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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたpart115

1 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:38:16 ID:ZSOwefPT
もしもゼロの使い魔のルイズが召喚したのがサイトではなかったら?そんなifを語るスレ。

(前スレ)
あの作品のキャラがルイズに召喚されました part114
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1203443577/



まとめwiki
http://www35.atwiki.jp/anozero/
避難所
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/9616/

--------------------------------------------------------------------------------

    _              ■ 注意事項よ! ちゃんと聞きなさいよね! ■
    〃 ` ヽ  .   ・ここはあの作品の人物がゼロ魔の世界にやってくるifを語るスレッドよ!
    l lf小从} l /   ・雑談、SS、共に書き込む前のリロードは忘れないでよ!ただでさえ勢いが速いんだから!
   ノハ{*゚ヮ゚ノハ/,.   ・投下をする前には、必ず投下予告をしなさいよ!投下終了の宣言も忘れちゃだめなんだからね!
  ((/} )犬({つ'     ちゃんと空気を読まないと、ひどいんだからね!
   / '"/_jl〉` j,    ・ 投下してるの? し、支援してあげてもいいんだからね!
   ヽ_/ィヘ_)〜′   ・興味のないSS? そんなもの、「スルー」の魔法を使えばいいじゃない!
              ・まとめの更新は気づいた人がやらなきゃダメなんだからね!

--------------------------------------------------------------------------------

    _         ・議論や、荒らしへの反応は、避難所でやるの。約束よ?
     〃  ^ヽ      ・クロス元が18禁作品であっても、SSの内容が非18禁である場合は
    J{  ハ从{_,      本スレへの投下で問題ないわ。
    ノルノー゚ノjし      ・SSの内容が18禁な展開をする場合はクロス元に関わらず、
   /く{ {丈} }つ       本スレではなく避難所への投下をお願いね?
   l く/_jlム! |      ・クロス元が型月作品のSSは、本スレでも避難所でもルイズの『錬金』のように危険よ。やめておいてね。
   レ-ヘじフ〜l        ・作品を初投下する時は元ネタの記載も忘れずにね。wikiに登録されづらいわ。
               ・作者も読者も閲覧には専用ブラウザの使用を推奨するわ。負荷軽減に協力してね。

--------------------------------------------------------------------------------

   ,ィ =个=、      ・お互いを尊重して下さいね。クロスで一方的なのはダメです。
   〈_/´ ̄ `ヽ      ・1レスの限界最大文字数は、全角文字なら2048文字分(4096Bytes)。これ以上は投下出来ません。
    { {_jイ」/j」j〉     ・行数は最大60行で、一行につき全角で128文字までですって。
    ヽl| ゚ヮ゚ノj|      ・不要な荒れを防ぐために、sage進行でお願いしますね。
   ⊂j{不}lつ      ・次スレは>>950か480KBからお願いします。テンプレはwikiの左メニューを参照して下さい。
   く7 {_}ハ>     ・重複防止のため、次スレを立てる時は現行スレにその旨を宣言して下さいね。
    ‘ーrtァー’       ・クロス先に姉妹スレがある作品については、そちらへ投下して盛り上げてあげると喜ばれますよ。
                姉妹スレについては、まとめwikiのリンクを見て下さいね。

2 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:38:59 ID:b8xI1cuU
157 :削除申請:2008/02/14(木) 20:56:50 ID:kMFXiYvI
管理人様
以下自作品の削除をお願いします。
(本人証明として、自ブログの方も削除致しました)

長編:1編
「ゼロのgrandma」
短編:2編
「色鮮やかな空へ」
「四系統だけど」

色々とご迷惑をお掛けしました。以降、忘却願います。

3 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:40:08 ID:xUYJYStn
>>1


4 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:40:35 ID:jqjdp9y8
●     「こっ、こっ、こっ、こっ、こっ、この…バカ犬っ!!!」
┠〜〜〜┐ちゃんとここにいてぇ、わたしのちかくでぇ
┃  ●  ∫ ずっとわたしをい〜んつもい〜んつもみ〜んつめてなぁさぁ〜い
┠〜〜〜┘  よそみしてたでしょ、ほかのおんなのこぉ〜
┃         おしおきするのふぅ〜らりふぅ〜らりふぅ〜らちなやつうは
┃          (ん、ちゃちゃちゃちゃちゃちゃ)
┃           どんたーちきかないからねいーいーわ〜けは
┃            たちみーつ〜んかれたかぁ〜ら
┃             ね・え・かたをっかしてよっ
┃              す〜き〜よ〜ンなんてうそ〜よっ
┃               き〜ら〜い〜ンこれもうそだわん
┃                ないないないぃだめよかんちがいぃ〜〜〜〜〜っ
┃                 だからすぅきぃよっなんていわない
┃                  のんのんのんどっこかへいったら
┃                   ぜえったいにっゆるさないからねぇ〜〜〜〜ん  ・・・だぁって
┃                    ほんと〜はだれ〜よ〜りそンばンにンいンたあ〜いの
┃                     あ〜い〜の〜く〜さ〜り〜でっさんっぽっしましょ
敬礼 (`・ω・´)ゞ



5 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:43:19 ID:LxKMRjD1
>>1
乙ー

6 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:43:24 ID:eAYMu9CZ
糞餓鬼

7 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:45:00 ID:0o0xb5e9
>>1
乙であります。
>>4
国歌斉唱乙

8 :デスティニーゼロ:2008/02/23(土) 21:45:11 ID:ell2Ga3h
第2話 戦いを呼ぶもの

用意できたら投下します。

9 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:47:22 ID:Wxn+9Ucl
>>1

>>4
前にメタルダーが流れたことがあったな

10 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:48:12 ID:5BEVWGmC
>>1

                                          ○________
                               なぎはらえー     |:|\\:::::||.:.||::::://|    /イ
                                              |:l\\\||.:.|l///|  .///
                         __ ィ   ,. -――- 、     |:|:二二二二二二二 !// /
                        /    /          \.   |:l///||.:.|l\\\|/  /
                / ̄ ̄ ̄ ̄ 7 / / ./  / /   l l l lハ  |:|//:::::||.:.||:::::\\l    /
  ト、     ,.    ̄ ̄Τ 弋tァ―   `ー /  l从 |メ|_l  l_.l斗l |ヽ V |:| ̄ ̄ ̄ ̄ フ  ̄ ̄    |                  イ
  ヽ \__∠ -――く  __       .Z¨¨\   N ヒj ∨ ヒソj .l ヽ\|       / /     |                / !
   ヽ  ∠____vvV____ヽ   <   ≧__/ ゝ、t‐┐ ノ .|┐  . \   / /         \           /   l
.    \\_____ivvvvvvvv|   V.    (  (  /Tえハフ{  V   ‐一 '´ /     __. -―=-`      /  / l  l
       \!      |   / 入_.V/|      >-ヘ  \:::∨::∧  ∨ ∠二 -‐ .二二 -‐ ' ´ /        /   / l.  l
 __  |\       l/V  _{_____/x|    (_|::::__ノ   }ィ介ーヘ  /  ,.-‐ ' ´           /       ____  ̄ ̄フ ∧  l
  )-ヘ j ̄} /|        /___/xx|       _Σ___/| | |V::::ノ/ ∠___           {     /      `<  /  \|
  {  V  /`7.         /___./xXハ    ( |:::::::::::::::::ハ   >' ____ 二二二二二二>   /   __    〈
.  \_   |/        /___l XX∧     __≧__::::::::/:∧/   `丶、           /     {   {____ハ    }
    |   ヽ        /____|]]∧  __|__L.∠ ム'  <`丶 、 `丶、       /       \_____/    /
    |     ',         {     |]]]>'  __      ∧ l\ \   丶、 ` 、   ∠ -――-  ..____ノ   /
   ノ     }       l ̄ ̄ ̄.|] >' ,. '  ̄ / .// :/  V'  \ ヽ    `丶\/                 /
  / ∧   { \      |      .|>' /      // :/ :/ :   ', l   \ ヽ  ,.-――┬      \         /
 入ノ. ヽ  く  ヽ______7 ー―∠__    〃  l :/    :l l     \V       ヽ       \    ,.  '´
`ー′   \  `<  | {      /   | /〃   :|/  __V/ ̄| ̄ ̄{_     \_      ` <
        \  `' ┴ヘ     {    .レ__r‐|ィ‐┬、lレ' |    /  ノ`y‐一'  >、_/   / ̄ 7丶、_   丶
         \    ヽ   /`ー「と_し^´ |  |    }  ム-‐'  /     /    \_/  /  /  ヘ    \
           ヽ   _>-ヶ--∧_}   ノ  j   /` 7 ̄ ̄ ̄{      (         ̄ ̄`ー‐^ーく_〉  .ト、_>
            ', /     人__/   .ィ  {__ノ`ー'    ヽ    人     \__              {  }  |
            V     人__/  / | /           ̄{ ̄  >‐ ァ-、    \             〉ー}  j
                {  / ./  ∨      __      ̄ ̄ >-</  / ̄ ̄         廴ノ  '
      <ヽ__      /し /        < )__ \   _r‐く___/  /    < ) \     {__ノ /
        Y__>一'    /         ___r―、_\ >'   `ー' ,.  ´       >.、 \__ノ    {
     ∠二)―、       `ー‐┐    ∠ ∠_r‐--―      <__       ∠ )__          \_
       ∠)__ノ ̄`‐⌒ヽ__|>      ∠)__r―――-― ..__{>        ∠_廴,. ⌒ー'  ̄ \__{>


11 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:49:10 ID:YQtnU9Va
それじゃあ支援

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:49:43 ID:QEBxiJT+
>>8
以前の荒らしじみた駄作であればお引取りを。
そうでなければどうぞ。

13 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:50:34 ID:KLj1iSN3
>>11
そいつは2スレ前に湧いた荒らしだ
ほっとけ
と言うより罵倒と共に不許可が正解

14 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:51:44 ID:c2sdZPNL
>>8
毒吐きでやれ

15 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 21:55:16 ID:vdOlujCs
支援

16 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:00:09 ID:0o0xb5e9
2スレ前にいなかったので知らないが
>>8 が自分で読んでみて荒らし・スレチでないと思えるならどうぞ。
俺は>>8 を信じてみる。

17 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:03:21 ID:mbdV5LMa
>>16
いや、完璧な荒らしだったよ


18 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:06:09 ID:0o0xb5e9
>>17
じゃあ条件を変えよう。
>>8 が自分で読んでみてイザベラ様の魅力を存分に表現出来ていると思えるなら支援しよう。

19 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:06:52 ID:B442WQ4f
何が信じてみるなんだか・・・

20 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:08:36 ID:PaSYYRpl
8ってガチ荒らしなんじゃ

21 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:08:40 ID:Z/yieNVv
>>18
多分君荒らし認定されてるとおもうよ、既に。

22 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:10:33 ID:0o0xb5e9
>>21
え、マジですか
それはすまない事をした。ごめんなさい。

『きさくな王女』読んだ後でテンション上がってたんだ。

23 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:11:31 ID:E5Vw+4+8
>>8
ゼロのルイズが種死のシン・アスカを以下略
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1197993740/
へどうぞ。向こうならヘイトSSでもそれをネタにして盛り上がれるから。

24 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:11:38 ID:KLj1iSN3
最低限前歴理由に荒らし扱いしてる言に反論したいなら
その前歴確認してから物を言え
それすら出来ないのならお前も荒らしだ

25 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:12:23 ID:AQKMumzk
気さくのせいにすんなよ。空気読め。

26 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:12:41 ID:2HaQco7t
>>18
前に宣言した時の副題が、
フーケフルボッコで肉便器
みたいなのだったんだ。

前の内容も察したな?
察したらこれ以上触るなよ?

27 :ゼロの魔獣:2008/02/23(土) 22:15:10 ID:g4o7M5RM
5分後に投下してよろしいでしょうか?

28 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:16:29 ID:KLj1iSN3
ばっちこーい
ただそろそろ書き手は全員トリ推奨徹底した方が良いと思う

29 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:17:08 ID:b8xI1cuU
支援

30 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:19:46 ID:0o0xb5e9
>>24
反論するつもりはなかったんだが、そう見えてしまったならこちらの落ち度だ。
一応wikiのまとめとgoogleは探したんだが見つからなくてな、
本当にすまなかった。

31 :ゼロの魔獣 第25話:2008/02/23(土) 22:20:35 ID:g4o7M5RM
「フン・・・ あの山師め・・・ しくじったか」

誰に言うでもなく悪態をつきながら、ワルドがゆっくりと慎一の方に向き直る。
その冷めた目で、慎一のダメージ、傷の一つ一つをじっくりと分析していく。

実際、慎一の状態は最悪であった。
おびただしい量の出血、未だ開かぬ右目、薬によって極限まで酷使された肉体、
僅かに体を動かすだけで、その全身が悲鳴を上げる。

だが、だからといって歩みを止める慎一ではない。
猫の鼻先に噛み付く鼠の如く、雀を仕留める蟷螂の如く
肉体の最低なコンディションが、慎一の中にかつてない集中力を生み出していた・・・。

「シンイチ 俺を使え!」
その声を聞き、ゆらりと踏み出そうとした慎一の足が止まる。
声の主は、数少ない惨劇の目撃者・デルフリンガー。

「・・・役者不足だ すっこんでろ」

「俺にも王子と娘っ子の分 あのクソ野郎をボコらせろ」

「・・・・・・・・」

慎一は無言でデルフリンガーを掴むと、ゆっくりと鞘から引き抜いた。
すると、そのくたびれた刀身がたちまち輝きだし、
突然重力を加えられたように、慎一の右手がガクンと下がる。

輝きが消えた時、そこには業物と呼ぶにふさわしい、大振りの剣があった。

「本来なら相棒にしか見せねえ姿だが シンイチには特別だぜ
 本来の使い手じゃないお前さんにはしんどいだろうが その馬鹿力で何とかして見せな!」

「・・・上等」
言いながら左手を沿え、大剣を肩で担いで、慎一が中央へと進んでく・・・。

「随分と厳つい王子様の登場だな
 そんな無骨な代物でいじめられちゃあかなわんよ」

軽口を叩きつつ、ワルドが詠唱を始める―。
風のユビキタス(偏在)−たちどころに四人のワルドが出現し、慎一を取り囲む。

「5対2だ カゴの中だな
 どうする? 魔獣・・・」



32 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:20:50 ID:b8xI1cuU
支援

33 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:20:59 ID:KLj1iSN3
荒らしの戯言がまとめに載る訳ねえだろ

34 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:22:52 ID:T8MIv6kR
支援

35 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:22:56 ID:wFMKFuVS
何でか知らんが毎回擁護するバカが沸くな

36 :ゼロの魔獣 第25話A:2008/02/23(土) 22:23:02 ID:g4o7M5RM
慎一は応じず、本体に向け、ゆっくりと青眼に構える。
一切の気負いのない緩やかな動き。 
対手を射すくめるような隻眼の輝きが、古来の剣豪の風格を漂わせる。

この立会い、慎一にとってはヴェストリの応用問題である。
偏在の技の多様さ、キレは青銅乙女の比では無いだろうが、
気配を辿るべきは、結局のところただ一人である。
心の下に刃をあてがい、慎一が精神を研ぎ澄ます。

意外にも挑発に乗ってこない慎一に対し、ワルドが軽く舌打ちをする。
やがて、真横にいた偏在の一人が詠唱を始める。

選んだ魔法は『ウィンドブレイク』・・・その威力はラ・ロシェールで証明済みだ。
受けるか、避けるか・・・ いずれにしても、慎一は動かざるを得ない。
その全ての動きに対応できるよう、4本の杖が油断なく構える。

実戦経験に裏打ちされた必勝パターン。
その完璧さゆえに、慎一は敵の思考を看破するに至った。

慎一は受けもせず、かといって避けもせず、ただ覚悟して腹筋を固めた・・・。

直後、右方向から凄まじい、だが、期待通りの衝撃が慎一に叩きつけられる。
大きく吹き飛ばされながら体勢を変え、デルフを振りかぶる。
魔獣の隻眼が、その後方の四つの瞳と交錯する。

一瞬の斬劇―。

横薙ぎの一撃で二つの偏在が掻き消え、慎一は右肩に相打ちとなる一撃を受けた。

ワルドも又一流である。
作戦が裏目に出た事を知るや、直ちに残り二体の偏在と供に魔法を唱えた。
たちどころに三本の稲妻が飛び交い、閃光が慎一を包む。
掻き消える直前だった右肩の杖を通し、慎一が内と外からバーベキューになる。

「ガアアァァッ!! 
 ヌッ!ぬりィんだよォォォ!!!」

叫びながら、慎一が手近の偏在に突撃する。
構えも糞もない、愚直で大雑把な一撃、偏在は余裕を持って杖で受ける。

―直後、炸裂音を伴い新たな閃光が生じる。
 全身を灼かれながらも、慎一は全身の細胞を変化させ、電撃を体内に蓄えていた。
 受け止めた剣先から三本分の雷撃が生じ、熱風で偏在が消し飛ばされる。


37 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:23:22 ID:WJx3Osnm
しえん

38 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:23:47 ID:PaSYYRpl
支援

39 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:23:50 ID:rOSRu/jE
支援

40 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:24:52 ID:b8xI1cuU
支援

41 :ゼロの魔獣 第25話B:2008/02/23(土) 22:25:12 ID:g4o7M5RM
焼け焦げた慎一に止めを刺すべく、ワルドが残りの一体を動かし、更なる詠唱を始める。
魔法を阻止すべく、慎一がデルフを逆手に持ち替え、振り向きざまに一投する。
レーザー光線のような一撃が、最後の偏在を串刺しにする。

同時に二人の魔法が完成し、超局所的な竜巻が慎一を包み込む。
螺旋を描く真空の刃が、グズグズにただれた慎一の肉体を容赦なく切り刻み、
血風を巻き込み真紅の大渦となる。
頭部を守ろうとした慎一の両腕が千切れ飛び、はるか上空へと巻き上げられていく・・・。




腹を潰され、肩を抉られ、全身を妬かれ、膾の如く切り刻まれて、
遂に魔獣が膝を屈する。

強敵の心が折れたのを確認し、トドメを刺すべくワルドが勇躍する。

「遊びの時間は終わりだッ!!! 魔獣!!」

「次は食事の時間かァッ!?」

叫びながら、慎一が顔を上げる。その隻眼が捉えているのはワルドではない、その更に後方・・・

「なぁッ!! ゴールドォ!!!」

閉ざされていた右目が突如として瞠き、黄金色に怪しく輝く。
直後、上空を舞っていた右手の回転がピタリと止まり、ワルド目掛けて一直線に急降下してくる。

「な・・・ッ」

かろうじて体を捻ったワルド、その左肘に、慎一の右手が喰らい付く。
万力の如き握力が肘先を締め上げ、ベキベキと骨の砕ける音が響く。

その指先が、徐々に無骨な乳白色の牙へと変化を遂げていく・・・。

「グアアアアアアアアアッ!!」

ワルドが叫び声を上げる。
千切れ飛んだハズの右手から変貌した金色の獅子が、ワルドの左腕を食い千切った・・・。



42 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:25:25 ID:Z/yieNVv
支援

43 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:25:33 ID:+Xk4zXun
支援

44 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:25:54 ID:b8xI1cuU
支援

45 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:26:19 ID:+Xk4zXun
支援

46 :ゼロの魔獣:2008/02/23(土) 22:27:05 ID:g4o7M5RM
以上で投下終了です。
支援ありがとうございました。


47 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:27:37 ID:b8xI1cuU
支援

48 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:28:24 ID:PaSYYRpl
お疲れ様です。

49 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:28:37 ID:0o0xb5e9
>>魔獣の人
乙です


50 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:29:00 ID:T8MIv6kR
乙です。このまま余すところなく頂いて欲しいが……。

51 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:29:39 ID:b8xI1cuU
乙です

52 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:31:58 ID:mbdV5LMa
乙であります


53 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:34:04 ID:vdOlujCs
乙です

54 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:34:08 ID:g3Ul8gQV
毎回いいところで切りやがるなw

55 :ゼロの騎士:2008/02/23(土) 22:36:18 ID:AxTHoNIe
次投下しても大丈夫ですか?

56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:38:26 ID:b8xI1cuU
どうぞ

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:38:45 ID:PaSYYRpl
支援

58 :ゼロの騎士 第二話:2008/02/23(土) 22:38:46 ID:AxTHoNIe
ゼロの騎士 第二話
 
 
「本当にここはイヴァリースでも、オルダリーアでも、ロマンダでも、ゼラモニアでもないんだね?」
 
「だからここはトリステインだって何回もいってるでしょうが!」
 
その後ラムザはルイズに対して一時間も質問責めを続けハルケギニアのことをなんとなくではあるが把握しはじめていた
 
 
「じゃあここはイヴァリースとは別次元…クラウドの世界なのか?」
 
「はぁ?クラウド?どこそこ?」
 
「あぁ、クラウドっていうのは場所じゃなくて僕の世界に別次元からきた異邦人のことなんだ」
 
「別の世界?またそんな嘘ついて…」
 
それに反してルイズはラムザの言うことを信じない
別世界からの来訪者というものに出会ったことがあるラムザは既に自分が別世界にいるということを受け入れ始めているが、これまでそんな経験をしたことがないルイズに所詮それは無理な話しである 
そう考えたラムザは異世界からきたという証拠を探す
 
「えっと…どうすればいいかな?」
 
「とりあえず私達も戻るわよ、この話は戻ってからね。もう誰もいないだろうけど」
 
「あ、おい、ちょっとまってくれよ」


59 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:39:51 ID:b8xI1cuU
支援

60 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:40:50 ID:AxTHoNIe
 
そう言うとルイズはラムザの制止を聞かず歩き始めた
しょうがなくそれについていくラムザ
 
大変な事に巻き込まれたな…クラウドはこんな気分だったんだろうか…
 
「そうだ!あなたさっき先住魔法みたいなの使ったじゃない、あなた本当に人間?」
 
「せんじゅ…?あぁテレポのことか、ここの人はレビテトを仕えてテレポは使えないのかい?」
 
「レビテーションのこと?あれはコモンマジックだからメイジなら使えるけど杖も使わずあんな移動魔法使えないわ」
 
「ここの魔法は杖がないと使えないのか…」
 
「それで…あんたいったい何者なの?」
 
「だから僕はラムザベオルブ。普通の人間さ」
 
「いまいち信用できないけど…太陽の光あびても平気そうだし耳も長くないものねぇ…変な平民」
 
そう言うとルイズは少しがっかりしたよううなだれた
 
ここがイヴァリースでない。ここではベオルブの名を知るものはいないのだから貴族である事を主張しても意味がない
そう考えたラムザはルイズの言う平民という呼び方を甘んじて受けることにした
 
まぁイヴァリースでももうベオルブ家はないんだけどな…
 
「ねぇ、あなた他にも何か使えるの?」
 


61 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:41:40 ID:PaSYYRpl
支援

62 :風林火山:2008/02/23(土) 22:41:45 ID:rtWVdZHB
支援です

ついでに、投下終了後5分くらいで、投下予約しても大丈夫でしょうか?

63 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:42:00 ID:b8xI1cuU
支援

64 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:42:50 ID:AxTHoNIe
少しうつむいているラムザに気付くことはなく、ルイズは嬉しそうに話しかけてくる
 
「あ、あぁ一応基本的な技術は身につけてるけど」
 
「なにかやってみせてよ!」
 
「じゃあ…『クポーー!くるくるぴゅ〜... モーグリ!』」 
「うわっ!なにこれかわいい!」
 
ラムザの呼びかけに対して現れたモーグリを抱きしめるルイズ
 
「クポッ!クポクポポクポー」
 
「あ!消えちゃった…」
 
「モーグリはきまぐれだからね」
 
「すごいすごーい!さすが私の使い魔ね!」
 
やはりこの娘は自分を使い魔として使役しようとしているんだな…
「その話だけど僕は君の使い魔になるつもりはないよ」
 
「……え?」
 
あまりにも予想外だったのかルイズは目を丸くしている
 
「ちょ…なにいってんのよ!もう契約もすませたしそんなわけにはいかないわ!」
 
「それは君の勝手だろ?それに僕は妹を守らなくちゃならない、だからいますぐ返してほしいんだ」
 
「…そんなの、無理よ」
 
「え?」
 
「呼び出す魔法はあるけど帰す魔法なんてしらないもの」
 
「…ほんとに?」
 
「ほんとよ、う、嘘なんかつかないわ」
 
予想外だった 確かにクラウドの時も呼び出すだけだったが… 


65 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:43:08 ID:b8xI1cuU
支援

66 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:44:42 ID:AxTHoNIe
そんなに簡単に呼び出す方法があるのなら帰す方法もあると思っていた
 
「じ、じゃあ僕の妹を召還してくれ!あの娘を一人にするわけにはいかない!」
 
「そ、そんなこと言われてもサモンサーヴァントで対象の指定なんかできないわ」
 
「そ、そんな…」
 
少し楽観視していたのかもしれない
 
このままではアルマを一人に、本当に一人にしてしまう
 
誰とも関わらず生きていく、そう決めたのは二人だったから
 
そう二人だったから今までやってこれた
 
なのに今、アルマは突然一人にされてしまった
 
「…ラムザ?」
 
「…ここは学校だったね?ということは君の先生がコルベールさん以外にもいるんだろ?そうだな学長がいい、一番博学なのは学長だろ?どこにいる?」
 
「オールドオスマンなら本棟の最上階だけど…だめよ!許可しないわ!使い魔が主人の命令もなしに行動しないで!」
 
「だから僕は君の使い魔になるつもりはない、本棟…あれだね?ありがとうルイズ、ちょっといってくるよ」
 
言った次の瞬間ラムザは光の中に消えた 
テレポでいなくなったのだ
 
「な、なんなのよ…なんなのよー!!!!」
 
そう言うとルイズは本棟に向かい走り出した
 
 


67 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:45:12 ID:b8xI1cuU
支援

68 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:46:28 ID:AxTHoNIe
 
 
その頃 本棟最上階では…
「オールドオスマン!」
 
「なんだね急に、えーっとコッパゲール君」
 
コルベールに対して失礼極まりない態度だがこの人がここの学長なのである
 
「コルベールです!オールドオスマン!これがミスヴァリエールの呼び出した使い魔に刻まれたルーンなんですが」
 
「それがどうかしたのかね?」
 
鼻毛を抜きながらやる気なさそうにしている老人
もう一度いうがこの人がここの学長なのである
 
「こちらをみてください」
 
「どれどれ…ふむ、ミスロングビル少し席を外してもらえるかの」
 
「わかりました」
 
 
コルベールの差し出した本を見た瞬間オールドオスマンの目つきがかわった
 
オールドオスマンの秘書ロングビルは言われた通りに外に出て行く
 
「ガンダールヴか…」
 
「はい、そのようです、そしてミスヴァリエールの使い魔、名をラムザベオルブというのですがなにやら先住魔法のようなものを使うようで」
 
「なに…?」
 
この時コルベールはオールドオスマンの驚き方に違和感を覚えていた
 
オールドオスマンは先住魔法という言葉ではなくラムザベオルブの名前を聞いた瞬間に反応したのだ
 


69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:46:29 ID:1flYIxBF
支援


70 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:47:46 ID:bsAtr5Ut
バルバネスか?!
支援

71 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:47:50 ID:1flYIxBF
もいっちょ

72 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:49:41 ID:AxTHoNIe
「オールドオスマン…?なにかしっているのです…」
 
その瞬間扉の外からロングビルの声が聞こえてきた
 
「だれ…あな………今…入って…………あ、ちょっと!」
 

すると扉が開き男が入ってきた
 
「ここに学長がいると聞いて来たんだが」
 
「ラムザ君!」
 
「ほっほ、わしが学長のオスマンじゃ、ミスロングビルいいから外に出ていてくれ」
 
「はい。わかりました」
 
突然のラムザの登場にコルベールは驚きの声をあげるがオールドオスマンは落ち着いてラムザを呼び入れた
 
「君がラムザ君か」
 
「はい、初めましていきなりの訪問すいません」
 
ベオルブ家として、貴族として生きてきたラムザだ
自分の都合だけで物事を捉えるほど子供でもない
 
「いいんじゃよところで何の用かの?」
そして齢100とも300とも言われるこの老人も伊達に長く生きてるわけではないようだ
 
「僕はミスヴァリエールの魔法でここに呼び出されたのですが…あなた達の世界の話を聞きましたが、このままここに残る気はありません。どうにか帰る方法はないでしょうか?」
 
「この世界…というと君はどこからきたのかね?」
 


73 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:50:22 ID:rtWVdZHB
支援

74 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:51:11 ID:b8xI1cuU
支援

75 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:52:35 ID:AxTHoNIe
「僕は恐らくこことは違う世界の、イヴァリースという国からきました」
 
「ほう」
「なんと…」
 
ルイズが全く信じなかったラムザの話にオスマンとコルベールは感嘆、もしくは驚愕の声を上げた
 
「僕はそこに妹を残してきました、僕がいなければ妹は…誰とも会うことなく一人で生きていかなければなりません…」
 
「というと君の世界は君と妹の二人しかいない世界なのかの?」
 
「いえ、僕と妹は僕の世界ではある事情で死んだ事にされているため人前にでるわけにはいかないんです」
 
「そうか…だから君がいなければ君の妹は本当の意味で一人きりで生きていかなければならないことになるのう」
 
さすがに年を重ねているだけあり人の話を頭から否定するような事はしない
 
しかしコルベールはオスマンに対しある疑念を持っていた
 
先ほどのラムザ君の話をした時の話といい…オールドオスマンは何か知っている?でなければこんな話しやすやすと信じられるものではない
 
そんなコルベールの様子に気付いたようだったオールドオスマンだったが顔色も変えず話しをすすめていく

 


76 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:53:23 ID:BV1/8+5q
風林火山氏の投下10分後に特撮系で投下予約します。
そしてゼロ騎士支援。

77 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:53:34 ID:AxTHoNIe
「だから帰る方法を教えろ…ということかの?」
 
「はい」
 
ラムザの問いに対しオスマンはつらそうに話した
 
「残念じゃが…わしはその方法を知らん…」
 
「そう…ですか…」 
  
オスマンの答えに希望をもっていたラムザの顔に影がさした
 
「ところでラムザ君、君が死んだことにされた理由というのはいえぬことなのかの?」
 
「それは…」
 
「まぁ人間様々な問題を抱えているものじゃ、まして異世界の何も知らねわしらには言えぬこともあるじゃろう」
 
「すいません…」
 
オスマンの気遣いはラムザにとってありがたいものだった
しかし帰る方法がないというのは困る
 
ラムザが黙り込み部屋に沈黙が訪れた
そのとき、またもや扉の外から誰かが呼ぶ声がした

「オールドオスマン!」
 
この声はルイズだ
 
「やれやれ突然の来訪者の多い日じゃ…ミスヴァリエール、入りなさい」
 
オスマンの許しを受けたルイズが扉をあげる
 
「オールドオスマン!すいません私の使い魔がご迷惑を!」
 
「いいんじゃ、ミスヴァリエールちょっとここに座りなさい、君もじゃミスタベオルブ」
 


78 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:53:39 ID:b8xI1cuU
支援

79 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:56:20 ID:AxTHoNIe
オスマンはルイズとラムザを自分の前に座らせた
 
「さて、ミスタベオルブ君の世界の話を聞こう」
 
「オールドオスマン!そんな必要はありません!」
 
「ミスヴァリエール、冷静になるんじゃ」
 
「でも…こいつ嘘ばっかりつくんですよ!聞くだけ無駄です!」
 
「落ち着くんじゃ、はなから嘘と決めてかかっているようじゃ世界は開けんぞ?」
 
「でも…」
 
興奮したルイズをたしなめるオスマン
ルイズは不満げだが学長であるオスマンの言葉を無碍にすることもできないためかおしだまった
 
「さぁミスタベオルブ話してくれ」
 
「はい、あ、僕の事はラムザでいいです、ベオルブはもう…」
 
ラムザはそれから自分の国イヴァリースの事
自分が異端とされ教会に追われていること
妹アルマを残してきたことなどを話した
 
 
「あい、わかった。こちらでも君が戻れる方法を探そう」
 
「ありがとうございます」
 
「それでじゃ、帰る方法が見つかるまではミスヴァリエールの使い魔としておってくれんかの?」
 
「僕は騎士として生きてきました。だから使い魔というのは許容できません」


80 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:56:34 ID:b8xI1cuU
支援

81 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:57:01 ID:AxTHoNIe
「そんな…」
「だから!騎士(ナイト)としてミスヴァリエールを守りましょう、使い魔ではなく対等な人間として…ね」
 
「うむ、それでいいかの?ミスヴァリエール、これは君も彼に協力するということじゃが」
 
「オールドオスマンは本当にこのはなしを信じるんですか!?」
 
オスマンとラムザによって話しが進められる間黙っていたルイズだったがやはり彼女にとってとても信じられる事ではなく不満を爆発させた
 
「ミスヴァリエール…彼の目を見てみさい。どうじゃ?儂には彼が嘘をついているとは思えん」
 
「でも…」
 
「考えてもみなさい、ミスタコルベールの話を聞く限りでは君は逃げる彼に無理矢理契約をしたそうではないか。同じ境遇に立たされる事を考えてみなさい」
 
オスマンの言葉にルイズはハッとした
やっと成功したサモンサーヴァントで召還した相手がいきなり逃げ出したため焦り相手の事を考えもせず自分都合に動いていたこと
力で押さえつけることは貴族の中でよくあることではあるが、ルイズの考える本来の貴族のあり方ではない
 
「はい…」
自責の念からかうつむいてしまうルイズ
 


82 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 22:57:42 ID:AxTHoNIe
「そしてラムザ君に言うことがあるのではないかね?」
 
「…ごめんなさい、」
 
貴族が自らの非を認めることのどれだけ難しいことか
しかしルイズは自分のしたことに対して自らの非を認めていた
家名をふまえた貴族としてのプライドとルイズの考える貴族としてのあり方
この二つの間で揺れる幼いルイズにとってこれが精一杯の言葉だった
 
「今までのことは水に流そう、これからの君を見せてもらうよ」
 
ラムザにもルイズの気持ちは分かったのだろう
元は貴族であった身、自分のように平民貴族関係なくつき合っていた自分はその中でも異端であり、平民と貴族の垣根を取り払うことの難しいということを改めて認識したラムザだった


83 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:57:57 ID:QEBxiJT+
ほほう、ただのセクハラジジイじゃないのね。
やるじゃない(アイン@北斗の拳)
支援。

84 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 22:59:27 ID:b8xI1cuU
支援

85 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 23:00:02 ID:AxTHoNIe
それからオスマンとコルベールに別れをつげたルイズとラムザ
 
ラムザはルイズの使い魔という扱いなのでルイズの部屋で寝ることとなった
 
「といってもベッドがすぐに用意できないからひとつしかないんだけど…」
 
「僕は床で寝よう、少し前まで傭兵業をしていて慣れているから大丈夫、ただ毛布を貸してもらえるとありがたいな」
 
「わかったわ、じゃあこれを使って」
 
「わかった」
 
生活上必要なことをいくつか確認したあと、二人の間に沈黙が訪れた それを破ったのはラムザの方だった
 
「…月が二つある?」
 
「月?月は二つでしょう?」
 
「僕のいた世界では月は一つしかなかったんだよ。」
 
ラムザの言葉を聞き少し間を置いてルイズが話し始めた
 
「オールドオスマンはああ言ったけど…正直私はまだその…異世界から来たってのは正直信じられないわ」
 
「うん…いきなりではしょうがないよ。でも僕は嘘は言ってない、今すぐは無理でもいずれ分かってもらえればいいよ」
 
「うん……あの……本当に………いきなり呼んで無理矢理契約したのは悪いと思っているわ」
 


86 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:00:28 ID:lw9XDvQN
サジ役の人も自分の演じるキャラが本筋にからんでないってことをどう思ってるのか気になる

87 :ゼロの騎士第二話:2008/02/23(土) 23:00:37 ID:AxTHoNIe
「うん、もう大丈夫。僕はどうせあっちでは死んだ身、アルマの事がなければこっちで暮らしてもいいと思っているんだ」
 
「………」
 
「それにアルマは強い娘だし、今まで二人で暮らしてきたけど…チョコボもいるし頼れば仲間も世話をやいてくれるだろう、だからきっと大丈夫。必ず会いに行くけどね」
 
「仲間って?」
 
「一緒に旅をした仲間さ、隠れて生活してたから長いことあってないけど僕がいる所を伝えてあるやつもいたからそのうちアルマも彼らと会うことになるだろう、旅の話はまた今度してあげよう、さぁ寝ようかもう夜も更けてきた」
 
「えぇ、おやすみなさいラムザ」
 
「おやすみルイズ」
 
 
 
その日ラムザは夢をみた
 
その夢ではアルマはチョコボの森でボコ達と静かに暮らしていた
野生のチョコボにも懐かれ幸せそうだが時折自分の名を呟きその顔に影を落とす妹の姿をみてイヴァリースへ思いを馳せるラムザであった

第二話end

88 :86:2008/02/23(土) 23:01:23 ID:lw9XDvQN
誤爆
スマン

89 :ゼロの騎士:2008/02/23(土) 23:01:34 ID:AxTHoNIe
以上です ありがとうございました

90 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:01:43 ID:b8xI1cuU
ラムザいじり支援
ttp://www.h6.dion.ne.jp/~ed-m/edelweiss-box/pbbs-FFT.htm

91 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:02:04 ID:mb+noW9d
支援。あと気になったんだけど、名前と性をわけないのは拘りがあるんだろうか?

92 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:03:08 ID:QEBxiJT+
乙。
FFT未プレイですが、先が気になってきました。

93 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:03:17 ID:b8xI1cuU
乙です

94 :ゼロの騎士:2008/02/23(土) 23:04:08 ID:AxTHoNIe
>>91
いや、それはミスだ
今後気をつけますorz

95 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:04:43 ID:vbxP3bo5
句読点の使い方とかきちんとしてくれ。
あと姓と名の間に「・(中黒)」入れるとか、疑問符感嘆符の後は一字開けるとか……。
見ててもにょもにょして仕方がない。

96 :風林火山:2008/02/23(土) 23:07:58 ID:rtWVdZHB
騎士さん乙でした!

それでは、久しぶりの投下をさせていただきます

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:08:26 ID:PaSYYRpl
支援

98 :風林火山(8):2008/02/23(土) 23:09:15 ID:rtWVdZHB
―――――ふと、誰かが自分を呼んでいるような気がした。

「・・・助」

誰だろうか。

「勘助」

自分を呼ぶ、この声の主は。

「勘助!」

「ハッ!ひ、姫様!」

白く染まる視界の中、そこに、姫・・・諏訪の館で死んだはずの、姫様がいた。

「勘助。何をしているのですか」

「は、某は・・・」

「こんなところで、何をしているのか、と聞いているのです。勘助。貴方には、仕えるべき姫がいるではありませんか」

何を言っているのだろうか。
自分が仕える者は、この世に姫様と御屋形様のみだ。

「使えるべき、姫、ですか・・・?」

「何を呆けた顔をしているのです。ルイズは、貴方を待っていますよ」

その言葉に、勘助の顔が驚きに染まった。

「ひ、姫様!しかし、某は姫様に・・・」

「私は、もう死にました。かの者は生きているではありませんか。私は、御屋形様と共に、勘助達を見て楽しみます」

「姫、様・・・」

「ほら、何をしているのですか。戻りなさい。貴方の姫が、待っていますよ」

姫―――由布姫は、そう言うと、スウと姿を消した。
瞬間に、勘助の視界は黒く染まった。

99 :風林火山(8):2008/02/23(土) 23:10:28 ID:rtWVdZHB
―――――姫様・・・

ボソリ、と勘助の唇から言葉が漏れた。
そして、同時に勘助の目がうっすらと、開いた。
ぼやけている視界の中、こくり、こくりと揺れながら、ルイズは眠っている。

(はて、何やら夢を見ていたようだが・・・)

何やら、とても重要な夢を見ていた気がした。
しかし、思いだせない。
それでも、考えてみる。
何の夢だったか。
・・・思い出せない。

(思い出せないものは、仕方あるまい)

所詮は、夢だ。
これ以上考えても、特に意味も無いだろう。
それより、何故目の前でルイズが寝ているのか。
何故、自分はここで寝ているのだろうか。

(そうだ。何故忘れていた・・・まず、考えねばならなかったこと)

ルイズは、確かにあの時潰されたはずだ。
そう、ゴーレムに潰された。
死体すら無かった事が、それを示している。

(・・・死体が、無い?)

眉に自然に皺が出来た。
そうだ、死体が無いはずがない。
いくら潰されたとはいえ、血痕、肉片の一欠けらも無かった。
それは、何よりも、ルイズは潰されてはいない、ということ示しているのではないか。
あの時潰されたのは、魔法で作られた別の何かだったのだろう。
勘助の知識で思い当たるのは・・・
ルイズそっくりな、ゴーレムだったのだろうか?

(そうか・・・間に合っていたのだな)

恐らく、コルベールを始めとする、教師達が間に合ったのだ。
彼らが、間一髪でルイズを助けてくれたのだろう。

(だが、それからの記憶が無いな)



100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:12:10 ID:g4o7M5RM
騎士と武士の競演支援

101 :風林火山(8):2008/02/23(土) 23:12:37 ID:rtWVdZHB
ルイズが潰されてから、自分は何をしたのか、どうなったのか、全く分からない。
もしかしたら、すぐにフーケにやられ、それから教師達に救出されたのだろうか。
あるいは、フーケを逃がしてしまったかも知れない。
とりあえず、ルイズに話を聞くのが先だろう。

「姫様。起きて下され。聞きたいことがございます」

ルイズの肩に手を置き、起こそうとする。
ゆさゆさと、体を揺らす。

「姫様。起き―――」

そこまで言って、違和感を覚えた。
それも、とてつもなく大きな。
まるで、自分そのものが、それを拒絶するかのような、大きな・・・

「な・・・ば、馬鹿な!」

違和感の正体に気づき、そして、愕然とした。

(今、姫様と・・・姫様と!)

ルイズを、姫と呼んだのだ。
それも、長年口にしてきたかのように、ごく自然に。
しかし、それは決してありえない。
あってはいけないのだ。
勘助にとって、真に仕える姫とは、由布姫のみだ。
姫様というのは、ある種神聖な響きを持った言葉として、勘助の中にある。
それを、ルイズに対して使うのか。
そんな事が、あっていいはずがない。

(ならぬ。それだけは、絶対にならぬ)

一体、何故自分は、ルイズを姫様と呼んだのだろうか。
例え無意識でも、自分が姫様と呼び間違えるはずがない。
さっきの、一瞬の間の自分は、自分では無いような気すらした。
あの時、自分は、自分では無い、何かに支配されていたのだろうか。
普段ならば、そんな考えは一笑の元、切り捨てるものだ。
だが、今の勘助には、それが本当のことのように思えた。
自分の意識を、自分の存在を侵されているのだ。

「馬鹿な。そんな筈が―――ッ!」

ズキン、と、唐突に激しい頭痛がした。
だんだんと、だんだんと激しくなってくる。
痛み以外の感覚が消えていく。
視界が真っ白に染まり、そして、暗転した。
ズキン、という頭痛のみを残して、再び勘助は目を閉じた。



102 :風林火山(8):2008/02/23(土) 23:14:44 ID:rtWVdZHB
―――――視界に、白い光が広がった。

「勘助?勘助、目が覚めたのね!?」

そして、その光の先には、ルイズが居た。

「姫様・・・」

「勘助・・・良かったわ、もう二日も眠っていたよの・・・もう、目が覚めないかと思ったの。それに、さっきからずっとうなされていて。でも、本当によかった・・・」

自分をずっと看病してくれていたのだろうか。
疲れているようで、目に隅ができている。

(はて、何か夢を見ていたような気がするが・・・)

とても大事で、恐ろしい事のような気がする。

「勘助、大丈夫?」

「あ、はっ、心配をおかけ致しました、姫様」

だが、所詮は夢の事。

(・・・些事に過ぎんさ)

「勘助・・・今、姫様って?」

ルイズが、少し困惑した顔で問いかけてくる。

「?何か、おかしなことでも、言いましたでしょうか?」

「えと・・・その、姫様って、もしかして、私の事?」

何を言っているのだろうか。

「それ以外にございますまい」

「そ、そうなの。なら、いいわ」

何か不味かったのだろうか。
しかし、昔からずっと姫様と呼んでいるはずだ。
おかしなことは見当たらない。
すると、

「あ、そうだ。勘助が目を覚ましたら呼んできなさいって、先生に頼まれていたんだ。ちょっと、行ってくるわね」

と言い残し、ルイズは部屋を出て行ってしまった。

(姫様の様子が変だったが・・・)

いや、自分の様子が変だったのかもしれない。
何しろ、丸二日眠っていたというのだ。
そのまま、勘助は深く考える事はしなかった。


103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:16:51 ID:7zNZYRUO
支援

104 :風林火山(8):2008/02/23(土) 23:17:34 ID:rtWVdZHB
―――――やがて、部屋にオスマンとコルベールが入ってきた。

「すまんが、席を外してくれるかの」

ルイズは、その言葉でこの場から離れることになった。
二人は、ルイズが部屋から離れたのを確認してから、言った。

「さて・・・まずは、礼から言わねばなるまい。ミスタ・カンスケ。そなたのお陰で、被害を出すことなく、フーケを捕らえる事が出来た。ありがとう」

オスマンとコルベールが、揃って頭を下げた。

「いえ。礼を言われるほどのことではありません。すべては、姫様を守るための事」

勘助が言うと、二人は驚いたように顔を見合わせた。

「ふむ・・・そうか。そういってくれると、助かるわい」

鬚をなでながら、オスマンは続ける。

「そして、次は詫びじゃ。今回の事件、最も貢献してくれたのはそなたじゃと思っとる。しかし、そちは貴族では無い。ほかの3人と同じように、シュバリエを申請しても通らなんだ。」

「姫様が栄誉を受け取れたのであれば、某は、十分です」

またもや、驚いたように顔を合わせる二人。

「のう、ミスタ・カンスケ。その、姫様というのは・・・」

「?姫様とは、ルイズ様の事ですが」

ふむ、とオスマンは頷く。

「まぁ、いいじゃろ。我々は、そなたに大した礼をすることは出来ない。じゃが、我々学院はそなたの味方であるつもりじゃ。いきなり異国の地へと召喚され、何かと不便も多いことと思う。」

すう、と息を吸う。

「何か困ったこと、わからない事があったら、我々を訪ねてほしい。出来る限り、力になろう」

ふむ、と勘助は、自分の中の疑問をいくつか頭に思い浮かべる。

「聞きたいことがございます」

オスマンとコルベールが、促す。

「まず、この身の事。使い魔になってから、剣を握ると体が軽く、強くなります。今まで、そのような事は、ありませんでした」

二人が目を見合わせ、いくつかの間をおいて、コルベールが口を開いた。




105 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:17:43 ID:QEBxiJT+
いい関係になってきてますな。
支援。

106 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:18:23 ID:AxTHoNIe
支援支援

107 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:19:42 ID:b8xI1cuU
支援

108 :風林火山(8):2008/02/23(土) 23:19:46 ID:rtWVdZHB
「それは、伝説の使い魔、『ガンダールヴ』のルーンです。詳しい事は、私たちにもわからりません。ですが、それはあらゆる武器を使いこなしたといいます。もし、本当に貴方が『ガンダールヴ』であるならば、それの影響なのかもしれません」

そして・・・と、オスマンが続ける。

「このことは、わしら以外の人間には、可能な限り内密にしてほしい。このことが王宮にでも知られれば、何をするかわからん。ヴァリエール家は王家の氏族。そこから、伝説にある『ガンダールヴ』が現れたとなっては、それを種に戦を行う事も、あり得ん話ではないのじゃ」

「わかりました。可能な限り、内密に取り計らいましょう。・・・それと、頼みたいことがございます」

「なんじゃね?」

「『破壊の杖』・・・いえ、鉄砲を、私に預けては頂けないでしょうか」

「ふむ?」

戸惑うように、二人は首をかしげた。

「あの、『破壊の杖』には、もともと、私が仕えていた国の、家紋が記されていました。」

勘助は、顔の角度を少し落として、言った。

「恐らく、我が国の者でありましょう。」

「なんと!」

二人は、目を見開いて、思わず声を上げた。

「勿論、出来ればで構いませぬ。」

「いや。構わんよ」

オスマンが、言った。

「あれは・・・私の、恩人が持っていたものなのじゃ。まともに話すことなく亡くなってしまったのじゃが・・・そう、わしの・・・わしの、命を救ってくれた、恩人のものじゃ」

遠い眼をして、語る。

「その当時、まだ銃というものは世に出回っておらんでの。わしは、あれが何らかのマジックアイテムだと思っておった。」

じゃが、と続ける。

「それから数年した頃・・・銃が、軍に出回り始めた。その時、わしは思った。おそらく、あれはゲルマニアや、もしかしたら、東方で開発された兵器なのだろう、とな。」




109 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:20:47 ID:YQtnU9Va
>>13
すまん知らなかっといえ



110 :風林火山(8):2008/02/23(土) 23:21:16 ID:rtWVdZHB
コルベールが、後を続ける。

「私は、せめて持ち主の家族にでも会いたいという、オールド・オスマンの言葉を受け、手がかりを探しました。その一環で、出回っている銃も調べたのです。・・・ですが、どの銃もその銃より威力が低く、使い勝手も又、悪いものだったのです。」

辛いものをこらえるように、声を出した。

「もし、この銃が出回れば、戦争は変わるでしょう。平民が、貴族並の攻撃力を持ちます。そうすれば、どこの国も、こぞって開発を進め・・・やがて、大きな戦争が起きるかもしれません。」

憂いた顔で、コルベールは語る。

「もしかしたら、もう何所かの国は、量産に踏み切っているかもしれません。ですが、それを国に報告すれば、それこそ、こぞって戦が巻き起こることでしょう。だからこそ、我々は、これをマジック・アイテムとし、秘宝として保管したのです。」

それに、じゃが・・・と、オスマンが続ける。

「じゃが・・・これは、元々わしらのものでは無い。戦が起こらぬよう、一時的な措置として保管しておいたものじゃ。ミスタ・カンスケ」

「はい」

「わしは、そちを信じておる。主を守り、フーケをとらえてくれた、そちを・・・。そちなら、これを王宮に触れずに、己を、己の主を守るために、これを使ってくれると信じておる。」

「・・・ありがとう、ございます」

「なに、元々そちの国のものじゃ。それを、わしらが持っておったら、フーケと同じ泥棒になってしまうわい」

「あとで、私が持っていきましょう」

コルベールが、言った。
勘助は、姿勢を低くし、礼を言った。

「そして、もう一つ、お願いがございます」

「なんじゃ、まだあるのかね」

オスマンが、愉快そうに笑った。

「図書館の使用許可を・・・それと、文字を教えていただきたい」

これは、兼ねてより考えていたことだ。
図書館は貴族でなければ使用できないらしく、それに、使用できても文字が読めない。
あれほどの本があるというのに、それでは勿体無いことだ。
いや、文字が読めなければ後々困るかもしれないし、この地をもっと理解するためにも、文字は必要なのだ。
二人は、顔を見合わせると、又、笑って言った。

「もちろんじゃよ。ミスタ・カンスケ」




111 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:21:42 ID:b8xI1cuU
支援

112 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:21:58 ID:YQtnU9Va
支援

113 :風林火山(9):2008/02/23(土) 23:22:22 ID:rtWVdZHB
―――――ガラッ、と教室のドアが開かれた。

「では、授業を始める。」

長い黒髪に、漆黒のマントをまとった、若い男性教師が入ってきた。
以前、ミス・ロングビルを捕らえた教師だ。

「知っての通り、私の二つ名は『疾風』。疾風のギトーだ」

教室中が静まっている。
その様子を、満足げに眺めて、言った。

「最強の系統を知っているかね?ミス・ツェルプストー」

「『火』に決まっていますわ。ミスタ・ギトー」

キュルケは、問いに不敵に答えた。
だが、ギトーはそれを一笑する。

「残念だがそうではない。試しに、この私に、君の得意な、火の魔法をぶつけてきたまえ」

キュルケの顔から、いつもの笑みが消えた。
目がスッと、細まり、そして、呪文が唱えられる。
杖の先には、巨大な火の玉が現れた。
そして、それはどんどんと大きさを増し、やがて、放たれた。

―――轟

と、巨大な音がした。
見れば、キュルケは後ろ、教室の壁にぶつかり、気絶していた。
悠然として、ギトーは言い放った。

「諸君。風が最強たる由縁をおしえよう。風は、すべてをなぎ払うのだ。火・水・土、そして、恐らくは虚無さえも、風の前では立つことさえできない」

満足げに、ギトーは頷いている。
勘助は、それをどこか冷めた目で見つめていた。

(なるほど、確かに個人の戦いでは風は最強やもしれん)
だが、それが何だというのだろうか。
いくら、一人で一騎当千の力を持っていようとも、本物の戦では大して役に立たない。

(土だ。戦において、土こそ最強の魔法となろう。風のスクウェア・クラスのメイジを1人雇うより、土のトライアングル・クラスのメイジを2人雇う方が、より大きな働きをしてくれるはずだ)




114 :風林火山(9):2008/02/23(土) 23:23:31 ID:rtWVdZHB
ゴーレムほど、便利なものは無い。
対攻城戦において、まったく手勢を傷つけずに城門を破壊することができる。
巨大なゴーレムは、矢や弾から見方を守る盾にもなる。
その巨体は、ただあるだけで敵の士気を下げることもできる。
いざ倒されようと、メイジは傷一つつかない。
他にも、特に、錬金が素晴らしい。
応用の幅がとても広いのだ。
スクウェア・クラスであれば、大抵の『固定化』を無視して錬金することができる。
ゴーレムを用いずとも、いとも容易く城が落ちる。
水も、なくてはならないものであろう。
怪我人の治療に、素晴らしい。
何と言っても、胴からから切り離されたものでさえ、修復することができるというのだから。
風は、確かに素晴らしい。
数多の矢をはじき、砂埃でも舞い上げれば、敵の視界を遮れる。
だが、戦で役立させるためには、少なくとも、トライアングル以上の力は必要だろう。
ドット・ラインでは、飛んでくる矢を少し逸らす程度が限界だ。
いや、その実力では、矢の速度に追いつくことができるかも疑問である。
戦とは、数が最も大きな要因となる。
貴族とは、平民の傭兵と比べると、雇うのに何倍、何十倍もの金がかかる。
スクウェアともなれば、前線に赴くことは、まず無いと言っても過言では無い。
それならば、せめてライン程度の者達で、十分な効果を得られなければ、意味がないのだ。
それだけでなく、風のスクウェア、土のスクウェア。
どちらをとると聞かれれば、まず間違いなく、土のスクウェアクラスが重宝されるだろう。

と、突然ガラリ、とドアが開かれた。

「えー、皆さんにお知らせします」

コルベールだ。
珍妙なかつらを被り、慌てたように、言った。

「我がトリステインに、アンリエッタ姫殿下が、本日、ゲルマニアの訪問からのお帰りに、行幸されるのです」

ざわ・・・と教室がざわめいた。

「したがって、粗相があってはなりません。急ですが、今から全力を挙げて、おもてなしの準備を致します。その為、本日の授業は停止。正装をし、門に整列するのです!」

生徒達は、一斉に緊張した面持ちとなった。
それに頷き、コルベールは大きな声で言った。

「みなさん!本日は、今まで努力し、そして、立派な貴族になったということをお見せする、絶好の機会ですぞ!杖を磨き、御覚えがよろしくなるよう、しっかりとしておきなさい!」

そして、教室の生徒達は、一斉に部屋へと戻った。




115 :風林火山(9):2008/02/23(土) 23:24:29 ID:rtWVdZHB
身支度を整え、ルイズ達は門の前へと集まった。

「いい、勘助。わかっていると思うけど、これから姫様がここを通るのよ。貴方も、私の使い魔として、きちんと礼を尽くしなさい」

いつになく、きりっとした顔で、ルイズは勘助に告げた。
勘助は、その姿も、また、美しいと思った。

「承知しております。しかし、姫様。一つお聞きしたいことがございます。」

「何?」

「マザリーニ枢機卿も、ご一緒に?」

ルイズは、その言葉に少し眉をよせて、言う。

「ええ、そうみたいね。あの鳥の骨、姫様を道具みたいに扱って、内政を思うがままにしているって噂よ・・・姫様がお可哀そうだわ」

「なるほど」

(聞く限り、その枢機卿が内政を意のままにしているというのは事実であろう。でなければ、この国は今ほど安定した状況を保てまい。アルビオンと同じように、革命が起きていてもおかしくはないな)

文字を覚え、学院長という強力なコネを得た勘助は、すでに、ルイズよりも多彩な情報を得るようになっていた。
学院を訪ねてくる、他国の者からも話を得ることもできる。
シュバリエの位を与えられるよりも、より多くの報酬を、勘助は受け取っている。

「あ、姫様の馬車が見えたわ!」

オスマンが代表として、アンリエッタを迎えた。

(あれが・・・マザリーニ枢機卿か。しかと、覚えた)

脳裏に、しっかりと実力者の顔を刻み込む。
それだけでなく、姫、側近の者達の顔をも、確認しておく。
と、ルイズがはっとした顔をした。
ついで、うっとりと頬を赤らめる。
視線の先を確かめれば、そこには、羽帽子を被った、凛々しい貴族があった。
グリフォンに跨っていた。

(ふむ)

そして、姫は学院の中へと入って行った。




116 :風林火山(9):2008/02/23(土) 23:26:23 ID:rtWVdZHB
―――――その日の、夜。
コンコンコン、と長く二回。
コン、と短く三回。
規則正しく、ドアがノックされた。
その音を聞いて、ルイズはハッと立ち上がった。

「姫様?」

怪訝に思った勘助だが、ルイズは気にせず、あわてて身なりを整え、そしてドアを開いた。
そこには、真っ黒な頭巾をかぶり、顔を隠した少女らしき影であった。

「あなたは?」

ルイズが、問うた。
少女は、し、と指を一本、口に当て、ついでドアを閉める。
短くルーンを唱え、杖を振るった。
杖から、小さな光の粉が現れ、宙を舞った。

「ディティクト・マジック?」

ルイズが尋ねる。
少女は頷いた。

「どこに、人の耳があるやも、わかりませんからね」

そこに現れたのは、アンリエッタ王女であった。
慌てて、勘助が膝をつく。

「姫殿下!」

ルイズも、膝をついた。
アンリエッタは、感慨極まった表情で、ルイズを抱きしめた。

「ああ、ルイズ、ルイズ!懐かしいルイズ!」

「姫殿下!いけません!こんな下賤な場所へ!」

「ああ、貴方までそんなことを言わないで頂戴!あなたと私はお友達!お友達じゃないの!」

勘助は、ポカン、とした表情で二人のやり取りを見た。

「ここには、枢機卿も、母上も、宮廷貴族もいないのよ!貴方までがそんなよそよそしい態度を見せたら、死んでしまうわ!」

「姫殿下・・・」

ルイズは、顔を持ち上げた。




117 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:27:08 ID:FTSPEf90
矢や弾から見方を〜→矢や弾から味方を〜
じゃないのか?支援

118 :風林火山(9):2008/02/23(土) 23:27:44 ID:rtWVdZHB
「幼いころ!一緒に、宮廷で蝶を追って駆け回ったじゃないの!泥だらけになって・・・」

二人は、昔話を、一々大仰に話した。
そして、窓の外をみて、ふと、言った。

「結婚するのよ。わたくし」

「・・・おめでとう、ございます」

その言葉に、ルイズは、物悲しい表情で答えた。

(なるほど。政略結婚か。さしずめ、相手はゲルマニアか)

勘助は、二人の会話についていけずに、自分の考えにふけっている。

(ということは、アルビオン王家は既に打倒されたか・・・それに近い状態にあるのだろう。前皇の妾の子を出さないのは、より強固な同盟を結ぶため・・・なるほど、それほどまでにアルビオンの軍事力は強大か)

だが、政略結婚や下剋上なぞ、当り前の戦国の世から来た勘助である。
それらに対して、どうと思う事は無い。

「あら、ごめんなさい。もしかして、お邪魔だったかしら」

と、突然アンリエッタが言った。

「お邪魔?どうして?」

ルイズが、言った。

「だって、そこの彼、貴方の恋人なのでしょう?」

「そ、そんなことありません!あれは、私の使い魔です!」

ルイズは、顔を真っ赤にして、答えた。

「使い魔?」

アンリエッタは、キョトンとして、勘助を見やった。

「ルイズ、貴方、昔からどこか変わっていたけど・・・相変わらずね」

と、アンリエッタはため息をつく。

「姫様、どうなさったんですか?」




119 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:28:32 ID:7zNZYRUO
細かい誤字程度気にする必要もあるまい。支援

120 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:29:06 ID:b8xI1cuU
支援

121 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:30:19 ID:FTSPEf90
支援

122 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:31:23 ID:YQtnU9Va
支援


123 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:31:47 ID:cozmdnB2
規制?支援

124 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:32:42 ID:7bHPFN2P
すばらしいぞ! 支援!

125 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:33:04 ID:TFxlbyag
ごめんなさいお猿さんくらいましたorz
申し訳ないですが、代理お願い出来ますでしょうか…

126 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:33:29 ID:b8xI1cuU
支援

127 :代理人:2008/02/23(土) 23:40:54 ID:g4o7M5RM
「いいえ、ごめんなさい・・・こんなこと、貴方に話せることじゃないのに・・・わたくしってば・・・」

「おっしゃってください、姫様!あんなに明るかった姫様が、そんなため息をつくなんて・・・何か、大きなお悩みがあるのでしょう?」

「・・・いえ、話せません。悩みがあると言ったのは、忘れて頂戴、ルイズ」

「そんな!わたしたち、お友達でしょう!そのお友達に、悩みを話せないのですか?」

「わたくしを、お友達と呼んでくれるのね・・・ルイズ。いいわ、お話しましょう」

そして、アンリエッタは物悲しそうに、話し始めた。
おおよそ、勘助の予想道理であった。
だが、一つだけ、思いもよらぬことがあった。

「わたしが、以前したためた、一通の手紙があります」

「手紙?」

「そうです。そして、それがゲルマニアの皇帝の手に渡ったら・・・婚姻はつぶれ、同盟は反故。トリステインは、一国であの国と戦わなければならなくなります」

「姫様!その手紙はどこにあるのですか!」

「それは・・・アルビオン王家、ウェールズ皇太子が持っているのです・・・」

「プリンス・オブ・ウェールズ?あの、凛々しき皇太子さまが?」

アンリエッタはのけぞると、大きな声で嘆いた。

「ああ!破滅です!皇太子は、遅かれ早かれ、敵勢の手にとらわれるでしょう。そして、その時にはあの手紙も明るみに出てしまいます・・・そうなったら、破滅です!破滅なのです!同盟ならずして、あの国と戦わなくてはなりません!」

「では姫様・・・わたしに頼みたいことというのは・・・」

何と言うことだろう。
この姫は、愛しき姫様に、死地に飛び込めと言っているのでは無いか!

「無理よ!無理よルイズ!そんな事、貴方に頼めるわけないわ・・・」

「いいえ、姫様!私は、姫様の為なら例え火の中、水の中、竜のアギトの中でさえも行って見せます!姫様とトリステインの危機、このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、決して見逃すわけにはまいりません!」

「ありがとう、ルイズ・・・!」

二人は、高いテンションのまま、勘助を無視して話を続けてしまっている。




128 :代理人 風林火山(9):2008/02/23(土) 23:42:42 ID:g4o7M5RM
(なんと言ったものか・・・)

止めなければならない。
それはわかっているのだが、どうもこの間に入れる気がしないのである。
そうこうしているうちに、話は決まってしまった。

「早速、明日にでも、ここを出発します」

と、アンリエッタは顔をこちらに向けた。

「頼もしい使い魔さん」

「はっ」

「わたくしの、大事なお友達を、これからも宜しくお願いしますね」

「承知致しました」

と、アンリエッタの手が目の前に出された。

「これは・・・?」

「忠義には、報いるところが無くてはなりません」

勘助は、困った。
何をすれば良いのかわからないのである。

「姫様、これは・・・」

「手の甲に、口付けするのよ」

つっけんどんとした様子で、ルイズが答えた。

「承知しました」

勘助は答えると、アンリエッタの手の甲に、口付けをした。
アンリエッタは、それを見て微笑んだ。
その時である。

―――バタン

突然、ドアが開いた。

「姫様。恐れながら、この、ギーシュ・ド・グラモンにも、その任を受ける栄誉を預けては頂けないでしょうか」

そこに現れたのは、勘助に腕を切られた、ギーシュであった。
そして、ギーシュの同行が決まった。
ルイズには、王家の財宝・水のルビーと、皇太子への密書が渡された。


129 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:44:00 ID:b8xI1cuU
代理乙

130 :代理人 風林火山(10):2008/02/23(土) 23:44:42 ID:g4o7M5RM
―――――朝もやの中、勘助達は馬へと乗った。
秘密裏に、学院を出発しようというのだ。

―――ザッ

後ろから、近づいてくる足音があった。

「誰だ?」

警戒しながら勘助が、問う。
もしかしたら、アンリエッタの話が漏れてしまったのかもしれない。
ギーシュが見つからなかったくらいなのだから、あり得ない話では無い。

「僕は敵では無い。トリステイン一国がかかっているんだ。やはり、君たちだけで行かせるわけにはいかないだろう。とは言っても、隠密行動だ。一部隊つけるわけにもいかなくてね。僕が指名されたのさ」

若い、男の声だった。
見れば、長身の、羽帽子をかぶった貴族である。

「女王陛下直属の部隊、グリフォン隊隊長、ワルド子爵だ」

ワルドは、帽子を取ると一礼した。

「ワルドさま・・・」

ルイズは、頬染めていった。

「ルイズ!僕のルイズ!久しぶりだね!」

勘助は、それを茫然と見つめた。
人懐っこい笑顔で、ルイズを抱きかかえる。

「彼らを、紹介してくれたまえ」

「グラモン家のギーシュと、使い魔の勘助ですわ」

二人りは、ワルドに一礼した。

「君がルイズの使い魔かい?人とは思わなかったな」

「僕の婚約者がお世話になっているよ。」

今度こそ、勘助は驚いた。

(姫様の、婚約者!)




