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リリカルなのはクロスSSその52

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 16:32:56 ID:qdRMjgRu
ここはリリカルなのはのクロスオーバーSSスレです。
ガンダム関係のクロスオーバーは新シャア板に専用スレあるので投下はそちらにお願いします。
オリネタ、エロパロはエロパロ板の専用スレの方でお願いします。
このスレはsage進行です。
【メル欄にsageと入れてください】
荒らし、煽り等はスルーしてください。
ゲット・雑談は自重の方向で。
次スレは>>975を踏んだ方、もしくは475kbyteを超えたのを確認した方が立ててください。

前スレ
リリカルなのはクロスSSその51
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204687635/l50

*雑談はこちらでお願いします
リリカルなのはウロス感想・雑談スレ28
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1205035655/l50

まとめサイト
ttp://www38.atwiki.jp/nanohass/

避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/anime/6053/

2 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 16:39:17 ID:JEv5ib8v
>>1
乙です。早速逆襲のフェイトのフェイトをいただこう。
そして5時ごろに投下すると言いましたが、前スレに投下したいと思います。

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 16:43:06 ID:rslb02FO
>>1

4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 16:46:31 ID:gk+h7F7w
>>1乙!

5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 16:47:44 ID:i8cIXPVH
>>1乙!
なのはさんと模擬戦してくる。

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 16:51:28 ID:X20F1aj+
>>1
それじゃあ、なのはさんが>>5と模擬戦してる隙に、なのはさんのスカートの中を
盗撮するよw

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 16:54:13 ID:0CnmEoQX
本スレなので普通に……
>>1乙です

8 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 17:01:46 ID:Jdd+1j4H
>>6
土屋康太乙
鼻血の出しすぎで死ぬなよ。

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 17:02:54 ID:x1U1+t2y
>>1乙ー。テンプレ微妙に変えたのか。

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 17:05:16 ID:x/lw5Q56
>>1
ティアナにぱんつめくれしてくる

11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 17:07:24 ID:WRbhnu6f
>>1乙
ウェンディの頭と身体を分離して粗大ゴミに出してくる

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 17:12:44 ID:ulaRzkgG
>>1
ピポスバルは全部オデノモノダー!!

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 17:14:14 ID:ZcCBmuY0
>>1さん乙かれさん
ところで投下が最近見られない職人さんたちは今どこへ…

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 17:21:34 ID:+nzYgVlL
それは本人しか知らないことだな
不幸があったのではないことを祈ろう

15 :仮面ライダーリリカル電王sts:2008/03/09(日) 17:27:01 ID:iBT77dIX
>>1乙!スバルに決めポーズ(モモタロス)を教えてくる。

16 :魔装機神:2008/03/09(日) 17:53:34 ID:1ujMVL4/
最近妙な電波ばかり受信する……
予約がなければ6時から嘘予告よろしいでしょうか?

17 :魔装機神:2008/03/09(日) 18:04:35 ID:1ujMVL4/
ネタ1

「俺は人を殺さない!その怨念を殺す!」
やつ、そして私が振り下ろした剣はお互いの体を突き刺した。
お互いのオーラバトラーから降りての白兵戦。
何故だ?何故私はやつに勝つ事ができない。
私は奴を倒すために己の怨念を込め、力と狡猾さを手に入れた。
だが、奴を完全に倒すにはいたらず、相打ちとなってしまった。
私は、やつに勝つ事はできないのか……
そのときだった。
私とやつは何か、強いていえばなにか暖かみのある光だろうか……
とにかく、二人は光に包まれたのだ。
それと同時に男、バーン・バニングスは意識を失ったのである。

その日、アリサ・バニングスは暇だった。
友人である高町なのはたちは今日は全員管理局の仕事で家にはいない。
また、自分自身も京菜習い事もないので、退屈な食う実を送っていた。
「そういえば、昼からはすずかは時間空いてたわよね……」
そしてアリサは、高町なのはと同じ、最も古い付き合いの月村すずかは昼からは時間が空いているのを思い出す。
昼からは自分からすずかの家に訪れようか、とアリサはさっと一つの本を手に取る。
それは、以前すずかから面白いから読んでみてといわれて借りた本だった。
本の題名は「バイストン・ウェル物語」である。
一度呼んだのだが、アリサはもういちどぺらっとその冒頭と読む。

バイストン・ウェルの物語を知るものは幸せである。
私達はこの記憶を記されてこの地上に生まれてきたにもかかわらず、思い出すことが出来ない性(さが)を持たされたから……
それゆえに、ミ・フェアリオの語る物語を教えよう……

まあ、ファンタジー小説などによくある主人公が異世界に飛ばされるときにはこのような語りのようなものが付け加えられている。
この本のお話は、主人公が地下世界、バイストン・ウェルに召還されるという物語である。
普通ならこんなものあるわけない、ただの物語と一瞥するのだが、アリサはもしかしたらあるかも、とふと思ってしまう。
それは、友人の高町なのはも「魔法少女」だからだ。
さらに、異次元の世界の人などもいて、もしかしたらバイストン・ウェルもあるかもしれない、とアリサとすずかは思っている。
流石子供といったところだろう。
「ま、そこまで偶然なんてないわよね」
所詮これは誰かが書いた空想の物、などと思いアリサは本を閉じ、借りてきたときの袋に入れた。
「また、続きでも借りようかしら」
そう思いふと窓から外を見ると、アリサはぎょっとした。
その自分の部屋のマドの前に、人が倒れているのだ。
さらに、その周囲からなんか赤いものが付着していて、それが血だとわかった瞬間、アリサはすぐに執事である鮫島を呼びつけた。
「どうなされました?お嬢様」
「なんか目の前に血を流したまま倒れてる人がいるの」
アリサにいわれて鮫島は外を見ると、これは一大事だと思って意思を呼びつけた。
ふと、アリサが見たのは、男につけている一風代わったペンダントだった……

18 :魔装機神:2008/03/09(日) 18:05:37 ID:1ujMVL4/
「ん……」
男はうつろな柄を目を覚ます。
そしてすぐにやってきたのは、違和感だった。
(どこだ?ここは……)
立ち上がろうとするがずきりと痛みが走った。
「そうか、私はショウ・ザマと戦い……」
男は先ほどまで戦っていた事を思い出し、その時に受けた傷だとようやく思い出した。
だが、それお同時になおさら思う、ここはどこだ?
一瞬、地上世界に飛ばされたか?と思ったが、一度見た地上世界とは違う事がわかった。
まだすべての地上の事はわかってはいないが、何かが違う、と男は思った。
「あ、目が覚めたみたいね」
ふと男は声のほうを見ると、そこには小さな女の子がたっていた。
「ここはどこだ?」
「ここは私の家よ、あなたは私の家の庭で倒れていて、助けてあげたの」
なるほど、自分はどこかに飛ばされ、無断で血を流しながらこの少女の家の庭にで倒れていたということか。
男は自分のしてある包帯を見て、それが嘘ではない事が解った。
本当はここはどの世界かを知りたかったが、どうやらそれを聞くのは難しい。
ふと思う、あいつも、ショウ・ザマもこの世界に飛ばされたのだろうか。
なら早くここから出て探し出し、決着をつけなければいけない。
「私はアリサ・バニングス。あなたは?」
だが、彼が考えている事はお構い無しにアリサは自己紹介をする。
まあ、それも礼儀だろう、そしてその少女の名前を聞いて男はふっと笑みを浮かべながら自分の名前緒を言う。
「奇遇だな、私もバニングスと言う苗だ。名はバーン・バニングス」
こうして、二人のバニングスは出会った。

聖戦死リリカルバニングス……これねえわ


ネタ2

時空犯罪者、ジェイル・スカリエッティはふぅ、と深いため息を付きながら前を見る。
ここは時空管理局が持つ牢屋である。
ジェイル・スカリエッティはJ・S事件と呼ばれるの実行犯として逮捕され、自分が製作し、管理局への協力の拒んだ娘達戦闘機人の数人と共にそれぞれ別の世界の牢へ投げ込まれた。
蒙古kに入ってどれだけの時がたったか解らないが、まだ半年もたっていないだろう……スカリエッティは徐々にこの生活に慣れてきた。
「ま、退屈だがね」
そう独り言をつぶやき、スカリエッティは隣の老体の犯罪者となんでもない話をしたり、ふと娘達の子と思いつつ日々を過ごしていた。
「おい、昼飯だ」
ちょうど12時を知らせるかのように看守が昼食を持ってきた。
スカリエッティは差し出された朝食に手を出そうとした瞬間だった。
「う……が……」
突然胸額すし見出し、のた打ち回りながらうずくまる。
「あ、が……う…」
おい!?と尋ねる看守の声など聞こえておらず、スカリエッティはある老人との話を思い出す。
(おぬしは知って折るか?最近、ここに安置されている犯罪者や指名手配中の犯人が次々と心臓発作で倒れていくのを……)
そう、それはいつもの老人とのなんともない話だった。
(それは、誰かの仕業等ことがあるのじゃ。誰かが犯罪者を心臓発作で死なせている。
なんとも信じがたい話じゃが、これは本当らしい)
その話を聞いて馬鹿な、とスカリエッティは嘲笑する。
そのような事があるはずもない。
だが、逆に興味がある話題でもあった。
(そして、人々はその人物をkiller(キラー)からとり、キラと呼ばれているらしい)
その話を思い出し、もしかしたらそれは本当のことかもしれないと、自分自身の目で思うことになった。
「これが……私の……最後、か……」
スカリエッティは自嘲笑みを浮かべながら意識を失った。
広域次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティ。死因「心臓発作」

19 :魔装機神:2008/03/09(日) 18:07:32 ID:1ujMVL4/
その事は、現在更正プログラムを受けているナンバーズたちにもすぐに伝えられた。
「そんな、ドクターが……」
この場にいる7人のナンバーズはギンガからスカリエッティが心臓発作で死んだ事を聞きき、ショックを隠せないでいた。
スカリエッティは自分達をつくったっちいである。
死ねば誰だって悲しくなる。
「やっぱり、キラの仕業ですか?」
その中で、一番小さな少女、チンクは最近話題になっているキラ事件の事を尋ねる。
犯罪者ばかりが心臓発作で次々と死んでゆく。
もしかしたら誰かの仕業かもしれない噂だっているのだ。
「解らないけど、その可能性高いわね」
そう言って、ギンガは様々な名前が書かれた人物のリストを見る。
それにはびっしりと書かれていて、ページも何十とある。
これがみな、ここ数週間の間で死んでいった犯罪者のリストである。
……いや、だったとでも言ったほうがいいかもしれない。
このリストに並んでいるものは、すべて心臓発作で死んでいるのだから……

「ふぅ……」
ある自宅の自室にて、子として17歳になる少年はある帳面を見て一息言れる。
そのノートは帳面部分を見ればただのノートで、誰が見ても勉強をしている学生にしか見えない。
彼の名前は夜神月(ライト)。
正義感も強く勉強も成績優秀。家族は勿論、周囲からも期待されている天才少年である。
彼は今、時空管理局で査察官になるため勉強中である。
誰から見ても、彼は今勉強中にしか見えない。
そのとき、こんこんと自分の窓をたたく音が聞こえた。
彼の部屋は2階にあって、普通なら自分の部屋の窓を外から叩く事はできない。
(またか……)
しかし、月はなれたようため息を付き、本でノートを隠して立ち上がり、窓を開ける。
「粧裕は今日友達の家に出かけていていないよ。家にいるのはぼくだけさ」
そこには、まるで人形のような小さな少女がふよふよと浮いていた。
ちなみに、粧裕とはライトの妹の事である。
その少女は月の言葉を聞いて残念そうな顔をする。
「今日は久しぶりにお休みをいただいて、久しぶりに遊ぼうと思ったんですけど、残念です」
「ごめんよ、リィンフォース」
「いえ、月さんが謝る事じゃないですよ。約束もなしに来たのはこっちですし」
その少女、リィンフォースはふと月の机にあるノートと本を見る。
「お勉強をしてたんですか?」
「今は休憩中だけどね」
「査察官になるため、頑張ってくださいね」
「ああ、はれて執務間になったら一緒に仕事をしよう」
そう言って二人は分かれて、サイド机に座る。
そのときだった。
「おい月。あんなカモフラージュでよくばれなかったな」
月の後ろに現れたのは、一番近いものでいえば死神だった。
「まあね。リィンフォースや八神家を含めて、周囲のみんなは僕に全幅の信頼を寄せている。それくらいなら問題ないさ」
そう言ってライトは帳面を見る。
そこには、大量の犯罪者の名前が書かれていた。
その中に、ジェイル・スカリエッティの名も含まれている。
「一緒に仕事をしよう、か……ふふふ」
月はさっきリィンフォースと話していた事を思い浮かべ、月はクソほほえむ。
「ああ、たっぷりとこき使ってやるよ。でも、僕の邪魔をするなら、死んでもらうけどね」
ライトはそう言って帳面を閉じる。
そこには、「DEATH NOTE」と書かれていた。
あれがこのノートを拾ったのは、半年ほど前になる……

NANO NOTE   始まらない。

20 :魔装機神:2008/03/09(日) 18:09:24 ID:1ujMVL4/
これにて投下終了。
見てのとおりダンバインとデスノートの嘘予告。
そして投下しておもった。
バーンってこんなやつだったっけ?
それに嘘予告なら前スレで梅代わりにとうかしたほうがよかったことに今気付いたOTL

21 :情に目覚めし黒き龍:2008/03/09(日) 18:21:01 ID:HeZBTAIb
新スレ立っていたのに気づきませんでした。予約無ければこちらに投下してもよろしいでしょうか?

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 18:24:07 ID:3vHZhE9C
前スレ15kb残ってるから、それ以内なら前スレの方に投下した方がいいと思う。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 18:24:14 ID:paMq40cU
>>20
GJ!ダンバインはよくわからないけど、月は皆にばれてフルボッコにされた後
原作のような最期をとげるのが目に浮かぶぜ。

>>21
進路クリアー

24 :情に目覚めし黒き龍:2008/03/09(日) 18:26:30 ID:HeZBTAIb
安全をとって、こちらに投下させていただきます。

25 :情に目覚めし黒き龍:2008/03/09(日) 18:27:54 ID:HeZBTAIb
タカタカタ、タカタカター♪

 八神はやての元に集った、闇の書の守護騎士ヴォルケンリッター。
 その中に、富士の洞窟で死んだはずの暗黒聖闘士ブラックドラゴンの姿があった。
 新しい名前として黒龍と名をつけられた彼は、はやてと守護騎士達と共に新しい生活を歩む事を決意する。
 だがしかし、そこには既に暗雲が立ち込めていた。

 情に目覚めし黒き龍第二話「荒れ狂う龍! 黒龍怒りの鉄拳」

 八神はやてです、突然家族が増えた事に驚いた私ですがそれにも慣れ楽しく毎日を過ごしています。
 最近ではみんなも、それぞれやりたい事や趣味などができて少し寂しい時があるけど良い感じです。
 でも、黒龍その趣味だけは私としてはどうかと思うんよ。

「なぁ、黒龍それ面白いんの?」
 なにげなくテレビを見ながら、リビングでな一心に作業をしている黒龍に声をかける。
 声に既に諦めと呆れが混じっているのが、自分でもよう分かるわ。
「面白いかと聞かれれば、面白いな。文化的生活とは全くの無縁だったからな楽しいぞこの写経と言うのは」
 そこには机の上にお経を広げ、一心不乱に筆を取る黒龍の姿があった。

 そうなんや、他の皆が大なり小なり外に出て生活を送ってるのに黒竜だけが家の中で大半の時間を過ごしてるんや。
 私としては家族と一緒に居られて嬉しいけど、偶にスゴイ据わった目でひたすら摸写しつづけてる黒龍は凄く恐いわ。

「黒龍は、外で何かしようとは思わないの?」
 私の問いに、黒龍は意外な返事をしてきました。
「いや、深夜に外で鍛錬などもしている。近くの山の上にある神社なのだか、顔見知りとも言える知り合いもできた」
 何か、夜中に時々ごそごそと動いてると思ったらそんな事してたんか、普通昼間にやると思うんやけど。
 それよりも、そんな中で顔見知りできるってまさかお化けやないよね?

「何分昼間から外に出ていると補導されそうだしな、なので精神修養も兼ねて写経をしているのだ」
 続けての黒龍の発言に、心の中で思わず突っ込んでしまったわー。
「その顔見知りに、盆栽の方も進められたのだが植物はあいにくと育てた事が無いので遠慮しておいた」
 確かに黒龍は、ぱっと見高校生ぐらいやし補導されるかもしれんけどそこまで神経つかうのやろうか?
 あと黒龍が言うその顔見知り、写経もあれやけど盆栽を進めるってどんな神経の持ち主や。
「何よりも私としては、外に出ているよりはやて達とすごしていた方がずっと暖かい気持ちになれる」
 あかん、そこでそんな事言うなんて反則や黒龍は長髪なのがちょっとアレだけど世間で言う美形さんやし
私も照れてしまう。顔が赤くなってるのが、自分でも分かるわ。

そうこうしていると、黒龍は写経を止めて私に振り返った。
「はやて、もうすぐ昼になるな食事の用意をしてしまおう。 今日は何を作るのだ?」
 そう告げると、立ち上がり台所に向かって歩いてく。
「今日はヴィータがスパゲティを食べたいって言ったから、お手軽にナポリタンにするつもりや」
返事を返し、私も車椅子を動かして台所に進む。さぁ今日も張り切って料理するでー。


 その日の夜、皆また外にでかけてから中々戻ってきいへん。
 仕方が無いので黒竜と二人で待ってるけど、寂しいわ……、折角今日は鍋にしようと思ったのに。
 そんな風に寂しそうな表情を見せていたら、黒龍が席を立ってジャンパーを着込み始めた。
「はやて、皆がまだ帰ってこないので少しコンビニに行ってアイスを買ってこようと思うのだが何が良いか?」
 何気ない様子で黒龍は、私に何が欲しいか聞いてくる。でも一人になるのが寂しいから、此処にいて欲しいと伝えようとしたら
黒龍は軽く微笑むとさり気ない気遣いを見せてくれたんや。
「ついでに、シグナム達を見かけたら早く戻るように伝えておくとしよう。 で、どうする?」
 うちのことを考えて、コンビニに行くという建前でシグナム達を探しに行こうとする。そんな黒龍の心遣いを無駄にしたくなくて
 私は、じゃあストロベリーが良いと伝えた。
「此処からは少し遠いから、少し遅くなるかもしれないが可能な限り早く戻ってこよう」
 そう言って、ドアを開け外出していった。

26 :魔装機神:2008/03/09(日) 18:28:15 ID:1ujMVL4/
いまさら気付いたにミスを。
聖戦死じゃなくて聖戦士ね。
これじゃみんな死んじゃうようなもんだ

27 :情に目覚めし黒き龍:2008/03/09(日) 18:29:12 ID:HeZBTAIb
 外灯に照らされた道をのんびり歩きながら、黒龍は考えていた。
 シグナム達が外に出る回数が増えたのは、この前はやての検診に行ってからだと。
「何か成さねばならない事があるのか、なぜ私やはやてには……」
 そう呟いたが、彼女達と共に現れた時に言っていた言葉を思い出した。
「魔力が感じない、恐らくこれが私には何も話さなかった原因だろう。そしてはやてに対しては恐らく……」
 ブツブツと呟きながら、コンビニまで後10分ほどの距離になった時、黒龍の鋭敏な感覚が何かを感じていた。
「なんだ、この異常な空気は……この町に似つかわしくない戦いの気配をも内包している。向こうか!」
 黒龍は、気配を感じた方向に向かい急いで駆け出した。
 駆けつけた先でみた物は、コスモではない何か異様な力で包まれた空間そして、空に浮んでいる隠れた何か。
 だが、いかに隠れようとも僅かな空気の流れを感じる以上捕らえられない事は無い!
「何事だこれは、そしてシグナム達の気配も同時に感じる……ええい! 何があったか知らないが見ぬ振りはできん」
 ゆっくりと息を整えると、空に浮ぶ何かに向かって己の拳を解き放った、その数1秒間に実に50。
 常人や、魔道師には異常とも言える攻撃だが、聖闘士にしてはこの程度朝飯前な行為。
 解き放たれた拳圧が、このあたりに浮んでいた何かを確実に葬ったと感じ黒龍は空間に突入した。


 アースラ艦内
「艦長、結界東部周辺に浮かべていたサーチャーが全部一瞬で破壊されました!」
 艦内で、結界及びその周辺の把握をしていたエイミィが慌てて、後ろに居るリンディに異変を告げる。
「何ですってエイミィ! 東部周辺にいる武装隊第一、第三小隊に至急向かわせて。」
 告げられるや否やすぐさま指示を出す、そして軽く頷くと更なる指示を出した。
「後クロノにも連絡を、一瞬でサーチャーを破壊する何かに武装隊が対応できない可能性があるわ」
 その後、苦笑いを浮かべ安心させるようにエイミィに告げた。
「まぁ、幾らなんでも早々そんなことは無いと思いたいわね」
「そうですよ、このアースラにいる武装隊は空戦Aランクですよ」
 しかしリンディの不安はその数分後的中してしまう。


 気配に向かって、ひたすら走る黒龍の感覚に空から向かってくる10人近くの人間の気配を感じた。
「シグナム達の気配はもう近い、こいつらが何者か知らないが邪魔をしないで貰おう」
 言葉と共に高まるコスモ、それを勢いに変え黒龍は音速の動きを持って一瞬で吹き飛ばす。
 ドシャ、ドシャと地面に落ちていく音を聞きながらも、後ろを振り向かずそのまま跳躍ビルの屋上に飛び上がった。
「どこだ? この当たりのはずだか……」
 周囲を見渡していた黒龍の目に飛び込んできたのは、黒い少年に武器を突きつけられたシャマルの姿であった。
 その光景を目撃した瞬間、黒龍の中で生まれて初めて何かが切れた。


「抵抗しなければ、弁護の機会があなたにはある。同意するなら武装の解除をブハァ!」
 シャマルにデバイスを突きつけていたクロノは、先ほど有ったサーチャーと小隊の全滅を聞き急ぎ逮捕しようとした瞬間
通常では考えられない威力の何かで隣のビルの壁に叩きつけられていた。
「え、何? 何が起こったの!?」
 突然の叫び声に、慌てて後ろを振り向いたシャマルが目にしたのは、鬼気迫る表情で立っているこの場に居ないはずの
自分たちの家族、そして初めてみた怒りの表情であった。
「誰だか知らんが小僧、人の家族に手を出そうとするのならそれ相応の報いを受けてもらおう」
 そう語る黒龍の背中に、シャマルは荒れ狂う龍の姿をみた。
 ここに、魔道師対聖闘士異なる力を持つ者同士の最初の戦いが切って落とされた。

28 :情に目覚めし黒き龍:2008/03/09(日) 18:31:32 ID:HeZBTAIb
投下完了です、アニメ星矢の前回のあらすじみたいなのをやってみましたが
聖衣装着させようと書いてみたら、なぜかおかしな方向に黒竜が行動してし
まいましたOTZ

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 18:43:40 ID:3vHZhE9C
GJ!
ブラックドラゴンは星矢の世界じゃ青銅レベルだけど、なのはの世界だと化け物だな
あと2レスなら前スレでもよかったかもね



30 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 18:46:40 ID:PY+d7ufE
魔装機神さん黒き龍さん共にGJです!
星矢は読んだことがないんですが、はやてと黒龍の絡みはのほほんとしていて面白かったです。
あと、九時くらいに予約とらせていただきます。

31 :魔装機神:2008/03/09(日) 18:51:46 ID:1ujMVL4/
GJです。

それと、誤字報告とはいえ、途中で割り込んで申し訳ありませんでした。

32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 19:20:17 ID:LRuz3AVL
26
・・・誤字に見えないのはなぜだろうか?

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 19:20:58 ID:K3cloXnX
>>32
ある意味間違ってないからだろwwww

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 19:22:34 ID:E5SEkqjq
クロノ ブハァってww

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 19:40:53 ID:fGY0E6Uy
誤字以前に色々日本語としておかしいだろ
「気付いたにミスを」ってなんだよ
同じレベルの事大量にやってるぞ
まず校正からやりなおせ

36 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 20:13:48 ID:jxXTAH7m
30
リリカルTRIGUN氏更新されるのを待っていました。

37 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 20:43:36 ID:6DeLQIkI
>>34
いや、合ってるでしょw内股気味に空高く打ち上げられ、頭からグシャァッ!と落下する車田ぶっ飛びで脳内再生されたwww

>>30
そいつを…その作品を……投下してくれ
そいつはこのスレに……必要な…作品だ!!

38 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:02:43 ID:jq/lBXgj
それでは投下します。
なんか馬鹿みたいに長くなってしまった……

39 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:05:58 ID:jq/lBXgj
海鳴市。いつもは賑やかなそこは今は嘘のように閑散としている。
人っ子一人いない。まさにその表現が適切だろう。
――だがそこだけは違った。

三人の少女と一人の少年、そして一人の男。計五人がそこにはいる。


少女の一人、フェイトが目の前にいる赤服の少女を睨む。

「民間人への魔法攻撃。軽犯罪ではすまない罪だ」
「何だテメー、管理局の魔導師か?」

淡々としたフェイトの言葉にヴィータは苛ついたように返す。

「時空管理局嘱託魔導師、フェイト・テスタロッサ。抵抗しなければ弁護の機会が君にはある。同意するなら武装を解除して――」
「誰がするかよ!」

ヴィータは空へと飛び出す。逃走ではなく、闘争を行うために。

「ユーノ、なのはとそこの人をお願い」

それを追ってフェイトも窓から飛び出し、金色の光を放ちながら飛翔し始める。
赤と金色。二つの光は凄まじいスピードでなのは達から遠ざかっていった。

「フェイトちゃん……」

それを見ながらなのはは心配そうな声を上げる。

「心配しなくても大丈夫だよ。今はフェイトに任せよう」
「ユーノ君……」

そう言うとユーノは魔法を使い、なのはの治療を始める。
緑色の球体から淡い光がなのはに降り注ぐ。

「フェイトの裁判も終わって、みんなでなのはに連絡しようと思ったんだ。そしたら通信が繋がらないし局の方で調べたら広域結界も張られてるし……それで慌てて僕たちが来たんだよ」
「そっか……」

なのはの治癒を行いながら、ここに来るまでのいきさつを説明するユーノ。

「……それでそこの人は?」

一通り説明し終えた後、ユーノが疑問の声を上げる。視線の先には金髪隻腕の男――ヴァッシュの姿。
さっきからヴァッシュは心配そうになのはを見たり、フェイトの飛んでいった方を見たりと落ち着きがない。
どうやらあまりの事態についてこれてないようだ。

「この人は……」

なのはは言いよどむ。

ヴァッシュさんの事を話してもいいのか?
ユーノ君は管理局の一員だ。
もしユーノ君にヴァッシュさんの事を話し、それがリンディさんの耳に届いたらヴァッシュさんは元の世界に帰ることになるかもしれない。
それは絶対にダメだ。
……どうすればいいんだろう。



40 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:07:32 ID:6DeLQIkI
突然だが今から勝手に俺的支援タイムに入る!

41 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:07:39 ID:jq/lBXgj
「なぁ、ちょっといいかい?」

悩むなのはを後目にヴァッシュが唐突に声を上げた。

「……何でしょう?」

ユーノが訝しげに答える。

「空を飛んだり変な光でなのはを治したり……その能力は何なんだい?」

ヴァッシュが口にしたのは至極当然な疑問。
こうも連続で不思議なことばかりが起きたのだ、さすがのヴァッシュでも頭が追い付かない。

「えーと……」

その問いにユーノは答えるべきか悩む。
この世界――第97管理外世界にいるということは魔法についての知識は全く持ってないのだろう。
見たところ魔力を持っている訳でもない普通の人だろうし……。
どうしたものかと、ユーノは数秒迷った後、口を開いた。

「……この力は魔法って言うんです」

魔法の関わる事件にこれだけ巻き込まれてしまったのだ、説明しないのは余りにも可哀想すぎる。
そう思いユーノは魔法の説明をすることに決めた。

「魔法?」

ヴァッシュが困惑の顔で返す。

「そうです、魔法です。この魔法というのは人の体にある魔力を使って様々な事象を引き起こすことが出来ます。さっきあなたが言った空を飛んだり、人を治療したりとかもそうです」

そんなヴァッシュを見ながら、一息に魔法の概要について話す。
ヴァッシュは信じられないという顔をしているが、否定しきれないのか頭を悩ませている。

「……その魔法っていうのは街全体の人を消すことも出来るのかい?」
「できます」
「……マジ?」
「マジです」

ヴァッシュは眉間にシワをよせ、額を軽く叩く。
この少年が嘘をついているようには見えない……。というか実際に魔法が使われた所を見たのだ、信じない訳にはいかない。
だが、やはりそう簡単に信じられるものではない。
いや、そりゃ幻術使ったり、鉄扉を貫く超重火器を易々と振り回す化け物じみた人間には会ったことはある。でも、魔法とは……。
ヴァッシュは頭を抱える。



42 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:07:44 ID:JEv5ib8v
支援

43 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:09:38 ID:jq/lBXgj
そんなヴァッシュを見て二人はひそひそと話す。

「いーの?ヴァッシュさんに魔法の事言っちゃって」
「魔法のことだけなら多分……。管理局のことを言わなきゃ大丈夫……だと思う」

ユーノの言葉を聞きなのはは安堵する。
ユーノ君はヴァッシュさんに管理局のことを言うつもりはないみたいだ。
これなら管理局がヴァッシュさんのことを認識することはない。
知るとしても不幸にも事件に巻き込まれた被害者としてだろう。
ヴァッシュさんが異世界の住民だということがバレることはないはずだ。

「……よし!」

その時、ヴァッシュが顔を上げた。
その顔に迷いの二文字は無い。
別にヴァッシュが魔法というものを理解した訳ではない。
だがヴァッシュは魔法をそういう「技」だと考えることにした。
空も飛べ、人も消せ、人を治せる、とても融通のきく強大な技。そういうことに脳内変換した。
ヴァッシュは難しく考えるのを止め、出来るだけ単純に考え、理解したのだ。

それに今必要なのは魔法について考えることではない。この不可思議な状況でどう行動するかだ。
ヴァッシュはそう考え顔を上げた。
そう考えれば後は簡単。
あの赤服の少女は魔法という強大な力を悪用する犯罪者のようなもので、なのはといきなり現れた少年少女はそれを捕まえる保安官のようなもの。

どちらに味方するかは考えなくても分かる。


「よし、お前!」

ヴァッシュがユーノの方を向く。

「な、何でしょう?」
「名前は何て言うんだ?」
「……ユーノ・スクライアですけど」
「OK、ユーノだな。ユーノ、一つ質問だ。消えたみんなはどうすれば現れるんだ?」
「……えーと、結界を破壊するか解除するかすればいいと思いますけど」
ユーノがそう言うとヴァッシュは考え込む。

なのはとユーノはいきなりのヴァッシュの言葉に困惑気味の顔をする。

「ヴァッシュさん、それがどうしたの?」

なのはが首を傾げて問うが、それにヴァッシュは答えることなく考え続ける。
静寂が三人を包む。

「ヴァッシュさ――」
「移動するぞ」
「――へ?」

なのはが再び口を開いたと時、ヴァッシュがいきなり顔を上げた。
その顔は真剣そのものでなのは達は少し気圧される。
ヴァッシュはそんななのは達に近付き、なのはを抱きかかえる。
俗に言うお姫様抱っこという体勢で。



44 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:10:01 ID:6DeLQIkI
ヴァッシュの回想でちゃんと無印のGHGの奴らしか出てない点に細かい配慮を感じる支援。

45 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:10:51 ID:JEv5ib8v
支援

46 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:11:43 ID:jq/lBXgj
「ふぇえ!?」
「ちょっとヴァッシュさん!」

いきなりのヴァッシュの行動に二人が声を上げる。なのはにしてみたらいきなりのお姫様抱っこだ。驚くなんてレベルじゃない。顔を真っ赤にしている。

「屋上に行くんだ。さっきの子を援護する」

そんな二人にヴァッシュが静かに口を開く。
それを聞き二人もようやく理解する。

(……なら、せめて何か言って欲しかったな……)
なのはは顔を真っ赤にして、心の中でそう呟いた。



■□■□

空中で赤い光と金色の光が飛び回りぶつかり合う。
目で追うことすら難しい程のスピードの中、ヴィータとフェイトは幾重にも渡る攻防を繰り返す。

「グラーフアイゼン!」
『Schwalbefliegen』

ヴィータの叫びと共に四個の鉄球が現れる。

(誘導弾!)

それを見た瞬間、フェイトはバルディッシュを振りかぶる。
回避や防御ではない攻撃の為に。

「バルディッシュ!」
『Arc Saber』

瞬間、誘導弾と光刃が同時に放たれる。

「障壁!」
『Panzerhindernis』


ヴィータは防ぎ、フェイトは避ける。
回避するフェイトを誘導弾が追いすがるが、それすら当たらない。
互いの戦闘スタイルが如実に出た一瞬の攻防は、両者にダメージを与えることなく終わった。

実力は完全に拮抗。
戦闘スタイルが似通っていることもそうしてか、互いに決定打をいれられない。


「でやぁあーーー!」



47 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:12:26 ID:JEv5ib8v
ヴァッシュ、何を…。支援

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:12:28 ID:KVuL/WXZ
 

49 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:13:14 ID:jq/lBXgj
その時、ヴィータの真下から雄叫びと共に一人の獣人が飛び出す。

「バリア……ブレイク!」

オレンジの髪をした獣人は、そのままの勢いでヴィータが形成した障壁に拳を叩き込む。
直後、爆発と共に障壁が消え去る。が、肝心の術者、ヴィータ自身には拳は届かない。

「このぉ!」

怒りに身を任せ、爆風によりバランスを崩しているアルフ目掛けヴィータが接近。
グラーフアイゼンを振るう。

寸前で気付いたアルフも障壁を形成し防御するが、力が足りない。
障壁ごとその身を吹き飛ばされる。

チャンスとばかりにヴィータは追撃をかける為、間合いを詰めていく。
が、それは下方から振るわれたバルディッシュにより阻止される。

『Pferde』

反射的にヴィータは高速移動魔法を発動。
足元に現れた魔力で出来た小さな竜巻により、その体を一気に加速させ距離を離す。
フェイトも追いすがるが、高速移動魔法相手では些か分が悪く、距離は離れていった。

「バインド!」

ヴィータが距離を離しきるよりも早く、アルフはバインドにより加速魔法を打ち消す。
ヴィータの動きが止まる。
その隙を見逃すフェイトでもなく、風切り音とともに即座に距離をつめバルディッシュを振るう。
負けじとヴィータもグラーフアイゼンを振りかぶる。

直後、轟音と共に二つのデバイスが重なる。
互いに渾身の力を込め押し合う。

(カートリッジ残り二発……いけっか?)

その体勢のままヴィータは冷静に状況を把握する。
敵は五人、内一人は戦闘不能、もう一人は魔力を持たないただの人間。
戦えそうなのはオレンジ髪の守護獣と金髪の女、あとはマントを羽織った男だけ。
守護獣とマントはデバイスを持っていないとこから見てサポート要員だろう。問題なのは目の前のコイツだ。
コイツは相当強い。
スピードだけを見れば自分を遥かに超えている。まともに戦ったら手こずるかもしれない。



50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:13:32 ID:hx74YYNw
四円

51 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:14:28 ID:jq/lBXgj
(……でも負ける訳にはいかねー。あたしはベルカの――はやての守護騎士なんだから……)

二人は距離を取り。
ヴィータは敵対心を込めた瞳でフェイトを睨む。
フェイトも臆することなくその目を見据える。
互いの目に宿るは強い意志。






――戦いは始まったばかり。


■□■□


屋上に上がった三人の目に映ったものは、アルフのバインドにより身動きを封じられている襲撃者。そしてそれに近付くフェイトだった。
ユーノとなのはが安堵の溜め息をもらし、それに続きヴァッシュも胸をなで下ろした。

――その時だった。

突然ピンク髪の女と褐色の肌をした男がどこからともなく現れた。
突然の乱入者にフェイトとアルフの二人は反応しきれず吹き飛ばされる。

「フェイトちゃん!」

なのはが悲痛な叫びを上げる。

「まずい……!助けに行かなくちゃ!」

そう言いユーノは魔力を高め、呪文を唱える。
同時になのはの足元に魔法陣が現れ、それを囲うように結界が現れる。

「癒やしと防御の結界だよ。なのはとヴァッシュさんはそこで待ってて」

ユーノはそう言い空へと飛翔する。

「待つんだ!ユーノ!」

――寸前でヴァッシュに呼び止められた。



52 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:16:18 ID:6DeLQIkI
ヴォルケンリッター、お前らはこれからただのガンマンの前にひれ伏す支援

53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:16:47 ID:Ew7hkHQh
A.ARMはらめぇぇぇぇ

54 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:16:52 ID:jq/lBXgj
「何ですか、早く行かなくちゃマズいんですよ!」

焦るユーノにヴァッシュは冷静に口を開く。

「……作戦を考えた」
「?……作戦?」
「そう。あいつらを一網打尽する取って置きの秘策さ」

ヴァッシュはおどけながらそう言い、ユーノとなのはに作戦を話し始めた。









「……ちょっと待って。それじゃあダメだよ。あの子達を抑える人がいないよ」
「そうですよ。僕が戦えない分戦力が減っちゃいます。なのはは戦えないし……」

ヴァッシュが言った作戦には明らかに人が足りない。最低でももう一人は人がいなくては成立しない。
だが、ヴァッシュはさも当然のようにその問題の答えを口にする。

「俺が戦う」

かなりぶっ飛んだ答えを。

「時間がない。今すぐ頼むよユーノ」
「ちょ、ちょっと待って下さい!ヴァッシュさんが足止めするんですか!?無茶ですよ!」
「ダ、ダメだよ、ヴァッシュさん!危険すぎます!」

そのままフェイト達の元へ行こうとするヴァッシュを、二人は慌てて引き止める。
ヴァッシュの策自体は良案と言っていいかもしれない。
いや、むしろ敵を捕まえるのを目的とするのならこれ以上ない案だ。だけど明らかに無茶な点がある。
それはヴァッシュが足止めをするということだ。二人から見てヴァッシュは魔力も持たない普通の人だ。
そんな人に魔導師と――しかもフェイトとも互角に戦えるような魔導師と戦わせる訳にはいかない。
だが、そんな二人の気持ちは届かず――

「ってことで、任せたぞユーノ!出来るだけ早く頼むよ!」

――ヴァッシュはビルとビルの間を器用に飛び跳ね、去っていってしまった。

「ヴァッシュさん!」

痛みを押してヴァッシュを追いかけようとするなのは。

「なのは、無理しちゃダメだ!」

そんななのはをユーノは結界の中へと必死に押し止める。

(まったく、なんて無茶な人だ……)

ユーノは苦々しい顔をしながらそう思う。
なのはも大分無茶だけど、あの人はそれ以上だ。



55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:17:34 ID:9VoNZ8u6
ニヤニヤが止まらない支援

56 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:17:53 ID:jq/lBXgj
「はぁ……」

ユーノは深く溜め息をつき魔力を高めていく。
横ではなのはが心配そうな顔でヴァッシュの去った方を見つめている。
今からでも追ってヴァッシュさんを止めてきた方が良いんだろうか?
なのはを見ているとそんな気持ちになる。

「……そんな心配することないさ。フェイトもアルフもいるんだ、大丈夫だよ」

気休めだというのは分かっている。
増援が来る前ならまだしも、今は実質3対3だ。
最低でも一人がヴァッシュと戦うことになるだろう。
しかも、相手はなのはをも撃退したり、フェイトやアルフとも互角以上に戦えるレベル。
誰がどうみても危険だ。普通の人に勝てる訳がない。

だがそのことを言っても、ヴァッシュは止まらない。
躊躇いすら見せず飄々と笑い、行ってしまった。
その行動にはとても強い意志を感じる。

なら、今の僕に出来る事は一つだけだ。
ヴァッシュさんの作戦通りに自分の役目を果たすこと。それだけだ。

(やるしかない)

ユーノは目をつぶり、呪文を唱え始めた。



――一つ、二人が知らないことがあった。
いや、なのはは話には聞いたが実際に目の当たりにしたことがない。

二人は知らない。
銃が社会を支配する惑星で銃一つで生き抜いて来た男の実力を。
そう、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの実力を彼女たちは知らない。





57 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:19:31 ID:jq/lBXgj
■□■□

ユーノ達の所から少し離れたビルの屋上。

ヴァッシュは相棒とも呼べる銃を握りながら、空を眺める。
空では赤、紫、金、橙、銀、五色の光が飛び回っている。

「……恨むぜ神様」

ヴァッシュはその中の一つの光に狙いを定め、一人ごち、深く息を吸う。
今日の午前中までは楽しい時が流れていた。みんなと騒ぎ、笑う毎日。明日が楽しみで仕方がない毎日。
だが、それは無遠慮な襲撃者によって崩れさった。

(いや……まだ崩れてはいない)

そうだ、まだ崩れてはいない。
ヴァッシュは銃を握る。
また明日からあの楽しい日常を送るためヴァッシュは銃を構える。

「本当に気に入ってたんだぜ……今の生活が」

そう呟き、ヴァッシュは引き金を――引いた。




■□■□

(強い……!)

増援の魔導師――シグナムの猛攻を回避しながらフェイトはそう思った。
戦況は明らかにフェイトにとって不利。さっきから攻め込む隙すら掴めていない。
フェイトがここまで追い詰められている原因は三つ。

一つ目は純粋にこの魔導師の腕が良いということ。
二つ目はカートリッジの存在。カートリッジがもたらす爆発的な魔力増加にフェイトがついていけていないということ。
そして三つ目。数の差。今の状況は単純に3対2。本来ならばユーノが加わっているはずの状況だが、まだユーノはヴァッシュと作戦会議をしている。

そんなことを知る由もないフェイトは必死に敵の攻撃をしのぐ。
だが如何せん相手は同等またはフェイト以上の力を持つ魔導師。未だに倒れていないことが奇跡といってもいいだろう。

ユーノへと念話を飛ばすも結界の影響で届かない。
アルフもザフィーラ相手で手一杯。
戦況はフェイトにとって最悪とも言えた。
それでもフェイトは諦めずに空を駆け続ける。
負ける訳にはいかない。みんなのために。
その気持ちがフェイトを支えていた。



58 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:21:07 ID:jq/lBXgj
「はあぁぁぁ!」

雄叫びと共にシグナムが向かってくる。
疾風の様なスピード。
だが、純粋なスピード勝負だったらフェイトの方が数段上。
フェイトは後ろに下がり距離を離そうとする。
が、その動きは後方から飛来する誘導弾に阻害される。
フェイトは冷静に誘導弾を回避、再びシグナムとの距離を離そうとするも、そこに鉄槌の騎士ヴィータが現れる。

『Dfensor』

辛うじてバルディッシュが障壁を形成する。
が、その障壁は軽々と突破される。
それを何とかバルディッシュで防ぎ、鍔迫り合いの形に移行する。

「ぐっ……!」
「くぅっ……!」

互いに渾身の力を込め押し合う。拮抗。ピクリとも動かない。
だが、ここでも数の差が出た。

横殴りの衝撃と共にフェイトが吹き飛ぶ。

「大丈夫か?ヴィータ」
「当たり前だろ!」

シグナムの飛び蹴り。
しかも名の通り最高速での飛行状態からの蹴り。
これがフェイトへと繰り出された。

「っ……フォトンランサー!」

蹴りを受けた右腕に走る鈍い痛みを押し殺し、フェイトが二人に対しフォトンランサーを放つ。
だが、そんな単純な攻撃が当たるはずもなく易々と回避される。

(なら……!)

だがそれでいい。回避行動を行うことで次のモーションがワンテンポ遅れる。
そして、フェイトにはその一瞬があれば充分。

「ソニックムーブ!」

瞬間、フェイトの姿が消え、ヴィータの目の前に現れる。

「なっ!?」

ヴィータの顔に驚愕が張り付く。ヴィータも高速移動魔法を持ってはいるが、ここまで早くはない。
いや、今まで戦った相手の中にもここまでの相手はいなかっ
た。



59 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:21:57 ID:6DeLQIkI
うあやべええええ! そこでその台詞来るかぁ(涙
ヴァッシュがもう一度銃を手に取る時の覚悟と悲しみと切なさが含まれた個人的名台詞だ…

60 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:22:14 ID:jq/lBXgj
「障壁!」

それでも騎士としての本能が反射的に体を動かした。
障壁と光刃がぶつかる。が、不十分な状態からの障壁でフェイトの渾身の一撃を防ぎきれるはずもなく――

「はあぁぁぁーー!」

フェイトの叫びと共に障壁が切り裂かれた。瞬時に切り返しを放つ。

それは一瞬の勝機を見極めたフェイトの一撃。遂にヴィータに届くかと思われた。

「ヴィータ!」

が、それすらも横から割り込んだ烈火の騎士により防がれた。

隠し玉とさえいえる超加速。
ベルカの騎士の将・シグナムをもってしても追い付くことの出来ないスピード。
シグナム自身も間に合わないと思った。
だが、ヴィータの障壁がそれを間に合わせた。

「そんな……!」

渾身の一撃を防がれたフェイトは驚愕に目を見開く。

「レヴァンティン!カートリッジロード!」
『Explosion』
「紫電一閃!」

そんなフェイトを炎の刃が容赦なく襲う。

『Defensor』

再びバルディッシュが障壁を形成するが防ぎきれない。
姿勢制御すら出来ずにフェイトは吹き飛ばされた。

「ラケーテンハンマー!」

そしてそれに迫るは鉄槌の騎士。
カートリッジ一発分の魔力を込めた鉄槌。
それがフェイトへと迫る。

主の危機に気付いたアルフが援護に入ろうとするが、ザフィーラが割って入り近づけない。

もはやフェイトもバルディッシュもアルフもどうすることも出来ない。

フェイトの体にグラーフアイゼンが突き刺さる、誰もが――ビルから見ていたなのはやユーノでさえそう思った。



――瞬間、轟音が鳴り響いた。



61 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:22:30 ID:JEv5ib8v
支援

62 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:23:16 ID:jxEaEe4A
支援

63 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:23:18 ID:jq/lBXgj
■□■□

驚愕。
誰もが驚愕していた。
なのはも、ユーノも、フェイトも、アルフも、シグナムも、ザフィーラも驚愕の表情を張り付かせている。
彼らは自分が見た光景をにわかには信じられなかった。
もはや止める者のいないと思われたグラーフアイゼンがヴィータの手から吹き飛んだ。

ヴィータが手を離した訳ではない。何かに弾かれるようにグラーフアイゼンがヴィータの手から離れたのだ。

ヴィータは愕然としながら自分の手を見る。
握っていたはずのグラーフアイゼンは無人の街へと落ちている。
何が起きた?
管理局の魔導師をぶっ飛ばそうと突っ込んだ。そこまでは分かる。だがあの衝撃は何だったんだ?
魔力も感じなかった、攻撃が飛んでくるとこも見えなかった。
だけど物凄い衝撃がグラーフアイゼンを襲い手を離してしまった。
ヴィータがゆっくりと衝撃が襲った方向に首を向ける。
そして見た。
銀色の銃をこちらに向けているバカみたいに派手な髪を逆立てている隻腕の男の姿を。

(まさか……銃撃!?そんな馬鹿な!)

ヴィータとて守護騎士として様々な世界で何十何百という戦いを経験してきた。
当然、その中には銃機を武器として扱う敵もいた。だからこそ分かる。この男のした事がどれだけ有り得ないことかを。

(あのスピードの中グラーフアイゼンを狙って撃ったっていうのかよ!)

魔導師同士の高速戦の中で、しかもグラーフアイゼンだけを狙った。そんなことをしたのか?
有り得ない。
少なくとも今まで戦った銃使いの中にはいなかった。
ヴィータは呆然とヴァッシュを見つめることしか出来なかった。
ヴィータだけじゃない。誰も動かない。いや、誰も動けない。目の前で起きた有り得ない出来事に身動きするのを忘れていた。

「……もうやめないかい?こんなことしても何の意味にもならないよ」

静まり返る海鳴市にヴァッシュのどこか抜けた声だけが響き渡った。




――こうしてヴァッシュ・ザ・スタンピードは争乱の中へと足を踏み入れた。


64 :Strikers May Cry:2008/03/09(日) 21:25:19 ID:AE2SMVuD
100年以上こいつで戦ってきたからな支援!

65 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:25:52 ID:6DeLQIkI
何万発繰り返せばそんなことができる―――!? 支援

66 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:27:05 ID:KVuL/WXZ
 

67 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:27:15 ID:jq/lBXgj
気持ちとしては直ぐにでもフェイトの援護に向かいたかったが、ここでこの子がどう動くか見るのも必要だと考えヴァッシュは必死に押しとどまる。

「頼む!引いてくれ!こんなことして何の得になるんだ!」

そして再度言葉を飛ばす。ヴィータの心に届くと思い、必死に説得する。
――それが火に油を注ぐ行為だとも知らずに。





「うおおぉーーー!」

ヴァッシュの言葉がヴィータの鼓膜を揺らし、脳がその意味を理解した瞬間、ヴィータの頭は怒りで真っ白になった。
落下中のグラーフアイゼンを拾い、一直線にヴァッシュへと接近。
グラーフアイゼンを振り下ろす。
常人だったら反応することすら出来ない渾身の一撃。
だが、それは目標に当たること無く、屋上に小さなクレーターを作るに終わる。

その横ではヴァッシュが冷や汗を流しながら転がっている。
いきなりの激昂に訳が分からず驚愕に目を見開いている。
そんなヴァッシュにヴィータは息付く暇も与えずグラーフアイゼンを振るい、流れるように攻撃を繰り出す。

時には体を捻り、時には跳ね、ヴァッシュはその全てをかわしていく。
が、端から見てもその回避行動には余裕がない。
ヴァッシュは前方に転がり、間合いを離す。
すると、いきなりヴァッシュはヴィータに背を向けた。

その意味不明の行動にヴィータの動きが一瞬止まる。
その隙にヴァッシュが全力で走り出す。

(……は?)

――逃亡。
ヴァッシュは躊躇うことなく尻尾を丸め逃げることを選んだ。
神業ともいえる銃撃をした男のその行動にヴィータはついて行くことが出来なかった。

「て、てめぇ!何逃げてんだよ!」

数瞬後、我に返ったヴィータが叫ぶが、その頃にはヴァッシュは数個先のビルに飛び移っていてもはや米粒大になっていた。

「何なんだよ!あいつは!」

苛ついたようにヴィータはそう叫び、後を追いかけ始めた。






「何てスピードとパワーだよ!こんなの勝負にならないって!」

ビルからビルへと飛び跳ねながらヴァッシュが悲痛の叫びを上げる。
その目には軽く涙が浮かんでいる。



68 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:27:15 ID:9VoNZ8u6
やべえ勃ってきた…!支援

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:28:20 ID:nB1/RgKN
さすがだヴァッシュ!!

70 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:29:07 ID:jq/lBXgj
「あれ?前にもこんな事なかったっけ?…………あれだ!あの、街全体が襲ってきた時だ!確かあの時もこんな感じで建物と建物を飛び回って逃げてた気が……ってそんなこと言ってる場合じゃないっつーの!ユーノ!早くしてー!」

泣き言を喚きながら逃げ回る主人公。
……なかなか締まらない主人公である。

(…………ん?)

その時ヴァッシュの耳に風を切り裂くような音が聞こえた。
不思議に思い顔を向けるとそこには二つの鉄球。
しかも、それは流星の如く速度でヴァッシュへと迫ってくる。

「うおぉ!?」

ヴァッシュは反射的に身を屈め回避する。トンガリ頭を掠めたが何とか回避には成功。
ヴァッシュはホッと胸をなでおろす。

――だが、残念なことに守護騎士の攻撃はそんなに甘くない。

鉄球は空中で弧を描くと再びヴァッシュ目掛け飛んできた。

「なっ!?」

ヴァッシュの顔が驚愕に染まる。
――誘導弾。
ヴァッシュは知るはずもないが魔法にはそういう便利な攻撃が存在するのだ。
だが、流石はヴァッシュ。驚きながらも体が反応する。
横っ飛びにそれらを回避。

(誘導性はそこまで高くない……なら……)

ヴァッシュは屋上の出入り口を背にするように立つ。
そして再び身を屈めて回避。
攻撃対象を失った誘導弾が再度ヴァッシュに狙いを定めようとするが、それより先に壁に激突し爆散する。

「よし!」

ヴァッシュが歓声と共に顔を上げた。
――瞬間、グラーフアイゼンでのフルスイングがヴァッシュを直撃した。
ヴァッシュの体が紙切れのように吹き飛ぶ。
そして数回のバウンドの後、フェンスにぶつかりようやく止まる。

ヴァッシュは倒れ伏したままピクリとも動かない。
それをヴィータは冷酷な目で見つめ、グラーフアイゼンを構える。
そして呟く。



71 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:29:50 ID:JEv5ib8v
支援

72 :Strikers May Cry:2008/03/09(日) 21:30:25 ID:AE2SMVuD
ママン、小さい女の子がハンマー持っておっかけてくるよママン、僕が何か悪い事したのママ〜ン 支援。

73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:31:04 ID:KVuL/WXZ
 

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:31:07 ID:/XBNzOJJ
まさにヴァッシュ
支援

75 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:32:36 ID:jq/lBXgj
「……死んだふりなんて通じねーぞ」

ヴィータの言葉にヴァッシュの体がピクリと反応する。
よくよく見ると、ヴァッシュの体が僅かに冷や汗をかいている。

ヴィータはため息を一つつきグラーフアイゼンを振り下ろす。

「おわ!」

叫びと共にそれを回避したヴァッシュに、ヴィータは苛立ったようにグラーフアイゼンを振り下ろす。
ヴァッシュは器用に寝転がった状態でそれらを回避する。
そして、一瞬の隙をつき間合いを離す。

「いやー良く分かったね」

飄々とした笑みを浮かべながらヴァッシュが立ち上がる。

「あたりめーだ!ベルカの騎士なめんな!てめーが防御したことぐらい分かるっつーの!」

ヴィータが、ヴァッシュの銃を見ながら怒鳴る。
ヴァッシュはグラーフアイゼンが命中する寸前、銃身で攻撃を防いだ。
さらにわざと後ろに吹き飛び、衝撃を散らす。その上衝撃を吸収しやすいフェンスへと突っ込むというオマケ付き。

(何なんだ!こいつ!)

ヴィータは苛立つ。
有り得ない銃撃をお見舞いしたかと思いきや、いきなり逃走を始め、ようやく攻撃が当たったかと思えば、人間離れした体捌きで防ぐ。
訳が分からない。相当な実力を持っている筈なのに何でそれを見せない?
ヴィータのイライラは加速していく。
ヴィータはヴァッシュにグラーフアイゼンを突きつける。

「おめーやる気あんのか?」

静かな怒りを含んだヴィータの呟きは――

「うーん……どうなんだろう」

――やる気のない呟きにて返された。

ヴィータはその言葉に対しグラーフアイゼンで返答しようと構える。が、次に放たれたヴァッシュの言葉により動きが止まる。

「実際の所さ、まだ信じられないんだよね。このこと」

ヴァッシュは苦笑いを浮かべながら呟く。

「は?」
「だってさ、夕ご飯の時まであんなにのんびりとしてたんだよ?それがいきなり人が消えて、なのはが空を飛んで……挙げ句の果てに魔法とか言われたてもさ。こっちとしては夢としか思えないわけなんだよ。だからどーもね……」
「……何が言いてーんだよ」
「でも……もしこれが夢だとしても……君たちがこの平和な日常を壊そうとするのなら……俺は絶対に止めてみせる。命を賭けても」

ヴァッシュはゆっくりと懐から銃を抜く。

「この平和な日々は終わらせない、絶対に!」

ヴァッシュは静かに銃の狙いをつける。



76 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:33:34 ID:JEv5ib8v
ヴァッシュの過去は知らないが、支援だ。

77 :LMS:2008/03/09(日) 21:33:59 ID:qIbdWfF1
ここは支援に徹させてもらおう

78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:34:37 ID:/XBNzOJJ
ヴァッシュ…相変わらず泣ける奴だな…
支援

79 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:35:28 ID:jq/lBXgj
――瞬間、空気が変わった。
さっきまでへらへらしていた男からは考えられないほどの雰囲気。
瞬時に本能が察知した。この男の危険さを。
そして、今までの数百年に及ぶ戦いの記憶が叫んでいた。本気でいけと。

「何なんだよ……お前……!」

知らず知らずの内に口から言葉が出た。

「僕かい?僕はヴァッシュさ。よろしく」

その質問にヴァッシュは先ほどと同じ飄々と笑みを浮かべそう答えた。

ヴィータは空を舞い、グラーフアイゼンを構える。
二人を静寂が包む。
互いに動くことなく、静かに時が流れていく。


ヴィータの頬を一滴の汗が流れる。ヴィータはそれを拭わない。いや、拭えない。
重力に従い汗が流れ落ちる。
そして汗が落下し地面へと触れた瞬間――

「アイゼン!」

ヴィータが動いた。
叫びとともに四発の魔力弾を形成、発射する。

「カートリッジロード!」
『Explosion』

次いで、カートリッジをロード。
膨大な魔力が発生する、その全てをグラーフアイゼンに流し込む。
同時にグラーフアイゼンが形を変えていく。
その姿はなのはを討ち、フェイトのとどめにも使おうとした切り札。
それを切った。

ラケーテンハンマーの推進力を用いてヴァッシュへと加速。
瞬間、魔力弾がヴァッシュの足元で爆発。
爆煙がヴァッシュを包む。
魔力弾はヴァッシュから外れた。いや、違うわざと外した。魔力弾は逃げ場を奪い、更に視界を爆煙によって覆う。
そして逃げ場と視界を奪われたヴァッシュへ本命の一撃を叩き込む!

(勝った!)

ヴィータは勝利を確信する。
防御も意味をなさない。回避場所も奪い、視界も奪った。
そしてヴィータは見た。爆煙に怯むことなく自分に銃を構えるヴァッシュの姿を。



80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:36:13 ID:9VoNZ8u6
恨むぜレム、こいつをこうしちまったのはあんただ支援

81 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:36:37 ID:jq/lBXgj
(マズイ!)

一瞬、頭に危険信号が灯る。
だがヴィータは頭からそれをすぐに追い出した。
今は迷ってる暇なんてない。ここまで来たら渾身の力を込め一撃を振るうのみ。
奴が撃つのが早いか、こちらの一撃が届くのが早いか。
勝負だ!




――再び無人の海鳴市に轟音が鳴り響いた。


■□■□

「グッ!」

そして苦悶の叫びとともにヴァッシュが吹き飛ばされた。屋上の出入り口へと激突。激しい音が響く。
ヴィータは荒い息を整えながらヴァッシュの吹き飛んだ方を見る。

「……なんで……」

ヴィータの口からポツリと呟きが漏れる。

「……なんでだよ!」

それは叫びへと変わる。
だが、その問いに答えるものはいない。

「何でだよ……何で……あたしを撃たなかった!?」

銃痕。
ヴィータの持つグラーフアイゼンにそれがあった。
結果だけを言うのならヴァッシュの方が早かった。グラーフアイゼンが届くより一瞬早くに銃弾は発射されていた。
だが、それはヴィータに当たることなくグラーフアイゼンへと命中した。
いや、ヴィータには分かっていた。グラーフアイゼンに当たったんじゃなく、当てたんだということを。そう、自分ではなくグラーフアイゼンを狙ったということを。

あの一瞬、グラーフアイゼンに物凄い衝撃が走った。
後少し力を緩めていたらグラーフアイゼンは弾き飛ばされていただろう。
確かに良い手だった。後少し力を緩めていたらグラーフアイゼンが弾き飛ばされていた。

それでも疑問に思う。
なぜ自分を狙わなかったのかと。

あそこでヴィータを撃っていれば確実に攻撃は止められたはずだ。なのになぜアイゼンを狙ったのか。



82 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:36:45 ID:KVuL/WXZ
 

83 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:36:51 ID:6DeLQIkI
(勝った!)←あーあ、敗北フラグ踏んじゃったw支援

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:37:16 ID:KVuL/WXZ
 

85 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:37:44 ID:jq/lBXgj
「ちくしょう……情けでもかけたつもりかよ!」
ピクリとも動かないヴァッシュへヴィータの怒鳴り声が降りかかる。

「ちくしょう……ちくしょう……!」

悔しい。
ただの人間に手を抜かれるなんて。
しかも手を抜かれてなかったら負けたかもしれないなんて。
何百年と守護騎士として戦ってきたのプライドがコケにされた様な気分だ。

(何をしているヴィータ!)

その時、シグナムからの念話が届きヴィータは我に返る。
そうだ、今はプライドなんて関係ない。
どんな卑怯な手で勝ったとしても敵の情けで勝ったとしても、そんなのどうでもいい。
どんな手段を使ってでも闇の書を完成させる。はやての為に、何としても。

ヴィータの目に力が宿る。

「勝ちは……勝ちだ」

最後にそう呟き飛び上がろうとし――

「……まだ……だ」

ヴァッシュが立ち上がった。

その体はボロボロ。頭からは出血、全身は打撲により悲鳴を上げている。
もはや立ち上がることすら奇跡といえる程の状態。
それでもヴァッシュは立ち上がった。

「お、お前……何で立てる……!?」

微かに震えた声でヴィータが問う。
いくら非殺傷設定とはいえラケーテンハンマーの一撃をバリアジャケットもなしにくらったんだ。
立てる訳がない。

「……行かせ……ないよ」

それでもこいつは立っている。
視点も定まらず今にも倒れそうなのに立っている。

「も、もういいだろ!あたしの勝ちだ!そんな体でどうするって言うんだ!?」
「決まってるだろ戦うのさ……」
「ッ!其処まですんなら何であたしを撃たなかったんだよ!そうすりゃお前の勝ちで終わったんだ!何でわざわざグラーフアイゼンを撃ったりした!」



86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:38:34 ID:E5SEkqjq
勝ったと思った時からそいつはすでに敗北している支援

87 :LMS:2008/03/09(日) 21:38:47 ID:qIbdWfF1
こんな気持ちだったのか、ウルフウッド――的に支援

88 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:39:04 ID:/XBNzOJJ
ヴァッシュの覚悟支援!

89 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:39:11 ID:KVuL/WXZ
 

90 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:39:11 ID:6DeLQIkI
なん……だと……?
ヴァッシュという人間を甘く見てた。早とちり自重支援

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:39:35 ID:9VoNZ8u6
あいつは一度も 言い訳をせえへんかった支援

92 :Strikers May Cry:2008/03/09(日) 21:39:50 ID:AE2SMVuD
ウルフウッドならきっと、神に祈りながら心臓に2発、頭に2発撃って息の根を止める支援。

93 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:40:16 ID:jq/lBXgj
ヴィータが激昂する。

逃げ回り、死んだふりをしたかと思えばこんなボロボロになっても立ち上がる。
そのくせ、敵を倒せる絶好のチャンスにも武器を狙って銃を撃つ。
訳が分からないことばかりだ。
苛つく。
この男の行動全てが気に食わない。

そんなヴィータにヴァッシュは苦笑しながら答える。

「……だってなのはやアリサ達に怒られちゃうだろ……君みたいな可愛い子を撃っちゃったら……」

その言葉にヴィータは何も言えなくなる。
本来だったら馬鹿にされたと思い殴りかかるとこだが、何故か今回は動けない。
そして苦虫を噛み潰したような顔して一言。

「……お前……馬鹿だろ」

決して侮蔑としての意味でなくヴィータは呟いた。
その返答にヴァッシュは苦笑する。

二人の間に何ともいえない奇妙な空気がながれる。
でも互いに引く訳にはいかない。
すぐに顔を引き締めヴィータはグラーフアイゼンを構える。

「悪りーけど寝ててくれ」

ヴィータがそう言ってグラーフアイゼンを振り上げ――次の瞬間、桜色の奔流が天に向かってほとばしった。

それは易々と結界を突き破り空へと延びていく。
手負いの魔導士とデバイスが執念で放ったそれは結界を破壊することに成功した。
ヴァッシュはその光を見て安堵の笑みを浮かべる。

「作戦成功……かな?」

そして糸が切れたかのように倒れた。

(結界が破られた……引くぞ!)

突然の事態に唖然とするヴィータにシグナムからの念話が届く。
それは撤退を告げる言葉。
ヴィータはチラリと倒れたヴァッシュを見た後、空へと舞い上がる。



94 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:40:56 ID:/XBNzOJJ
此所にいるのはウルフウッドじゃねえ支援

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:41:54 ID:KVuL/WXZ
 

96 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:41:55 ID:jq/lBXgj
(ええ……みんな一旦散っていつもの場所――)

不意にシャマルからの念話が途切れた。

(シャマル?どうした?)

ヴィータは転送魔法の使用を中断し呼び掛ける。
だがシャマルからの返信はない。
シャマルに何か合ったのか?
そう思いシグナムとザフィーラにも念話をとばす、がどちらからも返事は返ってこない。

(おい!シグナム、ザフィーラ!)

嫌な予感がする。
まさか……まさか。

「無駄だよ」

必死に念話を飛ばすヴィータに背後からの声がかかる。
ヴィータが驚きながら振り返ると茶色のマントを羽織った少年――ユーノがそこには居た。

「何だと?」

武器を構えユーノを睨む。

「結界を張った。念話は届かないし逃亡も出来ないよ」
「……結界!?」
「そうだよ」

馬鹿な!こんな広域結界をそんな簡単に?

「正直ギリギリだった……。なのはが居なければ結界の破壊は出来なかったし、ヴァッシュさんが居なければ結界を形成する暇もなかった」

その言葉を聞きようやくヴィータはヴァッシュの目的を理解する。

時間を稼ぐ為だ。
結界を破壊し、逆に結界を張り自分たちを一網打尽とする。
それが目的だったんだ。
だからあんな実力を持っているのに逃げ回り、死んだふりをし、ボロボロになっても立ち上がった。

ヴィータは悔しさに顔をしかめ倒れ伏しているヴァッシュを睨む。



97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:42:59 ID:9VoNZ8u6
予想外の展開に支援

98 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:43:13 ID:JEv5ib8v
ヴァッシュの男っぷりに支援

99 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:43:24 ID:jq/lBXgj
「もう諦めるんだ。あと数分もすれば管理局が君達のことを解析し終える」
「……くっ!」

ヴィータは必死に脱出の方法を考える。

だが、一人では無理だ。
カートリッジがあれば話は別だが、残弾はゼロ。一発もない。
ギガントどころかラケーテンすら形成出来ない。
シグナムのファルケンなら壊せるかもしれないけど、ファルケンを撃つには三発のカートリッジが必要。
やたらめったらカートリッジを使うシグナムが三発も残しているとは考え難い。


ヴィータは微かな手詰まり感を感じながら、それでも諦めずに考える。

(こんなとこで捕まってたまっか!ここであたし達が捕まったらはやては……はやてはどうなるんだよ!)

「もう諦めるんだ。悪いようにはしない」

だがいくら考えてもこの状況を打開出来る策が考えつかない。

ヴィータは悔しさに涙を浮かべながらユーノを睨む。




――その時だった。
結界に一本、垂直に線が走った。まるでカッターで紙を切るかのようにすっぱりと。
そして、一瞬後結界が消失する。

(みんな!転送するわ!)

