に――感謝しないとね―――」

キーボードを叩き終え、

「それじゃあ、クアットロ。引き続き『聖王』様に仕えてくれよ」
『ドクターのお頼みとあれば〜』

通信が切れた。
少しだけ、微笑む。自身の手でレリックを埋め込み、聖王として覚醒した娘――ヴィヴィオを思い出して。
本当に――美しい娘になったものだ。あれが聖王――これからの世界を動かしていく統率者だ。

(まったく、世界は本当に愉快だね。楽しいのにも程がある)
あとは―――。
グラスの水を飲み干し、スカリエッティは笑った。少年の様な笑みだ。

「君が私を殺しに来るだけだよ、高町なのは―――」

黒衣の女の、殺意に塗れた視線を思い出し、喜悦にスカリエッティは震えた。
嗚呼――まったく―――。世界は、本当に『私』を退屈させてくれないな――。

541 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:28:44 ID:hugU9NRb
 クロノ・ハラオウンは涙を振り払い、立ち上がり、赤く腫れ上がった目蓋を手でこすった。
ようやく落ち着いた。もう――迷わない。
守りたい、理想があった。追いかけたい、父の背中があった。
でも、それはもうかなわない夢であり、理想だった。
かつてプレシアやグレアムに語った理想は、他ならぬ時空管理局の手によって汚され、戻れないところまで来てしまった。
幾度となく3提督配下の武装局員とともに、管理局の敵――いや、3提督の敵を討ってきた。
その手には理想の体現、デュランダルの姿はなく、代わりに手にしたのは無骨なストレージデバイス。
S2U。己の相棒、汚泥をともに舐めたような関係の、杖だった。
荒涼たる心の原風景に、救いはいらない。欲しいのは、大切な人の為に戦える力。
なのは―――僕は―――。

(君の為に戦おう)

この身は外道に堕ちた。だが、心はいまだ健在だ。ならば――何を迷おうか。
S2Uを握り締め、力強く言った。

「――フェイト、はやて。ここであったことは他言無用だ。提督の僕でも君達の安全が保障できない――だから、黙っていてくれ」

はやてもまた、涙をハンカチで拭いて、
「なんや、それ―――。クロノ君、私らもなのはちゃんのこと、守ってあげたいんやで?独りで戦い続けるだなんて――悲しすぎる――」
「そうだよ!お兄ちゃん。私たちも―――」

守りたい、という何処までも純粋な意思。それを――拒否する男が一人。

「いや、クロノの言うとおりだ」
ユーノが二人の言葉を遮った。眼鏡の奥に光る冷徹なまでの計算。

「僕達にできることは――それぞれの持ち場で戦うことだけだ。それ以外に――何ができるって言うんだ?」
ぴたりと、二人の動きが止まった。
強烈な違和感に、フェイトは目眩がした。
目の前の青年の言動は、あまりにも以前と違いすぎた。今の彼の眼は、どこか冷めた眼で周りを観察する男の眼なのだ。
あの、誰にでも優しかったユーノ・スクライアとは、かけ離れている。
長年親しくしてきた者として、フェイトは今のユーノの姿に危うさを覚えた。

目的の為に、それ以外の全てを切り捨てられる人間の眼。まるで―――。

フェイトの母、プレシア・テスタロッサのような―――。


542 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:30:39 ID:hugU9NRb
ぞくり、と寒気を覚えた。
目的の為だけに邁進し続け――周りをかえりみない者に待っているのは、破滅だけだ。フェイトはそれを実体験――虚数空間に飲み込まれる母の姿――として知っていた。
だが。
母と今のユーノには、決定的な違いがあった。
それは――守るべきものの有無だ。プレシアにとって、守るべきものは――既に失われていた。その為のプロジェクトFであり、その中で母は狂気に囚われていった。
しかしまだ、ユーノの守るべきもの――高町なのはは如何なる形であれ、生きている。
どれだけ心が虚ろに壊れていようと――それは守るべきものなのだろう。だから、自分たちはなのはを救おうと言ったのではないか。
それを―――。
何故。
何故、止めるのだろうか。
ユーノが表情一つ変えずに言った。
「僕らが今出て行ったところで――彼女にとっての負担になるだけだ。なら――僕らにできることは、自分の職務を全うすることだけだよ」
視線と同様に、ユーノの思考は冷め切っていた。
もはや――はやてたちの言うような事が通用しない段階まで、事態は進行している。
復讐の鬼と化したなのはに復讐を止めさせることは叶わない。3提督を止めることも、できはしない。
大きなうねりを変えることなど、所詮個人では無理があるのだ。
だからこそ―――管理局という組織を動かしていくのが、最善なのだと、ユーノは二人に語った。
フェイトが溜息をついた。

「ユーノ。言いたいことはわかったよ。でも――それでなのはは救われるの?」
「救ってみせる、さ」

ユーノの、今日で一番力強い笑みだった。
その笑みに、安心したのか、はやてがふー、と息をはいた。

「もう、ユーノ君吃驚させんといてやー。一瞬別の人かと思ったで」
「ははは、ごめん」
くったくなく笑うユーノの横顔を、クロノはじっと見つめた。
「なんだい?」
「いや……」
無言。
そのとき、通信機の着信音が鳴り響いた。
はやてが急いで空中展開式モニターを展開する。映し出されたのは、焦った様子のオペレーターの少年だ。
おそらく本局の通信官なのだろう。
声がうわずっている。

543 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 22:31:26 ID:uiDLR5db
支援!
やばす、本来のフェイトが発狂してしまうw

544 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:33:46 ID:hugU9NRb
「どうしたんや?!」
「や、八神二佐!至急本部までお戻りください!ミッド上空に巨大な船舶が!!」
要領を得ない少年の説明に、はやてが若干顔をしかめた。

「落ち着きぃ!状況はどないなっとるの?」
「は、はい!不明船舶は衛星軌道上に向け上昇を続けており――『海』の艦隊が迎撃に出ています」
「わかった。テスタロッサ・ハラオウン執務官とともにすぐに戻る!!」
通信を切る。
はやてが顔をクロノの方に向け、

「不明船舶――それが、『聖王の揺り篭』なん?クロノ君」
クロノが仏頂面で答えた。

「そうだ。古代ベルカのロストロギア――全長数Kmのアルハザード技術の塊。完全に起動したらXV級でも相手仕切れない怪物だ。
起動には聖王の血筋が必要な筈だが――奴らはそれも手に入れたらしいな」

フェイトが悲痛そうな顔で呟いた。
「アルハザード……実在したなんて………」
「だが、事実だ。起動した以上、一刻の猶予も残されていない。行け、二人ともッ!」
声を張り上げた。
「わかった――それじゃまた後で、クロノ君、ユーノ君!」
二人分の転移術式が詠唱されていく。
フェイトが沈痛な表情をただして、クロノに行った。
「お兄ちゃん………もう、無茶はしないでね……」
クロノが優しげに微笑む。
「ああ、わかってるさ……」
術式発動。若き魔導師らの姿が、瞬く間に掻き消えていく。


 蝉の鳴き声。
「まともに会うのは――これが最後かもしれないな………」
クロノの呟きに、ユーノが答えた。
「どうかな……?案外近いうちに会うかも、ね」
すう、とユーノが歩き始めた。幽鬼のような、歩みだ。

「クロノ―――僕は、嘘をついた。フェイトたちにはああ言ったけれど――僕は戦うつもりだ。幾千の敵が来ようと、僕はなのはの為の盾になる」

クロノが、少し眼を細めて言った。

「それは――僕も同じだ。僕は、彼女の為の剣となろう。その言葉―――忘れるなよ、ユーノ」

「忘れるもんか。そっちこそ、忘れるなよ、クロノ」
くすり、と二人は互いに微笑んだ。
男の誓いだった。
心地よい風が、吹き抜けていき、二人の髪が揺れた。

「それじゃあ、行くか」
「ああ」
転移魔法。展開される幾重もの円陣。閃光。
男二人の姿はふ、と消え―――それぞれの戦場へと旅立っていった。



545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:34:03 ID:i+P/ga6X
スカさんってほんとこういうところ純真だな支援

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:37:28 ID:i+P/ga6X
なのは私を早く殺しにいらっしゃーい支援

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:37:30 ID:hOonajF2
仮面キャロ支援

548 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:38:18 ID:hugU9NRb
以上で投下終了!キャロファンの皆、マジでごめんなさい!!
キャロ編入までの経緯は「ハードボイルドなある日」にさらっと書きましたので是非(宣伝)

また野郎どもが目立ってますね、うん。ホントはギャルの比率をもっと増やす予定でしたが――こうなりました。

感想等待っています。
最後に、ご支援ありがとうございました。

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:38:23 ID:uiDLR5db
本当にティアナはどうした 支援

550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:41:12 ID:yblHVHTp
GJ!
うん、俺分かってる! ティアはフェイトそんの補佐役としてちゃんと出てくるよね? よね!?

551 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 22:43:47 ID:uiDLR5db
GJでした!
どこまでもダークに陥っていく闇の王女に、ワクワクしまくりですw
変わり果てたキャロとエリオに対面するフェイトの反応が楽しみです(ドS)

しかし、本当にティアナとアギトは出てくるのか心配w

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:44:04 ID:i+P/ga6X
GJいや スバルともコンビになっておらず仕官 空隊も駄目だったから
フェイト達の目にも留まらずどっかの部署で日々精進と言う残念な可能性が高い 

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:46:29 ID:Y1iRil/Z
>>552
GJ!
ああ…フェイトそんへの包囲網が着実に狭まっていく…
ティアナは只今災害担当部で放水係でもしているのでしょう。

554 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/15(土) 22:47:00 ID:ITNQEr+D
くそ!支援し損ねた。
だがGJ!!です。
ティアナはどこに?
そしてフェイトは報われそうにないな…。エリオを提供されたとなると…。

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:48:13 ID:m9z/mGQw
支援

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:48:46 ID:hOonajF2
GJ!でした。
フェイトとエリオの再会が待ち遠しいです。
管理局の実態を知った時フェイトがどうなるのか・・・。

黒なのはは性格は黒いけど真っ直ぐなきがします。
そこが魅力的です。

では、次回を待ってます。頑張ってください。

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:50:07 ID:hOonajF2
今気づいたけど、ティアナが消えてるw
でもこの展開だとそうなるのが自然かもしれない。

558 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/03/15(土) 22:50:59 ID:cJ3cbr7B
リリカルなのはクロスよ! 私は帰ってきた〜!!
キャバクラの続きを投下したいが、予約とかありますかしら?
リハビリも兼ねており、少量で薄味(良い事無し)なお話ですが。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:51:12 ID:2wZc/d3B
GJ!!です。
エリオとフェイトのスピード勝負が楽しみです。
このエリオ君だと自爆ぐらいは普通にしてくれそうで怖いw

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:52:06 ID:hOonajF2
>>558
あなたを待ってました!

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:54:10 ID:uiDLR5db
全力で支援さw
いつでも俺たちはあなたを待っていた!

562 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:54:57 ID:hugU9NRb
みんな、もう止すんだ、作者のHPは0よ!!

ティアは出すにしても・・・ねえ・・・ハハハ

ティアナ「いいもん・・・スタイリッシュ氏のじゃ主人公だからいいもん・・」
音速丸「うおー!美少女がいじけてるぞ、サスケーッ!!」
サスケ「わーい、素晴らしいですよ、音速丸さん!」

それはともかくマジでどうしよう・・・VSスバルも燃えるよね?!

563 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 22:55:46 ID:hugU9NRb
おっとお、支援しちゃうぜー?!

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:57:15 ID:2wZc/d3B
兄が死んだ後に、管理局に拾われて(三提督側)幻術を使い暗殺を・・・。
支援です。

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:57:25 ID:m9z/mGQw
投下支援します!!