131 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:45:23 ID:0Wxsbwme
支援

132 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:45:40 ID:9sD7lDXI
支援

133 :代理人 風林火山(10):2008/02/23(土) 23:45:53 ID:g4o7M5RM
だが、あり得ない話では無い。
ヴァリエール家は、トリステイン有数の貴族である。
ならば、予め婚約者が決められていてもおかしくは無い。
それに、ルイズはどうやらワルドにあこがれているらしい。
ワルドも、態度からルイズを悪くは思っていないようだ。
ならば、これは祝福すべきことなのだろうか。
(まだ、わからん)

本当に、ルイズに・・・姫様にとって、ふさわしい相手なのかどうか、見極めなければならない。
今の段階では、まだ判断はできないだろう。
旅の途中で、見極めるしかないようだ。

「おいで、ルイズ」

と、ワルドはルイズを自分のグリフォンへと招いた。
ルイズは、少しもじもじとしていたが、やがてワルドの元へと駆け寄った。
ワルドはそれを抱えると、高らかに宣言した。

「さぁ、諸君!出発だ!」


―――――学院を出発して、半日近くが経っていた。
ギーシュは疲れを見せていたが、それでも何とか食らいついてきている。

「ミスタ・カンスケ」

突然、ギーシュが語りかけてきた。

「何だ」

「・・・僕は、貴方との決闘に敗れた」

真剣な表情をしていた。
ギーシュは、勘助の方を見ずに、言っている。

「僕は思うんだ。もし、僕がスクウェアクラスであっても、君には勝てなかったんじゃないだろうか、と。それは、君が強いからじゃ、決してない。単純な実力では、僕は君に勝っていると思っている」

勘助は、何も言わずに聞いている。

「あの時、僕はなぜ負けたか。ずっと考えていたんだ。貴方は、真剣だった。命のやり取りをするという、実感があったのかもしれない。けれど、僕にはそれが無かった。平民に負けるわけがない、という思いから、油断をしていた」

パカ、パカ、と馬が走る音が聞こえる。
へとへとになりながらも、必死に馬を操り、語り続ける。


134 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:46:16 ID:YQtnU9Va
支援だ


135 :代理人 風林火山(10):2008/02/23(土) 23:46:55 ID:g4o7M5RM
「だから、僕は考えている。あの時、油断しなければ勝てたのだろうか、と。否、勝てなかったと僕は思う。奇襲を予め予想しても、何故だか、貴方はそれを上まわって来るような気がしてならない」

そして、ギーシュはしっかりと、勘助を見やった。

「ミスタ・カンスケ。貴方の知恵を、僕に教えてほしい。僕を、貴方の弟子として欲しい。貴方は、以前東方の大国の、軍師をしていたという。僕に、その知識を、教えてくれないだろうか」

ほう、と勘助はうなった。

(軽薄で、まともな考えを持たない小僧だとばかり思っていたが・・・)

これはこれで、真剣に考えているらしい。

「僕は、グラモン家の息子だ。グラモン家は、多くの有能な軍人を輩出してきた。僕も、行く行くは軍人となる。決して、貴方から得た知識は無駄にしない。それ相応の礼も、します」

「それは、本気か?」

聞くまでもないだろう、と勘助は思った。

「始祖ブリミルの名、そして貴族としての誇りをかけて、本気であると誓えます」

満足な答えが返ってきた。
これを無碍に断るようでは、男がすたる。

「良かろう。だが、俺は平民だ。平民に教えを請うとは、聞こえが悪いと思うが?」

「枢機卿も平民出身だと聞きます。何より、能あるものに、貴族も平民も無いと、実感しました―――先の、ご無礼をお許しください。どうか、その知を私にくださるよう」

ふ、と勘助は笑うと、唐突に馬の速度を上げた。

「小僧、遅れるな!あれに置いてかれるぞ」

そして、ギーシュは弟子と認められた。




136 :風林火山(9):2008/02/23(土) 23:47:32 ID:rtWVdZHB
「あら、それだったらそういえば良いじゃない。言わなきゃわからないわ。それに、貴方達を襲った連中を捕まえたんだから。感謝して貰わなきゃ、割に合わないわ」

言うと、勘助の腕へと抱きついてきた。

「ダーリン。心配してたのよ?まぁ、あんなのダーリンなら何でもなかったでしょうけれどね」

勘助は、その腕を振り解く。

「礼を言う。ギーシュ、それを尋問するぞ」

それきり、キュルケには目をやらずに、山賊の尋問を開始する。
はたして、山賊達はただの物盗りだとわかった。
その表情に、どこかぎこちなさはあるものの、捕まって尋問を受けているということを考えれば、特におかしいという訳はない。
相手によっては、全員の首が、胴から離れてもおかしくないからである。
山賊達が持っていた、僅かな金貨と銀貨を懐に納め、勘助達は町の宿へと向かった。


―――――ラ・ロシェールで最も高い宿に、女神の杵へと勘助達は宿泊した。
馬に乗ってくたくたになっていたギーシュは、すでに部屋へと入っていた。
キュルケとタバサも、恐らくは戻っているだろう。
勘助は、桟橋へ交渉へ行っていた二人を、一人で待っていた。

「アルビオンへの船は、明後日にならないと出ないそうだ」

交渉から帰ってきた二人は、勘助に、そう告げた。
こればかりは、どうしようも無いと、それぞれは部屋へと戻った。
ギーシュと勘助は、相部屋であった。

(小僧、すでに寝ているかな)

思い、部屋のドアを開いた。
だが、ギーシュは起きていた。
正座をし、師たる勘助を待っていた。

「ほう、起きていたか」

「弟子に入ったその日に、師の事を忘れて眠る程、肝は据わってません」

「ふむ」

殊勝である。
だが、勘助もこんな日に起きていろというほど、酷では無い。


137 :代理人 風林火山(10):2008/02/23(土) 23:47:46 ID:g4o7M5RM
―――――何度か馬を替え、ひたすらに走ってきた勘助達は、その人うちにラ・ロシェールの港町の入り口に到着した。
なんとか喰らいついてきたギーシュだが、すでに体力は限界で、息も絶え絶えだった。
なんとか一息つけるという安心からか、安堵の笑みを浮かべている。
その時である。

―――ヒュン

と、一本の矢が飛んできた。
と思うと、2本、3本とどんどんと矢は飛んでくる。
見れば、崖上には松明を持った影があった。

「奇襲だ!」

ギーシュが叫んだ。
松明が投げ落とされ、馬が悲鳴を上げた。
矢の一つが馬の尻にささり、暴れまわった。
無数の矢は、勘助とギーシュだけをめがけて飛んでくる。
デルヒリンガーを手に、勘助は矢を切り落とす。

「ワルキューレを出せ!盾にしろ!」

ギーシュへ怒鳴る。
慌ててギーシュがワルキューレを出し、とりあえず矢を防ぐ。

「大丈夫か!」

ワルドが、勘助達の元へと走ってきた。

「山賊の類か?」

ワルドが呟く。

「万が一とは思うが、アルビオンの者である可能性もある。捉えねばならぬ」

そのとき・・・
ばっさばっさという音が聞こえた。
聞き覚えのある、羽音である。
それは、タバサのシルフィードであった。
崖の上の人間は、残らず蹴散らされていた。

「おまたせ」

ピョン、とキュルケがその背から飛び降りた。
ルイズは、グリフォンから飛び降り、キュルケに怒鳴った。

「おまたせじゃないわよ!なにしに来たの!」

「助けに来てあげたんじゃないの。朝方、見かけたから後をつけてきたの。」

「キュルケ。あのねぇ、これはお忍びなのよ。」




138 :代理人 風林火山(10):2008/02/23(土) 23:49:02 ID:g4o7M5RM
「今日はご苦労だった。何、アルビオンに行くまで日もある。今日は、疲れをとっておけ」

しかし、ギーシュは首を縦には振らない。

「私は、学ぶために弟子入りしました。時間があるのであれば、少しでも多くの事を吸収したいのです。どうか、戦について教えて頂きたいのです」

(ほう・・・以外と、器かもしれん)

まだ何も教えたという訳ではないが、姿勢は素晴らしいものがある。
あるいは、大した器なのかもしれない。
だが―――

「師と仰ぐなら、その言葉に従わなくてはいかんな・・・今日は、おとなしく休んでおけ」

言葉を受け、ようやく首を縦に振った。

「・・・それでは、御先に失礼します」

言うと、バタリ、と倒れてしまった。
よほど、疲れていたのかもしれない。
ランプの炎を消し、勘助も目を閉じた。


―――――翌日。
勘助は、ノックの音で目を覚ました。
ギーシュは、死んだように眠っている。
体を起こし、ノックの主を向かいいれる。

「おはよう。使い魔君」

羽帽子をかぶった、ワルドであった。
勘助より、背が頭一つ分は高い。

「おはようございます。しかし、出発は明日のはずでは?」

ワルドは、にっこりと笑って言った。

「君は、伝説の使い魔『ガンダールヴ』なんだろう?」

「む」

ワルドは、ごまかすように言った。

「土くれのフーケの話を聞いてね。少し、興味を持って君を調べてみたんだ。・・・率直に言おう。あの『土くれ』を捕まえた、君の腕を知りたい。ちょっと、手合わせして貰えないか?」

その言葉に、勘助は目を光らせる。

「フーケを捕まえた、腕を見たいと?」

「あぁ。そこの中庭は、昔の砦の、修練場があったはずだ。そこまで、お願いできるかな?」

「ふむ・・・少し、用意をしてからで構わないのであれば」




139 :代理人 風林火山(10):2008/02/23(土) 23:50:06 ID:g4o7M5RM
ルイズにふさわしい相手か、これだけで決めるのには無理がある。
だが、腕前や知恵の一端を見る事は出来るだろう。
そう思い、勘助は戦いの『準備』を始めた。


―――――勘助とワルドは、中庭の修練場へとやってきた。

「立会には、それなりの作法というものがある。介添え人がいなくてはね」

と、ルイズが姿を現した。
二人の姿を見たルイズは、はっとした顔になった。

「ワルド、来いって言ったから来てみれば、一体何をする気なの?」

「貴族というのは、厄介でね・・・強いか弱いか、それが気になるとどうにもならなくなるのさ・・・ルイズ、ここで見届けてくれ」

ルイズは、勘助を見た。

「やめなさい!これは命令よ!」

「・・・姫様、申し訳ありませぬ」

それに、ワルドは笑い、言った。

「さぁ、介添人も来たことだし、はじめようか」

ワルドが、さ、と構える。
しかし。

「待った」

勘助は、それを止めた。
ワルドは、面を食らったように勘助を見た。

「こちらにも、介添人という訳ではないが、これを見せたい者がいる」

と、ギーシュがやってきた。

「あれは、先日某の弟子となった。師の戦いを、その眼で見せなくては勿体無いだろう」

「ふ、いいだろう。それについては、こちらが止める事は無いよ。・・・それにしても、貴族が平民の弟子となるか。いや、悪く言ってるんじゃないよ」

ワルドは、ギーシュを見て言った。

「さぁ、今度こそ大丈夫かな?はじめよう」

「御意」




140 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:50:13 ID:AxTHoNIe
支援

141 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:51:01 ID:7zNZYRUO
なぜか脳内で勘助の声が波平の声で再生されてしまう´Д`
支援

142 :代理人 風林火山(10):2008/02/23(土) 23:51:15 ID:g4o7M5RM
今度こそ、二人は構えた。
勘助は、背中に背負ったデルフリンガーに手をやり、ワルドは杖を構えた。

―――ザッ

ワルドが、一足に勘助の目の前へと迫った。
杖を、レイピアのように構え、目にも止まらぬ突きを繰り出してくる。
それを、何とか剣で受け流しながら、勘助は後退する。

「どうした、使い魔君!守っているだけでは、何もできないぞ!」

言いながらも、決して手は緩めない
勘助は、デルフリンガーで杖を押し返した。

「――ハァッ!」

ワルドは、わずかにたたらを踏み、後退した。
その隙を突き、勘助はデルフリンガーを大振りに振る。
しかし、ワルドはそれを、難なくかわした。

「さすがに、強いな!元軍人だというのも、本当だろう!」

大振りをかわされた隙を突かれ、勘助は腰を地面に打ち付けた。

「並のメイジが相手なら、そうそう負ける事は無いだろう!」

その途端にバネのように飛び起き、距離をとった。
しかし、ワルドはすぐに距離を詰める。

「だが、相手が悪かった・・・僕は、魔法衛士隊の隊長だ・・・並のメイジとは違う!」

突きの速度が上がっていく。

―――デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ・・・

突きながら、呟くように呪文を唱えている。

「クッ」

「相棒!いけねぇ、魔法が来るぜ!」

バッと後ろへと飛んだ。
しかし、ワルドの操る、巨大な空気のハンマーは、横殴りに勘助を吹き飛ばした。
勘助は、樽に体を打ちつけた。
その拍子に、剣を落とした。

「勝負ありだ!」

ワルドは、デルフリンガーに足を乗せ、宣言した。




143 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:51:35 ID:QEBxiJT+
ギーシュがんばる!
支援。

144 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:52:21 ID:FTSPEf90
>>141
よう兄弟支援

145 :代理人 風林火山(10):2008/02/23(土) 23:52:38 ID:g4o7M5RM
「わかったろう、ルイズ。彼では君を守れない」

そう言い、顔をルイズへと向けた。

「小僧!」

勘助が叫ぶ。

「なっ!」

デルフリンガーを中心にして、地面が泥と化した。
意識をルイズに向けていたワルドの脚は、すでに膝まで埋まっている。

「くっ・・・これは!」

そして、勘助は腰から下げていた、日本刀を抜いた。

「油断したな、ワルド子爵」

刀はワルドの首に、ピタ、とついた。

「こ、降参だ・・・」

額に汗を浮かべながら、ワルドは言った。


―――――ルイズは、困惑したように勘助を見つめていた。

「どうか、致しましたか?姫様」

聞かれて、意を決したようにルイズは言った。

「その・・・今の、卑怯じゃないの?結局、勘助とギーシュ二人がかりでワルドと戦ったんだから」

その言葉に答えたのは、勘助では無かった。

「いいや。これは、まぎれもなく僕の負けだよ。なんたって、僕は『フーケを捕まえた腕前を見せてくれ』といったのだからね」

え?とルイズが首をかしげた。

「某は、自らの腕っ節でフーケを捕まえられるとは、思ってはおりません。そもそも、教師達を呼ばなければ、フーケを捕まえる事は成らなかったでしょう。全ては、策によるもの。ならば、その腕前を見せろ、と言われたのであれば―――」

「当然、何らかの策を持って挑む。そう、僕が迂闊だったのさ。勝ったと思って、気を抜いてしまった、僕のミスだ」

ワルドは、潔く自らの負けを認めた。

「まぁ、敗者はおとなしく部屋に戻るとするよ。それでは、また後で」

そのまま、部屋へと戻ってしまった。
勘助達も、つられる形で、部屋へと帰還した。




146 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:55:04 ID:b8xI1cuU
支援

147 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:57:01 ID:0dTXDU9o
ギーシュがイケメンというか、素敵過ぎるw 支援。

148 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/23(土) 23:59:31 ID:FTSPEf90
俺の中のギーシュ像が音を立てながら崩れ落ちていく支援

149 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:01:25 ID:giQFz/oj
ワルドもなかなか。支援。

150 :代理 風林火山(10):2008/02/24(日) 00:02:29 ID:qljUs5HG
―――――夜。
勘助達は、最後の晩餐とばかりに酒場にいた。
いよいよ、明日は生死をかけた、敵地での任務である。
この酒場で出せる、最高の料理と酒がふるまわれていた。
ルイズは、ワルドと二人で何事か話していた。
だが、キュルケが勘助に近づくと、キッ、っと睨むことは忘れなかった。
その度に、勘助は背中に汗をかきながら、キュルケを振り払っていた。
と、勘助は、外の様子に何か違和感を覚えた

(・・・なんだ?)

ふと、席を立ち、外をみやる。

「な・・・!」

一瞬、言葉を失った。
以前、倒した筈の、巨大なゴーレムが、そこにいた。
それだけではない。
数は、決して多くはないが、傭兵達が並んでいる。
そして、後ろでキュルケも、ゴーレムの姿に気づいた。

「フーケ!」

その言葉に、全員が反応した。
慌てて席を立ち、それを見る。

「感激だわ。覚えててくれたのね」

マントで全身で隠してはいるが、まぎれもなくフーケの声である。

「牢屋に入っていたんじゃ・・・」

キュルケが、苦い顔でつぶやく。

「親切な人がいてね。私みたいな人間は、世の為に働かなくては、と出してくれたのよ」

フーケのゴーレムのすぐそばに、黒マントに仮面を羽織った人間らしき影があった。
あれが、フーケを脱獄させたのだろうか。

「何しにきたの?」

キュルケが、言った。

「素敵なバカンスをありがとう、ってお礼を言いに来たんじゃないの!」

ゴーレムの拳が、酒場の壁を破壊した。
そこから、ワッと傭兵達が入ってくる。
ワルドが、魔法で応戦した。
何人かは、風で飛ばされるが、不利を悟るとすぐに引き返す。
そして、魔法の射程外から矢を射ってきた。

151 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:02:54 ID:tqY1V8F6
テス・・・

152 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:03:50 ID:tqY1V8F6
代理人さんが規制されてしまったようです・・・
自分復活したので、投下再開させていただきます。

代理人さん、ありがとうございました><

153 :代理 風林火山(10):2008/02/24(日) 00:04:12 ID:qljUs5HG
「く」

さすがに、ワルドもお手上げらしい。
とりあえず、テーブルを壁として、持ち応える。

「十中八九、アルビオンに、ばれたんだろうね」

ワルドが言った。

「奴ら、私たちの精神力が尽きるまで待つつもりね・・・どうする?」

そこで、勘助が提言する。

「ここで、全員で戦えば、何人かが犠牲になろう。全員で逃げても、同じだ。だが、腕の立つ半数が囮となり足止めし、残る半分が、先に退く」

妥当なところだろう。

「まぁ、それしかないでしょうね。ってことで、ルイズ。あんた、先に行きなさい」

「ちょ、それって私が腕のない方だって言ってるの!?」

「それもあるけど、どっちみち私とタバサじゃ一緒に行っても何するか分からないわよ。あんたとワルド、勘助が行くしかないじゃ無い」

「うむ。後は、任せた」

その言葉に、キュルケは目を細めて頷く。

「勿論、安心していいわ」

勘助は、ギーシュに目をやった。

「小僧。さっきワルドにしたことを、忘れるなよ。あれは、相手が巨大であればあるほど効果が増す。お前にとって、フーケは決して相性が悪くはない」

ギーシュが、頷く。

「お任せください。安心して、お行きください。師よ」

そのまま、勘助達は酒場を脱出した。
裏口から出ると、中で派手な爆発音がした。

「始まったみたいね・・・」

ワルドは、壁にぴたりと張り付き、ドアの向こうの様子を探った。

「誰もいないようだ」

ドアを開け、街の中へと躍り出る。
ワルドが先頭をゆき、殿は勘助である。
月夜の中、三つの人影は、『桟橋』へと、走って行った。


154 :風林火山:2008/02/24(日) 00:04:22 ID:L5Sdj53C
―――――夜。
勘助達は、最後の晩餐とばかりに酒場にいた。
いよいよ、明日は生死をかけた、敵地での任務である。
この酒場で出せる、最高の料理と酒がふるまわれていた。
ルイズは、ワルドと二人で何事か話していた。
だが、キュルケが勘助に近づくと、キッ、っと睨むことは忘れなかった。
その度に、勘助は背中に汗をかきながら、キュルケを振り払っていた。
と、勘助は、外の様子に何か違和感を覚えた

(・・・なんだ?)

ふと、席を立ち、外をみやる。

「な・・・!」

一瞬、言葉を失った。
以前、倒した筈の、巨大なゴーレムが、そこにいた。
それだけではない。
数は、決して多くはないが、傭兵達が並んでいる。
そして、後ろでキュルケも、ゴーレムの姿に気づいた。

「フーケ!」

その言葉に、全員が反応した。
慌てて席を立ち、それを見る。

「感激だわ。覚えててくれたのね」

マントで全身で隠してはいるが、まぎれもなくフーケの声である。

「牢屋に入っていたんじゃ・・・」

キュルケが、苦い顔でつぶやく。

「親切な人がいてね。私みたいな人間は、世の為に働かなくては、と出してくれたのよ」

フーケのゴーレムのすぐそばに、黒マントに仮面を羽織った人間らしき影があった。
あれが、フーケを脱獄させたのだろうか。

「何しにきたの?」

キュルケが、言った。

「素敵なバカンスをありがとう、ってお礼を言いに来たんじゃないの!」

ゴーレムの拳が、酒場の壁を破壊した。
そこから、ワッと傭兵達が入ってくる。
ワルドが、魔法で応戦した。
何人かは、風で飛ばされるが、不利を悟るとすぐに引き返す。
そして、魔法の射程外から矢を射ってきた。




155 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:04:59 ID:tqY1V8F6
そしてすいません・・・
すでに代理人さん来てくれてましたorz

ええと・・・お願いします><

156 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:05:29 ID:qljUs5HG
を ご本人復活の模様なので代理の代理は中止いたす。

157 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:06:35 ID:GYuaDaF2
さるさんは正時(00分)に解除される
覚えとけ
支援

158 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:07:27 ID:tqY1V8F6
ややこしくてすいません;
ご迷惑をおかけしてすいませんでしたm(_ _)m
これから、ちゃんと復活します

「く」

さすがに、ワルドもお手上げらしい。
とりあえず、テーブルを壁として、持ち応える。

「十中八九、アルビオンに、ばれたんだろうね」

ワルドが言った。

「奴ら、私たちの精神力が尽きるまで待つつもりね・・・どうする?」

そこで、勘助が提言する。

「ここで、全員で戦えば、何人かが犠牲になろう。全員で逃げても、同じだ。だが、腕の立つ半数が囮となり足止めし、残る半分が、先に退く」

妥当なところだろう。

「まぁ、それしかないでしょうね。ってことで、ルイズ。あんた、先に行きなさい」

「ちょ、それって私が腕のない方だって言ってるの!?」

「それもあるけど、どっちみち私とタバサじゃ一緒に行っても何するか分からないわよ。あんたとワルド、勘助が行くしかないじゃ無い」

「うむ。後は、任せた」

その言葉に、キュルケは目を細めて頷く。

「勿論、安心していいわ」

勘助は、ギーシュに目をやった。

「小僧。さっきワルドにしたことを、忘れるなよ。あれは、相手が巨大であればあるほど効果が増す。お前にとって、フーケは決して相性が悪くはない」

ギーシュが、頷く。

「お任せください。安心して、お行きください。師よ」

そのまま、勘助達は酒場を脱出した。
裏口から出ると、中で派手な爆発音がした。

「始まったみたいね・・・」

ワルドは、壁にぴたりと張り付き、ドアの向こうの様子を探った。

「誰もいないようだ」

ドアを開け、街の中へと躍り出る。
ワルドが先頭をゆき、殿は勘助である。
月夜の中、三つの人影は、『桟橋』へと、走って行った。



159 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:07:59 ID:qljUs5HG
支援〜

160 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:08:05 ID:L5Sdj53C
却って足手まといになってしまったようで・・・本人さんにお任せ支援。

161 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:09:17 ID:tqY1V8F6
―――――裏口から、勘助達が出たことを確認してから、キュルケはギーシュに命令した。

「奥に、油の入った鍋があるでしょ」

「揚げ物の鍋かい?なるほど、わかった」

ワルキューレは、矢でその身を打たれながらも、何とか油を手に戻ってきた。

「それを、入口に向かって投げて」

ギーシュは、ゴーレムを操り、油を入口へと、投げた。
それに向かい、キュルケが杖を振る。
炎が現れ、そして鍋の油に引火した。

―――ドン、

と爆発を起こす。
入口付近の炎は、突入をしようとしていた傭兵達も巻き込み、激しく燃え盛る。
さらに、キュルケは色気を含む、優雅なしぐさで杖を振るう。
そのたびに、炎は操られ、名も知らぬ傭兵達を優しく包んだ。
キュルケめがけて、矢が何本も飛んでくるが、タバサはそれをすべて風で逸らした。

「名も知らぬ傭兵の皆様方。貴方がたがどうして、私たちを襲うのか、全く存じませんけども」

降りしきる矢の中。
キュルケは、優雅に一礼した。

「この『微熱』のキュルケ。謹んで、お相手致しますわ」

炎に焼かれ、傭兵達は踊るようにして逃げ去る。

「おっほっほ!おほ!おっほっほ!」

キュルケは、勝ち誇り笑い声をあげる。

「見た?私の炎の威力を!やけどしたくなかったら、おうちへ帰りなさいよね!あっはっは!」

と、轟音とともに入口がなくなった。

「え?」

もうもうと立ち込める土埃の中、巨大なゴーレムが姿を現した。
炎に包まれる傭兵達を、指で弾いて飛ばす。

「忘れてたわ。あの、業突く張りのお姉さんがいたんだった」

「調子に乗るんじゃないよ!小娘どもが!」

162 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:10:01 ID:qljUs5HG
支援

163 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:10:37 ID:tqY1V8F6
フーケは、声を怒らせ、キュルケ達に叫んだ。
キュルケは、杖を上げ、呪文を唱えようとしてた。
だが。

―――ザッ

その前に、ギーシュが立ちはだかっていた。

「キュルケ、タバサ。君たちは、傭兵達を頼む」

背中で、ギーシュが語った。

「いやまぁ、それはいいけど・・・あんた、『ドット』でしょう?相手は、曲がりなりにも『トライアングル』よ?勝ち目、無いんじゃなくて?」

背中が震えた。
どうやら、笑ったようだ。

「そのくらいの実力差、大したものでは無いよ。戦い方次第では、『ドット』が『スクウェア』にだって勝てる。最も、これは僕の言葉では無いけれど・・・」

ギーシュは、薔薇の杖を掲げた。

「でも、今から見せてあげるよ。『ドット』が『トライアングル』を倒すところをね」

呪文を唱える。

「ふぅん。『ドット』ねぇ・・・随分と、舐められたもんじゃないか!」

フーケが怒鳴る。
語気も荒くなり、すでに地が出ているようだ。

「一つだけ、予言しよう。君が、そこを動いたら、その瞬間に・・・勝利は、僕のものだ」

それで、切れた。

「ふ―――ふざけるなぁッ!」

ゴーレムの手が鉄に変化した。
そして、恐るべき速度で襲いかかってきた。


―――ドロ

ゴーレムの足が、泥に埋まった。

「どうだい。そんなに大きければ、それだけでもう、身動きがとれないだろう」

ギーシュは、フーケに向かって、言った。

164 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:11:23 ID:qljUs5HG
支援

165 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:11:32 ID:tqY1V8F6
「確かに、大きいということはそれだけで強い。だが、大きいが故の弱点も又、あるんだよ。・・・ワルキューレ!」

ギーシュが、ワルキューレを一体作り出す。
身動きがとれない、フーケのゴーレムの腕に、軽いステップで飛び乗り、走る。
だが・・・
フーケの口が、歪んだ。

「ふ・・・あはははは!とんだ浅知恵だね!そんなんで、このあたしを倒したつもりかい!」

一瞬のうちに、ゴーレムが崩れた。

「あんたも土のメイジなら分るだろう・・・ゴーレムはねぇ!土と精神力さえあれば、何度でも作れるのさ!」

ゴーレムの崩落に、ワルキューレが巻き込まれる。
そして、泥沼のわずか前に、巨大なゴーレムが作り上げられ始めた。

「わかっているさ」

ポツリ、とギーシュはつぶやいた。

「そんなこと、言われるまでもない。いや・・・むしろ、それを忘れているのは君の方じゃないのかな?」

ギーシュが、杖を振るった。

「な・・・に!?」

フーケの顔が、驚愕に染まった。
フーケの目前、一体のワルキューレが現れたのである。

「ゴーレムは土と精神力さえあれば、何度でも作れる!そう・・・例えそれが、他人が作った、『ゴーレムだったもの』だとしても!」

高らかに、宣言する。

「君がゴーレムを壊したその瞬間に、ゴーレムの体はただの土となる!20メイル以上の、巨大なゴーレムだ・・・ワルキューレを作るには、十分すぎる材料さ!」

ワルキューレは、その剣でフーケの杖を両断した。

「ぐ・・・がはっ!」

レビテーションも唱えられず、20メートル近くからフーケは落下した。
そして、『土くれ』の名の通り、土にまみれたフーケの目前には、ワルキューレがあった。

「フーケ。僕は、出来る事なら女性を手に掛けたくはない。そのまま引くというのなら、追いはしない」


166 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:12:42 ID:tqY1V8F6
「ぐ・・・くぐ・・・く・・・」

フーケは、ただ呻いている。

(勝った・・・ドットであるこの僕が、フーケに・・・トライアングルに!)

ギーシュの中は、喜びで満ちていた。
だが。

「ぐ・・く、くふ。くふ、くふ、くふふ・・・くははははははは!」

突然笑い始めたフーケ。
そして・・・その姿が、みるみる変質していく。

「そんな・・・」

そこには、30メイルは越えようかという、巨大なゴーレムの姿があった。

「おかしいったらありゃしないね!『ドット』が『トライアングル』を倒せるなんて、本当に思ってたのかい!」

ゴーレムより、100メイルは離れていよう、草の陰から、フーケは姿を現わした。

「ゴーレムを扱っているメイジは、無防備になる・・・姿を隠すのは、当り前のことさ!」

そう、それは当たり前だった。
『ドット』であるギーシュは、ゴーレムを遠距離から操るということは、難しい。
だが、フーケ程の使い手であれば、自分そっくりのゴーレムを作ることだって、あの巨大なゴーレムを、遠くから操ることだって、出来るに違いない。

「そう・・・だから、この前の時よりも小さかったのね」

キュルケが、呟いた。
さすがに、二体のゴーレムを操れば、ゴーレムの大きさにも限界ができるのだろう。

「さて。このゴーレムは、さっきのより随分大きいね。すると、さっきの『錬金』はより効果的になるわけだ・・・もう一度、やってみるかい?」

「う・・・」

ギーシュがたじろいだ。
当然だ。
不意を突かねば、簡単に『錬金』など防がれてしまう。
単純に、ギーシュの『錬金』の力よりも、フーケの『錬金』の力の方が上なのだ。

「ふふ。さて、それじゃあ・・・舐めて貰ったお礼でもしてやろうかねぇ!」

ゴーレムの拳が、振るわれる。


167 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:14:08 ID:tqY1V8F6
「ひ・・・」

逃げよう、と思った。
でも、足が動かなかった。

「この・・・馬鹿!」

キュルケが、力任せにギーシュを吹っ飛ばした。

「うわぁっ!」

あられもない声を上げ、ギーシュが吹っ飛ばされる。
キュルケの『ファイアーボール』と、ゴーレムの拳が真正面からぶつかった。
しかし、ゴーレムの拳は、炎を物ともせずに向かってくる。
それに、タバサの『エア・ハンマー』が横からぶつかった。
軌道が僅かに逸れ、キュルケはそこから逃げだした。

「無理」

ぼそりと、タバサが呟く。
同時に、モクモク、と煙が上がった。

「ち・・・目くらましか!」

フーケが叫んだ。
ゴーレムが、拳をぶんぶんと振りまわす。
それだけで、分厚い煙幕は薄まっていく。

「あのゴーレム相手じゃ、ちょっと戦力不足だわ・・・退くわよ!時間も稼いだし、多分、大丈夫よ!」

バサリ、とシルフィードがやってくる。
2人は、それに乗った。

「ちょ、ギーシュ!なにしてるの!早く来なさい!」

(わ、わかってる、んだけど、ね・・・)

だが、動けない。
体が、言うことを聞かないのだ。

「ご、ごめ・・・足、が」

「あぁもう!あんだけ大口叩いておいて、結局それじゃない!」

がくがく、と体が震えていた。
これが、初めての実戦だからだろうか。


168 :風林火山(10):2008/02/24(日) 00:15:28 ID:tqY1V8F6
(これが・・・命をかけた、戦い・・・)

自分の力が、通用しなかった。
危うく、殺されるところだった。
それを実感して、初めて体が竦んだ。
股間が、濡れた。

「全く・・・初めは、格好良かったのに」

「無様」

「あはは・・・このことは、師匠・・・勘助には言わないでくれよ。格好悪いからね・・・」

散々に言われてしまった。
でも、仕方無い。

(次こそは・・・)

師によれば、最強の系統である『土』、その使い手なのだ。
同じ無様は、もう許されない。


169 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:16:30 ID:uXbXeGCv
支援

170 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:17:00 ID:4jctB1vA
はじめは誰もがヒーローじゃない(ヒーローじゃない)
支援。

171 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:17:12 ID:U3MJEBOo
支援

172 :風林火山:2008/02/24(日) 00:18:43 ID:tqY1V8F6
以上で、本日の投下終了です。
代理さん、代理の代理さん、いっぱいの支援、ありがとうございました。

今日のを教訓に、次回からは一話一話分けて投下することにします・・・。

>>141
・・・なんだかそんな気がしてきたorz
自分の言葉のセンスの無さにちょっと泣けてきます・・・

それから、誤字脱字、投稿する前と、直前に確認しているんですが、やっぱり見逃してしまうことがあります。
そこら辺は・・・温かい目で、見逃してくれると嬉しいです。

173 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:19:05 ID:KeQyGyhs
ギーシュ覚醒フラグか!? 支援

174 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:22:21 ID:TzuOSb+f
>>172
誤字ぐらいいいじゃないか、人間だもの。
勘助自身が大人なので、周辺の若人達がどう成長していくかも楽しみ。

175 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:23:06 ID:qljUs5HG
乙ですた〜

176 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:23:24 ID:Dygd4ra6
風林火山の人投下乙です。
ID変わりましたが>>76です、15分後に投下します。

177 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:24:15 ID:giQFz/oj
智恵と工夫と努力で戦うのがおもしろいね。GJ

178 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:25:32 ID:TzuOSb+f
>>176
特撮系ですか。
現在連載中なのはマジレンジャーと(微妙ですが)ナイトライダーとSPIRITSと誕生1971と、えーとえーとそれから……何がありましたっけ?
何はともあれ楽しみに待たせていただきます。

179 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:27:12 ID:blJU2sqZ
>>176
長編なら名前欄に作品名よろ
トリップも推奨

>>178
RXが来てるぞ

180 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:27:13 ID:pSUZho6b
投下乙、ホントに乙です
代理まで規制は始めてみましたw

にしてもギーシュが成長しそうだ

181 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:27:33 ID:9MVRAKOh
愛國戰隊大日本支援

182 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:28:20 ID:tqY1V8F6
>>176
一時間以上も独占してしまって申し訳ないです;
期待して待ってます。
支援準備完璧です。

>>174
ありがとうございます。
本当は、ギーシュを原作以上のヘタレにして、勘助や回りの状況から徐々に強くなっていく・・・
って感じのをやろうと思ってたんですが、自分の力じゃ強くなるまでに脱線しそうだったんで・・・
ちょっと、中途半端な形になってしまいました;

183 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:30:17 ID:L5Sdj53C
山の如く乙

184 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:31:47 ID:JthttVN0
乙。
ロマサガシリーズ+αで投下しようかと思ったけど、
眠くて色々間違えそうだからこんどにするわノシ

185 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:38:17 ID:Dygd4ra6
では投下します。

186 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:38:53 ID:KeQyGyhs
よろしい、ならば支援だ

187 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:38:56 ID:Dygd4ra6
過ちを繰り返したくはない、と白髪交じりの髪を生やす若い男は言った。

男の言葉に対し、王座に踏ん反り返るガリア王は鼻で笑った。
そんな見てくれだけ御大層な信念なぞ主張した処で、
傍から聞けば所詮戯言としか受け取れないんだがね、と。

ガリア王の言葉に対し、男は落ち着いた表情で、それでいて感情を込めて言った。
戯言だろうが愚考だろうが、どう捉えてくれても構わない。
ただ俺は、何度でも言うが過ちを繰り返したくない。
だから俺は、過ちを阻止するべく行動を起こすその日まで、此処に身を置きたいんだ。
そして来るべき瞬間に、俺の邪魔をしない事を約束して欲しい、と。

男の庶幾に対し、ガリア王は、幾分考え込み、そして口を開いた。
よかろう。貴様も俺の阻害をしでかさない限り、堅い事は言わん。
せいぜい為すべき事を成し遂げるまで、今まで通りゆっくり此処で寛ぐがいい、と。

ガリア王の認許に対し、男は礼を言った。
感謝する、ジョゼフ、と。

ガリア王は、どこか含みのある微笑を浮べ、男に指を差して言った。
なぁに、俺と貴様の仲だからこそ成立するのさ、と。



 眠りの地龍  第1話  「龍の居所」





188 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 00:39:47 ID:Dygd4ra6
「ゴムア?」

「違う。ゴモラ」

「ゴモラ?」

「そう。ゴモラ」

トリステイン魔法学院敷地内の図書室。

時刻は日もやや傾いた夕暮れ時、窓から差し込む橙色の日射が多くの書籍を照らす中、
図書館内に備え付けられた読書用の机に佇む2人の少女の姿がある。

1人は、蒼い短い髪を垂らし、椅子に座りながら、机の上に置かれた少々大き目のサイズの書物を広げるタバサ。
そしてもう1人は、そのタバサの横で、椅子は使わず、床に立ったまま体を屈折させ机に肘付くルイズ。
タバサは、広げたページに書かれたある項目を指差し、ルイズにそれを示している。

思えば、このルイズとタバサ、という組み合わせはわりに珍しい。
ほんの数日前まで、彼女達はクラスメイトでありながら、お互い面識すら殆ど無かった。
その原因として、ルイズの宿敵でありタバサの無二の親友、キュルケが関与していたのはまず間違いなかろう。
そんなキュルケと言う壁を乗り越え、こうして2人きりで図書室でやり取りをする仲になった経由は、
5日前の召喚の儀式にまで遡れば解る事であるが、今ここで語るほどでもあるまい。

「なんて書いてあるの?」
「読んで」
「えーっと」


 ゴモラ。
 幻獣界脊椎動物亜門地龍上目双弓類綱ゴモラサウルス科眷属。
 身長約40メイル。
 主に地底を住処とする。
 頭部に3本の角が生えている。
 体色は土色。



189 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:40:06 ID:tqY1V8F6
支援

190 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 00:41:04 ID:Dygd4ra6
「あれ、これだけ?」

ルイズは、今しがた自分が読み上げた解説項目の短さに、軽く面食らった。
異常に分厚く、値段も庶民が3ヶ月は衣食住に苦労しない金額に相当する、何とも尊大な書物でありながら、
知りたい事について書かれていたのは、ほんの申し訳程度でしか無かったのだから、無理も無い。
そもそも、この『地龍から見取る現代的幻獣学論』という本は、
地龍についての解説も少なく、やたら回りくどい文章で学会への批判を書き綴っているのが目立つ。
資料用の挿絵も一切無く、正直、悪書だと言える。
何故そんな書物を、わざわざ図書室の奥から引っ張り出して、調べものをしているのか。
それは、2人の会話から推察できる。

「地龍に関しての生物学的記録は少ない。あっても大概信用は出来ない」
「でもこれじゃ、あの子の正体が何時まで経っても判らないじゃない」

40メイルの巨体、頭部に3本の角、そして土色の体。
確かにそれらの点は、ルイズが召喚した幻獣との特徴と合致する。
しかし、未知の生物を詳しく知りたくば、やはり絵図はどうしても必要不可欠である。
絶滅種と呼ばれる地龍となれば尚更だ。

ルイズは、地龍に関しての資料の圧倒的少なさに、溜息をついて椅子に座った。
少しばかり沈黙の時が流れた後、ずっと例の悪書に目を通していたタバサが、ふと口を開いた。

「確かに、これでは知るべき智識は手に入らない。でも」
「でも?」
「あれが地龍なのは、恐らく間違いない」



191 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 00:41:33 ID:Dygd4ra6
『地龍(ちりゅう)』とは、主に地底や火山地帯を住処とする、翼を持たない桁違いに巨大な龍の事を指す。
生態特徴として、知能は低く、縄張り争いや餌の奪い合いで、
本能に従い同種族同士が随時死闘を交わす、野蛮な獣であると後世に語り継がれており、
先住魔法を操る知能を持ち、且つ空を自在に翔ける翼を具える『韻竜』とは極めて対照的な存在にある
(『火竜』との接点なら幾つかあるのだが、体の大きさに明瞭な違いがある)。

故に、この地龍と言う種族は、ハルケギニアの多くの英雄譚等で、悪役として描かれる事が多く、
ポピュラーな所では、『イーヴァルディの勇者』の冒頭、
主人公イーヴァルディの住む村を、群れを成して襲撃するモグネズンなどが挙げられる。

だが、平均身長が40メイル越えという異常な体たらくが、生態系の秩序を乱す存在として神に嫌われたのか、
或いは種族同士の戦いの末に自滅への道を辿ったのか、現在ではその殆どが死滅したとされている。
ある意味、同じく絶滅したとされる韻竜との唯一の共通点だとも言える。

現代、地龍の生き様を語る事が出来るのは、
まだ地龍がハルケギニアの地上を闊歩していた時代の人々が残した、幾つかの記録文献のみなのだ
(因みに、先に述べた『イーヴァルディの勇者』に登場するモグネズン等は、その殆どが架空描写で描かれている)。
しかし地龍の存在そのものは根滅してはいない、という説を唱える学者も多く、
さらに、翼を持たない小山ほどの超巨大な龍の目撃例が、今も尚各地で確認されているのが現状だ。

とは言え、漠然とした生態記録や、英雄譚の中での過剰とも言える悪役ぶりが原因となってか、
地龍の存在を架空の産物だと勘違いしている者も多い。
ルイズが例の使い魔を召喚した当初、騒がれこそはしたが「地龍を召喚した」と認識した者は、
召喚の儀式に教員として立ち合ったコルベールを含め、誰1人としていなかった。
絶滅した古代の龍、もしくは空想の龍、を召喚する、というのはあまりにも非現実的すぎるからだ。

だが、40メイルを越える龍が召喚されたのは紛れも無い事実。
あの日から数日が経過し、徐々に龍の正体に疑問を抱く者が現れ始めた。

召喚した当本人であるルイズに、地龍とはまた別の、絶滅したとされる韻竜を召喚したタバサ。
トリステイン魔法学院長オールド・オスマンとコルベールも、それに当て嵌る。
勉強熱心な他の何人かの学院生徒も、何れ図書室に足を運び、古代生物に関しての資料を探し始めるであろう。


――だが結局、ルイズ達の調査はそこで難航及び終了を余儀なくされた。
知識を主食とする本の虫、と呼ばれるタバサでさえ、半ばお手上げ状態なのだから。

「今日も手伝わせちゃってごめんね、タバサ」
「……胡散臭い地龍の本は、もう見たくない」

本を元の場所に戻し、長い詮索から開放された2人は、お互い空腹感を覚え、揃って食堂へと向かった。




192 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 00:42:08 ID:Dygd4ra6
翌日。


「アホみたいに馬鹿でかいサラマンダー、じゃ誤魔化せないかの」
「無理があるでしょうに。生徒達の中にも、すでに地龍との関連性を見出した者が数名いるようですし」

トリステイン魔法学院学院長室で、学院長であるオスマンと教員のコルベールが、
なにかと馬が合うのだろうか、個人的に会話を交わす姿は珍しくなく、この日もそんな光景が見られた。
オスマンが椅子に座って鼻毛を弄り、彼の使い魔の任務「パンツの色を探る」の報告を待つのもいつもの光景。
コルベールが「また使い魔にくだらん事させてからに」と内心思いつつも、オスマンに話題を振るのも普段の光景。
秘書のロングビルが、棚の整理をしつつ、2人の会話に聞き耳を立てているのも、これまた変わらぬ光景。
そして、彼女の足元に、白い鼠、つまりオスマンの使い魔モートソグニルが、こっそりいるのも以下略。

「で、あれが土龍だと」
「お言葉ですが、土龍でなく地龍です。土龍ではモグラです」
「ややこしいのぉ。で、あのミス・ヴァリエールが召喚した幻獣の正体が、太古に絶滅した筈の地龍で、
 それもゴモラという特定種であるという君の意見の確証は?」
「説明するまでも無く。これを読めば明確ですぞ」

変わらぬ光景、と何度か記したが、この日、実は差異の要素もあった。
コルベールが手袋をはめ、何やら黒い表紙の書物を、大切そうに抱えているのである。

『地龍録』。

至ってシンプル、それでいて判り易い、ただ書き留めている内容を示しただけの書籍名。
著者の名すら記されていない。
普段は学院図書室内の、さらに一部の教員以外は立ち入り禁止の場所にて厳重に保管されている、
庶民はおろか並みの貴族ですら手の触れる機会が訪れないであろう、貴重な本である。
希少価値で言えば、宝物庫に蔵わられても諧謔ではない代物だ。

地龍に関して豊富に、それもまだ地龍が絶滅する直前に書かれた重要なデータが記録され、
さらに詳細な挿絵まで描かれており、事実上最も地龍について詳しく、且つ信頼できる文献だと言われている。
余談だが、昨日ルイズ達が図書室で目にしていた『地龍から見取る現代的幻獣学論』の様な悪書が、
世に出回った最大の理由に、『地龍録』等の、過去の遺産が殆ど現存してない事が挙げられる。

「地龍と言うネタはあまり使われてないし、物珍しさで売れるかもしれん」
と、馬鹿、あいや考えの浅はかな売れない本の作家や学者達が、
何処から沸いたのか、続々と現れ始めたのは近年の事。
だが、名前だけが正確に知れ渡っている地龍の数はほんの僅か。それらの名を載せるだけでは本にはならない。
たとえ新たに地龍に関する本を発行するべく奮起するにしても、
現存する生態記録や情報の絶対数の少なさ故に、結局は挫折してしまうのだ。
良識を備え持つ者であれば、そこで潔く地龍の本を書くのは諦めるであろう。
しかし、食べて暮らしていく為に、なんとしてでも変り種の本を出して1発当てなければ、
と言う思念が幾人かの脳を支配してしまった。
結果、生まれたのが数多の「パチモノ地龍」。適当なでっちあげ地龍でページを埋めていく作家や学者達。
その出来損ないの地龍図鑑の数々を発行し、ハルケギニア中に販売する、出版社や本屋。
そして、それらを読んで間違った知識を植えてしまう人々。

こうした経由の末、多くの『パチモノ地龍本』がハルケギニア中に蔓延ってしまったのだ。
ある種、無駄に頭脳が発達した人間ならではの愚の骨頂、では無かろうか。
『地龍から見取る現代的幻獣学論』に、ちゃんと実在したゴモラが載っていたのは、ある意味奇跡とすら言える。
こんな文学世情では、タバサの呆れる顔も安易に想像できよう。



193 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:42:22 ID:NC5q3AaH
支援

194 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:42:49 ID:blJU2sqZ
支援
作風が忌呪氏に似てるな・・・

195 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 00:43:00 ID:Dygd4ra6
しかし、いくら稀有な存在とは言え『地龍録』も現代に残ってはいるのだから、
業者にそれを託し、複写させるのも決して不可能な話ではない。
だが、基本的に『地龍録』ほど貴重な書物だと、世に曝すより寧ろ大切に手元に置きたいのが性と言うもので、
本の収集家ジュール・ド・モットも『地龍録』を所有しているそうだが、宝石を扱うが如く保管している模様。
尤も、オールド・オスマン自身は、この本はもっと有効利用すべきだと考えてはいるのだが、
如何せん貴族としての世間体が、それを妨げているらしい。

さて、オスマンはコルベールからその本を受け取り、予め栞で示されていた頁を開いた。
コルベールが、どうです、その絵に見覚えがあるでしょう、と得意げに語る。
そこには確かに、6日前にルイズが召喚した龍と酷似した、地龍の記録図が描かれていた。
頁の隅には、拙い文字ではあるが間違いなく『ゴモラ』と記されている。

「この6日間、ありとあらゆる資料や図鑑を漁った結果、その書物に辿り着きました」
「なるほど。では、やはりあれはゴモラと視て間違い無いようじゃな」

オスマンは、食入るようにゴモラの絵図と解説項目を黙読する。
ややあって、本を丁寧に閉じ、耳掻きを手に取りそれで耳を穿りながら言う。

「現代に蘇りし地龍、ゴモラ、か。やれやれ、アカデミーの連中が五月蝿そうじゃの」
「この事は出来れば、暫く内密にしたいですが、噂と言う物は必ず外部に漏れますからね。
 研究員達が挙って、ここに雪崩れ込むのも時間の問題やもしれません」

大きい声では言えんが、なんでもかんでも研究材料にしようとするアカデミーは好かん。
とオスマンは愚痴る。同意です、とコルベール。

「どれ。散歩がてら、噂のゴモラを拝めに行くとするかのぅ」
さっそく、この目で確かめに行きたくなったのだろう。
オスマンは、任務を終え足元に佇んでいたモートソグニルを肩に乗せ、席を立ち、
秘書のロングビルに留守番を命じ、コルベールを引き連れて学院長室を後にしようとしたが、
それをロングビルが声をかけ止めた。

「なんじゃね」
「あの、その本ですが」
「あぁ、読みたいのかね? わしらが戻って来るまでなら構わんよ。但し、丁重に扱うのじゃぞ」

礼を言ったロングビルに、オスマンはウインクで愛想を送ると、コルベールと共にそのまま部屋を後にした。
ロングビルは、机の上に放置された『地龍録』に手を伸ばし、そっと胸元に運び、頁を開く。
彼女の本性は怪盗だが、今回これを盗むつもりは皆目無い。只、彼女には知りたい事があった。

あの子の使い魔も地龍とやらなのであれば、この本に載っているかもしれない、と。

静寂の時が流れる院長室の空間に、ページをゆっくりと捲る音だけが響いた。



196 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 00:44:43 ID:Dygd4ra6
広場の面積の半分以上を、土色の巨大な物体が占領していた。
その物体から、例えば洞窟の中を風が通る様な、重い音が律動的に放たれている。
広場の中央を丁度取り囲むように、ぐるりと左回りに円を描いて体を曲げ、
うつ伏せになって鼾を鳴らすそれは、よく見れば手足が生えている。
そして、重い音の正体は、生命の呼吸である。それは、間違いなく1匹の生物であった。
三日月の様に屈折した2本の角が生えた頭部を持ち、
一枚岩、もしくは地面の様な、ごつごつとした皮膚が体を覆っている。
首と胴体はほぼ一体化しており、お世辞にもスタイルが良いとは言えない。敢て寸胴、と表現すべきか。
手足は短いが、尻尾は長く、目を瞑った頭の2メイル程前に、尻尾の先端がある。

これこそ、現代に蘇った――否、今の今まで人間が「絶滅した」を謳い文句に、
勝手に健在を否定していた、地龍の紛れも無い生き残り、ゴモラである。

この眠りの体勢は、6日前の召喚の儀式当初となんだ変わっていない。

6日前。ルイズが周りから罵声を浴びつつも、
サモン・サーヴァントの呪文を詠唱した際、現れたのは眩く光る浮遊物体であった。
コルベールがその発光物体を慎重に調べようとする余地すら与えず、
光は突如として膨張し、ルイズを含む広場にいた者は全員広場の隅に退避した。
そして、大きく膨らんだ光が音も無く消滅した時、そこにあったのは土色の小山であった。
もし、光から逃れなかったら、危くその小山に押し潰されていた処であろう。
最初、それが生物であると気付いた者は少なかった。生物としては、常識を軽く越えた大きさだからだ。
だが、冷静に小山を観察してみると、それが音を立てて呼吸しているのが判明した。
程無く、それがとてつもなく大きな、眠る龍であると知れ渡ると、学院中が騒然となった。
野次馬が広場に殺到し、広場に入りきれない者は、本塔に登って窓からその光景を見下ろしたりと、
貴族のかよう学院らしかぬ押すな押すなの騒ぎであった。
あのゼロのルイズがエライものを召喚した、と興味本位で駆け付けた者が多くを占めたが、
得体の知れない恐怖感を覚え、杖を構えたり一時学院から退避しようとした者も少なくは無かった。

尊敬の眼差しと言うべきか、服従の構えと言うべきか、なにせ動物的本能で、
使い魔達はゴモラの雄姿を見つめていた。例えそれが眠っているにしても、だ。
いや、寧ろ堂々と眠っている様が、より王者の風格を引き立てているのやもしれない。

そう、繰返すが、この龍は熟睡している。
この事実が、話を余計にややこしくしていた。
召喚相手が眠ったまま儀式を執り行う例は過去に無く、
目を覚ました後に儀式を始めた方が良いのでは、と広場に集まった教員達は話し合った。
(そもそも、仮に何処かしらで寝ていたであろうゴモラが、どうやってサーヴァントの鏡に入ったのだろうか。
 鏡の出現場所とゴモラのいた位置が、たまたま重なったのか、或いは召喚されたと同時に眠ったのか。
 疑問は残るが、召喚されてしまったものは使用が無いので、その辺の考証は保留とした)

だが、ルイズはコントラクト・サーヴァントの実行を強く要望した。
一刻も早く、このある種神秘的な存在に触れたかったのだろうか。
しかし考えてみれば、もし眠った状態であっても儀式に成功すれば、
コントラクト・サーヴァントのシステムの、新たな事実が解明できる。
仮に成功しなかったにせよ、お互いに悪影響を及ぼす事は無いであろう、と教員達は判断。
言い方は少々悪いが、実験を兼ねて、儀式決行の許可を下ろした。

歓喜したルイズは、背伸びをし、ゴモラとキスをした。



197 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 00:46:31 ID:Dygd4ra6
だが、コントラクト・サーヴァントが成功したのか否かは、実は6日目の今日に到ってもまだ明白では無い。
儀式成功の証として、接吻をした者の左手にルーンが刻まれるのは周知の事実で、
その判断は誰でも出来るはずだった。だが、今回は少し事情が違った。

ゴモラはうつ伏せになって眠っている。つまり胴体を横にして腹を地面にどっしりと乗せている姿勢だ。
右腕は、体の横で地面にちょこんと手の平を乗せているが、一方左腕は、胴体の下に埋もれている。
つまり、腹と地面の間に左手が挟まり、左手の甲が肉眼ではとても確認できないのだ。
魔法を使って腕を引っ張り出す試みは失敗した。体長もそうだが、ゴモラは想定外に重かった。
ディテクト・マジックで調べようにも、ルーンの有無はやはり直接目で見なければ確実ではない。
手っ取り早い手段としては、やはり起床だろうか。

だが、火炎魔法攻撃なり水流魔法責めなりなんなりで、眠りから叩き起こす術は幾らでもあるにはあるが、
睡眠から無理やり引き剥がされても上機嫌でいれる生物、益してや龍など想像もでない
(仮にコントラクト・サーヴァントが成功しており、ルイズを慕っているとしても、だ)。

ジャイアントモールの力を借り、地面を掘って、左手のある場所にだけ空間を作る方法も無い事は無いが、
そこまでしなくとも、儀式の成功を立証する事柄がすでに存在した。
ルイズがゴモラの口、と言うよりは鼻の先端にキスをした際、
ゴモラの腹部が光ったのを見た、と話す生徒が何人かいたのだ。
その証言から、恐らく埋もれた左手が発光し、洩れた光が腹部ごしに見えたのだろう、
とコルベールは判断した。つまり、ルーンが刻まれた、という証左に一応はなる。
その後何時間もの間、教員達が学院長室での会議で論議を交わした結果、
儀式は若干疑わしくも成功したと認められ、こうしてめでたくルイズは進級する事ができたのだった。

そして僅かながら日々は流れ。
眠れるゴモラの文字通り小山の如くの巨体は、何時しか生徒達に憩いの場所を提供する身となっていた。
授業が終わり次第真っ直ぐ広場へ直行し、俗に言う場所取りを我先にと行う生徒もいる程だ。
ゴモラの背中に登り、滑り台で遊ぶ様に滑り降りたり、尻尾の上に乗って寝転んで日向ぼっこをしたり、
広場の隅のベンチに座り、御菓子を頬張りながらその体躯を眺めたりと、多種多様である。
使い主であるルイズは、最初こそは一々それに注意していたが、
考えてみれば、我が使い魔がこうして皆から親しまれるのも悪い心境ではない。
それに、魔法が不得意で「ゼロのルイズ」と馬鹿にされていた時と比べ、自身への風当りも緩くなった様な気もする。
彼女にとって、既にこのゴモラは、例え地龍であろうが眠ったままであろうが、誇り高き使い魔となっていた。
家族に、特に姉のカトレアにこの事を報告をするのが、今からとても楽しみだ。



198 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:47:12 ID:NC5q3AaH
支援

199 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 00:47:18 ID:Dygd4ra6
「それにしても、何時までぐーすか寝てるつもりなのかしら。冬眠の時期だって過ぎてるんじゃない?」

巨大な尻尾の先端に腰を降ろしたキュルケが、彼女の膝に乗る使い魔であるフレイムを撫でながら、
彼女の眼の前にあるゴモラの巨大な顔に、優しく手を触れているルイズに言った。

「きっとねぼすけさんなのよ。ゆっくり眠らせてあげましょう」

ねぼすけさん、などと言うルイズに、キュルケはフレイムを撫でる手を止めた。
堅い性格では無いにしても、プライドの高いルイズが、よもや嘗ての天敵の前でそんな発言をするとは、と。
第一、召喚の契りが交わされているのなら、起きろと命令すれば目を覚ますかもしれないのに、
それを実行する姿は今の処無い。使い魔の為すがままにさせてあげたいのか、
若しくは使い魔の寝顔が可愛くて仕方が無いのだろうか。

「ねぼすけさん、ねぇ。それでヴァリエール。この眠れる使い魔の名前、決めたの?」

それを聞いたルイズは、ふっとキュルケの方に振り向いた。
名前。確かにこの数日間、この龍の正体を調べるのに気を取られて、
本来使い魔を操る者として、ある意味必要不可欠な「名付け」をしていなかったのを、ルイズは思い出した。

「んー。どうしよう」
ルイズは頭の中で名前の候補をリストアップする。
なんと名付けようか。貴族の使い魔らしい由緒ある名か。もしくは覚えやすい名前の方が良いのかもしれない。

「雄か雌かは判らないけど、だったらどちらでも通じる素晴らしい名前を付けてあげなきゃ。
 待っててね!」

満面の笑みで、彼女はゴモラに触れたまま幸せそうに言った。
尤も当の使い魔は、相変わらず目覚める兆候は微塵も見て取れないが。
結局、悩みに悩んだが、これから場合によっては生涯付き添う事となるパートナーの名前を、
そう早々と決めれる筈も無く、考えてる内に日も傾く。
ルイズ達が各々寮に戻る頃も尚、ゴモラの鼾が、淡々と眠りの旋律を奏でていた。




200 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:49:41 ID:KeQyGyhs
まさか冒頭の白髪交じりの人はオキシジェンデストロイヤーを作った人では?支援

201 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:53:19 ID:GYuaDaF2
>接吻をした者の左手にルーンが刻まれるのは周知の事実で、
された者だし、(した者だとルーンが刻まれるのはルイズって事になる)
左手確定はガンダールヴの固有要素であって
ルイズと虚無が理屈として関連付けられていない状況で
ルーンの刻まれる場所の特定は不可能


202 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:57:39 ID:KeQyGyhs
どした?
規制でも食らったか?
支援

203 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 00:59:47 ID:TzuOSb+f
>>200
それはゴモラやのうてゴジラ……でいいんでしたっけ?
支援。

204 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:01:24 ID:aCT3rljh
支援

205 :眠りの地龍:2008/02/24(日) 01:04:17 ID:Dygd4ra6
さるさん喰らってました。投下終了です、支援有難うございました。

206 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:05:47 ID:blJU2sqZ
支援
どのゴモラだろ
多くの作品に出てるからわからんな

207 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:21:32 ID:kMyRpMT7
さっきティガの映画見終わった俺はティガを呼びたいな。

208 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:28:38 ID:nmVfgPzm
>>207
確か避難所で呼ばれてたような気が。

209 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:32:24 ID:8BEet8Jl
>>207
ティガのみか、ダイゴ込みかで、異なる気がする

210 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:34:07 ID:blJU2sqZ

敵に別の怪獣が出るのか空から巨人が退治しに来るのか
どっちでも期待

文章も書き慣れた感じがいいな
特撮が増えてきたのは個人的にはうれしい

211 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:37:58 ID:EzR17SlB
ウルトラマンを身体能力のみで一度負かした数少ない地球怪獣が来ちゃったw

212 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:45:55 ID:sPbz4a5k
なるほど、ウルトラマンに出てきた怪獣なのかw
展開に期待

213 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 01:53:52 ID:TzuOSb+f
短編のゼットンでも気になったんですが、食糧はどうするんでしょう?


214 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 02:15:14 ID:KeQyGyhs
>>213
そんなもの気にしたら負けだぜ

215 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 02:41:18 ID:0CAmotiC
乙!

>>188
>>「ゴムア?」
>>「違う。ゴモラ」
>>「ゴモラ?」
>>「そう。ゴモラ」

この会話の時点で真っ先に、UPLの「宇宙戦艦ゴモラ」を連想してしまった…Orz


216 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 03:19:52 ID:iJQk7rGm
>>200
芹沢博士か… 懐かしい… 

ゴモラって複数いるの?知らんかった。
規制だろうか?

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 03:25:12 ID:s6CC5Lx9
>>213
そこでツインテール召喚ですよ

218 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 03:25:52 ID:RF/oXPnR
>>216
ゲームも含めると明らかに違う固体が6体いる。
まあ、作中の描写を見る限り初代マンに出てきたのがモデル(?)だろうけど

219 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 03:31:44 ID:e6JqBnLR
>>211
あれは幼心に衝撃だったなぁw

220 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 03:35:20 ID:PStIU3HP
レッドキングとかバルタンなんかの
人気怪獣は複数のウルトラマン作品に登場してたはず
ゴモラもそうじゃないの?よく知らんが

221 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 03:41:50 ID:iJQk7rGm
ゴモラって可愛いし、いい奴だよな。わりと。

222 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 03:51:12 ID:PStIU3HP
>>205
乙。あんたの文体は好みだ
頑張って下さい

223 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 03:54:42 ID:iJQk7rGm
>>205
乙!かつて怪獣好きな子供だった俺としては嬉しい限り。

224 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 04:47:16 ID:cAfTR+5o
>>205
乙!
まさかゴモラとは!意表を突かれたなー
期待しますわ!

225 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 05:12:53 ID:DQTLdxyb
乙。おらわくわくしてきたぞ。

226 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 06:29:09 ID:T6jgyT4j
ゴモラの話の最大の突っ込み所はあんな物を大阪万博に出そうとする大学教授だと思う。
化石を発掘しに行ったら生体が見つかったので捕獲したのまでは理解できます。
学術的に見ても貴重な発見ですよ。
絶滅したと思われていた生物の生き残りが発見されたんですからね。
でもそれを大阪万博に出そうなんて考えますか。
あの思考回路だけは理解できません。

227 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 06:42:06 ID:S0B4e6nM
その辺突っ込むとリアルリアルティになるぞ




実は教授がX星人でしたー、としてしまえばそんな思考回路もアリかw

228 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:11:22 ID:Ih5HCsq2
たぶん最近ネットで公開された奴だと思うんだけど<ゴモラ
あんまり話すとネタバレになるのかな。

何はともあれ乙。

229 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:15:59 ID:ihrOETjB
すまん、サイトが召喚されたけど性格がちと違う、
持ち物追加といった展開はありなんだろうか?

230 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:19:49 ID:CziTLLyS
何で性格が違うのか、何でそれを持ってるのかに納得できる理由があるならな。
単にオレキャラにしたいだけならやめとけ。

231 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:28:55 ID:ul6nU7MB
>>229
それはただのオリキャラでは?

232 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:36:18 ID:XYzZU9b3
というかスレタイを半年読み返せ。

233 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:39:12 ID:4lQF/bng
新しく来たんなら10スレくらい空気読むためromることを薦めるな

234 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:41:10 ID:+m4e/g4f
今の流れで10スレは……あー、そんなにキツくないか。
少なくとも過去ログ2,3遡って空気の把握に努める方が良いと思う。

235 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:45:35 ID:03W5nUWY
召喚のときにサイトが『そこのあんた、助けてくれ』とか言って通りすがりの誰かを巻き添えにした場合、スレタイに反するのだろうか?
ガンダールヴの力を手にして、貴族たちと対等に歩こうとするサイトを冷静に見つめる第三者にしかならないか?

236 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:49:33 ID:ZcW9diUN
まずここはサイトありきのスレじゃないからね。


237 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:51:11 ID:+m4e/g4f
サイトの巻き添え食ってって話はあることにはあるけどなー

238 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 08:56:27 ID:Ih5HCsq2
秋葉原をうろついてそうなキャラというと……

ナイトウィザードとかかなー(アニメ版の日常は秋葉原)

239 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 09:01:59 ID:WZ/IRQOL
>>秋葉原をうろついていそうなキャラ
つ 『アキハバラ電脳組』

240 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 09:11:43 ID:m0fIOei/
>>秋葉原をうろついていそうなキャラ
両津勘吉召喚だな

241 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 09:12:36 ID:WqmfN/37
>>秋葉原をうろついていそうなキャラ
ここはヒラコーの出番だな!

242 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 09:13:56 ID:J9p3Ho9A
>>229
デスノートを拾ったサイトがハルケギニアに…、とかならいいかも。
キャラ置き換えじゃないクロスオーバーで、ハルケギニアが舞台というあたりが最低ラインかと思っている。

243 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 09:18:12 ID:giQFz/oj
>>秋葉原をうろついていそうなキャラ
休暇をもらったオタク米兵。2次元の無い世界に拉致されて発狂!