それと同時にシャマルの念話が守護騎士達に届く。

(闇の書を使ったのか……)

そこで、ようやくヴィータはその考えに至った。
自分たちが不甲斐ないばっかりに。

(シャマル、ごめん助かった……)

ヴィータは謝罪の念話を飛ばし、転送された。


ユーノが必死に追いすがろうとするが転送魔法に追い付ける訳もなく、みるみるうちに距離が離れる。
空に四色の光の筋が走る。

バラバラの方向に飛んでいくそれをユーノは茫然と見つめることしか出来なかった。




100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:44:02 ID:9VoNZ8u6
最強出現支援

101 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:44:15 ID:jq/lBXgj
■□■□

「悪い……シャマル……」

とあるビルの屋上。
そこでヴィータはポツリと謝罪を述べる。

「すまない……あの短時間で逆に結界を張ってくるとは考えていなかった……」

シグナムも苦々しい顔をしながら呟く。
ザフィーラも口には出さないが悔しそうな顔をしている。

そんな三人を見てシャマルは笑いながら口を開く。

「そんな気にしないで三人とも。みんなが無事だっただけでも良かったわ」
「でも、闇の書を使ったんだろ!?あの結界を壊す為に!……せっかくページが増えて来たのに、また……!」

それきり重い沈黙が四人を包んだ。

「……そ、それがねヴィータちゃん――「……何をやってるのかと思えば……そんなことをしてたのか」

本当のことを話そうとしたシャマルの言葉をせき止め男の声が響く。
ザフィーラの声とはまた別の男の声。だけど聞き覚えのある声。

四人は一斉に声が放たれた方へと顔を向ける。同時にヴィータが驚きの声を上げる。

「ナイブズ!?」

そこにいたのは金髪の青年、ナイブズ。
驚く守護騎士を尻目にナイブズは呆れた表情を浮かべヴィータ達へと近付く。

「……何故ここにいる?」
「最近お前らの様子がおかしかったからな。つけさせてもらった。……苦労したんだぞ。服が変わったかと思えばいきなり空を飛び始めて。追う方の身にもなれ」

ナイブズはため息をつく。



102 :Strikers May Cry:2008/03/09(日) 21:44:35 ID:AE2SMVuD
やべえ、成層圏の衛星すら刻み落とす奴が来たぞ支援!!

103 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:44:54 ID:JEv5ib8v
何奴!?支援

104 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:45:36 ID:/XBNzOJJ
兄貴支援

105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:45:41 ID:KVuL/WXZ
 

106 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:45:57 ID:jq/lBXgj
「つけてきただと……?」
「そうだ。一部始終見させてもらった。それで一つ質問だ……お前たちはあそこで何をしていた?」

その言葉に四人の動きが止まる。

「訳の分からぬ恰好で空を飛び回り、これまた訳の分からぬ恰好をした奴らと戦闘をし、ザフィーラに至っては人間に変身すらした。何が何だか全く理解出来ないのだが」
「そ……それは」

四人は何も言えない。
まさか同居人につけられていたとは。
マズい、どうする?

四人は何とか乗り切ろうと頭を回すが、次にナイブズから放たれた一言によりそんなことは頭から吹き飛んだ。

「しかも捕まりそうになりやがって……俺が助けてなかったらどうするつもりだったんだ?」
「ちょっと待って!あれはあなたがやったの!?」

慌てた様子でシャマルがナイブズに詰め寄り問う。

「そうだ」

しれっと告げるナイブズにシャマルは驚愕する。

「……何のことだ?」

訳が分からない三人は首を捻る。
そんな三人に向き直りシャマルはさっきの出来事を説明する。

「みんな私が闇の書を使ってあの結界を破壊したと思ってるでしょ?」
「シャマルじゃねーのか?……んじゃ、シグナムか?」

シグナムは首を横に振る。

「私では無い……」
「だから、俺が壊したと言ってるだろう」

ナイブズが再度呆れた顔をしながら腕を組む。

「…………は?」

そんな言葉を信じられる訳もなくヴィータは訝しげな目でナイブズを見る。

「何言ってんだよ。普通の人間にそんなこと出来るかって」
「……残念だが俺は普通では無くてな……」

そう言いナイブズが右手を掲げる。
そして次の瞬間、ナイブズの人差し指の形が変わっていく。
その現象に全員が唖然とする。
そして瞬く間にナイブズの人差し指はナイフのような形状になった。
ナイブズは守護騎士から離れると、それを軽く振るう。
するとキン、という軽快な音と共にコンクリートに斬撃の痕が刻まれた。
場が驚愕に包まれる。

「お、お前それ……」
「お前らには隠していたがな……。生まれつきの能力だ。まぁ本気を出せば結界とやらくらいは簡単に破れる」




107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:46:12 ID:9VoNZ8u6
良くはやてナイブズに殺されないな支援

108 :LMS:2008/03/09(日) 21:46:29 ID:qIbdWfF1
悪いが無粋な物量で支援させてもらう

109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:46:43 ID:nB1/RgKN
ナイブズ来ちゃったよw

110 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:47:22 ID:/XBNzOJJ
世界人類がヤバい
支援

111 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:47:34 ID:6DeLQIkI
人間じゃないと分かったら、やっぱりヴォルケンズには友好になるのかねえ支援

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:48:28 ID:KVuL/WXZ
 

113 :Strikers May Cry:2008/03/09(日) 21:48:29 ID:AE2SMVuD
この世界の人間はプラントを使い潰してないから怨みの範疇外じゃね? 支援。

114 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:48:39 ID:jq/lBXgj
ナイブズは指を元の形へ戻しシグナムの方へと向く。

「さぁ……俺は秘密を話した。次はお前達の番だ」

愕然とした表情で固まっているシグナムは、その言葉に我に返る。
チラリと他の三人を見ると三人とも複雑な表情をしている。
話すべきかどうか迷っている、そんな表情だ。

それを見てほんの少しの逡巡の後、シグナムは口を開いた。

「お前は信じるか分からないが――」

そしてシグナムは話した。魔法のこと、自分たちは闇の書から生まれた守護騎士だということ、そして闇の書の存在がはやてを蝕んでいること、闇の書を完成させればはやては助かること、そしてそれは犯罪だということ、全てを話した。

「……予想以上だな。そこまで不思議な話だとは思っても見なかった……」

その全てを聞き終えた後ナイブズが静かに呟く。
まだ半信半疑、そんな表情をしている。

「ナイブズ……二つ、頼み事を聞いてくれないか?」

そんなナイブズにシグナムが近づく。

「何をだ?」
「一つはこのことを主はやてに言わないこと」
「あぁ、それくらい分かっている。任せておけ」

笑いながらナイブズは即答する。
その答えに守護騎士の面々はホッと胸を撫で下ろした。

「もう一つの頼みとは何だ?」

少し迷った後、シグナムは口を開く。

「…………闇の書の完成に手を貸してくれないか?」

いきなりのシグナムの言葉にナイブズは驚きの表情を見せる。
が、すぐに真剣な表情になり考え込む。

「……シグナム、それははやてを救う為なんだろう?」
「ああ、そうだ」

その答えを聞きナイブズは笑みを浮かべる。

「……手伝おう。いや、むしろ手伝わせてくれ。はやては俺の命の恩人だ。そのはやてを救うためならこの力、喜んで使おう」
「……済まん」
「そんな顔するな。俺達は家族だろ」

シグナムは深々と頭を下げる。

「それじゃ、はやてちゃんの所に戻りましょうか!大分遅くなっちゃいましたし」

シャマルのその言葉に守護騎士達は屋上の出入り口へと入っていく。



115 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:49:16 ID:hx74YYNw
支援

116 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:49:38 ID:jq/lBXgj
「おい、ナイブズ!行かねーのか?」
「あぁ少し考え事をする。先に戻ってろ」
「?……分かった。飯までには帰ってこいよー」

そう言いヴィータも階段を降りていく。
そして屋上にナイブズ一人が残される。

「……ふ、闇の書か……予想以上の物を掘り当てたな……。それに……」

誰もいなくなった屋上にナイブズの呟きが響く。その顔にあるのは僅かな歓喜。
ナイブズにしては珍しい作り笑いではない心の底からの笑みが顔に浮かぶ。

「ヴァッシュ、やはりお前も来ていたか……」

ナイブズの脳裏にヴィータと戦っていた男の姿が蘇る。
あの髪型、飄々としていた雰囲気、確かにあの男だ。

ナイブズの笑みがさらに深まる。
それは見る者が見ればすぐさま理解する狂気の笑み。

眼下には溢れかえる程の人が道路を存在している。
それをまるで虫を見るかのようなに無感情な眼でナイブズはそれらを見つめ、翻る。



――砂の惑星以上に人間が蠢くこの世界で破滅者は何を考えて、どう行動するのか。
それは誰にも分からない。



117 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:50:07 ID:6DeLQIkI
一見良い事言ってるように見えるんだけど、ナイブズの場合全然信用できねえw支援

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:50:26 ID:KVuL/WXZ
 

119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:50:37 ID:d1NOzg3Z
ちょっとこのナイブズは信じられんな支援

120 :LMS:2008/03/09(日) 21:51:15 ID:qIbdWfF1
それでもナイブズなら……ナイブズならきt(ry支援

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:52:11 ID:KVuL/WXZ
 

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:52:16 ID:/XBNzOJJ
はやてが心配で仕方ない。
支援

123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:52:19 ID:9VoNZ8u6
ナイブズ裏切る気マンマンに見えてwktk止まらない支援

124 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 21:52:29 ID:jq/lBXgj
はい、投下終了です。ご支援感謝!!
こんな戦闘描写じゃ何やってんだか分かんねーよ!、ヴァッシュ強すぎだろ……等、意見があったらバシバシ言って下さい。

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:54:08 ID:nB1/RgKN
ナイブズめ、最後の最後で裏切る気満々な予感がするよw

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:54:49 ID:KVuL/WXZ
投下乙でした!
生身と普通の銃で守護騎士と渡り合う、ヴァッシュ凄いな。
それでいてのほほんとした様子を残してる辺りが燃える。
ナイブズも相当ヤバそうだし、次の投下が楽しみだ。

しかし、ヴァッシュは子供が命張って戦ってるの見ても驚かないんだな。
それほど過酷な世界にいたのか?

127 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 21:55:24 ID:JEv5ib8v
>>124
GJ!!
元ネタを知らない俺でも熱くて、楽しく見れましたよ。
ヴァッシュって原作でもあのようなスペックと性格なんですか?
そして次回も期待して支援。

128 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:55:53 ID:/XBNzOJJ
>>124
GJでした
しかし本当にヴァッシュらしいヴァッシュだ…
そしてナイブズが恐すぎるw
何するかさっぱり解らない。

ヴァッシュの強さはこれ以上弱くなったらソレはソレで別人になっちゃうかと

129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:56:01 ID:9VoNZ8u6
>>124
乙です
マキシマム最終巻読んだばっかで興奮がノンストップでした!
俺はむしろヴォルケン強すryって思っちゃいました

トライガンから出てくるキャラはヴァッシュとナイブズだけなんすかね?

130 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:56:58 ID:JqTonrCH
あの星じゃあ、子供だって立派な戦力だと思うぞ。

131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:57:06 ID:zOJswaHm
GJでした。
ところで投下中だったから言わなかったが、KVuL/WXZって何がやりたいんだ?
俺のPCが逝かれちまったのか?

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:58:08 ID:zOJswaHm
スマン。sage忘れてたorz

133 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 21:58:31 ID:/XBNzOJJ
>>127
じゃああなたは捏造した半オリキャラ書いてると言うのか。
さすがに失礼な質問じゃないか?

134 :Strikers May Cry:2008/03/09(日) 21:59:12 ID:AE2SMVuD
GJです、どんな時でも殺さずの精神を貫くヴァッシュはやはり信念の男だった。
っていうかヴィータの攻撃ってこの描写だと下手したら死んでるんじゃね?

しかしナイブズは戦力的にやば過ぎる、絶対に普通の魔道師じゃ相手にならない。
早くヴァッシュを追い詰めて能力を解放できるようにしなきゃ、という訳でミッドバレイとガントレット連れて来た方が良い。
そして今後の展開は、きっとナイブズは暴走した闇の書のプログラムをプラントにしたみたく融合を試みると予想してみる。

135 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/09(日) 21:59:49 ID:6DeLQIkI
グッド・ザ・ジョブ!(GUN-HO-GUNSの0。得意技は支援)
感想といいますか、言いたい事は全部支援中に言っちゃったんですけど、とりあえず量質共にお腹いっぱいで待ったかいがありましたw
ヴァッシュの初戦闘も原作の雰囲気を忠実に表してて、声は小野坂昌也で再生余裕っす。
でも、今回は不意を突けたけど、次の戦闘では銃への対抗策してきそうで苦戦ありそうだなぁ。
魔法と違って気合いで威力上がったりしませんもんね。っていうか、管理局なんか言って来そうw
ヴァッシュが原作通りのナイスガイなのに順じて、やっぱりナイブズは不穏な空気満々でもうはやてが次の投下の瞬間殺されてても不思議じゃない空気にお腹痛いです。
さあ、早く次回のヴァッシュとなのはの絡みでこの胃痛をやわらげてくれ…!

136 :LMS:2008/03/09(日) 21:59:58 ID:qIbdWfF1
>>124
GJです
ナイブズに何があったのか凄い気になるー
ヴァッシュはヴァッシュで相変わらずだし、今後管理局方面がどう動くかも楽しみです

137 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 22:01:21 ID:JEv5ib8v
>>133
すいません、質問が悪かったようです。
悪気はありません。orz

138 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:01:44 ID:sLTYADf8
ぐっじょぶ!!
昨日にトライガン全巻を虱潰しに読みふけてしまい、
そしてここでもヴァッシュの勇姿を見れる事に感動。だからこのスレはやめられないんだぜ!

139 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:03:14 ID:U3jzW5/o
>>133
おいおい、流石にそれは気にしすぎじゃないか。
氏は原作を知らないみたいだから、ただ疑問を述べただけじゃないのか。

140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:05:45 ID:oebQAY2l
>>133
アンチ乙

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:09:45 ID:gk+h7F7w
まあまあリンディ茶リンディ茶。

GJ!です。ナイブズがおっかなくて、おっかなくてもう・・・


142 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:13:00 ID:/XBNzOJJ
>>139>>140
確かに過剰反応し過ぎでした。
失礼致しましたm(_ _)m

143 :情に目覚めし黒き龍:2008/03/09(日) 22:13:42 ID:HeZBTAIb
GJ! ママン、ナイブズがおかっかないよ。 あの二人が本気になったら管理局
員涙目確実だ!

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:17:03 ID:GpHHvxjO
リリカルTRIGUN氏GJ
ひさしぶりの更新面白かったです。

ヴァッシュはやっぱり凄いですね。

ナイブズは原作通りの考え方を持っていたり、性格なんですか。

145 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:21:22 ID:0CnmEoQX
X氏には殆どの場合において悪気はないと思われ。悪気がないからこそ厄介な部分もあるのは事実だけどw
リアルはかなり若いだろうし、あまり過敏にならずマターリいこうやw

146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:25:23 ID:U3jzW5/o
>>142
剣呑な空気になってしまうかもしれんが……。

ここはX氏に一言謝るのが筋じゃないか?


147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:30:02 ID:WUrCJ5CW
まあ答えにくい質問だったのも確かだなw
あなたはキャラを原作通りに書いてますかってw

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:32:05 ID:E5SEkqjq
そんなの原作者自身でも断言しにくい質問だしな

149 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/09(日) 22:33:06 ID:JEv5ib8v
>>147
俺が言いたかったのはそういうわけじゃないと言えば嘘になるんですけど、少し違います。
しかし色々誤解を招いたようで申し訳ございませんでした。orz

150 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:36:17 ID:/XBNzOJJ
>>149
申し訳ありませんでしたm(_ _)m


151 :リリカルTRIGUN ◆jiPkKgmerY :2008/03/09(日) 22:48:20 ID:PY+d7ufE
>>126
んーそこまでドライな世界ではないですけど、中にはそういう子もいるんでしょうねぇ……。
>>127
スペックですか……。
まぁこれ位やっちゃいそうだなぁと。特に最終巻見た後だとそう思っちゃいますねw
性格は……どうでしょうね。自分が考えるヴァッシュはこんな感じなんですけど……。
>>129
今のところはこの二人で考えてます。とゆーかあんま出し過ぎると戦略バランスが……
>>134
そ、その手もあったか……ですが、今の所はまた違う終わり方にするつもりです。
>>144
とりあえずはそうですね。


ご感想、皆様本当にありがとうございます!
もうそのGJ!という言葉がどれだけ嬉しい事か(涙)
これからもこの人間台風、そして魔法少女達の活躍を見てやって下さい!

あ、そうだ。タイトルは「12月2日・後編」でお願いします。
それでは、また。

152 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:50:47 ID:KVuL/WXZ
>>130
子供を戦力にするのは、ミカエルの眼みたいな裏組織か蟲ぐらいのもんでしょw

153 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:53:38 ID:MyeIk02M
GJ
ナイヴズ……妙に死亡フラグ立ってるのは気のせいか。

>>152
あれ? 時空管理局ってかフェ(ry

154 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 22:54:16 ID:MyeIk02M
あ、よく読んでなかったスマン。
あの星の話か。

155 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:02:49 ID:sLTYADf8
やぁ。
とりあえず蜂蜜授業の中編が出来上がったんだ。
……そうだ。すまない。中編なんだ。後編じゃないんだ。生殺しにしてすまない。

予約が無かったら十分に投下よろし?

156 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:10:52 ID:sLTYADf8
反応が無いみたいですが、投下を開始します。
支援、よろしくお願いしますorz

157 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:11:26 ID:sLTYADf8
「外ガ、騒ガシイナ」
くぐもった、人間ならざる発音で無理に人間の言葉を喋るような、多大な負担を掛けた声が地下神殿に深く響き渡った。
其処は正に異界の聖域。ありとあらゆる瘴気と汚濁によって構成された、神聖不可侵たる絶対領域。左右の岩肌にはおよそ人間の正気では考えうることすら出来ないであろう歪なナニカを模した神像が幾つも並び、聳え立つ。
何処からともなく海風が吹き渡り、潮の香りが瘴気と異界の化学反応を起こし尚一層の瘴気が産まれ、その連鎖。其れを“彼ら”は生きてゆく為の糧として肺に取り込み呼吸をする。
暗闇の所為か、最初はその全貌が余り解らなかったものの、暫くすればその聖域を事細かに見渡せた。
……灰色のローブを纏った人影が、何十名もその場で膝を屈し祈りを請うていた。彼らが祈るのは、その聖域の最奥に位置するモノ。左右に聳え立つ神像よりもなお巨大で、神秘に満ちて、何よりも圧倒的な邪悪によって構成された『神の石像』。
傍から見れば蛸のようにも見えるし、ヤドカリにも見え、或いは龍頭を手足の触覚として機能させる異界の甲殻生物にも見える。
そんな圧倒的な神像に彼らは信仰を奉げ、祈りを奉り、生贄として“自らの眼を潰しあった”。其れは交配の儀式にも見え、舞踏を謳う舞妓の如き異様。
……『長老』は違和感を覚えながらも、それを一端無視しその神聖な儀式を見守った。最奥の神像の玉座に置かれた、何処かの異界において創造された、膨大な純正魔力を凝結化した宝玉を。異界において『失われた技術(ロストロギア)』と謳われた、魔の結晶を見据えながら。

「嗚呼、神ヨ。我ガ、我等ガ信仰ヲ奉ゲ、止メ処無ク愛セン神ヨ。コノヤディスノ丘ニテ再誕ヲ求ム神ヨ。応エヨ(イア!)、応エヨ(イア!)……我等遥カナ異界ノ原理ト摂理ヲ信仰シ、汝ガ“眸”ヲコヨナク見据エ、世界ヲ暗黙ノ灰濁ニ固メン!」

その祈りの聖句を皮切りに、教徒達は声を揃えて謳いあげる。異界の祈りを。異界の信仰を。異界の神仰を。

“―――神殿の神こそ神殿の霊宝なり!”
“―――神殿の神こそ神殿の霊宝なり!”
“―――神殿の神こそ神殿の霊宝なり!”

滑(ぬめ)りと、神像の瞼(まぶた)が蠢いた。

◆◆◆

『運命の探求』
中編

158 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:13:17 ID:sLTYADf8
◆◆◆

切頭円錐の山の頂に向かう二人は認識阻害の魔法を展開しながら“不可視の影”の眼を欺き、一先ずの休息を取っていた。
フェイトは“現地協力者”として認知した謎の老人――ラバン・シュリュズベリイの様子を見据え、彼は一体何者なのかを思考する。
彼女の危険に突如として天空より舞い降りた正義の味方か? 確かにその認識は間違ってはいないが、何処か子供染みた発想だ。
そもそも彼が駆るあの刃金の巨鳥は一体なんだ? それの持つ魔力を観測したところ、余りに桁違いの数値を叩き出され内心で驚きを隠せない。
下手をすれば上級ロストロギアに匹敵するかもしれない。だがそんな危険極まりないモノを容易く、己の身体の一部の様に操る彼自身が一番不可解だ。
此処まで魔力総数が尋常じゃない物質を操る事は例えSランク持ちの魔導師だって難しい。むしろ完璧に操作するなど実質的に不可能の筈。ならば、この男は一体、何者なのか。
下手な魔導師よりも明らかに格上なのは解る。しかもその凶悪な力を悪意を持ってして扱っているワケじゃない。味方としてはこの上なく頼もしいが、管理局に登録されてないフリーの魔導師は摘発されなくてはならない。
が――今はそれよりも、優先すべき事がある。彼の正体に関しては今は置いておくことが賢明といえるだろう。

「すみません、シュリュズベリイさん」
「今の私は君の教師だ。そう硬くならなくてもいい。軽い気持ちで“先生”と呼んでくれた方が私としてもやりやすい」
「う゛……ど、どうしてもですか?」
「なにぶんそういう物を生業としているのでね。“さん”と付けられるよりも“先生”と呼ばれた方が親近感が沸く」
「は、はぁ……ではシュリュズベリイ先生、と。質問いいでしょうか」
その先生という呼称が付いた事に軽い笑みを綻ばせ、疑問を提示したフェイトに顔を向け、
「ふむ。何だね、フェイト君」
と満足そうに、その色黒い肌と相反を成す白い歯を輝かせた。
「あの“見えない影”のようなアレは……一体、なんなんですか?」

フェイトが質問を言及したのは、先ほど襲い掛かってきた“不可視の影”について。
視覚することが出来ないだけでなく、魔力反応さえ欺く程のジャミング能力。魔導師にとって、人間にとってこれ程やりにくい相手はいない。
先ほどの彼の言動は何処かあの影の事を知っている素振りを見せていた。それを踏んで、フェイトは思い切って聞いてみたのだ。
シュリュズベリイは憮然と、後方で自分たちを探し蠢く“不可視の影”に顔を向けて喉を鳴らした。

159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:14:09 ID:9VoNZ8u6
もう寝ようと思っていたのに…このタイミングで投下されたら眠れないじゃないかあああああああああああああ支援

160 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:15:09 ID:sLTYADf8
「アレはロイガー族と言われる物たちの群集だ。アレ等は元々、別星系からこの地球に飛来した種族でね、この星において約20万年前にその存在を“原始ムー大陸(ハイパーボリア)”で確認されたと言われている。
アレの最も特徴的な性質はその視覚的にも呪術的にも高度な認識阻害の術式を皮膚上に展開されている事だ。その所為で我々がそれを知覚するのは至難の業とされる。
……最も、元々魔術の才を持ち、霊感も備わった人ならばその“影”を捉えることくらいは出来るのだが」

「ロイガー……族」
聞いた事すらない種族だ。未確認の魔導生命体と判別すべきか。
そんな超常的な能力を持ち合わせた種族が所狭しに巣食い、尚且つあそこまでスピードが高いとなると凡百の攻撃魔法では掠りもしない。
魔導師にとってこれ程戦いにくい相手は居ない。彼奴等に対処する方法は、在るのだろうか。
彼女の不安と苦虫を噛み潰した時の感情が混ざり合い、それが表情に出たのだろう、ぎしり、と歯が軋む音が聞こえた。
だが、その様子に彼は笑みを零しながら――

「“在るとも”。それを見つけ出し、思考し、実践したのは他でもない我々人間であり“魔術師”だ」

駆り立てる威風と絶対的な自信を持って、断言した。彼の黒い外套が翼を広げる様に翻る。
すると彼が乗り立つ刃金の巨鳥……魔翼機『バイアクヘー』が“不可視の影”……ロイガー族が密集する虚空へその前面を向き返した。
それと同時に認識阻害の術式を破棄。刃金の巨鳥が威風堂々と、不定形な身体で必死に宙を蠢く影達の認識空間に顕現する。
一斉にこちらへ向き直る不可視の影達。見えない牙と爪が煌き、獲物を見つけた獰悪な肉食獣の眸で見据えるロイガーの眷族。されどシュリュズベリイは不敵に微笑む。
彼女が見たその背中は、想像し得るありとあらゆる敗因の欠片が風塵と共に散り失せた様に見えた。人類最強の邪神狩人(ホラーハンター)が、右手を翳し高らかに咆哮を暗雲の下で轟かせる。

「フェイト君、バイアクヘーに背に掴まりたまえ。これより講義を始める!」
「は、はい!」

161 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:16:41 ID:kSMqG3F3
盲目の老賢者支援

162 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:18:45 ID:sLTYADf8
その声を皮切りに、シュリュズベリイとフェイトを乗せたバイアクヘーが単機で飛翔した。
一瞬にして超音速に到達しうる速度は事も無げにロイガー族達が蠢く宙域に到達し、だがそれでも尚止まらずにその群集の中を穿つように突破する。
大気さえ切り裂く風は進路上に擬似的な真空を生み出し、近くにいたロイガー族数十体がその中にまるで蟻地獄の様に引き込み、引き千切られ、引き裂かれ、絶命した。
だがそれでもその数十体はこのロイガー族の二割にも満たない。残りの総てが、同胞達を切り捨てた刃金の鳥に眼を向けた。
―――疾ッ!!
壁が迫るように視界に広がる総ての前面方位から文字通り全部のロイガー族がバイアクヘーを追いかけ宙を翔破していく。
まるで餌につられやってくる雑魚の軍勢だ。シュリュズベリイはニヤリと口を歪め、ロイガー族の軍勢総てを見渡せる程の距離でバイアクヘーを静止させる。
彼は“いつもと同じように”教卓の上で教鞭を振るうが如く、それらに手を翳しながら雄弁に語り始めた。

「彼らロイガー族は我々と同じように三次元の法則で認識できる肉体を持っている。先ほど飛翔した際に発生したバイアクヘーの衝撃(ソニックブーム)で引き千切られた肉がソレだ。
……が、アレ等の本質は三次元の法則にのっとるモノではなく、別次元の法則に編まれた存在だと言われている。己が身体を霊子……魔力によって構成する一種の精神体こそが本体だといえるだろう。
―――ではフェイト君、アレ等に対しては一体どのような攻撃方法が一番有効だと言えるかな?」
「えっと……純粋な魔力で構成された術式を使用する、でしょうか?」
「正解だ。彼らの本質と同じように、我々の精神と多大な関わりを持つ生命の源泉、魔力を持ちえた攻性呪法を用いれば彼らの精神体に対して非常に有効といえる。
が、それを君がやっていた様な単発式では埒が空かん……ならば、如何にしてそのような現状を打破しうるか。――私が解答例を見せよう。フェイト君、私の背後に隠れ、出来うる限り“耳を押さえておきなさい”」
瞬間、彼の身体に内包された魔力が昂ぶった。荒々しい嵐を思い起こすような、壮大で圧倒的な魔力。
吹き荒れる風が彼の身体を包み込み、彼がその術式に介入し、全く新たな術式へ変貌させた。魔力が収束する場所は彼の声帯器官と呼吸器官。彼の内臓部に術式が解き放たれ、術式の嵐が強壮な肉体の中で暴れ回る。

「では諸君等にも教授してやろう、ロイガーの血族よ。……ハスターの魔力、風だけと思うな!」

163 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:20:17 ID:sLTYADf8
身体の中に押し込められ、堰されていた天蓋が、解放された。
咆哮。絶叫。咆哮。怒号。
世界が揺れる。宇宙さえ振動させうる超音域の咆哮が響き渡る。
吐き出された“声”は螺旋を巻きながら円形の波状を残し、眼前に迫る数十……百にいたるであろう“不可視の影”に向かった。景色が、歪む。
その圧倒的過ぎる魔力の波濤から逃れるように耳を鎖しながら、フェイトは視た。世界を揺るがす超音領域の狭間と真っ只中、その中に飲み込まれたロイガー族の顛末を。
悲鳴をあげ、悶え、のたうち、苦しみ、血潮を吐き出し、或いはその果てに身体ごと爆ぜていく。精神体でしかない筈の彼らが血を流し涙を流し、文字通りズタズタにされた身体がまるで元から無かったかのように消滅していく。まさに阿鼻叫喚の地獄のようだと、彼女は思う。
これは一方的な蹂躙という言葉さえ生温い、裁きの言霊だ。……言霊? 否、この囀りは―――唄に近い。いや、唄そのものだ。後に語る彼曰く、これは神の歌。
魔風の神ハスターの力を持って成し得る禁呪。自らにハスターの力を呼び込み、声として発射し、受けた者はハスターの瘴気により肉体及び精神を文字通りずたずたにしてしまうというモノだ。故に彼はソレを“神の歌(ソングオブハスター)”と呼んだ。
程なくして、アレほど視界に所狭しと蠢いていたロイガー族はその声によって総てが消滅した。見渡す限りの虚空に、彼らが居た痕跡は何一つ残さず、風塵と共に散っていく。

「そう―――彼らロイガー族への対処法は、純粋な魔力で構成された超広範囲術式を持ってして、余すところ無く一度に殲滅する事だ。
物理的攻撃も彼らには効かず、単純な魔術でも一匹ニ匹死んだところで“一つの精神体”である彼らにとっては傷の一つすら負ってないも同然。故に、一度にそれを吹き飛ばす大魔術の使用。これが、彼らへの対処法だ」

神の歌(ソングオブハスター)の術式を終えて語った彼の説明は何処までも的を得て、信憑性も実践的にも完璧だ。なにせ実演すらやってのけてくれたのだから、これを否定することなど一体誰が出来ようか。文句なしに完璧である。
完璧なのではあるが………フェイトは口を引きつらせながら苦笑して心中で述べる。
(そんな無茶苦茶な……)
先ほどから思っているのだが、こうも無茶苦茶だと少々頭が痛くなっていく。が、そんな彼女の心中など知る筈も無く、シュリュズベリイはバイアクヘーに向けて指示をいれる。
「レディ、先ほど見たあの洞穴は如何なモノだと思うかね?」
そう、まるで子に語りかける様に……というよりも、語りかけている。
「レディ?」と反芻しフェイトが疑問の印を頭の上に浮かべ、何を言っているのか聴こうとした瞬間―――

『アレは多分ブラフだよダディ。きっと罠が仕掛けられてる』

幼い女の子の声が、そのバイアクヘーより聴こえてきた。
沈黙。彼女の頭は最早『点』しか浮かばない。静寂が流れる。
そんなフェイトの動向に違和感を覚えたシュリュズベリイは「嗚呼」と手を叩き、何かを思い出したかのように独りで納得した。すると彼の指示でバイアクヘーは適当な大地へ着陸し、シュリュズベリイはフェイトに降りるよう促した。
何事かと思ったフェイトだが、彼が何かを……先ほどの疑問に答えてくれるのだろうと確信し、その場にストン、と脚を落とした。
それを確認したシュリュズベリイはバイアクヘーに向かって、先ほどと同じように親愛の情を漏らしながら声を掛ける。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:22:09 ID:kSMqG3F3
テイクミーハイヤー支援

165 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:22:40 ID:cUqqFXxW
イアイアハスター支援

166 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:23:43 ID:sLTYADf8
「レディ、出たまえ」
その言葉を聴いた瞬間、「イエス、ダディ」と親愛の篭められた声でソレは現出した。
バイアクヘーが超次元的に畳み折られ、新たな存在へ昇華される。ソレは……まだ幼い、女の子の姿をしていた。フェイトがソレを視て口を空けて呆けるしかなかった。
「少々、刺激が強すぎたか」とぼやきながらやがて彼は厳かな声で、かつ親しみを込めた感情で彼女の思い描いているであろう疑問に答えた。

「紹介しよう……我が魔導書『セラエノ断章』。名をハヅキと云う」
「よろしく、フェイト」

感情があまり篭ってない言葉を少なげに出して、その娘はフェイトを一瞥した。
呆けていた彼女がコレを見た瞬間、驚きの声を大きく咆哮したのは言うまでも無い。
いや、魔導書が精霊化し実体化すること自体には耐性を持っているというか既に前例を知っているため、其処に驚いたワケじゃあない。
ただ、あそこまで超次元的な変形で現れてしまっては、なんというか、その。彼女には驚くという術しか持ち合わせていなかった。


そうして後々に彼から彼女についての説明を端的に聞かせてもらった。
彼女は彼……ラバン・シュリュズベリイが書き記した魔導書『セラエノ断章』の精霊であり、先ほどのバイアクヘーを操っていた張本人だという。
故にシュリュズベリイとハヅキの関係は親子のそれと全く変わらず、呼び方も「娘(レディ)」と「父(ダディ)」。親しみやすくも馴染みやすく、かつ解りやすいことだった。
説明を受ければ受けるほど気付いた事がある。詰まる所、フェイト達から言わせてしまえば、それはデバイスと変わらない。
あのバイアクヘーに宿る膨大な魔力の件については未だはっきりしないが、大部分は魔導書の魔力と術者自体の魔力で構成された代物なのだろうと解釈した。ともすれば、次の行動はいかなものにするのか。
シュリュズベリイは剛毅な風情をまといハヅキに声をかける。

「あの洞穴がブラフだとすれば、そうだな……レディ、今日の爆装(ドレス)は?」
「“GBU-Xバンカーバスター改”、まんまだけど、『ラムホテップ王のピラミッド』の時より穿孔性が四割以上アップ。
その代わり爆薬としての性能は格段に下がってるね。まるで土竜みたい」
爆薬とか穿孔性とか、なんだかやけに、聴こえてはならない物騒な声が聴こえた気がした。
管理局の魔導師としてどうかと思うが、フェイトはその言葉を敢えて無視した。
横目で見れば、シュリュズベリイが顎に手を添えて考え込む姿が見受けられた。彼はうんうんと快く頷き、再び笑みを零して云う。

「土竜(モール)、か。確かにそのままだ。だが今の状況で踊るならこよなく素敵な爆装(ドレス)だ。……よし、では舞踏会と洒落込もう。一緒に踊ってくれるかね、フェイト君?」

この時点でフェイトは、自分に拒否権など無いことくらいは先ほどまでの行いから心底理解していた。もうどうにでもなれ、と頷き。フェイト自身だんだんヤケになっていったのは云うまでも無く。
その解答を笑みを絶やさず受け入れ、ラバン・シュリュズベリイは全世界に轟くような口訣を紡いだ。

「よろしい。では諸君―――反撃の時間だ!」

その言葉を皮切りにハヅキはバイアクヘー形態に移行し、フェイトもそれの背に掴まった。飛翔。一瞬にして雲に届きそうなくらいの高さまで到達。
予め詰められた四つの杭が超高々度の天空より合図も無く落とされる。全長12.8メートル、貫通性を持たせるために
先端を高温・高圧状態の炭素が凝結した、この星が創りだした最も硬い物質である鉱物『ダイヤモンド』をミクロサイズにまで鋭利に研ぎ澄まされたモノを満遍なく搭載した文字通り破格の兵装。
名を“GBU−Xバンカーバスター改”。セラエノの知識を駆る魔術師とその精霊曰く“土竜(モール)”と称された、大地に大口径の大穴を穿つ為だけの代物。
それが四つ、遥かな天空より舞い降りて、ついに霊峰『ヤディス=ゴー』の堅牢な肌に触れた。

167 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:24:07 ID:e8SJt/O9
教授はかっこいい爺様支援

168 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:25:03 ID:sLTYADf8
◆◆◆


“彼ら”が神像に祈りをささげている最中に、異変が起こった。
轟、と。鈍い音が地上からこの神殿に迫ってくるのが嫌に成る程理解する。
信徒たちは祈りをやめ、阿鼻叫喚の騒ぎを繰り出し、必死に神に助けを請うた。
無駄と解りつつも、純粋な信仰心は消えることなく、ただただ愛すべき異界の神に対して、助けを請うた。
音が近づく。逃げる暇など無い。『長老』はその様子を慌てふためきながら、神像に這い蹲り身をよじりながら悲鳴をあげた。
「―――ッ!? ナニゴトダ!!」
『長老』は悲痛な叫びを上げて上の岩肌を見上げた。何かが、この神殿に迫る。
それは何だ。そもそもこんな僻地にいったい誰が、なんの為にやってくるというのだ!?


「それは誰もがわかっている事だと思うのだがね、『神官トヨグ』。このような邪悪をのさばらせておきながら、私が動かないとでも思ったか」


声が、聴こえた。男の声だ。知らない男の声。だのに、まるで生涯の怨敵と出会ったような不快感が現れてきそうになる、そんな邪悪に抗う愚かで脆弱なニンゲンの声。
『長老』は―――『神官トヨグ』は見上げた岩肌に亀裂が入るのを垣間見た。その亀裂が大きくなっていき、終ぞ大きな破壊孔が綺麗に出来上がった。破片と化した岩が幾数かの信徒達を押し潰していくのが見える。だが大半の信徒達は無事に難を逃れたようだ。
だがそんな視界情報などは頭に介入されず。神官トヨグは遥か上に出来上がった穿孔痕より飛来する巨大な影を凝視した。
其れは刃金の猛禽。
其れは無窮の空を翔け抜けし巨鳥。
其れは霊子の海を渡り征くヒアデスの風。
魔翼機バイアクヘー。それを意味することは即ち―――

『貴様カ……! コノ様ナ僻地ニ態々脚ヲ運ブ奇特ナ人間トハ、貴様ノ事ダッタカ……ハスターノ奴隷メガ!!』
「生憎奴隷になった覚えなど無いな。お初にお眼に掛かる、ヤディスの奴隷よ」
『ラバン・シュリュズベリィィィィィィィィィィィィィィィィ―――――――――ッッッッッ!!!!!!』

邪神狩人(ホラーハンター)が、獲物を求めてやって来たのだ。その鋭利な爪を携えて。その獰悪な嘴を煌かせ。
世界最強と謳われし、魔風を駆る盲目の魔術師が、遥か彼方に暗雲がつのる空より降臨した。


続く。

169 :リリカルサンダルフォン ◆ZFYhPjiPGw :2008/03/09(日) 23:27:05 ID:sLTYADf8
投下完了。
ぐぬぬ。纏め切れなかったorz
とりあえず蜂蜜授業はまだ続きます。皆様、どうかシュリュズベリイ先生の補習授業になにとぞ付き合ってください。
あと今回の描写でもう何気にボスが解りきった感じがしなくもない。うわぁぁぁ。

ハヅキたん……ゴメンよ、次回にはもっともっと出番を増やしてあげるから!
ということで、また次回。

アクセス規制にびくびくと恐れを抱きながらまたデモベをやりなおす毎日を駆け抜けて。

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:28:54 ID:cUqqFXxW
乙でした
相変わらず先生は格好いいなぁ…

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:30:31 ID:kSMqG3F3
>>169
投下乙ですー。
やっぱ氏のnitro節カッチョイイですね。教授最高。ハヅキたんもっと最高。
あとジンギスカンの神官さんがなんで目ん玉の方なのか気になったり

172 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:37:30 ID:teJny6Go
投下乙続き期待して待ってます♪

173 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/09(日) 23:43:38 ID:eLVu9m8y
GJ
十二時頃に昭和ライダー復活編の予告投下したいのですが宜しいでしょうか?

174 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/09(日) 23:48:07 ID:PSAw5sUf
>>173
その次に自分も予約してもいいでしょうか?
エンドライン外伝の灰色ヴァイス主役ものです。

>>169
GJ!
なんて痺れる文体なんだ。
もう続きが待ち遠しいです。教授の次の活躍も大期待です!

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/09(日) 23:54:46 ID:xWPAR8hT
教授、かっこいいなぁ。
大塚ボイスでセリフが脳内再生されました。ああ、マジたまんねぇ!

176 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/10(月) 00:00:50 ID:eLVu9m8y
そろそろ良いかな?良いかな?

177 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/10(月) 00:07:43 ID:JWMWEbDR
反応無いな…まあ良い、行きますか。

拓哉「貴方は…!?」
本郷「本郷猛…仮面ライダー第一号だ!」

あの、昭和ライダー達が帰ってきた!
(右から良、一也、洋、風見、本郷、隼人、結城、敬介、アマゾン、茂の順に並んでいる昭和ライダー達)

大幹部軍団、総攻撃開始!

地獄大使「今こそ!我らに歯向かう愚者共に死を!」
(暴れまわる大幹部怪人達)

アウレフ&ヴェイト死す!?

ガラガランダ「ドラスストーンのエネルギー、全て「ベリアル」の物だ!」
アウレフ&ヴェイト「うわあああああああああああああああ!!」
(磔にされ、エネルギーを吸い取られるアウレフとヴェイト!)

機動六課最大のピンチ!

狼男「諦めろ、貴様らのようなムシケラ共に何ができる?」
ノーヴェ「黙れ!例えライダーが居なくたって…」
スバル「あたし達は…絶対に負けない!」

(ジンドグマ幹部達と戦う機動六課、地獄谷五人衆と戦うナンバーズ+シャッハ)

巨悪、復活の時来たりて…

暗闇大使「見よ!「ベリアル」の復活の時だーーーーーーーー!!」
(出現する堕天使型怪人)

今、戦いの時!

本郷「皆…戦いの時が来た!行くぞ!」
『オオ!』
(変身ポーズを取る10人ライダー)

ガラガランダ「き…貴様ら何故!?」
1号「例えどんなことがあろうとも…」
2号「俺達はなんどでも蘇る!」
(大幹部怪人たちと激しい戦いを繰り広げる10人ライダー)

駆けつけてくれる仲間達…

RX「先輩!今が約束を果たす時です!」
アギト「もう一度、一緒に戦いましょう!」
(マシンに乗って駆けつけるRX、ZO、J、アギト)

史上最大の戦い、始動!

「リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー 昭和ライダー復活編」

全ライダー「ライダーーーーーーー!!キィーーーーーーーーック!!」
(ライダーキックを放つ16人ライダー)


178 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/10(月) 00:08:19 ID:JWMWEbDR
投下終了
ネタバレは一切出来ませんが一言。
お楽しみに!

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 00:11:41 ID:Hx1rKsLs
支援

あれ?

180 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 00:26:18 ID:Hx1rKsLs
じゃあ、一時頃から投下予約してもいいでしょうか?


181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 00:38:42 ID:GBq0BI2g
前スレ埋め乙www
切れんなwwwww

182 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:03:33 ID:Hx1rKsLs
投下予約ですが。
ちょっと見直したい点がありました(汗)
十分ほど待ってください。

スーパーヴァイスタイムなので、嫌いな方はご注意を。

183 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:08:18 ID:Hx1rKsLs
修正完了。
これから投下します。

どうか支援よろしくお願いします。
カッコイイヴァイス&レジアスに注意!

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:09:01 ID:6uGBF7Qv
支援w六課に裏切り者がwww

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:09:15 ID:K81TyOVi
支援

186 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:09:38 ID:Hx1rKsLs
 

 人は何かを破壊して生きている。
 それは食物であり、大気であり、物体であり、命。
 消費することで存在を維持し続ける不安定な生命。
 だからこそ人は感謝する。
 生かしてくれたことに。
 だからこそ人は罪を感じる。
 奪ってしまったことに。
 だからこそ人は尊大になる。
 己がより強大になったということに。
 そして、人が如何に感謝しようとも、如何に悔やもうとも、如何に喜ぼうとも、命は日々奪われて、
奪われた命は誰かの糧となる。
 それが世界の定めたルールであり、決して変えることの出来ない運命。

 そして、奪う命を選べないのもまた定めなのである。

                                          ――破り捨てられた紙片より


【AnrimitedEndLine】
外伝 『Biscuit・Shooter/1』
  その日、雨が降っていた


 

187 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:10:21 ID:Hx1rKsLs
 
 雨が降っていた。
 ザーザーと雨音が鳴り響いていた。
 濡れそぼる身体から体温が奪われていく。冷たく全身を濡らし、下着にまで染み込んだ雨水は
どこまでも不快だった。
 身体が震える。
 歯がカチカチと鳴り響く。
 しかし、それを俺は歯を噛み締めて、スコープを覗き込む視線がずれないように、震えが腕へと伝わらぬように
意思で身体の動きを止める。

「相棒」

 たった一言、言葉をかける。

「雨が酷い。水滴による魔力弾の干渉と気圧変化の誤差を修正しろ」

『――OK。Friend』

 僅かな駆動音を上げて、銃身に備え付けられたデバイスコアが無数の文字を出力していく。
 そんな光景を俺は無視する。
 必要なのはスコープ内の光景であり、引き金を引く指だけ。

「っ」

 スコープ内の視界に変化があった。
 誰も居ない無人地帯であったはずの廃墟外。
 そこへと足を踏み入れる複数の人影があった。人物達の中心に立つのは高級そうなスーツを
着たトランクを持った人物であり、その周りにはセット状態にしたデバイスを持った人間たちが居た。

(情報通りか……)

 タレコミがあった違法魔導器の取引現場。
 反管理局の大儀を掲げるテロリストの一派。
 かなり重要な代物らしく幹部クラスも出てくるという情報は正しかったらしい……

(まあどうでもいいけどな)

 唇を噛み締める。
 ジワリと埃臭い雨の味がした。
 何故か無性に煙草が吸いたくなった。たった数ヶ月前までは吸うことのなかった煙草が、
ニコチンが欲しかった。
 スコープの中では索敵魔法を使用する護衛らしき魔導師の姿。
 しかし、無駄だ。
 体温は雨の中で濡れているし、この廃棄都市の中には未だ把握し切れないほどの住民権を持たない浮浪者が居る。
それらに一々対処していたら、住民全て殺さなくてはいけないだろう。
 そうなれば判断する基準はデバイスの起動状態による魔力反応での索敵だけだが、
デバイスと彼自身に対魔力の隠蔽シートを被せ、息を潜めた彼の存在は認識出来ない。
 ここに潜んで半日近く。
 ようやく巡ってきた機会にも、彼は震えることなく、ただ息を潜めて、揺らぐことの無いように
肘の骨で腕を固定し、引き金の指をかけていた。

188 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:11:02 ID:Hx1rKsLs
 
(まだか、まだか)

 考える。
 考える。
 待ち遠しく考えながら、意識を視界に向ける。
 スコープの中の光景が少しずつ変わっていく。
 幹部らしき人物が、傘を指す護衛の男に言葉を吐きかけながら、貧乏揺すりをしている。
 タレコミにあった取引開始時間まであと3分。
 どうやら予定時間まで待てないほど短気な性格らしい。しかも、極秘の取引のはずなのに、
ここまで声が僅かに届くほどわめいている。
 典型的な単細胞だ。

(利用出来る、な)

 眼球を流れる雨を無視し、彼はそう考える。
 冷徹な意識が首をもたげ、囁く。
 残酷な復讐の意識が、甘美な誘惑が引き金の指に力を篭めさせる。

(待て)

 引き絞りかけた指を押さえ込む。
 息をゆっくりと吐いて、興奮を押さえ込む。
 そして、湧き上がったのはより残酷な思考。

(ここで終わらせるつもりか、それじゃあ意味が無い)

 残酷な狙撃手としての思考が、彼の頭の中で計算を繰り返す。
 そうしているうちに時間が経過する。
 無限にも近い、濡れているにも渇きを覚えるような時間の果てに、三分が経った。

(来た)

 先に待っていたテロリストの一派。
 それとは反対方角から同じような格好の幹部とデバイスを持った護衛が現われる。
 その手に持っているのは同じトランク。
 片方に入っているのは金であり、もう片方は魔導器。
 これから彼らは交換する。
 その瞬間を見極めろ。


189 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:12:12 ID:Hx1rKsLs
 
 ――1秒。
 彼らがお互いの存在に気づく。

 ――2秒。
 互いのトランクを見て、頷きあう。

 ――3秒。
 言葉を交わし、ゆっくりと歩き出す。

 ――4秒。
 歩き出した前で互いのトランクを置いた。

 ――5秒。
 そして、足で蹴り飛ばし、滑るように届けられたトランクに幹部たちが手を伸ばしー―

「シュート」
 引き金を引く。
 ガチンと鳴らないはずの撃鉄音がしたような気がした。

『Snipe Shot』

 高速、遠距離射撃のスナイプショットが真っ直ぐに――最初の幹部の足を打ち抜いた。
 純粋魔力ではない、殺傷設定の狙撃。
 圧縮し、硬質化した弾丸は綺麗に打ち抜いて、血をぶざまな悲鳴を撒き散らす。
 ――吐き気がした。

「ひがぎゃぁあああ!!」

 悲鳴を上げて、無様に転がる幹部。
 続いて第二射。
 慌てて駆け寄る護衛の一人を狙い、引き金を引いた。
 ――胃液が込み上げる。

「がっ!!」

 無防備な背中を打ち抜いた弾丸は、純粋魔力の非殺傷設定。命中箇所はリンカーコア付近。
 しばらく魔法は使えず、悶絶することだろう。

 ――混みあがる胃液を噛み締める。



190 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:13:52 ID:K81TyOVi
支援

191 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:16:04 ID:Hx1rKsLs
 
「なんだ?!」

「狙撃?! くそ、貴様らが仕組んだんだな!!」

 護衛が叫び、そして悶えていた幹部が悲鳴のように絶叫を上げた。

「こ、ころせぇえええ! 俺の足を、てめえらが全員ぶちころせ!!」

「――様を守れ!」

 一方的な混乱に、こちらの狙撃箇所を攻撃するものと取引相手に攻勢を仕掛けるもの、
そして状況が分からず防戦を初め、幾十もの防御フィールドを展開する護衛たち。

「……醜いな」

 込み上げる胃液を軽く吐き捨てて、だらりと垂れた涎を雨で流れるままに彼は呟いた。
 幸いにもBランクにも達していない魔導師しかいないらしく、こちらに飛んでくるのは
大規模破壊魔法ではなく、単なる魔力弾の類。
 周囲の壁は砕け、埃が舞い、雨と相まって泥のような瓦礫が飛んでくるが――直撃はしない。

「そろそろいいか」

 懐に隠していた端末のスイッチを押す。
 ブゥウウウンと聞こえないはずの幻聴が聞こえ、同時に雨粒が降り注ぐ空が僅かに歪んだ。
 これで転移魔法を使用するための空間が安定される。

 あとは――

「最低でも、奴らをぶちのめしておくか」

 瓦礫が飛んでくる。
 破片が頭に当たり、背中に食い込み、僅かに痛みが発する。
 もともとそんな魔力もなく、隠密のためにバリアジャケットを付けてない体は頑強なはずのコート
でも防ぎきれずに、血が流れる。
 しかし、関係ない。

192 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:18:22 ID:Hx1rKsLs
 
 ストームレイダーを握る手の震えを止めて、スコープを覗き見る。
 銃眼の行く先は――幹部を防御魔法で守る護衛たちの中心点。
 幾重にも重ねられたバリア系、フィールド系、シールド系の三重防護。AAAランクの砲撃魔法でも
なければ貫けなさそうな強固な壁。
 あれを軽々と貫けるのは、おそらく話に聞く管理局のエースぐらいのものだろう。
 が。

「甘いんだよ」

 精々B+のミッドチルダ式陸曹、ヴァイス・グランセニックには出来るのだ。
 その障壁を突破――否、“粉砕”することが。

 引き金を引き絞る。
 埃まみれの雨水を啜りながら、ビクビクと痙攣する内臓器官の苦痛を噛み締めながら、ヴァイスは嗤う。

「ぶちぬけ」

『Variable Barret』

 そして――彼は“四度引き金を引いた”。

 



193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:20:05 ID:bLxSlNsC
>>151
亀ですがTRIGUNの人乙です

名前を指摘させてもらいますと
×ナイブズ
○ナイヴズ
です。


194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:20:35 ID:6uGBF7Qv
支援、狙撃手ほど怖いものはないですな。

195 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:21:53 ID:Hx1rKsLs
 


 ……煙草に火を付ける。
 雨で冷え切った体に染み込むニコチンの味はイラつきを殺し、先端から立ち上る紫煙はどこか心を落ち着かせてくれた。
 今、ヴァイスが居る場所は武装隊の面々がよく通うBARのテーブル席だった。
 “無事”狙撃任務を終えて、彼は着替えだけ済ませてフラリと一人でやってきた。
 いつも陽気に会話する同僚は今は居ない。
 狙撃任務を終えたその日はどんな誘いも断って、一人で酒を飲み、煙草を嗜むことにしている。

「……っ」

 煙草を吸う。
 そして、煙を吐く。
 黙々とモクモクと煙を立ちこませる行為は決して自分は昔は行うことはなかった。
 たった数ヶ月前から彼は煙草を吸い、慣れもしない酒を飲むようになった。
 健康を害すると分かっていて、狙撃手として決して煙草を吸うことなど許されないのに、
彼はそれを吸う事がやめられなかった。

(俺は……何をしているんだろうな)

 このまま酒を飲み、煙草を吸い続ければいずれ自分自身がスナイパーとして使い物にならなくなることが
分かっている。
 繊細な手つきが必須のスナイパーに、毛細血管を萎縮させ、指の動きを鈍らせる煙草は毒にしかならない。
 それが分かっているのに、ヴァイスはやめられなかった。
 元々煙草が好きでもなかった……いや、今でも美味いとは感じてない煙草を。

(そういえばなんで俺は煙草を呑まなかったんだったか?)

 カランとグラスの中の酒を動かして、音を立てながらヴァイスは考える。

(そうだ……“アイツ”が煙草の煙がまったくダメで――)

 ――思い出すのは動かない“友”の体。

 ――自らの手で抉り取った肉親の未来。

「っ!」

 連想した瞬間、内臓が悲鳴を上げた。
 ドクンと心臓が針で突き刺さったように痛みを発した。
 手に持っていたグラスを落として、含んでいた酒を吐き戻す。

196 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 01:22:39 ID:Hx1rKsLs
 
「ぶ、がふ!」

 内臓ごと吐き戻しそうな感覚。
 込み上げる苦痛と酒の混ざった胃液が、口を押さえた手からこぼれそうになる。
 痛みが止まらない。
 吐き気がおさまらない。

「お客さん?! 大丈夫ですか?」

「あ、あぁ」

 バタバタとバーテンダーがタオルとバケツを持って、吐き戻したヴァイスの胃液を拭いていく。
 申し訳なくなって、ヴァイスもまた治まりつつある胸を押さえながら、バーテンダーからタオルを借りて、
自分の吐瀉物の後始末をした。

「大丈夫ですか、お客さん? 飲みすぎたのなら、タクシーを呼びますが」

「いや、悪い……すまないけど、水をくれるか」

「あ、はい」

 綺麗にテーブルを拭き終えて、バーテンダーが戻っていく。
 そして、ヴァイスが周りを見渡すと、当たり前だが元々少なかった客がさらにいなくなっていた。
 間違いなくヴァイスが見せた醜態のせいだろう。

(迷惑をかけちまったな)

 水を貰ったら迷惑料も込みで、金を置いてさっさと出よう。
 そう考えて懐の財布から、紙幣を数枚抜き出そうとして。

「すまんが、ここに座ってもいいかね?」

「あ、そこは――」

 さっき俺が吐いたからやめたほうが。
 そう言おうとして、顔を上げたヴァイスの表情が止まった。
 そこに見える人物に驚愕して。

「レジアスの……旦那?」

「久しいな、ヴァイス・グランセニック」

 目深にかぶっていた帽子を外し、そう告げる彫りの深い初老の男。
 それは居たのは自らの上司。
 首都航空隊の責任者であり、最高責任者でもあるレジアス・ゲイズだった。




197 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:26:01 ID:6uGBF7Qv
もう一人の主役の登場、支援

198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:27:42 ID:K81TyOVi
支援

199 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:39:12 ID:pMTv3+nW
>>193
ナイブズで合ってんだろ。つか原作のどこにナイヴズって書いてあんだよ

200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 01:54:56 ID:2iIGGvU0
規制かな?

201 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 02:01:12 ID:Hx1rKsLs
おさるさん喰らってました。
これから投下再開します。

支援よろしくお願いします。あと5レスほどです。

202 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 02:01:40 ID:Hx1rKsLs
 

 ヴァイスの横の席に座り、レジアスはバーテンダーに水割りを頼むと、静かに口を開いた。

「久しいな、ティーダの葬式以来か……」

「ええ」

 最初に告げられたのは半年前に失った友の名前。
 違法魔導師の追撃中に、命を落とした戦友の名前。
 そして、思い出すのは“たった一人でおもちゃの拳銃を持った残された少女”のこと。

「ティーダは優秀な局員だった……何故奴が死ななければいけなかったのだろうな」

「……俺のバックアップが足りなかっただけですよ」

 違法魔導師との戦い。
 飛行魔法を駆使する空戦魔導師に対抗できるのはあの時ティーダだけだった。
 そして、それを援護出来たのは唯一空戦魔導師でも狙撃可能なヴァイスだけだった。
 もっと、もっと自分が上手くやれれば、アイツは死ななかったのではないのかと夢に見る。
 たった一人の妹を置いて、逝く必要はなかったのでないのかと叫びたくなる。

「……そういうな、実質的な責任はワシと足りない地上本部の戦力にある。お前は十二分に優秀だ」

「大将を責める気にはなれません」

 新入隊員の頃から、レジアスには世話になっている。
 二年前に戦死を遂げたストライカーであるゼストと同様に、地上本部に勤める局員にとっては頼れる対象だった。
 彼がどれほど現場の人間を大切にしているのか誰もが知っている。
 そして、それでも酷使しなければならない現状に嘆いていることも知っている。
 陸にとって、ただ一人腐っていない責任者として、レジアスは信頼されていた

203 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 02:02:27 ID:Hx1rKsLs
 
 そして、ヴァイスはたった一人の局員の死にも嘆くほど熱い男なのだと知っている。
 ティーダの葬式にひっそりといたたまれない気持ちで花を添えたヴァイスは、現場に居もしなかった局員の一人がティーダの死を侮辱した発言に、殴りかかろうとした。
 けれど、それを止めたのはレジアスだった。

「幼い子供の前で、信じられるべき管理局員がこれ以上醜態を晒すな」

 そう告げて、侮辱した局員にレジアスは一言二言耳打ちして、その顔を真っ青に変えさせた。
 風の噂で、そいつは数日後に左遷させられたらしい。
 そのことを、ヴァイスは一度首になる覚悟でレジアスに訊ねた。

「何故、アイツを飛ばしたんですか?」

「殴っても晴れるのはお前の気持ちだけだ。そいつが気持ちを改めることなどない。
いずれ同じことを繰り返し、死者を侮辱するだろう。そんな人間に平和を守れない」

 そう告げて、レジアスは言葉を切った。

 それからヴァイスは責任と現場での過程だけではない結果を考えるようになったのだ。
 単なる部品ではなく、何かに役に立てられる人間であろうと。

「ヴァイス。お前は自分を責めているか?」

「え?」

「ティーダを失い、自分の妹の目まで奪った自分に憎しみを感じているか?」

「それ……は、当たり前じゃないっスか……」

 レジアスの言葉に、手の震えが止まらない。
 治まりかけた胸の痛みと吐き気が込み上げてくる。

「わしもそうだ」

「え?」

「ゼストが死んだのは……わしの所為なのだからな」


204 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 02:03:17 ID:Hx1rKsLs
 
「どういう……意味なんすか?」

 ゼストが死んだ。
 それは確か違法研究をしている犯罪者との交戦で死亡したと聞いている。

「奴が死ぬ任務を止められなかったのはワシなのだ。だからこそ、その死の責任はワシにある。
お前と同じく友を死なせた男だ……」

「違う!」

 ダンとテーブルを叩く。
 ヴァイスは握り締められた手にも気づかず、叫んだ。

「俺は大将と同じなんかじゃない! もっと、もっと、駄目な奴で……俺は……」

 どう告げればいいのか分からなかった。
 込み上げる吐き気もかみ殺して、ヴァイスはどう告げらればいいのか分からなかった。

 そして。

「ヴァイス。お前は……優秀、いや必要な人材だ。局員としても、人間としても。海のトップエースと
比べても問題ない優秀なエースだ」

「お、俺は……俺は高々B+の陸戦魔道師で……」

「隠すな。ワシは“お前の技”を知っている」

「っ?!」

 技と言った。
 それは単なるストームライダーによる精密狙撃のことを指しているのではないことが分かった。
 ヴァイスが隠している“切り札”。
 魔法だけではない、言うなれば『技巧』のことだと理解する。

「魔導師としての才能が、選ばれた天才だけが世界を、平和を守るのでは駄目なのだ。
努力するものが、意思を持つ者が、守れる世界ではなければいけないのだ」

「意思を持つ者……?」

「そうだ。志を持つ者ならば守れる――“百年の平和”を築き上げなければならない」

 カランと水割りを飲み干し、レジアスが席を立った。




205 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 02:03:50 ID:Hx1rKsLs
 
「お前が繰り返される悲劇をティーダと妹の悲劇を繰り返したくなければ、ここに連絡するがいい」

 そう告げて、レジアスが差し出したのは一枚のメモ用紙。
 一つの電話番号と【Biscuit・Shooter】とサインされた文面。

「ビスケット……シューター……?」

「お前の“技術”を名づけた者の言葉だ。連絡する際には、そう名乗れ」

 そう告げて、レジアスはバーの出口へと歩き出す。

「レジアスの大将!」

「なんだ?」

「あなたは一体……なにを、そしてなんで俺なんかに声をかけたんですか?」

 それだけが疑問だった。
 どうしょうもない、ロクデナシの局員に、声をかけてくる理由が。
 誘ってくる理由が、あんな小細工しか使えない非力な自分が選ばれる理由が分からなかった。

「さてな」

 遠くを見つめ、レジアスが呟いた。

「お前は……痛みを知っている人間だったからかもしれん」

「いたみ?」

「失ったものに嘆くことが出来るのは優しい人間だ。そして、現実を知りながらも戦えるものは誇り高き意思を決して失わぬ」

 そう告げて、レジアスはバーの扉を開けた。

「強制はせん。ただ選択しろ。自分の願いを……」


206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 02:03:51 ID:2iIGGvU0
支援

207 :アンリミテッド・エンドライン ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 02:04:14 ID:Hx1rKsLs
 



 レジアスが立ち去ったバー。
 言葉もなく、ただ立ち尽くすヴァイスはメモ用紙を握り締めながら呟いた。

「俺は……俺はどうすればいい?」

 涙が溢れていた。
 吐き気もあった。
 けれども、心が燃えていた。
 痛みに引き攣る心が熱を上げていた。


 そして、彼は選択する。

 己が望む未来のために。

 ――全てを”ビスケットのように打ち砕く射撃手”として。
 
 

 それは現在より六年も昔の話である。




208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 02:06:25 ID:2iIGGvU0
紫煙

209 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/10(月) 02:08:09 ID:Hx1rKsLs
投下完了。
規制なので長時間スレを占有してしまいすみませんでした orz
タイトルはアンリミテッドエンドライン外伝【ビスケット・シューター/1】 その日、雨が降っていたです。

主にスカことナンバーズサイドとは逆に六課サイドのメインパーソン予定です。
微妙に原作と事情が異なっていますが、基本的な立ち居地は変化してません。
色々と男キャラばっかり目立っていますが、その内女性キャラことなのはたちも登場しますのでご安心を。

支援ありがとうございました。

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 02:10:18 ID:2iIGGvU0
>>209
いや・・・ほんとすばらしい・・・漢のかっこよさが改めて実感できましたよ・・・

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 04:31:11 ID:N5sHungR
>>209
良い男祭りでした、やさぐれスナイパーっていいね!

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 07:56:20 ID:OLY+t2Cf
兄貴!兄貴!

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 08:44:44 ID:BiVnnc7P
くう・・・いいレジアス・・・GJ!
うちのレジも負けてられないぜ(待て)

214 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/10(月) 11:48:30 ID:BiVnnc7P
さて――夢境学園氏を見習って私もHBを。
これより、投下を行います。番外編です。

キャロ好き注意されたし。

215 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/10(月) 11:50:07 ID:BiVnnc7P
では行きまーす。

魔法少女リリカルなのは 闇の王女 番外編
「ハードボイルドなある日」

 ばしゃり。水溜りが男の脚によって撥ね、汚水を道路に撒き散らした。
廃棄都市の煤けた外壁の廃ビル群が、不気味なモニュメントのようだ。
ぜえぜえと息を切らしながら、男が立ち止まった。
ニコチンとタールによって真っ黒に染まった肺が、苦しい、苦しいと自己主張する。常よりも遥かに低い男の身体能力は、既に限界を迎えつつあった。
餓鬼の頃に見た映画の影響で吸い始めた煙草が、その身体を蝕んでいたのだ。
(もう嫌だ)
泣きそうになりながら呻く。
見れば精一杯見栄を張って買った革靴はボロボロになっている。

(どうしてこんなことになっちまったんだ)

思い出されるのは今朝の風景。
くだらないジャンクフードじみたTV――ここでは結構上等な品だ――を見ながらくちゃくちゃとピザを噛んでいた時――妙な女が入ってきたのだ。
背中まで伸びた栗色の長髪。黒いマント。下から上まで綺麗に黒ずくめ。
上等なお顔をしてるってのに、服装のセンスは最悪だな――と男は思った。勿体ねえ、闇ブローカーあたりに叩き売っても相当『いける』筈なのによ。
職業柄、目の前の女の『値段』を値踏みする。
年は二十歳前後ってとこか。でも、まっとうな女には見えねえな――。
できればベッドをともにしてえ上玉だが――。
そこまで考えたところで客が所在無げに立ち尽くしてるのに気づく。
いけねえ、いけねえ。『売り物』ってわけじゃねえのによ。悪い癖だ。
ピザを咀嚼し飲み込む。ごくん。
美味くはない。ああ、もっと上等なメシがくいてえな――。
また生ガキでも掻っ攫って売るか――。

「おいおい嬢ちゃん、そんなところに突っ立ってないでこっちに来いって。生憎と不味いコーヒーしかねえけどよ」
気さくに声をかける。
対する女は、無言。促されるままに席につき、脚を組んでいる。
感じがわりぃな、とても一夜をともにする相手にはできそうにねえや――。

216 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/10(月) 11:51:08 ID:BiVnnc7P
「新鮮なのが『買える』ってのはここ?」
コーヒーを差し出しながら気軽にこたえる。
「ああ、そうだよ。何がいい?メスかオスか、仕込んでないのもあるぜ」
そう、と頷くと、女は無言でカップの中身をテーブルの上に捨てた。

「薄気味悪い薬を入れるのはやめて貰えるかしら。モーガンさん?」
男――モーガンの目つきが変わった。
「なんだよ、嬢ちゃん。『ズブの』素人かと思ったらわかってんじゃねえの。先にそう言ってくれりゃあ、俺もこんな管理局相手の薬使わなくてすんだのによ。
高いんだぜ、これ」
入っていたのは睡眠薬であり、何時もなら怪しい客はこれでお帰り願い、記憶も消しておくのがセオリーなのだ。

「やれやれ――そいじゃ本題に移ろうか――。買いたいのはなんだい?ちっと前に来てくれりゃ、アルザスの掘り出しもんがあったんだよ」
「アルザス?あの少数民族の?」
「ああ、まだちっせえ餓鬼でよ、よたよた行き倒れてやがったから拾って餌付けしたんだよ。ま、お客さんが来る前に売れたけどな」
竜も連れてたっけな――と言う。
女が興味深そうに頷いた。
「ドラゴンつき?すごいわね」
「ああ、あんな高値で売れたのは久しぶりだったぜ。お陰で美味い飯が食えた」
蕩ける様なステーキの味を思い出す、上等の赤身肉。ワインも幾つか開けたっけ――。
あれは美味かったなあ。また食いたいもんだぜ。

「―――で、お客さんは何がいいんだい?餓鬼は駄目だぜ、いいのはみんなこの前売れちまった」
「そうね――それじゃ欲しいのは――」
机が女の手によって宙を舞った。股間を蹴り上げられ、襟首を掴まれ、持ち上げられる。
「この前『売った』客のことを――洗いざらい吐いて貰おうかしら」
いてえ。なにしやがるこのアマ。
この前の客―――?ああ、あの――よくわからない白衣の男。
妙に頭の良さそうな喋りだった。
がしゃん。宙を舞ったテーブルがTVに直撃し、ものの見事にぶっ壊した。
ぼん。安物のブラウン管が音を立てて割れる。

「な、何のはなしだ嬢ちゃん、落ち着け」
「いいから話して、貴方に選択権はない」
首を絞められる。片手で。
このアマ、なんて馬鹿力だ――。殺意の篭った眼に完璧にモーガンは震え上がった。

217 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/10(月) 11:52:06 ID:BiVnnc7P
本当に、洗いざらい喋った。あの男のこと――売った子供の人数、年齢、幾らで売ったか、商談の様子。
そして――商売人として隠すべき、相手の名前。

「で、誰に売ったのかな。お話、してくれる?」
小便を漏らしそうになりながら言った。
「わ、わわわわかった。言う、あれだ、妙な女と――結構名の売れた野郎だ。ジェイル・スカリエッティだよ!あの広域次元犯罪者の!!」
唐突に、女が手を離した。尻餅をつく。
「やっぱり、そうか。ありがとう、もう――逃げて良いわよ」
女が腰から拳銃を引き抜きながら笑った。
立ち上がり――脱兎の如く駆け出す。なりふりかまわず駆け出す自分を、女が嘲笑した気がして、ひどく腹が立った。

そして―――今に至る。

もう――走れない。嫌だ。嫌だ。もう誰も俺に近寄るんじゃない。
こつん、と足音がした。
吃驚して振り向く。
そこに立っていたのは――黒衣の女でもなく、救いの女神でもなかった。
モーガンを地獄に叩き落してくれる存在。

「時空管理局だ。『ハゲワシのモーガン』、お前を人身売買の容疑で逮捕する」
くそったれ――今日は厄日だ――モーガンはうな垂れた。


数時間後、次元の海、L級次元航行艦アースラ艦内。
モニターに映る黒髪の青年――クロノ・ハラオウンは溜息をつきながらなのはをじと、と睨んだ。
『なのは、あれほど勝手なまねをされては困ると―――』
「あははは、ごめん、ごめんクロノ君。でもちょっと気になっちゃって――」
『言い訳はいい。後で詳細な報告書を書いてもらうからな』
ブツン、とモニターが切れた。

「………怒らせちゃったみたいだね……」
ルーテシアがちょんちょん、となのはの手をつついた。
「うん?何、ルーテシア」
「なのは………ご飯」
そっか、もう昼ご飯だっけ――となのはは思い出す。
「えっと……今日は何?」
「激辛カレー」
またそれ、となのははうな垂れた。
ルーテシアのカレー洗脳は順調に進行中のようである。
恐るべし、印度の神秘。

番外編、終。

218 :ゲッターロボ昴 ◆J7qCZtZxmc :2008/03/10(月) 11:54:45 ID:BiVnnc7P
以上になります。
新人4人衆のうち、出てないのはもうティアナだけ……さてどうしたものか。

感想等お待ちしております。

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 11:57:51 ID:tz93IJdI
>>218
あなたは、なのクロスレ印度化計画でも、
遂行ちうなのかと、一言。


そして、GJ。

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 11:59:14 ID:qwUMPRn0
あらあら、すばらしいSSでしたわね
でもカレーだけじゃインドの神秘を極めたとは言いがたくてよ?
取り合えずまず最初にこちらのアサナから(ry

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 12:53:52 ID:zsGETDAe
>>218
GJ! そして、

>>220
ラーダさん乙

222 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/10(月) 14:53:03 ID:zsGETDAe
さてと…みんな、確かにハードボイルドの落ち着いた雰囲気も悪くない。
しかし、そろそろ「燃え」分が欲しくなってきたとは思わないか?