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 22:59:43 ID:Y1iRil/Z
黒なのはの襲撃に巻き込まれて死(ry支援

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:00:16 ID:sllA3qzP
GJ!
ティアナは今頃悪魔狩人になってるなw


そして、オカルトデュエリスト支援

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:00:35 ID:i+P/ga6X
これで自分が待ってた作品揃い踏みだ おっしゃー。
実は少し心配してたんですけどね

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:01:26 ID:2wZc/d3B
ガンカタを習得してるかもw
支援

570 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/03/15(土) 23:03:53 ID:cJ3cbr7B
OK、それでは投下しますです。

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:04:30 ID:sllA3qzP
闇のゲーム支援

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:04:39 ID:m9z/mGQw
支援!!
キャバクラ氏の作品を読んで遊戯王読み直してしまったw
バクラのディアハウンドを見てペルソナかと思ってしまったw

573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:05:37 ID:Y1iRil/Z
管理局を裏から乗っ取るんだ!支援

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:05:53 ID:hOonajF2
支援

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:06:21 ID:i+P/ga6X
ディアバウンドとディアバウンドカーネルは同じ個体なのか?
進化前の姿に酷似しているが

576 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/03/15(土) 23:06:41 ID:cJ3cbr7B
フェイト・T・ハラオウンは本局で与えられた仕事部屋にて悩んでいた。
別に執務官の仕事として処理しなければならない書類の山は何時もの事。
『大変だ』と思うことは有れど、悩まなければならないような事柄ではない。
問題があるとすれば書類の山を書き分け、中央にワザワザ置かれた冊子。そしてソレに付随する内容だろう。

『遺失物管理部機動六課、成立の経緯と準備内容』

紅いマジックでデカデカと『超重要や〜』と書かれており、何故かタヌキにデフォルメされた十年来の友のイラストが添えられていた。
そう言えば前に会った時、「あんまりタヌキって言われるから、いっその事マスコットキャラでもつくろか?」と言っていたが、冗談ではなかったらしい。
夢だった自分の部隊を持つと言う事を叶えつつ、一体なにをしているのだろうか? 八神はやては。

「誰にしようかな……フォワード」

フェイトに与えられた役職はフォワードの分隊、ライトニング分隊の隊長 ライトニング1。細かい仕事は捜査や法律関係など。
そのライトニング分隊の予定人数まで二人の空きがあり、その二人を選ぶ権利を我らがタヌキ隊長からフェイトは与えられていた。

「エリオ、元気かな?」

一人は決まっている彼女が保護した子供のうちでもっとも勇敢で、もっとも魔法の才能に恵まれて……もっともフェイトに近い存在。
色々とフェイトとしては悩む所があったのだが、本人は至ってやる気なのだから仕方がない。
あの輝きを妨げるのは余りにも気は退ける。空きの一つ、ライトニング3は彼に決定だろう。問題はあと一人……




577 :情に目覚めし黒き龍:2008/03/15(土) 23:06:58 ID:0JNSsJ3b
まってました!支援!

578 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/03/15(土) 23:07:45 ID:cJ3cbr7B
「どうしてるかな……キャロ」

次にフェイトの脳裏を過ぎったのは決して忘れる事がないだろう少女の名前。
彼女が否定する闇の中で掴んだ幸せを、彼女によって壊されて、差し出された彼女の手を振り払った。
悪辣な恩人への恩義と愛情を貫く為に、フェイトを撃退した少女。
その存在は彼女にとって全く未知の存在となった。守るべき存在だと思っていた。しかし道を違えば打ち倒すべき敵になるのだろうか?
疑問を多々に残し、フェイトの心の一角をいつも占めている。

「もう一度会いたいな」

検査入院していた病院で最初に呟いたその言葉は何度呟かれたかも分からない。
キチンと話をして、可能ならばお互いをもっと理解したかった。しかし捜査網を使って探すわけにも行かない。
叶わぬ願いにため息を零す様子は『離れ離れになった恋人の心配をしている』ようにすら見える。

「さて! 仕事仕事」

だがフェイトは管理局の執務官である。何時までも恋人の心配をしている訳にも行かない。
手に取るのはタヌキの描かれた冊子ではなく、山積みにされた執務官関係。
機動六課の成立は勿論大事だが、ソレに向けて雑務を終えておく必要があった。数分間、書類を処理して……

「そう言えばここの資料を無限書庫にお願いしてたんだ」

一つの書類で作業の手が止まる。そこには『別途資料利用』の文字。自分で書いておいたのだが、六課のゴタゴタですっかり忘れていたらしい。
フェイトはデスクから立ち上がり、部屋を後にした。向かう先はこれまた十年の共にして、フェレットの巣穴へ。





579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:08:35 ID:Y1iRil/Z
しかしその夢は世界を知らない15歳の時なりの夢支援

580 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/03/15(土) 23:08:40 ID:cJ3cbr7B
「ユーノ、久し振り」

無限書庫は『容量』という感覚を著しく欠乏し、無限の暗闇と無数の情報によって出来ている。
闇の中でフワフワと浮きながら、無数の本を従える見知った後姿に、フェイトは自身も闇の中へと身を投げ出して言う。

「あぁ、フェイト。いつ来るかと思って待ってたよ」

「ゴメン、すっかり依頼していたのを忘れてたの」

答えるのは眼鏡をかけたフェイトと同年齢の好青年 ユーノ・スクライア。
遺跡発掘で有名なスクライア一族にして、管理局の頭脳 無限書庫の司書長である。
彼が手を一振りすれば、何処からとも無く飛んでくる紙の束。手渡されたソレを一通り確認して、フェイトは頷く。
合いも変わらずパーフェクトな仕事ぶりが確かに羅列されていたからだ。

「相変わらずの仕事ぶりだね。少しは休みを取った方が良い。考古学の方とか専念したらどうかな?」

「実は趣味の考古学の方もこの頃充実しててさ」

「え? そうなの」

てっきり本部から外にも出ていないような生活をしていると思っていたフェイトは、嬉しそうなユーノの様子を見てフェイトは首を傾げる。
いつの間にこの仕事の虫二号(一号はクロノ)はそんな暇を作ったのだろうか?

「イヤ、僕は本部から出ていないんだ」

「じゃあどうやって?」

「頼れる協力者を久し振りに捉まえられてね。現地での発掘は、その人達に任せてるんだ」

二人の会話を中断するように響いたのは通信を知らせるお約束の電子音。発生源はユーノの個人端末のようだ。

「噂をすればその協力者達から……やぁ、もう例の遺跡には着いたんだよね?
調子はどうだい、当たりっぽいかな?」

『当たりみたいです。ただ防御システムがまだ生きていて……』

ユーノの一方にのみ開かれる通信のウィンドウ。フェイトから勿論その相手の画像を確認する事は出来ない。
だがふと……どこかで聞いたことのある声だな?とフェイトは感じた。




581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:08:55 ID:hOonajF2
フェイトを利用して裏から管理局の中枢に入る。支援。

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:09:03 ID:Uth1O3Rf
支援

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:09:51 ID:m9z/mGQw
フェレットの巣穴ワロタw
支援

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:10:00 ID:Y1iRil/Z
ユーノを利用して管理局の裏のネタを掴むんだ!

585 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/03/15(土) 23:10:25 ID:cJ3cbr7B
そう、小さな女の子の声。優しげで朗らかな……一体誰だったろう?

「じゃあ無茶はしなくても良いよ。調査隊を送るから一緒に……」

『おいおい、つまらない事言うなよ』

「っ!?」

だが不意に声が変わる。声の音質自体は変わっていないのだが、ソレが乗せる言葉の意味が変わる。
もし画像を声から想像するならば、ウィンドウに映されていた聖女が一瞬で悪魔に化けたような衝撃を伴う変化。
皮肉り、嘲笑い、踏み潰す。そんな事を疑問に思いもしないような……まさか!

『さっきは準備が無かったから退いたが、今度は全部ぶち殺して奥まで突っ走る。
 もし最深部まで辿り着いたら、報酬を上乗せで頼むぜ? 先生様よ〜』

そこまで静観していられたことが、フェイトの中では奇跡だった。
もう我慢ならない! お得意の高速移動でユーノの後ろに回りこみ、通信のウィンドウを覗き込む。
見えたのは……老獪な犯罪者の様な奇妙な笑みを浮かべる桃色の髪の少女。
首から下げられているのは金色の輪、肩に止まるは白亜の幼竜、背後に居並ぶ首のない板金鎧。

「あのっ!!」

間違えようがない。ハッと目が合い、相手もフェイトを認識しただろう。正に生き別れの恋人に向けるような想いの奔流。

『ブツン』

そんな分かり易い擬音と共にブラックアウトする通信ウィンドウ。
思いの行き先を失ったフェイトは状況が把握できていないユーノに……

「ユ〜ノ〜!! これは一体どう言う事!?」

「ちょっ! ソレはこっちの台詞だけど(ry」

『何故自分が数年来探していた相手と軽々しく連絡をとっているんだ!』
そんな思いを多大に込めて……八つ当たりをしてみた。プラズマザンバー的に。




586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:10:33 ID:i+P/ga6X
はちあわせか 支援

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:10:58 ID:hOonajF2
見え隠れする彼らの影。支援

588 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/03/15(土) 23:11:49 ID:cJ3cbr7B
一方同じ頃、とある管理世界の山間に覗く遺跡にて……

「なぁ、相棒」

『なんですか、バクラさん』

「ビルの下敷きにしてやった金髪の露出狂死神が見えたのはオレ様だけか?」

チューブトップにタイトナミニスカート、真紅のコートを羽織り、片手を覆う手袋型デバイスを光らせながら少女は問う。
否、少女の体を借りた邪神の欠片にして盗賊王バクラは、体の本来の持ち主である竜召喚師キャロ・ル・ルシエに問う。
墓荒らし(発掘)の長期契約相手と通信をしていた筈なのだが……『今見えたのは幻か?』

『私もしっかり見えました。フリードは?』

「キュクルゥ〜」

『見えたって』

辺りは人の気配がない山脈、眼前には石造りの洞穴、背後には居並ぶ異形。
ブラックアウトしたウィンドウを、苦虫を噛み潰したように見つめるセンスがアレな少女。
かなりシュールな構図だが本人たちにしてみれば大した問題ではない。

「えっと……お話を聞かせて! そしてお話を聞いて!!」

大きな問題 フェイト・T・ハラオウンが再び繋がった通信で必死に何かを騒いでいる。
その様子が余りにも必死で、思わず耳を傾けてしまった。そしていつの間にか会う約束なども。
このとき自由奔放な二人と一匹は珍しく同時にため息をつく。


『キャロとバクラが奇妙な縁で捕捉されたようです』



589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:12:28 ID:Y1iRil/Z
無限書庫にはいい脅しのタネが眠ってそうだぜ支援

590 :キャロとバクラの人 ◆2kYxpqWJ8k :2008/03/15(土) 23:13:05 ID:cJ3cbr7B
以上でした〜しかし短いし中身が無いw
どうでも良いけどウチのはやては腹黒くいきたい(本当にどうでも良い


591 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:13:20 ID:i+P/ga6X
オーノー さるさんか?支援

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:13:37 ID:hOonajF2
輝くものは星さえも。支援。

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:14:46 ID:Uth1O3Rf
GJ!ため息、なんてついて、キャロもフリードも月日を経、随分と染まったな♪

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:15:02 ID:4O2HYBkJ
尊き物は命すら支援

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:17:07 ID:2wZc/d3B
GJ!!です。
ついにッ!!管理局入りだぁいッ!!
ほかの新人にバクラ式を見せたらひくだろうなぁw
新人対なのはの時に猛威を振るってほしいですw

596 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/15(土) 23:18:16 ID:hugU9NRb
おお、GJ!!
これからが――楽しみです。
機動六課にははいるのか――?
キャロ、バクラはどうなるのか――?