244 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 09:34:20 ID:IyZQiAs5
>>235
助けを求める才人を今書いてたり。
完成はいつになるやら。

245 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 09:43:33 ID:dWOLGgQ/
>>242
で、会話も読解もルーンで意訳補正かかるから
正確な名前が書けなくて結局無意味に・・・

246 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 09:46:00 ID:J7Xhw8kT
>>245
むしろいっしょに召喚されて、ほったらかしにされて誰かの手に渡っちゃうとか

247 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 10:42:00 ID:iJQk7rGm
金剛番長召喚はどうだろう?
「薔薇はたくさんの女性に… うんたらかんたら」→「スジがとおらねえな」
「平民は貴族にはかてないわ」→「知ったことかー!」
中略
「風は偏在する… この数が相手では」→「知ったことかー!」

までは思い浮かんだけど、そもそもあいつが使い魔を引き受ける状況が想像できん。
ルイズはどうやってスジをとおせばいいんだ…

248 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 10:45:01 ID:Gosn11d+
スジを見せれば良いんじゃないかな?

249 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 10:45:54 ID:Fj/m2Ath
ルイズ「知ったことかー!」

250 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 10:46:32 ID:z0WFq+Zb
今、自分が汚れきった大人だと自覚した。

251 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 10:51:53 ID:iJQk7rGm
>>248
wwwww

いや、絶対一人は言うと思った。

252 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:13:49 ID:dB1HfheK
>>249
虚無番長爆誕の瞬間であった

253 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:18:25 ID:b0GCCmcd
今日一日>>248よりお下品な事を書く奴は現れないと見た。

254 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:23:13 ID:j8MEonV0
これでいいかな? とか意見聞いてどうするの?
それって、プロット他人任せにしてないかな
とりあえず、空気読んで自分で判断して
自分で書かないと、途中で投げっぱなしになっちゃうよ

255 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:30:41 ID:CeQoHGKR
>>248…、お前がNo.1だ…!

そういや王子召喚ものはどっかのまとめサイトで見た気がするけど
その他のDBキャラ召喚って見ないな
やっぱ地味になるからかな

256 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:33:27 ID:+m4e/g4f
>>254
書きたいんじゃなくて作家ってことでちやほやされたいんじゃね?
だから人に意見聞いて、人気のあるものを選ぼうとしてるとしか思えん。

>>255
wiki見てこい

257 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:36:10 ID:CeQoHGKR
>>256
ああ、悟空は知ってたんだけどナッパは知らんかった
d

258 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:38:48 ID:4lQF/bng
>>255
避難所に違う未来の吾飯きてまっせ

259 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:49:23 ID:CeQoHGKR
>>258
おおホントだ
ありがとう

260 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 11:57:23 ID:Kl4p2HdF
そういやなのはさんはいるのにCC(シーツーに非ず)なさくらさん書いた人居ないな

261 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:01:59 ID:J9p3Ho9A
>>247
そういうときは序盤を端折って小ネタと言い張ればいいと思うよ。

262 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:03:04 ID:NKzFbTz4
クライベイビーの方ですか

263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:32:55 ID:2Cfdwn8v
>>230
サイトの行動があまりにも変だから、もちっと現代人的に普通にする、
と言ったあたりかな?
ぶっちゃけ召喚直後、ずっと寝転がってるとか座りっぱなしだとかありえねえ。
立ち上がって状況確認くらいするよ。
「召喚」という会話を聞いていたのにコントラクトサーヴァント
唯々諾々と受けたのもありえねえ。
「しょうかん」のやり直しを、という場合、小寒、将官、商館、といった
穏当な言葉と解釈する文脈にはならない。
となるとニュアンス翻訳付きで「召喚」と言われた場合、
三省堂国語辞典「召喚」官庁が特定の個人を呼び出すこと。呼び出し。「裁判所の召喚状」
というはなはだ不穏当なニュアンスが伝わることになる。

さらに、高校生程度の英語力と魔法関係の映画を見た程度の知識がある
現代っ子なら「コントラクトサーヴァント」にも不穏当に感じて
逃げる、もしくは拒絶するはずだ。唯々諾々と従うなんてありえねえ。

その後も設定とあわねえことやらあまりに消極的なことやら変なところ山ほど。
もちっと増しにしてほしかったなと。

264 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:33:19 ID:EVfrDyjq
>>262
つまりこうか
ttp://asame2.web.infoseek.co.jp/cmoshi.html

265 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:39:52 ID:5EU7DFBZ
>>262
ちょwww

266 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:40:23 ID:ul6nU7MB
>>263
どうみてもオリキャラです本当に(ry

267 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:48:09 ID:lMXHlsMa
改変サイトの実例

ドラゴンに首ったけ その三十八(ゼロの使い魔+巣作りドラゴン)
http://talker.sakura.ne.jp/denpa3/izumimain/1203780224_84542.html

268 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:53:51 ID:J9p3Ho9A
>>263
サイト改変ってだけなら余所でやるべき。
クロスネタがまずあって、それのおまけ的な形で改変されるなら問題ないと思う。
(「左手」のサイトみたいな)

269 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:53:54 ID:ZcW9diUN
ここはいつからオリキャラスレになったのかね〜


270 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 12:54:20 ID:ZcW9diUN
おっと。ageスマン


271 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:00:50 ID:Bp4CsxaB
>>263

      r;ァ'N;:::::::::::::,ィ/      >::::::::::ヽ
.      〃  ヽル1'´        ∠:::::::::::::::::i
       i′  ___, - ,. = -一   ̄l:::::::::::::::l
.      ! , -==、´r'          l::::::/,ニ.ヽ
      l        _,, -‐''二ゝ  l::::l f゙ヽ |、 ここはお前の日記帳じゃねえんだ
        レー-- 、ヽヾニ-ァ,ニ;=、_   !:::l ) } ト
       ヾ¨'7"ry、`   ー゙='ニ,,,`    }::ヽ(ノ  チラシの裏にでも書いてろ
:ーゝヽ、     !´ " ̄ 'l,;;;;,,,.、       ,i:::::::ミ
::::::::::::::::ヽ.-‐ ト、 r'_{   __)`ニゝ、  ,,iリ::::::::ミ
::::::::::::::::::::Vi/l:::V'´;ッ`ニ´ー-ッ-,、:::::`"::::::::::::::;゙ ,  な!
:::::::::::::::::::::::::N. ゙、::::ヾ,.`二ニ´∠,,.i::::::::::::::::::::///
:::::::::::::::::::::::::::::l ヽ;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /
::::::::::::::::::::::::::::::! :|.\;::::::::::::::::::::::::::::::/ /


272 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:03:04 ID:Ih5HCsq2
>>263
はっきり言うが、原作が嫌いならここには寄り付かん方がいいよ。
ここはファンのスレであって、原作に対して根本的に納得いっていない人が
来ても話が合わないだろうし、原作を叩くためのSSを投下したところで、
誰の賛同も得られない。
あんたがここでヘイトを撒き散らすと、皆が不愉快になるし、誰にも同意して
もらえないあんたも不愉快になるだろう。
誰も幸せになれない。

273 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:03:44 ID:WqmfN/37
>>263
こうなるはずだ、ありえねえって言われても…
そういう文句はヤマグッチーにお願いします
あとゼロ魔はラブコメだってことを忘れないでね

274 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:15:02 ID:Kl4p2HdF
はいちょっとヤな雰囲気になってきましたよー

この辺りでちっとリセットしてみんな気分切り替えましょーね

275 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:23:38 ID:kMyRpMT7
ガリ呼びたい

276 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:26:46 ID:UET0bJ7f
やっぱどマイナーな作品からのコラボは避難所投下の方がいいのかな

277 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:26:53 ID:BFNj2CfJ
それはMFのほうか龍騎士のほうなのか

278 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:27:32 ID:J2k0o+NY
お寿司の横にある物召喚してどうするとボケてみる

279 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:31:45 ID:kMyRpMT7
>>277
よく騙されて裏切るほう

280 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:33:02 ID:dWOLGgQ/
ガリィと申したか

281 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:33:10 ID:+s2DM2qI
マハリークマハーリタヤンバルクイナ
マハリークマハーリタチャンバラトリオ
お寿司ーの横ーについーてくる
ピンクーでチャームな食べ物よ
ガリー ガリー

282 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:34:03 ID:BFNj2CfJ
カインというとFF4よりカービィの方が先に浮かんでくるから困る

283 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:35:47 ID:J9p3Ho9A
>>276
気にする必要ないだろ。まとめサイトの作品だって
「これはメジャーだ」って胸張れる元ネタなんかいくらもないぞ。

284 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:39:03 ID:ANwBVqEW
今日の某戦隊を見て異様に面白かったたせいか炎神召喚して
コルベール「ゴーオンジャー…かっこよすぎる」なネタが

>>279
きゅいきゅいが異様になついてタバサが嫉妬しそうだ
時期によっては失恋の痛みも癒してくれるし

285 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:43:25 ID:PZPcWGFO
カイン・・・FEの赤騎士を思い出したら異端かな?

286 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:46:40 ID:Nu3nHNUu
>>263
そこまで改竄してまで召喚させたいキャラか?
サイトは。

287 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:49:25 ID:2Cfdwn8v
そういわれてみればそうだな、サイト呼び出す意味ないか。
じゃあ別キャラでやってみる。すまんかったな、さわがせて。


しかしそうなるとどれの誰にするべきか?

288 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:52:56 ID:ul6nU7MB
>>287
今までのレス内容見てるとどんなキャラでも改悪しそうだからやめてくれ
とりあえず『ゼロの使い魔』という作品を好きになってから来てくれ

289 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:55:21 ID:2Cfdwn8v
ドクロちゃん、リプミラ号、初音未来、先行者、ルナ・ド・リムズベル、
シェイラギーニ、犬神ようこ、いや赤道斎・・・

う〜〜ん、いまいちだな。

290 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:55:53 ID:Bu4RjMPa
>>287
QEDの燈馬かCMBの森羅がお勧め。
論理的な思考とやらを期待。

291 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 13:59:47 ID:g8MkHEVs
>>288
ごめんね。ごめんね。
サイトが苦手なのに連載持ってて全巻そろえててPBもってて……


ゼロ魔は好きなんだ、うん


>>289
missingより「名付けられた暗黒」を

292 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:11:50 ID:nlbYXh6U
>>291
きもちわるい

293 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:16:17 ID:Bp4CsxaB
>>287
>>288に同意。
誰を呼んできても面白くなりそうにナイ。
U1モノでも書いてたほうがイイよw

294 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:25:04 ID:C7bYBP4B
先でも誰かが言ってたけど、作者より頭が良いキャラは書けないんだよね。
それでも、原作よりマシな行動をとる作品を書く自信があるなら書けば?>>287


295 :ゼロの魔獣:2008/02/24(日) 14:39:10 ID:L5Sdj53C
5分後に投下してよろしいですか?

296 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:39:39 ID:GeR1cHiu
マシな行動を取ることと、作品が面白いこととは同義じゃないんだよね。
>>288に全力で同意だわ。


297 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:40:53 ID:Kl4p2HdF
支援しない理由は無い

298 :ゼロの魔獣 第26話:2008/02/24(日) 14:44:07 ID:L5Sdj53C
― 時間にすれば、僅か三分足らず。

だが、互いの全てを出し尽くした死闘は、手負いの獅子に軍配が上がった。
拮抗した実力を持っていたハズの二匹の獣は、いつしか捕食者と餌に分かたれていた・・・。

身を焦がす野望のためならば、腕一本失う事すら恐れなかったワルドではあったが
奪われた左手を、目の前で貪られる事態までは覚悟していなかった。

「・・・へ へへ ハ ハハハ・・・
 2対1だぜぇ・・・ どうする? 色男・・・」

「俺を忘れんじゃあねえ!」

壁に突き刺さりながら抗議するデルフを尻目に、慎一が歩を進める。
膝が崩れ、大きく体が揺らぐ。 思わず、ワルドが後ずさる。

深刻なダメージを負っているのは、明らかに勝者である慎一の方だった。
あるいはここで、ワルドが気力を奮い反撃に転じていれば、彼が最終的な勝者となれる可能性も高い。

―が、その精神面において、両者は既に決着が付いてしまっていた。
 死力を尽くしてライオンを仕留めにかかるゼブラなどいないのだ・・・。

「・・・いいさ 目的の一つは果たした」
ワルドの体がフワリと浮き上がる。

「主亡き城などたやすく落ちる 我等『レコン・キスタ』の前ではな
 魔獣 貴様をこの手で打てぬのは心残りだが
 この場で愚かな主人共ど・・・」
「耳だァッ!!」

慎一の叫びに合わせ、左手を打ち捨てゴールドが跳ねる。
空中で激しくもつれ合い、ワルドの右の耳たぶが削ぎ落とされる。

「キサッ 貴様ァッ!! 死ね!  死ねェ 死んでしまえええェェ!!」

ようやく獅子を振りほどき、右頬のおびただしい流血を抑えながら、
ワルドは子供のように喚き散らして飛び去っていった・・・。



299 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:46:05 ID:iJQk7rGm
支援

300 :ゼロの魔獣 第26話A:2008/02/24(日) 14:47:01 ID:L5Sdj53C
敵が去ると慎一は、ゴールドに自らの左腕を拾ってこさせた。
元の形に戻った右腕とあわせ、自らの肘先から出した獣の顎で繋いで『仮留め』した。

鉛のように重い体を引きずりながら、ルイズの元へと近付く。
胸元の動悸を確認すると、その背に負って、今度はウェールズの元へと進む。

・・・こちらは致命傷だ。地面を濡らす血の量で、近寄らなくても分かる。

「・・・手紙・・・ は・・・ ヴァリエール嬢の ・・・荷物に・・・」
その震える指先で、礼拝堂の片隅に置かれた鞄を示す。 慎一は無言で頷く。

「アン・・・リ・・・エッタ に・・・」

その左手を、今度は慎一の前へと持ってくる。
慎一はその指先から、大粒のルビーを外す。

「分かった」
慎一が皇太子と交わした、それが唯一の言葉。
左手が重力に任せて垂れ下がり、そこでウェールズは事切れた。
慎一がその両目を塞いでやる。そのまま時間が止まったかのように慎一は動かない。

「おい シンイチ! こりゃ ヤバいぞ!」
デルフに促されるまでもない。
爆発、絶叫、金属音― 喧騒が徐々に近付いてくる。
城は落ち、この礼拝堂にも暴徒が押し寄せてくるであろう・・・。

「お前はそこでじっとしてろ・・・」

「あん! 馬鹿言ってんじゃあねーぞ!
 その体で飛び出して何が出来るっつーんだ!?」

「・・・ルイズを助けるには どの道 正面突破しかねえんだよ・・・」

慎一の静かな口調から、デルフは彼が、ひどく残酷な感情に支配されている事を知った。

二人は恐らくは死ぬであろう。
だが、それまでに慎一は、どれだけの死体の山を築くであろうか・・・。


301 :ゼロの魔獣 第26話B:2008/02/24(日) 14:48:22 ID:L5Sdj53C
「また馬鹿なこと言ってるわね ダーリン」

ボゴン、と背後から地面を押し上げる音がして、見覚えのあるモグラの鼻先がにゅっ、と現れる。

「脱出しよう シンイチ 家に帰るまでが任務だよ!」
穴から這い出してきたギーシュが高らかと言う。

「・・・家に・・・?」

「長居は無用」
それだけ言って、タバサはすぐに穴へと引っ込む。

慎一の胸中を支配していた自棄的なオーラが、ストンと抜け落ちる。
そう。 これは、地球での明日なき戦いではない。

かりそめとはいえ、今の慎一には、帰るべき場所、守るべき仲間があった。

「どしたの? ダーリン  ボーっとして・・・」
デルフを抱えながらキュルケが尋ねる。

「・・・いや」
ヴェルダンデを見つめながら、慎一が呟いた。

「・・・穴を掘れる魔獣ってのも 便利なモンだと思ってな」

ジャイアントモールの大きな体が、小動物のようにプルプルと震えていた・・・。





302 :ゼロの魔獣 第26話C:2008/02/24(日) 14:50:26 ID:L5Sdj53C
―私は夢を見ていた

周囲に広がる美しい高原。 
その余りにも穏やかな雰囲気が、却ってそれが夢である事を印象付ける。

彼方から、上空を舞う鷹のいななきが聞こえる。
足元には愛嬌のある小猿。
意外な程に穏やかな目をした熊とゴリラ。
寄り添いあって眠る獅子の親子。
喰う者も、喰われる者も無い、幸福な世界。

そして・・・ 丘の中央には一人の女性。

おそらくは、ハルケギニアの住人ではないだろう。
見たこともない異国の着物に、巻き上げられた豊かな髪―。

(この人は・・・お母さんだ)
私の母親ではない、けれども、何処かで出遭った事がある。
言うなれば、普遍的な母性を宿した女性。

圧倒的な懐かしさの前に、自然に涙が零れ落ちる。

余りにも幸せで、それゆえに悲しい夢だった。




「・・・まったく 見せ付けてくれるじゃない ヴァリエール」
「無粋」

妬ましそうに振り返るキュルケを、タバサがたしなめる。

「・・・それにしたって こんな風な顔をするんだな 彼も」

慎一の顔を見ながら、ギーシュが意外そうに言う。



慎一は、正に精も根も尽き果てていた。

シルフィードに揺られながら、ヴェルダンデを背もたれにして胡坐をかき
彼は久方ぶりに、深い深い眠りへと陥っていた・・・。

その膝元には、まどろむルイズ。

眠りながら、尚もその小さな主を守るかのように、
慎一の背中の大きな翼が、彼女を包んでいた・・・。



303 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:50:29 ID:rdKGVTim
支援

304 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:50:52 ID:Pq/S5Gl2
支援

305 :ゼロの魔獣:2008/02/24(日) 14:54:02 ID:L5Sdj53C
以上で投下終了です。
支援ありがとうございます。
話は一段落つきましたが、もう少しだけ続きます。
虚無るか虚無り返すか、もう少しだけお付き合いいただければ幸いです。

306 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 14:59:16 ID:dWOLGgQ/

ヴェルダンデがロックオン?喰われちゃうの!?

307 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:12:07 ID:U3MJEBOo
魔獣乙。

ニゲテー、ヴェルダンデにげてー!

308 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:19:14 ID:Kl4p2HdF


しかし手傷を負ったとはいえあの真一にこれ程の傷を負わせるとは
ワルド・・・さすがよな


309 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:29:03 ID:LJUptGWr
>>289
お前に一言。
お前はストーリーが書きたいんじゃなくて、何が書きたいんだ?

310 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 15:41:22 ID:BIC7R4XY
ニコ動アカ持ってない人には見れないが、
「鬱フラグブレイカー コブラ」(http://www.nicovideo.jp/watch/sm1220494)の
4:47あたりを見てテンション上がった
サイコガンなら弾切れしないしな

311 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:10:32 ID:un0Mofie
慎一は戦うたびに結構ダメージ食らってるぞ
ただ食って寝れば治るから

312 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:13:26 ID:PStIU3HP
ま た ニ コ 厨 か

313 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:21:31 ID:5j4UBAfB
確かに地中を馬並みの速度で移動できる慎一はチートだ。

その脅威度は、トレマーズの比じゃないな。

314 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:49:35 ID:RSKTa0Bl
>>312
ニコニコ動画ユーザー≠ニコ厨
俺も垢持ってるけどたまにしか見ないな

315 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:51:16 ID:j9mZNpOd
17時位に投下してもいいでしょうか?

DQキャラ召還の序章だけですが

316 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:54:23 ID:QfTaFkqo
まさか召喚シーンだけとはいわないよね?

317 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:54:53 ID:zLU+svMd
こんなところでニコ動持ち出すのは間違いなくニコ厨だろw

318 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:56:30 ID:j9mZNpOd
>>316
まだバックボーンだけです…序章なので

319 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 16:59:20 ID:U/1RjV7E
どうしても投下したいって言うんなら止めないけど、俺はその先も少し書いてから投下したほうがいいと思うよ

320 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:00:47 ID:j9mZNpOd
了解です…書き溜めるまで自重します

321 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:01:49 ID:+KPuKZbq
>>318
せめて舞踏会、出来ればアルビオン終了まで書き上げてから
数日おいて推敲してから投下してください。
キツイようですが何もこれはあなただけに言ってるのではないので悪しからず。

322 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:05:14 ID:U/1RjV7E
>>320
>>321がちょっと言いすぎなこと言ってるけど、書きあがったときは支援するから執筆がんばってくれ

323 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:16:40 ID:PStIU3HP
>>314
脈絡なくニコ動のアドレス貼って
テンション上がったとか言われても
ニコ厨乙としかいえんだろ

324 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:17:07 ID:pq1XoI66
別に小説投稿専用なスレでもないのにな
俺には>>321が理解できん


325 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:18:28 ID:RSKTa0Bl
>>323
たしかにこいつはニコ厨としか言えんな

326 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:18:53 ID:o09C2n/3
>>321
それはもう完結させてから書き込めって言ってるのと一緒

327 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:20:05 ID:laCguoEB
召喚しっぱなしで放置された作品が多いからっしょ
印象も悪いし

328 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:20:40 ID:GYuaDaF2
立ち消えて泣きを見る前例てんこ盛りだから
投下前に書き溜めといた方が身の為だと言う話なだけだろ

329 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:28:13 ID:PStIU3HP
舞踏会までとは言わんが2、3話分くらいは
書き溜めといた方がいいと思うが?
少なくても序章終劇にならないんだし

330 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:30:58 ID:2bWZRRSm
アルビオンまでって、なぁどんだけ文章量いると思ってる?
読み手が勝手な事言うなよな・・・

331 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:33:03 ID:JQ96OpoG
召喚初日まではかきためることは必須だと思う。

できれば、ギーシュ戦までは書いておくべきだと思うが。

332 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:34:23 ID:RSKTa0Bl
まあ、そろそろ大学受験で投稿が止まっていた連中も戻ってくるんじゃね?
前期試験も明日からだし

333 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:34:41 ID:GYuaDaF2
一発ネタで「嘘予告、はじまりません」系なら召喚で終わってもアリだけどな
続けるつもりなら最悪対ギーシュ決闘騒動辺りまでは組み上げてからにしとかなきゃ
相当高確率で召喚した所で詰まってそのまま立ち消える
これ前例に伴う第三者的経験論

334 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:41:08 ID:VIK1+m5E
まあ、実際書いてるかどうかはともかくプロットはあるほうが良いと思うよ

335 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:49:03 ID:SJ8ApcaV
相変わらず読み手の態度がデカいスレだなぁ

336 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 17:53:33 ID:pVDpKwi8
お初にお目にかかります。
とらいあんぐるハート2から槙原耕介を召喚するSSを18時頃から投下してもよろしいでしょうか?
ここに書き込むのは初めてなので何かありましたら遠慮なく指摘お願いします。(>>1は読んでおりマス)

337 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:55:34 ID:570zJZlv
支援

338 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:55:48 ID:J9p3Ho9A
>>336
ドゾー

339 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:57:12 ID:YuBt4w4f
支援準備完了
いつでもどうぞ!

340 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:57:15 ID:+KPuKZbq
>>324
>>326
長編(完結)の少なさと未完で投げ出している作品を見て何も思わないの?
概して数話で投げている手合いはプロットも出来てないのに、長編に挑もうとしている。
ホントなにがしたかったのでしょうね?(苦笑)

341 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:58:46 ID:J9p3Ho9A
>>340
つ「スタージョンの法則」

342 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:59:25 ID:s6CC5Lx9
>>340
お前はネットにどんだけの数の未完で終わった小説が眠ってると思ってるんだ

そして支援

343 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 17:59:57 ID:JQ96OpoG
>>340
プロットができていると実際の文章を書いている歩は全然違うよ。
もちろん、あらすじができているのとも違うがな。

そして支援準備

344 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:00:05 ID:DbedptKt
口でクソを垂れる前に支援をしろ!

345 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:00:24 ID:pVDpKwi8
イザベラ管理人

a prologue side:イザベラ
その日、ハルケギニア最大の国ガリアの王女イザベラはとても不機嫌であった。
眺めの良いテラスで、宮廷料理人が作った豪華で美味な昼食を食べていても、砂を噛んでいるような心地しかしない。
それほどにイザベラがイラついているのには当然理由があった。
あの鼻持ちならないガーゴイル娘タバサが使い魔召喚の儀式で見事な風竜を召喚したというのだ。
(なんでいつもあいつばかり…!)
同じ王族の血筋であるはずなのに自分は無能王ジョゼフの血を継いだせいか未だドット、タバサは天才であった王弟シャルルの子に相応しく既にトライアングル。
いったいあいつと自分のどこが違うというのか…タバサはあらゆる面でイザベラの劣等感を刺激する存在であった。
最低の気分で食事を終えたイザベラが食後のワインを飲んでいると、庭を狼をつれたメイジが通っていくのが見えた。
(ありゃ、使い魔かい…?まったくどいつもこいつもあたしに見せつけやがって…。)
被害妄想も甚だしい考えを抱いたその瞬間、イザベラの脳裏をとある思い付きが電撃的に駆け巡る。
(あたしもサモン・サーヴァントしてみようか…案外、ガーゴイル娘の召喚した風竜なんて比べ物にならないくらい凄い使い魔が現れるかも…ククク…!)
連鎖的に風竜よりも凄い使い魔を召喚してタバサを叩きのめす自分を妄想し、愉悦の笑みを浮かべる。
しかしその姿はあまりにも不気味であり、給仕のメイドたちをドンビキさせていたことには気づかないイザベラである。
「そうと決まれば善は急げだね!」
不機嫌から一転、イザベラは乱暴にティーカップを置くと自分の杖をとりに部屋へと戻るのであった。


「えっと呪文はどうだっけね…」
部屋に戻ったイザベラはメイドたちを追い出して入ってこないように言いつけると、杖を取って呪文書を見ながらサモン・サーヴァントを詠唱する。
いくら部屋が広いといっても収まりきらない大型の使い魔が現れる可能性があることや、呼び出した後どうするかなど、ノリにノったイザベラが思い至ることなどありえない。
「さぁ、いくよ…使い魔よ、我の呼びかけに応えな!」
その言葉とともにイザベラが杖を振り下ろすと、眩い閃光が奔り、目の前には―――

346 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:00:57 ID:pVDpKwi8
a prologue side:耕介
その日、人外魔境のパイオニアさざなみ寮の管理人槙原耕介はとても上機嫌であった。
「おれーはーこうすけーきみーのーなかーまーだー♪」
190センチの長身の男が、ニヤニヤ笑いながら作詞作曲槙原耕介の「耕介の歌」を歌いながら寮のリビングで霊剣・御架月の刀身の手入れをしている様は有体に言って不気味である…が、住人は皆出かけているのでその姿を見る者は一人を除いていなかった。
「耕介様、ご機嫌ですね!」
霊剣・御架月に宿る剣霊である、くすんだ金髪に黒い着物の少年御架月がニコニコしながら問いかけると、耕介は待ってましたとばかりに上機嫌の理由を語りだした。
「いやーやっと和真とまともに打ち合えるようになったんだよ!前は一方的にやられるだけだったけど、やっとあいつと同じ舞台に立てたかと思えると嬉しくてさー。」
6つも年下の相手とやっと打ち合えるようになったことを自慢するのはいかがなものかとは思うが、神咲和真は耕介の直接の師匠にあたる神咲薫をも上回る剣椀をもつ剣士であるので耕介の喜びようも致し方ないところであろう。
「それはおめでとうございます!以前は触れさせてももらえてませんでしたから、凄い進歩ですね!」
「…確かにそうなんだが、そうはっきりいわれるとさすがに凹むな…。」
「え、あ、ごめんなさい、耕介様…僕、また無神経なことを…。」
全く歯が立たずにあしらわれた過去を思い出させられ上機嫌から一気に転落した耕介に、御架月が哀れなほど取り乱して謝罪する。
「いや気にするな、勝って兜の緒を締めよって諺もあるし俺が調子に乗ってたのが悪いんだから…勝ってないけどな!」
「は、はい、耕介様が勝てるように僕も頑張ります!」
「おう、目標はでっかく打倒・和真だ!…よし、綺麗になった。」
落ち込ませてしまった御架月を前向きに矯正しつつ耕介は汚れを落とした霊剣御架月をひとしきり眺めて曇りが無いことを確かめる。
400年前から存在するとは思えないほど美しい刀身を流れるような動作で鞘に収めると、耕介は自分の部屋に戻るべく立ち上がる。
「いつも手入れをありがとうございます、耕介様!」
「お前には未熟な俺に付き合ってもらって無理させてるから、せめてこれくらいしてやらないとな。さぁ部屋で一息ついたら掃除だ、今日はキッチン周りを徹底的にやるぞ!」
「あ、僕もお手伝いします!」
心なしか手入れ前より晴れ晴れとした顔をしている御架月が耕介に浮遊しながらついていく。
今日もさざなみ寮は全くもって平和であった…耕介がリビングの出口をくぐる寸前に目前に現れた鏡に触れる、その瞬間までは。

347 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:01:05 ID:JQ96OpoG
しえん

348 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:01:25 ID:pVDpKwi8
第1話:A princess kidnaps a youth
その瞬間のイザベラの胸中を言語化することは非常に難しい。
だが、その胸中を埋め尽くす全ての感情がマイナス方向のものばかりであったことだけは断言できる。
風竜よりも凄い使い魔を呼ぶはずが、出てきたのは見たこともない服を着ているがマントも杖も持たない代わりに細長い棒を持ったやけに大柄な(多分)平民であったのだからそれも無理からぬことである。
その瞬間の耕介の胸中を言語化することは非常に容易だ。
茫然自失…これだけで済む。
リビングを出たと思ったら眩い光に包まれて気がついたら見覚えのない部屋にいたのだ、無理からぬことである。
だが、二人にはこの異常な状況において決定的な違いが一つあった。それは経験値だ。
「えー…何が起こったのかさっぱりわからないんだけど、君は誰かな?」
いきなり見覚えのない部屋に出現したというのにいち早く自失から立ち直り、状況把握に努めようとする彼の異常な状況に対する経験値はまさに特筆すべきものだろう。
「あ…あんた、いったい何者だい!?」
だが哀しいかな、それはイザベラの導火線に自ら火をつける行為であった。
目の前の(多分)平民の男に恐れ多くもガリアの王女である自分を誰何され、イザベラの怒りが一気に燃え上がったのだ。
「このあたしを知らないなんて、どんな田舎からきたってんだい!それともあたしが無能王の娘だからってバカにしてるのかい!?いいや、そうに違いないね、こんな侮辱は初めてだ、あんた生きて帰れると思うんじゃないよ!あたしの使い魔だからって容赦し…な…」
凄まじい剣幕で被害妄想をがなりたてるイザベラだったが、途中から目の前の相手がサモン・サーヴァントにより呼び出された自分の使い魔だと気づき言葉が尻すぼみになっていく。
「えっと…ごめん、俺ってもしかして君にどこかで会ったことあるのかな…?もしそうなら本当にごめん!」
耕介はイザベラの言葉を自分なりに解釈してなんとか会話を成立させようと試みるが、イザベラは先ほど気づいた事実に打ちのめされ耕介の言葉に反応することはなかった。
「は…ははは…よっぽど始祖ブリミルとやらはあたしがお嫌いなようだね…あたしには平民風情がお似合いってわけかい…。」
「あの…俺の言葉通じてるかな…日本語は完璧なようだけど…。」
虚ろに笑うイザベラ、そのイザベラを相手になんとか意思疎通を試みる耕介…その不毛な図に変化をもたらしたのは第三者であった。
「こ、耕介様、大変です!こんなこと初めてです、僕どうしたらいいのか…!」
召喚によるショックか、霊剣の中に戻っていた御架月が要領を得ないことを叫びつつ現れたのだ…イザベラの目前に。
「ぬわ!え、な、なんだってんだ、あんた今どこから現れた!?」
混乱した御架月の出現により場はさらに混迷を極める。そんな混沌を落ち着かせたのは…
「二人とも落ち着いてくれ!御架月はまずわかったことを整理してくれ。
それで、君はこの状況に対して何かわかってることじゃあるんじゃないかな?まずはそれを聞かせてくれないか。」
ただ一人冷静さを失わなかったさざなみ寮という混沌の調停役槙原耕介であった。

349 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:02:02 ID:YuBt4w4f
支援

350 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:02:08 ID:pVDpKwi8
「………ちょっとごめん、今までのことを整理させてくれないか…。」
二人を落ち着かせることに成功した耕介はイザベラと情報交換をしていた。
一目で高級品とわかる木材のテーブルを挟んで耕介は自分の立場とわかる範囲でのここにくることになった経緯を、イザベラはここがどこで何故二人が現れることになったのかを説明しあった。
御架月が気づいた事実と併せるとここが異世界であることを認めざるを得ない…あまりの事実に頭痛を覚えながらも耕介はなんとか冷静さを保とうと努力する。
「えっと、君はこの国の王女イザベラ様で、さもん・さーヴぁんと?なる一生を共にする使い魔を呼び出す魔法を使ったら俺がここにいた…。
さもん・さーヴぁんとは呼び出すだけで帰す方法はない…。
これで合ってる?最後は否定してほしいけど…。」
「フン、あぁそうだよ、帰す方法がないってところまで合ってるよ。少なくともあたしは知らないね。」
「そ…そうか…。
御架月の話と総合して、わかったことは『ここが日本どころか地球ですらない』『本物の魔法があるけど変なところで不便』…救われない」
ガックリorzと落ち込む耕介をイザベラは不気味なものを見る目で見つめていた。
(魔法のことどころかハルケギニアもわからない上に、ウミナリだとかニホンだとか訳のわからないことばかり喚くし、こいつ頭でも狂ってるのかい…?
ミカヅキとかいうインテリジェンスソードもどきは興味があるけど…はぁ…呪文書にはサモン・サーヴァントにはその者に相応しい存在が引き寄せられるとか書かれてたけど、ありゃ絶対に間違いだね!)
ネガティブな事実ばかりを突きつけられてもなんとか目の前の事態に対処しようとする耕介であったが…この理不尽に対する怒りを抑え込んでいることも手伝って前向きな思考をしづらくなっていた。
(これは本気でまずいな…故意じゃないらしいけど状況が悪すぎる、クソッ…。)
悪意を持って拉致されたわけではないらしいが、今まで様々な超常現象を目にしてきた耕介であってもキャパシティを超えかける事態であった。
何より戻れないというのが致命的である。
大国の王女であるらしいイザベラが方法を知らないということは帰る手段がない可能性が高いことを意味するからだ。
大切な家族たちとこんな形で永久の別れというのは、耕介にとって耐え難いことであった。
「そ、そんな、それじゃまるっきり誘拐じゃないですか!しかも帰す方法もわからないなんてそんなの無責任すぎます!」
耕介に姉剣である十六夜の気配がここに来てから全く感じられないこと、霊力に似た力が大気中に充満していることを伝えてから沈黙を守っていた御架月が耐え切れずにヒステリックな声をあげる。
400年の間、姉剣十六夜を探して彷徨っていた御架月は、人間として暮らした期間が数年と短かいこともあって精神的には子どもといっていい。
そんな御架月が大切な姉と引き離されては不安と不満をぶちまけるのは仕方のないことであった。
「待ってくれ御架月、気持ちはわかるが今は抑えてくれ。
今の俺たちが考えなきゃならないのはこれからどうするかだ。
大丈夫だ、絶対に十六夜さんたちの元へ帰れるよ。」
「耕介様…わ、わかりました、耕介様がそうおっしゃるなら…。」
御架月が激昂したことによって逆に冷静さを取り戻した耕介が御架月を諌める。
こんな状況にあっても耕介の言葉で御架月が自分を抑えたことは、そのまま二人の信頼関係の証といえるだろう。

351 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:02:36 ID:pVDpKwi8
「ハン…思い出したよ、サモン・サーヴァントをもう一度する方法はあるよ。」

だが、二人の信頼関係を見せられたイザベラの胸に暗い色の火種が燈りだす。
「え、本当ですか!?なら早くしてください、それで帰れるんですよね!」
御架月がイザベラの期待する通りの反応を示したことも火種に油を注いだ。
その火種は瞬く間に燃え上がり、イザベラを突き動かす。
「あぁ、本当さ。簡単だよ、あんたらが死ねばいいんだ。」
「「な…!?」」
イザベラの言葉に引っかかるものを覚えて口出しせずにいた耕介も、これには絶句せざるを得ない。
二人の反応がさらに炎を燃え上がらせ、イザベラの凶暴性はさらに加速していく。
「あんたたちが死ねばあたしはもう一度サモン・サーヴァントができるのさ。
あたしがほしいのは風竜よりも凄い使い魔だからね、あんたたちみたいな何のとりえもなさそうな平民なんて願い下げなんだよ。
そうだね、あまり不安がらせるのも良くないし、すぐに終わらせてあげようか!」
昏い笑みは狂騒的な笑みへと変化し、先ほどの怒りもあいまって本物の殺意が沸いてくる。
直感的にイザベラは理解した。
意に沿わぬというだけで殺そうとする、無慈悲な無能王ジョゼフの血を正しく継いだ娘。それが自分の正体なのだと。
ハイになったイザベラの脳裏を電撃的に様々な考えが走り抜ける。
(納得のいく使い魔を引くまで殺しまくるってのもなかなか面白そうだねぇ、あぁそうだあのガーゴイル娘も気に入らないし殺しちまおう。任務で呼び出した時に騙し討ちにすればいくらあのガーゴイル娘だってイチコロさ、フフフ…その次は…)
「こ、耕介様…!!この人、本気です!」
御架月がイザベラの殺意が本物であることを感じ取り主に危険を伝える。
イザベラが立ち上がり、杖を耕介に向ける。部屋中に殺意と狂気が満ち、まるで空気が氷結しながらも中心は燃えているかのよう。
だがそんな最中にあっても。

「君には無理だよ。」

耕介は動じなかった。誰が聞いても戯言にしか聴こえない言葉でも、耕介は確信を持って言い放っていた。
「なんだって…?」
凶暴な想像が耕介の一言で凍りつき、ひび割れる。
「耕介様…?」
御架月が不思議そうに主を振り返る。そこには、泰然とイザベラを見つめる耕介がいた。
「御架月、大丈夫だ。」
今まさに殺意をぶつけられているとは思えないほど落ち着いた声音で耕介は御架月を制する。
イザベラは耕介のことを今まで人間とは認識していなかった。彼女にとってこの平民は自分と同じ目線の者ではなく、事故によって現れた不快で無粋な虫けらに過ぎなかった。
だが、耕介の視線に気づいた時…虫けらなどではなく確固たる人間の視線に気づいた時、彼女を支配していた昏い炎はその色を激怒の朱色へと変えた。
「あんた…あんた、いったい何様のつもりだ!!なら今すぐここで証明してやろうか!?あたしはあんたみたいな虫けらを殺すのに躊躇なんてしない!!」
激情のままに水のドットスペル<<ウォーターバレット>>を放つ。
圧縮された水弾が耕介めがけて射出され、派手な破裂音とともに炸裂した…耕介の背後の壁面に。
「狙いが甘かった…!?く、もう一度!」
続けざまに三発の水弾が射出され、二発は先ほどと同じように壁面に着弾する。だが最後の一発は耕介の肩を浅く抉り取っていった。
「耕介様!!」
泰然とした態度を崩さない耕介を尊重して手を出さなかった御架月もさすがに狼狽を隠せない。
「ハァ…!ハァ…!フフ…ほら、痛いだろ?泣いて命乞いでもしてみたら?」
痛みに顔をしかめる耕介を見てイザベラはわずかに溜飲を下げた。
だがいまだに炎は燃え上がり続けている。当然だ、ここまで自分を侮辱した虫けらをこの程度で許せるはずもない。
この虫けらをどうやって痛めつけてやろうかと考えを巡らせるイザベラ。

352 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:03:16 ID:YuBt4w4f
支援

353 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:03:24 ID:pVDpKwi8
しかし。

「やっぱり君には無理だよ。」

耕介の声音は先ほどと全く変わらなかった。いや、むしろ憐憫の色さえ混じっていた。
耕介の言葉に混ざった憐憫を敏感に感じ取ったイザベラの炎が、タバサに対する劣等感さえも超えるほどに熱量を上昇させる。
「こ…の…!平民風情が!!」
頭が真っ白になるほどの怒りに身を任せたまま再び<<ウォーターバレット>>を詠唱する。今度こそこの不快な‘人間’の頭を吹き飛ばすために。
だが……水弾はいくら呪文を詠唱しても射出されることはなかった。
「クソ、クソ!なんでだ!」
意地になってイザベラは呪文を唱え続けるが、やはり出ないものは出ない。
「イザベラ、自分に震えてる君じゃ、人は殺せない。」
焦りと怒りで真っ白になったイザベラの心に耕介の言葉が滑り込む。
「震えて…る…?このあたしが…?」
「さっきの魔法が俺に当たらなかったのは俺が避けたからじゃない。イザベラの手が震えていたからだ。
俺にはイザベラがどうしてそんなに無理をしているのかはわからない。
でも、そんなことを続けていたら君がいつか壊れるってことはわかる。」
耕介は穏やかにそう言うと、自然な動作でテーブル上に置かれていたティーポットから芳しい香りのする紅茶をカップに注ぎ、イザベラに差し出す。
「ほら、飲んで。少しは落ち着くよ。」
意識を漂白されたまま、椅子に力なく座り込んだイザベラはまるで操られているかのように耕介の差し出した紅茶を一口飲む。
イザベラにとっては飲み飽きている上にポットに入れられてから時間が経っているせいで淹れたてより味も香りも落ちるが…それでもそれは温かく、体に沁みる。
いつの間にかイザベラを突き動かしていた炎は消え去っていた。
不思議な穏やかさを感じながら、イザベラはカップをソーサーに置こうとした時に気づいた。
どこからかカチャカチャと音がするのだ。
不思議に思って考え込むと、原因はすぐに判明した。
手に持ったカップが震えて、ソーサーとぶつかっていたのだ。
その時になってやっとイザベラは自分の手が震えていることを理解した。
「ハ…あたしは虫けらすら殺せない臆病者ってわけか……救いようが無いね…。」
自嘲しながらイザベラが力なく言葉を漏らす。
「それは臆病なんじゃない。君は自分の心を守ったんだ。それだけだ。」
さりげなく自分の分の紅茶を注いだ耕介は普段飲んでいる紅茶よりも相当上質な香りを感じつつ口をつける。
「あんたの言ってることは意味がわからないことばかりだよ…。」
イザベラは俯きながらも上目遣いに耕介を睨みつける。だが、不思議とさっきのような怒りは感じなかった。
わずか、部屋に穏やかな沈黙が降りた。
(いったい…こいつ何者なんだ…?杖を向けられても魔法を受けても平然として…ただの狂人かと思ったけど…。)
沈黙のまま、お互いに少しずつ紅茶を飲む。カップがソーサーと触れ合う音だけが時間が動いていることを示していた。
「さて、落ち着いたみたいだし、これからのことを話さないか?」
イザベラが紅茶を飲み干したタイミングを見計らって耕介が言葉を紡ぐ。
「これから…?」
すっかり毒気を抜かれたイザベラには本気で耕介の言葉の意味がなんのことなのかわからなかった。
わずかに首をかしげ、瞬きをするイザベラを愛らしく思いながら耕介は苦笑とともに補足する。
「これからどうするか、だよ。
俺はなんとかして元の世界に戻りたい。君がわからないなら、自分なりに調べてみたいんだ。
でも、君は使い魔がいないと困るようだし、どうだろう、俺は元の世界に帰る手段を見つけるまで、君の使い魔をする。
君は見返りに俺の調べものを手伝ってほしい。いや、自由に動くことを容認してくれるだけでもいい。
俺は寮の管理人をしていたから家事全般はできるし料理にはちょっと自信がある。
秘薬の材料の採集は無理だけどある程度なら戦闘もできる…と思う。何を相手取るかにもよるけど。
だから、取引といかないか?」
「…取引…?」

354 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:04:58 ID:pVDpKwi8
耕介の言葉を数秒、ぽかんとして聞いていたイザベラだったが、まだ頭が再起動していないらしい。
呆けたような表情で小首をかしげたまま耕介の言葉を鸚鵡返しにするその様は、年相応の愛らしい少女でしかない。
けばけばしい印象を与える豪奢な青いドレス姿も、今ばかりは丈の合わない服を着た純朴な少女のような印象に変化し、愛らしさを助長していた。
元々イザベラは美少女に分類される整った顔立ちをしているのだ。
それが普段の傍若無人ぶりと気品のなさによっていやらしい印象を与えるだけで、素直になれば彼女は十二分に魅力的な少女であった。
イザベラの愛らしさに優しい笑みを浮かべながら、耕介が言葉をつなぐ。
「ああ、取引だ。なんなら試してくれてもいい。イザベラが納得する方法でね。」
そこでやっとイザベラが再起動を果たした。
言葉の意味を租借していたイザベラの口元に徐々に意地悪な笑みが浮かんでくる。
「へぇ…ただの平民が王女であるあたしと取引ってわけかい。面白いじゃないか…いいよ、試してやろうじゃないか。」
「じゃぁ、仮契約ってことで。よろしくな、イザベラ。」
耕介はイザベラがもう自分を殺そうなどと考えていないことを感じ取り、笑顔を浮かべる。
イザベラは耕介の笑顔に若干気恥ずかしさを感じつつ、そっぽを向いて宣言した。
「ふん、よろしくなんてしないよ!あんたが根を上げるような試練を課してやるよ!」
「ハハ、お手柔らかに頼むよ。」
先ほどの素直なイザベラを惜しみつつ耕介は苦笑していたが…完全に気を抜いていたのが仇になった。
「耕介様ぁ!!」
「うわ、御架月!?」
そう、この部屋には3人目がいたのだ。耕介たちに救われ、今は耕介の愛剣となっている霊剣・御架月その人である。
「さすがです、耕介様!!やっぱり耕介様は僕の最高の主様です!!」
「いて、痛い!!傷口を触らないでくれぇ!!」
抱きついた御架月の手がものの見事に耕介の肩の傷口に触れ、さすがにやせ我慢の限界を突破する。
「あ、あぁ、ごめんなさい耕介様!」
御架月が慌てふためきながら耕介から離れるが、一度我慢の限界を突破した痛みは上限知らずに増していく。
「あ、忘れてた…というかあんた今まで平気な顔してたろ!」
イザベラは自分がつけた傷をようやく思い出し、あわてて杖を持って駆け寄る。
左肩からは未だに血が流れており、何故気づかなかったのかイザベラ自身も疑問に思うほどだ。
「ち、仕方ない、このあたしが<<ヒーリング>>をかけてやるんだ、感謝しな!」
「イツツ…ひーりんぐ…治癒?傷を治す魔法か、本当に便利だな…。」
肩から放射状に広がる激痛に顔をしかめながら、魔法の便利さと不条理さについて呆れながら治癒を待つ。
「くぅ…全然治らないんだけど…。」
だが、ヒーリングはいっこうに始まらなかった。
「あ、あれ…?呪文間違えた…?いやそんなはずは…!」
イザベラは焦りながら何度も呪文を唱えるがやはり魔法が発動する様子は無い。
事ここに至って、イザベラはようやく気づいた。
「あ…!せ、精神力が尽きたんだ…!」
そう、ドットクラスな上に才能に乏しいイザベラは精神力のキャパシティが少なく、先ほどの水弾4発で底をついてしまっていたのだ。
「う…あう…そ、そうだ、水のメイジを呼ばないと…!」
羞恥と不甲斐なさにイザベラの顔が一瞬で真っ赤に染めあがる。
狼狽しながらも人を呼ぼうと左右を見回すが、誰もいないことに気づいてさらに焦燥感がつのる。
この部屋にはイザベラたち3人しかいないことすら頭から吹っ飛んでしまっていたらしい。
その様におかしさを感じながらも耕介はイザベラに声をかける。
「いや、大丈夫だ。秘密兵器があるんだよ。」
「へ…?」
耕介の言葉の意味が理解できず、イザベラは頬を紅潮させたまま小首をかしげる。
「御架月、治癒を頼む。いい加減ちょっと痛みで意識がやばいんだ。」
「え、あ…そ、そうだ、今すぐ癒します、耕介様!!」
イザベラと一緒になって慌てていた御架月が耕介の言葉にハッと我に返って、両手に霊力を集めて耕介の傷口に流し込んでいく。
白い燐光の舞う神秘的な光景にイザベラは羞恥も忘れて見入ってしまう。
魔法という神秘に普段から触れているイザベラであっても、こんな光は見たことがなかった。
「ふぅ、楽になってきた…。御架月、薫や十六夜さんも言ってることだけど、もう少し冷静になろうな?」
「は、はい、本当にごめんなさい、耕介様…。」

355 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:05:52 ID:pVDpKwi8
自分のできることすら焦って忘れてしまっていたことに恥じ入り、御架月は泣きそうな声を出す。
「ありがとな、御架月。お前にはいつも助けられてるよ。」
耕介は穏やかな表情で半泣きになっている御架月の頭を撫でてやる。
沈んでいた御架月の表情が照れくさそうなものに変わるが、抵抗する素振りはない。
「あ…」
その時、傍らからその光景を見ていたイザベラの脳裏に去来するものがあった。
まだイザベラが物心ついたくらいの年頃の光景だ。
魔法が巧くできないと火が着いたように泣く自分と、その自分を包み込むように優しく頭を撫でてくれる優しい人。
(あれは…母様……?)
遠いあの日には確かにあった優しさと安らぎ…だが、今はもう亡いもの。
それを思い出したイザベラは、我知らず呟いていた。
「あ、あたし…にも…」
それは口に出したイザベラ自身、自分の喉が紡ぎだしたものとは思えないほどか細く不安げな声だった。
自分の言動が信じられず頭が真っ白になっていたイザベラは耕介の行動に全く気づかなかった。
「イザベラも、治そうとしてくれてありがとうな。」
優しい声とともに耕介の手がごく自然にイザベラの頭に置かれ、撫でられる。
普通なら怒り狂ったイザベラの制裁が始まるところであるが…普段からは考えられないことに、彼女は全く抵抗しなかった。
それどころか心から安堵したような恥ずかしげな微笑を浮かべ、両手を組み合わせてもじもじさせながら撫でられるに任せる。
正直な話、この姿を普段のイザベラを知る者が見たら、風のスクウェアスペル<<フェイスチェンジ>>を疑われただろう。
その穏やかな時間はしばらく続き…そして唐突にイザベラは我に返った。
「あ…?え、あ、う、うぁああああああ!!」
耳まで真っ赤にしながらイザベラは意味のなさない叫びをあげながら両手を滅茶苦茶に振り回して耕介の手を振り払うと一気に飛びのいた。
その拍子に足を滑らせ、転びかけるが咄嗟にそばにあった棚に手をついて難を逃れる。
だが、その衝撃でメイドたちを呼ぶベルが床に落下し派手な音をたてる。
「お、お呼びでございますか、イザベラ様!」
1分も待たずに部屋に飛び込んできた3人のメイドが目撃したのは…顔を真っ赤に染めながら右手を棚につき、左手で顔や頭を撫で回してなにやらうめいているイザベラと、見たこともない二人の男がイザベラに駆け寄ろうとする姿であった。
有体に言って、天変地異の前触れと思っても仕方のない情景であった。
しばらく思考がフリーズしていた3人のメイドは我に返ると…悲鳴を上げた。
「キャーーーー!!イザベラ様に手をかけようとする侵入者よーーー!!」
「うわ、ちょっと待って、俺たちは怪しいものじゃ…」
誤解を解こうとする耕介であったが、哀しいかな、そんなセリフが信じてもらえるわけもないのである。
あっという間に部屋には兵士やメイジが詰めかけ、耕介の目前には槍や杖が博覧会を開けそうなほど突きつけられる。
「頼む、頼むから待ってくれぇ、イザベラからも説明してくれ!」
「こ、耕介様、どうしましょう!?」
手を出すわけにもいかない耕介は両手を上げてイザベラに助けを求めるが、さすがに耕介もテンパっていた。
「貴様!イザベラ様を呼び捨てにするとは…!このお方はガリア国の正統なる王位継承者であられるのだぞ!」
そう、イザベラは王女であった。耕介はいまいち実感がわかなかったのと、イザベラの威厳のなさも加わって自然と呼び捨てにしていたが、普通なら死罪モノである。
「怪しい奴め、どこの手の者か、拷問にかけてじっくり吐かせてやる!」
さらに突きつけられる槍と杖によって窓際まで追い詰められ、牢獄いきの瀬戸際に立たされる耕介。
だが、そこに救いの声があがった。
「ま、待ちな!そいつは怪しい奴じゃない、あたしが呼んだんだ!」
オーバーヒートからやっと立ち直ったイザベラである。
「は…?い、イザベラ様のお客人ですか…?しかし、お客人と会われるご予定などありましたか…?」
いぶかしげに問いかける衛兵だったが…仕事熱心であるがゆえに彼は貧乏くじを引くこととなってしまった。
「あたしがそうだと言ってるんだからそうなんだよ!それとも何かい、あたしが誰と会うか、何をするか、全部あんたに言わなきゃならないのかい!?ええ!」
ようやく普段の勢いを取り戻したイザベラが烈火のごとき勢いで衛兵に詰め寄る。
「ほら、わかったらとっとと失せな!暑苦しいんだよ!」
王女の命とあらば兵士たちには是非もない。全員一度敬礼をするとすぐに部屋から出て行き、後に残ったのは再び3人だけになった。
「ふぅ…助かったよ、イザベラ…。」
「耕介様に何事もなくてよかったです…。」

356 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:06:11 ID:YuBt4w4f
支援

357 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:06:14 ID:pVDpKwi8
重圧から開放され、床にへたり込む耕介と安堵のため息をつく御架月。
「アハハハ、なんだいあんたら、さっきの威勢はどうしたんだい!」
その不恰好な有様にイザベラは大笑いするが、それは邪気のない素直な笑い声であった。
素直な笑顔を浮かべるイザベラの様子に耕介と御架月も一緒に笑い出す。
「あーおかしい…さて、なんだか長いこと経っちまったね。あたしは湯浴みして寝ることにするよ。あんたらは部屋を用意させるから、今日はそこで寝な。」
いつの間にやら窓から差し込む光は茜色から月光へと様変わりしていた。
「ああ、わかった。ところで、試練とやらはいいの?」
耕介の言葉にイザベラはきょとんとした表情を浮かべるが、すぐに得心がいったのかポンと手を打つ。
「あぁ、試練か、試練ね…もう今日はいいわ、すぐに思いつかないし。明日には考えとくから、覚悟しておきな!」
ビシ!と耕介を指差し、イザベラは再びベルでメイドを呼び出す。
また1分も経たずに現れたメイドに湯浴みの準備と、部屋を一つ用意するように言いつける。
「ほら、このメイドについていきな。あんまりうろちょろするんじゃないよ!」
「わかってるよ、さっきみたいなことは御免だからな。じゃぁ、おやすみ、イザベラ。」
「ああ…って、いい加減呼び捨てはやめな!仮にもあたしはあんたのご主人様で王女なんだよ!?」
やっと呼び捨てにされていることを意識したイザベラは険しい表情で耕介に食ってかかる。
「あぁそうか…うーん、じゃぁイザベラ様…でいいのか?」
「それでいいんだよ。じゃ、あたしは湯浴みにいくからね。」
イザベラはメイド二人を伴って部屋を出ていく…その間際。
「おやすみ、コースケ、ミカヅキ。」
一瞬だけ振り返ったイザベラはそう言った。
「ああ、おやすみ、イザベラ様。」
「おやすみなさいませ、イザベラ様。」
今日初めてイザベラが自分たちの名前を呼んだことに気づき、二人が弾んだ声で挨拶を返す。
メイド二人がまるで信じられないものを見たような表情で耕介と御架月を見ると、慌ててイザベラを追っていった。
最後に残ったメイドも狐につままれたような顔で二人を見ていたが、ハッと意識を取り戻すと「こ、こちらです、お客様」と部屋を出るように二人を促した。

side:耕介
メイドについて部屋を出た耕介たちは客人用と思われる広めの部屋に通された。
イザベラの部屋ほどではないが、やはり調度品も何もかも豪華である。
「大変なことになってしまいましたね、耕介様…。」
一息ついたことで不安がぶり返してきたのか、御架月が不安げな声を出す。
「そうだなぁ…不思議なことには慣れてるつもりだったけど、さすがに異世界は考えたことなかったしなぁ…。」
ふわふわのベッドに腰掛けながら、耕介も御架月に同意する。
「このまま帰れなかったら…どうしましょう…。」
御架月は自分の言葉に触発されてどんどんと落ち込んでいく。
全く先行きが見えないのだ、仕方のないことであろう。
だがそれでも。
「大丈夫だ、御架月。俺たちは一人じゃないんだ。何か方法があるはずだ。」
耕介は力強く言い切った。
「耕介様…そうですね!頑張りましょう!」
御架月を救った時と同じ、耕介の希望を持った言葉に、御架月は嬉しげに同意する。
「でも耕介様…イザベラ様は僕たちのこと認めてくださるでしょうか…。」
再び不安げな声になった御架月が呟くように問いかける。
そしてやはり耕介は
「それも大丈夫だ。イザベラともうまくやっていけるさ。」
確信を持って言い切る。
「それに俺は初めてじゃないんだ。」
「初めてじゃ…ない?」
耕介の言葉の意味がわからず、御架月が問い返すと、耕介は笑顔を浮かべながらその答えを返す。
「多分、イザベラは昔の美緒やリスティと同じなんだ。だから俺はあいつらの時と同じようにするだけだ。」
「美緒様やリスティ様と同じ…。」
「ああ。子どものわがままを聞くのは、大人の役割だからな。」
そう言い切る耕介の表情に不安は見当たらなかった。

side:イザベラ
湯浴みを終え、部屋に戻って布団に包まり妙に暖かな気持ちのまま眠ろうとして…イザベラははたと気づいた。
「あれ…あたし…あいつらの前で凄い醜態ばっかり…見せてなかった…?」
風呂上りで火照っていた顔から一気に血の気が引き青くなって、再び羞恥により先ほどよりもさらに赤くなる。
「うぁ…うあぁぁぁ…このイザベラ様ともあろうものが…うああああああ…!」
掛け布団に包まりながらベッド上を転げ回るイザベラの奇行は、惜しくも誰にも気づかれることはなかった。

358 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:08:24 ID:pVDpKwi8
以上で投下終了です。
先ほど書き忘れていましたが、18禁作品からの召喚ですがその手の展開はありません。
また、この耕介は基本的に「愛さんとくっついてないラブちゃ箱の耕介」ですので、御架月君も一緒に来てもらっています。
支援ありがとうございました!

359 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:12:50 ID:YuBt4w4f
>>358
乙ですた!まだ全ては読み終わってないですがこれからゆっくり見ることにするよ。
ただ個人的には改行はもう少し多くした方が良いと思う。

360 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:13:57 ID:TT7fgpbF
乙です。なつかしいなあ、ラブチャって。
面白かったのですが、一つだけ。
sideって表記なくてもこの文では十分分かるので、いらないかと。

PS あの剣の条件色々、忘れてしまってるなあ
   えちぃこともできるくせに壁は通り抜けたりするのは覚えてるのだが……無機物が触るのが無理だったかな?

361 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:14:07 ID:lMXHlsMa


362 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:16:50 ID:6vhDjrKr
耕介と十六夜の召喚SSは、断片だけ考えて居たんだけど
自分には、文として繋げられなかったので、超期待して読ませていただきました。
これからも支援します。

363 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:20:57 ID:6vhDjrKr
読む前にはやまって書き込んだ、霊剣で勘違い、すみませんでした。

364 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:30:52 ID:LbvwZEDx
>>358
乙です。
そういえば、十六夜さんの本名も“イザベラ”でしたっけね。

しかし、とらハ2と言えば、初期バージョンの“生首事件”や“分身事件”が忘れられないw

>>360
ひっくり返った鍋の中身から相手を庇えるので、その辺はある程度融通が利くじゃなかったかと。

分かっていても、焚き火の中に手突っ込んで芋の焼け具合を確認したのには吹いたけど<十六夜さん。

365 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:33:58 ID:+KPuKZbq
>>341>>342
私は未完で逃亡はクズ以下と思いますがね
このまま放置してごみが増え続けることは誰も望んでいることではないでしょう?
ゴミがこれから増え続けるのは間違いないので予防策として321他にも有効打があるならどんどんは取り入れるべき。

あとプロットもですがテーマが全然見えてこないSSが多いですね。
冗長に垂れ流すだけで読み続けるにかなり労力をつかいます。
私は紳士なので具体的な作品名は言いませんがね。

366 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:39:58 ID:TT7fgpbF
>>364
ああ、そんな状況もありましたね、サンクスです
私も吹きました<焚き火

367 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:40:25 ID:U/1RjV7E
おーけー、まずは落ち着いて荒れるような話題はやめようか。
これ以上は運営議論スレなり毒吐きスレなりでやってくれ

368 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:40:40 ID:rc0yhF5X
>>290
彼らは頭よすぎてな・・・


369 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:41:02 ID:sPbz4a5k
>>358
なかなか面白い作品でした。
続き期待ですぜ

370 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:41:33 ID:l8mbfmxB
そんなことより、俺が、ブラストハンドだ!

371 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:41:57 ID:JQ96OpoG
>>365
紳士を自称するのなら、もうちょっと気の利いた言い回しを覚えるべき。
直接的にあげつらうのは下品ですよ。

現状を憂いているのなら、それをオブラートに包み、皮肉を織り交ぜて語るべきでしょう。

372 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 18:42:57 ID:pVDpKwi8
>>359 ご指摘ありがとうございます、もう少し改行して読み易くなるようにします。

>>360
了解です、わかりやすくなるかなと思ってつけましたが、必要ないに越したことはないので削っておきます。
壁抜けは霊体の密度を自分で操作して通り抜けてるんだと自己解釈してますw

>>363 ありがとうございます、完走できるように頑張ります!

>>364
バグの多さが凄かったですねw
まぁ自分はその前にライアーソフトのキャノンボールのインストールバグに出くわしていたのでまだマシかなとか思ってましたがw

373 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:43:06 ID:DbedptKt
妾もブラストハンドじゃ!

374 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:45:50 ID:lMXHlsMa
>>368
現代知識を使ってハルゲキニア土人相手に推理合戦するなら楽勝じゃね?

375 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 18:59:03 ID:eXkb9zL3
そーいや、十六夜の本名、イザベラだっけ…伏線?

376 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:11:41 ID:2VpEy3O+
あの・・・
イザベラ様がベッドではなく布団にって・・・(汗)
毛布の間違いですよね?(汗)

377 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:14:54 ID:uXbXeGCv
>>371
どうやら>>365はスノッブのようね
おとボクAA(ry

378 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:15:10 ID:oqfJGkfU
もう本編のルイズは大分デレに近づいてるから
イザベラにはすごく期待してるんです

掛け布団だからシーツに勝手に脳内変換された

379 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:17:48 ID:PStIU3HP
ルイズもテファも『布団』かぶって寝てるからな
イザベラ様も布団で寝てんじゃねーの?

380 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/24(日) 19:25:47 ID:pVDpKwi8
>>369 ありがとうございます、期待に沿えるよう頑張ります

>>376 ルイズが布団かぶってる描写があったと思うのでこうしたのですが、記憶違いやもなのでちょっと原作で確認してきます。

それではトリ外して潜ります、書き溜めたら再び投下しにきます!

381 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:45:58 ID:kMyRpMT7
コンボイ司令をだな

382 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:52:29 ID:ANwBVqEW
>>381
「待て、私にいい考えが「あんたのいい考えは大抵よくない方向にいくんだからダメ」
こうですかわかりません

383 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:52:59 ID:eXkb9zL3
いや破壊大帝メガトロン様を召喚してインテリジェンス・ガンものを…

384 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 19:54:56 ID:LbvwZEDx
>>381
アニメイテッド世界からの場合、コッパゲが生首状態のメガ様拾ってそうだ。

385 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:00:48 ID:DQTLdxyb
さざなみの人乙ー。

>>373
ルイズが約束の王だと申したか。

386 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:01:53 ID:1YWaVF5g
なんか住人層が被ってそうだw

387 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:04:04 ID:Y/94w8xv
コンボイ司令が「私にいい考えがある」しか言わないボンクラだと思ってる奴手を上げろ。
「大丈夫だと言ってるだろうがァ!」とか「もういい!もうたくさんだ!ダイノボットを破壊する!」とか名言がいっぱいあるんだぞ。

破壊大帝率いるデストロン軍団は問答無用で踏み潰しそうだから無理だな。
劇中の扱いをみるに人間は虫けら扱い。サイバトロンにも「なぜ我々がこんな下等生物を守らなきゃいけないんだ」という奴が出てきたけどさ。
だがカセットロン部隊なら何とかなるかもしれん。コンドル、ジャガー、フレンジーとランブルは小さいから。

要するにやめてくれもうたくさんだ。

388 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:06:14 ID:KzKAR9LI
嘘喰いから夜行妃古壱立会人を召喚。
使い魔とか面白がって少しはつき合ってくれそう。
ただ、素手で戦うのが信条の人だからデルフは確実に涙目。

389 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:08:05 ID:eXkb9zL3
オレ、グリムロック

390 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:09:48 ID:aIrafYwR
>>387
「私のバナナを食べた人は正直に手を挙げなさい。正直に言えば私は怒らない。……誰も挙げない
……先生怒るぞ?!本気と書いてマジで怒るぞ!いいのか!!」
何故このセリフがない!?