というわけでキングアースラ中編、投下おk?

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 14:55:24 ID:6uGBF7Qv
支援

224 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/10(月) 14:56:25 ID:zsGETDAe
復活の白き方舟(中編)



「ほぉう…あれを動かしたか」
古代ベルカ究極の遺産・聖王のゆりかご。
そのブリッジの中で、無限の欲望はさぞ愉快そうに笑う。
時空管理局最強の切り札として生み出されながら、誰1人としてその起動エネルギーを確保できなかった白亜の巨人。
ジャイアントメカノイド・キングアースラの巨体が、ゆりかごを真っ向から睨みつける。
「どうしますぅ、ドクター? あれを相手にするのは、さすがに骨が折れますよぉ?」
言いながらも、脇に立つ戦闘機人クアットロの声音は、さほど深刻さを匂わせない。
発言には不釣り合いな、ある種の余裕がこもった笑顔。
あたかも、こちらにも奥の手があるかのように。
「なら、こちらも全力で相手をするのが礼儀というところさ。さぁディエチ――」
そして、その顔に醜悪な笑顔を浮かべ、スカリエッティが振り向く。
背後の死神のごとき鉄面皮の戦闘機人へ、その妖しく光る金の瞳を向けて。
「ギガ・フュージョンだ!」
号令に従い、ディエチが背後の壁へと無言で跳び退る。
鋼鉄の身体を浸透させる。
瞬間、聖王のゆりかごが変形した。
その身を無茶苦茶によじり、各部を展開し、収納する。
腕が現れ、脚が現れ、船体は胴体となる。
やがて無機質な顔面が姿を現し、目の部分に位置する窓のようなプレートが、不気味な赤い光を放った。
「ピア・デケム・ベルカアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァーッ!!!」
スカリエッティの狂気の笑みと共に、巨大な機械人がファイティングポーズを取った。
黄金の身体を輝かし、駆動音で鋭い咆哮を上げる、まさしく聖王の威容に相応しき大巨人。
そしてそれを、高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの両名は、キングアースラのコックピットから見据えていた。
「向こうも変形を…!」
驚愕も露わな声で、フェイトが呟く。
『あれは…まさしくピア・デケム・ベルカ!』
「ユーノ君!?」
キングアースラのモニターに姿を現したのは、なのはの幼馴染みたる無限書庫司書長の姿。
「知っているの、ユーノ?」
驚くなのはを尻目に、平静を取り戻したフェイトが問いかけた。
『記録にあった、ゆりかごの戦闘形態だ。広域戦闘能力を犠牲に1対1の戦闘――つまり、格闘戦に特化した形になっている』
すなわち、相手はこちらを全力で叩きのめすということ。
全身から滲み出る、凄まじいまでのオーラ。全力というのに偽りはなさそうだ。
『気をつけて、なのは、フェイト!』
「…うん!」
ユーノからの通信はそこで打ち切られ、なのははビア・デケム・ベルカを睨みつける。
あの中にヴィヴィオがいる。そして、相手はヴィヴィオを渡すまいと、その力を振りかざしてくる。
望むところだ。やれるものならやってみるがいい。
キングアースラ背部のスラスターに魔力を集め、スラスターを点火。
次元世界最強の守り手が、フルスロットルで巨大な悪意へと特攻した。

225 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/10(月) 14:57:33 ID:zsGETDAe
「はああああああああああぁぁぁぁぁぁっ!」
雄たけびと共に、その巨大な脚が繰り出される。
必殺の重量を乗せた回し蹴りは、しかしピア・デケム・ベルカの手によって受け止められた。
「やっぱり、おしおきが足りないみたいねぇ」
クアットロのどこか艶かしい雰囲気をもった言葉。
瞬間、キングアースラはジャイアントスイングの要領で、あっさりと投げ飛ばされてしまった。
次元航行艦の巨体は道路を滑り、車を吹き飛ばし、ビルを倒壊させる。
「うわああああああぁぁぁぁぁっ!」
「チンク、機雷艦載機出撃だよ」
続くスカリエッティの号令。
黄金の巨人の全身に配置されたハッチが開き、ガジェットドローンU型が次々と出撃した。
身体中から出撃する小型飛行機は、それら全てがランブルデトネイターの特攻隊。
爆弾へと変化したガジェット達が、盛大な土煙の中に倒れるキングアースラへと殺到する。
「プラズマスマッシャァァァーッ!」
しかし、そう易々と攻撃を受け続けていては、管理局の切り札の名が廃る。
粉塵を貫いて無数の雷光が走り、ガジェットドローンを次々と撃ち抜いていった。
そして煙が晴れ、白亜の巨体が再び姿を現し、極太の両腕を突き出した。
「五連ディバインバスタァァァーッ!」
その指先から、桃色の閃光が走る。
エース・オブ・エースの必殺技・ディバインバスター。
それがキングアースラの両手によって極限まで出力を高められ、凄まじい破壊力をもってピア・デケム・ベルカを狙い撃った。
両手の五指から放たれた合計10の聖なる砲撃は、あやまたず金の魔神へと命中。
『う…ああ…ああああああああああああああぁぁぁぁぁーっ!』
突然、キングアースラのコックピットに鋭い悲鳴が響いてきた。
それはなのはにとって、そしてフェイトにとっても聞き知った声。
「ヴィヴィオッ!?」
なのはの瞳が驚愕に彩られる。
どういうことだ。このヴィヴィオの悲鳴は何だ。
「ククク…こちらのダメージは、直接ヴィヴィオに伝わるように調整されているんだよ」
疑問に答えるかのように、スカリエッティの声が届けられる。
そしてその内容は、母たるなのは達にとってはまさに最悪の答え。
「さぁ、好きなだけ攻撃してくれたまえ」
醜悪にその口元を歪め、スカリエッティがキングアースラを見下ろした。
強い。さすがに古代ベルカ最強の質量兵器なだけはある。
近づけば馬鹿力、遠ざかれば艦載機が攻撃してくる。
「それに、こっちからは攻撃すらできない…!」
「更に、キングアースラ最強の武器・アルカンクォースも使用不可ときた」
フェイトの声に、無限の欲望の勝ち誇った声が重なった。
アルカンシェルの出力を、あたかも不死鳥のような姿に変換して射出し、相手のコアを奪取する必殺技・アルカンクォース。
しかし、これまでの攻防によって、既にアルカンシェルは破壊されていたのだ。
そして、そんなことはピア・デケム・ベルカにとっては当然知ったことではない。
ディエチが無感情な瞳のまま、ベルカの巨体を操り、超ヘビー級のパンチを繰り出した。
キングアースラの身体を、金色の電磁装甲・ジェネレイティングアーマーが覆うが、そんなものでは完全には防ぎきれない。
顔面目掛けて回し蹴りが叩き込まれ、白亜の機体を吹っ飛ばす。
「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーっ!」
ジャイアントメカノイドは、再びアスファルトの味を味わった。

226 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/10(月) 14:58:42 ID:zsGETDAe
しかし、いつまでも倒れているわけにもいかない。
なのはとフェイトは不屈の心を揺り動かし、再び純白の巨体を起こさせる。
背後からガジェットドローンの爆雷が襲撃した。ようやく起こした身体が、再び地面に吸いつけられる。
立ち上がれども立ち上がれども、無尽蔵の爆弾が、キングアースラを叩き落とす。
「なのは!」
「くぅ…っ!」
このままではジリ貧だ。ジェネレイティングアーマーを疲弊させられ、いずれ完全に破壊させられる。
活路を見出すには、ここでどうにかあがくしかない。
電磁膜を最大出力で展開し、再びキングアースラが天空へと躍り出た。
「五連ディバインバスター、プラズマスマッシャー! 全ディバインシューター、発射!!」
なのはの号令。
瞬間、空が魔力光に満ちた。
両手から放たれるディバインバスター、腕に取り付けられた砲身からのプラズマスマッシャー、
更に脚部側面から撃ち出されたディバインシューターが、特濃の弾幕を作り出し、ピア・デケム・ベルカの巨体へと流れ込む。
『うあ…あああああああああぁぁぁぁぁぁぁーっ!』
結果は全弾命中。しかしそれは、同時にそれら全てのダメージがヴィヴィオへと伝わることを意味する。
「あらあらぁ、ひっどーい♪」
「ククク…ヴィヴィオを殺す気かね?」
挑発するかのように、スカリエッティが嘲笑った。
ヴィヴィオを助けるために戦っている君たちが、それを殺してしまっては元も子もないだろう、と。
しかし、なのははそんなものには耳を貸さない。
「うん、殺す気だよ」
逆に決然と言い放ってやった。
あまりにはっきりと告げられた最悪の選択肢に、スカリエッティ達は愚か、隣のフェイトさえも目を丸くする。
「ヴィヴィオも戦士…私達が敗北してまでも、生き残りたいとは思わないはずだよ!」
一点の曇りもなく、なのはは堂々と宣言する。
そしてこの時、ようやく傍らのフェイトは、その言葉の意味を理解した。
なのはとて、我が子とも言えるような存在を殺すということは絶対にしたくないはず。
つまり、これは決意表明だ。殺したくなければ、負けなければいい。
すなわち、絶対に勝利してみせる、と。
「フェイトちゃん…しっかり掴まってて」
眼前のピア・デケム・ベルカをしっかりと見据えながら、なのはがフェイトへと声をかける。
恐らく、これが勝負。ヴィヴィオを取り戻すための大博打。
「貴方を信じてるよ…なのは」
うっすらと笑みさえも浮かべて、フェイトはそれに応じた。
「ふふ…」
なのはもまた、それに笑顔で応じる。

227 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/10(月) 14:59:53 ID:zsGETDAe
「――ナノ・フェニックスッ!」
絶叫がこだました。
猛獣の牙が開け放たれ、全身がジェネレイティングアーマーの黄金の光に照らされる。
続いて姿を現したのは、その背を彩る、8枚の赤き翼。
孔雀のごとき美麗な翼は、徐々にそのサイズを増していき、やがてキングアースラ本体さえもが桃色の光に包まれていく。
「自らをアルカンクォースの代わりに…」
一瞬、スカリエッティは息を呑んだ。
そう、これはあの必殺技・アルカンクォースの発動プロセスだ。
砲身を魔力の翼でコーティングし、それをそのまま敵に向かって射出する。
「やっぱり君達は不良品のようだ」
しかし、それはあまりに非効率な戦術だ。
巨大なキングアースラを包むだけのアルカンクォースの魔力、加えて本体を保護するためのジェネレイティングアーマーの魔力。
どちらも必要とするのは馬鹿にならないだけのエネルギー。
こんなもの、一度でも使ってしまえば、ロクに動くことさえできなくなってしまう。
あまりに前時代的な神風特攻だ。
「貴方達のような不完全なプログラムには…理解できないっ!」
かつて最高評議会によって生み出され、そして逆にその親を利用し、切り捨てた人造人間ジェイル・スカリエッティ。
人の作りし無限の欲望へと、なのはは言い放つ。
「不死鳥は…炎の中から…!」

――蘇るっ!!!

不屈のエース・オブ・エースと、心優しき金の閃光の雄たけびが、重なった。
咆哮は雄大なるフェニックスのいななきへと変わる。
クラナガンの空をそっくりそのまま覆い尽くさんばかりの、巨大な不死鳥の姿。
神々しいまでの真紅の輝きを放ち、大地をも揺らす巨翼で、巻き上がる蒸気を吹き飛ばす。
ジェネレイティングアーマー最大出力。全リミッター解除。
この突撃でその巨大な腹をぶち抜いて、玉座ごとヴィヴィオを取り戻してやる。防げるものなら防いでみるがいい。
神威を放つ不死鳥が羽ばたいた。
滲み出る爆発的なエネルギーをパワーとスピードに変え、偽りの聖王目掛けて飛び掛る。
莫大な魔力がピア・デケム・ディエチを飲み込み、焼き尽くした。

228 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/10(月) 15:00:59 ID:zsGETDAe
投下終了。
まさか他愛のない雑談が、3部作にまでなるとは思わなんだ…冗談とは怖ろしいものですなぁ…
とりあえずウロスにて、「チンクがせっせとガジェットを機雷化させている」という電波を送ってくれた方に感謝。

これが勝利の鍵だ!
【スバル・ナカジマ】

229 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/10(月) 15:02:37 ID:zsGETDAe
あ…ミス発見。
最後だけピア・デケム・ベルカが、ピア・デケム・ディエチになってました。
初期案での名前がつい出てしまったようだ…

230 :LMS:2008/03/10(月) 15:25:41 ID:X1j9QVr4
やはり燃えは偉大だ
ナノ・フェニックスはぜひとも真ナノ・フェニックスへと派生して欲しい
と、サガフロ厨が申しております

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 15:26:49 ID:BiVnnc7P
アホや・・・アンタほんまもんのアホやでえ。
だが、それがいい。

GJ!でもHB分も重要だと思うんだ。つまり・・・キングアースラ内で枯れた会話をするフェイトとなのは。
「やれる?」
「当然。聞くまでもなく」
「じゃあ、行こうか」
こんなノリはどうですか?うはははは。

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 15:39:25 ID:4eiZAHrc
ゲッターロボ昴氏、反目のスバル氏、GJ!

>>219
私は声が同じ大使さんのように素で食うカレーの辛さが1000倍なほどの
辛い物好きにするというのに一票。

233 :LMS:2008/03/10(月) 15:55:07 ID:X1j9QVr4
さて、ここで燃えなのかHBなのかよく分からないLMS6話を投下したいと思います
今回は分量的にさるさんは大丈夫、なハズ

234 :LMS:2008/03/10(月) 16:06:13 ID:X1j9QVr4
ではいきます





Lyrical Magical Stylish
Mission 06 Hell Diver



「じゃあなシロー、モモコ、世話になった」
「いえいえ、是非またいらしてください」
「ああ、コイツが直ったら最高の一曲を弾きに来るぜ」

 ダンテがネヴァンを掲げながら、見送りに来た士郎と桃子に別れを告げる。
 時刻は夜八時、こんな時間に出るのもおかしな話だが、ちゃっかり晩飯は頂いたということだろうか。

「ダンテさん」
「ん?」
「……なのはを、お願いします」
「ハッ、大した親娘だよ。サイコーだぜお前等」

 頭を下げる士郎と桃子。どうやら、今回もまたお見通しのようである。

「安心しろ。なのはは俺が護る」
「……頼みます」
「ああ。任せな」

 ダンテはネヴァンをケースに仕舞い、バサリとコートを翻して高町家の玄関を後にした。

「遅いですよ」
「せっかちはよくないぜ」

 そして、門を潜ったところでなのはと合流。既にバリアジャケットを展開している。部屋の窓から飛んで出てきたようだ。

「ちゃんと言ってきたか?」
「はい。お父さんもお母さんも、いってらっしゃいって言ってくれました」
「やれやれ、何て言ったんだかねぇ……」
「それよりも、何ですかあの恥ずかしい台詞」
「ハハハ、ダディもマミィもお前の考えてることなんざお見通しだってよ」

 相変わらずのやり取りを繰り返す二人。これから魔界に行くというのに、気負いは全く感じられない。お互いがお互いを信頼しているからこそのこの空気、どうやら、楽しい旅になりそうである。







「止まれ」
「ワオ、見送りかい? ご苦労さん」

 ダンテとなのはは臨海公園へ来ていた。道すがらダンテのいい加減な説明を聞いていたなのはは、ダンテがモーターボートを買ってそれで海上に魔界の門を開くということだけ理解していた。
 そんな二人の前を遮るように立ち塞がったのは、最近姿を見せていなかったクロノとフェイト、そして、姿が見えないがフェイトの使い魔であるアルフもどこかにいるのだろう。

235 :LMS:2008/03/10(月) 16:06:51 ID:X1j9QVr4



「クロノ君、フェイトちゃん……」
「なのは……」
「ヘイヘイお二人さん、見送りの割には随分しょっぱい顔してるな。そんなんじゃ景気付けにもなりゃしねぇぜ?」
「当たり前だ。見送りなどではなく、二人を止めるためにここにいるのだからな」
「ワーオめんどくせー」

 ダンテは無視して歩こうとしたが、なのはが立ち止まってしまったためにしょうがなく立ち止まる。この二人を何とかしない限り、ダンテたちはボートへとはたどり着けない。

(さて、どうしたもんか……)

 穏便な方法から乱暴な方法までいくつか案を出しながら、ダンテはコートの中で拳を握る。めんどうくさいのは性に合わない、説明しても無駄だろうし、とっとと突破するのが一番か。
だが、なのははフェイトのことを親友と言っていたし、気に食わないクロノはともかくフェイトまで殴って気絶させるのはさすがに気が引けた。

「なのは、何をしようとしているのかは知らないが、犯罪に加担するようなことはやめるんだ」
「……確かに、クロノ君たちから見たら私たちがやったことや、やろうとしてることはいけないことだと思う」
「だったら」
「でも、譲れないものって、あるじゃん?」

 なのははレイジングハートを構える。ダンテは、そんななのはを見て嬉しそうに口笛を吹き、なのは同様握った拳をゆらりと出して構えを取る。
 
「……そうか」
「ゴメンね。でも、今回は諦めて」
「ああ。最も、諦めるのはそっちだが。なのはに譲れないものがあるように、こっちにも認められないことはあるんだ」
「クロノ君らしいね」

 一触即発、既に導火線に火は点けられた。後は、誰かが一歩でも踏み出そうものなら、かつて友として戦った三人が敵として戦うことになる。

(あの小僧はともかく、レディにそれは酷か)

 やれやれ、と心の中で一人ごち、ダンテはどうこの場を切り抜けるか決めた。

「なのは、掴まれ!!」
「……! ハイッ!!」
「ま、待て!」

 ダンテはなのはを抱きかかえると、ボートへ向かって猛然と駆け出す。
当然攻撃してくるものだと思っていたため反応が一瞬遅れたクロノは、咄嗟に服を掴もうとするも後一歩届かず、スルリと抜けたダンテが既に発進準備の出来ている「Devil May Cry」号に向かって猛ダッシュ。

「フェイト、追うぞ!」
「う、うん!」

 すぐさま全力で後を追うが、ダンテの常人離れした脚力に魔力で底上げする暇のなかった二人が追いつけるはずがない。

「待ってたぜオーナー!」
「おおっと、コイツは随分ド派手になったじゃねーか!」
「うわ……悪趣味」
「なーに、このぐらいのほうがいいんだろう?」
「マジサイコー!」
「でも確かに、今の場にはふさわしいですね」

 ダンテが買ったステレオタイプのモーターボートは、この一晩でなぜか激烈にロックな船になっていた。
船体の横に華麗に踊る「Devil May Cry」の文字も、ダンテの事務所に掲げてあるのと同レベルでダンテ曰くイカしている。
 なのはもまた、暴走族が乗るバイクのようにセンスのカケラも感じられない船だと思ったが、景気付けという意味ではこれ以上ないというダンテの意見に内心賛成だった。
やはり、テンションは高くいきたい。

236 :LMS:2008/03/10(月) 16:07:57 ID:X1j9QVr4



「突貫で仕上げたんだ。なーに、アフターサービスだよ」
「超グッジョブだ。帰ってきたら上乗せで払ってやるぜ!」

 ボート屋の主人とハイタッチ。そのまま走る勢いを緩めず、ダンテはなのはを抱えたまま船に飛び乗る。
その勢いのままアクセルを踏みつけ、それに呼応したボートは水飛沫を吹き上げながら最初から全速でカッ飛んでいく。

「「Let's get crazy yeah!!」」

 なのはとダンテの叫びがハモる。レッドゾーンを振り切ったテンションが乗り移ったかのようなスピードで、ボートもまた限界を超えて加速していく。

「くそっ!」
「クロノ、どうする?」
「追うに決まってる!!」
「あんたがたゲフッ!」

 クロノはボート屋の主人に当身を叩き込み、その場に昏倒させる。それを見たフェイトが顔を青ざめるが、怒りで我を忘れたクロノは知ったことではないとばかりに主人に変わって命令する。

「アルフ! 結界を張れ! フェイト、飛ぶぞ!!」
「あ、ああ」
「うん……」

 アルフの結界が構築されるのと同時に、クロノはフェイトと宙に舞う。ボートで全力疾走を続ける二人を何としても止めなければならない。

「待てー!!」
「ワオ、今日は随分頑張るじゃないの!」
「ダンテさん、どうします?」

 ダンテのテンションが乗り移ったかのようにノリノリのなのは。ダンテが見た中でも最高の笑顔を見せている。

「振り切ると叩き落すの二択。どっちがいい?」
「諦めてもらいましょう」
「ハッハー! そーこなくっちゃなぁ!!」

 ダンテはなのはに操舵を任すと、ギターケースからあの紫電を放つギター、ネヴァンを取り出し、振り回す。
それと時を同じくして、封鎖された空間内に悪魔が出現する。当然、進路を邪魔するように動くものも多数。

「進路はこのまま全速前進、雑魚は無視、それでも邪魔なやつは吹き飛ばせ!!」
「Alright!」

 船の操舵なんて知識としてすら持ってないなのはだが、車と同じだろうということで舵さえ持たずアクセルを限界まで踏みつける。
沖へ向かって一直線に突き進む”悪魔も泣き出す”二人の船は単純な勢いで追いすがる悪魔を振り切り、迫り来る悪魔は周囲を舞う風が無慈悲に吹き飛ばす。

「Welcome you(ボクヲミロー)!!!」

 ネヴァンのチューンアップを終えたダンテが、勢いよくデタラメに掻き鳴らす。迸るサウンドと、それに纏う強烈な紫電がダンテを中心とした周囲一体に降り注ぐ。

「Let's Rock!! Jam Session!!!!」

 滅茶苦茶に響き渡るギターサウンドと、ダンテの掻き鳴らすスピードに応じて範囲を拡大する雷のドームはその中にいるもの全てに牙を剥く。
当然、二人を追っていたフェイトとクロノも例外ではない。紫電が蝙蝠を形取り、パフォーマンスを邪魔しようとするものに向かって飛んでいく。

「うわっ!」
「きゃっ!」

 咄嗟のことで避ける暇もなかった二人はネヴァンの一撃を直で受け、追撃の手を止めざるを得ない。
その間にも、エンジンの限界を無視した加速を続けるモーターボートはあっという間に小さくなっていく。

237 :LMS:2008/03/10(月) 16:08:50 ID:X1j9QVr4



「くそっ!!」
「クロノ、敵が!」
「わかってるっ!! アルフ、隔離結界はこのまま維持! 提督! 武装局員を直ちにこちらに回してください!!」

 このまま二人を追い続けては、いずれ結界を破った悪魔たちが海鳴を蹂躙する。即座に判断したクロノは追撃を止め、ここで悪魔を殲滅する道を選ばざるを得なかった。

「Yeaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaah!!!」
「イィィヤッホォォォォオ!!」

 狂ったようなダンテとなのはの叫び声が徐々に遠くなっていく。耳を劈くギターサウンドもそれに応じて徐々に遠くなり、それでもボートを覆う雷の結界と、それに触れた悪魔が消滅するのははっきりと見えた。

「ハッハァ!」

 その頃、ひとしきり演奏を終えて絶頂のダンテはもう満足と言いたげな表情でボートに倒れこむ。

「ちょっと! 倒れるの早すぎですよ!!」
「ヘイヘイ落ち着け。Slow down bebe?」

 さすがに焦ったなのはの声に、ダンテはネヴァンをギターケースに戻しつつ起き上がる。
演奏をしていた艇尾から悠然と艇首に向かって歩きつつ、次に取り出したのは、リベリオンより一回り細い、それでもなのはには到底扱えないであろう大剣。
そして、胸から下げてたアミュレットとコートのポケットから無造作に取り出したアミュレットを併せて持つ。

「さーて……オヤジ、兄貴、力借りるぜ」

 取り出した剣は力の剣、フォースエッジ。そして、ダンテと亡き兄バージルへ託されたアミュレット。この三つが揃ったとき、フォースエッジは真の力を解放する。
かつて、たった一人で魔帝と魔界を封じ、その後二千年の永きに渡って人間界を護り続けた、伝説の悪魔の力が蘇る。

「切り裂け……スパーダ!!!」

 赤光とともに、ダンテの手にした剣がありえないレベルまで巨大化する。それもそのはず、この剣は”使い手の望む姿形に変貌する”という特性がある。
さらに、かつてスパーダが魔界を封じるのに使った武器でもある。封じることが出来るなら、こじ開けることも可能というのも、テメンニグルにおいて実証されている。

「Stylish!!」
「ダンテさん、やるぅ!」

 何もない空間に突き刺さったスパーダの切っ先は、空間そのものを易々と縦に引き裂いた。その瞬間、結界内に溢れかえる濃密な瘴気。魔界と人間界は、今ここに繋がった。

「「Let's start the most crazy Party!!!!」」

 さあ、イカれてとち狂ったパーティの始まりだ。得物を天にかざし、心底楽しそうに叫ぶ二人は、門から溢れ出る悪魔にまるで関心を見せず、開いたパーティ会場の入り口へとカッ飛んでいく。

「I'm abusolutely crazy about it!!!」

 楽しすぎて狂っちまいそうだぜ。ダンテの最高に楽しんだ叫びが、門を潜る二人がこの場に残した最後の言葉となった。
次々と悪魔が飛び出してくる門へと一片の躊躇もなくボートは突っ込んでいき、そしてこの世界から消失した。




「イーヤッハァ!」
「あー、モーターボートって最高ですねー」
「だろう? 今度デートで使おうぜ」
「それは遠慮します」

 桟橋にボートを乗りつけ、相変わらずの会話を交わしながら二人は魔界の地に降り立つ。

238 :LMS:2008/03/10(月) 16:09:23 ID:X1j9QVr4


見上げた先に聳え立つ古城、中世のお話に出てきそうな朽ちてなお荘厳な雰囲気を醸し出す城に、なのはが驚嘆する。
だが、ダンテは険しい目つきでダンテにとっては二回目の訪問となる忌まわしき城を見上げていた。

「なんだ、魔帝のやつは相変わらず芸のないこって」
「知ってるんですか?」
「……マレット島、あのときの城そっくりだぜ。中身まではしらねーけどな」

 ダンテはやれやれとばかりにギターケースを開け、中から得物を取り出していく。
銃の調子を確かめ、最後にリベリオンを肩に担ぐと、ギターケースをボートの中に放り込んだ。

「便利ですねー」
「お前さんも人のこと言えないだろ」

 ネヴァンやアグニ&ルドラといった武器はどういうわけか小さく姿を変え、懐に収まっている。
もっとも、なのはのベオウルフもまたそうやって普段は装着しないでいた。どういう理屈かは知らないが、ダンテ曰く「便利だろ?」とのことなので、既に追求は諦めている。

「でも意外ですね。外にあれだけ出てくるからには、中はそりゃもう大変なことになってると思ってたんですけど」
「あー……まぁ、その気持ちも分からんでもないが。人間界だって歩けないほど人間溢れかえってるか? んなことねーだろ。魔界も一緒ってことだ」

 分かるような分からないような話である。もっとも、なのはにしてみれば魔界とは文字通り地獄のようなところを想像していたわけで、意外と普通なんだなと拍子抜けしていたりもする。
といっても、周囲に立ち込める瘴気は未だかつて感じたことのないほど濃密で、ここが魔界だということをイヤでも認識させられていたが。

「だが、ここは間違いなく魔界の入り口さ。この奥に、魔帝がいる」
「入り口?」
「ゲームだってそうだろ? ボスは奥にいるものさ。いつ出てきても同じなのによ」

 俺たちが勝つんだからな、と最後にいつもの笑顔で締めくくり、ダンテは城に向かって歩き出す。なのはも肩をすくめそれに続く。

「ちなみに、魔帝の名前は?」
「ムンドゥスだ。覚えときな」
「ムンドゥス……」
「アホみたいにでかい図体に、らっきょみたいな目をしてる」
「らっきょて……」
「残念ながら、食べても変身できないがな」
「そのネタは禁止」

 二人は古城の門を蹴り開けた。さあ、パーティの始まりだ。悪魔と踊ろう。

「……中も意外と普通なんですね」

 城の中に入ったなのはの第一声。重厚な門を蹴破って入った先は、これといって何もなく、ただ吹き抜けのホールであった。
敵もいないし、罠がありそうな気配もない。多少肩透かしを食らった気分である。

「まあ落ち着けよ。序盤からそんなに飛ばしたっていいことないぜ。そのうちイヤでも戦うんだからな」
「分かってますって」

 ダンテは周囲を見回しながら気楽に言う。だが、その内心ホールの構造にかなりの違和感を感じていた。

(成る程ね……)

 なんのことはない。そりゃ、違和感を感じて当たり前である。なにせここは、古城ではなくテメンニグルのホールだったのだから。

(さすがにそこまで馬鹿じゃない、ってか)

 楽しみだ、と口の中で小さく呟き、ダンテはとりあえず目に付いた扉に入ることにした。

239 :LMS:2008/03/10(月) 16:10:18 ID:X1j9QVr4


「いいんですか、そんな適当に入って」
「心配ない。ここの連中は律儀でね、先に進もうと思ったら必ず何らかの仕掛けを解かなきゃいけないのさ」
「仕掛け、ですか」
「ああ。多くの場合は扉や道が封印されている。それを解除する鍵は必ずどっかに転がってる。だから、とりあえず目に付いた場所に行けば問題ないのさ」
「成る程」
「試験に出るから覚えとけよ?」
「何言ってるんですか……」

 器用にウインクを飛ばすダンテと、げんなりしながら続くなのは。二人は重そうな扉を開け、その中に入る。

「…………」
「……ダンテさん?」
「この通路……」

 ダンテは覚えがある。これは間違いなく、古城の一角。テメンニグルと古城が融合しているこの場所だ、何が起こるかまではわからないのだが、この場所には嫌な思い出があった。

「走るぞ!」
「え?」

 ダンテは突然の言葉に惚けるなのはを置いて全力で駆け出した。ここはそう、かつて巨大な重戦車に追い回された忌まわしき回廊。
駆け出したダンテに合わせるかのようになのはの背後の壁が粉砕、この世のものとは思えない邪悪な咆哮が回廊を揺るがす。

「HAHAHAHAHA―――――!!! また会ったな坊や!!!」
「え、ええええええ!!?」

 背後の壁を破壊して現れたのは、灼熱の魔獣ファントム。かつてダンテを散々苦しめた稀有な悪魔の一体である。

「GAHAHAHAHAHA!!! ペシャンコにしてやるぜ!!」
「じょ、冗談じゃないよっ!!」

 ものすごい勢いで迫ってくるファントムに度肝を抜かれたなのはだが、来たばっかりでミンチにされてはたまらないとフライヤーフィンを全力で発動。狭い回廊をものともせずに飛行する。

「ヘイ、急ぎな!」
「ダンテさんの馬鹿ああああああ!!」

 すでにゴール地点へたどり着いていたダンテにありったけの罵声を浴びせ、文字通り扉の中へ転がり込む。
なのはが飛び込むのを確認するのと同時にダンテは扉を閉め、イフリートで扉上の壁を破壊し簡易のバリケードを作る。
その後も唸るような地響きがしばらく続いていたが、どうやら諦めたのか魔獣の気配は消えていった。それを確認したなのはは、思わず壁に寄りかかったままへたり込む。

「はぁっ……はぁっ……」
「なんだ、もう息が上がったのか? 運動不足だな」
「あんなの! ビックリするに! 決まってるじゃないですか!!」
「ハッハッハ、ここは魔界だぜ? あんなの日常茶飯事さ」
「うう……だからって置いていくなんて」

 はぁ、と大きく息を吐いて呼吸を整え、ジャケットについた砂埃を払い落としながら立ち上がる。
今まで戦ったことのある連中ならばいざ知らず、あんな常識外れの巨体が突然出てきて、冷静に対応しろというのも酷な話だが。
もっとも、なのはを放置して逃げ出したダンテは涼しい表情をしている。

「まあいいじゃねえか、いずれ戦う相手なんだしよ。心の準備が出来ただろ」
「そりゃそうかも知れないですけど」

 戦う前に挽き肉されてはたまったものではない。

「……でも、なんで出てくるってわかったんですか?」
「以前同じことがあってね。まさかあのファントムが復活してるとは思わなかったけどよ」
「ファントム?」
「あの蜘蛛お化けの名前さ。前に一度ぶっ飛ばしたんだが……」

240 :LMS:2008/03/10(月) 16:11:45 ID:X1j9QVr4


 だとすると、ダンテにとってあまり会いたくない相手もまた復活しているのかもしれない。
面倒なことになったな、と内心ぼやくダンテだが、なのはは全く気付かず、半眼になってダンテに突っ込む。一度倒した相手からああも完璧に逃げ出すとはどういうことかと。

「だったらなんで逃げ出したんです」
「あのなぁ、あんな狭い場所であんな馬鹿でかいやつと戦えるかよ。体当たりされたらどうしようもねーだろーが」
「そりゃそうですけど……」

 なのはの言葉にダンテは当然だといわんばかりの表情で返す。ダンテもまた、ファントムに決定的な止めを刺したことがあるわけではないのだ。確かにあの時は大分ダンテ優勢だったけれど。

「それよか、先に進もうぜ」
「ダンテさんに言われるなんて……」

 いつもいつも自分がどれだけ必死になって話しを進めようとしていたのを気付いていないのだろうか。
だが、それをダンテの性分だといやと言うほど理解しているなのはにはこれ以上突っ込む気力もなく、言われるままに周囲を見回す。

「……上のほうにドアがありますね」
「で、近くにはあからさまな彫像、と」
「破壊すればいいんですか?」
「そうだな。鍵はなにも、動かせるものとは限らない。覚えときな?」
「試験に出るんですよね」
「ハッハッハ」

 ダンテは肩を回しながら彫像へと近付き―――

「Yeah!!」

 渾身の右ストレートが、獅子を象った彫像を一撃で爆砕する。石像を一撃で破壊するダンテの拳も、最初の頃こそ随分驚いたが、今になっては見慣れたものである。

「あれ? 何か扉が赤くなってますよ?」
「ああ、そりゃ敵が出てくるって合図だ。全滅させなきゃ進めない」
「だから、そーいうことは先に言ってください!」

 なのははダンテの言葉に慌てて戦闘体勢を取る。フライヤーで浮き、ダンテの背後を見るようにして死角を消した体勢だ。

「……影、が」

 そんななのはの視線の先で、影がひとりでに揺らめくように動き出し、獣の姿へと変貌していく。中級眷属、シャドウである。
なのはとダンテを囲むように現れたシャドウは三体、獰猛な唸りを発しながら二人を窺っている。

「ワンちゃんパーティってやつだな」

 三体のシャドウが発する凄まじい殺気にも、ダンテは平然としている。そればかりか、犬扱いだ。
なのはは驚いたが、先のファントムの例もある。このぐらい太い神経をしていないと、魔界ではやっていけないのかもしれない。

「人様を驚かせるなんて、教育のなってない犬ですね」

 いい加減驚くのにも疲れたなのはもまた、嘲笑を浮かべてシャドウたちにレイジングハートを突きつける。パーティはまだ始まったばかり、こんなところで一々立ち止まってなどいられない。

「ハッハー! せっかくの幕開けだ、派手に行こうぜ!!」

 ダンテの銃が怒涛の勢いで銃弾を吐き出す。なのはもまた、ディバインシューターを駆り、シャドウの動きを的確に封じ、そしてダメージを与えていく。
 古来より存在する悪魔であるシャドウは、自身が一度受けた攻撃を覚え、そしてそれに類似する攻撃を自動で防ぐという特性を持っていた。
それゆえに銃などの比較的新しい武器でまずコアを晒させる必要があるのだが、なのはの操る魔法もまたシャドウにとっては未知のものだったらしく、防がれる様子もなく襲い掛かる影の獣を吹き飛ばしている。

241 :LMS:2008/03/10(月) 16:12:18 ID:X1j9QVr4
8(終)


「グルアァァ!!」
「おっと」
「残念、威力が足りないよ」

 地中に潜った一体が、槍と化して二人を地中より攻撃する。だが、なのはの展開するシールドはそんな槍では貫けない。
ダンテもまた、槍が自分を貫く直前にかわしており、動きの止まったシャドウに銃弾の嵐をお見舞いする。

「GYAAAAAA!!」

 そして遂に一体目がコアを晒す。ダンテはその瞬間、残る二体の相手をなのはに任せ、銃を仕舞うと、神速で抜き放たれたリベリオンを怒涛の勢いでコアに叩き込む。

「自爆か? 相変わらずだな!」

 限界を超えて赤く染まったコアがシャドウの形を取り戻し、ダンテ目掛けて飛び掛る。シャドウ最後の攻撃、噛み付いての自爆だ。
ダンテはコートからショットガンを取り出すと、目前に迫った顎目掛けてぶっ放した。あまりの衝撃に吹っ飛ぶシャドウ、その先にはなのはによって上手く誘導された二体がいる。

「バインド!!」

 その機を逃さず、動ける二体をなのはの操る光の縄が縛り上げる。その横から飛んできたディバインシューターが二体の獣を同時に撃ちぬき、無防備なコアが晒される。

「ナイスタイミングだ」

 吹き飛んだシャドウが、晒されたコアに直撃した瞬間、ダンテの持つエボニーが止めの銃弾を打ち込んだ。一体の自爆に巻き込まれる形で残るシャドウも吹き飛んでいく。
強烈な爆風が周囲を襲うが、ダンテもなのはも髪が風に踊るのを気にしたふうもなく、戦闘体勢を解いていた。

「あ、扉が」
「な、言ったとおりだろ?」

 シャドウが断末魔の悲鳴を上げて消滅していく中、なのはは先ほど赤く染まった扉を見る。すると、不規則に波打っていた赤い封印は粉々に砕け散るとともに消え失せていった。

「さて、行こうか」

 そんななのはに、ダンテはしたから手を差し伸べつつ言う。高いところにあるから自分も連れて行けということだろうが、なのはは冷たく突き放す。飛ぶのだってタダじゃないのだ。

「頑張って登ってください」
「……やれやれ」
「ダンテさん重いんですもん」

 こうして、二人の魔界での初戦は無傷の上に三体同時撃破というこの上ない完勝で幕を下ろした。もっとも、この先待ち受けるであろう強大な連中のことを考えれば、この程度はむしろ当たり前なのかもしれない。
 二人は再度扉を潜る。扉の向こうは開けた闘技場のようになっていた。明らかに建物の中のはずなのに、外が見えたりする場所に飛んだりするのはやはり魔界だからだろう。
物理法則が捻じ曲げられていてもおかしくはない。

「……やれやれ、もうか」
「へ?」

 闘技場の姿を見た途端、ダンテはやれやれと溜息を付く。その理由が分からないなのははダンテに聞こうとして―――




「GAHAHAHAHA―――!!! さあ、今度こそ捻り潰してやるぜ―――!!!」

242 :LMS:2008/03/10(月) 16:15:44 ID:X1j9QVr4
6話は以上です
これから先、舞台は魔界に移ります
すでに出てきたファントムをはじめ、ボス連中と狂ったように戦い続ける予定です

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 16:19:28 ID:6uGBF7Qv
GJ!!です。
全てが終わった後、なのはの服装の趣味とかが変わってそうだw

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 16:24:16 ID:BiVnnc7P
GJ!!
明らかになのはさんがやさぐれ(もとい順応し)てる・・・
ダンテがノリノリでいいですなー、私も書きt(日記はここで途切れている)
その前に黒なのは完結させないとなあ。

245 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 16:54:31 ID:1ujnHIe6
なのはがROCKすぎるw
GJ!

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 17:14:17 ID:aEs0aXrd
gjケルベロスってファントムに効くかな?アグニには効いたけど。
ダンテは犬が好きなのか?ケルベロスやバジリスクと言い。
なのはは外見がキモイベルゼブルやナイトメアは最初は怯みそう。

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 17:24:39 ID:aEs0aXrd
間違えたベルゼバブだ 能力をコピーするプラズマや
遠くから魔力を吸収する踊りを踊るノーバディ何かかなり厄介そう。

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 17:38:15 ID:loppX80b
なのはの適応能力は異常wwwwwwww
GJ!!

>赤く染まった扉
オーブ消費型じゃなかったっけ?

250 :旅ゆく人、:2008/03/10(月) 18:22:40 ID:tz93IJdI
>>232
そんな私は、辛いのは程々のが好きです、すいません。


さて、苦闘すること二週間以上、よっ、ようやっと、
第三章、、完成しますた…… orz

しかも、100k以上のかなりのボリュウム orz

今夕2000時を持って、投下せしめむと思えど、
さて、いかがすれば宜しいでしょうかのう……。

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 18:30:18 ID:nRfr7Ndh
なのはの順応具合がすげえ。
GJ。続き楽しみにしてます。

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 18:32:11 ID:BiVnnc7P
ひゃ、100KBですと・・・さ・・・流石に分割が良いと私は思います、殿。

お疲れ様です。

253 :LMS:2008/03/10(月) 18:52:14 ID:X1j9QVr4
GJくれた皆様、ありがとうございます
チームデビルが強すぎにならんよう、頑張ります

>犬
なのはも大好きです

>赤く染まった扉
3では赤い封印は敵を全滅させないと進めない扉なんです
何もかもを3基準にしているわけではないですけど、
1の扉は全部赤でオーブ消費以外にも色々あった気がするし、これでいいかと

ちなみに、LMSではオーブは出てきていません
オーブでなのはを強化してもよかったんですけど、そこまでしなくてもいいかと思いまして

>悪魔勢
どう苦戦してその上でスタイリッシュに倒すか、お楽しみに

>適応、順応
なのはに「YEAAAAAAAH!」と言わせたいがためだけに書き始めたこの話
すでに別キャラになりつつありますが、最後まで生暖かく見守っていただければと思います

>旅ゆく人
100kはさるさん食らうと思うので分割が宜しいかと
超期待しつつ正座で待ってます

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 18:52:42 ID:YGYUnIMY
>>250
一気に全部読みたいですけど、下手したらさるさんくらってしまうかもしれませんしね……。
分割して少し時間をおいて投下とかは。


255 :旅ゆく人、:2008/03/10(月) 19:01:17 ID:tz93IJdI
席外してました。申し訳ありません。

>>252
>>253
>>254
やっぱり、そうですよねぇ……。
いや、書き始めは「それでも、第一章程度の分量になるかのう」
等と思ったら……。
てめえの悪いくせが、ものの見事に出てしまいました orz
第一章の二倍強だぁよ orz

取り敢えず、2000時に前半、0030時くらいに後半、と行きたいなと、
思っておりますです、はい。

因みに、私のコテに「、」がついてるのは、今回の仕様です。
某ライダー一号の人の精神に学びました orz

256 :フルメタなのは:2008/03/10(月) 19:12:12 ID:48ukWb8V
そんじゃあ自分は間の十時頃に投下させてもらいます。

前回の嘘予告投下後、いくつか連載化の要望があったので、それに応えてリリカル鴉の一話を書いてきますた。

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 19:44:38 ID:meC/hIRX
ティアナの時のセリフがあの凍りつかせるようなのから変化するならなんなんだぜ?

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 19:46:18 ID:meC/hIRX
>>250
1955あたりからやれば2000にさるカウントがリセットされると
聞いたことがあるんで一度試してみてはどうでしょうか?

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 19:48:00 ID:pnw0OW6C
>>257
汚物は消毒だー!!

260 :旅ゆく人、:2008/03/10(月) 20:01:21 ID:tz93IJdI
時間、です、か……。
さて、そろそろ行きましょうか。
今回は、色々テンパッタ状況で書いたから、
突っ込みどころ満載かも……。

ああ、もうどうでもなれー(AAry

では、突貫ー。

261 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:04:49 ID:tz93IJdI
 ――程良く整備された林道を、その一行は歩いていた。
 賑やかに、にぎやかに。

 それはそれは、賑やかなものです。

 先頭を行くのは赤と緑の瞳を持つ女の子。「あっるっこー、あっるっこー♪」

 その右側には、黒い猫の耳と尻尾を持つ女の子。
「わたっしはぁ、げぇんきー♪」

 その左側には、白い猫の耳と尻尾を持つ女の子。
「あっるくのー、だいっすきー♪」

 それはもう元気よく、
「「「どぉんどぉん、ゆーこーおー♪♪♪」」」
 声高らかに、歌います。
 この歌は、先頭を行くヴィヴィオが、ニジュクとサンジュに教えたもの。
 今やすっかり仲良しさんな三人は、遊び疲れも何のその、双子もすっかりお気に入りとなりましたこの歌を、
気持ちよく元気よく、合唱しながら、脇目もふらず行進します。

「ねぇ、ヴィヴィちゃ?」
「なに、ニジュク?」
「このおうた、たのしいね」
「でしょ、楽しいでしょ♪」
「ねぇ、ヴィヴィちゃん?」
「なに、サンジュ?」
「あるくの、たのしいね」
「このお歌歌うと、歩くの楽しくなっちゃうよね」
 ヴィヴィオの言葉に、うんうんと頷く、ニジュクとサンジュです。

「このおうた、なのさんに、おそわたの?」 元気よく腕を振りつつ、ニジュクが尋ねます。
「そだよ、これは、なのはママに教わったの」 やっぱり腕を振りつつ、ヴィヴィオは答えました。
「ほかにも、いろんなおうた、しってるの?」 瞳をキラキラさせて、サンジュが尋ねます。
「うん。あと、フェイトママとか、はやてお姉ちゃんとか、色んな人から教わったよ」
 コロコロと笑いながら、ヴィヴィオは答えました。

「ふぇいと、まま?」
「はやて、おねえちゃ?」
 双子が首をかしげます。
「ヴィヴィオのもう一人のママと、ママ達の友だち。やっぱりとっても優しくて色んな事知ってるの。二人にもあとで会わせたげるね」
「やさしいの? ほんとに?」
「もちろん」
「もっとおうた、おしえてくれる?」
「だぁいじょうぶ♪」
 ヴィヴィオはウインクして答えました。
「たのしみぃ♪」
「たのしみたのしみ♪」
 双子の腕が、よりいっそう元気よく振られます。

「あっるっこー、あっるっこー♪」
「わたっしはぁ、げぇんきー♪」
「あっるくのー、だいっすきー♪」
「「「どぉんどぉん、ゆーこーおー♪♪♪」」」

 三人の子供達の元気な歌声が、公園出口に続く林道に、それは元気よく響き渡ります。




262 :一尉:2008/03/10(月) 20:07:10 ID:agvYcwZs
セロフォーズ支援する。

263 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:08:28 ID:tz93IJdI
 その子供達の背中を見つめながら、林道を歩く大人二人。その周りを小さな影が飛び回っている。

「やれやれ。でも、本当に、聴いてて元気の湧いてくる歌ですね」
 いかにも重そうな棺桶を、特に苦も無さそうに背負う、黒ずくめの旅人が、
その大きな帽子の鍔をつまみ上げて言った。その表情は、控えめに、苦笑。

「ええ」
 そんな黒い旅人――クロの様子に、本当に何故か可愛いな、と思いつつ、
管理局の白いエース――高町なのはは答えた。その表情は、対照的に、晴れやかな笑顔。
「心が挫けそうな時に歌うと、本当に元気になっちゃうんですよ、あの歌」

「まっ、おかげであの二匹、まぁた無駄に元気になっちまったけどな」
 その二人につかず離れずパタパタと飛び回る、小さな黒い影――コウモリのセンが、半ば呆れたように言った。

「もっとも、疲れてへたり込んでる二匹見るよか、全然良いかもな」
 二人の顔を見つめて、言った。
「何より、見ていると、なぁんかこっちまで無駄に元気になってくる。無駄に気持ち良く、な」
「無駄に無駄に、って言うのは、ちょっと余計じゃないかな、センさん?」
 なのはがセンに、些か眉をつり上げて迫る。
 しかし、すぐに相好を崩し、
「でも、つられちゃいますよね」
 そして、そんななのはの言葉に、
「元気は、無いより、あった方が良い」
 クロはこくりと頷いた。
「そうでなくては、少なくとも私達は旅を続けられませんから。なのはさんや、ヴィヴィオちゃんも、ね」
 そして、なのはに穏やかな笑顔を向ける。
「ええ、みんな、元気でいるのが一番です、にゃはは」
 なのはは、はつらつとした笑顔で答えた。
「はぁ〜あ、仲良きことは良きことかな、あっちもこっちも、仲良しこよしでございー、っと」
 そんな二人の様子に、大仰に溜息をついてセンは空中でくるりと一回転をして見せた。
 だが、特に拗ねてる風も無し。
 しいて言えば、……いや、敢えて言うまい。 きっと、セン自身が知られたくはないだろうから。


「――そう、言えば」
 不意に、なのはは何かに思い当たったようだ。
「クロさん達って、そもそもどのくらい旅をしているんですか?」
 傍らのクロに、そう尋ねた。
「……もう、どのくらいになる、かな」
 クロは、自分に言い聞かせるように、言った。
「ねぇ、セン、覚えてる? 私達が故郷を離れて、どのくらいになるのかを」
「さぁてね、もう年月を数えるのも面倒になっちまったしなぁ」
 クロの棺桶で羽を休めつつ、センはあごに手(?)をやって瞑目。
 そして、あごをさすりつつ、
「ただ、お前が十歳に近くなった頃に、旅を始めたってのは覚えてる。よくびーびー泣いてたのもな、へへ」
 片目を開けて、にやりと笑った。
「……それは、忘れてくれる方が良い」
 帽子の鍔で、クロは表情を隠す。
「はぁ〜、そんな頃から、旅を」
 きっと自分は今、驚くやら、呆れるやらと言った、複雑な顔をしているだろうなと、なのはは思った。正直、言葉に詰まった。
「そうなると、とても大変だったんじゃないですか? むしろ、それ以前に何でそんな」

「『そんな小さな頃から旅をしているのか』……そうですよね」
 クロは、なのはに顔を向ける。

「普通、そんな歳で何時終わるとも知れない旅に出る、なんて信じられないですよね」
 呟いて、顔を背けて、鍔でクロは顔を隠す。
 なのはは、何かを言いかけて、しかし、押し黙った。かける言葉が見つからなかった。



264 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:11:20 ID:tz93IJdI
「――なんか、むつかしいかお、してるね」
「どうしたのかな、クロちゃんになのさん?」
「ママ、クロさん……」
 後ろの様子に、子供達の顔も些か曇り気味です。
ちょっと先を行き過ぎて二人の声は聞こえませんが、様子がおかしいことくらいは解りますから。


「……仕方ないですよ、旅に出るしかなかったのだから」
 やがて、クロが口を開く。努めて、明るく振る舞う声だった。
「私達が、私達を取り戻すために」
「ああ、そうするしかなかった」
 センが、続く。
「『あいつ』の後を追いかける。そして捕まえる」
 さっきまでとは違う、神妙な面持ちのセン。

「『あいつ』にかけられた魔法を解くには、それが近道だからな」

 なのは、絶句。
 そして、クロにであった時に漏らした言葉を思い出す。

『あなたの体は、もしかして本当は――』
 あなたの本当の体では、ないのではありませんか、と。

(そう、私はクロさんに出会って、不意にそんな気がして、思わず口にしちゃったんだけど……)

 その勘は、正しかったのだ。
 あの時はうやむやにされたが、成る程。
「でも、……だからって、だからって」
 何で、そんなの平気だって顔を、無理矢理作ろうとするの。絶対、辛い旅路だったはずなのに――。
 なのはの足が、止まる。

「……なのはさん?」
 そのことに気付き、クロも足を止め、ふり向いた。
「――センさんの言う『あいつ』って、どういう存在なんですか、クロさん」
 クロに顔を向けず、なのはは尋ねた。
「……申し訳ありません」
「教えて、くれないんですか?」
「……すみません」
「もしかしたら、何か力になってあげられるかも知れないのに?」
「……そこまで、甘えさせてもらうわけには、いきませんよ」
 涼しい表情で、クロはそう言った。
 なのはは、バスケットを持つ手に力がこもっている自分に気付いた。肩も、小刻みにふるえているかも知れない。
「私、クロさんに、とって、一体……」

「――ああ、ところでなのはさん、ヴィヴィオちゃんの言っていた、フェイトさんやはやてさん、て」

 唐突に、クロは話題を変えようとした。
 努めて、明るく振る舞って。
 なのはの中で、何かが弾けた。

「クロさんッ! はぐらかさな――」

 唐突に、クロの指が、激昂寸前のなのはの唇に、柔らかく押し当てられる。
 問答無用で、なのはは沈黙させられた。


265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 20:13:07 ID:X1j9QVr4
支援の一手

266 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:15:21 ID:tz93IJdI
「子供達が見ています。あの子達に、いらぬ心配をかけさせられない」
「……」
「申し訳、ありません……。私達を気遣ってくださって、心から気遣ってくださって、……ありがとう、ございます」
「……」
「だから、時が来れば、全てをお話しします。お約束、します」
 クロの顔は、穏やかに笑っていた。
 その口調は、穏やかに、努めて明るく。
 しかし、喋る言葉は、途切れ途切れで。
 そして、大きな丸ぶち眼鏡の奥の瞳は、心持ち潤んでいるように見えた。
「本当に、あなたは優しい人だ……。だから」
 クロは、ゆっくりと指を離した。
「きっと、その約束は果たされるでしょう」
 心の何かを堪えるように、棺桶のバンドを握る手に力がこもっているようだった。
 そんなクロを見て、なのはは何かを言いかけ、――口をつぐんで頭を振った。
 そして、大きく深呼吸。何かを吐き出すように、大きく、息を吐き出した。
「……解りました。でも、約束ですよ?」
 そう言って、ウインクをした。肩の力は、いつの間にか抜けていた。
「はい」
 笑顔で答える、クロ。その笑顔は、今日見たものの中でも、とびきりのものの様に、なのはには思えた。


 そんな時でした。
「ママぁ〜、クロさぁ〜ん」
 ヴィヴィオの声が近づいてきます。
「クロちゃぁ〜ん」
「なのさぁ〜ん」
 ニジュクとサンジュも、近づいてきます。
「おーおー、今にもこけそうな勢いだな」
 ニヤニヤと、センが見つめる。
「おいおい」
 クロはセンに呆れて、
「うーん、ホント、心配かけちゃったか」
 なのはは苦笑してぽりぽりと頬を掻いた。
 そして、ぽてぽて駆けてきた子供達は、
「ママぁ、おそぉい」
「クロちゃ、おそぉい」
「クロちゃん、はやくぅ」
 なのはとクロの胸に、それぞれ勢いよく飛び込みました。
「ごめん、ヴィヴィオ。よしよし」
「二人とも、済まない。さあ、急ごう」
 二人は子供達の頭を、やさしく撫でた。
「うん、急ごー♪」
「いそごー♪」
「いそごーいそごー♪」
 子供達は、無邪気にはしゃぎます。

 でも、
「なのはママ、クロさんとけんか、良くないよ?」
「……ごめんなさい」
 釘を刺すことを忘れない、ヴィヴィオでした。子供だって解りますよね。


 さて、今回の旅話。


 何やら、色々とありそうな予感です――。




267 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:20:48 ID:tz93IJdI
「フェイトちゃんとはやてちゃんは、私の同級生で、やっぱり時空管理局の魔導師なんです」
 先程のクロの問いかけに、なのはは答えた。 もちろん、歩きながら。
 幼なじみの、同僚のことを。

「ふむ」
「出会いは突然で、ぶつかり合ったこともあったけど」
 にっこりと笑って、なのはは言った。
「かけがえのない、大切なお友達です」
「そうでしたか……」
 クロは笑顔でそう言った。少し寂しそうで、羨ましそうな笑顔で。

「ついこの間まで、一緒にお仕事してたよね、ママ?」
 なのはママと手を繋いで歩いていたヴィヴィオは、弾むような言葉で言いました。
「いっしょに?」
「おしごと?」
 クロと手を繋いでいたニジュクとサンジュは、首をかしげます。
「ああ、機動六課、とか言いましたっけ?」
 思い出したように、クロは言った。
「ええ。色々大変だったけど、あの二人や、四人の教え子達、その他にも色々な人に支えられて、……楽しかったなぁ」
「へぇー、楽しかったねぇ」
 センは、何か含みのある様子で、ニヤニヤと薄く笑って呟いた。
「ええ、楽しかったですよ?」
 眉を微かにつり上げるなのは。
「うーむ、自信ありげにそう言われると、……解った、俺が悪かった、なのはちゃん」
 セン、両手を挙げる。
「解れば、よろしい」
「ふふ、なのはさんの迫力には、皮肉の一つも言えないかい、セン?」
「俺のコウモリとしての本能が、余計なことをこれ以上言わせようとしないのさ♪」
「何となく、懸命な判断のような気がするよ、私も」
「あー、クロさんまでぇ」
「ふふ、すみません♪」
 クロ、顔を鍔でまた隠す。きっと、いたずら小僧な笑みを浮かべているに違いない。

「ねえねえ、なのさん?」
「ん、どうしたのかな、サンジュちゃん?」
「その、ヴィヴィちゃんのゆう、ふぇいと、まま?や、はやて、おねぇちゃん?には、いつ、あえるのかな?」
 真顔でサンジュが尋ねます。
「うーん、そうだね」
「ママ、はやてお姉ちゃんは、ヴォルケンリッターのみんなと一緒に、今日はお休みだったよね?」
「おやすみ?」
 ニジュクが首をかしげます。
「うん、そうだった。だから、はやてちゃん達だったら、帰ったら紹介できるかもね」
「あえるの?」
「おうた、おしえてもらえる?」
「大丈夫だと思うよ。でも、あっちも久しぶりの休日だし、家族で出かけてるかも」
「なのはさんや、ヴィヴィオちゃんみたいに?」
「ですね。あの二人も、色々忙しくて……」
 少し寂びそうな顔の、なのは。
「本当に、仲がよろしいんですね」
「ええ。だから、クロさん達にも本当に紹介したくて」
 声が、弾む。
「きっと、仲良くなれると思うから」
 クロは、こっくりと頷いて、
「とても、楽しみです」
 しみじみと言って、笑顔を見せた。



268 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:25:31 ID:tz93IJdI
 そうこうするうちに、公園出口の駐車場に近づきました。
「あっ、クロちゃ、あそこ」
「どうしたの、ニジュク」
「あそこにひとがいるよ」
「あっ、ほんとだ」
 白い双子が、指を指します。
 その先には、家族と覚しき一団がいました。

「あー、噂をすればで、もしかしてはやてちゃん達だったりして、なんてね」
 なのはは冗談めかした。流石に、そんな偶然はないだろうと思って。

「ママ、あの人達、はやてお姉ちゃん達だけど」

「――へっ?」
 なのはは、軽く混乱している。

 そんななのはを横目にするように、
「おーーーいッ、なのはちゃぁぁぁぁぁんッ♪」
 一団の一人が大声で名前を呼んで、大きく手を振っていた。
 京都風の関西訛りで、なのはを呼んでいた。
 なのはは、それが誰なのか知っている。
 ただ、そんな、まさか、ねぇ……。

「えっと、なのはさん。お知り合いですよ、ね?」
 クロが、ぼやっとしているなのはに尋ねた。
「……はい、お知り合いです」
 ぼやっとしつつ、何とか答える。

「今、手を振ってる彼女が、……幼なじみの、八神はやてちゃん、です」

「あー、あの方が」
 クロは、眼鏡をかけ直しつつ、頷いた。
 それにしても、

「あれっ?」

 本日は偶然の出会いの多い、一日である。



269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 20:27:43 ID:X1j9QVr4
支援

270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 20:29:32 ID:WIHecous
支援

271 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:30:35 ID:tz93IJdI
「改めて紹介します。こちらは、私の幼なじみで、時空管理局の」
 程なく合流して、なのはがまずクロ達に紹介したのは、
「特別捜査官をしております、八神はやて言います。宜しゅう、お見知りおきを」
 はやてであった。はやては黒い旅人達に対し、ラフに敬礼をして笑顔を見せる。
 クロ達は、取り敢えず軽く会釈した。
「で、その隣の――」
「ああ、なのはちゃん、あとは私が」
 続けて紹介しようとするなのはを制し、はやては、ヴォルケンリッター、――すなわち、「自分の家族のことくらい、自分で紹介せんと、な」
 そう言って、『自分の家族』に振り向く。
「ではまず、私のすぐ隣から、シグナム」
「初めまして、シグナムと言います」
 ピンクのポニーテールをなびかせて、その女性は、一介の剣士のように礼をした。何者をも威圧するかのように、
キリッと引き締まった瞳の奥に、実はそこはかとない優しさがあるように、クロには思えた。
「次が、ヴィータ」
「ヴィータです、よろしく」
 大きなおさげの赤髪の女の子が、素っ気なく軽くお辞儀をした。
 そんな、ちょっとぶっきらぼうに挨拶したヴィータでしたが、ニジュクはそんな彼女に興味を持った様子です。
「それから、シャマル」
「どうぞ、よろ、し、く……」
 ある方向を気にしつつ、金髪の女性が会釈する。顔は、引きつり気味だった。
 シャマルは先程から、自分をネットリジットリと見つめる小さな黒い影が、とても気になって仕方がないようである。
「それで、トリは、リインフォースUに、アギト」
 一見すると羽のない妖精のような、薄い青紫の髪の小さな女の子と、コウモリのような羽を持つ、赤い髪を持つやはり小さな女の子が、はやての視線の先で宙に浮いていた。
「初めましてですぅ。私のことは、リインと呼んで下さいね」
「えーと、アギト、です。よろしく……」
 明るく笑顔を振りまいて挨拶したリインと、対照的にもじもじと恥ずかしそうに挨拶したアギトに、サンジュは眼をキラキラ輝かせています。
 そしてはやては、クロ達に、
「これが私の、自慢の家族、です」
 と言った。満面の笑顔だった。

 なのははふと、傍らのクロの顔を見た。クロさん、何とはなしに羨ましそうな顔をしているなと、なのはは思った。

「あと、ザフィーラも紹介したかったんやけど……」
「別のお仕事なの、ザフィーラ」
「ああ。考えようでは、重大な、とも言えるかもな」
 シグナムが、意味ありげな笑みを浮かべ、なのはに答えた。
「えー、ザフィーラの背中、二人に乗ってもらいたかったのにー」
 ヴィヴィオは、とても残念そうです。
「なんで、ヴィヴィちゃ?」
「ザフィーラって、とぉっても大きな犬さんで」
「狼だっていってやんねーと、また怒られるぜ?」
 ヴィータが腕を組み、苦く笑って、呟く。
「ヴィヴィオが『お馬さんして』って言うと、背中に乗せてくれてお馬さんしてくれるんだよぉ」
「おー、おうまさん」
「あたしも、のせてくれるかな?」
「あー、あたしもあたしも」
「優しいモン。大丈夫だよ。ね、はやてお姉ちゃん」
「そやな。あのザフィーラも、ヴィヴィオにはえらく甘いからなー。ヴィヴィオのお願いなら、きっと聞いてくれる思うよ」
「ほんと?」
 サンジュが怪訝そうな顔で尋ねます。

「うん、ほんまや、……ええっと、あんたは」
「サンジュっ!」
「サンジュちゃん、やね」
「で、あっちがニジュク」
「サンジュっ、そゆことは、おねえちゃのあたしが、するのっ!」
 自分のことを、(一応)妹のサンジュに紹介されて、(一応)お姉さんのニジュクはちょっとご立腹です。


272 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:35:38 ID:tz93IJdI
「えー、でも」「でも、じゃないの」「だって」「だって、じゃないの」
「えーと、二人とも……」
「はい、二人ともケンカはそこまでねー」
 二人に挟まれおろおろするヴィヴィオに、シャマルがやんわりとフォローを入れる。
「二人がケンカしちゃうと、ヴィヴィオ、困っちゃうから、ね」
 言われて、双子はヴィヴィオを見ました。 確かに、困った顔をしています。
「あっ……」「ヴィヴィちゃ……」
「それに、紹介の順番よりも、紹介すること自体が大事なことで、してもらう方はあまり気にしないものなのよ」
「……」
「だから仲直り、ね」
 双子にシャマルは、微笑みかけます。
「……うん。ごめんね、サンジュ」「……うん、ニジュク」
 お互いの頭をなで回す、ニジュクとサンジュです。そんな双子に、ヴィヴィオもほっとした顔をしました。
「あっ、じゃあ」
「どしたの、ニジュク?」
「まだクロちゃのしょうかい、してないよ」
「おー、そうだね」
 と言うことで。