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:18:30 ID:i+P/ga6X
GJあれからもう数年経ってたんだ。
フェイトが完全に押し売りセールスマン化してるw

598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:19:06 ID:1ee63Ahy
乙でした!
無重力空間でホームランはまずいっすよ執務官殿w

>>594
そりゃ王ドロボウだw

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:20:32 ID:Y1iRil/Z
GJ!
ついにキャバクラが次元世界の頂点に立つ第一歩を踏み出したな!
さっそくフェイトとユーノを使って管理局上層部の情報を握るんだ!

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:21:30 ID:hOonajF2
GJ!でした。
フェイトに構ってあげるキャロたち。
管理局と長期契約を結ぶことになるのか、個人的にはレジアスと会って欲しいんだけど。

前回から数年経ってるんですね。キャロがどれだけ変わってるか楽しみです。
精神、戦闘力、etc.。エリオは原作どおりなんですかね。

とりあえずキャロはフェイトの心を盗んだっぽい。

では次回を待ってます。

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:22:24 ID:sllA3qzP
GJ!
遺跡発掘人になってたのかw
盗掘と言った方がいいかもしれないけど

そういえば遊戯王はGXが終わって新作が始まるみたいだな
GXは終盤超展開だったけど、次回作も前情報の時点でなかなかにw

602 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:23:32 ID:hOonajF2
キャロは遺跡を守る古代魔法文明の遺産と戦ってきたのだと想像。

603 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:25:40 ID:i+P/ga6X
バクラって一度荒らした遺跡の罠とかも全て覚えているので
案内なんかも出来るんだろうなあ。

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:26:02 ID:m9z/mGQw
闇の王女に続きキャバクラまでも投下されるとはなんていい日なんだw
あとはスタイリッシュ氏とアセリア氏が投下することを祈って
次回を待ってますw

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:26:25 ID:UktYH+m3
>>601
GXも前情報ではぶっちぎってたから問題無いと思うぜwww

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:27:05 ID:Uth1O3Rf
>>601
OCGの方もルール変更なんですよね…ああ…生け贄…
物騒ながらも馴染み深く甘美なる響き…
名称変更とは…言い続けるけどね…

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:30:17 ID:sllA3qzP
>>602
ネオスペースと光の波動の戦争に巻き込まれ
ダークネスの侵攻とかと戦いながら専門学校に通ってたんだよ

>>605
さすがにGX3期のぶっとび具合は予想できなかったぞ?
普通にカード販促アニメだと思ってたのに
スクールデイズとタメをはるヤンデレアニメになったし(しかもハッピーエンド

そういや、光の波動はどうなったのだろう?
次回作にダークネスと一緒に持ち越しか?

608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:31:29 ID:m9z/mGQw
>>601
もともとGXには原作がないからみんな期待はして
なかったと思いますが確かに展開がちょっと・・・・・^^;

609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:33:53 ID:vRmBv+f4
ディアバウンドの能力の前ではセインがいらない子になるな
普通に追っかけて来られるし

610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:36:02 ID:UktYH+m3
>>609
・倒した敵の能力吸収
・透過
・壁抜け
・超攻撃力

どこのパコレプキンの印腕輪装備のシレンさんですか?

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:38:18 ID:i+P/ga6X
しかも闇迷彩は暗闇限定だがティアナの幻術より便利になる
螺旋波動は魔法やバインドも吹っ飛ばす 倒した相手の能力も得られる


612 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/15(土) 23:39:45 ID:uiDLR5db
すみませーん。
一時頃からアンリミテッド・エンドラインの三話を投下してもよろしいでしょうか。

チンク大活躍のお話なのですが、お呼びでないかな?

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:40:51 ID:hOonajF2
もちろん投下待ってますよ!
今日は良い日だな。

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:41:03 ID:sllA3qzP
>>610
シレンか
不思議のダンジョン踏破は管理局の連中にはつらいだろうな
一般的なやつは問題ないけど、持ち込みなし系は経験と勘が全てだw

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:41:21 ID:2wZc/d3B
見たいですが、お肌の健康のために寝てる時間だぜぃ。
早々と支援させていただきます。

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:42:35 ID:i+P/ga6X
分身が憑依して攻撃力を大幅に下げるドップラーディアバウンドと
デス スパイラルはディアバウンドカーネルが使っていたがこれも使えるかんのかな? 

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:42:56 ID:m9z/mGQw
投下支援します
>>610 >>611
なにそのチートw
キャロが最強ジャマイカw
NANOHAならぬKYAROかw

618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:44:16 ID:1ee63Ahy
支援

>>617
NANOHA-SAN「さんをつけろよデコ助野郎! なの」

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:46:15 ID:i+P/ga6X
更に合体魔法も使えるみたいなんだよな
サンダーフォースと螺旋波動融合させていたし
上の口 下のコブラから魔法 腹から螺旋波動 腕からデススパイラルの合体なんて反則だが

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:47:57 ID:i+P/ga6X
これ位にして私も支援 

621 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:48:28 ID:sllA3qzP
>>617
ラスボスだからチートでも仕方ない
というより、遊戯王作品のボスは大半がチート
主人公はその上を行くチートぶりだけどw

そして支援、、、と思ったけど
1時ということはまだ先か

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:51:22 ID:UktYH+m3
遊戯:マインドクラッシュ!
海馬:無手で拳銃持ちを粉砕。アタッシュケースで攻撃力2倍
城之内:プロのガードマン数人相手に楽勝


ほら、強いじゃん。

623 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/15(土) 23:52:45 ID:gvOHWhvH
>キャロとバクラ
そんな……
意外なところでフェイトと繋がって、これから盛り上がるってところで『続く』だなんて……っ
畜生……チクショーーーッ!!
次回も待ってます!
あと、バクラのフェイトの印象がもう完全に露出狂で固定されてるのに吹いたw

624 :Strikers May Cry:2008/03/15(土) 23:55:50 ID:khqcVaCv
相変わらず面白いなぁ〜、こりゃ完全に機動六課のフォワードメンバーに勧誘のフラグは確定っすね。
しかし、もしもエリオがキャロの胸を揉んだら大変な事になるな。

ともかくGJです、個人的には六課に入っても(推測)マイペースなキャロ&バクラに蝶期待ですぜ!

625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:55:53 ID:i+P/ga6X
まああの格好なら露出狂扱いも止む無しかw
あの精霊獣千年アイテムの力と負の感情を糧に絶え間ない成長を続ける

626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/15(土) 23:58:40 ID:i+P/ga6X
624私もそれ思いましたw 

627 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:00:29 ID:e/9YyE2j
ぬー、待っているのかどうかわからないですが。
ちょっと投下時間を早めたほうがいいのかな?

十二時二十分にでも投下します。
長めになっているので、ちょっと分割した内容を今日は投下したいと思います。
内容は一言でいうと、ゼスト強いよゼストです。


628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:10:09 ID:PQoc6xB9
管理局のSクラス魔導師は化け物かッ!!支援

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:10:37 ID:XKqVXrQ/
>>625 
真ソニックのことかw
TVで真ソニックの変身はアニメ版fateのアチャ
のバサカ戦のシャキーンに匹敵するヤバサだったw

630 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:13:21 ID:ONPK60jt
いいえ真の化け物は人間では到達し得ないsssクラスです

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:18:57 ID:pXAz0K8E
>>630
というより、SSSクラスになると人間という存在ではいられなくなるのでは?
そんぐらいの基準なんだよ、きっと
たとえば、術式展開と効果処理が終了するまでの客観時間が0という神業をやるワンちゃんとか


そして、投下支援

632 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:22:29 ID:e/9YyE2j
そろそろ投下いいかな?
支援よろしくお願いします。



 壊れるとはなんだろう。
 砕けるとはどういうものなのだろう。
 在るべき形とは、完全なものというのは、どこに存在するのだろうか。
 破砕と万全の境界線は未だに見つけられず。
 どのような形を持って、どのような願いを持って、どのような現象を持って、それを現すのか。
 誰にも、そうどのようなものにも分からない。
 それはさながら永遠に絵筆を振るい続ける芸術家の完成にも似て。
 終わりのない破壊は、世界に描かれ続ける。

                                 ――歪んだ木彫り人形に刻まれた文面より





633 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:23:21 ID:e/9YyE2j
 
 その日、彼女は冷たい金属の塊に触れていた。
 テーブルの上に並べられた無数の金属塊。それはくの字の形をしたモノであり、或いは鋭い刃を持ったナイフであり、
或いは小瓶に詰められた鉄粉であり、或いはキラキラと鈍い光を放つ糸であり、そして彼女が手に取ったのは
口紅のような形をした真鍮製の物体だった。

「……≪ランブルデトネイター≫」

 淡い光と共に、彼女が手に取った真鍮製の金属物が一瞬発光する。
 そして彼女はその金属物――すなわち弾薬に彼女は軽く口付けて、くの字をした鉄塊【ハイスタンダード・デリンジャー】と呼ばれる拳銃の銃身は真ん中から二つに折れて、剥き出しになった弾倉に彼女は弾薬を装填する。
 中折れ式の銃身はガチンと小気味のいい音を立てて、元の形状に組み合わされる。
 手首から肩へと身に付けた機械仕掛けのギミックに、銃身を嵌め込む。
 足に履いた頑強な軍用ブーツの裾に小指サイズの短刀を差し込み、太ももに身に付けたナイフホルダーにも
ナイフを差し込んだ。
 パチン、パチンと音を立てて、全身を縛るベルトを繋ぎ合わせる。
 まるで茨に戒められた聖女のように冷たい金属でその身を覆った彼女は、
最後にその体躯と不似合いな古ぼけた野戦コートを羽織った。
 白銀の髪がバサリと揺らめくコートに合わせて、風のない室内になびく。
 凶器にその身を覆い、黄眼の瞳を持った少女は警報の鳴り響く部屋から足を踏み出した。



【Anrimited・EndLine/SIDE 1−3】





634 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:24:14 ID:e/9YyE2j
 
 その日、襲撃があった。
 一言で言えば、それだけで終わる。たった一言で完結する事態。
 むろん物事には理由がある。
 結果に至るまでの過程があり、その過程を踏むまでに様々な理由と事態と動機があったのだろう。
 しかし、それは大した問題ではなく、重要なのは行われている行為とその結果。
 ミッドガルド廃棄都市の一角。
 数ある廃棄都市の住居郡、その一つの内部で戦闘が行われていた。




 暗い室内の中を、二人の女性が走っていた。
 片方は動きやすい形状のバリアジャケットを纏った青い髪の陸戦魔導師と思しき女性。
その両手には女性には似つかわしくない無骨な手甲型デバイスが装着されている。
 もう片方の女性は両手に宝玉を嵌めたグローブ形のデバイスを身に付け、傍の女性同様の動きやすく、
けれどもどこか司祭服を思わせるバリアジャケットを纏っていた。

「っ! 監査の届かない廃棄都市内とはいえ!」

「これだけの規模を確保するなんて……」

 彼女達は走りながら、長い通路上に広がる空間の広さに圧倒されていた。
 通路上に走る無数のパイプに、用途の分からない機器の類。
 単なる一犯罪者としては大仰過ぎる設備。

「ゼスト隊長の読みが当たっていたわね」

「やはり、この事件の背後には……誰かがいる!」

 二人の女性――クイント・ナカジマとメガーヌ・アルピーノが互いの顔を見合わせて、そう呟いた瞬間だった。

「はーい、ご考察はそれまでですわよ〜」

 二人の声ではない、第三者の声が響いた。

「っ!?」

「誰!?」


635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:24:29 ID:pXAz0K8E
支援

636 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:25:02 ID:e/9YyE2j
 
 クイントが拳を突き出し、メガーヌは両手を広げてミッド式魔法陣の構築を開始する。

「あらあら。いきなり人の敷地内に踏み込んできて、誰!? とは酷いですわね〜」

 陽気……否、ふざけているような口調と共に通路の奥から現われたのは二人の女だった。

「遊ぶな、クアットロ。陸戦AAの魔導師が二人……遊んでいる余裕はないぞ」

「はーい。トーレお姉さまってば、お固いんですからもう」

 クアットロと呼ばれた三つ編みにメガネを付けた女はその肩に纏った外套をなびかせながら肩を竦め、
トーレと呼ばれた女は軍服にも似た防弾ジャケットの格好で侵入者でもある二人を鋭い目つきで睨んだ。