391 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:12:45 ID:iPd4RKmI
>>387
そもそも「私にいい考えがある」が言う事自体がそんなに無いし言ってもむしろ成功する時のほうが多い。


392 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:16:00 ID:LbvwZEDx
取り敢えず、G1ものだったら、

「今日のトランスフォーマー(orゼロの使い魔)は、ここ、トリステイン魔法学院から始めよう」
とか
「その時である!」
とか
「サウンドウェーブだ!」
とか
「さあ、戦いだ!」
とか
やって欲しいなぁww

393 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:18:20 ID:YuBt4w4f
>>387
俺の中のコンボイは乗っていた宇宙船もろとも爆砕した事しか思い出せない

394 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:21:01 ID:dB1HfheK
>>393
グレートコンボイ(笑)

395 :一発ネタ:2008/02/24(日) 20:23:04 ID:6bgalGM6
 こう、唐突に書きたくなったので。
 
 成功した、という確信があった。
 魔方陣の活性化、魔力の流れ、すべてが上手くいった。
 ただひとつ。

「おや、ここは何処だトカ?」
「ゲー」

 二本足で歩行する、トカゲなどといったものが召喚された事以外は。

『世界観の違う二人が召喚されました』

「なんと、異世界に召喚されたトカ!?」
「ゲー」
「…………」
「…………」
「よくぞ聞いてくれましたっ!」
「何をっ!?」
「みんなのアイドル、心の支え! ココロ優しき科学の子、トカ博士と相棒のゲー君!」
「げっげー」
「…………」


「おや、どうされたのですかな。受け止めがたいまでの熱視線で。所詮、体はひとつですぞ?」
「ゲー」
「……ふん、まあいい。僕は、『青銅』のギーシュだ。二人の――」
「わ〜〜おッ! やる気ですな、お坊ちゃん!
 けれど学校で教えてくれないことが満載の我らに勝てる義理はあるトカないトカ!」
「聞けよ! 人の話!」


「ゴーレムとはおでれーた!(パクリ)
 土くれのフーケというのもなかなかの科学者とお見受けした!
 しかし、吾輩のブルコギドンさえあれば一秒で再生工場行き確定トカ!
 さあ、みんなで呼ぼう、でっかい味方!
 ブールーコーギードーンッ!!」
「…………」
「…………」
「何も起きないじゃない」
「しまった! ブルコギドンはワックス塗りの途中だったトカ!」


「ほうほう。アルビオンに行きたいと申すか小娘。
 ならば、こんなこともあろうかと昨日夜なべして作った再生改造ロンパルディアが役に立つトカ!」
「げー」
「ねえ、トカ。再生改造って所に不安を感じるの。もの凄く」
「大丈夫ですお譲さん! 落ちても下は海トカ!」
「やっぱ壊れるんじゃないの!」


「猛悪と脅威に彩られた破壊の象徴にして悩ましポーズのブルコギドンッ!
 正義と勇気を教えてくれる、ブルコギドン!
 今、世界のために汚名挽回トカ!」


 ……ごめんなさい。世界観が違いすぎました。

396 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:28:18 ID:lqiqfLET
>>395
げっげげげっげ、げげげげっげ、げっげ、げー。

397 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:30:50 ID:LbvwZEDx
>>395
「ゲーッゲーゲー、ゲーゲーゲーゲ、ゲゲーゲゲ、ゲーゲゲ、ゲッゲーゲ、ゲゲゲ」
「…………『GJ』と言っております」
「短ッ!」

398 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:36:02 ID:z0WFq+Zb
ワロタGJ!

出典はワイルドアームズ2より、トカとゲー。

399 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:37:03 ID:DQTLdxyb
まさか挑戦する男が居るとは……乙と言わせて頂こう!
実際あのノリ再現するの難しいよね。

400 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:52:22 ID:8L+M8Yd4
>>390
いや、それはBWコンボイだから。

401 :つかいま:2008/02/24(日) 20:56:30 ID:MJKsXXEh
乙あるよー。さてみなさん、第十三話できたね。
投下よろしあるかー?

402 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:58:02 ID:lMXHlsMa
支援

403 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:59:59 ID:LOshgVaV
支援

404 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 20:59:58 ID:U3MJEBOo
らんま支援

405 :つかいま1/2 第十三話 港町ラ・ロシェール 1/6:2008/02/24(日) 21:01:21 ID:MJKsXXEh
よろし、投下開始っ。


貴族議会《レコン・キスタ》による反乱に揺れる、天空の王国アルビオン。
ルイズたちがアンリエッタ王女から授かった任務は、国王ジェームズ1世・皇太子ウェールズら《王党派》を、
どうにかしてトリステインに亡命させる事である。そのために、空港の町ラ・ロシェールへまず向かうのだが……。

「でも、戦時中の国にトリステインの貴族が入国していいものかしら?」
「なあに、戦時中でも物資の行き交いはあるようだし、僕がついていれば大丈夫さ。
 婚前旅行の舞台としては、少々血なまぐさいかもね。僕のルイズ」
「こっ、婚前旅行だなんて、そんなまだ早いわ」
「年はちょっと離れてはいるが、僕ときみは許婚同士じゃないか!」

ワルドは、グリフォンにルイズとらんまを乗せ、両手に花状態であった。
シリアスなときは決めるものの、普段は結構女好きの俗物らしい。

「……けっ、ギーシュといいおめーといい、トリステインの貴族はこんなのばっかりかよ。
 ちゃんと前を見てグリフォンを運転しやがれ」
「いやいや、こーしていれば、僕らが密命を受けて動いているとは思われないんじゃないか?
 あるいは僕が《レコン・キスタ》に潜入して、内側から奴らを探り、
 きみたちを密かにニューカッスルに送り込むという策も、ないではないし……」

トリステイン魔法学院からラ・ロシェールまでは、早馬でも二日かかる。
だが、このグリフォンならその倍以上の速度で行ける。今夜には着くだろう。
アルビオン行きのフネ……飛行船が出港するのは、三日後の朝なのだが。

「っつっても、《王党派》はまだ何百人か残ってんだろ? 王様と皇太子はもちろんだけど、
 そいつらも敵の包囲から脱出させねーとなー」
「捲土重来・王政復古のためにも、《王党派》の人員はなるべく救出したいのはやまやまだが、
 ニューカッスルは十重二十重に包囲されているらしい。いくらかの犠牲はやむを得まいな……」

先を急ぎながら策を練る一行。時刻は日没、断崖に挟まれた街道を抜ければ、もうじきラ・ロシェールの町だ。
しかし突如、その前の地面に火矢が射込まれる。
そして夕闇の中、それを目印として何十もの矢が降り注いだ!

406 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:01:27 ID:lMXHlsMa
支援

407 :つかいま1/2 第十三話 港町ラ・ロシェール 2/6:2008/02/24(日) 21:03:21 ID:MJKsXXEh
「きゃあっ! き、奇襲よ!!」
「くそっ、盗賊か!? 『エア・シールド』!!」

ワルドの魔法でぶわっと風の盾が作られ、矢の雨を逸らす。
敵は崖の上にいるようだ。ワルドは風の盾を周囲に纏ったままグリフォンを急上昇させ、敵を見下ろす。
「グリフォンに乗るほどの貴族を襲うとは、命知らずな奴らだな!
 しからば道掃除をしてやろう、『ウィンド・ブレイク』!!」

敵の集団に竜巻を叩き込み、混乱したところへグリフォンを急降下させ、一気になぎ倒していく。
らんまもデルフを抜き払い、すれ違い様に峰打ちで盗賊どもをぶちのめす。
ルイズはワルドにしがみついているが……。

「ほらルイズ、あいつらの足元の地面に『錬金』をかけてみろ!」
「え、でも私は」
「いいから、こーいうときには役に立つって!」
ルイズが言われるままに『錬金』をかけると、地面は爆発して盗賊どもを吹き飛ばし、敵は崖下へコロコロと落ちていく。
「へへっ、お見事。与えられた才能は活用しなきゃーな、ご主人様」
「……あんまり、嬉しくない……」

ものの10分ほどで、盗賊は蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。

「ふん、歯ごたえのない連中だ。メイジもいなかったし、ただの食い詰め者どもかな」
「アルビオンには、こういう連中がうようよしているんでしょうね。傭兵だの蛮族だの、亜人だのが……」
「……いや、新手みてーだぜ。気をつけろ」

らんまはかすかな羽ばたきの音を聞きつけ、その方向へちゃきっとデルフを構えた。
ワルドとルイズも警戒する。だが、その背後の地面がもここっと盛り上がった!
がしっとらんまの背後に、何者かが組み付く!

「「!! しまっ……」」

だが、そいつの正体は。
「ああっ、『おさげの女』ミス・ランマよ!! かわいいぞおぉぉぉぉぉ!!」(すりすりすりすり)
「どわああああ、ギーシュ!? てってめーは、いきなり湧いて出るんじゃねえーーーっっ!!」(どかっ)
「って、何でギーシュが!? あ、ヴェルダンデも」

408 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:03:45 ID:lMXHlsMa
支援

409 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:04:27 ID:LOshgVaV
支援

410 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:04:43 ID:Op3nuT1d
支援

>>391
仲間に対する処置に関してならな。
作戦立案については……。

気になったのでwikiを覗いてみたんだが、
『コンボイ=よく落ちる』はオープニングが原因だと初めて知った。

411 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:05:12 ID:lMXHlsMa
支援

412 :つかいま1/2 第十三話 港町ラ・ロシェール 3/6:2008/02/24(日) 21:06:06 ID:MJKsXXEh
ばっさばっさと舞い降りてきたのは、タバサの使い魔の風竜・シルフィードだ。
「やっほー、ルイズにランマちゃーん、お元気? 私たちにナイショでお出かけなんて、水臭いわよ」
「キュルケにタバサ、何でここまで!?」
「貴女たちが心配なのと、そこのイケメンが気になってね。よろしく、ワルド子爵」

どうやら、ギーシュの使い魔ヴェルダンデの鼻で、ルイズの持つ『水のルビー』を嗅ぎつけたらしい。
理由はともあれ、強力な仲間だ。一行は合流して、ラ・ロシェールの町に入る。

山あいの町ラ・ロシェールは、かつてスクウェア・クラスのメイジが岩山を切り拓いて作ったという。
人口は多くないのだが、各地から集まる旅人でいつも賑わっている。
フネの発着場は岩山の上に聳え立つ『世界樹(イグドラシル)桟橋』である。
ワルドとルイズはフネの予約をし、一番上等な宿『女神の杵』亭で部屋を取る。

「じゃあ、私とランマ、キュルケとタバサ、ワルドとギーシュの部屋割りでいい?」
「おおルイズ、なぜ僕ときみが別々の部屋なんだい?」
「あのねワルド、自重してよ。わ、私たちはまだ、そんなのじゃないんだから」
ルイズが頬を染め、らんまやキュルケはニヤニヤする。

「んじゃワルド、このブタとこいつの荷物を預かっといてくれ。傷はほとんど治ってるみてえだぜ。
 お湯かけたら全裸のバンダナ男になるから気をつけろよ。水をかければブタに『戻る』から」
「ああ、分かったよミス・ランマ。僕のルイズの護衛、よろしく頼む」
ワルドはらんまに殴られて気絶したままのギーシュを引きずり、部屋に入っていった。

ルイズとらんまも、部屋に入って荷物の整理をする。
それから風呂を浴びて汗を流し、夜の食事をしてから就寝となる。
「ふーっ、やれやれ。まぁ二日ばかり休んで、英気を養おうぜ。ここんとこ事件続きだもんなあ。
 んじゃ、おやすみルイズ」
「おやすみ、ランマ。……ワルドとは、本当にまだそんなのじゃないんだからね」
「わあってるって、俺は別にヤキモチなんて妬かねーよ。
 それに惚れられても困るぜ、元の世界に帰らなきゃならねえんだしさ。へへっ」

「……ふんだ、ランマのバカ」
らんまの答えに、ルイズは不満げであった。少しはヤキモチを妬いて欲しいらしい。

413 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:06:16 ID:LOshgVaV
しえん

414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:06:50 ID:lMXHlsMa
支援

415 :つかいま1/2 第十三話 港町ラ・ロシェール 4/6:2008/02/24(日) 21:08:13 ID:MJKsXXEh
翌朝、朝食後。
ワルドはこのところ魔法をたくさん使ったので、魔力を溜めると称して部屋でゴロゴロしている。
ギーシュは同室のワルドとチェスをしているらしい。なんかじじむさい。
残る四人娘は、一階の食堂のテーブルでだべっている。タバサは本を読むばかりだが。

「……アルビオンへ行くったって、戦場でしょ? 大丈夫なの?
「まあ、ワルドが何か用があるってことでな。詳しい事情は聞かないでくれ」
「はいはい、大体の事情は推理できるし、私も言わないでおくわ。危険な物見遊山もいいか。
 でも今度の内乱だって、『博打王』ことジェームズ1世の失政によるものじゃない。
 プリンス・オブ・ウェールズは有名だけど、彼一人で《レコン・キスタ》は止められないわよ。
 各国も見放しちゃっている状況だもんねえ」

「……『博打王』って、聞くからにろくでもなさそうな響きだなー……」
「一応、トリステインの先王陛下の兄君でもいらっしゃるんだけど……」

と、二階の部屋でどたばたと暴れる音がする。ワルドの部屋のあたりだ。
 「てっ、てめーっ、ここはどこだここはっ!
  いきなりあんな電撃食らわせやがって、死ぬかと思ったじゃねえか!!」
 「いやいや、すまなかったねリョーガくん。まあこのとおり謝罪するから、服を着てくれないか」

「ん? あの声は。」
「良牙とワルドじゃねーか、ブタにお茶でも零しちまったか? まぁ、気がついてよかったぜ」
らんまたちは食堂を出て、良牙の様子を見に階段を上がった。

「……で? ここはラ・ロシェールって港町で、これから浮遊大陸のアルビオンへ向かうだと?」
「ああ、そうさ。きみはミス・ランマの友人だろう、協力してくれると嬉しいんだが」
「友人じゃねぇよ。あいつは……乱馬は俺のライバルだ!
 あいつのお蔭で、俺がどれだけ不幸な目に遭ったか……くっ」
ワルドとギーシュの前で、拳を握り締める良牙。そこへ、噂のらんまが現れる。

「よー、良牙。すっかり治ったみてえだな、よかったよかった」
ぎん、と良牙はらんまを睨む。
「てめー乱馬! こないだお前があかねさんの悪口を吐いたから、俺があんな目に遭ったんじゃねーか!!
 今ここであの暴言を取り消せ、でないと俺の気が晴れん! そしたら協力してやってもいいぜ」

416 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:08:23 ID:lMXHlsMa
支援

417 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:09:51 ID:LOshgVaV
豚支援

418 :つかいま1/2 第十三話 港町ラ・ロシェール 5/6:2008/02/24(日) 21:10:47 ID:MJKsXXEh
まあ確かに、事件の発端は自分の暴言だ。らんまは渋々、良牙の要求を承諾した。
「……わあーーったよ、取り消すって。あかね、ごめんなー」
「ふん、よかろう。どーせ俺もお前も、地球に帰らねばならん身だしな。ここは協力してやるぜ」

しかし、ルイズは首を傾げる。
「ねぇ、アカネって、あんたの許婚の『男』よね。乱暴者でカナヅチとかなんとか。
 リョーガの恩師かなんかなの? 悪口言われてそんなに怒るなんて」
「何だと、あかねさんは「わー待て待て良牙、おめーが喋るとややこしくなるっ。
 ほら、ブタに『戻って』ろよっ」(ばっしゃ)

そんなこんなで、割と平和な一行であった。

さて一方、目指すアルビオンのニューカッスル城では。

「議長閣下、もうすぐ『スヴェルの夜』。明日の夜にはラ・ロシェールから物資が届きます。
 ニューカッスルももう一押しというところですな」
「うむ、ボーウッド卿。そして《王党派》を潰せば、次は小国トリステインを狙う。
 そこを足がかりとしてハルケギニアを統一し、《聖地》を奪回するとしよう」

この議長閣下と呼ばれた男こそ、《レコン・キスタ》の首領オリヴァー・クロムウェル。
三十過ぎの痩せぎすの男で、もとはただの地方司教、しかも平民出身者に過ぎない。
だが今や、彼はアルビオンのほぼ全土を掌握し、さらにはハルケギニアの統一すら画策していた。

「ふん、しかし《人魚の肉》は危険性が大きすぎるか。やはり、この《アンドバリの指輪》が一番だな。
 見ていろよ、私を侮った王族も貴族も平民も、ことごとく私の膝下に這い蹲らせてやる」

いかにも悪そうに笑うクロムウェル。その指にあるのは、水の精霊の力が凝縮された秘宝だ。
トリステイン王国のラグドリアン湖から二年半ほど前に盗み出され、クロムウェルの革命戦争で活躍してきた。
その力は『死者に仮初の命を与え、操る』というものなのだ。
ちなみに《人魚の肉》を用いても死者を復活させる事はできるが、魂のない悪鬼になり、人肉を食ったりする。
その点《アンドバリの指輪》ならば、死者とは思えないように動き、思い通りに操れるのである。

「そしてもうひとつ……アルビオンに隠された『始祖の秘宝』。
 それは選ばれた者から、伝説の『虚無』の力を引き出すというが……」

419 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:11:11 ID:lMXHlsMa
支援

420 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:12:09 ID:lMXHlsMa
支援

421 :つかいま1/2 第十三話 港町ラ・ロシェール 6/6:2008/02/24(日) 21:13:18 ID:MJKsXXEh
その頃、地球の日本国東京都練馬区、天道道場では。

「うーむ、なかなか見つからんなあ、手がかりは……」
天道一家と早乙女夫妻、それにコロン・シャンプー・右京・小太刀らは茶の間に集まり、八宝斎の蔵書を引っ張り出して、
早乙女乱馬を異世界に引きずり込んだと推測される『銀色の鏡』についての記述を捜していた。
しかし、もう何日間も捜しているのに、それらしいものは見当たらないのだ。天道なびきはうんざりして諦めた。

「あーもう、本当に乱馬くん、『銀色の鏡』ってのに入ったわけ? 何も状況証拠がないでしょーが。
 普通に寝ている時に賊が忍び込んで、熟睡する女の子・らんまちゃんを連れ去ったんじゃないの?」
「でも、足跡も気配も全く残ってなかったのは確かね! 窓には鍵かかってたあるよ!」
「然様、いかにわしでも、隣で寝ている我が息子(女体化)が攫われて、気付かないなどとゆーことが……」
「あるじゃないの、今こーしてっ」

はー、と皆は溜息をつく。乱馬(と良牙とPちゃん)が帰ってこない日常は、なかなか寂しいものであった。
「……それにしても、もう失踪から20日を過ぎちゃったわねえ」
「むー、八宝斎のじじいまでいつの間にかおらへんし、こんなんうちには解読でけんわぁ。
 何やねんこのミミズがのたくったよーな字ぃは」
「それ、おじいちゃんの直筆ね。まぁおじいちゃん自身も自分の字が読めないぐらいだし、右京には無理よ」

そこへ、ひょーいと小さな老人・八宝斎が帰ってくる。
「たっだいまーっと。おお皆、わしの秘蔵コレクションを勝手に広げて、なーにしとるんじゃー?」
「「お。お師匠さま、お帰りなさいませっ」」
「あらおじいさん、お帰りなさい。どちらまでお出かけでしたの?」
二人の弟子、早雲と玄馬は平伏するが、天道かすみは全く動じない。八宝斎も素直に答える。

「んー、よぉ分からんが、銀色の鏡っぽいものに飲み込まれてのー、どこぞの村に迷い込んでおったんじゃ。
 ああ、あれは実に筆舌に尽くしがたい体験じゃった……!」

意外すぎる発言に、皆が色めき立つ。
「『銀色の鏡』!? そ、それよおじいちゃん!! 何があったの、詳しく聞かせて!」
「うむ。……あれはもう、《胸》だの《ちち》だのとゆう言葉では言い表せん。
 そう、いわば革命。《胸革命(バスト・レヴォリューション)》と言うべきじゃろう。
 あの大きさ、柔らかさ。それに反して持主の華奢、清楚にして可憐なことといったら……」

「……いやあの、本気で何やっておられたんですか、お師匠さま」
天道早雲は、つっこまずにはいられなかった。

(続く)

422 :つかいま:2008/02/24(日) 21:15:41 ID:MJKsXXEh
投下終了、支援謝謝ね。
いよいよ舞台はアルビオンへ、ハッピーが目撃した謎の《胸革命》とは、何者か?
では、再見!

423 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:18:56 ID:ou//nAxC
乙〜!
って、八宝菜何しやってきたw

424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:25:08 ID:Op3nuT1d


エロじじいは惹かれ合う、と言う事だろうか……

425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:25:32 ID:kMyRpMT7
指輪とはまさか四魂の…

426 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 21:47:45 ID:YuBt4w4f


このじじいwwやっぱり八宝斎はある意味でスゴイわwwwwww

427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 22:36:59 ID:EGjvCp4z
テファ逃げてーっwwwww

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 22:50:20 ID:lMXHlsMa
つかいま乙

429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 23:33:32 ID:a5QFsNHK
つかいまさん乙です

そういう私は真・ブラストハンドなり!

430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 23:43:13 ID:U/DCpJUt
>>429
なんでこんなにブラストハンドが大量発生しとるんだ?
爆発か?! ルイズの爆発が原因か?! なのはスレ逝って来い!
ブラストハンドが待っているから!

と、それはさておいて、つかいまさんGJ!

431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 23:45:14 ID:1MS6AeCe
ブラストハンドが何かは知らんが
つかいま 殿乙

432 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 23:46:37 ID:Q32I2uV7
使い魔氏乙。かくいう私はグレートブラストハンドだ!


433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 23:49:46 ID:6etbwEGn
ブラストハンドか。小ネタで本家が来てるけど、真祖召喚なら普通に話しになりそうだ。
人間形態からガルガンチュアレッドドラゴンに変身して、さらに巨大化したり、3つ首竜に
なったり、全身からビーム吐いたり、体から怪しい生物を出したりするから、
これはすごい幻獣だって、ルイズ大喜び。

ネトゲーが無い世界だと発狂して世界を滅ぼそうとするかもしれないけど。

434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/24(日) 23:49:53 ID:U2gWQnvF
つかいま殿のワルドはきれいなワルド?
マルドとか?キャラ的には面倒?
ヨルンムンガルドvs巨大八宝菜とか期待したいっす

435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:00:03 ID:4d9/82Y3
>>431
「女に惚れるだけで金くれる国とか無いかなー」とか言う男の事だ。
あと第三話から主人公を降ろされて、新主人公にヒロインを奪われそうになったりもした。

436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:00:34 ID:kMyRpMT7
キルヒアイスとかどうか?

437 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:03:25 ID:l8mbfmxB
                 _,._---,-― 、_
                ,ィ_ゝ(( r'〃ラミ.、ニ、ヽ、
                  /j,r、=‐`'´'´'"ソ )三=、_ヽ
             ,.ィ,ニ彳´     /,ノ`゛tミニ、` ト,
            // j,イ  、.__   {/_,.. ``ミヌヽ_}
  _ィ=;-t,、      ヽ〉 yヘーtッ-` ≠‐fッ"` 〉'¨Yリ  _人_    あんちゃんが、ブラストハンドだ!
 j、ト,y'`jzj,__    〈'  { 、)__,.〃  ` - ‐´ |‐_ノ/   `Y´
 `t;ヲトャ'‐、_,.>       Y           人リ´  , ,-、
 ュ'(,´_ __, _    ,、_ ゝ._  人  __,., ィ;.从{r-‐'´  ! l
.<_,.ィ }´ {=_`ト{;'/    ゝ._) ,.ノ/≧=ニ´ィソ) 〉j`|l.l」,. = =| 0.i
.ィ,イ i'´7ニr‐、'::::.-「: |ー‐‐:'´|:,//:.ハ、>'/i: : : :>: :|_ニ´ _,-┴ ┘
 ^'` /:::{___j:::::::|[ニ].: : : : : :|:.>'://::.|/、|:ヽ<: :/`Y、ノ j:ヽ
    {:::::::::::::::::::l:|: :|: : : : : :jヾ: i'::::./ ,.|: : >ソト.イ`i‐':::::::|
    ヽ::_::::::::::::j_!_;|---‐‐/: |i:.|/ '´ /: /: }:ヘ!ヽ_j:::::::ノ
  ,.-、   ̄ ̄     /: : y/o   i: / : :|: :ヽ:、`ノ´
  ヽ__,〉      ,...:;'/: : : : /io   レ: : : :|:_;.ノ:.ト '
          ,|: ;!; : : ://o    |: : : :,トヘ,イ
        ,...:'´:[;.ィ': :/´7┴r;‐┬- |: : /:〉イ: :ヽ.
     ,...:'´: : :,ノ:./イ´ /  //  |   |: :| :|:〈: : : :ヽ.
    <: : : : /:/:/ / ‐-ィ-‐ ヽ ヘ: ヘ:ヽ: ヽ.: : : :ヽ.
      ヽ: └'/::::/ /   /ヽ.  ヽ ヽ: ヽ:ヽ;、 、: .;.-‐ヽ
      ヽ/` ソ /   /:::::::ヘ.  ヽ  ヽ :<ぐ;>.>. -‐‐`
         / /   /`ー--ヘ  ヽ  ヽ.: :>'´
      /`i / /   /     ヽ.  ヽ  ヽ
      `-' >./_,.ィ‐-'         ヽ  ヽ   〉
          /:::;. '´          ヽ‐-、-'`:l
       `´                \_|

つまり、レネゲイドウイルスで弾丸を補充できる彼こそがガンダールブ兼平民の期待の新星なのではないかと愚考する次第

438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:16:32 ID:PTBX1MBX
>>437
よし、それなら召喚するんだ!
ギーシュが毎回薔薇を取り上げられて、涙眼な気がするがw


439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:17:40 ID:j24agD12
流れをぶった切り
響鬼から斬鬼or朱鬼を呼んでみたら…

440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:19:20 ID:5jrDt6M7
>>438
そのネタいいな。
今まで書いた事無いが考えてみるかw


……収拾しきる自信が無いぜ。

441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:21:15 ID:iIT2RTwL
>>439
戦闘が起こる(=変身する)度に服が台無しになり、その内替えの服代だけで
ルイズのお財布が胸のように貧相になります


その為デルフを買う金すらなくなったりします
グッバイデルフ


442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:25:27 ID:PtL4muTJ
>>439
マジで服代が洒落にならん。
ついでに、変身を解くたび、ルイズに殴られる気がw

443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:26:53 ID:9dxMWhzf
>>442
もう裸にマントでいいじゃない
変態仮面とならんでいい感じだ

444 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:28:36 ID:j24agD12
>>441
メリットとしてはルイズやギーシュの将来性に目をつけ弟子として育成かな…?

どっちにしても服代が…


445 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:32:42 ID:Mh71gXoA
ガンダールヴ補正が効いて
ずっと変身状態でいいじゃない

446 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:38:16 ID:w7raAX74
>>392
亀レスだけど、まとめwikiで該当する単語を検索してみるといいよ。

447 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 00:59:36 ID:VWevIy3K
>>439
響鬼の名前の法則からいくとモンモンが弟子になりそうなんだが

448 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 01:01:09 ID:cYrz1gd4
>>447
桃鬼?

449 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 01:04:43 ID:Mh71gXoA
悶鬼か…

ギリギリ、ワルドも条件に合いそうな

450 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 01:09:01 ID:2LpQ5MUu
>>442
才人が買った古着のセーラー服が3着1エキューで済んでなかったか?
ルイズが使い魔の平服をそれで我慢してくれるかが問題かな

まあいざというときは首から下は変身状態にすればよい。
子供は好きで人間嫌いの歌舞鬼でも面白いかもねー。

451 :ゼロの独立愚連隊:2008/02/25(月) 01:23:05 ID:DuLagjX+
こんばんわ。
30分から投下いいでしょうか?

452 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 01:23:29 ID:j24agD12
そういえば変身状態を解除する条件って
気絶による強制解除→全裸
本人の任意での解除→部分解除可能
でしたよね?
他にも全裸行きの条件ってありましたっけ

453 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 01:23:45 ID:GQWxBgdp
5分後から投下していいですか?

454 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 01:24:33 ID:GQWxBgdp
すいません、メシ食いに帰ります!!

455 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 01:26:23 ID:j24agD12
>>451
カモ〜ン


456 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 01:29:31 ID:n87CKCWX
こいこい

457 :ゼロの独立愚連隊:2008/02/25(月) 01:29:35 ID:DuLagjX+
では投下行きます。
ゼロの独立愚連隊と言いながら、今回ルイズもサモンジも出てきません。
ごめんなさい。

風と木々のさざめく音、朝のさえずりを終えて飛び立っていく鳥の羽ばたき………そして鳴り響く鐘の音。
空虚に任せていた心が、鳴り響く授業開始を知らせる鐘の音によって現実に引き戻される。
「ぐうっ………」
うめき声を漏らしながら、ギーシュはベンチの上で膝を抱え額に手を当てて湧き上がる感情を抑え込む。
何でこんなことに、そんなどうしようもない思いが後から後から彼の心に浮かび、その度に頭を掴む手に力を込めて耐えていた。

破壊の杖を取り戻すという、さらには噂のフーケのゴーレムを破壊したと言う戦果を上げて凱旋した昨日。
人生で最高の時と思えていた舞踏会、これからの日々は一層楽しいものになるだろうと思っていたのというのに………
彼の考えでは今日という日は友人たちの羨望のこもった挨拶で始まり、教室で友人と恋人に囲まれて何と言うことの無い話に盛り上がり、夜には恋人と二人でワイングラスを片手に語らいあい、そして………
だが実際は、友人たちに挨拶をすれば笑い声を返され、首を捻りながら教室に向かえば友人と恋人たちから嘘吐きとあざ笑われて………
挙句に一緒にいることに耐えられずに逃げ出し、今こうして授業をさぼって一人で鬱々としているだけ。
今までの自分がやってきたことは、軍人の名門と家名を誇り、服を着飾り言葉を飾り、知り合った男子とどうでもいい話に笑いあい、知り合った女子に声をかけてデートをして………そんな「貴族らしい」毎日をただ怠惰に過ごしただけ。
デートした女の子の数を誇り、立場の弱い相手には威張り散らし、上級生には逆らわない。
そうだ、ルイズをゼロとあざ笑ってメイドの代わりに決闘をしろなどといって暴力まで振るったではないか。

そうした色んなもののツケが、自分に帰ってきたのだ。

以前のギーシュが自分より劣っているルイズを馬鹿にしていたように、他の生徒たちは自分をルイズと同じように馬鹿にしているのだ。
お前は嘘吐きだと。
ドットのお前がトライアングルのフーケに勝てるものかと。
お前ごときが自分たちよりもすごい手柄が立てられるものかと。

何が原因だ?
ふと自分の手柄が信用されなかったのはルイズが一緒だったせいでは……そんな考えが頭に浮かび、頭を掴む手にこもる力がさらに強くなる。
「馬鹿か、僕は………どこまで情けないんだ」
ギリギリと、指が白くなるほどに頭を締め付けながら自嘲の言葉がこぼれる。
俯くギーシュの目に、僅かに涙が浮かんだ。


「あら……」
寝坊した生徒達から渡された追加の洗濯物を干しに行こうとしていたシエスタは、ベンチの上でうずくまる影を見つけて首を傾げる。
今は授業中だというのに生徒用のマントを着けている。
舞踏会の疲れが抜けきれずに眠り込んでしまったのだろうか?一応声をかけてお居た方がいいだろうか?
そう思い洗濯カゴを抱えたままよたよたとベンチの方へ向かう。
「よいっしょ……もしもし貴族様?眠っていらっしゃるのでしょうか、差し出がましいようですが授業は」
「うわああぁっ!!!」
「きゃあっ」
シエスタの声に跳ね上がるようにして飛び起きるギーシュ。
それに驚いてシエスタも後ろに飛び退いてしまうが、その拍子に抱えていた洗濯カゴを落としてしまった。
しかしシエスタはそれよりも目の前の人物を見て固まってしまった。
青銅のギーシュ。
以前に酷い叱責を受けた相手だ、忘れてはいない。
その後にギーシュからやりすぎた、との一言はあったが、所詮平民の自分は貴族の気分次第でどうにでもなってしまう存在でしかない。
今度こそはもう………恐怖から目の前にばら撒かれた洗濯物もそのままに立ちすくむことしか出来ないシエスタ。
一方ギーシュはようやく真っ白になっていた意識を取り戻す。
馬鹿なことを考えている最中に声をかけられたせいで余計に馬鹿なことをしたようで、なぜかベンチの上で杖を構えている。
ベンチから下り、自分にこんなことをさせたのは誰だと前を見るとメイドが独り震えている。
「……何の用だい」
醜態を見られた、との思いから声も不機嫌さがにじみ出た刺々しいものになる。
その様子にシエスタは一層小さくなりながら震える声で弁解する。

458 :ゼロの独立愚連隊-2:2008/02/25(月) 01:31:29 ID:DuLagjX+
「あ……その、き……貴族様が、いえグラモン様が眠られているようでしたので、でも、授業が………も、申し訳ございませんっ!申し訳ございませんっ!」
目に涙を浮かべながら必死で謝るシエスタ、その必死な声がギーシュの癇に障る。
授業の鐘が鳴るまでは静寂の中で何も考えず空虚でいられたのに………余計な世話を焼かれて授業のことを思い出してしまった。
「うるさいな。下らない世話を焼いた上にまだ僕を煩わせるのかい?」
苛立ちがにじみ出るギーシュの言葉にシエスタはぺたん、と腰を落として声にならない声を漏らす。
その怯えた様が、まるでギーシュが彼女を苛めているように思えてさらに苛立ちがつのる。
耐えかね、目の前に落ちていたかごを蹴り飛ばしながら叫ぶ。
「いい加減にしろ!僕を不快にさせることしか出来ないのなら早々にこの場から去れっ!」
「ひぃっ、も申し訳、ありま、あり………」
腰が抜けたような姿勢のまま転がるように逃げ去るメイド、それを見ながらギーシュは大きく息を吸い、吐く。
叫んだところで気は晴れないどころか、もやもやとしたものがよりわだかまる。
今度を大きくため息を付いて、もう一度ベンチに腰を下ろす。
見れば目の前には自分が蹴り飛ばした洗濯カゴと、ばら撒かれて土にまみれた洗濯物がある。
それを見てギーシュの心はさらに沈みこむ。
(一体僕は、本当に何をやっているんだ………今度はメイドに八つ当たりか?何で僕は………)
苛立ち紛れに足元の石を拾い、洗濯カゴに投げ付ける。
投げられた石はカゴに当たって跳ね返り、近くに咲いていた花にぶつかりその花弁を散らせた。
「あ……」
無意味に花を散らせてしまったことについ腰を浮かすギーシュだが、立ち上がろうとする拍子に膝に手を着いてしまう。
先程石を拾って土のついてしまった手を。
慌ててハンカチで土を払うが、湿り気を帯びていた土は落ちきらずに染みを残してしまう。
間の悪いことに、普段のズボンは破壊の杖騒ぎで痛んだためメイドに預けているために今日は白い予備のズボンを穿いていた。
また馬鹿なことを………どすり、と再びベンチに腰を落として膝を抱える。
下らない八つ当たりでメイドを怯えさせ、いらない事をして服を汚して………
「何だって僕のやることはこうも裏目に出るんだ………ブリミルよ、僕が憎いのですか?」
そんな恥の上塗りのような祈りをしてさらに落ち込む。
何がブリミルだ、さっきの事は自分が苛立ちのままに振舞ったのが全ての原因だ。
また僕は他人のせいにしてわが身の不幸を嘆いて見せようとしたのか?
「しばらく寝よう。何か考えるのはやめだ………」
そのままギーシュは膝の間に頭を埋めて考えるのを止めた。


ちりちりと首筋を暖める日差しを感じで目を開けるギーシュ。
「んっく……ああ………」
寝ぼけた目を瞬かせながら軽く上体を起こす。陽気のおかげか随分と調子がいい。
ぐるり、と首を巡らせ……………地面にかがみこんだメイドと目が合った。


459 :ゼロの独立愚連隊-2:2008/02/25(月) 01:33:00 ID:DuLagjX+
「………あ、あぅ………」
 見る間に目に涙を溜めて震えだすのは、先程ギーシュが苛立ちまぎれに追い払ったあのメイドだ。
 しかもよく見れば、以前モンモランシーの香水の件で難癖をつけてしまったあのメイドではないか。
 目の前で涙を浮かべて震える姿に、逆にギーシュの方が気後れする。
(………ここまで怖がらなくてもいいじゃないか。僕は人食いのオーク鬼か何かかい?)
 そう思うが、今までの自分の振る舞いを考えればそんなものかもしれない。
 とはいえ、こうしていても埒が明かない。軽く手で髪を整えながら声をかける。
「あ〜…君、一体何をしているのかね」
 ギーシュの声に、そのメイドは小さく悲鳴を上げて後ずさる。
 その反応にギーシュは苛立ちを覚えるが、彼女をここまで怯えさせたのは自分なのだ、と目を閉じて気を落ち着かせる。
 改めて見れば、洗濯カゴに散らばった服を集めている最中のようだ。
 おそらく洗濯物を放って逃げてしまったために取りに来たものの、目の前でギーシュが寝ていたためにこうやってこそこそと気付かれないように集めていたのだろう。
 よし、ギーシュが腰を上げてメイドの傍まで歩いて行く。
 その様に今度こそ自分はもうだめだ、と覚悟を決めて目を閉じるシエスタ。
 しかし次に訪れたのは、手をかけていた洗濯カゴの揺れだった。
 恐る恐る目を開けたシエスタの目の前で、貴族が、ギーシュが地面に肩膝をついて土にまみれた洗濯物を拾っている。
 シエスタの頭の中に?マークが飛び交う。
「あの………グラモン、様?一体何を………」
 呆けた声を出すシエスタに、振り向かず洗濯物を拾い続けながらギーシュが答える。
「僕が落とさせた洗濯物を拾っているんだが?ふむ、これで全部だね」
 そう言って立ち上がりズボンについた土を、ハンカチを使わず手で払う。
 きょろきょろとギーシュと洗濯物が戻されたカゴを交互に見ていたシエスタは、ややあってからようやく状況を把握したようだ。
 飛び跳ねるようにして立ち上がると、慌ててポケットを次々とひっくり返しながらハンカチを取り出してギーシュの手や服を拭おうとする。
「ああああ、そのそのその申し訳訳わけけけけけっ……」
 が、手元がおぼつかずにハンカチを落としては拾い、を繰り返す。
 そんなシエスタを見てギーシュは軽く笑いを漏らす。
 シエスタが落ち着くのを待って、ギーシュは杖を取り出すとレビテーションを唱える。
 手絞りのため水を含んで重たくなった洗濯物の詰まったカゴが、ひょい、と宙に浮く。
「さて………洗い場はどこだったかな、そこまで持っていってあげよう。案内してくれないか?」
 その言葉に再度パニックを起こしそうになるシエスタ。
 先程までの、自分に死すら覚悟させていた貴族と、目の前で土に汚れながら洗濯物を拾っていた貴族の姿が一致しない。
 それでも長年の習慣は恐ろしいもので、裏返った声でコチラデスと言いながらギクシャクとした動きでギーシュの指示に従う。
 互いに無言で洗い場に向って行く。洗い場が見えてきたところで、ふと思いついたようにギーシュが言う。
「そういえば君達はいつもこういうことをしているんだろう?一体どれくらいの重さなんだい」

460 :ゼロの独立愚連隊-4:2008/02/25(月) 01:34:39 ID:DuLagjX+
 ガチガチに緊張しているところにそんなことを聞かれても答えられない。
 あうあうと戸惑うシエスタを見て呆れたように笑うと、ギーシュは杖を振りカゴを自分の方へ寄せる。そして、
「ふむ………?ぬおっ、これは……は、はは、こんなに重たかったんだね」
「な、何をされているのですか、グラモン様!?」
 魔法を解いて両手でカゴを支えるギーシュを見てシエスタが驚愕の声を上げる。
 あの洗濯カゴは地べたに置いていたために、下にべったりと土がついているのだ。
 見れば、ギーシュの白いブラウスもズボンにも土が落ちている。ブラウスなどはカゴにこすれてべったりと土色に汚れてしまっている。
 だが、そんなシエスタの様子に頓着せず―――予想外の重さで他の事に目を向けられなかったし―――ギーシュは洗い場までの残り数十歩をよろよろと歩き、カゴを下ろす。
「ふう、君達tは毎日こうしているのか………ご苦労様だね」
「は、はあ。その、労いの言葉など、その勿体ありません………」
 突然やわらかくなっているギーシュの態度に戸惑いを隠せないシエスタ。と、そこに別なメイドが小走りに駆け寄ってくる。
「シエスタ。遅かったけど大丈夫?何もなかっ…………」
 そこまでで言葉が止まる。
 シエスタの目の前にいるのは、杖を持ちマントを着けた姿―――貴族。
 平民を支配するその存在が服を土で汚し、そしてシエスタと向かい合うように立ち、その手には……杖。
 声も上げられずに腰を抜かしてしりもちを着くメイド。シエスタが何かやらかしたのか、自分にまでとばっちりが来やしないか、頭の中でぐるぐると思考が空回りする。
 ギーシュはちらり、と一瞬そちらへ視線をやり、シエスタに戻す。そして、
「それでは僕はこれで。それと、シエスタというのか?先程はすまなかったね」
 そう言って一歩下がると頭を下げる。
 突然のギーシュの謝罪に、シエスタは驚愕の声と共に両足をそろえて後ろに跳び退く。
 離れたところで腰を抜かしている友人のメイドは、地面に顎がつきそうなほどに口を空けて呆然としている。
「あ、あのグラモン様?その、私は平民で……このような………それにこんなところを他の貴族様に見られでもしたら」
 おろおろと言葉を捜すシエスタに、ギーシュは自嘲を込めて笑う。
「構いやしないよ。謝罪すべきと思ったからさ。第一見られて汚れる面子も、落ちる名誉も………もう、残っちゃいないさ」
 そう言って背中を向けると、すたすたと寮のほうへ向かって去っていく。
 混乱でまだ頭はしっかりと働かないが、その背中に何とかシエスタは声をかける。
「あの、もうお昼ですが、昼食は………」
「いらないよ。邪魔したね」
 朝から何も食べてないはずと思って何とか搾り出した問いかけを、背中を向けたまま答えて手を振るギーシュ。
 そのままフライを唱えると、寮の方へと飛んでいってしまった。
 しばらく呆然としていたシエスタだったが、腰を抜かしている友人のことを思い出してぱたぱたと駆け寄る。
 手を貸して立ち上がるのを手伝いながら、二人して同じ感想を交し合った。

全く、貴族の考えることは解らない。


 寮の入り口に着地したギーシュは、軽く靴に付いた泥を落してから中に入る。
 メイドたち、シエスタには悪いことをしたなぁと思いながらも、あの戸惑いや驚きの表情を思い出すと口元に笑いがこみ上げる。
 今度からはもう少し優しくしてあげようか、そんなことを考えながら廊下を歩いていると突然右手から声がかけられる。
「よう!ギーシュじゃねえか」
「よーう、さぼりかお前?はっは、俺たちも重役出勤だがな」

461 :ゼロの独立愚連隊-5:2008/02/25(月) 01:36:10 ID:DuLagjX+
 下品な声に表情に浮かびそうになる不快の色を抑えるギーシュ。
 自分たちのものとは違う、上級生であることを示すマントに見覚えのある顔。
 たまに下級生にちょっかいをかけて憂さを晴らすタイプの嫌な先輩、という奴だ。
 愛想笑いを浮かべるギーシュに、なれなれしく肩を叩いてくる。
「ようよう、噂になってたぜ?お前上手いことやったようだなぁ」
 嫌らしいその言葉に、ぴくりと身を強張らせる。
 ゆっくりと振り向き、引きつった表情で尋ねる。
「上手くやった、とは何のことでしょうか………?」
 何とか言い返したギーシュに、その上級生はふん、と鼻を鳴らして肩に当てた手に力を込めてギーシュを突き飛ばす。
 うわぁ、と小さな悲鳴を漏らしながら廊下の壁にもたれかかるギーシュに指を突きつけながら、ひとことひとことゆっくり告げる。
「嘘吐きギーシュが、何もせずに、お手柄貰って万々歳、ってかぁ?旨い山当てやがってよお、全く………ああ美味い物食いてぇ」
 そう言って嫌らしく哂う。
 またしても自分の命がけの手柄を馬鹿にして…と思うが、上級生を前に足がすくむ。
 旨い山を当てたなどという侮辱に言い返してやりたいのに、口が動かない。
 何も言い返せず廊下の壁にもたれかかったままの腰が引けた姿勢で固まるギーシュに、もう一人の上級生が呆れたように笑い、パンパンと手を叩く。
「ほれほれ、そこまでにしてやんな。ギーシュびびってんぜ?あんまり苛めすぎんな、教室いくぜ」
「なんだよこのくらいでよぉ。じゃあな、嘘吐きギーシュ。今度旨い話し見つけたら教えろよ」
 唐突に現れた2人は、そもまま唐突に去っていった。
 2人が廊下を曲がって消えるまで見てからようやくギーシュは一息つく。
「やれやれ、助かった……」
 そこまで考えて、愕然とする。

 今僕は、安心したのか?
 上級生に対して、自分は嘘吐きではないと抗弁せずに済んだ事を。
 自分の手柄を、命がけの成果を馬鹿にされたのに、何も言い返さずに済んだ事を喜んだのか?
 同級生たちにははっきり言い返したのに、姿を現さない者には言い返せたのに。
目の前に立つ「敵」を前に、僕は…………

 上級生たちが立ち去り独りだけになった廊下の中央で、ぶるり、と体を震わせるギーシュ。
「ぼ、僕は………」
 自分の口から震える声が漏れる。それを頭や顔の上を滑るような手つきで慌てて口を塞ぐことで抑え込む。

462 :ゼロの独立愚連隊-6:2008/02/25(月) 01:37:58 ID:DuLagjX+
 そのまま、わき目も振らずに廊下を駆け出す。
 駆ける。
 駆ける。
 駆ける。
 幸いに誰ともぶつからずに自分の部屋までたどり着き、転がるように中に駆け込み扉を閉じる。
 はあはあと床に手を着いたまま息を整えると、のろのろと服を着たままベッドに倒れこむ。
 両手を頭の高さまで持ち上げ、落す。
 枕を引き寄せ、横を向いていた頭を枕に向ける。

嗚咽が部屋に響いた。


 ふとドアがノックされる音に気付く。
 枕に顔を埋めたまま泣きはらしていた顔を上げて、のろのろとベッドから這い出す。
 どうやらもう夜になったらしい。明かりの無い部屋の中をふらふらと扉まで歩いていく。
 乱れた髪を手で適当に撫で付けてからドアを開くと、そこには申し訳なさそうな顔をしたメイド―――シエスタがいた。
「失礼します、グラモン様。お預かりしておりました服の洗濯が終わりましたのでお持ちしました」
 最早気力が尽きているギーシュは、その辺に置いておいてくれ、とだけ言ってふらふらとまたベッドに戻る。
 その様子を見たシエスタは、畳まれた服をチェストの上に並べながら心配そうに声をかける。
「グラモン様?具合が悪いのでしたら水のメイジの方をお呼びしますが………それに食堂でお見かけしませんでしたが、夕食も摂られていないのでしょう?」
 しかしギーシュは先程と同じように、ほっといてくれ、とだけ言って出て行けと言うように手を振る。
 朝の不機嫌な様子、昼の穏やかな様子、そして今の酷く沈んだ様子………気にはなるものの、メイド如きの自分が口を挟むことではないだろう。
 心配そうな顔をしながらも、失礼しました、とベッドの上のギーシュに声をかけてからシエスタは立ち去った。
 彼女の立ち去る音を聞いてから、再びギーシュの目から涙が溢れ出した。

情けない。
僕を認めろ。
怖がらないで。
嘘じゃない。
裏切ったな。
無力だ。
馬鹿にするな。

 断片的な感情が頭に浮かんでは消える。ただそのままにギーシュは嗚咽を漏らし続けた。
 何も考えない、ただ感情のままに泣いていた。
 感情を説明しようとすれば、出口を見つけようと思えば、それだけで自分が潰れてしまいそうだった。
 何も考えない。ただうつぶせになった顔を枕に押し付けて声を殺す、それだけ。
 僕はずっとこうして、涙を流しつくして死ぬまでこうしているのか?
 ふとそんな考えが浮かんだその時、再びドアがノックされる。
 もうベッドから立ち上がる気力も、声を出す意思もかれたギーシュは無視を決め込んでいたが、ノックの主は鍵が掛かっていない事を知っているかのようにドアを開けて中に入ってくる。
 枕に顔を押し付けたまま声を殺すギーシュの傍までその人物はやってくる。そして、

463 :ゼロの独立愚連隊-7:2008/02/25(月) 01:40:02 ID:DuLagjX+
「失礼致します、グラモン様」
 メイドのシエスタの声だ。
 やはり枕から顔は上げずに、しかしピクリと反応したギーシュを見てシエスタがこちらに向き直ったのがなんとなく解った。
「申し訳ありません。重ね重ね差し出がましいのですが、お夜食を用意しました。朝から何も召し上がっていないようですし、よろしければ………」
 そう言ってベッド横のテーブルに何かを置く気配がした後、足音が遠ざかり、ドアが開く音がする。
「グラモン様、お昼のことありがとうございました」
 そしてドアが閉じられた。


 ベッドの中で、ようやくギーシュは―――泣くのは止めてないが―――考え事を始めた。
 昼のこと?思い当たるのは洗濯物を持ってやったことだろうか………しかし、あれはギーシュがシエスタを驚かせたのが原因だ。
 しかしそれ以外に思い当たることも無い。
 あのメイドはそんな下らない、むしろ逆に仕事を増やされたようなことに感謝しているのいうのか?
 さらには、女々しく不貞腐れる自分を心配して夜食まで差し入れてきて………
 平民のメイドに、それも一度自分が傷つけた相手からまで気遣われるほど自分は弱って見えたのだろうか。
 そうだ、部屋が暗かったとはいえ自分が泣いていたのは誤魔化しようが無い、それで心配されたのか?
 ………なにやら恥ずかしいやら情けないやらで体がむず痒い。
 しかし、平民にまで心配されていたと言う状況が逆に笑い出したいほどの馬鹿馬鹿しさを感じさせる。
「ば、ばはは、ぶふっ……ずず」
 涙と鼻水の音が混ざった笑いが漏れた。情けない笑い声に、自分自身笑えてくるような気がしてきた。
 そんな妙な感情を誤魔化すようにテーブルの上の銀盆の覆いを取って夜食に手を付ける。
 中にあったのは簡素だが手の掛かっていそうなサンドイッチだった。
 半熟になった卵と薄切りのチーズとハム、それが小さく切り分けてある。
 ベッドに腰掛けたまま、ギーシュは一つ手にとって口に運ぶ。
 かみ締める口の中は涙と鼻水のばかりで味など分からない、しかしパンを飲み込むたびに腹の中から力が溜まるような気がする。
 確かに精神的だけではなく、身体的にもよほど疲れていたようだ。そんなことも分からなくなるほどに自分は弱っていたのか………
 ごくり、と最後の一口を飲み込んでからギーシュは精一杯の力を込めて泣き顔が染み付いた表情を引き締める。
 たった一日馬鹿にされただけで何を弱気になっているんだ、そう自分を叱咤する。
 ルイズは入学してからずっと耐えてきた、男の自分が耐えられなくて男と言えるものか。
 自分を馬鹿にしていた連中、人ごみにまぎれてごちゃごちゃ言うような連中なんかの言葉が何だ。
 本当にギーシュやルイズがフーケに勝っていたとしたら、そんな恐れから復讐されるのを恐れているんだろう。姿を晒すのが怖いのだろう。
 そうだ、上級生たちだってあの騒ぎには首を突っ込まず騒いでいただけ。
 実際に動いて、実戦すら経験した自分の方が実力的には上と言ってもいいのではないか?

 そんな奴ら相手に弱気になってたまるか。
 負けるものか。負けてたまるか。

 鏡の前に立ち、ハンカチで口元を拭ってニヤリ、と強気な笑みを浮かべてみる。
 なかなか頼もしそうじゃあないか、そう自賛する。
 その夜ギーシュは、そうやって気が済むまで鏡の前で不敵な笑みの練習を続けた。

464 :ゼロの独立愚連隊:2008/02/25(月) 01:43:00 ID:DuLagjX+
以上で投下終了です。
一旦ワードに移してから貼ってみたんですが、勝手に段落組みされて各行の先頭に入れた空白が消えてました。
最初の方は醜くなっていると思います。

投下が被らないように毎回午前中に投下してたんですが……今回は面目ないです。
では。

465 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 01:49:17 ID:j24agD12
乙です

466 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 02:04:50 ID:ZFYBQqQm
投下乙です
議論スレで前々から言われてましたが、次スレからは以下をテンプレに追加で

一行目改行、且つ22行以上の長文は、エラー表示無しで異次元に消えます。
SS文面の区切りが良いからと、最初に改行いれるとマズイです。
レイアウト上一行目に改行入れる時はスペースを入れて改行しましょう。

467 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 02:07:38 ID:GQWxBgdp
愚連隊さん、乙です。
個人的に、こういうキャラの感情の起伏が分かり易いストーリーは、大好きです。

出鼻をくじいて申し訳ありませんでした。
というわけで、今回の分は、明日にでも投下させていただきます。



468 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 02:27:58 ID:gJM3KsJv
ぬ、今日は無しか、残念だ。

469 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 03:38:59 ID:g3o62jkT
ぬるぽ

470 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 03:47:41 ID:ysaQP75b
ガッ

471 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 04:02:51 ID:lZq0VtUy
乙です
元ネタは知りませんが面白いです
頑張って下さい><

472 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 04:24:13 ID:KXws4txa
ガッ で思い出したけど、最近ベルセルク氏が来てないなぁ。
復帰してくれたら、シュヴルーズ先生のパンティあげちゃう!

473 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 04:42:35 ID:T7dgYRM5
ぬるぽ

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 07:00:13 ID:hyhyzMF4
ガッ

475 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 07:54:59 ID:Ls+CbPhU
召喚してから放置のものって結構あるんだな。
読んでる側としても最初の見せ場であるギーシュ戦ぐらいまでいかないと、
なんかぬか喜びさせられた気分になってしまう。
読ませてもらってる立場であまり偉そうなこと言えないけど、もう少し書いてくれっていうのが本音。
(なんだか読み手全員の意見みたいになってしまったけど、あくまで俺個人の意見な。)

476 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 08:01:19 ID:Lsu6d1fV
>>475
まぁ何というか何だっけあれ
あ、そうだそうだ

ごめんなさい

477 :ゼロの女帝:2008/02/25(月) 09:45:57 ID:FcK4MV9V
あーあー、テステス、チェックワンツーテス

管制塔管制塔、現在滑走路の空き有りや無きや
空きあるなら50分より投下予約したく

オーヴァー

478 :ゼロの女帝  第五話:2008/02/25(月) 09:51:19 ID:FcK4MV9V
返答無いけど投下しちゃいますよーん



ふらふらと、自室へと戻ろうとするルイズ。
そんな彼女の前に現れたのは

「・・・・・・セト・・・・・・」
「ルイズちゃん、おつかれさま」
「セト・・・・・・あたしやったわよ・・・・・・アイツに・・・・・・ギーシュに勝ったわよ・・・・・・
 あたしね、実はアイツにすこしだけ憧れてたんだ
 まあフタマタのナンパ野朗で、彼氏とかには絶対何があってもまかり間違ったとしてもご免だけど
 ひとりで・・・・・・多分一番信頼して、認めて欲しいだろうモンモランシーにも努力を隠して
 自分を磨き続けた、アイツのそんな所をほんのちょっとだけ・・・・・・尊敬してた
 だから・・・・・・」
ぎゅっと、瀬戸は彼女を抱きしめる。
誰かに抱きしめてもらうなんて、もう何年ぶりだろう。
例えようのない温もりが、彼女を覆っていく。
「よくやったわね、ルイズちゃん」
その言葉に、かつてない誇らしさを感じながらルイズは眠りに落ちていく。

「本当に、よく頑張ったわね」
掌に生み出した淡い光の玉を彼女に流し込んだ瀬戸は、少女を抱き上げる。
「ミス・ヴァリエール!ご無事ですかぁ」
ぱたぱたと、友人を気遣うメイドの足音が近づいて来る。


ベッドに横にして、布団をかける。
青ざめたメイドが、ぬれたタオルでルイズの顔を拭くのを見ながら、彼女に声をかける。
「大丈夫よ、シエスタちゃん
 軽く診てみたけど、あまり強い傷はないわ
 随分と上手く殴られたみたいね」
無論そんな事は無い。
瀬戸が「皇家の樹」の力による治癒を行ったからだ。
あうあうあう、と多少取り乱しながら、ルイズの傍らにいるシエスタ。
「あなた自分の仕事はいいの?」
「マルトーさんがミス・ヴァリエールの様子を見てこいって」
「そう じゃあ悪いんだけど、ルイズちゃんをちょっとお願いね」
何処へ?とか主を放って置いて何を、といった疑問を持つ余裕も無いシエスタを置いて、出て行く瀬戸。

すたすたと、室外に出た瀬戸は渡り廊下へと向かう。
そこには壁に背を預け瞑目しているコルベールの姿があった。
「流石ですね
 ほんの一瞬だけ向けた敵意をきっちり感じ取るとは」
「あなたが私に話があるだろうって分かってたからね
 でもなければあなたもう、今頃ミンチとも呼べない状態になってるわよ、きっと」
くすりと微笑む瀬戸に、改めて恐怖を感じるコルベール。

479 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 09:51:34 ID:aoCGSSOM
進路クリア、支援可能です

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 09:51:46 ID:dkTP7ZVR
許可する

オーヴァー

481 :ゼロの女帝 第五話:2008/02/25(月) 09:54:25 ID:FcK4MV9V
秘書に、絶対近づいてはならんと厳命した挙句サイレンスまでかけてオールド・オスマンはコルベールと共に瀬戸と会談をもった。
「いやしかし、貴女を前に『オールド』だの『グレート』だのと自称するのは酷く気恥ずかしいのお」
満面の笑みを浮かべながら、秘蔵の酒を瀬戸の杯へと注ぐ。

暫くは無言のまま、三人は杯を干し続ける。
やがて、コルベールが意を決したように、あるいは勇気を振り絞ったように瀬戸へと声をかける。
「しかし、困った事をしてくださいましたね」
「ルイズちゃんの事かしら?」
「ええ・・・・・・教師としては失格でしょうが・・・・・・彼女はこのまま『無能者』だったほうが・・・・・・多分幸せでした」
わずかに眉をしかめる瀬戸。
「何故かしら?」
「彼女の魔法は、爆発を起こすというもの
 現時点で如何なる方法を以ってしても防げません
 しかも魔法が『飛んでいく』のではなく突然『爆発する』というもの
 防ぐ手段もかわす方法も探知するすべも存在しません
 あえて、というなら・・・外れるよう祈るか即座に彼女の視界外に逃げ込むか」
「それならその『爆発』を彼女が制御出来るよう指導するべきではないのかしら」
「制御したとしたら、どうなります?
 はっきり言って彼女の魔法は・・・・・・・・・・」
そこまで言って、杯を干すコルベール。
さらに数杯飲み(秘蔵の酒をがっぽがっぽと飲むコルベールを、ちと切なそうに見つめるコルベール)かなり躊躇った後に言葉を続ける。
「はっきり言って彼女の魔法は、暗殺向きです
 防げずかわせず、しかも『魔法』とは言い難いから責任追及も出来ない
 ただ爆殺するだけじゃありません
 例えば馬車の車軸、例えば馬の尻、例えばベランダの支え木
 彼女の魔法は応用次第で無限の暗殺バリエーションに使えます
 使えて・・・・・・しまいます・・・・・・」
ついに、顔を覆って泣き始めたコルベール。
「しかも、恐ろしいのはそれではありません
 彼女の    ミズ・ヴァリエールの心です
 彼女を暗殺に使おうとする連中は、多分彼女を褒め称え、おだてまくるでしょう
 幼い頃から知人平民使用人はおろか、家族にまで疎まれ馬鹿にされ続けた彼女の事
 おそらくおだてられれば簡単に連中に力を貸すでしょう
 そして・・・・・・『殺せば褒められる』事に喜び、やがては・・・・・・殺す事自体に喜びを感じるようになるでしょう
 私が・・・・・・・そしてこの学園がいつまでも彼女を守り続ける事は出来ないでしょうし
 だから・・・・・・彼女には無能でいて欲しかった」

沈痛な表情のオールド・オスマン。
そしてやはり物静かな表情で聞いていた瀬戸は、手中の瓶が空になったのに気付くと、オールド・オスマンに向かって手を伸ばす。
より悲痛な表情になったオールド・オスマンはしぶしぶ秘蔵中の秘蔵の一本を取り出し、瀬戸へと手渡す。
杯に注ぎ、くいと飲み干した瀬戸はコルベールに声をかける。
「貴方の考えは分かったわ
 そう考えるのも無理は無いわね
 でも、大丈夫
 信じてみない?」
「信じろ?
 何をです?
 戦場の狂気をですか?
 それとも目的のためなら他人を捨て駒にして恥じない王宮の連中をですか!」
「そんな物どーでもいいわ
 信じるのは・・・・・・・・・あの子の心と、そして未来を、よ」

482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 09:54:40 ID:aoCGSSOM
支援

483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 09:55:33 ID:EeBIlroM
管制室ちゃんと支援しろよぉ!

484 :ゼロの女帝 第五話:2008/02/25(月) 09:56:09 ID:FcK4MV9V
以上です

なんかコルベールをえらく格好良くしてしまいました

485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 10:01:48 ID:g3o62jkT
だまして悪いが支援せぬ気など元より無い!

486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 10:03:02 ID:aoCGSSOM
乙でした。

ルイズをあえて無能者としつづけるという、大人って汚いなぁ。
まあ、理由があるとはいえ、いたたまれないなぁ…。

487 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 10:10:36 ID:xE7eLEP2
神樹の酒でも最後には置いて行きそうだな

488 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 10:16:10 ID:JHYmjK0e
乙ー。
まあ主人公って総じて人間兵器だからなぁ。
よく最終回とかで「これからは平和な暮らしを……」ってどう考えても無理だし。

こっちのルイズはいろいろと政治の暗部に巻き込まれるのかなあ………
そのことを知った黒アンアンが無茶な要求をして〜、と言ってみる

489 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 10:38:11 ID:We66euBy
>>475 超同意

490 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 11:11:55 ID:KXws4txa
女帝の中の人氏、投下乙です。
昨晩部屋の片付けを始めたら結局朝までかかった。
途中で掘り出した天地無用GXPやヒートガイジェイのDVDを見ながら作業してたんで、
ゼロの女帝のタイムリーな復帰に驚きと喜びを禁じえないw
これからも期待してます。


>488
大丈夫だ。
その時は樹雷の鬼姫が黙っちゃいないんだぜ。

491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 11:27:06 ID:iahBU4PT
>>488
大丈夫。原作もたいして変わらない。

492 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 11:27:06 ID:Jlo01IMi
>>475
馬鹿正直に最初から書いて挫折するより、
書きたいところだけ切り取って小ネタに仕上げればいいじゃない、
とはたまに思う。

493 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 11:47:13 ID:0EC7vZY7
書くのって筋トレににてるよな…

494 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 11:59:07 ID:x6YBP9h+
そう言う場合は完結作品と小ネタだけを読めばいい

オーフェンとかご立派様とか

知ってる作品のネタから攻めるのが吉

495 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 12:08:53 ID:TkGknXLO
どいつもこいつもキスされやがって

テンプレのように名前しか変えてない場面とか正直いらねぇ

496 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 12:19:13 ID:Ls+CbPhU
今まで召喚されてキス回避した(またはルーンを解除した)のってアティ先生とポップくらいか?
キス回避って結構条件厳しい気がする。まず規格外の強さを持っているか、才人も召喚されるあたりが必要かも。

497 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 12:29:14 ID:QL442ZkU
キス回避しても爆発攻撃からの展開は結構多いからな
解呪能力持ちとか耐呪能力強持ちとか、そもそも女子供にも情け容赦なしとか
そんな感じなのか?

498 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 12:35:51 ID:Jlo01IMi
>>495
「眠りの鐘を〜」とかの場面は正直読み飛ばしてる。

499 :小ネタ:2008/02/25(月) 12:54:21 ID:9ysVlJBc
魔魚戦記からハーウィン

ルイズが召還に失敗しついに呼び出したのは空に浮かぶ月であった

「全長三千キロメイル」
「月が落ちてきた?」
言葉を失っているとその月が華のように開いていく
「アレが使い魔、生き物だというのか・・・」

「これは夢じゃな、どれ夢が覚めない内に」
オスマンが秘書のしりに触った。
四往復ほどひっぱたかれた
「・・・痛い夢じゃな・・・」

と、そこに縮小した形のエイがルイズの元に飛んでくる
「よ、よし、やるわ」
さすがに空まで届かないのでちっこいのと契約を結んだルイズ
「ああルイズ、やっと会えた」
「え?」
水銀のようにメタリックな体表のエイは中に浮かんだまま喜びをあらわにする
「私を見て緊張しているようだなルイズ」
「そそそ、そうね」
「しかし会えて良かった、私が思っていた通り理想の人だ!」
大きい方のエイが千二百キロメイルの尻尾をぶるんと震わせると
雲がちぎれとび突風なんてレベルじゃない天変地異が沸き起こる

「まあいいわ、小さいほうだけ付いて来て」
大きい方のハーウィンは軌道までゆらゆら上昇していき見えなくなった

だが

身体的特徴以外に個性の無いマリコルヌが何かに気づき騒ぎ立てる
「みろよ!ゼロの使い魔が月を食ってる!」

「ちょっとあんたやめなさいよ」
「すまない、ちょっと味見をしていたのだ」
「ご飯抜き」
「まあしばらくは食べなくともいいが」

(ゴイスー、ちょっと味見で月を齧るなんておっかねえ!こんな頑丈な使い魔が本気になって戦いを挑んできたら戦艦や空母なぞなんの役にもたた無いんじゃないのか)
「学院長、これは報こk」
「いや、王都から目撃されとるじゃろうが本当の事を話したとて誰も信じられんじゃろ。幻想魔法の暴発とでもしておけぃ」



「感覚の共有は・・・止めたほうがよさそうね」
「秘薬とか魔法に使う材料は・・・集めるのは無理ね」
「いや、僕たちにやらせよう、おいお前たち」
「ルイズさまばんざーい」「ようこそようこ」
「・・・まあいいわ、ご主人様を守るのは出来そうね」
「ところであんたどこから来たの」
「君たちの距離で表すと・・・十億光年」
「十億メイル?嘘でしょう?」
「実際には九兆四千六百億キロ掛ける十億メイルだがね」
「スケールが大きすぎて信じられないわ、それじゃあんた何歳なの」
「ええとおよそ一万二千歳くらい、か」
「うっわぁ」

つづくか

500 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 12:58:40 ID:YTL9xkLl
スケールがでかすぎるwwwww
GJ

501 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:17:23 ID:rEje93Uj
なんだかとっても乙〜^^

   って、小ネタで出しといてつづくのか?w

502 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:20:34 ID:9C9YGmt3
>キス回避
武力に訴えるレベルの女性恐怖症、愛妻家、恐妻家……な召喚対象はいないだろうか。
天高く雲は流れのフェイロンとパジャなら……できるか?