「こっちの、まっくろくろいひとが」「たびびとのクロちゃんですっ」
 双子はクロの手を引っ張って、声高らかに紹介しました。

「……どうも、ただ今、この二人のご紹介にあずかりました、しがない旅人のクロです」
 いつものように慇懃に頭を下げる。ただし、両腕を引っ張られつつ。
 しかし、いつものこととは言え、幼子の思考や言動、そして行動というのは、どうしてこうも唐突且つ、突拍子もないものなのか……。
「えっと、色々、苦労をされているようで」
「まぁ、慣れてますから」
 少し心配げに声をかけてきたシグナムに、クロは少し苦く笑って答えた。
「なあ、二人とも」
「えっ、なあに、ヴィーちゃ?」
「はッ?」
「ヴィーちゃんはヴィーちゃんじゃないの?」
「……あー、そう言うことか」
 まあ、取り敢えず。

「あたしの呼び方はそれでいーや、お前達の好きなように呼べばいい。それより」
「「なに?」」
「あのコウモリのこと、紹介してくんねーかな? 旅の連れなんだろ、お前らの?」
 腰に手を当て、親指でセンを指さす、ヴィータ。
「おー、そだった」「わすれてた」
「ッて、マジッスかッ!?」
 思わず双子にふり向くコウモリ。
 しかし、それまでシャマルにネットリと視線を送っていたことを、忘れてはならないと思う。色々な意味で。

 そして、双子はコウモリを指さして、
「で、あれがセン」「おわりー」

 紹介終了。「ッて、説明短ッ!」

「……なあ、そんなんで良いのか?」
 呆れ顔で、アギトは双子に尋ねる。ヴィータは何も言わず、苦笑い。
「うん、いいよー」
「良いわけねーだろッ、そこの二匹ッッ!!」 喚くセン。しかし双子、無視。
「センはセンだもん、アギちゃん」
 サンジュは、何気なく言いました。


273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 20:40:47 ID:QGhFcUbY
支援


274 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 20:41:24 ID:tz93IJdI
「アギ、ちゃん」
 しかし、アギト、絶句。

「良いじゃないですかぁ、アギト。可愛いと思うですよぉ」
 そう言うリインの顔は、吹き出しそうになるのを堪える表情、であった。
「うっせぇ、バッテンチビッ!」
「あー、だからその呼び方は禁止ですよぉ、アギト」
「うっせぇ、ばーか。あたしがアギちゃんなら、お前なんか」
「何ですかッ!」
「もー、ケンカは止めてぇっ! ニジュクとサンジュの目の前だよぉッッ!!」
 リインとアギトに割って入ったのは、ヴィヴィオでした。
「シャマル先生が、二人にケンカいけないって言ったばっかりなのに、そんなことしちゃ、ダメーッ!」
 すごい剣幕です。いつものヴィヴィオからすると、想像がつきません。
 そんなヴィヴィオに、
「えっ、あっ、ああ」
「ごっ、ごめんなさいです……」
 二人は押されてしまった。
「そぉだよ、アギちゃん」
「そぉそぉ、リイちゃ」
 ニジュクは、もちろん何気なく言いました。

「リ、リイちゃ、ですか……」
 そんな訳で、今度は、リインが絶句した。

「あっはは、リイちゃんかよ、人のこと笑えねぇなぁ、あーっはっはっ」
 アギトは腹を抱えて、思いきり大笑い。
「もーう、笑うなですぅッ!」
 リイン、両腕を振り上げて抗議。
「うっせぇ、リイちゃん♪ あーっはっはっ」
「だから笑うなですぅッ!」
 リイン、アギトに腕を振り回して突撃。
 アギトは笑いながら、右に左に、ひらひらとリインの攻撃をかわす。
「もーう、避けるなぁ、ですぅッ!」
「うっせぇ、あっかんべー」
「だから二人ともぉ」「けんかしちゃ」「だめなのぉっ!」
 子供達は、そんな二人を大声でたしなめます。
 しかし、アギトは逃げる、リインは追う。
 そんな二人を、子供達は追いかけ。
 何時の間にやら、大人達から離れていきます。

 一連の様子を見ていたクロは、
「そちらも、気苦労が多いみたいですね」
 はやてに呆れ顔で言った。
 はやて、軽く肩をすくめて、
「せやけど、楽しいことも結構ありまして」
 まだ続くケンカを、むしろ微笑ましそうな顔をして見つめつつ、
「むしろ、毎日が楽しゅうて、仕方ないんですわ、ふふ」
「そう、ですか」
 クロ、目を丸くして眼鏡をかけ直す。
「あの、毎日、ですか?」
 たどたどしく、尋ねる。
「はい、毎日です」
 きっぱりと、返答された。
「……」
 何も言わず、また眼鏡をかけ直す。

 この人は、まだ若いのに、器がかなり大きいようだ、――色々な意味で、と思いながら。




275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 20:51:40 ID:wVmyB+/c
支援

276 :旅ゆく人、:2008/03/10(月) 21:00:40 ID:tz93IJdI
てすつ。規制されますたorz


これが書き込めてたら、続き行くです。

277 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 21:01:30 ID:tz93IJdI
「そう言えばさ、はやてちゃん?」
 やはりケンカを眺めつつ、なのはが尋ねた。
「ン? 何やの?」
「はやてちゃん達がここにいるって事は、やっぱり?」
「ヤン提督からの、お願いや」
「ヤンさんから、ですか?」
「そうです、クロさん」
 はやては笑みを絶やさず、しかし、口調を少し改めて、クロに向かって話し始めた。

「あなた方が、別の世界から何らかの原因で、突然、時空転移したことを、ヤン提督より伺いました」
 コホンと、咳を一つ。
「ほんで、しばらくの間、なのはちゃんに身を寄せることも」
 クロは、なのはを見やって、すぐにはやてに視線を戻す。
「せやけど、なのはちゃんは基本的に、そう言った人を保護できるような立場やない。当然、権限はない」
「つまり、いくらヤンさん、……提督の指示で、と言っても、あまり好ましくないことである、と」
「その通り」
 クロの言葉に、はやては頷いた。

「この場合は、やっぱり専門の保護観察官の人なんかに頼むべきやろけど、完全に見も知らん、
へんてこな世界に放り出されて不安が一杯や、ゆうような人に、
今の管理局の人間が十分なケア等が行えるか、そんな不安があることも確かですわ、恥ずかしながら」
「何か半年ぐらい前、えらく大きな事件があったってのは、なのはちゃんから聞いたぜ。それが、そんな考えになっちまう理由の一つかい?」
 センが腕を組みつつ、話に割って入る。

「お前、コウモリのくせに妙に生意気だな」
 ヴィータ、露骨に顔をしかめた。
「やめてヴィータちゃん。センさん、こう見えて私より年上らしいから」
「ふーん。でも、コウモリだぜ、なのは?」
「そこは、クロさんのお連れさんだって言うことを考慮して、て言うか」
「ふーん、……ま、お前がそう言うなら、いいさ」
 ヴィータの沈黙を見計らって、はやてが話を続ける。

「まあ、そのセンさんのご指摘の通りや。確かに、まだ、その事件からのダメージから、管理局は十分に回復できてへん」
 はやての顔に、薄く影がさす。しかし、何とか笑顔を取り繕おうとしているのが、クロには見て取れた。
「正直、私としても、そんな人達に今の管理局が十分なケアをしてあげられるかゆうたら、……難しいって言いたいわ」
「まさか、そこまで、あの人は考えて」
 クロは改めて、心の中でヤンに感謝した。
「で、私らにも白羽の矢を、提督は立てはった、て言うことですわ」
 はにかんで、はやては言葉を続ける。
「えッ、でも、はやて、……ちゃん達って」
「なら、そういうこと出来るのか、って言いたいんだろ、コウモリさんよ?」
「ヴィータちゃん、ちょっと」
「良いんだよ〜、僕は別に気にしてないから〜、シャマルさぁ〜ン♪」
「あっ、そっ、そうです、か……」
 センのラブラブ視線を受け、シャマルはたじろぐ。
「あはは……」
 なのは、苦笑い。
「まあ、センさんの懸念ももっともやけど、うちにはシャマルがおるしな」
「一応、管理局の医務官やってますので、クロさん達のメンタルケアなんかも、それなりにですけどして差し上げられるかと」
 シャマルは物腰柔らかに話した。
「そうなんです、か」
「せやから、ヤン提督が、クロさん達が本当に安心して、管理局に身を預けられる体制が整ったと判断されはるまでは、
なのはちゃんと私達が、クロさん達のお世話をさせていただきますよって」
「本当に、よろしいのですか?」
「何か、こう、……夢みたいな話ってのか」
「セン殿、現実だ」
 シグナムが、涼しくも、優しい眼差しを向けて、頷いた。


278 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 21:04:31 ID:tz93IJdI
「大体、なのはちゃんもクロさんのこと仕事ということ以上に気にかけとるようやし」
「ちょっと、はやてちゃん」
 なのはの顔が、些か紅潮する。
「それに、あのニジュクちゃんやサンジュちゃんのこと、聞いた限りでも、簡単に管理局保護下に置くゆうのも、何か危険な気がする」
 子供達の声のする方を向く。ケンカはまだ続いていた。

「それ以上に、あの二人の猫耳と尻尾、かわいいし。何や、もふもふしたいしなぁ〜〜♪」
 はやての顔が、だらしなく弛緩した。

「主はやて、そう言った性癖は、もう少し自重なされるのが宜しいかと……」
 シグナムは、げんなりとした顔ではやてを諫める。
嗚呼、こう言ったところがなければ、まこと誇れる主と為られるだろうに……。
 クロも、心持ちその発言を受けて引いていたが、気を取り直して、
「重ね重ね、皆さんには、何と言って感謝を申し上げれば良いのか、と」
 はやて、頭を振る。
「こっちは、やりたくてやらせてもらう、そうゆうとるんですよ? せやから、あまり肩肘張らんと、ね」
「……本当に、ありがとうございます」
 クロは、静かに頭を垂れた。
 それしか、今の彼女には出来なかった。が、それで十分な気も、不思議としていた。
「さて、立ち話も何や、そろそろ移動しよか?」
「うん、そうだね」
 はやての言葉に、なのはが頷いた。
「ちゅうことで、シャマル。申し訳ないんやけど……」
「子供達を呼んできて、ですね。承知しました、はやてちゃん」
 シャマルはにっこりと頷いて、まだケンカの続いている子供達の元へ向かった。


 子供達に向かうシャマルを眺めつつ、
「はぁ〜〜」
 ヴィータを大きく溜息をついた。
「何だヴィータ、まだあのことを根に持っているのか?」
 シグナムは半ば呆れ顔で言った。
「……だってよ、あたしがちょーどアイスに口を付けようってぇ時に、ヤン提督からのあの電話だぜ? 
せっかく送ってもらった、久々の○ーゲ○・ダッ○のストロベリー・パイント、ゆっくり味わいたかったのに」
「それは、本当にすみません、私達のために」
「あー、別にあんた達の所為じゃないから」
 ヴィータはクロに手を振って見せる。
「仕方ないさ。あの提督のお願いだもんな、貴重な休日潰すことになってもな、……はぁ」
 とは言ってみるものの、至福の時を邪魔された思いは、相当に強そうである。
「おいおい、あのオッさん、もしかして俺達が考えてる以上に、すごい人物なのかよ?」
「あの方に対し、オッさんとは、失礼な物言いだ。――まあ、少なくとも、外見とは裏腹の、一角の人物であるのは間違いないな、セン殿」

「そうだね。しいて言えば、……『英雄』かな?」

「えいゆう、ですか?」
 なのはの言葉に、クロは大きく目を見開いた。

「大げさな物言いやない。あの事件かて、その後の管理世界間の政治情勢なんかも考えれば、
あたしらの思いもよらん方向に下手したら向かうところを、何とか軌道修正して、
取り敢えず現状維持に近い形まで、まあ、結果的にやけど世界秩序を持って行きはった」

「もちろん、あの人だけの力じゃないんだけど、そう言う方向に人の心を持って行ったりとかした功績って、計り知れないと思う」

「ま、そんな人をあたしら機動六課の特別管理官に、かなり強引に納めさせた誰かさんも相当なもんだと、あたしは思うけどなー」

「……その誰かさんて、誰のことやー、ヴィータぁ?」
 ヴィータは何も言わず、「へヘッ」といたずらっぽく笑って鼻を擦った。




279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 21:07:03 ID:QGhFcUbY
支援

280 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 21:07:14 ID:tz93IJdI
「はあ……」
 クロ、開いた口がふさがらない。
「俺達、そんなすげぇ人物と話したのか……」
 センは、ただ呆然としていた。
「センなんか、あの人のこと、押しつぶしてしまったしね」
「……」
 コウモリはその時のことを思い出し、その小さな体を震わせた。

「つっても、そんなことを一々根に持つような人じゃねーから、まー、安心しな」

「まあな、普段は昼行灯を決め込んでおられる方だしな、ふふッ」

「休日のほとんどは、無限書庫で各世界の歴史書読みあさってらっしゃるし、ね」

「もう、ホンマ、歴史オタクやもんなぁ」

「はあ……」
 クロは、普段の姿と功績の重さのギャップに、眼を白黒させて、ただ戸惑うばかり。
「成る程、そんな人の頼みなら、無碍には出来ないですね」
 そして、頷く。
「つっても、あれから結構時間経ってるし。きっと今頃、あらかたクロさん関係の仕事片付けて、
地上本部の執務室で紅茶してるんだぜ。――あーッ、もう、あたしのストロベリー・パイント、返せーッ!」
 ヴィータは、ミッドチルダ地上本部のある方角に向けて、力の限り叫んだ。


「はぁ、っくしゅんっ!」
 おさまりの悪い髪の男がクシャミをしたのは、今まさにティーカップを手にしようとする直前。
 ここは、地上本部の一室。
 彼、――ヤン・ウェンリーは戻る車内と戻った本部内で一仕事を終え、ひとまず落ち着いて紅茶を嗜もうとしているところだった。

「おお、危なかった」
 そう言って、執務机の側で、改めてカップを手に取り、口を付けようとして、
「……そうだな」
 やおら机の引き出しを開け、ガラスの小瓶を取り出す。
 そして、机の上にどっかりと胡座をかいて座り、小瓶の液体を少量、カップにたらした。
 紅茶とはまた別の、芳醇な香りが鼻孔をつく。その香りを、しばし楽しむ。

「やはり、ブランデー入りが最高だ」

 そう呟いて、口を付けた。
 琥珀色の液体が、喉を伝い、体と心の渇きを、潤していった。

「……やはり、ユリアンの淹れてくれたのが、一番、かな」
 そんな、叶わぬ贅沢を、寂しく呟いて、もう一口。

 さて、飲み終わったら、もう一仕事だ。




281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 21:09:05 ID:X1j9QVr4
支援だ!

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 21:09:20 ID:yPa0Glw+
支援


283 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 21:11:43 ID:tz93IJdI
「そんなに待ってたの、はやてちゃん?」
「まあ、一時間近く?」
「っ! ごめんね、お待たせしちゃって」
「本当に、申し訳ありません」
「しゃーないです。たぶんあの子らが云々ってとこやろけど、子供って、みんな大体そんなもんですやん♪」
 はやてはカラカラと笑っていた。

 ところで、ケンカはまだ続いているようだ。
 シャマルが意外と手間取っている。
「仕方ねぇ。あたしも行ってくる」
「あまり、乱暴にはするなよ?」
「解ってらぁ。少なくとも、あたしはあいつらよりは大人だ」
 手をひらひらさせてシグナムにそう言うと、ヴィータはケンカ会場に向かった。

「ところでなのはちゃん」
「何?」
「ジャックさんも来とったの、解った?」
「あっ、やっぱり来てたの?」
「ああ。ここに着いてすぐに、少佐にお会いした」
「提督のこと、連れ出したみたいだね」
「FAF絡みやから、きっと『あれ』のことや、思うねんけど……」
「やっぱり、そうなのかな……」
 はやてとなのはの顔が、微かに曇る。
「……申し訳、ありませんが」
「あのよ、話見えてこねぇんだけど」
 クロとセンは、置いてけぼりをくらった子供のような顔だった。
「ああ、ごめんなさい」

「ジャックさん言う人は、私らの知り合いの」
「管理局の外部協力軍事組織『フェアリィ空軍』のジェイムズ・ブッカー少佐のことだ」

「軍人さん、ですか?」
「はい。まあ、私らも似たようなもん、なんですけど」
「へぇ……。ま、申し訳ないけど、今は自分達のことは横に置いといてくれる?」

「もちろん。で、ジャックって言うのは、ブッカーさんの愛称なの」
「FAFの部隊の一つ、特殊戦という、主に偵察行動を主任務にしている戦闘機部隊を纏めておられる」

「――で、変人ばっかの特殊戦の中で、唯一人の常識人、それなりに話せて、面倒見も良い、ってところかな」

 別の声が、割り込んできた。
「おっ、ヴィータお帰り。シャマルもお疲れさんやな」
「うんっ、ただいま」
「はあ、疲れましたぁ……」
 そこには、まだ余裕のありそうなヴィータと、少々疲れた様子のシャマル、そして、げんなりとして浮遊するリインにアギト、更に、
「ヴィータふくたいちょー、やっぱりすごいね」
「ヴィーちゃ、すごいね」
「ヴィーちゃん、つよいね」
 口々にそう言って、ヴィータにまとわりついたり、服の裾を引っ張ったりする子供達が、いた。
「はうう、はやてちゃぁん……」
「ヴィータの奴に、ゲンコツくらった……」
「当たり前だ、ばーか」
 げんなりと文句を言うリインとアギトに、ヴィータは、
「大体、ガキ共の目の前で、魔法まで使おうとするなっての。つか、そこまで熱くなるか、普通?」
 と、軽く睨みつけて叱った。


284 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 21:16:46 ID:tz93IJdI
「うわ、それはあかんわ」
「氷と炎がぶつかり合ったら……」
「ただの爆発ではすまない、な」
「ごめんなさいです……」
「面目次第もねぇ……」
 リインとアギトは、謝罪の言葉しか口にできなかった。

「あの、そんなに凄いことになんの?」
「センさん、少なくとも、あの子達が軽く吹き飛ばされちゃいます」
 シャマルが、センに凄むように答えた。
「ああ、……さいですか」
 気圧される、セン。
 そんな皆の様子に、クロは、
「それは、本当に、大変なことで……」
 目を見張りつつ、ヴィータに言った。
「まあ、あいつ等のあしらいには慣れてるし。それに」
「それに?」
「今頃、変人共の相手で四苦八苦してるはずのジャックさんの苦労に比べりゃ、大したこた無いって」
 ひらひらと手を振ってみせる、ヴィータ。
「そう、なんですか?」

「あっ、むしろ今は、あの特に変人な親友の側で、ブーメランでも削ってるかも知れねぇな。あの二人、よくつるんでるからな」
 いたずらっぽく笑って、ヴィータは空を見上げた。
 クロには、いまいち理解できなかった。


「ふぁッ、くしょいッ!」
 一瞬、頬に傷のある男の手が止まった。
「豪快なクシャミだな、ジャック。風邪か?」
 細面の男が、自分の下にいるの親友に声をかけた。キーボードを打つ手を、止めずに。
 ここは、クラナガン郊外にある、FAF特殊戦専用の飛行場。否、小規模とは言え、
それなりの設備の整った航空基地、その、地下格納庫である。

 その一角に、本日のフライトを終えた戦術戦闘電子偵察機が一機、その翼を休めていた。
 その、前進翼を持つ黒色の機体の名称は『メイヴ』、パーソナルネーム『雪風』。
 今、そのコクピット内では専任のパイロットである細面の男――深井零が、専用端末でシステムのチェックを行っていた。

「フルオープンの車を乗り回すから、風邪なんかひくんだ。自分の歳も考えたらどうだ」
 手は休めない。下も覗かない。しかし、この男は、意地悪く笑っていることだろうと、
雪風に取り付けられたタラップに腰掛けてブーメランを削っている、頬に傷のある男――ジェイムズ・ブッカーは思った。
「バカ言うな、ジープはああだから良いんだ。それに、今の時期、風邪なんかひくものか」
「フム、じゃあ、何だと言うんだ?」
 からかうような声が、頭上から降りてくる。
「決まってる。誰かがおれの噂をしたのさ。それも、水もしたたるとびきりの美人が、な」
「……あまり、らしくない冗談は、お控えになった方が良いと思いますよ、少佐」
 零の呆れるような声が、今度は降りてきた。
「フムン、肝に銘じておこう」
 苦笑して肩をすくめ、、ブッカーは言った。
「しかし、そんなにおれらしくないか、零?」
「おれだけじゃなく、誰でもそう思うぞ、ジャック」

 そして、「フム」とブッカーはあまり納得のいかない表情で頷いて、二人は黙々とそれぞれの作業に勤しむ。ただ、黙々と。
 二人には、それも日常風景の一コマだった。




285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 21:17:06 ID:qwUMPRn0
支援

286 :フルメタなのは:2008/03/10(月) 21:17:23 ID:48ukWb8V
長くなりそうだから投下は明日に延期します支援

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 21:18:17 ID:QGhFcUbY
支援

288 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/10(月) 21:19:18 ID:tz93IJdI
「ふーん、ヴィータちゃんもすっかりお姉さんだね、よしよし。……あれ?」
 いつものようにヴィータの頭を撫でて、なのははしかし、違和感を覚えた。
「いたた、……だからやたらと頭を撫で回すの止めろ、なのはッ!」
「ヴィータちゃん、頭、たんこぶ有るの?」
「主に、少佐をからかったことを咎められてな。頭に、一発だ」
「シグナムッ!」
 顔を些か紅潮させて、ヴィータは怒鳴る。
「事実だしな、仕方がない」
 シグナムは涼しい顔だった。
「ジャックさんのこととなると、何かムキになるよね」
「顔あわせるたんびに、まあ、何やちょっかい出さずにおられんようやしなー」
「な、何だよ、はやてまで……」
 ヴィータ、たじたじである。

「もう、そんな話はどうでも良いだろッ! ほら、さっさと帰るぞッッ!!」
 踵を返し、ヴィータはさっさと歩き出した。

「あー、ヴィーちゃん、まってー」
「ヴィーちゃ、みんなまだいるよー」
「ふくたいちょー、どうしたのー」
 子供達はぽてぽてと後をついて行きます。

「えーっと、ヴィータさんの、あの態度、って?」
「まっ、つまりはそう言うことなんだろ? それ以上踏み込もうなんざ、野暮ってもんだ」
「まあ、センさんのゆうとおりや。クロさん、それ以上の詮索、止めといたって」
 クロ、何となく察しがついて、
「解りました。あなたがそう仰るのなら」
 はやてに同意した。まあ、そう言うことなら、センの言うとおり野暮かもしれない。

「それで、はやてちゃん、帰りは?」
「ン? 車なら無いよ? 急いで飛んできたし、私ら」
「じゃあ、一緒に電車だね」
「でんしゃ、って、あの、電車、ですか?」
 クロは、眼鏡をかけ直した。
「? そうですけど?」
 訝しむ、なのは。
「いや、当たり前になのはさん達が口に出されるものですから、ちょっと驚いてしまって」
「へえ〜、この世界って、電車当たり前なのかぁ。いや、俺達の世界って、
先日、ようやく一部の大都市で電車が動くぞ、ってな記事が新聞に出るくらいだから」
 しみじみと話す、セン。
「まあ、この世界よりはまだ普及が進んでないんですよ、私達の世界は」
「へえ、そうなんですか」
 クロに相づちを打って、そう言えばと、なのはは気付いた。

 クロや、ニジュク、サンジュの服装は、確かに地球の時代に当てはめれば、
一九世紀後半から二〇世紀初頭辺りによく見られるデザインみたいだ、と。つまり、クロ達の世界の文明や文化のレベルは――

「なのはちゃん、考え事や質問は、歩きながらでもいけるやろ。さ、行こ♪」
 はやてはにっこり笑ってなのはを促すと、前を行くヴィータと子供達の後を追った。
「うん、そうだね。じゃあ、クロさん」
「はい。行きましょうか」
 なのははクロを促し、クロは棺桶を担ぎなおし、二人も歩き始める。
 その後に、ヴィータを除くヴォルケンリッターが続いた。




289 :旅ゆく人、:2008/03/10(月) 21:21:04 ID:tz93IJdI
さて、それでは予告通りというか、
ひとまずここで区切りといたします……。

続きは、日付が変わった、0030時以降、ということで。

はあ、どきどきしたぜよ、いろいろと orz


290 :旅ゆく人、:2008/03/10(月) 21:27:19 ID:tz93IJdI
あと、支援、大感謝です、
ありがとうございます。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 21:37:33 ID:QGhFcUbY
超GJ!!
いいねえ……心が洗われるよ……。
こう体がしゃんとする感じだ。

後編も楽しみにしています。

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 21:49:20 ID:X1j9QVr4
GJです!
きっと道中楽しいんだろうなぁ

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/10(月) 22:08:41 ID:bd+brClw
gjヤン提督達は現状を維持をしつつもオーリスの訴えは
聞いてたんだろうな。(地上には予算や高い戦力がごく僅かしかない事)

294 :旅ゆく人、:2008/03/11(火) 00:38:00 ID:ifOd3gky
えーと、あの、そのぅ。

つまりは、そのう、……続き、投下してもよかですか?

295 :旅ゆく人、:2008/03/11(火) 00:46:23 ID:ifOd3gky
申し訳ありませんが、
勝手に投下、再会させていただきます……。

296 :仮面ライダーリリカル電王sts:2008/03/11(火) 00:47:24 ID:b/837zdn
支援!

297 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 00:48:14 ID:ifOd3gky
 すると、
「クロ殿、あの、……宜しいですか」
 シグナムが、彼女らしくなくおずおずとそう尋ねてきたのは、歩き出してすぐのこと。
 少し離れた前方には、子供達にいじくられているヴィータが歩いていた。
「はい、何でしょうか」
 特に表情を変えず、返事をするクロ。
 しかし、シグナムはその時、己の心をすでに見透かされているような錯覚を、クロの瞳を見つめた瞬間に実感した。
 シグナムは、取り敢えず咳払いをする。
「あー、……失礼ながら、クロ殿」「はい」
「もしかし、……いや、単刀直入にお伺いします」「はい」
 あまりに自然体のクロを見て、シグナムは一瞬ためらう。が、意を決する。

「あなたは何故、その、『棺桶』を担いで、旅をなさっておられるのでしょうか」

「やはり、そのことでしたか」
 クロは、微笑んだ。嫌みな感じは、受けなかった。何時も尋ねられているだろうに。
「……えっと、実は私も、思ってました」
「私も、実のところ……」
 なのはとはやてが、おずおずと手を挙げる。 シャマルは、黙して挙手。
 リインは、ただコクコクと頷いていた。
 アギトは、雰囲気を察して、さっさと前に進む。「こう言うの苦手なんだよな」と呟いて。
「見たところ、その棺桶、ずいぶんと、その、くたびれている様子で……」
「そうですね。旅を初めて半年くらい過ぎた頃から、ずっと一緒に旅をしている棺桶ですから」
「そっ、そんなに長くッ!?」
 なのはが、素っ頓狂な声を上げた。
「何で、また、あの、そのようなものを」
「うん、まあ、色々思うところがありまして」
 困ったような顔で、クロはぽりぽりと後頭部を掻いた。
 センは、我関せずと飛び続ける。
「成る程。しかし、その棺桶のために、色々と」
 あごに手を当てたクロが、シグナムを遮って、
「そうですね。葬儀屋と言われるのが多いですか。
あと、死体を運んでるとか、死神とか、果ては吸血鬼、……まあ、色々言われますね」
 悲観するでなく、おどけるでもなく、淡々と答え、周りをポカンとさせる。
 シグナム、「そんな誤解を受けるなら」と咳払いをして、
「差し出がましいようですが、その棺桶、そろそろ処分……」
「するつもりは、申し訳ありませんが、今の私にはありません」
 シグナムの申し出を、クロはきっぱりと断った。
「シグナムさん、他の皆さん、お心遣い、ありがとうございます」
 頭を下げる。

「ですが、今の、……このままだと」
 シグナムを、じっと見据える。
「私の旅が終わる何時かには」
 そしてまた、優しく微笑んだ。
「きっとこの棺桶が必要になりますから」

 この言葉に、セン以外は言葉を無くした。
 どういう、事なの、か。
 そんな、周囲の心を見透かすように、
「その理由を、何時かお話しできれば幸いかな、とは思っています」
 クロはそう言った。
「まあ、そんな訳でさ、取り敢えず今は、それ以上は聞かないでやってくれよ。クロにも、色々思うところがあるんだ」
 そして、センのこの言葉で、
「……了解した、セン殿」

 シグナム以下全員、今は詮索終了とせざるを得なかった。




298 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 00:51:29 ID:QwMk7jZT
支援

299 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 00:52:41 ID:ifOd3gky
 そんな後ろの様子に目もくれず、子供達はヴィータに夢中です。
「って、お前等、何してくれるんだよッ!」
「んー、いろわけたげてるのー」
「ヴィーちゃん、ぐっどだよー」
「わー、ふくたいちょー、格好いいよぉ♪」
 白い双子の力で、ヴィータの両腕はカラフルに染まっていた、いつの間にか。
「……はぁ」
 怒るに怒れず、ヴィータはため息をつくしか無く。
「子供の相手は疲れるぜ……」
 しばし、海鳴の某老人会の面々を、懐かしく思い浮かべるのだった。

「おっ、ヴィータ、なかなかお洒落だな♪」
 そう声をかけたのは、アギト。ニヤニヤが止まらないらしい。
「んっ、なぁんだ、アギちゃんか♪」
 ヴィータ、さらりとおどけて反撃。
「なっ、だからそれは」
「おー、アギちゃだ」
「アギちゃん、アギちゃん♪」
 双子は、無邪気にはしゃぎました。
「おい、だから」
「おい、アギちゃん、大人なところ見せてやろうぜ」
 苦笑しつつも、両腕をまだら模様にされても、それなりに子供達に付き合っているヴィータにそう言われると、
「……はあ、解った」
 アギトは渋々同意せざるを得なかった。

 そんなアギトに構わないのが、白い双子です。
「ねえねえ、アギちゃ」
「あん、何だよ」
「おそら、とべるんだね」
 ニジュクが尋ねます。興味津々と言った様子で。
「でも、はね、うごかないね」
 サンジュが尋ねます。不思議そうに首をかしげて。
「ああ、大体、魔力使って飛んでるからな。あまり羽ばたかせない、かな」
「ふぅん」
「そーなんだー」
「ふくたいちょーも、飛べるんだよ」
 ヴィヴィオが双子に話しかけました。
「そうなの、ヴィヴィちゃ?」
「ふくたいちょーも、おそら、とべるんだ」
「おーい、お前等はヴィーちゃんで良いって」
 ヴィータ、苦笑い。
「じゃあ、ヴィーちゃも、とべるんだ」
「ああ。まあ、それなりにな」
「へぇ、とべるんだぁ」
「ふくたいちょーやアギトだけじゃないよ、なのはママもはやてお姉ちゃんも、みぃんな飛べるよ。……ヴィヴィオは、違うけど」
 ヴィヴィオは少し、寂しそうです。
 双子はうんうんと、眼をキラキラさせて頷きました。

「そっかあ、とべるんだぁ」
「あたしたちみたいに、とべるんだぁ」
 双子は何気なく言いました。

「おう、お前等みた、い、……はい?」
「えっ、あっ、なあ、二人とも?」
「あの、お空、飛べるの?」
 ヴィータ、アギト、そしてヴィヴィオは、目を見開いて聞き返します。


300 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 00:54:19 ID:W0S/Kwxl
支援

301 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 00:56:10 ID:ifOd3gky
「うん、とべるよー」
「まりょくじゃなくて、はねだけど」
 そう言うと、二人はいきなりエプロンドレスを脱ぎ始めました。人目をはばかりません。
「ちょっと、二人とも」
 ヴィヴィオの制止も聞かず、下着姿になった、ニジュクとサンジュです。
「ヴィヴイちゃ、こうしないと」
「はね、じょうずにだせないの」
 すると、不意に猫耳と尻尾が消えました。
「えっ?」「はッ?」「何だッ?」
 そして、
「ふえっ?」「何だぁッ!」「うっそぉッ!」

 三人が驚くのも無理もありません。
 双子の背中に、いきなり羽がでたのですから。
 ただし、ニジュクは右側に黒い羽、サンジュは左側に白い羽と、それぞれかたっぽずつなんですがね。

「あの、よ、二人とも」
「なにー、ヴィーちゃ?」
「かたっぽずつ、だな」
「そだよー、アギちゃん」
「飛べる、の?」
「「とべるよー、ヴィヴィちゃ(ちゃん)」」
 二人はニコニコしています。
 他の三人は、不思議そうな顔をしています。

「だいじょぶだよ」
「『かたっぽ』が『かたっぽ』に、なるから」

 ますます、不思議そうな顔の三人。
 だから、二人は、
「こうするのっ!」
「いっしょにとぶのっ!」
 そう叫んだ、その時でした。
 風が、強く吹きました。
「サンジュっ、いくよっ!」
「ニジュクっ、いいよっ!」
「「せぇのっっ!!」」

 ばさばさばさばさ……。

「あっ、二人、とも……」
「まじかよ……」
「本当に、飛びやがった……」

 空を見上げた三人の視線の先に、双子がいました。
 さっきの風に、乗ったのもあるのでしょう。
 高く高く、少なくとも近くの樹木よりも高く、舞い上がっています。
 背中の羽を、その羽ばたきを、きちんと同調させて。
 ばさっばさっ、ばさっばさっ、と。

 そして、ポカンと自分達を見つめる三人に、
「いったでしょーーっっ♪」
「あたしたちもとべるよーーっっ♪」
 ニコニコ笑いながら、双子は叫んだのでした。




302 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 00:57:43 ID:HFD4m/Be
支援

303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 00:58:59 ID:EfWOnq4L
支援

304 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 00:59:03 ID:ifOd3gky
 少し後ろに離れたところで、なのは達はその光景を目の当たりにした。
「へっ?」「嘘や……」「いや、……主はやて、これは」「あは、あはは……」「信じられないです……」
「申し訳ありませんが、皆さん」
「ほっぺ、つねってみな。現実だから」
 クロとセンは、見慣れた光景なので、全く平静であった。
「……やっぱり、ヤン提督は、正しかったんや」
「そうだね……」
 ようやく、声を絞り出したはやてに、呆然としつつ相づちを、なのはは打った。


「まあ、珍しい。この世界で、翼の力だけで浮かぶなんて」
 その婦人は、物珍しそうに、駅構内から双子を見つめていた。
「互いに協力し合って、空に浮かんでいるのね」
 一見すると品が良く、穏和そうに見える顔立ちの女性の瞳は、しかし、興味深くものを凝視する、まるで幼子の瞳のようだった。
「互いの信頼がなければ、ああ上手くはいかない。まるで、そう、まるで」
「お待たせしました。お預かりしていた、お荷物で御座います」
 背後から駅員が、その婦人に声をかけ、大きなスーツケースを押して差し出した。
「ありがとう」
 婦人は、駅員に礼を言って受け取る。
 そして、再び空舞う双子に目をやって、
「……残念、もう降りてしまっているわ」
 肩を軽くすくめ、視線を下ろす。
「あら、あれって」
 そこにいた一団。どうやら、見覚えがあるようだ。
 腕時計を見る。
「まだ、時間は、ある」
 時計から、目を離す。
 その婦人の表情は、友人との再会に胸躍らせる、少女の顔、そのものであった。


「いや、本当にびっくりした」
「羽の力だけで、まさかあそこまで、なぁ……」
「間近に見とっただけ、そら、びっくりの度合いも大きいわなぁ」
 ヴィータとアギトの言葉に、うんうんとはやては頷いた。

 あれからすぐになのは達が合流。
 クロとセン以外がまだ驚き目を見開いている中で、ニジュクとサンジュは、ふわりと降り立ちました。
「「ただいまー」」
 元気よく、挨拶。
「お帰り二人とも」
「こっちの世界の空は、どうだった?」
 クロとセンだけが、双子に声をかける。
「やっぱり、あおかった」「でも、ぽかぽかあったかかった」
「へえ、暖かだったのかい」
「うん、なんかね……」「うとね、クロちゃんみたいだったよ」
「ヘッ、私、みたい?」
 流石に、クロも驚いた。何を言っているのか、理解できず。
「あっ、そっか、そんなだたかも」
「でしょ、ニジュク?」
「うんっ!」
 相変わらずニコニコしている双子の言葉に、クロは戸惑った。
確かに、自分達の世界よりもここの世界は温暖なようであるが、しかし、それが何故、自分のような暖かさなのか、ということを。
「……」

 未だ頭に疑問符が浮かびまくっているクロに、なのはがそっと耳打ちする。
「それだけ、クロさんがあの二人を大切にしてることの証明、じゃないんですか?」
 クロ、現実感がとぼしいといった顔で、後頭部を掻いていた。「はあ」と呟くのが精一杯だった。



305 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:00:56 ID:EfWOnq4L
畜生、風呂に入れないぜ支援

306 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:03:54 ID:ifOd3gky
「あの、ところで、まだ他に何か有りますか、二人とも?」
 リインが双子に尋ねた。
「リイちゃ、なにかって?」
「えと、つまり、こんな事ができる、とか、こんな事が起きる、とか」
「あっ、あるよ、リイちゃん」
 サンジュが手を挙げて言いました。

「あたしたちの『かげ』、あたしちより」
「うん、ちょっとがまんのたりない『こ』」

「だから、かってにはなれるとき、あるよ」

 時が、凍った。

「皆さん、あのー」
「事実なのでー、きちんと受け止めてやってねー」
「すごぉい、ニジュクとサンジュ、やっぱりすごぉいっ!」
 クロとセンとはしゃぐヴィヴィオ以外は、全員、頭を抱えていた。「影が勝手に離れるって、何?」と。
 当のニジュクとサンジュは、
「えへへ」
「すごいかな?」
 ヴィヴィオの目の前で、ほっぺをほんのり赤くして、照れていました。


「にゃはは……」
「もう、なんちうか」
「言葉も、有りません」
「言葉がある方がおかしいって、絶対」
「はうう、ヤン提督にはどう報告すれば……」
「あは、あはは……」
「普通、影が離れるかっての……」

 公園最寄りの駅はもう目前。
 されど、一部の人間を除き、その足取りは、何故か重く。
 呆然とする者、ブツブツと独り言を呟く者、現実から逃避しようとする者、頭を抱える者、様々である。

「ねぇ、クロちゃ?」
「みんな、どうしたの」
「ん、大丈夫だよ、気にしなくていい」
 クロは二人の頭を優しく撫で回した。
「みんな、ちょっと戸惑ってるだけだから」
「とまど、う?」
「なんで、なの?」
「大きくなれば、解るよ」
「ふぅん」
 でも、やっぱり不思議そう。

「ヴィヴィちゃん、どうなのかな?」
 ヴィヴィオは双子よりもお姉さんだから、何となく解ります。だから、
「クロさんの、言うとおりだと思うよ」
 二人に大きく頷きました。
「ふぅん……」
 まだちょっと納得のいかない様子ですが、
「ヴィヴィちゃがそうゆうなら」
「それでいいや♪」
 と言うことで、気にするのを止めて、歩きます。




307 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:07:16 ID:ifOd3gky
 と、そうする内に、ようやく駅前に到着。
 まだまだ元気にはしゃぐ子供達。
 その様子を微笑ましくクロが、些か気だるそうにセンが見つめる。
 しかし、クロがふと振り向くと。
 なのは以下、その他大勢は、心なしかぐったりした表情を見せていた。

 その様子に、クロは思わず、
「あの、本日はどうも、突然この世界に現れた、しがない旅人の私達のために――」

「せやから、はい、変に恐縮するの、禁止ぃッ!」
 びしいッ! とクロを指さして、はやてが叫んだ。

「気持ちは解らんでも無いですけど、私ら、好きでやらせてもらうて、さっきも言ったばかりですやん」
「はやてちゃんの言うとおり。それは、私も言ったはずですよ?」
 なのはが、しょうがないなぁ、と言うニュアンスも込めて、苦笑い。
「困った時は、お互い様だから」
「それに、おかげで今夜は楽しいことになりそうやし」
「楽しい、こと?」
「そうです」とはやてが頷く。

「なのはちゃんも思うてること。ふふ、帰ったら、な?」
「もちろん、歓迎パーティ、やらなくちゃ、ね?」
 先程のぐったりした様子から、気力を取り戻した様子で、なのはが宣言した。

 クロ、一瞬、目が点になる。

「えッ、あの、私達、の?」
 己を指さして、あたふたした様子だ。
 なのは、「もちろん」と頷いて、
「それに、せっかく、はやてちゃん達と休日が一緒だったんだし」
「久しぶりに、六課の一部再集結を祝すのもかねて、……ええなぁ♪」
「要は俺達のこと、そのダシにする訳かい?」
 センは不敵な笑みを浮かべた。
「嫌ですか?」
 はやてが、やはり不敵な笑みを浮かべる。

「全然、嫌じゃない。むしろ宴会大歓迎ッ!よぉしっ、酒だッ! 酒もってこぉいッッ!! 浴びるほど飲むぞぉぉッッッ!!!」
 コウモリ、はしゃぎまくる、飛び回りまくる。

「おいおい、セン。私達はいわば居候――」
「遠慮はいらないと思うぜ、クロさん?」
「せっかく、この世界にいらしたからには、少しでも、多くの良い思い出を作られた方が宜しくはありませんか?」
「ヴィータさん、シグナムさん」
「それに、私達も久しぶりに楽しいお酒、飲めそうですし」
「シャマルさんも」
「私達、クロさんのこと、本当に歓迎したいんですよ」
「リインさんまで……」


308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:10:41 ID:EfWOnq4L
他にはいないのか支援

309 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:11:23 ID:ifOd3gky
 クロ、嬉しいと思うより、むしろ心配になってきた。

 おいおい、私達はつい今し方突然あなた達の目の前に現れた、言わばこの世界の不法侵入者みたいな者ですよ? 
 そんな人間をほいほい歓迎します、パーティしましょう、なんていともたやすく受け入れるってのは、些かやっぱり問題がありはしませんか? 
 て言うか、仮にもし私達が実は凶悪犯且つ逃亡者で、人殺しも全く厭わないようなならず者の本性を平然とひた隠せるような演技者で、
寝首かくのも平然と実行できるような人間だったら云々カンぬん、かくかくしかじか、うまうましまうま、エトセラえとせら――。

 軽く混乱気味なクロの肩を、ポン、と叩く、小さな手が一つ。
「あんたが何考えてるか、何となくだけど解るよ」
 それはアギトのものだった。
「だけど、そりゃ心配無用な話だと思う」
 少し呆け気味のクロに構わず、アギトは続ける。
「あたしも、色々あって、最近、こいつらと一緒に生活し始めたんだけど、……まあ、底抜けとまでは行かないけど、人が良いよ」
「……」
「でもさ」
 そう言って、アギトはクロの肩に乗った。
「一緒になって解った。こいつらも、色々辛いこと乗り越えて、今、そんな風に振る舞えるんだって」
「そう、なんですか」
「だからさ」

 やおら、アギトはクロの頬をつねった。端から見ると、引っ張っているようにしか見えないが。

「痛たた、な、何を」
「もうちょっと気楽に行こうぜ。肩肘張らずにさ」
「痛い、いたい」
「大丈夫。あたしの言葉、信じてみろって」
 アギト、手を離す。
「しばらく前までこいつらの敵だった、あたしの言葉を」
「ヘッ、そう、なんです、か?」
 つねられた頬をさすりつつ、クロは呆然としてつぶやいた。

 その時だった。

「その通りよ、別世界から来た旅人さん」

 品の良い、女性の声がした。
「その小さな烈火の剣精さんの言うとおり、なのはさんやはやてさん達は、あなたのことを心から受け入れてくれるはずだわ」
 そして、声の主は駅舎から姿を現した。やはり品良く、しかし、聡明そうな婦人だった。
 その婦人は、双子に目をやって、
「この可愛いおちびちゃん二人のことも、ね」
 クロ以下その場の一同、一瞬言葉を失う。
「あら、思った以上にびっくりさせてしまったようね。こっそり影からあなた達のことを伺っていたのだけど、……いたずらが過ぎたかしら」
 婦人は頬に手を当て、困った表情を浮かべる。何しろ、その場の様子と言えば。
 クロやセンに双子は、突然のことで、ただ呆然。
 なのはやはやて達は、まさかの出会いに拍子抜け、と言った顔をしていた。
 アギトを除いて。

「おい、あんた、何であたしの二つ名を知っているんだ。ッ! まさか、あんた……」
「……ジャクスンさん、何でここに?」
「スパイ、……えッ、あの、はやて、このおばさんが、前に聞いた?」
「あの、皆さん、お知り合いの方ですか?」
「ええ」
 クロの言葉に、なのはが頷いた。
「初めまして、アギトさん、それと旅人のクロさんにお連れの二人のおちびちゃん」
 婦人は胸に手を当てて、

「私は、リン・ジャクスン。フリーのジャーナリストをやっています」

 そう、自己紹介した。


310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:13:57 ID:EfWOnq4L
支援

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:14:50 ID:sgJnZbaj
支援

312 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:17:09 ID:ifOd3gky
「ジャーナリストって言うのは、新聞や雑誌の記事を書いたり提供したりする人のことですよ」
 なのはの言葉に、クロとセンが頷いた。
 双子もコクコクと頷きました。
「ああ、これはご丁寧に。私は、今更かも知れませんが、しがない旅人をしております、
クロと申します。こちらの二人は、双子の姉妹で、ニジュクとサンジュ」
 クロ、いつも通りに慇懃に挨拶し、双子をそれぞれ紹介した。
「そして」と、センに目をやる。
「おまけのコウモリ、センです」
「……せめて、マスコット、って言ってくんない、クロさん?」
 セン、もはや抗議する気力も起こらないようで、ただ涙目である。

「こちらこそ、ご丁寧にどうも」
 リン・ジャクスンは手を差し出した。
 それにクロが応じ、握手。

 そしてアギトは、少し戸惑って、
「いや、あの、ジャクスンさん、あたしその、……さん付け、止めてくれねぇかな、いや、下さい。
あの、何か、……恥ずかしいってか、くすぐったい、って言うのか」
「そう? でも、失礼じゃないかしら?」
「いや、頼む、じゃなくて、お願いしま、す……」
「あー、アギちゃ、かおまっかー」
「ほんとだ、まっかっかー」
「うるせーッ! 笑うな、指さすな、ニジュク、サンジュッ!」
 二人はアギトに怒鳴られて、でも「わーい♪」と笑って退散です。
 そんな二人を「待ちやがれー」とアギトが追いかけ回し始めた。
「うふふ、元気いっぱい、って感じね」
 ある種、微笑ましい光景に、リン・ジャクスンの顔がほころぶ。

「こんにちは、ジャクスンさん」
「ホンマ、お久しぶりです」
「本当、半年ぶりかしらね、なのはさん、はやてさん。それに、ヴォルケンリッターの皆さんも」
 なのはとはやて、そしてはやての家族に、リン・ジャクスンは微笑み返した。
 そんな彼女に、シグナムも声をかける。
「お久しぶりです、ジャクスンさん。あの、アギトの失礼は私が謝罪します。彼女は、まだ」
「大丈夫、解っているわ。彼女、人付き合いになれていないだけ」
 そして、うん、と頷いて、
「でも、きっと、彼女なりの人付き合いの術を見つけられるでしょう。――あなた達と一緒に暮らしていれば」
「そうやったらええなって、私も思います」
「それ、さっきジャックさんにも言われてたな、あいつ」
「あら、この自然公園で?」
 ヴィータの言葉に、リンは目を見張る。
「ええ。一時間ほど前、駐車場の方で」
 シャマルが答えた。
「それは残念、ついさっきまで併設の植物園にいたのよ。最近のFAFの動向を少しでも伺うことのできるチャンスだったのに」
 至極残念そうに、リン・ジャクスンは呟いた。

「その、ジャックさんを、追いかけていらっしゃるのですか?」
「ジャック、――ブッカー少佐を、と言うより、彼の属している組織と、それが対峙している存在を、と言うべきでしょうね」
 リンは、クロにそう告げた。

「でも、今はそれだけではないわ」
「と、仰いますと、マダム?」
 センが身を乗り出してくる。
「あら、マダムだなんて、このコウモリさんたら、うふふ。――そう、このなのはさんやはやてさん、
それにここにはいないフェイトさん達とその仲間、教え子さん達の動向を追いかけるのも今の仕事かしら」
「そうなんだよなー、この人、結構しつこく聞いてくるからなー」
 ヴィータが不意にげんなりとした顔になった。  


313 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:22:17 ID:ifOd3gky
「うふふ、ごめんなさいね、それが私の仕事だから。でも、今回は残念ながらあなた達の取材予定はないの」
「アポイント、入ってませんしね」
 と、なのは。
「でも、それなら、ここでもやれるんじゃないですか?」
 そう尋ねたのは、リインだった。
「そうなのだけど、色々仕事が入ってて、今ここにいるのも、束の間の息抜きのため、ってところだから」
 リン・ジャクスンは苦笑した。
「これから明日のインタビューに備えてクラナガンのホテルに帰るところなの。もうすぐ来る快速列車に乗ってね」
「私達、その後の各駅停車の電車に乗る予定やから、ホンマ、ちょっと残念ですわ」
「ええ、とっても残念だわ」
 リンは、はやてに頷いた。
「でも、嬉しい出会いもあった」

 そう言うと、「ごめんなさいね」と断って、走り疲れてハアハアと荒く息を、しかし、ニコニコしながらしている白い双子に、リンは近づいた。

「あっ」
「リンおばちゃん」
「あら、もう私の名前を? おばさん、嬉しいわ」
 にこやかに微笑んで、リン・ジャクスンは二人の頭を優しく撫でる。

「ええっと、あなたが」
「ニジュクっ!」
「で、あなたが」
「サンジュっ!」
「そう、とっても不思議な響の名前ね」
 撫でながら言った。
「でも、二人にお似合いの、とっても可愛らしい名前だわ」
「えへへぇー」
「なんか、てれるぅ」

「うふふ。それにしても、二人ともさっき空を飛んでいたでしょう?」
「おばちゃ、みてたの?」
「ええ。とても気持ちよさそうに飛んでいるのを、ね」
「おばちゃん、わかるの?」
「何となくだったけど、ね」
 そう言って、またリンは微笑んだ。
「うん、そうだよ」
「きもち、とってもよかったよ」
「いつものかぜやきのにおいとは、ちょとちがうかおり、してたけど」
「でも、やっぱりものすごくいいかおりしてて、とってもきもちよかった」
「おひさまもぽかぽかだった」
「かぜがゆらゆら、ちょっとこそばしかったかな」
「そう、とても楽しかったのね」
「「うんっっ!!」」
 二人はヒマワリのような笑顔をリンおばさんに投げかけました。

「うん、二人ともおばさんに話してくれてありがとう。これはね、そのお礼」
 そう言って、リンは二人に白い包み紙にくるんだものを差し出す。
「これ、なに?」
「ミルクキャンディーよ。どうぞ召し上がれ」
「ほんとに、いいの?」
「ええ、どうぞ」

 言われて二人は「ありがとう」と言うと、早速口に放り込みます。
 そして、すぐにお耳と尻尾がピンッ、と立ちました。


314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:25:26 ID:HFD4m/Be
支援

315 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:27:22 ID:ifOd3gky
「まあ、気に入ってもらえたみたいね」
 双子はリンおばさんにコクコク頷きました。
「じゃあ、サービスしちゃおうかしら」
 リン・ジャクスンはそう言うと、袋ごと二人に差し出した。
「仲良く、食べてちょうだいね」
 双子のお顔が、更にぱぁっと明るくなります。
「「ありがとうっっ!!」」
 元気よくお礼を言って、「クロちゃぁあっ」「おばちゃんからもらったぁっ」と、クロめがけて駆けていきました。

 その様子を微笑ましく見つめつつ、リンは歩いてクロ達にまた合流した。

「良いなぁ、二人とも……」
 ヴィヴィオは、はしゃぐ二人を見てしょぼんとしています。
 そんなヴィヴィオに、「はい」とそっとリンが袋を差し出す。
「……チュッ◯チャッ◯スだぁっ♪」
 曇ったお顔が、ぱあっと明るくなりました。
 そう、チュッ◯チャッ◯スの袋詰めでした。

「この間、約束してたでしょう?」
「忘れてなかったんだね、ありがとう♪」
「いいえ、どういたしまして。――ねぇ、学校は、楽しい?」
「えっ? うん、楽しい、よ……」
 微かに顔を、また曇らせたヴィヴィオに、
「……えっ?」
 リンは何も言わず、そっと抱きしめた。
 ヴィヴィオの耳元で囁く。
「何かあったら、なのはママでも、フェイトママでも良いわ、必ず、誰かに伝えるのよ」
 ヴィヴィオは黙って聞いています。
「私に電話でも良い、必ず誰かに話しなさい。必ず、誰かがあなたの心強い味方になってくれるわ」
 優しく髪を撫で、優しくリンは諭す。
「あなたは一人じゃないわ、ヴィヴィオ。それだけは、解って、ね」
「……うん、ありがとう、リンおばさん」
 ヴィヴィオは、心の底から暖かくなっていく自分を、感じていました。
 そして、いつの間にかまた、ニジュクとサンジュがリンおばさんによって来ました。
「どしたの、ヴィヴィちゃ?」
「おばちゃん、なにしてるの?」
「うん、ちょっと、ね」「ねー♪」
 おばさんとヴィヴィオは、笑って顔を見合わせます。

「そうそう三人とも、今渡したものは、仲良く分けあうこと。独り占めしちゃ、ダメよ?」
「うん、もちろん!」「はーい!」「わかったのー!」
「うふふ、良いお返事だわ。――あら、もうこんな時間」
 リンは残念そうに時計を見て、言った。
「じゃ、私はそろそろ行くわね」
「おばさん、またねー」「またねー」「きゃんでぃー、ありがとー」

 子供達に手を振って、スーツケースを手にしたリン・ジャクスンに、
「あの、ジャクスンさん、お忙しい中でいつもヴィヴィオにお土産をありがとうございます」
 なのはが声をかけ、礼を言った。
「良いのよ。好きでやっているのだから、気になさらないで」
 リンははにかみながら、手を振って、
「あと、あの子のお話、もっと聞いてあげて。お仕事で疲れているかも知れないけど、
それが、家族というものだから。――もっとも、解ってらっしゃるでしょうけど」
「……はい、努力します」
 なのははリン・ジャクスンを見つめて、頷く。


316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:27:51 ID:YH5SuAJj
sienn

317 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:34:02 ID:ifOd3gky
「ジャクスンさん、私の連れの双子にも、お菓子をありがとうございました」
 なのはに続いて、クロが礼を言った。
「うふふ、本当に可愛らしいおちびちゃん達ね。あの二人は、ご家族、……ではないわね」
 我ながら的はずれな質問だと思って、リンは苦笑した。外見から、解るではないか、と。
「ひょんなことから最近、共に旅をするようになりまして。色々、大変です」
 クロも、微かに苦笑。
「でも、決して、嫌ではないのでしょう? あの子達の笑顔を見ていると、そう思えるのだけど」
「……たぶん、そうだと思います」
 はにかみながら、クロは答えた。
 リンは、「正直な人」と微笑む。
「本当、あなたにも会えて、ちょっと話もできて、良かったと思うわ。私こそ、ありがとう、クロさん」
「ジャクスンさん……」
「それにしても、この世界に来ると、いつでも新鮮な出会いが待ってる。特に人との出会いがね」
「そうなんですか」

「まるで、ターミナル駅みたいな世界だわ」
「ターミナル駅、みたい、な?」
「ええ、そうよ」リンはにっこりと微笑む。

「様々な世界から多くの人がやって来て、行き交って、また様々な世界に旅立っていくターミナル駅。
気付かなければ、ただすれ違うだけ。でも、ふと気付いて話してみれば、更に世界が広がっていく、
自分の世界が更に広く、――そんな出会いのある、ね。だから、この世界に来ることが、例え仕事でも楽しくて仕方ないの」

「はあ……」
「だから、あなたもこの世界を思い切り楽しんじゃいなさいな。そうすれば、世界の広がった自分に、出会えるわ、きっと」
 そして、なのは達にそっと目をやって、クロに戻す。
「あなたと彼女達との出会いは、きっとそういうこと」
「……できるでしょうか、私に」
「それもまた、旅をすることなのではなくて?」
 言われてクロは、はッ、となった。
「解りました、せっかくですし、私も楽しんでみましょう」

「それが良いわ」と、微笑んで
「じゃあ、本当に時間だから」
 なのは達に手を振り、
「あの、ジャクスンさん、明日のインタビューの相手って、誰ですの」
 はやての問いかけに、

「スカリエッティ容疑者よ。彼直々の指名なの」
 肩を軽くすくめて、はにかみながらリンは言った。

 驚く一同に、目もくれない様子で、
「それじゃあ、また会いましょう、皆さん。それと、棺を担いだ黒い旅人さんと、そのお連れの可愛いおちびちゃん達の旅が、
幸せに満ちたものであることを、お祈りしているわ」

 そう言って、リン・ジャクスンは駅舎の奥に、スーツケースを手で押ししつつ、消えていった。


318 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:39:11 ID:ifOd3gky
「何か、不思議なというか、面白いというか、そんな人だったな」
 しみじみと、センが呟く。
「歩く好奇心の塊、みたいな人ですから」
「おい、シャマル、良いのかそんなこと言って」
「そう言うヴィータちゃんは、今どんな顔をしているのかしら、ふふ」
「ま、言わなくても解るだろ、へへ」
「何となく、シャマルさんの言われたことも解るような気がします」
「あと、世話好きなひとでもあるんよなぁ」
「だよねぇ」
「あと、おかしくれた」
「とってもやさしい、おばちゃん」
「だよね、ヴィヴィオのことも、優しくしてくれるし」
「でも、私もキャンディー、欲しかったですぅ」
「ヴィヴィオやチビ達から貰えばいいじゃん。相変わらず、いやしんぼだな」
「それにしても、あのスカリエッティ直々の、ですか」
「ホンマ、一流のジャーナリストって、すごいんやなぁ」
 がやがやとその一画だけ、賑やかになる。
 そして、クロはふと思った。

 そう言えば、こんなに大人数で賑やかにおしゃべりするのって、どのくらいぶりだろうか。本当に久しぶりだ。そして、
「こんなにも楽しいもの、だったことなのに、……何で忘れてしまっていたのかな」
 微かに、口に出していた。

「クロ」
 センが声をかけた。
「あのマダムにも言われたろ。きっと、そう言うことなのさ」
 そして、クロに顔を近づけて、
「楽しもうぜ、俺や、あの二匹みたいにな」
 そして、
「もちろん、旅の目的を忘れない程度に、だけどな」
 と付け加えて。
「……ああ、解ってる」
 センにそう呟きつつ、
「だから、今はなのはさん達と、この世界を楽しんでみたい」
 クロは、微笑んだ。

 センは「もちろんだ」と言って、
「取り敢えずは、今晩、この世界の酒という酒を、浴びるほど飲んでやるぜぇ〜〜〜ッッッ!!!」
「全く、センはいつもいつも」
 クロは呆れ顔である。
「いつも二日酔いのコウモリを、介抱する身にも、なって貰いたいものだな」

「あっ、それは今回はシャマルすわぁ〜ン♪にやって貰うから、無問題」

「ゑッ、決定事項なんですかッ!」
 シャマル、あからさまに嫌そうである。




319 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:43:21 ID:ifOd3gky
「ねえねえ、ヴィヴィちゃ」
「なに、ニジュク?」
「ぱーてぃ、って、たのしい?」
「楽しいよ」
「ねえねえ、ヴィヴィちゃん」
「なに、サンジュ?」
「ぱーてぃ、って、おもしろい?」
「もちろん、だって」
 ヴィヴィオはにっこり微笑みました。
「ふくたいちょーやリインやアギトもいるしザフィーラもいるし、それに」
 そして、がばっと二人を捕まえて、
「ニジュクとサンジュがいるもん、絶対、楽しいよ♪」
 双子はそう言われて、「たのしみぃ♪」と、コロコロ笑ったのでした。


「さて、そろそろ電車が来る頃や、はよ切符買わんとな」
「そうですね、それでは私がみんなの分を、まとめて」
「シグナム、頼むわ」
 一礼し、駅舎に入るシグナム。
「クロさん」
「はい、何でしょう、なのはさん」
「せっかくだし、この世界で欲しいものとか、食べたいものとかって、有りますか?」
「それは……」
 特にありませんと言いかけて、止めた。そうだ、今はこの世界を楽しむと言ったばかりではないか。

「……ココア」「えっ?」
「この世界のココア、どんなものか、飲んでみたい、かな」
 はにかむ、クロ。思わず、鍔で顔を隠す。

「ココア、ですか」
「ええ、割と、好きなもので。――あの、ここにはありますか?」
「ええ、もちろん。だって」
 なのはが、言った。
「ここは、クロさんの世界に遠いようで、近いような世界ですから」
「……そう、でしたね」
 そして、笑いあう。
「あーあ、何や、なのはちゃんは幼なじみを置いてけぼりにして。そのまんま、二人仲良うしてれば、いいんや」
「もしかして、はやてちゃん、妬いてるの?」
 なのはがおどけた。
「んー……」
 小さく唸って、突然、
「えッ?」「きゃッ!」
 二人に抱きついた。
「私もクロさんと仲良うなりたいんやッ!」
 そして「きゃっははッ」と笑った。
「もう、はやてちゃん」「あの、はやてさん」
「ええやろ? 絶対、楽しい筈やもん♪」
 顔を見合わせる、三人。そして、
「にゃははは……」
「あっははは……」
「ふふ、全く、ふふふ……」
 まるで幼い少女のように、笑いあったのだった。


 陽は、更に傾きを増し、空は徐々に茜色に染まり始め、
「クロがあんな顔するの、何年ぶりだろうなあ」
 センは、らしくない優しい笑みを、その顔に浮かべていた――。




320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:43:30 ID:HFD4m/Be
俺もシャマルに介抱されたい支援

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:46:36 ID:EfWOnq4L
まだまだ支援

322 :棺担ぎのクロ。 リリカル旅話:2008/03/11(火) 01:46:39 ID:ifOd3gky
 旅を続けていると、誰でも必ず道に迷うもの。


 そんな時は、素直に人に道を尋ねてみましょう。


 強がって、恥ずかしがって、道を尋ね損ねて、道に迷うよりも。


「旅の恥はかき捨て」とは、つまりは、そう言うことなのでは、ないでしょうか。




                                   『棺担ぎのクロ。リリカル旅話』
                                                 第三章・了




「おうっし、次はいよいよ酒が飲めるぞぉッ!芸のためなら、女房も泣かすんやッ!
とにかく酒だぁッ! 酒だ酒、酒もってこぉ」

 カッきぃぃぃぃーーーんんッッ!!「あーーーれぇぇぇ……」(キラン☆)


「……なぁ、本当に、良かったのか?」

 おーけー、ぐっじょぶ、ヴィータ♪



323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 01:49:09 ID:EfWOnq4L
乙ー。
まとめwikiで見て気になってた作品なので投稿うれしい限りでございます。

324 :旅ゆく人、:2008/03/11(火) 01:52:39 ID:ifOd3gky
さて、ようやく投下終了です。
今回も、暖かく支援していただき、ありがとうございます。

ところで、あのニジュクとサンジュの特殊能力ですが、
完全に原作準拠です。
誇張、偽り、全くございません。
他にも、どうやら色々と持っている様子です……。
末恐ろしき、双子でございますw


>>323
どもです。あのような拙文でも気にしていただけるとは、
まことに感謝の極み、であります。

325 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/11(火) 01:54:12 ID:4+IzOn2i
GJ!
このスレ始まって以来の最長記録じゃないですか?

この良作の30分後に僕投下したいけどよろしいでしょうか?