「念のために確認しておくが、時空管理局の部隊だな?」

「お姉さま〜、この状況と制服を見れば一発でわかるじゃないですかー」

「お前は黙れ」

 ガゴンとクアットロの頭部を拳で打ちつけ、殴りつけられた彼女は頭を抑えて涙目で呻いた。

「暴力反対ですわ〜」

「一々ちゃちを入れるお前が悪い」

 構える彼女たちの目の前でまるでコントのように言葉を交わすクアットロとトーレ。

(――メガーヌ)

(わかってる)

 クイントとメガーヌは視線も合わせぬまま念話で意思疎通を図ると、静かに魔力を放出し身体能力を向上させると。

「まったくトーレ姉さまってば――」

「今!」

「はいっ!」

 クアットロが言葉を発した瞬間、クイントが前に飛び出し、相対するようにメガーヌが後方に跳んでいた。
 それは幾度とも彼女達の間で行われた連携。
 メガーヌが魔力弾で援護し、クイントが突っ込む。
 単純なれどその場の膠着を打ち砕き、戦闘の開始を告げるには十分すぎる連携。

「らぁああああああ!!」

 魔力駆動で加速するローラーブーツの速度に乗り、同時に地面を蹴り飛ばすことによる、爆発的な加速動作。
 それによってたった十数メートルの距離が瞬間的に縮められて、放たれた鋼鉄の拳が、余所見をする
二人に放たれて。

「え?」


 “空を切った”。



637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:27:09 ID:ONPK60jt
メガーヌさんお腹大丈夫なんですか?支援

638 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:27:25 ID:e/9YyE2j
 
「おばかですわね♪」

 捉えたと思った相手は拳を振り抜いた瞬間、目の前には居なく。
 その代わり、視界に飛び込んできたのは――巨大な鉄腕。
 そうそれは、突如床板を破砕し、飛び出した巨大な鉄塊に備え付けられた腕部。
 それは飛び込んだ加速度も相まって、砲弾のようにクイントの胴体に直撃し――

「かはっ!」

 その膨大な質量を持って天井へと吹き飛ばし、轟音と共にその肢体が叩きつけられた。

「クイント!」

「あらあら、まったく単純なトラップに引っかかりますわねー」

 そう告げるクアットロは“遠く”に居た。
 先ほどの距離よりもずっと遠く、三十メートルは離れた通路の奥で彼女とトーレは佇んでいる。
 その手に、如何なる魔法陣とも異なるテンプレートを顕現させながら。

「わざわざ敵の前でおばかなコントをすると思っていましたの?」

「っ!? 幻術魔法?!」

「ブブー。魔法なんて子洒落たものではないで・す・わ・よ?」

 メガーヌの発言に、クアットロがチッチッチと指を振るいながら笑う。

「戦闘機人――のインヒューレントスキル!」

 食い込んだ天井から飛び降り、追撃をかけてくる鉄塊の腕を避けながら、クイントが叫んだ。

「となれば、やはりここは戦闘機人のプラントね!」

 同時にメガーヌもまた魔力弾を放ちながら、身の回りに無数のミッド式魔法陣を構築していく。

「あらら? どうしましょう、トーレ姉さま。いきなり素性がばれてしまいましたわ」

「……無駄口を叩きすぎるのがお前の悪い癖だぞ」

「えー、ですわ。私から喋ることを取り除いたら、後はこの素敵な笑顔しか残りませんのに」

 プニッとクアットロが自分の頬を両手の指で突き刺して告げるが、トーレは無視するように組んでいた腕を左右に広げる。


639 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:28:10 ID:e/9YyE2j
 
「始めるぞ、準備しろクアットロ」

「はーい」

 見事な連携で襲い掛かっていた鉄塊を粉砕し、二人を睨むクイントとメガーヌを睨み返しながら、
トーレはその手に握ったエネルギー刃の刀身を構えた。

「別働隊が気に掛かる。さっさとケリを付けるぞ」

「ふふふ、私の能力は一人でも最強ですけど、二人だともっと最強ですわよ?」

「舐めるな!」

「お出でなさい、ガリュー!」

 拳と剣。
 呼び出される獣と惑わせる蜃気楼。
 こうして、戦闘は始まった。





 目の前に現われるのは無数の金属の塊。
 それは腕を生やし、或いは脚を生やし、或いは空を飛ぶ。
 機械兵器群。
 それを単独で断ち切り続ける男が居た。



640 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:29:36 ID:e/9YyE2j
 
「ラァアアア!」

 打ち出される光線。
 それを刹那の見切りで躱し、翻りながら硬質の床を踏み砕かんばかりの脚力で駆け抜け、
彼はその手に携えた槍を振り抜いた。
 その手に響くのは硬質の金属を砕いた感触。
 手首を返し、常人ではありえぬほどの速度で旋回しながら、感知するその鋼の兵器を砕く、粉砕し、破砕する。
 破砕する度に生じる爆風を強靭な肉体と衝撃防護に特化したバリアジャケットで突破し、燃え上がる爆炎の先の敵を
一瞬前の視界光景と長年の磨き上げた感覚で推測し、撃破する。
 単なる無人兵器に彼の歩みを止めることは一瞬たりとも叶わなかった。
 Sランクオーバーの魔導師。
 それはただ一人で一個師団にも勝る怪物であり化け物。
 数多くの魔導師の中でも上位に値する歴戦の戦士でもあるゼスト・グランガイズ。
 彼は複数の部下の先陣に立ち、破砕を撒き散らしていた。

「隊長! 前方の部屋から、複数の生体反応が観測されてます!」

 索敵魔法を使用し、周囲の存在を捜索していた隊員が告げた。
 指差すのは長い長い通路の奥に備え付けられたゲート。
 無数の機械兵器が塞ぎ、制止するように守られた扉。

「分かった! 俺が切り込む! 皆は援護に回れ」

『了解!』

 返答と共にミッド式の隊員は射撃魔法の準備を開始し、ベルカ式の隊員は他を守るように大型のシールドを展開する。
 その先陣に立つゼストは自らの獲物であり、半身とも呼べる槍を突き出すように構えた。

 その姿は古き中世の槍兵による突撃陣形に似ていた。
 突き出される長杖のデバイスは槍のように構えられ、それらを守るように展開するシールドは
兵達を守る大楯の如く防壁となり、その先陣に立つゼストはまさしく軍勢を率いる騎士そのものだった。


641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:33:03 ID:GRcJlkYj
斬艦刀を持たせちゃいけない人支援

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:33:05 ID:ONPK60jt
デバイス{ゼストの槍]w支援


643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:33:27 ID:b7XE16pb
支援

644 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:34:43 ID:e/9YyE2j
 
「突破――するぞ!」

 怒声が上がった。
 それに答えるように無数の射撃魔法が喝采のように打ち出され、その魔力弾が背後から駆け抜けていく様を見ながら、
ゼストは魔力を迸らせて足を踏み出す。
 行うのは単なる身体強化。
 されど、それに用いる魔力量は尋常ではなく、迸る魔力光は大気をも淀ませる陽炎。

「ルォオオオオオオ!!!」

 響き渡る咆哮が届くのが先か、それとも飛び出した疾風が到達するのが先か。
 床を文字通り踏み砕き、ゼストが駆けた。
 追いすがる魔力弾をも抜き去って、万物を切り裂く斬刃と化した穂先が駆け抜けた。
 振り抜かれた銀閃は、撒き散らされる鉄くずも爆炎も両断し、まるで空間自体を切り裂いたかのような痕跡を見せて。

「砕け散れ」

 パチパチと火花を上げていた鉄塊たちが、同時に爆散した。
 ゼストの斬撃を避けていた残り僅かな機械兵器もまた隊員たちの魔力弾に打ち抜かれ、一掃されていく。
 ……後に残ったのは静寂だった。

「クリア!」

「クリア!」

 敵影がなくなっても周囲を警戒する隊員たちが口々を制圧したことに対する報告を上げて、ゼストは槍の穂先に付いたオイルを一振りして振り払った。

「いくぞ……おそらくこの先が戦闘機人事件にとって重要な施設だ」

「了解!」

 隊員たちが各々に警戒態勢に入り、ゼストが微塵も隙のない体制のままゆっくりと扉にデバイスの穂先を向ける。
 コード式らしい扉を開ける手段を、彼らは持っていない。
 故に――破壊という選択をする。


645 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:35:43 ID:e/9YyE2j
 
「下がっていろ」

 魔力伝達。
 肉体強化。
 デバイスに魔力を伝達し、微細な魔力刃で刀身を覆い、鋼鉄をも両断する刃と成す。
 そして、ゼストはその手を横薙ぎに振るった。

 ガ……タン。

 本来ならば堅牢なはずの扉はチーズでも切り裂くように両断され、瓦解する。
 遮るもののなくなった部屋の中に見えたのは――無数の淡い光だった。

「これ……は」

 ゼストは思わず絶句し、他の隊員たちもまた言葉を失う。
 暴かれた室内、そこに見えたのは無数の――人型大のカプセルだった。
 子供が居た、大人が居た、老人が居た、男が居た、女が居た、獣が居た、どれにも分類することが
出来ない生物が居た。
 納められている無数の、それこそ無数の生物達。
 彼らは緑色の保存槽に入れられて、物言わぬ標本と化していた。
 まるで墓場のようだった。
 それは生物の博物館のような光景だった。

「む?」

 そして、ゼストは気づく。
 部屋の一番奥に並べられた他とは違う複数の培養槽に。
 T〜]Uまで並べられた“12個”のカプセルに。

 そして、そして――

「無粋な客が来た……」

 その前に一人の少女が居た。
 白銀の髪に、黄色の瞳を持った幼い体躯をした少女が佇んでいた。

「子供、だと?」

 ゼストが顔を困惑したように顔を歪めて――次の瞬間、厳しい顔つきになる。
 見えた少女が単なる少女ではないと理解したからだ。

 まず、その手には鋼色に輝く杭を装填したボーガンが握られていた。
 少女の体躯と比べて大柄なコートの左腕部分を戒めるように螺旋状に巻きつけられたベルトには
予備の杭と思しき無数の白銀の杭が備え付けられ、揺らめくコートの内側に見えたのは丸い柄を持った
十数本にも及ぶナイフ。
 幼い子供には相応しくない凶器の塊を纏う白銀の髪をなびかせたその少女は、薄暗がりの闇の中で
まるで美しいな氷細工の彫像が人間となったかのような美しさだった。


646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:37:11 ID:X6CyRF+s
支援だ!

647 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 00:44:15 ID:e/9YyE2j
 
 美しき凶器の纏い手は、無数の魔導師たちを見つめながら口を開く。

「ここにあるのはドクターの希望であり、私の大切な家族だ」

 背筋が震えるような、静かな声音で、その少女――ナンバーズX、チンクは告げる。
 己の願望を、己の希望を、敬愛する創造主のための誓いを。

「だから、“姉”はここを守る」

 鳴り響くオルゴールのような金属音を奏で立てて、チンクは無数の魔導師に宣言した。
 ただ一人で、無数の敵へと対峙する事実を。

 “奇跡に届かない身にして、奇跡の行使者に宣言する”。

「お前達を排除する」

 こうして。

 ≪刃舞う爆撃手≫(ランブルデトネイター)と魔法使いたちの戦いは始まった。

 奇跡に届く人間たちと奇跡に届かぬ人造人間たちの戦争が。

 歴史に残らないこの瞬間から始まった。




 ここで、規制が怖いので投下完了です。

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 00:59:48 ID:PQoc6xB9
GJ!!です。
クアットロとトーレのコンビか・・・勝てないよw
続きが楽しみだぁw
チンクの装備が凄い、しかも一発一発が爆発するとか悪夢としか言いようが無いw
ナイフやボウガンで足や手を撃って、動いたら爆破するぞとか人質にも出来るし。

649 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 01:00:38 ID:e/9YyE2j
お? 書き込めてますね。
改めて投下完了です。
次回VSゼスト隊、そして八年前のプロローグ編が終了する予定です。
次回こそチンク大活躍の予定です。
色々と今回は中途半端な内容ですみませんでした。

あと途中で何度かコピペ分量ミスしました(汗)
誠に申し訳ないです(土下座)

今回は少々地味でしたが、次回から一気に事態が盛り上がると思いますのでお楽しみに。
支援ありがとうございました!