503 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 13:39:29 ID:GQWxBgdp
昨夜は失礼しました。
5分後に投下してよかですか?



504 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:43:13 ID:sUCW4t9x
キス回避と聞いてTOAのガイが思い浮かんだ支援

505 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:43:42 ID:XI53jGtN
ライダー、支援しん(変身)!

506 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:44:11 ID:FcK4MV9V
かまんかまーん

507 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:45:22 ID:Us9QRvVf
支援

508 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 13:46:06 ID:GQWxBgdp
.
<フリッグの舞踏会、PM9:15>

「――あのばか犬……!!」
 ルイズは、一人呟いた。
 
 ドレスに着飾り、普段あまり熱を入れない化粧にも時間をかけ、持ち前の高飛車オーラを、普段余り見せない淑やかさでカバーした彼女は、確かに美しかった。いつもの彼女を知らない者たちには、――神々しい、とさえ見えるほどに。

 それまで彼女を、ただの劣等生としか見ていなかった、この学院の男子生徒たちが色めきたったのも、むべなるかな。彼らは、この少女・ルイズ・ラ・ヴァリエールが、元来、校内屈指の美少女であった事実を、ようやく思い出したのだ。
 当然、紳士たちによるダンスの誘いが殺到したが、ルイズは、それらの甘い言葉を、普段はまるで垣間見せぬ優雅な振る舞いで、――拒絶し、壁の花に甘んじた。

「ちっ、なんだい。『ゼロ』のくせに、お高く止まりやがって」
 少年たちは、この美少女が――物腰こそ典雅ではあっても――自分たちなどまるで眼中にない事に気付くと、次第に彼女を敬遠し、距離を取って毒づいた。
 そして女の子たちも、自分たちの恋人・彼氏の視線を、一時ではあっても独占した彼女を、当然のごとく冷たい目で見た。
「ふん、何よアレ、『ゼロのルイズ』のくせに」

 しかし、ルイズはもとより、そんな視線など気にもしていなかった。

 いや、それはこの場だけの話ではない。今では以前ほど、彼らに『ゼロ』と呼ばれる事が気にならなくなってきている。それは確かだ。
『ゼロ』呼ばわりされる事に慣れたわけではない。
 ただ、彼ら同級生たちに何を言われ、笑われても、ムキになって感情を爆発させるのが、バカバカしくなってきただけだ。

「ねえねえ、『ゼロ』のルイズって、たしか今日の品評会の、あの……?」
「おお、あれあれ、――メイジを知りたきゃ使い魔を見ろって言うけど、あそこまでアレだったら、むしろ哀れすぎて言葉も出ねえよ」
「姫殿下の御前で、あそこまで使い魔に恥をかかされたら……わたしだったら、殺してしまうかも知れないわ……!!」
「姫様、ウケてたけどな」
「むしろ、ウケてたの、姫様だけだったじゃねえか」


509 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:47:03 ID:Ehmh/F/T
しええん

510 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 13:47:56 ID:GQWxBgdp
.
 級友たちが、才人の話をしている。
 まあ、今日の品評会で、あのバカがやった事を思い出したら、その程度の噂は当然だったが、……それでも、あんな奴らに才人を悪し様に言われる筋合いは無い。その怒りは、むしろ自分が『ゼロ』呼ばわりされた時よりも深いものだった。
 だが、それと同時に、こうも思う。
(しょせん、あいつらにサイトの価値は分からない)
 そう思うことで、彼女は僅かながらに、溜飲を下ろした。

――確かにルイズは変わったかも知れない。

 これまでルイズは、彼ら級友たちの輪に、なんとかして入りたいと思っていた。
『ゼロ』と呼ばれ、馬鹿にされ、親しい友人すら作れず、それでもルイズは、彼らに認められることを望んだのだ。彼ら同級生たちはイヤな奴らであったが、それでも、彼らは貴族――自分と同じ世界の住人だったからだ。

 逆に言えば、これまでの彼女にとって、貴族たちのいない風景は、『世界』ではなかった。
 だから、たとえ自分と同じく魔法が使えない者たち――平民たちと交遊するという選択肢は、完全にルイズの発想の外だった。何故なら『平民』たちは、彼女の世界の住人ではなかったからだ。

 だが、ここ最近、彼女の思考回路は、確実に変わりつつあった。
 たとえ、どれほど名門の貴族であっても、優秀なメイジであっても、人間の価値は、そこにはない。才人や風見を身近で見るにつけ、彼女は無意識の内に気付いてしまったからかもしれない。

 現に、ついさっきまで、自分を『ゼロ』と白眼視していながら、ちょっと着飾って現れれば、それだけで掌を返したように、次から次へとダンスを申し込んでくる、軽薄な男たち。
 そして断られれば、その傷付けられた、ちっぽけなプライドを癒すために、いとも簡単に、返した掌を再度ひっくり返すことに、何の躊躇も恥じらいも持たぬ者たち。
 彼らはまぎれも無い貴族――自分が所属し、それを認めてもらう事を切に願った者たち――なのだ。
 そんな連中の視線に、いちいち反応する事に何の意味がある? 
 ルイズは、級友たちへの失望とともに、いつしか、そう考えるようになっていた。

 しかし、ルイズが、彼らを拒絶したのは、ただそれだけではない。
 彼女が心に決めた今宵のダンスパートナーは、彼らならぬ、ただ一人の少年だけだったからだ。その彼のためだけに、少女は一張羅のドレスを引っ張り出し、不慣れな化粧に時間を費やしたのだから。
 この頑固な少女は、その事実をあくまで認めたがらないであろうが。

 しかし、その少年――平賀才人は、いま、ここにはいない。



511 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 13:49:28 ID:GQWxBgdp
.
<フリッグの舞踏会から8時間前>

 晴天に恵まれた『使い魔品評会』も、いまや佳境を迎えていた。
 次から次へと登場する、種々様々な使い魔たち。
 そして、その使い魔たちの“芸”を誇らしげに見せつける、若きメイジの卵たち。
 しかし……にこやかな笑顔の下で、その実、アンリエッタの目は、ほとんど何も見ていない。
 アニエスだけが、それに気付いていた。

 アニエスは、アンリエッタの近侍として仕えるようになって、はや数年経つ。
 警護役――というわけではない。
 彼女が騎士に叙勲され、『銃士隊』を束ねるようになるには、さらに時を待たねばならないからだ。
 だが、それ以前から彼女は、アンリエッタの信頼深き侍従として、つねに女王の近くにあった。
 平民上がりではあるが、彼女の硬骨で頼りになる人柄や、つねに冷静で、機転が利く判断力が、王女は気に入っているのだろう。、

 毎年恒例のこの行事。
 アンリエッタの従者として、アニエスがこの品評会を鑑賞するのは、今年で5回目になる。
 だが彼女たちが、純粋に品評会を楽しめたのは、最初の二回までだった。

 学生たちが召喚した、色々な使い魔たちは、確かに興味をそそられて然るべきだ。
 だが、――彼らは、その使い魔に『何をさせるか』という一点において、ほぼ哀れむべきレベルで、発想が貧困だった。

 サラマンダーが炎を吐き、鉄塊を溶かす。
 バグベアードが、その巨大な瞳で、人に催眠をかける。
 バジリスクがその猛毒で、巨大な牛を噛み殺す。
 ジャイアントモールが地中を掘り進み、地面にバラ撒かれた宝石を、一粒残らず拾い集める。

 確かにスゴイ、と思う。
 本来なら、滅多にお目にかかれない生物が、その特性を生かして“芸”をしてみせる姿は、とても微笑ましいものがある。
 しかし、――しかし、だ。
 鳥が空を飛ぶのを見て、感動する者がいるだろうか?
 いるとすれば、それは鳥という生物を、生まれて初めて見た者だけだ。
 そして悲しい事に、毎年この品評会に招かれているアンリエッタたちには、もはやメイジの使い魔として召喚される生物の大半に見覚えがある。だから、その使い魔を見れば、どんな“芸”をするのか、できるのかが、大体予想がついてしまうのだ。
 なぜなら、品評会に参加するメイジのほとんどが、その使い魔が『出来る事』しか、やらせようとはしないからだ。

 
――もっと、いい意味でわたしを裏切ってくれる者は……やはり今年もいませんでしたね。


 そう言って、帰途の車中で寂しく笑うアンリエッタを、もうアニエスは見飽きている。
 その思いは、例年通り、今回もまったく変わらない。


512 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:49:56 ID:XI53jGtN
ルイズもライスピの空気に侵食されている支援。

513 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 13:51:04 ID:GQWxBgdp
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 だか――それでもアンリエッタは、笑顔と拍手は欠かさない。
 アニエスと二人きりの状況ならば知らず、公の場での彼女は、見事なまでに王女のままだった。
 つまらない“芸”を、さも誇らしげに披露しながら去ってゆく学生たちに、いかにも感動したという態度を、何があっても崩さない。
 この場で“芸”を披露してくれている彼らの根幹にあるのは、王家と自分に対する忠誠心であると、アンリエッタは深く理解しているからだ。
 忠誠を捧げてくれる者に、礼を返すのは、王族たる者の義務である。そして、この場における礼とは、彼らに対する、いかにも感動したという“演技”に他ならない。
 それが、自分がここにいる意味だと、彼女は理解しているからだ。
 そんなアンリエッタを、アニエスは素直に誇りに思っていた。

 アニエスにとって、王女とともに出席を義務付けられている退屈なイベントなど、この品評会以外にも、掃いて捨てるほどある。
 だから、彼女にとって、退屈が不慣れだというのば、ほぼ嘘に近い。
 しかし、それを言うなら、自分以上にアンリエッタとて同じ事だったはずだ。
 彼女は王族だ。退屈を退屈として楽しむ術くらいは身に付けている。だから、本来ならば、毎年恒例の退屈なイベントも、それなりに楽しく過ごせていたはずだったのだ。
――去年までは。

 だが、今年に限って言えば、アンリエッタにそんな余裕は感じられない。
 一見、その笑顔も眼差しも、いつもと何も変わらないように見える。
 だが、それでもアニエスには分かる。主の笑顔の下に隠された、焦りや苛立ちが。
 彼女に何があったのか――それは一介の従者でしかないアニエスには分からない。
 いまのアニエスに出来る事は、せめてこの退屈な品評会が早く終わり、主が自分に、その胸中を相談してくれる事を祈ることくらいなのだ。

(あと何人ガマンすればいいの……?)
 そんな思いを、顔に出さないように、懸命に努力しながら、参加者名簿をちらりと見る。
 その時、アンリエッタは初めて気付いた。
 自分が、ここに来た目的であるはずの彼女が、この品評会にエントリーしていない事を。
(おかしいわね……。何故ルイズの名前が無いのかしら)
 彼女はさり気なく、学生たちが座る客席に目を向けた。

 ルイズは、いた。
 彼女のピンク色の頭髪は、遠目にもよく目立っていたので、あまり視力のよくないアンリエッタにも、すぐに彼女は見つかった。
 しかし、……何故かルイズは席には座らず、後方の塔の壁にもたれて、ぼんやりとしていた。
 いや、その隣に、もう一人誰かいるようだった。
 青い髪をした、眼鏡をかけた少女が。


514 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:53:39 ID:Nju+TUKS
支援

515 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:55:15 ID:xotVwfOJ
支援〜

516 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 13:55:36 ID:GQWxBgdp
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「ねえ、タバサ」
「なに?」
「あなた、なぜ品評会に参加しなかったの?」

――そう、今回の『使い魔品評会』にエントリーしていない生徒が、自分以外にもいたと聞いて、ルイズは驚きを禁じえなかったが、……それがタバサと聞いて、妙に納得してしまった。

「興味ない」
 まるで測ったように予想通りの答えが返ってくる。
 まあ、この子なら、そう言うだろうなと思いつつ、問いを重ねてみた。
「興味ないって……優勝すれば、姫様から直々にお言葉を頂戴できるのよ? それに賞金も入るし……第一、シルフィードなら普通に優勝を狙えるじゃない?」
「興味ない」
「それは、姫様のこと? それとも、賞金のこと?」
「両方」

「……あんまりそういう事、他人に言わない方がいいわよ」
 予想通りとは言え、さすがに何の躊躇もなく、そういう事を言われてしまうと、ルイズとしても、眉をひそめざるを得ない。
 アンリエッタ姫は、ルイズにとっても、かけがえのない“幼馴染み”であり、それ以上に、崇拝してやまない忠誠の対象だからだ。
 しかし、タバサはそう言われても、本から顔を上げようともしない。
 ルイズは、溜め息をついた。
 
 この子は、目立つのが嫌いらしいというのは、雰囲気で分かる。
 だから、この学院の一大イベントを、こともなげに欠席できる。
 自分と違って、アンリエッタ姫に、特に思い入れも無いようだ。
 そう思って、ルイズは思い出した。
 このタバサは、キュルケと並んで、自分たちの学年のたった二人のトライアングル・メイジであったことを。
 タバサほどの魔法の才があれば、誰かに認めてもらいたいなどと、切に願った事など無いのかも知れない。
 ルイズは、ぼんやりとそう思った。


517 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 13:56:35 ID:aoCGSSOM
支援

518 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 13:59:20 ID:GQWxBgdp
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 ふと舞台に目をやると、モンモランシーのカエルが、喉を鳴らして、曲を演奏しているようだったが、ルイズはすぐに見るのを止めた。
 モンモランシー自身ガチガチに緊張しているようだったし、何より曲自体、音もリズムもバラバラで、聞くだけで頭痛がするような、ひどいメロディだったからだ。
 確か、プログラムによると、彼女がトリだったはずだ。
 なら、ようやく、この品評会も終わりということか。

 結局、風見は見つからず、品評会への参加を命じる事は出来なかったが、まあ、彼への苦手意識が払拭できないルイズは、ある意味、風見に逆説教を受けなかっただけ、幸運かも知れないと、自分を慰めた。
 ルイズは、自分の席に戻るべく、壁際を離れた。
 タバサはまだ本を広げていたが、声をかける気にもならなかった。
 
 来賓席のアンリエッタをちらりと見る。
 彼女は舞台を一心不乱に見ているようだった。
 さすがに一国を背負う者は違う。あんな、見るも無残な芸であっても、真摯に聞く態度を崩さない。
 席についた頃、ようやくオールド・オスマンの終了の挨拶が始まったようだった。

 その時だった。


「ちょっと待ったぁっ!!」


――どこかで聞いたことのある声だった。
 ふと舞台に向き直った瞬間、ルイズは驚きのあまり、のけぞり返りそうになった。
 彼女のよく知る少年が、何より、ここにはいないはずの少年が、舞台に上がりこもうとしていたのである。

「サイト……あの、ばか……なんでここに……!!?」

 ルイズは知っている。
 彼のパーカーに覆われた包帯の下は、再び開いた火傷の傷痕からの出血と化膿で、ぐずぐずになっており、決して無理が出来るコンディションではないということを。

 才人は、抜き身のままのデルフリンガーを片手に持ち、舞台の中央に陣取ると、そこにデルフを突き立てた。
 そして、そのまま来賓席に向き直り、呆気にとられているアンリエッタに、
「お初にお目にかかります、お姫様。おれはヒラガサイト。ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ラ・ド・ヴァリエールの使い魔でございます」
 そう言うと、深々と一礼する。

(間違えてるし! アイツ御主人様のフルネーム、間違えてるし!!)
 何をする気だ、あのバカは!?
 ルイズの拳は震えていた。


519 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 14:00:57 ID:GQWxBgdp
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 <フリッグの舞踏会終了から2時間後>

「お隣、空いておられますか?」
 そう言って、ボックス席の差し向かいに座ってきた青年に、男は、いぶかしげな目を向けた。

 ここは、トリステインの城下町――トリスタニアにある、とある大衆酒場。
 男は店の隅にある、一番おんぼろなテーブルに陣取り、酒を飲んでいた。

『酒神(バッカス)の盃亭』と名付けられた酒場の主人は、男の人間離れした怪力を見て、二つ返事で彼を用心棒に雇ったが、すぐにこの契約が失敗であった事を悟った。
 なにせ男は何もしない。トコトンなまでに何もしない。
 眼前で、客が喧嘩を始めても、酔った貴族が、店付きの娼婦にからんでも、ただ黙々とまずそうに酒盃を嘗めるだけだ。
 その凄まじい怪力を、目の当たりにしているだけに、主人は今更クビだとは言えない。
 解雇を直接宣告するには、男が不気味すぎるという点がある。
 また、それ以上に、まだ雇って二日しか経っていないという事実もある。もう少し様子を見よう。――主人は、そう妥協した。

 そんな晩だった。
 その、得体の知れない用心棒の前に、青年が現れたのは。

 青年――たしかに、若い男だ。
 羽帽子を目深にかぶっているが、その隙間から見える眼光は、鷹のように鋭く、顎まで伸びた見事なヒゲは、まるで『三国志』の関羽のようだ。そして、その動きのしなやかさは、体術にも、相当な心得があるように感じられた。

「席なら、向こうにいくらでも空いてるだろ。消えな」
「いえ、わたしはここに座りたいのです。――と言うより、貴方と一緒に酒を酌み交わしたいのです。いかがです?」
 しかし、男は、青年の馴れ馴れしい発言の裏にある、かつて嗅ぎ慣れた匂いを思い出した。
「おめえ、メイジか?」

 間違いない。マントこそ羽織っていないが、他人に命令する事に慣れた声音――貴族独特の傲慢な空気が匂ってくる。
 どこかに杖を隠し持っているのだろうが、――まあ、どっちでもよかった。
 男にとっては、眼前の青年が、たとえスクウェア・クラスであっても、全く怖くはない。
 ただ、怖くは無いが、気に入らないのも間違いない。そして男は、自分が気に入らない者と、酒を飲む習慣は無かった。
「失せな。俺はメイジが嫌いだ」

 男がそう言うと、青年は静かに微笑んだ。
「確かにわたしはメイジです。しかし、貴方ほどのお方が、一介のメイジを嫌う理由は無いでしょう? 仮にも、伝説の魔獣として、一国を滅亡の淵まで追い込んだお方には」

 男はピクリと眉を潜めた。
 が、青年は意にも介さず、男の、空になったグラスに酒を注ぐ。
「貴方の、そのお力をわたしたちに、今一度お貸し願いたいのですよ、魔獣殿。――いや、『破壊の杖』の悪魔殿、と呼んだ方が宜しいですかな?」

 男は、無言で目を細めた。。
 眠っていた獅子が、むくりと起き上がったかのような、凄絶なまでの迫力があった。


「自殺しに来たのかい、坊や」


 しかし青年は、眼前の男――改造人間カメバズーカこと、平田拓馬の炎のような“気”を受けて、顔色一つ変えない。



520 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 14:01:25 ID:ETM6UfFR
支援

521 :もう一人の『左手』(その16) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 14:03:38 ID:GQWxBgdp
今回はここまでです。
1時間ほどのちに、またこの続きを投下しに参ります。

522 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 14:06:03 ID:CF8/6n3Y
おお、お待ちしてます。しかし、怪人の人間の姿もあんまり見ないから珍しい描写ですな。
クウガのグロンギ達くらいしか記憶に無いので…マンガのスピリッツではミカゲとかいましたが

ただ、ちょっと疑問。酒代どうする気だこの人

523 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 14:07:55 ID:xotVwfOJ
>>521
乙であります

今から出かけるので、残りの投下は帰ってからのお楽しみとさせていただきます
GJ!でした

524 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 14:08:52 ID:XI53jGtN
GJ!ここのワルド、レコンキスタよりGODとかバダンとか入って改造されるのが似合いそうだ。

525 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 14:28:11 ID:FcK4MV9V
あいかわらず良い所で切るなぁ
こりゃあと一時間はここから離れられん
支援

526 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 14:37:15 ID:iIsW3Dlo
>>381
コンボイ「私に良い考えが」
呉学人「私に良い策が」
海のリハク「ここは私にお任せを」

結果
コンボイ「うわ〜」
呉学人「ああっ何で私はこんな簡単な事を見落としていたんだ」
海のリハク「このリハク一生の不覚」



527 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 14:38:59 ID:XA4vHw5B
こんにちわ、2話を投下しに参りました。
と思ったのですが30分後くらいに左手さんがいらっしゃるようなので、その20分ほど後に投下したいと思います。
というわけで左手さん支援!

528 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:01:26 ID:GQWxBgdp
「さざなみ」さん、どうも、すいません!!
サクサク投下して、すぐ消えます!!

529 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:01:40 ID:qUSRG6w3
しえん

530 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:04:26 ID:GQWxBgdp
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<フリッグの舞踏会から7時間30分前>

 途端に客席がざわめく。
 なに、あいつ? 一体何をする気なんだ? ってか、あいつ平民だろ? 自分が王族に口を利ける身分と思ってるのか?
 そういう声が会場に溢れる。
 見ると、ギトーやシュヴルーズが、いや、アンリエッタの近侍らしい金髪の女性も、真っ青になって舞台へ向かっている。
 無断の闖入者である才人をつまみ出す気らしい。

 しかし、才人はまったく動じない。
 傍らに突き立てた剣を振り返ると、
「そして、こいつがおれの相方。インテリジェンス・ソードのデルフ君です。――デルフ君、挨拶」
「どっ、どうも、インテリのデルフリンガーです。……って、本当にやる気かよ相棒?」

 デルフの声が震えている。
 どうやら、才人に比べて、剣の方はまだ覚悟が決まっていないようだ。
 しかし才人は、そんなデルフの戸惑いに付き合う気は、皆無なようだった。

「インテリのって何やねん? キミ、そんなに頭よさげに見えへんで?」
「そっ、そんなこたぁねえぜ! これでもオレぁ6000歳よ!!」
「ほぉ、そらすごいなぁ。でもキミ、剣やんか。どっちがアタマやねん」
「ええっ!? ――いや、まあ、多分……柄?」
「って、なんで疑問文やねん!」


 くっ……。


 アンリエッタがうつむいた。

 ギトーもシュヴルーズも、そしてアニエスも動きを止めた。
 オスマンも、コルベールも、――いや、この場にいた全ての人間が、アンリエッタを凝視した。

 彼女は、依然として苦しげに、小さな肩を震わせている。
 そして、その震えは、徐々にだが、確実に大きくなっていった。
「殿下……?」
 彼女の隣に素早く戻ったアニエスが、この空間のすべての者を代弁して、王女の様子をうかがう。
――が、その心配は、結果から言うと、杞憂だった。


「くっくっくっくっ……!!」

 
 笑っている……!!
 アンリエッタ姫殿下が、あのナメた漫才に、笑っていらっしゃる!!
 観客席も来賓席も、彼女の意外なばかりの反応に、驚愕していた。

 無論、才人は、来賓席で行われている、そんな珍妙なドラマは知らない。
 彼は、客席すら意識せず、傍らの“相方”とのやりとりに必死だったからだ。
 そして、その頃になると、デルフも雰囲気に慣れたのか――あるいは、やぶれかぶれになっただけかも知れないが――台詞を噛むことも無くなり、やりとりも滑らかになっていった。


531 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:06:06 ID:GQWxBgdp
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「でも、相棒、おめえもちょっと考えろよ。いくら何でもおかしいと思わねえのか?」
「何がいな?」
「普通は剣を一本ぶら下げて、舞台に出てきたら、やる事は決まってるだろ? 剣舞とか試し斬りとかよ」
「剣舞?」
「ってか、――普通、漫才はねえだろ、漫才は!!」
「そないに怒りなやデルフ君。――ほな、キミが言うところの剣舞とか、挑んでみよか?」
「おう、まずこう、曲に合わせて……って、何やってんだい相棒?」
「いや、ほんならまず、キミが唄ってくれへんかったら、始められへんしやな」
「って、オレ担当かい!!」

 くふっ、くっくっくっくっくっ……くふふふふふっっ……!!

 いまやアンリエッタは、笑いをこらえてはいなかった。
 いや、それでも本人は、必死になってガマンしているつもりなのかも知れないが、それでも、来賓席に突っ伏して、腹をよじるようにして笑い続けるプリンセスに、周囲の人間も、どうしていいか分からなくなっていた。

――だって、コレ、面白いか……?

 それが、まさしくアンリエッタ以外の、この場に存在する全ての人間の統一見解であったろう。
 しかし、こう言っては何だが……彼らに、アンリエッタの気持ちは分からないのは、ある意味当然と言えた。

 退屈極まりない“芸”を延々と見せられ続け、それ以上に、一観客として舞台に集中できない事情を抱えた、いまのアンリエッタにとって、生半可な“芸”は、あくびを噛み殺す労力を生み出すだけの、無意味なものに過ぎない。

 人間と剣との漫才という、これ以上は無いくらい意味不明なシュール芸。にもかかわらず、必死になればなるほど空回りを続けるスベリ芸。そして、そんな彼らに反応しているのが自分だけで、周りは果てしなく戸惑うだけという、死の温度差。
 つまり彼女は、漫才が面白くて笑っているわけではない。
 むしろ、彼らのスベリっぷりと、周囲の戸惑いこそが、絶妙な笑いのツボにはまってしまったのだ。

「でも、デルフ君、おれ、めっちゃ音痴やで?」
「構いませんから! 歌って、剣が唄うもんじゃないですから!! 人間が唄うもんですから!!」
「でも、おれ、あんまり曲とか知らへんし」
「ああ! ぐだぐだ言わんと、早く唄いなっ!!」
「ええっと……、みっちゃん、みちみちウンコ垂れて。紙が無いから手で拭いて――」
「ゴラァッ!! やめんかバカタレぇっ!!」

――結局、こんな調子で3分間、剣と少年はやり尽くした。
 
「もう、キミとはやってられへんわ」
「ええ加減にしなさい」
「――ありがとうございましたぁっ!!」
 舞台上から一礼すると、そのまま才人は、剣を掴んで背を見せ、舞台袖に引っ込み、そして……観客席は騒然となった。

「……ええ、あの、それでは――とりあえず、閉会の挨拶を……」
 オスマンが、汗を拭きつつ、しどろもどろになりながらも、先程中断された閉会の挨拶をしようとしている。……だが、そんなものを聞いている者は、もはやこの場には、誰一人としていなかった。


532 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:07:17 ID:GQWxBgdp
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<フリッグの舞踏会から7時間前>

「いぬぅぅっっ!!」

 ルイズは、自分の部屋のドアを蹴り開けた。
 そこには、誰もいない。
 どこ!? あいつは一体どこにいるの!?
 廊下に飛び出す。
 耳を澄ます。――声が……聞こえる? それも、男女が忍びやかに笑う声が。

「そこかぁっ!!」

 ルイズは、声の聞こえた隣室……キュルケの部屋の扉を爆破し、室内に踏み込んだ。

「ちょっ、ちょっと、……なに? 一体なんの真似なのルイズ!?」
 そこには、ベビードール一枚になったキュルケが、ルイズの知らない少年と、ベッドの上で固まっていた。……その幼い顔立ちからして、彼はどうやら一年生のようだ。
 そういえば、品評会に参加できる使い魔を、いまだ召喚していない新入生は、品評会の鑑賞は、自由だったような……まあ、どっちでもいい。
 才人がいない以上、こんな部屋に用は無い。

「キュルケ、あんた、あのバカ犬見なかった?」
「バカイヌ?」
「サイトよ! 決まっているでしょう!!」
「知らないわよ。あたしは、自分の順番が終わったら、とっとと部屋に帰って来ちゃったから。で、――サイトがどうかしたの?」
「知らなきゃ……まあ、いいわよ」
 ルイズが唇を噛みしめながら、きびすを返す。が、ドアを出たところでくるりと振り返ると、
「あのバカ見かけたら言っといて!! わたしがメチャクチャに怒ってたって!!」

「あの、ミス・ツェルプストー?」
「なぁに?」
「あの……いったい何がどうなってるんです?」
「分からないわよ、そんなこと。……まあ、サイトが何かしたんでしょうけど」
「じゃあ、その……何で服を着ていらっしゃるんです?」
「何でって……決まってるでしょ?」

「あたしは、自分の修羅場も嫌いじゃないけど、他人の修羅場はもっと好きなのよ」

 そう言い切ると、キュルケは制服の上からマントを羽織り、
「じゃ、お名残惜しいけど、今日はここまでにしましょ? 楽しかったわ」
 束の間の恋を楽しませてもらった、年下の坊やに、キュルケは艶然と微笑んだ。


533 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:08:34 ID:CF8/6n3Y
姫様何してんですか支援

534 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:09:32 ID:GQWxBgdp
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(いたぁ〜〜〜っ!!)

 ルイズが捜し求めた標的を発見したのは、それから間もなくだった。
『アルヴィーズの食堂』近くの塔の壁に、何人かが集まっているのが見えたのだ。
 そこにいたメイドは一言二言何かを言うと、そのまま食堂の方へ走り去ってしまったが、その時、ルイズには見えた。壁にもたれて座り込んだ、見覚えのあるパーカーが。
 ギーシュとモンモランシーと、メイドという謎な組み合わせが気にはなったが、ルイズは取り敢えず、そこから先の理性的思考はしない事にし、乗馬鞭を振り上げて、彼らの中に割って入るが……。

 果たせるかな、才人は確かにそこにいた。
 しかし、……壁にもたれ、深くうずくまったその姿は、もう一歩も動けなさそうに見えた。

「サイト……?」

 どう贔屓目に見ても、普通の状態ではない。
 顔面は真っ赤に紅潮し、目線はうつろに定まらず、滝のような汗を流しているくせに、がたがたとマラリアのように震えている。
 その瞬間、ルイズは思い出した。
 この少年は、舞台上でこそ元気溌剌に見えたが、――その実、とてもそんな体調ではなかった事を。

「この……このバカっ!! 何であんたはいつもいつも、そんなムチャばかりするのよっ!!」
 そう叫びながら、肩を貸そうと、才人の隣に腰を下ろすが、
「よせっ、貴族の娘っ子!!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!」

 ルイズが、その手を彼に触れさせた瞬間、才人は口から泡を吹き出さんばかりの悲鳴をあげ、その場に倒れ込んでしまった。
「サイト……サイトォッ!!?」
「やめろ娘っ子、相棒に触るなっ!!」
 その時初めて、ルイズは自分に制止の声をかけているのが、傍らに立てかけられた一本の剣だと気付いた。たしか、昨日自分が買ってきた、インテリジェンスソードの……。
「全身の傷が、化膿しちまってるんだ。傷を負っていない箇所に触れても、結果として皮膚を引っ張っちまうから、どこを触られても、コイツは痛みしか感じねえ」

 少女は呆然とした。



535 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:10:50 ID:Ehmh/F/T
しえん

536 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:11:01 ID:GQWxBgdp
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「ここに倒れてたんだよ。多分、医務室に戻ろうとしてたんじゃないかな……」

 ギーシュが口を開く。
「寮に帰る前に紅茶でも飲もうかって、ここまで来て、そこで、その剣が騒いでいるのを聞いたんだ。それで、近くを通りかかったメイドを呼んで……」
 その後を、モンモランシーが引き継ぐ。
「びっくりしたわよホント。ついさっきまで、一人で舞台を独占して、やりたい放題だったのに、――まさか、こんな状態だったなんて……!!」
 そう呟くように話す彼女に、以前の決闘騒ぎの時の酷薄さは感じられない。

「――あ、あの皆さん、どいてください! 水をお持ちしました!!」
 メイドが走って現れ、その水差しを才人の口元に差し出そうとするが、ルイズはその手を遮った。
「ありがとう。でも、――コイツはわたしの使い魔なの。だから、わたしにやらせて」
「……は、はい」
 穏やかではあるが、有無を言わさぬ口調でそう言うと、ルイズは水差しを受け取り、地べたに横たわった少年の口元に、それを差し出した。

「さあ、サイト、飲みなさい。――冷たくておいしいわよ」

 一口、二口、……。
 才人の喉が鳴り、僅かだが、瞳に力が戻る。

「――よう、ルイズ……」
「……っ!! この、ばかっ! バカ犬っ! ムチャするなって、あれほど言ってあったのに! それもあんな――あんな下らないマンザイのためなんかに!!」
「ひでえな……。これでもアタマひねったんだぜ。極力キズに負担をかけず、それでいて、人間にしか出来ねえ“芸”は無えかってな……」
 才人は、苦痛をこらえるように苦笑いすると、デルフに手を伸ばし、それを杖代わりに無理やり体を起こし、先程までの壁にもたれて座った姿勢に戻る

「だっ、ダメよサイトっ!! 無理しちゃ、また火傷が――」
「平気さ。コイツを握ると……なんでか痛みが薄れるんだ」
 見ると、左手のルーンが不気味な光を放っている。コルベールから詳細は聞いていないが、たしかに風見が、この“ガンダールヴのルーン”には、そんな力があると言っていた。
「でも、だからって……」
「ルイズ」
「なによ!?」


「迷惑、だったか……?」


 彼女は、こらえた。
 涙を。震えを。歓喜を。憤怒を。慟哭を。――その他もろもろの、あらゆる感情が入り混じった、巨大な内なるエネルギーのカタマリを。
 そして、懸命に、その内なるカタマリを黙らせると、ぽつりと言った。


「――最高の、ステージだったわよ……この、ばか……!!」


 才人は、それを聞くと、誇らしげに笑い、――そのまま目を閉じた。


537 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:11:41 ID:ETM6UfFR
支援

538 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:12:48 ID:GQWxBgdp
.
「やべえ、どうやらオチやがった。――おい、しっかりしろ相棒っ!!」

「大丈夫、どうやら命に別状は無いみたいだから、いまのうちに医務室に運べば何とかなるわ!!」
 そう言いながら、いつの間にか現れたキュルケが、『レビテーション』で才人を浮かべる。

「メイド! あんたは一足先に医務室に行って、先生にありったけの秘薬を準備させて! がたがた言われたら――」
 そこでキュルケは、ちらりとルイズに悪戯っぽい視線を送ると、
「支払いは全額ヴァリエール公爵家が持つって言いなさい! それで先生の顔色も変わるわ!」
「はっ、はいっ!!」
「モンモランシー、あんたはこっちに付き合って! “水”のメイジが一人でも必要なの。“火”のあたしじゃ役に立たないのよ!」
「えっ、……ええ!」
 キュルケの勢いに飲まれ、思わずモンモランシーがうなづく。
「ギーシュ! あんたはあたしについて来て! 興味本位で道を塞ぐバカがいたら、構わないから“ワルキューレ”でブッ飛ばしなさい!!」
「おう!」
「それから、――ルイズ!!」
「なっ、なによっ」

 キュルケはにやりと笑うと、言った。
「ここ最近であんた、随分といい女になったじゃない。さっきのやりとりなんか鳥肌モンだったわ」
 我がツェルプストー家の宿敵は、やっぱり、それくらいホネがないとね。
 そう言わんばかりの満足げな笑みを残し、彼女たちは行ってしまった。

「なんなのよ、あのコ……?」
 いつの間にか現れ、勝手に場を仕切り、まさしく嵐のように去っていったキュルケに、モンモランシーは呟いた。

 いや、この場に残ったのはモンモランシーだけではない。
 ルイズも、行かなかった。
 いや、正確には、動けなかった。
 いま一歩でも動けば、たちまちの内に泣き崩れてしまいそうだったから。
 だから、拳を握りこみ、唇を噛みしめ、深く目を閉ざし、大地に足を踏ん張った。
 でも、それでも、……次から次へと止めどなく流れ出す涙は、やみそうも無かった。


539 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:14:11 ID:qUSRG6w3
支援

540 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:14:28 ID:GQWxBgdp
.
 モンモランシーが、懐からハンカチを取り出し、乳母のようにルイズの涙を拭う。
「モンモ、ランシー……?」
「ねえルイズ、――わたしの謝罪、受け取ってくれる?」
「――え?」
「わたし、随分ひどい事言ったわ。あなたにも、あの平民にも」
「……」
「だからと言っちゃ何だけど……謝罪させてもらっていい? これまでのこと」
 モンモランシーは、瞠目しているルイズに、照れたような笑顔を向けると、
「だってさ、見直しちゃったんだもの。――あなたも、あの平民も」
 彼女はそのまま、悪戯っぽく、こう言った。


「メイジとして認めたくないけど、――今回のサモン・サーヴァントで、一番のアタリを引いたのは、多分、いや確実に、あなたよ」


「サイト」
「え?」
「彼の名前。――サイトって、呼んであげて」
 そう言いながら、ルイズは微笑んだ。

 その端整な美貌がはじめて見せた、険のない、神々しいまでに美しい笑み。
(ルイズって、……こんな笑顔の出来る子だったの……!?)
 モンモランシーは、その、完成された一個の芸術品のごとき笑顔に、一瞬、目を奪われてしまう。
――そして、そんな自分を振り払うように、ルイズから目を逸らすと、
「とっ、とにかく、そういう事だから! じゃあ、わたし、医務室だっけ? うん、医務室行ってくるから! あなたも早く行ってあげなさいね!!」
 そう言って、駆け出して行った。


541 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:16:11 ID:FcK4MV9V
もーアンタとはやってられへんわ、支援

542 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:17:18 ID:ETM6UfFR
支援

543 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:17:23 ID:GQWxBgdp
.
<フリッグの舞踏会終了から30分後>

 舞踏会の会場は、着々と撤収が進んでいる。
 つい三十分前まで、あれほどホールをにぎわしていた音楽も、参列者たちの会話も、給仕たちが新たに運ぶ食器の音も、もう何も聞こえない。
 あるのは、撤収作業を進める職人たちの、怒声のような指示や合図であり、巨大なテーブルや雛壇を動かす音であったりする。

 ルイズは、その喧騒の中で一人、ぽつんと壁にもたれていた。
 宴は終わったのだ。
 同級生たちは、もはや誰もいない。
 周囲を圧する可憐な美貌も、清楚にして瀟洒なドレスも、いまや何の意味も持たない。

 才人は、……とうとう現れなかった。
 そんなことは分かっている。当然だ。最初から承知しているはずだった。
 いくら彼でも、あんな身体で、日に二度も三度も無理が出来るわけは無い。
 今頃は、医務室のベッドの上で、うんうん唸っているのだろうか。それともぐっすり眠っているのだろうか。
 それでも、……彼に義理を立てて、誰とも踊らなかった事を、ルイズは全然後悔していなかった。
 口に出すのも、いや、胸の内に思うだけでも何か癪なので、素直に認める予定は永遠に未定だが。

 でも、それでもやはり、鬱屈したものを感じざるを得ない。
 才人は来ない。
 そう、理性で分かってはいても、それでも――、
『アイツなら、あるいは来てくれるかも知れない』と、そう願う心を止められない。
 でも、結局あいつはこなかった。

 仕方が無い。
 それはもう、仕方が無い事なのだ。
 だからもう、いつまでもクヨクヨするのは、よそう。
 綺麗なドレスを着飾った、今の自分を見てもらいたかったし、そんな自分が才人と踊るのを、他の連中に見せ付けたい。――そう思ったのは事実だが、しかしそんな事は、これから先、いつだって出来る。

 取り敢えず、医務室に見舞いに行ってやろう。
 もし、起きているようなら、この綺麗なドレスを見せ付けてやろう。そして、こんな可愛い御主人様と踊り損ねた哀れな男に、くやしかったら、一秒でも早く元気になりなさいと言ってやろう。
 そうだ。それがいい。
 手ぶらで行くのも、なんかアレだから、手付かずで残っている料理を少し、包んでもらおう。
 そう思った。

 頼んでから気がついたが、そのメイドは、品評会の後、校庭で倒れていた才人に、水差しを持ってきてくれた少女であった。シエスタと名乗った彼女は、快く承知して、まだ湯気の出ているパイとチキンを包んでくれた。
 パーティ会場から医務室のある塔までは、若干遠い。
 ルイズは急ごうと思った。
 もし仮に、たったいま才人が起きていたとしても、彼女が医務室に到着するまでの、わずかな時間内に、再び眠ってしまわないとも限らないのだから。
 ルイズは、肌寒い校庭を、薄衣のようなドレス一枚で横断するべく、駆け出そうとした。

 その時だった。


「なんだ。……行き違いにならなくてラッキーだったな」



544 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:18:34 ID:GQWxBgdp
.
 最初、彼女は自分が寝惚けているのかと思った。
 何故なら、ルイズの網膜は、ここにいるはずの無い人物の影を捉えていたからだ。
 引きつった笑顔を浮かべながら、剣を杖代わりにホール内に現れた、一人の少年。
 
「サイト――なんでここにいるのよっ!? ちゃんと寝てなきゃダメでしょうっ!!」
「仕方ねえだろ。火傷が火照って、眠れないんでな」
 そう言うと、才人はぶら下げたデルフリンガーをすらりと抜き放ち、地面に突き立てると、
「散歩ついでに、――どうだ? 一曲」
 そう言って、彼女に手を差し出した。

 何という、作法もクソもない誘い方だろう。
 やっぱり、このバカはわたしがいないと、ダンス一つまともに誘えない。
 仕方ない。本当に仕方のないやつだわ。だってコイツ、わたしがいないと何もできないんだもの。
 そう思ったルイズは、――しかし彼女は、自分の顔が緩みきっている事を自覚していない。

「照明は?」
「月がある」
「音楽は?」
「デルフが担当してくれる」
 え――マジ? 剣がそう言ったように聞こえたが、ルイズは聞き流した。
「タキシードは?」
「油田でも掘り当てたらな」
「キズは?」
「痛えよ。でも正直、昼間に比べりゃ大分マシになった」
「じゃあ、最後に――ジェントルマンのかっこいいキメ台詞は?」

 才人はそこで、言わなきゃダメ? とばかりに顔をしかめたが、ルイズに一睨みされると、こほんと咳払いし、

「美しいレディ。どうかこのおれと、ダンスを一曲、お付き合い願えませんか?」

 ルイズはにっこり笑うと、そこで初めて少年の手を取った。

「ええいもう、しょうがねえな、もう!!」
 デルフがいやいやながらも空気を読み、歌声を上げ始めた。
 意外な事に、低音の利いたその節回しは、それほど聴けないものではなかった。



 彼らは、今この瞬間に、姫殿下アンリエッタがルイズの部屋で待っている事実を知らない。
 また、その王女の訪問が、彼らの身を、のっぴきならない死地と苦難に招き入れることになるのだが、それも予想だにしていない。
 彼らの頭にあったのは、ただ、誰にも邪魔をされずにこのまま、踊っていたい。――ただ、その想いだけだった。

 月下に、少年と少女の、二人だけの舞踏会が始まっていた。


545 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:19:47 ID:qUSRG6w3
支援

546 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:28:08 ID:Ehmh/F/T
シエエエエエエエエエエエエエエン

547 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:29:00 ID:xE7eLEP2
なんか終了の挨拶残しておさるさんっぽい感じだな
一応支援

548 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:30:19 ID:Lsu6d1fV
支援を、一心不乱の大支援を

549 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:30:25 ID:ldp8XjY+
もんきっきっぽいな


550 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:31:14 ID:qUSRG6w3
V3、縁の下で人知れず飢え死にしてないか心配になってきた支援。

551 :もう一人の『左手』(その17)代理:2008/02/25(月) 15:33:44 ID:xE7eLEP2
.
 <フリッグの舞踏会終了から2時間後>

「わたしに自殺願望はありませんが、しかし、わたしを殺す事は、貴方にとって多大なる損失をもたらすことになります。それでも構いませんか?」
「……損失?」
「はい。こちらとしても、貴方のご助力を願うからには、まさかタダで、とは申しません。それなりの報酬の用意があると、お思い下さい」

(ほう……)
 おもしろいな。――平田はそう思った。
 自分の“気”を、こんな涼しい顔で流せる男。受け流しながらもなお、次に何を言い出すのかが、全く読めない男。
 平田は、目の前に座る青年に、初めて興味が湧き出すのを感じた。
「いいだろう。話を聞かせろ」
「はい」
 
 青年は、自分のグラスをあおり、口を開いた。

「貴方が、サモン・サーヴァントにより、この世ならざる世から召喚された方だという事は存じております。しかし、その貴方を、元いた世界にお送りする方法があるといえば、どうです?」

 平田は、この貴族が吐いた言葉の衝撃で、しばらく何も言えなかった。
 しかし、青年は、なおも話を止めない。
「この世ならざる世と、ハルケギニアを繋ぐ唯一の門。それが“聖地”にあるとロマリアの伝承は伝えています。そして我らは、その“聖地”をエルフから、我らが手に取り戻さんと願い、集う者たち」

(……帰れるってのか……)
 平田の目は、すでにまじまじと見開かれていた。


「――それが我ら、レコン・キスタです」


552 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:34:21 ID:xE7eLEP2
これで終了だそうだ

553 :もう一人の『左手』(その17) ◆utAARsQ0ec :2008/02/25(月) 15:36:15 ID:GQWxBgdp
ID:xE7eLEP2さん、代理投稿感謝します。
ながらくスレを独占してすいませんでした。

554 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 15:41:27 ID:XA4vHw5B
サイト…おめぇがNo.1だ…!!
というわけで左手さん乙です。
予告通り、20分後の16時頃から投下開始したいと思います、よろしくお願いします。

555 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 15:51:44 ID:YTL9xkLl
GJ!
カメバズーカレコンキスタ入りとか、勝ち目あるのか?!
あと最近ライダーの影が薄い気がががが

556 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:00:32 ID:aoCGSSOM
薄いもなにも、今回、一切出て無いじゃまいか

557 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 16:01:14 ID:XA4vHw5B
それでは開始させていただきます。


イザベラ管理人第2話:最初の試練・前編

大国ガリアの権威を象徴する壮麗なる王宮ヴェルサルテイル。
その中にある、王女イザベラが暮らす小宮殿プチ・トロワの朝は早い。
といってもイザベラの朝が早いわけでは断じてない。使用人たちに限っての話である。
基本的に日の出とともに起きだして、雑用をこなすのだ。
その日もプチ・トロワの日常は変わらないはずであったが…昨日から紛れ込んだ異分子たちもまた同じ時間に目を覚ましていた。
もちろん、さざなみ寮の自動飯作りマシーン兼雑用マシーンこと槙原耕介と、彼を主と仰ぐ剣霊・御架月の主従である。
耕介は上体を起こすとともにぐっと伸びをして体の調子を簡単に確認する。
「くぅーよく寝たな…えっと、今何時だ…。」
特に問題もない、次は時間を確認して風呂の追い炊きを…そこまで思考したところで耕介はやっと今の状況を思い出した。
「そうだった…ここは異世界なんだった…。」
伸びの姿勢から再びベッドに倒れこんで気を抜くと、雑多な思いが無秩序に錯綜する。
(皆心配してるかなぁ…あ、新聞出さないとって出せるわけないな…不精の真雪さんや破壊魔の美緒が心配だ…)
そこまで思考してから、不毛なことをしていることに気づく。
こちらがいくら心配したところで、家族たちの状況を知ることすらできないのだから。
怒涛の一日から一夜明けて、耕介は改めて自分と御架月の置かれた状況の異常さ、先行きの不透明さを感じていた。
昨夜は不安がっている御架月を元気付け、何より自分自身に言い聞かせる意味も兼ねて大丈夫だ、と断言した。
だが、耕介とて不安でないわけがないのだ。
たとえ言葉の通じない外国に放り出されたとしても、彼なら持ち前のバイタリティと様々な家事スキルでどこでも生き抜くことはできるだろう。
だが、それはあくまで自身の常識が通じる世界での話だ。
右も左もわからない、魔法が世界を支配するファンタジー世界に放り込まれては生きていく方策すらイメージすることはできない。
もっとも、今はイザベラの庇護を得られているから当面の心配はないが…それも試練を超えられなければ失ってしまう。
試練にしても、全く価値観の違うイザベラの考えるものだ。いったいどんな試練なのか見当すらつけられない…。
加えて試練を超えられたとしても、元の世界に帰る手段が見つかるかどうかも全くの未知数だ。
(さざなみ寮で平和に暮らしてただけなのになぁ…。)
「あ、あの、耕介様、おはようございます!」
マイナス方向に思考が飛んでいた耕介を現実に引き戻したのは、彼の相棒である御架月だった。
「あぁ、おはよう御架月。」
笑顔で御架月に挨拶を返すが、御架月は何故か哀しそうな、心配そうな微妙な表情をしている。
「…どうした、御架月?」
咄嗟に理由が思い当たらず、結局御架月本人に問いかける耕介。
「大丈夫ですよ、耕介様!僕もいますし、イザベラ様だってきっと僕達が帰るのに協力してくれます!だから元気出してください!」
「御架月…。」
御架月が必死に耕介に伝えようとしていることは、まさしく昨夜に耕介自身が御架月に言ったことだ。
「そう…そうだな、全く俺らしくもない、悲観的になるなんて。ありがとうな、御架月。」
常識すらも違う異世界に突然呼び出され、帰る方法もわからない…不安を消すことなどできようはずもない。
それでも、ここには耕介の相棒である御架月がいるのだ。
回数は少ないとはいえ、薫の退魔の仕事を手伝ってともに修羅場を潜り抜けた戦友であり家族がいる。
悲観的になる理由などどこにもないではないか。
「はい、耕介様!頑張ってもとの世界に帰りましょう!」
耕介が力を取り戻したのを見て、御架月も嬉しそうに頷く。
しかし二人はまだ知らなかった。
この異世界生活二日目はやはり波乱に満ちたものになることを。

558 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 16:01:53 ID:XA4vHw5B
二人が異世界二日目の朝を迎えていた一方、ガリア王都へ向けて空をひた走る青い影があった。
朝靄を切り裂きながら飛翔するその存在は、青空のように真っ青な鱗に自らの体よりも大きな2枚の翼で空を飛んでいる。
そう、イザベラの従姉妹にして北花壇騎士7号ことタバサが召喚した風韻竜のシルフィードだ。
「きゅい…お姉さま、こんな朝早くからガリアの王都へ飛ばさせるなんて竜使いが荒いのね…。」
そのごつい見た目からは想像もできない可愛らしい声でシルフィードが主に抗議する…が、その声も眠気からか弱々しい。
「………。」
一方、シルフィードの首元あたりに座って背びれにもたれかかり、いつも通りに本を広げているタバサはそんな抗議などどこ吹く風だ。
時間が朝早いことに加えて風竜のスピードのおかげで凄まじい寒さのはずだが、そちらもどこ吹く風といった様子。
何のことは無い、サイレントの応用で風をシャットアウトしているのである。
ついでにシルフィードの抗議までシャットアウトし、タバサはめくるめく知識の世界へと没入しているのであった。
「お姉さま!可愛い使い魔のシルフィを無視するとは何事なのね!きゅいきゅい!」
全く反応しない主(そもそも喋っていることに気づいていないので当然だが)に業を煮やしたシルフィードが体を揺すって実力行使に出る。
そこでやっとシルフィードが何がしか喋っていることにタバサは気づいた。
読書の邪魔をされたことにうんざりしつつもサイレントの一部を解除し、シルフィードの声を聞けるようにする。
「……何?」
普段から抑揚にかけるタバサだが、さらに輪をかけて平坦な声であった。
主の不興を買っていることに気づかないシルフィードはさらに抗議の声を上げる。
「お姉さまは竜使いが荒いのね!なのにご飯があんまり美味しくないのね!使い魔虐待はいけないの!」
文章に脈絡がないが、シルフィード的には繋がっているらしい。
タバサが無言でサイレントをかけなおしたことにも気づかずシルフィードはさらにまくし立てる。
「というわけで美味しいお肉を要求するのね!お肉ーお肉〜美味しいお肉〜たくさん食べるのね〜♪」
途中から美味しいお肉の想像に意識が向いてしまい、タバサに言い募っていたことすら忘れてしまうシルフィード。
タバサはまた本の世界に没入していたのでシルフィードの要求は届きすらしなかったのだが…。
「る〜るる〜るるる〜♪」
歌うことが楽しくなってきたシルフィードには、もはやどうでも良いことであった。
今日もこの主従は平和である。


プチ・トロワ専属料理人であるマルコー(魔法学院の料理人との関係は不明である)は困惑しきっていた。
突然厨房に現れた、イザベラの客人という触れ込みの男の言葉が全く慮外のものであったからだ。
「料理を…させてほしいだって?」
「ええ、この世界の料理に興味があって。
できればレシピなんて見せてもらえると嬉しいんですけど…やっぱり部外秘です?」
この世界…という言い回しが若干引っかかったが、今はそんなことよりも急がねばならないことがあった。
「で、ですが、殿下のお客人にそんなことさせるわけには…。」
マルコーにとって、この珍客ははっきり言って迷惑以外の何者でもなかった。
なにせ気難しいイザベラの客である。あのイザベラと付き合いのある者など、ろくな男であるわけがないのだ。
加えて、イザベラの客にそんなことをさせたとあってはイザベラからどんな叱責があるかわからない。
イザベラのプライドの高さはプチ・トロワに仕える者…いや、王宮にわずかでも関係のある者にとっては常識であるのだ。
「厳密には客ってわけでもないんですが…。
俺、本職は料理人でして、どんな料理を作ってるのか凄く興味があるんですよ!
料理してるのを見せてもらえるだけでもいいんですが、なんとかお願いできませんか?」
耕介は、目の前にいる恰幅のいい料理長が自分を迷惑がっていることはわかっていた。
しかし、耕介には引けない理由が二つあった。
一つは、純粋に料理への興味だ。
耕介はさざなみ寮の管理人であるが、元々は調理師免許をもつ料理人である。
全く文化の違う世界の料理と聞いて興味を持たないわけがない。
もう一つは、今後のためだ。
イザベラの試練がどんなものになるかがわからない以上、試練をこなせず放り出される可能性も考慮しなければならない。
そうなれば、帰る方法がわかるまではこの世界で生活せざるを得ない。
そのためにも、この世界の文化がいかなるものかを知ることは重要であった。
この世界の料理がどんなものか、どんな味が好まれるのかを知っておけば、料理人として働き口を見つけられようというものだ。

559 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 16:02:43 ID:XA4vHw5B
「お客人、貴方は料理人なんですかい?」
マルコーが耕介の言葉に興味を示す。
マルコーの視線の色は、迷惑な珍客から若干の同族意識を感じさせるものになっていた。
「ええ、俺…いや、私は遠い場所から流浪してきたので、この辺りの料理にとても興味があるんですよ。
ほら、この服も私の故郷のものなんです。
食材によりますが、良ければ私の故郷の料理もご披露しますよ!」
警戒を薄めたマルコーに、ここぞとばかりに厨房にいく前に考えておいた作り話をたたみかける。
「ほう、遠い場所ねぇ…どこらへんだい?アルビオンとか?」
「いえ、ずっと東の方です。地図にも載ってないくらいなんですよ。」
「へぇ、そんな遠くから…。よし、いいだろう、見ていきな!その代わり、あんたの故郷の料理を見せてくれよ?」
訝しげな様子から一気にフレンドリーになったマルコーは満面の笑顔で耕介の肩をバンバンとたたく。
しかしそこでマルコーは気づいた。
「あ、も、申し訳ねぇ、お客人に馴れ馴れしく…!ご、ご容赦くだせぇ…。」
目の前の男は王女イザベラの客人、あんな態度をとったことを密告されては命が危ないのだ。
だが、この長身の男はマルコーの予想とは全く違う人物であった。
「そんな、気にしないでくださいよ。同じ料理人じゃないですか。敬語も要りませんよ、勉強させてもらいます!」
そう言って耕介は右手を差し出す。
「お、おぉ!おめぇいい奴じゃねぇか!よろしくな、遠くから来た兄弟!」
二人は固い握手を交わすと、笑顔でお互いの肩を叩き合った。
ここに料理人同盟が誕生したのであった。


耕介が料理人同盟を成立させ、ハルケギニアの料理を調査している頃。
耕介の相棒御架月はこの建物や周囲の地形を把握するために偵察を…。
「わ、綺麗な薔薇園だなぁ…ほんとに凄く綺麗で豪華だ、さすがは王女様の家だなぁ…。」
訂正、偵察ではなく散歩をしていた。
脳内マッピングをしながら歩いていたのだが、あまりにも広く豪華なプチ・トロワを歩いているうちに使命を忘れ去っているのだ。
今は外に出て、庭を見て回っているところである。
「あ、この窓…イザベラ様の部屋だ!イザベラ様もう起きたかなぁ。」
朝起きてから耕介と御架月はイザベラに会うためにメイドに案内を頼んだのだ。
しかし、イザベラは昼ごろにならないと起きてこないと聞き、それまで二手に分かれてこの世界の調査をすることにしたのである。
自らの霊体の密度を操作し、窓をすり抜けてイザベラのベッドに近づく御架月。
「うわ、凄い寝相だなぁ。掛け布団も跳ね飛ばしちゃって…。」
イザベラのベッドは惨憺たるものであった。
元々寝相が悪いのもあるのだが、昨夜は羞恥でごろごろ転がりまわっていたので、寝具がめちゃめちゃになっている。
しかしその寝顔は安からなものだ。
すーすーと薄い呼気を繰り返す様子も刺々しさが感じられないこともあり、庇護欲をそそる愛らしいものであった。
「もう仕方ないなぁ…。ん?凄く薄い服しか着てないけど…寒くないのかな…。」
イザベラが身にまとっているのは薄手のネグリジェとショーツだけ…加えて布団もかぶっていないのでかなり危険な光景であった。
だが、彼は御架月。400年を生きた剣霊である。生存本能はあっても生殖本能はないので、特に感じるものはなかった。
とりあえず御架月はイザベラに布団をかけてやり、乱れた髪を適当に直してやる。
「よし、これでいいかな。でもよく寝てるなぁ、もうお昼近いのに…。
仕方ない、もう少し散歩してから耕介様のところへ行こうっと。」
そう言って御架月は、今度は扉をすり抜けて歩き出す。
この時、彼はもう少し周囲に注意すべきであっただろう。
しかし彼は、彼の存在を認めてくれるさざなみ寮で普段過ごしていたので、気づかなかった。
扉からすり抜けたところをたまたま通りがかったメイドに見られていたことに。
メイドは呆然と、イザベラの部屋の扉をすり抜けて歩き去る半透明の少年を見送り…意識を手放した。

「宮廷料理だから洗練された料理かと思ってたら結構粗野なものもあったな。
まぁ現代の宮廷料理なんて見たことないし、あんなものなのかもしれないな。」
厨房と料理を一通り見せてもらった耕介は、上機嫌に自分の知識と照らし合わせて検証しながら、庭を歩いていた。
今は厨房に入るために貸してもらった前掛けを普段着の上につけているおかげで、使用人とすれ違っても違和感を覚えることはない。
マルコーの作る料理は自分の知るものと違う部分も多かったが、なんとか再現できそうな範疇であった。
もちろん味は劣るだろうが、年季が違いすぎるので贅沢はいえない。

560 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 16:04:01 ID:XA4vHw5B
後は自分なりに研究して自分の料理に昇華するだけである。
今は料理を見せてもらった礼として、耕介がまかないを作ることになっている。
しかし、薪が足りなくなってしまったので庭の奥にある薪小屋へ薪を取りに行くところだ。
調味料や食材、調理器具など、耕介が今まで使っていたものと違うものばかりなので何を作るか悩んだのだが、チーズとワインがあることに目をつけ、チーズフォンデュを作ることにしている。
「問題はどのチーズと白ワインを使うかだなぁ、どうするか…。」
頭をひねりながら庭を歩いていると、突然凄まじい突風が吹いてきた。
目をかばって思わず立ち止まっていると、日光が遮られ、次いでバッサバッサと薄く広いものが空気をたたく音が近づいてくる。
耕介が不思議に思って見上げると…そこには青い巨体があった。
「な、なんだ!?」
半歩後ずさりながら、耕介が素っ頓狂な声をあげる。
青い巨体はゆっくりと地面に着地すると、左右に伸ばしていた大きな翼をしまう。
巨体の正体は、青い鱗を輝かせる巨大なドラゴンであった。
「これって…ド、ドラゴン…なのか…?」
耕介にとっては、初めて視覚的にファンタジー世界へやってきたことを示す存在であった。
ドラゴンはその巨体に似合わぬつぶらな瞳で耕介を見つめる。
「え、えーっと…や、やぁ、こんにちは…。」
どうしたらよいのかわからず、耕介はとりあえず挨拶をしてみる。
耕介の挨拶への返礼か、ドラゴンはきゅいきゅい!と鳴き声をあげる。
微妙な沈黙が流れ、耕介がどうしようか迷っていると、ドラゴンの背から小柄な影が飛び降りてきた。
その影の正体は女の子であった。
イザベラと同じ青い髪をボブカットにし、まるで御伽噺に出てくる魔法使いのような黒いマントをつけ、自身よりも大きな木の杖を持っている。
「こ、こんにちは…。」
少女にもとりあえず挨拶してみる耕介。
だが、少女は耕介に無感情な視線を一瞬向けただけでさっさと歩き出してしまう。
その様は、初めて出会った当初のリスティを彷彿とする無感動さであった。
その時、青いドラゴンがきゅい!きゅい!と喚きたてる。
どうやら少女に向かって何事かを訴えているようだ。
少女は立ち止まり、数秒考え込むと、耕介に向き直り短く告げた。
「ご飯。」
「………へ?君、お腹すいてるの?」
耕介の勘違いを誰が責めることができようか。
「違う。私の使い魔にご飯をあげて。」
今度はもう少し長く少女が話す。
「使い魔って、この…えっと、ドラゴン?」
「……どらごん?この子は風竜。私の使い魔。」
少女は青いドラゴンを指差すと、それで話は終わりとばかりに再び背を向けて歩き出す。
「あ、ちょ、ちょっと待って君!風竜?って何を食べるの!?」
耕介のもっともな疑問に少女は再び立ち止まり、今度は首だけをこちらに向ける。
「お肉。」
そしてまた歩き出す。とことん没交渉な娘である。
「お、大雑把だな…。」
耕介は困惑しながらも風竜に視線を向ける。
風竜もこちらを見つめていた。
その視線は、どう見ても期待に満ち溢れていた。

タバサは使用人にシルフィードの食事を頼むと、プチ・トロワに入った。
そういえばさっきの使用人は見たことがないなとか、今度の命令はどんないやがらせをされるだろうとかつらつらと考えながら歩いていると。
「うーん、耕介様どこいったんだろう。厨房にもいなかったし、部屋に戻られたのかなぁ。」
タバサの前を、人影が通り抜けていった。
その瞬間のタバサの心中を迸った衝撃は、筆舌に尽くしがたい。
なにせ、その人影は壁から壁へすり抜けていったのだ。
しかも半透明であった。
かてて加えて、空中に浮遊していた。
それはどこからどう見ても、タバサがこの世で最も苦手な存在である幽霊であった。
タバサはゆっくりと意識を手放した。

561 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 16:04:41 ID:XA4vHw5B
イザベラは太陽が中天に差し掛かる頃、ようやく目を覚ました。
「ふあぁぁぁ…よく寝た…。」
普段ははね飛ばしている寝具が今日に限ってちゃんと正されていることをわずかに疑問に思うが、寝起きの頭からはあっさりとそんな些事は抜け落ちる。
目元をこすりながらベッドから垂れ下がった紐を引くと、メイドたちが部屋に駆け込んでくる。
メイドたちはすぐさまドレスを洋服棚から取り出してイザベラに着せていく。
「今日は何があったかねぇ…。」
「はい、イザベラ様。本日はシャルロット様がお出でになります。」
イザベラの何気ない疑問に答えたメイドは、有体に言ってうっかり者であった。
「あんな奴はガーゴイルで充分なんだよ!」
たちまち頭に血が上ったイザベラの怒声をぶつけられることになった。
「も、申し訳ありません、イザベラ様!」
一瞬で泣きそうな顔になったメイドは慌てて謝罪する。
「フン…そういえば呼んでたっけね…。あぁ、翼人の件だったか。」
ようやくタバサを呼びつけた理由を思い出したイザベラは、何かもう一つ忘れている気がしつつも特に気にしないことにした。
ドレスを着て化粧も済ませたイザベラは、日光に当たろうと窓を開けてテラスへと出る。
何気なく前庭のほうに視線をやると、大きな風竜が黒髪の使用人に手ずから何かをもらっているのが見える。
「タバサの使い魔か………あれ?」
そこまで考えたところで、ようやくイザベラは昨日の出来事を思い出した。
しかもよく見れば、あの黒髪で長身の使用人は耕介ではないか?
「あ、あいつ、何してんだい…!」
耕介がタバサの使い魔に何かをやっていることに何故だか衝動的な焦りと怒りを感じたイザベラは部屋から走り出て行った。

562 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 16:05:06 ID:XA4vHw5B
シルフィードはとてもとてもご機嫌であった。
珍しい黒髪の使用人がくれた、クリーム色の衣に包まれた肉がとても美味しかったのだ。
「きゅい!きゅい!」
嬉しそうに鳴きながらもっともっとと耕介におねだりをする。
「ハハハ、人懐っこいなーお前。ほら、もっとほしいんだろ?」
そう言って使用人は再び肉を差し出してくる。
手ずから食べさせてくれる使用人など初めてなこともあって、シルフィードのご機嫌っぷりは最高潮だ。
使用人…耕介も、上機嫌であった。
風竜など、最初はどう接していいかわからなかったが、存外にこの風竜は人懐っこかったのだ。
つぶらな瞳と巨体のギャップも愛らしさを助長している。
一心不乱に肉を食べるシルフィードを時折撫でてやりながら、料理人たちにも好評であったチーズフォンデュの出来に満足する。
「きゅいきゅい!本当に美味しいのね、このお肉!」
「………ん?」
耕介は今しがた聴こえた声の主を探して周囲を見回すが…誰もいない。
いつの間にか食べるのをやめて停止していたシルフィードがギギギ…と音がしそうなほどゆっくりと耕介を見上げる。
「お前、喋れたのか?」
シルフィードは思った。
(おおお、お姉さまに怒られるのねぇぇぇ…)
それに、目の前の使用人も自分を恐れて逃げてしまうだろう。喋る竜など一般には知られていないのだ。
だが、耕介の行動はシルフィードの予想を全く裏切るものであった。
「そうか、風竜って知能が高いんだなぁ。その料理な、俺が作ったんだ。喜んでもらえて嬉しいよ。」
再び笑顔になった耕介は優しい声で何事もなかったかのようにシルフィードに接する。
そう、彼は人外魔境のパイオニアさざなみ寮の管理人なのだ、この程度は驚くにも値しない。
というのは若干誇張である。単に「幻獣は喋らない」という常識を耕介が知らないだけである。
「きゅい、驚かないのね?」
シルフィードは不思議そうに耕介に問いかける。
「ん、何をだ?」
耕介はさらに不思議そうに問いかける。
妙な間があいた時…プチ・トロワの入り口から駆け出してくる人影があった。
その影はまっしぐらにシルフィードに近づくと、レビテーションで背に飛び乗る。
「お、お姉さま?どうしたのね?」
それはシルフィードの主、タバサであった。
何故だか瞳に涙をためてガタガタ震えている…無表情は動いていないが。
「は、早く…飛んで…今すぐ…ここから離れて…!」
タバサはどもりつつシルフィードに命ずる。
シルフィードが使用人の前で喋っていることにも気づいていないようだ。
混沌としだした場に、さらに二人の人物がやってくる。
「あ、耕介様、ここにいらっしゃったんですね!」
「コ…コースケ!あ、あんた、何してんだい!!!」
耕介を探して彷徨っていた御架月と、怒りに任せて全力疾走したせいで息を切らしているイザベラであった。
さらに場は混沌とし…そのことに気づいたのは耕介だけであった。
タバサが御架月を見て、再び意識を失ってシルフィードの背から落下したのだ。
最もそばにいて、そのことに気づいた耕介はタバサを咄嗟に受け止める。
「な…!!!」
幽霊を見て意識を手放したタバサ。
そんなことには全く気づかず、嬉しそうに耕介に近寄る御架月。
まだ残っていた肉をすばやく口に入れるシルフィード。
タバサを抱きとめた耕介を目撃して、自分でも理由のわからない怒りを燃やすイザベラ。
心配そうにタバサに呼びかける耕介。
混沌はさらに深まっていく…。

563 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:05:25 ID:ETM6UfFR
支援?