326 :旅ゆく人、:2008/03/11(火) 02:00:13 ID:ifOd3gky
それと、とうとう『雪風』から、
主人公とジャーナリスト、出しちゃいました……。
フッ、やっちまったもん勝ちだZE☆

特に、リン・ジャクスンの『ミッドチルダ=ターミナル駅』論ですが、
これ、私の頭の中のミッドチルダって、こういうものなんだよ、
と言うのを、彼女代弁していると、考えていただいて構いません。
でないと、『なのは』と『クロ。』以外のキャラ、ぽんぽん出せませんから、
あはは。


>>325
いつもおつかれッス。そして、
> このスレ始まって以来の最長記録じゃないですか?
間違いなく、そうだと思うです……。

暴挙に出て、申し訳ないです、皆さん orz

327 :旅ゆく人、:2008/03/11(火) 02:10:38 ID:ifOd3gky
そうそう、リン・ジャクスン女史を本文中、半分くらい、
フルネームで表記しているのは、原作準拠、です。
原作は更に徹底してフルネームで攻めてます。
確認したときは、マジで orz になりましたw

それでは、私はここまで。
次回は、インターミッションを二回ほど挟んで、
第四章を、今月末ぐらいには、やりたいな、と。
たぶん、一番はっちゃけた章になる予定、つか、なりますw
皆さんに楽しんでいただけるよう、何とか、頑張り、た、イ、なぁ……(トホヒメ


さて、実は今まで、他の職人さんのクロス作品、仕事やら何やらで読んでなかったりorz
しばらくは、積みSS、切り崩すことに専念ですわ。
でも、他の職人諸氏、あなたたちこそGJ!と。

では ノシ

328 :旅ゆく人、:2008/03/11(火) 02:12:41 ID:ifOd3gky
追伸。


ヴィータ好きが前面に出ちゃったZE、てへ☆

329 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/11(火) 02:26:08 ID:4+IzOn2i
時間か…
おそらくもう誰も起きて無いだろうけど投下します。

【平成ライダーサイド】五話「北岡秀一最悪の休日」Aパート

【渋谷 ネオン街】
夜の渋谷のネオン街…
毒々しい光りが目立つこの街を、一人の美しい女性が逃げていた。

「はぁ…はぁ…」

女性は路地裏に入り、最奥の壁に背中を当て、案緒する。
「ここまで来れば大丈夫」
女性はそう思っていた。
だが…

「逃がさんぞ…」
「女…」
「は!?」

女性のそんな思いも空しく、目の前に銃の姿をした怪人と包丁の姿をした怪人が現れた。

「お前も…」
「生贄となるが良い…」
「きゃあああああああああああ!!」

【翌日 デンライナー食堂車内】
「…ふう。」

ウラタロスは読んでいた新聞の一面記事をテーブルの上に置き、ナオミ特性の極彩色のコーヒーを飲み、溜息をついた。

「お?なんだぁ亀公!新聞なんか読んで、インテリのつもりか?」
「ふう…先輩、先輩も人を馬鹿にしている暇があったら、新聞くらい読んだら?あ!もしかして、漢字が読めないとか♪」
「何!?テメーこなろー!!」

モモタロスがウラタロスに掴みかかり、ウラタロスもそれに対抗してモモタロスの胸倉を掴み、椅子から立ち上がってもみ合いになる。
いつものパターンだ。

「おはよう皆…って!ウラタロス、モモタロス、何やってんの!?」

食堂車の自動ドアが開き、良太郎がやってくる。
良太郎はすぐに二人の間に入り、仲裁に入った。

「もう…」
「だってよ良太郎!この亀…」
「丁度良かった!」

ウラタロスはテーブルの上に置いた新聞を手に取り、一面記事を良太郎に見せる。
記事には、「またも女性誘拐!犯人の目的は?」と書かれていた。

「ふぇ?」
「エヘヘ…この事件捜査するから、ちょっと体貸してよ♪」


330 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/11(火) 02:26:43 ID:4+IzOn2i
【北岡邸 吾郎の部屋】
「吾郎ちゃん、大丈夫?」
「ゴォッホ!ゴォッホ!…ええ…大丈夫です…」

北岡の秘書・由良五郎は、風邪をこじらせてしまい、寝込んでいた。
熱は三十九度あり、とても家事や車の運転ができるような状態ではない。

「先生…久しぶりの休みです…どこかに骨休めに行ってきてくださいよ。」

ここ三週間ばかり、北岡は仕事詰めだった。
重い犯罪を犯した人間の弁護が立て続けに入り、それら全てを無罪にするためにかなりの労力を使っているため、休みが全然取れなかったのである。
だから今日は三週間ぶりの休み。
吾郎は自分のことなど構わず、北岡に休日を満喫して欲しいと思っていたのだが…

「何言ってんのよ。大事な秘書が病気してるのに、ほっとけるわけないじゃないか。」
「でも…」
「良いから寝てなって。今日は俺が看病するからさ。」

北岡は五郎にそう言うと、部屋を出てキッチンに向かった。

【北岡邸 キッチン】
「さてと、玉子酒でも作ろうかな?ああ、でも、朝から酒は良くないかな?ここは無難におかゆにするか…あれ?おかゆ…まずはどうするんだっけ?」

北岡は料理を作ったことが余り無いため、おかゆの作り方が分からない。
しかし、適当な物を作るわけにも行かないだろう。
「しょうがない吾郎ちゃんに聞こうか。」と思い、再び吾郎の部屋に戻ろうとした瞬間、インターホンが鳴り響いた。

「誰だこんな時に?」

北岡はそう言って、玄関に向かう。

【北岡邸 玄関】
「はい…」

北岡はドアを開ける。

「こんにちは。」

ドアの向こう側に居た客人は、月村家のメイド長、ノエル・K・エーアリヒカイトだった。
なんでもこなす有能な人物の為、彼女は吾郎にとって憧れの的である。

「ああ、ノエルさんじゃないですか。悪いですけど、吾郎ちゃんなら…」
「やっぱりですか…」
「へ?」

【吾郎の部屋】
「吾郎ちゃん。」

北岡は笑顔で吾郎の部屋に入室する。

「先生…俺の事は…」
「そう言わない。助っ人も来てくれたんだしさ。」
「え?」
「どうぞ!」


331 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/11(火) 02:27:31 ID:4+IzOn2i
北岡がドアに向かってそう言うと、ドアが開き、私服からメイド服に着がえたノエルが現れた。

「ノ、ノ、ノ、ノ、…ノエルさん!?」

いきなり布団の上から上半身を起こす吾郎。

「す…すいません!今コーヒー…グァ。」

しかし風邪には勝てず、ベッドに沈む。

「無理しないで下さい。風邪を治すには、静かに寝ることが一番大事なんですよ。」

ノエルは吾郎の布団を掛けなおし、優しく注意した。

「す…すんませんっス…でもなんで?」
「虫の知らせです♪」
「あ…はぁ…」

あまりにご都合主義な返答に呆ける吾郎。

「でも…ノエルさんの仕事は…」
「今日は休みです。だから来ました。」
「そうですか…」

ノエルもメイド長としての激務で疲れているだろう。
虫の知らせと言う適当な理由にせよ、ノエルが来てくれたことが吾郎は嬉しかった。

「今日は俺とノエルさんで吾郎ちゃんの看病するからさ、ゆっくりしてよ。」
「せ、先生、駄目っス。先生は骨休めに…」
「まだ言うか吾郎ちゃん!」
「北岡さん、由良さんの言うとおりだと思いますよ。」
「はい?」

ノエルにまで休養を勧められ、驚く北岡。

「北岡さんの仕事は、私達よりずっと大変な仕事の筈ですよ。下手をしたら、過労死しちゃいますよ。」
「まぁ…そりゃ、弁護士は大変だし、休みたい気持ちもあるけど…」
「だったら、北岡さんのことを大事に思ってる由良さんの言うこと、聞いてあげるべきですよ。」
「先生、お願いしますっス!」
「う〜ん…」

北岡は迷った。
確かに三週間ぶっ通しの仕事で体はもうガタガタになっている。
休みたい気持ちが無いといえば嘘になる。
だが日頃自分に尽くしてくれる吾郎をほっといて遊びに行くのは余りに不謹慎だ。
しかし、吾郎とその友人であるノエルに勧められると流石に弱く…

「しょうがない…言うこと聞くよ。」

二人の言うことを聞くことにした。


332 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/11(火) 02:28:03 ID:4+IzOn2i
『ありがとうございます!』
「(…と言っても、何処行こうか…よし、まずは高級料理でも食うか。)」

北岡は行きつけの一流レストラン、「ル・クロック」に行くことを決め、部屋を出て行く。
その頃月村邸では…

【月村邸 庭園】
「ああもう!すずかちゃんには桐矢君!お姉様には由良さん!なのになんであたしには男の気配が無いのよ!もう…彼氏が欲しーーーーーーーーーーーーい!!」

ノエルの妹であり、月村家のメイドであるファリン・K・エーアリヒカイトが庭園の掃除をしながら庭の中心で彼氏が欲しいと叫んでいた。

【デンライナー食堂車内】
場所は再び変わり、時の列車デンライナー食堂車内。
ウラタロスは先程の記事を良太郎にしっかりと読ませていた。

「女の人がもう二十人も消えてるんだ…」
「そ、こりゃあ、ただごとじゃないでしょ?もしかしたらAAMONの仕業かもしれない。」
「確かに…誘拐にしては二十人も大げさすぎよね。」

コハナはウラタロスの言うことに納得する。
いつもはウラタロスの女癖に呆れるコハナだが、流石にこれだけ大勢居なくなるとならば話は別だ。

「良太郎、優しいフェミニストとして、こういう不純は許せないんだ。それがAAMONと来れば、尚更だよ。」
「う…うん…」
「ゴラァ良太郎!」

ウラタロスの話に聞き入っている良太郎にいきなり叫び声を浴びせるモモタロス。

「な…何モモタロス?」
「こんなスケベ亀の言うこと、真に受けてんじゃねえよ!こいつぁきっと、助けた女に何かして貰おうって魂胆だぜ!」
「嫌だなぁ先輩♪ちゃんと弁えてるつもりだよ僕は!」
「どうだかなぁ…」
「待ってモモタロス。良いよ、ウラタロスに体を貸すよ。」
「サンキュ♪」
『えええええええええ!?』

良太郎の早い決断に驚くモモとコハナ。

「良いの良太郎!?」
「うん。ほんとにAAMONの仕業だったら、大変だし。」
「相変わらずお人よしだぜぇ…」
「じゃ…行くよ!」

ウラタロスは青い光に変化し、良太郎に憑く。
すると良太郎の髪の毛の一部が青く変化し、眼鏡が装着された。
ウラタロスが憑依した姿、U良太郎である。

「じゃ、行きますか♪」

U良太郎はウインクすると、食堂車から出て行った。

「大丈夫かしら?」
「さぁな…」


333 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/11(火) 02:29:50 ID:4+IzOn2i
【ポレポレ】
「ふう…」

北岡はポレポレで五代雄介ブレンドを飲み、溜息をついていた。
彼がポレポレに居るのは、北岡の行きつけの店である「ル・クロック」がまたも休業日だったからである。

「おうおう弁護士さん、疲れ切った顔してるじゃないか。」

北岡に声をかけているのは、五代雄介の育ての親・飾玉三郎。
ポレポレのマスターである。

「ええ…まぁ…」
「しかしあんた、金持ちだろ?こんな庶民の店なんかに来ちゃって、良いのかい?…ほいポレポレカレー。」
「ああ、すいません。まぁ、行きつけの店が休みで…」
「そりゃアンラッキーだったねぇ。」
「全くです…五代は?」
「アーモンドだかレイモンドだとか言って、知り合いの刑事さんと一緒に横浜行っちゃったよ。
久しぶりに帰ってきて早々鉄砲玉で、こっちは大変だよ。奈々はドラマや部隊の仕事が多くて、全然手伝ってくれないし…
あーあ…小さなエンジェル達が手伝ってくれてた頃が懐かしい…」

「小さなエンジェル達」…なのは、フェイト、はやての事である。
三人は七年前から時々ポレポレのウェイトレスをしていた。
その頃はポレポレが今以上に繁盛していたため、玉三郎は三人を幸福をくれる「天使」に例え、「エンジェル」と呼んでいたのである。

「あの頃は今以上に店が繁盛してねぇ…行列が出来たこともあったっけ?今もそれなりに繁盛はしてるけど、あの頃には及ばないねぇ…
三人とも今はたまにしか来てくれないし、来てくれても三人揃うことはめったに無いし…
ホントにあの頃が懐かしいよ…」
「…」

玉三郎の長話は、疲れ切った北岡の心と体にじわじわとダメージを与えていく。
おかげでカレーも落ち着いて食べられない。
「休業といい長話といいついてないなぁ…こんなことならノエルさんと一緒に吾郎ちゃんの看病してたほうが良かったよ…」
心の中でそう愚痴りながら北岡はカレーを何とか食べ続けた。
その頃吾郎はと言うと…

【北岡邸 吾郎の部屋】
「おかゆ出来ましたよ。」
「あ…すんませんっス…いただきます。」

ノエル手製のおかゆを振舞われていた。
吾郎は手に持った茶碗からスプーンでおかゆをすくい、口元に運ぶ。

「美味い…」
「うふ♪由良さんほどじゃありませんよ。」
「いえこちらこそ…ノエルさんにはまだまだかないませんよ。何せノエルさんは、泣く子も黙る月村家のメイドさんなんスから。」
「う〜ん…泣く子も黙るでは…恐いイメージが…」
「あ、すんません!じゃあ…泣く子も笑うでは…どうですか?」
「その方が良いかも知れませんね♪…あ、こんなに長く話したら、熱上がっちゃいますね。」
「あ…すんません…」
「もう…さっきから謝ってばかりですよ。」
「す…すんま…む!」

ノエルは人差し指を吾郎の口にあて、口を止めさせた。

「言っちゃ駄目ですよ。」
「あ…す…じゃなかった!ハイ…」


334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 02:30:28 ID:ifOd3gky
支援と行きますか。

335 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/11(火) 02:30:38 ID:4+IzOn2i
【ポレポレ】
「フェイトちゃんは…これまた良い子でねぇ…」

吾郎とノエルが会話を弾ませている頃、北岡は未だに玉三郎の長話に付き合わされていた。
カレーを完食したのに、玉三郎の話には終わりが見えない。

「(あの三人のことは俺も良く知ってるよ。長話はやめてくれ…だからこの店はあんまり好きじゃないんだ…)」

北岡のストレスは余計に蓄積され、疲れのボルテージが上がっていく…
そんな時だった…

「見ぃ〜つけた。」
『ん?』

ポレポレの店内に、U良太郎がやって来たのである。

「おお、四役青年。今日はナンパ系かい?」
「ええ、まぁ…北岡さん、隣座りますよ。」

U良太郎は北岡の隣に座り、玉三郎に五代雄介ブレンドを注文する。

「お前…ウラタロスか?」
「覚えていてくれましたか、嬉しいな♪」
「ほい。」

玉三郎はU良太郎の前にコーヒーを置く。

「ありがとうございます♪さってと、北岡さんに頼みがあるんだ。」
「何?」
「北岡さん、例の美女連続誘拐事件の捜査に、協力してくれないかな?」
「ああ?」

U良太郎の頼みに一瞬呆ける北岡。

「駄目だ駄目だ。他の奴に頼め。」

そして即断る。

「僕の盟友大介は、ゴンちゃんとシグナムさんに睨まれて協力できず、氷川さんは仕事してるし、鬼の皆さんは魔化魍退治、橘さんも業務で忙しくて、他の皆も仕事仕事…
そしたら北岡さん、見ての所休みみたいじゃない。手伝ってよ♪」
「やーだ。その事件は知ってるけど、手伝う気は無いね。俺はこれから帰るんだ。」
「…」

U良太郎は北岡の耳に口を近づけ、良太郎やモモタロスに聞こえないようヒソヒソと喋る。

「北岡さん…僕らが助けるのは美女だよ?美女を助けたら、ストレスなんか吹っ飛んじゃうよ。」
「あ?」
「考えてもみなって…可愛い女の子達を助けたら、僕らは一躍ヒーロー…あぁんなことやこぉんなことも、して貰えるかもしれないよ♪」
「む!」

いきなり生気を取り戻し、表情をきりっとさせる北岡。

「やるぞウラタロス!」
「そうこなくっち!」

硬く握手を結び合う二人。
これがフェミニストの性と言うものなのか…


336 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/11(火) 02:32:41 ID:4+IzOn2i
「けど、どうやって犯人を探すんだ?探したとしても、捕まった女性の場所を聞き出せなきゃ、意味が無い。」
「うーん…そうだねぇ…」
「そういや…」

二人の会話に混ざりこむ玉三郎。

「何だよマスター?」
「ここ最近…針野山に仮面かぶった怪しい奴らが出入りしているって、元冒険仲間の奴が言ってたっけなぁ…」
『針野山?』

「針野山」
東京からかなり離れた場所にある大きな岩山である。
沢山の断崖絶壁がそり立つ危険な山であり、ロッククライマーでさえ近づこうとしない山である。

「なぁるほど…針野山ねぇ…奴らの本拠地はそこか…」
「探す手間が省けたね♪行くよ、北岡さん!」
「ああ!」

北岡とU良太郎は1万円札を玉三郎の前に置き、店から急いで出て行った。

「おいおい!二人ともお釣り!…まいっか。」

この時の慌て者の北岡はまだ知らなかった…この先、最悪のシナリオが待ち受けているということを…

投下終了
私は月村家のメイド二人好きですよ。
ノエルは綺麗、ファリンは可愛いって感じで。

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 02:34:12 ID:ifOd3gky
支援〜。

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 02:36:18 ID:ifOd3gky
おっとっと……。
気の利いた感想を書くことのできぬ、我が身の不明を呪いつつ……。

つ【GJ】

339 :仮面ライダーリリカル電王sts:2008/03/11(火) 02:48:18 ID:b/837zdn
GJ!ウラと北岡さん似た者どうしか。

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 03:26:14 ID:/4s8Pxts
GJ!この一杯は俺の奢りだ

つ【ここは地の果て流されてオ・レ】

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 03:41:13 ID:41GrDAG8
>>340
つ【今日もさすらい涙も〜涸れる】

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 08:35:08 ID:l79EftmH
>>336
二人がなにかたくらんでますねw
しかし氏の作品は大所帯で好きです。続きも楽しみにしています。

>>324
旅ゆく人氏GJ!
リンさんとクロの会話がいいなあ。
氏の作品が、なのはの核心を突いていると思うのは俺だけだろうか。

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 09:12:00 ID:MsPPoZoA
>>341
つ【ブルーゲイル 涙はらって ブルーゲイル きらめく力】

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 09:25:08 ID:Fy+wKnxg
>>343
ザブングルwwww


345 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 09:33:02 ID:vLhy8A4W
「はやてのように〜♪」と思いつき、変な電波を受信した

アーサー様「特技に家事一般とありますが?」
ジロン「おう、炊事、洗濯、掃除とかだ!」
チル「魔法とかも使えたりするのだわさ!」
アーサー様「え、魔法?」
ジロン「その通り、魔法だ!」
チル「デアボリックエミッションは敵全体に大ダメージを与えるんだわさ!」
以下略

346 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 10:37:38 ID:qjYUhNFl
>ノエルもメイド長としての激務で疲れているだろう。


大丈夫です。
しょせんは自動人形ですからちゃんと油でも注しとけば(ry

347 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 13:04:04 ID:mVm59Az5
さ、昨日投下しなかったやつ、今空いてるみたいだから投下しようか。

348 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 13:14:40 ID:mVm59Az5
魔法忍者リリカル鴉
第一話「鴉、来たる」

室町時代後期 宇高多の地 飛鳥の里

「ああああああっ!!」

ドスッ!
黒き衣を纏った一人の忍が、地に倒れ伏した自らの仇敵たる修験者の、その心臓に手にした封印の刀を突きたてた。

「ぐはああっ!!」
叫び声と共に血を吐く修験者。

「……見事だ忍よ……だが詰めが甘いな!」

修験者はそう言うと体から伸びる刃を掴み、呪文を唱え始めた。

「〜〜〜〜〜……」
「くっ、しぶとい奴!……!?体が……!?」

一旦刀を抜き取り、今度は頭に突き刺そうとした忍は、突如体に痺れが走り動けなくなる。

「無駄だ、動きはせん」
「何をした、我無乱!」
「くくく……わしはもう助からん……だが一人で死にはしない!道連れに貴様を、時の狭間に引きずり込んでくれるわ!!」

我無乱と呼ばれた修験者がそう言った後、周りの空間に半球状の光の壁が作られ、二人は閉じ込められる。

「ゴウ!」
「キヌ、来るな!」

仲間のくノ一のキヌが近寄って来るのを制する忍=ゴウ。

そしてその壁は一際強く輝いた後急速に収縮した。

「フハハハハハハ!!」「おのれ、我無乱ぁぁぁんっ!!」

叫んだ後視界が光に包まれ、そこでゴウの意識は飛んだ。


西暦200X年 某県 海鳴市
市内の山中

パシュゥゥゥ……
雨がシトシトと降る中、今まで何も無かったやや広い場所に突然半球状の光の壁が現れ、それが消えた時、そこには先程の男――ゴウが俯せに倒れていた。

「うっ……」

顔に掛かる雨粒で気がついたゴウは、体を震わせながら立ち上がり、辺りを見回す。



349 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 13:16:41 ID:mVm59Az5
「ここはどこだ……?ザジ、キヌ、オンジ?どこにいる?」

帰ってこない返事と、自分が見知らぬ場所にいる事に不信感を抱き、ゴウは状況の整理を行う。

「俺はさっき我無乱と戦っていて……その後、あの光に包まれ…うっ、頭が…!」

急に頭痛に見舞われ、頭を手で覆うゴウ。

「くそっ、思い出せん……。まぁそれは後か。武器や道具は……」

道具袋を開くと、戦闘用の煙玉や飲薬、入れたままだった小判が何枚か入っている。回復薬は切れていた。

「道具はある。刀は……ん?」

腰の鞘に手を当てると、そこには何故か普段使っている忍者刀ではなく、黒い刀身のあの封印の刀が納まっていた。

「何ゆえこれが納まっているのだ……むっ!?」

ゴウが抜刀したそれを見ていると、更に奇妙な事が起こった。
刀が急に光り、瞬く間に小さくなっていったのだ。
光が止んだ時、ゴウの手の上には、黒い羽を模した金属の塊が乗っていた。

「…次から次へと、一体何なんだ……」

絶え間なく起こる不可思議な現象に、ゴウは混乱していた。

「……とにかく今はここから移動しなければ」

遠くに見える町の明かりらしきものを頼りに、ゴウは歩みを進めた。
しかし、十歩も歩かぬ内に眩暈を起こし、近くの大木に寄り掛かる。

「くそっ、体が……自由に動かん……」

術の影響でろくに動かない体を引きずり、ゴウはふらつきながら町へと歩いていった。


時刻が既に夜であることと雨が降っているせいか、人気がない町をゴウは一人トボトボと歩いている。
歩きながらゴウは、この町が何かおかしいと感じていた。

(地面が堅い何かで覆われていて、おかしな形の牛車が信じられない速度で走っていて、見掛ける人間は誰も彼もが見た事も無い着物を着ている……ここは一体どこなのだ…)

疑惑を抱きつつも歩き続けるゴウ。
だが、降り続ける冷たい雨は、疲弊した体から容赦なく体温と気力を奪い去り、遂にゴウはある家の前で壁を背に座り込んだ。

(もう体が動かない……飛鳥の里を復興させるまで……俺は死ねないのに……)

ゴウの思考に反して、瞼はゆっくりと下がっていった。




350 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 13:18:22 ID:mVm59Az5
チュンチュン……
遠くから雀の鳴き声が聞こえて来る。

(あの世にも雀がいるのか……?)

目覚めたゴウはぼんやりとそんな事を考えた。
そして自分が布団に包まれているのに気付き、直前の考えを否定する。

(誰かが、俺を助けたのか…?)

上半身を起こしながらあれこれ思考していると、部屋の扉が開いて奇妙なイスに乗った一人の少女が入ってきた。

(子供……?)
「あっ、目ぇ覚めたん?良かった〜。病院から帰ってみたら家の前で人が倒れてて、体が冷えきってたし意識は無いしで慌てたわ。」
「だってゴウさん、困ってそうに見えたんやもん」

あっけらかんと言ってのけるはやて。

「あ?」

今度はゴウが聞き返す番だった。

「まぁ家の前におる人ほっとくのも後味悪かったしなぁ」
「ま、待て。ただそれだけの理由でか!?」
「?困っている人助けるのに、そんなに理由が必要なん?」

さらりと言うはやて。
ゴウは呆れのような感心のような気分になり、何も言えなくなってしまう。

「俺の名前はゴウだ」
「そっか、ほな私も名乗らなあかんな。私の名前は八神はやてや。よろしゅうな、ゴウさん」

はやては言いながらタオルを手渡してくる。

「はよ拭かんと風邪引いてまうよ」
「はやて、教えて欲しい事がある」

唐突に質問を受けたはやては一瞬キョトンとなるが、すぐ我に返って笑顔で答えた。

「ええよ。何でも聞いてや」
「何故俺にここまでする」
「え?」
「何故こんな怪しい男を、ためらいもなく家に入れたか、という事だ」
仕事柄と性格上、まず礼ではなく疑いをかけてしまうゴウ。
様々な機密を扱う仕事故、目の前の娘が何か目的があって助けたのかと思ったのだが、返ってきた答えはゴウの予想を大きく裏切った。

「だってゴウさん、困ってそうに見えたんやもん」

あっけらかんと言ってのけるはやて。

「あ?」

今度はゴウが聞き返す番だった。

「まぁ家の前におる人ほっとくのも後味悪かったしなぁ」
「ま、待て。ただそれだけの理由でか!?」
「困っている人助けるのに、そんなに理由が必要なん?」



351 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 13:21:43 ID:mVm59Az5
すいません。コピペを貼る順番間違えました。
上のはナシで、訂正したのを書き込みます。

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 13:28:57 ID:ifOd3gky
おk、支援

353 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 13:30:14 ID:mVm59Az5
チュンチュン……
遠くから雀の鳴き声が聞こえて来る。

(あの世にも雀がいるのか……?)

目覚めたゴウはぼんやりとそんな事を考えた。
そして自分が布団に包まれているのに気付き、直前の考えを否定する。

(誰かが、俺を助けたのか…?)

上半身を起こしながらあれこれ思考していると、部屋の扉が開いて奇妙なイスに乗った一人の少女が入ってきた。

(子供……?)
「あっ、目ぇ覚めたん?良かった〜。病院から帰ってみたら家の前で人が倒れてて、体が冷えきってたし意識は無いしで慌てたわ。」

手元のレバーを操作して近寄る少女。

「もう動けるん?ええと…」
「ゴウだ」
「え?」
「俺の名前はゴウだ」
「そっか、ほな私も名乗らなあかんな。私の名前は八神はやてや。よろしゅうな、ゴウさん」

にっこりと笑って自己紹介をするはやて。

「はやて、と言ったか。教えて欲しい事がある」

唐突に質問を受けたはやては一瞬キョトンとなるが、すぐ我に返って笑顔で答えた。

「ええよ。何でも聞いてや」
「何故俺にここまでする」
「え?」
「何故こんな怪しい男を、ためらいもなく家に入れたか、という事だ」

仕事柄と性格上、まず礼ではなく疑いをかけてしまうゴウ。
様々な機密を扱う仕事故、目の前の娘が何か目的があって助けたのかと思ったのだが、返ってきた答えはゴウの予想を大きく裏切った。

「だってゴウさん、困ってそうに見えたんやもん」

あっけらかんと言ってのけるはやて。

「あ?」

今度はゴウが聞き返す番だった。

「まぁ家の前におる人ほっとくのも後味悪かったしなぁ」
「ま、待て。ただそれだけの理由でか!?」
「困っている人助けるのに、そんなに理由が必要なん?」



354 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 13:33:26 ID:mVm59Az5
さらりと言うはやて。
ゴウは呆れと感心の混ざった様な気持になった。

「……お前は、心の底から優しい娘なのだな、はやて。」

珍しく、少しだけ微笑みながら言うゴウ。

「え、そ、そんな事あらへんよ〜。」

真正面から称讃を受けて、顔を赤くして照れるはやてだった。

「次なんだが、ここは何と言う町だ?」
「ここ?ここは海鳴市って言う所や。」
(海鳴……聞いた事がない……。まさかこれは…)

嫌な予感が現実になっていくのを感じたゴウは、確実に判別が付く質問をした。

「はやて、今は……今は何年だ?それと今の幕府は何だ?」
「おかしな事聞くんやな。今は平成XX年やんか。
しかも幕府なんて、百年以上も前になくなっとるやん」

決定的だった。
はやてが嘘を言っている様には見えないし、ここにくるまでに見た物全てが彼女の言い分を肯定している。
自分はあの時我無乱の術によって、遥か未来に飛ばされて来てしまったのだとゴウは理解した。

「そうか…」
「なぁゴウさん、どうしてそんな事聞いてくるん?」

心配そうに尋ねるはやて。
「聞かん方がいい。聞けばきっと、お前は俺が狂ってると思うだろう。」
「そんな事あらへん!」

いきなりはやてが大声をあげた。
ゴウは思わずギクリと体を震わせる。

「ゴウさん、真っ直ぐな目しとる。そんな目の人が狂ってるわけないやろ。
たとえゴウさんがどんな事を話そうと、私は絶対に疑ったりせえへん。
だから私、ゴウさんが内に溜め込んでるものを、吐き出して欲しいんや」
「……分かった。話そう」

それからゴウはぽつりぽつりと話始めた。
自分が室町時代に生きた飛鳥忍者という流派の戦忍(いくさしのび)である事。
とある敵に里を滅ぼされ、その際敵の術で一度記憶を失った事。
記憶の入った魂の欠片を取り戻す為、各大名からの依頼を受けていた事。
記憶を取り戻し決戦を挑んだが、最後の最後で敵の術をかけられ、この時代まで飛ばされた事。
所々を省略しつつ、ゴウははやてにこれまでの顛末を言って聞かせた。

「それで、この家の前にいた所に繋がるというわけだ」
「……そうだったんか。
てことはゴウさん、行く当てないって事やよね」


355 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 13:36:06 ID:mVm59Az5
「そうなるな。流石に未来の世界に知り合いはいない。仕方がないから、どこかの山奥で(ほんならウチで暮らさへん?)って何?」

話に割り込まれたゴウは思わずはやてに聞く。

「だから、当てがないんやったら、この家で私と暮らさへん?」
「申し出はうれしいが、迷惑をかけたくはないし、君の親にも…」
「別に迷惑じゃあらへんよ。後、私には両親おらへんし。」
「…すまない。無遠慮な事を聞いた。」
「別に気にしてへんよ。
それに、私は見てのとおり足が不自由でな、補助してくれる人がいると助かるんや。」
「だがしかし……」
「意外と頑固やな〜。あっ、ほなこんなのはどうや?」

なかなか踏ん切りが付かない様子のゴウに、はやてが提案をもちかけた。

「ゴウさんは依頼を受けて働く忍者なんやろ?
そんなら、私が『ここに住み込みで私の介護をして欲しい』って依頼するのはどうや?
報酬はゴウさんの衣食住の保証って事で」
「………」

はやての提案にあっけに取られているゴウ。

「だめ…かな?」

やや不安そうに聞いてくるはやて。

「……ふぅ。はやて、お前は優しいのと同時に、俺以上に頑固なようだな」

半ば諦めた感じで言うゴウ。

「えっ、それじゃあ!」

さっきとは打って変わり、ぱあっという擬音が合いそうな笑顔で喋るはやて。

「主・八神はやてより受けしこの任務、飛鳥忍者、鴉のゴウが謹んで引き受けさせて頂く。」

ベッドから降り、片手と片膝を床に付いて敬意を表す姿勢を取るゴウ。

「ああもう、そういうのはええから頭上げてや、ゴウさん。」
「単なる形式だ。気にするな」

すっくと立ち上がり、ゴウは言う。

「それからゴウさん、今の台詞で一ヶ所間違っとるトコがあるで」
「ん?どこか変だったか?」
「私らは主従やのうて……」

はやては満面の笑顔で言った。

「家族や♪」

こうして、ゴウとはやては「家族」として共に暮らす事となった。

続く


356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 13:41:03 ID:Iy3pR6fI
>「……そうだったんか。
>てことはゴウさん、行く当てないって事やよね」

そないなことやったん、ほならゴウさん、行く当てないって事やんね

はやては関西弁と言ってもいわゆる「京都訛り寄り」
この方が自然

357 :フルメタなのは:2008/03/11(火) 14:05:34 ID:mVm59Az5
投下終了。
つーかさるさん食らってこれだけ書き込めなかった……

はい、今回のネタにも「次元転移した物体はデバイス化する」の法則を使いました。
ベタ過ぎだってのは分かってるけど、タイトルに「魔法」って入れちゃったからなぁ……

ヴォルケンズは次回あたりから出すつもりです。
それではまた


>>356
ご指摘感謝します。
Asを舞台にするなら関西弁の勉強が必要かな…

358 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 14:11:42 ID:SJMLVTfr
GJ!!です。
忍者までやって来てしまいましたかw
デバイス無しで肉弾戦をやってた奴が、魔法覚えたら強いだろうなぁ。

359 :リリカラー劇場:2008/03/11(火) 16:03:51 ID:HWuSvdtg
職人の皆さんGJです。
Fullcolor'S投下よろしいですか?

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 16:06:25 ID:+Cf2BRjG
どうぞー。

361 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 16:08:53 ID:Y1qlNoID
OKですよー。
こちらも5時頃に久々の片翼を投下させていただきます

362 :リリカラー劇場:2008/03/11(火) 16:14:02 ID:HWuSvdtg
ジ・O「ま、まさかあなたたちがここに来るなんて聞いてませんよ!」

νガンダム「言ってないんだから、当たり前じゃん!」

八神家の危機に突如として参戦したれんぽー戦隊アソビタインジャー。もといνガンダムとなのは達ははやて達と協力し、”てぃたーんず”に勝利した。(一部、降参)

なのは「ジ・Oくん、お願い……なんでこんなことしたの?」
サザビー「さぁ、話してもらおうか」
はやて「さぁ、ジ・Oくん」
ハイザック隊「さぁ、吐け。吐いてしまうんだ」

ジ・O「れんぽーや管理局は解ります、まだ解ります。けど……どの面下げて言いますかハイザック隊!(怒)」


魔法少女リリカルなのはFullcolor'S 闇の書編 第5話



363 :リリカラー劇場:2008/03/11(火) 16:17:04 ID:HWuSvdtg
パラス・アテネ「く、まさか指スマで敗れるなんて……」

シグナム「ふふ、誘導戦(あっちむいてホイ)では負けたが指先での技なら負けんぞ」

ヴィータ「いや、あっちむいてホイだって指先じゃん」
メッサーラ「てゆーか、貴女パラスに1勝しただけだし」

シグナム「うるさい黙れ」
νガンダム&サザビー「器ちっさーι」


−−−−

ステイメン「ジ・Oさん、なんではやてお姉ちゃんを?」

ジ・O「ちびっ子に語ることなんてありませんねー」

リインフォース「…………」←(スターライトブレイカー、チャージ中)
はやて「Σあかんて、撃ったらあかんてι」

サザビー「言わんと死ぬぞお前ι」
ジ・O「そ、そうですね。そこまでお望みなら答えるとしましょうかι」

なのは「……ちっ」
ν&フェ「Σちょっ、なのは!?」

−−−−

ジ・O「全ては闇の書とゆう本を手に入れて封印してほしいと頼まれたのです」
ユーノ「それはいったい誰なんですか?」

ジ・O「ヒントをあげましょう……仮面をしている二−−」
その言葉に一同はシャアを見遣る。
一同「っ……まさか」

サザビー「言っておくが私は関っ係ないからなι」
ジ・O「二人−−」
一同「じゃあ!」

サザビー「たぶん、そっち(トールギスやプロヴィデンス)も関係ないι」
ジ・O「人の話聞けや」



364 :リリカラー劇場:2008/03/11(火) 16:20:39 ID:HWuSvdtg
−−−−

アルフ「じゃあ、一体誰なのさ?」
ジ・O「それは−−」

???「それってこの二人の事?」
???「辺りでうろついていたから声かけたんだが……」
声がかけられ、一同が声の方へと振り返る。
そこには二人の男を捕まえた2体のMSがいた。

ステイメン「お兄ちゃん!?」
νガンダム「01、02!?」
GP01「おーよかった無事で♪」

ジ・O「あ、この二人です−−てか、気絶してますねι」
なのは「な、なんでこんなボロボロなの……?」
GP02A「あーそれはなι」

GP01「ビームで焼いたから♪」
一同:……えっι

−−−−

※それはステイメンとリインフォースがはやてを助け出した頃。GP01とGP02Aがステイメンの後を追っていた。

GP01「我が弟ながら足速いなーって……なんだアレ、結界か?」
GP02A「くっ、とりあえず行くぞ!」

???「待て、これより先は行かせないぞ!」
突然、彼らの前に現れる二人の仮面男。
GP02A「なんだテメェ……」
GP01「シャアさんのパチモンか?」
???「君達の弟くんの安全が保証出来ないぞ!」

GP02A「なんだと!」
???「さて、どうす−−」
GP01「じゃあ今すぐに君ら殺っちゃうね♪」

仮面「へっι」
仮面「ちょっと待っ−−」
GP01のビームライフルからいきなり放たれた桜色の光は仮面男に大ダメージをおわせた。
−−−−

GP02A「有無を言わさずにビームライフルで撃ったんだι」

はやて「せ、せめて聞いてあげようやι」
GP01「何言ってんですか」
ヴィータ「何っておまえなι」

GP01「悪役の口上に攻撃を待ってやるヒーローが居るなんて信じてちゃダメですって♪」
一同:うわぁι



365 :リリカラー劇場:2008/03/11(火) 16:23:59 ID:HWuSvdtg
−−−−

νガンダム「とりあえず収拾したし、場所変えて話そっか」
フェイト「そうだね……はやて達、良い?」

はやて「……うん、構えへんで」
シグナム「主はやてがそう言うなら我らも」

アルフ「ジ・O。アンタもきな」
なのは「ハイザックさん達は帰って良いですから」
ジ・O「ちょっ、何で私だけ!?」

リインフォース「おまえが事件を起こしていて何を言う!?」
ジ・O「だからそっちの二人に頼まれたって言ったでしょうが、このポケモ○図鑑!」
ステイメン「Σ待ってソレ禁句だよ!?」
リインフォース「ちね!!(ジ・Oを殴打)」

ジ・O「Σきゃべっ」

サザビー「とりあえずはそこの仮面男達も連れて行くか」
νガンダム「起きたらキレるかもしれないし、じゃあホワイトベース行こう」

−−−−
民家付近からνガンダム達はホワイトベースへと今回の事件の参考人を連れて帰ってきた。

仮面「あんた何するんだー(怒)」
仮面「ふつうは口上ぐらい聞くもんだろー(怒)」
νガンダム「やっぱりなι」
サザビー「怒る気持ちも解るが私に言われても困る。01に怒れι」

仮面「いや……その、またビームで焼かれるのイヤなんでι」
サザビー「がんたんく、やれ」
がんたんく:やったー♪

仮面「Σすいません、ホントの姿になりますからヤメテー!」
仮面「Σちょっ、低反動砲向けないで!」

−−−−

νガンダム「−−で、ホントは使い魔さんだったと?」

仮面の男性の姿から、艶やかな少女の姿に変わった二人からν達はジ・Oをたきつけた理由を聞いた。
リンディ「力が強大になってきたから、二人は闇の書を封印するために……その為に”てぃたーんず”と手を組んだ」

アリア「そうだ……」
はやて「何でや!なんでリインフォースが……まさか、みんな!」


366 :リリカラー劇場:2008/03/11(火) 16:24:52 ID:HWuSvdtg
シグナム「申し訳ありません、我が主。我々はリンカー・コアを蒐集していました」
ヴィータ「……ごめんなさい、はやて」

はやて「何で……約束やぶったん?何で……」
ステイメン「はやてお姉ちゃん……それは」

シャマル「実は、全てのページを完成させて”ついまっと”に送るとヅダさんと衛星軌道上でエンジン出力最大チャリティマラソンに参加できるの!」
リインフォース「Σはっ!?」
ヴィータ&デスティニー「Σちょ、空中分解するって!?」

はやて「なんやー、そうやったんかぁ〜。なら仕方ないなぁ」
ヴィータ「Σえー」

ヅダ「全く、空中分解だなんて人聞きが悪いぞ!」
サザビー「いや、ニュースになってただろ?」
ヅダ「ただ、エンジンバーンってなっただけ」

一同:……ダメじゃんι


ジ・O「この隙に逃げて再起をはからせてもらいますかね……ι ふふふ、リインフォース。貴女の力は我々”てぃたーんず”が−−」
なのは「独り言は聞こえないようにするの」
フェイト「声大きかったよ?」
ジ・O「Σー!?」

ホワイトベースから逃走するジ・O。はたして彼は再起をはかれるのか……。
そして、ヅダのエンジン最大出力チャリティマラソンに参加出来るのか……。

続く

367 :リリカラー劇場:2008/03/11(火) 16:27:04 ID:HWuSvdtg
以上です、フルカラーの中じゃGP01も結構強い方だと記憶していたので仮面の戦士はあっさり倒しました。
あと少しで闇の書編も終わります。
ではでは

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 16:28:37 ID:+Cf2BRjG
ちょ・・・ヅダさんに死亡フラグが立ってるって!
GJ!

369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 16:29:37 ID:SQ5phI54
ジ・Oカワイソスwww

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 16:35:27 ID:EJBlRVDf
>>367
GJ!
ってちょっと待て! チャリティマラソンって…はやての足はガン無視ッスか!?w

371 :ヅダ:2008/03/11(火) 16:43:57 ID:HWuSvdtg
安心したまえ、それについては名案がある。ゴーストファイターを楽しみにしていたまえ

て事でw

372 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 17:01:45 ID:EJBlRVDf
ではそろそろ片翼行きますよ〜
投下してもおk?

373 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 17:04:21 ID:EJBlRVDf
魔法少女リリカルなのはStrikerS 片翼の天使

外伝集「アンソロジー(6・終)」


――最後の剣

きん、きん、きん。
宵闇の中で、鋭い金属音が断続的に鳴り響く。
機動六課敷地内の森の中、月の明かりだけが照らす薄暗いその場所で、2人の人間が戦っていた。
オレンジ色の短いバヨネットを輝かせ、少女が男へと挑む。
振り下ろされた刃は、しかし全てが、恐ろしく長大な日本刀にいなされる。
猛攻の中の一瞬の隙を見極め、男は刀を突き出した。
刃は凄まじいまでの剣圧をもって、華奢な身体の少女へと殺到。
月光の中、ツインテールがなびいた。
バック転で後方へと飛びのいてかわし、少女はダガーモードの刀身を収める。
双銃を構え、狙いを定め、引き金を引いた。かちかちかちとトリガー音のみが鳴り響く。
黒いコートの男は猛烈なまでの脚力で加速し、「撃ったと仮定する」弾丸を全弾回避。
天上の銀月にも勝るとも劣らぬ、優美な銀の長髪が舞った。
瞬間、広げられた距離はゼロになる。
少女は再び光の銃剣を展開。
男はその瞳を妖艶に輝かせ、必殺の一刀を振り下ろす。
バヨネットが防御。
刹那、少女の手首が引かれた。圧倒的な重量は行き場を失い、男の刀が見事に受け流される。
少女が吼えた。
クロスミラージュの短刀が、男の喉笛を貫かんと、弾丸のごとき俊敏さで突き出される。
同時に、男はいなされた正宗を、渾身の力をもって強引に振り上げる。
それぞれの首筋に、相手の得物が突きつけられ、膠着が訪れた。
一瞬の静寂。両者の瞳が交錯する。
「…及第点といったところか」
男――セフィロスが呟き、剣を腰に収めたことで、攻防は終わりを告げた。
「ありがとうございました」
少女――ティアナが礼で返す。肩で息を切らすその表情は、しかしその言葉とは裏腹に複雑だ。
「以前に俺が教えた技術も、おおむね身についている。後は…」
「セフィロスさん」
セフィロスの言葉を、ティアナが遮った。
妙に落ち着かないような声音。苛立たしげな視線が、彼の瞳を睨みつける。
「今日、こうして訓練をつけてくれたのは嬉しく思います。でも…セフィロスさんの剣には、以前ほどの力が感じられませんでした」
ぴくり、とセフィロスの肩が微かに動く。
注意して見なければ分からないような、微妙な振動だ。それが一層ティアナを苛つかせる。
この人はいつだってそうだ。自分の内心を押さえ込み、よほどのことがない限り、本心を語ってはくれないのだ。
「セフィロスさんの身体が、もう限界が近いってことは、あたしだって分かります…」
彼の剣は弱かった。以前よりもその疾風のごとき剣速は少しだけ遅く、その津波のごとき剣圧は少しだけ弱くなっていた。
それは決して、手を抜いているわけではないということは分かる。
セフィロス自身の身体能力が衰えているのだ。これまで魔力のみだった弱体化が、筋力にさえ進行するほどに。
「そんな風に無理をされても…困ります」
故に、ティアナは厳しくセフィロスを糾弾した。
過度の無茶は、時として取り返しのつかない事態を招く――それは他ならぬ彼女自身が、なのはによって指摘されたこと。
命には賭け時がある――それはその言葉を理解できなかった彼女が、シグナムによって指摘されたこと。
そんな身体で剣を振るな。こんな訓練でその身を削るな。
ティアナは毅然として、セフィロスを見据えていた。

374 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 17:05:32 ID:EJBlRVDf
「…ではお前は、敵が手負いだからといって情けをかけるのか」
しかし、セフィロスは逆に問いかけで返す。
「えっ…」
「お前の気の迷いに気付かないような馬鹿じゃない」
「あ…」
内心を見透かされ、ティアナは言葉に詰まった。
何度か刃を重ねた時、不覚にも、彼女は躊躇ってしまった。
反撃してはセフィロスが怪我をしてしまうかもしれないと思い、受身に回った。非殺傷設定だというのに。
速射しすぎてはセフィロスが避けきれないかもしれないと思い、手を緩めた。実際には撃っていないというのに。
「お前には夢があるんだろう」
セフィロスが尚も問いかける。
彼女の夢は執務官になること。兄から受け継いだ魔法の力を証明するために。そして、その力で多くの人を守るために。
「その迷いで、力も人命も手放すつもりか?」
青く妖しく輝く瞳が、じっとティアナの目を覗き込んだ。
「…すいません…」
ややあって、謝罪の言葉が彼女の口をついた。
「分かればいい」
セフィロスは視線を剥がすと、踵を返して隊舎の方へと歩き出す。白銀の長髪と漆黒のコートが、おぼろげな月明かりの中で舞った。
そして、背中越しに、背後のティアナへと声をかける。
「それに…まだまだお前に情けをかけられるほど、俺は鈍ってはいない」
最後にそれだけを言い残し、セフィロスは宵闇の中へと消えていった。

どの程度歩いた頃だろうか。
気付けば背後にはティアナの姿は見えない。
彼女が隊舎に戻るまでは自分を見つけられない程度に、距離は離れていることだろう。
「…ふぅ…」
一息をついた。
そしてそれを皮切りに、セフィロスの額に汗が滲む。
実際のところ、彼の体力は大幅に減少していた。
まだまだヴィータの全力ぐらいになら応えられる腕力と脚力はある。しかし、問題はスタミナだ。
あの程度動いただけで、こうして汗が出る。自分で抑えきれる程度とはいえ、息切れがする。
無尽蔵の魔力と体力を持ち、獅子奮迅の大立ち回りを演じる最強の英雄には、到底ありえないことだ。
それほどまでに、彼の衰弱は進行していた。
(…恐らく、なのはやフェイトにはもう勝てんな…)
自嘲気味に笑みを漏らす。
随分と弱くなったものだ、と。
かつて古代種セトラを殲滅したジェノバの遺伝子をその身に持ち、神の座さえも欲した男が、今となってはこのざまだ。
あの星の人類を皆殺しにするなど、それこそ絵空事になってしまったかもしれない。
しかしそれにしては、セフィロスはいやに落ち着いて、そして冷ややかに自分を見つめていた。
現状の原因に心当たりがないわけではないのだ。そして、それならば対応策も――
「お疲れ様、セフィロスさん」
思考を中断したのは、もうすっかり見慣れた笑顔だった。

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 17:06:30 ID:W0S/Kwxl
支援

376 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 17:06:39 ID:EJBlRVDf
いつ頃からそこにいたのか。あるいは今こうして考え事をしている間にやって来たのかもしれない。
ともかくも、この神出鬼没なちびだぬきは、セフィロスの目の前で微笑んでいた。
「…気付いていたのか」
セフィロスが尋ねる。
「ん、まぁね」
あっけらかんとした様子で、はやては笑った。
セフィロスがこうして夜に訓練をつけているのは、今日に始まったことではない。
そもそもこれ自体は、新人達の昇級祝いとして始めたものだった。
なのはの意向によって魔導師ランクの昇級試験を受け、スバル、ティアナ、エリオの3人はAAランク、キャロもA-ランクを取得。
それを見たセフィロスが、毎度毎度の気まぐれで、日替わりごとに訓練をつけていたのだ。
最初の日はスバルに。続いてエリオ、キャロ。そして最終日たる今夜はティアナ。
「分かっていて止めなかったのか」
「だって、セフィロスさん止めても聞かへんやろ?」
能天気な返事に、思わずセフィロスは苦笑する。
そもそも彼の衰弱に最も敏感だったのは、医者を除いては彼女だったはずだ。
実際に倒れたところを最初に目撃したわけだし、彼の症状もシャマル経由で逐一聞かされている。
だからそれ以降はセフィロスを直接戦闘の任務からは外しているし、
飲酒などの身体に悪い行為も禁止していた。これのおかげで、未だに「JS事件後に飲み会を開く」という約束は果たされていない。
「それに、貴重な部下との交流を邪魔してもあかんやん」
言いながら、はやては手近なベンチを勧める。素直に従い、セフィロスもそこに座った。
実際、彼が六課の面々と積極的に関わることはあまりない。
アースラ乗艦中の訓練もシグナムに呼ばれたから参加したものだし、プロポーズ大作戦もはやてに巻き込まれたものだ。
こうして自分から誰かを誘うというのは珍しいことで、はやてからすれば、「いい傾向」というものだった。
「…にしても、セフィロスさんが来てから色々あったねぇ…」
そんな思考の中で、はやては「これまで」を思い出し、感慨深げに呟く。
「JS事件終わってすぐに模擬戦やって、新人4人をボコボコにしたりとか」
「あの時は連中油断しすぎだったな」
「病み上がりで魔法も使えないのになんでこない強いんやー、って感じの顔しとったねぇ」
その時の表情はさぞ愉快なものだったのだろう。思い出して、はやては噴出していた。
「後は、視察に来たクロノ君に叱られたりとか」
「石鹸の無駄使いをするぐらいだったら髪を切れ、というやつか」
呆れたように呟き、セフィロスがため息をつく。
実際は、髪を洗うのにシャンプーやリンスを1本丸々使う彼自身が悪いのだが、こういう指摘はもはや学校の生徒指導のようだ。
口うるさい風紀委員長のクロノ…割と似合うかもしれない。
「麻雀で私らにボロ負けしたこともあったねぇ」
「やったことのないゲームがそう簡単にできると思うな」
ニヤニヤと笑うはやてに対し、どこかむっとしたような語調でセフィロスが返す。
よく考えてみれば、経験のない麻雀はともかく、彼は単純な実力差でザフィーラとの将棋にしょっちゅう負けている。
完全無欠に見えるセフィロスだったが、実はゲームには弱いのかもしれない。

377 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 17:07:47 ID:EJBlRVDf
「…ああ、せや」
そこで、思い出したようにはやてが口を開いた。
「セフィロスさん、この六課の運営が終わったらどないするの?」
そして問いかける。
次元漂流者たるセフィロスには、当然ミッドに帰る場所がない。隊舎の寮の部屋が自宅みたいなものだ。
彼のいた世界が見つかれば、そんなものはどうでもよくなるのだが、それまでの間は不便するだろう。
「…どうだかな…」
しかし、セフィロスは特にそういうことを考えていたわけでもない。
きっとこの身体は、六課の運営が終了するまではもたない――どこかでそう思っていたからだ。
「せやったら、私らのところに来ぇへん?」
「…お前の家にか?」
はやてからかけられた予想外の言葉。さしものセフィロスも、僅かに目を丸くした。
彼女がヴォルケンリッターを家族としていることも、あのアギトとかいう融合騎をそこに加えることになったことも知っている。
だからといって、何故自分までもがそこに加わることになるのだろうか。
まったくもって、セフィロスには理解できなかった。
「ほら、セフィロスさんって色々頼りになるし…でも、どっかで見とって危なっかしいやん」
「どっちなんだ」
危なっかしい、という言葉に若干憮然とし、セフィロスが仏頂面を浮かべる。
どいつもこいつも自分を何だと思っているのだ。高々十代の小娘達に心配されるのを容認するほど、彼のプライドは弱くなかった。
「あはは…でも、多分そういうのが、『家族』ってもんなんやって思うんよ」
だからこの話を持ちかけたのだ、とはやては言った。
一緒にいるということは、その人間の長所と短所がはっきりと分かるようになるということだ。
頼もしい長所が見えてきたかと思えば、放っておけない短所もまた浮き彫りになってくる。
要するに、それが「親近感」というものなのだ。少なくともはやてはそう思っていた。
そしてだからこそ、その親近感を覚えた身寄りのない人間――セフィロスを、家族として迎え入れることを決めた。
「年齢的に私のお義兄ちゃんになるんかね? …あ、でも先約のシグナム達から見たら、弟かもなぁ」
外見年齢上は最年長になるであろうセフィロスが、年少のヴィータやリインから弟扱いされる。
そんなシュールな光景を思い浮かべ、はやてはさぞ面白そうな笑みを浮かべた。
「…家族、か…」
そして、セフィロスがぽつりと呟く。
言うまでもなく、彼に家族はいない。
どのようにして育てられてきたのかを裏付ける詳細な資料はないが、少なくとも両親と共に暮らすことはなかった。
ジェノバの母は遥か千年前に死に絶え、人間としての親の顔すら見たことはない。
帰る場所のない孤独。
それをセフィロスはよく知っていた。だからこそ、今の状況がどれだけ恵まれているかがよく分かる。
帰る場所がある幸福が。
「…そうだな…新居探しに困った時にでも、考えることにする」
言いながら、セフィロスは立ち上がる。
「あらら、残念」
「あいにくと、俺に物乞いの趣味はないんでな」
皮肉げに笑うと、そのままその場を後にし、再び隊舎に向かって歩いていった。
そしてその大きな背中を、はやてはしばし笑顔で見送っていた。
受け入れこそしなかったものの、頑として断るということをしなかった、その背中を。

378 :一尉:2008/03/11(火) 17:08:06 ID:o1xxpeUg
ふふつGP01おもしろすきるやんな。支援しませつ。

379 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 17:08:54 ID:EJBlRVDf
しばらくの後、ようやくセフィロスの視界に隊舎の入り口が飛び込んできた。
今夜は色々あったが、これでまた1日が終了だ。
そのまま歩いていき、その中へと入ろうとする。
そして、彼がそこに立っている存在に気付いたのは、ちょうどこの時だった。
「ようやく帰ったか」
今となってはよく耳になじんだ、低い男の声。
若い女性の多い六課の中では、目立つのだか目立たないのだかよく分からない、犬耳と尻尾を持った男。
「ああ…ザフィーラか」
人間の姿をとった守護獣が、そこで彼の帰りを待っていた。
「身体の調子はどうだ?」
「鈍くなったな。体力もあまりもたないようになった」
ザフィーラの問いかけに、セフィロスは素直に答える。
基本的に彼はザフィーラには、普段から割合多くのことを喋っていた。それに対する余計な詮索をしないからだ。
だが、それを差し引いても、この日のセフィロスは若干おしゃべりだったかもしれない。
「そう長くはもたんな…」
最後にそう付け足したから。
この日の彼は、ティアナといいはやてといい、普段よりは割とよく誰かと口を利いていた。
だからこそそれにつられて、胸の内に抑えていた最後の一言を、ぽつりと漏らしてしまったのかもしれない。
「縁起でもないことを言うものだな」
それを意外に思ってか、ザフィーラが言った。
セフィロスはいつだって強気だ。己の実力に見合った、絶対の自信と尊厳を持っている。
そんな彼が、一種弱音とも取れる言葉を吐いたのは、さぞ意外だったに違いない。
「いや、ここまでだ。…この身体の役目はな」
それに対し、頭上に広がる夜空を見上げて、セフィロスは呟く。どこか遠くを見て、意味深な響きをもって。
それが合図と言わんばかりに、両者の口が閉じられた。
静寂。晩秋に入ったこの時期には、音を鳴らす虫さえもそう多くない。
かさかさと鳴る草の音が、より一層静けさを引き立てるほどに、その場の空気は静かだった。
「ならばその役目が終わる前に、私の頼みを聞いてはくれないか?」
そして、その沈黙を破ったのはザフィーラだった。
星空に向けられた視線を剥がし、セフィロスがそちらを向く。視界に入ったザフィーラは――両の拳を構えていた。
「…そういえば、まだお前とはやっていなかったな」
にやり、と。
セフィロスの口元が歪む。
ザフィーラの構えに応えるように、彼の手が腰の正宗にかけられ――
――両者は激突した。
互いの脚が疾駆する。さながら雷光のごとき速度で距離が詰められ、鋼と鋼がぶつかり合い、火花を散らす。
剣と小手が、それぞれに強烈なまでの威力を携え、真っ向から衝突した。
完全に両者の攻撃は拮抗し、一瞬の沈黙を生む。
そして、それぞれの得物を挟んで、2人の男が不敵に笑った。

この2週間後、セフィロスは身体の急激な衰弱の結果、聖王病院に入院することになる。
これは記録には残らなかった、機動六課前線フォワード部隊ソルジャー1・セフィロスの、最後の剣。

380 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 17:11:20 ID:EJBlRVDf
投下終了。そして早速ミスorz
「命には賭け時がある――それはその言葉を理解できなかった彼女が、シグナムによって指摘されたこと。」
この文が余分だったようです。そういや片翼ではシグナムパンチやってないやん…orz

これで最終話までの空白を描いた「アンソロジー」シリーズは終了です。
あとはディードを語る上で必要な話が1つあったりするのですが…
ひとまずここで一区切りとして、シャイニングの再開と、リリカル殺生丸の連載開始としたいと思います

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 17:28:55 ID:4khK0GUd
アンソロ(笑)


382 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/11(火) 17:32:25 ID:Y1qlNoID
>>381
文句はFF7に言えぃ!(ぇ

何となくFF7風のネーミング(クライシスコアだのダージュオブなんたらだの)を狙ってというのと、
それこそよくあるコミックアンソロ風の中身の外伝集ということでつけた名前です、ハイ

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 18:03:43 ID:TOhG2+8/
GJ!
シャイニング&殺生丸楽しみにしてます。
あと、密かにルルーシュにも期待してますよ

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 18:10:32 ID:+Cf2BRjG
GJ!
自分もルルに期待。隠密裏に(ばれてる)

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 18:17:46 ID:gLdPdKtQ
>>349
えと、まず始めにGJ!

そして読んでて思ったのですが、最終決戦のときにオンジの精神て完全に猫と同化してませんでしたっけ?

あぁ、ゴウのこの先が楽しみだ。やっぱ熊狩りってあるんですか?
続きが待ち遠しい

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 18:44:46 ID:wc/wJuoC
>>380
GJ!
セフィロスが八神家に行くのも見てみたかった……。

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 19:14:04 ID:lluUtZlg
GJです!そして大いなる勘違いをしてしまった俺。
…そうだよな、ダガーモードってことは銃剣だから間違ってはいないんだよな。

388 :旅ゆく人:2008/03/11(火) 19:18:39 ID:ifOd3gky
今晩わー。そして、私は今晩から夜勤なので、
もうすぐ出勤なのラー。
でも、――亀だが、返事をさせていただきたく、罷り越した次第。
しばし、お付き合い願いたく。

>>342
> 氏の作品が、なのはの核心を突いていると思うのは俺だけだろうか。

どうでしょうね。私はたまたま、別の視点で書いてみた結果だと思いますが。
まあ、人それぞれの作品に対する思いというのもありますから、
そう思われるのも良いでしょう。
私は、あまり人の考えを縛りたくない人間ですので、
感想は、読まれた方々の感性に、お任せいたします。
しかし、……そこまで持ち上げられると、私ゃ、調子に乗っちゃいますぜw


さて、そろそろ準備しますか、ほな ノシ

389 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 19:27:55 ID:9BIdGGkh
9時ごろに逆襲のフェイトのチャプター9の投下を予約したいのですが、いいですか?

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:16:41 ID:JEB0Qcas
予約はない。支援

391 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 20:17:02 ID:b4qbYZ07
>反目氏
本編が終了してなお、セフィロスの勇姿が見れるとは思いませんでした。
けど……ラストが分かってるから、切ないなぁ(涙
こういう、もう末路が決定してるキャラの外伝って弱いんですよね。でも、個人的にティアナとの絡みが見れて満足w
この間アドベントチルドレンをレンタルして久しぶりに見た後、SS読んで二度おいしい。
これだからこのスレはやめられない。

392 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 20:22:52 ID:b4qbYZ07
9時ごろ投下があるようなので、その間に一つこのスレ見てる人に尋ねたいことがあります。
スタイリッシュの九話が完成したんですけど、問題が一つ。
時間掛けすぎたせいか、メチャ長い(汗
容量約50KBで投下数は30になりそうです。
ここまで長いと、さすがに荒らしみたいなもんじゃないかなぁと割りと真剣に悩んでおります。
20ぐらいで切ることは出来るのですが、ストーリー的にDMCサイドの要素が後半まで出てこないので、それだけだと完全にリリなの本編をなぞるだけの内容になってしまいます。
でも、スレを食いつぶすようなことはしたくないので、皆さんの意見を聞きたいです。
レス30は許容範囲でしょうか?

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:26:33 ID:Fy+wKnxg
>>392
いや、おkでしょwww
と個人的には思います

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:26:46 ID:epnRPI4L
全力でOKさ!!
むしろ来て下さい!!

395 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:27:42 ID:vxgW/nwj
全力で支援するよ!!

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:28:25 ID:yrxpeNZA
桶だよ!

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:28:36 ID:pXWdFJSY
それはおkでしょう。楽しみにしてます。

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:30:06 ID:JEB0Qcas
>>392
自分はちょっと多いような気がします。
一気には見たいのですが、全開の旅行く人氏は約15レスづつ分けての投下でしたし
途中でさるさんにひっかかってしまうかもしれません。
やはり分割して少し間をとられては。

399 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 20:30:51 ID:b4qbYZ07
ちょwww十五分後くらいにもう一度覗く予定だったのに反応ハヤスwww
覚 悟 完 了!
今後の反応にもよりますが、ならば30全部投下予定ということで。
X氏の40分後くらいに投下予約させていただきます。

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:31:03 ID:+2Gt89y5
当然於懸だぜぃ♪
投稿支援だぜぃ♪

401 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:34:55 ID:epnRPI4L
……みんなもちつつ、つつうけええ!(お前が落ち着け)

これは夢に違いない! 悪魔が見せた幻影さ!
スタイリッシュ氏の30レスにも及ぶスーパーティアナタイムが見られるなんて夢、幻さ!
もはや全力で支援し続けて、ついでに支援して、もうワクワクテカテカするしかないじゃないかw


402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:36:18 ID:By6H/rly
Stylish氏キター!

さて頑張るか。自作と支援を。

403 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 20:39:27 ID:b4qbYZ07
>>398
スレのマナー的に許されるかな? という意味でした。
長さが長さなので、規制自体は半分くらい覚悟してます。食らったら大人しく避難所へ回りますので、止まってもスルーしてください。
お気遣いありがとうございます。

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:42:16 ID:ThjWJEdw
宜候ォーッ、
発着艦配置準備よぉーい
駆逐艦、トンボ釣り準備よォーしッ

405 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:43:38 ID:nUrHqEE5
>>392
支援!

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 20:47:12 ID:vUujbSyA
Stylish氏がようやくキターーーー!!
面接ミスった俺のハートを癒してくれ!!

407 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:00:23 ID:9BIdGGkh
皆さんはStylishさんの投下を快く待ってるようですが、その前に俺の投下が入ります。どうぞ。

 数時間後、機動六課の作戦は開始される。機動六課の面々は兵士達を引き付ける囮役、「クラウディア」に残る武装局員達をクロノが引き連れて、
 「時の庭園」内部に侵入し、内部から二つに割って、その後は割れた二つを次元航行空間からどこか安全な世界に出して、アルカンシェルで破壊する。
 この作戦は、いかに囮役がうまく敵を引き付けられるかにかかっている。

「皆、気合いれていくよ!」
『はい!』

 機動六課の面々はなのはを先頭にして、テスタロッサ軍に突っ込んでいく。
 テスタロッサ軍の兵士達は先ほどの質量兵器の武装をした者と、武装局員の格好とあまり変わらない者の両方が混じっている。
 その二つの姿を見て、ヴィータは考えてる事を口にこぼす。

「あの武装、そんなに多くねえのか?」
「だが、どちらにせよ油断はしない事だ。相手ももう後は無いはずだからな……」
「わかってるよ!」

 シグナムに注意されるのをヴィータは怒る。なのははその様子を見てくすりと笑う。

「な、何だよ!? なのは!」
「ご、ごめんね。でもシグナムさんの言う通り油断は出来ない。ここはやっぱり二手に分かれよう」

 なのはの言葉に全員賛成し、質量武装が多い方はなのは、ヴィータ、スバル、
 魔法武装が多い方ははやて(+リインフォースU)、シグナム(+アギト)、エリオ、キャロに分かれた。
 テスタロッサ軍の兵士はそれに怯むことなく攻撃をするが、なのは達の巧みなコンビネーションにより、次々に破れていく。
 その様子を「スクーデリア」のモニターで見ていたフェイトが、サオトメとシキジマに伝える。

「博士、トーレとセッテを出してください」
「いいのかね? 二人を出して……」
「もう謹慎の数時間は経ってます。構いません。それと、二人に新しい武装を……」
「それならもう渡してある」

 その事を聞いて、サオトメとシキジマの行動の早さに感服するフェイトである。

「ありがとうございます。トーレ、セッテ」
『何でございましょうか? フェイトお嬢様』
「念を押すように言うけど、決して人を殺さないようにね。それとなのはは……」

 フェイトが最後まで言い終わらない内に、トーレとセッテは答える。

「わかってますよ、フェイトお嬢様」
「今度はあのような真似はしません」
「……、そうですか。では出撃してください」
『かしこまりました』

 トーレとセッテは「スクーデリア」のカタパルトから出撃し、戦場へと赴く。
 サオトメとシキジマが渡した武装は、それぞれ二人の武器を強化したものだが、並みのものではない。
 トーレにはインパルスブレードを改良したショックブレード、セッテにはブーメランブレードを改良したブーメランスラッシュを渡した。
 ショックブレードは切れ味はもちろん、ショックブレード自体にパワーが込められていて、トーレのパワーが相手に負けていてもブレードがそれをカバーしてくれるもの。
 必要であれば、バルディッシュザンバーのように刃を大きくすることも可能である。
 ブーメランスラッシュはショックブレードと同様に、自身にパワーがある上にスラッシュ自身の耐久力が、並みの戦闘ロボットクラス以上のものである。
 それに加えて、セッテのISスローターアームズでブーメランスラッシュを投げるが、セッテの手元に戻る時に5センチほどだが、本体から見えない刃が伸びる。
 しかし、ショックブレードとブーメランスラッシュの両方ともフェイトの意見により、最初っから殺傷設定をつけていない。二人はその事を理解している。

「セッテ、わかってるな」
「はい……。すべてはフェイトお嬢様のために……」


408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:00:28 ID:Y1qlNoID
OK、待ってますぜ!
…と、思ったのですが…

…携帯から30レスも見れるかぁぁぁぁーいっ!

明日…明日必ず読ませていただきますから…ね…?

409 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:01:37 ID:9BIdGGkh
 トーレとセッテは、ひとまずは二手に分かれる。トーレは魔法武装兵のところに、セッテは質量武装兵のもとに行く。
 トーレは、はやて、シグナム、エリオ、キャロと戦う。トーレのISライドインパルスに対応できるのは4人の中ではエリオくらいである。
 エリオはソニックムーブを使って、トーレのライドインパルスに対抗するが、戦闘技術などはトーレの方が上である。
 エリオは徐々に押されていき、シグナムがアギトと融合して火龍一閃を繰り出そうとし、エリオに念話を送る。

「エリオ、急いでそいつから離れろ!」
「わかりました」

 エリオはシグナムの通信を聞いて、急いでトーレの元を離れようとするが、トーレはなかなか引き離してはくれない。

「何かを企んでいるようだからな……。簡単には振り切らせんぞ……」

 トーレがエリオに逃げられないように、エリオを追うと横からはやてとキャロがエリオを助けようと攻撃する。

「ブースト、アップ!」
「蒐集行為、プラズマランサー!」

 はやてはキャロのブーストでパワーアップした、プラズマランサーをトーレではなく、エリオに向けて放つ。
 エリオはうまくそれをかわして、プラズマランサーはトーレにぶつかる。
 トーレは何とかショックブレードで消し落とし、煙が晴れると目の前には、アギトと融合したシグナムの姿がある。

『火龍、一閃!』

 シグナムの手からは大きな炎の刃が現れ、トーレを襲うが、トーレはかわすのではなく、ショックブレードの刃を大きくして、火龍一閃の刃を叩き切る。

『何!?』

 シグナムとアギトは驚きを隠せない。火龍一閃を刀で叩き切ったことを驚く。
 トーレは頃合いだと判断して、4人の前から立ち去る。
 その立ち去る姿を見て、4人(正確には6人)はその場で息をつくが、悔しがる。

「敵わんかった……」
「あんなに強いだなんて……」
「あたしが知ってる以上だ」
「あいつらも相当の鍛錬をしていたようだな」
『フェイトさん……』


 なのは、ヴィータ、スバルがいるほうでは、セッテが三人と戦っている。

「こいつ、思ったより速いようだが、速いだけじゃ勝てねえぞ」

 ヴィータがグラーフアイゼンのギガントフォルムを発動させて、セッテにぶつけようとする。
 セッテはブーメランスラッシュでそれを防ぎ、グラーフアイゼンをいとも簡単に粉々に砕く。

「嘘だろ……」

 ヴィータはグラーフアイゼンがいとも簡単に砕かれた事に驚く。
 スバルがそれを見て、次は自分だと思い、振動拳をセッテに向けて拳を繰り出す。

「はあああああああああ!!」

 スバルの予想通り、セッテはブーメランスラッシュで防ぐ。スバルのIS振動破砕は対人にも有効だが、戦闘機人がまともにくらったら一撃必殺のもの。それは武器でも同じである。
 スバルはブーメランスラッシュも、振動破砕で壊れるものかと思ったが、その考えは甘かった。

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:02:02 ID:hOZxNagI
何だって30だと 来るのか魔帝だろうが サンクトゥス教皇だろうが俺は怖くないぜ。
1の解体新書を105円で買えた俺の心はさらにウハウハだぜ。

411 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:02:25 ID:9BIdGGkh
 ブーメランスラッシュは、フェイトがサオトメとシキジマに頼み込んで振動破砕でも壊れない特殊な作りになっている。
 それゆえに振動拳でブーメランスラッシュを破壊する事は不可能なのだが、スバルは諦めずに振動拳をブーメランスラッシュに当て続ける。
 セッテはスバルを突き放そうと考え、足をスバルの体の前に出し、スバルがそれを避けようと一時セッテとの距離を置くのをセッテはタイミングを逃さず、
 ブーメランスラッシュ二つをISで投げる。スバルはそれをかわすが、戻ってきたブーメランスラッシュの見えない刃に気付かず、体に当たる。
 非殺傷のため、刃で体が斬れることはないが、斬られたような痛みと打撲が残る。スバルはその痛みに思わず悲鳴をあげる。

「ああああああああああ!!」
「スバル!!」

 スバルの悲鳴になのはが反応して、セッテを攻撃しようとすると、セッテはすぐになのは達の前から去る。
 なのはは追おうとすると、はやてから通信が入り、トーレとセッテは何か考えがあって後退したのだと考える。

「多分、私を誘ってるのだと思う……」
「え?」
「あの二人は、私とフェイトちゃんを戦わせる前に自分達で決着をつけようと考えてるのだと思うの……」

 なのはの考えを聞いたはやてが、なのはを止めようとする。

「だったら私らも一緒に……」
「ううん、私一人で行くよ。今のあの二人とフェイトちゃんに勝てるのはきっと「シャイニングフレーム」を持ってる私だけだから……。
それにはやてちゃん達はクロノ君達の援護に行って……」
「なのはちゃん」
『なのはさん』
『なのは』

 皆がなのは一人で行かせる気がないが、なのはは皆の制止を無視して行く。

「皆、頼んだよ!」

 なのはは一人で、トーレとセッテの後を追う。そして来るべきフェイトとの決戦のために……。


412 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:03:48 ID:9BIdGGkh
投下完了。今回も少し短めで次回も短めです。
そしてこちらもStylishさんの支援に入ります。

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:05:11 ID:M1X4Fay8
知らないクロスばっかり
知ってると思ったら仮面ライダーのキャラを利用したオリキャラだった

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:07:08 ID:hOZxNagI
投下の前にケルベロスとバジリスクとシャドウと戯れるとするぜ。

415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:07:31 ID:A/eYBIZQ
>>413
なら、これを機会にDMCをやるんだ。1〜4まであるから、お勧めする。


416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:08:09 ID:6T0MDAaK
>>413
飲もうか・・・

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:10:08 ID:nUrHqEE5
>>413
3なんかは安く売ってるよ

418 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:22:59 ID:hOZxNagI
そういえばdmc4のラスボスの神と聖王のゆりかごの起動方法って同じだよな?