650 :LMS:2008/03/16(日) 01:43:59 ID:X6CyRF+s
相変わらず土曜はお祭だぜ、フゥーハハハハァー!
遅くなりましたが、支援してくれた皆さん、感想をくれた皆さん、
そして代理投下してくださった方々、本当にありがとうございます

>>メビウス氏
GJ! あえて管理局入りを蹴ってまず地盤を固める、ということは…
次はきっとLの頭脳がオリジナル話で大暴れだ! 楽しみにしております

>>ゲッター昴氏
GJ! フェイトもまたぶち壊されてダークサイドに堕ちるんだろうか
そんな嫌なwktkが止まらないぜ!

>>キャバクラ氏
完全に露出狂呼ばわりのフェイトそんが可愛くてたまらない。GJ!
一度は跳ね除けたフェイトの手を今度はどうするんだろうか

>>夢境学園氏
GJ! なんと言う姐御チンク。ゼストを差し置いて男前過ぎる!
そして激しいバトルの予感!! スーパーチンクタイムを期待しております


あと少し個人的に
>>534
目配せ一つしないで標的をスイッチするあの二人には到底及びませんw
あと、せっかく2vs2なんだから、1vs1が二つじゃ出来ないことをやろう、というのもありました

長文失礼しました

651 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 10:32:24 ID:flMCXOzR
人がいないようですが、11時ごろにスパロボEの第2話終了のインターミッションを投下しようと思います。

652 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 11:01:17 ID:flMCXOzR
時間ですので、いきます。

「時空管理局? 何だそりゃ?」

 デュオが、突然現れたクロノに尋ねようとすると、マサトが答える。

「警察みたいなものですかね?」
「そう受け取ってもらって結構です。とにかくあなた達に、事情聴取をしたいので、このまま一緒に来てくれませんか?」

 クロノが頼むと、なのはが意見を言う。

「待って、それなら明日の朝にしてくれませんか?」
「何でだ?」
「今日はまだお友達と話したいことがいっぱいあるし……。それに今いなくなったら皆心配するから……」
「言えてるわね」
「それに俺達も一日待ってもらいたいな。そうすれば他の仲間の合流時間になるしな……」

 なのはや鉄也が、クロノに頼むと、クロノの方に通信で誰かが現れる。

「艦長、どうします?」
「そちらが話しに応じるのでしたら、明日の朝で構いません。ですが、場所はどこにしますか?」
(艦長って女性か……)
「とりあえず、光子力研究所にしてくれないか? あそこなら仲間も行き易い」
「場所はどこですか?」

 クロノは甲児と鉄也から、光子力研究所の場所を教えてもらう。

「ありがとうございます。では明日の朝にまた会いましょう」

 クロノはそう言って、消えるようにその場を去る。

『消えた!?』
「転移魔法ですね」

 ユーノが皆の驚きに冷静に答える。

「ま、とりあえず明日だな……」
(何で時空管理局って言葉を知ってるんだろう? 僕は……)


 翌日になり、なのはは皆にまた別れを告げて、ユーノと共に、迎えに来た甲児と鉄也につれられて、光子力研究所に向かう。
 光子力研究所では、勇、比瑪、マサト、美久、デュオの他に何人かの人がいた。
 その人達は、ゲッターチームの流竜馬、神隼人、車弁慶、デュオと同じプリベンター所属のヒイロ・ユイ、カトル・ラバーバ・ウィナー、
 獣戦機隊の藤原忍、結城沙羅、式部雅人、司馬亮である。皆が外でなのはやクロノを待っていた。なのはが来て数分後にクロノが現れる。

「これで全員ですか?」
「ああ」
「だったら、こちらの艦船に皆さんを送ります」

 クロノがそう告げると、皆の下に魔法陣が展開され、全員がその場から消える。
 次に皆が現れたのは、どこかの建物の中である。

「ここが次元航行船アースラです」
「次元航行船? アースラ?」
「時空管理局の所有する戦艦か?」
「そんなところですね。精密に言いますと、いくつもある次元世界を自由に移動するための船であって、戦艦と言うわけではないのですが……」

 ヒイロの冷静な意見にクロノが答え、もう少し付け加える。

「時空管理局はあなた達が住む世界や、僕達が住む世界などいくつもの世界があって、それぞれの世界に干渉しあうようにしている組織です」

653 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 11:02:39 ID:flMCXOzR
 クロノの説明に、皆が理解できてるわけではないが、皆はそれでも驚く。

「しかし、すげえ」
「俺達、いつの間にこんなところに……」
「これが転送魔法です」

 ユーノが冷静に驚いている人達に説明しようとすると、クロノがユーノに言ってくる。

「君、元の姿に戻ったらどうだい?」
「そう言えばそうですね。ずっと格好だったから忘れてました」
『?』

 皆が頭に、?マークをつけて何のことだが考える。考えているうちにユーノの体が光だし、フェレットだったユーノが、なのはと同じくらいの年の少年の姿になる。

「なのはにこの姿を見せるのは、久しぶりになるのかな?」

 しかし、なのはの目は点になっている。

『えーーーーーーーーーー!?』
『何じゃそりゃあーーーーー!?』

 なのはだけでなく、甲児達も驚きを隠せなかった。

「なのは?」
「ユーノ君って……、ユーノ君って……。その、あの何? だって嘘!?」
「あれ? なのは、僕達が初めて会った時ってこの姿じゃ……」
「ち、違う、違う。最初っからフェレットだった!」
「えーーーー!」

 ユーノは、初めてなのはと会った時は人間の姿で、すぐにフェレットの姿になったのだとばかり思ってたらしい。
 しかし、よくよく考えてみたら、なのはの言うとおりだったのを思い出す。

「そうだったね。甲児さん達はともかく、この姿見せてなかったね」
「そうだよ。ビックリした〜」
「おいおい、いきなり驚きだぜ」
「まさか動物が人間になるとはな……」

 初対面の忍や亮も、驚きを隠せない。

「とりあえず、あなた達の事は後にしてくれませんか? 艦長を待たせているので、出来れば話を早めに聞かせてもらいたいのですが……」
「わかりました」

 クロノは皆を連れて、アースラの艦長リンディ・ハラオウンの部屋に連れて行く。

「艦長、来てもらいました」

 そのリンディの部屋は日本の和風の部屋で、盆栽が置かれ、畳が敷き詰められている。

「日本的なんだがな……」
「何でこんなに和風なんだ……?」

 隼人や弁慶が、部屋の周りを見ながら自分達の感想を言う。
 その部屋では、正座をして待っているリンディの姿があった。

「うわ、思ったより美人さんじゃないか」

 甲児はリンディの姿を見て、思わずそうこぼした。

「ありがとうございます。改めましてご挨拶させていただきます。私がこの時空航行船アースラの艦長のリンディ・ハラオウンです」


654 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 11:03:15 ID:flMCXOzR
 リンディの苗字を聞くと、デュオがあることを頭に浮かぶ。

「ハラオウン? あれ? クロノだっけ? お前の苗字もハラオウンってことは……」
「クロノは私の息子です」
『嘘!?』

 その言葉にまたしても甲児達は驚く。まだ20代後半か30代前半に見える女性がなのはよりも、年上に見える息子を持ってるのだから……。

「艦長、とりあえず、その話も後にしてください」
「お前自分の母親なのに他人行儀だな」

 忍が、クロノが自分の母を「艦長」と言うのに、疑問に思う。

「公私を分けてるんです」
「立派な子だね。うちの忍と大違いだ……」
「雅人、手前……」
「はい?」
「マサト君じゃないわよ」

 秋津マサトは思わず返事をしたが、忍が呼んだ「まさと」は式部雅人の方であるのを美久が突っ込む。

「それより、何でこの世界に来たのか聞きたいのですが……」

 鉄也がリンディに尋ねる。

「そうですね、私達時空管理局はロストロギアを管理しているのですが、そのあなた達が追っている石のジュエルシードの反応を探知してきたのです」
「そうか……」
「すいません、僕のせいで……」

 ユーノがリンディ達に謝ると、リンディ達はユーノに事情を聞き、ユーノがジュエルシードを発掘した事を知る。

「そう、あなたがジュエルシードを発見したのですか。そして、それを集めるために怪我までして……、立派だわ」
「だけど、同時に無謀でもある!」

 クロノの強い言葉に、ユーノはしょんぼりするが、それを甲児がフォローする。

「無謀にしないためにも、俺達が協力してるんだぜ」
「しかしですね……」
「ミケーネの連中やリクレイマー、最近出てきた鉄甲龍にモビルスーツ軍団からジュエルシードを守るため何だ。わかってくれ」
「あの、ところでロストロギアって何なんですか?」

 なのはが今まで思っていた疑問をリンディに尋ねる。

「ああ、遺失世界の遺産って言ってもわからないわね。えっと……」

 リンディは考えながらも、なのは達に説明する。

「次元空間の中にはいくつもに世界があります。それぞれで生まれて育っていく世界。その中に極まれに進化しすぎる世界があるの。
技術や科学、進化しすぎたそれらが自分達の世界を滅ぼしてしまって、その中に取り残されてしまった失われた世界の技術の遺産」
(進化しすぎて、その世界を滅ぼすか……)
(下手したら、ゲッターも俺達のこの世界を滅ぼすかもな……)

 竜馬や隼人の言うとおりである。事実、ゲッター線のために恐竜帝国は滅びかけ、恐竜帝国はゲッター線を撲滅しようとしていた。
 ゲッター線は生物の進化を促すが、同時に危険なものである。

「それらを総称して、「ロストロギア」と言います」
「仕様法は不明ですが、使いようによっては世界どころか次元世界を滅ぼすほどの力を持つほどの危険な技術」
「しかるべき手続きを持って、しかるべき場所に保管されていなければいけない代物。あなた達が探しているロストロギア「ジュエルシード」は、次元干渉型のエネルギーの結晶体。
いくつか集めて、特定の方法で起動させれば、空間内に次元震を引き起こし、最悪の場合次元断層さえ巻き起こす危険物」
「そいつは大層なこったな」

655 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 11:03:54 ID:flMCXOzR
 デュオが納得してるのかしてないのかわからない答え方をするが、クロノは気にせず話を進める。

「複数個集まれば、その次元震の影響は計り知れない」

 クロノの話に、ユーノが昔聞いたことを思い出す。

「聞いたことあります。旧暦の462年次元断層が起こった時の事……」
「ああ、あれはひどいものだった」
「隣接する並行世界がいくつも崩壊した、歴史に残る悲劇……」

 その並行世界と聞いてゲッターチームは考え込む。

(並行世界……)
(ゲッターはこの世界以外にも存在すると聞く……)
(まさか、ゲッターがそれに関わってんじゃないだろうな……)
「繰り返しちゃ、いけないわ」

 リンディはそういいながら、自分の粗茶に砂糖を入れる。その様子を見て忍は思わず口にする。

「あんた、何で茶に砂糖入れるんだ?」
「私の好みです」
「あ、そう」
「それとですね、実はと言いますと、この世界にジュエルシード以外のロストロギアの反応が、わずかですが見られたのです」
『何(ですって)(だと)(だって)!?』