564 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/25(月) 16:06:11 ID:XA4vHw5B
以上で投下終了でございます。
本当は前後編に分けるつもりはなかったのですが、気づいたらやけに長くなってしまい、このようになりました。
それでは、またお会いしましょう!

565 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:16:02 ID:CF8/6n3Y
乙でした。幽霊ってハルキゲニアには普通にいそうな気がするなぁ…

料理が雑なのは中世的なファンタジー世界では最もツッコミしづらいところですよね。
胡椒とかの香辛料や調味料、調理法が確立されてないと酷く不味いらしいですから
日本人の舌に合う物があればいいのに…耕介なら何とかできるかな?

566 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:27:39 ID:C+Z76c65
乙です。
状況がカオスノキワミと化したw

香辛料は偉大だよな〜。

567 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:30:04 ID:JHYmjK0e
乙ー。調味料って作ろうと思うと難しいんですよね………
よくある「自作調味料」ってもの、ネギを浸した油に唐辛子粉を入れて煮立てる〜って唐辛子使ってるじゃんってのばっかだし。
現代の料理人が昔のレベルの厨房で料理をしてたら、所々で「やべぇ、○○がない!」って手が止まるでしょうな。
香辛料が生産できる熱帯が植民地になるまでバカ高だったのが分かるよ。

568 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:34:39 ID:MhbyxKv6
中世時代の食文化とかに関していえば西洋より東洋のほうが進んでいるからな
やっぱり調味料の原産地に近いほうが有利なのか?

569 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:39:55 ID:kPxR7Ydl
>香辛料や調味料
それっぽいものはあるとした方がいいんじゃないか?
どっちかというと「現実にあるものと姿形が違う」方が面白い話になりそうだし。

シナモンスティックかと思ったら挽いて粉にして胡椒のように使うもので、齧って大騒ぎとかw

570 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:47:38 ID:2/iOyPrQ
>568
たしかに、欧州には調味料の産地はほとんど無いなぁ。
せいぜい海近くの塩くらいか。
それに調味料ってのは、料理の技術そのものが発展しなきゃ発展しないしね。
で、料理の技術ってのは、平和な時代が続かないと発展しない。
それに加えて、流通も便が悪いから、食料は味よりも保存性と携帯性。
結果、内陸部では乾物や傷んだ食材を大量に入れた香草でごまかすような酷い料理が多くなる、と。


571 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:53:06 ID:qkKLqYco
実際ヨーロッパに行くとまず醤油の匂いが恋しくなるからな

572 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:55:01 ID:YpqaO5jc
香辛料がないなら醤油を使いまくればいいじゃない(by マリー)


573 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 16:55:35 ID:9dxMWhzf
>>564
ああああ、いい所でぇぇぇx

なにはともあれ乙

574 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:05:34 ID:JHYmjK0e
これはまたお腹が空く流れ。

原作では食材をメイジに冷蔵して運ぶとか、生物用の固定化とかがあるって描写はなかったよなぁ。
ってことは、中世で言ってた「肉は腐りかけが旨い」とか、しなびた野菜が当たり前だの、塩の味しかしないハムを煮込んだらスープの出来上がりってレベルなのか。

香辛料の生産者に感謝しつつ、晩飯はネパールカレーの店に行こう。

575 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:15:12 ID:cEIu0opw
メイジ"に"……冷蔵!?


576 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:18:19 ID:ETM6UfFR
ひんやりよく冷えたルイズ

577 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:27:34 ID:MrUTweFN
ゼロ魔世界は大航海時代も周囲への探検隊や開拓も行ってなくすでにある国同士の戦争でしか
領土を増やそうとしていないみたいだから(南方でとれる)香辛料自体が存在しないかも。

もっとも、魔法がある世界だけに特に練金の得意なメイジの一族がいて代々香辛料の練金で稼いでいるかもしれないが。


578 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:27:46 ID:ylwlZlI1
どこぞの国ではトマトを煮込んだだけのスープが伝統料理だったりするから困る

579 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:31:42 ID:9dxMWhzf
>>574
「お腹空いたの? 仕方ないわねえ。 ほら。」
腹の取っ手に手をかけるルイズ。
中段の引き出しから干し肉、上段の扉からはよく冷えたワインが出された。


こう言う事だよな?

580 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:32:30 ID:MSEqZEvI
ヨシェナヴェは何で味付けしてるんだろ?
味噌くらいは作れるんだろうか?

581 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:36:04 ID:Mh71gXoA
>>577
>練金の得意なメイジの一族がいて代々香辛料の練金で稼いる

これなんてFF11?

582 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:36:06 ID:WFjDgq3+
味噌も醤油も大豆が無いとどうにもならんからなぁ。
つーか、よく考えたら水そのものが不味かったりするのか?ハルケギニア。

583 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:39:28 ID:cs68Vg/c
>>580
シエスタのぼにゅー

584 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:40:45 ID:cEIu0opw
>>583
ナニをしながら母乳を搾り出すとな?

585 :574:2008/02/25(月) 17:40:45 ID:JHYmjK0e
モウヤメテ………

ん?上段の扉ってことは、そのワインって原料はミルk(ガッシ、ボカッ

586 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:42:48 ID:KYGxh/bC
というか大豆があったとしても「発酵」という概念があるのか?
何か放っておいたら美味い何かができました、なレベルじゃないの

587 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:45:23 ID:Ey42djAv
かもすぞー

588 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:47:36 ID:MhbyxKv6
>>586
ほら、タルブには佐々木さんがいるじゃないか。
とりあえず大豆さえあれば味噌醤油なら何とかなるかもしれない

589 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 17:59:03 ID:g3o62jkT
かもすぞ ただやすー

590 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:16:43 ID:3BOWtQiI
ヨシュナヴェはちゃんこみたいに
鶏ガラのソップに塩だけでも野菜がいい旨みを出してくれる
(うまみの素になるアミノ酸を味覚で感じられる西洋人は少ないけど)
しかし王宮料理の描写を見る限り、スパイスの類は貧弱そう
魔法のおかげで臭みのある肉を食う必要がなかったってのもあるのかもしれない

591 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:16:49 ID:x6YBP9h+
突然ですが、予約はないですよね?

無いなら投下します

592 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:17:38 ID:x6YBP9h+
 トリステイン魔法学院の朝は学生達の起床から始まる、と学院の人は言う。
 実際には下男やらメイドやらが日の出前から起床している。
 さて、当然のことなのだが、ヤンもルイズの執事として働くと言った以上、日の出前か
ら起き出して主たるルイズを起床時間に起こさねばならない。

 同盟・帝国を通じてヤンの異名は数多い。が、振り返ってみるに、その中に「寝たきり
青年」というものがあったような気がする、と考えていた。朝食の時間ギリギリになった
頃に、ルイズと二人で寝ぼけた顔をつきあわせながら。
 のぼり始めた太陽を見て、慌てて飛び起きる二人。


   第3話    執事?


 ルイズ曰く「貴族は下僕がいるときは自分で服を着たりしない」とのことで、ヤンは下
着姿のルイズの服を着せてあげねばならなかった。帝国の貴族は知らないが、ルイズはト
リステインの貴族。その執事をする以上はやむを得ない、というわけでヤンは渋々ルイズ
にブラウスを着せる。
 自分を奴隷にしようと目論んだ魔法使い、歪んだ選民意識と鬱屈した劣等感を抱かざる
をえなかった貴族の少女…と思ってはいたが、見た目はユリアンよりずっと年下の可愛い
小柄な女の子。最初にルイズが16歳と聞かされたとき、思わず本人に真顔で聞き返して
足を踏まれてしまった。

 そんな彼女の着替えを手伝っていると、ふと、自分に娘がいたらこんな感じか…と想像
してしまう。ユリアンは親子というには年が近かったが、ルイズの外見は丁度自分の娘く
らいの年齢に見える。
 素直でしっかり者で家事の天才ユリアンが兄、我侭で意地っ張りで泣き虫な妹ルイズ、
気丈で気が利くけど料理はぜんぜんだった妻フレデリカ、そして粗大ゴミ扱いされるぐう
たらな自分。一瞬、そんな妄想にふけってしまう。
 でも自分の娘は遺伝学上、絶対にピンクの髪にはならないので、髪を染めるかも知れな
いけどそんな色に染めないで欲しいと祈ってるので、とっても無理のある光景だなぁと、
苦笑いしてしまった。

「ちょっと、なにボサッとしてるのよ」
 ルイズが、手を止めて遠くを見つめるヤンを見上げていた。
「…ん?あ、ああ、すまない。ちょっと家族のことを思い出してね」
「家族?あんた、家族がいたの?」
「そりゃいるよ。僕にはもったいないほど美人で優しい妻に、養子だったけどとても素直
で真面目で、家のことを任せっきりだった息子がね・・・」
 いいながらも、視線はだんだんうつむいていく。
 それを見上げているルイズの表情も、だんだんと陰が広がる。
「・・・会いたいの?」
「ああ・・・会いたいな。本当に、父としても夫としても大した事をしてやれなかった。
それでも、多分、僕が急にいなくなって悲しんでいるんじゃないか、と思って」
「…そう」
 ルイズはプイとそっぽを向いて、それ以上何も言わなかった。
 ヤンも、黙々と彼女に制服を着せた。




 ルイズが部屋から出たと同時に目の前の扉が開き、出てきた生徒達が挨拶をする。


593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:18:11 ID:FOYAwCYE
ファイエル支援

594 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:19:48 ID:x6YBP9h+
「おはよう、ルイズ」
「おはよう、キュルケ」
「そしておはよう、使い魔さん♪」
 キュルケはルイズの後に扉から出てきたヤンにウィンクした。
「おはようございます。ミス・ツェルプストー」
 ヤンは、キュルケに礼儀正しく礼をする。
「あらあら、相変わらず他人行儀ねぇ。キュルケって呼んでいいわよぉ」
 色っぽく大きな胸とお尻を揺らしながら、キュルケはヤンに歩み寄る。
 そのしなやかな指は学者肌の頬に伸びていく。
  ペチッ
 ルイズがキュルケの手を払いのけた。
「あんたねぇ、毎度毎度いい加減にしなさいよ!」
「あーら、いいじゃないの。ちょっと親交を深めようと思っただけよぉ」
 キュルケのわびれない態度に、更にルイズはムキになって怒り出す。
「深めなくていいわよっ!ウチのご先祖様達みたく、今度はツェルプストーに使い魔盗ら
れましたなんて、絶対許さないわっ!!
「やーねぇ、ウチのひい祖父さまがあなたの所のひい祖父さまから奥さんを奪ったり、ひ
いひい祖父さまが婚約者を奪ったり、みたいな事はしないわよぉ。
 で・も!その人はあなたの恋人でも何でもないもの。だからぁ、恋をするのは自由なの
よねぇ〜♪」
 甘い響きの言葉と共にじわじわ近寄ってくるキュルケに、ヤンはじわじわと後退してし
まう。
「行くわよ、ヤン」
 ルイズはキュルケを無視してヤンを引っ張っていった。




 ヤンがルイズの執事を始めて数日。
 朝食に向かうヤンにキュルケが迫り、ルイズが割って入るのが始まったのも数日。
 ヤンの新しい生活が今日も始まる。



 ヤンはルイズの部屋の掃除を終え、かごを抱えて学院の水くみ場の隅に来た。
「おはようございます」
「あら、おはよー」
「なんだい、相変わらず馬鹿丁寧だネェ。ここにゃクソッタレの貴族どももいないんだ。
もうちと気楽にやりなよ!」
 洗濯場には、主に貴族の衣服を持ち寄るメイドたちがいた。
 ヤンもルイズと自分の衣服を入れたかごを洗濯場の隅に置く。

 ヤンの仕事の一つにルイズの衣服、特に下着の洗濯がある。
 養子であるユリアンが彼の家に来たとき、彼はゴミの中に埋もれて生活していた。彼の
部下たちは上官を指して「ユリアンがいなけりゃヤンは生きてけない」「生活無能力者」「冬
になったら春まで冬眠してるさ」等の、とても親愛に満ちた、そして正しい評価を下して
いた。その上、ヤンの時代に機械を使わず洗濯する人などいるはずもない。だから最初、
彼には洗濯の仕方も分からなかった。

 目の前の洗濯物と、10倍の敵艦隊。どっちが手強いだろうか

 そんな平和このうえない悩みについて、ヤンは真剣に悩んでしまう。そんなことを考え
ながら洗濯板でシルクの下着をごしごし洗い、ぼろぼろにしてしまうのだった。





595 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:21:06 ID:FOYAwCYE
斉射三連支援

596 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:21:19 ID:x6YBP9h+
 洗濯を終え、部屋の掃除が済んだら、すぐに学院長室へ向かう。
 コンコンとノックすると、カチャッと鍵が外れる音がして、「どうぞ」という女性の声で
中へと促された。
 学院長室には秘書のロングビルしかいなかった。
「オールド・オスマンはどちらへ?」
 秘書は凛々しく立ち上がり、しなやかな足取りでヤンの前に来る。
「今はトリスタニアへ行かれていますわ。代わって私が講義をして欲しい、と依頼されて
おります」
「そうですか。ですが、あなたの仕事はよろしいのですか?」
「ええ、そのための時間は頂いておりますから。とはいえ、私も教師ではないので大した
事はお教えできません。故郷のアルビオンの地理や歴史を簡単に、だけですが、よろしい
ですか?」
「いえいえ!教えていただけることなら何でも結構です。何しろ僕はこの世界のことを何
も知りませんから」
「わかりましたわ。それではこちらへ」
 ロングビルはヤンと机を挟み、ハルケギニアの地理と歴史と文化、特にアルビオンにつ
いての授業を行った。

 ルイズが授業を受けている間、ヤンはこうやってハルケギニアについて様々な知識を学
ぶことにした。彼はルイズが受けている授業についても興味はあったのだが、さすがに魔
法のことは専門外。それにこの世界の地理政治文化、何より歴史への興味の方が上回って
いた。
 そしてオスマンは、彼を召喚して無理矢理使い魔にしてしまった負い目から、教育者と
しての立場からも、彼の学問を修めたいという要望を断れなかった。

「…で、どうしてその『白の国』アルビオンは、宙に浮きっぱなしなんですか?」
「え?いえ、さぁ・・・どうしてなんでしょうね?大陸の中に巨大な風石があるのでは?
なんて言われてますが、土メイジがいくら探査しても見つからないので、それは違うと思
いますが。
 やはり風の精霊の力かと思いますわ」

 トリステインと同面積の浮遊大陸アルビオン、と聞かされたヤンが頭を捻ってしまうの
と同じように、浮いている理由を尋ねられたロングビルも首を傾げてしまう。
 ヤンの知的好奇心は、まるで外の世界を初めて見た子供のようにあちこちへ駆け回って
いる。何の疑問もなく暮らしている普通の人々には、回答に困ってしまうものも多い。も
う少し自然科学に興味を持ってくれれば、文明も発達するのになぁ、とヤンは残念に感じ
てしまう。
 もっともハルケギニアの人々からしてみればどうだろうか。ヤンの世界の人々を「精霊
を恐れぬ不心得者どもで、魔法の力を無視する盲目の蛮人」と嘆き軽蔑するのではないだ
ろうか。
 そんな事を考えるだけでもヤンは想像力が遙か遠くへ向けて羽ばたいてしまう。


 お昼前になり、ルイズ達生徒と同じように、ヤンの授業も終わりとなった。
「あ、ミスタ・ヤン。こちらがオールド・オスマンから預かった図書館の使用許可証です。
学生が入れる場所なら入れますので。司書にも話を通してあります」
「ああ!やっとできましたか。助かります!ありがとうございます!」
 受け取ったヤンは満面の笑みで頭を下げた。嬉しさのあまりダンスをしそうになった。
だが、相手がロングビルしかいなかったことと、以前嬉しさのあまりユリアンとダンスを
したのを部下たちに見られて笑われたのを思い出し、なんとか思いとどまった。





597 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:23:27 ID:x6YBP9h+
 お昼になり、アルヴィーズの食堂横にある厨房で、ヤンは食事をとることにした。
「よ〜お。来たか」
「お邪魔します、マルトーさん。いつもすいません」
 頭を下げて厨房に入ってきたヤンを迎えたのはコック長のマルトー。でっぷりしたお腹
を揺らしながらヤンの肩を叩く。
「まぁったく、そうかしこまんじゃねぇよ!同じ平民同士、困った時はお互い様さ!あん
たの食事の事はヴァリエールのお嬢様からも頼まれてるからな!」
 料理を厨房の隅の机に持ってきたのはシエスタ。
「はい、ご飯ですよー。でも、こんな簡単なモノで良いんですか?」
「ええ、ようやく図書館の使用許可が下りたので、急いで行こうと思うんです」
 机の上に並べられたのはサンドイッチと水。それを大急ぎで口に放り込み、すぐに立ち
上がる。
「ふぅ、有難うございました。ところで何か手伝える事はありますか?」
 手伝う、とヤンに言われたマルトーは、慌てて顔を横に振った!
「あー、いやいや、大丈夫だ!それよりあんたは早く本でも読んで、色々勉強した方がい
いぜぇ」
「はぁ、そうですね。この前のような失敗をしないよう、この国の事を学んでくるとしま
す」
 ヤンは恥ずかしげに頭をかいて、そそくさと厨房を出て行った。マルトーは他のコック
達に肘で突かれ、ちょっと言い方が悪かったかと頬をポリポリ指でかく。


 先日、ヤンは食事の礼にと思い、厨房の後片づけを申し出た。洗い物を頼んだ後、マル
トーはかまどの火を消しといてくれ、と何気なく言ってみた。
 次の瞬間、ヤンはかまどの火に水をかけて消そうとしたのを、シエスタに羽交い締めに
されて止められた。
 かまどの火は、くべてある薪を火バサミで壷に移し、壷に蓋をして消す。かまどに残っ
た小さな火には灰をかける。もし、火がくべられたままのかまどに水をかけたら、爆発的
に吹き上がる水蒸気に灰が巻き上げられ、厨房が灰だらけになる。水浸しになった灰は、
ただの泥。火をつけるのに邪魔なので全部取り除かねばならない。
 だが、ヤンが生活無能力者とかどうとか言う以前に、宇宙で商船や戦艦やイゼルローン
要塞の中でずっと生活してきたヤンに、かまどの使い方は分からない。彼にとって火を消
すとは、砲撃等で発生した火災を消火する、ということだ。その消火も大概は緊急消火ボ
タンを押すだけ。
 そして、一応士官学校でサバイバル技術を学んだはずなのだが、実技が赤点ラインを往
復していたヤンに、そんなモノを期待するのは無茶としか言いようがない。もっとも、た
とえサバイバル技術を完全に身につけていたとしても、「薪を小さく割るには斧を振り上げ
るより鉈(なた)がいい」なんて事は知らない。鉈なんていう、ナイフとも包丁とも斧と
も異なる、軍用ではない日用品としての刃物なんて、彼には使う事も見る事も無いのだか
ら。
 科学の宇宙で生きてきたヤンにとって、この中世魔法世界ハルケギニアは毎日がサバイ
バルだ。意地を張ってルイズの下を飛び出したらどうなっていたやら、想像しただけで寒
気がしてしまう。
 彼は、自分はこの世界では赤ん坊並の知識しか持ち合わせていないのだと、思い知らさ
れていた。


「これが立体TV辺りなら、こういう日常生活は全部カットされて、『科学知識を駆使して
大成功の連続!』という事になるんだけどなぁ…現実って厳しいんだな、ファンタジーな
魔法世界なのに」
 図書館に向かいながら、魔法世界の厳しい現実に打ちひしがれつつも感心してしまうヤ
ンだった。





598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:23:39 ID:g3o62jkT
支援モード キドウ

599 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:23:55 ID:CF8/6n3Y
本買いに出かけたら調味料談義になってた
衣食住で無いとまず死ぬのが食だからなー…一番問題といえば問題なんだ
サイトは食に無頓着だったのか?

>>582
水の問題は大いにありうる…水が全部真水とか、異世界なら有り得る訳だから
特に気になるのは、貴族はともかく平民は水の調達をどうしてるのか
機械が無いから色々大変だと思う。内陸部は特に

>>588
酵母菌が存在しない世界だったらどうするよ?酒を作れる時点であると言えばあるんだろうけど
菌だって対応する物があるからこそ変化するわけだし…

600 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:24:42 ID:wvqDHK1S
>>586
ワインがある。というか酒あるところに発酵あり、だ。
生姜、カラシ、ニンニク、香味野菜を駆使すれば、
香辛料のない中世以前でも繊細に調理できる。(食材の鮮度も重要だが)

豆板醤のベースはソラマメの味噌だし世の中にはピーナッツの味噌もあるから、
大豆がなくても豆と麹さえ確保できれば佐々木さんさえいれば味噌と醤油も可能だろう。
(チーズがあればカビ発酵の概念はOK)

601 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:24:49 ID:CF8/6n3Y
割り込みごめんなさい紫煙

602 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:25:39 ID:x6YBP9h+
 図書館は本塔にある。門外不出の秘伝書、魔法薬のレシピ、教師のみ閲覧を許された区
画『フェニエのライブラリー』もある。始祖ブリミルがハルケギニアに新天地を築いて以
来の歴史が詰め込まれている、と言われている。
 当然、平民立ち入り禁止。入り口の若い女性の司書がメガネ越しに出入りする教師や生
徒をチェックしている。司書はヤンを見ると、不審な顔はしつつ、咎める事はなかった。
再び視線を読んでいた本へ戻す。
 一週間くらい前にどこからか召喚された平民使い魔、食堂では主を擁護するため居並ぶ
メイジ達を前に怖じ気づく事無く頭を下げた人物、そういう話しは彼女も知っている。だ
が何故に突然、この正体不明の人物に図書館使用許可が下りたかまでは知らない。内心、
本が盗まれたらどうするのか、という不安を感じてはいたが。

 そんな司書の不安は気にせず、ヤンは足取り軽く図書館に入った。
 だが、入った瞬間に頭を抱えてしまった。

 本塔の大部分を占める図書館は、高さ30メイルの本棚が壁際にずらりと並ぶ光景は壮観
である。壮観なのはいいのだが、ヤンには上の本が取れない。昼休みなので他の生徒も教
師もいるが、彼等は『フライ』で本棚の間を飛び、『レビテーション』で本を取っていく。
もちろんヤンにはどちらも出来ない。
 つまり彼が読めるのは下から数メイルの間にある本だけ。彼は遙か上を飛ぶメイジ達へ、
おあずけを喰らった子供のように羨ましげな視線を送った。

「…と言っても、とりあえず下の方の本だけ読めれば、今はいいんだけどね」
 なんて負け惜しみじみた独り言をいいつつ、本棚の下の方の本から目的のタイトルを探
した。下の方にある本、即ち魔法を使わず出せる本、ということは使用頻度が多いので取
り出すたびに毎回魔力を消費していられない、基本的かつ重要な本。
「ああ、あったあった、これだな…」
 彼が取り出した本のタイトルは、『ハルケギニア全土図』。
 つまり、地図。




 放課後、ヤンは厩舎前にやって来た。
「遅いわよ!どこほっつき歩いていたの!?」
 そんな愛情に満ち足りすぎて涙が出てきそうな言葉を投げかけるのは、乗馬用のムチを
手にしたルイズ。彼女は約束通り、放課後にヤンへ乗馬を指南していた。
「ごめんごめん、図書館で本を読んでいたら遅くなってしまって」
「ふん、まぁいいわ。さ、早くやるわよ!」
 と言ってルイズは下男に厩舎から一番大人しい馬を連れてこさせる。

 大人しい馬、のはずなのだが、ヤンはこの馬から落ちたり振り落とされた記憶しかない。
 そんな乗馬初心者ヤンの不安は、ルイズには信じられないような基本的なものだ。

「あのねぇ、落馬は馬が何かに驚いて暴走した場合が多いんだけどね。乗っている人の不
安を感じて馬も不安になるから、なんでもない音とかで驚いてしまうのよ。
 乗馬を習いたいって言ったのはあんたなんだからね!もっとビシッとしなさいよ!!」
「い、いや、そう言われても、なぁ…」

 初日、近付くのも怖かった。
 鞍を手でつかみ、鐙に左足をかけて登ろうとしたら、鐙がフラフラ安定せず、鞍のつか
み所も悪くて、落ちた。
 どうにか乗ったら、即座に振り落とされた。
 周囲に集まってきたメイドやコックやら平民達や、通りすがりの貴族達がクスクス笑っ
たり爆笑したり。その度に、教えてるルイズ自身も恥ずかしくて顔から火が出る思いだ。
「全く・・・また、あたしが先に乗るから、あんた後ろにのんなさいよ」
「う、うん。お願いするよ」
「早く、まずは馬に慣れてよね。でないといつまで経っても教える事自体が出来ないわ」
「…面目ない」


603 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:27:58 ID:x6YBP9h+
 そんな感じで、前に乗るルイズに怒られながらヤンはおっかなびっくり乗馬を習い続け
ていた。




 夜、ルイズの部屋。
 魔法のランプが照らす室内に、ティーカップを前にした浮かない顔の二人。
 ルイズは鏡台の前に座り、財布の中身を広げてため息をついた。
 背後では床に直接胡坐をかいていたヤンが、ひざの上に広げた本を見ながら、ルイズに
負けないくらいの大きなため息をついた。

 じろりとルイズが振り返る。
「…何よ」
「そっちこそ、どうしたんだい?」
「あんたの入れたお茶が不味いのよ」
「…うん、僕もそう思う」
 ヤンが入れたお茶。それは、二人揃って一言、不味い!と言い切れるものだった。
「修行しなさいよね」
「心得ました、ミス・ヴァリエール」

 しばし視線を交じわせた二人は再び同時に、さらに大きなため息をついてしまった。
 またも二人の視線が交わる。

 先に口を開いたのはルイズ。
「予想はつくでしょ?」
「まあね…僕の治療費、そんなに高かったのかい?」
「オールド・オスマンが言ってたでしょ?大きな家が一軒買えるって」
 ルイズは財布をひっくり返すが、手のひらの上に落ちてきたのは銀色の貨幣数枚のみ。
「これが骨折とか、ただの怪我だったら、もっと残ったでしょうけどね・・・」
「そうか…本当に、苦労をかけるね」
「いまさら、何よ。
 それで、そっちは何なの?地図なんか眺めて」
 ヤンの膝の上に乗せられていたのは、昼間に図書館で借りてきた本『ハルケギニア全土
図』だ。
「うん、まぁ、簡単に言うと、僕の国とトリステインの距離とかを知ることができないか、
と思ったんだけどね」

 その言葉を聴いて、ルイズの顔は一瞬曇りが広がった後、すぐに晴れ渡った。

「ふーん、その様子だと、どうやらあなたの国は相当遠いみたいね」
「遠いなんてもんじゃないよ…自力で帰るのは、ほとんど不可能だ」
「そうなの?ところで、どのへんなのよ」
 と言ってルイズは地図を手に取り床に広げてみる。そこにはハルケギニア5国と、その
東の聖地辺りまでが書かれている。
「その地図には載ってないんだ」
「へえ〜、それじゃ、聖地の向こう側なのね。ロバ・アル・カリイエなんだ」
 押し隠した嬉しさを含むルイズの言葉に、ヤンは残念そうに首を横に振る。
「なによ、それよりまだ遠いの?いったい何処なのよ、それ」
「何処といわれても、ハルケギニアでは知られていない場所だよ」
「ふーん。ちなみに、故郷はなんて名前?」
「故郷?故郷かぁ〜・・・」

 天井を見上げて、しばし思案してみる。さて、自分の故郷といえる場所はどこだろうか。
 ふとルイズを見れば、ちょっと興味ありげなようで、ヤンに近寄ってくる。
 彼は、なるべくハルケギニアの人でも分かるような言葉で語った。


604 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:29:52 ID:x6YBP9h+
「子供のころは、旅商人の父に連れられて船に乗っていたよ。いろんな場所を巡ってきた。
だから故郷と言える場所はないんじゃないかと思う」
 ルイズは床にペタッと座って、ヤンの思い出話を聞き始める。
「16歳になる直前、事故で父が死んでね。たまたまハイネセン…ああ、ハイネセンは僕
がいた国の首都だよ。士官学校の戦史科に入学できたので、あとはずっとその士官学校に
いたんだ。
 でも、実際には最前線のイゼルローン要塞にいた頃が、一番思い出深いなぁ。もしかし
たら、その要塞が僕の故郷かも知れないな」
「ふぅ〜ん・・・でも、知らない名前ばっかりねぇ」
「そりゃそうさ。僕だってハルケギニアもトリステインも知らないよ。でも、もしかした
ら…と思ったんだけどね。過去に僕らの世界と接触した跡でもないものかと」

 そういってヤンは切ない視線で地図を見つめる。

「で、方向で言うとこの地図のどっち?」
 ヤンの前に地図を置いて尋ねてくるルイズだが、ヤンは首を振った。
「方向は分からないよ。なにせ、このハルケギニアの地図を見て分かったんだ。ここは僕
らの国では、伝説とされる世界だって」
「伝説?」
 ルイズはキョトンとして聞き返す。自分の住んでる世界って、伝説になるほど特別だっ
たのかしら?という感じだ。
 だがヤンは、途方に暮れたように天井を見上げてしまう。
「そう、伝説。存在自体は誰でも知ってるけど、決して行く事の叶わない世界。虚数の海
の彼方にある、別世界・・・パラレル・ワールドさ」

 ヤンはジッと地図を見つめた。
 同盟の公用語と多くの共通点を持つ言語で記された、地球のEU地域そっくりのハルケ
ギニアを。




 次の日の朝、やっぱり二人は寝坊して大慌て。
「全くもう!なんて役に立たない執事なの!?ほらブラウス取ってよ!」
 ヤンは慌ててタンスからブラウスを引っ張り出す。いや、本人は慌ててるつもりらしい
が、どうにもハタ目には慌ててるという雰囲気がない。実際、バタバタとブラウスを引っ
張り出し、ショーツ一枚で教科書を揃えるルイズに手渡しているにもかかわらず。
「いやぁ、人は僕を『ごくつぶしのヤン』『無駄飯食いのヤン』と呼んだものさ」
「自慢になるかー!!」
 慌てている風にみえないのは、この減らず口のせいかもしれない。


 悪運強く、どうにか朝食の時間には間に合った。二人とも早足で食堂へ向かう。
 早足ながらも、ルイズはふと思い出したように口を開いた。
「ねぇ、昨夜言ってた話だけど、伝説っていうくらい遠いんじゃ、もう助けとかもこない
わよね?」
「いや、う〜ん、それが分からないんだ」
 ヤンがウンウン唸りながら寮塔を出る。外には同じように寝坊したらしい学生達が早足
で食堂へ向かっている。
「でも、自分で言ったじゃない。行く事が出来ないって」
「ああ、いや、実際には『帰って来れない』という事だと思う。とは言っても、僕の勝手
な想像なんだけど」
「帰って来れない?」
「うん。実際、『虚数の海』は行くのは簡単なんだ。でも帰ってきた人がいないんだ」
「なんだか、すっごい難所なのねぇ…そのキョスウノ海って」
 ルイズは面白い話を聞けて満足したようで、上機嫌で食堂へ入っていった。



605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:30:40 ID:g3o62jkT
支援

606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:31:11 ID:MX/QmDvB
>>582
アルビオンで王子様が味噌の錬金に成功したようです

607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:31:55 ID:PQIE+1t5
しえんw

やっべえヘタレのときのヤンの再現度たけぇ

608 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:32:05 ID:x6YBP9h+
 ルイズの頭に浮かんでいたのは、難破船がゴロゴロする嵐の岩礁。
 だが、ヤンの頭に浮かんでいるのは、アムリッツァ。核融合の超高熱の中、無数の原子
が互いに衝突し、分裂し、再生し、膨大なエネルギーを虚空に発散させる恒星の名だ。

 このアムリッツァ星系において、かつてヤン率いる艦隊は敗残兵の一員となった。補給
路を寸断され、敵地に孤立し、全滅の危機にすらあった。実際、あと僅かの所で退路を断
たれそうにすらなっていた。
 この時、敵艦隊に襲われた戦艦がパニックを起こし、大質量近くにも関わらずワープし
た。進路算定も不可能なまま亞空間に跳躍した後どうなるのか?それは、死後の世界に定
説がないのと同じく、誰も知らなかった。
 ちなみに、この時起きた時空震に退路を断とうとしていた敵艦隊が巻き込まれて混乱、
このスキを突き、ヤンの艦隊は撤退に成功した。

 もちろんヤンは、大質量付近のワープが即ちパラレル・ワールドへの転移、と考えては
いない。もしそうであるなら、帰還者も、別宇宙からヤンのいる世界へワープして来る者
もあるはずだから。帰還者も別宇宙から来る者もいないのは、本来はパラレル・ワールド
へは飛べない、ということ。
 だが、ヤンは来ている。それは即ち、来る方法はあるということ。要はそれに気付くか
どうか、という点。

「期待は薄いなぁ・・・」
 ルイズの背中を見送りながら、ヤンはそれでも帰る方法を考えていた。




「ハァ…それにしても、どうしたものかなぁ」
 溜息混じりに学院長室に入ると、今日もロングビルしかいなかった。
「まだオールド・オスマンはトリスタニアですか?」
「いえ、今はミスタ・コルベールの所ですわ」
 机の上に本を広げながら、ロングビルが事務的に答えた。
「そうですか。それじゃ今日もあなたが?」
「ええ、今日は、あなたの質問にも答えられるよう、ちゃんと予習もしてきましたわ」
 見れば机の上の本には、沢山のしおりやタグが付いている。
「あはは、どうもすいません。秘書の方にこんなことをお願いして」
「構いませんわよ。私にとっても勉強になりますから。それでは今日は始祖ブリミルにつ
いて・・・」

 そんな話をしつつ、ヤンは今日もハルケギニアについて学ぶ。だが、その表情が冴えな
い事に、秘書は彼の入室時から気付いていた。

「もしかして、ホームシックですか?」
 問われたヤンは、ハッとして顔をあげた。
「あ、うん、まあ、それもあるんです。でも今目の前の問題としては…恥ずかしながら、
お金の事なんです」
「お金…ですか?」

 ロングビルは、あまりにも意外な事を言われたかのような顔で、ヤンをみつめた。


609 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:34:05 ID:x6YBP9h+
「ええ、何しろミス・ヴァリエールは僕を蘇生するために全財産を払ってしまいましたか
ら。ヴァリエール公爵からの次の仕送りまで、どうしたものかと・・・あの、どうしまし
たか?」
 今度はヤンが意外そうな顔でロングビルを見つめた。
 彼女は、信じられないものを見るかのように、メガネを何度も直しながらヤンを見てい
たから。
「あなたが、お金がないんですか?」
「ええ、ありませんよ。私は財布を持たずに召喚されましたら。もちろん私の財布には1
ドニエたりと入っていませんでしたが」
 冗談を言ったつもりだったヤンだが、彼女は笑うどころか怪訝な顔でヤンを見つめ続け
ている。
 そして、驚きと怒りの顔へと瞬時に変化した。
「あんのエロオヤジどもぉ!!」
 気品あるロングビルの下品な叫びに、今度はヤンが驚いた。




 ジャン・コルベール。
 二つ名は「炎蛇」。火系統の魔法を得意とするトライアングルメイジで、トリステイン魔
法学院の教師。魔法を特に火系統の更なる活用法を発見しようと日夜研究している。
 そして彼は今日も火の塔横の掘っ立て小屋、もとい研究室で頑張っている。

 まずは研究素材から試料を取ろうと、ヤスリで削った。
 ヤスリ『が』削れた。
 ならば切ってみようと、一番大きく頑丈なノコギリで切ってみた。
 刃がボロボロになった。
 では溶かしてみようと、二つ名「炎蛇」に相応しい高温の炎を杖から吹き出した。
 研究室ごと熱くなっただけで、全然溶ける様子はない。

「ええい、らちがあかん。コルベール君、どくんじゃ!」
 コルベールの背後から、オスマンが杖を振る。
 鋼鉄の拳が練成され、学院長の最高の魔力をもって振り下ろされた。

 ガッキイイイイインッッ!!

 凄まじい金属音と火花が響き渡り、粉々に砕け散った。
 鋼鉄の拳『だけ』が。
 いや、それを置いていた台座もついでに砕け散った。
 粉々になった鉄拳と台座の破片の中に埋もれたそれは、まったく何の変化もない。

「し・・・信じ、られん、わい・・・」
「な、なんなのですか!これは、ありえませんぞっ!!」
 オスマンとコルベールは、疲労と驚愕で床に膝をついてしまった。
 この研究素材に費やした体力と魔力に比して、得られたものは何か。

 それは、研究する事すら出来ない、という事実だった。

「本当に…ありえませんわねぇ…」
 二人の背後で、地獄の底から響くような声がした。
 ビクッと肩をすくませた二人が振り向くと、鬼のような形相で仁王立ちするロングビル
が立っていた。
「し、信じ・・・られない・・・」
 ロングビルの後ろには、秘書に迫られる二人以上に驚愕しているヤンがあった。


610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:36:37 ID:MX/QmDvB
進め進め! 支援の女神が目の前で尻を振ってるぞ!

611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:37:11 ID:z4nqnzQu
支援

612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:37:39 ID:PQIE+1t5
紫煙だ紫煙だ

613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:37:57 ID:g3o62jkT
しえmm

614 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:39:54 ID:FOYAwCYE
はじめ人間オフレッサー支援

615 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:41:54 ID:qUSRG6w3
全速で支援

616 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/25(月) 18:44:16 ID:wenbigrt
sien

617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:45:22 ID:4S/APETh
さるさん規制くらってしまったorz


618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:47:27 ID:+gsEkxRd
うーん、ルイズとヤンの生活支援に、ユリアンがいて欲しいなあ、支援

619 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:50:54 ID:qUSRG6w3
規制喰らったときはどうすれば良いんだっけ?

620 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:51:24 ID:4S/APETh
すんません、どうしても書き込めません

しかも、代理スレと間違えて、避難所用すれに書き込んでしまった

621 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 18:53:37 ID:4S/APETh
あれ?どうやってもダメだ
すんません、ちょっと今ムリみたい

622 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:54:17 ID:wvqDHK1S
では割り込んだお詫びにオイラが代理を……

623 :ゼロな提督 代理:2008/02/25(月) 18:56:50 ID:wvqDHK1S
 ヤンの事など忘れたかのように、ツカツカとロングビルは二人に詰め寄っていく。
「一体、どういうことですか、これは!この方の所持品は、全部返却したのではなかった
のですかっ!?」
「い、いや、そのですな…あの」「よすんじゃ、コルベール君…もう言い訳は無理じゃ」
 二人は、諦めた様に肩を落とし手を地についた。

 粉々の破片の中にあるもの。それはトマホーク。
 柄の部分が切れヘッド部分しか無いが、炭素クリスタルの刃を持つヤンの世界で作られ
たトマホークだ。
 そして、これをヤンに返していないという事は…

「どういう事か分かりますか!?これは立派な窃盗です!あなた方は、彼が意識を取り戻
した時の騒ぎを忘れたとでも言うんですかっ!彼にとっては召喚と契約は、拉致監禁なの
ですよ!?
 おまけに彼の所持品を隠匿し、あまつさえ破壊しようなどとっ!!」
「い、いや、別に盗むとか壊すとかじゃなくてじゃな」「そ、そうですぞ!これは研究のた
めに」
「だまらっしゃいっ!!貴族の手本たるべき教員が、平民だからと彼の財をゆえ無く奪う
など、恥知らずも甚だしい!だから貴族は平民に恨まれ、嫌われ、憎まれるのですっ!」
 叱責される二人は、もう言い返す言葉もなく正座で説教され続けていた。
 だが、ヤンの耳には彼女の怒号は届かないようだ。
 震える足で、一歩また一歩とトマホークへ近寄っていく。

「こ…これは、まさか、そんな…」
 彼の目は、これ以上ないくらいに見開かれている。
 その姿にロングビルも気がついた。
「ええ、それはあなたと一緒に召喚された物ですわ。その斧の刃は、信じられませんが、
恐るべき巨大さのダイヤモンドですわね。先日、学院長室の机に置きっぱなしになってい
たのを見て驚きましたわよ。
 それを売れば、あなたの治療費を倍返ししてなお、お釣りが来ますわよ」


 炭素クリスタルの刃、それは巨大な人工ダイヤモンド。といっても天然ダイヤモンドそ
のものとは少し違う、衝撃にも強い物質だが。
 ヤンの世界では、鏡面処理により光学兵器を弾き小火器程度ではダメージを受けない装
甲擲弾兵と近接戦闘を行うための武器。装甲を貫くための武器なのだから、刃がダイヤモ
ンドというだけでなく、斧の本体も相応の硬度・重量を持つ。ビーム兵器の高熱にも耐え
る。
 ヤスリで削れたりノコギリで切れたり火で溶けたりトンカチで割られるようなシロモノ
ではない。


 売る、という言葉を聞いて、今度はコルベールが眼を見開いた。
「ま、待って下さい!そ、それは、いやダイヤの刃はともかく、その斧本体について、せ
めて教えて下さいませんか!?」
「そう、そうなんじゃ!どうにかして調べたいのじゃが、恐るべき硬度と粘性で傷一つつ
かんから、試料も取れず」
 ギロッとロングビルに睨まれて、再び二人は黙った。
 だが、ヤンも黙っていた。黙って斧を、特に柄の切断面を見ている。

「・・・間違いない・・・」

 しばしの後、ヤンが呻くように呟いた。
 その言葉に、背後の3人は顔を見合わせてしまう。
 あの、と声をかけるロングビルの言葉も彼には届かない。

624 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 18:57:23 ID:qUSRG6w3
避難所スレの798を見ると最初の行が空白になってる!

625 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/25(月) 18:57:33 ID:wenbigrt
sien

626 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/25(月) 18:57:51 ID:wenbigrt
sienn

627 :ゼロな提督 代理:2008/02/25(月) 18:58:32 ID:wvqDHK1S
「間違いない、片刃式だ…同盟の、斧だ」
 震える手でそれを手に取る。左手のルーンが輝くが、それすら気付かない。
「やった…やったぞ!来てたんだ、ローゼンリッターが!『レダU』号にっ!!助けに来
てくれていたんだっ!!」

 ヤンは、今度は本当に踊り出した。ヘッド部分しかない斧を持って、左手のルーンを光
らせながら、ヘタながらも軽やかに。
 それを見ている3人は、果たしてヤンという人物は正気なのだろうか、と本気で考えて
いた。




「ローゼンリッター?」
 放課後になり、ルイズは再びヤンに乗馬を教えるべく厩舎前に来た
 そこにはヤンがいた。ただし、見た事もないほど上機嫌なヤンが。
「うん、薔薇の騎士(ローゼンリッター)連隊。我が軍最強の白兵戦部隊でね、その戦闘
能力は1個連隊で1個師団に匹敵すると言われる程だったよ」
 二人は馬を並べながら、広場をポックリポックリまわっている。どうにかヤンも馬に嫌
われないようになったらしい。慣れない手つき腰つきながらも、ルイズの馬と並走出来て
いる。
「その部隊が、あんたを助けに来ていたの?」
「その通りさ!そして恐らく、僕を召喚ゲートから引っ張り出そうとしていたんだ!」
 と大声を出したとたんに、いなないて前足を振り上げた馬に振り落とされた。


 ヤンの推理はこうだ。

 ヤンが銃撃された瞬間、恐らくは失血死した直後に、ローゼンリッターの誰かが彼の傍
に来ていた。その人物はヤンの死体を見て、一時は絶望した事だろう。
 だが、次の瞬間には驚愕した。何か光る鏡のようなものがいきなり現れ、ヤンの死体を
鏡面に吸い込もうとしたから。慌ててヤンの身体を押さえようとしたが、急な事で間に合
わなかった。もしくは吸い込む力に負けた。
 斧で鏡らしき物をたたき割ろうとしたが、無駄だった。鏡ではなくゲートだったので素
通りしてしまう。
 ならゲートの向こう側にいる人物を殺すか装置を破壊しようと銃を抜いた。だが慌てて
いたため手が滑って銃もゲートの中へ落としてしう。それがヤンが持つ銃。
 しょうがないのでさらに斧を突っ込み、ゲートを破壊するか開いたままで固定しようと
した。だが、ゲートは閉じてしまった。同時に斧の柄は亞空間ごと切り裂かれた。

 結果、ルイズが度重なる失敗の後に召喚したのは、ローゼンリッターの斧のヘッドと銃
と、瀕死のヤン。


 尻の泥をはたき落として馬に乗り直そうとするヤンに、不安そうなルイズの声が届く。
「でも、召喚の瞬間に誰かが居たからって、ここまで助けが来るとは限らないわよ…ね」
「そうだね、その通りだよ」
 よっこらせっ!というかけ声と共に馬に乗り直したヤンが、意外なほどあっさりと同意
した。ルイズも拍子抜けしてしまう。
「何しろ、僕が別の空間に行ってしまったのは分かるけど、どこに行ったかは分からない
んだから。来るにしても、いつのことやら」
 聞いているルイズは、喜びを隠そうともしない。馬の駆け足も早くなってる。
「そりゃそーだわ。ざーんねんだったわねぇ!とりあえず、あんたはお茶の入れ方でも学
んでくる事ね!」
「そうしようか。でも、その前に、君に追いつくとしようかな!」
 そう言ってヤンは馬を早足で走らせて、ルイズを追いかけた。

628 :ゼロな提督 代理:2008/02/25(月) 18:59:34 ID:wvqDHK1S
 だが、既に彼の頭の中では、さらに推理が進んでいた。

 ヤンを救出に来たと言う事は、当然戦艦で来ていた。そして襲撃者の艦を破壊した。
『レダU』号へ強行接舷した後も、襲撃者の援軍や帝国軍が来ないか、警戒していたはず
だ。あらゆるレーダー・観測機器を最高度で稼働させていただろう。
 ならば、召喚ゲートの開閉とヤンの亞空間転移もセンサーに捉えたのではないか?
 召喚ゲート近くにいた隊員の証言。センサーの観測結果。何故か見事に切り裂かれたト
マホークの柄。見つからない斧の頭。一つずつなら幻覚だ故障だ事故だと済ませたかも知
れない。
 だが、4つが同時に存在すれば、それは信じるに足る重要な情報だ。


「問題は、やっぱりハルケギニアの場所が分からないって事なんだよなぁ。それに、そも
そもあの戦乱の最中、私を捜しに来る余裕はイゼルローンのみんなには無いだろうし。第
一、魔法の扉がセンサーにひっかかるかなぁ?」
 そんな不安がヤンの頭をかすめる。
 とたんに、再び彼は馬に振り落とされた。
 ルイズの笑い声が広場に響いた。


            第3話    執事?       END

629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:00:08 ID:qUSRG6w3
ロングビル格好良い!!しえん

630 :ゼロな提督 代理:2008/02/25(月) 19:01:03 ID:wvqDHK1S
いじょ、代理書き込み終了。
お疲れ様でした。

631 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:04:22 ID:qUSRG6w3

ここは1行目が空白だと書き込めない仕様だったかな?
1行目を空白にしてテスト。

632 :631:2008/02/25(月) 19:04:52 ID:qUSRG6w3
あれ、勘違いか orz

633 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:06:18 ID:PQIE+1t5
>>631
一行目が空白且つ22行以上で消される

634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:08:24 ID:0dfurlEg
あれだけヤンが何者かで騒いでおきながら、彼の荷物を隠匿していたオスマンとコルベール……ダブルスタンダードな駄目人間どもめ。

635 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:13:27 ID:C+Z76c65
乙!

まぁ、現実にそんな状況になろうものなら
ブツを隠し持って実験ぐらい研究者ならやりかねないだろうけどな

636 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:15:00 ID:/KPW03DA
>>634
そういうヘイトに持ってこうとする発言はやめれ

637 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:15:06 ID:zjU0men7
まあ普通に考えれば素直にヤンから買い取って研究材料にする、が一番正しいんだろうけどな。

638 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:17:48 ID:7ZTddgas
提督の人乙でした。
主従コンビは割合うまくやっていけそうですね。

あの世界ではダイヤモンドは練金できなくてひどくめずらしいのかな?

639 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:19:49 ID:MSEqZEvI
ををw
ヤン生存の可能性があるならイゼルローン側も帝国側もその後の対応がまったく変わってきますねえ
ラインハルトは(彼らから見て)拉致実行犯の可能性が最も高い地球教徒を再度徹底的に洗うだろうし、その後の皇帝暗殺未遂事件も起こらないとか…

ヤン帰還ルートならやはりラインハルトの死の淵でしょうか。
本来、彼とふたたび会談する途中でテロに会いましたから
「遅れてすいません」
「…遅いじゃないか、奇術師」

640 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:20:33 ID:ETM6UfFR
あの二人が斧を買い取れるだけ蓄財しているように思えん

641 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:25:17 ID:7ZTddgas
世界一の大きさだから貴族領丸々1つ分の値段がついてもおかしくない。

642 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:29:57 ID:Jlo01IMi
>>641
キュルケが斧のことを知ったら「ゲルマニアで貴族にならない?」とか言いそう。
ヤンは貴族に地位に興味なさそうだけど。

643 :ゼロな提督3:2008/02/25(月) 19:34:37 ID:cuN1EJUa
あぁ、やっと書き込めた
代理の人、お疲れ様。手間を取らせて申し訳ありませんでした

散々PC再起動させても時間置いてもダメでした。さるさん規制って強烈ですねぇ
ともかく、これで第3話は終了です

ではではー

644 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話:2008/02/25(月) 19:44:26 ID:tM3DX4fP
乙である
ところで投下していいか?

645 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:46:15 ID:L2frzd10
通夜のような沈痛な表情で支援!!

646 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話:2008/02/25(月) 19:47:16 ID:tM3DX4fP
 ドクターウェストは世間でいう所謂天才という奴に分類されるが、その卓越の頭脳と才能をブッ千切る変態度数と脳内にいる妖精さんの他者との圧倒的保有数の差のため、尊敬もされなければ賛同もされていない。
 愉快犯に近い彼自身の性質もあいまって、彼によって産み出される発明品の数々は基本的に犯罪じみたものが殆どである。
 よってウェストの発明品はウェスト自身意外には限りなく毒にしかならない。
 というかウェスト自体が毒であった。

「ちょっとあんた! ご主人様のわたしがせっせと汗水たらして肉体労働にか細い手足を酷使してんのに、使い魔のあんたが床に肘突いて寝そべってるってどういうつもりよ!
 ちょっとは手伝いなさいよ!
 その体の筋肉は何の為にあるのよ! 飾り!? 飾りなの!? 飾りなのですかこのバカヤローッ!!」

「やれやれ……
 時に、凡人の粗悪極まりない脳の構造では天才たる者の考えに理解が及ばないというが……所詮貴様もこの事例に該当する由所正しい真の凡人でしかなかったという事だ。
 今の我輩の姿勢は体の余分な力を解き放ち、リラックスの後に脳の回転をスムーズにし、更に肉体的疲労も回復しうる思慮深い大天才的思考形態なのである。
 つーか、何故に我輩が貴様の尻を拭ってやらねばならぬのだ。
 ちり紙くらいならくれてやる温情が我輩にも辛うじてあるので、そーいうことは自分でやれ! である。
 あ〜〜〜、バッチイバッチイ!」

「なっ!? それくらい自分でするわよこのバカ! 変態!!
 わたしが言ってるのはこの部屋の片づけを手伝いなさいってことよ!
 手伝わないならせめて立ちなさいよ!」

「ご〜〜めんなちゃ〜〜〜い。
 貴様は我輩の守備範囲を地球からセラエノまでの距離くらい逸脱しているので、我輩の御曹司ちゃんはちっとも起き上がらないのであーる」

「何と勘違いしてんのよ!!
 ヴァリエール家の三女であるわたしの前でそんな下品極まりない言葉を吐くのは止めなさいよ!!」

「勘違い? 勘違いとな?? ていうか下品???
 貴様の方こそ何と勘違いしているのであるか?」

「何って……」

「さっき我輩が言った言葉に中の何所に下品な言葉が混ざっているであ〜るか?
 もしかしてセラエノ? それとも守備範囲?
 我輩、貴様が何を言っているのかさ〜〜〜〜っぱり解りましぇ〜ん。
 出来る事なら後々ために貴様の言う勘違いとやらが何なのか、是非知りたいのですが、教えてくれま〜すか〜?
 主に貴様が下品と認知する言葉の辺りを、より一層事細かく微細零細に到るまで手取り足取りナニ取りドコ取り、この我輩の記憶力抜群の頭脳に刻み込んでもらおうか?」

 猥褻物も同然の笑みで、ウェストはルイズに言った。
 怒りとも羞恥とも突かない赤みがルイズの顔を被った。
 ルイズは両手を握り締めて震えている。喋らない。

「さあさあさあ、どうしたであるか? 何とか言ったらどうであるか? 答えられない訳でもあるであるか?
 早く言うである。さもないと掃除が何時まで経っても終わらないであるよ?
 アーーーーーーーーーヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!」

 トチ狂った哄笑を響かせたウェストはシュバッと懐からエレキギターを取り出すと、またもやトチ狂った音を響かせた。
 しかも先程使用する機会をタバサに奪われた千手観音フォームを惜しげもなく使い、展開したマジックハンドを遺憾なく発揮して蜘蛛の如く壁に張り付き、天井・床・壁など節操無く縦横無尽に走り回る。
 

647 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:47:19 ID:JHYmjK0e
ゲルマニアじゃない上に貴族の力がやたら強いトリステインだからねぇ。
二束三文とは言わずとも、相場よりもぶっちぎりに安い金額でも無理やり買い取れるだろ。
なんならルイズと契約書を書いて、ルイズ経由で取り上げてもいいんだし。
ヤンの救助隊が来たときの言い訳には「ウチの相場はこれ」「この契約は貸与」とか言い逃れはできる。

まあ、設定つぶしになりそうな意見は極力雑談スレに書いてあげようよ。

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:47:25 ID:dc1nsOnr
通夜のように沈痛な表情……で準備

649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:47:31 ID:aoCGSSOM
男子三日会わずんばアテンションプリーズ支援

650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:47:57 ID:JHYmjK0e
ごめん、リロードしてなかった。
支援。

651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:48:33 ID:PmW5DmtP
>>640
いや、もしかしたら手段を選ばんかもしれん。
ルイズの乳なしのほうのねーちゃんと交渉してそれくらいは出させるかも

652 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:49:23 ID:PmW5DmtP
ごめん、リロードしてなかった。申し訳ない。
タバコの煙。

653 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話:2008/02/25(月) 19:49:26 ID:tM3DX4fP
「我輩の股間はマーラ様であ〜る!
 ところで、マーラとモーラって、なんか似てね?」

「あああああああああああああああああああああああっ!!
 毒電波撒き散らすのもいい加減にしなさいよね!?
 わたしはもうSAM値もHPもMPも、そんでもってカルシウムも0よ!!
 もう手伝わなくていいから大人しくしてて!」

 なんでわたしはこんな事をしているのだろう。
 深々と溜息を吐く自分自身に、ルイズは哀愁を感じた。
 そして自分自身に哀愁を感じたことで鬱になる。
 そのことで再び溜息を吐いて、また鬱になる。
 悪循環此処に極めり。

「どうしたであるかロリっ娘。元気が無いであるな―――――――ああ、なるほど」

 何やら納得したように肯くウェストに、ルイズはまたくだらない事でも考え付いたのだと思った。
 そしてその考えは正しくそのとおり。

「スマンが、いくら大天才の我輩でも、生理痛に利く薬は持っていないである」

「違うッ! 生理違うッ! 
 ―――って、あああああんたうら若き乙女の前でななな何言ってんのよ!?
 もっとオブラートに包みなさい! 露骨なのよ!」

「な〜にを恥ずかしがっているであるか。
 生理とは切っても切れぬ女子の営み!
 女子ならば皆あるのだからして、むしろ恥ずかしがっているほうが見ている側としては恥ずかしいである」

「だから違うって!」

 必死に否定するルイズ。
 当然ウェストには聞き入れられない。

「もうそれ以上言うなである。貴様がイライラするのも当然のこと。
 生理の日の女子どもは皆しかめっ面でインスマス面である。
 しかし、我輩は大天才であるが故、薬が無くとも貴様の痛みを和らげる効果があるものを持っている。
 だからもう、そのようにイライラしなくても言いのである。
 そしてその効果があるものといえば―――――――」

 ウェストは地を蹴って飛び上がり、空中で一回転すると煤の付いた教卓の上に降り立ち、エレキギターを掻き鳴らす。

「歌であ――――――――――る!!!
 レッツ! ロケンロ―――――――――ルッッ!!
 日本人はッ♪ 胃腸が弱いッ♪ だけど我輩は鉄を食べてもモウマンタ――――イッ!」

「人の話を聞きなさいってば!!
 わたしは生理じゃないの!!
 生理は来ていないの!!」


654 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:50:24 ID:dc1nsOnr
ハイパーウェスト無敵ロボDX による支援!

655 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:51:49 ID:aoCGSSOM
ウェストが素で殴りたくなるなぁ、支援

656 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:51:54 ID:dc1nsOnr
ルイズの暴露に対して通夜のように沈痛な表情で支援

657 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話:2008/02/25(月) 19:51:59 ID:tM3DX4fP
 勿論ルイズが言っているのは生理が来る周期が来ていない事を言っているのだが。

「??
 生理が来てない?
 そんな馬鹿な。
 いくら貴様の発育が劣悪だとはいえ、生理が無いのなどありえな――――――まっ、まさか!?」

「……なによ」

「貴様、もしかして妊娠を―――」

 ルイズは頭の中の何かが千切れる音を聞いた。
 それと同時に火山が噴火する時の頂点へ突き抜ける怒濤のエネルギーに等しい激情が小さい身体を貫いた。
 意識が白熱し、表情を忘れ、発声も惜しみ、ウェストコロスという極限まで省略されながらも圧倒的物量を持った衝動に付き従い、人生最大の威力を誇るであろう失敗魔法―――セクハラ・インパクトとでも呼称すべき奥義っぽい爆発を叩きつけようとした―――まさにその時!

「ドクター!! それは本当のことかね!?」

 完全な不意打ちで叫ばれた言葉にルイズは動きを止めて声のした方を見ると、えらくシリアスを纏ったコルベールが立っていた。

「ミスタ・コルベール、今は取り込み中で―――」

「そうだとも、異世界の科学の徒よ!
 この小娘は生理が来てないとハッキリと断言した。
 つまり、この歳で生理が来ない理由でまず第一に考えるべきは妊娠の可能性である。
 やはりピンクは淫乱であーる!」

 ズビシッ! とルイズを指して言い切るウェストに、ルイズは杖を振り上げる―――しかし、コルベールに腕を掴まれて再び阻まれる。

「何をしているのだミス・ヴァリエール!
 さあ、早く保健室へ行くのだ。
 両親の方へは私から連絡しておくから、お急ぎなさい!」

「そうであ〜る。
 今の貴様の身体は、貴様一人のモノではないである。
 最近の若者の性の乱れに嘆きつつも、今は新たな生命の誕生に喜ぼうではないか」

「そうだともドクター。
 今日はまったくもっておめでたい日だ」

「よぅし!
 此処はこの大天才が一肌脱ぐのであ〜る。
 ロリッ娘、ありがたく思え!
 我輩が直々に作詞作曲したおめでたいソングを貴様に今この場でプレゼントしてやるのであーる」

「ならば私は喜びの舞を踊ろうではないか!」

 そして鳴り響くユークリッド幾何学を凌駕する何かよく分からない歌と、リンボーダンスとキタキタ的な何かが混ざった狂ったフルートでも聞こえてきそうな踊りが始まった。
 その時ルイズは―――



658 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話:2008/02/25(月) 19:54:51 ID:tM3DX4fP
  光射す学院に
  汝ら阿呆
  棲まう場所無し
  渇かず飢えず
  無に還れ――!


 ルイズは口訣と共に杖を振り下ろした。

「セクハラ・インパクト!」

 そして教室は昇華した。



 ―――いや、ちゃんと残ってるよ……瓦礫はな!








「…う〜ん…………ん?
 はて? 何故私はこんな所で寝ているのだ?」

 保健室のベッドから起き上がったコルベールは一体何故自分が此処で寝ていたのか思い出せず、首をかしげた。

「ああ、ミスタ・コルベール。お目覚めになられましたか」

 聞こえてきた声の方へ目を向けると、保健室を任されているメイジの女性が机から立ち上がってこっちへ来ようとしていた。
 仕事の途中だったのか、机には書類と筆記用具が置かれている。

「どこかおかしな所はございませんか?」

「いえいえ、大丈夫ですよ。何も問題はありません。
 ただ、何故私が寝ていたのか教えてくれませんか?
 どうも寝る前の記憶があやふやでハッキリしないんですよ」

「それでしたらミス・ヴァリエールから聞きましたが、どうも支離滅裂……とまではいきませんが、曖昧な部分が多かったので私もハッキリとは分かりません。
 まあ推測するに、おおかた彼女の失敗魔法に巻き込まれたと考えるのが妥当でしょう」

「そう言われてみると爆発に巻き込めれたような巻き込まれなかったような…………まあいいでしょう。
 とりあえず私は無事ですから」

「それもそうですわね。あの子の失敗は今に始まったことではありませんもの」

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:56:04 ID:WFjDgq3+
こんだけ原作に忠実なウエストが書ける作者さんはどこかおかしいと思う(褒め言葉的な意味で)支援

660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:56:17 ID:qkKLqYco
ルイズ哀れw支援w

661 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:57:54 ID:Ehmh/F/T
しえん

662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 19:59:49 ID:ubRSlMY6
しれっとした顔のナイアさんだったら笑う支援

663 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/25(月) 20:04:51 ID:wenbigrt
sien

664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:15:38 ID:CF8/6n3Y
西博士支援

665 :代理:2008/02/25(月) 20:18:23 ID:4VBMhVFS
さるさんに引っかかったらしいので、これより張らせていただきます。

666 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話:2008/02/25(月) 20:18:31 ID:tM3DX4fP
すまんが書き込めなくなった。
だれか代理してくれませんか?

667 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話 代理:2008/02/25(月) 20:19:33 ID:4VBMhVFS
「彼女もそれなりに頑張ってはいるんですがねぇ。
 ところでミス・ヴァリエールは何と言っていたんです?
 一応聞いておきたいのですが」

「えーっとね。確か―――
 『ミスタ・コルベールは変な歌でキタキタになってこの世界から外れた時間の角度に在る異次元の狂った調に乗せて、死すら死する永劫の卑しい床で臥せる膨張と収縮を際限なく繰り返すナニかへの舞を捧げながらピ〜ヒャラリになっちゃいましたけど、どうぞご心配なく』
 て…言っていたわ」

「なんですかそれ?」

「さあ?
 もっとも彼女が本当に何を言ったのかは私にも分かりませんわ。
 なにせ彼女、その時物凄くしどろもどろで混乱しながら興奮してたし、舌も回ってなかったし。
 今私が言った事は私が聞き取った事をなるべくまともに訳しただけなの」

 ルイズは一体何を言おうとしていたのか、コルベールが考えようとするよ鈍い頭痛が走り、思わず顔を顰めた。

「どうしましたか?」

「いえ、軽い頭痛がしただけです。ご心配なく」

「頭痛ねぇ。
 今日は大事を取ってお休みになられては?
 報告なら私がしておきますけど」

「頭痛程度で休むわけにはいきませんよ。
 ご配慮ありがとうございます」

「そうかい。
 健康には気を使いなさいよ。
 軽く見ていたものが実は大病の元だったり――なんて事はよくあることですから」

「はは。気をつけさせてもらいますよ」

 軽く会釈をしてコルベールは保健室から離れた。
 そのまま暫く歩くと、何やら焦げ臭さが鼻を突いた。

「はて? この臭いは一体……」

 臭いのする方へ行くと、其処には壁が瓦礫となって消えて外と繋がる焦げた教室の無惨極まりない姿が飛び込んできた。

「なっ、何だこれは!?
 一体此処で何が…………!」

 驚愕するコルベールの脳裏に強烈な閃光が瞬いた。
 断片的な映像と音声が点滅しながらコルベールの脳の中で暴れまわる。

「……………………………!!」

668 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話 代理:2008/02/25(月) 20:20:30 ID:4VBMhVFS
 理解出来ない――――否!
 理解したくないのだ。
 理解すれば人間としての何かが瓦解する!