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:24:14 ID:Hxyj2p2E
あの手の起動方法は昔からありふれてるネタだ。

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:26:48 ID:A/eYBIZQ
あの動かし方は王道って言うんだZE☆

まあ、少女をいけにえにーってのは、それこそ神話時代からのお約束だしな

421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:26:49 ID:+Cf2BRjG
まあまあ気持ちはわかるが雑談はウロスだぜブラザー。


422 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 21:32:15 ID:b4qbYZ07
やれやれ、どいつもこいつも悪魔狩人だぜw
そして、40分に投下を叩き込むと宣言するぜ。

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:36:11 ID:A/eYBIZQ
さぁ、イカれたパーティーの始まりだ!

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:37:06 ID:hOZxNagI
ショウタイムだぜ。


425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:39:55 ID:hOZxNagI
ベルゼバブが食事して待ってるぜ

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:40:04 ID:Z1duVx4R
Slow down babe?
支援の時間だぜ?

427 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 21:40:08 ID:b4qbYZ07
ほかのDMCクロス見ると、皆ダンテが大活躍で楽しそう。ウラヤマシス…
今しばらく機動六課サイドでお楽しみください。
今回は異色に挑戦。スーパーフリード&クロスミラージュタイムさ!
いきます。

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:40:52 ID:epnRPI4L
ここから先はR指定だ。
お子様は素敵な時間に指をしゃぶってお休みだ!
大人はここから笑い声を上げて、参加しろ。

さあ、支援の――時間だっ!

429 :魔法少女リリカルなのはStylish(1/30):2008/03/11(火) 21:41:16 ID:b4qbYZ07
『問題の貨物車両、速度70を維持!』
『ガジェット反応!? 空から……!』
『航空型、現地観測体を捕捉! 進路は目標、リニアレールです!』

 司令部からの情報が矢継ぎ早に伝えられる。
 サーチャーが捉えた情報は、想定通り敵の増援を知らせるものだった。
 数も多い。フェイトとなのは、空戦能力を持つ隊長陣がそれらの対処に割かれる形となってしまった。

「じゃ、ちょっと出てくるけど……」

 輸送ヘリの後部ハッチが開き、広がる遠い地上と激しい風がカーゴに渦巻く中、なのははまるでちょっと散歩に出て行くようなリラックスした口調でルーキー達に言った。
 初の実戦に緊張を隠せないスバルやエリオ、キャロを意識した笑みを浮かべたが、その傍らで普段通りの視線を向けるティアナの様子に苦笑へと変わる。
 何かを確認するように小さく頷き、その意図を受け止めるようにティアナもまた頷くと、なのはの最後の不安は消え去った。

「皆も頑張って。ズバッっとやっつけちゃおう?」
「「はい!」」

 頼もしい四つの返事が一つになった。
 なのははキャロを一瞥する。

「―――エリオは、キャロのフォローお願いね。無理だと感じたら、すぐに二人で後方へ退いて」
「あ、はい」
「大丈夫です!」

 気遣うようななのはとエリオの視線を振り切るように、キャロの少々気負った声が響いた。
 戦意が漲っているのはいいことだが、気持ちが先行すると引き際を誤る。なのははそれを実感で熟知していた。

「うん、緊張で落ち込んでるよりはいい返事だよ。でも、現場での指示は厳守。リーダーの判断には絶対に従ってね」
「……はい、分かりました」
「ティアナ、現場でのリーダーは任せるよ。エリオは判断に迷ったら、ティアナの指示を仰いで」
「はい!」
「了解」

 なのははこれまでの訓練から、ティアナの冷静な状況判断能力を買っていた。他の三人もそれに全く異論はない。
 重大な責任を与えられたティアナはやはり普段通りの淡々とした口調で、しかし期待に応えるように強い意志を宿した言葉をなのはに返した。
 最後になのはは四人の顔を一度だけ見回し、緊張と覇気に満ちた表情にこれ以上掛ける言葉は必要ないと悟ると、満足げな笑みを浮かべて降下口へ足を掛けた。

「―――高町隊長」
「うん?」

 任務中の呼び名にも相変わらず壁を感じるティアナの声に、なのはは肩越しに振り返る。

「幸運を」
「ありがとう。皆にも」

430 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:41:41 ID:9BIdGGkh
支援

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:41:56 ID:+Cf2BRjG
さて――王女様を書きつつ支援だぜ?
準備はいいか?俺はできてる。

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:42:04 ID:vxgW/nwj
さぁ諸君、支援の時間だ!

433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:42:05 ID:Fu6Yzet8
スタイリッシュに支援をするぜ

434 :魔法少女リリカルなのはStylish(2/30):2008/03/11(火) 21:42:12 ID:b4qbYZ07
 航空部隊での礼節的な言葉だったが、そこに込められたティアナの偽りのない想いを感じ取り、なのはは喜びと奇妙なこそばゆさを感じながら敬礼を返した。
 そして、高町なのはは大空へと飛び出す。
 耳音で唸る風の音に、地面から解き放たれた三次元の自由と不安を全身で感じながら、自らの相棒に告げた。


「<レイジングハート>! セット、アップ―――!!」


 光が瞬く。
 四人の雛鳥が未だ憧れて見上げるだけの領域へ、エースは飛翔した。





魔法少女リリカルなのはStylish
 第九話『Rodeo Train』





「任務は二つ」

 緊急出動の為、現場へ向かう航路の最中でリインはティアナ達に任務概要を説明していく。
 普段はマスコットよろしく愛らしい雰囲気を醸し出すリインも、今は仕事の顔だった。

「ガジェットを逃走させずに全機破壊する事。そして、レリックを安全に確保する事。
 ですから、<スターズ分隊>と<ライトニング分隊> 二人ずつのコンビでガジェットを破壊しながら、車両前後から中央に向かうです」

 表示されたモニターの図解によれば、レリックは車両の丁度真ん中に位置する七両目に保管されているとのことだった。
 複雑な地形や場所での戦闘ではないが、車両の外部も内部も合わせて限定空間となっている為、万が一の場合でも敵からの退避は難しい。
 戦力同士の純粋な正面対決と言えた。

「わたしも現場に降りて、管制を担当するです。ただし、戦闘指示に関してはティアナに一任するですよ。何か質問は?」

 現状把握と実戦での緊張を抑えるのに一杯一杯な三人と比べて随分冷静なティアナが早速口を開いた。

「リニアレールの停止は可能ですか?」
「遠隔操作では何度もやってみましたが受け付けません。完全にコントロールを奪われてます」
「なら、直接操作した場合は?」
「可能性はあります。わたしが担当しましょう、コントロールの中枢は左右の末端車両です」
「了解。では、リイン曹長はスターズ分隊への同行をお願いします。降下と同時に、まずは車両の制御奪取を」
「了解です!」

 そして、矢継ぎ早に交わされる会話に、なんとかついていった残りの三人へティアナが視線を移す。

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:42:36 ID:epnRPI4L
支援、支援、支援。
くそったれ! いくつあっても支援の数が足りないぜ!
ここから先は戦場だ!!!

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:42:48 ID:RCuhvMMR
スーパーディアナタイム支援

437 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:43:06 ID:9BIdGGkh
支援

438 :魔法少女リリカルなのはStylish(3/30):2008/03/11(火) 21:43:08 ID:b4qbYZ07
「というわけで、あたしとスバルのスターズ分隊はまずコントロールの奪還に回るわ。エリオとキャロのライトニング分隊はそのままレリック奪還とガジェット殲滅に集中して」
「了解っ!」
「了解!」
「了解しました!」

 それぞれの特色を持つ返答が響く。実戦という何もかもが初めての状況で、そのやりとりだけは淀みなく行われた。
 それは訓練で何度も繰り返した流れだからだ。
 そうだ、全ては訓練通り。恐れることはない。ここには未知のものばかりではなく、築き上げたチームワークや頼れる仲間達が、いつものように存在するのだから。
 四人の心に、共通して繋がる何かが蘇る。
 そしてそれは、驚くほど緊張や不安を心から消し去ってくれた。

『隊長さん達が空を抑えてくれているおかげで、安全無事に降下ポイントに到着だ―――準備はいいか!?』

 パイロットのヴァイスが作戦発動の秒読みを告げる。
 まず最初に降下するティアナとスバルがカーゴハッチに身を乗り出した。

「……やっぱり、ティアはそっちのデバイスを使うの?」

 自らの首に掛けられた待機モードのマッハキャリバーとは違い、普段通りのアンカーガンを両手に携えたティアナを見てスバルは不満そうな表情を浮かべる。
 見慣れた銃身の下部には、バリアジャケットを構成する為の急ごしらえのオプションがレーザーサイトのように取り付けられていた。

「ぶっつけ本番って好きじゃないのよね」
「折角の新型なのに……使ってみたいと思わない?」
「好みより実効制圧力の方が重要だわ。別に信用してないわけじゃないけど、こっちなら安定性は確かだしね」

 窮地での大胆さは兄貴分譲りだが、平常時での判断には地の性格が大きく出ていた。元々ティアナは理詰めの人間なのだ。
 本音としてはティアナの新デバイス自体に興味のあるスバルが渋々納得する中、ティアナは使い慣れたアンカーガンを一瞥して小さく呟く。

「それに、ずっとコイツと一緒に戦ってきたんだしね。あっさりと乗り換えなんて出来ないわよ……」

 理屈以外の想いが篭ったその言葉は、風にかき消されて誰にも届かなかった。
 もちろん、聞こえたら困る。
 淡白な態度とは裏腹な想い入れの強さを知られたら、またスバルがからかったり喜んだりするに決まっているのだ。
 ティアナは思考を戦闘モードに切り替え、スバルに視線を向け直した。

「ところで、あんたこそソレ持ってく気なの? 使わないって言ってるでしょ」
「うーん、でもひょっとしたら使うかもしれないじゃない?」

 スバルはクロスミラージュの収納された防護ケースを背負っていた。
 ベルトでしっかりと固定され、重さも大きさも行動の邪魔になるほどではないが、既にアンカーガンがある以上使う可能性はほとんどない。

439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:43:31 ID:hOZxNagI
ノーバディも踊って支援してくれるぜ

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:43:38 ID:GNGUreZy
悪魔狩人支援

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:43:47 ID:+Cf2BRjG
驚くほど世界は支援に満ちている支援

442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:43:48 ID:nUrHqEE5
wktkするぜ!
Let's shien!

443 :魔法少女リリカルなのはStylish(4/30):2008/03/11(火) 21:43:56 ID:b4qbYZ07
「それに初の実戦なんだしさ。こっちの方が性能がいいのは確かなんだし、頑張ってくれたシャリオさんにも悪いし」
「……好きにすれば?」
「うん! 必要になったら言ってね」

 スバルの言い分に、ティアナは素っ気無く返した。
 感情論や好みだけでなく、それなりに理屈の通った弁が立つからこの娘はやり辛い。内心で苦笑が浮かぶ。
 そして、わずかな緊張感以外普段通りの二人のやりとりが続く中、ヘリはついに走るリニアレールの先端へ降下するのに最適の位置へと到達した。
 互いに意識せず同時に、ティアナとスバルは会話を中止して眼下を睨み据える。
 自分達の、初めての戦場が見えた。

「スターズ3、スバル=ナカジマ!」
「スターズ4、ティアナ=ランスター!」

 一瞬だけ、二人の視線が交差する。そして。

「「行きます!」」

 言葉と意思が同調し、スターズ分隊は大空へと飛び出した。



 空中で二人分のバリアジャケットが展開される発光が瞬く中、ヘリは更に反対側の先端車両へと移動していく。
 エリオとキャロ。
 戦場へ降り立つにはあまりに小さな体が、風の唸るハッチの前へと乗り出された。

「……あの、ルシエさん」

 眼下の戦場を眺め、エリオは傍らの少女が緊張しているであろう様子を伺った。自分と同じように。
 それは不安を共に支え合いたいという弱気と、同時に少し無理をしすぎな感のある少女を支えたいという気持ちもあった。
 しかし、エリオは反応を示さずに眼下を見下ろし続けるキャロの横顔に愕然とすることとなる。

「一緒に降り……」
「ライトニング4、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ」

 囁くような言葉がエリオの気遣いを断ち切った。
 恐れを何処かへ置き忘れてしまったような顔で、キャロが無造作に自らの体を宙に投げ出す。

「―――行きます」

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:44:05 ID:vxgW/nwj
一心不乱の支援を!

445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:44:08 ID:Fu6Yzet8
でびぃめぇいくらぅあい支援

446 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:44:39 ID:9BIdGGkh
皆、全力支援だ!

447 :魔法少女リリカルなのはStylish(5/30):2008/03/11(火) 21:44:46 ID:b4qbYZ07
 そう言って空中へと消えていく少女の横顔に一瞬だけ見えたものを、エリオは現実なのか錯覚なのかしばらく悩む事になる。
 エリオは飛び出したキャロの手を咄嗟に掴みそうになった。
 降下の為の行動の筈なのに、キャロのそれがまるで屋上から身を投げ出す自殺者に等しい雰囲気を纏っていたからだった。
 飛び出す一瞬、キャロは―――小さく笑ってはいなかったか?
 そのまま落ちて死ねば何かから解放される、と。戯れに夢想するような一瞬の表情を。

「……っ、ライトニング3! エリオ=モンディアル、行きます!!」

 エリオは自分でも分からない焦燥に押されて、すぐさま降下に続いた。
 ほんの少し先を落ちてくキャロの背中を見るのが不安で仕方ない。
 彼女は、ひょっとしてこのまま着地の準備もせずに落ち続けるつもりなのではないか? という疑念すら湧いていた。
 その不安を否定するように、エリオの横を小さな影が掠めて行く。
 主の唐突な行動に、一瞬遅れて続いたフリードだった。
 幼い竜は一瞬だけエリオと視線を絡ませると、翼をたたんで落下速度を上げてキャロの傍らに追いついた。
 一瞬だけの視線の交差。
 その中で、エリオは自分の中の不安を嘲笑われたような気がした。
 ―――お前に心配されるまでもなく、そんなことを自分がさせるはずないだろう? と。
 それを錯覚だと思う前に、並んだフリードを一瞥してからキャロが行動を起こした。

「<ケリュケイオン>、セットアップ」

 空中でバリアジャケットが構成される光が瞬き、キャロの身を包み込む。
 これで自分の根拠のない不安はなくなった。そう安堵すると同時に、エリオは僅かな悔しさを感じる。
 一連の流れが、自分とキャロ、フリードとキャロとの関係の差を表しているような気がした。
 モヤモヤとした気持ちを抱えながら、自らもバリアジャケットを纏う。
 キャロが車両の屋根に降り立ち、遅れてエリオが足を着いた。

「―――さあ、行きましょう?」

 肩越しに振り返ったキャロの表情は、既に戦いを前にした引き締まったものへと変わっている。
 飛び出した時の一瞬が、本当に錯覚だったように感じる顔だ。

「う、うん」

 エリオは戸惑いながらも頷いた。
 どちらが彼女の本当の顔なのだろうか?
 だが、いずれにせよ彼女は自分に本当の表情を見せてはくれない―――その確信が、エリオには酷く悔しかった。





448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:45:01 ID:A/eYBIZQ
支援だ。準備は良いか?

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:45:34 ID:Fu6Yzet8
全速前進D☆A☆

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:45:36 ID:epnRPI4L
心を篭めて、支援を銃身に篭めろ。
打った後はキスすることを忘れるな。

魂を篭めて支援をすれば、それは絶対に届く。
規制の壁をぶち抜け! 支援!!

451 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:45:43 ID:9BIdGGkh
エリオ、かわいそう。支援

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:45:48 ID:hOZxNagI
気遣いがあの言葉に見えた俺は逝かれてやがるぜ支援

453 :魔法少女リリカルなのはStylish(5/30):2008/03/11(火) 21:45:57 ID:b4qbYZ07
 そのリニアレールは物資運搬用の車両の為、内部は広く、人を乗せる余分な設備がない。
 内部には複数のガジェットが警戒態勢で待ち構えていた。
 それらに広域をスキャンするレーダーは搭載されていないが、車両に取り付く者があればすぐに迎え撃つようプログラムされている。
 四人のストライカーが車両に降り立てば、ガジェットは迅速に行動を開始するだろう。
 その警戒態勢の最中へ―――。

「どっせいぃぃっ!!」

 車両への着地の過程を省き、屋根をぶち抜いてスバルが突っ込んだ。
 唸りを上げるリボルバーナックルで車両を貫き、新生バリアジャケットに身を包んだスバルがその内部へと降り立つ。
 ほとんど奇襲に近い敵の潜入に、無機質なCPUの判断にも僅かなタイムラグが生まれる。それは人で言うところの<動揺>に等しかった。
 その僅かな間隙を、スバルの背後へ同時に降り立ったティアナが見逃す筈はない。

「ティア!」
「見えてるわよ!」

 既にカートリッジをロードし、オレンジ色の電光を纏った両腕がスバルの肩から砲台のようにヌッと突き出される。

「真ん中だけ残す!」
「了解っ!!」

 僅かなやりとりで十二分な意思の疎通を行い、二人は同時に攻撃を開始した。
 雷鳴のような銃声が響き渡り、アンカーガンから吐き出された高密度の魔力弾がそれぞれの照準の先のガジェットへと殺到する。
 弾丸はAMFを貫いて機体の奥深くに潜り込み、内部を破壊し尽くした。
 二体のガジェットが爆発を起こす中、ローラーブーツに代わる機動デバイス<マッハキャリバー>の加速に乗ってスバルが突進する。

「うぉりゃああああっ!!」

 ローラーブーツを上回る初速で、一瞬にしてインファイトの間合いまで攻め込むと、リボルバーナックルの一撃が抵抗する暇もなくガジェットの機能を奪い去った。
 潜り込んだ右腕をそのままに、内部の部品やコードを鷲掴みにして機体を固定し、ガジェット一体をぶら下げたままスバルは車両内を滑走する。
 最後に残った一体が放つ熱線を、掴んだガジェットを盾にして防ぎ、急接近しながらナックルに魔力を集中させた。

「リボルバー……ッ!」

 マッハキャリバーが主の意思のまま、スバルを疾風へと変える。
 至近距離まで接近して、掬い上げるように右腕を叩き付けると、二体のガジェットが密着したその状態で魔法を解き放った。

「シュート!!」

 アッパーの軌道で放たれた衝撃波が二体のガジェットを貫き、更に屋根まで吹き飛ばして車両に大穴を空けた。
 スバルとティアナが乗り込んだ二両目の敵勢力は、これで全滅したことになる。
 しかし、狭い空間で放たれた高威力の魔法は、敵を破壊するだけに留まらなかった。

454 :魔法少女リリカルなのはStylish(7/30):2008/03/11(火) 21:46:48 ID:b4qbYZ07
「うわわっ!?」
「バカ、スバル!」

 爆風に加え、予想以上の加速に乗っていて十分な制動の掛けられなかったスバルの体は、そのまま吹き飛ばした屋根から外へと投げ出された。
 高速で走るリニアレールの外、空高く舞い上がる。
 不安定な姿勢で移動する足場に再び着地出来るか、保証はない。
 ティアナが舌打ちし、スバルが顔から血の気を引かせる中、誰よりも早く正確にソイツは動いた。

《Wing Road》

 マッハキャリバーがオートで発動させたウイングロードが落下の軌道上に生成され、その上で自らローラーを回転させ、重心をコントロールする。
 慌ててバランスを取ったスバル自身の行動もあり、九死に一生を得る形となった。

『スバル、無事!?』
「なんとか……! マッハキャリバーが助けてくれたおかげだよ」
《Is it safe?》
「うん、もう平気!」

 スバルの安否を確認したティアナが安堵と脱力のため息を吐く。
 正直、肝を冷やした。
 性能が良いことは必ずしも利になることばかりではない。感覚と実際のズレは時にミスを呼ぶ。これだからぶっつけ本番は苦手なのだ。
 ―――とはいえ、自己判断で持ち主を助けるAIの高性能さに感心と興味を抱いたのも事実だった。

「新型、ね……」

 アンカーガンに新しいカートリッジを装填しながら、何とはなしに呟く。
 訓練の成果か、ガジェットのAMFに対してカートリッジ一つ分の魔力で一体を破壊できる割合にはなった。現状の戦力としては十分だろう。
 しかし、先ほどのマッハキャリバーの活躍を見て、どうしても考えてしまう。
 自分にも用意された新型デバイス。あれを使えば、戦力は更に増すのではないのか、と。
 意地張らずに新しいの使えばよかったかな? いやいや、これは意地なんかじゃないぞ。カタログスペックと実績、プロならどっちを選ぶか言うまでもないだろう。
 ティアナは迷いを吹っ切るように、自分に言い聞かせた。

「……でも、コイツ喋らないしなぁ」

 冷静を装いながらも、つい本音が出るティアナだった。
 思い入れが強いからこそ擬人的な要素を求めてしまう。実際のところ、スバルのマッハキャリバーを羨ましく思う原因もそれが主だったりする。
 落胆を滲ませる子供染みた自分の台詞に遅れて気付き、ティアナは僅かに頬を染めた。

「ああっ、もうダメダメ! 任務中に考える事かっての―――スバル!」
『何?』
「そのまま三両目の制圧に向かって! こっちは先頭車両を押さえる! 敵が多かったら、無理せず合流するのよ?」
『オッケー!』

 思考を戦闘モードに切り替え、スバルに指示を出すと、ティアナは馴染んだデバイスを両手に構えて前の車両へと移動を開始した。
 





455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:46:53 ID:A/eYBIZQ
刺激があるから人生は楽しい 支援

456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:46:59 ID:vxgW/nwj
<<やはりティアナは簡単には乗り換えない様だ、それが良い。支援>>

457 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:47:04 ID:Fu6Yzet8
支援が多いので読む事に撤します

458 :魔法少女リリカルなのはStylish(8/30):2008/03/11(火) 21:47:42 ID:b4qbYZ07
「スターズ1、ライトニング1、制空権獲得!」
「ガジェットU型、散開開始!」
「追撃サポートに入ります!」

 二つの戦場をモニターする司令室も、戦闘さながらの慌しさで情報が飛び交っていた。

「―――ごめんな、お待たせ!」

 そこへ、聖王教会の足で慌てて舞い戻ったはやてが駆け込んでくる。
 指揮官不在の間代理指揮を執っていたグリフィスの顔から、ようやく僅かに緊張の色が抜けた瞬間だった。

「八神部隊長!」

 御大将の登場に、待っていたとばかりにグリフィスが名前を呼ぶ。

「……」

 しかし、返って来たのはシカトだった。

「ここまでは、比較的順調です!」
「……」
「……あの、部隊長?」
「……」
「えーと……」

 まるで一時停止のように笑顔のまま、指揮官席を挟んでグリフィスと対峙するはやて。
 何かを求めているような雰囲気は分かるのだが、それが何なのかグリフィスには分からない。
 突然の事態にグリフィスは混乱し、高速で思考を巡らせ―――。

「おかえりなさい、ボス!!」
「待たせたな、皆」

 オペレーターのシャリオの言葉を聞き、はやては唐突に動き出した。
 呆然とするグリフィスを尻目に、指揮官の顔となったはやては腰を降ろして、モニターを鋭く見据える。

「状況はどうや?」
「ここまでは比較的順調です、ボス」

 いや、それ自分言ったし。
 頷いて返すはやての様子を見て、グリフィスは悲しくなった。でも涙は堪えた。

459 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:47:55 ID:9BIdGGkh
さるさんは皆で防ぐ!支援

460 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:48:02 ID:epnRPI4L
いつだって余裕は忘れちゃいけない
笑みを浮かべて、踊ってやれ 支援

461 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:48:04 ID:hOZxNagI
なんだナイトメアのネットに捕まったのか?支援

462 :魔法少女リリカルなのはStylish(9/30):2008/03/11(火) 21:48:34 ID:b4qbYZ07
「ボス! ライトニング3、4が八両目に突入します」
「このまま何事もなければええんやけど……」

 完全にプロの顔つきになったはやての傍らで、グリフィスが勇気を振り絞って声を掛ける。

「あのぉ…………ボス?」
「なんや?」

 今度はあっさりと返事が返ってきた。

「エンカウント! 新型です!!」

 今後何かとワリを喰う真面目な補佐官の苦悩を置き去りに、オペレーターの告げた報告が司令室に緊張を走らせた。





「フリード! <ブラスト・フレア>!」
『キュクルゥゥッ!!』

 フリードの放った火球が崩壊した車両の天井の穴から内部へ飛び込んでいく。
 しかしそれは、ガジェットの持つベルト状のアームに容易く弾き返されてしまった。
 そのアームの出力一つ取っても、既存のガジェットとはパワーが桁違いの新型。
 完全な球状の機体はこれまでの物より肥大化し、その分あらゆる性能が向上されている。

「うぉりゃぁああああっ!!」

 ストラーダの穂先に魔力を集中したエリオの一撃も、AMFではなく純粋な装甲の強度によって遮られた。
 幼いエリオの筋力の低さを差し引いても、防御力は通常のガジェットと比べ物にならない。
 更に、ガジェットはAMFを発動させた。
 奇妙な違和感が波打つように二人のいる空間を走り抜けた後、接近戦を仕掛けていたエリオのストラーダはおろか、車両の上にいるキャロの魔方陣すら解除されてしまう。

「こんな遠くまで……っ!」

 身体的な戦闘力を持たない自分が魔法を失っては、戦力は激減する。
 その事にキャロは戦慄し、遅れてエリオもまた同じ状態であることを思い出した。彼はその状態で敵の傍にいるのだ。
 車両の穴の傍へ駆け寄り、中を覗き込んだキャロが見たものは、予想通り最悪の展開だった。
 魔力光を失い、単なる頑丈な槍と成り果てたストラーダを盾に、エリオが必死で敵の攻撃を防いでいる。
 魔力によって筋力を活性化させる肉体強化までは解除されていないようだが、それでもガジェットの大型アームのパワーの方が上回っていた。

463 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:49:14 ID:A/eYBIZQ
ジャックポット!

464 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:49:29 ID:9BIdGGkh
はやてはボス!支援

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:49:30 ID:epnRPI4L
グリフィスガンバレ
あとはやては多少は自重しろw 支援!

466 :魔法少女リリカルなのはStylish(10/30):2008/03/11(火) 21:49:49 ID:b4qbYZ07
「ダメです、下がってください!」
「だ、大丈夫! 任せて……っ!!」

 キャロの制止の声を、エリオは聞かなかった。
 自分の後ろに、守るべき少女がいることを理解していたのもある。
 だがそれ以上に、少年には意地があった。
 降下の時、手を伸ばそうとした自分を追い抜いて、いつもそう在るように少女の傍へ寄り添った一匹の竜に対して感じていた敗北感があった。
 背後のキャロの自分を案ずる声が聞こえる。
 それは彼女の優しさだ。自分も同じ戦場にいるというのに、他人を案ずる痛いほどの優しさだ。

 ―――悔しいとは思わないか? あの娘は、今の情けない自分を見て不安を感じているんだぞ!

「うぉおおおっ!!」

 感情の高ぶりはエリオに瞬発的な力を与えた。
 二つの力の拮抗は一瞬だけ破られ、エリオがガジェットのアームを押し返す。
 その刹那の空白の間に、ガジェットは攻撃をレーザーに切り替え、エリオもまた瞬時に危機を察知して跳んだ。
 通常の物とは違う、長い連続照射時間を持った熱線が文字通り一本の線のように放たれる。
 それは車両の壁や屋根を容易く焼き切ったが、しかし僅かに勝るエリオのスピードには着いて行けず、彼の居た場所を虚しく薙ぐだけだった。
 敵の巨体を飛び越え、背後の死角へと着地する。
 両足に魔力を集結し、筋肉が引き千切れる程の力を込めてバネのように全身を前に突き出す。

「刺されぇええええええーーーっ!!」

 全身の力を推進剤に使ったストラーダの先端は、その瞬間確かに弾丸となった。
 AMF下において、まさに奇跡とも言えるタイミングで全ての運動エネルギーが一点で合致し、新型ガジェットの強固な装甲に突き刺さった。

「やったっ!」

 思わずエリオが歓声を上げる。
 しかし、それは完全な驕りでしかなかった。

「まだです!」
「え……っ?」

467 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:50:39 ID:vxgW/nwj
各員、支援の手を緩めるな!!

468 :魔法少女リリカルなのはStylish(11/30):2008/03/11(火) 21:50:57 ID:b4qbYZ07
 傍で見ていたキャロだけが冷静だった。
 ストラーダの穂先は確かに装甲を打ち破っていたが、ただ『それだけ』でしかなかったのだ。
 その機能中枢に全くダメージが及んでいないガジェットは、細いアームケーブルを素早く動かし、動きの止まったエリオを捕らえる。
 そもそも、エリオが『背後』だと捉えていた部分が本当に死角であったかすら疑わしい。
 思い込みによる判断ミス。攻撃の手応えを見誤り、それが油断を招いた。
 初の実戦における経験の不足が、最悪の結果を招いてしまったのだ。

「しまった……うぁっ!!」

 ケーブルに締め上げられたエリオを痛ぶるように、ゆっくりと巨大なアームベルトが近づく。

「いけない!」

 キャロが身を乗り出す。
 魔法の使えない小娘が立ち向かったところでどうしようもないのは承知の上だ。
 しかし、自分は違う。
 キャロは自らの呪われた特性を、嫌というほど理解していた。
 <召喚>のスキルとて、転移魔法の系統に連なる魔法には違いない。AMF下で無力化される対象だ。

 ―――だが、あの<悪魔>の力は違う。

 呼び出し、使役する過程は同じであっても、そこに働く力は全く異質なもの。
 奴らにとって、自分は<門>に過ぎない。
 <悪魔>には時も場所も関係なく、奴らはいつでもすぐ傍に潜んでいる。
 それを現界させる為の少しの切欠。目の前の空間をトランプのように裏返す、本当に身近なのに決して不可侵な領域への干渉があればいいのだ。
 他の人には出来ない。
 でも自分には出来る。
 だから、今こそそれをやるのだ。
 その結果、この呪わしい力を彼に見られても。仲間に見られても。そして―――恐れられても。

「戦うんだ……」

 キャロは自らの心に湧く様々な感情を全て黒で塗り潰し、車両内へ繋がる穴の淵に足を掛けた。
 さあ―――戦って、死ね。

「戦うんだ!」

 エリオを救うべく、勢いよく飛び込んだ。
 ―――傍らの、フリードが。

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:50:57 ID:hOZxNagI
エリオ男を見せるのはいいが焦るのはいかんぞ支援

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:51:04 ID:epnRPI4L
過酷な状況に立ち向かえ エリオ!
ただし冷静さと情熱は忘れるな 支援!

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:51:12 ID:vxgW/nwj
グリフィスwwwwwww

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:51:51 ID:A/eYBIZQ
フリィィィド!

473 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:51:58 ID:9BIdGGkh
エリオ、この馬鹿弟子がーーー!支援

474 :魔法少女リリカルなのはStylish(12/30):2008/03/11(火) 21:52:07 ID:b4qbYZ07
「えっ!?」

 突然の行動に呆気に取られるキャロを尻目に、竜は弾丸のように飛翔してガジェットへと襲い掛かった。

『キュァアアアッ!!』

 幼さの残る甲高い鳴き声は、しかしまるで野獣のそれである。
 正しく<雄叫び>を上げて飛来したフリードは、エリオを縛るアームケーブルに喰らい付いて噛み千切った。

「フ、フリード……っ」

 体の痛みを堪え、自由になったエリオは幼い竜を見上げる。
 普段の愛らしさを一切消し去った野生の眼光が、鋭く見下ろしていた。
 そこには本能があった。戦う為の獰猛な高ぶりが。
 そして、意志があった。自らの主の為、微笑む顔を見る為に戦う決意が。

「助けて、くれたの?」
『キュクルー』

 エリオの問いに返された声色は普段通りのものだったが、込められている感情が剣呑なものであることは分かった。
 フリードは、ただ主が悲しむのが我慢ならなかっただけだ。
 その為に、この未熟でちっぽけな人間を助ける必要があるのなら―――そうしよう。彼女の痛みを和らげる為に。
 それはエリオの錯覚でしかなかったのかもしれないが、もう一度見せ付けられたフリードとの差に感じた悔しさだけは本物だった。
 自らへの無力感に、エリオは拳を握り締めた。

『キュァ』

 自己嫌悪もいいが、足を引っ張るなよ?
 まるでそう言わんばかりに素っ気無く敵の方へ視線を戻したフリードを一瞥し、エリオもまた戦闘態勢を取り戻す。
 数本のアームケーブルを失ったガジェットは、未だダメージらしいダメージも受けずに稼動を続けているのだ。

「フリード……」

 その一方で、キャロは友といえる竜のとった行動に目を奪われていた。
 フリードが取った行動は、キャロの決意を否定するものだ。
 従うべき主の意思を蔑ろにして、その身を戦火に投げ出す決意をした自分を遮ったのだ。
 それに対して裏切られた、などという気持ちはない。純粋な驚きと、同時に奇妙な喜びを感じる。

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:52:28 ID:epnRPI4L
お前はどこまでも信じれるぜ! フリード!
支援!!

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:53:10 ID:CgXSjAY5
頭はクールに心はマグマに、そしてノリはお笑いのように。
それが強さの秘訣だぜ、支援。

477 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:53:18 ID:By6H/rly
支援Now here

478 :魔法少女リリカルなのはStylish(13/30):2008/03/11(火) 21:53:19 ID:b4qbYZ07
「……そうか」

 <彼>の行動で気付かされたのだった。
 決意などと言っても、結局自分は諦めていたに過ぎない。呪われた力ごと命を投げ捨てて、その結果敵を倒せればいいのだと。
 その<諦め>を、フリードは否定したのだ。

「そうだよね……」

 キャロ・ル・ルシエの傍らには常にフリードリヒがいることを、彼は声高に叫んだのだ。

「わたしは……一人じゃないっ」

 そうだ、何を忘れていたんだ。
 前に進む道しかないはずだ。その道を少しも進まないうちに、もう立ち止まることを考えてどうするんだ。
 戦って、戦って、戦って―――だけど、一人で進む道じゃない。
 そう言ってくれた人が、仲間が、いるじゃないか!

「フリード! エリオ君!!」

 そして叫んだキャロの瞳には、全ての感情が蘇っていた。

「ルシエさん……?」

 初めて自分の名前を呼ばれたような気がして、エリオは半ば呆然とキャロを見上げた。
 喜びよりも驚きの方が大きい。
 その隙を突いて繰り刺されるガジェットの攻撃を、慌てて避ける。

「考えがあります、こっちへ!」
『キュクルー!』
「えっ!? あ、はい……っ!」

 出撃前にキャロに対して感じていた不安を吹き飛ばすような力強さに、呆気に取られそうになったエリオを尻目にフリードが主の下へ素早く戻る。
 我に返ったエリオも慌ててそれに続いた。
 再び足場を車両の上へと移す。
 しかし、ガジェットにも移動能力が無いわけではない。すぐに追撃が来るだろう。

「ルシエさん、考えって?」
「エリオ君……」

 キャロは、もう一度噛み締めるようにエリオの名を口にした。

「わたしを、信じてくれる?」

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:53:49 ID:vxgW/nwj
フリード、お前最高!!

480 :魔法少女リリカルなのはStylish(14/30):2008/03/11(火) 21:54:18 ID:b4qbYZ07
 エリオの質問に答えはせず、ただ一つだけ何かを確かめるような問い。
 答えなど決まっていた。
 決して心を許してくれないと思っていた彼女が、自分から踏み込んでくれた―――その名前を呼ぶ声を聞いた時から。

「―――もちろんだよ、キャロ」

 返事に迷いはなかった。
 その言葉にキャロはほんの少しだけ嬉しそうに笑って、傍らのフリードが頷く代わりに鼻を鳴らす。
 穴からガジェットのアームベルトが這い出してくるのを一瞥して、キャロはエリオに向かい手を差し出した。
 その手を、迷いなく掴む。

「いくよ、フリード!」

 そして二人は、小さな竜だけを伴って列車から崖下へと飛び出した。





「ライトニング4、ライトニング3と共に飛び降りました!」

 司令室にオペレーターの声が悲鳴のように響いた。
 山岳の絶壁に敷かれたレールを走る列車から飛び出す二人と一匹の様子がモニターされている。

「あの二人、あんな高硬度でのリカバリーなんて……っ!」
「いや、あれでええ」

 突然の窮地に陥った展開を、むしろ逆に肯定したのははやてだった。
 その顔に、先ほどまでの冗談交じり笑みは浮かんでいない。冷たさすら感じる不敵な微笑が代わりにあった。

『発生源から離れれば、AMFも弱くなるからね。使えるよ、フルパフォーマンスの魔法が!』

 戦闘の片手間に司令室からの報告で新人達の状況も把握していたなのはが、はやての自信の根拠を補足する。
 それはフェイトも同じだったが、三人に共通するのはいずれもキャロに対して感嘆と驚きを抱いていることだった。

「キャロ自身がそれを理解して飛んだんなら、相当な判断力と度胸やね」
『あの子は、元から強い子だったよ……』

 フェイトの言葉が独白のように響く。
 痛みを伴う力を与えられた故に、キャロは絶望しながらもそれに抗う意思の強さを身につけていた。
 その心の力を全く間違った方向へ捻じ曲げいていたのが、彼女の心に巣食う<諦め>の感情だったのだ。
 だが、今はどういうわけかそれが無い。
 死ぬ為ではなく、生きる為にキャロは飛んだ。

481 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:54:37 ID:9BIdGGkh
エリオ、早くキャロを名前で呼んであげよう。支援

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:55:02 ID:vxgW/nwj
いいから支援用の弾丸ばら撒け!!

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:56:04 ID:hOZxNagI
そうだキャロお前は生きて帰らなければいけないのだ支援

484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:56:05 ID:jwDQwnbv
人生は支援があるから楽しい…そうだろ?

485 :魔法少女リリカルなのはStylish(15/30):2008/03/11(火) 21:56:08 ID:b4qbYZ07
『選んだんだね、信じる事を―――』

 仲間を。
 そして自分を。
 呟くフェイトの顔は、満足そうに小さく笑っていた。





 本当は、ずっと思っていた―――『守りたい』と。

「蒼穹を奔る白き閃光―――」

 自分を救ってくれた人に、誰よりも憧れる気持ちがあった。
 その人の持つ意思を、誰よりも尊ぶ気持ちがあった。

「我が翼となり、天を翔けよ―――」

 だが、それは無理だ、と。
 これまで積み上げてきた悲劇と罪。近づく者を傷つけた後悔と向けられた負の視線が、その望みを否定してきた。
 神を呪ったこの<悪魔>の力で、恐れ疎んじられるこの手で、一体何を守れると?
 何もかも傷つけるだけの闇の力に対して、自分の心すら守れず、いつしか諦めだけが募り……。

「来よ、我が竜フリードリヒ―――」

 そして、今目が覚めた。
 戦いたい。諦めたくない。戦って死ぬのなら、人としての気高さを持ったまま戦いたい。
 まだ自分を信じてくれる友の為に。
 まだ自分に笑いかけてくれる人達を守る為に。
 自分の力で、戦いたい。

「<竜魂召喚>!!」

 だから応えて、友よ―――!



 小さな主の意思に応え、両腕のデバイスと竜は光と共に吼えた。
 桃色の魔力光を放つ巨大なスフィアがキャロとエリオ、そしてフリードを包み込む。
 膨大な魔力の奔流に指向性を持たせる魔方陣が眼下に展開され、その中で幼い竜の肉体が真の力を宿したそれへと変化する。
 小さな肉体に封じ込められていた気高い竜の魂は、相応しい肉体を手にして、その大きな翼を力強く広げた。

486 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:56:48 ID:9BIdGGkh
死んだらそこで終わりだ!生きていれば確実にいい事もくる!支援

487 :魔法少女リリカルなのはStylish(16/30):2008/03/11(火) 21:56:54 ID:b4qbYZ07
『ギュアアアアアアッ!!』

 真の咆哮が<白銀の竜>の産声となって響き渡る。
 まるで新たに卵から生まれ変わるように、スフィアを内側から打ち破って、強靭な巨躯を手にした白竜<フリードリヒ>が空中に出現した。

『召喚成功!』
『フリードの意識レベル<ブルー> 完全制御状態です!』

 司令室にも歓声が広がる。
 しかし、キャロはその言葉を一つだけ否定した。
 これは制御なんかじゃない。切欠をくれたのも、この力を望んだのも、フリードが最初だった。
 この力はフリード自身が望んだもの。
 そしてこの成果は、フリードが支えてくれたおかげなのだ。

「……ありがとう、わたしの友達」

 力強い咆哮が、キャロの呟きに応える。

「そして、征こう! 今度はわたしがアナタに応えてみせる!!」

 フリードの背に乗り、その手綱を握る手の力強さが全ての答えだった。
 新しい翼をぎこちなく、しかし大胆に使い、フリードの巨体が再び戦場へ舞い戻るべく上昇を開始する。
 その背に、キャロに抱きかかえられる形で乗ることを許されたエリオが一連の流れの中で呆然としていた。
 目の前で展開された神秘の光景に圧倒されたのに加えて、今彼の眼を奪っているのはすぐ傍で見上げられるキャロの凛々しい顔だった。
 何かを信じ、戦うことを決めた者の表情が、幼いキャロに大人びた美しさを与えている。
 エリオはその美しさに見惚れていた。

「……エリオ君、大丈夫? 怪我でもしてるの?」

 心此処に在らずのエリオを心配したキャロが見下ろしてくる。
 エリオは慌てて首を振った。

「ち、違うよ! 全然平気! いやぁ、フリードの背は快適だなぁ!」
『ギュアキュア』
「……フリードが不機嫌そうだけど」
「……うん、分かってるよ。多分『調子に乗るな』って言ってるんだと思う」

 言葉の壁を越えて意思疎通が出来るようになってしまったエリオは、フリードの意思を全く正確に表現していた。
 少年と竜。一人と一匹の間で衝突する敵対の感情に気付かないキャロだけが不思議そうに首を傾げている。

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:56:59 ID:Fu6Yzet8
読みが追いついたぜ。支援

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:57:25 ID:hOZxNagI
ずいぶん長く感じたが折り返しだ支援

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:57:29 ID:vxgW/nwj
SHI☆E☆N

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:57:53 ID:l/ndw/mI
支援

492 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 21:57:59 ID:9BIdGGkh
エリオ…。支援

493 :魔法少女リリカルなのはStylish(17/30):2008/03/11(火) 21:58:25 ID:b4qbYZ07
「あっちは、もう大丈夫みたいね」
「うん」

 車両のガジェットを全滅させ、コントロールの奪取をリインに任せたティアナとスバルが屋根の上からキャロ達の様子を見守っている。
 視線を移せば、同じく列車の屋根に這い上がってくる新型ガジェットの姿があった。
 上昇するフリードがそのままガジェットへ向かうのを確認して、二人はレリックの方を確保するべく移動を開始した。




「フリード、<ブラスト・レイ>!」

 真の姿を手にしたフリードの口元に、覚醒前とは比較にならない程の魔力が集結し、膨大な熱量を伴って光り輝いた。

「ファイア!!」

 それが炎の帯となって解き放たれる。
 荒れ狂う業火はまさに怒涛の如く、大型のガジェットを丸々飲み込んだ。
 しかし、全体を覆い尽くすほどの炎の波が過ぎた後には、AMFの範囲を絞ってその一撃を耐え忍んだガジェットの姿が残っていた。
 僅かに飛び散る火花からダメージを確認は出来るが、それでも高出力のフィールドと、炎を受け流す曲線フォルムの機体も影響して致命傷には成り得ない。

「砲撃じゃ抜き辛いよ! ここは、ボクとストラーダが……」
『ギュアアアアアアアアッ!!』

 AMFの範囲が狭まったことで戦闘力を取り戻したエリオが身を乗り出そうとして、それをフリードの咆哮が押し留めた。
 それはキャロにとっても予想外だったらしく、鼓膜を通じて頭蓋骨を震わせるような雄叫びに二人は竦み上がる。
 フリードの咆哮から感じた激情。それはただハッキリと―――怒り。
 幼い竜は激怒していた。
 敵の存在に。それを打ち倒せないと断ずる少年に。そして何より、力届かぬ自分自身に。

 フリードは、キャロの未来を決定付けたあの運命の日から復讐を誓っていた。
 現れた業火を待とう<悪魔>を前にして、全く歯牙にも掛けられなかった弱い自分。
 脆弱な生物でしかなかった、ちっぽけな自分。
 そして何より、強大な<悪魔>を前にして恐怖していた自分―――!

 あの時吼えたのは、主を守る為の行為だったか?
 ―――違う。
 ただ自分は無茶苦茶に泣き喚いてただけ。
 ヴォルテールという、竜としての高みにいる存在を殺して見せた化け物を前に、闘争心も忠誠心も消え失せて闇雲に叫び散らしていたのだ。
 そして、目の前の<悪魔>に牙一つ突き立てられず、主であり友である少女に呪いが掛けられるのを見ているだけだった自分。
 その愚かで卑小だった自分を殺す為に、フリードは絶対の復讐を誓ったのだ。
 そして今。
 真の姿と力を取り戻してなお今、力及ばぬ状況に成り下がっている。
 フリードはそれが許せなかった。
 言葉が話せるのならば喚き散らしていた。

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:58:28 ID:RCuhvMMR
ハイパーキャロタイム支援

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:58:35 ID:vxgW/nwj
フリードは男前過ぎるwww

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 21:59:53 ID:vxgW/nwj
支援!!

497 :魔法少女リリカルなのはStylish(18/30):2008/03/11(火) 21:59:57 ID:b4qbYZ07
 ―――ふざけるな。何の為に月日を重ねたのだ?
 自らの力に傷つけられる主を傍らで見続けながら、心に積み重ねてきた無念を晴らす瞬間が、この程度だというのか!?
 ふざけるなっ!

『グゥァアアアアアアアアアア――――ッ!!』

 フリードは自身への怒りで吼えた。
 一匹の獣としての雄叫び。眼下の森林にまで響き渡ったそれを聞いた動物達が、本能的に逃げ去ったのを誰も知らない。
 彼らは察したのだ。
 今、この地上で最強の生物が怒ったのだということを。
 そして、その怒りを向けられた対象に心から同情した。

「フリード……!」
「もう一度、やる気か!?」

 今度はキャロの命令ではなく、自らの意思でフリードが魔力を集束し始めた。
 放出する魔力量は全く変わらない。むしろキャロの使役に逆らった無理な力は、先ほどのそれより僅かに減少すらしている。
 しかし、その集束率だけは桁違いにまで上がっていた。
 眼前で球状に練り上げられていく炎の魔力。だが大きさは半分にまで圧縮されている。
 内側で荒れ狂う業火を現すように熱の塊が脈動した。
 目指すのは、かつて高みであったヴォルテールすら超える炎。あの火炎の悪魔さえ焼き尽くせる業火だ。

「それ以上抑えたら暴発する! フリード、放って!」

 キャロが悲鳴に近い声で叫ぶ。
 そしてフリードの望むままに暴走寸前にまで圧縮された炎の魔力は、ついに再び解き放たれた。
 ガジェットに向かって同じように放射される火炎。
 しかし、その様相はもはや完全に別物となっている。
 空中への僅かな拡散すらなく束ねられた熱量は、もはや炎というよりも巨大な熱線と化してレーザーのように空気を焦がした。
 一本の赤い線がガジェットの装甲を舐めるように走り抜け、AMFどころか装甲すらも容易く貫通して機体を真っ二つに『切断』する。
 真赤に灼熱する切断面だけを残して、二つに分けられたガジェットはついに沈黙したのだった。

「やったぁ!」

 耳元で聞こえたキャロの歓声は、普段の静けさを忘れるような、純粋で年相応な喜びを表現していた。
 視線の先にある完全に機能を停止したガジェットと、すぐ傍にある少女の笑み。それらがこの竜が成した結果だと悟って、エリオは苦笑するしかなかった。

「今回は負けだよ、ボクの……」

 何が勝ち負けなのか、それはエリオとフリードの種族を越えた男同士の間でしか分からない意思の疎通だった。
 スバルとティアナのチームからレリックを確保したという報告も入り、二度目の安堵を二人は感じる。
 ここに、四人のルーキー達の初の任務が終結したのだった。






498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:00:11 ID:Iy3pR6fI
>現れた業火を待とう
そこは「纏う」

499 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:00:25 ID:GNGUreZy
支援

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:00:49 ID:+2Gt89y5
支援


501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:01:11 ID:hOZxNagI
フリード 魔帝の側近クラスの悪魔達はまだうじゃうじゃいるので険しいぞ支援

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:01:13 ID:+2Gt89y5
追いついたw

503 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:01:21 ID:vxgW/nwj
熱線砲支援!

504 :魔法少女リリカルなのはStylish(19/30):2008/03/11(火) 22:02:08 ID:b4qbYZ07
「車両内及び上空のガジェット反応、全て消滅!」
「スターズF、レリックを無事確保!」

 緊張感に満ちていた司令室に次々と朗報が飛び交った。オペレーターの声も知らず安堵が滲んでいる。
 サーチャーが車両内に転がるガジェットの残骸と、レリックの入った防護ケースを抱えるスバル達の姿を映していた。
 なのはとフェイトが敵影の無くなった上空で合流している様子も見える。
 敵は全滅した。戦いは終わったのだ。

「機動六課の初陣……何とか無事成し遂げたようですね。ボス」
「今が、<選択>の時や―――」
「いや、無理に難しい返事しなくていいですから」

 口元で手を組んだお気に入りの姿勢で低く呟くはやてを、早くも対応に慣れ始めたグリフィスが冷ややかにツッコんだ。
 冗談交じりのやりとりを許せる空気になったことが、何よりも任務の成功を表している。
 演技染みた表情を解き、緩んだ笑みを浮かべながらはやてが見上げると、似たような表情のグリフィスが頷いて返した。

「列車が止まったらスターズの三人とリインはヘリで回収してもらって、そのまま中央までレリックの護送をお願いしようかな」
「ライトニングはどうします?」
「現場待機。現地の職員に事後処理の引継ぎをしてもらおうか」
「ですが、ライトニング3と4は車両に戻っています。竜召喚で予想以上に力を使い果たしたようですね」
「あらら。まあ、気張ったからしゃあないか。ほんなら同じくヘリで回収して―――」

 的確に指示を出し続けていたはやては、モニターに映る違和感を察知して口を噤んだ。
 新たな敵影を見つけたワケではない。
 モニターに映るのは、未だ走り続けるリニアレールだけだ。
 そう、コントロールを取り戻したはずの車両が、まだ走っている―――。

「……リイン曹長の様子は? 何で報告がないんや」


 その問いに答えようとする誰よりも早く、突如鳴り響いたレッドアラートが緊急事態を知らせた。

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:02:16 ID:l/ndw/mI
来て!ファントム!

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:02:37 ID:RCuhvMMR
フリードの成長を願って支援

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:02:48 ID:hOZxNagI
しかしまだまだベリアルやファントムにはそよ風程度だ支援

508 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:02:56 ID:9BIdGGkh
何だと!?支援

509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:02:57 ID:uw3bNFhw
支援

510 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:03:23 ID:A/eYBIZQ
ファントムに挑むなら、もう20倍は持ってこないといけないぜ

511 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:03:38 ID:vxgW/nwj
悪魔達が来たのか!? 支援。

512 :魔法少女リリカルなのはStylish(20/30):2008/03/11(火) 22:03:53 ID:b4qbYZ07
「どうした、敵の増援か!?」

 動揺を露わにしながらも、一番早く行動したのはグリフィスだった。
 アラートと同時に乱れ始めたモニターの異常を見据えながら、状況の確認を急ぐ。

「しゃ、車両内及び上空に<何か>が出現しました! ガジェットではありません!」
「<何か>だと!? 報告は明確に行え!」
「特定できません! 記録にない魔力波です! まるで次元震のよう……っ!」
「馬鹿な! 作戦領域一帯が吹っ飛ぶとでも言うのか!?」
「感知される魔力量はそこまでのものではありません! ですが、複数出現しています!」
「サーチャーに異常! 現場、モニターできません!」

 嵐のように入り乱れる報告は更なる混乱を呼ぶだけで、どれも要領を得るものでなかった。
 任務達成の安堵感に満ちていた司令室が、一瞬で混沌の坩堝と化す。

「―――シャマルを呼べ。サーチャーを経由して観測魔法で状況をモニターするんや」

 その混乱の中で、はやての落ち着き払った命令だけが何故かハッキリと全員の耳に届いた。

「通信の復帰は後回しでええ。私が念話を繋げてみる」

 慌てて行動を開始するオペレーターの様子を一瞥し、更に指示を重ねていく。
 はやてへの尊敬の念だけでなんとか平静を保っているグリフィスが、その猶予の間に素早く思考を整理した。

「……かなり長距離ですが、可能ですか?」
「新人は無理やけど、なのは隊長かフェイト隊長には波長を合わせ慣れてる。なんとか繋がるやろ。
 それより、私の呼びかけにもリインが応えん。車両の状況を少しでも把握するんや。謎の敵以外にも何か問題が起こってる」
「了解。情報収集を急がせます」

 落ち着きを取り戻したグリフィスの返答に頷き、はやては目を閉じて精神集中へと没頭した。
 今この場ではやて以上に魔法技術に優れた魔導師はいない。
 瞑想に近い意識の奥への潜行を経て、はやてはなのはと念話を繋げることに成功する。
 これだけ長距離の念話は初めてだ。指揮官としての訓練の一貫として、念話の技術を鍛えていたのが幸いした。

『―――<なのは> 聞こえるか?』
『念話? よく通じたね』

 振動するように聞き取りにくい声だが、はやてとなのはは互いの言葉をしっかりと捉えていた。
 はやてがなのはを呼び捨てにすることが何を意味するのか、理解もしていた。
 切迫した状況でありながらそれを打開する意思とその為の仲間への信頼を抱く時、はやてはいつも自分をただの友ではなく戦友として扱う。
 なのはは念話越しでは見えない笑みを浮かべた。

513 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:04:47 ID:A/eYBIZQ
上級悪魔キタァァァァ!
まさかグリフォンとか来るか!?

514 :魔法少女リリカルなのはStylish(21/30):2008/03/11(火) 22:04:53 ID:b4qbYZ07
『モニター出来ん。簡潔に状況を報告して。敵か?』
『たぶんね、友好的には見えないよ』

 どうやら突如出現した謎の存在と対峙しているらしいなのはが答える。

『どんな<敵>や?』

 多くの疑問を控えて、はやては単純にそれだけを尋ねる。
 彼女の脳裏には、この事態に当て嵌まる事例が一つだけ思い浮かんでいた。
 何もかも分からない状況だからこそ当て嵌まる―――今、管理局でも問題視されている謎の襲撃事件のことだ。
 そして、それを裏付けるような返事が返ってくる。

『―――死神、かな?』

 冗談染みた言葉を告げるなのはの声は、同時に薄ら寒くなるような真実味を帯びていた。






 手袋の内側で、疼くような痛みと共にじんわりと熱い何かが滲んでくるのをフェイトは感じた。
 3年前に刻まれた傷が、今また涙のように血を流している。
 握り締めた右手の中の鈍痛を表情には出さず、静寂の広がる周囲の空を見回す。
 この空を支配していたガジェットを一掃し、無粋な物のなくなった広々とした空間に浮かんでいるのはフェイト自身と相棒のなのはだけのハズだ。

「―――なのは、来るよ」

 何が来るのか、どうなるのか、それは分からない。
 だが分からなくとも、それが危険であることだけは理解出来た。フェイトはそう断じていた。
 全ては異形の刻んだ右手の傷が教えている。
 そして、ソレは来た。

《HAHAHAHAHAHAHA……》

 不意に吹き抜けた冷たい風が、二人の魔導師の持つ歴戦の勘を身震いするほどに撫で付けた。

《HAHAHAHAHAHAHA……!》

 初めは風の音かと思ったが、一瞬の悪寒が過ぎた後にそれは不気味なほどハッキリと聞こえた。
 笑い声だった。
 人影はもちろん鳥の姿すらない高度に、男とも女ともつかない奇怪な笑い声が響いていた。
 一つであった声はいつの間にか二つに、そして三つに。互いが反響し合うようにどんどん増えていく。

515 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:05:08 ID:9BIdGGkh
本当の悪魔が来たか…。支援

516 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:05:45 ID:vxgW/nwj
さぁ、盛り上がってまいりました!!

517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:05:48 ID:epnRPI4L
奴らはいつだって場所を考えない。
まったく失礼なダンスパーティの招待状だ。

鼻で笑って、同情交じりに踊ってやろう。
さあパーティの第二幕の始まりだ!

518 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:06:00 ID:GNGUreZy
悪魔と踊ろう支援

519 :魔法少女リリカルなのはStylish(22/30):2008/03/11(火) 22:06:09 ID:b4qbYZ07
「……死神、かな?」

 はやてと念話が繋がったらしいなのはが、冗談交じりに笑って呟くのを、背中越しにフェイトは聞いた。
 しかし、その額には冷たい汗が滲み出ている。
 ―――いつの間にか背中合わせになったフェイトとなのはを囲むように出現したのは、冗談でもなくまさに<死神>としか形容できない者達だった。
 薄気味悪い仮面と枯れ木のような腕。風の吹くまま揺れるボロ布のようなローブから伸びる下半身は無い。まるで幽鬼そのものだ。
 黒い布が風に巻かれて漂っているようにしか見えない姿のせいか、ソイツらは警戒する二人の視界の隅から不意打つように突然現れた。
 筋肉など削げ落ちた両腕に持つ巨大な鎌だけが異様なまでに人目を惹く。
 実に分かりやすく闇の存在であることを体現し、<死神>の群れは狂ったに笑いながら空に浮かんでいた。

「話は通じそうにないね」
「敵だよ」

 ホラー映画のワンシーンが現実となっている光景に戦慄するなのはに対して、フェイトはただ端的に断言した。
 二人に共通して既視感を感じていた。
 なのはは心の奥から滲み出る恐怖と、それを何時か―――炎の中で感じたことがあるような感覚を。
 フェイトは右手の傷が蘇らせる記憶の中で、一人の少女の人生を狂わせた忌むべき化け物と同じ存在に対する明確な敵意を。
 それぞれが感じ、そして確信した。
 こいつらは紛れも無く<敵>だ。

『スターズ1、ライトニング1と共にアンノウンとの交戦に入ります』

 もはや戦いは避けられないことを、恐怖とそれを凌駕する敵意から確信したなのはが報告する。

『交戦は避けられん事態か?』
『フェイトちゃんが珍しくやる気なの』

 バルディッシュを構え、珍しい怒りの形相を静かに浮かべているフェイトを一瞥してなのはははやてに告げた。
 加えて、周囲を漂う<死神>の数は20を超えている。すでに包囲網と化していた。

『それに、どちらにしろ逃がしてくれそうにはないよ』
『未だに列車内の状況は分からんけど、事態について少し把握出来た。知らせる事が二つある』
『まず、良い知らせから聞きたいな』
『あいにくやけど悪い知らせだけや』

 答えるはやての言葉は、性質の悪いジョークのように聞こえた。
 念話越しにも肩を竦める仕草が見て取れる。

『列車が止まらん。むしろ加速しとる―――』

520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:06:17 ID:CgXSjAY5
ダンテはまだか!?
支援

521 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:06:35 ID:Fu6Yzet8
ここからティアナのスタイリッシュタイムとみた!

522 :魔法少女リリカルなのはStylish(23/30):2008/03/11(火) 22:06:57 ID:b4qbYZ07
 そして、告げられた情報はまったくもって性質が悪いとしか言いようが無いものだった。
 少しずつ間合いを詰めて来る<死神>の動きとは別の要因で、なのはの表情が歪む。

『既に速度は通常運行の倍まで上がった。終着の施設までの所要時間も半分に短縮、このままのスピードで突っ込めば車両は建物を破壊して月まで飛んでく』
『車両内の皆は大丈夫なの?』
『それが二つ目の悪い知らせや。
 そっちに何が出たのか分からんけど、似たような反応が車両内にも複数出現した。ライン繋がっとるはずのリインからも応答が無い』
『分かった、こっちから念話してみる』

 湧き上がった焦燥感を押さえ込み、なのはは周囲への警戒を怠らずに部下達の身も案じた。
 未だ周囲に響く<死神>の哄笑。
 狂ったように繰り返される壊れたラジオのノイズのようなそれを聞いていると、こっちの頭までおかしくなりそうになる。
 目の前の存在が秘めた力よりも、その異常性と先ほどから消えない人として根源的な恐怖感がなのはを不安にさせた。
 ティアナやスバル達を信頼はしている。
 しかし、こんな奴らが彼女達の目の前にも現れていると思うと、焦りは消えない。

『―――任務続行、やで』

 すぐさま念話を繋げようとするなのはを、はやての厳しい声が遮った。
 一瞬だけ動揺で思考が止まり、息を呑む。

「……うん、分かってる」

 元からそのつもりだった。
 高町なのはは四人の教導官である以前に管理局員なのだ。そして、四人自身も。
 皆が覚悟を持ってここにいる。
 しかし、頭で理解していても釘を刺された瞬間に心と体が震えたことは隠せない。
 それきり切られたはやてとの念話の後、一呼吸だけ間を置いてなのははリーダーのティアナへ念話を繋げた。
 周囲を漂う無数の<死神>の群れは、獲物を逃がすまいと包囲の輪を縮めている。
 少しずつ。
 しかし、確実に。






523 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:07:29 ID:9BIdGGkh
地獄パーティ第1章の始まりだぜ!支援

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:07:50 ID:RCuhvMMR
ダンスパーティ支援

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:07:53 ID:epnRPI4L
支援支援支援
支援の補給はまだか?! 支援兵、支援兵!
左側の支援が薄いぞ なにやってんの!

526 :魔法少女リリカルなのはStylish(24/30):2008/03/11(火) 22:08:37 ID:b4qbYZ07
「な、何が起こったの……!?」

 突然の事態に、スバルは動揺していた。
 レリックを無事確保して全身の緊張が抜ける中、車両の外へ出ようと屋根に空いた穴に手を伸ばした時、それを遮られたのだ。
 唐突に発生した赤い障壁―――結界にも似た魔力壁が車両の中と外を完全に隔てている。
 物理的なものではないが、肉眼でも確認出来るほどはっきりとした壁だ。
 その表面は生物のように蠢いて、不気味な生気すら感じられる。

「スバルさん、どうしたんですか!?」

 壁越しにもエリオの声はしっかりと通じている。
 スバルが思わずその壁に向かって手を伸ばそうとして―――ティアナに強い力で引っ張り戻された。

「ソレに近づくな! エリオ、下がりなさい!!」

 警告を発した声はスバル達には分からない危機感に満ちていた。
 その声に反応するより早く、外ではキャロがエリオを壁の近くから引き離す。
 二人が離れるのと同時だった。
 結界から壁と同じ血のように赤い腕が亡霊のように生え出たかと思うと、つい先ほどまでスバルやエリオのいた位置の空気を掴み取って消えていった。
 眼前で起こった一瞬の光景に、二人は中と外で同じように目を見開き、硬直している。
 あのまま近づいていたら、どうなっていたか。
 あの腕に捕らえられた後の展開をそれぞれが想像して青褪めた。

「何、この壁……?」

 その壁自体が生き物のように錯覚する異常性に、スバルはようやく恐怖を感じ始めた。
 何かがおかしい。何がおかしいのかは分からないが、漠然と本能が告げている。
 この列車は、たった今<異界>となった。

「結界……分断されたか」
「ティア……」
「エリオ、キャロ! 見ての通りよ、その壁には近づかないようにしなさい」
「ティア、何かおかしいよ!」
「黙って。高町隊長からの念話よ」

 得体の知れない不安に怯えるスバルとは対照的に、ティアナの様子は普段と全く変わりなかった。
 そんな相棒の突き放すような冷めた態度に、スバルは別の不安とそれ以上の頼もしさを感じて、少しだけ落ち着く。
 この異常の中で平静であることが『逆に異常である』ということには気付かず。

527 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:08:45 ID:vxgW/nwj
支援用の弾持って来ました、中尉!