 その言葉に一同は驚く。

「ですがその反応が何なのかはわかってません。しかし、これよりロストロギア「ジュエルシード」の回収については時空管理局が全権を持ちます」
「皆さんは今回の事は忘れて、それぞれの世界に戻って元通りに暮らすといいです」
「無理だな」

 ヒイロが即答する。

「な!?」
「だって、そんな事を聞いた後だと、僕達引けませよ」

 黙ってたカトルも、爽やかな顔をして答える。

「これは次元干渉に関わる事件です。民間人が介入してもらうレベルの話じゃない」
「だったら俺達はいいんだな。俺達は軍人だぜ」

 忍がそう答える。獣戦機隊は確かに軍人、民間人ではない。それにプリベンターも特務機関であり、民間人と言うわけではない。

「それにそんな事、ミケーネ帝国の連中が知ったら、絶対狙ってくるぜ」
「そうなったら、時空管理局の技術や戦術では奴らに勝てるとは思えません。奴らはいざとなれば総力戦を上げてくるでしょう」
「鉄甲龍も同じです。あいつらの目的はこの世界を冥府にする事。だったら鉄甲龍はジュエルシードを使ってこの世界を冥府にするかもしれません。ミケーネ帝国にも負けない技術を持ってます」
「もしかしたらリクレイマーが間違って手に入れたりしたら、こっちも困るしな」
「だったら話は早いぜ。全員下りる気なしだぜ」

 デュオが代表して答える。

「で、ですが……」
「おいおい、もうぐだぐだ言っても仕方ねえぞ」
「そうですね、お願いします」
「艦長!?」

656 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 11:04:25 ID:flMCXOzR
 リンディの答えクロノは驚く。

「ですが、ロストロギアが二つもこの世界にあるのでしたら、我々もこの世界に残らせていただきますが、構いませんか?」
「構う事はねえだろ」
「今現在、世界統一国家軍ではプリベンターやマジンガーチーム、ゲッターチームに獣戦機隊を入れた完全独立特殊部隊を立てる計画がある」
「その名も「クロスナイト」です」

 カトルがその部隊名を皆に告げる。

「「クロスナイト」?」
「話によりますと、様々な騎士と言う意味だそうです」
「かっこいいいじゃねえか、気に入ったぜ」

 甲児がその部隊名を気に入る。

「そうと決まったら、あんた達時空管理局もそこに入るという事でいいかい?」

 デュオがリンディに尋ねる。

「わかりました。これより、アースラ部隊は「クロスナイト」の一員になる事を承認します」
「はあーー」

 クロノは少しばかりため息をつく。

「ま、よろしくな。クロノ」

 こうして、アースラ部隊も地球に留まる事になる。
 そして新暦65年、7月22日。ここに世界統一国家の完全独立特殊部隊「クロスナイト」が結成された。

657 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 11:05:46 ID:flMCXOzR
投下完了。
あの修正をお願いしたいのですが、スパロボEの第2話でプリベンターを「諜報機関」と書きましたが「特務機関」に修正をお願いします。
次回は少し荒れますね。

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 15:21:03 ID:A47vN3F0
gj
幾つかのロストロギアか…
あの世界にはいっぱいあるよね
現在物だけど
ゼオライマーに比べたらジュエルシードはオモチャだからな〜
次元連結システムは平行世界もまとめて消滅できるし結合もできる代物だし
ゲッターロボもエンペラーなんて反則なのだよね
ラーゼフォンが出たらきっともっと凄いだろうな


659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 16:47:57 ID:ToP51b5q
>スパロボX氏
かなり大雑把に読んだだけでも誤字(使用が仕様なってるとか)が目立ってますよ。
誤字・脱字の確認くらいは(ry

660 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 17:09:43 ID:flMCXOzR
>>659
すいません、一応声に出しながら、読み直していたのですが…。申し訳ございません。後日直します。
話が変わりますが、今日は人がいませんね。職人の皆さんどうしているのでしょうか?

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 17:19:31 ID:F+bYVZKK
>>660
そういうのはウロスで書き込んだほうがいいですよ。
ちなみに自分も職人ですが、作品を書き溜めてます。ぐふ。

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 19:02:52 ID:GRcJlkYj
>>660
UnEditorオヌヌメ。
メモ帳ソフトなんだけど、文字検索とか出来るから誤字発見しやすい。

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 19:04:03 ID:trGZSHDR
ヒートロッド乙


664 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 20:41:17 ID:F+bYVZKK
すみません。
アンリミテッド・エンドラインの第四話がほぼ完成しそうなので、11時頃から投下予約してもよろしいでしょうか?
って、過疎化ってるし、誰も呼んでないかなぁ(汗)

665 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 20:47:27 ID:flMCXOzR
投下支援です。
しかしここまで過疎化するのは珍しいですね。

666 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 20:58:07 ID:4J9wXnL2
支援します♪
てか容量ギリギリですね^^;


667 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 20:59:03 ID:F+bYVZKK
あ、気が付けば容量がやばいかも。
でも、多分一本ぐらいなら平気かな?

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:00:17 ID:rHILpUbz
支援ノシ

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:00:35 ID:oFMMmFVT
じゃあ、今のうちに新スレ立てておきますか

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:02:23 ID:oFMMmFVT
だめでしたー。他の方よろしく支援

671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:09:00 ID:FJnumjAI
ここ最近の流れが速すぎた、って言う気がしないでもない。
私としては、今の状況の方が色々とありがたいのですが(苦笑


他の板、スレのチェックがし易い、しやすい……。
ごめん、これが作品執筆の遅れてる理由の一つなんだ(謝罪

672 :高天 ◆7wkkytADNk :2008/03/16(日) 21:09:49 ID:DPFEv5jR
支援いたします。
私もラクロア3話がそろそろ出来そうなので、新スレを待ち、
投下しようかと思います。

673 :R-TYPE Λ:2008/03/16(日) 21:11:19 ID:Gmbs3lDz
では、リリカル! 夢境学園氏の後、次スレが建ってからの投下を予約します

674 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 21:13:01 ID:F+bYVZKK
え? 11時ですよ?
お先にどうぞ、どうぞ。
待たせるのも悪いですし(汗) 先を取るほど、大した作品じゃないですから。
私のは。

675 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:20:48 ID:ONPK60jt
しかし本当にここ最近過疎気味ですね。 
書き込みはあるにはあるのですが どうも少なくなったと言うか。
どうしたのだろうと最近思っていました

676 :R-TYPE Λ:2008/03/16(日) 21:21:46 ID:Gmbs3lDz
>>674
ではお言葉に甘えて・・・って、容量が足りないんで、次スレ待ちっす・・・orz

677 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 21:24:56 ID:flMCXOzR
容量はあと27くらいか…。
でしたら俺がスパロボEの第3話をここで投下して埋めます。まあ10KBくらいですけどね。
時間は10時頃にしたいと思います。
それと誰か新スレお願いします。俺も無理でした。orz

678 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 21:28:23 ID:F+bYVZKK
……今計算したら、自分もこの容量だと足りないことに気づいた!
次スレ待ちですな。

うー、ちょっと頑張りすぎました(汗)

679 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:29:07 ID:qFJHGMum
じゃあ立ててみるぜ!

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:36:42 ID:qFJHGMum
リリカルなのはクロスSSその54
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1205670939/
立てたぜ!

681 :一尉:2008/03/16(日) 21:40:23 ID:4ERKwFNI
うひひ支援する。

682 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 21:40:30 ID:flMCXOzR
新スレどうもです。
>>678
そうですか、俺のは調べたところ、14KBでしたので投下できます。
ですので予定通り10時ごろに投下しますが、出来れば支援をお願いします。

683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:48:01 ID:vDuDPW9p
>>660
指摘を「話は変わりますが」で流すとは
いい度胸してるぜwww

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 21:57:44 ID:VyD8Rigj
>>683
もうそいつは手遅れだ、放っておけ。気に掛けるだけ脳のリソースの無駄遣いだしな。

685 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 21:57:55 ID:F+bYVZKK
そろそろかな?
皆、支援体勢。

支援します!

686 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 22:00:51 ID:flMCXOzR
よし、時間ですから投下します。支援もお願いします。

 「クロスナイト」が結成されて一ヶ月と少しが経つ。「クロスナイト」は地球圏の敵だけでなく、外宇宙から来た敵ギャンドラーとバンカーを相手にする。
 その外宇宙の敵、ギャンドラーを追ってクロノス星からやってきたクロノス人達を知るが、彼らはどこかに姿を消す。
 バンカーからの逃亡者として、ダンガイオーチームが「クロスナイト」の新たな仲間になる。
 そしてその外宇宙からやって来た敵、地球圏にいる敵を倒すために、デビルガンダム事件を鎮圧させたシャッフル同盟+αも「クロスナイト」の仲間になる。
 様々な敵と味方が増えていく中、9月1日になり、高町なのはは自分の小学校の始業式の為に、再び海鳴市に戻る。
 新たなる敵が迫り来る事も知らずに……。



 第3話 新たなる戦いの風



「地球は大変なのに、ここは平和ね」

 新たに仲間になったダンガイオーチームのミア・アリスが、海鳴市の様子を見て、思わず口にこぼす。
 ミアは元々地球人なのだが、ダンガイオーの開発者のターサン博士に拉致され、地球にいた時の記憶がないのだ。

「そうだね。宇宙全部がこんなにきれいだったらいいのに……」

 異性人である少年、ロール・クランもミアの意見に賛同する。

「でもそれがうまくいかないんだよね」
「バンカーやギャンドラーがこっちに来てるんじゃね……」

 同じくダンガイオーチームのランバ・ノムとパイ・サンダーは現実的な事を言う。
 今回、なのはの護衛に来たのは、ダンガイオーチームとガンダムファイターのメンバーである。 

「わかってるよ。だけど、せめてこの街はこのままにしてみたいな……」
「確かにこの街を見たら、師匠は何と言うだろうか……」

 ドモン・カッシュは自身の師匠、東方不敗マスターアジアの事を思い出す。
 東方不敗はデビルガンダムを使って、地球再生の為に人類抹殺を企てた人物であるが、元々は地球の自然を愛していた人間である。

「確かにここはのんびり出来そうだね」

 シャッフル同盟の一員ではないが、ドモンについて来た少女アレンビー・ビアズリーも、海鳴市の様子を見て心を落ち着かせる。

「ですが、そうのんびりしてられないかもしれません」
「どういうことだ? それは?」

 シャッフル同盟のジョルジュ・ド・サンドが何かを言おうとすると、同じくシャッフル同盟のチボテー・クロケットが尋ねる。
 その答えはまた同じシャッフル同盟のアルゴ・ガルスキーが答える。

「この付近でジュエルシードらしき反応があったそうだ」
「それマジかよ!? おっさん!」

 アルゴの答えに、シャッフル同盟のサイ・サイシーが驚く。
 その答えに、ドモンのパートナーのレイン・ミカムラが付け加える。

「本当よ。それに近くにあのフェイトって子とその使い魔、それにギャンドラーもいるわ」
「ギャンドラー!? バンカーは?」
「バンカーの反応はないわ」
「とにかく俺達もそこに行くぞ!」

 なのははまだ始業式から抜け出せそうにもない。
 ドモン達やダンガイオーチームは急いで現場に急行する。


687 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 22:02:12 ID:flMCXOzR
 ジュエルシードの反応がある場所の森では、フェイトとアルフがギャンドラー一味と対立していた。

「おとなしく、そのハイリビードを渡してくれへんか?」

 デビルサターン6がジュエルシードを確保しようとするフェイトに、ジュエルシードを渡すように言う。

「これはジュエルシード、ハイリビードと言うものじゃありません」
「生意気なガキだね。ジュエルシードだろうが、ハイリビードだろうが、ガデス様が望むものなんだよ。どうしても渡したくないんなら、力づくで奪うよ!」
『ガデッサー!』