  授業が終わった筈の教室から聞こえてくるミス・ヴァリエールと使い魔の話―――遮断
  ミス・ヴァリエールの妊―――遮断
  ドクターウェ―――遮断
  喜―――遮断

  精神への膨大な過負荷が発生
  自己構造体へのダメージが第八レベルまで侵攻
  現状では自己修復プログラムでの対処は不可能と断定
  過負荷の外的要因を検索∞∞∞#サ明
  外的要因の削除を要請―――許可
  削除開始
  :
  :
  :
  :
  :
  :
  削除完了

  再起動開始


「…あ……ああ……酷い頭痛だ。
 やはり調子が悪いな。
 素直に休んでいた方が良かったかな?」

 そう呟くとコルベールは破壊された教室から去って行った。
 コルベールの中で何が起こったかは定かではないが、何かしらの悪影響の侵食を駆逐できた事は確かだろう。
 一体彼に身に襲い掛かったモノの正体は何であったのだろうか。
 まだ見ぬ未知のウィルスか、はたまた異次元の侵略者からの攻撃か。
 だがそれを知る術はもう無い。
 全ては闇の中に葬られた。
 後は彼が無事に平穏の中に帰っていける事を祈るばかりである。

 何処からか夜鷹の鳴き声―――っぽいウェストの笑い声が聞こえてきた。









ドクターウェストの華麗なる実験:第三話「マーラとモーラって、なんか似てね?」完
次回、第四話「このゲームは十八京歳以下のニャル様は購入できません」につづく。

669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:21:20 ID:4VBMhVFS
異常、じゃなかった以上で代理終了です。
乙でしたー。

670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:25:02 ID:wvqDHK1S
なぜか西博士がノウマン大佐に見えたぜGJ!

671 :ドクターウェストの華麗なる実験第三話:2008/02/25(月) 20:26:05 ID:tM3DX4fP
ああ、代理してくれてマジでありがとう。
そして支援してくれた皆もありがとう。
後で全員にドリルを奢ってあげる。

672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:27:01 ID:WFjDgq3+
作者さんも代理人さんも乙でしたー。
うちらは人間だから問題なく買えるんだね、そのゲーム。
一撃で発狂しそうだけど。

673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:31:26 ID:aoCGSSOM
ウェスト節をここまで使いこなせるとは、凄いなぁ…。

以前、ウェストでSS書きを挑戦した時は、10KBを過ぎたあたりで力尽きそうになったからなぁ。

674 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:36:44 ID:6U1hKcAS
つまりゼロ=虚無=ヌルであり
虚無の系統=この世を構成するいと小さき粒=アレフヌルじゃないかと思う

つまり無限なわけだ

675 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:41:16 ID:z7BtWmh5
こんばんは。
少し間が空いたけど次ができたので投稿してもいいでしょうか?

676 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:45:45 ID:EHdIf0ml
支援準備

677 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:45:46 ID:hRKIn7Cg
支援準備に入る

678 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:46:57 ID:lwIHeqV1
極光よ、血塗られた不浄の大気を 人の手に還せ…支援!!

679 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:47:43 ID:z7BtWmh5
 草笛の音が、どこかで聞こえた気がした。
 そんなものは無論空耳だ。聞こえて来るのは時折石を踏み砕いて揺れる馬車の走行音、それに馬の足音だけ。
 それでもそんな音色を感じてしまうのは、馬車が走っているのが見渡す限りの草原だからだろう。
 それはムスタディオの記憶から呼び起こされた音だった。
 草原の廃墟の中で、お姫様とラムザが鳴らしていた草笛。
 馬車の中、ムスタディオは遠い景色を眺めている。
 少しだけ、あの日々の中にいた自分に戻った気がしていた。

 馬車に乗りこんで早三日経つ。
 トリステイン魔法学院を後にしてから、考えることはいつものように徒然にあった。
 まず感じたのは、コルベールへの謝罪の気持ちだった。
 どうしても確かめなければならないことがあって、出てきただけだ。なのに何故彼に大して申し訳なく思う気持ちがあるのか。それはきっと、学院に戻りたくないと思っているからだろう。
 どうしてあそこから出て行くという選択肢を今まで除外していたかと言うと、それはコルベールに引き止められていたからだ。生徒思いな彼に、「ルイズの使い魔としてやっていく」と告げた。
 しかし今、その約束はどこか空々しいものとしか感じられなかった。

 ――このまま旅に出るのもいいかもしれない。
 生活は学院の庇護下よりは大変だろうが、色々な希望を捨てればなんとかなる。根無し草のように、仲間の痕跡を探すのもいいかもしれない。あの暮らしを続けるより、マシかもしれない。
 時折、夢から覚めるように聖石のことが頭をよぎる。
 その度に、今考えていたことはただの「もしも」なんだ、と自分に言い聞かせる。あんな危険なものを確認せずに放ってはおけないのだ。この世界にだって、魔人達が呼び出される危険性がないなんて言えない。
 だが、そう思いながらも逃避する気持ちがある。水垢のように心の底にへばりついて離れない。

(あいつらなら……どうしただろう)

 尊敬できる仲間達。彼らならきっと、しっかり解決するまで向かい合おうとしただろう。
 ……いや、彼らは貴族だから、元からこんな事態には陥らないかもしれない。
 嫌なことを考えている、と思い、つくづく自分と皆との違いを思い知らされる。
 ラムザ。アグリアス。オルランドゥ。メリアドール。ベイオウーフ。異端者と蔑まれてなお、自らの誇りと信念を貫く騎士達。
 魔と戦い、撃ち滅ぼしてきた彼らは「英雄」と呼ぶに相応しい。
 そう、英雄。彼らは紛れもなく世を救うために戦った英雄たちだ。
 けど――その仲間まで、英雄だと一括りはできないんだな、と思った。

 ブレイズガンを抱く手に、ぎゅっと力をこめた。
 あの日々に戻ったわけではなかった。
 郷愁と、感傷に浸っていただけだ。
 もう戻れる望みはなさそうだし、戻る資格もないかもしれない。
 こんな矮小な自分が、そもそも最初からあの仲間たちの中にいることが間違いだったのかもしれない。
 この三日間は、そんなことばかり考えていた。


680 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:48:12 ID:hRKIn7Cg
sienn

681 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:48:20 ID:lwIHeqV1
時は来た。許されざる者達の頭上に 星砕け降り注げ!支援!!

682 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:48:27 ID:z7BtWmh5
 草笛の音が、どこかで聞こえた気がした。
 そんなものは無論空耳だ。聞こえて来るのは時折石を踏み砕いて揺れる馬車の走行音、それに馬の足音だけ。
 それでもそんな音色を感じてしまうのは、馬車が走っているのが見渡す限りの草原だからだろう。
 それはムスタディオの記憶から呼び起こされた音だった。
 草原の廃墟の中で、お姫様とラムザが鳴らしていた草笛。
 馬車の中、ムスタディオは遠い景色を眺めている。
 少しだけ、あの日々の中にいた自分に戻った気がしていた。

 馬車に乗りこんで早三日経つ。
 トリステイン魔法学院を後にしてから、考えることはいつものように徒然にあった。
 まず感じたのは、コルベールへの謝罪の気持ちだった。
 どうしても確かめなければならないことがあって、出てきただけだ。なのに何故彼に大して申し訳なく思う気持ちがあるのか。それはきっと、学院に戻りたくないと思っているからだろう。
 どうしてあそこから出て行くという選択肢を今まで除外していたかと言うと、それはコルベールに引き止められていたからだ。生徒思いな彼に、「ルイズの使い魔としてやっていく」と告げた。
 しかし今、その約束はどこか空々しいものとしか感じられなかった。

 ――このまま旅に出るのもいいかもしれない。
 生活は学院の庇護下よりは大変だろうが、色々な希望を捨てればなんとかなる。根無し草のように、仲間の痕跡を探すのもいいかもしれない。あの暮らしを続けるより、マシかもしれない。
 時折、夢から覚めるように聖石のことが頭をよぎる。
 その度に、今考えていたことはただの「もしも」なんだ、と自分に言い聞かせる。あんな危険なものを確認せずに放ってはおけないのだ。この世界にだって、魔人達が呼び出される危険性がないなんて言えない。
 だが、そう思いながらも逃避する気持ちがある。水垢のように心の底にへばりついて離れない。

(あいつらなら……どうしただろう)

 尊敬できる仲間達。彼らならきっと、しっかり解決するまで向かい合おうとしただろう。
 ……いや、彼らは貴族だから、元からこんな事態には陥らないかもしれない。
 嫌なことを考えている、と思い、つくづく自分と皆との違いを思い知らされる。
 ラムザ。アグリアス。オルランドゥ。メリアドール。ベイオウーフ。異端者と蔑まれてなお、自らの誇りと信念を貫く騎士達。
 魔と戦い、撃ち滅ぼしてきた彼らは「英雄」と呼ぶに相応しい。
 そう、英雄。彼らは紛れもなく世を救うために戦った英雄たちだ。
 けど――その仲間まで、英雄だと一括りはできないんだな、と思った。

 ブレイズガンを抱く手に、ぎゅっと力をこめた。
 あの日々に戻ったわけではなかった。
 郷愁と、感傷に浸っていただけだ。
 もう戻れる望みはなさそうだし、戻る資格もないかもしれない。
 こんな矮小な自分が、そもそも最初からあの仲間たちの中にいることが間違いだったのかもしれない。
 この三日間は、そんなことばかり考えていた。


683 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:48:52 ID:lwIHeqV1
混乱を以て理性となし 蛮勇を以て正義となす… 支援!!

684 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:49:03 ID:z7BtWmh5
ごめん、重複しました(汗

685 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:49:28 ID:z7BtWmh5
「ムスタディオさん、大丈夫ですか?」

 ――ふと、自分にかけられた声に沈み込んでいた思考から引き上げられる。
 傍らを見やると、自分をここまで連れて来てくれた女の子が不安げにこちらを窺っていた。黒髪のショートカットに、いつもの給仕の服装ではなく空色のブラウスを着ている。シエスタだった。

「ああ、大丈夫だよ。どうしたんだい?」
「いえ、その、なんだか馬車に乗ってからずっと……こう、思いつめた顔をしてましたから」

 ムスタディオは心配させていたことに気付き、肩をかいた。そこには内出血により一週間は引きそうにない腫れがあったが、三日前の治療によって大方が癒え、今はほぼ治りつつあった。
 緊張してるのさ、とムスタディオはなるべく優しい口調になる。彼女の顔つきは、何故かムスタディオをほっとさせる。シエスタは何か、見知った人間のような印象を抱かせるのだ。しかしそんな彼女に脅迫まがいのことをしてしまったため、罪悪感を感じていた。

「うまく言えないんだけど、すごく大事な手がかりがシエスタの村にはある気がするんだ。……この間も言ったけど、何の手がかりかは、言えない」
「そうですか……」

 呆けたように言う彼女は、それ以外になんという言葉を口にしたらいいのか分からない様子だった。無理もないと思った。詳しい事情は何一つ告げず、強引について来ていた。
 シエスタは長い間馬車を覆っていた重苦しい沈黙に耐えかねていたのか、なんとか喋ろうとしている。先ほどの案ずる言葉も、苦し紛れのものだったのだろう。

「ええと、たぶん、もうすぐ見えてくるはずですよ」

 その言葉に、ムスタディオは馬車の行く先を見る。
 地平線の先、彼女の生まれ故郷、タルブの村は未だ見えない。



「ブレイブストーリー/ゼロ」-08



   ◇



686 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:49:41 ID:lwIHeqV1
炎の精霊よ、今一瞬の全ての炎を その手に委ねる…支援!!

687 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:50:24 ID:z7BtWmh5
 シエスタがムスタディオをタルブの村へ連れていくことになったのは、彼女が出立の朝に偶然ムスタディオと出会ってしまったことに端を発する。

 トリステインの姫君が、近々ゲルマニアに嫁ぐのだという。
 元々村娘であるシエスタには政はほとんど分からないが、最近アルビオンが内乱を起こしており、その飛び火を恐れて同盟を組むとのことらしい。
 その式典が数ヵ月後に行なわれるのだが、それを記念してトリステイン魔法学院のメイド達にも特別に休暇が出されることになった。
 とはいえ全員一斉に休みが出されるわけではない。一部ずつなので、全員が一通り暇を頂くのはそれなりに時間がかかる。だから式典のかなり前から、何人かずつ暇が与えられることになった。厨房長のマルトーに気に入られていたシエスタは、一番に休みを与えられたのだった。

 しかし働き者の彼女は最後まで自分の仕事をきっちり済ませようとしていた。出発は朝なのだから、それまではいつもどおり自分の仕事をしなければならない。
 前夜に帰郷の準備、いつもより早く起きて分担された区画の掃除を済ませたシエスタは、洗濯のために水汲み場へ赴いたのだった。
 そこには、先客らしき人影があった。
 この時間にはまだ他の人たちは洗濯に来ていないはずだけれど、誰だろう。そう訝しげに思いながら近づいていき――シエスタはひっと声を上げた。
 その人物は上半身裸になって、水を含ませた布で体を拭いている。しかしシエスタが驚いたのは恥ずかしさからではない。
 その体躯の至る所に青痣が残り、皮膚は裂け、酷い有様だったからだ。
 驚きの声に振り向いた顔を、シエスタは覚えていた。昨日自分を助けてくれた人物。

「ムスタディオさん!」
「ああ……シエスタじゃないか」

 どこか暗い顔で応じるムスタディオは、あまりシエスタの存在を気にかけた風でもなく、頭から桶に汲んでいた水を被る。苦悶のうめきをあげた。傷が沁みるのだろう。
 一方のシエスタは、顔を青くしてうろたえた。

「こ、この傷……っ、ろくな手当てもしてないじゃないですか! どうしてこんな……」

 そう言って思いつく。屋敷で働く同僚たちが世間話の種にしていた。ミス・ヴァリエールとその使い魔はうまくいっていない。

「まさか、ミス・ヴァリエールにほったらかしにされてるんですか!?」
「ヴァリエール様は関係ないよ」

 ムスタディオの表情が苦々しいものに変わったが、シエスタはそれに気付かない。助けてもらった感謝とこんな傷を負ったのは自分のせいだという罪悪感とが頭の中でないまぜになり、混乱していた。
 そしてシエスタは、そのために普段「やってはいけない」選択肢を選んでしまう。

「む、ムスタディオさん、ここに座って少し大人しくしていてください。よく効くおまじない、かけてあげますね!」
「?」

 言われるままに桶を椅子にして座るムスタディオの背中に両手を添える。
 傷を確かめるように優しく撫でた後、「おまじない」を囁いた。


688 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:50:41 ID:lwIHeqV1
邪悪なる波動よ、我が命を糧にその力を示せ!支援!!

689 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:51:03 ID:z7BtWmh5
 ――彼女の一族には、トリステイン以外の血が混じっている。
 六十年ほど前にタルブの村でとある騒動が起こったのだが、その時にシエスタの祖母がやってきた。彼女の言うことはおとぎ話みたいにでたらめで――誰も見たことも聞いたこともない遠方から来たと言っていたし――、殆どの者は信じなかった。
 シエスタは優しく凛とした働き者の祖母が好きだったが、彼女もまた祖母の言うことを額面通り鵜呑みにしているわけではなかった。
 しかし真偽はさておき、祖母に「何か」があったのは確かだった。
 その証拠に、彼女はタルブの住人が今まで見たことのない様々な品々と不思議な「遺跡」、そして家族だけにしか見聞きさせない「まじない」を残した。
 それは彼女が持つ謎のほんの一端、彼女本人や彼女が住んでいた場所では取るに足らないごくささいな技術だったらしいが――この地では「先住魔法」扱いをされるもの。それゆえに家族の前以外では使うことを禁じられたものだった。

「清らかなる生命の風よ、失いし力とならん。ケアル」

 掌が優しい光に包まれ、あちこち青黒い背中が傷つく経過を逆さにしたように、元の色へと戻り始める。しかし彼女の腕前では大した効果は期待できず、すぐに体を巡る何かが尽きて「おまじない」は止んでしまった。

「ごめんなさい、ちょっとしか治せませんでした」

 そうはにかみながらムスタディオの顔を見て――何か驚愕に塗りつぶされたような表情をしていた。
 そんなに驚くようなことだろうか、確かにこれは不思議な技だけど、彼の氷の魔法の方が驚きに値するものだった。……そういえば、昨日のお礼も言えていなかった。そんなことを考えるシエスタに、ムスタディオが訊いた。

「……これ、どこで覚えたんだ?」

 シエスタは少しだけしどろもどろになりながら、

「あ、あはは、それは秘密で――」

 胸倉を掴まれた。

「どこで覚えたんだ! 答えろっ!!」

 突如立ち上がったムスタディオの身長は高い。小柄なシエスタは半ばつるし上げられるような格好になってしまう。何が起こったか分からずあえぎ声を上げ――炯炯とした光を自分にぶつけるムスタディオの瞳を直視してしまった。
 彼女の脳裏を、ルイズに関するもう一つの噂がよぎる。
 曰く、ラ・ヴァリエール嬢の使い魔は気がふれている。
 悲鳴をあげかけた時、手が離された。咳き込むシエスタの耳に、申し訳なさそうな声が入ってくる。

「……ごめん、本当に悪かったよ。最近疲れてるんだ。許してくれ……」

 見るとムスタディオは力なく座り込み、うなだれていた。

「へ、平気です……少し、驚きましたけれど」

 正直なところ、散々噂話を聞いて偏見の出来上がっているシエスタは薄気味悪さを感じていた。しかし何か、同情めいた感情も生まれているのも確かだった。
 この人はあの時、自分を助けてくれたのだ。
 少しくらい応えてもバチは当たらない。

「私の……生まれ故郷です。祖母が教えてくれました」

 だから、そう言っていた。

「私や祖母はメイジじゃないんですけど、こういうことが出来る変わった血を引いてるみたいなんです」

 シエスタは髪の色も目の色も、祖母のそれを受け継いでいない。顔つきが少しにているくらいだ。しかし、この不思議な力だけは色濃く貰い受けてしまっていた。
 そこからの話は急展開だった。ムスタディオが帰省についていってもいいかと言い出したのだ。さっきより穏やかな様子で、でも目の色を変えた彼の剣幕をシエスタは断りきれなかった。
 そしてそのことについて、「恩返しだから」とごまかしを自分に言い聞かせ――そういえば、結局謝罪とお礼を言いそびれたことを思い出した。
 そして機会をうかがいながらもなかなか言い出せず、重い沈黙に支配された馬車での三日間は過ぎてしまった。


   ◇



690 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:51:16 ID:LjyK7AZn
支援支援

691 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:51:20 ID:lwIHeqV1
言葉去り偉大なる忘却の手に委ねん 意識無き闇に沈め… 支援!!

692 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:51:39 ID:z7BtWmh5
 シエスタが沈黙をどうにかしようと思ったのか、もうすぐつくはずです、とかそろそろ村の近くにある遺跡が見えてくるはずです、すごく大きいですよ、とか同じことを何度も話し掛けてくる。
 それにムスタディオは珍しく応じていた。まともな会話が成立しているのはこの道中ほとんど始めてのことだったが、ムスタディオはそれに気付いていない。
 さっきから猛烈に良い予感と、嫌な予感がしていた。
 その二律背反が起こす奇妙な違和感は自分でも耐え難く、いつもの自問自答を打ち切ってシエスタと会話することにしていたのだった。しかし、その内容も予感のせいであまり記憶に留まらない。

 ――そうして。
『それ』が見えた時、ムスタディオは我を忘れた。


   ◇


 ムスタディオが馬車の扉を開け放ち、飛び降りた。
 シエスタがあっけに取られている内にもの凄い勢いで走り出し、あっという間に馬車の進行方向へ消えていく。
 むちゃくちゃな走りっぷりだった。なりふり構わずといった様相だと妙な観察眼で見ている内にシエスタははっとなり、

「お、追ってください、あの人を!」

 馬車馬の脚を早めてもらい、後を追う。
 ムスタディオはかなりの距離を走っていた。事情も「ごめんけど、きっと冗談みたいに聞こえるよ」と何一つ教えてくれなかったから、何が起こっているのか全く分からない。彼をこうさせるものは何なのだろうかと思う。
 追いついた馬車からシエスタが降りると、ムスタディオは汗まみれで地面に手を突いていた。ぜぇぜぇと荒く胸を上下させている。
 その手が上がり、前方を指差す。

「あ、あれ……は、」
「あ、はい。あれはですね」

 ムスタディオが指を指した物を見ながら、シエスタは答える。
 眼前。見える小さな集落は、タルブの村だ。
 そしてその隣。
 見上げるとそこには――この世界で言う「フネ」が三隻、鎮座していた。

 何でも、六十年前に突如として墜落して来た来たらしい。
 しかし内二隻は損傷が酷い上に、製造から何百年も経過しているような朽ち方から、これは空を飛んでいたものではないという判断がされた。天界から落ちてきた神の艦か何かか、とやってきた研究者は首をかしげていたそうだ。
 そしてそのフネの傍らで、シエスタの祖母は瀕死の重傷で倒れているところを発見された。
 シエスタは「遺跡」の名前を呼ぶ。


   ◇


「この辺りでは『地に墜ちた箱船』なんて呼ばれてます」

 その声は、ムスタディオの耳を右から左に素通りした。
 彼は呼吸を整えるのも忘れ、顔を上げる。「遺跡」を見上げながら、口を動かす。

「こ、これ、レの、国の、う、う」

 失われた聖地、最後の戦いの場に。
 言葉にならない。

「そ、それよりも大丈夫ですかムスタディオさん!? あの、すぐお水を――」

 答える余力もない。
 うろたえるシエスタを尻目に、自分の世界のこれ以上ない痕跡を前に、ムスタディオはただ動揺を隠せない。



693 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:52:06 ID:lwIHeqV1
慈悲あれば、許したもうは、剣の心 悪を裁くは無心の剣!支援!!

694 :ブレイブストーリー/ゼロ:2008/02/25(月) 20:52:42 ID:z7BtWmh5
以上で投下終了です。支援ありがとうございました。
てかシエスタの服、空色じゃなくて草色だったねorz

695 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:53:56 ID:hRKIn7Cg
乙であります。

696 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 20:55:30 ID:wnEd2xEK
乙。
そういえばFFTからはいくつかあるけど
オウガバトルからはだれかいたっけ?

697 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:00:03 ID:lwIHeqV1
大気に潜む無尽の水、光を天に還し 形なす静寂を現せ! GJ!!

クラウドも普通にケアルとかの魔法を知っていただろうから、
そこまで不思議に思うことでもないような気がしますけど―――

それこそ「おまじない」なのであれば、驚くでしょうが。

698 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:04:00 ID:7ZTddgas
一段落の途中でデータが飛んだような終わり方と次回に期待させる引き方とは違うと思うんだが、
最近変な切り方がはやってる?

699 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:15:43 ID:FOYAwCYE
投下乙ー

毎度いい所で引くなあ。次回の展開に期待。

700 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:22:30 ID:9dxMWhzf
乙です。

どなたかFFTの銃の大きさ分かる人います?
『背負う』って記述で気になってたんですけど、どなたか詳しい方お願いします。

>>696
それは俺も読みたいなあ。
オウガバトル64なら尚嬉しい。

701 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:28:49 ID:lwIHeqV1
>>700
FFTのムスタディオのイラストを見る限りやたらと銃身の太い拳銃にしか見えないけど、
FF12の銃はライフルぐらいの大きさがあるな。

ブレイズガンは古代遺産で、おそらくFF12の時代に作られたものだろうから、後者でいいんじゃないか?_

702 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:31:14 ID:ETM6UfFR
Sir 投下乙であります Sir!
Sir 早速Wikiの方も支援しておきました Sir!

703 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:33:05 ID:LFWi79Rw
>>697
自分の世界とは全く違う世界で、自分の世界の物を出されたからじゃねぇの?
FFTのキャラなんだからケアルくらい知ってんだろ。

704 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:34:29 ID:9dxMWhzf
>>701
ありがとう。
FFTのグラフィックではロマンダもブレイズも大して大きさ変わってないもんでなぁ、
ずっと疑問だったんだ。

FF12の時代だったのか、それは知らなかったなぁ。
成る程それならグラフィックにも合うし肩にかけるな、うまい事なってる。

705 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:38:39 ID:Tiepbgiy
システム的な話をするなら、FFTの銃は片手用の武器。
銃が持てるジョブに「盾装備可能」付けるか、
盾が持てるジョブに「銃装備可能」付ければわかるよ。
銃+盾ができるから。

まあ、どっちを優先させるかは作者の都合次第でいいんじゃね? と思う。

706 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:40:44 ID:ETM6UfFR
長銃身のマスケットを驚異的な筋肉で片手保持してたと脳内妄想

707 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:42:22 ID:RJ//pq4p
財宝の魔ガンか魔シンガンを参考にしてみたらどうだろう

708 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:46:02 ID:lwIHeqV1
さすがにそろそろ脱線しすぎなので、ゼロ魔に関係のない雑談は控える方向で―――
ただ、最後に一つ。
>>703 クラウドはイヴァリースの人間じゃないぞ? FFTやっていなくても、ここのSSでも語られていたはずだが?

709 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:46:21 ID:9dxMWhzf
>>705
ああ、確かに。
けど>>701 さんの言うようにFF12の銃だったら、
FF12で某サンジ君が片手で撃って肩にかけて携行してたよなぁって思ったんだ。

710 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:46:57 ID:00d9hvbw
フォーク准将呼ぼうぜ

711 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:47:23 ID:9dxMWhzf
>>708
失礼。
以降自粛します。

712 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:48:32 ID:g3o62jkT
マスケット銃っていわれると反射的に姉妹スレの眼鏡ドジっ子を思い浮かべちまうから困る…

713 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:52:48 ID:RmVU/Mxk
完全武装のローゼンリッター連隊がいれば、アルビオン陥落しないんじゃないか? と思った
しかし同盟には着陸可能な艦って強襲揚陸艦以外にあったっけ

714 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:54:51 ID:kPxR7Ydl
気圏内用に調整したスパルタン1機で十分なような希ガス

715 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:55:07 ID:qlFyNOrc
別に陸上戦をやる必要はないだろ。
航宙艦一隻あれば宙対地砲撃で一発。

716 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:55:08 ID:FiwrHcx9
ムスタディオのやつキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:55:15 ID:hRKIn7Cg
実は片方の月はイゼルローンなんd

718 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:57:18 ID:RJ//pq4p
>>717
もう片方はガイエスブルグと申すか

719 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:57:26 ID:g3o62jkT
>>714
盾を持ったMTからガチタンに乗り換えたあいつですね? わかります!

720 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 21:57:39 ID:0M5WuuYD
>>712
ジョジョにそんな奴いたっけ?と思ったが中尉のことかw

721 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:04:09 ID:kPxR7Ydl
>719
あれ?と思ってググって見たらスパルタニアンだった……orz

722 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:14:49 ID:g3o62jkT
今話してるのはFFってことは…
ファイナルファンタジーの話なのですか?
FFって宇宙行ったりするんだ… すげえな。

>>713
ローゼンリッターってどこかで聞いた単語だと思ったら、あれだ、プリズムアーク。

723 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:16:23 ID:lwIHeqV1
>>722
宇宙に行く話は銀河英雄伝説だな。
まぁ、FF7とか宇宙に行くが。

724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:19:40 ID:QL442ZkU
>>722
少なくてもFF4の時点で月にまで行ってるぞ?
んで、7にはロケット関連イベントあるし、8には船外活動イベントもあるから

725 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:19:41 ID:00d9hvbw
一番そつ無くやっていけそうなのはユリアンとかキルヒアイスだと思う。

726 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:20:07 ID:6zMP0SnU
いやぁ〜
今日は名作の投下が多くてうれしいな〜

作者の方々 GJ!!

727 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:21:49 ID:w7raAX74
>>726

個人的には昨日からけっこー豊作なんだぜ、無論良い意味で。

728 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:26:11 ID:Onq7+ZdX
>>725
ミッターマイヤーも入れてやってくれ
あのロイエンタールと友達としてやっていける好漢だぞ

729 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:29:27 ID:gJM3KsJv
>>728
門閥貴族との相性は最悪だぜ

730 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:30:10 ID:iIT2RTwL
>>714
原作にそう言うのがあれば使えたな
まあ、存在してない訳だが

>>728
残された奥さんが本気で気の毒になるから勘弁してやってくれ


731 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:34:47 ID:Onq7+ZdX
>>729
それ言ったら、ユリアンやキルヒアイスも相性良くないんじゃね?
この二人だと不満があっても、口には出さんだろうけど
ビュコックとかメルカッツあたりの経験豊富な苦労人なら上手く諌められそうだが

732 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:39:51 ID:8nVuIavF
アイゼナッハもじゃね?単に喋らないだけだけどあの人

733 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:42:33 ID:N0JZl04W
オフレッサーは……召喚後に大暴れした挙句、魔法で頭をフッ飛ばされる場面
しか想像できん。腕っ節は強いのだが。
ビッテンフェルトあたりならどうだろ?

734 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:44:37 ID:LR5mvuNG
犬といえばオーベルシュタイン

735 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 22:58:26 ID:eiA129ai
>>733
ビッテンフェルトという人は
発言をオブラートに包まないひとだからなぁ。
すっさまじくルイズとの相性が悪そう。
使いこなせれば強い味方ではあるが、問題はルイズにはラインハルトなみの器がないということだ。

加えて門閥貴族とかとも相性が悪いし。
難しそうだ。

736 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:00:50 ID:n9tzLYpv
一番良いのはポプランだと思うよ。
子供への対応能力と怪しげな人生経験
それと戦闘面での万能な感じの能力で(格闘 射撃 空戦)



737 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:05:00 ID:5jrDt6M7
ヘイン(ry

738 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:05:21 ID:cYrz1gd4
へたれキャラ持ってめんどくさいけど、
逆に優秀すぎるキャラを持ってきても
それはそれで難しいのでは。

739 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:07:21 ID:eiA129ai
ルイ・マシュンゴとかどうだろうか?
気はやさしくて力もち。
「運命には逆らえませんから」とかいって召喚されたことにも対応できそうだ。

問題はキャラクターが薄いことだろうか。

740 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:09:50 ID:g3o62jkT
>>738
作者より頭のいいキャラは作れんってこともあるしな。

741 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:13:34 ID:qkKLqYco
>>737
さあ、理想郷に帰るんだ

742 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:20:45 ID:QOl/+hQq
ここはジョセフにトリューニヒト議長っすよ!

743 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:25:17 ID:RJ//pq4p
何その理想的な政治家

744 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:31:03 ID:gJM3KsJv
地球教=レコンキスタ
地球を奪回せよ=聖地を奪回せよ

うん、トリューニヒトでも何の違和感も無いな。

745 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:31:49 ID:ztOw5oPM
>>728
ロイエンタールが召喚されたら確実にキュルケが不幸になるな
あと自分で自覚してる毒舌だから付いていける奴がいるかどうか

746 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:32:57 ID:00d9hvbw
ジョセフにはフォーク准将だろ

747 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:34:02 ID:cYrz1gd4
いっそのこと銀英伝登場人物全部召喚しろ。

748 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:36:14 ID:B7VO8l63
ここは面白さを重視して提督の迎えで彼の扱いに激怒しそうなキャラって誰だろ?
シェーンコップを筆頭に皆「尊敬してるけどナメてる」的な部下が多いからなぁ


749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:40:20 ID:gJM3KsJv
つうても、本当なら死んでるところを助けて貰ったわけだしなあ。
ラインハルトみたいに熱狂的な崇拝の対象でもないし。

750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:40:34 ID:80bLX7Jw
>>748
ユリアン、フレデリカ、キャゼルヌ、カリン、ラインハルト、オーベルシュタイン。

751 :虚無(ゼロ)からはじめる筋肉革命:2008/02/25(月) 23:43:42 ID:e0y32jWr
もし誰も投下する人がいなかったら、
5分後あたりに投下します。
相変わらず短めですが。

752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:44:29 ID:cYrz1gd4
支援いたします

753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:44:43 ID:g3o62jkT
支援だ!

754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:44:44 ID:SsHS6esE
>>748
ユリアン、フレデリカ、キャゼルヌ、カリン、ラインハルト、オーベルシュタイン。

なぜオーベルシュタイン?w
いや、何故暗殺を邪魔したんだッて意味か


つーか、これって、ゼロ魔蹂躙とかテンプレ無視とかいうレベルでもないよね
もはや「そんなんありかー!」ってくらいの反則的展開

こんなんありか?

755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:45:13 ID:SsHS6esE
おっと失礼、支援します

756 :虚無(ゼロ)からはじめる筋肉革命-04@:2008/02/25(月) 23:47:26 ID:e0y32jWr
 真人とルイズが部屋から出たとき、偶然にも同じタイミングで隣の部屋から出た者がいた。
 燃えるような紅い髪。
 情熱的な黒い肌。
 胸元の開いたブラウスから、ルイズとは比べ物にならないほどのご立派な二つの果実が君臨していた。
 そしてこちらに気づいてルイズと目が合うと、にやっとした笑顔を向けてきた。

「おはよう。ルイズ」
「おはよう。キュルケ」

 ルイズは、不機嫌な感情を言葉に含みながら挨拶を返した。

「この人があなたの使い魔なのね」
「そうよ。なんか文句ある?」

 ルイズは相変わらずムスッとした態度で答えるが、キュルケはお構いなしに真人を頭かつま先までじっくり観察していた。

「ちょ、ちょっと何よ? 人の使い魔をじろじろ見ないでくれる? ってあんたも見せつけるようなポーズとらない!」

 ルイズはキュルケに注意を促しながら、ふっ! ふっ! と肉体を強調するような暑苦しいポーズをとっていた真人をやめさせた。

「あなた……えぇと……」
「井ノ原 真人。真人でいいぜ」
「そうだったわね。私はキュルケ・ツェルプストー。キュルケでいいわよ」
「おう。よろしくな。キュルケ」

 真人とキュルケはお互い自己紹介をしたあと、握手を交わした。
 しかし、ルイズはそんなようすをどこか面白くなさそうに見ていた。

「ほらっ! 二人とも! さっさと行かないと、朝食に遅れるわよ」

 そう言って一歩踏み出そうしたルイズの目に、真っ赤な何かの顔面どアップが映る。
 
「ひやあぁっ!」

 ルイズは素っ頓狂な声を上げながら、後ろに尻餅をつく。
 
「な、ななな―――」
「あぁ、その子は私の使い魔。フレイムっていうのよ」

 キュルケはそう言うと、自分の使い魔のもとへ行き、頭を撫で回した。

「でっけートカゲだなぁ……放し飼いにしといて大丈夫なのか?」

 見たこともない大きさのトカゲ(?) に思わず少し後ずさりする真人。

「平気よ。契約を交わした使い魔は主人には絶対忠実。あと、トカゲじゃなくて火トカゲ(サラマンダー)よ」

 キュルケは勝ち誇ったかのような顔で続ける。

「見て。ここまで鮮やかで大きい炎の尻尾は、間違いなく火竜山脈のサラマンダーよ? ブランドものよー。好事家に見せたら値段なんかつかないわよ?」
「そりゃよかったわね」

 起き上がったルイズが、キュルケとフレイムを忌々しそうに見つめる。

757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:48:36 ID:cYrz1gd4
支援

758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:48:44 ID:SKuxtn16
sien

759 :虚無(ゼロ)からはじめる筋肉革命-04A:2008/02/25(月) 23:50:14 ID:e0y32jWr
「あら、タバサ」

 そんなルイズなぞどこ吹く風でいたキュルケが、すぐ目の前の曲がり角からひょっこり現れたタバサに気づいた。

「どこ行ってたの? もうすぐ朝食の時間よ」

こんな時間までどこにいたのか、キュルケは気になって尋ねた。

「シルフィードにエサをやりにいっていた」
「あぁ、そういえば、あなたの使い魔は風竜(ウインドドラゴン)だったわね」

 キュルケの言葉に、タバサは肯定の相槌をうった。

「紹介するわ。私の友人のタバサよ」

 キュルケはタバサの肩をガッチリと掴んで、体の向きを二人の正面に合わせた。

「……タバサ」

 小さな声で呟くように自己紹介をすませた。
 どうやら本人からのアピールタイムはこれだけらしい。

「ルイズよ」
「井ノ原 真人だ」

 こうして四人で食堂へと行くことになった。

760 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:53:18 ID:g3o62jkT
sienn

761 :虚無(ゼロ)からはじめる筋肉革命-04B:2008/02/25(月) 23:54:41 ID:e0y32jWr
「うおー。すげー広いなぁ」

 真人は食堂に着いたとたん、思わず感嘆した。
 最初に目につくのは、広々とした部屋の先まで続く三列の長いテーブル。
 ゆうに百人以上は座れるだろう長い列だ。
 そしてその長いテーブルの上に乗っているのは、まるで高級レストランに出されるような、豪華な食事だった。

「ここは『アルヴィーズの食堂』よ」

 口をぽかんと開けたまま驚いている真人に、ルイズがどこか嬉しげに語る。

「トリステイン魔法学院で教えるのは、魔法だけじゃないのよ」

 人差し指をピンと立てたまま説明を続ける。

762 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:56:19 ID:iahBU4PT
支援

763 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/25(月) 23:58:08 ID:g3o62jkT
紫煙

764 :虚無(ゼロ)からはじめる筋肉革命-04C:2008/02/26(火) 00:00:55 ID:e0y32jWr
「メイジはほぼ全員が貴族なの。『貴族は魔法をもってしてその精神となす』のモットーのもと、貴族たるべき教育を、存分に受けるのよ。だから食堂も、貴族の食卓にふさわしいものでなければならないの」
「へー」
「ホントならあんたみたいな平民はこの『アルヴィーズの食堂』には一生れないのよ。それをこの私がと・く・べ・に・取り計らってあげたんだからね。感謝しなさい」

 偉そうに胸張るルイズ。
だが、他の三人はとっくに先のほうへ行っていた。

「ちょっと、無視しないでよ! とくにそこの使い魔! 主人をおいて行動しない!」

 ルイズは声を少し荒げながら、三人の後を追った。



「……ねぇルイズ」
「なによ?」

 タバサを挟んで二つ隣の席に座っているキュルケに、フォークをとめたルイズがジト目で返答した。

765 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:02:05 ID:g3o62jkT
私怨

766 :虚無(ゼロ)からはじめる筋肉革命-04D:2008/02/26(火) 00:02:39 ID:e0y32jWr
「彼、いくらなんでもかわいそうじゃない?」

 キュルケはそう言いながら視線を斜め後ろの床に向ける。
 そこには床の上で正座になって、一枚の皿に乗った一つのパンと対面している真人がいた。

「…………………………」

 まるで屍のように動かない。
 顔から窺えるのは生気のない白く剥かれた目と、死んだ魚のように開きっぱなし口。

「別に使い魔のしつけを他人に指摘される筋合いなんてないわ」

 ルイズはフンと鼻をならしながらキュルケの進言と真人の惨状を無視した。
 自分の食べる量を知らされた真人は、その瞬間から今まで、ずっとあの調子である。
 豪勢な食事を目の前にして、空腹の自分はパン一つ。
 その宣告は真人には些かショックが大きすぎたのだ。

 しばらく経ったあと、ゆっくりと真人が立ち上がったかと思うと、なにげない調子でルイズに話しかけた。

「なぁルイズ」
「…なに?」
「おまえ、確か鳥を飼い始めてから鶏肉が食えなくなったんだよな。代わりに鶏モモ食ってやるな。ピーちゃんは元気か?」

 そう言って料理に伸ばした真人の手が、無言でルイズに叩かれた。

「なぁ西園……じゃなった。タバサはキャベツを飼い始めてからサラダが食えなくなったんだよな。代わりに食ってやるな。キャベツマンは元気か?」

 今度はタバサに目標を変え、手を伸ばそうとしたら、本人と目が合った。
 まるでプロの殺し屋が放つような殺気を受けた真人は、腕がぶった斬られそうになる前に、慌てて腕を引っ込めた。
 そのサラダがタバサの好物『ハシバミ草のサラダ』だったとは、このときの真人には知る由も無い。

「なぁキュルケ。この際モズクでもキムチでもなんでもいいから恵んで―――」
「あぁもう! 仕方ないわね! ほら、これあげるから黙ってなさい!」

 自分の宿敵であるキュルケから物乞いをしそうになった真人に、ルイズは声に怒気を含めながら、彼の皿に鳥の皮を落とす。

「おぉ! サンキュ……肉は?」
「癖になるからダメ。言っとくけど、次にキュルケから物乞いしようとしたら、しばらくはご飯抜きにするから覚えておきなさい!」

 真人は、うおおぉぉぉぉぉぉぉ! と叫びながら頭を抱え、自分への理不尽な待遇に落ち込んでいた。

767 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:06:40 ID:J9ygMPeX
真人「御主人様は使い魔に食事を出せないほど貧乏だったのかァーッ!!」しえん

768 :虚無(ゼロ)からはじめる筋肉革命-04:2008/02/26(火) 00:09:14 ID:DpIs71dT
以上で今回の投稿は終わりです。

あと、遅くなってしまいましたが、
私の作品をまとめてくださった方に、心より感謝します。
ありがとうございました。
皆様に楽しんでいただけるようこれからも頑張っていきたいです。

次回はルイズの錬金失敗あたりの話です。
それでは次の筋肉であいましょう。

769 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:10:55 ID:3JJ5E35c
真人にとって武器は自らの筋肉ではないのか!
何故にガンダ反応が無い!

770 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:16:14 ID:9wv3Nuh8
筋肉、それは芸術
筋肉、それは言語
筋肉、それは宇宙!

乙でしたー


771 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:18:37 ID:1IPKZ+O8
失礼、投下予定はございませんか?無いのでしたら20分くらいから投下したいのですが。
ネタはDQです。

772 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:19:30 ID:9wv3Nuh8
支援だ
ガンバだー

773 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:19:58 ID:bqs9pqp2
支援

774 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:20:18 ID:ysf92ry2
乙でした!

筋肉繋がりで肉メンからプリンス・カメハメ召喚
ルイズが48の爆発技やら虚無バスターやら虚無ドライバーやらを会得する話を妄想してもうた

775 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:21:06 ID:DpIs71dT
支援がうなる! うなりをあげる!

776 :使い魔は漆黒の瞳:2008/02/26(火) 00:21:33 ID:1IPKZ+O8
では、投下します

777 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:21:49 ID:3JJ5E35c
DQなら不思議な靴がええなあ

778 :使い魔は漆黒の瞳 序 1/4:2008/02/26(火) 00:22:12 ID:1IPKZ+O8
吟遊詩人が爪弾いた最後の音が虚空に消えると、酒場に集った人々は忘れていた息をふぅと吐き出した。
まるで時さえもサーガに聞き惚れていたかのように、一斉に人々の喧騒が蘇る。
永い永い物語だった。有名な、人々が母親に昔語りで聞かされた物語だ。誰でも知る物語だ。
だが、この吟遊詩人の手にかかれば、まるで物語が目の前で繰り広げられたかのように人々は引きこまれた。

そは曰く、遥けき天空に浮かぶ城の由来たる、ある王子とその一行の物語。
そは曰く、無数の英雄が集いて闇へと立ち向かった、導かれし者達の英雄譚。
そは曰く、天空に浮かぶ二つ目の月をもたらした、王の中の王とその一族と仲間の叙事詩

天空の物語と呼ばれる一連のサーガ。
人々は流麗な調にのり語り歌われるそれらに心躍らせた。

そこは山村だった。
冬になれば村は雪に深く覆われ、外の世界とは隔絶される。
厳しい冬の寒さに耐えながら春を待ちわびる人々。その村に、ある旅人がやってきたのは一週間ほど前のことだ。
旅人は始め門戸の前で追い払われた。働き手に成れない者に、与える食事も暖をとる薪も無いと。
しかし、彼が吟遊詩人だと知れると、すぐさま招き入れられた。それほどまでに娯楽に乏しい村なのだ。
その後毎夜詩人は村で唯一の酒場で歌い続けた。
人々に大いなる喜びを与えながら。

そして今宵、詩人は一風変わった物語を一つ付け加えていた。
王の中の王、虜囚王、探求王、そして慈愛王の異名を持つ、山と森と湖の国グランバニア王の若き日の異聞録を。

一息つくように竪琴の弦を調節する吟遊詩人に、酒場に集った人々は再度その異聞録を求める。
山深いこの村の唯一の娯楽は、しばらく前に訪れたこの吟遊詩人の弾き語りのみ。
酒場の外の雪は今夜も吹雪いている。まだしばらくは外へ出られないだろう。
快く引き受けた詩人は、繊手を竪琴に伸ばした。
かくして再び物語は紡がれる。
自身も伝説と言うべき吟遊詩人、ホイミンの手によって。



779 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:22:26 ID:fpF1FoHf
ドラクエ支援

780 :使い魔は漆黒の瞳  序 2/4:2008/02/26(火) 00:23:24 ID:1IPKZ+O8
レイ・ア・ノルド・ノルズム……北ノルズムの薔薇と多くの詩や物語、歌に讃えられし北大陸の中心、
ラインハットの都は例年に無く活気に満ち溢れていた。
迷路のように入り組んだ街路には、『ある日』までを数える旗印があちこちに立てられ、まるで市場で売られる品のように見える。
この10年にも亘り続いた荒廃の時代を終わらせた救国の英雄、王兄ヘンリー殿下の婚儀が目前に迫っているのだ。
街の人々は、ヘンリー殿下の婚礼がこの国の明るい未来を予感させるものとして歓迎した。
おかげで既に祭りでも始まっているかのような賑わいだ。
近年類を見ないほどの婚儀になるため、準備でさえも大規模な物になっている。
通り裏の職人街では、婚礼の記念品や祝いの品を作る為炉の火が絶えることなく燃え盛り、
針子達は祝いの晴れ着を大急ぎで仕立てている。
誰も彼もこの婚儀を祝福していた。

ヘンリー殿下のお相手は、白百合にも譬えられる修道女マリア。
古の愛の女神に仕える彼女は、国を荒らした偽太后を打ち倒す折、多大な助力を成したと噂されている。
清楚な物腰と敬虔な信仰心、そして分け隔てない慈愛。
彼女と接した人々から語られる人品はこの上も無く好ましいものだ。
誰もがこの婚儀を歓迎し、その当日を待ちわびていた。
だが、結婚の日取りが日一日近づくのを心苦しく思う一組の男女がいた。
誰あろう、王兄ヘンリー殿下とその婚約者マリアだった。


「まだあいつは見つからないのか?」
「は! 西の大陸の港町までは足取りが判明しているのですが、その先の足取りが掴めません。
 一度南方へ足を運び、その後引き返した後に西へ旅立たれた事は判明しているのですが…」

王兄ヘンリーの執務室では、この数週間ほぼ変わらぬやり取りが続いていた。
それはある人物…ヘンリー殿下と共に偽太后を退治したある青年の行方に関わる物だ。
この十年来のヘンリー殿下の竹馬の友とされるその青年…リュカは、ある目的を持って旅を続けているという。
その足取りが途絶えて一月。
婚礼に彼を招こうとその後を辿ったラインハットの使者は、その使命が困難なものであると思い知っていた。

「そうか…その先の町に立ち寄った形跡は本当に無いんだな?」
「ポートセルミ西方のルラフェン、及び南方のサラボナにも調査の者を向かわせていますが、
 今の所リュカ殿を発見したとの情報は得られていません。やはり人里離れ旅をされているか、もしくは…

781 :使い魔は漆黒の瞳  序 3/4:2008/02/26(火) 00:24:55 ID:1IPKZ+O8
その先を続けようとする部下を制すると、おどけた様にヘンリーは明るく笑う。

「あいつがそうそう魔物に不覚を取るはずも無い。なら、人目につかないようにしているって事だ。
 まったくあいつはお人よしで苦労症だよ。なんて言ったか…?……そう、カボチだ。
 変な田舎で妙な誤解を受けたからって、そんなに身を隠さなくてもいいと思うんだがな。
 おかげで俺達の結婚式に呼ぶにも一苦労だ。日取りは今更変えられないし…困ったな」

口ではそう言っても、ヘンリーは内心で深くリュカの身を案じていた。
何しろヘンリー達はある教団の奴隷身から逃げ出している。
その教団から追っ手が差し向けられた場合、かなり強力な魔物が現れることもあるだろう。
場合によっては、あの幼き日…思い出すのも苦しい苦難の日々の始まりに見たあの魔物達が相手になるかもしれないのだ。
そうなれば、いくら成長した自分達でも危うい。

ヘンリー自身とマリアはラインハットという強国の庇護の内にあるから対処も出来るだろう。
今度の婚儀も…ヘンリー自身の想いと同時にマリアを守るため傍に置く意味もある。
だが、リュカは?幾ら手だれぞろいの仲間と共にあるとは言え、今はまだ勝ち目があるかどうかも怪しい。
そして行方知れずとなった事実……正直なところ、婚儀に出席してほしいと言うのは、理由としては二番目だ。
ヘンリーとマリアの中では安否の確認が第一なのだ。
とはいえ、婚儀に出席して彼に祝福してほしいというのも事実。その点で困っていると言うのもまた事実だ。
王兄という立場になってしまった以上、婚儀が盛大なものになってしまうのは仕方が無い。
同時に、この婚儀はラインハットが荒廃の時代を抜け、光り輝く時代に踏み込んだと国の内外に示す一大行事でもある。
もはや個人の理由で日程を変えるなど不可能だった。
そして、それは目前に迫っている。

「マリアもリュカには参加してほしいみたいだしな…とにかくギリギリまで探索を続けてくれ。
 場合によっては王家所有の船で迎えに行っても構わない。それだけの恩と返しきれない借りがラインハットにはあるんだ」

782 :使い魔は漆黒の瞳  序 4/4:2008/02/26(火) 00:25:55 ID:1IPKZ+O8
そう言ってヘンリーは部下を下がらせた。
最悪婚儀に参加してもらえずとも、婚礼祝いを渡したいという口実になるだけ。
探索を打ち切るという選択肢は無い。

「リュカ、行方知れずなんてお前らしくないぞ。どうせまた何か厄介ごとを抱えているんだろうけど…
 さっさと済ませて、早く元気な顔を見せてくれよ。出ないと安心して新婚生活を送れないぜ」

そして、今も城の一室にいる婚約者のことを思う。
そこでは、修道女マリアがお付の明度と共に今日も婚礼のドレスを試着していた。
婚礼は一月にわたり続けられることが決定している。
その間、お色直しも無数に行われる。ドレスの試着は欠くことの出来ない準備の一つだった。
だが、その顔はいささか浮かない。婚礼が嫌なのではない。
あの日、暑く息苦しい神殿の地下で、鞭男に嬲られたマリアを真っ先に助けに来てくれたのはヘンリーだった。
それ以前からも、明日さえ見えない奴隷生活の中で輝く二つの光…ヘンリーとリュカに惹かれていた。
故にこそ、ある日修道院にやってきたヘンリーの告白は何より嬉しかったのだ。
憂いの理由はただ一つ。ヘンリーと同じく、行方の知れないリュカを案じているのだ。

「リュカさん…ご無事で……」

同じ奴隷として苦しみを同じくした二人は、黒髪の青年を思い祈った。


だが、当のリュカとその仲間たちは、あろう事かその時この世界そのものに存在していなかったのである。
かくして物語りは第一幕へと移り変わる。

舞台を別の世界…ハルケギニアへと移して。

783 :使い魔は漆黒の瞳  1 1/4:2008/02/26(火) 00:27:03 ID:1IPKZ+O8
トリスティンの誉れ高き魔法学園。
その春の使い魔召還の儀で、ある一つの珍事が起こっていた。
ある生徒がサモンサーバントで奇妙なものを呼び出したのだ。

「馬だ…」
「いや、馬車だろ?」

そう、馬車だ。幌に覆われ、長旅にも耐えうるような確りとした作りの物だ。
大きさもかなりのもので、大の大人が10人以上乗り込めるように見える。
その馬車を引くのは見事な白馬。逞しい体つきとつややかな毛並みは、馬車としてより遠乗りに騎乗しても問題の無いものだ。

「ゼ、ゼロのルイズが魔法を成功させるなんて!」
「う、嘘だ! 僕は信じないぞ! そうだ、これは夢だ! 夢に違いない!」
「…ゼロのルイズが馬車付とはいえ馬を召還したってのに…なんで僕の使い魔はスベスベマンジュウガニなんだ!?」

悲鳴にも似た叫びを後ろに聞きながら、その馬車を呼び出した当の人物…
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、歓喜に踊りくるいそうになるのを堪えるのに必死だった。。
なにしろ生まれて初めて魔法を成功させたのだ。
影で才能の無いとの意を持つ『ゼロ』と呼ばれた彼女にとって、これほど嬉しいことは無い。
それも、呼び出したのは見事な毛並みの馬だ。
馬車ごと、というのはいささか気になったが問題は無い。もし持ち主が居るなら代価を払って譲ってもらえば良い事。
そもそもヴァリエール家の一族に使い魔をもたらしたとなれば其れだけで十分すぎる栄誉なのだ。
感謝するのが当然と言った所だろう。

「さ、ミス・ヴァリエール。続いてコンクトラクト・サーヴァントを…いえ、少し待っていなさい。先に私が危険が無いか見てきます」
「分かりました。ミスタ・コルベール」

後ろで召還を見守っていた教師のミスタ・コルベールは、万が一の危険の有無を調べるため馬車に近づいていった。

784 :使い魔は漆黒の瞳  1 2/4:2008/02/26(火) 00:28:08 ID:1IPKZ+O8
近くで見るとその馬車は決して古くは無いものの、かなり使い込まれた様子だった。
あちこちに何かで焼かれたり引き裂かれたような痕がある。

(これは戦いの傷? 一体この馬車は…? それに『彼』は…?)

驚いたのは、馬車の御者台に人影があった事だ。外傷も無く息も安定していることから、単に気を失っているだけと分かる。
だが、その人物は見かけぬ風貌だった。紫に染められた遥か東方風の装束。その下から見えるのは、金属の甲冑だろうか?
腰に剣を下げて居る所を見ると平民のようではあるが、それにしては漂わせている雰囲気が普通ではない。
そして…

「こ、これは…ミス・ヴァリエール! こちらへ来なさい!」

幌の中を見るや大声を上げていた。
馬車の中では、見たことの無いような猫科の生き物や毛むくじゃらの魔物が折り重なるように気絶していたのである。



夢を見ていた。

何度と無く見た夢だ。数え切れないほど、見た夢だ。

始まりは何時も霧の中、見失った仲間を探し彷徨っている。
まるでミルクを中を泳いでいるかのような深い霧。合間から、途切れ途切れに切り立った断崖が見える。
踏みしめる足元は水辺に近いのか泥が所々溜まり込んでいる。
時折聞こえる不快な音は、異形の者どもの嘲りか…確かめるすべも無く、さ迷い歩く。
どれほどの時間そうしていただろう?ふいに目の前に大きな変化が訪れる。
まばらに星を浮かべた乳色の空…それは霧の中でさえ清廉な白を主張する花だ。りんごの花だ。
同時に漂う甘い香り。さらに進めば、霧の向こうに何か建物らしき影が見えるのだ。
助かったと息をつき、膝をつく。そして…美しい少女と出会う。

次の瞬間夢は幻想的な装いを一変させる。
激しい戦いの場に移り変わるのだ。
それは魔物と人との合戦のようであった。
人馬一体となった騎兵が空から飛び掛った翼待つ怪物に頸部を引き裂かれ、血煙をあげながらあらぬ方向へと崩れ落ちる。
奢り高ぶり、更なる獲物をもとめたその異形を、友の放った魔法が爆散させる。
それは夢で片付けることが出来ないほどにはっきりとしたビジョン。
自分が自分以外の誰かの過去をなぞっていると何故か彼は確信している。

785 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:29:35 ID:PpHtRSu/
新しい長編ですか。支援。

786 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:29:47 ID:q2GgKKGe
支援支援。
(馬車ごとって… 使い魔候補がよりどりみどり?)

787 :使い魔は漆黒の瞳  1 3/4:2008/02/26(火) 00:30:09 ID:1IPKZ+O8
しかしあの日…心に、魂に深い傷をもたらしたあの日以降、夢は彼以外の体験から彼自身のものへと姿を変える。
牛頭馬頭二匹の魔物にいたぶられる屈強の戦士。
巨大な鉈のような斬刀で切り付けられようとも、一筋の苦痛の声も上げず耐えるその姿を、彼は見せ付けられていた。
堂々と胸を張って、あぐらをかいて、唇を一文字に結んで、戦士はそんな時でさえ誇りある姿を崩さなかった。
何度赤いものが飛び散っただろう。何度危険な魔法が襲い掛かっただろう。
その度に膝をつかんだ手に力が入る。歯を食いしばる。
最期…渾身の力を込めた一振りが、一際激しい赤い花を咲かせた。
ゆっくりと…無情な時がその瞬間をわざわざ見せ付けでもするかのようにゆっくりと、戦士の身体が崩れ落ちる。
彼は叫びを上げる。これが夢で、何度も何百回、何千回と見た光景だろうと、叫ばずにいられない。
思うように動かぬ手足でその戦士…父にすがりつきながらも叫びはとまらない。最後の言葉を耳にしようとも。
そして何時も同じ。力の抜けた父の身体を抱き、声さえ出なくなるほどに泣き吠えて。

「うわあああぁっ!」

悲鳴を上げなら目を覚ますのだ。荒い息とつめたい汗に背をぬらして、夢である事を再確認して…父を助けられなかった自分の無力を悔やむのだ。
それが彼…リュカの朝の何時もの姿だった。
だが、今は朝ではない。何時ものように野宿をしたわけでもない。
どうも意識を失っていたようだ。
普段そうしているように馬車の御者台に乗り手綱を握っている。奇妙な事に荷台を引くパトリシアも座りこんでいる。
誘眠の攻撃を持つ魔物に不意でも討たれたかのようだ。しかしそれにしては攻撃を受けた様子も無い。
いぶかしげに周囲を見渡せば広々とした草原であり、近くには奇妙な一団がなにやらリュカとその乗る馬車を遠巻きに眺めていた。
思い起こせば、確かに記憶に残っている最後の瞬間は森の中の道を辿っていたはずだ。
ポートセルミの港町を西に、深い森の中をこの数日たどり、ようやく立て札らしきものを見つけそして…そこから先を思い出せない。

(一体ここは…? それにあれは? モンスターにしては今まで見たことも無い…殺気もない)

その一団は何やらマントを着て、無数の動物(中にはモンスターらしき影もある)を伴っているように見える。
一見するとポートセルミからよく見る魔法使いを伴った魔物の群れにも見えるが、それにしては余りに普通の『人間』にみえた。
そういえば、最近仲間になった『魔法使い』マーリンならば、あの集団の事が分かるかもしれない。
彼の姿を探し馬車の中を振り返ると桃色の髪を持つ少女と、桃色にも見えなくも無い地肌を頭頂にさらした男性とが、
やや緊張を漂わせた面持ちで後方から馬車を覗き込もうとしているのが見えた。
何やら話し込むその視線の先は、リュカの仲間達が先刻の彼のように意識を失ってそれぞれに横たわっている。

788 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:30:32 ID:HiBCB+0M
使い魔ならスミス!スミスだ! 支援。
 
ロッキーもいいよね!

789 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:30:38 ID:bqs9pqp2
支援。

Vですか。
続き楽しみにします

790 :使い魔は漆黒の瞳  1 4/4:2008/02/26(火) 00:31:14 ID:1IPKZ+O8
「み、ミスタ・コルベール。このような場合はどうしたら良いのでしょう?」
「前例に無いことだからね。馬車を呼び出したこともさることながら、私でさえ存在を知らないような魔獣がこのように一度にとは…」
「私も、こんな魔物は書物でも見たことありません」
「もしや遥か東方の生き物かもしれない。かの地方でトリスティンでは見られないような珍しい生き物が多く生息するといいますから」
「で、では、このすべてと契約を?」
「待ちたまえ。複数の使い魔を持つなど前例に無い。ここは慎重に事を進めるべきです。前の御者台にこの主らしき人物が居ましたね? まずは彼を起こしてですね」
「あ、え、えーと、だ、だれなんだ?」

同時に、リュカと同じく目を覚ました、腐った死体のスミスとが丁度鉢合わせするのも。

「き、きゃぁぁぁぁぁぁっ!?!?」「死体が!?? こ、これは一体?!?」
「み、みみみ、ミスタ・コルベール!!!」
「おおお、落ち着きなさい! メイジたる者うろたえない!!」
「あ〜〜〜?」

奇妙なものを見るように、慌てふためくローブ姿の二人を見るスミス。首をかしげた際に、眼球が一つポロリと落ちて。

「〜〜〜キュウ」
「ミ、ミス・ヴァリエール!しっかりなさい!先に気絶するなどずるいですぞ!!」
「こ、怖がらせて。も、もも、申し訳ない」

哀れな少女はあっさりと気絶した。
これが、リュカとローブを着た桃色の髪を持つ少女、ルイズとの出会いだった。

791 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:33:38 ID:ZPSJ0ErH
考えてみれば腐った死体でもアークデーモンでも平然と仲間にしているDQ世界って或る意味凄いな。

792 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:35:10 ID:LG6OyKzE
ゴメちゃん呼ぼうぜ

793 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:35:15 ID:bqs9pqp2
5でモンスターを使役できるのは
主人公とモンスター爺さんぐらいじゃなかったっけ?

>>790
お疲れ様です。

794 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:36:57 ID:3JJ5E35c
ま、まさかルイズが二児の母親に…

795 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:38:29 ID:9wv3Nuh8
>>ゴメちゃん呼ぼうぜ

バカ野郎!ワルドが「こんな物をぉ!」とか叫びながらルイズの服を破るだとお!?
貴様、何考えてやがる!!


是非是非喚んでくれ

796 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:39:42 ID:q2GgKKGe
投稿乙でした。

もうプレイしたのは大分昔で覚えてないけど…
ルイズと結婚したってしょうもなくね?
確か勇者の血筋って主人公は引いてないんだよね?

797 :使い魔は漆黒の瞳:2008/02/26(火) 00:40:00 ID:1IPKZ+O8
猿さん規制で終了宣言が書き込めませんでしたが以上です。
DQは5主を馬車ごと召還…
さて、奴隷生活の長かった彼が簡単に使い魔になってくれるかは次回以降で。


798 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:40:37 ID:bqs9pqp2
5の時代で勇者が生まれる条件は、
主人公の母親の一族と、
天空の住人の血を引くビアンカかフローラ
の組合せじゃないと生まれ無いんだっけ?
(ビアンカ選んだときフロ-ラの方に勇者が生まれないのはこの為)

799 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:43:01 ID:dvxVnnnG
>>796
ルイズも始祖ブリミルの血が顕現してるから、結構有望な血筋かと。
まあ、勇者は生まれないとは思うが。

800 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:43:22 ID:X47gfHxf
パパスの嫁さんのマーサがたしか天空人だった気がする。

801 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:44:15 ID:q2GgKKGe
ああ、そうだったっけ。
パパスも主人公も天空装備できないもんだから、勘違いしてた。

802 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:44:32 ID:3JJ5E35c
鰤見る=天空人
だからルイズでもティファニアでもアンリでもイザベラ様でも可!

このさいシエスタのじーちゃん=天空人も可

803 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:44:36 ID:ysf92ry2
ブリミルが天空の住人って事にすれば夢問題?
そしてシエスタの爺ちゃんも天空出身でルイズとシエスタの二択に悩まされる主人公と

804 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:45:22 ID:ysf92ry2
>>802
俺の偏在が居る…

805 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:47:52 ID:J9ygMPeX
なんか、ネタつぶしになる悪寒。ほどほどに汁。

806 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:49:39 ID:3JJ5E35c
冒頭に出てきたホイミン召喚ものとかも見たいけどな…

ライアンと分かれてからハルケギニアに召喚→美青年可してからDQ世界へ

807 :漆黒の瞳の人:2008/02/26(火) 00:51:07 ID:1IPKZ+O8
とりあえずプロットはアルビオンまでは出来ています。
あと、おまけで馬車の中のメンバー紹介をば

リュカ :主人公
スラりん:スライム
スミス :腐った死体
ドラきち:ドラキー
ピエール:スライムナイト
コドラン:ドラゴンキッズ
イエッタ:イエティ
クックル:クックルー
ガンドフ:ビッグアイ
プックル:キラーパンサー
マーリン:魔法使い

基本的に小説版を基準にアレンジを加えていますのでご了承を。


808 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:56:35 ID:dvxVnnnG
>>807
キラーパンサーの名前はゲレゲレにすべきだと愚考いたします。

809 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 00:57:19 ID:ZPSJ0ErH
マーリンと聞くとブレナンの方を連想する私は14に進むべきでしょうか?
そういえばあのシリーズのE・Jもインテリジェンスソードでしたな。

810 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:04:31 ID:03n6VYB6
>>809
きみは14に進んでもいいし、進まなくても良い。
決断したのならば、14へ。

811 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:04:47 ID:FOLUYynY
ガンドフもふもふ(´Д`;)ハァハァ

812 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:05:07 ID:h7DPsc31
>>800
マーサはエルヘブンの出身の人間。魔力?はエルヘブンで一番強いけど天空人じゃない。
勇者が生まれるにはエルヘブンと天空人の血が要るってゲーム中で王子が言ってる。

813 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:05:47 ID:2C1Rfuu1
>>808
ゲレゲレの名前を聞くと途端に絵柄がグルグル絵に変換されてしまう
そんな俺はDQ4コマ漫画劇場で育った世代です


814 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:08:09 ID:C40VAEpg
>>808
小説版のキラーパンサーの名前は
プックルだから仕方ない。

815 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:13:30 ID:ysf92ry2
ダーマ神殿召喚というネタが唐突に浮かんできた
まちがって遊び人に転職してしまったルイズだがパフパフをする胸が無い!とか。

816 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:14:31 ID:CKlbBqKM
なぜかあるてまんがを思い出してしまった

817 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:15:06 ID:7GLBQDXv
チロルもいいと思うけどプックルだから仕方ないな

818 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:19:06 ID:wdUa6wro
>>815
フォズ大神官召喚か……いいなぁ

819 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:22:40 ID:bqs9pqp2
>>815
渡された衣装がバニーガールじゃなくて、
ピエロの衣装とメイクセットだったとか?