528 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:09:17 ID:Iy3pR6fI
そろそろ分量的におさるさんでもおかしくない
落ち着け

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:09:20 ID:Fu6Yzet8
きっとStylish氏は止められない雰囲気に困っているに違いない支援

530 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:09:29 ID:9BIdGGkh
さすが、ティアナ。慣れてるね。支援

531 :魔法少女リリカルなのはStylish(25/30):2008/03/11(火) 22:09:56 ID:b4qbYZ07
「―――はい、車両内の移動に問題はありません。……了解、現場に向かいます」

 ただレリックを守るように抱えて待つしかないスバルを尻目に、ティアナは念話越しに情報を交わして指示を受け取っていた。
 念話を切ったティアナが、ようやく視線をスバルに戻す。

「緊急事態よ。車両のコントロールがまだ戻ってない、このままだと終着の施設へ全速力で突っ込む」
「まだガジェットが残ってたの?」
「謎の襲撃よ。隊長達を襲ってるアンノウンがこの車両にも出現した可能性があるわ」

 予想だにしない謎の敵の存在を知り、スバルの不安はいよいよ大きくなった。
 しかし事態は、そして相棒のティアナは、そんな彼女の動揺が落ち着く猶予を与えてはくれなかった。

「先端車両に戻って、リイン曹長の安否を確認。その後、車両停止を目的として行動する。行くわよ!」
「あ、待って!」
「エリオ、キャロはその場で待機! 出来るなら回収してもらいなさい!」

 指示もそこそこにティアナは踵を返して車両内を走り出していた。慌ててスバルが続く。

「キャロ達、置いてきてよかったの!?」
「二人は消耗しすぎたわ。キャロの状態もこれ以上は危険だと私が判断した」
「じゃなくて! あの結界を誰が張ったのかも分からないし……!」
「今はこれ以上気に掛けてられないわ。それにレリックを抱えてるこっちが危険なんだから、油断しないでおきなさい」

 振り返らず、走りながらティアナが事務的に答えた。
 謎の敵が現れる可能性があるということで、道中で襲撃を覚悟していたが、二人の走り抜ける通路にあるのは戦闘の跡とガジェットの残骸だけだった。
 激しくなる列車の振動が、文字通り加速する異常事態を静かに告げている。
 車両と車両を飛ぶように走り渡り、先端車両の入り口まで障害無く駆けつけると、ティアナは殴りつけるようにドアの開閉装置を押した。
 意外にも、ドアは抵抗無く開く。
 レリックのせいで片腕が塞がっているスバルを脇に控えさせて、操作機器の集中する内部を覗き込んだ。

「―――ッ、曹長!?」

 ティアナはその光景に息を呑んだ。
 コントロールパネルの前で浮遊しているリインを、奇怪な蟲が襲っている。

「な、何アレ!?」

 驚愕するスバルの疑問に、さすがのティアナも答えることは出来なかった。
 <蟲>と表現するのが最も近いのかもしれないが、実際にあんな種類の昆虫が存在するとは思えない。
 六本の脚を広げれば人間の上半身を丸ごと覆ってしまいそうな蟲としては異常な大きさと、甲殻ではない皮膚のような肉感のある外面を持っている。
 ソイツがどういう存在なのかは分からない。
 しかし、生理的な嫌悪感を感じさせる外見で、リインを飲み込まんばかりに覆い被さる姿は無条件で敵と認識できるものだった。

532 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:09:58 ID:hOZxNagI
仮面と言うことはシンサイズか?支援

533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:10:07 ID:XFn8xhhk
さあ!パーティーの本番といこうじゃないか! 支援!

534 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:10:28 ID:+2Gt89y5
私怨四円紫煙支援私怨四円紫煙

535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:10:38 ID:A/eYBIZQ
ファントムベビィィ! 支援

536 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:10:41 ID:epnRPI4L
よろしい伍長
さあ支援の準備だ。

くそったれな悪魔にスタイリッシュな支援を叩き込んでやれ!
支援!

537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:10:44 ID:vxgW/nwj
支援いたす。

538 :魔法少女リリカルなのはStylish(26/30):2008/03/11(火) 22:10:47 ID:b4qbYZ07
「やっぱり、<お前ら>か……っ!」

 スバルよりも遥かに早く動揺から抜け出したティアナがアンカーガンを向ける。
 照準の先に見える標的を睨み据え、しかし舌打ちして襲撃を断念した。
 リインと蟲との距離が近すぎる。
 目も口も無い体で、一体どういう襲い方をしようというのかは分からないが、六本の脚で小さなリインを丸ごと包み込もうと密着している状態だ。
 リイン自身はそれを魔力障壁で必死に押し返している。
 小さな上司に襲い掛かる汚らわしい敵を、ティアナは嫌悪感以外の感情で憎悪した。
 ティアナだけが理解している。この蟲は<悪魔>の一種だ。
 そして、ただそれだけの事実がティアナにとって重要だった。
 この私の目の前で、<悪魔>が蠢き、自分に近しい者を襲っている―――その事実だけで、もう全てが許せない。

「この蟲野郎ッ!」

 訓練でも実戦でも、常に冷静冷徹であり続けたティアナが、明らかな憎しみを込めて敵に攻撃を行った。
 不気味な外見を恐れもせず、その場に駆け寄ってデバイスの台尻で殴り払う。
 肉の潰れる嫌な感触と共に、蟲はリインから引き剥がされた。
 しかし。

「まだだよ、ティア! くっついてる!!」

 叫ぶスバルの声は、もうほとんど悲鳴だった。
 殴り飛ばしたと思った蟲は、素早く脚を絡めてアンカーガンに取り付いていた。

「この……っ!」

 腕から全身へ走り抜ける嫌悪感と危機感と共に、ティアナは慌ててデバイスを投げ捨てた。
 意外にもあっさりと蟲は手から離れ、デバイスに絡みついたまま床を転がる。
 最悪腕を切り落とす悲壮な覚悟すらしていたティアナは思わず安堵した。
 そして、すぐに後悔した。
 起き上がった蟲がティアナに向かって『魔力弾』を撃ってきたのだ。

「クソッ!」

 状況を理解するより早く体が動き、力無く倒れるリインを抱えて転がるように避ける。
 這うような姿勢でもう一度敵を見据えれば、やはり信じがたい姿が眼に映った。
 ティアナに向かって魔力弾を撃ったのは蟲が持つ能力ではない。つい先ほどまでは無かった無機質な銃身が蟲の体から突き出して照準を定めている。
 その銃身は見覚えがあった。
 いや、間違いなくそれはアンカーガンの銃身そのものだった。
 蟲は、アンカーガンと半ば融合するような奇怪な姿へと変貌して、更にそのデバイスの能力で魔力弾を放っているのだ。

539 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:10:58 ID:9BIdGGkh
支援が連続で2回以上続けばさるさんはくらわないと聞いた。支援

540 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:12:13 ID:GNGUreZy
蟲ってヘリとかに寄生してたアレか、支援

541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:12:30 ID:hOZxNagI
あの寄生生物か支援

542 :魔法少女リリカルなのはStylish(27/30):2008/03/11(火) 22:12:37 ID:b4qbYZ07
「まさか、カートリッジの魔力を!?」

 さすがに驚愕を隠せないティアナの動揺を突いて、再び魔力が集束する。
 しかし、それが放たれるより早く。

「このぉぉおおっ!!」

 半ば恐慌状態のスバルが反射的に放ったリボルバーシュートが横合いから蟲を殴りつけた。
 吹き飛んだ蟲は今度こそ空中でバラバラになり、肉片が床にばら撒かれる前に消滅して、同時に破壊されたアンカーガンの破片だけが散らばる。
 幻のように消えた敵の姿に目を剥きながら、スバルは荒い呼吸を繰り返した。

「……ティ、ティア」
「スバル、後ろ!!」

 敵を倒した安堵感よりもその得体の知れなさに恐怖を感じていたスバルは、ティアナの突然の叱責に一瞬反応できない。
 次の瞬間、倒した蟲とは別の一匹が背後から襲い掛かった。

「う、うわぁああああっ!!?」

 背中にへばり付いた蟲の感触に、スバルはパニックに陥る。

「ベルトを外すのよ!」

 錯乱して事態が悪化する前に、今度はティアナがスバルを救った。
 スバルに残った理性が行動に移すより早く、ティアナが自ら言葉の通りに動く。
 胸元の留め具を素早く外して、スバルの体を引き寄せながら、背負っていたケースごと蟲を蹴り飛ばした。
 距離を離し、蟲がこちらよりもケースの方に興味を持ったらしいことを確認すると、二人してようやく一息つく。

「……ごめん、ティア」

 リインの時と同じように、ケースに取り付いてその中身を探ろうとする蟲の動きを見ながら、スバルが気まずげに呟いた。
 あの蟲の生態が理解出来た以上、これから何をしようとするのかも予想出来る。

「まさか、デバイスを乗っ取るなんてね。多分リイン曹長も取り込もうとしてたんでしょう」

 腕の中で気絶したリインを一瞥して、ティアナは舌打ちした。
 あの蟲にとって予想外だったのは、物言わぬデバイスとは違い、管制人格たるリインが抵抗出来た事だろう。
 おそらく車両のコントロールをガジェットに代わって奪ったのもあの蟲と同種のものだ。どうやら無機物に寄生する能力があるらしい。
 何処に潜んでいるのかは分からないが、おそらく複数。それらを駆逐して車両を止めるのは骨が折れそうだ。
 そうしてティアナが既に作戦の修正を行っている間、スバルは悲痛な表情でついにケースを抉じ開けられる様を見ていた。

「わたしのせいで、ティアのデバイスが……」
「バカ、あんたと引き換えにするような物じゃないわよ」

543 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:12:43 ID:epnRPI4L
このバイド悪魔がぁああああ!
支援するぜw

544 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:12:47 ID:A/eYBIZQ
スタイリッシュ! 支援

545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:12:48 ID:Fu6Yzet8
どうか後2、3話分は投稿してくれますように支援

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:12:54 ID:vxgW/nwj
ちょwwwwwwKO☆NO☆MU☆YA☆RO☆U wwww

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:13:47 ID:l/ndw/mI
支援

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:13:54 ID:Fy+wKnxg
A☆TE☆MUwwwwww支援

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:13:56 ID:+2Gt89y5
投稿者がんばれぇぇぇぇぇぇぇぇ♪

550 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:14:03 ID:9BIdGGkh
支援

551 :魔法少女リリカルなのはStylish(28/30):2008/03/11(火) 22:14:06 ID:b4qbYZ07
 自分を責めるスバルに、ティアナは普段通り素っ気無く言った。
 本当に、別段気にはしていないのだ。製作者のシャリオには悪いが執着するような物ではない。
 それよりも乗っ取られた後が厄介だ。新型の性能が、どう裏目に出るか分からない。

「スバル、今のうちにデバイスごとあの蟲を……」

 『破壊して』―――その台詞は、突然遮られた。
 他ならぬ<クロスミラージュ>自身の意思によって。

《Error!》

 拒絶するように発せられた電子音声の後で、デバイス自体が発生させた障壁によって蟲が弾き飛ばされた。
 それは、明らかに抵抗だった。
 ティアナとスバル、そしておそらく蟲自身も驚愕する中、<クロスミラージュ>の意思が語りかける。

《Get me―――》

 ただ一人、自分が認めた持ち主に向かって。



《My master!!》



「―――スバル! お願いっ!!」

 その無機質な声はティアナの心と体を突き動かした。
 リインをスバルに預け、自らはクロスミラージュの元へと向かう。しかし、再び動き出した蟲が全く同じ行動を取っていた。
 ティアナの瞬発力の方が明らかに上回っているが、距離的にはあちらの方が断然近い。
 咄嗟に、残っていたアンカーガンを蟲の進路上に投げつけた。
 狙い撃つことも不可能ではなかったが、何故か手放してしまった。自分の行動を頭では理解できないが、心は既に知っている。
 その瞬間、ティアナは選んだのだ。自分を呼ぶ新しい相棒を。

「<クロスミラージュ>……!」

 より容易く寄生出来るデバイスの方へ意識を移した蟲を尻目に、ティアナは真っ直ぐにクロスミラージュへと手を伸ばす。
 アンカーガンに蟲が取り憑くのと、ティアナがクロスミラージュを掴むのは同時だった。

「セット・アップ!!」

552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:14:18 ID:Fu6Yzet8
よろしい。ならば支援だ。いま振り下ろさんとする握り拳だ

553 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:14:28 ID:hOZxNagI
あの悪魔は無機物にも有機物にも寄生するから危険だぜ支援

554 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:14:46 ID:A/eYBIZQ
ジャックポット!

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:15:04 ID:l/ndw/mI
支援

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:15:09 ID:vxgW/nwj
クロスミラージュキタ━━━(゚∀゚)━━━ッ!!!

557 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:15:30 ID:epnRPI4L
支援を続けよう
どこまでも煮え滾り、喝采を上げる支援を続けよう

諸君、最後まで支援を怠るな!

558 :魔法少女リリカルなのはStylish(29/30):2008/03/11(火) 22:15:40 ID:b4qbYZ07
 発せられたキーワードにより、デバイスが起動する。
 握り締めたグリップから生命の脈動が伝わり、銃身から息吹が聞こえた。
 閃光を伴ってティアナのバリアジャケットが新たに再構成される。性能や細部のデザインは新型のそれへ。
 真の意味でティアナのデバイス<クロスミラージュ>が誕生する瞬間だ。
 その光景を打ち壊すべく、アンカーガンを完全に乗っ取った蟲が魔力弾を発射した。
 装填されていたカートリッジの魔力を集中した一撃は先ほどの比ではない。
 弾丸は一直線にティアナへと襲い掛かり―――。


「Eat this(こいつを喰らえ)」


 クロスミラージュの銃口から放たれた魔力弾がそれを貫いて、そのまま蟲の肉体を粉々に吹き飛ばした。

《―――BINGO》

 加熱した銃身からまるで紫煙のように煙を吐き出して、クロスミラージュが言い捨てた。
 咄嗟に撃った魔力弾の、予想以上の威力に軽く驚き、ティアナは改めて新しいデバイスを見つめる。
 魔法の発動速度に集束率、その負担の軽減まで、全てが既存のデバイスを凌駕していた。

「……なるほど、言うだけあってサポートは完璧ね」
《Yes. Was it unnecessary?(はい。不要でしたか?)》
「いいえ、ゴキゲンだわ」
《Thank you》

 小気味良い返事を聞きいて満足げに笑った後、ティアナはもう一度視線を消滅した敵の跡へ向けた。
 そこに残されたのは、バラバラになったデバイスの残骸だけだ。
 感傷に浸るほど状況に猶予は無く、自分で感受性の強い方だと思ってはいないが、それでも胸に去来するものはあった。
 あのデバイスで今日まで戦い続けてきた。
 敵を倒し、挫折感も達成感も経験して、そして大切なこともあれを通じて教えられたのだ。

「…………さよなら、相棒」

 囁くように別れを告げる。
 未だ続く任務の最中で、その僅かな時間だけは許された。

559 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:15:45 ID:+2Gt89y5
スーパーティアナタイム?

560 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:16:20 ID:hOZxNagI
戦艦やデバイスにも取りつく可能性のある恐ろしい敵だぜ支援

561 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:16:25 ID:Fu6Yzet8
だが、さるささんになりそうな、この作品にはただの支援ではもはや足りない

562 :魔法少女リリカルなのはStylish(30/30):2008/03/11(火) 22:16:30 ID:b4qbYZ07
「―――OK、それじゃあ<相棒> 早速だけど働いてもらうわよ? 弾が真っ直ぐに飛ばなかったら、溶かしてトイレの金具にするわ」
《All right, my master》

 わずかな感傷の後に、普段通りのティアナ=ランスターが戻ってくる。
 開いた眼には<悪魔>すら恐れぬ戦意が漲り、口元には兄貴分譲りの不敵な笑み。
 どんな状況でも笑い飛ばす、それがクールなスタイル。
 両手にクロスミラージュを携え、仁王立ちするティアナの背後でスバルの息を呑む音が聞こえた。
 再び<敵>が現れる。
 あの蟲が、今度は群れを成して車両の天井や壁から滲み出るように現れ始めたのだ。
 この世の法則を無視したそれは、まるで悪夢のような光景だった。
 しかしその中でただ一つ、失われない光がある。

「イカれたパーティーの始まりってわけね」

 闇への恐怖を人間としての怒りで圧倒した少女は、悪夢を前にして怯みはしなかった。
 両手の中で銃身が華麗に踊り、ピタリと止まった瞬間に胸の前で腕を交差させる。
 今から撮影に臨むトップモデルのように、一分の隙もない、完璧に決まったポーズ。
 醜悪な蟲の湧き出る地獄のような光景の中で、その陰鬱さを全て吹き飛ばす破壊的な美しさをハンターとなった少女は放っていた。

《―――Let's Rock!》

 そして、新たな銃火と共に、ティアナは<悪魔>との戦闘を開始した。




to be continued…>





<ダンテの悪魔解説コーナー>

・インフェスタント(DMC2に登場)

 力だけが全てを支配する悪魔の世界において、何も強い奴だけが生き残れるわけじゃない。その代表格がこの寄生生物だ。
 文字通り、こいつは生物や悪魔はもちろん、機械みたいな無機物とも融合して自在に操る能力を持ってる。
 特に自我を持たず、時代の進化によって強力になりつつある近代兵器なんかは、こいつらにとって格好の寄生対象になるわけだ。
 戦車に戦闘機にデバイス、どれも乗っ取られれば凶悪な化け物へ変わる代物ばかりだ。
 加えて、ただ宿主を使い潰すだけじゃなく、複数で取り憑ついてその性能や耐久力を底上げしちまうってあたりが厄介極まりないぜ。
 他人の威を借りる寄生生物だけあって、それ単体ではノロマな虫けらに過ぎないからな。調子付く前に手早く害虫駆除といこうぜ。

563 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:16:31 ID:9BIdGGkh
撃てええええ!ティアナーーーーー!支援

564 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:17:05 ID:Fy+wKnxg
支援にラバン先生混じってる?wwww支援

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:17:31 ID:vUujbSyA
パーティーの始まりだーーー!!

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:17:48 ID:+2Gt89y5
いや超Stylishタイムかw

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:19:23 ID:vxgW/nwj
余りのStylishさに、おさるさんもお手上げみたいだぜ?

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:19:28 ID:Fu6Yzet8
一心不乱の大支援する前におわたorz

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:19:45 ID:+2Gt89y5
続き投稿待ってま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜すw

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:20:44 ID:Fy+wKnxg
ティアナは完璧にダンテよりの思考になってるwwwww
GJ!!!!

571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:21:18 ID:epnRPI4L
諸君喜びたまえ
君たちの支援が、おさるさんをまさしく「ジャックポット! 」だ!
というわけで、感想を怒涛の如く行おう。

もうStylish氏がやめてくれというまでねw

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:21:56 ID:YNVrCpgw
クロスミラージュが格好よかったですw
あとフリードのキャラが素敵。何といいますか、GJ!
ついでに支援のバリエーションにワロタ

573 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 22:22:15 ID:b4qbYZ07
なん……だと……?
無事に全部投下できやがった…っ! ぐわああっ、腕がぁ! 感動のあまり邪気眼です。
完全に皆さんの支援のおかげですな、ありがとうございますw
実はこのクソ長い話も本来は一話分の予定を二つに分けて、さすがに少ないからいろいろ加えてたらこんなになっちゃった九話でした。
なので、本当は十話からダンテ登場で本格的なクロスの予定でしたが、もう一話延びます。いや、チラっとは出るかもしれないけど。
そんな怪しげなDMCクロスですが、もうしばらくお付き合いください(汗

今回はいろいろ詰め込んだけど、次回もいろいろ詰め込む予定です。
上位悪魔が出るまでは、六課全員でDevilMayCry(悪魔涙目w)な展開。
いいとこあんまりなかったエリオは遅咲きのキャラさ! っつか男にはあたしゃ厳しいんだけどねw

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:23:26 ID:+2Gt89y5
良かったですティアナがカッケェェェェェ
次回投下期待して待ってますw

575 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:24:54 ID:9BIdGGkh
>>573
GJ!!しか言えないよ。
当然のですよ。お付き合いしろだって?もちろんですよ。リアルタイムで会えたのなら支援は必ずします。
次のイカレタパーティを楽しみに待ってますよ。

576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:25:27 ID:epnRPI4L
最高ですぜ、旦那!
ここまで、ここまでフリードが活躍するSSは見たことがない!
一話一話にワクワクドキドキで、もうGJ!

エリオのこれからの成長とキャロの精神が安定することを祈りつつ、
次回のティアナ主演のイカれたパーティタイムに超期待です!

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:25:34 ID:vxgW/nwj
嗚呼、良いところで引くなぁ!

ちくしょう、ティアナもキャロもフリードもカッコ良過ぎるだろ!!
そしてちょっと出番の無いエリオ君哀れw
個人的に彼は存在自体が役得だと思うのでそれで良いかもしれないですがw

あとはやては少し自重しようなw

おっと最後にこの言葉を……グッジョ―――ブ!!

578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:25:55 ID:LA1O7BDj
573
本当は十話からダンテ登場で本格的なクロスの予定でしたが、もう一話延びるんですか。
ダンテの登場を楽しみにしています

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:27:56 ID:Fu6Yzet8
本当にいい作品に、無粋な感想はいらない。ただ一言でいい。


イカしてるぜ

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:27:58 ID:GNGUreZy
GJ!
魔導師というよりも悪魔狩人なティアナw
そのスタイリッシュさは悪魔をスケボー代わりに列車を疾走する勢いだ
次回が楽しみです

それと、ボス自重w
いろんな意味で涙目な人がいますよ

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:32:40 ID:CgXSjAY5
>>573
GJ、盛大にGJ、狂おしくGJ、アンタ最高にStylishだぜ!!!
もう最高すぎて何言って良いかわからないYO!
イカしてるぜ旦那ァ!!

ところで、エリオが独りでキャロを守れるくらいの漢に成長するのはいつですかね?
Stylishなエリオ超見てぇ・・・・・・。

582 :仮面ライダーリリカル電王sts:2008/03/11(火) 22:32:44 ID:b/837zdn
GJ。ティアナがCoolだぜ!It's be Cool!
最高だぜあなたは!!

583 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:34:59 ID:9BIdGGkh
こんな感動の嵐の中ですが、11時15分ごろに新作のプロローグを投下したいのですが、よろしいでしょうか?
クロス元はまた「スーパーロボット大戦」ですが、なのはは無印とA’Sのクロスにしてあります。

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:36:57 ID:hZTEW61P
>>853
進路クリアー、投下どうぞ!

585 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:37:26 ID:Fy+wKnxg
>>853に期待

586 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 22:38:37 ID:b4qbYZ07
はやてに対するツッコミが多くて、さりげない演出ばっかりなのに人気者w
原作アニメ見た人は心得てると思いますが、本来のはやてはもっと落ち着いてます。
でも、折角の関西弁なんだから仕事の顔とアホの顔を持ってた方が魅力的じゃね? という私の願望ですね。
サウンドステージではおっぱい揉み魔ネタがあるらしいが、一度聞いてみたいぜ!

あと、ティアナ人気が上がってるようで、これこそまさに書いてる甲斐があるというもの。
ティアナタイムはもうしばらく続きますが、もちろんティアナですから挫折ははずせません。
堕ちる時はとことん堕ちる凡人クオリティを楽しみにしててくださいw

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:39:08 ID:xsQalErk
みんなせーので間違えてる

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:39:21 ID:By6H/rly
>>573
GJ!
いやもう、このティアナかっこいいなあ!

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:42:55 ID:nPeXLDwO
良かった・・・
キャロが立ち直って本当に良かった・・・
死にたいなんて言ってた時はマジで読んでてキツかったからか、今回の明るいキャロで救われました
そしてフリード男前
そしてなんといってもティア!

『Smokin Sick Stylish!!』

590 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 22:44:20 ID:9BIdGGkh
>>586
>もちろんティアナですから挫折ははずせません。
堕ちる時はとことん堕ちる凡人クオリティを楽しみにしててくださいw
とても信じられませんね。この話のティアナが挫折するなんて…。
個人的には自分の我を貫いて欲しいのですが、それもまた楽しみです。

591 :Strikers May Cry:2008/03/11(火) 22:45:59 ID:t+3Kg3v4
愛も変わらずの素晴らしいクオリティに分量ですねStylish氏。
どうかこのGJを受け取っていただきたい。

フリードにここまでの人格的配慮がされたSSがかつてあったか? いやあるまい!!
今俺の中でフリードの株が一気に上がった、具体的に言うと黒王号(by北斗の拳)や松風(花の慶次)くらいに。

しかしStylishや他の職人諸氏に負けじとリリカル・グレイヴの執筆してんだが全然書けない、10行も進まん。
皆スゲーよな、どうやってモチベーション保ってんだ?

ともかくウロスで今月中に書くといったので絶対間に合わせます。

592 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:50:23 ID:HFD4m/Be
なんというStylish、いや、SSStylishっぷりだ
超GJです
ティアナが本当にカッコいい。レディを超える銃捌きを期待しております

そして、余り焦点の当たっていなかった隊長陣の暴れっぷりにも超期待

593 :リリカル! 夢境学園 ◆CPytksUTvk :2008/03/11(火) 22:50:29 ID:epnRPI4L
うー、いつ見ても打ち震えるほどにスタイリッシュですね。
GJです!
特にフリードの咆哮とティアナのクロスミラージュタイムが凄いとしか言いようが無いです。

Stylish氏を見習って、スタイリッシュなガンアクションを書こうと足掻いてますが……どうみても追いつかないw
作品内容、文章レベル共に見習わせていただきます!
イカしてました!

594 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:52:16 ID:KR6dnKCB
>>573
おお皆揃いも揃ってカッコいーー!
だけど信じてるぜ、見せ場の後には更なるピンチが来るって事を!

595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:53:02 ID:vLhy8A4W
素晴らしきスタイリッシュでした!

596 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 22:58:47 ID:iUGJwQ7O
>>573
「銃撃は!」
「派手に!」
「華麗に!」
「Stylishに!!」
「見よ!!」
「GJは、悪魔を倒したその先にー!!!」

597 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 23:01:11 ID:hOZxNagI
GJ
しかし実はキャロが悪魔の力を使わずじまいだった事を残念がった俺不謹慎


598 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/11(火) 23:07:19 ID:b4qbYZ07
たくさんの感想を本当にありがとう。
自分が書き続けられるモチベーションの理由の一つはやっぱりコレだねw
まずは何より書くことで応えようと思います。…でもさすがに今回みたいなアホ量投下は自重するっす(汗

>>591
リリカルグレイヴは自分も投下楽しみにしてますんで、頑張ってください。
でも、書けない時は書けないものですから、しばらく息抜きした方がいいのかも。
私も経験ありますからね。本当に調子のいい時の気分が理解できないくらい、唐突に書けなくなります。
私の場合はDMCクロスが他にもありますから、それがいい刺激になってますね。皆それぞれダンテの形があって楽しいw

>>597
安心しな、まだ次回があるのだぜ?

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 23:12:27 ID:CgXSjAY5
>>598
ふふふ・・・・・・隠さなくても俺ァわかってるぜ。
この後、エリオがルシフェルを手に入れて敵を絶頂させていく展開が待ってるってことぐらい!(大嘘
ついでにキャロも絶ちょ(銃声

・・・・・・はい、ごめんなさい。
大人しく首吊って続き待ってます。

600 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 23:16:52 ID:9BIdGGkh
投下しますよ。 プロローグだけですので、これだけですかな。

 スーパーロボット大戦E


 参戦作品


 機動武闘伝Gガンダム
 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
 ブレンパワード
 マジンガーZ
 グレートマジンガー
 マジンカイザー 死闘!暗黒大将軍
 ゲッターロボ
 ゲッターロボG
 真ゲッターロボ(原作漫画版)
 超獣機神ダンクーガ
 マシンロボ クロノスの大逆襲
 冥王計画ゼオライマー
 破邪大星ダンガイオー
 魔法少女リリカルなのは
 魔法少女リリカルなのはA's


 ストーリー


 新暦64年、人類は大規模な争いを体験する。デビルガンダム事件、世界国家軍とホワイトファングの争い、Dr.ヘルのテロ行為、
 地下勢力の恐竜帝国、百鬼帝国、宇宙からの侵略者ムゲ帝国からの侵略を受けながらも地球人類は、それらの争いを耐え抜き、
 侵略者から地球を守り、人類同士の争いも平定させ、世界は無事に平和を取り戻す。
 しかし、その平和はすぐに崩れ去ろうとする。
 新暦65年、突如と深海に現れた謎の異星文化遺跡オルファンが出現、それに集い「リクレイマー」なるものが現れる。
 人類は再び人類同士で争いを起こす事になろうとは誰も思っていなかった。
 人類は気付いていなかった。別の組織が動き出している事を……。外宇宙からまたしても侵略者が来る事を……。新たな地下勢力が姿を現そうとしていることも……。
 そして全ては、異次元世界からの謎の古代遺産をめぐる戦いになろうとしている事を……。

601 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/11(火) 23:18:37 ID:9BIdGGkh
投下完了。
連載は逆襲のフェイトが終わってからの予定です。
お願いですが、まとめに載せる時は、一発ネタではなくこれを作者インデックスなどの中に入れてください。
どうかお願いします。

602 :メビウス×なのは ◆ga/ayzh9y. :2008/03/11(火) 23:36:14 ID:m0bhQW5F
さて、ようやく書き上げられました。
皆さんお待たせしました、Lとのクロスをこれより投下いたします。
よければ支援お願いいたします。

603 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/11(火) 23:38:14 ID:m0bhQW5F
「ワタリ……この世界で、もう少しだけ生きてみたくなりました」


その日、一人の天才が世界に生きる希望を見出した。
彼はその時、初めて心から生きたいと願った。
自らの命が、限りあるからこそ……そう感じられた。


―――これがデスノートに書かれる、最後の名前です

―――キラという大きな悪を倒す為の、小さな犠牲です


死神が人間界に落とした、究極の殺人兵器デスノート。
彼は自らの命を犠牲にする事により、その存在をこの世から完全に抹消させた。


―――人間には、未来を変える力があります

―――だから、あなたは生きてください……それがワタリの、最後の望みです


人間の手で生み出された、ウィルスという名の死神。
彼は限りある命の全てを使い、その死神を滅ぼした。


「そろそろ時間です……一人にさせてもらえますか?」


デスノートに書かれた運命は絶対。
死神ですらも、その定めを覆す事は出来ない。
しかし、彼に悔いは無かった。
生きる希望が、自分の中に芽生えてくれたから。
自分自身を救う事が、出来たのだから。
安らかに瞳を閉じ、彼は最期の時を迎え入れた。


その日……L=Lawlietは、安らかに眠りについた。







「……ここは……?」

しかし……運命は覆った。
世界は、彼に新たに生きる権利を与えたのだった。
まだその頭脳が……多くの命の為に、必要であると。

604 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 23:39:13 ID:iUGJwQ7O
ローライト支援

605 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/11(火) 23:40:17 ID:m0bhQW5F
〜L change the world after story〜

第一話「目覚め」


Lが目を覚ました時、彼の周囲は炎に包まれていた。
地獄の業火とはよく言ったものであるが、目の前の光景は、Lが知る地獄のそれとは全くかけ離れていた。
ならば天国かと言われると、それも全く違う。
天国とも地獄とも思えない……強いて言うならばこれは、今まで自分がいた世界そのもの。
自分達人間が生きている世界そのものなのだ。
しかし、死後の世界がどのようなものなのかを知る人間など、この世の何処にもいない。

(しかし……死後の世界にしても、皮肉なものですね)

自らが臨んだ、最後の決戦の地。
それもまた、業火に包まれているこの施設と同じ―――空港であった。
もしも死後の世界であるとするならば、神や閻魔は中々味な真似をしてくれる存在だ。
Lは軽く苦笑し、そしてすぐに頭を働かせる。
兎に角、ここから脱出する事が今は先決である。
このままでは、自分の身が危ない。
ここが一体何処であるのかを確かめるのはそれからである。
周囲を見回し、安全に避難する事が出来そうな経路を探してみる……すると、その時だった。
Lの背後から、何者かの足音が聞こえてきた。
すぐにLは振り返り、相手の姿を確認する。
杖らしきものを片手に持った、少し特徴的な服装をした男性。
それを見てLの脳裏に浮かんだのは、ファンタジーものでよく見かける、魔法使いや賢者といった職業。

(民族衣装……にしては、何か妙ですね。
当然、死神でもなさそうですが……)
「君、大丈夫か!!」
「……私、ですか?」
「そんなの決まってるじゃないか。
君をこれから、安全な場所に案内する……後は我々、時空管理局に任せておいてくれ」
「時空管理局……?」

聞いたことも無いその単語に、Lはしばしその場で考える。
局員はそんな彼の手を取り、自身が侵入してきた経路を引き返していく。
幸い、突入時に粗方消火は済ましてあるので、帰りは安全である。
そのまま、二人は空港の外へと無事に出て……そして。
それと同時に、Lは推理を終えた。

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 23:40:24 ID:JddyE40t
もうちょっと時間を置いた方がよかったと思うが

支援

607 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/11(火) 23:41:55 ID:m0bhQW5F
(……時空管理局。
名前からして、時空を管理するのが仕事の組織なのは間違いない。
死神界という異世界が存在していた以上、十分に在りうる。
彼等の服装等にも、納得がいく。
だとしたら、まさかここは……)

時空管理局という組織の名が意味する事と、そして自身の経験。
僅かな手がかりだけで、彼は全てを悟った。
ここは、自分がいた世界とは違う場所なのかもしれない。
しかし、天国と地獄は勿論、死神界とも恐らく違う。
全く未知の世界……異世界。

(……もしもそうだとしたら、これからどう動くべきか……)
「2−03、2−05、東側に展開してください!!
魔道士陣で防壁張って、燃料タンクの防御を!!」

自らが今、何をすべきか。
Lがその答えを出そうとした瞬間、ある局員の声がその思考を中断させた。
自分と同程度……いや、自分よりも若いであろう女性の局員である。
彼女は今、空港内の見取り図と、内部に潜入した局員達から送られてくる映像とを見比べている。
思うように動く事が出来ず、悪戦苦闘の状態にあるが……そこへひょっこりと、Lは首を突っ込んだ。
局員の腕を軽く振り切り、指示を出している女性の隣に立つ。
当然ではあるが、こんな状況でいきなり見知らぬ人物に隣に立たれては、その局員も驚かざるをえない。

「え……あなたは?」
「あ、おい!!
すみません、八神さん……彼は、今そこで救助した民間人です。
すぐに安全な場所まで退避を……」

しかし……彼女達が本当に驚かされるのは、この直後だった。

「ここの局員さん達は、こちらの区域に回してください。
火の手の回りを考えると、先にこちらから抑えるのが専決です」
「え……?」
「後、こことここの通路を使うのは避けてください。
恐らく、近いうちに床が崩れます。
最短の迂回ルートは、ここの非常階段を使う道です」

誰もが予想だにしていなかった展開が起きた。
Lは驚くべきスピードで状況を把握し、そして局員達へと指示を出し始めたのだ。
最初の内は局員達も唖然とした表情で彼とモニターを見つめていたが……その直後。
通路が一つ、音を立てて崩壊した……Lが指摘をした場所である。

608 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/11(火) 23:45:35 ID:m0bhQW5F
「い、言った通りに……!!」
「マジかよ……!?」
「……すみませんが、よければ指示通りに動いてもらえますか?」

Lの言ったとおりになった事に、局員達は驚きを隠せない。
そしてLはというと、冷静に状況を分析して局員達へと更に指示を飛ばしている。
僅かに遅れて、局員達が一斉に動き始めた。
Lの指示通りに、行動を開始したのだ。
本来ならば、素性の知れない民間人に現場の指揮を任せるというのは、かなりの問題行為。
しかし……その問題行為というマイナスを帳消しに出来るほど、Lの存在は大きなプラスであると局員達に認識されたのだ。
側にいた女性局員―――八神はやては、彼のその手腕にただただ驚嘆するしかなかった。

彼が何故、こうして首を突っ込んできたのか……その理由も知らぬまま。

「凄い……」
「出すぎた真似をしてすみません。
ですがここは、少しご協力をさせてください……私もこういう事態には、なれてますので
事後処理が面倒かもしれませんが、今は目の前にある命が最優先です」
「……分かりました。
こちらこそ、ご協力に感謝……」
「はやてちゃーん!!」

その時、はやての元へと掌サイズの少女―――リインフォースが飛んできた。
Lは彼女を見て、一瞬だけ目を大きく見開くも、すぐに元通りになる。
死神なんていう存在を見た彼にとって、小人だの妖精だのは可愛い方である。
それにこの場が異世界であるというならば、正直何がいても不思議ではない。

「リイン、どないしたん?」
「今、主都からの応援部隊が到着しましたです!!
これで大分、状況も……あれ、そちらの方は?」
「ああ、この人は民間協力者の……」

リインに聞かれ、はやては彼の事を紹介しようとする。
ここでようやく彼女は、自分が彼の名前をまだ聞いていなかったことに気付く。
それを察したのだろうか、Lは指揮を止めて二人へと向き直る。
そして……静かに、自らの名を告げた。

609 : ◆J7qCZtZxmc :2008/03/11(火) 23:45:42 ID:kbJThbsU
#1945

610 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/11(火) 23:48:18 ID:m0bhQW5F
「はじめまして……私は、Lです」

Lは名を名乗り、そして二人の反応を見る。
キラ事件以降、自分の名前は世界中の者達が知るところとなっている。
驚き・恐れ・歓喜……何かしらの反応を、確実に示す筈である。
それを確認する為に、Lはあえて竜崎の偽名を使わずに二人と接したのだ。
Lがこうして指揮の場に首を突っ込んだ最大の理由は、この行動を取りたかったからである。
勿論、人命救助と災害鎮圧もちゃんとした目的であるのだが。
しかしこれは、ここが異世界であるかを確認する為ではない。
リインの様な人外の存在や、魔法使いらしき者達が空を飛ぶ光景を見た時点で、既にそれは分かりきっている。
それでも尚、この質問をした理由は一つ。

(時空を管理する組織だというのなら……私を知っている可能性が、もしかしたらあるかもしれない)

自分の事を知っている者がいる可能性がある。
もしそうだとすれば、その者によってこの場に呼び出されたのではないだろうか。
これが、Lの推理である。
もしもそうだとしたら、この名乗りに対し、何かしらのリアクションを起こさずにはいられない。
しかし、そうでないならば……

「Lさんですか?
変わった名前ですね……私は、八神はやて言います」
「リインフォースです」
(やはり……)

二人の反応は薄い。
Lはこれで、自分の推理が正しかった事を確信する。
この世界において、自分の名前は全く知られていない。
はやてとリインが知らぬだけという可能性もあるにはあるが、それは低い。
はやてがこの場の指揮を任されていたと言う事は、彼女にはそれなりの地位もしくは実力があると考えられる。
少なくとも、末端の人間ではないのは確実……知らされていないというのは、考えにくい。

(……つまり私は、デスノートで命を落とす直前に、何かしらの理由でこの異世界にやって来てしまった。
恐らくはその影響で、デスノートの効力は無効化されてしまった……都合が良すぎる解釈だが、こう判断せざるを得ない。
ならばここは、私が異世界からきたと言う事を明かすべきか……)

事態の鎮圧と、自らの身に起きている事。
その両方を同時に考えながら、Lは作業を進める。
一度に複数の事を同時に考えるのは、魔道士の重要なステータスの一つ。
しかしLは、魔道士で無いにも関わらずにそれを成し遂げていた。
尤も、本人はそんな事など知らないが。

611 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/11(火) 23:50:06 ID:m0bhQW5F
(それにしても……八神はやてさん、ですか。
どうも『ヤガミ』という名前の人とは、縁があるみたいですね……)
「すまんな、遅くなった」

その時だった。
白髪交じりの男が、車から降りてこちらに向かってきた。
はやてとリインはその姿を確認すると、彼の元へと駆け寄る。
どうやら先程リインが言っていた、応援部隊の指揮官らしい。

「八神はやて一等陸尉です。
臨時で部隊の指揮を任されてます」
「陸上警備隊、108部隊のゲンヤ=ナカジマ三佐だ……ん?
なあ、部隊指揮って今……」

ゲンヤははやての言葉を聞いた後、Lの方へと視線を向けた。
白い長袖シャツに青いジーンズと、どう見ても局員とは思えない服装。
一般人なのは間違いないだろうが……しかし様子を見る限り、その指揮はかなり的確である。
これは、自分以上かもしれない。

「ええ……あの人はここで救助された民間協力者の方で、名前はLさんと言います。
勝手な判断ではありましたが、これがベストだと判断して現場指揮をお願いしました」
「ああ、見てりゃ分かる。
ありゃ多分、俺以上だろうな……」
「ゲンヤさんもLさんと一緒に、現場指揮をお願いしてよろしいでしょうか?
私は、これから消火活動に参加します」
「ああ、分かった」

現場を任せられる人間が現れてくれた為、自分も消火活動に参加できる。
はやてはLとゲンヤに現場を任せて、空港へと走っていった。
その後、ゲンヤも自身の部隊へと指揮を出すべく、Lの隣に立った。
Lは一瞬だけ彼の顔を見た後、すぐにモニターへと視線を戻し、そのまま挨拶する。

「はじめまして、ナカジマさん。
私はLといいます……先程のはやてさんとの会話通り、私は一般人です。
あまりいい気分はしないかもしれませんが、今はご容赦ください。
事態の鎮圧と人命の救助が、今は最優先です」
「ああ、その辺の事は俺はあまり気にしてねぇよ。
猫の手だって借りたい状況だ、どうにか出来るなら局員も一般人も関係はないしな。
それと、俺の事はゲンヤで構わないぞ」
「ありがとうございます。
ではゲンヤさん、早速そちらの部隊を動かしてもらえますか?」
「ああ、分かった」

612 :L change the world after story ◆ga/ayzh9y. :2008/03/11(火) 23:54:23 ID:m0bhQW5F
ゲンヤはLから現場に関する説明を受けると、すぐに部隊を動かしていく。
ベテランのゲンヤから見ても、Lの指揮はかなりのものだった。
彼に問題があるとすれば、局員の能力を把握し切れていない所だろうが、それはサポートすればどうにでもなるレベルである。

(魔法の事をあまり、いや、殆ど知らねぇ様子だな……他所の管理世界からの旅行者か?)

Lはどうやら、魔法に関しての知識が殆ど無いらしい。
ゲンヤはその点をカバーしつつ、二人で協力し合い事態を終息へと向かわせていく。
そしてしばらくして、ようやく火災が治まり始めた頃に、ゲンヤはLへと尋ねた。

「それにしても大した腕だな……お前さん、一体何者なんだ?」
「探偵です。
警察組織と一緒に大きな犯罪組織を相手にする事もありましたし、こういう現場には慣れてます」
「成る程、探偵か……しかし、これだけの実力を持ってるならかなり有名だとは思うんだが……Lか。
聞いたことがねぇ名前だな……」
「聞いたことがないのも、無理は無いでしょう。
どうも私は、この世界の人間じゃない様ですから」
「……何?」

Lの言葉を聞き、ゲンヤは己が耳を疑った。
彼は今、さりげなくとんでもない事を言った。
自分はこの世界の人間ではないかもしれない……それはつまり、意図してこのミッドチルダに来た訳ではないという事。
他世界からの旅行者とか、そういうのでは決してなく……

「……時空漂流者って訳か」
「まあ……そういう事になりますね」

Lは何らかの事故によりミッドチルダへと来た異世界の人間であると、ゲンヤは理解した。
それならば、魔法に関してあまり理解が出来ていなかった事に関しても、納得がいく。
しかし……それにしては、随分と落ち着いている。
普通、いきなり異世界に来れば慌てふためくものなのだが……大したものである。

「分かった、とりあえずこいつが終わったら色々と話を聞かせてもらえるか?」
「ありがとうございます、ゲンヤさん。
私も今、それをあなたにお願いしようと思っていたところです」

Lもゲンヤと同じ事を考えていた。
この火災が片付いたら、自分にはやることがない。
何処か行く宛がなければ、何かをする資金も無い。
時空管理局という場所に色々と頼まなければ、どうしようもなかったのだ。
それだけに、ゲンヤの言葉は願っても無い所であった。
これで行動の目処が立つ……Lはゲンヤへと一礼をし、再び指揮に戻る。
するとここで、彼はふとある事に気付く。
余裕が出来た御蔭で気付けたが、ここには自分がいた捜査本部と違い、あるものが足りない。

「あの、ところですみませんが」
「ん、どうした?」
「御菓子とか、何か甘いものって今持っていませんか?」
「……は?」

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 23:55:43 ID:iUGJwQ7O
携帯から投下は大変
せめてもの支援その2

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/11(火) 23:58:57 ID:Fy+wKnxg
規制かな?

615 :メビウス×なのは ◆ga/ayzh9y. :2008/03/12(水) 00:00:14 ID:5v+dDrQ8
以上、投下終了です。
まず最初に……スパロボXさん、間も空けずに即座に投下してすみませんでした。

このLは題名の通り、漫画版ではなく実写版の方が元になってます。
まあ、月に勝って死んだという点以外は殆ど漫画版と変わりませんので、そこは気楽に見てください。
異世界に飛ばされたのにえらく落ち着いているのは、まあLだからってことで(ぉ
色んな意味で癖の強い奴ですし……凄い好きですけどね、L。

616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 00:00:33 ID:iUGJwQ7O
って確認してみたら明らかに携帯投下じゃねえ
失礼しました
そして支援その3

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 00:01:09 ID:iSpTaJFg
GJ!
Lのようなクセのあるキャラは大好き支援。

618 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/12(水) 00:03:12 ID:HPFKCrfk
GJ!
Lかっこいい!
ふと思ったけど本郷とLだったらどっちが天才なんだろう?

619 :魔装機神:2008/03/12(水) 00:05:02 ID:v3/1kNbK
GJでした。
自分、デスノートは1部しか知りませんから逆にちょうどいい。
そして、本編を作らずにリリカルフルカラー氏の予告編を見てまいう〜な電波を受信したので
半頃に嘘予告を投下してもよろしいでしょうか?

620 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 00:06:27 ID:kEGsP1pc
gj!
こういう指揮系統のキャラがくるクロスはあまりないので、これからに期待せざるをえないw


>>618
天才のベクトルが違うんじゃないかな?
比べても意味がないような。

621 :リリカルなのはStrikerS+仮面ライダー:2008/03/12(水) 00:10:03 ID:HPFKCrfk
まぁ…それもそうですね。
しかしデスノか…初めて呼んだ時は「ライトおめぇ絶対高校生じゃないだろ」って突っ込んだっけ…

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 00:13:34 ID:zqXFOILi
デスノは最初の頃と絵が変わりすぎw
一巻の頃のライトは!!!可愛かった!!!

623 :LMS:2008/03/12(水) 00:20:32 ID:QlaHBEFv
日付は変わっちまったが、寝なければその日は終わらないぜ
ってことで、一時ぐらいにLMS7話投下の予約をしたいと思います

>>メビウス×なのは氏
GJ!
っていうかLすげぇw あまりにも場慣れしすぎだろww
時系列的にsts本編を追うことになるんだろうと勝手に予想してますが、
あの六課に天才指揮官が加わったらどうなるのか凄く楽しみです

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 00:23:02 ID:a3aHwY2J
やべえ、Lもstylishも自分が知ってるだけに楽しみだ。
御二方ともGJです。


625 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 00:34:14 ID:a3aHwY2J
LMS氏支援!!

626 :魔装機神:2008/03/12(水) 00:35:31 ID:v3/1kNbK
それでは時間ですので短いですが投下します。

2月 クラナガン某所。
「いやーパパイヤ。今日も暑いねえ」
「いやいや、それはおかしいですから」
この冬真っ只中でもタンクトップ姿の石ちゃんこと石塚英彦。
そしてアフロが魅力な振り付け師、パパイヤ。
「それよりも石ちゃん、今回はとうとうクラナガンですよ」
「そうなんだよパパイヤ。地上本部があるクラナガン。今週はここが舞台なんですよ」
そういって石塚は周囲を見渡す。
いやあ、かの時空管理局の本部があるだけに、華やかですねえ。
「これだ毛大きな町だと、まいう〜な所がたくさんありそうだなあ」
「そうだねえ」
これからの事を考えt、顔を緩ませるでぶ二人。
「それにね、今回はそれにちなんで最近有名になっている管理局員がきてるんだよ」
「石ちゃん、それほんと!?」
と、その時!
「すいませーーん!」
デブ二人に挟まれるように、まだあどけなさを残す少女がやってきた。
「あ、この子ニュースで見たことあるよ。この前も……」
「そう、嵐で孤立した船の中、逃げ遅れた親子を救った特別救助隊の期待のホープ」
「どーも、スバル・ナカジマでーす。父さん、ギン姉、みんなみてるー?」
スバル・ナカジマ。
時空管理局、特別救助隊に若くして配属。
配属後は様々な任地に赴き、実力と共に雑誌などでも報じられすっかり今では人気者に。

以後、スバルを見た元同僚達や家族の反応。
「あいつ、何でテレビにでてんのよ。しかも人の名前まで呼んで……」
「スバルさん、テレビに出る暇あったんですね。忙しいっていってたのに」
「まあ、管理局のほうも宣伝をかねてるんじゃないかな……」
「スバル、久しぶりの休みに急な用事があるっていってたってこれだったの……」
「スバルのやつ、一言いってくれればいいのによ……俺達が毎週見てるの知ってて黙ってたな」

「それで、スバルは今日このグラナガンでのお勧めのお店を紹介してくれると」
「はい!とってもまいう〜なお店を紹介します」
まるで売れっ子のアイドルのようにきゃぴきゃぴと、まるでテレビ慣れしているかのようにスバルは馴染む。
「それで、私ずっとでぶや見てるんですけど」
「あ、ありがとうございます」
「それで、テレビで見てておもったんですけど、石塚さん、寒くないですか?」
「あんたまでそれをいうのかよ!」
「あはははは(笑)」
和やかな雰囲気の中、パパイヤがある事を尋ねる。
「こっちも聞きたいんだけど、やっぱり特別救助隊って大変なんだよね?」
「はい、それはもう。でもやりがいがあって楽しいですよ」
「その分、やっぱり食べてかないとやってけない?」
「はい、たべないと体力が持たなくて」
そして次のスバルの一言が、石塚の火に油を注ぐ!!
「私、こんな体してますけど石塚さんよりは食べる自身がありますよ」
「!!」
その瞬間、石塚はスバルを睨む。
「そんな体で俺より食べるぅ?」
「はい!」
「よく本人の前でそんな事がいえるな!」
「だって、じしんがるんですもん」
「よし!そんなら一勝負してやろうじゃないか!」
こうして始まった石ちゃんとスバルの大食い対決!
そしてスバルが紹介するまいう〜なお店とは?
そして今回はスバル意外にスペシャルなゲストが登場だ!!
元祖!でぶや!!

627 :魔装機神:2008/03/12(水) 00:37:27 ID:v3/1kNbK
はい、短いですがこれで投下終了。
数少ないバラエティ番組のでぶやとのクロスでした。
ただ、嘘予告って言ったけど、やろうと思えば続きをかけそうな気がした今日この頃

628 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 00:38:39 ID:zqXFOILi
なにこれ・・・・・・・・・・イヤコレハナイヨw
投稿乙w

629 :魔装機神:2008/03/12(水) 00:49:51 ID:v3/1kNbK
>>628
まあ、自分も続きをかけそうなんていっておきながらネタ目的ですから。
元がバラエティだから地の文をどうしようか迷いましたし。
ただ、電波を受信しただけで書いたものですからこんな物を書いてすみませんでした。
みんな、バラエティは難しいから気をつけろよーー

630 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 00:56:49 ID:LZ/YEclw
職人の皆さんGJです!

闇の書編最終話ができたのですが……容量ギリギリですねι

631 :LMS:2008/03/12(水) 01:01:25 ID:QlaHBEFv
さて、それでは投下しようと思います




Lyrical Magical Stylish
Mission 07 Magma Tank



「GAHAHAHAHA―――!!! さあ、今度こそ捻り潰してやるぜ―――!!!」

 吹き荒れる暴力じみた殺気と、側にいるだけで服が発火しそうな熱気。二人の前に立ち塞がったのは先ほど邂逅したばかりの魔獣、ファントム。
圧倒的な存在感に、なのはは知らずレイジングハートを強く握り締める。

「やれやれ、シツコイやつは嫌われるぜ?」

 だが、吹き付ける死の気配をものともせず、ダンテはリベリオンに手を掛けながら悠然と歩を進める。

「ハハハハハハ―――!! その余裕がいつまで続くかな!!!」
「ずっと続くさ。そら、行くぜ!!」

 互いの間合いに入った二人は、展開についていけず未だ闘技場の中へと踏み出せないなのはを置いてぶつかり合う。
ファントムの振るう前肢と、ダンテの振るうリベリオンが衝突し、発する衝撃が周囲にある瓦礫を吹き飛ばしていく。

「イィィヤァァア!!」

 裂帛の気合とともに振りぬかれるリベリオンはどれもこれもが必殺の威力を内包し、されどファントムの強固な外殻に阻まれ深いダメージを与えるには至らない。

「ゲハハハハハ―――!!」

 ファントムの振るう肢もまた、一度でもクリーンヒットすればダンテの腕一本程度なら楽に吹き飛ばす破壊力でありながら、ダンテのスピードに付いていけず虚しく空を切る。
 膠着する戦況、互いに決定打を出せず、ただただ剣と肢がぶつかる音だけが響き渡る。

「……いつまでもボーっとしてないで、ダンテさんを援護しないと!」

 初めて見るダンテの本気と、それと互角に渡り合うファントムの激闘。壮絶な殺し合いに飲まれていたなのはだが、頬を叩いて気合を入れると、その激闘の中に踏み込む決意をする。

「行くよ、レイジングハート」
「Stand by ready」

 愛杖に囁きかけ、最後の一押しを得る。一人では戦えなくとも、自分にはこんなにも頼りになる相棒がいる。なのはは空に舞い、今なおダンテと激しいぶつかり合いをするファントム、その眼に向けて魔法を放つ。

「ディバインシューター!!」

 放たれた光弾は二発、ダンテの邪魔をしないよう誘導されたそれは、動きそのものは遅いファントムの眼に吸い込まれ、ダメージを与えるどころか、ファントムに触れることすら出来ずに消し飛ぶ。
 ファントムが意図せずとも纏う、凶悪なまでの炎の加護が魔法をかき消してしまったのだ。

「嘘……」
「ガハハハハハ―――!! お嬢ちゃん、そんなんじゃワシに傷一つ付けられんぜ―――!!!!」

 前肢を重ね、ダンテの攻撃を受ける瞬間バネのように弾く。だが、弾き飛ばされたダンテに眼もくれず、ファントムは顎の中に凄まじいまでのマグマを溜め込んで―――

「―――!!」
「吹き飛んじまいな――!!」

 なのはの体を突き抜ける死への予感。散々ダンテに鍛えられたその直感が、数瞬後に迫った死の運命を避けるべく、なのはに行動を取らせる。
放たれるマグマ、一瞬掠っただけでも溶解しそうな熱量を秘めた弾丸を、フライヤーフィンの高機動モード、フラッシュムーブで辛くも避ける。
放たれた炎の一撃はなのはの横を通り過ぎ、直撃した闘技場の壁を一瞬にして溶かす。

632 :LMS:2008/03/12(水) 01:02:00 ID:QlaHBEFv



「じょ、冗談じゃないよ!」

 あんなもの食らおうものならバリアなんてものの役にも立たない。骨すら残さずに焼き尽くされてしまう。

「オラ、余所見してていいのか!?」

 だが、そんな威力を知ってか知らずか、ダンテはマグマを放った直後のファントムへと突進していく。十分な加速を乗せたスティンガーが肢の防御をすり抜けてファントムの頭部に直撃する。

「効かんぜ、坊や――!!」
「その強がりがいつまで持つかな!!」

 荒れ狂う刃の嵐が、振るわれる肢を片っ端から弾き飛ばし、ファントム唯一の弱点ともいえる頭部に斬撃をこれでもかと言うほどに叩き込む。
なのはもまた、そんなダンテを援護するべくあの弾丸を放たれても回避できるだけの距離を取って魔法を撃ち込んでいく。

「ディバインシューター!」

 ファントムの外殻にダメージが与えられなくとも、肢を弾き、ダンテが防御に回すターンを攻撃に向けられればと。ダンテの周囲を護るように飛び交う光弾は、小さいながらもファントムの圧倒的な一撃に抗おうとする。

「だから言ってるだろ? 無駄だってな――!!」
「く……」

 それでもファントムの攻撃は止まらない。肢を止めようと動く光弾をいとも簡単に消し飛ばし、それでもなお勢いを緩めぬ一撃が防御に回ったダンテを吹き飛ばす。

「チィ、相変わらずの馬鹿力だぜ」
「どうした坊や、お前の力はその程度か――!!」

 何度吹き飛ばされても突進を止めなかったダンテだが、自身の足元が赤く発光するのを確認するや否やなりふり構わず横へ飛ぶ。勢い余って壁に激突するのも構わない。
その瞬間吹き上がった火柱が、インフェルノを越える勢いで天に向かって凶悪な産声を上げる。逃がしはしないとばかりに連続で放たれる火柱が、必死に逃げ惑うダンテを追って大地を灼き尽くしていく。

「ダンテさん!」

 ダンテは壁際に追い込まれていく。このままでは、いずれ灼熱の炎がダンテを丸焼きにするだろう。なのはは火柱を止めるべく、ファントムに極大の魔法を叩き込もうとして―――

「くっ……」

 邪魔だとばかりに放たれた火柱を回避する。なのはが魔法をチャージしようとするたびに放たれる火柱、これを避け続けていたのではとてもではないがディバインバスターを放つことは出来ない。

「だったら……!」

 火柱が届かないぐらいまで高く。幸い、ここの天井は高く、ファントムの火柱も天井まで届かないことは今までに確認済みだ。フィンを駆り、天井スレスレまで飛び上がる。

「これで!」
「だから言ってるだろう。無駄だってな―――!!」

 そこでなのはは見た。先ほど放たれたマグマの一撃が、ファントムの背中から飛び出そうとしている。

「やば……」

 射線から逃れるように今度は全速で急降下。掠めるように飛んでいった魔弾が天井を打ち砕き、瓦礫が雨となってなのはとダンテを襲う。

「これじゃあ……」

 援護など出来ない。ディバインシューターですら援護にならないのであれば、なのはに残された魔法はディバインバスターかスターライトブレイカー。
だが、後者を撃ってしまったらこの先何も出来なくなるし、詠唱時間の問題でディバインバスターよりも撃てたものではない。

633 :LMS:2008/03/12(水) 01:02:46 ID:QlaHBEFv


 だが、ファントムにはディバインバスターを溜める時間すら与えてもらえない。ダンテと斬り合いながらも確実にこっちの動きを把握してくる。

「ゲハハハハ―――!!!」
「ダンテさん!!」

 遂に逃げ場のなくなったダンテに無慈悲な死の炎が炸裂する。ファントムの哄笑と、なのはの絶叫、炎が轟々と燃え盛る音だけが周囲に響き―――

「どこ狙ってやがる、俺はこっちだぜ――!!」

 いつの間に移動したのか、壁を走って飛び上がりファントムの真上を取ったダンテが全体重を乗せた渾身の一撃を見舞う。
いずれかの眼でダンテの姿を捉えたファントムが邪魔しようと振るった尻尾ごと切り裂き、遂にファントム外殻を突き破って切っ先が潜り込む。

「グオオオオオオ―――!!」
「ディバインシューター!」

 思わず絶叫を上げるファントムの口内に、その瞬間を逃さなかったなのは魔弾が進入、そして。

「Blast!!」

 大爆発。硬い外殻で覆っているものほど、中は柔らかい。ファントムもまたその例に漏れず、体内で生じた爆発に身を捩る。

「年貢の納め時、だぜ!」

 リベリオンを引き抜いたダンテがファントムの頭部から飛び降り、なのはの起こした爆発によって周囲の外殻が吹き飛んだファントムの口膣に狙いを定める。

「Are you ready? イィィィィヤァァァァァアア!!!」

 神速の連続突き。銃弾もとやかくとばかりに打ち込まれる切っ先がファントムの体内を蹂躙し、止めとばかりに放たれた全力のスティンガーがファントムの頭部外殻を貫通して飛び出す。
 だが、それでもなおファントムは死んでいなかった。あまりの痛みから滅茶苦茶に放たれる火柱、自分を巻き込むことを厭わないそれに、ダンテも攻撃の手を緩めて下がるしかない。

「ガハハハハハ―――!!」
「相変わらず大したガッツだぜ。だが、いい加減諦めな」

 ダンテがリベリオン片手に挑発するも、ファントムは取り合わない。それどころか、ダンテの知るファントムからはありえないはずの言葉が飛び出す。

「ククク、ワシも貴様と最後まで殺しあいたいところだがな。今回はここまでだ」
「あん?」
「近いうちに、今度こそ捻り潰してやるぜ。GAHAHAHAHAHAHAHA―――――!!!!」

 そう残すと、ファントムの姿は霞のように消えていってしまった。殺気も気配も消えたことから、どうやら本当に退却したのだということが分かる。

「ヘイヘイ、どーなってんだ?」

 あの好戦的なファントムからは考えられない言動にダンテは頭の上にはてなを浮かべる。

「……終わった、んですよね?」
「ああ……今回はな。ヤツも言ってたし、どーせそのうち出て来るんだろうけどよ」
「そうですか……」

 強敵に対してとりあえず勝ったということで、ダンテは調子が良さそうだったが、反対になのはは沈んでいた。

「なのは?」

 それもそのはず、今回なのははファントムに対してダメージらしいダメージは殆ど与えられなかったのだ。
最後の口内に叩き込んだディバインシューターもダンテの攻撃があってこそ成り立つものであったし、それ以前に何もさせてもらえなかったという印象が強く残っていた。

「……ごめんなさい」

634 :LMS:2008/03/12(水) 01:03:38 ID:QlaHBEFv



 そして呟かれた謝罪の言葉。何に対して謝ってるのか全く見当のつかなかったダンテは思わず聞き返してしまう。

「は?」
「だって、私ファントムに対して殆ど何も出来なかった」
「あー……」

 外殻に覆われていない眼を狙った一撃はファントムの纏う無意識のバリアに消し飛ばされ、ダンテを護ろうと放った光弾は何の役にも立たなかった。
火柱を避けるダンテを助けようとしたが、何も出来ないままただ自分が逃げるのに精一杯だった。
 今までが調子よかった分、今回のことはひどくショックだった。この先、ダンテに付いて行っても何の役にも立たないのでは、そんな思いがなのはの頭を占めていく。

「……やれやれ」
「……え?」

 どんどん暗くなっていくなのはの表情に、ダンテはポリポリと頭を掻くとそっと手のひらをなのはの頭に乗せた。

「相性ってヤツだろ。それに、お前はまだ持てる技を全部出してない」
「……でも」
「なに、そのうちお前に頼らなきゃならねーようなのも出てくるさ。だからそう、気を落とすな」
「…………」
「安心しろよ相棒、お前の力は十分上の連中にも通用する、俺は信じてるぜ」
「ダンテさん……」
「次出てきたときは目にもの見せてやりな。大丈夫、お前なら出来るさ」
「……はい」

 それだけ言うと、ダンテは手を離して照れくさそうな表情でなのはを見ていた。なのはもまた、ダンテの言葉を噛み締めるように杖を握りなおし、そして上げた顔は自信に満ちた笑みが溢れていた。

「よし、それでいい」
「ごめんなさい、ガラにもなく落ち込んじゃって」
「全くだ。ったく、心配する身にもなれよ?」
「もう、大丈夫です」

 そうだ、自分は自分で決めてここにいるんだ。だったら、落ち込んでいる暇などない。
そんな暇があるなら、どうすればファントムにダメージを与えられるかを考えるべきだ。なのはは先行するダンテの横に並ぶ。

「行きましょう」
「ああ」

 そして二人は闘技場を横切り、出てきた扉と正反対の場所にある扉に手を掛ける。

「行くぜ」
「はい」

 今後、どんな窮地でもなのはは迷わないだろう。ダンテもまた、そんななのはに背中を任せ、存分に悪魔を切り捨てるだろう。二人は、扉を開けた。






(…………)

 ファントムを退けた二人を、ファントムが天井に空けた穴から見つめる存在があった。彼もまた、かつてダンテと戦い、そして敗れた経験を持つ悪魔である。
 名を、グリフォン。魔界の空を統べる天空の覇者であり、魔帝ムンドゥスに心よりの忠誠を誓う騎士でもある。
そんなグリフォンは、己を破った魔剣士ダンテと、ダンテとともに戦う幼き魔導師なのはの存在を強く心に焼き付けていた。

(……あの魔導師、やっかいな敵になるかも知れぬな)

635 :LMS:2008/03/12(水) 01:04:45 ID:QlaHBEFv


 小さな外見からは想像も出来ないほど強力な魔力、それを形にする魔法。そして何より、あのファントムを前にして恐れず立ち向かっていった強靭な心。
 確かに、ファントムにダメージらしいダメージは与えられなかった。だが、あの程度が全力だとはとても思えない。切り札を隠し持っているに違いない。

(……楽しみだ)

 久しく喜びというものから遠ざかっていたグリフォンは、近い将来立ち塞がるであろう二人のことを考え、身を貫く闘争の喜びに打ち震えていた―――



「えーっと、これはどうするべきなんでしょう」
「前は二箇所でよかったんだがなぁ……」
「全部行かないとダメってことですか?」
「そう書いてあったな。やれやれ、知の試練とか訳わかんなくて諦めたんだが……」

 闘技場の扉を開けた二人がたどり着いたのは、沈黙せし女神像の間とその奥にある三つの試練の間。知の試練、技の試練、闘の試練、この三つを乗り越えた者が先に進める、テメンニグルにあった部屋である。
また、知の試練に全く歯が立たなかったダンテにとってはあんまり嬉しくない場所でもある。

「技も闘も楽勝なんだが、知だけがな……」
「まあ、ダンテさんバカですからね」
「オイコラ」

 テメンニグルと全く同じであったならクリアする試練は二つで良かったのだが、どうやら今回は三つすべてクリアしなければならないらしい。

「じゃあ、ダンテさん技と闘をお願いします」
「お前に知がクリアできんのか?」
「さあ……でも、ダンテさんは出来ないんでしょう?」
「まあ、な」
「じゃあ、出来ないようなら外で待ってますんで、二人でやりましょう」
「オーライ、行ってくるぜクソッタレ」

 どの道、自分一人で行っても出来ないことが分かっているならなのはに任せるのもあながち悪い手段ではないか。なのはが唸っている間に残りの二つをクリアしてしまえばいいのだから。
なんてことを考えながらダンテは口笛を吹きながら技の試練へと進んでいく。技の試練へと消えていくダンテを見送り、なのはは知の試練へ挑むべく説明を読む。

「えーっと……
『この先は「知」の試練の間。人が生まれし時、若き時、そして老いたる時。その足跡が正しき道へと汝を導く』
 かぁ……」

 何を言っているのかわからないが、どうやらこれが問題のようだ。なのはは考えながら試練へ続く入り口に入る。

「えーっと……進む道が四つ、それぞれ数字が一から四か……なんだろう。人が生まれし時……人、人かぁ……」

 おそらく、ダンテはここで適当に入ってエライ目に遭ったんだろうな、何て考えつつ、そんな愚は犯さない。答えが分かるまでは動かないほうが賢明だ。

「うーん……答えが人……あ、何だ、そーいうことか」

 発想の逆転がなのはに閃きをもたらした。スフィンクスの謎かけ、その逆バージョンということか。確信はないが、おそらく間違っていないはずだ。
あの謎かけは確か、朝は四本昼は二本、夜は三本で歩く生き物を答えろとかそんな内容だった。というわけでなのははとりあえず四の道へ進む。

「……これさ、どれが正解でどれが間違ってるってどうやって判断するんだろう」

 何も起きず、また同じような場所に出る。が、それが正しいと判断していいのかどうか。ダンテの口振りから、一度しか挑戦できないわけでも無さそうだということで、なのはは二の道へ入る。
 実際本来ならば、間違えると悪魔がわんさかいる部屋へとご招待なのだが、幸か不幸か一発で正解を導いたなのははそんなこと知る由もない。

「……やっぱり何もないね」

 続いて三の道へ。そして、ダンテがどれほど苦労したのかわからない知の試練を、あっさりと解いてしまった。

636 :LMS:2008/03/12(水) 01:05:57 ID:QlaHBEFv



「何これ、知の神髄? これでいいのかな?」

 なのは、知の神髄ゲット。ダンテより頭がいいことが証明された。

「……ダンテさん、やっぱりバカなんだなぁ」

 呟きながら知の試練の間から出てきたなのはは、とりあえずダンテが技でも闘でも出てくるのを待たなければならないということで、階段に腰掛けてダンテを待つことにした。
そのダンテは今、技の試練をあっさりとクリアして出てきたところだ。

「お、なのは。どーした、やっぱわかんねーんだろ?」
「まさか。一発でクリアしましたよ。ホラ」

 手のひらサイズの神髄をぽんぽん玩びながらダンテは聞くが、返って来たのはまさかの返答。自分があんなに苦労して結局解けなかった知の試練をまさか九歳の子供に一発でクリアされてしまうとは。

「……ジーザス、ダン……なんてこったい。お前、意外と頭いいんだな」
「意外とは余計です。というより、何でダンテさん知らないんですか、あんな有名な謎かけ」
「あーん?」
「スフィンクスの謎かけですよ」
「知らねーな」

 ダンテを見るなのはの目は、前に一度見せた可哀想な人を見る目になった。

「…………」
「ヘイヘイ、その目はやめようぜ。何だか知らんがもの凄く悲しい気分になる」
 
 そんなどうでもいいところでも抜群のコンビネーションを発揮しつつ、二人は当然のように連れ立って最後の試練、闘の間へと入っていく。

「ここはどうすればいいんですか?」
「大暴れすればいい、簡単さ」
「成る程、そりゃ簡単ですね」

 部屋の中央で背中合わせ。その瞬間退路が断たれ、周囲には濃密な殺気が満ち溢れた。間違いない、哀れな生贄が出てくる合図だ。
そんな次の瞬間にはもう宴が始まろうという緊張感の中、ダンテはそんなそぶりを微塵も見せずにジョークを飛ばす。

「競争すっか?」
「賞品は?」
「勝つ気満々だな……俺からの熱いキスってのはどうだ?」
「却下します」

 レイジングハートに魔力を込め、前を見てダンテの言を一刀の元に斬り捨てた。ダンテもまた、大して残念そうな感じを見せず、愛剣を握りなおす。
 溢れ出した瘴気が限界点を超えたか、部屋中に悪魔が出現する。それを見るなのはとダンテは、心底楽しそうにパーティの開始を宣言した。

「「―――Let's Rock!!」」

 ダンテが駆け出し、なのはが舞う。

「ディバインシューター!」
「Are you ready?」

 凄まじいスピードで駆け巡る魔弾は、悪魔がなのはに接近するのすら許さない。頭を、胴を貫かれ、元の土塊へと還っていく。その後ろで振るわれる剣が、反撃を全くさせないまま数体の悪魔を一刀の元に滅していく。

「ハッ、手応えのねぇこった!」
「こんなの、魔力がもったいないね」

 そして、同時に飽きた二人は自身の得物を仕舞ってしまう。ダンテはネヴァンを、そしてなのはは―――

「Come on! ベオウルフ!」

637 :LMS:2008/03/12(水) 01:06:44 ID:QlaHBEFv



 地に下り、両手足にベオウルフを装着、そのまま眼前のヘル・プライドへ一直線に突き進む。

「Yeah!」

 加速のついた拳が鎌を振り上げることすら許さずに直撃し、頭部を一撃の下に爆砕する。それでも、敵の数は未だ天井知らず、殲滅速度の落ちたなのははあっという間に囲まれる。

「Come and get me(捕まえてみな)!!」

 悪魔の群、その中から聞こえてくる楽しそうな叫び声。光る手足が縦横無尽に踊り、触れる悪魔を片っ端から弾き飛ばしていく。

「やっぱパーティは楽しまなきゃ、な!」

 そんな様子を傍目に見つつ、ダンテは自身に襲い掛かってくる悪魔に禍々しい紫電を放つネヴァンを見せ付けるように振り回す。空間に放電される雷が、空間を埋め尽くすほどに出現してくる悪魔を手当たり次第に焼き払う。

「Disturb! Drive me Fxxk!!!」

 時に弾き、時に振り回し、滅茶苦茶なパフォーマンスから繰り出される破壊の迅雷が、狂ったように演奏を続けるダンテの周囲を薙ぎ払う。

「チケット代はお前等の命、安いもんだろう? Drive me violent! Jam Session!!」

 そして、演奏が最高潮に達したその瞬間、ダンテを中心とした雷のドームが辺り一体を蹂躙する。演奏者に近付きすぎるのは、ライブ会場ではご法度。その罪は死を以って償ってもらわなくてはならない。

「You scared(お前等、ビビッてんのか)? ハッハァ!!」

 荒れ狂う死の雷撃に恐れをなしたか、ダンテの周囲をうろつくだけで襲い掛かることをやめた悪魔にダンテはどっちが悪魔か分からないような笑みで挑発。
それに怒り、我を忘れて飛び掛ってくる頭の足りない連中を消し飛ばすのはライブの余韻だけで十分だ。

「さて、雷にも飽きただろ? 次は灼熱のおもてなしだ、ちゃんと受け取ってくれよ?」

 ネヴァンを仕舞ったダンテがシャドーボクシング。イフリートの炎が、その軌跡を赤く染める。

「Com'n winp(来な、ノロマ野郎)!!」

 自分たちを脅かす死の雷、その奔流が収まったと見るや否や、悪魔たちは我先にと剣を持たないダンテへ襲い掛かる。その光景を見たダンテは嬉しそうに舌なめずりすると、そのうちの一体目掛けて駆け出した。

「やれやれ、ダンテさん楽しそうだなぁ、っと!」

 好き放題歌っていたダンテの歌声は当然ながらなのはにも聞こえていた。じっくり聞くことは出来なかったが、激しいロックでテンションが一気にレッドゾーンまで突入したのには感謝している。
今もまた、普段の調子なら防御で安定の場面をちょっと無理して避けてみたところだ。勿論反撃もしっかりと叩き込んでいる。

「Have a good nightmare(いい悪夢を)!!」

 そしてまた、なのはの繰り出した蹴りが一体吹き飛ばし、倒れたところに着弾した魔弾が爆発、悲鳴を上げさせる暇さえ与えず死をもたらす。
 悪魔にとっては、まさに今が悪夢そのものだ。たった二人、しかも片方は子供、その二人に傷一つつけることが出来ないままに殲滅させられていくのだから。

「あれ? もう打ち止め?」
「相変わらず情けない連中だぜ。子供一人満足させられないのかよ?」
「ま、私は特別ですからね」

 そしてついに、狂乱の宴は終幕を迎える。ダンテとなのはは話したわけでもないのに、開幕と同様の位置へ戻る。

「楽しんだか?」
「それなりに」
「ソイツは良かった。んじゃま、最後ぐらいは派手に行こうぜ?」
「当然!」

638 :LMS:2008/03/12(水) 01:07:32 ID:QlaHBEFv
8(終)


 悪魔も泣き出すコンビは、同時に拳を真上に振り上げた。

「「Go to the hell!!」」

 叫びの意味を理解できないのか、二人が固まった今が好機とばかりに押し寄せる愚昧の衆。その兇刃が二人に到達する直前、部屋全体が地獄と化した。

「インフェルノォォ!!」
「ヴォルケイノォッ!!」

 爆炎と白光、全く同時に放たれた二つの圧倒的なエネルギーは相乗効果をもたらし、暴力的な力で以って部屋にいる二人以外のもの全てに等しく死を与えた。

「―――……」

 無数の悪魔の悲鳴が、炎と光の収まった部屋に反響する。その悲鳴がどう聞こえたのか、二人は楽しそうに腕を掲げると最高の笑顔で言い放った。

「「Crazy? Ha!(イカれてるって? ハッ!)」」

 そして顔を見合わせ、拳をつき合わせてもう一度。

「「It knows!!(知ってんよ!!)」」




 女神像に三つの神髄をはめ込む。すると、女神像の頭部が発光し、正面にあった扉を塞いでいる封印を破壊した。

「これで進めるんですよね」
「ああ」

 二人は階段を登り、扉を開く。そこはまたしても随分と広々とした広場であった。
空が見え、また周囲には申し訳程度に草木が繁っている。古城の中にあるには明らかにおかしい場所だが、この繋がりの滅茶苦茶も魔界の特性の一部なのだろうか。

「……随分広い場所ですね」
「ったく、マレットだったりテメンニグルだったり忙しいなオイ」
「ちなみに今回は?」
「マレットだ」

 暢気な会話をしつつ広場を進んでいた二人だが、突如なのははレイジングハートを空にかざし、ダンテもまたネヴァンを全力で掻き鳴らす。

「ライトニング・プロテクション!」
「ジャムセッション!!」

 二人の叫びと同時に生じた光り輝く防護壁とそれを覆うように展開された紫電のフィールドが、二人に落ちようとしていた赤い落雷をすんでのところで対消滅させる。







「待っていたぞ、魔剣士の息子よ、そして幼き魔導師よ」

639 :LMS:2008/03/12(水) 01:11:11 ID:QlaHBEFv
というわけで7話はここまでです
さるさん対策で分量を削った分、物足りないかもしれないけどそこはご容赦ください
ファントムとの一回目の闘いと、グリフォンとの邂逅でした
やはり二対一で勝っても面白くない、ということで、今回はファントムの逃走という形になっています
決着はいずれ

>>魔装機神氏
投下前に激しくワロタw

640 :情に目覚めし黒き龍:2008/03/12(水) 01:14:17 ID:Wwy3SvVC
GJ!なのはの10年後がえらい事になりそうですw

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 01:17:18 ID:a3aHwY2J
心からGJを。
ロックななのはさんかっこよすぎる。続き楽しみにしてます。

642 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 01:18:28 ID:LZ/YEclw
GJです!
闘いが面白くて次の話が気になります!