 ディオンドラの命令に妖兵コマンダー達をフェイトとアルフを襲い始める。
 しかし、フェイトとアルフは一筋縄では倒せない相手。フェイトとアルフはジュエルシードを守りつつも、妖兵コマンダー達を倒していく。
 するとそこに「クロスナイト」の面々が現れる。

「ありゃあ、やっぱりフェイトちゃんだ」
「とりあえず、どうします?」

 竜馬が通信で、リンディに尋ねる。

「今はギャンドラーの撃退に力を入れてください。ジュエルシードはその後で……。ですがフェイトさん達には逃げられないようにお願いします」
「任務了解」

 リンディの指示を受けて、「クロスナイト」がフェイト達を攻撃しつつも、ギャンドラーを撃退していく。
 そんな時にようやく、シャッフル同盟メンバーとダンガイオーチーム、少し遅れて、なのはがやって来る。

「ち、まずいね……うん?」
「どうしました? 姐御」
「何か来るね」
「うん?」

 ディオンドラとデビルサターン6が、なのは達の後ろの方を見ると突然、小さな鉄球が飛んでくる。
 熱源がなかったので、全員反応が遅れてしまい、全員後ろから不意打ちをくらう。(ヒイロはウイングガンダムゼロのゼロシステムのために、反応できて撃ち落した)

「な、何だ!?」

 全員が後ろを向くが誰もいない。そう思った瞬間、なのはの横から突然ハンマーを持った赤い少女がなのはに向かって襲い掛かり、なのはは防御するも吹き飛ばされる。

『なのは(ちゃん)!?』
「何だお前は!?」

 甲児がなのはを吹き飛ばした少女に向かって、誰だと告げる。
 その赤い少女なのはよりも幼く見え、見かけは7歳頃で、服と髪は赤い少女であった。
 姿から見て魔導師だが、なのはやフェイトとは違うタイプだと皆考える。
 リンディや今この場にいないクロノに通信を入れようとするが、通信が出来ない事に気付く。

「通信が出来ない!?」
「誰かに妨害されている!?」

 その時、皆は赤い髪の少女を見る。この少女が出てきてから、いきなり通信が不可能になったのだから、そう思っても無理はない。
 全員が赤い少女に向かって攻撃をしようとした時、赤い少女はこう言う。

「手前らの相手は、あたしじゃない!」

 その少女が、そう言った途端に突然謎のモビルスーツ軍団やミケーネ帝国の戦闘獣が現れる。

『な!?』
「何でこいつらが突然……」
(まさかあの少女が謎のモビルスーツ軍団と関わっているのか? それともミケーネ帝国の手先か?)


688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 22:03:22 ID:Y735CsSD
しえーん

689 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 22:03:43 ID:flMCXOzR
 皆が様々な思考をしようとしながらも、その突然現れたロボット達は「クロスナイト」を襲う。

「とりあえず、今はこいつらの迎撃だ!」

 「クロスナイト」は突然現れたモビルスーツと戦闘獣の相手もしなければいけなくなった。
 その隙にギャンドラーは撤退しようとする。

「今回はこのままトンズラした方がよさそうだね。全員撤退!」
『ガデッサー!』

 ディオンドラはデビルサターン6と共に、残った妖兵コマンダー達を連れて、撤退する。
 「クロスナイト」はギャンドラーを追おうにも、今はそんな余裕がない。
 「クロスナイト」がモビルスーツや戦闘獣に気を取られている隙に、フェイトがジュエルシードを確保しようとすると、フェイトの前に謎の女性が突然襲いかかる。

「はああああ!!」
「く!」

 フェイトはとっさにバルディッシュで防御するも、バルディッシュは叩き折られ、フェイトも吹き飛ばされる。

「フェイト!」

 アルフがフェイトの元に行こうとすると、アルフの前にも自分とよく似た姿の男が現れ、アルフを蹴り飛ばす。

「くそ、何だよ急に……」

 アルフはどういう状況か、イマイチ飲み込めずにいた。
 とりあえず、二人を襲ったのはピンク色の髪を結んでいる、10代後半の女性で、男はアルフのような耳と尻尾を持った、20代前半の男性であった。


 吹き飛ばされたなのはは、すぐに体勢を建て直し、向かってくる赤い服の少女に向かって、レイジングハートをシューティングモードにし、ディバインバスターを放つ。
 少女は何とかかわすが、その際に自分が被っていた帽子が攻撃された事に頭に来たのか、自分の持つデバイスに命令する。

「グラーフアイゼン、カートリッジロード!」
「Explosion.Raketenform.」

 何やら音と共にグラーフアイゼンと呼ばれるデバイスがカートリッジをリロードさせ、溢れるような魔力がヴィータに流れ、グラーフアイゼンが姿を変える。
 その形態の名は「ラケーテンフォルム」、グラーフアイゼンの攻撃を特化させた姿である。

「えぇっ?」

 なのははその姿を見て驚く。フェイトと戦って、フェイトのバルディッシュや自身のレイジングハートも形態を変えることはあるが、
 あそこまではっきりとした形態変化は見たことがない。
 飛び出したスパイクに、片側にあるロケットの噴射口のようなもの、その姿は明らかに、先ほどまで以上に攻撃的に見える。

「ラケーテン・ハンマーーー!」

 赤い少女がそう叫ぶと、噴射口から炎が吹き出し、独楽のように回り始め、回転速度が一回りするごとに速さを増していき、トップスピードに達した瞬間、なのはに突撃して来た。

「うおりゃあーーーーー!」

 なのははバリアを張るが、グラーフアイゼンとバリアがぶつかり合い、火花を散らすが、バリアは一瞬の均衡の後易々と破れた。

「えっ?」

 なのはは驚くことしか出来なかった。気づいたらレイジングハートが相手のデバイスに突き刺さっていて、それはどんどんレイジングハートを削っていく。

「だありゃあーー!」

690 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 22:04:58 ID:flMCXOzR
 赤い少女はグラーフアイゼンを気合いと共に振り抜く。

「きゃああぁぁーーー!」

 あまりの衝撃に姿勢制御が出来ないまま、なのはの体は回転しながら森の木の方に突っ込み、木を何本かへし折っていく。

『なのは(ちゃん)!』
「くそ、早いとここいつら倒させねえと……」

 敵が雑魚とは言え、少々数が多い。「クロスナイト」のメンバーはてこずってなのはの援護にいけない。
 森に突っ込んだなのはは何とか立ち上がろうとすると、赤い髪の少女がまたなのはを襲う。

「Protection.」

 レイジングハートが自分の主を守るため独自にバリアを張るが、レイジングハート自身は既にボロボロである。
 そんなレイジングハートの防御もたやすく破られる。

「ぶち抜けーー!」
「Jawohl.」

 レイジングハートのバリアはまた破られ、なのはのバリアジャケットに、グラーフアイゼンが食い込む。
 バリアジャケットは破壊され、なのはは後ろの木まで吹き飛ばされる。
 なのははボロボロになりながらもレイジングハートを何とか前にして構えようとするが、もう気力がほとんど無い。
 そんななのはの前にしても、赤い少女の気迫は納まらない。

(こんなので、終わり? 嫌だよ。ユーノ君、クロノ君、誰か助けて!)

 なのはの心の叫びに反応したのか、赤い少女がグラーフアイゼンを振り下ろそうとした、その時!

「待ていっ!!」
「!?」

 ヴィータは突然声が聞こえたので、声がするほうを向く。
 その声の主はなのはの後ろにある、木の上にいた。

「悪の暴力に屈せず、恐怖と戦う正義の気力。人、それを勇気という!」
「誰だ!? 手前は!?」
「貴様に名乗る名はないッ!」

 その男は木の上から飛び降り、なのはの前に立つ。

「あ、あなたは……」
「久しぶりだな。白き少女よ」

 男の名は、ロム・ストール。ギャンドラーを追ってきたクロノス人であり、先日のギャンドラーの戦闘で「クロスナイト」と会っているので、なのははロムだと言う事を知っている。

「手前、邪魔すんじゃねえ!」
「ふ、悪を成敗する。それが天空宙心拳の教えだ」
「何だと!?」
「剣狼よ!」

691 :R-TYPE Λ:2008/03/16(日) 22:05:09 ID:Gmbs3lDz
支援!

692 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/16(日) 22:05:24 ID:F+bYVZKK
支援さね

693 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 22:05:54 ID:flMCXOzR
 ロムが剣狼の名を口にすると、突如とロムの前に剣が現れる。

(く、こいつ!)

 赤い髪の少女はすぐに後ろに下がる。

「レイナ! この子を……」
「わかったわ! 兄さん!」

 ロムの妹レイナ・ストールと付き人のトリプル・ジムが現れ、なのはを抱える。

「もう大丈夫よ」
「ありがとうございます。でもあの人……」
「大丈夫よ、兄さんは負けない」

 ロムと赤い髪の少女が対峙する中、ロムは剣狼を使い、ケンリュウを呼び出し、合身する。

「闇あるところに光あり、悪あるところ正義あり。天空よりの使者、ケンリュウ参上!」
「何がケンリュウ参上だ!?」

 赤い髪の少女が、グラーフアイゼンを振り、ケンリュウに襲い掛かるが、ケンリュウは剣狼でグラーフアイゼンを受け止める。

「何!?」
「はああああ!!」

 ケンリュウは開いている片手を、嘗打の形にして、少女に命中させ、少女は空中で回転しながら、後ずさりをする。

「ガハッ! くそ!」

 少女は仲間に連絡をする。

「シグナム、そっちはどうなってんだ!?」
「ヴィータか、こっちも魔導師と戦っている。ザフィーラの方もその魔導師の使い魔らしきものと戦っているのだが……」
「どうした?」
「何かよくわからないものが、邪魔をしてきたのだ」

 フェイトと戦っていた女性シグナム、アルフと戦っていた男性ザフィーラは、ロムの仲間のブルー・ジェットとロッド・ドリルと戦っていたのだ。
 フェイトとアルフは、シグナムとザフィーラの隙を見て、何とかジュエルシードを確保して、脱出する。その際にシグナムがフェイトに名乗る。

「待て! 去る前にお互いの名前を教えあおうではないか。私はベルカの騎士。烈火の将シグナムだ。これは炎の魔剣レヴァンティンだ」
「フェイト・テスタロッサ。この子はバルディッシュです」

 フェイトはそれだけを言い、アルフと共に去る。

「テスタロッサ、それにバルディッシュ。いい名だな……」
「シグナム、そんな事言ってる場合じゃないだろ。闇の書で蒐集したロボット達も、もうやられていくぜ」
「シャマル、まだ掴めないのか?」

 シグナムは遠くいる女性、シャマルに連絡を入れる。
 そのシャマルの格好は、帽子を被っていて、全体が緑基調で白も混ざった服である。

「後、少し……。見つけた!」

 シャマルが何かを探していたかのように、自分の前にある裂け目に手を入れ、何かを掴む。
 それはなのはの体に繋がっていて、なのはの体を貫いている。
 その様子をなのはやレイナ、ジムは見て驚く。

694 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 22:06:35 ID:flMCXOzR
「え?」
「こ、これは一体……」

 シャマルは手を入れた場所を間違えたことに気付く。

「あ、いけない! 間違えちゃった」

 シャマルは一度手を引っ込めると、再び裂け目に手を入れ、その手は再びなのはの体を貫くが、今度はなのはの体から光る小さい玉が出てきた。
 シャマルの手はそれを握ると、また消えていく。なのはは光る玉がなくなると同時に気を失い、倒れてしまう。

「え、ちょっと。あなた大丈夫」
「大丈夫ですか?」

 レイナとジムが揺するが、なのはに意識がない。
 シャマルがなのはから何かを抜き取った事を告げると、シグナムとヴィータ、ザフィーラに連絡を入れる。

「皆作戦は成功よ。戻ってきて……」

 そういい終わろうとした瞬間に、シャマルの元に何かが飛んでくる。それはウイングガンダムゼロのツインバスターライフルである。
 ヒイロは、なのはが倒れたのを見て、すぐにゼロシステムでシャマルの居場所を特定し、ツインバスターライフルを撃ったのだ。
 シャマルは、何とか回避するが、その時、ツインバスターライフルに驚いてしまい、通信妨害を解いてしまった。
 アースラの方では、ようやく通信妨害が解かれ、現地の映像を見た時、クロノはシャマルが持っている本を見て驚く。