820 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:28:49 ID:ysf92ry2
>>818
6のダーマをイメージしてたけどそうか、神殿ごとじゃなくても人で居たんだったな

>>819
そう、そんな感じw
あと使い魔品評会じゃ、何故か使い魔じゃなく自分で芸を披露する羽目になったり

821 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:30:34 ID:eLf0mILn
ドラクエの4と5って地形すら変わってますがよく生き残ってたな?ホイミン

822 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:31:10 ID:RWnmh+MI
>>815
そしてLvをあげて賢者になるんですね、わかります

823 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:37:31 ID:0II8s7tp
>>821
っていうか、この時代まで生きてたら人間じゃねえw

824 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 01:37:39 ID:E4muhIfA
>>822
何をするにしても、妙に悟りきった表情のルイズ。
嫌すぎるw

825 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 02:30:24 ID:Vz3+N2eS
分からない…この人達の会話が分からない…
ドラクエやったことあるの5だけでしかも
主人公の父親が死んだとこでブレーカー飛んでデータがお釈迦になり
やる気なくし現在カセット絶賛行方不明中orz

さ〜て寝る前に響鬼でも見よう


826 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 02:33:01 ID:MaCEO1MW
>>825
さあもうすぐ発売するDS版を買うんだ

827 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 02:34:09 ID:3OQoPTrF
>>821
Wの小説が拾った「知られざる伝説」って本の設定的には、ホイミンはライアンとの冒険中に死んだあと、
マスタードラゴンが進化の秘法の被害で死んだ人間の体を与えているので、厳密には人間じゃないからなあ。
マスタードラゴンが存在する限り生き続けるとかそんな設定なんだろう多分。

828 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 02:45:18 ID:Vz3+N2eS
>>826
え、DS版出るの?まじか!
あ、でもDSもってねぇ

829 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 02:45:49 ID:F6rLgkSM
>>827
ん?ホイミンはその体貰うの拒否したんじゃなかったっけ。
で、マスタードラゴンに人間になる資格があると認められて人間になったはずだ。

DQM+だとえらく男前になってたけど。

830 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 02:50:59 ID:0o99/74U
http://www.pleasestopwar.com/iraqbodyhole.jpg

831 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 02:53:13 ID:3CHZbYEC
>>830
グロ注意

832 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 02:59:33 ID:MaCEO1MW
ついさっきまったく同じ物を見てきたばかりだ

833 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 03:51:29 ID:4PcdbgW9
半月ぶりくらいにきたら楽しみにしてたSSがいっぱい投下されてて俺歓喜

834 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 04:08:26 ID:JHPqsN/m
どこが斬れてるのかわからなかったが左わき腹か。
デッドライジングやってると感覚が麻痺してくるw

835 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 04:58:00 ID:wM01D7xq
奇麗なもんだな
出血がなければこんなもんか

836 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 05:04:46 ID:3OQoPTrF
>>829
あーそういやそうだったっけか。すまん昔のことだからけっこう設定忘れてたわ。

837 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 05:37:17 ID:RZGd42iQ ?2BP(30)
>>813
よう同士よ。
ボロンゴが一番しっくりくる俺は新山たかしのファンでした。

838 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 06:58:17 ID:3JJ5E35c
思うにXの主人公はマントと杖が標準装備だから
やたら使い魔を大勢抱えている貴族に思われるかと
貴族どころか王族ですが

839 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 07:31:11 ID:nBv5HxV+
魔法使える品〜

ところでスライムナイトの公式設定って、スライムに人型モンスターが乗ってるんじゃなくて「スライムの体の一部が人型に擬態している」なんだよな。

840 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 07:37:28 ID:xwU4+yIU
マジか。
嘘だったらタダじゃ済まさんぞ。

841 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 07:39:33 ID:4UvWWnli
しかも攻撃回復魔法に肉弾戦もこなすマルチプレーヤーかつ指令塔
血統はそこらの王族が雑種に見える超レア貴種
欠点は為政者として帝王学を学んでいないくらいか

842 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 07:41:45 ID:XTk35a6k
おできみたいになってるんだよな。

>>795
ルイズの何処にゴメちゃんを隠す場所があるんだ…
アレ、爆発音が近付いてくる…

843 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 07:49:47 ID:U6lUC2QE
>>840
Xの小説だとそういう設定。
でもあれ公式なのか?

844 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 07:51:56 ID:nBv5HxV+
昔でたドラクエモンスターの解説本ではそうなってたよ。実家にあるからスキャンできないけど。
wikiとかで見たら、アイテム扱いの作品もあるらしいけど。

845 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 07:56:07 ID:uIDxo7wa
モンスターズでも同じような設定じゃなかった?

846 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 07:57:24 ID:3JJ5E35c
>ルイズの不思議のダンジョン

ダンジョンを使い魔に出来るでせうか?

847 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 08:14:03 ID:J9ygMPeX
>>842
むしろゴメちゃんを胸に融合させ(ry

848 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 08:15:26 ID:muvpd38/
モンスターズの図鑑にも書いてあったな。<ナイトは体の一部

マルモ召喚を妄想していた俺には嬉しい投下だ。黒目氏GJ
そして腐った死体と聞くとネレウスとの絡みを思い出す俺も4コマ漫画世代にして坂本太郎信者。

849 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 09:21:36 ID:Uz2Gytos
>>841
帝王学も、20年くらい国を支えた叔父がいるから、どうとでもなるw
5主はED後なら歴代主人公で一番の勝ち組と言われる位なんだぜ
前半生は一番悲惨とも言われるけどなw

850 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 09:25:24 ID:nBv5HxV+
そういや、ドラクエならモンスターもバリバリに戦闘用に武装してるよな。
結婚前なら主人公はバギマ+ベホイミで、ベホマやザオラルはまだ先ってとこか。
………ラインからトライアングルってところかな。

ドラゴンの杖持ってたら面白いのに(使うとドラゴラム発動


851 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 09:59:33 ID:CyNtXTWs
そういえばKOFとかSFとかの格ゲーキャラって召喚されてないよね?

852 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 10:05:40 ID:YuR7twli
召喚慣れしているラルフジョーンズ大佐を召喚
「でどいつを倒せば元の世界に帰れるんだ?」
「あんたはずっと使い魔!」

重火器に剣にブーメラン戦車の操縦も可能
そして下手な重火器以上の破壊力の拳を持つ使い魔がここに誕生した


SFだと
ルイズを弟子にするオロ


853 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 10:44:00 ID:OWvkWLJV
瞳の人ぐっじょぶ!
しかしこの辺だとリュカの装備はパパスの剣のような気がする。

854 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 11:18:21 ID:GQmiUgJx
>>803
ゴメンキモい。

855 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 11:32:55 ID:4lMx0L9p
そうか、あの時点で主人公の範囲攻撃で最強はバギマくらいだな

……ところで、ヴァギナってなんか攻撃魔法みたいじゃね?強そうじゃね?

856 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 11:40:51 ID:Uz2Gytos
このじきの範囲攻撃最強は育ち具合に因るけど、チェーンクロスとかな気がする
黒目の人に装備品の情報公開を希望したいな

857 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 11:55:46 ID:8zEFJFLW
>>852
「我を倒すために選ばれた戦士たちよ
倒せるものなら倒してみよ!」

こうですかわかりませ(ry

858 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 12:01:19 ID:FfIEjU+9
>>857
それ分かる人はかなりのオサーンだぞw

859 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 12:24:30 ID:PKkcNIts
>>838
>思うにXの主人公はマントと杖が標準装備だから

プックルが仲間に〜結婚式 まではパパスの剣装備がデフォでは
ないでしょうか?
あれを装備すれば二回攻撃ができると思っていたのは私だけでは
ないはずだw

860 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 12:47:29 ID:C40VAEpg
手元にある小説によると装備は腰にパパスの剣と天空の剣
鎧の描写は特になし
マーリンがいるとなるとサラボナ周辺っぽい。
仲間はスライム、ドラキー、ビックアイ、くさったしたい、
スライムナイト、キラーパンサー、まほうつかい、かな

861 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 12:53:05 ID:TtHoC83N
マーリンはポートセルミ周辺で仲間になる
プックル仲間にして結婚前ってことはルラフェンでルーラ覚える前後だな

862 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:20:09 ID:SDuwT/Ir
疑問はハルケギニアでもモンスターを仲間にできるのだろうか
できるのなら場合によっちゃ死体のウェールズが仲間になる事もあるんだろうな

863 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:29:31 ID:B5b/uzyh
なんと ワルドのへんざいが 
おきあがり こちらをみている

864 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/26(火) 13:30:05 ID:MH/IQW+z
こんにちは、流れブッタ斬って申し訳ないのですが、5分後から3話を投下しても大丈夫でしょうか?
後、前後編とか言ってましたが書いてたらさらに長くなって前中後編になってしまいました…。
自分の構成力のなさに脱帽しましたorz

865 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:35:32 ID:w8gFS/eL
かもん

866 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/26(火) 13:35:52 ID:MH/IQW+z
それでは投下開始します。

イザベラ管理人第3話:最初の試練・中編

「コースケ!あたしの声が聞こえなかったのかい!」
混沌とした場を切り裂いたのは、イザベラの再度の怒声であった。
「あ、イザベラ、やっと起きたのか。おはよう、寝すぎると頭痛くなるぞ?君、大丈夫か?」
耕介はイザベラに挨拶だけすると、すぐに自身が抱えるタバサに向き直って呼びかける。
「こ…この平民風情が…!!」
イザベラの怒りは一気にレッドゾーンへと達したが、それに気づいた者はいなかった。
「この子、どうしたんでしょう。ちょっと癒してみますね。」
御架月の手が燐光に包まれ、タバサにかざされる。
「うーん、ダメですね…外傷じゃなくて、精神的なもので気を失ってるみたいです。」
しばらく続けていた御架月だったが、特に変化が無いことに落胆しながら私見を述べる。
「そうかぁ…イザベラ、この子のこと知らないか?」
「そいつは、あたしの部下だよ。北花壇騎士7号のガーゴイル娘さ。」
頬をピクピクさせながらイザベラは答えを返した。
「きたかだんきしにがーごいる…?まぁいいか、イザベラ、とりあえずどこかに寝かせてあげられないか?」
イザベラの雰囲気に違和感を覚えながらも、今はこの気を失った子どもをなんとかするのが先決と判断した耕介はイザベラに尋ねた。
「じゃあその辺の部屋を用意させよう。その娘とあんたらに、あたしから話もあるしね…!」
そう言ってイザベラは踵を返し、メイドに部屋を用意するよう言いつけるべく歩き出した。
おそらく、イザベラに命じられるメイドは寿命を縮めるだろう。
何故なら今のイザベラは激怒しているからである。
薄らと笑顔を浮かべてはいるが、目が笑っていない。さらに重苦しい雰囲気をまとっている。
普段からイザベラを知るプチ・トロワの使用人が最も恐れる状態のイザベラである。
しかし、会ってから二日しか経たない耕介たちには知る由も無いのであった。
「う、うわ、耕介様、なんですか、この生き物!」
シルフィードにやっと気づいた御架月が遅ればせながら驚きの声を上げる。
「あぁ、こいつはこの子の使い魔で風竜って種族らしい。」
きゅい!とシルフィードが挨拶するかのように鳴き声をあげる。
「竜なんですかぁ。大きいですねぇ。あ、イザベラ様が行っちゃう、耕介様行きましょう!」
物珍しげにシルフィードを眺める御架月であったが、イザベラがプチ・トロワに入ったことに気づいて、耕介に報告する。
「あ、ああ、そうだな。いこう御架月。
お前、ご主人様を連れてくけど、きっと大丈夫だからな。」
耕介はシルフィードに一声かけると、タバサを抱えなおしてイザベラを追うべく走り出した。
きゅい…と心配げな声をあげるシルフィードであったが…それも数秒、すぐに興味は鍋へと戻り、最後の肉とチーズを舐め取り出すのであった。

妙に顔を青くしたメイドに空き部屋に案内してもらい、耕介はベッドにタバサを寝かせた。
「ちょっと顔色が悪いけど、どうやら今は眠ってるだけみたいだな。目を覚ましたら事情を聞こう。」
タバサの額に手を当てたり、手首から脈を取って異常がなさそうなことを確認する耕介。
それはイザベラの怒りにさらに油を注ぐ行為なのだが、気づけというほうが無体というものであろう。
だが、イザベラは怒鳴ることはしなかった。
何故なら、試練を思いついたからだ。
つい数分前まで試練のことなど忘れ去っていたイザベラだったが、一連の出来事で怒りの限界を突破した際に電撃的に思いついたのである。
(これならどっちに転んでも面白いことになる…フフフ、あたしはやっぱり知将タイプなのさ!)
燃え盛る怒りと自画自賛がいい感じに混ざり合い、イザベラは見た者がとりあえず謝りたくなるようなオーラを発していた。
タバサのことで頭がいっぱいであった耕介はいまだに気づいていないが、御架月はイザベラのオーラを感じて部屋の隅に退避している。
「うぅ…なんでイザベラ様、あんなに威圧感あるんだろう…。」
その呟きは、誰にも聞かれることはなかった。
「そうだ、イザベラ、何か話があるんじゃなかった…か…」
ようやくイザベラのことを思い出した耕介は振り返り…その威圧感に気づいたのであった。
「ど…どうかしたのか、イザベラ…?」
恐る恐る耕介が問うが。
「いいや?どうもしないよ?ただ、いい案を閃いて嬉しいだけさ。」
イザベラの威圧感は些かも減じることはなかった。
それどころか、笑顔の圧力はさらに増しているようにすら感じる。
「そ、そうか…で、話ってなんだ?」
とりあえずは判断を保留にして、耕介はイザベラを促すことにする。

867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:36:15 ID:fXGk/Lk1
X主って武器攻撃も魔法攻撃もそつなく使えて、しかも魔物使いなんだよな。
ガンダールヴでもヴィンダールヴでもいけるのが凄い。

868 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/26(火) 13:37:00 ID:MH/IQW+z
「ああ、良ければ厨房から持ってこようか?たくさん作ったからまだ残ってると思うけど。」
イザベラの圧力はすっかり鳴りを潜めていた。
「そうだねぇ、まだ昼食も食べてないし…ってちがぁう!!!」
「「うわ!?」」
唐突に怒りを思い出したイザベラの怒声に、耕介と御架月が驚きの声を上げる。
「あたしは昨日、あんたらにあんまりうろつくなと言っただろ!
一晩寝たら言いつけも忘れちまったってのかい、ええ!?」
食欲に釣られて怒りを忘れかけた自分を誤魔化すように威勢よく耕介に食って掛かるイザベラ。
「え、でもイザベラが起きてくるのはいつも昼頃だっていうし、それまで何もしないのもなぁ、と思ったんだけど…。」
「そ、そうですよ、耕介様は何も悪いことは…」
二人が抗弁するが、それはやはりイザベラの怒りに油を注ぐことにしかならなかった。
「お黙り!あたしはあんたらの主なんだ!あたしの言葉は絶対なんだよ!わかったらこれからは勝手な行動は慎むこと!いいね!」
「わ、わかったよ、イザベラ。大人しくしてる。」
「わかりました、イザベラ様…。」
凄まじい剣幕でまくし立てるイザベラを、すぐに落ち着かせることは無理だと悟った耕介と御架月はとりあえず頷いておく。
二人が従ったことに気を良くしたイザベラはそっぽを向いて怒りを吐き出すかのようにため息を一つつく。
イザベラ自身も、酷い難癖をつけているという自覚はあった。
自分でも怒りの源泉を判じかねているのだ。
無視されたことが頭にきたのか?先ほど言ったように昨晩言いつけたことが守られていなかったことに怒っているのか?
どちらも理由の一つではあるが、源泉ではない。
メイドたちに同じことをする時はそんなことは思いもしないが、何故だか耕介を相手にしている時は「相手がどう思うか」をわずかに考えてしまうのだ。
わずかではあるが、それはイザベラの変化の一つだと言えるだろう。
もっとも、それは現時点ではイザベラの怒りを静めるものとはなりえないが。
「うぅ…ん…」
微妙な沈黙が降りた部屋に、タバサのうめき声が小さく響く。
タバサが目を覚ましたのだ。
「あ、君、大丈夫か?」
すぐさま耕介がタバサの顔を覗き込む。
「………貴方…誰…?」
いまいち意識がはっきりしないタバサは覗き込んできた男に半ば脊髄反射で問いかけつつ、自分がどうして横になっているのかを思い出そうとした。
瞬間、その顔が凍りついた。いや、表情はほとんど変わっていないのだが、一瞬ビクッと痙攣した後、停止したのだ。
直後、タバサは体にかけられていた布団を一気に頭まで引き上げて隠れてしまった。
「俺は槙原…って、おい、大丈夫か、寒いのか?」
耕介が心配げに、ぷるぷると震えている布団の膨らみに顔を寄せると、小さく声が聞こえる。
「ゆ…幽霊…いや…」
「幽…霊…?」
耕介の視線は自動的に相棒へ向かう。
そう、剣霊…すなわち剣に宿った幽霊である御架月に。
「幽霊…ですか?イザベラ様、この宮殿って幽霊が出るんですか?」
どう考えてもその幽霊は御架月なのだが、自身をあまりそう認識していない御架月はこの場で宮殿に最も詳しいイザベラに問いかける。
「ゆ、幽霊!?そそそそんなもんいるわけないだろ!!」
何故かイザベラは取り乱すが、幸いにも耕介がツッコミを入れたのは別の事柄に対してだった。
「いや、多分彼女が言ってるのは御架月のことじゃないか?」
「え、僕ですか?あ…そういえば、さざなみ寮じゃないのに壁を抜けたりしてしまっていました、ごめんなさい耕介様…。」
御架月がやっと事実に気づき、消沈と謝罪する。
「まぁ仕方ないさ、環境が変わりすぎて俺も注意するのを忘れていたしな。これからはちゃんと扉を使うんだぞ。」
「はい、耕介様。」
二人の間ではこの問題は既に解決したが…御架月が幽霊という事実に劇的に反応した人物がもう一人いた。
イザベラである。
「ななな、ミカヅキ、あんた幽霊!?あんたインテリジェンスソードじゃなかったのかい!?」
イザベラは一気に御架月とは反対側の壁まで後退し、カタカタ震えながら言い募る。
実際、剣自身とは別に体のあるインテリジェンスソードなどおかしいと思うべきだろうが、彼女にとって御架月は単なる耕介の付属物であったので、深く考えていなかったのだ。
先ほどまでの怒りなど水をかけられたかのように消え去り、今彼女を支配しているのは恐怖だけである。
「あーいや、幽霊といえばそうなんだけど、御架月は悪さをしたりはしないよ。
…イザベラも幽霊が怖いの?」

869 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/26(火) 13:37:39 ID:MH/IQW+z
「こ、怖いわけあるかい!!このイザベラ様がそんなの怖がるわけあるかい!!」
未だに御架月から距離をとっているので、説得力などあろうはずもない。
「まぁ、大丈夫だよ。
御架月は剣に宿っていて霊力が尽きない限り死なないってだけで、他はほとんど人間と変わらない。
だから二人とも安心して。」
布団にもぐっていたタバサは少しだけ顔を出して、部屋の隅にいた御架月をおっかなびっくり見つめている。
御架月はそんなタバサに気づくと、人懐っこい笑みを浮かべて挨拶をする。
「こんにちは、どうやら僕が驚かせてしまったみたいで、ごめんなさい。僕は御架月っていいます!」
御架月の人畜無害そうな様子に安心したのか、タバサはベッドから上体を起こして周囲を見回す。
「あ、君、本当に大丈夫か?」
念のため耕介はタバサの額に再び手を当てる。
タバサは耕介のその行動に一瞬停止する。
思えば、そんなことをされたのはいったいいつ以来だろう…?
あの運命の日から心を凍らせて戦いの日々に生きてきたタバサにとって、その掌の温かさは懐かしさを覚えるものであった。
だが、今はまだ、それだけでは彼女の心を包む氷はわずかも溶け出すことはない。
タバサは視界の端にイザベラがいるのを認めると、耕介の手を無言で振り払い、耕介とは反対側に降りる。
「…任務…。」
未だに恐怖の混ざった視線で御架月を見つめていたイザベラはその言葉にハッと我を取り戻す。
「あ、ああそうだ、あんたたちに話があるんだ。任務にも関わることさ。」
イザベラは殊更に尊大に腕を組んでベッドのそばまで歩いてくるが、先ほどまでが先ほどまでなので威厳など取り繕えるはずもなかった。
「先ほども仰ってましたよね。いったいなんでしょう?」
御架月が耕介のそばにやってくる。
イザベラとタバサがカニ歩きでベッドから少し離れたことにツッコミを入れるものは誰もいなかった。
「北花壇騎士7号シャルロット!あんたには任務が二つある!
まず一つはアルデラ地方の小村エギンハイム村に出没する翼人の掃討だ。
なんでも、そいつらがいるおかげで木材を切り出せなくなって困っているらしいよ、早めに片付けな。
で、もう一つの任務だけどね…そこにいる男はコースケっていうんだ。
田舎からきた、カタナとかいう武器で戦う傭兵でね、北花壇騎士候補だ。
あんたが試験官として、こいつが北花壇騎士として相応しいか戦って試しな!」
「え、戦うって、俺がこの子と!?」
イザベラの思いついた試練とは、これであった。
どんな力を持つのか未知数の耕介の力を計り、さらにはタバサと戦わせることでどちらが倒れても面白くなる。
自分の知恵者っぷり(人はそれを悪知恵というが)にイザベラはニヤニヤ笑いながらさらに宣言した。
「そうさ、コースケ、これが試練だ。二人とも全力で戦うんだよ!」

任務を言い渡されたタバサはさっさと部屋を出て行ってしまった。
無害とはいえ、幽霊である御架月のいる部屋には長くいたくはなかったのだろう。
「良かったねぇ、耕介。試練の相手があのガーゴイル娘でさ。
本当はもっと強いメイジを試験官にしても良かったんだけど、寛大なイザベラ様に感謝しなよ?」
イザベラは耕介が期待通りに驚愕したことに満足し、ニヤニヤ笑っている。
だが、耕介が愕然としたのはイザベラが考えている理由ではなかった。
「イザベラ、あんな年端も行かない子と本気で戦えって言ってるのか?」
困惑を隠せない耕介の言葉は、イザベラを落胆させた。
「あんた、あいつが何者か…知るわけないか。」
言っている最中で耕介が花壇騎士のことなど知るわけがないことを思い出し、イライラと片手で頭をかくイザベラ。
「いいかい、あいつの二つ名は雪風。トライアングルクラスの強力なメイジだ。
早い話が、上から数えた方が早いくらい強いのさ。
ま、あたしの部下にはもっと強い奴だっているけどね?アハハハ!」
嫌味な笑い声をあげるイザベラを複雑な表情で見やる耕介。
「イザベラ…あんな子どもが、戦ってるのか…?」
「ああ、あいつはそれなりに強いよ。
なんせ今までいくつも難しい任務を与えてやったけど、その全てをこなしてきたからね。
そう、あのガーゴイル娘は強い…まるでバケモノさ…。
ドットでも下のほうに位置するあたしなんぞとは比べ物にならないくらいにね…。」
イザベラの瞳と声には様々な感情が混ざって、正体がつかめなかった。
少なくとも怒り、失望、嫉妬…だが、本当の成分はもっと複雑なのだろう。
「あぁでも、あんたにとってはあたしもバケモノになるのかね?
それとも、ミカヅキみたいな幽霊と付き合えるあんたならバケモノとも付き合えるのかい?」

870 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/26(火) 13:38:52 ID:MH/IQW+z
まるで世界の全てを嘲笑うかのようなシニカルな笑い方に、耕介は悲しげな表情を浮かべる。
「イザベラ、俺は君をバケモノだなんて思ったことはない。」
それは耕介の心からの言葉だった。
「ハン、下手なおべっかはいらないよ。」
だが、イザベラにはそんな言葉は寒々しいだけだ。
それでも。
「何度でも言う。君はバケモノなんかじゃない。さっきの子もそうだ。
君がいったい何に絶望して、何に怯えてそんな風に考えるようになったのか、俺にはわからない。理由を言えとも言わない。
だけど、俺は君に言い続けるよ。君はバケモノなんかじゃない。」
耕介はそう宣言した。
「………フン、平民に何を言われたって、あたしには関係ないね。」
耕介から目をそらし、イザベラは弱々しく、けれどもはっきりと拒絶した。
「………剣を取ってくる。」
耕介は踵を返し、霊剣・御架月を取りに自室へと向かった。
「…耕介様ぁ…。」
その後を、あまりにも重いやり取りに縮こまって黙っていた御架月がついていく。
後には、普段の彼女からは想像もつかないような弱々しさのイザベラだけが取り残された。

「耕介様ぁ…本当に戦うんですか?」
御架月が不安げに耕介に問いかける。
二人は部屋に到着し、霊剣・御架月を点検しているところであった。。
「ああ。イザベラによれば、あの子は実戦を経験しているし、上から数えた方が早いくらいの位階だそうだし。」
霊剣・御架月を抜き、刀身に異常が無いことを確認する。
「で、でも、あんな小さな子と戦うなんて…。」
「相手は魔法使いだから見た目からじゃ戦力は測れないと思ったほうがいい…いざとなったら組み伏せばいいし。
それに、この世界にいる以上、戦闘における魔法ってものに触れておいた方がいいと思うから。」
「そう…ですね…耕介様、あんまり傷つけないように頑張りましょう!」
正直に言えば、耕介とてあのような小さな子と戦闘などしたくはない。
しかし、タバサと戦えと言った時のイザベラの目は本気であったし、何より…。
「気になるんだ…イザベラもシャルロットって子も…一瞬だけだけど、凄く冷たい目をしていた…。」
耕介の呟きは小さすぎて、御架月に届くことはなかった。
イザベラの暗い瞳と、タバサの冷たい瞳…あの年齢であんな目をすることになる理由など、想像したくもない。
放っておくなど論外である。
だが、彼女たちは普通に接しても心を開いてはくれないだろう。
イザベラに関しては未だ方策が見えない。
だがシャルロットならば、彼女は騎士であるらしいから、この世界では全く未知の技である神咲の技を見れば接触しやすくなるだろう。
これが耕介が下した結論であった。

舞台にはプチ・トロワから少し離れたところにある猟場が選ばれた。
平原と森の境目に耕介とタバサは10メイルほど離れて対峙していた。
二人からさらに10メイルほど離れたところにはイザベラがおり、メイドたちに用意させた長椅子でくつろいでいる。
さらにはテーブルも用意させ、遅くなった昼食(耕介が作ったチーズフォンデュだ)を用意させて観戦モードだ。
シルフィードもイザベラから少し離れたところで待機している…チーズフォンデュを虎視(竜視?)眈々と狙いながら。
「………。」
タバサはこの戦いには全く乗り気ではなかった。
当然であろう、戦う意味が皆無だ。
憎き復讐相手であるガリア王の娘であるイザベラの目の前で本気を出す気もなかったし、何より目の前の男は平民であるらしい。
カタナとかいう武器は初めて見るが、剣の一種であるらしいので近接戦専門。
しかもルール上、最初から離れた位置で開始される。
せいぜいが森に入って視線を遮りこちらの魔法をやり過ごし、接近して近接戦を挑む…その程度が関の山だろう。
その程度ならば対処する手は山ほどあるし、何より目の前の男からは圧力が感じられない。
今もこちらをじっと見つめているが、そこからは殺気や戦意といったものも感じられない。
はっきり言って戦士とすら思えない相手だ、戦意が出ないのも仕方ないところだ。
しかし、それだけに不気味なものを感じるのも確か。
タバサは結局、平民の傭兵でも上位程度の警戒レベルで臨むことにした。
一方の耕介は、冷静にタバサと周囲を観察していた。
(さて、どうしようか…二つ名が雪風ってことは、そのまま雪や風の魔法をよく使うってことなんだろうけど…。)
地形も含めて、戦術をいくつか組み立てるが、結局タバサの戦力がわからないので臨機応変ということにしておく。
「この銅貨が地面についたら試験開始だ、いいね?じゃぁいくよ…あっ!」

871 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/26(火) 13:39:21 ID:MH/IQW+z
メイドから取り上げた銅貨(イザベラは現金など持っていない)を指に乗せる。
そして真上に弾こうとして…失敗し、銅貨はイザベラの指から転がり、地面に落ちてしまった。
思わず羞恥に顔を紅潮させたイザベラだったが、脇に控える3人のメイドがこちらに注意していないことに気づく。
銅貨が地面についた瞬間に耕介とタバサの戦闘が始まっていたからだ…。

タバサはまず事前に詠唱しておいた水と風のラインスペル<<アイスバレット>>で3つほどの拳大の氷弾を放った。
おそらく男は氷弾をよけるために森に入るだろう。
森を移動しているうちに詠唱を済ませ、飛び出してきたところにまたアイスバレットを打ち込めばよい…そう考えていた。
だが、男の取った行動はタバサの予想を全く裏切るものだった。
男はまず、しゃがむことで高い位置の氷弾の射線から身を逃がした。
さらにわずかに右に移動して、左側に飛んでくる氷弾の射線も避ける。
だがそこで時間切れ、右側に飛ばした氷弾が男を捉えた…その瞬間。
「…!」
氷弾が砕け散っていた。
見れば、男がカタナをいつの間にか抜いている。
おそらくカタナで氷弾を斬ったのだろうが…信じられない強度だ。
錬金で数打ちで作られた粗悪な剣など、タバサの氷弾は問題なく打ち砕ける。
しかし、遠目でわかりづらいが、男の持つカタナはヒビすら入っていないようだ。
加えて、男の雰囲気が変わっていた。
直前まで戦士とは思えなかったが、今は違う。高まった戦意をぶつけられ、油断していたタバサはわずか後ずさる。
タバサは直感的に理解した。
(この人…強い…!)
それでも、タバサは自分の勝利を疑いはしなかった。
確かに平民としては剣筋も鋭く、カタナの強度は脅威だが、相手は近接攻撃しか出来ないのだ、近づけなければいい。
最悪、わざとそばに誘い込んで水と風のトライアングルスペル<<ウィンディアイシクル>>で吹き飛ばせる。
ただ、警戒レベルを上げただけだ。
しかし、さらにタバサの予測を裏切る事態が発生する。
「神我封滅…!」
男がカタナを地面と水平に構え、何事か呟くと、刀身を白い炎が覆ったのだ。
(マジックアイテム!?)
剣型のマジックアイテムなど聞いたことも無い。
「神咲無尽流…。」
男がさらに体勢を低くし、右半身を引く。
それはまるで、解き放たれる直前の弓のような構え…さしずめカタナは矢か。
いくつもの死線を潜ってきた戦士としてのタバサの勘が突然、警鐘を鳴らしてくる。
今から”来るもの”に対処できなければ負ける…それは確信に近い予感であった。
タバサはその予感を疑わず、すぐさま風のラインスペル<<ウィンドシールド>>を展開する。
結果的に、それがタバサを救った。
「洸牙!!」
引き絞られた弓が開放され…横一文字に振り切られたカタナの軌跡から白い炎が解き放たれて飛翔する。
その様に驚愕しながら、タバサはさらにその場にしゃがむ。
白い炎は<<ウィンドシールド>>に激突し、数秒拮抗して…風の盾を食い破ってタバサの背後へと流れていった。
男が…いや、コースケが半身の構えに戻るまでの数秒、コースケ以外の者の時間は凍りついたようだった。
メイドたちは目の前の戦いに恐れをなし、イザベラに至っては驚愕のあまり持っていたワイングラスを取り落とした。
グラスが地面に落ちて砕け…くしくもそれが、とまっていたタバサの時を動かす。
タバサはすぐさま詠唱を開始した。
もはや油断などできようはずもない。
あれは敵だ、剣だけの平民などでは断じてない。
氷弾の軌跡を見切って斬り砕くその技量、カタナの強度。
さらには見たこともない魔法を使い、それは<<ウィンドシールド>>すら食い破った。
本気にならなければ負けるのは自分の方だ。
そう悟ったタバサは、イザベラの前であることも忘れて完全な戦闘モードになる。
神咲流剣士・槙原耕介とトライアングルメイジ・雪風のタバサ。
本来出会うはずのない両者の戦いは始まったばかりだ。

872 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:40:27 ID:w8gFS/eL
支援

873 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/26(火) 13:41:06 ID:MH/IQW+z
以上で投下終了です。
ありがとうございました、それでは4話の推敲が終わりましたら再び投下に参ります!

874 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:41:50 ID:w8gFS/eL
乙〜

875 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:42:56 ID:PpHtRSu/
乙!

>>863
こっちみんな。

876 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:44:21 ID:Us2rSdGP
>>748
ユリアンじゃねえ?

877 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:52:44 ID:dYW25xdg
あるるかんとかオリンピアとかどうか?

878 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:56:55 ID:PpHtRSu/
>>877
見てみたいけど人形繰りできる人が…
アクアウイタエごと召喚する?

879 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 13:57:29 ID:qOpyUqq6
>>さざなみ寮生氏 乙!!

熱血硬派くにおくんを召喚はどうか。

…駄目だ。ガンダールブもヘッタクレもなくワルキューレにまっはきっく叩き込んだり、
挙句ワルキューレを掴み上げて振り回して暴れる光景しか想像できん。

880 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 14:31:54 ID:bqs9pqp2
>>828
決定はしているけど発売時期などは不明。

夏ぐらいじゃないかな?(冬あたりにに6がくるかな?)

881 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 15:21:46 ID:pcazYngG
乙。
神咲流ってかじっただけでプロのSP倒せるくらい強いからなw

882 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 15:42:11 ID:RIs0Jsid
さざなみの人乙。
……で、これはマジなのか。マジだとするなら海鳴は人外魔京過ぎやしないか。

883 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:04:33 ID:+FdU8A/B
>>882
とらハ好きなのは好きの常識。

というか、そのせいで設定厨同士が衝突する

884 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:04:36 ID:pKBHh4cD
>>882
十分過ぎるくらい人外魔境…というか、あの世界が、と言い換えた方が良いかもしれん。
ずばり言っちゃえばアニメやゲームやラノベの世界は全部人外魔境だと思う

885 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:13:17 ID:4lMx0L9p
都市シリーズとか一般人レベルが既にえらいことになってるからな

886 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:14:29 ID:o7t4knCX
人外魔境っぷりでは新宿に勝てる場所ないだろ
拳銃弾サイズの核弾頭が横行する場所だし

887 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:18:04 ID:sRugouBb
>>886
『新宿』と言う単語を聞くとトラウマが呼び出される……。
多分俺だけじゃないだろうな。

888 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:21:43 ID:OWvkWLJV
恐ろしいな<新宿>
「たかが9パラっ!」とか言ってられないのか。

889 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:24:39 ID:+FdU8A/B
……海鳴。喫茶店の店長が元傭兵だったりする世界だからなぁ

890 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:33:33 ID:o7t4knCX
>>888
しかも訳の分からん生物がそこら中ウロウロしてるわ、サイボーグもたくさんいるわ、
夜になると人が凍死する区画があるわ、煎餅屋が糸で次元切り裂くわ、
あまりに美しくて炎が時間停止のように止まる医者いるわで凄いんだぜ。

それはそうと人形娘は俺の嫁

891 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:33:41 ID:y6YUutXZ
新宿か…
東京タワーが赤いのは…

892 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:35:46 ID:QtQZ1Ssn
しかし何より恐ろしいのは、
この耕介、小学生でも構わず食っちまうロリコンジャイアントってことだ

893 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:36:54 ID:SHjS3OlA
アン○ルの事が一番に頭に浮かぶな新宿


894 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:37:09 ID:o7t4knCX
DoDはらめぇ

あれは間違いなくトラウマになる

895 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:38:02 ID:fEd0StYN
それは私の人形娘 in ハルケギニアに対する挑戦ですか

896 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:41:20 ID:FFLzJZji
ま、元ネタ話が楽しいのは判るが、あんまりやりすぎるとスレ違いになったり、最悪
その作品自体が嫌われる原因になりかねないから程々にしとこうぜ

特にとらハの場合さ、元は一応だが18禁作品で、そしてここは全年齢板な訳だし


897 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:42:31 ID:ask8ZfpI
>>890
ニャラルトホテプと子作りしたガイドもいるしな

898 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 16:47:01 ID:65ouR3e0
ハルケギニアブルースか…
サイトはやはり区外出身かね?

899 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 17:25:46 ID:M7N/U+nt
真神學園やら天香學園やら変な生き物や≪力≫持ちの奴がいる学校はあるしな

900 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 17:40:55 ID:3JJ5E35c
原子力潜水艦やまと、イージス艦みらい、海のトリトン、海底少年マリン、等々
海に関する使い魔は召喚しにくいな

>魔法学院臨海学校、水着でサモン・サーヴァント、ポロリもあるよ!

を開催して海辺で使い魔召喚というのはどうだろう?

901 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 17:45:12 ID:teAcYd0q
>>899
とりあえず眼帯が来たら、全部一刀両断になりそう

902 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:00:08 ID:+EfIoPZZ
海で召喚! うぉー!
オデ、ナガト・ワンダーwithベルグのお頭と獣人どもとミューティオたち呼ぶよ!

核実験で沈没した戦艦長門を背中に背負った巨大生物兵器ナガト・ワンダー! 超頭悪くてかっこいいぜ!

903 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:11:07 ID:vcHs+oby
>>899
キュルケにそっくりなおっぱいでも呼ぼうか
あれって手の内が分かってないとまず勝てないんだよね

904 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:20:12 ID:PpHtRSu/
>>900
ワンピキャラなら海関連でも召喚しやすい。
まあ海上で戦ってることの方が少ないが。

905 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:20:27 ID:3JJ5E35c
とりあえず臨海学校沖の海上に突如出現したみらい艦上に撃沈したイーグルから脱出してきたウェールズが降り立つところから見たいな。


906 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:34:45 ID:8zEFJFLW
>>890
ここだけの話、人形娘が嫁ってことは、
あの戸谷さんとよく似た姑がついてくるわけだな。
O.K. 君の勇気を素直に賞賛しよう。

907 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:41:39 ID:8Z4E4F5D
ルイズがZガンダムを召喚する夢を見た
俺はもう駄目だと思った
マニュアルも無しでどう動かせと

908 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:41:56 ID:CpIbLuP4
もんもらんしーは突然として逆上し、オノを振りあげるや、

ぎーしゅの頭をめった打ちにする。その恐ろしき光景にも、みな立ち上がる気力もなく、しばしぼう然。

のこる者は野菜の不足から、壊血病となりて歯という歯から血液したたるは、みな妖怪変化のすさまじき様相となる。

 

ああ、仏様よ

4月4日。さいとは甲板上を低く飛びかすめる大鳥を、ヘビのごとき速さで手づかみにとらえる。

全員、人食いアリのごとくむらがり、羽をむしりとって、生きたままの大鳥をむさぼる。

血がしたたる生肉をくらうは、これほどの美味なるものはなしと心得たい。

これもみな、餓鬼畜生となせる業か。


909 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 18:46:14 ID:CpIbLuP4
スマン。海上ネタで盛り上がっている中、咄嗟に思いついた。

元ネタは「良栄丸」でググってくれ

910 :虚無を担う女、文珠を使う男 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 18:59:31 ID:Iy4PXxy5
とりあえず次話、長くなりそうなので前後編構成にしました。
その前編部分だけですが完成いたしました。

どなたも投下予約ないですよね?
無ければ5分後くらいから投下開始したいと思います。
(折角なのでトリップつけてみました)

911 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 19:04:23 ID:CpIbLuP4
流れを変えるためにも支援
スレも残り少ないが頑張ってくれ

912 :虚無を担う女、文珠を使う男 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 19:06:24 ID:Iy4PXxy5
そういえば、容量的に次スレ立てないといけないですね。
これの投下終わったら、運営スレ確認して立てに行きます。

それでは、投下開始。

913 :虚無を担う女、文珠を使う男-06 1/4 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 19:07:18 ID:Iy4PXxy5
第6珠 〜使い魔、その能力を現す・前編〜

(ほんっとにあのバカ犬は、なんでこうもトラブルばっかり起こすのよ?)

ルイズは、医務室へ向けて走っていた。
ロングビルが、横島とギーシュの決闘騒ぎの件と、横島が気付き次第、その件で学院長室へ行くように、という話を伝えてきたのだ。
医務室へ辿り付き、中の様子を伺う。すでに治療は済んでいたようで、そこには静かにベッドで眠っている横島がいるだけだった。

「こんのバカ犬、火傷はとっくに治してもらったんでしょ!? 起きなさい!!」
「えっ な、何だ何だっ? って、ルイズちゃんじゃないか。
そんな大きな声出さなくたって起きるって」

ルイズの怒声で気づいた横島は、ゆっくり身体を起こした。
貴族とひと悶着起こしたというのに、あんまりにものんびりしているその態度にこめかみをぴくつかせるルイズ。

「あ、あんたはねぇ。私を呼ぶときは『ご主人様』って…
はぁ。それどころじゃ無かったんだわ。
ギーシュと決闘騒ぎを起こしたって聞いたわよ。その件で学院長から呼び出しをもらったし。
これから一緒に行く事になるけど… その前に何があったか私に正直に話しなさい」

横島の、貴族に対する平民の口調とは思えない言動も、今のルイズにとっては気にする余裕は無かった。学院長に呼び出される事など、滅多にある事ではないし… 今回はどう考えたって叱られるに決まってる。
メイジの基礎中の基礎、使い魔の制御すら出来ないと言われたりすれば、落ちこぼれのレッテルとともに、留年か停学になってしまうかもしれない。

「よ、呼び出し!? 言っとくけど、そんな事されるほどの事はやってねーぞ! 決闘だって言い出したのはあっちだし、怪我だってさせてねーし」
「どっちが言い出したとか、その結果だとかはどうでもいいの。
平民のあんたが貴族と諍いを起こしたって事が問題なんだから。
それにね、学院内での決闘は禁じられてるの。
おまけに、あんたは私の使い魔なのに、全然言う事聞かないし…」
「ここで決闘が禁止なんて、言われなきゃ分からんわ。というか、あっちはその事知ってるはずだろ!? だったらなおさらあっちが悪いじゃねーか。
それに、聞いてると昨日からずっと平民・貴族とか言ってるけどさ、貴族ってそんな偉いんか?
俺が前居た所にも貴族って名乗ってる奴がいたんだけど…
警察官のくせに俺の事切り殺そうとするわ、会う度に違う女を連れてたって話はあるわ、あげくの果てに俺の女取ろうとするわで、気に食わない奴だったぞ?」

「自分は何も悪くない」と言うばかりか、あろうことか貴族なんて別に偉くない、と言い始めた横島。
その言葉を聞いて、ルイズは大きくため息をついた。

「あんた、本気でそんな事言ってるの?
それって半分はあんたが悪くて、もう半分はただの八つ当たりじゃない?
あんたが前にどこに住んでたかは知らないけど、トリステインじゃ、いつ打ち首にされたっておかしくはない事やってるわよ、あんたは。
会う度に違う女性をって言うのはちょっと私もどうかと思うけど、その人がそれだけ魅力的だって証拠だし…
最後なんか、取られるあんたが悪いだけじゃない。むしろ、あんたにそんな人がいたって事の方が不思議ね」
「そ、そこまで言わんかっていいやないか!!
そりゃあ確かに何度声かけても上手く行かないんだけどな、俺にだってご飯作ってくれたり部屋の掃除してくれたりする子がいるんだぞ」
「ふーん。そうなんだ。それは残念だったわね。当分その子とは会えないわよ。
将来私が無事卒業して、立派な貴族になれた時に…
もしあんたも立派な使い魔になってたら、その子も使用人か何かで雇ってあげても良いけどね」
「さすがにそれは無理じゃねーかな… こことあっちと、どうやって行き来したらいいのかさっぱり分からねーし。まぁそもそも、そんなに長くこっちにいる気もねーけど」
「何、まだ帰る気でいたの? しかも帰り道すら分からないのに?
言っておくけど、帰り道を探す暇なんかあげないわよ?
それに、どこの馬の骨とも分からない平民なんか、私のところから出て行ったら、良くて物貰い、悪ければ野垂れ死にね。
悪い事は言わないわ、いい加減諦めて私の使い魔として一生仕えなさい」

その話を聞いて、う〜ん… と唸っている横島。
指を折ったりルーンを眺めたりしながら、5分も過ぎた頃。

「はぁ… 一人で攻略すんのは、やっぱ無茶だよなぁ。
普通に腹も減るし、そもそも何がどうなってるのかさっぱり分からんし…
しばらくの間は、使い魔でも何でもやって食っていくしかねーか」



914 :虚無を担う女、文珠を使う男-06 2/4 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 19:09:11 ID:Iy4PXxy5
その結論に、一瞬頬を緩めるも、すぐに気を締めなおすルイズ。

「ようやく分かったみたいね。
私も鬼じゃないわ。あんたがちゃんと立派な使い魔に育ったら、ちょっとくらいはあんたの住んでた場所を探してあげたって良いんだから、しっかり頑張りなさい」
「まぁ使い魔頑張るのは、この際もうしょうがねーけどさ。感覚の共有だけは基本無しにしてくんねーか?
山奥だろうが海の底だろうが行けと言われれば行くし、何か困った事があれば出来る限りで手伝うからさ」

(あ… そういえば、まだ感覚の共有が出来ないって事、言って無かったんだわ…
でも、ある意味ちょうど良かったかしら)
「うーん… 分かったわ。本当は、使い魔が主人に交換条件を持ち出すなんてありえない事なんだけど、特別に感覚の共有はしない方向にしておいてあげるわ。
感謝しなさい。
でも、あんたがさっき言った事はごく当たり前の事なの。だから、感覚の共有をしないでおいてあげる代わりに、もっと礼儀良くして頂戴。
あんたが無礼な事をすると、困るのは私なんだから」

そうして、改めて横島に昨日の説明の続きをさせる事にする。
「ギーシュとの決闘で多少疲れたから、実演は無し」などとふざけた事を言ったので、少しお仕置きをしてあげようと思ったルイズだったが…
その理由としてあげられた横島第三の霊能、文珠の話を聞いたら、色んな事がどうでも良くなった。

@見た目は、緑色っぽい小さな珠らしい。
A漢字(ルーンの事かしら?)1文字を入れる事が出来、その文字に応じた効果が霊力に見合った分だけ発揮される。
B2個以上同時に使うと、より強力になったり複雑な事が出来るようになったりする。
C文字が込められた状態の文珠は、基本的に誰でも使う事が出来る。
Dある程度の霊能があれば、文字を込める事も出来るらしい。
E文字の書き換えは、横島以外が出来ると聞いた事はない。
F横島の霊力3日分ほどが必要らしい。当然他に霊力を使う事があれば、もっと時間がかかってしまう。
G今は1個もなくて、次の文珠は明日にならないと出来ない。


(落ち着くのよ、落ち着くのよルイズ。
とても信じられない話だけれど、別に今はわざわざこんな嘘を付く必要はないわよね?
大体、明日になったらすぐバレるような嘘ついても仕方ないわけだし…
武具の瞬間精製だけでも、今まで聞いた事がないレアな能力なんだから、この際何が出てきてもおかしくは…
いくら何でも秘薬も無しに瀕死の重傷が治ったりだなんて、誇張のしすぎでしょうけど、全くの嘘って事もないはずよね。
もしかして、すっごいレア物なんじゃないの、こいつって?)

使い魔として何とか手懐ける事に成功し、どうやらその使い魔はレアな能力持ちらしいと分かってそれなりに気分の良くなるルイズ。
とりあえず、明日になったら今の話が本当かどうか確かめるという約束をする。
その時、横島がロングビルにもそれを見せる約束をしていた、というので、次回からは無闇にばらさないように、と釘をさして、そしてそろそろ学院長室へ行く事にした。



そして学院長室の前までやってきた二人。

「ヴァリエールです。私の使い魔の意識が戻りましたので、連れて参りました」

ルイズがそう言いながらドアをノックするのを、横島は多少緊張しながら見守っていた。
何だかんだ言って横島も学生の身。自分はそんなに悪くないと思っている以上、やっぱり怒られるのは嫌だった。
そんな事を思いながら部屋に通されると、そこには3人の大人が待っていた。

大きな机に着いている、どこに出しても立派な魔法使いとして紹介できる老人。
(うわ、こりゃいかにもって感じだよな)

一番最初に出会った教師のコルベール。
(誰かに似ていると思ったら、唐巣神父に似てるんだ。きっとこの人も凄い苦労を重ねてるんやなぁ)

そして今朝出会った素敵なお姉さんのロングビル。
(そういえば秘書をしてるって言ってたっけ。セクハラも凄いとか… 
って事はそこにいるじじいか!? くぅ、じじいの癖に何てうらやましい!)


915 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 19:09:51 ID:PpHtRSu/
支援


916 :虚無を担う女、文珠を使う男-06 3/4 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 19:11:28 ID:Iy4PXxy5
横島のそんな思いは関係なく、ロングビルがドアを閉めると話が始まった。
基本的にはルイズが話をして、横島は補足をしたり聞かれたら答えたりするだけ、余計な事は言わない、と決めていたので、横島は暇だった。
ぶっちゃけ、彼の目線と思考はロングビルに九割方向いている。
動くたびに揺れる乳。服の上からでも主張が激しい尻。ロングスカートを履いていて、太ももが見れないのは残念だが、想像する余地があるのは、それはそれで素晴らしい。
いつまで見ていても飽きないかもしれない。
そんな事を考えていると、いきなり頭を引っ叩かれた。

「ちょっと、いい加減話を聞きなさい、この馬鹿犬!!」
「い、いってーな! ちょっと余所見してたくらいで叩かなくてもいいだろ!」
「何がちょっとよ、さっきから全然聞いてる雰囲気ないじゃない。違うって言うなら、今何を話してたか言ってみなさいよ」
「え、えーと… そ、その… あれだ、あれあれ。あれの話だよ」
「…素直に聞いてなかったって謝りなさい。今から再確認するから、今度はちゃんと聞いてなさいよ?」

そう言ってルイズが話してくれたことによると…


@霊能という力は、トリステインはおろかハルケゲニア中どこを探しても聞いた事がない。
こういう特殊な能力の存在を知れば、何をしでかすか分からない組織もいくらか心当たりがある。よって、基本的に秘密にしておくこと。
ある程度見られてしまった剣・盾については、使い魔の特殊能力という事で何とかごまかす。
その際も、あまり言いふらしたりはしないように留意する。

ちなみに、ロングビルさんもあれから誰かに話す暇なんて無かったとの事なので、文珠の事を知っているのは、学院長のじいさん・コルベール先生・ロングビルさんの3人だけだ。

A必要がある場合は、誰かに明かす事も仕方ないが、通常はルイズの判断を仰ぐ事。
緊急時には横島自身の判断で使うのも仕方なし。
(この部分を説明するときには、すごく不機嫌そうだったけど…
判断を待っている余裕が無いから緊急時なわけで、仕方が無いのは本当だよな)

B文珠能力の確認については、明日放課後に学院長室で行う。
(ま、数に限りがあるからな。何度も何度も実験とか確認とかで消費させられるよりはよっぽどいいや)

Cまた、横島が自身で持っていた能力の他に、使い魔契約をした事によって特殊な能力が付与されているかもしれないらしい。
曰く、「武器を自在に操る能力」だとの事。これからその確認をしてみるが、もし万が一そうであっても、「能力」自体はやっぱり隠しておく事。


と言う事で、ロングビルが『錬金』したナイフを横島が触って見る事になったが…
彼が触ると、ほのかに彼の左手のルーンが光を発した。

「おお。これはやはりガンダールヴの可能性が高いですぞ! それでヨコシマ君、どんな気分ですかな!?」
「ちょっと待って下さい」

(ナイフの使い方なんて勉強した事ないんだけどなー それが分かるってのは不思議な気分だけど…
それはあんまり問題じゃないよな。一番は…)
頭に思い浮かんだ、一番使いやすい持ち方でナイフを持ち直して、しっかり握る。
わずかだがルーンの発光が強くなった気がした。
少し皆と離れてみて、振り回してみる。
一通り試してみた後、最後にハンズ・オブ・グローリーを出してみる。
上手く集中できず、出すのに10秒ほどかかってしまい…
そして最後に、霊波刀状態のハンズ・オブ・グローリーでナイフを両断すると、ルーンの発光も止んでしまった。

「えーと… なんていうか、確かにナイフの効果的な使い方とか、知らないはずの知識が思い浮かんだり…
体が多少軽くなったりとか、そういった効果が出てます。ただ…」
「他に何かあるのですか、ヨコシマ君?」
「いつもなら瞬時に使えるはずなんすよね、ハンズ・オブ・グローリーって。
でも、さっきは作り出すのにかなり集中力が必要になって…
まぁ代わりに威力がすごい事になってるんすけど」
「では最初から作り出しておいたらどうなるのでしょう?」


917 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 19:17:26 ID:jdr8AWQ0
支援

918 :虚無を担う女、文珠を使う男-06 4/4 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 19:20:38 ID:Iy4PXxy5
そう言って再びナイフを錬金するロングビルと、霊波刀を改めて作りなおす横島。そしてナイフを触ると…

「な、何だこれ!? くっ …ダメや」

徐々に霊波刀の光が薄くなり、10秒ほど後には解除されてしまった。
再度、10秒ほどかけて発動した後…
しばらくうんうん唸っていたが、最後にナイフを両断してルーンの発光が解除される。
その後、霊波刀状態から篭手状態に変えてみたり、また戻してみたりして、そして能力解除をする。

「ダメっすね。最初に作り出していても、それを維持出来なかったす。
後、一旦作り出したらどうも形の変更とかも出来ないみたいでしたし。
それと思い出したんすけど、これと少しだけ似たような現象起こす物知ってます。
俺が前いたところにあった霊刀・妖刀といった類の武器の中には、霊力を吸い取ったりする類の物があるんすけど…
そういった物に霊力を吸われた感触が、このナイフからも少しですけどしました。
やっぱりこれもそのガンダールヴって物の影響なんすかね?」

いくら魔法で作られたナイフだとは言え、そんな能力が付いているわけでもなく。
良く分からないが、そういう物なんだろう、と言う事になった。
結局、横島は凄腕の傭兵、という形で対外的には説明する事となる。
横島自身は
「俺はGSっす。悪霊退治はした事があっても、人間相手となんか数えるほどしかやった事ないっすよ?」
と言っていたが、悪霊なんていうオカルト話は、どうせ誰も信じないから言うのは構わないが意味は無い、と言われてしまった。

「さて、これで話は終わりじゃ。
ミス・ヴァリエール、繰り返しになるが… 彼は自分の能力がいかに特異な物であるかという事がさっぱり分かっておらんかったようじゃ。
一応釘をさしたとは言え、お主の方からもしっかり気を配っておくように」

本人の前で言うにはいかにもはっきりしすぎだろー!? と横島は思ったが、まさか色気に負けて調子に乗ってたと言うわけにもいかなかったので、黙っているしかなかった。


学院長室からルイズの部屋へ戻った二人。
授業に関しては次の時間から出席する事にしたらしく、横島に平民の貴族への態度を教え込もうとするルイズだったが…

「分かった分かったって。他の貴族を呼ぶときは、『ミスタ・ミス・ミセス』のどれかをつけて、ルイズちゃんを呼ぶときは『ルイズ様』。
それで、出来るだけ丁寧に話すって事だろ」

…いまいち効果のほどが実感できなかったので、そうそうに切り上げる事にした。
その代わりに、「霊能」というものについて聞いてみる事にする。


919 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/26(火) 19:20:55 ID:diSMOSR2
しえん

920 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/26(火) 19:21:02 ID:diSMOSR2
しえん

921 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/26(火) 19:21:09 ID:diSMOSR2
しえん

922 :虚無を担う女、文珠を使う男-06 5/4 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 19:21:36 ID:Iy4PXxy5
血筋が全く関係ないわけではないけれども、多かれ少なかれ万人が持っている力という話に少し興味を惹かれた。
(でも、はっきり目に見える形に出来る人はやっぱり少ないって言う事で残念な気になった)

いい血筋に生まれ、力も大きいのにいつもうまく力を扱えなくて暴走ばかりさせてる人の話を聞いたときは、不覚にも涙が出てきてしまった。

バンパイア・ハーフの友達が居る、なんて事を言った時には、「何でもかんでも信じると思ったら大間違いよ」と言ってやった。
信じてくれたっていいだろ、と喚いていたけど、信じろっていう方が無理よ。やっぱりこいつはバカね。

人への変身能力を持っている狼や狐がいるって言われたときは、思わずそっちが召喚されれば良かったのに、と愚痴ってみたりもしたけど、
「毎日毎日朝早くに起こされて、50kmも散歩に付き合わされたり、金欠で明日の食事もままならない時に、遠慮のひとかけらもなく油揚げをたかって来るんだぞ。やめておけ」
って言われた。

でも、そう言いながらもどこか楽しそうな口調だったから、きっと仲は良かったんだろうな、と思う。
それと同時に… 私にはそう言った人がほとんどいない事に気付く。全くってわけじゃないけれど、少なくともここにはいない。
そう思ったら、ちょっと悲しくなってきて… これ以上話を聞くのが辛くなったので、少し早いけれども夕食へ行かせる。
本来の夕食時は、厨房だってかなり忙しくなるから、あんまり迷惑にならない今のうちに行ってきなさい、と。

そうして一人になって… 私は少しだけ泣いて、それから顔を洗って、食堂へ向う。
途中でキュルケに会って、心配してるんだかバカにしているんだか良く分からない絡み方をされたけれども、それでも嬉しくなって、気付いたら涙ぐんでいた。
それを見たキュルケは何故か慌ててて(慌てるくらいなら、バカにしたような事言わなければいいのに)、ちょっとおかしくなって笑ってしまった。
そんな事があって、(今日の夕食は、きっといつもよりおいしい気がする)と思いながら、始祖ブリミルに食事前の祈りをささげたのだった。


923 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/26(火) 19:22:55 ID:diSMOSR2
支援

924 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/26(火) 19:23:00 ID:diSMOSR2
支援

925 :名無しさん@お腹いっぱい。 :2008/02/26(火) 19:23:06 ID:diSMOSR2
支援

926 :虚無を担う女、文珠を使う男 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 19:23:41 ID:Iy4PXxy5
すみません、収まるかと思ったのですが、本文の長さが長すぎると言われてしまったので、5レスになってしまいました。
後、チェックが甘かったようで誤字もありました。
すみません。wikiに載せる際には手直ししますので。

支援ありがとうございました。

927 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 19:26:49 ID:HiBCB+0M
現在 490kb  次スレの季節 支援

928 :虚無を担う女、文珠を使う男 ◆OceV/UzyoM :2008/02/26(火) 19:38:46 ID:Iy4PXxy5
ERROR:新このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。
またの機会にどうぞ。。。
名無しさん@お腹いっぱい。 (1)

すみません、480kbにしちゃったので立てようとしたのですが、ダメだといわれました。
どなたかお願いします。

929 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 19:51:45 ID:rd2Cnq73
ちょっと立ててくる

930 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 19:53:05 ID:rd2Cnq73
誘導

あの作品のキャラがルイズに召喚されました part116
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1204023161/

931 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 20:00:19 ID:Iy4PXxy5
スレ立て乙です、助かりました。

932 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 20:13:13 ID:qXK0aS1Y
文珠の人、それとスレ立てID:rd2Cnq73乙!
そして遅レスだがさざなみ寮生乙、
……ですが、
>>866,868
この間の一レスが抜けてるような気がするのですよー。

933 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 20:17:39 ID:+O1EZByk
>>899
そーいや、魔人の剣風もDS化だね。

934 :さざなみ寮生 ◆ZMP6Ne1FYo :2008/02/26(火) 20:35:14 ID:MH/IQW+z
うわぁぁぁ>>932さんありがとうございますo.....rz
>>866>>868の間にはこれが入ります

「まぁそれはそいつが目を覚ましてから話すことにするよ。それより、あたしの質問に答えてほしいんだがね?」
「質問…ってなんだ?」
「あんたが何をしていたかってことさ。」
さらに増す圧力。
「あ、あぁ、この子の使い魔に餌をやってたんだ。肉を食べるっていうからさ、俺が作ったチーズフォンデュをやってたんだ。」
「チーズふぉん…でゅ?なんだいそりゃ。というかあたしが聞いてるのはなんであんたが料理なんてしてるのかってことだよ。」
思考の一部を謎の単語への疑問に割いたおかげでイザベラの圧力が若干減じる。
「厨房で、料理を見せてもらってたんだ。
俺は料理人だからさ、この世界の料理が気になってね。
チーズフォンデュってのは俺の世界にある料理の一つだよ。
溶かしたチーズに白ワインを混ぜて滑らかにして、適当にパンや野菜を入れてチーズを絡めて食べるんだ。
料理を見せてもらったお礼に、こっちの料理も教えてあげたってわけだ。」
「ふぅ…ん…チーズにねぇ…。」
イザベラの思考が未知の料理への興味に染まる。

コピペする時の容量調整で抜けてしまったよです…まことに申し訳ないです

935 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:02:44 ID:1diSbqcb
1000と500kどちらが先か分からないけど

>>500Kならカウボーイビバップのスパイク召喚。

きのう再放送で久々に見たので。

936 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:03:20 ID:rd2Cnq73
500KBなら、モーガン社長召喚

937 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:05:22 ID:PpHtRSu/
今読み終えた。文殊のひとグッジョブ!

938 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:10:59 ID:WwygAaph
500Kなら千界の王かはじめに立ちし者召喚

939 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:18:21 ID:LG6OyKzE
ゴルゴムのしわざか!!

940 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:19:14 ID:JPov9BpE
500Kなら今週中に次の話投下

941 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:20:37 ID:PpHtRSu/
まだ早い気がするけど、うめ

942 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:26:10 ID:3JJ5E35c
そーいやGS美神にもインテリジェンス・ソードの話があったけ


943 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:28:14 ID:XTk35a6k
埋め

944 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:30:41 ID:PpHtRSu/
>>942
なつかしいよな。関係ないけど獣の槍もインテリジェンスソードみたいな物かな?
インテリジェントスピアーなんつって。 うめ

945 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:31:24 ID:q2GgKKGe
さすがに>>1000の方が早いんじゃないかなぁ。
後60レス弱だし。

>>文珠の人
たった1個しかない文珠でいかにアピールするか楽しみに。
ギーシュ戦が全然見せ場にならない不完全燃焼だったから余計に。

>>942
たしかシメサバ丸だったっけ?
よくある普通の呪われた、体乗っ取る系の刀だよな。

デルフも限定的だけど体の操作できるわけだし、そのくくりでいくとデルフは妖刀扱いか。
即効『滅』とかされん事を祈るよ。
(霊じゃないだろうから、もし『浄』ってされたなら大丈夫だろうけど)



946 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:37:32 ID:FnG3ti4W
500kbならなのはSTSのウェンディ召喚

947 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:38:45 ID:PpHtRSu/
ならば1000ならばなのはstsのセイン召喚

948 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:42:47 ID:PpHtRSu/
ついでにチン○も召喚

949 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:44:22 ID:3CHZbYEC
>>948
チン○?
ユーノなら既に召喚済m(ry

950 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:44:47 ID:3ka5rcvJ
スペランカー先生召喚はどうだろう。
契約してもすぐ死んで則契約解除なので話が続かない気がするが。

951 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:45:58 ID:v4OXUfgm
>>950
確かその方は小ネタで召喚されていたようなw

>>1000もしくは500kbだったらDQ5のモンスターで何か小ネタ考えて見る

952 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:48:56 ID:LG6OyKzE
おのれクライシス!!

953 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:55:08 ID:3rPEPKDc
500kb もしくは1000なら
双葉理保召喚。


954 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:55:27 ID:FQ0SIYce
500なら、準にゃん召喚。

955 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:55:30 ID:LG6OyKzE
1000ならラインハルト、キルヒアイス、ロイエンタール、ミッターマイヤー、オーベルシュタイン、ケンプ、ビッテンフェルド、メックリンガー、ケンプ、ミュラー、ワーレン、ルッツ、ケスラー、ファーレンハイド召喚

956 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 21:58:27 ID:3JJ5E35c
ゼロ戦が出てるのに意外とパイロットものは少ないな
紫電改のタカとか0戦ハヤトとか0戦仮面とか
せめて失った記憶の方の風間真くらいは…

957 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:00:12 ID:/F+4FazH
埋め

958 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:00:43 ID:ypJWlcpz
500か>>1000なら
ゲキレンジャーからジャン召喚。


959 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:02:06 ID:LG6OyKzE
1000ならターちゃん召喚

960 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:03:01 ID:FfIEjU+9
500kbならミザリー召喚……テファかタバサ以外だと破滅するだけか

961 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:05:03 ID:sCu0xdmS
埋め

962 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:05:25 ID:FOLUYynY
500kbなら魍魎戦記 MADARAから聖神邪を本気で考えてみる

963 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:08:20 ID:LG6OyKzE
俺は太陽の子!!

964 :932:2008/02/26(火) 22:09:16 ID:qXK0aS1Y
>>934追記Thxです。
>>968でイザベラの圧力が減った理由がわかったw
そして敬称が抜けてました申し訳ない。
改めてさざなみ寮生氏乙です。

500kbならどこいつから井上トロ召喚。
 ∧ ∧
(≧o≦)っっ

965 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:09:31 ID:Tgf3huNr
懐かしいなあ、エステバン。

966 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:09:42 ID:VwhcK5If
1000か512KBならゲッターエンペラー、ラグース、時天空と言った化け物連中召喚
当然の如く、呼び出したルイズのせいで世界滅亡

967 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:11:33 ID:sRugouBb
>>1000 なら皆で<新宿>へ

968 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:12:32 ID:2vt7hYJ7
1000なら藤田作品から一つ

969 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:12:42 ID:VwhcK5If
1000なら
るいず「ねんがんのあいすそーどをしょうかんしたぞ」
 ・そう かんけいないね
 ・たのむゆずってくれ
ニア・ころしてでもうばいとる
るいず「なにするのよー」

が実現!

970 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:12:53 ID:LG6OyKzE
リボルケイン!

971 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:13:01 ID:nOBfLFBT
500KBなら南方妖怪チンポ召喚

972 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:13:17 ID:FQ0SIYce
500ならエイトマン召喚

973 :名無しさん@お腹いっぱい。:2008/02/26(火) 22:14:17 ID:LG6OyKzE
俺は怒りの王子!RX!バイオライダー!!

501 KB
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