643 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 01:25:19 ID:zqXFOILi
@30だ〜〜
まだだ 
 まだ逝ける!!

644 :リリカラー劇場 では投下します。:2008/03/12(水) 01:35:34 ID:LZ/YEclw
リインフォース「我が主、皆……」
ガンダム「リイン?」
はやて「ん?どうしたん」

”てぃたーんず”による人質事件は”れんぽー””じおん”が管理局、ヴォルケンリッター達と戦った。
それにより、事後処理で判明したヴォルケンリッターの魔力蒐集に関しては裁判で後を決めるに至った。
リインフォース「お話が……あります」
はやて「?」

リインフォース「暴走が始まるまえに……私を封印してください」
はやて「えっ……どうゆう事……」
リインフォース「でないと、でないと私は……これから8個組のヤクルトをコップ一杯に注いで飲んでしまう!」

ガンダム:な、なんか……
はやて:……上の重苦しい雰囲気台なしι

魔法少女リリカルなのはFullcolor'S 闇の書編 第6話

今、はやて達は裁判の為にホワイトベースに乗艦しミッドチルダに赴いていた。

シャアザク「……ふむ、おまえはあの姉妹の言うことを踏まえて−−」
なのは「考えたんだね……」
リインフォース「ああ……たとえ、私の意志が止めても……闇の書という本体が有る限り私はいずれ魔力をもって暴走する」
はやて「そんな……」
ステイメン「そんなことないもん!!」



645 :リリカラー劇場 では投下します。:2008/03/12(水) 01:38:17 ID:LZ/YEclw
−−−−

ヴィータ「ステイメン……」
ステイメン「リインちゃんは優しい眼をしてるからそんな事になんないよ!本体を切り離せないの?」

リインフォース「出来る……」
はやて「それやったら!」

リインフォース「だが、私の存在が在るかぎり本体は反応して私と共にありつづける……。
おまえとオーキスみたいにはなれない…………」
ステイメン「やだよ……リインちゃんのこと好きだから、大切だから、友達だから!
そんな事言わないでよ!はやてお姉ちゃんも、皆もリインフォースのこと大好きだもん!」
はやて「そうやで……リイン。そんな悲しいこと……言わんといてや。シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラ……どうにもならへんの?」
はやての尋ねにヴォルケンリッター達は沈んだ表情で静かに頷く。

ザフィーラ「……」
シグナム「主はやて、我々にはリインフォースを。消滅させるしか出来ません」

なのは「……ユーノくん!」
フェイト「アルフ」

ユーノ「ごめん」
アルフ「私達も、それぐらいしか……」

はやて「そんな……」
ステイメン「……うぅぅ」

哀しい決断しか出来ない事にはやて、ステイメンは眼に涙を滲ませる。
やっと、話せたのに。やっと巡り逢えたのに。
やっと名前を呼び合えるようになれたのに。

ほんの、短い時間の中での記憶。
それでもリインフォースにはとても良い生涯である。

リインフォース「我が主、ステイメン……私はあなた達、二人の主に会えて幸せでした。これで笑って逝けます」



646 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 01:38:27 ID:xAymoqv7
GJだっ!

断言できる。
LMS氏のなのはは、StSの時代では素晴らしいスタイリッシュ砲撃馬鹿なオネーサンになってると思う。
ティアナにたいしても『Take it eagy』で丸く収めそうw

647 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 01:41:31 ID:LZ/YEclw
ガンダム「あのさー」
シャアザク「そのことなんだが……」

リインフォース「ガンダム、シャア。二人にも世話になった……」

ガンダム「助けただけだし良いよー。でさ、さっきの切り離しがどうとかって話なんだけど」
はやて「?」

シャアザク「何とかなるかもしれんぞ」
なのは「Σ本当!?」
シャアザク「それについてはコイツに任せろ」

ターンA「ボクにまっかせて下さい!」
アルフ「ターンAが?」
フェイト「でも、どうやって?」
ターンA「リインフォースさんを埋めます♪」

リインフォース「へ?」

−−−−

そして、場所を移してここはミッドチルダ。”むーんれいす”特別課。
今、リインフォースは顔を出した状態で砂に埋まっていた。

はやて「砂風呂やったんか……」

ターンA「はい♪砂風呂は身体中の穴という穴から悪いものを垂れ流します♪多分、暴走したい意欲も抜き出ると思いますー」
ヴィータ「いや、そんな簡単に……」
シグナム「具合はどうだ?」
リインフォース「ダメだ……」
ステイメン「そんな……」
ヴィータ「やっぱりなι」
リインフォース「たれながれてる……」
ヴィータ:えーι

ターンA「そして、上がってから冷たい牛乳を飲んで完璧に消し飛びます!」
デスティニー「エライ簡単だなオイι」

なのは「砂風呂いいなぁ」
フェイト「いいなぁ」
シャマル「入りたい……」
ヴィータ&デスティニー「Σえぇー」

ターンA「コーヒー牛乳やフルーツ牛乳も用意してますよー♪」
一同:♪(ゴク)
ガンダム「よーし、入るぞ皆ー」
一同:おー!

ヴィータ&デスティニー「Σ誘惑に負けるのかオイ!?」




648 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 01:44:17 ID:LZ/YEclw
容量が超えそうなのでとりあえずここまでにします。
続きは次スレに。

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 01:52:10 ID:rg7/n35G
乙でした


650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 01:54:59 ID:GicEGjn8
まだ450KBだから比較的容量に余裕はある件
他の誰かが投下予定だというなら別だが

651 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 02:05:18 ID:LZ/YEclw
たびたびすいません、では続き投下しちゃいますι



652 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 02:08:03 ID:LZ/YEclw
−−−−
それから数日後。海鳴市 ”みりしゃ”
ここの温泉旅館にガンダム達となのは達がきていた。

リインフォース「ターンA、礼を言う。裁判の間、砂風呂のおかげで防衛プログラムはすべて垂れ流せた」
ヴィータ「やっぱり、おかしいよなι」
ターンA「お役に立てて何よりです♪」

はやて「私もなんやろ、足が飾りじゃなくなったわ〜」
なのは「はやてちゃん、だいぶ歩けるようになっね」
フェイト「そういえば、ヅダさんに抱えられて一緒に走ってたのどうだった?爆発してたけど」
はやて「アハハ、あれは死ぬか思ったわ♪」
ガンダム「あーヅダの身体バラバラになった奴かι」

ステイメン「やったねーはやてお姉ちゃん、リインちゃん♪」
リインフォース「ああ」

シグナム「やはり、汗を流したあとの白い牛乳は格別だな」
ウィング「違うな、コーヒー牛乳だ」

デスサイズ「あ、オレ。フルーツ牛乳ね」
シャマル「私もフルーツ牛乳かしら」
シグナム「Σこの非国民が!」
ゴッド「Σシグナムの言うとおりだ!!汗を流したあとは白い牛乳だろうが!」
アルフ「わかってないね、コーヒー牛乳の良さを」
ユーノ「いや、フルーツ牛乳の良さも。デスティニーは?」
デスティニー「オレは……コーヒー牛乳」
ヴィータ「あ、私もコーヒー牛乳」

ウィング「コーヒー牛乳の勝ちだ」

シグナム「何ぃ……」
アリサ「ふふん、コーヒー牛乳は無敵よ」
すずか「違う、フルーツだよ!」
ステイメン「ボク、白が良い!」
はやて「待った、私も白や!」
ザフィーラ「……コォーヒィーー牛乳だ!」
リインフォース「私も白だ」

ユーノ「フルーツ牛乳は負けないよ!」
なのは「白の甘さはコーヒーを凌駕するの!」
フェイト「ここはラーメンで−−」
アルフ「ラーメンはもういいってι」



653 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 02:11:09 ID:LZ/YEclw
事件を終えてから見るようになった皆の笑顔。それはリインフォースが自らを封印して欲しいとつげた時の悲哀の表情とはくらべものにならないほど明るかった。

ガンダム「なんとかなったな〜」

少し離れた距離、ガンダムとシャアは皆を見守っていた。

シャアザク「ま、あの時の砂風呂効果には驚いたがι 新しい仲間を失わずに済んだな」
ガンダム「うん、良かった良かった。でも……キャラ増えすぎて知恵熱出そうι」
シャアザク「あのなι」

なのは「ガンダムくんは!?」
フェイト「シャアはラーメンだよね!?」

ガンダム「もち、白牛乳で!」
シャアザク「ラーメンはいいとしてι 私はコーヒー牛乳だな」

ガンダム「…………白だ!」
シャアザク「コーヒーだ!」
ゴッド「ならば、ガンダムファイトで白、コーヒー、フルーツ。どれが強いか勝負を着けるぞ!」

一同「おー!」
ヴィータ:あたしらガンダムじゃねぇι

フェイト「シクシク……」
リンディ「みんな何を喧嘩しているのかと思ったら……フェイトさん、貴女の味方はいるわ♪」
フェイト「お義母さん……わたし、私どれでも良かったの!」

リンディ「そう……はい、お茶」

フェイト「ありがとう……ございます」
リンディ「お砂糖はなんキロかしら?」
フェイト「Σキロっ!?」


こうして闇の書を廻った事件は砂風呂によって幕を閉じた。
悲劇をはねのけたMS達となのは達は新たな記憶を紡ぎ、のんびりとした日々を過ごしていく。

闇の書編 完




654 :リリカラー劇場:2008/03/12(水) 02:18:21 ID:LZ/YEclw
以上で闇の書は完結です。
次は機動六課、どうやってミッドチルダに行くか考え中ですw

〜あとがき〜

ガンダム「いやー、なんとか無事終わったなー♪」
アレックス「そうですねー♪リインフォースさんも笑うようになりましたし」

ガンダム「もー、これで厄介事も起きないだろうし安心安心」
ガンキャノン(108)「まあ、厄介事は絶えなかったしな」

なのは「ガンダムくん甘いの!」
ガンダム「あ、なのは−−アレ?大きくなってない?」

なのは「次のお話は私やフェイトちゃん達19歳なの」
ガンダム「19は少女じゃな−−」
なのは「口は災いの種なの♪」
ガンダム「……はいι」
ノワール「呪ってやる!」
スターゲイザー「ハジメマシテ皆サン」
スバル「わーMSさん達だー♪」
ティアナ「はしゃがないでよスバル」
エリオ&キャロ「よろしくお願いします、ガンダムさん」

ガンダム「Σちょっ、また新キャララッシュ!?シャア、助けてくれー!」
ジオング「ああ、次から私は敵サイドに行くらしいから。そっちのツッコミは頑張れ」

ガンダム「え……」
フェイト「シャアが敵に……そんな」
ガンダム「奴を思っくそ殺れんじゃん、今度こそあのBEST精鋭部隊を結成だー」

なのは「Σえ、ガンダムくんι」



655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 07:14:53 ID:998QyAxu
乙です。ゆるいなぁw
わんわやーの予感!

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 07:38:12 ID:zqXFOILi
@20

657 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/12(水) 07:59:42 ID:459jolHR
大好きなDMCクロスが来るのに、その前のたった一レスのでぶやクロスに全部インパクト持ってかれたw
二次元作品クロスが当然なのに、こういう異色の挑戦って素敵ですねよね。
しかも、そのクロスがシンクロ率高いのに吹くww
スバル、番組出てても全然違和感ないよ! っていうか、確かに彼女はバラエティ向きのアイドル系キャラだなwなのはさんより管理局の顔になれそうwww
でぶやは私もたまに見るから、アニメと実写のクロスなのに声だけは脳内再生余裕じゃねーか!
これはもっと評価されるべきw

>LMS
ここ最近のなのはのロックな変わりぶりには将来不安にならざる得ない。
10年後は管理局でもジョン=マクレーン並に敏腕だけどはぐれ者の魔導師か、無精ひげ生やしたダンテとフォルトゥナあたりに喧嘩売ってそうw
あと、小学生なのにスフィンクスの謎解きの話知ってるなんて、リリなのの小学生は本当に年齢詐欺だゼ!
ダンテの代わりに言っておこう。ダンテコッタイ/(^o^)\

658 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 09:17:53 ID:nsqPXdRo
>>654
あなたのおかげでフルカラー劇場を10巻全部揃えた俺ガイル
このゆるさが大好きだ

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 10:36:46 ID:dOP1aueK
>>654
GJっす、最高のゆるゆるっす!

とりあえず一言だけ。
ガンダム君、あのBEST精鋭部隊は敵が可哀想だからやめてあげてwww

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 10:47:05 ID:C5IPHFeJ
そういえば、商品名に『コーヒー牛乳』と付けたらいけないんだよね……

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 11:35:00 ID:LTrqxo4n
まあさすがに幾ら精神強いと言っても
ベルゼバブの仲間の死体を食べる共食いシーンは耐えられんだろう。
ハエだし多分吐くな。

662 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 14:03:41 ID:N6x1Hq4k
3時半ごろに昨日投下した。新作の「スーパーロボット大戦E」の第1話を投下したいと思いますがよろしいでしょうか?

663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 14:11:31 ID:Cvl7+pK2
OK。スパロボの世界でなのは達が活躍するのは
俺の夢だったから楽しみだ。

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 14:14:03 ID:16J341q6
>>654
GJ! 昔大好きだったなぁ。漫画引っ張り出して続き買いたくなってきた。
この漫画のエルメスなら時空移動しても不思議じゃない気がw

665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 14:23:12 ID:P8ky7MBz
>>662

前作のXと同じようなら、正直勘弁してほしい。

666 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 14:25:14 ID:N6x1Hq4k
>>663
本来は宣伝はいけないのですが、あえて言わせてもらいます。

スパロボ世界でのなのはの活躍は俺が初期にかいてますよ。「スーパーロボット大戦X」と言うもので…。
よろしければご覧下さい。第1話〜第3話は駄作ですが、それ以降は(一応)よくなってます。

重ねて申し上げますが、宣伝して申し訳ございません。orz

667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 14:37:26 ID:Cvl7+pK2
>>666
ああ、いやいやちゃんとその作品も読んでるよ。
舞台が地球だということで、よりそれらしいかなと思ったんだ。

668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 14:56:58 ID:tc7Elj8T
シャアーーー!! テメェーーー!! ナンバーズの特にチンクを誑かす気満々だろ
ーーー!! ララァは戦いをするような人じゃなかったーー!!

669 :反目のスバル ◆9L.gxDzakI :2008/03/12(水) 15:07:44 ID:8Iv5nia+
今となっては遅いやもしれませんが、宣言どおり感想を。

>>573
フッ…そうとも。
アンタがアドベントチルドレンとウチのSSを一緒に見てくれたように、
偶然ながら、俺も同じことをしていたのさ。アンタのSSと一緒に、DMCアニメを…
…って違ァァァ――うッ! このビデオHELLSINGだァァ――!?(ガビーン)

冗談はともかく、GJでした!
どうやら今回はスーパー人外タイムだったようで…ああもうクロスミラージュもフリードもカッコよすぎるよ!
対比することでエリオ君が情けなく見えるのが何ともアレですがw
あとはキャロの召喚シーンがお気に入りだったりします。
いいなぁ…ああいう風に表現するスキルが欲しいなぁ…
そして喋るデバイスに憧れるティアに萌えつつ、次回を期待しております。
…よっしゃあモチベーション上がった! 俺も超特急で執筆に入るぜ!

670 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 15:32:47 ID:N6x1Hq4k
時間ですので投下します。少し長いので支援をお願いします。

 世界では日本を中心に、ミケーネ帝国が現れて暴れていた。
 しかし、この街「海鳴市」はミケーネ帝国と違う脅威が迫ろうとしていた。


 第1話 それは不思議な出会いなの


 ここ海鳴市では、比較的平和な日常が送れていた。その街に住む少女、高町なのははある夢を見る。それは少年が謎の生き物と戦って力尽き、自分に呼びかけるものである。
 なのははその時は夢だと思い、あまり気にしなかった。6月1日、友達のアリサ・バニングス、月村すずかと塾に行くときの道である声が聞こえる。
 それは夢で見た少年の声と同じ声である。なのははその声のする方にと走ってみると、道で傷つき倒れている少し変わったフェレットが赤い宝石のようなものを持っていた。
 なのはとアリサとすずかは、すぐにその傷ついたフェレットを獣医のところに連れて行き、ひと安心して三人は塾に行く。
 塾で勉強をしている際に、なのはとアリサとすずかは、こそこそとノートに書きながら、フェレットをどうするか話していた。

「あのフェレット、どうする?」
「私の家は犬がいるから……」
「私も猫がいるから……」
「私は食べ物屋だけど……、いいかどうか聞いてみるね」

 と言うわけで、なのはがフェレットを自分の家で飼えるかどうかを聞いてみることにし、帰宅後、なのはは父の士郎、母の桃子、兄の恭也、姉の美由希に聞いてみたら、
 4人ともなのはが大事に面倒を見ると言うのならと言う事でOKが出た。
 なのはは翌日にでも、フェレットを引き取ろうと考え決意をし、寝ようとした時、またあの少年の声が聞こえた。

「お願い、助けて……」

 なのははその声を聞いて、すぐに着替えて、フェレットのいる病院に走る。
 その時、警報が鳴り響く。海鳴市のすぐ隣にミケーネ帝国の戦闘獣が出現したのであった。

「皆さん、すぐに避難してください」

 その警報を聞き、高町家も避難しようとすると、美由希がなのはがいない事に気付く。

「ねえ、なのはは!?」
「そう言えば……、いない!?」
「一体どこに行ったんだ?」
「俺が探してくる」
「あ、恭ちゃん……」

 兄の恭也がなのはを探しに走る。
 自分がすごいものを見るとは知らずに……。


 なのはは、フェレットの事で頭がいっぱいになっていて、警報が聞こえていない。
 なのはが急いで病院に行ってみると、病院の壁やブロックが壊されている。

(どうなってるの?)

 なのははフェレットを助けようと壊れた病院の中に入るが、フェレットがいた檻の中にはあのフェレットの姿がない。

「あのフェレット、どこに……」
「助けて……」
「え? あっち?」

 なのはは再び、声のする方へと走る。

671 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 15:34:47 ID:N6x1Hq4k
 フェレットは謎の生物に襲われていて、その謎の生物はミケーネ帝国の戦闘獣と戦って倒した、マジンガーZとグレートマジンガーが相手をしていた。

「ロケット、パーーーーーンチ!!」

 マジンガーZのパイロット、兜甲児の叫び声と共にマジンガーZの腕が発射されるが、その謎の生物を突き抜けてしまう。

「嘘だろ!? ロケットパンチが……」
「ならば、これでどうだ! サンダーーーーー、ブレイク!!」

 グレートマジンガーのパイロット、剣鉄也の声に反応して、グレートマジンガーは稲雷を発生させ、それを指先から発射させる。
 その電気が、謎の生物に命中するもダメージらしいものが見当たらない。

「何!? サンダーブレイクもダメなのか?」
「くそーーーー、どうしたら……。うん?」
「甲児君、どうした?」
「鉄也さん、あそこに何かいるみたいだけど……」

 甲児が下を見てみると、マジンガーZやグレートマジンガーの下には小さいフェレットがいて、その謎の生物はフェレットを襲っていた事に気付く。

「まさか、あのフェレットみたいなものが何か関わっているのか?」

 その場にようやくなのはが到着するが、なのははマジンガーZとグレートマジンガーの姿を見て驚く。

「あれって、スーパーロボットのマジンガーZとグレートマジンガー……」

 なのははその姿を見て、目を光らせようとするが、今はそんな余裕はない。なのはは急いでフェレットを探そうとすると鉄也が呼びかける。

「君、ここは危ない。早く逃げたまえ」
「で、でも……」
「俺達に任せて、逃げてくれよ」
「わ、私は……」

 なのはが甲児と鉄也の警告を聞いて戸惑っていると、フェレットがなのはの元に飛び込み、なのははそれを受け止める。
 なのははフェレットが無事なのにほっとしていると謎の生物が、なのはに襲い掛かろうとする。

「うがああああああ!!」
「な、何? きゃあああああ!」

 なのはが叫ぶ。しかし謎の生物はマジンガーZとグレートマジンガーに止められる。

「早く逃げろ!」
「は、はい!」

 なのははフェレットを連れて逃げようとすると、フェレットから声がする。

「待ってください」
「え?」
「な、何だ? この声……」
「甲児君も聞こえるのか?」
「鉄也さんも……?」
『ま、まさか……』

 なのはと甲児と鉄也が恐る恐る、フェレットを見ると、その声の主はフェレットが口を開いて話していたことがわかる。

「まじかよ!?」
「フェレットが喋るとは……」
「あ、あの待ってって何でですか?」

 なのはがフェレットに尋ねる。


672 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 15:35:31 ID:N6x1Hq4k
「……君には資質がある。僕に少しだけ力を貸して!」
「資質……?」
「僕はある探し物の為に、別の世界から来ました。でも、僕一人の力では想いを遂げられないかもしれない。
だから! 迷惑だとは判ってはいるのですが、資質を持った人に協力して欲しくて……。
お礼はします! 必ずします! 僕の持っている力を、あなたに使ってほしいんです! 僕の力を……魔法の力を!」
『ま、魔法(だと)……!?』

 その「魔法」と言う言葉になのはだけでなく、聞いていた甲児と鉄也も驚く。

「おいおい、本気で言ってるのか?」
「だがこんな状況では嘘をついても意味はない。本当だろうな……」

 確かに鉄也の言うとおり、こんな危機的状況で冗談なんて言えない。本気で言うしかない。

「お礼とか必ずしますから……」
「お礼とかそんなこと言ってる場合じゃないでしょ」
「言えてるぜ」

 フェレットの言葉に、なのはと甲児が突っ込む。

「とりあえず、これを……」

 フェレットは自分の首にかけていた赤い宝石をなのはに渡し、なのはは受け取る。

「暖かい」
「それを手に、目を閉じて、心を澄まして。僕の言った通りに繰り返して。……いい、いくよ!」
「……うん!」

 なのはは赤い宝石を握りしめ、目を閉じる。

『我、使命を受けし者なり、契約の元、その力を解き放て、風は空に、星は天に、そして、不屈の心はこの胸に……。
この手に魔法を!  レイジングハート! セーットアップ!』


 直後、赤い宝石レイジングハートから光が放たれた。
 溢れんばかりの淡い光はなのはを包み込み、雲をも切り裂く光の柱となった。

「な、何だよ!? 一体!」
「どうなってるんだ?」
「う、うわあ」
「なんて魔力だ……!」

 突然の光に、甲児と鉄也となのはは驚き、なのはの持つ魔力量にフェレットは驚くが、フェレットはすぐになのはの前に立ち、告げる。

「落ち着いてイメージして、君の魔法を制御する魔法の杖の姿を……。そして君の身を守る強い衣服の姿を……!」
「そ、そんな急に言われても……。えーと、えーと……、とりあえずこれで!」

 なのはのイメージした杖は、何か祈りをささげるような形で、身を守る服は自分の通う小学校の制服に似たようなものである。
 なのははイメージを終えると今度は光がなのはの体を包み込み、光が晴れると、なのはの姿は先ほどイメージした服に変わり、手にはイメージした杖がある。

「おいおい、あれってマジで魔法少女って言うのか?」
「信じられんな……」
「成功だ」

 甲児、鉄也、フェレットは驚くが、一番驚いているのは変身したなのは自身である。

「え、ふえ、嘘!?」

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 15:36:35 ID:Cvl7+pK2
支援

674 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 15:37:17 ID:N6x1Hq4k
 なのははひとまず落ち着いて、謎の生物の方を見る。
 謎の生物は、自分を止めていたマジンガーZとグレートマジンガーの手を押しのけ、なのはに襲い掛かろうとする。

「うがあああああ!!」
「きゃあああああ!!」

 なのはは思わず自分の持っている杖「レイジングハート」で防ごうとする。

「Protection.」

 レイジングハートから声が発せられ、なのはの前にはバリアが張られ、謎の生物はそのバリアに負け、いくつもの破片になる。

「嘘!?」
「俺達の攻撃でもビクともしなかった相手を……。バリアだけで……」

 二つのマジンガーの攻撃が効かなかった相手が、バリアだけで大ダメージを与えられた様子を見て、甲児と鉄也は驚く。

「僕らの魔法は、発動体に組み込んだプログラムと呼ばれる方式です。
そして、その方式を発動させる為に必要なのは術者の精神エネルギーです」
「プログラムと言うことは、マジンガーとかとそんなに変わらないな……」
「精神エネルギーって所はダンクーガみたいだな。俺はてっきり、特殊なもんかと思ったぜ」
「そしてアレは、忌まわしい力の元に産み出されてしまった思念体。
あれを停止させるには、その杖で封印して元の姿に戻さないといけないんです」

 そのフェレットの言葉に、甲児と鉄也は考えて、フェレットに聞く。

「てことは俺達のやってた事って……」
「意味がなかったということか……」
「はい……」
「何てこった。ミケーネの連中よりたち悪いぜ」

 甲児と鉄也が頭を抱える。なのははとりあえず事情がまだ完全にわかってないので、フェレットに尋ねる。

「良くわかんないけど……どうすれば?」
「さっきみたいに、攻撃や防御等の基本魔法は心に願うだけで発動します。
ですが……より大きな力を必要とする魔法には、呪文が必要なんです」
「呪文……?」
「心を澄ませて……。心の中に、あなたの呪文が浮かぶはずです」

 なのははそう言われると、また目を閉じて呪文を浮かべる。
 その間に思念体は再生して、触手でなのはを襲うがなのははまたレイジングハートを前にする。

「Protection.」

 またバリアにより、思念体の攻撃は防がれ、思念体は新たな攻撃をしようとするがなのはの方が早かった。

「リリカル! マジカル!」
「封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!」
「ジュエルシード、封印!」
「Sealing Mode. Set up.Stand by ready.」

 レイジングハートから光の羽のような物が展開する。その羽は無数の光の帯となり、巨大生物の動きを封じ込める。

「リリカルマジカル……ジュエルシードシリアルXXI……封印!」
「Sealing.」


675 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 15:38:23 ID:N6x1Hq4k
 その直後、辺りは眩い光に包まれ……、光が収まった後、そこにはあの生物の姿は無かった。

「あれ? いなくなったぜ」
「やったのか?」
「はい、成功です」

 甲児と鉄也がフェレットに尋ねると、フェレットは「成功した」と答える。

「……あ」

 その思念体のいた場所に蒼く輝く、小さな宝石が浮いている。

「これが、ジュエルシードです。レイジングハートで触れて」

 なのはは言われるままに、レイジングハートをかざす。不思議なことに、ジュエルシードは独りでに浮かび上がり、レイジングハートに吸い込まれるようにして消えた。

「Receipt No.XXI」
「あ、あれ……終わったの……?」
「ふう、よかった……」

 三人が安堵をしていると突然声がする。

「なのは!」
「え、お兄ちゃん!?」
『へ?』
「何?」

 恭也の出現に一同は驚く。

「なのは、今のは一体……」
「お兄ちゃん、見てたの?」
「全部見てたよ。この喋る生き物は何だ? それにお前のその格好は一体……」
「とりあえず、俺達にも事情を説明させてくれないか?」
「ああ、何も知らないのは後味が悪いからな」
「わかりました。事情を話します」


 なのはは、変身を解除し、甲児と鉄也もコックピットから降り、なのは、恭也と共にフェレットから事情を聞く。

「その前に謝らせて下さい。……すみません」
『え……?』
「あなたを……、いえ、あなた達を、巻き込んでしまいました……」

 申し訳なさそうに頭を下げるフェレット。甲児と鉄也はため息をつくように言う。
 なのはは笑顔で答える。

「んな事気にすんなよ」
「俺達は前に機械獣や、恐竜帝国に百鬼帝国にムゲ帝国、今はミケーネ帝国と戦っているんだ。今更あんなものが増えたところで気になどせん」
「多分、私も平気だから……」

 甲児や鉄也、ここにいない流竜馬らゲッターチーム、藤原忍ら獣戦機隊も同じ敵と戦ってきたので、今更敵が増えたところであまり気にしない。

「ところで自己紹介していいかな?」
「あ、はい」


676 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 15:39:34 ID:N6x1Hq4k
 なのはが切り出して、自己紹介を始める。

「私、高町なのは。小学校三年生。家族や仲良しの友達はなのはって呼ぶよ。それでこっちが私のお兄ちゃんの高町恭也」
「俺は兜甲児」
「剣鉄也だ」
「僕はユーノ・スクライア。スクライアは家族の名前だから、ユーノが名前です」
「ユーノ君、かぁ。かわいい名前だね」

 フェレットの名前がユーノだと知ったところで、ユーノはなのは達に話をする。

「ジュエルシードは、僕らの世界の古代遺産なんです。本来は手にした者の願いを叶える魔法の石なんですけど、力の発言が不安定で、
さっきみたいに単体で暴走して、使用者だけじゃなくて、周囲にも危害を加える場合もあります」
「スケールがでかいな」
「たまたま見つけた人や動物が、間違って使用してしまってそれを取り込んで暴走する事もある」
「どっかのアニメでも似たような事あったな……」

 甲児がふととあるロボットアニメの事を連想させたが、なのはがユーノに尋ねる。

「そんな物が、何でこんなところに?」
「僕のせいなんです」
『?』 
「僕は故郷で、遺跡発掘の仕事をしているんです。そしてある日、古い遺跡であれを発見して、調査団に依頼して保管してもらいました」
「だったら、なおさら何でだよ?」
「でもその運んでいた時空艦船が、事故か人為的災害にあってしまったんです。そして21個のジュエルシードがこの世界に散らばってしまったんです」
「21個もあんのかよ!?」
「今まで見つけられたのは、たった2つ」

 話を聞いて、鉄也がユーノに聞く。

「ちょっと、待て。話を聞く限りだと、ジュエルシードが散らばったのはお前のせいじゃないんだろ?」
「だけど、あれを見つけてしまったのは僕だから……。全部見つけて、ちゃんとあるべき場所に返さないといけないから……」
「責任感が強いって言うのかな?」
「何となく、何となくだけど、ユーノ君の気持ち、わかるかもしれない。まじめなんだね、ユーノ君も……」
「巻き込んで本当に申し訳ありません。だけど、僕の魔力が戻るまでの間、ほんの少しの間休ませてもらいたいだけなんです。1週間、いえ、5日もあればいいです」
「おいおい、そんなに早くちゃダメだろ。ずっと休めよ。これからも俺達が協力するぜ」
「でも、あなた達のロボットじゃ、ジュエルシードを封印できません」
「確かにな……。だがそんな物がミケーネの連中に渡らせない為にも俺達が協力する」
「それにそれはダーメ」

 甲児や鉄也、なのはがユーノに反論する。

「だ、ダメって……」
「私、学校や塾の時間は無理だけど、それ以外の時間なら手伝えるから……」
「だけど、さっきみたいに危ないだってあるんだよ」
「だったらなおさら俺達が必要だろ」
「それにもう知り合っちゃったし、話も聞いちゃったもん。ほっけないもん。
それにご近所や他の場所でもたびたびあんな事があったりしたら、皆さんのご迷惑になっちゃうし……、ね。
それにユーノ君は一人なんでしょ。一人ぼっちはさびしいのわかるからお手伝いさせて」
「なのは、とりあえずはお前の気持ちはわかった」

677 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 15:40:06 ID:N6x1Hq4k
 ずっと黙っていた恭也が口を開く。

「だったら父さん達にはこの事は黙っておくよ……」
「ありがとう、お兄ちゃん」
「ただし、無茶な事だけはするな。それだけは約束してくれ」
「うん」
「ありがとうございます」
「なあ、思うんだけどさ。ミケーネの連中が近くに現れたとなると学校って休校じゃないのか?」

 確かに甲児の言うとおりである。ミケーネ帝国が海鳴市付近に現れた今、学校は無期限休校となるのだ。

「だったら、俺達と一緒にやろうぜ」
「それだったら、何とかして、なのはを連れて行く理由を作らないとな……」
「弓教授や兜博士に相談してみるしかないか……」

 その日の夜は、なのはとユーノは恭也に連れて帰られ、家族を一安心させる。その時は色々言われたが、何とか恭也がフォローしてくれた。
 その翌日には弓教授が高町家を訪れ、なのはが特別な企画に選ばれたと言い、なのはとユーノを長期間預からせる事に成功させる。
 なのははアリサとすずかにもしばらくは会えないとお別れの言葉を言って、海鳴市から離れる。
 なのはとユーノは、しばらくは光子力研究所にやっかいになることになった。


 それから3日後の6月4日の午前0時、海鳴市にある八神はやてと言う少女の家ではあることが起こっていた。
 それは謎の書物が起動し、その中から1人の少女と2人の女性、獣人のような男1人が現れたことである。
 そして彼女達もまた、この戦乱に巻き込まれる事になるのだった。

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 15:40:20 ID:Cvl7+pK2
支援

679 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 15:42:55 ID:N6x1Hq4k
投下完了。とりあえず、プロローグだけでは後味が悪いと思いまして、第1話を作成して投下しました。
きちんとした連載は「逆襲のフェイト」終了後にしたいと思います。
原作アニメと違って恭也がなのはが魔法少女だという事をもう知っている設定にしました。
次は原作アニメ無印第4話を元にした話にする予定です。
A'sの話も無印と一緒に後々に絡まさせます。

680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 16:13:36 ID:L5zgsJVG
新スレ建ててきます

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 16:17:53 ID:L5zgsJVG
職人のみなさんGJです

新スレ
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1205306181/

682 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 16:44:09 ID:rnxJKiUn
今度のロボット大戦
すごく変に感じるのは俺だけか?
設定うんぬん以前に、原理を無視してるっつうか何というか
たぶん話が進むに連れてむ矛盾が生まれていくだろうな



683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 16:45:05 ID:Cvl7+pK2
>>679
GJ!
まさしくスパロボ。続きが楽しみです。

684 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 16:51:47 ID:hwyevAlI
>>682
何を今更┐(´ー`)┌
前回を読んで見ろ
違和感や御都合主義の塊だぞ
もう手遅れをとっくに通り越して極めたくらいにな(*´Д`)=з

685 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 17:04:05 ID:R8q7FcW0
元からスパロボ自体無茶苦・・・

686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 17:08:23 ID:PQ61xbAJ
スパロボのカオスは既に常識
なのはの裸体変身シーンを見たと申すか

687 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:00:23 ID:jH012FPe
この状況で続けられるってのはある意味すごいな。


688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:29:29 ID:m6y92jr2
・・・・こう言ったらKYと言われるんだろうなぁ。
でも、そんなの関係なく言ってやる。
なのはとスパロボのクロスはいろんな意味で無茶がありすぎるだろ。
というか、昭和のスパロボは規制が甘いから結構血しぶきシーンがあるのを作者はご存知?

689 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:36:35 ID:C5IPHFeJ
最初の頃から比べたら、ずっと良くなっているじゃないか。
>686
そこは重要だな。
>688
スパロボに血しぶきなんてあったっけ?

ロボットアニメに血しぶきなら出るかもしれないが。

690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:41:40 ID:nG36GhRm
>>688
スパロボとのクロスのどの辺りが無茶なのさ?
あと血しぶきがアウトなら今までの作品でもアウトなのが結構な数あるわけだが、その辺についてはどうなの?

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:42:11 ID:qX5QzWEC
IMPACTでのペルゼインのマブイエグリとかDのブラックゲッターの物理攻撃は
それっぽいの出るな

692 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:42:32 ID:pYKUc5nm
原作に血しぶきシーンがあったとしてSSでもやらないといけない訳じゃなかろうに

なにを気にしているのやら

693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:51:17 ID:8pxusWWY
ともかくその話題はウロスで、まだ容量的に雑談タイムには早い気がする。

694 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 18:54:08 ID:rnxJKiUn
なのはの原作を重宝するなら質量兵器物とのクロスそのものが無理なんだけど
そこはご都合主義でどうにでもなるか。
現実的に見たら警察が麻薬を売りさばいてるのと変わらない程度だし。
まあ、続きはウロスでやるか。
誰も気にしないかもしんないけど。

695 :スーパーロボット大戦X ◆ByQOpSwBoI :2008/03/12(水) 20:06:47 ID:N6x1Hq4k
何やら、新しく投下した、スパロボから色んな意見がありますね。
個人的にはこんなクロスもありだと思います。
雑談でするようにと言われてますが、あえてこちらに書きます。
確かなのは達の変身は、光に包まれるから誰もそれを邪魔できず、見ることも出来なかったはずです。
それにあの変身は瞬きほどの一瞬ですよ。

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:19:44 ID:kojokzR8
おもうんだが、スレたてるの早くね? 475kって。
埋めるの大変やし。
490kくらいでいいと思うんだが

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 20:23:31 ID:R8q7FcW0
>>696
前にな・・・ちょっとな・・・
それに一本文位残しておくと作品一つで〆、丁度良い埋めになるっしょ

698 :一尉:2008/03/12(水) 20:27:16 ID:TyEwkRBC
おもしろい支援します。

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 22:09:45 ID:BEmkepKE
クロス史上初の22世紀地球・時空管理局全面戦争支援!!!

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:56:00 ID:lcKzjTjb
時が止まった?

701 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/12(水) 23:57:20 ID:459jolHR
スレ埋め目的でDMCクロスの短編一つ投下してOKですか?
容量は焼く7KB。2、3レスで納まります。
たぶん新スレの方に人がいると思うので、しばらくして反応が無かったら投下します。

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/12(水) 23:59:41 ID:4vwQmBk3
よし。支援準備完了

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:04:11 ID:52hxtVyf
全力で支援さ。
――答えは聞いてないけど!

またまたR指定タイムの始まりだぁ!

704 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/13(木) 00:07:17 ID:5QghB/0B
お、人がいたいたw
今回ばかりは規制なんて怖くないけど、ありがたく支援いただきます。
DMCクロスが増えたので、今回の短編はStylishだけではなく他のクロスの要素も含めた、単品でも楽しめる仕様となってます。
バトルに疲れた箸安めにどうぞ。

705 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/13(木) 00:08:50 ID:5QghB/0B
「ダンテ? ああ、裏渡世の便利屋の。
 商売柄、ヤバい奴らならゴマンと見てるが、あの野郎ほどムチャクチャな奴ぁいねぇな。
 まず、笑っちまうほど腕が立つ。
 この前なんざ、ウージーを持った悪党一ダースを相手に、変な剣一本で楽々と切り抜けやがってよ、弾丸が鼻先1インチを通っても眉一つ動かしやがらねえんだ。
 おまけにとんでもねえ変わり者だ。
 依頼が気に入らねえと思ったら100ドル札を天井まで積まれても受けねえクセに、幽霊狩りだの悪魔払いだのってぇ胡散臭い仕事だとタダみたいな値段でも飛びつきやがる。
 奴の体にゃ青い血でも流れてんじゃねえかって噂だぜ。
 ま、あんなのに睨まれりゃ、悪魔でも泣き出すだろうね」


 ―――とある情報屋の証言。





<Devil May Cry × 魔法少女リリカルなのは作品>特典ディスク収録

  ―Interview with devils―





「ダンテ? ああ、あのゴクツブシね。
 確かに腕は立つわよ。剣の扱いも銃の扱いも、あたしの知る中じゃ最高だわ。
 でも根っからのダメ人間。
 身だしなみにはやたらと気を使うくせに、外面の良さ以外にはとんと無頓着な男ね。
 やめろって言ってるのに、主食はジャンクフードやピザばっかり。物は乱暴に扱う、どうでもいいことに散財はする、人の話は聞かない。
 ……なんか、話してて腹立ってきた。
 だいたい、アイツはいっつもそうなのよっ。こっちの気も知らないで、根拠の無い自信満々で無茶ばかりしてさ。何でああいうタイプに縁があるのかしら?
 まあ、それでも本当にヤバイ時だってなんとかしてみせちゃうから厄介なんだけど。
 ……え? 何だかんだ言って信頼してるみたいって?
 バ……ッ、何言ってんのよ!?
 そ、そりゃあ信頼はしてるけど、それはあくまで知り合い……そう、アイツの数少ない関係者としての交流なのよ!
 勘違いしないでよねっ!!」


 ―――とある新人管理局員の証言。






706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:09:19 ID:oPLpiONa
支援だぜ!

707 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/13(木) 00:09:31 ID:5QghB/0B
「ダンテ? ああ、彼? うん、知ってるよ。
 そうだな……一言で言うなら<いい男>かな。本人もよく言ってるし。
 私はそういうのに疎い方なんだけど、彼がハンサムな部類に入るのは分かる。
 局員の娘がよく見てる雑誌に載ってるモデルみたいだし。背は高くて、足も長い。これも本人が自分で言ってるけどね、フフッ。
 でもね、私が彼を『格好良い』と思うのは、そういう見た目だけのことじゃない。
 なんていうか、上手く言えないけど、彼には<力>があるんだ。
 戦闘力という意味だけじゃなくて、誰にも卑屈にならない真っ直ぐな歩き方とか、どんな苦しい時も笑ってみせる力強さとか、最悪な状況でもなんとかしてしまうような雰囲気とか。
 戦いの中では安心できて、平穏の中では刺激を感じてしまう。
 そんな、他人に強い影響を与える不思議な魅力を彼は持ってると思うんだ。
 それを多分『格好良い』というんじゃないかなって、私は思う。
 ……もちろん、欠点もあるけどね。
 お金のことも含めて色んなものにだらしないところと、やたらと人をからかうのをやめてくれれば、もっと良いんだけどなぁ。
 え? 何が良いって……それは、もっと魅力的になるっていうか……え、えーと……」


 ―――とある執務官の証言。





「ダンテさん? もちろん、忘れられるわけないです。
 大人の男の人って、お父さんやお兄ちゃんくらいしか知らないからなのかもしれないけど……うん、でもやっぱりすごく変わってる人だと思います。
 まず、ダンテさんはすごく意地悪。
 わたしが真剣に話をしてるのに、真面目に聞いたり答えたりしてくれないし、いつも余裕があって緊張してるわたしの方がバカみたいに思えちゃいます。
 あ、でもでも、悪い人じゃないの! うん、それは絶対です!
 ……ごめんなさい。でも、口は悪いけど、ダンテさんは本当はすごくいい人です。
 あと少し照れ屋さんかな? わたしが真面目にお礼を言おうとすると、いつも誤魔化すし。
 それに、ダンテさんと一緒にいるといつも騒がしくて、怒ったり笑ったりして、どんなことを話しても退屈になりません。
 うん、だからわたしはダンテさんが結構好きです。
 本人に言ったら、絶対に『十年後にな』とか言ってからかうから伝えないけど……」


 ―――とある魔法少女の証言。






708 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/13(木) 00:10:25 ID:5QghB/0B
「ダンテ? ああ、あのスカシ野郎な。
 何が聞きてえんだ? 言っとくけどあたしはアイツとそんなに親しくねーぞ。
 あん? まあ、確かに戦闘関係じゃよく絡むけどよ。どこで聞いたんだ?
 まあいいや。
 そうだな、とりあえず何はどうあれアイツは強え。それは確かだ。
 強さといってもいろいろあるけど、アイツの場合はそういう掴みどころがねえんだ。
 戦闘スタイルもバラバラだし、剣を使ったかと思ったら銃を撃ちまくるし、使ってる武器も篭手だのヌンチャクだのギターだの、節操がねえ。
 そんだけたくさん手を出せば技が浅くなるもんだが、そのメチャクチャを上手く組み合わせるセンスがアイツの強さなのかもしれねえな。
 あと、どんな戦いでも絶対に緊張感と同じくらい余裕を忘れねえ。
 どんなに追い込まれても絶対に笑い返してみせる不敵さがある。
 それとやたらとお喋りだ。戦闘中に人を挑発すんのが大好きなんだよ、アイツ。
 未だにあたしのことガキ扱いするしな。ムカつく野郎だ。
 けど、苦手な相手じゃねえ。
 『一緒にいるとおもしれー奴』それがあたしの評価だな。文句あっか?」



 ―――とある守護騎士の証言。





「ダンテ? ああ、そうだ。
 俺のことさ。
 アンタ、いろいろ俺のことを嗅ぎまわってるらしいな。
 インタビュー? オイオイ、俺も随分有名になっちまったもんだ。
 困るぜ? あまりいい男だからってカメラには撮らないでくれよ。本当にいい男はむやみに格好良さを見せびらかさないもんさ。
 それで、俺には何を聞こうってんだ?
 ……<この世界>をどう思うだって?
 難しい点を突くな。
 まあ、いろいろ思うところもあるが、とりあえずは『綺麗過ぎる』ってトコか。
 時空管理局って奴がどういう理念で動いてるのか、そいつは特に興味は無い。ただ、行き過ぎた綺麗事は性に合わないもんだ。
 俺だけじゃなく、人間って奴はな……。
 難しい哲学を話してるワケじゃない。
 俺の地元の奴らはもう少し綺麗にした方がいいし、この世界の住人はもう少し小汚くなった方がいい。要は、バランスが大切なのさ。
 刺激があるから人生は楽しい―――これ、俺の自論な。
 安定だけの生活なんて、檻に入って暮らすのと変わらないさ。人生には刺激が必要だ、そして余裕もな。
 おっと、結論を急ぐなよ。誰も<この世界>が気に食わないなんて言ってないだろ?
 出て行きたいか、だって? まさか!
 素直になれない妹分に、気が弱いのか強いのか分からない世話好きな女、10年後が楽しみなお嬢ちゃん、それに気の合うおもしれぇガキ―――まだまだ<この世界>は刺激に満ちてるぜ。
 どうだ、参考になったか?
 OK、それじゃあついでにもう一つ<この世界>が気に入ってる理由を教えてやろう。
 簡単さ―――。

 別に俺が元の世界へ戻らなくても、<お前ら>から勝手にこっちへ来てくれるからだ」




709 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/13(木) 00:11:35 ID:5QghB/0B
「……と、言うわけよ。あんたの正体は最初からバレてたってワケ。
 さあ、とっとと不細工なツラを見せなさい。鼻の穴を一つにしてやるわ」

「人間に化けてダンテのことを探ろうとしてたみたいだけど、残念だったね。
 ダンテを知っているということは、彼に触れた人間だっていうこと。そして<悪魔>に触れた人間だということなんだよ?」

「仲間がいるなら早く呼んだ方がいいよ?
 なんせ、ダンテさんと付き合える人ばっかりだからね。どうしても過激なやり方に慣れちゃってるの。
 それじゃあ、お話聞かせて? ―――Let's start the most crazy Party!」

「やれやれ、あたしはこの中じゃフツーなんだけどな。
 ま、オメーも運が悪かったと諦めな。泣き叫んでも、許しがもらえる面子じゃねーぞ」



「ハッハッハァ! 月までぶっ飛ぶフルコースだな、ベイビー?
 おっと、Slow down babe? 慌てんなよ。まずは俺が<悪魔>も泣き叫ぶメインディッシュをご馳走してやる。
 ―――魔法だって? ハッハァ、銃(コイツ)を喰らいな!」



『JACK POT!!』




 ―――とある事務所の中での会話。






《And 『Devil may cry』……》

710 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/13(木) 00:13:59 ID:5QghB/0B
以上です。
それぞれの作品に新しいダンテの捉え方があっていいよね!
大人の恋愛面ではフェイト、幼女との絡みはなのは、ヴィータはバージル主役の作品の最後でニヤリとさせられました。
全てのクロスに栄光を。そして悪魔には鉛玉を。

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:20:04 ID:52hxtVyf
GJさ!
DMCクロスの多いこのスレならではのCOOLな内容で、もう痺れます!
最高です!

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:26:02 ID:7I4dtOey
「よぅみんな、今日はやたらと忙しいダンテお兄s…なに、やめろって? ボロが出る? 自重?
 おいおい、こりゃまた妙な話だな。ま、仕方がねぇ。お上のご達しとあらば、さっさと退散するか」

ともあれGJ!
まさかこういう大胆な構図に持ってくるたぁ思わなんだw
まったく、いつもいつも楽しませてくれるぜ…

…そして、ナイフを投げたのをたしなめられたヴィヴィオのこと、忘れないであげてください…(ホロリ)

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:29:45 ID:43Ehd8AG
GJ!
ダンテはやる時はやるんだけど
金運、女運のなさは異常w
週休六日主義を撤回すればまともになるのだろうか?

714 :魔法少女リリカルなのはStylish:2008/03/13(木) 00:33:22 ID:5QghB/0B
Devil never Strikersは満遍なくキャラと関わってるんで、一人出すと他のも、って考えちゃったんですよw
もうちょとヴィヴィオと喋ってくれてたら出しやすかったんですが。あと、容量的にも抑えたかったので。

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:43:17 ID:7I4dtOey
>>714
OK把握。こちらこそスンマセンでした。
そして最後にもう一発、景気よくGJ!

アンド埋め

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 00:56:06 ID:hBOYKy3d
GJ!!
最高でした!!

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/13(木) 18:33:23 ID:5m9IBeqX
ダンテの台詞で、デモリッションマンの最後の方を思い出した。


718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 20:19:15 ID:2/HhBJTT
うめようぜ

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 20:37:06 ID:ecPoUHmh
まだ埋まってなかった‥‥‥では不毛な雑談といこうか。

クロス作品にライダー関係ってやたら多いけど、皆ライダーって詳しいんか? 俺は村枝先生のスピリッツくらいしか読んでないから分かんないけど。

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 20:40:16 ID:Pkg1FEsl
>>719
全くわからん

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 20:40:34 ID:j2skO+sF
       )
  ,'^>.'´⌒`彡  雑談はウロスで振るが良かろう、入りがたいのは重々承知、なにとぞ此処は・・・
  ノ,ィミr{ノノ))))) . '⌒⌒ヽ
 (( ゝ(l!゚ -゚ノ|l | i lレハリi.} 今から姉達が埋める
  `  〈_.l|^|l_l  ノ.(!|●-゚ノ|
    ././|_ト、| ((.ん}X{,〉
 _,,..-―'"⌒"~⌒"~ ̄゛゛"'''ョ
゛~,,,....-=-‐√"゛゛T"~ ̄Y"゛=ミ
T  |   l,_,,/\ ,,/l  |
,.-r '"l\,,j  /  |/  L,,,/
,,/|,/\,/ _,|\_,i_,,,/ /。゚
_V\ ,,/\,|  ,,∧,,|_/シ彡o ゚。
Zゝ/\ハノ<l∧,,/l巛ミ〜〜〜〜〜


722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 20:42:09 ID:j2skO+sF
                                /l __
        ヽー-...... _           _     _,. - '゙ /:::/
         ヽ::::::::::::`ヽ __  ,  ' ´    r ' ´   -< :::/ ___
          ヽ::::::::::::::::ヽ), ', -   , -        - 、`弋:::::::::,>
         /,ハ、_::::::-ミ/::/  .:/   /         ヽ ヽイ、
     -==ニ´- '  /:`.ー/ ::l   ::l / / /  ,.、  ヽ  l. ヽヽl
     /    /:::::::::::: l ::l   ::l l ll / / / ;;l l:. l:. l l l、 l l l
     /    .: /::::::::::__/l ::l   ::l.l ll ,.l /l l  l l:: l:. l:. l l l l lト、
.   /   .://'´ ̄/   l ::l   ::l弋l_l_l /、l l  l,ナ /、l: l/ l: l: ll ll 埋めましょうか
   /  /   ,.ィ'´l     l :l   ::l<l:::t。圷 V  r'テ>l /l./:: l: l l: l ll
.  / /   / l l      l ::l   :l 込zタ     迎 〃 l::  l/ / l l l
  l/     /  l l       ヽ、l   ::l      ヽ `/::.  l   // l l
 /    /  l l        ヽ l  :l   ー  / lヽ  ヽイ/   l l
./    /   l l          l l  l` _ 、_ / /: ヽ   ヽ'   l l
      /   l l       ,.- <´:l :l:.  lヽY_.>、 _ _,.ハ l  l   〃
    /   //       l⌒ ヽ ヽ:l lヽ l:::_l_l_l_:::::ヽ`ヽ l l、::ll /
  /   〃         l    ヽヽ lヽ l:::`l弋l:::::彡l:l ヽ.リ l ::l|
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              / l   - 、 l:l´::リ ̄`:ヽl l l::: , ,=ニヽl::リ
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         , '´   ハ    │ l//::::::::::::::::::::::::::l|:::::::::::::::::::::l: : :\
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     /         〉: : : : : / //ミ:::ヽ、:::_::::/、::::::::::::::::::/、_ /_-ニ-ァ /
   /        /}: : : : : :/ `l::::::::::::::::::::::::::::::l l,-ハ=-- '′  >'´, ィ / /ヽ
.  /    ,  '´/  l : : : : /   l:::::::::::::::::::::::::::/}(/ /ス.   //   l / ノ
 /   / / / /ll ` ー l     l:::::::::::::::::::::⊂lT〈〈〈.l l、 ヽニ式 、  l//
 l/ /  │/  /  l   l     /}::::::::::::::::::::: 弋l_ヽヽV l   /i}  }/´
 l l     l/  l    l  l    l: : :\:::::::::::::::::::l l::::ヽ.__`_,. i/ '´
 |       l /l  ヽ.l    /ヽ、: : : `ヽ、::::::::::l l::::::::ト、
        l / l   ヽ   ムニ=、`ヽ、: : : `ヽ、:l l:::::::〉:ヽ
         l l  l   /  /     ヽヽ`ヽ、 : : 〉><ヽ: : :}
          l l   l  /  /      ヽニ==ヽ〈/ : : ヽ}:/ヽ
  \    │l   l /   l        ヽ:::::::/、ヽ_:ノノ:ヽ ` 、
    \   /ニ _-、 l'     l          /: : : ><´ : : ヽ   \
 \   \∠   ヽV     l          {: /、:l l::ヽ、 : l    \
   \ /ァy-、-、ノ }      l          ´  ヽl/   ̄       ヽ、
     /// //ヽノ       ヽ              \           ノ/,、
    Yl l l l  \        ヽ、 _           \       ///:::ヽ
      ```´ 、   \        ヽ               /ヽ-‐ _´_/:/:::::::::l
         \   \        丶          /:::/ 〉、-‐ ''´::::::::::::l
           \   \         `丶--‐.....'::::::::/ /::::\ :::::::::::::::::ノ
            \   \          `丶-‐ '゙: : /::::::::::::\-‐ '′
              \   \           `ヽ、´::::::::::::::::::::::ヽ
               \   \            `ヽ:::::::::::::::::::::::\

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 20:43:48 ID:j2skO+sF
          _人人人人人人人人人人人人人人人_
          >    ゆっくりしたいんです!!!  <
           ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
            / / /_爪   ,ヘ/ヽ/ \∧ヽ三≡≧=_、
          __ =≦三三≡7ト /y′         \:.:.  ̄¬≒≧=_、
      /三:/' ./ / ゙/ /               \:. ヽ \ \ニヽ
     /:三:// / / .: /l/      / /     |  ヽ ヽ :. ヽ \ \|
.     /三/ / / / .:/l/   .:l //|_:| /| .: / / .: |     ', ト \  ∧
        / / /://〃   :.:N゙斗ャl/レ| / /l .: /.:.|.:.|.:.: |リ \:ヽ ∧
.       / / :/ ./'/ lヘ:.:ト.:K __,.!/  レ /!__ハ|: /.:.l.:.:/   \ヽ \ 
      / / :イ  /'/ l' ヽ|:.N' (ヒ_]  l/ ヒ_ン |/イ/ノイ     ', i.: ト\
     ///{.| 〈'/    ヘ: ','" U ,___,U"' i爪 〈;|       |,ヘ.: |
.    / /:ィ/  !.!     / \ゝ、 ヽ _ン   人 リ`>、        リ .}: |
   /.: .:/ !l  {'      |\   >,、 _____, ,.イ /∧lニlュ、     }:|
    l: : / リ   __, -‐ イ ヽ\:::::{:::::::::::::「l.|:: /:.: ∨/  Flニ! ',   j /
    |.:/    , -〈:∧   !ヽ |::|:.:.:.:`::ー-::V '´.: .: .:|〈  Fl;7 l   /′
    l/     ∨:∧∧ =@ >:>; :.:.:.:.:.:.(( )):.:.:.:.: |ヽ\Fl7  |
   {      |∨∧∧   <:< ∧:.:.::.:.|i| :.:.:.:.:.:.|  //l′  !


                    _人人人人人人人人人人人人人人人_
                    > 少し…ゆっくりしすぎたよね!!! <
                     ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

                   / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :Y/三`: : : : : ヘ
                  /, イ  : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :_,. ‐'" ノ木\:`ヽ、.: : : : ::ヘ
       _            / / : : :./ : : :: :./ : : : : : : : : : : :.:ヽ: : : /:ハヽ \ : : ヽ: : : .ヘ
     ./-- ヽ           /: : /   /    /  : : : : :.      :V: ://ハ ヽ \:  \:. ヘ
    /    ヽ           /.:..:;イ..:..:../:..:..:..:..:.,!..:i..:.i.:..:..:..:..:..:..:..:. .:..:..:..:V..:/..::ハ ヽ   V..:.  :...ヘ
    |      ',       |:.:./::|.:.:.:.:|.:.:.:.:.i:.:.i:|.:.:ハ:.ハ.:.:.ト:.、:.:.:.:.:.、:.:.:.:.:.:.V:./:/  ',    V:::.:.:.:.: .ヘ
    {      ',       レハ:.|::.:.:∧::i.:::| ::::|,士弌 ヽ_心ヾヾ、_'i.:::i.::.i.:}/:/   ヽ   V::::...:..:..:..ヘ
      ',       ',      /;:| 'ハ:.:.:.ハ:N::.:.ト:.:.|`iゝ、イ人レ/_ル..i:.:|.:.:}イイ´    \.  }:::::::::.:.:. .:.ヘ
      ',      \     {ハ| /ハ:.:ハ:.:ヾ::ヾト、 (ヒ_]     ヒ_ン ):|:ノ:.:b ノ      \( \:::::::.:.:.:.::ヘ
       ヽ      \__/"⌒ヾ!ヽ\ゝヽハ! ""  ,___,   ""レリ:/<_    r---、\ \::::::::.:.:.}  
       \.      }、ヾヾ\ (⌒ヽ   ト\ ト::ト、   ヽ _ン    イ| !    `TT'´   \    ':,::::::.:.| 
      /⌒\__ノ \:..\ \`ヽ   》  ヾ!.ヽ、       ,イイ:.::| !     !:ハ      \__ }:::::..リ 
    __/:.:.:.:.:.::::::::::::::::::::::::::.:..:ヘ:ヾ ヽ \ 《   /ト\` ー--─ ´ /:.:/ノ    ノノ }         } \:.:/   
   /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.ヽ::::::::::::::::::::::.:ヘ.ヾヾヽ:  i \./  ≫   {\lニニコイノ /   /  !

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/03/16(日) 20:48:02 ID:j2skO+sF
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