「あれは!?」

 なのはの様子を重く見たリンディは、すぐに医療班を回す。

「いけないわ! すぐに医療班を回して!」
「やってます!」
「それから、本局内での医療施設の手配を!」
「了解です!」

 「クロスナイト」のメンバーの甲児、鉄也、ロールは逃げるシグナムに向かってパンチを繰り出す。

「ロケット、パンチ!」
「アトミック、パンチ!」
「ブースト、ナックル!」

 それら三つのパンチは、シグナムに簡単に切り払われる。

『何!?』
「もう相手をしてやれん!」

 アースラのオペレーター達も、逃げた4人をレーダーで追跡しようとしたが、逃げられてしまう。

「くそ! 逃げられた!」
「美久、追えるか?」
「無理よ、もうレーダーに映ってない」
「ごめん、クロノ君。しくじった……。……クロノ君?」

 オペレーターで、クロノの良きパートナーのエイミィ・リミエッタは、クロノが何も反応しないので様子を見る。

「第1級捜索指定遺失物ロストロギア「闇の書」」

 その時のクロノは、手から血が出てもおかしくないほどに拳を握る。
 そのクロノの様子を見て、エイミィが尋ねる。

「クロノ君、知ってるの?」
「ああ、知ってる。少しばかり、嫌な因縁があるんだ……」

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 22:07:29 ID:stvx6MdJ
いいところに現れる人しえーん

696 :高天 ◆7wkkytADNk :2008/03/16(日) 22:07:30 ID:DPFEv5jR
支援です。

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 22:08:52 ID:b/aA8nBu
soudesuka

698 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 22:09:20 ID:flMCXOzR
投下完了。
次回は第3話終了のインターミッションになります。
闇の書の設定を勝手にいじくって、蒐集した他勢力の雑魚ロボットが出せると言うのにしました。
こう言ったのがないと、フェイトはともかく、ヴォルケンリッターがきついきがしますので…。ご了承ください。

699 :R-TYPE Λ:2008/03/16(日) 22:18:55 ID:Gmbs3lDz
GJです
ジュエルシードと闇の書が同時期に・・・
凄まじく混沌とした状況となりそうですね

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 22:39:46 ID:NaydiCcG
GJ
闇の書でロボ出せるようにするとは…いや、確かに某SRCシナリオではポケモンとか出せてたけど…

…で、何でロボから蒐集できたんだ?

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 22:50:35 ID:oFMMmFVT
化石獣ならともかく、なぁ……

702 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/16(日) 23:10:19 ID:flMCXOzR
それはロボットを破壊してその一部を蒐集したら、何故か1ページ以上埋まってしまい、
おまけに蒐集したロボットのコピーを作り出せてしまったというわけです。

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 23:29:32 ID:We9jqNqr
いや、あのな?
その理屈だとそのへんの石コロでも蒐集できることになるんだが?
欠片の大元がオーラバトラーや宇宙怪獣、魔装機でも、まだきついのに
それを“なぜか”ですますのわバカにしてるとしかおもえんのだが。
バカに、は当然原作ことだからな?

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 23:57:01 ID:uANhf29S
何でリンカーコアの無い"物"を蒐集出来るんだよ

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:02:58 ID:A47vN3F0
やっぱりこうなったか。
無理な設定はしかたないにしても、これは酷いだろ。
それなら闇の書完成させたいならゴミ処理所に行けばいいじゃん。
666ページなんて数分で終わるぞ。
それともシグナム達は知的障害者以上に頭がおかしい、またはバカですか?

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:08:15 ID:Wv1fUTHa
闇の書はクロロ・ルシルフルの能力か、元から半分そうだけどさ

ゴミ吸ってロボになるなら何でも良いんだよな
闇の書「良いこと考えた、お前、俺のケツのなかにションベンしろ・・・ふぅ、666ページがパンパンだぜ」

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:18:27 ID:g+Y67lN7
まだ「守護騎士プログラムに付随するアームドデバイス」に準ずるものとして
蒐集と同じ方法で機械類を解析、半自律端末として具現化する能力を得ました
機械は蒐集してもページ数の足しにはなりません(ただし備蓄データは増える)

とか言うのなら理解できなくもないけどな

これはあまりにもひどい

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:20:52 ID:bI72Bp8E
この作者の設定に穴があるのは昔からだけどな

ああ、それとレス返しはしなくていいぞ
なに言っても酷くなるだけだから

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:25:22 ID:Wv1fUTHa
>>707
それを見た目でわかるようにすると、本なのにページ以外で増やすところ・・・栞?
闇の書のあっちこっちに付箋みたいにロボデータはさんであるのか?

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:34:03 ID:g+Y67lN7
>>709
別に表立って見えなくてもいいだろ
あくまで「覚醒条件であるページ蓄積」の足しにはならんと言うだけ
魔道書型ストレージデバイスなんだから読み出したいなら本開けば
ウインドウが浮かび上がるとかでも何の問題も無い
蒐集魔法にしたって一人分で1ページ未満のベテラン管理局員と
一人で確か20ページほどになったなのはとで保有術式にどれだけ差があるか
術式データ量で行くと前者の方が上の可能性すらある

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:39:12 ID:UAWMV+SL
その原理で行くと、ガンエデンだろうがネオグランゾンだろうが
ダークブレインだろうがノイ・レジセイアだろうが
欠片でもあれば何でも出し放題の腐れ設定じゃねーか!
これまでも腐った穴があったが、今回のはクソまみれじゃんよ!


712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:41:35 ID:jr293O6P
容量さえあればゲッペラーですら取り込めるわけか

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:44:49 ID:Wv1fUTHa
>>711
汚い口とケツだなぁ・・・もう少し綺麗にしろよ

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 00:49:25 ID:g+Y67lN7
>欠片でもあれば何でも出し放題の腐れ設定じゃねーか!

欠片から再現データ得るには戦ってとどめ刺した機械だけだぞ、とか
(戦闘時に攻撃で受けた魔力の残滓が解析を可能にさせるとか理由付けには事欠かない)
その場合戦闘で使われてヴォルケンズが見た機能しか再現不能とか
非戦闘なら稼働状態で完全丸ごとスキャンできなきゃ駄目だぞ、とか
設けるべき制約考えろよ

で、終わっといた方が良いと思うが
その程度も思い至れない段階でグダグダだよな

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 01:41:23 ID:gPUKkcaZ
こういうのは書き終わった後にちゃんと詳しい設定がないと理解が難しい
あの説明だとなんでもかんでも蒐集可能で、なんでもかんでも生み出せることになるし
ページもサイズによって違うのか、動力によってか、または武器や特殊能力によるのか
複製に制限があるのか、または無制限なのかとか


716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 01:47:37 ID:Y9Cr1jqe
蒐集したやつを創ることができるってんなら、
素直に量産型なのはとかヴォルケンでいいじゃん。

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 01:57:13 ID:UAWMV+SL
ゼロシステムを使ってのツインバスターライフルをシャマルが回避できるって変じゃない?
ヒイロの狙いだって被弾による振動の中でさえあれだけの制度だったのに。
この場合は当たらないように撃ったのが良いと思う。


718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 02:07:59 ID:gPUKkcaZ
>>717
それを言ったらシグナムが簡単にマジンガーZのロケットパンチとか簡単に切り払えるって、質量とかジェット噴射の出力から無理がある。
特にブーストナックルは…
シグナム達を追うならゼオライマーがいれば簡単にできるしさ。
そこに存在するならどんなてこにいるなら一瞬で行けるし。
まあ、ゼロシステムを使っても簡単なんだけど。




そろそろ埋め時期だな。


719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 02:17:20 ID:42iOJzBg
梅支援しつつ。

          _人人人人人人人人人人人人人人人_
          >    ゆっくりしたいんです!!!  <
           ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
.     /三/ / / / .:/l/   .:l //|_:| /| .: / / .: |     ', ト \  ∧
        / / /://〃   :.:N゙斗ャl/レ| / /l .: /.:.|.:.|.:.: |リ \:ヽ ∧
.       / / :/ ./'/ lヘ:.:ト.:K __,.!/  レ /!__ハ|: /.:.l.:.:/   \ヽ \ 
      / / :イ  /'/ l' ヽ|:.N' (ヒ_]  l/ ヒ_ン |/イ/ノイ     ', i.: ト\
     ///{.| 〈'/    ヘ: ','" U ,___,U"' i爪 〈;|       |,ヘ.: |
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   /.: .:/ !l  {'      |\   >,、 _____, ,.イ /∧lニlュ、     }:|

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 02:24:16 ID:JlrwL7MA
シリアスぶって、バトル中心、馴れ合う書き手共、全部ファッキンだ。
近況報告なんざいらねぇ。男分が多い? 謝るんなら初めから書くな。
燃え展開が好きです? だから何? クソッタレ。

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 02:28:38 ID:42iOJzBg
            ,'´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ.
           | 少し…頭ゆっくりしようか… |
           ヽ、_   __________ノ
               \|
            |\              , -一ァ
           _\\          /__/
         ∠二 `ヽ/´  ̄ ̄ ̄ `丶//⌒ヽ
          , '" ̄'            ヽ) 、  \
        / / /==─      -─==','、\  丶
        l /  i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ |\j   ヽ
        i ハ   Wイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、 .|  \   i
        / /\.{ヽ! !""  ,___,   "" | .!ノ /    \ |
        l  l     | ',.   ヽ _ン    | .|/     i . |
        ヽ ヽ    | |ヽ、      ./| |       } j
         \!    レ  ` ー--─ ´  レ      //


722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 02:33:54 ID:7SkB1GGN
>>720
まあ、そう言うな
確かにココのスレは馴れ合いが多い、他所と比較するべきではないが確実に多い
作品群も良作佳作が色々あるが、目もあてられないものも確かにある
超設定や超展開、クロス元の元設定どころかなのはの設定も怪しいものもある
さらにそれらが良くても作風が合わないと言って切るものもあるだろう

だからなんだ、そういう風に愚痴る前にすることがあるだろう
その為に専ブラ機能にNG設定があるんじゃないか

…まあ、最終手段はスレ閲覧そのものを停止すれば(ry

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 02:35:36 ID:Y9Cr1jqe
500KbならすてぷりからH I襲来 

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/17(月) 02:37:32 ID:42iOJzBg
        /   /           ヽ
       /    ,.┘            ヽ、
         {    、{ i             ヽ-ゝ
       {  、  ト、ヽ、 、\  ヽ、 、   ! 、ヽ.
          {   〉、lヽヽ.ヽ、、ヽヽ.>、ヘ、、.l  }l.ト-ゝ
        } 、|/`ヽ!、_\、-'ヘ}'二ニ \j、 } i〉トゝ 
        j /、 、‐‐-、`´` /_ ./  / ヽj∧}、ゝ うわーだめだー!
       ノ' } ヽ ` - ' !      ,. '  ィ_/,、{  
         |/vヾ ‐ 、|,. -‐ '  ̄   / レ,{〉`ヽ、
            >.、 ヽ_' ,. 、    / /:`. . .: リヘ
           //_ー`_、ヽ二 〉 //: : . . . .,ノ∧ヽ
          { l`ー'┌=ヽ_, イィ'.{ト、 . . . ./,<_. j }.ヽ
             | j. . . lj. . 》 . : : :《. || j}. . /'^.-.'. //. . ヽ
          { j. . . jレ': `ヽ、: : /》j}.ル∠.--‐―_'」. . . . .ヽ
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. `. .、        ヽ{. . .<<´. . ./// . . . . . . . . . . . . . . .ヽ. . .`i
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